JP2017007996A - 12−ヒドロキシステアリン酸リチウムの製造方法、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム、及びその12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを含有するグリース組成物 - Google Patents

12−ヒドロキシステアリン酸リチウムの製造方法、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム、及びその12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを含有するグリース組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】グリースの静粛性を損なわせる夾雑物の混入の少ない12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを製造するための方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る12−ヒドロキシステアリン酸リチウムの製造方法は、12−ヒドロキシステアリン酸と過剰量の水酸化リチウム一水和物とを反応させて得られる12−ヒドロキシステアリン酸リチウムの製造方法であって、反応生成物である12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを、水を含む水溶液で洗浄処理する。洗浄処理では、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムと水を含む水溶液とを、50:50〜10:90の比率で混合して洗浄することが好ましい。また、水を含む水溶液としては、界面活性剤を含有するものであることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、夾雑物が少なくグリースの静粛性を向上させることが可能な増ちょう剤として用いることができる12−ヒドロキシステアリン酸リチウム及びその製造方法、並びにその12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを含有するグリース組成物に関する。
グリースに用いる増ちょう剤は、有機系と無機系に大別される。有機系の増ちょう剤の代表例としては、ウレア化合物、金属石鹸等が挙げられる。その中でも、金属石鹸は、古くから使用されており、金属元素の選択により固有の性能を発現するという特徴があり、全世界的に広く使用されているグリースの増ちょう剤である。
金属石鹸としてリチウム金属石鹸系は、耐熱性、耐水性、せん断安定性に優れおり、特に、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムは、万能な増ちょう剤として多くのグリースに用いられている。
金属石鹸の生成反応としては、大別すると複分解法と直接法とに分けられる。具体的に、複分解法は、例えば下記反応式(i)で示すように、金属元素を交換することによって目的とする金属石鹸を得る方法である。また、直接法は、例えば下記反応式(ii)に示すように、脂肪酸と金属(Li)酸化物又は金属水酸化物とを直接反応させる方法である。
[複分解法の反応例]
RCOONa + LiCl → RCOOLi + NaCl ・・・(i)
[直接法の反応例]
RCOOH + Li(OH)・HO → RCOOLi + 2H
・・・(ii)
リチウム石鹸の場合、脂肪酸と水酸化リチウムとを反応させる直接法により生成させるのが一般的である。具体的に、リチウム石鹸として12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを生成させる場合、12−ヒドロキシステアリン酸と水酸化リチウム一水和物とを原料として、これらを脂肪酸の融点付近の温度で直接反応させる。このとき、脂肪酸と水酸化リチウム一水和物とは互いに等量ではなく、水酸化リチウム一水和物を過剰量添加して反応させる。このことは、反応しなかった脂肪酸が残存すると、得られたリチウム石鹸を増ちょう剤として用いてグリースを構成したときに、そのグリースの耐熱性が低下し、変色等の負の影響を与えてしまうからである。
さて、グリースの適用先として、例えば軸受がある。軸受用グリースには、潤滑性に加えて優れた静粛性を奏することが求められており、そのようなグリースを静音グリースと呼ぶ。グリースの性質としての静粛性は、異物の混入が大きく影響する。例えば、異物が軸受の摺動面上に存在してしまうと、その摺動に伴って異物粒子が解砕され、その際に異常音が発生して、静粛性を阻害する要因となる。
このような異物の混入は、グリースを構成する増ちょう剤成分の製造過程において生じることも予想されており、万能な増ちょう剤として使用できる12−ヒドロキシステアリン酸リチウムにおいても、夾雑物の少ないものを製造することが望まれている。
なお、特許文献1には、ステアリン酸リチウム等のリチウム石鹸を短時間で製造することができる製造方法について開示されている。しかしながら、詳しくは後述するが、このような特許文献1に開示された方法や従来の12−ヒドロキシステアリン酸リチウムの製造方法では、得られた反応生成物中に夾雑物(リチウムの炭酸塩化合物)が残存してしまい、グリースの静粛性を低下させる。
特開平11−106794号公報
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、グリースを構成する増ちょう剤として用いることが可能な12−ヒドロキシステアリン酸リチウムであって、グリースの静粛性を損なわせる夾雑物の混入の少ない12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを製造するための方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、12−ヒドロキシステアリン酸と過剰量の水酸化リチウム一水和物とを反応させて得られる反応生成物である12−ヒドロキシステアリン酸リチウムに対し、水を含む水溶液で洗浄処理を施すことにより、夾雑物の少ない12−ヒドロキシステアリン酸リチウムが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の発明は、12−ヒドロキシステアリン酸と過剰量の水酸化リチウム一水和物とを反応させて得られる12−ヒドロキシステアリン酸リチウムの製造方法であって、反応生成物である12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを、水を含む水溶液で洗浄処理する、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムの製造方法である。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、前記12−ヒドロキシステアリン酸リチウムと前記水を含む水溶液とを、50:50〜10:90の比率で混合して洗浄する、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムの製造方法である。
(3)本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記水を含む水溶液は界面活性剤を含有する、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムの製造方法である。
(4)本発明の第4の発明は、12−ヒドロキシステアリン酸と水酸化リチウム一水和物とを反応させて得られる12−ヒドロキシステアリン酸リチウムであって、反応生成物である12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを、水を含む水溶液で洗浄処理してなり、下記の濾過試験を行って算出される濾過率が95%以上である、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムである。
[濾過試験]
基油と当該12−ヒドロキシステアリン酸リチウムとによりグリースを調製し、該グリース1000gを加熱して溶解させる。溶解したグリースを、目開き11μmのSUS製2000メッシュのフィルターに通液させて濾過する。通液したグリースの質量に対する該フィルターを通過したグリースの質量から濾過率を算出する。
(5)本発明の第5の発明は、基油と、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを含む増ちょう剤とを含有してなり、前記12−ヒドロキシステアリン酸リチウムは、12−ヒドロキシステアリン酸と水酸化リチウム一水和物とを反応させて得られる反応生成物である12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを、水を含む水溶液で洗浄処理してなり、下記の濾過試験を行って算出される濾過率が95%以上である、グリース組成物である。
[濾過試験]
基油と当該12−ヒドロキシステアリン酸リチウムとによりグリースを調製し、該グリース1000gを加熱して溶解させる。溶解したグリースを、目開き11μmのSUS製2000メッシュのフィルターに通液させて濾過する。通液したグリースの質量に対する該フィルターを通過したグリースの質量から濾過率を算出する。
本発明に係る製造方法によれば、夾雑物の混入の少ない12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを製造することができる。
また、本発明に係る製造方法により得られた12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを増ちょう剤として用いてなるグリース組成物では、優れた静粛性が発揮され、例えば軸受用等の静粛性が求められる環境で使用されるグリースとして好適に用いることができる。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について以下の順序で詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において種々の変更が可能である。
1.12−ヒドロキシステアリン酸リチウムの製造方法
2.12−ヒドロキシステアリン酸リチウム
3.グリース組成物
4.実施例
≪1.12−ヒドロキシステアリン酸リチウムの製造方法≫
本実施の形態に係る12−ヒドロキシステアリン酸リチウムの製造方法は、グリース組成物を構成する増ちょう剤として有効に用いることができる12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを製造する方法である。
具体的に、この製造方法は、12−ヒドロキシステアリン酸と、過剰量の水酸化リチウム一水和物とを反応させるものであり、反応により得られた反応生成物である12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを、水を含む水溶液で洗浄処理することを特徴とする。
<1−1.生成反応について>
12−ヒドロキシステアリン酸リチウムは、原料として、12−ヒドロキシステアリン酸と、水酸化リチウム一水和物とを用いて、これらの化合物を脂肪酸である12−ヒドロキシステアリン酸の融点付近の温度で直接反応させることによって得ることができる。
下記式(ii)に、脂肪酸と金属(Li)水酸化物とを直接法により反応させたときの一般反応式を示す。12−ヒドロキシステアリン酸リチウムの製造方法においても、この反応式に従った反応が生じ、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムが生成する。
RCOOH + Li(OH)・HO → RCOOLi + 2H
・・・(ii)
このとき、原料である12−ヒドロキシステアリン酸と水酸化リチウム一水和物とは、互いに等量で反応させるのではなく、12−ヒドロキシステアリン酸に対して過剰量の水酸化リチウム一水和物を用いて反応させる。これにより、脂肪酸の残存を防ぐことができ、反応生成物である12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを増ちょう剤として用いたときの、そのグリースの耐熱性の低下や変色を抑制することができる。
一方で、過剰量の水酸化リチウム一水和物を用いて反応させて得られた反応生成物には、反応において消費されなかった水酸化リチウム一水和物が残存することになる。反応生成物中に残存した水酸化リチウム一水和物は、熱や空気中の炭酸ガスの影響によって、下記式(iii)に示すように、炭酸リチウム等のリチウム炭酸塩化合物へと変化する。
2Li(OH)・HO + CO → LiCO + 2H
・・・(iii)
このように残存した水酸化リチウム一水和物に基づいて生成したリチウム炭酸塩化合物は、非常に細かい1次粒子を呈し、1次粒子又は2次粒子の状態で反応生成物中に含まれる。リチウム炭酸塩化合物は、安定な化合物であって、融点が高いことから、例えばグリース製造にあたって加える温度領域では分解せず、溶融もしない。
本発明者は、このようなリチウム炭酸塩化合物を含む12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを、グリースを構成する増ちょう剤として用いた場合、そのリチウム炭酸塩化合物が夾雑物となってグリースの静粛性に大きな影響を及ぼすという知見を得た。
具体的に、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを増ちょう剤として用いたグリースは、基油と、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムとを混合し、加熱撹拌して、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムの融点に達したところで冷却することによって得られる。上述したように、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムに夾雑物として含まれるリチウム炭酸塩化合物は、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムの融点付近においては固体で存在している。そのため、リチウム炭酸塩化合物はグリース中に残存することになり、そのグリースの静粛性に影響を与える異物となる。
例えば、グリースの適用先として軸受があるが、軸受用グリースには潤滑性に加えて静粛性が求められる環境があり、そのような静音グリースにとって、異物の混入は静粛性に大きく影響する因子となる。具体的には、グリース中に異物が混入していると、その異物が軸受摺動面上に存在するようになったときに、摺動に伴って異物粒子が解砕されて異常音を発生させ、グリースの静粛性を著しく阻害する。したがって、グリースを構成する増ちょう剤として12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを用いる場合、その化合物中に夾雑物としてリチウム炭酸塩化合物が含まれていると、そのグリースの性能を低下させる。
<1−2.洗浄処理について>
そこで、本実施の形態に係る12−ヒドロキシステアリン酸リチウムの製造方法においては、原料を直接反応して得られた反応生成物である12−ヒドロキシステアリン酸リチウムに対して、水を含む水溶液を用いて洗浄処理を施すことを特徴としている。
12−ヒドロキシステアリン酸リチウムの生成反応において、残存した水酸化リチウム一水和物が炭酸ガスと反応して得られたリチウム炭酸塩化合物は、水に可溶であるという性質を有する一方で、水以外の溶媒には溶け難いという性質を有している。このことから、反応生成物である12−ヒドロキシステアリン酸リチウムに対して水を含む水溶液を用いて洗浄処理を施すことで、リチウム炭酸塩化合物を溶解させて、有効に除去することができる。
具体的に、洗浄処理においては、水を単独で用いることが好ましく、その水としてはイオン交換水又は蒸留水を用いることが望ましい。
水として、水道水や工業用水等を用いることも可能ではあるが、それらの水中にはカルシウムイオン、鉄イオン、マグネシウムイオン等が含まれているため、これらの金属源が12−ヒドロキシステアリン酸と反応をすることで金属石鹸を形成して別の異物となる可能性がある。また、反応両論比が崩れて反応に供しなかった水酸化リチウム一水和物と反応してリチウム炭酸塩化合物が増える結果にもなり、洗浄性を阻害する可能性もある。
また、水とアルコール類(以下、単に「アルコールという」)との混合溶媒を用いて洗浄処理を行ってもよい。アルコールは、一般的に水よりも低い沸点を有するため、水とアルコールとの混合溶媒を用いることで、洗浄処理後の乾燥速度を高めることができる。
水とアルコールとの混合溶媒を用いる場合、その比率(水:アルコール)としては40:60〜90:10とすることが好ましい。混合溶媒中の水の含有割合が40質量%未満であると、リチウム炭酸塩化合物を洗浄する効率が悪くなることがあり、一方で、水の含有割合が90質量%を超えると、乾燥速度は向上せず十分な乾燥性を付与することができなくなる。
また、水を含む水溶液に界面活性剤を添加して洗浄処理を行ってもよい。12−ヒドロキシステアリン酸リチウムは疎水性の性質を有するため、洗浄処理に用いる主成分の水との馴染みが悪く、特に、スラリー中の12−ヒドロキシステアリン酸の含有濃度が高い場合にはより一層に馴染みが悪くなる。このことから、界面活性剤を添加した水溶液を用いて洗浄処理することで、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムの疎水表面を効果的に濡らして、容易に分散させることができ、洗浄効率、つまりリチウム炭酸塩化合物の除去効率を高めることができる。
界面活性剤としては、特に限定されるものではなく、ノニオン系、カチオン系、アニオン系のいずれの界面活性剤を用いてもよい。なお、洗浄処理後に界面活性剤が残存すると、製造するグリースの耐熱性及び耐水性に影響を与えることがあるため、水による洗浄によって容易に除去できる水溶性の界面活性剤を用いることが好ましい。また、界面活性剤の添加量としては、特に限定されず、洗浄処理対象のスラリーに含まれる12−ヒドロキシステアリン酸の濃度に応じて適宜変更することができる。
洗浄処理に際しては、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムと水との比率(混合比率)を50:50〜10:90として洗浄することが好ましい。水に対して12−ヒドロキシステアリン酸リチウムの比率が10質量%未満であると、洗浄に使用する水の量が多くなって廃液が多くなり、また回収効率が悪くなる。さらに、脱水に時間が掛かる等の問題が生じることがある。一方で、水に対して12−ヒドロキシステアリン酸リチウムの比率が50質量%を超えると、液(スラリー)の粘度が高くなるために流動し難くなり、結果として洗浄効率が悪くなる。
洗浄方法としては、特に限定されないが、12−ヒドロキシステアリン酸と水とのスラリーを、撹拌機等を使用して撹拌することにより行うことができる。また、洗浄時間としては、処理量に応じて適宜調整すればよいが、1時間以上行うことが好ましい。また、洗浄回数としては、2回以上で繰り返して行うことが好ましく、3回の洗浄を繰り返し行うことがより好ましい。
本実施の形態においては、上述のような洗浄処理を行った後、洗浄に用いた水を分離する。水の分離に際しては、特に限定されないが、濾布を用いた遠心濾過機やフィルタープレス等の固液分離装置を用いて行うことができる。また、水を分離したのちに、乾燥機付き濾過機や棚段乾燥機により脱水して乾燥処理を行うことができる。なお、乾燥処理に際しては、温度を上げすぎると変色の要因となるため注意が必要である。
≪2.12−ヒドロキシステアリン酸リチウム≫
本実施の形態に係る12−ヒドロキシステアリン酸リチウムは、原料である12−ヒドロキシステアリン酸と水酸化リチウム一水和物とを反応させて得られ、反応生成物である12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを、水を含む水溶液で洗浄処理してなる。
そして、この12−ヒドロキシステアリン酸リチウムは、例えば、下記に示す濾過試験を行って算出される濾過率が95%以上である。
ここで、「濾過試験」としては、先ず、基油と当該12−ヒドロキシステアリン酸リチウムとを混合してグリースを調製し、得られたグリースを1000g秤量して、200〜250℃に加熱して完全に溶解させる。次に、加熱溶解したグリースの溶液を、目開き11μmのSUS製2000メッシュのフィルターに通液させて濾過する。そして、通液したグリースの質量に対するフィルターを通過したグリースの質量から濾過率を算出する。
上述したように、12−ヒドロキシステアリン酸と過剰量の水酸化リチウム一水和物とを反応させて得られた反応生成物である12−ヒドロキシステアリン酸リチウムには、反応せずに残った水酸化リチウム一水和物が存在しており、空気等の含まれる炭酸ガスと反応してリチウム炭酸塩化合物となっている。このようなリチウム炭酸塩化合物を含む12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを増ちょう剤として用いてグリースを調製した場合、そのリチウム炭酸塩化合物が異物となってグリースの静粛性に影響を及ぼす。
そして、このような夾雑物としてのリチウム炭酸塩化合物を含むグリースでは、上述した濾過試験において、リチウム炭酸塩化合物が目開き11μmのメッシュに捕集されて、次第に詰まりを生じさせ、濾過率を低下させる。
これに対して、本実施の形態に係る12−ヒドロキシステアリン酸リチウムは、12−ヒドロキシステアリン酸と水酸化リチウム一水和物とを反応させて得られる反応生成物である12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを、水を含む水溶液で洗浄処理してなることにより、その洗浄処理によって、夾雑物であるリチウム炭酸塩化合物が溶解除去される。したがって、この洗浄処理を経て得られた12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを増ちょう剤としてグリースを構成することで、上述した濾過試験においてはメッシュに詰まりを生じさせることなく、95%以上の高い濾過率を得ることができる。
このような12−ヒドロキシステアリン酸リチウムによれば、これを増ちょう剤としてグリースの構成成分としたとき、そのグリースの静粛性を高めることができ、例えば静粛性が求められる環境下で使用される軸受のための好適なグリースとすることができる。
なお、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを増ちょう剤として用いて作製したグリースにおいて、異物であるリチウム炭酸塩化合物の量を調べる方法として、例えばJIS K 2220に記載されている夾雑物測定方法がある。この方法は、清浄な環境下で、規定されたサイズのテンプレートにグリースを満たし、顕微鏡を用いて夾雑物の大きさ(粒径)によってその数を測定するものである。
より具体的に、この夾雑物測定方法は、所定の形状及び寸法を有する金属板をテンプレートとし、そのテンプレートに幅約10mm、長さ約20mmの切込みを入れ、その切込みに作製したグリースを満たし、カバーガラスで挟みんで、約100倍の倍率で顕微鏡により夾雑物粒子を10〜25μm、25〜75μm、75〜125μm、125μm以上の4つに分けて、粒径別の粒子数を計測するものである。このように、粒径別の粒子個数をカウントすることで、グリースの静粛性に影響する異物の量を定量することができる。
≪3.グリース組成物≫
<3−1.グリース組成物について>
本実施の形態に係るグリース組成物は、少なくとも、基油と、増ちょう剤としての12−ヒドロキシステアリン酸リチウムとを含有してなる。
このグリース組成物において、増ちょう剤として用いる12−ヒドロキシステアリン酸リチウムは、上述したように、12−ヒドロキシステアリン酸と水酸化リチウム一水和物とを反応させて得られる反応生成物である12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを、水を含む水溶液で洗浄処理してなるものを用いる。
[基油]
基油(ベースオイル)は、グリースの主成分をなすものであり、増ちょう剤と共にベールグリース(基グリース)を構成する。この基油としては、特に限定されるものではなく従来から一般的に使用されているものを用いることができる。例えば、鉱物油、合成炭化水素油、エーテル油、エステル油、ポリアルキレングリコール油、シリコーン油等が挙げられる。その中でも、静粛性を高める観点からすると、合成炭化水素油やエステル油を用いることが好ましい。これらの基油は、1種類を単独で、または2種以上を併せて用いることができる。
グリース組成物における基油の含有量としては、特に限定されず、ベースグリースを構成する増ちょう剤との配合割合を考慮して決定できる。具体的には、例えば、グリースの全組成中において49.0〜98.0質量%程度の割合で含有させることができる。
なお、グリースにおける基油と増ちょう剤との配合割合は、特に限定されるものではなく、所望のグリース硬度を得るために任意に定めることができる。例えば、グリース硬度を硬くするためには基油の割合を少なくし、一方で柔らかくするためには基油の割合を多くすることで調整することができる。
[増ちょう剤]
増ちょう剤は、油を保持するために必要な素材であり、基油と共にベースグリースを構成する。本実施の形態に係るグリース組成物においては、その増ちょう剤として12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを用いる。12−ヒドロキシステアリン酸リチウムは、耐熱性、耐水性、せん断安定性に特に優れている。
そして、本実施の形態に係るグリース組成物において、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムとして、原料である12−ヒドロキシステアリン酸と水酸化リチウム一水和物とを反応させて得られる反応生成物である12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを、水を含む水溶液で洗浄処理してなるものを用いる。
上述したように、反応により得られた12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを洗浄処理してなるものは、夾雑物の混入が抑制されている。具体的には、その反応生成の過程で生じたリチウム炭酸塩化合物が効果的に除去されており、夾雑物が低減された12−ヒドロキシステアリン酸リチウムである。このような12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを増ちょう剤として用いることによって、グリースの静粛性を高めることができる。
グリース組成物中における増ちょう剤の含有量としては、特に限定されず、ベースグリースを構成する基油との配合割合を考慮して決定することができる。具体的には、例えば、グリースの全組成中において1.0〜25.0質量%の割合で含有させることが好ましい。なお、増ちょう剤の含有量が1.0質量%未満であると、増ちょう効果が少なく、グリース化し難くなる。一方で、含有量が25.0質量%を超えると、得られた組成物が硬くなりすぎ、所望とするグリースの効果が得られなくなる可能性がある。
なお、グリース組成物においては、増ちょう剤として他の化合物を併用してもよい。具体的には、他のリチウム石鹸や、カルシウム石鹸、アルミニウム石鹸等の石鹸系の化合物を挙げることができる。また、ウレア、ナトリウムテレフタラート、フッ素樹脂、有機ベントナイト、シリカゲル等の非石鹸系の化合物を挙げることもできる。
[その他の添加剤]
グリース組成物においては、上述した各成分に加え、グリースに一般的に用いられている各種添加剤を配合させることができる。具体的に、添加剤としては、酸化防止剤、固体潤滑剤、摩擦調整剤、酸化防止剤、粘度指数向上剤、流動点硬化剤、腐食防止剤等が挙げられる。なお、グリースの静粛性を向上させる観点からすると、異物として静粛性を阻害する可能性がある固体潤滑剤の使用は好ましくない。
<3−2.グリース組成物の製造方法について>
本実施の形態に係るグリース組成物は、上述したように12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを増ちょう剤として用いたグリースであり、このようなグリースは、特に限定されないが、例えば溶解法によって製造することができる。
具体的には、基油と、増ちょう剤である12−ヒドロキシステアリン酸リチウムとを、銅釜内で混合し、150〜300℃程度に加熱して溶解させながら撹拌する。また、他の添加剤を添加する場合には、添加剤を添加してさらに撹拌する。その後、アルミバット等に溶解物を移して自然冷却する。これにより、グリースを得ることができる。
撹拌に際しては、例えば、万能撹拌機、ホモジナイザー、コロイドミル等の周知の撹拌・分散処理装置を用いて行うことができる。
≪4.実施例≫
以下、本発明の実施例を示してより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(1)増ちょう剤としての12−ヒドロキシステアリン酸リチウムの調製
12−ヒドロキシステアリン酸リチウム(S−7000H,堺化学株式会社製)を用いて増ちょう剤とした。
準備した12−ヒドロキシステアリン酸リチウム800gと、イオン交換水1180gと、ノニオン系界面活性剤20gとをそれぞれ秤量し、混合させてスラリーとした。次に、得られたスラリーを、スリーワンモーターにより500rpmで2時間撹拌した。撹拌後のスラリーは遠心ろ過機に投入して脱水した。その後、イオン交換水500gを加え、再度、1時間撹拌した。このような操作を計3回実施することによって、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムに対する洗浄処理を行った。
洗浄処理の後、棚段乾燥機を使用して12時間乾燥した。乾燥後の12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを増ちょう剤(660g)とした。
(2)グリースの作製
次に、調製した12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを増ちょう剤として含有するグリースを作製した。
具体的には、夾雑物が混入していないポリオールエステル油(Synative ES 2939,BASF社製)を基油として用い、この基油850g、増ちょう剤である12−ヒドロキシステアリン酸リチウム150gをそれぞれ秤量し、混合し、210℃まで加熱して撹拌した。その後、アルミバットに溶液を移して急冷し、グリースを得た。
上述のように水による洗浄処理(水洗)を行って調製した12−ヒドロキシステアリン酸を増ちょう剤として用いたグリースを「実施例1のグリース」とし、水洗せずにそのままの12−ヒドロキシステアリン酸を増ちょう剤として用いたグリースを「比較例1のグリース」とした。下記表1に、実施例1、比較例1のそれぞれのグリースの組成を、洗浄処理の有無を含めて示す。
Figure 2017007996
(3)作製したグリースの評価
[フィルター(2000メッシュ)を使用した濾過試験]
コタミネーションの生じない環境下で、実施例1及び比較例1のそれぞれのグリースを1000g秤量し、210℃まで加熱して完全に溶解させた。SUS製2000メッシュ(開き目11μm)フィルターを使用して、このフィルターに溶解させて得られたグリースの溶液を通液させて濾過試験を行った。なお、フィルターは、直径5cmのフッ素ゴムパッキンで押さえることでメッシュの有効径5cmを確保しながら行った。
この濾過試験では、11μm以上の異物が存在する場合、メッシュの目開きより大きいために捕集メッシュ間に捕集される。異物のメッシュによる捕集が進行すると、メッシュに詰りが生じて次第に溶液の濾過ができなくなる。したがって、異物の存在評価指標として、この濾過試験に基づいて、仕込み量(通液したグリースの質量)に対するフィルターを通過したグリースの質量から「濾過率」を算出した。
[フィルターの観察]
上述のようにしてSUS製2000メッシュのフィルターを使用して濾過試験を行った後、そのフィルターを回収し、メタノールを用いてメッシュに付着したグリース成分を溶解洗浄した。そして、フィルターにおける2000メッシュのそれぞれを走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。SEM観察では、250倍の倍率で視野を固定し、観察視野中の異物占有面積を計算してフィルターによる異物の捕集率を算出した。なお、SEMにより倍率250倍の視野で見える範囲は、縦335μm×横506μmの範囲となり、面積は0.18mmであった。また、観察点は濾過処理を行った箇所の中央部とした。
[グリースの評価]
12−ヒドロキシステアリン酸リチウムに対する洗浄処理の有無による、グリース性能の変化を確認するため、増ちょう剤に関する特性評価を行った。
具体的には、JIS K 2220に基づき、グリースにおける混和ちょう度、滴点、離油度を求めた。また、グリース中の異物を確認するために、実施例1及び比較例1のそれぞれのグリース中の夾雑物を測定した。
なお、夾雑物の測定は、JIS K 2220に基づき、所定の形状及び寸法を有する金属板をテンプレートとし、そのテンプレートに幅約10mm、長さ約20mmの切込みを入れ、その切込みに作製したグリースを満たし、カバーガラスで挟みんで、約100倍の視野で顕微鏡を用いて夾雑物粒子の粒径別に計測した。粒径としては、10〜25μm、25〜75μm、75〜125μm、125μm以上の4つに分けて、それぞれの粒径別の粒子数を計測した。
(4)評価結果
下記表2に、上述した試験の結果を示す。
Figure 2017007996
表2にまとめた結果に示すように、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムに対して洗浄処理を施し、それを増ちょう剤として作製した実施例1のグリースでは、2000メッシュの濾過試験において、濾過率が99.80%となり、一部のコンタミネーションを除き、ほぼ全量を濾過することができた。また、濾過試験後のメッシュを観察したところ、メッシュにおける異物占有面積は0.7%以下であり、固体成分はほとんど確認されなかった。
一方で、洗浄処理を施さない12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを増ちょう剤として作製した比較例1のグリースでは、2000メッシュの濾過試験において、濾過率が約50%と非常に低かった。また、濾過試験後のメッシュの状態を確認したところ、メッシュにおける異物専有面積が7%であって、固体成分の捕集が確認された。この捕集された固体成分を回収し、FT−IR(フーリエ変換赤外分光法)により分析したところ、炭酸リチウムに類似した化合物であることが確認された。
また、実施例1のグリースと、比較例1のグリースとで、混和ちょう度、滴点、離油度の数値には大きな違いは見られなかったものの、夾雑物測定により測定された夾雑物の数値には水による洗浄処理の有無によって大きく変化することが分かった。すなわち、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムに対して水で洗浄処理を施すことによって、その反応過程で生成した夾雑物が除去され、グリースへの混入が抑制されることが分かった。
以上の結果から、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムに対して洗浄処理を施し、処理後の12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを増ちょう剤として含有させたグリースは、夾雑物の少ないグリースとなることが分かった。このようなグリースは、静粛性の性能が大きく向上し、静粛性が求められる環境で使用して好適なグリースとして期待される。

Claims (5)

  1. 12−ヒドロキシステアリン酸と過剰量の水酸化リチウム一水和物とを反応させて得られる12−ヒドロキシステアリン酸リチウムの製造方法であって、
    反応生成物である12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを、水を含む水溶液で洗浄処理する、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムの製造方法。
  2. 前記12−ヒドロキシステアリン酸リチウムと前記水を含む水溶液とを、50:50〜10:90の比率で混合して洗浄する、請求項1に記載の12−ヒドロキシステアリン酸リチウムの製造方法。
  3. 前記水を含む水溶液は界面活性剤を含有する、請求項1又は2に記載の12−ヒドロキシステアリン酸リチウムの製造方法。
  4. 12−ヒドロキシステアリン酸と水酸化リチウム一水和物とを反応させて得られる12−ヒドロキシステアリン酸リチウムであって、
    反応生成物である12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを、水を含む水溶液で洗浄処理してなり、下記の濾過試験を行って算出される濾過率が95%以上である、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム。
    [濾過試験]
    基油と当該12−ヒドロキシステアリン酸リチウムとによりグリースを調製し、該グリース1000gを加熱して溶解させる。溶解したグリースを、目開き11μmのSUS製2000メッシュのフィルターに通液させて濾過する。通液したグリースの質量に対する該フィルターを通過したグリースの質量から濾過率を算出する。
  5. 基油と、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを含む増ちょう剤とを含有してなり、
    前記12−ヒドロキシステアリン酸リチウムは、
    12−ヒドロキシステアリン酸と水酸化リチウム一水和物とを反応させて得られる反応生成物である12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを、水を含む水溶液で洗浄処理してなり、下記の濾過試験を行って算出される濾過率が95%以上である、グリース組成物。
    [濾過試験]
    基油と当該12−ヒドロキシステアリン酸リチウムとによりグリースを調製し、該グリース1000gを加熱して溶解させる。溶解したグリースを、目開き11μmのSUS製2000メッシュのフィルターに通液させて濾過する。通液したグリースの質量に対する該フィルターを通過したグリースの質量から濾過率を算出する。
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