JP2017036117A - リール部材及びフィルム収容体 - Google Patents

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Abstract

【課題】面振れを抑制し、ひいては、接着フィルムの脱落を抑制することが可能な、新規かつ改良されたリール部材及びリール収容体を提供する。【解決手段】接着フィルムを巻き付け可能な巻芯部2と、巻芯部の回転軸方向の両端部に設けられたフランジ部3と、を有し、巻芯部とフランジ部とは別体であり、フランジ部の面振れ量は±0.2mmの範囲内の値である、リール部材1が提供される。例えば、巻芯部の直径及びフランジ部の直径は、所定の数式を満たしてもよい。【選択図】図1

Description

本発明は、リール部材及びフィルム収容体に関する。
例えば特許文献1〜3に開示されるように、接着フィルムを巻き付け可能なリール部材が知られている。リール部材は、接着フィルムが巻き付けられる巻芯部と、巻芯部の回転軸の両端部に設けられたフランジ部とを備える。フランジ部によって接着フィルムが保護されるので、接着フィルムの汚染を抑制することができる。また、接着フィルムが巻き付けられたリール部材、すなわちフィルム収容体の取り扱い性が向上する。
特開2015−86029号公報 特開2014−43346号公報 特開2013−216436号公報
しかし、従来では、リール部材を製造するに際して、面振れを何ら考慮していなかった。このため、面振れ量が非常に大きくなる場合があった。ここで、面振れとは、フランジ部が巻芯部の回転軸方向に振れる(歪む)ことを意味する。面振れには、フランジ部が巻芯部の回転軸外側方向に振れる(すなわち、フランジ部がリール部材の外側に歪む)正方向の面振れと、フランジ部が巻芯部の回転軸内側方向に振れる(すなわち、フランジ部がリール部材の内側に歪む)負方向の面振れとに区分される。1つのフランジ部内で正方向の面振れ及び負方向の面振れが両方生じる場合もある。すなわち、フランジ部のある部分では正方向の面振れが生じ、他の部分では負方向の面振れが生じる場合がある。
そして、面振れが大きいリール部材に接着フィルムを巻きつける場合、接着フィルムは、フランジ部とフィルム巻き付け部(接着フィルムが巻き付けられた部分)との隙間に脱落しやすくなる。詳細は後述するが、フランジ部とフィルム巻き付け部との隙間が広くなるからである。接着フィルムの脱落は、接着フィルムの巻き付け時のみならず、接着フィルムの引き出し時にも生じうる。
そして、脱落した接着フィルムは、フィルム収容体の外観不良の原因となる他、ブロッキングを生じうる。ここで、接着フィルムのブロッキングとは、接着フィルムがフィルム収容体内の構成要素(例えば、フランジ部、接着フィルム等)に固着することを意味する。接着フィルムのブロッキングは、引き出し不良、接着剤層の欠落等の原因となる。
特に、接着フィルムは、ブロッキングを抑制するという観点から、接着フィルムの巻き付け時に大きなテンションを接着フィルムに掛けることができない。接着フィルムの巻き付け時に大きなテンションを接着フィルムに掛けると、接着フィルムから接着剤層がはみ出して、他の接着フィルムやフランジ部に固着してしまう(すなわちブロッキングが起こる)からである。したがって、従来のリール部材では、接着フィルムがフィルム巻き付け部内で動きやすい。このような点においても、接着フィルムの脱落が生じやすい。
さらに、近年、コスト低減等の観点から、リール部材に巻き付ける接着フィルムをなるべく長尺化したいというニーズがある。しかし、接着フィルムが長くなるほど、フランジ部の外径を大きくする必要がある。そして、フランジ部の外径が大きくなるほど面振れが生じやすく、また、面振れ量も大きくなりやすい。このため、接着フィルムが長くなるほど、接着フィルムの脱落が生じやすくなる。
なお、フランジ部の外径の拡大を抑えつつ、リール部材に巻き付ける接着フィルムを長尺化するために、巻芯部に接着フィルムをトラバース巻きすることが提案されている。しかし、接着フィルムを巻芯部にトラバース巻きする技術では、フィルム巻き付け部の端部で接着フィルムの脱落が生じやすい。したがって、接着フィルムの脱落という問題を根本的に解決することはできない。
また、接着フィルムの脱落を抑制する方法として、巻芯部に接着フィルムを巻き付けてからフランジ部を巻芯部に取り付けるという方法が提案されている。しかし、この方法ではフィルム収容体の製造コストが増大する。また、フィルム収容体自体の構造が複雑になるので、フィルム収容体の取り扱い性が低下する。さらに、この方法によっても、接着フィルムの引き出し時における接着フィルムの脱落を抑制することはできない。したがって、この方法は、接着フィルムの脱落という問題を根本的に解決するものではない。
このように、従来のリール部材では、面振れ量が大きくなる場合があるという問題があった。そして、面振れ量の大きいリール部材に接着フィルムを巻き付けた場合、接着フィルムが脱落しやすいという問題があった。このため、従来では、接着フィルムの脱落を防ぐために、接着フィルムの巻き付け及び引き出しを極めて慎重に行う必要が生じていた。したがって、接着フィルムの巻き付け及び引き出しの操作性が低下するという別の問題もあった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、面振れを抑制し、ひいては、接着フィルムの脱落を抑制することが可能な、新規かつ改良されたリール部材及びリール収容体を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、接着フィルムを巻き付け可能な巻芯部と、巻芯部の回転軸方向の両端部に設けられたフランジ部と、を有し、巻芯部とフランジ部とは別体であり、フランジ部の面振れ量は±0.2mmの範囲内の値である、リール部材が提供される。
ここで、巻芯部の直径及びフランジ部の直径は、以下の数式(1)を満たしてもよい。
D/F≧0.005*F−0.379 (1)
数式(1)において、Dは巻芯部の直径であり、Fはフランジ部の直径である。
また、巻芯部の回転軸方向の両端部には、フランジ部が固着される固着面が形成されていてもよい。
また、固着面は、平滑処理がなされていてもよい。
また、フランジ部は、固着部材により固着面に固定されていてもよい。
また、巻芯部の回転軸方向の両端部に形成された凹部を備え、固着面は凹部の周囲に配置されていてもよい。
また、固着面の幅と凹部の直径との比は、1.0以下であってもよい。
また、凹部の深さと凹部の底面間の距離との比は0.12以上であってもよい。
また、凹部の底面には、肉抜き部が形成されていてもよい。
また、肉抜き部は、巻芯部の回転軸に関して対称な位置に配置されていてもよい。
また、フランジ部間の距離は10mm以上であってもよい。
また、巻芯部の直径が40mm以上であってもよい。
また、フランジ部の直径が135mm以上であってもよい。
本発明の他の観点によれば、上記リール部材と、巻芯部に巻き付けられた接着フィルムと、を備える、フィルム収容体が提供される。
以上説明したように本発明によれば、面振れ量は±0.2mmの範囲内の値となるため、面振れを抑制し、ひいては、接着フィルムの脱落を抑制することが可能となる。
本発明の実施形態に係るリール部材の構成を示す側面図である。 同実施形態に係るリール部材の正面図である。 リール部材の平断面図である。 フィルム収容体(リール部材にフィルムを巻きつけたもの)の正面図である。 巻芯部の直径(D)及びフランジ部の直径(F)の比(D/F)と、フランジ部の外径(F)との対応関係を示すグラフである。 正方向の面振れの一例を示す側断面図である。 負方向の面振れの一例を示す側断面図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.本発明者による検討>
(1−1.面振れについて)
本発明者は、面振れを抑制する技術について鋭意検討し、その結果、本実施形態に係るリール部材1に想到した。そこで、まず、面振れについて詳細に説明する。面振れとは、上述したように、フランジ部が巻芯部の回転軸方向に振れる(歪む)ことを意味する。面振れには、正方向の面振れと、負方向の面振れとに区分される。
図6は、正方向の面振れの一例を示す。この例では、リール部材100のフランジ部102が正方向の面振れを起こしている。なお、リール部材100は従来のリール部材の一例であり、巻芯部101とフランジ部102とを備える。また、巻芯部101に接着フィルムがトラバース状に巻き付けられることで、フィルム巻き付け部150が形成されている。面振れの程度は、例えば面振れ量dとして示される。面振れ量dは、以下のように定義(測定)される。まず、フランジ部102と巻芯部101との接触点102bを通り、かつ、巻芯部101の回転軸に垂直な垂線を引く。これを基準線とする。ついで、基準線からフランジ部102の内周面102aの外縁部102cに垂線を引く。この垂線の長さを面振れ量dとする。正方向の面振れ量dは正の値を有し、負方向の面振れ量dは負の値を有する。
フランジ部102が正方向の面振れを起こしている場合、フィルム巻き付け部150が厚くなる(すなわち、巻芯部101への接着フィルムの巻き付け量が増える)ほど、フィルム巻き付け部150とフランジ部102との隙間が広くなる。このため、フィルム巻き付け部150が厚くなるほど、接着フィルムの脱落が生じやすくなる。
この問題を解決するための方法として、フィルム巻き付け部150の幅wをフィルム巻き付け部150が厚くなるほど大きくすることが考えられる。しかし、この方法では、フィルム巻き付け部150の幅方向両端部に巻き付けられる接着フィルムが不安定となる。したがって、依然として接着フィルムは脱落しやすいので、この方法では、上記問題を根本的に解決することはできない。
そして、接着フィルムの脱落は、接着フィルムの巻き付け時、引き出し時の両方において生じうる。例えば、接着フィルムの巻き付け時には、巻き付け開始からの時間が長くなる(すなわち、巻き付け量が多くなる)ほど、接着フィルムの脱落が生じやすくなる。一方、接着フィルムの引き出し時には、引き出し開始からの時間が短い(すなわち、引き出し量が小さい)ほど、接着フィルムの脱落が生じやすくなる。このように、フランジ部102が正方向に面振れを起こしている場合、接着フィルムの脱落が生じやすくなる。
図7は、負方向の面振れの一例を示す。この例では、リール部材100のフランジ部102が負方向の面振れを起こしている。フランジ部102が負方向の面振れを起こしている場合にも、接着フィルムの脱落が生じやすくなる。
具体的には、フィルム巻き付け部150の幅wは、フランジ部102間の距離Lの最小値(ここでは外縁部102c間の距離)よりも小さくする必要がある。接着フィルムがフランジ部102に接触すると、接着フィルムがブロッキングを起こす可能性があるからである。
したがって、フィルム巻き付け部150が薄い(すなわち、巻芯部への接着フィルムの巻き付け量が小さい)場合、フィルム巻き付け部105とフランジ部102との隙間が大きくなる。なお、フィルム巻き付け部150が厚くなるほど、フィルム巻き付け部150とフランジ部との隙間が小さくなる。フランジ部102は巻芯部101の軸方向内側に歪んでいるからである。したがって、フィルム巻き付け部150が薄い場合に、接着フィルムの脱落が生じやすくなる。また、この場合、フィルム巻き付け部150の幅wが狭くなる(すなわち、巻芯部101の有効使用面積が狭くなる)ので、リール部材100に巻き付け可能な接着フィルムの量が少なくなるという別の問題も生じる。
そして、接着フィルムの脱落は、接着フィルムの巻き付け時、引き出し時の両方において生じうる。例えば、接着フィルムの巻き付け時には、巻き付け開始からの時間が短い(すなわち、巻き付け量が少ない)ほど、接着フィルムの脱落が生じやすくなる。一方、接着フィルムの引き出し時には、引き出し開始からの時間が長くなる(すなわち、引き出し量が大きい)ほど、接着フィルムの脱落が生じやすくなる。このように、フランジ部102が負方向に面振れを起こしている場合、接着フィルムの脱落が生じやすくなる。
しかし、上述したように、従来では、リール部材を製造するに際して、面振れを何ら考慮していなかった。このため、面振れ量が非常に大きくなる場合があった。したがって、従来の技術では、接着フィルムが脱落しやすかった。そこで、本発明者は、面振れ量を低減するための技術について鋭意検討し、この結果、本実施形態に係るリール部材1に想到した。本実施形態に係るリール部材1では、面振れ量を±0.2mm以下に抑えることができる。以下、本実施形態について説明する。
<2.リール部材の全体構成>
つぎに、図1〜図3に基づいて、本実施形態に係るリール部材1の全体構成について説明する。
リール部材1は、巻芯部2と、フランジ部3と、固着部材25とを備える。巻芯部2は、接着フィルムが巻き付け可能な部材である。接着フィルムは、具体的には、巻芯部2の周面21に巻き付けられる。また、巻芯部2の回転軸Pに垂直な断面形状は円形となっている。
また、巻芯部2の回転軸P方向の両端部には、固着面22と、凹部23とが形成されている。固着面22は、回転軸Pに略垂直な平面であり、フランジ部3が固着される。ここで、フランジ部3の表面は、固着面22に倣いやすい。したがって、固着面22が平滑であるほど(すなわち、凹凸や傾斜がないほど)、フランジ部3も平滑になりやすい。例えば、フランジ部3が厚さ方向に歪んでいても、当該歪みはフランジ部3が固着面22に固着された際に低減される可能性が高い。この結果、フランジ部3の面振れ量が低減されることが期待できる。
このため、固着面22は、平滑処理が行われていることが好ましい。ここで、平滑処理は、固着面22をなるべく平滑にするための処理である。平滑処理の例としては、旋盤加工機等による研磨処理、エージング処理(熱アニール処理)等が挙げられる。
なお、平滑処理をどの程度行うかについては特に制限はない。すなわち、リール部材1の各寸法を後述する所定の範囲内の値とした上で、適宜平滑処理を行うことで、フランジ部3の面振れ量を±0.2mmの範囲内の値とすることができる。すなわち、平滑処理は、面振れ量が±0.2mmの範囲内の値となるように適宜行われれば良い。なお、本実施形態の面振れ量も図6、図7と同様に定義される。すなわち、フランジ部3と巻芯部2との接触点3bを通り、かつ、巻芯部2の回転軸に垂直な垂線を引く。ついで、フランジ部3の内周面3aの外縁部3cから当該基準線に垂線を下ろす。そして、この垂線の長さを面振れ量とする。本実施形態では、正方向の面振れ量は正の値を有し、負方向の面振れ量は負の値を有する。
凹部23は、巻芯部2の回転軸P方向の両端部を円柱形に肉抜きすることで巻芯部2に形成される。凹部23の中心軸はリール部材1の回転軸Pと同軸となっている。固着面22は、凹部23の周囲に形成される。巻芯部2に凹部23を形成することで、リール部材1を軽量化することができる。ここで、フィルム収容体50(図4参照)から接着フィルムを引き出す処理(引き出し処理)では、リール部材1は頻繁に停止、再回転される。特に、リール部材1に長尺な(例えば600m以上の)接着フィルムが巻き付けられた場合、停止、再回転の回数は極めて多くなる。したがって、リール部材1の停止、再回転に時間が掛かってしまうと、作業効率が著しく低下する。この点、本実施形態では、リール部材1を軽量化することで、リール部材1を停止または再回転させる際の慣性力を小さくすることができる。このため、リール部材1の停止、再回転を短時間で行うことができる。したがって、引き出し処理を安定かつ効率よく行うことができる。また、リール部材1が軽量化されているので、引き出し処理時に接着フィルムに掛かる引き出し張力(テンション)を小さくすることができる。この点においても、引き出し処理を安定かつ効率よく行うことができる。
また、凹部23の底面24には、肉抜き部24a及び軸体用貫通孔24bが形成されている。肉抜き部24aは、一方の凹部23の底面24から他方の凹部23の底面24まで貫通する貫通孔となっている。ただし、肉抜き部24aは、必ずしも貫通孔となっている必要はなく、凹みであってもよい。巻芯部2に肉抜き部24aを設けることで、リール部材1をさらに軽量化することができる。
ここで、肉抜き部24aが設けられる位置は特に制限されないが、図1に示されるように、巻芯部2の回転軸Pに関して対称な位置に設けられることが好ましい。より具体的には、肉抜き部24aは、回転軸Pを中心とした円周方向に沿って等間隔に設けられることが好ましい。これにより、引き出し張力の変動を抑制することができる。すなわち、肉抜き部24aが回転軸Pに関して非対称な位置に設けられる場合、引き出し張力はリール部材1の回転角度に応じて変動する可能性がある。しかし、肉抜き部24aを回転軸Pに関して対称な位置に設けることで、このような引き出し張力の変動を抑制することができる。
なお、上述した凹部23及び肉抜き部24aは巻芯部2に設けられていなくてもよい。ただし、軽量化の観点からは、凹部23及び肉抜き部24aが巻芯部2に設けられていることが好ましい。
軸体用貫通孔24bは、リール部材1を回転させるための軸体が貫通、固定されるための貫通孔である。
フランジ部3は、巻芯部2とは別体のリング状かつ平板状の部材である。フランジ部3は、巻芯部2の回転軸P方向の両端部に設けられる。より具体的には、フランジ部3は、固着面22に固着部材25によって固着される。固着部材25による固着位置は特に制限されないが、上述した肉抜き部24aと同様に、回転軸Pに関して対称な位置に設けられることが好ましい。これにより、引き出し張力の変動を抑制することができる。固着部材25の種類は特に問わないが、図1に示されるようにビス、ネジ等であることが好ましい。固着部材25として接着剤を使用してもよい。ただし、接着剤はなるべく固着面22上に均一に塗工されることが好ましい。塗工層の厚さにバラ付きがあると、フランジ部3の面振れ量が大きくなる可能性があるからである。
本実施形態では、固着面22が平滑処理されている他、後述するように各寸法が所定の範囲内の値となっているので、フランジ部3の面振れが±0.2mmの範囲内の値となっている。なお、フランジ部3の面振れは±0.15mmの範囲内の値であることが好ましく、±0.1mmの範囲内の値であることがより好ましい。このように、本実施形態では、フランジ部3の面振れ量が極めて小さくなっている。
<3.各寸法の好ましい数値範囲>
本実施形態では、リール部材1に関する各寸法は所定の範囲内の値となっていることが好ましい。以下、図3に基づいて、各寸法及び好ましい数値範囲について説明する。
まず、巻芯部2の直径D及びフランジ部3の直径Fは、以下の数式(1)を満たすことが好ましい。
D/F≧0.005*F−0.38 (1)
巻芯部2の直径D及びフランジ部3の直径Fが数式(1)を満たす場合に、フランジ部3の面振れ量を±0.2mmの範囲内の値とすることができる。
ここで、巻芯部2の直径D及びフランジ部3の直径Fは、以下の数式(2)を満たすことがさらに好ましい。
D/F≧0.005*F−0.27 (2)
巻芯部2の直径D及びフランジ部3の直径Fが数式(2)を満たす場合に、フランジ部3の面振れ量を±0.15mmの範囲内の値とすることができる。
また、巻芯部2の直径D及びフランジ部3の直径Fは、以下の数式(3)を満たすことがさらに好ましい。
D/F≧0.005*F−0.14 (3)
巻芯部2の直径D及びフランジ部3の直径Fが数式(3)を満たす場合に、フランジ部3の面振れ量を±0.1mmの範囲内の値とすることができる。なお、数式(1)〜(3)が成立する理由としては、例えば以下のものが考えられる。すなわち、フランジ部3の直径Fが大きくなるほど、面振れ量が大きくなりやすいので、その分巻芯部2の直径Dも大きくする必要がある。すなわち、フランジ部3の直径Fが大きいほど、D/Fも大きくする必要がある。このため、数式(1)〜(3)が成立する。
なお、巻芯部2の直径D自体の値は特に制限されないが、40mm以上であることが好ましい。接着フィルムが巻き付けられる領域を確保し、ひいては、リール部材1に巻き付けられる接着フィルムを長尺化するためである。また、フランジ部3の直径F自体の値も特に制限されないが、135mm以上であることが好ましい。フィルム巻き付け部50a(図4参照)を厚くすることを可能とし、ひいては、リール部材1に巻き付けられる接着フィルムを長尺化するためである。
また、固着面22の幅Bと凹部23の直径Aとの比(B/A)は、1.0以下であることが好ましく、0.25以下であることがより好ましく、0.08以下であることがより好ましい。B/Aが1.0以下となる場合、面振れ量を±0.2mmの範囲内の値とすることができる。また、B/Aが0.25以下となる場合、面振れ量を±0.15mmの範囲内の値とすることができる。また、B/Aが0.08以下となる場合、面振れ量を±0.1mmの範囲内の値とすることができる。
ここで、固着面22の幅Bは、固着面22の凹部23側の端部から巻芯部2の周面21側の端部までの長さを意味する。固着面22の幅Bが小さいほど、固着面22とフランジ部3との接触面積が小さくなる。そこで、本発明者は、固着面22の幅Bについて検討したところ、固着面22の幅Bが小さくなるほど、すなわち、接触面積が小さくなるほど、面振れ量が小さくなる傾向があることがわかった。さらに本発明者が固着面22の幅Bについて検討したところ、B/Aが上記範囲内の値となる場合に、面振れ量が小さくなることがわかった。なお、軽量化の観点からも固着面22の幅Bは小さい方が好ましい。
一方、幅Bが小さすぎると、フランジ部3の固着面22への固着部分が不安定になる可能性がある。このような観点から、B/Aは、0.05以上であることが好ましい。また、幅Bは5mm以上あることが好ましい。固着面22とフランジ部3を固定する作業を、行い易くするためである。
また、凹部23の深さHと凹部23の底面24間の距離Cとの比(H/C)は、0.12以上であることが好ましく、0.33以上であることがより好ましく、2.0以上であることがより好ましい。H/Cが0.12以上となる場合、面振れ量を±0.2mmの範囲内の値とすることができる。また、H/Cが0.33以上となる場合、面振れ量を±0.15mmの範囲内の値とすることができる。また、H/Cが2.0以上となる場合、面振れ量を±0.1mmの範囲内の値とすることができる。
深さHが大きいほど、フランジ部3の歪みを巻芯部2で吸収しやすくなる。このため、面振れ量が小さくなる。そこで、本発明者は、凹部23の深さHについて検討したところ、凹部23の深さHが大きくなるほど、面振れ量が小さくなる傾向があることがわかった。さらに本発明者が深さHについて検討したところ、H/Cが上記範囲内の値となる場合に、面振れ量が小さくなることがわかった。なお、軽量化の観点からも深さHの値は大きい方が好ましい。
一方、深さHが大きすぎると、底面24間の距離Cが小さくなりすぎるので、リール部材1を軸体(リール部材1を回転させるための軸体)に固定するのが難しくなる。このような観点から、H/Cは、3.0以下であることが好ましい。
なお、フランジ部3間の距離L(=2*H+C)は特に制限されないが、10mm以上であることが好ましく、50mm以上であることがより好ましい。接着フィルムが巻き付けられる領域を確保し、ひいては、リール部材1に巻き付けられる接着フィルムを長尺化するためである。
また、フランジ部3の厚さtと、フランジ部3の直径Fとの比(t/F)は、0.05以下である場合は面振れ量を±0.2mm以下の範囲内の値とすることができるため好ましく、0.025以下である場合は面振れ量を±0.15mm以下の範囲内の値とすることができるためより好ましい。また、強度や耐久性の観点からt/Fは0.01以上であることが好ましい。
<4.巻芯部及びフランジ部の材質>
巻芯部2及びフランジ部3の材質は特に制限されない。巻芯部2及びフランジ部3の材質としては、例えば、熱可塑性樹脂等が挙げられる。ここで、熱可塑性樹脂としては、汎用樹脂の他、汎用エンプラ、スーパーエンプラ等が挙げられる。熱可塑性樹脂は、結晶性であっても、非結晶性であってもよい。汎用樹脂の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等が挙げられる。汎用エンプラの例としては、ポリカーボネート、ポリアミド等が挙げられる。スーパーエンプラの例としては、ポリイミド、ポリアミドイミド等が挙げられる。寸歩精度を再現性よく得られる点から、非結晶性樹脂が好ましい。
なお、接着フィルムをトラバース状に巻き付け可能なリール部材は、高い寸法精度等が要求されることから、製造コストが高くなる傾向にある。このため、このようなリール部材にはリサイクル性が求められている。本実施形態に係るリール部材1も接着フィルムをトラバース状に巻き付け可能なリール部材となっている。したがって、リール部材1は高いリサイクル性を有していることが好ましい。このため、巻芯部2及びフランジ部3の材質はポリカーボネートであることが好ましい。ポリカーボネートは耐溶剤性、特にエタノールに対する耐性が強い。また、ポリカーボネートは耐衝撃性にも優れる。したがって、ポリカーボネートで構成されたリール部材1は、使用後にエタノール洗浄することができ、かつ、搬送中に破損しにくい。したがって、ポリカーボネートで構成されたリール部材1は、高いリサイクル性を有する。なお、ポリカーボネートと同等の耐溶剤性、耐衝撃性、及び比重を有する樹脂で巻芯部2及びフランジ部3を構成してもよい。この場合にも同様の効果が得られる。また、このように寸法精度や取り扱い性の上で同等以上の性能が得られるのであれば、金属など樹脂以外の材質であっても特に問題はない。
<5.フィルム収容体の構成>
次に、図4に基づいて、リール部材1を用いたフィルム収容体50の構成について説明する。フィルム収容体50は、リール部材1と、フィルム巻き付け部50aとを備える。フィルム巻き付け部50aは、巻芯部2の周面21に接着フィルムをトラバース状に巻き付けることで形成される。なお、接着フィルムはトラバース状に巻き付けられていなくてもよい。本実施形態では、フランジ部3の面振れ量が±0.2mmの範囲内の値なので、接着フィルムの巻き付け時及び引き出し時のいずれにおいても接着フィルムの脱落が生じにくい。
本実施形態に適用可能な接着フィルムは特に制限されない。接着フィルムは、例えば、基材フィルムと、基材フィルム状に積層された接着剤層とで構成される。基材フィルムの材質は特に制限されず、接着フィルムの用途に応じて適宜決定されればよい。基材フィルムを構成する材料としては、例えば、PET(Poly Ethylene Terephthalate)、OPP(Oriented Polypropylene)、PMP(Poly−4−methylpentene−1)、PTFE(Polytetrafluoroethylene)等にシリコーン等の剥離剤を塗布したものが挙げられる。これらの基材フィルムは、接着フィルムの乾燥を防ぐとともに、接着フィルムの形状を維持することができる。
接着剤層は、接着性を有する層であり、基材フィルム上に形成される。接着剤層の材質も特に制限されず、接着フィルムの用途に応じて適宜決定されればよい。例えば、接着剤層は、異方性導電材料であってもよい。ただし、接着剤層の最低溶融粘度は、1×10〜5.0×10Pa・sであることが好ましい。また、接着フィルムの幅は、0.6〜3.0mmであることが好ましく、接着剤層の厚さは10〜50μmであることが好ましい。なお、接着フィルム引き出し時のブロッキング防止の観点からは、接着剤層上にさらに剥離フィルムが設けられてもよい。なお、本実施形態に係る接着フィルムの用途は特に制限されないが、例えば太陽光パネル等の製造に使用されてもよい。
また、フランジ部3間の距離Lと接着フィルムの幅との比(L/接着フィルムの幅)の範囲は特に制限されないが、3以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましく、30以上であることがより好ましい。上限値は特に制限されず、リール部材1の用途等によって適宜設定されれば良い。接着フィルムの長さは特に問われないが、リール部材1に接着フィルムをトラバース状に巻きつけることで、より長尺な接着フィルムをリール部材1に巻きつけることができる。接着フィルムの長さは、例えば600m以上であってもよい。このような長尺な接着フィルムを作製する方法としては、例えば、短い接着フィルム(例えば100m程度)を複数作製し、これらを連結する方法が挙げられる。
<6.リール部材の製造方法>
つぎに、リール部材1の製造方法について説明する。リール部材1は、巻芯部2及びフランジ部3をそれぞれ作製し、これらを固着することで作製される。巻芯部2は以下の工程で作製される。
まず、巻芯部2の直径Dと同じ直径を有する丸棒を用意する。ついで、丸棒に平滑化処理を施す。ついで、旋盤加工機等を用いて丸棒を荒削りすることで、巻芯部2のおおよその外形を有する巻芯外形体を作製する。ついで、巻芯外形体に平滑化処理を施す。この段階で、固着面22が平滑になる。ついで、旋盤加工機等を用いて巻芯外形体の細部を仕上げ加工することで、巻芯部2を作製する。ここで、巻芯部2の各寸法は、上述した範囲内の値となることが好ましい。また、平滑化処理は、上記のように複数回行うことが好ましいが、少なくとも巻芯外形体に平滑化処理を施せばよい。平滑化処理は省略されても良いが、平滑化処理を行うことで、面振れ量をより確実に低減することができる。
一方、フランジ部3は以下の工程で作製される。まず、フランジ部3の厚さtと同じ厚さを有する板状部材を準備する。ついで、旋盤加工機(あるいはフライス盤加工機)等を用いて板状部材を加工することで、フランジ部3を作製する。ここで、フランジ部3の各寸法は、上述した範囲内の値となることが好ましい。
ついで、巻芯部2の固着面22にフランジ部3を設置し、固着部材25を用いてフランジ部3を巻芯部2に固着する。以上の工程により、リール部材1を作製する。
<1.実施例1>
つぎに、本発明の実施例について説明する。実施例1では、以下の実験を行った。
(1−1.接着フィルムの準備)
幅1mm、厚さ38μmのPETからなる基材フィルムと、基材フィルム上に形成された厚さ20μmの接着剤層と、接着剤層上に形成された厚さ12μmの剥離PETフィルムとを有する接着フィルムを準備した。なお、接着フィルムの長さは5,000mとした。具体的には、100m程度の接着フィルムを複数作製し、これらを連結することで、5,000mの接着フィルムを作製した。
ここで、接着剤層は、以下の工程により作製した。具体的には、フェノキシ樹脂(新日鐵化学社製 YP−50)30質量部、液状エポキシ樹脂(三菱化学社製 JER828)20質量部、ゴム成分(ナガセケムテック社製 SG80H)10質量部、硬化剤(旭化成社製 ノバキュア3941HP)40質量部、シランカップリング剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製 A−187)1質量部を含有する接着剤組成物を準備した。
そして、この接着剤組成物を溶剤トルエンに溶解することで塗工液を作製し、この塗工液を基材フィルム上に塗工した。そして、塗工層を50℃で10分間加熱することで溶剤を揮発させた。以上の工程により、接着剤層を作製した。なお、この接着剤層の最低溶融粘度は7.0×103Pa・sであった。接着剤層の最低溶融粘度は、回転式レオメータ(TA instrument社製)を用いて測定した値である。測定は、昇温速度を10℃/分、測定時の力を1Nで一定とし、直径8mmの測定プレートを使用して行った。
(1−2.リール部材の作製)
以下の工程によりリール部材1を作製した。まず、直径120mm、長さ1000mmのポリカーボネート製丸棒を用意した。ついで、丸棒に平滑化処理を施した。ついで、旋盤加工機を用いて丸棒を荒削りすることで、巻芯部2のおおよその外形を有する巻芯外形体を作製した。ついで、巻芯外形体に平滑化処理を施した。この段階で、固着面22が平滑になる。ついで、旋盤加工機を用いて巻芯外形体の細部を仕上げ加工することで、巻芯部2を作製した。
一方、厚さ3mmのポリカーボネート製板状部材を用意した。ついで、旋盤加工機を用いて板状部材を加工することで、フランジ部3を作製した。フランジ部3の直径Fは170mmとした。ついで、フランジ部3を巻芯部2の固着面22に固着することで、リール部材1を作製した。ここで、固着にはビスを使用した。また、固着位置は、図1に示す位置、すなわち固着面22の周方向に沿って互いに60°離れた位置とした。すなわち、フランジ部3を1枚あたり6箇所の固着位置で巻芯部2に固定した。
リール部材1の各寸法は以下の通りである。巻芯部2の直径D=120mm、フランジ部3の直径F=170mm、D/F=0.706、フランジ部3の厚さt=3mm、固着面22の幅B=8mm、凹部23の直径A=104mm、B/A=0.077、凹部23の深さH=20mm、底面24間の距離C=10mm、H/C=2.0、フランジ部3間の距離L=50mm。
(1−3.面振れ量の測定)
つぎに、フランジ部3の面振れ量を以下の様に測定した。まず、一方のフランジ部3と巻芯部2との接触点3bを巻芯部2の周方向に沿って90°おきに4つ設定した。そして、これらの接触点3bを用いて面振れ量を測定した。具体的には、予め用意した台座に他方のフランジ部3を設置し、株式会社ミツトヨ製の測定子インジケーターTI−113HR(513−474)を用いて面振れ量を測定した。他方のフランジ部3についても同様に面振れ量を測定した。そして、合計8つの測定値における正負の各最大の振れ量をフランジ部3の面振れ量とした。
(1−4.フィルム収容体の作製(接着フィルム巻き付け試験))
リール部材1に接着フィルムを巻き付けることで、フィルム収容体50を作製した。ここで、フィルム巻き付け部50aの幅wは49.5mmとした。また、接着フィルムの巻き付けは、特許文献1に開示されている方法に従って行った。トラバースピッチは1mm、ラインスピードは25M/minとした。また、脱落の箇所を目視で計測し、脱落の箇所に基づいて、フィルム収容体50を以下の様に評価した。
A 脱落の発生なし
B 脱落の発生ありだが軽度(実用上問題なし)
C 脱落の発生箇所が接着フィルム5,000m中1〜5箇所
D 脱落の発生箇所が接着フィルム5,000m中6箇所以上
(1−5.接着フィルム引き出し試験)
芝浦メカトロニクス(株)製のフィルム貼り付け装置(型番TTO−1794M)などの市販のフィルム仮貼り・貼り付け装置を参考にして作製した自作の引出試験機を用意した。そして、この引出試験機を用いて、リール収容部温度30度、引張速度500mm/sec、引き出し張力50g、ストローク250mmで、フィルム収容体50から接着フィルムを引き出す引出試験を行った。引出試験は、フィルム収容体50から全ての接着フィルムが引き出されるまで行った。また、脱落の回数を目視で計測し、脱落の回数に基づいて、フィルム収容体50を以下の様に評価した。
A 脱落の発生なし
B 脱落の発生ありだが軽度(実用上問題なし)
C 脱落の発生回数が接着フィルム5,000m中1〜5回
D 脱落の発生回数が接着フィルム5,000m中6回以上
巻芯部2の直径D、フランジ部3の直径F、D/F、面振れ量、及び脱落評価を表1にまとめて示す。
<2.実施例2〜9、比較例1>
巻芯部2の直径D及びフランジ部3の直径Fを表1の様に変更した他は、実施例1と同様の処理を行った。各例の寸法(巻芯部2の直径D、フランジ部3の直径F、D/F)、面振れ量、及び脱落評価を表1にまとめて示す。

Figure 2017036117
<3.評価結果の検討>
表1に示されるように、面振れ量が小さいほど、脱落が生じにくいことがわかった。すなわち、本実施例によれば、面振れ量は±0.2mmの範囲内の値とすることができる。さらに、面振れ量は、±0.15mmの範囲内の値であることが好ましく、±0.1mmの範囲内の値であることがさらに好ましい。
さらに、図5に示されるように、横軸をフランジ部3の直径F、縦軸をD/Fとしたxy平面に実施例1〜9の結果をプロットした。また、各点の種類を面振れ量に応じて変えた。この結果、同じ種類の点同士を連結する直線が引けることがわかった。すなわち、直線L1は、面振れ量が±0.2の範囲内となる点を連結した直線であり、直線L2は、面振れ量が±0.15の範囲内となる点を連結する直線であり、直線L3は、面振れ量が±0.1の範囲内となる点を連結した直線である。
そして、直線L1は以下の数式(1’)で示される。
D/F=0.005*F−0.38 (1’)
また、直線L2は以下の数式(2’)で示される。
D/F=0.005*F−0.27 (2’)
また、直線L3は以下の数式(3’)で示される。
D/F=0.005*F−0.14 (3’)
上記の結果、巻芯部2の直径D及びフランジ部3の直径Fが上述した数式(1)を満たす場合に、面振れ量が±0.2の範囲内の値になるといえる。また、巻芯部2の直径D及びフランジ部3の直径Fが上述した数式(2)を満たす場合に、面振れ量が±0.15の範囲内の値になるといえる。また、巻芯部2の直径D及びフランジ部3の直径Fが上述した数式(3)を満たす場合に、面振れ量が±0.1の範囲内の値になるといえる。例えば、比較例1は、数式(1)を満たさないので、面振れ量が−0.3以下となっている。
<4.実施例10〜12>
次に、固着面22の幅Bと凹部23の直径Aとの比(B/A)の好適な範囲を特定するために、実施例10〜12を行った。実施例10〜12では、固着面22の幅B及び凹部23の直径Aを表2に示す値に変更した他は、実施例1と同様の処理を行うことで、リール部材1を作製した。さらに、接着フィルムの長さを5,000mとして、実施例1と同様の試験を行った。評価の区分は以下の通りである。
(4−1.巻き付け試験の評価区分)
A 脱落の発生なし
B 脱落の発生ありだが軽度(実用上問題なし)
C 脱落の発生箇所が接着フィルム5,000m中1〜5箇所
D 脱落の発生箇所が接着フィルム5,000m中6箇所以上
(4−2.引き出し試験の評価区分)
A 脱落の発生なし
B 脱落の発生ありだが軽度(実用上問題なし)
C 脱落の発生回数が接着フィルム5,000m中1〜5回
D 脱落の発生回数が接着フィルム5,000m中6回以上
Figure 2017036117
表2によれば、固着面22の幅Bと凹部23の直径Aとの比(B/A)は、1.0以下であることが好ましく、0.25以下であることがより好ましく、0.08以下であることがより好ましいことがわかる。
<5.実施例13〜15>
次に、凹部23の深さHと凹部23の底面24間の距離Cとの比(H/C)の好適な範囲を特定するために、実施例13〜15を行った。実施例13〜15では、凹部23の直径Aを104mmとし、凹部23の深さH及び凹部23の底面24間の距離Cを表3に示す値に変更した他は、実施例1と同様の処理を行うことで、リール部材1を作製した。また、巻き付け試験及び引き出し試験は実施例10〜12と同様の条件で行った。
Figure 2017036117
表3によれば、凹部23の深さHと凹部23の底面24間の距離Cとの比(H/C)は、0.12以上であることが好ましく、0.33以上であることがより好ましく、2.0以上であることがより好ましいことがわかる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 リール部材
2 巻芯部
3 フランジ部
21 周面
22 固着面
23 凹部
24 底面
24a 肉抜き部
24b 軸体用貫通孔
25 固着部材
50 フィルム収容体
50a フィルム巻き付け部

Claims (14)

  1. 接着フィルムを巻き付け可能な巻芯部と、
    前記巻芯部の回転軸方向の両端部に設けられたフランジ部と、を有し、
    前記巻芯部と前記フランジ部とは別体であり、
    前記フランジ部の面振れ量は±0.2mmの範囲内の値である、リール部材。
  2. 前記巻芯部の直径及び前記フランジ部の直径は、以下の数式(1)を満たす、請求項1記載のリール部材。
    D/F≧0.005*F−0.38 (1)
    前記数式(1)において、Dは前記巻芯部の直径であり、Fは前記フランジ部の直径である。
  3. 前記巻芯部の回転軸方向の両端部には、前記フランジ部が固着される固着面が形成されている、請求項1または2記載のリール部材。
  4. 前記固着面は、平滑処理がなされている、請求項3記載のリール部材。
  5. 前記フランジ部は、固着部材により前記固着面に固定されている、請求項3または4の何れか1項に記載のリール部材。
  6. 前記巻芯部の回転軸方向の両端部に形成された凹部を備え、
    前記固着面は前記凹部の周囲に配置されている、請求項3〜5の何れか1項に記載のリール部材。
  7. 前記固着面の幅と前記凹部の直径との比は、1.0以下である、請求項6記載のリール部材。
  8. 前記凹部の深さと前記凹部の底面間の距離との比は0.12以上である、請求項6または7記載のリール部材。
  9. 前記凹部の底面には、肉抜き部が形成されている、請求項6〜8の何れか1項に記載のリール部材。
  10. 前記肉抜き部は、前記巻芯部の回転軸に関して対称な位置に配置されている、請求項9記載のリール部材。
  11. 前記フランジ部間の距離は10mm以上である、請求項1〜10の何れか1項に記載のリール部材。
  12. 前記巻芯部の直径が40mm以上である、請求項1〜11の何れか1項に記載のリール部材。
  13. 前記フランジ部の直径が135mm以上である、請求項1〜12の何れか1項に記載のリール部材。
  14. 請求項1〜13の何れか1項に記載のリール部材と、
    前記巻芯部に巻き付けられた接着フィルムと、を備える、フィルム収容体。
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