JP2017003803A - 光走査装置、画像表示装置及び物体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 画質の低下を抑制することができる画像表示用の光走査装置を提供する。【解決手段】 光走査装置は、画像表示用の光走査装置であって、光源及び該光源からの光を偏向する2次元偏向手段6(偏向器)を含む光走査系と、該光走査系からの光が照射されるマイクロレンズアレイとを備え、該マイクロレンズアレイのレンズ配列において、XY平面(マイクロレンズアレイのレンズ配列面)内のX方向(第1の方向)に直交するY方向(第2の方向)のレンズピッチPyは、X方向に変化している。【選択図】図24

Description

本発明は、光走査装置、画像表示装置及び物体装置に係り、更に詳しくは、画像表示に用いられる光走査装置、該光走査装置を備える画像表示装置、該画像表示装置を備える物体装置に関する。
近年、画像表示用の光走査装置の開発が盛んに行われている。
例えば、特許文献1〜4には、スクリーン部材(例えばマイクロレンズアレイ)を光走査する画像表示用の光走査装置が開示されている(例えば特許文献1〜4参照)。
しかしながら、特許文献1〜4に開示されている装置では、画質の低下を抑制することに関して向上の余地があった。
本発明は、画像表示用の光走査装置であって、光源及び該光源からの光を偏向する偏向器を含む光走査系と、前記光走査系からの光が照射される、アレイ状に配列された複数の凸構造を有する光学素子と、を備え、前記光学素子の凸構造配列において、凸構造配列面内の第1の方向に直交する第2の方向の前記凸構造のピッチP2は前記第1の方向に変化していることを特徴とする光走査装置である。
本発明によれば、画質の低下を抑制することができる。
図1(a)〜図1(c)は、それぞれ本発明の第1実施形態の画像表示装置を説明するための図(その1〜その3)である。 図2(a)及び図2(b)は、それぞれ微細凸レンズによる拡散と干渉性ノイズ発生を説明するための図(その1及びその2)である。 図3(a)〜図3(c)は、それぞれ干渉性ノイズの除去を説明するための図(その1〜その3)である。 図4(a)〜図4(c)は、微細凸レンズの配列形態例を3例示す図である。 図5(a)〜図5(e)は、微細凸レンズの配列形態の他の例を5例示す図である。 図6(a)及び図6(b)は、アナモフィックな微細凸レンズを説明するための図である。 図7(a)及び図7(b)は、被走査面素子の例を2例説明する図である。 微細凸レンズの配列形態の他の例を1例示す図である。 画像表示装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 画像表示装置の機能ブロック図である。 2次元偏向手段としての光偏向器について説明するための図である。 図12(a)及び図12(b)は、それぞれHUDのマイクロレンズアレイ(MLA)を説明するための図(その1及びその2)である。 MLAのレンズピッチを説明するための図である。 図14(a)及び図14(b)は、それぞれマイクロレンズのハニカム状配列について説明するための図(その1及びその2)である。 比較例のマイクロレンズアレイを説明するための図である。 2次元走査時の走査線軌跡の一例を示す図である。 2次元走査時の走査線軌跡の他の例を示す図である。 Py=Psの場合における画像の左半分を示す図である。 Py=Psの場合における画像に発生するモアレを示す図である。 Py>Psの場合における画像の左半分を示す図である。 Py>Psの場合における画像の粒状度の悪化を示す図である。 Py>Psの場合における画像の左半分を示す図である。 Py<Psの場合における画像に発生するスペックルを示す図である。 第2実施形態のマイクロレンズアレイの一例を説明するための図である。 第2実施形態における走査線周期(scan)とレンズピッチPy(Case.1〜4)のX方向の変化を示すグラフである。 図26(a)及び図26(b)は、それぞれ図16の走査線の断面プロファイルを説明するための図(その1及びその2)である。 第2実施形態の変形例1のマイクロレンズアレイを説明するための図である。 第2実施形態の変形例2のマイクロレンズアレイを説明するための図である。 第2実施形態の変形例3のマイクロレンズアレイを説明するための図である。 マイクロミラーアレイを説明するための図である。
《第1実施形態》
以下、第1実施形態を説明する。
図1は、第1実施形態の画像表示装置を説明するための図である。
図1に即して説明する画像表示装置1000は、2次元のカラー画像を表示するヘッドアップディスプレイ装置であり、図1(a)に装置の全体を説明図的に示す。
画像表示装置1000は、一例として、車両、航空機、船舶等の移動体に搭載され、該移動体に設けられた透過反射部材(例えばフロントガラス)を介して該移動体の操縦に必要なナビゲーション情報(例えば速度、走行距離等の情報)を視認可能にする。以下では、移動体に設定されたXYZ3次元直交座標系(移動体と共に移動する座標系)を適宜用いて説明する。なお、「透過反射部材」とは、入射された光の一部を透過させ、残部の少なくとも一部を反射させる部材を意味する。
図1(a)において、符号100で示す部分は「光源部」であり、この光源部100からカラー画像表示用の画素表示用ビームLCが+Z方向に射出される。
画素表示用ビームLCは、赤(以下「R」と表示する。)、緑(以下「G」と表示する。)、青(以下「B」と表示する。)の3色のビームを1本に合成したビームである。
即ち、光源部100は、例えば、図1(b)の如き構成となっている。
図1(b)において、符号RS、GS、BSで示す光源としての半導体レーザは、それぞれR、G、Bのレーザ光を放射する。ここでは、各半導体レーザとして、端面発光レーザとも呼ばれるレーザダイオード(LD)が用いられている。なお、半導体レーザとして、端面発光レーザに代えて、面発光レーザ(VCSEL)を用いても良い。
符号RCP、GCP、BCPで示すカップリングレンズは、半導体レーザRS、GS、BSから射出される各レーザ光の発散性を抑制する。
カップリングレンズRCP、GCP、BCPにより発散性を抑制された各色レーザ光束は、アパーチュアRAP、GAP、BAPにより整形される(光束径を規制される)。
整形された各色レーザ光束はビーム合成プリズム101に入射する。
ビーム合成プリズム101は、R色光を透過させG色光を反射するダイクロイック膜D1と、R・G色光を透過させB色光を反射するダイクロイック膜D2を有する。
従って、ビーム合成プリズム101からは、R、G、Bの各色レーザ光束が1本の光束に合成されて射出される。
射出される光束は、レンズ102により所定の光束径の「平行ビーム」に変換される。
この「平行ビーム」が、画素表示用ビームLCである。
画素表示用ビームLCを構成するR、G、Bの各色レーザ光束は、表示するべき「2次元のカラー画像」の画像信号により(画像情報(画像データ)に応じて)強度変調されている。強度変調は、半導体レーザを直接変調する直接変調方式であっても良いし、半導体レーザから射出されたレーザ光束を変調する外部変調方式であっても良い。
即ち、半導体レーザRS、GS、BSは、図示されない駆動手段により、R、G、Bの各色成分の画像信号により発光強度を変調される。
光源部100から射出された画素表示用ビームLCは、画像形成素子としての2次元偏向手段6に入射し、2次元的に偏向される。
2次元偏向手段6は、本実施形態では、微小なミラーを「互いに直交する2軸」を揺動軸として揺動するように構成されたものである。
即ち、2次元偏向手段6は具体的には、半導体プロセス等で微小揺動ミラー素子として作製されたMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)である。
2次元偏向手段は、この例に限らず、他の構成のもの、例えば、1軸の回りに揺動する微小ミラーを2個、揺動方向が互いに直交するように組み合わせたもの等でもよい。また、2次元偏向手段として、2つのMEMSミラーの組み合わせや、2つのガルバノミラーの組み合わせや、2つのポリゴンミラーの組み合わせや、MEMSミラー、ガルバノミラー、ポリゴンミラーのいずれか2つの組み合わせを採用しても良い。
上記の如く2次元的に偏向された画素表示用ビームLCは、凹面鏡7に入射し、被走査面素子8に向けて反射される。
凹面鏡7の光学作用は、2次元的に偏向された画素表示用ビームLCによって反射面素子10上に形成される画像の歪みをとることである。
即ち、凹面鏡7により反射された画素表示用ビームLCは、2次元偏向手段6による偏向に伴い平行移動しつつ被走査面素子8に入射し、該被走査面素子8を2次元的に走査する。
この2次元的な走査により、被走査面素子8に「カラーの2次元画像」が形成される。
そこで、光源部100、2次元偏向手段6、凹面鏡7、被走査面素子8を含んで光走査装置が構成されている。
勿論、被走査面素子8に各瞬間に表示されるのは「画素表示用ビームLCが、その瞬間に照射している画素のみ」である。
カラーの2次元画像は、画素表示用ビームLCによる2次元的な走査により「各瞬間に表示される画素の集合」として形成される。
被走査面素子8に、上記の如く「カラーの2次元画像」が形成され、上記画像情報の画素単位の光(各画素に対応する光)である画素光が、凹面鏡9に入射して反射される。
図1には示されていないが、被走査面素子8は後述する「微細凸レンズ構造」を有している。凹面鏡9は「虚像結像光学系」を構成する。
「虚像結像光学系」は、前記「カラーの2次元画像」の拡大虚像12を結像させる。
拡大虚像12の結像位置の手前側には、反射面素子10が設けられ、拡大虚像12を結像する光束を、観察者11(図1(a)には観察者の目を示す。)の側へ反射する。この場合、凹面鏡9は、被走査面素子8からの画素光を反射面素子10に向けて投射する投射光学系を構成する。なお、観察者11(例えば移動体を操縦する操縦者)は、反射面素子10(透過反射部材)で反射されたレーザ光の光路上の所定の観察位置(視点)から虚像を視認する。
この反射光により、観察者11は拡大虚像12を視認できる。
図1(a)に示す如く、図の上下方向を「Y方向」、図面に直交する方向を「X方向」とする。
図1(a)に示す場合には、Y方向は通常、観察者11にとって上下方向であり、この方向を「縦方向」と呼ぶ。
また、X方向は通常、観察者にとって左右方向であり、この方向を「横方向」と呼ぶ。
被走査面素子8は、上述の如く、微細凸レンズ構造を有している。
後述するように、微細凸レンズ構造は「複数の微細凸レンズが、画素ピッチに近いピッチで密接して配列された」ものである。なお、以下では、微細凸レンズ構造について説明するが、「複数の微細凹レンズが、画素ピッチに近いピッチで密接して配列された」微細凹レンズ構造でも同様な作用、効果がある。
ここでは、複数の微細凸レンズは、凸面が入射面となるようにZ方向に直交する平面(XY平面)に沿って所定ピッチで2次元配列されている。その具体的な配列形態としては、X方向を行方向、Y方向を列方向とするマトリクス状の配列や、ハニカム状配列が挙げられる。
各微細凸レンズの平面形状(Z軸方向から見た形状)は、例えば円形、正N角形(Nは3以上の自然数)等である。ここでは、微細凸レンズの各々は、互いに曲率(曲率半径)が等しい。
そして、個々の微細凸レンズは、画素表示用ビームLCを等方的に拡散させる機能を持つ。すなわち、各微細凸レンズは、全方位に均等な拡散パワーを持つ。以下に、この「拡散機能」を簡単に説明する。
図1(c)において、符号L1〜L4は、被走査面素子8に入射する4本の画素表示用ビームを示している。
これ等の4本の画素表示用ビームL1〜L4は、被走査面素子8に形成される2次元画像の4隅に入射する画素表示用ビームであるものとする。
これら4本の画素表示用ビームL1〜L4は、被走査面素子8を透過すると、ビームL11〜L14のように変換される。
仮に、画素表示用ビームL1〜L4で囲まれる断面が横長の4辺形の光束を、被走査面素子8に入射させると、この光束は「ビームL11〜L14で囲まれる断面が横長の4辺形の発散性の光束」となる。
微細凸レンズのこの機能が「拡散機能」である。
「ビームL11〜L14で囲まれる発散性の光束」は、このように発散性光束に変換された画素表示用ビームを時間的に集合した結果である。
画素表示用ビームを拡散させるのは「反射面素子10により反射された光束が、観察者11の目の近傍の広い領域を照射する」ようにするためである。
上記拡散機能が無い場合には、反射面素子10により反射された光束が「観察者11の目の近傍の狭い領域」のみを照射する。
このため、観察者11が頭部を動かして、目の位置が上記「狭い領域」から逸れると、観察者11は拡大虚像12を視認できなくなる。
上記のように、画素表示用ビームLCを拡散させることにより、反射面素子10による反射光束は「観察者11の目の近傍の広い領域」を照射する。
従って、観察者が「頭を少々動かし」ても、拡大虚像12を確実に視認できる。
上記の如く、本実施形態において、被走査面素子8に入射する画素表示用ビームLCは平行ビームであるが、被走査面素子8を透過した後は発散性のビームとなる。
この発明における被走査面素子8は、画素表示用ビームLCを拡散させる複数の微細凸レンズが、画素ピッチに近いピッチで密接して配列された「微細凸レンズ構造」を有する。
微細凸レンズは「画素表示用ビームLCのビーム径」より大きい。
微細凸レンズを「画素表示用ビームLCのビーム径」より大きくするのは、干渉性ノイズ低減のためであり、以下これを、図2及び図3を参照して説明する。
図2(a)において、符号802は被走査面素子を示す。
被走査面素子802は、微細凸レンズ801を配列した微細凸レンズ構造を有する。
符号803で示す「画素表示用ビーム」の光束径807は、微細凸レンズ801の大きさよりも小さい。
即ち、微細凸レンズ801の大きさ806は、光束径807よりも大きい。
なお、本実施形態では、画素表示用ビーム803はレーザ光束であり、光束中心のまわりにガウス分布状の光強度分布をなす。
従って、光束径807は、光強度分布における光強度が「1/e」に低下する光束半径方向距離である。
図2(a)では、光束径807は微細凸レンズ801の大きさ806に等しく描かれているが、光束径807が「微細凸レンズ801の大きさ806」に等しい必要は無い。
微細凸レンズ801の大きさ806をはみ出さなければよい。
図2(a)において、画素表示用ビーム803は、その全体が1個の微細凸レンズ801に入射し、発散角805をもつ拡散光束804に変換される。
なお、「発散角」は、以下において「拡散角」と呼ぶこともある。
図2(a)の状態では、拡散光束804は1つで、干渉する光束が無いので、干渉性ノイズ(スペックルノイズ)は発生しない。
なお、発散角805の大きさは、微細凸レンズ801の形状により適宜設定できる。
図2(b)では、画素表示用ビーム811は、光束径が微細凸レンズの配列ピッチ812の2倍となっており、2個の微細凸レンズ813、814に跨って入射している。
この場合、画素表示用ビーム811は、入射する2つの微細凸レンズ813、814により2つの発散光束815、816のように拡散される。
2つの発散光束815、816は、領域817において重なり合い、この部分で互いに干渉して干渉性ノイズを発生する。
図3(a)は、画素表示用ビーム824が、被走査面素子821の、2つの微細凸レンズ822、823に跨って入射している状態を示す。
画素表示用ビーム824の光束径は、微細凸レンズ822等の大きさに等しい。
この場合、微細凸レンズ822に入射したビーム部分は発散光束826となり、微細凸レンズ823に入射したビーム部分は発散光束827となって拡散される。
発散光束826と827とは、互いに遠ざかる方向へ拡散されるので、これらが相互に重なり合うことはなく、従って、この状態で干渉性ノイズは発生しない。
即ち、微細凸レンズにより拡散された光束による干渉性ノイズは、画素表示用ビーム824のビーム径を、微細凸レンズ822の大きさ以下に設定すれば発生しない。
微細凸レンズの径と、被走査面素子に入射する画素表示用ビームのビーム径の具体的な数値例を例示する。
画素表示用ビームのビーム径を、例えば150μm程度に設定することは容易である。
この場合には、微細凸レンズ構造を構成する微細凸レンズの大きさは、上記150μm以上の大きさ、例えば、160μm、200μm等に設定すれば良い。
図3(a)に示す被走査面素子821では、微細凸レンズ822、823・・は隙間なく配列されている。
従って、隣接する微細凸レンズ面の「境界部の幅(以下「境界幅」とも言う。)は0」である。
このため、微細凸レンズ822、823に、図3(a)の如く入射する画素表示用ビーム824から発生する発散光束は、発散光束826、827のみである。
しかしながら、実際に形成される微細凸レンズ構造では「隣接する微細凸レンズの境界幅が0となる」ことは無い。
即ち、図3(b)に示す被走査面素子831のように、実際に形成される微細凸レンズ構造では、微細凸レンズ833、834の境界部835は「幅:0」とはならない。
微細凸レンズ833、834の境界部835は、微視的には「曲面が滑らかに連続」しており、境界部835には曲面が形成される。
このように境界部835に形成された曲面は、この部分に画素表示用ビームが入射すると、入射光部分に対して「微小なレンズ面」として作用する。
従って、微細凸レンズ833、834に跨って入射する画素表示用ビーム832は、発散光束836、837とともに発散光束838も発生させる。
発散光束838は境界部835の曲面のレンズ作用により発生し、発散光束836、837と、領域839、840において重なり合って干渉し、干渉性ノイズを発生させる。
図3(c)は、微細凸レンズ構造における「干渉性ノイズの軽減ないし防止」を説明するための図である。
微細凸レンズ構造において、微細凸レンズ841、842のレンズ面が緩やかに繋がった境界部843の曲面形状は、それ自体が「微小なレンズ面」をなしている。
境界部843の曲面形状の曲率半径を図の如く「r」とする。
ここで、説明の簡単のため、微細凸レンズ構造に入射する画素表示用ビームを「波長:λの単色レーザ光束」とする。
境界部843の曲率半径:rが、画素表示用ビームの波長:λよりも大きい場合(r>λ)、曲率半径:rの曲面は、入射する画素表示用ビームに対してレンズ作用を及ぼす。
従ってこの場合、境界部843を通過するビーム成分は発散され、微細凸レンズ841、842により拡散された光束と重なり合って干渉し、干渉性ノイズを発生する。
一方、境界部843の曲率半径:rが、画素表示用ビームの波長:λより小さくなると、境界部843は画素表示用ビームに対して「サブ波長構造」となる。
周知の如く、サブ波長構造は「サブ波長構造よりも大きい波長の光」に対してはレンズ作用を生じない。
従って、波長:λより小さい曲率半径:rをもった境界部843は「レンズ」として作用せず、画素表示用ビームを直進的に透過させ、発散させることがない。
このため、境界部843を直進的に透過したビーム部分と、微細凸レンズ841、842により拡散された発散光束とは重なり合わず、干渉による干渉性ノイズは発生しない。
即ち、画素表示用ビームのビーム径:d、波長:λ、微細凸レンズの大きさ:D、境界部をなす面の曲率半径:rの大小関係は、以下のように定めるのが良い。
D>d、λ>r 。
表示すべき2次元の拡大虚像がモノクロ画像である場合には、波長:λの単色のコヒーレント光により画素表示用ビームを形成する。
従って、この場合には、上記D、d、r、λが上記大小関係を満足するように設定することにより、干渉性ノイズを抑制できる。
本実施形態のように、2次元のカラー画像(拡大虚像)を表示する場合、画素表示用ビームLCは、R、G、Bの3色のビームの合成されたものである。
これ等の3ビームの波長をλR(=640nm)、λG(=510nm)、λB(=445nm)とすると、これらの大小関係は「λR>λG>λB」である。
従って、干渉性ノイズ防止の観点からすれば、上記境界部をなす面の曲率半径:rを、最短波長:λBよりも小さく、例えば、400nmとすればよい。
しかし、最長波長:λRよりも小さい曲率半径:r(例えば600nm)を設定すれば、画像表示ビームのR成分による干渉性ノイズを防止できる。
即ち、干渉性ノイズを有効に軽減させることができる。
「r(例えば500nm)<λG」とすれば、画像表示ビームのR成分およびG成分の光による干渉性ノイズを防止できる。
画素表示用ビームLCが「R、G、Bの3色のビームの合成されたもの」である場合、干渉性ノイズは、これら3色の成分について独立に発生する。
そして、これら独立した3色R、G、Bのビームの干渉性ノイズの「総体」が、視認される干渉性ノイズとなる。
従って、3色の干渉性ノイズのうち、1色でも干渉性ノイズが無くなれば、視認される干渉性ノイズは大幅に改善され、観察画像の画質向上に寄与する。
従って、干渉性ノイズの防止効果は、3色のうちで「最も長波長のR成分」のみでも効果があり、次いでG成分、B成分という順で「低減効果」が向上する。
したがって、最長波長:λRよりも小さい曲率半径:r(例えば600nm)を設定すれば、干渉性ノイズの軽減上、一定の効果を達成できる。
干渉性ノイズの視認性は、波長やビーム径・マルチ/シングルモードなどでノイズ強度は変わるが、一般的にはR≒G>Bの順で高い。
即ち、波長:λBの光は人間の眼の視感度が低く、干渉性ノイズは目立ちにくい。
従って、波長:λGよりも小さい曲率半径:r(例えば500nm)を設定すれば、視認性の比較的高い波長:λRとλGの光による干渉性ノイズを軽減できる。
視感度が低い波長:λBの光による干渉性ノイズは発生しても、さほど目立たない。
勿論、波長:λBよりも小さい曲率半径:r(例えば400nm)を設定すれば、上記の如く、干渉性ノイズを更に有効に軽減できる。
微細凸レンズ構造を構成する複数の微細凸レンズそれぞれの大きさは、上記の如く、100μmオーダであり、これは通常の「マイクロレンズ」として実現できる。
また、複数の微細凸レンズを配列した微細凸レンズ構造は「マイクロレンズアレイ」として実現できる。
従って、以下、微細凸レンズを「マイクロレンズ」とも呼び、微細凸レンズ構造を「マイクロレンズアレイ」とも呼ぶこととする。
マイクロレンズアレイは、一般に、マイクロレンズアレイのレンズ面アレイの転写面を持つ金型を作製し、この金型を用いて、樹脂材料に金型面を転写して作製される。
金型における転写面の形成は、切削やフォトリソグラフィなどを用いて形成する方法が知られている。
また、樹脂材料への転写面の転写は、例えば「射出成形」で行うことができる。
隣接マイクロレンズの境界部における曲率半径を小さくすることは、境界幅を小さくすることにより実現できる。
小さい境界幅は、隣接マイクロレンズ面の形成する境界部の「尖鋭化」することにより実現できる。
マイクロレンズアレイ用の金型において、「隣接マイクロレンズ間の境界幅」の大きさを波長オーダまで小さくする工法は、種々の方法が知られている。
例えば、特許第4200223号公報は、異方性エッチングおよびイオン加工により各マイクロレンズの曲率半径を増加させ、境界部の非レンズ部分を除去する方法を開示している。
また、特許第5010445号公報は、等方性ドライエッチングを用いて、隣接マイクロレンズ間の平坦面を除去する方法を開示している。
例えば、これらの公知の方法を用いることにより、隣接マイクロレンズ間の境界部を成す面の曲率半径が、十分に小さいマイクロレンズアレイを作製可能である。
即ち、上に説明した被走査面素子は、複数のマイクロレンズが相互に近接して配列した構造を有するマイクロレンズアレイとして構成できる。
隣接するマイクロレンズの境界部をなす面の曲率半径:rを640nmよりも小さいマイクロレンズアレイとして形成することにより、R成分光の干渉性ノイズを防止できる。
また、上記曲率半径:rを510nmよりも小さいマイクロレンズアレイとして形成すれば、R成分光とG成分光による干渉性ノイズを防止できる。
隣接するマイクロレンズの境界部をなす面の曲率半径:rを445nmよりも小さいマイクロレンズアレイとして形成すれば、R、G、B成分光の干渉性ノイズを防止できる。
上には、図1に示す画像表示装置(ヘッドアップディスプレイ装置)について説明した。
図1に示す凹面鏡7は、「2次元的に偏向された画素表示用ビームLCによって反射面素子10上に形成される画像の歪みをとる機能」を持つ。
即ち、凹面鏡7は「2次元的に偏向された画素表示用ビームの偏向範囲を調整し、被走査面素子の走査範囲を規制する偏向範囲規制手段」として機能する。
このような偏向範囲規制手段は、2次元偏向手段6により2次元的に偏向された画素表示用ビームの偏向角がさほど大きくない場合には、省略することもできる。
微細凸レンズ構造(マイクロレンズアレイ)および微細凸レンズ(マイクロレンズ)に対する条件は上記の如くである。
即ち、「画素表示用ビームのビーム径より大きい複数の微細凸レンズが、画素ピッチに近いピッチで密接して配列されて微細凸レンズ構造を構成」する。
そこで、このような条件を満足するマイクロレンズアレイの具体的な形態を3例、図4に示す。
図4(a)に形態例を示すマイクロレンズアレイ87は、正方形形状のマイクロレンズ8711、8712・・等を正方行列状に配列したものである。
ヘッドアップディスプレイ装置において表示される2次元画像(拡大虚像)の画素数は、マイクロレンズアレイにおけるマイクロレンズの配列周期で決定される。
図4(a)の配列の場合、X軸方向に隣接するマイクロレンズ8711、8712の中心間距離をX1とする。
また、図においてY軸方向に隣接するマイクロレンズ8711、8721の中心間距離をY1とする。これら、X1、Y1を「1画素の実効サイズ」と見做すことができる。
「1画素の実効サイズ」を以下において「1画素の実効ピッチ」あるいは「実効画素ピッチ」とも呼ぶ。
図4(b)に形態例を示すマイクロレンズアレイ88は、正六角形形状のマイクロレンズ8811、8821・・を稠密に配列したものである。
この場合のマイクロレンズの配列では、配列されるマイクロレンズ8811等は、X軸方向に平行な辺を持たない。
即ち、X軸方向に配列するマイクロレンズの上辺・下辺は「ジグザク状」になるので、このような配列を「ジグザグ型配列」と呼ぶ。
図4(c)に形態例を示すマイクロレンズアレイ89は、正六角形形状のマイクロレンズ8911、8921・・を稠密に配列したものである。
この場合のマイクロレンズの配列では、配列されるマイクロレンズ8911等は、X軸方向に平行な辺を持っている。この場合の配列を「アームチェア型配列」と呼ぶ。
ジグザグ型配列とアームチェア型配列を合わせて「ハニカム型配列」と呼ぶ。
図4(c)に示すアームチェア型配列は、図4(b)に示すジグザグ型配列を、90度回転させた配列である。
ジグザグ型配列では、マイクロレンズの配列では、図に示すX2を「X軸方向の実効画素ピッチ」、Y2を「Y軸方向の実効画素ピッチ」と見做すことができる。
アームチェア型配列では、図に示すX3を「X軸方向の実効画素ピッチ」、Y3を「Y軸方向の実効画素ピッチ」と見做すことができる。
図4(b)で、実効画素ピッチ:Y2は、マイクロレンズ8821の中心と、マイクロレンズ8811の右側の辺の中点との距離である。
図4(c)で、実効画素ピッチ:X3は、マイクロレンズ8911の右側に接する2つのマイクロレンズの接する辺の中点とマイクロレンズ8911の中心との距離である。
ジグザク型配列においては、X軸方向の実効画素ピッチ:X2が小さいので、画像表示におけるX軸方向の分解能を向上させることができる。
また、アームチェア型配列においては、Y軸方向の分解能を向上させることができる。
このように、マイクロレンズをハニカム型に配列することにより、実際のレンズ径よりも小さい画素を実効的に表現でき、実効画素数を向上させることが可能である。
上述の如く、被走査面素子の微細凸レンズ構造(マイクロレンズアレイ)において、隣接するマイクロレンズの境界部は、曲率半径:rを有する。
曲率半径:rは、例えば、画素表示用ビームのR成分の波長:λRよりも小さい。
従って、前述の如く、「R成分のコヒーレント光の干渉による干渉性ノイズ」は防止される。
しかし、画素表示用ビームのG成分光の波長:λGやB成分光の波長:λBよりも、前記曲率半径:rが大きければ、これ等の光は境界部で拡散され、互いに干渉する。
従って、この干渉による干渉性ノイズは発生する。
この場合、図4(a)の「正方行列状の配列」であると、境界部での発散(拡散)は、図のXa方向およびYa方向の2方向に生じ、それぞれが干渉性ノイズの原因となる。
これに対し、図4(b)の配列だと、境界部での発散は、8A、8B、8Cの3方向に起こる。また、図4(c)の場合だと、9A、9B、9Cの3方向に拡散する。
即ち、境界部での発散は、正方行列状配列では2方向に発生し、ハニカム状配列では3方向に生じる。
従って、干渉性ノイズの発生は、正方行列状の配列では2方向的、ハニカム状の配列では3方向的に生じる。
即ち、発生する干渉性ノイズは、正方行列状配列では「2方向に分散」されるのに対し、ハニカム状の配列では「3方向に分散」される。
干渉性ノイズを生じさせるコヒーレント光の最大強度は一定である。
従って、分散される数が大きいほど「発生する干渉性ノイズのコントラスト」は弱められて視認され難く(目立ち難く)なる。
従って、「境界部の曲率半径:rよりも小さい波長の成分による干渉性ノイズ」の発生を許容する場合には、マイクロレンズの配列は「ハニカム状配列」とするのがよい。
なお、境界幅が前記波長:λRより大きい場合には、R成分のコヒーレント光による干渉性ノイズも発生する。
しかし、隣接する微細凸レンズの「レンズ面間の境界幅」は微小であり、微小な境界幅の部分に入射するコヒーレント光の光エネルギは小さい。
従って、干渉性ノイズを発生させる光エネルギも大きくは無い。
従って、干渉性ノイズが発生したとしても、ハニカム状配列の場合は、上記の如く、3方向に分散されることで、コントラストは弱くなる。
従って、干渉性ノイズの視認性は有効に軽減させることとなる。
図1(a)に即して説明したように、2次元の拡大虚像12を結像する虚像結像光学系は、凹面鏡9により構成される。
即ち、拡大虚像12は、凹面鏡9により結像される画素像の集合である。
微細凸レンズであるマイクロレンズに「アナモフィックな機能」を持たせると、微小凸レンズの拡散機能を、互いに直交する方向において異ならせることができる。
図6(a)及び図6(b)を参照すると、図6(a)及び図6(b)において符号80は、被走査面素子8に稠密に形成されたマイクロレンズ(微細凸レンズ)の個々を説明図として示している。図6(a)の例では、微細凸レンズは、縦長の楕円形であり、「マトリクス状配列」で配列されている。
図6(b)の例では、微細凸レンズ80は、X軸方向に平行な辺を持つ縦長の六角形であり、「アームチェア型配列」で配列されている。
微細凸レンズ80は、そのレンズ面の曲率半径が、X軸方向とY軸方向とで異なり、X軸方向の曲率半径:Rxは、Y軸方向の曲率半径:Ryよりも小さい。すなわち、微細凸レンズ80は、X軸方向の曲率がY軸方向の曲率よりも大きい。
従って、微細凸レンズ80のX軸方向のパワー(拡散パワー)は、Y軸方向のパワー(拡散パワー)よりも大きい。
また、レンズ面のX軸方向とY軸方向との両方に曲率を持たせたので、図6(b)に示されるように、微細凸レンズを六角形にでき、上記の如く「干渉性ノイズの視認性」を弱めることができる。
図6(a)及び図6(b)は、1個の微細凸レンズ80に、画素表示用ビームLCが入射した場合を示している。図6(a)及び図6(b)では、個々の微細凸レンズ80のY軸方向の幅がX軸方向の幅よりも長い。
また、図6(a)に示されるように、画素表示用ビームLCのビーム径を「Y軸方向に長い楕円形状」とし、Y軸方向における光束径を、微細凸レンズ80のY軸方向の径より小さくする。
このようにすれば、画素表示用ビームLCを「レンズ境界を跨がずに入射」させることが可能であり、射出する発散光束の断面形状は、X軸方向に長い(横長の)楕円形状になる。
微細凸レンズのY軸方向の長さおよびX軸方向の長さに拘わらず、X軸方向の曲率の方がY軸方向の曲率よりも大きければ、各微細凸レンズから射出する発散ビームの光束断面FXは、Y軸方向よりもX軸方向の方が長くなる。すなわち、横長となる。
上に説明したヘッドアップディスプレイ装置は、例えば、自動車等の車載用として用いることができ、X軸方向は「運転席から見て横方向」、Y軸方向は「縦方向」である。
この場合の反射面素子10は、自動車のフロントガラスである。
この場合、フロントガラス前方に拡大虚像12として、例えば「ナビゲーション画像」を表示でき、観察者11である運転者は、この画像を運転席に居ながらフロントガラス前方から視線をほとんど動かさずに観察できる。
このような場合、上述の如く、表示される拡大虚像は「運転者から見て横長の画像」であること、即ち、マイクロレンズに形成される画像および、拡大虚像は、X軸方向に画角の大きい画像であることが一般に好ましい。
また、上述の如く、観測者である運転者が、左右斜め方向から表示画像を見た場合にも、表示を認識できるように、横方向には「縦方向に比して大きな視野角」が要求される。
このため、拡大虚像の長手方向(X軸方向)には短手方向(Y軸方向)に比して大きな拡散角(非等方拡散)が要求される。
従って、被走査面素子の微細凸レンズをマイクロレンズ上に形成された画像もしくは拡大虚像の短手方向よりも長手方向の方が曲率が大きいアナモフィックなレンズとし、画素表示用ビームを拡散させる拡散角を「2次元画像の横方向を縦方向よりも広く」するのが好ましい。
このようにして、ヘッドアップディスプレイ装置の要求画角を満たす必要最小限の範囲に光を発散させ、光の利用効率を向上させ、表示画像の輝度を向上させることが可能である。
勿論、上記のような「非等方拡散」ではなく、縦方向と横方向で拡散角が等しい「等方拡散」とする場合も可能である。
しかし、自動車等の車載用として用いるヘッドアップディスプレイ装置の場合であれば、運転者が表示画像に対して上下方向の位置から観察を行なう場合はすくない。
従って、このような場合であれば、上記のように、画素表示用ビームを拡散させる拡散角を「2次元画像の横方向を縦方向よりも広く」するのが光利用効率の面から好ましい。
微細凸レンズ(マイクロレンズ)は、そのレンズ面を「非球面」として形成できることが従来から知られている。
直上に説明したアナモフィックなレンズ面も「非球面」であるが、微細凸レンズのレンズ面をより一般的な非球面として形成でき、収差補正を行なうこともできる。
収差の補正により「拡散の強度ムラ」を低減することも可能である。
図4(a)〜図4(c)に示した微細凸レンズ構造(マイクロレンズアレイ)における個々の微細凸レンズ(マイクロレンズ)は、正方形もしくは正六角形であった。
微細凸レンズの形状はこのように正多角形である必要はなく、図4(a)〜図4(c)に示したマイクロレンズ形状を1方向に引き伸ばした形状でもよい。
この場合、正方形形状であったものは「長方形形状」となり、正六角形状であったものは、細長い変形六角形になる。
微細凸レンズ構造の実効画素ピッチは、図4(a)〜図4(c)の配列では、X軸方向につきX1〜X3、Y軸方向につきY1〜Y3であった。
このように定められるX軸方向の実効画素ピッチを一般に「SX」、Y軸方向の実効画素ピッチを一般に「SY」とするとき、両者の比:SY/SXを「アスペクト比」と言う。
図4(a)の場合、アスペクト比は「Y1/X1」であり、X1=Y1であるから、アスペクト比は1である。
図4(b)の場合のアスペクト比は「Y2/X2」であり、Y2>X1であるから、アスペクト比は1より大きい。
図4(c)の場合のアスペクト比は「Y3/X3」であり、Y3<X3であるから、アスペクト比は1よりも小さい。
図5(a)〜図5(e)に示すマイクロレンズアレイ91〜95の微細凸レンズ構造では、実効画素ピッチを、図4の場合と同様にして以下の如くに定める。
即ち、X軸方向、Y軸方向の実効画素ピッチは、図5の「X11、Y11」、「X12、Y12」、「X13、Y13」である。
図5(a)の微細凸レンズ構造は、長方形形状の微細凸レンズ9111、9112、・・9121・・を正方行列状に配列したものであり、アスペクト比は1よりも大きい。
図5(b)〜図5(e)に示すマイクロレンズアレイ92〜95では、微細凸レンズ構造は、ハニカム型配列である。
図5(b)、図5(d)、図5(e)に示すハニカム型配列では、アスペクト比「Y12/X12」、「Y13/X13」はいずれも1より大きい。
図5(a)〜図5(e)に示す微細凸レンズ構造の5例は何れも「微細凸レンズ」は、Y軸方向の長さがX軸方向の長さよりも大きい。
このように「Y軸方向の長さがX軸方向の長さより大きい形状の微細凸レンズ」の場合、微細凸レンズの形状として、X軸方向の曲率をY軸方向の曲率より大きくするのが容易である。
従って、前述した「X軸方向のパワーがY軸方向のパワーよりも大きくなるアナモフィックな光学機能」を実現しやすい。
例えば、図5(a)に示す例の場合、具体例として例えば、X11=150μm、Y11=200μm、アスペクト比=200/150=4/3>1を挙げることができる。
勿論、この場合には、画素表示用ビームのビーム径はX軸方向を150μm未満、Y軸方向を200μm未満にする。
図5(b)〜図5(d)に示す微細凸レンズの配列は、何れもハニカム型配列であり、個々の微細凸レンズは「Y軸方向に長い形状」となっている。
図5(b)の配列は「ジグザグ型」であり、図5(c)〜図5(e)の配列は何れも「アームチェア型」である。
図5(b)の「ジグザグ型の縦長ハニカム型配列」と、図5(c)の「アームチェア型の縦長ハニカム配列」は何れも使用可能であることは勿論である。
しかし、図5(c)の配列例は図5(b)の配列例に対して以下の如き利点を有する。
即ち、図5(b)の配列に比して、図5(c)の配列では、微小凸レンズにおける「X軸方向とY軸方向のサイズの差」が小さく、縦横方向における「実効画素サイズの差」が小さくなる。
具体的な寸法を挙げる。
例えば、図5(b)において、微細凸レンズ9211、9212等のX軸方向のレンズ径:R2x=100μm、Y軸方向のレンズ径:R2y=200umとする。
このとき、X軸方向の実効画素ピッチ(=X12)は50μm、Y軸方向の実効画素ピッチ(=Y12)は150μmとなる。
同様に、図5(c)において、微細凸レンズ9311、9312等の、X軸方向のレンズ径:R3x=100μm、Y軸方向のレンズ径:R3y=200μmとする。
また、微細凸レンズ9311等の六角形形状の、上下の辺の長さは50μmとする。
このとき、X軸方向の実効画素ピッチ(=X13)は75μm、Y軸方向の実効画素ピッチ(=Y13)=100μmとなる。
従って「X、Y軸方向の実効画素ピッチ」は、図5(c)の配列(75μmと100μm)の方が図5(b)の配列(50μmと100μm)の場合よりも「互いに近い値」になる。
図5(c)、図5(d)、図5(e)においては、X軸方向の実効画素ピッチをX13、Y軸方向の実効画素ピッチをY13としている。
これは、図5(c)〜図5(e)のハニカム型配列(アームチェア型のハニカム配列)において、X軸方向の画素ピッチ、Y軸方向の画素ピッチが、同じように定義されることによる。
図5(d)においては、微細凸レンズ9411、9421等は、X軸方向に平行な上下の辺が短く、斜辺が長い。
また、図5(e)においては、微細凸レンズ9511、9521等は、X軸方向に平行な上下の辺が短く、斜辺が長い。
これらの図に示すように、微細凸レンズの六角形形状の変形により、X軸方向の画素ピッチ:X13、Y軸方向の画素ピッチ:Y13を調整できる。
図5(c)の場合と同様、これら図5(d)、図5(e)に示す配列においても「微細凸レンズ構造が縦長構造」であることにより、X、Y軸方向の「実効画素ピッチの均等化」が可能である。
例えば、図8に示すマイクロレンズアレイ96のマイクロレンズ9611、9621等は、図5(d)に示すマイクロレンズアレイ95と同様の縦長の六角形形状である。
図8に示すマイクロレンズ9611等の配列は、図5(c)と同様の「アームチェア型の縦長ハニカム配列」である。
マイクロレンズ9611等の六角形形状は、X軸方向の実効画素ピッチ:X14が、Y軸方向の実効画素ピッチ:Y14と完全に等しくなるように設定されている。
このように、アームチェア型の縦長ハニカム配列では、アスペクト比を1に設定することができる。画素表示用ビームのビーム径より大きい微細凸レンズもしくは画素表示用ビームのビーム径と同じ程度の大きさの微細凸レンズの場合、実効画素ピッチのアスペクト比が1であれば、虚像として投影される画像データに対して、虚像による再現性が高まる。虚像として投影される画像データのマイクロレンズアレイ上における画素ピッチと実効画素ピッチとを一致させる、もしくは、他の実効画素ピッチと比較して、実効画素ピッチを虚像として投影される画像データのマイクロレンズアレイ上における画像データの画素ピッチに近づけることができるからである。
上には、縦方向を「上下方向」、横方向を「左右方向」として説明したが、これは説明の具体性のための便宜上のものである。
実際の空間において、どの方向が縦方向かは、マイクロレンズアレイの画像表示装置への取り付け方向、画像表示装置の車両等の移動体への取り付け方向による。
2次元偏向手段6は、1つの軸について1往復の揺動(第1軸の揺動)を行う間に、もう一方の軸について往復の揺動(第2軸の揺動)を複数回行うが、多くの場合、拡大虚像の長手方向であるX軸方向が、第2軸の揺動による画素表示用ビームLCのマイクロレンズアレイに対する走査の方向に設定される。したがって、「アームチェア型」の六角形形状のマイクロレンズのX軸方向に平行な上下の辺は、画素表示用ビームLCのマイクロレンズアレイに対する走査方向とほぼ平行となり、「アームチェア型」の六角形形状の画素表示用ビームのマイクロレンズアレイに対する走査方向に最も平行に近い2辺の間隔、言い換えれば、画素表示用ビームのマイクロレンズアレイに対する走査方向に最も平行に近い辺とその対向する辺との間隔を、これら2辺に直交する方向へ拡大するように引き伸ばした形状が「アームチェア型の縦長ハニカム構造」である。
従って、アームチェア型の縦長ハニカム配列は、輝度及び実効画素数の向上に加え、X軸方向(横方向)、Y軸方向(縦方向)の実効画素ピッチの差を小さくすることができる。
図5(c)〜図5(e)に示す如き「微細凸レンズの形状」は、例えば、発散光束の発散角制御のため、任意に選択することが可能である。
図1(a)に示したヘッドアップディスプレイ装置においては、画素表示用ビームLCは、被走査面素子8の微細凸レンズ構造に直交入射している。
しかし、画素表示用ビームの被走査面素子への入射形態は、このような「直交入射」に限らない。
例えば、光源部から反射面素子に到る光学素子の配列を工夫して、ヘッドアップディスプレイ装置をコンパクト化する場合には、図7(a)のような入射形態が考えられる。
即ち、図7(a)の例では、画素表示用ビームLCが、被走査面素子8に対して傾いて入射している。
微細凸レンズのレンズ面を「非球面」とするような場合、画素表示用ビームLCは、非球面の光軸に対して傾いて入射することになり、非球面の機能を生かせない場合もある。
このような場合には、図7(b)の被走査面素子8aのように、微細凸レンズMLのレンズ面光軸AXを、被走査面素子8aの基準面に対して直交方向から傾けるのが良い。
このようにして、レンズ面光軸AXを画素表示用ビームLCの入射方向に平行、もしくはこれに近い方向とすることができる。
なお、被走査面素子8aの基準面は、微細凸レンズMLがアレイ配列された面である。
このようにすることにより、光学系の小型化や、光の利用効率の向上が可能となり「微細凸レンズによる画素表示用ビームの発散の方向」を均質化することが可能である。
上に説明したヘッドアップディスプレイ装置は、上述の自動車への搭載に限らず、列車、船舶、ヘリコプター、飛行機など各種の、操縦可能な移動体に搭載できる。例えば、オートバイのウインドシールド(風よけ)を透過反射部材とすることもできる。
この場合、操縦席前方のフロントガラスを反射面素子とすればよい。
勿論、ヘッドアップディスプレイ装置を、例えば「映画観賞用の画像表示装置」として実施できることは言うまでも無い。
微細凸レンズ構造の微細凸レンズは、上記の如く画素表示用ビームを拡散させるものであるが、X、Yの2方向のうち、1方向のみの拡散を行なう場合も考えられる。
このような場合には、微細凸レンズのレンズ面として「微細凸シリンダ面」を用いることができる。
なお、微細凸レンズの形状を、六角形状とすることや、その配列をハニカム型配列とすることは、従来から、マイクロレンズアレイの製造方法に関連して知られている。
上に説明したヘッドアップディスプレイ装置は、例えば、自動車等の車載用として用いることができ、X方向は「運転席から見て横方向」、Y方向は「縦方向」である。
この場合の反射面素子10は、自動車のフロントガラスである。
この場合、フロントガラス前方に拡大虚像12として、例えば「ナビゲーション画像」を表示でき、観察者11である運転者は、この画像を運転席に居ながらフロントガラス前方から視線をほとんど動かさずに観察できる。
このような場合、上述の如く、表示される拡大虚像は「運転者から見て横長の画像」であること、即ち、マイクロレンズに形成される画像および、拡大虚像は、X方向に画角の大きい画像、すなわち横長の画像であることが一般に好ましい。
微細凸レンズ(マイクロレンズ)は、そのレンズ面を「非球面」として形成できることが従来から知られている。
微細凸レンズのレンズ面をより一般的な非球面として形成でき、収差補正を行なうこともできる。
収差の補正により「拡散の強度ムラ」を低減することも可能である。
図9は、画像表示装置1000のハードウェア構成図である。画像表示装置1000は、図9に示されるように、FPGA600、CPU602、ROM604、RAM606、I/F608、バスライン610、LDドライバ6111、MEMSコントローラ615などを備えている。FPGA600は、LDドライバ6111やMEMSコントローラ615により、光源部100のLD(半導体レーザ)および後述する光偏向器15を動作させる。CPU602は、画像表示装置1000の各機能を制御する。ROM604は、CPU602が画像表示装置1000の各機能を制御するために実行する画像処理用プログラムを記憶している。RAM606はCPU602のワークエリアとして使用される。I/F608は、外部コントローラ等と通信するためのインターフェイスであり、例えば自動車のCAN(Controller Area Network)等に接続されることができる。
図10は、画像表示装置1000の機能ブロック図である。画像表示装置1000は、図10に示されるように、車両情報入力部900、外部情報入力部902、画像生成部904、画像表示部906を備える。車両情報入力部800には、CAN等から車両の情報(速度、走行距離等の情報)が入力される。外部情報入力部902には、外部ネットワークから車両外部の情報(GPSからのナビ情報等)が入力される。画像生成部904は、CPU602、ROM604、RAM606を含み、車両情報入力部900および外部情報入力部902から入力される情報に基づいて、表示させる画像を生成する。画像表示部906は、FPGA600、LDドライバ6111、MEMSコントローラ615、LD、光偏向器15を含み、画像生成部904で生成された画像に応じた画像光を反射面素子10に照射する。この結果、観察者11の視点から拡大虚像12が視認可能となる。
図11には、2次元偏向手段6の一例としての光偏向器15が平面図にて示されている。図2に示されるように、半導体プロセスにて製造されるMEMSミラーであり、反射面を有し、第1軸周りに揺動可能に第1枠部材151に支持されたミラー150と、第1枠部材151を第1軸に直交する第2軸周りに揺動可能に支持する支持体とを有する。支持体は、複数の梁が蛇行するように連結された一対の蛇行部152と、各蛇行部を支持する第2枠部材154とを有する。各蛇行部は、一端が第1枠部材151に接続され、他端が第2枠部材154に接続されている。各蛇行部の複数の梁には、複数の圧電部材156(例えばPZT)が個別に設けられている。各蛇行部の隣り合う2つの梁152a、152bに個別に設けられた2つの圧電部材156に異なる電圧を印加することで、隣り合う2つの梁152a、152bが異なる方向に撓み、それが累積されて、ミラー150が第2軸周りに大きな角度で揺動する。このような構成により、第2軸周りの光走査(例えば副走査方向の光走査)が、低電圧で可能となる。一方、第1軸周りには、例えばミラー150に接続されたトーションバー、該トーションバーと第1枠部材151との間に接続された、カンチレバーと圧電部材(例えばPZT)を含む圧電アクチュエータなどを利用した共振による光走査(例えば主走査方向の光走査)が行われる。また、光偏向器15は、ミラー150の第1軸周り、第2軸周りの揺動位置を検出する検出器を有し、該検出器の検出情報が処理装置50に出力される。処理装置50は、この検出情報及び画像情報に基づいて各半導体レーザを駆動制御する。
ところで、近年、運転者が少ない視線移動で警報・情報を認知できるアプリケーションとして市場の期待が高まっており、車両に搭載するHUD(ヘッドアップディスプレイ)の技術開発が進んでいる。特に、ADAS(Advanced Driving Assistance System)という言葉に代表される車載センシング技術の進展に伴い、車両はさまざまな走行環境情報および車内乗員の情報を取り込むことができるようになっており、それらの情報を運転者に伝える「ADASの出口」としてもHUDが注目されている。
HUDの投射方式は、液晶及びDMDのようなイメージングデバイスで中間像を表現する「パネル方式」と、レーザダイオードから射出したレーザビームを2次元走査デバイスで走査し中間像を形成する「レーザ走査方式」がある。特に後者のレーザ走査方式は、全画面発光の部分的遮光で画像を形成するパネル方式とは違い、各画素に対して発光/非発光を割り当てることができるため、一般に高コントラストの画像を形成することができる。
市場のHUDに対する要求は、大きく下記2点に集約される。
1.コンパクト性
2.視認ストレスの低さ
「コンパクト性」に関しては、ダッシュボードに収納されているダクト・メータ・デフロスタ・車体構造などになるべく干渉しないサイズが求められている。HUD搭載のためにダクト・メータ・デフロスタ・車体構造を退避させてしまうと、エアコン性能・デフロスタ性能・車体強度性能の低下を招くためである。
「視認ストレスの低さ」に関しては、HUDの映像は常に運転者の視界周辺に情報が表示されるため、運転環境・ドライバの状態によってストレスのない映像表現が求められている。上記ADAS技術の発展はHUDに投射するコンテンツ量の増加をもたらす。人間の認知処理には限界があるため、増加したセンシング情報をそのままHUDに表示すると、運転者はわずらわしさを感じてしまい、情報表示装置であるHUDが返って運転視界の阻害要因となってしまう。
以上のようなHUD、すなわちヘッドアップディスプレイでは、光源及び画像形成素子を含む画像形成手段によって形成された画像光はスクリーン(例えば被走査面素子)に投影された後、例えば凹面鏡を含む投射光学系により投射され、透過反射部材(例えばフロントガラスやコンバイナ)を経て人間の目に入る(透過反射部材を介して視認可能となる)。このスクリーンは例えばマイクロレンズアレイで構成されており、光の発散角をレンズ曲率によって任意に制御する。その際、投射光学系及びフロントガラスを含む観察光学系の倍率、及びマイクロレンズアレイのX方向、Y方向の実効レンズピッチによって、表示画像(虚像)のX方向、Y方向の画素ピッチが決まる。
そこで、発明者らは、画質の低下を抑制しつつ装置の小型化を図るべく、以下に説明する画像表示装置としてのヘッドアップディスプレイ装置(以下では「HUD」とも呼ぶ)を開発した。HUDの全体構成は、画像表示装置1000(ヘッドアップディスプレイ装置)と同様である。HUDにおいても、上述した画像表示装置1000に関する全ての構成を採用し得る。
HUDは、図12(a)、図12(b)、図13に示されるようにXY平面に平行に配置されたマイクロレンズアレイ(以下では「MLA」とも呼ぶ)を備えている。
MLAは、複数のマイクロレンズがマトリクス状(2次元格子状)に隙間なく配列された構造を有しており、光源部100からのレーザ光を所望の発散角で発散させる。マイクロレンズは、横幅が例えば200um程度のレンズである。なお、マイクロレンズは、平面形状(Z軸方向から見た形状)が四角形のものに限らず、六角形や三角形のものを採用することもできる。
図12(a)及び図13における「Py」は、Y方向のレンズピッチを表す。図12(b)及び図13における「Px」は、X方向のレンズピッチを表す。なお、MLAでは、各マイクロレンズにおいて幾何学中心と光学中心が一致している。なお、「マイクロレンズの幾何学中心」は、該マイクロレンズをZ軸方向から見たときの該マイクロレンズの幾何学的な中心を意味する。「マイクロレンズの光学中心」は、「該マイクロレンズの光軸の位置」もしくは「該マイクロレンズの透過光強度分布が最大の位置」を意味する。
図12(a)、図12(b)に示されるように、MLAが入射光束201で走査されるとき、該入射光束201はマイクロレンズにより発散され、発散光202となる。MLAのX方向、Y方向のレンズピッチPx、Pyを独立に制御することで、入射光束201を所望の発散角θx、θyで発散させることが可能である。
ここで、HUDの中間像の画素数は、MLAのレンズ数で決定される。図13において、隣り合う2つのマイクロレンズの中心間のY方向、X方向の距離Py、Pxを縦横とする長方形の大きさを、マイクロレンズにおける1画素のサイズとみなすことができる。
MLAは、上述したマトリクス状配列に限らず、例えば複数の六角形のマイクロレンズを用いたハニカム状配列とすることもできる。ハニカム状配列は、大きく分けて2通りある。
すなわち、ハニカム状配列には、図14(a)に示されるようにY方向に平行な辺を持つ「ジグザグ型配列」と、図14(b)に示されるようにX方向に平行な辺を持つ「アームチェア型配列」がある。ここでも、各マイクロレンズにおいて幾何学中心と光学中心が一致しているものとする。
図14(a)において、X方向に隣り合う2つのマイクロレンズの中心間の距離をX方向のレンズピッチPxとみなすことができ、X方向に配列された複数のマイクロレンズの中心を通る軸(中心軸)の隣接間隔をY方向のレンズピッチPyとみなすことができる。この場合、X方向の分解能が向上する。
図14(b)において、Y方向に隣り合う2つのマイクロレンズの中心間の距離をY方向のレンズピッチPyとみなすことができ、Y方向に配列された複数のマイクロレンズの中心を通る軸(中心軸)の隣接間隔をX方向のレンズピッチPxとみなすことができる。この場合、Y方向の分解能が向上する。
ところで、図15には、比較例のマイクロレンズアレイのレンズ配列構造が示されている。ここでは、レンズ配列構造は、アームチェア型配列であり、X方向のレンズピッチPx、Y方向のレンズピッチPyは、いずれも一定となっている。このような構造にする理由は、特許文献2にも開示されているように、レーザ光の拡散性能を持たせつつ、レーザ光による干渉性ノイズであるスペックルを低減するためである。
一方、レーザ走査方式の走査線軌跡としては、例えば図16のような正弦波走査と等速走査を組み合わせたもの(ラスタースキャン、特許文献3と同様)や、図17のような2方向に対して正弦波走査とするもの(リサジュ曲線、特許文献4と同様)が知られている。
このような走査線軌跡とマイクロレンズアレイ(被走査面素子)のレンズ配列構造とを重ね合わせたときに形成される光強度分布が、観察される画像(虚像)となる。
しかし、この場合に、走査線の周期(走査線間隔)とレンズ配列構造の周期(レンズピッチ)の干渉によるモアレが画質劣化の要因となる。モアレの発生は、一般的に、2種の周期構造の周期の差がわずかにあると大きくなり、この差を大きくとることにより視覚的には低減できる。
図18は、図16のようなラスタースキャンによる走査線軌跡をとるときのマイクロレンズアレイを透過した光の光強度分布(画像)であって、走査端における走査線間隔Ps(図16参照)とY方向(副走査方向)のレンズピッチPyが略等しい場合(ここではPy=Ps=105)の画像の左半分を示している。なお、以下の議論は、画像の右半分についても同様に成立する。
図19は、図18のX方向の中央部と周辺部についてY方向の光強度分布(画像)を示したものである。図19から、PsとPyが略等しいときには、光強度分布が可視レベルの周期の分布、つまりモアレとなって観測されることがわかる。モアレは、画像の中央部でも周辺部でも確認できる。
図20は、図16のようなラスタースキャンによる走査線軌跡をとるときのマイクロレンズアレイを透過した光の光強度分布(画像)であって、走査線間隔Ps(図16参照)とY方向(副走査方向)のレンズピッチPyの関係がPy>Psである場合(ここではPy=140、Ps=105)の画像の左半分を示している。なお、以下の議論は、画像の右半分についても同様に成立する。
図21は、図20のX方向の中央部と周辺部についてY方向の光強度分布(画像)を示したものである。図21からは、図19のような周期的な変化(モアレ)は確認できないが、走査線間隔Psに対してレンズピッチPy(Y方向のレンズ長さ)が大きすぎることによる粒状度の悪化が確認できる。
図22は、図16のようなラスタースキャンによる走査線軌跡をとるときのマイクロレンズアレイを透過した光の光強度分布(画像)であって、走査線間隔Ps(図16参照)とY方向(副走査方向)のレンズピッチPyの関係がPy<Psである場合(ここではPy=80、Ps=105)の画像の左半分を示している。なお、以下の議論は、画像の右半分についても同様に成立する。
図23は、図22のX方向の中央部と周辺部についてY方向の光強度分布(画像)を示したものである。図23からは、図19のような周期的な変化(モアレ)は確認できないが、走査線間隔Psに対してレンズピッチPy(Y方向のレンズ長さ)が小さすぎることによるスペックルノイズの増大が確認できる。
以上説明したようなPyとPsの関係性による不具合に対する対策方法の1つとして、走査線の間隔を非常に密に(小さく)する方法が考えられる。
しかし、この方法は、2次元偏向手段の動作周波数を大幅に向上させる必要があるため、例えばMEMSスキャナー等を2次元偏向手段として用いる場合には大きな問題となる。一般に、動作周波数を上げると、強度の面から動作振幅を小さくせざるを得ない。また、光を反射するミラー部の大きさを小さくする必要があるため、マイクロレンズアレイ上におけるビームスポット径を小さくするという画質向上に必要な構成にすることができなくなる。その理由を以下に説明する。
一般的に収差の小さい光学系であれば、収束点へ向かう波長λの光束の収束角度θが大きいほど、収束させたときのビームウエスト径w0を小さくすることができる。θ=λ/(πw0)なので、θが大きくなるほどw0が小さくなる。
θを大きくする方法は、MEMSスキャナーと像面の距離を近づける方法と、MEMSスキャナーへの入射光束の径を大きくする方法がある。
MEMSスキャナーと像面の距離を近づける場合には、ミラーを必要な画像サイズ分振る必要があるので、振り角限界により略距離が決まってしまう。
一方、MEMSスキャナーへの入射光束の径を大きくする場合には、MEMSスキャナーのミラー径を大きくする必要がある。そのため、「光を反射するミラー部の大きさを小さくする必要がある」場合、ビームウエスト径を小さくすることに反するため、「マイクロレンズアレイ上におけるビームスポット径を小さくする」ことができなくなり、ビームスポット径を小さくできなければ、スペックルノイズを増加させるため、「画質向上に必要な構成にすることができなくなる。」
また、走査線の間隔を疎に(大きく)しようとすると、マイクロレンズアレイ上を走査線で満たすことができないため明らかに画質劣化となる。
一方、マイクロレンズアレイのレンズ配列構造において、配列を密にすると単位構造のサイズ、例えばマイクロレンズ径が小さくなる。このとき、ビームスポット径の小径化には限界があるため、ビームスポットサイズが単位構造よりもかなり大きくなってしまい、スペックルノイズが許容できないほど発生してしまう。また、配列を疎にすると、1画素サイズが大きくなってしまい、粒状度の悪化という画質劣化が引き起こされる。
そこで、発明者は、モアレやスペックルノイズの発生、粒状度の悪化を抑制し、良好な2次元画像を表示するために、以下に説明する第2実施形態を発案した。
《第2実施形態》
第2実施形態の画像表示装置は、マイクロレンズアレイを除いて、上記第1実施形態の画像表示装置1000と同様の構成を有する。
すなわち、第2実施形態の画像表示装置も、光源部100、2次元偏向手段6、凹面鏡7及び被走査面素子としてのマイクロレンズアレイを有する光走査装置と、凹面鏡9と、を含んで構成されている。
第2実施形態のマイクロレンズアレイにおいても、上記第1実施形態と同様に、正方形や長方形のマイクロレンズを用いたマトリクス状配列、六角形のマイクロレンズを用いたハニカム状配列(ジグザグ型配列やアームチェア型配列)とすることが可能である。
ここでは、図24に示されるように、アームチェア型配列を採用している。ここでも、各マイクロレンズにおいて幾何学中心と光学中心が一致しているものとする。第2実施形態では、図24から分かるように、マイクロレンズアレイのY方向のレンズピッチPyがX方向に変化している。図24において、Pya>Pybである。
図25には、第2実施形態における、走査線間隔PsのX方向の分布(変化)と、マイクロレンズアレイのY方向のレンズピッチPyのX方向の分布(変化)が示されている。横軸はX方向であり、正弦波振動方向に一致させている。縦軸は凡例に示したCase.1〜4のY方向のレンズピッチPyを示している。scanとして示した曲線(以下では「scan曲線」と呼ぶ)は、画面内での走査線間隔(走査線周期)について模式的に示したものである。「画面」とは、マイクロレンズアレイのレンズ配列面(画像描画領域)を意味する。
まず、scan曲線について説明する。主走査方向における正弦波走査と副走査方向における等速走査の組み合わせ(ラスタースキャン)によって得られる走査線軌跡は、図26(a)のようになる。この光強度分布の断面図は、図26(b)のようになり、実線で示したX方向中央(走査中央)では走査線間隔は、破線で示したX方向周辺(走査端)での走査線間隔Psの半分となることがわかる。つまり、走査線間隔は、X方向において画面中央部から画面周辺部に向かうにつれて、視覚的に徐々に大きくなるといえる。図25に示されるscan曲線は、この現象を表している。scan曲線は、画面中央部(X=0%)ではY方向の走査線間隔=Ps/2であり、画面周辺部(X≒100%)ではY方向の走査線間隔=Psであり、走査中央から走査端にかけて単調増加している。
次に、Case.1について説明する。Case.1では、レンズピッチPyが、画面中央部(X=0%)から画像周辺部にかけて徐々に小さくなっている(単調減少している)。すなわち、Case.1では、画面中央部と画面周辺部(X≒100%)との間において、Y方向のレンズピッチPyは、常にPs<Pyを満たすように変化している。この場合、Case.1の曲線は、scan曲線と交わることがなく、常にscan曲線よりも大の状態にある。つまり、走査線間隔PsとレンズピッチPyの差が常に大きい。このことにより、画面のどの部分にもモアレが発生することがない。なお、上述の如く、モアレは、走査線間隔PsとレンズピッチPyの差がわずかにあると大きくなり、この差が大きいと視覚的には低減される。
なお、Case.1では、モアレを確実に抑制する観点から、画面中央部と画面周辺部との間において常にPy−Ps>10umを満たすようにPyを変化させることが望ましい。
また、レンズ径に対してビームスポット径が大きいと、すなわちレンズピッチに対してビームスポット径が大きいと、スペックルが発生することが既に知られている。なお、レンズピッチとレンズ径には相関があり、レンズピッチを大きくするほどレンズ径が大きくなる。
そこで、レンズ径に対して(レンズピッチに対して)ビームスポット径を一律に(均一に)小さくすることが考えられる。
しかし、照射光学系の設計上、画面(画像描画領域)内でビームスポット径を一律に小さくすることは容易ではない。なお、「照射光学系」は、2次元偏向手段6、凹面鏡7を含む、光源部100とマイクロレンズアレイとの間の光路上に配置された光学系を意味する。
このため、照射光学系を、画面内で部分的にビームスポット径が大きくなるように(例えば部分的にビームの結像位置が遠くなるように)、すなわちビームスポット径分布を許容するように設計しても、スペックルを抑制できることが望ましい。
そこで、Case.1では、照射光学系を画面内のビームスポット径分布を許容するように設計した場合でも、スペックルの発生を抑制できるよう、Y方向のレンズピッチPyを画面内のビームスポット径分布に適合させるように変化させている。
ここでは、ビームスポット径は、照射光学系の設計により、画面中央部(X=0%)から画面周辺部(X≒100%)にかけて徐々に小さくなるように分布(単調減少)している。
Case.1では、上述の如く、Y方向のレンズピッチPy(Y方向のレンズ長さ)を、画面中央部から画面周辺部にかけて徐々に小さくなるように変化(単調減少)させているため、画面内の任意の像高(X%)でビームスポット径に対してレンズピッチPyが小さくなるのを抑制でき、スペックルの発生を抑制できる。
結果として、Case.1では、モアレ及びスペックルの発生を抑制できる。
Case.4についてもCase.1と同様のことが言える。Case.4は、Case.1に比べて、Y方向のレンズピッチPy(Y方向のレンズ長さ)が小さく、かつビームスポット径が小さい構成である。Case.4では、ビームスポット径を小さくすることにより技術的難度(特に照射光学系の設計難度)が高くなるが、画面内でビームスポット径が分布することを許容することができるため、より良好な画像の実現がしやすくなる。
詳述すると、Case.4でも、レンズピッチPyは、画面中央部(X=0%)から画面周辺部(X≒100%)にかけて徐々に小さくなっている(単調減少している)。さらに、Case.4では、画面中央部と画面周辺部との間において、Y方向のレンズピッチPyは、常にPy<Ps/2を満たすように変化している。この場合、Case.4の曲線は、scan曲線と交わることがなく、常にscan曲線よりも小の状態にある。つまり、走査線周期とレンズピッチPyの差が常に大きい。このことにより、画面のどの部分にもモアレが発生することがない。
なお、Case.4では、モアレを確実に抑制する観点から、画面中央部と画面周辺部との間において常にPs/2−Py>10umを満たすようにPyを変化させることが望ましい。
Case.4でも、照射光学系を画面内のビームスポット径分布を許容するように設計した場合でも、スペックルの発生を抑制できるよう、Y方向のレンズピッチPyを画面内のビームスポット径分布に適合させるように変化させている。
ここでも、ビームスポット径は、照射光学系の設計により、画面中央部(X=0%)から画面周辺部(X≒100%)にかけて徐々に小さくなるように分布(単調減少)している。
そこで、Case.4でも、Y方向のレンズピッチPy(Y方向のレンズ長さ)を、画面中央部から画面周辺部にかけて徐々に小さくなるように変化(単調減少)させている。
この場合、画面内の任意の像高(X%)でビームスポット径に対してレンズピッチPyが小さくなるのを抑制でき、スペックルの発生を抑制できる。
結果として、Case.4では、モアレ及びスペックルを抑制でき、さらにレンズピッチPyが小さいため粒状度の悪化も抑制できる。
なお、Case.1、4とは、逆に、照射光学系の設計により、ビームスポット径を、画面中央部(X=0%)から画面周辺部(X≒100%)にかけて徐々に大きくなるように分布(単調増加)させても良い。この場合、Y方向のレンズピッチPyを、Py>PsもしくはPy<Ps/2の条件下で、画面中央部から画面周辺部にかけて単調増加させることが好ましい。Case.1、4とは逆の変化をさせると、画像主要部である画像中央部での粒状度の悪化を抑制できる。
特に、Case.1とは逆の変化では、上述の如く走査線周期は画面中央部から画面周辺部にかけて単調増加するため、画面内の任意の像高で走査線周期とレンズピッチPyとの差が大きくなりすぎるのを抑制でき、モアレやスペックルの発生に加えて、粒状度の悪化を抑制することもできる。なお、上述の如く、走査線周期に対してレンズピッチPy(Y方向のレンズ長さ)が大きすぎると、粒状度が悪化してしまう。
次に、Case.2、3について説明する。
ここでは、ビームスポット径は、照射光学系の設計により、画面中央部(X=0%)から画面周辺部(X≒100%)にかけて徐々に大きくなるように分布している。
そこで、Case.2、3では、ビームスポット径分布及び走査線周期分布に適合させるべく、Y方向のレンズピッチPy(Y方向のレンズ長さ)を、画面中央部から画面周辺部にかけて徐々に大きくなるように変化(単調増加)させている。
この場合、画面内の任意の像高(X%)でビームスポット径に対してレンズピッチPyが小さくなるのを抑制でき、ひいてはスペックルの発生を抑制できる。
また、画面内の任意の像高(X%)で走査線周期とレンズピッチPyとの差が大きくなるのを抑制でき、ひいては粒状度の悪化を抑制することができる。また、画像の主要部分である中央部のレンズ径をより小さくすることができ、粒状度の悪化を更に抑制できる。なお、レンズ径が大きいほど粒状感が増し、画像の均一性が損なわれる。
Case.2では、さらに、画面中央部(X=0%)においてPy<Ps/2を満たし、かつ画面周辺部(X≒100%)においてPy<Psを満たしている。
Case.3では、さらに、画面中央部(X=0%)においてPs/2<Py<Psを満たし、画面周辺部(X≒100%)においてPy>Psを満たしている。
結果として、Case.2の曲線とscan曲線は互いに交わることがなく、Case.3とscan曲線は互いに交わることがなく、Case.2、3では、モアレが発生しない。
なお、Case.2では、モアレ及びスペックルを確実に抑制する観点から、画面中央部において10um<Ps/2−Py<25umを満たし、かつ画面周辺部において10um<Ps−Py<25umを満たすことが望ましい。
また、Case.3では、モアレの発生及び粒状度の悪化を確実に抑制する観点から、画面中央部において10um<Py−Ps/2<30umを満たし、かつ画面周辺部において10um<Py−Ps<30umを満たすことが望ましい。
結果として、Case.2、3では、モアレ及びスペックルの発生、並びに粒状度の悪化を抑制できる。
以上の説明から分かるように、Case.2、3の構成は、Case.1、4に対して、画像全体の画質の向上が期待できる。
なお、Case.1、4におけるレンズピッチPyのX方向の変化は、レンズピッチPyが大きくなる方向に凸の曲線であるが、レンズピッチPyが小さくなる方向に凸の曲線であっても良いし、傾斜した直線であっても良い。
また、Case.2、3におけるレンズピッチPyのX方向の変化は、レンズピッチPyが小さくなる方向に凸の曲線であるが、これに限らず、例えば、レンズピッチPyが大きく方向に凸の曲線であっても良いし、傾斜した直線であっても良い。
また、Case.1〜4におけるレンズピッチPyのX方向の変化は、単調減少又は単調増加であるが、これに限らず、例えば、走査中央から走査端までの間に極値を少なくとも1つ持っても良い。
第2実施形態の変形例1として、図27に示されるマイクロレンズアレイを説明する。
変形例1では、Y方向のレンズピッチPyだけでなく、X方向のレンズピッチP2も画面内で変化させている。図27において、Pyc>Pyd、Pxa>Pxbである。
図17のようなリサジュ曲線により2次元走査を行うなど、副走査方向の走査速度が一定でない場合に、図27のような構成をとることが有効になる。
以上説明した第2実施形態の光走査装置は、画像表示用の光走査装置であって、光源及び該光源からの光を偏向する2次元偏向手段6(偏向器)を含む光走査系と、該光走査系からの光が照射されるマイクロレンズアレイ(アレイ状に配列された複数の凸構造を有する光学素子)とを備え、該マイクロレンズアレイのレンズ配列において、XY平面(マイクロレンズアレイのレンズ配列面)内のX方向(第1の方向)に直交するY方向(第2の方向)のレンズピッチPyは、X方向に変化している。
この場合、例えばマイクロレンズアレイ上における走査線の態様に応じて、レンズピッチPyをX方向に変化させることにより、モアレの発生、スペックルの発生、粒状度の悪化の少なくとも1つを抑制できる。
この結果、画質の低下を抑制できる。
また、Y方向のレンズ長さをX方向に変化させることにより、レンズピッチPyをX方向に変化させるため、レンズを敷き詰めることができ、ひいてはスペックルの発生を抑制できる。
また、光走査系は、光源からの光によりマイクロレンズアレイをX方向に周期的に往復走査しつつ第2の方向に等速で片道走査し、すなわちラスタースキャンし、レンズピッチPyは、マイクロレンズアレイに形成される走査線の周期のX方向の変化に応じて変化している。
この場合、X方向の走査範囲の任意の位置(像高)におけるレンズピッチPyと走査線の周期との差を画質の低下を抑制可能な大きさにすることができる。具体的には、モアレ発生、スペックル発生及び粒状度悪化を抑制できる。
この結果、画質の低下を更に抑制できる。
また、マイクロレンズアレイのX方向の任意の位置においてレンズピッチPyと走査線の周期は一致しないため、画質の低下をより確実に抑制できる。
また、走査線の周期は、X方向の走査中央から走査端にかけて単調増加し、レンズピッチPyは、X方向の走査中央から走査端にかけて単調増加する場合、X方向の走査範囲の任意の位置でレンズピッチPyと走査線の周期との差を画質の低下を抑制可能な大きさに設定することができる。
また、走査端における走査線の周期をPs(走査中央における走査線の周期をPs/2)としたときにマイクロレンズアレイのX方向の任意の位置においてPs<Py又はPs/2>Pyが成立する場合には、レンズピッチPyが走査線の周期に近づくことを抑制できるため、X方向の走査範囲の任意の位置において、モアレの発生を抑制できる。
なお、Psは、X方向の周期的な往復走査の1周期におけるY方向の光の移動量と捉えることもできる。
また、走査端における走査線の周期をPs(走査中央における走査線の周期をPs/2)としたときに走査中央においてPs/2<P2<Psが成立し、かつ走査端においてP2>Psが成立する場合には、レンズピッチPyが走査線の周期に近づくことを抑制できるため、X方向の走査範囲の任意の位置において、モアレの発生を抑制できる。
また、走査端における走査線の周期をPs(走査中央における走査線の周期をPs/2)としたときに走査中央においてP2<Ps/2が成立し、かつ前記走査端においてPs/2<P2<Psが成立する場合には、レンズピッチPyが走査線の周期に近づくことを抑制できるため、X方向の走査範囲の任意の位置において、モアレの発生を抑制できる。
また、マイクロレンズアレイに照射される光のビームスポット径がX方向に変化し、レンズピッチPyがビームスポット径のX方向の変化に応じて変化している場合には、スペックルの発生を効果的に抑制できる。
また、更にマイクロレンズアレイのX方向のレンズピッチP1がY方向に変化している場合には、2次元的にレンズピッチを変えることができ、例えばY方向(副走査方向)に等速走査しない場合でも、モアレの発生を画面全域において抑制できる。
また、マイクロレンズアレイが、ハニカム型に敷き詰められた六角形の複数のマイクロレンズを含む場合には、干渉性ノイズの発生する方向が3方向に分散されるため、干渉性ノイズ(スペックル)のコントラストが低くなり、干渉性ノイズとして視認されにくい。また、単純な形状であるため工法が容易である。
また、マイクロレンズアレイが、敷き詰められた四角形の複数のマイクロレンズアレイを含む場合には、マイクロレンズアレイの発散プロファイルを制御しやすくなる。また、単純な形状であるため工法が容易である。
また、第2実施形態の画像表示装置は、第2実施形態の光走査装置と、該光走査装置のマイクロレンズアレイを介した光を透過反射部材(反射面素子10)に導く凹面鏡9(光学系)と、備えているため、視認性の良い画像を表示できる。
また、第2実施形態の画像表示装置と、該画像表示装置が搭載される移動体と、を備える移動体装置は、移動体の操縦者に視認性の良い画像を提供できる。
また、マイクロレンズの光学中心と幾何学中心が略一致している場合には、マイクロレンズアレイの設計及び製造を簡素化できる。
第2実施形態の変形例2、3として、図28、図29に示されるマイクロレンズアレイを説明する。
変形例2、3のマイクロレンズアレイのレンズ形状は、それぞれひし形、長方形である。このようなレンズ形状は、レンズの加工上、断面の曲率半径を制御する際に変化することがあり、光発散プロファイルが、後段の観察光学系にとって望ましい形状をとるように、調整することができる。
また、同様な観点から、マイクロレンズアレイのレンズ形状は、ひし形や長方形以外の平行四辺形、台形等であっても良い。いずれの形状を選択する場合においても、スペックル抑制の観点から、レンズを稠密に配置することが好ましい。
また、上記各実施形態において、被走査面素子として、マイクロレンズアレイ(微細凸レンズ構造を有する光学素子)の代わりに、マイクロミラーアレイ(微細凸ミラー構造、すなわちアレイ状に配列された複数の凸構造を有する光学素子)を採用することもできる。すなわち、上記第1及び第2の実施形態を、マイクロレンズアレイをマイクロミラーアレイに置き換えて実施することができる。
図30には、微細凸ミラー構造を有する光学素子としてのマイクロミラーアレイ(以下ではMMAと略称する)が一例として示されている。MMAは、図30に示されるように、アレイ状に配列された複数の微細凸ミラー3001を有している。
微細凸ミラー3001は「画素表示用ビームLCのビーム径」より大きい。微細凸ミラー3001を「画素表示用ビームLCのビーム径」より大きくするのは、干渉性ノイズ低減のためであり、以下これを、図30を参照して説明する。
画素表示用ビームLCの光束径LCaは、微細凸ミラー3001の大きさ3001aよりも小さい。
即ち、微細凸ミラー3001の大きさ3001aは、光束径LCaよりも大きい。
なお、ここでは、画素表示用ビームLCはレーザ光束であり、光束中心のまわりにガウス分布状の光強度分布をなす。
従って、光束径LCaは、光強度分布における光強度が「1/e」に低下する光束径方向距離である。
図30では、光束径LCaは微細凸ミラー3001の大きさ3001aに等しく描かれているが、光束径LCaが「微細凸ミラー3001の大きさ3001a」に等しい必要は無い。
要は、微細凸ミラー3001への入射光束が該微細凸ミラー3001からはみ出さなければ良い。
図30において、画素表示用ビームLCは、その全体が1個の微細凸ミラー3001に入射し、発散角3005をもつ拡散光束3004に変換される。なお、「発散角」は、「拡散角」と呼ぶこともある。
図30においては、拡散光束3004は1つであり、干渉する光束が無いので、干渉性ノイズ(スペックルノイズ)は発生しない。
なお、発散角3005の大きさは、微細凸ミラー3001の形状により適宜設定できる。
なお、上記第2実施形態では、走査線周期のX方向の変化及びビームスポット径分布(ビームスポット径のX方向の変化)に応じてY方向のレンズピッチPyを変化させているが、走査線周期のX方向の変化にのみ応じて、Y方向のレンズピッチPyを変化させても良い。
この場合に、照射光学系の設計によるマイクロレンズアレイ上のビームスポット径分布を補正しても良い。ビームスポット径を調整する方法は、いくつかあるが、例えば、波長可変レーザを用いる方法、ビーム径可変光学系を用いる方法(特開1995−089131号公報に開示された光学系、径の異なる複数のピンホールを有する板状部材をビームの光路を横切る方向に移動させる光学系、ビーム結像位置を変える光学系)がある。
具体的には、光偏向器15が有する、ミラー150の第1軸周り、第2軸周りの揺動位置を検出する検出器の検出情報に基づいて、処理装置50が、ビームスポット径可変手段(波長可変レーザやビーム径可変光学系)を制御し、主走査方向の位置(像高X)に応じてビームスポット径を変えることにより、マイクロレンズアレイ上におけるビームスポット径を均一にしても良い。
また、上記ビームスポット径可変手段を用いて、第2実施形態のマイクロレンズアレイの設計誤差、製造誤差、経時の形状誤差等により発生するスペックルの発生を抑制するようにしても良い。具体的には、X方向の走査範囲の任意の位置において、レンズピッチPyに対してビームスポット径が大きくなり過ぎないように該ビームスポット径を調整する。
また、上記第2実施形態では、走査線周期のX方向の変化及びビームスポット径分布に応じてY方向のレンズピッチPyを変化させているが、ビームスポット径分布の変化にのみ応じて、Y方向のレンズピッチPyを変化させても良い。
また、上記第2実施形態では、マイクロレンズアレイの各マイクロレンズの幾何学中心と光学中心は一致しているが、Y方向のレンズピッチPyを変化させることで、モアレの発生、スペックルの発生、粒状度の悪化の少なくとも1つを抑制できれば、多少ずれていても構わない。
また、上記第2実施形態では、ビームスポット径分布を設定し、該ビームスポット径のX方向の変化に応じて、Y方向のレンズピッチPyをX方向に変化させているが、これに代えて、Y方向のレンズピッチPyのX方向の分布(変化)を設定し、該分布に応じて、ビームスポット径をX方向に変化させても良い。この場合にも、スペックルを効果的に抑制することができる。具体的には、照射光学系の設計によりX方向のビームスポット径分布を設定しても良いし、上記ビームスポット径可変手段によりX方向のビームスポット径分布を設定しても良い。
また、上記各実施形態のマイクロレンズアレイでは、複数のマイクロレンズが2次元配列されているが、これに代えて、3次元配列されていても良い。例えば、マイクロレンズアレイが全体として湾曲していても良い。
また、上記各実施形態では、投射光学系は、凹面鏡9から構成されているが、これに限らず、例えば、凸面鏡から構成されても良いし、曲面鏡(凹面鏡や凸面鏡)と、該曲面鏡と被走査面素子との間に配置された折り返しミラーとを含んで構成されても良い。
また、上記各実施形態では、光走査装置は、凹面鏡7を有しているが、有していなくても良い。この場合、凹面鏡9は、反射面素子10の影響で中間像の水平線が上または下に凸形状となる光学歪み要素を補正するように設計・配置されることが好ましい。
また、上記各実施形態では、光源として半導体レーザを用いているが、他のレーザ等を用いても良い。
また、上記各実施形態では、画像表示装置は、カラー画像に対応するように構成されているが、モノクロ画像に対応するように構成されても良い。
また、反射面素子10としての透過反射部材は、例えば、いわゆるコンバイナのように、移動体のウインドシールドとは別の部材で構成され、観察者から見て該ウインドシールドの手前に配置されていても良い。
また、透過反射部材は、移動体のフロントガラスに限らず、例えばサイドガラス、リアガラス等であっても良く、要は、透過反射部材は、虚像を視認する操縦者により操縦される移動体に設けられ、操縦者が移動体の外部を視認するための窓部材(ウインドシールド)であれば良い。
また、画像表示装置によって虚像を視認可能にされる対象者は、移動体の操縦者に限らず、例えば該移動体に搭乗するナビゲータ、乗客等の同乗者であっても良い。
また、上記各実施形態では、画像表示装置(HUD)は、例えば車両、航空機、船舶等の移動体に搭載されるものを一例として説明したが、要は、物体に搭載されるものであれば良い。なお、「物体」は、移動体の他、恒常的に設置されるものや運搬可能なものを含む。
また、本発明の画像表示装置は、ヘッドアップディスプレイ装置のみならず、例えばヘッドマウントディスプレイ装置、プロンプタ装置、プロジェクタ装置への応用も可能である。
例えば、プロジェクタ装置に応用する場合には、該プロジェクタ装置は、上記第1又は第2の実施形態の光走査装置と、該光走査装置のマイクロレンズアレイを介した光を投影面に導くように構成される。
また、上記各実施形態に記載した具体的な数値、形状等は、一例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更である。
以下に、発明者が上記第2実施形態を発案するに至った思考プロセスを説明する。
従来、光走査装置は、光プリンタやデジタル複写機、光プロッタ等の画像形成装置に関連して広く知られているが、近年、二次元走査するミラーに多色の光束を入射させ、カラー二次元画像を得る走査型プロジェクタが広く提案されている。
特に、半導体レーザ光源は、その放出する光束の高い指向性により、高い光利用効率を得られることから上記走査型プロジェクタに適していると言われている。
半導体レーザによる走査型プロジェクタは、キセノンランプのような巨大な放熱器を設けることなく、機器内で強い光を発することができ、且つ指向性の高さから小型な光学系においても明るい画像を形成することができる。したがって様々な機器に組み込まれたプロジェクタユニットとして期待されている。
ヘッドアップディスプレイは、乗用車に組み込まれた虚像投影器である。ここでも半導体レーザ走査型プロジェクタが有効であり、様々な発明が提案されている。
レーザディスプレイ固有の課題として、スペックルノイズの発生がある。これを回避するための技術として、マイクロレンズアレイの適用が提案されている(特許文献2参照)。
一方、マイクロレンズアレイは周期的な配列構造を持つため、2次元走査の走査線周期との干渉により、モアレが観察され、画質が低減するという問題がある。
そこで、発明者は、スペックルやモアレの発生を抑制すべく、上記第2実施形態を発案した。
7…凹面鏡(光走査系の一部)、8…被走査面素子(マイクロレンズアレイ、光走査系の一部)、6…2次元偏向手段(偏向器、光走査系の一部)、9…凹面鏡(光学系)、10…反射面素子(透過反射部材)、100…光源部。
特開2015‐034877号公報 特開2014‐139657号公報 特許4620901号公報 特許5091112号公報

Claims (16)

  1. 画像表示用の光走査装置であって、
    光源及び該光源からの光を偏向する偏向器を含む光走査系と、
    前記光走査系からの光が照射される、アレイ状に配列された複数の凸構造を有する光学素子と、を備え、
    前記光学素子の凸構造配列において、凸構造配列面内の第1の方向に直交する第2の方向の前記凸構造のピッチP2は前記第1の方向に変化していることを特徴とする光走査装置。
  2. 前記光学素子において前記第2の方向の前記凸構造の長さが前記第1の方向に変化していることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記光走査系は、前記光源からの光により前記光学素子を前記第1の方向に往復走査しつつ前記第2の方向に片道走査し、
    前記ピッチP2は、前記光学素子に形成される走査線の間隔の前記第1の方向の変化に応じて変化していることを特徴とする請求項1又は2に記載の光走査装置。
  4. 前記走査線の間隔は、前記第1の方向の走査中央から走査端にかけて単調増加し、
    前記ピッチP2は、前記走査中央から前記走査端にかけて単調増加することを特徴とする請求項3に記載の光走査装置。
  5. 前記光学素子の前記第1方向の任意の位置において前記ピッチP2と前記走査線の間隔は一致しないことを特徴とする請求項3又は4に記載の光走査装置。
  6. 前記第1の方向の走査端における前記走査線の間隔をPsとすると、前記光学素子の前記第1の方向の任意の位置でPs<P2又はPs/2>P2が成立することを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の光走査装置。
  7. 前記第1の方向の走査端における前記走査線の間隔をPsとすると、前記走査中央においてPs/2<P2<Psが成立し、かつ前記走査端においてP2>Psが成立することを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の光走査装置。
  8. 前記第1の方向の走査端における前記走査線の間隔をPsとすると、前記走査中央においてP2<Ps/2が成立し、かつ前記走査端においてPs/2<P2<Psが成立することを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の光走査装置。
  9. 前記光学素子に照射される光のビームスポット径は、前記第1の方向に変化し、
    前記ピッチP2は、前記ビームスポット径の前記第1の方向の変化に応じて変化していることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の光走査装置。
  10. 前記光学素子の前記第1の方向の前記凸構造のピッチP1は、前記第2の方向に変化していることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の光走査装置。
  11. 前記光学素子は、ハニカム型に敷き詰められた六角形の複数のマイクロレンズ又はマイクロミラーを含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の光走査装置。
  12. 前記光学素子は、敷き詰められた四角形の複数のマイクロレンズアレイ又はマイクロミラーを含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の光走査装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の光走査装置と、
    前記光走査装置の前記光学素子を介した光を透過反射部材に導く光学系と、備える画像表示装置。
  14. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の光走査装置と、
    前記光走査装置の前記光学素子を介した光を投影面に導く画像表示装置。
  15. 請求項13に記載の画像表示装置と、
    前記画像表示装置が搭載される物体と、を備える物体装置。
  16. 前記物体は、移動体であり、
    前記画像表示装置は、ヘッドアップディスプレイ装置であることを特徴とする請求項15に記載の物体装置。
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