以下では、本発明の実施形態に係る装置について説明する。まず、各実施形態に共通する装置の構成や本発明の実施形態に係る装置により作成される医用レポートの概念を図1乃至図6、図30乃至図33に例示して説明する。
第一の実施形態では、過去に作成した医用レポートの指定された項目と直接的または間接的に関係付けられている全ての項目を特定し、新規に作成する医用レポートに利用できる。図8、図11、図36、図37に例示して説明する。
第二の実施形態では、項目間の関係情報を、指定された項目の種類から取得することができる。図7に例示して説明する。
第三の実施形態では、互いに排他の関係を有する項目があれば、それに応じた推奨枠を提示することができる。図34、図35に例示して説明する。
第四の実施形態では、過去に作成した医用レポートの記載内容を複製して利用する際に、複製に関わる一連の処理が完了する時点で、複製した対象の内容や表示形態を、複製先に適する状態にすることができる。図12、13に例示して説明する。
第五の実施形態では、指定手段により指定された項目と関係付けられている項目の一部を特定し、複製することができる。また、一部を特定して複製した際に、複製しなかった部分を後から容易に複製したり、別個に複製した項目を容易に関係付けたりすることができる。図9、図10、図14、図15、図39に例示して説明する。
第六の実施形態では、指定された項目の種類に応じて複製範囲を特定することができる。
第七の実施形態では、医用レポートの作成が依頼されたその目的に応じて、過去に作成済みのレポートから複製する範囲を特定することができる。図16、図17に例示して説明する。
第八の実施形態では、新規に作成している医用レポートの記載状況や、想定される記載の内容に応じて、過去に作成済みのレポートから複製する範囲を特定することができる。図18、図19に例示して説明する。
第九の実施形態では、レポート項目のそれぞれについて、関係情報に基づいて評価値を与え、評価値に応じて複製範囲を特定することができる。図21、図22に例示して説明する。
第十の実施形態では、レポート項目のそれぞれについて、関係情報に基づいて評価値を与え、評価値に応じて複製範囲を特定することができる。図23乃至図25に例示して説明する。
第十一の実施形態では、複製範囲を特定するための手法を切り替えることができる。図26に例示して説明する。
第十二の実施形態では、過去に作成済みの医用レポートの作成依頼目的を、新規に作成する医用レポートに複製することで、過去に作成済みの医用レポートの作成依頼目的に対応する項目を特定して新規に作成する医用レポートに複製することができる。図27乃至図29に例示して説明する。
以下、詳述する。
医療現場では、様々な撮影装置により得られる画像や、各種の検査を活用して診療が行われている。撮影装置により取得された画像データを、ここでは医用画像と称する。画像データに対して、診断に好適な画像とするための画像処理等を施して得られる画像も医用画像に含まれる。撮影装置とは、たとえばコンピュータ断層撮影装置(CT:Computed Tomography)、核磁気共鳴映像装置(MRI:Magnetic Resonance Imaging)、2次元の放射線画像を撮像する放射線撮影装置(DR:Digital Radiography)である。CT装置により取得された画像データを例に説明すると、CT装置はCT値とよばれる相対的なX線吸収係数値の一次元分布を画像データとして取得する。その後、画像データに対して画像再構成とよばれる処理を施して、3次元画像を得る。さらに、3次元画像から最大値投影法(MIP:maximum intensity projection)により作成されるMIP画像や、任意の断層面の2次元画像が取得される。これらの画像データ及び3次元画像、3次元画像から取得される各種の画像は医用画像に含まれる。
医用画像を活用した診断は読影と呼ばれる。読影では、画像診断を専門とする医師が医用画像を観察することにより行われる。診断対象の主治医から医用画像の撮影と読影とを指示する依頼が発行されると、技師が適正な医用画像の撮影を行い、かかる医用画像が読影に供される。そして、撮影された医用画像や診断対象の情報などに基づいて得られる情報や助言が専門医から主治医に伝えられる。以下では、読影を依頼する医師を依頼医、画像診断を専門とする医師を読影医と称する。読影の結果は、読影レポートに記載され、依頼医に伝えられることが多い。読影レポートは、電子データとして管理される。読影レポートを電子カルテ内に記載して管理してもよい。別の例では、読影レポートは紙といった媒体に記録され、管理される。
読影レポートには、患者を撮影した医用画像を医師が観察し、発見した事象や現象について記載する所見と呼ばれる情報と、その所見の内容をふまえ、疑われる疾患などを記載する診断と呼ばれる情報が含まれる。さらに、治療方針といった依頼医への助言を記載した情報が含まれる場合がある。さらに、読影レポートには医用画像が添付される。医用画像は、当該医用画像のサムネイル画像や当該医用画像を参照するための情報で代替される場合もある。所見や診断及びそれらの関係性は自然文で記載されることが多く、その記載方法はレポートを作成した医師によって異なる。したがって、依頼医が読影レポートの内容を把握するのに時間がかかる場合があった。
近年、読影レポートに記載される診断のための情報である、医用画像や所見、診断といった情報に含まれる、複数の項目間の関係性を表現し、読影レポートを構造化して作成する手法が提案されている。それぞれの項目には、読影医が入力した内容が含まれる。これにより、たとえば読影レポートに記載された複数の所見や診断との関連を明確に表現できる。読影レポートを構造化することにより、作成する読影医の作業負荷を低減させ、依頼医は内容を把握しやすくなる。
読影医は読影レポートに記載する際に、入力した項目間を必要に応じて関係付けて関係情報を作成し、構造化された読影レポートを作成する。本発明の実施形態に係る読影レポート作成支援システムにおいては、このような構造化された読影レポートを作成することができる。
[第一の実施形態]
図1は医用レポート作成装置の構成図を示す。医用レポート作成装置1は読影医が読影対象の画像を閲覧し、読影レポートを作成するための装置である。医用レポート作成装置1は院内ローカルエリアネットワーク9を介して院内システムと接続されている。院内システムに接続されているその他の情報システムとして、例えば、HIS2、RIS3、医用画像撮影装置4、PACS5がある。HIS(Hospital Information System)2は医療事務会計システム、診療予約システム、診療情報システムなどを含む包括的なシステムである。HIS2は電子カルテDB(Database)6や読影レポートDB(Database)7を有する。電子カルテDB6には、患者の診療情報を記録した電子カルテが保管される。読影レポートDB7には、読影医が作成した読影レポートに関する情報が保管される。RIS(Radiology Information System)3は、放射線機器による検査と治療の予約、検査結果の管理、材料在庫管理などを行うためのシステムである。なお、読影レポートDB7がRIS3によって管理される場合もある。医用画像撮影装置4は、たとえばCT装置、MRI装置、超音波診断装置、PET装置、DR装置である。PACS(Picture Archiving and Communication System)5は医用画像撮影装置4によって撮影された医用画像を電子的に保存、検索、通信するためのシステムである。PACS5は医用画像の保存先として医用画像DB(Database)8を備える。
図2は医用レポート作成装置1の具体的な構成図を示している。入力デバイス11はたとえばマウスやデジタイザ、キーボードであり、医用レポート作成装置1にユーザの指示を入力するために用いられる。出力デバイス12はたとえば装置の状態や処理内容を表示するLED(Light Emitting Diode)パネルや液晶パネルである。CPU(Central Processing Unit)13は二次記憶装置15に保存されているプログラムを一次記憶装置14に読み込む。更に、CPU13は読み込んだプログラムを実行することで装置を統合的に制御し、計算を行い、UI(User Interface)の表示を制御する。一次記憶装置14は主にRAM(Random Access Memory)などのメモリである。二次記憶装置15には医用レポート作成装置1を動作させるために必要な医用レポート作成プログラムが保存されている。二次記憶装置15は、例えばハードディスクやフラッシュメモリなどの記憶媒体がこれに当たるが、本発明は特定の記憶媒体に依存しないことは言うまでもない。一般的に一次記憶装置14の容量は二次記憶装置15の容量より小さく、一次記憶装置14に格納しきれないプログラムやデータ等は二次記憶装置15に格納される。また、長時間記憶しなくてはならないデータ等も二次記憶装置15に格納される。通信IF(Interface)16は院内ローカルエリアネットワーク9に繋がっており、院内の各種システムやHIS2、RIS3、撮影装置4、PACS5との間の通信インターフェースである。
図3は、本発明の実施形態の一つである医用レポート作成装置により作成されるレポートの概念を例示する図である。医用レポートは、診断対象の複数の情報を含み、かつ前記複数の情報のそれぞれに含まれる複数の項目間の関係を示す関係情報を含む。診断対象の複数の情報には、たとえば部位、所見、診断、処置の4種類に情報が含まれる。部位の情報に含まれるレポート項目には、体の部位を特定することのできる文章や画像が入力される。図3において、部位の情報に含まれるレポート項目の一つが枠71で示されている。部位のレポート項目へ入力される画像とは、例えば診断対象の画像のソフトコピーや、読影対象の画像へアクセスするためのアドレス情報である。診断対象の画像のソフトコピーは、当該画像のサムネイル画像でもよい。このとき、画像を閲覧する際に適用する画像処理のパラメータ等や、当該画像を撮影した際の撮影領域や装置の情報といった検査の情報を合わせて入力しても良い。所見のレポート項目には、ひとつ以上の病変を説明する文章が入力される。診断のレポート項目には、ひとつ以上の疾病を説明する文章が入力される。処置のレポート項目には、ひとつ以上の処置を説明する文章が入力される。関係情報は、たとえばレポート項目間の関係性に応じて対応関係、因果関係、排他関係、時系列の関連を示す経過関係が挙げられる。図3において、対応関係は直線72、因果関係は矢印線73、排他関係は両矢印線74で示されている。対応関係は、2つのレポート項目が相互に関係している事を意味する。因果関係は、2つのレポート項目が原因と結果という関係で結ばれている事を意味する。原因となる項目から、結果となる項目に向けた矢印の方向で示されている。排他関係は、2つのレポート項目が対立しており、2つのレポート項目の内容が同時には成り立たたないことを意味する。なお、排他関係にあるレポート項目は、レポートを作成した時点においてはどちらのレポート項目の内容が不適切であるかを決定することができないが、診療が進むと少なくともどちらか1つが不適切な項目として削除されるであろう事を意味する。ひとつのレポート項目は、他の複数のレポート項目との関係情報を持つことができる。すなわち、レポート項目間の関係は多対多の関係となる。
図5は、医用レポート作成装置1の主要な機能を説明するための機能ブロック図である。画像閲覧部101は、読影対象となる画像を、PACS5を介して医用画像DB8から読み出し、出力デバイス12に表示する。また、入力デバイス11を介したユーザである読影医の操作に応じて、表示画像の変更や、画像処理など、画像閲覧に関する様々な処理を実行する。レポート表示制御部109は、新規に作成するレポートの編集画面を出力デバイスに表示させ、また読影医の操作に応じて過去のレポートを出力デバイスに表示させる。レポート項目作成部102はレポート項目を作成し、レポート項目を一意に識別する項目IDを付与する。さらに、レポート項目作成部102は、レポート項目が属するレポートを一意に識別するためのレポートIDと、当該レポート項目が属する診断対象の情報の種類を自動的に付与して図4(a)に示す項目テーブル701に保存する。レポート項目内容編集部103は、読影医が入力デバイス11を介して入力した内容に応じてレポート項目の内容を編集し、編集結果を項目テーブル701の該当箇所へ保存する。関係情報作成部104は、任意のレポート項目間の関係情報を作成する。関係情報は、関係情報を一意に識別するための関係IDと、当該関係情報により関係付けられる2つのレポート項目のIDと、関係の種類で構成される。なお、関係情報作成部104は、レポート項目間の関係の種類をユーザに選択させるための画面を出力デバイス12に表示させる。関係情報作成部104は、ユーザが入力したレポート項目間の関係の種類を取得する。関係情報保存部105は、関係情報作成部104で作成された関係情報を、図4(b)に示す関係テーブル702に保存する。なお、関係の種類が因果関係である場合には、原因を示すレポート項目の項目IDをレポート項目ID1とし、結果を示すレポート項目の項目IDをレポート項目ID2として保存する。依頼タグ付与部114は、依頼内容を表す任意の単語又は文章を、任意のレポート項目に依頼タグとして付与し、項目テーブル701に保存する。ひとつのレポート項目には複数の依頼タグを付与することができる。なお、依頼内容とは、読影医に読影レポートの作成を依頼した依頼医からの伝達事項であり、患者の訴えや症状の他、依頼医の疑う診断名等が含まれる。依頼医が依頼内容を予め個別の項目に分けられて入力できるようにし、読影医がレポート項目毎に、入力された依頼の項目を依頼タグとして選択できるようにしてもよい。また、複数の依頼内容を含む文章で表現されたものを、手動または自動で個別の項目に分割するようにしてもよい。依頼タグを付与することにより、依頼内容のそれぞれについて対応するレポート項目を示すことができる。過去レポート選択部108は、過去に作成したレポート(以下、過去レポートと称する。)の一覧を表示し、入力デバイス11を介した読影医の操作に応じて、新規に作成するレポート(以下、今回レポートと称する。)に利用するレポートを選択する。過去レポートの一覧は、項目テーブル701のレポートIDの値を基に抽出される。さらに、それぞれのレポートIDと対応する情報に基づいて、例えば、全てのレポートIDに関するレポートの一覧や、今回対象としている患者に関するレポートの一覧や、ある読影医が過去に作成したレポートの一覧を表示できる。レポート表示制御部109は、ユーザが選択した過去レポートの内容を表示する。複製範囲決定部110はレポート表示制御部109で表示されたレポートを構成する項目(部位、所見、診断、処置、関係情報など)のうち、今回レポートに複製する範囲を決定する。複製範囲決定部110は、ユーザの操作入力を受け付けて過去レポートに含まれる項目を指定する指定手段である。また、複製範囲決定部110は、指定された項目と関係情報に基づいて過去レポートに含まれる項目を特定する特定手段である。さらに、複製範囲決定部110は、特定手段により特定された項目を今回レポートに複製させる複製手段である。なお、複製にかかる処理は、複製範囲決定部110で決定された複製範囲の情報に基づき、前述のレポート項目作成部102、関係情報作成部104、関係情報保存部105、及び複製関係情報作成部106、複製関係情報保存部107により実施される。複製関係情報作成部106は、過去レポートを構成している項目を新規に作成するレポートに複製する際に、複製元と複製先の関係を示す情報(以下、複製関係情報と称する。)を作成する。複製関係情報保存部107は、複製関係情報作成部106で作成した複製関係情報を、図4(c)に示す複製関係テーブル703に保存する。なお、関係ID1、及び関係ID2は関係テーブル702の関係IDであり、関係ID1は複製元の関係ID、関係ID2は複製先の関係IDとなるように保存する。関係情報提示部111は、関係テーブル702、及び複製関係テーブル703の内容に従って、レポート項目間の関係を出力デバイス12に表示する。レポート保存部112は、項目テーブル701、関係テーブル702及び複製関係テーブル703の内容を、レポートデータとしてHIS2を介して読影レポートDB7へ保存する。なお、項目テーブル701、関係テーブル702及び複製関係テーブル703と同等の情報を持つものであれば、レポートデータの形式は問わない。例えば、XML等で定義されたレポートデータのフォーマットに変換して保存しても良い。記憶部113は項目テーブル701、関係テーブル702及び複製関係テーブル703を一時的に記憶する。なお、ここではレポート項目ID、レポートID、関係IDはそれぞれ項目テーブル701や関係テーブル702に保存される際に連番となるように値が振られるものとする。
図6は、医用レポート作成装置1のGUIの概要を示す図である。図6(a)はレポート入力画面の一例である。医用画像閲覧画面131には、読影対象となる診断対象の画像を表示する。読影医は医用画像閲覧画面131に表示されている内容に対する操作入力を行い、画像閲覧部101による機能を実現する。患者情報表示エリア132には、診断対象であり、画像の被写体である患者の情報を表示する。例えば、患者を一意に識別するための患者ID、名前、年齢、過去の病歴等が患者情報に該当する。依頼情報表示エリア133には、依頼元の部門情報や依頼された検査、依頼医からの依頼内容を表示する。レポート作成エリア134は、部位、所見、診断、処置のエリアに分割されており、各々の情報に含まれるレポート項目の内容を入力するためのレポート項目入力枠135と、入力枠を追加するための入力枠追加ボタン136が表示される。レポート項目入力枠135はひとつのレポート項目と対応づいており、その内容を編集するための操作入力を受け付ける。レポート項目入力枠135に対する操作を介して、レポート項目内容編集部103の機能を実現する。入力枠追加ボタン136を押下する操作入力に応じて、レポート項目作成部102の機能が実行され、新規のレポート項目が作成される。同時に、作成したレポート項目に対応するレポート項目入力枠135を表示する。なお、入力枠追加ボタン136は項目の種類毎に用意され、押下されたボタンに応じて対応する種類のレポート項目を作成する。なお、入力枠の追加は入力デバイス11を介したキー操作により行われても良い。例えば、所見のレポート項目の内容を編集中にTABキーを押下することで、診断のレポート項目を作成しても良い。同様に、所見のレポート項目の内容を編集中にRETURNキーを2回連続で押下することで、別の所見のレポート項目を作成しても良い。レポート項目入力枠135は、入力デバイス11を介して選択される。複数の入力枠を同時に選択することもできる。関係情報作成部104は、選択した入力枠が他の入力枠へドラッグ&ドロップされると、ドラッグ元の入力枠に対応するレポート項目とドロップ先の入力枠に対応するレポート項目の間の関係付けを指示する操作入力であると判定する。関係付けを指示する操作入力に応じて、関係情報作成部104は、関係の種類を選択するためのダイアログボックスを表示させる。レポート作成エリア134において、関係情報提示部111は、レポート項目間の関係を、レポート項目入力枠135を結ぶ線として表示する。関係の種類が対応関係である場合には、入力枠同士を結ぶ単純な線として表示する。関係の種類が因果関係である場合には、原因となるレポート項目の入力枠から結果となるレポート項目の入力枠への矢印として表示する。関係の種類が排他関係である場合には、排他関係にある二つ以上のレポート項目の入力枠間を、両端が矢印の直線で繋ぐように表示する。医用画像閲覧画面131からレポート作成エリア134へ画像がドラッグ&ドロップされると、レポート項目作成部102の機能により、部位の情報に含まれるレポート項目を作成し、当該レポート項目の入力枠を表示する。同時に、作成した部位のレポート項目と対応関係を持つ所見のレポート項目を作成し、その入力枠を表示する。また、医用画像閲覧画面131から、既に存在するレポート項目入力枠135へ画像がドラッグ&ドロップされると、画像のソフトコピーをドロップ先のレポート項目の内容として登録する。依頼情報表示エリア133からレポート項目入力枠135へ依頼タグがドラッグ&ドロップされると、依頼タグ付与部114の機能が実行され、ドラッグ元の依頼タグをドロップ先のレポート項目に付与する。また、以下の各実施形態においては、各レポート項目入力枠135上に依頼タグを表示し、レポート項目毎に付与されている依頼タグの内容が分かるようにする。インプレッション入力エリア139には、レポートのまとめをテキストで表示する。テキストは、入力デバイス11を介してユーザである読影医により入力される。なお、インプレッション入力エリア139の内容は、レポート作成エリア134の内容を元に自動的にテキストを作成して挿入しても良い。例えば、診断及び処置のレポート項目の内容を自動的にテキストとして挿入しても良い。また、このとき、インプレッション入力エリア139内のカーソル位置に応じて、カーソル位置の記載内容に対応するレポート項目をハイライト表示するようにしても良い。ここで、ハイライト表示とはたとえば、レポート項目の入力枠内の色や入力枠を示す線の太さを他の項目と異ならせたり、レポート項目の入力枠を点滅させたりする表示である。
過去レポートボタン137が押下されると、過去レポート選択部108の処理を実行し、過去レポート一覧を表示する。レポート一覧の中から入力デバイス11を介して読影医によりレポートが選択されると、レポート表示制御部109の処理により選択された過去レポートが表示される。図6(b)の画面は、レポート表示制御部109の処理が実施され際に画面遷移した結果の一例である。図6(b)において、境界線144の下部は画面遷移前の図6(a)の内容が表示されている。すなわち今回作成中のレポートに関する患者情報表示エリア132、依頼情報表示エリア133、レポート作成エリア134、レポート項目入力枠135、入力枠追加ボタン136が表示されている。読影医は境界線144より下の領域にて、図6(a)の画面と同様の入力操作ができる。なお、図6(b)には各種ボタン及び入力枠138〜144が画面効率の観点から表示されていない例を示しているが、例えば、所定のキー操作により、適宜表示することができる。境界線144より上の領域では、レポート表示制御部109により過去レポートの内容が表示される。患者情報表示エリア(過去レポート)145は、選択した過去の読影レポートが対象とする患者の情報を示す。なお、患者情報表示エリア(過去レポート)145は過去レポートが過去に記載された際の患者情報表示エリア132の情報である。依頼情報表示エリア(過去レポート)146は過去レポートが作成さる際の、依頼元の部門情報や依頼された検査、依頼医からの依頼内容を表示する。なお、依頼情報表示エリア(過去レポート)146は過去レポートが過去に記載された際の依頼情報表示エリア133の情報である。過去レポート項目・関係情報表示エリア147は、過去レポートを構成するレポート項目と、レポート項目間の関係を表示する領域である。過去レポート項目入力枠148には、過去レポートを構成するレポート項目の内容が入力されている。但し、過去レポート項目入力枠148は読み取り専用であり、レポート項目内容編集部103により編集することはできない。過去レポート項目・関係情報表示エリア147は、レポート作成エリア134と同様に、部位、所見、診断、処置のエリアを分割して表示するレイアウトとなっている。読影医は過去レポート項目・関係情報表示エリア147に表示された内容のうち、所望の範囲を新規に作成するレポートに複製し利用する。複製処理の具体的な手順は各実施形態の説明のなかで詳述する。なお、過去レポートボタン137はトグルボタンとなっており、図6(b)の表示と図6(a)の表示をボタン操作により切り替えることができる。
基本入力画面表示ボタン140が押下されると、レポート表示制御部109はレポート作成エリア134の表示を基本入力モードに切り替える。基本入力モードの画面の例を図30(a)に示す。基本入力モードでは、所見、診断、処置のレポート項目の内容を自然文で入力できるように表示される。詳細入力画面表示ボタン141が押下されると、レポート表示制御部109はレポート作成エリア134の表示を詳細入力モードに切り替える。詳細入力モードの画面の例を図30(b)に示す。詳細入力モードでは、レポート項目の内容を属性と値の対応表として入力できるように表示される。このとき、属性を示す情報を選択するための一覧を表示し、他のレポート項目や属性と関連付けられるようにしても良い。これにより、より詳細な関係を表現することができるようになる。なお、基本入力モードから詳細入力モードに切り替わる際、言語処理により、自然文から自動的に属性と値を抽出しても良い。また、詳細入力モードから基本入力モードに切り替わる際、属性と値の対応表から自動的に自然文を生成しても良い。レイアウト表示ボタン142が押下されると、レポート表示制御部109はレポート作成エリア134及びインプレッション入力エリア139の内容をレイアウトして表示する。レイアウト画面の例を図31に示す。ここでは、依頼タグが付与されている項目、すなわち依頼への回答として作成されたレポート項目を上位にレイアウトする。更に、項目テーブル701と関係テーブル702の内容を元に、項目間の関係を示すラベルを作成して表示する。例えば、診断に癌と記載されており、かつ他の診断との因果関係が存在する場合には、癌の原発巣又は転移巣であると予測し、各々をラベルとして表示する。重複癌のように複数の原発巣と転移巣の組み合わせが存在する場合には、それぞれの組み合わせをラベルの名称或いは色で区別しても良い。なお、レイアウトの方法は、レポートを閲覧する依頼医や、閲覧に使用するデバイス等によって変えることができるものとする。例えば、図32に示すように、構造化されていない読影レポートの形式で表示しても良い。その際、選択された項目に関係する項目をハイライト表示し、対応関係を分かりやすくしても良い。また、例えば、モバイル端末で表示する場合にはレポート項目を順次切り替えて表示するなどしても良い。ここでは、基本入力画面表示ボタン140、詳細入力画面表示ボタン141、レイアウト表示ボタン142はラジオボタンとして排他的に動作し、画面を切り替えながら操作する。もちろん、各ボタンを同時に押下可能にし、複数の画面を同時に表示させるようにしても良い。
時系列表示ボタン143が押下されると、レポート表示制御部109は時系列情報ウィンドウを表示させる。時系列情報ウィンドウでは、レポート作成エリア134で選択されているレポート項目の内容を、検査日順に並べて表示する。時系列情報ウィンドウに表示される内容は、基本入力モードか詳細入力モードかによって切り替える。詳細入力モードにおける、時系列情報ウィンドウの画面の例を図33に示す。レポート作成エリア134で選択されているレポート項目に関わらず、部位を表す画像を表示しても良い。検査日が異なるレポート項目間の関係情報は、図6(b)の画面で行ったレポート項目の複製と同時に付与するものとする。即ち、複製元の過去レポートのレポート項目と、複製先の現在レポートのレポート項目に、自動的に時系列の関連を示す関係情報を付与する。または、過去レポートと現在レポートが表示されている状態で、ユーザ操作により手動で時系列の関係をつけても良い。レポート保存ボタン138を押下する操作入力に応じて、レポート保存部112の機能が実行される。
以上のようにして、医用レポート作成装置1は、部位、所見、診断、処置の間の関係を、例えばレポート項目間を直線及び矢印線で結ぶように表示し、レポートを構造化する。これにより、部位、診断、処置のつながりを示す論理の流れを分かりやすく表現することができる。
図8、図11、図36、図37を用いて、第一の実施形態に係る医用レポート作成装置1により、過去レポートの内容を今回レポートに複製する際の処理について具体的に説明する。図8は、過去レポートを構成するレポート項目及び関係情報を、今回レポートに複製して利用する処理を表すフローチャートである。S801、S802は過去レポート選択部108によって処理される。S801では過去レポートの一覧を表示する。医用レポート作成装置1は通信IF16を介してHIS2に接続し、たとえば読影レポートDB7に蓄積されている過去に記載した読影レポートの一覧を取得する。SQL(Structured Query Language)などのデータベース問い合わせ言語を用いて、例えば現在読影対象となっている患者に関するレポートのみを取得するための条件を指定して、レポートの取得及び表示を実施する。S802では、入力デバイス11を介してユーザによるレポートの選択を受け付け、選択された過去レポートを特定するレポートIDがレポート表示制御部109に伝達される。なお、今回レポートの情報に応じて、過去レポート選択部108が最適な過去レポートを推測し、自動でS801、S802の処理を実施してもよい。S803では、S802から伝達されたレポートIDに基づき、レポート表示制御部109が過去レポートを構成するレポート項目と、レポート項目間の関係情報を表示する。具体的には、項目テーブル701において、レポートIDが伝達されたレポートIDと一致するレコードを抽出し、該当する過去レポートと、当該過去レポートのレポート項目の内容を、出力デバイス12を介して表示する。同時に、当該過去レポートのレポート項目が関係する関係情報を関係テーブル702から抽出し、関係情報提示部111によりレポート項目間の関係情報を表示する。S804では、複製範囲決定部110は入力デバイス11を介した操作入力によるレポート項目の選択を受け付け、選択されたレポート項目を特定するレポート項目IDを取得する。S805では、取得したレポート項目IDを基に、複製範囲決定部110が今回レポートに複製するレポート項目及び関係情報を特定する。S806において、S805で特定された項目は複製範囲決定部110により今回レポートの編集画面に表示される。そして、レポート項目作成部102、関係情報作成部104、関係情報保存部105、及び複製関係情報作成部106、複製関係情報保存部107により今回レポートに複製される。
図36は、第一の実施形態において複製範囲に含める項目を特定するための処理を例示するフローチャートである。S3601では、複製範囲決定部110はS804で指定を受け付けたレポート項目を、少なくとも複製範囲に含める項目として特定する。すなわち、S804で選択されたレポート項目を複製範囲に含める。S3602では、複製範囲決定部110は、図37に示す関数SelectItemを、S3601で複製範囲に含めたレポート項目のレポートIDを引数にして実行する。
ここで、図37に基づいて関数SelectItemについて説明する。関数SelectItemは、ある項目と関係付けられている項目を特定し、さらに特定された項目についてもそれぞれ関係付けられている項目を特定する。これにより、ある項目と直接的あるいは間接的に関係付けられている全ての項目を特定することができる。以下、関数SelectItemによる処理を説明する。関数ITEM(x)により、レポートIDがxであるレポート項目を参照することができる。また、関数RELATION(x)により、関係IDがxである関係情報を参照することができる。S3701では変数iに関数SelectItemの引数であるレポートIDの値を代入する。S3702では変数jに1を代入する。S3703では変数mにRELATION(j)により得られる関係情報のレポート項目ID1を代入する。S3704では、変数nにRELATION(j)により得られる関係情報のレポート項目ID2を代入する。S3705では変数iと変数mの値を比較する。同じであればS3706に進み、異なればS3707に進む。S3706では、変数pに変数nの値を代入し、S3709へ進む。S3707では、変数iと変数nの値を比較する。同じであればS3708へ進み、異なればS3712へ進む。S3708では、変数pに変数mの値を代入し、S3709へ進む。S3709では、ITEM(p)が複製範囲に既に含まれていないかを判定する。判定の結果が真の場合はS3710へ進む。判定の結果が偽の場合はS3712へ進む。なお、pの値が空白(null)の場合は、判定の結果を偽としてS3712へ進む。S3710では、ITEM(m)を複製範囲として含めた上で、S3711に進む。S3711では、関数SelectItemを、レポートの項目IDの値であるpを引数にして実行する。つまり、関数SelectItemを再帰的に呼び出す。S3712では、変数jをインクリメントする。S3713では変数jの値が、関係テーブルのレコード数よりも大きいかを判定する。判定の結果が偽の場合は、S3703に戻り、上述の処理を再度繰り返す。S3713の判定結果が真の場合、関数SelectItemを終了する。
なお、図37に例示した関数SelectItemの処理では、図4(b)の関係テーブル702に保存された全ての関係情報を対象に、S3703乃至S3711の処理を実施することとなる。別の例では、S3703〜S3711の処理を実施する対象を予め絞り込んでおいて、関数SelectItemの処理を行う。即ち、関係テーブル702の関係情報を、レポート項目ID1とレポート項目ID2が共にS804で選択された過去レポートに属する関係情報に絞り込み、絞り込まれた関係情報のみを対象としてS3703乃至S3711の処理を実施する。これにより、処理速度を向上できる。
また、図37に例示した関数SelectItemの処理では、関数の引数として指定されたレポート項目IDが、レポート項目ID1またはレポート項目ID2として関係テーブル702に含まれている関係情報を特定する。このような関係情報を特定するための別の処理の例として、例えば、グラフ構造を用いた処理があげられる。図8に示すS803において、過去レポートを構成する項目とそれらの項目間の関係を表示する際に取得した項目IDと関係IDに基づいて、当該過去レポートを構成するレポート項目間のグラフ構造を一次記憶装置14に記憶しておく。そして、そのグラフ構造を基にS804で指定されたレポート項目と直接または間接的に関係付くレポート項目を特定する。具体的には、医用レポート作成装置1を動作させるプログラムにて、レポート項目を表現する”レポート項目”クラスを定義する。なお、ここで定義するクラスとは、一般的なオブジェクト指向プログラミングの概念に依る。定義された”レポート項目”クラスは、”レポート項目”クラスのインスタンスを格納する配列をメンバ変数として有する。すなわち、S803において複製範囲決定部110は、表示するレポート項目毎に対応する”レポート項目”クラスのインスタンスを作成する。更に、各インスタンスが有する配列に、各インスタンスに対応するレポート項目と直接関係付くレポート項目のインスタンスを格納する。このように、予めグラフ構造としてインスタンス群を作成しておくことで、S804でレポート項目が指定された際に、それに対応するインスタンスが有する配列を参照でき、直接関係付くレポート項目を効率よく特定できる。更に、直接関係付くレポート項目に対応する前記配列に格納されたインスタンスを再帰的に参照していくことで、S804でレポート項目と間接的に紐づくレポート項目を効率よく特定できる。
図36の説明に戻る。S3603では、S3601、S3602で複製範囲として特定されたレポート項目間の関係情報を、複製範囲に含める。具体的には、関係テーブル702の全てのレコードに対して、レポート項目ID1とレポート項目ID2に該当するレポート項目が共に複製範囲として特定されている関係情報を抽出し、複製対象とする。なお、複製範囲に含まれたレポート項目が一つである際には、レポート項目ID1を複製元のレポート項目ID、レポート項目ID2を空白(null)、種類を空白(null)とした関係情報を複製する関係情報とする。レポート項目ID1を複製元のレポート項目ID、レポート項目ID2を空白(null)、種類を空白(null)とした関係情報が関係テーブル702に存在しない場合は、一意の関係IDを新規に作成したうえで複製対象とする。
第一の実施形態に係る医用レポート作成装置1の複製範囲決定部110により、複製範囲として特定される項目の概念を、図38に基づいて説明する。たとえば、図8に示すS804において、図38に示す所見5の項目が指定された場合、複製範囲は部位3、所見4、所見5、部位4、部位5、所見5、診断4、処置5、診断5、処置6とそれらのレポート項目間の関係情報である8つの関係情報となる。図8に示すS804において、図38の所見5と部位6が同時に指定された場合、レポート項目としてはまず所見5が指定されたことに応じて、部位3、所見4、所見5、部位4、部位5、所見5、診断4、処置5、診断5、処置6が複製範囲として特定される。さらに、それらのレポート項目間の関係情報である8つの関係情報が複製範囲に含まれる。さらに、部位6が指定されたことに応じて、部位6、所見6、診断6、処置7とそれらレポート項目間の関係情報である3つの関係情報が複製範囲に含まれる。複製範囲が複製範囲決定部110により特定されると、レポート表示制御部109は今回レポートの編集画面に、特定された項目を表示させる。すなわち、レポート表示制御部109は表示制御手段として機能する。
複製範囲決定部110により複製範囲として特定された項目を今回レポートに複製するか否かは、ユーザの操作入力に応じて判定される。たとえば、レポート表示制御部109は、ユーザが過去レポートに含まれる一つの項目を選択した際に、複製するか否かをユーザに指示させるための画面を出力デバイス12に表示させる。ユーザが複製を指示すると、複製範囲決定部110はユーザの操作入力を受けて選択された項目を指定し、上述した処理により複製範囲が特定される。複製を指示するための操作入力はキー操作により行われてもよい。複製範囲として特定された項目はレポート表示制御部109により今回レポートの編集画面に表示される。さらにレポート表示制御部109は、今回レポートの編集画面に表示された項目を複製することをユーザに指示させるためのアイコンを、当該項目の近傍に表示させる。複製を指示するためのアイコンに対してユーザが操作入力を行うことにより、複製が確定される。複製範囲として特定された項目を今回レポートの編集画面に表示させる形態としては、今回レポートの中に、既に作成されているその他のレポート項目と区別して表示させる。たとえば、複製範囲として特定された項目の入力枠の透過度や色により区別する。複製範囲として特定された項目を、入力デバイス11の一例であるマウスのポインタの表示に連動させた位置に表示させてもよい。たとえば、過去レポートの一つの項目を今回レポートの編集画面までドラッグする。ドラッグの操作入力を受けて上述した処理により、複製範囲決定部110は複製範囲を特定する。レポート表示制御部109は、今回レポートの編集画面にドラッグされた項目と、複製範囲決定部110により特定された項目とを、マウスのポインタの近傍に表示させる。今回レポートの編集画面にドロップされると、複製を確定する指示とみなして、ドロップの操作入力が合った位置若しくはその近傍にレポート項目を複製させる。これらの例をあわせた表示をおこなってもよい。
図11に基づいて、図8に示すS806おける、複製範囲として特定された項目を今回レポートに複製する処理を詳細に説明する。図11は複製処理のフローチャートを例示する図である。S8061では、レポート項目作成部102がS805で複製範囲として特定した全てのレポート項目を今回レポートに複製する。複製に際して、レポート項目作成部102は、複製する内容を登録するための項目を今回レポートに作成する。作成された項目は、項目の種類と内容はS805で特定した項目と同一であるが、項目IDは項目テーブル701で一意となる番号を新規に割り当て、レポートIDは今回レポートに対応するIDとする。S8062では、S805で特定した項目が関係する全ての関係情報を関係情報作成部104が複製し、複製した関係情報を関係情報保存部105が関係テーブル702に保存する。複製される関係情報の関係IDは関係テーブル702で一意となる番号を新規に割り当て、レポート項目ID1とレポート項目ID2は、S8061で複製され新規に割り当てられた項目IDとする。S8063では、複製関係情報作成部106が、複製した関係テーブル702の各レコードに対して、複製元の関係IDと、それに対応する複製先の関係IDに基づき複製情報を作成し、複製関係情報保存部107がそれを複製関係テーブル703に保存する。以上のように複製した内容は、関係情報提示部111によって今回レポートの編集画面に表示され、またレポート項目内容編集部103によってその内容を編集することができる。
なお、本実施形態において、所見や診断、処置のレポート項目は読影レポート上で作成していたが、他のシステムから取得しても良い。例えば、電子カルテに保存されている項目を取得して、関係付けるようにしても良い。その際、患者の症状や既病歴、生活環境なども同様に項目として関係付けるようにしても良い。また、本実施形態において、依頼内容はタグとして付与したが、他の方法で関係付けるようにしても良い。例えば、依頼内容を所見や診断、処置等を表すレポート項目として作成し、他のレポート項目と同様に関係付けるようにしても良い。また、HISのオーダリングシステムにおいて、各オーダを管理するための識別情報、たとえばオーダ番号を読影レポートに関連付けて記載しておいてもよい。
また、本実施形態においては、複製する対象をレポート作成エリア134内の情報に限定して説明したが、それ以外の情報を複製の対象としても構わない。例えば、依頼情報表示エリア133内の情報もレポート項目として扱う。依頼情報表示エリア133内の項目を依頼情報エリア(過去レポート)146にドラッグ&ドロップすることで、過去レポートの依頼項目が今回レポートの依頼項目として複製されるようにしてもよい。
[第二の実施形態]
第二の実施形態では、関係情報作成部104において、ユーザの操作入力に基づきレポート項目間の関係の種類を自動的に決定する方法について図7、図34に基づいて説明する。
図7は、関係情報作成部104において、レポート項目間の関係の種類を自動的に決定する処理の手順を表すフローチャートである。なお、図7におけるフローチャートでは、関係の種類のうち、対応関係、因果関係のみを自動的に決定する対象としており、対立関係についてはユーザが手動にて指定し、時系列の関係については、上述した時系列情報ウィンドウにおいて指定することとする。ここでは例として、入力枠のドラッグ&ドロップを、レポート項目間の関係付けを指示する操作入力であるとして説明する。ドラッグ元のレポート項目、ドロップ先のレポート項目は共に複数選択されているとする。ドラッグ元のレポート項目の集合におけるn番目のレポート項目を関数DRAG(n)で参照できるものとする。また、ドロップ先のレポート項目の集合におけるn番目のレポート項目を関数DROP(n)で参照できるものとする。ここで、ある集合におけるn番目とは、集合に含まれる複数の項目に対して、それぞれを区別可能な連番の番号を与えたうちのn番目である。S701では、変数iに0を代入する。S702では、変数KiにDRAG(i)で得られるレポート項目の種類を代入する。S703では、変数jに0を代入する。S704では、変数KjにDROP(j)で得られるレポート項目の種類を代入する。S705では、DRAG(i)の種類KiとDROP(j)の種類Kjを比較する。項目の種類が同じである場合は、S706へ進む。異なる場合は、S707へ進む。S706では、DRAG(i)とDROP(j)の関係を、DRAG(i)を原因、DROP(j)を結果とする因果関係であると決定する。S707では、DRAG(i)の種類KiとDROP(j)の種類Kjのどちらか一方が所見であり、かつ他方が診断であるかどうかを判定する。一方が所見かつ他方が診断である場合には、S708へ進む。それ以外の場合はS709へ進む。S708では、DRAG(i)とDROP(j)の関係を決定する。DRAG(i)とDROP(j)のうち、項目の種類が所見である方を原因、項目の種類が診断である方を結果とする因果関係であるとする。S709では、DRAG(i)の種類KiとDROP(j)の種類Kjのどちらか一方が診断であり、かつ他方が処置であるかどうかを判定する。一方が診断かつ他方が処置である場合には、S710へ進む。それ以外の場合はS711へ進む。S710では、DRAG(i)とDROP(j)の関係を決定する。DRAG(i)とDROP(j)のうち、項目の種類が診断である方を原因、項目の種類が処置である方を結果とする因果関係であるとする。S711では、DRAG(i)の種類KiとDROP(j)の種類Kjのどちらか一方が部位であり、かつ他方が所見であるかどうかを判定する。一方が部位かつ他方が所見である場合には、S712へ進む。それ以外の場合はS713へ進む。S712では、DRAG(i)とDROP(j)の関係を対応関係に決定する。S713では、DRAG(i)とDROP(j)の間に直接的な関係はないと判断し、関係情報を作成しない。S714では、変数jに1を加算する。S715では、変数jとドロップ先のレポート項目の数を比較する。変数jがドロップ先のレポート項目の数以上である場合には、S716へ進む。それ以外の場合はS704へ進む。S716では、変数iに1を加算する。S717では、変数iとドラッグ元のレポート項目の数を比較する。変数iがドラッグ元のレポート項目の数以上である場合には、処理を終了する。それ以外の場合はS702へ進む。
上記の例においては、ユーザの操作入力により、対立関係を示す関係情報を新規に作成することができる。また、図7に例示したフローにより自動で作成された対応関係や因果関係を示す関係情報を、ユーザの操作入力により対立関係を示す関係情報に修正したりすることができる。別の例では、対立関係の作成に関しても自動化してもよい。例えば、S706にて、KiとKjが共に診断の種類であった場合、公知の形態素解析や医療辞書等を用いてDRAG(i)及びDROP(j)で得られたレポート項目の記載内容を解析する。解析結果と、予め用意された図34に例示するような関係予測テーブル3401を照合した結果に基づいて対立関係であるか否かを判定する。対立関係であると判定された場合は、DRAG(i)とDROP(j)の間に、対立関係を示す関係情報を作成する。なお、図34に例示した関係予測テーブルを用いてレポート項目間に対立関係があるか否かを決定する処理の詳細については、第三の実施形態の説明の中で述べる。
以上のように、第二の実施形態に係る医用レポート作成装置により、レポート項目間の関係の種類を自動的に選択可能になる。これにより、構造化レポート作成における読影医の操作の手間を低減することができる。
[第三の実施形態]
第三の実施形態では、レポート項目間の関係に基づき、ユーザに対して必要なレポート項目の入力を示唆する方法について図34、図35に基づいて説明する。
第三の実施形態に係る医用レポート作成装置では、ユーザによりレポート項目が作成又は選択された際、関係情報作成部は104が既に入力されている他のレポート項目との関係を予測する。予測の結果、対立関係にある診断があれば、レポート項目作成部102に推奨を記入するためのレポート項目を作成させ、ユーザに推奨の記入を促す。対立関係とは、たとえば同じ観察箇所について考えられる、複数の相反する所見や診断の仮説である。相反する仮説があれば、それらの仮説を候補としてとりあえず記載しておき、後の検証作業で確定診断として採用するものが決められる。したがって、診断病名を確定するための処置を読影レポートに記載することがある。本実施形態では、複数の仮説がそれぞれ異なる診断病名を提示する場合、診断病名を確定するために推奨する処置の項目を今回レポートに表示させる。第三の実施形態に係る医用レポート作成装置では、図34に例示する関係予測テーブル3401が予め用意されているものとする。関係予測テーブル3401には、2種類の単語の組み合わせ(以降では単語組と呼ぶ)と、単語間の関係の種類と、関係する確率とが対応付けて保存されている。なお、関係の種類が因果関係である場合には、単語組1が原因、単語組2が結果となるように保存されているものとする。関係予測テーブル3401の内容は、過去レポートの項目テーブル701、関係テーブル702の内容を元に更新しても良い。
図35は、本実施形態において、ユーザによりレポート項目が作成又は選択された際の処理の手順を例示するフローチャートである。項目テーブル701のn番目のレポート項目の記載内容は、関数Obj(n)により得ることができる。S3501では、ユーザがレポート項目を選択する操作入力により指定されたレポート項目の内容が文章である場合、関係情報作成部104はその内容を解析して文章に含まれる診断名等の単語を抽出する。文章の解析は、公知の形態素解析や医療辞書等を用いて行うものとする。ここで抽出した複数の単語の組み合わせを、単語組Aとして扱う。S3502では、関係予測テーブル3401を参照し、単語組Aに対応する単語組、関係の種類、確率を抽出する。単語組Aに対応する情報は複数存在する可能性がある。抽出された情報群はリスト化し、リストLとして扱う。リストLに含まれる複数の要素のうちのn番目の要素をL(n)でアクセスできるものとする。S3503では、変数iに0を代入する。以下では、変数iにより項目テーブル701に記載されている全てのレポート項目を参照し、以下の条件を満たす項目を抽出する。S3504乃至S3506までの処理で、選択されたレポート項目が含まれるレポートにおいて、ユーザが選択したレポート項目以外の診断のレポート項目を抽出する。S3504では、Obj(i)が選択されたレポート項目と異なるものかどうかを判断する。Obj(i)が選択されたレポート項目と異なるものであれば、S3505へ進む。それ以外であれば、S3515へ進む。S3505では、Obj(i)に対応するレポートIDが、選択されたレポート項目に対応するレポートIDと異なるものかどうかを判断する。各レポート項目に対応するIDは項目テーブル701のレポートIDカラムから特定する。Obj(i)に対応するレポートIDが、選択されたレポート項目に対応するレポートIDと異なるものであれば、S3506へ進む。それ以外であれば、S3515へ進む。S3506では、Obj(i)が診断であるかどうかを判断する。Obj(i)が診断であれば、S3507へ進む。それ以外であれば、S3515へ進む。S3507では、Obj(i)の内容が文章である場合、その内容を解析して文章に含まれる所見名や診断名等の単語を抽出する。ここで抽出した複数の単語の組み合わせを、単語組Bとして扱う。S3508では、変数jに0を代入する。変数jにより、リストLに含まれるすべての単語組を参照し、以下の条件を満たすか否かを判定する。S3509乃至S3011の処理により、リストLの中に単語組Bに含まれ、かつユーザが許容する確率のもと対立関係と予測されるものがあるか否かを判定する。S3509では、L(j)の要素の単語組と、単語組Bが同一であるかどうかを判定する。L(j)の単語組と、単語組Bが同一であれば、S3510へ進む。それ以外であれば、S3513へ進む。S3510では、L(j)の確率の値を閾値Rtと比較する。閾値Rtの値は予め設定されているものとする。L(j)の確率が閾値Rt以上であれば、S3511へ進む。それ以外であれば、S3513へ進む。S3511では、L(j)の関係の種類が対立関係であるかチェックする。L(j)の関係の種類が対立関係であれば、S3512へ進む。それ以外であれば、S3513へ進む。S3512では、選択されたレポート項目に関連する推奨のレポート項目の入力枠を自動生成し、Obj(i)のレポート項目との対応が分かるようにハイライト表示する。このとき、関係予測テーブル3401の確率の値に応じて表示の仕方を変えても良い。更に、S3512において、関係情報作成部104と、関係情報保存部105と、関係情報提示部111が、選択されたレポート項目とObj(i)が対立関係であるという関係情報を自動で作成して関係テーブル702に保存し、関係情報を画面表示してもよい。また、S3512の別の例では、選択されたレポート項目に関連する推奨のレポート項目を作成するか否かをユーザに指定させるための画面を表示部に表示させる。操作入力により推奨のレポート項目を作成することをユーザが指定した場合に、推奨のレポート項目を今回レポートに作成する。S3513では、変数jに1を加算する。S3514では、jとリストLの要素数を比較する。変数jがリストLの要素数以上であれば、リストLに含まれる全ての単語組を参照したのでS3515へ進む。それ以外であれば、S3509へ進む。S3515では、変数iに1を加算する。S3516では、変数iと項目テーブル701に含まれるレポート項目の数を比較する。変数iがレポート項目の数以上であれば、処理を終了する。それ以外であれば、S3504へ進む。
図42乃至図44は、図35に示す処理における表示部の表示の一例を示す図である。図42には、部位の項目として画像4201、4202、4203、4204が表示されている。所見の項目4205は、画像4201と画像4202と関係付けられている。所見の項目4206は、画像4203と画像4024と関係付けられている。診断の項目4207は、所見の項目4205と関係付けられている。診断の項目4208は、所見の項目4206と関係付けられている。図42(b)は、図35に示す処理により処置の項目4209が作成される場合の表示部の表示の一例である。診断4207と診断4208は排他の関係にある。処置の項目4209がレポート項目作成部102により作成され、レポート表示制御部109により項目4209を他の項目と区別可能に表示するためのハイライト枠4210が表示される。図43は、図35に示す処理における表示部の表示の別の例である。図35に示すように、対立関係にある一方の項目が入力デバイスにより選択された場合に、対立関係にある他方の項目を他の項目と区別可能に表示させてもよい。たとえば、入力デバイス11の一例であるマウスにより、診断の項目4207がクリックされた場合や、マウスの操作位置を示すマウスポインタが項目4207上に表示されている場合を例に説明する。レポート表示制御部109は、診断の項目4207と対立関係にある記載が含まれる診断の項目4208を、他の項目と区別可能に表示するためのハイライト枠4302を表示させる。図44は、図35に示す処理における表示部の表示のまた別の例である。レポート表示制御部109は、対立関係にある診断の項目4401と項目4301の間に、対立関係を示す矢印4402を表示させる。これにより、ユーザは対立関係にある項目を容易に把握することができる。なお、図42乃至図44に例示した表示の方法を、同時に実行してもよい。
すなわち、複製範囲決定部110は、読影レポートの複数の項目のうち、診断対象に対する診断の情報に含まれる項目であって、排他的な関係にある少なくとも二つの項目を特定する特定手段として機能する。また、レポート表示制御部109は、特定手段により特定された項目に関係付けられる項目であって、処置を示す情報に含まれる項目を、読影レポートを作成するための画面に表示させる処置表示手段として機能する。別の観点では、レポート表示制御部109は、特定手段により特定された項目に関係付けられる項目であって、処置を示す情報に含まれる入力枠を作成するか否かをユーザに指定させる画面を表示部に表示させる処置表示手段として機能する。
以上のように、第三の実施形態に係る医用レポート作成装置では、選択された診断のレポート項目と対立関係にある診断のレポート項目が存在する場合に、自動的に推奨のレポート項目の入力枠を作成してユーザに提示する。これにより、推奨の記入漏れを防ぐことができるようになる。
なお、図35を用いた説明では、関係を予測する対象を、診断のレポート項目に限定したが、診断に関連する所見のレポート項目を含めて同様の処理を行っても良い。これにより、より正確に項目間の関係を予測することができるようになる。また、全てのレポート項目を対象として同様の処理を行うことで、項目間の関係を予測してユーザに提示することができるようになる。
また、図35を用いた説明においては、関係を予測する対象を、選択された診断のレポート項目が記載されたレポート内のレポート項目に限定したが、過去に記載された別のレポートに属するレポート項目に拡張してもよい。例えば、関係を予測する対象を、選択された診断のレポート項目が記載されたレポートの記述対象である患者の過去レポート内のレポート項目まで拡張してもよい。その場合、過去に記載された診断と、今回記載した診断の内容についての対立関係を自動で検出することができ、読影医の記載ミスを未然に防ぐことができる。
また、図35を用いた説明では、関係予測テーブル3401を用いて診断間の関係の種類を予測したが、その他の方法を用いても良い。例えば、所見の内容と、所見と診断との関係の付き方から、診断間の関係を予測しても良い。たとえば、病変が結節又は腫瘤であれば、一つの診断名がつく可能性が高い。結節又は腫瘤が記載された所見のレポート項目に対して複数の診断のレポート項目が関係付けられている場合、各々の診断は排他関係であると判断することができる。一方、所見がその他の限局性異常や瀰漫性異常、全身異常の場合には、複数の診断名がつく可能性があるので、複数の診断のレポート項目が存在しても良い。その場合は、図35で説明した方法を用いて診断間の関係の種類を予測する。
なお、上記は所見から診断へ関係を付ける際の制限として利用しても良い。例えば、所見に結節又は腫瘤が記載されていれば、関連付けられる診断はひとつのみとしても良い。
[第四の実施形態]
第四の実施形態では、過去レポートの記載内容を複製して利用する際に、複製に関わる一連の処理が完了する時点で、複製した対象の内容や表示形態が複製先に適する状態にすることができる。たとえば、過去レポートから画像を含む項目を今回レポートに複製する際には、過去レポートを作成した際に撮影された画像ではなく、今回レポートの依頼内容に対応する画像に置き換えて表示する。別の例では、過去レポートから病変の大きさの記述を含む項目を複製する際には、今回レポートを作成する時点では病変の大きさが変化している可能性があるので、病変の大きさの記述を含む項目を強調表示する。
本実施形態に係る医用レポート作成装置では、過去レポートから今回レポートに複製した記載内容を、今回レポートにて効率よく確認して修正することを支援する。確認や修正の対象としては、例えば、検査画像、病変に係る計測値、診断名、臓器の容積などがある。以下では幾つかの対象を用いて詳細に説明するが、以下で取り上げる確認・修正の対象は一例に過ぎず、確認や修正の対象が以下の例に限定されるものではない。
複製範囲決定部110により、複製範囲として特定された項目の中に画像が含まれる場合を例に説明する。過去レポートに表示されている医用画像のソフトコピーは、過去レポートが作成された際に撮影され、現在編集中の今回レポートに表示すべき画像とは異なっている可能性が高い。したがって、複製範囲として特定された項目の中に画像が含まれていても、今回レポートに当該画像を複製しない。そして、過去レポートに添付されている医用画像と対応する医用画像を今回レポートに添付し、そのソフトコピーを表示させる。レポート項目作成部102は、複製範囲として特定された過去レポートの画像を撮影した検査の情報を取得する。たとえば、診断対象である患者の撮影領域や、撮影に用いた装置の情報である。レポート項目作成部102は、これらの検査の情報に基づいて、対応する医用画像を医用画像DB8から取得する。すなわち、レポート項目作成部102は、画像取得手段として機能する。検査の情報として、過去レポートに添付された画像(以下、過去画像と称する)が3次元画像の断面画像である場合には、スライス位置などの属性情報を取得してもよい。本実施形態においては、図11に示すS8061の処理において、画像を含む項目を複製する場合には、当該画像と対応する撮影領域の画像であり、今回レポートに対応する画像を取得する。すなわち、過去画像と同じ撮影装置により撮影され、同一の撮影領域の画像であり、今回レポートの作成において、観察の対象となる画像を取得する。そして、取得した画像のソフトコピーをレポート項目として複製処理を実施する。画像の置き換えに関する処理について、図12、図13を用いて説明する。
図12において、71dは、過去の検査において一つのモダリティで撮影された医用画像のスライスデータのまとまりである。71aは71dの中の一つのスライス画像である。71eは今回の検査において一つのモダリティで撮影された医用画像のスライスデータのまとまりである。71bは71eの中の一つのスライス画像である。71eは71aと同じ撮影領域の画像群であり、同じモダリティによって撮影されているものである。71cは、71dを構成する一つ一つのスライス画像71aを、71eを構成する一つ一つのスライス画像71bに対応づける概念線であり、その対応関係は表71fの様になる。表71fでは、例えば、過去画像データ71dに属する(N+2)枚目の過去画像71aに対応する今回画像71bは、今回画像データ71eにおける3枚目の医用画像であるということが示される。
図13は複製対象のレポート項目の内容が過去画像のソフトコピーであった場合に、複製内容を今回画像のソフトコピーに置き換える際のフローチャートである。S131において、レポート項目作成部102は複製対象である過去画像のソフトコピーのもととなる過去画像71aが属する過去画像データ71dに関する情報を、PACS5を介して医用画像DB8から取得する。例えば過去画像が撮影された際の検査の情報を取得する。当該検査の情報には、たとえば撮影開始位置、撮影終了位置、スライス厚、撮影部位、及びモダリティの情報である。これらの情報から、過去画像の各スライスの撮影位置を推定できる。S132では、過去画像よりも新しい検査で得られた画像の中から、同じ撮影部位、モダリティの今回画像データ71eを特定し、撮影位置終了位置の情報、スライス厚から各スライスの撮影位置を把握する。S131で得た情報と併せて71fの表を作成し、過去画像のソフトコピーのもととなる医用画像71aと撮影位置が同じ(または最も近い)今回画像71bを抽出する。なお、今回画像71bの抽出は前述の方法に限られず、例えば、画像解析などによって行ってもよい。S133では、過去画像に付与されていたアノテーションや、過去画像に適用されていた画像処理のパラメータを、抽出した今回画像に適用する。すなわち、特定された過去画像にアノテーションを示すアノテーション情報が付されている場合には、今回画像にもアノテーション情報を付して表示させる。これにより、読影レポートを作成する読影医が、今回レポートに表示させるレポートに再度アノテーションを付与したり画像処理のパラメータを変更したりする手間を低減することができる。レポート項目作成部102は、S133までの処理により得られた今回画像71bのソフトコピーを、今回レポートに複製するレポート項目の内容として項目テーブル701に保存する。なお、S132において、過去画像に対応する今回画像が存在しなかった場合は、レポート項目入力枠のみ作成して、その内容は読影医が手動にて適切な画像を適用することが望ましい。すなわち、表示制御手段であるレポート表示制御部109は、今回レポートの作成画面において、過去レポートの画像と対応する画像を表示するための領域を、複製範囲として特定された項目と関係付けて表示させる。レポート作成部が、複製された項目と関係付けた部位の項目を作成し、ユーザが手動で当該部位の項目に画像を添付するのを受け付けても良い。図11に示すS8062では、関係情報作成部104がS805で決定した複製対象の全ての関係情報を複製し、関係情報保存部105によりそれを関係テーブル702に保存する。複製する際には、関係IDは関係テーブル702で一意となる番号を新規に割り当てる。レポート項目ID1とレポート項目ID2は、レポート項目のそれぞれについて複製された際に新規に割り当てられた項目IDに置き換える。S8063では、複製関係情報作成部106が、複製した関係テーブル702の各レコードに対して、複製元の関係IDと、それに対応する複製先の関係IDに基づき複製情報を作成し、複製関係情報保存部107がそれを複製関係テーブル703に保存する。以上のように複製した内容は、関係情報提示部111によって今回レポートに表示され、またレポート項目内容編集部103によってその内容を編集することもできる。
また、本実施形態に係る医用レポート作成装置においては、過去画像と今回画像とを、容易に比較することができる。たとえば、今回画像に対して、入力デバイス11の一例であるマウスのダブルクリックによる操作入力を行うと、画像閲覧部101は今回画像と過去画像とを医用画像閲覧画面131に並んで表示させる。すなわち、特定手段により特定された過去画像と、画像取得手段により取得された今回画像とを、画面に表示させる。
複製範囲として過去レポートの画像が特定された場合の別の処理の例としては、今回画像を取得せず、画像を表示させるためのレポート項目入力枠のみを作成するようにしてもよい。つまり、レポートに表示させる画像については、全てユーザである読影医に手動で添付するよう促すこととしてもよい。これらの設定はユーザにより適宜変更可能である。
次に、過去レポートから今回レポートに複製する際に、変更が生じる可能性のある属性を有する情報が、複製する項目の記載に含まれている場合の複製の処理について説明する。
図40は、過去レポートから今回レポートに複製する際に、変更が生じる可能性のある記述を特定し、ユーザに入力させるための入力枠を表示する処理の一例を示すフローチャートである。ステップS4001において、レポート項目内容編集部103は、複製範囲決定部110により特定された複製対象のレポート項目の内容を解析する。例えば、所見の情報に含まれるレポート項目において、病変の客観的事実である病変のサイズや計測値を表現する文字列が含まれることがある。また、診断の情報に含まれるレポート項目において、診断名を表現する文字列が含まれることがある。ステップS4002において、ステップS4001における解析の結果に基づいて、レポート項目内容編集部103は、病変にかかるサイズや計測値を含む文字列が含まれているか否かを判定する。サイズや計測値を含むと判定された場合には、ステップS4003に進む。サイズや計測値を含まないと判定された場合には、ステップS4004に進む。ステップS4003において、レポート項目内容編集部103は、複製対象のレポート項目に病変のサイズや計測値や診断名を表現する文字列が含まれる場合には、今回レポートにその文字列を複製しないようにするための文字列処理を行う。ステップS4003において、レポート項目内容編集部103は、複製範囲として特定された過去レポートの項目内の病変のサイズや計測値の位置に、今回レポートの内容に適した文字列を入力するための入力枠を設けるための文字列処理を行う。レポート項目作成部102は、今回レポートにレポート項目を作成する。レポート表示制御部109は、レポート項目内容編集部103により文字列処理の施された項目を、表示部に表示させる。ステップS4004では、ステップS4001における解析の結果に基づいて、レポート項目内容編集部103は、診断名を表現する文字列が含まれているか否かを判定する。診断名を表現する文字列が含まれていると判定された場合には、ステップS4005に進む。診断名を表現する文字列が含まれていないと判定された場合には、図40に示す処理を終了する。ステップS4005において、レポート項目内容編集部103は、複製範囲として特定された過去レポートの項目内の診断名の文字列の位置に、今回レポートの内容に適した文字列を入力するための入力枠を設けるための文字列処理を行う。レポート項目作成部102は、今回レポートにレポート項目を作成する。レポート表示制御部109は、レポート項目内容編集部103により文字列処理の施された項目を、表示部に表示させる。図11に示すS8061にて、医療辞書や言語処理などを用いて、複製対象の自然文から自動的に病変のサイズ・計測値や診断名を表す文字列を抽出し、それらを空の入力スペースに置き換えたうえで複製処理を実施する。ユーザは、変更が生じる可能性のある属性である、病変にかかるサイズや計測値や診断名を、所定の属性として設定しておくことができる。過去レポートを作成した時点の病変のサイズや計測値や診断名は、今回レポートを作成する時点においても同じであるとは限らない。これにより、変更が生じる可能性のある文字列を、ユーザが見落とさないように支援することができる。なお、ステップS4002における判定と、ステップS4004における判定の処理は同時に行ってもよく、その場合にステップS4004とステップS4005における文字列処理を同時に行ってもよい。また、ステップS4004とステップS4005にかかる処理を、ステップS4002とステップS4003にかかる処理の前に行ってもよい。
図41に、図40に示す処理における表示部の表示の一例を示す。複製範囲決定部110により、部位の項目4101と、所見の項目4102と、診断の項目4103が複製範囲として特定された場合を例に説明する。所見の項目4102には、「サイズは15〜20mm」というサイズについての記載が含まれる。図40に示す処理により、今回レポートに複製された所見の項目4105には、「サイズは□□〜□□mm」と文字列処理された文字列4107が表示される。また、診断の項目4103には、「リンパ節腫」という診断名を表現する記載が含まれる。図40に示す処理により、今回レポートに複製された診断の項目4106には、「□□□□□」と文字列処理された文字列4108が表示される。
複製後は、ユーザが手動にて今回レポートに適した文字列を空の入力スペースに入力する。病変の大きさといった属性を有する情報は、たとえば診断対象の画像に基づいて計測される計測値が挙げられる。たとえば、胸部X線画像やCT画像において結節が認められた場合、過去の画像と比較して、大きさの変化の仕方に応じて診断を行う場合がある。すなわち、過去レポートで病変の大きさといった属性を有する情報は、今回レポートにおいて記載が変更される可能性がある。別の例では、経過や、病変の進行度といった属性を有する情報には、過去レポートを作成した時点から変化が生じている可能性がある。このような属性を有する情報とは、経過を表現するための「進行」や「治癒」といった表現や、病期分類が挙げられる。さらに別の例では、臓器の容積といった属性を有する情報にも、過去レポートを作成した時点から変化が生じている可能性がある。このような属性を有する情報とは、たとえば肺容積である。たとえばびまん性肺疾患など、ある疾患の兆候として肺容積の変化に着目することがある。経過観察の中で変化に着目している場合には、このような臓器の容積といった属性を有する情報の記載が変更される可能性がある。また、変化に着目していない場合であっても、一つの兆候としてユーザに示唆することができる。ユーザは、たとえば見落としがちな属性の情報をこのように表示させるように設定しておくことができる。
本実施形態においては、ユーザはどのような文字列が含まれる項目を今回レポートに複製しないようにするかを、予め設定しておくことができる。たとえば、病変の大きさに関する情報や、病変の進行度に関する情報や、臓器の容積に関する情報を所定の属性として設定する。レポート表示制御部109は、所定の属性を有する情報や、所定の属性を有する情報を含む項目を、その他の項目と区別して表示させる。ここで、区別して表示させる形態としては、上述したような空の入力スペースに置き換える以外に、所定の属性を有する情報を他の記載と色を変えたりフォントを変えたりマーカーを表示したりする形態が挙げられる。または、所定の属性を有する情報について、変更する記載を入力するか、過去レポートの記載をそのまま用いるかをユーザに選択させる画面を表示させてもよい。
別の例では、所定の属性を有する情報の記載を、システムにより自動で今回レポートに適した文字列を決定して置き換えてもよい。更に、レポート表示制御部109は、所定の属性を有する情報を空の入力スペースやその他の文字列に置き換えるか否かに関わらず、所定の属性を有する情報を含む項目を、今回レポートに複製した際に他の項目と区別して表示させる。ユーザは区別して表示された項目を確認し、必要に応じて所定の属性を有する情報の記載を変更することができる。また、レポート表示制御部109は、レポートの編集画面にレポートの作成を完了する指示を入力させるためのアイコンを表示する。所定の属性を有する情報の記載を変更せずに、編集中の今回レポートの作成を完了させる操作入力があった場合には、レポート表示制御部109は警告を示すダイアログを表示させる。これにより、変更が生じる可能性のある記載をユーザは容易に確認することができ、変更もれを低減することができる。
上述の例では、複製範囲として特定された項目の記載の内ある範囲のみを複製しないようにする処理について説明した。本実施形態では、上述の例に限らず、複製範囲として特定された全てのレポート項目の内容は複製せず、レポート項目の論理構造のみを複製することができる。すなわち、空の新規入力枠と、それらの関係情報が今回レポートに複製される。図11に示すS8061にて、レポート項目作成部102がS805で複製範囲として特定したレポート項目の入力枠のみを今回レポートに複製する。複製する際、項目の種類のみS805で特定した複製対象と同一にし、項目IDは項目テーブル701で一意となる番号を新規に割り当て、レポートIDは今回レポートに対応するIDを用いる。ここで、項目の内容は、複製元の項目の内容がどのようなものであるかに関わらず、何も記載されていないものとする。S8062では、関係情報作成部104がS805で決定した複製対象の全ての関係情報を複製し、関係情報保存部105によりそれを関係テーブル702に保存する。複製する際には、関係IDは関係テーブル702で一意となる番号を新規に割り当て、レポート項目ID1とレポート項目ID2は、それぞれが複製された際に新規に割り当てられた項目IDに置き換える。なお、前述の説明では複製対象である全てのレポート項目の内容を空に置き換えたうえで複製処理を実施したが、複製対象である一部のレポート項目の内容のみを空に置き換えたうえで複製処理を実施してもよい。予め設定しておくことにより、所定の情報の項目の内容を空に置き換えて複製することもできる。
[第五の実施形態]
第五の実施形態では、第一の実施形態乃至第四の実施形態とは異なる処理により、複製範囲を特定する例を示す。すなわち、図8に示すS805における具体的な処理が上述した実施形態とは異なっている。図9、図10に基づいて説明する。
図9は、本実施形態における複製範囲決定処理のフローチャートを表す。この処理では、まず指定された項目との関係情報を有する、すなわち直接関係付けられている項目を特定する。さらに、指定された項目と直接関係付けられている項目のそれぞれについて、関係付けられている項目を特定する。ただし、指定された項目と直接関係付けられている項目については、指定された項目の関わらない論理関係にある項目については特定しない。本実施形態における複製範囲決定処理により特定される項目を、図39に例示して説明する。図8に示すS804において、例えば図39に示す項目である部位4が選択された場合、部位4、所見5、診断4、処置5、診断5、処置6とそれらのレポート項目間の5つの関係情報が複製範囲として特定される。指定された項目である部位4と間接的に関係付けられている、部位3や所見4といった項目は、部位の情報から所見が導かれ、所見の情報から診断が導かれ、診断の情報から処置が導かれるという論理関係において、部位4と関わらない。よって、本実施形態における複製範囲決定処理においては、指定された項目と直接的にまたは間接的に関係付けられている全ての項目のうちの一部を特定する。
S901では、S804で選択されたレポート項目を複製範囲として特定する。S902では、図10に示す関数SelectLeftItemを、S901で複製範囲に含めたレポート項目のレポートIDを引数にして実行する。関数SelectLeftItemは、引数となっている項目について、上述した論理関係の上流側に関係付けられている項目を特定する。関数SelectLeftItemの処理を図10(a)に例示して説明する。関数ITEM(x)により、レポートIDがxのレポート項目を参照することができる。なお、xの値が空白(null)の場合は、ITEM(x)は存在しないが、その際のITEM(x)の種類は「種類なし」であると定義する。また、関数RELATION(x)により、関係IDがxの関係情報を参照することができる。S1001では変数KiにITEM(i)の種類を代入する。なお、変数iは関数SelectLeftItemの引数であり、レポートIDの値である。S1002では変数jに1を代入する。S1003では変数mにRELATION(j)のレポート項目ID1を代入し、更に、変数KmにITEM(m)の種類を代入する。S1004では、変数nにRELATION(j)のレポート項目ID2を代入し、変数KnにITEM(n)の種類を代入する。ステップ1005では変数nと変数iの値を比較する。同じであればS1006に進み、異なればS1011に進む。S1006では、項目IDがmのレポート項目の種類Kmが部位であり、かつ、項目IDがnのレポート項目の種類Knが所見であるかを判定する。判定値が真であればステップ1007に進み、判定値が偽であればS1009に進む。S1009では、項目IDがmのレポート項目の種類Kmが所見であり、かつ、項目IDがnのレポート項目の種類Knが診断であるかを判定する。判定値が真であればステップ1007に進み、判定値が偽であればS1010に進む。S1010では、項目IDがmのレポート項目の種類Kmが診断であり、かつ、項目IDがnのレポート項目の種類Knが処置であるかを判定する。判定値が真であればステップ1007に進み、判定値が偽であればS1011に進む。ステップ1007では、ITEM(m)を複製範囲として含めた上で、S1008に進む。S1008では、関数SelectLeftItemを、項目ID値であるmを引数にして実行する。つまり、関数SelectLeftItemを再帰的に呼び出す。S1011では、変数jをインクリメントする。S1012では変数jの値が、関係テーブルのレコード数よりも大きいかを判定する。判定の結果が偽の場合は、S1003に戻り、上述の処理を再度繰り返す。S1012の判定結果が真の場合、関数SelectLeftItemを終了する。すなわち、関数SelectLeftItemでは、ある項目と関係付けられている項目であって、論理関係の上流にある項目のみを特定する。所見の項目に関係付けられている部位の項目と、診断の項目に関係付けられている所見の項目と、処置の項目に関係付けられている診断の項目を特定する。別の観点では、関数SelectLeftItemでは、部位、所見、診断、処置の情報の順序を順方向としたときに、ある項目について逆方向で関係付けられている項目を特定するための第一の処理を行う。そして、当該第一の処理において特定された項目に関係付けられている項目を前記第一の処理により特定する。
図9の説明に戻る。S903では、図10に示す関数SelectRightItemを、S901で複製範囲として特定したレポート項目のレポートIDを引数にして実行する。関数SelectRightItemは、引数となっている項目について、上述した論理関係の下流側に関係付けられている項目を特定する。関数SelectRightItemの処理を図10(b)に例示して説明する。S1101では変数KiにITEM(i)の種類を代入する。なお、変数iは関数SelectRightItemの引数であり、その実態はレポートIDの値である。S1102では変数jに1を代入する。S1103では変数mにRELATION(j)のレポート項目ID1を代入し、更に、変数KmにITEM(m)の種類を代入する。S1104では、変数nにRELATION(j)のレポート項目ID2を代入し、変数KnにITEM(n)の種類を代入する。ステップ1105では変数mと変数iの値を比較する。同じであればS1106に進み、異なればS1111に進む。S1106では、項目IDがmのレポート項目の種類Kmが部位であり、かつ、項目IDがnのレポート項目の種類Knが所見であるかを判定する。判定値が真であればステップ1107に進み、判定値が偽であればS1109に進む。S1109では、項目IDがmのレポート項目の種類Kmが所見であり、かつ、項目IDがnのレポート項目の種類Knが診断であるかを判定する。判定値が真であればステップ1107に進み、判定値が偽であればS1110に進む。S1110では、項目IDがmのレポート項目の種類Kmが診断であり、かつ、項目IDがnのレポート項目の種類Knが処置であるかを判定する。判定値が真であればステップ1107に進み、判定値が偽であればS1111に進む。ステップ1107では、ITEM(n)を複製範囲として含めた上で、S1108に進む。S1108では、関数SelectRightItemを、項目ID値であるnを引数にして実行する。つまり、関数SelectRightItemを再帰的に呼び出す。S1111では、変数jをインクリメントする。S1112では変数jの値が、関係テーブルのレコード数よりも大きいかを判定する。判定の結果が偽の場合は、S1103に戻り、上述の処理を再度繰り返す。S1112の判定結果が真の場合、関数SelectRightItemを終了する。すなわち、関数SelectRightItemでは、ある項目と関係付けられている項目であって、論理関係の下流にある項目のみを特定する。診断の項目に関係付けられている処置の項目と、所見の項目に関係付けられている診断の項目と、部位の項目に関係付けられている所見の項目を特定する。別の観点では、関数SelectRightItemでは、部位、所見、診断、処置の情報の順序を順方向としたときに、ある項目について順方向で関係付けられている項目を特定するための第二の処理を行う。そして、当該第二の処理において特定された項目に関係付けられている項目を前記第二の処理により特定する。
なお、図10に示したSelectLeftItem関数及びSelectRightItem関数の処理では、図4(b)の関係テーブル702に保存された全ての関係情報を対象である。それぞれS1003乃至S1008及びS1103乃至S1108の処理が全ての関係情報に対して実施されることとなる。しかし、実運用上においては、処理速度の観点から、これらの処理を実施する対象を予め絞り込んでおいてもよい。たとえば、関係テーブル702の関係情報を、レポート項目ID1とレポート項目ID2が共にS804で選択された過去レポートに属する関係情報に絞り込む。そして、絞り込まれた関係情報のみを対象としてS1003乃至S1008及びS1103乃至S1108を実施してもよい。また、第一の実施形態で説明したようなグラフ構造を利用してもよい。
図9の説明に戻る。S904では、S901、S902、S903の処理により複製範囲として特定されたレポート項目間の関係情報を、複製範囲に含める。具体的には、関係テーブル702の全てのレコードに対して、レポート項目ID1とレポート項目ID2に該当するレポート項目が共に複製範囲に含まれている関係情報を抽出し、複製対象とする。
上述の複製範囲決定部110により特定される項目について、図39を用いて説明する。図8のS804において、例えば図39の部位4が選択された場合、複製範囲としては部位4、所見5、診断4、処置5、診断5、処置6とそれらのレポート項目間の5つの関係情報が特定される。図8のS804において、図39の診断5と所見6の2つをユーザが選択して指定した場合、診断5が指定されたことに応じて部位4、部位5、所見5、診断5、処置6が複製範囲として特定される。さらに、所見6が指定されたことに応じて部位6、所見6、診断6、処置7が複製範囲として特定される。また、関係情報としては、それらレポート項目間の関係情報として、診断5と診断6の間の因果関係を含む8つ関係情報が複製範囲に含まれる。
本実施形態に記載の複製範囲決定処理によれば、実施形態1に記載の複製範囲決定処理とは異なり、S804で選択されたレポート項目に直接または間接的に関係付く全てのレポート項目を複製項目とはしない。S804で選択されたレポート項目を理解するためにより必要な項目と、S804で選択されたレポート項目が理解するために必要となるレポート項目に限定して、芋づる式に複製範囲を決定することができる。なお、本実施形態で例示した複製範囲決定処理においては、複製対象となるレポート項目と対立関係にあるレポート項目は複製範囲から除外した。実運用上においては、何らかの判断基準により、対立関係にあるレポート項目も適宜複製範囲に含めるようにしてもよい。
以下では、本実施形態において、指定された項目と関係付けられている項目の一部を特定して複製した場合に、複製処理を実施した後のユーザによる編集作業を効率化する方法について説明する。レポート項目間の関係情報を利用することで、効率化が実現される。例えば、関係情報提示部111が複製したレポート項目を画面に表示する際に、レポート表示制御部109は、指定された項目と関連付けられている項目のうち複製されなかった項目の存在を示唆する表示を行う。特定された項目と関連付けられている項目のうち複製されなかった項目は、複製関係テーブル703と関係テーブル702を参照することで抽出できる。図14は、図39に例示するような過去レポートの部位4が指定され、部位4、所見5、診断5、処置6を今回レポートに複製した際の、レポート作成エリア134の内容の概念図である。図39に例示する過去レポートでは、所見4と所見5の間、診断5と診断6の間にそれぞれ因果関係がある。所見4と関係付けられているが複製されなかった項目である所見5の存在を示唆する表示として、図14の矢印点線L141の様に、因果関係があったことを示すマークを表示する。読影医は部位4、所見5、診断5、処置6を複製した後、診断5の根拠である診断6も複製したいと考えた際は、診断5に紐づく矢印点線L141をダブルクリックして操作入力を行う。この操作入力により、過去レポート内容表示画面で診断6を選択して複製処理をすることと同じ処理をさせることができる。即ち、部位6、所見6、診断6、処置7を今回レポートに複製する。なお、この操作によって部位6、所見6、診断6、処置7を複製した際は、自動的に複製した診断5と診断6に因果関係を付ける。
また、複製関係テーブル703を利用した別の入力支援方法として、過去レポートから別々に複製した項目に関して、過去レポートでもともと関係があった際にそれが分かるように提示することもできる。例えば、図39のような過去レポートがあった際に、部位4を選択することで、部位4、部位5、診断5、処置6を今回レポートに複製し、更にその後に部位6を選択することで部位6、所見6、診断6、処置7を複製したとする。その際に、図39の過去レポートにおいては、診断5と診断6の間に因果関係があるため、今回レポートにおいても診断5と診断6を関係づける可能性は高い。そのため、関係情報提示部111が、図15に示すメッセージ151を表示し、読影医が「Yes」ボタンを押すことで診断5と診断6の間に因果関係を付けることができるようにする。これにより、因果関係の付け忘れを防止することができる。
[第六の実施形態]
本発明の第六の実施形態の例を示す。本実施形態は、複製範囲決定部110は指定された項目と直接的あるいは間接的に関連付けられている項目のうちの一部の項目を、指定された項目の種類に基づいて複製範囲として特定する。
例えば、複製する範囲は部位、所見、診断、処置という流れの論理関係に対して、部位から図8に示すS804において指定されたレポート項目までを複製範囲として特定する。つまり、指定された項目から、上述の論理関係において上流にある項目を特定する。具体的には、図9に示すフローチャートにおいて、複製範囲決定部110はS903の処理を実施せず、S901とS902とS904の処理を実施することにより、このような項目が特定される。
また、診断の種類のレポート項目が指定された場合に、複製範囲決定部110が複製範囲を特定する処理について説明する。読影レポートでは、ある所見による診断が別の所見による診断の根拠となることがある。また、読影医が診断を依頼元に提示する際、どのような根拠で提示する診断に至ったかを示すことが重要である。よって、本実施形態ではS804にて診断の種類のレポート項目が選択された場合、指定されたレポート項目の根拠となる他レポート項目を複製範囲とするための処理を複製範囲決定部110は行う。具体的には複製範囲決定部110が関係テーブル702を参照し、選択された診断のレポート項目の根拠となっている他の診断レポート項目に対して、S902においてSelectLeftItem関数を用いた処理を実施する。他の診断のレポート項目に紐づく処置のレポート項目は含める必要はないため、他の診断のレポート項目については、S903においてSelectRightItem関数を用いた処理は実施しない。次に、処置の種類のレポート項目が選択された場合の複製範囲について説明する。処置に関する記載としては、「別角度からのCT撮影を実施願います」や「御精査願います」といった、どのような診断の内容にも関係付けられ得る内容が記載されることがある。よって本実施形態では、S804にてユーザがあえて処置の種類を選択したときには、当該処置のレポート項目に関係付けられている部位、所見、診断の情報に含まれるレポート項目の内容は今回レポートに複製せず、処置の内容のみを今回レポートに複製する。S804にて指定されたレポート項目の種類が処置であった場合には、複製範囲決定部110は、その選択したレポート項目のみを特定する。具体的にはS902においてSelectLeftItem関数を用いた処理は実施せず、S901とS903におけるSelectRightItem関数を用いた処理とS904を実施することで複製範囲を特定する。なお、S804にて選択されたレポート項目の種類が、部位または所見であった場合には、実施形態1に記載の複製範囲決定方法をそのまま用いることとする。以上のような処理により、たとえば図39に示す過去レポートにおいて、所見2が指定されると、部位2、所見2、診断2、処置2が複製範囲として特定される。図39に示す過去レポートにおいて、診断2が指定されると、部位2、所見2、診断2、処置2に加え、診断1、所見1、部位1が複製範囲として特定される。図39に示す過去レポートにおいて、処置2が選択されると処置2のみが複製範囲として特定される。
[第七の実施形態]
本発明の第七の実施形態の例を示す。本実施形態では、複製範囲決定部110は指定された項目と直接的あるいは間接的に関連付けられている項目のうちの一部の項目を、複製先である今回レポートの作成依頼目的に基づいて複製範囲を特定する。また、本実施形態においては、第二の実施形態にて説明したような、複製元の医用画像のソフトコピーを、複製先に適した医用画像のソフトコピーに置き換える処理を適用する。すなわち、S8061において複製対象の種類が部位であり、その内容が医用画像のソフトコピーであった場合は、その医用画像に対応する今回撮影した医用画像のソフトコピーに置き換えたうえで複製処理を実施する。読影レポートに対する作成依頼目的には、転移検索、治療効果判定、精査、良悪鑑別(スクリーニング)、経過観察などがある。以下、幾つかの例を取り上げ、具体的な内容を述べる。
まず、今回レポートの依頼目的が転移検索または良悪鑑別である場合の複製範囲について述べる。転移検索は腫瘍の転移を検索することを目的とする。良悪鑑別は腫瘍が良性か、悪性かを判別することを目的とする。転移検索や良悪鑑別を目的とした読影では、CT画像とPET画像から導かれる所見を基に、診断を下す場合がある。また、転移検索に関しては、発見された転移癌に関する記述に加え、その転移癌の原因である原発癌に関する記述も因果関係を伴って記述されることが多い。故に、依頼目的が転移検索及び良悪鑑別である場合、CT画像とPET画像のどちらかが複製範囲として特定される場合には、関係するもう片方の画像も複製範囲に含むようにする。同様に、転移癌と原発癌のどちらかが複製範囲に含まれる場合は、関係するもう片方の項目も複製範囲に含むようにする。図16(a)は良悪鑑別を依頼目的とする今回レポートを書いている際に、過去レポート項目・関係情報表示エリア147に表示した過去レポートの内容である。例えば、S804にて図16(a)のCT画像を選択すると、図9に記載のS901、S902、S903によりCT、所見1、診断1、処置1が複製範囲に含まれる。ここで複製範囲決定部110は、CT画像またはCT画像から導かれる項目のうちいずれかと因果関係の関係情報を有する項目であって、PET画像から導かれるレポート項目がある場合は、PET画像と当該PET画像から導かれる項目を複製範囲として特定する。図16(a)においては、PET、所見2の項目も複製範囲に含まれることとなる。図16(b)は転移検索を依頼目的とする今回レポートを書いている際に過去レポート項目・関係情報表示エリア147に表示した過去レポートの内容である。例えば、S804にて図16(b)の転移癌の画像を選択すると、図9に記載のS901、S902、S903により転移癌、所見1、診断1、処置1が複製範囲に含まれる。ここで、転移癌及び転移癌から導かれる所見1、診断1、処置1のうちどれかと因果関係の関係情報を有する項目であって、原発癌から導かれるレポート項目がある場合は、当該原発癌の項目と、原発癌の項目から導かれるレポート項目を複製範囲として特定する。図16(b)においては、原発癌、所見2、診断2も複製範囲に含まれることとなる。
なお、前述においてはCTとPETが共に診断に使用される例を取り上げたが、本実施形態はそれに限定されない。予め、転移検索や良悪鑑別のように、同時に利用することが多い検査画像の種類の組を設定しておき、上述の処理を実施すればよい。
次に、今回レポートの依頼目的が経過観察または治療効果判定である場合の複製範囲について述べる。経過観察と治療効果判定は、ともに前回検査した時点での部位と、今回検査した時点での部位の状態を比較することが多い。故に、今回レポートには今回検査して得られた医用画像と、その比較対象となる過去に検査した医用画像(過去レポートに記載されている)が共に記載されることがある。本実施形態の複製範囲決定部110は、今回レポートの作成依頼目的が経過観察または治療効果判定である場合、複製範囲として過去レポートの画像が特定された場合に、まず当該過去レポートの画像の検査の情報を取得する。そして、レポート項目作成部102は、当該検査の情報に基づいて今回検査した画像を取得する。レポート表示制御部により、過去レポートの画像と今回検査した画像とが、今回レポートの編集画面に並べて表示される。過去レポートの画像と対応する今回レポートの画像を並べて表示させることにより、読影レポートを閲覧する依頼医は、容易にこれらの画像を比較することができる。図17(a)は、過去レポート項目・関係情報表示エリア147に表示された過去レポートの内容の概念図である。今回レポートの依頼目的が経過観察または治療効果判定である場合に、S804にてレポート項目170が指定された場合の、今回レポートにおける複製結果を図17(b)に例示する。レポート項目171はレポート項目170と同じ内容を示す医用画像のソフトコピーである。レポート項目172はレポート項目170の部位に対応する、今回検査で撮影された医用画像のソフトコピーである。レポート項目172は、図13に記載のS131、S132、S133の処理を経て作成される。このように、過去に撮影した医用画像のソフトコピーと、今回撮影した医用画像のソフトコピーの両方を予め並べて添付することで、読影医が今回撮影した医用画像を添付するための操作を省略することができる。なお、貼り付けた画像のうち、どちらが過去でどちらが現在の医用画像であるかを判別しやすいように、173、174の様に撮影日を自動で表示してもよい。
[第八の実施形態]
第八の実施形態を説明する。本実施形態は、複製範囲決定部110は指定された項目と直接的あるいは間接的に関連付けられている項目のうちの一部の項目を、複製先である今回レポートの記載状況、または今後記載されると思われる内容に応じて複製範囲を特定する。また、本実施形態においては、第二の実施形態にて説明したような、複製元の医用画像のソフトコピーを、複製先に適した医用画像のソフトコピーに置き換える処理を行う。即ち、S8061において複製対象の種類が部位であり、その内容が医用画像のソフトコピーであった場合は、その医用画像に対応する今回撮影した医用画像のソフトコピーに置き換えたうえで複製処理を実施する。
図18に本実施形態の第一の例を示す。図18(a)は過去レポート項目・関係情報表示エリア147に表示した過去レポートの内容である。図18(b)は、レポート作成エリア134で編集中の今回レポートの内容である。レポート項目180は過去画像のソフトコピーであり、レポート項目181はそれに対応する今回画像のソフトコピーである。レポート項目180とレポート項目181は、図12の表71fのようにして対応づけられている。レポート項目181にはレポート項目の所見2が関係付けられている。このような状況で、S804にてレポート項目180を複製対象としてユーザが選択したとする。本実施形態では、複製先レポートに既に部位1と所見2が記載されているため、複製範囲を診断1、処置1のみとする。図18(c1),(c2)は共に複製処理後の、レポート作成エリア134の内容の例である。図18(c1)のように、レポート項目180に対応するレポート項目181と関連づく所見2に、複製対象である診断1及び処置1を自動で関係づける。または、複製範囲を所見1、診断1、処置1とし、例えば図18(c2)のように、レポート項目180に対応するレポート項目181と関係づく所見2に、複製範囲に含まれる所見1、診断1、処置1をマージする。なお、上記では複製対象として部位の種類のレポート項目が選択せれた場合を例として取り上げたが、他の種類のレポート項目が複製対象として選択された場合も、同様の考えに基づいて複製処理を実施してもよい。
図19に本実施形態の第二の例を示す。図19(a)は過去レポート項目・関係情報表示エリア147に表示した過去レポートの内容である。図19(b)は、レポート作成エリア134で編集中の今回レポートの内容であり、図19(a)の所見1を指定し、特定された複製範囲を複製した結果の一例である。図20は本実施形態の第二の例における、複製範囲決定部110による複製範囲決定フローを示す図である。S901〜S904は図9に記載のものと同一であり、S905、S906の処理が加わっている。例えば、経過観察などにより、複数の部位の経過を継続して読影しているとする。第一回目の経過観察にて、図19(a)のように、例えば、部位1、部位2、部位3について、「いずれも変化なし」という旨の内容を所見1に一括して記述していた際に、第二回目の経過観察に関して今回レポートを作成しているとする。S804にて図19(a)の所見1が指定されると、S901乃至S904に記載の処理により、図19(a)の部位1、部位2、部位3、所見1、診断1、処置1及びそれらの間の関係情報が複製範囲として特定される。S905において、過去画像のソフトコピーである部位1、部位2、部位3の元となる過去画像及び、それに対応する今回画像に対して、CAD(Computer Assisted Diagnosis)による画像解析を行う。その結果、例えば、部位1、部位2に関しては過去画像と現在画像の間で変化は見られないが、部位3に関しては病変が著しく悪化していることが分かったとする。このような場合、今回レポートにて部位3を複製しても、それは同じく複製した所見2の「いずれも変化なし」という内容に関係付けられない可能性が高い。よって、S906では、S905にて過去レポートと同じ関係情報を維持すべきでないものに関して、複製範囲として特定しないようにする操作を行う。上記の例では、図19(a)の部位3と所見1の間の関係である関係情報191は複製範囲として特定されない。部位3のレポート項目は複製対象に含まれたままとなる。図20に記載の複製範囲決定フローにて決定された複製対象を今回レポートに複製すると、例えば図19(b)のような結果となる。図19(b)の部位1、部位2、所見1、診断1、処置1及びそれらの間の関係情報は、実施形態1に際のS806の処理により図19(a)の部位1、部位2、所見1、診断1、処置1及びそれらの間の関係情報をもとに複製したものである。また、図19(b)の部位3も、第一の実施形態に記載のS806の処理により図19(a)の部位3を複製したものである。一方、レポート項目192、及びレポート項目192と部位3の間の関係情報はS806の後に、自動で作成されたものである。なお、レポート項目192は項目テーブル701のカラム”内容”が未登録の状態、すなわちレポート項目入力枠135が空の状態である。読影医は、レポート項目192に部位3の所見を記述し、必要に応じて診断、処置を追記していく。本実施形態の第二の例のように、複製後に今回レポートで記載する内容に応じて、複製範囲を予め調整することで、医師が複製後に操作する手間を省くことができる。なお、上記の例では、不要な関係情報を除外することを取り上げたが、本実施形態は関係情報に限らず、必要に応じてレポート項目を除外してもよい。更に、上記の例では、不要な複製項目を削除することによって複製範囲を調整したが、必要な複製項目を追加することによって調整してもよい。
[第九の実施形態]
第九の実施形態について説明する。本実施形態は、各レポート項目に評価値を与える評価手段を有し、さらに複製範囲決定部110はそれぞれの項目の評価値と所定の閾値との比較の結果に応じて、複製範囲を特定する。
図21は、本実施形態に係る医用レポート作成装置1の主要な機能を説明するための機能ブロック図である。図21に示す機能ブロック101乃至112は図5と同様である。点数算出決定部115はS805において、S804にて指定された項目とS804にて指定された項目に直接または間接的に関係付く項目のそれぞれの評価値を取得する。閾値決定部116は、複製範囲決定部110が各項目を複製範囲として特定するか否かを判定する際に、点数算出決定部115によって各項目に割り当てられた評価値と比較するための値である閾値を決定する。本実施形態における複製範囲決定部110は、S805において、各項目に割り当てられた評価値と閾値を比較し、例えば閾値より小さい評価値を有する項目を複製範囲として特定する。図22は過去レポート項目・関係情報表示エリア147に表示した過去レポートの内容である。S804にて指定された項目が所見1の場合の、点数算出決定部115によって各項目に割り当てられた点数が表示されている。図22の例においては、点数算出決定部115はS804にて指定された項目に直接関係付く項目の評価値は小さく、間接的な関係付けになるほど大きな評価値となるようにしている。評価値の取得方法はこれに限らない。閾値決定部116によって決められた閾値が2である場合、複製範囲決定部110は部位1、所見1、診断1を複製対象の項目として特定する。閾値決定部116によって決められた閾値が3である場合、複製範囲決定部110は部位1、所見1、診断1、処置1、所見2を複製対象の項目として特定する。
また、閾値決定部116が閾値を決める方法の例を説明する。
第一の例では、依頼目的に応じて閾値を決定する。第七の実施形態で説明したように、今回レポートの依頼目的が転移検索または良悪鑑別である際には、CTとPETの両方の所見を基に、診断を行う場合がある。例えばS804において選択された項目が部位であり、その内容が医用画像のソフトコピーであり、かつその医用画像がCTであった場合を考える。そのような場合、選択されたCTの医用画像と共に診断に用いられるPET画像に関する項目が過去レポート項目・関係情報表示エリア147に合った場合、その項目が複製範囲に含まれるように閾値の大きさを拡張する。経過観察と治療効果判定は、ともに前回検査した時点での部位と、今回検査した時点での部位の状態を比較することが多い。故に、S804において選択された項目に直接または間接的に関係付く部位が少なくとも一つは含まれるように、閾値の大きさを拡張する。
第二の例では、病変又は部位又はモダリティのいずれかの種類又は組み合わせの種類に応じて、閾値を決定する。この場合、図21に記載の機能ブロックに加え、S804にて指定された項目の内容に記載されている病変または部位又はモダリティのいずれかの種類又は組み合わせの種類を判別する判別手段を有する。例えば、S804にて指定された項目の内容に、複雑な検討を必要とする病変に関する単語が含まれていた場合、レポートは多くの項目からなる情報に基づいて検討がなされることが多い。故に、複雑な検討を必要とする病変に関する単語が含まれていた場合は、そうでない場合よりもより多くの項目を複製範囲として特定するために、閾値の値を大きくする。
[第十の実施形態]
第十の実施形態を説明する。本実施形態では、点数算出決定部115により各項目に評価値を与える処理と、各項目の評価値と閾値決定部116により決定された閾値と比較する処理を、それぞれの項目において逐次実施する。その比較結果に応じて、複製範囲に含める項目を遂次特定する。
図23は、本実施形態に係る医用レポート作成装置1の主要な機能を説明するための機能ブロック図である。機能ブロック101乃至116は図21と同様である。本実施形態における点数算出決定部115は、各項目の評価値を、その項目と直接関係付けられている項目の評価値に基づいて取得する。判断対象項目決定部117は、次に点数算出決定部115により評価値を与えられ、閾値と比較される項目を決定する。本実施形態における複製範囲決定部110による処理のフローを図25に例示する。また、過去レポート項目・関係情報表示エリアの内容を図24に例示する。ここでは例として、点数算出決定部115は、各項目の評価値を、その項目に直接関係付けられている項目の評価値の一つに1加算したものとして取得するとする。図25において、S2501では、閾値決定部116により閾値を決定する。ここでは例として閾値を4とする。S2502では、S804にて指定された項目に対して、点数算出決定部115により値を割り当てる。S804にて指定された項目が、図24(a)に示す所見2の項目であった場合、例えば所見2に点数1を割りあてる。S2503では、S804で指定された項目の評価値と閾値を比較し、S804で指定された項目を複製範囲として特定するか否かを判断する。図24(a)において、所見2に割り当てられた点数1は閾値4より小さいため、複製範囲決定部110は所見2を複製範囲として特定する。なお、図24において、太枠で囲まれた項目は、その項目の評価値と閾値を比較している項目を示し、灰色で塗りつぶされた項目は複製範囲として特定されたことを示す。S254では、複製範囲として特定された項目ごとに、その項目に直接関係付く全ての項目について、評価値の取得と、評価値と閾値の比較を行ったか否かを判定する。全ての項目について行っていた場合、S2508に進み、処理を終了する。全ての項目について行っていない場合、S2505に進む。図24(a)においては、所見2に直接関係付く部位2、部位3、診断2に対する点数算出決定部115による評価値の取得と閾値との比較が終わっていないため、S2505に進む。S2505では、判断対象項目決定部117が、次に複製範囲として特定するか否かを判定する項目を決定する。判断対象項目決定部117は、複製範囲として特定された項目に直接関係付けられている項目であって、評価値が与えられておらず、閾値の比較が行われていない項目から選択する。図24(a)においては、部位2、部位3、診断2のうち一つが判断対象項目決定部117により選択される。ここでは、診断2が選ばれたとする。S2506では、S2506で判断対象項目決定部117により選択された項目の評価値が、点数算出決定部115により取得される。本実施形態では、図24(b)のように診断2の評価値は、所見2に割り振られた点数1に1を加算した2となる。S2507では、S2506にて取得された値と閾値を比較し、S2505で選択された項目を複製範囲に含めるか否かを判断する。図24(b)においては、診断2に割り当てられた値2は閾値4よりも小さいため、診断2は複製範囲として特定される。S2507の処理の後は、S2504に戻って上記の処理を繰り返し実施する。図24(c)では処置2の項目の評価値が3と取得され、閾値4よりも小さいため処置2は複製範囲として特定される。図24(d)では診断1の項目の評価値が3と取得され、閾値4よりも小さいため診断1は複製範囲として特定される。図24(e)では処置1の評価値は4と取得され、閾値4よりも小さくないため処置1は複製範囲として特定されない。図24(f)では所見1の評価値は4と取得され、閾値4よりも小さくないため所見1は複製範囲として特定されない。なお、所見1は複製範囲に含まれないため、部位1はS205にて判断対象項目決定部117に選択されない。図24(g)では部位2の項目の評価値は2と取得され、閾値4よりも小さいため部位2は複製範囲として特定される。図24(h)では部位3の項目の評価値は2と取得され、閾値4よりも小さいため部位3は複製範囲として特定される。この時点で、複製範囲として特定された項目のそれぞれと直接関係付けられている全ての項目に関して、評価値の取得と、評価値と閾値の比較を行ったか否かを判定し終えたことになる。そのため、複製範囲決定部110は所見2、診断2、処置2、診断1、部位2、部位3を複製対象として特定する。
なお、図24を用いた上記の例では点数算出決定部115が各項目に割り当てる値は、その項目に直接関係付いている値に割り当てる一つの値に1加算したものとしたが、それ以外の方法により取得してもよい。例えば、S804にて指定された項目の種類に応じて、加算する値を決定する方法でも良い。また、点数算出決定部115が値を割り当てる項目に直接関係付く項目との関係の種類に応じて、加算する値を遂次変更してもよい。また、閾値決定手段は、第九の実施形態において説明したように、様々な決定方法によって閾値を決めることができる。
[第十一の実施形態]
第十一の実施形態を説明する。本実施形態は、複製範囲決定部110が複製範囲を特定する手法を選択することができる。図26は、本実施形態に係る医用レポート作成装置1の主要な機能を説明するための機能ブロック図である。図7に例示した構成に、モード選択部118を加えた構成となる。モード選択部118は複製範囲決定部110がどのような方法に従って複製範囲を特定するかを選択するための手段を提供する。
複製範囲が従う決定方法には、例えば、以下の方法がある。
(1)読影医が複製したい項目を手動で一つ一つ選択し、複製範囲決定部は選択された項目のみを複製対象とみなす方法。
(2)読影医に選択された項目と、それと直接または間接的に関係のある他項目を全て複製範囲とする、第一の実施形態に記載の方法。
(3)読影医に選択された項目と、それと直接または間接的に関係のある他項目のうちの一部を複製範囲とする、第五の実施形態に記載の方法。
(4)読影医に選択された項目の種類によって複製範囲を決定する、第六の実施形態に記載の方法。
(5)複製先の依頼目的に応じて複製範囲を決定する、第七の実施形態に記載の方法。
(6)複製先の記載状況に応じて複製範囲を決定する、第八の実施形態に記載の方法。
モード選択部118は、図8においてS804より前のいずれかのタイミングで動作し、例えば、上記(1)〜(6)の複製範囲決定方法の選択肢を一覧表示する。そして、入力デバイス11を介して読影医が選択項目を明示することで、いずれの複製範囲決定方法を採用するかを選択する。図8におけるS805では、選択された複製範囲決定方法により複製範囲を決定する。
なお、第九の実施形態または第十の実施形態で説明した図21、図23に記載の機能に、モード選択部118を加えた構成としてもよい。その場合、モード選択部118は点数算出決定部115、閾値決定部116のそれぞれがどのようなアルゴリズムによって動作するかを決定する。
[第十二の実施形態]
第十二の実施形態を説明する。本実施形態は、第一の実施形態において、図8のS804で過去レポートに記載の依頼目的が選択された場合に、複製範囲決定部110は選択された依頼目的に基づいて複製範囲を決定する。
図27は本実施形態に係る医用レポート作成装置1の主要な機能を説明するための機能ブロック図であり、図5に記載の機能に加え、依頼項目作成部119と依頼項目付与部120により構成される。依頼項目作成部119は依頼医から読影医に伝えられる読影作業に係る依頼目的を、レポートに記載される依頼情報を構成する項目(以下、依頼項目と称する。)として作成する。更に、依頼項目作成部119は作成した依頼項目を一意に識別するためのIDを自動的に付与して図28(a)に示す依頼テーブル2801に保存する。一つのレポートに記載される依頼目的は複数あってもよく、その場合は依頼テーブル2801に複数の依頼項目のレコードが作成される。なお、依頼テーブルの内容は記憶部113に保存される。依頼項目付与部120は、依頼テーブル2801に記載される依頼項目と関係があるレポート項目に対して、それらを関係づけるためのタグ付けを行う。例えば、図28(b)のように、項目テーブル701に依頼IDカラムを追記し、各レポート項目のレコードに、対応する依頼項目のIDを依頼IDカラムの値として保存する。図28(b)では、項目テーブル701の確信度カラムと、依頼タグカラムを省略して図示している。なお、依頼項目と、それと関係のあるレポート項目の決定は、ユーザの操作入力により行ってもよいし、言語処理解析により依頼項目及びレポート項目の内容を解析して自動で決定してもよい。
以下では、本実施形態における複製範囲決定部110の複製範囲決定方法について説明する。本実施形態では、S804にて、過去レポートを構成する項目として依頼項目に該当する部分が指定された際に、以下に説明する方法で複製範囲を特定する。まず、図28(b)に記載の項目テーブルを参照し、S804で選択された依頼項目の、依頼テーブル2801における依頼ID を、項目テーブルにおける依頼IDカラムに持つレポート項目を特定する。例えば、図29のように、依頼情報表示エリア146に依頼目的が二つ、すなわち図中における依頼(1)及び依頼(2)があった際に、ユーザにより依頼(2)がレポート作成エリア134にドラッグ&ドロップされたとする。この場合、依頼(2)の内容が図28(a)の依頼ID=1に該当するとき、すなわち依頼(2)が「左腎癌、術後経過確認」の場合に、図28(b)の項目テーブルにおける項目IDが3及び6に該当するレポート項目が抽出される。本実施形態におけるS805では、上記の抽出されたレポート項目を、第一の実施形態におけるS804にて指定された項目であるとして複製範囲を特定する。複製範囲の特定は、第一の実施形態乃至第七の実施形態のいずれかで説明した方法を用いて複製範囲が決定される。
なお、本実施形態では、依頼項目作成部119、依頼項目付与部120、依頼テーブル2801、依頼IDカラムを追加して説明した。しかし、第一の実施形態で説明した依頼タグ付与部114、項目テーブル701の「依頼タグ」カラムを利用して、上述と同様の処理を実施してもよい。
本実施形態における複製範囲決定方法では、過去レポートに記載された依頼目的に関する読影内容を今回レポートに複製して利用する際に、簡易な操作で利用することができ、医用レポートを効率的に作成することができる。
[変形例]
第一の実施形態乃至第十二の実施形態において述べたような構造化レポートにおいて、レポート項目内容編集部103は、レポート項目作成部102により作成された項目の内容に、テンプレートを適用してもよい。レポート表示制御部109は、レポート項目内容編集部105によって適用されたテンプレートの記載を、表示部に表示させる。すなわち、レポート項目内容編集部103は、過去の読影レポートの内容に基づいて、新しく作成される読影レポートの項目に記載される情報を推定する推定手段として機能する。また、レポート表示制御部109は推定手段であるレポート表示制御部109により推定された記載を表示部に表示させる表示制御手段として機能する。たとえば、レポート項目内容編集部103は、過去レポートのレポート項目が現在レポートに複製される際に、複製元の項目の記載内容に基づいたテンプレートを複製先の項目に適用する。複製範囲決定部110により複製範囲として特定された項目すべてにテンプレートを適用してもよいし、当該複製範囲として特定された項目のうち、ユーザがテンプレートを適用する項目を指定してもよい。
たとえば、図41に示す「右腎リンパ節に多発する腫大が認められます。サイズは15〜20mm大に認められ、有意な大きさと考えます。」という過去レポートにおける所見の項目4102が、現在レポートに複製されるとする。経過観察のための画像診断が現在レポートでなされる場合には、現在レポートの所見の項目には同様の記載がなされることが多い。したがって、レポート項目内容編集部103は、複製先の現在レポートの項目4105の内容を、「右腎リンパ節に多発する腫大が認められます。サイズは□□〜□□mm大に認められ、有意な大きさと考えます。」と編集する。そして、テンプレートが適用された複製先の項目が、レポート表示制御部109により表示部に表示される。これは、経過観察のために病変の大きさの変化をユーザが入力しやすくするためのテンプレートを適用した例である。このように、第四の実施形態で説明した例は、別の観点ではテンプレートの例である。
テンプレートの適用は、経過観察の場合に限らない。レポート項目内容編集部103は、読影レポートの依頼情報に基づいて、読影医が記載すべき項目を入力しやすくするためのテンプレートを適用して、レポート表示制御部109により表示部に表示させてもよい。たとえば、原発性肺がんの病期診断が依頼されている場合には、FDG−PETの画像に対応付けられる所見の項目に、「胸壁や大血管への浸潤が□□□□。」というテンプレートを適用する。これにより、ユーザは依頼内容に即した記載を入力しやすくなる。また、レポート項目内容編集部103は、画像に関係付けられている項目について、当該画像を撮影するための条件やオーダの内容に基づいて、読影医が記載すべき項目を入力しやすくするためのテンプレートを適用して、レポート表示制御部109により表示部に表示させてもよい。あるいは、レポート項目内容編集部103は、読影医が関係付けられた項目の入力枠を作成し、入力済の記載に基づいて、未入力の項目に記載すべき情報を入力しやすくするためのテンプレートを適用して、レポート表示制御部109により表示部に表示させてもよい。たとえば、FDG−PETの画像に関係付けられた所見の項目と診断の項目がユーザにより作成されたとする。ユーザである読影医が、所見の項目に骨についての記載が入力されたとする。レポート項目内容編集部103は、所見に入力された内容に基づいて、当該所見と関係付けられている診断の項目に、「骨転移を□□□□。」というテンプレートを適用する。さらに、レポート項目内容編集部103がテンプレートを適用する項目は予め作成されているレポート項目に限らず、レポート項目作成部102を制御して新しく項目を作成させてもよい。たとえば、FDG−PETの画像に関連付けられた診断の項目に「骨転移を疑う。」という記載が入力されたとする。レポート項目作成部102は当該診断の項目と関連付けられる推奨の項目を作成する。レポート項目内容編集部103は、レポート項目作成部102により作成された推奨の項目に、「生検の施行を検討する。」というテンプレートを適用する。すなわち、レポート項目内容編集部103は、読影レポートに含まれる項目に入力された情報に基づいて、当該項目と関係付けられている項目に記載される情報を推定する推定手段として機能する。また、レポート項目作成部102は、読影レポートに含まれる項目に入力された情報に基づいて、レポート項目を作成する作成手段として機能する。レポート表示制御部109は、推定手段であるレポート項目内容編集部103により推定された記載や、レポート項目作成部102により作成された項目を表示部に表示させる表示制御手段として機能する。
第一の実施形態乃至第十二の実施形態において述べたような構造化レポートにおいて、レポート表示制御部109は、入力デバイス11によりある項目がユーザにより選択された場合に、選択された項目と関係付けられている項目を他の項目と区別可能にハイライト表示してもよい。選択された項目と関係付けられている項目は、当該項目と同じレポート内に含まれる項目に限らない。当該項目が、過去のレポートから複製された項目である場合には、過去のレポート内の関係する項目を、当該項目と同じレポート内に含まれる項目とともにハイライト表示してもよい。また、当該項目が、新しく作成された項目に複製された場合には、複製先のレポートに含まれる項目も。当該項目と同じレポート内に含まれる項目とともにハイライト表示してもよい。これにより、ある項目と関係付けられている項目を、当該項目が含まれているレポート以外に含まれる項目も容易に把握することができ、たとえば時系列で比較するのに有用である。関係付けられている項目として、部位や所見や診断や処置の項目に加えて、依頼情報を示す項目や依頼タグを含めてもよい。これにより、依頼医からの依頼内容との対応関係を容易に把握することができる。
第一の実施形態乃至第十二の実施形態において述べたような構造化レポートは、ビッグデータを用いた解析を適用し、結果を利用するようにしてもよい。
なお、第一の実施形態乃至第三の実施形態に係る装置は、医用レポートの作成支援に限らない。分析や検討の根拠を論理的に記載するために構造化された種々のレポートにおいて、相反する仮説を検証する作業を支援するために、本発明を用いることができる。 たとえば、オフィス等で利用される情報システムとして、会計や商品の在庫管理や、文書の保管・検索といった情報共有のためのシステムが挙げられる。さらに、入金の受け入れや支払い、商品の発注や取り寄せ、配送といった手続き、売上の分析など、個々の業務を連携させるシステムも増加している。このような情報システムを利用し、高度な知識や経験に基づく分析や、対応を検討した結果を記載した報告書やレポートを作成する場合がある。報告書やレポートには、電子データやデジタル写真、画像を添付して記載することが多い。分析や対応を検討した結果の妥当性を示すために、これらの分析や検討の根拠を論理的に記載しておく必要がある。このような課題に対して、本発明の構造化されたレポートの作成支援が利用できる。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
上述の各実施形態における診断レポート作成装置は、単体の装置として実現してもよいし、複数の情報処理装置を含む装置を互いに通信可能に組合せて上述の処理を実行する形態としてもよく、いずれも本発明の実施形態に含まれる。共通のサーバ装置あるいはサーバ群で、上述の処理を実行することとしてもよい。診断レポート作成装置および診断レポート作成支援システムを構成する複数の装置は所定の通信レートで通信可能であればよく、また同一の施設内あるいは同一の国に存在することを要しない。
本発明の実施形態には、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムのコードを読みだして実行するという形態を含む。
したがって、実施形態に係る処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明の実施形態の一つである。また、コンピュータが読みだしたプログラムに含まれる指示に基づき、コンピュータで稼働しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
上述の実施形態を適宜組み合わせた形態も、本発明の実施形態に含まれる。