以下、本開示の各実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
本開示の実施の形態1は、複数の音出力端末とは別に設けられたサーバに、これら複数の音出力端末からの音の出力を制御する制御装置を配置した例である。
<システムの概要>
まず、本開示に係る制御装置を含む音出力システムの概要について説明する。
図1は、複数の音出力端末および制御装置を含む音出力システムの概要の一例を示す図である。また、図2は、複数の音出力端末が使用される様子の一例を示す図である。
図1に示すように、音出力システム100は、位置情報提供サーバ200、第1〜第N(Nは2以上の整数)の音出力端末3001〜300N、および、本開示に係る制御装置を含む制御サーバ400を有する。なお、第1〜第Nの音出力端末3001〜300Nは、同一の構成を有するため、適宜、「音出力端末300」として纏めて説明を行う。
位置情報提供サーバ200は、例えば上空のGPS(Global Positioning System)衛星201に配置され、地上に向けてGPS信号202を定期的に送信するGPSサーバである。なお、位置情報提供サーバ200は、Wifi(登録商標)のSSIDやBeaconとして位置(地理)情報を発信するサービスにおける発信装置や、かかる発信装置を管理するサーバであってもよい。
音出力端末300は、音を出力するスピーカ301とストラップ302とを備えた、小型軽量の端末装置である。ストラップ302は、図2に示すように、ユーザ500の首に掛けられる。すなわち、音出力端末300は、ユーザ500に携帯され、ユーザの耳の近くから音304を出力する。
なお、音出力端末300は、図1および図2に示すような小型の専用端末に限定されない。例えば、音出力端末300は、スマートフォンなどの通信端末であってもよいし、人体や衣服に装着される装着端末であってもよい。装着端末とは、例えば、腕時計型端末(スマートウォッチ)、眼鏡型端末(スマートグラス)、人の頭部に被せられるヘルメット型の端末等を含む。
ヘルメット型の端末の場合、ヘルメット内部であって、左右両耳に最適な音量で聴取可能な位置に、スピーカ301が配置されていることが望ましい。これにより、左右両耳へ効率良く音を伝達でき、ヘルメット外部への不必要な音の放出を低減することができる。工場などにおける作業者向けにオペレーションを行う場合や、工場見学者などに配布する情報提供端末としては、より動き易くハンズフリーを求めることが想定されるため、ストラップにて首から提げる小型端末よりも、ヘルメット型の端末の方が好適である。工場のオペレーションでは複数人の端末で同じ情報が出力されるシーンが想定されるため、以下に説明する音出力端末300の出力制御が有効となる。工場見学などの端末でも同様である。
また、音出力端末300は、自転車や車椅子等に搭載あるいは一体的に形成されるものであってもよい。この場合、例えば自転車全体を音出力端末300として捉えることもできる。例えば、複数人から成るグループで自転車に乗りサイクリングを楽しむシーン等では、複数の音出力端末300から出力される音が重なる場合もあるので、以下に説明する音出力端末300の出力制御が有効となる。特に、自転車に乗っている時にはスマートフォンなどの端末を操作することができないため、上述のヘルメット型や自転車搭載型の音出力端末300が好適である。
音出力端末300は、GPS信号202を受信して音出力端末300の位置情報を生成し、生成した位置情報を、無線通信303により制御サーバ400へ送信する。
制御サーバ400は、無線通信303により、各音出力端末300からの音304の出力を制御する。
第1〜第Nの音出力端末3001〜300Nの少なくとも一部の複数の音出力端末300は、例えば、同一の内容の音声ガイドを出力する。
ところが複数の音出力端末300が近接している場合、全ての音出力端末300が音304を出力すると、それぞれから同じ音304が出力され、騒々しくなる。更に、音出力端末300毎に音出力のタイミングが異なる場合、個々の音304が聞き取り難くなる。
そこで、制御サーバ400は、各音出力端末300から受信した位置情報に基づき、複数の音出力端末300が近接しているか否かを判定する。そして、制御サーバ400は、複数の音出力端末300が近接している場合、1つの音出力端末300のみデフォルトあるいはそれ以上の音量で音を出力させ、それ以外の音出力端末300の音量を相対的に小さくさせる。すなわち、制御サーバ400は、取得された位置情報が、複数の音出力端末300が近接しているという条件を満たしているか否かに応じて、複数の音出力端末300の間で異なる音出力制御を行うか否かを切り替える。
複数の音出力端末300のそれぞれが離隔している場合、各音出力端末300から通常の音出力を行うことにより、各ユーザ500は、音出力端末300から出力される音をより確実に聞き取ることができる。
一方、複数の音出力端末300が近接している場合、一部の音出力端末300の音出力を抑えることにより、騒々しくなったり音が聞き取り難くなったりするのを防ぐことができる。なおかつ、音出力を抑えている音出力端末300のユーザ500は、音出力を抑えていない他の音出力端末300から出力される音を聞くことができる。
すなわち、制御サーバ400は、上述の条件が満たされているか否かに応じて、複数の音出力端末300の間で異なる音出力制御を行うか否かを切り替えることにより、音出力端末300の利便性を維持させる。
以下の説明において、上述の異なる音出力制御を行う場合に、音量が他の音出力端末300に比べて相対的に大きくなる音出力端末300は、「代表端末」という。また、上述の異なる音出力制御を行う場合に、音量が他の音出力端末300に比べて相対的に小さくなる音出力端末300は、「他端末」という。
なお、他端末の音量が相対的に小さくなることには、単に他端末の絶対音量が小さくなることだけではなく、音量がゼロになる(ミュート)こと、および、代表端末の絶対音量が大きくなることが含まれてもよい。
また、本実施の形態において、第1〜第Nの音出力端末3001〜300Nは、異なる音声データ(コンテンツ)を出力するグループに、予め分けられているものとする。かかるグループは、例えば、大人用の音声ガイドを出力するグループと、子供用の音声ガイドを出力するグループと、専門家用の音声ガイドを出力するグループである。
また、以下の説明において、適宜、ある音出力端末300に着目したときに当該音出力端末300が属するグループは、「自グループ」といい、自グループ以外のグループは「他グループ」という。
<装置の構成>
次に、音出力端末300および制御サーバ400の構成について説明する。
図3は、音出力端末300および制御サーバ400の構成の一例を示すブロック図である。
図3において、音出力端末300は、端末無線通信部310、端末情報格納部320、位置検出部330、および音出力部340を有する。
端末無線通信部310は、無線アクセスポイント(図示せず)との間で公知の無線通信方式による無線通信303を行い、無線アクセスポイントを介して制御サーバ400と通信可能に接続する。なお、端末無線通信部310は、携帯電話機や無線通信ルータ等の通信中継装置(図示せず)を介して、制御サーバ400との通信を行ってもよい。
端末情報格納部320は、音出力端末300の識別情報や、音出力端末300からの音出力の対象となる音データ(以下、単に「音データ」という)等の各種情報を格納する。端末情報格納部320は、例えば、端末無線通信部310を介して、制御サーバ400あるいは他の情報サーバから音データを取得する。音データは、例えば、上述の音声ガイドの音声データである。
位置検出部330は、GPS信号202(図1参照)を受信し、GPS信号202に基づいて位置検出部330の現在位置を検出する。現在位置は、例えば、緯度と経度との組により定義される。そして、位置検出部330は、端末情報格納部320から音出力端末300の識別情報を読み出し、現在位置および識別情報を含む端末位置情報を、端末無線通信部310を介して制御サーバ400へ送信する。位置検出部330は、かかる送信を、定期的に、あるいは制御サーバ400からの指示を受けて行う。
音出力部340は、スピーカ301(図1参照)を含み、端末情報格納部320に格納された音データを読み出し、音に変換して出力する。
但し、音出力部340は、端末無線通信部310を介して制御サーバ400から音出力に関する制御情報を受信したとき、当制御情報に従って音出力を行う。かかる制御情報は、例えば、音量をデフォルトの音量から変化させることの指示や、音出力タイミングをデフォルトの音出力タイミングから変化させることの指示を含む。
なお、第1〜第Nの音出力端末3001〜300N(図2参照)の間で、デフォルトの音量およびデフォルトの音出力タイミングは、いずれも同一であるものとする。但し、ユーザにより好みの音量は異なり得るため、デフォルトの音量は幅を有してもよい。また、デフォルトの音出力タイミングは、展示物に近付いたタイミングというように、音出力端末300毎に異なり得るタイミングを基準とするものであってもよい。
また、図3において、制御サーバ400は、サーバ無線通信部410、サーバ情報格納部420、位置取得部430、条件判定部440、および音制御部450を有する。
サーバ無線通信部410は、上述の無線アクセスポイントとの間で公知の通信方式による通信を行い、無線アクセスポイントを介して音出力端末300と通信可能に接続する。
サーバ情報格納部420は、複数の音出力端末300の間で異なる音出力制御を行うか否かの判断、および、具体的にどのような制御を行うかの決定に必要な、各種の情報を格納する。サーバ情報格納部420は、例えば、端末属性情報および切替条件情報を、予め格納する。
端末属性情報は、第1〜第Nの音出力端末3001〜300Nのグルーピングの内容、および、音出力端末300間およびグループ間の音声出力の優先順位を示す情報である。
なお、以下の説明において、適宜、第1〜第Nの音出力端末3001〜300Nを、順に、端末A〜端末Hと表記する。
図4は、端末属性情報の一例を示す図である。
図4に示すように端末属性情報610は、音出力端末300の識別情報(以下「端末ID」という)611毎に、自グループの識別情報(以下「所属グループID」という)612を記述している。また、端末属性情報610は、端末ID611毎に、複数のグループ間における音声出力の優先順位(以下「グループ間優先順位」という)613と、自グループ内における音声出力の優先順位(以下「グループ内優先順位」という)614とを記述している。
例えば、端末A〜端末Dの端末ID611には、「G1」という所属グループID612が対応付けられている。これは、端末A〜端末Dが、同一のグループに属していることを示す。また、端末Aの端末ID611には、「G1−1」というグループ内優先順位614が対応付けられている。これは、端末Aが、「G1」のグループにおける代表端末であること、あるいは、代表端末に決定される優先度が最も高いことを示す。また、「G1」という所属グループID612には、「1」というグループ間優先順位613が対応付けられている。これは、「G1」のグループが、先に音を出力することについての優先度が最も高いことを示す。
なお、端末属性情報610は、各音出力端末300が音出力の対象とする音声データの識別情報を記述していてもよい。また、端末A〜端末Hのグルーピングが音声データの同一性に基づいて行われている場合、端末属性情報610は、グループ毎に音声データの識別情報を記述していてもよい。
切替条件情報は、複数の音出力端末300の間で異なる音出力制御を行うことを決定するための条件を示す情報である。なお、切替条件情報は、複数の音出力端末300が近接しているか否か、つまり、複数の音出力端末300の相対位置関係に関連付けて、上記条件を示す情報である。
図5は、切替条件情報の一例を示す図である。
図5に示すように、切替条件情報620は、音出力端末300間の距離のレベル621毎に、相対距離622、グループ内制御623、およびグループ間制御624を規定している。
相対距離622は、2つの音出力端末300の間の相対距離である。グループ内制御623は、相対距離622毎に、他端末で音出力を行うこと(全端末再生)、および、当該他端末で音出力を行わないこと(代表端末のみ再生)のいずれかを規定する。但し、ここでいう相対距離622は、同一グループの代表端末に対する他端末の相対距離である。グループ間制御624は、相対距離622毎に、音出力を行う各音出力端末300で、通常の音出力を行うこと(グループ間調整なし)、音量を低減すること(両グループ共に音量を下げて再生)、および、他グループとは異なるタイミングで音出力を行うこと(再生終了後の次のグループが再生)のいずれかを規定する。但し、ここでいう相対距離622は、他グループの音出力を行う音出力端末300に対する相対距離である。
なお、切替条件情報620は、グループ内の距離に基づく制御に関する条件を規定するグループ内制御情報と、グループ間の距離に基づく制御に関する条件を規定するグループ間制御情報とに、分かれていてもよい。
図6は、グループ内制御情報の一例を示す図である。
図6に示すように、グループ内制御情報630は、他端末と自グループの代表端末との距離のレベル631毎に、当該他端末の音出力632を規定している。
例えば、「L1」および「L2」のレベル、つまり10m以上の相対距離には、「出力」という音出力632が対応付けられている。これは、同じグループに属する代表端末に対する距離が10m以上となっている他端末は、音出力を行うことを意味する。代表端末から遠くに位置する他端末には、代表端末の出力音が届きにくいためである。
また、例えば、「L3」〜「L5」のレベル、つまり10m未満の相対距離には、「ミュート」という音出力632が対応付けられている。これは、同じグループに属する代表端末に対する距離が10m未満となっている他端末は、音出力を行わないことを意味する。代表端末の近くに位置する他端末には、代表端末の出力音が届き易いためである。
なお、以下の説明において、ミュートしないこと(つまり音出力すること)が決定された音出力端末300は、適宜、「音出力決定端末」という。
図7は、グループ間制御情報の一例を示す図である。
図7に示すように、グループ間制御情報640は、他グループの音出力決定端末との距離のレベル641毎に、音出力決定端末の音量および音出力タイミング642を規定している。
例えば、「L1」〜「L3」のレベル、つまり5m以上の相対距離には、「デフォルト音量、デフォルトタイミング」という音量および音出力タイミング642が対応付けられている。これは、他グループに属する全ての音出力決定端末と5m以上離れている音出力決定端末は、音量も音出力タイミングもデフォルト設定のままとすることを意味する。異なる音声を出力する音出力端末300の組み合わせの場合、5m以上離れていれば、互いの出力音が届きにくいか、届いたとしても聞き分けが容易であるためである。
また、例えば、「L4」のレベル、つまり1m以上5m未満の相対距離には、「小音量、デフォルトタイミング」という音量および音出力タイミング642が対応付けられている。これは、他グループに属する全ての音出力決定端末のうち最も近い音出力決定端末との距離が1m以上5m未満となっている音出力決定端末は、音量を低減し、音出力タイミングをデフォルト設定のままとすることを意味する。異なる音声を出力する音出力端末300の組み合わせの場合、1m以上5m未満の距離では、互いの出力音が届き易いものの、音量を小さくすれば聞き分けが可能であるためである。
また、例えば、「L5」のレベル、つまり1m未満の相対距離には、「デフォルト音量、時間差タイミング」という音量および音出力タイミング642が対応付けられている。これは、他グループに属する全ての音出力決定端末のうち最も近い音出力決定端末との距離が1m未満となっている音出力決定端末は、音量をデフォルト設定のままとし、距離が1m未満となっている他グループと音出力タイミングをずらすことを意味する。1m未満の距離では、複数の異なる音を同時に出力すると聞き取り易さを実現することが難しいためである。
なお、時間差タイミングは、グループ間優先順位613(図4参照)が高いものから順に早いタイミングとすることを意味する。また、同一のグループに属する複数の音出力端末300の音出力タイミングが同一である場合、時間差タイミングは、グループ単位で音出力タイミングをずらすことを意味する。
図3の位置取得部430は、音出力端末300のそれぞれから、サーバ無線通信部410を介して、端末位置情報を取得する。なお、かかる取得は、位置取得部430が音出力端末300のそれぞれに対して端末位置情報の送信を指示することにより行われてもよいし、各音出力端末300からの定期的な端末位置情報の送信を受けることにより行われてもよい。
第1〜第Nの音出力端末3001〜300Nから取得されたN個の端末位置情報は、全体として、第1〜第Nの音出力端末3001〜300Nの相対位置関係を示す。すなわち、位置取得部430は、第1〜第Nの音出力端末3001〜300Nの相対位置関係を示す位置情報を取得する。位置取得部430は、取得された位置情報を、条件判定部440へ出力する。
条件判定部440は、位置取得部430から出力された位置情報に基づき、複数の音出力端末300が近接しているという条件が満たされているか否かを判定する。そして、条件判定部440は、かかる条件が満たされている場合、代表端末と他端末との間で異なる音出力制御を行うことを決定する。
より具体的には、条件判定部440は、端末属性情報610(図4参照)と、切替条件情報620(図5参照)、あるいはグループ内制御情報630(図6参照)およびグループ間制御情報640(図7参照)とを参照する。そして、条件判定部440は、音出力端末300毎に、音出力を行わないための条件が満たされているか否かを判定し、更に、音出力タイミングを他グループとずらすための条件が満たされているか否かを判定する。
グループ内制御情報630およびグループ間制御情報640の場合、各音出力端末300が音出力を行わないための条件は、自グループの代表端末との距離が10m未満であることである。また、各音出力端末300が小音量で音出力を行うための条件は、他グループの最も近い音出力端末300との距離が1m以上5m未満であることである。更に、各音出力端末300が音出力タイミングをずらして音出力を行うための条件は、他グループの最も近い音出力端末300との距離が1m未満であることである。
条件判定部440は、各条件が満たされているか否かに応じて、音出力端末300毎に、音出力を行うか否か、小音量にするか否か、および、音出力タイミングをずらすか否かをそれぞれ決定する。そして、条件判定部440は、各音出力端末300の音出力制御に関する決定の結果を示す制御指示情報を、音制御部450へ出力する。
音制御部450は、条件判定部440から出力された制御指示情報に従って、各音出力端末300の音出力を制御する。より具体的には、制御指示情報が示す決定結果が実現されるように、音出力の音量を低減すること等を指示する制御情報を生成し、サーバ無線通信部410を介して各音出力端末300へ送信する。
なお、かかる制御は、デフォルトの音量および音出力タイミングで音を出力することが決定された音出力端末300に対して、指示を特に与えない(つまりデフォルトでの動作を継続させる)ことを含む。そして、複数の音出力端末300が近接しているグループについては、代表端末でのみ音を出力させ、他端末では音を出力させないといった、代表端末と他端末との間で異なる音出力制御を含む。
すなわち、音制御部450は、複数の音出力端末300が近接しているという条件が満たされているか否かに応じて、代表端末と他端末との間で異なる音出力制御を行うか否かを切り替えて、複数の音出力端末300からの音の出力を制御する。
音出力端末300および制御サーバ400は、図示しないが、例えば、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)等の記憶媒体、RAM(Random Access Memory)等の作業用メモリ、および通信回路を有する。この場合、上記した各部の機能は、CPUが制御プログラムを実行することにより実現される(図33参照)。
上記構成を有する音出力端末300は、音出力端末300の現在位置を示す端末位置情報を、制御サーバ400へ送信することができる。また、音出力端末300は、ユーザ500に携帯された状態で音を出力しつつ、制御サーバ400からの制御に従って、音出力の停止、小音量化、および音出力タイミングの調整等を行うことができる。
また、上記構成を有する制御サーバ400は、複数の音出力端末300の相対位置関係に基づいて、各音出力端末300に対する音出力制御を行うことができる。特に、制御サーバ400は、複数の音出力端末300が近接しているか否かに応じて、代表端末と他端末との間で異なる音出力制御を行うか否かを切り替えて、複数の音出力端末300からの音の出力を制御することができる。
<装置の動作>
次に、制御サーバ400の動作について説明する。
図8は、制御サーバ400の動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS1100において、位置取得部430は、端末A〜端末Hのそれぞれから端末位置情報を収集することにより、複数の音出力端末300の相対位置関係を示す位置情報を取得する。
図9は、位置取得部430が取得する位置情報の内容の一例を示す図である。ここでは、各音出力端末300の平面配置のプロットを示す。また、参考として、端末Aに対する距離のレベルL1〜L5の領域を図示している。
図9のプロット図710に示すように、例えば、端末A、B、Eが近接して位置し、少し離れて端末Hが、更に離れて端末C、Eがそれぞれ位置している。端末D、Gは、非常に離れて位置している。このような相対位置関係において、同一のグループに属する端末A、Bの両方が音出力を行うと騒々しくなり、互いに異なるグループに属する端末A、E、Hがデフォルト設定で音出力を行うと、それぞれの出力音が聞き取り難くなる。
図8のステップS1200において、条件判定部440は、位置情報に基づいて、音出力端末300の組み合わせ毎に距離を算出する。そして、条件判定部440は、算出結果を記述した端末間距離情報を生成し、保持する。
図10は、端末間距離情報の一例を示す図である。
図10に示すように、端末間距離情報720は、端末ID721毎に、その端末位置情報である緯度722および経度723と、各音出力端末300との距離724およびレベル725を記述している。
例えば、「端末B」という端末ID721には、「Db−a」という端末Aとの距離724A、および、「L5」という端末Aとのレベル725Aが記述されている。これは、端末Aと端末Bとの間の距離がDb−aであり、そのレベルがL5であることを示す。
図8のステップS1300において、条件判定部440は、他端末毎に、自グループの代表端末との距離に基づいて、ミュートを行うか否かを決定する。条件判定部440は、かかる決定を、端末属性情報610(図4参照)、切替条件情報620(図5参照)あるいはグループ内制御情報630(図6参照)、および端末間距離情報720(図10参照)に基づいて行う。
ステップS1400において、条件判定部440は、ミュートを行わないことが決定された音出力決定端末毎に、他の音出力決定端末との距離に基づいて、音量および音出力タイミングを決定する。条件判定部440は、かかる決定を、端末属性情報610(図4参照)、切替条件情報620(図5参照)あるいはグループ間制御情報640(図7参照)、および端末間距離情報720(図10参照)に基づいて行う。そして、条件判定部440は、全ての決定結果を示す制御指示情報を出力する。
図11は、制御指示情報の一例を示す図である。
図11に示すように、制御指示情報730は、所属グループID731に対応付けられた端末ID732毎に、音出力の有無733、音量734、および音出力のタイミング735を規定する。
例えば、「端末A」という端末ID732には、「出力」という音出力の有無733と、「小音量」という音量734と、「デフォルトタイミング」という音出力のタイミング735が対応付けられている。これは、端末Aについては、小音量かつデフォルトの音出力タイミングでの音出力を行わせることが決定されたことを示す。
ここで、音出力を行うことが決定されたのは、端末Aが、グループ内優先順位614(図4参照)が最も高い代表端末だからである。小音量なのは、端末Aの近くに、他グループの端末Hが存在するからである。また、デフォルトの音出力タイミングが決定されたのは、端末Aのグループのグループ間優先順位613(図4参照)が、最も高いからである。なお、条件判定部440は、グループ間優先順位613に基づいて、グループ間優先順位613が高いほど、より大きい音量で音出力を行わせることを決定してもよい。
図8のステップS1500において、音制御部450は、制御指示情報が示す決定結果に従って、各音出力端末300からの音の出力を制御する。例えば、音制御部450は、音出力の音量を低減することを指示する制御情報を生成し、端末Aへ送信する。
そして、ステップS1600において、位置取得部430は、オペレータ操作等により音出力端末300の音出力を制御する処理の終了を指示されたか否かを判定する。位置取得部430は、処理の終了を指示されていない場合(S1600:NO)、処理をステップS1100へ戻す。また、位置取得部430は、処理の終了を指示された場合(S1600:YES)、一連の処理を終了する。
このような動作により、制御サーバ400は、複数の音出力端末300の相対位置関係に基づいて、各音出力端末300に対して、音出力の停止、小音量化、および音出力タイミングの調整を含む音出力制御を行うことができる。
<装置間の情報の流れ>
ここで、音出力システム100の装置間の情報の流れについて、簡単に説明する。
図12は、音出力システム100の装置間の情報の流れの一例を示すシーケンス図である。
図12に示すように、まず、第1〜第Nの音出力端末3001〜300Nは、それぞれ、位置情報提供サーバ200からのGPS信号を受信し(S21001〜S2100N)、GPS信号から得られた端末位置情報を、制御サーバ400へ送信する(S22001〜S2200N)。
すると、制御サーバ400は、図8で説明した処理により、各音出力端末300に対する音出力の制御内容を決定し(S2300)、制御情報を生成して各音出力端末300(例えば第1〜第Nの音出力端末3001〜300Nのそれぞれ)へ送信する(S24001〜S2400N)。
そして、各音出力端末300(例えば第1〜第Nの音出力端末3001〜300Nのそれぞれ)は、受信した制御情報に従って、音出力を行う(S25001〜S2500N)。
なお、制御サーバ400は、デフォルトの音量およびデフォルトの音出力タイミングで動作させることを決定した音出力端末300に対しては、必ずしも制御情報を送信しなくてもよい。また、この場合、制御情報を受信しない音出力端末300は、デフォルトの音量およびデフォルトの音出力タイミングでの動作を継続する。
<本実施の形態の効果>
以上説明したように、本実施の形態によれば、制御サーバ400は、複数の音出力端末300の位置情報を通信により取得する。そして、制御サーバ400は、取得された位置情報に関する所定の条件が満たされているか否かに応じて、複数の音出力端末300のうち代表端末と他端末との間で異なる音出力制御を行うか否かを切り替えて、複数の音出力端末300からの音の出力を制御する。具体的には、制御サーバ400は、複数の音出力端末300が近接している場合に、代表端末のみ音を出力させ、他端末の音量を相対的に小さくさせる。
これにより、制御サーバ400は、近接する複数の音出力端末300から音が出力されて騒々しくなったり音が聞き取り難くなったりするのを防ぐことができ、音出力端末300の利便性を維持することができる。
なお、複数のユーザが近接している場合においてそれぞれに聞き取り易い音を提供する手法としては、イヤホンやヘッドホンなど、端末を保有している人にしか音が出力されないような伝達方法を採用することも考えられる。しかしながら、イヤホンやヘッドホンのように外部へ音を放出しない端末ではなく、音出力端末300のように外部へ音を放出する端末を採用することにより、以下のようなメリットが得られる。
近年、スマートウォッチやスマートグラス等の人体装着型のウェアラブル端末の普及が進んでおり、ウェアラブル端末を様々なシーンで活用するといった形態が想定される。よって、例えば博物館等の展示においても、耳に挿入する専用のイヤホン型端末を来場者に配るのではなく、各人が保有するウェアラブル端末を用いて情報を提示することが考えられる。ウェアラブル端末は、外部へ音を放出するスピーカ(放出型スピーカ)を備えているが、イヤホンやヘッドホンの出力端子を備えていないことが多い。したがって、音出力端末300を採用することにより、ウェアラブル端末に搭載された放出型スピーカを利用して各人に情報提示を行うといったシーンに対応することができる。
また、近年、歩行や自転車による移動中や、作業中に、耳にイヤホンやヘッドホンを装着することに関して、安全性の観点等から、外部の音を遮蔽しないことが推奨されている。したがって、音出力端末300を採用することにより、このような移動中や作業中における音情報提供に対応することができる。
すなわち、放出型スピーカにより音を周囲に放出する音出力端末300と、その音出力を制御する制御サーバ400とを採用することにより、周囲との調和を取りながら、必要に合わせて音を出力し、音出力端末の保持者に最適な情報を提示することができる。
<本実施の形態の変形例>
なお、各音出力端末300の位置検出部330は、GPS信号以外の情報に基づいて端末位置情報を取得してもよい。
例えば、位置検出部330は、端末無線通信部310が無線基地局と通信を行う場合、端末位置情報として、無線基地局との間の通信制御情報から無線基地局の識別情報を取得してもよい。
また、位置検出部330は、端末無線通信部310が他の音出力端末300と通信を行う場合、端末位置情報として、かかる通信の受信信号強度、あるいは、受信信号強度から算出される他の音出力端末300との間の推定距離を取得してもよい。この場合、制御サーバ400の位置取得部430が取得する位置情報は、各音出力端末300の位置は示さないが、複数の音出力端末300の間の距離を示す情報となる。
また、制御サーバ400の条件判定部440は、複数の音出力端末300の分布等に応じて代表端末を動的に決定してもよい。
図13は、代表端末を動的に決定する場合の一例を説明するための図である。
図13に示すように、ある対象領域740に、端末A〜Nという複数の音出力端末300が位置している。端末A〜Nは、同一の音声を出力する音出力端末300である。
制御サーバ400の条件判定部440は、例えば、対象領域740に対し、当該対象領域740を分割した分割領域741を設定する。各分割領域741の内部の最大距離は、出力音が届く距離よりも短い。そして、条件判定部440は、位置情報に基づいて、分割領域741毎に、分割領域741の中心位置に最も近い音出力端末300を、代表端末に決定する。
この場合、例えば、端末A〜D、H、J、M、Nが、代表端末として決定される。また、この結果、例えば、端末Eのユーザは、端末Aからの出力音を聞くことになる。
図14は、代表端末を動的に決定する場合の他の例を説明するための図であり、図13に対応するものである。
図14に示すように、条件判定部440は、まず、位置情報から、複数の音出力端末300が密集している密集領域742を判定する。密集領域742の条件は、例えば、ある音出力端末300から出力音が届く距離の範囲内に、2つ以上の他の音出力端末300が存在していることである。
そして、条件判定部440は、密集領域742毎に、密集領域742の中心位置に最も近い音出力端末300のそれぞれと、密集領域742に位置してない音出力端末300のそれぞれとを、代表端末に決定し、残りの音出力端末を他端末に決定する。
この場合、例えば、端末A、G、H、K、L〜Nが、代表端末として決定される。また、この結果、例えば、端末Eのユーザは、端末Kからの出力音を聞くことになる。
このように、音出力システム100は、代表端末を動的に決定することにより、代表端末が予め決定されていない場合にも対応することができる。
なお、代表端末を動的に決定する手法は、これらの例に限定されない。例えば、条件判定部440は、あるグループに複数の音出力端末300が属するとき、当該複数の音出力端末300のうち、他グループの代表端末からの距離が最も遠い音出力端末300を、代表端末に設定してもよい。
(実施の形態2)
本開示の実施の形態2は、同一の音データの出力が、無線LANの通信エリア等の比較的狭い領域を単位として行われる場合の例である。
<システムの概要>
まず、本実施の形態に係る制御装置を含む音出力システムの概要について説明する。
図15は、本実施の形態に係る音出力システムの概要の一例を示す図であり、実施の形態1の図1に対応するものである。図1と同一の部分には同一符号を付し、これについての説明を省略する。
図15に示すように、音出力システム100aは、無線基地局210a、第1〜第Nの音出力端末300a1〜300aN、および、本開示に係る制御装置を含む制御サーバ400aを有する。なお、第1〜第Nの音出力端末300a1〜300aNは、同一の構成を有するため、適宜、「音出力端末300a」として纏めて説明を行う。
無線基地局210aは、周囲の通信エリア211aに、ビーコン212aを周期的に送信し、通信エリア211aに位置する音出力端末300aから返信される、ビーコン212aに対する応答信号213aを待機する。無線基地局210aは、応答信号213aを受信すると、応答信号213aに含まれる音出力端末300aの端末IDと、無線基地局210aの識別情報である基地局IDとを、端末収容情報として、通信214aにより制御サーバ400aへ送信する。
なお、通信エリア211aは、1つの音出力端末300aから出力される音が十分な音量で届く程度の大きさである。例えば、音出力端末300aの音量が実施の形態1の音出力端末300と同等である場合、通信エリア211aは、直径10m程度の円状の領域である。
音出力端末300aは、無線基地局210aからのビーコン212aを受信したとき、音出力端末300aの端末IDを含めた応答信号213aを送信する。
制御サーバ400aは、無線基地局210aから受信した端末収容情報に基づいて、各音出力端末300aに対する音出力制御の内容を決定し、決定結果に従って、無線通信303により、各音出力端末300aからの音の出力を制御する。
無線基地局210aの端末収容情報は、無線基地局210aの通信エリア211aにどの音出力端末300aが位置しているかを示す情報である。すなわち、通信エリア211aに複数の音出力端末300aが存在している時、端末収容情報は、複数の音出力端末300aが通信エリア211aに位置しているという、複数の音出力端末300aの相対的位置関係を示す位置情報となる。
本実施の形態においては、通信エリア211aに位置する1つまたは複数の音出力端末300aから、同一の音データが出力される。したがって、同一のグループを構成する音出力端末300aは不特定であるため、当該グループの代表端末は、動的に決定される。
また、本実施の形態において、1つのグループの至近での他グループの音出力は考慮されない。
<装置の構成>
次に、音出力端末300aおよび制御サーバ400aの構成について説明する。
図16は、音出力端末300aおよび制御サーバ400aの構成の一例を示すブロック図であり、実施の形態1の図3に対応するものである。図3と同一の部分には同一不符号を付し、これについての説明を省略する。
図16に示すように、音出力端末300aは、図3の位置検出部330に代えて、ビーコン応答部331aを有する。
ビーコン応答部331aは、通信エリア211aに位置する時、無線基地局210aから送信されるビーコン212aを、端末無線通信部310を介して受信する。そして、ビーコン応答部331aは、ビーコン212aを受信すると、端末情報格納部320から音出力端末300の識別情報を読み出し、識別情報を含む応答信号213aを、端末無線通信部310を介して無線基地局210aへ送信する。
かかる応答信号の送信により、図15で説明したように、音出力端末300aが通信エリア211aに位置することを示す端末収容情報が、無線基地局210aから制御サーバ400aへと送信される。
また、図16に示すように、制御サーバ400aは、図3の位置取得部430および条件判定部440に代えて、位置取得部430aおよび条件判定部440aを有する。
位置取得部430aは、無線基地局210aから送信される端末収容情報を、サーバ無線通信部410を介して受信する。第1〜第Nの音出力端末300a1〜300aNが通信エリア211aに位置することを示す端末収容情報は、通信エリア211aという狭い領域の中に集まっているという、第1〜第Nの音出力端末300a1〜300aNの相対位置関係を示す位置情報である。位置取得部430は、取得された位置情報を、条件判定部440aへ出力する。
条件判定部440aは、位置取得部430aから出力された位置情報に基づき、通信エリア211aに位置している音出力端末300の個数が所定値(2以上の整数)以上であるという条件が満たされているか否かを判定する。そして、条件判定部440aは、かかる条件が満たされている場合、通信エリア211aに位置する複数の音出力端末の中から、代表端末を決定し、代表端末と他端末との間で異なる音出力制御を行うことを決定する。
より具体的には、条件判定部440aは、他端末の音量を、代表端末の音量に対して相対的に小さくする音出力制御を行うことを決定する。そして、条件判定部440aは、決定した音出力制御の内容を示す制御指示情報を、音制御部450へ出力する。
なお、制御サーバ400aのサーバ情報格納部420は、必ずしも、実施の形態1で説明した端末属性情報610(図4参照)、切替条件情報620(図5参照)、グループ内制御情報630(図6参照)、およびグループ間制御情報640(図7参照)等を、格納する必要はない。
また、音出力端末300aおよび制御サーバ400aのハードウェア構成は、例えば、実施の形態1の音出力端末300および制御サーバ400と同様とすることができる。但し、それぞれの通信回路には、図15で説明した通信に適したハードウェアが採用される。
上記構成を有する音出力端末300aは、音出力端末300aが無線基地局210aの通信エリア211aに位置することを、無線基地局210aを介して制御サーバ400aに通知することができる。
また、上記構成を有する制御サーバ400aは、無線基地局210aの通信エリア211aに位置する音出力端末300aを、無線基地局210aを介して特定することができる。そして、制御サーバ400aは、通信エリア211aに位置する音出力端末300aの個数に応じて、代表端末と他端末との間で異なる音出力制御を行うか否かを切り替えて、複数の音出力端末300aからの音の出力を制御することができる。
<装置の動作>
次に、制御サーバ400aの動作について説明する。
図17は、制御サーバ400aの動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS2100aにおいて、位置取得部430aは、取得された無線基地局210aの端末収容情報に基づいて、無線基地局210aの通信エリア211aに位置する音出力端末300aを特定する。通信エリア211aに位置する音出力端末300aは、例えば、第1〜第Nの音出力端末300a1〜300aNである。
ステップS2200aにおいて、条件判定部440aは、通信エリア211aに位置する音出力端末300aの個数(以下「端末数」という)が、所定値以上であるか否かを判断する。
なお、端末数の閾値である所定値は、条件判定部440aあるいはサーバ情報格納部420に予め設定あるいは格納された値であってもよいし、オペレータにより設定される値や環境に応じて変化する値であってもよい。また、通信エリア211aが複数存在する場合、所定値は、通信エリア211a毎に異なる値であってもよい。
条件判定部440aは、端末数が所定値未満である場合(S2200a:NO)、処理をステップS2300aへ進める。また、条件判定部440aは、端末数が所定値以上である場合(S2200a:YES)、処理をステップS2400aへ進める。
ステップS2300aにおいて、条件判定部440aは、通信エリア211aに位置する全ての音出力端末300aにおいて、出力音のミュートを行わないことを決定する。すなわち、条件判定部440aは、代表端末と他端末との区別なく、全ての音出力端末300aに対して、デフォルトの設定のままとすることを決定する。
一方、ステップS2400aにおいて、条件判定部440aは、通信エリア211aに位置する複数の音出力端末300aの中から、代表端末を決定する。代表端末は、1つであってもよいし、複数であってもよい。例えば、条件判定部440aは、通信エリア211aに最初に進入した音出力端末300a、あるいは、最後に進入した音出力端末300aを、代表端末に決定する。
ステップS2500aにおいて、条件判定部440aは、通信エリア211aに位置する複数の音出力端末300aのうち、他端末において出力音のミュートを行うことを決定する。すなわち、条件判定部440aは、代表端末に対して、デフォルトの設定のままとすることを決定し、他端末に対して、音出力を行わないことを決定する。
ステップS2600aにおいて、音制御部450は、条件判定部440aが決定した内容に従って、各音出力端末300aからの音の出力を制御する。
そして、ステップS2700aにおいて、位置取得部430aは、処理の終了を指示されたか否かを判定する。位置取得部430は、処理の終了を指示されていない場合(S2700a:NO)、処理をステップS2100aへ戻す。また、位置取得部430は、処理の終了を指示された場合(S2700a:YES)、一連の処理を終了する。
このような動作により、制御サーバ400aは、通信エリア211aの端末数が所定値以上であるという条件が満たされるか否かに応じて、代表端末と他端末との間で異なる音出力制御を行うか否かを切り替えることができる。
<本実施の形態の効果>
このように、本実施の形態によれば、制御サーバ400aは、取得された位置情報に基づいて、通信エリア211aという比較的狭い領域に、所定値以上の個数の複数の音出力端末300aが位置しているという条件が、満たされているか否かを判断する。そして、制御サーバ400aは、かかる条件が満たされているとき、代表端末を決定し、代表端末のみ音出力を行わせ他端末の音出力をミュートさせる。
これにより、制御サーバ400aは、比較的狭い領域で多数の音出力端末300aから音が出力されて騒々しくなったり音が聞き取り難くなったりするのを防ぐことができ、音出力端末300aの利便性を維持することができる。
<本実施の形態の変形例>
なお、同一の音データが出力される領域は、複数の無線基地局210aによる複数の通信エリア211aから成っていてもよい。そして、これらの複数の通信エリア211aが出力音が届く距離で互いに位置している場合、制御サーバ400aの条件判定部440aは、これらの複数の通信エリア211aに位置している複数の音出力端末300aを、1つのグループとして扱ってもよい。すなわち、条件判定部440aは、複数の通信エリア211aに位置している複数の音出力端末300aに対して、1つのみの代表端末を決定してもよい。
また、制御サーバ400aは、例えば、無線基地局210aと一体的に構成されていてもよい。
(実施の形態3)
本開示の実施の形態3は、音出力端末において、複数の音出力端末からの音出力を制御するようにした例である。すなわち、制御サーバ400の機能が、音出力端末300に搭載されている例である。
<システムの概要>
まず、本実施の形態に係る制御装置を含む音出力システムの概要について説明する。
図18は、本実施の形態に係る音出力システムの概要の一例を示す図であり、実施の形態1の図1に対応するものである。図1と同一の部分には同一符号を付し、これについての説明を省略する。
図18に示すように、音出力システム100bは、第1および第nの音出力端末300b1、300bnを有する。なお、第1および第nの音出力端末300b1、300bnは、同一の構成を有するため、適宜、「音出力端末300b」として纏めて説明を行う。
各音出力端末300bは、他の音出力端末300bとの間で無線通信305bを行い、位置情報を交換する。
無線通信305bが近距離通信である場合、つまり、出力音が届く距離(例えば10m)に比べて通信可能距離(例えば8m)が短い場合、位置情報は、端末IDとすることができる。すなわち、音出力端末300bは、他の音出力端末300bとの間で端末IDを交換することにより、近距離通信の通信エリアの範囲内に相手が位置しているという情報を得ることができる。
また、無線通信305bが近距離通信ではない場合、つまり、出力音が届く距離に比べて通信可能距離が長い場合、位置情報は、GPS情報等から得られる端末位置情報とすることができる。すなわち、音出力端末300bは、他の音出力端末300bとの間で端末位置情報を交換することにより、互いの相対位置関係を取得することができる。
本実施の形態では、無線通信305bが近距離通信であって、出力音が届く距離に比べて通信可能距離が短い場合について説明する。すなわち、第1および第nの音出力端末300b1、300bnが、端末IDを交換する場合について説明する。
音出力端末300bは、本開示に係る制御装置を含む。すなわち、音出力端末300bは、実施の形態1の制御サーバ400と同様の、複数の音出力端末300bからの音の出力を制御する機能を有する。
但し、音出力端末300bは、当該音出力端末300bが他端末である場合において、代表端末が近接して位置することを条件として音出力をミュートするという、より単純な音出力制御を行う。
なお、各音出力端末300bは、例えば、複数の他の音出力端末300bと通信することができる。したがって、音出力システム100bは、3つ以上の音出力端末300bを含み得る。
以下、かかる音制御機能を有する音出力端末300bの構成および動作について説明する。
<装置の構成>
図19は、音出力端末300bの構成の一例を示すブロック図であり、実施の形態1の図3に対応するものである。図3と同一の部分には同一不符号を付し、これについての説明を省略する。
図19において、音出力端末300bは、端末無線通信部310b、端末情報格納部320b、位置取得部430b、条件判定部440b、音制御部450b、および音出力部340を有する。
端末無線通信部310bは、他の音出力端末300bとの間で公知の無線通信方式による無線通信305bを行い、他の音出力端末300bと通信可能に接続する。以下、端末無線通信部310bが通信可能に接続する他の音出力端末300bは、「通信相手端末」という。
端末情報格納部320bは、音出力端末300bの端末ID、音データ、および、代表端末の端末IDあるいは音出力端末300bが代表端末であるか否かを示す端末役割情報等の、各種情報を格納する。端末役割情報は、例えば、実施の形態1で説明したグループ内優先順位614(図4参照)を記述した情報である。
位置取得部430bは、サーバ情報格納部420から音出力端末300bの端末IDを読み出し、端末無線通信部310bを介して通信相手端末へ送信する。更に、位置取得部430bは、端末無線通信部310bを介して、通信相手端末から送信された当該通信相手端末の端末IDを取得する。
すなわち、位置取得部430bは、通信可能距離、つまり、出力音が届く距離に位置する他の音出力端末300bの端末IDを、取得することができる。そして取得された端末IDは、音出力端末300bおよび1つまたは複数の通信相手端末を含む複数の音出力端末300bの、相対位置関係を示す位置情報である。そして、位置取得部430bは、取得された通信位置情報を、条件判定部440bへ出力する。
以下の説明において、音出力端末300bと、位置取得部430bから出力された1つまたは複数の端末IDが示す1つまたは複数の通信相手端末とから成る一まとまりは、音出力端末300bの自グループとして扱う。
条件判定部440bは、位置取得部430bから1つまたは複数の通信相手端末の端末IDが出力されたことを条件として、音出力端末300bが自グループにおいて他端末として機能すべきか否かを判定する。他端末として機能することは、つまり、実施の形態1で説明したように、音出力を行わない(ミュートする)ことである。また、条件判定部440bは、かかる判定を、1つまたは複数の通信相手端末の端末IDに基づき、端末役割情報を参照して行う。
そして、条件判定部440bは、音出力端末300bが他端末として機能すべきと判定したとき、音出力端末300bの音出力を行わないことを指示する制御指示情報を、音制御部450bへ出力する。
例えば、端末Aが、端末B〜端末Dの端末IDを受信したとする。この場合、端末Aのグループ内優先順位は「G1−1」と最も高いため、端末Aの条件判定部440bは、端末Aが代表端末として機能すべきであると判定する。
一方、例えば、端末Bが、端末A、端末C、端末Dの端末IDを受信したとする。この場合、端末Bのグループ内優先順位は「G1−2」と端末Aよりも低いため、端末Bの条件判定部440bは、端末Bが他端末として機能すべきであると判定する。
音制御部450bは、条件判定部440bから出力された制御指示情報に従って、各音出力部340の音出力を制御する。より具体的には、制御指示情報が音出力端末300bの音出力を行わないことを指示する内容であるとき、音出力の音量を低減させる。
なお、音出力端末300bのハードウェア構成は、例えば、実施の形態1の音出力端末300と同様とすることができる。但し、通信回路には、図18で説明した通信に適したハードウェアが採用される。
このような構成を有する音出力端末300bは、出力音が届く範囲内に代表端末が存在するか否かを自ら判定し、他端末として機能するか否かを切り替えることができる。すなわち、音出力端末300bは、周囲に代表端末となるべき他の音出力端末300bが存在するか否かに応じて、代表端末と他端末との間で異なる音出力制御を行うか否かを切り替えて、複数の音出力端末300bからの音の出力を制御することができる。
<装置の動作>
次に、音出力端末300bの動作について説明する。
図20は、音出力端末300bの動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS3100bにおいて、音制御部450bは、デフォルト設定での音出力制御を開始させる。すなわち、音制御部450bは、音出力部340に対して、通常の音量での音出力を行わせる。なお、音制御部450bは、例えば、後述の判定処理が完了するのを待ってから、音の出力を開始させてもよい。
ステップS3200bにおいて、位置取得部430bは、新たな通信相手端末が出現したか否かを判定する。すなわち、位置取得部430bは、距離が近付くなどして新たに通信可能な状態になった他の音出力端末300bが存在するか否かを判定する。
なお、位置取得部430bは、他の音出力端末300bから送信される無線信号の受信信号強度や継続して受信される時間長さが所定の条件を満たした場合にのみ、当該他の音出力端末300bを通信相手端末であると判定してもよい。
位置取得部430bは、新たな通信相手端末が出現していない場合(S3200b:NO)、処理を後述のステップS3600bへ進める。また、位置取得部430bは、新たな通信相手端末が出現した場合(S3200b:YES)、処理をステップS3300bへ進める。
ステップS3300bにおいて、位置取得部430bは、新たに出現した通信相手端末との間で、端末IDを交換する。
ステップS3400bにおいて、条件判定部440bは、当該条件判定部440bが搭載された音出力端末300bが、代表端末であるか否かを判定する。条件判定部440bは、音出力端末300bが代表端末である場合(S3400b:YES)、処理を後述のステップS3600bへ進める。また、条件判定部440bは、音出力端末300bが代表端末ではない場合(S3400b:NO)、処理をステップS3500bへ進める。
ステップS3500bにおいて、音制御部450bは、音出力を行わない設定での音出力制御を開始させる。すなわち、音制御部450bは、音出力部340に対して、音をミュートさせる。
ステップS3600bにおいて、位置取得部430bは、代表端末との通信が切断されたか否かを判定する。すなわち、位置取得部430bは、距離が遠くなるなどして代表端末との通信が不能になったか否かを判定する。
なお、位置取得部430bは、代表端末から送信される無線信号の受信信号強度や継続して受信できない時間長さが所定の条件を満たした場合にのみ、代表端末との通信が切断されたと判定してもよい。
位置取得部430bは、代表端末との通信が切断されていない場合、あるいは、他の音出力端末300のいずれも自グループの代表端末ではない場合(S3600b:NO)、処理を後述のステップS3800bへ進める。また、位置取得部430bは、代表端末との通信が切断された場合(S3600b:YES)、処理をステップS3700bへ進める。
ステップS3700bにおいて、音制御部450bは、デフォルト設定での音出力制御に切り替える。すなわち、音制御部450bは、音出力部340に対して、通常の音量での音出力を行わせる。
そして、ステップS3800bにおいて、位置取得部430bは、ユーザ操作等により音出力端末300bの音出力を制御する処理の終了を指示されたか否かを判定する。位置取得部430bは、処理の終了を指示されていない場合(S3800b:NO)、処理をステップS3100bへ戻す。また、位置取得部430bは、処理の終了を指示された場合(S3800b:YES)、一連の処理を終了する。
このような動作により、音出力端末300bは、無線通信が可能な範囲に、つまり、出力音が届く範囲に、代表端末が存在するという条件が満たされるか否かに応じて、代表端末と他端末との間で異なる音出力制御を行うか否かを切り替えることができる。
<本実施の形態の効果>
このように、本実施の形態によれば、音出力端末300bは、取得された位置情報に基づいて、音出力が届く距離に他の音出力端末300bが位置しているという条件が、満たされているか否かを判断する。そして、音出力端末300bは、かかる条件が満たされ、かつ、音出力端末300bが代表端末ではないとき、音出力をミュートさせる。
これにより、音出力端末300bは、比較的狭い領域で多数の音出力端末300bから音が出力されて騒々しくなったり音が聞き取り難くなったりするのを防ぐことができ、音出力端末300bの利便性を維持することができる。
<本実施の形態の変形例>
なお、音出力端末300bは、音出力端末300bが他端末として機能すべきか否かの判定を、実施の形態1の制御サーバ400と同様に、各音出力端末300bの端末位置情報を取得し、複数の音出力端末300bの分布に基づいて行ってもよい。このような判定は、特に、出力音が届く距離に比べて通信可能距離が短いとは限らない場合に有効である。
また、音出力端末300bは、実施の形態1の制御サーバ400と同様に、他の音出力端末300bを他端末として機能させるべきか否かを判定してもよい。更に、音出力端末300bは、他の音出力端末300bを他端末として機能させることを決定したとき、実施の形態1の制御サーバ400と同様に、当該他の音出力端末300bに対して、他端末として機能することを指示する制御指示情報を送信してもよい。
(実施の形態4)
本開示の実施の形態4は、音出力が届く距離に他の音出力端末が位置しているか否か、および、同一の内容の音を再生しているか否かを、実際の出力音の検出により行う例である。
<システムの概要>
まず、本実施の形態に係る制御装置を含む音出力システムの概要について説明する。
図21は、本実施の形態に係る音出力システムの概要の一例を示す図であり、実施の形態3の図18に対応するものである。図18と同一の部分には同一符号を付し、これについての説明を省略する。
図21に示すように、音出力システム100cは、第1および第nの音出力端末300c1、300cnを有する。なお、第1および第nの音出力端末300c1、300cnは、同一の構成を有するため、適宜、「音出力端末300c」として纏めて説明を行う。
第1および第nの音出力端末300c1、300cnは、同一内容の音声データのセットを予め格納している。したがって、第1および第nの音出力端末300c1、300cnは、重複するタイミングで、同一内容の音声データを再生する可能性を有している。
各音出力端末300cは、他の音出力端末300cによる音声データの再生音304cを検出することにより、他の音出力端末300cとの相対位置関係が、互いの再生音304cが届く位置関係にあるか否かを判定する。
音出力端末300cは、他の音出力端末300cからの再生音304cを検出したとき、音出力端末300cと他の音出力端末300cとが同一の内容の音を出力しているかを判定する。そして、音出力端末300cは、同一の内容の音を出力しており、かつ、音出力端末300cが代表端末ではないとき、音出力端末300cの再生音304cをミュートする。
なお、各音出力端末300cには、例えば、複数の他の音出力端末300cからの再生音304cが届き得る。したがって、音出力システム100cは、3つ以上の音出力端末300cを含み得る。
<装置の構成>
図22は、音出力端末300cの構成の一例を示すブロック図であり、実施の形態3の図19に対応するものである。図19と同一の部分には同一不符号を付し、これについての説明を省略する。
図22において、音出力端末300cは、音取得部311c、端末情報格納部320c、位置取得部430c、条件判定部440c、音制御部450b、および音出力部340を有する。
音取得部311cは、例えばマイクロフォンを含み、周囲音を取得する。かかる周囲音には、他の音出力端末300cからの再生音304cが含まれ得る。音取得部311cは、取得した周囲音を音データに変換して、位置取得部430cへ出力する。かかる音データは、他の音出力端末300cからの再生音304cが含まれるか否かを示すと共に、他の音出力端末300cからの再生音304cが含まれる場合にはその内容を示す。
端末情報格納部320cは、音出力端末300cの音データ、および、音出力端末300cが代表端末であるか否かを示す端末役割情報等の、各種情報を格納する。端末役割情報は、例えば、音出力端末300cが他端末として予め定められているか否か、あるいは、音出力端末300cを他端末とするための条件を記述した情報である。
位置取得部430cは、音出力部340から、音出力部340が出力する音の音データを取得する。位置取得部430cは、音出力部340から取得した音データ(以下「内部音データ」という)と、音取得部311cから出力された音データ(以下「外部音データ」という)とを比較し、その一致の度合いを判定する。
位置取得部430cは、内部音データと外部音データとの一致の度合いが高いとき、出力音304cが届く範囲内に、音出力端末300cと同一内容の音を再生している他の音取得部311cが位置していると判定する。かかる判定結果は、音出力端末300cと、同一内容の音を再生している他の音取得部311cとの相対位置関係を示す位置情報である。位置取得部430cは、取得された位置情報を、条件判定部440cへ出力する。
なお、内部音データと外部音データとの一致の度合いは、例えば、それぞれの音データから所定の特徴量を抽出し、抽出された特徴量の類似度(特徴空間における距離等)を算出することにより、判定することができる。また、位置取得部430cは、周囲音のうち、内部音データと類似する音声部分が、聞き取り可能な音量で取得されていることを、内部音データと外部音データとの一致判定を行うための条件としてもよい。
あるいは、位置取得部430cは、音声認識処理により内部音データおよび外部音データのそれぞれに含まれる単語を抽出する等して、音声の内容を解析し、解析された内容の一致の度合いを判定してもよい。
また、音出力部340は、出力音のミュートを行っている間も、当該出力音の音データの取得処理を行っているものとする。例えば、音出力部340は、音声データの入力は継続しつつ、音声データのD/A変換器(図示せず)への入力を遮断したり、D/A変換器から出力されるアナログ音声信号の振幅を低減することにより、出力音のミュートを行う。
条件判定部440cは、位置取得部430cから、出力音304cが届く範囲内に同一内容の音を再生している他の音取得部311cが位置していることを示す位置情報が出力されたことを条件として、音出力端末300cが他端末として機能すべきか否かを判定する。他端末として機能することは、つまり、実施の形態1で説明したように、音出力を行わない(ミュートする)ことである。かかる判定は、端末情報格納部320cに格納された端末役割情報に基づいて行われる。
例えば、端末役割情報が、音出力端末300cが他端末に設定されていることを示しているとする。この場合、条件判定部440cは、上記位置情報が出力されたことを条件として、音出力端末300cが他端末として機能すべきであると判定する。
また、例えば、端末役割情報が、同一内容の再生音304cの出力を他の音出力端末300cよりも後に開始したことを、他端末に設定するための条件として定めているとする。この場合、条件判定部440cは、位置取得部430cが外部音データよりも後に内部音データを取得したことを条件として、音出力端末300cが他端末として機能すべきであると判定する。なお、かかる判定を行うためには、位置取得部430cは、外部音データと内部音データとの取得時刻の前後関係を示す情報を、条件判定部440cへ出力する必要がある。
そして、条件判定部440cは、音出力端末300cが他端末として機能すべきと判定したとき、音出力端末300cの音出力を行わないことを指示する制御指示情報を、音制御部450bへ出力する。
なお、音出力端末300cのハードウェア構成は、例えば、実施の形態3の音出力端末300bと同様とすることができる。但し、音出力端末300cは、必ずしも通信回路を必要としない。
このような構成を有する音出力端末300cは、出力音が届く範囲内に他の音出力端末300cが存在するか否かを自ら判定し、他端末として機能するか否かを切り替えることができる。すなわち、音出力端末300bは、周囲に代表端末となるべき他の音出力端末300cが存在するか否かに応じて、代表端末と他端末との間で異なる音出力制御を行うか否かを切り替えて、複数の音出力端末300cからの音の出力を制御することができる。
<装置の動作>
次に、音出力端末300cの動作について説明する。
図23は、音出力端末300cの動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS4100cにおいて、音制御部450bは、デフォルト設定での音出力制御を開始させる。すなわち、音制御部450bは、音出力部340に対して、通常の音量での音出力を行わせる。なお、音制御部450bは、例えば、後述の判定処理が完了するのを待ってから、音の出力を開始させてもよい。
ステップS4200cにおいて、音取得部311cは、周囲音を取得する。そして、位置取得部430cは、内部音データと外部音データとを比較する等して、周囲音を解析する。
ステップS4300cにおいて、位置取得部430cは、音出力端末300cの周囲で、同一の内容の音が再生されているか否かを判定する。すなわち、周囲音に、音出力部340が再生している、あるいは、再生しようとしている音と同一内容の音が、聞き取り可能な音量で含まれているか否かを判定する。
内部音データとの比較の対象となる音データは、周囲音の音データ(以下「周囲音データ」という)を前方から所定の長さ(例えば5秒)毎に区切った区間のうちの最も新しい区間であってもよいし、現在時刻から所定の長さ(例えば5秒)だけ遡った移動区間であってもよい。また、周囲音データとの比較の対象となる内部音データは、音出力部340が入力する内部音データを前方から所定の長さ(例えば5秒)毎に区切った区間のうちの最も新しい区間であってもよいし、現在時刻から所定の長さ(例えば5秒)だけ遡った移動区間であってもよい。
位置取得部430cは、音出力端末300cの周囲で同一の内容の音が再生されていない場合(S4300c:NO)、処理を後述のステップS4500cへ進める。また、位置取得部430cは、音出力端末300cの周囲で同一の内容の音が再生されている場合(S4300c:YES)、処理をステップS4400cへ進める。
ステップS4400cにおいて、条件判定部440cは、当該条件判定部440cが搭載された音出力端末300cが、代表端末であるか否かを判定する。条件判定部440cは、音出力端末300bが代表端末である場合(S4400c:YES)、処理をステップS4500cへ進める。また、条件判定部440cは、音出力端末300cが代表端末ではない場合(S4400c:NO)、処理を後述のステップS4600cへ進める。
ステップS4500cにおいて、音制御部450bは、デフォルト設定での音出力制御を維持、または、デフォルト設定での音出力制御への切り替えを行う。すなわち、音制御部450bは、音出力部340に対して、通常の音量での音出力を行わせる。
一方、ステップS4600cにおいて、音制御部450bは、音出力を行わない設定を維持、または、音出力を行わない音出力制御へと切り替える。すなわち、音制御部450bは、音出力部340に対して、音のミュートを維持、あるいは、音のミュートを開始させる。
そして、ステップS4700cにおいて、位置取得部430cは、音出力端末300cの音出力を制御する処理の終了を指示されたか否かを判定する。位置取得部430cは、処理の終了を指示されていない場合(S4700c:NO)、処理をステップS4200cへ戻す。また、位置取得部430cは、処理の終了を指示された場合(S4700c:YES)、一連の処理を終了する。
なお、出力音が届く範囲に位置する複数の音出力端末300cの全てが他端末である場合、これら複数の音出力端末300cの全てが再生音をミュートしてしまう可能性がある。
したがって、条件判定部440cには、音出力端末300c毎に異なる判定待ち時間が設定されていてもよい。各条件判定部440cは、それぞれに設定された判定待ち時間だけ継続して同一の内容の音が再生されている場合にのみ、再生音をミュートすることを決定する。所定の時間としては、例えば、音出力端末300c毎に生成する乱数値を採用することができる。
例えば、3秒という判定待ち時間が設定された音出力端末300cと、4秒という判定待ち時間が設定された音出力端末300cとが、近くで同一の音データの再生を同時に開始したとする。この場合、3秒の判定待ち時間が設定された音出力端末300cは、先に再生音をミュートする。この結果、4秒の判定待ち時間が設定された音出力端末300cは、他端末から代表端末に変化する。
このように、音出力端末300c毎に異なる判定待ち時間を設定することで、複数の音出力端末300cが同時に再生音をミュートしてしまうのを防ぐことができる。すなわち、条件判定部440cは、音出力端末300cが代表端末として機能すべきか否かを動的に決定することができる。
このような動作により、音出力端末300cは、再生音が届く範囲に代表端末が存在するという条件が満たされるか否かに応じて、代表端末と他端末との間で異なる音出力制御を行うか否かを切り替えることができる。
<本実施の形態の効果>
このように、本実施の形態によれば、音出力端末300cは、取得された位置情報に基づいて、音出力が届く距離に他の音出力端末300cが位置しているという条件が、満たされているか否かを判断する。そして、音出力端末300cは、かかる条件が満たされ、かつ、音出力端末300cが代表端末ではないとき、音出力をミュートさせる。
これにより、音出力端末300cは、比較的狭い領域で多数の音出力端末300cから音が出力されて騒々しくなったり音が聞き取り難くなったりするのを防ぐことができ、音出力端末300cの利便性を維持することができる。
<本実施の形態の変形例>
なお、内部音データの長さによって、同一の内容の音が再生されているか否かの判定手法は異なり得る。例えば、端末情報格納部320cに10秒以下といった短い内部音データが複数格納されている場合、位置取得部430cは、各内部音データを、周囲音の音データ(以下「周囲音データ」という)と比較してもよい。
また、音出力端末300cは、収音された周囲音に基づいて、複数の音出力端末300cが使用される環境を推定し、推定された環境に基づいて、複数の音出力端末からの音の出力を制御してもよい。
例えば、条件判定部440cは、周囲音データを入力して周囲音の音量が所定レベル(例えば70dB)以上であるか否かを判定する。そして、音量が所定レベル以上であるとき、条件判定部440cは、騒音、サイレン、あるいは集会拡声音等の支配的な音が周囲に存在していると判定し、音出力端末300cの音出力を停止することを決定する。
また、例えば、条件判定部440cは、周囲音データを入力し、所定の指示IDを示す特徴(声紋)が含まれるか否かを判定する。ここで、指示IDとは、音出力の制御を指示する情報であり、音出力の停止等、具体的な制御内容に予め対応付けられた情報である。そして、条件判定部440cは、所定の指示IDが含まれると判定したとき、当該指示IDに従って、音出力を停止するか、周囲音と重複しないように出力する音声を変更する。
具体的には、例えば、条件判定部440cは、動物園等において周囲で第1の動物クイズが再生されているとき、これとは異なる第2の動物クイズを再生することを決定する。また、例えば、条件判定部440cは、商業施設や工場等の館内において、業務監督側からの定時休憩や店外の降雨の確認等を指示する指示IDを含む音声が再生されたとき、これを検出する。そして、条件判定部440cは、指示IDにより特定される同一の音声の再生を停止あるいは待機したり、各店員作業員の次の行動に必要となる音声コンテンツを再生することを決定する。
また、例えば、条件判定部440cは、周囲音データを入力し、予め登録された音出力端末300cのユーザの声紋データ等に基づいて、ユーザが会話しているか否かを判定する。更に、条件判定部440cは、音声データ毎に予め設定された重要度から、再生中あるいは再生しようとしている音声データ(以下「再生コンテンツ」という)の重要度を判定する。そして、条件判定部440cは、再生コンテンツの重要度が低い場合、会話が終了するまで再生を中止することを決定する。また、条件判定部440cは、再生コンテンツの重要度が高い場合、会話の中止を促すジングル音を再生した後に再生を開始することを決定する。これにより、会話の途中で再生音が唐突に割り込んで会話を途切れさせるといった事態を、回避することができる。
また、例えば、条件判定部440cは、周囲音データを入力し、会話相手の人数といった所定の特徴から、ユーザが客と会話を行っているか否かを判定する。そして、条件判定部440cは、ユーザの会話が終了してから所定の時間が経過するまで、音量を小さくすること(再生の中止を含む)を決定する。
また、例えば、条件判定部440cは、周囲音データを入力し、残響反響音のレベル等から、音出力端末300cが屋内に位置しているか否かを判定する。そして、条件判定部440cは、音出力端末300cが屋内に位置していると判定したとき、屋内に位置していると判定されていないときに比べて、出力音の音量を小さくすることを決定する。
また、例えば、条件判定部440cは、周囲音データを入力し、周囲音に含まれる声色や会話内容からユーザの性別や年代等のユーザの属性を推定し、推定された属性にマッチする音声データを再生対象として決定してもよい。例えば、条件判定部440cは、ユーザが男性である場合、女性の音声によるガイドコンテンツを再生し、ユーザが女性である場合、男性の音声によるガイドコンテンツを再生する。また、条件判定部440cは、ユーザが若年層である場合、会話から会話に含まれる人気キャラクタの名前を取得し、該当する人気キャラクタに関するコンテンツを再生することを決定する。
また、例えば、条件判定部440cは、周囲音データを入力し、所定の指示IDや空間IDを示す特徴が含まれるか否かを判定する。そして、そして、条件判定部440cは、所定の指示IDあるいは空間IDが含まれると判定したとき、所定の時間、音出力を停止するか、その音量を小さくすることを決定する。なお、かかる所定の時間は、周囲音に含まれる指示IDに基づいて決定されてもよいし、予め設定されていてもよい。
具体的には、例えば、条件判定部440cは、電車、飛行機機内、美術館、映画館、あるいはお寺等、人が密集する場所や静寂が求められる場所を示す空間IDを検出したとき、音出力を停止あるいは音量の低減を決定する。また、例えば、条件判定部440cは、音出力を停止あるいは音量の低減を指示する指示IDを検出したとき、当該指示に従って、音出力を停止あるいは音量の低減を決定する。
(提供するサービスの全体像)
ここで、以上説明した各実施の形態に係る音出力システムの全体像の具体例について説明する。
図24は、各実施の形態に係る音出力システムの全体像の一例である。
グループ810は、例えば企業、団体、家庭等であり、その規模を問わない。グループ810には、複数の音出力端末300である機器A、機器Bおよびホームゲートウェイ811が存在する。複数の音出力端末300には、インターネットと接続可能な機器(例えば、スマートフォン、タブレット型情報端末等)もあれば、それ自身ではインターネットと接続不可能な機器(例えば、携帯型音楽プレーヤ等)も存在する。それ自身ではインターネットと接続不可能な機器であっても、ホームゲートウェイ811を介してインターネットと接続可能となる機器が存在してもよい。またグループ810には、複数の音出力端末300を使用するユーザ812が存在する。
データセンタ運営会社820には、クラウドサーバ821(例えば、制御サーバ400、400a)が存在する。クラウドサーバ821とはインターネットを介して様々な機器と連携する仮想化サーバである。主に通常のデータベース管理ツール等で扱うことが困難な巨大なデータ(ビッグデータ)等を管理する。データセンタ運営会社820は、データ管理やクラウドサーバ821の管理、それらを行うデータセンタの運営等を行っている。データセンタ運営会社820が行っている役務については詳細を後述する。
なお、機器Aおよび機器Bは、それぞれ、携帯電話機や無線通信ルータ等のパーソナルゲートウェイ813A、813Bを介して、クラウドサーバ821と間接的に通信を行ってもよい(図25参照)。
また、ユーザAが使用する機器AおよびユーザBが使用する機器Bは、それぞれ、ゲートウェイを介さずにクラウドサーバ821と直接に通信を行ってもよい(図26参照)。
ここで、データセンタ運営会社820は、データ管理やクラウドサーバ821の運営等のみを行っている会社に限らない。
例えば、複数の音出力端末300のうちの1つを開発・製造している機器メーカが、併せてデータ管理やクラウドサーバ821の管理等を行っている場合もある。この場合は、機器メーカがデータセンタ運営会社820に該当する(図27参照)。
また、データセンタ運営会社820は1つの会社に限らない。例えば機器メーカおよび他の管理会社が共同もしくは分担してデータ管理やクラウドサーバ821の運営を行っている場合もある。この場合は、両者もしくはいずれか一方がデータセンタ運営会社820に該当するものとする(図28参照)。
サービスプロバイダ830は、サーバ831を保有している。ここで言うサーバ831とは、その規模は問わず例えば、個人用PC内のメモリ等も含む。また、サービスプロバイダがサーバ831を保有していない場合もある。
なお、上記サービスにおいてホームゲートウェイ811は必須ではない。例えば、クラウドサーバ821が全てのデータ管理を行っている場合等は、ホームゲートウェイ811は不要となる。また、家庭内のあらゆる機器がインターネットに接続されている場合のように、それ自身ではインターネットと接続不可能な機器は存在しない場合もある。
次に、上記サービスにおける情報の流れを説明する。
まず、グループ810の機器Aまたは機器Bは、各ログ情報をデータセンタ運営会社820のクラウドサーバ821に送信する。クラウドサーバ821は機器Aまたは機器Bのログ情報を集積する(図24)。
ここで、ログ情報とは複数の音出力端末300の、例えば動作日時等を示す情報である。例えば、音声データの再生履歴等などであるが、これらのものに限らずあらゆる機器から取得が可能なすべての情報をいう。ログ情報は、インターネットを介して複数の音出力端末300自体から直接クラウドサーバ821に提供される場合もある。また複数の音出力端末300から一旦ホームゲートウェイ811にログ情報が集積され、ホームゲートウェイ811からクラウドサーバ821に提供されてもよい。
次に、データセンタ運営会社820のクラウドサーバ821は、集積したログ情報を一定の単位でサービスプロバイダ830に提供する。ここで、データセンタ運営会社が集積した情報を整理してサービスプロバイダ830に提供することのできる単位でもいいし、サービスプロバイダ830が要求した単位でもいい。一定の単位と記載したが一定でなくてもよく、状況に応じて提供する情報量が変化する場合もある。
前記ログ情報は、必要に応じてサービスプロバイダ830が保有するサーバ831に保存される(図24)。そして、サービスプロバイダ830は、ログ情報をユーザに提供するサービスに適合する情報に整理し、ユーザに提供する。提供するユーザは、複数の音出力端末300を使用するユーザ812でもよいし、外部のユーザ841でもよい。
ユーザへのサービス提供方法は、例えば、サービスプロバイダから直接ユーザへ提供されてもよい。また、ユーザへのサービス提供方法は、例えば、データセンタ運営会社820のクラウドサーバ821を再度経由して、ユーザに提供されてもよい。また、データセンタ運営会社820のクラウドサーバ821がログ情報をユーザに提供するサービスに適合する情報に整理し、サービスプロバイダ830に提供してもよい。
なお、ユーザ812とユーザ841とは、別でも同一でもよい。
(適用されるクラウドサービスの類型)
なお、以上説明した各実施の形態に係る音出力システムは、例えば、ユーザから収集したデータに基づいて提供される、クラウドコンピューティングのサービスを構成する。すなわち、上記実施の形態において説明された技術は、例えば、以下のクラウドサービスの類型において実現され得る。しかし、上記実施の形態において説明された技術が実現される類型はこれに限定されるものではない。
<サービスの類型1:自社データセンタ型>
図29は、サービスの類型1(自社データセンタ型)を示す図である。
本類型は、サービスプロバイダ910がグループ920から情報を取得し、ユーザに対してサービスを提供する類型である。本類型では、サービスプロバイダ910が、データセンタ運営会社の機能を有している。すなわち、サービスプロバイダ910が、ビッグデータの管理をするクラウドサーバ930(例えば、制御サーバ400、400a)を保有している。したがって、データセンタ運営会社は存在しない。
本類型では、サービスプロバイダ910は、データセンタ(クラウドサーバ930)を運営、管理している。また、サービスプロバイダ910は、OS940およびアプリケーション950を管理する。サービスプロバイダ910は、サービスプロバイダ910が管理するOS940およびアプリケーション950を用いてサービス提供を行う。
<サービスの類型2:IaaS利用型>
図30は、サービスの類型2(IaaS利用型)を示す図である。
ここで、IaaSとは、インフラストラクチャー・アズ・ア・サービスの略であり、コンピュータシステムを構築および稼動させるための基盤そのものを、インターネット経由のサービスとして提供するクラウドサービス提供モデルである。
本類型では、データセンタ運営会社960がデータセンタ(クラウドサーバ930)を運営、管理している。また、サービスプロバイダ910は、OS940およびアプリケーション950を管理する。サービスプロバイダ910は、サービスプロバイダ910が管理するOS940およびアプリケーション950を用いてサービス提供を行う。
(サービスの類型3:PaaS利用型)
図31は、サービスの類型3(PaaS利用型)を示す図である。
ここで、PaaSとは、プラットフォーム・アズ・ア・サービスの略であり、ソフトウェアを構築および稼動させるための土台となるプラットフォームを、インターネット経由のサービスとして提供するクラウドサービス提供モデルである。
本類型では、データセンタ運営会社960は、OS940を管理し、データセンタ(クラウドサーバ930)を運営、管理している。また、サービスプロバイダ910は、アプリケーション950を管理する。サービスプロバイダ910は、データセンタ運営会社960が管理するOS940およびサービスプロバイダ910が管理するアプリケーション950を用いてサービス提供を行う。
(サービスの類型4:SaaS利用型)
図32は、サービスの類型4(SaaS利用型)を示す図である。
ここで、SaaSとは、ソフトウェア・アズ・ア・サービスの略である。例えばデータセンタ(クラウドサーバ)を保有しているプラットフォーム提供者が提供するアプリケーションを、データセンタ(クラウドサーバ)を保有していない会社・個人(利用者)がインターネット等のネットワーク経由で使用できる機能を有するクラウドサービス提供モデルである。
本類型では、データセンタ運営会社960は、アプリケーション950を管理し、OS940を管理し、データセンタ(クラウドサーバ930)を運営、管理している。また、サービスプロバイダ910は、データセンタ運営会社960が管理するOS940およびアプリケーション950を用いてサービス提供を行う。
以上いずれの類型においても、サービスプロバイダ910がサービス提供行為を行ったものとする。また例えば、サービスプロバイダ若しくはデータセンタ運営会社は、OS、アプリケーション若しくはビッグデータのデータベース等を自ら開発してもよいし、また、第三者に外注させてもよい。
(ハードウェア構成)
最後に、以上説明した各実施の形態に係る制御装置(音出力端末300〜300cおよび制御サーバ400、400a)のハードウェア構成の具体例について説明する。
図33は、各実施の形態に係る制御装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
制御サーバ400、400aは、例えば、図33に示す構成のうち、ハードウェア構成として、CPU961と、RAM962と、情報を記憶する内蔵ストレージ963と、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の記憶媒体から情報を読み取る読取装置964と、ネットワークを介して通信を行う送受信装置965とを備える。上記各部は、バス966により相互に接続されている。
読取装置964は、上記各部の機能を実現するためのプログラムが記憶された記憶媒体から当該プログラムを読み取り、内蔵ストレージ963に記憶させる。あるいは、内蔵ストレージ963に、上記各部の機能を実現するためのプログラムが予め記憶されていてもよい。
CPU961が内蔵ストレージ963に記憶されたプログラムをRAM962にコピーし、当該プログラムに含まれる命令をRAM962から順次読み出して実行することにより、上記各部の機能が実現される。なお、プログラムを実行した際の各種処理で得られた情報は、RAM962または内蔵ストレージ963に記憶され、適宜利用される。
また、音出力端末300〜300cは、例えば、図33に示す構成のうち、ハードウェア構成として、入力ボタンおよびタッチパネル等の入力装置967と、ディスプレイおよびスピーカ等の出力装置968と、CPU961と、RAM962と、情報を記憶する内蔵ストレージ963と、USBメモリ等の記憶媒体から情報を読み取る読取装置964と、ネットワークを介して通信を行う送受信装置965とを備える。上記各部は、バス966により相互に接続されている。
読取装置964は、上記各部の機能を実現するためのプログラムが記憶された記憶媒体から当該プログラムを読み取り、内蔵ストレージ963に記憶させる。なお、このような構成に代えて、送受信装置965が制御サーバ400/400aとの間でネットワークを介して通信を行うことにより、制御サーバ400/400aからダウンロードした上記各部の機能を実現するためのプログラムを内蔵ストレージ963に記憶させてもよい。あるいは、内蔵ストレージ963に、上記各部の機能を実現するためのプログラムが予め記憶されていてもよい。
CPU961が内蔵ストレージ963に記憶されたプログラムをRAM962にコピーし、当該プログラムに含まれる命令をRAM962から順次読み出して実行することにより、上記各部の機能が実現される。なお、プログラムを実行した際の各種処理で得られた情報は、RAM962または内蔵ストレージ963に記憶され、適宜利用される。
(本開示のまとめ)
以上のように、本開示の制御方法は、複数の端末から、各前記複数の端末の位置を示す各位置情報を通信により取得し、前記各位置の分布状態に応じて、前記複数の端末から一以上の代表端末を決定し、前記各位置情報が所定の条件を満たしている場合、前記代表端末に対して第1音量で音を出力させる第1コマンドを前記代表端末に送信し、一以上の一般端末に対して第2音量で音を出力させる第2コマンドを前記一般端末に送信し、前記一般端末は前記第1端末とは異なり、前記第1音量と前記第2音量は異なり、
前記各位置情報が所定の条件を満たしていない場合、前記代表端末と前記一般端末に対して第3音量で音を出力させる第3コマンドを前記代表端末と前記一般端末に送信する。
なお、上記制御方法において、前記所定の条件は、前記代表端末と前記一般端末との間の距離が所定値以下であることを含んでもよい。
また上記制御方法において、前記第2音量は、前記第1音量より小さくてもよい。
また上記制御方法において、前記各位置情報は、GPS情報を含んでもよい。
また上記制御方法において、前記代表端末は、予め定められていてもよい。
また上記制御方法において、前記各位置の分布状態に基づいて前記複数の端末は複数のグループに分割され、前記複数のグループは第1グループと第2グループを含み、前記代表端末は第1代表端末と前記第2代表端末を含み、前記一般端末は第1一般端末と第2一般端末を含み、前記第1代表端末と前記第1一般端末は前記第1グループに属し、前記第2代表端末と前記第2一般端末は前記第2グループに属し、前記第1代表端末と前記第2代表端末との距離は前記第1代表端末と前記第2一般端末との距離よりも長くなるように前記第1代表端末が決定されてもよい。
また上記制御方法において、前記所定の条件は、前記各位置情報に示された前記各複数の端末の位置が、所定の領域にあることを含んでもよい。
本開示の制御装置は、複数の端末から、各前記複数の端末の位置を示す各位置情報を取得する位置取得部と、前記各位置の分布状態に応じて、前記複数の端末から一以上の代表端末を決定する条件判定部と、前記各位置情報が所定の条件を満たしている場合、前記代表端末に対して第1音量で音を出力させる第1コマンドを前記代表端末に送信し、一以上の一般端末に対して第2音量で音を出力させる第2コマンドを前記一般端末に送信し、前記一般端末は前記第1端末とは異なり、前記第1音量と前記第2音量は異なり、前記各位置情報が所定の条件を満たしていない場合、前記代表端末と前記一般端末に対して第3音量で音を出力させる第3コマンドを前記代表端末と前記一般端末に送信する送信部と、を備える。
なお、上記制御装置は、前記複数の端末に含まれていてもよい。
また、上記制御装置において、前記所定の条件は、前記代表端末と前記一般端末との間の距離が、所定値以下であることを含んでもよい。
また、上記制御装置において、前記第2音量は、前記第1音量より小さくてもよい。
また、上記制御装置において、前記代表端末から取得した前記位置情報には、前記代表端末が集音した前記他端末の出力音に基づいて判断された、前記他端末の出力音の音量情報が含まれ、前記所定の条件は、前記音量情報が示す前記音量が、所定の閾値以上であることを含んでもよい。
また、上記制御装置において、前記位置取得部は、前記複数の音出力端末のうち他の前記音出力端末から、通信により前記位置情報を取得してもよい。
また、上記制御装置において、前記条件判定部は、前記各位置の分布状態に基づいて前記複数の端末を複数のグループに分割し、前記複数のグループは第1グループと第2グループを含み、前記代表端末は第1代表端末と前記第2代表端末を含み、前記一般端末は第1一般端末と第2一般端末を含み、前記第1代表端末と前記第1一般端末は前記第1グループに属し、前記第2代表端末と前記第2一般端末は前記第2グループに属し、前記第1代表端末と前記第2代表端末との距離は前記第1代表端末と前記第2一般端末との距離よりも長くなるように前記第1代表端末を決定してもよい。
本開示の制御装置は、端末を制御する制御装置であって、前記制御装置の周囲音を収音する音取得部と、前記周囲音に基づいて、前記端末が使用される環境を判定する条件判定部と、前記環境に対応した音量で音を出力させるコマンドを前記端末に送信する送信部、とを備える。
なお、上記制御装置において、前記条件判定部は、前記環境が、屋内であるか屋外であるかを判定し、前記送信部は、前記環境が屋内であると判定されたとき、第1音量で音を出力させる第1コマンドを前記端末に送信し、前記環境が屋外であると判定されたとき、第2音量で音を出力させる第2コマンドを前記端末に送信し、前記第1音量は前記第2音量より小さくてもよい。
また、上記制御装置において、前記環境が、静寂が要求される環境であるか否かを判定し、前記送信部は、前記環境が、前記静寂が要求される環境であると判定されたとき、第1音量で音を出力させる第1コマンドを前記端末に送信し、前記第1音量は前記第2音量より小さくてもよい。
また、上記制御装置において、前記条件判定部は、前記端末が使用される環境で会話が行われているか否かを判定し、前記送信部は、前記環境で会話が行われていると判定されたとき、第1音量で音を出力させる第1コマンドを前記端末に送信し、前記環境で会話が行なわれていないと判定されたとき、第2音量で音を出力させる第2コマンドを前記端末に送信し、前記第1音量は前記第2音量より小さくしてもよい。