JP2017037150A - 位相差板、位相差板を用いた積層偏光板、および位相差板を用いた表示装置 - Google Patents

位相差板、位相差板を用いた積層偏光板、および位相差板を用いた表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高い透過率を維持しながら、より理想に近い「負の分散」特性を有する液晶フィルムからなる位相差板を提供する。【解決手段】複屈折Δnが、可視光領域の少なくとも一部の波長領域において、測定波長が長いほど大きくなる「負の分散」特性を有する位相差板であって、位相差板が、液晶化合物を含む重合性液晶組成物と、二色性色素とを含んでなる液晶フィルムからなり、かつ液晶化合物は、液晶フィルム中において、ネマチックハイブリッド配向しており、下記式(1)で表される、位相差板における二色性色素のオーダーパラメータ(S)が、1.0≧S≧0.5の範囲にある、位相差板である。S=(DR−1)/(DR+2)(1)(式(1)中、DRは、二色性色素の二色比である。)【選択図】図11

Description

本発明は、位相差板、および位相差板を用いた積層偏光板、並びに位相差板を用いた画像表示装置、液晶表示装置、有機エレクトロルミネセンス(EL)表示装置等の表示装置に関する。
位相差板は、偏光(直線偏光、円偏光、楕円偏光)を得るために用いられる光学部材であり、液晶表示装置の色補償、視野角改良用途、偏光板と1/4波長板とを組み合わせた有機EL表示装置用反射防止フィルム用途、コレステリック液晶等からなる右または左回りのどちらか一方の円偏光のみを反射する反射型偏光板用途等、多くの用途で用いられる。位相差板は、無機材料(方解石、雲母、水晶)を薄く切り出した板や固有複屈折率が高いフィルムを延伸したフィルム、棒状あるいは円盤状液晶組成物を液晶状態において配向を固定化したフィルムが用いられている。
位相差板としては、波長の1/4に相当するレターデーションを有する1/4波長板と、波長の1/2に相当するレターデーションを有する1/2波長板が代表的である。1/4波長板は直線偏光を円偏光に変換し、1/2波長板は直線偏光の偏光振動面を90度変換する。
位相差板は、通常特定波長の光(単色光)に対して、必要な光学的機能を示すように設計されるが、上記の液晶表示装置用色補償フィルム、有機EL表示装置用反射防止フィルムにおいて用いられる1/4波長板は、可視光領域である測定波長(λ)400〜780nm、特に400〜700nmにおいて、直線偏光を円偏光に、円偏光を直線偏光に変換する必要がある。これを1枚の位相差板で実現するためには、測定波長400〜780nm、特に400〜700nmにおいて、位相差が測定波長の1/4波長、すなわちλ/4(nm)となることが理想である。
一般に1/4波長板としては上記の位相差板材料等が用いられるが、これらの材料の位相差は波長依存性がある。ここで、測定波長が短波長であるほど位相差が大きく、長波長であるほど位相差が小さくなる分散特性を「正の分散」、測定波長が短波長であるほど位相差が小さく、長波長であるほど位相差が大きくなる分散特性を「負の分散」と定義する。一般に、液晶化合物等の高分子を用いて作製したフィルム(高分子フィルム)の複屈折は、「正の分散」特性を有する。1/4波長板として用いるためには「負の分散」特性を有することが理想である。1枚の高分子フィルムを用いて理想的な「負の分散」特性を得ることは困難であり、位相差板として「正の分散」特性を有する高分子フィルムを用いた場合、白色光は様々な波長の偏光を生じ、有色の偏光が生じてしまう。
特許文献1および特許文献2の各公報には、光学異方性を有する液晶化合物を含んでなるフィルムを2枚積層した位相差板が開示されている。特許文献1記載の位相差板は、1/4波長板と1/2波長板を光軸が交差した状態で貼り合わせたものである。特許文献2記載の位相差板は、リターデーションが160〜320nmである位相差板を少なくとも2枚、その遅相軸が互いに平行でも直交でもない角度になるように積層している。特許文献3には、複屈折率Δnの波長分散値α(α=Δn(450nm)/Δn(650nm))の関係がαA<αBである複屈折媒体の各遅相軸を直交する方位に積層し、複屈折媒体のうち少なくとも一つがホモジニアス配向した分子配向状態にある液晶化合物からなり、各複屈折媒体の位相差Rの関係がR>Rであり、波長分散値αが1より小さい積層型位相差板が開示されている。いずれの公報に記載の位相差板も、具体的には、2枚の複屈折媒体の積層体からなる。
以上の各公報に記載の方法を採用することにより、広い波長領域の光に適用可能な1/4波長板を実現できる。しかしながら、特許文献1および特許文献2の各公報記載の位相差板の製造では、2枚の高分子フィルムの光学的方向(光軸や遅相軸)を調節するため、煩雑な製造工程を必要とする。高分子フィルムの光学的方向は、一般にシート状あるいはロール状フィルムの縦方向または横方向に相当する。斜め方向に光軸や遅相軸を有するフィルムは、工業的な生産が難しい。また、特許文献1および特許文献2の各公報記載の発明では、2枚のフィルムの光学的方向を平行でも直交でもない角度に設定する。従って、特許文献1および特許文献2の各公報記載の位相差板を製造するためには、2枚のフィルムを所定の角度にカットして、得られるチップを貼り合わせる必要があるため、製造工程が煩雑になる。結果、軸ズレによる品質低下、歩留まり低下、コスト増大、汚染による劣化等の問題が生じやすい。また、上記のような製造方法ではリターデーションを厳密に調節することも難しい。
特許文献3には、薄膜であり、かつ負の複屈折性を有する位相差板として、棒状液晶化合物からなる液晶フィルムが開示されている。特許文献3記載の位相差板は、二種類以上のメソゲン基を有する化合物と棒状液晶化合物とを含む液晶組成物をホモジニアス配向し、棒状液晶化合物の光軸方向に対し、少なくとも一種類のメソゲン基を略直交方向に配向させることで負の複屈折性を実現している。棒状液晶化合物は、共重合体フィルムと比べて、複屈折Δnが比較的大きいため、厚み数μm程度の薄膜化が可能である。
しかしながら、特許文献3に記載の正の複屈折材料と負の複屈折材料を組み合わせる手法は、400〜700nmの広帯域にわたって位相差が1/4波長となる特性を得ることは難しく、図1に示す通り、長波長側が理想直線から外れる傾向にある。これは、可視光の中心波長である550nmより短波長側の曲線と長波長側の曲線の傾きが異なることに起因する。従って、可視光領域である400〜700nmの広帯域にわたって理想的な波長分散曲線を得るためには、短波長側の曲線を理想直線に近い状態に維持しながら、別の手法で長波長側の曲線を理想直線に近づける試みが必要となる。
また、上述の位相差板は広い波長領域で1/4波長板を達成することにより、円偏光板の法線方向から入射する光においては理想に近い円偏光を得ることができるが、斜め方向から入射する光においては楕円偏光に変換され、液晶表示装置として用いた際には表示の視野角が狭くなり、有機EL表示装置の反射防止膜として用いた際には斜め方向の光漏れが発生するおそれがある。
ところで、特許文献4には、「負の分散」特性を有さない液晶分子中にアントラキノン等の色素を添加することが開示されている。
また、特許文献5には、液晶化合物からなる位相差板に添加する色素として二色性色素を添加することが開示されている。さらに、特許文献6には、スメクチック液晶化合物に二色性色素を添加した偏光素子が開示されている。
しかしながら、特許文献4〜6に記載されるような二色性色素を使用した場合、その添加量を抑えることは難しく、高い透過率を維持しながら、理想に近い「負の分散」特性を有する液晶フィルムからなる位相差板を実現することは困難であった。
特開平10−68816号公報 特開平10−90521号公報 特開2002−267838号公報 特開2009−9062号公報 特開2011−178946号公報 特開2013−33249号公報
本発明者らは今般、「負の分散」特性を有する重合性液晶組成物を含む液晶フィルムに、所定のオーダーパラメータ(S)を有する二色性色素を添加すれば、二色性色素の添加量を抑えながらも高い二色比が得られるため、高い透過率を維持しながら、より理想に近い「負の分散」特性を有する位相差板を実現できる、との知見を得た。本発明はかかる知見によるものである。
すなわち、本発明によれば、
複屈折Δnが、可視光領域の少なくとも一部の波長領域において、測定波長が長いほど大きくなる「負の分散」特性を有する位相差板であって、
前記位相差板が、液晶化合物を含む重合性液晶組成物と、二色性色素とを含んでなる液晶フィルムからなり、かつ前記液晶化合物は、液晶フィルム中において、ネマチックハイブリッド配向しており、
下記式(1)で表される、前記位相差板における前記二色性色素のオーダーパラメータ(S)が、1.0≧S≧0.5の範囲にある、位相差板が提供される。
S=(DR−1)/(DR+2) (1)
(式(1)中、DRは、下記式(2):
(式(2)中、λは真空中における光の波長(nm)を表し、
Ae(λ)は、前記位相差板における遅相軸と平行の偏光吸収スペクトルを表し、
Ao(λ)は、前記位相差板における遅相軸と垂直の偏光吸収スペクトルを表し、
Ae0(λ)は、前記二色性色素を除いた前記位相差板における遅相軸と平行の偏光吸収スペクトルを表し、
Ao0(λ)は、前記二色性色素を除いた前記位相差板における遅相軸と垂直の偏光吸収スペクトルを表す。)で表される前記二色性色素の二色比である。)
本発明による位相差板においては、二色性色素が、棒状分子であり、長軸方向の分子長が2〜10nmであることが好ましい。
本発明による位相差板においては、二色性色素の含有量が、重合性液晶組成物100重量部に対して、0.03〜0.8重量部であることが好ましい。
本発明による位相差板においては、二色性色素の極大吸収波長が、380〜780nmであることが好ましい。
本発明による位相差板においては、二色性色素のオーダーパラメータ比が、0.7〜1.2であることが好ましい。
本発明によれば、上記位相差板と、偏光子と、を備えた積層偏光板が提供される。
本発明によれば、上記位相差板を備えた、表示装置が提供される。
本発明の表示装置においては、位相差板に含まれる二色性色素の極大吸収波長と、表示装置の発光スペクトルの極大波長との値が異なることが好ましい。
本発明によれば、透過率の低下が最小限に抑えられ、かつ理想に近い「負の分散」特性を有する位相差板を実現することができる。このような位相差板は、正面及び斜め方向において、広い波長領域にわたって円偏光を直線偏光に、直線偏光を円偏光に変換する位相差板として機能する。このため、前記位相差板を液晶表示装置に用いれば、明るさ、コントラスト比等の表示特性が正面及び特に斜め方向において改善され、有機EL表示装置に用いれば、広視野角において鏡面反射に対する高い防止性能を大幅に改善される。
「負の分散」特性を持つ位相差板と理想の複屈折波長分散との比較を示す図である。 有機高分子の屈折率と吸収係数の波長分散特性を示す図である。 図2の異常分散領域を拡大した図である。 異方性を有する有機高分子に二色性色素を添加する前後での異常光線屈折率neと常光線屈折率noの波長分散との比較を示す図である。 二色性色素の色素分子の長軸方向(ne方向)と短軸方向(no方向)との吸収スペクトルとの比較を示す図である。 異方性を有する有機高分子に二色性色素を添加する前後での複屈折Δnの波長分散との比較を示す図である。 ネマチックハイブリッド液晶フィルムの配向構造の概念図である。 液晶分子のチルト角及びツイスト角を説明するための概念図である。 参考例3において、液晶組成物に二色性色素を添加する前後での複屈折Δnの波長分散との比較を示す図である。 実施例1で作製した光学フィルムを液晶の配向方向に沿って傾けて測定した見かけのリターデーションの測定結果である。 実施例1〜3、比較例1〜3で作製した光学フィルムを備える積層偏光板の層構成を示す図である。
<位相差板>
本発明の位相差板は、複屈折Δnが、可視光領域の少なくとも一部の波長領域において、測定波長が長いほど大きくなる「負の分散」特性を有する位相差板であって、位相差板が、液晶化合物を含む重合性液晶組成物と、二色性色素とを含んでなる液晶フィルムからなり、前記液晶化合物は、液晶フィルム中においてネマチックハイブリッド配向している。ここで、ネマチックハイブリット配向とは、液晶化合物のダイレクターがフィルムの膜厚方向から見て異なる角度を向いて整列している配向である。
液晶化合物の屈折率波長分散特性について図2を用いて説明する。以下では、屈折率を複素数N=n−ikとして記載する。ここでnはNの実数部であり、通常「屈折率」と呼ばれるものに等しい。k(Nの虚数部)は、波長の関数α(λ)としてk=αλ/(4π)で表され吸収係数に関係している。一般に、固有吸収波長から離れた領域(図2のa1,a2,a3の領域)において、液晶化合物の屈折率nは、長波長化すると共に単調に減少する。このような分散を「正常分散」と言い、k=0である。これに対して、固有吸収を含む波長域(図2のb1、b2、b3の領域)における屈折率nは、長波長化とともに急激に増加する。このような分散を「異常分散」と言う。なお、本願明細書では、「正常分散」を「正の分散」、「異常分散」を「負の分散」と表記する。
従来の位相差板は可視光領域に吸収を持たないため、この領域においては異常光線屈折率neと常光線屈折率noはいずれも「正の分散」特性を有する。したがって、「負の分散」特性を得る方法として提案されている従来技術は、「正の複屈折」を有する有機高分子と「負の複屈折」を有する液晶化合物の混合物からなる。
それに対し、本発明では、「正の分散」特性を有する液晶組成物に、可視光領域内に吸収を持つ二色性色素を添加することで、可視光領域内のある波長領域において、異常光線屈折率neが「負の分散」特性を示し、結果として複屈折Δnは、より理想に近い「負の分散」特性を有する。
本発明の位相差板は、可視光領域の少なくとも一部の波長領域において、複屈折Δnが「負の分散」特性を有する。本発明の位相差板の特徴である「負の分散」特性を有する複屈折Δnの設計方法を説明する。
前述の特許文献3で例示した二種類以上のメソゲン基を有する化合物と棒状液晶化合物とを含む液晶組成物からなる液晶フィルムの場合、図1に示すような「正の複屈折」かつ「負の分散」特性を有する位相差板が得られる。しかしながら、一般的には、図1に示す通り、可視光の中心波長である550nmより短波長側の曲線と長波長側の曲線の傾きが異なることに起因して、長波長側が理想直線から外れる傾向にある。従って、可視光領域である400〜700nmの広帯域で理想的な波長分散曲線に近づけるためには、短波長側の曲線を理想直線に近い状態に維持しながら、別の手法で長波長側の曲線を理想直線に近づける試みが必要となる。本発明者らは上記状況を鑑み、液晶化合物の異常分散領域に起因する「負の分散」特性に着目した。
図2のうち、「異常分散領域」の曲線の拡大図を図3に示す。対称な吸収帯を仮定した場合、「異常分散領域」のうち、吸収の最大値では異常分散の寄与が近似的に零になり、屈折率の局部的な最大値が長波長側の吸収帯の半波高値の直前に現れ、屈折率の局部的な最小値が短波長側の半波高値の直後に現れる。これらの位置はλmax、λ+、λ−として図3に示してある。すなわち、λ−からλ+までの範囲内にある長波長になるほど屈折率が大きくなる「負の分散」特性が存在する。
図4および図5を用いて、本発明の設計思想を説明する。図4の細線(実線は異常光線屈折率ne、点線は常光線屈折率no)に示す通り、一般に、異方性を有する液晶化合物の場合、双極子の種類が軸方向によって異なるため、neとnoとが異なる「正の分散」曲線を示す。この液晶組成物に、図5に示すような580nmに極大吸収波長を有する二色性色素を添加することで、550〜650nmの波長領域において、neが「負の分散」特性を有する位相差板が得られる。ここで用いる二色性色素は高い二色性を示すことが好ましい。高い二色性とは、neとnoの吸収特性の差が大きいことを意味する。図6には、二色性色素を添加する前と後の液晶化合物からなる位相差板の複屈折波長分散特性を示す。二色性色素を添加することで、550〜650nmの波長領域において、複屈折がより理想に近い「負の分散」を有する位相差板が得られる。
本発明の位相差板は、neが可視光領域の少なくとも一部の波長領域において、測定波長が長いほど大きくなる「負の分散」特性を有し、それに伴い、複屈折Δnが可視光領域において、測定波長が長いほど大きくなる「負の分散」特性を有する位相差板である。可視光領域とは、一般的に380nm〜780nmの領域を表すが、neが「負の分散」特性を示す領域としては、可視光中心波長550nm近辺を含む領域が好ましい。これは、人間の目が波長ごとに感じる明るさの感度が明るいところでは555nm付近が最大に、暗いところでは507nm付近が最大になるためである。
本発明の位相差板は、複屈折Δnが、可視光領域において、測定波長が長いほど大きくなる「負の分散」特性を有することを特徴とする位相差板である。より具体的には、500nm、550nm、600nmにおける位相差板のリターデーションをΔn・d(500)、Δn・d(550)、Δn・d(600)としたとき、下記式(3)、(4)を満たすことが好ましく、下記式(3−1)、(4−1)を満たすことがより好ましい。ここで、リターデーションとは、複屈折Δnと位相差板の膜厚dの積(Δn・d)である。
1.00>Δn・d(500)/Δn・d(550)>0.80 (3)
1.15>Δn・d(600)/Δn・d(550)>1.00 (4)
0.98>Δn・d(500)/Δn・d(550)>0.90 (3−1)
1.10>Δn・d(600)/Δn・d(550)>1.02 (4−1)
液晶フィルムが上記リタ−デーション特性を有することにより、例えば、1/4波長板として使用する場合においては、波長400〜700nmの直線偏光をこのフィルムに入射した際、広い波長領域において良好な円偏光を得ることができる。
本発明においては、二色性色素を含む液晶フィルムからなる位相差板の、法線方向の所定波長におけるリターデーションをΔna・da、該液晶フィルムから該二色性色素を除いた液晶フィルムからなる位相差板の法線方向でのリターデーションをΔnb・db、とした場合に、下記式(5)を満足することが好ましい。
Δna・da(580)/Δna・da(550)−Δnb・db(580)/Δnb・db(550)>0 (5)
<液晶フィルム>
液晶フィルムは、重合性液晶組成物と、二色性色素とを含んでなり、かつ重合性液晶組成物に含まれる液晶化合物が、ネマチックハイブリッド配向した配向構造を有するものである。液晶フィルムとは、液晶化合物のネマチックハイブリッド配向を固定化したフィルムである。液晶フィルムの配向はフィルムの位相差(Δn・d)測定により測定できる。液晶が配向している状態では、測定波長550nmのΔn・dは20nm以上を示す。
図7に本発明のネマチックハイブリッド配向した液晶化合物を含んでなる液晶フィルムの断面構造を示す。さらに、図8に、液晶フィルムの表面の法線に対して液晶化合物のダイレクターと鉛直方向から入射する光の入射角θ(度)と、液晶フィルムの表面の法線に対して液晶化合物のダイレクターと水平方向から入射する光の入射角θ(度)(入射角−θ(度))とを示す。ネマチックハイブリッド配向した液晶化合物を含んでなる液晶フィルムは、液晶化合物のダイレクターが膜厚方向のすべての場所において異なる角度を向いている。したがって、本発明の位相差板は、フィルム全体では光軸が存在しない。なお、液晶フィルムのチルト方向(軸)とは、図7に示すようにb面側から液晶フィルムを通してc面を見た際に、液晶化合物ダイレクターとダイレクターのc面への投影成分が成す角度が鋭角となる方向で、かつ投影成分と平行な方向をチルト方向(軸)と定義する。
ネマチックハイブリッド配向した液晶化合物を含んでなる液晶フィルムにおいては、液晶フィルムの一方のフィルム界面付近における液晶化合物のダイレクターがフィルム平面と成す角度の絶対値は、好ましくは20度〜90度、より好ましくは30度〜70度であり、当該フィルム面の反対のフィルム界面付近におけるダイレクターとの角度の絶対値は、好ましくは0度〜50度、より好ましくは0〜30゜である。また、当該ネマチックハイブリッド配向構造における平均チルト角の絶対値は、好ましくは5度〜40度、より好ましくは10度〜35度、最も好ましくは15度〜30度である。平均チルト角が、上記の数値範囲内にあれば、偏光子と組み合わせて液晶表示装置や有機EL表示装置などの表示装置に備えた際に反射視野角特性を向上することができる。ここで平均チルト角とは、液晶フィルムの膜厚方向における液晶化合物のダイレクターとフィルム平面との成す角度の平均値である。
また、本発明の位相差板は、ツイストネマチックハイブリッド配向した液晶化合物を含んでなる液晶フィルムであってもよい。ツイストネマチックハイブリッド配向した液晶化合物を含んでなる液晶フィルムとは、液晶化合物のダイレクターが、その一方の面から他方の面にかけて光学異方軸がツイストした構造を有する。従って、本位相差板は、光学的に異方性を持った層をその光学異方軸が連続的にツイストするように多層重ね合わせたものと同等の特性を有し、通常のTN(ツイステッドネマチック)液晶セルやSTN(スーパーツイステッドネマチック)液晶セル等と同様に、フィルムの法線方向から見た場合、リターデーションとねじれ角を有している。更に、ツイストネマチックハイブリッド配向した液晶化合物を含んでなる液晶フィルムは、液晶化合物のダイレクターが、その一方の面から他方の面にかけて、面内方向に光学異方軸がツイストしながら膜厚方向で異なる角度で傾斜したフィルムである。当該配向構造におけるツイスト角の絶対値は、好ましくは0度〜70度、より好ましくは0度〜60度、最も好ましくは0度〜59度である。ツイスト角が上記の数値範囲内にあれば、偏光子と組み合わせて表示装置に備えた際にコントラストや反射防止性能等、正面から見た場合の表示特性を向上することができる。ここでツイスト角とは、なお、ツイストの向きには2種類あるが、右ツイストであってもよく左ツイストであってもよい。
このようなリターデーション、ツイスト角、チルト角は、複屈折を測定することが可能な装置(例えばAxometrix社製の商品名「Axoscan」、王子計測機器社製の商品名「KOBRA−21ADH」等)を用いて測定した値から算出することができる。
<二色性色素>
本発明において、二色性色素とは、分子の長軸方向における吸光度と、短軸方向における吸光度とが異なる性質を有する色素をいう。また、位相差板における二色性色素の下記式(1)で表されるオーダーパラメータ(S)が、1.0≧S≧0.5の範囲にある二色性色素が使用される。
S=(DR−1)/(DR+2) (1)
(式(1)中、DRは、下記式(2):
(式(5)中、λは真空中における光の波長(nm)を表し、
Ae(λ)は、位相差板における遅相軸と平行の偏光吸収スペクトルを表し、
Ao(λ)は、位相差板における遅相軸と垂直の偏光吸収スペクトルを表し、
Ae0(λ)は、二色性色素を除いた位相差板における遅相軸と平行の偏光吸収スペクトルを表し、
Ao0(λ)は、二色性色素を除いた位相差板における遅相軸と垂直の偏光吸収スペクトルを表す。)
で表される二色性色素の二色比である。)。
「オーダーパラメータ(S)」とは、位相差板における二色性色素の配向度を表す指標であり、1.0≧S≧−0.5の範囲で定義される。二色性色素は、位相差板において、S=1の場合、一方向に完全に配向し、S=0の場合、完全に無秩序な状態で存在している。
「正の分散」特性を有する位相差板に二色性色素を添加した場合、二色性色素は重合性液晶化合物のダイレクター方向に配向するが、「負の分散」特性を有する位相差板においては、液晶化合物のダイレクターの方向と略垂直方向にメソゲン基が存在する。このため、「正の分散」特性を有する位相差板に二色性色素を添加した場合と比べて、二色性色素の配向性が低下し、その結果、二色比が低下する傾向にある。
本発明は、オーダーパラメータ(S)が、1.0≧S≧0.5の範囲にある二色性色素を使用することによって、「負の分散」特性を有する位相差板に添加した場合であっても高い二色比を維持することができるようにしたものである。
二色性色素の二色比は、二色性色素の長軸方向における極大吸収波長での吸光度と短軸方向の吸光度の比で定義される。二色比は、二色性色素の配向方向の吸光度および配向方向と垂直方向の吸光度を測定することで求めることが可能である。本発明において、「負の分散」特性を有する位相差板に添加する二色性色素の二色比は、好ましくは2〜50、より好ましくは5〜30である。
このような二色性色素としては特に限定はないが、例えば、アクリジン色素、アジン色素、アゾメチン色素、オキサジン色素、シアニン色素、メロシアニン色素、スクアリリウム色素、ナフタレン色素、アゾ色素、及びアントラキノン色素、ベンゾトリアゾール色素、ベンゾフェノン色素、ピラゾリン色素、ジフェニルポリエン色素、ビナフチルポリエン色素、スチルベン色素、ベンゾチアゾール色素、チエノチアゾール色素、ベンゾイミダゾール色素、クマリン色素、ニトロジフェニルアミン色素、ポリメチン色素、ナフトキノン色素、ペリレン色素、キノフタロン色素、スチルベン色素、インジゴ色素などが挙げられる。中でも、二色性色素は、アントラキノン色素およびアゾ色素が好ましい。アゾ色素としては、モノアゾ色素、ビスアゾ色素、トリスアゾ色素、テトラキスアゾ色素及びスチルベンアゾ色素などが挙げられ、好ましくはビスアゾ色素、トリスアゾ色素およびこれらの系列の色素の誘導体が例示される。上記の条件を満たす色素であれば本発明で用いることが可能である。本発明で用いることが可能である色素の一例を色素ハンドブック(大河原信、北尾悌次郎、平嶋恒亮、松岡賢 編、講談社サイエンティフィック社:1986年第1版)に記載の色素番号で表1に示す。
二色性色素は、下記式(1)で表されるもの(以下、場合により「アゾ色素(1)」という。)が特に好ましい。
式(1)中、nは1〜4の整数であり、ArおよびArは、それぞれ独立して下記の群より選択される基を表す。
また、式(1)中、Arは、下記の群より選択される基を表し、nが2以上の場合は、Arは互いに同一であってもよく異なっていてもよい。
上記した基において、AおよびAは、それぞれ独立して下記の群より選択される基を表わす。
(式中、mは0〜10の整数であり、同一の基中にmが2つある場合、この2つのmは互いに同一であってもよく異なっていてもよい。)
上記したアゾ色素(1)のアゾベンゼン部位の位置異性は、トランスであることが好ましい。アゾ色素(1)としては例えば、式(1−1)〜式(1−58)でそれぞれ表される化合物などが挙げられる。
上記したアゾ色素(1)の具体例の中でも、式(1−2)、式(1−5)、式(1−6)、式(1−8)、式(1−10)、式(1−12)、式(1−13)、式(1−15)、式(1−16)、式(1−19)、式(1−20)、式(1−21)、式(1−22)、式(1−23)、式(1−24)、式(1−26)、式(1−27)、式(1−28)、式(1−29)、式(1−30)式(1−31)、式(1−32)、式(1−33)、式(1−34)、式(1−35)、式(1−36)、式(1−49)、式(1−50)、式(1−51)、式(1−52)、式(1−53)、式(1−54)式(1−55)、式(1−56)、式(1−57)および式(1−58)でそれぞれ表されるものがより好ましく、式(1−2)、式(1−5)、式(1−8)、式(1−10)、式(1−15)、式(1−21)、式(1−22)、式(1−26)、式(1−28)、式(1−29)、式(1−30)、式(1−31)、式(1−32)、式(1−33)、式(1−34)、式(1−35)式(1−36)、式(1−49)、式(1−50)、式(1−51)、式(1−52)、式(1−53)、式(1−54)および式(1−55)でそれぞれ表されるものが特に好ましい。上記したアゾ色素(1)のアゾベンゼン部位の位置異性は、トランスであることが好ましい。
また、二色性色素は、重合性基を有していることが好ましく、例えば、重合性基としては、アクリル基、メタクリル基、ビニル基、ビニロキシ基、エポキシ基、オキセタニル基が好ましく、反応性の観点からアクリル基、エポキシ基、オキセタニル基が特に好ましい。二色性色素が、重合性基を有していることにより、重合性液晶組成物と重合し、配向基板上において重合性液晶組成物の配向方向と略同一方向に配向するため、高温多湿環境下における「負の分散」特性の低減、二色性色素の吸光度および吸収二色比の変動を防止することができ、光学信頼性に優れた位相差板を得ることができる。さらに、二色性色素は、液晶性を有していてもよく、特に、ネマチック相、スメクチック相を有するものが好ましい。
重合性基を有する重合性二色性色素の具体例としては、例えば、下記のような化合物等が挙げられる。
アントラキノン色素としては、式(1−59)で表される化合物が好ましい。
(式中、R〜Rは、互いに独立して、水素原子、−R、−NH、−NHR、−NRx2、−SRまたはハロゲン原子を表す。Rxは、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を表す。)
また、オキサゾン色素としては、式(1−60)で表される化合物が好ましい。
(式中、R〜R15は、互いに独立して、水素原子、−R、−NH、−NHR、−NRx2、−SRまたはハロゲン原子を表す。Rは、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を表す。)
また、アクリジン色素としては、式(1−61)で表される化合物が好ましい。
(式中、R16〜R23は、互いに独立して、水素原子、−R、−NH、−NHR、−NRx2、−SRまたはハロゲン原子を表す。Rは、炭素数1〜4のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を表す。)
以上の式(1−59)、式(1−60)および式(1−61)において、Rの炭素数1〜6のアルキル基とは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基およびヘキシル基などであり、炭素数6〜12のアリール基としては、フェニル基、トルイル基、キシリル基およびナフチル基などである。
また、シアニン色素としては、式(1−62)で表される化合物、および式(1−63)で表される化合物が好ましい。
(式中、DおよびDは、互いに独立して、下記式(1−62a)〜式(1−62d)のいずれかで表される基を表し、n5は1〜3の整数を表す。)
(式(1−63)中、DおよびDは、互いに独立して、下記式(1−63a)〜式(1−63h)のいずれかで表される基を表し、n6は1〜3の整数を表す。)
以上、位相差板が含有する二色性色素について、その好ましい例を説明したが、中でも、二色性色素としてアゾ色素(1)であることが好ましく、互いに異なる極大吸収波長を有するアゾ色素(1)を2種以上含有してもよい。
二色性色素は棒状分子であることが好ましい。更に、長軸方向の分子長が2〜10nmであるものが好ましく、2.3〜8nmであるものがより好ましく、2.5〜6nmであるものが更に好ましい。ここで、「長軸方向の分子長」とは、二色性色素の両末端に存在する非環状の官能基および水素原子を除いた各原子間距離のうち最長のものを意味し、非環状の官能基とは直鎖状の脂肪族炭化水素基またはビニル基またはカルボニル基またはアルコール基またはアルコキシ基またはエーテル基および前記官能基を環状でない脂肪族炭化水素基を介して結合させたものおよび前記官能基の水素原子をハロゲン原子で置換したものを含み、芳香族環基または不飽和ヘテロ環基または脂肪族環基を含まない。分子長が最長となるようなコンフォメーション(例えば、アゾ基を有する分子 についてはトランス配置)を初期配置に量子化学計算パッケージ(ORCA Ver3.0.1)を用いて密度汎関数法(DFT法)にて最安定構造計算を実施して、分子長を算出することができる。また、汎関数としてはPBE0を、基底はDef2−SVPを用いることができる。分子長が2nm〜10nmの二色性色素を用いることにより、「負の分散」特性を有する位相差板に添加した場合であっても、オーダーパラメータ(S)を1.0に近づけることができる。
二色性色素のオーダーパラメータ比(「負の分散」特性を有する位相差板に二色性色素を添加した場合のオーダーパラメータ(S)/「正の分散」特性を有する位相差板に二色性色素を添加した場合のオーダーパラメータ(S))は、0.7〜1.2であることが好ましく、0.8〜1.1であることがより好ましく、0.9〜1.1であることが更に好ましい。
二色性色素は、380〜780nmの範囲に極大吸収波長(λmax)を有するものが好ましく、より好ましくは400〜750nmであり、特に好ましくは450〜700nm、最も好ましくは540〜620nmであるが、本発明の位相差板を画像表示装置などの表示装置に適用する場合は、表示装置の光源の発光スペクトルを考慮して、画像表示装置の発光スペクトルの極大吸収波長と異なるような極大吸収波長を選択することが最も好ましく、二色性色素の極大吸収波長と、表示装置の発光スペクトルの極大波長との値が異なることが望ましい。
有機EL画像表示装置の赤青緑の3色の発光素子の発光スペクトルは、青色光は波長約460nmに、緑色光は波長約530nmに、赤色光は波長約630nmに極大値を有する。有機EL画像表示装置に、本発明の位相差板を適用する場合、二色性色素による光の吸収は避けられないが、この吸収による透過率低下を最小限に抑えるために3色の発光スペクトルの極大波長と異なる極大吸収波長を有する二色性色素を選択することが好ましい。例えば、580nm近辺に極大吸収波長を有する二色性色素を適用することが好ましい。他の画像表示装置においても同様であり、光源にLEDを使用した液晶画像表示装置においては、LEDの極大波長と異なる極大吸収波長を有する二色性色素を用いることで、透過率低下を抑制することができる。二色性色素の極大吸収波長と画像表示装置の発光スペクトルの極大波長の差は5nm以上、好ましくは10nm以上、さらに好ましくは20nm以上である。二色性色素の極大吸収波長と画像表示装置の発光スペクトルの極大波長との差を5nm以上とすることで、透過率低下を抑制することができる。
位相差板における二色性色素の含有量は、当該二色性色素の種類などに応じて適宜調節できるが、本発明においては、オーダーパラメータ(S)が、1.0≧S≧0.5の範囲にある二色性色素を使用するため、二色性色素の含有量を抑えながら高い逆分散性改善効果を維持することができる。具体的には、重合性液晶組成物100重量部に対して、0.03〜0.8重量部であり、0.05〜0.5重量部であることが好ましい。本発明においては、二色性色素の含有量を少量に抑えられるため、位相差板の透過率低下を抑制することができる。なお、ここでいう二色性色素の含有量とは、2種以上の二色性色素を含む場合は、それらの合計量を意味する。
<重合性液晶組成物>
重合性液晶組成物としては、重合により液晶化合物がネマチックハイブリッド配向した状態を固定化することができるものであれば特に制限されない。本発明における重合性液晶組成物は、
(1)1種または2種以上の重合性液晶化合物からなるもの、
(2)重合性基を有さない液晶化合物および重合性非液晶化合物を含んでなるもの、
(3)重合性液晶化合物および重合性非液晶化合物を含んでなるもの、および
(4)重合性液晶化合物および重合性基を有さない液晶化合物を含んでなるもののいずれであってもよい。
本発明においては、公知の重合性液晶化合物を適宜利用できる。このような重合性液晶化合物としては、配向基板上においてネマチックハイブリッド配向し、その配向状態を固定化し得る重合性液晶化合物を用いることが好ましい。更に、このような重合性液晶化合物としては、例えば、低分子重合性液晶化合物、高分子重合性液晶化合物、及びこれらの混合物等を適宜利用することができる。
このような重合性液晶化合物としては、配向状態をより効率よく固定化できるといった観点から、光及び/又は熱により反応する重合性基を有する液晶化合物が好ましい。このような光や熱により反応する重合性基を備える液晶化合物としては、光及び/又は熱によって、その周りに存在する成分(液晶化合物等)と重合して、配向を固定化できるものであればよく、その種類は特に限定されず、公知の重合性基を備える液晶化合物を適宜利用できる。また、このような重合性基としては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、ビニルオキシ基、オキシラニル基、オキセタニル基、アジリジニル基等が好ましい。なお、このような重合性基としては、反応条件等によっては、例えば、イソシアナート基、水酸基、アミノ基、酸無水物基、カルボキシル基等の他の重合性基を使用してもよい。
また、本発明では、リターデーションΔn・dが、上記数式(3)および(4)を満足することが好ましい。上記数式(3)を満足する化合物としては、重合性液晶化合物が二種類以上のメソゲン基を有する化合物が知られており、そのうち少なくとも一つのメソゲン基を液晶層の平行(ホモジニアス)配向の遅相軸に対して略直交方向に配向させることで、長波長になるほど、位相差が大きくなる。ここで、メソゲン基のメソゲンは、中間相(=液晶相)形成分子(「液晶辞典」、日本学術振興会、情報科学用有機材料第142委員会、液晶部会編、1989年)とも称され、液晶性分子構造とほぼ同義である。
メソゲン基の例としては、ビフェニル、フェニルシクロヘキシル、シクロヘキシルフェニル、フェニルオキシカルボニルフェニル、フェニルカルボニルオキシフェニル、フェニルオキシカルボニルシクロヘキシル、シクロヘキシルカルボニルオキシフェニル、フェニルカルボニルオキシフェニルオキシカルボニルフェニル、フェニルカルボニルオキシフェニルオキシカルボニルフェニル、フェニルカルボニルオキシシクロヘキシルオキシカルボニルフェニル、フェニルオキシカルボニルシクロヘキシルカルボニルオキシフェニル、フェニルカルボニルオキシフェニルアミノカルボニルフェニル、フェニルエテニレンフェニル、フェニルエチニレンフェニル、フェニルエチニレンフェニルエチニレンフェニル、フェニルエテニレンカルボニルオキシビフェニルおよびフェニルエテニレンオキシフェニルエチニレンフェニルが挙げられる。
メソゲン基(メソゲン基を構成するベンゼン環やシクロヘキサン環)は、置換基を有していてもよい。置換基としては、上記した重合性基またはその誘導体が好ましい。二種類のメソゲン基の組み合わせとしては、一方のメソゲン基が、ビフェニル、フェニルシクロヘキシル、シクロヘキシルフェニル、フェニルオキシカルボニルフェニル、フェニルカルボニルオキシフェニル、フェニルオキシカルボニルシクロヘキシル、シクロヘキシルカルボニルオキシフェニル、フェニルカルボニルオキシフェニルオキシカルボニルフェニル、フェニルカルボニルオキシフェニルオキシカルボニルフェニル、フェニルカルボニルオキシシクロヘキシルオキシカルボニルフェニル、フェニルオキシカルボニルシクロヘキシルカルボニルオキシフェニルおよびフェニルカルボニルオキシフェニルアミノカルボニルフェニルからなる群より選ばれ、他方のメソゲン基が、フェニルエテニレンフェニル、フェニルエチニレンフェニル、フェニルエチニレンフェニルエチニレンフェニル、フェニルエテニレンカルボニルオキシビフェニルおよびフェニルエテニレンオキシフェニルエチニレンフェニルからなる群より選ばれることが特に好ましい。
二種類以上のメソゲン基を有する化合物の具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
また、液晶化合物のツイストネマチック配向を誘起するためには、液晶組成物中にカイラル剤を添加するか、あるいは液晶組成物中に少なくとも1種のカイラルな構造単位を有する液晶化合物または非液晶化合物を配合することが特に望ましい。
カイラルな構造単位としては、例えば光学活性な2−メチル−1,4−ブタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,2−プロパンジオール、2−クロロ−1,4−ブタンジオール、2−フルオロ−1,4−ブタンジオール、2−ブロモ−1,4−ブタンジオール、2−エチル−1,4−ブタンジオール、2−プロピル−1,4−ブタンジオール、3−メチルヘキサンジオール、3−メチルアジピン酸、ナプロキセン誘導体、カンファー酸、ビナフトール、メントールあるいはコレステリル基含有構造単位またはこれらの誘導体(例えばジアセトキシ化合物などの誘導体)から誘導される単位を利用することができる。上記のジオール類はR体、S体のいずれでも良く、またR体およびS体の混合物であっても良い。なおこれら構造単位は、あくまでも例示であって本発明はこれによって何ら制限されるものではない。またオリゴマーや低分子液晶であっても、架橋性基の導入あるいは適宜な架橋剤のブレンドによって、液晶状態あるいは液晶転移温度以下に冷却して配向固定化された状態で、熱架橋あるいは光架橋等の手段により高分子化できるものも液晶高分子に含まれる。
二種類以上のメソゲン基を有する液晶化合物は、市販品を利用してもよく、一般的な合成方法を応用して合成することができる。例えば、1)最初に出発原料の官能基変換により二種類以上のメソゲン基の一つを導入した後、同様に官能基変換により他のメソゲン基を続けて導入する順次導入法、2)出発原料の官能基変換により同時に二種類以上のメソゲン基を導入する同時導入法、あるいは3)順次導入法と同時導入法との併用法を採用できる。このように、二種類以上のメソゲン基を有する化合物を製造するための方法は特に制限されず、公知の方法を適宜利用することができ、例えば、特開2002−267838号公報に記載された方法を採用してもよい。このように、重合性液晶化合物は、その利用する化合物の種類に応じて公知の方法を適宜利用して製造することができる。このような重合性液晶化合物は1種を単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせた混合物として用いてもよい。また、液晶化合物を2種以上組み合わせる場合、全ての液晶化合物が液晶性を示す必要はなく、混合物が液晶性を示せばよい。
重合性液晶組成物は、重合性基を有する液晶化合物と液晶性を示さない重合性化合物との混合物を利用してもよい。このような液晶性を示さない重合性化合物としては、重合性基を有する液晶化合物との相溶性を有し、かつ該液晶化合物を配向させる際に配向阻害を引き起こすようなものではない限り特に限定されない。このような液晶性を示さない重合性化合物としては、例えば、エチレン性不飽和基(例えばビニル基、ビニルオキシ基、(メタ)アクリロイル基)等の重合性官能基を有する化合物等が挙げられる。このような液晶性を示さない重合性化合物の添加量は、重合性基を有する液晶化合物と液晶性を示さない他の重合性モノマーの総量に対して0.5〜50重量%とすることが好ましく、1〜30重量%とすることが好ましい。
<重合開始剤>
上記したような重合性液晶組成物や二色性色素を重合させるための重合開始剤としては特に制限されず、公知の重合開始剤を適宜利用することができ、組成物中の重合性液晶化合物の種類に応じて、より効率よく重合性液晶化合物の重合を開始させることが可能なものを適宜選択して利用すればよい。また、このような重合開始剤は、熱重合開始剤(熱重合反応を利用する際の開始剤)であっても、光重合開始剤(光や電子線の照射を利用する際の開始剤)であってもよく光重合開始剤がより好ましい。
光重合開始剤としては、市販品を利用してもよく、例えば、Ciba−Geigy社製の光重合開始剤(商品名「イルガキュア907」、商品名「イルガキュア651」、商品名「イルガキュア184」)や、Union Carbide社製の光重合開始剤(商品名「UVI6974」)等を適宜使用してもよい。なお、このような光重合開始剤は、光又は電子線の照射により、自由ラジカルを生成するものや、イオンを生成するもの等があるが、重合性液晶組成物中の重合性液晶化合物の種類や重合反応の条件等に応じて、自由ラジカルを生成する光重合開始剤(例えば、Ciba−Geigy社製の商品名「イルガキュア651」等)や、イオンを生成する光重合開始剤(例えば、Union Carbide社製、商品名:UVI6974)の中から好適なものを適宜選択して利用すればよい。
また、本発明に係る重合開始剤の含有量としては、重合性液晶組成物および二色性色素の混合物100重量部に対して1〜10重量部であることが好ましく、3〜5重量部であることがより好ましい。このような重合開始剤の含有量が上記数値範囲内であれば、得られる位相差板の硬化性が十分であり、液晶化合物の配向に欠陥を生じるのを抑制することができる。
<位相差板の製造方法>
本発明の液晶フィルムからなる位相差板の製造方法について説明する。
位相差板の製造方法としては特に限定されるものではないが、例えば、(1)重合性液晶組成物と、二色性色素と、必要に応じて添加される各種の溶媒、添加剤、重合開始剤等とを含む組成物溶液を調製する溶液調整工程、(2)組成物溶液を、配向基板上に塗布することにより塗膜を形成する塗布工程、(3)塗膜を熱処理し液晶を配向させる配向工程、(4)光照射および/または加熱処理(重合・架橋)等でネマチックハイブリッド配向を固定化する配向固定化工程を経て製造することができる。
本明細書において、「ネマチックハイブリッド配向の状態で固定化された」状態は、重合性液晶組成物の重合反応により液晶化合物の配向を固定化して得られる液晶フィルムにおいて、ネマチックハイブリッド配向が確認される状態をいい、重合性液晶化合物等に由来する成分(その重合性液晶化合物自体、その重合性液晶化合物が分解されて形成された構成物やその重合性液晶化合物の重合物等を含む。)のうちのいずれかが、ネマチックハイブリッド配向の状態で固定化されていればよい。
(溶液調整工程)
溶液の調製に用いる溶媒に関しては、重合性液晶組成物および二色性色素を溶解でき、適当な条件で留去できる溶媒であれば特に制限はない。例えば、均一な膜厚となるように溶液を塗布するのに適切な乾燥速度、取扱い容易性(環境への有害性)および重合性液晶組成物および二色性色素に対する溶解性の観点から、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート、酢酸2−メトキシエチル、トルエン、ザイレン、メトキシベンゼン、1,2−メトキシベンゼン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、γ-ブチロラクトンが好ましく、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート、γ-ブチロラクトンがより好ましい。なお、このような溶媒としては1種を単独であるいは2種以上を組み合わせて利用してもよい。また、基板の種類によっては、溶媒の種類によっては腐食が生じる場合もあることから、基板の種類に応じて好適な溶媒を適宜選択して利用することが好ましい。
また、本発明に使用する溶媒の含有量は、その組成物の使用方法(例えば液晶フィルムを形成するために使用する場合には、その厚さの設計や塗布方法等も含めた使用方法等)等によって、適宜調整することができる。例えば、溶媒の含有量は、30〜98重量%であることが好ましく、50〜95重量%であることがより好ましく、70〜90重量%であることが更に好ましい。溶媒の含有量が30重量%以上であれば、重合性液晶組成物および二色性色素の混合物に対する溶媒の量が確保されるため、保管中に液晶化合物が析出するのを抑制したり、該混合物の粘度が高くなって湿潤(wetting)性が低下するのを抑制し、位相差板の製造時のコーティングを良好に行ったりすることができる。また、溶媒の含有量が95重量%以下であれば、溶媒の除去(乾燥)が短時間で完了するため、生産性が低下するのを抑制することができる。さらに、該混合物を含む溶液を配向基板上にコーティングした場合に表面の流動性を抑えるため、均一な品質の位相差板を製造することができる。また、配向基板上に均一な塗膜を形成するために、反応活性化剤、増感剤、界面活性剤、消泡剤、レベリング剤などを溶液に添加してもよい。
配向基板としては、平滑な平面を有するものが好ましく、有機高分子材料からなるフィルムやシート、ガラス板、金属板などを使用することができる。有機高分子材料の例としては、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリスルフォン、環状ないしノルボルネン構造を有するシクロポリオレフィン、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース(TAC)、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。このような配向基板としては、特に制限されるものではないが、形成される液晶フィルムと配向基板との積層体をそのまま光学フィルムとして用いる等、その用途に応じて、位相差機能等の光学機能を有するものとしてもよい。更に、このような配向基板は、一軸延伸フィルムであってもよく、二軸延伸フィルムであってもよい。
(塗布工程)
塗布方法については、塗膜の均一性が確保される方法であれば、特に限定されることはなく公知の方法を採用することができる。例えば、スピンコート法、ダイコート法、カーテンコート法、ディップコート法、ロールコート法などが挙げられる。このような塗膜としては、本発明の重合性液晶組成物および二色性色素混合物中の溶媒の含有量等によっても異なるものであり、一概には言えないが、乾燥前の塗膜の厚み(ウエット膜厚)が3〜50μmであることが好ましく、5〜20μmであることがより好ましい。このような厚み(ウエット膜厚)が3μm以上であれば、所望の光学特性を得るために重合性液晶組成物中の固形分(液晶化合物等)の析出を抑制し、均一な液晶フィルムを得ることができ、また均一な塗布により液晶フィルムの十分な平滑性が得られる。また、20μm以下であれば、所望の光学特性とするための液晶組成物中の固形分の濃度が薄くなるため、塗布後の乾燥時間を短縮することができる。
(配向工程)
重合性液晶組成物を含む溶液を塗布後、溶媒除去および液晶化合物の配向を目的として、加熱することが好ましい。加熱の温度は、15〜110℃であることが好ましく、20〜80℃であることがより好ましい。温度が15℃以上であれば、冷却設備を必要とせず、効率的に液晶化合物を配向させることができる。また、110℃以下であれば、配向基板が熱により歪んで光学特性等が変化するのを抑制することができる。
また、この配向工程における圧力は、600〜1400hPaであることが好ましく、900〜1100hPaであることがより好ましい。このような圧力条件が600hPa以上であれば、溶媒の乾燥が緩慢であり、乾燥ムラが生じるのを抑制することができる。また、圧力条件が1400hPa以下であれば、溶媒の乾燥にかかる時間を低減することができる。加熱時間は、10秒〜60分とすることが好ましく、1分〜30分とすることがより好ましい。乾燥時間が10秒以上であれば、溶媒の乾燥が緩慢であるため、液晶フィルムの平滑性を維持することができる。また、60分以下であれば、製造速度が速く、十分な生産性を維持することができる。加熱に使用することができる装置としては、ヒーター(炉)、温風吹きつけ装置などが挙げられる。
(配向固定化工程)
重合性液晶組成物を重合して液晶化合物の配向状態を固定化する方法としては、例えば、重合開始剤の種類等に応じて、光照射及び/又は加熱処理により、重合性基を反応させて配向を固定化する方法を採用してもよい。
重合開始剤が、光の照射により開始剤としての機能を発現するようなものである場合(例えば、いわゆる光カチオン発生剤の場合)には、光照射によりネマチックハイブリッド配向の配向状態を固定化することが好ましい。このような光照射の方法としては特に制限されず、例えば、用いる重合開始剤の吸収波長領域にスペクトルを有する光源(例えば、10mW/cm以上の照度を有する、メタルハライドランプ、中圧或いは高圧水銀灯(中圧或いは高圧水銀紫外ランプ)、超高圧水銀灯、低圧水銀灯、キセノンランプ、アークランプ、レーザーなど)を用いて、その光源からの光を照射する方法が挙げられる。なお、このような光の照射により反応開始剤を活性化させることが可能となり、効率よく反応性官能基を反応させることが可能となる。
また、このような光照射の方法において光の積算照射量としては、波長365nmでの積算露光量として、10〜2000mJ/cmであることが好ましく、100〜1500mJ/cmであることがより好ましい。ただし、重合開始剤の吸収領域と、光源のスペクトルが著しく異なる場合や、重合性液晶化合物自身に光源波長光の吸収能がある場合等は、この限りではない。これらの場合には、より効率よく配向状態を維持したまま、塗膜を固定化させるという観点から、適当な光増感剤や、吸収波長の異なる2種以上の重合開始剤を混合して用いてもよい。また、このような光照射時の温度条件は、重合性液晶化合物がネマチックハイブリッド配向の配向状態を維持できる温度範囲とすればよく、特に制限されない。なお、光照射時に、塗膜の表面温度が液晶温度の範囲を維持できるように、配向基板と光源(紫外線ランプ等)との間には、コールドミラーやその他の冷却装置を設けてもよい。
光照射時の雰囲気の条件としては、特に制限されず、大気雰囲気であっても或いは反応効率を高めるために酸素を遮断した窒素雰囲気下であってもよい。なお、雰囲気中の酸素濃度は重合度に関与するため、空気中で所望の重合度に達しない場合には、窒素置換等の方法により酸素濃度を低下させた雰囲気で光照射することが好ましい。このような場合の雰囲気ガス中の酸素濃度としては、10容量%以下であることが好ましく、7容量%以下であることがさらに好ましく、3容量%以下であることが最も好ましい。
また、重合開始剤が熱により開始剤としての機能を発現するようなものである場合(例えば、いわゆる熱カチオン発生剤の場合)には、加熱処理によりネマチックハイブリッド配向の配向状態で配向を固定化することが好ましい。このような加熱処理の条件としては、特に制限されず、重合開始剤の種類に応じて、配向状態が十分に維持されるように温度条件を選択すればよく、公知の条件を適宜採用することができる。
なお、配向基板が耐熱性の低いものである場合には、重合開始剤として光の照射により開始剤の機能を発現するようなものを用い、光照射によりネマチックハイブリッド配向の配向状態を固定化することが好ましい。
以上のような工程により製造した液晶フィルムは、充分強固な膜となっている。具体的には、硬化反応によりメソゲンが3次元的に結合され、硬化前と比べて耐熱性(液晶配向保持の上限温度)が向上するのみでなく、耐スクラッチ性、耐磨耗性、耐クラック性などの機械的強度に関しても大幅に向上する。
ネマチックハイブリッド配向の確認方法としては、公知の方法を適宜採用でき、特に制限されるものではないが、一対の直交偏光板(一方の偏向板の偏向方向と、もう一方の偏向板の偏向方向が直交する一対の偏光板)の間に液晶フィルム(基板との積層体の状態であってもよい)を配置した試料の透過光を肉眼で確認する方法や、偏光顕微鏡を用いて確認する方法を採用してもよい。肉眼で確認する場合は、正面から見た時のバックライト上に前記試料を配置し、バックライトからの透過光強度が最も弱くなるように試料角度を調整し、遅相軸を軸にして斜めから観察した際に透過光強度が強くなり、進相軸を軸にして斜めから観察した際に透過光強度が弱いままであることを確認することで、ネマチックハイブリッド配向の有無を確認することができる。また、ネマチックハイブリッド配向液晶フィルムは、光の入射角に応じて位相差の特性が異なることから、液晶フィルムの表面に対して垂直方向のリターデーションと垂直方向から特定の角度に光の入射角を傾けた場合のリターデーションを測定することが可能な複屈折測定装置(例えばAxo−metrix社製の商品名「Axoscan」、王子計測機器社製の商品名「KOBRA−21ADH」等)を用いて、視野角0度(液晶フィルムに対して垂直方向)から視野角がより大きくなる方向に角度を適宜変更しながら位相差の測定を行い、複数の視野角において前記試料のリターデーションをそれぞれ求め、液晶フィルムの表面に対して垂直方向においてリターデーションが確認され、さらに視野角がより大きくなる方向におけるリターデーションが、視野角の−方向と+方向との値が非対称性を示すこと、を確認することで、ネマチックハイブリッド配向の有無を確認する方法を採用してもよい。
液晶フィルムの厚みとしては、用途や求める特性によっても異なるものではあるが、0.1〜10μmであることが好ましく、0.2〜5μmであることがより好ましい。液晶フィルムの厚みが0.1μm以上であれば、所望の位相差を発現でき、10μm以下であれば、液晶の配向性の低下を抑制したり、色素による透過率の低下を抑制することができる。
このような液晶フィルムの複屈折Δnは、用途や求める特性によっても異なるが、0.005〜0.5であることが好ましく、0.01〜0.3であることがさらに好ましい。複屈折Δnが上記の範囲であれば、所望の位相差とした場合に厚みを10μm以下とできるので位相差板、積層偏光板として好適に用いることができる。
<積層偏光板>
本発明による積層偏光版は、液晶フィルムを備えてなる位相差板と、偏光子とを備えたものである。偏光子は特に制限されず、各種のものを使用できる。例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらのなかでもポリビニルアルコール系フィルムを延伸して二色性材料(沃素、染料)を吸着・配向したものが好適に用いられる。偏光子の厚さは特に制限されないが、5〜80μm程度が一般的である。
積層偏光板は、位相差板と、偏光子とを、粘着剤層を介して互いに貼り合わせることにより作製することができるが、本発明のように位相差板が液晶フィルムからなる場合、重合性液晶組成物と二色性色素とからなる混合物を、直接、ないしは、配向膜等を介して偏光子上に塗布、配向固定化することにより作製することができる。粘着剤層を形成する粘着剤は特に制限されないが、例えば、アクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、アクリル系粘着剤の如く光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるものを好ましく用いることができる。
本発明の位相差板は、ネマチックハイブリッド配向を固定化した液晶フィルムであることから、当該フィルムの上下は光学的に等価ではない。したがって、液晶フィルムのどちらのフィルム面を偏光板側にするのかによって、また液晶セル等の光学パラメーターとの組合せによって、表示性能が異なる。よって本発明における液晶フィルムを積層偏光板に用いる際は、要求される光学特性、表示特性等を考慮して配置条件を決定することが望ましい。
<表示装置>
本発明の表示装置は、上記液晶フィルムからなる位相差板を備えるものである。また、本発明の表示装置は、該位相差板と偏光子とを備えた楕円偏光又は円偏光の機能を有する積層偏光板を備えるものである。このような本発明の表示装置としては、画像表示装置の種類は特に制限されず、液晶表示装置や有機EL表示装置、プラズマディスプレイ等のような公知の表示装置を適宜利用することができる。また、上記本発明の位相差板を表示装置に配置する方法等も特に制限されず、公知の方法を適宜利用することができる。
本発明の位相差板を適用する液晶表示装置について説明する。
本発明の液晶表示装置は、本発明の位相差板を少なくとも有する。液晶表示装置は一般的に、偏光子、液晶セル、および位相差板、反射層、光拡散層、バックライト、フロントライト、光制御フィルム、導光板、プリズムシート等の部材から構成されるが、本発明においては前記位相差板を使用する点を除いて特に制限は無い。また位相差板の使用位置は特に制限はなく、1カ所でも複数カ所でも良い。また、他の位相差板と組み合わせて使用することもできる。
本発明の液晶表示装置は、位相差板が所望の複屈折波長分散特性を有することから、その特性に応じて、例えば、液晶表示装置の視野角を十分に広げたり、輝度を十分に向上させたりすること等が可能となり、これにより視野角向上や画質向上を十分に図ることができる。
本発明の位相差板を備える有機EL表示装置について説明する。
一般に、有機EL表示装置は、透明基板上に透明電極と有機発光層と金属電極とを順に積層して有機発光層を形成している。ここで、有機発光層は、種々の有機薄膜の積層体であり、例えばトリフェニルアミン誘導体等からなる正孔注入層と、アントラセン等の蛍光性の有機固体からなる発光層との積層体や、あるいはこのような発光層とペリレン誘導体等からなる電子注入層の積層体や、またあるいはこれらの正孔注入層、発光層、および電子注入層の積層体等、種々の組み合わせをもった構成が知られている。
有機EL表示装置は、透明電極と金属電極とに電圧を印加することによって、有機発光層に正孔と電子とが注入され、これら正孔と電子との再結合によって生じるエネルギーが蛍光物質を励起し、励起された蛍光物質が基底状態に戻るときに光を放射する、という原理で発光する。途中の再結合というメカニズムは、一般のダイオードと同様であり、このことからも予想できるように、電流と発光強度は印加電圧に対して整流性を伴う強い非線形性を示す。
有機EL表示装置においては、有機発光層での発光を取り出すために、少なくとも一方の電極が透明でなくてはならず、通常酸化インジウムスズ(ITO)などの透明導電体で形成した透明電極を陽極として用いている。一方、電子注入を容易にして発光効率を上げるには、陰極に仕事関数の小さな物質を用いることが重要で、通常Mg−Ag、Al−Liなどの金属電極を用いている。
このような構成の有機EL表示装置において、有機発光層は、厚さ10nm程度ときわめて薄い膜で形成されている。このため、有機発光層も透明電極と同様、光をほぼ完全に透過する。その結果、非発光時に透明基板の表面から入射し、透明電極と有機発光層とを透過して金属電極で反射した光が、再び透明基板の表面側へと出るため、外部から視認したとき、有機EL表示装置の表示面が鏡面のように見える。
例えば、有機発光層の表面側に透明電極を備えるとともに、有機発光層の裏面側に金属電極を備えてなる有機EL発光体を含む有機EL表示装置において、透明電極の表面側に偏光板を設けるとともに、これら透明電極と偏光板との間に位相差板を設けることで、金属電極での反射光を抑制することができる。特に、位相差板を1/4波長板で構成し、かつ直線偏光子と位相差板を組み合わせた円偏光板(積層偏光版)を形成することにより、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
この有機EL表示装置に入射する外部光は、直線偏光子により直線偏光成分のみが透過する。この直線偏光は位相差板により一般に楕円偏光となるが、とくに位相差板が1/4波長板でしかも直線偏光子と位相差板との偏光方向のなす角がπ/4のときには円偏光となる。
この円偏光は、透明基板、透明電極、有機薄膜を透過し、金属電極で反射して、再び有機薄膜、透明電極、透明基板を透過して、位相差板に再び直線偏光となる。そして、この直線偏光は、直線偏光子の偏光方向と直交しているので、偏光板を透過できない。その結果、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。前記偏光板の吸収軸と前記1/4波長板の遅相軸とのなす角度は、本発明の位相差板がネマチックハイブリッド配向の場合は、好ましくは40度〜50度、より好ましくは42度〜48度、更に好ましくは略45度の範囲である。上記数値範囲内であれば、十分な反射防止効果が得られ、画質の低下を抑制できる。本発明の位相差板がツイストネマチックハイブリッド配向の場合は、ツイスト角により、前記偏光板の吸収軸と前期1/4波長板の遅相軸とのなす角度を変えて設定する必要があり、一概に範囲を規定することは難しい。
以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例で用いた各分析方法は以下の通りである。
(1)配向状態
偏光顕微鏡(オリンパス光学社製、型番:BH2)を用いて液晶の配向状態を観察した。
(2)屈折率
屈折率no、neは、分光エリプソメトリ(堀場製作所社製、製品名「AUTO−SE」)を用い、温度20℃±2℃、相対湿度60±5%の条件下で、波長領域440〜1000nmのスペクトルを測定した。
(3)複屈折
自動複屈折計(Axometrics社製、商品名:Axoscan)を用いて測定した。
(4)二色性色素の偏光吸収スペクトル
分光光度計(日本分光株式会社製、商品名:V−570)を用いて測定した。
(参考例1)
(配向基板の作製)
配向基板は以下のようにして作製した。ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績(株)製、商品名はコスモシャインA4100)を15cm角に切り出し、アルキル変性ポリビニルアルコール(PVA)(クラレ株式会社製、商品名:MP−203)の5重量%溶液(溶媒は水とイソプロピルアルコールの重量比1:1の混合溶媒)をスピンコート法により塗布し、50℃のホットプレートで30分乾燥した後、120℃のオーブンで10分間加熱した。次いで、レーヨンのラビング布でラビングした。得られたPVA層の膜厚は1.2μmであった。ラビング時の周速比(ラビング布の移動速度/配向基板の移動速度)は4とした。
(参考例2)
(重合性液晶化合物(A)と二色性色素(D1)との混合溶液の調製)
重合性液晶化合物(A)(BASF社製、商品名:パリオカラー LC242)に、下記式で示される二色性色素(D1)(極大吸収波長560nm)を重合性液晶化合物(A)と二色性色素(D1)の総量100重量部に対して1重量部添加し、更に、重合開始剤(BASF社製、商品名:LUCIRIN TPO、室温(25℃)条件下で固体)を4.0重量部添加して、重合性液晶化合物(A)と、二色性色素(D1)と、重合開始剤とを混合してなる液晶組成物(AD1)を得た。
次いで、液晶組成物(AD1)を、クロロベンゼン中に溶解させて、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製フィルター(アドバンテック東洋株式会社製、商品名:25JP050AN)で不溶分をろ過して、液晶組成物(AD1)溶液を得た。なお、このような液晶組成物(AD1)溶液の製造に際しては、液晶組成物(AD1)溶液中の溶媒の含有量が80重量%となり、重合性液晶化合物(A)と、二色性色素(D1)と、重合開始剤との総含有量が20重量%となるようにして溶媒を用いた。
二色性色素(D1)の末端アルキル鎖を除いた分子長を量子化学計算で求めた分子の立体構造から評価した。アゾ基についてはトランス型、その他の部位についても分子長が最長となるようなコンホメーションを初期配置に量子化学計算パッケージ(ORCA Ver3.0.1)を用いて密度汎関数法(DFT法)にて最安定構造を実施した。汎関数はPBE0、基底はDef2−SVPを用いた。前記手法にて測定した、二色性色素(D1)の分子長(末端アルキル鎖を除く)は2.15nmであった。
(液晶フィルムの作製)
参考例1で得られた配向基板に、上述のようにして得られた液晶組成物(AD1)溶液をスピンコート法により塗布して、塗膜(ウエット膜厚:5μm)を形成し、塗膜と配向基板との積層体を得た。
次に、塗膜と配向基板との積層体を、圧力:1013hPa、温度:80℃の条件下において4分間静置することにより、液晶を配向させた。なお、配向基板へのコーティング完了から4分経過後には、前記塗膜の全面から溶媒が除去された。
次いで、照度:15mW/cmの高圧水銀ランプを用いて、積算照射量が200mJ/cm(波長365nmの光量)となるように紫外光を照射することにより、重合性液晶化合物(A)を重合して配向を固定化し、配向基板上に積層された液晶フィルムを得た。
配向基板として用いたPETフィルムは大きな複屈折を持ち光学用フィルムとして好ましくない。そこで、PETフィルム上の液晶フィルムの上に、接着剤を5μm厚となるように塗布し、TACフィルム(富士フィルム株式会社製、商品名:T40UZ)をラミネートしてTACフィルム側から紫外線を照射して接着剤を硬化させた後、PETフィルムを剥離した。
得られた光学フィルム(A)(液晶フィルム/接着剤層/TACフィルム)を偏光顕微鏡下で観察したところ、ディスクリネーションがなくモノドメインの均一な配向であることがわかった。
光学フィルム(A)の偏光吸収スペクトルを、分光光度計と光路中に偏光プリズムを挿入できるアダプタとを用いて測定した。光路中に挿入した偏光プリズムの透過容易軸と液晶フィルムの遅相軸を平行にして測定した偏光吸収スペクトルをAe(λ)、透過容易軸と遅相軸を垂直にして測定した偏光吸収スペクトルをAo(λ)とした。
また、液晶組成物(AD1)に二色性色素(D1)を添加しなかった以外は上記と同様にして光学フィルム(B)を作製し、遅相軸と平行の偏光吸収スペクトルをAe0(λ)、遅相軸と垂直の偏光吸収スペクトルをAo0(λ)を測定した。
測定したそれぞれの偏光吸収スペクトルを下記式(1):
S=(DR−1)/(DR+2) (1)
(式(1)中、DRは、下記式(2):
をで算出される)に代入し、二色比(DR)およびオーダーパラメータ(S)を算出したところ、二色比は5.7であり、オーダーパラメータは0.61であった。
(参考例3)
(重合性液晶組成物(B)と二色性色素(D1)の混合溶液の調製)
下記式で表される示される棒状液晶化合物(21)と二種類以上のメソゲン基を有する化合物(22)をそれぞれ準備した。なお、棒状液晶化合物(21)と二種類以上のメソゲン基を有する化合物(22)は、特開2002−267838号公報に記載された方法により製造した。
棒状液晶化合物(21)17.6重量部、二種類以上のメソゲン基を有する化合物(22)2重量部を混合し、重合性液晶組成物(B)を得た。次いで、重合性液晶組成物(B)100重量部に対して、二色性色素(D1)を1.0重量部添加した。更に、重合開始剤(BASF社製、商品名:イルガキュア651)を、重合性液晶組成物(B)と、二色性色素(D1)の総量100重量部に対して1.0重量部添加して、重合性液晶組成物(B)と、二色性色素(D1)と、重合開始剤とを混合してなる液晶組成物(BD1))を得た。
上記のようにして得られた液晶組成物(BD1)を、メチルエチルケトン中に溶解させて、孔径0.45μmのPTFE製フィルターで不溶分をろ過し、液晶組成物(BD1)溶液を得た。なお、このような液晶組成物(BD1)溶液の製造に際しては、液晶組成物(BD1)溶液の溶媒の含有量が80重量%となり、重合性液晶組成物(B)と、二色性色素(D1)と、重合開始剤との総量が20重量%となるようにした。
(液晶フィルムの作製)
液晶組成物(AD1)に代わり液晶組成物(BD1)を使用したことと、配向工程を圧力:1013hPa、温度:72℃で2分保持後、室温まで急冷することにより行ったことを除いては、参考例2と同様にして光学フィルム(C)(液晶フィルム/接着剤層/TACフィルム)を得た。得られた光学フィルム(C)を偏光顕微鏡下で観察すると、ディスクリネーションがなくモノドメインの均一な配向であることがわかった。
光学フィルム(C)(およびTACフィルム単体の面内方向のリターデーション(Δnd)の波長分散特性を、自動複屈折計を用いて測定し、両者の差を求めることで、液晶フィルムの複屈折の波長分散特性を算出した(図9)。Δn・d(500)/Δn・d(550)=0.898であり、Δn・d(580)/Δn・d(550)=1.049であった。また、550nmでのΔn・dは141.6nmであった。
また、液晶組成物(BD1)に二色性色素(D1)を添加しなかった以外は、上記と同様にして光学フィルム(D)を作製した。この光学フィルム(D)の波長分散特性を測定した結果を図9に示す。Δn・d(500)/Δn・d(550)=0.981であり、Δn・d(580)/Δn・d(550)=1.009であった。また、550nmでのΔn・dは139.0nmであった。重合性液晶組成物(B)を含んでなる液晶フィルムは、二色性色素(D1)が添加されていなくても波長400nmから600nmにおいて「負の分散」特性を有していることがわかった。
得られた光学フィルム(D)は、特開平11−194325号公報の実施例に記載された方法により、この液晶フィルムが均一チルト配向であり、ネマチックハイブリッド配向フィルムではなく、ホモジニアス配向フィルムあることを確認した。解析の結果、液晶フィルムの平均チルト角は0.4度、TACフィルム側界面のチルト角は0.1度であった。
光学フィルム(C)と、光学フィルム(D)を用いて、参考例2と同様に2色性色素(D1)の二色比およびオーダーパラメータ(S)を評価したところ、二色比は4.3であり、オーダーパラメータは0.52であった。二色性色素(D1)を、重合性液晶化合物(A)を含んでなる、「正の分散」特性を有する参考例2と比較した場合、オーダーパラメータ比は0.86であることが分かった。
(実施例1)
(液晶フィルムの作製)
二色性色素(D1)の添加量を、重合性液晶組成物(B)100重量部に対して、0.065重量部としたことと、配向工程を、圧力:1013hPa、温度:72℃から10分かけて62℃まで徐冷した後、室温まで急冷することにより行ったことを除いては、参考例3と同様の方法で光学フィルム(1)(液晶フィルム/接着剤層/TACフィルム)を得た。得られた光学フィルム(1)を偏光顕微鏡下で観察すると、ディスクリネーションがなくモノドメインの均一な配向であることがわかった。
光学フィルム(1)およびTACフィルム単体の面内方向のリターデーション(Δnd)の波長分散特性を、自動複屈折計を用いて測定し、両者を引き算することで、光学フィルム(1)の複屈折の波長分散特性を測定した。550nmでのΔn・dは140.9nmであり、Δn・d(500)/Δn・d(550)=0.978、Δn・d(580)/Δn・d(550)=1.012であった。
得られた光学フィルム(1)をラビング方向(液晶分子の配向方向)に傾けたときのレターデーションを自動複屈折計を用いて測定したところ、左右非対称な視野角依存性を持っており(図10)、傾斜配向していることが分かった。得られた液晶フィルムは、特開平11−194325号公報の実施例に記載された方法により、均一チルト配向ではなく、ネマチックハイブリッド配向フィルムであることを確認した。解析の結果、液晶フィルムの平均チルト角は24度であり、TACフィルム側界面のチルト角は45度であった。
(実施例2)
二色性色素として、二色性色素(D1)に代え下記式で表される二色性色素(D2)(極大吸収波長570nm)を重合性液晶組成物(B)100重量部に対して、0.043重量部添加した以外は、実施例1と同様の方法で光学フィルム(2)(液晶フィルム/接着剤層/TACフィルム)を得た。
光学フィルム(2)の波長分散特性を測定したところ、550nmでのΔn・dは140.5nmであり、Δn・d(500)/Δn・d(550)=0.980、Δn・d(580)/Δn・d(550)=1.012であった。また、液晶フィルムの平均チルト角は24度であり、TACフィルム側の界面のチルト角度は45度であった。
(色素の二色比の評価)
二色性色素(D1)に代えて二色性色素(D2)を使用した以外は参考例2と同様にして、重合性液晶化合物(A)を含んでなる「正の分散」特性を有する液晶フィルム中の二色性色素(D2)の二色比およびオーダーパラメータ(S)を評価したところ、二色比は5.4であり、オーダーパラメータは0.59であった。
二色性色素(D1)に代えて二色性色素(D2)を使用した以外は、参考例3と同様にして、重合性液晶組成物(B)を含んでなる「負の分散」特性を有する液晶フィルムにおける中の二色性色素(D2)の二色比を評価したところ、二色比は4.4であり、オーダーパラメータは0.53であった。同じ二色性色素(D2)を、重合性液晶化合物(A)を含んでなる液晶フィルムに添加した場合と比較すると、オーダーパラメータ比が0.89であることが分かった。また、二色性色素(D2)の末端アルキル鎖を除いた分子長を参考例2と同様の方法で評価したところ、2.33nmであった。
(実施例3)
二色性色素(D1)に代の代わりに、下記式で表される二色性色素(D3)(極大吸収波長550nm)を重合性液晶組成物(B)100重量部に対して、0.062重量部添加した以外は、実施例1と同様にして、光学フィルム(3)(液晶フィルム/接着剤層/TACフィルム)を得た。
光学フィルム(3)の波長分散特性を測定したところ、550nmでのΔn・dは140.8nmであり、Δn・d(500)/Δn・d(550)=0.978、Δn・d(580)/Δn・d(550)=1.013であった。また、液晶フィルムの平均チルト角は24度であり、TACフィルム側の界面のチルト角度は45度であった。
(色素の二色比の評価)
二色性色素(D1)に代えて二色性色素(D3)を使用した以外は、参考例2と同様にして、重合性液晶化合物(A)を含んでなる「正の分散」特性を有する液晶フィルムにおける二色性色素(D3)の二色比およびオーダーパラメータ(S)を評価したところ、二色比は6.3であり、オーダーパラメータSは0.64であった。
二色性色素(D1)に代えて二色性色素(D3)を使用したこと以外は、参考例3と同様にして、重合性液晶組成物(B)を含んでなる「正の分散」特性を有する液晶フィルムにおける二色性色素(D3)の二色比およびオーダーパラメータ(S)を評価したところ、二色比は6.5、オーダーパラメータは0.65であった。同じ二色性色素(D3)を重合性液晶化合物(A)を含んでなる液晶フィルムに添加した場合と比較すると、オーダーパラメータ比が1.02倍であることが分かった。また、二色性色素(D3)の末端アルキル鎖を除いた分子長を参考例2と同様の方法で評価したところ、2.78nmであった。
(比較例1)
二色性色素(D1)の代わりに、下記式で表される二色性色素(D4)(極大吸収波長580nm)を重合性液晶組成物(B)100重量部に対して0.081重量部添加した以外は、実施例1と同様にして光学フィルム(4)(液晶フィルム/接着剤層/TACフィルム)を得た。
光学フィルム(4)の波長分散特性を測定したところ、550nmでのΔn・dは140.7nmであり、Δn・d(500)/Δn・d(550)=0.979、Δn・d(580)/Δn・d(550)=1.014であった。また、液晶フィルムの平均チルト角は24度であり、TACフィルム側の界面のチルト角度は45度であった。
(色素の二色比の評価)
二色性色素(D1)に代えて二色性色素(D4)を使用した以外は、参考例2と同様にして、重合性液晶化合物(A)を含んでなる「正の分散」特性を有する液晶フィルムにおける二色性色素(D4)の二色比およびオーダーパラメータ(S)を評価したところ、二色比は3.1であり、オーダーパラメータは0.41であった。
二色性色素(D1)の代わりに二色性色素(D4)を使用した以外は、参考例3と同様の方法で、重合性液晶組成物(B)を含んでなる「正の分散」特性を有する液晶フィルムにおける二色性色素(D4)の二色比およびオーダーパラメータ(S)を評価したところ、二色比は1.8、オーダーパラメータは0.21であった。同じ二色性色素(D4)を重合性液晶化合物(A)を含んでなる液晶フィルムに添加した場合と比較すると、オーダーパラメータ比は0.52であった。また、二色性色素(D4)の末端アルキル鎖を除いた分子長を参考例2と同様の方法で評価したところ、1.31nmであった。これらの結果を表2にまとめた。
(比較例2)
二色性色素(D1)の代わりに、下記式で表される二色性色素(D5)(極大吸収波長600nm)を、重合性液晶組成物(B)100重量部に対して、0.100重量部添加した以外は、実施例1と同様にして、光学フィルム(5)(液晶フィルム/接着剤層/TACフィルム)を得た。
光学フィルム(5)の波長分散特性を測定したところ、550nmでのΔn・dは140.5nmであり、Δn・d(500)/Δn・d(550)=0.980、Δn・d(580)/Δn・d(550)=1.011であった。また、液晶フィルムの平均チルト角は24度であり、TACフィルム側の界面のチルト角度は45度であった。
(色素の二色比の評価)
二色性色素(D1)に代えて二色性色素(D5)を使用した以外は、参考例2と同様にして、重合性液晶化合物(A)を含んでなる「正の分散」特性を有する液晶フィルムにおける二色性色素(D5)の二色比およびオーダーパラメータ(S)を評価したところ、二色比は2.5であり、オーダーパラメータSは0.34であった。
二色性色素(D1)に代えて二色性色素(D5)を使用した以外は、参考例3と同様にして、重合性液晶組成物(B)を含んでなる「正の分散」特性を有する液晶フィルムにおける二色性色素(D5)の二色比およびオーダーパラメータ(S)を評価したところ、二色比は1.9であり、オーダーパラメータは0.23であった。同じ二色性色素(D5)を重合性液晶化合物(A)を含んでなる液晶フィルムに添加した場合と比較すると、オーダーパラメータ比が0.67倍であった。また、二色性色素(D5)の末端アルキル鎖を除いた分子長を参考例2と同様の方法で評価したところ、1.73nmであった。
(比較例3)
二色性色素(D1)の代わりに、下記式で表される二色性色素(D6)(極大吸収波長540nm)を、重合性液晶組成物(B)100重量部に対して0.204重量部添加した以外は、実施例1と同様にして、光学フィルム(6)(液晶フィルム/接着剤層/TACフィルム)を得た。
光学フィルム(6)の波長分散特性を測定したところ、550nmでのΔn・dは141.2nmであり、Δn・d(500)/Δn・d(550)=0.980、Δn・d(580)/Δn・d(550)=1.012であった。また、液晶フィルムの平均チルト角は24度であり、TACフィルム側の界面のチルト角度は45度であった。
(色素の二色比の評価)
二色性色素(D1)に代えて二色性色素(D6)を使用した以外は、参考例2と同様にして、重合性液晶化合物(A)を含んでなる「正の分散」特性を有する液晶フィルム中の二色性色素(D1)の二色比およびオーダーパラメータ(S)を評価したところ、二色比は4.0であり、オーダーパラメータは0.50であった。
二色性色素(D1)に代えて二色性色素(D6)を使用した以外は、参考例3と同様にして、重合性液晶組成物(B)を含んでなる「負の分散」特性を有する液晶フィルムにおける二色性色素(D6)の二色比およびオーダーパラメータ(S)を評価したところ、二色比は2.1であり、オーダーパラメータは0.27であった。二色性色素(D6)を、重合性液晶化合物(A)を含んでなる液晶フィルムに添加した場合と比較すると、オーダーパラメータ比は0.55であった。また、二色性色素(D6)の末端アルキル鎖を除いた分子長を参考例2と同様の方法で評価したところ、1.59nmであった。
(比較例4)
二色性色素を添加しなかった以外は、実施例1と同様の方法で、光学フィルム(7)(液晶フィルム/接着剤層/TACフィルム)を得た。
光学フィルム(7)の波長分散特性を測定したところ、550nmでのΔn・dは143nmであり、Δn・d(500)/Δn・d(550)=0.981、Δn・d(580)/Δn・d(550)=1.009であった。また、液晶フィルムの平均チルト角は24度であり、TACフィルム側の界面のチルト角度は45度であった。
(比較例5)
二色性色素(D1)の添加量を、重合性液晶組成物(B)100重量部に対して、0.065重量部としたことを除いては参考例3と同様にして、光学フィルム(8)(液晶フィルム/接着剤層/TACフィルム)を得た。
光学フィルム(8)の複屈折の波長分散特性を測定したところ、550nmでのΔn・dは140.9nmであり、Δn・d(500)/Δn・d(550)=0.978、Δn・d(580)/Δn・d(550)=1.012であった。また、ホモジニアス配向フィルムであり、液晶フィルムの平均チルト角は0.4度、TACフィルム側界面のチルト角は0.1度であった。
光学フィルム(1)〜(8)(液晶フィルム/接着剤層/TACフィルム)を、市販の偏光板1(住友化学株式会社製、商品名:SRW062)と、偏光板1の吸収軸2と、光学フィルム3内の液晶フィルム4のチルト方向5とが、45度になるように、アクリル系粘着剤を介して貼り合わせて円偏光板7を作製した。貼り合わせる際、TACフィルム6側が偏光板1と接するように積層させた。偏光板1と光学フィルム3の液晶フィルム4の積層状態での断面構造の概要図を図11に示す。光学フィルム3内の液晶フィルム4は、液晶化合物がより立ち上がっている面が偏光板1側になり、液晶化合物がより寝ている面が偏光板1と反対側になる。
得られた円偏光板7を、市販の有機ELディスプレイの有機EL素子の透明ガラス基板上にアクリル系粘着剤を介して貼着し、有機EL表示装置を作製した。
評価(A):正面観察時の外光反射防止効果の評価
有機EL素子に電圧を印加しない状態で、照度約100ルックスの環境下に置き、積層偏光板貼合部分の反射色の黒味を官能評価した。黒味は以下の4つのレベルのいずれに該当するかを確認した。
1:ほぼ完全に外光反射が無く、色身も黒色である。
2:1よりは劣るが、十分に外光反射が抑えられ、色味もほぼ黒色である。
3:外光反射がやや視認される。
4:外光反射が極めて視認される。
評価(B):外光反射防止効果の視野角特性の評価
有機EL素子に電圧を印加しない状態で、照度約100ルックスの環境下に置き、正面と斜め45度における積層偏光板貼合部分の反射色の黒味を官能評価した。黒味は以下の4つのレベルのいずれに該当するかを確認した。
1:正面と斜め方向でほぼ外光反射に変化は見られない。
2:1より劣るが、正面と斜め方向での外光反射の差はわずかである。
3:正面と斜め方向で外光反射に差が認められる。
4:正面と斜め方向で外光反射に差がかなり認められる。
評価(C):有機EL素子の輝度低下の評価
積層偏光板を貼合した有機EL表示装置を規定の輝度で白色に点灯させた時の正面輝度をトプコン社製 分光放射計 SR−3Aにて測定した。比較例5を基準に、各実施例、比較例の輝度がどの程度低下したかを百分率であらわした。白色光のスペクトルは図15に示したとおりである。
以上に説明した(A)、(B)(C)の評価結果を表3に示す。
表2に示すように、実施例1から3、比較例1から3により得られた光学フィルムを備える積層偏光板は、正面観察時の外光反射防止効果に優れるとともに、視野角特性も良好であった。
一方で、二色性色素を含まない比較例4により得られた光学フィルムを備える積層偏光板は、正面及び斜め方向から見た場合ともに、外光反射が視認され、色味も青味がかっていた。
また、比較例5により得られた、ホモジニアス配向した液晶化合物を含む液晶フィルムを備える積層偏光板は、正面観察時の外光反射防止効果は認められたが、正面と斜め方向の外光反射に差がかなり認められ、斜め方向での色味変化も青味が強いことが確認された。
また、比較例1から3により得られた光学フィルムを備える積層偏光板は、反射防止効果においては実施例1から3と同等であるものの、二色性色素のオーダーパラメータ比が低いために、輝度が実施例1から3と比べて低下していることが確認された。

Claims (8)

  1. 複屈折Δnが、可視光領域の少なくとも一部の波長領域において、測定波長が長いほど大きくなる「負の分散」特性を有する位相差板であって、
    前記位相差板が、液晶化合物を含む重合性液晶組成物と、二色性色素とを含んでなり、かつ前記液晶化合物はネマチックハイブリッド配向しており、
    下記式(1)で表される、前記位相差板における前記二色性色素のオーダーパラメータ(S)が、1.0≧S≧0.5の範囲にある、位相差板。
    S=(DR−1)/(DR+2) (1)
    (式(1)中、DRは、下記式(2):
    (式(2)中、λは真空中における光の波長(nm)を表し、
    Ae(λ)は、前記位相差板における遅相軸と平行の偏光吸収スペクトルを表し、
    Ao(λ)は、前記位相差板における遅相軸と垂直の偏光吸収スペクトルを表し、
    Ae0(λ)は、前記二色性色素を除いた前記位相差板における遅相軸と平行の偏光吸収スペクトルを表し、
    Ao0(λ)は、前記二色性色素を除いた前記位相差板における遅相軸と垂直の偏光吸収スペクトルを表す。)で表される前記二色性色素の二色比である。)
  2. 前記二色性色素が、棒状分子であり、長軸方向の分子長が2〜10nmである、請求項1に記載の位相差板。
  3. 前記二色性色素の含有量が、前記重合性液晶組成物100重量部に対して、0.03〜0.8重量部である、請求項1または2に記載の位相差板。
  4. 前記二色性色素の極大吸収波長が、380〜780nmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の位相差板。
  5. 前記二色性色素のオーダーパラメータ比が、0.7〜1.2である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の位相差板。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の位相差板と、偏光子と、を備えた、積層偏光板。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の位相差板を備えた、表示装置。
  8. 前記位相差板に含まれる二色性色素の極大吸収波長と、前記表示装置の発光スペクトルの極大波長との値が異なる、請求項7に記載の表示装置。
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