JP2017032572A - 画像評価装置、画像評価方法、及びプログラム - Google Patents

画像評価装置、画像評価方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】許容できないスジ欠陥を有する画像が印刷された印刷物であるか否かを高精度に判断することができる画像評価装置、画像評価方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】抽出部20により、見本画像と検査対象画像との差分値に基づいて、検査対象画像から、特定方向の筋状模様を有する筋状欠陥を抽出する。評価部22により、抽出部20で抽出された筋状欠陥の視認性を評価する。
【選択図】図1

Description

開示の技術は、画像評価装置、画像評価方法、及びプログラムに関する。
印刷機により印刷された印刷物の一部が欠陥印刷物となる場合がある。そこで、看過できない欠陥印刷物の有無を、印刷物をスキャナで読み取って得られた画像をもとに判定することで印刷物の良否を判定する検査方法が提案されている(例えば特許文献1及び特許文献2を参照)。
特許文献1には、出力用マスタ画像と検査対象スキャン画像との濃度差分を算出し、算出した濃度差分が許容できるか否かを判定することにより、検査対象スキャン画像内に含まれる欠陥が看過できるものであるか否かを判定する検査方法が開示されている。
特許文献2には、視覚モデルによりフラットパネル表示装置を検出する方法が開示されている。この方法は、撮像されたテストパネルのイメージと背景により模擬された参照イメージとを差異認識発生システムにより認識し、視覚モデルにより表示装置の品質の評価する方法である。
特許第4407588号 特開2006−139777号公報
ところで、印刷物に含まれる画像を対象にして例えばスキャナにより検査用に読み取って得た画像(検査用画像)が筋状の欠陥(以下、「スジ欠陥」という)を有する場合がある。スジ欠陥は、例えば印刷機の不具合(例えば構造上の不具合)が原因で生じる。また、印刷機の不具合が原因で生じるスジ欠陥の多くは、特定方向に沿って筋状に現れる傾向がある。このようなスジ欠陥は欠陥の度合いが許容範囲を超える場合が少なくない。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2の各々に記載の方法は何れも印刷機の構造上の不具合に起因するスジ欠陥が許容できないスジ欠陥であるか否かを高精度に判断することができない、という問題点があった。
開示の技術は、このような実情を鑑みて提案されたものであり、許容できないスジ欠陥を有する画像が印刷された印刷物であるか否かを高精度に判断することができる画像評価装置、画像評価方法及び画像評価プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る画像評価装置は、良品と認められた見本印刷物に含まれる見本画像を想定した仮想見本画像を示す見本画像情報を記憶する記憶部と、見本画像に相当する画像を示す画像情報に基づいて印刷装置により記録媒体に該画像情報により示される画像を印刷して得た検査対象印刷物に含まれる検査対象画像を読み取る読取部であって、特定方向の解像度が特定方向に交差する方向の解像度よりも低くなるように検査対象画像を読み取る読取部と、記憶部に記憶された見本画像情報と読取部により検査対象画像を読み取って得た該検査対象画像であって見本画像に相当する画像を示す検査対象画像情報との差分値に基づいて、検査対象画像情報により示される検査対象画像から、特定方向の筋状模様を有する筋状欠陥を抽出する抽出部であって、読取部により検査対象画像を読み取って得た検査対象画像情報により示される検査対象画像の特定方向の解像度を特定方向に交差する方向の解像度に揃えてから、見本画像情報と検査対象画像情報との差分値に基づいて、検査対象画像情報により示される検査対象画像から筋状欠陥を抽出する抽出部と、抽出部により抽出された筋状欠陥の視認性をマスク効果視覚モデルを利用して評価する評価部と、を含む。これにより、本構成を有しない場合に比べ、許容できないスジ欠陥を有する画像が印刷された印刷物であるか否かを高精度に判断することができる。また、本構成を有しない場合に比べ、筋状欠陥の視認性の評価精度を向上させることができる。また、本構成を有しない場合に比べ、読取処理にかかる負荷を軽減しながらも評価精度の低下を抑制することができる。更に、本構成を有しない場合に比べ、特定方向の筋状欠陥をより一層高精度に抽出することができる。
本発明の第1の態様に係る画像評価装置は、本発明の第2の態様に係る発明のように、評価部は、特定方向についてのマスク効果視覚モデルを利用して筋状欠陥の視認性を評価するものとしてもよい。
本発明の第1の態様又は第2の態様の何れか1つに係る画像評価装置は、本発明の第4の態様に係る発明のように、評価部の評価対象とされる筋状欠陥を、人間の視覚特性に対応する空間周波数の筋状欠陥としたものとしてもよい。これにより、本構成を有しない場合に比べ、筋状欠陥の視認性の評価精度を向上させることができる。
本発明の第1の態様又は第2の態様に係る画像評価装置は、本発明の第4の態様に係る発明のように、評価部の評価対象とされる筋状欠陥を、人間の視覚特性に対応する色空間の筋状欠陥としたものとしてもよい。これにより、本構成を有しない場合に比べ、筋状欠陥の視認性の評価精度を向上させることができる。
本発明の第1の態様から第4の態様の何れか1つに係る画像評価装置は、本発明の第5の態様に係る発明のように、抽出部が、検査対象画像情報により示される検査対象画像のうちの予め定められた領域を対象にして、筋状欠陥を抽出するものとしてもよい。これにより、本構成を有しない場合に比べ、処理にかかる負荷を軽減することができる。
本発明の第5の態様に係る画像評価装置は、本発明の第6の態様に係る発明のように、予め定められた領域を、筋状欠陥が形成される領域として事前に想定された領域としたものとしてもよい。これにより、本構成を有しない場合に比べ、処理に係る負荷を軽減しながらも評価精度の低下を抑制することができる。
本発明の第6の態様に係る画像評価装置は、本発明の第7の態様に係る発明のように、予め定められた領域を、更に、検査対象画像情報により示される検査対象画像のうちの該検査対象画像と見本画像情報により示される見本画像との差分値で閾値を超える差分値に対応する領域としたものとしてもよい。これにより、本構成を有しない場合に比べ、処理に係る負荷を軽減しながらも評価精度の低下をより一層抑制することができる。
本発明の第6の態様又は第7の態様に係る画像評価装置は、本発明の第8の態様に係る発明のように、事前に想定された領域を、印刷装置及び読取部の少なくとも1つの特性に基づいて特定したものとしてもよい。これにより、本構成を有しない場合に比べ、簡素な構成で、特定方向の筋状欠陥を高精度に抽出することができる。
本発明の第8の態様に係る画像評価装置は、本発明の第9の態様に係る発明のように、印刷装置の特性が、該印刷装置における構成部材の経時劣化の特性を含むものとしてもよい。これにより、本構成を有しない場合に比べ、特定方向の筋状欠陥をより一層高精度に抽出することができる。
本発明の第8の態様又は第9の態様に係る画像評価装置は、本発明の第10の態様に係る発明のように、読取部の特性が、該読取部における構成部材の経時劣化の特性を含むものとしてもよい。これにより、本構成を有しない場合に比べ、特定方向の筋状欠陥をより一層高精度に抽出することができる。
本発明の第5の態様に係る画像評価装置は、本発明の第11の態様に係る発明のように、予め定められた領域を、検査対象画像情報により示される検査対象画像のうちの該検査対象画像と見本画像情報により示される見本画像との差分値で閾値を超える差分値に対応する領域としたものとしてもよい。これにより、本構成を有しない場合に比べ、処理に係る負荷を軽減しながらも評価精度の低下をより一層抑制することができる。
本発明の第1の態様から第11の態様の何れか1つに係る画像評価装置は、本発明の第12の態様に係る発明のように、特定方向を、印刷装置における記録媒体の搬送方向としたものとしてもよい。これにより、本構成を有しない場合に比べ、特定方向の筋状欠陥を高精度に抽出することができる。
本発明の第12の態様に係る画像評価装置は、本発明の第13の態様に係る発明のように、印刷装置の印刷方式をシングルパス方式としたものとしてもよい。これにより、本構成を有しない場合に比べ、特定方向の筋状欠陥をより一層高精度に抽出することができる。
本発明の第1の態様から第11の態様の何れか1つに係る画像評価装置は、本発明の第14の態様に係る発明のように、印刷装置が検査対象画像を複数のラインに分割して該ライン毎に記録媒体に対して記録する場合、特定方向を、印刷装置における主走査方向としたものとしてもよい。これにより、本構成を有しない場合に比べ、特定方向の筋状欠陥を高精度に抽出することができる。
本発明の第14の態様に係る画像評価装置は、本発明の第15の態様に係る発明のように、印刷装置の印刷方式をシャトルスキャン方式としたものとしてもよい。これにより、本構成を有しない場合に比べ、特定方向の筋状欠陥をより一層高精度に抽出することができる。
本発明の第1の態様から第15の態様の何れか1つに係る画像評価装置は、本発明の第16の態様に係る発明のように、見本画像情報及び検査対象画像情報のうちの少なくとも検査対象画像情報から読取部の特性の影響を排除する排除部を更に含み、抽出部が、排除部により見本画像情報及び検査対象画像情報のうちの少なくとも検査対象画像情報から読取部の特性の影響が排除されて得た見本画像情報と検査対象画像情報との差分値に基づいて、検査対象画像情報により示される検査対象画像から筋状欠陥を抽出するものとしてもよい。これにより、本構成を有しない場合に比べ、特定方向の筋状欠陥をより一層高精度に抽出することができる。
本発明の第1の態様から第16の態様の何れか1つに係る画像評価装置は、本発明の第17の態様に係る発明のように、評価部により視認性が評価された筋状欠陥が視認可能な筋状欠陥であると判定された場合に警告する警告部を更に含むものとしてもよい。これにより、本構成を有しない場合に比べ、許容できない筋状欠陥を有する検査対象画像が印刷された検査対象印刷物であることを容易に把握することができる。
本発明の第17の態様に係る画像評価装置は、本発明の第18の態様に係る発明のように、警告部が、視認可能な筋状欠陥であると判定された筋状欠陥を含む検査対象印刷物に対して直接処理を施すことにより警告するものとしてもよい。これにより、本構成を有しない場合に比べ、簡素な構成で、許容できない筋状欠陥を有する検査対象画像が印刷された検査対象印刷物を特定することができる。
本発明の第18の態様に係る画像評価装置は、本発明の第19の態様に係る発明のように、警告部が、検査対象印刷物における筋状欠陥の位置の特定を支援する特定支援印を該検査対象印刷物に付与することにより警告するものとしてもよい。これにより、本構成を有しない場合に比べ、簡素な構成で、筋状欠陥の位置を容易に把握することができる。
本発明の第19の態様に係る画像評価装置は、本発明の第20の態様に係る発明のように、警告部が、検査対象印刷物における筋状欠陥を特定方向へ延ばした位置に特定支援印を付与することにより警告するものとしてもよい。これにより、本構成を有しない場合に比べ、筋状欠陥の位置をより一層容易に把握することができる。
本発明の第19の態様又は第20の態様に係る画像評価装置は、本発明の第21の態様に係る発明のように、特定支援印の種類を筋状欠陥の視認性の大きさに応じて定めたものとしてもよい。これにより、本構成を有しない場合に比べ、筋状欠陥の視認性の大きさを容易に把握することができる。
本発明の第17の態様から第21の態様の何れか1つに係る画像評価装置は、本発明の第22の態様に係る発明のように、警告部が、更に、評価部により視認性が評価された筋状欠陥が視認可能な筋状欠陥であると判定された場合に表示部に対して所定情報を表示させることにより警告するものとしてもよい。これにより、本構成を有しない場合に比べ、許容できない筋状欠陥を有する検査対象画像が印刷された検査対象印刷物であることを容易に把握することができる。
本発明の第17の態様に係る画像評価装置は、本発明の第23の態様に係る発明のように、警告部が、評価部により視認性が評価された筋状欠陥が視認可能な筋状欠陥であると判定された場合に表示部に対して所定情報を表示させることにより警告するものとしてもよい。これにより、本構成を有しない場合に比べ、許容できない筋状欠陥を有する検査対象画像が印刷された検査対象印刷物であることを容易に把握することができる。
本発明の第22の態様又は第23の態様に係る画像評価装置は、本発明の第24の態様に係る発明のように、所定情報が、視認可能な筋状欠陥であると判定された筋状欠陥を含む検査対象印刷物を特定する特定情報を含むものとしてもよい。これにより、本構成を有しない場合に比べ、簡素な構成で、許容できない筋状欠陥を有する検査対象画像が印刷された検査対象印刷物を特定することができる。
本発明の第22の態様から第24の態様の何れか1つに係る画像評価装置は、本発明の第25の態様に係る発明のように、表示部が画像を表示し、所定情報が、筋状欠陥を有する検査対象画像と該検査対象画像における筋状欠陥の位置の特定を支援する特定支援画像とを含むものとしてもよい。これにより、本構成を有しない場合に比べ、簡素な構成で、筋状欠陥の位置を容易に把握することができる。
上記目的を達成するために、本発明の第26の態様に係る画像評価方法は、良品と認められた見本印刷物に含まれる見本画像を想定した仮想見本画像を示す見本画像情報を記憶する記憶部に記憶された見本画像情報と、見本画像に相当する画像を示す画像情報に基づいて印刷装置により記録媒体に該画像情報により示される画像を印刷して得た検査対象印刷物に含まれる検査対象画像を読み取る読取部であって、特定方向の解像度が特定方向に交差する方向の解像度よりも低くなるように検査対象画像を読み取る読取部により検査対象画像を読み取って得た該検査対象画像であって見本画像に相当する画像を示す検査対象画像情報との差分値に基づいて、検査対象画像情報により示される検査対象画像から、特定方向の筋状模様を有する筋状欠陥を抽出する抽出工程であって、読取部により検査対象画像を読み取って得た検査対象画像情報により示される検査対象画像の特定方向の解像度を特定方向に交差する方向の解像度に揃えてから、見本画像情報と検査対象画像情報との差分値に基づいて、検査対象画像情報により示される検査対象画像から筋状欠陥を抽出する抽出工程と、抽出工程により抽出された筋状欠陥の視認性をマスク効果視覚モデルを利用して評価する評価工程と、を含む。これにより、本構成を有しない場合に比べ、許容できないスジ欠陥を有する画像が印刷された印刷物であるか否かを高精度に判断することができる。また、本構成を有しない場合に比べ、筋状欠陥の視認性の評価精度を向上させることができる。また、本構成を有しない場合に比べ、読取処理にかかる負荷を軽減しながらも評価精度の低下を抑制することができる。更に、本構成を有しない場合に比べ、特定方向の筋状欠陥をより一層高精度に抽出することができる。
上記目的を達成するために、本発明の第27の態様に係るプログラムは、本発明の第1の態様から第25の態様の何れか1つに係る画像評価装置における抽出部及び評価部としてコンピュータを機能させるためのものである。これにより、本構成を有しない場合に比べ、許容できないスジ欠陥を有する画像が印刷された印刷物であるか否かを高精度に判断することができる。
開示の技術によれば、許容できないスジ欠陥を有する画像が印刷された印刷物であるか否かを高精度に判断することができる、という効果が得られる。
第1実施形態に係る画像評価装置の全体構成の一例を示す概略構成図である。 第1実施形態に係る画像評価装置に含まれる読取部の要部機能の一例を示す機能ブロック図である。 第1実施形態に係る画像評価装置に含まれる抽出部の要部機能の一例を示す機能ブロック図である。 第1実施形態に係る画像評価装置に含まれる評価部の要部機能の一例を示す機能ブロック図である。 第1実施形態に係る画像評価装置に含まれる警告部の要部機能の一例を示す機能ブロック図である。 第1実施形態に係る画像評価装置の電気系の構成の一例を示すブロック図である。 第1実施形態に係る画像評価装置に含まれるスキャナの電気系の構成の一例を示すブロック図である。 第1実施形態に係る画像評価装置に含まれるソータによる仕分け方式の一例を示す模式図である。 第1実施形態に係る画像評価装置における搬送系及びその周辺の構成の一例を示す概略構成図であって、印刷物の搬送態様の一例及びスキャナと記録部とソータとの配置例を示す概略構成図である。 第1実施形態に係る画像評価装置に含まれる記録部によって特定支援印が記録された検査対象印刷物の態様の一例を示す模式図である。 第1実施形態に係る画像評価装置に含まれる記録部によって特定支援印が記録された検査対象印刷物の態様であって、図10に示す態様とは異なる態様の一例を示す模式図である。 第1実施形態に係る画像評価装置に含まれる記録部によって特定支援印が記録された検査対象印刷物の態様であって、図10及び図11に示す態様とは異なる態様の一例を示す模式図である。 第1実施形態に係る画像評価装置に含まれる記録部によって特定支援印が記録された検査対象印刷物の態様であって、図10〜図12に示す態様とは異なる態様の一例を示す模式図である。 第1〜第3実施形態に係る画像評価処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る画像評価処理に含まれる読取制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る見本画像読取処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る検査対象画像読取処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る画像評価処理に含まれる抽出処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る画像評価処理に含まれる評価処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る画像評価処理に含まれる警告処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る画像評価装置に含まれる表示部による表示態様の一例を示す態様図である。 第1実施形態に係る画像評価装置に含まれる抽出部の変形例(その1)を示す機能ブロック図である。 第1実施形態に係る画像評価装置に含まれる抽出部の変形例(その2)を示す機能ブロック図である。 第2実施形態に係る画像評価装置に含まれる評価部の要部機能の一例を示す機能ブロック図である。 第2実施形態に係る画像評価装置に含まれる画像DBの構成の一例を示す模式図である。 第2実施形態に係る画像評価装置に含まれる統計モデルDBの構成の一例を示す模式図である。 第2実施形態に係る画像評価装置の電気系の構成の一例を示すブロック図である。 第2実施形態に係るDB更新処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る画像評価処理に含まれる評価処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る画像評価装置に含まれる評価部の変形例を示す機能ブロック図である。 第3実施形態に係る画像評価装置に含まれる警告部の要部機能の一例を示す機能ブロック図である。 第3実施形態に係る画像評価装置に含まれる顧客特性DBで使用される画質指数の説明に供する説明図である。 画質指数の求め方を示す概念図である。 第3実施形態に係る画像評価装置に含まれる顧客特性DBの構成の一例を示す模式図である。 画質指数に対するOK/NGの分布の一例を示すグラフである。 第3実施形態に係る画像評価装置の電気系の構成の一例を示すブロック図である。 第3実施形態に係る画像評価処理に含まれる警告処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る評価部による評価結果の一例を示す模式図である。 第1実施形態に係る画像評価装置に含まれる抽出部の変形例(その3)を示す機能ブロック図である。
以下、添付図面に従って開示の技術に係る画像評価装置の実施形態の一例について説明する。
[第1実施形態]
図1には、本第1実施形態に係る画像評価装置10の要部機能の一例が示されている。図1に示すように、画像評価装置10は、印刷装置12により印刷された印刷物の画像を評価する装置である。印刷装置12は、画像を示す画像情報が入力されると、画像情報に基づいて記録媒体の一例である記録用紙に画像情報により示される画像を印刷することで印刷物を作成する。
なお、本第1実施形態では、印刷装置12として、シングルパス方式のインクジェットプリンタを採用しているが、開示の技術はこれに限定されるものではない。例えばシングルパス方式のインクジェットプリンタに代えて、シャトルスキャン方式のインクジェットプリンタを採用してもよい。また、インクジェットプリンタに代えて、ゼログラフィ方式のプリンタやサーマルヘッドプリンタ、マグネトグラフィ方式のプリンタ、刷版印刷機などを採用してもよい。また、本第1実施形態では、印刷装置12として、単数又は複数の記録用紙をドラムの外周面に保持して回転させることにより記録用紙を搬送する方式のインクジェットプリンタを採用している。また、印刷装置12は、インク滴を吐出する記録ヘッドを有しており、記録用紙の被記録面を記録ヘッドのインク吐出口に対向させるように記録用紙を通過させることで記録用紙の被記録面にインクを打滴して画像を記録する方式のプリンタである。
印刷装置12は、外部から記録用紙を取り込み、取り込んだ記録用紙を特定方向に搬送する。そして、特定方向に搬送されている記録用紙に対して、入力された画像情報に基づいて記録ヘッドからインク滴を吐出することにより、記録用紙に画像情報により示される画像を記録することで印刷を行う。このように、記録用紙に画像が印刷された印刷物を所定領域(例えば排紙トレイ)に排出する。ここで言う「特定方向」とは、例えば主走査方向に対して交差する方向である副走査方向を指す。なお、ここでは、錯綜を回避するため、「特定方向」の一例として、主走査方向に対して直交する方向を採用している。
印刷装置12により印刷された印刷物は、見本印刷物14と、見本印刷物14の印刷内容に相当する印刷内容を有し且つ見本印刷物14と比較される対象である検査対象印刷物16と、に大別される。なお、ここで言う「印刷内容」には、印刷工程で形成された画像の欠陥は含まない。また、図1には、錯綜を回避するために、単一の見本印刷物14とこの見本印刷物14の印刷内容に相当する印刷内容を有する単一の検査対象印刷物16とが例示されているが、開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、見本印刷物14及び検査対象印刷物16は各々複数でもよい。但し、画像評価装置10では、互いの印刷内容が相違しない見本印刷物14と検査対象印刷物16とを対象にして画像の比較が行われるものとする。
見本印刷物14とは、例えば良品と認められた印刷物を指す。良品と認められた印刷物とは、例えば出荷可能な印刷物であって、視認性が良好(例えば画質が良好)と認められた画像が印刷された印刷物のことである。なお、本第1実施形態では、錯綜を回避するために、上記の「視認性が良好と認められた画像」として、過去に画像評価装置10により視認性が良好と認められた画像を採用しているが、開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、検査員が肉眼で、事前に定められた基準に従って、欠陥を有しない画像又は欠陥が許容可能な画像であると判断した画像を採用してもよい。なお、以下では、見本印刷物14に印刷された画像を見本画像と称する。また、本第1実施形態では、錯綜を回避するために、見本印刷物14に印刷された画像を見本画像としているが、これに限らず、見本印刷物14に印刷された画像の一部を見本画像としてもよい。
これに対し、検査対象印刷物16とは、例えば見本画像に相当する画像を示す画像情報に基づいて印刷装置12により記録用紙に対して画像(以下、「検査対象画像」という)が印刷された印刷物を指す。なお、本第1実施形態では、錯綜を回避するために、検査対象印刷物16に印刷された画像を検査対象画像としているが、これに限らず、検査対象印刷物16に印刷された画像の一部を検査対象画像としてもよい。
ところで、見本画像と検査対象画像との単純な濃度差分値から、優良な印刷物(スジ欠陥が視認できない検査対象画像を含む検査対象印刷物16)であるか否かを評価する画像評価装置が知られている。しかし、従来の画像評価装置では、スジ欠陥の程度(例えば微少なスジ欠陥)によっては許容可能なスジ欠陥であるか否かを判断することが困難である。そのため、スジ欠陥の程度によっては検査対象印刷物16の評価精度が低下する。そこで、このような不具合を解消すべく、本第1実施形態に係る画像評価装置10は、読取部18、抽出部20、評価部22及び警告部24を備えている。
読取部18は、見本印刷物14に含まれる見本画像と検査対象印刷物16に含まれる検査対象画像とを各々読み取る。
抽出部20は、読取部18により見本画像を読み取って得た見本画像情報と読取部18により検査対象画像を読み取って得た検査対象画像であって見本画像に相当する画像を示す検査対象画像情報との差分値を算出する。そして、算出した差分値に基づいて、検査対象画像情報により示される検査対象画像から、特定方向の筋状模様(例えば特定方向に線状に延びた模様)を有する筋状欠陥(本第1実施形態では、一例として筋状欠陥を示す画像である筋状欠陥画像)を抽出する。
評価部22は、筋状欠陥の視認性を評価する。ここで言う「筋状欠陥の視認性」とは、例えば、抽出部20により抽出された筋状欠陥画像により特定される筋状欠陥の視認性を指す。また、ここで言う「視認性を評価する」とは、例えば、筋状欠陥の視認強度を導出することを指す。なお、本第1実施形態では、評価部22が筋状欠陥の視認強度を導出する例を挙げて説明するが、これに限らず、例えば、導出した視認強度が特定の人間の視覚により判断可能か否かを判定する判定機能を評価部22に担わせてもよい。ここで言う「特定の人間」とは、例えば検査対象物16を観察する者を指す。また、ここで言う「判定機能」とは、例えば後述の警告要否判定部44の機能に相当する機能を指す。
警告部24は、評価部22により視認性が評価された筋状欠陥が視認可能な筋状欠陥であると判定された場合に警告する。ここで言う「視認可能な筋状欠陥」とは、例えば、特定の人間にとって視認可能な筋状欠陥のことを指す。
図2には、読取部18の要部機能の一例が示されている。読取部18は、読取実施部23及び排除部25を含む。読取実施部23は、見本印刷物14に含まれる見本画像の読み取り、及び検査対象印刷物16に含まれる検査対象画像の読み取りを各々実施し、見本画像情報及び検査対象画像情報を取得する。
ここで、読取実施部23は、特定方向の解像度と特定方向に交差する方向の解像度とが揃うように見本画像を読み取り、特定方向の解像度が特定方向に交差する方向の解像度よりも低くなるように検査対象画像を読み取る。すなわち、本第1実施形態では、読取実施部23が、特定方向の解像度と主走査方向の解像度が揃うように見本画像を読み取り、特定方向の解像度が主走査方向の解像度よりも低くなるように検査対象画像を読み取る。この結果、見本画像の特定方向及び主走査方向の解像度(縦横解像度)と検査対象画像の縦横解像度とが異なることとなる。なお、ここでは、検査対象画像を読み取る場合の主走査方向の解像度の一例として、見本印刷物14に含まれる見本画像を読み取るときの特定方向及び主走査方向の各解像度と相違しない解像度を採用している。
また、本第1実施形態では、上述したように見本画像の縦横解像度と検査対象画像の縦横解像度とが異なる場合を例示しているが、開示の技術はこれに限定されるものではなく、例えば、見本画像と検査対象画像とで縦横解像度が一致していて、特定方向の解像度と主走査方向の解像度も一致していてもよい。この場合、見本画像及び検査対象画像の各々につき、特定方向の解像度と主走査方向の解像度とが一致していてもよい。この場合、図3に示す後述の解像度調整部26は不要となる。
また、見本画像と検査対象画像とで縦横解像度が一致していて、特定方向の解像度と主走査方向の解像度とが一致していなくてもよい。この場合、図3に示す後述の解像度調整部26が不要となるものの、図3に示す抽出部20に代えて例えば図39に示す抽出部20Cが適用される。そして、この場合、一例として図4に示すように評価部22の前段に後述の解像度調整部26Aが必要となる。なお、このように見本画像と検査対象画像とで縦横解像度が一致していて、特定方向の解像度と主走査方向の解像度とが一致していない場合の一例としては、読取部18としてラインセンサを用いる場合が挙げられる。
排除部25は、読取実施部23により取得された見本画像情報及び検査対象画像情報のうちの少なくとも検査対象画像情報から読取部18の特性の影響を排除する。なお、ここで言う「特性」には、上述した特性方向の解像度と主走査方向の解像度とが異なるという特性は含まれない。また、ここでは錯綜を回避するために、排除部25が、読取実施部23により取得された見本画像情報及び検査対象画像情報から読取実施部23の特性の影響を排除する例を挙げて説明するが、開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、見本画像情報からは読取実施部23の特性の影響を排除せずに、検査対象画像情報から読取実施部23の特性の影響を排除するようにしてもよい。また、例えば、見本画像情報及び検査対象画像情報のうちの少なくとも検査対象画像情報から読取実施部23の特性の影響に加え、排除部25の特性の影響も排除するようにしてもよい。また。読取実施部23の特性の影響を無視して、排除部25の特性の影響を排除するようにしてもよい。
図3には、抽出部20の要部機能の一例が示されている。抽出部20は、解像度調整部26、減算部28、筋状領域切出部30及び特定方向画像抽出部32を含む。解像度調整部26は、排除部24により読取部18の特性の影響が排除された検査対象画像情報により示される検査対象画像の解像度の調整を行う。本第1実施形態では、解像度調整部26は、例えば、排除部24により読取実施部23の特性の影響が排除された検査対象画像情報により示される検査対象画像の位置合わせを行ってから検査対象画像の特定方向の解像度を主走査方向の解像度に揃える。なお、ここで言う「位置合わせ」とは、例えばスキューや搬送方向へのずれ等を補正する処理を指す。
減算部28は、解像度調整部26により解像度が調整された検査対象画像を示す検査対象画像情報と排除部24により読取部18の特性の影響が排除された見本画像情報との差分値を算出する。ここでは、例えば、減算部28は、解像度調整部26により解像度が調整された検査対象画像と排除部24により読取実施部23の特性の影響が排除された見本画像情報により示される見本画像との濃度についての差分値を算出する。
筋状領域切出部30は、解像度調整部26により解像度が調整された検査対象画像のうちの予め定められた領域を対象にして、減算部28で算出された差分値に基づいて、筋状模様を有する領域(以下、「筋状領域」という)を切り出す。なお、ここで言う「筋状模様」は特定方向の筋状模様の他に、特定方向以外の方向の筋状模様も含まれる。また、ここで言う「予め定められた領域」とは、例えば筋状模様が形成される領域として事前に想定された領域を指す。本第1実施形態では、「筋状模様が形成される領域として事前に想定された領域」の一例として、印刷装置12の構造上の欠陥箇所、インク吐出量が多い領域、及び読取部18の特性(一例として読取実施部23の特性)に基づいて特定された領域を採用している。ここでは、一例として、印刷装置12の構造上の欠陥箇所、インク吐出量が多い領域、及び読取実施部23の構造上の欠陥箇所の各々に対応する領域を「筋状模様が形成される領域として事前に想定された領域」として採用している。
このように、本第1実施形態では、「筋状模様が形成される領域として事前に想定された領域」は、印刷装置12の特性及び読取部18の特性に基づいて特定しているが、開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、「筋状模様が形成される領域として事前に想定された領域」は、印刷装置12の特性又は読取部18の特性に基づいて特定されてもよい。また、印刷装置12の特性は印刷装置12の構成部材に経時劣化の特性を含んでいてもよい。例えば、印刷装置12の構成部材のうち経時劣化が予想される構成部材であって画像の欠陥に影響を及ぼすことが事前に予想される構成部材の経時劣化の特性を加味して「筋状模様が形成される領域として事前に想定された領域」を特定してもよい。また、読取部18の特性は読取部18の構成部材に経時劣化の特性を含んでいてもよい。例えば、読取部18の構成部材のうち経時劣化が予想される構成部材であって画像の読取結果に影響を及ぼすことが事前に予想される構成部材の経時劣化の特性を加味して「筋状模様が形成される領域として事前に想定された領域」を特定してもよい。
特定方向画像抽出部32は、筋状領域切出部30により切り出された筋状領域から特定方向の筋状模様を有する筋状欠陥(本第1実施形態では、一例として筋状欠陥を示す画像である筋状欠陥画像)を抽出し、筋状欠陥画像を示す筋状欠陥画像情報を生成する。すなわち、特定方向画像抽出部32は、特定方向以外の方向の筋状模様の画像及びハーフトーンなどによる粒状模様の画像を排除することで特定方向の筋状模様を有する筋状欠陥画像を抽出して筋状欠陥画像情報を生成する。ここで、粒状成分を排除して特定方向の筋状欠陥を抽出する抽出アルゴリズムの他の例としては、HDR−VDP−2が挙げられる。この他にも複数のバンドパスフィルタを用いた抽出アルゴリズムや線検出フィルタを用いた抽出アルゴリズム、微分フィルタ(2回微分フィルタ)を用いた抽出アルゴリズムが例示できる。なお、以下では、説明の便宜上、特定方向の筋状模様を有する筋状欠陥画像を単に「筋状欠陥」と称する。
図4には、評価部22の要部機能の一例が示されている。図4に示すように、評価部22は、第1画像合成部34、変換部36、特定成分分解部38、第2画像合成部40及び視覚モデル評価実施部42を含む。第1画像合成部34は、見本画像情報により示される見本画像(例えば減算部28で使用された見本画像情報により示される見本画像)と特定方向画像抽出部32により生成された筋状欠陥画像情報により示される筋状欠陥画像とを合成する。本第1実施形態では、第1画像合成部34は、例えば、見本画像と特定方向画像抽出部32により生成された筋状欠陥画像情報により示される筋状欠陥画像とを合成し、合成して得た合成画像である評価対象画像を示す評価対象画像情報を生成する。ここで合成される見本画像としては、例えば排除部24により読取部18の特性(一例として読取実施部23の特性)の影響が排除された見本画像情報により示される見本画像が挙げられる。
なお、見本画像と検査対象画像とで縦横解像度を一致させて、特定方向の解像度と主走査方向の解像度とを一致させない場合は、図4に示すように第1画像合成部34と変換部36との間に解像度調整部26Aを介在させる。解像度調整部26Aは、評価対象画像情報により示される評価対象画像の縦横解像度及び見本画像情報により示される見本画像の縦横解像度を揃える。例えば、評価対象画像及び見本画像の各々につき、評価対象画像の縦横解像度及び見本画像の縦横解像度を特定方向の解像度と主走査方向の解像度とで所定解像度に統一することで揃える。
変換部36は、評価対象画像情報により示される評価対象画像及び見本画像情報により示される見本画像を対象にして色変換及び視覚フィルタ処理を行う。また、解像度調整部26Aが設けられている場合は、縦横解像度が調整された評価対象画像及び見本画像を対象にして色変換及び視覚フィルタ処理を行う。ここで言う「色変換」とは、デバイス依存の色空間からデバイス非依存の色空間への変換を指す。デバイス依存の色空間とは、例えば印刷装置12に依存した色空間(例えば印刷に供する色材による分光特性に依存した色空間)を指す。デバイス非依存の色空間とは、例えば人間の視覚に依存する色空間(例えば人間の目の分光特性に依存した色空間)のことを指し、具体的にはXYZ,Lab,Luv,HSV,VD,RGB,CIECAMなどが挙げられる。
上記の「視覚フィルタ処理」とは、人間の視覚特性に対応する空間周波数(人間の視覚特性に近い空間周波数として予め定められた空間周波数)を得るローパスフィルタとして機能する関数を利用して視覚変換を行う処理を指す。「人間の視覚特性に近い空間周波数として予め定められた空間周波数」とは、例えば人間の目に対する刺激が一般的に強いとされる空間周波数を除く可視領域の空間周波数を指す。また、ここでは、ローパスフィルタとして機能する関数の一例として、人間の視覚特性に対応する空間周波数特性に基づいて決定されたVTF関数を採用している。従って、ここで言う「視覚フィルタ処理」とは、例えば、VTF関数を利用して、評価対象画像情報により示される評価対象画像及び見本画像情報により示される見本画像を、人間の視覚特性に対応しない空間周波数を除去した評価対象画像及び見本画像に変換する処理を指す。
特定成分分解部28は、変換部36により変換されて得た評価対象画像及び見本画像の各々を、特定の物理量成分に分解する。本第1実施形態では、特定成分分解部28は、評価対象画像及び見本画像の各々を複数の空間周波数の各々及び複数の方向の各々に分解することで、複数の空間周波数の各々についての周波数分解画像及び複数の方向の各々についての方向分解画像を得る。
視覚モデル評価実施部42は、抽出部20により抽出された筋状欠陥画像により特定される筋状欠陥に対して、マスク効果視覚モデルを利用した視認性の評価を実施し、筋状欠陥の視認性の強度を示す情報(以下、視認性強度情報という)を生成する。すなわち、周波数分解画像の各々及び方向分解画像の各々に対して視認性を評価(マスク効果を評価)し、画像毎に視認性強度情報を生成する。ここで言う「視認性の強度」とは、例えば0〜9の数値による10段階の強度で示され、数値が大きくなるほど視認性の強度が強い(視認性が良好である)ことを示す。なお、以下では、周波数分解画像と方向分解画像とを区別して説明する必要がない場合は「分解画像」と称する。
本第1実施形態では、視覚モデル評価実施部42は、例えば各分解画像に対して隣接する周波数分解画像の影響及び全方向の方向分解画像の影響を加味した画像の視認性を評価し、視認性強度情報を生成する。ここで言う「隣接する周波数分解画像の影響」とは、例えば複数の周波数分解画像のうち空間周波数が隣接する周波数分解画像において一方の周波数分解画像が他方の周波数分解画像に与える影響を指す。また、ここで言う「全方向の方向分解画像の影響」とは、全方向の方向分解画像において特定の方向分解画像が他方の方向分解画像に与える影響を指す。なお、本第1実施形態では、視覚モデル評価実施部42は、マスク効果視覚モデルを利用した評価アルゴリズムの一例として、VDP(visible difference predictor)を利用した評価を採用している。ここで言う「VDP」とは、例えば人間の視覚特性(マスキング)などをモデル化し、二つの画像間の人間の目に見える誤差を推定する手法を指す。
第2画像合成部40は、視覚モデル評価実施部42で分解画像毎に生成された視認性強度情報を、第1画像合成部34により生成された評価対象画像情報により示される評価対象画像に合成し、合成して得た画像を示す評価結果情報を生成する。例えば、第1画像合成部34により生成された評価対象画像情報により示される評価対象画像の各画素に対して、各周波数分解画像及び各方向分解画像における対応画素の視認性強度情報を関連付ける。ここで、周波数分解画像は、空間周波数によっては評価対象画像の数画素分(例えば2×2画素分)が1画素として表れるので、この場合は、周波数分解画像の1画素が評価対象画像における対応する数画素に関連付けられることとなる。なお、以下では、第2画像合成部40で合成された画像を「最終合成画像」という。
図5には、警告部24の要部機能の一例が示されている。図5に示すように、警告部24は、警告要否判定部44及び警告実施部48を含み、警告要否判定部44には参照情報データベース(DB)46が接続されている。参照情報DB46には、警告の要否を判定する際に参照される情報(以下、「参照情報」という)が記憶されている。警告要否判定部44は、参照情報DB46の参照情報を参照して、視覚モデル評価実施部42で生成された評価結果情報に基づいて警告の要否を判定する。本第1実施形態に係る参照情報DB46には、参照情報の一例として、視認性の強度毎に、視認可能か否かを示す判定情報が記憶されている。従って、警告要否判定部44は、判定情報に基づいて、評価結果情報に含まれる視認性強度情報により示される視認性の強度が警告を要する強度であるか否かを判定することができる。なお、ここで言う「判定情報」は、例えば特定の人間による主観的な評価結果(例えば官能試験による評価結果)に基づいて事前に定められているが、これに限らず、例えばコンピュータによるシミュレーションの結果に基づいて事前に定められてもよい。
警告実施部48は、警告要否判定部44により評価結果情報に含まれる視認性強度情報により示される視認性の強度が警告を要すると判定された場合(筋状欠陥画像により特定される筋状欠陥が視認可能な筋状欠陥であると評価された場合)に警告を実施する。本第1実施形態では、警告実施部48による警告態様として、例えば視認可能な筋状欠陥であると評価された筋状欠陥を含む検査対象印刷物16に対して直接処理を施すことにより警告する態様と、所定情報を可視表示する態様とを採用している。ここで言う「直接処理」の一例としては、ソーティング処理が挙げられる。また、この他にも、例えば検査対象印刷物16における筋状欠陥の位置の特定を支援する特定支援印を付与する処理や検査対象印刷物16における筋状欠陥を特定方向へ延ばした位置に特定支援印を付与する処理が例示できる。
抽出部20、評価部22及び警告部24は、例えば画像評価装置10に内蔵された図6に示すコンピュータ60及びその他の入出力デバイスによって実現される。図6には、画像評価装置10の電気系の要部構成の一例が示されている。なお、以下では、見本印刷物14及び検査対象印刷物16を区別して説明する必要がない場合は単に「印刷物」と称する。
図6に示すように、コンピュータ60は、CPU(Central Processing Unit)62、メモリ64及び不揮発性の記憶部66を備え、これらはアドレスバスやシステムバス等を含んで構成されたバス68を介して互いに接続されている。なお、記憶部66は、SSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive)などによって実現される。記憶媒体としての記憶部66には、画像評価処理プログラム70が記憶されている。また、記憶部66は、第1記憶領域72、第2記憶領域74及び参照情報DB46を有する。第1記憶領域72には、見本画像情報が記憶され、第2記憶領域74には、検査対象画像情報が記憶される。
CPU62は、記憶部66から画像評価処理プログラム70を読み出してメモリ64に展開し、画像評価処理プログラム70が有するプロセスを順次実行する。画像評価処理プログラム70は、抽出プロセス76、評価プロセス78及び警告プロセス80を有する。CPU62は、抽出プロセス76を実行することで、図1に示す抽出部20として動作する。CPU62は、評価プロセス78を実行することで、図1に示す評価部22として動作する。CPU62は、警告プロセス80を実行することで、図1に示す警告部24として動作する。
なお、ここでは画像評価処理プログラム70を記憶部66から読み出す場合を例示したが、必ずしも最初から記憶部66に記憶させておく必要はない。例えば、コンピュータ60に接続されて使用されるフラッシュメモリ、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの任意の「可搬型の記憶媒体」に先ずは画像評価処理プログラム70を記憶させておいてもよい。そして、コンピュータ60がこれらの可搬型の記憶媒体から各プログラムを取得して実行するようにしてもよい。また、インターネットやLAN(Local Area Network)などを介してコンピュータ60に接続される他のコンピュータ又はサーバ装置などの外部装置に画像評価処理プログラム70を記憶させておいてもよい。この場合、コンピュータ60が外部装置から画像評価処理プログラム70を取得して実行すればよい。
画像評価装置10は、入出力デバイスを備えている。また、画像評価装置10は、コンピュータ60と各種の入出力デバイスとを電気的に接続してコンピュータ60と各種の入出力デバイスとの間の各種情報の送受信を司るインプット・アウトプット・インターフェース(I/O)82を備えている。入出力デバイスは、I/O82に接続されることにより、バス68を介してコンピュータ30と電気的に接続される。ここでは、入出力デバイスとして、受付部84、表示部86、記録部88、通信インタフェース(I/F)90、搬送部92、読取部18の一例であるスキャナ94、及びソータ96を適用している。
受付部84は、画像評価装置10の利用者による操作入力を受け付ける。受付部84としては、例えばキーボード、マウス、ディスプレイに重ねて用いられる透過型のタッチパネル、電源投入用の操作ボタン、各種情報の設定用の操作ボタン及びスクロールキーなどの入力デバイスが挙げられる。
表示部86は、各種情報を表示する。表示部86としては、例えば液晶ディスプレイが挙げられる。なお、本第1実施形態では、表示部86としての液晶ディプレイに対して受付部84の一部であるタッチパネルを重ね合わせることによって形成されたタッチパネル・ディスプレイを採用している。
記録部88は、検査対象印刷物16に対して画像を記録する。本第1実施形態では、記録部88の一例としてインクジェット方式の記録ヘッドを採用しているが、開示の技術はこれに限定されない。例えばサーマルプリンタやスタンプ装置などであってもよく、検査対象印刷物16に対して特定の印を付与することができる装置であれば如何なるものも適用可能である。
通信I/F90は、通信網91を介してパーソナルコンピュータやプリンタなどの外部装置93が接続されており、外部装置93とコンピュータ60との各種情報の送受信を司る。
搬送部92は、印刷物を画像評価装置10内に取り込み、取り込んだ印刷物を所定の搬送経路に沿って搬送することで、スキャナ94の読取位置及び記録部88の記録位置を通過させ、ソータ96へ送り込む。搬送部92は、印刷物を搬送するための駆動源として用いられるモータ98を含む。また、搬送部92は、モータ98に接続され、モータ98の駆動を制御するドライバ100を含む。ドライバ100は、I/O82に接続されている。従って、コンピュータ60は、ドライバ100を介してモータ98の駆動を制御することができる。
スキャナ94は、印刷物に含まれる画像を光学的に読み取り、読み取った画像を示す画像情報をコンピュータ60に出力する。本第1実施形態では、スキャナ94の一例として縮小光学系タイプのスキャナを採用しているが、これに限らず、例えば等倍光学系タイプのスキャナを採用してもよい。
図7には、スキャナ94の電気系の要部構成の一例が示されている。図7に示すように、スキャナ94は、排除部25の一例であるコンピュータ94Aを備えている。コンピュータ94Aは、CPU94B、メモリ94C及び不揮発性の記憶部94Dを備え、これらはアドレスバスやシステムバス等を含んで構成されたバス94Eを介して互いに接続されている。なお、記憶部94Dは、SSDやHDDなどによって実現される。記憶媒体としての記憶部94Dには、見本画像読取処理プログラム95A及び検査対象画像処理プログラム95Bが記憶されている。
CPU94Bは、記憶部94Dから見本画像読取処理プログラム95Aを読み出してメモリ94Cに展開し、見本画像読取処理プログラム95Aが有するプロセスを順次実行する。また、CPU94Bは、記憶部94Dから検査対象画像読取処理プログラム95Bを読み出してメモリ94Cに展開し、検査対象画像読取処理プログラム95Bが有するプロセスを順次実行する。
スキャナ94は、入出力デバイスを備えている。また、スキャナ94は、コンピュータ94Aと各種の入出力デバイスとを電気的に接続してコンピュータ94Aと各種の入出力デバイスとの間の各種情報の送受信を司るI/O94Fを備えている。入出力デバイスは、I/O94Fに接続されることにより、バス94Eを介してコンピュータ94Aと電気的に接続される。ここでは、入出力デバイスとして、読取実施部23の一例であるイメージセンサ94F、光照射部94G及び外部I/F94Hを適用している。光照射部94Gは、印刷物の読取対象面(読取対象の画像が印刷された面)に対して光を照射する。本第1実施形態では、光照射部94Gの一例として白色蛍光ランプを適用しているが、他の光源であってもよい。
イメージセンサ94Fは、光照射部94Gにより印刷物の読取対象面に光が照射されて読取対象面で反射された光を受光し、光電変換して得た画像情報をコンピュータ94Aに出力する。コンピュータ94Aは、入力された画像情報を記憶部94Dに記憶する。本第1実施形態では、イメージセンサ94Fの一例としてCCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサを適用しているが、他のイメージセンサであってもよい。
外部I/F94Hは、図6に示すI/O82に接続されており、コンピュータ94Aとコンピュータ60との各種情報の送受信を司る。
図6に示すソータ96は、ソーティング処理を行う。すなわち、搬送物92によって搬送された印刷物を取り込み、印刷物の種類に応じて印刷物を仕分ける。例えば、見本印刷物14と検査対象印刷物16とを仕分ける。また、取り込んだ検査対象印刷物16を、検査対象画像の視認性の良否に基づいて仕分ける。本第1実施形態では、検査対象印刷物16の仕分け方式として2種類の仕分け方式を採用しており、これらの仕分け方式はユーザの指示に従って使い分けられる。図8には、2種類の仕分け方式の一例が模式的に示されている。図8に示すように、2種類の仕分け方式のうちの一方は「ずらし方式」であり、他方は「トレイ別方式」である。「ずらし方式」とは、検査対象印刷物16の排出先のトレイにおいて、視認性が良好と評価された検査対象印刷物16を所定の整列方向(例えば鉛直方向)に蓄積し、視認性が不良と評価された検査対象印刷物16を所定の整列方向から外す仕分け方式を指す。「トレイ別方式」とは、検査対象画像の視認性の良好な検査対象印刷物16と検査対象画像の視認性が不良な検査対象印刷物16とを別々の領域(一例としてトレイ)に排出する方式を指す。
図9には、記録部88、スキャナ94及びソータ96の配置例が模式的に示されている。図9に示すように、印刷物の搬送経路には、複数の搬送ロール対102が配置されている。また、搬送経路には、印刷物の搬送方向の上流側から順にスキャナ94及び記録部88が配置されており、搬送経路の終端にはソータ96が印刷物を受入可能に配置されている。搬送ロール対102は、各々モータ98の回転駆動力を受けて互いに反対方向に回転する搬送ロール102A,102Bを有する。搬送ロール対102は、搬送ロール102Aと搬送ロール102Bとで印刷物を挟み込んで印刷物をスキャナ94による読取位置及び記録部88による記録位置へ搬送し、ソータ96へ送り込む。なお、本第1実施形態では、画像評価装置10における搬送時の印刷物の向きは印刷装置12における搬送時の印刷物の向きと同一とされている。
記録部88は、開示の技術に係る特定方向に相当する搬送方向に沿って、視認性が不良と評価された検査対象印刷物16が搬送された場合、一例として図10〜図12に示すように、検査対象印刷物16に対して筋状欠陥の位置を特定する特定支援印を記録する。図10に示す例では、筋状欠陥を搬送方向(ここでは一例として搬送方向下流側)へ延ばした位置であって検査対象印刷物16の搬送方向下流側の余白領域(外周縁の搬送方向下流側の予め定められた余白領域)の位置に特定支援印が記録されている。図11に示す例では、筋状欠陥を搬送方向(ここでは一例として搬送方向上流側)へ延ばした位置であって検査対象印刷物16の搬送方向上流側の余白領域(外周縁の予め定められた余白領域)の位置に特定支援印が記録されている。図12に示す例では、図10に示す例と同一の位置に特定支援印が記録されており、更に、筋状欠陥を搬送方向に対して交差する方向へ延ばした位置であって検査対象印刷物16の余白領域の位置に特定支援印が記録されている。なお、ここで言う「搬送方向に対して交差する方向」とは、例えば搬送方向に対して直交する方向を指す。
なお、図10〜図12に示す例では、特定支援印として赤色の矩形マークを適用しているが、これに限らず、他の色(好ましくは記録用紙と異なる色)で他の形状のマークを採用してもよい。
また、検査対象印刷物16に視認性の強度(例えば面積や濃度)が異なる複数の筋状模様が含まれる場合、それぞれの筋状模様に対して異なる色のマークを付与してもよい。例えば、図13に示すように、検査対象印刷物16に視認性の強度が異なる2つの筋状模様が含まれる場合、筋状模様の各々を搬送方向へ延ばした位置であって検査対象印刷物16の余白領域の位置に赤色のマーク及び青色のマークを強度に応じて選択的に記録する。また、筋状模様の各々を搬送方向と交差する方向(ここでは一例として直交する方向)へ延ばした位置であって検査対象印刷物16の余白領域の位置にも赤色のマーク及び青色のマークを強度に応じて選択的に記録する。なお、図13に示す例では、赤色のマークが青色のマークよりも視認性の強度が強いことを表している。
また、本第1実施形態では、インクジェット方式の記録ヘッドでマークを記録する例を挙げて説明しているが、開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、特定支援印として、スタンプを採用してもよいし、シールを採用してもよい。スタンプを採用する場合は記録部88に代えてスタンプを押印可能な押印装置を設置すればよいし、シールを採用する場合は記録部88に代えてシールを貼付可能なシール貼付装置を設置すればよい。
次に本第1実施形態の作用として、CPU62が画像評価処理プログラム70を実行することにより画像評価装置10で行われる画像評価処理について、図14を参照して説明する。なお、ここでは、錯綜を回避するために、見本印刷物14及び検査対象印刷物16はユーザからの指示に応じて画像評価装置10内に1枚ずつ取り込まれるように互いに異なる待機領域(例えば別々の給紙トレイ)に既に収容されている場合について説明する。また、ここでは、錯綜を回避するため、印刷装置12で印刷された見本印刷物14の全てが待機領域に収容され、待機領域に収容されている見本印刷物14の全てをスキャナ94により読み取る場合を例に挙げて説明する。また、ここでは、錯綜を回避するために、画像評価装置10に取り込まれて搬送される印刷物の向きが印刷装置12における搬送経路での印刷物の向きと一致していることを前提にして説明する。また、ここでは、錯綜を回避するために、仕分け方式として「ずらし方式」又は「トレイ別方式」がユーザにより既に指示されている場合について説明する。
図14に示す画像評価処理では、先ず、ステップ200において、抽出部20により、読取制御処理が行われ、その後、ステップ202へ移行する。図15には、読取制御処理の流れの一例が示されている。図15に示す読取制御処理では、先ず、ステップ200Aにおいて、抽出部20により、見本画像の読み取りを開始する指示が受付部84で受け付けられたか否かが判定される。本ステップ200Aにおいて見本画像の読み取りを開始する指示が受付部84で受け付けられた場合は判定が肯定されてステップ200Bへ移行する。本ステップ200Aにおいて見本画像の読み取りを開始する指示が受付部84で受け付けられていない場合は判定が否定されて本ステップ200Aの判定が再び行われる。
ステップ200Bでは、抽出部20により、1枚の見本印刷物14の取り込みが搬送部92に対して指示される。これに応じて、搬送部92は、1枚の見本印刷物14を取り込み搬送経路に沿って搬送する。
次のステップ200Cでは、抽出部20により、見本印刷物14がスキャナ94による読取位置に到達したか否かが判定される。本ステップ200Cにおいて見本印刷物14がスキャナ94による読取位置に到達した場合は判定が肯定されてステップ200Dへ移行する。本ステップ200Cにおいて見本印刷物14がスキャナ94による読取位置に到達していない場合は判定が否定されて本ステップ200Cの判定が再び行われる。
ステップ200Dでは、抽出部20により、見本印刷物14に含まれる見本画像の読み取りの開始がスキャナ94に対して指示され、その後、ステップ200Eへ移行する。ステップ200Eでは、スキャナ94による見本画像の読み取りが終了したか否かが抽出部20により判定される。本ステップ200Eにおいてスキャナ94による見本画像の読み取りが終了した場合は判定が肯定されてステップ200Fへ移行する。本ステップ200Eにおいてスキャナ94による見本画像の読み取りが終了していない場合は判定が否定されて本ステップ200Eの判定が再び行われる。
ステップ200Fでは、抽出部20により、待機領域に収容されている全ての見本印刷物14についてステップ200B〜ステップ200Eの処理が行われたか否かが判定される。本ステップ200Fにおいて全ての見本印刷物14についてステップ200B〜ステップ200Eの処理が行われていない場合は判定が否定されてステップ200Bへ移行する。本ステップ200Fにおいて全ての見本印刷物14についてステップ200B〜ステップ200Eの処理が行われた場合は判定が肯定されてステップ200Gへ移行する。
ステップ200Gでは、抽出部20により、検査対象画像の読み取りを開始する指示が受付部84で受け付けられたか否かが判定される。本ステップ200Gにおいて検査対象画像の読み取りを開始する指示が受付部84で受け付けられた場合は判定が肯定されてステップ200Hへ移行する。本ステップ200Gにおいて検査対象画像の読み取りを開始する指示が受付部84で受け付けられていない場合は判定が否定されて本ステップ200Gの判定が再び行われる。
ステップ200Hでは、抽出部20により、1枚の検査対象印刷物16の取り込みが搬送部92に対して指示される。これに応じて、搬送部92は、1枚の検査対象印刷物16を取り込み搬送経路に沿って搬送する。
次のステップ200Iでは、抽出部20により、検査対象印刷物16がスキャナ94による読取位置に到達したか否かが判定される。本ステップ200Iにおいて検査対象印刷物16がスキャナ94による読取位置に到達した場合は判定が肯定されてステップ200Jへ移行する。本ステップ200Iにおいて検査対象印刷物16がスキャナ94による読取位置に到達していない場合は判定が否定されて本ステップ200Iの判定が再び行われる。
ステップ200Jでは、抽出部20により、検査対象印刷物16に含まれる検査対象画像の読み取りの開始がスキャナ94に対して指示され、その後、ステップ200Kへ移行する。ステップ200Kでは、スキャナ94による検査対象画像の読み取りが終了したか否かが抽出部20により判定される。本ステップ200Kにおいてスキャナ94による検査対象画像の読み取りが終了した場合は判定が肯定されてステップ200Lへ移行する。本ステップ200Kにおいてスキャナ94による検査対象画像の読み取りが終了していない場合は判定が否定されて本ステップ200Kの判定が再び行われる。
ステップ200Lでは、抽出部20により、待機領域に収容されている全ての検査対象印刷物16についてステップ200H〜ステップ200Kの処理が行われたか否かが判定される。本ステップ200Lにおいて全ての検査対象印刷物16についてステップ200H〜ステップ200Kの処理が行われていない場合は判定が否定されてステップ200Hへ移行する。本ステップ200Lにおいて全ての検査対象印刷物16についてステップ200H〜ステップ200Kの処理が行われた場合は判定が肯定されて本読取制御処理を終了する。
次に、スキャナ94のCPU94Bが見本画像読取処理プログラム95Aを実行することによりスキャナ94で行われる見本画像読取処理について、図16を参照して説明する。
図16に示す見本画像読取処理では、先ず、ステップ210において、上記ステップ200Dで見本画像の読み取りの開始が指示されたか否かが排除部25により判定される。本ステップ210において見本画像の読み取りの開始が指示されていない場合は判定が否定されて本ステップ210の判定が再び行われる。本ステップ210において見本画像の読み取りの開始が指示された場合は判定が肯定されてステップ212へ移行する。
ステップ212では、排除部25により、イメージセンサ94Fを作動させてイメージセンサ94Fに対して見本画像の読み取りを開始させる。これにより、イメージセンサ94Fは見本画像情報を取得し、取得した見本画像情報をコンピュータ94Aに出力する。
次のステップ214では、排除部25により、イメージセンサ94Fから入力された見本画像情報からスキャナ94の特性の影響が排除される。本ステップ214では、例えば、排除部25が、イメージセンサ94Fから入力された見本画像情報からイメージセンサ94Fの特性の影響を排除する。
次のステップ216では、排除部25により、上記ステップ214でイメージセンサ94Fの特性の影響が排除された見本画像情報が記憶部94Dに記憶された後、ステップ218へ移行する。ステップ218では、排除部25により、見本画像の読み取りが終了したか否かが判定される。本ステップ218において見本画像の読み取りが終了していない場合は判定が否定されてステップ212へ移行する。本ステップ218において見本画像の読み取りが終了した場合は判定が肯定されてステップ220へ移行する。
ステップ220では、排除部25により、上記ステップ216で記憶部94Dに記憶された見本画像情報が画像評価装置10のコンピュータ60に出力される。
次のステップ222では、排除部25により、待機領域に収容されている全ての見本印刷物14についてステップ210〜ステップ220の処理が行われたか否かが判定される。本ステップ222において全ての見本印刷物14についてステップ210〜ステップ220の処理が行われていない場合は判定が否定されてステップ210へ移行する。本ステップ222において全ての見本印刷物14についてステップ210〜ステップ220の処理が行われた場合は判定が肯定されて本見本画像読取処理を終了する。
次に、スキャナ94のCPU94Bが検査対象画像読取処理プログラム95Bを実行することによりスキャナ94で行われる検査対象画像読取処理について、図17を参照して説明する。
図17に示す検査対象画像読取処理では、先ず、ステップ230において、上記ステップ200Jで検査対象画像の読み取りの開始が指示されたか否かが排除部25により判定される。本ステップ230において検査対象画像の読み取りの開始が指示されていない場合は判定が否定されて本ステップ230の判定が再び行われる。本ステップ230において検査対象画像の読み取りの開始が指示された場合は判定が肯定されてステップ232へ移行する。
ステップ232では、排除部25により、イメージセンサ94Fを作動させてイメージセンサ94Fに対して検査対象画像の読み取りを開始させる。これにより、イメージセンサ94Fは検査対象画像情報を取得し、取得した検査対象画像情報をコンピュータ94Aに出力する。
次のステップ234では、排除部25により、イメージセンサ94Fから入力された検査対象画像情報からスキャナ94の特性の影響が排除される。本ステップ234では、例えば、排除部25が、イメージセンサ94Fから入力された検査対象画像情報からイメージセンサ94Fの特性の影響を排除する。
次のステップ236では、排除部25により、上記ステップ234でイメージセンサ94Fの特性の影響が排除された検査対象画像情報が記憶部94Dに記憶された後、ステップ238へ移行する。ステップ238では、排除部25により、検査対象画像の読み取りが終了したか否かが判定される。本ステップ238において検査対象画像の読み取りが終了していない場合は判定が否定されてステップ232へ移行する。本ステップ238において検査対象画像の読み取りが終了した場合は判定が肯定されてステップ240へ移行する。
ステップ240では、排除部25により、上記ステップ236で記憶部94Dに記憶された検査対象画像情報が画像評価装置10のコンピュータ60に出力される。
次のステップ242では、排除部25により、待機領域に収容されている全ての検査対象印刷物16についてステップ230〜ステップ240の処理が行われたか否かが判定される。本ステップ242において全ての検査対象印刷物16についてステップ230〜ステップ240の処理が行われていない場合は判定が否定されてステップ230へ移行する。本ステップ242において全ての検査対象印刷物16についてステップ230〜ステップ240の処理が行われた場合は判定が肯定されて本検査対象画像読取処理を終了する。
図14に戻って、画像評価処理では、ステップ202において、抽出部20により、抽出処理が行われ、その後、ステップ204へ移行する。図18には、抽出処理の流れの一例が示されている。図18に示す抽出処理では、先ず、ステップ202Aにおいて、抽出部20により、スキャナ94から画像情報が入力されたか否かが判定される。本ステップ202Aにおいてスキャナ94から画像情報が入力されていない場合は判定が否定されて本ステップ202Aの判定が再び行われる。本ステップ202Aにおいてスキャナ94から画像情報が入力された場合は判定が肯定されてステップ202Bへ移行する。
ステップ202Bでは、抽出部20により、上記ステップ202Aでスキャナ94から入力された画像情報が見本画像情報であるか否かが判定される。本ステップ202Bにおいてスキャナ94から入力された画像情報が見本画像情報である場合は判定が肯定されてステップ202Cへ移行する。本ステップ202Bにおいてスキャナ94から入力された画像情報が見本画像情報でない場合(スキャナ94から入力された画像情報が検査対象画像情報である場合)は判定が否定されてステップ202Dへ移行する
ステップ202Cでは、上記ステップ220が行われることによりスキャナ94から入力された見本画像情報が減算部28により第1記憶領域72に記憶され、その後、ステップ202Fへ移行する。
ステップ202Dでは、上記ステップ240が行われることによりスキャナ94から入力された検査対象画像情報が解像度調整部26により第2記憶領域74に記憶され、その後、ステップ202Eへ移行する。ステップ202Eでは、解像度調整部26により、第2記憶領域74に記憶された検査対象画像情報により示される検査対象画像の解像度が調整され、その後、ステップ202Fへ移行する。本ステップ202Eでは、例えば、解像度調整部26が、検査対象画像の特性方向の画素に対して補間処理を行うことにより、検査対象画像の特定方向の解像度を主走査方向の解像度に揃える。
ステップ202Fでは、減算部28により、見本画像情報と検査対象画像情報との差分値が算出される。本ステップ202Fでは、例えば、減算部28が、上記ステップ202Cで第1記憶領域72に記憶された見本画像情報により示される見本画像と上記ステップ202Eで解像度が調整された検査対象画像との差分値を算出する。ここで言う「差分値」とは、例えば見本画像の濃度と検査対象画像の濃度との差分の絶対値を指す。なお、差分値は濃度差分値に限定されるものではなく、反射率の差分値であってもよい。また、検査対象画像と仮想見本画像との濃度差、色空間上の差、光量差、輝度差及びデバイス信号値差の少なくとも1つであってもよい。
次のステップ202Gでは、筋状領域切出部30により、上記ステップ202Eで解像度が調整された検査対象画像のうちの予め定められた領域を対象にして、筋状領域が切り出され、その後、ステップ202Hへ移行する。ステップ202Hでは、特定方向画像抽出部32により、上記ステップ202Gで切り出された筋状領域に上記ステップ202Fで算出された差分値が所定値を上回る筋状模様であって特定方向の筋状模様が存在しているか否かが判定される。ここで言う「所定値」とは、例えば画像の欠陥と認められる筋状模様の差分値として予め定められた差分値に相当する値を指し、実機による実験やシミュレーション等によって得られた値である。本ステップ202Hにおいて筋状領域に上記ステップ202Fで算出された差分値が所定値を上回る筋状模様であって特定方向の筋状模様が存在していない場合は判定が否定されて図14に示す画像評価処理を終了する。本ステップ202Hにおいて筋状領域に上記ステップ202Fで算出された差分値が所定値を上回る筋状模様であって特定方向の筋状模様が存在している場合は判定が肯定されてステップ202Iへ移行する。
ステップ202Iでは、特定方向画像抽出部32により、特定方向の筋状欠陥画像が抽出され、その後、本抽出処理を終了する。
図14に戻って、画像評価処理では、ステップ204において、評価部22により、評価処理が行われ、その後、ステップ206へ移行する。図19には、評価処理の流れの一例が示されている。図19に示す評価処理では、先ず、ステップ202Jにおいて、第1画像合成部34により、第1記憶領域72から見本画像情報が取得され、その後、ステップ202Kへ移行する。ステップ202Kでは、第1画像合成部34により、上記ステップ202Iで抽出された筋状欠陥画像と上記ステップ202Jで取得された見本画像情報により示される見本画像とが合成されることで評価対象画像情報が生成される。次のステップ202Lでは、第1画像合成部34により、上記ステップ202Kで生成された評価対象画像情報が記憶部66に記憶される。
次のステップ204Aでは、変換部36により、記憶部66から評価対象画像情報が取得され、その後、ステップ204Bへ移行する。ステップ204Bでは、変換部36により、上記ステップ204Aで取得された評価対象画像情報により示される評価対象画像及び上記ステップ202Jで取得された見本画像情報により示される見本画像を対象にして、色変換及び視覚フィルタ処理が行われる。
次のステップ204Cでは、特定成分分解部38により、上記ステップ204Bで色変換及び視覚フィルタ処理が行われて得た評価対象画像及び見本画像の各々が、複数の空間周波数の各々及び複数の方向の各々について分解される。これにより、複数の周波数分解画像及び複数の方向分解画像が生成される。
次のステップ204Dでは、視覚モデル評価実施部42により、上記ステップ202Iで抽出された筋状欠陥画像により特定された筋状欠陥に対して、マスク効果視覚モデルを利用して視認性の評価が実施され、視認性強度情報が生成される。具体的には、上記ステップ204Cで得られた各分解画像に対して隣接する周波数分解画像の影響及び全方向の方向分解画像の影響が加味された画像の視認性が評価されて視認性強度情報が生成される。
次のステップ204Eでは、第2画像合成部40により、複数の周波数分解画像及び複数の方向分解画像が、上記ステップ204Aで取得された評価対象画像情報により示される評価対象画像に合成されることで最終合成画像を示す評価結果情報が生成される。
次のステップ204Fでは、視覚モデル評価実施部42により、上記ステップ204Eで生成された評価結果情報が記憶部66に記憶された後、本評価処理を終了する。
図14に戻って、画像評価処理では、ステップ206において、警告部24により、警告処理が行われ、その後、本画像評価処理を終了する。図20には、警告処理の流れの一例が示されている。図20に示す警告処理では、先ず、ステップ206Aにおいて、警告要否判定部44により、記憶部55から評価結果情報が取得され、その後、ステップ206Bへ移行する。ステップ206Bでは、警告要否判定部44により、参照情報DB46から参照情報が取得され、その後、ステップ206Cへ移行する。
ステップ206Cでは、警告要否判定部44により、参照情報DB46の参照情報が参照され、上記ステップ202Iで抽出された筋状欠陥画像により特定される筋状欠陥の視認性の強度が警告を要する強度であるか否かが判定される。本ステップ206では、例えば、警告要否判定部44が、参照情報の一例である判定情報を参照して、評価結果情報に含まれる視認性強度情報により示される視認性の強度が警告を要する強度であるか否かを判定する。本ステップ206において警告を要しない強度である場合は判定が否定されて本警告処理を終了する。本ステップ206において警告を要する強度である場合は判定が肯定されてステップ206Dへ移行する。
ステップ206Dでは、警告実施部48により、警告が実施される。ここでは、例えば「ずらし方式」が指示されている場合、警告実施部48は、一例として図8に示すように許容できない筋状模様を有する検査対象印刷物16を、整列された他の検査対象印刷物16から外す(例えば弾き出す)ようにソータ96を制御する。また、例えば「トレイ別方式」が指示されている場合、警告実施部48は、一例として図8に示すように許容できない筋状模様を有する検査対象印刷物16とその他の検査対象印刷物16とが別々に仕分けられるようにソータ96を制御する。
また、本ステップ206Dでは、警告実施部48は、筋状欠陥画像により特定される筋状欠陥が視認可能な筋状欠陥であると評価された場合(評価結果情報に含まれる視認性強度情報により示される視認性の強度が所定の強度以上の場合)、表示部86に対して所定情報を表示させる。ここで言う「所定情報」とは、例えば評価部22により視認可能な筋状欠陥であると評価された筋状欠陥を含む検査対象印刷物16を特定する特定情報を指す。
特定情報の一例としては、例えば図21に示す不良ページ番号が挙げられる。ここで言う「不良ページ番号」とは、スキャナ94によって検査対象画像が読み取られた検査対象印刷物16の通し番号のことである。すなわち、「不良ページ番号」とは、検査対象印刷物16のページ番号であって評価部22により視認可能な筋状欠陥であると評価された筋状欠陥を含む検査対象印刷物16のページ番号を指す。また、図21に示す例では、不良ページ番号により特定される検査対象印刷物16に含まれる筋状欠陥の視認性の強度が不良ページ番号と併せて表示部86に表示されている。また、図21に示す例では、不良ページ番号により特定される検査対象印刷物16に含まれる検査対象画像が表示部86に表示されており、不良の程度を表す数値(筋状欠陥の視認性の強度に相当する数値)が検査対象画像と共に表示部86に表示されている。また、図21に示す例では、表示部86に表示されている検査対象画像における筋状欠陥の位置の特定を支援する特定支援画像が検査対象画像に重ねられて表示部86に表示されている。特定支援画像とは、例えば図13に示す赤色のマーク及び青色のマークに相当するマーク(不良の程度に応じた印)を指し、この場合、各マークは検査対象画像上の筋状欠陥の位置が特定可能となる位置に表示される。
また、本第1実施形態では、マークの色に応じて筋状欠陥の程度を特定できるようにしているが、これに限らず、ハイライト表示やマークの大きさによって筋状欠陥の程度を特定できるようにしてもよい。また、筋状欠陥の程度が軽度のものは色付け表示し、重度のものは点滅表示させる態様も例示できる。
なお、本第1実施形態では、表示部86による可視表示を例示したが、開示の技術はこれに限定されるものではなく、例えばプリンタによる永久表示又は音声再生装置による可聴表示であってもよい。また、表示部86による可視表示と、プリンタによる永久可視表示と、音声再生装置による可聴表示との少なくとも2つを組み合わせた表示であってもよい。また、携帯型端末装置やタブレット端末装置などの表示部を利用して可視表示をおこなってもよい。また、表示部に対して可視表示を行わせるために用いる通信手段は、有線通信に限らず、BlueTooth(登録商標)や無線LAN(Local Area Network)などによる無線通信であってもよい。
図38には、粒状模様を有しない見本画像及び検査対象画像を対象にして画像評価処理が行われた場合の評価結果の一例と粒状模様を有する見本画像及び検査対象画像を対象にして画像評価処理が行われた場合の評価結果の一例とが模式的に示されている。図38に示すように、粒状模様を有する検査対象画像についてマスク効果有りの視覚モデルを利用して視認性を評価した場合、単純画像差分(見本画像と検査対象画像との差分値)で表現される筋状模様の位置には視認可能なレベルの筋状模様が検出されない。また、この場合、被験者による主観的な評価は筋状模様が視認できないとの評価となる。これに対し、粒状模様を有しない検査対象画像についてマスク効果視覚モデルを利用して視認性を評価した場合、単純画像差分で得られた筋状模様の位置とほぼ同位置に視認可能なレベルの筋状模様が検出される。また、この場合、被験者による主観的な評価は筋状模様が容易に視認できるとの評価となる。なお、図38に示す例では、粒状模様の有無に拘らず検査対象画像についてマスク効果無しの視覚モデルを利用して視認性を評価した場合に、単純画像差分で表現される筋状模様の位置とほぼ同位置に筋状模様が検出された態様が示されている。
以上に説明したように、本第1実施形態に係る画像評価装置10では、抽出部20により、読取部18により読み取って得た見本画像情報と読取部18により読み取って得た検査対照画像情報との差分値に基づいて、検査対象画像から筋状欠陥画像が抽出される。そして、評価部22により、抽出部20で抽出された筋状欠陥画像により特定される筋状欠陥の視認性が評価されるので、本構成を有しない場合に比べ、許容できない筋状欠陥を有する検査対象印刷物16であるか否かを高精度に判断することができる。
また、本第1実施形態に係る画像評価装置10では、評価部22の評価対象とされる筋状欠陥画像により特定される筋状欠陥として、人間の視覚特性に対応する空間周波数の筋状欠陥を採用している。これにより、本構成を有しない場合に比べ、筋状欠陥の視認性の評価精度を向上させることができる。
また、本第1実施形態に係る画像評価装置10では、評価部22の評価対象とされる筋状欠陥画像により特定される筋状欠陥として、人間の視覚特性に対応する色空間の筋状欠陥を採用している。これにより、本構成を有しない場合に比べ、筋状欠陥の視認性の評価精度を向上させることができる。
また、本第1実施形態に係る画像評価装置10では、検査対象画像情報により示される検査対象画像のうちの予め定められた領域を対象にして筋状欠陥が抽出される。これにより、本構成を有しない場合に比べ、処理かかる負荷を軽減することができる。
また、本第1実施形態に係る画像評価装置10では、筋状欠陥が形成される領域として事前に想定された領域を対象にして筋状欠陥が抽出される。これにより、本構成を有しない場合に比べ、処理かかる負荷を軽減しながらも評価精度の低下を抑制することができる。
また、本第1実施形態に係る画像評価装置10では、筋状欠陥が形成される領域として事前に想定された領域を、印刷装置12及び読取部18の少なくとも1つの特性に基づいて特定された領域としている。これにより、本構成を有しない場合に比べ、簡素な構成で、特定方向の筋状欠陥を高精度に抽出することができる。
また、本第1実施形態に係る画像評価装置10では、筋状欠陥が形成される領域として事前に想定された領域を特定するために用いられる印刷装置12の特性の一要素として、印刷装置12における構成部材の経時劣化の特性を採用している。これにより、本構成を有しない場合に比べ、特定方向の筋状欠陥をより一層高精度に抽出することができる。
また、本第1実施形態に係る画像評価装置10では、筋状欠陥が形成される領域として事前に想定された領域を特定するために用いられる読取部18の特性の一要素として、読取部18における構成部材の経時劣化の特性を採用している。これにより、本構成を有しない場合に比べ、特定方向の筋状欠陥をより一層高精度に抽出することができる。
また、本第1実施形態に係る画像評価装置10では、特定方向として、印刷装置12における記録用紙の搬送方向を採用している。これにより、本構成を有しない場合に比べ、特定方向の筋状欠陥をより一層高精度に抽出することができる。
また、本第1実施形態に係る画像評価装置10では、印刷装置12の印刷方式をシングルパス方式としている。これにより、本構成を有しない場合に比べ、特定方向の筋状欠陥を高精度に抽出することができる。
また、本第1実施形態に係る画像評価装置10では、特定方向の解像度が特定方向に交差する方向の解像度よりも低くなるように検査対象画像が読み取られる。これにより、本構成を有しない場合に比べ、読取処理にかかる負荷を軽減することができる。
また、本第1実施形態に係る画像評価装置10では、検査対象画像が読み取られた後、特定方向の解像度が特定方向に交差する方向の解像度に揃えられてから、見本画像情報と検査対照画像情報との差分値が算出される。これにより、本構成を有しない場合に比べ、特定方向の筋状欠陥をより一層高精度に抽出することができる。
また、本第1実施形態に係る画像評価装置10では、見本画像情報及び検査対象画像情報のうちの少なくとも検査対象画像情報から読取部18の特性の影響が排除され、読取部18の特性の影響が排除された検査対象画像情報を用いて差分値が算出される。これにより、本構成を有しない場合に比べ、特定方向の筋状欠陥をより一層高精度に抽出することができる。
また、本第1実施形態に係る画像評価装置10では、評価部22により、筋状欠陥の視認性をマスク効果視覚モデルを利用して評価している。これにより、本構成を有しない場合に比べ、許容できない筋状欠陥を有する検査対象画像が印刷された検査対象印刷物16であるか否かをより一層高精度に判断することができる。
また、本第1実施形態に係る画像評価装置10は、第1画像合成部34により筋状欠陥画像を見本画像に合成して得た評価対象画像及び見本画像情報により示される見本画像に基づいて筋状欠陥の視認性をマスク効果視覚モデルを利用して評価する構成を有している。これにより、本構成を有しない場合に比べ、筋状欠陥の視認性の評価精度を向上させることができる。
また、本第1実施形態に係る画像評価装置10は、評価対象画像及び見本画像情報により示される見本画像を、複数の空間周波数の各々及び複数の方向の各々について分解することで、複数の空間周波数の各々についての周波数分解画像及び複数の方向の各々についての方向分解画像を得る構成を有している。これにより、本構成を有しない場合に比べ、筋状欠陥の視認性の評価精度を向上させることができる。
また、本第1実施形態に係る画像評価装置10は、評価部22により視認性が評価された筋状欠陥が視認可能な筋状欠陥であると判定された場合に警告する構成を有している。これにより、本構成を有しない場合に比べ、許容できない筋状欠陥を有する検査対象画像が印刷された検査対象印刷物16であることを容易に把握することができる。
また、本第1実施形態に係る画像評価装置10は、視認可能な筋状欠陥であると判定された筋状欠陥を含む検査対象印刷物16に対して直接処理を施すことにより警告する構成を有している。これにより、本構成を有しない場合に比べ、簡素な構成で、許容できない筋状欠陥を有する検査対象画像が印刷された検査対象印刷物16を特定することができる。
また、本第1実施形態に係る画像評価装置10は、検査対象印刷物16における筋状欠陥の位置の特定を支援する特定支援印を検査対象印刷物16に付与することにより警告する構成を有している。これにより、本構成を有しない場合に比べ、簡素な構成で、筋状欠陥の位置を容易に把握することができる。
また、本第1実施形態に係る画像評価装置10は、検査対象印刷物16における筋状欠陥を特定方向へ延ばした位置に特定支援印を付与することにより警告する構成を有している。これにより、本構成を有しない場合に比べ、簡素な構成で、筋状欠陥の位置をより一層容易に把握することができる。
また、本第1実施形態に係る画像評価装置10は、特定支援印の種類を筋状欠陥の視認性の大きさに応じて定める構成を有している。これにより、本構成を有しない場合に比べ、筋状欠陥の視認性の大きさを容易に把握することができる。
また、本第1実施形態に係る画像評価装置10は、評価部22により視認性が評価された筋状欠陥が視認可能な筋状欠陥であると判定された場合に表示部86に対して所定情報を表示させることにより警告する構成を有している。これにより、本構成を有しない場合に比べ、許容できない筋状欠陥を有する検査対象画像が印刷された検査対象印刷物16であることを容易に把握することができる。
また、本第1実施形態に係る画像評価装置10では、表示部86に表示される所定情報として、視認可能な筋状欠陥であると判定された筋状欠陥を含む検査対象印刷物を特定する特定情報を採用している。これにより、本構成を有しない場合に比べ、簡素な構成で、許容できない筋状欠陥を有する検査対象画像が印刷された検査対象印刷物16を特定することができる。
また、本第1実施形態に係る画像評価装置10では、表示部86に表示される所定情報として、筋状欠陥を有する検査対象画像と検査対象画像における筋状欠陥の位置の特定を支援する特定支援画像とを採用している。これにより、本構成を有しない場合に比べ、簡素な構成で、筋状欠陥の位置を容易に把握することができる。
なお、上記第1実施形態では、評価部22で色変換及び視覚フィルタ処理を実施する態様を例示したが、開示の技術はこれに限定されるものではない。また、上記第1実施形態では、抽出部20で筋状領域の切り出しを実施する態様を例示したが、開示の技術はこれに限定されるものではない。すなわち、図3に示す抽出部20に代えて、一例として図22に示す抽出部20Aを適用すると共に、評価部22から変換部36を除去しても開示の技術は成立する。図22に示す抽出部20Aは、図3に示す抽出部20に比べ、減算部28に代えて減算部28Aを適用した点、解像度調整部26と減算部28Aとの間に変換部26を介在させた点、及び筋状領域切出部20を除去した点が異なっている。また、図22に示す抽出部20Aは、図3に示す抽出部20に比べ、特定方向画像抽出部32に代えて特定方向画像抽出部32Aを適用した点も異なっている。
図22において、変換部27は、見本画像情報により示される見本画像及び解像度が調整された検査対象画像を対象にして、色変換及び視覚フィルタ処理を行う。減算部28Aは、変換部27によって色変換及び視覚フィルタ処理が行われた見本画像を示す見本画像情報と検査対象画像情報との差分値を算出する。すなわち、変換部27によって色変換及び視覚フィルタ処理が行われた見本画像と検査対象画像との濃度についての差分値を算出する。特定方向画像抽出部32Aは、変換部27によって色変換及び視覚フィルタ処理が行われた検査対象画像から、減算部28で算出された差分値に基づいて、特定方向の筋状欠陥を抽出する。
また、上記第1実施形態では、評価対象画像及び見本画像情報により示される見本画像を複数の空間周波数の各々及び複数の方向の各々について分解して得た周波数分解画像及び方向分解画像に基づいて、マスク効果視覚モデルを利用して筋状欠陥の視認性を評価する場合を例示したが、これに限らず、例えば周波数分解画像及び方向分解画像に基づいて、特定方向についてのマスク効果視覚モデルを利用して筋状欠陥の視認性を評価してもよい。これにより、本構成を有しない場合に比べ、簡素な構成で、筋状欠陥の視認性の評価精度を向上させることができる。
また、上記第1実施形態では、第1画像合成部34により生成された評価対象画像情報により示される評価対象画像を対象にして評価部22により視認性の良否を評価する態様を例示したが、開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、評価対象画像の一部を対象にして評価部22により視認性の良否を評価してもよい。この場合、例えば、図3に示す抽出部20に代えて一例として図23に示す抽出部20Bを適用すればよい。図23に示す抽出部20Bは、図3に示す抽出部20に比べ、減算部28に代えて減算部28Bを適用した点、並びに解像度調整部26と減算部28との間にフィルタ処理部250、候補領域算出部252及び候補領域切出部254を介在させた点が異なっている。フィルタ処理250は、解像度が調整された検査対象画像と見本画像情報により示される見本画像とを対象にして視覚フィルタ処理を実施する。
候補領域算出部252は、検査対象画像及び見本画像から先見情報に従って指定された領域について、各々視覚フィルタ処理が施された検査対象画像と見本画像との濃度差、色空間上の差、光量差、輝度差、デバイス信号値差及び反射率の少なくとも1つを算出する。ここで言う「先見情報」とは、例えば筋状模様が生じる領域として事前に予想された領域の位置を特定する情報を指す。候補領域切出部254は、候補領域算出部252による算出結果(例えば濃度差、色空間上の差、光量差、輝度差、光量差及びデバイス信号値差の少なくとも1つ)と閾値とを比較し、検査対象画像及び見本画像から、閾値を上回った領域を切り出す。減算部28Bは、候補領域切出部254により切り出された領域を対象にして、検査対象画像情報と見本画像情報との差分値を算出する。すなわち、見本画像と検査対象画像との濃度についての差分値を算出する。本構成を有することで、候補領域切出部254により切り出された領域を対象にして、評価部22により視認性の良否を評価される。これにより、本構成を有しない場合に比べ、処理にかかる負荷を軽減しながらも評価精度の低下をより一層抑制することができる。
なお、ここでは、候補領域算出部252により検査対象画像と見本画像との濃度差、色空間上の差、光量差、輝度差、デバイス信号値差及び反射率の差の少なくとも1つを算出し、算出結果に基づいて候補領域切出部254により領域の切り出しを行っているが、開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、ノズルチェックパターンから候補領域切出部254による切り出し領域を決定してもよい。この場合、先ず、印刷装置12に対してノズルチェックパターンを検査対象印刷物16の余白領域に印刷させる。次に、ノズルチェックパターンを読取部18により読み取らせ、読取部18によりノズルチェックパターンが読み取られて得た画像情報に基づいて候補領域算出部252が不良(例えばインク不吐出)のノズルの位置(例えばノズル番号)を予測する。そして、候補領域切出部254が、候補領域算出部252により予測されたノズルの位置に対応する領域を回避した領域を切り出す。
また、上記第1実施形態では、参照情報の一例として判定情報を例示したが、開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、参照情報として、事前に定めた用途別に視認可能か否かを示す用途別判定情報を適用してもよい。ここで言う「用途」とは、例えば、大判ポスタ、フォトブック、写真集、カタログ、ちらし等を指す。警告要否判定部44は、検査対象印刷物16の用途を示す用途情報が入力されると、入力された用途情報に対応する用途別判定情報を参照して、視認性強度情報により示される視認性の強度が警告を要する強度であるか否かを判定する。
また、参照情報として、事前に定めた観察距離毎に視認可能か否かを示す観察距離別判定情報を適用してもよい。ここで言う「観察距離」とは、例えば、検査対象印刷物16を実際に観察する場合の検査対象印刷物16から観察者までの距離を指す。警告要否判定部44は、検査対象印刷物16についての観察距離が入力されると、入力された観察距離に対応する観察距離別判定情報を参照して、視認性強度情報により示される視認性の強度が警告を要する強度であるか否かを判定する。
なお、印刷装置12の出力解像度は、観察条件に人間の視覚性能以上の出力解像度を採用することが好ましい。例えば、観察距離30cm程度の場合は350dpi以上の出力解像度を採用することが好ましい。また、例えば観察距離が100cm以上の場合は印刷装置12の出力解像度は105dpi以上の出力解像度を採用することが好ましい。
また、スキャナ94は、印刷装置12の出力解像度に応じて定められた読取解像度を採用することが好ましい。例えば、印刷装置12の出力解像度が1200dpiの場合、スキャナ94の読取解像度として、印刷装置12の出力解像度の1/3以上である400dpi以上の読取解像度を採用することが好ましい。
また、スキャナ94は、印刷装置12における印刷で用いるインク滴の最小サイズに応じて定められた読取解像度を採用してもよい。例えば、印刷装置12における印刷で用いるインク滴の最小サイズが30umの場合、スキャナ94の読取解像度は400dpi以上にすることが好ましい。
また、参照情報として、事前に定めたコンテンツ別に視認可能か否かを示すコンテンツ別判定情報を適用してもよい。ここで言う「コンテンツ」とは、例えば、検査対象画像における人物の顔を示す顔画像の位置や人物の肌色を指す。既存技術である顔検出機能や肌検出機能を利用することにより検出することができる。警告要否判定部44は、コンテンツを示すコンテンツ情報が入力されると、入力されたコンテンツ情報に対応するコンテンツ別判定情報を参照して、視認性強度情報により示される視認性の強度が警告を要する強度であるか否かを判定する。
また、上記第1実施形態では、印刷装置12で印刷された見本印刷物14の全てが待機領域に収容され、待機領域に収容されている見本印刷物14の全てをスキャナ94により読み取る場合を例に挙げて説明したが、開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、印刷装置12で印刷された見本印刷物14のうちの一部が待機領域に収容されてもよい。例えば、印刷装置12においてドラムの外周面に複数の記録用紙が保持されて搬送される場合、特定の保持領域に保持された記録用紙(特定周期の記録用紙)に画像が記録されて得た見本印刷物14のみをソータ(ソータ96とは異なるソータ)により選択する。そして、選択された見本印刷物14をソータにより待機領域に収容し、待機領域に収容された見本印刷物14のみを被読取対象とする。これ以外にも、印刷装置12で所定回数試し刷りされた後に得られた見本印刷物14のみを待機領域に収容する態様が例示できる。
また、上記第1実施形態では、特定方向を記録用紙の搬送方向としたが、開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、印刷装置12に代えて、検査対象画像を複数のラインに分割してライン毎に記録用紙に対して記録する印刷装置を採用する場合、特定方向を、印刷装置における主走査方向としてもよい。これにより、本構成を有しない場合に比べ、特定方向の筋状欠陥を高精度に抽出することができる。また、この場合、印刷装置の印刷方式をシャトルスキャン方式とすることが好ましく、これにより、特定方向の筋状欠陥をより一層高精度に抽出することができる。
また、上記第1実施形態では、排除部25を読取部18に設けた場合を例示したが、開示の技術はこれに限定されるものではなく、読取部18から排除部25を除去し、排除部25と同等の機能を後段の抽出部20に担わせてもよい。
また、上記第1実施形態では、マスク効果視覚モデルを利用して筋状欠陥の視認性を評価する例を挙げて説明したが、開示の技術はこれに限定されるものではなく、事前に用意されたプロファイルを利用して筋状欠陥の視認性を評価してもよい。この場合、例えば、特定成分分解部38及び第2画像合成部40が不要となり、視覚モデル評価実施部42に代えて、プロファイルを利用して筋状欠陥の視認性を評価するプロファイル評価実施部が適用される。プロファイルを利用した筋状欠陥の評価処理(プロファイル処理)としては、例えば、筋状欠陥画像を特定方向に積分する処理が挙げられる。プロファイル処理では、積分値が予め設定された閾値以上となる箇所があればそこが筋として検出される。更に、閾値を超えている幅も考慮して検出する。
また、上記第1実施形態では、検査対象画像から直接的に筋状欠陥を特定する場合を例示したが、開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、検査対象印刷物16の余白領域(例えば外周縁の余白領域)にノズルチェックパターンを形成し、形成したノズルチェックパターンを利用して筋状欠陥を特定するための候補領域を定めてもよい。また、検査対象画像から筋状欠陥が形成される領域として事前に想定された領域を抜き出し、抜き出した領域を主走査方向で同一の位置の余白領域に記録することによりチャートを作成し、このチャートを利用して候補領域を定めてもよい。また、検査対象印刷物16の余白領域にノズルチェックパターンを印刷し、ノズルチェックパターンから候補領域を絞って、読取部18による読み取りを実施してもよい。
また、上記第1実施形態では、検査対象画像情報により示される検査対象画像の特定方向の解像度を主走査方向の解像度に揃える処理を実施したが、必ずしも解像度を揃える必要はなく、この場合は、縦横変形フィルタを用いて視覚フィルタ処理を行えばよい。
また、上記第1実施形態では、コンピュータ60を利用してソフトウェア構成で抽出部20、評価部22及び警告部24を実現する場合の形態例を挙げて説明したが、開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、抽出部20、評価部22及び警告部24の少なくとも1つがハードウェア構成で実現されてもよい。この場合、複数の機能の回路を1つにまとめた集積回路であるASIC(Application Specific Integrated Circuit)やプログラマブルロジックデバイスを利用する例が挙げられる。また、抽出部20、評価部22及び警告部24を分散処理してもよい。分散処理は、ハードウェア構成とソフトウェア構成の組み合わせによって実現されてもよい。また、抽出部20、評価部22及び警告部24の少なくとも1つが複数台のコンピュータ(その周辺機器も含む)によるソフトウェア構成で実現されてもよい。また、抽出部20、評価部22及び警告部24の少なくとも1つがクラウドコンピューティングやグリッドコンピューティングにより実現されてもよい。
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、マスク効果視覚モデルを利用して筋状欠陥の視認性を評価する態様を例示したが、本第2実施形態では、統計的方法により筋状欠陥の視認性を評価する場合について説明する。なお、本第2実施形態では、上記第1実施形態と共通の構成部材については同一の符号を付してその説明を省略し、上記第1実施形態と異なる部分について説明する。
図24には、本第2実施形態に係る評価部22Aの要部機能の一例が示されている。図24に示すように、評価部22Aは、図4に示す評価部22に比べ、特定成分分解部38、第2画像合成部40及び視覚モデル評価実施部42を除去した点が異なっている。また、評価部22Aは、図4に示す評価部22に比べ、取得部262、変換部264、算出部266、DB更新部268及び統計的評価実施部272が設けられた点が異なっている。また、取得部262には画像DB260が接続されており、DB更新部268及び統計的評価実施部272には統計モデルDB270が接続されている。
なお、本第2実施形態では、図24において評価部22Aに第1画像合成部34が含まれる態様を例示しているが、評価部22Aに必ずしも第1画像合成部34を含める必要はない。この場合、第1画像合成部34により得られる評価対象画像に代えて、見本画像と検査対象画像との差分値に相当する筋状欠陥画像を用いればよい。
また、本第2実施形態では、特定成分分解部38による被分解対象として評価対象画像及び見本画像を採用しているが、これに限らず、評価対象画像のみを被分解対象としてもよい。
画像DB260には、過去に画像評価装置10の評価に供した見本画像情報及び検査対象画像情報が格納されている。図25には、画像DB260の構成の一例が模式的に示されている。図25に示すように、画像DB260には、見本画像情報及び検査対象画像情報が記憶されている。また、画像DB260には、検査対象画像情報により示される検査対象画像に含まれる筋状欠陥の強度を主観的に評価した結果(0〜9の数値が示される10段階)を示す主観スジ強度情報が格納されている。また、主観スジ強度情報は検査対象画像毎に対応付けられている。なお、ここでは、錯綜を回避するために、筋状欠陥の強度を主観的に評価する被験者を1人とし、この被験者に対して互いに異なる筋状欠陥を有する複数の検査対象画像の各々を予め視認させて検査対象画像毎に視認性の度合いを評価させている。また、ここでは、錯綜を回避するために、評価対象画像として用いられる検査対象画像は、過去に評価対象とされた検査対象印刷物16に含まれる検査対象画像を採用している。
取得部262は、画像DB260から見本画像情報及び検査対象画像情報を取得する。変換部264は、取得部262により取得された見本画像情報及び検査対象画像情報の各々により示される見本画像及び検査対象画像に対して色変換及び視覚フィルタ処理を行う。算出部266は、色変換及び視覚フィルタ処理が行われて得た見本画像と検査対象画像との差分値を算出する。DB更新部268は、統計モデルDB270の記憶内容を更新する。
図26には、統計モデルDB270の構成の一例が模式的に示されている。図26に示すように、統計モデルDB270には、算出部266により算出された差分値と画像DB260に記憶されている対応する主観スジ強度情報とが対応付けられた状態で記憶されている。また、各差分値に対して閾値が対応付けられている。ここで言う「閾値」とは、評価対象画像情報により示される評価対象画像の各画素の濃度値と比較される閾値であり、この閾値を超えた場合は筋状模様が視認可能であると評価される。なお、ここで言う「閾値」は開示の技術を実現するための必須構成要素ではない。従って、「閾値」がなくても開示の技術は成立する。
統計的評価実施部272は、統計モデルDB270を参照して、変換部36により色変換及び視覚フィルタ処理が行われて得た評価対象画像の筋状欠陥の視認性を統計的方法を利用して評価する。本第2実施形態では、例えば、統計的評価実施部272は、先ず、変換部36により色変換及び視覚フィルタ処理が行われて得た評価対象画像及び見本画像に基づいて、見本画像と筋状欠陥画像との差分値を画素毎に算出し、算出した差分値の平均値を算出する。次に、統計モデルDB270に記憶されている閾値のうち、算出した平均値に対応する差分値に対応付けられている閾値を読み出し、画素毎に算出した差分値と閾値とを比較する。そして、閾値を上回る差分値に対応する画素を視認可能な筋状模様を構成している画素と評価し、全画素についての総合的な評価結果と主観スジ強度情報とを含む評価結果情報を生成する。なお、本第2実施形態では、閾値として、画素毎に算出された差分値の平均値に対応する値を採用しているが、開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、算出された画素毎の差分値の代表値(例えば算出された画素毎の差分値の最頻値又は中央値などの平均値以外の統計値)に対応する値を閾値として採用してもよい。
なお、本第2実施形態では、統計的評価実施部272が、評価対象画像及び見本画像に基づいて、見本画像と筋状欠陥画像との差分値を画素毎に算出する例を挙げて説明しているが、評価対象画像を生成せずに、特定方向画像抽出部32により生成された筋状欠陥画像情報を取得し、筋状欠陥画像情報により示される筋状欠陥画像と見本画像との差分値を画素毎に算出してもよい。
図27には、本第2実施形態に係る画像評価装置10Aの電気系の構成の一例が示されている。図27に示す画像評価装置10Aは、図6に示す画像評価装置10に比べ、画像評価処理プログラム70に代えて画像評価処理プログラム70Aを適用している点が異なっている。また、画像評価装置10Aは、図6に示す画像評価装置10に比べ、記憶部66にDB更新処理プログラム274が記憶されている点、記憶部66に画像DB260が記憶されている点、及び統計モデルDB270が記憶されている点も異なっている。
画像評価処理プログラム70Aは、図6に示す画像評価処理プログラム70に比べ、評価プロセス78に代えて評価プロセス78Aを適用している点が異なっており、CPU62は、評価プロセス78Aを実行することで、図24に示す評価部22Aとして動作する。
次に本第2実施形態の作用として、CPU62がDB更新処理プログラム274を実行することにより画像評価装置10Aで行われるDB更新処理について、図28を参照して説明する。図28に示すDB更新処理では、先ず、ステップ300において、取得部262により、見本画像情報とこの見本画像情報に対応する検査対象画像情報とこの検査対象画像情報に対応する主観スジ強度情報とが画像DB260に入力されたか否かが判定される。本ステップ300において見本画像情報、検査対象画像情報及び主観スジ強度情報が入力されていない場合は判定が否定されて本ステップ300の判定が再び行われる。本ステップ300において見本画像情報、検査対象画像情報及び主観スジ強度情報が入力された場合は判定が肯定されてステップ302へ移行する。
ステップ302では、取得部26により、画像DB260から最新に記憶された見本画像情報及び検査対象画像情報が取得され、その後、ステップ304へ移行する。ステップ304では、変換部264により、上記ステップ302で取得された見本画像情報及び検査対象画像情報の各々により示される見本画像及び検査対象画像を対象にして色変換及び視覚フィルタ処理が行われる。
次のステップ306では、算出部266により、上記ステップ304で色変換及び視覚フィルタ変換が行われた見本画像と検査対象画像との差分値が算出され、その後、ステップ308へ移行する。ステップ308では、DB更新部268により、画像DB260から最新に記憶された主観スジ主観情報が取得され、その後、ステップ310へ移行する。ステップ310では、DB更新部268により、上記ステップ306で算出された差分値とこの差分値に応じて一意に定められた閾値と上記ステップ308で取得された主観スジ強度情報とが統計モデルDB270に記憶される。これにより、統計モデルDB270が更新される。そして、本ステップ310の処理が行われた後、本DB更新処理を終了する。
次に、CPU62が画像評価処理プログラム70Aを実行することにより画像評価装置10Aで行われる画像評価処理について説明する。なお、ここでは、上記第1実施形態で説明した画像評価処理と異なる処理について説明し、上記第1実施形態と重複する処理の説明は省略する。図14に示すように、本第2実施形態に係る画像評価処理は、上記第1実施形態で説明した画像評価処理に比べ、ステップ204に代えてステップ204Aを適用した点が異なっている。ステップ204Aでは、評価部22Aにより、評価処理が行われ、その後、ステップ206へ移行する。
図29には本第2実施形態に係る評価処理の流れの一例が示されている。図29に示す本第2実施形態に係る評価処理は、図19に示す評価処理に比べ、ステップ204C〜ステップ204Eに代えて、ステップ320〜ステップ332を適用した点が異なっている。なお、以下では、図19に示す評価処理に含まれるステップとは異なるステップについて説明し、同一のステップについては同一のステップ番号を付してその説明を省略する。また、ここでは、錯綜を回避するために、評価対象画像に筋状欠陥画像が含まれる場合について説明する。
図29に示す評価処理では、ステップ320において、統計的評価実施部272により、上記ステップ204Bで変換処理が行われて得た評価対象画像に含まれる筋状欠陥画像の注目画素について見本画像と筋状欠陥画像との濃度についての差分値が算出される。次のステップ322では、統計的評価実施部272により、上記ステップ320で算出された差分値が画素毎に記憶部66に記憶される。
次のステップ324では、統計的評価実施部272により、上記ステップ320,322の処理が筋状欠陥画像における全ての画素について終了したか否かが判定される。本ステップ324において上記ステップ320,322の処理が筋状欠陥画像における全ての画素について終了していない場合は判定が否定されてステップ320へ移行する。本ステップ324において上記ステップ320,322の処理が筋状欠陥画像における全ての画素について終了した場合は判定が肯定されてステップ326へ移行する。
ステップ326では、統計的評価実施部272により、上記ステップ320で記憶部66に記憶された画素毎の差分値についての平均値が算出される。次のステップ328では、統計的評価実施部272により、統計モデルDB270から、上記ステップ326で算出された平均値に相当する差分値に対応付けられている閾値が取得される。なお、上記ステップ326で算出された平均値に相当する差分値として、算出された平均値と完全一致する差分値が統計モデルDB270に記憶されていない場合は、上記ステップ320で算出された差分値の平均値に最も近似する差分値を代替採用すればよい。また、算出された差分値の平均値が統計モデルDB270に記憶されている2つの差分値の中央値の場合は、例えば2つの差分値のうちの小さな方の差分値を上記ステップ320で算出された差分値の平均値に相当する差分値として採用すればよい。逆に、2つの差分値のうちの大きな方の差分値を上記ステップ320で算出された差分値の平均値に相当する差分値として採用してもよい。
次のステップ330では、統計的評価実施部272により、上記ステップ322で記憶部66に記憶された画素毎の差分値から注目画素についての差分値が取得される。次のステップ332では、統計的評価実施部272により、上記ステップ330で取得された差分値が上記ステップ328で取得された閾値を上回っているか否かが判定される。本ステップ332において上記ステップ330で取得された差分値が上記ステップ328で取得された閾値を上回っていない場合は判定が否定されてステップ338へ移行する。本ステップ332において上記ステップ330で取得された差分値が上記ステップ328で取得された閾値を上回っている場合は判定が肯定されてステップ334へ移行する。
ステップ334では、統計的評価実施部272により、統計モデルDB270から上記ステップ328で取得された閾値に対応する主観スジ強度情報が取得される。そして、取得された主観スジ強度情報が上記ステップ330で取得された差分値に対応付けられて記憶部66に記憶される。
次のステップ336では、統計的評価実施部272により、上記ステップ322で記憶部66に記憶された画素毎の差分値の全てについて上記ステップ330〜334の処理を終了したか否かが判定される。本ステップ336において上記ステップ322で記憶部66に記憶された画素毎の差分値の全てについて上記ステップ330〜334の処理を終了していない場合は判定が否定されてステップ330へ移行する。本ステップ336において上記ステップ322で記憶部66に記憶された画素毎の差分値の全てについて上記ステップ330〜334の処理を終了した場合は判定が肯定されてステップ338へ移行する。
ステップ338では、統計的評価実施部272により、評価対象画像に含まれる筋状欠陥の視認性の良否が評価され、評価結果を示す評価結果情報が生成される。本ステップ338では、例えば、記憶部66に主観スジ強度情報が記憶されている場合は、記憶部66に記憶されている全ての主観スジ強度情報を総合的に評価することで評価対象画像に含まれる筋状欠陥の視認性の良否を評価する。例えば、主観スジ強度情報により示される10段階評価の数値の大きさ、主観スジ強度情報の個数、又は10段階評価の数値のうちの所定値(例えば7)を上回る数値(例えば8)を示す主観スジ強度情報が対応付けられている画素の分布に基づいて評価する。また、評価結果情報には、筋状欠陥の視認性の良否の評価結果の他に、評価に供した情報(例えば主観スジ強度情報や画素の分布を示す情報など)が含まれ、評価結果情報は後段の警告部24の警告要否判定部44による評価で用いられる。
以上に説明したように、本第2実施形態に係る画像評価装置10Aは、抽出された筋状画像の視認性を統計的方法を利用して評価する構成を有している。本構成を有しない場合に比べ、筋状欠陥の視認性の評価精度を向上させることができる。
なお、上記第2実施形態では、統計モデルDB270を参照して筋状欠陥の視認性を評価する例を挙げて説明したが、開示の技術はこれに限定されるものではなく、重回帰式を用いて筋状欠陥の視認性を評価してもよい。この場合、評価部22Aに代えて、一例として図30に示される評価部22Bを用いればよい。図30に示す評価部22Bは、図24に示す評価部22Aに比べ、統計的評価実施部272に代えて統計的評価実施部272Aを適用した点、及びDB更新部268及び統計モデルDB270に代えて回帰式更新部340を適用した点が異なっている。
回帰式更新部340は、統計的評価実施部272Aに提供する重回帰式を保持すると共に最新のデータに基づいて重回帰式の回帰係数を更新する。ここで言う「重回帰式」は、例えば算出部266で算出された差分値及び画像DB260に最新に記憶された主観スジ強度情報により示される10段階評価の数値を説明変数としている。また、評価対象画像に含まれる筋状欠陥の視認性の良否を示す数値(例えば主観スジ強度情報により示される10段階評価の数値に相当する数値)を目的変数としている。
統計的評価実施部272Aは、回帰式更新部340により現時点で保持されている重回帰式を用いて、評価対象画像に含まれる筋状欠陥の視認性の良否を評価し、評価結果を示す評価結果情報を生成する。なお、ここで言う「評価結果情報」には、例えば評価対象画像に含まれる筋状欠陥の視認性の良否を示す数値(重回帰式の解)が含まれる。
このように、重回帰式を用いて筋状欠陥の視認性を評価することで、簡素な構成で、筋状欠陥の視認性の評価精度を向上させることができる。
なお、開示の技術は、重回帰式に限定されるものではなく、例えば、SIMM,PCA,SVR,AdaBoost等を採用してもよい。
上記第2実施形態では、筋状欠陥の強度を主観的に評価する被験者を1人とした場合を例示したが、開示の技術はこれに限定されるものではなく、被験者を複数人としてもよい。この場合、複数の被験者による評価結果である主観スジ強度を表す数値の平均値、最頻値などを画像DB260に記憶させればよい。
また、上記第2実施形態では、被験者に視認させる評価対象画像を過去の評価に供した検査対象印刷物16に含まれる検査対象画像としたが、これに限らず、検査対象画像に類似する画像(検査対象画像として実際に使用されたことのない画像)であってもよい。
[第3実施形態]
上記第1実施形態では、警告部24が、参照情報DB46の参照情報を参照して筋状欠陥の視認性の強度が警告を要する強度であるか否かを判定したが、本第3実施形態では、顧客の特性に応じて視認性の強度が警告を要する強度であるか否かを判定する。なお、以下では、上記第1実施形態で説明した構成部材と同一の構成部材については同一の符号を付してその説明を省略し、上記第1実施形態と異なる部分について説明する。
図31には、本第3実施形態に係る警告部24Aの要部機能の一例が示されている。図31に示す警告部24Aは、図5に示す警告部24に比べ、警告要否判定部44に代えて警告要否判定部44Aを適用した点が異なっている。また、上記第1実施形態では、警告要否判定部44に参照情報DB46が接続されているが、本第3実施形態では、参照情報DB46に代えて顧客特性DB46Aを適用している。
警告要否判定部44Aには、顧客を特定する顧客特定情報及び検査対象印刷物16の用途(例えば大判ポスタ、フォトブック、写真集、カタログ、ちらし等)を示す用途情報が入力される。警告要否判定部44Aは、入力された顧客特定情報及び用途情報から、顧客特性DB46Aを参照して、筋状欠陥の視認性の強度が警告を要する強度であるか否かを判定する。
顧客特性DB46Aは、注文者(注文主)である顧客別に注文内容や過去の取引による実績(履歴)などの情報(以下、「顧客特性情報」という)を蓄積したデータ群である。本例の顧客特性DB46Aには、顧客別に、印刷物の用途やコンテンツタイプごとに、過去にその顧客が了承した(OKと認めた)画像品質を「画質指数」という指標の数値で記述された顧客特性情報が記憶されている。画質指数は、印刷物の画質を規定する指標であり、印刷物等から実際に測定可能な物理量と関連付けられる少なくとも1種類、好ましくは複数種類の画質属性の評価を含んだ数値として定義される。画質指数の具体例は後述する。なお、本明細書では、画質指数を「Q」という記号で表記する。
図32は画質指数の説明図である。本例の画質指数は印刷物の総合画質を規定する指標であり、複数の画質属性の評価を組み合わせた値として定義される。つまり、総合画質は複数の画質属性のツリー構造で表すことができ、各属性を総合的に考慮した品質として把握される。図32の例では、画質属性として、画像ノイズ、色階調、シャープネス、文字性、光沢、スジムラの6種類の画質属性を示している。ここで例示する6種類の画質属性の一部を用いても良いし、さらに他の画質属性を追加してもよい。
個々の属性は、印刷品質の項目の1つ又は複数と関連付けられており、画質属性並びに印刷品質項目は、印刷結果などから実際に測定可能な物理量(「物理測定値」に相当、図32中、「画質測定値」と記載)から推定可能である。
図33は画質指数の求め方を示す概念図である。なお、図33に示した概念を説明する参考文献として「Peter G. Engeldrum, “Psychometric Scaling : a toolkit for imaging systems development”, pp.8-17., 2000.」がある。
テストチャートや実画像を印刷し、その印刷結果を測定することによって物理的な技術変数(Technology Variables)の値が得られる。この測定された技術変数を符号「X」で表し、具体的な値をX1,X2,X3…など表記する。
チャート測定などの測定で得られる値Xと、画質測定値としての物理画像パラメータ(物理定量値)Yiとは所定のシステムモデルにしたがって関連付けられている。システムモデルには、例えば、ハードコピー画質の測定方法に関するISO/IEC 13660などを適用することができる。チャート測定等で得られた値Xから、システムモデルで定義される関数Fi(X)にしたがい、画質測定値としての物理画像パラメータ(物理定量値)Yi=Fi(X)が得られる。
ここでいう物理画像パラメータは、例えば、RMS(root mean square granularity )粒状度などのように、一般に「〜度」と呼ばれるような物理評価値(指標)である。このような物理画像パラメータは複数種類あり得る。
画質属性或いは印刷品質項目に対応するカスタマーパーセプション(顧客知覚性)は、例えば、粒状性などのように、一般に「〜性」とよばれるような官能評価値である。この官能評価値(図においてZiで表す)は、用途によらない数値として表される。
画質属性(又は印刷品質項目)を表す官能評価値Ziは、ビジュアルアルゴリスムで定義される関数Gi(Y)にしたがって計算される(Zi=Gi(Y))。
印刷総合画質に対応するカスタマークオリティプレファランス(顧客の画質好み)は、複数の画質属性を組み合わせた総合的な画質の官能評価値である。この総合画質は、用途毎に定義される。総合画質の評価値Qiは、画像品質モデルで定義される関数Hi(Z)で計算され、用途毎に異なる関数Hi(Z)が定義される。
実際の測定で得られる物理量X、画質測定値Y、画質属性(又は印刷品質項目)Z、印刷総合画質Qのそれぞれを関連付ける各モデルやアルゴリズムは、簡単な例としては、線型モデルでよい。より詳細には、評価実験などを通して具体的な関数が決定される。
官能評価値Qi、Ziと、物理定量値(物理評価値)X,Yとの対応関係(Fi、Gi、Hiで示される関数)を予め求めておく。その際、印刷総合画質Qiと画質属性/印刷品質項目(Zi)との関係については、印刷物の用途毎にモデルパラメータが最適化される。例えば、写真の多い「写真集」などの用途では、画像に関する画質属性が重視される。一方、文字の多い「ドキュメント」などの用途では、文字に関する画質属性が重視される。
印刷総合画質Qiの演算は、重回帰分析の線型モデルでもよいし、コンテンツタイプの面積比率に応じた重み係数による線型モデルでもよいし、或いは、非線形のモデルでもよい。こうして、用途毎に定義された関数Hiにしたがい、カタログ用の総合画質Q1、写真集用の総合画質Q2、チラシ用の総合画質Q3、などが計算される。
本第3実施形態では、画質指数として、複数の画質属性を総合的に評価した総合画質を用いるが、総合画質に代えて、総合評価する前の個別の画質属性の単体、或いは、これらの適宜の組み合わせを用いても良い。
図34には、顧客特性DB46Aの構成の一例が模式的に示されている。図34に示すように、顧客特性DB46Aには、顧客を識別する情報(顧客名や顧客IDなど)が記憶されている。また、顧客特性DB46Aには、顧客別に用途やコンテンツタイプの条件に対する顧客の要求品質を満たした画質指数と、顧客の要求品質に未到達の画質指数と、が顧客特性情報として記憶されている。なお、以下では、説明の便宜上、顧客の要求品質を満たした画質指数を「OK_Q」と表記する場合があり、顧客の要求品質に未到達の画質指数を「NG_Q」と表記する場合がある。
「OK_Q」の具体例としては、提供した印刷物に対して顧客の了承・承認(OK判断)が得られた画質指数が挙げられる。「NG_Q」の具体例としては、提供した印刷物が顧客の要求品質を満足させることができず、当該顧客から拒否・不承認(NG判断)が表明された画質指数が挙げられる。
このようなデータは、過去の注文に対する納品物の実績から履歴情報として蓄積していくことができる。すなわち、顧客との取引を通じて、提供した印刷物の画質指数と、その印刷物に対する顧客の評価(OK又はNG)とを関連付けて履歴データとし顧客特性DBに保存していく。
印刷物はその用途によって要求される品質が大きく変わるため、顧客特性DB46Aでは「用途」の観点でデータを分類する。また、印刷物の画像(1枚の絵)の中には、写真部分、文字部分、線画部分、イラスト部分など様々なコンテンツが含まれうる。印刷物の画像内容を構成している要素(コンテンツ)がどのようなものであるかを分類する観点が「コンテンツタイプ」による分類である。
「用途」という大分類の中に「コンテンツタイプ」というより詳細な小分類があるという関係にある。本第3実施形態では、用途とコンテンツタイプの組み合わせに対して画質指数のデータが蓄積されている。
その他の項目は、必須ではないが、利用価値が高いと思われる項目の情報が顧客特性DBに登録される。図34に示す例では、注文ごとの印刷ジョブ(Job)を識別するためのジョブID(識別符号)や、注文の受付日、コスト(符号「C」で表記する。)、納期(符号「D」で表記する。)。つまり、過去の取引におけるジョブの履歴として、注文に応じて提供した印刷物の画質(Q)とコスト(C)、納期(D)に対して、その顧客が満足したか(OKか)、満足しなかったか(NGか)という情報が顧客特性DB46Aに蓄積されていく。
なお、本例では画質指数Qとして総合画質を用い、総合画質の評価項目として含まれる画質属性(ここでは項目aからfの6種類の属性)の評価値(Zi;i=a,b,c,d,e,f)も記録されている。具体的には、例えば、図32に示すノイズ、色階調、シャープネス、文字、光沢、スジムラの6種類の属性がa〜fに対応する。なお、図34では記載を省略しているが、表の各セルにはそれぞれ該当する値が記述される。
また、このような顧客特性DBから様々な統計処理を行うことが可能であり、顧客特性DBに登録されている各種データを加工することにより、顧客毎の好みや傾向、全顧客の平均的なOKレベル(OK_Qの平均値)などの2次的な情報を生成することができる。このような2次的な情報は、必要に応じてオペレータの指示に基づき顧客特性DB46Aから随時生成してもよいし、定期的に或いは不定期に適宜のタイミングで自動的に生成してもよい。また、生成された2次的情報(DB加工データ)は、顧客特性DB46Aに組み入れて保持してもよいし、別のデータベースに登録したり、他の記憶装置に格納したりすることも可能である。
本第3実施形態では、複数の顧客の平均値など、標準的なパラメータが顧客特性DB46Aに保持される。これら標準的なデータは例えば、新規顧客の要求品質の推測に利用される。
また、本例では、顧客の要求品質を推測する手がかりとして、顧客特性DB46Aから図35に示すような、画質指数QとOK回数、NG回数の分布データ(「OK/NG画質指数分布」という。)を生成する。過去の納品印刷物の画質指数Qとその印刷物に対する顧客評価(OK/NG判断)の蓄積データ群から、用途別に、画質指数Q(総合画質)に対する顧客のOK判断回数、NG判断回数のそれぞれのヒストグラムを得ることができる。
図35中、実線で示した分布は、OK回数の分布データ(「OK画質分布データ」という。)である。図35中、破線で示した分布は、NG回数の分布データ(「NG画質分布データ」という。)である。このような画質指数分布は、特定の顧客のデータを使って同一用途のデータ群から生成することも可能であるし、複数の顧客(例えば、登録されている全顧客又は一部の顧客)の同一用途のデータ群から生成することもできる。
例えば、同じ顧客と何度も取引をすると、その顧客において印刷物の品質が「OK」と判断される画質レベルOK_Q)と、「NG」と判断される画質レベル(NG_Q)の分布が明確になる。常連顧客については、その特定顧客のデータから当該顧客の用途別OK/NG画質指数分布を生成する。また、新規顧客については、同一用途に関する他の顧客のデータを使って分布を作成する。
また、顧客特性DB46Aに登録されていない新規の用途の場合には、他の用途データを使って分布を推定したり、或いは、新規用途で重視される画質属性の項目や項目間のバランスを考慮した想定を使って分布を推定したりすることができる。
さらに、他の顧客を含めて平均データからの特定顧客データのずれ(例えば、標準偏差)を用いて、当該特定顧客(常連顧客)の好み、例えば、OK/NGの判断において重視する項目(重視項目)と、あまり重視しない項目(軽視項目)とを推定することができる。かかる推定に基づき、当該顧客の印刷依頼(注文)に対して、より好みに沿った印刷物を提案することが可能である。
図36には、本第3実施形態に係る画像評価装置10Bの電気系の構成の一例が示されている。図36に示す画像評価装置10Bは、図6に示す画像評価装置10に比べ、画像評価処理プログラム70に代えて画像評価処理プログラム70Bを適用している点が異なっている。また、画像評価装置10Bは、図6に示す画像評価装置10に比べ、記憶部66に参照情報DB46に代えて顧客DB46Aが記憶されている点も異なっている。
画像評価処理プログラム70Bは、図6に示す画像評価処理プログラム70に比べ、警告プロセス80に代えて警告プロセス80Aを適用している点が異なっており、CPU62は、警告プロセス80Aを実行することで、図31に示す評価部24Aとして動作する。
次に、CPU62が画像評価処理プログラム70Bを実行することにより画像評価装置10Bで行われる画像評価処理について説明する。なお、ここでは、上記第1実施形態で説明した画像評価処理と異なる処理について説明し、上記第1実施形態と重複する処理の説明は省略する。図14に示すように、本第3実施形態に係る画像評価処理は、上記第1実施形態で説明した画像評価処理に比べ、ステップ206に代えてステップ206Aを適用した点が異なっている。ステップ206Aでは、警告部24Aにより、評価処理が行われ、その後、本画像評価処理を終了する。
図37には本第3実施形態に係る警告処理の流れの一例が示されている。図37に示す本第3実施形態に係る警告処理は、図20に示す警告処理に比べ、ステップ206B,206Cに代えて、ステップ350〜ステップ354を適用した点が異なっている。なお、以下では、図20に示す警告処理に含まれるステップとは異なるステップについて説明し、同一のステップについては同一のステップ番号を付してその説明を省略する。また、ここでは、錯綜を回避するために、評価対象画像に筋状欠陥画像が含まれる場合について説明する。
図37に示す警告処理では、ステップ350において、警告要否判定部44Aにより、顧客特定情報及び用途情報が取得され、その後、ステップ352へ移行する。ステップ352では、警告部24Aにより、顧客特性情報が取得される。
次のステップ354では、警告要否判定部44Aにより、上記ステップ350で取得された顧客特定情報及び用途情報に基づいて、上記ステップ352で取得された顧客特性情報が参照される。そして、参照結果に基づいて筋状欠陥の視認性の強度が警告を要する強度であるか否かが判定される。本ステップ354では、例えば、警告要否判定部44Aが、顧客特定情報及び用途情報に対応する顧客特性情報を参照して、評価結果情報に含まれる視認性強度情報により示される視認性の強度が警告を要する強度であるか否かを判定する。本ステップ352において警告を要しない強度である場合は判定が否定されて本警告処理を終了する。本ステップ352において警告を要する強度である場合は判定が肯定されてステップ206Dへ移行する。
10 画像評価装置
12 印刷装置
14 見本印刷物
16 検査対象印刷物
18 読取部
20,20A,20B 抽出部
22,22A,22B 評価部
24,24A 警告部
25 排除部

Claims (27)

  1. 良品と認められた見本印刷物に含まれる見本画像を想定した仮想見本画像を示す見本画像情報を記憶する記憶部と、
    前記見本画像に相当する画像を示す画像情報に基づいて印刷装置により記録媒体に該画像情報により示される画像を印刷して得た検査対象印刷物に含まれる検査対象画像を読み取る読取部であって、特定方向の解像度が前記特定方向に交差する方向の解像度よりも低くなるように前記検査対象画像を読み取る読取部と、
    前記記憶部に記憶された見本画像情報と前記読取部により前記検査対象画像を読み取って得た該検査対象画像であって前記見本画像に相当する画像を示す検査対象画像情報との差分値に基づいて、前記検査対象画像情報により示される検査対象画像から、特定方向の筋状模様を有する筋状欠陥を抽出する抽出部であって、前記読取部により前記検査対象画像を読み取って得た前記検査対象画像情報により示される検査対象画像の前記特定方向の解像度を前記特定方向に交差する方向の解像度に揃えてから、前記見本画像情報と前記検査対象画像情報との差分値に基づいて、前記検査対象画像情報により示される検査対象画像から前記筋状欠陥を抽出する抽出部と、
    前記抽出部により抽出された前記筋状欠陥の視認性をマスク効果視覚モデルを利用して評価する評価部と、
    を含む画像評価装置。
  2. 前記評価部は、前記特定方向についての前記マスク効果視覚モデルを利用して前記筋状欠陥の視認性を評価する請求項1に記載の画像評価装置。
  3. 前記評価部の評価対象とされる前記筋状欠陥を、人間の視覚特性に対応する空間周波数の筋状欠陥とした請求項1又は請求項2に記載の画像評価装置。
  4. 前記評価部の評価対象とされる前記筋状欠陥を、人間の視覚特性に対応する色空間の筋状欠陥とした請求項1又は請求項2に記載の画像評価装置。
  5. 前記抽出部は、前記検査対象画像情報により示される検査対象画像のうちの予め定められた領域を対象にして、前記筋状欠陥を抽出する請求項1から請求項4の何れか1項に記載の画像評価装置。
  6. 前記予め定められた領域を、前記筋状欠陥が形成される領域として事前に想定された領域とした請求項5に記載の画像評価装置。
  7. 前記予め定められた領域を、更に、前記検査対象画像情報により示される検査対象画像のうちの該検査対象画像と前記見本画像情報により示される見本画像との差分値で閾値を超える差分値に対応する領域とした請求項6に記載の画像評価装置。
  8. 前記事前に想定された領域は、前記印刷装置及び前記読取部の少なくとも1つの特性に基づいて特定された領域である請求項6又は請求項7に記載の画像評価装置。
  9. 前記印刷装置の特性は、該印刷装置における構成部材の経時劣化の特性を含む請求項8に記載の画像評価装置。
  10. 前記読取部の特性は、該読取部における構成部材の経時劣化の特性を含む請求項8又は請求項9に記載の画像評価装置。
  11. 前記予め定められた領域を、前記検査対象画像情報により示される検査対象画像のうちの該検査対象画像と前記見本画像情報により示される見本画像との差分値で閾値を超える差分値に対応する領域とした請求項5に記載の画像評価装置。
  12. 前記特定方向を、前記印刷装置における前記記録媒体の搬送方向とした請求項1から請求項11の何れか1項に記載の画像評価装置。
  13. 前記印刷装置の印刷方式をシングルパス方式とした請求項12に記載の画像評価装置。
  14. 前記印刷装置が前記検査対象画像を複数のラインに分割して該ライン毎に前記記録媒体に対して記録する場合、前記特定方向を、前記印刷装置における主走査方向とした請求項1から請求項11の何れか1項に記載の画像評価装置。
  15. 前記印刷装置の印刷方式をシャトルスキャン方式とした請求項14に記載の画像評価装置。
  16. 前記見本画像情報及び前記検査対象画像情報のうちの少なくとも前記検査対象画像情報から前記読取部の特性の影響を排除する排除部を更に含み、
    前記抽出部は、前記排除部により前記見本画像情報及び前記検査対象画像情報のうちの少なくとも前記検査対象画像情報から前記読取部の特性の影響が排除されて得た前記見本画像情報と前記検査対象画像情報との差分値に基づいて、前記検査対象画像情報により示される検査対象画像から前記筋状欠陥を抽出する請求項1から請求項15の何れか1項に記載の画像評価装置。
  17. 前記評価部により視認性が評価された前記筋状欠陥が視認可能な筋状欠陥であると判定された場合に警告する警告部を更に含む請求項1から請求項16の何れか1項に記載の画像評価装置。
  18. 前記警告部は、視認可能な筋状欠陥であると判定された前記筋状欠陥を含む前記検査対象印刷物に対して直接処理を施すことにより警告する請求項17に記載の画像評価装置。
  19. 前記警告部は、前記検査対象印刷物における前記筋状欠陥の位置の特定を支援する特定支援印を該検査対象印刷物に付与することにより警告する請求項18に記載の画像評価装置。
  20. 前記警告部は、前記検査対象印刷物における前記筋状欠陥を前記特定方向へ延ばした位置に前記特定支援印を付与することにより警告する請求項19に記載の画像評価装置。
  21. 前記特定支援印の種類を前記筋状欠陥の視認性の大きさに応じて定めた請求項19又は請求項20に記載の画像評価装置。
  22. 前記警告部は、更に、前記評価部により視認性が評価された前記筋状欠陥が視認可能な筋状欠陥であると判定された場合に表示部に対して所定情報を表示させることにより警告する請求項17から請求項21の何れか1項に記載の画像評価装置。
  23. 前記警告部は、前記評価部により視認性が評価された前記筋状欠陥が視認可能な筋状欠陥であると判定された場合に表示部に対して所定情報を表示させることにより警告する請求項17に記載の画像評価装置。
  24. 前記所定情報は、視認可能な筋状欠陥であると判定された前記筋状欠陥を含む前記検査対象印刷物を特定する特定情報を含む請求項22又は請求項23に記載の画像評価装置。
  25. 前記表示部は画像を表示し、
    前記所定情報は、前記筋状欠陥を有する前記検査対象画像と該検査対象画像における筋状欠陥の位置の特定を支援する特定支援画像とを含む請求項22から請求項24の何れか1項に記載の画像評価装置。
  26. 良品と認められた見本印刷物に含まれる見本画像を想定した仮想見本画像を示す見本画像情報を記憶する記憶部に記憶された見本画像情報と、前記見本画像に相当する画像を示す画像情報に基づいて印刷装置により記録媒体に該画像情報により示される画像を印刷して得た検査対象印刷物に含まれる検査対象画像を読み取る読取部であって、特定方向の解像度が前記特定方向に交差する方向の解像度よりも低くなるように前記検査対象画像を読み取る読取部により前記検査対象画像を読み取って得た該検査対象画像であって前記見本画像に相当する画像を示す検査対象画像情報との差分値に基づいて、前記検査対象画像情報により示される検査対象画像から、特定方向の筋状模様を有する筋状欠陥を抽出する抽出工程であって、前記読取部により前記検査対象画像を読み取って得た前記検査対象画像情報により示される検査対象画像の前記特定方向の解像度を前記特定方向に交差する方向の解像度に揃えてから、前記見本画像情報と前記検査対象画像情報との差分値に基づいて、前記検査対象画像情報により示される検査対象画像から前記筋状欠陥を抽出する抽出工程と、
    前記抽出工程により抽出された前記筋状欠陥の視認性をマスク効果視覚モデルを利用して評価する評価工程と、
    を含む画像評価方法。
  27. コンピュータを、
    請求項1から請求項25の何れか1項に記載の画像評価装置における前記抽出部及び前記評価部として機能させるためのプログラム。
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