JP2017012339A - 認知機能観察システム及び認知機能観察方法 - Google Patents

認知機能観察システム及び認知機能観察方法 Download PDF

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Abstract

【課題】音楽を楽しみながら、被検者が気軽に行うことができる認知機能観察用のシステム及び方法を提供する。【解決手段】認知機能観察システム10は、パネル装置20と装置本体30により構成される。パネル装置20は、ボタン24A〜24Iがユーザにより押されたことを検知するセンサSA〜SIを有する。装置本体30のルーチン設定プログラム44は、選択された一つ以上のボタンに所定の順序で繰り返し接触することで、特定の楽曲の音列が再現されるようにルーチンを設定する。そして、ルーチン提示プログラム46により、ユーザにルーチンが提示され、ユーザが提示されたルーチンを記憶して実行すると、音出力プログラム50は、ルーチンテーブルを参照し、押されたボタンに対応する音を出力する。この繰り返しで特定の楽曲の音列が再現され、ルーチンの遂行状況に関する情報がログデータ68として記憶される。【選択図】図1

Description

本発明は、認知機能の検査・観察のためのシステム及び方法に関し、更に具体的には、音楽を楽しみながら認知機能観察を行う認知機能観察システム及び認知機能観察方法に関するものである。
認知症などの認知機能障害は、早期の発見や治療が重要なため、様々な早期発見用の検査方法が開発されている。そのうち、例えば、MMSE(ミニメンタルステート検査)は、主に、記憶力,計算力,言語力,見当識を測定するための包括的な認知機能テストであって、世界的によく利用されているものである。しかし、前記MMSEの評価試験は、例えば、「今日は何月何日ですか」といった質問を繰り返すもので、楽しくないばかりか、苦痛に感じる被検者が多く、テストを受けたがらない傾向にある。そのため、日常的に繰り返し実施することが難しく、認知機能の継続的な検査・観察には不向きである。また、テスト式認知機能検査の実施には検者を必要とするため人的なコストもかかる。
一方、音楽が好きな人は非常に多く、下記特許文献1には、音楽を利用して、認知症・忘れ物の検査とそのレベルを判断する検査装置が提案されている。当該特許文献1の装置は、音楽に関連する検査質問が保存された記憶部と、音楽を出力する音声出力手段と、検査質問を表示する表示手段と、検査質問に対して被検者が回答を入力する入力手段と、入力された回答から被検者の認知症又は物忘れの症状レベルを判定する検査処理手段とを備えている。
特開2010−178920公報
しかしながら、前記特許文献1に記載の背景技術では、検査装置に表示される文字や絵などを被検者が見て確認し、更に、入力装置による回答入力などの操作を要する。従って、視力が弱くなってきている人や、入力手段を用いた操作を自分で行うことが不得手な人にとっては、気軽に行うことができないという課題がある。そこで、認知機能の検査や観察に、音楽を用いたより簡便なシステムを導入できれば、被検者の精神的負担が少なく、日常的に繰り返し実施することができ、データの収集にも好都合である。
本発明は、以上のような点に着目したもので、音楽を楽しみながら、被検者が一人で気軽に日常的に認知機能の検査・観察を繰り返し実施することができる認知機能観察システム及び認知機能観察方法を提供することを、その目的とする。
本発明の認知機能観察システムは、ユーザによる所定のルーチンの実行により、楽曲を構成する音の高さと順序である音列を再現し、認知機能の検査・観察に利用される認知機能観察システムであって、前記ユーザにより接触される複数のオブジェクトと、該複数のオブジェクトに前記ユーザが接触したことを検知する検知手段と、前記複数のオブジェクトから選択された一つ以上のオブジェクトに、所定の順序で繰り返し接触することで、特定の楽曲の音列が再現されるようにルーチンを設定し、ルーチンテーブルを生成するルーチン設定手段と、該ルーチン設定手段によって設定されたルーチンを、前記ユーザに提示するルーチン提示手段と、該ルーチン提示手段によって提示されたルーチンに従って前記ユーザが所定のオブジェクトに接触したときに、前記ルーチンテーブルを参照し、該当する音の出力を出力手段に指示する出力指示手段と、前記ユーザによるルーチンの遂行状況に関するデータを取得するログ取得手段と、を備えたことを特徴とする認知機能観察システム。
主要な形態の一つは、前記各手段の制御を行うとともに、前記ユーザによって所定のルーチンが達成されたか否かを判断する制御手段を備えており、前記制御手段は、前記ルーチン設定手段が、難易度の異なる複数の段階のルーチンを設定したときに、前記ルーチン提示手段に、難易度の低いルーチンから前記ユーザに提示するように指示し、前記ユーザが提示されたルーチンを達成したと判断したときは、前記ルーチン提示手段に、直近に実行されたルーチンよりも一段階難易度が高いルーチンを提示するように指示し、前記ユーザが提示されたルーチンを達成したと判断したとき以外は、前記ログ取得手段によりデータを取得したのち、前記各手段の実行を停止して、認知機能の検査・観察を終了することを特徴とする。
他の形態は、前記ルーチン設定手段は、前記楽曲のメロディを、該楽曲を構成する一音ごとに分割し、分割した各音を、前記ルーチンを構成するユーザによる所定のオブジェクトへの各接触動作に割り当てることを特徴とする。更に他の形態は、前記出力手段は、前記検知手段が前記ユーザによる接触を検知したタイミングと接触を検知している時間に応じた長さで、音を出力することを特徴とする。更に他の形態は、前記楽曲のテンポに応じてガイド音を出力するガイド手段,を設けたことを特徴とする。更に他の形態は、ネットワークを介して他の端末とデータの授受をするための通信手段、を備えたことを特徴とする。
本発明の認知機能確認方法は、ユーザが接触可能な複数のオブジェクトを用いた認知機能の検査・観察方法であって、前記複数のオブジェクトから選択された一つ以上のオブジェクトに、所定の順序で繰り返し接触することで、特定の楽曲を構成する音の高さと順序である音列が再現されるようにルーチンを設定し、ルーチンテーブルを生成するステップ1と、設定されたルーチンを前記ユーザに提示するステップ2と、該ステップ2によって提示されたルーチンに従って前記ユーザが所定のオブジェクトに接触したときに、前記ルーチンテーブルを参照し、該当する音を出力するステップ3と、前記ユーザによるルーチンの遂行状況に関するデータを取得するステップ4と、を含むことを特徴とする。
主要な形態の一つは、前記ステップ1において、難易度の異なる複数の段階のルーチンを設定し、前記ステップ2において、難易度の低いルーチンを前記ユーザに提示するとともに、前記ステップ3において、提示されたルーチンを前記ユーザが達成したか否かを判断するステップ5を含み、該ステップ5において、ルーチンを達成したと判断したら、前記ステップ2に戻り、直近に提示したルーチンよりも一段階難易度が高いルーチンを前記ユーザに提示して、前記ステップ3及びステップ4を繰り返し、前記ステップ5において、ルーチンを達成したと判断した時以外は、前記ルーチンの遂行状況に関するデータを取得した後に、認知機能の検査・観察を終了することを特徴とする。他の形態は、前記ステップ4で取得したデータを、ネットワークを介して接続可能な端末間で送受信するステップ6,を含むことを特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
本発明によれば、ユーザが接触可能な複数のオブジェクトを用い、該複数のオブジェクトから選択された一つ以上のオブジェクトに、所定の順序で繰り返し接触することで、特定の楽曲の音列が再現されるようにルーチンを設定して、ルーチンテーブルを生成し、設定されたルーチンを前記ユーザに提示する。そして、提示されたルーチンに従って前記ユーザが所定のオブジェクトに接触したときに、前記ルーチンテーブルを参照して該当する音を出力し、ユーザによるルーチンの遂行状況に関するログデータを取得することとした。これは、特定のルーチンを遂行することによる、メロディの「演奏」になる。このため、ユーザの精神的負担が少なく、日常的に繰り返し、認知機能の検査・観察を行うことができる。また、取得したログデータを経時的に観察することで、認知機能の経時的な変化を把握することができる。また、ユーザ(被検者)一人での実施も可能なため、人的コストも削減できるという効果がある。
本発明の実施例1の認知機能観察システムの全体構成を示すブロック図である。 前記実施例1を示す図であり、(A)は楽曲の音列データの一例を示す図,(B)はユーザへのルーチンの提示の態様の一例を示す図である。 前記実施例1による認知機能観察の概要を示すフローチャートである。 前記実施例1の複数のレベルのルーチンテーブルを示す図である。 本発明の実施例2を示す図である。 本発明の実施例3を示す図である。 本発明の他の実施例を示す図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
最初に、図1〜図4を参照しながら本発明の実施例1を説明する。図1は、本実施例の認知機能観察システムの全体構成を示すブロック図である。図2(A)は、楽曲の音列データの一例を示す図,(B)はユーザへのルーチンの提示の態様の一例を示す図である。図3は、本実施例のシステムを用いた認知機能観察の概要を示すフローチャートである。図4は、本実施例の複数のレベルのルーチンテーブルの一例を示す図である。
<概要>・・・本発明は、ユーザ(被験者)による所定のルーチンの実行により、楽曲の音列(楽曲を構成する音の高さと順序)を再現することで、ユーザの認知機能の検査・観察(以下、検査も含めて「観察」とする)を行うとともに、ルーチンの遂行状況に関するログデータを取得するものであって、前記ログデータを定期的に(例えば、毎日、毎週など)取得することで、ユーザの認知機能の経時的な変化を把握することができる。本発明では、前記ユーザが接触可能な複数のオブジェクトを用い、該複数のオブジェクトから選択された一つ以上のオブジェクトに所定の順序で繰り返し接触することで、特定の楽曲の音列が再現されるようにルーチンが設定され、ルーチンテーブルが生成される。この場合の「ルーチン」は、どのオブジェクトにどのような順序で触れるかという動作の手順であり、「ルーチンテーブル」には、ルーチンに含まれる複数の接触動作の各々に対して、特定の楽曲を構成する各音のいずれの音が割り当てられるかが示されている。このようなルーチンの設定は、システムが自動的に行うようにしてもよいし、ユーザ側で設定できるようにしてもよい。また、前記ルーチンは予め決めておいてもよいし、ランダムに発生させてもよい。
そして、設定されたルーチンを前記ユーザに提示し、ユーザが提示されたルーチンを記憶し、それに従ってルーチンを実行する。ユーザへのルーチンの提示は、ルーチンに従ってオブジェクトの表示を変化させたり光らせたりする方法がある。また、音声で案内を行うようにしてもよい。前記オブジェクトは、ユーザによって接触可能なものであれば、ボタンのように立体的なものであってもよいし、タッチパネルに表示される平面ボタンであってもよい。前記ユーザが、提示されたルーチンを記憶したのち、該ルーチンに従って所定のオブジェクトに接触すると、前記ルーチンテーブルが参照され、接触動作の順序に応じて、該当する音が出力される。これを繰り返すことで、特定の楽曲の音列が再現される。なお、前記ルーチンテーブルに割り当てられるのは、楽曲のメロディを構成する各音の音高のみであり、音価は設定されていない。したがって、オブジェクトに触れるタイミングと長さを調節することで、ユーザがメロディを「演奏」することができる。
以上のようなルーチンを定期的に実行し、当該ルーチンの遂行状況に関するデータをログデータとして取得する。前記ルーチンの実行結果は、既存の認知機能テストの結果と相関を有しており、前記ルーチンのレベルや達成度から、対応する認知機能がおおよそ把握できる。なお、前記ルーチンは、難易度が異なる複数のレベルを用意し、一番容易なルーチンの提示を行い、ユーザが間違えずに実行できたら、一段階難易度が高いルーチンを提示・実行する。これを繰り返し、徐々に難易度が高いルーチンを提示・実行する。ユーザがあるレベルのルーチンの遂行中に間違えたら、その時点でテストは終了となり、当該ルーチンのレベルが、実行年月日等とともに、ログデータとして記録される。このようなログデータを経時的に観察することで、認知機能の経時的な変化が把握できる。
<全体構成>・・・次に、本実施例の認知機能観察システムの全体構成を説明する。図1に示すように、本実施例の認知機能監察システム10は、タブレットのようなパネル装置20のモニタ22上に表示される複数(図示の例では9つ)の平面状ボタン24A〜24Iを、ユーザが接触するオブジェクトとして用いる。そして、本システムの各種機能は、前記パネル装置20とは別の装置本体30に設けられている。なお、後述する実施例のように、前記パネル装置22と装置本体30を、タブレット端末を用いて単一の装置構成としてもよい。
前記パネル装置20のモニタ22には、図1に示すように、縦横3つずつ、合計9個のオブジェクト,すなわち、ボタン24A〜24Iが表示されている。前記パネル装置20の内部には、前記ボタン24A〜24Iにユーザが接触したことを検知するセンサSA〜SIを有する動作検知部26が設けられている。また、パネル装置20には、後述する装置本体30からの出力指示により、音を出力する音声出力部28が設けられている。なお、音の出力は、装置本体30側で行うようにしてもよいし、パネル装置20と装置本体30の両者で行うようにしてもよい。
前記装置本体30は、CPU32,通信制御部34,出力部36,プログラムメモリ40,データメモリ60,USBポート70等を備えている。前記通信制御部34は、インターネット80などのネットワークに接続して他の端末82やサーバ84等とデータの送受信を行うものである。前記出力部36は、スピーカであって、ルーチンの実行に合わせて音が再生される。また、前記出力部36には、メトロノーム36Aが設けられている。メトロノーム36Aは、ユーザが、曲のテンポに合わせてボタン24A〜24Iに接触することができるように、一定の間隔で音を刻むものであって、例えば、音程のないクリック音などが出力される。前記USBポート70は、外部から楽曲の音列データや、認知機能に関する比較用のデータなどを取得するためのUSBメモリ72を差し込むためのものであって、必要に応じて設ければよく、USBポート70の代わりにカードスロット等を設けるようにしてもよい。前記データメモリ60には、音列データ62,テーブルデータベース64,楽曲データベース66,ログデータ68などが記憶されている。これらのデータメモリ60内のデータ等については、以下の各プログラムの機能とともに説明する。なお、データメモリ60内の音価データ63については、後述の実施例3で説明する。
前記プログラムメモリ40には、制御プログラム42,ルーチン設定プログラム44,ルーチン提示プログラム46,音列データ取得プログラム48,音出力プログラム50,ログ取得プログラム52が設けられている。前記制御プログラム42は、前記各プログラムの実行を制御するものである。前記ルーチン設定プログラム44は、複数のオブジェクトから選択された一つ以上のオブジェクトに、所定の順序でユーザが繰り返し接触することで特定の楽曲の音列が再現されるようにルーチンを設定し、ルーチンテーブルを生成するものである。以下、具体例を挙げてルーチン設定の一例を説明する。
図2(A)には、特定の楽曲として選定された「故郷」の楽譜の一部と、それに対応する音列データ62が示されている。該音列データ62は、前記データメモリ60の楽曲データベース66中から、音列に関する部分のみを抽出したものである。同図(A)に示す「順序」とは、曲を構成する各音の配列順序を意味し、「音列」は音高の変化を示している。例えば、順序1は音高C,順序2は音高C,・・・順序9は音高F,順序10は音高Gという具合である。
前記ルーチン設定プログラム44は、ユーザが所定のボタンに所定の順序で接触したときに、前記曲「故郷」の音列が再現されるように、ルーチンを設定する。図4(A)には、ユーザが前記複数のボタン24A〜24Iのうちの一つのボタン(例えば、位置PEにあるボタン24)のみを押すことをルーチンとして設定した例が示されている。なお、図4(A)〜(C)においては、前記モニタ22上の複数のボタン24の位置をPA〜PIで示しており、位置PAのボタン24は、前記図1に示すボタン24Aに相当する。他のボタン24B〜24Iについても同様である。
前記のように、「位置PEのボタン24を繰り返し押す」ことがルーチンの内容の場合、ルーチンテーブルT1は、図4(A)の通りとなる。前記図2(A)に示す音列データ62に、ルーチンとポジジョンが付加されており、「ルーチン」の「1→1→1→・・・→1」により、「1」が割り当てられたボタンに繰り返し接触することが示されている。なお、押すべきボタンの位置は、ルーチンの設定ごとに変わることがあるため、「1」が表示されるボタン24がどの位置のものかを「ポジション」の「PE」で特定している。この場合、一つのボタンを繰り返し押すことが、ルーチンである。
前記図4(A)に示すルーチンは、単一動作の繰り返しのため、ボタンの位置さえ間違えなければルーチンを遂行することは容易なレベル(例えば、「レベル1」)となっている。そこで、本実施例では、難易度の異なる複数のルーチンを設定し、各レベルのルーチンごとに、ルーチンテーブルが生成される。図4(B)には、二つの動作を繰り返すルーチン(例えば、「レベル2」のルーチン)のルーチンテーブルT2が示されている。図4(B)の例では、「ルーチン」は、「1→2→1→2→・・・→1→2」となっており、「1」が割り当てられたボタンと、「2」が割り当てられたボタンを交互に押すことを繰り返す内容となっている。また、「1」が割り当てられるボタン24は、前記図4(A)とは位置が異なり、位置「PD」となっており、「2」には位置「PI」のボタンが割り当てられている。むろん、図4(B)の例は一例であり、「1」の位置は変えずに、単に「2」として別の位置のボタン24を指定してもよい。
図4(C)に示すルーチンは、九つのボタンを所定の順序で押すという動作を繰り返すことが、例えば「レベル9」のルーチンとして設定されている。図4(C)に示すルーチンテーブルT9では、「ルーチン」は、「1→2→3→4→5→6→7→8→9→1→・・・」となっており、「1」〜「9」が割り当てられたボタンを、数字の順に押すことを繰り返す内容となっている。図示の例では「1」が割り当てられたボタンは位置「PG」となっている。同様に、「2」は位置「PB」,「3」は位置「PF」、「4」は位置「PD」、「5」は位置「PI」,「6」は位置「PC」,「7」は位置「PE」,「8」は位置「PH」,「9」は位置「PA」となっている。これらのボタン24の数字と位置の割り当ては、ルーチンの生成ごとに変えるようにしてもよい。
前記図4(A)〜(C)に示すルーチンテーブルT1,T2,・・・T9は、前記装置本体30のデータメモリ60内のテーブルデータベース64に予め用意しておくようにしてもよいし、ユーザ(被検者)や検者により曲が指定される毎にランダムに生成するようにしてもよい。
前記ルーチン提示プログラム46は、前記ルーチン設定プログラム44によって設定されたルーチンを、前記ユーザに提示するためのものである。提示の仕方としては様々な態様が可能であるが、例えば、前記ボタン24A〜24Iのうち、ルーチンに含まれるボタンを、押す順序で光らせたり、点滅させたり、数字を表示したりすることが考えられる。また、音声で提示してもよい。図2(B)には、前記「レベル2」の場合のルーチンの提示態様の一例が示されている。同図の上段に示すように、最初は、パネル装置20のモニタ22の位置PA〜PIのボタン24には何も表示されていないが、前記ルーチン提示プログラム46の実行により、同図の中段に示すように、位置PDのボタン24に「1」が表示され、位置PIのボタン24に「2」が表示される。それとともに、前記装置本体30の出力部36から、「ボタン「1」と「2」に交互に触れてください」という案内音声が流れる。あるいは、パネル装置20の音声出力部28から同様の音声を出力してもよい。また、前記装置本体30の表示部38に、提示中のレベルを表示してもよい。
更に図示の例では、図2(B)に示すように、押す順序に従って、該当するボタンを順次点灯ないし点滅させることとしている。例えば、図2(B)の中段で「1」のボタン24Dを点灯し、次に図2(B)の下段で「2」のボタン24Iを点灯し、更に、「1」のボタン24Dを点灯するという具合である。このとき、「1」と「2」の点灯の間隔を、曲の演奏リズムに合わせて設定すると、ユーザがルーチンのおおよその実行速度(演奏速度)を把握しやすい。また、同時に、前記メトロノーム36Aによって、テンポを示すようにしてもよい。
前記音列データ取得プログラム48は、ルーチンの実行により再生(ないし演奏)する楽曲の音列データ62(楽曲を構成する音の音高についても時系列データ)を取得するためのものである。ルーチンで使用する曲は、ユーザが好きな曲を選ぶことができるが、ユーザ以外のものが決めるようにしてもよい。音列データの取得は、前記装置本体30のUSBポート70に、楽曲のデータが記憶されているUSBメモリ72を差し込んでロードするようにしてもよいし、あらかじめ前記データメモリ60に多数の楽曲の音列データを集積した楽曲データベース66がある場合には、その中から好きな曲を選択するようにしてもよい。あるいは、前記通信制御部34を介して、インターネット80から好きな曲の音列データを取得するようにしてもよい。楽曲の音列データの選択ないし取得の方法は任意であり、検者がユーザの認知機能の程度に応じて適宜選択するようにしてもよい。
次に、前記プログラムメモリ40の音出力プログラム50は、ユーザが提示されたルーチンを記憶し、該ルーチンに従って、前記モニタ22の所定のボタン24A〜24Iに所定の順序で接触したときに、ルーチンデータベース64を参照する。そして、実行中のレベルに対応するテーブルを参照し、接触を検知したときの当該ルーチン内での動作の順序に対応する音を特定して、音の出力指示を行う。このとき、音出力プログラム50は、前記センサSA〜SIによってユーザによる接触を検知している時間に応じた長さで、出力部36から音を出力するように指示するため、ユーザがボタンに触れるタイミングと長さを調節することで、曲を「演奏」をすることができる。なお、前記音出力プログラム50は、ユーザがルーチンと異なるボタンを押した場合には、例えば、音程のないエラー音などを出力して、ユーザに間違いを示すようにしてもよい。
前記ログ取得プログラム52は、前記ユーザによるルーチンの遂行状況に関するデータを取得し、ユーザごとに集積するものであって、ログデータ68として前記データメモリ60に記憶する。本発明で設定されるルーチンのレベル(難易度)と、既存の認知機能テストの結果とは相関を有しており、前記ルーチンのレベルや達成度から、対応する認知機能がおおよそ把握できる。なお、前記ルーチンは、難易度が異なる複数のレベルを用意し、一番容易なルーチンの提示を行い、ユーザが間違えずに実行できたら、一段階難易度が高いルーチンを提示・実行する。これを繰り返し、徐々に難易度が高いルーチンを提示・実行する。ユーザがあるレベルのルーチンの遂行中に間違えたら、その時点でテストは終了となり、当該ルーチンのレベルが、実行年月日等とともに、ログデータとして記録される。そして、当該ログデータを経時的に観察することで、認知機能の経時的な変化が把握できる。
<検査・確認手順>・・・次に、図3も参照しながら、本実施例による認知機能の検査・確認手順の一例を説明する。なお、ここでは、前記モニタ22に表示される9つのボタンのうち、1つのボタンのみを用いる最も難易度の低い「レベル1」から、9つのボタン全てを用いる最も難易度の高い「レベル9」までのルーチンが設定されているものとする。また、これらのルーチンの遂行により音列が再現される曲は、レベル1〜レベル9までを通して同じ曲を用いることとしているが、レベルごとに異なる曲を用いるようにしてもよい。そして、これらのレベルに応じたルーチンテーブルT1〜T9が設定され、データメモリ60に記憶されているものとする。
図3に示すように、テストを開始すると、前記制御プログラム42は、設定された複数のルーチンのうち、最も難易度が低い「レベル1」のルーチンをユーザに提示するように、ルーチン提示プログラム44に指示する。ルーチン提示プログラム44は、例えば、該当するボタンに「1」の数字を表示したり、当該ボタン24を所定の間隔で点滅させたりすることで、ユーザにルーチンを提示する(ステップS10)。また、視覚的な提示とあわせて、図2(B)に示すように、音声でルーチンを提示(「1本の指で課題曲を演奏してください」など)するようにしてもよい。「レベル1」のルーチンを提示されたユーザは、ルーチンの内容を記憶し、提示が終了したら、その内容に従ってルーチンを実行する(ステップS12)。演奏に際しては、課題曲に相応しいテンポで、メトロノーム36Aが鳴るようにする。また、このテンポは、ユーザ(被検者)の年齢によって値を増減させるようにしてもよい。
前記制御プログラム42は、ユーザが間違えずに「レベル1」の曲の最後まで到達したか否かを判断し(ステップS14)、曲の最後まで到達したと判断したときは(ステップS14のYes)、前記ルーチン提示プログラム46に、直近に提示したレベルよりも一段階難易度が高いレベル(すなわち「レベル2」)のルーチンを提示するように指示する。一方、ユーザが間違えて曲の最後まで到達しないと判断したときは(ステップS14でNo)、ログ取得プログラム52によってログデータを取得して(ステップS40)、ログを保存し、必要に応じてインターネット80を介して他の端末82に送信し(ステップS42)、終了する。
前記ステップS14で「レベル1」の曲を最後まで演奏できたら、次に、ルーチン提示プログラム46により「レベル2」のルーチンが提示される(ステップS16)。ルーチンの提示は、前記図2(B)に示した通りであってもよいし、2つのボタンとルーチンを視覚的に提示し、「1本の指で課題曲を演奏してください」と音声を流すようにしてもよい。ユーザは、提示されたルーチンを記憶し、「レベル2」のルーチンを実行する(ステップS18)。以降は、同様の手順により、レベル2の曲の最後まで到達したかどうか判断し(ステップS20)、到達していれば(ステップS20でYes)、「レベル3」のルーチン提示(ステップS22)に進み、到達していなければ(ステップS20でNo)、ログを取得して保存・終了する(ステップS40,S42)。そして、全てのレベルのルーチンを実行するまで上記手順を繰り返し(ステップS30でNo)、全てのレベルのルーチンが完了したら(ステップS30でYes)、ログを取得して保存・送信した上で(ステップS40,S42)終了する。
以上の手段により取得したログデータは、到達したレベルから認知機能のおおよその判定が可能であるとともに、ユーザの認知機能の経時的な変化の確認にも用いることができる。例えば、認知機能がレベル1〜9にまでに分かれているとした場合に、ある時点でレベル5のルーチンまで達成したとする。その1ヶ月後に、同じ条件でテストを行い、「レベル3」で終了した場合には認知機能が低下し、「レベル6」で終了した場合は機能が改善(向上)したと考えることができる。このように、定期的にテストを行い、結果を経時的に観察することで、認知機能の変化を早期に察知することも可能である。
このように、実施例1によれば、次のような効果がある。
(1)ユーザが接触可能な複数のボタン24A〜24Iを用い、これらボタンから選択された一つ以上のボタンに、所定の順序で繰り返し接触することで、特定の楽曲の音列が再現されるようにルーチンを設定して、ルーチンテーブルを生成する。設定されたルーチンを前記ユーザに提示し、ユーザがルーチンを記憶し、提示されたルーチンに従って所定のボタンに接触したときに、前記ルーチンテーブルを参照して該当する音を出力し、ユーザによるルーチンの遂行状況に関するログデータを取得することとした。そしてルーチンのレベルと既存の認知機能テストの結果の相関から、おおよそのユーザの認知機能レベルを把握する。したがって、音楽を楽しみながら認知機能の確認を行うことができる。
(2)音楽を楽しむことができユーザの精神的負担が少ないため、日常的に繰り返し実行できるため、定期的のログデータを取得できる。
(3)本実施例のルーチンの遂行には、短期記憶や作動記憶、近似記憶といった認知機能が深く関与することから、前記ログデータを観察することで、これらの認知機能の経時的な変化を把握することができる。
(4)本実施例によれば、音楽を楽しみながら検査・観察を行うことができるため、従来の認知機能検査と比べて格段に楽しく、被検者の積極的な参加が期待できる。
(5)本実施例によれば、1本の指でメロディを演奏する簡単な課題からスタートし、それが徐々に難しくなっていくことから練習を必要とせず、ユーザ(ないし被検者)が一人で実施できるため人的コストも削減可能である。
(6)課題曲はほぼ無数にあるため、飽きることがない。
(7)短期記憶や作動記憶、近似記憶は軽度認知障害やアルツハイマー型認知症の初期に最初に障害を受けやすいことから、それを早期に判別するスクリーニング手段としても活用することができる。
(8)課題曲を変えながら指を使って演奏を繰り返すことにより、脳の活動を活発化させ、認知症の予防や改善にも役立つ。
(9)インターネット80を介してログデータを取得することにより、在宅での見守りシステムにも利用できる。
次に、図5を参照しながら本発明の実施例2を説明する。なお、上述した実施例1と同一ないし対応する構成要素には同一の符号を用いることとする。上述した実施例1では、ユーザによる接触の対象として、パネル装置20の平面状のボタン24A〜24Iをオブジェクトとして用いたがこれも一例であり、図5(A)に示すように動作検知部110として、既存の汎用キーボード130を用いるようにしてもよい。
このような動作検知部110には、認知機能観察アプリ142が導入されたコンバータ140を介して、シンセサイザー等の汎用音源・オーディオ装置150が接続されている。前記認知機能観察アプリ142には、前記実施例1の装置本体30のプログラムメモリ40,データメモリ60,通信制御部34と同様の機能が設けられている。そして、汎用音源150は、前記実施例1の出力部36に相当する。このような構成とすることで、既存のキーボードや音源を利用して、本実施例のシステムを容易に構築することができる。なお、前記コンバータ140は、認知機能観察システム用の専用品を用いてもよいし、既存のコンピュータに認知機能観察用アプリ142をインストールして使用することもできる。この場合、前記認知機能観察用アプリ142自体を、インターネット80を介して取得するようにしてもよい。また、図5(B)に示す例のように、タブレット端末160が全ての機能を有する一体型の構成としてもよい。この場合、タブレット端末160のモニタ162にオブジェクトとしてボタン24A〜24Iを表示し、その内部に、認知機能観察アプリ170を設け、通信制御部172や出力部174を利用すればよい。
次に、図6を参照しながら本発明の実施例3を説明する。上述した実施例1では、楽曲中の各音をユーザによる1動作(接触動作)にあてはめ、ユーザがオブジェクトに接触するタイミングと接触している時間に応じて音を出力する長さを調節することとした。これに対し、本実施例では、ユーザが一定のテンポで所定のルーチンを繰り返すことにより、メロディを正確に演奏することができる構成となっている。例えば、ルーチンを設定する際、1つの動作に対して、演奏するメロディを構成する音の中の最少の音価(楽音に関する楽譜上の時間長)の単位を当てはめ、それより長い場合は空打ち(演奏しない動作)とすることで、一定のテンポで動作(オブジェクトに接触)することにより、メロディを正確に演奏することができる。
本実施例では、前記図1に示す装置本体30のデータメモリ60内に設けられている音価データ63を用いる。音価データ63は、音列データの楽譜上の音の長さを示すものである。このような音価データ63は、あらかじめ用意しておくようにしてもよいし、前記音列データ取得プログラム48が音列データを取得するときに合わせて取得するようにしてもよい。また、音価データ取得用のプログラム(図示せず)を別途設けるようにしてもよい。そして、前記ルーチン設定プログラム44は、前記音列データ62及び前記音価データ63を用いてルーチンテーブルTAを生成し、データメモリ60に記憶する。具体的には、楽曲のメロディを構成する多数の音のうちの最少音価を所定の単位として、前記楽曲を構成する各音を最少音価で分割する。そして、分割された各音の最初の部分については音の出力をし、当該最初の部分より後の部分については音の出力をしないように、図6に示すように、各音ごとに、前記分割された音の各部分の出力の有無と、前記ユーザによる動作を割り当てたテーブルを生成する。
図6には、本実施例で生成されるテーブルTAの一例が示されている。同図に示すように、「故郷」の場合には、メロディの中の最少音価は8分音符である。そして、この8分音符(最少音価)を「1」とした場合の他の音の相対的な音価は、音列「C→C→C→D→E→D→E→E→F→G→休符」に対応して、音価「2→2→2→3→1→2→2→2→2→4→2」となる。例えば、図6において、最初の1小節をみると、メロディは「C→C→C」であり、その音価は「2→2→2」である。すなわち、最少音価を分割の単位として、各音を単位表現に分割すると、最初の「C」については、2つの単位表現に分割される(図示の例では、2番目の「C」、3番目の「C」についても同様)。
ここで、各分割表現に対し、ユーザの動作を割り当てた場合、1番目の動作のときのみ「発音する動作」として指定し(図6中の「○」)、2番目の動作のときは「発音しない(空打ち)動作」として指定(図6中の「×」)する。3番目以降の動作についても、同様に、発音する動作と発音しない動作に指定することにより、一定テンポで動作を行うことにより、メロディが正確に演奏されるようになる。なお、図6では内容を省略しているが、ルーチンテーブルTAには、前記図4と同様に、「ルーチン」と「ポジション」の欄が設けられており、ユーザが行う動作が設定されている。
このように、本実施例によれば、上述した実施例1の効果に加え、ユーザが一定のテンポでルーチンを繰り返すと、メロディを正しく演奏することができるという効果がある。また、本実施例を応用し、複数の指を使って特定のルーチンをできるだけ早く繰り返す場合、一回のルーチンに要する時間と認知機能との間には相関がある。つまり、ルーチンの実行に要した時間をログデータ68として取得して解析することで、認知機能を推察することができる。このため、認知機能の検査・観察方法として利用できる。
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例1で示したシステム構成も一例であり、実施例2に示すように同様の効果を奏する範囲内で適宜設計変更可能である。むろん、実施例2も一例であり、他の形態とすることを妨げない。
(2)前記実施例1で示したセンサSA〜SIは一例であり、本発明でオブジェクトがユーザの接触を検知する手段としては、公知の各種の手段、例えば、歪計,圧力センサ,感圧導電ゴム等を利用してよい。
(3)前記実施例1では、必要に応じてインターネット80に接続してデータの送受信や情報の取得・提供を行うこととしたが、これも一例であり、ネットワークの利用は必要に応じて行うようにしてよい。また、ネットワークから取得するものとしては、楽曲の音列データや演奏用アプリ142,170等が含まれてもよい。
(4)前記実施例では、ユーザが接触する対象のオブジェクトとして、平面パネルに表示されたボタン24A〜24I(実施例1)、汎用キーボード130のキー(実施例2)を例に挙げたが、これも一例であり、ユーザの接触動作を検知できるものであれば、他の公知の各種の接触媒体が適用可能である。例えば、図7(A)に示すボード装置200は、ベース201上に横一例に配列された立体的なブロック202A〜202Eに、それぞれボタンBT1〜BT5を設けた例であり、ユーザが、これらのボタンBT1〜BT5に接触することで楽曲の音列を再現する構成となっている。なお、図示の例では、ボタンBT1とBT2の間と、ボタンBT2とBT3の間にそれぞれ溝が設けられているが、これは一例であり、溝はなくてもよい。また、ボタンの数は適宜増減してよい。図7(B)に示すボード装置210のように、平面状のベース212に、細長いキーK1〜K5を放射状に配置してもよい。
図7(C)に示すボード装置220は、指で押す部分を着脱式のペグにした例である。同図に示すペグPA1〜PA5は、上部の面積が広く、高さも低いため接触しやすい。また、ペグPB1〜PB5は、ペグPA1〜PA5よりは上部の面積が狭く、高さも高くなっている。更にペグPC1〜PC5は、もっとも上部の面積が狭く、高さも高く設定されている。指との接触面積が狭く、高さも高くなるほど、正確に押す難易度が高くなり、ボード装置220の巧緻性が変わる。これらペグPA1〜PA5,PB1〜PB5,PC1〜PC5は、ボード装置220のベース222に設けられた穴224A〜224Eに着脱可能に取り付けられる。なお、図7(C)に示す穴224A〜224Eは、右手の各指の指先が当たりやすい配置となっているが、これも一例であり、横一列,縦一列,十字形など、適宜変更してよく、数も増減可能である。
図7(D)に示す例は、本発明を衣服に適用した例である。同図に示すウェア230には、複数のセンサ232A〜232Fが内蔵されている。前記センサ232A〜232Fは、例えば、導電性材料を用いた繊維センサが用いられる。これらのセンサ232A〜232Fに、前記ウェア230の装着者(ユーザ)が、提示されたルーチンに従って、手のひら等でタッチすることにより、前記ウェア230に取付けられた無線送信機234から接触を検知したことが携帯端末236,238等に伝えられ、音が出力されるという具合である。本例では、前記センサ232A〜232Fが埋め込まれた部分のウェア230自体が、オブジェクトである。
(5)上述した実施例1〜3は、いずれも、ユーザが手でオブジェクトに触れる例を挙げて説明したが、これも一例であり、例えば、靴にセンサを設けてユーザの歩行(動作)を検知したり、マットにセンサを設けてユーザのステップ(動作)を検知したりしてもよい。例えば、前記実施例3に示す例において、ルーチンを歩行、すなわち、左右の足で交互に着地するという単純な動作に設定すると、一定のテンポで歩行することにより、特定のメロディを演奏することができる。
(6)ルーチンをユーザが決定できるモードを設け、オブジェクトの数や配置の中から好きなパターンを選べば、楽器やおもちゃとしても楽しむことができる。なお、楽器として使用する場合は、1本指で押すだけではなく、複数の指を使用するようにしてもよい。また、楽器やおもちゃとして使用する場合は、間違えても終了せず、そのまま続行して演奏可能とすればよい。
(7)前記実施例1では、1回でもボタンを押し間違えたらルーチンは終了することとしたが、例えば、3回までの失敗であれば、その回数もカウントした上で、ルーチン完了と判断するなど、適宜設計変更可能である。
(8)前記実施例では、ルーチンに含まれる一つの動作に対して、1音を発することとしたが、これも一例であり、楽曲を短いフレーズに区切り、ユーザが所定のボタンを押すと、所定の長さのフレーズが再生され、それを繰り返すことで楽曲を演奏するようにしてもよい。
本発明によれば、ユーザが接触可能な複数のオブジェクトを用い、該複数のオブジェクトから選択された一つ以上のオブジェクトに、所定の順序で繰り返し接触することで、特定の楽曲の音列が再現されるようにルーチンを設定してルーチンテーブルを生成し、設定されたルーチンを前記ユーザに提示する。そして、提示されたルーチンに従って前記ユーザが所定のオブジェクトに接触したときに、前記ルーチンテーブルを参照して該当する音を出力し、ユーザによるルーチンの遂行に関するログデータを取得することとした。このため、音楽を楽しむことができ、ユーザの精神的負担が少ないため、日常的に繰り返し実行できるため、ログデータの観察による認知機能の経時的な変化を把握する用途に適用できる。特に、ログデータを、ネットワークを通じて送受信可能とすることで、在宅での見守りシステム等にも好適である。
10:認知機能観察システム
20:パネル装置
22:モニタ
24,24A〜24I:ボタン
26:動作検知部
28:音声出力部
30:装置本体
32:CPU
34:通信制御部
36:出力部
36A:メトロノーム
38:表示部
40:プログラムメモリ
42:制御プログラム
44:ルーチン設定プログラム
46:ルーチン提示プログラム
48:音列データ取得プログラム
50:音出力プログラム
52:ログ取得プログラム
60:データメモリ
62:音列データ
63:音価データ
64:テーブルデータベース
66:楽曲データベース
68:ログデータ
70:USBポート
72:USBメモリ
80:インターネット
82:端末
84:サーバ
100:認知機能観察システム
110:動作検知部
130:キーボード
140:コンバータ
142:認知機能観察アプリ
150:汎用音源・オーディオ装置
160:タブレット装置
162:モニタ
170:認知機能観察アプリ
172:通信制御部
174:出力部
200:ボード装置
201:ベース
202A〜202E:ブロック
210:ボード装置
212:ベース
220:ボード装置
222:ベース
224A〜224E:穴
230:ウェア
232A〜232F:センサ
234:無線送信器
236,238:携帯端末
BA〜BD:ブロック
BT1〜BT5:ボタン
K1〜K5:キー
PA〜PI:ボタンの位置
PA1〜PA5,PB1〜PB5,PC1〜PC5:ペグ
SA〜SI:センサ
T1〜T9,TA:ルーチンテーブル

Claims (9)

  1. ユーザによる所定のルーチンの実行により、楽曲を構成する音の高さと順序である音列を再現し、認知機能の検査・観察に利用される認知機能観察システムであって、
    前記ユーザにより接触される複数のオブジェクトと、
    該複数のオブジェクトに前記ユーザが接触したことを検知する検知手段と、
    前記複数のオブジェクトから選択された一つ以上のオブジェクトに、所定の順序で繰り返し接触することで、特定の楽曲の音列が再現されるようにルーチンを設定し、ルーチンテーブルを生成するルーチン設定手段と、
    該ルーチン設定手段によって設定されたルーチンを、前記ユーザに提示するルーチン提示手段と、
    該ルーチン提示手段によって提示されたルーチンに従って前記ユーザが所定のオブジェクトに接触したときに、前記ルーチンテーブルを参照し、該当する音の出力を出力手段に指示する出力指示手段と、
    前記ユーザによるルーチンの遂行状況に関するデータを取得するログ取得手段と、
    を備えたことを特徴とする認知機能観察システム。
  2. 前記各手段の制御を行うとともに、前記ユーザによって所定のルーチンが達成されたか否かを判断する制御手段を備えており、
    前記制御手段は、
    前記ルーチン設定手段が、難易度の異なる複数の段階のルーチンを設定したときに、
    前記ルーチン提示手段に、難易度の低いルーチンから前記ユーザに提示するように指示し、
    前記ユーザが提示されたルーチンを達成したと判断したときは、前記ルーチン提示手段に、直近に実行されたルーチンよりも一段階難易度が高いルーチンを提示するように指示し、
    前記ユーザが提示されたルーチンを達成したと判断したとき以外は、前記ログ取得手段によりデータを取得したのち、前記各手段の実行を停止して、認知機能の検査・観察を終了することを特徴とする請求項1記載の認知機能観察システム。
  3. 前記ルーチン設定手段は、
    前記楽曲のメロディを、該楽曲を構成する一音ごとに分割し、分割した各音を、前記ルーチンを構成するユーザによる所定のオブジェクトへの各接触動作に割り当てることを特徴とする請求項1又は2記載の認知機能観察システム。
  4. 前記出力手段は、前記検知手段が前記ユーザによる接触を検知したタイミングと接触を検知している時間に応じた長さで、音を出力することを特徴とする請求項3記載の認知機能観察システム。
  5. 前記楽曲のテンポに応じてガイド音を出力するガイド手段,
    を設けたことを特徴とする請求項3又は4記載の認知機能観察システム。
  6. ネットワークを介して他の端末とデータの授受をするための通信手段、
    を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の認知機能観察システム。
  7. ユーザが接触可能な複数のオブジェクトを用いた認知機能の検査・観察方法であって、
    前記複数のオブジェクトから選択された一つ以上のオブジェクトに、所定の順序で繰り返し接触することで、特定の楽曲を構成する音の高さと順序である音列が再現されるようにルーチンを設定し、ルーチンテーブルを生成するステップ1と、
    設定されたルーチンを前記ユーザに提示するステップ2と、
    該ステップ2によって提示されたルーチンに従って前記ユーザが所定のオブジェクトに接触したときに、前記ルーチンテーブルを参照し、該当する音を出力するステップ3と、
    前記ユーザによるルーチンの遂行状況に関するデータを取得するステップ4と、
    を含むことを特徴とする認知機能観察方法。
  8. 前記ステップ1において、難易度の異なる複数の段階のルーチンを設定し、
    前記ステップ2において、難易度の低いルーチンを前記ユーザに提示するとともに、
    前記ステップ3において、提示されたルーチンを前記ユーザが達成したか否かを判断するステップ5を含み、
    該ステップ5において、ルーチンを達成したと判断したら、前記ステップ2に戻り、直近に提示したルーチンよりも一段階難易度が高いルーチンを前記ユーザに提示して、前記ステップ3及びステップ4を繰り返し、
    前記ステップ5において、ルーチンを達成したと判断した時以外は、前記ルーチンの遂行状況に関するデータを取得した後に、認知機能の検査・観察を終了することを特徴とする請求項7記載の認知機能観察方法。
  9. 前記ステップ4又はステップ5で取得したデータを、ネットワークを介して接続可能な端末間で送受信するステップ6,
    を含むことを特徴とする請求項8記載の認知機能観察システム。
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