JP2017040742A - トナーの製造方法及びトナー - Google Patents
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Abstract
Description
その要求に対して、イソソルビド及び1,3−プロパンジオールを含むジオール成分を用いて得られるポリエステル樹脂を用いることで、高画質で保存性にも優れたトナーが得られる方法がある(特許文献1)。
しかしながら、長期使用においては、耐久性に関して未だ若干の課題が存在している。
また、イソソルビド及び2種類の2価酸モノマーを用いることで得られるポリエステル樹脂を用いることで帯電性及び保存性に優れたトナーを得る方法がある(特許文献2)。
しかしながら、長期使用においては、耐久性に関して未だ若干の課題が存在している。
スチレンを含むモノマー、着色剤及びポリエステル樹脂Aを含有するモノマー組成物の粒子を水系媒体中で形成し、該モノマー組成物の該粒子に含まれる該モノマーを重合する工程を含むトナーの製造方法であって、
該モノマー中のスチレンの含有量が、60質量%以上であり、
該ポリエステル樹脂Aが、下記式(1)で示されるイソソルビドユニットを含有し、
該ポリエステル樹脂Aのスチレン−ヘキサン溶解度指数が、15.0以上27.0以下であることを特徴とするトナーの製造方法である。
また、本発明は、
スチレンを含むモノマー、着色剤及びポリエステル樹脂Aを含有するモノマー組成物の粒子を水系媒体中で形成し、該モノマー組成物の該粒子に含まれる該モノマーを重合させることにより得られたトナーであって、
該モノマー中のスチレンの含有量が、60質量%以上であり、
該ポリエステル樹脂Aが、下記式(1)で示されるイソソルビドユニットを含有し、
該ポリエステル樹脂Aのスチレン−ヘキサン溶解度指数が、15.0以上27.0以下であることを特徴とするトナーである。
本発明は、スチレンを含むモノマー、着色剤及びポリエステル樹脂Aを含有するモノマー組成物の粒子を水系媒体中で形成し、該モノマー組成物の該粒子に含まれる該モノマーを重合する工程を含むトナーの製造方法であって、
該モノマー中のスチレンの含有量が、60質量%以上であり、
該ポリエステル樹脂Aが、下記式(1)で示されるイソソルビドユニットを含有し、
該ポリエステル樹脂Aのスチレン−ヘキサン溶解度指数が、15.0以上27.0以下であることを特徴とするトナーの製造方法である。
上記適正な材料を用いて得られたモノマー組成物の粒子を水系媒体中で形成し、該粒子に含まれるモノマーを重合することにより、コア−シェル構造を有するトナーが得られる。
該シェル成分としては、コア成分の結着樹脂とある程度以上相分離する、該水系媒体と親和性のある材料でなければシェル層は形成できない。
本発明においては、コア成分を構成する結着樹脂が、スチレンを含むモノマーから形成されるスチレン系重合体であり、シェル成分がポリエステル樹脂Aである。ポリエステル樹脂は多くのエステル結合を有するため、水系媒体と親和性をある程度有する。それに加え、該ポリエステル樹脂Aは上記式(1)で示されるイソソルビドユニットを含有する。該イソソルビドユニットは水系媒体と親和性を有することから水系媒体中において該ポリエステル樹脂Aを含有するモノマー組成物の粒子を形成した場合、該ポリエステル樹脂Aは水系媒体側に分布するため、シェル層を形成しやすい。
ここで、耐久性や保存安定性に優れるトナーにするためにはシェル成分が耐久性や耐熱性に優れ、コア成分の結着樹脂との相分離性に優れることが必要となる。
上記式(1)で示されるイソソルビドユニットを含有するポリエステル樹脂Aは、イソ
ソルビドユニットの配向性が強いため、耐久性に優れる。
ただし、単純に式(1)で示されるイソソルビドユニットを含有するポリエステル樹脂Aを用い、モノマー組成物の粒子を水系媒体中で形成し、該モノマー組成物の粒子に含まれる該モノマーを重合して、トナーを製造しても、顔料の分散性が低下する。
また、それに伴って、ポリエステル樹脂Aの分布も不均一になるため、耐久性、保存安定性及び着色力の点で劣るトナーとなってしまう場合が多い。
それに対して、該モノマー中のスチレンの含有量を60質量%以上にし、ポリエステル樹脂Aのスチレン−ヘキサン溶解度指数を15.0以上27.0以下にすることで、本発明の効果が得られる。
また、その際、着色剤の分散状態が乱れ、着色剤が凝集する過程で、着色剤の分散径の分布がブロードになるため、トナー粒子形成においてもムラが生じる。その結果、式(1)で示されるイソソルビドユニットを含有するポリエステル樹脂Aの存在状態にもムラが生じる。そのため、トナーにおけるシェル形成にもムラが生じ、耐久性及び保存安定性の点でも望ましくない結果となる。
従って、ポリエステル樹脂Aが、重合反応開始時においてモノマーに溶解していたとしても、ポリエステル樹脂Aのスチレン−ヘキサン溶解度指数が15.0未満であると、重合反応初期のモノマーが多く存在している状態においても、ポリエステル樹脂Aが析出してくることになる。その結果、析出してきたポリエステル樹脂Aが着色剤の分散状態を乱すことになるため本発明の効果が得られない。
逆に、ポリエステル樹脂Aのスチレン−ヘキサン溶解度指数が27.0を超える場合、重合反応後期にならないと、ポリエステル樹脂Aが析出してシェル層を形成しない状態になる。
このような推移をたどる場合は着色剤の分散状態としては悪くはならないが、逆に、シェル層の形成が甘く、耐久性の点で劣る。
ポリエステル樹脂Aのスチレン−ヘキサン溶解度指数が大きい場合は、ポリエステル樹脂Aのスチレンモノマーへの溶解性が高いことを示す。この場合、モノマー中のスチレンの含有量が60質量%以上であるモノマーを重合して得られる結着樹脂との相溶性も高い。
そのため、使用されたポリエステル樹脂Aの一部が結着樹脂に相溶してしまう。その為、シェル層の厚みが薄くなるので耐久性が劣ることになる。
なお、ポリエステル樹脂Aのスチレン−ヘキサン溶解度指数は、17.0以上22.0以下であることが好ましい。
また、ポリエステル樹脂Aのスチレン−ヘキサン溶解度指数は、ポリエステル樹脂Aのモノマー組成により最も影響を受ける。
また、ポリエステル樹脂Aの酸価や分子量にも影響されるが、かなり大きく変動させなければ、モノマー組成と比較して影響は小さい。
ポリエステル樹脂Aのモノマー組成によりスチレン−ヘキサン溶解度指数を調整する場合、ポリエステル樹脂A中の式(1)で示されるイソソルビドユニットの含有割合により調整するとよい。さらには、エチレングリコールなど分子量が低いモノマーを用い、その含有割合を調整することで、ポリエステル樹脂Aのエステル濃度を変えることでも調整することができる。
該スチレンの含有量が60質量%未満の場合、ポリエステル樹脂Aのスチレン−ヘキサン溶解度指数と本発明の効果の発現との相関性が低下し、トナーにおけるシェル形成が最適状態から外れる。
また、スチレンの含有量が60質量%未満であると、式(1)で示されるイソソルビドユニット部位のモノマーへの溶解性が低下するため、ポリエステル樹脂Aが微小単位では溶解していない部分が発生する。その結果、ポリエステル樹脂Aの溶解性に関して分子内でムラが生じ、本発明の効果が発現しにくい。
上記モノマー中のスチレンの含有量は、70質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
テレフタル酸は、フタル酸やイソフタル酸、又は脂肪族系ジカルボン酸と比較して、分子構造として、対称性及び直線性が高い。該テレフタル酸を高い比率で用いることで、得られるポリエステル樹脂Aの配向性が高まり、剛直な分子となり、より強固なシェル層を形成できる。
特に、テレフタル酸由来のモノマーユニットの含有割合が、ポリエステル樹脂Aを構成する全ジカルボン酸モノマーユニットを基準として、100.00mol%である場合、ポリエステル樹脂Aの組成ムラが小さくなるため、さらに強固なシェルを形成できる。
また、テレフタル酸由来のモノマーユニットの含有割合が、100.00mol%である場合、テレフタル酸の配向性の高さから、ベンゼン環由来のπ電子相互作用が強く発現し、分子の配向性がより高くなり、耐久性が向上し、帯電性にも優れる。
これは、イソソルビドユニット同士の配向性が非常に高く、得られるポリエステル樹脂Aの剛直性が向上するためである。
ポリエステル樹脂A中の、式(1)で示されるイソソルビドユニットの含有割合が、ポリエステル樹脂Aを構成する全モノマーユニットを基準として、0.10mol%未満の場合、得られるポリエステル樹脂Aの剛直性が低下する傾向となる。一方、20.00mol%を超える場合、スチレンを含むモノマーに対する溶解性が低下する傾向となり、着色剤の分散状態を乱し易く、着色力が低下する傾向となる。
エチレングリコール由来のモノマーユニットの含有割合が上記範囲である場合、得られ
るポリエステル樹脂Aが、イソソルビドユニットによる剛直性だけでなく、エチレングリコール由来のモノマーユニットによる柔軟性も有することになり、耐久性により優れる。
さらには、イソソルビドユニット及びエチレングリコール由来のモノマーユニットの極性の強さから、水系媒体中でトナーを製造した場合、ポリエステル樹脂Aがシェル層を形成し易くなる。その結果、耐久性に優れ、かつシェル層を形成するポリエステル樹脂Aの極性が適度になることからトナーの帯電性により優れる。
また、本発明において、ポリエステル樹脂Aの製造に用いられる脂肪族系ジオール化合物として、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオールやネオペンチルグリコールなどを用いてもよい。ただし、これらの脂肪族系ジオール化合物のように、水酸基が結合する炭素原子又はその隣の炭素原子にメチル基などのアルキル基が結合した分岐構造を有するものは分岐のアルキル基による立体障害が生じやすい。そのため、これらの脂肪族系ジオール化合物としては、ポリエステル樹脂Aの柔軟性の点でエチレングリコールを用いることが好ましい。
また、炭素数が3以上の直鎖構造のジオール化合物では、ポリエステル樹脂Aの柔軟性が過剰となり易い。そのため、本発明において、ポリエステル樹脂Aに用いられる脂肪族系ジオールとしてはエチレングリコールを含有することが好ましい。
これは、ポリエステル樹脂Aを構成するモノマーユニットのうち、イソソルビドユニット及びエチレングリコール由来のモノマーユニットが特に極性が強く、シェルの形成に大きく影響を与えるためである。
ポリエステル樹脂Aが上記構成を有することで、ポリエステル樹脂Aが強固なシェル層を形成し易く、かつ高温高湿環境下での適度な吸湿性を有するのに適度な極性を有することになるため、耐久性及び帯電性の点でより優れる。
また、分子の自由度が高すぎて分子サイズが大きすぎる状態になり、着色剤が枯渇凝集するといったことがない。そのため、トナーの着色力が高い状態で維持した上で、分子の配向性が適度に強いことから十分な強度を有するシェル層が形成され、耐久性と着色力に優れたトナーが得られる。
特に、ポリエステル樹脂Aが、式(1)で示されるイソソルビドユニット及びエチレングリコール由来のモノマーユニットを合計した含有割合が、ポリエステル樹脂Aを構成する全アルコールモノマーユニットを基準として、20.00mol%以上60.00mol%以下であり、テレフタル酸由来のモノマーユニットの含有割合が、ポリエステル樹脂Aを構成する全ジカルボン酸モノマーユニットを基準として、100mol%である場合、上述の効果が大きく、トナーの着色力が高く、現像剤担持体やトナー層規制部材へのトナーの融着や固着が抑制され好ましい。
ポリエステル樹脂Aの含有量が、結着樹脂100質量部に対して、1.0質量部以上である場合、トナーの表面にシェル層を形成するのに十分であり、耐久性及び保存安定性の点で好ましい。一方、20.0質量部以下である場合、トナーの着色力において着色剤の分散状態を維持し易く、且つ定着性の点でも好ましい。
ポリエステル樹脂Aの酸価が、1.0mgKOH/g以上である場合、ポリエステル樹脂Aは水相側に分布するためトナーの製造過程において、シェル層の形成がより一層ムラの小さいものになるため、保存安定性などの点で好ましい。
一方、ポリエステル樹脂Aの酸価が、30.0mgKOH/g以下である場合、シェル層を形成するポリエステル樹脂Aの吸湿性が過剰とはならないため、特に高温高湿環境下の帯電性の点で好ましい。
ポリエステル樹脂Aの重量平均分子量(Mw)が、5000以上である場合、ポリエステル樹脂Aが分子として強靭であるため、耐久性の点で好ましい。
一方、ポリエステル樹脂Aの重量平均分子量(Mw)が、25000以下である場合、ポリエステル樹脂Aの溶解性の点でも、分子サイズの点でも大きすぎないため、トナーの着色力の点で好ましい。
ポリエステル樹脂Aのガラス転移温度(Tg)が65℃以上である場合、耐熱性が高く保存安定性の点で好ましい。一方、ポリエステル樹脂Aのガラス転移温度(Tg)が85℃以下である場合、トナーの定着性の点で好ましい。
好ましい製造方法としては、原料の多様性、反応のしやすさからカルボン酸化合物とアルコール化合物を用いた脱水縮合反応である。
具体的には、ジカルボン酸又はその無水物(モノマー)と、下記式(2)で示されるイソソルビド及び二価のアルコール(モノマー)とを、窒素雰囲気中、180〜260℃の
反応温度で脱水縮合する方法が挙げられる。また、本発明の効果を阻害しない限り、必要に応じて三官能以上の多塩基酸又はその無水物、一塩基酸、三価以上のアルコール、一価のアルコールなどを用いることも可能である。
また、全モノマー成分中、43〜57mol%がアルコールモノマーであり、57〜43mol%が酸モノマーであることが好ましい。
本発明において、ポリエステル樹脂Aは、ジカルボン酸及びジオールから合成することにより得ることが可能であるが、場合により、3価以上のポリカルボン酸又はポリオールを、本発明の効果を阻害しない範囲で少量使用してもよい。
3価以上のポリカルボン酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロヘキサントリカルボン酸類、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ−2−メチレンカルボキシプロパン、1,3−ジカルボキシ−2−メチル−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシ)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸及びそれらの無水物が挙げられる。
3価以上のポリオールとしては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ショ糖、1,2,4−ブタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
本発明において、ポリエステル樹脂Aの効果の発現を効率良く行うという観点から、3価以上のポリカルボン酸の含有割合は、ポリエステル樹脂Aを構成する全酸モノマーユニットを基準として、10.00mol%以下であることが好ましい。また、同様に、3価以上のポリオールの含有割合は、ポリエステル樹脂Aを構成する全アルコールモノマーユニットを基準として、10.00mol%以下であることが好ましい。
以下、具体例を挙げて説明するがこれらに限定されるわけではない。
まず、スチレンを含むモノマー中に、着色剤及びポリエステル樹脂A、並びに、必要に応じてワックス、荷電制御剤、架橋剤及びその他の添加剤を加え、ホモジナイザー、又は超音波分散機などによって均一に溶解又は分散してモノマー組成物を作製する。
得られたモノマー組成物を、分散安定剤を含有する水系媒体中に通常の攪拌手段、ホモミキサー、又はホモジナイザーなどにより分散し、モノマー組成物の粒子を水系媒体中で形成する。
その際、モノマー組成物の粒子(液滴)が所望のトナー粒子のサイズを有するように攪拌速度及び時間を調整し、造粒して、モノマー組成物の粒子を形成する。
その後は、分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の攪拌を行えばよい。
そして、モノマー組成物の粒子に含まれるモノマーを重合する工程を経てトナー粒子を得る。
該重合工程においては、重合開始剤を添加してもよい。また、重合温度は40℃以上、通常50〜95℃(好ましくは55〜85℃)の温度を選択するとよい。
重合反応後半には昇温してもよく、必要に応じpHを変更してもよい。さらに、定着時の臭いの原因となる未反応のモノマー、副生成物などを除去するために反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を留去してもよい。重合反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄し、ろ過により収集し、乾燥する。
H13.0、より好ましくはpH4.0〜pH7.5、さらに好ましくはpH4.5〜pH7.5である。pHを上記範囲に調整することで、分散安定剤の溶解及びトナー成分の分解を防止し、安定した造粒を行うことができる。また、造粒を酸性領域で行った場合には、分散安定剤に由来する金属のトナー中における含有量が過剰となるのを抑制することができ、本発明の規定を満たすようなトナーが得られやすくなる。
一方、トナー粒子の洗浄は、pH3以下で行うことが好ましく、より好ましくはpH1.5以下で行う。トナー粒子の洗浄を上記pHで行うことにより、トナー粒子表面に存在する分散安定剤を低減することができる。上記pHに調整するために用いられる酸としては、特に限定されるものではなく、塩酸、又は硫酸のような無機酸を用いることができる。
また、分散安定剤としては、少なくともマグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、又は燐のいずれかが含まれているものが用いられるが、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、又は燐のいずれかが含まれていることが好ましい。トナー粒子の表面に分布してシェル層を形成するポリエステル樹脂Aとの吸着性が強いからである。
例えば、ヒドロキシアパタイトは、トナー粒子の表面に分布してシェル層を形成するポリエステル樹脂Aとの吸着性が強いため好ましい。
上記分散安定剤に有機系化合物、例えばポリビニルアルコール、ゼラチン、メチセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、及びデンプンを併用してもよい。
上記分散安定剤は、モノマー100質量部に対して、0.01質量部以上2.0質量部以下使用することが好ましい。
さらに、上記分散安定剤の微細化のために、0.001質量%以上0.1質量%以下の界面活性剤を併用してもよい。具体的には、市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤が利用できる。例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、及びオレイン酸カルシウムが好ましく用いられる。
また、高剪断力を付与し、均一な循環を達成できる攪拌手段がより好ましい。高剪断撹拌機としては、高速回転する撹拌ロータと該撹拌ロータを囲うように設けられたスクリーンとによって形成される撹拌室を備えているものが好ましく用いられる。具体的には、ウルトラタラックス(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミクサー(特殊機化工業社製)、クレアミックス(エムテクニック社製)などが挙げられる。
また、該モノマーは、スチレン以外にもラジカル重合が可能なビニル系モノマーを用いることができる。
該ビニル系モノマーとしては、単官能性モノマーあるいは多官能性モノマーが挙げられ
る。
単官能性モノマーとしては、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、及びp−フェニルスチレンのようなスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、及び2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートのようなアクリル系モノマー;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、及びジブチルフォスフェートエチルメタクリレートのようなメタクリル系モノマー;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、及びギ酸ビニルのようなビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、及びビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、及びビニルイソプロピルケトンのようなビニルケトンが挙げられる。
多官能性モノマーとしては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、及びジビニルエーテルなどが挙げられる。
本発明においては、スチレン以外に、上記単官能性モノマーを単独、又は2種以上組み合わせて、又は、上記単官能性モノマーと多官能性モノマーを組合せて使用することができる。
スチレン以外に用いられるモノマーとしては、スチレン誘導体、n−ブチルアクリレートや2−エチルヘキシルアクリレートなどのアクリル酸エステル系モノマー又はn−ブチルメタクリレートや2−エチルヘキシルメタクリレートなどのメタクリル酸エステル系モノマーであることが好ましい。該モノマーを使用することで、得られる結着樹脂の強度や柔軟性の点で優れる。
2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2
’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、及びアゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ系、又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、及びラウロイルペルオキシドのような過酸化物系重合開始剤。上記重合開始剤は単独又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、重合開始剤の添加量は、モノマー100質量部に対して、0.5質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
該ワックスとしては、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス及びフィッシャートロプシュワックスのような炭化水素系ワックス;アミドワックス、ペトロラタムなどの石油系ワックス及びその誘導体;モンタンワックス及びその誘導体;カルナバワックス及びキャンデリラワックスなどの天然ワックス及びそれらの誘導体;硬化ヒマシ油及びその誘導体;植物ワックス、動物ワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、エステルワックス、ケトンワックス及びこれらのグラフト化合物又はブロック化合物のような誘導体など公知のワックスを用いることが可能である。これらは単独又は併せて用いることができる。
上記ワックスの添加量は、モノマー100質量部に対して、3質量部以上30質量部以下であることが好ましく、3質量部以上20質量部以下であることがより好ましく、4質量部以上15質量部以下であることがさらに好ましい。
ワックスの添加量が上記範囲である場合、オフセット防止効果及び耐ブロッキング効果に優れ、トナーのドラム融着やトナーの現像スリーブ融着を起こしにくい。
これは、上記ポリエステル樹脂Aのスチレンーヘキサン溶解度指数の測定に用いられる貧溶媒が炭化水素であるn−ヘキサンであることから、同じ炭化水素である炭化水素系ワックスとの相性も示唆することになるためである。
ポリエステル樹脂Aのスチレンーヘキサン溶解度指数が15.0以上27.0以下である場合、炭化水素系ワックスがトナー表面から露出することを抑制できる程度の相分離性を有し、定着時にワックスの染み出しを妨げない程度にはポリエステル樹脂Aは炭化水素系ワックスと親和性を有するためである。
また、ワックスの融点などの測定には、TAインスツルメンツジャパン社製DSC−2920を用いる。
ガラス転移温度は、測定時の各ベースラインの延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線とが交わる点の温度である。
融点は、温度20℃以上200℃以下の範囲において、昇温時に測定される最大吸熱ピークのピーク温度である。
荷電制御剤の添加量は、モノマー100質量部に対して、0.01質量部以上20質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。
シアン系着色剤に用いられる顔料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、並びに、塩基染料レーキ化合物が利用できる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3及びC.I.ピグメントブルー15:4。
マゼンタ系着色剤に用いられる顔料としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物及びペリレン化合物が利用できる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド264及びC.I.ピグメントレッド269。
イエロー系着色剤に用いられる顔料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物及びアリルアミド化合物が利用できる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180及びC.I.ピグメントイエロー185。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、並びに、上記イエロー系、マゼンタ系及びシアン系着色剤を用い黒色に調色されたものが利用できる。
これらの中で、カーボンブラック、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド269、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー180及びC.I.ピグメントイエロー185であると本発明の効果が高く好ましい。
理由は定かではないが、イソソルビドユニットとの親和性が高いためと思われる。
特にカーボンブラックの場合は、pHが6以上で吸油量(DBP)が30(cc/100g)以上120(cc/100g)以下であることが好ましい。
該着色剤の添加量は、モノマー100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
用いられる添加剤は、トナーに添加した時の耐久性の点から、トナーの重量平均粒径(D4)の3/10以下の粒径であることが好ましい。この添加剤の粒径とは、走査型電子顕微鏡におけるトナーの表面観察により求めた個数平均粒径を意味する。
該添加剤は、トナーに内添してもよいし、外添剤としてトナーに含有されてもよい。
外添剤として含有する場合は、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、及び酸化アルミニウム微粒子のような無機微粒子が好ましい。
また、該無機微粒子は疎水化処理されていてもよい。疎水化処理の方法としては、シランカップリング剤又はチタンカップリング剤など各種カップリング剤を用いることが可能であるが、シリコーンオイルで疎水化度を高くすることが好ましい。高湿下での無機微粒子の水分吸着を抑制することができ、さらには、規制部材や帯電部材などの汚染が抑制することができるため、高品位の画像が得られるためである。
添加剤の含有量は、トナー100質量部に対して、0.01質量部以上5質量部以下であることが好ましく、0.02質量部以上3質量部以下であることがより好ましい。
添加剤は、単独で用いても複数併用してもよい。
トナーの重量平均粒径(D4)が上記範囲である場合、トナーの比表面積が適切であり、長期使用において耐久性や耐熱性において問題が発生しにくく、また、トナーの着色力及び画像の解像度にも優れる。
<水系媒体のpH測定>
水系媒体にモノマー組成物を投入する1分前に、水系媒体を1.0リットル採取し、30秒以内にpH計を水系媒体に浸す。そして、水系媒体にpH計を浸してから60秒後の値を記録する。採取時点の水系媒体の温度よりも測定時の温度が2℃以上下がっていないことも併せて確認する。なお、pH計は横河電機社製HA406を使用した。また、pH計は、マニュアルに従って事前に温度とpH値の校正を行っておく。
ポリエステル樹脂A及び結着樹脂の構造決定は、核磁気共鳴装置(1H−NMR、13C−NMR)及びFT−IRスペクトルを用いて行う。以下に用いる装置について記す。
各樹脂サンプルはトナー中から分取することで採取し、分析してもよい。
(i)1H−NMR、13C−NMR
日本電子製FT−NMR JNM−EX400(使用溶媒 重クロロホルム)
(ii)FT−IRスペクトル
Thermo Fisher Scientific Inc.製 AVATAR360FT−IR
本発明で規定するスチレン−ヘキサン溶解度指数とは、ポリエステル樹脂Aを良溶媒であるスチレンに溶解させたものに貧溶媒であるヘキサンを添加していったときにポリエステル樹脂A成分が析出し始めるヘキサンの添加量で規定する。
本発明のトナーの製造方法においては、モノマーに含有されるスチレンの割合が60質量%以上とスチレンが多く含まれている。そのため、スチレンを多く含むモノマー中にポリエステル樹脂Aが溶解している状態から重合反応が進行し、重合反応の進行とともにスチレンを含むモノマーが減少していく。
ポリエステル樹脂Aのスチレン溶液にヘキサンを添加していくことは、ポリエステル樹脂Aのスチレン溶液におけるスチレンの割合が減少していくことを意味する。すなわち、該スチレン−ヘキサン溶解度指数の測定方法は、実際に重合反応が進行した場合に生じるスチレンを含むモノマーの減少を再現したものである。
従って、スチレン−ヘキサン溶解度指数が小さいほど、重合反応初期にポリエステル樹脂Aが析出してくることを表す。
また、この測定において無極性溶媒であるヘキサンを用いることで、極性が高いポリエステル樹脂Aほどヘキサンの添加量が少ない段階で析出することになる。従って、スチレン−ヘキサン溶解度指数が小さいほど、水相側のトナー表層側に重合反応の進行に伴い析出したポリエステル樹脂Aが存在することを示す。
4.0質量部のポリエステル樹脂Aをスチレン100.0質量部に溶解したスチレン溶液(液温25℃)を調製する。樹脂を溶解して12時間以上24時間未満放置したものをサンプル処理フィルター(ポアサイズ0.45μm)で濾過してスチレン不溶分を濾別し、濾液を測定用試料とする。
(測定方法)
測定装置として、(株)レスカ社製の粉体濡れ性試験機(WET−101P)を用いる
。
スチレン−ヘキサン溶解度指数は、作製した測定試料をトールビーカー容器中に入れ、滴下試薬としてはn−ヘキサンとし、得られたn−ヘキサン滴下透過率曲線から決定する。
なお、該トールビーカーは、直径5cmの円形で、厚さ1.75mmのガラス製のものを用い、スターラーとして、長さ25mm、最大径8mmの紡錘形でありフッ素樹脂コーティングを施されたマグネティックスターラーを用いた。
具体的な測定操作は以下の通りである。
測定用試料を280〜300rpmの速度で撹拌しながら、n−ヘキサンを0.8ml/minの滴下速度で連続的に添加し、波長780nmの光で透過率を測定し、n−ヘキサン滴下透過率曲線を作成する。
得られたn−ヘキサン滴下透過率曲線から光の透過率が50%の時点におけるn−ヘキサン濃度(体積%)をポリエステル樹脂Aのスチレン−ヘキサン溶解度指数とする。
n−ヘキサン滴下透過率曲線の一例を図1に示す。
酸価は、試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。本発明における酸価は、JIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
0.1モル/L水酸化カリウムエチルアルコール溶液(キシダ化学社製)を用いて滴定を行う。水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクターは、電位差滴定装置(京都電子工業株式会社製 電位差滴定測定装置AT−510)を用いて求める。
具体的には、0.100モル/L塩酸100mLを250mLトールビーカーに取り、水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、中和に要した水酸化カリウムエチルアルコール溶液の量から求める。0.100モル/L塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作製されたものを用いる。
以下に、酸価測定の際の測定条件を示す。
滴定装置:電位差滴定装置AT−510(京都電子工業株式会社製)
電極:複合ガラス電極ダブルジャンクション型(京都電子工業株式会社製)
滴定装置用制御ソフトウエア:AT−WIN
滴定解析ソフト:Tview
滴定時における滴定パラメータ並びに制御パラメータは下記のように行う。
<滴定パラメータ>
滴定モード:ブランク滴定
滴定様式:全量滴定
最大滴定量:20mL
滴定前の待ち時間:30秒
滴定方向:自動
<制御パラメータ>
終点判断電位:30dE
終点判断電位値:50dE/dmL
終点検出判断:設定しない
制御速度モード:標準
ゲイン:1
データ採取電位:4mV
データ採取滴定量:0.1mL
<本試験>
測定サンプル0.100gを250mLのトールビーカーに精秤し、トルエンとエタノール(3:1)の混合溶液150mLを加え、1時間かけて溶解する。電位差滴定装置を用い、水酸化カリウムエチルアルコール溶液を用いて滴定する。
<空試験>
試料を用いない(すなわち、トルエンとエタノール(3:1)の混合溶液のみとする)こと以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.61]/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(mL)、C:本試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(mL)、f:水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクター、S:試料(g)である。
水酸基価は、試料1gをアセチル化するとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数である。本発明における水酸基価はJIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
特級無水酢酸25.0gをメスフラスコ100mLに入れ、ピリジンを加えて全量を100mLにし、十分に振りまぜてアセチル化試薬を得る。得られたアセチル化試薬は、湿気、炭酸ガスなどに触れないように、褐色びんにて保存する。
1.0モル/L水酸化カリウムエチルアルコール溶液(キシダ化学社製)を用いて滴定を行う。水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクターは、電位差滴定装置(京都電子株式会社製 電位差滴定測定装置AT−510)を用いて求める。具体的には、1.00mol/L塩酸100mLを250mLトールビーカーに取り、水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、中和に要した水酸化カリウムエチルアルコール溶液の量から求める。1.00mol/L塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作製されたものを用いる。
以下に、水酸基価測定の際の測定条件を示す。
滴定装置:電位差滴定装置AT−510(京都電子工業株式会社製)
電極:複合ガラス電極ダブルジャンクション型(京都電子工業株式会社製)
滴定装置用制御ソフトウエア:AT−WIN
滴定解析ソフト:Tview
滴定時における滴定パラメータ並びに制御パラメータは下記のように行う。
<滴定パラメータ>
滴定モード:ブランク滴定
滴定様式:全量滴定
最大滴定量:80mL
滴定前の待ち時間:30秒
滴定方向:自動
<制御パラメータ>
終点判断電位:30dE
終点判断電位値:50dE/dmL
終点検出判断:設定しない
制御速度モード:標準
ゲイン:1
データ採取電位:4mV
データ採取滴定量:0.5mL
<本試験>
測定サンプル2.00gを200mL丸底フラスコに精秤し、これに上記アセチル化試薬5.00mLを、ホールピペットを用いて正確に加える。この際、試料がアセチル化試薬に溶解しにくいときは、特級トルエンを少量加えて溶解する。
フラスコの口に小さな漏斗をのせ、97℃のグリセリン浴中にフラスコ底部1cmを浸して加熱する。このときフラスコの首の温度が浴の熱を受けて上昇するのを防ぐため、丸い穴をあけた厚紙をフラスコの首の付根にかぶせることが好ましい。
1時間後、グリセリン浴からフラスコを取り出して放冷する。放冷後、漏斗から水1.00mLを加えて振り動かして無水酢酸を加水分解する。さらに完全に加水分解するため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱する。放冷後、エチルアルコール5.00mLで漏斗及びフラスコの壁を洗う。
得られたサンプルを250mLのトールビーカーに移し、トルエンとエタノール(3:1)の混合溶液100mLを加え、1時間かけて溶解する。電位差滴定装置を用い、水酸化カリウムエチルアルコール溶液を用いて滴定する。
<空試験>
試料を用いない(すなわち、トルエンとエタノール(3:1)の混合溶液のみとする)こと以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
得られた結果を下記式に代入して、水酸基価を算出する。
A=[{(B−C)×28.05×f}/S]+D
ここで、A:水酸基価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(mL)、C:本試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(mL)、f:水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクター、S:試料(g)、D:樹脂の酸価(mgKOH/g)である。
ポリエステル樹脂Aなどの樹脂の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、ポリスチレン換算で算出する。
酸基を有する樹脂の分子量を測定する場合は、カラム溶出速度が酸基の量にも依存してしまうため、予め酸基をキャッピングした試料を用意する。
キャッピングにはメチルエステル化が好ましく、市販のメチルエステル化剤が使用できる。具体的には、トリメチルシリルジアゾメタンで処理する方法を用いる。
GPCによる分子量の測定は、以下のようにして行う。
まず、室温で24時間かけて、測定サンプルをテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。
なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置 :HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10mL
測定サンプルの分子量の算出にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。
検量線作成用の標準ポリスチレン試料は、東ソー社製の商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」を用いる。
トナーの重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)は、以下のようにして算出する。
測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。
測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター
Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)を使用する。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行う。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解水溶液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下までに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に3.3Lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを2mL添加する。(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)を算出する。なお、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、前記専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
トナー及び各樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用い、ASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、測定サンプル3mgを精秤し、アルミニウム製のパン中に入れ、対照用に空のアルミパンを用い、20℃で5分間平衡を保った後、測定範囲20℃以上140℃以下の間で、1.0℃/minのモジュレーションをかけて、昇温速度1℃/minで測定を行う。ガラス転移温度は、測定時の各ベースラインの延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線とが交わる点の温度である。
テレフタル酸: 29.9質量部
ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物: 48.5質量部
イソソルビド: 1.2質量部
エチレングリコール: 4.5質量部
テトラブトキシチタネート: 0.125質量部
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、及び撹拌装置を備えたオートクレープ中に上記材料を仕込み、窒素雰囲気下、常圧、200℃で5時間反応を行った。
その後、トリメリット酸2.1質量部及びテトラブトキシチタネート0.120質量部を追加し、220℃で3時間反応し、さらに10〜20mmHgの減圧下で2時間反応してポリエステル樹脂A1を得た。得られたポリエステル樹脂Aの物性は表2に示す。
得られたポリエステル樹脂Aの組成は、表1に記載の仕込み量通りの組成であった。
表1の原材料モノマー仕込み量にて、ポリエステル樹脂A1と同様の操作を行い、ポリエステル樹脂A2〜41を製造した。得られたポリエステル樹脂Aの物性を表2に示す。
表中の略号の意味は以下の通り。
TPA:テレフタル酸
IPA:イソフタル酸
TMA:トリメリット酸
BPA(PO):ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物
EG:エチレングリコール
1,2−PG:1,2−プロピレングリコール
1,3−PG:1,3−プロピレングリコール
A:ポリエステル樹脂Aを構成する全ジカルボン酸モノマー中のTPAのmol%
B:ポリエステル樹脂Aを構成する全モノマー中のイソソルビドのmol%
C:ポリエステル樹脂Aを構成する全アルコールモノマー中のEGのmol%
D:ポリエステル樹脂Aを構成する全アルコールモノマー中の(EG+イソソルビド)のmol%
攪拌機、コンデンサー、温度計、及び窒素導入管の付いた2Lフラスコに、トルエン1
00部、メタノール350部、スチレン470部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸40部、アクリル酸−2−エチルヘキシル70部、メタクリル酸ベンジル20部、ラウリルパーオキサイド10部を仕込み、攪拌、窒素導入下65℃で10時間溶液重合した。反応終了後、内容物をフラスコから取り出し、イソプロピルアルコールで洗浄後、40℃で96時間減圧乾燥した。その後、ハンマーミルにて粗砕し、該粗砕物をさらに40℃で48時間減圧乾燥して、帯電制御樹脂1を製造した。
得られた帯電制御樹脂1の物性は、Mw=24000、Tg=67℃、残存モノマー=350ppmであった。
なお、得られた帯電制御樹脂1の酸価は、20mgKOH/gであった。
シリカ(AEROSIL 200CF、日本アエロジル製)100部をヘキサメチルジシラザン10部で処理し、さらにジメチルシリコーンオイル20部で処理して疎水性シリカ微粒子1を得た。疎水性シリカ微粒子1の一次粒子の個数平均粒径は12nmであった。
酸化チタン(P25、日本アエロジル製)100部をトルエン中でγ―メルカプトプロピルトリメトキシシラン20部で処理し、濾過、乾燥して疎水性酸化チタン微粒子1を得た。疎水性酸化チタン微粒子1の一次粒子の個数平均粒径は25nmであった。
反応容器中のイオン交換水1000質量部に、リン酸ナトリウム14質量部及び10%塩酸を4.5質量部投入し、窒素パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10質量部に8質量部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。調製された水系媒体のpHは5.5であった。
・スチレン 60.0質量部
・カーボンブラック 7.0質量部
(Orion Engineerred Carbons社製、商品名「Printex35」)
・荷電制御剤(オリエント社製:ボントロンE−89) 0.25質量部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させた後、ジルコニア粒子を取り除き、着色剤分散液を得た。
上記着色剤分散液に、以下の材料を加え、混合液を作製した。
・スチレン 20.0質量部
・n−ブチルアクリレート 20.0質量部
・ポリエステル樹脂A1 5.0質量部
・帯電制御樹脂1 0.3質量部
・フィッシャートロプシュワックス 9.0質量部
(シューマンサゾール社製、商品名「C80」:融点83.0℃)
別容器中で上記混合液を65℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmで攪拌し、各材料を均一に溶解又は分散した。
これに、重合開始剤t−ヘキシルパーオキシピバレート(日本油脂社製、商品名「パーヘキシルPV」、分子量:202、10時間半減期温度:53.2℃)2.5質量部を溶解し、モノマー組成物を調製した。
上記水系媒体中に上記モノマー組成物を投入し、65℃、窒素パージ下において、TK
式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用い10000rpmで5分間攪拌し、pH5.5で、モノマー組成物の粒子を形成した。
その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応させた。
重合反応終了後、反応物を冷却し、10%塩酸を加えpH2とした状態で2時間攪拌しながら分散安定剤を溶解させた。得られたエマルションを加圧濾過し、さらに2000質量部以上のイオン交換水で洗浄した。得られたケーキを再び、1000質量部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH1以下とした状態で2時間攪拌しながら、再洗浄した。
上記と同様に得られたエマルションを加圧濾過し、さらに2000質量部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥して風力分級し、トナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100質量部と、1.5質量部の疎水性シリカ微粒子1、及び0.3質量部の疎水性酸化チタン微粒子1を加え、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、トナー1を得た。得られたトナー1の物性などは表4に記載した。
表3に記載される通りに各原料の種類及び含有量を変更させた以外はトナーの製造例1と同様にして、トナー2〜62を製造した。得られたトナー2〜62の物性などを表4に示す。
この時、表3に記載のモノマー中のスチレンの含有量(質量%)を変更しているトナー2〜4及びトナー57に関しては、スチレンの増減に合わせてn−ブチルアクリレートを増減させ、スチレンとn−ブチルアクリレートの合計が同じになるようにした。
表中の略号の意味は以下の通り。
PR122 ;C.I.ピグメントレッド122
PR150 ;C.I.ピグメントレッド150
PY155 ;C.I.ピグメントイエロー155
PY180 ;C.I.ピグメントイエロー180
PY185 ;C.I.ピグメントイエロー185
PY93 ;C.I.ピグメントイエロー93
PY74 ;C.I.ピグメントイエロー74
PR269 ;C.I.ピグメントレッド269
PB15:3;C.I.ピグメントブルー15:3
市販のLBP−2710(キヤノン株式会社製)のプロセススピードを220mm/sに改造し、市販のマゼンタカートリッジからトナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した。その後、該マゼンタカートリッジにトナー1を260g充填し、その他のシアン、イエロー及びブラックのカートリッジからはトナーを抜いて各ステーションに挿入し、各種画像評価を行った。評価結果は表5に示す。
実施例1において、トナー1をトナー2〜56に変更する以外は同様にして、各種画像評価を行った。評価結果は表5に示す。
実施例1において、トナー1をトナー57〜62に変更する以外は同様にして、各種画像評価を行った。評価結果は表5に示す。
<カブリ>
カブリの測定は、常温常湿環境下(N/N:温度25℃、湿度60%RH)、高温高湿環境下(H/H:温度32.5℃、湿度85%RH)、及び低温低湿環境下(L/L:温度10℃、湿度10%RH)のそれぞれの環境下で印字率1%にて2枚印刷する度に1分休止する方式で耐久試験を行い、初期から耐久13000枚印字後に各環境下において6日間放置した。
その後の1枚目の画像サンプルのカブリ量を東京電色社製のREFLECT METER MODELTC−6DSを使用して測定し、下記式より算出した。
耐久試験に用いた記録材としては、A4サイズの普通紙(キヤノンマーケティングジャパン社製、GF−C081A4)を用いた。
カブリ量(%)=(プリントアウト前の記録材の白色度)−(プリント後の記録材の非画像形成部(白地部)の白色度)
初期画像濃度は、常温常湿環境下(N/N:温度23.5℃、湿度60%RH)で、紙上のトナーの載り量が0.38(mg/cm2)にした全面ベタチャートを1枚印字し、画像の画像濃度を測定した。画像の濃度については東京電色社製のREFLECT METER MODELTC−6DSを使用して濃度を測定した。記録材としてはA4サイズの普通紙(キヤノンマーケティングジャパン社製、GF−C081A4)を用いた。
現像剤担持体やトナー層規制部材へのトナーの融着や固着は、常温常湿環境下(N/N:温度23.5℃、湿度60%RH)、高温高湿環境下(H/H:温度32.5℃、湿度80%RH)で評価した。印字率1%にて2枚印刷する度に1分間休止する方式で耐久試験を行い、初期から耐久8000枚目の画像サンプルについて目視にて評価した。記録材として、A4サイズの普通紙(キヤノンマーケティングジャパン社製、GF−C081A4)を用いた。以下に評価基準を示す。
A:画像上に全く発生せず
B:画像上に軽微に発生(端部に1本以上3本以下の軽微なスジ)
C:画像上に発生(端部に4本以上のスジ)
潜像担持体へのフィルミングは、常温常湿環境下(N/N:温度23.5℃、湿度60
%RH)、低温低湿環境下(L/L:温度15℃、湿度10%RH)で、印字率1%にて連続印字にて耐久試験を行った。初期から耐久2000枚目の画像サンプルについて目視にて評価した。記録材として、A4サイズの普通紙(キヤノンマーケティングジャパン社製、GF−C081A4)を用いた。以下に評価基準を示す。
A:全く発生せず
B:軽微に発生(長さ2mm前後の縦線が少し記録材上に存在)
C:発生(長さ5mm前後の縦線が多量に記録材上に存在)
トナーの保存安定性は、10gのトナーを100mlのプラスティックカップに量り取り、50℃の恒温層の中へ3日間放置した後、200メッシュ(目開き)の篩性により評価した。測定装置として、デジタル振動計(DEGITAL VIBLATIONMETERMODEL 1332 SHOWA SOKKI CORPORATION製)を有するパウダーテスター(細川ミクロン社製)を用いた。
測定法としては、セットした200メッシュふるい(目開き75μm)上に評価用のトナーをのせ、デジタル振動計の変位の値を0.50mm(peak−to−peak)になるように調整し、30秒間振動を加えた。その後、各ふるい上に残ったトナーの凝集塊の状態から保存安定性を評価した。以下に評価基準を示す。
A:メッシュ上のトナー残量が1.0g未満で流動性にとても優れている
B:メッシュ上のトナー残量が1.0g以上2.5g未満で流動性に優れている
C:メッシュ上のトナー残量が2.5g以上であり、凝集塊があり容易にほぐすことができない
低温低湿環境下(L/L:温度15℃、湿度10%RH)で、評価機及びトナーを充填したカートリッジが環境になじんだ状態(すなわち、低温低湿環境下に24時間放置後)から電源を入れた。ウェイトアップ直後に200μm幅の横線パターン(横幅200μm、間隔200μm)を印刷し、50枚目の画像を定着性の評価に用いた。
定着性の評価は、画像をシルボン紙で5往復100g荷重でこすり、画像のはがれを反射濃度の低下率(%)の平均で評価した。
評価に用いた記録材は、表面平滑度10〔sec〕以下のボンド紙を用いた。以下に評価基準を示す。
A:反射濃度の低下率が、5%未満
B:反射濃度の低下率が、5%以上15%未満
C:反射濃度の低下率が、15%以上
常温常湿環境下(N/N:温度25℃、湿度60%RH)、及び高温高湿環境下(H/H:温度32.5℃、湿度85%RH)で、トナーを充填したカートリッジを2週間放置した後、印字率2%にて2枚印刷する度に1分間休止する方式で耐久試験を行った。初期から耐久10000枚目の画像サンプルについて、画像濃度の低下率を用いて評価した。画像濃度の測定には、東京電色社製のREFLECT METER MODELTC−6DSを用いた。また、記録材として、A4サイズの普通紙(キヤノンマーケティングジャパン社製、GF−C081A4)を用いた。以下に評価基準を示す。
A:濃度の低下率が、5%未満
B:濃度の低下率が、5%以上15%未満
C:濃度の低下率が、15%以上
Claims (5)
- 前記ポリエステル樹脂Aは、テレフタル酸由来のモノマーユニットを含有し、
該テレフタル酸由来のモノマーユニットの含有割合が、該ポリエステル樹脂Aを構成する全ジカルボン酸モノマーユニットを基準として、85.00mol%以上である、請求項1に記載のトナーの製造方法。 - 前記ポリエステル樹脂A中の、前記式(1)で示されるイソソルビドユニットの含有割合が、該ポリエステル樹脂Aを構成する全モノマーユニットを基準として、0.10mol%以上20.00mol%以下である、請求項1又は2に記載のトナーの製造方法。
- 前記ポリエステル樹脂Aは、エチレングリコール由来のモノマーユニットを含有し、
該エチレングリコール由来のモノマーユニットの含有割合が、該ポリエステル樹脂Aを構成する全アルコールモノマーユニットを基準として、5.00mol%以上43.00mol%以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
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