JP2017020436A - エンジンの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料噴射弁の噴射量に関する個体差を適切に把握し噴射量の補正を行う。
【解決手段】燃料を噴射する燃料噴射弁13と、燃料噴射弁13を制御する燃料噴射制御手段31と、燃焼音の情報を検出する燃焼情報取得手段32と、燃焼情報取得手段32により取得された燃焼音の情報と燃料噴射制御手段31により指示された燃料の噴射量を記憶する燃焼記憶制御手段33とを備え、燃料噴射制御手段31は、燃料噴射弁13に対して1サイクル中における主たる燃料噴射であるメイン噴射よりも進角した時期に行う微小噴射である副噴射を行う指示を行い、燃焼情報取得手段32は、燃料噴射制御手段31が副噴射の噴射量を初期値から複数回に亘り減量するとともに燃焼音の変化挙動の情報を副噴射量の減量の度に取得し、燃焼記憶制御手段33は、燃焼音の大きさが所定判定値を下回る領域のうち、副噴射の噴射量が最も小さい噴射量を最小噴射量として決定する圧縮自己着火式エンジンの制御装置とした。
【選択図】図2
【解決手段】燃料を噴射する燃料噴射弁13と、燃料噴射弁13を制御する燃料噴射制御手段31と、燃焼音の情報を検出する燃焼情報取得手段32と、燃焼情報取得手段32により取得された燃焼音の情報と燃料噴射制御手段31により指示された燃料の噴射量を記憶する燃焼記憶制御手段33とを備え、燃料噴射制御手段31は、燃料噴射弁13に対して1サイクル中における主たる燃料噴射であるメイン噴射よりも進角した時期に行う微小噴射である副噴射を行う指示を行い、燃焼情報取得手段32は、燃料噴射制御手段31が副噴射の噴射量を初期値から複数回に亘り減量するとともに燃焼音の変化挙動の情報を副噴射量の減量の度に取得し、燃焼記憶制御手段33は、燃焼音の大きさが所定判定値を下回る領域のうち、副噴射の噴射量が最も小さい噴射量を最小噴射量として決定する圧縮自己着火式エンジンの制御装置とした。
【選択図】図2
Description
この発明は、エンジンの制御装置に関し、特に、燃料噴射弁の個体差を反映した燃料噴射を行うエンジンの制御装置に関する。
燃料を噴射する燃料噴射弁(インジェクタ)には、その製造時の寸法誤差等によって噴射量にばらつき、すなわち個体差があるのが一般的である。エンジンに組み込まれて使用されるインジェクタは、このような噴射量の個体差が、予め決められた許容値以下であることが検査され、所定の性能を発揮することが確認されたものが用いられる。
また、その個体差が許容値以下である場合にも、エンジンを搭載した車両の組立ラインオフ時や、その後の車両の使用時に、インジェクタの噴射量の指示値に対する実際の噴射量の学習が行われる。さらに、インジェクタの経時劣化によっても個体差は発生するので、所定の時期毎に学習を行う場合もある。それらの学習内容は、その後の制御に活用され、個体差を反映した噴射量の補正が行われる。
個体差の学習は、例えば、アイドル時や減速時等の低回転時において、インジェクタの噴射量の指示値とそれに伴う発生トルクとの関係により、噴射量の指示値と実際の噴射量との差(個体差)を把握することにより行うことができる。
例えば、特許文献1では、ディーゼルエンジンにおいて、燃料のメイン噴射とは別に、メイン噴射に対して進角した時期に行う微小噴射であるパイロット噴射を行い、微小噴射を行うことによってエンジンの燃焼音が増減することに着目した学習及び補正を行っている。具体的には、インジェクタに対して微小噴射を指示した場合と指示しなかった場合とを比較して、エンジンの燃焼音が期待されるほどに変化(増大)していない場合は、指示された微小噴射は実際には行われていないか不足しており、インジェクタが劣化していると判定する。この場合、パイロット噴射、すなわち、微小噴射の噴射量を、初期設定値から増量する補正を行っている。
インジェクタの噴射量の指示値とそれに伴う発生トルクとの関係により、インジェクタの個体差を学習する従来の手法では、その学習を行う際の機関の状態、例えば、エンジンの温度やフリクション、燃焼状態等によって発生トルクが変動する。このため、正確な燃料の噴射量を把握するには限界がある。
特に、ディーゼルエンジンにおいて、メイン噴射に対して進角した時期に副噴射としての微小噴射を行う場合、インジェクタの噴射量には、より高精度な設定が要求される。インジェクタの噴射量が正確でないと、副噴射として行う微小噴射の噴射量が厳格に管理できないので、エンジンの騒音の増加や排ガスの悪化を招くので好ましくない。
なお、特許文献1の手法では、微小噴射を指示した場合と指示しなかった場合の燃焼音の比較によりインジェクタの劣化及び微小噴射の設定値が適切か否かを判定しているが、この手法では適切な噴射量を確保することができる微小噴射量の下限値(最小噴射量)を算出することはできない。また、燃焼音の変化等に基づきインジェクタが劣化していると判定された場合に、インジェクタの噴射量に関する具体的な補正量については開示されていない。
そこで、この発明の課題は、燃料噴射弁の噴射量に関する個体差を適切に把握し噴射量の補正を行うことである。
上記の課題を解決するために、この発明は、燃料を噴射する燃料噴射弁と、前記燃料噴射弁を制御する燃料噴射制御手段と、燃焼室からの燃焼音の情報を検出する燃焼情報取得手段と、前記燃焼情報取得手段により取得された燃焼音の情報と前記燃料噴射制御手段により指示された燃料の噴射量を記憶する燃焼記憶制御手段と、を備え、前記燃料噴射制御手段は、前記燃料噴射弁に対して1サイクル中における主たる燃料噴射であるメイン噴射よりも進角した時期に行う微小噴射である副噴射を行う指示を行い、前記燃焼情報取得手段は、前記燃料噴射制御手段が前記副噴射の噴射量を初期値から複数回に亘り減量するとともに前記燃焼音の変化挙動の情報を前記副噴射量の減量の度に取得し、前記燃焼記憶制御手段は、取得した前記変化挙動の情報に基づき前記燃料噴射弁が噴射し得る最小噴射量を決定する圧縮自己着火式エンジンの制御装置を採用した。
ここで、前記燃焼記憶制御手段は、前記変化挙動の情報から前記燃焼音が最低となった際の前記副噴射の噴射量を前記最小噴射量として決定する構成を採用することができる。
あるいは、前記燃焼記憶制御手段は、前記変化挙動の情報から前記燃焼音の大きさが所定判定値を下回る領域のうち、前記副噴射の噴射量が最も小さい噴射量を前記最小噴射量として決定する構成を採用することができる。
前記燃焼情報取得手段は、前記変化挙動の情報から前記副噴射の噴射量が減量された後の燃焼音[N(n)]から減量される前の燃焼音[N(n−1)]を引いた差[N(n)−N(n−1)]を取得し、前記後の燃焼音[N(n)]が所定判定値以上且つ前記差[N(n)−N(n−1)]が正又はゼロであれば前記最小噴射量を減量更新せず、前記後の燃焼音[N(n)]が所定判定値未満又は前記差[N(n)−N(n−1)]が負であれば前記最小噴射量を減量更新する構成を採用することができる。
また、前記副噴射の噴射量が所定限界値に至れば前記変化挙動の情報の取得を終了する構成を採用することができる。前記所定限界値は、例えば、噴射量ゼロとすることができる。
これらの各構成における前記燃焼情報取得手段は筒内圧検知手段と圧力騒音変換手段であり、前記筒内圧検知手段が取得した前記燃焼室の筒内圧を前記圧力騒音変換手段が前記燃焼音の情報に変換する構成を採用することができる。
1サイクル中においてメイン噴射よりも前に行う副噴射の噴射量を初期値から減量している間の燃焼音の変化挙動の情報に基づいて燃料噴射弁が噴射し得る最小噴射量を決定するようにしたので、燃料噴射弁の噴射量に関する個体差を適切に把握し噴射量の補正を行うことができる。
この発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は、この発明のエンジンE及びエンジンEの制御装置の構成を示す全体図である。エンジンEは、圧縮自己着火式エンジンであるディーゼルエンジンである。
エンジンEの構成は、ピストン11を収容したシリンダの燃焼室12内に吸気を送り込む吸気通路1、燃焼室12から引き出された排気通路2、燃焼室12内に臨む燃料噴射弁(インジェクタ)13等を備えている。吸気通路1の燃焼室12への開口である吸気ポート、及び、排気通路2の燃焼室12への開口である排気ポートは、それぞれバルブによって開閉される。
吸気通路1には、吸気ポートから上流側に向かって、吸気通路1の流路面積を調節するスロットルバルブ25、吸気通路1を流れる吸気を冷却する吸気冷却装置(インタークーラ)6、ターボチャージャのコンプレッサ17、吸気通路1の流路面積を調節するスロットルバルブ22、エアクリーナを収容したケース18等が設けられる。エアクリーナケース18内には、大気温度検出装置19として管内の吸気温度を検出できる温度センサが設けられている。
排気通路2には、排気ポートから下流側に向かって、ターボチャージャのタービン7、排気中の窒素酸化物(NOx)等を除去する触媒等を備えた排気浄化部8、消音器(マフラ)9が設けられる。
排気通路2のタービン7と排気ポートとの間と、吸気通路1の吸気ポートとスロットルバルブ25の間とは、高圧排気ガス再循環装置を構成する高圧排気還流通路23によって連通している。高圧排気還流通路23を介して、燃焼室12から排出される排気ガスの一部が、還流ガスとして吸気通路1に還流する。高圧排気還流通路23に設けられた高圧排気還流弁24の開閉とスロットルバルブ25の開閉に伴う吸気通路1内の圧力状態に応じて、還流ガスが吸気通路1内の吸気に合流する。
また、排気通路2の排気浄化部8と消音器9との間と、吸気通路1のコンプレッサ17とスロットルバルブ22の間とは、低圧排気ガス再循環装置を構成する低圧排気還流通路20によって連通している。低圧排気還流通路20には、還流ガスを冷却する還流ガスクーラ10が設けられている。低圧排気還流通路20を介して、燃焼室12から排出される排気ガスの一部が、還流ガスとして吸気通路1のインタークーラ6の上流側に還流する。低圧排気還流通路20に設けられた低圧排気還流弁21の開閉とスロットルバルブ22の開閉に伴う吸気通路1内の圧力状態に応じて、還流ガスが吸気通路1内の吸気に合流する。
このエンジンEへの燃料や空気の供給、バルブの開閉、その他の制御は、エンジンEを搭載する車両が備える電子制御ユニット(Electronic Control Unit)30が行っている。
電子制御ユニット30は、燃料噴射弁13を制御する燃料噴射制御手段31を備える。また、電子制御ユニット30は、燃焼室12からの燃焼音の情報を検出する燃焼情報取得手段32又はその燃焼情報取得手段32の一部を備える。さらに、電子制御ユニット30は、燃焼情報取得手段32により取得された燃焼音の情報と燃料噴射制御手段31により指示された燃料の噴射量を記憶する燃焼記憶制御手段33とを備える。
燃料噴射制御手段31は、燃料噴射弁13による通常の燃料噴射の制御を行うほか、燃料噴射弁13の燃料噴射量に係る個体差を学習するための燃料噴射の制御も行う。学習された個体差は、その後の燃料噴射の制御に活用される。
燃料噴射制御手段31は、通常の燃料噴射の制御及び学習用の燃料噴射の制御において、燃料噴射弁13に対して1サイクル中における主たる燃料噴射であるメイン噴射よりも進角した時期に行う微小噴射である副噴射を行う指示を行うことができる。この実施形態では、微小噴射からなる副噴射として、メイン噴射よりも大きく進角した時期に行うパイロット噴射を採用しているが、これを、メイン噴射の直前に行うプレ噴射等としてもよい。
燃焼情報取得手段32は、エンジンEのシリンダに設けられた筒内圧検知手段14と、電子制御ユニット30が備える圧力騒音変換手段34とで構成される。筒内圧検知手段14は、燃焼室12内に臨んで設けられ、その燃焼室12内の圧力を検知することができる。筒内圧検知手段14が取得した燃焼室の筒内圧は、圧力騒音変換手段34による周波数解析によって燃焼音の大きさの情報に変換される。
燃焼室12の筒内圧を燃焼音の大きさに変換する手法としては、例えば、取得された筒内圧信号をフーリエ変換によって特定の単位に分割して燃焼音のパワー(パワースペクトル)を求めるとともに、そのパワースペクトルを基に、所定の数値変換とフィルタ処理を経て、燃焼音の大きさ(ノイズレベル)を算定することができる。
なお、この燃焼情報取得手段32として、筒内圧検知手段14に代えてエンジンEのシリンダに設けられた集音マイクを採用してもよい。集音マイクは、シリンダ内又はシリンダ外に設けられ、燃焼音の大きさの情報を直接取得する。このため、圧力騒音変換手段34を不要とできる。
この燃焼音の評価は、特定の周波数域の燃焼音のみで評価することもできる。例えば、対象とする周波数域を、1〜4KHzとすることができる。
学習用の燃料噴射の制御において、燃料噴射制御手段31は、副噴射の噴射量を初期値f0から徐々に減量していく制御を行う。この減量制御の際に、燃焼情報取得手段32は、副噴射の噴射量を初期値f0から減量している間に、燃焼音の変化挙動の情報、すなわち、燃焼音の大きさ(ノイズレベル)の変化を取得する。この情報の取得は、副噴射の噴射量を減量する毎に行うので、個々の噴射量の情報に対応して、燃焼音の大きさの情報が存在することになる。
なお、減量制御の期間中、継続して燃焼音の変化挙動の情報を連続的に取得しておき、その中から特定の燃料噴射量に対応する燃焼音の大きさの情報を抽出する手法を採用してもよい。
燃焼記憶制御手段33は、取得した燃焼音の変化挙動の情報に基づき、燃料噴射弁13が噴射し得る最小噴射量fsを決定する。この実施形態では、燃焼記憶制御手段33は、取得した燃焼音の変化挙動の情報から、燃焼音の大きさが最低となった際の副噴射の噴射量を、最小噴射量fsとして決定する。
ここで、燃料噴射弁13の最小噴射量fsとは、その燃料噴射弁13、すなわちインジェクタによって燃料を噴射する際の噴射量の最小単位である。つまり、燃料を噴射する際には、その最小噴射量fs未満にはできないという噴射量の下限値である。
一般に、燃料噴射弁13は、通電により内部のソレノイド、プランジャ等が作動することにより弁装置が開弁し、先端のノズルから燃料を噴射する。このため、燃料噴射弁13に通電が成されていない場合は燃料噴射が行われず、通電が開始されると燃料噴射が開始される。また、燃料噴射弁13への通電を遮断すると燃料噴射が終了する。したがって、燃料噴射弁13へ通電させる時期により、燃料噴射時期が制御される。また、その通電時間(電気信号のパルス幅)により、燃料噴射量が制御される。燃料噴射弁13への通電・通電遮断をエンジンEの1サイクル中に繰り返すことにより、パイロット噴射、プレ噴射等の副噴射と、主たる燃料噴射であるメイン噴射とを両立する多段噴射を実行することができる。
最小噴射量fsの決定は、電子制御ユニット30から燃料噴射弁13への駆動指示継続時間、すなわち、燃料噴射弁13への通電時間(電気信号のパルス幅)を設定することにより行われる。また、その通電時間に基づく燃料噴射弁13の噴射期間は、噴射量から噴射期間への変換マップを用いて算出することができる。
特に、ディーゼルエンジン等の圧縮自己着火式エンジンにおいて、メイン噴射に対して進角した時期に副噴射としての微小噴射を行う場合、インジェクタの噴射量には、より高精度な設定が要求される。インジェクタの噴射量が正確でないと、副噴射として行う微小噴射の噴射量が厳格に管理できないので、エンジンの騒音の増加や排ガスの悪化を招くので好ましくない。このため、このような燃料噴射弁13の最小噴射量fsの修正が有効である。
例えば、学習制御により、最小噴射量fsが「3」から「2」に修正されたとする。この場合、噴射量「2」の噴射期間で初期適合値の「3」を噴射しているとみなし、以降、指示噴射量から求められる噴射期間を(2÷3)倍することで、元来の噴射量となるよう噴射期間を補正できる。
この発明の制御の流れを、図2のフローチャートに基づいて説明する。
図2のステップS1において、噴射量学習制御を開始する。この学習用の燃料噴射の制御は、エンジンを搭載した車両の組立ラインオフ時や、その後の車両の使用時において定期的に行われる。
ステップS2では、副噴射(パイロット噴射)における燃料の噴射量を、初期値f0に設定する。このとき、最小噴射量fsが初期値f0である。この初期値f0は、例えば、前述の車両の組立ラインオフ時に設定される設計値とすることができる(図3(a)の符号a参照)。
ステップS3では、燃焼音の大きさの情報である騒音レベルNが取得される。そして、つづくステップS4では、副噴射における燃料の噴射量を、減量させる制御が行われる。その減量幅は、適宜設定することができるが、ここでは、その減少幅を微小なdQpiとしている。したがって、減量された後の噴射量Qpi(n)と、減量される前の噴射量Qpi(n−1)との関係において、
Qpi(n)=Qpi(n−1)−dQpi
となる。
Qpi(n)=Qpi(n−1)−dQpi
となる。
ステップS5では、副噴射における燃料の噴射量を減量させた後、再度、燃焼音の大きさの情報である騒音レベルNが取得される。
ステップS6では、燃料の噴射量が減量された後の燃焼音[N(n)]から、減量される前の燃焼音[N(n−1)]を引いた差[N(n)−N(n−1)]を取得する。
このステップS6において、減量された後の燃焼音[N(n)]が所定判定値n0以上、且つ、差[N(n)−N(n−1)]が正又はゼロであれば、最小噴射量fsを減量更新せず、ステップS8へ移行する。また、減量された後の燃焼音[N(n)]が所定判定値n0未満、又は、差[N(n)−N(n−1)]が負であれば、ステップS7で最小噴射量fsを減量更新して、ステップS8へ移行する。ここで、最小噴射量fsは、減量された後の燃焼音[N(n)]に対応する減量された後の噴射量Qpi(n)に設定される。
所定判定値n0は、エンジンEにおける燃焼室12内の燃焼が安定していると判断できるのに充分な数値に設定される。燃焼が安定していなければ、燃焼音の大きさが大きくなるので、その燃焼音は所定判定値n0よりも大きくなる。
ただし、所定判定値n0は、エンジンEの温度、例えば、冷却水の温度が低い場合はより低く設定されることが望ましい。エンジンEの温度が低ければ、燃焼室12内における燃料の燃焼が緩慢になる傾向があり、それを抑制するための進角制御等の回避制御を行わない限り、燃焼音は低下するからである。
このステップS4〜ステップS7までの制御が、副噴射における燃料の噴射量が、所定限界値f1に至るまで行われる。すなわち、ステップS8では、副噴射における燃料の噴射量が、所定限界値f1に至れば、燃料の噴射量の減量と燃焼音の大きさの情報の取得を終了する。副噴射における燃料の噴射量が、所定限界値f1に至っていなければ、再度、ステップS4へ戻り、燃料の噴射量の減量と燃焼音の大きさの情報の取得を継続する。
ここで、所定限界値f1は、例えば、それ以上減量することができない最小噴射量fsの限界値、すなわち、燃料噴射弁13への通電時間(電気信号のパルス幅)と、それに対応する燃料噴射量が適切に制御できる領域の最小値に設定することができる。ただし、この所定限界値f1を、噴射量ゼロに設定することも可能である。
副噴射における燃料の噴射量が所定限界値f1に至り、燃料の噴射量の減量と燃焼音の大きさの情報の取得を終了すると、最小噴射量fsは、多数回に亘る減量更新を経て、燃焼音の大きさが所定判定値n0を下回る領域のうち、副噴射における燃料の噴射量が最も小さい噴射量に設定されている(図3(a)の符号c参照)。ステップS9では、その決定された最小噴射量fsが電子制御ユニット30に記憶され、その後の制御に用いられる。
図3(a)の符号cに示す最小噴射量fsが設定されると、図3(b)の符号cに示すように、スモークの発生を最小限に抑えることができる。なお、図3(a)、(b)の符号bは、初期値f0と最小噴射量fsとの間の中間値である。
上記の制御では、燃焼記憶制御手段33は、取得した燃焼音の変化挙動の情報から、燃焼音の大きさが所定判定値n0を下回る領域のうち、副噴射における燃料の噴射量が最も小さい噴射量を最小噴射量fsとして決定したが、最小噴射量fsは、他の手法、例えば、以下のように設定してもよい。
すなわち、副噴射における燃料の噴射量が所定限界値f1に至り、燃料の噴射量の減量と燃焼音の大きさの情報の取得を終了した際に、最小噴射量fsは、多数回に亘る減量更新を経て、燃焼音の大きさが最低となった際の副噴射の噴射量に設定してもよい。図3(a)のグラフにおける燃焼音の最低値に相当する副噴射の噴射量を、最小噴射量fsに設定する手法である。
この場合、図2のフローチャートにおいて、ステップS6において、減量された後の燃焼音[N(n)]が所定判定値n0以上、又は、差[N(n)−N(n−1)]が正又はゼロであれば、最小噴射量fsを減量更新せずにステップS8へ移行し、また、減量された後の燃焼音[N(n)]が所定判定値n0未満、且つ、差[N(n)−N(n−1)]が負であれば、ステップS7で最小噴射量fsを減量更新して、ステップS8へ移行する構成とすればよい。
1 吸気通路
2 排気通路
20 低圧排気還流通路
21,24 排気還流弁
22,25 スロットルバルブ
23 高圧排気還流通路
6 吸気冷却装置(インタークーラ)
7 タービン
8 排気浄化部
9 消音器
10 還流ガスクーラ
11 ピストン
12 燃焼室
13 燃料噴射弁(インジェクタ)
14 筒内圧検知手段
17 コンプレッサ
30 電子制御ユニット
31 燃料噴射制御手段
32 燃焼情報取得手段
33 燃焼記憶制御手段
34 圧力騒音変換手段
2 排気通路
20 低圧排気還流通路
21,24 排気還流弁
22,25 スロットルバルブ
23 高圧排気還流通路
6 吸気冷却装置(インタークーラ)
7 タービン
8 排気浄化部
9 消音器
10 還流ガスクーラ
11 ピストン
12 燃焼室
13 燃料噴射弁(インジェクタ)
14 筒内圧検知手段
17 コンプレッサ
30 電子制御ユニット
31 燃料噴射制御手段
32 燃焼情報取得手段
33 燃焼記憶制御手段
34 圧力騒音変換手段
Claims (7)
- 燃料を噴射する燃料噴射弁と、
前記燃料噴射弁を制御する燃料噴射制御手段と、
燃焼室からの燃焼音の情報を検出する燃焼情報取得手段と、
前記燃焼情報取得手段により取得された燃焼音の情報と前記燃料噴射制御手段により指示された燃料の噴射量を記憶する燃焼記憶制御手段と、を備え、
前記燃料噴射制御手段は、前記燃料噴射弁に対して1サイクル中における主たる燃料噴射であるメイン噴射よりも進角した時期に行う微小噴射である副噴射を行う指示を行い、
前記燃焼情報取得手段は、前記燃料噴射制御手段が前記副噴射の噴射量を初期値から複数回に亘り減量するとともに前記燃焼音の変化挙動の情報を前記副噴射量の減量の度に取得し、
前記燃焼記憶制御手段は、取得した前記変化挙動の情報に基づき前記燃料噴射弁が噴射し得る最小噴射量を決定する
圧縮自己着火式エンジンの制御装置。 - 前記燃焼記憶制御手段は、前記変化挙動の情報から前記燃焼音が最低となった際の前記副噴射の噴射量を前記最小噴射量として決定する
請求項1に記載の圧縮自己着火式エンジンの制御装置。 - 前記燃焼記憶制御手段は、前記変化挙動の情報から前記燃焼音の大きさが所定判定値を下回る領域のうち、前記副噴射の噴射量が最も小さい噴射量を前記最小噴射量として決定する
請求項1に記載の圧縮自己着火式エンジンの制御装置。 - 前記燃焼情報取得手段は、前記変化挙動の情報から前記副噴射の噴射量が減量された後の燃焼音[N(n)]から減量される前の燃焼音[N(n−1)]を引いた差[N(n)−N(n−1)]を取得し、
前記後の燃焼音[N(n)]が所定判定値以上且つ前記差[N(n)−N(n−1)]が正又はゼロであれば前記最小噴射量を減量更新せず、
前記後の燃焼音[N(n)]が所定判定値未満又は前記差[N(n)−N(n−1)]が負であれば前記最小噴射量を減量更新する
請求項1〜3の何れか1項に記載の圧縮自己着火式エンジンの制御装置。 - 前記副噴射の噴射量が所定限界値に至れば前記変化挙動の情報の取得を終了する
請求項4に記載の圧縮自己着火式エンジンの制御装置。 - 前記所定限界値は、噴射量ゼロとする
請求項5に記載の圧縮自己着火式エンジンの制御装置。 - 前記燃焼情報取得手段は筒内圧検知手段と圧力騒音変換手段であり、
前記筒内圧検知手段が取得した前記燃焼室の筒内圧を前記圧力騒音変換手段が前記燃焼音の情報に変換する
請求項1〜6の何れか1項に記載の圧縮自己着火式エンジンの制御装置。
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Citations (3)
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- 2015-07-13 JP JP2015139519A patent/JP2017020436A/ja active Pending
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