JP2016540761A - 変形性関節症を治療するための組成物及び方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、抗IL−1α及び抗IL−1βのDVD−Igタンパク質を用いた、ヒト対象における変形性関節症の治療に関する。様々な実施形態において、変形性関節症は、変形性膝関節症または変形性手関節症を含む。
Description
関連出願
本出願は、2014年9月12日に出願された米国仮特許出願第62/049,820号、2014年6月6日に出願された米国仮特許出願第62/008,987号、2014年4月18日に出願された米国仮特許出願第61/981,589号、2014年3月25に出願された米国仮特許出願第61/970,243号、2014年2月13日に出願された米国仮特許出願第61/939,673号、2014年1月31に出願された米国仮特許出願第61/934,432号、及び2013年12月2日に出願された米国仮特許出願第61/910,804号に対する利益及び優先権を主張し、上述のすべてにおけるこれらの内容は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
本出願は、2014年9月12日に出願された米国仮特許出願第62/049,820号、2014年6月6日に出願された米国仮特許出願第62/008,987号、2014年4月18日に出願された米国仮特許出願第61/981,589号、2014年3月25に出願された米国仮特許出願第61/970,243号、2014年2月13日に出願された米国仮特許出願第61/939,673号、2014年1月31に出願された米国仮特許出願第61/934,432号、及び2013年12月2日に出願された米国仮特許出願第61/910,804号に対する利益及び優先権を主張し、上述のすべてにおけるこれらの内容は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
本発明は、ヒト対象における変形性関節症の治療に関し、より具体的には、変形性関節症を治療するための、IL−1α及び/またはIL−1βと結合するタンパク質の使用に関する。
健常な脊椎動物(ヒト及び他の哺乳動物を含む)の関節軟骨または「硝子軟骨」は、プロテオグリカン、II型コラーゲン、及び水から主に構成される細胞外マトリクス(ECM)中の軟骨細胞の柱状成長パターンを特徴とする、半透明な乳白色の結合組織である。関節軟骨は、関節内の向かい合った骨の接触を防ぐための有効な荷重支持クッションを提供し、それ故に、関節の正常な機能に不可欠である。関節軟骨は、関節外傷による損傷のみならず、緩やかな侵食プロセスも受けやすい。初期には、このような侵食は、減少した硝子軟骨の領域が軟骨下骨部に完全に到達していない、単に無症候の「部分層欠損」であり得る。このような部分層欠損は、通常は疼痛がなく、一般に関節鏡検査中にしか検出されない。しかしながら、侵食プロセスを治療しない場合、部分層欠損の基部が摩耗し続ける場合があり、欠損の直径が増大し得、その結果、欠損が最終的に、下部の骨に達する「全層欠損」まで進行する。このような全層欠損は、関節の向かい合った骨の表面が接触して相互に侵食し始めるのに十分に大きくなり、炎症、疼痛、及び他の変性変化、すなわち、変形性関節症の古典的症候に繋がる場合がある。したがって、変形性関節症は、関節変形、不安定性、損傷、及び疼痛をもたらす進行性の身体障害性変性疾患である。最終的に、関節置換術が、ある程度の可動性を少なくとも部分的に個体に回復させるための唯一の実際的な手段であり得る。
変形性関節症に罹患した個体を治療するために、新しく有効な方法及び組成物が、依然として必要である。
本発明は、ヒト対象における変形性関節症(OA)を治療するための方法を提供する。そのような方法は、個体(ヒトまたは他の哺乳動物)に、IL−1α及びIL−1βと結合する1つ以上の結合タンパク質を投与することを含む。別の実施形態において、本発明は、IL−1α及びIL−1βの両方と結合する本明細書に記載の結合タンパク質のうちの1つ以上を用いて、ヒト対象のOAを治療するための方法を提供する。
本発明の一態様は、個体における変形性関節症(例えば、中等度から重度の変形性膝関節症及び/または中等度から重度のびらん性変形性手関節症)の1つ以上の症候を低減するための方法であって、個体に、IL−1α及びIL−1βの両方と結合する結合タンパク質であって、配列番号46、56、66、76、86、96、106、116、及び126から選択されるアミノ酸配列を含む可変重鎖を含み、かつ配列番号51、71、81、91、101、111、121、及び131から選択されるアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む、二重可変ドメイン免疫グロブリン(DVD−Ig)結合タンパク質である、結合タンパク質を投与することを含み、それにより、変形性関節症の1つ以上の症候が低減される、方法を提供する。
様々な実施形態において、該個体は、異痛、痛覚過敏、ならびに異痛及び痛覚過敏の組み合わせからなる群から選択される疼痛状態を患っている。
様々な実施形態において、IL−1α及び/またはIL−1βと結合するDVD−Ig結合タンパク質は、軟骨の分解または喪失を予防する。
様々な実施形態において、該個体への投与は、皮下投与または静脈内投与である。ある特定の実施形態において、約0.1mg/kg〜約10mg/kg、約0.3mg/kg〜約3mg/kg、約1mg/kg〜約3mg/kg、または約3mg/kgの投与量が、投与され得る。ある特定の実施形態において、結合タンパク質は、約1〜25mg、約25〜50mg、約50〜75mg、約75〜100mg、約100〜200mg、約100〜125mg、約125〜150mg、約150〜175mg、約175〜200mg、約200〜225mg、約225〜250mg、約250〜275mg、約275〜300mg、300〜325mg、または約325〜350mgの結合タンパク質である総投与量で投与される。ある特定の実施形態において、約100mg〜約200mgの総投与量が投与される。様々な実施形態において、投与量は、約25mg、100mg、または200mgである。
様々な実施形態において、結合タンパク質は、単回投与で投与される。他の実施形態において、結合タンパク質は、複数回投与、例えば、毎週、隔週、3週間毎に、または4週間毎に投与される。ある特定の実施形態において、結合タンパク質は、隔週投与される。ある特定の実施形態において、結合タンパク質は、4週間毎に投与される。
様々な実施形態において、高感度C反応性タンパク質(hsCRP)、MMP分解産物I型(C1M)、MMP分解産物III型(C3M)、及びC反応性タンパク質(CRPM)からなる群から選択される1つ以上のバイオマーカーレベルの低下が、DVD−Ig結合タンパク質の1回以上の投与を受ける前の対象における1つ以上のバイオマーカーレベルと比較して、DVD−Ig結合タンパク質の1回以上の投与を受けた後の対象において観察される。
様々な実施形態において、全身性炎症、慢性組織炎症、炎症媒介性組織破壊、炎症媒介性関節破壊、及び結合組織ターンオーバーからなる群から選択される1つ以上のパラメータレベルの低下が、DVD−Ig結合タンパク質の1回以上の投与を受ける前の対象における1つ以上のパラメータレベルと比較して、DVD−Ig結合タンパク質の1回以上の投与を受けた後の対象において観察される。
様々な実施形態において、疼痛、関節の腫れ、関節硬直、滲出、骨病変の割合、関節腔狭小化の割合、骨変形の形成の割合、骨硬化の割合、滑膜炎、滑膜肥厚、滑膜の過形成、血管新生、及び骨棘の存在からなる群から選択される1つ以上の特徴の減少が、DVD−Ig結合タンパク質の1回以上の投与を受ける前の対象における1つ以上の特徴と比較して、DVD−Ig結合タンパク質の1回以上の投与を受けた後の対象において観察される。
様々な実施形態において、Western Ontario and McMaster Universities Arthritis Index(WOMAC)、Whole−Organ Magnetic Imaging Score(WORMS)、Intermittent and Constant Osteoarthritis Pain(ICOAP)スコア;11ポイントのNumeric Rating Score(NRS)スコア、医師による疾患活動性の全体評価(Physician Global Assessment of Disease Activity)、患者により報告される成果、健康状態問診票(HAQ−DI)、患者による疾患活動性の全体評価(VAS))、抗薬物抗体(ADA)の測定値または存在、圧痛関節数(TJC)、膨張関節数(SJC)、患者の疼痛の評価、リウマチ性関節炎の作業不安定性尺度(Work Instability Scale for Rheumatoid Arthritis)、簡易健康状態調査票(Short Form Health Survey)(SF−36)、米国リウマチ学会、ACR(例えば、ACR20、ACR50、及びACR70);低疾患活動性(LDA)を達成する対象の割合;疾患活動性スコア28(DAS28;例えば、C反応性タンパク質に基づいたDAS28);臨床疾患活動性指標(CDAI)、簡易疾患活動性指標(SDAI)、臨床寛解基準、ならびに個体の評価(例えば、問診票もしくは患者の全体評価)からなる群から選択される1つ以上の評価指標の改善が、1回以上の投与を受ける前の対象における1つ以上の評価指標と比較して、DVD−Ig結合タンパク質の1回以上の投与を受けた後の対象において観察される。
本発明の一態様は、変形性関節症(例えば、中等度から重度の変形性膝関節症及び/または中等度から重度のびらん性変形性手関節症)と関連する疼痛を低減するための方法であって、個体に、IL−1α及びIL−1βの両方と結合する結合タンパク質であって、配列番号46、56、66、76、86、96、106、116、及び126から選択されるアミノ酸配列を含む可変重鎖を含み、かつ配列番号51、71、81、91、101、111、121、及び131から選択されるアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む、DVD−Ig結合タンパク質である、結合タンパク質を投与することを含み、それにより、疼痛が低減される、方法を提供する。
様々な実施形態において、該個体は、異痛、痛覚過敏、ならびに異痛及び痛覚過敏の組み合わせからなる群から選択される疼痛状態を患っている。
様々な実施形態において、IL−1α及び/またはIL−1βと結合するDVD−Ig結合タンパク質は、軟骨の分解または喪失を予防する。
様々な実施形態において、該個体への投与は、皮下投与または静脈内投与である。ある特定の実施形態において、約0.1mg/kg〜約10mg/kg、約0.3mg/kg〜約3mg/kg、約1mg/kg〜約3mg/kg、または約3mg/kgの投与量が、投与され得る。ある特定の実施形態において、結合タンパク質は、約1〜25mg、約25〜50mg、約50〜75mg、約75〜100mg、約100〜200mg、約100〜125mg、約125〜150mg、約150〜175mg、約175〜200mg、約200〜225mg、約225〜250mg、約250〜275mg、約275〜300mg、300〜325mg、または約325〜350mgの結合タンパク質である総投与量で投与される。ある特定の実施形態において、約100mg〜約200mgの総投与量が投与される。様々な実施形態において、投与量は、約25mg、100mg、または200mgである。
様々な実施形態において、結合タンパク質は、単回投与で投与される。他の実施形態において、結合タンパク質は、複数回投与、例えば、毎週、隔週、3週間毎に、または4週間毎に投与される。ある特定の実施形態において、結合タンパク質は、隔週投与される。ある特定の実施形態において、結合タンパク質は、4週間毎に投与される。
様々な実施形態において、高感度C反応性タンパク質(hsCRP)、I型のMMP分解産物(C1M)、III型のMMP分解産物(C3M)、及びC反応性タンパク質(CRPM)からなる群から選択される1つ以上のバイオマーカーレベルの低下が、DVD−Ig結合タンパク質の1回以上の投与を受ける前の対象における1つ以上のバイオマーカーレベルと比較して、DVD−Ig結合タンパク質の1回以上の投与を受けた後の対象において観察される。
様々な実施形態において、全身性炎症、慢性組織炎症、炎症媒介性組織破壊、炎症媒介性関節破壊、及び結合組織ターンオーバーからなる群から選択される1つ以上のパラメータレベルの低下が、DVD−Ig結合タンパク質の1回以上の投与を受ける前の対象における1つ以上のパラメータレベルと比較して、DVD−Ig結合タンパク質の1回以上の投与を受けた後の対象において観察される。
様々な実施形態において、疼痛、関節の腫れ、関節硬直、滲出、骨病変の割合、関節腔狭小化の割合、骨変形の形成の割合、骨硬化の割合、滑膜炎、滑膜肥厚、滑膜の過形成、血管新生、及び骨棘の存在からなる群から選択される1つ以上の特徴の減少が、DVD−Ig結合タンパク質の1回以上の投与を受ける前の対象における1つ以上の特徴と比較して、DVD−Ig結合タンパク質の1回以上の投与を受けた後の対象において観察される。
様々な実施形態において、WOMAC、WORMS、ICOAPスコア;11ポイントのNRSスコア、医師による疾患活動性の全体評価、患者により報告される成果、HAQ−DI、患者VAS、ADAの測定値または存在、TJC、SJC、患者の疼痛の評価、リウマチ性関節炎の作業不安定性尺度(Work Instability Scale for Rheumatoid Arthritis)、SF−36、ACR、(例えば、ACR20、ACR50、及びACR70);LDAを達成する対象の割合;DAS28(例えば、C反応性タンパク質に基づいたDAS28)、CDAI、SDAI、臨床寛解基準、ならびに個体の評価(例えば、問診票もしくは患者の全体評価)からなる群から選択される1つ以上の評価指標の改善が、1回以上の投与を受ける前の対象における1つ以上の評価指標と比較して、DVD−Ig結合タンパク質の1回以上の投与を受けた後の対象において観察される。
本発明の一態様は、ヒト対象における変形性関節症(例えば、中等度から重度の変形性膝関節症及び/または中等度から重度のびらん性変形性手関節症)ならびに変形性関節症関連の疼痛のうちの一方またはその両方を低減する方法を提供し、本方法は、変形性関節症及び変形性関節症関連の疼痛のうちの1つまたは両方を低減するために、ヒト対象に、IL−1α及びIL−1βの両方と結合する結合タンパク質を投与することを含み、結合タンパク質の投与は、個体の体重に対して約1〜約3mg/kgの結合タンパク質の重量である投与量を用いて行われるか、または結合タンパク質の投与は、約100mg〜約200mgの結合タンパク質である投与量を用いて行われ、hsCRP、C1M、C3M、及びC反応性タンパク質CRPMからなる群から選択される1つ以上のバイオマーカーレベルの低下が、IL−1α及びIL−1βの両方と結合する結合タンパク質の1回以上の投与を受ける前の対象における1つ以上のバイオマーカーレベルと比較して、IL−1α及びIL−1βの両方と結合する結合タンパク質の1回以上の投与を受けた後の対象において観察される。
様々な実施形態において、結合タンパク質は、配列番号46、56、66、76、86、96、106、116、及び126から選択されるアミノ酸配列を含む可変重鎖を含み、かつ配列番号51、71、81、91、101、111、121、及び131から選択されるアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む、DVD−Ig結合タンパク質結合タンパク質を含む。
様々な実施形態において、該個体は、異痛、痛覚過敏、ならびに異痛及び痛覚過敏の組み合わせからなる群から選択される疼痛状態を患っている。
様々な実施形態において、IL−1α及び/またはIL−1βと結合するDVD−Ig結合タンパク質は、軟骨の分解または喪失を予防する。
様々な実施形態において、該個体への投与は、皮下投与または静脈内投与である。ある特定の実施形態において、約0.1mg/kg〜約10mg/kg、約0.3mg/kg〜約3mg/kg、約1mg/kg〜約3mg/kg、または約3mg/kgの投与量が、投与され得る。ある特定の実施形態において、結合タンパク質は、約1〜25mg、約25〜50mg、約50〜75mg、約75〜100mg、約100〜200mg、約100〜125mg、約125〜150mg、約150〜175mg、約175〜200mg、約200〜225mg、約225〜250mg、約250〜275mg、約275〜300mg、300〜325mg、または約325〜350mgの結合タンパク質である総投与量で投与される。ある特定の実施形態において、約100mg〜約200mgの総投与量が投与される。
様々な実施形態において、結合タンパク質は、単回投与で投与される。他の実施形態において、結合タンパク質は、複数回投与、例えば、毎週、隔週、3週間毎に、または4週間毎に投与される。ある特定の実施形態において、結合タンパク質は、隔週投与される。ある特定の実施形態において、結合タンパク質は、4週間毎に投与される。
本発明の一態様は、対象における変形性関節症(例えば、中等度から重度の変形性膝関節症及び/または中等度から重度のびらん性変形性手関節症)と関連する1つ以上のバイオマーカーレベルを低下させる方法であって、変形性関節症関連の1つ以上のバイオマーカーレベルを低下させるために、対象に、配列番号46、56、66、76、86、96、106、116、及び126から選択されるアミノ酸配列を含む可変重鎖を含み、かつ配列番号51、71、81、91、101、111、121、及び131から選択されるアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む、DVD−Ig結合タンパク質結合タンパク質を投与することを含み、結合タンパク質の投与は、個体の体重に対して約1〜約3mg/kgの結合タンパク質の重量である投与量を用いて行われるか、または結合タンパク質の投与は、約100mg〜約200mgの結合タンパク質である投与量を用いて行われ、hsCRP、C1M、C3M、及びC反応性タンパク質CRPMからなる群から選択される1つ以上のバイオマーカーレベルの低下が、DVD−Ig結合タンパク質の投与前の対象における1つ以上のバイオマーカーレベルと比較して、DVD−Ig結合タンパク質の投与後の対象において観察される、方法を提供する。
様々な実施形態において、該個体は、異痛、痛覚過敏、ならびに異痛及び痛覚過敏の組み合わせからなる群から選択される疼痛状態を患っている。
様々な実施形態において、IL−1α及び/またはIL−1βと結合するDVD−Ig結合タンパク質は、軟骨の分解または喪失を予防する。
様々な実施形態において、該個体への投与は、皮下投与または静脈内投与である。ある特定の実施形態において、約0.1mg/kg〜約10mg/kg、約0.3mg/kg〜約3mg/kg、約1mg/kg〜約3mg/kg、または約3mg/kgの投与量が、投与され得る。ある特定の実施形態において、結合タンパク質は、約1〜25mg、約25〜50mg、約50〜75mg、約75〜100mg、約100〜200mg、約100〜125mg、約125〜150mg、約150〜175mg、約175〜200mg、約200〜225mg、約225〜250mg、約250〜275mg、約275〜300mg、300〜325mg、または約325〜350mgの結合タンパク質である総投与量で投与される。ある特定の実施形態において、約100mg〜約200mgの総投与量が投与される。
様々な実施形態において、結合タンパク質は、単回投与で投与される。他の実施形態において、結合タンパク質は、複数回投与、例えば、毎週、隔週、3週間毎に、または4週間毎に投与される。ある特定の実施形態において、結合タンパク質は、隔週投与される。ある特定の実施形態において、結合タンパク質は、4週間毎に投与される。
本発明の一態様は、ヒト対象における変形性関節症を治療するための方法であって、ヒト対象に、IL−1α及びIL−1βの両方と結合する結合タンパク質であって、配列番号46、56、66、76、86、96、106、116、及び126から選択されるアミノ酸配列を含む可変重鎖を含み、かつ配列番号51、71、81、91、101、111、121、及び131から選択されるアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む、DVD−Ig結合タンパク質である、結合タンパク質を、ヒト対象へのDVD−Ig結合タンパク質の投与後に、(a)約5〜約300μg×日/mLの曲線下面積(AUC)、(b)少なくとも約8日間の血清もしくは血漿中半減期(T1/2)、(c)約2日〜約8日間の観察された最高血清中濃度到達時点(Tmax)、及び/または(d)約0.5〜約25μg/mLの観察された最高血清中濃度(Cmax)、を達成する投与量で投与するステップを含む、方法を提供する。
本方法の様々な実施形態において、AUCは、約12〜約280μg×日/mLであり、T1/2は、少なくとも約10日間であり、Tmaxは、約2.5日〜約7日間であり、かつ/またはCmaxは、約0.1〜約23μg/mLである。本方法の他の実施形態において、AUCは、少なくとも約30μg×日/mLであり、T1/2は、少なくとも約10日間であり、Tmaxは、約7日間未満であり、かつ/またはCmaxは、少なくとも約2.5μg/mLである。
本発明の一態様は、ヒト対象における変形性関節症関連の疼痛を治療するための方法を提供し、該疼痛は変形性関節症と関連し、本方法は、ヒト対象に、IL−1α及びIL−1βの両方と結合する結合タンパク質であって、配列番号46、56、66、76、86、96、106、116、及び126から選択されるアミノ酸配列を含む可変重鎖を含み、かつ配列番号51、71、81、91、101、111、121、及び131から選択されるアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む、DVD−Ig結合タンパク質である、結合タンパク質を、ヒト対象へのDVD−Ig結合タンパク質の投与後に、(a)約5〜約300μg×日/mLのAUC、(b)少なくとも約8日間のT1/2、(c)約2日〜約8日間のTmax、及び/または(d)約0.5〜約25μg/mLのCmax、を達成する投与量で投与するステップを含む。
本方法の様々な実施形態において、AUCは、約12〜約280μg×日/mLであり、T1/2は、少なくとも約10日間であり、Tmaxは、約2.5日〜約7日間であり、かつ/またはCmaxは、約0.1〜約23μg/mLである。本方法の他の実施形態において、AUCは、少なくとも約30μg×日/mLであり、T1/2は、少なくとも約10日間であり、Tmaxは、約7日間未満であり、かつ/またはCmaxは、少なくとも約2.5μg/mLである。
本発明は、ヒトにおける変形性関節症(OA)を治療するために効果的な手段であり得るインターロイキン−1(IL−1)の機能を遮断する発見に基づいている。本発明によれば、OAを治療するためのIL−1機能の遮断は、個体に、IL−1α及びIL−1βと結合する1つ以上の結合タンパク質を投与することによって達成され得る。そのような「二重特異的」療法は、OA患者に、IL−1αと結合する結合タンパク質(例えば、抗体)及びIL−1βと結合する結合タンパク質(例えば、抗体)を投与することによって、またはIL−1α及びIL−1βの両方と結合する多価及び多特異的結合タンパク質を投与することによって達成することができる。本発明において有用であるそのような多価及び多特異的結合タンパク質には、二重可変ドメイン免疫グロブリン結合タンパク質(「DVD−Ig(商標)」または「DVD−Ig」結合タンパク質もしくは分子としても本明細書に称される)が含まれる。
本発明の一態様は、個体における変形性関節症を治療するための方法であって、個体に、IL−1α及びIL−1βの両方と結合する結合タンパク質を投与することを含み、該結合タンパク質は、第1及び第2のポリペプチド鎖を含む二重可変ドメイン免疫グロブリン(DVD−Ig)であり、第1のポリペプチド鎖は、第1のVD1−(X1)n−VD2−C−(X2)nを含み、式中、
VD1は、第1の重鎖可変ドメインであり、
VD2は、第2の重鎖可変ドメインであり、
Cは、重鎖定常ドメインであり、
X1はリンカーであるが、但し、それはCH1ではないものとし、
X2は、Fc領域であり、
nは、0または1であり、
第2のポリペプチド鎖は、第2のVD1−(X1)n−VD2−C−(X2)nを含み、式中、
VD1は、第1の軽鎖可変ドメインであり、
VD2は、第2の軽鎖可変ドメインであり、
Cは、軽鎖定常ドメインであり、
X1はリンカーであるが、但し、それはCH1ではないものとし、
X2は、Fc領域を含まず、
nは、0または1である、方法を提供する。
式中、VD1−(X1)n−VD2の第1のポリペプチド鎖は、配列番号46、56、66、76、86、96、106、116、及び126から選択されるアミノ酸配列を含み、VD1−(X1)n−VD2の第2のポリペプチド鎖は、配列番号51、71、81、91、101、111、121、及び131から選択されるアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む。例えば、結合タンパク質は、表3に示されるように、DVD−Ig結合タンパク質を含む。本方法の様々な実施形態において、結合タンパク質は、少なくとも1つの定常ドメイン配列をさらに含む。例えば、定常領域におけるアミノ酸配列は、本明細書中の表に記載されている。本方法の様々な実施形態において、アミノ酸配列は、配列番号3〜6を含む。本方法の様々な実施形態において、重鎖定常領域は、配列番号50、60、70、80、90、100、110、120、及び130からなる群から選択される。本方法の様々な実施形態において、軽鎖定常領域は、配列番号55、65、75、85、95、105、115、125、及び135からなる群から選択される。様々な実施形態において、個体は、ヒト患者またはヒト対象である。様々な実施形態において、結合タンパク質は、IL−1α及び/またはIL−1βを中和する。様々な実施形態において、結合タンパク質は、IL−1α及び/またはIL−1βの活性を低減する。
VD1は、第1の重鎖可変ドメインであり、
VD2は、第2の重鎖可変ドメインであり、
Cは、重鎖定常ドメインであり、
X1はリンカーであるが、但し、それはCH1ではないものとし、
X2は、Fc領域であり、
nは、0または1であり、
第2のポリペプチド鎖は、第2のVD1−(X1)n−VD2−C−(X2)nを含み、式中、
VD1は、第1の軽鎖可変ドメインであり、
VD2は、第2の軽鎖可変ドメインであり、
Cは、軽鎖定常ドメインであり、
X1はリンカーであるが、但し、それはCH1ではないものとし、
X2は、Fc領域を含まず、
nは、0または1である、方法を提供する。
式中、VD1−(X1)n−VD2の第1のポリペプチド鎖は、配列番号46、56、66、76、86、96、106、116、及び126から選択されるアミノ酸配列を含み、VD1−(X1)n−VD2の第2のポリペプチド鎖は、配列番号51、71、81、91、101、111、121、及び131から選択されるアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む。例えば、結合タンパク質は、表3に示されるように、DVD−Ig結合タンパク質を含む。本方法の様々な実施形態において、結合タンパク質は、少なくとも1つの定常ドメイン配列をさらに含む。例えば、定常領域におけるアミノ酸配列は、本明細書中の表に記載されている。本方法の様々な実施形態において、アミノ酸配列は、配列番号3〜6を含む。本方法の様々な実施形態において、重鎖定常領域は、配列番号50、60、70、80、90、100、110、120、及び130からなる群から選択される。本方法の様々な実施形態において、軽鎖定常領域は、配列番号55、65、75、85、95、105、115、125、及び135からなる群から選択される。様々な実施形態において、個体は、ヒト患者またはヒト対象である。様々な実施形態において、結合タンパク質は、IL−1α及び/またはIL−1βを中和する。様々な実施形態において、結合タンパク質は、IL−1α及び/またはIL−1βの活性を低減する。
様々な実施形態において、結合タンパク質は、IL−1α及びIL−1βの両方と結合し、かつ薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物中に配合される。様々な実施形態において、IL−1α及びIL−1βの両方と結合する結合タンパク質は、結晶化される。様々な実施形態において、結晶化結合タンパク質は、成分及びポリマー担体を含む組成物中に配合される。例えば、ポリマー担体は、ポリ(アクリル酸)、ポリ(シアノアクリレート)、ポリ(アミノ酸)、ポリ(無水物)、ポリ(デプシペプチド)、ポリ(エステル)、ポリ(乳酸)、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)もしくはPLGA、ポリ(b−ヒドロキシブチラート)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ジオキサノン);ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド、ポリ[(オルガノ)ホスファゼン]、ポリ(オルトエステル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、無水マレイン酸−アルキルビニルエーテルコポリマー、プルロニックポリオール、アルブミン、アルギナート、セルロース及びセルロース誘導体、コラーゲン、フィブリン、ゼラチン、ヒアルロン酸、オリゴ糖、グリカミノグリカン、硫酸ポリサッカライド、これらの混合物及びコポリマーからなる群のうちの1つ以上から選択されるポリマーである。様々な実施形態において、成分は、アルブミン、ショ糖、トレハロース、ラクチトール、ゼラチン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、メトキシポリエチレングリコール、及びポリエチレングリコールからなる群から選択される。
様々な実施形態において、本方法は、個体に、望ましい特性を提供する第2の薬剤を投与することをさらに含む。例えば、第2の薬剤は、ブデノシド、上皮成長因子、コルチコステロイド、シクロスポリン、スルファサラジン、アミノサリチル酸、6−メルカプトプリン、アザチオプリン、メトロニダゾール、リポキシゲナーゼ阻害剤、メサラミン、オルサラジン、バルサラジド、抗酸化剤、トロンボキサン阻害剤、IL−1受容体アンタゴニスト、抗IL−1βモノクローナル抗体、抗IL−6モノクローナル抗体、成長因子、エラスターゼ阻害剤、ピリジニル−イミダゾール化合物、TNF、LT、IL−2、IL−6、IL−7、IL−8、IL−12、IL−13、IL−15、IL−16、IL−18、IL−23、EMAP−II、GM−CSF、FGF、及びPDGFの抗体、CD2、CD3、CD4、CD8、CD−19、CD25、CD28、CD30、CD40、CD45、CD69、CD90の抗体もしくはそれらのリガンド、メトトレキサート、シクロスポリン、FK506、ラパマイシン、ミコフェノール酸モフェチル、レフルノミド、NSAID、イブプロフェン、コルチコステロイド、プレドニゾロン、ホスホジエステラーゼ阻害剤、アデノシンアゴニスト、抗血栓剤、補体阻害剤、アドレナリン作動薬、IRAK、NIK、IKK、p38、MAPキナーゼ阻害剤、IL−1β変換酵素阻害剤、TNF−α変換酵素阻害剤、T細胞シグナル伝達阻害剤、メタロプロテイナーゼ阻害剤、スルファサラジン、アザチオプリン、6−メルカプトプリン、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、可溶性サイトカイン受容体、可溶性p55TNF受容体、可溶性p75TNF受容体、sIL−1RI、sIL−1RII、sIL−6R、抗炎症性サイトカイン、IL−4、IL−10、IL−11、IL−13、及びTGF−βからなる群の1つ以上の化合物である。
様々な実施形態において、該個体への投与のステップは、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹腔内、嚢内、軟骨内、腔内(intracavitary)、腔内(intracelial)、小脳内、脳室内、結腸内、頸管内、胃内、肝内、心筋内、骨内、骨盤内、心臓周囲内、腹腔内、胸膜内、前立腺内、肺内、直腸内、腎内、網膜内、髄腔内、滑液嚢内、胸腔内、子宮内、膀胱内、ボーラス、膣内、直腸、口腔内、舌下、鼻腔内、局所、経口、及び経皮から選択される少なくとも1つの投与モードによるものである。例えば、結合タンパク質は、本明細書中の実施例のうちのいずれかに記載されるように、皮下投与される。あるいは、結合タンパク質は、本明細書中の実施例のうちのいずれかに記載されるように、静脈内投与される。
結合タンパク質の投与は、様々な実施形態において、少なくとも2回行われるか、または周期的に行われる。例えば、結合タンパク質は、ある期間にわたって、少なくとも2回、少なくとも3回、または少なくとも4回投与される。様々な実施形態において、結合タンパク質は、数日間、数週間、数カ月間、または数年間にわたって、個体に複数回投与される。
本方法の様々な実施形態において、結合タンパク質は、1日に1回、隔日、毎週、隔週、3週間毎に、毎月、2カ月毎に、数カ月毎に、または6カ月毎に投与される。
結合タンパク質の投与は、様々な実施形態において、個体の体重に対して、少なくとも、0.005(ミリグラム/キログラム)mg/kg〜0.01mg/kg、0.01mg/kg〜0.05mg/kg、0.05mg/kg〜0.1mg/kg、0.1mg/kg〜0.5mg/kg、0.5mg/kg〜1mg/kg、1mg/kg〜2mg/kg、2mg/kg〜3mg/kg、3mg/kg〜4mg/kg、4mg/kg〜5mg/kg、5mg/kg〜6mg/kg、6mg/kg〜7mg/kg、7mg/kg〜8mg/kg、8mg/kg〜9mg/kg、または9mg/kg〜10mg/kgの結合タンパク質の重量である投与量を用いて行われる。様々な実施形態において、結合タンパク質は、0.3mg/kg、1mg/kg、または3mg/kgで投与される。
本方法の様々な実施形態において、結合タンパク質は、単回投与を用いて投与される。様々な実施形態において、結合タンパク質は、複数回投与を用いて投与される。例えば、投与量は、一定用量または漸増用量を用いて複数回投与される。あるいは、結合タンパク質は、漸増用量を用いて複数回投与される。
様々な実施形態において、本方法は、変形性関節症の症候の低減を観察することをさらに含む。様々な実施形態において、本方法は、変形性関節症関連の状態の低減を観察することをさらに含む。例えば、症候または状態は、骨棘の存在、骨軟化、滲出、関節の腫れ、滑膜炎、滑膜肥厚及び過形成、血管新生、炎症、凝り、関節腔狭小化、または変形性関節症関連の疼痛である。
様々な実施形態において、本方法は、バイオマーカーの存在または活性における調節(例えば、減少または増加)を観察することまたは検出することをさらに含む。様々な実施形態において、バイオマーカーは、変形性関節症の存在または程度を示す。例えば、バイオマーカーは、炎症の存在に対応する。本方法の様々な実施形態において、バイオマーカーは、炭水化物、ペプチド、タンパク質、及び遺伝物質からなる群から選択される少なくとも1つを含む。例えば、遺伝物質は、DNAまたはRNAを含む。
バイオマーカーは、様々な実施形態において、細胞、細胞によって発現されたペプチドもしくはタンパク質、または細胞と結合する分子からなる群から選択される少なくとも1つを含む。本方法の様々な実施形態において、バイオマーカーは、単球、マクロファージ、B細胞、T細胞、サイトカイン、(例えば、TNF及びIL−1Ra)、成長因子、インターロイキン(例えば、IL−4、Il−6、IL−10、及びIL−13)、骨誘導因子、インターフェロン、壊死因子、ステロイド、プロテオグリカン、繊維細胞、血清タンパク質、免疫グロブリン、またはホルモンを含む。本方法の様々な実施形態において、バイオマーカーは、高感度C反応性タンパク質(hsCRP);マトリクスメタロプロテアーゼ(MMP;例えばMMP−9);血管内皮成長因子(VEGF)、MMP分解産物、例えば、I型、II型、もしくはIII型コラーゲンのMMP分解産物(C1M、C2M、C3M);C反応性タンパク質(CRPM)、プロスタグランジン、一酸化窒素、トロンボスポンジンモチーフを有するディスインテグリン及びメタロプロテアーゼ(ADAMTS)、アディポカイン、内皮成長因子(EGF)、骨形成タンパク質(BMP)、神経成長因子(NGF)、サブスタンスP、誘導性一酸化窒素シンターゼ(iNOS)、CTX−I、CTX−II、TIINE、クレアチニン、及びビメンチン(例えば、シトルリン化及びMMPで分解されたビメンチン;VICM)からなる群から選択される少なくとも1つを含む。様々な実施形態において、バイオマーカーは、局所組織分解バイオマーカーを含む。
本明細書中の様々な実施形態において、バイオマーカーの観察または検出は、個体からの試料を得ることを含む。様々な実施形態において、試料は、細胞、流体、及び組織から選択される。例えば、流体は、血清、血漿、滑液、唾液、及び尿から選択される少なくとも1つである。細胞または組織は、例えば、血管、上皮、内皮、真皮、結合、筋肉、ニューロン、軟組織、例えば軟骨及びコラーゲン、骨、骨髄、関節組織、及び関節接合部から選択される少なくとも1つを含む。例えば、バイオマーカーは、アッセイ、コンピュータ、またはプローブを用いて検出される。例えば、プローブは、バイオマーカーの存在を検出する分子プローブである。一実施形態において、結合タンパク質は、少なくとも約1%、3%、5%、7% 10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはそれ以上、変形性関節症を低減する、ならびに/またはバイオマーカーの発現及び/もしくは活性を調節する(例えば、減少させる及び増加させる)。
様々な実施形態において、結合タンパク質は、局所的効果をもたらす。様々な実施形態において、結合タンパク質は、全身的な効果をもたらす。
本方法の様々な実施形態において、結合タンパク質は、Western Ontario and McMaster Universities Arthritis Index(WOMAC)、Whole−Organ Magnetic Imaging Score(WORMS)、Intermittent and Constant Osteoarthritis Pain(ICOAP)スコア;11ポイントのNumeric Rating Score(NRS)スコア、及び個体の評価(例えば、問診票または患者の全体評価)からなる群からの少なくとも1つの判断基準または基準における変形性関節症を減少させる。様々な実施形態において、観察または評価は、数時間、数日間、数週間、及び数カ月間からなる群から選択されるある期間にわたって行われる。様々な実施形態において、観察または評価は、結合タンパク質が個体において悪影響をもたらさないかどうかを判断する。本方法の様々な実施形態において、観察または評価は、結合タンパク質が、個体において有効的、治療的、安全、ならびに有益な生化学的、及び/または効果を生成することからなる群から選択される少なくとも1つの特徴であると判断する。一実施形態において、結合タンパク質は、少なくとも約1%、3%、5%、7% 10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、またはそれ以上、変形性関節症を低減する、ならびに/または判断基準を調節する。
本発明の一態様は、変形性関節症関連の疼痛を治療するための方法であって、本方法は、個体に、IL−1α及びIL−1βの両方と結合する結合タンパク質であって、配列番号46を含む可変重鎖を含み、かつ配列番号51を含む可変軽鎖を含むDVD−Ig結合タンパク質である、結合タンパク質を投与するステップを含む、方法を提供する。例えば、結合タンパク質は、表3に示されるDVD−Ig結合タンパク質を含む。本方法の様々な実施形態において、結合タンパク質は、少なくとも1つの定常ドメイン配列をさらに含む。例えば、定常領域におけるアミノ酸配列は、本明細書中の表に記載されている。様々な実施形態において、定常領域アミノ酸配列は、配列番号3〜6を含む。本方法の様々な実施形態において、重鎖定常領域は、配列番号50、100、または130である。本方法の様々な実施形態において、軽鎖定常領域は、配列番号55、75、または95である。
本方法の様々な実施形態において、個体は、異痛、痛覚過敏、ならびに異痛及び痛覚過敏の組み合わせからなる群から選択される疼痛状態を患っている。例えば、疼痛状態は、変形性膝関節症またはびらん性変形性手関節症と関連している。本方法の様々な実施形態において、疼痛は、変形性関節症関連の侵害受容性疼痛である。例えば、疼痛は、変形性関節症関連の機械的な侵害受容性疼痛である。
本方法の様々な実施形態において、IL−1α及びIL−1βの両方と結合する結合タンパク質は、薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物中に配合される。本方法の様々な実施形態において、結合タンパク質は、結晶化される。例えば、IL−1α及びIL−1βの両方と結合する結晶化結合タンパク質は、成分及びポリマー担体を含む組成物中に配合される。例えば、この成分は、存在する場合、組成物を安定化させるためのものである。本方法の様々な実施形態において、この成分は、アルブミン、ショ糖、トレハロース、ラクチトール、ゼラチン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、メトキシポリエチレングリコール、及びポリエチレングリコールからなる群から選択される。本方法の様々な実施形態において、ポリマー担体は、ポリ(アクリル酸)、ポリ(シアノアクリレート)、ポリ(アミノ酸)、ポリ(無水物)、ポリ(デプシペプチド)、ポリ(エステル)、ポリ(乳酸)、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)もしくはPLGA、ポリ(b−ヒドロキシブチラート)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ジオキサノン);ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド、ポリ[(オルガノ)ホスファゼン]、ポリ(オルトエステル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、無水マレイン酸−アルキルビニルエーテルコポリマー、プルロニックポリオール、アルブミン、アルギナート、セルロース及びセルロース誘導体、コラーゲン、フィブリン、ゼラチン、ヒアルロン酸、オリゴ糖、グリカミノグリカン、硫酸ポリサッカライド、これらの混合物及びコポリマーからなる群のうちの1つ以上から選択されるポリマーである。
様々な実施形態において、本方法は、個体に、少なくとも1つのさらなる薬剤、例えば、望ましい特性を提供する第2の薬剤を投与することをさらに含む。本方法の様々な実施形態において、所望の特性は、1つ以上の抗体パラメータから選択される。別の実施形態において、抗体パラメータは、抗原特異性、抗原に対する親和性、有効性、生物学的機能、エピトープ認識、安定性、溶解度、産生効率、免疫原性、薬物動態学、生物学的利用性、組織交叉反応性、及びオーソロガス抗原結合からなる群から選択される。本方法の様々な実施形態において、第2の薬剤は、ブデノシド、上皮成長因子、コルチコステロイド、シクロスポリン、スルファサラジン、アミノサリチル酸、6−メルカプトプリン、アザチオプリン、メトロニダゾール、リポキシゲナーゼ阻害剤、メサラミン、オルサラジン、バルサラジド、抗酸化剤、トロンボキサン阻害剤、IL−I受容体アンタゴニスト、抗IL−1βモノクローナル抗体、抗IL−6モノクローナル抗体、成長因子、エラスターゼ阻害剤、ピリジニル−イミダゾール化合物、TNF、LT、IL−2、IL−6、IL−7、IL−8、IL−12、IL−13、IL−15、IL−16、IL−18、IL−23、EMAP−II、GM−CSF、FGF、及びPDGFの抗体、CD2、CD3、CD4、CD8、CD−19、CD25、CD28、CD30、CD40、CD45、CD69、CD90の抗体もしくはそれらのリガンド、メトトレキサート、シクロスポリン、FK506、ラパマイシン、ミコフェノール酸モフェチル、レフルノミド、NSAID、イブプロフェン、コルチコステロイド、プレドニゾロン、ホスホジエステラーゼ阻害剤、アデノシンアゴニスト、抗血栓剤、補体阻害剤、アドレナリン作動薬、IRAK、NIK、IKK、p38、MAPキナーゼ阻害剤、IL−1β変換酵素阻害剤、TNFα変換酵素阻害剤、T細胞シグナル伝達阻害剤、メタロプロテイナーゼ阻害剤、スルファサラジン、アザチオプリン、6−メルカプトプリン、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、可溶性サイトカイン受容体、可溶性p55TNF受容体、可溶性p75TNF受容体、sIL−1RI、sIL−1RII、sIL−6R、抗炎症性サイトカイン、IL−4、IL−10、IL−11、IL−13、及びTIFF−βからなる群における1つ以上の化合物である。
様々な実施形態において、変形性関節症は、症候性変形性関節症または放射線学的変形性関節症を含む。本方法の様々な実施形態において、個体は、変形性膝関節症を患っている。本方法の様々な実施形態において、個体は、変形性手関節症、例えば、びらん性変形性手関節症を患っている。
本方法の様々な実施形態において、該個体への結合タンパク質の投与は、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹腔内、嚢内、軟骨内、腔内(intracavitary)、腔内(intracelial)、小脳内、脳室内、結腸内、頸管内、胃内、肝内、心筋内、骨内、骨盤内、心臓周囲内、腹腔内、胸膜内、前立腺内、肺内、直腸内、腎内、網膜内、髄腔内、滑液嚢内、胸腔内、子宮内、膀胱内、ボーラス、膣内、直腸、口腔内、舌下、鼻腔内、局所、経口、及び経皮から選択される少なくとも1つのモードによるものである。
本方法の様々な実施形態において、結合タンパク質は、単回投与を用いて投与される。本方法の様々な実施形態において、該個体への結合タンパク質の投与は、数時間、数日間、数週間、または数カ月間にわたって、周期的に、例えば、少なくとも2回行われる。例えば、投与は、2日毎、4日毎、毎週、または2週間毎に行われる。様々な実施形態において、結合タンパク質は、毎週、隔週、毎月、隔月、または半年毎に投与される。
本方法の様々な実施形態において、結合タンパク質の投与は、個体の体重に対して、0.005mg/kg〜0.01mg/kg、0.01mg/kg〜0.05mg/kg、0.05mg/kg〜0.1mg/kg、0.1mg/kg〜0.5mg/kg、0.5mg/kg〜1mg/kg、1mg/kg〜2mg/kg、2mg/kg〜3mg/kg、3mg/kg〜4mg/kg、4mg/kg〜5mg/kg、5mg/kg〜6mg/kg、6mg/kg〜7mg/kg、7mg/kg〜8mg/kg、8mg/kg〜9mg/kg、または9mg/kg〜10mg/kgの結合タンパク質の重量である投与量を用いて行われる。本方法の様々な実施形態において、結合タンパク質は、ある期間にわたって、複数回投与、例えば、2または3回の投与を用いて投与される。例えば、投与量は、数時間、数日間、数週間、または数カ月間にわたって、複数回投与される。本方法の様々な実施形態において、投与量は、数時間毎に、毎日、隔日、毎週、隔週、毎月、数カ月毎に、または毎年投与される。本方法の様々な実施形態において、投与された複数回投与量は、一定に保たれる。様々な実施形態において、投与された複数回投与量は、調節される(すなわち、事前投与量と比較して投与量が増加されるまたは減少される)。例えば、投与量は、個体において観察された結合タンパク質の治療効果に基づいて調節される。例えば、投与量は、効果的な治療における臨床指標の有無、及び/または個体における副作用の指標の有無に基づいて調節される。
様々な実施形態において、本方法は、疼痛の症候の低減を観察または検出することをさらに含む。例えば、疼痛状態は、変形性膝関節症またはびらん性変形性手関節症と関連している。本方法の様々な実施形態において、疼痛は、変形性関節症関連の侵害受容性疼痛である。例えば、疼痛は、変形性関節症関連の機械的な侵害受容性疼痛である。
様々な実施形態において、本方法は、バイオマーカーの存在または活性を測定すること、観察すること、または検出することをさらに含む。様々なにおいて、バイオマーカーは、個体における疼痛の存在または程度を示す分子である。例えば、本方法は、ある期間にわたって、バイオマーカーの濃度または活性の変化を測定する、観察する、または検出することを含む。例えば、この変化は、バイオマーカーの量の減少である。あるいは、この変化は、バイオマーカーの量の増加である。あるいは、測定、観察、または検出は、アッセイ、問診票、ストリップ、ウェル、ゲル、検出器、測定器、染料、撮像装置、及びスライドを用いることを含む。
本方法の様々な実施形態において、バイオマーカーは、炭水化物、ペプチド、タンパク質、及び遺伝物質からなる群から選択される少なくとも1つを含む。例えば、遺伝物質は、DNAまたはRNAを含む。本方法の様々な実施形態において、バイオマーカーは、成長因子、インターロイキン、骨誘導因子、インターフェロン、壊死因子、ステロイド、プロテオグリカン、繊維細胞、血清タンパク質、免疫グロブリン、またはホルモンを含む。
本方法の様々な実施形態において、バイオマーカーは、細胞、細胞によって発現されたペプチドもしくはタンパク質、または細胞と結合する分子からなる群から選択される少なくとも1つを含む。例えば、バイオマーカーは、個体の血清または軟骨中に位置している。本方法の様々な実施形態において、バイオマーカーは、高感度C反応性タンパク質(hsCRP);マトリクスメタロプロテアーゼ(MMP;例えばMMP−9);血管内皮成長因子(VEGF)、MMP分解産物、例えば、I型、II型、もしくはIII型コラーゲンのMMP分解産物(C1M、C2M、C3M);C反応性タンパク質(CRPM)、CTX−I、CTX−II、TIINE、クレアチニン、及びビメンチン(例えば、シトルリン化及びMMPで分解されたビメンチン;VICM)からなる群から選択される少なくとも1つを含む。一実施形態において、結合タンパク質は、少なくとも約1%、3%、5%、7% 10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはそれ以上、変形性関節症を低減する、ならびに/またはバイオマーカーの発現及び/もしくは活性を調節する(例えば、減少させる及び増加させる)。
バイオマーカーの測定、観察、または検出は、様々な実施形態において、個体から試料を得ることを含む。例えば、試料は、細胞、流体、及び組織から選択される。本方法の様々な実施形態において、流体は、血清、血漿、滑液、唾液、及び尿からなる群から選択される少なくとも1つである。本方法の様々な実施形態において、細胞または組織は、例えば、血管、上皮、内皮、真皮、結合、筋肉、ニューロン、軟骨及びコラーゲンを含む軟組織、骨、骨髄、関節組織、及び関節接合部からなる群から選択される少なくとも1つを含む。例えば、試料は、結合タンパク質を投与した後に採取され、バイオマーカーが測定、観察、または検出される。次いで、これらのバイオマーカーデータは、投与するよりも前に採取された対照試料から得られたバイオマーカーデータと比較される。
本発明の一態様は、個体の手または膝における変形性関節症を治療するための方法を提供し、本方法は、個体に、IL−1α及びIL−1βの両方と結合するDVD−Ig結合タンパク質であって、重鎖が、配列番号46、56、66、76、86、96、106、116、及び126から選択されるアミノ酸配列を含み、かつ可変軽鎖が、配列番号51、71、81、91、101、111、121、及び131から選択されるアミノ酸配列を含む、DVD−Ig結合タンパク質を投与するステップを含み、該結合タンパク質は、有効な投与量で投与される。様々な実施形態において、結合タンパク質は、少なくとも1つの定常ドメイン配列をさらに含む。定常領域におけるアミノ酸配列は、様々な実施形態において、配列番号3〜6のうちの少なくとも1つである。本方法の様々な実施形態において、重鎖定常領域は、配列番号50、60、70、80、90、100、110、120、及び130からなる群から選択される。本方法の様々な実施形態において、軽鎖定常領域は、配列番号55、65、75、85、95、105、115、125、及び135である。
本発明の一態様は、個体の手または膝における変形性関節症及び/または変形性関節症関連の疼痛を治療するための方法を提供し、本方法は、個体に、IL−1α及びIL−1βの両方と結合するDVD−Ig結合タンパク質であって、配列番号46を含む可変重鎖を含み、配列番号51を含む可変軽鎖を含む、DVD−Ig結合タンパク質を投与することを含み、結合タンパク質の投与は、例えば、個体の体重に対して、少なくとも、0.005mg/kg〜0.01mg/kg、0.01mg/kg〜0.05mg/kg、0.05mg/kg〜0.1mg/kg、0.1mg/kg〜0.5mg/kg、0.5mg/kg〜1mg/kg、1mg/kg〜2mg/kg、2mg/kg〜3mg/kg、3mg/kg〜4mg/kg、4mg/kg〜5mg/kg、5mg/kg〜6mg/kg、6mg/kg〜7mg/kg、7mg/kg〜8mg/kg、8mg/kg〜9mg/kg、または9mg/kg〜10mg/kgの結合タンパク質の重量である投与量を用いて行われる。
結合タンパク質を投与する前に、本方法は、様々な実施形態において、結合タンパク質を含む組成物を配合または調製することを含む。例えば、配合または調製は、薬学的に許容される担体または緩衝液を用いることを含む。様々な実施形態において、本組成物は、滅菌される。様々な実施形態において、本組成物は、凍結乾燥材料、または凍結乾燥材料から再構成された材料を含む。様々な実施形態において、本組成物は、流体、例えば、懸濁液を含む。結合タンパク質は、様々な実施形態において、結晶化タンパク質または複合体を含む。
本方法の様々な実施形態において、結合タンパク質の投与は、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹腔内、嚢内、軟骨内、骨内、骨盤内、腹腔内、滑液嚢内、膀胱内、ボーラス、局所、経口、及び経皮からなる群から選択される少なくとも1つのモードによるものである。
本方法の様々な実施形態において、結合タンパク質の投与は、周期的に、例えば、少なくとも2回行われる。例えば、結合タンパク質は、個体の体重に対して、少なくとも、0.005mg/kg〜0.01mg/kg、0.01mg/kg〜0.05mg/kg、0.05mg/kg〜0.1mg/kg、0.1mg/kg〜0.5mg/kg、0.5mg/kg〜1mg/kg、1mg/kg〜2mg/kg、2mg/kg〜3mg/kg、3mg/kg〜4mg/kg、4mg/kg〜5mg/kg、5mg/kg〜6mg/kg、6mg/kg〜7mg/kg、7mg/kg〜8mg/kg、8mg/kg〜9mg/kg、または9mg/kg〜10mg/kgの結合タンパク質の重量である投与量を用いて、毎週または隔週投与される。様々な実施形態において、結合タンパク質の投与量は、毎週、隔週、毎月、隔月、または半年毎に投与される。
本方法は、様々な実施形態において、変形性関節症及び/または疼痛の症候の低減を観察することをさらに含む。本方法は、様々な実施形態において、バイオマーカーの存在または活性の低減を観察することをさらに含む。概して、バイオマーカーは、変形性関節症及び/または疼痛の存在または程度を示す。例えば、バイオマーカーは、炭水化物、ペプチド、タンパク質、及び遺伝物質(例えば、DNA)からなる群から選択される少なくとも1つを含む。様々な実施形態において、バイオマーカーは、成長因子、インターロイキン、骨誘導因子、インターフェロン、壊死因子、ステロイド、プロテオグリカン、繊維細胞、血清タンパク質、免疫グロブリン、ホルモンを含む。様々な実施形態において、バイオマーカーは、細胞;細胞によって発現されたペプチドもしくはタンパク質;または細胞と結合する分子からなる群から選択される少なくとも1つを含む。本方法の様々な実施形態において、バイオマーカーは、高感度C反応性タンパク質;マトリクスメタロプロテアーゼ;血管内皮成長因子、MMP分解産物、例えば、I型、II型、もしくはIII型コラーゲンのMMP分解産物;C反応性タンパク質、及びビメンチンからなる群から選択される少なくとも1つを含む。本方法の様々な実施形態において、結合タンパク質は、少なくとも約1%、3%、5%、7% 10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはそれ以上、変形性関節症を低減する、ならびに/またはバイオマーカーの発現及び/もしくは活性を調節する(例えば、減少させる及び増加させる)。
本方法の様々な実施形態において、観察は、個体からの試料(例えば、細胞、流体、及び組織)におけるバイオマーカーを測定または検出することを含む。例えば、流体試料は、血清、血漿、滑液、唾液、及び尿から選択される少なくとも1つである。様々な実施形態において、細胞または組織は、血管、上皮、内皮、真皮、結合、筋肉、ニューロン、軟骨及びコラーゲンを含む軟組織、骨、骨髄、関節組織、及び関節接合部から選択される少なくとも1つを含む。
本方法は、様々な実施形態において、結合タンパク質の投与が、対照材料または他の物質を投与した別の対象と比較して、個体における1つの少なくとも改善された特徴をもたらすことを観察することをさらに含む。
様々な実施形態において、結合タンパク質を投与する前の個体は、炎症性の変形性膝関節症を有すると診断される。例えば、炎症性の変形性膝関節症は、症候性、放射線学的、及び炎症性の変形性膝関節症を含み、結合タンパク質の投与は、変形性関節症及び/または変形性関節症関連の陰性状態を低減する。例えば、陰性状態は、炎症/腫れ、疼痛、関節硬直、滲出、及び骨病変からなる群から選択される少なくとも1つである。
様々な実施形態において、変形性関節症の診断、及び/または結合タンパク質の有効性の観察もしくは評価は、問診票、面談、手順、材料、または試験を用いることを含む。例えば、診断または評価は、Western Ontario and McMaster Universities Arthritis Index(WOMAC)、Whole−Organ Magnetic Imaging Score(WORMS)、Intermittent and Constant Osteoarthritis Pain(ICOAP)スコア;11ポイントのNumeric Rating Score(NRS)スコア、及び個体の評価(例えば、問診票または患者の全体評価)からなる群から選択される少なくとも1つの判断基準または基準を用いることを含む。一実施形態において、結合タンパク質は、少なくとも約1%、3%、5%、7% 10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、またはそれ以上、変形性関節症を低減する、ならびに/または判断基準または基準を調節する。様々な実施形態において、観察または評価は、数時間、数日間、数週間、及び数カ月間からなる群から選択されるある期間にわたって行われる。様々な実施形態において、観察または評価は、結合タンパク質が個体において悪影響をもたらさないかどうかを判断する。本方法の様々な実施形態において、観察または評価は、結合タンパク質が、個体において有効的、治療的、安全、ならびに有益な生化学的、及び/または効果を生成することからなる群から選択される少なくとも1つの特徴であると判断する。
様々な実施形態において、結合タンパク質の投与は、関節における軟骨のさらなる分解または喪失を予防する。一実施形態において、結合タンパク質は、少なくとも約1%、3%、5%、7% 10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、またはそれ以上、変形性関節症を低減する、ならびに/または軟骨の分解を低減する。
様々な実施形態において、本方法は、軟骨の体積、厚み、組成、または外観を評価することをさらに含む。例えば、軟骨の評価は、放射線撮影法、磁気共鳴画像法(MRI)、超音波(US)、及び光干渉断層撮影法(OCT)を用いることを含む。
様々な実施形態において、結合タンパク質の投与は、変形性関節症を治療するために有効な投与量を用いて行われる。例えば、有効な投与量は、少なくとも約、0.005mg/kg〜0.01mg/kg、0.01mg/kg〜0.05mg/kg、0.05mg/kg〜0.1mg/kg、0.1mg/kg〜0.5mg/kg、0.5mg/kg〜1mg/kg、1mg/kg〜2mg/kg、2mg/kg〜3mg/kg、3mg/kg〜4mg/kg、4mg/kg〜5mg/kg、5mg/kg〜6mg/kg、6mg/kg〜7mg/kg、7mg/kg〜8mg/kg、8mg/kg〜9mg/kg、または9mg/kg〜10mg/kg、10mg/kg〜12mg/kg、または12mg/kg〜15mg/kgである。本方法の様々な実施形態において、結合タンパク質の投与は、少なくとも約1〜25ミリグラム(mg)、約25〜50mg、約50〜75mg、約75〜100mg、約100〜125mg、約125〜150mg、約150〜175mg、約175〜200mg、約200〜225mg、約225〜250mg、約250〜275mg、約275〜300mg、300〜325mg、または約325〜350mgの結合タンパク質を含む。本方法の様々な実施形態において、結合タンパク質の投与は、対象を、200mgの投与量の結合タンパク質と接触させることを含む。様々な実施形態において、投与量は、約25mg、100mg、または200mgである。
様々な実施形態において、結合タンパク質の投与は、静脈内投与を含む。あるいは、結合タンパク質の投与は、皮下投与を含む。様々な実施形態において、結合タンパク質を投与する前に、本方法は、結合タンパク質を含む組成物を配合することを含む。例えば、組成物の配合は、結合タンパク質を薬学的に許容される担体または緩衝液と接触させることを含む。様々な実施形態において、接触は、滅菌状態下で行われる。
本方法の様々な実施形態において、結合タンパク質の投与は、皮下または静脈内で行われる。様々な実施形態において、結合タンパク質の投与は、0.3、1、3、または10mg/kgの本明細書に記載される結合タンパク質、例えば、表3中に見出されるDVD−Igタンパク質を用いることを含む。
本方法の様々な実施形態において、結合タンパク質の投与は、ある期間にわたって、対象に、少なくとも1つの投与量の結合タンパク質と接触させることを含む。本方法の様々な実施形態において、ある期間は、約1週間、約2週間毎、約数週間毎、約1カ月間、または約数カ月毎である。例えば、ある期間は、約2週間毎である。
本方法の様々な実施形態において、変形性関節症は、びらん性変形性手関節症または指及び手の別の変形性関節炎を含む。本方法の様々な実施形態において、変形性関節症は、少なくとも1つの手の関節の紡錘状の腫れを特徴とする。本方法の様々な実施形態において、変形性関節症は、ヘバーデン結節及び/またはブシャール結節を特徴とする。本方法の様々な実施形態において、変形性関節症は、症候性変形性膝関節症を含む。様々な実施形態において、対象は、変形性膝関節症または変形性手関節症を有する、または有する疑いがある。
様々な実施形態において、本方法は、対象の変形性関節症の改善を観察または検出することをさらに含む。本方法の様々な実施形態において、この改善は、American College of Rheumatology Criteria(ACR)、Western Ontario and McMaster Universities Arthritis Index(WOMAC)、Whole−Organ Magnetic Imaging Score(WORMS)、Intermittent and Constant Osteoarthritis Pain(ICOAP)スコア;11ポイントのNumeric Rating Score(NRS)スコア、及び個体の評価(例えば、問診票または患者の全体評価)からなる群から選択される少なくとも1つの判断基準または基準によって判断または定量化される。一実施形態において、結合タンパク質は、少なくとも約1%、3%、5%、7% 10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、またはそれ以上、変形性関節症を低減する、ならびに/または判断基準を調節する。本方法の様々な実施形態において、観察または検出は、対象の血清を分析することを含む。
様々な実施形態において、投与量は、血清中の判断基準または血漿中の判断基準を達成する。様々な実施形態において、投与量は、陽性変形性関節症の判断基準または疼痛の判断基準を達成する。様々な実施形態において、投与量は、ヒト治療エンドポイントを達成する。例えば、治療エンドポイントは、変形性関節症関連の疼痛、軟骨の分解、炎症/腫れ、関節の狭小化、関節硬直、及び滲出の低減(例えば、1〜95%)を含む。様々な実施形態において、治療エンドポイントは、本明細書に記載される判断基準/基準(例えば、ACR、WOMAC、及びICOAP)の改善を含む。例えば、改善は、約1%、3%、5%、7% 10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはそれ以上を含む。
様々な実施形態において、血清中の判断基準または血漿中の判断基準は、薬物動態学、吸収、生物学的利用性、分布、代謝、排出、最大の観察された濃度、及び曲線下面積からなる群から選択される。例えば、血清もしくは血漿中の判断基準(例えば、Cmax、Tmax、AUC、及び半減期)を本明細書中の表中に示す。様々な実施形態において、達成されたCmax及びは、約1〜5μg/mL、5〜10μg/mL、10〜15μg/mL、15〜20μg/mL、及び20〜25μg/mLである。様々な実施形態において、AUCは、約20〜275μg・日/mLである。例えば、AUCは、0.3〜3.0mg/kgで、約20〜50μg・日/mL、50〜100μg・日/mL、100〜150μg・日/mL、150〜200μg・日/mL、及び20〜275μg・日/mLである。
様々な実施形態において、変形性関節症の判断基準または疼痛の判断基準は、医師による疾患活動性の全体評価(Physician Global Assessment of Disease Activity)、患者により報告される成果、健康状態問診票(HAQ−DI)、患者による疾患活動性の全体評価(VAS))、抗薬物抗体(ADA)の測定値または存在、圧痛関節数(TJC)、膨張関節数(SJC)、患者の疼痛の評価、リウマチ性関節炎の作業不安定性尺度(Work Instability Scale for Rheumatoid Arthritis)、簡易健康状態調査票(Short Form Health Survey)(SF−36)、米国リウマチ学会、ACR(例えば、ACR20、ACR50、及びACR70);低疾患活動性(LDA)を達成する対象の割合;疾患活動性スコア28(DAS28;例えば、C反応性タンパク質に基づいたDAS28);臨床疾患活動性指標(CDAI)、簡易疾患活動性指標(SDAI);ならびに臨床寛解基準からなる群から選択されるものと関連している。
本発明の一態様は、変形性関節症または変形性関節症関連の疼痛においてヒト対象を治療する方法を提供し、本方法は、IL−1α及びIL−1βの両方と結合する結合タンパク質を投与することを含み、結合タンパク質の投与は、個体の体重に対して、少なくとも、0.005(ミリグラム/キログラム)mg/kg〜0.01mg/kg、0.01mg/kg〜0.05mg/kg、0.05mg/kg〜0.1mg/kg、0.1mg/kg〜0.5mg/kg、0.5mg/kg〜1mg/kg、1mg/kg〜2mg/kg、2mg/kg〜3mg/kg、3mg/kg〜4mg/kg、4mg/kg〜5mg/kg、5mg/kg〜6mg/kg、6mg/kg〜7mg/kg、7mg/kg〜8mg/kg、8mg/kg〜9mg/kg、または9mg/kg〜10mg/kgの結合タンパク質の重量である投与量を用いて行われ、この投与量が、血清の判断基準、血漿の判断基準、変形性関節症の判断基準、または疼痛の判断基準を達成し、それにより、変形性関節症及び/または疼痛が治療される。本方法の様々な実施形態において、重鎖は、配列番号46、56、66、76、86、96、106、116、及び126から選択されるアミノ酸配列を含み、かつ可変軽鎖は、配列番号51、71、81、91、101、111、121、及び131から選択されるアミノ酸配列を含む。
本発明の一態様は、変形性関節症または変形性関節症関連の疼痛においてヒト対象を治療する方法を提供し、本方法は、IL−1α及びIL−1βの両方と結合する結合タンパク質を投与することを含み、結合タンパク質の投与は、少なくとも、約1〜25ミリグラム(mg)、約25〜50mg、約50〜75mg、約75〜100mg、約100〜125mg、約125〜150mg、約150〜175mg、約175〜200mg、約200〜225mg、約225〜250mg、約250〜275mg、約275〜300mg、300〜325mg、または約325〜350mgの投与量を用いて行われ、この投与量が、血清の判断基準、血漿の判断基準、変形性関節症の判断基準、または疼痛の判断基準に達し、それにより、変形性関節症及び/または疼痛が治療される。
本方法の様々な実施形態において、重鎖は、配列番号46、56、66、76、86、96、106、116、及び126から選択されるアミノ酸配列を含み、かつ配列番号51、71、81、91、101、111、121、及び131から選択されるアミノ酸配列を含む可変軽鎖のアミノ酸配列。本方法の様々な実施形態において、結合タンパク質は、アミノ酸配列の配列番号46を含む可変重鎖を含み、かつアミノ酸配列の配列番号51を含む可変軽鎖を含むDVD−Ig結合タンパク質である。様々な実施形態において、結合タンパク質の投与は、疼痛、例えば、変形性関節症関連の機械的な侵害受容性疼痛への耐性を増大させる。
本方法の様々な実施形態において、血清もしくは血漿の判断基準は、薬物動態学、吸収、生物学的利用性、分布、代謝、排出、分布溶量、クリアランス率、ピーク濃度/観察された最高濃度(Cmax)、及び曲線下面積(AUC)からなる群から選択される特徴である。例えば、血清もしくは血漿の判断基準、例えば、AUC、Cmax、Tmax、及びAUCπは、本明細書に記載される実施例に記載されている。
本方法の様々な実施形態において、約1〜約30μg・日/mlのAUC、約1〜約30日の半減期、及び/または約1〜約100μg/mlのピーク濃度(Cmax)からなる群から選択される少なくとも1つの薬物動態の特徴は、対象への抗−IL−Ια/βの二重可変ドメイン免疫グロブリン、またはその抗原結合部分の投与後に達成され、それにより、対象における変形性関節症を治療する。例えば、0.3〜3.0mg/kgで達成された平均Cmax及びAUCτは、それぞれ、2.59〜22.6μg/mL及び30.7〜248μg・日/mLである。様々な実施形態において、血清の判断基準または血漿の判断基準は、本明細書中に示される表中に見出される。例えば、Tmaxは、投与後の1〜3日、3日〜7日、7日〜10日、または10日〜15日である。様々な実施形態において、血清の判断基準または血漿の判断基準は、平均終末相半減期である。例えば、平均終末相半減期は、少なくとも約1〜3日、3日〜5日、5日〜7日、7日〜10日、10日〜13日、13日〜15日、15日〜20日、20日〜25日、または25日〜30日である。本方法の様々な実施形態において、約0.01〜約2ml/時/kgのクリアランス率。本方法の様々な実施形態において、分布容量は、個体における変形性関節症を治療するために、結合タンパク質において有効である。
本方法の様々な実施形態において、変形性関節症の判断基準、疼痛の判断基準、またはヒト治療エンドポイントは、医師による疾患活動性の全体評価;患者により報告される成果;健康状態問診票(HAQ−DI);患者による疾患活動性の全体評価(VAS));抗薬物抗体(ADA)の測定値または存在;圧痛関節数(TJC);膨張関節数(SJC);患者の疼痛の評価;リウマチ性関節炎の作業不安定性尺度(Work Instability Scale for Rheumatoid Arthritis);簡易健康状態調査票(Short Form Health Survey)(SF−36);米国リウマチ学会、ACR、(例えば、ACR20、ACR50、及びACR70);低疾患活動性(LDA)を達成する対象の割合;疾患活動性スコア28(DAS28;例えば、C反応性タンパク質に基づいたDAS28);臨床疾患活動性指標(CDAI);簡易疾患活動性指標(SDAI);ならびに臨床寛解基準からなる群から選択されるものを含む。
様々な実施形態において、該個体への投与のステップは、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹腔内、嚢内、軟骨内、腔内(intracavitary)、腔内(intracelial)、小脳内、脳室内、結腸内、頸管内、胃内、肝内、心筋内、骨内、骨盤内、心臓周囲内、腹腔内、胸膜内、前立腺内、肺内、直腸内、腎内、網膜内、髄腔内、滑液嚢内、胸腔内、子宮内、膀胱内、ボーラス、膣内、直腸、口腔内、舌下、鼻腔内、局所、経口、及び経皮から選択される少なくとも1つの投与モードによるものである。例えば、投与は、皮下投与である。一実施形態において、投与は、静脈内投与である。
結合タンパク質の投与は、様々な実施形態において、少なくとも2回行われるか、またはある期間にわたって、周期的に、例えば、少なくとも2回、少なくとも3回、または少なくとも4回行われる。様々な実施形態において、結合タンパク質は、数日間、数週間、数カ月間、または数年間にわたって、個体に複数回投与される。例えば、結合タンパク質は、12時間に1回、1日に1回、隔日、毎週、隔週、3週間毎に、毎月、2カ月毎に、数カ月毎に、または6カ月毎に投与される。
本方法は、様々な実施形態において、結合タンパク質の投与が、対照材料または他の物質を投与した別の対象と比較して、個体における1つの少なくとも改善された特徴をもたらすことを観察することをさらに含む。
様々な実施形態において、結合タンパク質を投与する前の個体は、炎症性の変形性膝関節症を有すると診断される。例えば、炎症性の変形性膝関節症は、症候性、放射線学的、及び炎症性の変形性膝関節症を含み、結合タンパク質の投与は、変形性関節症及び/または変形性関節症関連の陰性状態を低減する。例えば、陰性状態は、炎症/腫れ、疼痛、関節硬直、滲出、及び骨病変からなる群から選択される少なくとも1つである。様々な実施形態において、結合タンパク質を投与する前の個体は、変形性手関節症、例えば、びらん性変形性手関節症を有すると診断される。
本方法の様々な実施形態において、結合タンパク質は、少なくとも1つの定常ドメイン配列をさらに含む。例えば、定常領域におけるアミノ酸配列は、本明細書中の表(例えば、表2及び表3)に記載されている。様々な実施形態において、アミノ酸配列は、配列番号3〜6、50、または55を含む。本方法の様々な実施形態において、重鎖定常領域は、配列番号50、60、70、80、90、100、110、120、及び130からなる群から選択される。本方法の様々な実施形態において、軽鎖定常領域は、配列番号55、65、75、85、95、105、115、125、及び135からなる群から選択される。
様々な実施形態において、判断基準は、細胞、細胞によって発現されたペプチドもしくはタンパク質、または細胞と結合する分子からなる群から選択される少なくとも1つを含むバイオマーカーと関連している。
本方法の様々な実施形態において、バイオマーカーは、高感度C反応性タンパク質;マトリクスメタロプロテアーゼ;血管内皮成長因子、MMP分解産物、例えば、I型、II型、もしくはIII型コラーゲンのMMP分解産物;C反応性タンパク質、及びビメンチンからなる群から選択される少なくとも1つを含む。本方法の様々な実施形態において、バイオマーカーは、健常組織のバイオマーカー、例えば、軟骨のバイオマーカーを含む。例えば、バイオマーカーは、軟骨分解のバイオマーカーを含む。
結合タンパク質を投与する前に、本方法は、様々な実施形態において、結合タンパク質を含む組成物を配合または調製することを含む。例えば、配合または調製は、薬学的に許容される担体または緩衝液を用いることを含む。様々な実施形態において、本組成物は、滅菌される。様々な実施形態において、本組成物は、凍結乾燥材料、または凍結乾燥材料から再構成された材料を含む。様々な実施形態において、本組成物は、流体、例えば、懸濁液を含む。結合タンパク質は、様々な実施形態において、結晶化タンパク質または複合体を含む。
定義
本明細書で特に定義されない限り、本発明に関連して使用される科学用語及び技術用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有するものとする。用語の意味及び範囲は明確であるべきであるが、何らかの潜在的な多義性がある場合には、本明細書に提供される定義がいずれの辞書または外部の定義よりも優先される。さらに、文脈によって特に必要とされない限り、単数形の用語には複数形が含まれ、複数形の用語には単数形が含まれるものとする。本出願において、「または」の使用は、特に指定のない限り、「及び/または」を意味する。さらに、「含んでいる(including)」という用語、ならびに「含む(includes)」及び「含まれた(included)」等の他の形態の使用は、限定されない。また、「要素」または「構成要素」等の用語は、特に指定のない限り、1つのユニットを含む要素及び構成要素と2つ以上のサブユニットを含む要素及び構成要素との両方を包含する。
本明細書で特に定義されない限り、本発明に関連して使用される科学用語及び技術用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有するものとする。用語の意味及び範囲は明確であるべきであるが、何らかの潜在的な多義性がある場合には、本明細書に提供される定義がいずれの辞書または外部の定義よりも優先される。さらに、文脈によって特に必要とされない限り、単数形の用語には複数形が含まれ、複数形の用語には単数形が含まれるものとする。本出願において、「または」の使用は、特に指定のない限り、「及び/または」を意味する。さらに、「含んでいる(including)」という用語、ならびに「含む(includes)」及び「含まれた(included)」等の他の形態の使用は、限定されない。また、「要素」または「構成要素」等の用語は、特に指定のない限り、1つのユニットを含む要素及び構成要素と2つ以上のサブユニットを含む要素及び構成要素との両方を包含する。
一般に、本明細書に記載される細胞及び組織培養物、分子生物学、免疫学、微生物学、遺伝子学、タンパク質及び核酸の化学、ならびに核酸ハイブリダイゼーションに関連して使用する学名は、当該技術分野で周知かつ一般的に使用されるものである。本発明の方法及び技法は、一般に、特に指定しない限り、当該技術分野で周知の慣用方法に従って、本明細書全体にわたって引用及び記述されている様々な一般的及びより具体的な参考文献に記載されているように行われる。酵素反応及び精製技法は、当該技術分野で一般的に行われるように、または本明細書に記載されるように、製造業者の仕様書に従って行われる。本明細書に記載される分析化学、合成有機化学、及び医薬品及び薬学的化学に関連して使用する術語、ならびにそれらの実験室の手順及び技法は、当該技術分野で周知かつ一般的に使用されるものである。化学合成、化学分析、薬学的調製、配合、及び送達、ならびに患者の治療には、標準的な技術が用いられる。
本発明がより容易に理解され得るように、選択した用語が下記に定義される。
「ポリペプチド」という用語は、アミノ酸の任意のポリマー鎖を意味する。「ペプチド」及び「タンパク質」という用語は、ポリペプチドという用語と交換可能に使用され、同様に、アミノ酸のポリマー鎖を指す。「ポリペプチド」という用語は、天然または人工タンパク質、タンパク質断片、及びタンパク質配列のポリペプチドアナログを包含する。ポリペプチドは、モノマーであってもポリマーであってもよい。
「単離タンパク質」または「単離ポリペプチド」という用語は、その起源または由来源によりその天然状態でこれに付随する天然会合成分と会合していない、同一種に由来する他のタンパク質を実質的に含まない、異なる種に由来する細胞によって発現される、あるいは自然界に存在しない、タンパク質またはポリペプチドを意味する。したがって、化学的に合成される、またはそれが天然に由来する細胞とは異なる細胞系で合成されるポリペプチドは、その天然会合成分から「単離」されよう。当該技術分野で周知のタンパク質生成技術を用いて、タンパク質はまた、単離により天然会合成分を実質的に含まない状態にされ得る。
「回収」という用語は、例えば、当該技術分野で周知のタンパク質精製技術を使用して、単離によりポリペプチド等の化学種が天然会合成分を実質的に含まない状態にするプロセスを意味する。
「ヒトIL−1α」(本明細書では、「hIL−1α」または「IL−1α」とも短縮される)という用語は、様々な免疫応答、炎症プロセス、及び造血に関与する多面的サイトカインを含む。例えば、IL−1αは、活性化マクロファージにより産生されるヒトサイトカインを含み、それは、IL−2放出、B細胞成熟及び増殖、ならびに線維芽細胞成長因子活性を誘発することにより胸腺細胞増殖を刺激する。「ヒトIL−1α」という用語は、標準組換え発現法により調製することができる組換えヒトIL−1α(「rhIL−1α」)を含むことを目的とする。
「ヒトIL−1β」(本明細書では、「hIL−1β」または「IL−1β」とも短縮される)という用語は、様々な免疫応答、炎症プロセス、及び造血に関与する多面的サイトカインを含む。ヒト「IL−1β」という用語は、標準組換え発現法により調製することができる組換えヒトIL−1β(「rhIL−1β」)を含む。
ヒトIL−1α及びIL−1βのアミノ酸配列を表1に示す。2014年9月23日に発行された米国特許第8,841,417号(2011年11月17日に公開された米国公開第2011/0280800号)及び2014年3月4日に発行された米国特許第8,664,367号(2013年8月1日に公開された米国公開第2013/0195754号)も参照されたく、これらは参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
「生物学的活性」という用語は、サイトカインのすべての固有の生物学的特性を指す。IL−1α及びIL−1βの生物学的特性としては、IL−1受容体との結合が挙げられるが、これに限定されない。
IL−1の生物学的活性としては、IL−1受容体との結合、IL−2放出、B−細胞成熟及び増殖、ならびに線維芽細胞増殖因子活性を誘発することによる胸腺細胞増殖の刺激が挙げられるが、これらに限定されない。
抗体、タンパク質、またはペプチドと第2の化学種の相互作用に関する「特異的結合」または「特異的に結合する」という用語は、相互作用が化学種上の特定構造(例えば、抗原決定基またはエピトープ)の存在に依存することを意味し、例えば、抗体はタンパク質一般ではなく、特定タンパク質構造を認識してこれと結合する。抗体がエピトープ「A」に特異的である場合、標識した「A」と抗体を含有する反応混合物中にエピトープA(または遊離した未標識のA)を含む分子の存在は、標識したAの抗体に結合した量を低減するであろう。
「抗体」という用語は、概して、Ig分子の絶対不可欠なエピトープ結合特性を保持する、4つのポリペプチド鎖、2つの重(H)鎖及び2つの軽(L)鎖、またはその任意の機能的な断片、突然変異体、変異体、もしくは誘導体からなる、任意の免疫グロブリン(Ig)分子を指す。そのような突然変異体、変異体、もしくは誘導体抗体形式が、それらの非限定的な実施形態が以下に論じられている。
完全長抗体において、各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書では、HCVRまたはVHと短縮される)及び重鎖定常領域からなる。重鎖定常領域は、3つのドメイン、CH1、CH2、及びCH3からなる。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書では、LCVRまたはVLと短縮される)及び軽鎖定常領域からなる。軽鎖定常領域は、1つのドメイン、CLからなる。VH及びVL領域は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれるさらに保存されている領域に散在する、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変性の領域にさらに細分化することができる。VH及びVLのそれぞれは、3つのCDR及び4つのFRからなり、アミノ末端からカルボキシ末端に、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、及びFR4の順で配列される。免疫グロブリン分子は、任意のタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA、及びIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2)、またはサブクラスからなり得る。
抗体の「抗原結合部分」という用語は、抗原に特異的に結合する能力を保持する抗体(例えば、hIL−1α)の1つ以上の断片を指す。抗体の抗原結合機能は、完全長の抗体の断片により実施可能である。そのような抗体の態様は、2種以上の異なる抗原と特異的に結合する、二特異性、二重特異性、または多重特異性形式も有し得る。抗体の「抗原結合部分」という用語に包含される結合断片の例には、(i)VL、VH、CL、及びCH1ドメインからなる一価断片であるFab断片、(ii)ヒンジ領域でジスルフィド架橋により連結された2つのFab断片を含む二価断片であるF(ab’)2断片、(iii)VH及びCH1ドメインからなるFd断片、(iv)抗体の単一アームのVL及びVHドメインからなるFv断片、(v)単一の可変ドメインを含むdAb断片(Ward et al.(1989) Nature 341:544−546、PCT公開第90/05144号)、ならびに(vi)単離された相補性決定領域(CDR)が含まれる。さらに、Fv断片の2つのドメインであるVL及びVHは、別個の遺伝子によりコードされているが、これらは、VL及びVH領域が対合して、一価分子を形成する単一のタンパク質鎖として、これらを作製することを可能にする合成リンカーにより、組換え法を用いて連結することが可能である(一本鎖Fv(scFv)として知られている;例えば、Bird et al.(1988)Science 242:423−426;及びHuston et al.(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879−5883を参照のこと)。そのような一本鎖抗体(scFv)もまた、抗体の「抗原結合部分」という用語に包含されるものとする。ダイアボディ等の一本鎖抗体の他の形態もまた、包含される。ダイアボディはVH及びVLドメインが1本のポリペプチド鎖上で発現される2価の二特異性抗体であるが、非常に短く、同一鎖上の2つのドメイン間で対合することができないリンカーを使用し、それにより、これらのドメインは別の鎖の相補性領域と対合することを強いられ、2つの抗原結合部位を形成する(例えば、Holliger et al.(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444−6448、Poljak et al.(1994)Structure 2:1121−1123を参照のこと)。そのような抗体結合部分は、当該技術分野で公知である(Kontermann and Dubel eds.,Antibody Engineering(Springer−Verlag,New York,2001)(ISBN 3−540−41354−5))。
「抗体コンストラクト」という用語は、リンカーポリペプチドまたは免疫グロブリン定常領域に連結された本発明の1つ以上の抗原結合部分を含むポリペプチドを指す。リンカーポリペプチドは、ペプチド結合により結合した2つ以上のアミノ酸残基を含み、1つ以上の抗原結合部分と連結させるために使用される。そのようなリンカーポリペプチドは、当該技術分野で周知である(例えば、Holliger et al.(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444−6448、Poljak et al.(1994)Structure 2:1121−1123を参照のこと)。免疫グロブリン定常ドメインは、重または軽鎖定常ドメインを指す。ヒトIgG重鎖(ガンマ)及び軽鎖(カッパ及びラムダ)定常ドメインアミノ酸配列は、当該技術分野で公知であり、表2に示す。
さらに、抗体またはその抗体結合部分は、抗体またはその抗体結合部分と1つ以上の他のタンパク質またはペプチドの共有結合性または非共有結合性会合により形成されるより大きな免疫接着分子の一部でもよい。そのような免疫接着分子の例としては、四量体scFv分子を作製するためのストレプトアビジンコア領域の使用(Kipriyanov,S.et al.(1995)Human Antibod.Hybridomas 6:93−101)、及びビオチン化scFv分子を作製するためのシステイン残基、マーカーペプチド、及びC−末端ポリヒスチジンタグの使用(Kipriyanov,S.et al.(1994)Mol.Immunol.31:1047−1058)が挙げられる。Fab及びF(ab’)2断片等の抗体の抗原結合部分は、それぞれ、全抗体のパパインまたはペプシン消化等の慣用技術を使用して全抗体から調製することができる。さらに、抗体、その抗原結合部分、及び免疫接着分子は、本明細書に記載される標準組換えDNA技術を使用して得ることができる。
「単離抗体」は、異なる抗原特異性を持つ他の抗体を実質的に含まない抗体を指す(例えば、hIL−1αと特異的に結合する単離抗体は、hIL−1α以外の抗原と特異的に結合する抗体を実質的に含まない)。しかしながら、hIL−1αと特異的に結合する単離抗体は、他の種からのIL−1α分子等の他の抗原と交差反応性を持つ場合がある。さらに、単離抗体は、他の細胞材料及び/または化学薬品を実質的に含まない場合がある。
「ヒト抗体」という用語は、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列に由来する可変及び定常領域を有する抗体を含む。本発明のヒト抗体は、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列によりコードされないアミノ酸残基(例えば、ランダムもしくは部位特異的突然変異誘発によりインビトロで導入される突然変異または体細胞突然変異によりインビボで導入される突然変異)を例えば、CDR、特にCDR3に含んでもよい。しかしながら、「ヒト抗体」という用語は、別の哺乳動物種、例えば、マウスの生殖細胞系列に由来するCDR配列をヒトフレームワーク配列に移植した抗体を含まない。
「組換えヒト抗体」という用語は、組換え手段により作製、発現、創製、または単離されたすべてのヒト抗体を含み、例えば、宿主細胞にトランスフェクトした組換え発現ベクターを使用して発現させた抗体(以下のセクションII Cに詳述)、組換えコンビナトリアルヒト抗体ライブラリーから単離された抗体(Hoogenboom,H.(1997)Trends Biotechnol.15:62−70、Azzazy and Highsmith(2002)Clin.Biochem.35:425−445、Gavilondo and Larrick(2000)BioTechniques 29:128−145、Hoogenboom and Chames(2000)Immunol.Today 21:371−378)、ヒト免疫グロブリン遺伝子にトランスジェニックな動物(例えば、マウス)から単離された抗体(例えば、Taylor et al.(1992)Nucl.Acids Res.20:6287−6295、Kellermann and Green(2002)Curr.Opin.Biotechnol.13:593−597、Little et al.(2000)Immunol.Today 21:364−370を参照のこと)、あるいはヒト免疫グロブリン遺伝子配列を他のDNA配列にスプライシングする他の任意の手段により調製、発現、創製、または単離された抗体が挙げられる。そのような組換えヒト抗体は、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列に由来する可変及び定常領域を有する。しかしながら、ある特定の実施形態において、そのような組換えヒト抗体は、インビトロ突然変異誘発(または、ヒトIg配列にトランスジェニックな動物を使用する場合には、インビボ体細胞突然変異誘発)を受け、したがって、組換え抗体のVH及びVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖細胞系列VH及びVL配列に由来し、これらの配列に関連しているが、天然ではヒト生殖細胞系列レパートリー内にインビボで存在しない場合もある配列である。
「キメラ抗体」という用語は、ある種からの重及び軽鎖可変領域配列ならびに別の種からの定常領域配列を含む抗体、例えば、マウス重及び軽鎖可変領域をヒト定常領域に連結した抗体を指す。
「CDR移植抗体」という用語は、ある種からの重及び軽鎖可変領域配列を含むが、VH及び/またはVL領域のCDR領域のうちの1つ以上の配列が別の種のCDR配列で置き換えられた抗体、例えば、ヒトCDRのうちの1つ以上(例えば、CDR3)を、例えば、ヒトIL−1αに対するマウスモノクローナル抗体から得られるような、マウスCDR配列で置き換えられたヒト重及び軽鎖可変領域を有する抗体を指す。
本明細書で使用される、「CDR」という用語は、抗体可変配列内の相補性決定領域を指す。重鎖及び軽鎖の可変領域のそれぞれには3つのCDRが存在し、これらは、可変領域のそれぞれで、CDR1、CDR2、及びCDR3と表記される。本明細書で使用される「CDRセット」という用語は、抗原結合部位の単一可変領域(すなわち、VHまたはVL)中に生じる3つのCDRの群を指す。これらのCDRの正確な境界は、異なる系に従って、異なって定義されている。Kabatにより記載されているシステム(Kabat et al.(1987,1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest(National Institutes of Health,Bethesda,Maryland)は、抗体の任意の可変領域に適用可能な明確な残基ナンバリングシステムを提供するのみならず、3つのCDRを定義する厳密な残基境界を提供する。これらのCDRは、Kabat CDRと称され得る。Chothia及び共同研究者(Chothia and Lesk(1987)J.Mol.Biol.196:901−917及びChothia et al.(1989)Nature 342:877−883)は、Kabat CDR内のある亜部分が、アミノ酸配列のレベルで大きな多様性を有するにも関わらず、ほぼ同一のペプチド骨格立体構造をとることを見出した。これらの亜部分は、L1、L2、及びL3またはH1、H2、及びH3(「L」及び「H」は、それぞれ、軽鎖及び重鎖領域を表記する)と表記された。これらの領域は、Chothia CDRと称される場合があり、Kabat CDRと重複する境界を有する。Kabat CDRと重複するCDRを定義する他の境界は、Padlan et al.(1995)FASEB J.9:133−139及びMacCallum(1996)J.Mol.Biol.262(5):732−745)に記載されている。さらに他のCDR境界定義が、上記系の1つに厳格に従わない場合があり得るが、それにも関わらず、Kabat CDRと重複するが、これらは、特定の残基または残基の群またはさらにはCDR全体が、抗原結合に著しい影響を与えないという予測または実験的発見に照らして、短縮または延長され得る。本明細書で使用される方法は、これらの系のいずれかに従って定義されたCDRを使用し得るが、ある実施形態は、KabatまたはChothiaにより定義されたCDRを使用する。
「Kabatナンバリング」、「Kabat定義」、及び「Kabatラべリング」という用語は、本明細書では交換可能に使用される。これらの用語は、抗体またはその抗原結合部分の重及び軽鎖可変領域中の他のアミノ酸残基よりもさらに可変(すなわち、超可変)であるアミノ酸残基に付番するシステムを指す(Kabat et al.(1971) Ann.NY Acad.Sci.190:382−391及びKabat,E.et al.(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,U.S.Department of Health and Human Services,NIH Publication No.91−3242)。重鎖可変領域では、超可変領域は、CDR1に対するアミノ酸位置31から35、CDR2に対するアミノ酸位置50から65、及びCDR3に対するアミノ酸位置95から102にわたる。軽鎖可変領域では、超可変領域は、CDR1に対するアミノ酸位置24から34、CDR2に対するアミノ酸位置50から56、及びCDR3に対するアミノ酸位置89から97にわたる。
過去20年間にわたる可変重及び軽領域のアミノ酸配列の広範な公共データベースの発展及び分析により、可変領域配列内のフレームワーク領域(FR)配列とCDR配列の典型的境界の理解をもたらし、当業者は、Kabatナンバリング、Chothiaナンバリング、または他のシステムに従ってCDRを正確に決定できるようになった。例えば、Martin,“Protein Sequence and Structure Analysis of Antibody Variable Domains,”In Kontermann and Dubel,eds.,Antibody Engineering(Springer−Verlag,Berlin,2001),chapter 31,pages 432−433を参照のこと。可変重(VH)及び可変軽(VL)領域のアミノ酸配列内のKabat CDRのアミノ酸配列を決定する有用な方法を以下に記載する。
CDR−L1アミノ酸配列を特定するためには、
VL領域のアミノ酸末端から約24番目のアミノ酸残基から出発する;
CDR−L1配列の前の残基は常にシステイン(C)である;
CDR−L1配列の後の残基は常にトリプトファン(W)残基、典型的には、Trp−Tyr−Gln(W−Y−Q)であるが、Trp−Leu−Gln(W−L−Q)、Trp−Phe−Gln(W−F−Q)、及びTrp−Tyr−Leu(W−Y−L)でもよい;
長さは、典型的には、10〜17アミノ酸残基である。
CDR−L2アミノ酸配列を特定するためには、
常にCDR−L1の末端から16番目の残基から出発する;
CDR−L2配列の前の残基は、一般に、Ile−Tyr(I−Y)であるが、Val−Tyr(V−Y)、Ile−Lys(I−K)、及びIle−Phe(I−F)でもよい;
長さは、常に7アミノ酸残基である。
CDR−L3アミノ酸配列を特定するためには、
常にCDR−L2の末端から33番目のアミノ酸から出発する;
CDR−L3アミノ酸配列の前の残基は常にシステイン(C)である;
CDR−L3配列の後の残基は常にPhe−Gly−X−Gly(F−G−X−G)(配列番号7)であり、式中、Xは任意のアミノ酸である;
長さは、典型的には、7〜11アミノ酸残基である。
CDR−H1アミノ酸配列を特定するためには、
VH領域のアミノ酸末端から約31番目のアミノ酸残基で、常にシステイン(C)から9番目の残基から出発する;
CDR−H1配列の前の残基は常にCys−X−X−X−X−X−X−X−X(配列番号10)であり、式中、Xは任意のアミノ酸である;
CDR−H1配列の後の残基は常にTrp(W)、典型的には、Trp−Val(W−V)であるが、Trp−Ile(W−I)及びTrp−Ala(W−A)でもよい;
長さは、典型的には、5〜7アミノ酸残基である。
CDR−H2アミノ酸配列を特定するためには、
常にCDR−H1の末端から15番目のアミノ酸残基から出発する;
CDR−H2配列の前の残基は、典型的には、Leu−Glu−Trp−Ile−Gly(L−E−W−I−G)(配列番号8)であるが、他の変形でもよい;
CDR−H2配列の後の残基は、Lys/Arg−Leu/Ile/Val/Phe/Thr/Ala−Thr/Ser/Ile/Ala(K/R−L/I/V/F/T/A−T/S/I/A)である;
長さは、典型的には、16〜19アミノ酸残基である。
CDR−H3アミノ酸配列を特定するためには、
常にCDR−H2の末端から33番目のアミノ酸残基で、常にシステイン(C)’から3番目から出発する
CDR−H3配列の前の残基は常にCys−X−X(C−X−X)であり、式中、Xは任意のアミノ酸であり、典型的には、Cys−Ala−Arg(C−A−R)である;
CDR−H3配列の後の残基は常にTrp−Gly−X−Gly(W−G−X−G)(配列番号9)であり、式中、Xは任意のアミノ酸である;
長さは、典型的には、3〜25アミノ酸残基である。
CDR−L1アミノ酸配列を特定するためには、
VL領域のアミノ酸末端から約24番目のアミノ酸残基から出発する;
CDR−L1配列の前の残基は常にシステイン(C)である;
CDR−L1配列の後の残基は常にトリプトファン(W)残基、典型的には、Trp−Tyr−Gln(W−Y−Q)であるが、Trp−Leu−Gln(W−L−Q)、Trp−Phe−Gln(W−F−Q)、及びTrp−Tyr−Leu(W−Y−L)でもよい;
長さは、典型的には、10〜17アミノ酸残基である。
CDR−L2アミノ酸配列を特定するためには、
常にCDR−L1の末端から16番目の残基から出発する;
CDR−L2配列の前の残基は、一般に、Ile−Tyr(I−Y)であるが、Val−Tyr(V−Y)、Ile−Lys(I−K)、及びIle−Phe(I−F)でもよい;
長さは、常に7アミノ酸残基である。
CDR−L3アミノ酸配列を特定するためには、
常にCDR−L2の末端から33番目のアミノ酸から出発する;
CDR−L3アミノ酸配列の前の残基は常にシステイン(C)である;
CDR−L3配列の後の残基は常にPhe−Gly−X−Gly(F−G−X−G)(配列番号7)であり、式中、Xは任意のアミノ酸である;
長さは、典型的には、7〜11アミノ酸残基である。
CDR−H1アミノ酸配列を特定するためには、
VH領域のアミノ酸末端から約31番目のアミノ酸残基で、常にシステイン(C)から9番目の残基から出発する;
CDR−H1配列の前の残基は常にCys−X−X−X−X−X−X−X−X(配列番号10)であり、式中、Xは任意のアミノ酸である;
CDR−H1配列の後の残基は常にTrp(W)、典型的には、Trp−Val(W−V)であるが、Trp−Ile(W−I)及びTrp−Ala(W−A)でもよい;
長さは、典型的には、5〜7アミノ酸残基である。
CDR−H2アミノ酸配列を特定するためには、
常にCDR−H1の末端から15番目のアミノ酸残基から出発する;
CDR−H2配列の前の残基は、典型的には、Leu−Glu−Trp−Ile−Gly(L−E−W−I−G)(配列番号8)であるが、他の変形でもよい;
CDR−H2配列の後の残基は、Lys/Arg−Leu/Ile/Val/Phe/Thr/Ala−Thr/Ser/Ile/Ala(K/R−L/I/V/F/T/A−T/S/I/A)である;
長さは、典型的には、16〜19アミノ酸残基である。
CDR−H3アミノ酸配列を特定するためには、
常にCDR−H2の末端から33番目のアミノ酸残基で、常にシステイン(C)’から3番目から出発する
CDR−H3配列の前の残基は常にCys−X−X(C−X−X)であり、式中、Xは任意のアミノ酸であり、典型的には、Cys−Ala−Arg(C−A−R)である;
CDR−H3配列の後の残基は常にTrp−Gly−X−Gly(W−G−X−G)(配列番号9)であり、式中、Xは任意のアミノ酸である;
長さは、典型的には、3〜25アミノ酸残基である。
本明細書で使用される「受容体」及び「受容体抗体」という用語は、フレームワーク領域の1つ以上のアミノ酸配列の少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または100%を提供またはコードする抗体または核酸配列を指す。いくつかの実施形態において、「受容体」という用語は、定常領域(複数を含む)を提供またはコードする抗体アミノ酸または核酸配列を指す。さらに別の実施形態において、「受容体」という用語は、フレームワーク領域及び定常領域(複数を含む)の1つ以上を提供またはコードする抗体アミノ酸または核酸配列を指す。特定の実施形態において、「受容体」という用語は、フレームワーク領域の1つ以上のアミノ酸配列の少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または100%を提供またはコードするヒト抗体アミノ酸または核酸配列を指す。この実施形態によると、受容体は、ヒト抗体の1つ以上の特定の位置で生じない少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも10のアミノ酸残基を含み得る。受容体フレームワーク領域及び/または受容体定常領域(複数を含む)は、例えば、生殖細胞系列抗体遺伝子、成熟抗体遺伝子、機能的抗体(例えば、当該技術分野で周知の抗体、開発中の抗体、または市販の抗体)に由来する、またはそれらから得られ得る。
本明細書で使用される「カノニカル」という用語は、Chothia et al.(1987)J.Mol.Biol.196:901−917及びChothia et al.(1992)J.Mol.Biol.227:799−817)により定義されているように、特定のカノニカルCDR構造を定義するCDRまたはフレームワークにおける残基を指す。Chothiaらによると、多くの抗体のCDRの必須部分は、アミノ酸配列レベルでの大きな多様性にも関わらず、ほぼ同一のペプチド骨格の確認を有する。各カノニカル構造は、ループを形成するアミノ酸残基の連続セグメントについて主に1組のペプチド骨格ねじれ角を特定する。
本明細書で使用される「ドナー」及び「ドナー抗体」という用語は、1つ以上のCDRを提供する抗体を指す。一実施形態において、ドナー抗体は、フレームワーク領域が得られるまたはそれに由来する抗体とは異なる種からの抗体である。ヒト化抗体に関連して、「ドナー抗体」という用語は、1つ以上のCDRを提供する非ヒト抗体を指す。
本明細書で使用される「フレームワーク」または「フレームワーク配列」という用語は、可変領域からCDRを除いた残りの配列を指す。CDR配列の厳密な定義は異なるシステムにより決定することができるため、フレームワーク配列の意味は、それに対応して異なる解釈がなされる。6つのCDR(軽鎖のCDR−L1、−L2、及び−L3ならびに重鎖のCDR−H1、−H2、及び−H3)はまた、軽鎖及び重鎖のフレームワーク領域を各鎖で4つのサブ領域(FR1、FR2、FR3、及びFR4)に分割し、CDR1は、FR1とFR2の間、CDR2は、FR2とR3の間、CDR3は、FR3及びFR4の間に位置する。特定のサブ領域をFR1、FR2、FR3、またはFR4と特定することなく、他のものにより言及されるフレームワーク領域は、単一の天然に存在する免疫グロブリン鎖内に組み合わされたFRを表す。本明細書で使用されるFRは、4つのサブ領域のうちの1つを表し、FRは、フレームワーク領域を構成する4つのサブ領域のうちの2つ以上を表す。
本明細書で使用される「生殖細胞系列抗体遺伝子」または「遺伝子断片」という用語は、特定の免疫グロブリンの発現のために遺伝子再構成及び突然変異を誘導する成熟プロセスを受けていない非リンパ細胞によりコードされる免疫グロブリン配列を指す。(例えば、Shapiro et al.,Crit.Rev.Immunol.,22(3):183−200(2002)、Marchalonis et al.,Adv.Exp.Med.Biol.,484:13−30(2001)を参照のこと)。本発明の様々な実施形態により提供される利点の1つは、生殖細胞系列抗体遺伝子が成熟抗体遺伝子よりも種における個体に特徴的な必須アミノ酸配列構造を保存する傾向が強く、したがって、その種で治療に使用した場合に外来源に由来すると見なしにくいという認識から生じる。
本明細書で使用される「キー」残基という用語は、抗体、特にヒト化抗体の結合特異性及び/または親和性に強く影響する可変領域内のある特定の残基を指す。キー残基としては、CDRに隣接する残基、潜在的グリコシル化部位(N−グリコシル化部位またはO−グリコシル化部位のいずれかであり得る)、希少残基、抗原と相互作用することが可能な残基、カノニカル残基、重鎖可変領域と軽鎖可変領域の間の接触残基、バーニアゾーン内の残基、及びChothia定義の可変重鎖CDR1とKabat定義の第1の重鎖フレームワークの間で重複する領域における残基のうちの1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない。
「ヒト化抗体」という用語は、非ヒト種(例えば、マウス)からの重及び軽鎖可変領域を含むが、VH及び/またはVL配列の少なくとも一部がさらに「ヒト様」になる、すなわち、ヒト生殖細胞系列可変配列にさらに類似するように改変された抗体を指す。ヒト化抗体の一例は、対応する非ヒトCDR配列に置換えるように非ヒトCDR配列を非ヒトVH及びVL配列に導入するCDR移植抗体である。また、「ヒト化抗体」は、対象となる抗原と免疫特異的に結合し、かつ実質的にヒト抗体のアミノ酸配列を持つフレームワーク(FR)領域と、実質的に非ヒト抗体のアミノ酸配列を持つ相補性決定領域(CDR)を含む、抗体またはその変異体、誘導体、類似体、もしくは断片である。本明細書で使用される、CDRに関連して「実質的に」という用語は、非ヒト抗体CDRのアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を有するCDRを指す。ヒト化抗体は、CDR領域のすべてまたは実質的にすべてが非ヒト免疫グロブリン(すなわち、ドナー抗体)のCDR領域に対応し、フレームワーク領域のすべてまたは実質的にすべてがヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のフレームワーク領域である少なくとも1つ、典型的には、2つの可変領域(Fab、Fab’、F(ab’)2、FabC、Fv)の実質的にすべてを含む。一実施形態において、ヒト化抗体はまた、免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的には、ヒト免疫グロブリンの少なくとも一部も含む。いくつかの実施形態において、ヒト化抗体は、軽鎖及び重鎖の両方の少なくとも可変領域を含む。抗体はまた、重鎖のCH1、ヒンジ、CH2、CH3、及びCH4領域も含み得る。いくつかの実施形態において、ヒト化抗体は、ヒト化軽鎖のみを含有する。いくつかの実施形態において、ヒト化抗体は、ヒト化重鎖のみを含有する。特定の実施形態において、ヒト化抗体は、軽鎖のヒト化可変ドメイン及び/またはヒト化重鎖のみを含有する。
ヒト化抗体は、IgM、IgG、IgD、IgA、及びIgEを含む任意のクラスの免疫グロブリン、ならびにIgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4を含むが、これらに限定されない任意のアイソタイプから選択され得る。ヒト化抗体は、2つ以上のクラスまたはアイソタイプからの配列を含み得、特定の定常ドメインは、当該技術分野で周知の技術を使用して、所望のエフェクター機能を最適化するように選択され得る。
ヒト化抗体のフレームワーク及びCDR領域は、親配列に厳密に対応する必要はなく、例えば、その部位のCDRまたはフレームワーク残基がドナー抗体またはコンセンサスフレームワークのいずれにも対応しないように少なくとも1つのアミノ酸残基の置換、挿入、及び/または欠失によりドナー抗体CDRまたはコンセンサスフレームワークを突然変異誘発してもよい。しかしながら、例示的な実施形態において、そのような突然変異は、広範にならない。通常では、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、及び最も好ましくは少なくとも95%のヒト化抗体残基が親FR及びCDR配列のヒト化抗体残基に対応する。本明細書で使用される「コンセンサスフレームワーク」という用語は、コンセンサス免疫グロブリン配列中のフレームワーク領域を指す。本明細書で使用される「コンセンサス免疫グロブリン配列」という用語は、関連免疫グロブリン配列のファミリーにおいて最も高い頻度で生じるアミノ酸(またはヌクレオチド)から形成される配列を指す(例えば、Winnaker,From Genes to Clones(Verlagsgesellschaft,Weinheim,Germany 1987)を参照のこと)。免疫グロブリン配列のファミリーにおいて、コンセンサス配列における各位置は、このファミリーでこの位置に最も高い頻度で生じるアミノ酸により占有される。2つのアミノ酸が同等の頻度で生じる場合、どちらでもコンセンサス配列中に含むことができる。
DVD−Igまたは他の結合タンパク質分子を構築することに関して、「リンカー」は、ペプチド結合により結合した2つ以上のアミノ酸残基を含む単一のアミノ酸またはポリペプチド(「リンカーポリペプチド」)を表すために使用され、1つ以上の抗原結合部分を連結させるために使用される。そのようなリンカーポリペプチドは、当該技術分野で周知である(例えば、Holliger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:6444−6448(1993)、Poljak,R.J.,Structure,2:1121−1123(1994)を参照のこと)。例示的なリンカーとしては、GGGGSG(配列番号11)、GGSGG(配列番号12)、GGGGSGGGGS(配列番号13)、GGSGGGGSG(配列番号14)、GGSGGGGSGS(配列番号15)、GGSGGGGSGGGGS(配列番号16)、GGGGSGGGGSGGGG(配列番号17)、GGGGSGGGGSGGGGS(配列番号18)、ASTKGP(配列番号19)、ASTKGPSVFPLAP(配列番号20)、TVAAP(配列番号21)、RTVAAP(配列番号22)、TVAAPSVFIFPP(配列番号23)、RTVAAPSVFIFPP(配列番号24)、AKTTPKLEEGEFSEAR(配列番号25)、AKTTPKLEEGEFSEARV(配列番号26)、AKTTPKLGG(配列番号27)、SAKTTPKLGG(配列番号28)、SAKTTP(配列番号29)、RADAAP(配列番号30)、RADAAPTVS(配列番号31)、RADAAAAGGPGS(配列番号32)、RADAAAAGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号33)、SAKTTPKLEEGEFSEARV(配列番号34)、ADAAP(配列番号35)、ADAAPTVSIFPP(配列番号36)、QPKAAP(配列番号37)、QPKAAPSVTLFPP(配列番号38)、AKTTPP(配列番号39)、AKTTPPSVTPLAP(配列番号40)、AKTTAP(配列番号41)、AKTTAPSVYPLAP(配列番号42)、GENKVEYAPALMALS(配列番号43)、GPAKELTPLKEAKVS(配列番号44)、及びGHEAAAVMQVQYPAS(配列番号45)が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「バーニア」ゾーンという用語は、Foote and Winter,J.Mol.Biol.,224:487−499(1992)、これは参照により本明細書に組み込まれる)により記載されるように、CDR構造を調整することができ、抗原に合わせて微調整することができるフレームワーク残基のサブセットを指す。バーニアゾーン残基は、CDRの基層を形成し、CDRの構造及び抗体の親和性に影響を与える場合がある。
本明細書で使用される「中和」という用語は、結合タンパク質が抗原と特異的に結合する場合、抗原(例えば、サイトカインIL−1α及びIL−1β)の生物学的活性の中和を指す。好ましくは、本明細書に記載される中和結合タンパク質は、hIL−1βの生物学的活性の阻害をもたらすhIL−1βと結合する。好ましくは、中和結合タンパク質は、hIL−1βと結合し、hIL−1βの生物学的活性を少なくとも約20%、40%、60%、80%、85%、またはそれ以上低減する。中和結合タンパク質によるhIL−1βの生物学的活性の阻害は、当該技術分野で周知のhIL−1βの生物学的活性の1つ以上の指標を測定することにより評価することができる。例えば、HS27細胞中のIL−1βの誘発によるヒトIL−6分泌の阻害。
「活性」という用語は、抗原に対する抗体の結合特異性/親和性等の活性を含む。例えば、IL−1β抗原と結合する抗hIL−1β抗体及び/または抗体の中和能力、例えば、hIL−1βへの抗−IL−1β抗体の結合がhIL−1βの生物学的活性を阻害する、例えば、HS27細胞中のIL−1βの誘発によるヒトIL−6分泌の阻害等の活性を含む。
「エピトープ」という用語は、免疫グロブリンまたはT細胞受容体と特異的に結合することができる任意のポリペプチド決定基を含む。ある特定の実施形態において、エピトープ決定基は、アミノ酸、糖側鎖、ホスホリル、またはスルホニル等の化学的に活性な表面分子群を含み、ある特定の実施形態において、特定の三次元構造特徴及び/または特定の電荷特徴を有し得る。エピトープは、抗体と結合する抗原の一領域である。ある特定の実施形態において、抗体は、タンパク質及び/または巨大分子の複雑な混合物中で、その標的抗原を優先的に認識する場合に、抗原と特異的に結合すると考えられている。抗体が交差競合する(一方が他方の結合または変調作用を妨害する)場合、抗体は、「同じエピトープと結合する」と考えられている。さらに、エピトープの構造定義(重複、類似、同一)は有益であるが、機能上の定義は、構造上(結合)及び機能上(調節、競合)のパラメータを含むため、より適切であることが多い。
本明細書で使用される、「表面プラズモン共鳴」という用語は、例えば、BIAcoreシステム(Pharmacia Biosensor AB,Uppsala,Sweden及びPiscataway,New Jersey)を用いて、バイオセンサーマトリクス内のタンパク質濃度の変化の検出によりリアルタイムな生体特異的相互作用の分析を可能とする光学現象を指す。さらなる記載については、Jonsson et al.,Ann.Biol.Clin.,51:19−26(1993)、Jonsson et al.,BioTechniques,11:620−627(1991)、Johnsson et al.,J.Mol.Recognit.,8:125−131(1995)、及びJohnsson et al.,Anal.Biochem.,198:268−277(1991)を参照のこと。
本明細書で使用される、「Kon」(また、「Kon」、「kon」)という用語は、当該技術分野で公知であるように、結合タンパク質(例えば、抗体)が抗原と会合して、会合複合体、例えば、抗体/抗原複合体を形成するオン速度定数を指すことを目的とする。「Kon」はまた、本明細書で交換可能に使用されるように、「会合速度定数」または「ka」で知られている。この値は、
抗体(「Ab」)+抗原(「Ag」)→Ab−Ag、の式により示されるように、その標的抗原への抗体の結合速度、または抗体と抗原との間の複合体形成の速度を示す。
抗体(「Ab」)+抗原(「Ag」)→Ab−Ag、の式により示されるように、その標的抗原への抗体の結合速度、または抗体と抗原との間の複合体形成の速度を示す。
本明細書で使用される、「Koff」(また、「Koff」、「koff」)という用語は、当該技術分野で公知であるように、会合複合体(例えば、抗体/抗原複合体)からの結合タンパク質(例えば、抗体)の解離におけるオフ速度定数または「解離速度定数」を指すことを目的とする。この値は、
Ab+Ag←Ab−Ag、の式により示されるように、その標的抗原からの抗体の解離速度、または経時的に遊離抗体及び抗原へのAb−Agの分離速度を示す。
Ab+Ag←Ab−Ag、の式により示されるように、その標的抗原からの抗体の解離速度、または経時的に遊離抗体及び抗原へのAb−Agの分離速度を示す。
本明細書で使用される、「KD」(または、「Kd」)という用語は、「平衡解離定数」を指すことを目的とし、平衡状態で滴定測定において、または解離速度定数(Koff)を会合速度定数(Kon)で割ることにより得られた値を指す。会合速度定数(Kon)、解離速度定数(Koff)、及び平衡解離定数(Kは、抗原に対する抗体の結合親和性を表すために使用される。会合及び解離速度定数を決定するための方法は、当該技術分野で周知である。蛍光を基礎とする技術の使用は、高感度、及び平衡状態で生理学的緩衝液中の試料を調べる能力を提供する。BIAcore(登録商標)(生体分子相互作用分析)アッセイ等の他の実験的アプローチ及び機器を使用することができる(例えば、BIAcore International AB,GE Healthcare company,Uppsala,Swedenから入手可能な機器)。さらに、Sapidyne Instruments(Boise,Idaho)から入手可能なKinExA(登録商標)(動態排除アッセイ)アッセイも使用することができる。
「AUC」または「曲線下面積」という用語は、クリアランスに関連する。より高いクリアランス率は、より小さいAUCと関連し、より低いクリアランス率は、より大きいAUC値と関連している。AUCのより高い値は、より低いクリアランス率を表す。
本明細書で使用される「分布容量」という用語は、投与後の血漿と身体の残部との間での薬物、例えば、抗−IL−Ια/β二重可変ドメイン免疫グロブリンまたはその抗原結合部分の分布を定量化するために使用される用語である。分布容量は、薬物の総量が薬物の所望の血液濃度を生成するように均一に分布される必要があり得る理論的な容量である。
本明細書で使用される(T1/2)の「半減期」という用語は、対象によって排出されるべき薬物の投与量の半分にかかる時間を定量化するために使用される用語である。
本明細書で使用される「Cmax」という用語は、その投与後に対象において観察される薬剤の最高またはピークの血清中または血漿濃度を定量化するために使用される用語である。
本明細書で使用される「バイオアベイラビリティ」または「F」という用語は、既定の投薬形態の投与後、吸収され、体循環に入る投与量の割合またはパーセントを指す。2013年5月30日に公開された国際公開第2013078135号を参照されたく、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
「標的」及び「検出可能な標識」という用語は、例えば、抗体及び分析物等の特異的結合対のメンバー間の反応を検出可能なものにするために、抗体または分析物等の特定の結合パートナーに結合させた部分を意味する。そのように標識された、特定の結合パートナー、例えば、抗体または分析物は、「検出可能に標識されている」と称される。したがって、本明細書で使用される、「標識された結合タンパク質」という用語は、結合タンパク質の特定を与える標識が組み込まれたタンパク質を指す。一実施形態において、標識は、可視または計測手段により検出可能なシグナルを生成することができる検出可能なマーカーであり、例えば、放射性標識アミノ酸の取り込み、または印を付けたアビジンまたはストレプトアビジン(例えば、光学的方法または比色法により検出され得る、蛍光マーカーまたは酵素活性を含有するストレプトアビジン)により検出することができるビオチニル部分のポリペプチドへの付着である。ポリペプチドにおける標識の例としては、放射性同位体または放射性核種(例えば、3H、 14C、 35S、90Y、99Tc、111In、125I、131I、177Lu、166Ho、または153Sm)、色原体、蛍光標識(例えば、FITC、ローダミン、ランタニドリン光体)、酵素標識(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ)、化学発光マーカー、ビオチニル基、二次レポーターにより認識される所定のポリペプチドエピトープ(例えば、ロイシンジッパー対配列、二次抗体に対する結合部位、金属結合ドメイン、エピトープタグ)、及び磁気作用物質(例えば、ガドリニウムキレート)が挙げられるが、これらに限定されない。イムノアッセイに一般に使用される標的の代表的な例には、光を生じる部分、例えば、アクリジニウム化合物、及び蛍光を生じる部分、例えば、フルオレセインが含まれる。他の標識は、本明細書に記載される。この関連で、部分自体が検出可能に標識され得るが、さらに別の部分との反応後に検出可能にされ得る。「検出可能に標識される」という用語の使用は、後者のタイプの検出可能な標識を包含することを目的とする。
「IL−1α結合タンパク質コンジュゲート」という用語は、治療剤または細胞傷害性薬剤等の第2の化学部分に化学的に連結した本明細書に記載されるIL−1α結合タンパク質を指す。
「IL−1β結合タンパク質コンジュゲート」という用語は、治療剤または細胞傷害性薬剤等の第2の化学部分に化学的に連結した本明細書に記載されるIL−1β結合タンパク質を指す。「薬剤」という用語は、化学的化合物、化学的化合物の混合物、生物学的高分子、または生物学的材料から作製された抽出物を示すために本明細書で使用される。好ましくは、治療剤または細胞傷害性剤としては、百日咳毒素、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1−デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、及びピューロマイシン、ならびにその類似体または相同体が挙げられるが、これらに限定されない。イムノアッセイとの関連において用いられる場合、IL−1β結合タンパク質コンジュゲートは、検出抗体として使用される検出可能に標識された抗体であってよい。
本明細書で使用される、「結晶」及び「結晶化された」という用語は、結晶の形態で存在する結合タンパク質(例えば、抗体)、またはその抗原結合部分を指す。結晶は、物質の固体状態の一形態であり、これは、非晶質の固体状態または液体の結晶状態等の他の形態とは異なる。結晶は、原子、イオン、分子(例えば、抗体等のタンパク質)、または分子集合体(例えば、抗原/抗体複合体)の規則的な反復する三次元配列から構成される。これらの三次元配列は、本分野においてよく理解されている特異的な数学的関係に従って整列されている。結晶中で反復されている基礎的単位または構築ブロックは、非対称単位と呼ばれる。所定の明確な結晶的対称性に一致する配置での非対称単位の反復は、結晶の「単位格子」を与える。すべての三次元中での規則的な転換による単位格子の反復は、結晶を与える。Giege et al.,Chapter 1,In Crystallization of Nucleic Acids and Proteins,a Practical Approach,2nd ed.,(Ducruix and Giege,eds.)(Oxford University Press,New York,1999)pp.1−16を参照のこと。
「ポリヌクレオチド」という用語は、リボヌクレオチドもしくはデオキシヌクレオチドのいずれか、またはこれらのいずれの型のヌクレオチドの修飾物である2つ以上のヌクレオチドのポリマー形態を意味する。この用語には、一本鎖及び二本鎖の形態のDNAが含まれる。
「単離ポリヌクレオチド」という用語は、その起源によって、「単離ポリヌクレオチド」が自然界で見出されるポリヌクレオチドの全部または一部と会合していない、自然界で連結していないポリヌクレオチドと機能的に連結している、またはより長い配列の一部として自然界に存在しない、ポリヌクレオチド(例えば、ゲノム、cDNA、または合成起源、またはそのいくつかの組み合わせ)を意味するものとする。
本明細書で使用される、「ベクター」という用語は、それが連結される別の核酸を伝播することができる核酸分子を指すことを目的とする。ベクターの1つの種類は、「プラスミド」であり、これは、その中にさらなるDNAセグメントを連結し得る環状二本鎖DNAループを指す。ベクターの別の種類は、ウイルスベクターであり、さらなるDNAセグメントは、ウイルスゲノム中に連結され得る。あるベクターは、それらが導入される宿主細胞中で自己複製を行うことができる(例えば、細菌の複製起点を有する細菌ベクター及びエピソーム哺乳動物ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム哺乳動物ベクター)は、宿主細胞中に導入されて、宿主細胞のゲノムに組み込まれることが可能であり、それにより、宿主ゲノムと共に複製される。さらに、あるベクターは、それらが作動可能に連結される遺伝子の発現を指向することができる。そのようなベクターは、本明細書では、「組換え発現ベクター」(または単に「発現ベクター」)と称される。一般に、組換えDNA技術において有用性のある発現ベクターは、しばしば、プラスミドの形態である。本明細書中では、プラスミドが最も一般的に使用されるベクターの形態であるため、「プラスミド」及び「ベクター」は、交換可能に使用され得る。しかしながら、本発明は、等価な機能を果たすそのような他の発現ベクターの形態、例えばウイルスベクター(例えば、複製欠損レトロウイルス、アデノウイルス、及びアデノ随伴ウイルス等)が含まれることが意図される。
「作動可能に連結された」という用語は、記載される成分がその目的通りに機能できる関係にある並置を指す。コード配列に「作動可能に連結された」制御配列は、コード配列の発現が制御配列に適合する条件下で達成されるような方法でライゲーションされている。「作動可能に連結された」配列は、対象となる遺伝子と近接する発現制御配列、及びトランスにおいて、または対象となる遺伝子を制御する距離で作用する発現制御配列の両方を含む。本明細書で使用される「発現制御配列」という用語は、それらがライゲーションするコード配列の発現及びプロセッシングに影響するために必要なポリヌクレオチド配列を指す。発現制御配列は、適切な転写開始、終結、プロモーター、及びエンハンサー配列、スプライシング及びポリアデニル化シグナル等の効率的なRNAプロセッシングシグナル、細胞質mRNAを安定化する配列;翻訳効率を高める配列(すなわち、Kozakコンセンサス配列)、タンパク質安定性を高める配列、ならびに所望される場合、タンパク質分泌を高める配列を含む。そのような制御配列の性質は、宿主の生物体に応じて異なり、原核生物において、そのような制御配列は、一般的にプロモーター、リボソーム結合部位、及び転写終結配列を含み、真核生物において、そのような制御配列は、一般的にプロモーター及び転写終結配列を含む。「制御配列」という用語は、その存在が発現及びプロセッシングに不可欠である構成成分を含むものとされ、例えば、リーダー配列及び融合パートナー配列等、その存在が有利であるさらなる構成成分も含むことができる。
本明細書で定義される「形質転換」は、それによって外来のDNAが宿主細胞に入るあらゆるプロセスを指す。形質転換は、当該技術分野で周知の様々な方法を用いて、天然または人工的な条件下で生じ得る。形質転換は、外来の核酸配列の、原核生物または真核生物の宿主細胞中への挿入のためのあらゆる知られている方法によるものでよい。方法は、形質転換される宿主細胞に基づいて選択され、ウイルス感染、電気穿孔、リポフェクション、及び微粒子銃を含むことができるが、これらに限定されない。そのような「形質転換された」細胞は、挿入されたDNAが自己複製するプラスミドとして、または宿主の染色体の一部としてのいずれかで複製することができる、安定に形質転換された細胞を含む。それらはまた、限られた期間、挿入されたDNAまたはRNAを一時的に発現する細胞も含む。
「組換え宿主細胞」(または単に「宿主細胞」)という用語は、その中に外来のDNAが導入されている細胞を指すものとする。一実施形態において、宿主細胞は、例えば、米国特許第7,262,028号に記載される宿主細胞等の2つ以上の(例えば、複数の)核酸コード抗体を含む。そのような用語は、特定の対象細胞だけでなく、そのような細胞の子孫も指すものとする。ある種の修飾は、変異または環境の影響のいずれかのせいで後世において生じることがあるので、そのような子孫は、実際、親細胞と同じではないかもしれないが、本明細書で使用される「宿主細胞」という用語の範囲内に依然として含まれる。一実施形態において、宿主細胞は、生命のあらゆる界から選択される原核細胞及び真核細胞を含む。別の実施形態において、真核細胞は、原生生物、真菌、植物、及び動物細胞を含む。別の実施形態において、宿主細胞としては、原核細胞系大腸菌;哺乳動物細胞系CHO、HEK293、COS、NS0、SP2、及びPER.C6、昆虫細胞系Sf9、ならびに真菌細胞サッカロミセス・セレビシアエが挙げられるが、これらに限定されない。
標準的な技術が、組換えDNA、オリゴヌクレオチド合成、ならびに組織の培養及び形質転換(例えば、電気穿孔、リポフェクション)に用いられてよい。酵素反応及び精製の技術は、製造業者の仕様書に従って、または当該技術分野において一般的に行われるように、もしくは本明細書に記載されるように行われてよい。前述の技術及び手順は、一般に、当該技術分野で周知の慣用方法に従って、本明細書全体にわたって引用及び論じられている様々な一般的及びより具体的な参考文献に記載されているように行われてもよい。例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd ed.(Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,1989)を参照のこと。
当該技術分野において知られているように、「トランスジェニック生物体」は、トランス遺伝子を含む細胞を有する生物体を指し、生物体(または、生物体の先祖)中に導入されるトランス遺伝子は、生物体において天然に発現されないポリペプチドを発現する。「トランス遺伝子」は、それからトランスジェニック生物体が発生し、トランスジェニック生物体の1つ以上の細胞型または組織においてコードされた遺伝子産物の発現を指示する、細胞のゲノム中に安定的かつ作動可能に組み込まれるDNA構築物である。
「調節する」及び「変調する」という用語は、交換可能に使用され、本明細書で使用される場合、対象となる分子の活性(例えば、ヒトIL−1αまたはヒトIL−1βの生物学的活性)の変化または変更を指す。変調は、対象となる分子のある活性または機能の大きさにおける増大または減少であり得る。分子の例示的な活性及び機能としては、結合特性、酵素活性、細胞受容体の活性化、及びシグナル変換が挙げられるが、これらに限定されない。
同様に、本明細書で使用される「モジュレーター」という用語は、対象となる分子の活性または機能(例えば、hIL−1βの生物学的活性)を変化または変更することができる化合物である。例えば、モジュレーターは、モジュレーターの不在下で観察される活性または機能の大きさと比較して、分子のある活性または機能の大きさにおける増大または減少を引き起こすことができる。ある特定の実施形態において、モジュレーターは、分子の少なくとも1つの活性または機能の大きさを減少させる阻害剤である。例示的な阻害剤としては、タンパク質、ペプチド、抗体、ペプチボディ、炭水化物、または有機小分子が挙げられるが、これらに限定されない。ペプチボディは、例えば、PCT公開第01/83525号に記載されている。
本明細書で使用される「アゴニスト」という用語は、対象となる分子と接触させた場合、アゴニストの不在下で観察される活性または機能の大きさと比較して、分子のある活性または機能の大きさにおける増大を引き起こすモジュレーターを指す。対象となる特定のアゴニストとしては、IL−1βポリペプチド、核酸、炭水化物、またはhIL−1βと結合する任意の他の分子が含まれ得るが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「アンタゴニスト」及び「阻害剤」という用語は、対象となる分子と接触させた場合、アンタゴニストの不在下で観察される活性または機能の大きさと比較して、分子のある活性または機能の大きさにおける減少を引き起こすモジュレーターを指す。対象となる特定のアンタゴニストには、ヒトIL−1βの生物学的または免疫学的活性を阻害または変調させるものが含まれる。ヒトIL−1βのアンタゴニスト及び阻害剤としては、タンパク質、核酸、炭水化物、またはヒトIL−1βと結合する任意の他の分子が含まれ得るが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「有効量」という用語は、障害または1つ以上のその症候の重症度及び/または期間を低減または改善し、障害の前進を阻止し、障害の退行をもたらし、障害に伴う1つ以上の症候の再発、発症、開始、もしくは進行を予防し、障害を検出し、または別の治療剤(例えば、予防または治療薬剤)の予防効果または治療効果(複数を含む)を増強もしくは改善するのに十分である治療剤の量を指す。
「患者」及び「対象」は、例えば、霊長類(例えば、ヒト、サル、及びチンパンジー)、非霊長類(例えば、ウシ、ブタ、ラクダ、ラマ、ウマ、ヤギ、ウサギ、ヒツジ、ハムスター、モルモット、ネコ、イヌ、ネズミ、マウス、クジラ)を含む哺乳動物、鳥類(例えば、カモまたはガチョウ)、ならびにサメのような、動物を指すために本明細書で交換可能に使用され得る。好ましくは、患者または対象は、ヒト、例えば、疾患、障害、もしくは状態のために治療または評価されるべきヒト、疾患、障害、もしくは状態の恐れのあるヒト、疾患、障害、もしくは状態を有するヒト、及び/または疾患、障害、もしくは状態を治療されるべきヒトである。
本明細書で使用される「試料」という用語は、その最も広い意味において用いられる。本明細書で使用される「生物学的試料」としては、生存するものまたは以前に生存したものからのあらゆる量の物質が含まれるが、これらに限定されない。そのような生存するものとしては、ヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、サル、イヌ、ウサギ、及び他の動物が含まれるが、これらに限定されない。そのような物質には、血液(例えば、全血)、血漿、血清、尿、羊水、滑液、内皮細胞、白血球、単球、他の細胞、臓器、組織、骨髄、リンパ節、及び脾臓が含まれるが、これらに限定されない。
「成分(複数を含む)」及び「少なくとも1つの成分」は、一般に、捕捉抗体、検出もしくはコンジュゲート抗体、対照、キャリブレータ、一連のキャリブレータ、感受性パネル、容器、緩衝液、希釈剤、塩、酵素、酵素の補因子、検出試薬、前処理試薬/溶液、基質(例えば、溶液として)、停止液、ならびに本明細書に記載される方法及び当該技術分野で公知の他の方法に従って、試験試料、例えば、患者の尿、血清、または血漿試料等のアッセイ用キットに含まれ得るものを指す。したがって、本開示に関連して、「少なくとも1つの成分」及び「成分(複数を含む)」は、例えば、抗分析物(例えば、抗ポリペプチド)抗体に結合することにより、固体支持体上に任意に固定されている、ポリペプチド等の分析物を含む組成物等の、上記のポリペプチドまたは他の分析物を含むことができる。いくつかの成分は、溶液中にあり得るか、またはアッセイにおける使用として再構成するために凍結乾燥され得る。
「対照」は、分析物を含まない(「陰性対照」)または分析物を含む(「陽性対照」)ことが知られている組成物を指す。陽性対照は、既知の濃度の分析物を含み得る。「対照」、「陽性対照」、及び「較正物質」は、既知の濃度の分析物を含む組成物を指すために本明細書において交換可能に使用され得る。「陽性対照」は、アッセイの性能特性を確立するために使用することが可能であり、試薬(例えば、分析物)の完全性の有用な指標である。
「所定のカットオフ」及び「所定のレべル」は、所定のカットオフ/レベルに対してアッセイの結果を比較することにより診断/予後診断/治療的効力の結果を評価するために使用されるアッセイのカットオフ値を一般に指し、所定のカットオフは、様々な臨床的パラメータ(例えば、疾患の重症度、進行/非進行/改善等)にすでに連結されているか、または関連している。本開示は、例示的な所定のレベルを提供し得るが、カットオフ値はイムノアッセイの性質(例えば、使用される抗体等)に応じて異なり得ることが周知である。さらに、本明細書における開示を他のイムノアッセイに適合させて、本開示を基礎とする他のイムノアッセイについてのイムノアッセイ特異的なカットオフ値を得ることは、当業者の通常の技術の範囲内に十分にある。所定のカットオフ/レベルの正確な値は、アッセイ間で異なり得るが、(もしあれば)本明細書に記載される相関は一般に適用可能であるはずである。
本明細書に記載される診断アッセイにおいて使用される「前処理試薬」、例えば、溶解、沈殿、及び/または可溶化試薬は、任意の細胞を溶解するもの及び/または試験試料中に存在する任意の分析物を可溶化するものである。前処理は、本明細書でさらに記載されるように、すべての試料に必要というわけではない。とりわけ、分析物(例えば、対象となるポリペプチド)の可溶化は、試料中に存在する任意の内在性結合タンパク質からの分析物の放出を伴い得る。前処理試薬は、均一(分離工程を必要としない)または不均一(分離工程を必要とする)であり得る。不均一前処理試薬の使用により、アッセイの次の工程に進行する前に任意の沈殿した分析物結合タンパク質が試験試料から除去される。
本明細書に記載されるイムノアッセイ及びキットとの関連で「品質管理試薬」には、較正物質、対照、及び感度パネルが含まれるが、これらに限定されない。「較正物質」または「標準物質」は、抗体または分析物等の分析物等の分析物の濃度を内挿するための較正(標準)曲線を確立するために典型的に(例えば、複数等、1つ以上)使用される。あるいは、所定の陽性/陰性カットオフ近くにある単一の較正物質を使用することができる。「感度パネル」を含むように、複数の較正物質(すなわち、1つを超える較正物質または様々な量の較正物質(複数を含む))を組み合わせて使用することができる。
「リスク」とは、現在、または将来におけるある時点で生じる特定の事象の可能性または確率を指す。「リスク層化」とは、医師が、患者を特定の疾患、障害、または状態に発展するリスクを低度、中等度、高度、または最高リスクに分類することを可能にする一連の既知の臨床リスク因子を指す。
特定の結合対のメンバー(例えば、抗原(またはその断片)と抗体(またはその抗原的に反応性の断片))間の相互作用の関連での「特異的」及び「特異性」とは、相互作用の選択反応性を指す。「特異的に結合する」という語句及び類似の語句は、分析物(またはその断片)に特異的に結合し、他の実体とは特異的に結合しない、抗体(またはその抗原的に反応性の断片)の能力を指す。
「特異的結合パートナー」は、特異的結合対のメンバーである。特異的結合対は、化学的または物理的な手段を介して互いに特異的に結合する2つの異なる分子を含む。したがって、一般的なイムノアッセイの抗原及び抗体の特異的結合対に加えて、他の特異的結合対は、ビオチン及びアビジン(またはストレプトアビジン)、炭水化物及びレクチン、相補的なヌクレオチド配列、エフェクター及び受容体分子、補因子及び酵素、酵素阻害剤及び酵素等を含み得る。さらに、特異的結合対は、元の特異的結合メンバーの類似体、例えば、分析物類似体であるメンバーを含み得る。免疫反応性特異的結合メンバーには、単離されたまたは組換えで産生された、抗原、抗原断片、及びモノクローナル抗体及びポリクローナル抗体を含む抗体、ならびにその複合体、断片、及び変異体(変異体の断片を含む)が含まれる。
本明細書で使用される「変異体」は、アミノ酸の付加(例えば、挿入)、欠失、または保存的置換によりアミノ酸配列中の所与のポリペプチド(例えば、IL−1β、BNP、NGAL、またはHIVポリペプチド、または抗ポリペプチド抗体)とは異なるが、所与のポリペプチドの生物学的活性を保持するポリペプチドを意味する(例えば、変異体IL−1βは、IL−1βと結合するために抗IL−1β抗体と競合することができる)。アミノ酸の保存的置換、すなわち、同様の特性(例えば、親水性ならびに荷電領域の程度及び分布)の異なるアミノ酸とのアミノ酸の置き換えは、微小変化が典型的に関与すると当該技術分野で認識されている。これらの微小変化は、当該技術分野で理解されているように、アミノ酸のハイドロパシー指標を考慮することにより部分的に特定することができる(例えば、Kyte et al.,J.Mol.Biol.,157:105−132(1982)を参照のこと)。アミノ酸のハイドロパシー指標は、その疎水性及び荷電の考慮を基礎とする。同様のハイドロパシー指標のアミノ酸を置換することができ、タンパク質機能を依然として保持することが当該技術分野で公知である。一態様において、±2のハイドロパシー指標を有するアミノ酸が置換される。アミノ酸の親水性はまた、生物学的機能を保持するタンパク質となる置換を明らかにするために使用することもできる。ペプチドとの関連でアミノ酸の親水性の考慮により、抗原性及び免疫原性とよく相関することが報告されている有用な尺度である、そのペプチドの最大の局所平均親水性の計算が可能となる(例えば、米国特許第4,554,101号を参照)。当該技術分野で理解されるように、同様の親水性値を有するアミノ酸の置換は、生物学的活性、例えば、免疫原性を保持するペプチドをもたらし得る。一態様において、互いに±2以内の親水性値を有するアミノ酸を用いて、置換が行われる。アミノ酸の疎水性指標及び親水性値の両方は、そのアミノ酸の特定の側鎖により影響を受ける。この観察に一致して、生物学的機能と適合するアミノ酸置換は、アミノ酸、特に、疎水性、親水性、荷電、サイズ、及び他の特性により明らかにされるこれらのアミノ酸の側鎖の相対的類似性に依存することが理解される。「変異体」という用語は、タンパク質分解、リン酸化、または他の翻訳後修飾等により異なってプロセッシングされているが、その生物学的活性または抗原反応性、例えば、IL−1βと結合する能力を保持するポリペプチドまたはその断片を説明するために使用することができる。本明細書における「変異体」の使用は、特に文脈によって矛盾がない限り、変異体の断片を包含することが意図される。
多くの略語が、本発明の態様を説明するために本明細書で使用される。以下は、一般的に使用される略語の一覧である。
ACR−米国リウマチ学会
ADA−抗薬物抗体
AE−有害事象
ALT−アラニンアミノトランスフェラーゼ
ANC−絶対好中球数
AUC−血清中濃度−時間曲線下面積;例えば(μg●時/mLまたはmg●時/mL)
BA−バイオアベイラビリティ
BQL−定量限界未満
BUN−血中尿素窒素
Cl/F−見かけのクリアランス
C1M−I型コラーゲンのマトリクスメタロプロテイナーゼ媒介性の分解
C2M−II型コラーゲンのマトリクスメタロプロテイナーゼ媒介性の分解
C3M−III型コラーゲンのマトリクスメタロプロテイナーゼ媒介性の分解
CD−クローン病
CDAI−臨床的疾患活動性指数
CH50−50%の溶血性補体活性(アッセイ)
CIA−コラーゲン誘導関節炎
CIC−血中循環免疫複合体
Cmax−観察された最高血清中濃度
COX−シクロオキシゲナーゼ
CR−臨床的寛解
CRPM−マトリクスメタロプロテイナーゼ媒介性C反応性タンパク質
Ctrough−トラフ濃度;投与後に測定される血液中の薬物の最低濃度
CTX−I−I型コラーゲンC末端テロペプチド
CTX−II−II型コラーゲンC末端テロペプチド
DAS−28−疾患活動性スコア28
DB−二重結合
DR−疾患応答
DVD−IgTM−二重可変ドメイン免疫グロブリン
ECG−心電図
eCRF−電子症例報告書
ED50−応答の50%低下を生じるのに必要とされる用量
EDC−電子データ収集システム
ELISA−酵素連結免疫吸着アッセイ
EOW−隔週
ESRB−外部安全審査委員会
EULAR−欧州リウマチ学会議
EW−毎週
F−バイオアベイラビリティ
FACIT−F−慢性疾患療法機能的評価−疲労
FIH−ファーストインヒューマン
FITC−フルオレセインイソチオシアネート
GCP−医薬品臨床試験実施基準
GLP−医薬品安全性試験実施基準
HAQ−DI−健康状態問診票障害指数
Hrs−時間
hsCRP−高感度C反応性タンパク質
IC50−50パーセントの抑制濃度
ICH−調和国際会議
IEC−医療機関内倫理委員会
IgG−免疫グロブリンG
IgG1−免疫グロブリンG1
IHC−免疫組織化学
IL−インターロイキン
IL−17−インターロイキン17
IP−腹腔内
IRB−施設内治験審査委員会
IUD−子宮内デバイス
IV−静脈内
IVRS−双方向音声応答システム
IWRS−双方向ウェブ応答システム
JAK−ヤヌスキナーゼ
KC−ケラチノサイト由来ケモカイン
KD−解離定数
LDA−低疾患活動性
mAb−モノクローナル抗体
MAD−複数用量漸増
MAS−平均関節炎スコア
MedDRA−規制活動の医学辞書
mg/kg−ミリグラム/キログラム
micro−CT−マイクロコンピュータ断層撮影法
MMP−マトリクスメタロプロテイナーゼ
MMP−3−マトリクスメタロプロテイナーゼ3
MRNA−メッセンジャーリボ核酸
MRT−平均滞留時間
MSD−メソスケールディスカバリー
NA−該当なし
NOAEL−有害影響が観察されないレベル
NSAID−非ステロイド系抗炎症薬
OLE−非盲検延長
PD−早期中断または薬力学的
PDR−投与後反応
PEF−最大呼気流量
PGA−医師の疾患活動性の全般評価
PK−薬物動態
PT−好ましい用語
PtGA−患者の疾患活動性の全般評価
RA−リウマチ性関節炎RA−WIS−リウマチ性関節炎の作業不安定性スケール
RBC−赤血球
RCT−ランダム化対照試験
rIL−17−組換えインターロイキン−17
rTNF−組換え腫瘍壊死因子
SAD−単回用量漸増
SAE−重篤有害事象
SC−皮下
SCR−スクリーニング
SD−標準偏差
SF−36v2−略式健康調査SGPT/ALT−血清グルタミン酸−ピルビン酸のトランスアミナーゼ
SGOT/AST−血清グルタミン酸−オキサロ酢酸のトランスアミナーゼ
SJC−膨張関節数
SOC−器官別大分類
SUSAR−予期せぬ重篤な有害反応の疑い
TB−結核
TJC−圧痛関節数
Tmax−最高血中濃度到達時間
TNF−腫瘍壊死因子
t1/2−終末相排出半減期
μg/mL−マイクログラム/ミリリットル
ULN−正常上限
VAS−視覚的アナログ尺度
VICM−シトルリン化されたマトリクスメタロプロテイナーゼにより分解されたビメンチン
Vss−分布容積
Vss/F−定常状態の分布容積
WBC−白血球
ACR−米国リウマチ学会
ADA−抗薬物抗体
AE−有害事象
ALT−アラニンアミノトランスフェラーゼ
ANC−絶対好中球数
AUC−血清中濃度−時間曲線下面積;例えば(μg●時/mLまたはmg●時/mL)
BA−バイオアベイラビリティ
BQL−定量限界未満
BUN−血中尿素窒素
Cl/F−見かけのクリアランス
C1M−I型コラーゲンのマトリクスメタロプロテイナーゼ媒介性の分解
C2M−II型コラーゲンのマトリクスメタロプロテイナーゼ媒介性の分解
C3M−III型コラーゲンのマトリクスメタロプロテイナーゼ媒介性の分解
CD−クローン病
CDAI−臨床的疾患活動性指数
CH50−50%の溶血性補体活性(アッセイ)
CIA−コラーゲン誘導関節炎
CIC−血中循環免疫複合体
Cmax−観察された最高血清中濃度
COX−シクロオキシゲナーゼ
CR−臨床的寛解
CRPM−マトリクスメタロプロテイナーゼ媒介性C反応性タンパク質
Ctrough−トラフ濃度;投与後に測定される血液中の薬物の最低濃度
CTX−I−I型コラーゲンC末端テロペプチド
CTX−II−II型コラーゲンC末端テロペプチド
DAS−28−疾患活動性スコア28
DB−二重結合
DR−疾患応答
DVD−IgTM−二重可変ドメイン免疫グロブリン
ECG−心電図
eCRF−電子症例報告書
ED50−応答の50%低下を生じるのに必要とされる用量
EDC−電子データ収集システム
ELISA−酵素連結免疫吸着アッセイ
EOW−隔週
ESRB−外部安全審査委員会
EULAR−欧州リウマチ学会議
EW−毎週
F−バイオアベイラビリティ
FACIT−F−慢性疾患療法機能的評価−疲労
FIH−ファーストインヒューマン
FITC−フルオレセインイソチオシアネート
GCP−医薬品臨床試験実施基準
GLP−医薬品安全性試験実施基準
HAQ−DI−健康状態問診票障害指数
Hrs−時間
hsCRP−高感度C反応性タンパク質
IC50−50パーセントの抑制濃度
ICH−調和国際会議
IEC−医療機関内倫理委員会
IgG−免疫グロブリンG
IgG1−免疫グロブリンG1
IHC−免疫組織化学
IL−インターロイキン
IL−17−インターロイキン17
IP−腹腔内
IRB−施設内治験審査委員会
IUD−子宮内デバイス
IV−静脈内
IVRS−双方向音声応答システム
IWRS−双方向ウェブ応答システム
JAK−ヤヌスキナーゼ
KC−ケラチノサイト由来ケモカイン
KD−解離定数
LDA−低疾患活動性
mAb−モノクローナル抗体
MAD−複数用量漸増
MAS−平均関節炎スコア
MedDRA−規制活動の医学辞書
mg/kg−ミリグラム/キログラム
micro−CT−マイクロコンピュータ断層撮影法
MMP−マトリクスメタロプロテイナーゼ
MMP−3−マトリクスメタロプロテイナーゼ3
MRNA−メッセンジャーリボ核酸
MRT−平均滞留時間
MSD−メソスケールディスカバリー
NA−該当なし
NOAEL−有害影響が観察されないレベル
NSAID−非ステロイド系抗炎症薬
OLE−非盲検延長
PD−早期中断または薬力学的
PDR−投与後反応
PEF−最大呼気流量
PGA−医師の疾患活動性の全般評価
PK−薬物動態
PT−好ましい用語
PtGA−患者の疾患活動性の全般評価
RA−リウマチ性関節炎RA−WIS−リウマチ性関節炎の作業不安定性スケール
RBC−赤血球
RCT−ランダム化対照試験
rIL−17−組換えインターロイキン−17
rTNF−組換え腫瘍壊死因子
SAD−単回用量漸増
SAE−重篤有害事象
SC−皮下
SCR−スクリーニング
SD−標準偏差
SF−36v2−略式健康調査SGPT/ALT−血清グルタミン酸−ピルビン酸のトランスアミナーゼ
SGOT/AST−血清グルタミン酸−オキサロ酢酸のトランスアミナーゼ
SJC−膨張関節数
SOC−器官別大分類
SUSAR−予期せぬ重篤な有害反応の疑い
TB−結核
TJC−圧痛関節数
Tmax−最高血中濃度到達時間
TNF−腫瘍壊死因子
t1/2−終末相排出半減期
μg/mL−マイクログラム/ミリリットル
ULN−正常上限
VAS−視覚的アナログ尺度
VICM−シトルリン化されたマトリクスメタロプロテイナーゼにより分解されたビメンチン
Vss−分布容積
Vss/F−定常状態の分布容積
WBC−白血球
A.抗−IL−1α及び抗−IL−1β DVD−Ig(商標)結合タンパク質
多価の多特異的な二重可変ドメイン免疫グロブリン(DVD−Ig(商標))結合タンパク質は、2つの異なる親モノクローナル抗体由来の2つの異なる軽鎖可変ドメイン(VL)が、組換えDNA技術により、直接または短いリンカーを介して直列に連結され、その後に、軽鎖定常ドメインが続くように設計されている。同様に、重鎖は、直列に連結された2つの異なる重鎖可変ドメイン(VH)を含み、その後に、定常ドメインCH1及びFc領域が続く。
多価の多特異的な二重可変ドメイン免疫グロブリン(DVD−Ig(商標))結合タンパク質は、2つの異なる親モノクローナル抗体由来の2つの異なる軽鎖可変ドメイン(VL)が、組換えDNA技術により、直接または短いリンカーを介して直列に連結され、その後に、軽鎖定常ドメインが続くように設計されている。同様に、重鎖は、直列に連結された2つの異なる重鎖可変ドメイン(VH)を含み、その後に、定常ドメインCH1及びFc領域が続く。
ある態様において、本発明の方法は、IL−1α及びIL−1βの1つ以上のエピトープと結合する二重可変ドメイン免疫グロブリン結合タンパク質(DVD−Ig)を用いる。そのようなDVD−Ig分子の例示的な実施形態は、構造式VD1−(X1)n−VD2−C−(X2)nを含み、式中、VD1は第1の重鎖可変ドメインであり、VD2は第2の重鎖可変ドメインであり、Cは重鎖定常ドメインであり、X1はリンカーであるが、但し、それはCH1ではないものとし、X2はFc領域であり、nは0または1、好ましくは1である重鎖と、構造式VD1−(X1)n−VD2−C−(X2)nを含み、式中、VD1は第1の軽鎖可変ドメインであり、VD2は第2の軽鎖可変ドメインであり、Cは軽鎖定常ドメインであり、X1はリンカーであるが、但し、それはCH1ではないものとし、X2はFc領域を含まず、nは0または1、好ましくは1である軽鎖とを含む。そのようなDVD−IGは、2つのそのような重鎖及び2つのそのような軽鎖を含み得、各鎖は、可変領域間で介在する定常領域を含まず直列に連結され、重鎖及び軽鎖は会合して、2つの直列の抗原結合部位を形成し、一対の重及び軽鎖は、別の対の重及び軽鎖と会合して、4つの抗原結合部位を有する四量体結合タンパク質を形成し得る。別の実施形態において、DVD−Ig分子は、それぞれが、可変領域間で介在する定常領域を含まず直列に連結される3つの可変ドメイン、例えば、VD1、VD2、VD3を含む重及び軽鎖を含み得、一対の重及び軽鎖は会合して、3つの抗原結合部位を形成し得、一対の重及び軽鎖は会合して、別の対の重及び軽鎖と会合して、6つの抗原結合部位を有する四量体結合タンパク質を形成し得る。
リンカー配列は、単一のアミノ酸、またはペプチド結合によって連結された2つ以上のアミノ酸残基を含むリンカーポリペプチドであり得る。一実施形態において、リンカー配列は、GGGGSG(配列番号11)、GGSGG(配列番号12)、GGGGSGGGGS(配列番号13)、GGSGGGGSG(配列番号14)、GGSGGGGSGS(配列番号15)、GGSGGGGSGGGGS(配列番号16)、GGGGSGGGGSGGGG(配列番号17)、GGGGSGGGGSGGGGS(配列番号18)、ASTKGP(配列番号19)、ASTKGPSVFPLAP(配列番号20)、TVAAP(配列番号21)、RTVAAP(配列番号22)、TVAAPSVFIFPP(配列番号23)、RTVAAPSVFIFPP(配列番号24)、AKTTPKLEEGEFSEAR(配列番号25)、AKTTPKLEEGEFSEARV(配列番号26)、AKTTPKLGG(配列番号27)、SAKTTPKLGG(配列番号28)、SAKTTP(配列番号29)、RADAAP(配列番号30)、RADAAPTVS(配列番号31)、RADAAAAGGPGS(配列番号32)、RADAAAAGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号33)、SAKTTPKLEEGEFSEARV(配列番号34)、ADAAP(配列番号35)、ADAAPTVSIFPP(配列番号36)、QPKAAP(配列番号37)、QPKAAPSVTLFPP(配列番号38)、AKTTPP(配列番号39)、AKTTPPSVTPLAP(配列番号40)、AKTTAP(配列番号41)、AKTTAPSVYPLAP(配列番号42)、GENKVEYAPALMALS(配列番号43)、GPAKELTPLKEAKVS(配列番号44)、及びGHEAAAVMQVQYPAS(配列番号45)からなる群から選択される。
リンカー配列の選択は、いくつかのFab分子の結晶構造分析に基づいている。Fabまたは抗体分子構造中の可変ドメインとCH1/CL定常ドメインとの間には、天然の柔軟な連結が存在する。この天然の連結は、VドメインのC末端由来の4〜6残基及びCL/CH1ドメインのN末端由来の4〜6残基により構成される約10〜12個のアミノ酸残基を含む。本明細書に記載されるDVD−Igは、それぞれ、DVD−Igの軽鎖及び重鎖中のリンカーとしてCLまたはCH1のN末端の5〜6個のアミノ酸残基、または11〜12個のアミノ酸残基を用いて生成することができる。CLまたはCH1ドメインのN末端残基、特に、最初の5〜6個のアミノ酸残基は、強い二次構造なしにループ立体構造をとり、したがって、2つの可変ドメイン間の柔軟なリンカーとして作用することが可能である。CLまたはCH1ドメインのN末端残基は、それらがIg配列の一部であるため、可変ドメインの天然の伸長であり、したがって、リンカー及び接合部から潜在的に生じる任意の免疫原性を大幅に最小化する。
他のリンカー配列は、CL/CH1ドメインのあらゆる長さのあらゆる配列を含み得るが、CL/CH1ドメインのすべての残基は含まず、例えば、CL/CH1ドメインの最初の5〜12個のアミノ酸残基;軽鎖リンカーは、CκまたはCλに由来し得、重鎖リンカーは、Cγ1、Cγ2、Cγ3、Cγ4、Cα1、Cα2、Cδ、Cε、及びCμを含む、いずれかのアイソタイプのCH1に由来し得る。リンカー配列はまた、Ig様タンパク質(例えば、TCR、FcR、KIR);G/Sに基づく配列;ヒンジ領域由来の配列、及び他のタンパク質からの他の天然配列等の他のタンパク質に由来し得る。
一実施形態において、定常ドメインは、組換えDNA技術を用いて、2つの連結された可変ドメインに連結される。一実施形態において、直列に連結された重鎖可変ドメインを含む配列は、重鎖定常ドメインに連結され、直列に連結された軽鎖可変ドメインを含む配列は、軽鎖定常ドメインに連結される。一実施形態において、定常ドメインは、それぞれ、ヒト重鎖定常ドメイン及びヒト軽鎖定常ドメインである。一実施形態において、DVD重鎖は、Fc領域にさらに連結されている。Fc領域は、天然配列Fc領域または変異Fc領域であり得る。別の実施形態において、Fc領域は、ヒトFc領域である。別の実施形態において、Fc領域には、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgM、IgE、またはIgDからのFc領域が含まれる。
最も好ましい実施形態において、2つの重鎖DVDポリペプチド及び2つの軽鎖DVDポリペプチドを組み合わせて、DVD−Ig分子を形成する。ヒトIL−1β及びヒトIL−1αを結合することが可能なDVD−Igタンパク質の重及び軽鎖の例示的なアミノ酸配列を、表1に記述する。表3において、E26.13及びE26.35 VL領域のアミノ酸配列は、それぞれ、配列番号136及び配列番号137の代わりに、配列番号62及び配列番号92が指名され、C末端アルギニン(R)残基の含有を説明する。
このC末端アルギニン残基は、抗体工学分野の当業者には、IgG分子においてVL及びCLのカッパ領域の接合部位でアミノ酸残基であることが理解され、それは、多くの場合、CL領域内、または下の表3において見られるように、VL領域内に含まれる。
B.変形性関節症の治療方法
本発明の方法に従って、組成物は、変形性関節症及び/または変形性関節症関連の疼痛を治療するために有効な任意の量及び任意の投与経路を用いて投与され得る。したがって、本明細書で使用される、「変形性関節症を治療するために有効な量」または「変形性関節症と関連する疼痛を治療するために有効な量」という表現は、変形性関節症及び/または変形性関節症と関連する疼痛の症候を有益に防ぐまたは改善するのに十分な組成物の量を指す。正確な投薬量は、治療されるべき患者を考慮して、個々の医師によって選択される。投薬量及び投与は、十分なレベルの活性薬剤(複数を含む)を提供するまたは所望の効果を維持するために調節される。考慮され得るさらなる因子には、病状の重症度、例えば、中間または進行段階の変形性関節症;患者の年齢、体重、及び性別;投与の時間及び頻度;投与経路;薬物の組み合わせ;反応感度;治療される身体の領域の面積及び体積;ならびに治療に関する耐性/応答が含まれる。長期作用型薬学的組成物は、特定の組成物の半減期及びクリアランス率に応じて、毎時間、1時間に2回、3〜4時間毎、毎日、1日2回、3〜4日毎、毎週、隔週、または数週間もしくは数カ月に1回投与され得る。本発明の活性薬剤は、好ましくは、投与の簡便さ及び投薬量の均一性のために、単位投与形態で配合される。本明細書で使用される「単位投与形態」という表現は、治療される患者に適切な活性薬剤の物理的に個別の単位を指す。しかしながら、本発明の組成物の合計の毎日の使用量は、健全な医学判断の範囲内で主治医によって決定されることが理解されよう。任意の活性薬剤について、治療的に有効な用量は、細胞培養アッセイにおいて、または本明細書で規定される動物モデル(通常はマウスであるが、ラット、ウサギ、イヌ、またはブタからの可能性もある)においてのいずれかで、初めに推定され得る。本明細書に提供される動物細胞モデルはまた、望ましい濃度及び全投与範囲ならびに投与経路を達成するために使用される。次いで、そのような情報は、ヒトにおける投与の有用な投与量及び経路を決定するために使用することができる。場合によっては、ヒトにおける臨床データは、有効な投与量を決定するために使用されるが、投与量は、治療される患者または個体の特定の状態に基づいて低くしても、高くしてもよいことが理解される。
本発明の方法に従って、組成物は、変形性関節症及び/または変形性関節症関連の疼痛を治療するために有効な任意の量及び任意の投与経路を用いて投与され得る。したがって、本明細書で使用される、「変形性関節症を治療するために有効な量」または「変形性関節症と関連する疼痛を治療するために有効な量」という表現は、変形性関節症及び/または変形性関節症と関連する疼痛の症候を有益に防ぐまたは改善するのに十分な組成物の量を指す。正確な投薬量は、治療されるべき患者を考慮して、個々の医師によって選択される。投薬量及び投与は、十分なレベルの活性薬剤(複数を含む)を提供するまたは所望の効果を維持するために調節される。考慮され得るさらなる因子には、病状の重症度、例えば、中間または進行段階の変形性関節症;患者の年齢、体重、及び性別;投与の時間及び頻度;投与経路;薬物の組み合わせ;反応感度;治療される身体の領域の面積及び体積;ならびに治療に関する耐性/応答が含まれる。長期作用型薬学的組成物は、特定の組成物の半減期及びクリアランス率に応じて、毎時間、1時間に2回、3〜4時間毎、毎日、1日2回、3〜4日毎、毎週、隔週、または数週間もしくは数カ月に1回投与され得る。本発明の活性薬剤は、好ましくは、投与の簡便さ及び投薬量の均一性のために、単位投与形態で配合される。本明細書で使用される「単位投与形態」という表現は、治療される患者に適切な活性薬剤の物理的に個別の単位を指す。しかしながら、本発明の組成物の合計の毎日の使用量は、健全な医学判断の範囲内で主治医によって決定されることが理解されよう。任意の活性薬剤について、治療的に有効な用量は、細胞培養アッセイにおいて、または本明細書で規定される動物モデル(通常はマウスであるが、ラット、ウサギ、イヌ、またはブタからの可能性もある)においてのいずれかで、初めに推定され得る。本明細書に提供される動物細胞モデルはまた、望ましい濃度及び全投与範囲ならびに投与経路を達成するために使用される。次いで、そのような情報は、ヒトにおける投与の有用な投与量及び経路を決定するために使用することができる。場合によっては、ヒトにおける臨床データは、有効な投与量を決定するために使用されるが、投与量は、治療される患者または個体の特定の状態に基づいて低くしても、高くしてもよいことが理解される。
様々な実施形態において、結合タンパク質は、体重の約0.0001mg/kg〜約25mg/kgの投薬量レベルを用いて患者に投与される。例えば、投薬量レベルは、投与毎、またはある期間中、例えば、1日、1週間、及び1カ月間で計算される。様々な実施形態において、結合タンパク質は、少なくとも、約0.0001mg/kg〜約0.0005mg/kg、約0.0005mg/kg〜約0.001mg/kg、約0.001mg/kg〜約0.005mg/kg、約0.005〜約0.01mg/kg、約0.01mg/kg〜約0.05mg/kg、約0.05mg/kg〜0.1mg/kg、約0.1mg/kg〜約0.5mg/kg、約0.05mg/kg〜約1mg/kg、約1mg/kg〜約2mg/kg、約2mg/kg〜約3mg/kg、約3mg/kg〜約4mg/kg、約4mg/kg〜約5mg/kg、約5mg/kg〜約6mg/kg、約6mg/kg〜約7mg/kg、約7mg/kg〜約8mg/kg、約8mg/kg〜約9mg/kg、約9mg/kg〜約10mg/kg、約10mg/kg〜約11mg/kg、約11mg/kg〜約12mg/kg、約12mg/kg〜約13mg/kg、約13mg/kg〜約14mg/kg、約14mg/kg〜約15mg/kg、約15mg/kg〜約16mg/kg、約16mg/kg〜約17mg/kg、約17mg/kg〜約18mg/kg、約18mg/kg〜19mg/kg、約19mg/kg〜約20mg/kg、約20mg/kg〜約21mg/kg、約21mg/kg〜約22mg/kg、約22mg/kg〜約23mg/kg、約23mg/kg〜約24mg/kg、及び24mg/kg〜約25mg/kgの投与量で投与される。いかなる特定の理論または作用機序に限定されるものではないが、個体における変形性関節症及び/または変形性関節症関連の疼痛が、これらの状態及び各個体を治療する際に考慮されなければならない多くの因子により、異なる投与量の結合タンパク質(例えば、IL−1α及びIL−1βと結合するABT−981)を用いて調節されることがここで想定される。
C.DVD−Ig結合タンパク質の産生
本発明のDVD−Ig結合タンパク質は、例えば、宿主細胞からの発現を含む当該技術分野で公知の多くの技術のうちのいずれかによって産生されてもよく、この場合、DVD−Ig重鎖及びDVD−Ig軽鎖をコードする発現ベクター(複数を含む)は、標準技術により宿主細胞にトランスフェクトされる。様々な形態の「トランスフェクション」という用語は、外来DNAを原核生物または真核生物の宿主細胞中に導入するために一般的に使用される多種多様の技術、例えば、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈殿、DEAE−デキストラントランスフェクション等を包含することを目的とする。原核生物または真核生物のいずれかの宿主細胞中で、本発明のDVD−Igタンパク質を発現することは可能であるが、そのような真核細胞(特に、哺乳動物細胞)は、原核細胞よりも、適切に折り畳まれ、免疫学的に活性なDVD結合タンパク質を集合及び分泌する傾向がより大きいので、DVD−Ig結合タンパク質は、真核細胞、例えば、哺乳動物の宿主細胞中で発現される。
本発明のDVD−Ig結合タンパク質は、例えば、宿主細胞からの発現を含む当該技術分野で公知の多くの技術のうちのいずれかによって産生されてもよく、この場合、DVD−Ig重鎖及びDVD−Ig軽鎖をコードする発現ベクター(複数を含む)は、標準技術により宿主細胞にトランスフェクトされる。様々な形態の「トランスフェクション」という用語は、外来DNAを原核生物または真核生物の宿主細胞中に導入するために一般的に使用される多種多様の技術、例えば、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈殿、DEAE−デキストラントランスフェクション等を包含することを目的とする。原核生物または真核生物のいずれかの宿主細胞中で、本発明のDVD−Igタンパク質を発現することは可能であるが、そのような真核細胞(特に、哺乳動物細胞)は、原核細胞よりも、適切に折り畳まれ、免疫学的に活性なDVD結合タンパク質を集合及び分泌する傾向がより大きいので、DVD−Ig結合タンパク質は、真核細胞、例えば、哺乳動物の宿主細胞中で発現される。
本発明の組換え抗体を発現するための例示的な哺乳動物宿主細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO細胞)(Urlaub and Chasin,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77:4216−4220(1980)において記載されるdhfr−CHO細胞、例えば、Kaufman and Sharp,J.Mol.Biol.,159:601−621(1982))に記載されるようなDHFR選択可能なマーカーを用いて使用される)、NS0骨髄腫細胞、COS細胞、SP2及びPER.C6細胞を含む。DVD−Igタンパク質をコードする組換え発現ベクターを哺乳動物宿主細胞に導入するとき、DVD−Igタンパク質は、宿主細胞におけるDVD−Igタンパク質の発現または宿主細胞が成長する培養培地へのDVDタンパク質の分泌を可能にするのに十分な期間中、宿主細胞を培養することにより産生される。DVD−Igタンパク質は、標準的なタンパク質精製方法を用いて培養培地から回収することができる。
本発明のDVD−Igタンパク質の組換え発現のための例示的なシステムにおいて、リン酸カルシウムにより媒介されたトランスフェクションにより、DVD−Ig重鎖及びDVD−Ig軽鎖の両方をコードする組換え発現ベクターが、dhfr−CHO細胞に導入される。組換え発現ベクター内で、DVD−Ig重及び軽鎖遺伝子は、遺伝子の転写の高いレベルを誘導するために、それぞれ、CMVエンハンサー/AdMLPプロモーター制御要素に作動可能に連結されている。組換え発現ベクターは、メトトレキサート選択/増幅を用いて、ベクターでトランスフェクトされたCHO細胞の選択を可能にするDHFR遺伝子も担持する。選択された形質転換体宿主細胞は、DVD−Ig重及び軽鎖の発現を可能にするために培養され、無傷のDVD−Igタンパク質が培養培地から回収される。組換え発現ベクターを調製し、宿主細胞をトランスフェクトし、形質転換体を選択し、宿主細胞を培養し、培養培地からDVD−Igタンパク質を回収するために、標準的な分子生物学的技術が使用される。さらにまた、本発明は、本発明のDVD−Igタンパク質が合成されるまで適切な培養培地中で、本発明の宿主細胞を培養することにより、本発明のDVD−Igタンパク質を合成する方法を提供する。本方法は、培養培地からDVD−Igタンパク質を単離することをさらに含み得る。
DVD−Igの重要な特徴は、それが、慣用の抗体として、類似の様式で産生及び精製され得ることである。DVD−Igの産生は、定常領域のいかなる配列修飾またはあらゆる種類の化学的修飾を必要とせずに、所望の二重特異的活性を有する均一な単一の主産物をもたらす。「二特異的」、「多特異的」、及び「多特異的多価」完全長結合タンパク質を作製するための他の前述の方法は、単一の主要産物をもたらさないが、その代わりに、集合した不活性な単一特異的、多特異的、多価の完全長結合タンパク質と、異なる結合部位の組み合わせを有する多価の完全長結合タンパク質との混合物の細胞内産生または分泌された産生をもたらす。一例として、Miller and Presta(PCT公開第2001/077342号によって記載される設計に基づいて、重鎖及び軽鎖の可能な組み合わせが16個ある。したがって、タンパク質の6.25%のみが所望の活性形態である可能性が高く、他の15個の可能な組み合わせと比較して、単一の主要な産物または単一の一次産物として存在しない可能性が高い。一般的には、大規模な製造において使用される標準的なクロマトグラフィー技術を用いた、不活性かつ部分的に活性な形態のタンパク質からの所望の完全な活性形態のタンパク質の分離は、まだ立証されていない。
D.薬学的組成物
本発明は、本発明の抗体(本明細書に記載されるDVD−Igを含む)、またはその抗原結合部分、及び薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物も提供する。本発明の抗体を含む薬学的組成物は、障害の診断、検出、またはモニタリングする際、障害またはその1つ以上の症候の予防、治療、管理、または改善する際、及び/または研究において使用されるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、組成物は、本発明の1つ以上の抗体または結合タンパク質を含む。別の実施形態において、薬学的組成物は、IL−1(すなわち、IL−1α及びIL−1β)活性が有害である障害、例えば、変形性手関節症及び変形性膝関節症等の変形性関節症を治療するための本発明の1つ以上の抗体及び本発明の抗体以外の1つ以上の予防もしくは治療剤を含む。一実施形態において、予防もしくは治療剤は、障害またはその1つ以上の症候の予防、治療、管理、または緩和に有用である、またはそれらに使用されていた、またはそれらに現在使用されていることが知られている。これらの実施形態に従って、組成物は、担体、希釈剤、または賦形剤からさらになり得る。
本発明は、本発明の抗体(本明細書に記載されるDVD−Igを含む)、またはその抗原結合部分、及び薬学的に許容される担体を含む、薬学的組成物も提供する。本発明の抗体を含む薬学的組成物は、障害の診断、検出、またはモニタリングする際、障害またはその1つ以上の症候の予防、治療、管理、または改善する際、及び/または研究において使用されるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、組成物は、本発明の1つ以上の抗体または結合タンパク質を含む。別の実施形態において、薬学的組成物は、IL−1(すなわち、IL−1α及びIL−1β)活性が有害である障害、例えば、変形性手関節症及び変形性膝関節症等の変形性関節症を治療するための本発明の1つ以上の抗体及び本発明の抗体以外の1つ以上の予防もしくは治療剤を含む。一実施形態において、予防もしくは治療剤は、障害またはその1つ以上の症候の予防、治療、管理、または緩和に有用である、またはそれらに使用されていた、またはそれらに現在使用されていることが知られている。これらの実施形態に従って、組成物は、担体、希釈剤、または賦形剤からさらになり得る。
本発明の抗体及びその抗体部分は、対象への投与に適している薬学的組成物に組み込まれ得る。一般に、薬学的組成物は、本発明の抗体またはその抗体部分及び薬学的に許容される担体を含む。本明細書で使用される「薬学的に許容される担体」としては、生理学的に適合する、任意かつすべての溶媒、分散媒体、コーティング、抗菌剤、及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤等が挙げられる。薬学的に許容される担体の例としては、水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノール等のうちの1つ以上が含まれる。多くの場合、等張剤、例えば、糖類、マンニトール等の多価アルコール、ソルビトール、または塩化ナトリウム等を組成物中に含むことが好ましいであろう。薬学的に許容される担体は、さらに、抗体または抗体部分の保存寿命または有効性を高める補助物質、例えば湿潤または乳化剤、保存剤、またはバッファーを少量含み得る。
ある特定の実施形態において、結合タンパク質または抗体は、対象への投与のために、生存能力のある安定な薬学的組成物中に配合される。例えば、配合物は、凍結乾燥または水性製剤として調製されることを参照のこと。例えば、2014年5月8日に公開された国際出願第2014071212号及び2013年6月27日に公開された同第2013/096835号を参照されたく、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。様々な実施形態において、製剤は、望ましくない物理的または化学的不安定性を欠いている。化学的不安定性に関連する問題の例には、アミド分解、ラセミ化、加水分解、酸化、ベータ脱離、及びジスルフィド交換が含まれる。様々な実施形態において、製剤は、生理学的に活性なモル濃度及びpHを有する緩衝液を含む。
様々な送達系が知られており、それらは、例えば、リポソーム、マイクロ粒子、マイクロカプセルへのカプセル封入、抗体もしくは抗体断片を発現することができる組換え細胞、受容体媒介性エンドサイトーシス(例えば、Wu and Wu,J.Biol.Chem.,262:4429−4432(1987)を参照のこと)、レトロウイルスもしくは他のベクターの一部として核酸の構築を、障害またはその1つ以上の症候を予防、管理、治療、または改善するのに有用である、本発明の1つ以上の抗体または本発明の1つ以上の抗体の組み合わせ、及び予防剤もしくは治療剤を投与するために使用することができる。本発明の予防剤または治療剤の投与方法には、非経口投与(例えば、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、及び皮下)、硬膜外投与、腫瘍内投与、ならびに粘膜投与(例えば、鼻腔内及び経口経路)が含まれるが、これらに限定されない。さらに、例えば、吸入器またはネブライザー、及びエアロゾル化剤を有する製剤の使用による肺内投与が用いられ得る。例えば、米国特許第6,019,968号、同第5,985,320号、同第5,985,309号、同第5,934,272号、同第5,874,064号、同第5,855,913号、及び同第5,290,540号、ならびにPCT公開第92/19244号、同第97/32572号、同第97/44013号、同第98/31346号、及び同第99/66903号を参照されたく、これらのそれぞれは、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。一実施形態において、本発明の抗体またはその抗体部分、併用療法、または本発明の組成物は、Alkermes AIR(登録商標)肺疾患薬物送達技術(Alkermes,Inc.,Cambridge,Massachusetts)を用いて投与される。特定の実施形態において、本発明の予防剤または治療剤は、筋肉内、静脈内、腫瘍内、経口内、鼻腔内、肺、または皮下に投与される。予防剤または治療剤は、任意の便宜的な経路、例えば、注入またはボーラス注射によって、上皮または皮膚粘膜の裏層(例えば、口腔粘膜、直腸、及び腸粘膜等)を通じた吸収によって投与してもよく、他の生物学的活性剤と一緒に投与してもよい。投与は、全身的または局所的であり得る。
一実施形態において、インビトロにおける抗体と結合したカーボンナノチューブ(CNT)と腫瘍細胞の特異的結合、その後の近赤外(NIR)光を用いたこれらの高度に特異的な除去は、腫瘍細胞を標的にするために使用することができる。例えば、ビオチン化極性脂質は、安定した生体適合性非細胞毒性CNT分散物を調製するために使用することができ、次いでこの分散物は、1つ以上の腫瘍抗原(例えば、CD22)に対する1つまたは2つの異なる中立性のアビジン誘導体化DVD−Igに付着される(Chakravarty et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,105:8697−8702(2008))。
特定の実施形態において、治療を必要としている部位へ局所的に、本発明の予防剤または治療剤を投与することが望ましい場合があり、これは、例えば、局所的注入によって、注射によって、またはインプラントの手段によって達成され得るが、これらに限定されるものではなく、該インプラントは、シアラスチック(sialastic)膜、ポリマー、繊維性マトリクス(例えば、Tissuel(登録商標))、またはコラーゲンマトリクス等の、膜及びマトリクスを含む多孔性または非多孔性材料である。一実施形態において、本発明の1つ以上の抗体アンタゴニストの有効量は、障害またはその症候を予防し、治療し、管理し、及び/または緩和するために、対象の侵された部位へ局所的に投与される。別の実施形態において、本発明の1つ以上の抗体の有効量は、障害またはその1つ以上の症候を予防し、治療し、管理し、及び/または緩和するために、対象の本発明の抗体以外の1つ以上の治療薬(例えば、1つ以上の予防剤または治療剤)の有効量と組み合わせて、侵された部位へ局所的に投与される。
別の実施形態において、予防剤または治療剤は、制御放出系または徐放系において送達され得る。一実施形態において、制御放出または徐放を達成するためにポンプを使用し得る(Langer(上記参照)、Sefton,M.V.,CRC Crit.Rev.Biomed.Eng.,14:201−240(1987)、Buchwald et al.,Surgery,88:507−516(1980)、Saudek et al.,N.Engl.J.Med.,321:574−579(1989)を参照のこと)。別の実施形態において、本発明の治療薬の制御放出または徐放を達成するために、ポリマー材料を使用することができる(例えば、Goodson,J.M.,Chapter 6,In Medical Applications of Controlled Release,Vol.II,Applications and Evaluation,(Langer and Wise,eds.)(CRC Press,Inc.,Boca Raton,1984)pp.115−138、Langer and Peppas,J.Macromol.Sci.Rev.Macromol.Chem.Phys.,C23(1):61−126(1983)を参照されたく、また、Levy et al.,Science,228:190−192(1985)、During et al.,Ann.Neurol.,25:351−356(1989)、Howard et al.,J.Neurosurg.,71:105−112(1989));米国特許第5,679,377号、米国特許第5,916,597号、米国特許第5,912,015号、米国特許第5,989,463号、米国特許第5,128,326号、PCT公開第99/15154号、及びPCT公開第99/20253号も参照のこと。徐放製剤中で使用されるポリマーの例としては、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(エチレン−コ−ビニルアセテート)、ポリ(メタクリル酸)、ポリグリコリド(PLG)、ポリ無水物、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)、ポリラクチド(PLA)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)、及びポリオルトエステルが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な実施形態において、徐放製剤中で使用されるポリマーは、不活性であり、溶脱可能な不純物を含まず、保存時に安定であり、無菌であり、生物分解性である。さらに別の実施形態において、制御放出系または徐放系は、予防または治療標的の近くに配置することができ、そのため、全身投薬量の一部のみを必要とする(例えば、Goodson,in Medical Applications of Controlled Release(上記参照)vol.2,pp.115−138(1984)を参照のこと)。
制御放出系は、Langer(Science,249:1527−1533(1990))による概説中に論述されている。本発明の1つ以上の治療剤を含む徐放製剤を生成するために、当業者に公知のあらゆる技術を使用することができる。例えば、米国特許第4,526,938号、PCT公開第91/05548号、PCT公開第96/20698号、Ning et al.,“Intratumoral radioimmunotherapy of a human colon cancer xenograft using a sustained−release gel,”Radiotherapy Oncol.,39:179−189(1996)、Song et al.,“Antibody Mediated Lung Targeting of Long−Circulating Emulsions,”PDA J.Pharm.Sci.Technol.,50:372−377(1996)、Cleek et al.,“Biodegradable Polymeric Carriers for a bFGF Antibody for Cardiovascular Application,”Proceed.Int’l.Symp.Control.Rel.Bioact.Mater.,24:853−854(1997)、及びLam et al.,“Microencapsulation of Recombinant Humanized Monoclonal Antibody for Local Delivery,”Proceed.Int’l.Symp.Control Rel.Bioact.Mater.,24:759−760(1997)を参照されたく、これらのそれぞれは、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
本発明の組成物が予防剤または治療剤をコードする核酸である特定の実施形態において、核酸は、適切な核酸発現ベクターの一部として、核酸を構築し、例えば、レトロウイルスベクター(米国特許第4,980,286号を参照のこと)の使用によって、または直接の注射によって、または微小粒子照射(例えば、遺伝子銃;Biolistic(登録商標)、DuPont)の使用によって、核酸が細胞内となるように核酸を投与し、または脂質もしくは細胞表面受容体もしくは形質移入剤でコーティングし、または核内に入ることが知られているホメオボックス様ペプチドに連結して核酸を投与することによって(例えば、Joliot et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,88:1864−1868(1991)を参照のこと)、核酸がコードしている予防剤または治療剤の発現を促進するために、核酸をインビボで投与することができる。あるいは、相同的組換えによる発現のために、核酸を細胞内に導入し、宿主細胞DNA内に取り込むことができる。
本発明の薬学的組成物は、その目的とする投与経路に適合するように配合される。投与経路の例としては、非経口、例えば、関節内、静脈内、皮内、皮下、経口、鼻内(例えば、吸入)、経皮(例えば、局所)、経粘膜、及び直腸投与が含まれるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、組成物は、ヒトへの静脈内、皮下、筋肉内、経口、鼻内、または局所投与に適合された薬学的組成物として、定型的な手法に従って配合される。典型的には、静脈内投与のための組成物は、無菌の等張水性緩衝液中の溶液である。必要な場合には、組成物は、可溶化剤及び注射の部位における痛みを和らげるためのリグノカイン等の局所麻酔薬も含み得る。
本発明の組成物が局所的に投与されるべき場合には、組成物は、軟膏、クリーム、経皮パッチ、ローション、ゲル、シャンプー、スプレー、エアロゾル、溶液、エマルジョンの形態でまたは当業者に周知の他の形態で配合することができる。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences and Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms,19th ed.,Mack Pub.Co.,Easton,Pennsylvania(1995)及びRemington:The Science and Practice of Pharmacy,22nd ed.,Pharmaceutical Press,London,UK(2005)を参照のこと。噴霧不能な局所剤形の場合には、局所適用に適合性のある担体または1つ以上の賦形剤を含み、好ましくは水より大きな動粘性係数を有する粘性ないし半固体または固体の形態が通常用いられる。好適な製剤としては、所望であれば、滅菌され、または、例えば、浸透圧等の様々な特性に影響を及ぼすための補助剤(例えば、防腐剤、安定化剤、湿潤剤、緩衝剤、または塩)と混合された、溶液、懸濁液、エマルジョン、クリーム、軟膏(ointment)、粉末、リニメント剤、軟膏(salve)等が挙げられるが、これらに限定されない。他の好適な局所剤形には、好ましくは固体または液体不活性担体と組み合わされた活性成分が、加圧された揮発性物質(例えば、FREON(登録商標)等の気体状噴射剤)との混合物中または搾り出し瓶中に梱包されている噴霧可能なエアロゾル調製物が含まれる。所望であれば、薬学的組成物及び剤形に、加湿剤または湿潤剤を添加することもできる。そのような追加の成分の例は、当該技術分野において周知である。
本発明の方法が組成物の鼻内投与を含む場合には、組成物は、エアロゾル形態、スプレー、ミスト中に、または点鼻薬の形態で製剤化することができる。特に、本発明に従って使用するための予防剤または治療剤は、適切な噴射剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、またはその他の適切な気体)を用いて、加圧されたパックまたは噴霧器からエアロゾルスプレー提示の形態で都合よく送達することができる。加圧されたエアロゾルの場合には、投薬単位は、定量された量を送達するためのバルブを付与することによって決定され得る。化合物とラクトースまたはデンプン等の適切な粉末基剤との粉末混合物を含有する、吸入装置またはガス注入装置で使用するためのカプセル及びカートリッジ(例えば、ゼラチンから構成される)を製剤化し得る。
本発明の方法が経口投与を含む場合、錠剤、カプセル、カシェ剤、ゲルキャップ、溶液、懸濁液等の形態で、組成物を経口的に製剤化することができる。錠剤またはカプセルは、従来の手段によって、結合剤(例えば、予めゼラチン化されたトウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン、もしくはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、充填剤(例えば、ラクトース、微結晶セルロース、もしくはリン酸水素カルシウム)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、もしくはシリカ)、崩壊剤(例えば、イモデンプンもしくはグリコール酸デンプンナトリウム)、または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)等の、薬学的に許容される賦形剤とともに調製することができる。錠剤は、当該技術分野において周知な方法によって被覆され得る。経口投与用の液体調製物は、溶液、シロップ、もしくは懸濁液の形態をとり得るが、これらに限定されないか、または、使用前に、水もしくは他の適切なビヒクルを用いて構成するための乾燥製品として与えられ得る。そのような液体調製物は、慣用の手段によって、懸濁剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体、または硬化食用脂肪)、乳化剤(例えば、レシチンまたはアカシア)、非水性ビヒクル(例えば、アーモンド油、油状エステル、エチルアルコール、または分画された植物油)、及び防腐剤(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはプロピルまたはソルビン酸)等の薬学的に許容される添加物とともに調製され得る。調製物は、適宜、緩衝液塩、着香剤、着色剤、及び甘味剤も含有し得る。経口投与用調製物は、予防剤または治療剤(複数を含む)の遅い放出、制御放出、または徐放のために、適切に製剤化され得る。
本発明の方法は、例えば、吸入装置または噴霧器の使用、エアロゾル化剤とともに製剤化された組成物の使用によって、経肺投与を含み得る。例えば、米国特許第6,019,968号、同第5,985,320号、同第5,985,309号、同第5,934,272号、同第5,874,064号、同第5,855,913号、及び同第5,290,540号、ならびにPCT公開第92/19244号、同第97/32572号、同第97/44013号、同第98/31346号、及び同第99/66903号を参照されたく、これらのそれぞれは、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。特定の実施形態において、本発明の抗体、組合せ療法、及び/または本発明の組成物は、AlkermesAIR(登録商標)肺疾患薬物送達技術(Alkermes,Inc.,Cambridge,Massachusetts)を用いて投与される。
本発明の方法は、注射による(例えば、ボーラス注射または連続的注入による)非経口投与のために製剤化された組成物の投与を含み得る。あるいは、結合タンパク質を含む組成物は、局所投与用に製剤化される。注射用製剤は、添加された防腐剤とともに、単位剤形で(例えば、アンプルまたは複数投薬容器に入れて)提示され得る。組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、またはエマルジョン等の形態をとり得、懸濁剤、安定化剤、及び/または分散剤等の処方剤を含有し得る。あるいは、活性成分は、使用前に適切なビヒクル(例えば、発熱物質を含まない無菌水)で構成するための粉末形態であり得る。
様々な実施形態において、投与は、関節領域または疼痛に侵された領域、例えば、膝、脚、足指、手関節、手指、足首 肩、または椎間板(disc)に直接接触することを含む。様々な実施形態において、結合タンパク質の投与は、全身的な効果を有する。様々な実施形態において、投与は、隣接組織または領域を、結合タンパク質を含む組成物と接触させることと、個体または患者の関節炎領域または疼痛に侵された領域に結合タンパク質の泳動または拡散を可能にすることとを含む。例えば、結合タンパク質を、関節炎領域または疼痛に侵された領域に接触する背中の硬膜上腔または血管/動脈に投与する。
本発明の方法は、さらに、デポ調製物として製剤化された組成物の投与を含み得る。このような長期作用製剤は、(例えば、皮下または筋肉内への)植え込みによって、または筋肉内注射によって投与され得る。したがって、例えば、組成物は、適切なポリマー材料もしくは疎水性材料(例えば、許容される油中のエマルジョンとして)またはイオン交換樹脂とともに、あるいは難溶性誘導体として(例えば、難溶性塩として)調合され得る。
本発明の方法は、中性または塩形態として製剤化された組成物の投与を包含する。薬学的に許容される塩には、塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸等に由来するものといった、アニオンにより形成されるもの、及びナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、水酸化第二鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカイン等に由来するものといった、カチオンにより形成されるものが含まれる。
一般に、組成物の成分は、別個に、または単位剤形中に(例えば、活性剤の量を示すアンプルまたは小袋等、密閉容器中の凍結乾燥された乾燥粉末または無水濃縮物として)一緒に混合されて供給される。投与の様式が注入である場合には、組成物は、医薬等級の無菌水または生理的食塩水を含有する注入瓶を用いて分配することができる。投与の様式が注射による場合には、成分を投与前に混合することができるように、注射用の無菌水または生理的食塩水のアンプルを提供することができる。
特に、本発明は、本発明の予防剤もしくは治療剤のうちの1つ以上または薬学的組成物が、薬剤の量を示すアンプルまたは小袋等、密閉容器中に梱包されることも提供する。一実施形態において、本発明の予防剤もしくは治療剤のうちの1つ以上または薬学的組成物は、密閉容器中の凍結乾燥された乾燥無菌粉末または無水濃縮物として供給され、対象に投与するための適切な濃度になるように(例えば、水または生理的食塩水で)再構成することができる。好ましくは、本発明の予防剤もしくは治療剤のうちの1つ以上または薬学的組成物は、少なくとも5mg、より好ましくは、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも25mg、少なくとも35mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも75mg、または少なくとも100mgの単位投薬量で、密封容器中の凍結乾燥された乾燥無菌粉末として供給される。本発明の凍結乾燥された予防剤もしくは治療剤または薬学的組成物は、その元の容器中で、2℃〜8℃の間で保存されるべきであり、予防剤もしくは治療剤または本発明の薬学的組成物は、再構成後、1週以内に、好ましくは5日以内に、72時間以内に、48時間以内に、24時間以内に、12時間以内に、6時間以内に、5時間以内に、3時間以内に、または1時間以内に投与されるべきである。代替の実施形態において、本発明の予防剤もしくは治療剤のうちの1つ以上または薬学的組成物は、薬剤の量及び濃度を示す密閉された容器中に、液体形態で供給される。好ましくは、投与された組成物の液体形態は、少なくとも0.25mg/ml、より好ましくは、少なくとも0.5mg/ml、少なくとも1mg/ml、少なくとも2.5mg/ml、少なくとも5mg/ml、少なくとも8mg/ml、少なくとも10mg/ml、少なくとも15mg/kg、少なくとも25mg/ml、少なくとも50mg/ml、少なくとも75mg/ml、または少なくとも100mg/mlで、密封容器中に供給される。液体形態は、その元の容器中で、2℃〜8℃の間で保存されるべきである。
様々な実施形態において、結合タンパク質は、治療される個体の状態に基づいて、医師により特定される投与量で投与される。例えば、治療される領域の大きさ、変形性関節症の程度、及び疼痛のレベルは、個体/患者に投与される投与量に影響を及ぼし得る。
様々な実施形態において、結合タンパク質は、個体の体重に対して、約0.005(ミリグラム/キログラム)mg/kg〜約0.01mg/kg、約0.01mg/kg〜約0.05mg/kg、約0.05mg/kg〜約0.1mg/kg、約0.1mg/kg〜約1mg/kg、約1mg/kg〜約2mg/kg、約2mg/kg〜約3mg/kg、約3mg/kg〜約4mg/kg、約4mg/kg〜約5mg/kg、約5mg/kg〜約6mg/kg、約6mg/kg〜約7mg/kg、約7mg/kg〜約8mg/kg、約8mg/kg〜約9mg/kg、または約9mg/kg〜約10mg/kgの結合タンパク質の重量である投与量で投与される。
本発明の抗体及び抗体部分は、非経口投与に適した薬学的組成物中に取り込ませることができる。好ましくは、抗体または抗体部分は、0.1〜250mg/mlの抗体を含有する注射可能溶液として調製されよう。注射可能溶液は、フリント容器または琥珀色の容器、アンプルまたは予め充填されたシリンジ中の液体または凍結乾燥された剤形から構成され得る。緩衝液は、pH5.0〜7.0(最適にはpH6.0)のL−ヒスチジン(1〜50mM)、最適には5〜10mMであり得る。他の適切な緩衝液としては、コハク酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、またはリン酸カリウムが挙げられるが、これらに限定されない。0〜300mMの濃度(最適には、液体剤形に対して150mM)の溶液の毒性を修飾するために、塩化ナトリウムを使用することができる。凍結乾燥された剤形に対して、凍結保護剤、主に、0〜10%のスクロース(最適には、0.5〜1.0%)を含めることができる。他の適切な凍結保護剤には、トレハロース及びラクトースが含まれる。凍結乾燥された剤形に対して、増量剤、主に、1〜10%のマニトール(最適には、2〜4%)を含めることができる。液体及び凍結乾燥された両剤形において、安定化剤、主に、1〜50mMのL−メチオニン(最適には、5〜10mM)を使用することができる。他の適切な増量剤には、グリシン、アルギニンが含まれ、0〜0.05%のポリソルベート−80(最適には、0.005〜0.01%)として含めることができる。さらなる界面活性剤としては、ポリソルベート20及びBRIJ界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されない。非経口投与用の注射可能な溶液として調製された本発明の抗体または抗体部分を含む薬学的組成物は、治療用タンパク質(例えば、抗体)の吸収または分散を増加させるために使用されるもの等、アジュバントとして有用である薬剤をさらに含むことができる。特に有用なアジュバントは、(Hylenex(登録商標)組換えヒトヒアルロニダーゼ等の)ヒアルロニダーゼである。注射可能な溶液中へのヒアルロニダーゼの添加は、非経口投与、特に皮下投与後に、ヒトバイオアベイラビリティを改善する。疼痛及び不快感がより小さく、注射部位反応の発生を最小限に抑えながら、より大きな注射部位容量(すなわち、1mlより大きい)も可能である(PCT公開第2004/078140号及び米国公開第2006/104968号を参照のこと)。
本発明の組成物は、様々な形態であり得る。これらには、例えば、液体溶液(例えば、注射可能な溶液及び注入可能な溶液)等、分散液または懸濁液、錠剤、丸薬、粉末、リポソーム、及び坐薬等の、液体、半固体、及び固体剤形が含まれる。好ましい形態は、意図される投与の様式及び治療用途により異なる。典型的な好ましい組成物は、他の抗体を用いたヒトの受動免疫に対して使用されるものと同様の組成物等、注射可能溶液または注入可能溶液の形態である。好ましい投与の様式は、非経口(例えば、静脈内、皮下、腹腔内、筋肉内)である。例示的な実施形態において、抗体は、静脈内注入または注射によって投与される。別の好ましい実施形態において、抗体は、筋肉内注入または皮下注射によって投与される。
治療組成物は、典型的には、製造及び保存の条件下で、無菌及び安定でなければならない。組成物は、溶液、ミクロエマルジョン、分散液、リポソーム、または高薬物濃度に適したその他の秩序化された構造として製剤化することができる。無菌注射可能溶液は、本明細書に列記されている成分のうちの1つまたは組み合わせを加えた適切な溶媒中に、必要な量で活性な化合物(すなわち、抗体または抗体部分)を取り込み、必要に応じて、濾過滅菌を行うことによって調製することができる。一般的に、分散液は、塩基性分散溶媒及び上記に列記されたものからの必要なその他の成分を含有する無菌ビヒクル中に活性な化合物を取り込むことによって調製される。無菌注射可能溶液の調製のための凍結乾燥された無菌粉末の場合には、好ましい調製の方法は、予め滅菌濾過されたその溶液から、あらゆる追加の所望される成分を加えた活性成分の粉末を得る真空乾燥及び噴霧乾燥である。溶液の適切な流動性は、例えば、レシチン等のコーティング剤を使用することによって、分散液の場合には、必要な粒径を維持することによって、及び界面活性剤を使用することによって維持することができる。注射可能組成物の延長された吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸塩及びゼラチンを組成物中に含めることによって実現することができる。
本発明の結合タンパク質は、当該技術分野で公知の様々な方法によって投与することができるが、多くの治療用途において、好ましい投与の経路/様式は、皮下注射、静脈内注射または注入である。当業者によって理解されるように、投与の経路及び/または様式は、所望される結果に応じて変動するであろう。ある特定の実施形態において、活性化合物は、インプラント、経皮パッチ、及び微小封入された送達系を含む制御放出製剤等の迅速な放出に対して化合物を保護する担体とともに調製され得る。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、及びポリ乳酸等の生物分解可能な生物適合性ポリマーを使用することができる。そのような製剤の調製のための多くの方法は、特許が付与されているまたは一般的に当業者に公知である。例えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems,(J.R.Robinson,ed.)(Marcel Dekker,Inc.,New York,1978)を参照のこと。
ある特定の実施形態において、本発明の抗体または抗体部分は、例えば、不活性希釈剤または同化可能な食用担体とともに経口投与され得る。また、化合物(及び、所望であれば、その他の成分)は、硬いもしくは軟らかい殻のゼラチンカプセル中に封入され、錠剤へと圧縮され、または患者の食事中に直接取り込まれ得る。経口治療投与の場合、化合物は、賦形剤とともに取り込まれ、摂取可能な錠剤、口腔錠、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、ウェハース等の形態で使用され得る。非経口投与以外によって本発明の化合物を投与するために、その不活化を妨げるための物質で化合物をコーティングし、またはそれとともに化合物を同時投与することが必要であり得る。
補助的活性化合物も、組成物中に取り込むことができる。ある特定の実施形態において、本発明の抗体または抗体部分は、IL−1α及び/またはIL−1β活性が有害である障害を治療するために有用である、1つ以上のさらなる治療剤とともに共製剤化され、及び/または同時投与される。例えば、本発明の抗ヒトIL−1α/IL−1β抗体または抗体部分は、他の錠剤と結合する1つ以上のさらなる抗体(例えば、他のサイトカインと結合する抗体または細胞表面分子と結合する抗体)とともに共製剤化され、及び/または同時投与され得る。さらに、本発明の1つ以上の抗体は、上述の治療剤のうちの2つ以上と組み合わせて使用され得る。そのような組み合わせ療法は、投与される治療剤のより低い投薬量を有利に使用し得るので、様々な単独療法に伴って生じ得る毒性または合併症が回避される。
本発明に含まれるべき組み合わせは、それらの意図される目的に対して有用である組み合わせであることをさらに理解すべきである。以下に記載される薬剤は、例示を目的とするものであって、限定を意図するものではない。本発明の一部である組み合わせは、本発明の抗体及び以下のリストから選択される少なくとも1つの追加の薬剤であり得る。この組み合わせはまた、形成された組成物がその意図される機能を実行することが可能であれば、組み合わせはは、1つを超えるさらなる薬剤、例えば、2つまたは3つのさらなる薬剤を含むこともできる。
好ましい組み合わせは、NSAIDとも称される非ステロイド性抗炎症薬(複数を含む)(イブプロフェンのような薬物が含まれる)である。他の好ましい組み合わせは、プレドニゾロンを含むコルチコステロイドであり、ステロイド使用の周知の副作用は、本発明の抗IL−1α及び抗IL−1β抗体と組み合わせて患者を治療するときに必要とされるステロイド用量を徐々に減らすことによって、低減することが可能であり、または除去することさえ可能である。本発明の抗体または抗体部分とともに組み合わせることができるリウマチ性関節炎に対する治療剤の非限定的な例としては、サイトカイン抑制性抗炎症薬(複数を含む)(CSAID);その他のヒトサイトカインまたは成長因子(例えば、TNF、LT、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−15、IL−16、IL−18、IL−21、インターフェロン、EMAP−II、GM−CSF、FGF、及びPDGF)に対する抗体またはこれらのアンタゴニストが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の抗体またはその抗原結合部分は、CD2、CD3、CD4、CD8、CD25、CD28、CD30、CD40、CD45、CD69、CD80(B7.1)、CD86(B7.2)、CD90、CTLA、またはCD154を含むこれらのリガンド(gp39もしくはCD40L)等の細胞表面分子に対する抗体と組み合わせることができる。
治療剤の好ましい組み合わせは、異なる点で、自己免疫及びこれに続く炎症カスケードを干渉し得、好ましい例には、キメラ、ヒト化、もしくはヒトTNF抗体、D2E7(PCT公開第WO97/29131号)、CA2(Remicade(商標))、CDP571、及び可溶性p55もしくはp75TNF受容体、これらの誘導体、(p75TNFRIgG(Enbrel(商標))もしくはp55TNFR1gG(Lenercept)、及びTNFα変換酵素(TACE)阻害剤等のようなTNFアンタゴニストが含まれ、同様に、IL−1阻害剤(インターロイキン−1−変換酵素阻害剤、IL−1RA等)は、同じ理由のために有効であり得る。他の好ましい組み合わせには、インターロイキン11が含まれる。さらに別の好ましい組み合わせは、IL−1β機能と平行して、それに依存して、またはそれと協調して作用し得る自己免疫応答の他の中心的存在である。さらに別の好ましい組み合わせは、非枯渇性抗CD4阻害剤である。さらに他の好ましい組み合わせには、抗体、可溶性受容体、または拮抗性リガンドを含む、共同刺激経路CD80(B7.1)またはCD86(B7.2)のアンタゴニストが含まれる。
本発明の抗体またはその抗原結合部分は、メトトレキサート、6−MP、アザチオプリンスルファサラジン、メサラジン、オルサラジン、クロロキニン/ヒドロキシクロロキン、ペニシラミン、金チオリンゴ酸塩(筋肉内及び経口)、アザチオプリン、コルヒチン、コルチコステロイド(経口、吸入、及び局所注射)、ベータ−2アドレナリン作動性受容体アゴニスト(サルブタモール、テルブタリン、サルメテラール)、キサンチン(テオフィリン、アミノフィリン)、クロモグリカート、ネドクロミル、ケトチフェン、イプラトロピウム及びオキシトロピウム、シクロスポリン、FK506、ラパマイシン、ミコフェノラートモフェチル、レフルノミド、NSAID、例えば、イブプロフェン、プレドニゾロン等のコルチコステロイド、ホスホジエステラーゼ阻害剤、アデノシンアゴニスト、抗血栓剤、補体阻害剤、アドレナリン作用薬、TNF−αまたはIL−1等の炎症促進性サイトカインによるシグナル伝達を妨害する作用物質(例えば、IRAK、NIK、IKK、p38またはMAPキナーゼ阻害剤)、IL−1β変換酵素阻害剤、TNF−α変換酵素(TACE)阻害剤、キナーゼ阻害剤等のT細胞シグナル伝達阻害剤、メタロプロテイナーゼ阻害剤、スルファサラジン、アザチオプリン、6−メルカプトプリン、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、可溶性サイトカイン受容体及びそれらの誘導体(例えば、可溶性p55またはp75TNF受容体及び誘導体p75TNFRIgG(Enbrel(商標)及びp55TNFRIgG(Lenercept))、sIL−IR1、sIL−1RII、sIL−6R)、抗炎症性サイトカイン(例えば、IL−4、IL−10、IL−11、IL−13、及びTGFβ)、セレコキシブ、葉酸、硫酸ヒドロキシクロロキン、ロフェコキシブ、エタネルセプト、インフリキシマブ、ナプロキセン、バルデコキシブ、スルファサラジン、メチルプレドニゾロン、メロキシカム、酢酸メチルプレドニゾロン、金チオリンゴ酸ナトリウム、アスピリン、トリムシノロンアセトニド、プロポキシフェンナプシラート/apap、フォラート、ナブメトン、ジクロフェナク、ピロキシカム、エトドラク、ジクロフェナクナトリウム、オキサプロジン、塩酸オキシコドン、ヒドロコドン二酒石酸塩/apap、ジクロフェナクナトリウム/ミソプロストール、フェンタニル、アナキンラ、ヒト組換え、塩酸トラマドール、サルサラート、スリンダク、シアノコバラミン/fa/ピリドキシン、アセトアミノフェン、アレンドロナートナトリウム、プレドニゾロン、硫酸モルヒネ、塩酸リドカイン、インドメタシン、硫酸グルコサミン/コンドロイチン、塩酸アミトリプチリン、スルファジアジン、塩酸オキシコドン/アセトアミノフェン、塩酸オロパタジン、ミソプロストール、ナプロキセンナトリウム、オメプラゾール、シクロホスファミド、リツキシマブ、IL−1TRAP、MRA、CTLA4−IG、IL−18BP、抗IL−18、抗IL15、BIRB−796、SCIO−469、VX−702、AMG−548、VX−740、ロフルミラスト、IC−485、CDC−801、及びメソプラム等の薬剤とも組み合わされ得る。
本発明の薬学的組成物は、本発明の抗体または抗体部分の「治療的有効量」または「予防的有効量」を含み得る。「治療的有効量」は、所望の治療的結果を達成するために、必要とされる投薬量及び期間において、有効な量を指す。抗体または抗体部分の治療的有効量は、当業者によって決定され得、個体の病状、年齢、性別、及び体重ならびに抗体または抗体部分が個体内で所望の応答を惹起する能力等の因子に従って変動し得る。また、治療的有効量は、抗体または抗体部分のあらゆる毒性効果または有害効果が、治療的に有益な効果を上回る量でもある。「予防的有効量」は、所望の予防的結果を達成するために、必要とされる投薬量及び期間において、有効な量を指す。典型的には、予防的用量は、疾患のより初期の段階の前にまたはその段階において、予防的有効量が対象において使用されるので、予防的用量は、治療的有効量よりも少ない。
投薬レジメンは、最適な所望の応答(例えば、治療的または予防的応答)が得られるように調節され得る。例えば、単回ボーラスが投与されてよく、複数回分割投与量が経時的に投与されてよく、あるいは、治療状況の緊急性により指示される通りに投与量を比例的に減少または増加してもよい。投与の簡便さ及び投与量の均一性のために、投薬単位形態で非経口組成物を製剤化することが特に有利である。本明細書で使用される投薬単位形態は、治療される哺乳動物対象に単位投薬量として好適な物理的に個別の単位を指し、各単位は、必要な薬学的担体に関連して所望の治療的効果を生み出すように計算された所定の量の活性化合物を含有する。本発明の投薬単位形態のための仕様は、(a)活性化合物の固有の特徴及び達成される具体的な治療または予防効果、ならびに(b)個体における過敏症の治療用のそのような活性化合物を配合する分野に固有の制約により規定され、これらに直接依存する。
緩和されるべき状態の種類及び重症度に応じて、投薬量の値が変化し得ることに注意すべきである。任意の特定の対象に関して、具体的な投薬量レジメンは、個体の必要性、ならびに組成物の投与を施すかまたは指図する専門家の判断に従って経時的に調節されるべきであり、本明細書中に記述される投薬量の範囲は単なる例であって、特許請求されている組成物の範囲または実施を限定することを意図したものではないことをさらに理解すべきである。
本発明の方法の他の好適な改変及び適合が明白であり、本発明の及び本明細書に開示される実施形態の範囲から逸脱することなく、適切な均等物を用いて行われ得ることは当業者には容易に明らかであろう。
これまで本発明を詳細に説明してきたが、本発明は、以下の実施例を参照することによってより明確に理解され、これらの実施例は、例示のみの目的で本明細書に含まれており、本発明を限定することを意図するものではない。
実施例
実施例
実施例1.健常な対象における単回投与後の変形性関節症の発症におけるABT−981、IL−1α及びIL−1βの二重標的生物学的薬物の安全性、耐性、及び薬物動態;第1相研究の試験1
ランダム化二重盲検のプラセボを対照とした第1相研究は、単回静脈内(IV)注入(0.3、1、3、もしくは10mg/kg)または単回皮下(SC)注射(0.3、1、もしくは3mg/kg)後のABT−981を評価するために行われた。18〜55歳の56人の男性及び女性の健常な志願者が、この研究に登録された。さらに、対象は、病歴、健康診断、バイタルサイン、実験室プロファイル、胸部放射線、及び12誘導ECGに基づいて一般的に良好な健康状態を有しなければならなかった。さらに、対象のボディーマスインデックス(BMI)は、スクリーニング時を含めて、18〜29.9kg/m2であった。
ランダム化二重盲検のプラセボを対照とした第1相研究は、単回静脈内(IV)注入(0.3、1、3、もしくは10mg/kg)または単回皮下(SC)注射(0.3、1、もしくは3mg/kg)後のABT−981を評価するために行われた。18〜55歳の56人の男性及び女性の健常な志願者が、この研究に登録された。さらに、対象は、病歴、健康診断、バイタルサイン、実験室プロファイル、胸部放射線、及び12誘導ECGに基づいて一般的に良好な健康状態を有しなければならなかった。さらに、対象のボディーマスインデックス(BMI)は、スクリーニング時を含めて、18〜29.9kg/m2であった。
対象は、これまでに抗IL−1の治療への曝露があった場合には除外された。さらに、対象は、薬物乱用、アルコール、またはニコチンに対して陽性のスクリーニングがあった場合には除外された。さらになお、対象は、研究薬物投与の2週間前に、いかなる市販の及び/または処方薬、ビタミン、及び/またはハーブ系サプリメントを使用した場合には除外された。研究薬物の最終投与から約3カ月間後の研究期間中、妊娠していると考えられる女性対象または子供の父親になると考えられる男性対象も除外された。
それぞれの投与コホートにおいて、6人の対象は、活性なABT−981薬物を受容し、2人は、プラセボを受容した。安全性評価及びPK/ADA試料を、投与後84日間回収した。対象は、研究8日目まで隔離された。対象は、研究11、15、22、29、36、43、57、71、及び85日目に安全性及び薬物動態評価のために再来した。集中的な薬物動態モニタリング、ADAモニタリング、及び安全性モニタリングを行った。薬物動態及びADAモニタリングは、2つの部分を含んだ。1部は、研究1日目の投与前(0時間)及び注入の開始から2、4、6、10、14時間後、ならびに研究2、3、4、5、6、7、8、11、15、22、29、36、43、57、71、及び85日目のPK分析を含んだ。ADA分析は、注入の開始から研究15、22、29、36、43、57、71、及び85日目に行われた。薬物動態及びADSモニタリングの2部は、研究1日目の投与前(0時間)及びSC注射から8時間後、ならびに研究2、3、4、5、6、7、8、11、15、22、29、36、43、57、71、及び85日目のPK分析を含んだ。研究15、22、29、36、43、57、71、及び85日目のADAモニタリングは、SC注射後に行われた。有害事象は、規制活動の医学辞書(MedDRA)バージョン16.0を用いてコードされた。さらに、対象の安全性分析は、有害事象のモニタリング、バイタルサイン、健康診断、ECG、実験室試験評価によって行われた。
薬物動態変数
データは、ABT−981を投与された対象において、観察された最高濃度(Cmax)及び曲線下面積(AUC∞)が、0.3mg/kg〜10mg/kgのIV及び0.3mg/kg〜3mg/kgのSCの単回投与後、ほぼ用量に比例した様式で増加したことを示す(表4及び表5を参照のこと)。
データは、ABT−981を投与された対象において、観察された最高濃度(Cmax)及び曲線下面積(AUC∞)が、0.3mg/kg〜10mg/kgのIV及び0.3mg/kg〜3mg/kgのSCの単回投与後、ほぼ用量に比例した様式で増加したことを示す(表4及び表5を参照のこと)。
安全性の概要
有害影響(AE)の発生及び重症度の総合的な割合は、ABT−981治療群とプラセボ群との間で類似していた。ABT−981で治療した対象において生じたすべてのAEは、1mg/kgのIV群の1人の対象におけるトランスアミナーゼの1つの重篤な事象を除いて重症度において軽度または中等度であり、これにより、研究薬物に関連した合理的な可能性を有しないと見なされた。
有害影響(AE)の発生及び重症度の総合的な割合は、ABT−981治療群とプラセボ群との間で類似していた。ABT−981で治療した対象において生じたすべてのAEは、1mg/kgのIV群の1人の対象におけるトランスアミナーゼの1つの重篤な事象を除いて重症度において軽度または中等度であり、これにより、研究薬物に関連した合理的な可能性を有しないと見なされた。
4人の対象は、軽度の好中球減少症のAEを有したが、4人のうち3人は、より低いベースラインの好中球数を有した(<2000細胞/mm3)。感染を含む、その他のAEを有する好中球減少症の明らかな関連性はなかった。化学的または尿値、バイタルサイン、または心臓パラメータに関するAEはなかった。プラセボIVを受容した対象に認められた1つの重篤なAE(膵臓梗塞)があった。ABT−981のIVまたはSCを伴う死亡またはSAEは報告されず、対象は、ABT−981のIVまたはSCでの投与後、AEにより研究を中断した対象はいなかった。ABT−981タンパク質に対して好ましい半減期プロファイル(11〜14日)が観察された。さらに、データは、患者の血清試料において抗薬物抗体の低い発生を示す。
静脈内投与後、ABT−981を受容した16人の対象(16/24;66.7%)は、プラセボを受容した4人の対象(4/8;50.0%)と比較して、1つ以上の有害事象が報告された。対象において観察された有害事象の大部分(12/16)は、研究薬物の投与とは無関係であると見なされた。報告された有害事象は、1mg/kgの静脈内群の1人の対象におけるトランスアミナーゼの1つの重篤な事象を除いて重症度において軽度または中等度のいずれかであった。
ABT981を皮下的に受けた10人の対象(10/18;55.6%)は、プラセボを皮下的に受けた4人の対照対象(4/6;66.7%)と比較して、1つ以上の有害影響が報告された。最も重要なことは、観察された有害影響の大部分は、研究薬物の投与とは無関係であると決定されたことである。
要約すれば、ABT−981は、健常な対象における静脈内注入(0.3、1、3、10mg/kg)、及び皮下注入(0.3、1、及び3.0mg/kg)を含む、ファーストインヒューマン(FIH)の単回漸増用量の2部研究において、本明細書で分析された。図1のパネルA及びBならびに図2のパネルA及びBを参照のこと。観察された最高平均の最高血清中濃度(Cmax;275μg/mL)及びゼロから無限大の血清中濃度時間曲線下面積(AUCinf;56,600μg・時/mL)が、10mg/kgの注入後、観察された。Cmax及びAUC値は、0.3mg/kg〜10mg/kgの静脈内投与及び0.3〜3mg/kgの皮下投与からほぼ用量に比例しているように思われた。データは、終末相排出半減期(t1/2)が11〜14日の範囲であり、投与経路から独立していたことを示す。皮下投与後の平均時間から観察された最高血清中濃度(Tmax)は、5日間であった。測定可能なADA力価は、2人のプラセボ対象を含む9人の対象(9/55、16.4%)において観察された。ABT−981薬物動態における明らかなADA効果は観察されなかった。静脈内投与対皮下投与後のADAの発生における差は観察されず、ADAの発生と投与との間に明らかな相関関係はなかった。健常な対象における曝露は、ABT−981の単回投与のIV及びSC投与後のほぼ用量に比例した様式において増加した。ABT−981は、IV注入またはSCのいずれかによりABT−981の単回投与量を投与した健常な対象において良好な耐容性を示した。このヒト研究は、OA集団における複数回投与後のこのDVD−Ig(商標)タンパク質のさらなる調査を支持する。
実施例2.第1相の試験2の研究におけるIL−1α/β結合タンパク質を用いた変形性膝関節症を患っている患者の治療
この研究は、膝OA患者におけるABT−981の複数回の皮下(SC)注射の安全性、耐性、PK、及び薬理学(PD)を評価するために設計されたランダム化二重盲検の複数回漸増用量(MAD)のプラセボ対照試験であった。対象は、年齢が40〜70歳の男性または女性であった。対象は、慢性の症候性の軽度から中等度のレントゲン写真の膝OAの診断を有し、そうでなければ、病歴、健康診断、バイタルサイン、実験室プロファイル、胸部放射線、及び12誘導心電図(ECG)の結果に基づいて一般的に良好な健康状態であった。女性は、少なくとも2年間閉経、外科的に不妊、性的に不活発、または避妊を行っており、妊娠または授乳中ではなかった。男性は、外科的に不妊、性的に不活発、または避妊を行っていた。膝OA患者は、3つの群に分けられた。各群の患者は、ABT−981 DVD−Igまたは一致するプラセボ(7:2)のいずれかの4つの投与量を隔週(E2WまたはEOW)受けた。3つの群は、0.3mg/kg(低投与量;低用量で隔週)、1mg/kg(中等度投与量;中等度用量で隔週)、または3mg/kg(高投与量;高用量で隔週)の異なる投与量レベルを隔週SC投与した。第4の群には、3mg/kgのABT−981またはプラセボSCを投与し、対象に、4週間毎に1回、3つの投与量を投与した。低、中等度、及び高といった投与量の識別子は、本明細書で使用された相対的な用語であり、医師により特定されたある状況下で患者に投与され得る量/投与量を限定することを意図するものではない。血清試料を、例えば、1、5、15、19、29、33、43、47、及び57日目に回収した。また、バイオマーカーのサブセットについては、さらなる尿及び血清試料を、例えば、研究3、10、14、28、42、及び45日目にわたって回収した。ABT981の血清中濃度は、有効なキメラ電気化学発光(ECL)イムノアッセイを用いてブリッジ形式で決定した。ABT−981の薬物動態パラメータにおける値は、非コンパートメント法を用いて推定した:観察された最高血清中濃度(Cmax)、Cmaxまでの時間(ピークタイム、Tmax)、投与前に観察された血清中濃度(Ctrough)、ならびに時間0から最後の測定可能な濃度の時間(AUCt)までの濃度時間曲線下面積(AUC)及び時間ゼロから次の投与間隔の時間(AUCtau)までのAUCは、投与群1〜3においては第1及び第4の投与後、投与群4においては第1及び第3の投与後に推定した。終末期消失速度定数(β)、終末消失半減期(t1/2)、時間0から無限時間までのAUC(AUC∞)、及び見かけの経口血漿クリアランス(CL/F)は、すべての群において最終投与後に、非コンパートメント法を用いて決定した。
この研究は、膝OA患者におけるABT−981の複数回の皮下(SC)注射の安全性、耐性、PK、及び薬理学(PD)を評価するために設計されたランダム化二重盲検の複数回漸増用量(MAD)のプラセボ対照試験であった。対象は、年齢が40〜70歳の男性または女性であった。対象は、慢性の症候性の軽度から中等度のレントゲン写真の膝OAの診断を有し、そうでなければ、病歴、健康診断、バイタルサイン、実験室プロファイル、胸部放射線、及び12誘導心電図(ECG)の結果に基づいて一般的に良好な健康状態であった。女性は、少なくとも2年間閉経、外科的に不妊、性的に不活発、または避妊を行っており、妊娠または授乳中ではなかった。男性は、外科的に不妊、性的に不活発、または避妊を行っていた。膝OA患者は、3つの群に分けられた。各群の患者は、ABT−981 DVD−Igまたは一致するプラセボ(7:2)のいずれかの4つの投与量を隔週(E2WまたはEOW)受けた。3つの群は、0.3mg/kg(低投与量;低用量で隔週)、1mg/kg(中等度投与量;中等度用量で隔週)、または3mg/kg(高投与量;高用量で隔週)の異なる投与量レベルを隔週SC投与した。第4の群には、3mg/kgのABT−981またはプラセボSCを投与し、対象に、4週間毎に1回、3つの投与量を投与した。低、中等度、及び高といった投与量の識別子は、本明細書で使用された相対的な用語であり、医師により特定されたある状況下で患者に投与され得る量/投与量を限定することを意図するものではない。血清試料を、例えば、1、5、15、19、29、33、43、47、及び57日目に回収した。また、バイオマーカーのサブセットについては、さらなる尿及び血清試料を、例えば、研究3、10、14、28、42、及び45日目にわたって回収した。ABT981の血清中濃度は、有効なキメラ電気化学発光(ECL)イムノアッセイを用いてブリッジ形式で決定した。ABT−981の薬物動態パラメータにおける値は、非コンパートメント法を用いて推定した:観察された最高血清中濃度(Cmax)、Cmaxまでの時間(ピークタイム、Tmax)、投与前に観察された血清中濃度(Ctrough)、ならびに時間0から最後の測定可能な濃度の時間(AUCt)までの濃度時間曲線下面積(AUC)及び時間ゼロから次の投与間隔の時間(AUCtau)までのAUCは、投与群1〜3においては第1及び第4の投与後、投与群4においては第1及び第3の投与後に推定した。終末期消失速度定数(β)、終末消失半減期(t1/2)、時間0から無限時間までのAUC(AUC∞)、及び見かけの経口血漿クリアランス(CL/F)は、すべての群において最終投与後に、非コンパートメント法を用いて決定した。
ABT−981 PKにおける見かけのADAの影響は、いずれkの第1相試験においても観察されなかった。有害事象の安全性プロファイル及び発生は、ABT−981またはプラセボを受けている対象間で類似していた。この現行の研究におけるSC投与についての薬物動態データを表6に示す。4つすべての投与群において、ABT−981について、CVパーセントとして表されるCmax及びAUCtauの全変動性を表7に示す。安全性及び耐性は、有害事象評価、バイタルサインのモニタリング、健康診断、ECG、及び実験室での値の評価により評価された。ADA力価を決定した。
データは、ABT−981が10〜13日の平均終末半減期を有し、投与から3日〜7日後にTmaxに到達したことを示す。4回の隔週投与後、平均Cmax及びAUCτは、0.3〜3.0mg/kgで2.59〜22.6μg/mL及び30.7〜248μg・日/mLであった(図10及び図11)。データは、曝露が0.3〜3mg/kgの間でほぼ線形に増加し、累積は、ほぼ2倍であったことを示す。ABT−981は、線形薬物動態を有する従来の抗体と同様の挙動を示した。データに示されるABT−981 PKプロファイルは、ABT−981の隔週または4週間毎の投与を支持する。いかなる特定の理論または作用機序に限定されることなく、ABT−981が、有効で治療上安全であり、変形性膝関節症を患っている患者において、有益な生化学的及び/またはヒト治療的効果(すなわち、改善された数的指標及びスコア)をもたらすことがここで想定される。ABT−981のCmax及びAUCは、0.3〜10mg/kgのIVまたは0.3〜3mg/kgのSCの単回投与後、及び0.3〜3mg/kgのSCの隔週で複数回投与後、用量に比例した様式で増加した。Cmax及びAUCtauの用量で規格化した値は、0.3〜3mg/kgの1回目及び最後の隔週投与後、ほぼ線形であった。4回目の投与後のAUCtauの累積は、隔週投与中の1回目の投与と比較してほぼ2倍であった。SC投与後に推定された相対的バイオアベイラビリティは、46%であった。隔週投与後、AUCτの累積は、ほぼ2倍であった。膝OAを有する対象へのABT−981のSC投与後の血清中濃度は、1回目の投与から5〜7日後、そして、最終投与から3〜5日後に最高レベルに到達した。平均終末半減期は、10日〜13日の範囲であった。
観察されたABT−981 PKプロファイルは、隔週または4週間毎の投与を支持する。PK、免疫原性、及び安全性プロファイルは、第2相研究において、OA疾患変性剤としてのABT−981のさらなる評価を支持する。
実施例3.ターゲットエンゲージメントの分析
ABT−981を投与した対象の血清中のIL−1α及びIL−1βレベルは、感度イムノPCRアッセイを用いて測定された(図12)。検出抗体に接合されるDNA配列の定量化は、QT−PCR技術を用いて達成された。抗原レベルは、ΔCt=50−Ctにおいて表され、ΔCtは、50(サイクルの最大数)から減算された閾値蛍光レベルに到達するのに必要とされるサイクル数であるCtとして計算される。次いで、同じPCRアッセイを用いて得られた実験値と標準値を比較することにより、ΔCt値を、推定された濃度レベルに変換した。計算されたΔCtレベルは、血清中の濃度レベルに正に相関した。データは、プラセボと比較して、ABT−981を用いた用量依存的様式において、IL−1α(P<0.001)及びIL−1β(P<0.001)の両方の著しい低下があったことを示す(図8及び図9)。
ABT−981を投与した対象の血清中のIL−1α及びIL−1βレベルは、感度イムノPCRアッセイを用いて測定された(図12)。検出抗体に接合されるDNA配列の定量化は、QT−PCR技術を用いて達成された。抗原レベルは、ΔCt=50−Ctにおいて表され、ΔCtは、50(サイクルの最大数)から減算された閾値蛍光レベルに到達するのに必要とされるサイクル数であるCtとして計算される。次いで、同じPCRアッセイを用いて得られた実験値と標準値を比較することにより、ΔCt値を、推定された濃度レベルに変換した。計算されたΔCtレベルは、血清中の濃度レベルに正に相関した。データは、プラセボと比較して、ABT−981を用いた用量依存的様式において、IL−1α(P<0.001)及びIL−1β(P<0.001)の両方の著しい低下があったことを示す(図8及び図9)。
実施例4.バイオマーカー及び薬力学的変数の評価
高感度C反応性タンパク質(hsCRP)、マトリクスメタロプロテアーゼ9(MMP−9)、血管内皮成長因子(VEGF)、及びI型、II型、III型コラーゲンのMMP分解産物(C1M、C2M、C3M)、C反応性タンパク質(CRPM)、ならびにシトルリン化及びMMPで分解されたビメンチン(VICM)を含む、炎症及び関節の分解における一連のバイオマーカーを評価した。各群において活性薬物における対象に対するバイオマーカー応答を、群にわたってプールしたプラセボ応答と比較した。
高感度C反応性タンパク質(hsCRP)、マトリクスメタロプロテアーゼ9(MMP−9)、血管内皮成長因子(VEGF)、及びI型、II型、III型コラーゲンのMMP分解産物(C1M、C2M、C3M)、C反応性タンパク質(CRPM)、ならびにシトルリン化及びMMPで分解されたビメンチン(VICM)を含む、炎症及び関節の分解における一連のバイオマーカーを評価した。各群において活性薬物における対象に対するバイオマーカー応答を、群にわたってプールしたプラセボ応答と比較した。
ABT−981は、hsCRP、C1M、IL 1α、及びIL−1βの血清中絶対好中球数及び血清レベルを著しく低下した。C3M及びCRPMの血清中濃度は、ABT 981治療により減少傾向を示したが、統計的有意性に達することができなかった。選択されたバイオマーカーの中での傾向は、ABT−981がIL−1α及びIL−1β標的と結合し、抗炎症性反応をもたらすことを示唆している。ABT−981のDVD−Ig治療投与量のいずれかで治療された膝OA患者からの試料中の血清hsCRPの平均レベルは、プラセボで治療された膝OA患者からの試料中のレベルと比較して著しく低くなったことが観察された(0.003〜0.031の範囲のp値)。図3を参照。さらに、図4は、0.3、1、及び3mg/kgのABT−981 DVD−Igタンパク質を投与した患者から得られた試料中の平均血清C1Mレベルが、一般的に、用量依存的な様式において低下したことを示す(それぞれ、p=0.062、0.027、及び0.015)。ABT−981 DVD−Igタンパク質で治療した患者からの試料中のC1Mレベルは、プラセボを投与した患者からの試料よりも著しく低くなった。プラセボを投与した患者からの試料と比較して、ABT−981 DVD−Igタンパク質を投与した患者からの試料における平均血清C3Mレベルが、低くなった(図5)。さらに、1及び3mg/kgのABT−981 DVD−Ig治療群からの試料は、プラセボ治療群からの試料と比較して、C3Mの顕著な低下を示した(それぞれ、p=0.062、0.090)。プラセボで治療した患者からの試料と比較して、ABT−981 DVD−Igで治療した患者からの試料中の血清CRPMレベルは、低下することが観察された(図6)。実際には、約33日目に開始したCRPMレベルの低下は、統計的差異があった(0.097〜0.025の範囲のp値)。
本明細書中のデータは、hsCRP等の関節代謝のバイオマーカーは、一般に、炎症駆動型関節破壊疾患において上昇することを示す。IL−1α及びIL−1βを同時に阻害するように設計されたABT−981 DVD−Ig結合タンパク質は、血清hsCRPの抑制により証明されるように、膝OA患者における全身性炎症を著しく減少させた。さらに、ABT−981 DVD−Igタンパク質が、膝OA患者からの試料中において検出されたC1Mの量を著しく低下させたことが観察され、このことは、このIL−1α及びIL−1βのDVD−Igタンパク質が結合組織ターンオーバーの低下を通して炎症媒介性組織破壊を低減したことを強力に示す。さらに、ABT−981 DVD−Igタンパク質は、C3M及びCRPMの血清中濃度を低下させ、これらは、炎症媒介性組織破壊及び慢性の組織炎症におけるバイオマーカーである。最大36人の軽度から中等度の変形性膝関節症患者へのABT−981 DVD−Igタンパク質(ABT−981)の投与が許容される安全性及び耐性プロファイルを有したことが観察された。DVD−Igタンパク質はまた、患者に投与されるとき、好ましい半減期(例えば、12〜14日)を有した。明らかに、ABT−981 DVD−Igの投与により、炎症駆動型OA患者のこの選択された集団に対して臨床的利点を得た。
MAD試験(実施例2を参照)において、ABT−981は、3つすべての投与で、高感度C反応性タンパク質(hsCRP)、マトリクスメタロプロテイナーゼ(MMP)に分解された1型コラーゲン(C1M)、IL−1α(図8)、及びIL−1β(図9)の血清レベルを著しく(P<0.001からP=0.031)低下させた。MMPに分解された3型コラーゲン(C3M)及びMMPに分解されたCRP(CRPM)の血清中濃度は、ABT−981治療により減少傾向を示したが、統計的有意性に達しなかった(P=0.054〜0.073)。これらの傾向は、ABT−981が、IL−1α及びIL−1β標的と結合し、膝OAを患っている患者において、抗炎症性反応をもたらすことを示唆している。
MAD試験において、絶対好中球数(ANC)は、ABT−981投与により用量依存的に低下し、48時間から始まり、14日までに最低値に達し、最低のANC値(2.1〜2.3/mm3)が3mg/kgを用いて観察された。研究からの実験室データは、ABT−981投与による用量相関、及び絶対好中球数(ANC)の低下を示唆している。3mg/kgのABT−981の4週間毎の投与群が3mg/kgのABT−981の隔週投与群よりも低いベースラインANCを有したが、ANCにおけるベースラインからの平均の最高の低下は、ほぼ30%で両群において同様であると思われた。好中球数の低下は、明らかであり、初期投与後からほぼ48〜72時間で始まり、研究において最初の2週間の投与において最低値に達した。好中球数の低下に一致して、白血球数の穏やかな減少はまた、3mg/kgの投与群において顕著であった。ABT−981投与に関連するように、血液学、血液生化学検査、尿検査、バイタルサイン、またはECGについて、他の臨床的に有意な値は報告されなかった。投与量を制限する毒性は観察されなかった。
実施例5.変形性膝関節症を患っている患者におけるABT−981の第2相研究
症候性変形性膝関節症を患っている患者に対してABT−981を投与する効果を評価するために、52週の研究が行われる(研究設計については、図7を参照のこと)。この研究は、症候性放射線学的及び炎症性変形性膝関節症を患っている320人の患者におけるABT−981の安全性、耐性、有効性、薬物動態、及び薬力学的効果を評価するための多施設ランダム化二重盲検の並行群のプラセボ制御された第2a相試験を含むであろう。
症候性変形性膝関節症を患っている患者に対してABT−981を投与する効果を評価するために、52週の研究が行われる(研究設計については、図7を参照のこと)。この研究は、症候性放射線学的及び炎症性変形性膝関節症を患っている320人の患者におけるABT−981の安全性、耐性、有効性、薬物動態、及び薬力学的効果を評価するための多施設ランダム化二重盲検の並行群のプラセボ制御された第2a相試験を含むであろう。
患者は、以下のような研究に対して適格なある特定の基準を満たさなければならない:(1)正規の中央画像読み取り装置により評価されるように、スクリーニング時にKellgren−Lawrenceのグレード2または3(最低2mmの関節腔幅)を有する指標となる膝の内側区画における変形性膝関節症の放射線写真の証拠。Synaflexer(商標)を用いた研究1日目より3カ月以内に撮影された放射線写真は、集中型適格読み取り装置のために提出される、(2)患者における指標となる膝の疼痛強度は、4〜8であり、初期のスクリーニング訪問時及び研究1日目にNumeric Rating Scale−11(NRS−11)を用いることを含む、(3)適格な患者は、スクリーニング中及び研究1日目に指標となる膝の活動性炎症の1つ以上の臨床的兆候及び症候(限局痛、関節硬直、腫れ、及び滲出)を有する、(4)適格な患者はまた、スクリーニング中超音波により確認された指標となる膝の滑膜炎の存在を有しなければならない、(5)適格な患者は、26週目のMRI訪問までに研究薬物の1回目の投与の少なくとも7日前に、中断された鎮痛剤、非ステロイド性の抗炎症性薬物、及び栄養補助食品(例えば、グルコサミン、コンドロイチン硫酸塩、サメの軟骨、ジアセレイン、及び大豆抽出物)を有する。男性及び女性はともに、研究に対して適任であり、研究における最少年齢は、35歳で設定され、最高年齢は75歳で設定される。
研究はまた、以下の患者の除外の基準を有する:(1)研究薬物の任意の成分に対するアレルギー反応もしくは有意な感受性の履歴、任意の薬剤(例えば、食品もしくは蜂刺され)に対するアナフィラキシー反応の履歴、または任意のIgG含有製品に対する主反応の履歴、(2)昨年指標となる膝に対する著しい外傷もしくは外科的手術またはスクリーニングの6カ月以内に指標となる膝の関節鏡検査、(3)指標となる膝におけるKellgren−Lawrenceのグレード1もしくは4。(4)指標となる膝における内反において2°を超える、または外反角形において5°を超える重篤な膝の不整、(5)以下のうちの1つ以上の診断:(a)炎症性関節炎、例えば、リウマチ性関節炎、自己免疫疾患、血清反応陰性脊椎関節症、痛風、もしくは偽痛風(放射線軟骨石灰化症もしくはCPPD結晶を患っている患者における腫れ、痛みを伴う関節の急性の一時的な発作として定義される);ならびに/または(b)他の慢性の痛みを伴う症候群(パジェット病及び線維筋痛等)及び指標となる膝で疼痛の評価を妨げ得る臨床的に有意な非関節筋骨格の疼痛。
対象は、スクリーニングされ、対象が研究に登録の際に使用している治療剤/医薬を中断する洗い流し期間を有する。ゼロ週で、各対象の侵された膝は、Western Ontario and McMaster Universities(WOMAC)及び磁気共鳴画像法により分析される。次いで、対象は、異なる投与量のABT−981を投与される。投与量は、1回またはある期間にわたって複数回投与され得る。例えば、対象は、投与量(例えば、25mg、100mg、及び200mg)を隔週(EOW)投与され得る。本明細書に列記される投与量及びレジメンは、例示的であり、この研究中、医師により投与され得る量/投与量または使用されるレジメンを限定することを意図するものではない。対照対象は、ビヒクルのみ、すなわち、ABT−981ではないものを投与される。
研究は、複数の米国州内及び国々で行われ、分析される一次/二次転帰には、以下が含まれる:1日目から16週目にWestern Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index(WOMAC)を用いて評価される指標となる膝の疼痛スコアの変化;1日目から52週目に定量及び半定量磁気共鳴画像法(MRI)測定を用いた指標となる膝の滑膜炎/滲出容積の変化;1日目から52週目にWhole−Organ Magnetic imaging Scoring(WORMS)を用いた指標となる膝のMRIの骨髄病変(BML)の変化;1日目から52週目にIntermittent and Constant Osteoarthritis Pain(ICOAP)スコアを用いた指標となる膝を休めた疼痛の変化;11ポイントのNRSスコア(NRS−11)を用いた指標となる膝の3種類の疼痛強度の測定の変化;ならびに1日目から52週目に患者による関節炎の全体評価用紙を用いた患者による関節炎の全体評価の変化。
研究のための、共一次エンドポイントは、16週目に分析され、WOMAC疼痛におけるベースラインからの変化を決定することを含む。別の共一次エンドポイントは、26週目に分析され、MRIを用いて、滑膜炎及び/または膝の軟骨容積の喪失を決定することを含む。他の一次エンドポイント及び/または二次エンドポイントもまた、分析され得る。52週目で、ABT−981を受容した対象は、対照対象と比較して、MRIにより測定されたWOMAC疼痛及び膝の軟骨容積の喪失におけるベースラインからの変化について分析される。
実施例6.びらん性変形性手関節症を患っている患者におけるABT−981の第2相研究
びらん性変形性手関節症(eHOA)は、手において痛みを伴う消耗性関節炎である。多くの場合、閉経期及び閉経後の女性に起こり、30代後半及び40代前半から始まり得る。有効な薬物治療または外科的選択肢は、びらん性手OA患者には、現在利用できない。全身性OAと比較して、びらん性手OAは、より炎症駆動型であり、より急速に進行する疾患である。さらに、びらん性手OAは、典型的には、事実上多関節である。ABT−981等の抗炎症性治療の薬力学的効果及び/または有効性は、疾患に関わる複数の関節においてより容易に検出可能であり得る。したがって、びらん性手OAは、抗炎症性薬物、すなわち、ABT−981等の疾患を変性する変形性関節症薬物(DMAOD)を用いて概念実証(POC)を構築するための有力なモデルである。
びらん性変形性手関節症(eHOA)は、手において痛みを伴う消耗性関節炎である。多くの場合、閉経期及び閉経後の女性に起こり、30代後半及び40代前半から始まり得る。有効な薬物治療または外科的選択肢は、びらん性手OA患者には、現在利用できない。全身性OAと比較して、びらん性手OAは、より炎症駆動型であり、より急速に進行する疾患である。さらに、びらん性手OAは、典型的には、事実上多関節である。ABT−981等の抗炎症性治療の薬力学的効果及び/または有効性は、疾患に関わる複数の関節においてより容易に検出可能であり得る。したがって、びらん性手OAは、抗炎症性薬物、すなわち、ABT−981等の疾患を変性する変形性関節症薬物(DMAOD)を用いて概念実証(POC)を構築するための有力なモデルである。
第2a相のランダム化二重盲検のプラセボ制御された概念実証の研究は、eHOAを患っている患者におけるABT−981の安全性及び有効性を評価するために行われる(図13を参照のこと)。手OAの診断を含むすべての試験対象患者基準を満たし、かつスクリーニング時に除外基準のない対象は、研究における適格性を決定するために両手の高品質の放射線写真により評価されるであろう。適格な対象は、OAまたはOA疼痛のために服用されたすべての医薬を中断する必要があるであろう。洗い出し期間後及び1日目の訪問前に、対象は、指標となる手の磁気共鳴映像法(MRI)を受ける。指標となる手は、圧痛関節及び膨張関節の数により決定される最も活性な疾患を有する手として定義される。約120人の対象は、24週間、2週間毎にABT−981の200mgの皮下注射または24週間、2週間毎にプラセボの皮下注射、の2つの治療群のうちの一方に、等しい比率でランダム化される。
主要有効性エンドポイントは、オーストラリア人/カナダ人の変形性関節症の手指数(AUSCAN NR3.1)疼痛のサブドメインスコアにより評価されるように、ベースラインから16週間の疼痛の変化である。二次有効性エンドポイントには、AUSCANの全スコアの変化及び個体のサブドメイン(疼痛、身体機能、及び剛性);疼痛が休止する対象の指針の変化、及び患者による全体評価が含まれる。薬物動態及び免疫原性は、研究中に評価される。薬力学的評価には、握力、変形性手関節症の磁気共鳴画像法の採点システム(HOAMRIS)スコア及びバイオマーカーが含まれる。安全性は、有害事象(AE)、健康診断、バイタルサイン、及び実験室での値の評価に基づいて研究を通してモニタリングされる。
参照による組み込み
本出願全体にわたって引用され得るすべての引用された参照(文献参照、特許、特許出願、及びウェブサイトを含む)の内容は、その中に引用された参照と同じように、参照によりその全体が本明細書に明白に組み込まれる。本発明の実践は、特に指定されない限り、当該技術において公知である薬学、免疫学、分子生物学、及び細胞生物学の従来の技術を採用するであろう。
本出願全体にわたって引用され得るすべての引用された参照(文献参照、特許、特許出願、及びウェブサイトを含む)の内容は、その中に引用された参照と同じように、参照によりその全体が本明細書に明白に組み込まれる。本発明の実践は、特に指定されない限り、当該技術において公知である薬学、免疫学、分子生物学、及び細胞生物学の従来の技術を採用するであろう。
均等物
本発明は、その精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の具体的な形態において具現化され得る。したがって、前述の実施形態は、本明細書に記載される本発明を限定するというよりはむしろ、あらゆる点おいて例示していると考えるべきである。本発明の範囲は、前述の記載によるというよりはむしろ、添付される特許請求の範囲により示され、したがって、特許請求の範囲の意味及び均等の範囲内にあるすべての変更は本明細書に包含されることが意図される。
本発明は、その精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の具体的な形態において具現化され得る。したがって、前述の実施形態は、本明細書に記載される本発明を限定するというよりはむしろ、あらゆる点おいて例示していると考えるべきである。本発明の範囲は、前述の記載によるというよりはむしろ、添付される特許請求の範囲により示され、したがって、特許請求の範囲の意味及び均等の範囲内にあるすべての変更は本明細書に包含されることが意図される。
Claims (43)
- 個体における変形性関節症の1つ以上の症候を低減するための方法であって、前記個体に、
IL−1α及びIL−1βの両方と結合する結合タンパク質であって、配列番号46、56、66、76、86、96、106、116、及び126から選択されるアミノ酸配列を含む可変重鎖を含み、かつ配列番号51、71、81、91、101、111、121、及び131から選択されるアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む、二重可変ドメイン免疫グロブリン(DVD−Ig)結合タンパク質である、結合タンパク質を投与することを含み、
それにより、変形性関節症の1つ以上の症候が低減される、前記方法。 - 前記変形性関節症が、中等度から重度の変形性膝関節症または中等度から重度のびらん性変形性手関節症である、請求項1に記載の前記方法。
- 個体における変形性関節症関連の疼痛を低減するための方法であって、前記個体に、
IL−1α及びIL−1βの両方と結合する結合タンパク質であって、配列番号46、56、66、76、86、96、106、116、及び126から選択されるアミノ酸配列を含む可変重鎖を含み、かつ配列番号51、71、81、91、101、111、121、及び131から選択されるアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む、DVD−Ig結合タンパク質である、結合タンパク質を投与することを含み、
それにより、前記疼痛が低減される、前記方法。 - 前記個体が、異痛、痛覚過敏、ならびに異痛及び痛覚過敏の組み合わせからなる群から選択される疼痛状態を患っている、請求項3に記載の前記疼痛を低減するための方法。
- 前記個体への投与が、皮下投与または静脈内投与である、請求項1〜4のいずれかに記載の前記方法。
- 前記結合タンパク質が、約0.1mg/kg〜約10mg/kgの投与量で投与される、請求項1〜5のいずれかに記載の前記方法。
- 前記結合タンパク質が、約0.3mg/kg〜約3mg/kgの投与量で投与される、請求項1〜6のいずれかに記載の前記方法。
- 前記結合タンパク質が、約1mg/kg〜約3mg/kgの投与量で投与される、請求項1〜7のいずれかに記載の前記方法。
- 前記結合タンパク質が、約3mg/kgの投与量で投与される、請求項1〜8のいずれかに記載の前記方法。
- 前記結合タンパク質が、約1〜25mg、約25〜50mg、約50〜75mg、約75〜100mg、約100〜200mg、約100〜125mg、約125〜150mg、約150〜175mg、約175〜200mg、約200〜225mg、約225〜250mg、約250〜275mg、約275〜300mg、300〜325mg、または約325〜350mgの前記結合タンパク質である総投与量で投与される、請求項1〜9のいずれかに記載の前記方法。
- 前記結合タンパク質が、約100mg〜約200mgの総投与量で投与される、請求項1〜10のいずれかに記載の前記方法。
- 前記結合タンパク質が、単回投与で投与される、請求項1〜11のいずれかに記載の前記方法。
- 前記結合タンパク質が、複数回投与で投与される、請求項1〜12のいずれかに記載の前記方法。
- 前記結合タンパク質が、毎週、隔週、3週間毎に、または4週間毎に投与される、請求項13に記載の前記方法。
- 前記結合タンパク質が、隔週または4週間毎に投与される、請求項14に記載の前記方法。
- 高感度C反応性タンパク質(hsCRP)、MMP分解産物I型(C1M)、MMP分解産物III型(C3M)、及びC反応性タンパク質(CRPM)からなる群から選択される1つ以上のバイオマーカーレベルの低下が、前記DVD−Ig結合タンパク質の1回以上の投与を受ける前の前記対象における前記1つ以上のバイオマーカーレベルと比較して、前記DVD−Ig結合タンパク質の前記1回以上の投与を受けた後の前記対象において観察される、請求項1〜15のいずれかに記載の前記方法。
- 全身性炎症、慢性組織炎症、炎症媒介性組織破壊、炎症媒介性関節破壊、及び結合組織ターンオーバーからなる群から選択される1つ以上のパラメータレベルの低下が、前記DVD−Ig結合タンパク質の1回以上の投与を受ける前の前記対象における前記1つ以上のパラメータレベルと比較して、前記DVD−Ig結合タンパク質の前記1回以上の投与を受けた後の前記対象において観察される、請求項16に記載の前記方法。
- 疼痛、関節の腫れ、関節硬直、滲出、骨病変の割合、関節腔狭小化の割合、骨変形の形成の割合、骨硬化の割合、滑膜炎、滑膜肥厚、滑膜の過形成、血管新生、及び骨棘の存在からなる群から選択される1つ以上の特徴の減少が、前記DVD−Ig結合タンパク質の1回以上の投与を受ける前の前記対象における前記1つ以上の特徴と比較して、前記DVD−Ig結合タンパク質の前記1回以上の投与を受けた後の前記対象において観察される、請求項16に記載の前記方法。
- Western Ontario and McMaster Universities Arthritis Index(WOMAC)、Whole−Organ Magnetic Imaging Score(WORMS)、Intermittent and Constant Osteoarthritis Pain(ICOAP)スコア;11ポイントのNumeric Rating Score(NRS)スコア、医師による疾患活動性の全体評価(Physician Global Assessment of Disease Activity)、患者により報告される成果、健康状態問診票(HAQ−DI)、患者による疾患活動性の全体評価(VAS)、抗薬物抗体(ADA)の測定値または存在、圧痛関節数(TJC)、膨張関節数(SJC)、患者の疼痛の評価、リウマチ性関節炎の作業不安定性尺度(Work Instability Scale for Rheumatoid Arthritis)、簡易健康状態調査票(Short Form Health Survey)(SF−36)、米国リウマチ学会(ACR);低疾患活動性(LDA)を達成する対象の割合;疾患活動性スコア28(DAS28);臨床疾患活動性指標(CDAI)、簡易疾患活動性指標(SDAI)、臨床寛解基準、ならびに個体の評価からなる群から選択される1つ以上の評価指標の改善が、前記1回以上の投与を受ける前の前記対象における前記1つ以上の評価指標と比較して、前記DVD−Ig結合タンパク質の前記1回以上の投与を受けた後の前記対象において観察される、請求項16に記載の前記方法。
- 前記結合が、軟骨の分解または喪失を予防する、請求項1〜19のいずれかに記載の前記方法。
- ヒト対象における変形性関節症及び変形性関節症関連の疼痛のうちの一方またはその両方を低減する方法であって、
前記変形性関節症及び前記変形性関節症関連の疼痛のうちの一方またはその両方を低減するために、前記ヒト対象に、IL−1α及びIL−1βの両方と結合する結合タンパク質を投与することを含み、
前記結合タンパク質の投与が、前記個体の体重に対して約1〜約3mg/kgの前記結合タンパク質の重量である投与量を用いて行われるか、または
前記結合タンパク質の投与が、約100mg〜約200mgの前記結合タンパク質である投与量を用いて行われ、
hsCRP、C1M、C3M、及びC反応性タンパク質CRPMからなる群から選択される1つ以上のバイオマーカーレベルの低下が、IL−1α及びIL−1βの両方と結合する前記結合タンパク質の1回以上の投与を受ける前の前記対象における前記1つ以上のバイオマーカーレベルと比較して、IL−1α及びIL−1βの両方と結合する前記結合タンパク質の前記1回以上の投与を受けた後の前記対象において観察される、前記方法。 - 前記結合タンパク質が、配列番号46、56、66、76、86、96、106、116、及び126から選択されるアミノ酸配列を含む可変重鎖を含み、かつ配列番号51、71、81、91、101、111、121、及び131から選択されるアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む、DVD−Ig結合タンパク質を含む、請求項21に記載の前記方法。
- 前記変形性関節症が、中等度から重度の変形性膝関節症または中等度から重度のびらん性変形性手関節症である、請求項21または22に記載の前記方法。
- 前記個体への投与が、皮下投与または静脈内投与によるものである、請求項21〜23のいずれかに記載の前記方法。
- 前記結合タンパク質が、約1〜約3mg/kgの投与量で投与される、請求項21〜24のいずれかに記載の前記方法。
- 前記結合タンパク質が、約3mg/kgの投与量で投与される、請求項21〜25のいずれかに記載の前記方法。
- 前記結合タンパク質が、約100mg〜約200mgの総投与量で投与される、請求項1〜26のいずれかに記載の前記方法。
- 前記結合タンパク質が、単回投与で投与される、請求項1〜27のいずれかに記載の前記方法。
- 前記結合タンパク質が、隔週または4週間毎に投与される、請求項28に記載の前記方法。
- 対象における変形性関節症関連の1つ以上のバイオマーカーレベルを低下させる方法であって、
変形性関節症関連の1つ以上のバイオマーカーレベルを低下させるために、前記対象に、配列番号46、56、66、76、86、96、106、116、及び126から選択されるアミノ酸配列を含む可変重鎖を含み、かつ配列番号51、71、81、91、101、111、121、及び131から選択されるアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む、DVD−Ig結合タンパク質を投与することを含み、
前記結合タンパク質の投与が、前記個体の体重に対して約1〜約3mg/kgの前記結合タンパク質の重量である投与量を用いて行われるか、または
前記結合タンパク質の投与が、約100mg〜約200mgの前記結合タンパク質である投与量を用いて行われ、
hsCRP、C1M、C3M、及びC反応性タンパク質CRPMからなる群から選択される1つ以上のバイオマーカーレベルの低下が、前記DVD−Ig結合タンパク質の投与前の前記対象における前記1つ以上のバイオマーカーレベルと比較して、前記DVD−Ig結合タンパク質の投与後の前記対象において観察される、前記方法。 - 前記変形性関節症が、中等度から重度の変形性膝関節症または中等度から重度のびらん性変形性手関節症である、請求項30に記載の前記方法。
- 前記個体への投与が、皮下投与または静脈内投与によるものである、請求項30または31に記載の前記方法。
- 前記結合タンパク質が、約1〜約3mg/kgの投与量で投与される、請求項30〜32のいずれかに記載の前記方法。
- 前記結合タンパク質が、約3mg/kgの投与量で投与される、請求項30〜33のいずれかに記載の前記方法。
- 前記結合タンパク質が、約100mg〜約200mgの総投与量で投与される、請求項1〜34のいずれかに記載の前記方法。
- 前記結合タンパク質が、単回投与で投与される、請求項1〜35のいずれかに記載の前記方法。
- 前記結合タンパク質が、隔週または4週間毎に投与される、請求項36に記載の前記方法。
- ヒト対象における変形性関節症を治療するための方法であって、前記ヒト対象に、IL−1α及びIL−1βの両方と結合する結合タンパク質であって、配列番号46、56、66、76、86、96、106、116、及び126から選択されるアミノ酸配列を含む可変重鎖を含み、かつ配列番号51、71、81、91、101、111、121、及び131から選択されるアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む、DVD−Ig結合タンパク質である、結合タンパク質を、前記ヒト対象への前記DVD−Ig結合タンパク質の投与後に、
(a)約5〜約300μg×日/mLの曲線下面積(AUC)、
(b)少なくとも約8日間の血清もしくは血漿中濃度半減期(T1/2)、
(c)約2日〜約8日間の観察された最高血清中濃度到達時点(Tmax)、及び/または
(d)約0.5〜約25μg/mLの観察された最高血清中濃度(Cmax)、を達成する投与量で投与するステップを含む、
前記方法。 - 前記AUCが、約12〜約280μg×日/mLであり、前記T1/2が、少なくとも約10日間であり、前記Tmaxが、約2.5日〜約7日間であり、及び/または前記Cmaxが、約0.1〜約23μg/mLである、請求項38に記載の前記方法。
- 前記AUCが、少なくとも約30μg×日/mLであり、前記T1/2が、少なくとも約10日間であり、前記Tmaxが約7日未満であり、及び/または前記Cmaxが、少なくとも約2.5μg/mLである、請求項38に記載の前記方法。
- ヒト対象における変形性関節症関連の疼痛を治療するための方法であって、前記疼痛が変形性関節症に関連し、前記方法が、前記ヒト対象に、IL−1α及びIL−1βの両方と結合する結合タンパク質であって、配列番号46、56、66、76、86、96、106、116、及び126から選択されるアミノ酸配列を含む可変重鎖を含み、かつ配列番号51、71、81、91、101、111、121、及び131から選択されるアミノ酸配列を含む可変軽鎖を含む、DVD−Ig結合タンパク質である、結合タンパク質を、前記ヒト対象への前記DVD−Ig結合タンパク質の投与後に、
(a)約5〜約300μg×日/mLのAUC、
(b)少なくとも約8日間のT1/2、
(c)約2日〜約8日間のTmax、及び/または
(d)約0.5〜約25μg/mLのCmax、を達成する投与量で投与するステップを含む、
前記方法。 - 前記AUCが、約12〜約280μg×日/mLであり、前記T1/2が、少なくとも約10日間であり、前記Tmaxが、約2.5日〜約7日間であり、及び/または前記Cmaxが、約0.1〜約23μg/mLである、請求項41に記載の前記方法。
- 前記AUCが、少なくとも約30μg×日/mLであり、前記T1/2が、少なくとも約10日間であり、前記Tmaxが約7日未満であり、及び/または前記Cmaxが、少なくとも約2.5μg/mLである、請求項41に記載の前記方法。
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