JP2017003992A - トナー - Google Patents
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Abstract
【課題】 発色性に優れたトナーを提供すること。【解決手段】 特定の構造を有する化合物を含有するトナーを用いることで上記の課題を解決できる。【選択図】 なし
Description
本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法、トナージェット法などの記録方法に用いられるトナーに関するものである。
近年、カラー画像の普及が盛んで高画質化への要求が高まっている。デジタルフルカラー複写機やプリンターにおいては、色画像原稿をブルー、グリーン、レッドの各色フィルターで色分解した後、オリジナル画像に対応した潜像をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色現像剤を用い現像する。そのため、各色の現像剤中の着色剤が持つ着色力が画質に大きな影響を与える。
また印刷業界におけるジャパンカラー、DeskTop Publishing(DTP)におけるAdobeRGBをはじめとする色空間の再現性が重要性となっている。この色空間の再現性には顔料の分散性の改善の他、色域の広い染料を用いる方法が知られている。
上記顔料や染料などの着色剤の着色力は、着色剤の発色性に依存する。
例えば、ホウ素錯体の化合物に関する総説が、非特許文献1に記載されている。
Chemical Review 2007,107,4891−4932
本発明の目的は、広い色域を再現できるトナーを提供することにある。
上記課題は、以下の発明によって解決される。
すなわち本発明は、結着樹脂及び着色剤を含有するトナーであって、該着色剤が、下記一般式(1)で表される化合物および一般式(2)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とするものである。
[一般式(1)中、
R1は、ハロゲン原子、アルキル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリール基、フェノキシ基、または、隣り合うR5と結合して環構造を形成するのに必要な原子団を表し、
R2は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、フェノキシ基、チオフェノキシ基、アルキニル基、またはアミノ基を表し、
R3は、水素原子、アルキル基、アリール基、または、隣り合うR4と結合して環構造を形成するのに必要な原子団を表し、
R4は、水素原子、アルキル基、アリール基、アクリル酸アルキル基、スルホン基、または、隣り合うR3或いはR5と結合して環構造を形成するのに必要な原子団を表し、
R5は、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキニル基、または、隣り合うR1或いはR4と結合して環構造を形成するのに必要な原子団を表す。]
R1は、ハロゲン原子、アルキル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリール基、フェノキシ基、または、隣り合うR5と結合して環構造を形成するのに必要な原子団を表し、
R2は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、フェノキシ基、チオフェノキシ基、アルキニル基、またはアミノ基を表し、
R3は、水素原子、アルキル基、アリール基、または、隣り合うR4と結合して環構造を形成するのに必要な原子団を表し、
R4は、水素原子、アルキル基、アリール基、アクリル酸アルキル基、スルホン基、または、隣り合うR3或いはR5と結合して環構造を形成するのに必要な原子団を表し、
R5は、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキニル基、または、隣り合うR1或いはR4と結合して環構造を形成するのに必要な原子団を表す。]
[一般式(2)中のR1、R3〜R5は、一般式(1)におけるR1、R3〜R5と同じものを表す。]
本発明により、広い色再現領域を有するトナーを提供することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、下記一般式(1)または一般式(2)で表される構造を有する化合物を着色剤として用いることにより、トナーの色再現範囲を広くできることを見出した。
また、下記一般式(1)または一般式(2)で表される構造を有する化合物を、他の従来の着色剤と併用した場合、従来の着色剤2種を併用した場合より、色座標の値を大きく変化することができ、広い色再現領域を実現することが可能になる。
[一般式(1)中、
R1は、ハロゲン原子、アルキル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリール基、フェノキシ基、または、隣り合うR5と結合して環構造を形成するのに必要な原子団を表し、
R2は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、フェノキシ基、チオフェノキシ基、アルキニル基、またはアミノ基を表し、
R3は、水素原子、アルキル基、アリール基、または、隣り合うR4と結合して環構造を形成するのに必要な原子団を表し、
R4は、水素原子、アルキル基、アリール基、アクリル酸アルキル基、スルホン基、または、隣り合うR3或いはR5と結合して環構造を形成するのに必要な原子団を表し、
R5は、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキニル基、または、隣り合うR1或いはR4と結合して環構造を形成するのに必要な原子団を表す。]
R1は、ハロゲン原子、アルキル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリール基、フェノキシ基、または、隣り合うR5と結合して環構造を形成するのに必要な原子団を表し、
R2は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、フェノキシ基、チオフェノキシ基、アルキニル基、またはアミノ基を表し、
R3は、水素原子、アルキル基、アリール基、または、隣り合うR4と結合して環構造を形成するのに必要な原子団を表し、
R4は、水素原子、アルキル基、アリール基、アクリル酸アルキル基、スルホン基、または、隣り合うR3或いはR5と結合して環構造を形成するのに必要な原子団を表し、
R5は、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキニル基、または、隣り合うR1或いはR4と結合して環構造を形成するのに必要な原子団を表す。]
[一般式(2)中のR1、R3〜R5は、一般式(1)におけるR1、R3〜R5と同じものを表す。]
まず、一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物について説明する。
まず、一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物について説明する。
一般式(1)中のR1、R2および一般式(2)中のR1におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
一般式(1)中のR1〜R5および一般式(2)中のR1、R3〜R5におけるアルキル基としては、特に限定されるものではないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、2−エチルプロピル、2−エチルヘキシル基等の直鎖状、分岐状、または、環状の炭素数1〜10個の1級〜3級のアルキル基が挙げられる。
一般式(1)中のR1〜R5および一般式(2)中のR1、R3〜R5におけるアリール基としては、特に限定されるものではないが、例えば、フェニル基、ナフチル基などがあげられる。これらは、置換基として、アルキル基、フッ化アルキル基、アミノ基を有していてもよい。具体的には、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、アミノフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、tert−ブチル−フェニル基などがあげられる。
一般式(1)中のR1、R2、R5および一般式(2)中のR1、R5におけるアルキニル基としては、エチニル基があげられる。アルキニル基は、置換基として、フェニル基、メチルフェニル基、アントラセニル基、シリル基、トリメチルシリル基を有していてもよい。例えば、フェニルエチニル基、メチルフェニルエチニル基、トリメチルシリルエチニル基、アントラセニルエチニル基などが挙げられる。
一般式(1)および一般式(2)中のR1におけるアルコキシ基としては、特に限定されるものではないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
一般式(1)および一般式(2)中の隣り合うR1とR5が互いに結合し環構造を形成している例としては、後述する例示化合物604や807のように、R5に置換されたフェノキシ環がホウ素と結合した構造が挙げられる。また、環構造は置換基を有していても良い。
一般式(1)および一般式(2)中の隣り合うR3とR4、または、R4とR5が互いに結合し環構造を形成している例としては、ベンゼン環、チオフェン環、フラン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環が挙げられる。また、環構造は置換基を有していても良い。
一般式(1)および一般式(2)中のR4におけるアクリル酸アルキル基(−C=CH(COOR))としては、特に限定されるものではないが、例えば、アクリル酸メチル基、アクリル酸エチル基、アクリル酸ブチル基等が挙げられる。
一般式(1)および一般式(2)中のR4におけるアクリル酸アルキル基(−C=CH(COOR))としては、特に限定されるものではないが、例えば、アクリル酸メチル基、アクリル酸エチル基、アクリル酸ブチル基等が挙げられる。
一般式(1)および一般式(2)中のR1としては、化合物の合成容易性及び安定性の観点からフッ素原子が好ましい。
また、化合物の合成容易性及び色域向上の観点から、一般式(1)で表される化合物がより好ましい。
一般式(1)または一般式(2)で表される化合物は、例えば、以下の文献に記載されている公知の方法等を参考にして合成することが可能である。
・Chemical Review 2007,107,4891−4932
・Journal of Organic Chemistry 2012,77,669−673
・Organic Letters 2012,14,6150−6153
・Organic Letters 2008,10,4771−4774
一般式(1)または一般式(2)で表される化合物の好ましい具体例を以下に示すが、下記の化合物例に限定されるものではない。
・Chemical Review 2007,107,4891−4932
・Journal of Organic Chemistry 2012,77,669−673
・Organic Letters 2012,14,6150−6153
・Organic Letters 2008,10,4771−4774
一般式(1)または一般式(2)で表される化合物の好ましい具体例を以下に示すが、下記の化合物例に限定されるものではない。
一般式(1)または一般式(2)の化合物をトナーに含有させることにより、色再現範囲を広くすることが可能になる。特に、一般式(1)または一般式(2)の化合物と従来の着色剤とを併用する場合、従来の着色剤単体の色座標に対して色座標を大きく変化させることができる。一般式(1)または一般式(2)の化合物と、同系色の着色剤を混合することにより、着色力を補い、色再現範囲を広げることができる。
一例として図1を用いて上記の内容について説明する。図1(a)は従来の着色剤を単独または併用した場合のL*a*b*表色系の彩度と明度(C*,L*)を座標で示したものである。●印がピグメントイエロー155(PY155)及び下記に示す比較化合物(1)を単独で用いた場合の色座標である。また、×印は、PY155と比較化合物(1)を混合して用いた場合の色座標である。
この実験において、バインダー樹脂に対する着色剤の比率は、単独の場合にはバインダー樹脂100部に対して、着色剤5部、混合する場合には着色剤の総量は5部で、比較化合物(1)とPY155の比は1部:4部である。
比較化合物(1):
比較化合物(1):
図1(a)から明らかなように、PY155と比較化合物(1)の混合物を用いた場合には、PY155単独と比較化合物(1)単独の場合の色度座標の内挿点となる。図1(a)に示したように、PY155と比較化合物(1)を混合して着色剤として用いた場合の(C*、L*)の値(図中の×印)は、(C*、L*)=(91.3、92.5)である。
一般式(1)または一般式(2)で表される化合物を用いると、色座標の変化の様子が大きく異なる。図1(b)において●印が、一般式(1)で示されるイエロー系の化合物201と上記PY155を単独で用いた場合であり、×印が化合物201とPY155を併用した場合である(化合物201とPY155のバインダー樹脂100部に対する部数は1部:4部)。図1(a)の場合とは異なり、混合して用いた場合の色度座標の位置は、単独で用いた場合の内挿点から大きく異なる位置になることが分かる。図1(b)に示したように、化合物201とPY155を混合して着色剤として用いた場合の(C*、L*)の値(図中の×印)は、(C*、L*)=(98.2、97.0)である。従来の着色剤を混合して用いた場合より、化合物201を用いた場合の方が彩度・明度の値が大きくなっていることが分かる。すなわち、色再現範囲を拡大できている。
尚、本発明で用いられる一般式(1)または一般式(2)で表される化合物は、必ずしも1つのトナーにおいて、他の着色剤と併用される必要はない。例えば、一般式(1)または一般式(2)で表される化合物を用いて作成したトナーと、それ以外の着色剤を用いて作成したトナーとを混合し、この混合トナーをカートリッジに導入して印刷に用いることができる。また、上記2種のトナーを用いて、紙などのメディア上に別々に画像を形成し、メディア上で混色することもできる。いずれの場合においても、図1を用いて述べた場合と同様の効果が得られる。
上記の化合物の中で、イエロー着色剤として用いられるものは、101、201〜207、301〜303、305〜306、401〜412、414、417〜419、602〜603、701〜706である。これらの色素化合物は、従来からあるイエロー着色剤と混合して用いることができる。
また、マゼンタ着色剤として用いられるものは、102〜105、208〜210、304、413、416、420、501〜509、601、604〜605、801〜808である。これらの色素化合物は、従来からあるマゼンタ着色剤と混合して用いることができる。
次に、本発明のトナーに関して説明する。
<結着樹脂について>
本発明のトナーに用いる結着樹脂としては、トナー用の結着樹脂として公知の樹脂であれば特に限定されるものではない。
本発明のトナーに用いる結着樹脂としては、トナー用の結着樹脂として公知の樹脂であれば特に限定されるものではない。
具体的には、スチレン、p−クロロスチレン、α−メチルスチレンの如きスチレン系モノマー;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシルの如きアクリル酸エステル系モノマーあるいはメタクリル酸エステル系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリルの如きビニルニトリル系モノマー;ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル系モノマー;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン系モノマー;などを重合して得られるビニル系重合体;エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレンの如きオレフィン類の単独重合体又は共重合体(オレフィン系樹脂);エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂の如き非ビニル縮合系樹脂、及びこれら非ビニル縮合系樹脂とビニル系モノマーとのグラフト重合体が挙げられる。これらの樹脂は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂は、好ましい樹脂の1つである。前記ポリエステル樹脂は、酸成分(例えば、ジカルボン酸)とアルコール成分(例えば、ジオール)とから合成されるものである。
前記酸成分は、特に限定されるものではないが、脂肪族ジカルボン酸、2重結合を持つジカルボン酸、スルホン酸基を持つジカルボン酸が挙げられる。具体的には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸、それらの低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられる。特に、脂肪族ジカルボン酸が好ましく、さらに、飽和脂肪族ジカルボン酸が好ましい。
一方、前記アルコール成分としては、特に限定されるものではないが、脂肪族ジオールが好ましい。例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ドデカンジオール、1,12−ウンデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールが挙げられる。
本発明においては、トナー粒子の機械的強度を高めると共に、トナー分子の分子量を制御するために、結着樹脂の合成時に架橋剤を用いることもできる。
本発明のトナーに用いられる架橋剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、二官能の架橋剤として、ジビニルベンゼン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート、および前記ジアクリレートをジメタクリレートに変えたものが挙げられる。
多官能の架橋剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレートおよびそのメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテートが挙げられる。
架橋剤の含有量としては、トナーの定着性、耐オフセット性の点で、前記結着樹脂の質量を基準として、0.05〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%である。
<ワックスについて>
ワックスとは、トナー定着時のオフセットを防止する目的で使用される材料を意味する。
ワックスとは、トナー定着時のオフセットを防止する目的で使用される材料を意味する。
本発明において使用することができるワックス成分としては、特に限定されるものではないが、具体的には、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムの如き石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックスおよびその誘導体、フィッシャー・トロプシュ法による炭化水素ワックスおよびその誘導体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックスおよびその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックスの如き天然ワックスおよびそれらの誘導体が挙げられ、誘導体には酸化物や、ビニルモノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物も含まれる。また、高級脂肪族アルコールの如きアルコール、ステアリン酸、パルミチン酸の如き脂肪酸あるいはその化合物、酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油およびその誘導体、植物ワックス、動物ワックスが挙げられる。これらは単独、もしくは併せて用いることができる。
ワックスは、融点が50℃以上200℃以下のものが好ましく、55℃以上150℃以下のものがより好ましい。
なお、前記融点とは、ASTM D3418−82に準じて測定された示差走査熱量(DSC)曲線における主体吸熱ピーク温度を示す。具体的には、ワックスの融点は、示差走査熱量計(メトラートレード社製:DSC822)を用い、測定温度範囲30〜200℃、昇温速度5℃/minの条件で、2回目の昇温過程で得られるDSC曲線における主体吸熱ピーク温度である。尚、測定は、常温常湿環境下にて行う。
ワックスの添加量としては、結着樹脂100質量部に対する含有量が総量で2.5〜15質量部が好ましく、3.0〜10質量部の範囲であることがさらに好ましい。
<着色剤について>
本発明のトナーにおいては、一般式(1)または一般式(2)で表される化合物を単独で用いても良く、一般式(1)または一般式(2)で表される化合物を2種以上併用しても良い。また、必要に応じて他の着色剤を併用することができる。一般式(1)または一般式(2)の化合物と他の着色剤を2種以上混合して用いる場合には、所望の発色を得るために、イエロー、マゼンタなどの同系色あるいは異なる色の着色剤を混合してもよい。従来の色素化合物と併用して発色性を良くするために、同系色の着色剤を混合することができる。
本発明のトナーにおいては、一般式(1)または一般式(2)で表される化合物を単独で用いても良く、一般式(1)または一般式(2)で表される化合物を2種以上併用しても良い。また、必要に応じて他の着色剤を併用することができる。一般式(1)または一般式(2)の化合物と他の着色剤を2種以上混合して用いる場合には、所望の発色を得るために、イエロー、マゼンタなどの同系色あるいは異なる色の着色剤を混合してもよい。従来の色素化合物と併用して発色性を良くするために、同系色の着色剤を混合することができる。
本発明の化合物は、従来の着色剤と併用して用いることで従来の着色剤より発色性を改善し、広色域化することが可能である。本発明の化合物と従来の着色剤を併用する方法としては、以下の方法が考えられる。
(1)従来の着色剤と本発明の化合物を一定量の割合で添加したトナーを用いる。
(2)従来の着色剤と本発明の化合物をそれぞれ単独に添加したトナーを作成し、その2種のトナーを一定量の割合で混合して用いる。
(3)従来の着色剤と本発明の化合物をそれぞれ単独で添加したトナーを作成し、それぞれのトナーを用いて、別個にメディア上に画像形成を行い、メディア上で混色する。
(1)従来の着色剤と本発明の化合物を一定量の割合で添加したトナーを用いる。
(2)従来の着色剤と本発明の化合物をそれぞれ単独に添加したトナーを作成し、その2種のトナーを一定量の割合で混合して用いる。
(3)従来の着色剤と本発明の化合物をそれぞれ単独で添加したトナーを作成し、それぞれのトナーを用いて、別個にメディア上に画像形成を行い、メディア上で混色する。
マゼンタ系の色素化合物として併用することができる他の着色剤としては、特にこれらに限定されるものではないが、縮合アゾ化合物、アゾ金属錯体、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物が挙げられる。
より具体的には、以下の着色剤を併用することができる。
C.I.Pigment Orange 1、5、13、15、16、34、36、38、62、64、67、72、74;C.I.Pigment Red 2、3、4、5、6、7、12、16、17、23、31、32、41、48、48:1、48:2、48:3、48:4、53:1、57:1、81:1、112、122、123、130、144、146、149、150、166、168、169、170、176、177、178、179、181、184、185、187、190、194、202、206、208、209、210、220、221、224、238、242、245、253、254、255、258、266、269、282;C.I.Pigment Violet 13、19、25、32、50;C.I.Solvent Red 19、23、24、26、42、49、135、164、およびこれらの誘導体として分類される種々の着色剤が挙げられる。
この中でトナー用着色剤として発色性と生産性に優れた着色顔料である、C.I.Pigment Red 57:1、C.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Red 150を用いることがより好ましい。
また、併用することができるイエロー系の着色剤としては、特にこれらに限定されるものではないが、縮合アゾ化合物、アゾ金属錯体、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物が挙げられる。
具体例としてイエローの着色剤としては、C.I.Solvent Yellow 1、19、44、49、62、74、77、79、81、82、83、89、90、93、98、103、104、112、120、121、151、153、154、162;C.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、17、23、62、65、73、74、81、83、93、94、95、97、98、109、110、111、117、120、127、128、129、137、138、139、147、150、151、154、155、167、168、173、174、176、180、181、183、185、191;およびこれらの誘導体として分類される種々の着色剤が挙げられる。
この中でトナー用着色剤として発色性と生産性に優れた着色顔料である、C.I.Pigment Yellow 74、155、180、181、183、185を用いることがより好ましく、特には、C.I.Pigment Yellow 74、155、180、185が好ましい。
一般式(1)または一般式(2)で表される化合物の含有量としては、(複数の色素化合物を用いる時には総量として)結着樹脂100質量部に対して0.05〜30質量部であることが好ましい。より好ましくは0.05〜20質量部、更に好ましくは0.1〜15質量部である。上記の範囲であれば、十分な着色力が得られつつ、色素化合物の分散性も良好となる。
<荷電制御剤について>
本発明のトナーにおいては、必要に応じて荷電制御剤を混合して用いることも可能である。
本発明のトナーにおいては、必要に応じて荷電制御剤を混合して用いることも可能である。
荷電制御剤としては、公知のものが利用でき、特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。さらに、トナーを直接重合法により製造する場合には、重合阻害性が低く、水系分散媒体への可溶化物が実質的にない荷電制御剤が特に好ましい。
荷電制御剤としては、例えば、トナーを負帯電に制御するものとして、スルホン酸基、スルホン酸塩基またはスルホン酸エステル基を有する重合体または共重合体、サリチル酸誘導体及びその金属錯体、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸や、その金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノールの如きフェノール誘導体類、尿素誘導体、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、樹脂系荷電制御剤が挙げられる。
また、トナーを正帯電に制御するものとしては、例えば、ニグロシンおよび脂肪酸金属塩などによるニグロシン変性物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など)、高級脂肪酸の金属塩、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドの如きジオルガノスズオキサイド、ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオルガノスズボレート類、樹脂系帯電制御剤が挙げられる。これらの荷電制御剤は単独で、もしくは必要に応じて2種以上組み合わせて用いてもよい。
<流動化剤について>
本発明のトナーにおいては、流動化剤として無機微粉体を添加してもよい。無機微粉体としては、シリカ、酸化チタン、アルミナまたはそれらの複酸化物や、これらを表面処理したものなどの微粉体が使用できる。
本発明のトナーにおいては、流動化剤として無機微粉体を添加してもよい。無機微粉体としては、シリカ、酸化チタン、アルミナまたはそれらの複酸化物や、これらを表面処理したものなどの微粉体が使用できる。
<トナーの製造方法について>
本発明のトナーの製造方法としては、従来使用されている、粉砕法、懸濁重合法、懸濁造粒法、乳化重合法、乳化凝集法などが挙げられる。製造時の環境負荷及び粒径の制御性の観点から、特に、懸濁重合法、懸濁造粒法など、水系媒体中で造粒する製造法によって得ることが好ましい。
本発明のトナーの製造方法としては、従来使用されている、粉砕法、懸濁重合法、懸濁造粒法、乳化重合法、乳化凝集法などが挙げられる。製造時の環境負荷及び粒径の制御性の観点から、特に、懸濁重合法、懸濁造粒法など、水系媒体中で造粒する製造法によって得ることが好ましい。
<色素分散体について>
色素分散体について説明する。
色素分散体について説明する。
本発明でいう色素分散体とは、分散媒体中に、上記着色剤が分散している状態のものをいう。
色素分散体は、例えば下記のようにして得られる。
分散媒体中に、上記着色剤と、必要に応じて樹脂を溶かし込み、撹拌しながら十分に分散媒体になじませる。さらに、ボールミル、ペイントシェーカー、ディゾルバー、アトライター、サンドミル、ハイスピードミルの如き分散機により機械的せん断力を加えることで、着色剤を安定に均一な微粒子状に微分散させることができる。
なお、上記分散媒体とは、水、有機溶剤又はそれらの混合物のことを指す。
分散媒体として水を用いる場合、着色剤は乳化剤を用いて水に分散させることができる。乳化剤としては、例えば、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤が挙げられる。カチオン界面活性剤としては、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイドが挙げられる。アニオン界面活性剤としては、ステアリン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウムの如き脂肪酸石鹸、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。ノニオン界面活性剤としては、ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘキサデシルポリオキシエチレンエーテル、ノニルフェニルポリオキシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンモノオレアートポリオキシエチレンエーテル、モノデカノイルショ糖が挙げられる。
分散媒体として用いることができる有機溶剤としては、特に限定はされないが、メチルアルコール、エチルアルコール、変性エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−アミルアルコール、3−ペンタノール、オクチルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノールの如きアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルの如きグリコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンの如きケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、セロソルブアセテートの如きエステル類;ヘキサン、オクタン、石油エーテル、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンの如き炭化水素系溶剤;四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラブロムエタンの如きハロゲン化炭化水素系溶剤;ジエチルエーテル、ジメチルグリコール、トリオキサン、テトラヒドロフランの如きエーテル類;メチラール、ジエチルアセタールの如きアセタール類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸の如き有機酸類;ニトロベンゼン、ジメチルアミン、モノエタノールアミン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドの如き硫黄・窒素含有有機化合物類が挙げられる。
また、分散媒体として、重合性単量体を用いることもできる。重合性単量体は、付加重合性あるいは縮重合性単量体であり、好ましくは、付加重合性単量体である。具体的には、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレンの如きスチレン系単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ベヘニル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリロニトリル、アクリル酸アミドの如きアクリレート系単量体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベヘニル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリロニトリル、メタクリル酸アミドの如きメタクリレート系単量体;エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、イソプレン、イソブチレン、シクロヘキセンの如きオレフィン系単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、ヨウ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニルの如きビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン化合物を挙げることができる。これらは使用用途に応じて、単独又は2種以上組み合わせて用いてもよい。本発明の色素分散体を用いて重合トナーを製造する場合には、上記重合性単量体の中でも、スチレン又はスチレン系単量体を単独もしくは他の重合性単量体と混合して使用することが好ましい。特に扱い易さから、スチレンが好ましい。
上記色素分散体に加えることができる樹脂としては、本発明のトナーの結着樹脂として使用できる樹脂を使用することができる。具体的には、ポリスチレン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、アクリル酸系共重合体、メタクリル酸系共重合体、ポリエステル樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリビニルメチルエーテル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリペプチド樹脂が挙げられる。これらの樹脂は単独、あるいは2種以上混合して用いてもよい。
上記色素分散体における分散媒体中の着色剤の量は、着色性を維持するため1種単体の着色剤であっても2種以上の複数の着色剤であっても総量として下記の量が必要である。
着色剤の量は、分散媒体100部に対して1.0〜30部であることが好ましい。より好ましくは2.0〜20部、特に好ましくは3.0〜15部である。着色剤の含有量が上記の範囲内であれば、粘度の上昇や着色剤分散性の低下を防止することができ、良好な着色力を発揮させることができる。
上記色素分散体は、公知の方法、例えば、ろ過、デカンテーションまたは遠心分離によって単離することができる。溶剤は洗浄によって除去することもできる。
上記色素分散体には、製造時に更に助剤を添加しても良い。具体的には、例えば、表面活性剤、顔料及び非顔料分散剤、充填剤、標準化剤(standardizers)、樹脂、ワックス、消泡剤、静電防止剤、防塵剤、増量剤、濃淡着色剤(shading colorants)、保存剤、乾燥抑制剤、レオロジー制御添加剤、湿潤剤、酸化防止剤、UV吸収剤、光安定化剤、またはこれらの組み合わせである。
上記色素分散体を用いることにより、分散媒中で分散粘度の増加が抑制できるため、トナー製造工程上のハンドリングが容易になる。さらに、着色剤の分散性が良好に保たれるため、高着色力を有するトナーが提供される。
<懸濁重合法によるトナーの製造>
本発明のトナーは、懸濁重合法により、好適に製造することができる。
本発明のトナーは、懸濁重合法により、好適に製造することができる。
まず、一般式(1)または一般式(2)で表される化合物を含む着色剤、重合性単量体、ワックス成分および重合開始剤などを混合して重合性単量体組成物を調製する。次に、該重合性単量体組成物を水系媒体中に分散して重合性単量体組成物の粒子を造粒する。そして、水系媒体中にて重合性単量体組成物の粒子中の重合性単量体を重合させてトナー粒子を得る。
前記懸濁重合法に用いられる重合開始剤としては、公知の重合開始剤を挙げることができ、例えば、アゾ化合物、有機過酸化物、無機過酸化物、有機金属化合物、光重合開始剤が挙げられる。より具体的には、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(イソブチレート)の如きアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ジtert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−へキシルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシベンゾエートの如き有機過酸化物系重合開始剤、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムの如き無機過酸化物系重合開始剤、過酸化水素−第1鉄系、BPO−ジメチルアニリン系、セリウム(IV)塩−アルコール系の如きレドックス開始剤、アセトフェノン系、ベンゾインエーテル系、ケタール系が挙げられる。これらは、単独または2種以上組み合わせて使用することができる。
前記重合開始剤の濃度は、重合性単量体100質量部に対して0.1〜20質量部の範囲である場合が好ましく、より好ましくは0.1〜10質量部の範囲である。前記重合開始剤の種類は、重合法により若干異なるが、10時間半減温度を参考に、単独または混合して使用される。
前記懸濁重合法で用いられる水系媒体には、分散安定化剤を含有させることが好ましい。該分散安定化剤としては、公知の無機系および有機系の分散安定化剤を用いることができる。無機系の分散安定化剤としては、例えば、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナが挙げられる。有機系の分散安定化剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプンが挙げられる。また、ノニオン性、アニオン性、カチオン性の界面活性剤を利用することもできる。例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムが挙げられる。
前記分散安定化剤のうち、酸に対して可溶性のある難水溶性の無機分散安定化剤を用いることが好ましい。また、分散安定化剤が、重合性単量体100質量部に対して0.2〜2.0質量部の範囲となるような割合で使用することが、該重合性単量体組成物の水系媒体中での液滴安定性の点で好ましい。また、重合性単量体組成物100質量部に対して300〜3000質量部の範囲の水を用いて水系媒体を調製することが好ましい。
市販の分散安定化剤をそのまま用いてもよいが、細かい均一な粒度を有する分散安定化剤粒子を得るために、高速撹拌されている水中において、分散安定化剤を生成させることが好ましい。例えば、リン酸カルシウムを分散安定化剤として使用する場合、高速撹拌下でリン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合してリン酸カルシウムの微粒子を形成することで、好ましい分散安定化剤を得ることができる。
<懸濁造粒法によるトナーの製造>
本発明のトナーは、懸濁造粒法によっても好適に得ることができる。懸濁造粒法の製造工程では加熱工程を有さないため、低融点ワックスを用いた場合に起こる樹脂とワックスの相溶化を抑制し、相溶化に起因するトナーのガラス転移温度の低下を防止することができる。また、懸濁造粒法は、結着樹脂の選択肢が広く、一般的に定着性に有利とされるポリエステル樹脂を主成分にすることが容易である。そのため、懸濁重合法を適用できない樹脂組成のトナーを製造する場合に有利な製造方法である。
本発明のトナーは、懸濁造粒法によっても好適に得ることができる。懸濁造粒法の製造工程では加熱工程を有さないため、低融点ワックスを用いた場合に起こる樹脂とワックスの相溶化を抑制し、相溶化に起因するトナーのガラス転移温度の低下を防止することができる。また、懸濁造粒法は、結着樹脂の選択肢が広く、一般的に定着性に有利とされるポリエステル樹脂を主成分にすることが容易である。そのため、懸濁重合法を適用できない樹脂組成のトナーを製造する場合に有利な製造方法である。
前記懸濁造粒法により製造されるトナー粒子は、例えば下記のようにして製造される。
まず、一般式(1)または一般式(2)で表される化合物を含有する着色剤、結着樹脂、ワックス成分などを溶剤中で混合して溶剤組成物を調製する。次に、該溶剤組成物を水系媒体中に分散させて溶剤組成物の粒子を造粒し、トナー粒子懸濁液を得る。そして、得られた懸濁液を加熱、または減圧することで溶剤を除去することで、トナー粒子を得ることができる。
前記懸濁造粒法に用いることができる溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ヘキサンの如き炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、四塩化炭素の如き含ハロゲン炭化水素類、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコールの如きアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールの如き多価アルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブの如きセロソルブ類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンの如きケトン類、ベンジルアルコールエチルエーテル、ベンジルアルコールイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランの如きエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルの如きエステル類が挙げられる。これらは単独で、または必要に応じて2種以上混合して用いてもよい。これらのうち、前記トナー粒子懸濁液中の溶剤を容易に除去するため、沸点が低く、且つ前記結着樹脂を十分に溶解できる溶剤を用いることが好ましい。
上記溶剤の使用量としては、結着樹脂100質量部に対して、50〜5000質量部の範囲である場合が好ましく、120〜1000質量部の範囲である場合がより好ましい。
上記懸濁造粒法で用いられる水系媒体は、分散安定化剤を含有することが好ましい。該分散安定化剤としては、公知の無機系および有機系の分散安定化剤を用いることができる。無機系の分散安定化剤としては、例えば、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウムが挙げられる。有機系の分散安定化剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウムの如き水溶性高分子、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウムの如きアニオン性界面活性剤、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドの如きカチオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイドの如き両性イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミンの如きノニオン性界面活性剤が挙げられる。
上記分散安定化剤の使用量としては、結着樹脂100質量部に対して、0.01〜20質量部の範囲である場合が、該溶剤組成物の水系媒体中での液滴安定性の点で好ましい。
<粉砕法によるトナーの製造>
粉砕法トナーは、混合機、熱混練機、分級機など、当該事業者には公知の製造装置を用いて製造することができる。
粉砕法トナーは、混合機、熱混練機、分級機など、当該事業者には公知の製造装置を用いて製造することができる。
まず、一般式(1)または一般式(2)で表される化合物を含有する着色剤に、必要に応じて結着樹脂や磁性体、ワックス、荷電制御剤、その他のトナー成分を混合する。これらをヘンシェルミキサー又はボールミルの如き混合機により十分混合する。次に、ロール、ニーダー及びエクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融させる。さらに、捏和及び混練して樹脂類を互いに相溶せしめた中に、ワックスや磁性体を分散させる。冷却固化の後、粉砕及び分級を行うことで本発明の粉砕法トナーを得ることができる。
本発明の粉砕法トナーに用いることができる結着樹脂としては、例えば、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、テルペン系樹脂、フェノール系樹脂、脂肪族系または脂環族炭化水素系樹脂、芳香族系石油系樹脂,更にロジン,変性ロジンが挙げられる。中でもビニル系樹脂とポリエステル系樹脂が帯電性や定着性の観点から好ましい。特にポリエステル系樹脂を用いた場合、帯電性や定着性の効果が大きくなるため、より好ましい。
これらの樹脂は単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上を併用してもよい。2種以上の樹脂を混合して用いる場合、トナーの粘弾性特性を制御するために、分子量の異なる樹脂を混合することが好ましい。
粉砕法トナーに用いられる結着樹脂のガラス転移温度は、好ましくは45〜80℃、より好ましくは55〜70℃であり、数平均分子量(Mn)は2,500〜50,000、重量平均分子量(Mw)は10,000〜1,000,000であることが好ましい。
結着樹脂としてポリエステル系樹脂を用いる場合、特に制限はされないが、全成分中、アルコール成分/酸成分が45/55〜55/45のmol比であるものが好ましい。本発明で用いられるポリエステル系樹脂は、分子鎖の末端基数が増えると、トナーの帯電特性において環境依存性が大きくなる。そのため、酸価は90mgKOH/g以下が好ましく、50mgKOH/g以下がより好ましい。また、水酸基価は50mgKOH/g以下が好ましく、30mgKOH/g以下がより好ましい。
<乳化凝集法によるトナーの製造>
次に、本発明の乳化凝集法トナーの製造方法について説明する。まず、各種分散液を調製する。この時、必要に応じてワックス分散液、樹脂粒子分散液、一般式(1)または一般式(2)で表される色素化合物を含有する着色剤粒子分散液、その他トナー成分を混合して調製してもよい。これらの混合液を凝集し凝集体粒子を形成する工程(凝集工程)、並びに、該凝集体粒子を加熱し融合する工程(融合工程)、洗浄工程、乾燥工程を経て、本発明の乳化凝集法トナーを得ることができる。
次に、本発明の乳化凝集法トナーの製造方法について説明する。まず、各種分散液を調製する。この時、必要に応じてワックス分散液、樹脂粒子分散液、一般式(1)または一般式(2)で表される色素化合物を含有する着色剤粒子分散液、その他トナー成分を混合して調製してもよい。これらの混合液を凝集し凝集体粒子を形成する工程(凝集工程)、並びに、該凝集体粒子を加熱し融合する工程(融合工程)、洗浄工程、乾燥工程を経て、本発明の乳化凝集法トナーを得ることができる。
各種分散液は、界面活性剤などの分散剤を用いて製造することができる。
界面活性剤としては、水溶性高分子、無機化合物、及び、イオン性または非イオン性の界面活性剤が挙げられる。特に、分散性の問題から分散性が高いイオン性が好ましく、アニオン性界面活性剤がより好ましく用いられる。界面活性剤の具体例としては、これらに限定されるものではないが、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウムの如き水溶性高分子;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウムの如きアニオン性界面活性剤;ラウリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドの如きカチオン性界面活性剤;ラウリルジメチルアミンオキサイドの如き両性イオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミンの如きノニオン性界面活性剤;リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムの如き無機化合物が挙げられる。なお、これらは単独で用いても良く、また、必要に応じて2種以上を組み合せて用いてもよい。
上記界面活性剤の分子量は、洗浄性と界面活性能の観点から、100〜10,000が好ましく、より好ましくは200〜5,000である。
本発明の乳化凝集法トナーに用いる樹脂粒子分散液は、樹脂粒子を水系媒体に分散させてなる。上記水系媒体とは、水を主要成分とする媒体を意味する。水系媒体の具体例としては、水そのもの、水にpH調整剤を添加したもの、水に有機溶剤を添加したものが挙げられる。
上記樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子を構成する樹脂としては、トナーに適した樹脂であれば特に制限されないが、電子写真装置における定着温度以下のガラス転移温度を有する熱可塑性結着樹脂が好ましい。
具体例としては、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレンの如きスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリロニトリル、メタクリロニトリルの如きビニル基系モノマー、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル系モノマー、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン系モノマー、エチレン、プロピレン、ブタジエンの如きポリオレフィン系モノマーなどの単重合体、もしくはこれらを2種以上組み合せて得られる共重合体、または当該単重合体及び共重合体の混合物、さらにはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂など、もしくは非ビニル縮合系樹脂、またはこれらと上記ビニル系樹脂との混合物、或いはこれらの存在下でビニル系モノマーを重合することで得られるグラフト重合体を挙げることができ、トナーとしての定着性と帯電性能の面から、ポリスチレン樹脂またはポリエステル樹脂が特に好ましく用いられる。これらの樹脂は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記樹脂粒子分散液は公知の方法で調製される。例えば、ビニル系単量体、特にスチレン系単量体を構成要素とする樹脂粒子を含む樹脂粒子分散液の場合は、界面活性剤などを用いて、当該単量体を乳化重合せしめることで調製することができる。
また、その他の樹脂粒子分散液(例えばポリエステル樹脂粒子分散液)の調製方法としては、イオン性の界面活性剤及び高分子電解質と共にホモジナイザーの如き分散機により水に分散させる方法が挙げられる。その後、溶剤を蒸散することにより、樹脂粒子分散液を調製することができる。また、樹脂に界面活性剤を加え、ホモジナイザーなどの分散機により水中にて乳化分散する方法や、転相乳化法などにより、樹脂粒子分散液を調製してもよい。
樹脂粒子分散液中の樹脂粒子の体積基準のメジアン径は0.005〜1.0μmが好ましく、0.01〜0.4μmがより好ましい。1.0μmより大きい場合にはトナー粒子として適切な重量平均粒径である3.0〜7.5μmのトナー粒子を得ることが困難になる。
樹脂粒子の平均粒径は、例えば、動的光散乱法(DLS)、レーザー散乱法、遠心沈降法、field−flow fractionation法、電気的検知帯法などを用いて測定することができる。なお、本発明における平均粒径とは、特に断りが無ければ、後述するように、20℃、0.01質量%固形分濃度で、動的光散乱法(DLS)/レーザードップラー法で測定された体積基準の50%累積粒径値(D50)のことを意味する。
本発明の乳化凝集法トナーに用いる着色剤粒子分散液は、一般式(1)で表される色素化合物を含有する着色剤を界面活性剤などの分散剤と共に水系媒体に分散させることで製造することができる。着色剤粒子は公知の方法で分散されるが、例えば、回転せん断型ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライターの如きメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機などが好ましく用いられる。
着色剤の含有量は、樹脂100.0質量部に対し1.0〜20.0質量部であることが好ましい。
用いられる界面活性剤の使用量は、着色剤100質量部に対して、0.01〜10.0質量部、好ましくは、0.1〜5.0質量部、特にトナー粒子中の界面活性剤の除去が容易となるため、0.5〜3.0質量部の範囲で用いることが好ましい。その結果、得られたトナー中に残留する界面活性剤量が少なくなり、トナーの画像濃度が高く、かつ、カブリが発生しにくいといった効果が得られる。
[凝集工程]
凝集体粒子を形成させる方法としては、特に限定されるものではないが、pH調整剤、凝集剤、安定剤などを上記混合液中に添加・混合し、温度、機械的動力(攪拌)などを適宜加える方法が好適に例示できる。
凝集体粒子を形成させる方法としては、特に限定されるものではないが、pH調整剤、凝集剤、安定剤などを上記混合液中に添加・混合し、温度、機械的動力(攪拌)などを適宜加える方法が好適に例示できる。
前記pH調整剤としては、特に限定されるものではないが、アンモニア、水酸化ナトリウムの如きアルカリ、硝酸、クエン酸の如き酸があげられる。
前記凝集剤としては、特に限定されるものではないが、塩化ナトリウム、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸アルミニウムの如き無機金属塩の他、2価以上の金属錯体があげられる。
前記安定剤としては、主に界面活性剤が挙げられる。界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウムの如き水溶性高分子;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウムの如きアニオン性界面活性剤;ラウリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドの如きカチオン性界面活性剤;ラウリルジメチルアミンオキサイドの如き両性イオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミンの如きノニオン性界面活性剤;リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムの如き無機化合物が挙げられる。なお、これらは単独で用いても良く、また、必要に応じて2種以上を組み合せて用いてもよい。
ここで形成される凝集粒子の平均粒径としては、特に限定されるものではないが、通常、得ようとするトナー粒子の平均粒径と同じ程度になるように制御するとよい。制御は、例えば、前記凝集剤などの添加・混合時の温度と上記撹拌混合の条件を適宜設定・変更することにより容易に行うことができる。さらに、トナー粒子間の融着を防ぐため、上記pH調整剤、上記界面活性剤などを適宜投入することができる。
[融合工程]
融合工程では、前記凝集体粒子を加熱して融合することでトナー粒子を形成する。加熱の温度としては、凝集体粒子に含まれる樹脂のガラス転移温度(Tg)から樹脂の分解温度の間であればよい。例えば、凝集工程と同様の撹拌下で、界面活性剤の添加やpH調整などにより、凝集の進行を止め、樹脂粒子の樹脂のガラス転移温度以上の温度に加熱することにより凝集体粒子を融合・合一させる。加熱の時間としては、融合が十分に為される程度でよく、具体的には10分間〜10時間程度行えばよい。
融合工程では、前記凝集体粒子を加熱して融合することでトナー粒子を形成する。加熱の温度としては、凝集体粒子に含まれる樹脂のガラス転移温度(Tg)から樹脂の分解温度の間であればよい。例えば、凝集工程と同様の撹拌下で、界面活性剤の添加やpH調整などにより、凝集の進行を止め、樹脂粒子の樹脂のガラス転移温度以上の温度に加熱することにより凝集体粒子を融合・合一させる。加熱の時間としては、融合が十分に為される程度でよく、具体的には10分間〜10時間程度行えばよい。
また、融合工程の前後に、微粒子を分散させた微粒子分散液を添加混合し、上記凝集体粒子に微粒子を付着させてコア・シェル構造を形成する工程(付着工程)をさらに含むことも可能である。
[洗浄工程]
乳化凝集法においては、融合工程後に得られたトナー粒子を適切な条件で洗浄、濾過、乾燥などすることにより、トナー粒子を得る。この場合、トナーとして十分な帯電特性、信頼性を確保するために、上記トナー粒子を十分に洗浄することが好ましい。
乳化凝集法においては、融合工程後に得られたトナー粒子を適切な条件で洗浄、濾過、乾燥などすることにより、トナー粒子を得る。この場合、トナーとして十分な帯電特性、信頼性を確保するために、上記トナー粒子を十分に洗浄することが好ましい。
洗浄方法としては、限定されるものではないが、例えば、トナー粒子を含む懸濁液を濾過する。次に、得られた濾物を蒸留水を用いて撹拌洗浄し、濾過する。トナーの帯電性の観点から、濾液の電気伝導度が150μS/cm以下になるまで洗浄を繰り返す。
更に、得られたトナー粒子の表面に、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウムの如き無機粒体や、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂の如き樹脂粒子を剪断力を印加して乾燥状態で添加してもよい。これらの無機粒体や樹脂粒子は、流動性助剤やクリーニング助剤などの外添剤として機能する。
[乾燥工程]
乾燥は、通常の振動型流動乾燥法、スプレードライ法、凍結乾燥法、フラッシュジェット法など、公知の方法を利用することができる。トナー粒子の乾燥後の含水分率は、1.5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは1.0質量%以下である。
乾燥は、通常の振動型流動乾燥法、スプレードライ法、凍結乾燥法、フラッシュジェット法など、公知の方法を利用することができる。トナー粒子の乾燥後の含水分率は、1.5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは1.0質量%以下である。
<トナーの物性>
本発明のトナーは、重量平均粒径D4が4.0〜9.0μmであり、重量平均粒径D4と個数平均粒径D1の比(以下、重量平均粒径D4/個数平均粒径D1またはD4/D1という)が1.35以下であることが好ましい。さらには、重量平均粒径D4が4.9〜7.5μmであり、D4/D1が1.30以下であることがより好ましい。
本発明のトナーは、重量平均粒径D4が4.0〜9.0μmであり、重量平均粒径D4と個数平均粒径D1の比(以下、重量平均粒径D4/個数平均粒径D1またはD4/D1という)が1.35以下であることが好ましい。さらには、重量平均粒径D4が4.9〜7.5μmであり、D4/D1が1.30以下であることがより好ましい。
なお、トナーの重量平均粒径D4と個数平均粒径D1の調整方法は、トナー母粒子の製造方法によって異なる。例えば懸濁重合法の場合は、水系分散媒体調製時に使用する分散剤濃度や反応撹拌速度、または反応撹拌時間などをコントロールすることにより調整することができる。
本発明のトナーは、トナーの転写性の点から、フロー式粒子像分析装置で測定される該トナーの平均円形度が0.930〜0.995であることが好ましく、より好ましくは0.960〜0.990である。
本発明のトナーは、磁性トナーまたは非磁性トナーどちらでも良い。磁性トナーとして用いる場合には、本発明のトナーを構成するトナー粒子は、磁性材料を混合して用いても良い。このような磁性材料としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライトの如き酸化鉄、または他の金属酸化物を含む酸化鉄、Fe、Co、Niのような金属、あるいは、これらの金属とAl、Co、Cu、Pb、Mg、Ni、Sn、Zn、Sb、Be、Bi、Cd、Ca、Mn、Se、Ti、W、Vのような金属との合金およびこれらの混合物が挙げられる。
<液体現像剤の製造方法>
本発明のトナーは、液体現像法に用いられる現像剤(以下液体現像剤と呼ぶ)にも用いることができる。以下、液体現像剤の製造方法について説明する。
本発明のトナーは、液体現像法に用いられる現像剤(以下液体現像剤と呼ぶ)にも用いることができる。以下、液体現像剤の製造方法について説明する。
まず、電気絶縁性担体液に一般式(1)または一般式(2)で表される色素化合物、樹脂、必要に応じて、電荷制御剤、ワックスなどの助剤を分散または溶解させて製造する。また、先に濃縮トナーを作り、さらに電気絶縁性担体液で希釈して現像剤を調製するというような、二段法で調製してもよい。
本発明で用いる分散機としては、特に限定されるものではないが、例えば、回転せん断型ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライターの如きメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機などが好ましく用いられる。
一般式(1)または一般式(2)で表される色素化合物に、更に公知の顔料や染料などの着色剤を単独、または、2種以上組み合わせ、追加して用いてもよい。
本発明で用いられるワックス及び着色剤は前記と同様である。
本発明で用いられる電荷制御剤としては、静電荷現像用液体現像剤に用いられているものであれば、特に制限されることはないが、例えば、ナフテン酸コバルト,ナフテン酸銅,オレイン酸銅,オレイン酸コバルト,オクチル酸ジルコニウム,オクチル酸コバルト,ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム,ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム,大豆レシチン,アルミニウムオクトエートが挙げられる。
本発明で用いられる電気絶縁性担体液としては、特に制限はないが、例えば109Ω・cm以上の高い電気抵抗と3以下の低い誘電率を有する有機溶剤を使用することが好ましい。具体的な例として、ヘキサン、ペンタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカンのような脂肪族炭化水素溶剤、アイソパーH,G,K,L,M(エクソン化学(株)製)、リニアレンダイマーA−20、A−20H(出光興産(株)製)のような、沸点が68〜250℃の温度範囲のものが好ましい。これらは、系の粘度が高くならない範囲で単独、または、2種以上併用してもよい。
以下の実施例において記載する「部」は、何れも「質量部」を表す。
[トナーの製造]
以下に記載する方法で本発明のトナー及び比較トナーを製造した。以下に、トナー作成方法(懸濁重合法、乳化重合法、粉砕法)に分けて、実施例および比較例のトナーの製造に関して順次説明する。
以下に記載する方法で本発明のトナー及び比較トナーを製造した。以下に、トナー作成方法(懸濁重合法、乳化重合法、粉砕法)に分けて、実施例および比較例のトナーの製造に関して順次説明する。
また、以下に示す実施例及び比較例で作成したトナーの重量平均粒径(D4)は、5.8〜6.8μmであった。粒度分布の指標となるD4/D1は、1.35未満であり良好な粒度分布であった。
[懸濁重合法]
<実施例1>
上記化合物201を0.5部、ピグメントイエロー155を4.5部、スチレン120部の混合物をアトライター(三井鉱山社製)により3時間溶解させて色素分散体(1)を得た。
<実施例1>
上記化合物201を0.5部、ピグメントイエロー155を4.5部、スチレン120部の混合物をアトライター(三井鉱山社製)により3時間溶解させて色素分散体(1)を得た。
高速撹拌装置T.K.ホモミキサー(プライミクス株式会社製)を備えた2L用四つ口フラスコ中にイオン交換水710部と0.1mol/L−リン酸三ナトリウム水溶液450部を添加し回転数を12000rpmに調整し、60℃に加温した。ここに1.0mol/L−塩化カルシウム水溶液68部を徐々に添加し微小な難水溶性分散安定剤リン酸カルシウムを含む水系分散媒体を調製した。
・色素分散体(1) 133.2部
・スチレン単量体 46.0部
・n−ブチルアクリレート単量体 34.0部
・サリチル酸アルミニウム化合物 2.0部
(オリエント化学工業株式会社製 ボントロンE−88)
・極性樹脂 10.0部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとイソフタル酸との重縮合物、Tg=65℃、Mw=10000、Mn=6000)
・エステルワックス 25.0部
(DSC測定における最大吸熱ピークのピーク温度=70℃、Mn=704)
・ジビニルベンゼン単量体 0.1部
上記、処方を60℃に加温し、T.K.ホモミキサーを用いて5000rpmにて均一に溶解・分散した。これに重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、回転数12000rpmを維持しつつ15分間造粒した。その後高速撹拌器からプロペラ撹拌羽根に撹拌器を変え、液温を60℃で重合を5時間継続させた後、液温を80℃に昇温させ8時間重合を継続させた。重合反応終了後、80℃/減圧下で残存単量体を留去した後、液温を30℃まで冷却し、重合体微粒子分散体を得た。
・色素分散体(1) 133.2部
・スチレン単量体 46.0部
・n−ブチルアクリレート単量体 34.0部
・サリチル酸アルミニウム化合物 2.0部
(オリエント化学工業株式会社製 ボントロンE−88)
・極性樹脂 10.0部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとイソフタル酸との重縮合物、Tg=65℃、Mw=10000、Mn=6000)
・エステルワックス 25.0部
(DSC測定における最大吸熱ピークのピーク温度=70℃、Mn=704)
・ジビニルベンゼン単量体 0.1部
上記、処方を60℃に加温し、T.K.ホモミキサーを用いて5000rpmにて均一に溶解・分散した。これに重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、回転数12000rpmを維持しつつ15分間造粒した。その後高速撹拌器からプロペラ撹拌羽根に撹拌器を変え、液温を60℃で重合を5時間継続させた後、液温を80℃に昇温させ8時間重合を継続させた。重合反応終了後、80℃/減圧下で残存単量体を留去した後、液温を30℃まで冷却し、重合体微粒子分散体を得た。
次に、重合体微粒子分散体を洗浄容器に移し、撹拌しながら、希塩酸を添加してpH1.5に調整し、2時間撹拌させた。濾過器で固液分離を行い、重合体微粒子を得た。重合体微粒子の水への再分散と固液分離とを、リン酸カルシウムを含むリン酸とカルシウムの化合物を十分に除去されるまで、繰り返し行った。その後に、最終的に固液分離した重合体微粒子を、乾燥機で十分に乾燥してイエロートナー母粒子(1)を得た。
得られたイエロートナー母粒子100部に対し、ヘキサメチルジシラザンで表面処理された疎水性シリカ微粉体(一次粒子の数平均径7nm)1.00部、ルチル型酸化チタン微粉体(一次粒子の数平均径45nm)0.15部、ルチル型酸化チタン微粉体(一次粒子の数平均径200nm)0.50部をヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)で5分間乾式混合して、イエロー色のトナー(1)を得た。
<実施例2〜7、15、16、比較例1〜3>
実施例1において、化合物の種類、添加量、併用する着色剤の種類、添加量を表1に示すように変更した以外は同様にして、各トナーを得た。
実施例1において、化合物の種類、添加量、併用する着色剤の種類、添加量を表1に示すように変更した以外は同様にして、各トナーを得た。
[乳化凝集法]
<実施例8>
スチレン82.6部、アクリル酸n−ブチル9.2部、アクリル酸1.3部、ヘキサンジオールアクリレート0.4部、n−ラウリルメルカプタン3.2部を混合し溶解させた。この溶液にネオゲンRK(第一工業製薬社製)1.5部のイオン交換水150部の水溶液を添加して、分散させた。さらに10分間ゆっくりと撹拌しながら、過硫酸カリウム0.15部のイオン交換水10部の水溶液を添加した。窒素置換をした後、70℃で6時間乳化重合を行った。重合終了後、反応液を室温まで冷却し、イオン交換水を添加することで固形分濃度が12.5質量%、体積基準のメジアン径が0.2μmの樹脂粒子分散液を得た。
<実施例8>
スチレン82.6部、アクリル酸n−ブチル9.2部、アクリル酸1.3部、ヘキサンジオールアクリレート0.4部、n−ラウリルメルカプタン3.2部を混合し溶解させた。この溶液にネオゲンRK(第一工業製薬社製)1.5部のイオン交換水150部の水溶液を添加して、分散させた。さらに10分間ゆっくりと撹拌しながら、過硫酸カリウム0.15部のイオン交換水10部の水溶液を添加した。窒素置換をした後、70℃で6時間乳化重合を行った。重合終了後、反応液を室温まで冷却し、イオン交換水を添加することで固形分濃度が12.5質量%、体積基準のメジアン径が0.2μmの樹脂粒子分散液を得た。
エステルワックス(DSC測定における最大吸熱ピークのピーク温度=70℃、Mn=704)100部、ネオゲンRK15部をイオン交換水385部に混合させ、湿式ジェットミル JN100((株)常光製)を用いて約1時間分散してワックス分散液を得た。ワックス分散液の濃度は20質量%であった。
化合物206(20部)とピグメントイエロー180(80部)とを着色剤として用い、ネオゲンRK15部をイオン交換水885部に混合させ、湿式ジェットミル JN100((株)常光製)を用いて約1時間分散して着色剤分散液を得た。
着色剤分散液における着色剤粒子の体積基準のメジアン径は0.2μmであり、分散液の濃度は10質量%であった。
樹脂粒子分散液160部、ワックス分散液10部、着色剤分散液10部、硫酸マグネシウム0.2部をホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた後、撹拌させながら、65℃まで加温した。65℃で1時間撹拌した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約6.0μmである凝集体粒子が形成されていることが確認された。ネオゲンRK(第一工業製薬社製)2.2部加えた後、80℃まで昇温して120分間撹拌して、融合した球形トナー粒子を得た。冷却後、ろ過し、ろ別した固体を720部のイオン交換水で、60分間攪拌洗浄した。トナー粒子を含む溶液をろ過し、ろ液の電気伝導度が150μS/cm以下となるまで同様な洗浄を繰り返した。真空乾燥機を用いて乾燥させ、トナー母粒子を得た。
上記各トナー母粒子100部に、BET法で測定した比表面積が200m2/gである疎水化処理されたシリカ微粉体1.8部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で乾式混合し、イエロー色のトナー(8)を得た。
<実施例9、10、17、18、比較例4>
実施例8において、化合物の種類、添加量、併用する着色剤の種類、添加量を表2に示すように変更した以外は同様にして、各トナーを得た。
実施例8において、化合物の種類、添加量、併用する着色剤の種類、添加量を表2に示すように変更した以外は同様にして、各トナーを得た。
尚、比較例4で使用した、ネオペンマゼンタ525(BASF社製)は、以下の構造を有するものである。
[粉砕法]
<実施例11>
・結着樹脂(ポリエステル樹脂) 100.0部
(Tg55℃、酸価20mgKOH/g、水酸基価16mgKOH/g、分子量:Mp4 500、Mn2300、Mw38000)
・化合物202 1.0部
・ピグメントイエロー185 4.0部
・1,4−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.5部
・パラフィンワックス(最大吸熱ピーク温度78℃) 5.0部
上記の処方を、ヘンシェルミキサー(FM−75J型、三井鉱山(株)製)でよく混合した後、温度130℃に設定した2軸混練機(PCM−45型、池貝鉄鋼(株)製)にて60kg/hrのFeed量で混練(吐出時の混練物温度は約150℃)した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗砕した後、機械式粉砕機(T−250:ターボ工業(株)製)にて20kg/hrのFeed量で微粉砕した。
<実施例11>
・結着樹脂(ポリエステル樹脂) 100.0部
(Tg55℃、酸価20mgKOH/g、水酸基価16mgKOH/g、分子量:Mp4 500、Mn2300、Mw38000)
・化合物202 1.0部
・ピグメントイエロー185 4.0部
・1,4−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.5部
・パラフィンワックス(最大吸熱ピーク温度78℃) 5.0部
上記の処方を、ヘンシェルミキサー(FM−75J型、三井鉱山(株)製)でよく混合した後、温度130℃に設定した2軸混練機(PCM−45型、池貝鉄鋼(株)製)にて60kg/hrのFeed量で混練(吐出時の混練物温度は約150℃)した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗砕した後、機械式粉砕機(T−250:ターボ工業(株)製)にて20kg/hrのFeed量で微粉砕した。
更に得られたトナー微粉砕物を、コアンダ効果を利用した多分割分級機により分級することで、トナー母粒子を得た。
上記各トナー母粒子100部に、BET法で測定した比表面積が200m2/gである疎水化処理されたシリカ微粉体1.8部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で乾式混合し、イエロー色のトナー(11)を得た。
<実施例12〜14、19〜21、比較例5〜7>
実施例11において、化合物の種類、添加量、併用する着色剤の種類、添加量を表3に示すように変更した以外は同様にして、各トナーを得た。
実施例11において、化合物の種類、添加量、併用する着色剤の種類、添加量を表3に示すように変更した以外は同様にして、各トナーを得た。
[画像サンプル評価]
上述のトナー(1)〜(21)とトナー(比較1)〜(比較7)を用いて、画像サンプルを出力し後述する画像特性を比較評価した。尚、画像特性の比較に際し画像形成装置(以下LBPと略)としてLBP−5300(キヤノン社製)を使用した。
上述のトナー(1)〜(21)とトナー(比較1)〜(比較7)を用いて、画像サンプルを出力し後述する画像特性を比較評価した。尚、画像特性の比較に際し画像形成装置(以下LBPと略)としてLBP−5300(キヤノン社製)を使用した。
評価に際しては各トナーを個別に充填したCRGを評価項目毎に用意した。そして各々のトナーを充填したCRGごとにLBPにセッティングし、下記に記載した評価項目毎に評価した。画像サンプルの基紙としては、CLCカラーコピー用紙(キヤノン(株)製)を用いた。
<参照トナーの作成>
以下の評価を行うために、着色材料を単独で用いた参照トナーを、以下の通りに作成した。実施例1で製造したトナーの評価に用いる参照トナーを例に説明する。
以下の評価を行うために、着色材料を単独で用いた参照トナーを、以下の通りに作成した。実施例1で製造したトナーの評価に用いる参照トナーを例に説明する。
実施例1において、「0.5部の化合物201、4.5部のピグメントイエロー155」に変えて、化合物201を5.0部用いる以外は同様にして、参照トナー1を製造した。さらに、実施例1において、「0.5部の化合物201、4.5部のピグメントイエロー155」に変えて、ピグメントイエロー155を5.0部用いる以外は同様にして、参照トナー2を製造した。
このように、実施例/比較例のトナーに含有される2種類の着色剤を単独で含有する参照トナーを、各トナーに対して2種類製造した。この際、各参照トナーにおける着色剤量は、実施例/比較例のトナーに含有される2種類の着色剤の合計量とした。
<色域測定>
実施例で作成したトナー、および各トナーに対応する参照トナーを用いて作成した各画像サンプルに関して、コニカミノルタ株式会社製の分光測色計「CM−2600d」を用いた。測定は以下の測定条件で行った。
・測色径3mm
・視野2°
・UVカットモード 正反射光処理モードSCE
・標準光源D50
この装置を用いて、L*a*b*表色系における色度(L*、a*、b*)を測定した。彩度(C*)は色特性の測定値に基づき、下記式によって算出した。
C*=((a*)2+(b*)2)1/2
次に、表4に示した「ΔE」について説明する。
実施例で作成したトナー、および各トナーに対応する参照トナーを用いて作成した各画像サンプルに関して、コニカミノルタ株式会社製の分光測色計「CM−2600d」を用いた。測定は以下の測定条件で行った。
・測色径3mm
・視野2°
・UVカットモード 正反射光処理モードSCE
・標準光源D50
この装置を用いて、L*a*b*表色系における色度(L*、a*、b*)を測定した。彩度(C*)は色特性の測定値に基づき、下記式によって算出した。
C*=((a*)2+(b*)2)1/2
次に、表4に示した「ΔE」について説明する。
2つの参照トナーを用いて作成した画像サンプルのC*、L*をC*L*平面上にプロットし、これら2点間を直線で結ぶ。この線分において、評価するトナーにおける着色剤の含有量の割合に基づいた内挿点を特定し、その点におけるC*、L*を(C0 *、L0 *)とする。例えば、実施例1のトナーにおいては、化合物201とピグメントイエロー155との割合(質量基準)が1:9であるため、化合物201を単独で用いた参照トナー側の点を起点として、上記線分を1:9に分割する分割点が特定された内挿点となる。
そして、実施例で製造したトナーのC*L*平面上の点を(C*、L*)としたとき、色シフト量ΔEは以下の式で表わされる。
ΔE=((C*−C0 *)2+(L*−L0 *)2)1/2このΔEが大きいほど、色素を混合した場合に大きな色度変化を得られたことになる。
評価(色変化)は以下の基準で行った。以上の評価の結果を表4に示す。
A:ΔEが15.0以上
B:ΔEが7.0以上15.0未満
C:ΔEが7.0未満
A:ΔEが15.0以上
B:ΔEが7.0以上15.0未満
C:ΔEが7.0未満
表1で示した重合法トナー、乳化凝集法トナー、粉砕法トナーの評価結果から明らかなように、本発明で得られるトナーは対応する比較用トナーと比較して、大きな色シフトが観測される。すなわち、一般式(1)または一般式(2)で表される化合物と従来の着色剤を併用したトナーの場合、色シフトの指標となる色シフト量ΔEが大きくなる。
上記の実施例中、一般式(2)で表される化合物を用いた実施例が実施例21であり、それ以外は、一般式(1)で表される化合物を用いた実施例である。得られた結果より、一般式(1)で表される化合物の方が、色域改善する効果が高いことがわかる。
<実施例22〜25、比較例8、9>
実施例1において、化合物の種類、添加量、併用する着色剤の種類、添加量を表3に示すように変更した以外は同様にして、トナーA〜Dを作成した。
実施例1において、化合物の種類、添加量、併用する着色剤の種類、添加量を表3に示すように変更した以外は同様にして、トナーA〜Dを作成した。
次に以下のようにして、各実施例/比較例に用いる混合トナーを作成した。
実施例22:トナーAとトナーCを1:4の割合(質量比)で混合した。
実施例23:トナーAとトナーCを2:3の割合(質量比)で混合した。
実施例24:トナーBとトナーCを1:4の割合(質量比)で混合した。
実施例25:トナーBとトナーCを2:3の割合(質量比)で混合した。
比較例8:トナーDとトナーCを1:4の割合(質量比)で混合した。
比較例9:トナーDとトナーCを2:3の割合(質量比)で混合した。
実施例22:トナーAとトナーCを1:4の割合(質量比)で混合した。
実施例23:トナーAとトナーCを2:3の割合(質量比)で混合した。
実施例24:トナーBとトナーCを1:4の割合(質量比)で混合した。
実施例25:トナーBとトナーCを2:3の割合(質量比)で混合した。
比較例8:トナーDとトナーCを1:4の割合(質量比)で混合した。
比較例9:トナーDとトナーCを2:3の割合(質量比)で混合した。
上記の混合トナーを用いて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表6に示す。
尚、ΔEを算出する際の内挿点の特定は以下のようにして行った。
尚、ΔEを算出する際の内挿点の特定は以下のようにして行った。
混合前の2つのトナーを用いて作成した画像サンプルのC*、L*をC*L*平面上にプロットし、これら2点間を直線で結ぶ。この線分において、評価する混合トナーにおける混合割合に基づいた内挿点を特定し、その点におけるC*、L*を(C0 *、L0 *)とする。例えば、実施例22のトナーにおいては、トナーAとトナーCとの割合(質量基準)が1:4であるため、トナーA側の点を起点として、上記線分を1:4に分割する分割点が特定された内挿点となる。
<実施例26、27、比較例10>
上記トナーA〜Dをそれぞれ別のカートリッジに導入し、そのカートリッジを用いて、それぞれのトナーの載り量が表7に記載の割合になるように、紙面上の同じ場所に画像を形成した。得られた画像を用いて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表7に示す。
上記トナーA〜Dをそれぞれ別のカートリッジに導入し、そのカートリッジを用いて、それぞれのトナーの載り量が表7に記載の割合になるように、紙面上の同じ場所に画像を形成した。得られた画像を用いて、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表7に示す。
尚、ΔEを算出する際の内挿点の特定は以下のようにして行った。
2つのトナーを用いて作成した画像サンプルのC*、L*をC*L*平面上にプロットし、これら2点間を直線で結ぶ。この線分において、画像上のトナーの載り量の割合に基づいた内挿点を特定し、その点におけるC*、L*を(C0 *、L0 *)とする。例えば、実施例26においては、トナーAとトナーCとの載り量の割合(質量基準)が1:4であるため、トナーA側の点を起点として、上記線分を1:4に分割する分割点が特定された内挿点となる。
2つのトナーを用いて作成した画像サンプルのC*、L*をC*L*平面上にプロットし、これら2点間を直線で結ぶ。この線分において、画像上のトナーの載り量の割合に基づいた内挿点を特定し、その点におけるC*、L*を(C0 *、L0 *)とする。例えば、実施例26においては、トナーAとトナーCとの載り量の割合(質量基準)が1:4であるため、トナーA側の点を起点として、上記線分を1:4に分割する分割点が特定された内挿点となる。
Claims (5)
- 結着樹脂及び着色剤を含有するトナーであって、
前記着色剤が、一般式(1)で表される化合物および一般式(2)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とするトナー。
[一般式(1)中、
R1は、ハロゲン原子、アルキル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリール基、フェノキシ基、または、隣り合うR5と結合して環構造を形成するのに必要な原子団を表し、
R2は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、フェノキシ基、チオフェノキシ基、アルキニル基、またはアミノ基を表し、
R3は、水素原子、アルキル基、アリール基、または、隣り合うR4と結合して環構造を形成するのに必要な原子団を表し、
R4は、水素原子、アルキル基、アリール基、アクリル酸アルキル基、スルホン基、または、隣り合うR3或いはR5と結合して環構造を形成するのに必要な原子団を表し、
R5は、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキニル基、または、隣り合うR1或いはR4と結合して環構造を形成するのに必要な原子団を表す。]
[一般式(2)中のR1、R3〜R5は、一般式(1)におけるR1、R3〜R5と同じものを表す。] - 前記一般式(1)および一般式(2)において、2つのR1が、いずれもフッ素原子である、請求項1に記載のトナー。
- 前記着色剤が、一般式(1)で表される化合物および一般式(2)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物に加えて、ほかの着色顔料を含有する、請求項1または2に記載のトナー。
- 前記着色顔料が、C.I.Pigment Yellow 74、C.I.Pigment Yellow 155、C.I.Pigment Yellow 180、C.I.Pigment Yellow 185、C.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Red 150、およびC.I.Pigment Red 57:1からなる群から選択される顔料である、請求項3に記載のトナー。
- 前記着色剤が、一般式(1)で表される化合物を含有する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のトナー。
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