以下に、本発明の実施例1の自動取引装置について添付の図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の自動取引装置の一例としてのATM(Automated Teller Machine)100及びホストコンピュータHCを含むシステム200の構成を示す図である。また、図2は、ATM100の外観を示す前方斜視図を示す図である。ATM100は、例えば金融機関の各支店に設置されており、各々が金融機関のホストコンピュータHCに接続されている。
ATM100は、接触または非接触型のデータ記録部を有する複数種類のカード(情報媒体)を用いた取引に対応している。例えば、ATM100は、接触型のデータ記録部(接触型の記録部)(例えば、磁気ストライプや接触IC)のみを備える接触型カードと、非接触型のデータ記録部(非接触型の記録部)(例えば、非接触IC)及び接触型のデータ記録部を備える複合カードに対応している。
なお、接触型の記録部に記録されている情報を接触型情報、非接触型の記録部に記録されている情報を非接触型情報と称することとする。
図3は、ATM100が対応する複合カードの構成例について示した説明図である。複合カード(接触型及び非接触型のデータ記録部を備えるカード)としては、例えば。図3(a)に示すような磁気ストライプ31及び非接触IC32を備えるカードC1がある。また、複合カードして、図3(b)に示すような磁気ストライプ31、非接触IC32及び接触IC33を備えるカードC2がある。
本実施例では、ATM100は、少なくとも上述のような接触型カード、及び複合カードの両方に対応しているものとして以下の説明を行う。なお、ATM100では、例えば、磁気ストライプのみを備えるカード、接触IC、または非接触lCのみを備えるカードに対応するようにしてもよい。
ATM100は、読込んだカードのデータ記録部のデータを利用して、ホストコンピュータHCの制御に応じた取引を行う。この実施形態のATM100は、磁気ストライプや接触lCに記録された金融機関の口座情報等に基づいて当該口座に係る取引(出金、残高照会、振込等の取引)を実行する。
また、この実施形態のATM100は、非接触lCに、電子マネーをチャージする等の取引を行う。すなわち、ATM100では、磁気ストライプ/接触lC(接触型のデータ記録部)を用いて行う取引内容と、非接触lC(非接触型のデータ記録部)を用いて行う取引内容とが異なっている。
図1に示すように、ATM100は、制御部10、記録部20、表示操作部30、ピンパッド35、非接触ICカード処理部40、磁気/接触lCカード処理部50、紙幣入出金部60、硬貨入出金部70、ジャーナル記録部75、及び明細票発行部80を有している。
制御部10は、ATM100内の各部の動作を制御する機能を担っている。制御部10は、例えば、プロセッサやメモリ等を含むプログラムの実施構成に取引プログラム等をインストールすることにより実現することができる。制御部10は、ATM100内の各部の動作を制御する構成要素として、表示操作制御部11、非接触lCカード処理制御部12、磁気/接触ICカード処理制御部13、紙幣入出金制御部14、硬貨入出金制御部15、ジャーナル記録制御部16、及び明細票発行制御部17を有している。
表示操作制御部11は、表示操作部30及びピンパッド35を制御する構成要素(上位プログラムを構成する要素)として機能する。また、非接触lCカード処理制御部12、磁気/接触lCカード処理制御部13、紙幣入出金制御部14、硬貨入出金制御部15、ジャーナル記録制御部16、及び明細票発行制御部17は、それぞれ、非接触lCカード処理部40、磁気/接触ICカード処理部50、紙幣入出金部60、硬貨入出金部70、ジャーナル記録部75、及び明細票発行部80を制御する構成要素(上位プログラムを構成する要素)として機能する。
記録部20は、制御部10が動作するために必要なプログラムやパラメータ等のデータを保持する記憶手段である。記録部20は、例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、RAM(Random Access Memory)等の記憶装置である。
表示部としての表示操作部30は、ユーザインタフェースの機能を担っている。表示操作部30に適用するデバイスの種類は限定されない。この実施例のATM100では、表示操作部30としてタッチパネルディスプレイを適用するものとして説明する。ATM100では、表示操作部30に種々の操作画面(GUI(Graphical User Interface))を表示して、ユーザ(顧客)への情報出力や、ユーザからの操作入力を受けることが可能である。
ピンパッド35は、顧客から暗証番号等の数字入力を受け付ける機能を担っている。ピンパッド35は、例えば、0〜9の数字入力が可能なテンキーにより構成されている。なお、このテンキーは機械式のボタンでもよいし、タッチパネルに表示されるボタンであってもよい。
非接触読取部としての非接触ICカード処理部40は、制御部10(非接触ICカード処理制御部12)からの制御に応じて、非接触型のデータ記録部(非接触IC)を備えるカード(例えば、上述の複合カードC1、C2等のカード)を処理する機能を担っている。非接触ICカード処理部40は、非接触ICを備えるカードと無線通信(アクセス)して、当該カードの非接触ICとのデータ処理(例えば、データの読込みや電子マネーのチャージ等の処理)を行う。
非接触ICカード処理部40では、ATM100の前面に設けられたカード読取部(カード読取面)(非接触IC読取部)41が、非接触ICと通信する通信部として機能している。非接触ICカード処理部40は、カード読取部41から所定の距離範囲内にあって通信可能なカードの非接触ICと通信を行う。
接触読取部としての磁気/接触ICカード処理部50は、制御部10(磁気/接触ICカード処理制御部13)からの制御に応じて、接触型のデータ記録部(少なくとも磁気ストライプ又は接触ICの一方)を備えるカードを処理する機能を担っている。磁気/接触ICカード処理部50は、顧客からカード挿入排出口51に挿入されたカードを吸入して当該カードの記録データ(磁気ストライプ/接触ICに記録されたデータ)を読み込む処理等を行う。
なお、非接触ICカード処理制御部12、非接触ICカード処理部40及びカード読取部41を含めて非接触読取部としてもよい。また、磁気/接触ICカード処理制御部13、磁気/接触ICカード処理部50及びカード挿入排出口51を含めて接触読取部としてもよい。
紙幣入出金部60は、制御部10(紙幣入出金制御部14)からの制御に応じて紙幣の入金を受付けて格納する処理や、格納している紙幣の出金(排出)を行う。紙幣入出金部60は、現金入出金囗61で、紙幣の入金及び出金を行う。
硬貨入出金部70は、制御部10(硬貨入出金制御部15)からの制御に応じて硬貨の入金を受付けて格納する処理や、格納している硬貨の出金(排出)を行う。硬貨入出金部70は、紙幣入出金部60と共通の現金入出金口61で、硬貨の入金及び出金を行う。
ジャーナル記録部75は、制御部10(ジャーナル記録制御部16)の制御に応じて、
取引の内容を明細票(例えばロール紙等)に印字する。
明細票発行部80は、制御部10(明細票発行制御部17)の制御に応じて取引内容を
印字した明細票を明細票排出部81から排出する。
次に、ATM100におけるカードのデータ読み取り処理及び手続表示の処理の概要について説明する。
非接触ICカード処理部40は、カード読取部41で通信可能な範囲内に、非接触ICカードの存在を検知すると、当該非接触ICカード内の非接触ICと非接触態様で通信して非接触ICのデータ(以下、「非接触ICデータ」、「非接触型データ」または「非接触型情報」とも称する))を読込む。非接触ICカード処理部40は、非接触ICから読込んだデータを非接触ICカード処理制御部12に供給する。非接触ICカード処理制御部12は、非接触ICカード処理部40から供給されたデータを、ネットワークNWを介してホストコンピュータHCに通知する。
磁気/接触ICカード処理部50は、カード挿入排出口51からカードが挿入されると
当該カードのデータ記録部(磁気ストライプ/接触IC)のデータ(以下、「磁気/接触ICデータ」、「接触型データ」または接触型情報とも称する)を読込み、磁気/接触ICカード処理制御部13へ供給する。磁気/接触ICカード処理制御部13は。磁気/接触ICカード処理部50から供給されたデータを、ネットワークNWを介してホストコンピュータHCに通知する。
表示操作制御部11は、非接触ICカード処理部40及び磁気/接触ICカード処理部50のデータ取得状況に応じて、取引を選択する操作画面(以下、「取引画面(取引選択画面)」とも称する)を、表示操作部30に表示させる。表示操作制御部11が表示する取引画面の詳細については後述する。なお、表示操作制御部11及び表示操作部30を含めて、表示部としてもよい。
ATM100の非接触ICカード処理制御部12は、ホストコンピュータHCから取引開始の命令が到来すると、非接触ICカード処理部40に非接触ICのデータ読取受付を開始させる。非接触ICカード処理制御部12は、非接触ICカード処理部40を介して、非接触ICカードの非接触ICのデータが一定時間を置いて2回連続で読み込めた際に、非接触ICカードのデータをホストコンピュータHCに通知する。
すなわち、非接触ICカード処理制御部12は、まず非接触ICのデータの一回目の読み取り試行(初回読取試行)を行う。その後、初回読取試行が成功すると、一定時間待機し、非接触ICのデータの再度の読取試行(再読取試行)を一定時間実行する。この再読取試行が成功する、すなわち一定時間を置いて2回連続で同一の非接触ICのデータを読み取ることに成功すると、ホストコンピュータHCに当該非接触ICの読取データを送信する。
なお、一定時間内に再読取試行が成功しない場合には、非接触ICカード処理制御部12は、再読取試行を中止し、再度初回読取試行を開始する。
ホストコンピュータHCは、非接触ICの読取データを受信すると、表示操作制御部11に非接触ICからのデータに基づいて行われるべき取引の画面(非接触型取引画面)を表示操作部30に表示させる画面表示依頼を送信する。さらに、ホストコンピュータHCは、磁気/接触ICカード処理制御部13に対し、カードの読み取り動作をキャンセルさせる読取動作停止指示を送信する。
ATM100の磁気/接触ICカード処理制御部13は、ホストコンピュータHCから取引開始の命令が到来すると、磁気/接触ICカード処理部50に、カード挿入排出口51への磁気ストライプまたは接触ICを有するカードの挿入の受付を行わせる。すなわち、磁気/接触ICカード処理制御部13は、ホストコンピュータHCから取引開始の命令が到来すると、磁気/接触ICカード処理部50に磁気ストライプまたは接触ICからデータを読み取る接触態様のデータ読取の受付を開始させる。
磁気/接触ICカード処理制御部13は、カード挿入排出口にカードが挿入されると、磁気/接触ICカード処理部50を介して接触態様のデータ読取を行って、磁気ストライプまたは接触ICからデータを読み取る。その後、磁気/接触ICカード処理制御部13は、当該磁気ストライプまたは接触ICの読取データを、ホストコンピュータHCに送信する。
ホストコンピュータHCは、磁気ストライプまたは接触ICの読取データを受信すると、表示操作制御部11に磁気ストライプまたは接触ICからのデータに基づいて行われるべき取引の画面(接触型取引画面)を表示操作部30に表示させる画面表示依頼を送信する。さらに、ホストコンピュータHCは、非接触ICカード処理制御部12に対し、カードの読み取り動作をキャンセルさせる読取動作停止指示を送信する。
表示操作制御部11は、ホストコンピュータHCの制御に従って取引画面を表示し、取引画面で選択された取引の操作画面を表示操作部30に表示させる。すなわち、制御部10は、ホストコンピュータHCの制御に従ってATM100における取引処理(取引動作)を開始させる。なお、表示操作制御部11が取引画面を表示させる処理以後の処理については、種々のATMと同様の処理を適用することができるため詳しい説明を省略する。
なお、ATM100において、ホストコンピュータHCとの機能分担については限定されないものである。例えば、ATM100が単独で全ての取引に係る処理の機能を担うようにしてもよい。すなわち、ATM100がホストコンピュータHCと接続せずに取引を完結するようにしてもよい。
[動作ルーチン]
以下に、実施例1のATM100の非接触ICカード処理制御部12、磁気/接触ICカード処理制御部13及び表示操作制御部11の動作ルーチンの一例を説明する。以下で説明する動作ルーチンは、例えば、ATM100の電源が投入された際に開始されてもよい。また、当該動作ルーチンは、ホストコンピュータHCから取引開始指示(カード読取依頼)が到来すると開始されることとしてもよい。当該動作ルーチンは、開始されると繰り返し実行される。
[非接触ICカード処理制御部の動作ルーチン]
図4は、非接触ICカード処理制御部12の動作ルーチンの一例を示す図である。まず、非接触ICカード処理制御部12は、ホストコンピュータHCから取引開始指示が到来すると、非接触ICカード処理部40に、非接触ICの読取の受付を開始させる。
読取の受付の開始の後、非接触ICカード処理制御部12は、カード挿入排出口51にカードが挿入されて当該カードの情報が接触態様で読み取られたか否かを判定する(ステップS1)。この判定は、例えば、カード挿入排出口51にカードが挿入されて、磁気ストライプまたは接触ICからデータが読み取られ、ホストコンピュータHCから読取動作停止指示が到来したか否かによって行われてもよい。ステップS1において、カード情報が接触態様で読み取られたと判定されると(ステップS1:YES)、その後ルーチンは終了する。
ステップS1において、カードが挿入されておらず、カードの情報が接触態様で読み取られていないと判定されると(ステップS1:NO)、非接触ICカード処理制御部12は、非接触ICカード処理部40を介して、非接触ICのデータの読み取りが非接触態様で行われたか否かを判定する(ステップS2)。ステップS2において、非接触ICのデータが読み取られていないと判定されると(ステップS2:NO)、その後ルーチンは終了する。
ステップS2において、非接触ICのデータが読み取られたと判定されると、非接触ICカード処理制御部12は、非接触ICカード処理部40に読取の受付を一旦中断させ、所定時間(例えば、1秒)待機(ウェイト)する(ステップS3)。一定時間の待機の後、非接触ICカード処理制御部12は、カード情報が接触態様で読み取られたか否かを判定する(ステップS4)。
この判定は、上述したように、カード挿入排出口51にカードが挿入されて、磁気ストライプまたは接触ICからデータが読み取られ、ホストコンピュータHCから読取動作停止指示が到来したか否かによって行われてもよい。ステップS1において、カード情報が接触態様で読み取られたと判定されると(ステップS1:YES)、その後ルーチンは終了する。
ステップS4において、カードが挿入されておらず、カードの情報が接触態様で読み取られていないと判定されると(ステップS4:NO)、非接触ICカード処理部40に読取の受付を再開させる。すなわち、非接触ICの再読取試行を実行させる。
ICカード処理制御部12は、非接触ICカード処理部40の読取の受付を再開させた(再読取試行を実行させた)後、非接触ICカード処理部40を介して、非接触ICのデータの読み取りが非接触態様で行われたか否かを判定する(ステップS5)。
すなわち、再度同一の非接触ICのデータの読み取りが行われたか否かを判定する。ステップS5において、非接触ICのデータが読み取られていないと判定されると(ステップS5:NO)、その後ルーチンは終了する。
ステップS5において、非接触ICのデータが読み取られたと判定されると(ステップS5:YES)、非接触ICカード処理制御部12は、読み取られた非接触ICのデータ、すなわち非接触ICが搭載されているICカードのデータをホストコンピュータHCに送信する(ステップS6)。ステップS6が終了すると、ルーチンは終了する。
なお、ステップS5においては、読取の受付(再読取試行)を所定時間継続してもよい。すなわち、ステップS5における読取の判定においては、再読取試行において所定時間内に読取が行われたか否かを判定することとしてもよい。また、再読取試行は非常に短い時間で(例えば瞬間的に)行われてもよい。
上述のように、非接触ICカード処理制御部12は、カードが保有する非接触型情報を最初に読み取る初回読取試行を繰り返し実行し、初回読取試行が成功すると、所定時間後に当該非接触型情報を再度読み取る再読取試行を開始する。その後、所定時間内に当該再読取試行に成功した際に読み取られた非接触ICのデータをホストコンピュータHCに送信する。その後、制御部10は、ホストコンピュータHCの制御に従って、非接触ICの情報(非接触型情報)を用いて行われるべき取引処理(取引動作)をATM100において開始させる。
また、非接触ICカード処理制御部12は、所定時間内に再読取試行が成功しなかった際に、再度初回読取試行を実行する。
[磁気/接触ICカード処理制御部の動作ルーチン]
図5は、磁気/接触ICカード処理制御部13の動作ルーチンの一例を示す図である。まず、磁気/接触ICカード処理制御部13は、ホストコンピュータHCから取引開始指示が到来すると、磁気/接触ICカード処理部50に、非接触ICの読取の受付を開始させる。
読取の受付の開始の後、磁気/接触ICカード処理制御部13は、非接触ICの読み取りが完了したか否かを判定する(ステップS1)。この判定は、例えば、カード読取部41にカードが載置されて非接触ICのデータの読み取りが完了し、ホストコンピュータHCから読取動作停止指示が到来したか否かによって行われてもよい。ステップS1において、非接触ICカードの読み取りが完了したと判定されると(ステップS1:YES)、その後ルーチンは終了する。
ステップS1において、非接触ICのデータの読み取りが完了していないと判定されると、磁気/接触ICカード処理制御部13は、カード挿入排出口51にカードが挿入されて、カード情報が接触態様で読み取られたか否かを判定する(ステップS2)。すなわち、カードの磁気ストライプまたは接触ICからデータが読み取られたか否かが判定される。ステップS2において、カード情報が接触態様で読み取られていないと判定されると(ステップS2:NO)、その後ルーチンは終了する。
ステップS2において、カード情報が接触態様で読み取られたと判定されると(ステップS2:YES)、磁気/接触ICカード処理制御部13は、当該読み取ったカード情報をホストコンピュータHCに送信し(ステップS3)、その後ルーチンは終了する。その後、制御部10は、ホストコンピュータHCの制御に従って、磁気ストライプ/接触ICの情報(接触型情報)を用いて行われるべき取引処理(取引動作)をATM100において開始させる。
[表示操作制御部の動作ルーチン]
図6は、表示操作制御部11の動作ルーチンの一例を示す図である。まず、表示操作制御部11は、ホストコンピュータHCから接触型取引画面を表示操作部30に表示させる接触型取引画面表示依頼が到来したか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1において、接触型取引画面表示依頼が到来したと判定されると(ステップS1:YES)、表示操作制御部11は、表示操作部30に、接触型取引画面を表示させる。
図7は、接触型取引画面の一例を示す図である。図7に示す取引画面では、磁気ストライプまたは接触ICに対応する取引(接触型のデータ記録部に対応する取引)として、金融機関の口座に関する取引を選択するためのボタンB101〜B106及び取引を中止する際に用いられる取消ボタンB107が配置されている。
ステップS1において、接触型取引画面表示依頼が到来していないと判定されると、表示操作制御部11は、非接触型取引画面表示依頼が到来したか否かを判定する(ステップS2)。ステップS2において、非接触型取引画面表示依頼が到来していないとい判定されると(ステップS2:NO)、ルーチンはその後終了する。
ステップS2において、非接触型取引画面表示依頼が到来したと判定されると(ステップS2:YES)、表示操作制御部11は、表示操作部30に、非接触型取引画面表示を表示させ、その後ルーチンは終了する。
図8は、非接触型取引画面の一例を示す図である。図8に示す取引画面では、非接触ICに対応する取引(非接触型のデータ記録部に対応する取引)として、電子マネーに関する取引を選択するためのボタンB201、B202及び取引を中止する際に用いられる取消ボタンB203が配置されている。
[ATM100の動作例]
以上のような構成を有するATM100の動作を、図を参照して以下に説明する。
[磁気/接触ICカード処理部でのみデータ読取があった場合の動作]
まず、ATM100において、磁気/接触ICカード処理部50でのみ正常にデータ読取が行われた場合(非接触ICカード処理部40でデータ読取が行われなかった場合)の動作について図9のシーケンス図を用いて説明する。
まず、ホストコンピュータHCで、ATM100による取引を開始すると判断されたものとする。ホストコンピュータHCで、ATM100による取引を開始する契機については限定されないものである。例えば、ATM100の表示操作部30で所定の操作(例えば、表示操作部30の画面のタッチ等)が行われると、当該所定の操作の通知が表示操作制御部11からホストコンピュータHCに通知され、ホストコンピュータHCで取引開始の判断を行うようにしてもよい。
取引開始を判断すると、ホストコンピュータHCは、非接触ICカード処理制御部12を介して、非接触ICカード処理部40にカード読取依頼を通知する(S101)。また、ホストコンピュータHCは、磁気/接触ICカード処理制御部13を介して磁気/接触ICカード処理部50にカード読取依頼(カード先行吸入依頼)を通知する(S102)。
次に、非接触ICカード処理部40は、非接触ICカード処理制御部12の制御に応じて、非接触ICと通信可能な状態での待機(受付)を開始(非接触ICの探索を開始)する(S103)。すなわち、初回の読取試行が開始される。また、磁気/接触ICカード処理部50は、磁気/接触ICカード処理制御部13の制御に応じて、カードを読取可能(カード挿入排出口51から吸入可能)な状態での待機を開始する(S104)。
その後、カード挿入排出口51にカードが挿入され吸入されたものとする。そして、磁気/接触ICカード処理部50で当該カードのデータの読取が正常終了し、当該磁気/接触ICデータが磁気/接触ICカード処理制御部13に供給される(S105)。なお、磁気/接触ICデータには、少なくとも、磁気ストライプ又は接触ICのデータの一方が含まれる。
そして、磁気/接触ICカード処理制御部13は、磁気/接触ICカード処理部50から取得した磁気/接触ICデータをホストコンピュータHCに通知する(S106)。
磁気/接触ICカード処理制御部13によりホストコンピュータHCに磁気/接触
ICデータが通知されると、ホストコンピュータHCは、表示操作制御部11に接触型取引画面表示依頼を送信する(S107)。当該指示に対応して、表示操作制御部11は、磁気ストライプ/接触ICに対応する取引(接触型のデータ記録部に対応する取引)の選択を受付けるための取引選択画面を、表示操作部30に表示させる(S108)。このとき、表示操作制御部11は、表示操作部30に、例えば上述した図7に示すような取引画面(操作画面)を表示させてもよい。
また、磁気/接触ICデータの通知を受けると、ホストコンピュータHCは、非接触ICカード処理制御部12を介して、非接触ICカード処理部40にカード読取のキャンセルを通知する(S109)。すなわち、非接触ICカード処理制御部12に読取動作停止指示を送信する。
カードデータ読取のキャンセルが通知されると、非接触ICカード処理部40は、カード読取をキャンセル(非接触ICの探索を中止)する(S110)。そして、非接触ICカード処理部40は、非接触ICカード処理制御部12を介して、カード読取キャンセル完了をホストコンピュータHCに通知する(S111)。
その後、制御部10は、ホストコンピュータHCの制御に従って、磁気ストライプまたは接触ICからの接触型情報を用いて行われるべき取引処理(取引動作)をATM100において開始させる。
[両方のカード処理部で読取が発生した場合の動作1]
次に、ATM100において、複合カードについて、非接触ICカード処理部40及び磁気/接触ICカード処理部50及びの両方でデータ読取が行われた場合の動作について図10のシーケンス図を用いて説明する。ここでは、接触型データによる取引を行いたい顧客がカード読取部41に誤ってカードを一度かざしたが、すぐにかざすことをやめ、その後カードをカード挿入排出口51に挿入した場合を例に説明する。
まず、ホストコンピュータHCで、ATM100による取引処理が開始され、上述のステップS101〜104と同様の処理により、非接触ICカード処理部40で初回の読取受付(初回読取試行)が開始され、磁気/接触ICカード処理部50カードの読取受付が開始されたものとする(S201〜S204)。
その後、非接触ICカード処理部40のカード読取部41に複合カードが近づけられ(かざされ)、非接触ICカード処理部40で当該複合カードの非接触ICデータの読取が正常終了したものとする。そして、非接触ICカード処理部40で、読み取られた非接触ICデータは、非接触ICカード処理制御部12に供給される(S205)。
非接触ICカード処理制御部12は、最初(1回目)に取得した非接触ICデータを受け捨て(廃棄;無視)し、所定時間の待機(カード読取を停止した状態での読取停止待機)を開始する(S206)。このとき、非接触ICカード処理制御部12が待機する期間は例えば、予め設定された一定時間(例えば、1秒)としてもよい。
非接触ICカード処理制御部12は、所定時間の待機を完了すると非接触ICカード処理部40に対して、カードの読取受付を再度依頼する(カード再読取依頼)(S207)。そして、非接触ICカード処理部40は、非接触ICカード処理制御部12の制御に応じて、非接触ICと通信可能な状態での待機を再開(非接触ICの探索を再開)すなわち、所定時間の再読取受付(再読取試行)を開始する(S208)。その後、非接触ICカード処理制御部12は、再読取が行われるのを所定時間待機する(S209)。すなわち、非接触ICカード処理部40の再読取試行が所定時間の間行われる。
上記したように、この例では、顧客はカード読取部41に誤ってカードをかざし、すぐかざすことをやめる。すなわち、読取停止待機期間中にカードは読取部41から離される。従って、非接触ICカード処理部40は、所定時間の再読取受付中に非接触ICのデータの読み取りができない。すなわち、所定の待機時間の間に非接触ICのデータは読み取られない。
所定の待機時間が経過しても非接触ICの読み取りが行われていないと、非接触ICカード処理制御部12が、カードの初回読取依頼が非接触ICカード処理部40に初回読取依頼を送信する(S210)。非接触ICカード処理部40はこの依頼を受けて初回読取受付を開始する(S211)。すなわち、非接触ICカード処理部40は、再読取試行を終了し再度初回読取受付に戻る。
ここでは、非接触ICカード処理部40が初回読取受付に戻った後に、カード挿入排出口51にカードが挿入され吸入されたものとする。そして、磁気/接触ICカード処理部50で磁気/接触ICデータの読取が正常終了し(S212)、当該データが磁気/接触ICカード処理制御部13に供給される(S213)。
以後、上述のステップS107〜S108と同様の処理により、表示操作制御部11をして、磁気ストライプ/接触ICに対応する取引(接触型のデータ記録部に対応する取引)の選択を受付けるための取引画面を、表示操作部30に表示させる(S214〜S215)。
このとき、表示操作制御部11は、表示操作部30に、例えば図11に示すような取引画面(操作画面)を表示させてもよい。図11に示すように、例えば、表示操作制御部11は、図7に示したボタンB101〜107に加えて、注意喚起をする表示(誤って非接触ICカード処理部40でカード読取が発生している旨の表示)ALTを含む表示(告知)を行う。
具体的には、例えば、誤って非接触ICカード処理部40でカード読取が発生している旨のメッセージ(図11に示す取引画面では。「非接触IC情報の読取りが確認されました。」というメッセージ)が表示されている。また、今後のカードの挿入の仕方の注意喚起をするメッセージ(図11では、「カードを挿入する際には、非接触IC読取面にカードを近づけないように注意してください。」というメッセージ)も表示されている。
このような表示を行うことで、顧客が将来同様の誤操作または操作ミスを行うことを防止することが可能である。
その後、上述のステップS109〜S111と同様の処理により、磁気/接触ICカード処理制御部13からホストコンピュータHCに磁気/接触ICデータが通知され、非接触ICカード処理部40によるカード読取がキャンセルされる(S216〜S218 )。
その後、制御部10は、ホストコンピュータHCの制御に従って、磁気ストライプまたは接触ICからの接触型情報を用いて行われるべき取引処理(取引動作)をATM100において開始させる。
[両方のカード処理部で読取が発生した場合の動作2]
次に、ATM100において、複合カードについて、非接触ICカード処理部40及び磁気/接触ICカード処理部50及びの両方でデータ読取が行われた場合の動作について図12のシーケンス図(フローチャート)を用いて説明する。
この例では、接触型データによる取引を行いたい顧客が読取部41に誤ってカードを一度かざし、すぐにかざすことをやめたが、その後再度誤ってカードを読取部41にカードをかざしてしまう。その後、顧客がカード挿入排出口51にカード挿入した場合を説明する。
この例の場合、上記した[両方のカード処理部で読取が発生した場合の動作1]とステップS211までは、同様の動作が進行していき、初回読取受付状態(初回読取試行状態)が再度開始される。そのため、図12において、上記図10に示すステップと同様のステップについては省略する。
ここでは、非接触ICカード処理部40が初回読取受付に戻った後に、顧客が再度カード読取部41にカードを誤ってかざしてしまい、その後すぐにかざすのをやめたものとする。この場合、非接触ICカード処理部は、非接触ICの2度目の読取を行うことになる(S212A)。
しかし、非接触ICカード処理部40は、初回読取受付状態(初回読取試行状態)に戻っている(図4のステップS2)ので、読み取られた非接触ICの情報は、再度受け捨て(廃棄;無視)られて、所定時間の待機(カード読取を停止した状態での読取停止待機)が開始される(S213A)。
非接触ICカード処理制御部12は、所定時間の待機を完了すると非接触ICカード処理部40に対して、カードの読取受付を再度依頼する(カード再読取依頼)(S214A)。そして、非接触ICカード処理部40は、非接触ICカード処理制御部12の制御に応じて、非接触ICと通信可能な状態での待機を再開(非接触ICの探索を再開)すなわち、所定時間の再読取受付(再読取試行)を開始する(S215A)。
その後、非接触ICカード処理制御部12は、再読取が行われるのを所定時間待機する(S216A)。すなわち、非接触ICカード処理部40の再読取試行が所定時間の間行われる。なお、上述のように、顧客は読取部41に誤ってカードをかざし、その後すぐにかざすのをやめているので、再読取試行において、非接触ICのデータが読み取られることはない。
その後、非接触カード挿入排出口51にカードが挿入され吸入されたものとする。そして、磁気/接触ICカード処理部50で磁気/接触ICデータの読取が正常終了し、当該データが磁気/接触ICカード処理制御部13に供給される(S217A)。
以後、上述のステップS213〜S215と同様の処理により、表示操作制御部11をして、磁気ストライプ/接触ICに対応する取引(接触型のデータ記録部に対応する取引)の選択を受付けるための取引画面を、表示操作部30に表示させる(S218A〜S220A)。このとき、表示操作制御部11は、表示操作部30に、例えば図11に示すような取引画面(操作画面)を表示させてもよい。
その後、上述のステップS216〜S218と同様の処理により、磁気/接触ICカード処理制御部13からホストコンピュータHCに磁気/接触ICデータが通知され、非接触ICカード処理部40によるカード読取がキャンセルされる(S221A〜S223A )。
その後、制御部10は、ホストコンピュータHCの制御に従って、磁気ストライプまたは接触ICからの接触型情報を用いて行われるべき取引処理(取引動作)をATM100において開始させる。
[非接触ICカード処理部でのみカードの読取が発生した場合の動作]
次に、ATM100において、非接触ICカード処理部40でのみデータ読取が行われた場合の動作について図13のシーケンス図を用いて説明する。
まず、ホストコンピュータHCで、ATM100による取引が開始され、上述のステッ
プS101〜104と同様の処理により、非接触ICカード処理部40及び磁気/接触ICカード処理部40でカードの初回の読取受付(初回読取試行)が開始されたものとする(S301〜S304)
その後、非接触ICカード処理部40のカード読取部41に非接触ICを備えるカードが近づけられ(かざされ)、非接触ICカード処理部40で非接触ICデータの読取が正常終了したものとする。そして、非接触ICカード処理部40で読み取られた非接触ICデータは、非接触ICカード処理制御部12に供給される(S305)。
非接触ICカード処理制御部12は、最初(1回目)に取得した非接触ICデータを受け捨て(廃棄;無視)し、所定時間の待機(カード読取を停止した状態での読取停止待機)を開始する(S306)。このとき、非接触ICカード処理制御部12が待機する期間は例えば、予め設定された一定時間としてもよい。なお、ここでは、非接触ICカード処理制御部12が待機している間、磁気/接触ICカード処理部50へのカード挿入はなかったものとする。すなわち、カードはカード読取部41にかざされたままの状態であったものとする。
非接触ICカード処理制御部12は、読取停止待機の所定時間が終了すると、非接触ICカード処理部40に対して、再度カードの読取受付を依頼(再読取依頼)する(S307)。
そして、非接触ICカード処理部40は、非接触ICカード処理制御部12の制御に応じて、非接触ICと通信可能な状態での待機を再開(非接触ICの探索を再開)する(S308)。すなわち、再読取試行を開始する。
そして、非接触ICカード処理部40は、非接触ICカード処理部40のカード読取部41にかざされたカードの非接触ICから、非接触ICデータの読取を正常終了したものとする。そして、非接触ICカード処理部40で読み取られた非接触ICデータは、非接触ICカード処理制御部12に供給される(S310)。
次に、非接触ICカード処理制御部12は、非接触ICカード処理部40から供給され
た非接触ICデータをホストコンピュータHCに通知する(S311)。
非接触ICカード処理制御部12によりホストコンピュータHCに非接触ICデータが通知されると、ホストコンピュータHCは、表示操作制御部11に非接触型取引画面表示依頼を送信する(S312)。当該依頼に対応して、表示操作制御部11は、非接触ICに対応する取引(非接触型のデータ記録部に対応する取引)の選択を受付けるための取引画面を、表示操作部30に表示させる(S313)。
このとき、表示操作制御部11は、表示操作部30に、例えば上述した図8に示すようなすような取引画面(操作画面)を表示させてもよい。
また、ホストコンピュータHCは、非接触ICデータの通知を受けると、磁気/接触ICカード処理制御部13を介して、磁気/接触ICカード処理部50にカード読取のキャンセルを通知(依頼)する(S314)。
カードデータ読取のキャンセルが通知されると、磁気/接触ICカード処理部50は、カード読取受付をキャンセルする(S315)。そして、磁気/接触ICカード処理部50は、磁気/接触ICカード処理制御部13を介して、カード読取キャンセル完了をホストコンピュータHCに通知する(S316)。
その後、制御部10は、ホストコンピュータHCの制御に従って、非接触ICからの非接触型情報を用いて行われるべき取引処理(取引動作)をATM100において開始させる。
上述のように、ATM100において、表示操作制御部11は、非接触ICの非接触型情報の再読取試行が成功する前に接触型情報を読み取った場合に、接触型情報を用いて行われるべき取引の画面である接触型取引画面を表示させる。すなわち、制御部10が、ATM100に接触型情報に基づく取引を開始させる。
また、表示操作制御部11は、非接触ICの非接触型情報が少なくとも一度読み取られた後に、再読取試行が成功する前に磁気/接触ICカード処理部で接触型情報が読み取られた際に、接触型取引画面を表示させる。すなわち、制御部10が、ATM100に接触型情報に基づく取引を開始させる。
また、表示操作制御部11は、非接触型情報の読み取りがあった後に表示される接触型取引画面において、非接触ICカード処理部40で非接触情報の読み取りがあったことを告知する。
上述の実施例のATM100によれば、最初、すなわち初回読取試行において非接触ICカード処理部40で非接触ICの読取が発生したときに読み取った非接触ICデータを受け捨てて、所定時間の待機を開始する。
そして、所定時間の待機が終了した後に、再読取試行を開始し、非接触ICカード処理部40で所定の時間内にカードの読み取りができた場合にのみ、表示操作部30に非接触ICに対応する取引画面が表示される。すなわち、制御部10が、ATM100に非接触型情報に基づく取引を開始させる。
すなわち、初回読取試行の成功から一定時間内に再度の読取が行われた場合にのみ、非接触ICに対応する取引画面が表示される。また、初回読取試行の成功から一定時間内に再読取試行が成功しなかった場合には、再度初回読取試行に戻って、非接触ICの読取が開始される。
これにより、磁気/接触ICに対応する取引を行おうとしている顧客が、誤ってカードを非接触IC読取部にかざした後に、一度カードを非接触IC読取部から離し、カードをカード挿入排出口に挿入しようとする際の誤動作を防止することができる。
すなわち、カードをカード挿入排出口に挿入しようとする際に、非接触ICが非接触IC読取部に誤って読み取られてしまっても、初回の読取から一定時間経過後であれば非接触ICに対応する取引画面は表示されず、カードの挿入をもって磁気/接触ICに対応する取引画面が表示されることとなる。従って、このように、誤って2度非接触ICが読み取られてしまった場合でも、顧客の期待する取引画面を表示することが可能である。
また、上記実施例のATM100によれば、非接触ICの読み取りがあった上で、カードがカード挿入排出口51に挿入されて磁気/接触ICに対応する取引が開始された場合に、顧客に対して注意喚起の表示を行う。すなわち、顧客の意図に反して非接触ICがカード読取部41によって読み取られてしまっていることが注意喚起される。
このような注意喚起が行われることで、顧客による将来の誤操作または操作ミス発生を低減し、取引を円滑に実行させることが可能である。
以下に、本発明の実施例2の自動取引装置について添付の図面を参照しつつ説明する。実施例2の自動取引装置の一例であるATM100は、実施例1のATM100と、表示操作制御部11の動作が異なるのみであり他の構成は同一である。従って、以下においては、表示操作制御部11の動作及びそれに伴うATM100の動作のみについて説明する。
図14は、表示操作制御部11の動作ルーチンの一例を示す図である。まず、表示操作制御部11は、ホストコンピュータHCから接触型取引画面を表示操作部30に表示させる接触型取引画面表示依頼が到来したか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1において、接触型取引画面表示依頼が到来したと判定されると(ステップS1:YES)、表示操作制御部11は、表示操作部30に、例えば、上述の図7または図11等の接触型取引画面を表示させる(ステップS2)。その後ルーチンは終了する。
ステップS1において、接触型取引画面表示依頼が到来していないと判定されると、表示操作制御部11は、非接触型取引画面表示依頼が到来したか否かを判定する(ステップS3)。ステップS3において、非接触型取引画面表示依頼が到来していないとい判定すると(ステップS3:NO)、ルーチンはその後終了する。
ステップS3において、非接触型取引画面表示依頼が到来したと判定されると(ステップS3:YES)、表示操作制御部11は、表示操作部30に、非接触型取引画面表示を表示させる(ステップS4)。
図15は、非接触型取引画面の一例を示す図である。図15に示す取引画面では、非接触ICに対応する取引(非接触型のデータ記録部に対応する取引)として、電子マネーに関する取引を選択するためのボタンB201、B202及び取引を中止する際に用いられる取消ボタンB203が配置されている。また、図15に示す取引画面では、さらに磁気/接触型ICに対応する取引へ移行のための「磁気/非接触カード取引へ切換」ボタン(以下、切替ボタン)B204が配置されている。
ステップS4の終了後、表示操作制御部11は、磁気/非接触カード取引への切換操作がなされたか、すなわち切換ボタンB204が押されたか否かを判定する(ステップS5)。切換操作がなされたと判定された場合(ステップS5:YES)、表示操作制御部11は、ホストコンピュータHCに磁気/接触型ICに対応する取引への切換通知を送信して、接触型取引画面を表示する(ステップS6)。この接触型取引画面は、例えば、上述の図7または図11に示したような画面であってもよい。ステップS6の終了後、ルーチンは終了する。
ステップS5において、切換操作がなされていないと判定された場合(ステップS5:NO)、表示操作制御部11は、取引操作がなされたかを判定する(ステップS7)。この判定は、ボタンB201〜B203が押されたか否かで判定されてもよい。ステップS7において取引操作がなされたと判定された場合(ステップS7:YES)、ルーチンは終了する。この後、制御部10は、ATM100に接触型情報に基づく取引を開始させる。
ステップS7において、取引操作がなされていないと判定された場合、表示操作制御部11は、切換操作がなされたか否かの判定を再度繰り返す(ステップS5)。すなわち、何らかの操作を受け付けるまで、ステップS5とステップS7が繰り返されることになる。
[ATM100の動作例]
以上のような構成を有するATM100の動作を、図16を参照して以下に説明する。ここでは、本実施例の表示操作制御部11を有するATM100において、実施例1で説明した[非接触ICカード処理部でのみカードの読取が発生した場合の動作]とほぼ同様の操作がなされた場合を想定する。但し、本動作例では、ステップS410の読取において、顧客の意図に反して非接触ICが誤って読み取られた場合を例に説明する。
すなわち、非接触ICが一度読み取られた直後、すなわち未だ再読取試行が実行されている期間中にカードをカード挿入排出口51に挿入しようとした際に、カード読取部41にカードを近づけてしまい誤って非接触ICが読み取られ場合を例に説明する。
まず、ホストコンピュータHCで、ATM100による取引が開始され、上述の[非接触ICカード処理部でのみカードの読取が発生した場合の動作]のステップS301〜309と同様に処理が進行する(ステップS401〜S409)。その後、上述のように、顧客が誤ってカードをカード読取部41に近づけてしまい、非接触ICの意図に反する読取が完了する(ステップS410)。
その後、上述の[非接触ICカード処理部でのみカードの読取が発生した場合の動作]のステップS311〜316と同様に処理が進行する(ステップS411〜416)。この際、ステップS413において、上述の図15の取引画面が表示される。この動作例においては、自分の行いたい取引である磁気/接触ICに対応する取引への切換のために、切換操作を行ったものとして説明する。
この切換操作が、ステップS417において受けつけられ(図14のステップS5:YES)、表示操作制御部11からホストコンピュータHCに取引変更依頼が送信される(ステップS418)。ホストコンピュータHCは,取引変更依頼を受信すると、磁気/接触ICカード処理制御部13を介して磁気/接触ICカード処理部50にカード読取依頼を通知する(S419)。
磁気/接触ICカード処理部50は、磁気/接触ICカード処理制御部13の制御に応じて、カードを読取可能(カード挿入排出口51から吸入可能)な状態での待機を開始する(S420)。
実施例2のATM100によれば、最初、すなわち初回読取試行において非接触ICカード処理部40で非接触ICの読取が発生したときに読み取った非接触ICデータを受け捨てて、所定時間の待機を開始する。そして、所定時間の待機が終了した後に、再読取試行を開始し、非接触ICカード処理部40で所定の時間内にカードの読み取りができた場合にのみ、表示操作部30に非接触ICに対応する取引画面が表示される。
すなわち、初回読取試行の成功から一定時間内に再度の読取が行われた場合にのみ、非接触ICに対応する取引画面が表示される。また、初回読取試行の成功から一定時間内に再読取試行が成功しなかった場合には、再度初回読取試行に戻って、非接触ICの読取が開始される。
これにより、磁気/接触ICに対応する取引を行おうとしている顧客が、誤ってカードを非接触IC読取部にかざした後に、一度カードを非接触IC読取部から離し、カードをカード挿入排出口に挿入しようとする際の誤動作を防止することができる。
すなわち、カードをカード挿入排出口に挿入しようとする際に、非接触ICが非接触IC読取部に誤って読み取られてしまっても、初回の読取から一定時間経過後であれば非接触ICに対応する取引画面は表示されず、カードの挿入をもって磁気/接触ICに対応する取引画面が表示されることとなる。従って、このように、誤って2度非接触ICが読み取られてしまった場合でも、顧客の期待する取引画面を表示することが可能である。
また、実施例2のATM100によれば、非接触ICの読み取りがあった上で、カードがカード挿入排出口51に挿入されて磁気/接触ICに対応する取引が開始された場合に、顧客に対して注意喚起の表示を行う。すなわち、顧客の意図に反して非接触ICがカード読取部41によって読み取られてしまっていることが注意喚起される。
このような注意喚起が行われることで、顧客による将来の誤操作または操作ミス発生を低減し、取引を円滑に実行させることが可能である。
また、もしも、再読取試行中に顧客の意図に反して誤って非接触ICが読み取られてしまい、非接触ICに対応する取引画面が表示された場合であっても、取引切換操作を行うことによって、磁気/接触ICに対応する取引に切り換えることが可能である。すなわち、このような場合でも、顧客が取消ボタン等を用いた取引処理の取消を行うことなく、顧客が希望する取引への遷移を容易にかつ簡便に行うことが可能である。
上記実施例においては、非接触型のデータに対応する取引操作において非接触型ICを有するカードを用いる場合について説明したが、フィーチャーフォンまたはスマートフォン等の電子機器が保有する非接触型ICを用いることとしてもよい。
例えば、ATM100の操作において、例えば、非接触ICを備えるスマートフォンを、ストラップ等を介して腕にぶら下げつつ、接触型の記録部を有するカードをカード挿入排出口51に入れようとする動作も起こり得る。この際、スマートフォンは、カード読取部41に一時的に近づき、カード読取部41を介して当該スマートフォンの非接触ICが読み取られる可能性がある。
上記実施例のATM100によれば、このような場合でも、一時的な非接触ICの接近による読取によっては、非接触ICに対応する手続が開始され辛くなっているので、顧客の意図に反する誤操作、誤動作を防止することが可能である。
また、上記実施例のATM100において、非接触ICの初回読取試行の成功時点において、画面や音声によって、非接触ICの読取が行われたことを告知してもよい。これにより、顧客は非接触ICが読み取られたことを知覚し、意図に反した読取が発生している場合には、非接触ICを保持しているカード等をカード読取部41から離間させる等の対処が可能となり、意図しない取引の開始を防止することが可能である。
上記実施例ではATMを例に説明したが、上記構成及びルーチンはCD等の複合カードを扱う他の装置においても適用可能である。
上述した実施例における種々の構成、ルーチンは例示に過ぎず、用途等に応じて適宜選択及び変更可能である。