JP2013117022A - 着色樹脂粉体及び該着色樹脂粉体を用いたトナー - Google Patents

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Abstract

【課題】高い明度、彩度まで再現可能であり、色域の広い分光反射特性を有する着色樹脂粉体を提供することを目的とする。
【解決手段】一般式(1)で表される非水溶性色素化合物及び結着樹脂を含有することを特徴とする着色樹脂粉体である。
Figure 2013117022

〔一般式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、アルキル基を表し、R3は、アルキル基、アリール基、又はアルコキシ基を表す。〕
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法、トナージェット法、液体現像法などの記録方法に用いられる着色樹脂粉体及び該着色樹脂粉体を用いたトナーに関する。
近年、カラー画像の普及が盛んで高画質化への要求が高まっている。デジタルフルカラー複写機やプリンターにおいては、色画像原稿をブルー、グリーン、レッドの各色フィルターで色分解した後、オリジナル画像に対応した潜像をマゼンタ、シアン、ブラックの各色現像剤を用い現像する。そのため、各色の現像剤中の着色剤が画質に大きな影響を与えることになる。一般に、顔料の各種媒体への分散は、顔料を十分に微細化させることや、均一に分散させることが困難である。
カラートナーの中におけるマゼンタトナーは、肌色を再現するのに重要であり、さらに、人物像における肌の色調はハーフトーンであることから、優れた現像性も要求される。従来、マゼンタトナー用着色剤としてはキナクリドン系着色剤、チオインジゴ系着色剤、キサンテン系着色剤、モノアゾ系着色剤、ペリレン系着色剤及びジケトピロロピロール系着色剤が知られている。
また、マゼンタの着色剤に染料を用いる場合、初期には鮮やかな、マゼンタ色は呈するものの、光に対する安定性が低く、放置後の色味変動が大きくなった。また、淡色では、明度の高い鮮明な画像が得られるが、濃色の領域において、十分な画像濃度が得にくく、特に、混色し、濃色の赤及び青を再現する場合、発色範囲が狭くなりやすい。キサンテン系着色剤は良好な色再現性の色調に優れた着色剤であるが、溶液状態で使用する場合には、耐光性が著しく劣るものとなり、種々の工夫が必要となる(特許文献1、2参照)。これらのマゼンタ着色剤は結着樹脂と親和性及び耐光性が良好であり、一応、摩擦帯電特性及び色調の優れたマゼンタトナーが得られるが、透明性を満足し、より原稿に忠実な画像を得るためには、より一層の色調、彩度、電子写真特性が向上しているマゼンタトナーが待望されている。
特開平9−255882号公報 特開平5−117536号公報
本発明は上記した課題を解決することを目的とする。即ち、高い明度、彩度の領域まで表現でき、色域の広い分光反射特性を有する着色樹脂粉体を提供することを目的とする。また、該着色樹脂粉体を含有するトナーを提供することを目的とする。
上記目的は、以下の発明によって達成される。
即ち、本発明は、下記一般式(1)で表される非水溶性色素化合物及び結着樹脂を含有することを特徴とする着色樹脂粉体に関する。
また、本発明は、少なくとも、該着色樹脂粉体を含有することを特徴とするトナーに関する。
Figure 2013117022
〔一般式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、アルキル基を表し、R3は、アルキル基、アリール基、又はアルコキシ基を表す。〕
本発明によれば、高い明度、彩度の領域まで表現でき、色域の広い分光反射特性を有する着色樹脂粉体及び、該着色樹脂粉体を含有するトナーを提供することが出来る。
本発明の一般式(1)で表される化合物(1)のCHCl3中、室温、400MHzにおける1H NMRスペクトルを表す図である。
以下に、実施するための形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。本発明者らは、前記した従来技術の課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、下記一般式(1)で表される非水溶性色素化合物と結着樹脂を含有した着色樹脂粉体が、明度、彩度の伸びが良く、色域の広い分光反射特性を有することを見出した。また、本発明者らは、該着色樹脂粉体を使用することで、高い明度、彩度の領域まで良好に表現でき、色域の広い分光反射特性を有するトナーが得られることを見出した。
Figure 2013117022
〔一般式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、アルキル基を表し、R3は、アルキル基、アリール基、又はアルコキシ基を表す。〕
<着色樹脂粉体について>
本発明の着色樹脂粉体について説明する。本発明でいう着色樹脂粉体は、用途に応じて大きさを調整することができるが、円相当径0.01μm乃至1,000μm程度の粒径を有するものが想定される。
本発明の着色樹脂粉体は、高い明度、彩度の領域まで表現可能であり、色域の広い分光反射特性を有するため、トナー用途としてとして好適である。
本発明の着色樹脂粉体は、一般式(1)で表される非水溶性色素化合物と結着樹脂を含有することを特徴とする。
一般式(1)で表される非水溶性色素化合物と結着樹脂が混ぜ合わさったものであれば、特に限定されるものではないが、具体例を挙げると、混練により混ぜ合わせた後、粉砕されたもの、溶融混錬の後、分散機により液中分散されたもの、一般式(1)で表される非水溶性色素化合物とあらかじめ微粒子化された結着樹脂を凝集させて粉体化したもの等があげられる。
結着樹脂に一般式(1)で表される非水溶性色素化合物を混合し、マスターバッチ化させる場合は、多量の一般式(1)で表される非水溶性色素化合物を用いても分散性を悪化させない。また、該マスターバッチ化したものをトナーに使用する場合は、トナー粒子中における分散性を良化し、混色性や透明性等の色再現性が優れる。また、転写材上でのカバーリングパワーが大きいトナーを得ることが出来る。また、着色剤の分散性が良化することにより、トナー帯電性の耐久安定性が優れ、高画質を維持した画像を得ることが可能となる。
一般式(1)で表される非水溶性色素化合物の使用量は、結着樹脂100質量部に対して好ましくは0.1乃至30質量部であり、より好ましくは0.5乃至20質量部であり、最も好ましくは3乃至15質量部である。
まず、一般式(1)で表される非水溶性色素化合物について説明する。
一般式(1)で表される本発明の非水溶性色素化合物は、有機溶剤に対する高い親和性を有する。なお、本発明における「非水溶性」とは、水への溶解度が質量百分率で1%未満であることを示す。
一般式(1)中、R1及びR2は、アルキル基を表す。
一般式(1)中のR1及びR2におけるアルキル基としては、特に限定されるものではないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、オクチル基、ドデシル基、ノナデシル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、2−エチルプロピル、2−エチルヘキシル基、シクロヘキセニルエチル基等の直鎖状、分岐状、または、環状の炭素数1乃至20個の1級乃至3級のアルキル基が挙げられる。
1が2級及び3級の嵩が高いアルキル基の場合には、環化の工程が進行しにくく、製造における得量が少ないため、メチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基等の1級のアルキル基が好ましい。特に、メチル基、n−ブチル基、2−エチルヘキシル基が製造上、好ましい。
2がエチル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ドデシル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、2−エチルプロピル、2−エチルヘキシル基、シクロヘキセニルエチル基である場合、化合物の高い明度、彩度の領域まで表現できるようになるため好ましい。特に、n−ブチル基、2−エチルヘキシル基が好ましい。
1及びR2のアルキル基は、更に置換基を有してもよく、化合物の明度、彩度の伸びを著しく阻害するものでなければ、特に限定されるものではないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピオキシ基、ブトキシ基、2−エチルヘキシロキシ基等のアルコキシ基、メチルアミノ基、プロピルアミノ基等のモノ置換アミノ基、ジメチルアミノ基、ジブチルアミノ基、または、N−エチル−N−フェニル基等のジ置換アミノ基、シアノ基等が挙げられる。
特に、ブトキシ基、メチルアミノ基、ジブチルアミノ基、N−エチル−N−フェニル基、シアノ基等が好ましい。特に、ブトキシ基が化合物の明度、彩度の伸びが良い。
一般式(1)中のR3におけるアルキル基としては、特に限定されるものではないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基、ノナデシル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、または、エチルヘキシル基等の直鎖状、分岐状、または、環状の炭素数1乃至20個のアルキル基が挙げられる。
3におけるアリール基としては、特に限定されるものではないが、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
3におけるアルコキシ基としては、特に限定されるものではないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
3は更に、置換基を有してもよく、化合物の明度、彩度の伸びを著しく阻害するものでなければ、特に限定されるものではないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、フェニル基などのアリール基、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、メチルアミノ基、プロピルアミノ基等のモノ置換アミノ基、ジメチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、N−エチル−N−フェニル基等のジ置換アミノ基、アミノ基、シアノ基等が挙げられる。
好ましくは、R3がメチル基、フェニル基、2−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、エトキシ基の場合である。特に、フェニル基、2−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基が化合物の明度、彩度の伸びが良く、好ましい。
本発明にかかる一般式(1)で表される化合物は、例えば、特開2005−320480号公報等に記載されている公知の方法等を参考にして合成することが可能である。
本発明の前記一般式(1)で表される化合物の製造方法について、一態様を示すが、製造方法がこれに限定されるわけではない。
Figure 2013117022
上記化合物A乃至D、一般式(1)中のR1乃至R3は、前記一般式(1)におけるR1乃至R3の場合と同意義である。
まず、化号物Aと化合物Bを環化させて化合物Cを製造する環化工程について説明する。
本発明で用いる化合物Aは多種市販されており容易に入手することが出来る。
本工程における化合物Bの使用量は、化合物Aに対し、0.1乃至10倍モル、好ましくは0.5乃至5倍モル、より好ましくは0.8乃至5倍モルである。
本工程は、溶媒の存在下で行う事が好ましい。溶媒としては、反応に関与しないものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、メシチレン等の芳香族溶媒、ジイソプロピリエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ブチルアルコール、ジエチレングリコール等のアルコール系溶媒等が挙げられる。好ましくは、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、メシチレン等の芳香族溶媒であり、特に好ましくは1,2−ジクロロベンゼン、メシチレン等である。また、2種以上の溶媒を混合して用いることができ、混合使用の際の混合比は任意に定めることが出来る。
上記反応溶媒の使用量は、化合物Aに対し、0.1乃至1000倍質量の範囲で用いられ、好ましくは0.5乃至500倍質量、より好ましくは1.0乃至150倍質量である。
本工程の反応温度は、−80乃至300℃の範囲で行われ、好ましくは−20乃至250℃、より好ましくは0乃至220℃の範囲ある。通常反応は48時間以内に完結する。
本工程では、必要に応じて酸または塩基の添加を行うと反応が速やかに進行する。用いる酸は反応に関与しないものであれば特に限定されるものではない。例えば、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸;p−トルエンスルホン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トルフルオロ酢酸等の有機酸;アンバーライト(ローム・アンド・ハース株式会社)、アンバーリスト(ローム・アンド・ハース株式会社)等の強酸性イオン交換樹脂;ギ酸アンモニウム、酢酸アンモニウム等の無機酸塩等が挙げられる。好ましくは、リン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸等である。
上記、酸の使用量は、化合物Aに対し、0.1乃至50倍モル、好ましくは、1乃至30倍モル、より好ましくは2乃至10倍モルである。
本工程で用いる塩基としては、具体的には、カリウム−tert−ブトキシド、ナトリウム−tert−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等の金属アルコキシド;ピペリジン、ピリジン、2−メチルピリジン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルエチルアミン、酢酸カリウム、1,8−ジアザビシクロ[5、4、0]ウンデカ−7−エン(DBU)等の有機塩基、n−ブチルリチウム、マグネシウムクロリド、水素化ホウ素ナトリウム、金属ナトリウム、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基等が用いられる。好ましくは、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、酢酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等である。
上記、塩基の使用量は、化合物Aに対し、0.1乃至15倍モル、好ましくは1乃至8倍モル、より好ましくは1.4乃至5倍モルである。
反応終了後、2−プロピルアルコール及びヘキサンで希釈し、析出した固体をろ過することによって、化合物Cを得ることが出来る。
次に、縮合工程について説明する。縮合工程はウルマン縮合反応として分類される公知反応の範疇(Chem.Ber.,36,2382(1902年))に含まれる。即ち、化合物Cと化合物D(アミン化合物)を縮合させて、本発明の一般式(1)を得る。具体的なアミノ化反応としては、例えば、下記に示す方法が挙げられる。
本工程における化合物Dの使用量は、化合物Cに対し、0.1乃至10倍モル、好ましくは0.5乃至5倍モル、より好ましくは0.8乃至5倍モルである。
本工程で使用される縮合剤としては、特に限定されるものではなく、ウルマン縮合反応で通常使用される縮合剤を使用することが出来る。例えば、銅粉、塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第一銅、臭化第二銅、ヨウ化銅、酢酸銅、硫酸銅等の銅化合物等が挙げられる。好ましくは、ヨウ化銅が挙げられる。
縮合剤の使用量としては、化合物Cの1モルに対して、好ましくは0.0005乃至0.1モル、より好ましくは0.001乃至0.05モルである。
反応を促進させるため、本工程には縮合剤の助触媒を用いることが出来る。
縮合剤の助触媒としては、ウルマン縮合反応として分類される公知のものであれば、特に限定はされない。例えば、2,2’−ビピリジル、1,10−フェナントロリン等が安価で利用しやすいため好ましい。
縮合工程において用いられる有機溶剤について説明する。
本工程に用いることができる有機溶剤は、反応に関与しない有機溶剤であれば、特に限定されるものではないが、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、トルエン、キシレン、エチレングリコール、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンおよびニトロベンゼン等を基質の溶解性に応じて単独で、もしくは2種類以上組み合わせて用いることができる。
本工程は、通常0乃至220℃の温度範囲で行われ、通常24時間以内に完結する。
縮合工程における反応温度は、5乃至180℃の範囲である場合が好ましく、10乃至120℃がより好ましい。温度が0℃より低いと反応の進行が著しく遅くなり、また、220℃より高いと化合物の分解が起きる可能性があるため好ましくない。
得られた一般式(1)で表わされる化合物は、通常の有機合成反応の後処理方法に従って処理した後、再結晶、再沈殿、カラムクロマトグラフィー等の精製を行うことで高純度の非水溶性の色素化合物を得ることができる。一般式(1)で表わされる非水溶性色素化合物は、1H核磁気共鳴分光分析、LC/TOF MS、UV/Vis分光光度計等を用いて同定することができる。
各化合物の官能基において必要に応じて、公知の保護・脱保護反応、加水分解等の反応を追加することは、当該事業者には適宜選択可能である。
また、R1とR2の置換基が同じ場合には、以下に示すように化合物Eと化合物Bを環化させることによって本発明の一般式(1)で表わされる化合物を得る事が出来る。この環化工程は前記、化号物Aと化合物Bを環化させて化合物Cを製造する環化工程と同様に製造することが出来る。
Figure 2013117022
本発明で一般式(1)で表される化合物は、使用する用途の目的に応じて、色調等を調整するために、単独、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。さらに、公知の顔料や染料を2種以上組み合わせて用いることもできる。
本発明の非水溶性色素化合物の好ましい具体例として、非水溶性色素化合物(1)乃至(21)を以下に示すが、下記の例に限定されるものではない。なお、非水溶性色素化合物(1)乃至(21)は、下記一般式中のR1、R2、R3を表1中の置換基としたものである。「*」は置換基の結合部位を表す。
Figure 2013117022
Figure 2013117022
<結着樹脂>
本発明に用いる結着樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、熱可塑性樹脂などを挙げることができる。
具体的には、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類の単独重合体又は共重合体(スチレン系樹脂);アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類の単独重合体又は共重合体(オレフィン系樹脂);エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等の非ビニル縮合系樹脂、及びこれら非ビニル縮合系樹脂とビニル系モノマーとのグラフト重合体などが挙げられる。これらの樹脂は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、ポリエステル樹脂は、酸由来の構成成分(ジカルボン酸)とアルコール由来の構成成分(ジオール)とから合成されるものであり、本発明において、「酸由来の構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前には酸成分であった構成部位を指し、「アルコール由来の構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前にはアルコール成分であった構成部位を指す。
本発明の酸由来の構成成分は、特に限定されるものではないが、脂肪族ジカルボン酸由来の構成成分、2重結合を持つジカルボン酸由来の構成成分、スルホン酸基を持つジカルボン酸由来の構成成分が挙げられる。具体的には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸、それらの低級アルキルエステルや酸無水物等が挙げられる。特に、脂肪族ジカルボン酸由来の構成成分が望ましく、さらに、脂肪族ジカルボン酸における脂肪族部位が飽和カルボン酸であることが好ましい。
アルコール由来の構成成分としては、特に限定されるものではないが、脂肪族ジオールが望ましい。例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなどが挙げられる。
本発明においては、着色樹脂粉体の機械的強度を高めると共に、分子量を制御するために、結着樹脂の合成時に架橋剤を用いることもできる。
トナーに用いられる架橋剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、二官能の架橋剤として、ジビニルベンゼン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート、および上記のジアクリレートをジメタクリレートに代えたものが挙げられる。
多官能の架橋剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレートおよびそのメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートおよびトリアリルトリメリテートが挙げられる。
これらの架橋剤は、前記単量体100質量部に対して、好ましくは0.05乃至10質量部、さらには0.1乃至5質量部用いることがより好ましい。
<着色樹脂粉体の作成方法>
本発明の着色樹脂粉体は、混合機、熱混練機など公知の製造装置を用いて製造することができる。
まず、結着樹脂および本発明の非水溶性色素化合物をヘンシェルミキサー又はボールミル等の混合機により十分混合する。次に、ロール、ニーダー及びエクストルーダー等の熱混練機を用いて溶融させる。さらに、捏和及び混練して樹脂類を互いに相溶させる。冷却固化の後、粉砕して着色樹脂粉体を得ることができる。
また、本発明による着色樹脂粉体は,一般式(1)で表わされる非水溶性色素化合物を結着樹脂と混合することにより、非水溶性色素化合物の色材性能を劣化させることなく、非水溶性色素化合物を単独で用いた場合と比較して,長期にわたり安定した発色を持続させることが可能となる。
本発明の着色樹脂粉体は、構成成分の分散性と目的とする色相を阻害しない限りは、着色剤として、顔料や染料を併用することできる。
次に本発明のトナーに関して説明する。
本発明のトナーは、該着色樹脂粉体を含有するトナーである。
本発明のトナーを構成するトナー粒子の製造方法としては、粉砕法、乳化重合法、乳化凝集法、懸濁重合法、溶解懸濁法などが挙げられる。製造時の環境負荷および粒径の制御性の観点から、これらの製造方法のうち、主に水系媒体中で造粒する乳化凝集法によって製造することが好ましい。また、液体現像法に用いられる現像剤(以下、液体現像剤と呼ぶ)に用いることが出来る。
トナー粒子は、結着樹脂のほかに、必要に応じて着色剤、ワックス、荷電制御剤などを含有され、またトナー粒子に外部添加剤が添加されていることが好ましい。
ワックスとはトナーが定着するときオフセットを防止する目的で使用される材料を意味する。具体的には低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス等の炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックス等の炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックス等の、脂肪酸エステル系ワックス類;脱酸カルナバワックス等の、脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの;パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸等の飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸等の不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール等の飽和アルコール類;ソルビトール等の多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミド等の芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、フウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸等のビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリド等の、脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加等によって得られる、ヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物;炭素数12以上の長鎖アルキルアルコール又は長鎖アルキルカルボン酸;等が用いられる場合が多い。この中でも、離型性と樹脂への分散性のバランスの観点から、炭化水素系ワックス、脂肪酸エステル系ワックス類、飽和アルコール類が好ましい例として挙げられる。またこれらのワックスは1種単独で用いてもよく、必要に応じて2種以上を併用してもよい。
本発明のワックスのトナー中における含有量は、トナー粒子100質量部中に対して、1乃至25質量部が好ましく、3乃至20質量部がさらに好ましい。ワックス成分が1質量部未満の場合、ワックスとしての離型効果が低下し、一方、ワックス成分が25質量部よりも多いと、離型性は満足されるものの、現像性が低下し、現像スリーブや静電潜像担持体表面にトナーが融着するといった弊害を生じやすくなる傾向にある。
本発明のワックスは、50℃以上200℃以下の融点のものが好ましく、55℃以上150℃以下の融点のものがさらに好ましい。なお、融点が50℃より小さいワックスでは、トナーの耐ブロッキング性が低下する場合があり、200℃より大きい場合は定着時のワックス染み出し性が低下し、オイルレス定着における剥離性を低下させる場合がある。
なお、本発明における融点とは、ASTM D3418−82に準じて測定された示差走査熱量(DSC)曲線における主体吸熱ピーク温度を示す。具体的には、ワックスの融点は、示差走査熱量計(メトラートレード社製:DSC822)を用い、測定温度範囲を30乃至200℃、昇温速度を5℃/minとし、常温常湿環境下における2回目の昇温過程によって温度30乃至200℃の範囲におけるDSC曲線を得、得られたDSC曲線における主体吸熱ピーク温度である。
本発明のワックスの添加量は、結着樹脂100質量部に対し、2.5乃至15.0質量部の範囲であることが好ましく、さらには3.0乃至10.0質量部の範囲であることがより好ましい。ワックスの添加量が2.5質量部より少ないとオイルレス定着が困難となり、15.0質量部を超えるとトナー粒子中でのワックスの量が多すぎるため、余剰のワックスがトナー粒子表面に多く存在して、所望の帯電特性を阻害する可能性があるために好ましくない。
用いられる着色剤は、本発明の着色樹脂粉体に含有される非水溶性色素化合物の色相を阻害しないものであれば組み合わせて用いることができる。例えば、縮合アゾ化合物、アゾ金属錯体、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物等が挙げることができるが、慎重に選ぶことが必要である。
着色剤の含有量は、樹脂100質量部に対し1乃至20質量部であることが好ましい。1質量部未満であると、十分なトナー濃度を確保することが難しい場合があり、20質量部を超えるとトナー粒子に内包されなくなる着色剤が増加する傾向にある。
荷電制御剤としては、公知のものが利用でき、特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。さらに、トナーを直接重合法により製造する場合には、重合阻害性が低く、水系分散媒体への可溶化物が実質的にない荷電制御剤が特に好ましい。
荷電制御剤は、例えば、トナーを負荷電性に制御するものとして、スルホン酸基、スルホン酸塩基またはスルホン酸エステル基を有する重合体または共重合体、サリチル酸誘導体およびその金属錯体、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族モノおよびポリカルボン酸や、その金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類、尿素誘導体、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、樹脂系帯電制御剤等が挙げられる。
また、トナーを正荷電性に制御するものとしては、ニグロシンおよび脂肪酸金属塩等によるニグロシン変性物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩、およびこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩およびこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料およびこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等)、高級脂肪酸の金属塩、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド、ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類、樹脂系帯電制御剤等が挙げられる。これらを単独であるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。
本発明のトナーは、外部添加剤として、無機微粉体が添加されていてもよい。無機微粉体としては、シリカ、酸化チタン、アルミナまたはそれらの複酸化物や、これらを表面処理したもの等の微粉体が使用できる。また、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂粒子を添加してもよい。これらの無機粒体や樹脂粒子は、流動性助剤やクリーニング助剤等として機能する。
本発明のトナーは、重量平均粒径D4が4.0乃至9.0μmであり、重量平均粒径D4と個数平均粒径D1の比(以下、重量平均粒径D4/個数平均粒径D1またはD4/D1ともいう)が1.35以下であることが好ましい。さらには、重量平均粒径D4が4.9乃至7.5μmであり、重量平均粒径D4/個数平均粒径D1が1.30以下であることがより好ましい。重量平均粒径D4の値において4.0μm未満の割合が増加した場合は、電子写真現像システムに適用したときに帯電安定化が達成しづらくなり、多数枚の連続現像動作(耐久動作)において、画像カブリや現像スジなどの画像劣化が発生しやすくなる。特に2.5μm以下の微粉が増加した場合にはより傾向が顕著になってくる。また重量平均粒径D4が8.0μmを超える割合が増加した場合には、ハーフトーン部の再現性が大きく低下し、得られた画像はガサついた画像になってしまい好ましくない。特に10.0μm以上の粗粉が増加するとより傾向が顕著に現れてしまう。重量平均粒径D4/個数平均粒径D1が1.35を超える場合は、カブリや転写性が低下してしまうとともに、細線などの線幅の太さばらつきが大きくなってしまう(以下、鮮鋭性低下と表記する)。
本発明のトナーは、フロー式粒子像分析装置で測定される該トナーの平均円形度が0.930乃至0.995であり、より好ましくは0.960乃至0.990であることが、トナーの転写性が大幅に改善される点から好ましい。
本発明のトナーは、磁性トナーまたは非磁性トナーどちらでも良い。磁性トナーとして用いる場合には、本発明のトナーを構成するトナー粒子は、磁性材料を混合して用いても良い。このような磁性材料としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライトのような酸化鉄、または他の金属酸化物を含む酸化鉄、Fe、Co、Niのような金属、あるいは、これらの金属とAl、Co、Cu、Pb、Mg、Ni、Sn、Zn、Sb、Be、Bi、Cd、Ca、Mn、Se、Ti、W、Vのような金属との合金およびこれらの混合物等が挙げられる。
<粉砕法トナーの製造方法>
粉砕法トナーは、該着色樹脂粉体に必要に応じて磁性体やワックス、荷電制御剤、その他の添加剤等が用いられる。
粉砕法トナーは、混合機、熱混練機、分級機等、当該事業者には公知の製造装置を用いて製造することができる。
まず、これらの材料をヘンシェルミキサー又はボールミル等の混合機により十分混合する。次に、ロール、ニーダー及びエクストルーダー等の熱混練機を用いて溶融させる。さらに、捏和及び混練して樹脂類を互いに相溶せしめた中に、ワックスや磁性体を分散させる。冷却固化の後、粉砕及び分級を行ってトナーを得ることができる。
粉砕法トナーに用いられる結着樹脂としては、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、テルペン系樹脂、フェノール系樹脂、脂肪族系または脂環族炭化水素系樹脂、芳香族系石油系樹脂,更にロジン,変性ロジン等が挙げられる。中でもビニル系樹脂とポリエステル系樹脂が帯電性や定着性の観点からより好ましい。特にポリエステル系樹脂を用いた場合、帯電性や定着性の効果は大きくなるため、好ましい。
これらの樹脂は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
2種以上の樹脂を混合して用いる場合、トナーの粘弾性特性を制御するために、分子量の異なる樹脂を混合することが好ましい。
粉砕法トナーに用いられる結着樹脂のガラス転移温度は、好ましくは45乃至80℃、より好ましくは55〜70℃であり、数平均分子量(Mn)は2,500乃至50,000、重量平均分子量(Mw)は10,000乃至1,000,000であることが好ましい。
ポリエステル系樹脂としては、特に制限はされないが、特に全成分中、アルコール成分/酸成分が45/55乃至55/45のmol比であるものが好ましい。
ポリエステル系樹脂は、分子鎖の末端基数が増えるとトナーの帯電特性において環境依存性が大きくなる。そのため、酸価は90mgKOH/g以下が好ましく、50mgKOH/g以下がより好ましい。また、水酸基価は50mgKOH/g以下が好ましく、30mgKOH/g以下がより好ましい。
ポリエステル系樹脂のガラス転移温度は、好ましくは50乃至75℃、より好ましくは55乃至65℃である。
さらに数平均分子量(Mn)は、好ましくは1,500乃至50,000、より好ましくは2,000乃至20,000である。
また、重量平均分子量(Mw)は、好ましくは6,000乃至100,000、より好ましくは10,000乃至90,000である。
<懸濁重合法トナーの製造方法>
本発明の懸濁重合法により製造されるトナー粒子は、例えば下記のようにして製造される。非水溶性色素化合物、重合性単量体、ワックス成分および重合開始剤等を混合して重合性単量体組成物を調製する。次に、該重合性単量体組成物を水系媒体中に分散して重合性単量体組成物の粒子を造粒する。そして、水系媒体中にて重合性単量体組成物の粒子中の重合性単量体を重合させてトナー粒子を得る。
上記工程における重合性単量体組成物は、上記非水溶性色素化合物を第1の重合性単量体に分散させた分散液を、第2の重合性単量体と混合して調製されたものであることが好ましい。即ち、上記非水溶性色素化合物を第1の重合性単量体により十分に分散させた後で、他のトナー材料と共に第2の重合性単量体と混合することにより、非水溶性色素化合物がより良好な分散状態でトナー粒子中に存在できる。
重合性単量体としては、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のアクリル酸エステルモノマー或いはメタクリル酸エステルモノマー;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル系モノマー、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン系モノマー等を挙げることができる。
上記懸濁重合法に用いられる重合開始剤としては、公知の重合開始剤を挙げることができ、例えば、アゾ化合物、有機過酸化物、無機過酸化物、有機金属化合物、光重合開始剤等が挙げられる。より具体的には、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(イソブチレート)等のアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ジtert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−へキシルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物系重合開始剤、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物系重合開始剤、過酸化水素−第1鉄系、BPO−ジメチルアニリン系、セリウム(IV)塩−アルコール系等のレドックス開始剤等が挙げられる。光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾインエーテル系、ケタール系等が挙げられる。これらの方法は、単独又は2つ以上組み合わせて使用することができる。
上記重合開始剤の濃度は、重合性単量体100質量部に対して0.1乃至20質量部の範囲である場合が好ましく、より好ましくは0.1乃至10質量部の範囲である場合である。上記重合性開始剤の種類は、重合法により若干異なるが、10時間半減温度を参考に、単独又は混合して使用される。
上記懸濁重合法で用いられる水系媒体は、分散安定化剤を含有させることが好ましい。該分散安定化剤としては、公知の無機系および有機系の分散安定化剤を用いることができる。無機系の分散安定化剤としては、例えば、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等が挙げられる。有機系の分散安定化剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン等が挙げられる。又、ノニオン性、アニオン性、カチオン性の界面活性剤の利用も可能である。例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等が挙げられる。
上記分散安定化剤のうち、本発明においては、酸に対して可溶性のある難水溶性無機分散安定化剤を用いることが好ましい。又、本発明においては、難水溶性無機分散安定化剤を用い、水系分散媒体を調製する場合に、これらの分散安定化剤が重合性単量体100質量部に対して0.2乃至2.0質量部の範囲となるような割合で使用することが該重合性単量体組成物の水系媒体中での液滴安定性の点で好ましい。又、本発明においては、重合性単量体組成物100質量部に対して300乃至3000質量量部の範囲の水を用いて水系媒体を調製することが好ましい。
<乳化凝集法トナーの製造方法>
次に、乳化凝集法によるトナー粒子の製造方法について説明する。
まず、本発明の着色樹脂粉体、及び、ワックス分散液を含む混合液を調製する。この時、必要に応じて更に樹脂粒子分散液、着色剤粒子分散液、その他トナー成分を混合してもよい。
これらの混合液を凝集し凝集体粒子を形成する工程(凝集工程)、並びに、該凝集体粒子を加熱し融合する工程(融合工程)、洗浄工程、乾燥工程を経て、トナー粒子を得る。
各粒子の分散液は、界面活性剤等の分散剤を用いる事が出来る。具体的には、着色剤粒子分散液は、着色剤を界面活性剤と共に水系媒体に分散させてなる。着色剤粒子は公知の方法で分散されるが、例えば、回転せん断型ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機等が好ましく用いられる。
界面活性剤としては、水溶性高分子、無機化合物、及び、イオン性または非イオン性の界面活性剤が挙げられる。特に、分散性の問題から分散性が高いイオン性が好ましく、特に、アニオン性界面活性剤が好ましく使われる。
また、洗浄性と界面活性能の観点から、界面活性剤の分子量は、100乃至10,000が好ましく、より好ましくは200乃至5,000である。
当該界面活性剤の具体例としては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、の等の水溶性高分子;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等のアニオン性界面活性剤;ラウリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤;ラウリルジメチルアミンオキサイド等の両性イオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン性界面活性剤等の界面活性剤;リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の無機化合物等が挙げられる。
なお、これらは1種単独で用いても良く、また、必要に応じて2種以上を組み合せて用いてもよい。
(ワックス分散液)
本発明のワックス分散液は、ワックスを水系媒体に分散させてなる。ワックス分散液は公知の方法で調製される。
(樹脂粒子分散液)
本発明に用いる樹脂粒子分散液は、樹脂粒子を水性媒体に分散させてなる。
本発明において、水系媒体とは、水を主要成分としている媒体を意味する。水系媒体の具体例としては、水そのもの、水にpH調整剤を添加したもの、水に有機溶剤を添加したものが挙げられる。
上記樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子を構成する樹脂としては、トナーに適した樹脂であれば特に制限されないが、電子写真装置における定着温度以下のガラス転移温度を有する熱可塑性結着樹脂が好ましい。
具体例としては、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニル基系モノマー、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル系モノマー、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン系モノマー、エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのポリオレフィン系モノマーなどの単重合体、若しくはこれらを2種以上組み合せて得られる共重合体、又は当該単重合体及び共重合体の混合物、さらにはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、もしくは非ビニル縮合系樹脂、又はこれらと上記ビニル系樹脂との混合物、或いはこれらの存在下でビニル系モノマーを重合することで得られるグラフト重合体等を挙げることができ、特にトナーとしての定着性と帯電性能の面からポリスチレン樹脂またはポリエステル樹脂が特に好ましく用いられる。これらの樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
本発明に用いる樹脂粒子分散液は、樹脂粒子を水系媒体に分散させてなる。上記樹脂粒子分散液は公知の方法で調製される。例えば、ビニル系単量体、特にスチレン系単量体を構成要素とする樹脂粒子を含む樹脂粒子分散液の場合は、当該単量体を、界面活性剤などを用いて乳化重合を実施する事で樹脂粒子分散液を調製することができる。
また、その他の方法で作製した樹脂(例えば、ポリエステル樹脂)の場合は、水にイオン性の界面活性剤及び高分子電解質と共にホモジナイザーなどの分散機により分散させる。その後、溶剤を蒸散することにより、樹脂粒子分散液を作製することができる。また、樹脂に界面活性剤を加え、ホモジナイザーなどの分散機により水中にて乳化分散する方法や転相乳化法などにより、樹脂粒子分散液を調製してもよい。
樹脂粒子分散液中の、樹脂粒子の体積基準のメジアン径は0.005乃至1.0μmが好ましく、0.01乃至0.4μmがより好ましい。1.0μm以上ではトナー粒子として適切な重量平均粒径である3.0乃至7.5μmのトナー粒子を得ることが困難になる。
樹脂粒子の平均粒径は、例えば、動的光散乱法(DLS)、レーザー散乱法、遠心沈降法、field−flow fractionation法、電気的検知体法等を用いて測定することができる。なお、本発明における平均粒径とは、特に断りが無ければ、後述するように、20℃、0.01質量%固形分濃度で、動的光散乱法(DLS)/レーザードップラー法で測定された体積基準の50%累積粒径値(D50)の事を意味する。
(着色剤粒子分散液)
本発明の着色剤粒子分散液は、着色剤を界面活性剤と共に水系媒体に分散させてなる。着色剤粒子は公知の方法で分散されるが、例えば、回転せん断型ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機等が好ましく用いられる。
用いられる界面活性剤の使用量は、着色剤100質量部に対して、0.01乃至10質量部、好ましくは、0.1乃至5.0質量部、特にトナー粒子中の界面活性剤の除去が容易となるため、0.5質量部乃至3.0質量部で用いる事が好ましい。その結果、得られたトナー中に残留する界面活性剤量が少なくなり、トナーの画像濃度が高く、且つ、カブリが発生しにくいといった効果が得られる。
(凝集工程)
凝集体粒子を形成させる方法としては、特に限定されるものではないが、pH調整剤、凝集剤、安定剤等を上記混合液中に添加・混合し、温度、機械的動力(撹拌)等を適宜加える方法が好適に例示できる。
本発明のpH調整剤としては、特に限定されるものではないが、アンモニア、水酸化ナトリウム等のアルカリ、硝酸、クエン酸等の酸があげられる。
本発明の凝集剤としては、特に限定されるものではないが、塩化ナトリウム、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸アルミニウム等の無機金属塩の他、2価以上の金属錯体等があげられる。
本発明の安定剤としては、主に界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等のアニオン性界面活性剤;ラウリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤;ラウリルジメチルアミンオキサイド等の両性イオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン性界面活性剤等の界面活性剤;リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の無機化合物等が挙げられる。なお、これらは1種を単独で用いても良く、また、必要に応じて2種以上を組み合せて用いてもよい。
ここで形成される凝集粒子の平均粒径としては、特に限定されるものではないが、通常、得ようとするトナー粒子の平均粒径と同じ程度になるように制御するとよい。制御は、例えば、前記凝集剤等の添加・混合時の温度と上記撹拌混合の条件を適宜設定・変更することにより容易に行うことができる。さらに、トナー粒子間の融着を防ぐため、上記pH調整剤、上記界面活性剤等を適宜投入することができる。
(融合工程)
融合工程では、上記凝集体粒子を加熱して融合することでトナー粒子を形成する。
加熱の温度としては、凝集体粒子に含まれる樹脂のガラス転移温度(Tg)から樹脂の分解温度の間であればよい。例えば、凝集工程と同様の撹拌下で、界面活性剤の添加やpH調整等により、凝集の進行を止め、樹脂粒子の樹脂のガラス転移温度以上の温度に加熱を行うことにより凝集体粒子を融合・合一させる。
加熱の時間としては、融合が十分に為される程度でよく、具体的には10分間乃至10時間程度行えばよい。
また、融合工程の前後に、微粒子を分散させた微粒子分散液を添加混合して上記凝集体粒子に微粒子を付着させてコア・シェル構造を形成する工程(付着工程)をさらに含むことも可能である。
(洗浄工程)
本発明においては、融合工程後に得られたトナー粒子を、適切な条件で洗浄、濾過、乾燥等することにより、トナー粒子を得る。この場合、トナーとして十分な帯電特性、信頼性を確保するために、上記トナー粒子を十分に洗浄することが好ましい。
洗浄方法として、限定されるものではないが、例えば、トナー粒子を含む懸濁液を濾過し、得られた濾物に蒸留水を用いて撹拌洗浄し、さらにこれを濾過する。トナーの帯電性の観点から、濾液の電気伝導度が150μS/cm以下になるまで洗浄を繰り返す。電気伝導率が150μS/cmより大きいと、トナーの帯電特性が低下し、結果としてカブリや画像濃度の低下等の欠陥が生じる。
(乾燥工程)
乾燥は、通常の振動型流動乾燥法、スプレードライ法、凍結乾燥法、フラッシュジェット法など、公知の方法を利用することができる。トナー粒子の乾燥後の含水分率は、1.5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは1.0質量%以下である。
本発明のトナーにおいては、必要に応じて荷電制御剤をトナー母粒子と混合して用いることも可能である。これにより、現像システムに応じた最適の摩擦帯電量のコントロールが可能となる。
<液体現像剤の製造方法>
以下、本発明の製造方法として、液体現像剤の製造方法について説明する。
まず、本発明の液体現像剤を得るには、電気絶縁性担体液に着色樹脂粉体、必要に応じて、電荷制御剤,ワックス等の助剤を分散または溶解させて製造する。また、先に、濃縮トナーを作り、さらに電気絶縁性担体液で希釈して現像剤を調製するというような、二段法で調製してもよい。
本発明で用いる分散機としては、特に限定されるものではないが、例えば、回転せん断型ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機等が好ましく用いられる。
本発明の着色樹脂粉体に、更に公知の顔料や染料等の着色剤を単独、または、2種以上を組み合わせて追加して用いることもできる。
本発明で用いられるワックス及び着色剤は前記と同様である。
本発明で用いられる電荷制御剤としては、静電荷現像用液体現像剤に用いられているものであれば、特に制限される事はないが、例えば、ナフテン酸コバルト,ナフテン酸銅,オレイン酸銅,オレイン酸コバルト,オクチル酸ジルコニウム,オクチル酸コバルト,ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム,ドデシルべンゼンスルホン酸カルシウム,大豆レシチン,アルミニウムオクトエート等が挙げられる。
本発明で用いられる電気絶縁性担体液としては、特に制限はないが、例えば109Ω・cm以上の高い電気抵抗と3以下の低い誘電率を有する有機溶剤を使用する事が好ましい。
具体的な例として、ヘキサン、ペンタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカンのような脂肪族炭化水素溶剤、アイソパーH,G,K,L,M(エクソン化学(株)製)、リニアレンダイマーA−20、A−20H(出光興産(株)製)等、沸点が68乃至250℃の温度範囲のものが好ましい。これらは、系の粘度が高くならない範囲で単独、または、2種以上併用して用いてもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、文中「部」及び「%」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
得られた反応生成物の同定は、下記に挙げる装置を用いた複数の分析方法によって行った。即ち、使用した分析装置は、1H核磁気共鳴分光分析(ECA−400、日本電子(株)製)、LC/TOF MS(LC/MSD TOF、Agilent Technologies社製)、UV/Vis分光光度計(UV−36000形分光光度計、島津製作所)を用いた。尚、LC/TOF MSにおけるイオン化法はエレクトロスプレーイオン化法(ESI)を適用した。
[一般式(1)で表される化合物の製造]
本発明の一般式(1)で表わされる化合物公知の方法によって合成する事が可能である。
以下に記載する方法で本発明の一般式(1)で表される化合物を製造した。
〈合成例1:化合物(1)の製造例〉
4−ブロモ−1−ブチルアミノアントラキノン14.3g(40mmol)の1,2−ジクロロベンゼン40mLにアセト酢酸エチル10.4g(80mmol)、炭酸ナトリウム0.7g(6.4mmol)を懸濁させ、175℃で24時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却した後、2−プロピルアルコール50mL及びヘキサン50mLで希釈した。固体をろ過した後、2−プロピルアルコール100mLで洗浄後、前記化合物Cに対応する中間体(1)8gを得た。中間体(1)7g(14.6mmol)のジメチルホルムアミド75mLの溶液に、2−エチルヘキシルアミン3.6mL、ヨウ化銅(I)292mg、炭酸ナトリウム4.7gを加え、100℃で2時間反応させた。反応終了後、冷却して、酢酸エチル200mL希釈してろ過した。カラムクロマトグラフィー精製(トルエン/THF)を行い、5.7g(収率30%)の化合物(1)を得た。化合物(1)のCDCl3中、室温、400MHzにおける1H NMRスペクトルを図1に示した。
また、本化合物の室温及び60℃の水への溶解度を確認した所、質量百分率で1%未満であることを確認した。
[化合物(1)についての分析結果]
[1]1H NMR(400MHz、CDCl3、室温):δ[ppm]=0.97(tt、9H、J=20.6、7.25Hz)、1.32(td、4H、J=15.0、14.2Hz)、1.62−4.46(m、6H)、1.74−1.83(m、3H)、2.73(s、3H)、3.36(m、2H)、4.40(t、2H、J=7.79Hz)、7.28(d、2H、J=9.62Hz)、7.61−7.70(m、3Hz)、8.03(d、1H、J=7.79Hz)、8.59(dd、1H、J=7.79、1.83Hz)、10.8(s、1H)
[2]質量分析(ESI−TOF):m/z=473.2898(M+H)+[3]UV/Vis分光分析:λmax=556nm
〈合成例2:化合物(4)の製造例〉
製造例1において、アセト酢酸エチルをベンゾイル酢酸エチルに変更した以外は、製造例1と同様な操作で、6.8g(収率32%)の化合物(4)を得た。
また、本化合物の室温及び60℃の水への溶解度を確認した所、質量百分率で1%未満であることを確認した。
[化合物(4)についての分析結果]
[1]1H NMR(400MHz、CDCl3、室温):δ[ppm]=0.96(dt、9H、J=25.0、7.21Hz)、1.36−1.39(m、4H)、1.45−1.61(m、6H)、1.79(t、3H、J=6.18Hz)、3.37−3.41(m、2H)、4.39(s、2H)、7.32−7.47(m、4H)、4.75(tt、2Hz、J=7.56、2.44Hz)、7.72(d、1H、J=10.1Hz)、7.97−8.03(m、3H)、8.55(dd、1H、J=7.79、1.37Hz)、10.9(s、1H)
[2]質量分析(ESI−TOF):m/z=535.3001(M+H)+[3]UV/Vis分光分析:λmax=558nm
〈合成例3:化合物(6)の製造例〉
製造例1において、アセト酢酸エチルを4−メトキシベンゾイル酢酸エチルに変更した以外は、製造例1と同様な操作で、5.4g(収率24%)の化合物(6)を得た。
また、本化合物の室温及び60℃の水への溶解度を確認した所、質量百分率で1%未満であることを確認した。
[化合物(6)についての分析結果]
[1]1H NMR(400MHz、CDCl3、室温):δ[ppm]=0.90(dt、9H、J=24.9、7.21Hz)、1.31(t、4H、J=3.66Hz)、1.44(dd、4H、J=14.9、7.56Hz)、1.52(dd、2H、J=16.5、7.33Hz)、1.73(t、3H、J=6.18Hz)、3.78(s、1H)、4.33(d、2H、43.1Hz)、6.86(d、2H、J=9.16Hz)、7.24(t、1H、J=11.5Hz)、7.34(t、1H、J=7.79Hz)、7.51(t、1H、J=7.56Hz)、7.65(d、1H、J=9.62Hz)、7.92(d、2H、J=8.70Hz)、8.01(d、1H、J=8.24Hz)、10.8(s、1H)
[2]質量分析(ESI−TOF):m/z=565.3048(M+H)+[3]UV/Vis分光分析:λmax=557nm
〈合成例4:化合物(8)の製造例〉
製造例1において、4−ブロモ−1−ブチルアミノアントラキノンを4−ブロモ−1−(2−エチルヘキシル)アミノアントラキノンに、アセト酢酸エチルをベンゾイル酢酸エチルに変更した以外は、製造例1と同様な操作で、3.9g(収率17%)の化合物(8)を得た。
また、本化合物の室温及び60℃の水への溶解度を確認した所、質量百分率で1%未満であることを確認した。
[化合物(8)についての分析結果]
[1]1H NMR(400MHz、CDCl3、室温):δ[ppm]=0.88(dq、12H、J=41.1、10.1Hz)、1.19−1.34(m、12H)、1.49(dt、4H、J=22.3、8.24Hz)、1.74(t、1H、J=6.18Hz)、1.91(s、1H)、3.32(t、2H、J=4.12Hz)、4.34(br、2H)、7.24(t、1H、J=10.3Hz)、7.32−7.42(m、3Hz)、7.50−7.54(m、2H)、7.67(d、1H、J=9.62Hz)、7.95(dd、3H、J=15.1、7.79Hz)、8.50(d、1H、J=6.87Hz)10.8(s、1H)
[2]質量分析(ESI−TOF):m/z=591.3567(M+H)+[3]UV/Vis分光分析:λmax=559nm
〈合成例5:化合物(9)の製造例〉
製造例1において、4−ブロモ−1−ブチルアミノアントラキノンを4−ブロモ−1−(2−エチルヘキシル)アミノアントラキノンに、アセト酢酸エチルをマロン酸ジエチルに変更した以外は、製造例1と同様な操作で、4.6g(収率21%)の化合物(9)を得た。
また、本化合物の室温及び60℃の水への溶解度を確認した所、質量百分率で1%未満であることを確認した。
[化合物(9)についての分析結果]
[1]1H NMR(400MHz、CDCl3、室温):δ[ppm]=0.90(tt、12H、J=19.0、7.02Hz)、1.23−1.55(m、19H)、1.74(t、1H、J=6.18Hz)、1.93(d、1H、J=3.66Hz)、3.32(s、2H)、4.38(d、2H、J=23.8z)、4.54(q、2H、J=6.72Hz)、7.23(d、1H、J=9.62Hz)、7.64(dq、3Hz、J=16.3、4.73Hz)、8.19(d、1H、J=7.79Hz)、8.55(t、1H、J=4.58Hz)、10.8(s、1H)
[2]質量分析(ESI−TOF):m/z=559.3497(M+H)+[3]UV/Vis分光分析:λmax=559nm
〈合成例6:化合物(10)の製造例〉
製造例1において、4−ブロモ−1−ブチルアミノアントラキノンを4−ブロモ−1−(2−エチルヘキシル)アミノアントラキノンに、アセト酢酸エチルをベンゾイル酢酸エチルに、2−エチルヘキシルアミンを3−ブトキシ−プロピルアミンに変更した以外は、製造例1と同様な操作で、5.2g(収率22%)の化合物(10)を得た。
また、本化合物の室温及び60℃の水への溶解度を確認した所、質量百分率で1%未満であることを確認した。
[化合物(10)についての分析結果]
[1]1H NMR(400MHz、CDCl3、室温):δ[ppm]=0.84−0.94(m、9H)、1.24−1.42(m、10H)、1.58(td、2H、J=14.3、7.48Hz)、1.93(s、1H)、2.02−2.08(m、2H)、3.45(t、2H、J=6.64Hz)、3.58(q、4H、J=6.72Hz)、4.37(br、2H)、7.32−7.45(m、4H)、7.53−7.57(m、2Hz)、7.70(d、1H、J=9.62Hz)、7.98(dd、3H、J=18.3、7.79Hz)、8.51(d、1H、J=6.41Hz)、10.8(s、1H)[2]質量分析(ESI−TOF):m/z=593.3361(M+H)+[3]UV/Vis分光分析:λmax=555nm
〈合成例7:化合物(14)の製造例〉
製造例1において、4−ブロモ−1−ブチルアミノアントラキノンを4−ブロモ−1−メチルアミノアントラキノンに、アセト酢酸エチルをベンゾイル酢酸エチルに変更した以外は、製造例1と同様な操作で、5.0g(収率25%)の化合物(14)を得た。
また、本化合物の室温及び60℃の水への溶解度を確認した所、質量百分率で1%未満であることを確認した。
[化合物(14)についての分析結果]
[1]1H NMR(400MHz、CDCl3、室温):δ[ppm]=0.91(t、3H、J=6.87Hz)、0.97(t、3H、J=7.56Hz)、1.34(t、4H、J=3.66Hz)、1.52(m、4H)、1.77(t、1H、6.18Hz)、3.35(t、2H、J=4.35Hz)、3.84(s、3H)、7.30(d、1H、J=9.62Hz)、7.40(td、3H、J=15.2、7.94Hz)、7.55(t、2H、J=7.10Hz)、7.72(d、1H、J=9.62Hz)、7.98(dd、3H、J=10.7、8.70Hz)、8.53(d、1H、J=7.79Hz)、10.8(s、1H)
[2]質量分析(ESI−TOF):m/z=493.2504(M+H)+[3]UV/Vis分光分析:λmax=560nm
〈合成例8:化合物(15)の製造例〉
製造例1において、アセト酢酸エチルをベンゾイル酢酸エチルに、2−エチルヘキシルアミンをシクロヘキシルアミンに変更した以外は、製造例1と同様な操作で、6.8g(収率30%)の化合物(15)を得た。
また、本化合物の室温及び60℃の水への溶解度を確認した所、質量百分率で1%未満であることを確認した。
[化合物(15)についての分析結果]
[1]1H NMR(400MHz、CDCl3、室温):δ[ppm]=0.87(t、6H、J=11.0Hz)、1.24−1.66(m、14H)、1.88(s、3H)、2.10(s、2H)、3.68(s、1H)、4.37(s、1H)、7.36(dq、4H、J=32.9、8.93Hz)、7.55(dd、2H、J=10.3、4.81Hz)、7.68(d、1H、J=9.62Hz)、7.95−8.00(m、3H)、8.52(d、1H、J=6.41Hz)、10.9(d、1H、J=7.79Hz)、10.9(d、1H、J=7.79Hz)
[2]質量分析(ESI−TOF):m/z=561.3055(M+H)+[3]UV/Vis分光分析:λmax=547nm
〈合成例9:化合物(20)の製造例〉
1,4−ジブチルアミノアントラセン−9,10−ジオン14g(40mmol)の1,2−ジクロロベンゼン40mLに、4−メトキシベンゾイル酢酸エチル15.3mL(40mmol)、炭酸ナトリウム0.7g(6.4mmol)を懸濁させ、175℃で24時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却した後、カラムクロマトグラフィー精製(ヘキサン/酢酸エチル)を行い、4.8g(収率24%)の化合物(20)を得た。
また、本化合物の室温及び60℃の水への溶解度を確認した所、質量百分率で1%未満であることを確認した。
[化合物(20)についての分析結果]
[1]1H NMR(400MHz、CDCl3、室温):δ[ppm]=0.96(dt、6H、J=16.6、7.44Hz)、1.48(dq、4H、J=29.7、7.48)、1.73−1.81(m、4H)、3.41(dd、2H、J=11.9、6.87Hz)、3.79(s、3H)、4.34(d、1H、J=44.4Hz)、6.87(d、2H、J=9.16Hz)、7.25(d、1H、J=9.62Hz)、7.35(t、1H、J=6.87Hz)、7.52(t、1H、J=7.56Hz)、7.35(t、1H、J=6.87Hz)、7.52(t、1H、J=7.56Hz)、7.66(d、1H、J=9.62Hz)、7.93(d、2H、J=8.70Hz)、8.01(d、1H、J=8.24Hz)、8.48(d、1H、J=6.41Hz)、10.7(s、1H)
[2]質量分析(ESI−TOF):m/z=509.2389(M+H)+[3]UV/Vis分光分析:λmax=555nm
〈合成例10:化合物(21)の製造例〉
製造例9において、4−メトキシベンゾイル酢酸エチルをベンゾイル酢酸エチルに変更した以外は、製造例9と同様な操作で、8.5g(収率45%)の化合物(21)を得た。
また、本化合物の室温及び60℃の水への溶解度を確認した所、質量百分率で1%未満であることを確認した。
[化合物(21)についての分析結果]
[1]1H NMR(400MHz、CDCl3、室温):δ[ppm]=0.99(dt、6H、J=18.3、7.33Hz)、1.44−1.58(m、4H)、1.80(dd、4H、J=14.7、7.33Hz)、3.45(d、2H、J=5.50Hz)、4.36(br、2H)、7.30(d、1H、J=9.62Hz)、7.37(t、1H、J=7.79Hz)、7.43(t、2H、J=7.79Hz)、7.55(t、2H、J=5.72Hz)、7.70(d、1H、J=9.62Hz)、7.98(dd、3H、J=16.9、7.79Hz)、8.52(d、1H、J=9.62Hz)、10.8(s、1H)
[2]質量分析(ESI−TOF):m/z=479.2304(M+H)+[3]UV/Vis分光分析:λmax=556nm
<着色樹脂粉体(1)の製造例>
結着樹脂(ポリエステル樹脂):100部(Tg55℃、酸価20mgKOH/g、水酸基価16mgKOH/g、分子量:Mp4500、Mn2300、Mw38000)、化合物(1)を、ヘンシェルミキサー(FM−75J型、三井鉱山(株)製)でよく混合した後、温度130℃に設定した2軸混練機(PCM−45型、池貝鉄鋼(株)製)にて60kg/hrのFeed量で混練(吐出時の混練物温度は約150℃)した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗砕した後、機械式粉砕機(T−250:ターボ工業(株)製)にて20kg/hrのFeed量で微粉砕することにより着色樹脂粉体(1)を得た。
<着色樹脂粉体(2)及び(3)の製造例>
着色樹脂粉体(1)の製造例において、化合物(1)を化合物(4)、(6)に変更した以外は、着色樹脂粉体(1)の製造例と同様な操作で、着色樹脂粉体(2)、(3)を得た。
<比較着色樹脂粉体(1)及び(2)の製造例>
着色樹脂粉体(1)の製造例において、化合物(1)を比較化合物(1)及び(2)に変更した以外は、着色樹脂粉体(1)の製造例と同様な操作で、比較着色樹脂粉体(1)及び(2)を得た。
Figure 2013117022
上記着色樹脂粉体の評価を以下のように行った。尚、評価結果については後述の表2に示した。
[着色樹脂粉体の明度及び彩度評価]
室温下で、着色樹脂粉体(1)乃至(3)、比較着色樹脂粉体(1)、(2)、各0.5gを4.5gのテトラヒドロフランに溶解させ、バーコート法(Bar No.4、6、8、10、12、14、16、18、20)により、隠ぺい率測定紙に塗布して、一晩風乾することで画像サンプルを作製した。
Gretag Macbeth社製 SpectroLinoにて、L***表色系のおける光学濃度及び色度(L*、a*、b*)を測定した。
Lab空間において、ある同一のL*におけるマゼンタ色域方向への色度の伸びが大きい程、色域の広い分光反射特性を有しているといえる。L*が55でのa*及びb*の値で評価した。
A:a*が75以上、かつb*が−15以下(色域が非常に広い)
B:a*が60以上75未満、かつb*が−15以下(色域が広い)
C:a*が60未満、かつb*が−15以下(色域が狭い)
さらに、C*が大きい程、彩度が良好であるといえるため次のような評価をした。
A:C*が80以上(彩度に関し非常に優れている)
B:C*が70以上80未満(彩度に関し優れている)
C:C*が70未満(彩度に関し劣る)
*={(a*2+(b*21/2
Figure 2013117022
表2より明らかなように、本発明で得られる着色樹脂粉体は、比較着色樹脂粉体と比べて、明度、彩度が高く、色域の広い分光反射特性を有している。
<樹脂粒子分散液(1)の製造例>
スチレン82.6部、アクリル酸n−ブチル9.2部、アクリル酸1.3部、ヘキサンジオールアクリレート0.4部、n−ラウリルメルカプタン3.2部を混合し溶解させた。この溶液にネオゲンRK(第一工業製薬社製)1.5部のイオン交換水150部の水溶液を添加して、分散させた。さらに10分間ゆっくりと撹拌しながら、過硫酸カリウム0.15部のイオン交換水10部の水溶液を添加した。窒素置換をした後、70℃で6時間乳化重合を行った。重合終了後、反応液を室温まで冷却し、イオン交換水を添加することで固形分濃度が12.5質量%、体積基準のメジアン径が0.2μmの樹脂粒子分散液(1)を得た。
<樹脂粒子分散液(2)の製造例>
樹脂粒子分散液1の製造例において、更に化合物(1)5部を添加し溶解させた溶解液を原料として、樹脂粒子分散液(1)の製造例と同様の方法において樹脂粒子分散液(2)を得た。
<着色剤粒子分散液(1)の製造例>
化合物(1)100部、ネオゲンRK15部をイオン交換水885部に混合させ、湿式ジェットミル JN100((株)常光製)を用いて約1時間分散して着色剤粒子分散液(1)を得た。着色剤粒子分散液における着色剤粒子の体積基準のメジアン径は、0.2μmであり、着色剤粒子の濃度は10質量%であった。
<ワックス分散液の製造例>
エステルワックス(DSC測定における最大吸熱ピークのピーク温度=70℃、Mn=704)100部、ネオゲンRK15部をイオン交換水385部に混合させ、湿式ジェットミル JN100((株)常光製)を用いて約1時間分散してワックス分散液(1)を得た。ワックス粒子分散液の濃度は20質量%であった。
[トナーの製造]
以下に記載する方法で本発明のトナー及び比較用のトナーを製造した。
<実施例1>
樹脂粒子分散液(1)160部、着色剤粒子分散液(1)10部、ワックス分散液(1)10質量部、硫酸マグネシウム0.2部をホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた後、撹拌させながら、65℃まで加温した。65℃で1時間撹拌した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約6.0μmである凝集体粒子が形成されていることが確認された。ネオゲンRK(第一工業製薬社製)2.2部加えた後、80℃まで昇温して120分間撹拌して、融合した球形トナー粒子を得た。冷却後、ろ過し、ろ別した固体を720部のイオン交換水で、60分間撹拌洗浄した。トナー粒子を含む溶液をろ過し、ろ液の電気伝導度が150μS/cm以下となるまで同様な洗浄を繰り返した。真空乾燥機を用いて乾燥させ、トナー母粒子(1)を得た。
なお、ろ液の電気伝導度は特開2006−243064号公報に従い算出した。すなわち、ろ液の最初30部は捨て、残部を25±0.5℃の温度とした後、電気伝導度計(堀場製作所社製:ES−12)にて測定し、次式により試料の電気伝導度を算出した。
(式):電気伝導度(μS/cm)=A−B
A:濾液の電気伝導度
B:洗浄に使用した水の電気伝導度
なお、イオン交換水の電気伝導度は5μS/cm以下、pH7.0±1.0のものを使用した。
<実施例2>
樹脂粒子分散液(2)170部、ワックス分散液(1)10質量部、硫酸マグネシウム0.2部をホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた後、撹拌させながら、65℃まで加温した。65℃で1時間撹拌した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約6.0μmである凝集体粒子が形成されていることが確認された。ネオゲンRK(第一工業製薬社製)2.2部加えた後、80℃まで昇温して120分間撹拌して、融合した球形トナー粒子を得た。冷却後、ろ過し、ろ別した固体を720部のイオン交換水で、60分間撹拌洗浄した。トナー粒子を含む溶液をろ過し、ろ液の電気伝導度が150μS/cm以下となるまで同様な洗浄を繰り返した。真空乾燥機を用いて乾燥させ、トナー母粒子(2)を得た。
<実施例3>
結着樹脂(ポリエステル樹脂):100質量部(Tg55℃、酸価20mgKOH/g、水酸基価16mgKOH/g、分子量:Mp4500、Mn2300、Mw38000)、化合物(1):5質量部、1,4−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物:0.5質量部、パラフィンワックス(最大吸熱ピーク温度78℃):5質量部を、ヘンシェルミキサー(FM−75J型、三井鉱山(株)製)でよく混合した後、温度130℃に設定した2軸混練機(PCM−45型、池貝鉄鋼(株)製)にて60kg/hrのFeed量で混練(吐出時の混練物温度は約150℃)した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗砕した後、機械式粉砕機(T−250:ターボ工業(株)製)にて20kg/hrのFeed量で微粉砕した。
更に得られたトナー微粉砕物を、コアンダ効果を利用した多分割分級機により分級することで、トナー母粒子(3)を得た。
得られたトナー母粒子(3)は重量平均粒径(D4)6.0μmであり、粒径4.0μm以下の粒子が30.2個数%、且つ粒径10.1μm以上の粒子が0.6体積%であった。
<実施例4乃至7>
着色剤粒子分散液(1)の製造例において、化合物(1)を用いる代わりに、化合物(4)、(6)、(9)、(15)にそれぞれ変更した以外は同様にして、着色剤粒子分散液を調製した。得られた着色剤粒子分散液を用いて、実施例1と同様な操作で、トナー母粒子(4)、(7)、(11)、(14)を得た。
<実施例8乃至11>
樹脂粒子分散液(2)の製造例において、化合物(1)を用いる代わりに、化合物(4)、(6)、(10)、(20)にそれぞれ変更した以外は同様にして樹脂粒子分散液を調製した。得られた樹脂粒子分散液を用いて、実施例2と同様な操作で、トナー母粒子(5)、(8)、(12)、(15)を得た。
<実施例12乃至16>
実施例3において、化合物(1)を用いる代わりに、表2に示す化合物(4)、(6)、(8)、(14)、(21)にそれぞれ変更した以外は同様にして、トナー母粒子(6)、(9)、(10)、(13)、(16)を得た。
<実施例17>
化合物(1)12部、スチレン120部の混合物をアトライター(三井鉱山社製)により3時間分散させて本発明の顔料分散体(1)を得た。
高速撹拌装置T.K.ホモミキサー(プライミクス株式会社製)を備えた2L用四つ口フラスコ中にイオン交換水710部と0.1mol/L−リン酸三ナトリウム水溶液450部を添加し回転数を12000rpmに調製し、60℃に加温した。ここに1.0mol/L−塩化カルシウム水溶液68部を徐々に添加し微小な難水溶性分散安定剤リン酸カルシウムを含む水系分散媒体を調製した。
・顔料分散体(1) 133.2部
・スチレン単量体 46.0部
・n−ブチルアクリレート単量体 34.0部
・サリチル酸アルミニウム化合物 2.0部
(オリエント化学工業株式会社製 ボントロンE−88)
・極性樹脂 10.0部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとイソフタル酸との重縮合物、Tg=65℃、Mw=10000、Mn=6000)
・エステルワックス 25.0部
(DSC測定における最大吸熱ピークのピーク温度=70℃、Mn=704)
・ジビニルベンゼン単量体 0.10部
上記、処方を60℃に加温し、T.K.ホモミキサーを用いて5000rpmにて均一に溶解・分散した。これに重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、回転数12000rpmを維持しつつ15分間造粒した。その後高速撹拌器からプロペラ撹拌羽根に撹拌器を変え、液温を60℃で重合を5時間継続させた後、液温を80℃に昇温させ8時間重合を継続させた。重合反応終了後、80℃/減圧下で残存単量体を留去した後、液温を30℃まで冷却し、重合体微粒子分散体を得た。
次に、重合体微粒子分散体を洗浄容器に移し、撹拌しながら、希塩酸を添加してpH1.5に調整し、2時間撹拌させた。濾過器で固液分離を行い、重合体微粒子を得た。重合体微粒子の水への再分散と固液分離とを、リン酸カルシウムを含むリン酸とカルシウムの化合物を十分に除去されるまで、繰り返し行った。その後に、最終的に固液分離した重合体微粒子を、乾燥機で十分に乾燥してマゼンタトナー母粒子を得た。
得られたマゼンタトナー母粒子100部に対し、ヘキサメチルジシラザンで表面処理された疎水性シリカ微粉体(数平均一次粒子径7nm)1.00部、ルチル型酸化チタン微粉体(数平均一次粒子径45nm)0.15部、ルチル型酸化チタン微粉体(数平均一次粒子径200nm)0.50部をヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)で5分間乾式混合して、トナー母粒子(17)を得た。
<実施例18乃至20>
実施例17において、顔料分散体(1)の製造に準じた方法で、化合物(1)を用いる代わりに、表2に示す化合物(4)、(6)、(10)に変更した以外は、実施例17と同様な操作で、顔料分散体(2)乃至(4)を得た。さらに、実施例17におけるトナー母粒子の製造に準じた方法で、トナー母粒子(18)、(19)、(20)を得た。
<比較例1及び2>
着色剤粒子分散液(1)の製造例において、化合物(1)を用いる代わりに、比較化合物(1)、(2)にそれぞれ変更した以外は同様にして着色剤粒子分散液を調製した。得られた着色剤粒子分散液を用いて、実施例1と同様な操作で、比較トナー母粒子(1)、(4)を得た。
<比較例3及び4>
樹脂粒子分散液(2)の製造例において、化合物(1)を用いる代わりに、比較化合物(1)、(2)にそれぞれ変更した以外は同様にして樹脂粒子分散液を調製した。得られた樹脂粒子分散液を用いて、実施例2と同様な操作で、比較トナー母粒子(2)、(5)を得た。
<比較例5及び6>
実施例3において、化合物(1)を用いる代わりに、比較化合物(1)及び(2)にそれぞれ変更した以外は同様にして、比較トナー母粒子(3)、(6)を得た。
<比較例7及び8>
実施例17の製造に準じた方法で、化合物(4)を用いる代わりに、比較化合物(1)及び(2)に変更した以外は、実施例17と同様な操作で、比較トナー母粒子(7)、(8)を得た。
上記各トナー母粒子および比較用トナー母粒子100部に、BET法で測定した比表面積が200m2/gである疎水化処理されたシリカ微粉体1.8部をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で乾式混合し、それぞれトナー(1)乃至(16)、比較用トナー(1)乃至(6)を得た。
上記トナーの評価を以下のように行った。尚、評価結果については後述の表3に示した。
[トナーの重量平均粒径D4、及び個数平均粒径D1の測定]
上記トナー粒子の個数平均粒径(D1)及び重量平均粒径(D4)はコールター法による粒度分布解析にて測定した。測定装置として、コールターカウンターTA−IIあるいはコールターマルチサイザーII(ベックマン・コールター株式会社製)を用い、該装置の操作マニュアルに従い測定した。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%塩化ナトリウム水溶液を調製した。例えば、ISOTON−II(コールターサイエンティフィックジャパン株式会社製)が使用できる。具体的な測定方法としては、前記電解水溶液100乃至150ml中に分散剤として、界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を、0.1乃至5ml加え、更に測定試料(トナー粒子)を2乃至20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1乃至3分間分散処理を行う。得られた分散処理液を、アパーチャーとして100μmアパーチャーを装着した前記測定装置により、2.00μm以上のトナーの体積、個数を測定してトナーの体積分布と個数分布とを算出する。それから、トナーの個数平均粒径(D1)、重量平均粒径(D4)(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)及びD4/D1を求めた。
上記チャンネルとしては、2.00乃至2.52μm、2.52乃至3.17μm、3.17乃至4.00μm、4.00乃至5.04μm、5.04乃至6.35μm、6.35乃至8.00μm、8.00乃至10.08μm、10.08乃至12.70μm、12.70乃至16.00μm、16.00乃至20.20μm、20.20乃至25.40μm、25.40乃至32.00μm、32.00乃至40.30μmの13チャンネルを用いる。また表1から明らかなように実施例に対して比較例では粗粉および微粉の割合が増加していることが判明した。
[トナーの平均円形度の測定]
フロー式粒子像測定装置「FPIA−2100型」(シスメックス株式会社製)を用いて測定を行い、下式を用いて算出した。
Figure 2013117022
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。円形度は粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、粒子が完全な球形の場合には1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
[画像サンプルの明度及び彩度評価]
得られたトナーを用いて、画像サンプルを出力し明度及び彩度を評価した。尚、画像特性の比較に際し画像形成装置(以下LBPと略)としてLBP−5300(キヤノン社製)の改造機を使用した通紙試験を行った。改造内容としてはプロセスカートリッジ(以下CRGとする)内の現像ブレードを厚み8[μm]のSUSブレードに交換した。その上でトナー担持体である現像ローラーに印加する現像バイアスに対して−200[V]のブレードバイアスを印加できるようにした。
Gretag Macbeth社製 SpectroLinoにて、L***表色系のおける光学濃度及び色度(L*、a*、b*)を測定した。
Lab空間において、ある同一のL*におけるマゼンタ色域方向への色度の伸びが大きい程、色域の広い分光反射特性を有しているといえる。L*が55となる時のa*及びb*の値で評価した。
A:a*が75以上、かつb*が−15以下(色域が非常に広い)
B:a*が60以上、75未満、かつb*が−15以下(色域が広い)
C:a*が60未満、かつb*が−15以下(色域が狭い)
さらに、C*が大きい程、彩度が良好であるといえため次のような評価をした。
A:C*が80以上(彩度に関し非常に優れている)
B:C*が70以上80未満の向上率(彩度に関し優れている)
C:C*が70未満(彩度に関し劣る)
Figure 2013117022
表3より明らかなように、本発明で得られるトナーは、比較トナーと比べて、明度、彩度が高く、色域の広い分光反射特性を有している。
また、本発明で製造したトナーは、出力画像において、画像カブリを生じることなく良好なコントラストを得ることが確認できた。
<実施例21>
ポリエステル樹脂16部にリニアレンダイマーA−20(出光興産(株)製)160部を混合し、アトライター(三井鉱山社製)により1時間分散させた。さらに、化合物(1)3部とリニアレンダイマーA−20の20部溶液を少しずつ添加し、着色樹脂分散液を得た。さらに、ナフテン酸ジルコニウム(不揮発分49質量%、大日本インキ化学社製)を2部添加した後、リニアレンダイマーA−20で8倍に希釈して液体現像剤を得た。体積平均粒子径は5.5μmであった。
本発明によれば、高い明度、彩度まで再現可能であり、色域の広い分光反射特性を有する着色樹脂粉体を得ることができる。また、該着色樹脂粉体を用いてトナーを得ることができる。本発明のトナーは、電子写真方式を採用する画像形成装置に適用できるのみならず、静電スプレー用インク、ラテックスインク、電子ペーパーに用いられるトナーディスプレイ用、デジタルファブリケーションである回路パターン形成用のトナーとしても使用することができる。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表される非水溶性色素化合物及び結着樹脂を含有することを特徴とする着色樹脂粉体。
    Figure 2013117022
    〔一般式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に、アルキル基を表し、R3は、アルキル基、アリール基、又はアルコキシ基を表す。〕
  2. 前記一般式(1)中のR3が、アリール基であることを特徴とする請求項1に記載の着色樹脂粉体。
  3. 前記一般式(1)中のR3が、フェニル基又は4−メトキシフェニル基であることを特徴とする請求項1に記載の着色樹脂粉体。
  4. 前記一般式(1)中のR1が、メチル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の着色樹脂粉体。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の着色樹脂粉体を含有することを特徴とするトナー。
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