JP2017033691A - 車載電池パック、リチウムイオン補充装置、及びリチウムイオン補充方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】各リチウムイオン二次電池からリチウムイオンが失われて電池容量が低下したときはリチウムイオンを各リチウムイオン二次電池に補充しての電池容量を回復できるとともに、各リチウムイオン二次電池を省スペースにできる車載電池パックを提供する。【解決手段】車載電池パック10は、電動車両1に搭載された複数のリチウムイオン二次電池20と、給液口26と、排液口27と、を備えている。給液口26は、リチウムイオン補充液Sinをリチウムイオン二次電池20の内部に供給可能に構成されている。排液口27は、リチウムイオン補充液Sinからリチウムイオンの一部が失われた廃液Soutをリチウムイオン二次電池20の外部へ排出可能に構成されている。【選択図】図2
Description
この発明は、例えば、リチウムイオンを補充できる車載電池パック、該車載電池パックにリチウムイオンを補充し得るリチウムイオン補充装置、及びリチウムイオン補充方法に関する。
リチウムイオン二次電池は、種々の二次電池の中でも高いエネルギー密度を有し、電気自動車やハイブリッド車等の電動車両の電源として利用されている。リチウムイオン二次電池は、ホスト分子である負極活物質及び正極活物質に対し、ゲスト分子であるリチウムイオンが吸蔵及び脱離することにより、化学的な反応を伴わずに作動する。
しかしながら、リチウムイオン二次電池の充放電を長期間繰り返すと、負極表面に金属リチウムが析出して、負極活物質と正極活物質との間を移動できるリチウムイオンが次第に減少する。電荷キャリアであるリチウムイオンが減少すると、リチウムイオン二次電池の電池容量が低下して電動車両の走行可能距離が短くなってしまう。
そこで、特許文献1に開示されるように、充放電によって失われたリチウムイオンの減少量を算出して適切な量のリチウムイオンをリチウムイオン二次電池に補充するリチウムイオン電池の容量回復方法が提案されている。
特許文献1のリチウムイオン電池の容量回復方法は、リチウムイオン補充用電極を備え、リチウムイオン電池の初期の充放電特性と使用後の充放電特性とを比較して、適切な量のリチウムイオンをリチウムイオン補充用電極から補充する。
しかしながら、特許文献1のリチウムイオン電池の容量回復方法では、リチウムイオン二次電池内にリチウムイオン補充用電極を第3の電極として内部に追加するスペースが必要になるため、リチウムイオン二次電池が大型化する。また、万が一の場合、初期の充放電特性のデータを消失すると、リチウムイオンの減少量を算出できなくなってリチウムイオンをどのくらい補充すればよいか分からなくなることも考えられる。
そこで、本発明は、各リチウムイオン二次電池からリチウムイオンが失われて電池容量が低下したときはリチウムイオンを各リチウムイオン二次電池に補充しての電池容量を回復できるとともに、各リチウムイオン二次電池を省スペースにできる車載電池パックを提供する。
本発明の車載電池パックは、電動車両に搭載された複数のリチウムイオン二次電池と、リチウムイオン二次電池にそれぞれ設けられた給液口と、リチウムイオン二次電池にそれぞれ設けられた排液口と、を備えている。給液口は、リチウムイオン補充液をリチウムイオン二次電池の内部に供給可能に構成されている。排液口は、リチウムイオン補充液からリチウムイオンの一部が失われた廃液をリチウムイオン二次電池の外部へ排出可能に構成されている。
この車載電池パックにおいて、複数の給液管と、複数の給液バルブと、給液集合管と、複数の排液管と、複数の排液バルブと、排液集合管と、をさらに備えてもよい。複数の給液管は、給液口にそれぞれ接続されている。給液バルブは、給液管にそれぞれ取り付けられ、給液管を開閉する。給液集合管は、複数の給液管と接続されている。複数の排液管は、排液口にそれぞれ接続されている。排液バルブは、排液管にそれぞれ取り付けられ、排液管を開閉する。排液集合管は、複数の排液管と接続されている。
本発明のリチウムイオン補充装置は、上記した車載電池パックにリチウムイオンを補充するリチウムイオン補充装置であって、給液タンクと、上流側配管と、廃液タンクと、下流側配管と、下流側センサと、制御部と、を備えている。給液タンクは、リチウムイオン補充液が貯蔵されている。上流側配管は、給液集合管を給液タンクに接続している。下流側配管は、排液集合管を廃液タンクに接続している。廃液タンクは、廃液を貯蔵する。下流側センサは、排液集合管又は下流側配管に取り付けられ、廃液を監視する。制御部は、下流側センサから伝えられた情報に基づいて給液バルブ及び排液バルブを制御する。
本発明の他のリチウムイオン補充装置は、上記した実施形態の車載電池パックにリチウムイオンを補充するリチウムイオン補充装置であって、給液タンクと、廃液タンクと、上流側配管と、上流側センサと、下流側配管と、下流側センサと、制御部と、を備えている。給液タンクは、廃液を貯蔵し、廃液をリチウムイオン補充液として再供給する。上流側配管は、給液集合管を給液タンクに接続している。上流側センサは、上流側配管に取り付けられ、リチウムイオン補充液を監視する。下流側配管は、排液集合管を給液タンクに接続している。下流側センサは、下流側配管に取り付けられ、廃液を監視する。制御部は、上流側センサ及び下流側センサから伝えられた情報に基づいて給液バルブ及び排液バルブを制御する。
これらリチウムイオン補充装置において、制御部は、各リチウムイオン二次電池に対して時間差でリチウムイオン補充液を供給し、下流側センサは、時間差で排出されることにより各リチウムイオン二次電池を介した状態の廃液を個別に監視してもよい。脱気管と、真空バルブと、をさらに備えてもよい。脱気管は、上流側配管を真空源に接続する。真空バルブは、脱気管に取り付けられ、外部の制御に従って脱気管を開閉する。
これらリチウムイオン補充装置において、リチウムイオン補充液の一例は、リチウムオキシ基を有する芳香族化合物を電解液中に含有する。このとき、下流側センサは、リチウムイオン二次電池の正極における酸化反応によりリチウムオキシ基からリチウムイオンを離脱させリチウムオキシ基をオキソ基に変換した状態の酸化体を定量する。リチウムオキシ基を有する芳香族化合物として、好ましくはケトン性カルボニル基を有する芳香族化合物に対応する還元体のリチウム塩が挙げられる。ケトン性カルボニル基を有する芳香族化合物として、好ましくはベンゾキノン及びその誘導体が挙げられる。これらリチウムオキシ基を有する芳香族化合物について、下流側センサは、紫外領域において吸収スペクトルのピーク強度を測定することにより酸化体を定量してもよい。
本発明の車載リチウムイオン二次電池へのリチウムイオン補充方法は、リチウムイオン二次電池を充電しながら、リチウムオキシ基を有する芳香族化合物を電解液中に含有するリチウムイオン補充液をリチウムイオン二次電池内に供給する。リチウムイオン二次電池の正極における酸化反応によりリチウムオキシ基からリチウムイオンを離脱させリチウムオキシ基をオキソ基に変換した酸化体を生成する。酸化体がリチウムイオン補充液とともに排出された廃液をリチウムイオン二次電池内から回収しつつ、廃液中の酸化体を定量する。廃液中の酸化体の量が所定値以下になったとき、リチウムイオン二次電池内へのリチウムイオン補充液の供給を停止する。廃液中の酸化体の量が実質的にゼロになったとき、リチウムイオン二次電池内へのリチウムイオン補充液の供給を停止することが好ましい。
本発明の他の車載リチウムイオン二次電池へのリチウムイオン補充方法は、リチウムイオン二次電池を充電しながら、リチウムオキシ基を有する芳香族化合物を含有する電解液をリチウムイオン二次電池内外に循環させる。リチウムイオン二次電池の正極における酸化反応によりリチウムオキシ基からリチウムイオンを離脱させリチウムオキシ基をオキソ基に変換した酸化体を生成する。リチウムイオン二次電池内に流入する電解液中の酸化体と、リチウムイオン二次電池内から流出した電解液中の酸化体とを定量する。流入する酸化体の量と流出した酸化体の量との差が所定値以下になったとき、リチウムイオン二次電池内外の電解液の循環を停止する。流入する酸化体の量と流出した酸化体の量との差が実質的にゼロになったとき、リチウムイオン二次電池内外の電解液の循環を停止することが好ましい。
本発明によれば、各リチウムイオン二次電池のリチウムイオンが失われて電池容量が低下したときはリチウムイオンを各リチウムイオン二次電池に補充して電池容量を回復できるとともに、各リチウムイオン二次電池を省スペースにできる。
まず、図1及び図2を参照して各実施形態に共通する本発明の車載電池パック10について述べる。図1は、電気自動車1の一例を示す模式図である。この電気自動車1は、EVシステム2を搭載している。電気自動車1は、電動車両の一例である。
EVシステム2は、例えば、車両総合制御ユニット(EV−ECU)3、電池管理ユニット(BMU)4、個別セル監視ユニット(CMU)5、車載充電ユニット(OBC)6、モータ制御ユニット(MCU)7、インバータ(IPU)8、モータ9及び車載電池パック10等を備えている。
車両総合制御ユニット3は、EVシステム2を統括する。電池管理ユニット4は、車載電池パック10の状態を管理し車両総合制御ユニット3へ情報を伝達する。個別セル監視ユニット5は、車載電池パック10の各リチウムイオン二次電池20(LIB)の電圧、電流、温度等を監視し、電池管理ユニット4へ情報を伝達する。車載充電ユニット6は、家庭用交流電源や充電スタンド直流電源からの充電電流を制御し、車載電池パック10を充電する。車両総合制御ユニット3及び電池管理ユニット4は、制御部の一例である。車載充電ユニット6は、充電器の一例である。
モータ制御ユニット7は、車両総合制御ユニット3からの制御に基づいてインバータ8を制御する。インバータ8は、大電流をON/OFFし、車載電池パック10とモータ9との間で電力を交換する。モータ9は電力を駆動力に変換し、電気自動車1を走行させる。
図2は、本発明の車載電池パック10及び第1の実施形態のリチウムイオン補充装置30の一例を示す模式図である。車載電池パック10は、一般にセルと呼ばれる複数のリチウムイオン二次電池20と、筐体12と、複数の給液管14と、複数の給液バルブ15と、給液集合管16と、複数の排液管17と、複数の排液バルブ18と、排液集合管19と、個別セル監視ユニット5と、を備えている。
図2の例では、複数のリチウムイオン二次電池20を代表して第1及び第2のリチウムイオン二次電池20a,20bを示している。実際の車載電池パック10では、リチウムイオン二次電池20が多数搭載されてもよい。リチウムイオン二次電池20は、発電要素21と、発電要素21を覆う外装材25と、を備えている。
発電要素21は、正極21a、負極21b、セパレータ21c、非水電解液21d等から構成されている。正極21aは、酸化剤である正極活物質や正極活物質が塗布された金属箔等から構成されている。負極21bは、還元剤である負極活物質や負極活物質が塗布された金属箔等から構成されている。正極21a及び負極21bは、正極21aと負極21bとの短絡を防止するセパレータ21cを介在させて捲回され、非水電解液21dで満たされた外装材25内に収納されている。
正極活物質として、例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム等の層状岩塩型の金属酸化物、マンガン酸リチウム等のスピネル型の金属酸化物、バナジン酸ニッケルリチウム等の逆スピネル型金属酸化物、オリビン型のリン酸鉄リチウム、リン酸マンガンリチウム、リン酸シリコンリチウム、オキソ酸塩型の金属酸化物等のリチウムを吸蔵及び放出可能な金属酸化物が挙げられる。本実施形態では、正極活物質としてコバルト酸リチウムを使用している。
負極活物質として、例えば、黒鉛系の炭素材料、金属リチウム、リチウム合金、金属酸化物、金属硫化物等が挙げられる。黒鉛系の炭素材料として、例えば、黒鉛(グラファイト)、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)等が挙げられる。本実施形態では、負極活物質としてグラファイトを使用している。
非水電解液21dとして、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキソラン、メチルアセテート等の極性溶媒が挙げられる。これら極性溶媒は、二種類以上を混合して使用してもよい。金属塩を含有してもよい。金属塩として、例えば、LiPF6、LiPF3(C2F5)3、LiBF4、LiAsF6、LiClO4、LiSCN、LiI、LiCF3SO3、LiCl、LiBr、LiCF3CO2等のリチウム塩が挙げられる。これら金属塩は、二種類以上を混合して使用してもよい。
外装材25には、化合物Xを含有する電解液をリチウムイオン二次電池20内に供給するための給液口26と、化合物Yを含有する電解液をリチウムイオン二次電池20外へ排出するための排液口27と、が設けられている。以降、本明細書において、給液口26を通じてリチウムイオン二次電池20内に流入する化合物Xを含有する電解液をリチウムイオン補充液Sin、排液口27からリチウムイオン二次電池20外へ流出した化合物Yを含有する電解液を廃液Soutと呼ぶ。リチウムイオン補充液Sin及び廃液Soutに使用する電解液として、発電要素21の非水電解液21dと同様の極性溶媒が挙げられる。
化合物Xは、例えば、リチウムオキシ基(−O−Li)を有する芳香族化合物であって、充電時の正極における酸化反応によりリチウムオキシ基からリチウムイオンを離脱させる化合物である。化合物Yは、化合物Xのリチウムオキシ基がオキソ基(=O)に変換された酸化体である。
化合物Yの例には、キノン系化合物、ポリキノン化合物、インジゴ及びその誘導体、トリオキソアンギュレン及びその誘導体等のケトン性カルボニル基を有する芳香族化合物が含まれる。キノン系化合物として、例えば、ジメトキシベンゾキノン、ビス(トリフルオロメチル)ベンゾキノン等のベンゾキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体等が挙げられる。ポリキノン化合物として、例えば、ペンタセンテトロン、オクタセンテトロン、インダントロン、インダンスレンオリーブR,ピラントロン、ビオラントロン、ニホンスレンネービーブルーR等の4つのケトン性カルボニル基を有するポリアセン化合物や、さらに多くのオキソ基を有するインダンスレンイエロー3RT、インダンスレンカーキCG等が挙げられる。インジゴ及びその誘導体として、例えば、チオインジゴや、多環性芳香族化合物であるキナクリドン、アントアントロン等が挙げられる。好ましくは、ベンゾキノン及びその誘導体が挙げられる。
化合物Xの例には、上記した化合物Yに対応する還元体と同じπ電子構造のリチウム塩が含まれる。なお、化合物Yに対応する還元体とは、オキソ基の代わりにヒドロキシル基を有する化合物Yの芳香族化合物を指す。
筐体12は、複数のリチウムイオン二次電池20を内部に収納している。複数の給液管14は、各リチウムイオン二次電池20の給液口26にそれぞれ接続されている。複数の給液バルブE1,E2は、各給液管14にそれぞれ取り付けられている。給液バルブE1,E2は、車両総合制御ユニット3や電池管理ユニットの制御に従って各給液管14を個別に開閉できる。給液集合管16は、複数の給液管14を束ねるように各給液管14と接続され、筐体12の内外に連通している。
複数の排液管17は、各リチウムイオン二次電池20の排液口27にそれぞれ接続されている。複数の排液バルブF1,F2は、各排液管17にそれぞれ取り付けられている。排液バルブF1,F2は、車両総合制御ユニット3や電池管理ユニット4の制御に従って各排液管17を個別に開閉できる。排液集合管19は、複数の排液管17を束ねるように各排液管17と接続され、筐体12の内外に連通している。以降、給液バルブE1,E2及び排液バルブF1,F2をまとめて給排バルブと呼ぶことがある。
[第1の実施形態]
第1の実施形態のリチウムイオン補充装置30について説明する。このリチウムイオン補充装置30は、車載部30aと、車外部30bとから構成される。車外部30bは、例えば、自動車整備工場等に設置される。
第1の実施形態のリチウムイオン補充装置30について説明する。このリチウムイオン補充装置30は、車載部30aと、車外部30bとから構成される。車外部30bは、例えば、自動車整備工場等に設置される。
リチウムイオン補充装置30は、給液タンク31と、廃液タンク32と、上流側配管34と、下流側配管36と、配管バルブC,Dと、下流側センサ39と、制御部と、脱気管35,37と、真空バルブA,Bと、真空ポンプP,Qと、を備えている。制御部には、車両総合制御ユニット3や電池管理ユニット4が含まれる。真空ポンプP,Qは、真空源の一例である。
給液タンク31には、リチウムイオン補充液Sinが貯蔵されている。廃液タンク32には、廃液Soutを貯蔵することができる。本実施形態では、化合物Xとしてヒドロキシキノンのリチウム塩、化合物Yとしてベンゾキノンを使用している。なお、給液タンク31は、廃液タンク32よりも高所に配置されていることが好ましい。
上流側配管34は、車載電池パック10の給液集合管16を給液タンク31に接続している。下流側配管36は、車載電池パック10の排液集合管19を廃液タンク32に接続している。上流側配管34及び下流側配管36には、配管バルブC,Dがそれぞれ設けられている。配管バルブC,Dは、車両総合制御ユニット3や電池管理ユニットの制御に従って上流側配管34及び下流側配管36をそれぞれ開閉できる。
脱気管35は、上流側配管34を真空ポンプPに接続している。脱気管37は、上流側配管36を真空ポンプQに接続している。脱気管35,37には、真空バルブA,Bがそれぞれ設けられている。真空バルブA,Bは、車両総合制御ユニット3や電池管理ユニットの制御に従って脱気管35,37をそれぞれ開閉できる。
図2の例では、下流側センサ39は、車載電池パック10の排液集合管19に取り付けられている。つまり、下流側センサ39が車載部30aに含まれている。下流側センサ39は、例えば、紫外・可視分光光度計であり、廃液Sout中に含まれる化合物Yについて、紫外領域における吸収スペクトルのピーク強度を測定することができる。
以下に、本実施形態のリチウムイオン補充装置30を用いた第1及び第2のリチウムイオン補充方法について、図2から図4を参照して説明する。
本実施形態に係る第1のリチウムイオン補充方法は、図2及び図3を参照して説明する。第1のリチウムイオン補充方法では、まず、電気自動車1の車載電池パック10から延びた給液集合管16及び排液集合管19を、自動車整備工場などに設置された上流側配管34及び下流側配管36にそれぞれ接続する(図2参照)。
本実施形態に係る第1のリチウムイオン補充方法は、図2及び図3を参照して説明する。第1のリチウムイオン補充方法では、まず、電気自動車1の車載電池パック10から延びた給液集合管16及び排液集合管19を、自動車整備工場などに設置された上流側配管34及び下流側配管36にそれぞれ接続する(図2参照)。
真空ポンプP,Qをそれぞれ作動させる(手順101)。真空バルブA,Bをそれぞれ開放し、上流側配管34及び下流側配管36内を脱気する(手順102)。脱気により上流側配管34及び下流側配管36内の空気に含まれる水分を除去したのち、真空バルブA,Bをそれぞれ閉鎖する(手順103)。真空ポンプP,Qをそれぞれ停止する(手順104)。
配管バルブCを開放して給液タンク31から上流側配管34及び給液集合管16にリチウムイオン補充液Sinを供給する(手順105)。さらに、給液バルブE1,E2及び排液バルブF1,F2を開放する(手順106)。これにより、給液タンク31と車載電池パック10とが連通する。
配管バルブDを開放すると、車載電池パック10と廃液タンク32とが連通し、重力により廃液Soutが各リチウムイオン二次電池20外へ排出され始める(手順107)。下流側センサ39をONにし(手順108)、車載充電ユニット6により各リチウムイオン二次電池20を充電する(手順109)。
すると、各リチウムイオン二次電池20内では、正極21aにおける酸化反応により、リチウムイオン補充液Sin中の化合物Xのリチウムオキシ基からリチウムイオンが離脱するとともに、リチウムイオンが離脱したリチウムオキシ基がオキソ基に変換されて化合物Yが生成する。化合物Xから離脱したリチウムイオンが負極21bに供給されることにより、リチウムイオンが各リチウムイオン二次電池20に補充される。
負極21bでリチウムイオンが不足する間は上記した反応が進行し化合物Xが化合物Yに変換される。各リチウムイオン二次電池20から流出する廃液Soutには化合物Yが含まれる。負極21bがリチウムイオンで充足されると、上記した反応が停止して化合物Yが生成されなくなり、化合物Xが排出されるようになる。
下流側センサ39は、化合物Yを監視して廃液Soutに含まれる化合物Yを定量する(手順110)。廃液Sout中の化合物Yの量が実質的に0になったとき、上記した反応が停止しているものと判断する。負極21bにこれ以上のリチウムイオンを補充することができない、すなわち、各リチウムイオン二次電池20にリチウムイオンの補充が完了したと判断できる。0は、所定値の一例である。
廃液Sout中の化合物Yの量が実質的に0になると(手順111)、下流側センサ39から情報伝達された制御部がトリガーを出し、各バルブC,D,E1,E2,F1,F2を閉鎖する(手順112)。
リチウムイオン補充液Sinの供給が停止して、第1のリチウムイオン補充方法が終了する。なお、0よりも大きな所定値を設定すれば、リチウムイオンが完全に充足される前にリチウムイオンの補充を終了させることもできる。
続いて、本実施形態に係る第2のリチウムイオン補充方法を図2及び図4を参照して説明する。
第2のリチウムイオン補充方法では、まず、第1のリチウムイオン補充方法の手順と同様にして上流側配管34及び下流側配管36内を脱気し(手順201から手順204)、給液バルブE1,E2よりも上流の給液集合管16までリチウムイオン補充液Sinを供給する(手順205)。
第2のリチウムイオン補充方法では、まず、第1のリチウムイオン補充方法の手順と同様にして上流側配管34及び下流側配管36内を脱気し(手順201から手順204)、給液バルブE1,E2よりも上流の給液集合管16までリチウムイオン補充液Sinを供給する(手順205)。
次いで、リチウムイオン二次電池20にリチウムイオン補充液Sinを供給する際、すべての給液バルブE1,E2及び排液バルブF1,F2を一斉に開放せずに、第1のリチウムイオン二次電池20aを操作する給液バルブE1及び排液バルブF1だけ個別に開放する(手順206)。
さらに、排液バルブF1,F2よりも下流の排液集合管19を廃液タンク32と連通させる(手順207)。車載充電ユニット6によりリチウムイオン二次電池20を充電しながら下流側センサ39をONにすると(手順208及び手順209)、第1のリチウムイオン二次電池20aに紐付けされた廃液Soutについて化合物Yを定量することができる(手順210)。
第1のリチウムイオン二次電池20aに紐付けされた廃液Sout中の化合物Yの量が実質的に0になると(手順211)、制御部がトリガーを出し、第1のリチウムイオン二次電池20aを操作する給液バルブE1及び排液バルブF1を閉鎖する(手順212)。
続いて、次のリチウムイオン二次電池20を操作する給液バルブEn及び排液バルブFn(本実施形態では、第2のリチウムイオン二次電池20bを操作する給液バルブE2及び排液バルブF2)を開放し(手順213)、次のリチウムイオン二次電池20に紐付けされた廃液Soutについて化合物Yを個別に定量する(手順214)。
次のリチウムイオン二次電池20に紐付けされた廃液Sout中の化合物Yの量が実質的に0になると、制御部がトリガーを出して、給液バルブEn及び排液バルブFnを閉鎖する(手順216)リチウムイオン二次電池20が3つ以上の場合、手順213から215の手順を繰り返し、最後の1つになるまでリチウムイオン二次電池20を切り替える(手順217)。
最後のリチウムイオン二次電池20(本実施形態では、第2のリチウムイオン二次電池20b)に紐付けされた廃液Sout中の化合物Yの量が実質的に0になると(手順217)、制御部がトリガーを出して、充電を停止するとともに(手順218)、配管バルブC,Dを閉鎖する(手順219)。こうして、第2のリチウムイオン補充方法が終了する。
以上説明した本実施形態に係る車載電池パック10によれば、給液集合管16及び排液集合管19をリチウムイオン補充装置30の上流側配管34及び下流側配管36と接続することにより、給液口26からリチウムイオン補充液Sinを各リチウムイオン二次電池20に供給でき、排液口27から廃液Soutを排出できる。各リチウムイオン二次電池20からリチウムイオンが失われて車載電池パック10の電池容量が低下したとき、リチウムイオンを各リチウムイオン二次電池20に補充して電池容量を回復することができる。
しかも、この車載電池パック10は、リチウムイオン発生源となる部品を各リチウムイオン二次電池20内に追加する必要がない。そのため、各リチウムイオン二次電池20を省スペースにすることができる。
本実施形態のリチウムイオン補充装置30によれば、このような車載電池パック10に対して、車載充電ユニット6により充電しながら各リチウムイオン二次電池20にリチウムイオン補充液Sinを供給できる。各リチウムイオン二次電池20からリチウムイオンが失われて車載電池パック10の電池容量が低下したとき、リチウムイオンを各リチウムイオン二次電池20に補充して電池容量を回復することができる。
しかも、リチウムイオン発生源となるリチウムイオン補充液Sinが車載電池パック10の各リチウムイオン二次電池ではなく、給液タンク31に貯蔵されている。そのため、各リチウムイオン二次電池20を省スペースにすることができる。さらに、各リチウムイオン二次電池の初期の充放電特性のデータが分からなくても、下流側センサ39で廃液Sout中の化合物Yを監視することにより、どのタイミングでリチウムイオンの補充が完了したか判断することができる。
また、本実施形態では、リチウムイオン補充液Sinに含まれる化合物Xがヒドロキシキノンのリチウム塩であり、化合物Yとしてベンゾキノンが生成する。下流側センサ39が紫外・可視分光光度計であり、紫外領域において吸収スペクトルのピーク強度を測定できる。そのため、化合物Yを精度よく定量することができ、リチウムイオンの補充が完了したタイミングを精度よく判断することができる。しかも、下流側センサ39を比較的小型にすることができる。
本実施形態のリチウムイオン補充装置30を用いた第1のリチウムイオン補充方法によれば、すべてのリチウムイオン二次電池20に対し一斉にリチウムイオンを補充することができる。そのため、最短時間で車載電池パック10にリチウムイオンを補充することができる。
本実施形態のリチウムイオン補充装置30を用いた第2のリチウムイオン補充方法によれば、第1及び第2のリチウムイオン二次電池20a,20bそれぞれに対し時間差で個別にリチウムイオンを補充することができる。リチウムイオン二次電池20毎に必要な量だけのリチウムイオン補充液Sinを供給できるため、最小量のリチウムイオン補充液Sinを使用して車載電池パック10にリチウムイオンを補充することができる。
次に、第2の実施形態のリチウムイオン補充装置30について説明する。なお、第1の実施形態の構成と同一又は類似の機能を有する構成は、同一の符号を付して対応する第1の実施形態の記載を参酌することとし、ここでの説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、第1の実施形態と同一である。
[第2の実施形態]
第2の実施形態のリチウムイオン補充装置30は、図5を参照して説明する。第2の実施形態のリチウムイオン補充装置30は、下流側配管36を流れる廃液Soutを給液タンク31に還流させてリチウムイオン補充液Sinとして各リチウムイオン二次電池20に再供給する点が、第1の実施形態と異なる。
第2の実施形態のリチウムイオン補充装置30は、図5を参照して説明する。第2の実施形態のリチウムイオン補充装置30は、下流側配管36を流れる廃液Soutを給液タンク31に還流させてリチウムイオン補充液Sinとして各リチウムイオン二次電池20に再供給する点が、第1の実施形態と異なる。
第2の実施形態のリチウムイオン補充装置30は、廃液タンク32が省略され、上流側センサ38と、送液ポンプRと、をさらに備える。図5の例では、上流側センサ38及び下流側センサ39を上流側配管34及び下流側配管36にそれぞれ取り付けている。上流側センサ38は、下流側センサ39と同様のセンサであり、例えば、紫外・可視分光光度計である。
各リチウムイオン二次電池20内に流入する化合物Yが上流側センサ38により定量され、各リチウムイオン二次電池20内から流出した化合物Yが下流側センサ39により定量される。送液ポンプRは、上流側配管34又は下流側配管36に取り付けられ、配管バルブC,Dが開放されているとき作動する。
車載充電ユニット6により各リチウムイオン二次電池20を充電しながらリチウムイオン補充液Sinを各リチウムイオン二次電池20内外に循環させると、負極21bでリチウムイオンが不足する間は化合物Xが化合物Yに変換される。この間、各リチウムイオン二次電池20に流入する化合物Yの量よりも各リチウムイオン二次電池20から流出する化合物Yの量が増加する。
負極21bがリチウムイオンで充足されると、反応が停止して化合物Yが生成されなくなる。すると、各リチウムイオン二次電池20に流入する化合物Yの量と各リチウムイオン二次電池20から流出する化合物Yの量との差が実質的に0になる。0は、所定値の一例である。上流側センサ38及び下流側センサ39で定量した化合物Yの量を比較することによりリチウムイオンの補充が完了したタイミングを判断することができる。
第2の実施形態のリチウムイオン補充装置30によれば、第1の実施形態と同様に、車載電池パック10にリチウムイオンを補充できる。さらに、廃液Soutをリチウムイオン補充液Sinとして再利用でき、リチウムイオン補充液Sinの使用量を節約できる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
例えば、第1の実施形態において、下流側センサを下流側配管に取り付けることもできる。この場合、下流側センサは、車載部ではなく車外部となる。車外部であれば比較的大型の分析機器も採用できるため、ラマン分光光度計、質量分析装置、核磁気共鳴装置等、公知の分析機器を種々選択できる。第1の実施形態において、送液ポンプをさらに備えてもよい。第1の実施形態を用いた第2のリチウムイオン補充方法において、単電池(セル)1つずつではなく、いくつかの単電池をグループにした組電池(モジュール電池)1つずつに対して個別にリチウムイオンを補充してもよい。車載電池パックは複数の組電池から構成される。
例えば、第2の実施形態において、上流側センサ及び下流側センサのどちらか一方を省略してもよい。この場合、他方のセンサにより酸化物の量の経時変化を監視する。酸化物の量がほぼ一定になった時点でリチウムイオンの補充が完了したことを判断できる。
例えば、各実施形態において、制御部を車外に設けてもよい。上流側及び下流側の脱気管を1本に合流させてもよい。この場合、合流させた脱気管を1台の真空ポンプに接続してもよい。真空源は、真空ポンプ等で予め脱気された真空チャンバーでもよい。各実施形態に用いる車載電池パックにおいて、給液バルブ及び/又は排液バルブを省略してもよい。この場合、給液集合管や排液集合管に代替バルブを取り付ける。
1…電気自動車(電動車両)、3…車両総合制御ユニット(制御部)、4…電池管理ユニット(制御部)、10…車載電池パック、14…給液管、15…給液バルブ、16…給液集合管、17…排液管、18…排液バルブ、19…排液集合管、20,20a,20b…リチウムイオン二次電池、21a…正極、21b…負極、26…給液口、27…排液口、30…リチウムイオン補充装置、31…給液タンク、32…廃液タンク、34…上流側配管、36…下流側配管、38…上流側センサ、39…下流側センサ、E1,En,E2…給液バルブ、F1,Fn,F2…排液バルブ、Sin…リチウムイオン補充液、Sout…廃液、X…化合物(還元体のリチウム塩)、Y…化合物(酸化体)。
Claims (14)
- 電動車両に搭載された複数のリチウムイオン二次電池と、
前記リチウムイオン二次電池に設けられ、リチウムイオン補充液を該リチウムイオン二次電池の内部に供給するための給液口と、
前記リチウムイオン二次電池に設けられ、前記リチウムイオン補充液からリチウムイオンの一部が失われた廃液を該リチウムイオン二次電池の外部へ排出するための排液口と、
を備えた車載電池パック。 - 前記給液口にそれぞれ接続された複数の給液管と、
前記給液管にそれぞれ取り付けられ、該給液管を開閉する複数の給液バルブと、
複数の前記給液管と接続された給液集合管と、
前記排液口にそれぞれ接続された複数の排液管と、
前記排液管にそれぞれ取り付けられ、該排液管を開閉する複数の排液バルブと、
複数の前記排液管と接続された排液集合管と、
をさらに備えた請求項1に記載の車載電池パック。 - 請求項2に記載の車載電池パックにリチウムイオンを補充するリチウムイオン補充装置であって、
前記リチウムイオン補充液が貯蔵された給液タンクと、
前記給液集合管を前記給液タンクに接続する上流側配管と、
前記廃液を貯蔵する廃液タンクと、
前記排液集合管を前記廃液タンクに接続する下流側配管と、
前記排液集合管又は前記下流側配管に取り付けられ、前記廃液を監視する下流側センサと、
前記下流側センサから伝えられた情報に基づいて前記給液バルブ及び前記排液バルブを制御する制御部と、
を備えたリチウムイオン補充装置。 - 請求項2に記載の車載電池パックにリチウムイオンを補充するリチウムイオン補充装置であって、
前記廃液を貯蔵し、該廃液を前記リチウムイオン補充液として再供給するための給液タンクと、
前記給液集合管を前記給液タンクに接続する上流側配管と、
前記上流側配管に取り付けられ、前記リチウムイオン補充液を監視する上流側センサと、
前記排液集合管を前記給液タンクに接続する下流側配管と、
前記下流側配管に取り付けられ、前記廃液を監視する下流側センサと、
前記上流側センサ及び前記下流側センサから伝えられた情報に基づいて前記給液バルブ及び前記排液バルブを制御する制御部と、
を備えたリチウムイオン補充装置。 - 前記制御部は、各々の前記リチウムイオン二次電池に対して時間差で前記リチウムイオン補充液を供給し、
前記下流側センサは、時間差で排出されることにより各々の前記リチウムイオン二次電池を介した状態の前記廃液を個別に監視する
ことを特徴とする請求項3又は4に記載のリチウムイオン補充装置。 - 前記上流側配管を真空源に接続する脱気管と、
前記脱気管に取り付けられ、該脱気管を開閉する真空バルブと、
をさらに備えたことを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載のリチウムイオン補充装置。 - 前記リチウムイオン補充液は、リチウムオキシ基を有する芳香族化合物を電解液中に含有し、
前記下流側センサは、前記リチウムイオン二次電池の正極における酸化反応により前記リチウムオキシ基からリチウムイオンを離脱させ該リチウムオキシ基をオキソ基に変換した状態の酸化体を定量する
ことを特徴とする請求項3から6のいずれか一項に記載のリチウムイオン補充装置。 - 前記リチウムオキシ基を有する芳香族化合物は、ケトン性カルボニル基を有する芳香族化合物に対応する還元体のリチウム塩であることを特徴とする請求項7に記載のリチウムイオン補充装置。
- 前記ケトン性カルボニル基を有する芳香族化合物は、ベンゾキノン及びその誘導体であることを特徴とする請求項8に記載のリチウムイオン補充装置。
- 前記下流側センサは、紫外領域において吸収スペクトルのピーク強度を測定することにより前記酸化体を定量することを特徴とする請求項7から9のいずれか一項に記載のリチウムイオン補充装置。
- 電動車両に搭載されたリチウムイオン二次電池へのリチウムイオン補充方法であって、
リチウムイオン二次電池を充電しながら、リチウムオキシ基を有する芳香族化合物を電解液中に含有するリチウムイオン補充液を前記リチウムイオン二次電池内に供給し、
前記リチウムイオン二次電池の正極における酸化反応により前記リチウムオキシ基からリチウムイオンを離脱させ該リチウムオキシ基をオキソ基に変換した酸化体を生成し、
前記酸化体が前記リチウムイオン補充液とともに排出された廃液を前記リチウムイオン二次電池内から回収しつつ、該廃液中の前記酸化体を定量し、
前記廃液中の前記酸化体の量が所定値以下になったとき、前記リチウムイオン二次電池内への前記リチウムイオン補充液の供給を停止する
ことを特徴とするリチウムイオン補充方法。 - 前記廃液中の前記酸化体の量が実質的にゼロになったとき、前記リチウムイオン二次電池内への前記リチウムイオン補充液の供給を停止する
ことを特徴とする請求項11に記載のリチウムイオン補充方法。 - 電動車両に搭載されたリチウムイオン二次電池へのリチウムイオン補充方法であって、
リチウムイオン二次電池を充電しながら、リチウムオキシ基を有する芳香族化合物を含有する電解液を前記リチウムイオン二次電池内外に循環させ、
前記リチウムイオン二次電池の正極における酸化反応により前記リチウムオキシ基からリチウムイオンを離脱させ該リチウムオキシ基をオキソ基に変換した酸化体を生成し、
前記リチウムイオン二次電池内に流入する前記電解液中の前記酸化体と、前記リチウムイオン二次電池内から流出した前記電解液中の前記酸化体とを定量し、
流入する前記酸化体の量と流出した前記酸化体の量との差が所定値以下になったとき、前記リチウムイオン二次電池内外の前記電解液の循環を停止する
ことを特徴とするリチウムイオン補充方法。 - 前記流入する前記酸化体の量と前記流出した前記酸化体の量との差が実質的にゼロになったとき、前記リチウムイオン二次電池内外の前記電解液の循環を停止する
ことを特徴とする請求項13に記載のリチウムイオン補充方法。
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