JP2016519067A - 関節リウマチの治療のためのh因子 - Google Patents

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Abstract

本発明は、H因子(FH)を含む組成物でレシピエントを治療することによって、同種移植片のレシピエントによるその同種移植片拒絶反応を予防または阻害するための方法を提供する。本発明はまた、レシピエントがH因子に加えて1つ以上の免疫抑制剤も投与される方法を包含する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2013年3月14日に出願された、米国特許出願第61/786,023号に対する優先権を主張し、その内容は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に援用される。
発明の背景
補体系は、我々の体内に継続的に侵入しようとする病原体を認識する、破壊する、およびその除去を促進するように、一意的に設計される。系は、感染からの豊富で非常に効率的な保護を提供するように、液性および細胞性の両方のエフェクター機構を組み込む約30の血漿および細胞表面タンパク質から成る。凝固カスケードと同様に、補体系は、概してセリンプロテアーゼ活性を有する、活性複合体を形成するような特定のタンパク質の会合によって活性化される。これらのプロテアーゼ複合体は、さらなる活性化に寄与する(応答を増幅する)か、または炎症性媒介物質および細胞毒性要素を生成する前駆体タンパク質を活性化する。補体活性化の間に生成される3つの主要なエフェクター、C3b、C5a、およびC5b−9が存在する(細胞膜傷害複合体またはMACとも称される)。
移植された臓器の細胞性拒絶反応は、細胞性免疫応答を特異的に標的する多数の細胞性免疫抑制薬よって管理することができる。しかしながら、潜在的な移植候補の著しい集団は、移植を進めるには禁忌であることが多いドナー特異性抗体(DSA)を提示する。それに加えて、新規の抗ドナー抗体形成が、移植前は高パネル反応性(high panel reactivity)を示さなかった移植患者の10〜20%に発生すると考えられる。これらの抗体は、ドナー臓器に結合し、宿主による炎症応答を開始し、それは、機能障害、および最終的には移植片喪失をもたらす。抗体媒介性拒絶反応(AMR)は、標準的な免疫抑制薬によっては制御されず、臓器拒絶反応の主因としてますます認識されている。DSAは、まず古典的な経路機構を通じて補体系を活性化することができ、ドナー臓器を損傷する代替的経路成分によって増大される。それに加えて、移植環境における補体活性化は、移植の外科的プロセス中に(虚血再灌流機構によって)発生することが示唆されている。補体活性化産生物はまた、細胞性拒絶反応機構を準備および増強することが実証されている。したがって、補体は、移植された臓器の喪失に種々の方法で寄与することがある。H因子は、C3のC3aへの変換、およびその後のC5aの生成を制御し、臓器拒絶反応の制限に有効である可能性がある。
RAの病理における補体活性化の役割の証拠は、極めて広範囲に及ぶ。研究は、補体活性化がRAの病理に寄与することを示している。RA患者における上昇された活性化マーカー、および異なる補体タンパク質が存在しない種々の齧歯類モデルにおいて観察される疾患表現型からの顕著な保護もまた、RA病因学における補体に関する重要な役割を示唆している。しかしながら、多数のグループからの研究は、有効性を示すためには補体阻害剤の標的化が必要であると思われること、およびFHを含む標的化されていない阻害剤の全身投与は有効ではなかったことを実証した。それに加えて、RAの発症を伴うFH多型の任意の遺伝的関連の欠失は、この疾患とのつながりをさらに弱めると思われる。驚くべきことに、本明細書に実証される通り、全身的に付与されたFHは、マウスモデルにおいてRAの病理を制限する。
したがって、H因子は、補体因子G遺伝子によってコードされる補体の代替的経路のタンパク質成分として、同種移植片拒絶反応の予防または阻害における使用のため、および関節リウマチを治療するための潜在的な治療薬であり得る。
一態様では、本発明は、同種移植片のレシピエントによるその同種移植片の拒絶反応を、H因子(FH)を含む組成物でレシピエントを治療することによって予防または阻害するための方法を提供する。例示的な実施形態では、FHは血漿由来FHまたは組み換えFHである。
さらなる実施形態では、および上記に従って、レシピエントは、シロリムス(ラパマイシン)、FK506(FK)、シクロスポリン、およびタクロリムスのいずれか1つを含むがこれらに限定されない第1の免疫抑制剤組成物でさらに治療される。
さらなる実施形態では、および上記のいずれかに従って、レシピエントは、第1の免疫抑制剤組成物と異なる第2の免疫抑制剤組成物でさらに治療され、その第2の免疫抑制剤は、シロリムス(ラパマイシン)、FK506(FK)、シクロスポリン、およびタクロリムスから独立して選択される。
またさらなる実施形態では、および上記のいずれかに従って、レシピエントは、FHを含む組成物、FKを含む組成物、およびラパマイシンを含む組成物で治療される。
またさらなる実施形態では、および上記のいずれかに従って、同種移植片拒絶反応は、抗体媒介性拒絶反応、または抗体および細胞媒介性拒絶反応の組み合わせである。
さらなる実施形態では、および上記のいずれかに従って、同種移植片拒絶反応を予防または阻害することは、同種移植片生存期間および/または機能を所定の日数の間延長させることを含む。
またさらなる実施形態では、および上記のいずれかに従って、同種移植片拒絶反応を予防または阻害することは、同種移植片拒絶反応のマーカーのレベルの増加を予防または阻害することを含む。
またさらなる実施形態では、および上記のいずれかに従って、予防または阻害されている同種移植片拒絶反応は、急性抗体媒介性拒絶反応である。かかる実施形態では、レシピエントは、該同種移植片の受容に際して、該同種移植片が正常に機能するまでFHで治療される。例示的な実施形態では、同種移植片の正常な機能は、レシピエントのクレアチニンレベルおよび/または陰性C4d生検試験によって決定される。
またさらなる実施形態では、および上記のいずれかに従って、同種移植片拒絶反応は、該同種移植片の受容の3〜6ヶ月後に発生する。
またさらなる実施形態では、および上記のいずれかに従って、同種移植片は、臓器を含む。さらなる実施形態では、臓器は、全臓器である。またさらなる実施形態では、全臓器は、腎臓、心臓、肝臓、腸、膵臓、および肺から選択される構成要素である。
またさらなる実施形態では、および上記のいずれかに従って、同種移植片は、組織を含む。さらなる実施形態では、同種移植片は、皮膚移植片、骨移植片、弁、および骨髄から選択される。
一態様では、本発明は、対象における関節リウマチを治療するための方法であって、H因子(FH)を含む組成物を対象に投与するステップを含む、方法を提供する。例示的な実施形態では、FHは、血漿由来FHまたは組み換えFHである。
さらなる実施形態では、および上記のいずれかに従って、FHは、対象に静脈内投与される。
またさらなる実施形態では、および上記のいずれかに従って、FHを投与することは、対象における関節炎の低減をもたらす。
またさらなる実施形態では、および上記のいずれかに従って、FHを投与することは、初期の炎症応答を阻害する。
さらなる実施形態では、および上記のいずれかに従って、FHを投与することは、炎症応答の解消をさらに促進する。
またさらなる実施形態では、および上記のいずれかに従って、FHを投与することは、対象における外骨腫の低減をもたらす。
またさらなる実施形態では、および上記のいずれかに従って、FHを投与することは、FHを受容していない対象と比較して、対象における軟骨の損傷の低減をもたらす。
補体カスケードを例証する。阻害タンパク質は、四角で囲まれる。fH=H因子、fI=因子I、C4BP=C4結合タンパク質、DAF=分解促進因子、MCP=膜補因子タンパク質。 CFH、FK506、またはCFH+FK506で治療された、前感作されたマウス同種移植片モデルにおけるPOD7上のクレアチニンレベルを例証する。 前感作されたレシピエントにおける腎臓移植のKaplan Meier生存曲線を例証する。P<0.05、FK+RAPA対CFH+FK+RAPA。FK+CFHコホート、全ての治療を10日目に停止した。 異なるコホートにおける腎機能を経時的に例証する。正常なB6マウスにおいて、Cr=0.2±0.05(mg/dl)、BUN=34±8.81(mg/dl)、Hct−44±1.73(%PCV)。 異なるコホートにおける腎機能を経時的に例証する。正常なB6マウスにおいて、Cr=0.2±0.05(mg/dl)、BUN=34±8.81(mg/dl)、Hct−44±1.73(%PCV)。 異なるコホートにおける腎機能を経時的に例証する。正常なB6マウスにおいて、Cr=0.2±0.05(mg/dl)、BUN=34±8.81(mg/dl)、Hct−44±1.73(%PCV)。 腎臓同種移植片の代表的な組織学的画像を例証する。A)正常な腎臓が左側に示され、非治療移植(POD7)が右側に示される。B)上の枠は、RAPA+FK506で治療したマウス(#136、#137)からの同種移植片であり、下の枠は、RAPA+FK506+CFHで治療したマウス(#148、#150)からの同種移植片である。 POD3およびPOD5におけるA)腎機能分析(1群当りn=4〜6)、およびB)腎臓同種移植片の代表的な組織学的画像を例証する。 A)移植前および移植後の血漿DSA(IgG)レベル、およびB)IgGレベルとCrレベルとの間の相関の欠失を例証する。 PK−e363における1日目からの群の平均体重変化のパーセントを例証する。Bx−12=FH。 PK−e363におけるマウスCAIAにおける総後肢の腫れに対する検査薬の効果を例証する。Bx−12=FH。 PK−e363におけるCAIAに関する総臨床スコアを例証する。Bx−12=FH。 PK−e363におけるマウスCAIAにおける組織学的変化に対する検査薬の効果を例証する。Bx−12=FH。 PK−e363におけるマウスCAIAにおける組織学的変化に対する検査薬の効果を例証する。Bx−12=FH。 本発明において有用な使用のH因子変異体の配列を提供する。
概論
本発明は、同種移植片拒絶反応を予防または阻害するための方法、および関節リウマチを治療するための方法であって、かかる方法は、それを必要とする対象を、H因子(「FH」)を含む組成物で治療することを含む、方法を提供する。
対象の治療において使用されるFHは、血漿由来または組み換えH因子であってよい。血漿由来FHは、文献内に説明されているように、変異体を含み、これらの変異体のうちの1つまたは組み合わせを、本明細書に説明される方法において使用することができる。多数の組み換え変異体もまた、文献内に説明されており、かかる組み換えFH変異体のうちのいずれか1つまたは組み合わせも、本明細書にさらに詳細に説明される方法に従って、同種移植片拒絶反応を予防もしくは阻害するため、または関節リウマチを治療するために使用することができる。理解されるであろう通り、血漿由来および組み換えFHの両方の組み合わせによる治療も、本発明によって包含される。FHによる治療は、皮下投与、静脈内投与、または当該技術分野において既知である任意の他の投与の方法によることができる。
一態様では、本発明は、同種移植片のレシピエントによるその同種移植片の拒絶反応を、レシピエントを、FHを含む組成物で治療することによって予防または阻害するための方法を提供する。上述の通り、FHによる治療は、血漿由来または組み換えであるFHの1つ以上の変異体による治療を含むことができる。提供されるFHの量は、変化することがあるが、概して、補体活性化を阻害するのに有効な範囲内である。さらなる例示的な実施形態では、使用されるFHの量は、約1〜2mg/mlの血漿濃度を達成するのに有効な量である。またさらなる実施形態では、治療のために使用されるFHの量は、86mg/kgの範囲内である。FHは、本明細書にさらに詳細に説明される通り、同種移植片の移植後に1回以上、数日間、数週間、または数ヶ月間の期間間隔の範囲で同種移植片のレシピエントに投与することができる。
さらなる実施形態では、同種移植片のレシピエントはまた、同種移植片拒絶反応を予防または阻害するために、FHに加えて1つ以上の免疫抑制剤で治療される。1つ以上の免疫抑制剤は、シロリムス(ラパマイシン)、FK506、シクロスポリン、およびタクロリムスを含むことができるが、これらに限定されない。さらなる標準的な免疫抑制剤療法も、幾つかの実施形態ではレシピエントに投与することができ、ミコフェニレートモフィチルおよびステロイドが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、レシピエントは、同種移植片拒絶反応を予防または阻害するためにFH、FK506で、およびラパマイシンで治療される。FHおよび1つ以上の免疫抑制剤による治療は、同種移植片の受容後、同時にまたは異なる時点で達成することができる。さらなる実施形態では、FHおよび/または1つ以上の免疫抑制剤による治療は、本明細書にさらに詳細に説明される通り、同種移植片の受容後に反復される。
さらなる態様では、1つ以上の免疫抑制剤を伴うまたは伴わないFHによる治療は、急性拒絶反応、特に急性抗体媒介性拒絶反応を予防または阻害するために、移植の直後に提供される。かかる方法では、治療は、同種移植片の移植の時点で開始され、同種移植片が機能するまで継続される。例えば、同種移植片が腎臓である実施形態では、治療は、レシピエントが正常なクレアチニン値を示し、生検試験がC4d陰性になるまで継続されるであろう。
またさらなる態様では、1つ以上の免疫抑制剤を伴うまたは伴わないFHによる治療が、移植の数週間または数ヶ月後に発生する拒絶反応を予防するために提供される。かかる状況では、同種移植片は、移植直後は正常に機能するが、その後、新規の抗体産生のため低下する。本態様では、治療は、拒絶反応の最初の兆候が現れたときに開始され、同種移植片が再び正常に機能するまで継続されるであろう。
例示的な実施形態では、本発明に従う1つ以上の免疫抑制剤を伴うまたは伴わないFHによる治療は、臓器、臓器の一部、または組織を含むがこれらに限定されない、同種移植片の拒絶反応を予防または阻害するために使用することができる。さらなる例示的な実施形態では、同種移植片は、腎臓、心臓、肝臓、肺、膵臓、腸、皮膚移植片、骨移植片、弁、および骨髄であることができるが、これらに限定されない。
さらなる態様では、本発明は、対象における関節リウマチを、その対象に、FHを含む組成物を投与することによって治療するための方法を提供する。上述の通り、対象を治療するために使用されるFHは、FHの1つ以上の変異体を含むことができ、血漿由来または組み換えであることができる。
特定の実施形態では、対象に投与されるFHは、対象における関節炎を低減する。さらなる実施形態では、投与されるFHは、初期の炎症応答を阻害し、および/または炎症応答の解消を促進する。またさらなる実施形態では、FHは、FHを受容していない対象と比較して、対象における外骨腫の低減または軟骨の損傷の低減をもたらす。
さらなる実施形態では、対象に投与されるFHの量は、上記に説明される通り、炎症、外骨腫、または軟骨の損傷を低減するのに有効な量である。またさらなる実施形態では、同種移植片拒絶反応の予防または阻害に関して上述される通り、関節リウマチを有する対象に投与されるFHの量は、変化することがあるが、概して、補体活性化を阻害するのに有効な範囲内である。さらなる例示的な実施形態では、使用されるFHの量は、約1〜2mg/mlの血漿濃度を達成するのに有効な量である。さらなる実施形態では、治療のために使用されるFHの量は、86mg/kgの範囲内である。FHは、本明細書にさらに詳細に説明される通り、数日間、数週間、または数ヶ月間の期間間隔の範囲で1回以上、対象に投与することができる。
定義
別段に指定のない限り、本明細書で使用されるとき、用語「H因子」または「FH」は、血漿由来および組み換えH因子の両方を指し、1つ以上の変異体をさらに包含する。
用語「組み換え」は、例えば、細胞、または核酸、タンパク質、またはベクターに関連して使用されるとき、細胞、核酸、タンパク質、またはベクターが、異種核酸もしくはタンパク質の導入、または天然核酸もしくはタンパク質の変更によって修飾されているか、あるいは、細胞がそのように修飾された細胞に由来することを示す。したがって、例えば、組み換え細胞は、細胞の天然(非組み換え)型の中には見出されない遺伝子を発現するか、または、さもなければ異常に発現されるか、低発現されるか、もしくは全く発現されない天然の遺伝子を発現する。
用語「単離された」、「精製された」、または「生物学的に純粋な」は、その天然の状態で見出されるように通常それに付随する成分を、実質的または本質的に含まない材料を指す。純度および均質性は、典型的には、ポリアクリルアミドゲル電気泳動または高速液体クロマトグラフィーなどの分析化学技術を使用して決定される。用語「精製された」は、幾つかの実施形態では、核酸またはタンパク質が、電気泳動ゲルにおいて本質的に1つのバンドを生じさせることを示す。他の実施形態では、それは、核酸またはタンパク質が、少なくとも50%純粋、より好ましくは、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上純粋であることを意味する。「精製する」または「精製」は、他の実施形態では、精製されるべき組成物から少なくとも1つの汚染物質を除去することを意味する。この意味において、精製は、精製された化合物が均質である、例えば、100%純粋であることを必要としない。
本明細書で使用されるとき、「投与する」(および全ての文法的同等物)は、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、経口投与、坐剤としての投与、局所接触、腹腔内、病巣内、もしくは鼻腔内投与、または徐放デバイス、例えば、小型浸透圧ポンプなどの対象への埋め込みを含む。投与は、非経口および経粘膜(例えば、経口、鼻腔、膣、直腸、または経皮)を含む任意の経路による。非経口投与としては、例えば、静脈内、筋肉内、細動脈内、皮内、皮下、腹腔内、脳室内、および頭蓋内が挙げられる。送達の他の様式としては、リポソーム製剤の使用、静脈内注入、経皮パッチなどが挙げられるが、これらに限定されない。
用語「治療的に有効な量または用量」または「治療的に十分な量または用量」または「有効なまたは十分な量または用量」または「薬学的に有効な量または用量」は、そのために投与される治療効果を生み出す用量を指す。例えば、血友病の治療に有用な薬物の治療的に有効な量は、血友病に関連付けられる1つ以上の症状を予防または緩和することができる量であることができる。正確な用量は、治療の目的に依存し、既知の技術を使用して当業者によって解明可能であろう(例えば、Lieberman,Pharmaceutical Dosage Forms(vols.1−3,1992);Lloyd,The Art,Science and Technology of Pharmaceutical Compounding(1999);Pickar,Dosage Calculations(1999);およびRemington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,2003,Gennaro,Ed.,Lippincott,Williams&Wilkinsを参照、その各々は、あらゆる目的のために、また特に、用量および投薬計画の開発に関連する全ての教示のために、その全体が参照により本明細書に援用される)。
「薬学的に許容される」は、概して安全で非毒性の、生物学的にもそれ以外でも不適切ではない薬学的組成物の調製に有用であることを意味し、獣医学的使用およびヒトの薬学的使用に対して許容されるものを含む。
「対象」は、脊索動物亜門(subphylum chordata)の任意のメンバーを意味し、ヒト、ならびに例えば、チンパンジーおよび他の類人猿およびサル種などの非ヒト霊長類を含む他の霊長類、例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、およびウマなどの産業動物、例えば、イヌおよびネコなどの家庭用哺乳類、例えば、マウス、ラット、およびモルモットなどの齧歯類を含む実験動物、例えば、ニワトリ、七面鳥、および他の家禽類、アヒル、ガチョウなどの家庭用鳥類、野鳥、および狩猟鳥を含む鳥などが挙げられるが、これらに限定されない。該用語は、特定の年齢を示すものではない。したがって、成体と新生個体との両方が関心を持たれる。
用語「患者」は、その従来の意味で使用され、本発明の組成物の投与によって予防または治療することができる状態に罹患しているかまたはなりやすい生体を指し、ヒトおよび非ヒト種の両方を含む。用語「患者」および「対象」は、本出願を通して互換的に使用され、上述の通り、これらの用語はヒトおよび獣医学的対象の両方を含む。
本明細書で使用されるとき、用語「約」は、特定の値からプラスマイナス10%のおおよその範囲を示す。例えば、言語「約20%」は、18〜22%の範囲を包含する。
本明細書で使用されるとき、用語「半減期」は、分解を受ける物質の量(または、試料からもしくは患者からのクリアランス)が半分に減少するのにかかる期間を指す。
本明細書で使用されるとき、用語「配列同一性」または「%同一性」は、2つ以上の核酸またはタンパク質配列の文脈において、同一であるか、または以下の配列比較アルゴリズムの1つを使用するか、もしくは目視検査によって測定されるときに、最大対応について比較および整列されるときに、同一である特定のパーセンテージのアミノ酸残基もしくはヌクレオチドを有する、2つ以上の配列または部分配列を指す。配列比較のために、典型的には1つの配列が、比較される試験配列に対する基準配列の役割を果たす。比較のための配列の最適な整列は、例えば、Smith&Waterman,Adv.Appl.Math.2:482(1981)の局所相同性アルゴリズムによって、Needleman&Wunsch,J Mol.Biol.48:443(1970)の相同性整列アルゴリズムによって、Pearson&Lipman,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA85:2444(1988)の類似性検索方法によって、これらのアルゴリズムのコンピュータによる実装(Wisconsin Genetics Software Package,Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,Wis.内のGAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA)によって、または目視検査によって(概して、Greene Publishing Assoc.and Wiley−Interscience(1987)によって出版されたAusubel,F.M.et al.,Current Protocols in Molecular Biologyを参照)実施することができる。パーセント配列同一性を決定するのに好適なアルゴリズムの1つの例は、基本的局所整列検索ツール(basic local alignment search tool)(以下、「BLAST」)において使用されるアルゴリズムであり、例えば、National Center for Biotechnology Information(以下、「NCBI」)を通じて公的に利用可能であるAltschul et al.,J Mol.Biol.215:403−410(1990)およびAltschul et al.,Nucleic Acids Res.,15:3389−3402(1997)を参照されたい。
本明細書で使用されるとき、用語「同種移植片」は、その従来の意味で使用され、ドナーから、同じ種であるが異なる遺伝子構造であるレシピエントに移植された組織または臓器を指す。
本発明の組成物
本発明の方法は、H因子を含む組成物の使用を含む。別段に指定のない限り、本明細書で使用されるとき、用語「H因子」または「FH」は、血漿由来および組み換えH因子の両方を指す。H因子は、補体因子G遺伝子(例えば、CFH、NM000186、GeneID:3075、UniProt ID P08603、Ripoche et al.,Biochem.J.249:593−602(1988))によってコードされる補体の代替的経路のタンパク質成分である。H因子は、18のアミノ酸のシグナルペプチドの除去によって処理される1,213のアミノ酸の前駆体ポリペプチドとして翻訳され、成熟H因子タンパク質(アミノ酸19〜1231)をもたらす。本発明において使用されるとき、H因子は、血漿試料、例えば、ヒト血漿試料中に見出すことができる任意の天然の変異体、代替的配列、アイソフォーム、または変異タンパク質を包含する。ヒト集団に見出されるH因子変異の例としては、
Figure 2016519067
が挙げられるが、これらに限定されない。これらの変異の多くは、非定型的容血性***症候群(aHUS)、加齢性黄斑変性症(AMD)、膜性増殖性糸球体腎炎(membranoproliferative glomulonephritis)II型(MPGNII)、CFH欠乏症、および基底層ドルーゼンを含む、種々の疾患および障害に関連付けられることが見出されている。H因子はまた、翻訳後修飾を含有するタンパク質も含む。例えば、H因子は、残基529、718、802、822、882、911、1029、および1095においてN−アセチルグルコサミン(GlcNAc)によって修飾されると考えられる。
理解されるであろう通り、本明細書に説明される方法および組成物において使用されるH因子は、血漿由来または組み換えであることができ、1つ以上の異なる変異体をさらに含むことができる(全長および切断型を含む)。
血漿由来H因子の変異体、および血漿由来H因子を産生するための方法は、当該技術分野において既知であり、例えば、WO2007/149567、WO2007/066017、WO2008/113589、WO2011/011753、US7,745,389に説明されており、その各々は、あらゆる目的のために、また特に、H因子、特に、血漿由来H因子の産生に関連する全ての教示のために、その全体が参照により本明細書に援用される。
多様なH因子多型は、当該技術分野において既知であり、例えば、WO2000/52479、WO/2006/062716、US7,351,524、US7,745,389(その各々は、あらゆる目的のため、また特に、H因子およびH因子の変異体に関連する全ての教示のために、その全体が参照により本明細書に援用される)に説明され、それらはまた、これらのH因子ポリペプチドの組み換え型およびそれを産生するための方法も説明する。これらのH因子の変異型の多くは、補体活性化の制限において、血漿由来H因子より大きい活性を示す「保護的」変異体として知られている。非限定的な実施形態では、本発明において有用なH因子の保護的変異体は、図12にSEQ ID NO:1として本明細書に提供されるUS7,745,389のSEQ ID NO:5を含む、US7,745,389に説明される配列のいずれかに従う配列を含む。さらなる実施形態では、組み換えH因子は、組み換えH因子が、US7,745,389に説明される配列のいずれかに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、および100%の配列同一性を有する本発明の方法および組成物において使用される。またさらなる実施形態では、本発明において有用な組み換えH因子は、図12にSEQ ID NO:1として本明細書に提供されるUS7,745,389のSEQ ID NO:5に対して、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、および100%の配列同一性を有する。またさらなる実施形態では、本発明において有用な組み換えH因子は、約1〜100、3〜95、5〜90、7〜85、9〜80、11〜75、13〜70、15〜65、17〜60、19〜55、21〜50、23〜45、25〜40、27〜35のアミノ酸置換を伴って、図12に描写されるSEQ ID NO:1を含む。
H因子を含む組成物に加えて、本発明の方法は、免疫抑制剤を含む組成物を使用する。これらの免疫抑制剤は、H因子と同一の組成物中に含まれてもよく、または免疫抑制剤は、H因子とは別個の組成物中に提供されてもよい。かかる免疫抑制剤としては、シロリムス(ラパマイシン)、FK506(FK)、シクロスポリン、およびタクロリムスが挙げられるが、これらに限定されない。
特定の実施形態では、H因子は、約0.05mg/mL〜約10mg/mLの間の治療的に有効な用量で提供される。他の実施形態では、H因子は、約0.1mg/mL〜約10mg/mLの間の濃度で存在する。また他の実施形態では、H因子は、約0.1mg/mL〜約5mg/mLの間の濃度で存在する。別の実施形態では、H因子は、約0.1mg/mL〜約2mg/mLの間の濃度で存在する。別の実施形態では、H因子は、約1mg/mL〜約2mg/mLの間の濃度で存在する。また他の実施形態では、H因子は、約0.01mg/mLで、または約0.02mg/mL、0.03mg/mL、0.04mg/mL、0.05mg/mL、0.06mg/mL、0.07mg/mL、0.08mg/mL、0.09mg/mL、0.1mg/mL、0.2mg/mL、0.3mg/mL、0.4mg/mL、0.5mg/mL、0.6mg/mL、0.7mg/mL、0.8mg/mL、0.9mg/mL、1.0mg/mL、1.1mg/mL、1.2mg/mL、1.3mg/mL、1.4mg/mL、1.5mg/mL、1.6mg/mL、1.7mg/mL、1.8mg/mL、1.9mg/mL、2.0mg/mL、2.5mg/mL、3.0mg/mL、3.5mg/mL、4.0mg/mL、4.5mg/mL、5.0mg/mL、5.5mg/mL、6.0mg/mL、6.5mg/mL、7.0mg/mL、7.5mg/mL、8.0mg/mL、8.5mg/mL、9.0mg/mL、9.5mg/mL、10.0mg/mL、またはそれ以上の濃度で存在することができる。さらなる実施形態では、H因子は、約0.1〜15、0.3〜14.5、0.5〜14、0.7〜13.5、0.9〜13、1.1〜12.5、1.3〜12、1.5〜11.5、1.7〜11、1.9〜10.5、2.1〜10、2.3〜9.5、2.5〜9、2.7〜8.5、2.9〜8、3.1〜7.5、3.3〜7、3.5〜6.5、3.7〜6、3.9〜5.5、4.1〜5、4.3〜4.5mg/mLの範囲内の濃度で存在する。
一実施形態では、比較的純粋なH因子製剤の濃度は、分光法(すなわち、A280にて測定される総タンパク質)または他のバルク決定(例えば、Bradford分析、銀染色、凍結乾燥粉末の重量など)によって決定することができる。他の実施形態では、H因子の濃度は、H因子ELISA分析によって決定することができる(例えば、mg/mL抗原)。
またさらなる実施形態では、本発明は、10g/L〜250g/Lまたは約10g/L〜250g/Lのタンパク質濃度を含む、水性H因子組成物を提供する。特定の実施形態では、H因子組成物のタンパク質濃度は、50g/L〜200g/Lもしくは約50g/L〜200g/L、または70g/L〜150g/Lもしくは約70g/L〜150g/L、または90g/L〜120g/Lもしくは約90g/L〜120g/L、または30g/L〜70g/Lもしくは約30g/L〜70g/L、または40g/L〜60g/Lもしくは約40g/L〜60g/L、あるいはこれらの範囲内の任意の好適な濃度、例えば、10g/Lもしくは約10g/L、または15g/Lもしくは約15g/L、20g/L、25g/L、30g/L、35g/L、40g/L、45g/L、50g/L、55g/L、60g/L、65g/L、70g/L、75g/L、80g/L、85g/L、90g/L、95g/L、100g/L、105g/L、110g/L、115g/L、120g/L、125g/L、130g/L、135g/L、140g/L、145g/L、150g/L、155g/L、160g/L、165g/L、170g/L、175g/L、180g/L、185g/L、190g/L、195g/L、200g/L、205g/L、210g/L、215g/L、220g/L、225g/L、230g/L、235g/L、240g/L、245g/L、250g/L、またはそれ以上である。好ましい実施形態では、高いタンパク質濃度を有するH因子組成物はまた、高レベルの純度も有するであろう。一実施形態では、組成物中のタンパク質の少なくとも90%は、H因子であろう。好ましい実施形態では、組成物中のタンパク質の少なくとも95%は、H因子であろう。
さらなる実施形態では、H因子は、約0.05mg/mLおよび約10mg/mLのレシピエント内血漿レベル濃度をもたらす、治療的に有効な用量で提供される。他の実施形態では、H因子は、約0.1mg/mL〜約10mg/mLの間のレシピエント内血漿レベル濃度をもたらす、治療的に有効な用量で提供される。また他の実施形態では、H因子は、約0.1mg/mL〜約5mg/mLの間のレシピエント内血漿レベル濃度をもたらす、治療的に有効な用量で提供される。別の実施形態では、H因子は、約0.1mg/mL〜約2mg/mLの間のレシピエント内血漿レベル濃度をもたらす、治療的に有効な用量で提供される。別の実施形態では、H因子は、約1mg/mL〜約2mg/mLの間のレシピエント内血漿レベル濃度をもたらす、治療的に有効な用量で提供される。また他の実施形態では、H因子は、約0.01mg/mL、または約0.02mg/mL、0.03mg/mL、0.04mg/mL、0.05mg/mL、0.06mg/mL、0.07mg/mL、0.08mg/mL、0.09mg/mL、0.1mg/mL、0.2mg/mL、0.3mg/mL、0.4mg/mL、0.5mg/mL、0.6mg/mL、0.7mg/mL、0.8mg/mL、0.9mg/mL、1.0mg/mL、1.1mg/mL、1.2mg/mL、1.3mg/mL、1.4mg/mL、1.5mg/mL、1.6mg/mL、1.7mg/mL、1.8mg/mL、1.9mg/mL、2.0mg/mL、2.5mg/mL、3.0mg/mL、3.5mg/mL、4.0mg/mL、4.5mg/mL、5.0mg/mL、5.5mg/mL、6.0mg/mL、6.5mg/mL、7.0mg/mL、7.5mg/mL、8.0mg/mL、8.5mg/mL、9.0mg/mL、9.5mg/mL、10.0mg/mL、またはそれ以上の濃度の血漿濃度をもたらす。さらなる実施形態では、H因子は、約0.1〜15、0.3〜14.5、0.5〜14、0.7〜13.5、0.9〜13、1.1〜12.5、1.3〜12、1.5〜11.5、1.7〜11、1.9〜10.5、2.1〜10、2.3〜9.5、2.5〜9、2.7〜8.5、2.9〜8、3.1〜7.5、3.3〜7、3.5〜6.5、3.7〜6、3.9〜5.5、4.1〜5、4.3〜4.5mg/mLの範囲内のレシピエント内血漿レベル濃度をもたらす、治療的に有効な用量で提供される。血漿レベル濃度は、当該技術分野において既知である標準的分析を使用して決定することができる。
さらなる実施形態では、H因子は、約50〜150mg/kgの治療的に有効な用量で提供される。またさらなる実施形態では、H因子は、約52〜145、54〜140、56〜135、58〜130、60〜125、62〜120、64〜115、66〜110、68〜105、70〜100、72〜95、74〜90、76〜87、78〜86、80〜85mg/kgの治療的に有効な用量で提供される。またさらなる実施形態では、H因子は、約70、70.5、71、71.5、72、72.5、73、73.5、74、74.5、75、75.5、76、76.5、77、77.5、78、78.5、79、79.5、80、80.5、81、81.5、82、82.5、83、83.5、84、84.5、85、85.5、86、86.5、87、87.5、88、88.5、89、89.5、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170mg/kgの治療的に有効な用量で提供される。
さらなる実施形態では、1つ以上の免疫抑制剤(シロリムス(ラパマイシン)、FK506(FK)、シクロスポリン、およびタクロリムスを含むがこれらに限定されない)は、約.1〜10μMの濃度で提供される。さらなる実施形態では、免疫抑制剤は、約0.1〜10、0.2〜9.5、0.3〜9、0.4〜8.5、0.5〜8、0.6〜7.5、0.7〜7、0.8〜6.5、0.9〜6、1〜5.5、1.1〜5、1.2〜4.5、1.3〜4、1.4〜3.5、1.5〜3、1.6〜2.5、1.7〜2μMの濃度で提供される。またさらなる実施形態では、免疫抑制剤は、約0.1、0.3、0.5、0.7、0.9、1.1、1.3、1.5、1.7、1.9、2.1、2.3、2.5、2.7、2.9、3.1、3.3、3.5、3.7、3.9、4.1、4.3、4.5、4.7、4.9、5.1、5.3、5.5、5.7、5.9、6.1、6.3、6.5、6.7、6.9、7.1、7.3、7.5、7.7、7.9、8.1、8.3、8.5、8.7、8.9、9.1、9.3、9.5、9.7、9.9、10.1、10.3、10.5、10.7、10.9、11.1、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、および15μMの濃度で提供される。
またさらなる実施形態では、1つ以上の免疫抑制剤(シロリムス(ラパマイシン)、FK506(FK)、シクロスポリン、およびタクロリムスを含むがこれらに限定されない)は、約0.1〜10mg/kgの濃度で提供される。さらなる実施形態では、免疫抑制剤は、約0.1〜10、0.2〜9.5、0.3〜9、0.4〜8.5、0.5〜8、0.6〜7.5、0.7〜7、0.8〜6.5、0.9〜6、1〜5.5、1.1〜5、1.2〜4.5、1.3〜4、1.4〜3.5、1.5〜3、1.6〜2.5、1.7〜2mg/kgの濃度で提供される。またさらなる実施形態では、免疫抑制剤は、約0.1、0.3、0.5、0.7、0.9、1.1、1.3、1.5、1.7、1.9、2.1、2.3、2.5、2.7、2.9、3.1、3.3、3.5、3.7、3.9、4.1、4.3、4.5、4.7、4.9、5.1、5.3、5.5、5.7、5.9、6.1、6.3、6.5、6.7、6.9、7.1、7.3、7.5、7.7、7.9、8.1、8.3、8.5、8.7、8.9、9.1、9.3、9.5、9.7、9.9、10.1、10.3、10.5、10.7、10.9、11.1、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、および15mg/kgの濃度で提供される。
さらなる実施形態では、本明細書に説明される方法において有用である組成物は、FK506を含む。またさらなる実施形態では、本明細書に説明される方法において有用である組成物は、約.1〜10μMの濃度でFK506を含む。さらなる実施形態では、FK506は、約0.1〜10、0.2〜9.5、0.3〜9、0.4〜8.5、0.5〜8、0.6〜7.5、0.7〜7、0.8〜6.5、0.9〜6、1〜5.5、1.1〜5、1.2〜4.5、1.3〜4、1.4〜3.5、1.5〜3、1.6〜2.5、1.7〜2μMの濃度で提供される。またさらなる実施形態では、FK506は、約0.1、0.3、0.5、0.7、0.9、1.1、1.3、1.5、1.7、1.9、2.1、2.3、2.5、2.7、2.9、3.1、3.3、3.5、3.7、3.9、4.1、4.3、4.5、4.7、4.9、5.1、5.3、5.5、5.7、5.9、6.1、6.3、6.5、6.7、6.9、7.1、7.3、7.5、7.7、7.9、8.1、8.3、8.5、8.7、8.9、9.1、9.3、9.5、9.7、9.9、10.1、10.3、10.5、10.7、10.9、11.1、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、および15μMの濃度で提供される。またさらなるでは、FK506は、約0.1〜10mg/kgの濃度で提供される。さらなる実施形態では、FK506は、約0.1〜10、0.2〜9.5、0.3〜9、0.4〜8.5、0.5〜8、0.6〜7.5、0.7〜7、0.8〜6.5、0.9〜6、1〜5.5、1.1〜5、1.2〜4.5、1.3〜4、1.4〜3.5、1.5〜3、1.6〜2.5、1.7〜2mg/kgの濃度で提供される。またさらなる実施形態では、FK506は、約0.1、0.3、0.5、0.7、0.9、1.1、1.3、1.5、1.7、1.9、2.1、2.3、2.5、2.7、2.9、3.1、3.3、3.5、3.7、3.9、4.1、4.3、4.5、4.7、4.9、5.1、5.3、5.5、5.7、5.9、6.1、6.3、6.5、6.7、6.9、7.1、7.3、7.5、7.7、7.9、8.1、8.3、8.5、8.7、8.9、9.1、9.3、9.5、9.7、9.9、10.1、10.3、10.5、10.7、10.9、11.1、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、および15mg/kgの濃度で提供される。またさらなる実施形態では、FK506は、約1〜30、3.5〜29.5、4〜29、4.5〜28.5、5〜28、5.5〜27.5、6〜27、6.5〜26.5、7〜26、7.5〜25.5、8〜25、8.5〜24.5、9〜24、9.5〜23.5、10〜23、10.5〜22.5、11〜22、11.5〜21.5、12〜21、12.5〜20.5、13〜20、13.5〜19.5、14〜19、14.5〜18.5、15〜18、15.5〜,7.5、16〜17、2〜4、2.5〜3.5、3〜3.5mg/kgの濃度で提供される。またさらなる実施形態では、FK506は、約1、1.2、1.4、1.6、1.8、2、2.2、2.4、2.6、2.8、3、3.2、3.4、3.6、3.8、4、4.2、4.4、4.6、4.8、5、5.2、5.4、5.6、5.8、6、6.2、6.4、6.6、6.8、7、7.2、7.4、7.6、7.8、8、8.2、8.4、8.6、8.8、9、9.2、9.4、9.6、9.8、10、10.2、10.4、10.6、10.8、11、11.2、11.4、11.6、11.8、12mg/kgの濃度で提供される。
さらなる実施形態では、本明細書に説明される方法において有用である組成物は、ラパマイシンを含む。またさらなる実施形態では、本明細書に説明される方法において有用である組成物は、約.1〜10μMの濃度でラパマイシンを含む。さらなる実施形態では、ラパマイシンは、約0.1〜10、0.2〜9.5、0.3〜9、0.4〜8.5、0.5〜8、0.6〜7.5、0.7〜7、0.8〜6.5、0.9〜6、1〜5.5、1.1〜5、1.2〜4.5、1.3〜4、1.4〜3.5、1.5〜3、1.6〜2.5、1.7〜2μMの濃度で提供される。またさらなる実施形態では、ラパマイシンは、約0.1、0.3、0.5、0.7、0.9、1.1、1.3、1.5、1.7、1.9、2.1、2.3、2.5、2.7、2.9、3.1、3.3、3.5、3.7、3.9、4.1、4.3、4.5、4.7、4.9、5.1、5.3、5.5、5.7、5.9、6.1、6.3、6.5、6.7、6.9、7.1、7.3、7.5、7.7、7.9、8.1、8.3、8.5、8.7、8.9、9.1、9.3、9.5、9.7、9.9、10.1、10.3、10.5、10.7、10.9、11.1、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、および15μMの濃度で提供される。またさらなる実施形態では、ラパマイシンは、約0.1〜10mg/kgの濃度で提供される。またさらなる実施形態では、ラパマイシンは、約0.1〜10、0.2〜9.5、0.3〜9、0.4〜8.5、0.5〜8、0.6〜7.5、0.7〜7、0.8〜6.5、0.9〜6、1〜5.5、1.1〜5、1.2〜4.5、1.3〜4、1.4〜3.5、1.5〜3、1.6〜2.5、1.7〜2、0.1〜0.9、0.2〜0.8、0.3〜0.7、0.4〜0.6mg/kgの濃度で提供される。またさらなる実施形態では、ラパマイシンは、約0.1、0.3、0.5、0.7、0.9、1.1、1.3、1.5、1.7、1.9、2.1、2.3、2.5、2.7、2.9、3.1、3.3、3.5、3.7、3.9、4.1、4.3、4.5、4.7、4.9、5.1、5.3、5.5、5.7、5.9、6.1、6.3、6.5、6.7、6.9、7.1、7.3、7.5、7.7、7.9、8.1、8.3、8.5、8.7、8.9、9.1、9.3、9.5、9.7、9.9、10.1、10.3、10.5、10.7、10.9、11.1、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、および15mg/kgの濃度で提供される。
H因子および免疫抑制剤組成物は、さらなる実施形態では、非常に高いレベルの純度を有する。一実施形態では、本明細書に提供される組成物中の総タンパク質の少なくとも90%は、H因子または免疫抑制剤であろう。好ましい実施形態では、本明細書に提供される組成物中の総タンパク質の少なくとも95%は、H因子または免疫抑制剤であろう。他の実施形態では、組成物の総タンパク質の少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、またはそれ以上は、H因子または免疫抑制剤であろう。1つの好ましい実施形態では、組成物の総タンパク質の少なくとも96%は、H因子または免疫抑制剤であろう。好ましい実施形態では、組成物の総タンパク質の少なくとも97%は、H因子または免疫抑制剤であろう。別の好ましい実施形態では、組成物の総タンパク質の少なくとも98%は、H因子または免疫抑制剤であろう。別の好ましい実施形態では、組成物の総タンパク質の少なくとも99%は、H因子または免疫抑制剤であろう。
幾つかの実施形態では、本明細書に説明される組成物は、生理学的オスモル濃度、約285〜295ミリオスモル/kgに匹敵するオスモル濃度を有するであろう(Lacy et al.,Drug Information Handbook−Lexi−Comp 1999:1254)。特定の実施形態では、製剤のオスモル濃度は、200〜350ミリオスモル/kgの間または約200〜350ミリオスモル/kgの間、好ましくは240〜300ミリオスモル/kgの間または約240〜300ミリオスモル/kgの間であろう。特定の実施形態では、製剤のオスモル濃度は、200ミリオスモル/kgもしくは約200ミリオスモル/kg、または210ミリオスモル/kg、220ミリオスモル/kg、230ミリオスモル/kg、240ミリオスモル/kg、245ミリオスモル/kg、250ミリオスモル/kg、255ミリオスモル/kg、260ミリオスモル/kg、265ミリオスモル/kg、270ミリオスモル/kg、275ミリオスモル/kg、280ミリオスモル/kg、285ミリオスモル/kg、290ミリオスモル/kg、295ミリオスモル/kg、300ミリオスモル/kg、310ミリオスモル/kg、320ミリオスモル/kg、330ミリオスモル/kg、340ミリオスモル/kg、340ミリオスモル/kg、または350ミリオスモル/kgであろう。また他の実施形態では、製剤のオスモル濃度は、より高い、例えば、200〜1000ミリオスモル/kgの間もしくは約200〜1000ミリオスモル/kgの間、または400ミリオスモル/kgもしくは約400ミリオスモル/kg、450ミリオスモル/kg、500ミリオスモル/kg、550ミリオスモル/kg、600ミリオスモル/kg、650ミリオスモル/kg、700ミリオスモル/kg、750ミリオスモル/kg、800ミリオスモル/kg、850ミリオスモル/kg、900ミリオスモル/kg、950ミリオスモル/kg、1000ミリオスモル/kg、またはそれ以上であろう。
本明細書に述べられる組成物は、概して、液体形態で長期間安定である。特定の実施形態では、製剤は、少なくとも3ヶ月もしくは約3ヶ月間室温で、または少なくとも4ヶ月間もしくは約4ヶ月間、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48ヶ月間、またはそれ以上、室温で安定である。組成物はまた、概して、少なくとも18ヶ月間もしくは約18ヶ月間、冷蔵条件下(典型的には、約2℃〜約8℃の間)で、または少なくとも21ヶ月間もしくは約21ヶ月間、24、27、30、33、36、39、42、45、48、51、54、57、60ヶ月間、またはそれ以上、冷蔵条件下で安定であろう。
他の実施形態では、本明細書に述べられる組成物は、概して、凍結乾燥形態で長期間安定である。特定の実施形態では、製剤は、少なくとも3ヶ月もしくは約3ヶ月間室温で、または4ヶ月間もしくは約4ヶ月間、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、または48ヶ月間、室温で安定である。製剤はまた、概して、少なくとも18ヶ月間もしくは約18ヶ月間、冷蔵条件下(典型的には、約2℃〜約8℃の間)で、または少なくとも21ヶ月間もしくは約21ヶ月間、24、27、30、33、36、39、42、45、48、51、54、57、または60ヶ月間、冷蔵条件下で安定であろう。
同種移植片拒絶反応を予防または阻害する方法
一態様では、本発明は、同種移植片のレシピエントによるその同種移植片の拒絶反応を、レシピエントを、FHを含む組成物で治療することによって予防または阻害するための方法を提供する。上述の通り、FHによる治療は、血漿由来または組み換えであるFHの1つ以上の変異体による治療を含むことができる。
同種移植片の拒絶反応はレシピエントに対して深刻な結果を有し得るため、同種移植片拒絶反応の予防は特に重要である。したがって、拒絶反応を予防するか、または拒絶反応の進行を阻害するための治療は、臓器移植の技術分野における主要な懸念事項である。
本発明の方法は、任意の臓器または組織の全体または一部を含む、任意の同種移植片の拒絶反応を予防または阻害するために使用することができる。例示的および非限定的な実施形態では、本明細書に説明される同種移植片拒絶反応を予防または阻害するための方法は、腎臓、心臓、肝臓、腸、膵臓、肺、皮膚移植片、骨移植片、弁、および骨髄などの同種移植片のために使用することができる。
さらなる態様では、同種移植片のレシピエントはまた、同種移植片拒絶反応を予防または阻害するために、FHに加えて1つ以上の免疫抑制剤でも治療される。1つ以上の免疫抑制剤は、シロリムス(ラパマイシン)、FK506、シクロスポリン、およびタクロリムスを含むことができるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、レシピエントは、同種移植片拒絶反応を予防または阻害するためにFH、FK506で、およびラパマイシンで治療される。FHおよび1つ以上の免疫抑制剤による治療は、同種移植片の受容後、同時にまたは異なる時点で達成することができる。さらなる実施形態では、FHおよび/または1つ以上の免疫抑制剤による治療は、本明細書にさらに詳細に説明される通り、同種移植片の受容後、一定期間周期的に反復される。
さらなる実施形態では、本発明に従う1つ以上の免疫抑制剤を伴うまたは伴わないFHによる治療は、臓器、臓器の一部、または組織を含むがこれらに限定されない、同種移植片の拒絶反応を予防または阻害するために使用することができる。さらなる例示的な実施形態では、同種移植片は、腎臓、心臓、肝臓、肺、膵臓、腸、皮膚移植片、骨移植片、弁、および骨髄であることができるが、これらに限定されない。
幾つかの態様では、本発明のH因子および/または免疫抑制剤組成物は、レシピエントに、静脈内、眼球内、皮下、および/または筋肉内手段によって投与することができる。さらなる態様では、本明細書のH因子および/または免疫抑制剤組成物は、全身的かまたは局所的かのいずれかで投与することができる。全身投与としては、経口、経皮、真皮下(subdermal)、腹腔内、静脈内、皮下、経鼻、舌下、または直腸が挙げられるが、これらに限定されない。局所投与としては、移植前および/もしくは後の灌流、注射、もしくは同種移植片との他の接触を介した同種移植片への直接的な投与、または移植部位における投与(移植前および/または後)によるもの、または移植部位もしくはその付近に埋め込まれた持続送達デバイスを介した送達を挙げることができるが、これらに限定されない。
特定の実施形態では、本発明の方法は、抗体媒介性拒絶反応(AMR)を予防または阻害する。さらなる実施形態では、本発明の方法は、細胞媒介性拒絶反応(CMR)を予防または阻害する。またさらなる実施形態では、本発明の方法は、抗体および細胞媒介性拒絶反応の組み合わせを予防または阻害する。
さらなる態様では、1つ以上の免疫抑制剤を伴うまたは伴わないFHによる治療は、急性拒絶反応、特に急性抗体媒介性拒絶反応を予防または阻害するために、移植の直後に提供される。かかる方法では、治療は、同種移植片の移植の時点で開始され、同種移植片が正常に機能するまで継続される。同種移植片が正常に機能しているかを決定するための方法は、移植されている臓器または組織に依存することになり、かかる正常な機能の分析は、具体的な臓器の技術分野において周知である。例えば、同種移植片が腎臓である実施形態では、治療は、レシピエントが正常なクレアチニン値を示し、生検試験がC4d陰性になるまで継続されるであろう。
またさらなる態様では、1つ以上の免疫抑制剤を伴うまたは伴わないFHによる治療は、移植の数週間または数ヶ月後に発生する遅延拒絶反応を予防または阻害するために提供される。かかる状況では、同種移植片は、移植直後は正常に機能するが、その後、新規の抗体産生のため低下する。本態様では、治療は、拒絶反応の最初の兆候が現れたときに開始され、同種移植片が再び正常に機能するまで継続されるであろう。繰り返すが、同種移植片が機能しているかを決定するための方法は、移植されている臓器または組織に依存することになり、当該技術分野において周知である。例えば、同種移植片が腎臓である実施形態では、治療は、レシピエントが正常なクレアチニン値を示し、生検試験がC4d陰性になるまで継続されるであろう。
本明細書に述べられる同種移植片拒絶反応を予防または阻害するための方法のいずれかに関して、述べられるH因子は、血漿由来または組み換えであることができ、1つ以上の異なる変異体をさらに含むことができる(全長および切断型を含む)。例示的な実施形態では、同種移植片拒絶反応を予防または阻害するための方法において使用されるH因子は、図12にSEQ ID NO:1として本明細書に提供されるUS7,745,389のSEQ ID NO:5を含む、US7,745,389に説明される配列のいずれかに従う配列を含むH因子の組み換え保護的変異体を含む。さらなる実施形態では、組み換えH因子は、組み換えH因子が、US7,745,389に説明される配列のいずれかに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、および100%の配列同一性を有する本発明の方法および組成物において使用される。またさらなる実施形態では、本発明において有用な組み換えH因子は、図12にSEQ ID NO:1として本明細書に提供されるUS7,745,389のSEQ ID NO:5に対して、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、および100%の配列同一性を有する。またさらなる実施形態では、本発明において有用な組み換えH因子は、約1〜100、3〜95、5〜90、7〜85、9〜80、11〜75、13〜70、15〜65、17〜60、19〜55、21〜50、23〜45、25〜40、27〜35のアミノ酸置換を伴って、図12に描写されるSEQ ID NO:1を含む。H因子を利用する治療方法の以下の考察は、それらの変異体、例えば、本明細書に述べられる保護的変異体のうちの1つ以上などを含む、血漿由来または組み換えH因子を包含する。
レシピエントに提供されるFHの量は、変化することがあるが、概して、補体活性化を阻害するのに有効な範囲内である。補体阻害は、例えば、インビトロザイモサン分析、赤血球の溶解に関する分析、免疫複合体活性化分析、およびマンナン活性化分析を含む、当該技術分野において既知である任意の方法に基づいて評定することができる。幾つかの実施形態では、CR2−FHは、以下のFHの特性のうちの1つ以上を有する:(1)C反応性タンパク質(CRP)への結合、(2)C3bへの結合、(3)ヘパリンへの結合、(4)シアル酸への結合、(5)内皮細胞表面への結合、(6)細胞インテグリン受容体への結合、(7)病原体への結合、(8)C3b補因子活性、(9)C3b分解促進活性、および(10)代替的補体経路の阻害。
さらなる例示的な実施形態では、使用されるFHの量は、約1〜2mg/mlの血漿濃度を達成するのに有効な量である。またさらなる実施形態では、治療のために使用されるFHの量は、86mg/kgの範囲内である。FHは、本明細書にさらに詳細に説明される通り、同種移植片の移植後に1回以上、数日間、数週間、または数ヶ月間の期間間隔の範囲で同種移植片のレシピエントに投与することができる。
1つ以上の免疫抑制剤がレシピエントに提供される実施形態では、1つ以上の免疫抑制剤の量もまた、変化することができるが、概して、同種移植片拒絶反応を阻害するのに有効な範囲内である。さらなる例示的な実施形態では、使用される免疫抑制剤の量は、約0.1〜10mg/kgの量である。1つ以上の免疫抑制剤は、本明細書にさらに詳細に説明される通り、同種移植片の移植後に1回以上、数日間、数週間、または数ヶ月間の期間間隔の範囲で同種移植片のレシピエントに投与することができる。
上記のいずれかに従って、同種移植片拒絶反応を予防するためにレシピエントに提供されるFHは、約0.05mg/mL〜約10mg/mLの間の治療的に有効な用量で提供される。他の実施形態では、H因子は、約0.1mg/mL〜約10mg/mLの間の濃度で存在する。また他の実施形態では、H因子は、約0.1mg/mL〜約5mg/mLの間の濃度で存在する。別の実施形態では、H因子は、約0.1mg/mL〜約2mg/mLの間の濃度で存在する。別の実施形態では、H因子は、約1mg/mL〜約2mg/mLの間の濃度で存在する。また他の実施形態では、H因子は、約0.01mg/mLで、または約0.02mg/mL、0.03mg/mL、0.04mg/mL、0.05mg/mL、0.06mg/mL、0.07mg/mL、0.08mg/mL、0.09mg/mL、0.1mg/mL、0.2mg/mL、0.3mg/mL、0.4mg/mL、0.5mg/mL、0.6mg/mL、0.7mg/mL、0.8mg/mL、0.9mg/mL、1.0mg/mL、1.1mg/mL、1.2mg/mL、1.3mg/mL、1.4mg/mL、1.5mg/mL、1.6mg/mL、1.7mg/mL、1.8mg/mL、1.9mg/mL、2.0mg/mL、2.5mg/mL、3.0mg/mL、3.5mg/mL、4.0mg/mL、4.5mg/mL、5.0mg/mL、5.5mg/mL、6.0mg/mL、6.5mg/mL、7.0mg/mL、7.5mg/mL、8.0mg/mL、8.5mg/mL、9.0mg/mL、9.5mg/mL、10.0mg/mL、またはそれ以上の濃度で存在することができる。さらなる実施形態では、H因子は、約0.1〜15、0.3〜14.5、0.5〜14、0.7〜13.5、0.9〜13、1.1〜12.5、1.3〜12、1.5〜11.5、1.7〜11、1.9〜10.5、2.1〜10、2.3〜9.5、2.5〜9、2.7〜8.5、2.9〜8、3.1〜7.5、3.3〜7、3.5〜6.5、3.7〜6、3.9〜5.5、4.1〜5、4.3〜4.5mg/mLの範囲内の濃度で存在する。
一実施形態では、比較的純粋なH因子製剤の濃度は、分光法(すなわち、A280にて測定される総タンパク質)または他のバルク決定(例えば、Bradford分析、銀染色、凍結乾燥粉末の重量など)によって決定することができる。他の実施形態では、H因子の濃度は、H因子ELISA分析によって決定することができる(例えば、mg/mL抗原)。
またさらなる実施形態では、本発明は、10g/L〜250g/Lまたは約10g/L〜250g/Lのタンパク質濃度を含む、水性H因子組成物を提供する。特定の実施形態では、H因子組成物のタンパク質濃度は、50g/L〜200g/Lもしくは約50g/L〜200g/L、または70g/L〜150g/Lもしくは約70g/L〜150g/L、または90g/L〜120g/Lもしくは約90g/L〜120g/L、または30g/L〜70g/Lもしくは約30g/L〜70g/L、または40g/L〜60g/Lもしくは約40g/L〜60g/L、あるいはこれらの範囲内の任意の好適な濃度、例えば、10g/Lもしくは約10g/L、または15g/Lもしくは約15g/L、20g/L、25g/L、30g/L、35g/L、40g/L、45g/L、50g/L、55g/L、60g/L、65g/L、70g/L、75g/L、80g/L、85g/L、90g/L、95g/L、100g/L、105g/L、110g/L、115g/L、120g/L、125g/L、130g/L、135g/L、140g/L、145g/L、150g/L、155g/L、160g/L、165g/L、170g/L、175g/L、180g/L、185g/L、190g/L、195g/L、200g/L、205g/L、210g/L、215g/L、220g/L、225g/L、230g/L、235g/L、240g/L、245g/L、250g/L、またはそれ以上である。好ましい実施形態では、高いタンパク質濃度を有するH因子組成物はまた、高レベルの純度も有するであろう。一実施形態では、組成物中のタンパク質の少なくとも90%は、H因子であろう。好ましい実施形態では、組成物中のタンパク質の少なくとも95%は、H因子であろう。
さらなる実施形態では、H因子は、約0.05mg/mLおよび約10mg/mLのレシピエント内血漿レベル濃度をもたらす、治療的に有効な用量で提供される。他の実施形態では、H因子は、約0.1mg/mL〜約10mg/mLの間のレシピエント内血漿レベル濃度をもたらす、治療的に有効な用量で提供される。また他の実施形態では、H因子は、約0.1mg/mL〜約5mg/mLの間のレシピエント内血漿レベル濃度をもたらす、治療的に有効な用量で提供される。別の実施形態では、H因子は、約0.1mg/mL〜約2mg/mLの間のレシピエント内血漿レベル濃度をもたらす、治療的に有効な用量で提供される。別の実施形態では、H因子は、約1mg/mL〜約2mg/mLの間のレシピエント内血漿レベル濃度をもたらす、治療的に有効な用量で提供される。また他の実施形態では、H因子は、約0.01mg/mL、または約0.02mg/mL、0.03mg/mL、0.04mg/mL、0.05mg/mL、0.06mg/mL、0.07mg/mL、0.08mg/mL、0.09mg/mL、0.1mg/mL、0.2mg/mL、0.3mg/mL、0.4mg/mL、0.5mg/mL、0.6mg/mL、0.7mg/mL、0.8mg/mL、0.9mg/mL、1.0mg/mL、1.1mg/mL、1.2mg/mL、1.3mg/mL、1.4mg/mL、1.5mg/mL、1.6mg/mL、1.7mg/mL、1.8mg/mL、1.9mg/mL、2.0mg/mL、2.5mg/mL、3.0mg/mL、3.5mg/mL、4.0mg/mL、4.5mg/mL、5.0mg/mL、5.5mg/mL、6.0mg/mL、6.5mg/mL、7.0mg/mL、7.5mg/mL、8.0mg/mL、8.5mg/mL、9.0mg/mL、9.5mg/mL、10.0mg/mL、またはそれ以上の濃度の血漿濃度をもたらす。さらなる実施形態では、H因子は、約0.1〜15、0.3〜14.5、0.5〜14、0.7〜13.5、0.9〜13、1.1〜12.5、1.3〜12、1.5〜11.5、1.7〜11、1.9〜10.5、2.1〜10、2.3〜9.5、2.5〜9、2.7〜8.5、2.9〜8、3.1〜7.5、3.3〜7、3.5〜6.5、3.7〜6、3.9〜5.5、4.1〜5、4.3〜4.5mg/mLの範囲内のレシピエント内血漿レベル濃度をもたらす、治療的に有効な用量で提供される。血漿レベル濃度は、当該技術分野において既知である標準的分析を使用して決定することができる。
さらなる実施形態では、H因子は、約50〜150mg/kgの治療的に有効な用量で提供される。またさらなる実施形態では、H因子は、約52〜145、54〜140、56〜135、58〜130、60〜125、62〜120、64〜115、66〜110、68〜105、70〜100、72〜95、74〜90、76〜87、78〜86、80〜85mg/kgの治療的に有効な用量で提供される。またさらなる実施形態では、H因子は、約70、70.5、71、71.5、72、72.5、73、73.5、74、74.5、75、75.5、76、76.5、77、77.5、78、78.5、79、79.5、80、80.5、81、81.5、82、82.5、83、83.5、84、84.5、85、85.5、86、86.5、87、87.5、88、88.5、89、89.5、90mg/kgの治療的に有効な用量で提供される。
さらなる実施形態では、本発明は、レシピエントにH因子および1つ以上の免疫抑制剤の両方を投与することによって、同種移植片拒絶反応を予防または阻害する方法を提供する。FHおよび1つ以上の免疫抑制剤は、移植前および/後、同時にまたは異なる時点でレシピエントに投与することができる。FHおよび1つ以上の免疫抑制剤は、同一の組成物中で、または異なる組成物としてさらに投与することができる。理解されるであろう通り、FHに関して上述される濃度ならびに用量の量および範囲のいずれも、1つ以上の免疫抑制剤に関して本明細書に説明される濃度ならびに用量の量および範囲のいずれかとの任意の組み合わせでレシピエントに提供することができる。
さらなる実施形態では、および上述のいずれかに従って、1つ以上の免疫抑制剤(シロリムス(ラパマイシン)、FK506(FK)、シクロスポリン、およびタクロリムスを含むがこれらに限定されない)は、約.1〜10μMの濃度で提供される。さらなる実施形態では、免疫抑制剤は、約0.1〜10、0.2〜9.5、0.3〜9、0.4〜8.5、0.5〜8、0.6〜7.5、0.7〜7、0.8〜6.5、0.9〜6、1〜5.5、1.1〜5、1.2〜4.5、1.3〜4、1.4〜3.5、1.5〜3、1.6〜2.5、1.7〜2μMの濃度で提供される。またさらなる実施形態では、免疫抑制剤は、約0.1、0.3、0.5、0.7、0.9、1.1、1.3、1.5、1.7、1.9、2.1、2.3、2.5、2.7、2.9、3.1、3.3、3.5、3.7、3.9、4.1、4.3、4.5、4.7、4.9、5.1、5.3、5.5、5.7、5.9、6.1、6.3、6.5、6.7、6.9、7.1、7.3、7.5、7.7、7.9、8.1、8.3、8.5、8.7、8.9、9.1、9.3、9.5、9.7、9.9、10.1、10.3、10.5、10.7、10.9、11.1、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、および15μMの濃度で提供される。
またさらなる実施形態では、1つ以上の免疫抑制剤(シロリムス(ラパマイシン)、FK506(FK)、シクロスポリン、およびタクロリムスを含むがこれらに限定されない)は、約0.1〜10mg/kgの濃度でレシピエントに提供される。さらなる実施形態では、免疫抑制剤は、約0.1〜10、0.2〜9.5、0.3〜9、0.4〜8.5、0.5〜8、0.6〜7.5、0.7〜7、0.8〜6.5、0.9〜6、1〜5.5、1.1〜5、1.2〜4.5、1.3〜4、1.4〜3.5、1.5〜3、1.6〜2.5、1.7〜2mg/kgの濃度で提供される。またさらなる実施形態では、免疫抑制剤は、約0.1、0.3、0.5、0.7、0.9、1.1、1.3、1.5、1.7、1.9、2.1、2.3、2.5、2.7、2.9、3.1、3.3、3.5、3.7、3.9、4.1、4.3、4.5、4.7、4.9、5.1、5.3、5.5、5.7、5.9、6.1、6.3、6.5、6.7、6.9、7.1、7.3、7.5、7.7、7.9、8.1、8.3、8.5、8.7、8.9、9.1、9.3、9.5、9.7、9.9、10.1、10.3、10.5、10.7、10.9、11.1、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、および15mg/kgの濃度で提供される。
またさらなる実施形態では、FK506が、同種移植片拒絶反応を予防または阻害するためにFHに加えてレシピエントに投与される。またさらなる実施形態では、FK506は、約.1〜10μMの濃度でレシピエントに投与される。さらなる実施形態では、FK506は、約0.1〜10、0.2〜9.5、0.3〜9、0.4〜8.5、0.5〜8、0.6〜7.5、0.7〜7、0.8〜6.5、0.9〜6、1〜5.5、1.1〜5、1.2〜4.5、1.3〜4、1.4〜3.5、1.5〜3、1.6〜2.5、1.7〜2μMの濃度で提供される。またさらなる実施形態では、FK506は、約0.1、0.3、0.5、0.7、0.9、1.1、1.3、1.5、1.7、1.9、2.1、2.3、2.5、2.7、2.9、3.1、3.3、3.5、3.7、3.9、4.1、4.3、4.5、4.7、4.9、5.1、5.3、5.5、5.7、5.9、6.1、6.3、6.5、6.7、6.9、7.1、7.3、7.5、7.7、7.9、8.1、8.3、8.5、8.7、8.9、9.1、9.3、9.5、9.7、9.9、10.1、10.3、10.5、10.7、10.9、11.1、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、および15μMの濃度で提供される。またさらなるでは、FK506は、約0.1〜10mg/kgの濃度で提供される。さらなる実施形態では、FK506は、約0.1〜10、0.2〜9.5、0.3〜9、0.4〜8.5、0.5〜8、0.6〜7.5、0.7〜7、0.8〜6.5、0.9〜6、1〜5.5、1.1〜5、1.2〜4.5、1.3〜4、1.4〜3.5、1.5〜3、1.6〜2.5、1.7〜2mg/kgの濃度で提供される。またさらなる実施形態では、FK506は、約0.1、0.3、0.5、0.7、0.9、1.1、1.3、1.5、1.7、1.9、2.1、2.3、2.5、2.7、2.9、3.1、3.3、3.5、3.7、3.9、4.1、4.3、4.5、4.7、4.9、5.1、5.3、5.5、5.7、5.9、6.1、6.3、6.5、6.7、6.9、7.1、7.3、7.5、7.7、7.9、8.1、8.3、8.5、8.7、8.9、9.1、9.3、9.5、9.7、9.9、10.1、10.3、10.5、10.7、10.9、11.1、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、および15mg/kgの濃度で提供される。またさらなる実施形態では、FK506は、約1〜30、3.5〜29.5、4〜29、4.5〜28.5、5〜28、5.5〜27.5、6〜27、6.5〜26.5、7〜26、7.5〜25.5、8〜25、8.5〜24.5、9〜24、9.5〜23.5、10〜23、10.5〜22.5、11〜22、11.5〜21.5、12〜21、12.5〜20.5、13〜20、13.5〜19.5、14〜19、14.5〜18.5、15〜18、15.5〜,7.5、16〜17、2〜4、2.5〜3.5、3〜3.5mg/kgの濃度で提供される。またさらなる実施形態では、FK506は、約1、1.2、1.4、1.6、1.8、2、2.2、2.4、2.6、2.8、3、3.2、3.4、3.6、3.8、4、4.2、4.4、4.6、4.8、5、5.2、5.4、5.6、5.8、6、6.2、6.4、6.6、6.8、7、7.2、7.4、7.6、7.8、8、8.2、8.4、8.6、8.8、9、9.2、9.4、9.6、9.8、10、10.2、10.4、10.6、10.8、11、11.2、11.4、11.6、11.8、12mg/kgの濃度で提供される。
またさらなる実施形態では、ラパマイシンが、同種移植片拒絶反応を予防または阻害するためにFHに加えてレシピエントに投与される。またさらなる実施形態では、ラパマイシンは、約.1〜10μMの濃度でレシピエントに投与される。さらなる実施形態では、ラパマイシンは、約0.1〜10、0.2〜9.5、0.3〜9、0.4〜8.5、0.5〜8、0.6〜7.5、0.7〜7、0.8〜6.5、0.9〜6、1〜5.5、1.1〜5、1.2〜4.5、1.3〜4、1.4〜3.5、1.5〜3、1.6〜2.5、1.7〜2μMの濃度で提供される。またさらなる実施形態では、ラパマイシンは、約0.1、0.3、0.5、0.7、0.9、1.1、1.3、1.5、1.7、1.9、2.1、2.3、2.5、2.7、2.9、3.1、3.3、3.5、3.7、3.9、4.1、4.3、4.5、4.7、4.9、5.1、5.3、5.5、5.7、5.9、6.1、6.3、6.5、6.7、6.9、7.1、7.3、7.5、7.7、7.9、8.1、8.3、8.5、8.7、8.9、9.1、9.3、9.5、9.7、9.9、10.1、10.3、10.5、10.7、10.9、11.1、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、および15μMの濃度で提供される。またさらなる実施形態では、ラパマイシンは、約0.1〜10mg/kgの濃度で提供される。またさらなる実施形態では、ラパマイシンは、約0.1〜10、0.2〜9.5、0.3〜9、0.4〜8.5、0.5〜8、0.6〜7.5、0.7〜7、0.8〜6.5、0.9〜6、1〜5.5、1.1〜5、1.2〜4.5、1.3〜4、1.4〜3.5、1.5〜3、1.6〜2.5、1.7〜2、0.1〜0.9、0.2〜0.8、0.3〜0.7、0.4〜0.6mg/kgの濃度で提供される。またさらなる実施形態では、ラパマイシンは、約0.1、0.3、0.5、0.7、0.9、1.1、1.3、1.5、1.7、1.9、2.1、2.3、2.5、2.7、2.9、3.1、3.3、3.5、3.7、3.9、4.1、4.3、4.5、4.7、4.9、5.1、5.3、5.5、5.7、5.9、6.1、6.3、6.5、6.7、6.9、7.1、7.3、7.5、7.7、7.9、8.1、8.3、8.5、8.7、8.9、9.1、9.3、9.5、9.7、9.9、10.1、10.3、10.5、10.7、10.9、11.1、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、および15mg/kgの濃度で提供される。
さらなる実施形態では、および上記のいずれかに従って、本発明は、レシピエントをH因子、FK506、およびラパマイシンで治療することによって、同種移植片拒絶反応を予防または阻害する方法を提供する。さらなる実施形態では、H因子、FK506、およびラパマイシンの濃度が上記に説明される組み合わせの任意の組み合わせである、この併用療法が提供される。例示的な実施形態では、H因子は、約0.05mg/mL〜約10mg/mLの間の治療的に有効な用量で提供され、FK506およびラパマイシンは、表Aに変形1〜20として列挙される用量で提供される。理解されるであろう通り、H因子、FK506、およびラパマイシンは、同一の組成物中または別個の組成物中でレシピエントに提供することができ、また移植前および/または後、同時にまたは異なる時点でレシピエントに投与することもできる。
またさらなる実施形態では、H因子は、0.1〜10、1〜9、2〜8、3〜7、4〜6、1〜2mg/mLの範囲のレシピエント内血漿レベル濃度をもたらす、治療的に有効な用量で提供され、FK506およびラパマイシンは、表Aにバリエーション1〜20として列挙される用量で提供される。上述の通り、H因子、FK506、およびラパマイシンは、同一の組成物中または別個の組成物中でレシピエントに提供することができ、また移植前および/または後、同時にまたは異なる時点でレシピエントに投与することもできる。
またさらなる実施形態では、H因子は、約50〜150mg/kgの範囲内で提供され、FK506およびラパマイシンは、表Aにバリエーション1〜20として列挙される用量で提供される。またさらなる実施形態では、H因子は、約70、70.5、71、71.5、72、72.5、73、73.5、74、74.5、75、75.5、76、76.5、77、77.5、78、78.5、79、79.5、80、80.5、81、81.5、82、82.5、83、83.5、84、84.5、85、85.5、86、86.5、87、87.5、88、88.5、89、89.5、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170mg/kgの用量で提供され、FK506およびラパマイシンは、表Aにバリエーション1〜20として列挙される用量で提供される。上述の通り、H因子、FK506、およびラパマイシンは、同一の組成物中または別個の組成物中でレシピエントに提供することができ、また移植前および/または後、同時にまたは異なる時点でレシピエントに投与することもできる。
(表A)本発明の方法における使用のためのFK506およびラパマイシン濃度の例示的な実施形態
Figure 2016519067
*Var.=バリエーション
上述の通り、H因子、FK506、およびラパマイシンのいずれか1つは、全身的または局所的に投与することができる。さらなる実施形態では、H因子、FK506、およびラパマイシンは、静脈内、皮下、筋肉内、および経口手段から独立して選択される方法によって投与することができる。3つ全ての療法がレシピエントに提供されるさらなる例示的な実施形態では、H因子は、静脈内または腹腔内に投与することができ、FK506は、皮下に投与することができ、ラパマイシンは、静脈内または腹腔内に投与することができる。理解されるであろう通り、これらの投与のいずれも、本明細書に述べられる用量および濃度のいずれかを包含することができる。
本明細書に提供される同種移植片拒絶反応を予防または阻害する方法は、移植後に単回投与または反復間隔で、1つ以上の追加の免疫抑制剤を伴ってまたは伴わずにH因子を投与することをさらに含むことができる。さらなる実施形態では、H因子および/または1つ以上の免疫抑制剤(FK506および/またはラパマイシンを含むがこれらに限定されない)は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60日毎にレシピエントに投与される。さらなる例示的な実施形態では、H因子および/または1つ以上の免疫抑制剤(FK506および/またはラパマイシンを含むがこれらに限定されない)は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52週毎にレシピエントに投与される。さらなる例示的な実施形態では、H因子および/または1つ以上の免疫抑制剤(FK506および/またはラパマイシンを含むがこれらに限定されない)は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12ヶ月毎にレシピエントに投与される。理解されるであろう通り、療法の組み合わせがレシピエントに提供される実施形態では、異なる療法が、同種移植片の移植後、異なる時間間隔でレシピエントに提供することができる。例えば、例示的な実施形態では、H因子は、毎日レシピエントに提供され、FK506およびラパマイシンは、表6のバリエーション21〜56によって表される用量投与のいずれかでレシピエントに提供される。さらなる例示的な実施形態では、H因子は、1日おきにレシピエントに提供され、FK506およびラパマイシンは、表6のバリエーション21〜56によって表される用量投与のいずれかでレシピエントに提供される。またさらなる例示的な実施形態では、H因子は、約1〜2mg/mLのH因子の血漿レベルを維持するような濃度および間隔でレシピエントに提供され、FK506およびラパマイシンは、表6のバリエーション21〜56によって表される用量投与のいずれかでレシピエントに提供される。
(表B)FK506およびラパマイシン用量投与の例示的な実施形態
Figure 2016519067
*Var.=バリエーション
またさらなる実施形態では、および上記のいずれかに従って、1つ以上の免疫抑制剤の追加の投与を伴ってまたは伴わないH因子の投与は、レシピエントが同種移植片を有している時間の長さに応じて、異なる間隔で提供される。例えば、幾つかの例示的な実施形態では、H因子は、術後日(POD)14まで1日おきに、その後少なくともPOD60まで週に2回提供される。さらなる実施形態では、H因子は、POD14まで1日おきに、その後少なくともPOD60まで週に2回提供され、FK506は、POD10まで毎日、その後少なくともPOD60まで1日おきに提供される。またさらなる実施形態では、H因子は、POD14まで1日おきに、その後少なくともPOD60まで週に2回提供され、FK506は、POD10まで毎日、その後少なくともPOD60まで1日おきに提供され、ラパマイシンは、POD10まで毎日提供される。
治療計画のさらなる例示的な実施形態は、表Cに提供される−H因子または1つ以上の免疫抑制剤のいずれか1つは、表Cのバリエーション57〜84によって表される間隔および時間の長さの任意の組み合わせで提供することができる。
(表C)治療計画の例示的な実施形態
Figure 2016519067
*Var.=バリエーション
さらなる実施形態では、および上記のいずれかに従って、本明細書に述べられるH因子および/または免疫抑制剤のうちの1つ以上は、同種移植片の移植後にレシピエントに投与されることに加えてもよく、また移植前に、レシピエントもしくは同種移植片のいずれか、またはレシピエントもしくは同種移植片の両方に投与されてもよい。
関節リウマチを治療する方法
一態様では、本発明は、対象における関節リウマチを、その対象に、FHを含む組成物を投与することによって治療するための方法を提供する。上述の通り、対象を治療するために使用されるFHは、FHの1つ以上の変異体を含むことができ、血漿由来または組み換えであることができる。
特定の実施形態では、本明細書に説明される方法に従ってFHを対象に投与することは、対象における関節炎を低減する。さらなる実施形態では、対象に投与されるFHの量および/またはFHが投与される時間の長さは、対象における関節炎を低減するのに有効な量である。関節炎を評価および測定する方法は、当該技術分野において既知であり、非限定的な例では、画像化法および炎症の血液マーカーの測定が挙げられる。画像化法としては、X線、PETスキャン、マイクロCT、MRIなどが挙げられるが、これらに限定されない。炎症の血液マーカーとしては、赤血球沈降速度、c反応性タンパク質(CRP)、アルブミン、コレステロール、および血漿粘度が挙げられるが、これらに限定されない。
さらなる実施形態では、本明細書に説明される方法に従ってFHを対象に投与することは、初期の炎症応答を阻害する。さらなる実施形態では、本明細書に説明される方法に従って対象にFHを投与することは、既に進行中である炎症応答の解消を促進する。またさらなる実施形態では、対象に投与されるFHの量および/またはFHが投与される時間の長さは、対象における初期の炎症応答を阻害する、および/または炎症応答の解消を促進するのに有効な量である。
またさらなる実施形態では、本明細書に説明される方法に従って対象にFHを投与することは、対象における外骨腫(骨上の軟骨組織の伸長)の低減をもたらす。またさらなる実施形態では、対象に投与されるFHの量および/またはFHが投与される時間の長さは、対象における外骨腫を低減するのに有効な量である。
さらなる実施形態では、本明細書に説明される方法に従って対象にFHを投与することは、FHを受容していない対象と比較して、軟骨の損傷の低減をもたらす。またさらなる実施形態では、対象に投与されるFHの量および/またはFHが投与される時間の長さは、FHを受容していない対象と比較して、対象における軟骨の損傷を低減するのに有効な量である。
本明細書に述べられる関節リウマチを予防または治療するための方法のいずれかに関して、述べられるH因子は、血漿由来または組み換えであることができ、1つ以上の異なる変異体をさらに含むことができる(全長および切断型を含む)。例示的な実施形態では、関節リウマチを治療するために使用されるH因子は、図12にSEQ ID NO:1として本明細書に提供されるUS7,745,389のSEQ ID NO:5を含む、US7,745,389に説明される配列のいずれかに従う配列を含む1つ以上のH因子の組み換え保護的変異体を含む。さらなる実施形態では、その組み換えH因子が、US7,745,389に説明される配列のいずれかに対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、および100%の配列同一性を有する組み換えH因子が、対象における関節リウマチを治療するために使用される。またさらなる実施形態では、本発明において有用な組み換えH因子は、図12にSEQ ID NO:1として本明細書に提供されるUS7,745,389のSEQ ID NO:5に対して、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、および100%の配列同一性を有する。またさらなる実施形態では、本発明の方法に従って関節リウマチを治療するために使用される組み換えH因子は、約1〜100、3〜95、5〜90、7〜85、9〜80、11〜75、13〜70、15〜65、17〜60、19〜55、21〜50、23〜45、25〜40、27〜35のアミノ酸置換を伴って、図12に描写されるSEQ ID NO:1を含む。H因子を利用する治療方法の以下の考察は、それらの変異体、例えば、本明細書に述べられる保護的変異体のうちの1つ以上などを含む、血漿由来または組み換えH因子を包含する。
さらなる実施形態では、対象に投与されるFHの量は、上記に説明される通り、炎症、外骨腫、または軟骨の損傷を低減するのに有効な量である。またさらなる実施形態では、同種移植片拒絶反応の予防または阻害に関して上述される通り、関節リウマチを有する対象に投与されるFHの量は、変化することがあるが、概して、補体活性化を阻害するのに有効な範囲内である。補体阻害は、例えば、インビトロザイモサン分析、赤血球の溶解に関する分析、免疫複合体活性化分析、およびマンナン活性化分析を含む、当該技術分野において既知である任意の方法に基づいて評定することができる。幾つかの実施形態では、CR2−FHは、以下のFHの特性のうちの1つ以上を有する:(1)C反応性タンパク質(CRP)への結合、(2)C3bへの結合、(3)ヘパリンへの結合、(4)シアル酸への結合、(5)内皮細胞表面への結合、(6)細胞インテグリン受容体への結合、(7)病原体への結合、(8)C3b補因子活性、(9)C3b分解促進活性、および(10)代替的補体経路の阻害。
さらなる例示的な実施形態では、使用されるFHの量は、約1〜2mg/mlの血漿濃度を達成するのに有効な量である。さらなる実施形態では、治療のために使用されるFHの量は、約86mg/kgである。FHは、本明細書にさらに詳細に説明される通り、数日、数週間、または数ヶ月の期間間隔の範囲で1回以上、対象に投与することができる。
本発明の幾つかの態様では、H因子は、レシピエントに、静脈内、眼球内、皮下、および/または筋肉内手段によって投与することができる。さらなる態様では、本明細書のH因子および/または免疫抑制剤組成物は、関節リウマチを治療するために全身的にかまたは局所的にかのいずれかで投与することができる。全身投与としては、経口、経皮、真皮下、腹腔内、静脈内、皮下、経鼻、舌下、または直腸が挙げられるが、これらに限定されない。局所投与としては、灌流、注射(関節内注射を含む)、もしくは1つ以上の関節との他の接触を介した1つ以上の関節への直接的な、または関節リウマチによって影響を受ける1つ以上の関節もしくはその付近に埋め込まれた持続送達デバイスを介した投与を挙げることができるが、これらに限定されない。関節への局所投与としては、手、足、頸椎、肩、および膝の関節が挙げられるがこれらに限定されない、関節リウマチによって特に影響を受ける任意の関節への投与を挙げることができる。
上記のいずれかに従って、関節リウマチを治療するためにレシピエントに提供されるFHは、約0.05mg/mL〜約10mg/mLの間の治療的に有効な用量である。他の実施形態では、H因子は、約0.1mg/mL〜約10mg/mLの間の濃度で投与される。また他の実施形態では、H因子は、約0.1mg/mL〜約5mg/mLの間の濃度で投与される。別の実施形態では、H因子は、約0.1mg/mL〜約2mg/mLの間の濃度で投与される。別の実施形態では、H因子は、約1mg/mL〜約2mg/mLの間の濃度で投与される。また他の実施形態では、H因子は、約0.01mg/mL、または約0.02mg/mL、0.03mg/mL、0.04mg/mL、0.05mg/mL、0.06mg/mL、0.07mg/mL、0.08mg/mL、0.09mg/mL、0.1mg/mL、0.2mg/mL、0.3mg/mL、0.4mg/mL、0.5mg/mL、0.6mg/mL、0.7mg/mL、0.8mg/mL、0.9mg/mL、1.0mg/mL、1.1mg/mL、1.2mg/mL、1.3mg/mL、1.4mg/mL、1.5mg/mL、1.6mg/mL、1.7mg/mL、1.8mg/mL、1.9mg/mL、2.0mg/mL、2.5mg/mL、3.0mg/mL、3.5mg/mL、4.0mg/mL、4.5mg/mL、5.0mg/mL、5.5mg/mL、6.0mg/mL、6.5mg/mL、7.0mg/mL、7.5mg/mL、8.0mg/mL、8.5mg/mL、9.0mg/mL、9.5mg/mL、10.0mg/mL、またはそれ以上の濃度で投与される。さらなる実施形態では、H因子は、約0.1〜15、0.3〜14.5、0.5〜14、0.7〜13.5、0.9〜13、1.1〜12.5、1.3〜12、1.5〜11.5、1.7〜11、1.9〜10.5、2.1〜10、2.3〜9.5、2.5〜9、2.7〜8.5、2.9〜8、3.1〜7.5、3.3〜7、3.5〜6.5、3.7〜6、3.9〜5.5、4.1〜5、4.3〜4.5mg/mLの範囲内の濃度で投与される。
またさらなる実施形態では、10g/L〜250g/Lまたは約10g/L〜250g/Lのタンパク質濃度を含む水性H因子組成物が、関節リウマチの治療のために対象に投与される。特定の実施形態では、H因子組成物のタンパク質濃度は、50g/L〜200g/Lもしくは約50g/L〜200g/L、または70g/L〜150g/Lもしくは約70g/L〜150g/L、または90g/L〜120g/Lもしくは約90g/L〜120g/L、または30g/L〜70g/Lもしくは約30g/L〜70g/L、または40g/L〜60g/Lもしくは約40g/L〜60g/L、あるいはこれらの範囲内の任意の好適な濃度、例えば、10g/Lもしくは約10g/L、または15g/Lもしくは約15g/L、20g/L、25g/L、30g/L、35g/L、40g/L、45g/L、50g/L、55g/L、60g/L、65g/L、70g/L、75g/L、80g/L、85g/L、90g/L、95g/L、100g/L、105g/L、110g/L、115g/L、120g/L、125g/L、130g/L、135g/L、140g/L、145g/L、150g/L、155g/L、160g/L、165g/L、170g/L、175g/L、180g/L、185g/L、190g/L、195g/L、200g/L、205g/L、210g/L、215g/L、220g/L、225g/L、230g/L、235g/L、240g/L、245g/L、250g/L、またはそれ以上である。好ましい実施形態では、高いタンパク質濃度を有するH因子組成物はまた、高レベルの純度も有するであろう。一実施形態では、組成物中のタンパク質の少なくとも90%は、H因子であろう。好ましい実施形態では、組成物中のタンパク質の少なくとも95%は、H因子であろう。
さらなる実施形態では、H因子は、約0.05mg/mLおよび約10mg/mLのレシピエント内血漿レベル濃度をもたらす治療的に有効な用量で、関節リウマチの治療のために提供される。他の実施形態では、H因子は、約0.1mg/mL〜約10mg/mLの間のレシピエント内血漿レベル濃度をもたらす、治療的に有効な用量で提供される。また他の実施形態では、H因子は、約0.1mg/mL〜約5mg/mLの間のレシピエント内血漿レベル濃度をもたらす、治療的に有効な用量で提供される。別の実施形態では、H因子は、約0.1mg/mL〜約2mg/mLの間のレシピエント内血漿レベル濃度をもたらす、治療的に有効な用量で提供される。別の実施形態では、H因子は、約1mg/mL〜約2mg/mLの間のレシピエント内血漿レベル濃度をもたらす、治療的に有効な用量で提供される。また他の実施形態では、H因子は、約0.01mg/mL、または約0.02mg/mL、0.03mg/mL、0.04mg/mL、0.05mg/mL、0.06mg/mL、0.07mg/mL、0.08mg/mL、0.09mg/mL、0.1mg/mL、0.2mg/mL、0.3mg/mL、0.4mg/mL、0.5mg/mL、0.6mg/mL、0.7mg/mL、0.8mg/mL、0.9mg/mL、1.0mg/mL、1.1mg/mL、1.2mg/mL、1.3mg/mL、1.4mg/mL、1.5mg/mL、1.6mg/mL、1.7mg/mL、1.8mg/mL、1.9mg/mL、2.0mg/mL、2.5mg/mL、3.0mg/mL、3.5mg/mL、4.0mg/mL、4.5mg/mL、5.0mg/mL、5.5mg/mL、6.0mg/mL、6.5mg/mL、7.0mg/mL、7.5mg/mL、8.0mg/mL、8.5mg/mL、9.0mg/mL、9.5mg/mL、10.0mg/mL、またはそれ以上の濃度の血漿濃度をもたらす。さらなる実施形態では、H因子は、約0.1〜15、0.3〜14.5、0.5〜14、0.7〜13.5、0.9〜13、1.1〜12.5、1.3〜12、1.5〜11.5、1.7〜11、1.9〜10.5、2.1〜10、2.3〜9.5、2.5〜9、2.7〜8.5、2.9〜8、3.1〜7.5、3.3〜7、3.5〜6.5、3.7〜6、3.9〜5.5、4.1〜5、4.3〜4.5mg/mLの範囲内のレシピエント内血漿レベル濃度をもたらす、治療的に有効な用量で提供される。血漿レベル濃度は、当該技術分野において既知である標準的分析を使用して決定することができる。
さらなる実施形態では、H因子は、関節リウマチの治療のために約50〜150mg/kgの治療的に有効な用量で提供される。またさらなる実施形態では、H因子は、約52〜145、54〜140、56〜135、58〜130、60〜125、62〜120、64〜115、66〜110、68〜105、70〜100、72〜95、74〜90、76〜87、78〜86、80〜85mg/kgの治療的に有効な用量で提供される。またさらなる実施形態では、H因子は、約70、70.5、71、71.5、72、72.5、73、73.5、74、74.5、75、75.5、76、76.5、77、77.5、78、78.5、79、79.5、80、80.5、81、81.5、82、82.5、83、83.5、84、84.5、85、85.5、86、86.5、87、87.5、88、88.5、89、89.5、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170mg/kgの治療的に有効な用量で提供される。
本明細書に提供される関節リウマチを治療する方法は、単回投与または反復間隔でH因子を投与することをさらに含む。さらなる実施形態では、H因子は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60日毎にレシピエントに投与される。さらなる例示的な実施形態では、H因子は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52週に1回、レシピエントに投与される。さらなる例示的な実施形態では、H因子は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12ヶ月毎にレシピエントに投与される。
またさらなる実施形態では、および上記のいずれかに従って、H因子は、異なる間隔で提供される。例えば、上述の通り、H因子は、関節炎を低減するのに十分な時間の長さ投与することができる。幾つかの例示的な実施形態では、H因子は、炎症が低減されるまで1日おきに投与することができる。さらなる例示的な実施形態では、H因子は、1〜5mg/mlを上回る血漿レベルをもたらすように最初のボーラスで提供することができ、その後、H因子の追加の投与は、炎症が低減されるまで1 2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14日毎に提供することができる。
実施例1:移植拒絶反応を治療するためのH因子の使用
雄C3H(H−2k)およびC57BL/6(B6、H−2b)マウス(25〜30g)を使用して、移植拒絶反応中の補体H因子(CFH)の有効性を決定した。C3Hマウスは、前感作および腎臓移植のための皮膚移植片および腎臓ドナーとしての役割を果たした。雄C57BL/c(B6)マウスを、レシピエントとして使用した。B6レシピエントを、ドナー皮膚移植片の移植によって前感作し、その後皮膚移植後15〜20日の間に腎臓同種移植片を移植した。B6マウスを、ビヒクル(対照)、CFH(−1日目、0日目、その後10日目まで1日おき、8mg/マウス、腹腔内)、FK506(−1日目〜10日目まで毎日、1mg/kg、皮下)、または単一治療と同一の投薬計画を使用したCFH+FK506の組み合わせで治療した。マウスを、拒絶反応の兆候に関して毎日モニターした。腎機能を、血清クレアチニンレベルを測定することによってモニターした。
前感作されたレシピエントに移植された非治療C3H腎臓は、POD7に測定された増加されたクレアチニン(Cr)レベルによって示される通り、急速に拒否された(図2)。非治療移植片は、移植片機能低下により、7.5日の中央値生存期間を有して移植片機能を喪失した(Cr>2mg/dl)。CFH単独による治療は、血漿Crレベルを低減し(1.4±0.2mg/dl、対して、対照では1.9±0.1)、したがって腎臓同種移植片機能を改善した。FK506と組み合わせたCFHは、移植片機能をさらに改善し、CFHが急性移植環境においてIRIを制限することができることを示唆している(図2)。
実施例2.移植拒絶反応を治療するためのH因子と組み合わせたラパマイシンの使用。
雄C3H(H−2k)およびC57BL/6(B6、H−2b)マウス(25〜30g)を使用して、移植拒絶反応中のH因子(FH)と組み合わせたラパマイシン(RAPA)の有効性を決定した。C3Hマウスは、前感作および腎臓移植のための皮膚移植片および腎臓ドナーとしての役割を果たした。雄C57BL/c(B6)マウスを、レシピエントとして使用した。B6レシピエントを、ドナー皮膚移植片の移植によって前感作し、その後皮膚移植後15〜20日の間に腎臓同種移植片を移植した。移植されたB6マウスを、ラパマイシン(RAPA)単独(−1〜10日目、0.3mg/kg、腹腔内)、RAPA+CFH(CFH治療=−1日目、0日目、その後14日目まで1日おき、その後、終点まで1週間当り2x、8mg/マウス、腹腔内、CFH腹腔内レシピエントはまた、移植手術中にCFHと混合したアドレノメデュリンの単回用量注入の静脈内注入も受容した、100μg/kg、RAPA治療=−1日目〜10日目まで毎日、0.3mg/kg、腹腔内)、RAPA+FK506(FK=−1日目〜10日目まで毎日、その後、終点まで1日おき、3mg/kg、皮下、RAPA=−1日目〜10日目まで毎日、0.3mg/kg、腹腔内)、または上記と同一の投薬計画を使用したRAPA+CFH+FK506の組み合わせで治療した。実験群は、a)C3HからB6へのtxs+前感作+RAPA、b)C3HからB6へのtxs+前感作+CFH+RAPA、c)C3HからB6へのtxs+前感作FK+RAPA、およびd)C3HからB6へのtxs+前感作+CFH+FK+RAPAであった。(「txs」=「移植/皮膚移植片」)
マウスを、拒絶反応の兆候に関して毎日モニターし、移植が重度の拒絶反応のため機能低下を発症したときか、またはPOD60およびPOD100として定義される実験の終点で安楽死させた。腎臓移植片機能を、I−Stat potable analyzer(Abaxis)によって、血漿クレアチニン(Cr)血中尿素窒素(BUN)およびヘマトクリット(Hct)レベルによってモニターした。循環ドナー特異性抗体(DSA)を、腎臓移植の前および研究の終点においてフローサイトメトリーによって決定した。
RAPAおよびFKと組み合わせたCFH(CFH+RAPA+FK)は、急性AMRおよびCMRから腎臓同種移植片拒絶反応を保護し、前感作されたレシピエントにおける腎臓同種移植片生存期間を延長させた。表1および図3に示される通り、短期のRAPA単一療法またはCFHと組み合わせたRAPA(CFH+RAPA)は、保護効果を実証した。POD7における早期の移植片機能の改善(図4)に伴い、RAPA単独またはRAPA+FHによる治療は、同種移植片生存期間を、非治療同種移植片(対照)における8日目(平均生存時間−「MST」)から14および16日目(MST)にそれぞれ延長させた。RAPAおよびFKの組み合わせによる治療(RAPA+FK)は、腎臓同種移植片生存期間を44日目(MST)までさらに延長させた。CFH+RAPA+FKによる3重療法は、移植片拒絶反応を有効に予防し、長期の腎臓同種移植片生存期間を達成した。その結果、3重療法による腎臓同種移植片の87.5%(7/8)が、長期の生存期間(>60日)を達成した(p<0.05、対RAPA+FK)。
(表1)前感作された腎臓移植モデルにおける個々の移植片生存期間
Figure 2016519067
CFH+RAPA+FKによる治療は、前感作されたレシピエントにおいて長期の腎臓同種移植片機能を保存した。腎機能に対するCFHの影響を評定するために、血漿試料を腎臓同種移植片から収集した。Cr、BUN(血中尿素窒素)、およびヘマトクリット(Hct)を、POD7、POD21、およびPOD60、または最終的な拒絶反応にて測定した。CrおよびBUNなどの老廃物の血漿濃度は、腎機能を決定するために臨床実践において一般的に使用される。正常な範囲を超えたCrおよびBUNの上昇は、(正常なB6マウスにおいて、Cr=0.2±0.05mg/dl、BUN=34±8.81mg/dl)は、腎臓機能の喪失を示す。ヘマトクリットは、血液中の赤血球の体積パーセンテージ(%)である。Hctの減少(正常なHct−44±1.73%PCV)は、ホルモンエリスロポエチンの減少した産生に起因する腎臓損傷に関連付けられる。
図4の結果は、CrおよびBUNレベルが、POD7にて対照において増加されたことを示す。RAPAまたはRAPA+CFHまたはRAPA+FKによる免疫治療は、対照と比較して低減されたCrおよびBUNならびに増加されたHctを伴う早期の腎機能の保護(POD7)を実証しているが、3重療法は、FKおよびRAPAのみによる治療と比較して、POD21および終点(拒絶反応またはPOD60)における減少されたCrおよびBUNレベルならびに増加されたHct(図4)によって示される通り、腎機能の長期の改善を達成した。
FKおよびCFHによる継続治療が移植片生存期間をさらに延長させることができるかを決定するために、2つのRAPA+FKを用いた、および3つのCFH+RAPA+FKを用いた残りの腎臓同種移植片を、POD100まで追跡した。表2に示される通り、結果は、3重療法による全ての移植が100日目まで生存し、正常な腎機能を維持したことを示した。
(表2)前感作された腎臓移植モデルにおける移植片の長期の生存期間
Figure 2016519067
組織学的検査は、不均一な変化を明らかにした。4週以内に拒否された移植片は、それらがRAPA単独、RAPA+CFH、またはRAPA+FKで治療されたかにかかわらず、非治療の前感作されたレシピエントにおいて観察されたもの(図5A)に類似した組織学的拒絶反応特徴を伴う重度のAMRおよびCMRを示した(データは示されていない)。対照的に、CFH+RAPA+FK3重療法を用いた移植は、8週目に検査したときに、FK/RAPAで治療した移植片との比較において、減少された単球浸潤、減少された尿細管委縮および分節性糸球体硬化症、ならびに減少された線維性変化を伴う、より少ない炎症および尿細管損傷を示した(図5B)。さらに、CFH+RAPA+FK3重療法は、AMR損傷(尿細管周囲毛細血管、糸球体炎、および糸球体血栓、およびメサンギウム融解)の重篤度を低減した。
実施例3.移植拒絶反応を治療するためのアドレノメデュリンと組み合わせたCFHの効果。
腎臓移植片機能、抗体応答、および組織学に対する、アドレノメデュリン(AM)を伴うまたは伴わないCFHの効果を、移植の初期段階後(POD3およびPOD5)に決定した。前感作された腎臓移植を、−1日目、0日目、およびその後1日おきにCFH(8mg、腹腔内)で治療した。AMが腎臓移植片機能に追加の利益を提供するかを試験するために、移植の追加の群を、CFHの腹腔内注射(−1日目、0日目、および1日おき)に加えて、CFH(約1mg/kg)と混合したAM(約100ug/kg)の単回用量注入(200μl、静脈内)で移植手術の直後(POD0)に治療した。
CFHは、AMに関する血清結合タンパク質である。AMは、因子Iを介してC3bの切断を強化することによって、H因子の補体調節機能に影響を及ぼすことが示されている。AM+CFH溶液の調製を、以下の通りに調製した:a)AM(100μg)のバイアル内容物を4.166mlの無菌食塩水中に溶解させる(24μg/ml作業ストック溶液を作成するため)、b)14.4μlの15.6mg/mlFHストックを985.6μlの無菌食塩水中で希釈する(FHの225μg/ml作業ストック溶液を作成するため)、c)AMの24μg/ml作業ストックの等体積(各950μl)をFHの225μg/ml作業ストックと混合して、最終注入液を作成する(AM濃度は12μg/mlとなり、FH濃度は112.5μg/mlとなる)。220μlのアリコートを移して管を滅菌し、使用の準備ができるまで−70で冷凍した。
全てのマウスを、それぞれPOD3および5に屠殺した(約5/ea)。同一の終点で屠殺した非治療移植を、対照として使用した。移植片組織を、組織学および免疫組織化学(IHC)のために採取した。実験群は、以下の通りであった:1)C3HからB6へのtxs+前感作+対照、2)C3HからB6へのtxs+前感作+CFH(腹腔内)、および3)C3HからB6へのtxs+前感作+CFH(腹腔内)+AM/CFH注入(移植の時点)。
図6Aに示される通り、Crレベルは、POD5までに非治療移植において増加した(P<0.01、対正常B6)。これらの群の平均Crレベルは対照と比較して低かったため、単回注入治療としてのCFH単独およびAM+CFHを伴うCFHは、改善された腎機能の傾向を示した。単回用量AM/CFH注入の追加は、POD5におけるCrレベルのさらなる低減において有益であった。
ヘマトキシリンおよびエオシン(HE)染色による組織学的検査(図6B)は、前感作されたレシピエントにおける対照腎臓同種移植片は、POD5までに混合急性細胞性および液性拒絶反応の初期の兆候(単核細胞浸潤、内皮細胞活性化、浮腫、限局性の急性腎尿細管壊死)を有したことを明らかにした。CFHで治療した腎臓移植片は、POD5においてより少ない尿細管壊死を伴う改善された形態を示した。
血漿DSAレベルを決定するために、腎臓移植レシピエントからの血漿試料を、腎臓移植の1日前(ドナー皮膚移植片前感作の2週間後)および研究の終点に収集した。DSAレベルを、フローサイトメトリーによって測定した。図7は、平均チャネル蛍光強度(MFI)によって表されるDSA(IgG)およびIgGレベルの顕著な増加は、群間で同程度であったことを示す。IgGレベルとCrレベルとの間に相関はなかった(図7B)。
実施例4.関節リウマチを治療するためのH因子の使用。
Balb Cマウス(1コホート当りn=10)を使用して、移植拒絶反応中のH因子(FH)の有効性を決定した。マウスを、ArthritoMAb(抗コラーゲン)抗体カクテル(2mg、静脈内)で1日目に治療した後、7日後にLPSの注射(50μg、腹腔内)を用いて治療した。8日目に、各動物に関して後肢体積を測定し、種々の治療群に分配した。
H因子を、20mMのクエン酸塩、150mMのNaCl、pH=6の中で製剤化した。デキサメタゾンを、0.5%のヒドロキシプロピルメチルセルロース/0.2%のTween80中で製剤化した。エサネルセプトを、Enbrel(商標)として生理食塩水中で製剤化した。ビヒクルを、20mMのクエン酸塩、150mMのNaCl、pH=6の中で製剤化した。デキサメタゾンおよびエタネルセプトに関する投薬容量は、10mL/kg(マウス20g当り0.200mL)であり、体重に応じて調整した。H因子およびBX12に関する投薬容量は、25mL/kg(マウス20g当り0.500mL)であり、体重に応じて調整した。
異なる薬剤による投薬を、表3に説明される通り8日目に開始した。
(表3)薬物および治療スケジュール
Figure 2016519067
後肢体積を、8、11、12、13、15、19、および22日目(終点)に測定した。開始日時点の年齢は、7〜9週であった。体重を、終点まで隔週で測定した(表4)。終点において、組織試料を組織学のために処理し、独立した分析のために病理学者に提出した。試料抽出1を、終点にて実施した。後肢を10%のホルマリン中に保存した。試料抽出2を、群4の動物に関して終点にて実施した。血液を末端心穿刺によって収集した。血液を抗凝固のために処理した。腎臓を、さらにホルマリン中に保存した後、70%のEtOH中で保存した。試料を、炎症、パンヌス(肉芽組織)、軟骨損傷、骨吸収、および外骨腫に関してスコア化した(表5)。
(表4)体重測定値
Figure 2016519067
Figure 2016519067
(表5)組織学的スコア
Figure 2016519067
炎症:0=正常、1=関節周辺組織内の炎症性細胞の最小限の浸潤、2=軽度の浸潤、3=中程度の浮腫を伴う中程度の浸潤、4=著明な浮腫を伴う著明な浸潤、5=重度の浮腫を伴う重度の浸潤。パンヌス:0=正常、1=軟骨および軟骨下骨内のパンヌスの最小限の浸潤、2=軽度の浸潤、3=中程度の浸潤、4=著明な浸潤、5=重度の浸潤。軟骨損傷:0=正常、1=明らかな軟骨細胞喪失またはコラーゲン崩壊を伴わない、染色密度の最小限〜軽度の喪失、2=限局性の軽度の(表面的な)軟骨細胞喪失および/またはコラーゲン崩壊を伴う染色密度の軽度の喪失、3=多発性の中程度の(中部までの深さ)軟骨細胞喪失および/またはコラーゲン崩壊を伴う染色密度の中程度の喪失、4=多発性の著明な(深部までの深さ)軟骨細胞喪失および/またはコラーゲン崩壊を伴う染色密度の著明な喪失、5=多発性の重度の(潮汐点までの深さ)軟骨細胞喪失および/またはコラーゲン崩壊を伴う染色密度の重度の拡散性喪失。骨吸収:0=正常、1=最小限、2=軽度、3=中程度、4=著明、5=重度。骨膜変化/外骨腫成長:0=正常、1=最小限、2=軽度、3=中程度、4=著明、5=重度。
FHは、治療関連死が存在せず、体重がビヒクル対照に匹敵したため、良好に耐性であった(図8)。FHで治療した動物は、ビヒクル対照動物と比較して改善された臨床応答を示した(表6および7)。
(表6)終点における総関節炎応答
Figure 2016519067
1.最大Δ平均体積−8日目および最大の腫れの中央日に記録された平均合算足蹠体積の間の差(ml)、2.平均疾患負荷−各動物に関して初めの合算足蹠体積を測定し(ベースラインを確立するため)、次に各動物に関して経時的(8〜22日目)な合算足蹠体積に関してAUCを統合し、次に群平均を算出することによって決定した。%疾患抑制−総疾患負荷におけるビヒクルに対するパーセント減少、3.平均最大臨床スコア−0〜60(15/肢)からスコア化し、4肢の和として算出した(5点/赤いまたは腫れた指に関する足、各腫れた足蹠に関して5点、および各腫れた足首に関して5点)、4.最低平均体重−1日目からの%変化としての最低群平均体重。*=P<0.05、**=P<0.01、***=P<0.001。
(表7)臨床スコア
Figure 2016519067
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FHで治療したマウスは、最大の腫れの日において、ビヒクルと比較して足蹠の腫れのより低い平均変化を示した(表9)。それに加えて、FHは、エタネルセプトと比較して良好に機能した(図9、Bx−12=FH)。FHは、より遅い時点(15〜22日目)においてエタネルセプトよりも改善し、FHが、初期の炎症応答の阻害に加えて炎症応答の迅速な解消を促進することを示唆している(図10)。コラーゲン抗体誘発性関節炎に関する組織病理学的概要が表8に、また統計的分析が表10に示される。
(表8)組織病理学的概要
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炎症−1=炎症性細胞の最小限の浸潤(関節周辺)、2=軽度の浸潤、3−中程度の浸潤+浮腫、4=著明な浸潤&浮腫、5=重度の浸潤&浮腫;パンヌス−1=軟骨内のパンヌスの最小限の浸潤、2=軽度の浸潤、3−中程度の浸潤、4=著明な浸潤、5=重度の浸潤;軟骨吸収−染色密度、軟骨細胞喪失、およびコラーゲン崩壊に基づいて1〜5(最小限〜重度)に等級化した;骨吸収−吸収面積および破骨細胞密度に基づいて1〜5に等級化した;外骨腫−粗くなったペリオテアル表面の外観、および炎症性細胞、ペリオスチアル細胞、または骨芽細胞の存在に基づいて1〜5に等級化した。ns=非有意、*=P<0.05、**=P<0.01、***=P<0.001。
デキサメタゾン対照は、一貫して改善された組織病理学的結果を生み出した。FHは、ビヒクル対照およびエタネルセプトの両方と比較して、外骨腫(骨の表面上での新規の骨の不適切な形成)を阻害する。FHで治療したマウスに関して、改善された炎症および骨吸収へのさらなる傾向が存在し、ビヒクルおよびエタネルセプトの両方と比較して、より低い臨床スコアをもたらした(図11)。このRA動物モデル研究は、H因子が、この疾患環境における補体媒介性炎症応答を制限するのに有効な治療薬であることを示唆している。
(表9)足蹠厚さ
Figure 2016519067
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(表10)統計分析
Figure 2016519067
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本発明の実践は、別段に指示のない限り、当業者の技能の範囲内の有機化学、ポリマー技術、分子生物学(組み換え技術を含む)、細胞生物学、生化学、および免疫学の従来の技術および説明を採用することができる。かかる従来の技術としては、ポリマーアレイ合成、ハイブリダイゼーション、ライゲーション、標識を使用したハイブリダイゼーションの検出が挙げられる。好適な技術の具体的な例証は、本明細書の以下の実施例を参照することによって得ることができる。しかしながら、他の同等の従来の手順も、当然使用することができる。かかる従来の技術および説明は、Genome Analysis:A Laboratory Manual Series(Vols.I−IV),Using Antibodies:A Laboratory Manual,Cells:A Laboratory Manual,PCR Primer:A Laboratory Manual and Molecular Cloning:A Laboratory Manual(全てCold Spring Harbor Laboratory Pressより),Stryer,L.(1995)Biochemistry(4th Ed.)Freeman,Highly stabilized York,Gait,"Oligonucleotide Synthesis:A Practical Approach"1984,IRL Press,London,Nelson and Cox(2000),Lehninger,Principles of Biochemistry 3rd Ed.,W.H.Freeman Pub.,Highly stabilized York,N.Y.and Berg et al.(2002)Biochemistry,5th Ed.,W.H.Freeman Pub.,Highly stabilized York,N.Y.などの標準的な実験室手引書に見出すことができ、それらの全ては、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に援用される。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるとき、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が別段に明確に指示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。したがって、例えば、「ポリメラーゼ」への言及は、1つの薬剤またはかかる薬剤の混合物を指し、「方法」への言及は、当業者に既知である同等のステップおよび方法への参照を含み、以下同様である。
別段に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が一般に理解する意味と同一の意味を有する。本明細書において言及される全ての出版物は、出版物に説明される、またここに説明される本発明と関連して使用され得るデバイス、組成物、製剤、および方法論を説明および開示する目的のために、参照により本明細書に援用される。
値の範囲が提供される場合、文脈が別段に明確に指示しない限り、下限値の単位の10分の1までの、その範囲の上限値から下限値の間の各介在値、およびその表示範囲の任意の他の表示値または介在値が、本発明に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限値および下限値は、より小さい範囲内に独立して含まれてもよく、表示範囲内の任意の具体的に除外された値に従って本発明内にも包含される。表示範囲がそれらの上限値および下限値のうちの一方または両方を含む場合、それらの包含される上限値および下限値のいずれかまたは両方を除外する範囲も本発明に包含される。
上記の説明では、多数の特定の詳細が、本発明のより完全な理解を提供するために記載される。しかしながら、本発明はこれらの特定の詳細のうちの1つ以上を伴わずに実践され得ることは、当業者には明らかであろう。他の例では、当業者に周知である周知の特徴および手順は、本発明を曖昧にすることを回避するために説明されていない。
本発明は特定の実施形態を参照して主に説明されるが、他の実施形態は、本開示を読めば当業者に明らかになるであろうことも想定され、またかかる実施形態は、本発明の方法の範囲内に含まれることも意図される。
特許請求の範囲は、任意の追加的な要素を除外するように作成されてもよいことに留意されたい。したがって、この記述は、特許請求の範囲の要素の列挙に関連した「単に」、「のみ」などの排他的な専門用語の使用のため、または「否定的な」制限の使用のための先行記述となるよう意図される。本開示を読めば当業者には明らかであるように、本明細書に説明および例証される個々の実施形態の各々は、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、他の幾つかの実施形態のうちのいずれかの特徴から容易に切り離されるか、または組み合わされ得る別個の成分および特徴を有する。任意の列挙される方法は、列挙される事象の順で、または論理的に可能な任意の他の順序で行うことができる。本明細書に説明される方法および材料と類似もしくは同等の任意の方法および材料を本発明の実践または試験において使用することもできるが、代表的な例証的方法および材料が、ここに説明される。

Claims (12)

  1. 対象における関節リウマチを治療する方法であって、H因子(FH)を含む組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
  2. 前記FHが血漿由来または組み換えFHである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記FHが保護的変異体である、請求項1〜2のいずれか一項に記載の方法。
  4. 前記FHがSEQ ID NO:1を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記FHが前記対象に静脈内投与される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記FHが関節内注射によって前記対象に投与される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記注射が、手、足、頸椎、肩、および膝から選択される構成要素の関節への注射である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記投与が前記対象における関節炎の低減をもたらす、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記投与が初期の炎症応答を阻害する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記投与が炎症応答の解消をさらに促進する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記投与が前記対象における外骨腫の低減をもたらす、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記投与が、FHを受容していない対象と比較して、前記対象における軟骨の損傷の低減をもたらす、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
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