JP2017029226A - 穴かがりミシン - Google Patents

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亮 大川
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Abstract

【課題】針棒及びルーパ土台の複数回の旋回を可能とする。【解決手段】針棒12の針振りと上下動とを行う針上下動機構と、ルーパとスプレッダとルーパ土台61とを備えるルーパ機構60と、針棒とルーパ土台とを旋回させる旋回機構20と、穴かがり縫い目を形成する穴かがり縫製制御を行う制御装置70とを備え、旋回機構は、駆動源となる旋回モーター24と、当該旋回モーターにより回転駆動を行う伝達軸25とを備え、旋回モーターの出力軸の軸角度変化量Aとこれに伴い伝達軸に生じる軸角度変化量Bとを異なる値とし、伝達軸の原点位置を検出する原点センサ29、旋回モーターにエンコーダ241を設け、制御装置は、伝達軸の回転数及び回転方向と、原点検出時のエンコーダの検出軸角度の対応関係を示すテーブルデータを記憶し、伝達軸の回転数と及び回転方向を特定することを特徴とする。【選択図】図5

Description

本発明は、穴かがりミシンに関する。
穴かがりミシンは、送り台にセットされた被縫製物に、穴の周囲に穴かがり縫い目を形成するもので、針がつけられた針棒と針棒の下方に設けられたルーパ・スプレッダとを駆動するためのミシンモーター駆動機構と、放射状に縫い目を形成するために針棒とルーパ・スプレッダを旋回するための旋回機構と、送り台を前後左右に駆動するためのXY駆動機構と、送り台の上の被縫製物を左右から押さえる押さえ機構等を協動させて穴かがり縫いを行う(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−141482号公報
通常、穴かがり縫製は、穴の周囲に一重でかがり縫いを行うので、従来の穴かがりミシンは、旋回機構は、せいぜい一回転分の旋回を行うことしか想定されておらず、旋回機構の軸角度を検出する検出手段も一回転の範囲内のいずれの軸角度に位置しているかを検出できるに過ぎなかった。
また、芯糸を入れて穴かがり縫製を行った際に、ルーパーブラケットに芯糸が絡まないようにするために、ストッパー部材などを設けて、旋回機構が一回転以上しないように物理的に制限していた。
しかし、近年は、縫い目に厚みを持たせる、或いは、強度を向上させる等の理由により、穴の周囲に二重にかがり縫いを行いたいという要請があり、一回転を超える縫いを行うと、ミシン側ではそれが一回転目なのか二回転目なのかを認識することができないという問題が生じていた。
さらに、一回転を超える穴かがり縫いを行った後には、逆方向に一回転を超える旋回を行って原点位置まで戻さなければ、糸の捻れや絡みつきを発生させる原因となるが、従来の穴かがりミシンは、一回転の範囲内での軸角度しか検出できないために、正確に原点位置に戻すことができないという問題も生じていた。
本発明は、一回転を超える穴かがり縫いを行うことが可能なミシンを提供することをその目的とする。
請求項1記載の発明は、穴かがりミシンにおいて、
針振りを行いつつ針棒を上下動させる針上下動機構と、
ルーパとスプレッダとこれらを支持するルーパ土台とを備えるルーパ機構と、
前記針振りを行う針棒と前記ルーパ土台とを旋回させる旋回機構と、
穴かがり縫い目を形成する穴かがり縫製制御を行う制御装置と、を備える穴かがりミシンにおいて、
前記旋回機構は、駆動源となる旋回モーターと、当該旋回モーターにより回転を行う伝達軸とを備え、
前記旋回モーターの出力軸の軸角度変化量をA、これに伴い前記伝達軸に生じる軸角度変化量をBとする場合に、A/B≠1とし、
前記伝達軸に、原点位置にある状態を検出する原点センサを設け、
前記旋回モーターの出力軸に、軸角度を検出するエンコーダを設け、
前記制御装置は、
前記伝達軸の回転数及び回転方向と、前記原点センサから原点センサ信号が検出される時に前記エンコーダが検出する前記旋回モーターの出力軸の軸角度の対応関係を示すテーブルデータを記憶すると共に、
前記テーブルデータと、前記原点センサから原点センサ信号が検出される時に前記エンコーダが検出する前記旋回モーターの出力軸の軸角度とにより、前記伝達軸の回転数及び回転方向を特定することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の穴かがりミシンにおいて、
前記旋回モーターの出力軸が当該出力軸の原点位置にあり、且つ、前記伝達軸が当該伝達軸の原点位置にある状態を前記旋回機構の初期位置とする場合に、
直近で前記特定された伝達軸の回転数及び回転方向と前記エンコーダにより検出された前記旋回モーターの出力軸の軸角度から、前記初期位置からの前記伝達軸の軸角度変化量を求める軸角度検出処理部を備えることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、穴かがりミシンにおいて、
針振りを行いつつ針棒を上下動させる針上下動機構と、
ルーパとスプレッダとこれらを支持するルーパ土台とを備えるルーパ機構と、
前記針振りを行う針棒と前記ルーパ土台とを旋回させる旋回機構と、
穴かがり縫い目を形成する穴かがり縫製制御を行う制御装置と、を備える穴かがりミシンにおいて、
前記旋回機構は、駆動源となる旋回モーターと、当該旋回モーターにより回転を行う伝達軸とを備え、
前記旋回モーターの出力軸の軸角度変化量をA、これに伴い前記伝達軸に生じる軸角度変化量をBとする場合に、A/B≠1とし、
前記旋回モーターの出力軸に、原点位置にある状態を検出する原点センサを設け、
前記伝達軸に、軸角度を検出するエンコーダを設け、
前記制御装置は、
前記旋回モーターの出力軸の回転数及び回転方向と、前記原点センサから原点センサ信号が検出される時に前記エンコーダが検出する前記伝達軸の軸角度の対応関係を示すテーブルデータを記憶すると共に、
前記テーブルデータと、前記原点センサから原点センサ信号が検出される時に前記エンコーダが検出する前記伝達軸の軸角度とにより、前記旋回モーターの出力軸の回転数及び回転方向を特定することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3載の穴かがりミシンにおいて、
前記旋回モーターの出力軸が当該出力軸の原点位置にあり、且つ、前記伝達軸が当該伝達軸の原点位置にある状態を前記旋回機構の初期位置とする場合に、
直近で前記特定された前記旋回モーターの出力軸の回転数及び回転方向と前記エンコーダにより検出された前記伝達軸の軸角度から、前記初期位置からの前記伝達軸の軸角度変化量を求める軸角度検出処理部を備えることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の穴かがりミシンにおいて、
前記エンコーダはアブソリュート式であることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の穴かがりミシンにおいて、
A:B=1:n 又は A:B=n:1
但し、nは自然数
としたことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の穴かがりミシンにおいて、
A:B=n1:n2
但し、n1、n2はいずれも自然数
としたことを特徴とする。
本発明は、旋回モーターの出力軸と伝達軸のいずれか一方に原点センサを、他方にエンコーダを設け、旋回モーターの出力軸の軸角度変化量をA、これに伴い伝達軸に生じる軸角度変化量をBとする場合に、A/B≠1としている。
このため、原点センサを設けた伝達軸又は旋回モーターの出力軸が一回転すると、エンコーダを設けた旋回モーターの出力軸又は伝達軸は一定角度のズレを生じて回転する。このズレは回転数に応じて変わるので、この関係をテーブルデータに記憶して参照することにより、原点センサの検出時のエンコーダの検出角度から、原点センサを設けた伝達軸又は旋回モーターの出力軸の回転数を求めることができる。
これにより、本発明は、原点センサを設けた伝達軸又は旋回モーターの出力軸のいずれか一方の軸が一回転以上旋回した場合でも、当該軸の回転数を求めることができ、複数回の旋回後にも初期位置に戻すことが可能となり、二重の穴かがり縫い目の形成が可能となる。
また、糸の捻れや絡みつきの発生を効果的に抑えることが可能となる。
本実施形態に係るボタン穴かがりミシンの側面図である。 図1のボタン穴かがりミシンの正面図である。 図1のボタン穴かがりミシンの制御系を示すブロック図である。 旋回機構の分解斜視図である。 旋回機構の伝達軸を複数回回転させた場合の原点センサによる原点検出信号と旋回モーターのエンコーダが検出する軸角度変化量との関係を示す線図である。 旋回機構の伝達軸を複数回回転させた場合の原点センサによる原点検出信号と旋回モーターのエンコーダが検出する軸角度変化量との関係を示す図表である。 穴かがり縫いである菊穴縫いの縫製パターンを示す説明図である。 ボタン穴かがりミシンによる菊穴縫いの縫製制御の全体的な処理を示すフローチャートである。 旋回機構により旋回時の伝達軸角度の検出処理を示すフローチャートである。 図10(A)〜図10(D)は伝達軸の原点検出時の旋回モーター出力軸軸角度とその後の回転による軸角度変化との対応関係を示す説明図である。
[実施形態の全体構成]
本発明の実施形態たる穴かがりミシンとしてのボタン穴かがりミシン1を図1乃至図9に基づいて説明する。図1はボタン穴かがりミシン1の側面図、図2はボタン穴かがりミシン1の正面図、図3はボタン穴かがりミシン1の制御系を示すブロック図である。なお、このボタン穴かがりミシン1はボタン穴に限らず各種の穴かがり縫いを可能とするミシンである。
図1に示すように、ボタン穴かがりミシン1は、ミシン全体において下部に位置する箱状のベッド部2aと、該ベッド部2aの一端部に設けられた立胴部2bと、該立胴部2bからベッド部2aと同方向に延出して設けられたアーム部2cとを備えたミシンフレーム2を備えている。
なお、以下の説明において、立胴部2bが立設された鉛直上下方向をZ軸方向とし、Z軸方向と直交すると共にベッド部2a及びアーム部2cの長手方向をY軸方向とし、Y軸方向とZ軸方向の双方に直交する方向をX軸方向とする。
また、Y軸方向であって立胴部2bからアーム部2cが延出された方向を前、その逆側を後とし、X軸方向であってアーム部2cの前端部に向き合った状態から見て左手側を左、右手側を右とする。
上記ボタン穴かがりミシン1は、図1〜図3に示すように、上糸が通された縫い針11を保持する針棒12と、針棒12を揺動可能に支持する針棒旋回台13と、針棒12を上下動させると共に揺動を行う針上下動機構(図示略)と、穴かがり縫い目を形成するルーパ機構60と、針棒旋回台13及びルーパ機構60のルーパ土台61を旋回させる旋回機構20と、縫製動作の駆動源となるミシンモーター17と、縫い針側からの上糸の引き上げ又は糸供給源側からの上糸の繰り出しを行う天秤14と、上糸に張力を付与する糸調子装置(図示略)と、X−Y平面に沿って被縫製物としての布地を任意の移動量で移動して位置決めする送り機構としての布送り機構50と、上糸及び下糸の糸切りを行う糸切り装置(図示略)と、ボタン穴を形成するメス機構30と、布送り機構50の送り台51の上面で布地を押さえる押さえ機構40と、各部の制御を行う制御部としての制御装置70とを備えている。
[針棒関係]
針棒12は、図1及び図2に示すように、内部中空の管状に形成されると共に、その上端部がミシンフレーム2のアーム部2cの上面から外部に突出しており、上端開口部から上糸が挿入され、その中空内部を通じて下端部の外周面に設けられた繰り出し穴から縫い針11まで上糸を案内する構造となっている。
針上下動機構は、図1及び図2に示すように、縫い針11を保持する針棒12と、ミシンモーター17により全回転のトルクが付与される上軸と、上軸から上下方向の往復駆動力を取り出すクランク機構と、クランク機構により針棒12に連結された前端部が上下に揺動する揺動腕と、針棒を上下動可能に支持するスリーブと、当該スリーブを支持するX−Y平面に沿った薄板状の板バネとを備えている。
かかる針上下動機構は、クランク機構により針棒12にミシンモーター17の回転数に比例した往復数(単位時間当たりの往復数、以下「往復数」という場合には全て同様)で往復上下動の付与を行う。また、針棒12を支持するスリーブは、X−Y平面に沿った板バネにより揺動可能に支持されていることにより、針棒12の下端部の縫い針11側をX、Yのいずれの方向にも揺動させることができるように針棒12を支持している。
さらに、針上下動機構は、針棒12の上下動を許容しながら当該針棒12にX軸方向に沿った往復揺動動作を付与する針棒揺動台と、ミシンモーター17により針棒揺動台に対して往復上下動を付与する伝達機構を備えている。かかる針棒揺動台は、X軸方向とZ軸方向の合成方向に傾斜しているカム溝が形成され、針棒旋回台13が針棒揺動台をカム溝に沿って移動可能となるように支持している。
そして、伝達機構により、針棒揺動台に下降動作が付与されると、当該針棒揺動台はカム溝に沿って左斜め下方向に移動し、針棒12には左方への揺動が付与される。また、伝達機構により、針棒揺動台に上昇動作が付与されると、当該針棒揺動台はカム溝に沿って右斜め上方向に移動し、針棒12には右方への揺動が付与される。
かかる伝達機構は、針棒12の上下動の往復数の1/2の往復数で上下動を付与するようになっており、これにより、針棒12は、左右のそれぞれに揺動するたびに下降し、針振りを行うことを可能としている。
また、針上下動機構は、前述した板バネが撓まない状態において針棒12がZ軸方向(鉛直方向)となるように支持しており、この基本姿勢において、後述する針振り縫い目の内針の針落ちを行う。また、基本姿勢から揺動動作を付与されてX軸方向とZ軸方向の合成方向に所定の角度だけ傾斜した状態となり、かかる傾斜状態において、針振り縫い目の外針の針落ちを行うこととなる。
針棒旋回台13は、ミシンフレーム2のアーム部2cの前端部近傍の下側においてZ軸回りに回転可能に支持されると共に、旋回機構20のタイミングベルト21が掛け渡されるプーリ27を固定装備している。これにより、旋回機構20から旋回動作が付与されると、前述した針棒揺動台を介して針棒12にZ軸回りの旋回動作を付与することを可能としている。
また、針棒旋回台13は、針棒揺動台を支持した状態でZ軸回りに旋回するので、針棒12を左右方向に限らず、Z軸を中心とする任意の方向に沿って揺動させることが可能である。
[ルーパ機構]
ルーパ機構60は、図1に示すように、ミシンベッド部2aの上部であって後述する布送り機構50の送り台51の下側に配置されている。かかるルーパ機構60は、ミシンベッド部2aにZ軸回りで回転可能に支持されたルーパ土台61と、ルーパ土台61の上部に搭載され、上糸に下糸を絡げて二重環縫いを行う左ルーパ及び左スプレッダと、上糸により単糸環縫いを行う右ルーパ及び右スプレッダと、各ルーパ及び各スプレッダに対して縫いのための所定の揺動動作を付与する駆動機構とを備えている。
ルーパ土台61は、前述した針棒旋回台13の旋回軸と同心で旋回可能に支持されると共に、旋回機構20のタイミングベルト23が掛け渡されるプーリ26を固定装備している。
左ルーパ及び左スプレッダと右ルーパ及び右スプレッダとは、ルーパ土台61の上部において、互いに旋回軸を中心とする円の半径方向両端に配置されている。そして、縫製時には、左ルーパ及び左スプレッダが針棒12の内針の針落ちに対して二重環縫いを行い、右ルーパ及び右スプレッダが針棒12の外針の針落ちに対して単糸環縫いを行う配置となるように、ルーパ土台61の基本旋回角度が設定されている。
駆動機構は、ルーパ土台61の中心位置において上下動可能に支持された円管状のルーパ駆動軸62と、ルーパ駆動軸62の内側に挿通装備されたスプレッダ駆動軸63と、ルーパ駆動軸62の往復上下動により左右のルーパを揺動させる伝達機構と、スプレッダ駆動軸63の往復上下動により左右のスプレッダを揺動させる伝達機構と、ミシンモーター17により回転駆動が行われる下軸から各駆動軸62,63を上下動させる各々のカム機構とを備えている。
駆動機構は、各駆動軸62,63を針棒12の上下動の往復数(ミシンモーター17の回転数と同じ)の1/2の往復数で上下動を付与するようになっており、これにより、針棒12が下降するたびに左右のルーパ及びスプレッダが交互に縫い針11から上糸の捕捉を行うことを可能としている。
[布送り機構]
布送り機構50は、図1〜図3に示すように、X−Y平面に平行な布地の載置面を備える送り台51と、送り台51をX軸方向に沿って移動させる布移動モーターとしてのX軸モーター52と、送り台51をY軸方向に沿って移動させる布移動モーターとしてのY軸モーター53と、各モーター52,53の回転駆動力をX軸方向及びY軸方向に沿った直動駆動力に変換して送り台51に付与する周知の動力伝達機構から構成されている。
[メス機構]
メス機構30は、図1〜図3に示すように、布にボタン穴を形成するために針棒12の後方に配置されている。
即ち、メス機構30は、アーム部2cの下部において昇降可能に支持されたメス受け32と、ベッド部2aの上部においてメス受け32に対向して固定状態で配置された布切りメス31と、メス受け32の昇降駆動源となるメスモーター33と、メスモーター33のトルクを昇降動作に変換してメス受け32に伝達する図示しないピニオン−ラック機構とを備えている。
メス受け32は、形成するボタン穴の形状に対応して複数種類用意され、交換可能となっている。
布切りメス31は、送り台51のX軸方向中央部に形成された開放可能な開口部511の下方に配置されており、メス受け32が下降して布切りメス31に合致して布に対するボタン穴の形成を妨げられないようになっている。
[押さえ機構]
押さえ機構40は、送り台51の上面の開口部に対してX軸方向中央部に位置するメス機構30による切断位置Sを中心として左右方向に移動可能に支持された一対の布受け板41,41と、各布受け板41,41の後端上面に設けられた一対の布押さえ昇降機構42,42と、各布受け板41,41に左右方向の移動動作を付与する一対の開閉用エアシリンダ438,438とを備えている。
布受け板41,41は布切りメス31の上方に配置された平板であり、その上面には布押さえ昇降機構42,42がそれぞれ配置されている。
各布押さえ昇降機構42は、布押さえ421と、前端部で布押さえ421を支持する支持アーム422と、支持アーム422を介して布押さえ421を昇降させる布押さえ用エアシリンダ425を備えている。
そして、各布受け板41,41の上面において各布押さえ用エアシリンダ425,425が布押さえ421,421により押さえ圧を付与し、開閉用エアシリンダ438,438により各布受け板41,41を互いに離間する方向に加圧することにより、布地を布切りメス31から離間する方向に張力を与えつつ保持することを可能としている。
[糸切り装置]
上糸を切断する糸切り装置は、ルーパ土台61に設けられた動メスと、動メスに切断動作を実行させる上糸切りエアシリンダ15とを備え、これにより上糸の切断を行っている。
また、下糸を切断する糸切り装置は、送り台51の内部に動メスと固定メスとを備え、下糸切りエアシリンダ16(図3参照)を駆動源として動メスに切断動作を実行させる。これにより下糸が動メスに捕捉され、固定メスとの協働により切断される。
[旋回機構]
旋回機構20は、図4に示すように、ミシンベッド部2a内に配置された旋回モーター24と、旋回モーター24のトルクを針棒旋回台13側に伝達するための伝達軸25の上下に設けられた伝達プーリ22,22と、旋回モーター24の出力軸に設けられた主動プーリ28と、前述したルーパ土台61に設けられたプーリ26と、前述した下側の伝達プーリ22と主動プーリ28とプーリ26との間に掛け渡されたタイミングベルト23と、上側の伝達プーリ22と前述した針棒旋回台13に設けられたプーリ27との間に掛け渡されたタイミングベルト21とを備えている。
また、図4の符号251はZ軸方向に沿った状態で伝達軸25を回転可能に支持する軸受け、符号211はタイミングベルト21の外側から圧接して弛みを防止するテンションプーリ、符号231はタイミングベルト23の外側から圧接して弛みを防止するテンションプーリである。
旋回機構20は、旋回モーター24の回転駆動により、ルーパ土台61と針棒旋回台13とが同位相且つ等速で回転を行うように各プーリの伝達比が設定されている。つまり、旋回機構20は、針棒の針振り方向と左右のルーパ及びスプレッダの並び方向が常に一致して旋回を行うように旋回動作の付与を行う。
このため、上下の伝達プーリ22,22と釜側のプーリ26と針棒側のプーリ27(以下、「プーリ27等」とする)はいずれも外径が等しく設定されている。
また、主動プーリ28は、プーリ27等の外径よりも大きく、その結果、旋回機構20では、旋回モーター24の出力軸と伝達軸25との間の減速比が35:26(26/35)となっている。つまり、下記の関係が成立する。
[旋回モーターの出力軸の軸角度変化量]:[旋回モーターにより伝達軸に生じる軸角度変化量]=26:35
また、旋回モーター24にはエンコーダ241が併設されている。このエンコーダ241は、旋回モーター24の出力軸の軸角度変化を1°よりも十分に小さな単位まで求めることができる分解能を有している。さらに、エンコーダ241は、いわゆるアブソリュート式のエンコーダであり、原点センサを不要とし、原点検索を行うことなく旋回モーター24の出力軸に定められた固有の原点位置を求めることができる。
また、エンコーダ241はアブソリュート式なので現在の軸角度をメモリなどに記憶することが不要であり、例えば、主電源を切断して再び主電源を投入した場合に、即座に、旋回モーター24の出力軸の原点位置に対する現在の軸角度を認識することができる。
但し、アブソリュート式のエンコーダ241は、0〜360°の範囲内の現在の軸角度を求めることはできるが、例えば、旋回モーター24の出力軸が1回転以上の複数回転を行った場合でも、何回転行ったかという情報を検出することはできない。
また、伝達軸25には、当該伝達軸25について定められた固有の原点位置を検出するための原点センサ29が併設されている。
伝達軸25の下端部には当該伝達軸25を中心とする半径方向外側に向かって延出された被検出板291が設けられている。原点センサ29は、発光部と当該発光部の照射による反射光を検出する受光部とを備える光学式のセンサである。
被検出板291は伝達軸25の回転により原点センサ29の検出範囲内に侵入するように配置されており、被検出板291の端縁部が原点センサ29の受光量の変化により検出される軸角度が伝達軸25の原点となっている。
[ミシンの制御系]
図3に基づいて、ボタン穴かがりミシン1の制御系について説明する。ボタン穴かがりミシン1の制御装置70は、ミシンモーター17を駆動させるためのミシンモーター駆動回路17aと、当該駆動回路17aを制御装置70のCPU71に接続するためのI/F17bと、布送り機構50に備えられたX軸モーター52を駆動させるためのX軸モーター駆動回路52aと、当該駆動回路52aをCPU71に接続するためのI/F52bと、布送り機構50に備えられたY軸モーター53を駆動させるためのY軸モーター駆動回路53aと、当該駆動回路53aをCPU71に接続するためのI/F53bと、旋回モーター24を駆動させるための旋回モーター駆動回路24aと、当該駆動回路24aをCPU71に接続するためのI/F24bと、メスモーター33を駆動させるためのメスモーター駆動回路33aと、当該駆動回路33aをCPU71に接続するためのI/F33bとを備えている。
さらに、ボタン穴かがりミシン1の制御装置70は、ミシンモーター17の出力軸の軸角度変化量を検出するエンコーダ18の出力パルスをカウントするエンコーダ回路18aと、当該エンコーダ回路18aをCPU71に接続するためのI/F18bと、旋回モーター24の出力軸の軸角度変化量を検出するエンコーダ241の信号処理を行うエンコーダ回路241aと、当該エンコーダ回路241aをCPU71に接続するためのI/F241bと、伝達軸25の原点センサ29の信号処理を行うセンサ回路29aと、当該センサ回路29aをCPU71に接続するためのI/F29bとを備えている。
さらに、ボタン穴かがりミシン1の制御装置70は、布押さえ用エアシリンダ425に空圧を供給するための電磁弁425cを駆動するための電磁弁駆動回路425aと、当該駆動回路425aをCPU71に接続するためのI/F425bと、開閉用エアシリンダ438に空圧を供給するための電磁弁438cを駆動するための電磁弁駆動回路438aと、当該駆動回路438aをCPU71に接続するためのI/F438bと、上糸切りエアシリンダ15に空圧を供給するための電磁弁15cを駆動するための電磁弁駆動回路15aと、当該駆動回路15aをCPU71に接続するためのI/F15bと、下糸切りエアシリンダ16に空圧を供給するための電磁弁16cを駆動するための電磁弁駆動回路16aと、当該駆動回路16aをCPU71に接続するためのI/F16bとを備えている。
なお、ボタン穴かがりミシン1は、実際には、布押さえ用エアシリンダ425と開閉用エアシリンダ438とを左右に一つずつ備えているが、図3では、一つのみを図示している。
さらにまた、ボタン穴かがりミシン1の制御装置70は、各種の設定を入力するための操作パネル75と、当該操作パネル75をCPU71に接続するためのI/F75iと、布押さえ54を下降させるための押さえスイッチ76と、押さえスイッチ76をCPU71に接続するためのI/F76bと、縫製を開始させるためのスタートスイッチ77と、スタートスイッチ77をCPU71に接続するためのI/F77bとを備えている。
なお、上記X軸モーター52、Y軸モーター53、旋回モーター24はパルスモーターである。また、X軸モーター52とY軸モーター53については原点検索をおこなうための原点センサと当該原点センサをCPU71に接続するためのI/Fを備えているが図示は省略する。
また、制御装置70は、各種制御プログラムや、プログラムで使用されるデータが記憶されたROM72と、ROM72から読み出したデータ、操作パネル75から入力もしくは設定されたデータ、演算結果の縫製縫い目データ、プログラムに基づく処理をCPU71が行うための作業領域となるRAM73と、縫製パターンデータ等の記憶が行われるEEPROM74と、プログラムに基づく各種処理を行うCPU71とを備えるものである。なお、EEPROM74は、これにより、データ記憶部として機能する。
縫製パターンデータは各種の穴かがり縫い目を形成するためのパターンデータであり、EEPROM74には、複数種類の縫製パターンデータが記憶されている。また、各縫製パターンデータは、個別に識別可能とするためにそれぞれ固有のパターンナンバーが定められている。
制御装置70は、選択された縫製パターンデータに基づいて針上下動機構、旋回機構20、メス機構30、押さえ機構40及び布送り機構50のアクチュエーターを制御する。
[旋回機構の伝達軸の軸角度検出処理]
制御装置70が行う旋回機構20の伝達軸の軸角度検出処理について図5及び図6に基づいて説明する。図5は、原点センサ29による原点検出信号出力時に旋回モーター24のエンコーダ241が検出する出力軸角度の値と旋回機構20の伝達軸25の回転数、及び旋回モーター24の回転方向との関係を示す線図であり、図6は同関係を示す図表である。
前述したように、旋回機構20では、旋回モーター24の出力軸に設けられた主動プーリ28と伝達軸25に設けられた伝達プーリ22の外径の比が35:26に設定されている。従って、伝達軸25一回転(360°)に対して、旋回モーター24の出力軸は約267.4°回転する。
旋回モーター24の出力軸における原点位置と伝達軸25の原点位置が一致する状態を旋回機構20の初期位置Cとすると、初期位置Cから伝達軸25が正方向(図5右側)に一回転して原点センサ信号が出力されたときに旋回モーター24のエンコーダ241は267.4°の軸角度変化を検出し、さらに、伝達軸25が正方向に一回転するごとにエンコーダ241は、174.8°、82.2°、349.7°、…を検出する。
また、初期位置Cから伝達軸25が逆方向(図5左側)に一回転するごとにエンコーダ241は、92.5°、185.1°、277.7°、…を検出する。
このように、伝達軸25の正方向及び逆方向への所定の回転数の範囲内では、各回転数に応じて、エンコーダ241の検出する出力軸角度は異なる数値を示す。
従って、図6の図表のように、伝達軸25の正方向への回転数及び逆方向への回転数ごとのエンコーダ241の検出する出力軸角度の対応関係が分かっていれば、伝達軸25の原点センサ29の原点センサ信号出力時のエンコーダ241の検出する出力軸角度を取得することにより、伝達軸25の回転数を識別することができる。
なお、旋回機構20は、主動プーリ28と伝達プーリ22の外径の比が35:26なので、伝達軸25における正方向或いは逆方向への回転数が18回転に達しなければ、エンコーダ241は同じ出力軸角度を検出することはない。つまり、この旋回機構20は、正方向と逆方向への回転数が17回転以下の範囲内であれば、原点センサ信号出力時のエンコーダ241の検出する出力軸角度から旋回モーター24の出力軸の回転方向を識別することができる。
制御装置70は、EEPROM74内に、伝達軸25の正逆の回転方向及び正方向と逆方向のそれぞれの複数の回転数(ここでは±15回転を例示する)の範囲内における各回転数ごとのエンコーダ241の検出する出力軸角度の対応関係を示すテーブルデータと、当該対応関係から伝達軸25の初期位置Cからの軸角度変化量を算出する軸角度検出処理プログラムとを記憶している。
そして、制御装置70のCPU71は、旋回機構20の動作制御の際に、軸角度検出処理プログラムを実行して、伝達軸25の原点センサ29による原点センサ信号の入力時にエンコーダ241の検出する出力軸角度を読み取り、テーブルデータを参照して伝達軸25の回転方向及び回転数を特定し、初期位置Cからの軸角度変化量を算出する。
[ボタン穴かがりミシンの制御装置における全体動作]
図7は穴かがり縫いである菊穴縫いの縫製パターンを示す説明図である。この菊穴縫いは、布地に形成された円孔の周囲を、針振りを行いながら旋回機構20により所定の角度ピッチで間欠的に旋回を行い、円孔の周囲に沿ったかがり縫いを行うことで形成させる。
ここでは、菊穴縫いを二重、つまり二回転分の旋回を行って縫い目を形成する場合を例示する。
図8はボタン穴かがりミシン1による菊穴縫いの縫製制御の全体的な処理を示すフローチャートであり、図9は旋回機構20により旋回時の伝達軸角度の検出処理を示すフローチャートである。
これらに基づいて、ボタン穴かがりミシン1の全体的な処理を説明する。
まず、CPU71は、菊穴縫いの縫製動作を開始するために、送り台51(X軸モーター52及びY軸モーター53)、針棒旋回台13及びルーパ土台61(旋回モーター24)、メスモーター33の各原点センサによる原点検索を実行する(ステップS1)。
なお、旋回機構20については、モーター24の出力軸と伝達軸25とが個々の原点位置となる初期位置に合わせられる。即ち、CPU71がカウントする旋回機構20の伝達軸25の回転数Tを0にリセットする。
その後、ボタン穴かがりミシン1に設けられた押さえスイッチ76が押下されると(ステップS3)、CPU71は、布押さえ421,421を下降させて、布地を押さえる(ステップS5)。
次いで、ボタン穴かがりミシン1に設けられたスタートスイッチ77の押下待ちとなり(ステップS7)、スタートスイッチ77が押下されると、CPU71は、菊穴縫いの動作制御を開始する。
まずCPU71は、メス受け32を上下動させて、布地に円孔を形成する(ステップS9)。
さらに、CPU71は、X軸、Y軸モーター52,53を制御して、原点位置の送り台51を縫い開始位置まで移動させる(ステップS11)。
そして、CPU71は、ミシンモーター17を駆動し、菊穴縫いを開始する(ステップS13)。CPU71は、伝達軸25の軸角度変化量が予め設定された「目標軸角度」となるように旋回モーター24に対する制御を行い、順番に必要な数の縫い目を形成する。
即ち、前述したように、円孔の周囲を2周にわたって菊穴縫いを行う。
ここで、図9に基づいて、縫製時の軸角度の検出処理について説明する。
CPU71は、現在の旋回機構20の伝達軸25の回転数Tの読み込みを行う(ステップS31)。旋回動作が開始されていない段階では伝達軸25の回転数T=0である。
そして、旋回モーター24の駆動が開始される(ステップS33)。
CPU71は、伝達軸25の原点センサ29の信号出力を読み取り、原点センサ信号が検出されたか否かを判定する(ステップS35)。
そして、原点センサ29から原点センサ信号が検出された場合には、旋回モーター24のエンコーダ241の検出角度を読み取り(ステップS37)、EEPROM74内の伝達軸25の正方向への回転数及び逆方向への回転数ごとのエンコーダ241の検出する出力軸角度の対応関係を示すテーブルデータ(図6)を参照して、現在の伝達軸25における初期位置からの回転数及び回転方向を特定する(ステップS39)。
そして、伝達軸25の回転数Tを特定した回転数に更新して(ステップS41)、ステップS35に処理を戻し、原点センサ信号が検出されたか否かを判定する。
菊穴縫いは、円孔の周囲を、針振りを行いながら、所定の角度ピッチで間欠的に旋回を繰り返し行うが、二重に縫い目を形成する場合には、円孔の周囲への縫製が二周目に突入する。その際に、原点センサ29から原点センサ信号が検出されると、穴かがり縫いが円孔の周囲を一周したことが求まり、回転数=1が求まる。
また、ステップS35において、原点センサ信号が検出されない場合には、CPU71は、現在の旋回モーター24のエンコーダ241の検出角度と伝達軸25の回転数Tとにより、初期位置からの伝達軸25の軸角度変化量dを算出する(ステップS43)。
例えば、直近の原点センサ信号検出に基づく伝達軸の回転方向が「正方向」、この時の伝達軸25の回転数T=aである場合であって、その後、さらに旋回モーター24が伝達軸25を正方向へ回転させる回転(出力軸の正回転)を継続し、エンコーダ241が旋回モーター24の原点位置からの軸角度bを検出した場合、CPU71は、正方向に伝達軸25がa回転したときの旋回モーター24の出力軸の軸角度cを前述した図6のテーブルから取得する。これに対して、現在の旋回モーター24の出力軸の軸角度はbなので、軸角度cから軸角度bまでの正方向の角度変化量を算出する。この時、旋回モーター24の出力軸が軸角度cから軸角度bまで回転する際に、出力軸の原点位置(0°)を通過しない場合には、図10(A)に示すように、b≧cとなり、通過した場合には、図10(B)に示すように、b<cとなる。
[出力軸が正方向に回転し、b≧cの場合]
従って、軸角度bと軸角度cの大小の比較を行い、b≧cの場合には、直近の原点センサ29による原点検出からの旋回モーター24の出力軸の軸角度の変化量は正方向に(b−c)となる。
そして、旋回モーター24の出力軸と伝達軸25の伝達比は35:26なので、b≧cの場合の伝達軸25の原点位置からの軸角度変化量は伝達比を乗じて、正方向に35/26*(b−c)となる。
従って、伝達軸25の初期位置からの正方向への軸角度変化量d=360*a+35/26*(b−c)となる。
[出力軸が正方向に回転し、b<cの場合]
また、b<cの場合には、直近の原点センサ29による原点検出からの旋回モーター24の出力軸の軸角度の変化量は正方向に(360+b−c)となる。
そして、b<cの場合の伝達軸25の原点位置からの軸角度変化量は伝達比を乗じて正方向に35/26*(360+b−c)となる。
従って、伝達軸25の初期位置からの正方向への軸角度変化量d=360*a+35/26*(360+b−c)となる。
また、例えば、直近の原点センサ信号検出に基づく回転方向が「逆方向」、この時の伝達軸25の回転数T=aである場合であって、その後、さらに旋回モーター24が伝達軸25を逆方向へ回転させる回転(出力軸の逆回転)を継続し、エンコーダ241が旋回モーター24の原点位置からの軸角度bを検出した場合、CPU71は、逆方向に伝達軸25がa回転したときの旋回モーター24の出力軸の軸角度cを前述した図6のテーブルから取得する。これに対して、現在の旋回モーター24の出力軸の軸角度はbなので、軸角度cから軸角度bまでの逆方向の角度変化量を算出する。この時、旋回モーター24の出力軸が軸角度cから軸角度bまで回転する際に、出力軸の原点位置(0°)を通過しない場合には、図10(C)に示すように、c≧bとなり、通過した場合には、図10(D)に示すように、c<bとなる。
[出力軸が逆方向に回転し、c≧bの場合]
従って、軸角度bと軸角度cの大小の比較を行い、c≧bの場合には、直近の原点センサ29による原点検出からの旋回モーター24の出力軸の軸角度の変化量は逆方向に(c−b)となる。
そして、旋回モーター24の出力軸と伝達軸25の伝達比は35:26なので、c≧bの場合の伝達軸25の原点位置からの軸角度変化量は伝達比を乗じて、逆方向に35/26*(c−b)となる。
従って、伝達軸25の初期位置からの逆方向への軸角度変化量d=360*a+35/26*(c−b)となる。
[出力軸が正方向に回転し、c<bの場合]
また、c<bの場合には、直近の原点センサ29による原点検出からの旋回モーター24の出力軸の軸角度の変化量は逆方向に(360+c−b)となる。
そして、c<bの場合の伝達軸25の原点位置からの軸角度変化量は伝達比を乗じて、逆方向に35/26*(360+c−b)となる。
従って、伝達軸25の初期位置からの逆方向への軸角度変化量d=360*a+35/26*(360+c−b)となる。
そして、CPU71は、算出された初期位置からの伝達軸25の軸角度変化量が目標軸角度に達したか否かを判定し、目標軸角度に達した場合には、旋回モーター24の駆動を停止させて、一回の動作を終了する(ステップS47)。
また、旋回モーター24の目標軸角度に達していない場合には、ステップS35に処理を戻して、CPU71は、再び原点センサ信号の有無を判定する。
このようにして、旋回モーター24により間欠的な旋回動作の一つ一つについて、図9の軸角度検出処理が完了し、二周分の菊穴縫いの縫い目の形成が完了すると、CPU71は、図8のステップS15に処理を進めて、送り台51(X軸モーター52及びY軸モーター53)を原点位置に戻し、旋回機構20も初期位置に戻される。
その際には、CPU71は、伝達軸25の初期位置からの軸角度変化量を把握しているので、これを伝達比から旋回モーター24の出力軸角度変化量に換算して、縫製時とは逆方向に回転させ、エンコーダ241の検出角度が0°になった時点で旋回モーター24を停止する。
さらに、CPU71は、上糸切りエアシリンダ15及び下糸切りエアシリンダ16を作動させて、上糸及び下糸の切断を行い(ステップS17)、布押さえ421,421を上昇させて(ステップS19)、布地に対する押さえを解除して菊穴縫いの縫製制御を完了する。
[発明の実施形態の技術的効果]
上記ボタン穴かがりミシン1では、旋回モーター24の出力軸にエンコーダ241を設け、伝達軸25に原点センサ29を設けている。さらに、旋回モーター24の出力軸の軸角度変化量をA、これに伴い伝達軸25に生じる軸角度変化量をBとする場合に、A/B=26/35(≠1)としている。
このため、旋回モーター24の出力軸と伝達軸25とが共に原点に位置する状態を初期位置とする場合に、当該初期位置から伝達軸25が一回転以上の回転を生じると、伝達軸25が原点位置にある場合でも旋回モーター24の出力軸は原点位置とならず、エンコーダ241は所定の検出角度を示す。
また、初期位置を基準として正方向の回転数の範囲と逆方向の回転数の範囲との合計が35回転未満であれば、原点センサ信号検出ごとのエンコーダ241の検出角度は全て異なる値を示す。
従って、この特性から、伝達軸25の回転数と、原点センサ29から原点センサ信号が検出される時にエンコーダ241が検出する旋回モーター24の出力軸の軸角度と回転方向の対応関係を示すテーブルデータを作成することができ、当該テーブルデータを参照することにより、伝達軸25の原点センサ29による原点検出時におけるエンコーダ241の検出角度に基づいて、伝達軸25の初期位置からの正方向又は逆方向の回転数を求めることができる。
さらに、エンコーダ241の検出角度から、伝達軸25の初期位置からの軸角度変化量も求めることができる。
これにより、ボタン穴かがりミシンは、針棒及びルーパ土台の複数回の旋回が可能となり、二重の穴かがり縫い目の形成が可能となる。
また、正方向と逆方向の伝達軸25の回転数とその軸角度変化量を求められるので、初期位置に戻すことも可能となり、糸の捻れや絡みつきの発生を効果的に抑えることが可能となる。
また、ボタン穴かがりミシン1は、原点センサ29が原点位置を検出している時のエンコーダ241により検出された軸角度から、初期位置からの伝達軸25の軸角度変化量を求める軸角度検出処理部としてCPU71が機能するので(図9のステップS43の処理)、伝達軸25の軸角度変化量から針棒及びルーパ土台の一回転以上の旋回角度をより正確に求めることができ、精度良く穴かがり縫い目を形成することが可能となる。
また、ボタン穴かがりミシン1では、伝達軸25に原点センサ29、旋回モーター24の出力軸にエンコーダ241を設けているので、動作制御の対象となる針棒12及びルーパ土台61の旋回の回転を一回転ごとに原点センサ29の検出信号から容易に且つ直接的に求めることができ、処理が容易となる。
また、旋回モーター24に設けられたエンコーダ241はアブソリュート式であることから、パルスカウンタや原点センサを不要とし、原点検索を行うことなく旋回モーター24の原点位置を検出することが可能となる。
また、アブソリュート式のエンコーダを使用することにより、旋回モーター24の出力軸の原点からの軸角度をメモリに記憶することなくすぐに求めることができるので、初期位置からの回転数の記録が停電などの不慮の原因で失われた場合でも、伝達軸25の原点検索のみにより、テーブルデータを参照して、伝達軸の正逆の回転数を求めることができ、初期位置へ戻すことも可能である。
[その他]
上記ボタン穴かがりミシン1では、旋回モーター24の出力軸にエンコーダ241を設け、伝達軸25に原点センサ29を設ける構成としたが、旋回モーター24の出力軸に原点センサを設け、伝達軸25にエンコーダを設けても良い。この場合、原点センサの原点検出時におけるエンコーダの検出角度から旋回モーター24の出力軸の回転数を求めることができ、初期位置からの伝達軸25の軸角度変化量を算出することができる。
従って、この構成の場合も、針棒及びルーパ土台の複数回の旋回が可能となり、複数回重ねた穴かがり縫い目の形成が可能となる。また、糸の捻れや絡みつきの発生も低減することができる。
また、旋回モーター24の出力軸又は伝達軸25に設けるエンコーダ241は、アブソリュート式に限らず、インクリメンタル式を使用することも可能である。但し、インクリメンタル式の場合には当該エンコーダの原点センサとパルスカウンタと検出軸角度を記憶するメモリなどが必要となる。
また、旋回機構20では、35:26の伝達比を例示したが、比率の数値は限定されない。
例えば、下記の[1]〜[3]のいずれとしてもよい。但し、nは自然数、n1、n2は互いに公約数を持たない自然数とする。
[1] [旋回モーターの出力軸の軸角度変化量]:[旋回モーターにより伝達軸に生じる軸角度変化量]=1:n
[2] [旋回モーターの出力軸の軸角度変化量]:[旋回モーターにより伝達軸に生じる軸角度変化量]=n:1
[3] [旋回モーターの出力軸の軸角度変化量]:[旋回モーターにより伝達軸に生じる軸角度変化量]=n1:n2
[1]〜[3]のいずれも場合も、n、n1、n2はより大きな数値を採用することにより、検出可能な回転数を増やすことが可能となる。
また、上記ボタン穴かがりミシン1の例では、菊穴縫いを行う場合について例示を行ったが、鳩目穴かがり縫いや眠目穴かがり縫い等、穴の周囲を周回してかがり縫いを行ういずれの縫いを行う場合にも有効である。
1 ボタン穴かがりミシン(穴かがりミシン)
11 縫い針
12 針棒
13 針棒旋回台
20 旋回機構
24 旋回モーター
241 エンコーダ
25 伝達軸
29 原点センサ
60 ルーパ機構
61 ルーパ土台
70 制御装置
71 CPU(軸角度検出処理部)
C 初期位置

Claims (7)

  1. 針振りを行いつつ針棒を上下動させる針上下動機構と、
    ルーパとスプレッダとこれらを支持するルーパ土台とを備えるルーパ機構と、
    前記針振りを行う針棒と前記ルーパ土台とを旋回させる旋回機構と、
    穴かがり縫い目を形成する穴かがり縫製制御を行う制御装置と、を備える穴かがりミシンにおいて、
    前記旋回機構は、駆動源となる旋回モーターと、当該旋回モーターにより回転を行う伝達軸とを備え、
    前記旋回モーターの出力軸の軸角度変化量をA、これに伴い前記伝達軸に生じる軸角度変化量をBとする場合に、A/B≠1とし、
    前記伝達軸に、原点位置にある状態を検出する原点センサを設け、
    前記旋回モーターの出力軸に、軸角度を検出するエンコーダを設け、
    前記制御装置は、
    前記伝達軸の回転数及び回転方向と、前記原点センサから原点センサ信号が検出される時に前記エンコーダが検出する前記旋回モーターの出力軸の軸角度の対応関係を示すテーブルデータを記憶すると共に、
    前記テーブルデータと、前記原点センサから原点センサ信号が検出される時に前記エンコーダが検出する前記旋回モーターの出力軸の軸角度とにより、前記伝達軸の回転数及び回転方向を特定することを特徴とする穴かがりミシン。
  2. 前記旋回モーターの出力軸が当該出力軸の原点位置にあり、且つ、前記伝達軸が当該伝達軸の原点位置にある状態を前記旋回機構の初期位置とする場合に、
    直近で前記特定された伝達軸の回転数及び回転方向と前記エンコーダにより検出された前記旋回モーターの出力軸の軸角度から、前記初期位置からの前記伝達軸の軸角度変化量を求める軸角度検出処理部を備えることを特徴とする請求項1記載の穴かがりミシン。
  3. 針振りを行いつつ針棒を上下動させる針上下動機構と、
    ルーパとスプレッダとこれらを支持するルーパ土台とを備えるルーパ機構と、
    前記針振りを行う針棒と前記ルーパ土台とを旋回させる旋回機構と、
    穴かがり縫い目を形成する穴かがり縫製制御を行う制御装置と、を備える穴かがりミシンにおいて、
    前記旋回機構は、駆動源となる旋回モーターと、当該旋回モーターにより回転を行う伝達軸とを備え、
    前記旋回モーターの出力軸の軸角度変化量をA、これに伴い前記伝達軸に生じる軸角度変化量をBとする場合に、A/B≠1とし、
    前記旋回モーターの出力軸に、原点位置にある状態を検出する原点センサを設け、
    前記伝達軸に、軸角度を検出するエンコーダを設け、
    前記制御装置は、
    前記旋回モーターの出力軸の回転数及び回転方向と、前記原点センサから原点センサ信号が検出される時に前記エンコーダが検出する前記伝達軸の軸角度の対応関係を示すテーブルデータを記憶すると共に、
    前記テーブルデータと、前記原点センサから原点センサ信号が検出される時に前記エンコーダが検出する前記伝達軸の軸角度とにより、前記旋回モーターの出力軸の回転数及び回転方向を特定することを特徴とする穴かがりミシン。
  4. 前記旋回モーターの出力軸が当該出力軸の原点位置にあり、且つ、前記伝達軸が当該伝達軸の原点位置にある状態を前記旋回機構の初期位置とする場合に、
    直近で前記特定された前記旋回モーターの出力軸の回転数及び回転方向と前記エンコーダにより検出された前記伝達軸の軸角度から、前記初期位置からの前記伝達軸の軸角度変化量を求める軸角度検出処理部を備えることを特徴とする請求項3記載の穴かがりミシン。
  5. 前記エンコーダはアブソリュート式であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の穴かがりミシン。
  6. A:B=1:n 又は A:B=n:1
    但し、nは自然数
    としたことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の穴かがりミシン。
  7. A:B=n1:n2
    但し、n1、n2はいずれも自然数
    としたことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の穴かがりミシン。
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