JP2016525075A - ヘテロアリール置換ピラゾール類 - Google Patents

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Abstract

Bub1キナーゼの阻害薬である式(I)で表される化合物、それらを製造する方法、及び、医薬としてのそれらの使用。【化1】

Description

本発明は、ヘテロアリール置換インダゾール化合物、それらを製造する方法及びそれらの使用に関する。
癌細胞の最も基本的な特徴の1つは、慢性的な増殖を維持するそれらの能力であり、それに対して、正常な組織においては、細胞数の恒常性及び正常な組織の機能の維持を保証するために、細胞***周期へのエントリー及び細胞***周期を介した進行がしっかりと制御されている。増殖制御の喪失は、癌の6つの特徴のうちの1つとして重要視された[Hanahan D and Weinberg RA, Cell 100, 57, 2000; Hanahan D and Weinberg RA, Cell 144, 646, 2011]。
真核細胞の***周期(又は、細胞周期)は、調整及び調節されたシーケンスオブイベントによって、ゲノムの複製及びゲノムの娘細胞への分配を保証する。細胞周期は、4つの連続する相に分けられる:
1. G1期は、DNA複製の前の時間を表し、このG1期では、細胞は成長し、そして、外部刺激に対して感受性である;
2. S期において、細胞は、そのDNAを複製する;及び、
3. G2基において、有糸***へのエントリーのための準備が成される;
4. 有糸***(M期)において、複製された染色体は、微小管で構成される紡錘装置に支持されながら離ればなれになり、そして、2個の娘細胞への細胞***は完了する。
染色体を娘細胞に正確に分配するのに必要な極めて高いフィデリティーを保証するために、細胞周期の経過は、厳密に調節及び制御されている。細胞周期の進行に必要な酵素は、正確な時点で活性化されなければならず、そして、さらに、対応する期を通過した直後に再び不活性化されなければならない。対応する制御ポイント(「チェックポイント」)は、DNAのダメージが検出された場合、又は、DNAの複製若しくは紡錘装置の作成が完結しなかった場合、細胞周期の進行を停止又は遅延させる。有糸***チェックポイント(紡錘体チェックポイント又は紡錘体アセンブリチェックポイントとしても知られている)は、重複染色体の動原体(微小管に対する結合部位)への紡錘装置の微小管の正確な結合を制御する。有糸***チェックポイントは、結合されていない動原体が存在している限り活性を有し、そして、ウェイトシグナルを生成して、各動原体が紡錘体極に確実に結合して結合におけるエラーを是正するための時間を***細胞に与える。かくして、有糸***チェックポイントは、有糸***細胞が結合していない染色体又は誤って結合している染色体を有したまま細胞***することを防止している[Suijkerbuijk SJ and Kops GJ, Biochem. Biophys. Acta 1786, 24, 2008; Musacchio A and Salmon ED, Nat. Rev. Mol. Cell. Biol. 8, 379, 2007]。ひとたび全ての動原体に有糸***紡錘体極が正しい二極性(アンフィテリック)様式で結合すれば、そのチェックポイントは満たされて、その細胞は***後期に入り、有糸***は進行する。
有糸***チェックポイントは、多くの種類の必須タンパク質の複雑なネットワークによって確立され、そのようなネットワークとしては、MAD(mitotic arrest deficient、MAD1−3)及びBub(Budding uninhibited by benzimidazole、Bub1−3)ファミリー、Mps1キナーゼ、cdc20、並びに、別の成分のメンバーなどがあり[「Bolanos−Garcia VM and Blundell TL, Trends Biochem. Sci. 36, 141, 2010」の中で概説されている]、これらのうちの多くは、増殖性の細胞(例えば、癌細胞)及び組織において過剰発現されている[Yuan B et al., Clin. Cancer Res. 12, 405, 2006]。満たされていない有糸***チェックポイントの主要な機能は、後期促進複合体/サイクロソーム(APC/C)を不活性な状態に維持することである。そのチェックポイントが満たされると直ぐに、APC/Cユビキチン−リガーゼはサイクリンB及びタンパク質分解に関するセキュリンを目標とし、対染色体の分離をもたらし、有糸***から出る。
Ser/ThrキナーゼBub1の不活性化突然変異は、酵母S.cerevisiaeの細胞を微小管不安定化薬で処理した際、有糸***の進行の遅延を妨げ、それによって、Bub1が有糸***チェックポイントタンパク質であると確認された[Roberts BT et al., Mol. Cell Biol., 14, 8282, 1994]。最近の多くの刊行物は、Bub1が有糸***に際して多くの役割を果たしているという証拠を提供しており、このことはElowe[Elowe S,Mol. Cell. Biol. 31, 3085, 2011]によって概説されている。特に、Bub1は、重複染色体の動原体に結合する第1の有糸***チェックポイントタンパク質のうちの1つであり、そして、おそらく、有糸***チェックポイント複合体を構成するための骨格タンパク質としての役割を果たす。さらに、ヒストンH2Aのリン酸化を介して、Bub1は、タンパク質シュゴシンを染色体のセントロメア領域に局在化させて、対染色体の早期分離を防止する[Kawashima et al. Science 327, 172, 2010]。さらに、シュゴシンタンパク質は、Thr−3リン酸化ヒストンH3と一緒に、染色体パッセンジャー複合体(これは、タンパク質スルビビン、ボレアリン、INCENP及びオーロラBを含んでいる)に対する結合部位として機能する。染色体パッセンジャー複合体は、有糸***チェックポイント機構内の張力センサーとして理解されており、シンテリック結合(姉妹動原体が両方とも1つの紡錘体極に結合している)又はメロテリック結合(1つの動原体が2つの紡錘体極に結合している)などの誤って形成された微小管−動原体結合を分解する[Watanabe Y, Cold Spring Harb. Symp. Quant. Biol. 75, 419, 2010]。最近のデータは、121のヒストンH2AがBub1キナーゼでリン酸化されることが、AuroraBキナーゼを局在化させて、結合エラー是正チェックポイントを実施させるのに充分であるということを示唆している[Ricke et al. J. Cell Biol. 199, 931−949, 2012]。
不完全な有糸***チェックポイントの機能は、異数性及び腫瘍形成と関連付けられてきた[Weaver BA and Cleveland DW, Cancer Res. 67, 10103, 2007; King RW, Biochim Biophys Acta 1786, 4, 2008]。それに反して、有糸***チェックポイントを完全に阻害することは、重度の染色体不分離をもたらし、腫瘍細胞の細胞死及びアポトーシスを誘発すると認識されてきた[Kops GJ et al., Nature Rev. Cancer 5, 773, 2005; Schmidt M and Medema RH, Cell Cycle 5, 159, 2006; Schmidt M and Bastians H, Drug Res. Updates 10, 162, 2007]。かくして、有糸***チェックポイント(例えば、Bub1キナーゼ)の成分を薬理学的に阻害することによる有糸***チェックポイントの抑止は、固形腫瘍、例えば、癌腫、肉腫、白血病、及び、リンパ性悪性疾患、又は、制御されない細胞増殖を伴う別の疾患を包含する増殖性疾患を治療するための新しいアプローチを代表する。
本発明は、Bub1キナーゼを阻害する化合物に関する。
ビンカアルカロイド類、タキサン類又はエポチロン類などの確立された抗有糸***薬は、有糸***チェックポイントを活性化して、微小管動力学を安定化又は不安定化することにより、有糸***を停止させる。この有糸***の停止は、2つの娘細胞を形成するために重複染色体が分離するのを妨げる。有糸***の長期にわたる停止は、細胞質***することなく細胞の有糸***を強制的に終了させる(有糸***スリッページ(mitotic slippage)又は有糸***アダプション(mitotic adaption))か、又は、細胞を強制的に有糸***異常にして、細胞死に至らしめる[Rieder CL and Maiato H, Dev. Cell 7, 637, 2004]。それに反して、Bub1の阻害薬は、有糸***チェックポイントの確立及び/又は機能性を妨げ、最終的には、重度の染色体不分離をもたらし、アポトーシス及び細胞死を誘発する。
これらの発見は、Bub1阻害物質は、温血動物(例えば、ヒト)における促進された制御されない増殖性細胞プロセスを伴う増殖性疾患、例えば、癌、炎症、関節炎、ウイルス性疾患、心臓血管疾患、又は、真菌病の治療に関して、治療上の有用性を有しているはずであるということを示唆している。
WO 2013/050438、WO 2013/092512、WO 2013/167698には、それぞれ、Bub1キナーゼ阻害物質である置換ベンジルインダゾール類、置換ベンジルピラゾール類及び置換ベンジルシクロアルキルピラゾール類が開示されている。
WO2012/003405、WO2013/101830、WO2014/047111、WO2014/047325には、本発明の化合物に構造的に関連している置換ピラゾール誘導体が開示されている。しかしながら、そのような化合物は、sGC刺激物質である。即ち、それらは、異なった標的に作用し/異なった作用機序を有し、そして、完全に異なった目的のために、即ち、肺高血圧症、動脈性高血圧症、心不全、アテローム性動脈硬化症、炎症、血栓症、腎線維症及び腎不全、肝硬変、***不全及び別の心臓血管疾患などの疾患を予防すること、処理すること及び治療することを目的として、使用される。
国際特許出願公開第2013/050438号 国際特許出願公開第2013/092512号 国際特許出願公開第2013/167698号 国際特許出願公開第2012/003405号 国際特許出願公開第2013/101830号 国際特許出願公開第2014/047111号 国際特許出願公開第2014/047325号
Hanahan D and Weinberg RA, Cell 100, 57, 2000 Hanahan D and Weinberg RA, Cell 144, 646, 2011 Suijkerbuijk SJ and Kops GJ, Biochem. Biophys. Acta 1786, 24, 2008 Musacchio A and Salmon ED, Nat. Rev. Mol. Cell. Biol. 8, 379, 2007 Bolanos−Garcia VM and Blundell TL, Trends Biochem. Sci. 36, 141, 2010 Yuan B et al., Clin. Cancer Res. 12, 405, 2006 Roberts BT et al., Mol. Cell Biol., 14, 8282, 1994 Elowe S,Mol. Cell. Biol. 31, 3085, 2011 Kawashima et al. Science 327, 172, 2010 Watanabe Y, Cold Spring Harb. Symp. Quant. Biol. 75, 419, 2010 Ricke et al. J. Cell Biol. 199, 931−949, 2012 Weaver BA and Cleveland DW, Cancer Res. 67, 10103, 2007 King RW, Biochim Biophys Acta 1786, 4, 2008 Kops GJ et al., Nature Rev. Cancer 5, 773, 2005 Schmidt M and Medema RH, Cell Cycle 5, 159, 2006 Schmidt M and Bastians H, Drug Res. Updates 10, 162, 2007 Rieder CL and Maiato H, Dev. Cell 7, 637, 2004
特に、ヒト又は動物の身体の種々の器官の組織における、制御されない増殖性細胞プロセスによって発現される癌疾患は、未だに、制御された疾患(ここで、制御された疾患は、充分な薬物療法が既に存在しているという点で制御されている)であるとは考えられていないという事実に起因して、治療上有用な新しいさらなる薬物、好ましくは、新しい標的を阻害して治療上の新しい選択肢を与える治療上有用な新しいさらなる薬物(例えば、改善された薬理学的特性を有する薬物)を提供することが強く求められている。
従って、Bub1の阻害薬は、単独の作用剤として又は別の薬物と組み合わされて、治療法の選択肢を補足する有益な化合物を代表する。
第1の態様によれば、本発明は、式(I)
Figure 2016525075
〔式中、
Tは、CH、CR17又はNであり;
Yは、CH、CR17又はNであり;
ここで、TとYの一方又は両方がCH又はCR17を表し;
は、ヘテロアリール(ここで、該ヘテロアリールは、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、1−6C−アルキル、2−6C−アルケニル、2−6C−アルキニル、1−6C−ハロアルキル、1−6C−ヒドロキシアルキル、1−6C−アルコキシ、1−6C−ハロアルコキシ、NR10、−C(O)OR13、−C(O)−(1−6C−アルキル)、−C(O)NR1112、3−6C−シクロアルキル、−S(O)NH−(3−6C−シクロアルキル)又は−S(O)NR10で1回以上置換されていてもよい)であり;
は、
(a)水素、
(b)NR10、又は、
(c)
Figure 2016525075
(ここで、*は、結合点である)
であり;
は、
(a)水素、
(b)ヒドロキシ、
(c)1−6C−アルコキシ[ここで、該アルコキシは、
(c1)1又は2のヒドロキシ基、
(c2)NR10
(c3)−S−R14
(c4)−S(O)−R14
(c5)−S(O)−R14
(c6)−S(=O)(=NR15)R14
(c7)−S(O)NR10
で置換されていてもよい]、
(d)
Figure 2016525075
(ここで、*は、結合点である)、
(e)
Figure 2016525075
(ここで、*は、結合点である)、
(f)シアノ、又は、
(g)−S(O)−(1−4C−アルキル)
であり;
は、
(a)水素、
(b)2−6C−ヒドロキシアルキル、
(c)
Figure 2016525075
(ここで、*は、結合点である)、
(d)−C(O)−(1−6C−アルキル)、
(e)−C(O)−(1−6C−アルキレン)−O−(1−6C−アルキル)、又は、
(f)−C(O)−(1−6C−アルキレン)−O−(1−6C−アルキレン)−O−(1−6C−アルキル)
であり;
は、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、C(O)NR1112、C(O)OR13又はC(O)NHOHであり;
は、水素、ハロゲン、シアノ、1−6C−アルキル、2−6C−アルケニル、1−6C−アルコキシ、1−6C−ハロアルコキシ、3−6C−シクロアルキル、C(O)NR1112又はNR10であり;
は、水素、ハロゲン、シアノ、1−6C−アルキル、2−6C−アルケニル、1−6C−アルコキシ、1−6C−ハロアルコキシ、3−6C−シクロアルキル又はNR10であり;
mは、0、1、2又は3であり;
、R10は、互いに独立して、水素又は1−6C−アルキルであり;
11、R12は、互いに独立して、水素、1−6C−アルキル、2−6C−ヒドロキシアルキル又は(1−4C−アルキル)−S(O)−(1−4C−アルキル)であり;
13は、水素又は1−6C−アルキルであり;
14は、1−6C−アルキル、3−6C−シクロアルキル、フェニル又はベンジルから選択される基(ここで、該基は、ヒドロキシ、ハロゲン又はNR10からなる群から同じように又は異なるように選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい)であり;
15は、水素、シアノ又はC(O)R16であり;
16は、1−6C−アルキル又は1−6C−ハロアルキルであり;
17は、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、C(O)NR1112又はC(O)OR13である〕
で表される化合物又は該化合物のN−オキシド、塩、互変異性体若しくは立体異性体又は該N−オキシド、互変異性体若しくは立体異性体の塩に関する。
本発明の別の態様は、本明細書中で定義されている式(I)〔式中、
Tは、CH、CR17又はNであり;
Yは、CH、CR17又はNであり;
ここで、TとYの一方又は両方がCH又はCR17を表し;
は、ヘテロアリール(ここで、該ヘテロアリールは、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、1−3C−アルキル、2−3C−アルケニル、2−3C−アルキニル、1−3C−ハロアルキル、1−3C−ヒドロキシアルキル、1−3C−アルコキシ、1−3C−ハロアルコキシ、NR10、−C(O)OR13、−C(O)−(1−3C−アルキル)、−C(O)NR1112、3−6C−シクロアルキル、−S(O)NH−(3−6C−シクロアルキル)又は−S(O)NR10で1回以上置換されていてもよい)であり;
は、
(a)水素、
(b)NR10、又は、
(c)
Figure 2016525075
(ここで、*は、結合点である)
であり;
は、
(a)水素、
(b)ヒドロキシ、
(c)1−4C−アルコキシ[ここで、該アルコキシは、
(c1)1又は2のヒドロキシ基、
(c2)NR10
(c3)−S−R14
(c4)−S(O)−R14
(c5)−S(O)−R14
(c6)−S(=O)(=NR15)R14
(c7)−S(O)NR10
で置換されていてもよい]、
(f)シアノ、又は、
(g)−S(O)−(1−4C−アルキル)
であり;
は、水素であり;
は、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、C(O)NR1112又はC(O)OR13であり;
は、水素、ハロゲン、シアノ、1−3C−アルキル、2−3C−アルケニル、1−3C−アルコキシ、1−3C−ハロアルコキシ、3−6C−シクロアルキル、C(O)NR1112又はNR10であり;
は、水素、ハロゲン、シアノ、1−3C−アルキル、2−3C−アルケニル、1−3C−アルコキシ、1−3C−ハロアルコキシ、3−6C−シクロアルキル又はNR10であり;
mは、0、1、2又は3であり;
、R10は、互いに独立して、水素又は1−3C−アルキルであり;
11、R12は、互いに独立して、水素、1−3C−アルキル又は2−3C−ヒドロキシアルキルであり;
13は、水素又は1−3C−アルキルであり;
14は、メチル又はシクロプロピルから選択される基であり;
15は、水素、シアノ又はC(O)R16であり;
16は、メチル又はトリフルオロメチルであり;
17は、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、C(O)NR1112又はC(O)OR13である〕
で表される化合物又は該化合物のN−オキシド、塩、互変異性体若しくは立体異性体又は該N−オキシド、互変異性体若しくは立体異性体の塩である。
本発明の別の態様は、本明細書中で定義されている式(I)〔式中、
Tは、CH又はCR17であり;
Yは、CH又はCR17であり;
は、ヘテロアリール(ここで、該ヘテロアリールは、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ又は1−3C−アルキルで1回以上置換されていてもよい)であり;
は、水素であり;
は、
(a)水素、
(b)ヒドロキシ、
(c)1−4C−アルコキシ[ここで、該アルコキシは、
(c1)ヒドロキシ、
(c3)−S−R14
(c4)−S(O)−R14
(c5)−S(O)−R14
(c6)−S(=O)(=NR15)R14
で置換されていてもよい]、
(f)シアノ、又は、
(g)−S(O)−(1−4C−アルキル)
であり;
は、水素であり;
は、ハロゲン、シアノ、C(O)NR1112又はC(O)OR13であり;
は、1−3C−アルキル又は3−6C−シクロアルキルであり;
は、1−3C−アルキルであり;
mは、0又は1であり;
11、R12は、互いに独立して、水素又は1−3C−アルキルであり;
13は、水素又は1−3C−アルキルであり;
14は、メチル又はシクロプロピルから選択される基であり;
15は、水素であり;
17は、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、C(O)NR1112又はC(O)OR13である〕
で表される化合物又は該化合物のN−オキシド、塩、互変異性体若しくは立体異性体又は該N−オキシド、互変異性体若しくは立体異性体の塩である。
本発明の別の態様は、本明細書中で定義されている式(I)〔式中、
Tは、CHであり;
Yは、CHであり;
は、ヘテロアリール(ここで、該ヘテロアリールは、独立して、クロロ又はメチルで1回以上置換されていてもよい)であり;
は、水素であり;
は、メトキシであり;
は、水素であり;
は、C(O)NR1112又はC(O)OR13であり;
は、シクロプロピルであり;
は、メチルであり;
mは、0又は1であり;
11、R12は、水素であり;
13は、水素又はエチルである〕
で表される化合物又は該化合物のN−オキシド、塩、互変異性体若しくは立体異性体又は該N−オキシド、互変異性体若しくは立体異性体の塩である。
本発明のさらなる態様において、上記で記載されている式(I)で表される化合物は、以下のものからなる群から選択される:
2−{1−[(4−クロロ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)メチル]−5−シクロプロピル−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル}−5−メトキシ−N−(ピリジン−4−イル)ピリミジン−4−アミン;
4−[(2−{5−シクロプロピル−1−[(3,5−ジメチル−1,2−オキサゾール−4−イル)メチル]−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル}−5−メトキシピリミジン−4−イル)アミノ]ニコチンアミド;
4−[(2−{5−シクロプロピル−1−[(3,5−ジメチル−1,2−オキサゾール−4−イル)メチル]−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル}−5−メトキシピリミジン−4−イル)アミノ]ニコチン酸;
4−[(2−{5−シクロプロピル−1−[(3,5−ジメチル−1,2−オキサゾール−4−イル)メチル]−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル}−5−メトキシピリミジン−4−イル)アミノ]ニコチネート;
4−[(2−{5−シクロプロピル−4−メチル−1−[(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)メチル]−1H−ピラゾール−3−イル}−5−メトキシピリミジン−4−イル)アミノ]ピリジン−3−カルボン酸エチル;及び、
4−[(2−{5−シクロプロピル−4−メチル−1−[(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)メチル]−1H−ピラゾール−3−イル}−5−メトキシピリミジン−4−イル)アミノ]ピリジン−3−カルボキサミド;
又は上記化合物のN−オキシド、塩、互変異性体若しくは立体異性体又は該N−オキシド、互変異性体若しくは立体異性体の塩。
本発明のさらなる態様は、以下のものからなる群から選択される式(I)で表される化合物に関する:
2−{1−[(4−クロロ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)メチル]−5−シクロプロピル−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル}−5−メトキシ−N−(ピリジン−4−イル)ピリミジン−4−アミン;
4−[(2−{5−シクロプロピル−1−[(3,5−ジメチル−1,2−オキサゾール−4−イル)メチル]−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル}−5−メトキシピリミジン−4−イル)アミノ]ニコチンアミド;
4−[(2−{5−シクロプロピル−1−[(3,5−ジメチル−1,2−オキサゾール−4−イル)メチル]−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル}−5−メトキシピリミジン−4−イル)アミノ]ニコチン酸;及び、
4−[(2−{5−シクロプロピル−1−[(3,5−ジメチル−1,2−オキサゾール−4−イル)メチル]−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル}−5−メトキシピリミジン−4−イル)アミノ]ニコチネート;
又は上記化合物のN−オキシド、塩、互変異性体若しくは立体異性体又は該N−オキシド、互変異性体若しくは立体異性体の塩。
本発明のさらなる態様は、以下のものからなる群から選択される式(I)で表される化合物に関する:
2−{1−[(4−クロロ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)メチル]−5−シクロプロピル−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル}−5−メトキシ−N−(ピリジン−4−イル)ピリミジン−4−アミン;
4−[(2−{5−シクロプロピル−1−[(3,5−ジメチル−1,2−オキサゾール−4−イル)メチル]−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル}−5−メトキシピリミジン−4−イル)アミノ]ニコチンアミド;
又は上記化合物のN−オキシド、塩、互変異性体若しくは立体異性体又は該N−オキシド、互変異性体若しくは立体異性体の塩。
本発明のさらに別の態様は、式(I)〔式中、
Tは、CHであり;
Yは、CHであり;
は、ヘテロアリール(ここで、該ヘテロアリールは、独立して、ハロゲン又は1−6C−アルキルで1回以上置換されていてもよい)であり;
は、水素であり;
は、1−6C−アルコキシであり;
は、水素であり;
は、C(O)NR1112又はC(O)OR13であり;
は、3−6C−シクロアルキルであり;
は、1−6C−アルキルであり;
mは、0又は1であり;
11、R12は、水素であり;
13は、水素又は1−6C−アルキルである〕
で表される化合物又は該化合物のN−オキシド、塩、互変異性体若しくは立体異性体又は該N−オキシド、互変異性体若しくは立体異性体の塩である。
本発明の1態様は、請求項5において特許請求されているタイトル中の化合物の名称及びそれらの構造並びに実施例の化合物中に具体的に開示されている全ての残基の従属的な組合せによって特徴付けられる、実施例に記載されている式(I)で表される化合物である。
本発明の別の態様は、式(I)で表される化合物を合成するために使用される中間体、及び、式(I)で表される化合物又は該化合物のN−オキシド、塩、互変異性体若しくは立体異性体又は該N−オキシド、互変異性体若しくは立体異性体の塩を合成するための該中間体の使用である。
本発明のさらなる態様は、式(I)〔式中、Rは、ヘテロアリール(ここで、該ヘテロアリールは、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、1−6C−アルキル、2−6C−アルケニル、2−6C−アルキニル、1−6C−ハロアルキル、1−6C−ヒドロキシアルキル、1−6C−アルコキシ、1−6C−ハロアルコキシ、NR10、−C(O)OR13、−C(O)−(1−6C−アルキル)、−C(O)NR1112、3−6C−シクロアルキル、−S(O)NH−(3−6C−シクロアルキル)又は−S(O)NR10で1回以上置換されていてもよい)である〕で表される化合物である。
本発明のさらなる態様は、式(I)〔式中、Rは、ヘテロアリール(ここで、該ヘテロアリールは、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、1−6C−アルキル、2−6C−アルケニル、2−6C−アルキニル、1−6C−ハロアルキル、1−6C−ヒドロキシアルキル、1−6C−アルコキシ、1−6C−ハロアルコキシ、NR10、−C(O)OR13、−C(O)−(1−6C−アルキル)、−C(O)NR1112、3−6C−シクロアルキルで1回以上置換されていてもよい)である〕で表される化合物である。
本発明のさらなる態様は、式(I)〔式中、Rは、ヘテロアリール(ここで、該ヘテロアリールは、独立して、−S(O)NH−(3−6C−シクロアルキル)又は−S(O)NR10で1回以上置換されていてもよい)である〕で表される化合物である。
本発明のさらに別の態様は、式(I)、〔式中、Rは、ヘテロアリール(ここで、該ヘテロアリールは、独立して、1−3C−アルキル又はハロゲン(特に、メチル又は塩素)で1回以上置換されていてもよい)である〕で表される化合物である。
本発明の別の態様は、式(I)〔式中、Rは、ヘテロアリールであり、ここで、該ヘテロアリールは、1H−ピラゾール−5−イル又は1,2−オキサゾール−4−イルである〕で表される化合物である。
本発明の別の態様は、式(I)〔式中、Rは、ヘテロアリールであり、ここで、該ヘテロアリールは、1H−ピラゾール−5−イル、1,2−オキサゾール−4−イル又は1,3,4−オキサジアゾール−2−イルである〕で表される化合物である。
本発明の別の態様は、式(I)〔式中、Rは、ヘテロアリールであり、ここで、該ヘテロアリールは、1H−ピラゾール−5−イル、1,2−オキサゾール−4−イル又は1,3,4−オキサジアゾール−2−イルであり、ここで、該ヘテロアリールは、独立して、1−3C−アルキル又はハロゲン(特に、メチル又は塩素)で1回以上置換されていてもよい〕で表される化合物である。
本発明の別の態様は、式(I)〔式中、Rは、単環式5員芳香族ヘテロ環である〕で表される化合物である。
本発明の別の態様は、式(I)〔式中、Rは、単環式5員芳香族ヘテロ環であり、ここで、該単環式5員芳香族ヘテロ環は、独立して、1−3C−アルキル又はハロゲン(特に、メチル又は塩素)で1回以上置換されていてもよい〕で表される化合物である。
本発明の別の態様は、式(I)〔式中、Rは、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリルである〕で表される化合物である。
本発明の別の態様は、式(I)〔式中、Rは、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリルであり、ここで、これらは、独立して、1−3C−アルキル又はハロゲン(特に、メチル又は塩素)で1回以上置換されていてもよい〕で表される化合物である。
本発明の別の態様は、式(I)〔式中、Rは、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリルである〕で表される化合物である。
本発明の別の態様は、式(I)〔式中、Rは、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリルであり、ここで、これらは、独立して、1−3C−アルキル又はハロゲン(特に、メチル又は塩素)で1回以上置換されていてもよい〕で表される化合物である。
本発明の別の態様は、式(I)〔式中、Rは、1−3C−アルコキシ(特に、メトキシ)である〕で表される化合物である。
本発明の別の態様は、式(I)〔式中、Rは、水素、ヒドロキシル又は1−4C−アルコキシである〕で表される化合物である。
本発明の別の態様は、式(I)〔式中、Rは水素である〕で表される化合物である。
本発明の別の態様は、式(I)〔式中、Rは、ハロゲン、シアノ、C(O)NR1112、C(O)OR13又はC(O)NHOHである〕で表される化合物である。
本発明の別の態様は、式(I)〔式中、Rは、C(O)NR1112、C(O)OR13である〕で表される化合物である。
本発明の別の態様は、式(I)〔式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、1−6C−アルキル、2−6C−アルケニル、1−6C−アルコキシ、1−6C−ハロアルコキシ、3−6C−シクロアルキル、C(O)NR1112又はNR10である〕で表される化合物である。
本発明の別の態様は、式(I)〔式中、Rは、水素、1−6C−アルキル、3−6C−シクロアルキルである〕で表される化合物である。
本発明の別の態様は、式(I)〔式中、Rは、3−6C−シクロアルキル(特に、シクロプロピル)である〕で表される化合物である。
本発明の別の態様は、式(I)〔式中、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、1−6C−アルキル、2−6C−アルケニル、1−6C−アルコキシ、1−6C−ハロアルコキシ、3−6C−シクロアルキル又はNR10である〕で表される化合物である。
本発明の別の態様は、式(I)〔式中、Rは、水素、1−6C−アルキル、3−6C−シクロアルキルである〕で表される化合物である。
本発明の別の態様は、式(I)〔式中、Rは、1−6C−アルキル(特に、メチル)である〕で表される化合物である。
本発明のさらに別の態様は、式(I)〔式中、mは0である〕で表される化合物である。
本発明の別の態様は、式(I)〔式中、mは、0又は1である〕で表される化合物である。
本発明の別の態様は、式(I)〔式中、R/R10は、互いに独立して、水素又は1−6C−アルキル(特に、水素)である〕で表される化合物である。
本発明の別の態様は、式(I)〔式中、R11、R12は、互いに独立して、水素、1−6C−アルキル、2−6C−ヒドロキシアルキル又は(1−4C−アルキル)−S(O)−(1−4C−アルキル)である〕で表される化合物である。
本発明の別の態様は、式(I)〔式中、R11、R12は、水素である〕で表される化合物である。
本発明の別の態様は、式(I)〔式中、R13は、水素又は1−6C−アルキルである〕で表される化合物である。
本発明の別の態様は、式(I)〔式中、R13は、水素又は1−3C−アルキル(特に、水素又はエチル)である〕で表される化合物である。
本発明のさらなる態様は、塩として存在している式(I)で表される化合物である。
本発明の別の実施形態は、「特許請求の範囲」のセクションにおいて開示されている請求項に記載されている化合物であり、ここで、その定義は、以下で開示されている好ましい定義若しくはさらに好ましい定義に従って限定されるか、又は、例示されている化合物の具体的に開示されている残基及びそれらの従属的な組合せに従って限定される。
定義
本明細書中で示されているように置換されていてもよい成分は、特に別途記載されていない限り、任意の可能な位置において、互いに独立して1回以上置換され得る。任意の成分において、可変部分が2回以上存在している場合、各定義は独立している。例えば、式(I)で表される化合物に関して、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、T及び/又はYが2回以上存在している場合、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、T及びYの各定義は独立している。
「特許請求の範囲」及び明細書において特に別途定義されていない限り、以下で定義されている成分は、
ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、1−6C−アルキル、1−4C−ハロアルキル、1−6C−アルコキシ、−NR10、シアノ、(=O)、−C(O)NR1112、−C(O)OR13
から選択される置換基で、同じように又は異なるように、1回以上置換され得る。ハロゲンで複数回置換されているアルキル成分には、完全にハロゲン化されているアルキル部分(例えば、CF)も包含される。
ある成分が2つ以上の部分構造で構成されている場合(例えば、−O−(1−6Cアルキル)−(3−7C−シクロアルキル))、可能な置換基の位置は、これらの部分構造のいずれかの任意の適切な位置であり得る。上記成分の初めに記載されているハイフンは、当該分子の残りの部分への結合点を表している。ある環が置換されている場合、該置換基は、その環の任意の適切な位置にあることができ、さらに、適切な場合には、環窒素原子上に存在することも可能である。
用語「含んでいる(comprising)」は、本明細書中で使用される場合、「からなる(consisting of)」を包含する。
本明細書中において「上記で記載されているように(as mentioned above)」又は「上記で記載されている(mentioned above)」と言及されている場合、それは、本明細書中の先行する頁の任意の部分における開示について言及している。
本発明の意味の範囲内における「適切な」は、当業者の知識の範囲内の方法によって化学的に製造することが可能であることを意味する。
「1−6C−アルキル」は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル基である。その例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル及びtert−ブチル、ペンチル、ヘキシルであり、好ましくは、1〜4個の炭素原子(1−4C−アルキル)であり、さらに好ましくは、1〜3個の炭素原子(1−3C−アルキル)である。本明細書中に記載されている別の数の炭素原子を有する別のアルキル成分は、それらの炭素鎖の異なった長さを考慮して、上記のように定義される。アルキル鎖を含んでいる成分の2つの別の部分の間の架橋部分構造としてアルキル部分を含んでいる成分の、通常、「アルキレン」と称されるその部分構造は、好ましい長さの炭素鎖を含んでいる上記アルキルに関する定義に一致して定義される(例えば、メチレン、エチレン、n−プロピレン、イソ−プロピレン、n−ブチレン、イソブチレン、tert−ブチレン)。
「2−6C−アルケニル」は、2〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルケニルラジカルである。その例は、ブタ−2−エニル、ブタ−3−エニル(ホモアリル)、プロパ−1−エニル、プロパ−2−エニル(アリル)及びエテニル(ビニル)ラジカルである。
「2−6−アルキニル」は、2〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキニルラジカル、特に、2個又は3個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキニルラジカル(「2−3C−アルキニル」)である。その例は、エチニル、プロパ−1−イニル、プロパ−2−イニル、ブタ−1−イニル、ブタ−2−イニル、ブタ−3−イニル、ペンタ−1−イニル、ペンタ−2−イニル、ペンタ−3−イニル、ペンタ−4−イニル、ヘキサ−1−イニル、ヘキサ−2−イニル、ヘキサ−3−イニル、ヘキサ−4−イニル、ヘキサ−5−イニル、1−メチルプロパ−2−イニル、2−メチルブタ−3−イニル、1−メチルブタ−3−イニル、1−メチルブタ−2−イニル、3−メチルブタ−1−イニル、1−エチルプロパ−2−イニル、3−メチルペンタ−4−イニル、2−メチルペンタ−4−イニル、1−メチルペンタ−4−イニル、2−メチルペンタ−3−イニル、1−メチルペンタ−3−イニル、4−メチルペンタ−2−イニル、1−メチルペンタ−2−イニル、4−メチルペンタ−1−イニル、3−メチルペンタ−1−イニル、2−エチルブタ−3−イニル、1−エチルブタ−3−イニル、1−エチルブタ−2−イニル、1−プロピルプロパ−2−イニル、1−イソプロピルプロパ−2−イニル、2,2−ジメチルブタ−3−イニル、1,1−ジメチルブタ−3−イニル、1,1−ジメチルブタ−2−イニル又は3,3−ジメチルブタ−1−イニルラジカルである。特に、該アルキニル基は、エチニル、プロパ−1−イニル又はプロパ−2−イニルである。
本発明の意味の範囲内における「ハロゲン」は、ヨウ素、臭素、塩素又はフッ素であり、好ましくは、本発明の意味の範囲内における「ハロゲン」は、塩素又はフッ素である。
「1−6C−ハロアルキル」は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル基において、少なくとも1個の水素がハロゲン原子で置換されているものである。その例は、クロロメチル又は2−ブロモエチルである。部分的に又は完全にフッ素化されているC1−C4−アルキル基に関して、例えば、以下の部分的に又は完全にフッ素化されている基が考慮される:フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロエチル、1,1−ジフルオロエチル、1,2−ジフルオロエチル、1,1,1−トリフルオロエチル、テトラフルオロエチル、及び、ペンタ−フルオロエチル、ここで、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル又は1,1,1−トリフルオロエチルが好ましい。部分的に又は完全にフッ素化されている可能な全ての1−6C−アルキル基は、用語「1−6C−ハロアルキル」に包含されると考えられる。
「1−6C−ヒドロキシアルキル」は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル基において、少なくとも1個の水素原子がヒドロキシ基で置換されているものである。その例は、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル、1−ヒドロキシ−2−メチル−プロピルである。
「1−6C−アルコキシ」は、酸素原子に加えて、1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキルラジカルを含んでいるラジカルを表す。挙げることができる例は、ヘキソキシ、ペントキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、エトキシ及びメトキシラジカルであり、好ましいのは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシである。該アルコキシ基が置換され得る場合、(c1)−(c7)で定義されている置換基は、化学的に適しているアルコキシ基の任意の炭素原子に位置し得る。
「1−6C−ハロアルコキシ」は、酸素原子に加えて、1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキルラジカルにおいて少なくとも1個の水素がハロゲン原子で置換されているものを含んでいるラジカルを表す。その例は、−O−CFH、−O−CFH、−O−CF、−O−CH−CFH、−O−CH−CFH、−O−CH−CFである。好ましいのは、−O−CFH、−O−CF、−O−CH−CFである。
「3−6C−シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルを表し、好ましくは、シクロプロピルを表す。
用語「ヘテロアリール」は、5員又は6員の単環式芳香族ヘテロ環又は縮合二環式芳香族部分を表し、そして、限定するものではないが、以下のものを包含する:5員ヘテロアリールラジカル フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル(1,2,4−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル又は1,2,3−トリアゾリル)、チアジアゾリル(1,3,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル又は1,2,4−チアジアゾリル)及びオキサジアゾリル(1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル又は1,2,4−オキサジアゾリル)、並びに、6員ヘテロアリールラジカル ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル及びピリダジニル、並びに、縮合環系、例えば、フタリジル−、チオフタリジル−、インドリル−、イソインドリル−、ジヒドロインドリル−、ジヒドロイソインドリル−、インダゾリル−、ベンゾチアゾリル−、ベンゾフラニル−、ベンゾイミダゾリル−、ベンゾオキサジノニル−、キノリニル−、イソキノリニル−、キナゾリニル−、キノキサリニル−、シンノリニル−、フタラジニル−、1,7−ナフチリジニル、1,8−ナフチリジニル−、クマリニル−、イソクマリニル−、インドリジニル−、イソベンゾフラニル−、アザインドリル−、アザイソインドリル−、フラノピリジル−、フラノピリミジニル−、フラノピラジニル−、フラノピリダジニル−。好ましい縮合環系は、インダゾリルである。好ましい5員又は6員のヘテロアリールラジカルは、フラニル、チエニル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル又はピリダジニルである。さらに好ましい5員又は6員のヘテロアリールラジカルは、フラン−2−イル、チエン−2−イル、ピロール−2−イル、チアゾリル、オキサゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、ピリジン−2−イル、ピリジン−4−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピラジン−2−イル又はピリダジン−3−イルである。
一般に、及び、特に別途記載されていない限り、上記ヘテロアリールラジカル又はヘテロアリーレンラジカルには、その可能な全ての異性体形態(例えば、位置異性体)が包含される。かくして、幾つかの非限定的な例証的な例に関して、用語「ピリジニル」又は「ピリジニレン」は、ピリジン−2−イル、ピリジン−2−イレン、ピリジン−3−イル、ピリジン−3−イレン、ピリジン−4−イル及びピリジン−4−イレンを包含し;又は、用語「チエニル」又は「チエニレン」は、チエン−2−イル、チエン−2−イレン、チエン−3−イル及びチエン−3−イレンを包含する。
本明細書中で言及されているヘテロアリール基、ヘテロアリーレン基又はヘテロ環式基は、特に別途示されていない限り、可能な任意の位置において(例えば、置換可能な任意の環炭素原子又は環窒素原子において)、それらの所与の置換基又は親分子基によって置換され得る。同様に、任意のヘテロアリール基又はヘテロシクリル基は、化学的に安定である場合は任意の適切な原子を介して、当該分子の残りの部分に結合することが可能であるということも理解される。特に別途示されていない限り、本明細書中に記載されている満たされていない原子価を有するヘテロアリール環又はヘテロアリーレン環のヘテロ原子は、いずれも、その原子価を満たすために水素原子(1個又は複数個)を有していると考えられる。特に別途示されていない限り、アミノ又はイミノのタイプの四級化可能な環窒素原子(−N=)を含んでいる環は、好ましくは、それらのアミノ又はイミノのタイプの環窒素原子において上記置換基又は親分子基によって四級化され得ない。
−NR10基は、例えば、NH、N(H)CH、N(CH、N(H)CHCH及びN(CH)CHCHを包含する。−NR10[ここで、RとR10は、それらが結合している窒素原子と一緒に、O、S又はNからなる群から選択される1個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい4〜6員のヘテロ環式環を形成する]の場合、該用語「ヘテロ環式環」は、上記で定義されている。
C(O)NR1112基は、例えば、C(O)NH、C(O)N(H)CH、C(O)N(CH、C(O)N(H)CHCH、C(O)N(CH)CHCH又はC(O)N(CHCHを包含する。R11又はR12が水素ではない場合、それらは、ヒドロキシで置換され得る。−NR10[ここで、RとR10は、それらが結合している窒素原子と一緒に、4〜6員のヘテロ環式環を形成する]の場合、用語「ヘテロ環式環」は上記で定義されており、そして、C(O)NR1112の場合と同様に使用することができる。
C(O)OR13基は、例えば、C(O)OH、C(O)OCH、C(O)OC、C(O)OC、C(O)OCH(CH、C(O)OCを包含する。
本発明の化合物の特性に関連して、用語「薬物動態学的プロフィール(pharmacokinetic profile)」は、浸透性、生物学的利用能、曝露(exposure)及び薬力学的パラメータ(例えば、持続期間)又は適切な実験において測定された薬理学的効果の大きさを包含する単一のパラメータ又はそれらの組合せを意味する。改善された薬物動態学的プロフィールを有する化合物は、例えば、より低い薬量で用いて同じ効果を達成することが可能であり、作用のより長い持続期間を達成することが可能であり、又は、両方の効果の組合せを達成することが可能である。
本発明による化合物の塩には、全ての無機酸付加塩及び有機酸付加並びに塩基との塩が包含され、特に、全ての製薬上許容される無機酸付加塩及び有機酸付加並びに塩基との塩が包含され、特に、製薬学において慣習的に使用される全ての製薬上許容される無機酸付加塩及び有機酸付加並びに塩基との塩が包含される。
本発明の1態様は、本発明による化合物の塩であって、これには、全ての無機酸付加塩及び有機酸付加が包含され、特に、全ての製薬上許容される無機酸付加塩及び有機酸付加が包含され、特に、製薬学において慣習的に使用される全ての製薬上許容される無機酸付加塩及び有機酸付加塩が包含される。本発明の別の態様は、ジカルボン酸及びトリカルボン酸との塩である。
酸付加塩の例としては、限定するものではないが、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、スルファミン酸との塩、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、D−グルコンサン塩、安息香酸塩、2−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸塩、酪酸塩、サリチル酸塩、スルホサリチル酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、ピルビン酸塩、アセト酢酸塩、酒石酸塩、ステアリン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ナフタリンジスルホン酸塩及びトリフルオロ酢酸塩などをあげることができる。
塩基との塩の例としては、限定するものではないが、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、マグネシウム塩、チタン塩、メグルミン塩、アンモニウム塩、場合によりNH又は1〜16個のC原子を有する有機アミンから誘導された塩、例えば、エチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、エチルジイソプロピルアミン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、ジメチルアミノエタノール塩、プロカイン塩、ジベンジルアミン塩、N−メチルモルホリン塩、アルギニン塩、リシン塩、エチレンジアミン塩、N−メチルピペリジン塩及びグアニジニウム塩などを挙げることができる。
該塩には、水不溶性塩、及び、特に、水溶性塩が、包含される。
本明細書において、特に、実験のセクションにおいて、中間体の合成及び本発明の実施例の合成に関し、ある化合物が対応する塩基又は酸を有する塩形態で言及されている場合、個々の調製方法及び/又は精製方法によって得られた当該塩形態の正確な化学量論的な組成は、殆どの場合、不明である。
特に別途明記されていない限り、化学名又は構造式の接尾語、例えば、「塩酸塩」、「トリフルオロ酢酸塩」、「ナトリウム塩」、又は、「x HCl」、「x CFCOOH」、「x Na」などは、化学量論的な明記ではなく、単に、塩形態であると理解されるべきである。
このことは、合成中間体又は実施例化合物又はそれらの塩が記載されている調製方法及び/又は精製方法によって(明示される場合)化学量論的な組成が不明な溶媒和物(例えば、水和物)として得られた場合にも同様に当てはまる。
当業者によれば、本発明による式(I)で表される化合物及びそれらの塩は、例えば、結晶質形態で単離された場合、さまざまな量の溶媒をを含み得る。従って、本発明による式(I)で表される化合物の全ての溶媒和物、及び、特に、全ての水和物、並びに、本発明による式(I)で表される化合物の塩の全ての溶媒和物、及び、特に、全ての水和物は、本発明の範囲内に包含される。
本発明における用語「組合せ」は、当業者には知られているように使用され、そして、固定された組合せ、固定されていない組合せ又はキットオブパーツとして存在し得る。
本発明における「固定された組合せ」は、当業者には知られているように使用され、そして、第1の活性成分と第2の活性成分が一緒に1つ単位用量又は単一の独立体の中に存在している組合せであると定義される。「固定された組合せ」の1つの例は、第1の活性成分と第2の活性成分が同時投与のために混合されて存在している(例えば、製剤中に存在している)医薬組成物である。「固定された組合せ」の別の例は、第1の活性成分と第2の活性成分が、混合されていない状態で1つの単位の中に存在している医薬組合せである。
本発明における固定されていない組合せ又は「キットオブパーツ」は、当業者には知られているように使用され、そして、第1の活性成分と第2の活性成分が2つ以上の単位の中に存在している組合せであると定義される。固定されていない組合せ又はキットオブパーツの1つの例は、第1の活性成分と第2の活性成分が別々に存在している組合せである。固定されていない組合せ又はキットオブパーツの成分は、別々に、順次に、同時に(simultaneously)、同時に(concurrently)、又は、日付順に時間をずらして、投与することができる。本発明の式(I)で表される化合物と下記で定義されている抗癌剤の上記のような任意の組合せは、本発明の一実施形態である。
用語「化学療法抗癌剤」は、限定するものではないが、以下のものを包含する:
131I−chTNT、アバレリックス(abarelix)、アビラテロン(abiraterone)、アクラルビシン(aclarubicin)、アルデスロイキン(aldesleukin)、アレムツズマブ(alemtuzumab)、アリトレチノイン(alitretinoin)、アルトレタミン(altretamine)、アミノグルテチミド(aminoglutethimide)、アムルビシン(amrubicin)、アムサクリン(amsacrine)、アナストロゾール(anastrozole)、アルグラビン(arglabin)、亜ヒ酸、アスパラギナーゼ(asparaginase)、アザシチジン(azacitidine)、バシリキシマブ(basiliximab)、ベロテカン(belotecan)、ベンダムスチン(bendamustine)、ベバシズマブ(bevacizumab)、ベキサロテン(bexarotene)、ビカルタミド(bicalutamide)、ビサントレン(bisantrene)、ブレノンマイシン(bleomycin)、ボルテゾミブ(bortezomib)、ブセレリン(buserelin)、ブスルファン(busulfan)、カバジタキセル(cabazitaxel)、 ホリナートカルシウム(calcium folinate)、レボホリナートカルシウム(calcium levofolinate)、カペシタビン(capecitabine)、カルボプラチン(carboplatin)、カルモフール(carmofur)、カルムスチン(carmustine)、カツマキソマブ(catumaxomab)、セレコキシブ(celecoxib)、セルモロイキン(celmoleukin)、セツキシマブ(cetuximab)、クロラムブシル(chlorambucil)、クロルマジノン(chlormadinone)、クロルメチン(chlormethine)、シスプラチン(cisplatin)、クラドリビン(cladribine)、クロドロン酸、クロファラビン(clofarabine)、コパンリシブ(copanlisib)、クリサンタスパーゼ(crisantaspase)、シクロホスファミド(cyclophosphamide)、シプロテロン(cyproterone)、シタラビン(cytarabine)、デカルバジン(dacarbazine)、ダクチノマイシン(dactinomycin)、ダルベポエチンα(darbepoetin alfa)、ダサチニブ(dasatinib)、ダウノルビシン(daunorubicin)、デシタビン(decitabine)、デガレリクス(degarelix)、デニロイキン・ディフティトックス(denileukin diftitox)、デノスマブ(denosumab)、デスロレリン(deslorelin)、ジブロスピジウムクロリド(dibrospidium chloride)、ドセタキセル(docetaxel)、ドキシフルリジン(doxifluridine)、ドキソルビシン(doxorubicin)、ドキソルビシン+エストロン(doxorubicin+estrone)、エクリズマブ(eculizumab)、エドレコロマブ(edrecolomab)、エリプチニウムアセテート(elliptinium acetate)、エルトロンボパグ(eltrombopag)、エンドスタチン(endostatin)、エノシタビン(enocitabine)、エピルビシン(epirubicin)、エピチオスタノール(epitiostanol)、エポエチンα(epoetin alfa)、エポエチンβ(epoetin beta)、エプタプラチン(eptaplatin)、エリブリン(eribulin)、エルロチニブ(erlotinib)、エストラジオール(estradiol)、エストラムスチン(estramustine)、エトポシド(etoposide)、エベロリムス(everolimus)、エキセメスタン(exemestane)、ファドロゾール(fadrozole)、フィルグラスチム(filgrastim)、フルダラビン(fludarabine)、フルオロウラシル(fluorouracil)、フルタミド(flutamide)、ホルメスタン(formestane)、ホテムスチン(fotemustine)、フルベストラント(fulvestrant)、硝酸ガリウム、ガニレリキス(ganirelix)、ゲフェチニブ(gefitinib)、ゲムシタビン(gemcitabine)、ゲムツズマブ(gemtuzumab)、グロトキシム(glutoxim)、ゴセレリン(goserelin)、ヒスタミン二塩酸塩、ヒストレリン(histrelin)、ヒドロキシカルバミド、I−125シード、イバンドロン酸、イブリツモマブチウキセタン(ibritumomab tiuxetan)、イダルビシン(idarubicin)、イホスファミド(ifosfamide)、イマチニブ(imatinib)、イミクキモド(imiquimod)、イムプロスルファン(improsulfan)、インターフェロンα(interferon alfa)、インターフェロンβ(interferon beta)、インターフェロンγ(interferon gamma)、イピリミマブ(ipilimumab)、イリノテカン(irinotecan)、イキサベピロン(ixabepilone)、ランレオチド(lanreotide)、ラパチニブ(lapatinib)、レナリドミド(lenalidomide)、レノグラスチム(lenograstim)、レンチナン(lentinan)、レトロゾール(letrozole)、ロイプロレリン(leuprorelin)、レバミソール(levamisole)、リスリド(lisuride)、ロバプラチン(lobaplatin)、ロムスチン(lomustine)、ロニダミン(lonidamine)、マソプロコール(masoprocol)、メドロキシプロゲステロン(medroxyprogesterone)、メゲストロール(megestrol)、メルファラン(melphalan)、メピチオスタン(mepitiostane)、メルカプトプリン(mercaptopurine)、メトトレキサート(methotrexate)、メトキシサレン(methoxsalen)、アミノレブリン酸メチル、メチルテストステロン(methyltestosterone)、ミファムリチド(mifamurtide)、ミルテホシン(miltefosine)、ミリプラチン(miriplatin)、ミトブロニトール(mitobronitol)、ミトグアゾン(mitoguazone)、ミトラクトール(mitolactol)、ミトマイシン(mitomycin)、ミトタン(mitotane)、ミトキサントロン(mitoxantrone)、ネダプラチン(nedaplatin)、ネララビン(nelarabine)、ニロチニブ(nilotinib)、ニルタミド(nilutamide)、ニモツズマブ(nimotuzumab)、ニムスチン(nimustine)、ニトラクリン(nitracrine)、オファツムマブ(ofatumumab)、オメプラゾール(omeprazole)、オプレルベキン(oprelvekin)、オキサリプラチン(oxaliplatin)、p53遺伝子療法、パクリタキセル(paclitaxel)、パリフェルミン(palifermin)、パラジウム−103シード、パミドロン酸、パニツムマブ(panitumumab)、パゾパニブ(pazopanib)、ペガスパルガセ(pegaspargase)、PEG−エポエチンβ(メトキシ PEG−エポエチンβ)、ペグフィルグラスチム(pegfilgrastim)、ペギンテルフェロンα−2b(peginterferon alfa−2b)、ペメトレキセド(pemetrexed)、ペンタゾシン(pentazocine)、ペントスタチン(pentostatin)、ペプロマイシン(peplomycin)、ペルホスファミド(perfosfamide)、ピシバニル(picibanil)、ピラルビシン(pirarubicin)、プレリキサフォル(plerixafor)、プリカマイシン(plicamycin)、ポリグルサム(poliglusam)、ポリエストラジオールホスフェート(polyestradiol phosphate)、ポリサッカリドK(polysaccharide−K)、ポルフィマーナトリウム(porfimer sodium)、プララトレキセート(pralatrexate)、プレドニムスチン(prednimustine)、プロカルバジン(procarbazine)、キナゴリド(quinagolide)、ラジウム−223クロリド、ラロキシフェン(raloxifene)、ラルチトレキセド(raltitrexed)、ラニムスチン(ranimustine)、ラゾキサン(razoxane)、レファメチニブ(refametinib)、レゴラフェニブ(regorafenib)、リセドロン酸、リツキシマブ(rituximab)、ロミデプシン(romidepsin)、ロミプロスチム(romiplostim)、ロニシクリブ(roniciclib)、サルグラモスチン(sargramostim)、シプロイセルT(sipuleucel−T)、シゾフィラン(sizofiran)、ソブゾキサン(sobuzoxane)、ナトリウムグリシジダゾール(sodium glycididazole)、ソラフェニブ(sorafenib)、ストレプトゾシン(streptozocin)、スニチニブ(sunitinib)、タラポルフィン(talaporfin)、タミバロテン(tamibarotene)、タモキシフェン(tamoxifen)、タソネルミン(tasonermin)、テセロイキン(teceleukin)、テガフール(tegafur)、テガフール+ギメラシル+オテラシル(tegafur+gimeracil+oteracil)、テモポルフィン(temoporfin)、テモゾロミド(temozolomide)、テムシロリムス(temsirolimus)、テニポシド(teniposide)、テストステロン、テトロホスミン(tetrofosmin)、サリドマイド(thalidomide)、チオテパ(thiotepa)、チマルファシン(thymalfasin)、チオグアニン(tioguanine)、トシリズマブ(tocilizumab)、トポテカン(topotecan)、トレミフェン(toremifene)、トシツモマブ(tositumomab)、トラベクテジン(trabectedin)、トラスツズマブ(trastuzumab)、トレオスルファン(treosulfan)、トレチノイン(tretinoin)、トリロスタン(trilostane)、トリプトレリン(triptorelin)、トロホスファミド(trofosfamide)、トリプトファン、ウベニメクス(ubenimex)、バルルビシン(valrubicin)、バンデタニブ(vandetanib)、バプレオチド(vapreotide)、ベムラフェニブ(vemurafenib)、ビンブラスチン(vinblastine)、ビンクリスチン(vincristine)、ビンデシン(vindesine)、ビンフルニン(vinflunine)、ビノレルビン(vinorelbine)、ボリノスタット(vorinostat)、ボロゾール(vorozole)、イットリウム−90ガラスミクロスフェア、ジノスタチン(zinostatin)、ジノスタチンスチマラマー(zinostatin stimalamer)、ゾレドロン酸、ゾルビシン(zorubicin)。
本発明の化合物は、互変異性体として存在し得る。互変異性体(時には、「プロトン−シフト(proton−shift tautomers)と称される)は、1以上の単結合と1以上の隣接する二重結合の交代に伴う水素原子の移動によって関連付けられる2種類以上の化合物である。本発明の化合物は、1種類以上の互変異性体形態で存在し得る。
例えば、ヘテロアリール基として例えばピラゾール部分を含んでいる本発明の化合物は、1H互変異性体若しくは2H互変異性体として存在し得るか又は2種類の互変異性体の任意の量における混合物としても存在することができ、あるいは、例えばトリアゾール部分を含んでいる本発明の化合物は、1H互変異性体、2H互変異性体若しくは4H互変異性体として存在し得るか又は該1H互変異性体と2H互変異性体と4H互変異性体の任意の量における混合物としても存在することができる。そのような化合物の別の例は、互変異性体形態として存在し得るヒドロキシピリジン類及びヒドロキシピリミジン類である:
Figure 2016525075
本発明の別の実施形態は、本発明の化合物の単一の互変異性体としての可能な全ての互変異性体、又は、該互変異性体の任意の比率における任意の混合物としての可能な全ての互変異性体である。
本発明の化合物は、それらの構造に応じて、種々の立体異性体形態で存在し得る。それらの形態には、立体配置異性体、又は、場合により、配座異性体(アトロプ異性体を包含する、エナンチオマー及び/又はジアステレオマー)が包含される。従って、本発明は、エナンチオマー、ジアステレオマー及びそれらの混合物を包含する。当技術分野において知られている方法を用いて、好ましくは、クロマトグラフィー法、特に、アキラル相又はキラル相を使用する高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて、エナンチオマー及び/又はジアステレオマーの混合物から純粋な立体異性体形態を単離することができる。本発明は、さらに、比率に関係なく上記立体異性体の全ての混合物(ラセミ化合物を包含する)を包含する。
本発明による化合物及び塩の一部は、種々の結晶形態(多形体)で存在することができ、その結晶形態は本発明の範囲内に包含される
さらに、本発明は、本発明の化合物の単一の多形体としての可能な全ての結晶形態(又は、多形体)、又は、2種類以上の多形体の任意の比率における混合物としての可能な全ての結晶形態(又は、多形体)を包含する。
さらに、生体系内で式(I)で表される化合物又はその塩に変換される式(I)で表される化合物又はその塩の誘導体(生体前駆物質(bioprecursor)又はプロドラッグ)も、本発明に包含される。該生体系は、例えば、哺乳動物生体、特に、ヒト被検者である。該生体前駆物質は、例えば、代謝プロセスによって式(I)で表される化合物又はその塩に変換される。
本発明は、さらに、本発明の化合物の適切な全ての同位体変種も包含する。本発明の化合物の同位体変種は、その中の少なくも1個の原子が、同じ原子番号を有するが原子質量は自然界で通常又は主に見られる原子質量とは異なっている原子で置き換えられている化合物として定義される。本発明の化合物の中に組み入れられ得る同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素の同位体、例えば、それぞれ、H(重水素)、H(三重水素)、11C、13C、14C、15N、17O、18O、32P、33P、33S、34S、35S、36S、18F、36Cl、82Br、123I、124I、129I及び131Iなどを挙げることができる。本発明の化合物の特定の同位体変種、例えば、1以上の放射性同位体(例えば、H又は14C)が組み入れられているものは、薬物及び/又は基質の組織分布に関する研究において有用である。トリチウム化同位体及び炭素−14(即ち、14C)同位体は、調製及び検出が容易であるので、特に好ましい。さらに、重水素などの同位体による置換は、より大きな代謝安定性(例えば、増大したインビボ半減期、又は、低減された必要用量)に起因する治療上の特定の有利をもたらすことができ、従って、状況によっては、好ましいことがあり得る。本発明化合物の同位体変種は、適切な試薬の適切な同位体変種を使用して、一般に、当業者に知られている慣習的な方法によって、例えば、例証的な方法によって、又は、下記実施例において記載されている調製方法によって、調製することができる。
本発明の当該化合物は驚くべき有利な特性を有していることが見いだされ、そして、それが、本は本発明の基礎を構成している。
特に、本発明の該化合物は、驚くべきことに、Bub1キナーゼを効果的に阻害することが見いだされ、従って、以下のものを治療又は予防するために使用することができる:制御されない細胞の成長、増殖及び/若しくは生存、不適切な細胞性免疫応答又は不適切な細胞性炎症反応の疾患、又は、制御されない細胞の成長、増殖及び/若しくは生存、不適切な細胞性免疫応答又は不適切な細胞性炎症反応を伴う疾患、特に、制御されない細胞の成長、増殖及び/若しくは生存、不適切な細胞性免疫応答又は不適切な細胞性炎症反応がBub1キナーゼによって介在される疾患、例えば、血液学的腫瘍、固形腫瘍及び/又はそれらの転移、例えば、白血病及び骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、頭部及び頚部の腫瘍(例えば、脳腫瘍及び脳転移)、胸部の腫瘍(例えば、非小細胞肺腫瘍及び小細胞肺腫瘍)、胃腸腫瘍、内分泌腫瘍、乳腺腫瘍及び他の婦人科腫瘍、泌尿器腫瘍(例えば、腎臓腫瘍、膀胱腫瘍及び前立腺腫瘍)、皮膚腫瘍、及び、肉腫、及び/又は、それらの転移。
本明細書中に記載されている式(I)で表される化合物を合成するために使用される中間体、及び、本明細書中に記載されている式(I)で表される化合物を合成するためのそれらの使用は、本発明の1つのさらなる態様である。好ましい中間体は、以下に記載されている「中間体実施例」である。
一般的な手順
本発明による化合物は、以下のスキーム1〜スキーム17に従って調製することができる。
以下に記載されているスキーム及び手順は、本発明の一般式(I)で表される化合物へと至る合成経路について例証しており、限定的なものであることは意図されていない。該スキームにおいて例示されている変換の順番をさまざまに変更することができるということは、当業者には明らかである。従って、該スキームにおいて例示されている変換の順番は、限定的なものであることは意図されていない。さらに、置換基R、R、R、R、R又はRのいずれの場合にも、その相互変換は、当該例示されている変換の前及び/又は後で、実施することができる。これらの変更は、例えば、保護基の導入、保護基の切断、官能基の還元若しくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換又は当業者に知られている別の反応などであり得る。これらの変換は、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能性を導入する変換を包含する。適切な保護基並びにそれらの導入及び切断は、当業者にはよく知られている(例えば、「T.W. Greene and P.G.M. Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd edition, Wiley 1999」を参照されたい)。具体的な例については、次のパラグラフにおいて記載されている。
一般式(Ia)で表される化合物を調製するための1つの経路が、スキーム1に記載されている。
スキーム1(R =Oアルキルの場合)
Figure 2016525075
スキーム1: 一般式(Ia)(式中、R、R、R、R、T、Y及びmは、上記一般式(I)に関して与えられている意味を有する)で表される化合物の調製経路。Xは、F、Cl、Br、I、ボロン酸又はボロン酸エステル(例えば、4,4,5,5−テトラメチル−2−フェニル−1,3,2−ジオキサボロラン(ボロン酸ピナコールエステル)など)を表す。Rは、アルキルを表す。
さらに、置換基R、R、R及びRのいずれの相互変換も、例示の変換の前及び/又は後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元若しくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換又は当業者に公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基並びにそれらの導入及び開裂は、当業者には公知である(例えば、T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd edition, Wiley 1999を参照されたい)。具体的な例については、次のパラグラフにおいて記載されている。
化合物A、B、及びCは市販されているか、当業者には理解可能なようにパブリックドメインから使用可能な手順に従って調製することができる。具体的な例については、次のパラグラフにおいて記載されている。
好適に置換されたヒドラジン(A)を、好適な溶媒系(例えば、酢酸及びジオキサンなど)中、0℃から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、好適に置換されたオキサルアセテート(B)と反応させ、好ましくはその反応は90℃で行って、一般式(1−1)で表される1−ベンジル−5−ヒドロキシ−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート中間体を得ることができる。副生成物として、メチル又はエチルエーテル1−18を単離することができる。
一般式(1−1)で表される中間体を、好適な塩基(例えば、炭酸カリウムなど)の存在下に、好適な溶媒系(例えば、アセトンなど)中、0℃から個々の溶媒の沸点までの温度で、好適なアルキル化剤(例えば、ヨードメタンなど)と反応させることで、一般式(1−2)で表される中間体に変換することができる。好ましくはその反応は、室温で行う。
一般式(1−2)で表される中間体を、好適な溶媒系(例えば、トルエンなど)中、0℃から個々の溶媒の沸点までの温度で、市販されているトリメチルアルミニウムに塩化アンモニウムを加えることでイン・サイツで調製された試薬メチルクロロアルミニウムアミドで処理し、好ましくはその反応は80℃で行い、好適な溶媒系(例えば、メタノールなど)によって反応停止して、所望の一般式(1−3a)で表される中間体を生成する。
一般式(1−3a)で表される中間体を、好適な塩基(例えば、ピペリジンなど)の存在下に、好適な溶媒系(例えば3−メチルブタン−1−オールなど)中、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、一般式(1−4)で表される好適に置換された3,3−ビス(ジメチルアミノ)プロパンニトリル(例えば、3,3−ビス(ジメチルアミノ)−2−メトキシプロパンニトリルなど)との反応により、一般式(1−5a)で表される中間体に変換することができ、好ましくはその反応は、100℃で行う。
一般式(1−5a)で表される中間体を、好適な塩基(例えば、ナトリウム2−メチルプロパン−2−オレートなど)及び好適なパラジウム触媒(例えば、(1E,4E)−1,5−ジフェニルペンタ−1,4−ジエン−3−オン−パラジウムなど)の存在下、好適な配位子(例えば、1’−ビナフタレン−2,2’−ジイルビス(ジフェニルホスファン)など)の存在下に、好適な溶媒系(例えば、N,N−ジメチルホルムアミドなど)中、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、一般式(C)で表される好適な4−ハロピリジン又は6−ハロピリミジン(例えば、4−ブロモピリジンなど)と反応させ、好ましくはその反応は100℃で行って、一般式(Ia)で表される化合物を得ることができる。あるいは下記のパラジウム触媒を用いることができる。
アリルパラジウムクロライド二量体、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)又は下記の配位子:
ラセミ体−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、rac−BINAP、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、ビス(2−ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル、ジ−tert−ブチルメチルホスホニウムテトラフルオロボレート、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、トリ−tert−ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート、トリ−2−フリルホスフィン、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリ−o−トリルホスフィン、(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)。
あるいは一般式(1−5a)で表される中間体を、好適な塩基(例えば、トリエチルアミンなど)、好適な活性化剤(例えば、N,N−ジメチルピリジン−4−アミンなど)及び好適な銅塩(例えば、酢酸銅(II)など)の存在下に、好適な溶媒系(例えば、トリクロロメタンなど)中、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、一般式(C)で表される好適なボロン酸又はボロン酸ピナコールエステル(例えば、(2−フルオロピリジン−4−イル)ボロン酸など)と反応させ、好ましくはその反応は室温で行って、一般式(Ia)で表される化合物を得ることができる。
あるいは、一般式(1−5a)で表される中間体を、好適な塩基(例えば、水素化ナトリウムなど)の存在下に、好適な溶媒系(例えば、N,N−ジメチルホルムアミドなど)中、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、一般式(C)で表される好適な4−ハロピリジン又は6−ハロピリミジン(例えば、4−フルオロピリジンなど)と反応させ、好ましくはその反応は90℃で行って、一般式(Ia)で表される化合物を得ることができる.
スキーム2(R =アルケニル又はシクロアルキルの場合)
Figure 2016525075
スキーム2 一般式(Ib)(R、R、R、R、m、T及びYは上記の一般式(I)について提供された意味を有する)で表される化合物の調製経路。XはF、Cl、Br、I、ボロン酸又はボロン酸エステル(例えば、4,4,5,5−テトラメチル−2−フェニル−1,3,2−ジオキサボロラン(ボロン酸ピナコールエステル)など)を表す。ORは、脱離基(例えば、トリフルオロメチルスルホネートなど)を表す。
さらに、置換基R、R、R及びRのいずれの相互変換も、例示の変換の前及び/又は後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元若しくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換又は当業者に公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基並びにそれらの導入及び開裂は、当業者には公知である(例えば、T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd edition, Wiley 1999を参照されたい)。具体的な例については、次のパラグラフにおいて記載されている。
化合物Cは市販されているか、当業者には理解可能なようにパブリックドメインから使用可能な手順に従って調製することができる。具体的な例については、次のパラグラフにおいて記載されている。
一般式(1−1)で表される中間体を、好適な塩基(例えば、ピリジンなど)の存在下に、好適な溶媒系(例えば、ジクロロメタンなど)中、0℃から個々の溶媒の沸点までの温度で、好適なスルホン酸誘導体(例えば、トリフ酸無水物など)との反応によって一般式(1−6)で表される中間体に変換することができ、好ましくはその反応は室温で行う。
一般式(1−6)で表される中間体を、好適な塩基(例えば、炭酸ナトリウムなど)及び好適なパラジウム触媒(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)など)の存在下に、好適な溶媒系(例えば、1,2−ジメトキシエタンなど)中、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、ボロン酸又はボロン酸ピナコールエステル(例えば、シクロプロピルボロン酸など)との反応によって一般式(1−7a)で表される中間体に変換することができ、好ましくはその反応は75℃で行う。
一般式(1−7a)で表される中間体を、好適な溶媒系(例えばトルエンなど)中、0℃から個々の溶媒の沸点までの温度で、市販されているトリメチルアルミニウムに塩化アンモニウムを加えることでイン・サイツで調製された試薬メチルクロロアルミニウムアミドで処理し、好ましくはその反応は80℃で行い、好適な溶媒系(例えば、メタノールなど)によって反応停止して、所望の一般式(1−3b)で表される中間体を生成する。
一般式(1−3b)で表される中間体を、好適な塩基(例えば、ピペリジンなど)の存在下に、好適な溶媒系(例えば3−メチルブタン−1−オールなど)中、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、好適に置換された一般式(1−4)で表される3,3−ビス(ジメチルアミノ)プロパンニトリル(例えば、3,3−ビス(ジメチルアミノ)−2−メトキシプロパンニトリルなど)との反応によって一般式(1−5b)で表される中間体に変換することができ、好ましくはその反応は100℃で行う。
一般式(1−5b)で表される中間体を、好適な塩基(例えば、ナトリウム2−メチルプロパン−2−オレートなど)及び好適なパラジウム触媒(例えば、(1E,4E)−1,5−ジフェニルペンタ−1,4−ジエン−3−オン−パラジウムなど)の存在下に、好適な配位子(例えば、1’−ビナフタレン−2,2’−ジイルビス(ジフェニルホスファン)など)の存在下に、好適な溶媒系(例えば、N,N−ジメチルホルムアミドなど)中、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、好適な4−ハロピリジン又は6−ハロピリミジンで表される一般式(C)(例えば、4−ブロモピリジンなど)と反応させ、好ましくはその反応は100℃で行って、一般式(Ib)で表される化合物を得ることができる。あるいは下記のパラジウム触媒を用いることができる。
アリルパラジウムクロライド二量体、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)又は下記の配位子:
ラセミ体−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、rac−BINAP、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、ビス(2−ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル、ジ−tert−ブチルメチルホスホニウムテトラフルオロボレート、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、トリ−tert−ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート、トリ−2−フリルホスフィン、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリ−o−トリルホスフィン、(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)。
あるいは、一般式(1−5b)で表される中間体を、好適な塩基(例えば、トリエチルアミンなど)、好適な活性化剤(例えば、N,N−ジメチルピリジン−4−アミンなど)及び好適な銅塩(例えば、酢酸銅(II)など)の存在下に、好適な溶媒系(例えば、トリクロロメタンなど)中、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、一般式(C)で表される好適なボロン酸又はボロン酸ピナコールエステル(例えば、(2−フルオロピリジン−4−イル)ボロン酸など)と反応させ、好ましくはその反応は室温で行って、一般式(Ib)で表される化合物を得ることができる。
あるいは、一般式(1−5b)で表される中間体を、好適な塩基(例えば、水素化ナトリウムなど)の存在下に、好適な溶媒系(例えば、N,N−ジメチルホルムアミドなど)中、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、一般式(C)で表される好適な4−ハロピリジン又は6−ハロピリミジン(例えば、4−フルオロピリジンなど)と反応させ、好ましくはその反応は90℃で行って、一般式(Ib)で表される化合物を得ることができる。
スキーム3(R =N(アルキル) の場合)
Figure 2016525075
スキーム3 一般式(Ic)(R、R、R、R、m、T及びYは上記の一般式(I)について提供された意味を有する)で表される化合物の調製経路。XはF、Cl、Br、I、ボロン酸又はボロン酸エステル(例えば、4,4,5,5−テトラメチル−2−フェニル−1,3,2−ジオキサボロラン(ボロン酸ピナコールエステルなど)を表す。R及びRはアルキル基、特別には1−4Cアルキルを表し、当該アルキル残基は同一であっても異なっていても良い。
さらに、置換基R、R、R及びRのいずれの相互変換も、例示の変換の前及び/又は後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元若しくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換又は当業者に公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基並びにそれらの導入及び開裂は、当業者には公知である(例えば、T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd edition, Wiley 1999を参照されたい)。具体的な例については、次のパラグラフにおいて記載されている。
化合物Cは市販されているか、当業者には理解可能なようにパブリックドメインから使用可能な手順に従って調製することができる。具体的な例については、次のパラグラフにおいて記載されている。
中間体(1−8)は、Bioorg Med Chem Lett, 2001, 11/6, 781−784に記載されている手順に従って調製することができる。
一般式(1−8)で表される中間体を、好適な塩基(例えば、水素化リチウムなど)の存在下に、好適な溶媒系(例えば、N,N−ジメチルホルムアミドなど)中、0℃から個々の溶媒の沸点までの温度で、好適なアルキル化剤(例えば、ヨードメタンなど)との反応によって一般式(1−9)で表される中間体に変換することができ、好ましくはその反応は、室温で行う。
一般式(1−9)で表される中間体を、好適な溶媒系(例えば、メタノールなど)中、0℃から個々の溶媒の沸点までの温度で、アンモニアとの反応によって一般式(1−10)で表される中間体に変換することができ、好ましくはその反応は50℃で、1から10バールの圧力下に行い、好ましくはその反応は密閉容器中で行う。
一般式(1−10)で表される中間体を、好適な溶媒系(例えば、テトラヒドロフランなど)中、好適な塩基(例えば、ピリジンなど)の存在下に、0℃から個々の溶媒の沸点までの温度で、トリフ酸無水物で処理し、好ましくはその反応は室温で行って、所望の一般式(1−11)で表される中間体を形成する。
一般式(1−11)で表される中間体を、好適な溶媒系(例えば、メタノールなどの相当するアルコールなど)中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度で、好適なアルコラート(例えば、ナトリウムメタノレートなど)との反応によって、一般式(1−3c)で表される中間体に変換することができ、好ましくはその反応は室温で行い、そして続いて好適な酸(例えば、酢酸など)の存在下に、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、好適なアンモニウム源(例えば、塩化アンモニウムなど)で処理し、好ましくはその反応は50℃で行う。
一般式(1−3c)で表される中間体を、好適な塩基(例えば、ピペリジンなど)の存在下に、好適な溶媒系(例えば3−メチルブタン−1−オールなど)中、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、一般式(1−4)で表される好適に置換された3,3−ビス(ジメチルアミノ)プロパンニトリル(例えば、3,3−ビス(ジメチルアミノ)−2−メトキシプロパンニトリルなど)との反応によって、一般式(1−5c)で表される中間体に変換することができ、好ましくはその反応は、100℃で行う。
一般式(1−5c)で表される中間体を、好適な塩基(例えば、ナトリウム2−メチルプロパン−2−オレートなど)及び好適なパラジウム触媒(例えば、(1E,4E)−1,5−ジフェニルペンタ−1,4−ジエン−3−オン−パラジウムなど)の存在下に、好適な配位子(例えば、1’−ビナフタレン−2,2’−ジイルビス(ジフェニルホスファン)など)の存在下に、好適な溶媒系(例えば、N,N−ジメチルホルムアミドなど)中、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、一般式(C)で表される好適な4−ハロピリジン又は6−ハロピリミジン(例えば、4−ブロモピリジンなど)と反応させ、好ましくはその反応は100℃で行って、一般式(Ic)で表される化合物を得ることができる。あるいは下記のパラジウム触媒を用いることができる。
アリルパラジウムクロライド二量体、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)又は下記の配位子:
ラセミ体−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、rac−BINAP、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、ビス(2−ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル、ジ−tert−ブチルメチルホスホニウムテトラフルオロボレート、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、トリ−tert−ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート、トリ−2−フリルホスフィン、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリ−o−トリルホスフィン、(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)。
あるいは一般式(1−5c)で表される中間体を、好適な塩基(例えば、トリエチルアミンなど)、好適な活性化剤(例えば、N,N−ジメチルピリジン−4−アミンなど)及び好適な銅塩(例えば、酢酸銅(II)など)の存在下に、好適な溶媒系(例えば、トリクロロメタンなど)中、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、一般式(C)で表される好適なボロン酸又はボロン酸ピナコールエステル(例えば、(2−フルオロピリジン−4−イル)ボロン酸など)と反応させて、好ましくはその反応は室温で行って、一般式(Ic)で表される化合物を得ることができる。
あるいは一般式(1−5c)で表される中間体を、好適な塩基(例えば、水素化ナトリウムなど)の存在下に、好適な溶媒系(例えば、N,N−ジメチルホルムアミドなど)中、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、一般式(C)で表される好適な4−ハロピリジン又は6−ハロピリミジン(例えば、4−フルオロピリジンなど)と反応させて、好ましくはその反応は90℃で行って、一般式(Ic)で表される化合物を得ることができる。
がNRである一般式(1−29)で表される中間体は、スキーム3aに描いた手順に従って化合物(K)から合成することができる。
スキーム3a(R =N(アルキル) の場合)
Figure 2016525075
スキーム3a 一般式(1−30)(R及びRは上記の一般式(I)について提供された意味を有する)で表される中間体の調製経路。X’はF、Cl、Br、I若しくはスルホネートを表す。R及びRはアルキル基、特別には1−4C−アルキルを表し、当該アルキル残基は同一であっても異なっていても良い。
さらに、置換基R及びRのいずれの相互変換も、例示の変換の前及び/又は後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元若しくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換又は当業者に公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基並びにそれらの導入及び開裂は、当業者には公知である(例えば、T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd edition, Wiley 1999を参照されたい)。具体的な例については、次のパラグラフにおいて記載されている。
化合物G及びKは、市販されているか、当業者には理解可能なようにパブリックドメインから使用可能な手順に従って調製することができる。具体的な例については、次のパラグラフにおいて記載されている。
カルボン酸官能基(K)を有する好適に置換されたピラゾールを、好適な溶媒系(例えば、テトラヒドロフラン及びメタノールなど)中、0℃から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、好適にメチル化若しくはエチル化する試薬(例えば、(トリメチルシリル)ジアゾメタン)など)でエステル化して、好ましくはその反応は0℃で行って、一般式(1−27)で表される中間体を得ることができる。
一般式(1−27)で表される中間体を、好適な溶媒系(例えば、テトラヒドロフランなど)中、好適な塩基(例えば、水素化ナトリウムなど)の存在下に、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、好適に置換された一般式(G)で表される化合物(例えば、5−(ブロモメチル)−4−クロロ−1−メチル−1H−ピラゾールなど)と反応させ、好ましくはその反応は室温で行って、一般式(1−28)で表される化合物を得ることができる。
一般式(1−28)で表される中間体を、好適な溶媒系(例えば、メタノールなど)中、0℃から個々の溶媒の沸点までの温度で、好適な還元剤(例えば、ラネーニッケル及びヒドラジン水和物など)との反応によって一般式(1−29)で表される中間体に変換することができ、好ましくはその反応は室温で行う。
一般式(1−29)で表される中間体を、好適な塩基(例えば、水素化リチウムなど)の存在下に、好適な溶媒系(例えば、N,N−ジメチルホルムアミドなど)中、0℃から個々の溶媒の沸点までの温度で、好適なアルキル化剤(例えば、ヨードメタンなど)との反応によって一般式(1−30)で表される中間体に変換することができ、好ましくはその反応は室温で行う。
あるいは、一般式(1−29)で表される中間体を、好適な溶媒系(例えば、テトラヒドロフランなど)中、0℃から個々の溶媒の沸点までの温度で、還元的アミノ化条件(例えば、ホルムアルデヒド、活性炭担持パラジウム及び水素など)によってアルキル化して一般式(1−30)で表される中間体とすることができ、好ましくはその反応は室温で行う。
一般式(1−30)で表される中間体を、スキーム1から3、4及び12に描いた方法により、一般式(I)で表される化合物に変換することができる。
スキーム3b(R =ハロゲンの場合)
Figure 2016525075
スキーム3b 一般式(1−31)(R及びRは上記の一般式(I)について提供された意味を有する)で表される化合物の調製経路。Rは水素、アルキル又はシクロアルキルの意味を有し、X”はフルオロ、クロロ若しくはブロモの意味を有する。
化合物Gは、市販されているか、当業者には理解可能なようにパブリックドメインから使用可能な手順に従って調製することができる。具体的な例については、次のパラグラフにおいて記載されている。X’は脱離基(例えば、Cl、Br若しくはIなど)を表し、又はXはアリールスルホネート(例えば、p−トルエンスルホネートなど)若しくはアルキルスルホネート(例えば、メタンスルホネート若しくはトリフルオロメタンスルホネート(sufonate)など)を表す。
式L及びMで表される化合物は市販されているか、文献(例えば、CAS登録番号881668−70−8、1378271−66−9、1301742−22−2、115964−19−7、1301754−03−9、1416371−96−4、1328893−16−8、1328893−17−9、1392208−46−6、13745−16−9、1092791−47−3、929554−40−5)に記載されているか、当業者には理解可能なようにパブリックドメインから使用可能な手順に従って調製することができる。
式Lで表される化合物を、好適な溶媒系(例えば、テトラヒドロフラン及びメタノールなど)中、0℃から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、好適にメチル化若しくはエチル化する試薬(例えば、(トリメチルシリル)ジアゾメタンなど)でエステル化して、好ましくはその反応は0℃で行って、一般式(M)で表される中間体を得ることができる。
一般式Mで表される化合物を、スキーム3aに描かれた方法により一般式(1−31)で表される中間体に変換することができる。
一般式(1−31)で表される中間体を、スキーム1から3、4及び12に描かれた方法により一般式(I)で表される化合物に変換することができる。
スキーム3c(R =シアノの場合)
Figure 2016525075
スキーム3c 一般式(1−33)(R、R及びRは上記の一般式(I)について提供された意味を有する)で表される化合物の調製経路。X”はフルオロ、クロロ若しくはブロモの意味を有する。
さらに、置換基R、R及びRのいずれの相互変換も、例示の変換の前及び/又は後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元若しくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換又は当業者に公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基並びにそれらの導入及び開裂は、当業者には公知である(例えば、T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd edition, Wiley 1999を参照されたい)。具体的な例については、次のパラグラフにおいて記載されている。
一般式(1−31)で表される中間体を、スキーム1、2、4及び12に描かれた方法により一般式(1−32)で表される化合物に変換することができる。
一般式(1−32)で表される中間体を、好適な溶媒系(例えば、N,N−ジメチルホルムアミドなど)中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度で、好適な試薬(例えば、シアン化銅(I)など)との反応によって一般式(1−33)で表される中間体に変換することができ、好ましくはその反応は、150℃で行う。
一般式(1−32)で表される中間体を、スキーム1から3、4及び12に描かれた方法により一般式(I)で表される化合物に変換することができる。
スキーム3d(R =水素、アルキル又はシクロアルキルであり、R =ハロゲンである場合)
Figure 2016525075
スキーム3d 一般式(1−34)(Rは上記の一般式(I)について提供された意味を有し、Rは水素、アルキル又はシクロアルキルの意味を有する)で表される化合物の調製経路。X”はフルオロ、クロロ若しくはブロモの意味を有する。
化合物Gは、市販されているか、当業者には理解可能なようにパブリックドメインから使用可能な手順に従って調製することができる。具体的な例については、次のパラグラフにおいて記載されている。X’は脱離基(例えば、Cl、Br若しくはIなど)を表し、又はXはアリールスルホネート(例えば、p−トルエンスルホネートなど)若しくはアルキルスルホネート(例えば、メタンスルホネート又はトリフルオロメタンスルホネート(sufonate)など)を表す。
式Nで表される化合物は市販されているか、文献(例えば、CAS登録番号1291177−21−3、1281872−47−6、1232838−31−1、1005584−90−6、681034−80−0)に記載されているか、当業者には理解可能なようにパブリックドメインから使用可能な手順に従って調製することができる。
式Nで表される化合物を、スキーム3aに描かれた方法により一般式(1−34)で表される中間体に変換することができる。
一般式(1−34)で表される中間体を、スキーム1から3、4及び12に描かれた方法により一般式(I)で表される化合物に変換することができる。
スキーム3e(R =シアノの場合)
Figure 2016525075
スキーム3e 一般式(1−36)(R、R及びRは上記の一般式(I)について提供された意味を有する)で表される化合物の調製経路。X”はフルオロ、クロロ若しくはブロモの意味を有する。
さらに、置換基R、R及びRのいずれの相互変換も、例示の変換の前及び/又は後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元若しくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換又は当業者に公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基並びにそれらの導入及び開裂は、当業者には公知である(例えば、T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd edition, Wiley 1999を参照されたい)。具体的な例については、次のパラグラフにおいて記載されている。
一般式(1−34)で表される中間体を、スキーム1、2、4及び12に描かれた方法により一般式(1−35)で表される化合物に変換することができる。
一般式(1−35)で表される中間体を、好適な溶媒系(例えば、N,N−ジメチルホルムアミドなど)中、室温から個々の溶媒の沸点までの温度で、好適な試薬(例えば、シアン化銅(I)など)との反応によって一般式(1−36)で表される中間体に変換することができ、好ましくはその反応は150℃で行う。
一般式(1−36)で表される中間体を、スキーム1から3、4及び12に描かれた方法により一般式(I)で表される化合物に変換することができる。
一般式(Id)で表される化合物は、スキーム4に描かれた手順に従っても合成できる。
スキーム4
Figure 2016525075
スキーム4 一般式(Id)(R、R、R、R、R、m、T及びYは上記の一般式(I)について提供された意味を有する)で表される化合物の別途調製経路。XはF、Cl、Br、I、ボロン酸又はボロン酸エステル(例えば、4,4,5,5−テトラメチル−2−フェニル−1,3,2−ジオキサボロラン(ボロン酸ピナコールエステル)など)を表す。
X’はF、Cl、Br、I又はスルホネート、例えばトリフルオロメチルスルホネート若しくはp−トルオールスルホネートを表す。
さらに、置換基R、R、R、R及びRのいずれの相互変換も、例示の変換の前及び/又は後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元若しくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換又は当業者に公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基並びにそれらの導入及び開裂は当業者には公知である(T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd edition, Wiley 1999を参照されたい)。具体的な例については、次のパラグラフにおいて記載されている。
化合物C、D、E、F及びGは、市販されているか、後述のように当業者には理解可能なようにパブリックドメインから使用可能な手順に従って調製することができる。
一般式Dで表される中間体を、好適な溶媒系(例えば、ジエチルエーテルなど)中、0℃から個々の溶媒の沸点までの温度で、好適な有機金属化合物(例えば、ブロモ(エチル)マグネシウムなど)との反応によって一般式(1−12)で表される中間体に変換することができ、好ましくはその反応は還流下に行う。
一般式(1−12)で表される中間体を、好適な塩基(例えば、ビス−(トリメチルシリル)リチウムアミドなど)の存在下に、好適な溶媒系(例えば、ジエチルエーテルなど)中、−78℃から室温の温度で、好適なシュウ酸エステル(E)(例えば、シュウ酸ジエチルなど)との反応によって一般式(1−13)で表される中間体に変換することができ、好ましくはその反応は室温で行う。
一般式(1−13)で表される化合物を、好適な溶媒系(例えば、エタノールなど)中、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、ヒドラジンカルボン酸tert−ブチル(F)で処理することにより一般式(1−14)で表される中間体に変換し、好ましくはその反応は個々の溶媒の沸点で行う。
一般式(1−14)で表される化合物を、好適な溶媒系(例えば、ジオキサンなど)中、0℃から室温の温度範囲で、酸性(例えば、塩酸など)条件下の反応によって一般式(1−15)で表される中間体に変換し、好ましくはその反応は室温で行う。
あるいは、一般式(1−13)で表される化合物を、好適な溶媒系(例えば、エタノールなど)中、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、ヒドラジンで処理することにより一般式(1−15)で表される中間体に直接変換することができ、好ましくはその反応は個々の溶媒の沸点で行う。
一般式(1−15)で表される化合物を、相当するカルボン酸から別途調製することができる。いくつかの場合で、これらの酸並びに一般式(1−15)で表される化合物は市販されている。
一般式(1−15)で表される中間体を、好適に置換された一般式(G)で表される化合物(例えば、5−(ブロモメチル)−4−クロロ−1−メチル−1H−ピラゾールなど)と反応させることで、好適な溶媒系(例えば、テトラヒドロフランなど)中、好適な塩基(例えば、水素化ナトリウムなど)の存在下に、0℃から個々の溶媒の沸点の温度範囲で、好ましくはその反応は室温で行って、一般式(1−7a)で表される化合物を得ることができる。
一般式(1−7a)で表される中間体を、好適な溶媒系(例えばトルエンなど)中、0℃から個々の溶媒の沸点までの温度で、市販されているトリメチルアルミニウムに塩化アンモニウムを加えることでイン・サイツで調製される試薬メチルクロロアルミニウムアミドで処理し、好ましくはその反応は80℃で行い、好適な溶媒系(例えば、メタノールなど)によって反応停止して、所望の一般式(1−3b)で表される中間体を生成する。
一般式(1−3b)で表される中間体を、好適な塩基(例えば、ピペリジンなど)の存在下に、好適な溶媒系(例えば3−メチルブタン−1−オールなど)中、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、一般式(1−4)で表される好適に置換された3,3−ビス(ジメチルアミノ)プロパンニトリル(例えば、3,3−ビス(ジメチルアミノ)−2−メトキシプロパンニトリルなど)との反応によって、一般式(1−5b)で表される中間体に変換することができ、好ましくはその反応は100℃で行う。
一般式(1−5b)で表される中間体を、好適な塩基(例えば、ナトリウム2−メチルプロパン−2−オレートなど)及び好適なパラジウム触媒(例えば、(1E,4E)−1,5−ジフェニルペンタ−1,4−ジエン−3−オン−パラジウムなど)の存在下に、好適な配位子(例えば、1’−ビナフタレン−2,2’−ジイルビス(ジフェニルホスファン)など)の存在下に、好適な溶媒系(例えば、N,N−ジメチルホルムアミドなど)中、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、一般式(C)で表される好適な4−ハロピリジン又は6−ハロピリミジン(例えば、4−ブロモピリジンなど)と反応させて、好ましくはその反応は100℃で行って、一般式(Id)で表される化合物を得ることができる。あるいは下記のパラジウム触媒を用いることができる。
アリルパラジウムクロライド二量体、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)又は下記の配位子:
ラセミ体−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、rac−BINAP、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、ビス(2−ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル、ジ−tert−ブチルメチルホスホニウムテトラフルオロボレート、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、トリ−tert−ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート、トリ−2−フリルホスフィン、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリ−o−トリルホスフィン、(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)。
あるいは一般式(1−5b)で表される中間体を、好適な塩基(例えば、トリエチルアミンなど)、好適な活性化剤(例えば、N,N−ジメチルピリジン−4−アミンなど)及び好適な銅塩(例えば、酢酸銅(II)など)の存在下に、好適な溶媒系(例えば、トリクロロメタンなど)中、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、一般式(C)で表される好適なボロン酸又はボロン酸ピナコールエステル(例えば、(2−フルオロピリジン−4−イル)ボロン酸など)と反応させて、好ましくはその反応は室温で行って、一般式(Id)で表される化合物を得ることができる。
あるいは一般式(1−5b)で表される中間体を、好適な塩基(例えば、水素化ナトリウムなど)の存在下に、好適な溶媒系(例えば、N,N−ジメチルホルムアミドなど)中、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、一般式(C)で表される好適な4−ハロピリジン又は6−ハロピリミジン(例えば、4−フルオロピリジンなど)と反応させて、好ましくはその反応は90℃で行って、一般式(Ib)で表される化合物を得ることができる。
一般式(Id)で表される化合物は、別途、スキーム5に描いた手順に従う脱ベンジル化及びそれに続くアルキル化によって一般式(1−37)で表される化合物から合成することができる。
スキーム5
Figure 2016525075
スキーム5:一般式(Id)(R、R、R、R、R、m、T及びYは上記の一般式(I)について提供された意味を有する)で表される化合物の調製経路。X’はF、Cl、Br、I又はスルホネートを表す。さらに、置換基R、R、R、R及びRのいずれの相互変換も、例示の変換の前及び/又は後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元若しくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換又は当業者に公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基並びにそれらの導入及び開裂は、当業者には公知である(例えば、T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd edition, Wiley 1999を参照されたい)。具体的な例については、次のパラグラフにおいて記載されている。
化合物Gは、市販されているか、上記スキーム1で後述のように当業者には理解可能なようにパブリックドメインから使用可能な手順に従って調製することができる。
一般式(1−37)で表される化合物は、スキーム4に描かれているアルキル化反応において、一般式(G)で表される化合物が4−アルコキシベンジルハライドによって置き換わる場合、スキーム4に描いた方法を用いて調製することができる。この一連の反応は、一般式1−7a、1−3b及び1−5bで表される化合物の相当するN−ベンジル化類縁体を介して進行する。
一般式(1−37)で表される化合物を、好適な溶媒(例えば、ジクロロエタンなど)中、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、好適な酸系(例えば、トリフルオロ酢酸及びトリフルオロメタンスルホン酸の混合物など)で処理することにより、一般式(1−16)で表される中間体に変換し、好ましくはその反応は室温で行う。
一般式(1−16)で表される中間体を、好適な溶媒系(例えば、テトラヒドロフランなど)中、好適な塩基(例えば、水素化ナトリウムなど)の存在下に、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、好適に置換された一般式(G)で表される化合物(例えば、5−(ブロモメチル)−4−クロロ−1−メチル−1H−ピラゾールなど)と反応させて、好ましくはその反応は室温で行って、一般式(Id)で表される化合物を得ることができる。
一般式(Ie)及び(If)で表される化合物は、スキーム6に描いた手順に従って、一般式(Id−2)で表される化合物(R=メトキシである式(Ib)で表される化合物である)から合成することができる。
スキーム6
Figure 2016525075
スキーム6 一般式(Id−2)で表される化合物の脱メチル化による一般式(Ie)で表される化合物の取得とそれに続くエーテル化による一般式(If)で表される化合物の取得による一般式(If)で表される化合物の調製方法(R、R、R、R、R、m、T及びYは上記の一般式(I)について提供された意味を有する)。さらに、置換基R、R、R、R及びRのいずれの相互変換も、例示の変換の前及び/又は後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元若しくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換又は当業者に公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基並びにそれらの導入及び開裂は、当業者には公知である(例えば、T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd edition, Wiley 1999を参照されたい)。具体的な例については、次のパラグラフにおいて記載されている。
一般式Hで表される化合物は市販されており、Xは脱離基(例えば、Cl、Br若しくはIなど)を表し、又はXはアリールスルホネート(例えば、p−トルエンスルホネートなど)若しくはアルキルスルホネート(例えば、メタンスルホネート又はトリフルオロメタンスルホネート(トリフレート基)など)を表す。Rはアルキル(OH、NR10、SR14、SONR10で置換されていても良い)を表す。
一般式(Id−2)で表される化合物を、好適な溶媒(例えば、1−メチルピロリジン−2−オンなど)中、好適な塩基(例えば、炭酸カリウムなど)の存在下に、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、好適な脱メチル化剤(例えば、ベンゼンチオールなど)で処理することにより一般式(Ie)で表される化合物に変換し、好ましくはその反応は190℃で行う。
次に、一般式(Ie)で表される化合物を、好適な溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミドなど)中、好適な塩基(例えば、炭酸カリウムなど)の存在下に、室温から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、上記で記載の一般式(H)で表される化合物と反応させ、好ましくはその反応は室温で行って、一般式(If)で表される化合物を得る。
一般式(Ig)で表される化合物を、スキーム7に描いた手順に従って一般式(Ih)で表される化合物に変換することができる。
スキーム7
Figure 2016525075
スキーム7:一般式(Ig)で表される化合物を介した一般式(Ih)で表される化合物の調製経路(R、R、R、R、R、T及びYは上記の一般式(I)について提供された意味を有する)。さらに、置換基R、R、R、R及びRのいずれの相互変換も、例示の変換の前及び/又は後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元若しくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換又は当業者に公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基並びにそれらの導入及び開裂は、当業者には公知である(例えば、T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd edition, Wiley 1999を参照されたい)。具体的な例については、次のパラグラフにおいて記載されている。
スキーム1、2、3及び4に記載の方法に従って調製することができる一般式(Ig)で表される中間体を、0℃から個々の溶媒の沸点までの温度で、酸(例えば、濃硫酸など)条件下に部分加水分解して、好ましくはその反応は室温で行って、所望の一般式(Ih)で表される化合物を生成する。
一般式(Ie)で表される化合物を、スキーム8に描いた手順に従って、一般式(Ii)で表される化合物に変換することができる。
スキーム8
この手順の段階2の際に、残基について、還元などの修飾を行っても良いと考えられる。
Figure 2016525075
スキーム8 一般式(Id−3)で表される中間体を介した一般式(Ie)で表される化合物の一般式(Ii)で表される化合物への変換方法(R、R、R、R、m、T及びYは上記の一般式(I)について提供された意味を有する)。O−R”’は好適な脱離基(例えば、トリフルオロメチルスルホネート基、ノナフルオロブチルスルホニルオキシ)を表す。
さらに、置換基R、R、R又はRのいずれの相互変換も、例示の変換の前及び/又は後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元若しくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換又は当業者に公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基並びにそれらの導入及び開裂は当業者には公知である(T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd edition, Wiley 1999を参照されたい)。具体的な例については、次のパラグラフにおいて記載されている。
一般式(Ie)で表される化合物を、好適な溶媒(例えば、ジクロロメタンなど)中、好適な塩基(例えば、ピリジンなど)の存在下に、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、好適なスルホン酸誘導体(例えば、トリフルオロメタンスルホン酸無水物又は1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホニルフルオリドなど)との反応によって一般式(Id−3)で表される中間体に変換することができ、好ましくはその反応は室温で行う。
次に、一般式(Id−3)で表される中間体を、好適な溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミドなど)中、好適な配位子(例えば、プロパン−1,3−ジイルビス(ジフェニルホスファン)など)とともに好適なPd−触媒(例えば、酢酸パラジウム(II)など)の存在下に、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、好適な水素化物源(例えば、トリエチルシランなど)と反応させて、好ましくはその反応は60℃で行い、一般式(Ii)で表される化合物を得ることができる。
一般式(Ii)で表される化合物(R=水素である式(Id)で表される化合物である)を、スキーム9に描いた手順に従って一般式(Ij及びIk)で表される化合物に変換することができる。
スキーム9
Figure 2016525075
スキーム9 一般式(Ii)で表される化合物の一般式(Ik)及び(Ij)で表される化合物への変換方法(R、R、R、R、m、T及びYは上記の一般式(I)について提供された意味を有する)。R5aは2−6C−ヒドロキシアルキルを表し、
XはF、Cl、Br、I又はスルホネート、例えばトリフルオロメチルスルホネート又はp−トルオールスルホネートを表す。
5bはアシル部分、例えば−C(O)−(1−6C−アルキル)、−C(O)−(1−6C−アルキレン)−O−(1−6C−アルキル)、−C(O)−(1−6C−アルキレン)−O−(1−6C−アルキレン)−O−(1−6C−アルキル)を表し、Zはハロゲン、ヒドロキシ又は−O−R5bを表す。
さらに、置換基R、R、R5a、R5b、R、R又はRのいずれの相互変換も、例示の変換の前及び/又は後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元若しくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換又は当業者に公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基並びにそれらの導入及び開裂は、当業者には公知である(例えば、T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd edition, Wiley 1999を参照されたい)。具体的な例については、次のパラグラフにおいて記載されている。
一般式(Ii)で表される化合物を、好適な溶媒系(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(foramamide)など)中、好適な塩基(例えば、炭酸セシウムなど)の存在下に、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、好適なハロアルキル又はジオキサチオラン2−オキサイド(例えば、1,3,2−ジオキサチオラン2−オキサイドなど)との反応によって一般式(Ij)で表される化合物に変換することができ、好ましくはその反応は60℃で行う。
一般式(Ii)で表される化合物を、好適な溶媒(例えば、ジクロロメタンなど)中、好適な塩基(例えば、N,N−ジエチルエタンアミンなど)の存在下に、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、好適な炭酸(carbonic acid)誘導体(例えば、カルボン酸ハロゲニド、例えばカルボン酸クロライド(choride)又はカルボン酸無水物など)との反応によって一般式(Ik)で表される化合物に変換することができ、好ましくはその反応は室温で行う。
一般式(1−17)で表される化合物を、スキーム10に描いた手順に従って一般式(1−4)で表される化合物に変換することができる。
スキーム10
Figure 2016525075
スキーム10 一般式(I−17)で表される化合物の一般式(1−4)で表される化合物への変換方法(Rは、一般式(I)について与えられた意味を有する)。
一般式(1−17)で表される化合物を、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、好適な置換されたシアノアルキル(例えば、メトキシアセトニトリルなど)との反応によって一般式(1−4)で表される化合物に変換することができ、好ましくはその反応は80℃で行う。
一般式(1−19)、(1−19a)及び(1−19b)で表される化合物を、スキーム11に描いた手順に従って一般式(G)で表される化合物に変換することができる。
スキーム11
Figure 2016525075
スキーム11 一般式(1−19)、(1−19a)及び(1−19b)で表される化合物の一般式(G)で表される化合物への変換方法(Rは、一般式(I)について与えられた意味を有する)。X’はF、Cl、Br、I又はスルホネート、例えばトリフルオロメチルスルホネート又はp−トルオールスルホネートを表す。R’はアルキル基を表す。
一般式(1−19)、(1−19a)及び(1−19b)で表される化合物を、好適な溶媒系(例えば、テトラヒドロフランなど)中、−78℃から個々の溶媒の沸点までの温度範囲で、好適な還元剤(例えば、ボランなど)との反応によって一般式(1−20)で表される化合物に変換することができ、好ましくはその反応は室温で行う。
一般式(1−20)で表される化合物を、好適な溶媒(例えば、酢酸など)中、0℃から個々の溶媒の沸点の温度範囲で、好適なハロゲン化又はスルホニル化剤(例えば、臭化水素など)との反応によって、一般式(G)で表される化合物に変換することができ、好ましくはその反応は室温で行う。
一般式(1−3b)で表される化合物を、スキーム12に描いた手順に従って一般式(Id)で表される化合物に変換することができる。
スキーム12
Figure 2016525075
スキーム12 一般式(Id)(R、R、R、R、R、m、T及びYは上記の一般式(I)について提供された意味を有する)で表される化合物の別途調製経路。XはF、Cl、Br、I、ボロン酸又はボロン酸エステル(例えば、4,4,5,5−テトラメチル−2−フェニル−1,3,2−ジオキサボロラン(ボロン酸ピナコールエステル)など)を表す。
さらに、置換基R、R、R、R及びRのいずれの相互変換も、例示の変換の前及び/又は後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元若しくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換又は当業者に公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基並びにそれらの導入及び開裂は当業者には公知である(T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd edition, Wiley 1999を参照されたい)。具体的な例については、次のパラグラフにおいて記載されている。
化合物Cは市販されているか、後述のように当業者には理解可能なようにパブリックドメインから使用可能な手順に従って調製することができる。
一般式(1−3b)で表される中間体を、好適な塩基(例えば、ナトリウムメタノレートなど)の存在下に、好適な溶媒系(例えば、メタノールなど)中、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、一般式(1−24)で表される好適に置換された3−メトキシアクリロニトリル(例えば、(エトキシメチレン)マロノニトリルなど)との反応によって、一般式(1−5b)で表される中間体に変換することができ、好ましくはその反応は65℃で行う。
一般式(1−5b)で表される中間体を、好適な塩基(例えば、ナトリウム2−メチルプロパン−2−オレートなど)及び好適なパラジウム触媒(例えば、(1E,4E)−1,5−ジフェニルペンタ−1,4−ジエン−3−オン−パラジウムなど)の存在下に、好適な配位子(例えば、1’−ビナフタレン−2,2’−ジイルビス(ジフェニルホスファン)など)の存在下に、好適な溶媒系(例えば、N,N−ジメチルホルムアミドなど)中、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、一般式(C)で表される好適な4−ハロピリジン又は6−ハロピリミジン(例えば、4−ブロモピリジンなど)と反応させることができ、好ましくはその反応は100℃で行って、一般式(Id)で表される化合物を得る。あるいは下記のパラジウム触媒を用いることができる。
アリルパラジウムクロライド二量体、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)又は下記の配位子:
ラセミ体−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、rac−BINAP、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、ビス(2−ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル、ジ−tert−ブチルメチルホスホニウムテトラフルオロボレート、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、トリ−tert−ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート、トリ−2−フリルホスフィン、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリ−o−トリルホスフィン、(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)。
あるいは、一般式(1−5b)で表される中間体を、好適な塩基(例えば、トリエチルアミンなど)、好適な活性化剤(例えば、N,N−ジメチルピリジン−4−アミンなど)及び好適な銅塩(例えば、酢酸銅(II)など)の存在下に、好適な溶媒系(例えば、トリクロロメタンなど)中、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、一般式(C)で表される好適なボロン酸又はボロン酸ピナコールエステル(例えば、(2−フルオロピリジン−4−イル)ボロン酸など)と反応させ、好ましくはその反応は室温で行って、一般式(Id)で表される化合物を得ることができる。
あるいは一般式(1−5b)で表される中間体を、好適な塩基(例えば、水素化ナトリウムなど)の存在下に、好適な溶媒系(例えば、N,N−ジメチルホルムアミドなど)中、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、一般式(C)で表される好適な4−ハロピリジン又は6−ハロピリミジン(例えば、4−フルオロピリジンなど)と反応させ、好ましくはその反応は90℃で行って、一般式(Id)で表される化合物を得ることができる。
一般式(Ie)で表される化合物を、スキーム13に描いた手順に従って一般式(Im)、(In)及び(Io)で表される化合物に変換することができる。
スキーム13
Figure 2016525075
スキーム13 一般式(Im)、(In)及び(Io)(R、R、R、R、R14、m、T及びYは上記の一般式(I)について提供された意味を有する)で表される化合物の調製方法。pは1から6の整数を表す。さらに、置換基R、R、R及びRのいずれの相互変換も、例示の変換の前及び/又は後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元若しくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換又は当業者に公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基並びにそれらの導入及び開裂は、当業者には公知である(例えば、T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd edition, Wiley 1999を参照されたい)。具体的な例については、次のパラグラフにおいて記載されている。
一般式(J)で表される化合物は、市販されているか、当業者には理解可能なようにパブリックドメインから使用可能な手順に従って調製することができる。X’はF、Cl、Br、I又はスルホネートを表す。
一般式(Ie)で表される化合物を、好適な塩基(例えば、炭酸カリウムなど)の存在下に、好適な溶媒系(例えば、N,N−ジメチルホルムアミドなど)中、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、一般式(J)で表される好適なハロ−アルキル−アルキル−スルフィド(例えば、3−クロロプロピルメチルスルフィドなど)と反応させて、好ましくはその反応は60℃で行って、一般式(1m)で表される化合物を得ることができる。
一般式(Im)で表される化合物を、好適な溶媒(例えば、クロロホルムなど)中、0℃から個々の溶媒の沸点の温度範囲で、好適な酸化剤(例えば、メタ−クロロ過安息香酸など)で処理することにより、一般式(In)で表される化合物に変換し、好ましくはその反応は0℃で行う。
一般式(In)で表される化合物を、好適な溶媒(例えば、テトラヒドロフランなど)中、0℃から個々の溶媒の沸点の温度範囲で、好適な酸化剤(例えば、過酸化水素など)及び試薬ジエチルアゾジカルボキシレートで処理することにより、一般式(Io)で表される化合物に変換することができ、好ましくはその反応は50℃で行う。
一般式(Ip)で表される化合物を、スキーム14に描いた手順に従って一般式(Iq)及び(Ir)で表される化合物に変換することができる。
スキーム14
Figure 2016525075
スキーム16 一般式(Iq)で表される化合物を介した一般式(Iq)及び(Ir)で表される化合物の調製経路(R、R、R、R、R、R11、R12、T及びYは上記の一般式(I)について提供された意味を有する)。さらに、置換基R、R、R、R、R、R11及びR12のいずれの相互変換も、例示の変換の前及び/又は後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元若しくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換又は当業者に公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基並びにそれらの導入及び開裂は、当業者には公知である(例えば、T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd edition, Wiley 1999を参照されたい)。具体的な例については、次のパラグラフにおいて記載されている。
一般式(Ip)で表される中間体を、好適な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン及びメタノールなど)中、0℃から個々の溶媒の沸点の温度範囲で、好適な塩基(例えば、水酸化ナトリウムなど)で処理することにより、式(Iq)に変換し、好ましくはその反応は室温で行う。
一般式(Iq)で表される中間体を、好適な溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミドなど)中、0℃から個々の溶媒の沸点の温度範囲で、好適な塩基(例えば、N,N−ジイソプロピルエチルアミンなど)を好適なカップリング試薬(例えば、(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェートなど)とともに加えることで、アンモニア又は好適な1級若しくは2級アミン(例えば、2−アミノエチルメチルスルホンなど)で処理することにより、式(Ir)に変換し、好ましくはその反応は室温で行う。
スルホキシイミン含有化合物は、スルフィド類のイミノ化(a)C. Bolm et al, Org. Lett. 2007, 9, 3809;b)C. Bolm et al, Bioorg. Med. Chem. Lett. 2011, 21, 4888;c)J.M. Babcock、米国特許公開US2009/0023782)とそれに続くN−シアノスルホキシイミン類への酸化及び脱保護(a)C. Bolm et al, Org. Lett. 2007, 9, 3809;b)J.E.G. Kemp et al, Tet. Lett. 1979, 39, 3785;c)M.R. Loso et al, 米国特許公開US2007/0203191;d)J.M. Babcock, 米国特許公開US2009/0023782.)によって、又はスルフィド類のスルホキシド類への酸化(例えば、(a)M.H. Ali et al, Synthesis 1997, 764;(b)M.C. Carreno, Chem. Rev. 1995, 95, 1717;(c)I. Patel et al, Org. Proc. Res. Dev. 2002, 6, 225;(d)N. Khiar et al, Chem. Rev. 2003, 103, 3651を参照されたい)と次にスルホキシドのイミノ化及び脱保護(例えば、Bolm et al, Org. Lett. 2004, 6, 1305を参照されたい)によって合成することができる。
一般式(Is)及び(It)で表される化合物は、スキーム15に描いた手順に従って一般式(In)で表される化合物から合成することができる。
スキーム15
Figure 2016525075
スキーム15 一般式(Is)及び(It)(R、R、R、R、R、R14、R15、m、T及びYは上記の一般式(I)について提供される意味を有し、pは1から6の整数である)で表される化合物の調製経路。さらに、置換基R、R、R、R、R、及びR15のいずれの相互変換も、例示の変換の前及び/又は後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元若しくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換又は当業者に公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基並びにそれらの導入及び開裂は、当業者には公知である(例えば、T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd edition, Wiley 1999を参照されたい)。具体的な例については、次のパラグラフにおいて記載されている。
一般式(In)で表される中間体を、好適な溶媒系(例えば、ジクロロメタンなど)中、0℃から個々の溶媒の沸点の温度範囲で、好適な試薬混合物(例えば、2,2,2−トリフルオロアセトアミド、ヨード−ベンゼンジアセテート及び酸化マグネシウムなど)と、好適な触媒(例えば、酢酸ロジウム(II)二量体など)と反応させて保護されたスルホキシイミンとして、好ましくはその反応は室温で行って、保護された化合物を得ることができる。脱保護は、好適な条件(例えば、トリフルオロアセテートの場合には、例えば炭酸カリウムなどの好適な塩基など)下に、好適な溶媒系(例えば、メタノールなど)中、0℃から個々の溶媒の沸点の温度範囲で行って、好ましくはその反応は室温で行って、一般式(It)で表される化合物を得ることができる。一般式(It)で表されるスルホキシイミン類は、いくつかの方法によってN−官能化して、一般式(Is)で表されるスルホキシイミン類を得ることができる。
N−官能化スルホキシイミン類の調製には、下記の複数の方法が知られている。
−アルキル化:例えば、a)U. Lucking et al, US 2007/0232632;b)C.R. Johnson, J. Org. Chem. 1993, 58, 1922;c)C. Bolm et al, Synthesis 2009, 10, 1601を参照されたい。
−アシル化:例えば、a)C. Bolm et al, Chem. Europ. J. 2004, 10, 2942;b)C. Bolm et al, Synthesis 2002, 7, 879;c)C. Bolm et al, Chem. Europ. J. 2001, 7, 1118を参照されたい。
−アリール化:例えば、a)C. Bolm et al, Tet. Lett. 1998, 39, 5731;b)C. Bolm et al., J. Org. Chem. 2000, 65, 169;c)C. Bolm et al, Synthesis 2000, 7, 911;d)C. Bolm et al, J. Org. Chem. 2005, 70, 2346;e)U. Lucking et al, WO2007/71455を参照されたい。
−イソシアネート類との反応:例えば、a)V.J. Bauer et al, J. Org. Chem. 1966, 31, 3440;b)C. R. Johnson et al, J. Am. Chem. Soc. 1970, 92, 6594;c)S. Allenmark et al, Acta Chem. Scand. Ser. B 1983, 325;d)U. Lucking et al, US2007/0191393を参照されたい。
−スルホニルクロライド類との反応:例えば、a)D.J. Cram et al, J. Am. Chem. Soc. 1970, 92, 7369;b)C.R. Johnson et al, J. Org. Chem. 1978, 43, 4136;c)A.C. Barnes, J. Med. Chem. 1979, 22, 418;d)D. Craig et al, Tet. 1995, 51, 6071;e)U. Lucking et al, US2007/191393を参照されたい。
−クロロホルミエート類との反応:例えば、a)P.B. Kirby et al, DE2129678;b)D.J. Cram et al, J. Am. Chem. Soc. 1974, 96, 2183;c)P. Stoss et al, Chem. Ber. 1978, 111, 1453;d)U. Lucking et al, WO2005/37800を参照されたい。
一般式(1−7a)で表される中間体を、スキーム16に描いた手順に従って一般式(Iu及びIv)で表される化合物に変換することができる。
スキーム16
Figure 2016525075
スキーム16 一般式(Iu)及び(Iv)で表される化合物(一般式(I)で表される化合物であり、R、R、R、R、R、T、Y及びmは上記の一般式(I)について提供された意味を有する)の調製経路。R、R、R、R、又はRは、例示の変換の前及び/又は後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元若しくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換又は当業者に公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基並びにそれらの導入及び開裂は当業者には公知である(T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd edition, Wiley 1999を参照されたい)。別の具体的な例について、後述のパラグラフに記載する。
化合物C及びOは、市販されているか、当業者には理解可能なようにパブリックドメインから使用可能な手順に従って調製することができる。具体的な例については、次のパラグラフにおいて記載されている。X’はF、Cl、Br、I又はボロン酸を表す。
好適に置換された中間体(1−7a)を、好適な溶媒系(例えば、メタノールなど)中、好適な塩基(例えば、ナトリウムメチレートなど)の存在下に、室温から150℃の範囲の温度で、一般式(O)で表される好適に置換されたプロパンジイミドアミドと反応させ、好ましくはその反応は沸騰メタノール中で行って、一般式(1−25)で表される中間体を得ることができる。
一般式(1−25)で表される中間体を、好適な塩基(例えば、炭酸カリウムなど)の存在下に、一般式(C)で表される好適な4−ハロピリジン又は6−ハロピリミジン(例えば、4−ブロモピリジン又は6−クロロピリミジンなど)と反応させることができ、好適なパラジウム触媒(例えば、(1E,4E)−1,5−ジフェニルペンタ−1,4−ジエン−3−オン−パラジウムなど)、好適な配位子(例えば、1’−ビナフタレン−2,2’−ジイルビス(ジフェニルホスファン)など)を加えることができる。その反応は、好適な溶媒系(例えば、N,N−ジメチルホルムアミドなど)中、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で行い、好ましくはその反応は100℃で行って、一般式(Iu)及び(Iv)で表される化合物を得る。あるいは、下記のパラジウム触媒を用いることができる。
アリルパラジウムクロライド二量体、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、適宜に下記の配位子を添加:
ラセミ体−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、rac−BINAP、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、ビス(2−ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル、ジ−t−ブチルメチルホスホニウムテトラフルオロボレート、2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)ビフェニル、トリ−t−ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート、トリ−2−フリルホスフィン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリ−o−トリルホスフィン、又は好ましくは(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)。
一般式(Iu)及び(Iv)で表される化合物の別途調製経路を、スキーム17に描いている。
スキーム17
Figure 2016525075
スキーム17 一般式(Iu)及び(Iv)で表される化合物(一般式(I)で表される化合物であり、R、R、R、R、R、T、Y及びmは上記の一般式(I)について提供された意味を有する)の調製経路。さらに、置換基R、R、R、R、又はRのいずれの相互変換も、例示の変換の前及び/又は後に行うことができる。これらの修飾は、保護基の導入、保護基の開裂、官能基の還元若しくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換又は当業者に公知の他の反応などであることができる。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能とする官能基を導入するものなどがある。適切な保護基並びにそれらの導入及び開裂は、当業者には公知である(例えば、T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd edition, Wiley 1999を参照されたい)。具体的な例については、次のパラグラフにおいて記載されている。
化合物C及びPは、市販されているか、当業者には理解可能なようにパブリックドメインから使用可能な手順に従って調製することができる。具体的な例については、次のパラグラフにおいて記載されている。X’はF、Cl、Br、I又はボロン酸を表す。
一般式(1−3b)で表される中間体を、好適な塩基(例えば、トリエチルアミンなど)の存在下に、好適な溶媒系(例えば、N,N−ジメチルホルムアミドなど)中、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で、一般式(P)で表される好適に置換されたプロパンジニトリル(例えば、メトキシプロパンジニトリルなど)と反応させて、好ましくはその反応は100℃で行って、一般式(1−25)で表される中間体を得ることができる。
一般式(1−13)で表される中間体を、好適な塩基(例えば、炭酸カリウムなど)の存在下に一般式(C)で表される好適な4−ハロピリジン又は6−ハロピリミジン(例えば、4−ブロモピリジン又は6−クロロピリミジンなど)と反応させることができ、好適なパラジウム触媒(例えば、(1E,4E)−1,5−ジフェニルペンタ−1,4−ジエン−3−オン−パラジウムなど)、好適な配位子(例えば、1’−ビナフタレン−2,2’−ジイルビス(ジフェニルホスファン)など)を加えることができる。その反応は、好適な溶媒系(例えば、N,N−ジメチルホルムアミドなど)中、室温から個々の溶媒の沸点までの範囲の温度で行い、好ましくはその反応は100℃で行って、一般式(Iu)及び(Iv)で表される化合物を得る。あるいは、下記のパラジウム触媒を用いることができる。
アリルパラジウムクロライド二量体、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、適宜に下記の配位子を添加:
ラセミ体−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、rac−BINAP、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、ビス(2−ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル、ジ−t−ブチルメチルホスホニウムテトラフルオロボレート、2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)ビフェニル、トリ−t−ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート、トリ−2−フリルホスフィン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリ−o−トリルホスフィン、又は好ましくは、(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)。
出発化合物又は中間体化合物に複数の反応中心が存在している場合、特に所望の反応中心において反応が進行するのが可能となるように、1以上の反応中心を保護基によって一時的にブロックすることが必要であり得るということは、当業者には知られている。実績のある多数の保護基の使用に関する詳細な記述は、例えば、「T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons, 1999, 3rd Ed.」又は「P.Kocienski, Protecting Groups, Thieme Medical Publishers, 2000」の中に見いだされる。
本発明による化合物は、自体公知の方法で、例えば、減圧下において溶媒を留去し、及び、得られた残渣を適切な溶媒から結晶化させるか、又は、その残渣を慣習的な精製方法のうちの1つ(例えば、適切な支持材におけるクロマトグラフィー)に付すことによって、単離及び精製される。さらに、充分に塩基性又は酸性の官能性を有している本発明の化合物を逆相分取HPLCに付すと、塩(例えば、充分に塩基性である本発明の化合物の場合、例えば、トリフルオロ酢酸塩若しくはギ酸塩、又は、充分に酸性である本発明の化合物の場合、例えば、アンモニウム塩)が形成され得る。このタイプの塩は、当業者には既知のさまざまな方法によって、それぞれ、その遊離塩基形態若しくは遊離酸形態に変換することができるか、又は、その後の生物学的アッセイにおいて塩として使用することができる。さらに、本発明の化合物を単離する際の乾燥プロセスは、微量の共溶媒(例えば、ギ酸又はトリフルオロ酢酸)を完全には除去できず、溶媒和物又は包接錯体が生成することがあり得る。当業者は、溶媒和物又は包接錯体をその後の生物学的アッセイにおいて使用し得るということを認識するであろう。本明細書中において記載されているように単離された本発明の化合物の特定の形態(例えば、塩、遊離塩基、溶媒和物、包接錯体)が、必ずしも、特定の生物学的活性を定量するための生物学的アッセイに当該化合物を適用し得る唯一の形態ではないということは理解されるべきである。
本発明による式(I)で表される化合物の塩は、遊離化合物を所望の酸若しくは塩基を含んでいる適切な溶媒(例えば、ケトン、例えば、アセトン、メチルエチルケトン若しくはメチルイソブチルケトン、エーテル、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン若しくはジオキサン、塩素化炭化水素、例えば、塩化メチレン若しくはクロロホルム、又は、低分子量脂肪族アルコール、例えば、メタノール、エタノール若しくはイソプロパノール)に溶解させるか、又は、遊離化合物を適切な溶媒に溶解させたものに所望の酸若しくは塩基を添加することによって、得ることができる。塩の形成において、該酸又は塩基は、一塩基性又は多塩基性の酸又は塩基が関係してるかに応じて、及び、どちらの塩が所望されるかに応じて、等モル量の比率で使用し得るか、又は、それとは異なった比率で使用し得る。該塩は、濾過し、再沈澱させ、該塩用の非溶媒を用いて沈澱させることによって、又は、溶媒を蒸発させることによって、得られる。得られた塩は、遊離化合物に変換することが可能であり、そして、その遊離化合物は、塩に変換することが可能である。このようにして、製薬上許容されない塩(これは、例えば、工業規模での製造におけるプロセス生成物として得られ得る)を、当業者には知られているプロセスによって、製薬上許容される塩に変換することができる。特に好ましいのは、塩酸塩及び実施例のセクションにおいて使用されている調製方法である。
本発明による化合物及び塩の純粋なジアステレオマー及び純粋なエナンチオマーは、例えば、不斉合成によって、合成においてキラル出発化合物を使用することによって、並びに、合成で得られたエナンチオマー及びジアステレオマー混合物を分割することによって、得ることができる。
エナンチオマー及びジアステレオマー混合物は、当業者には既知の方法によって、純粋なエナンチオマー及び純粋なジアステレオマーに分割することができる。好ましくは、ジアステレオマー混合物は、結晶化(特に、分別晶出)によって分離するか、又は、クロマトグラフィーによって分離する。エナンチオマー混合物は、例えば、キラル補助剤を用いてジアステレオマーを形成させ、得られたジアステレオマーを分割し、そして、キラル補助剤を除去することによって、分離することができる。キラル補助剤として、例えば、キラル酸(例えば、マンデル酸)を用いてエナンチオマー塩基を分離することが可能であり、及び、キラル塩基を使用し、ジアステレオマー塩の形成を介して、エナンチオマー酸を分離することが可能である。さらに、ジアステレオマー誘導体(例えば、ジアステレオマーエステル)は、キラル補助剤として、それぞれ、キラル酸又はキラルアルコールを使用して、それぞれ、アルコールのエナンチオマー混合物又は酸のエナンチオマー混合物から、形成させることができる。さらに、エナンチオマー混合物を分離させるために、ジアステレオマー錯体又はジアステレオマー包接化合物を使用することもできる。あるいは、エナンチオマー混合物は、クロマトグラフィーにおいてキラル分離カラムを使用して分離することができる。エナンチオマーを単離するための別の適切な方法は、酵素的分離である。
本発明の好ましい1態様は、請求項1〜5の化合物を実施例に準じて調製する方法である。
場合により、式(I)で表される化合物は、それらの塩に変換することが可能であり、又は、場合により、式(I)で表される化合物の塩は、遊離化合物に変換することが可能である。対応する調製方法は、当業者には慣習的である。
場合により、式(I)で表される化合物は、それらのN−オキシドに変換することが可能である。該N−オキシドは、中間体を経由して導入することも可能である。N−オキシドは、適切な前駆物質を、適切な溶媒(例えば、ジクロロメタン)の中で、適切な温度(例えば、0℃〜40℃;ここで、室温が一般に好ましい)で、酸化剤(例えば、メタ−クロロ過安息香酸)で処理することによって、調製することができる。N−オキシドを形成させるための対応するさらなる調製方法は、当業者には慣習的である。
商業上の有用性
上記で述べたように、本発明の化合物は、驚くべきことに、Bub1を効果的に阻害して、最終的に、細胞死(例えば、アポトーシス)をもたらすということが見いだされ、従って、以下のものを治療又は予防するために使用することができる:制御されない細胞の成長、増殖及び/若しくは生存、不適切な細胞性免疫応答又は不適切な細胞性炎症反応の疾患、又は、制御されない細胞の成長、増殖及び/若しくは生存、不適切な細胞性免疫応答又は不適切な細胞性炎症反応を伴う疾患、特に、制御されない細胞の成長、増殖及び/若しくは生存、不適切な細胞性免疫応答又は不適切な細胞性炎症反応がBub1によって介在される疾患、例えば、良性及び悪性の新生組織形成、さらに特定的には、血液学的腫瘍、固形腫瘍及び/又はそれらの転移、例えば、白血病及び骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、頭部及び頚部の腫瘍(例えば、脳腫瘍及び脳転移)、胸部の腫瘍(例えば、非小細胞肺腫瘍及び小細胞肺腫瘍)、胃腸腫瘍、内分泌腫瘍、乳腺腫瘍及び他の婦人科腫瘍、泌尿器腫瘍(例えば、腎臓腫瘍、膀胱腫瘍及び前立腺腫瘍)、皮膚腫瘍、及び、肉腫、及び/又は、それらの転移、
特に、胸、膀胱、骨、脳、中枢神経系及び末梢神経系、頚部、大腸、肛門、内分泌腺(例えば、甲状腺及び副腎皮質)、内分泌腫瘍、子宮内膜、食道、胃腸腫瘍、生殖細胞、腎臓(kidney)、肝臓、肺、喉頭及び下咽頭、中皮腫、卵巣、膵臓、前立腺、直腸、腎臓(renal)、小腸、軟組織、胃、皮膚、精巣、尿管、膣並びに外陰部の血液学的腫瘍、固形腫瘍及び/又はそれらの転移、さらに、上記臓器における原発腫瘍及び遠隔臓器における対応する続発性腫瘍(「腫瘍転移」)を含んでいる悪性新生物。血液学的腫瘍は、例えば、以下のものによって例示され得る:白血病及びリンパ腫の進行性形態及び緩徐進行性形態、即ち、非ホジキン病、慢性及び急性の骨髄性白血病(CML/AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、ホジキン病、多発性骨髄腫、並びに、T細胞リンパ腫。以下のものも包含される:骨髄異形成症候群、形質細胞腫、腫瘍随伴症候群、及び、原発部位が不明の癌、及び、AIDS関連悪性腫瘍。
本発明のさらなる態様は、子宮頚部腫瘍、***腫瘍、非小細胞肺腫瘍、前立腺腫瘍、大腸腫瘍及び黒色腫瘍(特に、子宮頚癌)及び/又はそれらの転移を治療するための式(I)で表される化合物の使用、特に好ましくは、それらを治療するための式(I)で表される化合物の使用、並びに、子宮頚部腫瘍、***腫瘍、非小細胞肺腫瘍、前立腺腫瘍、大腸腫瘍及び黒色腫瘍(特に、子宮頚癌)及び/又はそれらの転移を治療する方法であり、ここで、該方法は、有効量の式(I)で表される化合物を投与することを含む。
本発明の1態様は、子宮頚癌を治療するための式(I)で表される化合物の使用、及び、子宮頚癌を治療する方法であり、ここで、該方法は、有効量の式(I)で表される化合物を投与することを含む。
従って、本発明の態様によれば、本発明は、疾患の治療又は予防において使用するための、特に、疾患の治療において使用するための、本明細書中で記載及び定義されている一般式(I)で表される化合物又は該化合物のN−オキシド、塩、互変異性体若しくは立体異性体又は該N−オキシド、互変異性体若しくは立体異性体の塩、特に、その製薬上許容される塩、又は、それらの混合物に関する。
従って、本発明の別の特定の態様は、過増殖性疾患又は細胞死(例えば、アポトーシス)の誘発に応答する疾患を予防又は治療するための、上記で記載されている一般式(I)で表される化合物又はその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物若しくは塩、特に、その製薬上許容される塩、又は、それらの混合物の使用である。
用語「不適切な」は、本発明に関連して、特に、本明細書中で使用されている「不適切な細胞性免疫応答又は不適切な細胞性炎症反応」に関連して、好ましくは、正常な応答より小さいか又は大きく、そして、当該疾患の病状に関連しているか、当該疾患の病状に関与しているか又は当該疾患の病状を引き起こす応答を意味するものと理解される。
好ましくは、該使用は、疾患の治療又は予防における使用、特に、治療における使用であって、ここで、該疾患は、血液学的腫瘍、固形腫瘍及び/又はそれらの転移である。
本発明の別の態様は、子宮頚部腫瘍、***腫瘍、非小細胞肺腫瘍、前立腺腫瘍、大腸腫瘍及び黒色腫瘍(特に、子宮頚癌)及び/又はそれらの転移を治療するための式(I)で表される化合物の使用、特に好ましくは、それらを治療するための式(I)で表される化合物の使用である。好ましい態様は、子宮頚癌を予防及び/又は治療するための、特に好ましくは、子宮頚癌を治療するための、式(I)で表される化合物の使用である。
本発明の別の態様は、疾患(ここで、該疾患は、過増殖性疾患又は細胞死(例えば、アポトーシス)の誘発に応答する疾患である)を治療又は予防するための薬物の製造における、本明細書中に記載されている式(I)で表される化合物又はその立体異性体、互変異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物若しくは塩、特に、その製薬上許容される塩、又は、それらの混合物の使用である。一実施形態では、該疾患は、血液学的腫瘍、固形腫瘍及び/又はそれらの転移である。別の実施形態では、該疾患は、子宮頚部腫瘍、***腫瘍、非小細胞肺腫瘍、前立腺腫瘍、大腸腫瘍及び黒色腫瘍及び/又はそれらの転移である。好ましい態様においては、該疾患は、子宮頚部腫瘍である。
過増殖性疾患の治療方法
本発明は、本発明の化合物及びそれらの組成物を使用して、哺乳動物の過増殖性疾患を治療する方法に関する。化合物を使用して、細胞増殖及び/若しくは細胞***を阻害すること、ブロックすること、低減させること、減少させることなどが可能であり、並びに/又は、細胞死(例えば、アポトーシス)を引き起こすことが可能である。この方法は、そのようなことを必要とする哺乳動物(これは、ヒトを包含する)に、当該疾患を治療するのに有効な量の本発明化合物又はその製薬上許容される塩、異性体、多形体、代謝産物、水和物、溶媒和物若しくはエステルなどを投与することを含む。過増殖性疾患としては、限定するものではないが、例えば、乾癬、ケロイド及び皮膚に影響を与える別の過形成、良性前立腺過形成(BPH)、固形腫瘍(例えば、胸部、気道、脳、生殖器、消化管、尿路、眼、肝臓、皮膚、頭部及び頚部、甲状腺、副甲状腺の癌、並びに、それらの遠隔転移)などを挙げることができる。これらの疾患には、リンパ腫、肉腫及び白血病も包含される。
胸部癌の例としては、限定するものではないが、浸潤性乳管癌、浸潤性小葉癌、非浸潤性乳管癌及び上皮内小葉癌などを挙げることができる。
気道の癌の例としては、限定するものではないが、小細胞肺癌及び非小細胞肺癌、並びに、気管支腺腫及び膜肺芽腫などを挙げることができる。
脳癌の例としては、限定するものではないが、脳幹神経膠腫及び視床下部神経膠腫、小脳星細胞腫及び大脳星細胞腫、髄芽細胞腫、上衣細胞腫、並びに、神経外胚葉性腫瘍及び松果体部腫瘍などを挙げることができる。
***の腫瘍としては、限定するものではないが、前立腺癌及び睾丸癌などを挙げることができる。女性生殖器の腫瘍としては、限定するものではないが、子宮内膜癌、子宮頚癌、卵巣癌、膣癌及び外陰癌、並びに、子宮の肉腫などを挙げることができる。
消化管の腫瘍としては、限定するものではないが、肛門癌、大腸癌、結腸直腸癌、食道癌、胆嚢癌、胃癌、膵臓癌、直腸癌、小腸癌及び唾液腺癌などを挙げることができる。
尿路の腫瘍としては、限定するものではないが、膀胱癌、陰茎癌、腎臓癌、腎盂癌、尿管癌、尿道癌及びヒト乳頭状腎細胞癌などを挙げることができる。
眼癌としては、限定するものではないが、眼内黒色腫及び網膜芽細胞腫などを挙げることができる。
肝臓癌の例としては、限定するものではないが、肝細胞癌(線維層状の変化(fibrolamellar variant)を伴っているか又は伴っていない肝細胞癌腫)、胆管癌(肝臓内の胆管の癌腫)及び混合型の肝細胞性胆管癌などを挙げることができる。
皮膚癌としては、限定するものではないが、扁平上皮癌、カポジ肉腫、悪性黒色腫、メルケル細胞皮膚癌及び非黒色腫皮膚癌などを挙げることができる。
頭部及び頚部の癌としては、限定するものではないが、喉頭癌、下咽頭癌、鼻咽腔癌、口腔咽頭癌、***癌及び口腔癌、並びに、扁平上皮癌などを挙げることができる。
リンパ腫としては、限定するものではないが、AIDS関連リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、ホジキン病及び中枢神経系のリンパ腫などを挙げることができる。
肉腫としては、限定するものではないが、軟組織の肉腫、骨肉腫、悪性線維性組織球腫、リンパ肉腫及び横紋筋肉腫などを挙げることができる。
白血病としては、限定するものではないが、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病及び有毛細胞白血病などを挙げることができる。
これらの疾患は、ヒトにおいてよく特徴付けされているが、他の哺乳動物においても同様の病因論で存在しており、そして、本発明の医薬組成物を投与することにより治療することができる。
本明細書全体を通して記載されている用語「治療する(treating)」又は「治療(treatment)」は、慣習的に使用されており、例えば、疾患又は障害(例えば、癌腫)の症状と闘うこと、そのような症状を緩和すること、軽減すること、取り除くこと、改善することを目的とした、被検者の管理又は看護である。
キナーゼ疾患を治療する方法
本発明は、さらにまた、異常な***促進因子細胞外キナーゼ活性に関連する疾患を治療する方法も提供し、ここで、そのような疾患としては、限定するものではないが、脳卒中、心不全、肝腫大、心肥大、糖尿病、アルツハイマー病、嚢胞性線維症、異種移植拒絶反応症状、敗血症性ショック又は喘息などを挙げることができる。
有効量の本発明の化合物のを使用して、上記の背景技術のセクションで記載した疾患(例えば、癌)を包含する、そのような疾患を治療することができる。それにも係わらず、そのような癌及び他の疾患は、作用機序及び/又はキナーゼと疾患の間の関係に係わらず、本発明の化合物を用いて治療することができる。
表現「異常なキナーゼ活性」又は「異常なチロシンキナーゼ活性」には、キナーゼをコード化する遺伝子又はその遺伝子がコード化するポリペプチドの全ての異常な発現又は活性が包含される。そのような異常な活性の例としては、限定するものではないが、以下のものを挙げることができる:遺伝子又はポリペプチドの過剰発現;遺伝子増幅;恒常的に活性を示すキナーゼ活性又は機能亢進性キナーゼ活性をもたらす突然変異;遺伝子の突然変異、欠失、置換、付加など。
本発明は、さらにまた、キナーゼ活性(特に、***促進因子細胞外キナーゼの活性)を阻害する方法も提供し、ここで、該方法は、有効量の本発明の化合物(これは、その塩、多形体、代謝産物、水和物、溶媒和物、プロドラッグ(例えば、エステル)、及び、そのジアステレオ異性体形態を包含する)を投与することを含む。キナーゼ活性は、細胞内(例えば、インビトロ)で阻害することができ、又は、治療を必要とする被験哺乳動物(特に、ヒト患者)の細胞内で阻害することができる。
血管新生性疾患を治療する方法
本発明は、さらにまた、過剰な及び/又は異常な血管新生に関連する疾患及び障害を治療する方法をも提供する。
血管新生の不適切な及び異所的な発現は、生物にとって有害であり得る。多くの病的状態が、異質な血管の成長に関連している。そのような病的状態としては、例えば、以下のものを挙げることができる:糖尿病性網膜症、虚血性網膜静脈閉塞及び未熟児の網膜症[Aiello et al. New Engl. J. Med. 1994, 331, 1480; Peer et al. Lab. Invest. 1995, 72, 638]、加齢黄斑変性症[AMD;「Lopez et al. Invest. Opththalmol. Vis. Sci. 1996, 37, 855」を参照されたい]、血管新生緑内障、乾癬、水晶体後線維増殖症、血管線維腫、炎症、関節リウマチ(RA)、再狭窄、ステント内再狭窄、移植血管閉など。さらに、癌性組織及び腫瘍性組織に関連する増大された血液の供給は、増殖を促進し、腫瘍の急速な拡大及び転移を引き起こす。さらに、腫瘍内の新しい血管及びリンパ管の増殖は、反乱細胞に逃げ道を提供し、それが、転移を促進しし、結果として、癌を拡散させる。かくして、本発明の化合物を利用して、例えば、血管形成を阻害すること及び/若しくは低減させることにより、及び、血管新生に関与する内皮細胞増殖などを阻害すること、ブロックすること、低減させること、低下させることなどにより、及び、そのような細胞タイプの細胞死(例えば、アポトーシス)を引き起こすことにより、上記で記載した血管新生性疾患のいずれも治療及び/又は予防することができる。
好ましくは、該方法の対象の疾患は、血液学的腫瘍、固形腫瘍及び/又はそれらの転移である。
本発明の化合物は、特に、腫瘍の増殖及び転移(特に、腫瘍増殖の前治療の存在下又は非存在下における、全ての適応症及び段階の固形腫瘍の増殖及び転移)の治療及び防止(例えば、予防)において、とりわけ、治療において、使用することができる。
本発明の化合物の医薬組成物
本発明は、さらにまた、本発明の1種類以上の化合物を含んでいる医薬組成物にも関する。これらの組成物を利用して、所望の薬理的効果を達成することを必要とする患者に投与することにより、そのような効果を達成することができる。患者は、本発明の目的のためには、特定の症状又は疾患に関して治療を必要とする哺乳動物(これは、ヒトを包含する)である。
従って、本発明は、製薬上許容される担体又は補助剤及び医薬として有効な量の本発明の式(I)で表される化合物又はその塩で構成される医薬組成物を包含する。
本発明の別の態様は、上記疾患を治療するための、特に、血液学的腫瘍、固形腫瘍及び/又はそれらの転移を治療するための、医薬上有効な量の式(I)で表される化合物及び製薬上京される補助剤を含んでいる医薬組成物である。
製薬上許容される担体又は補助剤は、好ましくは、担体に起因するいかなる副作用も当該活性成分の有益な効果を損なうことがないように、当該活性成分の有効活性となる濃度で無毒性であり且つ患者に対して無害な担体である。担体及び補助剤は、当該組成物が投与に適したものなるように補助する全ての種類の添加剤である。
化合物の医薬として有効な量は、好ましくは、治療対象の特定の症状に対して、結果をもたらすか又は意図された影響を及ぼす量である。
本発明の化合物は、当技術分野においてよく知られている製薬上許容される担体又は補助剤と一緒に、即時放出性調製物、徐放性調製物(slow release preparation)及び時限放出性調製物(timed release preparation)を包含する任意の慣習的な有効単位投与形態を用いて、例えば、経口的に、非経口的に、局所的に、経鼻的に、眼科的に、光学的に、舌下に、経直腸的に、経膣的に、投与することができる。
経口投与に関しては、該化合物は、カプセル剤、丸剤、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、メルト剤、散剤、溶液剤、懸濁液剤又はエマルション剤などの固体調製物又は液体調製物に製剤することが可能であり、そして、医薬組成物の製造に関して当技術分野において知られている方法に従って調製することができる。固形単位投与形態は、補助剤(例えば、界面活性剤、潤滑剤及び不活性増量剤、例えば、ラクトース、スクロース、リン酸カルシウム及びコーンスターチ)を含んでいる、通常のハードシェルゼラチンタイプ又はソフトシェルゼラチンタイプであり得るカプセル剤であることができる。
別の実施形態において、本発明の化合物は、慣習的な錠剤基剤(例えば、ラクトース、スクロース及びコーンスターチ)を、結合剤(例えば、アラビアゴム、コーンスターチ又はゼラチン)、投与後において錠剤の崩壊及び溶解を補助することが意図された崩壊剤(例えば、ジャガイモ澱粉、アルギン酸、コーンスターチ及びグアーガム、トラガカントゴム、アラビアゴム)、錠剤の造粒の流れを改善すること及び錠剤材料が錠剤ダイ及びパンチの表面に付着するのを防止することが意図された潤滑剤(例えば、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム又はステアリン酸亜鉛)、錠剤の美的品質を高めて錠剤が患者にさらに受け入れられるようすることが意図された染料、着色剤及び矯味矯臭剤(例えば、ペパーミント、冬緑油又は桜香味剤)と組合せて用いて、錠剤化することができる。経口用液体投与形態で使用するための適切な賦形剤としては、製薬上許容される界面活性剤、懸濁化剤若しくは乳化剤が添加された又は添加されていない、リン酸二カルシウム及び希釈剤(例えば、水、及び、アルコール、例えば、エタノール、ベンジルアルコール及びポリエチレンアルコール)などを挙げることができる。別の様々な材料は、コーティングとして、又は、さもなければ、該投薬単位の物理的形態を改変するために、存在させることができる。。例えば、錠剤、丸剤又はカプセル剤は、シェラック、糖類又はその両方で被覆することができる。
分散性粉末剤及び顆粒剤は、水性懸濁液を調製するのに適する。それらは、該活性成分を、分散剤又は湿潤剤、懸濁化剤及び1種以上の防腐剤と混合された状態で提供する。適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤は、上記で既に記載されているものによって例示される。追加の賦形剤、例えば、上記で記載されている甘味剤、矯味矯臭剤及び着色剤も存在させることができる。
本発明の医薬組成物は、さらにまた、水中油型エマルションの形態にあることもできる。その油性相は、植物油(例えば、流動パラフィン)又は植物油の混合物であることができる。適切な乳化剤は、(1)天然ゴム(例えば、アラビアゴム及びトラガカントゴム)、(2)天然ホスファチド(例えば、ダイズ及びレシチン)、(3)脂肪酸とヘキシトール無水物に由来するエステル又は部分エステル(例えば、ソルビタンモノオレエート)、(4)該部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)であることができる。該エマルションには、甘味剤及び矯味矯臭剤を含ませることもできる。
油性懸濁液剤は、該活性成分を、植物油(例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油又はヤシ油)又は鉱油(例えば、流動パラフィン)の中に懸濁させることによって、製剤することができる。該油性懸濁液剤には、増粘剤(例えば、蜜蝋、固形パラフィン又はセチルアルコール)を含ませることができる。該懸濁液剤には、さらにまた、1種類以上の防腐剤(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エチル又はp−ヒドロキシ安息香酸n−プロピル)、1種類以上の着色剤、1種類以上の矯味矯臭剤及び1種類以上の甘味剤(例えば、スクロース又はサッカリン)も含ませることができる。
シロップ剤及びエリキシル剤は、甘味剤(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール又はスクロース)を用いて製剤することができる。そのような製剤には、さらにまた、粘滑剤及び防腐剤(例えば、メチルパラベン及びプロピルパラベン)、並びに、矯味矯臭剤及び着色剤も含ませることができる。
本発明の化合物は、さらにまた、製薬用担体を含んでいる好ましくは生理学的に許容される希釈剤の中の、当該化合物の注入可能な投与形態(dosage)として、非経口的に、即ち、皮下に、静脈内に、眼内に、滑液包内に、筋肉内に又は腹腔内に、投与することができ、ここで、該製薬用担体は、製薬上許容される界面活性剤(例えば、石鹸又は洗浄剤)、懸濁化剤(例えば、ペクチン、カルボマー、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース又はカルボキシメチルセルロース)若しくは乳化剤及び他の製薬用アジュバントが添加されているか又は添加されていない、無菌の液体又は液体の混合物、例えば、水、生理食塩水、水性デキストロース及び関連する糖類溶液、アルコール、例えば、エタノール、イソプロパノール又はヘキサデシルアルコール、グリコール、例えば、プロピレングリコール又はポリエチレングリコール、グリセロールケタール、例えば、2,2−ジメチル−1,1−ジオキソラン−4−メタノール、エーテル、例えば、ポリ(エチレングリコール)400、油、脂肪酸、脂肪酸エステル若しくは脂肪酸グリセリド若しくはアセチル化脂肪酸グリセリドであることができる。
本発明の非経口用製剤で使用することが可能な油の具体的な例は、石油、動物、植物又は合成由来のものであり、例えば、ラッカセイ油、ダイズ油、ゴマ油、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油、ワセリン及び鉱油である。適切な脂肪酸としては、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸及びミリスチン酸などを挙げることができる。適切な脂肪酸エステルは、例えば、オレイン酸エチル及びミリスチン酸イソプロピルである。適切な石鹸としては、脂肪酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩及びトリエタノールアミン塩などを挙げることができ、適切な洗浄剤としては、カチオン性洗浄剤(例えば、ジメチルジアルキルアンモニウムハロゲン化物、アルキルピリジニウムハロゲン化物及びアルキルアミンアセテート)、アニオン性洗浄剤(例えば、スルホン酸アルキル、スルホン酸アリール及びスルホン酸オレフィン、硫酸アルキル、硫酸オレフィン、硫酸エーテル及び硫酸モノグリセリド、並びに、スルホコハク酸アルキル、スルホコハク酸オレフィン、スルホコハク酸エーテル及びスルホコハク酸モノグリセリド)、非イオン性洗浄剤(例えば、脂肪族アミン酸化物、脂肪酸アルカノールアミド及びポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)又はエチレンオキシド又はプロピレンオキシドコポリマー)及び両性洗浄剤(例えば、アルキル−β−アミノプロピオネート及び2−アルキルイミダゾリン第四級アンモニウム塩)及びそれらの混合物などを挙げることができる。
本発明の非経口用組成物は、典型的には、約0.5重量%〜約25重量%の該活性成分を溶液中に含んでいる。防腐剤及び緩衝剤も有利に使用することができる。注入部位における刺激を最小にするか又は無くすために、そのような組成物は、親水性−親油性バランス(HLB)が好ましくは約12〜約17である非イオン性界面活性剤を含むことができる。このような製剤中の界面活性剤の量は、好ましくは、約5重量%〜約15重量%の範囲である。該界面活性剤は、上記HLBを有する単一の成分であることができるか、又は、所望のHLBを有する2種類以上の成分の混合物であることができる。
非経用口製剤中で使用される界面活性剤の具体的な例は、ポリエチレンソルビタン脂肪酸エステルの類のもの(例えば、ソルビタンモノオレエート)、及び、プロピレンオキシドとプロピレングリコールの縮合によって形成される、エチレンオキシドと疎水性基剤の高分子量付加体である。
該医薬組成物は、無菌の注入可能な水性懸濁液剤の形態にあることができる。そのような懸濁液剤は、以下のものを使用して、既知方法に従って製剤することができる:適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤(例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム及びアラビアゴム);天然ホスファチド(例えば、レシチン)、アルキレンオキシドと脂肪酸の縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンステアレート)、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合生成物(例えば、ヘプタデカ−エチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドと部分エステル(これは、脂肪酸とヘキシトールに由来する)の縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート)又はエチレンオキシドと部分エステル(これは、脂肪酸とヘキシトール無水物に由来する)の縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)であり得る、分散剤又は湿潤剤。
該無菌の注入可能な調製物は、さらにまた、無毒性で非経口的に許容される希釈剤又は溶媒の中の無菌の注射可能な溶液又は懸濁液であることもできる。使用することができる希釈剤及び溶媒は、例えば、水、リンゲル液、等張塩化ナトリウム溶液及び等張グルコース溶液などである。また、無菌の固定油も、慣習的に、溶媒又は懸濁媒体として使用される。この目的のために、合成モノグリセリド又は合成ジグリセリドを包含する任意の無刺激性固定油を使用することができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸も、注射剤の調製に使用することができる。
本発明の組成物は、さらにまた、該薬物を直腸内投与するための坐剤の形態でも投与することができる。これらの組成物は、常温では固体であるが直腸温度では液体である適切な非刺激性賦形剤と該薬物を混合させることによって調製することができ、従って、直腸内で溶けて、該薬物を放出する。そのような材料は、例えば、カカオバター及びポリエチレングリコールである。
非経口投与のための制御放出製剤としては、当技術分野においては既知のリポソーム製剤、高分子ミクロスフェア製剤及びポリマーゲル製剤などを挙げることができる。
該医薬組成物は、患者に対して、機械式送達装置を介して投薬することが、望ましい又は必要なことがあり得る。医薬剤を送達するための機械式送達装置の構造及び使用については、当技術分野においてよく知られている。例えば、脳に直接的に薬剤を投与するための直接的な投与技術は、通常、血液脳関門をバイパスするために、患者の脳室系内に薬物送達カテーテルを配置することを伴う。体の特定の解剖学的領域に薬剤を輸送するために使用されるそのような1種類の埋込型送達システムが、1991年4月30日に発行された米国特許第5,011,472号に記載されている。
本発明の組成物には、さらにまた、必要な場合又は望ましい場合には、一般に担体又は希釈剤と称される、別の慣習的な製薬上許容される配合成分も含ませることができる。そのような組成物を適切な投与形態に調製するための慣習的な手順を利用することができる。そのような成分及び手順としては、以下の参考文献に記載されているものなどがある(ここで、下記参考文献は、それぞれ、参照により本明細書に組み入れる):「Powell, M.F. et al., “Compendium of Excipients for Parenteral Formulations” PDA Journal of Pharmaceutical Science & Technology 1998, 52(5), 238−311」、「Strickley, R.G “Parenteral Formulations of Small Molecule Therapeutics Marketed in the United States (1999)−Part−1” PDA Journal of Pharmaceutical Science & Technology 1999, 53(6), 324−349」、及び。「Nema, S. et al., “Excipients and Their Use in Injectable Products” PDA Journal of Pharmaceutical Science & Technology 1997, 51(4), 166−171」。
当該組成物の意図される投与経路に対してその組成物を製剤するために、必用に応じて使用することが可能な、一般的に使用されている医薬成分としては、以下のものを挙げることができる:
酸性化剤(例として、限定するものではないが、酢酸、クエン酸、フマル酸、塩酸、硝酸などを挙げることができる);
アルカリ化剤(例として、限定するものではないが、アンモニア溶液、炭酸アンモニウム、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、水酸化カリウム、ホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロラミンなどを挙げることができる);
吸着剤(例として、限定するものではないが、粉末セルロース及び活性炭などを挙げることができる);
エーロゾル噴射剤(例として、限定するものではないが、二酸化炭素、CCl、FClC−CClF及びCClFなどを挙げることができる);
空気置換剤(air displacement agent)(例として、限定するものではないが、窒素及びアルゴンなどを挙げることができる);
抗真菌防腐剤(例として、限定するものではないが、安息香酸、ブチルパラベン、エチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウムなどを挙げることができる);
抗微生物防腐剤(例として、限定するものではないが、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、塩化セチルピリジニウム、クロロブタノール、フェノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀及びチメロサールなどを挙げることができる);
抗酸化剤(例として、限定するものではないが、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、次亜リン酸、モノチオグリセロール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、メタ重亜硫酸ナトリウムなどを挙げることができる);
結合材料(例として、限定するものではないが、ブロックポリマー、天然ゴム及び合成ゴム、ポリアクリレート、ポリウレタン、シリコーン、ポリシロキサン及びスチレン−ブタジエンコポリマーなどを挙げることができる);
緩衝剤(例として、限定するものではないが、メタリン酸カリウム、リン酸二カリウム、酢酸ナトリウム、無水クエン酸ナトリウム及びクエン酸ナトリウム二水和物などを挙げることができる);
担体剤(carrying agent)(例として、限定するものではないが、アカシアシロップ、芳香族シロップ、芳香族エリキシル剤、サクラシロップ、カカオシロップ、オレンジシロップ、シロップ、トウモロコシ油、鉱油、ピーナッツ油、ゴマ油、静菌性塩化ナトリウム注射液及び注射用静菌水などを挙げることができる);
キレート化剤(例として、限定するものではないが、エデト酸二ナトリウム及びエデト酸などを挙げることができる);
着色剤(例として、限定するものではないが、FD&C Red No.3、FD&C Red No.20、FD&C Yellow No.6、FD&C Blue No.2、D&C Green No.5、D&C Orange No.5、D&C Red No.8、カラメル及び酸化第二鉄レッドなどを挙げることができる);
清澄剤(例として、限定するものではないが、ベントナイトなどを挙げることができる);
乳化剤(例として、限定するものではないが、アラビアゴム、セトマクロゴール、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、レシチン、ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレン50モノステアレートなどを挙げることができる);
カプセル化剤(例として、限定するものではないが、ゼラチン及び酢酸フタル酸セルロースなどを挙げることができる)
矯味矯臭剤(例として、限定するものではないが、アニス油、シナモン油、カカオ、メントール、オレンジ油、ペパーミント油及びバニリンなどを挙げることができる);
保湿剤(例として、限定するものではないが、グリセロール、プロピレングリコール及びソルビトールなどを挙げることができる);
研和剤(例として、限定するものではないが、鉱油及びグリセリンなどを挙げることができる);
(例として、限定するものではないが、ラッカセイ油、鉱油、オリーブ油、ピーナッツ油、ゴマ油及び植物油などを挙げることができる);
軟膏基剤(例として、限定するものではないが、ラノリン、親水軟膏、ポリエチレングリコール軟膏、ワセリン、親水ワセリン、白色軟膏、黄色軟膏及びバラ香軟膏などを挙げることができる);
浸透増強剤(経皮送達)(例として、限定するものではないが、モノヒドロキシアルコール又はポリヒドロキシアルコール、一価アルコール又は多価アルコール、飽和脂肪族アルコール又は不飽和脂肪族アルコール、飽和脂肪酸エステル又は不飽和脂肪酸エステル、飽和ジカルボン酸又は不飽和ジカルボン酸、エッセンシャルオイル、ホスファチジル誘導体、セファリン、テルペン、アミド、エーテル、ケトン及び尿素などを挙げることができる);
可塑剤(例として、限定するものではないが、フタル酸ジエチル及びグリセロールなどを挙げることができる);
溶媒(例として、限定するものではないが、エタノール、トウモロコシ油、綿実油、グリセロール、イソプロパノール、鉱油、オレイン酸、ピーナッツ油、精製水、注射用の水、注射用の無菌水及び洗浄用の無菌水などを挙げることができる);
硬化剤(例として、限定するものではないが、セチルアルコール、セチルエステルワックス、微結晶ワックス、パラフィン、ステアリルアルコール、ホワイトワックス及びイエローワックスなどを挙げることができる);
坐剤基剤(例として、限定するものではないが、カカオバター及びポリエチレングリコール(混合物)などを挙げることができる);
界面活性剤(例として、限定するものではないが、塩化ベンザルコニウム、ノノキシノール10、オクトキシノール(oxtoxynol)9、ポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウム及びソルビタンモノパルミテートなどを挙げることができる);
懸濁化剤(例として、限定するものではないが、寒天、ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カオリン、メチルセルロース、トラガント及びビーガム(veegum)などを挙げることができる);
甘味剤(例として、限定するものではないが、アスパルテーム、デキストロース、グリセロール、マンニトール、プロピレングリコール、サッカリンナトリウム、ソルビトール及びスクロースなどを挙げることができる);
錠剤抗付着剤(例として、限定するものではないが、ステアリン酸マグネシウム及びタルクなどを挙げることができる);
錠剤結合剤(例として、限定するものではないが、アラビアゴム、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースナトリウム、圧縮糖(compressible sugar)、エチルセルロース、ゼラチン、液体グルコース、メチルセルロース、非架橋ポリビニルピロリドン及びプレゼラチン化デンプンなどを挙げることができる);
錠剤希釈剤及びカプセル剤希釈剤(例として、限定するものではないが、第二リン酸カルシウム、カオリン、ラクトース、マンニトール、微結晶性セルロース、粉末セルロース、沈降炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ソルビトール及びデンプンなどを挙げることができる、);
錠剤コーティング剤(例として、限定するものではないが、液体グルコース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース及びシェラックなどを挙げることができる);
錠剤直接圧縮賦形剤(例として、限定するものではないが、第二リン酸カルシウムなどを挙げることができる);
錠剤崩壊剤(例として、限定するものではないが、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースカルシウム、微結晶性セルロース、ポラクリリン(polacrillin)カリウム、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム及びデンプンなどを挙げることができる);
錠剤流動促進剤(glidant)(例として、限定するものではないが、コロイドシリカ、コーンスターチ及びタルクなどを挙げることができる);
錠剤潤滑剤(例として、限定するものではないが、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、ステアリン酸及びステアリン酸亜鉛などを挙げることができる);
錠剤/カプセル剤不透明化剤(opaquant)(例として、限定するものではないが、二酸化チタンなどを挙げることができる);
錠剤艶出剤(例として、限定するものではないが、カルナバワックス及びホワイトワックスなどを挙げることができる);
増粘剤(例として、限定するものではないが、蜜蝋、セチルアルコール及びパラフィンなどを挙げることができる);
等張化剤(例として、限定するものではないが、デキストロース及び塩化ナトリウムなどを挙げることができる);
粘度上昇剤(例として、限定するものではないが、アルギン酸、ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム及びトラガントなどを挙げることができる)、及び、
湿潤剤(例として、限定するものではないが、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、レシチン、ソルビトールモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート及びポリオキシエチレンステアレートなどを挙げることができる)。
本発明による医薬組成物は、以下のように例証され得る。
無菌i.v.溶液剤: 本発明の所望の化合物の5mg/mL溶液は、無菌の注入可能な水を用いて製造することが可能であり、そして、必用に応じて、pHを調節する。この溶液を、投与のために、無菌5%デキストロースを用いて1〜2mg/mLに希釈し、そして、約60分間かけて、i.v.注入として投与する。
i.v.投与のための凍結乾燥粉末剤: 無菌調製物は、(i)凍結乾燥粉末としての、100〜1000mgの本発明の所望の化合物、(ii)32〜327mg/mLのクエン酸ナトリウム、及び、(iii)300〜3000mgのDextran 40を用いて、調製することができる。この製剤を、無菌の注入可能な塩類溶液又はデキストロース5%を用いて10〜20mg/mLの濃度に再構成し、それを、さらに、塩類溶液又はデキストロース5%を用いて0.2〜0.4mg/mLに希釈し、そして、i.v.ボーラスによって、又は、15〜60分間かけるi.v.注入よって、投与する。
筋肉内懸濁液剤: 筋肉内注射用に、以下の溶液又は懸濁液を調製することができる:
50mg/mLの本発明の所望の水不溶性化合物
5mg/mLのカルボキシメチルセルロースナトリウム
4mg/mLのTWEEN 80
9mg/mLの塩化ナトリウム
9mg/mLのベンジルアルコール。
ハードシェルカプセル剤: 標準的なツーピースハードゼラチンカプセルのそれぞれに、100mgの粉末化活性成分、150mgのラクトース、50mgのセルロース及び6mgのステアリン酸マグネシウムを充填することによって、多数の単位カプセルを調製する。
ソフトゼラチンカプセル剤: 消化可能な油(例えば、ダイズ油、綿実油又はオリーブ油)の中の活性成分の混合物を調製し、そして、その混合物を、容積型ポンプを用いて溶融ゼラチン中に注入して、100mgの活性成分を含んでいるソフトゼラチンカプセルを形成させる。そのカプセルを洗浄し、乾燥させる。該活性成分は、ポリエチレングリコールとグリセリンとソルビトールの混合物の中で溶解させることが可能であり、それによって、水混和性医薬ミックスを調製することができる。
錠剤: 投与単位が100mgの活性成分、0.2mgのコロイド二酸化ケイ素、5mgのステアリン酸マグネシウム、275mgの微結晶性セルロース、11mgのデンプン及び98.8mgのラクトースとなるように、慣習的な手順によって多数の錠剤を調製する。味をよくするため、上品さ及び安定性を改善するため、又は、吸収を遅延させるために、適切な水性コーティング及び非水性コーティングを施すことができる。
即時放出性錠剤/カプセル剤: これらは、慣習的な調製方法及び新規調製方法によって製造される、固形経口投与形態である。これらの投与単位は、薬物を急速に溶解及び送達させるために、水を用いずに経口的に摂取される。当該活性成分を、糖、ゼラチン、ペクチン及び甘味剤などの成分を含んでいる液体の中で混合させる。これらの液体を、凍結乾燥技術及び固相抽出(solid state extraction)技術によって固化させて、固形の錠剤又はカプレットとする。粘弾性及び熱弾性の糖類及びポリマー類又は発泡性の成分と一緒に該薬物化合物を圧縮して、水を必要とせずに即時放出させることが意図された多孔性マトリックスを製造することができる。
用量及び投与
過増殖性疾患及び血管新生性疾患の治療に有用な化合物を評価するための標準的な既知実験技術に基づき、標準的な毒性試験によって、及び、哺乳動物における上記症状の治療を決定するための標準的な薬理学的アッセイによって、及び、これらの結果を該症状を治療するために使用される既知薬物の結果と比較することによって、本発明の化合物の有効投与量を、所望される各適応症の治療に対して、容易に決定することができる。これらの症状のうちの1つの症状の治療において投与される該活性成分の量は、使用される特定の化合物及び投与単位、投与方法、治療期間、治療対象の患者の年齢及び性別、並びに、治療対象の症状の性質及び程度などを考慮することにより、広い範囲で変えることができる。
投与される活性成分の総量は、一般に、1日当たり体重1kg当たり、約0.001mg〜約200mgの範囲であり、そして、好ましくは、1日当たり体重1kg当たり、約0.01mg〜約20mgの範囲である。臨床的に有用な投与スケジュールは、1日に1〜3回の投与から4週間に1回の投与までの範囲であろう。さらに、患者が特定の期間投薬されない「ドラッグホリデー」は、薬理学的効果と耐容性の間の全体バランスにとって有益であり得る。単位投与形態には、約0.5mg〜約1500mgの活性成分を含ませることができ、そして、1日当たり1回以上又は1日当たり1回未満、投与することができる。注入技術を使用して、注入(これは、静脈内注射、筋肉内注射、皮下注射及び非経口注射を包含する)によって投与するための1日当たりの平均投与量は、好ましくは、総体重1kg当たり、0.01〜200mgである。1日当たりの直腸内投与の平均用法は、好ましくは、総体重1kg当たり、0.01〜200mgである。1日当たりの膣内投与の平均用法は、好ましくは、総体重1kg当たり、0.01〜200mgである。1日当たりの局所投与の平均用法は、好ましくは、0.1〜200mgを1日1〜4回投与する。経皮濃度は、好ましくは、体重1kg当たり0.01〜200mgの1日用量を維持するのに必要な濃度である。1日当たりの吸入投与の平均用法は、好ましくは、総体重1kg当たり、0.01〜100mgである。
もちろん、各患者に対する特定の初期用法及び継続する用法は、担当の診断医によって決定される症状の種類及び重篤さ、使用される特定の化合物の活性、患者の年齢及び一般的な健康状態、投与時間、投与経路、薬物の***速度、薬物の組み合わせなどに応じて、変わり得る。所望の治療方法、及び、本発明の化合物又はその製薬上許容される塩若しくはエステル若しくは組成物の投与回数は、当業者が、慣習的な治療試験を用いて確認することができる。
併用療法
本発明の化合物は、単独の医薬として投与することが可能であるか、又は、組み合わせても許容できない有害な効果を生じないような1種以上の別の医薬と組合せて投与することができる。そのような組み合わせられる医薬は、抗増殖性効果を有する別の医薬(例えば、血液学的腫瘍、固形腫瘍及び/又はそれらの転移を治療するための別の医薬)、及び/又は、望ましくない副作用を治療するための別の医薬であり得る。本発明は、そのような組合せにも関する。
本発明の組成物と一緒に使用するのに適している別の抗過増殖薬(anti−hyperproliferative agent)としては、限定するものではないが、McGraw−Hillによって刊行された「Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics (Ninth Edition), editor Molinoff et al., pages 1225−1287, (1996)」(これは。参照によって本明細書に組み入れる)において腫瘍性疾患の治療で使用されることが認められている化合物、特に、上記で定義されている(化学療法)抗癌剤などを挙げることができる。該組合せは、場合により、固定されていない組合せであり得るか、又は、用量が固定された組合せであり得る。
特定の薬理学的特性又は製薬的特性について試験する方法は、当業者にはよく知られている。
本明細書中に記載されている実験について評価する実施例は、本発明を例証する働きをするが、本発明は、記載されている実施例に限定されるものではない。
当業者には理解されるように、本発明は、本明細書中に記載されている特定の実施形態に限定されることはなく、添付されている「特許請求の範囲」によって定義されている本発明の精神及び範囲の中における当該実施形態の全ての変更を包含する。
以下の実施例は、本発明を限定することなく、本発明についてさらに詳細に例証する。さらに、その調製について明示的に記載されていない本発明の化合物は、同様の方法で調製することができる。
実施例において記載されている当該化合物及びその塩は、特定の実施例によって開示されている式(I)で表される化合物の残基の全ての従属的な組合せを包含する「特許請求の範囲」及び本発明の好ましい実施形態を代表している。
実験のセクションの範囲内における用語「〜に従って(according to)」は、言及されている手順が「〜と同様に」使用されるという意味で使用されている。
実験的部分
下記表には、本文中において説明されていないものまで、このパラグラフ並びに中間体実施例及び実施例のセクションにおいて使用されている略語が記載されている。
Figure 2016525075
Figure 2016525075
他の略語は、本質的に当業者にとって慣習的なそれらの意味を有する。本出願の中に記載されている本発明のさまざまな態様について、下記実施例によって例証するが、下記実施例は、決して、本発明を限定するものではない。
具体的な実験に関する記載
以下の具体的な実験に関する記載におけるNMRピークの形態は、それらがスペクトル中に出現したように示されており、可能なより高い次数の効果は考慮されていない。マイクロ波照射を用いる反応は、場合によりロボットユニットを備えている、Biotage Initator(登録商標)マイクロ波オーブンを用いて実施し得る。記載されている、マイクロ波加熱を使用する反応時間は、示されている反応温度に達した後の固定反応時間であると理解されることを意図している。本発明の方法に従って製造された化合物及び中間体は、精製することが必要な場合がある。有機化合物の精製は、当業者にはよく知られており、そして、同一の化合物を精製する数種類の方法が存在し得る。場合によっては、精製することが必要ではないこともあり得る。場合によっては、当該化合物は、結晶化によって精製し得る。場合によっては、適切な溶媒を用いて撹拌することで、不純物を除去することができる。場合によっては、クロマトグラフィー(特に、フラッシュクロマトグラフィー)で、例えば、予め充填されたシリカゲルカートリッジ〔例えば、Separtis製、例えば、Isolera自動清浄器(Biotage)と組み合わされた、Isolute(登録商標)フラッシュシリカゲル、又は、Isolute(登録商標)フラッシュNHシリカゲル〕と溶離液(例えば、ヘキサン/酢酸エチル又はDCM/メタノールの、例えば、勾配)を使用するクロマトグラフィー(特に、フラッシュクロマトグラフィー)で、精製することができる。場合によっては、当該化合物は、分取HPLCで、例えば、予め充填された適切な逆相カラムと組み合わされた、ダイオードアレイ検出器及び/又はオンラインエレクトロスプレーイオン化質量分析計を備えたWaters自動清浄器及び溶離液(例えば、水とアセトニトリル(これは、トリフルオロ酢酸、ギ酸又はアンモニア水などの添加剤を含有し得る)の勾配)を使用する分取HPLCで、精製することができる。場合によっては、上記で記載した精製方法は、塩(例えば、充分に塩基性である本発明の化合物の場合、例えば、トリフルオロ酢酸塩若しくはギ酸塩、又は、充分に酸性である本発明の化合物の場合、例えば、アンモニウム塩)の形態にある充分に塩基性又は酸性の官能性を有している本発明の化合物を提供することができる。このタイプの塩は、当業者にはよく知られているさまざまな方法で、それぞれ、その遊離塩基形態若しくは遊離酸形態に変換することが可能であるか、又は、その後の生物学的なアッセイにおいて塩として使用することができる。本明細書中に記載されているような単離された本発明化合物の特定の形態(例えば、塩、遊離塩基など)は、必ずしも、特定の生物学的活性を定量するための生物学的アッセイに当該化合物を適用し得る唯一の形態ではないということは理解されるべきである。
以下の実施例において報告されている収率(%)は、最も少ないモル量で使用された出発成分に基づいている。空気及び水分に対して感受性である液体及び溶液は、シリンジ又はカニューレによって移送し、ゴム製隔膜を通して反応容器の中に導入した。市販グレードの試薬及び溶媒を、それ以上精製することなく、使用した。用語「減圧下で濃縮する」は、約15mmHgの最小圧力下においてBuchiロータリーエバポレーターを使用することを示している。全ての温度は、訂正無しで、摂氏温度(℃)で記載されている。
本発明がより良く理解され得ることを目的として、以下の実施例を記載する。これらの実施例は、例証することのみを目的としており、決して本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。本明細書中に記載されている全ての刊行物は、参照によりその全体を本明細書に組み入れる。
分析的LC−MS条件
以下の具体的な実験に関する記載において与えられているLC−MSデータは、(特に別途記載されていない限り)下記条件を示している:
Figure 2016525075
分取HPLC条件
以下の具体的な実験に関する記載における「分取HPLCによる精製」は、(特に別途記載されていない限り)下記条件を示している:
分析的(プレ分析及びポスト分析:方法B)
Figure 2016525075
分取:
Figure 2016525075
キラルHPLC条件
特に別途示されていない限り、以下の具体的な実験に関する記載において与えられているキラルHPLCデータは、下記条件を示している:
分析的:
Figure 2016525075
分取:
Figure 2016525075
フラッシュカラムクロマトグラフィー条件
以下の具体的な実験に関する記載において示されている「(フラッシュ)カラムクロマトグラフィーによる精製」は、Biotage Isolera精製システムの使用を示している。技術的仕様に関しては、「www.biotage.com.」における「Biotage product catalogue」を参照されたい。
旋光度測定の条件
旋光度は、589nm波長、20℃、濃度1.0000g/100mL、積分時間10秒、膜厚100.00mmで、ジメチルスルホキシド中で測定した。
実施例
合成中間体
中間体(1−1−1)
1−シクロプロピルプロパン−1−オンの調製
Figure 2016525075
ジエチルエーテル中の臭化エチルマグネシウムの3M溶液198mL(596mmol、1.0eq.)を0℃まで冷却し、80mLの乾燥ジエチルエーテルに溶解させた44.2mLのシクロプロパンカルボニトリルを滴下して加えた。その混合物を還流温度で6時間撹拌した。それを飽和塩化アンモニウム水溶液を用いて加水分解し、室温で24時間撹拌した。得られた懸濁液を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄した。その濾液を硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下(浴温度40℃、600mbar)で濃縮した。その粗製生成物を減圧下で蒸留して、36.9g(376mmol、63%)の分析的に純粋な目標化合物が得られた。
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ[ppm]=0.73−0.84(m,4H),0.91(t,3H),1.91−2.02(m,1H),2.52(q,2H)。
中間体(1−2−1)
4−シクロプロピル−3−メチル−2,4−ジオキソブタン酸エチルの調製
Figure 2016525075
THF中のビス(トリメチルシリル)リチウムアミドの1M溶液165mL(166mmol、1.10eq.)を500mLのジエチルエーテルの中に入れ、−78℃まで冷却した。14.8gの1−シクロプロピルプロパン−1−オン(1−1−1)(150mmol、1.0eq.)を100mLのジエチルエーテルに溶解させ、−78℃で滴下して加えた。その混合物を−78℃で1時間撹拌し、次いで、24.5mLのシュウ酸ジエチル(180mmol、1.2eq.)を滴下して加えた。冷却浴を除去し、その混合物を室温で24時間撹拌した。500mLの1M 塩化水素水溶液を添加し、その混合物をDCMで抽出し、シリコーンフィルターで脱水し、減圧下で濃縮して、27.2g(137mmol、91%)の目標化合物が粗製生成物として得られた。その粗製生成物は、それ以上精製することなく次の段階で使用した。
中間体(1−3−1)
5−シクロプロピル−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチルの調製
Figure 2016525075
100mLのエタノールの中の10.0gの4−シクロプロピル−3−メチル−2,4−ジオキソブタン酸エチル(1−2−1)(51mmol、1.0eq.)に、3.16gのヒドラジン水和物(80%、50.4mmol、1.0eq.)を添加した。その反応混合物を、窒素下、70℃で1時間撹拌した。固体を濾過し、その濾液を減圧下で濃縮した。その残渣を100mLのジエチルエーテルに溶解させ、ジエチルエーテル中の塩酸の2M溶液50mLを添加した。室温で2時間撹拌した後、その生成物を濾過し、40℃、減圧下で乾燥させて、7.40g(32mmol、63%)の分析的に純粋な目標化合物が塩酸塩として得られた。その塩酸塩をジクロロメタンに懸濁させ、炭酸水素ナトリウム溶液を添加した。その懸濁液を30分間撹拌し、その水相をジクロロメタンで抽出した。その有機層を合してブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。
H−NMR(300MHz,DMSO−d):δ[ppm]=0.62−0.72(m,2H),0.81−0.87(m,2H),1.24(t,3H),1.69−1.83(m,1H),2.16(s,3H),4.21(q,2H)。
中間体(1−4−1)
5−シクロプロピル−1−(4−メトキシベンジル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチルの調製
Figure 2016525075
97mLのTHFの中の7.75gの5−シクロプロピル−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチル(1−3−1)(40mmol、1.0eq.)を0℃まで冷却し、1.91gの水素化ナトリウム(60%、48mmol、1.2eq.)を少量ずつ添加した。得られた懸濁液を5分間撹拌した。8.83gの1−(ブロモメチル)−4−メトキシベンゼン(44mmol、1.1eq.;市販されている)をゆっくりと添加した。その反応混合物を室温で2時間撹拌した。水を添加し、THFを減圧下で蒸発させた。その水性残渣を酢酸エチルで3回抽出した。その有機層を合してブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮した。その残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して、8.32g(22mmol、56%)の純度85%の目標化合物が得られた。
H−NMR(300MHz,DMSO−d):δ[ppm]=0.53−0.59(m,2H),0.86−0.97(m,2H),1.23(t,3H),1.39−1.57(m,1H),2.14(s,3H),3.68(s,3H),4.20(q,2H),5.32(s,2H),6.80−6.91(m,2H),7.04−7.08(m,2H)。
以下の中間体は、示されている出発物質(SM=出発物質)から、同じ手順に従って調製した:
Figure 2016525075
中間体(1−5−1)
5−シクロプロピル−1−(4−メトキシベンジル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミド塩酸塩(1:1)の調製
Figure 2016525075
3.65gの塩化アンモニウム(68.3mmol、7.0eq.)を、アルゴン雰囲気下、10mLの乾燥トルエンに懸濁させ、浴温度0℃まで冷却した。ヘプタン中のトリメチルアルミニウムの2M溶液34.1mL(68.3mmol、7.0eq.)を滴下して加えた。その混合物をガスの発生が止むまで室温で撹拌した。3.07gの5−シクロプロピル−1−(4−メトキシベンジル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸エチル(1−4−1)(9.76mmol、1.0eq.)を22mLの乾燥トルエンに溶解させ、上記反応混合物に滴下して加え、浴温度80℃で24時間撹拌した。その混合物を氷浴を用いて浴温度0℃まで冷却し、19.8mLのメタノールを添加し、室温で1時間撹拌した。得られた懸濁液を濾過し、メタノールで洗浄した。その濾液を減圧下で濃縮して、1.78g(5.22mmol、53%)の純度94%の粗製生成物が得られた。これは、それ以上精製することなく使用した。
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ[ppm]=0.55−0−59(m,2H),0.95−0.99(m,2H),1.48−1.58(m,1H),2.11(s,3H),3.69(s,3H),5.36(s,2H),6.83−6.90(m,2H),7.16(d,2H),8.61−9.12(m,3H)。
以下の中間体は、示されている出発物質(SM=出発物質)から、同じ手順に従って調製した:
Figure 2016525075
中間体(1−6−1)
3,3−ビス(ジメチルアミノ)−2−メトキシプロパンニトリルの調製
Figure 2016525075
360gの1−tert−ブトキシ−N,N,N’,N’−テトラメチルメタンジアミン(ブレデレック試薬)(2068mmol、1eq.)及び150gのメトキシアセトニトリル(2068mmol、1.0eq.)を80℃で18時間撹拌した。その反応混合物を減圧下で濃縮した。その残渣を減圧蒸留(0.9mbar;bp 60−65℃)によって精製して、117g(683mmol、33%)の分析的に純粋な目標化合物が黄色の液状物として得られた。
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ[ppm]=2.23(s,6H),2.29(s,6H),3.23(d,1H),3.36−3.41(s,3H),4.73(d,1H)。
中間体(1−7−1)
2−[5−シクロプロピル−1−(4−メトキシベンジル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−5−メトキシピリミジン−4−アミンの調製
Figure 2016525075
5.41gの5−シクロプロピル−1−(4−メトキシベンジル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキシイミドアミド塩酸塩(1:1)(1−5−1)(16.9mmol、1.0eq)を60mLの乾燥3−メチル−1ブタノールに懸濁させた。窒素雰囲気下、0.33mLのピペリジン(3.3mmol、0.2eq)及び4.04gの3,3−ビス(ジメチルアミノ)−2−メトキシプロパンニトリル(1−6−1)(23.6mmol、1.4eq)を添加し、そして、浴温度100℃で24時間撹拌した。その反応混合物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製して、1.03g(2.7mmol、16%)の純度96%の目標化合物が得られた。
H−NMR(300MHz,DMSO−d):δ[ppm]=0.53−0.58(m,2H),0.86−0.93(m,2H),1.39−1.56(m,1H),2.22(s,3H),3.68(s,3H),3.79(s,3H),5.27(s,2H),6.63(br.s,2H),6.80−6.91(m,2H),7.03−7.08(m,2H),7.83(s,1H)。
以下の中間体は、示されている出発物質(SM=出発物質)から、同じ手順に従って調製した:
Figure 2016525075
中間体(1−8−1)
2−[5−シクロプロピル−1−(4−メトキシベンジル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−5−メトキシ−N−(ピリジン−4−イル)ピリミジン−4−アミンの調製
Figure 2016525075
1.03gの2−[5−シクロプロピル−1−(4−メトキシベンジル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−5−メトキシピリミジン−4−アミン(1−7−1)(2.82mmol、1.0eq)を11mLの乾燥DMFに懸濁させた。603mgの4−ブロモピリジン塩酸塩(3.1mmol、1.1eq.)、2.76gの炭酸セシウム(8.46mmol、3.0eq.)、63mgの酢酸パラジウム(II)(0.282mmol、0.1eq.)及び245mgの4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(0.42mmol、0.15eq.)を添加した。その反応混合物を105℃で2時間撹拌した。その反応混合物を室温まで冷却し、水を添加し、そして、その水相を酢酸エチルで3回抽出した。その有機層を合してシリコンフィルターで脱水し、減圧下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製して、930mg(1.9mmol、69%)の純度93%の目標化合物が得られた。
H−NMR(300MHz,DMSO−d):δ[ppm]=0.55−0.65(m,2H),0.92−0.98(m,2H),1.47−1.63(m,1H),2.25(s,3H),3.68(s,3H),3.96(s,3H),5.32(s,2H),6.79−6.93(m,2H),7.17−7.22(m,2H),8.01−8.12(m,2H),8.22(s,1H),8.29−8.38(m,2H),9.27(s,1H)。
中間体(1−9−1)
2−(5−シクロプロピル−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−5−メトキシ−N−(ピリジン−4−イル)ピリミジン−4−アミンの調製
Figure 2016525075
880mgの2−[5−シクロプロピル−1−(4−メトキシベンジル)−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル]−5−メトキシ−N−(ピリジン−4−イル)ピリミジン−4−アミン(1−8−1)(2.0mmol、1.0eq.)を7.8mLの乾燥1,2−ジクロロエタンに溶解させた。室温で、4.6mLのトリフルオロ酢酸(60mmol、30eq.)及び1.8mLのトリフルオロメタンスルホン酸(20mmol、10eq.)を添加した。その反応混合物を75℃で2時間撹拌した。0℃で、2M水酸化ナトリウム溶液をゆっくりと添加した。固体を濾過し、50℃の減圧下で乾燥させて、637mg(1.96mmol、98%)の純度99%の目標化合物が得られた。
H−NMR(300MHz,DMSO−d):δ[ppm]=0.60−0.91(m,4H),1.69−1.90(m,1H),2.33(s,3H),3.97(s,3H),7.96(br.s.,2H),8.23(s,1H),8.37(d,2H),9.29(s,1H),12.54(br.s.,1H)。
中間体(1−10−1)
5−(ブロモメチル)−4−クロロ−1−メチル−1H−ピラゾールの調製
Figure 2016525075
190mgの(4−クロロ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)メタノール(1−11−1)(1.3mmol、1.0eq.)を12.5mLのジクロロメタンに溶解させた。473mgのテトラブロモメタン(1.43mmol、1.1eq.)及び850mgのポリスチレン結合トリフェニルホスフィン(3.24mmol、1.6mmol/g、2.5eq.)を添加した。その反応混合物を室温で一晩撹拌した。該ポリマーを濾過し、メタノールで洗浄し、その有機層を合して減圧下で濃縮して、粗製生成物が得られた。これは、それ以上精製することなく使用した。
中間体(1−11−1)
(4−クロロ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)メタノールの調製
Figure 2016525075
30mLのTHFに667mgの水素化ホウ素ナトリウム(17.6mmol、3.0eq.)を添加した。その反応混合物に30mLのTHFに溶解させた850mgの4−クロロ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−カルバルデヒド(CAS:902837−61−0、5.9mmol、1.0eq.)を添加し、その後、4.8mLのメタノールを添加した。その反応混合物を室温で2時間撹拌し、氷水の上に注いだ。その混合物を、硫酸を添加することによって酸性化してpH2とした。その水層を酢酸エチルで3回洗浄した。その有機層を合してシリコンフィルターで脱水し、減圧下で濃縮して、粗製生成物が得られた。これは、それ以上精製することなく使用した。
H−NMR(300MHz,DMSO−d):δ[ppm]=3.79(s,3H),4.43(s,2H),5.29(br.s,1H),7.42(s,1H)。
実施例化合物
実施例(2−1−1)
2−{1−[(4−クロロ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)メチル]−5−シクロプロピル−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル}−5−メトキシ−N−(ピリジン−4−イル)ピリミジン−4−アミンの調製
Figure 2016525075
0.4mLのTHFの中の50mgの2−(5−シクロプロピル−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−5−メトキシ−N−(ピリジン−4−イル)ピリミジン−4−アミン(1−9−1)(0.16mmol、1.0eq.)を0℃まで冷却し、7.4mgの水素化ナトリウム(60%、0.19mmol、1.2eq.)を添加した。得られた懸濁液を5分間撹拌した。36mgの5−(ブロモメチル)−4−クロロ−1−メチル−1H−ピラゾール(1−10−1)(0.17mmol、1.1eq.)を添加した。その反応混合物を室温で1時間撹拌した。水を添加し、THFを減圧下で蒸発させた。その水性残渣を酢酸エチルで3回抽出した。その有機層を合してブラインで洗浄し、シリコンフィルターで脱水し、減圧下で濃縮した。その残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して、3mg(0.01mmol、4%)の純度98%の目標化合物が得られた。
H−NMR(300MHz,DMSO−d):δ[ppm]=0.68−0.79(m,2H),1.01−1.13(m,2H),1.67−1.82(m,1H),2.27(s,3H),3.95(s,3H),4.00(s,3H),5.49(s,2H),7.55(s,1H),8.03−8.09(m,2H),8.22(s,1H),8.33−8.38(m,2H),9.23(s,1H)。
実施例(2−2−1)
4−[(2−{5−シクロプロピル−1−[(3,5−ジメチル−1,2−オキサゾール−4−イル)メチル]−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル}−5−メトキシピリミジン−4−イル)アミノ]ニコチンアミドの調製
Figure 2016525075
24.5mgの4−[(2−{5−シクロプロピル−1−[(3,5−ジメチル−1,2−オキサゾール−4−イル)メチル]−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル}−5−メトキシピリミジン−4−イル)アミノ]ニコチン酸(2−3−1)(0.05mmol、1.0eq.)を631μLのDMFに溶解させた溶液に、55μLの7N メタノール性アンモニア溶液(0.39mmol、7,5eq.)、56.7mgのベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(56.7μmol、1.1eq.)及び36μLのN,N−ジイソプロピルエチルアミン(206μmol、4.0eq.)を添加した。その反応混合物を不活性ガス雰囲気の中で一晩撹拌し、その後、水の中に滴下した。沈澱物が形成され、その沈澱物を濾過により集め、乾燥させて、17.7mgの所望のアミド(2−2−1)(65%)が得られた。
H−NMR(300MHz,DMSO−d):δ[ppm]=0.74(d,2H),0.99−1.16(m,2H),1.72(d,1H),2.28(s,3H),2.31(s,3H),2.45(s,3H)3.99(s,3H),5.24(s,2H),7.84(br.s.,1H),8.31(s,1H),8.43(br.s.,1H),8.50(d,1H),8.91(s,1H),9.19(d,1H),12.11(s,1H)。
実施例(2−3−1)
4−[(2−{5−シクロプロピル−1−[(3,5−ジメチル−1,2−オキサゾール−4−イル)メチル]−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル}−5−メトキシピリミジン−4−イル)アミノ]ニコチン酸の調製
Figure 2016525075
34.2mgの4−[(2−{5−シクロプロピル−1−[(3,5−ジメチル−1,2−オキサゾール−4−イル)メチル]−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル}−5−メトキシピリミジン−4−イル)アミノ]ニコチネート(2−4−1)(0.07mmol、1.0eq.)をTHF/メタノール(709μL/85μL)に溶解させた溶液に、175μLの2M 水酸化ナトリウム水溶液(0.35mmol、5.0eq.)を添加した。その混合物を室温で1時間撹拌した。その混合物のpHを、10%クエン酸溶液を添加することによって、2に調節した。その沈澱物を濾過によって集め、乾燥させて、24.5mg(73%)の所望の酸(2−3−1)が純粋な生成物として得られた(LC/MSによる)。
LC−MS:
保持時間:0.72分;
MS ES:476.3[M+H]
実施例(2−4−1)
4−[(2−{5−シクロプロピル−1−[(3,5−ジメチル−1,2−オキサゾール−4−イル)メチル]−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル}−5−メトキシピリミジン−4−イル)アミノ]ニコチン酸エチル
Figure 2016525075
2−{5−シクロプロピル−1−[(3,5−ジメチル−1,2−オキサゾール−4−イル)メチル]−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル}−5−メトキシピリミジン−4−アミン(130.0mg、0.37mmol、1.0eq.)(1−7−2)、4−クロロ−ニコチン酸エチルエステル塩酸塩(89.6mg、0.40mmol、1.1eq)、炭酸セシウム(359mg、1.10mmol、3.0eq.)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(31.8mg、0.06mmol、0.15eq.)及び酢酸パラジウム(II)(8.2mg、0.04mmol、0.1eq.)を1,4−ジオキサン(4.7mL)に懸濁させた。その反応混合物を、不活性ガス雰囲気の中で、105℃で一晩撹拌した。再度、同量の炭酸セシウム、酢酸パラジウム(II)及びキサントホスを添加し、その混合物を105℃で一晩撹拌した。室温まで冷却した後、その混合物を濾過し、その残渣をDCM/イソプロパノール(8:2)で洗浄した。その濾液を減圧下で濃縮して、粗製生成物が得られた。HPLCで精製した後、所望のエチルエステル(2−4−1)が得られた(34.2mg、19%)。
H−NMR(300MHz,DMSO−d):δ[ppm]=0.70−0.77(m,2H),1.03−1.11(m,2H),1.38(t,3H),1.66−1.78(m,1H),2.28(s,3H),2.32−2.33(m,3H),2.45(s,3H),4.04(s,3H),4.42(d,2H),5.24(s,2H),8.39(s,1H),8.54−8.66(m,1H),9.06(s,1H),9.25−9.31(m,1H),11.13−11.30(m,1H)。
以下の実施例は、示されている出発物質(SM=出発物質)から、同じ手順に従って調製した:
Figure 2016525075
実施例(2−5−1)
4−[(2−{5−シクロプロピル−4−メチル−1−[(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)メチル]−1H−ピラゾール−3−イル}−5−メトキシピリミジン−4−イル)アミノ]ピリジン−3−カルボキサミドの調製
Figure 2016525075
52mgの4−[(2−{5−シクロプロピル−4−メチル−1−[(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)メチル]−1H−ピラゾール−3−イル}−5−メトキシピリミジン−4−イル)アミノ]ピリジン−3−カルボン酸エチル(2−4−2)(0.11mmol、1.0eq.)を6.1mLの7N メタノール性アンモニア溶液(42mmol、400eq)に溶解させた。その反応混合物を、不活性ガス雰囲気の中で、マイクロ波オーブン内で130℃で3.5時間撹拌した。その反応混合物を減圧下で濃縮し、その粗製生成物をメタノールから結晶化させて、目標化合物が純度92%で得られた:18.5mg、0.04mmol、35%。
H−NMR(300MHz,メタノール−d4):δ[ppm]=0.77−0.86(m,2H),1.07−1.17(m,2H),1.79(t,1H),2.42(s,3H),2.53(s,3H),4.06−4.14(m,3H),5.77(s,2H),8.25(s,1H),8.49(d,1H),8.86(s,1H),9.16(d,1H)。
生物学的研究
下記アッセイを用いて本発明による化合物の商業的有用性について例証することができる。
実施例は、選択された生物学的アッセイで1回以上試験した。2回以上試験した場合、データは、平均値として、又は、中央値として報告したが、ここで、
* 平均値(算術平均値とも称される)は、得られた値の合計を試験した回数で除したものを表す。
及び、
* 中央値は、昇順又は降順で並べた場合の、値の群の中央の数字を表す。示されているデータの中の値の数が奇数である場合、中央値は、中央の値である。示されているデータの中の値の数が偶数である場合、中央値は、中央の2つの値の算術平均値である。
実施例は、1回以上合成した。2回以上合成された場合、生物学的アッセイから得られたデータは、つ以上の合成バッチの試験から得られた一群データのを用いて計算された平均値を表す。
生物学的アッセイ(1.0):
Bub1キナーゼアッセイ
本発明において記載されている化合物のBub1−阻害活性は、ヒトBub1の(組換え)触媒ドメイン(アミノ 酸704−1085)〔これは、N−末端His6−タグを用いてHi5昆虫細胞において発現させ、そして、アフィニティー−(Ni−NTA)及びサイズ排除クロマトグラフィーで精製した〕によって合成ペプチドBiotin−Ahx−VLLPKKSFAEPG(アミド形態におけるC−末端)〔例えば、Biosyntan(Berlin, Germany)から購入したもの〕のリン酸化を測定する時間分解蛍光エネルギー転移(TR−FRET)キナーゼアッセイを用いて定量した。
典型的なアッセイにおいては、各化合物の異なる11の濃度(0.1nM、0.33nM、1.1nM、3.8nM、13nM、44nM、0.15μM、0.51μM、1.7μM、5.9μM、及び、20μM)を同じマイクロタイタープレートの中で2反復で試験した。この目的のために、透明な小容積384ウェルソースマイクロタイタープレート(Greiner Bio−One, Frickenhausen, Germany)の中で2mM原液を連続希釈(1:3.4)することによって100倍濃縮された化合物溶液(DMSO中の溶液)を予め調製し、そこから、50nLの化合物を、同じ供給元から得た黒色の小容積試験マイクロタイタープレートの中に移した。その後、水性アッセイバッファー[50mM Tris/HCl pH7.5、10mM 塩化マグネシウム(MgCl)、200mM 塩化カリウム(KCl)、1.0mM ジチオトレイトール(DTT)、0.1mM オルトバナジウム酸ナトリウム、1%(v/v)グリセロール、0.01%(w/v)ウシ血清アルブミン(BSA)、0.005%(v/v)Trition X−100(Sigma)、1×Complete EDTA−遊離プロテアーゼ阻害薬混合物(Roche)]の中の2μLのBub1(Bub1の最終濃度は、アッセイの線形ダイナミックレンジの範囲内に入るようにするために、酵素ロットの活性に応じて調節した:典型的には、約200ng/mLを使用した)を試験プレートの中の化合物に添加し、その混合物を22℃で15分間インキュベートして、キナーゼ反応の開始前に推定酵素−阻害薬複合体を予備平衡とし、そのキナーゼ反応は、アデノシン−トリ−ホスフェートの1.67倍濃縮溶液(アッセイバッファー中の溶液)(3μL)(ATP、最終濃度10μM)及びペプチド基質(最終濃度1μM)を添加することによって開始させた。得られた混合物(最終体積5μL)を22℃で60分間インキュベートし、そして、5μLの水性EDTA−溶液(50mM EDTA、100mM HEPES(pH7.5)と0.2%(w/v)ウシ血清アルブミンの中の溶液)〔これは、以下のものも含んでいた:TR−FRET検出試薬(0.2μM ストレプトアビジン−XL665[Cisbio Bioassays, Codolet ,France]及び1nM 抗−ホスホ−セリン抗体[Merck Millipore, cat. # 35−001]及び0.4nM LANCE EU−W1024標識化抗−マウスIgG抗体[Perkin−Elmer, product no. AD0077、又は、テルビウム−クリプタート−標識化抗−マウスIgG 抗体(供給元:Cisbio Bioassays)を使用することができる]〕を添加することによって反応を停止させた。停止させた反応混合物を、ペプチドと検出試薬の間の複合体を形成させるために、22℃で1時間、さらにインキュベートした。その後、ホスホセリン残基を認識するEu−キレート−抗体複合体から当該ペプチドのビオチン部分に結合しているストレプトアビジン−XL665への共鳴エネルギーの移動を測定することによって、生成物の量を評価した。この目的のために、620nm及び330−350nmで励起後の665nmにおいて、蛍光発光をTR−FRETプレートリーダー〔例えば、Rubystar若しくはPherastar(両方とも、供給元は以下のとおり:BMG Labtechnologies, Offenburg, Germany)、又は、Viewlux(Perkin−Elmer)〕の中で測定し、そして、発光(665nm/622nm)の比をリン酸化された基質の量に関する指標として用いた。データは、高いBub1活性(=阻害薬の非存在下における酵素反応=0%=最小阻害)及び低いBub1活性(=酵素以外の全てのアッセイ成分=100%=最大阻害)に対して2セットの(典型的には、32−)対照ウェルを用いて標準化した。IC50値は、その標準化された阻害データを4−パラメータロジスティック方程式(最小、最大、IC50、Hill;Y=Max+(Min−Max)/(1+(X/IC50)Hill))にフィッティングすることによって計算した。
生物学的アッセイ(2.0):
増殖アッセイ:
培養した腫瘍細胞(細胞は、ATCCから取り寄せた)を、96ウェルマルチタイタープレート内の200μLの増殖培地(これは、10%ウシ胎仔血清が補足されている)の中で、3000細胞/ウェルの密度で平板培養した。24時間後、1つのプレート(ゼロ点プレート)の細胞をクリスタルバイオレット(下記参照)で染色し、残りのプレートの培地は、新たな培養培地(200μL)で置き換え、それに、被験物質をさまざまな濃度(0μM、及び、0.001−10μMの範囲内の濃度;溶媒ジメチルスルホキシドの最終濃度は、0.5%であった)で添加した。その細胞を被験物質の存在下で4日間インキュベートした。細胞の増殖は、細胞をクリスタルバイオレットで染色することによって測定した:細胞は、20μL/測定時点の11%グルタルアルデヒド溶液を室温で15分間加えることによって固定した。固定された細胞を3回の水による洗浄サイクルに付した後、プレートを室温で乾燥させた。100μL/測定時点の0.1%クリスタルバイオレット溶液(pH 3.0)を添加することによって、細胞を染色した。染色された細胞を3回の水による洗浄サイクルに付した後、プレートを室温で乾燥させた。100μL/測定時点の10%酢酸溶液を添加することによって、染料を溶解させた。595nmの波長で測光することによって、吸光度を測定した。細胞数の変化(%)は、測定された値をゼロ点のプレートの吸光度値(=0%)及び無処理(0μm)細胞の吸光度(=100%)に対して標準化することによって計算した。IC50値は、4パラメータフィッティングを用いて決定した。
表1. 坑増殖活性を実証するために、化合物をHeLaヒト子宮頚癌細胞系統の中で評価した。
以下の表には、生物学的アッセイ1及び生物学的アッセイ2に関する本発明の実施例のデータが記載されている:
Figure 2016525075

Claims (12)

  1. 式(I)
    Figure 2016525075
    〔式中、
    Tは、CH、CR17又はNであり;
    Yは、CH、CR17又はNであり;
    ここで、TとYの一方又は両方がCH又はCR17を表し;
    は、ヘテロアリール(ここで、該ヘテロアリールは、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、1−6C−アルキル、2−6C−アルケニル、2−6C−アルキニル、1−6C−ハロアルキル、1−6C−ヒドロキシアルキル、1−6C−アルコキシ、1−6C−ハロアルコキシ、−NR10、−C(O)OR13、−C(O)−(1−6C−アルキル)、−C(O)NR1112、3−6C−シクロアルキル、−S(O)NH−(3−6C−シクロアルキル)又は−S(O)NR10で1回以上置換されていてもよい)であり;
    は、
    (a)水素、
    (b)NR10、又は、
    (c)
    Figure 2016525075
    (ここで、*は、結合点である)
    であり;
    は、
    (a)水素、
    (b)ヒドロキシ、
    (c)1−6C−アルコキシ[ここで、該アルコキシは、
    (c1)1又は2のヒドロキシ基、
    (c2)−NR10
    (c3)−S−R14
    (c4)−S(O)−R14
    (c5)−S(O)−R14
    (c6)−S(=O)(=NR15)R14
    (c7)−S(O)NR10
    で置換されていてもよい]、
    (d)
    Figure 2016525075
    (ここで、*は、結合点である)、
    (e)
    Figure 2016525075
    (ここで、*は、結合点である)、
    (f)シアノ、又は、
    (g)−S(O)−(1−4C−アルキル)
    であり;
    は、
    (a)水素、
    (b)2−6C−ヒドロキシアルキル、
    (c)
    Figure 2016525075
    (ここで、*は、結合点である)、
    (d)−C(O)−(1−6C−アルキル)、
    (e)−C(O)−(1−6C−アルキレン)−O−(1−6C−アルキル)、又は、
    (f)−C(O)−(1−6C−アルキレン)−O−(1−6C−アルキレン)−O−(1−6C−アルキル)
    であり;
    は、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、−C(O)NR1112、−C(O)OR13又は−C(O)NHOHであり;
    は、水素、ハロゲン、シアノ、1−6C−アルキル、2−6C−アルケニル、1−6C−アルコキシ、1−6C−ハロアルコキシ、3−6C−シクロアルキル、−C(O)NR1112又は−NR10であり;
    は、水素、ハロゲン、シアノ、1−6C−アルキル、2−6C−アルケニル、1−6C−アルコキシ、1−6C−ハロアルコキシ、3−6C−シクロアルキル又は−NR10であり;
    mは、0、1、2又は3であり;
    、R10は、互いに独立して、水素又は1−6C−アルキルであり;
    11、R12は、互いに独立して、水素、1−6C−アルキル、2−6C−ヒドロキシアルキル又は(1−4C−アルキル)−S(O)−(1−4C−アルキル)であり;
    13は、水素又は1−6C−アルキルであり;
    14は、1−6C−アルキル、3−6C−シクロアルキル、フェニル又はベンジルから選択される基(ここで、該基は、ヒドロキシ、ハロゲン又は−NR10からなる群から同じように又は異なるように選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい)であり;
    15は、水素、シアノ又は−C(O)R16であり;
    16は、1−6C−アルキル又は1−6C−ハロアルキルであり;
    17は、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、−C(O)NR1112又は−C(O)OR13である〕
    で表される化合物又は該化合物のN−オキシド、塩、互変異性体若しくは立体異性体又は該N−オキシド、互変異性体若しくは立体異性体の塩。
  2. Tが、CH、CR17又はNであり;
    Yが、CH、CR17又はNであり;
    ここで、TとYの一方又は両方がCH又はCR17を表し;
    が、ヘテロアリール(ここで、該ヘテロアリールは、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、1−3C−アルキル、2−3C−アルケニル、2−3C−アルキニル、1−3C−ハロアルキル、1−3C−ヒドロキシアルキル、1−3C−アルコキシ、1−3C−ハロアルコキシ、−NR10、−C(O)OR13、−C(O)−(1−3C−アルキル)、−C(O)NR1112、3−6C−シクロアルキル、−S(O)NH−(3−6C−シクロアルキル)又は−S(O)NR10で1回以上置換されていてもよい)であり;
    が、
    (a)水素、
    (b)−NR10、又は、
    (c)
    Figure 2016525075
    (ここで、*は、結合点である)
    であり;
    が、
    (a)水素、
    (b)ヒドロキシ、
    (c)1−4C−アルコキシ[ここで、該アルコキシは、
    (c1)1又は2のヒドロキシ基、
    (c2)−NR10
    (c3)−S−R14
    (c4)−S(O)−R14
    (c5)−S(O)−R14
    (c6)−S(=O)(=NR15)R14
    (c7)−S(O)NR10
    で置換されていてもよい]、
    (f)シアノ、又は、
    (g)−S(O)−(1−4C−アルキル)
    であり;
    が、水素であり;
    が、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、−C(O)NR1112又は−C(O)OR13であり;
    が、水素、ハロゲン、シアノ、1−3C−アルキル、2−3C−アルケニル、1−3C−アルコキシ、1−3C−ハロアルコキシ、3−6C−シクロアルキル、−C(O)NR1112又は−NR10であり;
    が、水素、ハロゲン、シアノ、1−3C−アルキル、2−3C−アルケニル、1−3C−アルコキシ、1−3C−ハロアルコキシ、3−6C−シクロアルキル又は−NR10であり;
    mが、0、1、2又は3であり;
    、R10が、互いに独立して、水素又は1−3C−アルキルであり;
    11、R12が、互いに独立して、水素、1−3C−アルキル又は2−3C−ヒドロキシアルキルであり;
    13が、水素又は1−3C−アルキルであり;
    14が、メチル又はシクロプロピルから選択される基であり;
    15が、水素、シアノ又はC(O)R16であり;
    16が、メチル又はトリフルオロメチルであり;
    17が、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、−C(O)NR1112又は−C(O)OR13である
    請求項1に記載の式(I)で表される化合物又は該化合物のN−オキシド、塩、互変異性体若しくは立体異性体又は該N−オキシド、互変異性体若しくは立体異性体の塩。
  3. Tが、CH又はCR17であり;
    Yが、CH又はCR17であり;
    は、ヘテロアリール(ここで、該ヘテロアリールは、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ又は1−3C−アルキルで1回以上置換されていてもよい)であり;
    が、水素であり;
    が、
    (a)水素、
    (b)ヒドロキシ、
    (c)1−4C−アルコキシ[ここで、該アルコキシは、
    (c1)ヒドロキシ、
    (c3)−S−R14
    (c4)−S(O)−R14
    (c5)−S(O)−R14
    (c6)−S(=O)(=NR15)R14
    で置換されていてもよい]、
    (f)シアノ、又は、
    (g)−S(O)−(1−4C−アルキル)
    であり;
    が、水素であり;
    が、ハロゲン、シアノ、−C(O)NR1112又は−C(O)OR13であり;
    が、1−3C−アルキル又は3−6C−シクロアルキルであり;
    が、1−3C−アルキルであり;
    mが、0又は1であり;
    11、R12が、互いに独立して、水素又は1−3C−アルキルであり;
    13が、水素又は1−3C−アルキルであり;
    14が、メチル又はシクロプロピルから選択される基であり;
    15が、水素であり;
    17が、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、−C(O)NR1112又は−C(O)OR13である
    請求項1又は2に記載の式(I)で表される化合物又は該化合物のN−オキシド、塩、互変異性体若しくは立体異性体又は該N−オキシド、互変異性体若しくは立体異性体の塩。
  4. Tが、CHであり;
    Yが、CHであり;
    が、ヘテロアリール(ここで、該ヘテロアリールは、独立して、クロロ又はメチルで1回以上置換されていてもよい)であり;
    が、水素であり;
    が、メトキシであり;
    が、水素であり;
    が、−C(O)NR1112又は−C(O)OR13であり;
    が、シクロプロピルであり;
    が、メチルであり;
    mが、0又は1であり;
    11、R12が、水素であり;
    13が、水素又はエチルである
    請求項1〜3のいずれかに記載の式(I)で表される化合物又は該化合物のN−オキシド、塩、互変異性体若しくは立体異性体又は該N−オキシド、互変異性体若しくは立体異性体の塩。
  5. 2−{1−[(4−クロロ−1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)メチル]−5−シクロプロピル−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル}−5−メトキシ−N−(ピリジン−4−イル)ピリミジン−4−アミン;
    4−[(2−{5−シクロプロピル−1−[(3,5−ジメチル−1,2−オキサゾール−4−イル)メチル]−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル}−5−メトキシピリミジン−4−イル)アミノ]ニコチンアミド;
    4−[(2−{5−シクロプロピル−1−[(3,5−ジメチル−1,2−オキサゾール−4−イル)メチル]−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル}−5−メトキシピリミジン−4−イル)アミノ]ニコチン酸;
    4−[(2−{5−シクロプロピル−1−[(3,5−ジメチル−1,2−オキサゾール−4−イル)メチル]−4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル}−5−メトキシピリミジン−4−イル)アミノ]ニコチネート;
    4−[(2−{5−シクロプロピル−4−メチル−1−[(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)メチル]−1H−ピラゾール−3−イル}−5−メトキシピリミジン−4−イル)アミノ]ピリジン−3−カルボン酸エチル;及び、
    4−[(2−{5−シクロプロピル−4−メチル−1−[(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)メチル]−1H−ピラゾール−3−イル}−5−メトキシピリミジン−4−イル)アミノ]ピリジン−3−カルボキサミド;
    からなる群から選択される、請求項1〜4のいずれかに記載の式(I)で表される化合物又は該化合物のN−オキシド、塩、互変異性体若しくは立体異性体又は該N−オキシド、互変異性体若しくは立体異性体の塩。
  6. 疾患を治療又は予防するための、請求項1〜5のいずれかに記載の一般式(I)で表される化合物の使用。
  7. 前記疾患が、過増殖性疾患及び/又は細胞死の誘発に応答する疾患である、請求項6に記載の一般式(I)で表される化合物の使用。
  8. 前記過増殖性疾患及び/又は細胞死の誘発に応答する疾患が、血液学的腫瘍、固形腫瘍及び/又はそれらの転移である、請求項7に記載の一般式(I)で表される化合物の使用。
  9. 前記過増殖性疾患が、子宮頚癌である、請求項8に記載の一般式(I)で表される化合物の使用。
  10. 少なくとも1種類の製薬上許容される担体又は補助剤と一緒に請求項1〜5のいずれかに記載の一般式(I)で表される少なくとも1種類の化合物を含んでいる、医薬組成物。
  11. 血液学的腫瘍、固形腫瘍及び/又はそれらの転移を治療するための、請求項10に記載の組成物。
  12. 請求項1〜5のいずれかに記載の一般式(I)で表される化合物から選択される1種類以上の第1の活性成分並びに化学療法抗癌剤及び標的特異的抗癌剤から選択される1種類以上の第2の活性成分を含んでいる、組合せ。
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