JP2017005276A - シングルフォトンアバランシェダイオード - Google Patents

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Abstract

【課題】開口率を低減させることなく、特に近赤外のような長波長領域の光に対してフォトン検出効率が高いSPADを提供する。【解決手段】第1の導電型を有する第1の埋め込み層である第1半導体層204と、第1半導体層204下に第1の導電型とは反対の第2の導電型を有する第2半導体層203と、を備え、第2半導体層203はエピタキシャル層202に埋め込まれ、バイアス電圧を印加することによって第2半導体層203を完全に空乏層化させる。【選択図】図1

Description

本発明は、シングルフォトンアバランシェダイオードに関する。
アバランシェフォトダイオードには、ブレークダウン電圧よりも高いバイアス電圧で動作させるガイガーモードと、ブレークダウン電圧より低いバイアス電圧で動作させるリニアモードとがある。ガイガーモードのアバランシェフォトダイオードは、シングルフォトンアバランシェダイオード(SPAD)とも呼ばれ、リニアモードのアバランシェフォトダイオードに対して幾つかの利点を有している。SPADは、フォトン1つのような極小の光信号の入力に応じて電気信号を出力することができ、1つのフォトンの検出に用いることができる。また、SPADは、光学的なイベントに対して、数十ps程度の高い時間分解能で応答できる。このような利点により、タイム・オブ・フライト(TOF)のような、弱い光信号に対する時間測定に適している。
CMOSプロセス技術のような半導体集積技術を用いてSPADを実現することによって、撮像素子のような大規模なアレイ構造を実現できるようになった。近年、数万のSPADからなる大規模な2次元アレイ構造が開示されている。
しかしながら、SPADでは、従来のダイオードの2次元アレイ構造に比べて、画素全面積に対する光感受面積の比である開口率が小さい。
図10は、CMOSプロセス技術で実現可能な従来のSPADの断面構造図である(特許文献1〜4)。第1半導体層101は、それとは逆導電型の第2半導体層102上にインプラントされてpn接合110を形成する。第2半導体層102は、集積回路の基板108、又は他のインプラント層、又は基板上に形成されたエピタキシャル層である。SPADは、第1半導体層101とは逆導電型の分離層103をその周辺を取り囲むようにインプラントすることによって隣接するSPAD及び回路素子から横方向に分離される。pn接合には、電極104,105が設けられる。pn接合に逆バイアスを印加することによってSPAD内に空乏層106が形成される。
SPADをシングルフォトン検出器として利用するためには、第1半導体層の下に平面状に均一に形成する3×10V/cm程度の高い電界領域107、すなわちアバランシェ増幅領域を形成する必要がある。光電効果で生成されたキャリアは、アバランシェ増幅領域に到達すると、衝突電離を繰り返して増倍される。この増倍速度は、SPADの接合容量への充電より速いため、SPADの接合容量は完全に放電される。これにより、外部での増幅を要することなく、光入射を大信号として抽出することができる。
SPAD設計における一番の課題は、利用する半導体製造プロセスの制約のもとで、高い均一性で平面状に形成する高電界領域、即ちアバランシェ増幅領域を形成することである。通常、pn接合110の端部114では、接合面の曲率半径が小さく(鋭角になる)ため、電界が大きくなる。不均一な電界が形成されると、高電界部位でブレークダウンを引き起こす。従来開示されているSPADアレイでは、アバランシェ増幅領域を囲むガードリング構造を用いて、端部でのブレークダウンを防止している。多くの異なるガードリングの態様が開示されているが、その機能はアバランシェ増幅領域の周囲に低電界領域を形成することにある。その結果、平面状のアバランシェ増幅領域107とガードリング114との間に十分大きな電界差を維持することができ、プロセスによる半導体層の性質のばらつきがあっても、信頼性の高い動作を実現できる。
ガードリング114内の電界はアバランシェ増幅を引き起こす程大きくないので、ガードリング114に到達したキャリア、又はガードリング114内で生成されたキャリアは、衝突電離を繰り返さず、ガイガーモードで検出されない。電界の大きさとpn接合の空乏層の幅との関係を考慮すると、SPADの中心部分の深さ方向の空乏層の厚み111よりガードリング114内の空乏層の横方向の幅112の方が大きい。しかしながら、空乏層の厚み111は、フォトンの検出時間特性と同様に、SPADの検出効率にも大きな影響を与える。
空乏層の底で吸収された光によりキャリアが生成されて、そこでアバランシェ増幅されることが好ましい。このような1次キャリアはとても高い時間分解能でSPAD出力信号を生成できるからである。空乏層の上下の擬中性領域での光吸収によって生成されたキャリアは、ゆっくりと拡散して再結合せずに空乏層に到達すると、低い時間分解能であるが出力信号を生成する。このような低い時間分解能は、TOFのような高い時間分解能を必要とする用途では性能を低下させる。
シリコン基板内で生成されるキャリアの数は深さ方向に沿って指数関数的に減少する。その減少速度は、波長依存性のある光の吸収係数に依存し、長波長の光は低い吸収係数を有するので、完全に吸収されるまでにより深く浸透する。近赤外線のような長波長の入射光をなるべく多く吸収して検出するためには、空乏層の厚さ111はできるだけ大きくすることが望まれる。
ここで、従来のSPADでは、近赤外領域において、感度が低い。感度は、開口率とフォトンの検出効率の両方に依存する。従来のガードリンクの構造では、空乏層の厚さ111を増加させると、同時に空乏層の横方向の幅112も増大させる。これは、開口率を減少させることに繋がる。したがって、従来のSPADでは、開口率とフォトンの検出効率とはトレードオフの関係がある。
開口率を向上させるガードリングの構造が開示されている(特許文献5)。これは、従来のCMOS技術において利用可能である素子分離層(STI)を用いている点で優れている。STIによりアバランシェ増幅領域は境界が制限されている。STIの最小幅は、最適化されたプロセス仕様であるため、高い開口率となることが期待される。しかしながら、この技術には2つの欠点がある。第1に、シリコンとSTIとの界面領域では結晶の欠陥の密度が高く、幅広いエネルギー分布でのトラップ準位や再結合中心となることが知られている。したがって、界面領域は高電界領域から離すことが必要である。特許文献5のSPADは界面領域がアバランシェ増幅領域に含まれているため、STI/シリコン界面によって擬カウントが発生し易くなる。実際、1メガヘルツもの擬カウントが発生すると記載されている。また、CMOS技術におけるSTIは低電圧のトランジスタの分離に用いられるものであり、STIの深さは数100nmと極めて浅いものとなる。したがって、プロセスをカスタマイズしないかぎり、数100nmよりも深い空乏層をもつSPADの境界制限には適用できない。
また、さらに別の構造のSPADも開示されている(特許文献6)。この構造では、裏面照射(BSI)の技術が用いられ、薄くしたSPADアレイのウェハと、インターフェース回路を備えた別のウェハとを接着して、高い開口率を有するSPADを実現する。この構造では、連続的なステップ構造の埋込み層が特徴である。ステップ構造は、SPADにおける電界を強め、平面状のアバランシェ増幅領域を形成する。ステップ構造の下にドリフト電界が形成され、高電界領域よりも広い領域において光を吸収し、生成されるキャリアをドリフト電界で収集する。しかしながら、このような構造の埋込み層はCMOSプロセスで実現することはできず、特別な装置とプロセスを必要とする。
また、SPADの開口率を向上させる他の技術が開示されている(特許文献7)。低い開口率のために低下した吸収効率を向上させるために、マイクロレンズアレイを用いて入射光をアバランシェ増幅領域に集光させる。本願で問題にしているような低光量のアプリケーションの多くでは、小さいF値の光学系が要求されるのでマイクロレンズは効果的でない。さらに、マイクロレンズの実装には、CMOSプロセスのカスタマイズを要し、製造コストを増大させる。また、SPADで必要とされるマイクロレンズのサイズは、現在CMOS技術で実現できるマイクロレンズのサイズ(10μm以下)よりも大きい。そして、そのような大きくさらに厚いマイクロレンズの実現は、さらに製造コストを増大させる。
米国特許公開第2010/0133636号明細書 欧州特許公開第2,455,984号明細書 米国特許第8,259,293号明細書 国際公開第2012/032353号パンフレット 国際公開第2008/011617号パンフレット 米国特許第8,093,624号明細書 特開2008−103614号公報
本発明は、開口率とフォトン検出効率のトレードオフの問題を改善し、さらに近赤外のような長波長の光に対して高い時間応答性を有するSPADを提供することを目的とする。特に、CMOSプロセスのような一般的な半導体製造方法を適用できるSPADを提供し、製造コストを低減させることを目的とする。
本発明の一つの態様は、シングルフォトンアバランシェフォトダイオード(SPAD)であって、第1の導電型を有する第1半導体層と、前記第1半導体層下に前記第1の導電型とは反対の第2の導電型を有する第2半導体層と、前記第1半導体層を取り囲む前記第2の導電型の第3半導体層と、基板上に形成された前記第2の導電型のエピタキシャル層と、前記第1の導電型の導電層を介して、前記第1半導体層と接続された第1コンタクトと、前記第2の導電型の導電層を介して、前記第2半導体層と接続された第2コンタクトと、を備え、前記第2半導体層は前記エピタキシャル層に埋め込まれ、前記第1コンタクトと前記第2コンタクトとの間にバイアス電圧を印加することによって、前記第2半導体層が完全に空乏層化されることを特徴とする。これにより、前記第1半導体層と前記第2半導体層との間の接合は、前記基板の表面と略平行な平面状のアバランシェ増幅領域を形成し、前記第1半導体層と前記第3半導体層との間の横方向の空乏層の幅は、前記第1半導体層と前記エピタキシャル層との間の深さ方向の空乏層の幅より小さくなる。空乏層の横方向の幅が小さいので、隣接するSPADの距離を小さくでき、開口率を高めることができる。空乏層の深さ方向の幅が大きいのでフォトン検出効率を高めることができる。
ここで、前記第1半導体層は、n型の導電型であり、前記基板、前記エピタキシャル層、前記第2半導体層及び前記第3半導体層は、p型の導電型であることが好適である。これにより、CMOSプロセス用のウェハで製造することが可能になる。
また、前記第1半導体層に埋め込まれ、前記第2の導電型の第4半導体層と、前記第1の導電型の導電層を介して、前記第4半導体層に接続された第3コンタクトと、を備えることが好適である。前記第1半導体層と前記第4半導体層との間の接合により、前記アバランシェ増幅領域上のシリコン/シリコン酸化膜界面で熱的に発生する不要キャリアから前記アバランシェ増幅領域を分離して、前記不要キャリアによる誤検出頻度を低減できる。
また、前記第1コンタクトと前記第3コンタクトは同電位とされることが好適である。これにより、SPADのバイアス電源の数を減らすことができる。
また、前記第3コンタクトは浮遊電位とされることが好適である。これにより、SPADの結線数を減らすことができる。
また、前記第1コンタクトと前記第3コンタクトとの間にバイアス電圧が印加され、前記バイアス電圧は静的又は動的に変調されていることが好適である。これにより、前記第1半導体層と前記第4半導体層との間の接合で形成される空乏層の深さを静的又は動的に変化させることができる。
また、前記第3半導体層と同導電型の埋込み分離層を備え、前記第3半導体層と前記埋込み分離層とが深さ方向に積層されることが好適である。これにより、前記隣り合うSPADの空乏層が接触するのを防止し、互いに隣り合うSPADの分離を向上できる。
また、前記埋込み分離層は、前記第2半導体層と少なくとも部分的に同じフォトマスクを用いて形成されることが好適である。製造に要するフォトマスク数を減じることにより、製造コストを低減できる。
また、前記エピタキシャル層は、表面から深さ方向に向かってドーピング濃度が高くなるようにドーピング濃度勾配を有することが好適である。これにより、前記エピタキシャル層でフォトン吸収により発生したキャリアがSPADのアバランシェ増幅領域まで移動させるので、フォトン検出効率を高めることができる。
また、前記第1半導体層は、n型の導電型であり、前記第2半導体層は、p型の導電型であり、前記第3半導体層は、CMOSプロセスで利用可能なp−wellであり、前記エピタキシャル層は、p型の導電型であり、前記基板は、p型の導電型であることが好適である。これにより、標準的なCMOSプロセスからわずかなプロセス変更でSPADを製造することができる。
また、前記第1半導体層は、CMOSプロセスで利用可能なn−wellであり、前記第4半導体層は、CMOSプロセスで利用可能なp層であることが好適である。これにより、標準的なCMOSプロセスから最小限のプロセス変更でSPADを製造することができる。
また、前記第1半導体層と前記第2半導体層との接合のブレークダウン電圧は、前記第1半導体層と前記第2半導体層以外の領域との接合のブレークダウン電圧よりも低いことが好適である。これにより、前記第1半導体層と前記第2半導体層以外の領域との接合付近で予期しないブレークダウンを防止できる。
また、前記第1半導体層と前記第3半導体層との間の平面方向の空乏層の幅は、前記第1半導体層と前記エピタキシャル層との間の深さ方向の空乏層の厚さより小さいことが好適である。
また、上記SPADをアレイ状に配置した集積回路とすることが好適である。
本発明によれば、近赤外のような長波長の光に対して感度が高く、コストが低いSPADを提供することができる。
第1の実施の形態におけるSPADの構造を示す断面模式図である。 第1の実施の形態におけるSPADの深さ方向のドーピングプロファイルを示す図である。 ドーピングプロファイルが不適切な場合に形成される空乏層を示す断面模式図である。 第2の実施の形態におけるSPADの構造を示す断面模式図である。 第2の実施の形態におけるSPADの深さ方向のドーピングプロファイルを示す図である。 第3の実施の形態におけるSPADの構造を示す断面模式図である。 第4の実施の形態におけるSPADの構造を示す断面模式図である。 第4の実施の形態におけるSPADの深さ方向のドーピングプロファイルを示す図である。 本発明の実施の形態におけるSPADの平面構造を示す図である。 本発明の実施の形態におけるSPADの平面構造を示す図である。 従来のSPADの構造を示す断面模式図である。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るSPADの断面図を示す。本実施の形態におけるSPADは、エピタキシャル層202内に埋め込まれ、エピタキシャル層202と同じ導電型の第2半導体層203と、第2半導体層203上にインプラントされ、エピタキシャル層202と反対の導電型の第1半導体層204と、を含んで構成される。エピタキシャル層202は、エピタキシャル層202と同じ導電型のシリコン基板201の上方に成長させて形成された層である。好ましくは、第2半導体層203、エピタキシャル層202及びシリコン基板201はp型導電性であるのに対し、第1半導体層204はn型の導電性である。第1半導体層204及び第2半導体層203によって形成されたSPADは、p型の第2半導体層203と同じ導電型の第3半導体層205に囲まれ、隣接するSPADと分離される。第1半導体層204は、その周辺部又は任意の導電経路を介して、高濃度にドープされた拡散層である電極又はコンタクト207に直接接続されている。第2半導体層203は、導電性経路であるエピタキシャル層202を介して、第3半導体層205上のコンタクト206、及び/又は、一般的に低抵抗の基板201上にありチップ200の底部に位置するコンタクトに接続される。
SPADは、第2半導体層203を完全に包含する空乏領域208によってその特性が決まる。第1半導体層204及び第2半導体層203のドーピングプロファイルは、それぞれ、SPADがブレークダウン電圧の近く又はそれ以上にバイアスされているときに第2半導体層203が完全に空乏層化されるように、最適化されることが好適である。
図2は、本実施の形態におけるSPADのドーピングプロファイルの例を示す。第2半導体層203のドーパント濃度のピーク値は、エピタキシャル層202のドーパント濃度よりも高く設定される。また、第1半導体層204のドーパント濃度のピーク値は、第2半導体層203のドーパント濃度のピーク値よりも高く設定される。ただし、第1半導体層204のドーピングプロファイルの形又は第2半導体層203のドーピングプロファイルの形によって、第1半導体層204のドーパント濃度のピーク値は第2半導体層203のドーパント濃度のピーク値より低い例もある。特に、第2半導体層203のドーピングプロファイルの厚さが狭ければ狭いほど第2半導体層203のドーパント濃度のピーク値を高くする必要がある。
このようなドーピングプロファイルを有するSPADに対してバイアス電圧を印加すると、第2半導体層203は完全に空乏層化されて、空乏層内の空間電荷によってその領域に非常に高い電界を生じさせる。電界は、特に第1半導体層204と第2半導体層203との接合領域において空乏層の他の領域の電界に比べて高く、例えば3×10V/cmのオーダーとなる。
さらに、例えば、1014/cmから1015/cmの比較的低ドーピング濃度であるエピタキシャル層202を想定すると、空乏層208の深さ方向の幅209は、下方向に拡大され、横方向の幅210よりも大きくなる。ここで、空乏層208の横方向の幅210は、通常は図1に示されているよりも大きくなる傾向がある。
しかしながら、本発明の実施の形態では、空乏層の横方向に延びる領域211内の最大電界が第2半導体層203内の平面状高電界領域における電界よりも低くなるように第3半導体層205と第1半導体層204との距離を調整することにより、横方向の幅210を低減させることができる。
空乏層の下部領域内又はその近傍で吸収されたフォトンは、アバランシェ降伏を誘発して、効率的に検出される。空乏層208の深さ209は拡大されているので、近赤外のような長波長光信号には特に、フォトン検出効率を向上できる。一方、空乏層208の横方向に延びる領域211で吸収されたフォトンは、完全なアバランシェ降伏を誘発できないので、検出されない。したがって、SPADの開口率を高めるためには空乏層の横幅210を制限して、不感領域を小さくする必要がある。
これとは対照的に、第1半導体層204及び第2半導体層203のドーピングプロファイルを不適切に設定した場合の空乏層を、図3に示す。SPADがブレークダウン電圧以上の電圧にバイアスされたときに第2半導体層203が完全に空乏層化しない。この場合、図1に示す本発明の実施形態とは異なり、第1半導体層204と第3半導体層205の間の空乏層の横幅より第1半導体層204と第2半導体層203との間の空乏層の深さ方向の幅は小さくなる。図3のSPADは、上記の本発明の第1の実施形態の利点を提示せず、従来技術と同じ欠点を示す。
使用するCMOSプロセスにおいてSPADに適した層がない場合、本実施の形態におけるSPADの第1半導体層204及び第2半導体層203を最適化するためにCMOSプロセスのカスタマイズを必要とするかもしれない。ただし、大きなコスト増はなく、CMOS集積回路を製造する既存の設備のみを用いて製造できる。
現代のCMOSプロセスでは、一般的に20から30のフォトマスクを必要とする。第1半導体層204及び第2半導体層203を形成するためにフォトマスクの枚数の増加が2以下、理想的には追加のフォトマスクをゼロにできれば、本発明の実施に要する製造コストの増加は十分に小さいと考えられる。
さらに、現代のCMOSプロセスでは、通常、シリコンウェーハに所望のドーピングプロファイルを形成するために、拡散工程よりもイオン注入工程を採用することが多い。イオン注入では層の特性を詳細に画定でき、横方向および垂直方向のドーピングプロファイルを良好に制御することができる。第1半導体層204及び第2半導体層203は、現在のCMOS技術で一般的に利用可能なイオン注入工程によって形成することができる。また、必要であれば、現在のCMOSプロセスにおける熱バジェットを変えることなくこれらの層を処理することができるので、任意のCMOSプロセスと互換性を維持できる。すなわち、本発明の実施形態におけるSPADはCMOSプロセスにおいて既存の層のみを利用して設計・製造できることもある。多くの場合、第1半導体層204及び第2半導体層203の少なくとも一方をカスタマイズするのが好適である。
<第2の実施の形態>
図4は、本発明における第2の実施の形態を示す。このSPADでは、第2半導体層203、第3半導体層205、エピタキシャル層202、基板201がp型導電性であるのに対して、第1半導体層204はn型の導電型である。本実施の形態では、p型導電性の浅い第4半導体層212がSPADの第1半導体層204の内部に形成される。第4半導体層212は、第1半導体層204と第2半導体層203の間のアバランシェ増幅領域とできるだけオーバーラップするように形成される。第4半導体層212は、1つまたは複数の電極213によって接続されていてもよい。
図5は、本実施の形態におけるSPADのドーピングプロファイルの例を示す。図5に示すように、第4半導体層212のドーパント濃度のピーク値は、第1半導体層204のドーパント濃度のピーク値よりも高く設定される。また、第4半導体層212は、第1半導体層204よりも浅い領域に薄く形成される。
単結晶シリコンとその上に成長させたシリコン酸化膜との間の界面214では、偏析効果によって、注入される不純物の種類に依存する深さ方向への静電ポテンシャル場が形成される。ヒ素やリンなどのn型不純物は、シリコン表面からデバイスの深部に向かってキャリアのドリフトを引き起こす電界を生成する。一方で、シリコン/酸化物界面には、キャリアの生成/再結合中心が高密度に存在するため、熱的に生成された不要のキャリアがSPADのアバランシェ増幅領域に達することがあり擬カウントを増大させる原因となり得る。
第4半導体層212の機能は、このような表面生成キャリアからSPADアバランシェ増幅領域を分離し、デバイスのノイズ性能を向上させることである。電極213を介して第4半導体層212に印加されるバイアス電圧は、例えばコンタクト207と電極213とを短絡することにより、好ましくは第1半導体層204のバイアスと等しくする。あるいは、第4半導体層212と第1半導体層204の間の相対的なバイアスは、静的または動的に変調され、これらの層の間に形成される空乏層の形状と厚さを意図的に制御し、例えば、これに限定されないが、その接合部近傍での少数キャリアの収集能力を増減させる。
本実施の形態によれば、実施形態に限定されるものではないが、第1半導体層204は、完全に又は部分的にエピタキシャル層202内に埋め込むことにより、潜在的に第4半導体層212を不要にすることもできる。
<第3の実施の形態>
図6は、本発明における第3の実施の形態を示す。図6のSPADは、前述の実施形態のSPADとほぼ同じ特性を示す。
本実施の形態では、隣接するSPAD間の分離は、第3半導体層205のみによって達成されるのではなく、同じ導電型の第3半導体層205及び埋込み分離層215の垂直方向の重ね合わせによって達成される。好ましくは、第3半導体層205と埋込み分離層215は、p型の導電性である。この垂直の重ね合わせによって、隣接するSPADの空乏層208が互いに接触することを防止し、隣接するSPADの分離を改善することができる。
第3半導体層205及び埋込み分離層215の各々は、現在のCMOSプロセスで利用可能な層、またはそれらの任意の組み合わせによって形成することができる。例えば、第3半導体層205はp−well層、コンタクト206はp層、埋込み分離層215はdeep−p−well層を用いて形成することができる。また、埋込み分離層215は、第2半導体層203と同じイオン注入工程によって形成してもよく、標準のp−well層やdeep−p−well層の任意の重ね合わせによって形成してもよい。
なお、図6の構成において、第4半導体層212と電極213とを設けなくてもよく、これらがない場合には隣接SPAD間の分離層の構成以外は第1の実施の形態と同様の構成となる。第4半導体層212と電極213が存在する場合には、隣接SPAD間の分離層の構成以外は図4の実施の形態と同様の構成となる。
<第4の実施の形態>
図7は、エピタキシャル層202のようなドーピングプロファイルを活用した本発明における第4の実施の形態を示す。このSPADは、第3の実施形態と多くの構成要素が共通であり、それらの構成による利点は同様である。
図8は、本実施の形態におけるSPADのドーピングプロファイルの例を示す。基板201はp型導電性であることが好適である。また、図8に示すように、エピタキシャル層202のドーピング勾配216の平均ドーピング濃度はエピタキシャル層202の平均ドーピング濃度よりも高いことが好適である。エピタキシャル層202の平均ドーピング濃度は1014/cmから1015/cmの間とすることができ、基板201の平均ドーピング濃度は1018/cmよりも高くすることが好適である。
米国特許公開第2010/0159632号明細書では、BSI(裏面照射型)イメージセンサを製造する方法が開示されている。当該文献によれば、現代のCMOSプロセスでは高濃度にドープされた基板上にエピタキシャル層を形成し、エピタキシャル層のドーピングに勾配を設けることで利点が得られるとされている。BSIの構成では、シリコン基板の裏面の近く、即ちウェハ薄化後のエピタキシャル層の残りの部分において大半のフォトンが吸収される。ドーピングの勾配はフォトン吸収によって生成された電子−正孔対の分離を促進し、少数キャリア、例えば電子をフォトダイオード領域に移動させるので、フォトダイオードの応答性が向上する。
米国特許公開第2010/0159632号明細書に記載の製造方法では、ドーピング勾配を形成するために表面側における層の熱処理だけでなく、エピタキシャル層のドーパントの自然な上向きの拡散を利用している。このようにドーピング勾配は追加の処理工程なしに、わずかな追加工程で設けることができる。表面側における層の熱処理を行うと、高濃度にドープされた基板のドーパントが裏面から表面側に向けて上方に拡散する。エピタキシャル層の成長過程及びp−well形成工程のような高温でのイオン注入過程において、このようなドーパントの拡散が生じる。このような表面側の熱処理には、勾配を形成するドーパントをアニールし、均等に活性化する作用もあるので、製造時間とコストの増加に繋がる工程の追加を必要としない。
以上に述べたように、ドーピング勾配216は、通常のCMOSプロセスにおけるウェハ処理工程において自然に形成することができる。または、通常の熱処理工程には大きな影響を与えずに、追加の熱処理工程により形成することもできる。ドーピング勾配216は、特にイメージセンサ用および/または高耐圧用のCMOSプロセスにおける熱処理工程により形成することが好適である。
エピタキシャル層のドーピング勾配は、フォトンの検出効率を向上させることができる。ドーピング勾配により形成される電界により、フォトンの吸収によって生成された電子がSPADの空乏層に向かって移動されるので、フォトン検出効率を向上させることができる。近赤外のような長波長のフォトンは、より深部で吸収されるので、表面照射の場合、エピタキシャル層のドーピング勾配によるフォトン検出効率の向上効果が大きい。
エピタキシャル層202内で吸収されたフォトンは、空乏領域208の底より下において電子−正孔対を生成する。エピタキシャル層内のドーピング勾配は、エピタキシャル層202の底部から上向きに電子を移動させる電界を形成する。この電界により、電子が移動して空乏層に到達すると、アバランシェ増幅領域に向かって衝突電離を繰り返して増倍される。クエンチングによりSPADバイアス電圧がブレークダウン電圧まで減少すると、雪崩現象が止る。その結果、空乏層及びその近傍からエピタキシャル層の底にかけて大きな体積で入射フォトンを検出可能になる。エピタキシャル層202のドーピング勾配216内で吸収されるフォトンによって生成された電子は上向きに移動して、略10−9秒未満で空乏層の底部に到達することができるので、SPADの高速応答が実現される。基板201内では、ドーピング濃度が一定であるため、キャリアを移動させる電界がなく、ドーピング濃度が高いため、キャリアのライフタイムも短い。したがって、基板201内では、フォトン吸収で生成されたキャリアも熱的に生成されたキャリアも、いずれもアバランシェを誘発する確率は小さい。
なお、図8に示された幾つかの層は、他の実施の形態と同様に設けなくてもよい。具体的には、エピタキシャル層202のドーピング勾配216及びそれに関連する利点に機能的に干渉することなく、第4半導体層212、分離層215及び電極213は図8の実施形態から除去することができる。
上記実施の形態におけるSPADは、チップ積層による実装形態に適用することができる。すなわち、SPADが形成されたウェーハを薄く加工し、信号処理回路等の付加回路を形成した他のウェーハと貼り合わせることができる。貫通シリコンビア技術やマイクロバンプアレイ技術等のウェーハ間の接続技術に依存するが、SPADは表面又は裏面のいずれからも照射される状態で使用できる。BSI又はFSIに対するチップ積層、薄化、ウェハの接合は、上記実施の形態におけるSPADの構造及び効果に影響を及ぼさない。
標準のCMOSプロセスと比較した場合、イメージセンサ用及び高耐圧用の特殊なCMOSプロセスではより多くの半導体層の形成工程を含んでいる。これらのCMOSプロセスで使用可能な半導体層及びそれらの組み合わせで、上記実施の形態におけるSPADを形成することができる。
また、上記実施の形態ではSPADの断面構造のみを示したが、SPADを製造するためのフォトマスクの形や大きさは特に限定されるものではない。例えば、集積回路の表面側から見て、SPADの形状は円形、楕円形、長方形、正方形、さらには不規則な多角形であってもよい。第2半導体層203と第1半導体層204は端部でのブレークダウンを防止するための形状、好ましくは曲率半径の非常に小さい角や鋭角な角を含まないようにすることが好適である。
図9Aは、第2半導体層203と第1半導体層204の好ましい形状を示す。図9Aでは、SPADアレイのフィルファクタを最大にするために、第2半導体層203と第1半導体層204が丸い角を有する正方形の形とされている。pn接合の曲率効果により降伏電圧の局所的な低下を防ぐために、鋭角の角を排している。角の曲率半径は、製造工程におけるフォトマスク処理における変動を考慮して、空乏層の厚さ209よりも大きくなるように設計することが好ましい。
図9Bに、別の好ましいSPADの形状を示す。第2半導体層203及び第1半導体層204は、端部でのブレークダウンのリスクを最小限にするために円形とされる。図9Bでの開口率は図9Aの開口率に比べて小さいので、円形のSPADは小さなSPADが望まれる場合に使用される。
図9A及び図9Bでは、上記実施の形態で用いられる層が省略されている。例えば、第3半導体層205及び分離層215は、一般的に隣接するSPAD間の領域217内に配置され、任意の形状を採用してよい。例えば、第3半導体層205及び分離層215層の形状は、第1半導体層204と補集合の形状であってもよく、第1半導体層204と第3半導体層205との間の適切な距離を維持するものであればよい。画素の境界内に回路実装する必要がある場合、n型MOSFETを第3半導体層205の内部に直接設けることができる。また、p型MOSFETを画素の境界内に実装する場合、第3半導体層205又はSPAD間の領域217内にn型ウェルを形成して、その内側に設けることができる。形成されたn型ウェルは、n型層である第1半導体層204又は第2半導体層203から分離されていなければならない。
なお、本実施の形態では、「キャリア」という用語は、電子または正孔のいずれかである半導体材料内の電荷の粒子である。
「アレイ」という用語は、複数のSPADや画素等の要素の1個以上の配列または集合を意味する。「画素」という用語は、受光器配列の1つの要素を参照しており、1個以上の任意の数のSPADのアレイで構成される。例えば、一つの画素は、数十から数百のSPADを含むことがある。
なお、上記の説明において、定量的な説明は、例示としての目的でのみ示されており、それらは実施の形態に記載された値に限定されない。
「オーダー」の用語は、そのパラメータまたは変数が取り得る近似値を意味する。例えば、電界やドーピング濃度等のパラメータまたは変数は、実施の形態において示される値の1/10、1/100、1/1000程度小さな値とされるかもしれないし、あるいは、10、100、1000倍程度大きな値とされるかもしれない。「長波長」の用語は、可視スペクトルの中央の波長よりも長い波長を意味する。長波長信号の例としては、可視光の635nmや700nm、近赤外の850nmや900nmの波長の光信号を含んでいる。「導電経路」は、ドープされた半導体材料(空乏層化されているか否かに関わらず)を介しての経路を指すだけでなく、部分的に抵抗体を含む経路をも意味する。「近傍」の用語は、好ましくは領域内及び領域に隣接することを意味する。これは、拡散領域や注入領域のように他の領域との境界が明確に画定されない場合にも使用される。また、「近傍」の用語は、対象領域から数ナノメートル以内又は数マイクロメートル以内の平面的又は立体的な領域を意味する。
「インプラント層」の用語は、拡散工程またはイオン注入工程によって、半導体材料の表面に形成される半導体層を意味する。また、「埋込み層」の用語は、半導体材料の表面から深い位置に形成される半導体層を意味する。CMOSプロセスの「埋め込み層」の例としては、deep−well、埋め込みwellがあり、これらは深い位置ほどドーピング濃度が高くなるプロファイルを持つ。これらの埋め込み層は、1つ又は複数のイオン注入工程により、シリコンウェハ上に形成することができる。一般に、各イオン注入工程では、イオンのエネルギーや注入角などのプロセスパラメータは異なるものが用いられる。
101 第1半導体層、102 第2半導体層、103 分離層、104,105 電極、106 空乏層、107 アバランシェ増幅領域(平面状の高電界領域)、108 基板、110 pn接合、111 空乏層の深さ方向の幅、112 空乏層の横方向の幅、114 ガードリング、200 チップ、201 基板、202 エピタキシャル層、203 第2半導体層、204 第1半導体層、205 第3半導体層、206 コンタクト、207 コンタクト、208 空乏層(空乏領域)、209 空乏層の深さ方向の幅、210 空乏層の横方向の幅、211 空乏層の横方向の領域、212 第4半導体層、213 電極、214 シリコン/酸化膜界面、215 埋め込み分離層、216 ドーピング勾配、217 隣接SPAD間の領域。
本発明の一つの態様は、シングルフォトンアバランシェフォトダイオード(SPAD)であって、第1の導電型を有する第1半導体層と、前記第1半導体層下に前記第1の導電型とは反対の第2の導電型を有する第2半導体層と、前記第1半導体層を取り囲む前記第2の導電型の第3半導体層と、基板上に形成された前記第2の導電型のエピタキシャル層と、記第1半導体層に電圧を印加するための第1コンタクトと、記第2半導体層に電圧を印加するための第2コンタクトと、を備え、前記第2半導体層は前記エピタキシャル層に埋め込まれており、前記第1半導体層の底部と前記第2半導体層との接合のブレークダウン電圧は、前記第1半導体層と前記第2半導体層以外の領域との接合のブレークダウン電圧よりも低く、前記第1コンタクトと前記第2コンタクトとの間にバイアス電圧を印加することによって、前記第2半導体層が完全に空乏層化されると共に、前記第1半導体層と前記第3半導体層との間の平面方向の空乏層の幅は、前記第1半導体層と前記エピタキシャル層との間の深さ方向の空乏層の厚さより小さいことを特徴とするSPADことを特徴とする。これにより、前記第1半導体層と前記第2半導体層との間の接合は、前記基板の表面と略平行な平面状のアバランシェ増幅領域を形成し、前記第1半導体層と前記第3半導体層との間の横方向の空乏層の幅は、前記第1半導体層と前記エピタキシャル層との間の深さ方向の空乏層の幅より小さくなる。空乏層の横方向の幅が小さいので、隣接するSPADの距離を小さくでき、開口率を高めることができる。空乏層の深さ方向の幅が大きいのでフォトン検出効率を高めることができる。
また、前記第1半導体層に埋め込まれ、前記第2の導電型の第4半導体層と、前記第4半導体層に電圧を印加するための第3コンタクトと、を備えることが好適である。前記第1半導体層と前記第4半導体層との間の接合により、前記アバランシェ増幅領域上のシリコン/シリコン酸化膜界面で熱的に発生する不要キャリアから前記アバランシェ増幅領域を分離して、前記不要キャリアによる誤検出頻度を低減できる。
また、前記第1半導体層は、n型の導電型であり、前記第2半導体層は、p型の導電型であり、前記第3半導体層は、p−wellであり、前記エピタキシャル層は、p型の導電型であり、前記基板は、p型の導電型であることが好適である
また、前記第1半導体層は、n−wellであり、前記第4半導体層は、p 層であることが好適である

Claims (14)

  1. シングルフォトンアバランシェフォトダイオード(SPAD)であって、
    第1の導電型を有する第1半導体層と、
    前記第1半導体層下に前記第1の導電型とは反対の第2の導電型を有する第2半導体層と、
    前記第1半導体層を取り囲む前記第2の導電型の第3半導体層と、
    基板上に形成された前記第2の導電型のエピタキシャル層と、
    前記第1の導電型の導電層を介して、前記第1半導体層と接続された第1コンタクトと、
    前記第2の導電型の導電層を介して、前記第2半導体層と接続された第2コンタクトと、
    を備え、
    前記第2半導体層は前記エピタキシャル層に埋め込まれており、
    前記第1コンタクトと前記第2コンタクトとの間にバイアス電圧を印加することによって、前記第2半導体層が完全に空乏層化されることを特徴とするSPAD。
  2. 請求項1に記載のSPADであって、
    前記第1半導体層は、n型の導電型であり、
    前記基板、前記エピタキシャル層、前記第2半導体層及び前記第3半導体層は、p型の導電型であることを特徴とするSPAD。
  3. 請求項1又は2に記載のSPADであって、
    前記第1半導体層内に形成され、前記第2の導電型の第4半導体層と、
    前記第1の導電型の導電層を介して、前記第4半導体層に接続された第3コンタクトと、
    を備えることを特徴とするSPAD。
  4. 請求項3に記載のSPADであって、
    前記第1コンタクトと前記第3コンタクトは同電位とされることを特徴とするSPAD。
  5. 請求項3に記載のSPADであって、
    前記第3コンタクトは浮遊電位とされることを特徴とするSPAD。
  6. 請求項3に記載のSPADであって、
    前記第1コンタクトと前記第3コンタクトとの間にバイアス電圧が印加され、前記バイアス電圧は静的又は動的に変調されていることを特徴とするSPAD。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のSPADであって、
    前記第3半導体層と同導電型の埋込み分離層を備え、
    前記第3半導体層と前記埋込み分離層とが深さ方向に積層されることを特徴とするSPAD。
  8. 請求項7に記載のSPADであって、
    前記埋込み分離層と前記第2半導体層とは、少なくとも部分的に同じフォトマスクを用いて形成されることを特徴とするSPAD。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のSPADであって、
    前記エピタキシャル層は、表面から深さ方向に向かって濃度が高くなるようなドーピング勾配を有することを特徴とするSPAD。
  10. 請求項9に記載のSPADであって、
    前記第1半導体層は、n型の導電型であり、
    前記第2半導体層は、p型の導電型であり、
    前記第3半導体層は、CMOSプロセスで利用可能なp−wellであり、
    前記エピタキシャル層は、p型の導電型であり、
    前記基板は、p型の導電型であることを特徴とするSPAD。
  11. 請求項3に記載のSPADであって、
    前記第1半導体層は、CMOSプロセスで利用可能なn−wellであり、
    前記第4半導体層は、CMOSプロセスで利用可能なp層であることを特徴とするSPAD。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のSPADであって、
    前記第1半導体層の底部と前記第2半導体層との接合のブレークダウン電圧は、前記第1半導体層と前記第2半導体層以外の領域との接合のブレークダウン電圧よりも低いことを特徴とするSPAD。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載のSPADであって、
    前記第1半導体層と前記第3半導体層との間の平面方向の空乏層の幅は、前記第1半導体層と前記エピタキシャル層との間の深さ方向の空乏層の厚さより小さいことを特徴とするSPAD。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載のSPADをアレイ状に配置した集積回路。
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