JP2017020091A - 堆積膜形成装置のメンテナンス方法および堆積膜形成装置 - Google Patents

堆積膜形成装置のメンテナンス方法および堆積膜形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017020091A
JP2017020091A JP2015140585A JP2015140585A JP2017020091A JP 2017020091 A JP2017020091 A JP 2017020091A JP 2015140585 A JP2015140585 A JP 2015140585A JP 2015140585 A JP2015140585 A JP 2015140585A JP 2017020091 A JP2017020091 A JP 2017020091A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
exhaust
deposited film
exhaust device
reaction vessel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015140585A
Other languages
English (en)
Inventor
岡村 竜次
Tatsuji Okamura
竜次 岡村
水谷 匡希
Masaki Mizutani
匡希 水谷
基也 山田
Motoya Yamada
基也 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2015140585A priority Critical patent/JP2017020091A/ja
Publication of JP2017020091A publication Critical patent/JP2017020091A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

【課題】 装置コストを抑えた堆積膜形成装置のメンテナンス方法、および、前記メンテナンス方法が実施可能な堆積膜形成装置を提供する。
【解決手段】 反応容器、排気装置および反応容器と排気装置とを接続している排気配管を有する堆積膜形成装置であって、反応容器の内部にケイ素原子を含む原料ガスを導入し、原料ガスをグロー放電により分解し、反応容器の内部に設置された基体上に堆積膜を形成するための堆積膜形成装置の排気装置・排気配管のメンテナンスを行う堆積膜形成装置のメンテナンス方法において、排気装置・排気配管の内部に閉塞空間を形成し、閉塞空間をオイルで満たした後、オイルを抜き、その後、排気装置・排気配管の大気開放を行い、排気装置・排気配管のメンテナンスを行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、グロー放電を利用したプラズマCVD(CVD:Chemical Vapor Deposition)法により、基体上にアモルファスシリコン(以下「a−Si」とも表記する。)の堆積膜を形成するための堆積膜形成装置のメンテナンス方法、および、堆積膜形成装置に関する。
グロー放電を利用したプラズマCVD法により、堆積膜形成装置の前記反応容器の内部に設置された基体上にa−Si堆積膜を形成する場合、基体以外の場所にもa−Siの堆積膜が形成されることがある。また、a−Siの堆積膜とともに粉状のポリシランが生成し、堆積膜形成装置の反応容器の内部や排気配管の内部に付着することがある。
このようなa−Siの堆積膜の膜片やポリシラン(まとめて以下「副生成物」とも表記する。)は、次回の堆積膜形成時に反応容器の内部に浮遊しやすく、これらが堆積膜に取り込まれると、堆積膜の欠陥となり、得られる堆積膜の特性を悪化させてしまう場合がある。
特に、形成する堆積膜を電子写真感光体の堆積膜として利用する場合、20μm以上40μm以下程度の膜厚を必要とするため、反応容器の内部などに生じる副生成物の量も多くなり、堆積膜の特性に対する影響が大きくなる。
また、副生成物は、排気配管の内部に残存し、付着することで、排気配管の詰まりを発生させる場合がある。この場合、次回の堆積膜形成時に成膜条件(堆積膜形成条件)の安定性に影響を及ぼす場合がある。
こうした影響を減らすため、堆積膜形成後には、反応容器の内部や排気配管の内部の副生成物を除去することが一般的である。その方法としては、エッチングガス(例えば、ClFなど)を用いて、気相化学反応により、副生成物を形成している元素(原子)を気相分子に変えて(還元して)クリーニングする方法が一般的である。
このような堆積膜形成工程とクリーニング工程とを繰り返し行うシステムにおいては、排気能力の低下が進行する場合がある。これは、排気ポンプオイルの劣化や、十分にクリーニングされなかった副生成物が排気配管の内部に残存することによる排気配管の詰まりによるものが原因と考えられている。
従来、排気配管の内部の副生成物の除去に関する提案がなされている。
特許文献1には、処理室と排気配管との間にトラップを設け、トラップに高融点金属フィラメントを設置することが開示されている。具体的には、高融点金属フィラメントを加熱することによって、処理室より排気された未反応ガスおよび副生成物に化学反応を起こさせ、これらを十分に分解してトラップ101の内壁に硬質の膜として付着させ、堆積させることが開示されている。
特許文献2には、排気システムの途中に接続されるガス配管を流れるClFガスを加熱しながら、ClFガスを排気システムに直接に供給する処理装置の洗浄方法が開示されている。
特開2000−306841号公報 特許第02773078号公報
しかしながら、堆積膜形成工程とクリーニング工程とを繰り返し行うシステムにおいて、稀に、工程中に排気装置のトラブルが発生し、やむなく工程を中断せざる得ない場合がある。
この場合、トラブルが発生した排気装置および/または排気配管を交換し、反応容器の内部や排気配管の内部のクリーニングを実施することとなる。
堆積膜形成工程および/またはクリーニング工程において、排気装置にトラブルが発生した場合、排気装置の修理または交換を行う必要がある。この場合、排気装置を大気開放し、取り外す必要がある。
また、排気配管の一部が閉塞してしまい、排気配管の内部のクリーニングまたは排気配管の取り換えが必要となる場合もあり、この場合も、排気配管の一部を大気開放する必要がある。
排気装置や排気配管を大気開放する場合、排気装置内や排気配管の内部にポリシランが残存していると、大気中の酸素との反応する可能性があるため、大気開放前のクリーニングを十分に行わなければならない。
こうした状況を想定し、通常、排気システムには、予備の排気装置が備わっている。そして、メインの排気装置が停止した場合は、予備の排気装置を用いて反応容器の内部や排気配管の内部のクリーニングを実施した後、停止したメインの排気装置のメンテナンスを実施することになる。
このように、従来の堆積膜形成装置では、メインの排気装置とは別に予備の排気装置を備え付けておく必要があり、その分、装置コストが余分にかかってしまうという課題がある。
本発明の目的は、上記課題に鑑みなされたものであり、装置コストを抑えた堆積膜形成装置のメンテナンス方法、および、前記メンテナンス方法が実施可能な堆積膜形成装置を提供することにある。
本発明は、
反応容器、
排気装置、および、
前記反応容器と前記排気装置とを接続している配管
を有する堆積膜形成装置であって、前記反応容器の内部にケイ素原子を含む原料ガスを導入し、前記原料ガスをグロー放電により分解し、前記反応容器の内部に設置された基体上に堆積膜をするための堆積膜形成装置
の前記排気装置および/または前記排気配管のメンテナンスを行う堆積膜形成装置のメンテナンス方法において、
前記排気装置および/または前記排気配管の内部に閉塞空間を形成し、前記閉塞空間をオイルで満たした後、前記オイルを抜き、その後、前記排気装置および/または前記排気配管の大気開放を行い、前記排気装置および/または前記排気配管のメンテナンスを行う
ことを特徴とする堆積膜形成装置のメンテナンス方法である。
また、本発明は、
反応容器、
排気装置、および、
前記反応容器と前記排気装置とを接続している排気配管
を有する堆積膜形成装置であって、前記反応容器の内部にケイ素原子を含む原料ガスを導入し、前記原料ガスをグロー放電により分解し、前記反応容器の内部に設置された基体上に堆積膜を形成するための堆積膜形成装置において、
前記堆積膜形成装置が、さらに、
前記排気装置および/または前記排気配管の内部に閉塞空間を形成するための手段、
前記閉塞空間にオイルを満たすためのオイル供給手段、および、
前記閉塞空間に満たされたオイルを排出するためのオイル排出手段
を有することを特徴とする堆積膜形成装置である。
本発明によれば、装置コストを抑えた堆積膜形成装置のメンテナンス方法、および、前記メンテナンス方法が実施可能な堆積膜形成装置を提供することができる。
本発明に係る堆積膜形成装置の概略図である。 オイルが充填した状態を示す模式図である。 オイルが充填した状態を示す模式図である。 従来例の堆積膜形成装置の概略図である。 比較例1でのクリーニング処理時間と排気配管の各箇所の温度推移を示すグラフである。 実施例にて作製した電子写真感光体の層構成を示す模式図である。
本発明者らは、上述した排気システムのトラブルによって堆積膜形成工程を中止した場合の後処理についての検討を行い、安全かつ効率よく、かつ、低コストで排気装置および/または排気配管のメンテナンスを行う方法を模索した。
その結果、排気装置および/または排気配管を大気開放する前の準備として、大気に晒されうる部分をオイルで満たしたのち、大気開放を行うことが有効であることを見出した。
排気装置や排気配管の内部に残存したポリシランにオイルを浸透させることにより、大気開放したときに酸素とポリシランなどの副生成物との反応を抑えることができる。また、オイルで満たすことで、静電気の発生を抑えることができる。
このことにより、予備の排気装置によるクリーニング処理を実施しなくとも、安全に排気装置や排気配管を大気開放することができるようになる。
以下、本発明のメンテナンス方法が実施可能な堆積膜形成装置の図面を用いて、本発明を説明する。
図1に、本発明に係る堆積膜形成装置の概略図を示す。
図1に示す堆積膜形成装置は、反応容器101、排気装置102、および、反応容器101と排気装置102とを接続している排気配管103を有している。排気配管103には、オイル注入配管104を介してオイルタンク105が接続されている。また、排気配管103には、オイル回収配管106を介してオイル回収装置107が接続されている。
排気装置102の下流は、ポンプ排気弁120を介して排ガス処理装置(不図示)に接続されている。
堆積膜の形成は、反応容器101の内部に基体を設置し、排気バルブ108、109、110を開け、排気装置102によって反応容器101の内部の圧力が1Pa以下の真空状態になるように排気して行う。
反応容器101には、ケイ素原子を含む原料ガスや、希釈ガス、ドーピングガス、クリーニング用ガスなどを導入するためのミキシング装置111が接続されており、ガス供給システムに接続されている。
次に、基体を例えば200〜300℃に加熱する。このとき、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、窒素(N)などの不活性ガスを流してもよい。その後、堆積膜形成条件に合わせて、各種のガスを所定の流量で反応容器101の内部に導入し、圧力調整バルブ114にて所定の圧力に調整する。その後、電源112により、反応容器101の内部に電力を印加し、原料ガスをプラズマエネルギーにより分解し、基体上に堆積膜を形成する。
堆積膜形成工程が終了した後、基体を取り出し、反応容器101の内部や排気配管103の内部のポリシランなどの副生成物のクリーニングを行う。
クリーニング工程は、反応容器101の内部にダミー用の基体を設置し、堆積膜形成時と同様に反応容器101の内部を真空に排気する。そして、ミキシング装置111より、クリーニング用の反応ガスを反応容器101の内部に導入し、反応容器101の内部に電力を印加し、クリーニングを行う。
以下、排気装置102にトラブルが発生し、工程を中断して排気装置102を別の正常な排気装置に交換する場合の手順を説明する。
供給ガスおよび電力を停止した後、排気バルブ110を閉じた状態で、排気装置102を停止し、ポンプ排気弁120を閉じる。この状態で、オイル導入バルブ117を開け、排気バルブ110の下流と排気装置102の内部にオイルを充填する。このとき、大気が入り込まないようにオイルを充填するために、オイルタンクのオイル量が空にならないようにタンク給油口118から給油バルブ119を開け、オイルを適宜給油しながらオイルの充填を行う。オイルタンク105のオイル量が均衡状態になれば、オイルは充填されたこととなり、オイル導入バルブ117を閉じる。
本発明において、排気装置や排気配管が大気開放されたとき、大気に晒されうる部分すべてがオイルで満たされることが重要である。そのため、あらかじめ排気装置や排気配管の空間内の容積を調べておき、その体積と同じ量のオイルが充填されたことを確認することが好ましい。例えば、オイルタンク105にオイル供給量を測定可能な目盛りを設けておくことで、オイルの供給量を把握できるようにしておくことが好ましい。
図2は、オイルが充填した状態を示す模式図である。
その後、オイル排出バルブ123を開け、ベント用配管(不図示)からNガスなどの圧力でオイルを押し出し、オイル回収装置107にてオイルを抜き取る。充填されていたオイルを抜き取った後、オイル排出バルブ123を閉じ、排気装置102の交換作業を行う。
次に、別の例として、例えば、堆積膜形成工程またはクリーニング工程において、圧力調整バルブ114が故障し、工程を中断して別の正常な圧力調整バルブに交換しなければならない場合の手順を説明する。
供給ガスおよび電力を停止した後、排気バルブ109および110を閉じ、閉塞空間を形成する。次いで、オイル導入バルブ116を開け、排気バルブ109と110との間にオイルを充填する。このとき、オイルタンクのオイル量が空にならないようにタンク給油口からオイルを適宜給油しながらオイルの充填を行い、オイルが充填された後、オイル導入バルブ116を閉じる。この場合、あらかじめ排気配管の空間内の容積を調べておき、その量と同じ量のオイルが充填されたことを確認することが好ましい。
図3は、オイルが充填した状態を示す模式図である。
その後、オイル排出バルブ122を開け、ベント用配管(不図示)からNガスなどの圧力でオイルを押し出し、オイル回収装置107にてオイルを抜き取る。オイル排出バルブ122を閉じ、圧力調整バルブ114および排気バルブ109と110間の配管の交換作業を行う。
このような方法により、大気開放する部分に残存したポリシランなどの副生成物は、充填されたオイルとともにオイル回収装置107により回収される。また、一部排気配管の内部に残されたポリシランは、オイルが十分に付着しているため、大気開放の際の酸素との反応は防がれる。このため、安全にメンテナンス作業が実施できることになる。
なお、反応容器の内部から基体を取り出す場合は、反応容器の一部のみを開放した状態で行われるため、Nなどの不活性ガスをフローしたまま取り出しを行うことで、反応容器の内部の酸素濃度を上昇させずに作業できる。
しかし、ポリシランが付着した状態で排気配管を取り外すために大気開放する場合、真空状態からベントする際に、Nなどの不活性ガスを使用した場合でも、取り外す際、および取り外した後にはどうしても大気に晒されてしまう。このため、本発明のメンテナンス方法が有効に作用することになる。
本発明において用いられるオイルとしては、堆積膜形成装置の汚染を抑制する観点から、蒸気圧(オイル温度が50℃のときの値)が1.3×10−2Pa以下のものが好ましい。具体的には、堆積膜形成装置の排気装置に用いられる真空ポンプ用オイルと同等のものが好ましい。真空ポンプ用オイルとしては、例えば、(株)MORESCO社製のネオバックST−200(商品名)、昭和シェル(株)社製のハイバックX68(商品名)などが挙げられる。
本発明は、メンテナンス作業や交換作業において作業中に大気に晒されうる部分が事前にオイルに満たされることが好ましい。
したがって、例えば、排気配管に設けられるオイル供給手段の両端は、排気弁により閉じられる空間を形成する構成となることが好ましい。オイル供給手段は、あらかじめ、ポリシランなどの副生成物によって閉塞しやすい箇所や、故障の可能性がある動作式の調整バルブの近傍に配置しておいてもよい。
トラブルが発生し、排気システムの一部を大気開放する場合の準備工程において、従来の予備ポンプを用いる場合は、基体を一旦反応容器の内部から取り出してからクリーニング工程を実施しなければならない。そのため、トラブルが発生したときに形成された堆積膜は廃棄せざるを得ない。一方、本発明のメンテナンス方法によれば、堆積膜形成中にトラブルが発生しても、反応容器の内部の基体は真空保持されたままの状態でメンテナンス作業が行える。メンテナンス作業が終了した後、継続して堆積膜形成が行えるため、トラブルによるロスを抑制することができる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
[実施例1]
図1に示す堆積膜形成装置を用いて、アルミニウム製の直径84mm、長さ381mmおよび肉厚3mmの円筒状の基体102上に、表1に示す条件で堆積膜を形成し、図6に示す層構成の電子写真感光体を作製した。
電子写真感光体は、円筒状基体601、阻止層602、光導電層603および表面保護層604で構成されている。
その後、排気装置が故障したという想定で、排気装置の交換作業を実施した。
本実施例では、排気装置の交換作業の準備として、排気バルブ110より下流の排気配管の内部と排気装置102の内部にオイルを充填した。
手順としては、排気バルブ110を閉じ、排気装置102を停止した後、ポンプ排気弁120を閉じ、オイル導入バルブ117を開けた。そして、あらかじめ測定した排気バルブ110の下流の排気配管の内部と排気装置の内部の容積と同量のオイルを計測しながら充填した。
オイル充填後、オイル排出バルブ123を開け、ベント用配管(不図示)からNガスなどの圧力でオイルを押し出し、オイル回収装置107にてオイルを抜き取った。充填されていたオイルを抜き取った後、オイル排出バルブ123を閉じ、排気装置102を取り外した。
本実施例においては、(株)MORESCO社製のネオバックST−200(商品名)を充填用オイルとして使用し、使用量よりコストを計算した。
また、排気装置を停止させた後、交換作業終了までの所要時間を測定した。
Figure 2017020091
[比較例1]
図4に示す堆積膜形成装置を用いて、実施例1と同様に表1に示す条件で堆積膜を形成し、図6に示す層構成の電子写真感光体を作製した。その後、実施例1と同様に排気装置が故障したという想定で、排気装置の交換作業を実施した。
本比較例では、排気装置の交換作業の準備として、予備ポンプ422を用いて排気配管の内部のクリーニング処理を実施した。クリーニング条件は、表2に示す条件とした。
手順としては、ダミー用のホルダーを反応容器の内部に設置し、予備の排気装置422のポンプ排気弁423および排気装置402のポンプ排気弁420を開け、排気弁421、410、409、408を開けた。この状態で反応容器401を真空排気し、表2に示す条件でクリーニング処理を実施した。
図4に示す排気配管のA〜Dのポイントの温度測定を行い、処理状態を判断した。判断方法は、各地点の温度上昇のピークを確認することで行った。排気配管の温度上昇が始まると、その箇所の反応が進行していることを示している。これは、ポリシランがフッ素と反応して気化するときに発熱するためである。
図5は、比較例1でのクリーニング処理時間と排気配管の各箇所の温度推移を示すグラフである。
クリーニング処理は、反応容器側の上流部から排気装置側の下流部へと進行する。グラフで示すように、各箇所の温度がピークを過ぎると、その箇所までクリーニングが進行し終了したことを示すこととなる。
本比較例では、大気開放するD地点の温度上昇がピークを過ぎれば、ポリシランの反応が終了したと判断でき、排気装置の交換作業を実施することができる。なお、本比較例での予備ポンプによるクリーニング終了までに時間(D地点の温度上昇がピークを過ぎるまでの時間)は、通常のメインポンプを用いたときのクリーニング時間の1.5倍の時間を要した。これは、排気装置402側へ流れるクリーニングガスが少なく、反応に時間を要したためである。
クリーニング処理終了後、排気バルブ410の下流をベント用配管(不図示)からNガスなどによりベントし、排気装置402を取り外した。
本比較例において、通常のクリーニング時間よりも延びた分の時間から、実質の交換作業の所要時間と、クリーニング用のガスの増加分のコストを計算した。
なお、実質の交換作業時間とは、実施例1においては、オイルを満たして抜き取り、交換作業が終了するまでの時間とした。比較例1においては、通常のクリーニング時間よりも延びた分の時間と交換作業時間の合計とした。
Figure 2017020091
実施例1および比較例1での排気装置交換のための準備にかかるコストと交換作業に要した時間を比較した。
比較例1は実施例1に比べて、コストでは2倍を要し、時間は1.5倍を要する結果となった。
[実施例2]
図1に示す堆積膜形成装置を用いて、実施例1と同様に表1に示す条件で堆積膜を形成し、図6に示す層構成の電子写真感光体を作製した。
本実施例では、阻止層の形成終了後、光導電層の形成開始前の内圧調整中に圧力調整バルブ114が故障したという想定で圧力調整バルブ114の交換作業を実施した。
本実施例では、圧力調整バルブ114の交換作業の準備として、原料ガスの供給を停止した後、排気バルブ109および110を閉じ、オイル導入バルブ116から排気バルブ109と110との間にオイルを充填した。実施例1と同様に、あらかじめ測定した排気バルブ109と110との排気配管の内部の容積と同量のオイルを計測しながら充填した。
オイル充填後、オイル排出バルブ122を開け、ベント用配管(不図示)からNガスなどの圧力でオイルを押し出し、オイル回収装置107にてオイルを抜き取った。充填されていたオイルを抜き取った後、オイル排出バルブ122を閉じ、圧力調整バルブ114および配管を取り外した。
本実施例においては、圧力調整バルブの交換後、再び光導電層用のガスを反応容器の内部に供給し、圧力調整を行い、続けて電子写真感光体の作製を継続した。
[比較例2]
図4に示す堆積膜形成装置を用いて、実施例2と同様に表1に示す条件で堆積膜を形成し、図6に示す層構成の電子写真感光体を作製した。
本比較例においても、阻止層の形成終了後、光導電層の形成開始前の内圧調整中に圧力調整バルブ414が故障したという想定で交換作業を実施した。
手順としては、基体上に阻止層まで形成したものを反応容器の内部から取り出し、ダミー用のホルダーを反応容器の内部に設置した。次いで、表2に示す条件で排気配管の内部のクリーニング処理を実施した。
クリーニング処理終了後、排気バルブ410の下流をベント用配管(不図示)からNガスなどによりベントし、排気装置402を取り外し、圧力調整バルブ114の交換作業を行った。
本比較例において阻止層まで形成したものは、その後、再び反応容器の内部に設置して続けて電子写真感光体の作製を継続しても、反応容器の内部から取り出さなかったものに比べて特性が劣るため、廃棄処分とした。これは、大気開放および真空排気の工程で、基体にポリシランなどの副生成物や他の浮遊物が付着してしまい、出力画像に欠陥を生じさせる欠陥が増えたためである。
一方、実施例2において、継続して作製した電子写真感光体は、交換作業を実施しなかった場合と同等のものが得られ、トラブル(交換作業の実施)によるロス(廃棄処分)を回避できた。
101、401 反応容器
102、402 排気装置
103、403 排気配管
104 オイル注入配管
105 オイルタンク
106 オイル回収配管
107 オイル回収装置
108、109、110、408、409、410、421 排気バルブ
111、411 ミキシング装置
112、412 電源
113、413 マッチングボックス
114、414 圧力調整バルブ
116、117 オイル導入バルブ
118 タンク給油口
119 給油バルブ
120、420、423 ポンプ排気弁
121、122、123 オイル排出バルブ
422 予備の排気装置

Claims (6)

  1. 反応容器、
    排気装置、および、
    前記反応容器と前記排気装置とを接続している排気配管
    を有する堆積膜形成装置であって、前記反応容器の内部にケイ素原子を含む原料ガスを導入し、前記原料ガスをグロー放電により分解し、前記反応容器の内部に設置された基体上に堆積膜を形成するための堆積膜形成装置
    の前記排気装置および/または前記排気配管のメンテナンスを行う堆積膜形成装置のメンテナンス方法において、
    前記排気装置および/または前記排気配管の内部に閉塞空間を形成し、前記閉塞空間をオイルで満たした後、前記オイルを抜き、その後、前記排気装置および/または前記排気配管の大気開放を行い、前記排気装置および/または前記排気配管のメンテナンスを行う
    ことを特徴とする堆積膜形成装置のメンテナンス方法。
  2. 前記排気装置および/または前記排気配管が大気開放されるときに大気に晒されうる部分のすべてを前記オイルで満たした後、前記オイルを抜き、その後、前記排気装置および/または前記排気配管の大気開放を行い、前記排気装置および/または前記排気配管のメンテナンスを行う請求項1に記載の堆積膜形成装置のメンテナンス方法。
  3. 前記排気装置および/または前記排気配管の内部に大気が入り込まないように前記オイルを導入し、前記排気装置および/または前記排気配管の内部をオイルで満たした後、前記オイルを抜き、その後、前記排気装置および/または前記排気配管の大気開放を行い、前記排気装置および/または前記排気配管のメンテナンスを行う請求項1または2に記載の堆積膜形成装置のメンテナンス方法。
  4. 前記オイルの蒸気圧(オイル温度が50℃のときの値)が、1.3×10−2Pa以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の堆積膜形成装置のメンテナンス方法。
  5. 反応容器、
    排気装置、および、
    前記反応容器と前記排気装置とを接続している排気配管
    を有する堆積膜形成装置であって、前記反応容器の内部にケイ素原子を含む原料ガスを導入し、前記原料ガスをグロー放電により分解し、前記反応容器の内部に設置された基体上に堆積膜を形成するための堆積膜形成装置において、
    前記堆積膜形成装置が、さらに、
    前記排気装置および/または前記排気配管の内部に閉塞空間を形成するための手段、
    前記閉塞空間にオイルを満たすためのオイル供給手段、および、
    前記閉塞空間に満たされたオイルを排出するためのオイル排出手段
    を有することを特徴とする堆積膜形成装置。
  6. 前記オイル供給手段に、オイル供給量を測定可能な目盛りが設けられている請求項5に記載の堆積膜形成装置。
JP2015140585A 2015-07-14 2015-07-14 堆積膜形成装置のメンテナンス方法および堆積膜形成装置 Pending JP2017020091A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015140585A JP2017020091A (ja) 2015-07-14 2015-07-14 堆積膜形成装置のメンテナンス方法および堆積膜形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015140585A JP2017020091A (ja) 2015-07-14 2015-07-14 堆積膜形成装置のメンテナンス方法および堆積膜形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017020091A true JP2017020091A (ja) 2017-01-26

Family

ID=57889205

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015140585A Pending JP2017020091A (ja) 2015-07-14 2015-07-14 堆積膜形成装置のメンテナンス方法および堆積膜形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017020091A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109473338A (zh) * 2017-09-08 2019-03-15 株式会社国际电气 半导体器件的制造方法、衬底处理装置及记录介质
JP2020198447A (ja) * 2020-08-26 2020-12-10 株式会社Kokusai Electric 半導体装置の製造方法、基板処理装置およびプログラム

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109473338A (zh) * 2017-09-08 2019-03-15 株式会社国际电气 半导体器件的制造方法、衬底处理装置及记录介质
JP2019050246A (ja) * 2017-09-08 2019-03-28 株式会社Kokusai Electric 半導体装置の製造方法、基板処理装置およびプログラム
US11476131B2 (en) 2017-09-08 2022-10-18 Kokusai Electric Corporation Method of manufacturing semiconductor device, substrate processing apparatus, and recording medium
US11735442B2 (en) 2017-09-08 2023-08-22 Kokusai Electric Corporation Method of operating substrate processing apparatus, method of manufacturing semiconductor device, substrate processing apparatus, and recording medium
CN109473338B (zh) * 2017-09-08 2023-12-22 株式会社国际电气 半导体器件的制造方法、衬底处理装置及记录介质
JP2020198447A (ja) * 2020-08-26 2020-12-10 株式会社Kokusai Electric 半導体装置の製造方法、基板処理装置およびプログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3554219B2 (ja) 排気装置と排気方法、および堆積膜形成装置と堆積膜形成方法
US20080268644A1 (en) Manufacturing method of semiconductor device and substrate processing apparatus
CN104040699A (zh) 使用三氟化氯的装置中的三氟化氯供给路的内面处理方法
KR100654121B1 (ko) 부착막의 제거방법
JPH07169693A (ja) 横型減圧cvd装置及びそのクリーニング方法
JP2017020091A (ja) 堆積膜形成装置のメンテナンス方法および堆積膜形成装置
JP2007177320A (ja) Al含有金属膜及びAl含有金属窒化膜を蒸着する薄膜蒸着装置の洗浄方法
JP2006324663A (ja) 汚染されたツール部品の清浄化方法
TW201429543A (zh) 用於六氟化鎢的回收及再使用的系統及方法
CN102732855A (zh) 薄膜形成装置的清洗方法、薄膜形成方法及薄膜形成装置
JP2012189169A (ja) シリンダーキャビネット
KR20200001531A (ko) 반도체 장치의 제조 방법, 부품의 관리 방법, 기판 처리 장치 및 기판 처리 프로그램
CN110273138B (zh) 成膜装置的清洗方法、运用方法以及成膜装置
JP4763339B2 (ja) 配管のクリーニング方法
JP5078280B2 (ja) 成膜装置及びmo−cvd方法
KR102602438B1 (ko) 기판 처리 장치의 세정 방법, 및 기판 처리 장치
JP3979003B2 (ja) 成膜装置
CN116601742A (zh) 半导体装置的制造方法、程序以及基板处理装置
JP2008240034A (ja) 真空処理装置および真空処理装置の運転方法
KR20080055362A (ko) 박막증착장비의 세정 주기 연장 방법
JP2009302555A (ja) 成膜装置のクリーニング方法
JP2005079123A (ja) 成膜装置のクリーニング方法
JP5896419B2 (ja) プラズマ処理装置およびそのクリーニング方法
JP2007056281A (ja) クリーニング方法
JP2009094424A (ja) 半導体装置の製造方法、及び基板処理装置