JP2017019451A - 車両用空調装置 - Google Patents

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敦司 松本
祐昭 重中
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祐昭 重中
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Hideaki Nishii
秀明 西井
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Abstract

【課題】エコノミーモードを選択した場合に乗員の快適性をできるだけ確保するとともに、十分な省燃費性能を確保する。
【解決手段】エコノミーモードが選択された場合、冷房運転時には通常モード時における必要冷房能力から減少した低冷房能力となるようにコンプレッサを制御し、暖房運転時には通常モード時における必要暖房能力から減少した低暖房能力となるようにウォーターポンプを制御する。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両用空調装置に関し、特に、省エネルギ運転を可能にするエコノミーモードを備えた車両に搭載される空調装置の制御の技術分野に属する。
車両に搭載される車両用空調装置は、乗員の設定温度や外気温度、内気温度等に基づいて目標吹出空気温度、風量及び吹出モードを決定し、決定した目標吹出空気温度、風量及び吹出モードとなるように各機器を自動制御するように構成された、いわゆるオートエアコンが主流となっている。
一方、オートエアコンが搭載される車両では、乗員の好みに応じて省燃費運転を実現するために、エコノミーモードを選択することができるものがある(例えば、特許文献1、2参照)。特許文献1では、エンジン冷却水の熱を用いて車室内を暖房するヒータコアを備えた車両用空調装置において、当該車両の停止中であって、エコノミーモードが選択されていない場合には、エンジン冷却水の温度が所定温度以上となる場合にエンジンを停止させ、エコノミーモードが選択されている場合には、エンジン冷却水の温度が所定温度よりも低い温度以上となる場合にエンジンを停止させるように構成されている。
また、特許文献2では、ヒートポンプのコンプレッサが、外部からの制御信号に応じて容量を可変できる可変容量型コンプレッサである場合に、エコノミーモードが選択されると、エバポレータの目標冷却温度をバイレベルモードとバイレベルモード以外のモード別に分けると共に、バイレベルモード時の方がバイレベルモード以外のモードよりも低くなるようにしている。
特許第4985726号公報 特公平7−29540号公報
ところが、暖房時において、例えば外気温度が極めて低い場合のように強めの暖房が要求されている場合と、例えば外気温度が比較的高めで、日射量も多い場合のように弱めの暖房が要求されている場合とがある。しかしながら、特許文献1では、エコノミーモードが選択されている場合には、暖房時にエンジンの冷却水温度が低めのときにエンジンを停止する制御を行っているので、強めの暖房が要求されている場合でもエンジンが停止してしまい、熱源が確保されず、乗員の快適性が低下してしまう恐れがある。反対に、弱めの暖房が要求されているのにエンジンが停止せず、冷却水の温度が暖房の要求以上に高まってしまい、燃料の無駄が発生していることも考えられるので、省燃費性が低下してしまう。
また、冷房時においても同様に強めの冷房が要求されている場合と、弱めの冷房が要求されている場合とがある。特許文献2では、エコノミーモードが選択されていると、吹出モードに応じて可変容量型コンプレッサの吐出容量を制御し、エバポレータの目標冷却温度を変更するようにしているが、吹出モードは冷房の要求度合いと一致しているとは限らず、従って、エコノミーモード時に乗員の快適性が悪化することや、省燃費性能が低下してしまう恐れがある。
つまり、特許文献1、2の制御では、エコノミーモードを選択した場合に乗員の快適性が悪化しやすく、また、十分な省燃費性能を確保するのが難しいことがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、一般的には空調性能が低下するエコノミーモードを選択した場合であっても乗員の快適性をできるだけ確保するとともに、十分な省燃費性能を確保することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、通常モード時における必要冷房能力及び必要暖房能力を得ておき、この必要冷房能力及び必要暖房能力から減少した能力となるように冷房能力及び暖房能力を設定できるようにした。
第1の発明は、
車室内に配設される熱交換器と、
上記熱交換器に熱媒体を供給するための熱源供給手段と、
上記熱源供給手段の消費エネルギを通常モード時に比べて減少させるエコノミーモードを選択するためのエコノミーモード選択手段と、
上記熱源供給手段を制御する制御装置とを備え、
上記制御装置によって少なくとも冷房運転と暖房運転とに切り替えられるように構成された車両用空調装置において、
上記制御装置は、上記エコノミーモード選択手段によりエコノミーモードが選択された場合、冷房運転時には通常モード時における必要冷房能力から減少した低冷房能力となるように上記熱源供給手段を制御し、暖房運転時には通常モード時における必要暖房能力から減少した低暖房能力となるように上記熱源供給手段を制御するエコノミー制御を行うように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、エコノミーモードが選択された場合に、冷房運転時には低冷房能力となるように熱源供給手段を制御するので、熱源供給手段の消費エネルギが減少する。また、暖房運転時には低暖房能力となるように熱源供給手段を制御するので、熱源供給手段の消費エネルギが減少する。従って、冷房運転と暖房運転とで別々に必要能力が得られるのでそれぞれの運転で適切な能力で済み、十分な省燃費性能が確保され、また、冷房運転と暖房運転とでそれぞれに適した能力とすることが可能になり、乗員の快適性が向上する。
第2の発明は、第1の発明において、
上記車両用空調装置は、車室外の空気を車室に導入する送風機を備えるとともに、上記制御装置によって上記送風機を作動させて弱空調運転にも切り替えられるように構成され、
上記制御装置は、上記エコノミーモード選択手段によりエコノミーモードが選択された場合に、通常モード時よりも低風量となるエコノミーモード用風量を決定し、弱空調運転時には当該エコノミーモード用風量となるように上記送風機を作動させるように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、エコノミーモード時に弱空調運転を行う際、通常モード時よりも換気風量が低下するので、単位時間あたりの車室の換気量が減少する。これにより、車室の温度変化が少なくなる。
第3の発明は、第2の発明において、
上記制御装置は、上記エコノミーモード選択手段によりエコノミーモードが選択された場合に、弱空調運転時には上記低冷房能力に基づいて決定された冷房時エコノミーモード用風量となるように上記送風機を作動させるように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、エコノミー制御時に使用される冷房時エコノミーモード用風量となるように送風機を制御するので、単位時間あたりの車室の換気量を十分に減少させることが可能になる。
第4の発明は、第2の発明において、
上記制御装置は、上記エコノミーモード選択手段によりエコノミーモードが選択された場合に、弱空調運転時には上記低暖房能力に基づいて決定された暖房時エコノミーモード用風量となるように上記送風機を作動させるように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、エコノミー制御時に使用される暖房時エコノミーモード用風量となるように送風機を制御するので、単位時間あたりの車室の換気量を十分に減少させることが可能になる。
第5の発明は、第2から4のいずれか1つの発明において、
上記車両用空調装置は、車室への吹出モードを設定する吹出モード設定手段を備え、
上記制御装置は、上記吹出モード設定手段により設定された吹出モードに基づいて冷房運転、暖房運転及び弱空調運転の切替を行うように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、吹出モードに応じて冷房運転、暖房運転及び弱空調運転が切り替えられるので、車室が吹出モードに応じた空調状態になる。
第1の発明によれば、エコノミーモードが選択された場合、冷房運転時には通常モード時における必要冷房能力から減少した冷房能力となるように熱源供給手段を制御し、暖房運転時には通常モード時における必要暖房能力から減少した暖房能力となるように熱源供給手段を制御するようにしたので、エコノミーモードを選択した場合であっても乗員の快適性を確保できるとともに、十分な省燃費性能を確保することができる。
第2の発明によれば、エコノミーモードが選択された場合、弱空調運転時には風量を低下させることができるので、車室の温度変化が少なくなり、省燃費性能をより一層高めることができる。
第3の発明によれば、弱空調運転時には低冷房能力に基づいて決定された冷房時エコノミーモード用風量とするので、車室の温度変化が少なくなり、省燃費性能をより一層高めることができる。
第4の発明によれば、弱空調運転時には低暖房能力に基づいて決定された暖房時エコノミーモード用風量とするので、車室の温度変化が少なくなり、省燃費性能をより一層高めることができる。
第5の発明によれば、吹出モードに基づいて冷房運転、暖房運転及び弱空調運転の切替を行うようにしたので、車室を吹出モードに応じた空調状態にすることができる。
実施形態に係る車両用空調装置の概略構成図である。 車両用空調装置のブロック図である。 制御装置による制御手順を示すフローチャートである。 エコノミーモード時の暖房運転能力を算出するためのグラフである。 エコノミーモード時の目標ヒータコア後温度を内気温度に基づいて算出するためのグラフである。 エコノミーモード時の目標ヒータコア後温度をエアミックスダンパの開度に基づいて算出するためのグラフである。 エコノミーモード時の暖房風量の低減量を算出するためのグラフである。 エコノミーモード時の冷房運転能力を算出するためのグラフである。 エコノミーモード時の目標エバ後温度を内気温度に基づいて算出するためのグラフである。 エコノミーモード時の目標エバ後温度をエアミックスダンパの開度に基づいて算出するためのグラフである。 エコノミーモード時の冷房風量の低減量を算出するためのグラフである。 エコノミーモード時の換気風量をエアミックスダンパの開度に基づいて算出するためのグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用空調装置1の概略構造を示す図である。車両用空調装置1は、例えば自動車等に搭載されており、車室を所望の空調状態にすることができるように構成されている。
尚、この車両用空調装置1が搭載される自動車は、駆動力を発生するエンジンEを備えている。図示しないが、自動車としては、エンジンと電動モーターの両方を搭載したハイブリッドタイプの自動車であってもよいし、電動モーターのみを搭載した電気自動車であってもよいし、図1に示すように従来からあるエンジンのみを搭載した自動車であってもよい。
また、自動車の車室内には、ドライブモードを選択するドライブモード選択スイッチ2(図1に示す)が設けられている。ドライブモード選択スイッチ2で選択可能なドライブモードは、少なくとも通常モードと、エコノミーモードとがあり、これらのうち、乗員が任意のモードに選択することができるようになっている。通常モードとは、エンジンや電動モーターの制御を省燃費(省電費)制御しないモードであり、自動車の本来の動力性能を発揮することができるモードである。一方、エコノミーモードとは、エンジンや電動モーターの制御を省燃費(省電費)制御するモードであり、例えば、最高出力を抑制したり、エンジンや電動モーターの出力特性を緩やかにしてアクセラレータの操作に対する出力の立ち上がりを遅くする。ドライブモード選択スイッチ2は、車両用空調装置1の制御装置3に接続されており、制御装置3が現在選択されているドライブモードを検出することができるようになっている。後述するが、この自動車では、ドライブモードがエンジンや電動モーターの制御だけでなく、空調の制御にも反映されるようになっている。また、通常モードの他にスポーツモード等を選択可能にしてもよい。スポーツモードの場合には、エンジンや電動モーターの最高出力を一時的に増加したり、エンジンや電動モーターの出力特性を急峻な特性にする。空調制御においては、スポーツモードは通常モードと同様にして扱う。また、ドライブモード選択スイッチ2の代わりに、空調制御のみ、エコノミーモードと通常モードとに切替可能なスイッチ(エコノミーモード選択手段)を設けてもよい。
車両用空調装置1は、ドライブモード選択スイッチ2及び制御装置3の他、ヒートポンプ装置10と、空調ユニット20とを備えている。ヒートポンプ装置10は、コンプレッサ11、コンデンサ12、膨張弁13及びエバポレータ(熱交換器)14を備えており、これら機器が冷媒配管を介して接続されている。コンプレッサ11は、電磁クラッチ11aを有しており、この電磁クラッチ11aを介してエンジンEの出力が伝達されるようになっている。電磁クラッチ11aは制御装置3に接続されており、制御装置3によって制御されて接続状態と断状態とに切り替えられる。接続状態ではエンジンEの出力がコンプレッサ11に伝達されて冷媒が圧縮されてコンデンサ12及び膨張弁13を介してエバポレータ14に供給される一方、断状態ではコンプレッサ11が停止し、冷媒の供給が停止する。コンプレッサ11はエンジンEの動力の一部を消費することになる。ヒートポンプ10の冷媒は熱媒体であり、コンプレッサ11は本発明の熱源供給手段である。
コンプレッサ11の作動時間(冷房能力)は、コンプレッサ11のOFF点温度を変更することによって調整できる。OFF点温度は、後述するエバ後センサ35で検出されたエバポレータ14の表面温度であり、このOFF点温度を高くすることで、コンプレッサ11の作動時間が短くなっていき、反対に、エバポレータ14の表面に氷が成長しない範囲でOFF点温度を低くすることで、コンプレッサ11の作動時間が長くなっていく。
コンデンサ12は、車室外において例えばエンジンルーム等に配設され、コンプレッサ11から吐出された冷媒を凝縮させる。膨張弁13は、コンデンサ12から流出した冷媒を減圧させてエバポレータ14に流入させるためのものである。エバポレータ14は、車室内に配設されている。エバポレータ14は、ヘッダタンクやチューブ及びフィンで構成されており、内部を流通する冷媒と外部を流れる空気とを熱交換させて外部の空気を冷却する冷却用熱交換器である。
空調ユニット20は、例えば自動車の車室内の前端部に配設されたインストルメントパネル(図示せず)の内部に収容されている。空調ユニット20は、上記エバポレータ14を収容するユニットケーシング21と、送風機22と、ヒータコア(熱交換器)23と、エアミックスダンパ24と、吹出方向切替装置(吹出モード設定手段)25と、ウォーターポンプ(熱源供給手段)26とを備えている。
送風機22は、ユニットケーシング21の空気流れ方向最上流部に配設されており、車室内の空気(内気)と車室外の空気(外気)の一方を選択して車室に導入することができるように構成されている。すなわち、送風機22の外面には、車室内に連通する内気導入口22aと車室外に連通する外気導入口22bが形成され、送風機22の内部には内外気切替ダンパ22cが配設されている。送風機22の外部には内外気切替ダンパ22cを駆動する内外気切替アクチュエータ22dが配設されている。内外気切替アクチュエータ22dは制御装置3に接続されて制御装置3によって制御される。図1に示すように内外気切替ダンパ22cが内気導入口22aを全閉にし、外気導入口22bを全開にすると外気導入モードとなり、一方、図示しないが、内外気切替ダンパ22cが内気導入口22aを全開にし、外気導入口22bを全閉にすると内気導入モードとなる。
送風機22には、ファン22eとファン22eを駆動するファンモータ22fとが設けられている。ファンモータ22fは、制御装置3に接続されて制御装置3によって制御され、ON及びOFFの切替と、回転数の変更(送風量の変更)が可能になっている。
ヒータコア23は、エンジンEのウォータージャケットを循環するエンジン冷却水(熱媒体)が流通するチューブを有しており、流通するエンジン冷却水と外部を流れる空気とを熱交換させて外部の空気を加熱する加熱用熱交換器である。ヒータコア23には、ウォーターポンプ26によってエンジン冷却水が供給されるようになっている。ウォーターポンプ26は、電動タイプのものであり、制御装置3に接続されて制御装置3によって制御され、停止及び作動の切り替えを任意のタイミングで行うことができるとともに、吐出量の調整も行うことができるように構成されている。
ヒータコア23は、ユニットケーシング21内においてエバポレータ14から空気流れ方向下流側に離れて配設されている。ユニットケーシング21内のエバポレータ14とヒータコア23との間には、エアミックスダンパ24が配設されている。エアミックスダンパ24は、エバポレータ14を通過した空気のうち、ヒータコア23を通過する空気の量を変更することによって吹出空気温度を変更するためのものである。エアミックスダンパ24の開度は、エバポレータ14を通過した空気の全量をヒータコア23に流さない状態から、エバポレータ14を通過した空気の全量をヒータコア23に流す状態となるまでの間で回動するようになっている。エバポレータ14を通過した空気の全量をヒータコア23に流さない状態におけるエアミックスダンパ24の開度を0%とし、エバポレータ14を通過した空気の全量をヒータコア23に流す状態におけるエアミックスダンパ24の開度を100%とする。エアミックスダンパ24は、開度が0%〜100%の間の任意の開度とすることができる。
空調ユニット20は、エアミックスアクチュエータ27を備えている。エアミックスアクチュエータ27は、エアミックスダンパ24を任意の開度となるまで回動させることができるように構成されており、制御装置3に接続されて制御装置3によって制御される。
ユニットケーシング21の空気流れ方向下流側には、デフロスタ吹出口30と、ベント吹出口31と、ヒート吹出口32とが形成されている。デフロスタ吹出口30は、フロントガラス(図示せず)の内面に空調風を供給するためのものであり、例えばインストルメントパネルの上面における前部に開口している。ベント吹出口31は、主に乗員の上半身に空調風を供給するためのものであり、例えばインストルメントパネルにおいて前席と対向する部位に開口している。ヒート吹出口32は、主に乗員の足下に空調風を供給するためのものであり、例えばフロア近傍で開口している。
吹出方向切替装置25は、デフロスタダンパ25a、ベントダンパ25b、ヒートダンパ25c及び吹出方向切替アクチュータ25dを備えている。デフロスタダンパ25aは、デフロスタ吹出口30を開閉するためのものである。ベントダンパ25bは、ベント吹出口31を開閉するためのものである。ヒートダンパ25cは、ヒート吹出口32を開閉するためのものである。
デフロスタダンパ25a、ベントダンパ25b及びヒートダンパ25cは、例えば図示しないリンク及びカム機構を介して連動するように構成することができる。そして、吹出方向切替アクチュータ25dによってデフロスタダンパ25a、ベントダンパ25b及びヒートダンパ25cを駆動することで、車室への吹出モードを任意のモードに設定することができるようになっている。吹出モードは、デフロスタ吹出口30とヒート吹出口32を閉じ、ベント吹出口31を開くベントモード、デフロスタ吹出口30を閉じ、ベント吹出口31及びヒート吹出口32を開くバイレベルモード、デフロスタ吹出口30とベント吹出口31を閉じ、ヒート吹出口32を開くヒートモードが少なくともある。その他、ベント吹出口31及びヒート吹出口32を閉じ、デフロスタ吹出口30を開くデフロスタモード等の吹出モードに切り替えることも可能である。
空調ユニット20には、共に温度検出センサで構成されたエバ後センサ35とヒータコア後センサ36とが設けられている。エバ後センサ35は、エアミックスダンパ24よりも空気流れ方向上流側で、エバポレータ14の空気流れ方向下流側の面に配設されている。エバ後センサ35は、制御装置3に接続され、エバポレータ14を通過した直後の空気の温度を検出して制御装置3に出力するように構成されている。ヒータコア後センサ36は、ヒータコア23の空気流れ方向下流側の面に配設されている。ヒータコア後センサ36は、制御装置3に接続され、ヒータコア23を通過した直後の空気の温度を検出して制御装置3に出力するように構成されている。
また、車両用空調装置1は、内気センサ40、外気センサ41、日射センサ42及び操作ボタン43を備えており、これらは全て制御装置3に接続されて信号を出力するように構成されている。内気センサ40は、車室内に配設された温度センサで構成されており、車室内の空気温度(内気温度)を検出するためのものである。外気センサ41は、例えば車体前部や車体側方等、車室外に配設された温度センサで構成されており、車室外の空気温度(外気温度)を検出するためのものである。日射センサ42は、車室内に配設された日射量検出センサで構成されており、車室内に差し込んでくる単位時間あたりの日射量を検出するためのものである。操作ボタン43は、車室内のインストルメントパネル等に配設されており、空調装置のON/OFF切替ボタン、乗員による室温設定ボタン、風量調整ボタン、吹出モード切替ボタン等で構成されている。
制御装置3は、内気センサ40、外気センサ41、日射センサ42及び操作ボタン43からの出力信号に基づいて、エアミックスダンパ24の開度を決定し、この開度に基づいて吹出モードを決定する。すなわち、例えば夏のように内気温度及び外気温度が30℃以上のように高く、かつ、日射量が多い場合で、乗員による設定温度が低めの場合には、エアミックスダンパ24の開度が42%以下となり、この場合には、ベントモードとする。また、例えば冬のように内気温度及び外気温度が5℃以下のように低く、乗員による設定温度が高めの場合には、エアミックスダンパ24の開度が54%以上となり、この場合には、ヒートモードとする。また、例えば春や秋のように内気温度及び外気温度がそれほど高くなく、かつ、日射量もそれほど多くない場合で、乗員による設定温度が25℃程度の場合には、エアミックスダンパ24の開度が42%〜54%の間となり、この場合には、バイレベルモードとする。
そして、制御装置3は、吹出モードに基づいて車両用空調装置1の運転モードを決定する。つまり、ベントモードのときにはヒートポンプ10を作動させて冷房運転とし、ヒートモードのときにはウォーターポンプ26を作動させて暖房運転とし、バイレベルモードのときには弱空調運転にする。これにより、車両用空調装置1は3つの運転モードに切り替えられる。尚、冷房運転時に温度調整のためにウォーターポンプ26も作動させてもよいし、暖房運転時に温度調整のためにコンプレッサ11も作動させてもよい。
また、冷房運転時及び暖房運転時には、上記内気センサ40、外気センサ41、日射センサ42及び操作ボタン43からの出力信号と、エバ後センサ35及びヒータコア後センサ36の出力信号とに基づいて、後述するようにコンプレッサ11の作動状態及びウォーターポンプ26の作動状態を変更する。また、エアミックスダンパ24の開度を変更して吹出空気の温度を調整する。
次に、制御装置3による制御手順について図3に示すフローチャートに基づいて説明する。始めに、図示しないが、制御装置3は、内気センサ40、外気センサ41、日射センサ42及び操作ボタン43からの出力信号に基づいて目標室温Ttrgを算出する。基本的には、外気温度が低ければ目標室温Ttrgが高くなり、また、日射量が多ければ目標室温Ttrgが低くなり、乗員による設定温度が低ければ目標室温Ttrgが低くなる。これは一般のオートエアコンの目標吹出空気温度の算出手順と同じ手順を使用している。
また、目標室温Ttrgに基づいて目標ヒータコア後温度Th trg及び目標エバ後温度Te trgを算出する。目標室温Ttrgが高ければ目標ヒータコア後温度Th trgが高くなり、目標室温Ttrgが低ければ目標エバ後温度Te trgが低くなる。これも一般のオートエアコンの目標吹出空気温度の算出手順と同じ手順を使用している。そして、目標ヒータコア後温度Th trgとなるように、ウォーターポンプ26を制御し、目標エバ後温度Te trgとなるように、コンプレッサ11を制御する。
また、送風機22の目標風量AFVtrgも一般のオートエアコンの風量算出手順と同じ手順を使用して算出する。例えば、目標室温Ttrgと内気温度との差が大きい程、送風機22の目標風量AFVtrgを大きくする。目標風量AFVtrgとなるように、制御装置3がファンモータ22fへの印加電圧を変更する。
スタート後のステップSA1では、ドライブモード選択スイッチ2でエコノミーモードが選択されているか否かについて判定する。ステップSA1においてNOと判定されて通常モードである場合にはステップSA2に進んで通常モード時のオートエアコン制御を行う。
(通常モード時の制御)
以下、ドライブモード選択スイッチ2によって通常モードが選択された場合における暖房運転時及び冷房運転時の制御について説明する。暖房運転時には、まず、必要暖房運転能力Pw(W)を決定する。必要暖房運転能力Pw(W)は次式に基づいて得る。
Pw=L×ρ×c×(T1−T2)×1000
ここで、T1はヒータコア後センサ36で検出されたヒータコア後空気温度であり、T2はヒータコア前空気温度であり、Lは風量(m/s)、即ち目標風量AFVtrgであり、cは比熱(理想気体)kJ/kg・Kであり、ρは空気の密度(理想気体)kg/mである。T2は、コンプレッサ11が作動しているときには、エバ後センサ35で検出されたエバ後空気温度であるが、コンプレッサ11が停止しているときには、外気センサ41で検出された外気温度となる。尚、外気センサ41で検出された外気温度以外にも、エバ後センサ35で検出された温度としてもよい。
ウォーターポンプ26によるエンジン冷却水の送給量を多くすれば高い暖房能力が得られるので、上述のようにして得られた必要暖房運転能力Pw(W)が得られるように、ウォーターポンプ26を制御する。
一方、通常モードが選択された場合における冷房運転時には、まず、必要冷房運転能力Pc(W)を決定する。必要冷房運転能力Pc(W)は次式に基づいて得る。
Pc=L×ρ×c×(T3−T4)×1000
ここで、T3はエバ前空気温度であり、T4はエバ後センサ35で検出されたエバ後空気温度であり、Lは風量(m/s)、即ち目標風量AFVtrgであり、cは比熱(理想気体)kJ/kg・Kであり、ρは空気の密度(理想気体)kg/mである。T3は、外気導入時には外気温度であるが、内気導入時には内気温度となる。
コンプレッサ11の作動時間を長くすれば高い冷房能力が得られるので、上述のようにして得られた必要冷房運転能力Pc(W)が得られるように、コンプレッサ11を制御し、必要に応じてウォーターポンプ26も制御する。
必要暖房運転能力Pw(W)及び必要冷房運転能力Pc(W)に基づいてウォーターポンプ26及びコンプレッサ11を制御しているので、必要な熱量(冷熱量)が得られる。
(エコノミー制御)
図3のフローチャートにおけるステップSA1においてYESと判定されて、ドライブモード選択スイッチ2でエコノミーモードが選択されている場合にはステップSA3に進む。ステップSA3では上述したように吹出モードに基づいて車両用空調装置1の運転モードを判定する。
ステップSA3で暖房運転であると判定されると、ステップSA4に進み、通常モード時のオートエアコン制御で行ったように、必要暖房運転能力Pw(W)を算出する。その後、ステップSA5に進み、図4に示すグラフに基づいて、エコノミーモード時の暖房運転能力PwEr(W)(低暖房能力)を算出する。図4のグラフの横軸は内気温度Trであり、縦軸はエコノミーモード時の暖房運転能力PwErである。エコノミーモード時の暖房運転能力PwErは、内気温度Trによって変更されるが、全体として必要暖房運転能力Pw(W)よりも低い能力となっている。すなわち、E1及びE2は、正の値であり、例えば150(W)〜1500(W)の間で設定することができる。E1及びE2は、外気温度が低いほど大きな値となるようにしている。また、内気温度Trが、目標室温Ttrg−10(℃)よりも低いと、必要暖房運転能力Pw(W)からE2を差し引いた能力をエコノミーモード時の暖房運転能力PwErとし、内気温度Trが、目標室温Ttrg−5(℃)よりも高いと、必要暖房運転能力Pw(W)からE1を差し引いた能力をエコノミーモード時の暖房運転能力PwErとする。内気温度Trが、目標室温Ttrg−10(℃)と、目標室温Ttrg−5(℃)との間にあるときには、グラフに示す直線で表される能力をエコノミーモード時の暖房運転能力PwErとする。
ステップSA5に続くステップSA6では、図5に示すグラフ及び図6に示すグラフに基づいて目標ヒータコア後温度Th trgEを算出する。図5のグラフの横軸は内気温度Trであり、縦軸はエコノミーモード時の目標ヒータコア後温度Th trgErである。図5に示すグラフでは、エコノミーモード時の目標ヒータコア後温度Th trgErは、内気温度Trによって変更されるが、全体として通常モード時の目標ヒータコア後温度Th trgよりも低い温度となっている。すなわち、内気温度Trが、目標室温Ttrg−10(℃)よりも低いと、通常モード時の目標ヒータコア後温度Th trgから5(℃)を差し引いた温度をエコノミーモード時の目標ヒータコア後温度Th trgErとし、内気温度Trが、目標室温Ttrg−5(℃)よりも高いと、通常モード時の目標ヒータコア後温度Th trgから2(℃)を差し引いた温度をエコノミーモード時の目標ヒータコア後温度Th trgErとする。内気温度Trが、目標室温Ttrg−10(℃)と、目標室温Ttrg−5(℃)との間にあるときには、グラフに示す直線で表される温度を目標ヒータコア後温度Th trgErとする。
また、図6に示すグラフの横軸はエアミックスダンパ24の開度STO(%)であり、縦軸はエコノミーモード時の目標ヒータコア後温度Th trgEmである。図6に示すグラフでは、エコノミーモード時の目標ヒータコア後温度Th trgEmは、エアミックスダンパ24の開度STO(%)によって変更される。すなわち、エアミックスダンパ24の開度STO(%)が、所定の値(H2BL)よりも小さいと、通常モード時の目標ヒータコア後温度Th trgをエコノミーモード時の目標ヒータコア後温度Th trgEmとし、エアミックスダンパ24の開度STO(%)が、H2BLよりも大きな値(BL2H)よりも大きいと、通常モード時の目標ヒータコア後温度Th trgから5(℃)を差し引いた温度をエコノミーモード時の目標ヒータコア後温度Th trgEmとする。エアミックスダンパ24の開度STO(%)が、H2BLと、BL2Hとの間にあるときには、グラフに示す直線で表される温度を目標ヒータコア後温度Th trgEmとする。
そして、図5のグラフで得られたエコノミーモード時の目標ヒータコア後温度Th trgErと、図6のグラフで得られたエコノミーモード時の目標ヒータコア後温度Th trgEmとを比較し、高い方を選択し、エコノミーモード時の目標ヒータコア後温度Th trgEとする。
ステップSA6に続くステップSA7では風量の補正を行い、エコノミーモード時の目標風量(暖房時エコノミーモード用風量)AFVtrgEを得る。
AFVtrgE=PwE/(ρ×c×(Th trgE−T2)×1000)×3600
ここで、T2はヒータコア前空気温度であり、cは比熱(理想気体)kJ/kg・Kであり、ρは空気の密度(理想気体)kg/mであり、Th trgEは、ステップSA6で算出したエコノミーモード時の目標ヒータコア後温度である。T2は、コンプレッサ11が作動しているときには、エバ後センサ35で検出されたエバ後空気温度であるが、コンプレッサ11が停止しているときには、外気センサ41で検出された外気温度となる。
ただし、エコノミーモード時の目標風量AFVtrgEは、下記最小値(AFVtrgEmin)と最大値(AFVtrgEmax)との範囲内で、かつ、通常モード時の目標風量AFVtrgと比較して低い方を選択する。
AFVtrgEmin=AFVtrg−AFVdown
AFVdownは、図7に示すグラフに基づいて得る。図7のグラフの横軸は外気温度Taであり、縦軸は、AFVdown、即ち、低減量(m/h)である。外気温度が0℃以下であれば、AFVdownを80(m/h)とし、外気温度が10℃以上であれば、AFVdownを100(m/h)とする。外気温度が0℃〜10℃の範囲であれば、グラフに基づいてAFVdownを算出する。
また、上記最大値(AFVtrgEmax)は500(m/h)とする。
ステップSA7に続くステップSA8では、ウォーターポンプ26の出力を低減してエンジン冷却水の流量を通常モード時に比べて低下させる。
ステップSA8に続くステップSA9では、上述のようにして算出された各値となるように、制御対象(送風機22、コンプレッサ11(電磁クラッチ11a)、ウォーターポンプ26等)を制御する。
一方、ステップSA3で冷房運転であると判定されると、ステップSA10に進み、通常モード時のオートエアコン制御で行ったように、必要冷房運転能力Pc(W)を算出する。その後、ステップSA11に進み、図8に示すグラフに基づいて、エコノミーモード時の冷房運転能力PcEr(W)(低冷房能力)を算出する。図8のグラフの横軸は内気温度Trであり、縦軸はエコノミーモード時の冷房運転能力PcErである。エコノミーモード時の冷房運転能力PcErは、内気温度Trによって変更されるが、全体として必要冷房運転能力Pc(W)よりも低い能力となっている。すなわち、E3及びE4は、正の値であり、例えば150(W)〜1100(W)の間で設定することができる。E3及びE4は、外気温度が高いほど大きな値となるようにしている。また、内気温度Trが、目標室温Ttrg+5(℃)よりも低いと、必要冷房運転能力Pc(W)からE3を差し引いた能力をエコノミーモード時の冷房運転能力PcErとし、内気温度Trが、目標室温Ttrg+10(℃)よりも高いと、必要冷房運転能力Pc(W)からE4を差し引いた能力をエコノミーモード時の冷房運転能力PcErとする。内気温度Trが、目標室温Ttrg+5(℃)と、目標室温Ttrg+10(℃)との間にあるときには、グラフに示す直線で表される能力をエコノミーモード時の冷房運転能力PcErとする。
ステップSA11に続くステップSA12では、図9に示すグラフ及び図10に示すグラフに基づいて目標エバ後温度Te trgEを算出する。図9のグラフの横軸は内気温度Trであり、縦軸はエコノミーモード時の目標エバ後温度Te trgErである。図9に示すグラフでは、エコノミーモード時の目標エバ後温度Te trgErは、内気温度Trによって変更されるが、全体として通常モード時の目標エバ後温度Te trgよりも高い温度となっている。すなわち、内気温度Trが、目標室温Ttrg+5(℃)よりも低いと、通常モード時の目標エバ後温度Te trgに3(℃)足した温度をエコノミーモード時の目標エバ後温度Te trgErとし、内気温度Trが、目標室温Ttrg+10(℃)よりも高いと、通常モード時の目標エバ後温度Te trgに1(℃)足した温度をエコノミーモード時の目標エバ後温度Te trgErとする。内気温度Trが、目標室温Ttrg+5(℃)と、目標室温Ttrg+10(℃)との間にあるときには、グラフに示す直線で表される温度を目標エバ後温度Te trgErとする。
また、図10に示すグラフの横軸はエアミックスダンパ24の開度STO(%)であり、縦軸はエコノミーモード時の目標エバ後温度Te trgEmである。図10に示すグラフでは、エコノミーモード時の目標エバ後温度Te trgEmは、エアミックスダンパ24の開度STO(%)によって変更される。すなわち、エアミックスダンパ24の開度STO(%)が、所定の値(BL2V)よりも小さいと、通常モード時の目標エバ後温度Te trgをエコノミーモード時の目標エバ後温度Te trgEmとし、エアミックスダンパ24の開度STO(%)が、BL2Vよりも大きな値(V2BL)よりも大きいと、通常モード時の目標エバ後温度Te trgに2(℃)足した温度をエコノミーモード時の目標エバ後温度Te trgEmとする。エアミックスダンパ24の開度STO(%)が、BL2Vと、V2BLとの間にあるときには、グラフに示す直線で表される温度を目標エバ後温度Te trgEmとする。
そして、図9のグラフで得られたエコノミーモード時の目標エバ後温度Te trgErと、図10のグラフで得られたエコノミーモード時の目標エバ後温度Te trgEmとを比較し、高い方を選択し、エコノミーモード時の目標エバ後温度Te trgEとする。
ステップSA12に続くステップSA13では風量の補正を行い、エコノミーモード時の目標風量(冷房時エコノミーモード用風量)AFVtrgEを得る。
AFVtrgE=PcE/(ρ×c×(T3−Te trgE)×1000)×3600
ここで、T3はエバ前空気温度であり、cは比熱(理想気体)kJ/kg・Kであり、ρは空気の密度(理想気体)kg/mであり、Te trgEは、ステップSA12で算出したエコノミーモード時の目標エバ後温度である。T3は、外気導入時には外気温度であるが、内気導入時には内気温度となる。
ただし、エコノミーモード時の目標風量AFVtrgEは、下記最小値(AFVtrgEmin)と最大値(AFVtrgEmax)との範囲内で、かつ、通常モード時の目標風量AFVtrgと比較して低い方を選択する。
AFVtrgEmin=AFVtrg−AFVdown
AFVdownは、図11に示すグラフに基づいて得る。図11のグラフの横軸は外気温度Taであり、縦軸は、AFVdown、即ち、低減量(m/h)である。外気温度が20℃以下であれば、AFVdownを100(m/h)とし、外気温度が30℃以上であれば、AFVdownを80(m/h)とする。外気温度が20℃〜30℃の範囲であれば、グラフに基づいてAFVdownを算出する。
また、上記最大値(AFVtrgEmax)は350(m/h)とする。
ステップSA13に続くステップSA9では、上述のようにして算出された各値となるように、制御対象を制御する。
また、ステップSA3で弱空調運転であると判定されると、ステップSA14に進み、目標風量を算出する。このフローチャートには示していないが、弱空調運転時の目標風量を算出する前に、ステップSA4〜ステップSA7の各値の算出、及びステップSA10〜ステップSA13の各値の算出を行っておく。また、ステップSA14では、熱源の目標温度、即ち、目標ヒータコア後温度Th trg及び目標エバ後温度Te trgは上記した通常モード時における算出値から変更しない。つまり、弱空調運転では、車室内の温度が安定し易く低負荷空調状態であるため、既にヒータコア23の温度は低く、また、エバポレータ14の温度は高く設定されており、要求熱量(冷熱量)を抑制する制御は行わない。
弱空調運転時の目標風量は、図12に示すグラフに基づいて算出し、全体として、通常モード時における換気風量よりも低減している。図12に示すグラフの横軸はエアミックスダンパ24の開度STO(%)であり、縦軸は換気風量である。このステップSA14では、エアミックスダンパ24の開度STO(%)が42%以下であれば吹出モードをベントモードとし、エアミックスダンパ24の開度STO(%)が54%以上であれば吹出モードをヒートモードとし、エアミックスダンパ24の開度STO(%)が42%〜54%の範囲であれば吹出モードをバイレベルモードとする。
そして、エアミックスダンパ24の開度STO(%)が42%以下であれば、エコノミーモード時の冷房運転における目標風量AFVtrgEを弱空調運転時の目標風量(冷房時エコノミーモード用風量)とする。また、エアミックスダンパ24の開度STO(%)が54%以上であれば、エコノミーモード時の暖房運転における目標風量AFVtrgEを弱空調運転時の目標風量(暖房時エコノミーモード用風量)とする。また、エアミックスダンパ24の開度STO(%)が42%〜54%の範囲であれば、グラフに示すように、エコノミーモード時の暖房運転における目標風量AFVtrgEと、エコノミーモード時の冷房運転における目標風量AFVtrgEとの間の値を弱空調運転時の目標風量とする。
ステップSA14に続くステップSA9では、上述のようにして算出された各値となるように、制御対象を制御する。
尚、上記各ステップにおける数値(定数)は一例であり、必要に応じて変更することができる。
以上説明したように、エコノミーモードが選択された場合に、冷房運転時には低冷房能力となるようにコンプレッサ11を制御するので、コンプレッサ11の消費エネルギが減少する。また、暖房運転時には低暖房能力となるようにウォーターポンプ26を制御するので、ウォーターポンプ26の消費エネルギが減少する。従って、冷房運転と暖房運転とで別々に必要能力が得られるのでそれぞれの運転で適切な能力で済み、十分な省燃費性能が確保され、また、冷房運転と暖房運転とでそれぞれに適した能力とすることが可能になり、乗員の快適性が向上する。また、吹出モードに応じて冷房運転、暖房運転及び弱空調運転が切り替えられるので、車室が吹出モードに応じた空調状態になる。
また、吹出モード毎、即ち、冷房運転、暖房運転毎に細かく空調能力を算出して制御するようにしたので、乗員の快適性を向上させることができる。
また、ステップSA14では、エコノミーモード時に弱空調運転を行う際、通常モード時よりも換気風量が低下するので、単位時間あたりの車室の換気量が減少する。これにより、車室の温度変化が少なくなる。
また、ステップSA7では、暖房運転においてエコノミー制御時に使用される低風量となるように送風機22を制御するので、単位時間あたりの車室の換気量を十分に減少させることが可能になる。
さらに、ステップSA13では、冷房運転においてエコノミー制御時に使用される低風量となるように送風機22を制御するので、単位時間あたりの車室の換気量を十分に減少させることが可能になる。
尚、上記実施形態では、コンプレッサ11がエンジンによって駆動される場合について説明したが、これに限らず、コンプレッサ11は電動モーターによって駆動される電動コンプレッサであってもよい。また、コンプレッサ11は可変容量型であってもよい。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明に係る車両用空調装置は、例えばエコノミーモードを備えた車両で使用することができる。
1 車両用空調装置
2 ドライブモード選択スイッチ(エコノミーモード選択手段)
3 制御装置
11 コンプレッサ(熱源供給手段)
14 エバポレータ(熱交換器)
22 送風機
23 ヒータコア(熱交換器)
25 吹出方向切替装置(吹出モード設定手段)
26 ウォーターポンプ(熱源供給手段)

Claims (5)

  1. 車室内に配設される熱交換器と、
    上記熱交換器に熱媒体を供給するための熱源供給手段と、
    上記熱源供給手段の消費エネルギを通常モード時に比べて減少させるエコノミーモードを選択するためのエコノミーモード選択手段と、
    上記熱源供給手段を制御する制御装置とを備え、
    上記制御装置によって少なくとも冷房運転と暖房運転とに切り替えられるように構成された車両用空調装置において、
    上記制御装置は、上記エコノミーモード選択手段によりエコノミーモードが選択された場合、冷房運転時には通常モード時における必要冷房能力から減少した低冷房能力となるように上記熱源供給手段を制御し、暖房運転時には通常モード時における必要暖房能力から減少した低暖房能力となるように上記熱源供給手段を制御するエコノミー制御を行うように構成されていることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 請求項1に記載の車両用空調装置において、
    上記車両用空調装置は、車室外の空気を車室に導入する送風機を備えるとともに、上記制御装置によって上記送風機を作動させて弱空調運転にも切り替えられるように構成され、
    上記制御装置は、上記エコノミーモード選択手段によりエコノミーモードが選択された場合に、通常モード時よりも低風量となるエコノミーモード用風量を決定し、弱空調運転時には当該エコノミーモード用風量となるように上記送風機を作動させるように構成されていることを特徴とする車両用空調装置。
  3. 請求項2に記載の車両用空調装置において、
    上記制御装置は、上記エコノミーモード選択手段によりエコノミーモードが選択された場合に、弱空調運転時には上記低冷房能力に基づいて決定された冷房時エコノミーモード用風量となるように上記送風機を作動させるように構成されていることを特徴とする車両用空調装置。
  4. 請求項2に記載の車両用空調装置において、
    上記制御装置は、上記エコノミーモード選択手段によりエコノミーモードが選択された場合に、弱空調運転時には上記低暖房能力に基づいて決定された暖房時エコノミーモード用風量となるように上記送風機を作動させるように構成されていることを特徴とする車両用空調装置。
  5. 請求項2から4のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、
    上記車両用空調装置は、車室への吹出モードを設定する吹出モード設定手段を備え、
    上記制御装置は、上記吹出モード設定手段により設定された吹出モードに基づいて冷房運転、暖房運転及び弱空調運転の切替を行うように構成されていることを特徴とする車両用空調装置。
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