上述したように、本発明は、電源から電力ドレインに電力を伝送する長期有効振動共鳴モードを有する結合電磁共振器に関する。しかし、この技術は、電磁共振器に限定されるものではなく、汎用的であり、広範囲にわたる種々の共振器及び共振物体に適用することができる。したがって、先ず概略的技術について記載し、次にワイヤレスエネルギー伝送の電磁的実施例を開示する。
共振器
共振器は、少なくとも2つの異なる形態にあるエネルギーを貯蔵できるシステムとして定義し、また貯蔵したエネルギーを2つの形態間で振動する。共振(共鳴)は、共振(モード)周波数f、及び共振(モード)場を持つ特定振動モードを有する。角度共振周波数ωは、ω=2πfとして定義することができ、共振波長λは、λ=c/f(ただし、cは光の速度)、共振周期Tは、T=1/f=2π/ωとして定義することができる。損失メカニズム、結合メカニズム又は外部エネルギー供給若しくはエネルギー排出のメカニズムがない場合、共振器に貯蔵される総エネルギーWは不変状態に留まり、また2つのエネルギー形態は振動し、一方が最大のとき他方が最小、及びその逆となる。
外部の材料又は物体がない場合、共振器102におけるエネルギーは固有損失によって減衰又は喪失し得る。共振場は、このとき以下の一次方程式に従う。すなわち、
変数a(t)は、共振場の大きさであり、共振器内に含まれるエネルギーは
|a(t)|2で与えられるよう定義する。Γは固有エネルギー減衰又は損失率である(例えば、吸収及び放射損失に起因する)。
エネルギー減衰を特徴付ける共振器の品質係数、又はQ係数、又はQ値は、これらエネルギー損失に反比例する。Q=ω・W/Pとして定義することができ、ここでPは、定常状態で時間平均電力である。すなわち、高Q値を有する共振器102は、比較的低い固有損失を有し、また比較的長い時間にわたりエネルギーを貯蔵することができる。共振器は固有減衰率2Γでエネルギーを損失するから、固有Qとも称されるQ値は、Q=ω/2Γで与えられる。品質係数は、さらに、係数eで減衰する共振器のエネルギーに対してとる振動周期Tの数をも表す。
上述したように、共振器の品質係数又はQ値を固有損失メカニズムのみに起因するものとして定義する。Q1のような添字は、Qに言及する共振器(この場合、共振器1)を示す。図2は、この規定に従って表記した電磁共振器102を示す。この図において、共振器1の近傍には外部物体又は付加的共振器は存在しないことに留意されたい。
第1共振器の近傍における外部物体及び/又は付加的共振器は、第1共振器に対して摂動又は負荷を与える(perturbing or loading)ことがあり、したがって、共振器と物体又は他の共振器との間の距離、物体又は他の共振器の材料組成、第1共振器の構造、第1共振器の電力等のような種々の要因に基づいて、第1共振器のQ値に対して摂動又は負荷を与える。意図しない外部エネルギー損失又は共振器近傍における外部材料又は物体に対する結合メカニズムは、共振器のQ値に対して「与摂動する(perturbing)」(摂動を与える)と称することができ、また丸カッコ()内の添え字によって示す場合がある。ワイヤレスエネルギー伝送システムにおける他の共振器、発生器及び負荷に対する結合によるエネルギー伝送に関連する意図される外部エネルギー損失は、共振器のQ値に対して「与負荷する(loading)」(負荷を与える)と称し、角カッコ[]内の添え字によって示す場合がある。
発電機g又は負荷302、lに接続又は結合した共振器102のQ値は、「被負荷品質係数(loaded quality factor)」又は「被負荷Q値(loaded Q)」と称され、また図3に示されるようにQ[g]又はQ[l]で示すことができる。概して、1個より多い発電機又は負荷302が共振器102に接続される場合がある。しかし、これら発電機又は負荷は個別に列挙することはせず、むしろ「g」及び「l」を用いて発電機及び負荷の組合せによって課される等価回路負荷に言及する。概略的説明において、添え字「l」は共振器に接続した発電機又は負荷に言及するものである。
本明細書の幾つかの記載において、共振器に接続した発電機又は負荷に起因する「与負荷品質係数(loading quality factor)」又は「与負荷Q値(loading Q)」はδQ[l]として定義し、この場合、1/δQ[l]≡1/Q[l]−1/Qである。発電機又は負荷の与負荷Q値(loading Q)であるδQ[l]が大きければ大きいほど、被負荷Q値(loaded Q)であるQ[l]が小さくなり、負荷を被ら(受け)ない無負荷(unloaded)の共振器のQ値から一層逸脱することに留意されたい。
外部物体402、すなわち、エネルギー伝送システムの一部であることを意図していないpが存在する場合の共振器のQ値は、「被摂動品質係数(perturbed quality factor)」又は「被摂動Q値(perturbed Q)」と称し、また図4に示すようにQ(p)で示す場合がある。概して、共振器102のQ値に摂動を与えるp1、p2等として示す多くの外部物体、又は一連の物体{p}が存在し得る。この場合、被摂動Q値(perturbed Q)は、Q(p1+p2+…)又はQ({p})で示すことができる。例えば、Ql(brick+wood)は、レンガ及び木片が存在する場合のワイヤレス電力交換系における第1共振器の被摂動品質係数を示し、またQ2(office)は、オフィス環境のワイヤレス電力交換系における第2共振器の被摂動品質係数を示す。
本明細書における幾つかの説明において、外部物体pに起因する「与摂動品質係数(perturbing quality factor)」又は「与摂動Q値(perturbing Q)」はδQ(p)として定義し、この場合、1/δQ(p)≡1/Q(p)−1/Qである。上述したように、与摂動品質係数は、複数の外部物体p1、p2等、又は一連の外部物体{p}に起因し得る。物体の与摂動Q値(perturbing Q)であるδQ(p)が大きければ大きいほど、被摂動Q値(perturbed Q)であるQ(p)が小さくなり、摂動を被ら(受け)ない(unperturbed)共振器のQ値から一層逸脱する
本明細書の幾つかの記載において、Θ(p)≡Q(p)/Qを定義し、またそれを外部物体が存在する共振器の「品質係数不感性(quality factor insensitivity)」又は「Q値不感性(Q- insensitivity)」と称する。Θl(p)のような添え字は、摂動を被った(受けた)被摂動品質係数及び摂動を被ら(受け)ない品質係数に言及する共振器を示し、すなわち、Θl(p)≡Ql(p)/Qlである。
品質係数であるQ値は、さらに、被摂動品質係数であるQ(p)と区別するのに必要なとき「無摂動(unperturbed)」(摂動を被ら(受け)ない)として特徴付けることもでき、また被負荷Q値(loaded Q)であるQ[l]と区別するのに必要なとき「無負荷(unloaded)」(負荷がない)として特徴付けることもできる。同様に、被摂動品質係数であるQ(p)は、被負荷被摂動(loaded perturbed)品質係数であるQ(p)[l] と区別するのに必要なとき、「無負荷(unloaded)」(負荷がない)として特徴付けることもできる。
結合共振器(Coupled Resonators)
近接場の任意な部分を介して結合されたほぼ同一共振周波数を有する共振器は、相互作用してエネルギーを交換することができる。このエネルギー交換を理解、設計、最適化また特徴付けするのに用いることができる様々な物理的な図式及びモデルがある。2つの相互結合した共振器間のエネルギー交換を記述しまたモデル化する1つの方法は、結合モード理論(CMT:coupled mode theory)を用いる。
結合モード理論において、共振器場は以下の一次方程式のセットに従う。
ここで指標は異なる共振器を示し、またκmnは共振器間の結合係数である。相互交換系に対して、結合係数は、関係式κmn=κnmに従う。本明細書の説明目的のため、遠距離場放射干渉効果は無視し、またしたがって、結合係数は実数とみなす。さらに、本明細書におけるシステム性能について以下に述べるすべて計算において、結合係数はその二乗、κ2 mnでのみ出現するので、κmnは実結合係数の絶対値を示す。
上述のCMTからの結合係数κmnは、共振器mと共振器nとの間の、次式によるいわゆる結合因子κmnに関連する。
「強結合係数(strong-coupling factor)」Umnは、共振器mと共振器nとの間における、次式による結合率と損失率との比として定義する。
同様の周波数を有する共振器n又は追加的な共振器が存在する場合の共振器mにおける品質係数は、接続した電力発生デバイス又は電力消費デバイスによって負荷を受ける(被負荷)共振器と同様に、共振器n又は追加的共振器によって負荷を受ける。共振器mは共振器nによって負荷を受けるという事象又はその逆の事象は、共振器が結合されるのとは単純に異なって見える。
これらの場合における共振器の被負荷Q値は、Qm[n]及びQn[m]として示すことができる。複数の共振器又は与負荷供給体又はデバイスに対して、共振器の総与負荷量は、各負荷を抵抗損失としてモデル化し、また複数の負荷を適切な並列及び/又は直列組合せとして追加することによって決定することができ、これにより集合体における等価負荷を決定する。
本明細書における幾つかの記載において、共振器nに起因する共振器mの「与負荷品質係数(loading quality factor)」又は「与負荷Qm値(loading Qm)」は、δQm[n]として定義し、この場合1/δQm[n]≡1/Qm[n]−1/Qmである。共振器nも共振器mによって負荷を受け、その「与負荷Qn値(loading Qn)」は、1/δQn[m]≡1/Qn[m]−1/Qnである。
1個又は複数個の共振器を発電機又は負荷に接続するとき、一次方程式のセットは次式のように変更される。
ここで、s+m(t)及びs−m(t)は、それぞれ、発電機から共振器mに流れ込む場、及び共振器mから発電機又は負荷に向かって流れ出ていく場の大きさであり、それらが搬送する電力は、|s+m(t)|2及び|s−m(t)|2によって与えられる。与負荷係数κmは、共振器mとこの共振器mに接続した発電機又は負荷との間でエネルギー交換する率に関連する。
上述のCMTからの与負荷係数(loading coefficient)κmは、先にδQm[l]=ωm/2κmで定義した与負荷品質係数にδQm[l]関連することに留意されたい。
「強結合係数(strong-coupling factor)」Um[l]は、共振器mにおける、次式のUm[l]=κm/Γm=Qm/δQm[l]による結合率と損失率との比として定義する。
図1(a)は、2個の結合した共振器1000、すなわちソース共振器として構成した共振器102S、及びデバイス共振器として共振器102Dの例を示す。エネルギーはこれら共振器間で距離Dにわたり伝送することができる。ソース共振器102Sは、電源又は発電機(図示せず)によって駆動することができる。仕事は電力消費ドレイン又は負荷(例えば、図示しない負荷抵抗)によってデバイス共振器102Dから抽出することができる。ソースには添え字「s」、デバイスには「d」、発電機には「g」、負荷には「l」を使用し、またこれらの例において、2個のみの共振器が存在し、またκsd=κdsであるので、κsd、kds及びUsdに指標を付け、それぞれκ、k及びUとして示す。
発電機は、角度駆動周波数ωに対応する一定駆動周波数fでソース共振器を一定に駆動することができ、ここでω=2πfである。
この場合、発電機から負荷に至る(ソース共振器及びデバイス共振器による)電力伝送の効率η=|s−d|2/|s+d|2は、以下の条件の下に最大化される。ソース共振器の周波数、デバイス共振器の周波数及び発電機の駆動周波数は整合する、すなわち、ωs=ωd=ωでなければならない。さらに、発電機に起因するソース共振器の与負荷Q値であるδQs[g]は、デバイス共振器及び負荷に起因するソース共振器の被負荷Q値であるδQs[dl]に整合する(等しい)ものでなければならず、また逆に、負荷に起因するデバイス共振器の与負荷Q値であるδQd[l]は、ソース共振器及び発電機に起因するデバイス共振器の被負荷Q値であるδQd[sg]に整合する(等しい)、すなわち、
δQs[g]=Qs[dl]及びδQd[l]=Qd[sg]でなければならい。
これら等式は、発電機によるソース共振器及び負荷によるデバイス共振器の最適与負荷率を次式として決定する。すなわち、
上述の周波数整合及びQ値整合の条件は、ともに電気工学における「インピーダンス整合」として知られている。
上述の条件の下に、最大化された効率は、ソース共振器とデバイス共振器との間における次式の強結合係数、すなわち、
のみの単調増加関数であり、図5に示すように、次式、すなわち、
によって与えられる。結合係数ηは、
Uが0.2よりも大きいとき1%よりも大きく、
Uが0.7よりも大きいとき10%よりも大きく、
Uが1よりも大きいとき17%よりも大きく、
Uが3よりも大きいとき52%よりも大きく、
Uが9よりも大きいとき80%よりも大きく、
Uが19よりも大きいとき90%よりも大きく、
Uが45よりも大きいとき95%よりも大きい。
幾つかの用途において、U>1での動作体系は、「強結合」体系と称することができる。
或る状況の下で次式のU、すなわち、
が大きいことが望ましいので、共振器は高Q値を使用することができる。各共振器のQ値は高いものとすることができる。共振器のQ値の次式の幾何平均、すなわち、
を、付加的に又は代替的に、高くすることができる。
結合係数kは0≦k≦1の値であり、ソース共振器及びデバイス共振器の共振周波数とは無関係(又はほぼ無関係)であり、むしろ結合を仲立ちする場の相対的ジオメトリ及び物理的減衰則によって大きく決定され得る。これとは逆に、次式の結合係数、すなわち、
は、共振周波数の強い関数となり得る。共振器の共振周波数は、これら2つのゴールは2つの個別の共振周波数体系で得られるので、好ましくは、低Γを得るよりも高Q値を得るよう選択することができる。
高Q値共振器はQ>100を有するものとして定義することができる。2つの結合した共振器は、各共振器が100よりも大きい、すなわち、Qs>100、及びQd>100のQ値を有するとき、高Q値共振器系と称することができる。他の実施形態において、2個の結合した共振器は、共振器のQ値の幾何平均が100よりも大きい、すなわち、
であるとき、高Q値共振器系と称することができる。
共振器は、名前付け又は番号付けすることができる。共振器は、ソース共振器、デバイス共振器、第1共振器、第2共振器、リピータ共振器等と称することができる。当然のことながら、2つの共振器を図1に示すが、以下の実施例の多くにおいて、他の実施形態として3個又はそれ以上の共振器を有することがあり得る。例えば、単独のソース共振器102Sは、エネルギーを複数のデバイス共振器102D又は複数のデバイスに伝送することができる。エネルギーは、第1デバイスから第2デバイスに、次に第2デバイスから第3デバイスに等々の伝送をすることができる。複数のソースは、単独のデバイス、又は単独のデバイス共振器に接続した複数のデバイスに、又は複数のデバイス共振器に接続した複数のデバイスにエネルギーを伝送することができる。共振器102は、ソース、デバイスとして交互に又は同時に作用することができる、又は1つの場所におけるソースから他の場所におけるデバイスに電力を中継するのに使用することができる。中間電磁共振器102を用いてワイヤレスエネルギー伝送システムの距離レンジを拡張することができる。複数の共振器102は、互いにデイジー・チェーン接続し、拡張した距離にわたり及び広域レンジのソース及びデバイスによりエネルギーを交換することができる。高電力レベルを複数のソース102S間に分割し、複数のデバイスに伝送し、また離れた場所で再結合することができる。
単独ソース共振器及び単独デバイス共振器の分析は、複数のソース共振器及び/又は複数のデバイス共振器及び/又は複数の中間共振器に拡張することができる。このような分析において、複数の共振器のうち少なくとも幾つか又はすべての間における大きな強結合係数Umnは、ワイヤレスエネルギー伝送における高いシステム効率にとって好ましい。また、実施形態は、高Q値を有するソース共振器、デバイス共振器、及び中間共振器を使用することができる。各共振器のQ値は高いものにすることができる。大きなUmnが望ましい共振器m及びnの対に対するQ値である次式の幾何平均、すなわち、
を、付加的に又は代替的に高いものにすることができる。
2個の共振器における強結合係数は、各共振器の損失メカニズム及び2個の共振器間の結合メカニズムの相対的大きさによって決定できるので、これらメカニズムのうち任意なもの又はすべての強度は、上述したように、共振器近傍における外部物体の存在により摂動を被る。
先のセクションからの表記法に続いて、kは外部物体又は外部材料がない場合の結合係数として記述する。外部物体pが存在する場合の結合係数は、k(p)として示し、「被摂動結合係数(perturbed coupling factor)」又は「被摂動k(perturbed k)」と称する。結合係数kは、被摂動結合係数k(p)と区別するのが必要なときには、「無摂動(unperturbed)」として特徴付けることもできる。
本明細書において、δk(p)≡k(p)−kと定義し、「結合係数における摂動」又は「外部物体pに起因したkにおける摂動」と称することができる。
本明細書において、さらに、β(p) ≡k(p)/kと定義し、「結合係数不感性」又は「k不感性」と称することができる。より下位の指標β12(p)は、被摂動結合係数及び無摂動結合係数について言及する共振器を示し、すなわち、
β12 (p) ≡k12 (p)/k12 と記述する。
同様に、本明細書において、Uは、外部物体が存在しない場合における強結合係数として記述する。外部物体pが存在する場合における強結合係数は、次式のU(p) として示し、すなわち、
であり、また「被摂動強結合係数」又は「被摂動U」と称することができる。強結合係数Uは、被摂動強結合係数U(p) と区別する必要があるときには、「無摂動(unperturbed)」として特徴付けることもできる。さらに、被摂動強結合係数U(p) と区別する必要があるとき、強結合係数Uは「無摂動(unperturbed)」として特徴付けることもできる。
本明細書において、δU(p) ≡U(p)−Uと定義し、外部物体pに起因する「結合係数に対する摂動」又は「Uに対する摂動」と称することができる。
本明細書において、Ξ(p) ≡U(p)/Uと定義し、「強結合係数不感性」又は「U不感性」と称することができる。より下位の指標Ξ12 (p)は、被摂動結合係数及び無摂動結合係数について言及する共振器を示し、すなわち、
Ξ12 (p) ≡U12 (p)/U12 と記述する。
摂動を被る被摂動システムにおけるエネルギー交換効率は、無摂動システムの効率を与えるのと同一公式によって得ることができ、この場合、強結合係数、結合係数、及び品質係数のようなすべてのパラメータは、被摂動等価物に置き換える。例えば、1個のソース共振器及び1個のデバイス共振器を含むワイヤレスエネルギー伝送システムにおいて、最適な効率は次式、すなわち、
として計算することができる。したがって、外部物体によって摂動を被るワイヤレスエネルギー交換システムにおいて、複数の共振器のうち少なくとも幾つか又はすべての間における大きな被摂動強結合係数Umn (p) がワイヤレスエネルギー伝送における高いシステム効率にとって望ましい。ソース共振器、デバイス共振器及び/又は中間共振器は高いQ(p)値を有することができる。
幾つかの外因的摂動は、被摂動強結合係数に対して時々有害となり得る(結合係数又は品質係数に対する大きな摂動によって)。したがって、システムに対する外因的摂動効果を減少し、また大きな強結合係数不感性を保持する技術を使用することができる。
エネルギー交換効率
有用エネルギー交換における、いわゆる「有用エネルギー」は、デバイスを給電又は充電するためデバイス(又は複数デバイス)に送給しなければならないエネルギー又は電力である。有用エネルギー交換に対応する伝送効率は、システム又は用途依存であり得る。例えば、数キロワットの電力を伝送する乗り物用高電力充電用途は、有用な電力量を供給するためには少なくとも80%の効率を必要とし、この結果、伝送システムにおける種々のコンポーネントを大幅に加熱することなく、乗り物用バッテリを再充電するに十分なエネルギー交換を得ることができる。幾つかの民生電子機器用途において、有用エネルギー交換は、10%より高い何らかのエネルギー伝送効率、又は再充電可能バッテリを「満充電」状態に維持し、かつ長期間稼働させるのに容認される任意な他の量が含まれる。幾つかのワイヤレスセンサ用途に対して、1%より少ない伝送効率が、センサから大きな距離離れて位置する単独ソースから複数の低電力センサに給電するのに適する場合がある。有線電力伝送が不可能又は実用的でない、さらに他の用途において、広範囲にわたる伝送効率が有用エネルギー交換に容認され、またそれらの用途におけるデバイスに有用な電力を供給することができる。概して、動作距離は、有用エネルギー交換が本明細書に記載の原理に従う又は原理に従って維持される任意な距離とする。
給電又は充電用途におけるワイヤレスエネルギー伝送のための有用エネルギー交換は、廃棄エネルギーレベル、熱消失、及び関連の場の強度が許容限界内にある限り、効率的、高効率、又は十分な効率とすることができる。この許容限界は、用途、環境及びシステムの場所に依存し得る。給電又は再充電用途におけるワイヤレスエネルギー伝送は、望ましいシステム性能が合理的なコスト制限、重量制限、寸法制限等に見合って得られる限り、効率的、高効率、又は十分な効率とすることができる。効率的エネルギー伝送は、高Q値システムではない従来の誘導技術を使用して得られるエネルギー伝送に対して相対的に決定することができる。エネルギー伝送は、従来の誘導手法におけるのと同様なサイズにしたコイル構体によって同様の距離又は整列オフセットに対して送給されるよりもより多くのエネルギーが送給される場合に、効率的、高効率又は十分な効率であると定義することができる。
所定の周波数及びQ整合条件はエネルギー伝送のシステム効率を最適化することができるが、これら条件は、有用エネルギー交換用のエネルギー伝送に十分であるようにするために、正確に合致させる必要はない。効率的エネルギー交換は、次式の共振周波数の相対オフセット、すなわち、
が、1/Qm (p) 、1/Qn (p)及びkmn (p) のうちのほぼ最大より小さいものである限り実現することができる。Q整合条件は、効率的エネルギー交換のための周波数整合条件よりも厳しいものではないことがあり得る。発電機及び/又は負荷に起因する共振器の強負荷率Um [l] がその最適値から離れ、依然としてエネルギー交換に十分効率的である度合いは、特定システムに依存し、複数の発電機及び/又は負荷のうちすべて又は幾つかがQ整合しているか否か等に依存する。
したがって、共振器の共振周波数は正確に整合しないが、上述の許容範囲内に整合する場合があり得る。発電機及び/又は負荷に起因する少なくとも幾つかの共振器の強負荷率はその最適値に正確に整合しない場合があり得る。電圧レベル、電流レベル、インピーダンス値、材料パラメータ等は、本明細書に記載した正確な値とならないが、これら値の許容範囲内にある。システム最適化は、効率、Q、周波数、強結合係数等を考慮することに加えて、コスト、サイズ、重量、複雑さ等を考慮する。幾つかのシステム性能パラメータ、仕様、及び設計は、他のシステム性能パラメータ、仕様及び設計を最適化するために、最適なものから大きく離れるものとすることができる。
幾つかの用途において、システムパラメータの少なくとも幾つかは時に応じて変動することがあり、これは、例えば、ソース又はデバイスのようなコンポーネントが移動体である又は経年劣化する、又は負荷が可変である、又は摂動若しくは環境条件が変化する等を原因とする。これらの場合、容認可能な整合条件を得るため、システムパラメータのうち少なくとも幾つかを動的に調整又は整調可能にする必要があり得る。すべてのシステムパラメータは、ほぼ最適な動作条件が得られるよう動的に調整又は整調可能とすることができる。しかし、上述の説明に基づいて、エネルギー交換に十分な効率は、幾つかのシステムパラメータが可変でない場合でも、実現することができる。幾つかの実施例において、デバイスのうち少なくとも幾つかは、動的に調整できない場合がある。幾つかの実施例において、ソースのうち少なくとも幾つかは、動的に調整できない場合がある。幾つかの実施例において、中間共振器のうち少なくとも幾つかは、動的に調整できない場合がある。幾つかの実施例において、いずれのシステムパラメータも動的に調整できない場合がある。
電磁共振器
エネルギー交換に使用される共振器は電磁共振器とすることができる。このような共振器は、固有エネルギー減衰率Γmは吸収(又は抵抗)損失及び共振器の放射損失によって与えられる。
共振器の構成は、電場によって貯蔵されるエネルギーが主に構体内に閉じ込められ、また磁場によって貯蔵されるエネルギーが主に共振器を包囲する領域に存在するように行うことができる。このとき、エネルギー交換は主に共振器の近接磁場によって仲介される。これらのタイプの共振器は磁気共振器と称することができる。
共振器の構成は、磁場によって貯蔵されるエネルギーが主に構体内に閉じ込められ、また電場によって貯蔵されるエネルギーが主に共振器を包囲する領域に存在するように行うことができる。このとき、エネルギー交換は主に共振器の近接電場によって仲介される。これらのタイプの共振器は電気共振器と称することができる。
共振器によって貯蔵される総電磁エネルギーは等しくなければならないが、電気エネルギー及び磁気エネルギーそれぞれの定位は全く異なることに留意されたい。幾つかの事例において、共振器からの距離で特定される平均電場エネルギーの平均磁場エネルギーに対する比は、共振器を特徴付ける又は表現するのに使用することができる。
電磁共振器は、誘導素子、分散型インダクタンス若しくは組合せ型インダクタンスL、容量素子、分散型キャパシタンス若しくは組合せ型キャパシタンスCを有することができる。電磁共振器102の最小回路モデルを図6aに示す。この共振器は、誘導素子108及び容量素子104を有する。キャパシタ104に貯蔵される電場エネルギーのような初期エネルギーが与えられると、この系は振動し、このとき、キャパシタが放電してエネルギーをインダクタ108に貯蔵される磁場エネルギーに転移し、次にこのエネルギーをキャパシタ104にと貯蔵される電場エネルギーに逆転移する。
図6(b)(c)(d)に示す共振器102は磁気共振器と称することができる。磁気共振器は、動物、植物、及び人間を含む多くの日々の物質は非磁性体(すなわち、μ≒1)であり、したがって、磁場との相互作用は、最小であり、また主に磁場の時間変化によって誘発される二次的効果の渦電流に起因するため、物質の多い環境下でのワイヤレスエネルギー伝送用途に好適である。この特性は、安全性の理由、及びシステム性能を変動させるおそれのある外部環境物体及び物質との潜在的相互作用を減少するという理由の双方にとって重要である。
図6dは、例示的磁気共振器102Bに関連する電気力線及び磁力線の幾つかを示す簡略化した線図を示す。磁気共振器102Bは、誘導素子108として作用する導体ループと、この導体ループの端部における容量素子104とを有することができる。留意されたいことは、この線図は、共振器を包囲する領域におけるエネルギーの大部分が磁場内に貯蔵され、また共振器内(キャパシタプレート間)におけるエネルギーの大部分が電場内に貯蔵されることを示している点である。フリンジ電場、自由電荷、及び時間的に変化する磁場に基づく幾ばくかの電場は、共振器周りの領域に貯蔵されることがあり得るが、磁気共振器は、電場をできるだけ共振器に近い側又は共振器内に閉じ込めるよう設計することができる。
電磁共振器102の導体108及びキャパシタ104は大形回路素子とする、又はインダクタンス及びキャパシタンスは、構体内に分散させ、また導体を形成、整形、又は位置決めする方法から得られるものとすることができる。例えば、導体108は、図6(b)(c)(d)に示すように表面領域を包囲するよう導体を整形することによって実現することができる。このタイプの共振器102は、容量負荷ループインダクタと称することができる。留意されたいのは、用語「ループ」又は「コイル」は、任意な形状及び寸法の表面を任意な巻回数で包囲する一般的な導電構体(ワイヤ、チューブ、ストリップ等)を示す点である。図6bにおいて、包囲される表面領域は円形であるが、広範囲の様々な他の形状及びサイズのうち任意なものとすることができ、また所定システム性能仕様を達成するよう設計することができる。インダクタンスが物理的寸法によってどのように増減するかを示す例として、円形単一巻回ループを形成するよう構成した円形導体の長さのインダクタンスはほぼ次式のようになり、すなわち、
であり、ここでμ0は自由空間の透磁率、xは包囲される円形表面領域の半径、及びaはインダクタループを形成するのに使用する導体の半径である。ループにおけるインダクタンスのより精密な値は、分析的又は数値的に計算することができる。
他の包囲表面形状、表面積サイズ等を形成するよう配列した、また任意なワイヤ巻回数の他の断面を有する導体のインダクタンスは、分析的又は数値的に計算することができる、又は測定によって決定することができる。インダクタンスは導体素子、分散型インダクタンス、回路網、アレイ、インダクタ及びインダクタンスの直列及び並列的な組合せ等を使用して実現することができる。インダクタンスは、不変又は可変のものとすることができ、またインピーダンス整合並びに共振周波数動作条件を変化させるのに使用することができる。
共振器構体のための望ましい共振周波数を得るのに必要なキャパシタンスを実現するには様々な方法がある。キャパシタプレート110は、図6bに示すようにして形成又は利用することができる、又はキャパシタンスは、分散して、図6cに示すように、多重ループ導体114の隣接巻線間において実現することができる。キャパシタンスは、キャパシタ素子、分散型キャパシタンス、回路網、アレイ、キャパシタンスの直列及び並列的な組合せ等を使用して実現することができる。キャパシタンスは、不変又は可変のものとすることができ、またインピーダンス整合並びに共振周波数動作条件を変化させるのに使用することができる。
当然のことながら、電磁共振器102におけるインダクタンス及びキャパシタンスは、集中型、分散型、又は集中型及び分散型の組合せにしたインダクタンス及びキャパシタンスとすることができ、また電磁共振器は、本明細書に記載の種々の素子、技術及び効果の組合せにより実現することができる。
電磁共振器102は、導体、インダクタンス、キャパシタ、キャパシタンス、並びに付加的回路素子、例えば、抵抗、ダイオード、スイッチ、増幅器、ダイオード、トランジスタ、変圧器、導体、コネクタ等を有することができる。
電磁共振器の共振周波数
電磁共振器102は、物理的特性によって決定される特性周波数、固有周波数又は共振的周波数を有することができる。この共振周波数は、共振器によって貯蔵されるエネルギーが、共振器における電場WE(WE=q2/2C、ただし、qはキャパシタCの電荷)によって貯蔵されるエネルギーと磁場WB(WB=Li2/2C、ただし、iはインダクタLを流れる電流)によって貯蔵されるエネルギーとの間で振動する。システム内にいかなる損失も存在しない場合、エネルギーは、キャパシタ104における電場とインダクタ108における磁場との間で持続的に交換される。このエネルギーが交換される周波数は、共振器における特性周波数、固有周波数、又は共振周波数と称することができ、また次式のωによって与えられる。すなわち、
共振器の共振周波数は、共振器のインダクタンスL、及び/又はキャパシタンスCを整調することによって変化させることができる。共振周波数は、FCCによって特定されるいわゆるISM(Industrial, Scientific and Medical)周波数で動作するよう設計することができる。共振周波数は、所定場所限定仕様、特定吸収率(SAR)限界仕様、電磁適合性(EMC)仕様、電磁干渉(EMI)仕様、コンポーネントサイズ、コスト、又は性能仕様等に合致するよう選択することができる。
電磁共振器の品質係数
図6に示す共振器102におけるエネルギーは、吸収損失(オーミック損失又は抵抗損失とも称される)及び/又は放射損失を含む固有損失によって減衰又は喪失し得る。エネルギー減衰を特徴付ける共振器の品質係数又はQ値は、それら損失に反比例する。吸収損失は、インダクタを形成するのに使用される導体の有限導電性によって、並びに共振器における他の素子、コンポーネント、コネクタ等における損失によって、引き起こされる。低損失材料から形成したインダクタは、「高Q値誘導素子」と称することができ、また低損失の素子、コンポーネント、コネクタ等は、「高抵抗Q値」を有すると称される。概して、共振器の吸収損失は、共振器を構成する種々の素子及びコンポーネントの抵抗損失における適正な直列的及び/又は並列的な組合せとして計算することができる。すなわち、いかなる大きな放射も、又はコンポーネント/接続損失も存在しない場合、共振器のQ値であるQabsは次式で与えられる。すなわち、
であり、ここでωは共振周波数、Lは共振器の総インダクタンスであり、インダクタを形成するのに使用した導体の抵抗は、Rabs=lρ/Aによって与えられる(l(小文字エル)はワイヤの長さ、ρは導体材料の抵抗、及びAは電流がワイヤを流れる断面積である)。交流に対しては、電流が流れる断面積は、スキン効果に起因して導体の物理的断面積よりも小さい。したがって、高Q値磁気共振器は、高導電率、回転大きい表面積、及び/又は特別に設計した輪郭(プロファイル)を有する導体(例えば、リッツワイヤ)から構成することができ、これにより近接効果を最小化し、またAC抵抗を減少することができる。
磁気共振器構体は、高導電率ワイヤ、被覆ワイヤ、リッツワイヤ、リボン、ストラッピング又はプレート、管材、ペイント、ジェル、配線等から構成した高Q値誘導素子を有することができる。磁気共振器は、自己共振するものとする、又はキャパシタ、インダクタ、スイッチ、ダイオード、トランジスタ、変圧器等のような外部結合素子を含むものとすることができる。磁気共振器は、分散型及び集中型のキャパシタンス及びインダクタンスを有することができる。概して、共振器のQ値は、共振器におけるすべての個別コンポーネントにおけるQ値によって決定される。
Q値はインダクタンスLに比例するので、共振器は、他の所定制約内でLを増加するよう設計する。Lを増加する1つの方法としては、例えば、1回よりも多く導体を巻回して共振器におけるインダクタを形成する。設計技術及びトレードオフは用途に依存し、また広範囲の様々な構体、導体、コンポーネント、及び共振周波数を、高Q値磁気共振器の設計において選択することができる。
大きな吸収損失が存在しない場合、共振器のQ値は、主に放射損失によって決定され、またQrad=ωL/Rradによって与えられ、ただし、Rradは、共振器の放射損失であり、動作の周波数ω、波長λに対する共振器のサイズに依存し得るものである。上述の磁気共振器に対して、放射損失は、Rrad〜(x/λ)4として増減することができ、ただしxは図6bに示す誘導素子の半径のような共振器の特性寸法であり、λはλ=c/fであり、ここでcは光速とし、fは上述したように定義する。磁気共振器のサイズは、動作波長よりも相当小さくし、これにより放射損失を極めて小さくすることができる。このような構体は、サブ波長共振器と称することができる。放射は、非放射的ワイヤレスエネルギー伝送システムの損失メカニズムとなり得るもので、またRradを最小化するよう設計を選択することができる。高Qrad値は、非放射的ワイヤレスエネルギー伝送手法にとって望ましいことに留意されたい。
非放射的ワイヤレスエネルギー伝送の共振器設計は、通信又は遠距離場エネルギー伝送目的のために設計したアンテナとは異なる。とくに、容量負荷導電ループを共振アンテナ(例えば、携帯電話における)として使用できるが、放射エネルギーで効率的なアンテナを形成するため放射Q値を意図的に小さく設計する遠距離場体系内で動作する。このような設計は、本明細書に記載の効率的な近接場エネルギー伝送技術にとっては適切ではない。
放射損失及び吸収損失の双方を含む品質係数は、Q=ω/(Rabs+Rrad)となる。特別な共振器にとって最大Q値が存在し、共振器は、共振器のサイズ、共振器を構成するのに使用する材料及び素子、動作周波数、接続機構等に対して特別な考慮を払って設計し、高Q値共振器を得るようにする。図7は、MHz周波数でワイヤレス電力伝達に使用できる例示的共振器(この場合、外径(OD)4cmの銅製パイプで形成した直径60cmのコイル)のQ値をプロットしたグラフを示す。吸収的Q値(破線部分)702は周波数とともに増加するとともに、放射的Q値(点線部分)704は周波数とともに減少し、したがって、Q値全体は特定周波数でピーク708となる。この例示的共振器のQ値は、広範囲な周波数レンジにわたって100より大きいことに留意されたい。磁気共振器は、周波数レンジにわたり高Q値を有するよう設計することができ、またシステム動作周波数は、そのレンジ内で任意の周波数に設定することができる。
共振器を損失率に関して説明するとき、Q値は、上述したように、固有減衰率2Γを使用して定義することができる。固有減衰率は、非結合及び非駆動状態の共振器がエネルギーを損失する割合である。上述の磁気共振器に対しては、固有損失率は、Γ=(Rabs+Rrad)/2Lによって与えられ、また共振器の品質係数Qは、Q=ω/2Γによって与えられる。
特別な損失メカニズムにのみ関連する品質係数は、共振器が特定されない場合にQmechanismとして示し、共振器が特定される場合(例えば、共振器1)に対してQ1,mechanismとして示す。例えば、Q1,radは、放射損失に関連する共振器1の品質係数である。
電磁共振器の近接場
本明細書に記載の近接場ワイヤレスエネルギー伝送システムに使用する高Q値電磁共振器は、サブ波長物体とすることができる。すなわち、共振器の物理的寸法は、共振周波数に対応する波長よりも相当小さくすることができる。サブ波長磁気共振器は、共振器周りの領域で近接磁場に貯蔵されるエネルギーの大部分を有し、またこれら近接磁場は、共振器から遠ざかるよう放射しないので、固定的又は非伝播的として記述することができる。共振器を包囲する領域における近接場の範囲は、一般的に波長によって設定され、したがって、サブ波長共振器に対して共振器自体を大きく超えて延在する。場の挙動が近接場挙動から遠距離場挙動に変化する限界表面は「放射コースティック」と称することができる。
近接場の強度は、共振器から遠ざかれば遠ざかるほど減少する。共振器近接場の場強度は共振器から離れるにつれて減衰する一方で、場は依然として共振器のほぼ近傍に近づく物体と相互作用する。場が相互作用する程度は、様々な要因に基づき、これら要因のうちの幾つかは、制御又は設計されるものであり、また他の幾つかは制御又は設計されないものであり得る。本明細書に記載のワイヤレスエネルギー伝送手法は、結合される共振器間距離を、一方の共振器が他方の共振器における放射コースティック内に存在するようにとるとき、実現することができる。
電磁共振器の近接場輪郭(プロファイル)は、ダイポール共振器又は発振器に共通して関連するものと類似させることができる。このような場輪郭は、全方向性であると記述することができ、場の大きさは物体から全方向に非ゼロとなることを意味する。
電磁共振器の特性サイズ
十分なQ値を有する空間的に互いに離れた及び/又はオフセットした磁気共振器は、共振器構体のサイズ及び形状が異なる場合であっても、従来技術で見られたものよりも、相当大きい距離にわたり効率的なワイヤレスエネルギー伝送を達成することができる。このような共振器は、さらに、より短いレンジの距離にわたり従来技術で得られたものより、一層効率的なエネルギー伝送が得られるよう動作することができる。このような共振器はミッドレンジエネルギー伝送が可能であると記述する。
ミッドレンジ距離は、距離を1つの共振器構体の中心から空間的に離れた第2共振器構体の中心まで測る場合に、伝送に含まれる最小共振器の特性寸法よりも大きい距離として定義する。この定義において、誘導素子によって囲まれる領域が交差しないとき2次元共振器が空間的に離れ、体積が交差しないとき3次元共振器が空間的に離れる。2次元共振器によって囲まれる領域が3次元共振器の体積の外側にあるとき、2次元共振器は3次元共振器から空間的に離れる。
図8は、特性寸法に表記付けした幾つかの例示的な共振器を示す。当然のことながら、共振器102の特性サイズ802は、導体サイズ、及び磁気共振器における誘導素子によって境界付けされる又は囲まれる領域、及び電気共振器における容量素子を形成する導体の長さの点で定義することができる。共振器102の特性サイズ802におけるxcharは、磁気共振器又は電気共振器における誘導素子又は容量素子それぞれの周りに適合し得る最小球体の半径に等しく、共振器構体の中心は球体の中心にあるものとし得る。共振器102の特性厚さ804におけるtcharは、共振器が置かれている平坦表面から測った、最も高いポイントにおける最小高さとし得る。共振器102の特性幅808におけるwcharは、磁気共振器又は容量共振器における誘導素子又は容量素子それぞれが通過する最小円における直線的半径である。例えば、円筒状共振器の特性幅808は、円筒形の半径とすることができる。
本発明ワイヤレスエネルギー伝送技術において、エネルギーはワイドレンジの距離にわたり効率的に交換することができるが、本発明技術は、ミッドレンジ距離にわたり、異なる物理的寸法、コンポーネント及び指向性を有する共振器間で、デバイスを給電又は再充電するための有用エネルギーを交換する能力でも際立っている。kはこれら状況において小さくなり得るとともに、強結合及び効率的エネルギー伝送は、次式の高いUを得るための高Q値共振器を用いて実現することができることに留意されたい。
すなわち、Qの増加を用いて、kの減少に少なくとも部分的に打ち勝ち、有用エネルギー伝送効率を維持することができる。
単独共振器の近接場は全方向として記載するが、2個の共振器間のエネルギー交換効率は、共振器の相対な位置及び向きに依存し得ることに留意されたい。すなわち、エネルギー交換の効率は、共振器間の特定の相対的な向きにおいて最大化することができる。2個の補償されない共振器における相対的な位置及び向きに対する伝送効率の感度はk又はκの計算で捕捉することができる。結合は、互いにオフセット及び/又は回転している共振器間で得られるとともに、交換の効率は、位置取りの詳細、及び動作中に実施される何らかのフィードバック、同調(整調)、補償技術に基づく。
高Q値磁気共振器
サブ波長容量負荷ループの磁気共振器(x<<λ)の近接場体系において、半径がスキン深さよりも大きいワイヤのN巻回で構成される円形導電ループインダクタに関連する抵抗は、ほぼ次式のようになる。すなわち、
ここで、ρは導体材料の抵抗、η0≒120πΩは自由空間のインピーダンスである。このようなN巻回ループのインダクタンスLは、上述の1巻回ループのインダクタンスのほぼN2倍である。このような共振器の品質係数、すなわち、Q=ωL/(Rabs+Rrad)は、システムパラメータによって決定される特定周波数に対して最高となる。上述したように、より低い周波数では、Q値は主に吸収損失によって決定され、またより高い周波数ではQ値は主に放射損失によって決定される。
上述の公式は近似的なものであり、構体の物理的パラメータにおけるRabs、Rrad及びLに対する関数依存性を示すのを意図するものであることに留意されたい。厳密な準静的限界からの偏差、例えば、導体に沿う非均一な電流/電荷分布を考慮するこれらパラメータのより正確な数値的計算は、共振器構体の精密設計にとって有用である。
吸収損失は、低損失導体を使用して誘導素子を形成することにより最小化し得ることに留意されたい。導体の損失は、導電性管材、ストラッピング、ストリップ、機械加工物体、プレート等のような大きな表面積を有する導体を使用することによって、リッツワイヤ、編組ワイヤ、任意な断面のワイヤ、及び上述の周波数で変化する挙動が異なる低近接損失を有する他の導体のような特別に設計した導体を使用することによって、及び例えば、高純度の銅及び銀のような低抵抗材料を使用することによって、最小化することができる。導体として導電性管材をより高い動作周波数で使用することの利点の1つは、類似直径の中実導体よりも安価かつ軽量である点、またスキン効果によって導体の外表面に沿って電流の大部分が流れるために、類似抵抗を有する点にある。
銅ワイヤ又は銅管材から形成し、マイクロ波体系内での動作に適正な、達成可能な共振器設計にタスク大まかな見積りを得るには、種々の断面を有する銅ワイヤ(ρ=1.69×108Ωm)の1個の円形誘導素子(N=1)で構成した共振器の最適Q値及び共振周波数を計算することである。この場合、例えば、携帯電話にとって適正な特性サイズx=1cm、導体直径a=1mmを有する誘導素子に対しては、f=380MHzのとき品質係数はQ=1225でピークとなる。ラップトップ又は家庭用ロボットに適正なx=30cm、及びa=2mmの誘導素子サイズに対しては、f=17MHzにおいてQ=1103である。例えば、x=1m、及びa=4mmの天井に配置することができるより大きいソース誘導素子に対しては、Q値は、f=5MHzにおいてQ=1315となるように高くなる。多くの実用的な実施例は、λ/x≒50〜80においてQ≒1000〜1500となるような期待される品質係数を得る。上述したのとは異なる広範囲にわたる種々のコイル形状、サイズ、材料での測定により、Q>100は、一般的に入手可能な材料を使用する種々の磁気共振器構体に対して実現することができる。
上述したように、特性サイズx1及びx2を有し、中心間距離Dだけ離れる2個の共振器間のエネルギー伝送率はκによって与えられる。定義されるパラメータがどのようにして増減するかの実施例として、上述の携帯電話、ラップトップ、及び天井共振器を、それぞれ3つの距離D/x=10、8、6で考慮する。ここに考慮される実施例において、ソース共振器及びデバイス共振器は、同一サイズx1=x2及び形状であり、図1bに示すように、指向するものとする。携帯電話の実施例において、それぞれω/2κ=3033、1533、655である。ラップトップの実施例において、それぞれω/2κ=7131、3651、1540であり、天井共振器の実施例において、それぞれω/2κ=6481、3318、1400である。対応の結合対損失率は、誘導素子のQ値がピークとなり、また上述した3個の誘導素子サイズ及び距離に対して、κ/Γ=0.4,0.79、1.97、及び0.15、0.3、0.72、及び0.2、0.4、0.94となる周波数でピークとなる。異なるサイズの誘導素子を使用する実施例としては、x1=1mのインダクタ(例えば、天井におけるソース)、及びx2=30cmのインダクタ(例えば、フロアにおける家庭用ロボット)が距離D=3m離れる(例えば、部屋の高さ)例がある。この実施例において、次式、すなわち
で示すU=0.88の強結合形態メリットが、最適動作周波数f=6.4MHzにおける約14%の効率として得られる。ここで、最適システム動作周波数は、個別共振器のQ値のピーク間に存在する。
誘導素子は、高Q値磁気共振器で使用するために形成することができる。表面を包囲する誘導素子として形成する銅製の導体に基づく種々の高Q値磁気共振器について実証した。誘導素子は、任意なサイズ又は形状の領域を包囲する様々な形状となるよう配列した種々の導体を使用して形成することができ、またそれらは単一巻回又は複数巻回の素子とすることができる。例示的な誘導素子900A〜Bの線図を図9に示す。誘導素子は、円形、長方形、正方形、三角形、丸みを付けた形状、特別な構体又はデバイスの外形に追随する形状、構体又はデバイス内の専用に指定された空間に追随、充填又は利用する形状等々を包囲するよう形成することができる。設計は、サイズ、コスト、重量、外観、性能等々に対して最適化することができる。
これら導体は、所望のサイズ、形状及び巻回数となるよう曲げる又は形成することができる。しかし、手作業技術を使用しては導体の形状及びサイズを正確に再現するのは困難である。さらに、誘導素子の隣接巻回における導体セグメント間の中心間距離を均一又は所望通りに維持するのは困難である。正確又は均一な間隔は、例えば、AC抵抗の増加で誘発される構体の自己キャパシタンス、並びに任意な近接効果を決定する上で重要である。
成形型を使用して、高Q値共振器設計用のインダクタ(誘導)素子を複製することができる。さらに、成形型を使用して、ねじれ、ゆがみ、又は他の起こり得る有害な効果を導体に生ずることなく、任意な種類の形状となるよう導体を正確に形成することができる。成形型を使用してインダクタ素子を形成し、次にこのインダクタ素子を成形型から取り外すことができる。取り外した後、これら誘導素子は、高Q値磁気共振器を収納するエンクロージャ又はデバイス内に組み込むことができる。形成した素子は、付加的に又は代替的に、それらを形成するのに使用した成形型内に留置することもできる。
成形型は、標準のCNC(コンピュータ数値制御:computer numerical control)による工程計画ツール若しくはフライス加工ツール、又はブロック内に溝を切削若しくは形成する任意な他の既知技術を使用して作製することができる。成形型は、付加的に又は代替的に、機械加工技術、射出成形技術、鋳造技術、注型技術、真空技術、熱成形技術、カット・イン・プレース技術、圧縮成形技術等を用いて形成することができる。
形成した素子は、成形型から取り出すか、又は成形型内に留置することができる。成形型は、内部に誘導素子を配置した状態で変更することができる。成形型は、カバー付け、機械加工、取付け、塗装等をすることができる。成形型及び導体の組合せを他のハウジング、構体又はデバイス内に組み込むことができる。成形型に切削する溝は、任意の寸法にし、また導電性の管材、ワイヤ、ストラッピング、ストリップ、ブロック等を所望のインダクタ形状及びサイズに形成するよう設計することができる。
磁気共振器に使用する誘導素子は、1つより多いループを含み、また内方若しくは外方、又は上方若しくは下方、又は幾つかの方向の組合せにして螺旋状にすることができる。概して、磁気共振器は、様々な形状、サイズ及び巻回数にすることができ、また様々な導電材料から構成することができる。
磁気共振器は、自立するものとするか、又はエンクロージャ、容器、スリーブ若しくはハウジング内に包囲することができる。磁気共振器は、誘導素子を形成するのに使用する型枠を有することができる。これら種々の型枠及びエンクロージャは、ほぼあらゆる種類の材料から構成することができる。低損失材料、例えば、テフロン(登録商標)、REXOLITE(登録商標)、スチレン等が幾つかの用途で好ましい。これらエンクロージャは、誘導素子を保持する固定具を収納することができる。
磁気共振器は、銅製ワイヤ又は銅製管材の自己共振コイルから構成することができる。自己共振導電性ワイヤコイルから構成した磁気共振器は、長さl、断面半径aのワイヤであって、半径x、高さh、及び次式で特徴付けされるN巻回数の螺旋状コイルとして巻線にしたワイヤを有する。すなわち、
磁気共振器構体は、xが約30cm、hが約20cm、aが約3mm、Nが約5.25となるよう構成し、また動作中、磁気共振器に結合した電源が、共振器を共振周波数fで駆動し、この場合、fは約10.6MHzとすることができる。xが約30cm、hが約20cm、aが約1cm、Nが約4である場合、共振器は、約13.4MHzの周波数fで駆動することができる。xが約10cm、hが約3cm、aが約2mm、Nが約6である場合、共振器は、約21.4MHzの周波数fで駆動することができる。
高Q値誘導素子は、印刷回路板配線を使用して設計することができる。印刷回路板配線は、機械的に形成した誘導素子に比べて様々な利点を有し、これら利点としては、確立された印刷回路板製造技術を用いて正確な複製及び容易な組み込みを行える点、カスタム設計した導体配線を用いてAC抵抗を低減できる点、及びそれらを大量生産するコストを大幅に削減できる点がある。
高Q値誘導素子は、標準的なPCB技術を、任意なPCB材料、例えば、FR−4(エポキシE−ガラス)、多機能エポキシ、高性能エポキシ、ビスマレイミド・トリアジン/エポキシ、ポリイミド、シアン酸エステル、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン)、FR−2、FR−3、CEM−1、CEM−2、ロジャース、レゾルート等に用いて作製することができる。導体配線は、低損失タンジェントにより印刷回路板材料に形成することができる。
導電配線は、銅、銀、金、アルミニウム、ニッケル等から構成することができ、またペイント、インク、又は他の硬化した材料で構成することができる。回路板は、可撓性のあるものとし、またフレックス回路とすることができる。導電配線は、化学蒸着、エッチング、リソグラフィ、スプレー堆積、切削等で形成することができる。導電配線は、所望パターンを形成するよう塗布することができ、また結晶及び構造成長技術を用いて形成することができる。
導電配線の寸法、並びに導電配線を含む層の数、これら配線及びこれら配線を相互接続するアーキテクチャの位置、サイズ及び形状は、所定システム仕様、例えば、共振器Q値、Q(p)値、共振器サイズ、共振器材料、作製コスト、U、U(p)値等を得る又は最適化するよう設計することができる。
実施例として、3巻回高Q値誘導素子1001Aを、図10(a)に示すように、長方形の銅配線パターンを用いて4層印刷回路板に作製した。銅配線を黒色で示し、PCBを白色で示す。銅配線の幅及び厚さは、この実施例において、それぞれ約1cm(400ミル)及び43μ(1.7ミル)であった。単一層上の導電配線の巻回間におけるエッジ間距離は約0.75cm(300ミル)であり、また回路板の各層厚さは約100μm(4ミル)であった。図10(a)に示すパターンは回路板における各層で繰返し、また導体は並列に接続した。3ループ構体の外側寸法は約30cm×20cmであった。このPCBループにおける測定したインダクタンスは5.3μHであった。このインダクタ素子及び同調可能なキャパシタを用いる磁気共振器は、6.78MHzの設計共振周波数で550の品質係数Qを有した。共振周波数は、磁気共振器におけるインダクタンス値及びキャパシタンス値を変化させることにより、同調させることができた。
他の実施例として、2巻回インダクタ1001Bを4層印刷回路板上に長方形銅配線パターンを使用して図10(b)に示すように作製した。銅配線は黒色で示し、PCBは白色で示した。この実施例における銅配線の幅及び高さは、それぞれ約0.75cm(300ミル)及び43μm(1.7ミル)とした。単一層上の導電配線の巻回間におけるエッジ間距離は約0.635cm(250ミル)であり、各回路板層厚は約100μm(4ミル)とした。図10(b)に示すパターンは、回路板の各層で繰り返し、また導体は並列接続した。2ループ構体の外形寸法は7.62cm×26.7cmとした。このPCBループの測定したインダクタンスは1.3μHであった。2個の回路板相互を垂直方向に約0.635cm(250ミル)離して積層し、また2個の回路板を直列に接続して、約3.4μHのインダクタンスを有するPCBインダクタを作成した。この積層インダクタループ及び同調可能なキャパシタを使用する磁気共振器の品質係数Qは、6.78MHzの設計共振周波数で390であった。共振周波数は、磁気共振器におけるインダクタンス及びキャパシタンスを変化させることによって同調させることができた。
誘導素子は、任意なサイズ、形状、厚さ等の、また広範囲の透磁性及び損失値の材料による磁性材料を使用して形成することができる。これら磁性材料は、中実ブロックとすることができ、中空容積部を包囲することができ、タイル貼り及び/又は積層した磁性材料の多くの小ピースから形成することができ、また、高導電性材料から形成した導電シート又はエンクロージャに一体化することができる。ワイヤは磁性材料の周りに巻き付けて、近接磁場を生ずることができる。これらワイヤは構体の1つの軸線方向又は1つより多い軸線方向に巻き付けることができる。複数ワイヤを磁性材料の周りに巻き付け、並列若しくは直列にして、又はスイッチを介して組み合わせて、カスタマイズした近接場パターンを形成することができる。
磁気共振器は、3F3フェライト材による19.2cm×5mmのタイル貼りブロックの周りに巻き付けたリッツワイヤの15巻回を有することができる。リッツワイヤは、任意の方向又は組合せた方向にフェライト材の周りに巻き付けて、所望の共振器性能を得ることができる。ワイヤの巻回数、巻回間の間隔、ワイヤのタイプ、磁性材料のサイズ及び形状、並びに磁性材料のタイプは、すべて設計パラメータであり、異なる用途シナリオ用に変動又は最適化することができる。
磁性材料構体を使用する高Q値磁気共振器
組み合せた磁性材料を使用して、磁気共振器の構体を実現するため、構体全体のサイズに対して空隙を有した開放磁気回路を形成することができる。これら構体において、高導電率材料を磁性材料から形成した構体の周りに巻き付けて、磁気共振器の誘導素子を形成する。容量素子を高導電率材料に接続し、共振周波数が上述のように決定されることとなる。これら磁気共振器は、容量負荷インダクタループ共振器の場合、2次元共振器構体の平面に直交する方向ではなく、この平面上に双極子モーメントを有することとなる。
単一の平面状共振器構体の線図を図11(a)に示す。平面状共振器構体は、コア1121の周りに巻き付けた導電材料1122のループを有する、フェライトのような磁性材料のコア1121により構成する。この構体は、電力を伝送するソース共振器及びエネルギーを捕捉するデバイス共振器として使用することができる。ソースとして使用するとき、導体の端部を電源に結合することができる。導体ループを流れる交流電流は交流磁場を励起する。電力を受け取るのに構体を使用しようとするとき、導体の端部は電力ドレイン又は負荷に結合することができる。変化する磁場は、コアの磁性材料周りに巻き付けた導体のループに起電力を誘導する。これらタイプの構体における双極子モーメントは構体の平面上に存在し、また、例えば、図11(a)に示す構体に対してY軸に沿って指向する。2個のこのような構体は、ほぼ同一平面(すなわち、図11のXY平面)上に配置するとき強結合を有する。図11(a)の構体は、共振器がY軸に沿う同一平面に整列するとき最も好ましい指向性を有する。
上述の平面状共振器のジオメトリ(幾何学的形状)及び結合指向性は幾つかの用途で好ましい。平坦共振器形状の平面は、比較的平坦で平面状の多くの電子デバイスに組み込み易い。平面状共振器は、デバイスのジオメトリを変化させる必要なく、デバイスの背もたれ全体又は側面全体に組み込むことができる。多くのデバイスが平坦形状であることに起因して、デバイスを平面上に配置する自然な位置は、最も大きい寸法部分を、デバイスを配置する表面に平行にする。平坦デバイスに組み込んだ平面状共振器は、自ずと表面の平面に対して平行になり、また平坦な表面に配置した他のデバイス又は平面状共振器ソースの共振器に対して好ましい結合指向性を有する。
上述したように、平面状共振器のジオメトリはデバイスへの組み込みを容易にすることができる。それらの低丈輪郭により、デバイスの全体側面に、又はその一部に共振器を組み込むことができるようになる。デバイスの側面全体を共振器によってカバーするとき、デバイス又はデバイス回路の一部となり得る損失性材料によって阻害されることなく、磁束は共振器のコアを貫通することができる。
平面状共振器構体のコアは、様々な形状及び厚さにすることができ、また、構体の最小寸法が最大寸法の30%を超えない平坦な又は平面状のものにすることができる。コアは、複雑なジオメトリとすることができ、また刻み目、ノッチ、***等を有することができる。ジオメトリによるエンハンスメントを使用し、デバイス、パッケージング、パッケージ、エンクロージャ、カバー、スキン等への組み込みを容易にすることができる。コアのジオメトリに関する2つの例示的バリエーションを図11(b)に示す。例えば、平面状コア1131は、端部が構体の中間部分よりも相当幅広にし、導体巻線のための凹みを生ずる形状にする。コア材料は、端部がより厚くなるよう厚さを変化させ、また中間部分よりも端部を幅広にする。コア材料1132は、種々の深さ、幅及び形状の任意な数のノッチ又は切欠き1133を有し、導体ループ、ハウジング、パッケージング等に適合できるようにする。
コアの形状及び寸法は、さらに、コアを組み込むデバイスの寸法及び特徴によっても影響を受けることがあり得る。コア材料は、デバイスの外形に追随するよう湾曲することができる、又はデバイスの一部のためにクリアランスをとる非対称のノッチ又は切欠きを必要とすることができる。コア構体は、磁性材料のモノリシックなピースとするか、又はより大きな構体を形成するよう互いにに配列した複数個のタイル、ブロック又はピースから構成することができる。構体の異なる層、タイル、ブロック、又はピースは、同類とするか、又は異なる材料とすることができる。構体における異なる場所に異なる透磁性を有する材料を使用するのが望ましい場合があり得る。異なる透磁性を有するコア構体は、磁束を案内する、結合を改善する、及びシステムのアクティブ領域の形状又は範囲に影響を与えるのに有用である。
平面状共振器構体の導体は、少なくとも1回コアの周りに巻き付けることができる。若干の状況において、少なくとも3回のループとして巻き付けるのが好ましい場合がある。導体は、導電性のワイヤ、リッツワイヤ、導電性の管材、シート、ストリップ、ジェル、インク、配線等を含む任意な良導体をすることができる。
ソースのアクティブ領域におけるサイズ、形状又は寸法は、さらに、磁場をブロック、シールド(遮蔽)、又は案内する材料を使用して、向上、変化又は変更させることができる。ソース周りに非対称アクティブ領域を生ずるため、ソースの一側面を磁気シールドによりカバーし、特定方向における磁場強度を減少することができる。シールドは、導体、又は導体及び磁性材料による層状の組合せとすることができ、これを用いて特定方向から離れるよう磁場を案内することができる。導体及び磁性材料の層からなる構体を使用して、ソースのシールドに起因して生ずるエネルギー損失を低減することができる。
複数個の平面状共振器を1つの平面状共振器構体となるよう集積する又は組み合わせることができる。1つ又は複数の導体をコア構体の周りに巻き付け、この巻き付けは、2つの導体により形成されるループが同軸状にならないように行うことができる。このような構体の実施例を図12に示し、この場合、2つの導体1201,1202は、平面状長方形コア1203の周りに互いに直交する角度をなすよう巻き付ける。このコアは、長方形の形状にするか、又は数個の延長部又は突出部を有する種々のジオメトリにすることができる。突出部は、導体を巻き付ける、コアの重量、サイズ、質量を減少するのに有用であり、又は共振器の指向性若しくは無指向性を高めるのに有用である。4個の突出部を有する多重巻き付け平面状共振器を図13の内側構体1310で示し、この場合、4つの導体1301,1302,1303,1304をコアの周りに巻き付ける。コアは、1個又は複数個の導体ループを設けた延長部1305,1306,1307,1308を有することができる。単独の導体をコアの周りに巻き付けて同軸状でないループを形成する。図13における4つの導体ループは、例えば、導体の1つの連続ピースを形成することができ、又は2つの導体を使用することができ、この場合単一導体を使用してすべて同軸状ループを形成することができる。
複数の導体ループを有する共振器周りの不均一又は非対称磁場輪郭(プロファイル)は、非同一パラメータを有する幾つかの導体ループを駆動することによって生ずることができる。複数の導体ループを有するソース共振器における幾つかの導体ループは、異なる周波数、電圧、電力レベル、デューティサイクル、等を有する電源によって駆動することができ、これらすべてのパラメータは、各導体が発生する磁場の強度に影響を及ぼすよう使用することができる。
平面状共振器構体は、容量負荷インダクタ共振器コイルと組み合わせて、平坦共振器構造を維持しつつ、ソースの上方及び下方を含めてソース全周囲にわたり無指向性のアクティブ領域を生ずることができる。図13に示すように、1つ又は複数の導体ループよりなる付加的共振器ループコイル1309を平面状共振器構体1310と共通の平面上に配置することができる。外側共振器コイルは、ソースのほぼ上方及び下方にアクティブ領域を生ずる。共振器コイルは、任意な数の平面状共振器構体及び本明細書に記載の構成とともに配列することができる。
平面状共振器構体は、透磁性パッケージング内に包囲する、又は他のデバイス内に組み入れることができる。単独の共通平面内に位置する共振器の平面状プロファイルにより、平坦なデバイス内に詰め込んで統合することができる。共振器の用途を示す線図を図14に示す。それぞれ1個又は複数個の導体ループを有する1つ又は複数の平面状共振器1414を備える平坦ソース1411は、他の平面状共振器1415,1416を組み込み、またソースのアクティブ領域1417内に配置したデバイス1412,1413に電力を伝送することができる。デバイスは、ソースに対するデバイスの向きとは関係なくソースのアクティブ領域が変化しないよう、複数個の平面状共振器を有することができる。回転方向の誤整列に対する不変性の他に、平面状共振器を有する平坦デバイスは、アクティブ領域にほとんど影響を及ぼすことなく、逆さまにしても同調することができ、なぜなら平面状共振器は依然としてソース平面上に位置するからである。
平面状共振器構体を使用する電力伝送システムの可能な使用の他の線図を図15に示す。表面1525の頂面に配置した平面状ソース1521は、「付勢される表面」領域を生ずる実質的表面積をカバーするアクティブ領域を形成する。コンピュータ1524、携帯電話1522、ゲーム機、及び他の電子機器1523のような、それぞれに対応する平面状デバイス共振器に結合するデバイスは、表面の頂面におけるいかなる場所であっても、ソースのアクティブ領域内に配置するときソースからエネルギーを受け取ることができる。異なる寸法を有する幾つかのデバイスはアクティブ領域に配置することができ、また正常に使用することができるとともに、厳密な配置制約又は整列制約がなく、ソースから充電される又は給電される。ソースは、テーブル、カウンタートップ、デスク、キャビネット等の表面の下方に配置して完全に隠すことができるとともに、テーブル、カウンタートップ、デスク、キャビネット等の頂面を付勢して、ソースよりも相当大きい表面におけるアクティブ領域を生ずることができる。
ソースは、充電しているデバイスの方向、又はどのデバイスを充電しているか、又は充電にエラー若しくは問題があるか、電力レベル、充電時間等を示す、ディスプレイ、又は他の視覚的、聴覚的、若しくは振動的インジケータを有することができる。
ソース共振器及び回路は、任意な数の他のデバイス内に組み込むことができる。ソースは、例えば、時計、キーボード、モニタ、ピクチャーフレーム等のデバイス内に組み込むことができる。例えば、平面状共振器及び適正な給電及び制御回路を組み込んだキーボードを、キーボード周りに配置したデバイス、例えば、コンピュータマウス、ウェブカメラ、携帯電話ハンドセット等のデバイスのためのソースとして、何らデスク空間を余分にとることなく使用することができる。
平面状共振器構体は携帯デバイスの文脈で説明するが、当業者には、物理的寸法を越えて延在するアクティブ領域を有するワイヤレス電力伝送のための平坦な平面状ソースには、多くの他の民生及び産業用の用途があること明らかであろう。この構体及び形態は、一般的に電子的又は電気的なデバイス及び電源がほぼ同一平面上に整列した状態で配置、位置決め又は操作される多くの用途に対して有用であり得る。可能な用途シナリオの幾つかとしては、壁、フロア、天井、又は任意な他のほぼ平面状表面上におけるデバイスがある。
平坦ソース共振器は、ピクチャーフレーム内に組み込むか、又は壁に掛けすることができ、これにより、他の電子デバイス、例えば、ピクチャーフレーム、テレビジョン、照明等を取り付けることができる壁平面内にアクティブ領域を生じて、ワイヤレスで給電することができる。平面状共振器はフロアに組み込みことができ、この結果、電力を受け取るようデバイスを配置できるフロア上に付勢されるフロア又はアクティブ領域が得られる。オーディオスピーカ、ランプ、ヒータ等をアクティブ領域内に配置して、電力をワイヤレスで受け取ることができる。
平面状共振器は、導体に結合される付加的コンポーネントを有することができる。例えば、キャパシタ、インダクタ、抵抗、ダイオード等のようなコンポーネントは、導体に結合し、また共振周波数及び共振器のためのインピーダンス整合を調整又は同調するのに使用することができる。
上述のタイプの、また図11(a)に示す平面状共振器構体は、例えば、100又はそれより高い品質係数、また1,000又はそれより高いQ値さえも生ずることができる。エネルギーは、1個の平面状共振器構体から他の平面状共振器構体に、図11(c)に示すような共振器の特性サイズよりも大きな距離にわたりワイヤレスで伝送することができる。
磁気共振器における誘導素子に類似の特性を有する構体を実現するのに磁性材料を利用することの他に、良導体材料及び磁性材料の組合せを使用して、このような誘導構体を実現することができる。図16(a)は、少なくとも1層の磁性材料によって包囲され、かつ磁性材料のブロック1604によってリンクされる、高導電率材料で形成した1個又は複数個のエンクロージャ(このエンクロージャ内側は外部に発生するAC電磁場からシールドされる)を有する磁気共振器構体1602を示す。
構体は、片側を磁性材料の層によってカバーされる高導電率シート材料を有することができる。層状構体は、電子デバイスに対して共形的に塗布することができ、これによりデバイスの一部は、高導電率材料及び磁性材料の層によってカバーすることができるとともに、容易にアクセスすることが必要な他の部分はカバーされない状態にすることができる。構体は、付加的に又は代替的に磁性材料の層又はバルクピースのみを有することができる。このようにして、磁気共振器は、既存の機能に大きく干渉することなく、また広範囲に及ぶ設計のし直しをする必要がほとんど又は全くなく、既存デバイス内に組み入れることができる。さらに、良導体材料及び/又は磁性材料の層は、十分薄く形成することができ、これにより、デバイス全体の重量及び体積を余分に付加することがほとんどない。図16に構体中心における正方形ループで示すような、構体周りに巻き付けた導体に印加する振動電流を使用して、この構体に関連する電磁場を励起する。
構体の品質係数
上述のタイプの構体は、又はそれより高い品質係数Qを生ずることができる。この高Q値は、磁性材料の損失が高い場合であっても、磁性材料内に含まれる磁気エネルギーの割合が物体に関連する総磁気エネルギーに比較して小さい場合に可能である。導電性材料及び磁性材料の層からなる構体に対して、導電性材料における損失は、上述の磁性材料の存在によって減少することができる。磁性材料層の厚さがシステムの最大寸法の1/100のオーダー(例えば、磁性材料が1mmのオーダーであるとともに、構体の面積が10cm×10cm)であり、また相対透磁率が1,000のオーダーである構体において、磁性材料内に含まれる磁気エネルギーの割合を、物体又は共振器に関連する総磁気エネルギーの百分の二、三のみにすることができる。それがどのくらいになるかを見るため、容積に含まれる磁気エネルギーの表現が次式となる、すなわち、
となり、(Hよりもむしろ)Bが、磁性材料−空気界面(一般的に開放磁気回路における場合)にまたがって保存される主な場である限り、高μr領域内に含まれる磁気エネルギーの割合は、空気に含まれる磁気エネルギーと比較して相当減少することができる。
磁性材料内の磁気エネルギーの割合をfracで示す場合、材料の損失タンジェントはtanδであり、磁性材料が損失の唯一のソースであると仮定すると、共振器のQ値はQ=1/(fracxtanδ)である。したがって、0.1のように高い損失タンジェントであっても、このタイプの共振器構体に対して1,000のオーダーのQ値を得ることができる。
構体をその周りに巻き付けたN巻回ワイヤで駆動する場合、励起インダクタループにおける損失は、Nが十分大きい場合無視することができる。図17は、これら構体の等価回路1700、導電性材料及び磁性材料で形成した構体の周りに巻き付けたN巻回数による損失メカニズム及びインダクタンスのスケーリングを示す。近接効果が無視できる(例えば、適正な巻線、又は近接効果を最小化するよう設計したワイヤ、例えば、リッツワイヤ等を使用することによって)場合には、ループにした導体のワイヤに起因する抵抗がループの長さとともに増大し、このループ長さは、巻回数に比例する。他方で、これら特別な構体における等価抵抗1708及び等価インダクタンス1704の双方は、構体内の磁場の2乗に比例する。この磁場はNに比例するので、等価抵抗1708及び等価インダクタンス1704の双方は、N2に比例する。したがって、ワイヤの抵抗1702は、磁気気体の等価抵抗1708よりも相当小さく、また共振器のQ値は、
Qmax=ωLμ/Rμに漸近する。
図16(a)は、構体1604の中心における狭小セグメント周りの正方形電流ループによって駆動される銅及び磁性材料構体1602、及びこの構体1608によって発生する磁場の磁力線の線図を示す。この例示的構体は、銅で包囲され、次にμ′r=1,400、μ″r=5、及びσ=0.5S/mの特性を有する磁性材料の2mm層で完全にカバーした2個の20cm×8cm×2cmの中空領域を有する。これら2個の平行6面体は、互いに4cm離れ、また同一磁性材料の2cm×4cm×2cmのブロックによって連結する。励起ループは、このブロックの中心の周りに巻き付ける。300kHzの周波数で、この構体は890の計算したQ値を有する。導体及び磁性材料による構体は、所定システムパラメータを最適化するよう形成することができる。例えば、励起ループによって包囲される構体サイズは、小さくして励起ループの抵抗を減少することができる、又は大きくして大きな磁場に関連する磁性材料における損失を軽減することができる。磁性材料のみから構成した同一構体に関連する磁力線及びQ値は、本明細書に示した導体及び磁性材料の層に類似する。
他の物体と相互作用する電磁共振器
電磁共振器に関して、固有Q値に摂動を与える外因的損失メカニズムは、近接外部物体における材料内への吸収損失、及び近接外部物体からの共鳴場の散乱に関連する放射損失を含む。吸収損失は、関心のある周波数レンジにわたり、非ゼロ有限導電率σ(又は等価の非ゼロ有限誘電体誘電率の虚数部)を有する材料に関連し、電磁場は材料を貫通して電流を誘導することができ、この後抵抗損失によりエネルギーを消失する。物体は、少なくとも部分的に損失性材料を含む場合、損失が多いと記述することができる。
導電率σ及び透磁率μの均質等方性材料を有する物体を考慮する。物体内部の電磁場貫入深さは、次式のスキン深さδ、すなわち、
で与えられる。物体内部で消失する電力Pdは、次式、すなわち、
で決定することができ、ここでオームの法則J=σEを使用し、ただしEは電場及びJは電流密度である。
関心対象周波数レンジにわたり、物体を構成する材料の導電率σが、材料のスキン深さδは深いと考慮される程度に十分低い場合、Hが磁場であるとして、電磁場E及びHは物体内に大きく貫入することができる。このとき、これら有限値の電磁場は、次式、すなわち、
って増大する消失電力を生じ得るもので、ここで、Volは損失性物体の体積であり、<|E|2>は考慮する体積の2乗した電場の空間的破棄である。したがって、低導電率限界において、消失される電力は、導電率に比例して増大し、また非導電性(純粋に誘電体の)材料の限界においてゼロになる。
関心対象周波数レンジにわたり、物体を構成する材料の導電率σが、材料のスキン深さは浅いと考慮される程度に十分高い場合、電磁場E及びHは物体内に短い距離しか貫入しないようになり得る(すなわち、δが損失性物体の一部の特性厚さよりも小さい場合、材料の「スキン」に近接して留まる)。この場合、材料内に含まれる電流は、材料表面に極めて近接してほぼスキン深さ内に集中し、またその大きさは、表面電流密度(主に入射する電磁場の形状によって決定され、また導体の厚さが周波数及び導電率に無関係にスキン深さよりも相当大きい限りにおける)K(x,y)(ここで、x及びyは表面をパラメータ化する座標)と、表面内にexp(-z/δ)δ(ここでzはその表面に局所的に直交する座標を示す)の指数関数的に減衰する次式の関数との積に近似するものとなり得る。すなわち、J(x, y, z)=K(x,y)exp(-z/δ)δである。このとき、消失される電力Pdは、次式によって推定される。すなわち、
したがって、高導電率限界において、消失される電力は導電率の平方根に反比例し、また完全に導電性の材料の限界においてゼロになる。
関心対象周波数レンジにわたり、物体を構成する材料の導電率σが有限である場合、材料のスキン深さδは物体内に幾分かの距離に貫入し、また電力の幾分かの量は、物体のサイズ及び電磁場の強度にも基づいて、物体内で消失し得る。この記載は、異なる特性及び導電率を有する複数の異なる材料を含む物体、例えば物体内の導電率が任意な不均質異方性の分布を示す物体の全般的なケースも記述するよう一般化することができる。
上述した損失メカニズムの大きさは、共振器場に対する外部物体の位置及び向き、並びに外部物体の材料組成に依存し得る。例えば、高導電率材料は共振器の共振周波数をシフトし、また他の共振物体から共振周波数を脱調させるおそれがある。この周波数シフトは、周波数を補正するフィードバックメカニズムを共振器に適用することにより、例えば、共振器のインダクタンス及び/又はキャパシタンスを変化させることにより回復することができる。これら変化は、可変キャパシタ及び可変インダクタを用いることによって、また場合によっては、共振器におけるコンポーネントのジオメトリを変化させることによって、実現することができる。以下に説明する他の新規な同調メカニズムを用いて共振周波数を変化させることもできる。
外部損失が高い場合、被摂動Q値は低くなり、このような外部の物体及び材料内の共振エネルギーの吸収を制限する措置をとることができる。電場及び磁場の強度に対して消失電力の機能的依存性があるため、望ましい結合が、ソース共振器では一過性の共振場テール部をより短くし、及びデバイス共振器ではより長くすることによって得られるようシステムを設計することによってシステム性能を最適化し、これにより、他の物体が存在する場合のソースの被摂動Q値を最適化する(デバイスの被摂動Q値の最適化が必要な場合には、その逆にする)。
人間、動物、植物、建材等のような多くの一般的な外部材料及び物体は低導電率を有し、したがって、本明細書に記載のワイヤレスエネルギー伝送手法にはほとんど影響を及ぼさないことに留意されたい。磁気共振器設計に関連する重要事項は、その電場を主に共振器構体内に閉じ込め、したがって、ミッドレンジ距離でのワイヤレス電力交換を行いつつ、人体の安全にとって一般に容認されるガイドライン内で動作できるようにすることである。
減少した相互作用を有する電磁共振器
近接場ワイヤレス電力伝送をするための関心対象である1つの周波数レンジは、10kHz〜100MHzの範囲である。この周波数レンジにおいて、多様な通常の非金属材料、例えば幾つかのタイプの木材及びプラスチックは、比較的低い導電率を有し、したがって、それら材料内では僅かな量の電力しか消失しない。さらに、損失タンジェントtanΔが低い材料(ここで、tanΔ=ε″/ε′であり、ε″及びε′は、それぞれ透過率の虚数部及び実数部)も、材料内で僅かな量の電力しか消失しない。銅、銀、金等の金属材料は比較的導電率が高く、それら材料内で消失する電力はほとんどなく、これは、電磁場は、上述したように、これら材料をほとんど貫通できないからである。導電率が極めて高い及び極めて低い材料、並びに損失タンジェントが低い材料及び物体は、磁気共振器の損失に及ぼす影響は無視することができる。
しかし、関心対象周波数レンジにおいて、適度な(概して不均質及び異方的な)導電率及び/又は適度に高い損失タンジェントを有して、消失する損失が比較的高い材料及び物体、例えば、幾つかの電子回路及び幾つかの低導電率金属が存在する。これら材料及び物体は、些細ではない量のエネルギーを消失してQ(p)値を低下するもので、また「損失性物体」と称することができる。
損失性材料が共振器のQ(p)値に対して及ぼす影響を減少する1つの方法は、高導電率材料を使用して、損失性物体を回避するよう共振器の場を整形することである。高導電率材料を使用して、近傍の損失性物体を回避するよう電磁場を仕立てるプロセスは、場を転向又は再整形する材料として高導電率材料を可視化することによって理解できる。この可視化図は、導体の厚さをスキン深さよりも大きい限り品質的に修正することができ、なぜなら、良導体の表面における電磁場の境界条件が強制的に電場を導体に対してほぼ完全に直交させ、また磁場をほぼ完全に正接させるからである。したがって、直交磁場又は正接電場は、導電性表面から「逸脱転向」する。さらに、正接磁場又は直交電界でさえもが、場及び導電性表面のソースの相対位置に基づいて、強制的に導電性表面の片側及び/又は特別な位置における大きさを減少させられる。
例えば、図18は、周波数f=6.78MHzの外部的及び内部的に均一な磁場内で行った、損失性誘電材料1804の上下における2つの高導電率表面1802に対する有限要素法(FEM:finite element method)シミュレーションを示す。この系は、r=0軸の周りに方位的に対称的である。このシミュレーションにおいて、損失性誘電材料1804は、ほぼz=±0.01mの位置に白線として示される2つの導体1802間に挟まれる。誘電ディスクの上方及び下方に導電性表面がない場合、磁場(描かれた磁力線によって表現される)は、ほぼ均一(磁力線は真直ぐかつz軸に平行)になり、磁場は損失性誘電材料を真直ぐに通過することを示すであろう。この場合、電力は損失性誘電ディスク内で消失されてしまう。しかし、導電性表面が存在する場合、このシミュレーションは磁場が再整形されることを示す。磁場は強制的に導体の表面に正接させられ、したがって、これら導電性表面1802の周りを転向し、導電性表面の背後又は導電性表面間に存在する損失性誘電材料1804内で消失する電力量を最小化する。本明細書で使用する電気的対称軸線とは、本明細書に記載のように一定の又は時間で変化する電場又は磁場が、エネルギー交換中その周りにほぼ対称的である任意の軸線を意味する。
同様の効果は、誘電ディスクの上方又は下方のどちらか一方にのみ1つの導電性表面を使用する場合にも観測される。誘電ディスクが薄い場合、電場が表面でほぼゼロになり、また表面近傍で連続的かつ滑らかに推移するという事象は、表面近傍のいたるところ(すなわち、誘電ディスク内)で電場が極めて低いことを意味する。共振器の場を損失性物体から逸脱転向させる単一表面実装は、損失性材料又は物体の両側をカバーできない用途(例えば、LCD画面)に対して好ましい。僅かなスキン深さのオーダーに対する導電性材料の極めて薄い表面であっても、損失性材料が存在する場合の共振器のQ(p)値を大幅に向上させるのに十分である(純銅の6.78MHzでのスキン深さは〜20μmであり、また250kHzでは〜100μmである。)。
損失性外部材料及び物体は高Q値共振器を組み込む装置の一部であり得る。これら損失性材料及び物体におけるエネルギー消失は、以下のものを含む多数の技術によって減少することができる。すなわち、
・損失性材料及び物体を共振器から離して、又は共振器に対し空間をとる位置及び向きにして位置決めする、
・高導電率材料又は構体を使用して、共振器近傍の損失性材料及び物体を部分的又は全体的にカバーする、
・損失性物体の周りに高導電率材料の閉じた表面(例えば、シート又はメッシュ)を配置して、損失性物体を完全にカバーし、また損失性物体を回避する共振器場を整形する、
・損失性物体の一部のみの周り、例えば、損失性物体又は材料の頂面、底面、側面等に沿って高導電率材料の閉じた表面(例えば、シート又はメッシュ)を配置する、
・損失性物体の、上方又は下方又は片側に高導電率材料の閉じた表面(例えば、シート又はメッシュ)を配置して、損失性物体の位置における場の強度を減少する
ことによって、減少できる。
図19は、磁気共振器102を形成する容量負荷ループインダクタと、ループインダクタの内側に配置した損失性物体1804を完全に包囲する高導電率材料1802のディスク状表面とを示す。幾つかの損失性物体は、外部環境と相互作用、通信、又は接続するのが必要で、したがって、完全に電磁的に絶縁できない電子回路のようなコンポーネントとすることができる点に留意されたい。損失性材料を高導電率材料により部分的にでもカバーすることは、損失性材料又は物体を適正に機能させつつも、依然として外因的損失を減少することができる。
図20は、共振器として使用する容量負荷ループインダクタと、及びインダクタループの内側に配置した損失性物体1804の一部のみを包囲する高導電率材料1802とを示す。
高導電率材料の単一表面を損失性物体又は材料の上方、下方、側面等に配置することによって、外因性損失は減少するが、完全には排除されない。図21に示す実施例では、容量負荷ループインダクタを共振器102として使用し、また高導電率材料1802の表面を、インダクタループの内側で損失性物体1804の下側に配置して、損失性物体の位置における場の強度を減少する。コスト、重量、組立ての複雑さ、空気の流れ、視覚的アクセス性、物理的アクセス性等を考慮して材料又は物体の片側のみカバーするのが好ましい場合がある。
高導電率材料の単一表面を使用して、両側の側面をカバーできない又はカバーすべきではない物体(例えば、LCD又はプラズマディスプレイの画面)を回避する。このような損失性物体は、光学的に透明な導体を使用して回避することができる。透光性導体を配置することの代案として、高導電率の光学的に不透明な材料を損失性物体の一部にのみ代替的に又は付加的に配置することができる。片側カバー実装の多側面カバー実装に対する妥当性及び固有の設計上のトレードオフは、ワイヤレスエネルギー伝送シナリオ、並びに損失性材料及び物体の特性の詳細に依存し得る。
以下に高導電率表面を使用してワイヤレスエネルギー伝送システムに使用する組み込み磁気共振器のQ不感性Θ(p)を向上する実施例を説明する。図22はワイヤレスプロジェクタ2200を示す。ワイヤレスプロジェクタは、図示のように配置した、デバイス共振器102C、プロジェクタ2202、ワイヤレス回路網/ビデオアダプタ2204、及び電力変換回路2208を示す。デバイス共振器102Cは、表面を包囲するよう配置した3巻回導体ループと、キャパシタ回路網2210とを有することができる。導体ループは、デバイス共振器102Cが動作共振周波数で高Q値(例えば、>100)を有するよう設計することができる。完全にプロジェクタ2200に組み込む前に、このデバイス共振器102Cは、6.78MHzの設計共振周波数で約477のQ値を有する。組み込みの際、及びワイヤレス回路網/ビデオアダプタカード2204を共振器のループインダクタの中心に配置する際、共振器のQ(integrated)値は約347に低下した。Q値からQ(integrated)への低下の少なくとも幾分は、予摂動ワイヤレス回路網/ビデオカードにおける損失が関与するものであった。上述したように、磁気共振器102Cに関連する電磁場は、ワイヤレス回路網/ビデオアダプタカード2204内及び上に電流を誘導し、カードを構成する損失性材料における抵抗損失として消失する。共振器のQ(integrated)値は、近傍に配置した物体及び材料の組成、位置、及び向きに基づいて異なった影響を受け得る。
例示的な完全ワイヤレスプロジェクタの実施例において、回路網/ビデオアダプタカードを薄い銅製ポケット(回路網/ビデオアダプタカードの頂部及び底部をカバーするが、通信アンテナはカバーしない銅製の折畳んだシート)でカバーすることにより、磁気共振器のQ(integrated)値を約444のQ(integrated + copper pocket)値に向上した。換言すれば、外部回路網/ビデオアダプタカードによって生ずる摂動に起因するQ(integrated)値の低下の大部分は、銅製ポケットを用いて共振器場を損失性材料から逸脱転向させることによって排除することができた。
他の完全ワイヤレスプロジェクタの実施例において、回路網/ビデオアダプタカードの下側に単一銅製シートを配置してカバーすることで、Q(integrated + copper pocket)値にほぼ等しい、Q(integrated + copper sheet)値を得た。その実施例において、そのシステムの高被摂動Q値は、共振器場を損失性アダプタカードから逸脱転向させるのに使用した単一高導電率シートにより維持できた。
共振器によって発生する場が比較的弱くなる位置に高Q値電磁共振器を含む装置の一部である損失性材料又は物体を位置決め又は方向付けし、これら物体内で電力がほとんど又は全く消失しないよう、またQ不感性Θ(p)を大きくすることは有利である。上述したように、異なる導電率の材料は、電場及び磁場に対して異なる応答性を示す。したがって、外部物体の導電率に従って、位置決め技術は1つ又は他の場に対して特化される。
図23は、円形ループインダクタの直径を含むラインに沿う電場2312及び磁場2314の大きさ、半径30cmのワイヤによる、10MHzで共振する容量負荷円形ループインダクタのためのループインダクタ軸線に沿う電場2318及び磁場2320の大きさを示す。共振近接場の大きさは、ワイヤに近づくにつれて最大となり、ループ2313,2114から離れるにつれて減衰することがわかる。ループインダクタ2318,2320の平面において、場はループの中心で局部的に最小に達する。したがって、装置の有限サイズが与えられると、場は、装置の極値で最弱になり、場の大きさは装置内のいずれの位置でも局部的に最低値となる。この議論は任意な他のタイプの電磁共振器102及び任意なタイプの装置にも当てはまる。このような例を図24a及び24bに示し、ここで容量負荷インダクタループが磁気共振器102を形成し、また外部損失性物体1804は、電磁場が最小の大きさとなる位置に位置決めする。
説明用の実施例において、磁気共振器は、正方形表面(丸み付けコーナーを有する)を包囲するよう配置した3巻回導体ループ及びキャパシタ回路網を使用して形成した。共振器のQ値は、6.78MHzの設計動作共振周波数で約619であった。この共振器の被摂動Q値は、この場合では、ポケットプロジェクタとする与摂動物体の共振器に対する配置に依存する。与摂動プロジェクタをインダクタループ内であって、インダクタワイヤ巻回の中心、又は頂部に配置するときのQ(projector)は、与摂動プロジェクタを共振器の外側に配置する場合の約513であるQ(projector) 値よりも低い約96であった。これら測定は、インダクタループ内側の場が外側におけるよりも大きいことを示し、したがって、このようなインダクタループ内側に配置した損失性物体は、損失性物体をループインダクタ外側に配置するときよりも、システムの被摂動Q値を低下させるという分析を裏付ける。共振器設計、並びに損失性物体の材料組成及び向きに基づいて、図24bに示す構成は、図24aに示す構成よりも高いQ不感性Θ(projector) を生ずることができる。
高Q値共振器は装置内部に組み込むことができる。高い誘電体誘電率、透磁率、又は導電率の外部材料及び物体は、高Q値共振器を内部に組み込むべき装置の一部となり得る。高Q値電磁共振器近傍にあるこれら外部材料及び物体に関して、そのサイズ並びに共振器に対する位置及び向きに基づいて、共振器の場プロファイルは歪み、また共振器における元々の無摂動場プロファイルから大きく逸脱する。このような共振器の無摂動場プロファイルからの歪みは、外部物体及び材料が損失のないものであっても、Q値をより低いQ(p)値に大幅に減少することがあり得る。
高Q値電磁共振器を含む装置の一部である高導電率物体を、これら物体の表面が、無摂動共振器により生ずる電場力線にできるだけ直交し、かつ無摂動共振器によって生ずる磁場力線に平行となる向きに位置決めし、これにより共振器場プロファイルの歪みをできるだけ最小にするのは有利である。磁気共振器ループ平面に直交するよう位置決めする他の一般的な物体としては、画面(LCD、プラズマ画面等)、バッテリ、ケース、コネクタ、放射アンテナ、等々がある。共振器のQ不感性Θ(p)は、物体を共振器場に対して異なる向きに位置決めする場合よりも相当大きい。
高Q値共振器を含む一体化装置の一部ではない損失性外部材料及び物体を、例えば、装置の使用中に共振器近傍に配置する、又は連行することがあり得る。或る特定状況では、高導電率材料を使用して、損失性外部物体が配置又は導入される領域を回避するよう共振器場を仕立てて、これら材料及び物体内での電力消失を減少し、またQ不感性Θ(p)を高めるのが有利となる場合がある。図25には、容量負荷ループインダクタ及びキャパシタを共振器102として使用し、また高導電率材料1802の表面をインダクタループの上方に配置して、共振器の上方領域における場の大きさを減少するようにし、ここに損失性外部物体1804を配置又は導入する実施例を示す。
場を再整形するため共振器近傍に持ち込まれる高導電率表面もQ(cond. surface)<Qとなるようにし得ることに留意されたい。被摂動Qにおける減少は、損失性導体内部でのエネルギー消失、又は導体表面における場境界条件に合致することに関連した無摂動共振器の場プロファイルの歪みに起因し得る。したがって、高導電率表面を使用して、外部損失性物体内での消失に起因する外因性損失を低減するとともに、場合によっては、とくにこのような高導電率表面を用いて、場が損失性物体を回避するよう電磁場を大きく再整形することで低減を得るようにする場合、望ましい結果Q(p + cond. surface)>Q(p) よりも、効果的にQ(p + cond. surface)<Q(p) という結果を得ることができる。
上述したように、損失誘導物体が存在するときの、磁気共振器における被摂動品質係数は、磁気共振器に関連する電磁場を再整形して損失誘導物体を回避する場合に改善することができる。無摂動共振器場を再整形する他の方法は、損失誘導物体を完全に又は部分的に包囲又はカバーする高透磁率材料を使用することであり、これにより磁場と損失誘導物体との相互作用を減少する。
磁場シールドは、例えば、Electrodynamics,3rd Ed., Jackson, pp. 201-203に既に記載されている。その文献には、透磁性材料の球形シェルは外部磁場からその内部をシールドすることが示されている。例えば、内側半径a、外側半径b、相対的透磁率μrのシェルを初期的に均一な磁場H0内に配置する場合、シェルの内側の場は次式の一定の大きさ、すなわち、
の大きさを有し、これは、μr>>1の場合、次式、すなわち、
となる傾向がある。この結果は、たとえシェルが極めて薄くても、透磁率が十分高いと仮定すると、入射磁場(必ずしもではないが、入射電場)がシェル内で大きく減衰することを示す。或る特定状況では、損失性材料及び物体を部分的又は全体的にカバーする高透磁率材料を使用して、共振器の磁場によって回避し、これら材料及び物体内での電力がほとんど又は全く消失しないようにすることは有利となり得る。このような手法において、Q不感性Θ(p)は、材料及び物体をカバーしない場合よりも大きくなり、1よりも大きくなることも可能である。
電場及び磁場の双方を損失誘導物体から離すように維持することは望ましい。上述したように、このように場を整形する1つの方法としては、損失誘導物体を完全に又は部分的に包囲又はカバーする高導電率表面を使用することがある。磁性材料とも称される透磁性材料(些細ではない透磁率を有する任意な材料又はメタ材料)の層を、高導電率平面上又はその周りに配置することができる。磁性材料の付加層は、転向した磁場のための追従すべき(自由空間に比べると)より低いリラクタンス経路を提供し、その下側の電気導体を入射磁束から部分的にシールドすることができる。この構成は、高導電率表面内に誘導される電流に起因する損失を減少することができる。幾つかの状況の下では、磁性材料によって提供されるより低いリラクタンス経路は、構体の被摂動Q値を改善することができる。
図26aは、z軸に沿って外部から印加される初期的には均一な磁場(灰色磁束ラインで示す)に晒される薄い導電性(銅製)ディスク2604(直径20cm、高さ2cm)の軸対称FEMシミュレーションを示す。対称軸はr=0である。図示の磁力線は、z=−∞を起源とし、r=3cmからr=10cmの範囲にわたり1cm間隔で順次離れる。軸の目盛りはメートルである。例えば、この導電性の円筒体は、図19に示すようなワイヤレスエネルギー伝送システムで磁気共振器によって囲まれる領域内の損失誘導物体を包囲すると仮想する。
この高導電率エンクロージャは、損失性物体の与摂動Q値を増大し、ひいてはシステムの総被摂動Q値を増大できるが、導電性表面に誘導される損失及び電磁場プロファイルの変化があるために、無摂動Q値よりも依然として少ない。高導電率エンクロージャに関連する被摂動Q値の減少は、高導電率エンクロージャの外面又は表面に沿って磁性材料の層を設けることによって少なくとも部分的に回復することができる。図26bは、図26aからの薄い導電性(銅製)ディスク2604A(直径20cm、高さ2cm)の軸対称FEMシミュレーションを示すが、高導電率エンクロージャの外面又は表面上に直接的に磁性材料の層を付加してある。磁性材料の存在が磁場のためのより低いリラクタンス経路を提供し、これにより下層の導体を少なくとも部分的にシールドし、また導体に誘導される渦電流に起因する損失を減少し得ることに留意されたい。
図27は、図26に示すシステムに基づく変更例(軸対称図)を示し、すべてではないものの損失性材料2708を高導電率表面2706によってカバーする。特定状況によっては、コスト、重量、組立ての複雑さ、空気の流れ、視覚的アクセス性、物理的アクセス性等に起因して、材料又は物体の片面のみをカバーするのが有用とり得る。図27に示す例示的構成において、損失性材料2708の片面のみをカバーし、共振器インダクタループを高導電率表面の反対側に配置する。
数学的モデルを使用して、銅で形成し、また誘導素子を単一巻回のループとし、ループ半径r=11センチ及びワイヤ半径a=1mmとする磁気共振器によって囲まれる領域内に配置した20cm直径、2cm高さの円筒形ディスクのように形成した高導電率エンクロージャをシミュレートした。印加した6.78MHz電磁場に対するシミュレーションは、この高導電率エンクロージャの与摂動品質係数δQ(enclosure)は1,870であることを示唆する。高導電率エンクロージャを、実数部相対透磁率μ′r=40、虚数部相対透磁率μ″r=10−2の磁性材料による厚さ0.25cmの層を設ける変更を行ったとき、シミュレーションは与摂動品質係数をδQ(enclosure + magnetic material)=5,060に増大することを示唆する。
磁性材料2702の薄い層を付加することに起因する性能改善は、高導電率エンクロージャが共振器ループインダクタ2704によって囲まれる領域のより大きな部分を埋める場合、より一層飛躍的になり得る。上述の実施例において、高導電率エンクロージャの表面から3mmだけ離れるようインダクタループ2704の半径を減少する場合、与摂動品質係数は、670(導電性エンクロージャのみ)から、エンクロージャの外面に磁性材料2702の薄い層を付加することによって、2,730(磁性材料の薄い層を有する導電性エンクロージャ)に向上する。
共振器構体は、例えば、シールドを使用して高度に規制した電場又は分散型キャパシタを有するよう設計することができ、これにより、共振器が一般的に損失を誘発する材料に極めて近接するときであっても、高くすることができる。
結合電磁共振器
2個の共振器間のエネルギー伝送効率は、次式の強結合フィギュア・オブ・メリット(性能指数)Uによって決定することができる。すなわち、
磁気共振器の実施形態において、2個の共振器間の結合係数は、各共振器の誘導素子のインダクタンスL1及びL2、並びに両者間に次式で決まる相互インダクタンスMに関連する。すなわち、
である。この式は、電気双極子結合を介する無視可能な結合が存在することを前提とすることに留意されたい。インダクタループが互いに距離D離れるN巻回を有し、図1(b)に示すように指向する円形導電ループによって形成される容量負荷インダクタループ共振器に対しては、相互インダクタンスは次式のようになる。すなわち、
ここで、x1、N1及びx2、N2は、それぞれ第1共振器及び第2共振器の導体ループにおける特性サイズ及び巻回数である。このことは、準静的な結果であり、したがって、共振器サイズは波長よりも相当小さく、共振器距離は波長よりも相当小さいが、それらの距離はサイズの少なくとも2,3倍であると想定していることに留意されたい。これら円形共振器に関しては、準静的限界内で、また上述したような、次式で示すミッドレンジ距離で動作する。すなわち、
ミッドレンジ距離における共振器間の強結合(大きなU)は、共振器の品質係数がミッドレンジ距離での小さいkに対して補償できるのに十分大きいものであるときに確立することができる。
電磁共振器に対しては、2個の共振器が導電性部分を有する場合、結合メカニズムは、一方の共振器に、他方の共振器から発生した電場及び磁場に起因して電流が誘導されるというものである。結合係数は、一方の共振器における高Q値誘導素子が他方の第2共振器における高Q値誘導素子の閉じた領域に交差することによって生ずる磁場磁束に比例する。
減少した相互作用を有する結合電磁共振器
上述したように、高導電率材料表面を使用して、共振器近傍の損失性物体pを回避するよう共振器場を整形し、これにより、総外因的損失を減少し、また共振器の高Q不感性Θ(p + cond. surface)を維持することができる。しかし、このような表面は、被摂動結合係数k(p)よりも小さく、かつ高導電率材料の共振器に対するサイズ、位置、及び向きに依存する、共振器間の被結合係数k(p + cond. surface) となり得る。例えば、高導電率材料を、ワイヤレスエネルギー伝送システムにおける少なくとも1個の磁気共振器の誘導素子の平面上でこの誘導素子によって囲まれる領域内に配置する場合、共振器の領域を通過して結合を仲介する磁束のうち幾つかの磁束はブロックされ、またkが減少する。
図19の実施例を再び考察する。高導電率ディスクエンクロージャが存在しない場合、所定量の外部磁束はループの包囲された領域に交差し得る。高導電率ディスクエンクロージャが存在する場合、この磁束の幾分かは転向又はブロックされ、またループの領域に交差しなくなり、これにより、より小さい被摂動結合係数k12(p + cond. surface) となり得る。しかし、転向した磁力線は高導電率表面のエッジに接近するよう追従するので、ディスクを囲むループを通過する磁束の減少は、ディスク表面の領域のループ領域に対する比よりも小さくなり得る。
高導電率材料構体は、単独で、又は被摂動品質係数、被摂動結合係数、又は被摂動効率を最適化する磁性材料と組合せて使用することができる。
図21の実施例を考察する。損失性物体が容量負荷インダクタループ共振器のサイズに等しいサイズを有し、したがって、領域A2102を埋めるものと仮定する。高導電率表面1802を損失性物体1804の下側に配置する。2個の結合した共振器1及び2のシステム内の共振器1を仮定し、導電性表面の面積As2104が増加するとき、U12(object + cond. surface)がU12に比べてどのくらい増加するかを考察する。損失性物体1804の下側に導電性表面1802が存在しない場合、k不感性β12(object)は約1であるが、Q不感性Θ1(object)は小さく、したがって、U不感性Ξ12(object)は小さくなり得る。
損失性物体の下側の高導電率表面がインダクタループ共振器の全体領域(As=A)をカバーするとき、磁束はほとんどインダクタループに交差できないので、k12(object + cond. surface) はゼロに近づき、したがってU12(object + cond. surface) はゼロに近づく。高導電率表面の中間サイズに関しては、外因的損失及び関連するQ不感性Θ1(object + cond. surface) の抑制は、Θ1(object) に比べると十分大きいとともに、結合における減少は大きくなく、また関連するk不感性β12(object + cond. surface) はβ12(object)よりもそれほど小さくなく、したがって、総U12(object + cond. surface) はU12(object) に比べて増大することができる。ワイヤレスエネルギー伝送システムにおける高導電率表面による外部損失性物体回避の最適な度合いは、システム構成及び用途の詳細に依存する。
システムの高被摂動Q値を得る1つの可能性な方法として、損失誘導物体を完全に又は部分的に包囲又はカバーする高導電率材料を使用することを本明細書に記載する。しかし、良導体を単独で使用して物体をカバーすることは、上述の共振器結合を減少させ、したがって、ワイヤレス電力伝送の効率を低下させることになり得る。導電性表面の面積を磁気共振器の領域に近似させるとき、例えば、被摂動結合係数k(p)はゼロに近づき、導電性表面を使用することは効率的なワイヤレス電力伝送とは両立しないものとなり得る。
上述の問題に対処する1つの手法は、高導電率材料の周りに磁性材料の層を配置することであり、これはすなわち、透磁性材料が転向した磁場に対してより低い(自由空間に比べて)リラクタンス経路を提供して追従できるようにし、またその下側の電気導体を入射磁束から部分的にシールドするからである。幾つかの状況の下で、磁性材料によって提供されるより低いリラクタンス経路は、共振器の他の共振器に対する電磁結合を改善することができる。高Q値磁気共振器内又はその周りにおける損失性物体を回避するよう共振器場を仕立てる導電性材料を使用することに関連する被摂動結合係数の減少は、導電性材料の外面又は表面に沿って磁性材料の層を設けることによって少なくとも部分的に回復することができる。磁性材料は、初期的な無摂動値に対して被摂動結合係数を増大することができる。
図26のシミュレーション結果は、入射磁場が、層状の磁性材料及び導電性構体によって、導電性構体単独よりも少なく転向されることを示していることに留意されたい。図26(a)及び26(b)に示すディスクの半径よりも僅かにだけ大きい半径を有する磁気共振器ループがディスクを包囲する場合、図26(a)におけるよりも図26(b)に示される事例でより多くの磁束線が捕捉され、したがって、図26(b)に示される事例に対してk(disk) がより大きくなる。したがって、導電性材料上に磁性材料の層を設けることは、総システム性能を改善することができる。システム分析を行って、これら材料を共振器内に部分的、全体的、又は最小的に組み込むべきか否かを決定することができる。
上述したように、図27は、損失性材料の全体を導体及び/又は磁性材料の構体によってカバーしないときの使用に適する、層状にした導体2706及び磁性材料2702の構体を示す。先に示したように、インダクタループ半径が11cm、ワイヤ半径a=1mmの共振器によって囲まれる、直径20cm及び高さ2cmの銅製の導体ディスクに関して、銅製円筒体の計算した与摂動Q値は1,870であった。共振器及び導電性ディスクシェルを均一磁場(インダクタループの対称軸に整列する)内に配置する場合、銅製の導体は、関連結合係数不感性が0.34となることを計算する。比較のために、同一構成であるが、実数部相対透磁率μ′r=40、虚数部相対透磁率μ″r=10−2の磁性材料による厚さ0.25cmの層を設けるモデルを用意する。このモデル及び上述のパラメータを使用して、結合係数不感性は、磁性材料を導体表面に付加することにより0.64に向上することを見出した。
磁性材料を磁気共振器によって囲まれる領域内に配置することにより、ワイヤレスエネルギー伝送システムにおける結合を増大させることができる。相対透磁率μrを有する磁性材料の中実球体を初期的に均一な磁場内に配置する場合を考察する。この実施例において、磁性材料により提供されるより低いリラクタンス経路は磁場を球体体積に集中させる。球体の赤道によって囲まれる領域を通過する磁束は、磁性材料を付加することにより3μr/(μr+2)倍だけ増大する。
μr >>1の場合、この増大倍数は3に近似することができる。
磁気共振器における誘導素子によって囲まれる磁性球体を有するシステムの双極子モーメントは、同一倍数で増大した磁気双極子を有する。したがって、高透磁率を有する磁性球体は、実際上、共振器の双極子磁気結合を3倍にする。内側半径a及び外側半径bを有する磁性材料の球体シェルを使用する場合、このシェルが高導電性材料で形成したブロック又はエンクロージャの頂部にある場合であっても、この結合増大をほとんど維持することができる。この場合、赤道を通過する磁束の増大は、次式となる。すなわち、
μr=1,000及び(a/b)=0.99に対しては、この増大倍数は依然として2.73であり、したがって、磁性材料の薄い層がある場合でも結合は大幅に改善することができる。
上述したように、磁性材料を含む構体を使用して磁気共振器を実現することができる。図16(a)は、中心における狭小ポイントの周りの正方形電流ループによって駆動される銅及び磁性材料による構体の3次元モデルを示す。図16(b)は、図16(a)に示すような同一特性を有する2個の個別構体1600A〜B間における磁力線で示す相互作用を示す。計算の複雑さを減少するよう対称的にしたため、システムの一方の半部のみをモデル化する。2個の物体間の相対的向きを固定し、また中心間距離を変化させる場合(図面は50cm互いに離間した状態を示す)、構体間の離間距離が30cmから60cmに変化するとき、結合効率は87%から55%に変化すること見出した。1600A〜Bで示す例示的構体それぞれは、銅製の20cm×8cm×2cm平行6面体を2個有し、各平行6面体は、4cm×4cm×2cmの磁性材料ブロックによって結合し、かつ全体を同一磁性材料(μr=1,400+j5を有すると仮定する)の2mm層でカバーする。駆動ループにおける抵抗損失は無視する。各構体は815の計算したQ値を有する。
電磁共振器及びインピーダンス
低損失誘導素子のためのインピーダンス整合アーキテクチャ
ここでの説明のため、誘導素子は、磁性材料で形成した(ギャップ付き又はギャップなし)コアを有する又は有しない任意の導電性材料による任意のコイル又はループ構体(「ループ」)とすることができ、このループは、誘導的に又は任意な他の非接触様態で他のシステムに結合するものとすることができる。この素子は、ループのインピーダンス及び任意の潜在的に結合したシステムからのいわゆる「反射した」インピーダンスの双方を含むそのインピーダンスが、正リラクタンスX及び抵抗Rを有しているがために誘導的である。
駆動回路又は被駆動負荷又は伝送ラインのような外部回路であって、誘導素子を接続することができる、該外部回路を考察する。外部回路(例えば、駆動回路)は電力を誘導素子に送給し、また誘導素子は電力を外部回路(例えば、被駆動回路)に送給することができる。所望周波数で誘導素子と外部回路との間に送給される電力の効率及び量は、外部回路の特性に対する誘導素子のインピーダンスに依存し得る。インピーダンス整合回路網及び外部回路制御技術を使用して、外部回路と誘導素子との間における所望周波数fでの電力送給を調節することができる。
外部回路は、クラスA、B、C、D、DE、E、F等の増幅器を形成するよう構成した駆動回路とすることができ、また次式の固有インピーダンス、すなわち、
を有する共振回路網を駆動するとき、最大効率で(すなわち、駆動回路内における損失が最小で)電力を送給することができ、ここでZ0は複素数であり、* は複素共役を示す。外部回路は、クラスA、B、C、D、DE、E、F等の整流器を形成するよう構成した被駆動負荷とすることができ、また次式の固有インピーダンス、すなわち、
を有する共振回路網によって駆動されるとき、最大効率(すなわち、被駆動負荷内における損失が最小で)で電力を受け取ることができ、ここでZ0は複素数とする。外部回路は、特性インピーダンスZ0を有する伝送ラインとすることができ、また次式のインピーダンス、すなわち、
に接続するとき、最大効率(すなわち、反射がゼロ)で電力を交換することができる。外部回路の特性インピーダンスZ0を、最大効率で電力交換するためにそれに接続するインピーダンスの複素共役と称することができる。
一般的に誘導素子のインピーダンスR+jXは、次式のインピーダンス、すなわち、
とは大きく異なる。例えば、誘導素子が低損失(高X/R)を有する場合、抵抗Rは外部回路の特性インピーダンスZ0の実数部よりも相当低い場合がある。さらに、誘導素子自体は共振回路網でない場合がある。誘導素子に接続したインピーダンス整合回路網は、一般的にそのインピーダンスを調節し得る共振回路網を生ずることができる。
したがって、インピーダンス整合回路網は、外部回路と誘導素子(結合した任意なシステムの反射インピーダンスを含む)との間で送給される電力効率を最大化するよう設計することができる。送給される電力効率は、インピーダンス整合回路網及び誘導素子の組合せインピーダンスを所望周波数で外部回路(又は伝送ライン)の特性インピーダンスに整合させることによって最大化することができる。
インピーダンス整合回路網は、外部回路と誘導素子(結合した任意なシステムの反射インピーダンスを含む)との間の特定電力量を送給するよう設計することができる。送給される電力は、インピーダンス整合回路網及び誘導素子の組合せインピーダンスの所望周波数で外部回路(又は伝送ライン)のインピーダンスに対する複素数比を調整することによって最大化することができる。
誘導素子に接続したインピーダンス整合回路網は磁気共振器を生ずる。幾つかの用途、例えば、強結合磁気共振器を用いるワイヤレス電力伝送に関して、高Q値が共振器にとって望ましい。したがって、誘導素子は低損失(高X/R)になるよう選択することができる。
整合回路は一般的に共振器内での付加的損失源を含み得るので、整合回路のコンポーネントも低損失となるよう選択することができる。さらに、高電力用途において、及び/又は高Q値共振器に起因して大電流が共振器回路の一部に流れ、また大電圧が共振器内の幾つかの回路素子に存在し得る。このような電流及び電圧は、特別な回路素子の仕様許容範囲を超え、特別なコンポーネントにとって高過ぎて耐えることができないものとなり得る。幾つかの事例において、例えば、所定用途向けに高Q値及び高電力共振器設計を実現するのに十分なサイズ、コスト及び性能(損失及び電流/電圧の定格)の仕様を有する同調キャパシタのようなコンポーネントを見つける又は実装するのが困難である。本明細書は、磁気共振器の高Q値を保持するとともに、低損失及び/又は高電流/電圧の定格のためにコンポーネント要件を少なくする整合回路設計、方法、実装及び技術を記載する。
整合回路トポロジーは、整合回路における素子の幾つかに対する損失及び電流定格要件を最小化するよう設計することができる。低損失誘導素子をインピーダンスZ0に整合させる回路のトポロジーは、幾つかのそのコンポーネントが、外部回路に直列接続することによって関連する高Q値共振器の外側に存在するよう選択することができる。これらコンポーネントにとって低直列損失又は高電流定格のための要件は減る。回路素子に対する低直列損失又は高電流定格要件を軽減することは、素子を可変的にする、並びに/又は大電圧定格及び/若しくは低並列損失にするのが必要となるとき、とくに有用である。
整合回路トポロジーは、整合回路における幾つかの素子に対する電圧定格要件を最小化するよう設計することができる。低損失誘導素子をインピーダンスZ0に整合させる回路のトポロジーは、幾つかのそのコンポーネントが、Z0に並列接続することによって関連する高Q値共振器の外側に存在するよう選択することができる。これらコンポーネントにとって低並列損失又は高電圧定格のための要件は減る。回路素子に対する低並列損失又は高電圧定格要件を軽減することは、素子を可変的にする、並びに/又は大電流定格及び/若しくは低直列損失にするのが必要となるとき、とくに有用である。
低損失誘導素子を外部特性インピーダンスZ0に整合させる回路のトポロジーは、共振器を外部インピーダンスに結合する際に、関連する共振モードの場パターン、及びひいては高Q値を保持するよう選択することができる。そのようにしない場合、望ましい共振モードに対して非効率的な結合を生じ(潜在的には、他の望ましくない共振モードとの結合に起因する)、この結果、共振器Q値の顕著な低下をもたらす。
低損失誘導素子又は外部回路が変動する用途に関しては、整合回路は、誘導素子を所望周波数fで外部回路のインピーダンスZ0に整合させるよう動的に調整することができる。一般的には、所望周波数fでインピーダンスレベルZ0における実数部及び虚数部の双方を整合させる、又は制御する2個の同調物体が存在するので、整合回路には2個の可変素子を設けることができる。誘導素子のために、整合回路は、少なくとも1個の可変容量素子を設けることが必要となり得る。
低損失誘導素子は、2個の可変キャパシタ、又は可変キャパシタによる2個の回路網を使用するトポロジーによって整合させることができる。可変キャパシタは、例えば、同調可能バタフライ型キャパシタであって、例えば、グラウンド(アース)又は電源の他方のリード線又は負荷に接続するための中心端子、及び同調可能バタフライ型キャパシタのキャパシタンスを変化又は同調させることができるようにする少なくとも1個の他の端子を有する、該同調可能バタフライ型キャパシタとするか、又はユーザー設定可能な可変キャパシタンスを有する任意な他のキャパシタとすることができる。
低損失誘導素子は、1個の可変キャパシタ若しくは可変キャパシタによる1個の回路網と、1個の可変インダクタ若しくは可変インダクタによる1個の回路網を用いるトポロジーによって整合させることができる。
低損失誘導素子は、1個の可変キャパシタ若しくは可変キャパシタによる1個の回路網と、誘導素子を外部回路若しくは他のシステムに変成器結合する、1個の可変相互インダクタンス若しくは可変相互インダクタンスによる1個の回路網を用いるトポロジーによって整合させることができる。
幾つかの事例において、高Q値、高電力、及び潜在的に高速同調可能な共振器の設計を実現するのに十分なサイズ、コスト及び性能仕様を有する同調可能集中型素子を見出す又は実装するのは困難である。可変誘導素子を外部回路に整合させる回路のトポロジーは、幾つかの可変能力を外部回路に割り当てるよう設計し、この場合、外部回路のトランジスタ、ダイオード、スイッチ等に加わる駆動信号の周波数、振幅、位相、波形、デューティサイクル等を変化させる。
共振周波数での誘導素子における抵抗R及びインダクタンスLの変動は、部分的にのみ補償する、又は全く補償しないようにすることができる。適正システム性能は、他のシステムコンポーネント又は仕様として設計された許容範囲によって保たれる。2,3の同調可能コンポーネント又は少なくても可能な同調可能コンポーネントを使用して実現される部分的調整で十分である。
整合回路アーキテクチャは、高電力条件の下でインピーダンス整合回路網の所望の可変能力得るとともに、同調可能素子に対する電圧/電流定格要件を最小化し、またより精細な(すなわち、より精密でより高い解像度を有する)全体同調能力を得るよう設計することができる。可変誘導素子をインピーダンスZ0に整合させる回路のトポロジーは、不変素子及び可変素子の適切な組合せ及び配置を含み、この適切な組合せ及び配置によって、可変コンポーネントのための電圧/電流要件が減少し、また所望同調レンジが精細同調解像度によりカバーされるものとする。この電圧/電流要件は、可変でないコンポーネントに対しては減らすことができる。
本明細書に記載のインピーダンス整合アーキテクチャ及び技術を使用して以下を達成することができる。すなわち、
・電力駆動発生器に送給される電力を最大化する、又は電力駆動発生器からのソース低損失誘導素子間(及びそれらにワイヤレスで結合される任意な他のシステム間)のインピーダンス不整合を最小化する。
・電力で駆動される負荷から送給される電力を最大化する、又は電力で駆動される負荷に対するデバイス低損失誘導素子間(及びそれらにワイヤレスで結合される任意な他のシステム間)のインピーダンス不整合を最小化する。
・電力駆動発生器に制御した電力量を送給する、又は電力駆動発生器からのソース低損失誘導素子間(及びそれらにワイヤレスで結合される任意な他のシステム間)の所定インピーダンス関係を達成する。
・電力で駆動される負荷から制御した電力量を送給する、又は電力で駆動される負荷に対するデバイス低損失誘導素子間(及びそれらにワイヤレスで結合される任意な他のシステム間)の所定インピーダンス関係を達成する。
モードプロファイル(高Q値)を保持するためのトポロジー
共振器構体は、発生器又は負荷にワイヤレスで(間接的に)又は有線接続で(直接的に)接続するよう設計することができる。
図28(a)のブロック図で示すような一般的な間接結合の整合トポロジーを考察する。この図で、(R,L)として表記し、またインダクタの回路記号で示す誘導素子2802は、本明細書に記載の又は本明細書に挙げた参照文献に記載の任意な誘導素子とすることができ、またインピーダンス整合回路2402は、部分A及びBを含む又は部分A及びBから構成する。Bは、インピーダンス2804、Z0を回路の残りの部分(A及び誘導素子の組合せ:A+ (R,L))にワイヤレス接続(誘導的又は容量的な結合メカニズム)を介して接続する整合回路の一部とすることができる。
A及び誘導素子2802の組合せは共振器102を形成し、この共振器102は、分離して関連する電流及び電荷分布で高Q値共振器電磁モードを支援する。外部回路Z0及びBと共振器A+ (R,L)との間に有線接続がないことにより、ワイヤレス結合の度合いが大きくなり過ぎない限り、高Q値電磁モード及び電流/電荷分布が固有の(分離)プロファイル形態をとるのを確実にする。すなわち、高Q値電磁モード、電流/電荷分布、及び共振器の高Q値は、間接結合した整合トポロジーを使用して自動的に維持することができる。
この整合トポロジーは、間接結合、又は変成器結合、又は誘導的結合と称することができ、この場合、誘導的結合を外部回路とインダクタループとの間に使用する。このタイプの結合シナリオを使用して、電源をソース共振器及びデバイス共振器に結合し、参照したサイエンス記事に記載のミッドレンジ距離にわたるワイヤレスエネルギー伝送を実証する電球に結合した。
次に、誘導素子が誘導素子及び任意な間接結合したシステムを有する実施例を考察する。この場合、上述したように、外部回路又は結合したシステムと共振器との間に有線接続がないことから、結合したシステムは、大きすぎない程度の間接結合とよく近似して、共振器の電磁モードプロファイル及び共振器の電流/電荷分布に影響を与えない。したがって、間接結合整合回路は、共振器の一部としての任意な一般的誘導素子に対して、並びに本明細書で定義したような他のシステムにワイヤレス結合した誘導素子に対しても、同様にうまく作用することができる。本明細書全体にわたり、このタイプの一般的誘導素子の整合トポロジーについて、すなわち、任意の付加的なシステムを低損失誘導素子に間接結合するような整合トポロジーを記載し、それら付加的システムは、共振器の電磁モードプロファイル及び共振器の電流/電荷分布に大きく影響を与えない。
上述の議論に基づくと、任意な数の結合したソース共振器、デバイス共振器及び中間共振器のワイヤレス電力伝送システムにおいて、共振器間のワイヤレス磁気的(誘導的)結合は、各1個の共振器における電磁モードプロファイル及び共振器の電流/電荷分布に影響を与えない。したがって、これら共振器が高い(無負荷及び無摂動)Q値を有するとき、それらの(無負荷及び無摂動)Q値はワイヤレス結合が存在する場合に保持される。(共振器の被負荷Q値は他の共振器とのワイヤレス結合が存在する場合には減少するが、損失メカニズムのみに関係し、与結合/与負荷メカニズムに関係しない無負荷Q値を保持する点で関心を抱くことに留意されたい。)
図28(b)で示すような整合トポロジーを考察する。図28(b)で示すキャパシタは、キャパシタ回路又はキャパシタ回路網を示す。図示のキャパシタを使用して、共振器102を形成し、またソース共振器及びデバイス共振器の周波数及び/又はインピーダンスを調整することができる。この共振器102は、「端子接続部」と付記した部分2808を使用してインピーダンスZ0に直接結合することができる。図28(c) は一般化した直接結合整合トポロジーを示し、この場合、インピーダンス整合回路2602は部分A、B及びCを含む又はこれら部分から構成する。ここで、A、B及びCにおける回路素子は共振器102の一部、並びにインピーダンス整合(及び周波数同調)回路2402の一部のトポロジーとみなすことができる。B及びCは、整合回路2402の一部であり、インピーダンスZ02804(又は回路網端子)を回路の残りの部分(A及び誘導素子)にそれぞれ単独ワイヤ接続を介して接続する整合回路の一部とすることができる。B及びCは、空にする(短絡する)ことができる点に留意されたい。部分B及びC(すなわち、それらの単独ワイヤ接続部)を切り離す又は開回路状態にする場合には、A及び誘導素子(R,L)の組合せは共振器を形成する。
高Q値電磁モードは、誘導素子に沿う電圧分布のプロファイルが、結節、すなわち、電圧がゼロになる位置を有する。1つの結節は、誘導素子の長さのほぼ中心、例えば、誘導素子を形成するのに使用した導体の中心にあり、また少なくとも1個の他の結節はA内にある。電圧分布は、電圧結節部に対し誘電素子に沿ってほぼ反対称となる。高Q値は、この高Q値共振器の電磁モード分布が誘導素子にほぼ保持されるよう、整合トポロジー(A,B,C)及び/又は端子電圧(V1,V2)を設計することによって維持することができる。この高Q値共振器の電磁モード分布は、誘導素子の電圧結節部(ほぼ中心における)を保持することによって誘導素子にほぼ保持することができる。
A,B,及びCは任意な(すなわち、任意の特別な対称性を持たない)ものとすることができ、またV1及びV2は、誘導素子に加わる電圧が対称的(中心に帰納される電圧結節部に対して)となるよう選択することができる。これら結果は、簡単な整合回路を用いて得られるが、潜在的に複雑な端子電圧となり、この理由はトポロジー依存の共通モード信号(V1+V2)/2を双方の端子で必要となるからである。
共振器のすべての電圧結節部を結ぶ「軸線」を考察し、この場合、1つの結節部は誘導素子の長さのほぼ中心にあり、他の結節部はA内にある。(「軸線」は電気回路トポロジー内のポイント(電圧結節部)のセットであり、必ずしも実際の物理的構体の直線的軸線に対応する必要はない。この「軸線」は、物理的構体が対称的である場合には、物理的軸線に整列することができる。)2つのポイントそれぞれと、「軸線」上のポイント、すなわち、共振器の電圧結節ポイントとの間に見られるインピーダンスが同一である場合、共振器の2つのポイントは、「軸線」に対して電気的に対称的である。
B及びCが同一(C=B)であり、先に定義した「軸線」に対して電気的に対称的である共振器(A+ (R,L))における任意な2つのポイントに2つの端子を接続し、また互いに逆の電圧(V2=−V1)で駆動した実施例を図28(d)に示す。共振器102における2個の電気的対称ポイントは、インダクタループにおける2個の電気的対称ポイントである。共振器の2個の電気的対称ポイントは、A内における2個の電気的対称ポイントである。2個の電気的対称ポイント(これらポイントに互いに等しい部分B及びCを接続する)がA内にある場合、Aは、これら電気的対称ポイントが回路内における接続ポイントとしてアクセス可能となるよう設計する必要がある。このトポロジーは、「均衡駆動」トポロジーと称することができる。これら均衡駆動の実施例は、接地ラインに存在する任意の共通モード信号が、例えば、外部回路又は電力網における摂動に起因して、自動的に拒絶される(及び共振器に達しない)という利点を有することができる。幾つかの均衡駆動の実施例において、このトポロジーは、他のトポロジーよりも一層多いコンポーネントを必要とする。
他の実施例において、Cは、短絡し、また対応の端子はグラウンド(アース)接続し(V=0)、また共振器の電気的対称(ゼロ電圧)「軸線」における任意のポイントに接続し、及びBは、図28(e)に示すように、電気的対称「軸線」上にない共振器の任意な他のポイントに接続する。電気的対称「軸線」上のグラウンド接続ポイントは、誘導素子上における導体長さのほぼ中心にある電圧結節部となり得る。電気的対称「軸線」上のグラウンド接続ポイントは回路A内に存在し得る。電気的対称「軸線」上のグラウンド接続ポイントが回路A内に存在する場合、Aは、電気的アクセス可能な、すなわち、接続が可能な1つのポイントを電気的対称「軸線」上に有するよう設計する必要がある。
このトポロジーは、「不均衡駆動」トポロジーと称することができる。誘導素子に沿う電磁モードのほぼ反対称的な電圧分布は、共振器が正確に対称的に駆動されない場合でもほぼ保持することができる。この理由は、高Q値及び関連するR対Z0の大きな不整合は、相当大きい電流が共振器(A+ (R,L))内を流れるのと比べて、僅かな電流がB及びグラウンド(アース)を流れるのを余儀なくするからである。このシナリオにおいて、共振器モードにおける摂動は弱く、また電圧結節部の位置は誘導素子のほぼ中心位置で漂遊する。これら不均衡駆動の実施例は、簡単な整合回路を使用して達成することができ、またV1端子における駆動電圧に制限がないという利点を有する。幾つかの不均衡駆動実施例において、グラウンド(アース)端子に現れる共通モード信号を減少する付加的設計を必要とする。
概して、図28(c)に示すような部分A,B及びCを含む又はこれら部分から構成する直接結合インピーダンス整合回路は、回路のワイヤ及びコンポーネントが誘導素子及び/又は共振器における電磁モードの電磁場プロファイルに摂動を与えず、またひいては共振器の高Q値を保持するよう設計することができる。回路のワイヤ及び金属コンポーネントは、電磁モードの電気力線に直交するよう指向させることができる。回路のワイヤ及びコンポーネントは、電磁モードの電磁場が弱くなる領域に配置することができる。
素子における低直列損失及び高電流定格要件を低減するためのトポロジー
低損失誘導素子における小抵抗Rを外部回路のより大きな特性インピーダンスZ0に整合させるのに使用する整合回路は損失がないと見なせる場合、次式、すなわち、
となり、また端子を流れる電流は、誘導素子を流れる電流よりも相当少ないものとなる。したがって、端子に直に直列接続される素子(例えば、直接結合される部分B、C(図28(c)参照))は高電流を搬送しない。このとき、整合回路が損失性素子を持たない場合でも、端子に直列接続される素子に存在する抵抗損失は、共振器の高Q値に対する大きな減少をもたらさない。すなわち、これら直列接続素子における抵抗損失は、Z0から誘導素子への又はその逆への電力伝送効率を大きく低下させない。したがって、低直列損失及び/又は高電流定格のための厳しい要件はこれらコンポーネントには不要となる。概して、このような軽減された要件は、高Q値及び/又は高電力インピーダンス整合及び共振器のトポロジーとして設計されるコンポーネントの選択範囲をより広くすることになる。これら軽減された要件は、とくに、これら高Q値及び/又は高電力インピーダンス整合回路に使用される可変及び/又は高電圧及び/又は低並列損失のコンポーネントの種類を拡張するのに有用である。
素子における低並列損失及び高電圧定格要件を低減するためのトポロジー
上述したように、低損失誘導素子における小抵抗Rを外部回路のより大きな特性インピーダンスZ0に整合させるのに使用する整合回路は損失がないと見なせる場合、次式で示す上述の分析、すなわち、
を使用し、また低損失(高X/R)誘導素子のために、端子に加わる電圧は一般的に誘導素子に加わる電圧よりも相当小さい。したがって、端子に直に並列接続した素子は高電圧に耐える必要はない。このとき、整合回路が損失性素子を有する場合であっても、端子に並列接続した素子に存在する抵抗損失は、共振器の高Q値における大きな低下にはならない。すなわち、これら並列素子における抵抗損失は、Z0から誘導素子への又はその逆への電力伝送効率を大きく低下させない。したがって、低並列損失及び/又は高電圧定格のための厳しい要件はこれらコンポーネントには不要となる。概して、このような軽減された要件は、高Q値及び/又は高電力インピーダンス整合及び共振器のトポロジーとして設計されるコンポーネントの選択範囲をより広くすることになる。これら軽減された要件は、とくに、これら高Q値及び/又は高電力インピーダンス整合回路に使用される可変及び/又は高電流及び/又は低直列損失のコンポーネントの種類を拡張するのに有用である。
上述の設計原理は、先にZ0に直列接続した回路網(例えば、直接結合したB、C)の使用、又はZ0に並列接続した回路網の使用を提案したように、種々の素子に対する電流及び電圧を異なるやり方で減らすことに留意されたい。所定用途のために好適なトポロジーは、低直列損失/高電流定格素子又は低並列損失/高電圧定格素子における利用可能性に依存し得る。
精細同調能力を得るため、また可変素子に対する高定格要件を軽減するための不変素子及び可変素子の組合せ
回路トポロジー
満足のいく低損失及び高電圧又は高電流定格を有する可変回路素子は、得るのが困難又は高価である。本明細書において、不変素子及び可変素子の組合せを組み入れるインピーダンス整合トポロジーを記載し、大電圧又は大電流は、適切な電圧定格及び電流定格を持つ可能性がより多くありそうな回路の不変素子に割り当て、また回路の可変素子に対する電圧及び電流の定格要件を軽減する。
可変回路素子は、或るインピーダンス整合用途で必要とされるものより大きい同調レンジを有することができ、それらの場合、このような大きなレンジの素子のみを使用するだけでは精細同調解像度を得るのは困難である。本明細書において、精細同調解像度を同一可変素子で達成するよう不変素子及び可変素子の双方の組合せを組み入れるインピーダンス整合トポロジーを記載する。
したがって、不変素子及び可変素子の双方の組合せを使用するトポロジーは2種類の利点を同時にもたらすことができる。すなわち、回路における傷つきやすい同調コンポーネントに加わる減少した電圧又はこれを流れる減少した電流、及びより精細な同調解像度が得られる。最大限に得られる同調レンジは、回路設計における同調コンポーネントに加わる電圧又はこれを流れる電流における最大限の減少に関連することに留意されたい。
素子トポロジー
単独可変回路素子(上述の素子の回路網に対抗して)を、直列又は並列にして接続した不変素子及び可変素子の組合せを使用するトポロジーによって実現し、可変コンポーネントの定格要件の減少及びより精細な同調解像度を得ることができる。このことは、次式の事実によって数学的に実証することができる。すなわち、
ここで、x|subscript|は任意の素子値(例えば、キャパシタンス、インダクタンス)であり、Xは電圧又は電流であり、また「+符号」は素子の適切な(直列追加又は並列追加の)組合せを示す。x|subscript|の下付き文字フォーマットは、円形誘導素子(例えば、x、x1、等)によって囲まれる領域の半径から容易に区別がつくよう選択することに留意されたい。
さらに、この原理を使用して所定タイプ(例えば、キャパシタンス又はインダクタンス)の可変電気素子を実現することができ、この実現は、異なるタイプの可変素子を他の不変素子と適切に組み合わせる場合にはこの異なるタイプの可変素子を使用することによって行う。
結論として、最適化制約としての必要とされる同調レンジ、及び最適化対象としての可変素子における電流及び/又は電圧の最小化を有する不変素子及び可変素子の必要個数、配置、タイプ及び値を決定するトポロジー最適化アルゴリズムを適用する。
実施例
以下の手法において、インピーダンス整合のための異なる特定トポロジー実装及び低損失誘導素子のための異なる共振器設計を示す。さらに、各トポロジーに対して上述のどの原理を使用するかを示し、整合を得るのに使用される可変素子の値を与える方程式、及び整合をとる(不等式及びスミスチャートの双方を使用して)複素インピーダンスのレンジを示す。これら実施例に対して、Z0は実数部と仮定するが、整合回路網におけるコンポーネントの必要な値に僅かな調整のみ加えるときには、非ゼロの虚数部を有する特性インピーダンスへの拡張は簡単である。量に対する下付き文字nがZ0に対する正規化(Z0による除算)を意味する伝統的表現法を使用する。
図29は、変成器結合インピーダンス整合回路の2つの実施例を示し、この場合、2つの同調可能素子はキャパシタと、2つの誘導素子間の相互インダクタンスである。図29(a)に対してX2=ωL2、図29(b)に対してX2=ωL2−1/ωC2、X=ωLと定義すると、同調可能素子の必要な値は、次式のとおり、すなわち、
となる。図29(b)のトポロジーに対して、特別に簡単な設計はX2=0を選択することができる。その場合、これらトポロジーは、以下の不等式、すなわち、
Rn>0,Xn>0を満足するインピーダンスを整合させ、これらは図29(b)のスミスチャートの太線で囲まれる領域によって示される。
予めよく選択された一定のMが与えられると、代わりとして同調可能なC2を有する上述の整合トポロジーを使用することができる。
図30は、直接結合インピーダンス整合回路の2個の同調可能素子がキャパシタである6つの実施例(a)〜(f)と、並びに直接結合インピーダンス整合回路の2個の同調可能素子が1個のキャパシタ及び1個のインダクタである6つの実施例(h)〜(m)とを示す。図30(a),(b),(c),(h),(i),(j)のトポロジーに対して、誘導素子の中心にある共振器の電圧結節部及びひいては高Q値を保持するため共通モード信号が2つの端子で要求される。これら実施例は図28(c)に示される一般的トポロジーの実装として記載されることに留意されたい。図30(d),(e),(f),(k),(l),(m)の対称的トポロジーに対して、2個の端子は、誘導素子の中心にある共振器の電圧結節部及びひいては高Q値を保持するため、反対称的に駆動(平衡駆動)されることが必要である。これら実施例は図28(d)に示される一般的トポロジーの実装として記載されることに留意されたい。当然のことながら、ここで使用されるキャパシタの回路網は、概して1個又はそれ以上のキャパシタを含む任意な回路トポロジーに言及し、他の意味が明示されない限り、又は文脈から明らかとならない限り、限定することなく、本明細書に特別に記載したキャパシタを使用する任意な回路、又は任意な他の等価物、異なる回路構成を含むことができる。
図30(a),(d),(h),(k)に対してZ=R+jωL、図30(b),(e),(i),(l)に対してZ=R+ jωL+1/jωC3、図30(c),(f),(j),(m)に対してZ=(R+jωL)||(1/jωC3)とそれぞれ定義し、ここで記号「||」は「並列組合せ」を意味し、次に、R≡Re{Z}, X≡Im{Z}と定義する。次に、図30(a)〜(f)に対して、同調可能素子の必要とされる値は次式、すなわち、
で与えられ、これらトポロジーは次式の不等式、すなわち、
を満足するインピーダンスを整合させることができ、これは図30(g)のスミスチャートの太線で囲まれる領域によって示される。図30(h)〜(m)に対して、同調可能素子の必要とされる値は次式、すなわち、
で与えられる。
図31は、直接結合インピーダンス整合回路の2個の同調可能素子がキャパシタである3つの実施例(a)〜(c)と、並びに直接結合インピーダンス整合回路の2個の同調可能素子が1個のキャパシタ及び1個のインダクタである3つの実施例(e)〜(g)とを示す。図30(a),(b),(c),(e),(f),(g)のトポロジーに対して、誘導素子の中心にある共振器の電圧結節部及びひいては高Q値を保持するためグラウンド(アース)端子を2つの等しい値を有するキャパシタ2C1間(すなわち、主共振器の対称軸線上)に接続する。これら実施例は図28(e)に示される一般的トポロジーの実装として記載されることに留意されたい。
図31(a),(e)に対してZ=R+jωL、図31(b),(f)に対してZ=R+ jωL+1/jωC3、図31(c),(g)に対してZ=(R+jωL)||(1/jωC3)とそれぞれ定義し、次に、R≡Re{Z}, X≡Im{Z}と定義する。次に、図31(a)〜(c)に対して、同調可能素子の必要とされる値は次式、すなわち、
で与えられ、これらトポロジーは次式の不等式、すなわち、
を満足するインピーダンスを整合させることができ、これは図31(d)のスミスチャートの太線で囲まれる領域によって示される。図31(e)〜(g)に対して、同調可能素子の必要とされる値は次式、すなわち、
で与えられる。
図32は、直接結合インピーダンス整合回路の2個の同調可能素子がキャパシタである3つの実施例(a)〜(c)と、並びに直接結合インピーダンス整合回路の2個の同調可能素子が1個のキャパシタ及び1個のインダクタである3つの実施例(e)〜(g)とを示す。図32(a),(b),(c),(e),(f),(g)のトポロジーに対して、誘導素子の中心にある共振器の電圧結節部及びひいては高Q値を保持するためグラウンド(アース)端子を誘導素子の中心に接続する。これら実施例は図28(e)に示される一般的トポロジーの実装として記載されることに留意されたい。
図32(a)に対してZ=R+jωL、図32(b)に対してZ=R+ jωL+1/jωC3、図32(c)に対してZ=(R+jωL)||(1/jωC3)とそれぞれ定義し、次に、R≡Re{Z}, X≡Im{Z}と定義する。次に、図32(a)〜(c)に対して、同調可能素子の必要とされる値は次式、すなわち、
で与えられ、ここでkはM′=−kL′で定義され、ただしL′はインダクタループの各半部におけるインダクタンス、及びM′は2個の半部間の相互インダクタンスとし、これらトポロジーは次式の不等式、すなわち、
を満足するインピーダンスを整合させることができ、これは図32(d)のスミスチャートの太線で囲まれる領域によって示される。図32(e)〜(g)に対して、同調可能素子の必要とされる値は次式、すなわち、
で与えられる
図30,31,32の回路において、キャパシタC2若しくはインダクタL2は、(又は2個のキャパシタ2C2若しくは2個のインダクタL2/2は)端子に直列接続し、また低直列損失にする必要はない、又は大電流に耐える必要はない。
図33は、直接結合インピーダンス整合回路の2個の同調可能素子がキャパシタである6つの実施例(a)〜(f)と、並びに直接結合インピーダンス整合回路の2個の同調可能素子が1個のキャパシタ及び1個のインダクタである6つの実施例(h)〜(m)とを示す。図33(a),(b),(c),(h),(i),(j)のトポロジーに対して、誘導素子の中心にある共振器の電圧結節部及びひいては高Q値を保持するため共通モード信号が2つの端子で要求される。これら実施例は図28(c)に示される一般的トポロジーの実装として記載され、B及びCは短絡とし、またAは不平衡であることに留意されたい。図33(d),(e),(f),(k),(l),(m)の対称的トポロジーに対して、2個の端子は、誘導素子の中心にある共振器の電圧結節部及びひいては高Q値を保持するため、反対称的に駆動(平衡駆動)されることが必要である。これら実施例は図28(d)に示される一般的トポロジーの実装として記載され、B及びCは短絡とし、またAは平衡であることに留意されたい。
図33(a),(d),(h),(k)に対してZ=R+jωL、図33(b),(e),(i),(l)に対してZ=R+ jωL+1/jωC3、図33(c),(f),(j),(m)に対してZ=(R+jωL)||(1/jωC3)とそれぞれ定義し、次に、R≡Re{Z}, X≡Im{Z}と定義する。次に、図33(a)〜(f)に対して、同調可能素子の必要とされる値は次式、すなわち、
で与えられ、これらトポロジーは次式の不等式、すなわち、
を満足するインピーダンスを整合させることができ、これは図33(g)のスミスチャートの太線で囲まれる領域によって示される。図33(h)〜(m)に対して、同調可能素子の必要とされる値は次式、すなわち、
で与えられる。
図34は、直接結合インピーダンス整合回路の2個の同調可能素子がキャパシタである3つの実施例(a)〜(c)と、並びに直接結合インピーダンス整合回路の2個の同調可能素子が1個のキャパシタ及び1個のインダクタである3つの実施例(e)〜(g)とを示す。図34(a),(b),(c),(e),(f),(g)のトポロジーに対して、誘導素子の中心にある共振器の電圧結節部及びひいては高Q値を保持するためグラウンド(アース)端子を2つの等しい値を有するキャパシタ2C1間(すなわち、主共振器の対称軸線上)に接続する。これら実施例は図28(e)に示される一般的トポロジーの実装として記載されることに留意されたい。
図34(a),(e)に対してZ=R+jωL、図34(b),(f)に対してZ=R+ jωL+1/jωC3、図34(c),(g)に対してZ=(R+jωL)||(1/jωC3)とそれぞれ定義し、次に、R≡Re{Z}, X≡Im{Z}と定義する。次に、図34(a)〜(c)に対して、同調可能素子の必要とされる値は次式、すなわち、
で与えられ、これらトポロジーは次式の不等式、すなわち、
を満足するインピーダンスを整合させることができ、これは図34(d)のスミスチャートの太線で囲まれる領域によって示される。図34(e)〜(g)に対して、同調可能素子の必要とされる値は次式、すなわち、
で与えられる。
図35は、直接結合インピーダンス整合回路の2個の同調可能素子がキャパシタである3つの実施例を示す。図35のトポロジーに対して、誘導素子の中心にある共振器の電圧結節部及びひいては高Q値を保持するためグラウンド(アース)端子を誘導素子の中心に接続する。これら実施例は図28(e)に示される一般的トポロジーの実装として記載されることに留意されたい。
図35(a)に対してZ=R+jωL、図35(b)に対してZ=R+ jωL+1/jωC3、図35(c)に対してZ=(R+jωL)||(1/jωC3)とそれぞれ定義し、次に、R≡Re{Z}, X≡Im{Z}と定義する。次に、同調可能素子の必要とされる値は次式、すなわち、
で与えられ、ここでaは次式、すなわち、
として、kはM′=−kL′で定義され、ただしL′はインダクタループの各半部におけるインダクタンス、及びM′は2個の半部間の相互インダクタンスとする。これらトポロジーは次式の不等式、すなわち、
を満足するインピーダンスを整合させることができ、ここでγは次式とする、すなわち、
これらはk=0の図35(d)、k=0.05の図35(e)、k=1の図35(f)で示す3つのスミスチャートの太線で囲まれる領域によって示される。0<k<1ではこのトポロジーが整合できるスミスチャートの2個の分離した領域を有する。
図33,34,35の回路において、キャパシタC2若しくはインダクタL2は、(又は2個のキャパシタ2C2のうち1個若しくは2個のインダクタ2L2のうち1個は)端子に並列接続し、またひいては大電圧定格を有する必要はない。2個のキャパシタ2C2又は2個のインダクタ2L2の場合、ほぼ同一の電流がそれらを流れ、またひいてはそれらにほぼ同一の電圧が加わるので、高電圧定格を有する必要はない。
キャパシタC3を使用する図30〜35のトポロジーに関して、キャパシタC3の使用は周波数及びインピーダンスのより精細な同調をもたらすことができる。図30〜35のトポロジーに関して、誘導素子に直列接続した不変キャパシタC3を使用することは、高誘導素子電圧の大きな割合部分が不変キャパシタC3に加わり、したがって、潜在的にインピーダンス整合回路における幾つかの可変素子であり得る他の素子に対する電圧定格要件を軽減することができる。
上述のすべての実施例において、共通端子のない1対の等値可変キャパシタは、連動型のキャパシタ、又は全体としてそれらの値を同調させるようバイアス印加し及び制御するバラクタ若しくはダイオードによるグループ若しくはアレイを使用して実現することができる。1個の共通端子を有する1対の等値可変キャパシタは、同調可能なバタフライ型キャパシタ、又は任意な他の同調可能若しくは可変キャパシタ、又は全体としてそれらのキャパシタンス値を同調させるようバイアス印加し及び制御するバラクタ若しくはダイオードによるグループ若しくはアレイを使用して実現することができる。
インピーダンス整合回路網を選択する際に考慮し得る他の基準は、所望動作周波数とは異なる周波数に対する回路網の応答性である。誘導素子を結合する外部回路で発生する信号は、所望周波数においてモノクロマチック(単調)なものでなく、例えば、スイッチング増幅器の駆動信号又はスイッチング整流器の反射信号のように、所望周波数において周期的である。このような場合のうち幾つかにおいて、誘導素子に進入する高次高調波の量を抑制する(例えば、これらの素子からのこれら高調波放射を減少する)のが望ましい。したがって、インピーダンス整合回路網として、誘導素子に進入する高次高調波の量を十分抑制するものを選択する。
インピーダンス整合回路網は、外部の周期的な信号が電圧ソース信号として挙動すると見なされる信号(例えば、直列共振器負荷を有するD級増幅器における駆動信号のような信号)であるとき、基本波よりも高い周波数で外部回路に見られるインピーダンスが高くなるようにすることができ、これにより、一層高い周波数では電流が誘導素子にはほとんど流れない。図30〜35のトポロジーのうち、インダクタL2を使用するトポロジーは、このインダクタが高周波数で高いインピーダンスを示すので、好ましい。
インピーダンス整合回路網は、外部の周期的な信号が電流ソース信号として挙動すると見なされる信号であるとき、基本波よりも高い周波数で外部回路に見られるインピーダンスが低くなるようにすることができ、これにより、一層高い周波数では電圧が誘導素子にはほとんど誘導されない。図30〜35のトポロジーのうち、キャパシタC2を使用するトポロジーは、このキャパシタが高周波数で低いインピーダンスを示すので、好ましい。
図36は、1個の可変キャパシタ、及び残りの不変キャパシタによる回路網を使用する可変キャパシタンスの4つの実施例を示す。これら回路網トポロジーを使用すると、総キャパシタンス値に関する精細同調能力が得られる。さらに、図36(a),(c),(d)のトポロジーを使用して、可変キャパシタに加わる電圧を減少させることができ、これは、すなわち、電圧のほとんどが不変キャパシタに割り当てられるからである。
図37は、1個の可変キャパシタ、及び不変キャパシタによる回路網を使用する可変キャパシタンスの2つの実施例を示す。とくに、これら回路網は可変リアクタンスを実現し、また関心対象周波数で、可変インダクタの値は、各回路網が負の正味可変リアクタンスに対応して有効な可変キャパシタンスとなり得るよう使用することができる。
同調可能素子、例えば、同調可能キャパシタ及び同調可能インダクタは、機械的同調、電気的同調、熱的同調等とすることができる。同調可能素子は、可変のキャパシタ若しくはインダクタ、バラクタ、ダイオード、ショトキー・ダイオード、逆バイアスPNダイオード、バラクタアレイ、ダイオードアレイ、ショトキー・ダイオードアレイ等とすることができる。ダイオードは、Siダイオード、GaNダイオード、SiCダイオード等とすることができる。GaNダイオード及びSiCダイオードは、高電力用途にとって特に魅力的である。同調可能素子は、電気的切替えを行うキャパシタバンク、電気的切替えを行いかつ機械的同調が可能なキャパシタバンク、電気的切替えを行うバラクタ・アレイバンク、電気的切替えを行いかつ変成器結合インダクタバンク等とすることができる。同調可能素子は先に列挙した素子の組合せとすることができる。
上述したように、結合高Q値磁気共振器間における電力伝送効率は、共振周波数で共振器がどのくらい密に整合するか、またどのくらいうまくそれらのインピーダンスがシステム内の電源及び電力消費部に整合するかによって、影響を受ける。システム内の外部物体若しくは他の共振器の相対位置、又はこれら相対位置の変化を含む様々な外部要因が高Q値磁気共振器の共振周波数及び/又は入力インピーダンスを変動させるので、種々の環境又は動作シナリオにおける電力伝送の十分なレベルを維持できる同調可能インピーダンス整合回路網を必要とする。
図示のキャパシタのキャパシタンス値を調整して、磁気共振器の共振周波数及び/又はインピーダンスを調整することができる。キャパシタは、電気的、機械的、熱的に調整することができ、又は既知の任意な他の方法によって調整することができる。キャパシタは、手動により、又は例えば、フィードバック信号に応答して自動的に調整することができる。キャパシタは、電源と電力消費部との間で所定の電力伝送効率又は他の動作特性を得るよう調整することができる。
共振器におけるインダクタ及び誘導素子のインダクタンス値を調整して、磁気共振器の周波数及び/又はインピーダンスを調整することができる。インダクタンスは、調整可能コンポーネント、例えば、同調可能なキャパシタ、インダクタ及びスイッチ等を含む結合回路を使用して調整することができる。インダクタンスは、変成器結合の同調回路を使用して調整することができる。インダクタンスは、誘導素子における導体の異なる区域に出入りする切替え、及び/又は強磁性同調、及び/又はミュー同調等によって調整することができる。
共振器の共振周波数は、調整することができる、又は周波数を低くする若しくは高くするよう変化させることができる。共振器の入力インピーダンスは、調整することができる、又はインピーダンス値を低くする若しくは高くするよう変化させることができる。ソースによって送給される及び/又はデバイスが受け取る電力量は、調整することができる、又は電力レベルを低くする若しくは高くするよう変化させることができる。ソースに送給される及び/又はデバイスがデバイス共振器から受け取る電力量は、調整することができる、又は電力レベルを低くする若しくは高くするよう変化させることができる。共振器の入力インピーダンス、共振周波数、及び電力レベルは、システムにおける電力消費部若しくは複数電力消費部に基づいて、また共振器近傍の物体若しくは材料に基づいて調整することができる。共振器の入力インピーダンス、周波数及び電力レベルは、手動で又は自動的に調整することができ、またフィードバック若しくは制御信号、又はアルゴリズムに応答して調整することができる。
回路素子は共振器に直接接続することができる、すなわち、物理的電気接点によって、例えば、誘導素子及び/又は端末コネクタを形成する導体端部に接続することができる。回路素子は、導体にはんだ付け、溶着、圧着、接着、挟着、又は近接配置、又は様々な電気的コンポーネント、コネクタ、若しくは接続技術を用いる取付けを行うことができる。電源及び電力消費部は、磁気共振器に対して直接的又は間接的又は誘導的に接続することができる。電気信号は、共振器から端末接続部を経て供給又は取り出すことができる。
当業者であれば、本明細書に記載の原理の実現において、現実コンポーネント(キャパシタ、インダクタ、抵抗等)における値に対する、本明細書に記載の方程式により計算した値からの、現実信号(電圧、電流等)における値に対する、対称的又は反対称的又は他の様態で示唆される値からの、及びポイント(例えば、グラウンド端子の誘電素子中心付近における接続ポイント又は「軸線」上ポイント等)の現実ジオメトリ位置の値に対する、対称的又は他の様態で示唆される位置からの、関連の許容範囲、又は容認可能な変動があり得ることは、理解できるであろう。
実施例
システムブロック図
本明細書は、ミッドレンジ距離にあるデバイスに対してワイヤレスで給電又は充填することができる、ワイヤレス電力伝送システム用の高Q値共振器を開示する。高Q値共振器によるワイヤレス電力伝送システムは、さらに、サイズ、形状、組成、構成等が異なる磁気共振器を有するデバイスに対してワイヤレスで給電又は充電することができる。
図1(a)(b)は、2つの例示的な2共振器システムの高次の線図を示す。これら例示的システムそれぞれは、単一ソース共振器102S又は104S、及び単一デバイス共振器102D又は104Dを有する。図38は、強調してある2,3のより特徴を持たせたシステムの高次ブロック図を示す。ワイヤレス給電又は充電デバイス2310は、デバイス共振器102D、デバイス給電及び制御回路2304等をデバイス2308又は複数デバイスとともに有する、又はこれらから構成することができ、このワイヤレス給電又は充電デバイス2310に対して、DC又はAC又はAC及びDC双方のいずれかの電力を伝送する。システムのためのエネルギー源又は電源は、ソース給電及び制御回路2302、ソース共振器102S等を含むことができる。デバイス共振器102D及びデバイス電力制御回路2304から電力を受け取るデバイス2308又は複数デバイスは、上述したように、任意な種類のデバイス2308又は複数デバイスとすることができる。デバイス共振器102D及び回路2304は電力をデバイス/複数デバイス2308に送給し、この電力を使用してデバイス/複数デバイスのバッテリを再充填する、デバイス/複数デバイスに直接給電する、又はソース共振器102Sの近傍にあるとき再充電及び給電の双方を行うことができる。
ソース共振器及びデバイス共振器は、メートル数が大きい距離離れることができる、又は互いに極めて近接することができる、又は両者間に任意の距離だけ離れることができる。ソース共振器及びデバイス共振器は、互いに側方又は軸線方向にオフセットすることができる。ソース共振器及びデバイス共振器は、直接整列する(側方オフセットしない)ことができる、又は数メートル若しくは何らかの形態でオフセットすることができる。ソース共振器及びデバイス共振器は、それらの誘導素子によって囲まれる表面が互いにほぼ平行となるよう指向させることができる。ソース共振器及びデバイス共振器は、それらの誘導素子によって囲まれる表面が互いにほぼ直交するよう指向させる、又はそれらの表面間で任意な相対角度(0〜360゜)をなすよう指向させることができる。
ソース共振器及びデバイス共振器は、自立するものとするか、又はエンクロージャ、容器、スリーブ若しくはハウジング内に包囲することができる。これら種々のエンクロージャは、ほぼあらゆる種類の材料から構成することができる。低損失タンジェント材料、例えば、テフロン(登録商標)、REXOLITE(登録商標)、スチレン等が幾つかの用途で好ましい。ソース共振器及びデバイス共振器は、電源及び電力消費部に組み込むことができる。例えば、ソース共振器及びデバイス共振器は、キーボード、コンピュータマウス、ディスプレイ、携帯電話等に組み込み、これらデバイスの外側から見ることができないようにする。ソース共振器及びデバイス共振器は、システムにおける電源及び電力消費部から離れたものとすることができ、また標準的な又は特注のワイヤ、ケーブル、コネクタ又はプラグによって接続することができる。
ソース102Sは、多数のDC若しくはACの電圧源、電流源、又はコンピュータのUSBポートを含む電源から給電することができる。ソース102Sは、電気グリッド、壁のプラグ、バッテリ、電源、エンジン、太陽電池、発電機、他のソース共振器等から給電することができる。ソース給電及び制御回路2302は、ソース電子機器を電源から遊離する回路及びコンポーネントを有し、何らの反射電力又は信号もソース入力端子に結合しないようにすることができる。ソース給電及び制御回路2302は、力率補正回路を有し、また電力使用量をモニタリングし、監視、課金、請求書作成、制御等の機能性を持たせるよう構成することができる。
システムは双方向で動作することができる。すなわち、デバイス共振器内で発生又は貯蔵されるエネルギー又は電力は、電気グリッド、バッテリ、任意な種類のエネルギー貯蔵ユニット等を含む電源に対してフィードバックすることができる。ソース給電及び制御回路は、力率補正回路を有し、また電力使用量をモニタリングし、監視、課金、請求書作成、制御等の機能性を持たせ、双方向のエネルギーの流れを生ずるよう構成することができる。ワイヤレスエネルギー伝送システムは、ビークル・ツー・グリッド(V2G:vehicle-to-grid)の用途を可能にする又は促進することができる。
ソース及びデバイスは、ソース共振器及びデバイス共振器の動作並びにエネルギー交換の効率に影響を与えるおそれがある、変化する環境条件、摂動、及び負荷条件を補償する動作ポイントを調整できる同調能力を有することができる。さらに、この同調能力は、複数デバイスへの、複数ソースからの、複数システムへの、複数リピータ又はリレー等への、等々の多重電力送給にも使用することができる。同調能力は、手動制御又は自動制御することができ、また連続的、周期的、間欠的、又は計画した時間若しくは間隔で行うことができる。
デバイス共振器及びデバイス給電及び制御回路は、デバイスの任意な部分、例えば、バッテリ隔室、又はデバイスカバー、又はスリーブ、又はマザーボードに組み込むことができ、また標準的な再充電可能バッテリ又は他のエネルギー貯蔵ユニットに並置して組み込むことができる。デバイス共振器は、デバイス場再形成器を有して、デバイス共振器素子及びデバイス給電及び制御電子機器の任意な組合せを、電力伝送に使用される電磁場からシールドできるようにし、また損失性デバイス共振器素子並びにデバイス給電及び制御回路素子から共振器場を転向させることができるようにする。磁性材料及び高導電率場再形成器を使用して、共振器の被摂動品質係数Qを増加し、またソース共振器及びデバイス共振器の被摂動結合係数を増加できるようにする。
ソース共振器及びソース給電及び制御回路は、任意なタイプの家具、構体、マット、ラグ、額縁(デジタルピクチャーフレーム、電子フレームを含む)、プラグインモジュール、電子デバイス、乗り物等に組み込むことができる。ソース共振器はソース場再形成器を有して、ソース共振器素子及びソース給電及び制御電子機器の任意な組合せを、電力伝送に使用される電磁場からシールドできるようにし、また損失性ソース共振器素子並びにソース給電及び制御回路素子から共振器場を転向させることができるようにする。磁性材料及び高導電率場再形成器を使用して、共振器の被摂動品質係数Qを増加し、またソース共振器及びデバイス共振器の被摂動結合係数を増加できるようにする。
ワイヤレスで給電されるデバイスの実施例におけるサブシステムのブロック図を図39に示す。給電及び制御回路は、デバイス共振器102Dからの交流電力を転換し、またデバイスへの給電及び充電に適した安定直流電力に変換するよう設計する。給電及び制御回路は、デバイス共振器からの1つの周波数での交流電力を、デバイスへの給電及び充電に適した異なる周波数での交流電力に転換するよう設計する。給電及び制御回路は、インピーダンス整合回路2402D、整流回路2404、電圧制御回路(図示せず)、電流制御回路(図示せず)、AC−DCコンバータ回路2408、DC−DCコンバータ回路2408、DC−ACコンバータ回路2408、AC−ACコンバータ回路2408、バッテリ充電制御回路(図示せず)等を有することができる。
インピーダンス整合回路網2402Dは、デバイス共振器102Dとデバイス給電及び制御回路2304との間において所望周波数で送給される電力を最大化するよう設計することができる。インピーダンス整合素子は、共振器の高Q値を保持するよう選択及び接続することができる。動作条件に基づいて、インピーダンス整合回路2402Dは、ソースからデバイスに、ソースからデバイス共振器に、デバイス共振器とデバイス給電及び制御回路との間で、等々における電力送給を制御するよう変化又は同調させることができる。電力、電流及び電圧の信号をデバイス回路における任意のポイントでモニタリングすることができ、またフィードバックアルゴリズムの回路及び技術を使用し、コンポーネントを制御して所望の信号レベル及びシステム動作を達成することができる。フィードバックアルゴリズムは、アナログ又はデジタルの回路技術を用いて実装することができ、また回路は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイプロセッサ等を有することができる。
図39の第3ブロックは、デバイス共振器からの交流電圧電力をDC電圧に整流する整流回路2404を示す。この構成において、整流器2404の出力を電圧クランプ回路への入力とすることができる。電圧クランプ回路(図示せず)はDC−DCコンバータ2408D又はDC−ACコンバータ2408Dへの入力で最大電圧を制御することができる。概して、大きな入力電圧ダイナミックレンジでDC−DC/ACコンバータを使用するのが望ましく、これによりデバイスの位置及び動作の大きな変化が許容されるとともに、適度な電力がデバイスに送給される。例えば、整流器の出力における電圧レベルは変動し、電力入力及びデバイスの負荷特性が変化すると高レベルになる。デバイスが異なるタスクを実施するとき、電力要求が変化し得る。変化する電力要求は、負荷特性が変化するとき、整流器の出力に高電圧を生ずる。同様に、デバイス及びデバイス共振器がソースに対して接近したり、遠ざかったりするとき、デバイス共振器に送給される電力は変動し、整流器の出力における電力レベルを変化させる。電圧クランプ回路は、整流器回路空の電力出力がDC−DC/ACコンバータの動作レンジ内にある所定値を越えないよう阻止することができる。電圧クランプ回路を使用して、ワイヤレスエネルギー伝送システムの動作モード及びレンジ拡張することができる。
デバイス給電及び制御回路の次のブロックは、安定したDC出力電圧を生ずるDC−DCコンバータ2408Dである。このDC−DCコンバータは、昇圧コンバータ、降圧コンバータ、昇圧−降圧コンバータ、シングルエンド一次インダクタンスコンバータ(SEPIC:single ended primary inductance converter)、又は特別な用途の要件に適合する任意な他のDC−DCトポロジーとすることができる。デバイスがAC電力を要求する場合、DC−ACコンバータをDC−DCコンバータの代用として使用する、又はDC−DCコンバータに続いてDC−ACコンバータを使用することができる。デバイスが再充電可能バッテリを含む場合、デバイス給電及び制御回路の最終ブロックは、バッテリ動作デバイスにおけるバッテリの充電及びメンテナンスを管理するバッテリ充電制御ユニットとすることができる。
デバイス給電及び制御回路2304は、マイクロコントローラのようなプロセッサ2410D、デジタル信号プロセッサ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイプロセッサ、マイクロプロセッサ、又は任意な他のタイプのプロセッサを含むことができる。プロセッサを使用して、給電及び制御回路並びにデバイス共振器の状態又は動作ポイントを読み取る又は検出することができる。プロセッサは、回路、素子、コンポーネント、サブシステム及び共振器の動作ポイントを解釈及び調整するアルゴリズムを実装する。プロセッサを使用して、ワイヤレスで給電されるデバイスの、インピーダンス整合、共振器、DC−DCコンバータ、DC−ACコンバータ、バッテリ、充電ユニット、整流器、等々を調整することができる。
プロセッサは、他のデバイス又はソースに対する無線又は有線のデータ通信リンクを有することができ、またシステムの動作ポイントを調整するのに使用できるデータを送受することができる。単一周波数における又は周波数レンジにわたる、電力信号、電圧信号及び電流信号の任意な組合せをデバイス回路における任意なポイントでモニタリングすることができる。これら信号は、アナログ技術、又はデジタル技術、又はアナログ技術とデジタル技術との組合せを使用して、モニタリングすることができる。これらモニタリングした信号は、フィードバックループに使用することができる、又は既知の様々なやり方でユーザーに報告することができる、又は保存して後で検索することができる。これら信号を使用し、システム故障をユーザーに警告する、性能を表示する、又は音声、視覚、振動等のフィードバックをシステムのユーザーに供給することができる。
図40は、電力を単独の又は複数のデバイスに供給するよう構成した例示的ワイヤレス電力伝送システムのソース給電及び制御回路2302を示す。この例示的システムのソース給電及び制御回路2302は、家庭用電気コンセントのようなAC電圧源2502、バッテリのようなDC電圧源、コンピュータのUSBポート、太陽電池、他のワイヤレス電源等から給電されるものとする。ソース給電及び制御回路2302は、例えば、10kHzより大きくかつ100MHzより小さい周波数の交流電流によりソース共振器102Sを駆動することができる。ソース給電及び制御回路2302は、10kHzより小さい周波数の交流電流によりソース共振器102Sを駆動することができる。ソース給電及び制御回路2302は、DC−DCコンバータ回路2408S、AC−DCコンバータ回路2408S、又はAC−DCコンバータ回路2408S及びDC−DCコンバータ回路2408Sの双方、発振器2508、電力増幅器2504、インピーダンス整合回路網2402S等を有することができる。
ソース給電及び制御回路2302は、複数のAC又はDC電圧源2502から給電を受け、また回路コンポーネントのために必要な電圧レベルにする、並びにソース共振器を駆動するのに使用する電力増幅器のためにDC電圧を供給する、AC−DCコンバータ及びDC−DCコンバータ2408Sを含むことができる。DC電圧は、調整することができ、またこのDC電圧を使用して電力増幅器の出力電力レベルを制御することができる。ソースは力率補正回路を含むことができる。
発振器2508の出力を、ソース共振器102Sを駆動する電力増幅器2504への入力として使用することができる。発振器の周波数は同調可能とし、また発振器信号の振幅は、電力増幅器からの出力電力レベルを制御する1つの手段として変動し得る。発振器信号の周波数、振幅、位相、波形、及びデューティサイクルは、アナログ回路、デジタル回路、又はアナログ回路及びデジタル回路の組合せによって制御することができる。制御回路は、マイクロプロセッサのようなプロセッサ2410D、デジタル信号プロセッサ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイプロセッサ等を有することができる。
ソース共振器及びデバイス共振器のインピーダンス整合ブロック2402を使用して、給電及び制御回路とソース共振器及びデバイス共振器とを同調させることができる。例えば、これら回路の同調により、外部物体、又はシステムにおけるソースとデバイスとの間の距離の変化に起因する、ソース共振器又はデバイス共振器の品質係数Qの摂動を調整することができる。これら回路の同調を使用して、動作環境を感知し、1つ又は複数のデバイスへの電力の流れを制御し、ワイヤレス電力網への電力を制御し、安全でない又は故障モードでの条件を検出するときに電力を減少する等を行うこともできる。
電力信号、電圧信号、及び電流信号の任意な組合せをソース回路における任意なポイントでモニタリングすることができる。これら信号は、アナログ技術、又はデジタル技術、又はアナログ技術とデジタル技術との組合せを使用して、モニタリングすることができる。これらモニタリングした信号は、フィードバックループに使用することができる、又は既知の様々なやり方でユーザーに報告することができる、又は保存して後で検索することができる。これら信号を使用し、システム故障をユーザーに警告する、安全閾値を超えたことをユーザーに警告する、性能を表示する、又は音声、視覚、振動等のフィードバックをシステムのユーザーに供給することができる。
ソース給電及び制御回路はプロセッサを含むことができる。プロセッサを使用して、給電及び制御回路並びにソース共振器の状態又は動作ポイントを読み取る又は検出することができる。プロセッサは、回路、素子、コンポーネント、サブシステム及び共振器の動作ポイントを解釈及び調整するアルゴリズムを実装する。プロセッサを使用して、インピーダンス整合、共振器、DC−DCコンバータ、AC−DCコンバータ、発振器、ソースの電力増幅器、等々を調整することができる。システムのプロセッサ及び調整可能コンポーネントを使用して、周波数及び/又は電力送給時間多重化計画を実装することができる。プロセッサは、デバイス及び他のソース対する無線又は有線のデータ通信リンクを有することができ、またシステムの動作ポイントを調整するのに使用できるデータを送受することができる。
詳細なまた特別な設計をこれらブロック図に示すが、当業者には、コンポーネント及び構成ブロックの多くの異なる変更例及び再構成が例示的システムの精神内で可能であることは明らかであろう。回路の区分けを、図示目的のため概略的に示し、また当業者には、各ブロックのコンポーネントは、さらに小さいブロックに分割したり、合体させたり、共有したりできることは明らかであろう。透過的な実施例において、給電及び制御回路は、個々の個別コンポーネント、又はより大きい集積回路から構成することができる。例えば、整流器回路は個別ダイオードから構成する、又は単一チップ上に集積したダイオードを使用することができる。他の回路及び組み込んだデバイスの数は、電力又はサイズ又はコスト又は用途のような設計基準に基づいて設計内で置き換えることができる。給電及び制御回路全体、又はソース若しくはデバイスの回路における任意の部分を1個のチップに集積することができる。
デバイス及び/又はソースのインピーダンス整合回路網は、キャパシタ若しくはキャパシタ回路網、インダクタ若しくはインダクタ回路網、又はキャパシタ、インダクタ、ダイオード、スイッチ、抵抗等の任意な組合せを有することができる。インピーダンス整合回路網のコンポーネントは、調整可能及び可変のものとすることができ、またシステムの効率及び動作ポイントに影響を及ぼすよう制御することができる。インピーダンス整合は、共振器の接続ポイントを制御する、磁性材料の透磁率を調整する、バイアス場を制御する、励起周波数を調整する等によって行うことができる。インピーダンス整合は、任意な数の、バラクタ、バラクタアレイ、切替え素子、キャパシタバンク、切替え及び同調可能な素子、逆バイアスダイオード、空隙キャパシタ、圧縮キャパシタ、BZT電気同調キャパシタ、MEMS同調可能キャパシタ、電圧可変誘電体、変成器結合同調回路等、又はこれらの任意な組合せを使用又は設けることができる。可変コンポーネントは、機械的同調、熱的同調、電気的同調、圧電的同調等を行うことができる。インピーダンス整合の素子は、シリコンデバイス、窒化ガリウムデバイス、炭化ケイ素デバイス等とすることができる。素子は、高電流、高電圧、高電力、電流と電圧と電力との任意な組合せに耐えるよう選択することができる。素子は高Q値素子であるように選択することができる。
ソースの整合及び同調の計算は、デバイスに給電するUSBポートを介して外部デバイス上で実行することができる。デバイスは、コンピュータ、PDA、又は他の計算プラットフォームとすることができる。
ソース共振器を使用し、デバイス共振器に結合して複数の電子的消費側デバイスにワイヤレスで給電/再充填する実証的システムとしては、限定しないが、ラップトップ、DVDプレーヤー、プロジェクタ、携帯電話、ディスプレイ、テレビジョン、プロジェクタ、デジタルピクチャーフレーム、照明、TV/DVDプレーヤー、携帯音楽プレーヤー、回路ブレーカー、手持ちツール、PDA、外部バッテリチャージャー、マウス、キーボード、カメラ、能動負荷、等々がある。種々のデバイスを単独のデバイス共振器から同時に給電することができる。デバイス共振器はソース共振器として同時に動作することができる。デバイス共振器に供給される電力は、意図されるデバイス共振器に送給される前に、付加的な共振器を通過し得る。
モニタリング、フィードバック及び制御
いわゆるポートパラメータ測定回路は、所定の電力信号、電圧信号、及び電流信号を測定又はモニタリングし、システム及びプロセッサ又は制御回路内の信号は、それら測定に基づく所定の設定又は動作パラメータを調整することができる。これらポートパラメータ測定の他に、システム全体にわたる電圧信号及び電流信号の大きさ及び位相、並びに電力信号の大きさにアクセスして、システム性能を測定又はモニタリングすることができる。本明細書で言及する測定された信号は、ポートパラメータ信号、並びに電圧信号、電流信号、電力信号等の任意な組合せとすることができる。これらパラメータは、アナログ又はデジタルの信号を使用して測定することができ、サンプリングしかつ処理することができ、また多数の既知のアナログ及びデジタル処理技術を用いてデジタル化又は変換することができる。測定した、またモニタリングして信号を、フィードバック回路又はシステムに使用して、共振器及び/又はシステムの動作を制御することができる。概して、これらモニタリングした又は測定した信号は、参照信号、又はポートパラメータ測定値若しくは信号と称することができるが、場合によっては、エラー信号、モニタ信号、フィードバック信号等と称する。本明細書において、制御信号として電圧制御されたキャパシタを駆動するのに使用される電圧のように、回路素子を制御するのに使用される信号に言及する。
幾つかの事例において、回路素子を調整して、ソース共振器及びデバイス共振器用の特定又は所定のインピーダンス値を得ることができる。他の事例において、デバイス共振器を電力消費部に接続するとき、インピーダンスを調整して、ソース共振器及びデバイス共振器用の所望のインピーダンス値を得ることができる。他の事例において、インピーダンスを調整して、共振周波数の変化、又はソース共振器及び/又はデバイス共振器の移動若しくは共振器近傍の環境変化(例えば、相互作用材料又は物体の移動)に起因するインピーダンス若しくは電力レベルの変化、を軽減することができる。他の事例において、ソース共振器及びデバイス共振器のインピーダンスを異なるインピーダンス値に調整することができる。
結合される共振器は、異なる材料で形成することができ、また異なる回路、コンポーネント及び構造上の設計を有することができ、又は同一にすることができる。結合される共振器は、性能モニタリング及び測定回路、信号処理及び制御回路、又は測定及び制御回路の組合せを有することができる。高Q値磁気共振器の幾つか又はすべては、同調可能インピーダンス回路を有することができる。高Q値磁気共振器の幾つか又はすべては、自動制御される同調可能インピーダンス回路を有することができる。
図41は、共振器の所定パラメータを測定するよう構成したポートパラメータ測定回路3802を有する磁気共振器を示す。ポートパラメータ測定回路は、構体の入力インピーダンス又は反射電力を測定することができる。ポートパラメータ測定回路は、ソース共振器及び/又はデバイス共振器の設計内に設け、またSパラメータ(散乱パラメータ)、Zパラメータ(インピーダンスパラメータ)、Yパラメータ(アドミタンスパラメータ)、Tパラメータ(伝送パラメータ)、Hパラメータ(ハイブリッドパラメータ)、ABCDパラメータ(チェーン、カスケード又は伝送パラメータ)等のような2ポート回路パラメータを測定するのに使用することができる。これらパラメータを使用して、種々のタイプの信号を供給するとき、線形電気回路網の電気的挙動を記述することができる。
異なるパラメータを使用して、異なる動作シナリオ又は結合シナリオの下に電気回路網を特徴付けすることができる。例えば、Sパラメータを使用して、整合した又は不整合の負荷を測定することができる。さらに、磁気共振器内及び/又はソース共振器及びデバイス共振器内の電圧信号及び電流信号の大きさ及び位相は、種々のポイントでモニタリングし、システム性能情報を得ることができる。この情報は、システムのユーザーにユーザーインタフェース、例えば、光、読み上げ、ビープ、ノイズ、バイブレーション等を介して提示することができる、又はデジタル信号として提示することができる、又はシステム内のプロセッサに供給して、システムの自動制御に使用することができる。この情報は、ログ記録する、保存する、又は高次のモニタリング及び制御システムが使用できるようにする。
図42は、同調可能インピーダンス回路網を電圧制御キャパシタ3902又はキャパシタ回路網で実現する磁気共振器の回路図を示す。このようなな実装は、電気回路及び/又はコンピュータプロセッサ、例えば、プログラム可能電圧源3908等によって、調整、同調又は制御を行うことができる。例えば、電圧制御キャパシタは、ポートパラメータ測定回路3802が取得し、また測定分析及び制御アルゴリズムサブシステム3904が処理するデータに応答して調整することができる。参照信号は、ポートパラメータ測定回路から、又は所望システム動作ポイントからの偏差度を測定するよう設計した他のモニタリング回路から抽出することができる。測定された参照信号としては、システムの1つ又は数個のポイントにおける、単一周波数又は複数周波数の電圧、電流、複素インピーダンス、反射係数、電力レベル、等々がある。
参照信号は測定分析及び制御アルゴリズムサブシステムモジュールに供給され、同調可能インピーダンス整合回路網における種々のコンポーネントの値を変化させる制御信号を発生することができる。制御信号は、磁気共振器の共振周波数及び/又は入力インピーダンス、又はソースが供給する電力レベル、又はデバイスが引き出す電力レベルを変化させ、電源/発電機と電力ドレイン/負荷との間における所望の電力交換を得ることができる。
調整アルゴリズムを使用して、磁気共振器の周波数及び/又はインピーダンスを調整することができる。アルゴリズムは、システムにおける所望動作ポイントからの偏差度に関連する参照信号、及びシステムにおける可変又は同調可能素子を制御するその偏差に関連する出力補正又は制御信号を取り込むことができ、システムを所望動作ポイントに向けて戻し送りをすることができる。磁気共振器のための参照信号を取得するとともに、共振器はワイヤレス電力伝送システムにおいて電力を交換することができる、又は参照信号は、システム動作中に回路を切り替えることができる。システムに対する補正は、連続的、周期的、閾値越えする際に、デジタル的に、アナログ方法を使用して、等々で供給又は実施することができる。
図43は、端−端ワイヤレス電力伝送システムを示す。ソース及びデバイスの双方は、ポート測定回路3802及びプロセッサ2410を有することができる。「カプラー/スイッチ」と付記したボックス4002は、ポート測定回路3802を方向性カプラー又はスイッチによって共振器102に接続できることを示し、これによりソース共振器及びデバイス共振器の測定、調整及び制御が、電力伝送の機能性に関連させる、又はこの電力伝送の機能性から切り離すのを可能にする。
ポートパラメータ測定及び/又は処理回路をシステム内の幾つかの任意な又はすべての共振器に設けることができる。ポートパラメータ測定回路は、電力伝送信号の部分を利用することができる、又は周波数レンジにわたり励起信号を利用してソース/デバイス共振器の応答(すなわち、システムにおける任意な2つのポート間での伝送及び反射)を測定することができ、また振幅及び/又は位相情報を含むことができる。このような測定は、掃引単一周波数信号又は多重周波数信号による得ることができる。共振器及びワイヤレス電力伝送システムを測定及びモニタリングするのに使用する信号は、1個若しくは複数個のプロセッサ、及びデジタル−アナログコンバータ(DAC)を含む標準的な入/出力(I/O)回路、アナログ−デジタルコンバータ(ADC)、増幅器、信号発生チップ、受動コンポーネント等によって発生することができる。測定は、回路網アナライザのような検査機器を使用して、又は専用化した回路を使用して得ることができる。測定した参照信号は、ADCによってデジタル化し、コンピュータ、マイクロプロセッサ、DSPチップ、ASIC等で動作する専用化アルゴリズムを用いて処理することができる。測定した参照信号は、アナログ制御ループで処理することができる。
測定回路は、2個のポートパラメータ、Sパラメータ、Yパラメータ、Zパラメータ、Hパラメータ、Gパラメータ、Tパラメータ、ABCDパラメータ等のうち任意なセットを測定することができる。測定回路を使用して、駆動及び共振器回路の様々なポイントにおける電流信号及び電圧信号、システムの両側端部における、すなわち、ソース共振器の整合回路網からデバイスに向かって見る場合の、及びその逆に見る場合のソース共振器及びデバイス共振器のインピーダンス及び/又はアドミッタンスを特徴付けすることができる。
デバイスは、関連の信号及び/又はポートパラメータを測定し、測定データを解釈し、またその整合回路網を調整して、ソースのアクションとは無関係に結合されたシステム内を見る場合のインピーダンスを最適化することができる。ソースは、関連の信号及び/又はポートパラメータを測定し、測定データを解釈し、またその整合回路網を調整して、デバイスのアクションとは無関係に結合されたシステム内を見る場合のインピーダンスを最適化することができる。
図43は、ワイヤレス電力伝送システムにおけるソース及びデバイスのブロック図である。システムは、ソース共振器及びデバイス共振器のいずれか一方又は双方における同調/整合回路網を能動的に調整して、結合されるシステムの性能を最適化する制御アルゴリズムを実行するよう構成する。ポート測定回路3802Sは、ソースにおける信号を測定し、それら信号をプロセッサ2410に通信することができる。プロセッサ2410は、測定した信号を性能最適化又は安定化アルゴリズムで使用し、またそれらアルゴリズムの出力に基づいて制御信号を発生する。制御信号を同調/インピーダンス整合回路2402S内の可変回路素子に供給し、例えば、共振器における電力のようなソース動作特性、及びデバイスに対する結合を調整することができる。制御信号は、電源又は発電機に供給して、電源をオン又はオフにする、電力レベルを増大又は減少する。供給信号を変調する、等々を行うようにする。
ソースとデバイスとの間で交換される電力は様々な要因に基づく。これら要因としては、ソース及びデバイスの実効インピーダンス、ソース及びデバイスのQ値、ソース及びデバイスの共振周波数、ソースとデバイスとの間の距離、ソース及びデバイスの近傍の材料及び物体の相互作用等があり得る。ポート測定回路及び処理アルゴリズムは協働して、動的な及び安定状態の動作条件の下で、電力伝送を最大化するよう共振器パラメータを調整し、電力伝送を一定に保持し、電力伝送を制御可能に調整する、等々を行うことができる。
システム実施形態におけるソース及びデバイスのうち幾つか、又はすべてはポート測定回路3802S及び処理能力2410を持つ、又はいずれもが持たないものとすることができる。図44は、ソース102Sのみがポート測定回路3802及びプロセッサ2410Sを含む端部間ワイヤレス電力伝送システムを示す。個の事例において、デバイス共振器102Dの動作特性は、一定であるか、又はアナログ制御回路によって調整することができ、プロセッサが発生する制御信号の必要性がない。
図45は端部間ワイヤレス電力伝送システムを示す。ソース及びデバイスの双方ともポート測定回路3802を有するが、図45のシステムにおいては、ソースのみがプロセッサ2410Sを含む。ソース及びデバイスは互いに通信し合い、また所定システムパラメータの調整は、例えば、ワイヤレス通信回路4202を介してソースとデバイスとの間でワイヤレス通信された制御信号に応答することができる。ワイヤレス通信チャネル4204は、ワイヤレス電力伝送チャネル4208とは別個のものとする、又は同一とすることができる。すなわち、電力交換に使用される共振器102は、情報を交換するのにも使用することができる。幾つかの事例において、情報交換は、ソース又はデバイスの回路におけるコンポーネントを変調し、またポートパラメータ又は他のモニタリング機器によりその変化を感知することによって行うことができる。
ソースのみがプロセッサ2410を含む実施形態は、ソースが同調及び調整の「決定」すべてを取り扱い、また単に制御信号をデバイスに通信して返す複数デバイスシステムにとって有益であり得る。この実施形態は、デバイスをより小さくかつ安価にでき、これは、すなわち、デバイス内のプロセッサに対する必要性を排除する、又はプロセッサの必要とされる機能性を減少することができるからである。各デバイスにおける各ポート測定からの全データセットの一部を分析のためソースマイクロプロセッサに送り返し、また制御命令をデバイスに送り返すことができる。これら通信は、ワイヤレス通信とすることができる。
図46は、端部間ワイヤレス電力伝送システムを示す。この実施例において、ソースのみがポート測定回路3802及びプロセッサ2410Sを含む。ソース及びデバイスは、例えば、ワイヤレス通信回路4202を介して互いに通信し合い、所定システムパラメータの調整は、ソースとデバイスとの間でワイヤレス通信される制御信号に応答することができる。
図47は、結合した電磁共振器102を示し、その周波数及びインピーダンスは、プロセッサ又はコンピュータを使用して自動的に調整することができる。ソース共振器及びデバイス共振器の同調をとり、また連続的にインピーダンス調整する共振周波数は、図47にC1,C2,及びC3として示したキャパシタ回路網内に含まれる、逆バイアスダイオード、ショットキーダイオード及び/又はバラクタ素子により実現することができる。構成され、実証され、また本明細書に記載される回路トポロジーは、例示的なものであり、何ら自動システム同調及び制御の説明を制限することは意味しない。他の回路トポロジーを、本明細書に記載の測定及び制御アーキテクチャに使用することができる。
デバイス共振器及びソース共振器のインピーダンス及び共振周波数は、回路網アナライザ4402A〜B又は上述の他の手段によって測定することができ、またラボビュー4404のようなコントローラで実現することができる。測定回路又は機器は、フィードバックアルゴリズムを実装するコンピュータ又はプロセッサにデータを出力し、またプログラム可能なDC電圧源を介して周波数及びインピーダンスをと動的に調整することができる。
1つの構成において、同調可能キャパシタンスを実現するのに使用される逆バイアスダイオード(ショットキー、半導体接合等)は極めて僅かなDC電流を引き込み、また大きな直列出力抵抗を有する増幅器によって逆バイアスされることができた。この実施形態は、DC制御信号を共振器回路における制御可能な回路素子に直接供給することができるとともに、磁気共振器に極めて高いQ値を維持する。
C2のバイアス信号は、必要とされるDCバイアス電圧が異なる場合、C1及び/又はC3のバイアス信号から、図47に示すDC阻止キャパシタにより絶縁することができる。バイアス増幅器の出力は、回路グラウンドにバイパスし、RF電圧をバイアス増幅器から絶縁させ、また非基本RF電圧が共振器内に流入しないよう維持する。幾つかのキャパシタに対する逆バイアス電圧は、代わりに、共振器自体の誘導素子に供給することができ、これは、すなわち、誘導素子がDCでの短絡として作用するからである。
ポートパラメータ測定回路は、フィードバック又は制御システムの一部としてのプロセッサ(任意の必要なADC及びDACを含む)と信号を交換し、このプロセッサを使用して、共振周波数、入力インピーダンス、共振器によって貯蔵又は捕捉されるエネルギー、又はソースによって送給される若しくはデバイス負荷に送給されるエネルギーを自動的に調整する。プロセッサは、さらに、制御信号を磁気共振器内の又は磁気共振器に取り付けた同調又は調整回路に送信することができる。
同調可能なキャパシタとしてバラクタ又はダイオードを利用するとき、不変キャパシタを同調/整合回路内における高逆バイアス電圧で動作する同調可能キャパシタに対して並列及び直列に配置することは有益である。この構成は、回路の改善及びシステム安定性をもたらし、また同調可能キャパシタにおける動作電圧を最適化することにより電力取扱い能力をもたらすことができる。
バラクタ又は他の逆バイアスダイオードは、電圧制御キャパシタとして使用することができる。単一バラクタコンポーネントより高い電圧コンプライアンス又は異なるキャパシタンスが必要とされるとき、バラクタのアレイを使用することができる。バラクタは、直列及び並列接続したN×Mアレイとして配列し、アレイ内における個別バラクタとは異なる特性を有する2つの単独端子コンポーネントとして処理することができる。例えば、各行におけるコンポーネントを並列接続し、各列におけるコンポーネントを直列接続する同一バラクタのN×Nアレイは、アレイにおける任意の単独バラクタと同一キャパシタンスを有するが、アレイにおける任意の単独バラクタにおけるのとはN倍もの電圧コンプライアンスを有する2個の端子デバイスとして使用することができる。アレイにおける個別バラクタの可変性及びパラメータの差に基づいて、抵抗、インダクタ等から構成した付加的バイアス回路を必要とする。磁気共振器用途に適した非バイアスバラクタの4×4アレイ4502の概略図を図48に示す。
システム性能の更なる改善は、同調可能(バラクタ/ダイオード/キャパシタ)素子に並列及び/又は直列に配置した不変値キャパシタを注意深く選択することにより実現される。回路に対して出入りするよう切り替えられる複数の不変キャパシタは、検査、開発及び運用上のワイヤレス電力伝送システムで直面することがある、共振器Q値、インピーダンス、共振周波数、電力レベル、結合強度等の変化を補償することができる。切り替えられたキャパシタバンク及び他の切り替えられた素子バンクを使用して、システム設計が必要とする動作周波数及びインピーダンス値に収束するのを確実にすることができる。
遊離される磁気共振器及び結合される磁気共振器のための例示的制御アルゴリズムを、図47に示す回路及びシステム素子のそれぞれに対して説明する。1つの制御アルゴリズムは、先ず「遊離状態(in isolation)」にある、すなわち、システムにある他の共振器に対して「短絡された(shorted out)」又はシステムから「外された(removed)」状態にあるソース共振器ループ及びデバイス共振器ループのそれぞれを調整する。実用目的として、共振器は、例えば、C1及び/又はC3の値を最大化するなどして極めて低い周波数で共振させることにより「短絡」させることができる。このステップは、効果的に共振器間の結合を減らし、したがって、特定周波数及びインピーダンスにある単独の共振器に減少する。
遊離状態にある磁気共振器を同調することは、同調及び整合回路における同調可能素子を変化させ、最終的にポートパラメータ測定回路によって測定される値を、所定の、又は計算した、又は測定された相対値にすることである。ポートパラメータ測定回路によって測定される量の所望値は、望ましい整合インピーダンス、周波数、強結合パラメータ、等に基づいて選択することができる。例えば、以下に説明する例示的アルゴリズムとして、ポートパラメータ測定回路は、周波数レンジにわたりSパラメータを測定する。共振器を特徴付けるのに使用される周波数レンジは、得られるシステムインピーダンス情報と計算/測定速度との間の折合いであり得る。
遊離状態にある各共振器は以下のようにして同調することができる。先ず調整されていない共振器を短絡させる。次に、特徴付けされかつ調整されている共振器におけるC1,C2,及びC3を最小化する。多くの事例において、C1,C2,及びC3に並列接続される不変回路素子が存在し、したがって、このステップは、キャパシタンス値をゼロに減少しない。次に、共振器インピーダンスが、上述の測定周波数レンジにおける任意な周波数で「目標」実数部インピーダンスに整合するまでC2の増大化を開始する。初期的「目標」インピーダンスは、結合されるシステムの期待動作インピーダンスよりも小さい。
C2を調整し、この調整は、最終的に初期的「目標」インピーダンスを測定周波数レンジにおける周波数で実現するまで行うことができる。次に、C1及び/又はC3を調整し、この調整は、最終的にループが所望動作周波数で共振するまで行うことができる。
各共振器は、上述のアルゴリズムに従って調整することができる。遊離状態にある各共振器を同調させた後、第2フィードバックアルゴリズムを適用して、結合されるシステムにおけるワイヤレス電力伝送のための共振周波数及び/又は入力インピーダンスを最適化することができる。
結合されるシステムにおける各共振器のC1及び/又はC2及び/又はC3に対する必要な調整は、図43に示す「ポート」のいずれか一方及び/又は双方からの入力インピーダンスにおける実数部及び虚数部の値を測定及び処理することによって決定することができる。結合される共振器に関して、一方の共振器における入力インピーダンスを変化させると、他方の共振器における入力インピーダンスを変化させることができる。制御及び追跡アルゴリズムは、一方のポートを、その一方のポートにおける測定に基づいて所望動作ポイントに調整し、次に、他方のポートを、その他方のポートにおける測定に基づいて調整することができる。これらステップは、双方の側で所望動作ポイントに収束するまで繰り返す。
Sパラメータをソースポート及びデバイスポートの双方で測定し、またそれに続く一連の測定及び調整を行うことができる。以下の説明において、Z0は、入力インピーダンスであって、また目標インピーダンスとなり得る。幾つかの事例で、Z0は5オーム又は50オームに近似する。Z1及びZ2は、Z0と同一値となり得る、又はZ0とは異なり得る中間インピーダンス値とする。Re{値}は値の実数部を意味し、またIm{値}は値の虚数部を意味する。
2個の結合した共振器の入力インピーダンス及び共振周波数を調整するのに使用するアルゴリズムは、以下のように記述される。すなわち、
1) 上述したように、「遊離状態」にある各共振器を調整する。
2) ソースC1/C3を調整し、この調整は、ω0で、Re{S11}=(Z1+/-εRe)が以下のようになるまで行う。すなわち、
Re{S11@ω0} > (Z1+εRe)ならばC1/C3を減少させる。
Re{S11@ω0} < (Z0-εRe)ならばC1/C3を増加させる。
3) ソースC2を調整し、この調整は、ω0で、Im{S11}=(+/-εIm)が以下のようになるまで行う。すなわち、
Im{S11@ω0} >εImならばC2を減少させる。
Im{S11@ω0} < -εImならばC2を増加させる。
4) デバイスC1/C3を調整し、この調整は、ω0で、Re{S22}=(Z2+/-εRe)が以下のようになるまで行う。すなわち、
Re{S22@ω0} > (Z2+εRe)ならばC1/C3を減少させる。
Re{S22@ω0} < (Z0-εRe)ならばC1/C3を増加させる。
5) デバイスC2を調整し、この調整は、ω0で、Im{S22}=0が以下のようになるまで行う。すなわち、
Im{S22@ω0} >εImならばC2を減少させる。
Im{S11@ω0} < -εImならばC2を増加させる。
(Re{S11}, Im{S11})及び(Re{S22}, Im{S22})の双方がω0で((Z0+/-εRe), (+/-εIm))に収束するまでステップ1〜4を繰り返すことによって作動するシステムが得られ、ここでZ0は所望整合インピーダンス、ω0は所望動作周波数である。ここで、εImは、ω0で所望値0からの虚数部の最大偏差を示し、εReは、所望値Z0からの実数部の最大偏差を示す。当然のことながら、εIm及びεReを調整して、システム性能の潜在的コスト(効率)での収束のためのステップ数を増減することができる。さらに、当然のことながら、ステップ1〜4は、概略的に上述したものとは異なる種々のシーケンス及び種々のやり方で行うことができる(すなわち、先ずソース虚数部を調整し、次にソース実数部を調整する、又は先ずデバイス実数部を調整し、次にデバイス虚数部を調整する、等々)。中間インピーダンスZ1及びZ2は、ステップ1〜4中に調整して、収束に要するステップ数を減らすことができる。所望又は目標インピーダンス値は、複素数とし、また時間的に又は異なる動作条件下で変化し得る。
ステップ1〜4は、任意の順番、任意の組合せ、及び任意の回数で行うことができる。上述のアルゴリズムにつき説明したが、当業者にはステップ又は記載の実施形態に対する改変は明らかであろう。概略的に上述したアルゴリズムは、任意な等価の線形ポート回路網パラメータ測定(すなわち、Zパラメータ、Yパラメータ、Tパラメータ、Hパラメータ、ABCDパラメータ等)又は上述の他のモニタ信号で、インピーダンス又はアドミタンスを交互に使用して同一結果を導き出す線形回路を分析するのと同様に、実施することができる。
共振器は、ソース共振器とデバイス共振器との間における相互インダクタンスM(結合)の変化によって引き起こされる、「被負荷」抵抗Rs及びRdにおける変化に起因して再同調する必要があり得る。誘導素子自体におけるインダクタンスLs及びLdの変化は、上述したように、外部物体の影響で生じ、また補償を必要とする場合がある。このような変動は上述の調整アルゴリズムによって軽減し得る。
方向性を有するカプラー又はスイッチを使用して、ポートパラメータ測定回路をソース共振器及び同調/調整回路に接続することができる。ポートパラメータ測定回路は、磁気共振器の特性を測定するとともに、ワイヤレス電力伝送システムで電力を交換する、又はシステム動作中に回路に対する出入りを切り替えることができる。ポートパラメータ測定回路はパラメータを測定し、またプロセッサは磁気共振器における所定同調素子を、スタートアップ時に、又は所定インターバルで、又は所定システム動作パラメータの変化に応答して、制御することができる。
ワイヤレス電力伝送システムは、ソース共振器及びデバイス共振器のインピーダンス及び/又は共振周波数を変化又は同調させる回路を含むことができる。同調回路をソース共振器及びデバイス共振器双方で示すが、代案として、この回路はソース共振器又はデバイス共振器の一方のみに設けるか、ソース共振器及び/又はデバイス共振器の幾つかのみに設けることができることに留意されたい。さらに、共振器のインピーダンス及び/又は共振器を「同調」させるものとして回路に言及するが、同調操作は、単に構体のインダクタンス又はキャパシタンスのような種々の電気的パラメータを変化させることを意味する。幾つかの事例において、これらパラメータを変化させて特定の所定値を得る、他の事例において、制御アルゴリズムに応答して変化させ、変化する目標性能値を安定化させることができる。幾つかの事例において、パラメータは、温度、又は他のソース、又は領域内デバイス、又は環境等の関数として変化する。
集積共振器−シールド構体
ワイヤレス電力伝送の幾つかの実施形態及び用途において、電子デバイス、回路板、金属物体、損失性物体等のような他の物体の極めて近傍に共振器構体を配置するのが必要又は望ましい場合がある。幾つかの実施形態において、幾つかのタイプ、例えば、バッテリ、回路板、損失性物体及び/又は金属のような物体が極めて近傍にあると、電力伝送システムの性能に悪影響又は摂動を与えることがあり得る。幾つかの物体の極めて近傍は、電力伝送に関与する共振器のうち1つ又は複数の品質係数を低下させる、又は2つ又はそれより多い共振器間の結合に影響を与えることがあり得る。幾つかの実施形態において、共振器が発生する電磁場は、例えば、電子デバイス又は回路の動作に影響を与える、又は物体を加熱することによって、共振器周りの物体にも影響を及ぼす場合がある。
実施形態において、物体に対する電磁場の効果並びにワイヤレス電力伝送のパラメータ又は共振器のパラメータに対する物体の効果は、上述したように、また図21及び図25〜27に示すように、共振器と物体との間にシールド構体を導入することによって、少なくとも部分的に軽減することができる。幾つかの実施形態において、シールド構体及び共振器は、1つの構体として一体化し、共振器構体を物体近傍に配置又は位置決めしても、共振器の品質係数Qに対する効果を最小限にし、同様に、外部物体に対する効果も最小限にすることができる。幾つかの実施形態において、一体化した共振器及びシールド構体は、共振器及びシールド構体を別個の各部分から組み立てる構体よりも少なくとも1つの寸法が小さくなる。
上述したように、平面状共振器、又は磁性材料のブロックを有する共振器に対して外部物体から摂動を被るのをシールドする1つの方法は、共振器と物体との間に良導電性材料のシートを配置することである。例えば、図49(a)に示すように、磁性材料のブロック4914及びブロック4904の周りに全体的に巻き付けた導体ワイヤ4916を有する平面状共振器4918に対して、良電気導体4912のシートから構成するシールドを、共振器4918に近接配置し、導体シールド4912の下側に位置する物体4920の効果から共振器を少なくとも部分的に遮蔽し、また同様にシールド下側に位置する物体を、共振器が発生する電磁場の効果から遮蔽することができる。図面は共振器キャパシタを明示しないが、本明細書に記載の磁気共振器は、導電性ワイヤループから構成し、上述したように、空隙を有して、又は磁性材料のブロック及び容量素子の周りに巻き付けた誘導素子を備えることができること明らかである。
図49(a)に示すような導電性シールドを追加することの1つの物理的効果は、「イメージ」共振器を導電性シールドの他方の側に生ずることである。当業者であれば、本明細書に記載の「イメージ」は、導体全体に沿う電磁的境界条件を複製するのに使用されるイメージ帯電及び結像方法と同様であることは理解されるであろう。「イメージ」共振器は、共振器自体における電磁的電流を鏡写しにする「イメージ」電流を有する。シールドのサイズが共振器サイズよりも極めて大きい限りにおいて、実際の共振器領域における電磁場は、実際の共振器が発生する場及びイメージ共振器が発生する場の重ね合わせとして表現することができる。幾つかの実施形態において、共振器構体にシールドを設けることの付加的恩恵は、シールドが共振器構体における磁性材料の有効厚さを倍化することである。
シールドが平坦、大形、共振器に近接、及び高導電性である限りにおいて、実際の構体及びイメージ構体の内側導体セグメント(実際の共振器とイメージとの間)に流れるイメージ電流及び実際の電流は、ほぼ等しくて逆向きであり、それらが発生する電磁場はほぼ相殺される。したがって、磁性材料の底面を横切るワイヤセグメントは、共振器の場全体に対してほとんど関与しない。しかし、その抵抗損失は共振器のQ値を低下させ、またその厚さは構体の全体厚さを増大させる。
幾つかの実施形態において、導電性シールドを平面状共振器の近傍に配置して、より薄い共振器を使用し、2倍の厚さのものと同様の性能が得られるようにすることができる。他の実施形態において、薄い共振器は、図49(a)に示す磁性材料の「底面」を横切る導電性ワイヤのセグメントを移動又は排除することによって、一層薄く形成することができる。上述したように、これらワイヤセグメントは場全体にほとんど関与せず、しかし、その抵抗損失は共振器のQ値を低下させ、またその厚さは構体の全体厚さを増大させる。これら導電性ワイヤセグメントを共振器構体から移動又は排除する場合、代わりの電気的電流経路が得られ、電流は、誘導素子を流れ、また共振器の磁性材料の周りを流れることができる。
磁性材料のブロックの下側からワイヤセグメントを排除するとともに、シールドを確保する1つの構体を図49(b)に示す。実施形態において、電流は、残りの巻線セグメントを導体シールドに直接接続することによって、残りの巻線セグメントに帰還させることができる。このような共振器とシールドとの組合せによれば、シールドには直接電気的に接続しないが、連続ワイヤ巻付けを使用する等価共振器よりも高いQ値を有し、ただし、新たに一体化したシールド及び残りの巻線における電流分布は、導体シールドが個別である形態とほぼ同一となる。幾つかの実施形態において、一体化した共振器−シールド構体における同一の電流分布は、各導体ワイヤセグメントにおける電流を個別に駆動又は制御することによって得ることができる。他の実施形態において、電流分布は、以下に示すように、シールドを個別導体セグメントとして分離することによって得ることができる。
実施形態において、シールドを共振器の一部として明確に組み入れ、また共振器のシールド機能を持たない他の部分に接続する導体シールドを使用して電流を搬送することは有利である。一体化共振器−シールド構体は、シールド内に発生するイメージ電流による抵抗損失を排除することができ、また個別のシールド及び共振器を用いる構体に比べて高い品質係数を有する。
一体化共振器−シールド構体の誘導部分の例示的実施形態を図49(b)に示し、この実施形態は、導体シート4922、磁性材料ブロック4904、及び導体ワイヤセグメント4910を備える。磁性材料ブロック4904は導体シート4922の頂面に配置し、またコアは導体ワイヤセグメント4910によって部分的に巻き付ける。導体ワイヤセグメント4910の端部は、導体シールドにおける磁性材料ブロックによってカバーされていない両側の側面に接続する。換言すれば、導体ワイヤセグメントは、磁性材料ブロックを部分的にしか巻き付いていない。すなわち、導体ワイヤセグメントは磁性材料コア周りに完全に巻き付いておらず、むしろシールド又はシールドのセグメントに接続して電気回路を完遂する。図49(b)において、導体ワイヤセグメントは、磁性材料ブロックの頂面及び両側の側面に巻き付く。導体ワイヤセグメントは、導体ワイヤセグメントの2つの端部間の電気的接続を完遂するのに使用される導体シールドに接続する。実施形態において、導体シールドは、導体ワイヤセグメントのための電流経路の一部として機能する。
幾つかの実施形態において、一体化共振器における巻線セグメント及びシールドの全体的電流分布は、冗長電流を考慮した後であっても、個別の共振器及びシールドにおけるものとは大きく異なる。この相違は、例えば、巻線の残りのセグメントを単にシールドに電気的に接続する(例えば、はんだ付けによって)場合に生じ、この場合、個別の巻線はすべてシールドに並列接続され、付加的電力制御が各導体ワイヤセグメントに加わらない限り、電流は巻線の最も低いインピーダンスを呈する部分に優先的に流れる。このような電流分布は、すべての用途に対して好適ではない場合がある。例えば、このような電流分布は、損失を最小化及び/又は性能を最適化するものでない場合がある。
一体化共振器−シールド構体の他の一実施形態は、連続導体シールドを明確に電気的に絶縁した導体セグメントとして分離する。図49(c)において、一体化共振器−シールド構体は導体シールド4908を有し、この導体シールド4908は、明確に絶縁した導体セグメント4902,4912等に分離又は分割し、これら導体セグメント4902,4912等は、異なる導体ワイヤセグメント4910,4914の端部に接続して、導体ワイヤセグメント間に電気的接続を形成しかつ1つの連続した導電経路を生ずる。最終的に、一連の導体ワイヤセグメントが、導体シールドの電気的に絶縁されたセグメントと交互配置される結果となる。
一体化共振器−シールド構体の一実施形態における頂面図、側面図、正面図及び分解斜視図を、それぞれ図50(a),50(b),50(c),及び図51に示す。一体化共振器−シールド構体は、複数の絶縁した導体セグメント又は経路4902,4912に分離した導体シールド4908を有し、これら導体セグメント4902,4912は導体ワイヤセグメント4910,4914の端部に接続し、これら導体ワイヤセグメント4910,4914は磁性材料ブロック4904を部分的に巻き付き、導体ワイヤセグメントは、むしろ磁性材料の一部をカバーするよう経路付けされる。図50(c)の共振器正面図から分かるように、導体ワイヤセグメント4910は磁性材料コア4904の周りに全体的に巻き付いておらず、部分的にのみ巻き付いて、導体ワイヤセグメント4910は導体シールド4908の異なるセグメントに接続される。
実施形態において、導体シールドは、複数セグメントとして分離し、またシールドセグメントを導体ワイヤセグメントに接続し、導体ワイヤセグメントの各々又は幾つかが直列接続される結果となるよう整形することができる。ワイヤセグメントを直列接続するよう整形及び構成したセグメントを有する例示的導体シールドを図50(a)に示す。導体シールド4908の各セグメント4902,4912は、異なる導体ワイヤセグメント4910の2つの端部を接続するよう整形する。この実施形態において、例えば、個別のシールドセグメント及び導体ワイヤセグメントが直列接続され、磁性材料コア4904の周りに頂部から底部まで部分的に巻き付き、またシールドの平面で磁性材料ブロックの周りに部分的に巻き付く1つの連続した導体を生ずる。図50(a)に示す実施形態に対して、例えば、有効導体は、1つの導体ワイヤセグメント4906の端部を起点とし、磁性材料ブロック4904上方の導体ワイヤセグメントと、導体シールド4908のセグメントとの間を交互に延在し、磁性材料ブロック4904の周りに経路付けされる。第1導体ワイヤセグメント5006は、磁性材料ブロック4904上に経路付けされ、また導体シールドセグメント5010に接続し、この導体シールドセグメント5010は、磁性材料上に経路付けされる他の導体セグメント9914に接続し、この導体ワイヤセグメントと導体シールドセグメントの交互パターンは、導体シールド5008の最終導体セグメントに達するまで繰り返される。導体シールドにおけるセグメントと、磁性材料コア上方の導体ワイヤセグメントとの組合せは、有効連続導体を生じ、またひいては振動磁場を介するワイヤレス電力伝送又は捕捉に使用される一体化シールドを有する磁気共振器を生ずる。実施形態において、導体ワイヤセグメントは、任意なタイプのワイヤ、例えば、中実ワイヤ、リッツワイヤ、標準ワイヤ等とすることができる。他の実施形態において、導体ワイヤセグメントは、PCB若しくはフレックス回路配線、導体、ストラッピング、ストリング、管材、テープ、インク。ジェル、ペイント等を有することができる。
図50(a)に示す構体は、例えば、有効導体5006,5008の2つの端部を少なくとも1個のキャパシタ及び振動電圧電源に結合することによりソース磁気共振器として使用することができる。有効導体における振動電流は、導体シールド4908にほぼ平行な振動磁場を発生するとともに、共振器−シールド構体の下側5004に位置する損失性物体に対する遮蔽を行う。さらに、発生した場は、所定結合シナリオの下であたかも磁性材料ブロックの実際の厚さ寸法tの2倍の磁性材料ブロックを有する共振器が発生したかのように出現する。
実施形態において、有効導体が外部電源又は外部振動磁場によって付勢されるとき、導体ワイヤセグメント内の電流がほぼ同一方向に流れるように、導体ワイヤセグメント及び導体シールドを接続するのが好ましい。例えば、図50(a)に示す実施形態に関して、導体ワイヤセグメントは、有効導体を導体端部又はリード線5008,5006を経て付勢するとき、すべての個別の導体ワイヤセグメント4910等内の全ての電流が同一方向に流れ、この方向が有効導体に誘導される電圧の極性に依存するように接続する。導体ワイヤセグメント内を同一方向に流れる電流は最も強い磁場を発生する。
実施形態において、シールドセグメント内の電流が、共振器の中心線5010の上方又は下方でシールドセグメントに対して逆方向に流れるよう、導体シールドのセグメントを接続するのが望ましい場合がある。例えば、図50(a)に示す実施形態に関して、導体シールドの導体セグメントは、有効導体を端部5008,5006で付勢するとき、共振器の中心線5010上方の電流が、導体シールド4908の導体セグメント4902,4912における共振器の中心線5010下方の電流とは逆方向に流れるように接続する。すなわち、中心線上方の導体セグメント内の電流がほぼ時計方向に流れる場合、中心線下方の電流はほぼ反時計方向に流れる。導電性シールドセグメントの頂面部分及び底面部分における対向流電流は、互いに高め合う又は同一方向に指向する共振器の対応部分によって発生する磁場を導き、導体シールドに平行な平面に向かう共振器の双極子モーメントを強める。
実施形態において、導体シールドセグメントを生ずる一体化シールドの分離は、首尾一貫するよう行うことができ、これにより、一体化構体における結果として生ずる電流分布は、少なくとも個別共振器及びシールドを有する元のシステムと同じように(結果として生ずる品質係数、シールドの有効性、他の共振器との結合等により規定されるように)機能を果たす。
実施形態において、導体シールドのセグメントの形状及び分布は、各シールドセグメント、各導体巻線セグメント、又は組合せセグメントの区域における電流を等しくするよう設計することができる。各シールドセグメントがほぼ等しい電流を搬送するよう導体シールドを整形及び分割し、またシールドセグメントを整形するのが望ましい。このような電流分布は、例えば、近接損失を減少することができる。シールドセグメントの整形は、しばしば、磁性材料に最も接近するときより狭小又はより薄くなり、磁性材料から遠ざかるにつれてより厚く又はより幅広になるように行われる。このことは、幾つかの実施形態において好ましいものであり、これは、すなわち、等しい電流に最も平行となるすべての導体セグメントを駆動することから生ずる分布が、非一体化共振器−シールド構体に近接配置される中実シールド内の電流分布に近似するからである。
パターンの一般的特性は、例えば、図50(a)に示す実施形態のシールドセグメント形状に見ることができる。図面において、導体セグメント4912,4902は、導体シールド4908のより大きい領域にわたって広がる又はカバーするとき、セグメントは磁性材料ブロック4904から遠ざかる。非一体化共振器−シールド構体において、導体シールド内に誘導される有効電流は磁性材料ブロック4904により近接する領域で増加する。図50(a)に示すようにシールドセグメントを整形することにより、セグメント化したシールドを有する一体化構体におけるのとほぼ同様の電流分布にする。
実施形態において、導体シールドは、磁性材料ブロックの下側ですべての方向に延在させる必要はない。実施形態において磁性材料ブロックの下側領域は、共振器の動作中磁場がほとんどない状態にすることができる。実施形態において、導体シールドは、磁性材料ブロックの下側(そうではない場合、磁性材料ブロック及び導体シールドがオーバーラップする領域)に孔又は切欠きを設けることができる。実施形態において、このシールド材料除去により、共振器構体をより軽量にし、また作製がより安価になる。例えば、図51は組立てた構体で磁性材料ブロック4904とオーバーラップする導体シールド領域に切欠き又は孔5102を設けた導体シールド4908を備える一体化共振器−シールド構体の実施形態の分解斜視図を示す。
実施形態において、シールドの有効サイズは、磁性材料ブロック又は共振器の誘導部分の寸法よりも大きくすることができる。導体シールドの正確な寸法は異なる用途ごとに異ならせることができる。例えば、例えば、携帯電話又は他の手持ち電子機器のような小型デバイス用に設計した共振器において、導体シールドは磁性材料ブロックの各方向の長さの少なくとも15〜20%確実に突出するようにするのが好ましい。このシールド突出は、携帯電話又は他の手持ち電子機器における損失性材料から付加的な遮蔽を行うことができる。磁性材料に対するシールドのサイズは、遮蔽が有効となることを意味する物体のタイプ及びサイズに依存する。導体シールドのサイズは、例えば、シールド背後の物体又は材料がそれほど損失性でない場合には、減少させることができる。共振器を極めて損失性のあるスチール平面上に配置する実施形態においては、しかし、スチールにおける損失を最小化するようシールドをより大きくするのが望ましく、またシールドは、磁性材料ブロックの寸法よりも30%大きい、又はそれより大きい寸法にすることができる。
実施形態において、セグメント化したシールドは、任意の多数の作製技術により、例えば、機械加工、電気メッキ、電着、エッチング、塗装、パターン形成等によって、またグリッドアンドフレキシブル印刷、堆積、腐食等の回路板技術によって、製造することができる。導体シールドにおける個別セグメントは、単一ピースの導体を機械加工することによって形成することができる。実施形態において、シールドセグメント間の分離は、付加的な分離又は絶縁空間、層又は材料を有することができる。このような付加的分離は、セグメント間の電気的絶縁を改善し、また2つの隣接する導体配線間の電気的アーク発生を防止することができる。
実施形態において、導体シールドは、さらに、絶縁体によって分離した複数の導体層に分割することができる。層状シールドを使用して、導体断面を増加させることができ、この増加した導体断面にわたり、上述したように、動作周波数でのスキン深さ効果によって設定される限界を超えて電流が流れる。実施形態において、層状化シールドは、導体セグメントのAC抵抗を減少し、また構体の品質係数を増加させることができる。層状化シールドは、さらに、薄くかつコンパクトな構体におけるほぼ互いに直交する指向性を有する双極子モーメントを有する一体化共振器−シールド構体を得るのにも使用することができる。このような構体は、磁性材料ブロックの頂面で互いに直交する導体ワイヤセグメントを有することができる。シールドセグメントの各層自体は、さらに、より狭小な導体配線に分割することができ、この導体配線により、シールドにおける電流密度プロファイルに対する付加的な制御を行うことができ、またさらに、構体の性能を向上させることができる。
実施形態において、導体シールドのセグメントは、磁性材料ブロックの周りに部分的に巻き付ける導体ワイヤセグメントの直列接続を生ずるよう整形及び配列することができる。例えば、図50(a)に示す実施形態において、シールドセグメント4912,4902は共振器の中心線5010に対して非対称にする。各シールド配線は、2個の異なる導体ワイヤセグメント4910の端部を接続して、導体ワイヤセグメントが中心線5010に対して対称パターンに配列されるよう整形する。このような構成は、導体ワイヤの設計をより簡単にできるので、幾つかの形態に有利である。磁性材料ブロックの周りに部分的に巻き付ける導体ワイヤは、すべて平行にし、共振器構体に対して直交させる。他の実施形態において、シールドセグメントは、導体シールドの中心線に対して完全に又は部分的に対称的にすることができ、この場合、磁気コア上方に部分的に巻き付ける導体ワイヤセグメントは、異なるシールドセグメントの2つの端部を接続するよう配列することを必要とする。例えば、図52(a)に示す実施形態において、導体シールドのシールドセグメント5206,5210共振器の中心線5204に対して対称的にする。導体セグメントの直列接続は、磁性材料ブロック4904に部分的に巻き付ける導体ワイヤセグメント5208を非対称的に整列させる、又は斜めに整列させることによって行う。幾つかの実施形態において、非対称又は対称的なシールドセグメントと、非対称又は対称的な導体ワイヤセグメント経路付けの組合せを使用して、導体の幾つか又は全てを共振器の所望特性に基づいて直列又は並列接続することができる。例えば、共振器に大電流が存在する幾つかの高電力形態に関しては、導体ワイヤセグメントの少なくとも幾つかを並列接続して、導体内の損失を減少することができる。
実施形態において、磁性材料ブロックに部分的に巻き付ける導体ワイヤセグメントは、個別のワイヤ、又はリッツワイヤのような編組ワイヤから構成することができる。実施形態において、導体ワイヤは、フレックス回路若しくは配線、又はプリント回路若しくは配線から構成することができ、また磁性材料ブロック上に折り当てるよう形成することができ、また導体シールドの導体セグメントに電気的接続を行う適切な接点若しくはアタッチメントを有することができる。例えば、図52(b)は、導体ワイヤセグメントを単一ピース5214に一体化した例示的実施形態を示し、この単一ピース5214は、プリント回路板、フレックス回路等とすることができ、また磁性材料ブロック4904上に折り当てるよう形成し、また導体シールド5202の導体シールドと適切な電気的接触を生ずることができるようにする。
実施形態において、シールド及び導体ワイヤセグメントは、潜在的に再現性及び性能を向上するとともに製造コストを削減する同一プロセスで作製することができる。実施形態において、一体化シールド及び導体ワイヤセグメント構体は、可撓性PCBとして作製することができ、また共振器構体は、磁性材料ブロックを一体化シールド及び巻線内に簡単に挿入することによって完成することができ、次に結果として得られた構体を適切な回路に接続する。図53(b)に示す例示的実施形態において、導体セグメント(図示せず)を有する導体シールド5314及び個別の導体セグメント(図示せず)を有する導体ワイヤ部分5312による構体全体は、1つのプリント回路板とすることができ、このプリント回路板において、磁性材料ブロック配置の支援を容易にするよう導体ワイヤ部分5312を曲げ加工又は形成する。
実施形態において、共振器の支持回路の幾つか又はすべてを、一体化共振器−シールド構体の導体シールドと同一のプリント回路板上に作製することができる。例えば、プリント回路板の一方の側面は導体シールドのプリント導体配線を有するとともに、他方の側面は電子コンポーネント及びプリント配線を有し、また共振器の給電及び制御回路を収容するのに使用する。
実施形態において、磁性材料ブロックは、中空とする、又は導体シールドに対面する側面に空洞を設けて、有効磁場又は共振器を最小限にし得る。磁性材料における空洞を使用して、共振器を給電及び制御するのに使用する増幅器又は整流器のような電気的又は電子的なコンポーネントを収容することができる。電子コンポーネントは、共振器の特性及びパラメータに大きな影響を与えることなく、また同様に、共振器の磁場によって大きな影響を受けることなく、空洞内に配置することができる。例えば、図53(b)は、例示的な一体化共振器−シールド構体を示し、この場合、底面5308又は磁性材料5302の導体シールド5312に対面する側面は、コンポーネント又は電子機器を配置する空洞5304を有するよう形成する。空洞5304内にコンポーネントを配置することによって、磁性材料及びシールドの下側に設計した給電及び制御回路を有する一体化共振器−シールド構体に対して、共振器構体の高さ又は厚さに対する影響を少なくする又は全くないものにする。幾つかの実施形態において、アンテナ等は、この空洞内に配置し、また磁性材料がほぼ透過性を有する、又は少なくとも有効遮蔽を行わない周波数で動作することができる。このような実施形態において、アンテナは、共振器の存在からほとんど減衰を受けない。
実施形態において、一体化共振器−シールド構体の導体シールドは、付加的な曲げ、湾曲、フラップ等を有し、発生する若しくは共振器に影響する磁場を向上、改善、又は変化できるようにする。一体化共振器−シールド構体の導体シールドは、個別の共振器及び導体シールドを有する設計のために、上述のような曲げ、湾曲、フラップ等のうち任意なものを有することができる。例えば、一体化共振器−シールド構体の導体シールドは、磁性材料ブロックに向かって突出するフラップを有する形状にし、より大きなサイズの導体シールドを必要とすることなく、一体化シールドの有効サイズを大きくすることができる。
実施形態において、一体化共振器−シールド構体の設計は、特定用途に必要な特定形態、電力レベル、周波数、向き、環境等で動作するよう、サイズ決定、変更、構成等を行うことができる。導体ワイヤセグメントに個数、導体シールドにおける個別導体セグメントの個数、ワイヤゲージ、導体シールドの厚さ、磁性材料の厚さ、シールドの寸法、等々は、すべて特定設計要件に合致するよう変更及び操作することができる。
実施形態において、一体化共振器−シールド構体は、1つより多い磁気双極子モーメントを有する構体に変更及び拡張することができる。磁性材料ブロックは互いに直交する方向に、又は非平行な方向に導体ワイヤセグメントを部分的に巻き付け、導体シールドのセグメントは、導体ワイヤセグメントを直列、又は並列又は切替え形態で接続するよう配列することができる。例えば、2個の互いに直交する双極子モーメントを有する一体化共振器−シールド構体の例示的実施形態を、図54に示す。この実施形態において、4個の突出部を有する磁性材料ブロック5404には導体ワイヤセグメント5406を部分的に巻き付け、これら導体ワイヤセグメント5406は、磁性材料ブロック5404の周りに延在し、また構体の導体シールド5402の導体セグメント5410に接続する。導体セグメント5410は、導体ワイヤセグメント5406を直列又は並列に接続するよう、又は異なる双極子モーメントを個別に励起できるスイッチを有するよう形成することができる。構体は、磁性材料ブロックに対して互いに直交する方向に巻き付ける導体ワイヤセグメントを有し、それぞれが導体シールドの表面に対して平行な、2つの互いに直交する磁気双極子モーメントを発生できるようにする。導体シールドのセグメントは、連続電流経路をもたらすとともに、構体の下側5412に配置される与摂動物体から共振器を遮蔽するのに使用する非一体化シールドに関連する損失を排除する。
高Q値磁気共振器タイプ(ここでさらに説明する)
本明細書に記載の異なる高Q値磁気共振器の形態を、用途の環境特性に基づいてワイヤレスエネルギー伝送用途で最適に展開することができる。例えば、用途が非損失性環境にある場合、図4及び9に示すような容量負荷ループ磁気共振器を効果的に利用することができる。説明を分かり易くするため、以下の共振器用途の説明において、このタイプの高Q値磁気共振器は「タイプA共振器」と称する。これは、他の同様に言及する共振器タイプと同様に、何ら限定することを意味せず、用途実施形態を説明するとき、高Q値磁気共振器の一般クラスに対する簡素化記述子を与えることを意味するものである。この事例において、タイプA共振器は、本明細書に記載のように、特別に損失性環境には適用しない一般クラスの高Q値磁気共振器を示す。実施例において、タイプA共振器は、壁のピクチャーフレームに組み込むことができ、これはピクチャーフレーム近傍における室内に展開した受け側共振器のためのソース共振器として作用する。タイプA共振器は、この環境でうまく動作し、これは、すなわち、ピクチャーフレームを取り付けた壁の周囲環境には本来2,3の損失性物体しか存在しないからである。例えば、一般住宅における木枠及び石こう壁ボードは、それほど損失性を持たず、したがって、タイプA共振器は、この環境に効果的に展開することができる。
損失性材料が共振器近傍にある用途環境において、周囲物体との相互作用を減らす高Q値共振器形態はより最適に動作し、この場合、例えば、共振器に組み込んだ導電性材料及び/又は磁性材料を使用して近接場を損失性物体から逸らせるよう導く。比較的損失性である物体の例としては、回路板、良導体ではない金属、強磁性材料、磁石(例えば、共振器の波長に最適ではない磁石)、テレビジョン画面、LCD画面、スチール(例えば、乗用車の車台)等があり得る。比較的非損失性である物体の例としては、人間、木材、カーペット、動物、ガラス、セメント、鉄筋のない舗装道路、等々がある。さらに、何が損失性又は非損失性である物体を構成するかを以下に説明する。
高Q値磁気共振器と周囲の物体との間における近接場相互作用を減少する方法としては、損失性物体を回避するよう磁気共振器場を整形する高導電率材料を使用することである。高導電率材料を使用して、近傍にある損失性物体を回避するよう電磁場を仕立てるプロセスは、場を転向又は再整形する材料として高導電率材料を視覚化することによって理解することができる。外因性損失は減少できるが、損失性物体又は材料の位置に対して共振器の上方、下方、側面等に高導電率材料の単一平面を配置することによっては、完全に排除できない。容量負荷ループインダクタを共振器102として使用し、また高導電率材料の表面1802をインダクタループの内側で損失性物体1804の下側に配置して、損失性物体の位置における場の強度を低下させる実施例を図21に示す。説明を分かり易くするため、共振器用途に関する以下の説明において、このタイプの高Q値磁気共振器は「タイプB共振器」と称し、このタイプの共振器の場合、ある程度、高導電率材料は共振器近傍で使用し、共振器近傍の環境にある損失性物体を回避するよう共振器場を整形する。例えば、乗用車のスチール製車台上に配置した共振器は、損失性物体としての車台と相互作用し得る。この事例において、タイプB共振器を使用し、例えば、共振器と車台との間に高導電率材料を配置して車台を回避するよう共振器場を整形することができる。さらに、本明細書に記載したように、磁性材料を共振器ループとタイプB共振器の高導電率材料との間に配置して、磁場の操作を改善できるようにし、この場合、磁性材料は共振器の動作周波数で低損失となるものを選択する。
タイプA及びタイプBの共振器における近接場プロファイルは、一般的に双極子共振器又は発振器と関連するものに類似し得る。このような場プロファイルは、無指向性として記載することができ、場の大きさが物体から離れる全方向に非ゼロであることを意味する。1個ではあるが、構体全体サイズのオーダーで空隙を有する開放磁気回路を形成するよう組み立てた磁性材料を使用して、磁気共振器構体を実現することができる。これら構体において、本明細書に記載のように、高導電率材料を磁性材料から形成した構体の周りに巻き付け、磁気共振器の誘導素子を形成する。説明を分かり易くするため、共振器用途に関する以下の説明において、このタイプの高Q値磁気共振器は「タイプC共振器」と称する。これら磁気共振器は、容量負荷インダクタループ共振器のための事例として、2次元共振器構体の平面に直交するのではなく、この平面上に双極子モーメントを有する。単一の平面状共振器構体の線図を図11(a)に示す。平面状共振器構体は、強磁性体のような磁性材料のコア1121を有し、導電性材料のループ1122をコア1121の周りに巻き付けて構成する。
タイプC共振器のジオメトリ及び結合指向性は幾つかの用途に好ましい。平面状又は平坦な共振器形状は、比較的平坦で平面状である多くの電子デバイス内に組み込むのがより容易になる。平面状共振器は、デバイスのジオメトリを変化させる必要がなく、デバイスの背もたれ又は側面の全体に組み込むことができる。多くのデバイスが平坦形状であることに起因して、デバイスの自然の位置は、表面上に配置するとき、最大寸法が配置表面に平行となる状態で横たわる。平坦デバイスに組み込んだ平面状共振器は、自然に表面の平面に対して平行となり、平坦表面上に配置した他のデバイス又は平面状共振器を有するソースの共振器に対して好ましい結合指向性を有する。平面状共振器のジオメトリはデバイスへの組み込みが一層容易になる。それらの低丈輪郭によれば、共振器をデバイスの全体側面内に、又はその一部として組み込むことができる。デバイスの側面全体を共振器によってカバーするとき、磁束は、デバイス又はデバイス回路の一部となり得る損失性材料によって阻害されることなく、共振器コアを通過することができる。
タイプC平面状共振器構体を使用する電力伝送システムのあり得る使用状態の他の線図を図15に示す。表面1525の頂面に配置した平面状ソース1521はアクティブ領域を生じ、この領域は、「付勢表面」領域を生ずる表面積をほぼカバーする。コンピュータ1524、携帯ハンドセット1522、ゲーム機、及び対応する平面状デバイス共振器に結合される他の電子機器1523のようなデバイスは、ソースのアクティブ領域内であって、表面の頂面のあらゆる場所に配置されるとき、ソースからエネルギーを受け取ることができる。異なる寸法を有する数個のデバイスをアクティブ領域に配置し、充電中に又はソースから給電されて、厳密な配置又は整列制約を受けることなく通常どおり使用できる。ソースは、テーブル、カウンタートップ、デスク、キャビネット等の表面下側に配置し、完全に隠すことができるとともに、テーブル、カウンタートップ、デスク、キャビネット等の頂部表面を付勢してソースよりも相当大きい表面にアクティブ領域を生ずることができる。
タイプC共振器のアクティブ領域のサイズ、形状又は寸法は、本明細書に記載のように、磁場をブロック、遮蔽又は案内する材料を使用することにより、されに大きくする、変化させる、又は変更することができる。説明を分かり易くするため、共振器用途に関する以下の説明において、このタイプの高Q値磁気共振器は「タイプD共振器」と称する。すなわち、タイプD共振器は、高導電性材料をタイプA共振器に適用してタイプB共振器を生ずるときと同様に、共振器及び損失性物体に対して適用した高導電性材料を有するタイプC共振器である。実施例において、タイプD共振器は、冷蔵庫ドア表面に取り付け、やはりドア表面に取り付けたデバイス共振器にワイヤレスエネルギー伝送をするソース共振器に最適である。この場合、ソース共振器及びデバイス共振器は冷蔵庫ドアの共通平面上に取り付けられ、したがって、平面状共振器タイプが理想的である。しかし、冷蔵庫ドアは損失性材料であり、したがって、タイプD共振器は、損失性ドアを回避するよう整形した平面状場プロファイルを生ずることにより一層最適となる。
タイプC及びタイプDの共振器は、一般的に電子的又は電気的なデバイス及び電源がほぼ同一平面上で整列するよう配置、位置決め、操作される多数の用途にとって有用である。あり得る用途シナリオのうち幾つかは、壁、床、天井又は任意な他のほぼ平面状表面上にデバイスを有する。
複合場プロファイルを必要とする用途に対処するためコイルタイプを組み合わせることができる。例えば、タイプC平面状共振器構体を、タイプA容量負荷インダクタ共振器コイルに組み合わせて、ソースの上方及び下方を含む周囲全体に無指向性アクティブ領域を生ずるとともに、平坦共振器構体を維持することができる。図13に示すように、導体の1個又は複数個のループよりなる付加的共振器ループコイル1309を平面状共振器構体1310の共通平面上に配置することができる。外側共振器コイルは、ソースのほぼ上方及び下方にアクティブリングを生ずる。共振器コイルは、本明細書に記載のように、任意な個数の平面状共振器構体及び構成によって構成することができる。
本明細書に記載のように、物体に対する電磁場の効果、並びにワイヤレス電力伝送のパラメータ又は共振器のパラメータに対する物体の効果は、共振器と物体との間にシールド構体を導入することによって少なくとも部分的に軽減することができる。幾つかの実施形態において、シールド構体及び共振器は1つの構体内に組み込むことができ、これにより共振器構体を物体に近接配置又は位置決めし、共振器の品質係数Qに対する効果を少なくし、同様に、外部物体に対する効果も少なくすることができる。幾つかの実施形態において、一体化共振器及びシールド構体は、少なくとも1つの寸法において、それぞれ個別の部分から組み立てた共振器及びシールドを有する構体よりもより小さくすることができる。例えば、損失性物体を回避するよう場を整形するため高導電率材料に一体化した平面状共振器は、タイプD共振器で実現するよりも一層薄くすることができる。説明を分かり易くするため、共振器用途に関する以下の説明において、図49(c)に示し、また本明細書に記載したような、平面状機器器に高導電率材料を一体化した高Q値磁気共振器は「タイプE共振器」と称する。
乗り物用途
列挙する用途それぞれに対して、当業者であれば、ワイヤレス電力伝送を可能にするよう使用した共振器構体は、給電する又は給電される物体に対して接続又組み込むのに種々の方法があることは理解できるであろう。共振器は、ソース物体及びデバイス物体から物理的に離れるものとすることができる。共振器は、従来どおりの誘導技術を使用して、又は例えば、ワイヤ若しくはケーブルによる直接的電気接続を介して、物体から電力を供給する若しくは移転することができる。電気接続は、共振器出力部から物体におけるAC若しくはDC電力入力ポートへの接続とすることができる。電気接続は、物体における出力電力ポートから共振器入力部への接続とすることができる。
本明細書に記載のシステム及び方法は、乗り物の構造的部分に対して、内蔵、配置、懸吊、埋設、組み込み等を行うことができる。例えば、ソース共振器は、ユーザーの乗用車におけるダッシュボードに組み込み、デバイス共振器を装備した又はデバイス共振器に接続した任意のデバイスに対して、ダッシュボードにおけるソース共振器から電力を供給することができる。このようにして、乗用車に内蔵される又は組み込まれるデバイスは、乗用車内に存在する間には常に充電又は給電することができる。
本明細書に記載のシステム及び方法は、乗り物、例えば、船舶、乗用車、トラック、バス、列車、航空機、衛星等の壁を介して給電することができる。例えば、ユーザーは、乗り物外部の電気デバイスに給電するために、乗り物の壁にドリル穿孔したくない場合がある。ソース共振器は乗り物内部に配置し、またデバイス共振器は乗り物外部に配置する(すなわち、窓、壁、構体の両側に配置する)ことができる。このようにして、ユーザーは、外部デバイスの乗り物に対する配置、位置決め及び取付けを最適化する上でより大きな融通性が得られる(例えば、デバイスに対する電気接続の供給又は経路付けに無関係に)。さらに、ワイヤレスに電力を供給することにより、外部デバイスは、水密となるよう封止することができ、電気デバイスが天候(例えば、雨)に晒される場合に、又は水中に浸かった場合でも安全となる。同様の技術を、例えば、ハイブリッド車両、ナビゲーション及び通信機器、建設機器、遠隔制御又はロボット機器等、露出した導体を有するために電気的リスクが存在する、様々な用途に利用することができる。
本明細書に記載のシステム及び方法は、車両、例えば、ゴルフカート若しくは他のタイプのカート、全地形万能車、電動バイク、スクーター、乗用車、芝刈り機、ボブキャット及び建設及び土木作業機等に一般的に使用される他の車両等にワイヤレスで給電又は充填する能力を提供する。本明細書に記載のシステム及び方法は、小型移動乗り物、例えば、ミニヘリコプター、空中ドローン、遠隔制御プレーン、遠隔制御ボート、遠隔制御又はロボット式ローバー、遠隔制御又はロボット式芝刈り機又は機器、爆弾検出ロボット等にワイヤレスで給電又は充填する能力を提供する。例えば、軍事車両上を飛行して視界を増大するミニヘリコプターは、標準的バッテリで数分間飛行することができる。これらミニヘリコプターにデバイス共振器を装着した場合、制御車両は、ミニヘリコプターが無制限に飛行できるようにするソース共振器を有するものとした。本明細書に記載のシステム及び方法は、小型移動乗り物に使用するバッテリの再充填又は交換に対する効果的な代替案を提供する。さらに、本明細書に記載のシステム及び方法は、より小さいデバイスにさえも、例えば、微小電気機械システム(MEMS)、ナノロボット、ナノデバイス等に給電/充電することができる。さらに、本明細書に記載のシステム及び方法は、移動車両又は飛行デバイスにソースデバイスを設置することによって実装し、現地又は飛行中再充電器として作用させることができ、それ自体が自律的にデバイス共振器を装備した移動車両の近傍に位置取りすることができる。
本明細書に記載のシステム及び方法は、例えば、ワイヤ交換、新機器設置、車両に内蔵してデバイスへの給電、車両バッテリの充電(例えば、従来のガス作動エンジン、ハイブリッドカー、電気自動車等)、車両内部又は外部に取り付けたデバイスに対する給電、車両近傍のデバイスに対する給電等を行うための車両に使用することができる。例えば、本明細書に記載のシステム及び方法は、車両に分布した照明、ファン及びセンサに給電するのに使用するようなワイヤに代わるものとして使用することができる。例えば、一般的な乗用車は、それに関連するワイヤを50kg有し、本明細書に記載のシステム及び方法を使用することにより、このワイヤ配線の相当な量を排除することができる。航空機又は衛星のような大形でより重量に敏感な乗り物の性能は、乗り物全体に敷設しなければならないケーブルの数を減らすことから、大きく利される。本明細書に記載のシステム及び方法によれば、電気的ハーネスの必要がなく、電気的又は電子的なデバイスを有する乗り物の着脱可能又は補充可能な部分を収容することができる。例えば、オートバイは、乗り手が長旅をするときの一時的トランクスペースとして機能する着脱可能なサイドボックスを有することがある。これらサイドボックスは、外部照明、内部照明、センサ、自動機器等を有することがあり、本明細書に記載のシステム及び方法を装備していない場合、電気的接続部及びハーネスを必要とする。
車載ワイヤレス電力伝送システムによれば、乗用車に使用する1つ又は複数の携帯デバイス、例えば、携帯電話ハンドセット、Bluetooth(登録商標)ヘッドセット、Bluetoothハンズフリースピーカーフォン、GPS、MP3プレーヤー、またFM、Bluetooth等々を介してカーステレオにMP3オーディオをストリーミングするためのワイヤレス音声トランシーバ等に充電又は給電することができる。車載ワイヤレス電源は、ダッシュボード上の充電パッド、あるいはフロア、又は座席と中央コンソールとの間に取り付けて、カップホルダ内、ダッシュボード上等に嵌合する「カップ」又は容器を充電する充電パッドを含む数個のあり得る形態のうち任意なものに配置したソース共振器を利用することができる。
ワイヤレス電力伝送ソースは、再充電可能バッテリシステムを利用し、この供給バッテリは、車両パワーがオン状態にあるときいつでも充電されるようにし、車両がオフ状態にあるときワイヤレス供給は供給バッテリから電力を引き出し、依然として車内にある携帯デバイスをワイヤレスで充電又は給電を継続できるようにする。
本明細書に記載のシステム及び方法を使用して、乗り物におけるセンサ、例えば、空気圧を測定するタイヤ内センサに給電する、又は乗り物における周辺デバイス、例えば、携帯電話、GPSデバイス、ナビゲーションデバイス、ゲームプレーヤー、オーディオ又はビデオプレーヤー、DVDプレーヤー、ワイヤレスルーター、通信機器、盗難防止デバイス、レーダーデバイス等を稼働させることができる。例えば、本明細書に記載のソース共振器は、乗用車の主コンパートメントに内蔵して、乗用車の主コンパートメントの内側及び外側の双方に配置した様々なデバイスに電力を供給できるようにする。乗り物がオートバイ等である場合、本明細書に記載のデバイスは、オートバイの車体、例えば、座席の下側に組み込み、デバイス共振器をユーザーヘルメット内に設けて、例えば、通信、エンターテイメント、信号伝達等を行うようにする、又はデバイス共振器をユーザージャケット内に設けて、例えば、他の運転手に安全であることの合図を表示する等を行うようにする。
乗り物用途の実施形態
本明細書に記載のワイヤレス給電は、乗り物、例えば、個人用自動車及びトラック、専門職業車両(例えば、建設車両、要員輸送車両、貨物輸送車両)、小型車両(例えば、ゴルフカート、オートバイ、ミニタクシー)等々に関連する結合共振器間で、上述のようなワイヤレスエネルギー伝送するための方法及びシステムに言及する。実施形態において、車両に供給するワイヤレス電力は、車両の一部分から車両の他の部分へ(例えば、有線送電ラインを敷設するための、ハーネスを排除、車両のシャーシに切り込みを入れる必要性を排除)、車両の外側から車両の内側へ(有線送電ラインを敷設するために車両のシャーシに切り込みを入れる必要性がなく、車両を停車している間に充電ステーションから、車両が移動している間に道路に関連する充電設備から、シャーシの外側から車両内部への車両充電)、車両内側から車両外側へ(例えば、車両内の共振器によって給電される携帯デバイス)、1台の車両から他の車両へ(例えば、1台の車両から他の車両への電力共有、車両からこの車両に取り付けたトレーラーへの電力伝送)、車両内側のワイヤレス電源から車両内側にいる人の携帯電気デバイスへ(例えば、車両内に持ち込むときのユーザーの携帯電話の充電)等、の電力伝送を含む。例えば、外部共振器は、個人使用の電気自動車に所有者ガレージ内部から充電することができる。乗用車は、さらに、車両内にリレー共振器を有して、電力をワイヤレスで伝送し、乗用車の機能部及びユーザー所有の機能部に供することができる。例えば、車両の両側側面に沿って、乗用車の照明、ドアの電動窓、乗用車のダッシュボードにおけるデバイス、乗員が乗用車に持ち込む携帯電気デバイス(例えば、携帯電話、DVDプレーヤー、電動工具)、乗用車内の他のコンポーネント(例えば、座席ヒータ、座席モータのために乗用車の座席に、座席に懸吊した他のデバイス、例えば、DVDプレーヤーに電力を中継する)等々にワイヤレス電力伝送するための複数個の共振器により電力を配給することができる。実施形態において、ワイヤレス給電コンポーネントは、車両内に車両の工場設計の一部として組み込む、オプションとして追加する、アフターマーケット製品として追加する、車両内で一時的に使用する、等々ができる。
本明細書に記載のような乗り物用途向けの実施形態は、種々の共振器形態、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、若しくはタイプEの共振器、又は本明細書に記載のような任意な他の形態を利用することができる。これらタイプx共振器形態を利用する乗り物用途向けの実施形態は、説明を分かり易くするためであり、何ら限定を意味するものではなく、用途向け実施形態を説明するときの高Q値磁気共振器の一般クラスに対する簡素化記述子を付与することを意味する。例えば、タイプB、タイプD及びタイプEは、損失性物体から離れるよう共振器場を整形する構体を組み入れる共振器形態である。多くの車両はフレーム及び車体の一部としてスチールを含んでいるので、これらタイプの共振器は、共振器が1つの車両スチール部分の近傍にあるとき、ワイヤレスエネルギー伝送のためのより最適の解決策をもたらす。共振器タイプの組合せも乗り物用途向け実施形態に組み入れることができ、所定用途向けにより最適な性能をもたらす。例えば、タイプBをタイプDに組み合わせることは、タイプB/Dとして本明細書で称することができ、この場合、共振器の物理的構体は、タイプD構造に起因して薄くなり、追加するタイプBの特性により、平面的特性及び無指向性の双方を有する全体的ワイヤレス電力伝送プロファイルを生じ、共振器を取り付けるルーフのスチールを回避するよう場が付加的に整形され、すなわち、これらはタイプB/D形態の遮蔽コンポーネントによって達成される。例えば、乗用車の天井に取り付けて車両車内のレシーバ共振器にワイヤレスエネルギーを供給するソース共振器は、随意的にタイプB/Dとし、これにより共振器を天井に対して平坦にし、しかも車両室内のデバイスにワイヤレスエネルギー供給することができる。代案として、タイプB/E共振器を選択して、共振器の厚さを一層減らし、また乗用車の天井に取り付けるときに共振器を低丈輪郭にすることができる。
乗り物配電システムは、バッテリ(例えば、内燃機関による、又は電気自動車等のような場合、幾つかの代替エネルギー手段による、従来型の充電が行われる)のような一次側電源で構成することができる。バッテリは、有線及び無線(ワイヤレス)双方の送電インフラを提供することができ、乗り物における電気的コンポーネントに給電することができ、この給電はソース共振器への給電も含み、ソース共振器は受け取るデバイス共振器を装備する電気的デバイスにワイヤレスで給電することができる。代案として、ソース共振器は、中間「リレー」共振器に、また引き続きデバイス共振器にエネルギーを伝送することができる。例えば、内燃機関を動力とする車両は、有線手段によってエンジンの電気系統(例えば、点火系統)に接続するが、ワイヤレスエネルギー伝送によって、他の電気系統及びコンポーネントに、例えば、車両フレームを下って二次電気系統にエネルギーを伝送する一連のソース共振器、照明系統、車両の外部デバイス、車両内の携帯デバイス等々に給電することができる。ソース共振器は、本明細書に記載のようにソース共振器を包囲する環境に基づいてタイプx共振器、例えば、損失性物体周りの場を整形するタイプB、D又はEの共振器によって構成することができる。受け取るデバイス共振器は、包囲する環境に基づいて、給電しているデバイスの環境に基づいて、ソース共振器に基づいて、等々に基づいてタイプx共振器により構成することができる。車両の配電システムは、車両の様々な電気的コンポーネントに最も効率的に給電する有線及び無線によるエネルギー伝送システムの組合せを有し、本明細書のワイヤレスエネルギー伝送システムによれば、車両及び乗員に関連する工場出荷時インストール済み及びアフターマーケット双方における配電要求に対処する上でより簡単にまた融通性を持たせることができる。
乗り物における直列関連のワイヤレス電力伝送
本発明の実施形態における図76につき説明すると、ワイヤレス給電は、ソース共振器7620に加えて、少なくとも1個の共振器7622によって、例えば、少なくとも1個の共振器7622がソース共振器から乗り物における電気的負荷へのワイヤレス給電リレーとして作用するときのように、乗り物コンパートメントを下流に向けて下るよう電力を伝送するのに使用することができる。例えば、ソース共振器7620は、例えば、自動車におけるバッテリのような、乗り物乗客コンパートメントのフロント部分近傍に配置した乗り物の電源から電力を引き込むことができる。次に少なくとも1個の共振器7622は乗り物コンパートメントの後方に配置して、ソース共振器7620からワイヤレスエネルギーを受け取り、乗り物後方の電気的負荷に、例えば、座席、組み込みDVDプレーヤー、パワーウインドウ、乗客のラップトップコンピュータ、等々にワイヤレス電力を中継することができる。乗り物は、長大乗り物(例えば、航空機、列車、フェリー、バス、リムジン)とし、ソース共振器7620と、及び乗り物を下流に向けて下るよう配置した一連のリピータ共振器7622を有し、乗り物を下流に向けて下るハーネスを設ける必要なく拡張したワイヤレス給電ゾーンを生ずることができる。このことは、共振器とともに新たなハーネスを設置することが禁じられている既存のバス、列車、リムジン等々に後付けするとき特に有用である。本明細書に記載のように、共振器は、共振器近傍の損失性材料であり得る乗り物部分、共振器と意図するワイヤレス負荷との間の経路に損失性障害物がある乗り物部分、等々から離れるようワイヤレス磁場を操作する高導電性材料(例えば、タイプB、D及びEの共振器におけるような)を含むことができる。実施形態において、少なくとも1個の共振器は、乗り物座席の背もたれ部分、座席背もたれトレイ、等々にワイヤレスエネルギーを中継し、乗り物コンパートメントの上方部分におけるワイヤレス給電負荷へのワイヤレス電力伝送を高めることができる。例えば、ソース共振器は、航空機又は列車における長い通路の端部に配置し、リレー共振器を通路に沿って配置し、乗客コンパートメントを下流に向けて下るワイヤレス給電ゾーンを生ずる。さらに、乗客が利用可能な座席背もたれトレイに共振器を設けることができる。このようにして、ワイヤレスエネルギーを、後方に通路を下って中継し、また次に通路のリレー共振器から座席背もたれトレイの共振器に中継することができる。これら座席背もたれトレイ共振器は、このとき、乗り物のフロアにおけるリレー共振器から直接給電されるよりも、座席背もたれトレイ近傍のワイヤレス給電負荷に対してより近接してワイヤレスエネルギーを供給することができる。ここで、やはり高導電性材料を使用して、周囲の乗り物環境内の損失性材料から離れるよう磁場を操作して意図するワイヤレス給電ゾーンに向かわせることができる。
実施形態において、本発明方法及びシステムは、ソース共振器が乗り物のエネルギー源に結合して、或る周波数での振動磁場を発生し、また乗り物コンパートメントに沿って少なくとも1個のリピータ共振器を配置した規定エリアの乗り物コンパートメントにわたりワイヤレスエネルギー配給を行うことができる。少なくとも1個のリピータ共振器をソース共振器近傍に配置し、このリピータ共振器は、共振周波数を有し、また少なくとも1個のリピータ共振器と乗り物表面との間に適合しかつ配置して、乗り物平面から離れるように振動磁場を導く高導電率材料を備え、この場合、少なくとも1個のリピータ共振器は、規定エリア内に有効ワイヤレスエネルギー伝送エリアを生ずる。実施形態において、乗り物は内面を持つ乗客コンパートメントを有し、少なくとも1個のリピータ共振器をほぼ内面平面上に配置し、この内面は乗り物のフロア表面とし、乗り物のフロア表面は乗り物の乗客コンパートメントに延びている通路とする、乗り物表面は乗り物の天井表面とする、等々とすることができる。さらに、乗客座席は乗り物の規定エリア内に配置することができ、乗客座席は座席リピータ共振器を有し、この座席リピータ共振器は少なくとも1個リピータ共振器からワイヤレスエネルギーを受け取り、また第2ワイヤレスエネルギー伝送エリアを座席リピータ共振器周りに発生する。座席リピータ共振器は、乗客座席の背もたれに配置することができる。高導電率材料を使用して、乗客座席における損失性物体を回避するよう座席リピータ共振器の共振器場を整形することができる。座席リピータ共振器は、乗客座席の展開可能トレイに配置することができ、この展開可能トレイは乗客座席の背もたれから畳み降ろすことができる。高導電率材料は、乗り物表面における損失性物体から離れるよう共振器場を整形することができる。実施形態において、高導電率材料は磁性材料層における少なくとも一方の側面をカバーすることができる。
乗り物外部のデバイスへの乗り物経由ワイヤレス電力伝送
実施形態において、ワイヤレス給電は、(例えば、外部緊急照明、デジタルディスプレイ標識、営業中標識、センサパッケージへの給電のため)乗り物のボディ又はウインドウを経由して、外側の電気的デバイス及び/又は共振器は防水封止してあるような乗り物外側の外部共振器に対して行うことができる。例えば、乗り物のルーフが非損失性材料(例えば、グラスファイバ、プラスチック等)である場合、乗り物の内側天井の共振器は、乗り物の外側天井における受取りタイプA共振器を経由して、例えば、営業中であることを知らせるディスプレイ標識のようなデバイスに給電することができる。さらに、このディスプレイ標識は、外側天井における共振器からワイヤレス電力を受け取るワイヤレス給電デバイスとすることができる。このようにして、外部標識と乗り物の電源との間において有線接続は不要になる。他の実施形態において、乗り物内側の共振器は、ウインドウ又は非損失性シャーシ材料を通して、乗り物外側に取り付けたタイプE共振器にワイヤレスで電力を伝送することができる。このタイプE共振器は、乗り物の表面に沿ってほぼ平面的な方向に振動磁場を指向させる低丈輪郭の共振器である。このようにして、共振器は、乗り物の外部表面に沿うワイヤレス給電ゾーンを生じ、ここで共振器は、乗り物内側の共振器由来のエネルギーをワイヤレス伝送するリピータとして作用する。
実施形態において、乗り物の規定された外部表面領域にわたりワイヤレスエネルギーを配給する方法及びシステムを設け、この場合、ソース共振器は、乗り物のエネルギー源に結合し、また乗り物表面に取り付けたウインドウの内側でウインドウ近傍に配置し、ソース共振器は或る周波数を有する振動磁場を発生する。リピータ共振器は、ウインドウ近傍で乗り物平面の外部に配置し、このリピータ共振器は、同様の共振周波数を有し、また、乗り物表面の平面にほぼ沿う磁場分布を発生するコイル形態とし、またリピータ共振器と乗り物表面との間に適合しかつ配置する高導電率材料が振動磁場を乗り物表面から離れるよう導き、リピータ共振器は、ほぼ乗り物の外部表面に沿って集中する有効ワイヤレスエネルギー伝送エリアを生ずる。実施形態において、ソース共振器は、乗り物表面の内部に取り付け、またソース共振器と乗り物表面との間に適合しかつ配置した高導電率材料を備え、損失性乗り物表面から離れるよう振動磁場を導く。
機械的に取外し可能なワイヤレス給電座席アセンブリ
図70につき説明すると、乗り物座席7000にワイヤレス電力が伝送される実施形態において、例えば、乗り物表面に取り付けた共振器7020から乗り物の機械的取外し可能ワイヤレス座席アセンブリ内の共振器7022に伝送し、したがって、座席への配線を排除し、また配線を気にする必要がなく乗り物から座席を取り外すことができる。さらに、座席を乗り物から取り外した後でも、ソース共振器のレンジ内にある限り、乗用車から座席にワイヤレス給電することができ、この場合、座席が乗り物近傍ではあるものの、乗り物の外側にある状態で、乗り物におけるソース共振器は機械的に取外し可能な座席に給電する。機械的に取外し可能な座席アセンブリにワイヤレス給電する能力は、乗り物外部に設けたリレー共振器によってさらに拡大することができ、例えば、乗り物外部の地面に配置したワイヤレス給電リピータ接地パッド、又は同様の外部ワイヤレスリレー設備によって拡大することができる。このようにして、ワイヤレス給電リレーパッドは、乗り物内部のソース共振器によって給電され、乗り物外側にワイヤレス給電ゾーンを生じて、接地パッド近傍に配置されるとき、機械的に取外し可能な座席アセンブリ、他のワイヤレス携帯デバイス(例えば、娯楽デバイス、携帯電話、照明)等に給電することができる。実施形態において、接地パッドは、本明細書に記載のミッドレンジワイヤレス電力伝送設備、又は従来既知の他のショートレンジ(近接接触)技術のような1つ又は複数のワイヤレス電力伝送設備を有することができる。
少なくとも1個の乗り物動作の組み込み式電気的及び/又は電子的なデバイス、例えば、座席ヒータ7010、座席モータ7004、音楽システム7012、マッサージデバイス7008等を含む乗り物座席700を、電気的有線接続部を離脱/接続する必要がなく、取付け位置から取り外すことができる能力は、多くの用途で有用である。例えば、ミニバンにおけるバケット座席は、車両電源から組み込み式の座席モータ、座席ヒータ、娯楽デバイス等を有し、これらすべては車両電源から給電される。ワイヤレス給電設備がない場合、ユーザーは、このような車両座席を取り外すために、電気的ワイヤハーネスを分離しなければならない。さらに、車両座席を有線接続部から取り外した後には、車両フロア上に電気コンセントが残存し、人間がダメージに晒される、電気的ショックに晒される等を回避するために、カバーを掛けなければならない。ワイヤレス電力伝送を使用することにより、ソース共振器は、ユーザーがアクセスするのを避けるように車両に、例えば車両のフロア内に、車両の損失性部分(すなわち、車両シャーシの金属部分)から離れるよう磁場を操作する配置にした高導電率材料とともに安全に組み込むことができる。本明細書に記載のように、ワイヤレス電力伝送設備を使用することによって、ミニバンの所有者は車両座席をミニバンから、電気的ワイヤ接続/離脱部に接近し、又はワイヤハーネス電気接続部を露出することなく取り外すことができる。さらに、車両製造業者は、車両座席を他の場所に移動できるよう設計し、この移動は、例えば、座席を機械的に脱離させ、他の取付け位置に移動する、又は座席を軌道システムに沿って新しい位置に機械的に摺動させる等によって行う。このようにして、ミニバンの座席配列を使用に合わせて再構築することができる。当業者であれば、機械的に取外し可能なワイヤレス給電座席アセンブリは、多くの乗り物タイプ、例えば、自動車、トラック、バス、列車、航空機、船舶等のうち任意なものに適用することができることは理解できるであろう。例えば、バス又は定期旅客機の座席を、乗客の異なる座席構成/必要性、とくに、スポーツチーム、バンド等のためのプライベートチャーター機の編成に適応するよう再編成できる利便性は容易にイメージできるであろう。
実施形態において、機械的に取外し可能な乗り物座席にワイヤレスにエネルギーを配給する方法及びシステムを提供し、この場合、ソース共振器を乗り物のエネルギー源に結合し、ソース共振器は機械的に取外し可能な乗り物座席近傍にはちし、ソース共振器は、共振周波数を有する振動磁場を発生し、またソース共振器と乗り物表面との間に適合しかつ配置した高導電率材料を有して、乗り物表面から離れるよう振動磁場を導く。次に受け側共振器を機械的に取外し可能な乗り物座席に組み込み、受け側共振器は、ソース共振器と同様の共振周波数を有して、ソース共振器からワイヤレスエネルギーを受け取り、また機械的に取外し可能な乗り物座席に組み込んだ電気的コンポーネントに給電することができる。実施形態において、少なくとも1個の電気的コンポーネントは、乗り物座席の背もたれ部分近傍に組み込んだ第2共振器とし、この第2共振器は、第2共振器と乗り物座席の内部との間に適合しかつ配置した高導電率材料を備え、乗り物座席の内部から離れるよう振動磁場を導き、第2共振器は乗り物座席背後に優勢的に有効ワイヤレスエネルギー伝送領域を集中させる。第2共振器は、有線接続により受け側共振器に電気的に接続することができる。ワイヤレスエネルギー伝送エリア内に配置されてワイヤレスエネルギーで動作可能となる電気的デバイスは、第2共振器からワイヤレスエネルギーを受け取ることができる。さらに、リピータ共振器を乗り物座席の背もたれ部分の近傍に組み込むことができ、このリピータ共振器はソース共振器の周波数と同様の共振周波数を有し、またリピータ共振器と乗り物座席の内部との間に適合しかつ配置した高導電率材料を備えて、乗り物座席内部から離れるよう振動磁場を導き、リピータ共振器は乗り物座席のほぼ背後に有効ワイヤレスエネルギー伝送エリアを生ずる。ワイヤレスエネルギー伝送エリア内に配置されてワイヤレスエネルギーで動作可能となる電気的デバイスは、リピータ共振器からエネルギーをワイヤレスで受け取ることができる。電気的コンポーネントは、座席ヒータ、電気的座席位置調整アクチュエータ、娯楽デバイス、等々とすることができる。高導電率材料を使用して、乗り物表面における損失性物体を回避するようソース共振器の共振器場を整形することができる。高導電率材料は、磁性材料層の少なくとも一方の側面をカバーして、ソース共振器と受け側共振器との間の電磁的結合を改善することができる。
複数ワイヤ電力トランスミッタの電力管理
実施形態において、複数個のソース共振器の電力管理を行うための電力管理設備を乗り物内のワイヤレス給電ゾーンに設け、一次側電源(例えば、乗用車バッテリ)から給電され、乗り物を下流向けて下る複数個のソース共振器の電力管理は、全体をカバーして、乗り物内の管理されたワイヤレス給電ゾーンを、複数個のワイヤレス電力受取りデバイスからなる乗り物内の電力使用を協調動作させることができる。電力管理は、ソース及び/又はデバイスに内蔵した知能によって行い、ソースを使用してデバイスのすべてに電力を知能的に配給できるようにする。電力管理設備は、乗り物内のワイヤレスエネルギー負荷のための「スマートグリッド」をもたらし、電力を所定デバイスに割り当て、所定デバイスに優先付けし、又は1つのデバイスから借り出して他のデバイスに給電できるようにする。
電力管理設備は、さらに、スマート自動同調ソースアルゴリズムを実装し、同調可能インピーダンス整合及び/又は駆動周波数回路をソース電子機器内に組み入れることによって端部間効率が向上し、また知能をソースに内蔵して、ソースが供給する電力を変調できるようにする。システム内の異なるデバイスのワイヤレス給電効率並びに端部間給電効率を改善するのに利用できる様々な電力変調アルゴリズムがある。さらに、スマート自動同調ソースアルゴリズムを使用して、最大電力引込みを行うデバイスが常に給電される欲張りアルゴリズム;中央バッテリ又は電源における電力をモニタリングし、供給された電力が完全に使いきることがないよう確実に調整する保全アルゴリズム;所定デバイスが他よりもより重要であるとして優先付けされ、ワイヤレスソースにより優先付けされたデバイスがより低い優先順位のデバイスと分け合う前に所定量の電力を確保するようにする階層的アルゴリズム、等々を含む様々な給電制御プロトコルを実現することができる。最も効率的で堅牢な同調プロトコルは、デバイス共振器及び回路内に、並びにソース内に同調能力を有することができる。例えば、第1携帯デバイス内のワイヤレス再充電可能バッテリが満充電状態になるが、ソース共振器が依然として第2ワイヤレス再充電可能デバイスに給電しなければならない場合、第1携帯デバイスはそれ自身を共振状態から脱調し、もはやソースから電力を効率的に受け取らないようにすることができる。このとき、脱調した第1携帯デバイスは電力を受け取らず、過充電並びに回路及び/又はバッテリセルに対するダメージの危険性がなくなる。
これらシステムの端部間効率を改善する他の方法は、同調可能インピーダンス整合及び/又は駆動周波数回路をソース電子機器に組み入れることである。例えば、ソースが単一デバイスに給電する場合、ソースはその出力電力をデバイスが要求する電力に整合させるよう調整することができる。しかし、複数デバイスが単一ソースによって給電される場合、ソースは、システム内の他のデバイスが満充電状態にあるとき、優先度の高いデバイス、又は遠くのデバイスに電力を供給する必要がある。このようなシナリオにおいて、デバイスにおける同調可能インピーダンス整合回路を使用して、第2デバイス共振器を共振状態から脱調させ、もはや電力を受け取ることができないようにする。実装される通信手法及び制御アルゴリズムは、様々な通信及び制御アルゴリズムを利用し、例えば、1ソース対1デバイスに好適なPMA及びQiプロトコル、1ソースが複数デバイスを充電するのを支援するA4WP及びCEAプロトコル、等々がある。
マルチモーダル電力管理コンポーネントを設けることもでき、この場合、例えば、1つのモードは車両動作モードであり(例えば、乗用車が走行している間にオルタネータを電源オフにする)、また他のモードは保全モードである(例えば、電力がバッテリによって供給されているとき、車両は走行しない)。第3モードは、例えば、バッテリ容量が何らかの所定レベルに達しているときのような、緊急モードである。他のモードは、エネルギー源又は燃料を使用している等に関連する。
船舶における防水ワイヤレス電力伝送システム
ワイヤレス電力伝送を船舶(例えば、ボート、大型船、フェリー)に使用することができ、この場合、防水ワイヤレス電力伝送形態により防水封止共振器、例えば、一次側電源(例えば、小型ボートにおけるバッテリ)に有線接続した防水封止ソース共振器、防水封止受け側共振器−電子機器(例えば、ダッシュボード制御器、無線通信機、照明、ウィンチ等)を設け、ソース共振器は船舶にワイヤレス給電ゾーンをもたらし、このワイヤレス給電ゾーン内で受け側共振器−電子機器が電気的負荷として動作する(例えば、直接給電される、バッテリを再充電する等がなされる)。ソース共振器は、例えば、ボートを包囲する環境の水を含めた損失性材料から離れるようソース共振器の場を操作する高導電性材料によって防水封止することができる。受け側共振器は、例えば、受け側デバイスに関連する損失性材料周りに磁場を操作するよう高導電性材料によって防水封止することができる。例えば、制御パネル電気的デバイスは完全に封止し、デバイス外部に対する何らの配線をも排除して、例えば、ゲージ、照明、等に対して電力をワイヤレスで受け取ることができる。他の実施例において、電気的及び/又は電子的な設備を座席アセンブリの一部として設け、電気的及び/又は電子的な設備を座席内に防水封止し、また外部ワイヤを取扱う必要なく、座席を取外し/移動することができ、そうでない場合、外部配線は座席アセンブリ内のデバイスに電力を送給することに関連する。他の実施例において、乗船する船員の携帯無線通信ユニットを船舶のワイヤレス電力伝送システムにより給電及び/又は再充電することができ、無線通信ユニットには何ら外部電力ジャックを設ける必要がなく、また無線通信ユニットは使用中にバッテリ電力がなくなることはない。
実施形態において、船舶は、ドック又は係留所あるときワイヤレス電力伝送により給電され、防水ソース共振器は、ドック又は係留所に設け、船舶における受け側共振器に対して、例えば、直接電力使用、バッテリ再充電又はその双方のために電力を伝送する。ドック又は係留所におけるソース共振器は、付近の水から離れるよう磁場を操作する高導電性材料で構成する。実施形態において、防水ソース共振器はドックエリアにワイヤレス給電ゾーンを生じ、これによりドック入りしている受け側共振器デバイスに直接給電又は再充電することができる。例えば、防水ワイヤレス給電ゾーンは、ドックにパーティー用として設けることができ、ワイヤレスで給電される照明及び娯楽デバイスをドックに配置し、電気的ワイヤの必要がなく運用する。実施形態において、電力は、ワイヤレス電力伝送手段又は従来既知の任意な他のワイヤレス手段によって、ドック又は係留エリアに伝送することができる。例えば、放射見通し線電力伝送システムはソース共振器の場所に電力をワイヤレスで伝送し、ソース共振器は遠隔ワイヤレス給電ゾーンを生ずる。
実施形態において、船舶は潜水可能な潜水艦及び潜水艇とすることができ、ワイヤレス電力伝送は、防水封止電気的及び/又は電子的機器が潜水艇の安全性及び運用にとって重要であるので有益である。例えば、潜水艇の幾つかの箇所に漏洩を生ずる場合、露出する電気な配線、接点、電子機器等はいずれも機能不良を引き起こすだけでなく、乗組員の命を危険に晒すおそれがある。本明細書に記載のワイヤレス電力伝送システムは、潜水艇に対して、例えば、ワイヤレス給電ゾーンの生成、共振器リレー配電、及び拡張されたエリアにわたり、また下流側に下る拡張された通路等を介して電力を安全にワイヤレス伝送することができる。潜水艇における共振器は、コリドーの壁及び概して潜水艇構体の損失性材料を回避するため、本明細書に記載のように、高導電性材料により伝送される磁場を整形する必要がある。例えば、タイプB共振器は、コリドー、通路、天井等の壁における損失性材料が磁場に及ぼす影響を少なくするよう、磁場を整形することによって、ソース共振器又はリレー共振器が通路を経てワイヤレス伝送された電力を供給できるようにする。
自動車ダッシュボード(乗用車、トラック、トレーラー等)−工場供給
図55及び図56につき説明する実施形態において、ワイヤレス給電を利用して、乗用車5502のダッシュボード5504内のデバイスに電力を供給し、この場合、乗用車の一次側電源から電気的デバイスに電力を送るのに何ら電気配線は不要とすることができる。このことは、乗用車5502の初期設計及び製造に有利であり、なぜならさもないと必要になるワイヤハーネスに関連する重量、コスト、及び製造時間を削減できるだけでなく、ダッシュボード5504における複数のデバイス/コンポーネントに張り巡らせるハーネスがないことに起因して信頼性を向上できるからである。例えば、ソース共振器及びコントローラは車両の一次側電気系統に有線で接続し、ダッシュボード5504の背後の位置に配置することができる。ダッシュボードにおける電気デバイスのソース共振器に対する相対的配置に基づいて、タイプB又はタイプDの共振器が最適であり、これら双方の共振器は、ソース共振器からの場が、車両シャーシにおける損失性であると見なされる車両防火隔壁及びソース共振器近傍のエンジン隔壁に関連する部分を回避する手段をなす。例えば、タイプB共振器は、ダッシュボードにおける電気コンポーネントが3次元的に分布するようレイアウトされている場合により理想的であるが、タイプD共振器は、コンポーネントにおける受け側共振器が共通平面上に分布するよう配置されている場合により理想的である。しかし、タイプB共振器を使用する場合、共振器はダッシュボード内電気コンポーネントだけでなく、車両内における共振器を装備したユーザーの電気デバイス、とくに、車両前席部分における乗員が身に着けている携帯電気デバイスにも電力を供給することができる。
さらに、電気的デバイス/コンポーネントが車両の有線電気系統に対する電気的ハーネス接続部を有する必要性を排除することにより、車両製造業者は、電気的ハーネスのレイアウト、取り回し、及び設計に影響を及ぼすことなく、乗用車5502のダッシュボード5504に電気的コンポーネント/デバイスを容易に追加できるようになる。例えば、車両は、オプションとして入手可能な複数のワイヤレス給電ダッシュボードデバイスを有することができ、これらオプションは、デバイスに対して有線による電力経路付けする必要なく、ダッシュボードの所定位置にスナップ嵌合することができる。さらに、デバイスの配置替えはより一層簡単になり、乗用車の所有者は、単に新たなワイヤレス給電可能デバイスを購入し、配電ラインの取扱いをする必要なく新しいデバイスを故障した又は旧型のデバイスと交換することができる。
本発明を乗用車5502つき説明したが、当業者には明らかなように、ワイヤレス給電は、トラック、バス、ジープ、トレーラー、列車、地形追従(テレイン)車両、RV車、又は類似種類の自動車にも使用できることに留意されたい。ワイヤレス給電を使用できるトラックタイプの例としては、限定しないが、小型トラック、けん引トラック、道路工事トラック、等々がある。ワイヤレス給電を使用できるバスタイプの例としては、限定しないが、民間バス、公共バス、又は幾つかの他タイプのバスがある。ワイヤレス給電を使用できるトレーラータイプの例としては、限定しないが、コマーシャルトレーラー、自家用トレーラー、等々がある。ワイヤレス給電を使用できる建設車両タイプの例としては、限定しないが、クレーン車、フォークリフト、移動クレーン、ブルドーザー、掘削車、フロント・ローダー、セメントトラック、アスファルト舗装車、等々がある。ワイヤレス給電を使用できる小型車両タイプの例としては、限定しないが、ゴルフカート、オートバイ、電動バイク、スクーター、セグウェイ、近隣用電気輸送車両(NEV)、等々がある。要約すれば、ワイヤレス給電は、任意な陸上走行自動車用のデバイスに利用することができる。
図56及び57に示すような実施形態において、ダッシュボード5504に関連する電気的コンポーネント/デバイスは、ダッシュボード用のソース共振器からエネルギーをワイヤレスで受け取る共振器を装備することができる。ダッシュボード5504に関連する電気的コンポーネントとしては、限定しないが、ワイヤレス給電ダッシュボード電子機器5602、ワイヤレス給電ナビゲーションデバイス5604、ワイヤレス給電電話5608、ワイヤレス給電ライター5610、ワイヤレス給電音楽システム5612、ワイヤレス給電加熱素子/加熱ブロワー5614、ワイヤレス給電補助電源プラグ5518、ワイヤレス給電LCD画面5620、ワイヤレス給電増幅器5624、ワイヤレス給電スピーカー5628、ワイヤレス給電DVDプレーヤー5630、等々がある。ワイヤレス給電音楽システム5612は、CDプレーヤー、ラジオ、MP3プレーヤー等とすることができる。同様に、ワイヤレス給電ダッシュボード電子機器5602は、ワイヤレス給電速度計、ワイヤレス給電トリップメーター、ワイヤレス給電エンジンオイル表示画面、ワイヤレス給電ブレーキオイル表示画面、ワイヤレス給電燃料表示画面等とすることができる。当業者であれば、乗用車5502のダッシュボード5504は、従来既知の電気的デバイス/コンポーネントを含むことができる。さらに、これらすべてのデバイスは本発明を活用することができる。
例えば、長距離ドライブにおいて、乗用車5502の乗員は、ダッシュボード5504に関連するDVDプレーヤー及びLCD画面で映画を見たくなることがある。実施形態において、通常のDVDプレーヤー及びLCD画面は、乗用車における主電源に給電ハーネス接続を必要とする。しかし、ワイヤレス給電によるDVDプレーヤー及びLCD画面5620では、これらワイヤレス給電コンポーネント/デバイスに電力を経路付けする必要がなく、ダッシュボード5504に対する給電ハーネス接続部を排除することができる。実施形態において、ワイヤレス給電プレーヤーは、車両周りに移動しかつ給電され続ける、隔室内に保管されて内部エネルギー貯蔵コンポーネントを充電する、車両から取り出しても内部エネルギー貯蔵コンポーネントに関連して使用しかつワイヤレス給電ソースのレンジ内に入るとき充電をバックアップし、ワイヤレス給電ソースのレンジ内に留まる間には車両外部で使用する、等を可能にする。
同様に、ナビゲーションデバイスは、乗用車5502の乗員/ドライバを援助するためにGPSシステムからの定期的アップデートを行うよう給電される必要がある。実施形態において、従来どおりに給電されるナビゲーションデバイスは、乗用車の主電源に対して、例えば、車両の一部としての組み込みハーネス、車両電源出力部に差し込むような外部電源ライン等によって、給電ハーネス接続を必要とする。しかし、ワイヤレス給電ナビゲーションデバイス5604によれば、ワイヤレス給電ナビゲーションデバイス5604に電力を経路付ける必要は何らなく、したがって、ダッシュボード5504に関連する給電ハーネスを最小限にすることができる。
さらに、電気的ハーネスによる給電部分を排除したことにより、乗用車5502の製造業者は、ワイヤレス給電デバイスの位置/空間を乗用車5502のいかなる位置にも自由に選択できるようになる。例えば、ワイヤレス給電LCD画面5620をドライバの視界から外れる位置に配置することができ、なぜならLCD画面は従来型ハーネス配管に関連する制約なく再配置できるからである。ワイヤレス給電の実装を他の電気的コンポーネントに拡張することによって、乗用車の製造業者はダッシュボード5504のエリアから電気的ハーネスを相当減らすことができる。このようにして、本発明は、ハーネスに関連するコスト、重量、及び組み込み時間を削減することができるとともに、電気的デバイスの機能に関する信頼性を向上することができる。さらに、ワイヤレス給電されるダッシュボードの電気的コンポーネントはよりモジュール化した設計にすることができ、車両への追加、改変、アップグレード、移動、等々を容易に行えるようになり、ひいてはユーザーの要求に応ずる製造業者の乗り物をカスタマイズする能力を潜在的に向上することができる。
図55、図56及び図57に示す実施形態において、ダッシュボード5504のワイヤレス給電デバイスは工場で装着することができる。例えば、乗用車5502の製造業者は、ワイヤレス給電DVDプレーヤー5630を装着することができる。同様に、ダッシュボード5504に関連する他のデバイスも乗用車5502の製造業者が装着することができる。
さらに、乗用車5502のダッシュボード5504を示すことにより本発明を説明したが、当業者には明らかなように、ワイヤレス給電は、トラック、バス、ジープ、トレーラー、RV車等のダッシュボードにおける電気的コンポーネントにも使用できることに留意されたい。トラックのダッシュボードに関連する電気的コンポーネントとしては、限定しないが、ワイヤレス給電ダッシュボード電子機器、ワイヤレス給電ナビゲーションデバイス、ワイヤレス給電電話、ワイヤレス給電ライター、ワイヤレス給電音楽システム、ワイヤレス給電加熱素子/加熱ブロワー、ワイヤレス給電補助電源プラグ、ワイヤレス給電LCD画面、ワイヤレス給電増幅器、ワイヤレス給電スピーカー、ワイヤレス給電DVDプレーヤー、等々がある。トラックのダッシュボードにおける上述のワイヤレス給電されるデバイスは、本発明を活用することができる。例えば、上述したように、トラックのナビゲーションデバイスは、電気的ハーネスを必要とせず、(乗用車5502で説明したように)ワイヤレス給電を使用することができる。上述したように、このことにより製造する設計の融通性が得られる。実施形態において、トラックのダッシュボードに存在してワイヤレス給電される電気的コンポーネント/デバイスは工場で装着することができる。
同様に、ワイヤレス給電は、小型トラック、けん引トラック、道路工事トラック等のダッシュボードにおける電気的コンポーネントに使用することができる。同一パターンで、ワイヤレス給電はバスのダッシュボードにおける電気的コンポーネントに使用することができ、バスとしては、限定しないが、民間バス、公共バス、等々がある。さらに、ワイヤレス給電は、トレーラーのダッシュボードにおける電気的コンポーネントにも使用することができ、トレーラーとしては、限定しないが、コマーシャルトレーラー、自家用トレーラー、等々がある。実施形態を広げると、ワイヤレス給電は、建設車両のダッシュボードにおける電気的コンポーネントにも使用することができ、建設車両としては、限定しないが、クレーン車、フォークリフト、移動クレーン、ブルドーザー、掘削車、フロント・ローダー、セメントトラック、アスファルト舗装車、等々がある。実施形態において、トラック、バス、ジープ、トレーラー、RV車等のダッシュボードに関連するすべてのワイヤレス給電される電気的デバイスは、工場で装着することができる。
自動車ダッシュボード(乗用車、トラック、トレーラー等)−アフターマーケット設置
実施形態において、図55、図56及び図57につき説明するダッシュボード5504のワイヤレス給電デバイスのうち幾つかは、乗用車5502を製造した後に設置することができる。これらワイヤレス給電デバイスはユーザーの好みに応じて設置することができる。
ダッシュボード5504に関連して、乗用車を製造した後に設置するワイヤレス給電コンポーネントとしては、ワイヤレス給電DVDプレーヤー、ワイヤレス給電LCD画面、ワイヤレス給電携帯電話充電器、ワイヤレス給電補助プラグ、ワイヤレス給電補助スピーカー、ワイヤレス給電清掃デバイス、等々があり、また動作のためのソース共振器の設置が必要となる。すなわち、乗用車がソース共振器を工場装備していなかった場合、ワイヤレス給電されるコンポーネントを動作させるべき近傍を付勢するのにソース共振器を設置する必要がある。
実施形態において、アフターマーケットでの自動車ダッシュボード用ワイヤレスエネルギー伝送システムは、1つ又は複数の共振器形態、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態を利用することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、車体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、アフターマーケット用のソース共振器は、タイプAソース共振器を車両の有線電気系統に結線し、またこの共振器を車両のダッシュボードに取り付けることによって、車両ダッシュボード周りにワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができる。代案として、ソース共振器は、ダッシュボードにおける電源コンセントに差し込み装着することができる、又は幾つかの代替エネルギー形態上で、例えば、バッテリ、車両のガラスを経てエネルギーを取り込む太陽電池等で動作できる。
例えば、乗用車5502のユーザーは、工場装着音楽システムを使用する代わりにアフターマーケット用の音楽システムを設置したいと思う場合がある。乗用車5502のユーザーがダッシュボード5504にワイヤレス給電音楽システムを設置するのを選択する場合、既存の電気的ハーネスは敷設されないままとする。
さらに、ダッシュボード5504から電気的ハーネスによる給電部分を排除したことにより、乗用車5502の製造業者は、アフターマーケット用音楽システムのためのダッシュボード5504における位置/空間を自由に選択できるようになる。このようにして、ワイヤレス給電されるデバイス/コンポーネントは、ハーネスに関連するコスト、重量、及び組み込み時間を削減することができるとともに、電気系統の機能に関する信頼性を向上することができる。さらに、ワイヤレス給電されるダッシュボードの電気的コンポーネントはよりモジュール化した設計にすることができ、車両への追加、改変、アップグレード、移動等を容易に行えるようになり、ひいてはユーザーの要求に応ずる製造業者の乗り物をカスタマイズする能力を潜在的に向上することができる。
本発明を乗用車5502のダッシュボード5504に幾つかの電気的コンポーネントを設置することにつき説明したが、当業者には明らかなように、ワイヤレス給電は、トラック、バス、ジープ、トレーラー、RV車、地形追従車両等のダッシュボードに設置した他の電気的コンポーネントにも使用できることに留意されたい。例えば、トラックを製造した後のダッシュボードに設置してワイヤレス給電される電気的コンポーネントとしては、ワイヤレス給電DVDプレーヤー、ワイヤレス給電LCD画面、ワイヤレス給電携帯電話充電器、ワイヤレス給電補助プラグ、ワイヤレス給電補助スピーカー、ワイヤレス給電清掃デバイス、等々がある。トラックのダッシュボードにおける上述のワイヤレス給電されるデバイスは、本発明を活用することができる。例えば、上述したように、トラックのアフターマーケット用音楽システムは、本発明ワイヤレス給電を使用して(乗用車5502で説明したように)給電することができる。上述したように、このことにより製造する設計の融通性が得られる。
同様に、ワイヤレス給電を使用して、小型トラック、けん引トラック、道路工事トラック等のダッシュボードにおける電気的コンポーネントに給電することができる。これらコンポーネントは、トラックを製造した後に設置することができる。同一パターンで、ワイヤレス給電はバスのダッシュボードにおける電気的コンポーネントの製造後設置に使用することができ、バスとしては、限定しないが、民間バス、公共バス、等々がある。これに対応して、ワイヤレス給電は、トレーラーのダッシュボードにおける電気的コンポーネントにも使用することができ、トレーラーとしては、限定しないが、コマーシャルトレーラー、自家用トレーラー、等々がある。これらコンポーネントは、トレーラーを製造した後に設置することができる。実施形態を広げると、ワイヤレス給電は、建設車両のダッシュボードにおける電気的コンポーネントにも使用することができ、建設車両としては、限定しないが、クレーン車、フォークリフト、移動クレーン、ブルドーザー、掘削車、フロント・ローダー、セメントトラック、アスファルト舗装車、等々がある。これらコンポーネントは、建設車両を製造した後に接着することができる。
自動車ハンドル(乗用車、トラック、トレーラー等)−工場供給
図56につき説明する実施形態において、ワイヤレス給電を利用して、乗用車5502のハンドル5640に関連するデバイスに電力を供給し、この場合、乗用車の一次側電源から電気的デバイスに電力を送るのに何ら電気配線は不要とすることができる。上述したように、このことは、乗用車5502の初期設計及び製造に有利であり、なぜならさもないと必要になるワイヤハーネスに関連する重量、コスト、及び製造時間を削減できるだけでなく、ハンドル5640に関連する複数のデバイス/コンポーネントに張り巡らせるハーネスがないことに起因して信頼性を向上できるからである。さらに、あらゆる電気的デバイス/コンポーネントが電気的ハーネス接続部を有する必要性を排除することにより、乗用車5502の製造業者は、電気的ハーネスのレイアウト、取り回し、及び設計に影響を及ぼすことなく、乗用車5502のハンドル5640に電気的コンポーネント/デバイスを容易に追加できるようになる。本発明を乗用車5502のハンドル5640につき説明したが、当業者には明らかなように、ワイヤレス給電は、トラック、ジープ等のハンドルに関連するコンポーネントにも使用できることに留意されたい。
図56に示すような実施形態において、本発明を活用できるハンドル5640に関連する電気的コンポーネント/デバイスとしては、限定しないが、ワイヤレス給電ヒータ5644、ワイヤレス給電電子ロックシステム5642、ワイヤレス給電照明システム5648、ワイヤレス給電クラクションシステム5650、ワイヤレス給電ファン5652、等々がある。当業者であれば、乗用車5502のハンドル5640は従来既知の電気的デバイス/コンポーネントを有することができることは理解できるであろう。
実施形態において、工場設置したハンドル用ワイヤレスエネルギー伝送システムは、1つ又は複数の共振器形態、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態を利用することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、車体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、工場設置したソース共振器は、タイプB/Cソース共振器を車両の有線電気系統に結線し、またこの共振器を車両のハンドルアセンブリの中心に取り付けることによって、車両のハンドル周りにワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができる。この共振器形態は、ハンドルの平面内のデバイス共振器に、並びにドライバが占めるエリアにワイヤレスエネルギーを伝送する、例えば、ドライバの近傍の携帯デバイス(例えば、ドライバのポケットにある携帯電話、中央コンソールに配置したナビゲーションデバイス)にワイヤレスエネルギーを伝送する平面状場プロファイルを生ずることができる。複数の共振器デバイスのうち幾つかは、ソース共振器からワイヤレスエネルギーを受け取るようハンドル内に組み入れるよう設計することができる。例えば、乗用車5502の乗員はハンドル5640に関連するヒータを使いたいと思う場合がある。実施例において、通常ヒータは、乗用車5502の主電源に接続する給電ハーネスを必要とする。しかし、ワイヤレス給電されるヒータ5644は電力を経路付けする必要はなく、したがって、ハンドル5640に関連する給電ハーネスを最小限にすることができる。
同様に、乗用車5502の乗員は、クラクションシステムを、アクセスが容易で安全運転するためにハンドルのカスタム位置で利用可能にしたいと思う場合がある。実施例において、通常クラクションシステムは、乗用車5502の主電源に接続する給電ハーネスを必要とする。しかし、ワイヤレス給電されるクラクションシステム5650では電力を経路付けする必要はなく、したがって、ハンドル5640に関連する給電ハーネスを最小限にすることができ、ドライバの必要に合致するようシステムを取り付けることができる。
ワイヤレス給電及びワイヤレス通信のこの実装をすべての電気的コンポーネントに広げることによって、乗用車5502の製造業者は、ハンドル5640から電気的ハーネスを完全に排除することができる。さらに、ハンドル5640に関連するデバイスがワイヤレス給電されるとき、乗用車5502の製造業者は、ハンドル5640のコストを低減することにより信頼性を高めるよう、ハンドル5640に関連するコンポーネントを再配置したいと考えるであろう。
図56に示す実施形態において、ハンドル5640のワイヤレス給電デバイスは工場で装着することができる。例えば、乗用車5502の製造業者は、ワイヤレス給電クラクションシステム5650を装着することができる。同様に、ハンドル5640に関連する他のデバイスも乗用車5502の製造業者が装着することができる。
乗用車5502のハンドル5640を示すことによって本発明を説明したが、当業者には明らかなように、ワイヤレス給電は、トラック、バス、ジープ、トレーラー、RV車、等々のハンドルに関連する電気的コンポーネントにも使用できることに留意されたい。トラックのハンドルに関連する電気的コンポーネントとしては、限定しないが、ワイヤレス給電ヒータ、ワイヤレス給電電子ロックシステム、ワイヤレス給電照明システム、ワイヤレス給電クラクションシステム、ワイヤレス給電ファン、等々がある。トラックのハンドルにおける上述のワイヤレス給電されるデバイスは、本発明を活用することができる。例えば、上述したように、トラックのクラクションシステムは、本発明ワイヤレス給電を使用して(乗用車5502で説明したように)給電することができる。上述したように、このことにより製造する設計の融通性が得られる。実施形態において、トラックのハンドルに存在してワイヤレス給電される電気的コンポーネント/デバイスは工場装着することができる。
同様に、ワイヤレス給電は、小型トラック、けん引トラック、道路工事トラック、等々のハンドルにおける電気的コンポーネントに使用することができる。同一パターンで、ワイヤレス給電はバスのハンドルにおける電気的コンポーネントに使用することができ、バスとしては、限定しないが、民間バス、公共バス、等々がある。これに対応して、ワイヤレス給電は、トレーラーのハンドルにおける電気的コンポーネントにも使用することができ、トレーラーとしては、限定しないが、コマーシャルトレーラー、自家用トレーラー、等々がある。実施形態を広げると、ワイヤレス給電は、建設車両のハンドルにおける電気的コンポーネントにも使用することができ、建設車両としては、限定しないが、クレーン車、フォークリフト、移動クレーン、ブルドーザー、掘削車、フロント・ローダー、セメントトラック、アスファルト舗装車、等々がある。実施形態において、トラック、バス、ジープ、トレーラー、地形追従車両、及びRV車のハンドルに関連するすべてのワイヤレス給電される電気的デバイスは、工場で装着することができる。
自動車中央コンソール(乗用車、トラック、トレーラー等)−工場供給
図57につき説明する実施形態において、ワイヤレス給電を利用して、乗用車5502の中央コンソール5702内のデバイスに電力を供給し、この場合、乗用車の一次側電源から電気的デバイスに電力を送るのに何ら電気配線は不要とすることができる。上述したように、このことは、乗用車5502の初期設計及び製造に有利であり、なぜなら、さもないと必要になるワイヤハーネスに関連する重量、コスト、及び製造時間を削減できるだけでなく、中央コンソール5702内の複数のデバイス/コンポーネントに張り巡らせるハーネスがないことに起因して信頼性を向上できるからである。さらに、あらゆる電気的デバイス/コンポーネントが電気的ハーネス接続部を有する必要性を排除することにより、車両製造業者は、電気的ハーネスのレイアウト、取り回し、及び設計に影響を及ぼすことなく、乗用車5502の中央コンソール5702に電気的コンポーネント/デバイスを容易に追加できるようになる。
図57に示すような実施形態において、中央コンソール5702に関連する電気的コンポーネント/デバイスは本発明を活用できる。中央コンソール5702に関連する電気的コンポーネントは、限定しないが、ワイヤレス給電カップヒータ5704、ワイヤレス給電制御電子機器5708、ワイヤレス給電クーラー5710、等々がある。
実施形態において、工場設置した中央コンソール用ワイヤレスエネルギー伝送システムは、1つ又は複数の共振器形態、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態を利用することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、車体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、工場設置したソース共振器は、タイプAソース共振器を車両の有線電気系統に結線し、またこの共振器を車両の中央コンソールに取り付けることによって、車両の中央コンソール周りにワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができ、これによりコンソールに若しくはその周囲に配置した、又はコンソール内に組み込むよう設計したデバイス(例えば、携帯電話、ナビゲーションデバイス、DVDプレーヤー)にワイヤレスエネルギーを供給することができる。例えば、乗用車5502の乗員は、中央コンソール5702に関連するクーラー5710の温度を調節したいと思う場合がある。実施例において、コンソールに有線クーラーを設置するには、通常、乗用車5502の主電源への給電ハーネス接続部を必要とする。しかし、ワイヤレス給電されるクーラー5710は電力を経路付けする必要はなく、したがって、中央コンソール5702に関連する給電ハーネスを最小限にすることができる。
さらに、中央コンソール5702から電気的ハーネスによる給電部分を排除したことにより、乗用車5502の製造業者は、ワイヤレス給電クーラー5710のための乗用車5502における位置/空間をソース共振器(例えば、コンソールのソース共振器又は車両内の任意な他のソース共振器)のレンジ内のどこでも自由に選択できるようになり、したがって、潜在的に中央コンソール5702におけるワイヤレス給電クーラー5710に関連するいかなるハーネスの必要性を排除することができる。このワイヤレス給電及びワイヤレス通信の実装を中央コンソール5702におけるすべての電気的コンポーネントに広げることによって、乗用車5502の製造業者はこのエリアから電気的ハーネスを完全に排除することができる。中央コンソール5702に関連するワイヤレス給電クーラー5710の実施例を使用することによって本発明を説明したことに留意されたい。しかし、当業者であれば、本発明は、中央コンソール5702に関連するすべてのワイヤレス給電コンポーネントに適用できることは理解できるであろう。
乗用車5502の中央コンソール5702を示すことにより本発明を説明したが、当業者には明らかなように、ワイヤレス給電は、トラック、バス、ジープ、トレーラー、RV車、地形追従車両等の中央コンソールにも使用できることに留意されたい。例えば、トラックの中央コンソールに関連する電気的コンポーネントとしては、限定しないが、ワイヤレス給電カップヒータ、ワイヤレス給電制御電子機器、ワイヤレス給電クーラー、ワイヤレス給電冷蔵庫、等々がある。トラックの中央コンソールにおける上述のワイヤレス給電されるデバイスは、本発明を活用することができる。例えば、上述したように、トラックのワイヤレス給電クーラーは、(乗用車5502で説明したように)電気的ハーネスなしで給電することができる。上述したように、このことにより製造する設計の融通性が得られる。実施形態において、トラックに存在する電気的コンポーネント/デバイスは工場装着することができる。
同様に、ワイヤレス給電は、小型トラック、けん引トラック、道路工事トラック等の中央コンソールにおける電気的コンポーネントに使用することができる。同一パターンで、ワイヤレス給電はバスの中央コンソールにおける電気的コンポーネントに使用することができ、バスとしては、限定しないが、民間バス、公共バス、等々がある。同様に、ワイヤレス給電は、トレーラーの中央コンソールにおける電気的コンポーネントにも使用することができ、トレーラーとしては、限定しないが、コマーシャルトレーラー、自家用トレーラー、等々がある。実施形態を広げると、ワイヤレス給電は、建設車両の中央コンソールにおける電気的コンポーネントにも使用することができ、建設車両としては、限定しないが、クレーン車、フォークリフト、移動クレーン、ブルドーザー、掘削車、フロント・ローダー、セメントトラック、アスファルト舗装車、等々がある。実施形態において、トラック、バス、ジープ、トレーラー、及びRV車の中央コンソールに関連するすべてのワイヤレス給電される電気的デバイスは工場装着することができる。
自動車座席(乗用車、トラック、トレーラー等)−工場供給
図58A及び図58Bにつき説明する実施形態において、ワイヤレス給電を利用して、乗用車5502の座席に関連するデバイスに電力を供給し、この場合、乗用車の一次側電源から電気的デバイスに電力を送るのに何ら電気配線は不要とすることができる。上述したように、このことは、乗用車5502の座席の初期設計及び製造に有利であり、なぜなら、さもないと必要になるワイヤハーネスに関連する重量、コスト、及び製造時間を削減できるだけでなく、乗用車5502の座席に関連する複数のデバイス/コンポーネントに張り巡らせるハーネスがないことに起因して信頼性を向上できるからである。さらに、あらゆる電気的デバイス/コンポーネントが電気的ハーネス接続部を有する必要性を排除することにより、乗用車製造業者は、電気的ハーネスのレイアウト、取り回し、及び設計に影響を及ぼすことなく、乗用車5502の座席に電気的コンポーネント/デバイスを容易に追加できるようになる。
この実施形態を説明するために、特定乗用車座席108を図58Aに示す。しかし、当業者には明らかなように、この実施形態は乗用車5502に関連するすべての座席に適用することができる。
図58A及び58Bに示すような実施形態において、座席5508に関連する電気的コンポーネント/デバイスは本発明を活用できる。電気的コンポーネント/デバイスとしては、限定しないが、ワイヤレス給電座席モータ5802、ワイヤレス給電座席ヒータ5804、ワイヤレス給電後向きDVD5808、ワイヤレス給電通信システム5810、ワイヤレス給電座席電子機器5812、等々がある。座席5508は従来既知の同様な種類の電気的デバイス/コンポーネントを有することができることに留意されたい。
実施形態において、工場設置した車両座席用ワイヤレスエネルギー伝送システムは、1つ又は複数の共振器形態、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態を利用することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、車体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、工場設置したソース共振器は、タイプBソース共振器を車両の有線電気系統に結線し、またこの共振器を車両の各フロント座席の下側に取り付けることによって、車両座席の下側にワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができる。この場合、タイプBソース共振器を選択したことによって、車両設計者は、共振器下側(すなわち、座席位置の下側)の車両シャーシのスチール構体を場が回避するのに役立つようにするとともに、座席アセンブリないに組み入れた種々の電気的コンポーネントに給電するよう座席アセンブリ内のデバイス共振器にワイヤレスエネルギーを伝送できるようになる。例えば、乗用車5502のドライバは、座席電子機器及び座席モータを使用して座席5508を傾け、快適ポジションをとりたいと思う場合がある。実施例において、通常座席及び座席電子機器は、乗用車5502の主電源に接続する給電ハーネスを必要とする。しかし、ワイヤレス給電される座席電子機器5812及びワイヤレス給電される座席モータ5802は電気的ハーネスを使用して電力を経路付けする必要はなく、したがって、座席に関連する給電ハーネスを最小限にすることができる。
さらに、座席5508から電気的ハーネスによる給電部分を排除したことにより、乗用車5502の製造業者は、ワイヤレス給電座席電子機器5812のための座席5508における位置/空間を自由に選択できるようにし、したがって、モータに関連するいかなるハーネス配管の必要性を潜在的に排除する。例えば、ドライバ座席のワイヤレス給電電子機器5812を乗員座席に配置することができ、これにより、後部座席に座る乗用車5502の乗員はドライバ座席を傾けることができる。ワイヤレス給電及びワイヤレス通信のこの実装をすべての電気的コンポーネントに広げることによって、乗用車5502の製造業者は座席5508から電気的ハーネスを完全に排除することができる。このようにして、本発明は、ハーネスに関連するコスト、重量、及び組み込み時間を削減できるとともに、電気系統の信頼性を向上することができる。さらに、ワイヤレス給電される座席の電気的コンポーネントはよりモジュール化した設計にすることができ、車両への追加、改変、移動、取外し、アップグレード、等々を容易に行えるようになり、ひいてはユーザーの要求に応ずる製造業者の乗り物をカスタマイズする能力を潜在的に向上することができる。
座席に関連するワイヤレス給電座席電子機器5812及びワイヤレス給電座席モータ5802を用いることにより本発明を説明していることに留意されたい。しかし、当業者には明らかなように、本発明は、座席5508に関連するあらゆるワイヤレス給電コンポーネントに適用することができる。
図58A及び図58Bに示す実施形態において、座席5508のワイヤレス給電デバイスは工場装着することができる。例えば、乗用車5502の製造業者はワイヤレス給電座席モータ5802を装着することができる。同様に、座席5508に関連する他のデバイスを乗用車5502の製造業者が装着することができる。
乗用車5502の座席5508を示すことにより本発明を説明したが、当業者には明らかなように、ワイヤレス給電は、トラック、バス、ジープ、トレーラー、RV車、等々の座席にも使用できることに留意されたい。例えば、トラックの座席に関連する電気的コンポーネントとしては、限定しないが、ワイヤレス給電座席モータ、ワイヤレス給電座席ヒータ、ワイヤレス給電後向きDVD、ワイヤレス給電通信システム、ワイヤレス給電座席電子機器、等々がある。トラックの座席における上述のワイヤレス給電されるデバイスは、本発明を活用することができる。例えば、上述したように、トラックのワイヤレス給電座席電子機器及びワイヤレス給電座席モータは、本発明によるワイヤレス給電を使用して(乗用車5502で説明したように)給電することができる。上述したように、このことにより製造する設計の融通性が得られる。実施形態において、トラックに存在する電気的コンポーネント/デバイスは工場装着することができる。
同様に、ワイヤレス給電は、小型トラック、けん引トラック、道路工事トラック等の座席における電気的コンポーネントに使用することができる。同一パターンで、ワイヤレス給電はバスの座席における電気的コンポーネントに使用することができ、バスとしては、限定しないが、民間バス、公共バス、等々がある。同様に、ワイヤレス給電は、トレーラーの座席における電気的コンポーネントにも使用することができ、トレーラーとしては、限定しないが、コマーシャルトレーラー、自家用トレーラー、等々がある。実施形態を広げると、ワイヤレス給電は、建設車両の座席における電気的コンポーネントにも使用することができ、建設車両としては、限定しないが、クレーン車、フォークリフト、移動クレーン、ブルドーザー、掘削車、フロント・ローダー、セメントトラック、アスファルト舗装車、等々がある。実施形態において、トラック、バス、ジープ、トレーラー、及びRV車の座席に関連するすべての電気的デバイスは工場装着することができる。
自動車座席(乗用車、トラック、トレーラー等)−アフターマーケット設置
実施形態において、図58A及び図58Bに示す座席5508のワイヤレス給電デバイスのうち幾つかは、乗用車5502を製造した後に設置することができる。これらワイヤレス給電デバイスはユーザーの好みに応じて設置することができる。
座席5508に関連して、乗用車5502を製造した後に設置するワイヤレス給電コンポーネントとしては、ワイヤレス給電DVDプレーヤー(図58A及び図58Bには示さない)、ワイヤレス給電ヘッドフォンセット(図58A及び図58Bには示さない)、ワイヤレス給電加熱マット(図58A及び図58Bには示さない)、等々がある。従来既知である同様の種類のワイヤレス給電デバイスを、乗用車5502を製造した後に設置又は装着することができる。
実施形態において、アフターマーケットでの自動車座席用ワイヤレスエネルギー伝送システムは、1つ又は複数の共振器形態、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態を利用することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、車体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、アフターマーケット用のソース共振器は、タイプA又はタイプBのソース共振器を車両の有線電気系統に結線し、またこの共振器を車両の座席に取り付けることによって、車両座席周り又は座席内にワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができる。代案として、ソース共振器は、電源コンセントに差し込み装着することができる、又は幾つかの代替エネルギー形態上で、例えば、バッテリ、車両のガラスを経てエネルギーを取り込む太陽電池等で動作できる。タイプBソース共振器は、下方のスチール製シャーシに対処するよう場整形が必要とされる座席の下側に配置することができる。タイプAソース共振器は、例えば、損失性物体がそれほど多くない座席内又は背もたれに配置して使用することができる。例えば、乗用車5502のユーザーは、ヘッドフォンによる電気系統を、例えば、座席に取り付ける又は設置することによって音楽を聞きたいと思う場合がある。実施例において、ユーザーは、整備士又は販売業者のサービスを利用して、乗用車の主電源への給電ハーネス接続部を必要とする通常のヘッドフォンセットを設置することができる。従来、整備士又は販売業者は、乗用車5502の既存配線ハーネスに接続又はこれを変更して新たな設置を行わなければならなかった。しかし、車両座席内又はその上に配置したワイヤレス給電ヘッドフォンセット及びワイヤレスソース共振器によれば、電力を新たな電気系統に経路付けする必要がなく、したがって、座席5508に関連する給電ハーネスを最小限にし、また設置プロセスをより簡単かつより信頼性の高いものにすることができる。
さらに、ワイヤレス給電される座席の電気的コンポーネントはよりモジュール化した設計にすることができ、車両への追加、改変、移動、取外し、アップグレード、等々を容易に行えるようになり、ひいてはユーザーの要求に応ずる製造業者の乗り物をカスタマイズする能力を潜在的に向上することができる。
乗用車5502の座席5508に電気的コンポーネントを設置することにつき本発明を説明したが、当業者には明らかなように、ワイヤレス給電は、トラック、バス、ジープ、トレーラー、RV車、地形追従車両、等々の座席における電気的コンポーネントにも使用できることに留意されたい。トラックの座席に関連する電気的コンポーネントとしては、限定しないが、ワイヤレス給電DVD、ワイヤレス給電ヘッドフォンセット、ワイヤレス給電電気加熱マット、等々がある。トラックの座席における上述のワイヤレス給電されるデバイスは、本発明を活用することができる。例えば、上述したように、トラックのヘッドフォンセットは、本発明ワイヤレス給電を使用して(乗用車5502で説明したように)給電することができる。上述したように、このことにより製造する設計の融通性が得られる。実施形態において、トラックの座席内に存在する電気的コンポーネント/デバイスは、生産後に装着することができる。
同様に、ワイヤレス給電は、小型トラック、けん引トラック、道路工事トラック等の座席における電気的コンポーネントに使用することができる。これらコンポーネントは、トラックの製造後に設置することができる。同一パターンで、ワイヤレス給電はバスの座席における電気的コンポーネントに使用することができ、バスとしては、限定しないが、民間バス、公共バス、等々がある。これらコンポーネントは、バスの製造後に設置することができる。同様に、ワイヤレス給電は、トレーラーの座席における電気的コンポーネントにも使用することができ、トレーラーとしては、限定しないが、コマーシャルトレーラー、自家用トレーラー、等々があり、トレーラーの製造後に設置することができる。実施形態を広げると、ワイヤレス給電は、建設車両の座席における生産後設置の電気的コンポーネントにも使用することができ、建設車両としては、限定しないが、クレーン車、フォークリフト、移動クレーン、ブルドーザー、掘削車、フロント・ローダー、セメントトラック、アスファルト舗装車、等々がある。
自動車ドア(乗用車、トラック、トレーラー等)−工場供給
図59につき説明する実施形態において、ワイヤレス給電を利用して、乗用車5502のドア5510内のデバイスに電力を供給し、この場合、乗用車の一次側電源から電気的デバイスに電力を送るのに何ら電気配線は不要とすることができる。上述したように、このことは、乗用車5502の初期設計及び製造に有利であり、なぜなら、さもないと必要になるワイヤハーネスに関連する重量、コスト、及び製造時間を削減できるだけでなく、車両本体から自動車ドアまで敷設するハーネスがないことに起因して信頼性を向上できるからである。さらに、あらゆる電気的コンポーネントが電気的ハーネス接続部を有する必要性を排除することにより、乗用車の製造業者は、電気的ハーネスのレイアウト、取り回し、及び設計に影響を及ぼすことなく、自動車ドアに電気的コンポーネントを容易に追加できるようになる。
実施形態において、本発明を活用できる乗用車ドア5510に関連する電気的コンポーネントとしては、ワイヤレス給電電気ロックモータ5902、ワイヤレス給電電子コンビネーションロック5904、ワイヤレス給電電動ウインドウモータ5908、ワイヤレス給電電動ドア開け装置5912、ワイヤレス給電電動サイドミラーモータ5910、等々がある。電子コンポーネントは、図59に示さない特徴も有することができ、このような特徴としては、例えば、ワイヤレス給電スピーカー増幅器、ワイヤレス給電サウンドシステムインタフェース、ワイヤレス給電制御電子機器、ワイヤレス給電警報システム、ワイヤレス給電ヒンジモータ、等々がある。
実施形態において、工場設置した車両ドアアセンブリ用ワイヤレスエネルギー伝送システムは、1つ又は複数の共振器形態、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態を利用することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、車体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、工場設置したソース共振器は、タイプDソース共振器を車両の有線電気系統に結線し、またこの共振器を車両ドア内に取り付けることによって、車両ドア内及びその周囲にワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができる。タイプD共振器は、このときドア内の共振器デバイスにワイヤレスエネルギーを送給するよう整形しかつ平面状の場プロファイルを生ずる。代案として、ソース共振器は、車両フレームに配置し、ドア内のデバイス共振器を付勢し、したがって、ドアに給電ワイヤを設ける必要性を全く排除することができる。すなわち、ドア内のすべての電気的コンポーネントは、ドア外部のソース共振器からワイヤレスで給電される。例えば、乗用車5502は、ドア5510区画のウインドウを昇降するウインドウモータを有することができる。通常、ウインドウモータは、自動車における主電源への給電ハーネス接続部を必要とする。しかし、ワイヤレス給電ウインドウモータ5908によれば、このモータに電力を経路付けする必要はなく、したがって、ドア5510に関連する給電ハーネスを最小限にすることができる。
ワイヤレス給電及びワイヤレス通信のこの実装をすべての電気的コンポーネントに広げることによって、自動車製造業者は、ドア5510から電気的ハーネスを完全に排除することができる。このようにして、本発明によれば、ハーネスに関連するコスト、重量、及び組み込み時間を削減することができるとともに、電気系統の信頼性を向上することができる。さらに、ワイヤレス給電される電気的ドアコンポーネントはよりモジュール化した設計にすることができ、車両への追加、改変、アップグレード、等々を容易に行えるようになり、ひいてはユーザーの要求に応ずる製造業者の乗り物をカスタマイズする能力を潜在的に向上できる。
乗用車5502のドア5510を示すことによって本発明を説明したが、当業者には明らかなように、ワイヤレス給電は、トラック、バス、ジープ、トレーラー、RV車、等々のドアにおける電気的コンポーネントにも使用できることに留意されたい。例えば、トラックのドアに関連する電気的コンポーネントとしては、限定しないが、ワイヤレス給電ロックモータ、ワイヤレス給電電子コンビネーションロック、ワイヤレス給電ウインドウモータ、ワイヤレス給電電動ドア開け装置、ワイヤレス給電サイドミラーモータ、等々がある。トラックのドアにおける上述のワイヤレス給電されるデバイスは、本発明を活用することができる。例えば、上述したように、トラックドアのワイヤレス給電ウインドウモータは、本発明ワイヤレス給電を使用して(乗用車5502で説明したように)給電することができる。上述したように、このことにより製造する設計の融通性が得られる。実施形態において、トラックのドアに存在する電気的コンポーネント/デバイスは工場装着することができる。
同様に、ワイヤレス給電は、小型トラック、けん引トラック、道路工事トラック、等々のドアにおける電気的コンポーネントに使用することができる。同一パターンで、ワイヤレス給電はバスのドアにおける電気的コンポーネントに使用することができ、バスとしては、限定しないが、民間バス、公共バス、等々がある。これに対応して、ワイヤレス給電は、トレーラーのドアにおける電気的コンポーネントにも使用することができ、トレーラーとしては、限定しないが、コマーシャルトレーラー、自家用トレーラー、等々がある。実施形態を広げると、ワイヤレス給電は、建設車両のドアにおける電気的コンポーネントにも使用することができ、建設車両としては、限定しないが、クレーン車、フォークリフト、移動クレーン、ブルドーザー、掘削車、フロント・ローダー、セメントトラック、アスファルト舗装車、等々がある。実施形態において、トラック、バス、ジープ、トレーラー、及びRV車のドアに関連するすべての電気的デバイスは、工場で装着することができる。
自動車ドア(乗用車、トラック、トレーラー等)-アフターマーケット設置
図59に示す実施形態において、ドア5510のワイヤレス給電デバイスのうち幾つかは、乗用車5502を製造した後に設置することができる。これらワイヤレス給電デバイスはユーザーの好みに応じて設置することができる。
ドア5510に関連して、乗用車5502を製造した後に設置するワイヤレス給電コンポーネントとしては、ワイヤレス給電調整可能ロックシステム5914、ワイヤレス給電防曇システム5918、ワイヤレス給電防眩システム5920、等々がある。
実施形態において、アフターマーケットでの自動車座席用ワイヤレスエネルギー伝送システムは、1つ又は複数の共振器形態、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態を利用することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、車体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、アフターマーケット用のソース共振器は、タイプBのソース共振器を車両の有線電気系統に結線し、またこの共振器を車両のドアに取り付けることによって、車両ドアの内部及び/又はその周りにワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができる。代案として、ソース共振器は、ドアに取り付け、また電源コンセントに差し込み装着することができる、又は幾つかの代替エネルギー形態上で、例えば、バッテリ、車両のガラスを経てエネルギーを取り込む太陽電池等で動作できる。実施例において、乗用車5502のユーザーは、ドア5510のウインドウに防曇システムを設置したいと思う場合がある。実施例において、ユーザーは、整備士又は販売業者のサービスを利用して、乗用車5502の主電源への給電ハーネス接続部を必要とする防曇システムを設置することができる。従来、整備士又は販売業者は、乗用車5502の既存配線ハーネスを変更して新たな設置を行わなければならなかった。しかし、ワイヤレス給電防曇システム5918によれば、電力をこのシステムに経路付けする必要がなく、したがって、ドア5510に関連する給電ハーネスを最小限にすることができる。
さらに、ワイヤレス給電される防曇システム5918は、取外しが困難な電気的ハーネスが全く存在しないので、ドア5510のウインドウから容易に取り外すことができる。さらに、ワイヤレス給電される電気的ドアコンポーネントはよりモジュール化した設計にすることができ、車両への追加、改変、移動、取外し、アップグレード、等々を容易に行えるようになり、ひいてはユーザーの要求に応ずる製造業者の乗り物をカスタマイズする能力を潜在的に向上することができる。
乗用車5502のドア5510に幾つかの電気的コンポーネントを設置することにつき本発明を説明したが、当業者には明らかなように、ワイヤレス給電は、トラック、バス、ジープ、トレーラー、RV車、等々のドアに電気的コンポーネントを設置するのにも使用できることに留意されたい。例えば、トラックを製造した後に、ドアに設置するワイヤレス給電コンポーネントとしては、ワイヤレス給電調整可能ロックシステム、ワイヤレス給電防曇システム、ワイヤレス給電防眩システム、等々がある。トラックのドアにおける上述のワイヤレス給電されるデバイスは、本発明を活用することができる。例えば、上述したように、トラックの防曇システムは、本発明ワイヤレス給電を使用して(乗用車5502で説明したように)給電することができる。上述したように、このことにより製造する設計の融通性が得られる。
同様に、ワイヤレス給電は、小型トラック、けん引トラック、道路工事トラック等のドアにおける電気的コンポーネントに使用することができ、またこれらコンポーネントは、トラックの製造後に設置することができる。同一パターンで、ワイヤレス給電はバスのドアにおける電気的コンポーネントに使用することができ、バスとしては、限定しないが、民間バス、公共バス、等々がある。これらコンポーネントは、バスの製造後に設置することができる。同様に、ワイヤレス給電は、トレーラーのドアにおける電気的コンポーネントにも使用することができ、トレーラーとしては、限定しないが、コマーシャルトレーラー、自家用トレーラー、等々がある。これらコンポーネントはトレーラーの製造後に設置することができる。実施形態を広げると、ワイヤレス給電は、建設車両のドアにおける電気的コンポーネントにも使用することができ、建設車両としては、限定しないが、クレーン車、フォークリフト、移動クレーン、ブルドーザー、掘削車、フロント・ローダー、セメントトラック、アスファルト舗装車、等々がある。これらコンポーネントは、建設車両を製造した後に設置することができる。
天井及びフロア(乗用車、トラック、トレーラー等)−工場供給
図58Aにつき説明する実施形態において、ワイヤレス給電を利用して、乗用車5502の天井5822及びフロア5830に関連するデバイスに電力を供給し、この場合、乗用車の一次側電源から電気的デバイスに電力を送るのに何ら電気配線は不要とすることができる。
実施形態において、天井5822及びフロア5830に関連する電気的コンポーネントは本発明を活用でき、またこの電気的コンポーネントとしては、ワイヤレス給電照明システム5824、ワイヤレス給電DVDシステム5828、ワイヤレス給電補助電源プラグ5832、等々がある。
実施形態において、車両の天井及びフロアに共振器を設置する工場設置ワイヤレスエネルギー伝送システムは、1つ又は複数の共振器形態、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態を利用することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、車体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、工場設置したソース共振器は、タイプB/Dソース共振器を車両の有線電気系統に結線し、またこの共振器を車両の天井若しくはフロアに取り付けることによって、車両の天井若しくはフロアの内部及び/又はその周囲にワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができる。例えば、乗用車5502はすべての座席上方に照明システムを設けることができる。タイプB/D共振器により、天井の損失性材料から場を遮蔽し、デバイス共振器を有する天井に取り付けた他の天井照明のための平面状場を生じ、また車両室内におけるワイヤレスデバイスを付勢するより無指向性の場も発生する場プロファイルを生ずる。通常、照明システムは、乗用車5502における主電源への給電ハーネス接続部を必要とする。しかし、ワイヤレス給電照明システム5824によれば、この天井5822に電力を経路付けする必要はなく、したがって、天井5822に関連する給電ハーネスを最小限にすることができる。
さらに、ワイヤレス給電照明システム5824は、種々の照明を好ましい位置に位置決めすることができるようになる。ワイヤレス給電される天井5822から電気的ハーネスの給電部分を排除したことに加えて、製造業者は、乗用車5502における他の場所、例えば、ドライバ座席から照明位置を制御するワイヤレス通信システムを自由に選択できるようになり、したがって、天井5822に関連するいかなる複雑なハーネス配管に対する必要性をも潜在的に排除することができる。また、ワイヤレス給電及びワイヤレス通信のこの実装をすべての電気的コンポーネントに広げることによって、自動車製造業者は、天井5822及びフロア5830から電気的ハーネスを完全に排除することができる。このようにして、本発明によれば、ハーネスに関連するコスト、重量、及び組み込み時間を削減することができるとともに、電気系統の信頼性を向上することができる。さらに、ワイヤレス給電される天井及びフロアの電気的コンポーネントはよりモジュール化した設計にすることができ、車両への追加、改変、移動、アップグレード、等々を容易に行えるようになり、ひいてはユーザーの要求に応ずる製造業者の乗り物をカスタマイズする能力を潜在的に向上できる。
乗用車5502の天井5822及びフロア5502を示すことによって本発明を説明したが、当業者には明らかなように、ワイヤレス給電は、トラック、バス、ジープ、トレーラー、RV車、等々の天井及びフロアにおける電気的コンポーネントにも使用できることに留意されたい。例えば、トラックの天井及びフロアに関連する電気的コンポーネントとしては、限定しないが、ワイヤレス給電照明システム、ワイヤレス給電DVDシステム、補助電源プラグ、等々がある。トラックの天井及びフロアにおける上述のワイヤレス給電されるデバイスは、本発明を活用することができる。例えば、上述したように、本発明ワイヤレス給電によりトラックの照明システムに(乗用車5502で説明したように)給電することができる。上述したように、このことにより製造する設計の融通性が得られる。実施形態において、トラックの天井及びフロアに存在する電気的コンポーネント/デバイスは工場装着することができる。
同様に、ワイヤレス給電は、小型トラック、けん引トラック、道路工事トラック、等々の天井及びフロアにおける電気的コンポーネントに使用することができる。同一パターンで、ワイヤレス給電はバスの天井及びフロアにおける電気的コンポーネントに使用することができ、バスとしては、限定しないが、民間バス、公共バス、等々がある。同様に、ワイヤレス給電は、トレーラーの天井及びフロアにおける電気的コンポーネントにも使用することができ、トレーラーとしては、限定しないが、コマーシャルトレーラー、自家用トレーラー、等々がある。実施形態を広げると、ワイヤレス給電は、建設車両の天井及びフロアにおける電気的コンポーネントにも使用することができ、建設車両としては、限定しないが、クレーン車、フォークリフト、移動クレーン、ブルドーザー、掘削車、フロント・ローダー、セメントトラック、アスファルト舗装車、等々がある。実施形態において、トラック、バス、ジープ、トレーラー、及びRV車の天井及びフロアに関連するすべての電気的デバイスは、工場で装着することができる。
天井及びフロア(乗用車、トラック、トレーラー等)-アフターマーケット設置
図58Aに示す実施形態において、天井5822及びフロア5830のワイヤレス給電デバイスのうち幾つかは、乗用車5502を製造した後に設置することができる。これらワイヤレス給電デバイスはユーザーの好みに応じて設置することができる。
天井5822及びフロア5830に関連して、乗用車5502を製造した後に設置するワイヤレス給電コンポーネントとしては、ワイヤレス給電追加照明システム、ワイヤレス給電スピーカー、ワイヤレス給電衝撃吸収システム、等々がある。
実施形態において、アフターマーケットでの自動車の天井又はフロアに共振器を取り付けるためのワイヤレスエネルギー伝送システムは、1つ又は複数の共振器形態、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態を利用することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、車体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、アフターマーケット用のソース共振器は、タイプBのソース共振器を車両の有線電気系統に結線し、またこの共振器を車両の天井又はフロアに取り付けることによって、車両の天井若しくはフロアの内部及び/又はその周りにワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができる。代案として、ソース共振器は、電源コンセントに差し込み装着することができる、又は幾つかの代替エネルギー形態上で、例えば、バッテリ、車両のガラスを経てエネルギーを取り込む太陽電池等で動作できる。例えば、乗用車5502のユーザーは、ダッシュボード5504の種々のコンポーネントを見易くするよう、ドライバ座席上方に照明を追加設置したいと思う場合がある。タイプB共振器によれば、天井の損失性材料から場を遮蔽するとともに、車両のフロント乗員コンパートメント内におけるワイヤレスデバイス(例えば、乗員の携帯ワイヤレスデバイス)を付勢する無指向性の場となる場プロファイルを生ずることができる。実施例において、ユーザーは、整備士又は販売業者のサービスを利用して、乗用車5502の主電源への給電ハーネス接続部を必要とする追加照明システムを設置することができる。従来、整備士又は販売業者は、乗用車5502の天井5822における既存配線ハーネスを変更して新たな設置を行わなければならない。しかし、ワイヤレス給電追加ライト5834によれば、電力をこのデバイスに経路付けする必要がなく、したがって、天井5822に関連する給電ハーネスを最小限にすることができる。
さらに、ワイヤレス給電される天井及びフロアのコンポーネント/デバイスは、よりモジュール化した設計にすることができ、車両への追加、改変、移動、取外し、アップグレード、等々を容易に行えるようになり、ひいてはユーザーの要求に応ずる製造業者の乗り物をカスタマイズする能力を潜在的に向上することができる。
同様にして、ワイヤレス給電プラグ5832を乗用車5502のフロア5830に設置することができ、これにより乗用車5502の設計の柔軟性を向上することができる。
乗用車5502の天井5822及びフロア5830に幾つかの電気的コンポーネントを設置することにつき本発明を説明したが、当業者には明らかなように、ワイヤレス給電は、トラック、バス、ジープ、トレーラー、RV車、等々の天井及びフロアに電気的コンポーネントを設置するのにも使用できることに留意されたい。例えば、トラックを製造した後に、天井及びフロアに設置するワイヤレス給電コンポーネントとしては、ワイヤレス給電追加照明システム、ワイヤレス給電スピーカー、ワイヤレス給電衝撃吸収システム、等々がある。トラックの天井及びフロアにおける上述のワイヤレス給電されるデバイスは、本発明を活用することができる。例えば、上述したように、トラックの追加照明システムは、本発明ワイヤレス給電を使用して(乗用車5502で説明したように)給電することができる。上述したように、このことにより製造する設計の融通性が得られる。
同様に、ワイヤレス給電は、小型トラック、けん引トラック、道路工事トラック等の天井及びフロアにおける電気的コンポーネントに使用できる。これらコンポーネントは、トラックの製造後に設置することができる。同一パターンで、ワイヤレス給電はバスの天井及びフロアにおける電気的コンポーネントに使用することができ、バスとしては、限定しないが、民間バス、公共バス、等々がある。これらコンポーネントはバスの製造後に設置することができる。同様に、ワイヤレス給電は、トレーラーの天井及びフロアにおける電気的コンポーネントにも使用することができ、トレーラーとしては、限定しないが、コマーシャルトレーラー、自家用トレーラー、等々がある。これらコンポーネントはトレーラーの製造後に設置することができる。実施形態を広げると、ワイヤレス給電は、建設車両の天井及びフロアにおける電気的コンポーネントにも使用することができ、建設車両としては、限定しないが、クレーン車、フォークリフト、移動クレーン、ブルドーザー、掘削車、フロント・ローダー、セメントトラック、アスファルト舗装車、等々がある。これらコンポーネントは、建設車両を製造した後に設置することができる。
外部照明(乗用車、トラック、トレーラー等)−工場供給
図60につき説明する実施形態において、ワイヤレス給電を利用して、乗用車5502の外部照明に関連するデバイスに電力を供給し、この場合、乗用車の一次側電源から電気的デバイスに電力を送るのに何ら電気配線は不要とすることができる。
実施形態において、外部照明に関連する電気的コンポーネントは本発明を活用でき、またこの外部照明としては、ワイヤレス給電ヘッドライト6002、ワイヤレス給電される複数のインジケータ6004、ワイヤレス給電バックライト6010、ワイヤレス給電ブレーキライト6012、ワイヤレス給電リアビューミラー照明システム6014、等々がある。
実施形態において、車両外部照明用の工場設置ワイヤレスエネルギー伝送システムは、1つ又は複数の共振器形態、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態を利用することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、車体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、工場設置したソース共振器は、タイプBソース共振器を車両の有線電気系統に結線し、またこの共振器を車両の外部照明に取り付けることによって、車両の外部照明の内部及び/又はその周囲にワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができ、この場合、タイプB共振器は、その照明及びそれらを包囲する環境に含まれる損失性材料を回避するよう共振器場の遮蔽を行うことができる。例えば、乗用車5502は、通常、乗用車5502の主電源に対する給電ハーネスを必要とするヘッドライトを有することができる。しかし、ワイヤレス給電されるライトによれば、ワイヤレス給電ヘッドライト6002に電力を経路付けする必要はなく、したがって、乗用車5502に関連する給電ハーネスを最小限にすることができる。
さらに、外部照明におけるワイヤレス給電される電気的デバイスを設置し、またこの電気的デバイスに電力を供給するため、製造業者は、乗用車5502の車体にドリル穿孔することにより車体に給電ハーネス配管の経路付けする必要はない。さらに、給電ハーネスを必要としない外部照明システムに関連するワイヤレス給電デバイスを設置することによって、これらデバイスは適切に水密状態となり、したがって、それらの耐久性が向上する。例えば、ワイヤレス給電される複数のインジケータ6004は適切に封止される。さらに、ワイヤレス給電ヘッドライト6002は、種々のライトを好ましい位置に位置決めすることができる。また、ワイヤレス給電及びワイヤレス通信のこの実装をすべての電気的コンポーネントに広げることによって、自動車製造業者は、外部照明システムから電気的ハーネスを完全に排除することができる。このようにして、本発明によれば、ハーネスに関連するコスト、重量、及び組み込み時間を削減することができるとともに、電気系統の信頼性を向上することができる。さらに、ワイヤレス給電される外部照明はよりモジュール化した設計にすることができ、車両への追加、改変、アップグレード、等々を容易に行えるようになり、ひいてはユーザーの要求に応ずる製造業者の乗り物をカスタマイズする能力を潜在的に向上できる。
乗用車5502の外部照明を示すことによって本発明を説明したが、当業者には明らかなように、ワイヤレス給電は、トラック、バス、ジープ、トレーラー、RV車、等々の外部照明システムにも使用できることに留意されたい。例えば、トラックの外部照明システムに関連する電気的コンポーネントとしては、限定しないが、ワイヤレス給電ヘッドライト、ワイヤレス給電される複数個のインジケータ、ワイヤレス給電バックライト、ワイヤレス給電ブレーキライト、ワイヤレス給電リアビューミラー照明システム、等々がある。トラックの外部照明システムにおける上述のワイヤレス給電されるデバイスは、本発明を活用することができる。例えば、上述したように、トラックのヘッドライトは、(乗用車5502で説明したように)本発明ワイヤレス給電を使用することができる。上述したように、このことにより製造する設計の融通性が得られる。実施形態において、トラックの外部照明システムに存在する電気的コンポーネント/デバイスは工場装着することができる。
同様に、ワイヤレス給電は、小型トラック、けん引トラック、道路工事トラック、等々の外部照明システムにおける電気的コンポーネントに使用することができる。同一パターンで、ワイヤレス給電はバスの外部照明システムにおける電気的コンポーネントに使用することができ、バスとしては、限定しないが、民間バス、公共バス、等々がある。同様に、ワイヤレス給電は、トレーラーの外部照明システムにおける電気的コンポーネントにも使用することができ、トレーラーとしては、限定しないが、コマーシャルトレーラー、自家用トレーラー、等々がある。実施形態を広げると、ワイヤレス給電は、建設車両の外部照明システムにおける電気的コンポーネントにも使用することができ、建設車両としては、限定しないが、クレーン車、フォークリフト、移動クレーン、ブルドーザー、掘削車、フロント・ローダー、セメントトラック、アスファルト舗装車、等々がある。実施形態において、トラック、バス、ジープ、トレーラー、及びRV車の外部照明システムに関連するすべての電気的デバイスは、工場で装着することができる。
外部照明(乗用車、トラック、トレーラー等)-アフターマーケット設置
図60に示す実施形態において、外部照明システムのワイヤレス給電デバイスのうち幾つかは、乗用車5502を製造した後に設置することができる。これらワイヤレス給電デバイスはユーザーの好みに応じて設置することができる。
外部照明に関連して、乗用車5502を製造した後に設置するワイヤレス給電コンポーネントとしては、ワイヤレス給電ナンバープレートライト6010、ワイヤレス給電ラゲッジライト6022、ワイヤレス給電ブレーキライト6008、ワイヤレス給電ハブライト6018、ワイヤレス給電装飾ライト6020、緊急車両照明、等々がある。
実施形態において、アフターマーケットでの外部照明用ワイヤレスエネルギー伝送システムは、1つ又は複数の共振器形態、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態を利用することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、車体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、アフターマーケット用のソース共振器は、タイプBのソース共振器を車両の有線電気系統に結線し、またこの共振器を車両の照明ライトに取り付けることによって、車両の外部照明ライトの内部及び/又はその周りにワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができ、この場合、タイプBソース共振器は、照明ライト内及び周囲の環境に含まれる損失性材料を回避するよう共振器場を遮蔽することができる。代案として、ソース共振器は、電源コンセントに差し込み装着することができる、又は幾つかの代替エネルギー形態上で、例えば、バッテリ、車両のガラスを経てエネルギーを取り込む太陽電池等で動作できる。実施例において、乗用車5502のユーザーは、ナンバープレートライト6010を設置したいと思う場合がある。実施例において、ユーザーは、整備士又は販売業者のサービスを利用して、乗用車5502の主電源への給電ハーネス接続部を必要とするナンバープレートライトを設置することができる。整備士又は販売業者は、乗用車5502の照明システムの既存配線ハーネスを変更して新たな設置を行わなければならなかった。しかし、ワイヤレス給電ナンバープレートライト6010によれば、電力をこのワイヤレス給電ナンバープレートライト6010に経路付けする必要がなく、したがって、外部照明に関連する給電ハーネスを最小限にすることができる。
さらに、ワイヤレス給電されるナンバープレートライト6010の設置及びこれに電力を供給するために、製造業者は、乗用車5502の車体にドリル穿孔することによって給電ハーネス配管を経路付けする必要がない。さらに、外部照明システムに関連するワイヤレス給電ナンバープレートライト6010を設置することによって、これらデバイスは適切に水密状態に封止することができ、したがって、耐久性を向上することができる。
乗用車5502の外部照明システムに幾つかの電気的コンポーネントを設置することにつき本発明を説明したが、当業者には明らかなように、ワイヤレス給電は、トラック、バス、ジープ、トレーラー、RV車、等々の外部照明システムに設置した電気的コンポーネントによって使用できることに留意されたい。例えば、トラックを製造した後に、外部照明システムに設置するワイヤレス給電コンポーネントとしては、ワイヤレス給電ナンバープレートライト、ワイヤレス給電ラゲッジライト、ワイヤレス給電ブレーキライト、ワイヤレス給電ハブライト、ワイヤレス給電装飾ライト、等々がある。トラックの外部照明システムにおける上述のワイヤレス給電されるデバイスは、本発明を活用することができる。例えば、上述したように、トラックのナンバープレートライトは、(乗用車5502で説明したように)本発明ワイヤレス給電を使用することができる。上述したように、このことにより製造する設計の融通性が得られる。
同様に、ワイヤレス給電は、小型トラック、けん引トラック、道路工事トラック等の外部照明システムにおける電気的コンポーネントに使用することができる。これらコンポーネントは、トラックの製造後に設置することができる。同一パターンで、ワイヤレス給電はバスの外部照明システムにおける電気的コンポーネントに使用することができ、バスとしては、限定しないが、民間バス、公共バス、等々がある。これらコンポーネントは、バスの製造後に設置することができる。同様に、ワイヤレス給電は、トレーラーの外部照明システムにおける電気的コンポーネントにも使用することができ、トレーラーとしては、限定しないが、コマーシャルトレーラー、自家用トレーラー、等々がある。これらコンポーネントはトレーラーの製造後に設置することができる。実施形態を広げると、ワイヤレス給電は、建設車両の外部照明システムにおける電気的コンポーネントにも使用することができ、建設車両としては、限定しないが、クレーン車、フォークリフト、移動クレーン、ブルドーザー、掘削車、フロント・ローダー、セメントトラック、アスファルト舗装車、等々がある。これらコンポーネントは、建設車両を製造した後に設置することができる。
トランク(乗用車、トラック、トレーラー等)−工場供給
図61につき説明する実施形態において、ワイヤレス給電を利用して、乗用車5502のトランク5512に関連するデバイスに電力を供給し、この場合、乗用車の一次側電源から電気的デバイスに電力を送るのに何ら電気配線は不要とすることができる。
実施形態において、トランク5512に関連する電気的コンポーネントは本発明を活用でき、またこの電気的コンポーネントとしては、ワイヤレス給電トランクロックシステム6104、ワイヤレス給電トランク照明システム6108、ワイヤレス給電車両用音楽システム、等々がある。
実施形態において、車両のトランク隔室を付勢する工場設置ワイヤレスエネルギー伝送システムは、1つ又は複数の共振器形態、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態を利用することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、車体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、工場設置したソース共振器は、タイプBソース共振器を車両の有線電気系統に結線し、またこの共振器を車両のトランク内に取り付けることによって、車両のトランクの内部及び/又はその周囲にワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができ、この場合、タイプBソース共振器は、トランクにおける車体内の損失性材料を回避するよう共振器場を遮蔽することができる。例えば、乗用車5502はトランク5512内に照明システムを設けることができ、この場合、タイプBソース共振器は、トランク及び周囲の環境に含まれる損失性材料を回避するよう共振器場を遮蔽するとともに、トランク容積内にワイヤレスエネルギーゾーンを生ずることができる。通常、照明システムは、乗用車5502における主電源への給電ハーネス接続部を必要とする。しかし、ワイヤレス給電トランク照明システム6108によれば、トランク5512に電力を経路付けする必要はなく、したがって、トランク5512に関連する給電ハーネスを最小限にできる。
さらに、ワイヤレス給電トランク照明システム6108は、トランク5512内の種々の照明を好ましい位置に位置決めすることができるようになる。ワイヤレス給電及びワイヤレス通信のこの実装をすべての電気的コンポーネントに広げることによって、製造業者はトランク5512から電気的ハーネスを完全に排除することができる。このようにして、本発明によれば、ハーネスに関連するコスト、重量、及び組み込み時間を削減することができるとともに、電気系統の信頼性を向上することができる。さらに、ワイヤレス給電されるトランクの電気的コンポーネントはよりモジュール化した設計にすることができ、車両への追加、改変、アップグレード、移動、取外し、等々を容易に行えるようになり、ひいてはユーザーの要求に応ずる製造業者の乗り物をカスタマイズする能力を潜在的に向上することができる。
乗用車5502のトランク5512を示すことによって本発明を説明したが、当業者には明らかなように、ワイヤレス給電は、トラック、バス、ジープ、トレーラー、RV車、等々のトランクの電気的コンポーネントにも使用できることに留意されたい。例えば、トラックのトランクに関連する電気的コンポーネントとしては、限定しないが、ワイヤレス給電トランクリッドモータ、ワイヤレス給電トランクロックシステム、ワイヤレス給電トランク照明システム、ワイヤレス給電トランク電子機器、等々がある。トラックのトランクにおける上述のワイヤレス給電されるデバイスは、本発明を活用することができる。例えば、上述したように、トラックのトランク照明システムは、(乗用車5502で説明したように)本発明ワイヤレス給電を使用することができる。上述したように、このことにより製造する設計の融通性が得られる。実施形態において、トラックのトランクに存在する電気的コンポーネント/デバイスは工場装着することができる。
同様に、ワイヤレス給電は、小型トラック、けん引トラック、道路工事トラック、等々のトランクにおける電気的コンポーネントに使用することができる。同一パターンで、ワイヤレス給電はバスのトランクにおける電気的コンポーネントに使用することができ、バスとしては、限定しないが、民間バス、公共バス、等々がある。同様に、ワイヤレス給電は、トレーラーのトランクにおける電気的コンポーネントにも使用することができ、トレーラーとしては、限定しないが、コマーシャルトレーラー、自家用トレーラー、等々がある。実施形態を広げると、ワイヤレス給電は、建設車両のトランクにおける電気的コンポーネントにも使用することができ、建設車両としては、限定しないが、クレーン車、フォークリフト、移動クレーン、ブルドーザー、掘削車、フロント・ローダー、セメントトラック、アスファルト舗装車、等々がある。実施形態において、トラック、バス、ジープ、トレーラー、及びRV車のトランクに関連するすべての電気的デバイスは、工場で装着することができる。
トランク(乗用車、トラック、トレーラー等)-アフターマーケット設置
図61に示す実施形態において、トランク5512のワイヤレス給電デバイスのうち幾つかは、乗用車5502を製造した後に設置することができる。これらワイヤレス給電デバイスはユーザーの好みに応じて設置することができる。
トランク5512に関連して、乗用車5502を製造した後に設置するワイヤレス給電コンポーネントとしては、ワイヤレス給電追加照明システム6112、等々がある。
実施形態において、アフターマーケットでの自動車のトランクに共振器を取り付けるためのワイヤレスエネルギー伝送システムは、1つ又は複数の共振器形態、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態を利用することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、車体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、アフターマーケット用のソース共振器は、タイプBのソース共振器を車両の有線電気系統に結線し、またこの共振器を車両のトランク内に取り付けることによって、車両のトランクの内部及び/又はその周りにワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができる。例えば、乗用車5502のユーザーは、乗用車5502のトランク内に追加ライトを設置したいと思う場合があり、またタイプBソース共振器は、トランク隔室内のどこにでもワイヤレスライトを取り付けることができるようトランク内にワイヤレスエネルギー供給ゾーンを生じ、この場合、タイプBソース共振器はトランクにおける車体に含まれる損失性材料を回避するよう共振器場を遮蔽することができる。通常、ユーザーは、整備士又は販売業者のサービスを利用して、乗用車5502の主電源への給電ハーネス接続部を必要とする追加照明システムを設置することができる。整備士又は販売業者は、乗用車5502のトランク5512における既存配線ハーネスを変更して新たな設置を行わなければならない。しかし、ワイヤレス給電追加ライト5834によれば、電力をこのデバイスに経路付けする必要がなく、したがって、トランク5512に関連する給電ハーネスを最小限にすることができる。
さらに、ワイヤレス給電されるトランク5512のコンポーネント/デバイスは、よりモジュール化した設計にすることができ、車両への追加、改変、移動、取外し、アップグレード、等々を容易に行えるようになり、ひいてはユーザーの要求に応ずる製造業者の乗り物をカスタマイズする能力を潜在的に向上することができる。
乗用車5502のトランク5512に幾つかの電気的コンポーネントを設置することにつき本発明を説明したが、当業者には明らかなように、ワイヤレス給電は、トラック、バス、ジープ、トレーラー、RV車、等々のトランクに電気的コンポーネントを設置するのにも使用できることに留意されたい。例えば、トラックを製造した後に、トランクに設置するワイヤレス給電コンポーネントとしては、ワイヤレス給電追加照明システム、等々がある。トラックのトランクにおける上述のワイヤレス給電されるデバイスは、本発明を活用することができる。例えば、上述したように、トラックの追加照明ライトは、(乗用車5502で説明したように)本発明ワイヤレス給電を使用することができる。上述したように、このことにより製造する設計の融通性が得られる。
同様に、ワイヤレス給電は、小型トラック、けん引トラック、道路工事トラック等のトランクにおける電気的コンポーネントに使用できる。これらコンポーネントは、トラックの製造後に設置することができる。同一パターンで、ワイヤレス給電はバスのトランクにおける電気的コンポーネントに使用することができ、バスとしては、限定しないが、民間バス、公共バス、等々がある。これらコンポーネントはバスの製造後に設置することができる。同様に、ワイヤレス給電は、トレーラーのトランクにおける電気的コンポーネントにも使用することができ、トレーラーとしては、限定しないが、コマーシャルトレーラー、自家用トレーラー、等々がある。これらコンポーネントはトレーラーの製造後に設置することができる。実施形態を広げると、ワイヤレス給電は、建設車両のトランクにおける電気的コンポーネントにも使用することができ、建設車両としては、限定しないが、クレーン車、フォークリフト、移動クレーン、ブルドーザー、掘削車、フロント・ローダー、セメントトラック、アスファルト舗装車、等々がある。これらコンポーネントは、建設車両を製造した後に設置することができる。
装備品−車両外部の電気的コンポーネント−工場供給
図62につき説明する実施形態において、ワイヤレス給電を利用して、乗用車5502に関連する装備品に電力を供給し、この場合、乗用車の一次側電源から電気的デバイスに電力を送るのに何ら電気配線は不要とすることができる。
実施形態において、乗用車5502に関連する電気的装備品は本発明を活用でき、またこの装備品としては、ワイヤレス給電緊急ライト6202、ワイヤレス給電点灯標識6004、ワイヤレス給電トリムライト6204、車両内部からモニタリングするワイヤレス給電センサ6214、ワイヤレス給電除氷装置6218、等々がある。
実施形態において、車両外部の電気的コンポーネント用工場設置ワイヤレスエネルギー伝送システムは、1つ又は複数の共振器形態、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態を利用することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、車体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、工場設置したソース共振器は、タイプB又はタイプDのソース共振器を車両の有線電気系統に結線し、またこの共振器を車両の外部部分を付勢するよう取り付けることによって、車両の外部周囲にワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができ、この場合、タイプB及びタイプDの共振器は、車体に含まれる損失性材料を回避するよう共振器場の遮蔽を行うことができる。例えば、乗用車5502は緊急照明システムを設けることができる。通常、緊急照明システムは、乗用車5502の主電源に対する給電ハーネスを必要とする。しかし、ワイヤレス給電される緊急ライト6202によれば、例えば、車両のルーフにおける外部緊急照明システムを付勢するよう工場設置したワイヤレス共振器を車両に設けることによって、ワイヤレス給電緊急ライト6202に電力を経路付けする必要はない。
さらに、ワイヤレス給電される緊急ライト6202は、乗用車5502の外部における好ましい位置に種々のライトを位置決めすることができる。さらに、製造業者は、乗用車5502の車体にドリル穿孔することにより車体に給電ハーネス配管の経路付けする必要はない。また、ワイヤレス給電及びワイヤレス通信のこの実装をすべての電気的コンポーネントに広げることによって、自動車製造業者は、電気的装備品から乗用車5502の外部表面への電気的ハーネスを完全に排除することができる。このようにして、本発明によれば、ハーネスに関連するコスト、重量、及び組み込み時間を削減することができるとともに、電気系統の信頼性を向上することができる。さらに、ワイヤレス給電される電気的装備品はよりモジュール化した設計にすることができ、車両への追加、改変、移動、取外し、アップグレード、等々を容易に行えるようになり、ひいてはユーザーの要求に応ずる製造業者の乗り物をカスタマイズする能力を潜在的に向上できる。
乗用車5502に関連する装備品を示すことによって本発明を説明したが、当業者には明らかなように、ワイヤレス給電は、トラック、バス、ジープ、トレーラー、RV車、等々に関連する装備品にも使用できることに留意されたい。例えば、トラックに関連する装備品としては、限定しないが、ワイヤレス給電緊急ライト、ワイヤレス給電点灯標識、ワイヤレス給電トリムライト、車両内部からモニタリングするためのワイヤレス給電センサ、ワイヤレス給電除氷装置、等々がある。トラックに関連する上述のワイヤレス給電されるデバイスは、本発明を活用することができる。例えば、上述したように、トラックの緊急ライトは、(乗用車5502で説明したように)本発明ワイヤレス給電を使用することができる。上述したように、このことにより製造する設計の融通性が得られる。実施形態において、トラックに関連する電気的装備品は工場装着することができる。
同様に、ワイヤレス給電は、小型トラック、けん引トラック、道路工事トラック、等々の電気的装備品に使用することができる。同一パターンで、ワイヤレス給電はバスの電気的装備品に使用することができ、バスとしては、限定しないが、民間バス、公共バス、等々がある。同様に、ワイヤレス給電は、トレーラーの電気的装備品にも使用することができ、トレーラーとしては、限定しないが、コマーシャルトレーラー、自家用トレーラー、等々がある。実施形態を広げると、ワイヤレス給電は、建設車両の電気的装備品にも使用することができ、建設車両としては、限定しないが、クレーン車、フォークリフト、移動クレーン、ブルドーザー、掘削車、フロント・ローダー、セメントトラック、アスファルト舗装車、等々がある。実施形態において、トラック、バス、ジープ、トレーラー、及びRV車の外部照明システムに関連するすべての電気的デバイスは、工場で装着することができる。
装備品−車両外部の電気的コンポーネント−アフターマーケット設置
図62に示す実施形態において、乗用車5502の外部における装備品のうち幾つかは、乗用車5502を製造した後に設置することができる。これらワイヤレス給電デバイスはユーザーの好みに応じて設置することができる。
装備品に関連するワイヤレス給電コンポーネントは、乗用車5502を製造した後に設置することができ、ワイヤレス給電コンポーネントとしては、ワイヤレス給電広告看板6208、車両の外面に付着するワイヤレス給電デバイス、電動式デバイスのようなワイヤレス給電娯楽装置6220、等々がある。
実施形態において、アフターマーケットでの車両外部における給電する電気的コンポーネント用ワイヤレスエネルギー伝送システムは、1つ又は複数の共振器形態、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態を利用することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、車体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、アフターマーケット用のソース共振器は、1個又は複数個のタイプB又はタイプDのソース共振器を車両の有線電気系統に結線し、またこの共振器を車両外部の電気的コンポーネントにこれを付勢するよう取り付けることによって、車両外部の部分の周りにワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができる。代案として、ソース共振器は、電源コンセントに差し込み装着することができる、又は幾つかの代替エネルギー形態上で、例えば、バッテリ、車両のガラスを経てエネルギーを取り込む太陽電池等で動作できる。実施例において、乗用車5502のユーザーは、広告標識を乗用車5502の上側部分に設置することにより製品を宣伝したいと思う場合があり、この場合、タイプB共振器は車両天井、車両ドア近傍、等々に設置し、車両天井におけるワイヤレス広告標識を付勢し、またタイプB共振器は天井に含まれる損失性材料を回避するよう共振器場を遮蔽する。通常、ユーザーは、整備士又は販売業者のサービスを利用して、乗用車5502の主電源への給電ハーネス接続部を必要とする広告標識を設置することができる。整備士又は販売業者は、乗用車5502の既存配線ハーネスを変更して新たな設置を行わなければならなかった。しかし、ワイヤレス給電広告標識6208によれば、電力をこのシステムに経路付けする必要がなく、したがって、外部装備品に関連する給電ハーネスを最小限にできる。
さらに、ワイヤレス給電される広告標識6208は、取外しを制限するいかなる電気的ハーネスもないため、乗用車5502から容易に取り外すことができる。さらに、製造業者は、乗用車5502の車体にドリル穿孔することによって給電ハーネス配管を経路付けする必要がない。さらに、ワイヤレス給電される電気的装備品は、よりモジュール化した設計にすることができ、車両への追加、改変、移動、アップグレード、等々を容易に行えるようになり、ひいてはユーザーの要求に応ずる製造業者の乗り物をカスタマイズする能力を潜在的に向上できる。
建設車両−掘削車−工場供給(独特な電気的素子、及び本明細書に記載のダッシュボード、ハンドル、等々のような共通ではない素子)
図63につき説明する実施形態において、ワイヤレス給電を利用して、掘削車6300のデバイスに電力を供給し、この場合、掘削車の一次側電源から電気的デバイスに電力を送るのに何ら電気配線は不要とすることができる。このことは、さもないと必要になるワイヤハーネスに関連する重量、コスト、及び製造時間を削減するだけでなく、複数のデバイス/コンポーネントに張り巡らせるハーネスがないことに起因して信頼性も向上するため、掘削車6300の初期設計及び製造上有利であることが分かっている。さらに、すべての電気的デバイス/コンポーネントが電気的ハーネス接続部を有する必要性を排除することにより、掘削車6300の製造業者は、電気的ハーネスの給電部分のレイアウト、取り回し、及び設計に影響を及ぼすことなく、電気的コンポーネント/デバイスを容易に追加できるようになる。
掘削車6300を示すことによって本発明を説明したが、当業者には明らかなように、ワイヤレス給電は、他の建設車両にも使用できることに留意されたい。建設車両の例としては、限定しないが、移動クレーン、フロント・ローダー、セメントトラック、アスファルト舗装車、等々がある。
図63に示す実施形態において、掘削車6300に関連する電気的コンポーネント/デバイスは本発明を活用することができる。掘削車6300に関連する電気的コンポーネントとしては、限定しないが、ワイヤレス給電無線測位システムレシーバ6302、ワイヤレス給電ディスプレイ6304、ワイヤレス給電バケット対マシン本体測位システム6308、ワイヤレス給電レーザー検出システム6310、ワイヤレス給電ナビゲーションシステム6312、ワイヤレス給電ホイール制御システム6314、ワイヤレス給電レバー制御システム6318、ワイヤレス給電される複数のセンサ6320、ワイヤレス給電荷重減少及び整列システム6322、ワイヤレス給電ブレード制御機構6324、ワイヤレス給電バルブ制御システム6328、等々がある。上述の実施形態で説明したように、掘削車6300のダッシュボード、中央コンソール、ハンドル、座席、ドア、ウインドウ、トランク、及び照明システムに関連する種々の電気的コンポーネントも本発明を活用することができる。
実施形態において、掘削車用の工場設置ワイヤレスエネルギー伝送システムは、1つ又は複数の共振器形態、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態を利用することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、車体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、工場設置したソース共振器は、タイプBソース共振器を車両の有線電気系統に結線し、またこの共振器を車両の車体に取り付けることによって、掘削車の内部及び/又はその周囲にワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができ、この場合、タイプBソース共振器は、車体内の損失性材料を回避するよう共振器場を遮蔽することができる。実施例において、無線測位システムレシーバは給電されて、掘削車6300の乗員/ドライバを支援するため、GPSシステムから定期的アップデートを入手することを必要とする。実施例において、無線測位システムレシーバは、通常、掘削車6300における主電源への給電ハーネス接続部を必要とする。しかし、ワイヤレス給電無線測位システムレシーバ6302によれば、例えば、掘削車の運転台内に設置したタイプBソース共振器によって付勢されることにより、電力を経路付けする必要を排除でき、この場合、タイプBソース共振器は、車両における設置ポイント周りの損失性材料を回避するよう共振器場を遮蔽することができる。
さらに、電気的ハーネスによる給電部分を排除したことにより、掘削車6300の製造業者は、ワイヤレス給電無線測位システムレシーバ6302及びワイヤレス給電レバー制御システム6318の位置/空間を掘削車6300のいかなる位置にも自由に選択できるようになる。ワイヤレス給電及びワイヤレス通信のこの実装をすべての電気的コンポーネントに拡張することによって、掘削車6300の製造業者は電気的デバイスに関連する電気的ハーネスを完全に排除することができる。このようにして、本発明は、ハーネスに関連するコスト、重量、及び組み込み時間を削減することができるとともに、電気系統の信頼性を向上することができる。さらに、ワイヤレス給電される電気的コンポーネントはよりモジュール化した設計にすることができ、車両への追加、改変、移動、取外し、アップグレード、等々を容易に行えるようになり、ひいてはユーザーの要求に応ずる製造業者の乗り物をカスタマイズする能力を潜在的に向上することができる。
掘削車6300に関連するワイヤレス給電無線測位システムレシーバ6302及びワイヤレス給電レバー制御システム6318の例を用いて本発明を説明したことに留意されたい。しかし、当業者であれば理解できるように、本発明は、掘削車6300に関連するいかなるワイヤレス給電コンポーネントにも適用できる。
図63に示す実施形態において、掘削車6300のワイヤレス給電デバイスは工場装着することができる。例えば、掘削車6300の製造業者はワイヤレス給電無線測位システムレシーバ6302を装着することができる。
建設車両−掘削車−アフターマーケット設置(独特な電気的素子、及び本明細書に記載のダッシュボード、ハンドル、等々のような共通ではない素子)
実施形態において、図63に示す掘削車6300のワイヤレス給電デバイスのうち幾つかは、掘削車6300を製造した後に設置することができる。これらワイヤレス給電デバイスはユーザーの好みに応じて設置することができる。
掘削車6300に関連して、掘削車を製造した後に設置するワイヤレス給電コンポーネントとしては、ワイヤレス給電カメラシステム6330、ワイヤレス給電安全システム6332、ワイヤレス給電ロックシステム、等々がある。
実施形態において、掘削車用のアフターマーケットワイヤレスエネルギー伝送システムは、1つ又は複数の共振器形態、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態を利用することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、車体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、アフターマーケット用のソース共振器は、タイプBソース共振器を車両の有線電気系統に結線し、またこの共振器を車両の車体に取り付けることによって、車両の内部及び/又はその周りにワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができ、この場合、タイプBソース共振器は、車体に含まれる損失性材料を回避するよう共振器場を遮蔽することができる。代案として、ソース共振器は、電源コンセントに差し込み装着することができる、又は幾つかの代替エネルギー形態上で、例えば、バッテリ、車両のガラスを経てエネルギーを取り込む太陽電池等で動作できる。実施例において、ドライバ(運転手)は、掘削車6300の作業進展を追跡するようブレードにカメラを取り付けたいと思う場合がある。実施形態において、通常カメラは、掘削車6300における主電源への給電ハーネス接続部を必要とし、この給電ハーネス接続部は掘削作業の邪魔となり得る。しかし、ワイヤレス給電カメラシステム6330によれば、例えば、ソース共振器をブレード近傍に設けることによって、電力をワイヤレス給電コンポーネント/デバイスに経路付けする必要性がなく、したがって、掘削車6300に関連する給電ハーネスを最小限にし、また給電ハーネスに関連する複雑さを減らすことができる。
このようにして、ワイヤレス給電デバイス/コンポーネントは、ハーネスに関連するコスト、重量、及び組み込み時間を削減するとともに、電気系統の信頼性を向上することができる。さらに、ワイヤレス給電される掘削車6300の電気的コンポーネントはよりモジュール化した設計にすることができ、車両への追加、改変、移動、取外し、アップグレード、等々を容易に行えるようになり、ひいてはユーザーの要求に応ずる製造業者の乗り物をカスタマイズする能力を潜在的に向上することができる。
建設車両−ブルドーザー−工場供給(独特な電気的素子、及び本明細書に記載のダッシュボード、ハンドル、等々のような共通ではない素子)
図64につき説明する実施形態において、ワイヤレス給電を利用して、ブルドーザー6400のデバイスに電力を供給し、この場合、ブルドーザーの一次側電源から電気的デバイスに電力を送るのに何ら電気配線は不要とすることができる。このことは、さもないと必要になるワイヤハーネスに関連する重量、コスト、及び製造時間を削減するだけでなく、複数のデバイス/コンポーネントに張り巡らせるハーネスがないことに起因して信頼性も向上するため、ブルドーザー6400の初期設計及び製造上有利であることが分かっている。さらに、すべての電気的デバイス/コンポーネントが電気的ハーネス接続部を有する必要性を排除することにより、ブルドーザー6400の製造業者は、電気的ハーネスの給電部分のレイアウト、取り回し、及び設計に影響を及ぼすことなく、電気的コンポーネント/デバイスを容易に追加できるようになる。
ブルドーザー6400を示すことによって本発明を説明したが、当業者には明らかなように、ワイヤレス給電は、他の建設車両にも使用できることに留意されたい。建設車両の例としては、限定しないが、移動クレーン、フロント・ローダー、セメントトラック、アスファルト舗装車、等々がある。
図64に示す実施形態において、本発明を活用することができるブルドーザー6400に関連する電気的コンポーネント/デバイスとしては、限定しないが、ワイヤレス給電運転制御システム6402、ワイヤレス給電ブレード取付け及び安定システム6404、ワイヤレス給電ピッチ制御システム6408、ワイヤレス給電プッシュアーム制御システム6410、ワイヤレス給電位置決定システム6412、ワイヤレス給電ブレード角度調整機構システム6414、ワイヤレス給電電動ホイール制御システム6418、等々がある。上述の実施形態で説明したように、ブルドーザー6400のダッシュボード、中央コンソール、ハンドル、座席、ドア、ウインドウ、トランク、及び照明システムに関連する種々の電気的コンポーネントも本発明を活用することができる。
実施形態において、ブルドーザー用の工場設置ワイヤレスエネルギー伝送システムは、1つ又は複数の共振器形態、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態を利用することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、車体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、工場設置したソース共振器は、タイプBソース共振器を車両の有線電気系統に結線し、またこの共振器を車両の車体に取り付けることによって、車両の内部及び/又はその周囲にワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができ、この場合、タイプBソース共振器は、車体に含まれる損失性材料を回避するよう共振器場を遮蔽することができる。実施例において、長い解体作業中、ブルドーザー6400のドライバは、規則的な基礎に対するブレード角度調整機構システムを使用することによってブレードを調整したいと思う場合がある。通常、ブレード角度調整機構システムは、ブルドーザー6400における主電源への給電ハーネス接続部を必要とする。しかし、ワイヤレス給電ブレード角度調整機構システム6414によれば、電力をワイヤによって経路付けする必要を排除でき、これにより、ブルドーザー6400に関連する給電ハーネスを最小限にすることができる。
さらに、ブルドーザー6400のドライバは、ブレード角度調整機構システムに関連する電気的ハーネスが存在する場合では不可能である快適なレベルにブレード角度調整機構システムを配置したいと思う場合がある。
さらに、電気的ハーネスによる給電部分を排除したことにより、ブルドーザー6400の製造業者は、ワイヤレス給電ブレード角度調整機構システム6414の位置/空間をブルドーザー6400における運転台のいかなる位置にも自由に選択できるようになる。ワイヤレス給電及びワイヤレス通信のこの実装をすべての電気的コンポーネントに拡張することによって、ブルドーザー6400の製造業者は電気的デバイスに関連する電気的ハーネスを完全に排除することができる。このようにして、本発明は、ハーネスに関連するコスト、重量、及び組み込み時間を削減することができるとともに、電気系統の信頼性を向上することができる。さらに、ワイヤレス給電される電気的コンポーネントはよりモジュール化した設計にすることができ、車両への追加、改変、アップグレード、等々を容易に行えるようになり、ひいてはユーザーの要求に応ずる製造業者の乗り物をカスタマイズする能力を潜在的に向上することができる。
ブルドーザー6400に関連するワイヤレス給電ブレード角度調整機構システム6414の例を用いて本発明を説明したことに留意されたい。しかし、当業者であれば理解できるように、本発明は、ブルドーザー6400に関連するいかなるワイヤレス給電コンポーネントにも適用できる。
図64に示す実施形態において、ブルドーザー6400のワイヤレス給電デバイスは工場装着することができる。例えば、ブルドーザー6400の製造業者はワイヤレス給電ブレード角度調整機構システム6414を装着することができる。
建設車両−ブルドーザー−アフターマーケット設置(独特な電気的素子、及び本明細書に記載のダッシュボード、ハンドル、等々のような共通ではない素子)
実施形態において、図64に示すブルドーザー6400のワイヤレス給電デバイスのうち幾つかは、ブルドーザー6400を製造した後に設置することができる。これらワイヤレス給電デバイスはユーザーの好みに応じて設置することができる。
ブルドーザー6400に関連するワイヤレス給電コンポーネントは、ブルドーザーを製造した後に設置ことができ、またワイヤレス給電カメラシステム6420、ワイヤレス給電安全システム6422、ワイヤレス給電ロックシステム6424、ワイヤレス給電測位システムレシーバ6428、等々を有することができる。
実施形態において、ブルドーザー用のアフターマーケットワイヤレスエネルギー伝送システムは、1つ又は複数の共振器形態、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態を利用することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、車体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、アフターマーケット用のソース共振器は、タイプBソース共振器を車両の有線電気系統に結線し、またこの共振器を車両の車体に取り付けることによって、車両の内部及び/又はその周りにワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができ、この場合、タイプBソース共振器は、車体に含まれる損失性材料を回避するよう共振器場を遮蔽することができる。代案として、ソース共振器は、電源コンセントに差し込み装着することができる、又は幾つかの代替エネルギー形態上で、例えば、バッテリ、車両のガラスを経てエネルギーを取り込む太陽電池等で動作できる。実施例において、ブルドーザー6400のドライバ(運転手)は、GPSを設置し、測位システムレシーバからのアップデートを使用し、長い解体作業における位置をアップデートしたいと思う場合がある。実施形態において、通常測位システムレシーバは、ブルドーザー6400における主電源への給電ハーネス接続部を必要とする。しかし、この給電ハーネスは解体作業を阻害する、又はこの給電ハーネスが解体作業において損傷する機会があり得る。しかし、ワイヤレス給電測位システムレシーバ6428によれば、電力をワイヤレス給電コンポーネント/デバイスに経路付けする必要性がなく、したがって、ブルドーザー6400に関連する給電ハーネスを最小限にし、また給電ハーネスに関連する複雑さを減らすことができる。
他の実施例において、ブルドーザー6400の(運転手)は、ブルドーザー6400の解体作業の進展を追跡するようブレードにカメラを取り付けたいと思う場合がある。実施例において、通常カメラは、ブルドーザー6400における主電源への給電ハーネス接続部を必要とする。この給電ハーネス接続部は解体作業において損傷を受けるおそれもあり得る。しかし、ワイヤレス給電カメラシステム6420によれば、電力をワイヤレス給電コンポーネント/デバイスに経路付けする必要性がなく、したがって、ブルドーザー6400に関連する給電ハーネスを最小限にし、また給電ハーネスに関連する複雑さを減らすことができる。さらに、ドライバはワイヤレス給電カメラシステム6420をブルドーザー6400における任意の位置に設置することができる。
このようにして、ワイヤレス給電デバイス/コンポーネントは、ハーネスに関連するコスト、重量、及び組み込み時間を削減するとともに、電気系統の信頼性を向上することができる。さらに、ワイヤレス給電されるブルドーザー6400の電気的コンポーネントはよりモジュール化した設計にすることができ、車両への追加、改変、移動、アップグレード、等々を容易に行えるようになり、ひいてはユーザーの要求に応ずる製造業者の乗り物をカスタマイズする能力を潜在的に向上することができる。
建設車両−クレーン車−工場供給(独特な電気的素子、及び本明細書に記載のダッシュボード、ハンドル、等々のような共通ではない素子)
図65につき説明する実施形態において、ワイヤレス給電を利用して、クレーン車6502のデバイスに電力を供給し、この場合、クレーン車の一次側電源から電気的デバイスに電力を送るのに何ら電気配線は不要とすることができる。このことは、さもないと必要になるワイヤハーネスに関連する重量、コスト、及び製造時間を削減するだけでなく、複数のデバイス/コンポーネントに張り巡らせるハーネスがないことに起因して信頼性も向上するため、クレーン車6502の初期設計及び製造上有利であることが分かっている。さらに、すべての電気的デバイス/コンポーネントが電気的ハーネス接続部を有する必要性を排除することにより、クレーン車6502の製造業者は、電気的ハーネスの給電部分のレイアウト、取り回し、及び設計に影響を及ぼすことなく、電気的コンポーネント/デバイスを容易に追加できるようになる。
クレーン車6502を示すことによって本発明を説明したが、当業者には明らかなように、ワイヤレス給電は、他の建設車両にも使用でき、他の建設車両としては、限定しないが、移動クレーン、フロント・ローダー、セメントトラック、アスファルト舗装車、等々があることに留意されたい。
図65に示す実施形態において、クレーン車6502に関連する電気的コンポーネント/デバイスは、本発明を活用することができる。クレーン車6502に関連する電気的コンポーネント/デバイスとしては、限定しないが、ワイヤレス給電電気制御システム6504、等々がある。ワイヤレス給電電気制御システム6504としては、限定しないが、ワイヤレス給電ワイヤロープガイドシステム6508、ワイヤレス給電整列システム6510、ワイヤレス給電積み荷変位システム1112、ワイヤレス給電揺れロックシステム6514、ワイヤレス給電速度制御システム6518、ワイヤレス給電クレーン伸張システム6520、等々がある。上述の実施形態で説明したように、クレーン車6502のダッシュボード、中央コンソール、ハンドル、座席、ドア、ウインドウ、トランク、及び照明システムに関連する種々の電気的コンポーネントも本発明を活用することができる。
実施形態において、クレーン車用の工場設置ワイヤレスエネルギー伝送システムは、1つ又は複数の共振器形態、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態を利用することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、車体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、工場設置したソース共振器は、タイプBソース共振器を車両の有線電気系統に結線し、またこの共振器を車両の車体に取り付けることによって、車両の内部及び/又はその周囲にワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができ、この場合、タイプBソース共振器は、クレーン車の車体に含まれる損失性材料を回避するよう共振器場を遮蔽することができる。例えば、クレーン車6502のドライバ(運転手)は、ワイヤロープガイドシステムを使用することによって積み荷持上げを案内したいと思う場合がある。実施例において、通常のワイヤロープガイドシステムは、クレーン車6502における主電源への給電ハーネス接続部を必要とする。しかし、ワイヤレス給電ワイヤロープガイドシステム6508によれば、例えば、タイプB共振器をワイヤロープガイドシステムの近傍に設けることによって、電力をワイヤによって経路付けする電気的ハーネスを使用する必要を排除でき、したがって、クレーン車6502に関連する給電ハーネスを最小限にすることができる。
同様に、クレーン車6502のドライバは、積み荷変位システム6512を使用することによって、積み荷を変位させたいと思う場合がある。ワイヤレス給電積み荷変位システム6512を使用することによって、製造業者は、それに関連する電気的ハーネス一掃できようになる。
さらに、電気的ハーネスによる給電部分を排除したことにより、クレーン車6502の製造業者は、ワイヤレス給電積み荷変位システム6512の位置/空間を自由に選択できるようになる。ワイヤレス給電及びワイヤレス通信のこの実装をすべての電気的コンポーネントに拡張することによって、クレーン車6502の製造業者は電気的デバイスに関連する電気的ハーネスを完全に排除することができる。このようにして、本発明は、ハーネスに関連するコスト、重量、及び組み込み時間を削減することができるとともに、電気系統の信頼性を向上することができる。さらに、ワイヤレス給電される電気的コンポーネントはよりモジュール化した設計にすることができ、車両への追加、改変、移動、アップグレード、等々を容易に行えるようになり、ひいてはユーザーの要求に応ずる製造業者の乗り物をカスタマイズする能力を潜在的に向上することができる。
クレーン車6502に関連するワイヤレス給電ワイヤロープガイドシステム6508及びワイヤレス給電積み荷変位システム6512の例を用いて本発明を説明したことに留意されたい。しかし、当業者であれば理解できるように、本発明は、クレーン車6502に関連するいかなるワイヤレス給電コンポーネントにも適用できる。
図65に示す実施形態において、クレーン車6502のワイヤレス給電デバイスは工場装着することができる。例えば、クレーン車6502の製造業者はワイヤレス給電積み荷変位システム6512を装着することができる。
建設車両−クレーン車−アフターマーケット設置(独特な電気的素子、及び本明細書に記載のダッシュボード、ハンドル、等々のような共通ではない素子)
実施形態において、図65に示すクレーン車6502のワイヤレス給電デバイスのうち幾つかは、クレーン車6502を製造した後に設置することができる。これらワイヤレス給電デバイスはユーザーの好みに応じて設置することができる。
クレーン車6502に関連するワイヤレス給電コンポーネントは、クレーン車を製造した後に設置ことができ、またワイヤレス給電カメラシステム6522、ワイヤレス給電安全システム6524、ワイヤレス給電積み荷減少及び整列システム6528、ワイヤレス給電される複数個のセンサ6530、等々がある。
実施形態において、クレーン車用のアフターマーケットワイヤレスエネルギー伝送システムは、1つ又は複数の共振器形態、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態を利用することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、車体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、アフターマーケット用のソース共振器は、タイプBソース共振器を車両の有線電気系統に結線し、またこの共振器を車両の車体に取り付けることによって、車両の内部及び/又はその周りにワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができ、この場合、タイプBソース共振器は、車体に含まれる損失性材料を回避するよう共振器場を遮蔽することができる。代案として、ソース共振器は、電源コンセントに差し込み装着することができる、又は幾つかの代替エネルギー形態上で、例えば、バッテリ、車両のガラスを経てエネルギーを取り込む太陽電池等で動作できる。
例えば、クレーン車6502のドライバ(運転手)は、積み荷減少及び整列システムを設置したいと思う場合がある。実施形態において、通常の積み荷減少及び整列システムは、クレーン車6502における主電源への給電ハーネス接続部を必要とする。しかし、この給電ハーネスは既存の電気的ハーネスを阻害する。ワイヤレス給電積み荷減少及び整列システム6528によれば、電気的ハーネスを使用して電力をこのシステムに経路付けする必要性がなく、したがって、クレーン車6502に関連する給電ハーネスを最小限にし、また給電ハーネスに関連する複雑さを減らすことができる。
さらに、ワイヤレス給電積み荷減少を整列システム6528は、適切な位置に配置し、これにより他の作業を実施する際に気が散らないようにすることができる。他の実施例において、クレーン車6502のドライバ(運転手)は、持上げ作業の進展を追跡するよう持上げプーリにカメラを取り付けたいと思う場合がある。実施例において、通常のカメラは、クレーン車6502における主電源への給電ハーネス接続部を必要とする。カメラに関連するこの給電ハーネス接続部は、不適切な位置に配置される場合、損傷を受けたり、又は適正な結果をもたらさなかったりするおそれがある。しかし、ワイヤレス給電カメラシステム6520によれば、電気的ハーネスを使用して電力をこのシステムに経路付けする必要性がなく、したがって、クレーン車6502に関連する給電ハーネスを最小限にし、また給電ハーネスに関連する複雑さを減らすことができる。さらに、ドライバはワイヤレス給電カメラシステム6522をクレーン車6502における任意の位置に設置することができる。
このようにして、ワイヤレス給電デバイス/コンポーネントは、ハーネスに関連するコスト、重量、及び組み込み時間を削減するとともに、電気系統の信頼性を向上することができる。さらに、ワイヤレス給電されるクレーン車6502の電気的コンポーネントはよりモジュール化した設計にすることができ、車両への追加、改変、移動、アップグレード、等々を容易に行えるようになり、ひいてはユーザーの要求に応ずる製造業者の乗り物をカスタマイズする能力を潜在的に向上することができる。
建設車両−フォークリフト−工場供給(独特な電気的素子、及び本明細書に記載のダッシュボード、ハンドル、等々のような共通ではない素子)
図66につき説明する実施形態において、ワイヤレス給電を利用して、フォークリフト6600のデバイスに電力を供給し、この場合、フォークリフトの一次側電源から電気的デバイスに電力を送るのに何ら電気配線は不要とすることができる。このことは、さもないと必要になるワイヤハーネスに関連する重量、コスト、及び製造時間を削減するだけでなく、複数のデバイス/コンポーネントに張り巡らせるハーネスがないことに起因して信頼性も向上するため、フォークリフト6600の初期設計及び製造上有利であることが分かっている。さらに、すべての電気的デバイス/コンポーネントが電気的ハーネス接続部を有する必要性を排除することにより、フォークリフト6600の製造業者は、電気的ハーネスの給電部分のレイアウト、取り回し、及び設計に影響を及ぼすことなく、電気的コンポーネント/デバイスを容易に追加できるようになる。
フォークリフト6600を示すことによって本発明を説明したが、当業者には明らかなように、ワイヤレス給電は、他の建設車両にも使用でき、他の建設車両としては、限定しないが、移動クレーン、フロント・ローダー、セメントトラック、アスファルト舗装車、等々があることに留意されたい。
図66に示す実施形態において、本発明を活用することができるフォークリフト6600に関連する電気的コンポーネント/デバイスとしては、限定しないが、ワイヤレス給電積み荷表示デバイス6602、ワイヤレス給電積み荷変位制御装置6604、ワイヤレス給電フォークリフト拡張システム6608、ワイヤレス給電整列システム6610、ワイヤレス給電速度制御システム6618、ワイヤレス給電揺れ制御システム6620、等々がある。上述の実施形態で説明したように、フォークリフト6600のダッシュボード、中央コンソール、ハンドル、座席、ドア、ウインドウ、トランク、及び照明システムに関連する種々の電気的コンポーネントも本発明を活用することができる。
実施形態において、フォークリフト用の工場設置ワイヤレスエネルギー伝送システムは、1つ又は複数の共振器形態、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態を利用することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、車体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、工場設置したソース共振器は、タイプBソース共振器を車両の有線電気系統に結線し、またこの共振器を車両の車体に取り付けることによって、車両の内部及び/又はその周囲にワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができ、この場合、タイプBソース共振器は、車両の車体に含まれる損失性材料を回避するよう共振器場を遮蔽することができる。実施例において、フォークリフト6600のドライバ(運転手)は、フォークリフト拡張システムを使用することによって長いボックスを持ち上げたいと思う場合がある。実施例において、通常のフォークリフト拡張システムは、フォークリフト6600における主電源への給電ハーネス接続部を必要とする。しかし、ワイヤレス給電フォークリフト拡張システム6608によれば、例えば、タイプB共振器を利用することによって、電力をこのシステムに経路付けする電気的ハーネスを使用する必要がなく、したがって、フォークリフト6600に関連する給電ハーネスを最小限にすることができる。
さらに、電気的ハーネスによる給電部分を排除したことにより、フォークリフト6600の製造業者は、ワイヤレス給電フォークリフト拡張システム6608の位置/空間を自由に選択できるようになる。ワイヤレス給電及びワイヤレス通信のこの実装をすべての電気的コンポーネントに拡張することによって、フォークリフト6600の製造業者は電気的デバイスに関連する電気的ハーネスを完全に排除することができる。このようにして、本発明は、ハーネスに関連するコスト、重量、及び組み込み時間を削減することができるとともに、電気系統の信頼性を向上することができる。さらに、ワイヤレス給電される電気的コンポーネントはよりモジュール化した設計にすることができ、車両への追加、改変、アップグレード、等々を容易に行えるようになり、ひいてはユーザーの要求に応ずる製造業者の乗り物をカスタマイズする能力を潜在的に向上することができる。
フォークリフト6600に関連するワイヤレス給電フォークリフト拡張システム6608の例を用いて本発明を説明したことに留意されたい。しかし、当業者であれば理解できるように、本発明は、フォークリフト6600に関連するいかなるワイヤレス給電コンポーネントにも適用できる。
図66に示す実施形態において、フォークリフト6600のワイヤレス給電デバイスは工場装着することができる。例えば、フォークリフト6600の製造業者はワイヤレス給電フォークリフト拡張システム6608を装着することができる。
トラック−工場供給(独特な電気的素子、及び本明細書に記載のダッシュボード、ハンドル、等々のような共通ではない素子)
図67につき説明する実施形態において、ワイヤレス給電を利用して、トラック6700のデバイスに電力を供給し、この場合、トラックの一次側電源から電気的デバイスに電力を送るのに何ら電気配線は不要とすることができる。このことは、さもないと必要になるワイヤハーネスに関連する重量、コスト、及び製造時間を削減するだけでなく、複数のデバイス/コンポーネントに張り巡らせるハーネスがないことに起因して信頼性も向上するため、トラック6700の初期設計及び製造上有利であることが分かっている。さらに、すべての電気的デバイス/コンポーネントが電気的ハーネス接続部を有する必要性を排除することにより、トラック6700の製造業者は、電気的ハーネスの給電部分のレイアウト、取り回し、及び設計に影響を及ぼすことなく、電気的コンポーネント/デバイスを容易に追加できるようになる。
例示的トラック6700を示すことによって本発明を説明したが、当業者には明らかなように、ワイヤレス給電は、他のタイプのトラックにも使用でき、他のタイプのトラックとしては、限定しないが、小型トラック、けん引トラック、道路工事トラック、等々があることに留意されたい。
図67に示す実施形態において、本発明を活用することができるトラック6700に関連する電気的コンポーネント/デバイスとしては、限定しないが、ワイヤレス給電リアミラー制御システム6702、ワイヤレス給電トランスミッション制御システム6704、ワイヤレス給電ワイパー制御システム6708、ワイヤレス給電エアバッグ制御システム6710、ワイヤレス給電燃料漏れ制御システム6712、ワイヤレス給電電子サスペンション制御システム6714、ワイヤレス給電死角センサ6718、ワイヤレス給電データロガーシステム6720、ワイヤレス給電ディスクブレーキ制御システム6722、等々がある。上述の実施形態で説明したように、トラック6700のダッシュボード、中央コンソール、ハンドル、座席、ドア、ウインドウ、トランク、及び照明システムに関連する種々の電気的コンポーネントも本発明を活用することができる。
実施形態において、トラック用の工場設置ワイヤレスエネルギー伝送システムは、1つ又は複数の共振器形態、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態を利用することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、車体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、工場設置したソース共振器は、タイプBソース共振器を車両の有線電気系統に結線し、またこの共振器を車両の車体に取り付けることによって、車両の内部及び/又はその周囲にワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができ、この場合、タイプBソース共振器は、トラックの車体に含まれる損失性材料を回避するよう共振器場を遮蔽することができる。実施例において、トラック6700のユーザーは、事故の際に重篤な負傷を回避するため、エアバッグに対し連続して電力を供給したいと思う場合がある。実施例において、通常のエアバッグ制御システムは、トラック6700における主電源への給電ハーネス接続部を必要とする。しかし、ワイヤレス給電エアバッグ制御システム6710によれば、電気的ハーネスを使用して電力を経路付けする必要がなく、したがって、トラック6700に関連する給電ハーネスを最小限にすることができる。
同様に、トラック6700のドライバは、ワイパー制御システを使用することによって、トラック6700のウインドウ及びミラーを定期的にきれいにしたいと思う場合がある。実施例において、通常のワイパー制御システムは、トラック6700の主電源への給電ハーネス接続部を必要とする。しかし、ワイヤレス給電ワイパー制御システム6708によれば、電気的ハーネスを使用してこのシステムに電力を経路付けする必要がなく、したがって、トラック6700に関連する給電ハーネスを最小限にすることができる。
さらに、ワイヤレス給電ワイパー制御システム6708は、トラック6700のいかなる位置にも配置することができる。例えば、ワイヤレス給電ワイパー制御システム6708は任意の座席近傍に配置することができる。ワイヤレス給電及びワイヤレス通信のこの実装をすべての電気的コンポーネントに拡張することによって、トラック6700の製造業者は電気的デバイスに関連する電気的ハーネスを完全に排除することができる。このようにして、本発明は、ハーネスに関連するコスト、重量、及び組み込み時間を削減することができるとともに、電気系統の信頼性を向上することができる。さらに、ワイヤレス給電される電気的コンポーネントはよりモジュール化した設計にすることができ、車両への追加、改変、移動、アップグレード、等々を容易に行えるようになり、ひいてはユーザーの要求に応ずる製造業者の乗り物をカスタマイズする能力を潜在的に向上することができる。
トラック6700に関連するワイヤレス給電ワイパー制御システム6708の例を用いて本発明を説明したことに留意されたい。しかし、当業者であれば理解できるように、本発明は、トラック6700に関連するいかなるワイヤレス給電コンポーネントにも適用できる。
図67に示す実施形態において、トラック6700のワイヤレス給電デバイスは工場装着することができる。例えばトラック6700の製造業者はワイヤレス給電ワイパー制御システム6708を装着することができる。
トラック−アフターマーケット設置(独特な電気的素子、及び本明細書に記載のダッシュボード、ハンドル、等々のような共通ではない素子)
実施形態において、図67に示すトラック6700のワイヤレス給電デバイスのうち幾つかは、トラック6700を製造した後に設置することができる。これらワイヤレス給電デバイスはユーザーの好みに応じて設置することができる。
トラック6700に関連するワイヤレス給電コンポーネントは、トラックを製造した後に設置ことができ、またワイヤレス給電ドア制御システム6732、ワイヤレス給電安全システム6724、ワイヤレス給電アラームシステム6728、ワイヤレス給電ロックシステム6730、複数個のワイヤレス給電カメラシステム6734、ワイヤレス給電クロックシステム6738、等々がある。
実施形態において、トラック用のアフターマーケットワイヤレスエネルギー伝送システムは、1つ又は複数の共振器形態、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態を利用することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、車体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、アフターマーケット用のソース共振器は、タイプBソース共振器を車両の有線電気系統に結線し、またこの共振器を車両の車体に取り付けることによって、車両の内部及び/又はその周りにワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができ、この場合、タイプBソース共振器は、トラックの車体に含まれる損失性材料を回避するよう共振器場を遮蔽することができる。代案として、ソース共振器は、電源コンセントに差し込み装着することができる、又は幾つかの代替エネルギー形態上で、例えば、バッテリ、車両のガラスを経てエネルギーを取り込む太陽電池等で動作できる。例えば、トラック6700のユーザーは、トラック6700に取り付けるコンテナに関連するドアを含めてすべてのドアを制御するようドア制御システムを設置したいと思う場合がある。実施形態において、通常のドア制御システムは、トラック6700における主電源への給電ハーネス接続部を必要とする。ドア制御システムに関連するこの給電ハーネスは既存の電気的ハーネスを阻害する。しかし、ワイヤレス給電ドア制御システム6732によれば、電気的ハーネスを使用して電力をこのシステムに経路付けする必要性がなく、したがって、トラック6700に関連する給電ハーネスを最小限にし、また給電ハーネスに関連する複雑さを減らすことができる。
同一パターンで、ワイヤレス給電アラームシステム6728は、給電ハーネスを必要とせず、またトラック6700における任意の適切な場所に配置することができる。
このようにして、ワイヤレス給電デバイス/コンポーネントは、ハーネスに関連するコスト、重量、及び組み込み時間を削減するとともに、電気系統の信頼性を向上することができる。さらに、ワイヤレス給電されるトラック6700の電気的コンポーネントはよりモジュール化した設計にすることができ、車両への追加、改変、移動、アップグレード、等々を容易に行えるようになり、ひいてはユーザーの要求に応ずる製造業者の乗り物をカスタマイズする能力を潜在的に向上することができる。
例示的トラック6700におけるアフターマーケット設置を示すことによって本発明を説明したが、当業者には明らかなように、ワイヤレス給電は、他のタイプのトラックにも使用でき、他のタイプのトラックとしては、限定しないが、小型トラック、けん引トラック、道路工事トラック、等々があることに留意されたい。
トラック−工場供給及びアフターマーケット
図68につき説明する実施形態において、ワイヤレス給電を利用して、トラック6800のデバイスに電力を供給し、この場合、トラックの一次側電源から電気的デバイスに電力を送るのに何ら電気配線は不要とすることができる。このことは、さもないと必要になるワイヤハーネスに関連する重量、コスト、及び製造時間を削減するだけでなく、複数のデバイス/コンポーネントに張り巡らせるハーネスがないことに起因して信頼性も向上するため、トラック6800の初期設計及び製造上有利であることが分かっている。さらに、すべての電気的デバイス/コンポーネントが電気的ハーネス接続部を有する必要性を排除することにより、トラック6800の製造業者は、電気的ハーネスの給電部分のレイアウト、取り回し、及び設計に影響を及ぼすことなく、電気的コンポーネント/デバイスを容易に追加できるようになる。
例示的トラック6800を示すことによって本発明を説明したが、当業者には明らかなように、ワイヤレス給電は、他のタイプのトラックにも使用でき、他のタイプのトラックとしては、限定しないが、小型トラック、けん引トラック、道路工事トラック、等々があることに留意されたい。
図68に示す実施形態において、本発明を活用することができるトラック6800に関連する電気的コンポーネント/デバイスとしては、限定しないが、ワイヤレス給電冷蔵制御制御ボックス6802、ワイヤレス給電音響センサ6804、ワイヤレス給電液圧制御システム6808、ワイヤレス給電排出制御システム6810、ワイヤレス給電コンテナ制御システム6812、ワイヤレス給電燃料センサ6814、ワイヤレス給電アラームシステム6818、ワイヤレス給電ロックシステム6820、複数個のワイヤレス給電カメラシステム6822、ワイヤレス給電温度コントローラ6824、等々がある。上述の実施形態で説明したように、トラック6800のダッシュボード、中央コンソール、ハンドル、座席、ドア、ウインドウ、トランク、及び照明システムに関連する種々の電気的コンポーネントも本発明を活用することができる。
実施形態において、トラック用の工場設置ワイヤレスエネルギー伝送システムは、1つ又は複数の共振器形態、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態を利用することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、車体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、工場設置したソース共振器は、タイプBソース共振器を車両の有線電気系統に結線し、またこの共振器を車両の車体に取り付けることによって、車両の内部及び/又はその周囲にワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができ、この場合、タイプBソース共振器は、車両の車体に含まれる損失性材料を回避するよう共振器場を遮蔽することができる。実施例において、トラック6800のユーザーは、トラック6800のコンテナ内に存在する食品をだめにするおそれがある温度変動をモニタリングする冷蔵システムを制御したいと思う場合がある。実施例において、通常の冷蔵制御ボックス6802は、トラック6800における主電源への給電ハーネス接続部を必要とする。しかし、ワイヤレス給電冷蔵制御ボックス6802によれば、電気的ハーネスを使用してこれに電力を経路付けする必要がなく、したがって、トラック6800に関連する給電ハーネスを最小限にすることができる。さらに、電気的ハーネスの制限なく、ワイヤレス給電冷蔵制御ボックス6802は、トラック6800内の適切な位置に維持することができる。
ワイヤレス給電及びワイヤレス通信のこの実装をすべての電気的コンポーネントに拡張することによって、トラック6800の製造業者は電気的デバイスに関連する電気的ハーネスを完全に排除することができる。このようにして、本発明は、ハーネスに関連するコスト、重量、及び組み込み時間を削減することができるとともに、電気系統の信頼性を向上することができる。さらに、ワイヤレス給電される電気的コンポーネントはよりモジュール化した設計にすることができ、車両への追加、改変、移動、取外し、アップグレード、等々を容易に行えるようになり、ひいてはユーザーの要求に応ずる製造業者の乗り物をカスタマイズする能力を潜在的に向上することができる。
トラック6800に関連するワイヤレス給電冷蔵制御ボックス6802の例を用いて本発明を説明したことに留意されたい。しかし、当業者であれば理解できるように、本発明は、トラック6800に関連するいかなるワイヤレス給電コンポーネントにも適用できる。
図68に示す実施形態において、トラック6800のワイヤレス給電デバイスは工場装着することができる。例えばトラック6800の製造業者はワイヤレス給電冷蔵制御ボックス6802を装着することができる。
実施形態において、ワイヤレス給電デバイスのうち幾つかは、トラック6800を製造した後に装着することができる。例えば、トラックのドライバ(運転手)は、極めて混雑した道路又は現場でフィードバック/警報信号を得るようトラック6800のコンテナに音響センサを設置したいと思う場合がある。
実施例において、通常の音響センサは、トラック6800の既存の電気的ハーネスを阻害しなければならないため、販売業者がトラック6800のコンテナにこれらセンサを設置するのは極めて困難である。しかし、ワイヤレス給電音響センサ6804によれば、電気的ハーネスを使用して電力をこれらセンサに経路付けする必要性がなく、したがって、トラック6800に関連する給電ハーネスを最小限にすることができる。さらに、電気的ハーネスの制限がないことにより、ワイヤレス給電音響センサ6804は、トラック6800のコンテナにおける適切な位置に維持することができる。
このようにして、ワイヤレス給電デバイス/コンポーネントは、ハーネスに関連するコスト、重量、及び組み込み時間を削減するとともに、電気系統の信頼性を向上することができる。さらに、ワイヤレス給電されるトラック6800の電気的コンポーネントはよりモジュール化した設計にすることができ、車両への追加、改変、移動、アップグレード、等々を容易に行えるようになり、ひいてはユーザーの要求に応ずる製造業者の乗り物をカスタマイズする能力を潜在的に向上することができる。
バス−工場供給実施形態(独特な電気的素子、及び本明細書に記載のダッシュボード、ハンドル、等々のような共通ではない素子)
図69につき説明する実施形態において、ワイヤレス給電を利用して、バス6900のデバイスに電力を供給し、この場合、バスの一次側電源から電気的デバイスに電力を送るのに何ら電気配線は不要とすることができる。このことは、さもないと必要になるワイヤハーネスに関連する重量、コスト、及び製造時間を削減するだけでなく、複数のデバイス/コンポーネントに張り巡らせるハーネスがないことに起因して信頼性も向上するため、バス6900の初期設計及び製造上有利であることが分かっている。さらに、すべての電気的デバイス/コンポーネントが電気的ハーネス接続部を有する必要性を排除することにより、バス6900の製造業者は、電気的ハーネスの給電部分のレイアウト、取り回し、及び設計に影響を及ぼすことなく、電気的コンポーネント/デバイスを容易に追加できるようになる。
例示的な民間バス6900を示すことにより本発明を説明したが、当業者には明らかなように、ワイヤレス給電は、他のタイプのバスにも使用でき、他タイプのバスとしては、限定しないが、個人バス、等々があることに留意されたい。
図69に示す実施形態において、本発明を活用することができるバス6900に関連する電気的コンポーネント/デバイスとしては、限定しないが、ワイヤレス給電座席、ワイヤレス給電車輪速度センサ6904、1個又は複数個のワイヤレス給電ドア6908、ワイヤレス給電燃料タンクインジケータ6912、ワイヤレス給電汚染センサ6914、ワイヤレス給電チケット回収器、等々がある。上述の実施形態で説明したように、バス6900のダッシュボード、中央コンソール、ハンドル、座席、ドア、ウインドウ、トランク、及び照明システムに関連する種々の電気的コンポーネントも本発明を活用することができる。
実施形態において、バス用の工場設置ワイヤレスエネルギー伝送システムは、1つ又は複数の共振器形態、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態を利用することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、車体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、工場設置したソース共振器は、タイプBソース共振器を車両の有線電気系統に結線し、またこの共振器を車両の車体に取り付けることによって、車両の内部及び/又はその周囲にワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができ、この場合、タイプBソース共振器は、車両の車体に含まれる損失性材料を回避するよう共振器場を遮蔽することができる。実施例において、民間バス6900のオーナーは、民間バス6900における様々な場所に自動チケット回収器を設置したいと思う場合がある。しかし、自動チケット回収器に関連する主バッテリ源からの複雑な電気的ハーネスに起因して、民間バス6900の製造業者は、それら自動チケット回収器は入口ゲートしか設置しない。
さらに、ワイヤレス給電チケット回収器は、民間バス6900の異なる位置/場所に設置することができる。ワイヤレス給電及びワイヤレス通信のこの実装をすべての電気的コンポーネントに拡張することによって、民間バス6900の製造業者は電気的デバイスに関連する電気的ハーネスを完全に排除することができる。このようにして、本発明は、ハーネスに関連するコスト、重量、及び組み込み時間を削減することができるとともに、電気系統の信頼性を向上することができる。さらに、ワイヤレス給電される電気的コンポーネントはよりモジュール化した設計にすることができ、車両への追加、改変、移動、取外し、アップグレード、等々を容易に行えるようになり、ひいてはユーザーの要求に応ずる製造業者の乗り物をカスタマイズする能力を潜在的に向上することができる。
民間バス6900に関連するワイヤレス給電チケット回収器6608の例を用いて本発明を説明したことに留意されたい。しかし、当業者であれば理解できるように、本発明は、民間バス6900に関連するいかなるワイヤレス給電コンポーネントにも適用できる。
バス−アフターマーケット設置
実施形態において、図69に示す民間バス6900のワイヤレス給電デバイスのうち幾つかは、民間バス6900を製造した後に設置することができる。これらワイヤレス給電デバイスはユーザーの好みに応じて設置することができる。
民間バス6900に関連するワイヤレス給電コンポーネントは、民間バスを製造した後に設置ことができ、またワイヤレス給電アラームシステム6920、ワイヤレス給電ロックシステム6922、複数個のワイヤレス給電カメラシステム6924、ワイヤレス給電レーザー検出システム、ワイヤレス給電ワイパー6930、等々を有することができる。
実施形態において、バス用のアフターマーケットワイヤレスエネルギー伝送システムは、1つ又は複数の共振器形態、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態を利用することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、車体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、アフターマーケット用のソース共振器は、タイプBソース共振器を車両の有線電気系統に結線し、またこの共振器を車両の車体に取り付けることによって、車両の内部及び/又はその周りにワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができ、この場合、タイプBソース共振器は、バスの車体に含まれる損失性材料を回避するよう共振器場を遮蔽することができる。代案として、ソース共振器は、電源コンセントに差し込み装着することができる、又は幾つかの代替エネルギー形態上で、例えば、バッテリ、車両のガラスを経てエネルギーを取り込む太陽電池等で動作できる。例えば、民間バス6900のドライバ(運転手)は、複数個のカメラを異なる場所に設置したいと思う場合がある。このシナリオにおいて、販売業者は、給電ハーネスの制限に起因して複数個のカメラを所望の場所に設置することはできない。しかし、ワイヤレス給電カメラシステム6924によれば、電気的ハーネスを用いて電力をカメラシステムに経路付けする必要性がなく、したがって、民間バス6900に関連する給電ハーネスを最小限にし、また給電ハーネスに関連する複雑さを減らすことができる。さらに、これらワイヤレス給電カメラシステム6924は所望の位置に設置することができる。
このようにして、ワイヤレス給電デバイス/コンポーネントは、ハーネスに関連するコスト、重量、及び組み込み時間を削減するとともに、電気系統の信頼性を向上することができる。さらに、ワイヤレス給電される民間バスの電気的コンポーネントはよりモジュール化した設計にすることができ、車両への追加、改変、アップグレード、等々を容易に行えるようになり、ひいてはユーザーの要求に応ずる製造業者の乗り物をカスタマイズする能力を潜在的に向上できる。
例示的民間バス6900を示すことによって本発明を説明したが、当業者には明らかなように、ワイヤレス給電は、他タイプのバスにも使用でき、他タイプのバスとしては、限定しないが、個人バス、等々があることに留意されたい。
バス座席−工場供給及びアフターマーケット設置
図70につき説明する実施形態において、ワイヤレス給電を利用して、民間バス6900の座席7000におけるデバイスに電力を供給し、この場合、バスの一次側電源から電気的デバイスに電力を送るのに何ら電気配線は不要とすることができる。このことは、さもないと必要になるワイヤハーネスに関連する重量、コスト、及び製造時間を削減するだけでなく、複数のデバイス/コンポーネントに張り巡らせるハーネスがないことに起因して信頼性も向上するため、座席7000の初期設計及び製造上有利であることが分かっている。さらに、すべての電気的デバイス/コンポーネントが電気的ハーネス接続部を有する必要性を排除することにより、座席7000の製造業者は、電気的ハーネスの給電部分のレイアウト、取り回し、及び設計に影響を及ぼすことなく、電気的コンポーネント/デバイスを容易に追加できるようになる。
民間バス6900の例示的座席7000を示すことによって本発明を説明したが、当業者には明らかなように、ワイヤレス給電は、個人バスの座席に使用できることに留意されたい。
図70に示す実施形態において、本発明を活用することができる座席7000に関連する電気的コンポーネント/デバイスとしては、限定しないが、ワイヤレス給電補助プラグ7002、ワイヤレス給電マイクロフォン、ワイヤレス給電座席モータ7004、ワイヤレス給電収納容器、ワイヤレス給電マッサージ装置7008、ワイヤレス給電電子ヒータ7010、ワイヤレス給電エアバッグシステム、ワイヤレス給電音楽システム7012、ワイヤレス給電LCD、ワイヤレス給電ウインドウ操作システム、ワイヤレス給電座席ベルト、等々がある。
実施形態において、バス座席用の工場設置及びアフターマーケットワイヤレスエネルギー伝送システムは、1つ又は複数の共振器形態、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態を利用することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、車体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、ソース共振器は、タイプB/Cソース共振器を車両の有線電気系統に結線し、またこの共振器をバス座席背もたれ部分の内部又は外部に取り付けることによって、バス座席の内部及び/又はその周囲にワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができる。代案として、ソース共振器は、電源コンセントに差し込み装着することができる、又は幾つかの代替エネルギー形態上で、例えば、バッテリ、車両のガラスを経てエネルギーを取り込む太陽電池等で動作できる。タイプB/D共振器によれば、バス座席の損失性材料から共振器場を遮蔽し、またバス座席の背もたれに取り付けた他の電気的デバイスのための平面状共振器場を生じ、またバス座席周りの領域内のワイヤレスデバイス(例えば、乗員の携帯ワイヤレスデバイス)を付勢するためのより無指向性の共振器場をもたらす場プロファイルを生ずる。実施例において、民間バス6900の乗員は、バス座席に座っている間にマッサージ装置を使用して脚のマッサージを受けたいと思う場合がある。実施例において、通常のマッサージ装置は、座席6902における主電源への給電ハーネス接続部を必要とする。しかし、ワイヤレス給電マッサージ装置7012及びバス座席に取り付けたソース共振器によれば、電気的ハーネスを使用してこれに電力を経路付けする必要がなく、したがって、民間バス6900の座席6902に関連する給電ハーネスを最小限にすることができる。
同様に、ワイヤレス給電音楽システム7020は、民間バス6900の座席6902に関連する電気的ハーネスを減らし、また座席6902の設計に柔軟性を与える。
ワイヤレス給電及びワイヤレス通信のこの実装をすべての電気的コンポーネントに拡張することによって、座席6902の製造業者は電気的デバイスに関連する電気的ハーネスを完全に排除することができる。このようにして、本発明は、ハーネスに関連するコスト、重量、及び組み込み時間を削減することができるとともに、電気系統の信頼性を向上することができる。さらに、ワイヤレス給電される電気的コンポーネントはよりモジュール化した設計にすることができ、車両への追加、改変、アップグレード、等々を容易に行えるようになり、ひいてはユーザーの要求に応ずる製造業者の乗り物をカスタマイズする能力を潜在的に向上することができる。
図70に示す実施形態において、民間バス6900の座席6902におけるワイヤレス給電デバイスは工場装着することができる。実施形態において、民間バス6900の座席6902のワイヤレス給電デバイスを、民間バス6900を製造した後に装着することができる。
トレーラー−工場供給実施形態
図71につき説明する実施形態において、ワイヤレス給電を利用して、トレーラー7100のデバイスに電力を供給し、この場合、トレーラーの一次側電源から電気的デバイスに電力を送るのに何ら電気配線は不要とすることができる。このことは、さもないと必要になるワイヤハーネスに関連する重量、コスト、及び製造時間を削減するだけでなく、複数のデバイス/コンポーネントに張り巡らせるハーネスがないことに起因して信頼性も向上するため、トレーラー7100の初期設計及び製造上有利であることが分かっている。さらに、すべての電気的デバイス/コンポーネントが電気的ハーネス接続部を有する必要性を排除することにより、トレーラー7100の製造業者は、電気的ハーネスの給電部分のレイアウト、取り回し、及び設計に影響を及ぼすことなく、電気的コンポーネント/デバイスを容易に追加できるようになる。
例示的なトレーラー7100を示すことにより本発明を説明したが、当業者には明らかなように、ワイヤレス給電は、他のタイプのバスにも使用でき、他タイプのトレーラーとしては、限定しないが、民間トレーラー、個人トレーラー、等々があることに留意されたい。
図71に示す実施形態において、本発明を活用することができるトレーラー7100に関連する電気的コンポーネント/デバイスとしては、限定しないが、ワイヤレス給電コンテナ制御システム7102、ワイヤレス給電積み荷イコライザ7104、ワイヤレス給電ブレーキシステム7108、ワイヤレス給電盗難防止システム7110、ワイヤレス給電カーテン付きドア7112、ワイヤレス給電積み荷持上げシステム7114、ワイヤレス給電安定制御システム7118、ワイヤレス給電横ぶれ制御システム7120、ワイヤレス給電ライト7122、ワイヤレス給電音響センサ7124、ワイヤレス給電トレーラー整列システム7132、ワイヤレス給電トレーラーダンパー7134、ワイヤレス給電装荷サポーター7140、ワイヤレス給電トレーラー懸架スライダエネルギー吸収デバイス7142、等々がある。上述の実施形態で説明したように、トレーラー7100のダッシュボード、中央コンソール、ハンドル、座席、ドア、ウインドウ、トランク、及び照明システムに関連する種々の電気的コンポーネントも本発明を活用することができる。
実施形態において、トレーラー用の工場設置ワイヤレスエネルギー伝送システムは、1つ又は複数の共振器形態、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態を利用することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、車体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、工場設置したソース共振器は、タイプBソース共振器をトレーラーの有線電気系統に結線し、またこの共振器を車両のトレーラーに取り付けることによって、トレーラーの内部及び/又はその周囲にワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができ、この場合、タイプBソース共振器は、トレーラー及び周囲の環境に含まれる損失性材料を回避するよう共振器場を遮蔽することができる。実施例において、トレーラーの有線電気系統は、トレーラーに取り付けた電源(例えば、トレーラーの専用バッテリ)、トレーラーを牽引する車両に対する有線接続部、等々とすることができる。代案として、トレーラーの電力は、トレーラーを牽引する車両からワイヤレス伝送手段によって伝送することができ、例えば、牽引車両におけるソース共振器からトレーラーにおける受け側共振器に伝送し、この受け側共振器は、トレーラー全体にわたるデバイス共振器に伝送を繰り返し、又はトレーラー全体にわたるデバイスに有線での配電を行い、又は有線及び無線(ワイヤレス)での配電の組合せとすることができる。実施例において、トレーラー7100のドライバ(運転手)は、積み荷持上げシステムを使用したいと思う場合がある。実施例において、積み荷持上げシステム7114は、通常トレーラー7100における主電源への給電ハーネス接続部を必要とする。しかし、ワイヤレス給電積み荷持上げシステム7114によれば、電気的ハーネスを使用してこのシステムに電力を経路付けする必要はなく、この場合、電気的エネルギーはワイヤレスでトレーラーを牽引する車両からワイヤレス給電積み荷持上げシステム7114に、直接的に、又はトレーラーに配置した中間リピータ共振器を介して伝送される。
さらに、ワイヤレス給電積み荷持上げシステム7114は、トレーラー7100のダッシュボードにおける、ドライバの快適さに基づく任意の位置に設置することができる。例えば、ワイヤレス給電積み荷持上げシステム7114は、ドライバ座席の左側に配置することができる。ワイヤレス給電及びワイヤレス通信のこの実装をすべての電気的コンポーネントに拡張することによって、トレーラー7100の製造業者は電気的デバイスに関連する電気的ハーネスを完全に排除することができる。このようにして、本発明は、ハーネスに関連するコスト、重量、及び組み込み時間を削減することができるとともに、電気系統の信頼性を向上することができる。さらに、ワイヤレス給電される電気的コンポーネントはよりモジュール化した設計にすることができ、車両への追加、改変、移動、取外し、アップグレード、等々を容易に行えるようになり、ひいてはユーザーの要求に応ずる製造業者の乗り物をカスタマイズする能力を潜在的に向上することができる。
トレーラー7100に関連するワイヤレス給電積み荷持上げシステム7114の例を用いて本発明を説明したことに留意されたい。しかし、当業者であれば理解できるように、本発明は、トレーラー7100に関連するいかなるワイヤレス給電コンポーネントにも適用できる。
図71に示す実施形態において、トレーラー7100のワイヤレス給電デバイスは工場装着することができる。例えば、トレーラー7100の製造業者はワイヤレス給電積み荷持上げシステム7114を装着することができる。
トレーラー−アフターマーケット設置(独特な電気的素子、及び本明細書に記載のダッシュボード、ハンドル、等々のような共通ではない素子のみ)
実施形態において、図71に示すトレーラー7100のワイヤレス給電デバイスのうち幾つかは、トレーラー7100を製造した後に設置することができる。これらワイヤレス給電デバイスはユーザーの好みに応じて設置することができる。
トレーラー7100に関連するワイヤレス給電コンポーネントは、トレーラーを製造した後に設置ことができ、またワイヤレス給電GPSシステム7128、ワイヤレス給電安全システム7130、ワイヤレス給電ルーフ制御システム7144、等々を有することができる。
実施形態において、トレーラー用のアフターマーケットワイヤレスエネルギー伝送システムは、1つ又は複数の共振器形態、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態を利用することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、車体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、アフターマーケット用のソース共振器は、タイプBソース共振器をトレーラーの有線電気系統に結線し、またこの共振器を車両のトレーラーに取り付けることによって、トレーラーの内部及び/又はその周りにワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができ、この場合、タイプBソース共振器は、トレーラー及び周囲環境に含まれる損失性材料を回避するよう共振器場を遮蔽することができる。実施形態において、トレーラーの有線電気系統は、トレーラーに取り付けた電源(例えば、トレーラー用専用バッテリ)、トレーラーを牽引する車両に対する有線接続部、等々とすることができる。代案として、トレーラーの電力は、トレーラーを牽引する車両からワイヤレス伝送手段によって、例えば、牽引車両におけるソース共振器からトレーラーにおける受け側共振器に伝送することができ、この場合、受け手側共振器は、トレーラー全体にわたるデバイス共振器に伝送を繰り返す、又はトレーラー全体にわたるデバイスに有線配電する、又は有線及び無線(ワイヤレス)双方の組合せによる配電を行うことができる。実施例において、トレーラー7100のユーザーは、事故防止のために追加安全システムを追加したいと思う場合がある。実施例において、追加安全システムは、トレーラー7100における主電源への給電ハーネス接続部を必要とする。追加安全システムに関連するこの給電ハーネスは通常他の既存電気的ハーネスを阻害することがある。しかし、ワイヤレス給電安全システム7130によれば、電気的ハーネスを用いて電力を安全システムに経路付けする必要性がなく、したがって、トレーラー7100に関連する給電ハーネスを最小限にし、また給電ハーネスに関連する複雑さを減らすことができる。
このようにして、ワイヤレス給電デバイス/コンポーネントは、ハーネスに関連するコスト、重量、及び組み込み時間を削減するとともに、電気系統の信頼性を向上することができる。さらに、ワイヤレス給電されるトレーラー7100の電気的コンポーネントはよりモジュール化した設計にすることができ、車両への追加、改変、アップグレード、等々を容易に行えるようになり、ひいてはユーザーの要求に応ずる製造業者の乗り物をカスタマイズする能力を潜在的に向上できる。
例示的トレーラー7100におけるアフターマーケット設置を示すことによって本発明を説明したが、当業者には明らかなように、ワイヤレス給電は、他タイプの民間トレーラー、個人トレーラーにも使用できることに留意されたい。
小型車両−(例えば、ゴルフカート)−工場供給
図72につき説明する実施形態において、ワイヤレス給電を利用して、ゴルフカート7200のデバイスに電力を供給し、この場合、カートの一次側電源から電気的デバイスに電力を送るのに何ら電気配線は不要とすることができる。このことは、さもないと必要になるワイヤハーネスに関連する重量、コスト、及び製造時間を削減するだけでなく、複数のデバイス/コンポーネントに張り巡らせるハーネスがないことに起因して信頼性も向上するため、ゴルフカート7200の初期設計及び製造上有利であることが分かっている。さらに、すべての電気的デバイス/コンポーネントが電気的ハーネス接続部を有する必要性を排除することにより、ゴルフカート7200の製造業者は、電気的ハーネスの給電部分のレイアウト、取り回し、及び設計に影響を及ぼすことなく、電気的コンポーネント/デバイスを容易に追加できるようになる。
例示的なゴルフカート7200を示すことにより本発明を説明したが、当業者には明らかなように、ワイヤレス給電は、他のタイプのゴルフカートにも使用でき、他タイプのゴルフカートとしては、限定しないが、電動バイク、スクーター、セグウェイ、近隣電動輸送車両(NEV)、スノーモービル、地形追従車両、RV車、等々があることに留意されたい。
図72に示す実施形態において、ゴルフカート7200に関連する電気的コンポーネント/デバイスは、本発明を活用することができる。この電気的コンポーネント/デバイスとしては、限定しないが、ワイヤレス給電デッキ制御装置7202、ワイヤレス給電摺動式昇降制御システム7204、ワイヤレス給電冷却システム7208、ワイヤレス給電安全装置7210、ワイヤレス給電ビデオ記録システム7212、ワイヤレス給電照明システム7214、ワイヤレス給電双方向性メディアシステム7218、ワイヤレス給電ゴルフカートファン7222、ワイヤレスゴルフカートヒータ7224、ワイヤレス給電冷蔵庫7230、ワイヤレス給電ゴルフカート雨よけシステム7238、等々がある。上述の実施形態で説明したように、ゴルフカート7200のダッシュボード、中央コンソール、ハンドル、座席、ドア、ウインドウ、トランク、及び照明システムに関連する種々の電気的コンポーネントも本発明を活用することができる。
実施形態において、小型車両用の工場設置ワイヤレスエネルギー伝送システムは、1つ又は複数の共振器形態、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態を利用することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、車体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、工場設置したソース共振器は、タイプBソース共振器を車両の有線電気系統に結線し、またこの共振器を車両の車体に取り付けることによって、車両の内部及び/又はその周囲にワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができ、この場合、タイプBソース共振器は、車両の車体に含まれる損失性材料を回避するよう共振器場を遮蔽するとともに、車両全体にわたるデバイス共振器を付勢することができる。実施例において、ゴルフカート7200のユーザーは、ビデオ記録システムを使用して、ゴルフトーナメントの出来事を記録したいと思う場合がある。実施例において、通常のビデオ記録システムは、デバイス内の組込みバッテリを増補するため、ゴルフカート7200における主電源への給電ハーネス接続部を必要とする。しかし、ワイヤレス給電ビデオ記録システム7212によれば、例えば、システムの直接給電又はシステムバッテリの再充電をするため、電気的ハーネスを使用してこのシステムに電力を経路付けする必要はない。
さらに、ワイヤレス給電ビデオ記録システム7212は、適切なアングルから試合を記録するよう任意の位置に設置することができる。同様に、ワイヤレス給電ゴルフカート雨よけシステム7238は、ゴルフカート7200における主電源への給電ハーネス接続部を必要としない。ワイヤレス給電及びワイヤレス通信のこの実装をすべての電気的コンポーネントに拡張することによって、ゴルフカート7200の製造業者は電気的デバイスに関連する電気的ハーネスを完全に排除することができる。このようにして、本発明は、ハーネスに関連するコスト、重量、及び組み込み時間を削減することができるとともに、電気系統の信頼性を向上することができる。さらに、ワイヤレス給電される電気的コンポーネントはよりモジュール化した設計にすることができ、車両への追加、改変、移動、取外し、アップグレード、等々を容易に行えるようになり、ひいてはユーザーの要求に応ずる製造業者の乗り物をカスタマイズする能力を潜在的に向上することができる。
ゴルフカート7200に関連するワイヤレス給電ビデオ記録システム7212の例を用いて本発明を説明したことに留意されたい。しかし、当業者であれば理解できるように、本発明は、異なるタイプの車両に関連するいかなる電気的コンポーネントにも適用できる。異なるタイプの車両の例としては、限定しないが、電動バイク、スクーター、セグウェイ、近隣電動輸送車両(NEV)、スノーモービル、地形追従車両、RV車、等々がある
図72に示す実施形態において、ゴルフカート7200のワイヤレス給電デバイスは工場装着することができる。例えば、ゴルフカート7200の製造業者はワイヤレス給電ビデオ記録システム7212を装着することができる。
小型車両−ゴルフカート−アフターマーケット設置
実施形態において、図72に示すゴルフカート7200のワイヤレス給電デバイスのうち幾つかは、ゴルフカート7200を製造した後に設置することができる。これらワイヤレス給電デバイスはユーザーの好みに応じて設置することができる。このことは、ゴルフカート7200の初期設計及び製造に有利であることが分かっており、なぜならゴルフカート7200の設計を改善する製造業者の柔軟性が得られるだけでなく、ゴルフカート7200に関連して、さもないと必要になるワイヤハーネスに関連する重量、コスト、及び製造時間も削減できるからである。
ゴルフカート7200に関連するワイヤレス給電コンポーネントは、ゴルフカートを製造した後に設置ことができ、またワイヤレス給電ゴルフ手袋ドライヤ7220、ワイヤレス給電距離測定システム7228、ワイヤレス給電車輪クリーナー7232、ワイヤレス給電マップ・マッチング・ゴルフ・ナビゲーションシステム7234、等々を有することができる。
実施形態において、小型車両用のアフターマーケットワイヤレスエネルギー伝送システムは、1つ又は複数の共振器形態、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態を利用することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、車体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、アフターマーケット用のソース共振器は、タイプBソース共振器を車両の有線電気系統に結線し、またこの共振器を車両の車体に取り付けることによって、車両の内部及び/又はその周りにワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができ、この場合、タイプBソース共振器は、車両の車体及び周囲環境に含まれる損失性材料を回避するよう共振器場を遮蔽するとともに、車両全体にわたりワイヤレスエネルギーを供給することができる。実施形態において、トレーラーの有線電気系統は、トレーラーに取り付けた電源(例えば、トレーラー用専用バッテリ)、トレーラーを牽引する車両に対する有線接続部、等々とすることができる。代案として、ソース共振器は、電源コンセントに差し込み装着することができる、又は幾つかの代替エネルギー形態上で、例えば、バッテリ、車両のガラスを経てエネルギーを取り込む太陽電池等で動作できる。実施例において、ゴルフプレーヤーは、ゴルフクラブの握り具合をよくするため、2、3ショットをプレーした後、ゴルフ手袋を除湿したいと思う場合がある。プレーヤーは、ゴルフカート7200の手袋乾燥システムを使用したいと思う場合がある。通常ゴルフ乾燥機は、組み込んだバッテリを増補又は再充電するため、ゴルフカート7200における主電源への給電ハーネス接続部を必要とする。この給電ハーネスは通常他の既存電気的ハーネスを阻害することがある。しかし、ワイヤレス給電ゴルフ手袋ドライヤ7220によれば、電気的ハーネスを用いて電力をドライヤに経路付けする必要性がなく、したがって、ゴルフカート7200に関連する給電ハーネスを最小限にし、また給電ハーネスに関連する複雑さを減らすことができる。
このようにして、ワイヤレス給電デバイス/コンポーネントは、ハーネスに関連するコスト、重量、及び組み込み時間を削減するとともに、電気系統の信頼性を向上することができる。さらに、ワイヤレス給電されるゴルフカート7200の電気的コンポーネントはよりモジュール化した設計にすることができ、車両への追加、改変、アップグレード、等々を容易に行えるようになり、ひいてはユーザーの要求に応ずる製造業者の乗り物をカスタマイズする能力を潜在的に向上できる。
例示的ゴルフカート7200におけるアフターマーケット設置を示すことによって本発明を説明したが、当業者には明らかなように、ワイヤレス給電は、他タイプの車両における電気的コンポーネントにも使用できることに留意されたい。
小型車両−バイク−工場供給
図73につき説明する実施形態において、ワイヤレス給電を利用して、バイク7300のデバイスに電力を供給し、この場合、カートの一次側電源から電気的デバイスに電力を送るのに何ら電気配線は不要とすることができる。このことは、さもないと必要になるワイヤハーネスに関連する重量、コスト、及び製造時間を削減するだけでなく、複数のデバイス/コンポーネントに張り巡らせるハーネスがないことに起因して信頼性も向上するため、バイク7300の初期設計及び製造上有利であることが分かっている。さらに、すべての電気的デバイス/コンポーネントが電気的ハーネス接続部を有する必要性を排除することにより、バイク7300の製造業者は、電気的ハーネスの給電部分のレイアウト、取り回し、及び設計に影響を及ぼすことなく、電気的コンポーネント/デバイスを容易に追加できるようになる。
例示的なバイク7300を示すことにより本発明を説明したが、当業者には明らかなように、ワイヤレス給電は、他のタイプの車両/バイクにも使用でき、他タイプの車両/バイクとしては、限定しないが、オートバイ、電動バイク、エクササイズバイク、水上バイク、スクーター、セグウェイ、近隣電動輸送車両(NEV)、スノーモービル、地形追従車両、RV車、等々があることに留意されたい。
図73に示す実施形態において、バイク7300に関連する電気的コンポーネント/デバイスは、本発明を活用することができる。バイク7300に関連するこの電気的コンポーネント/デバイスとしては、限定しないが、ワイヤレス給電照明システム7302、ワイヤレス給電クラクションシステム7304、ワイヤレス給電トランスミッション制御装置7308、ワイヤレス給電リアスタンド制御装置7310、ワイヤレス給電転向制御装置7312、ワイヤレス給電ロック機構7314、ワイヤレス給電自動速度変更システム7318、ワイヤレス給電照明ボックス7320、ワイヤレスゴルフカートヒータ7224、ワイヤレス給電冷蔵庫7230、等々がある。
実施形態において、バイク用の工場設置ワイヤレスエネルギー伝送システムは、1つ又は複数の共振器形態、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態を利用することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、車体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、工場設置したソース共振器は、タイプB/Dソース共振器を車両の有線電気系統に結線し、またこの共振器をバイクの車体に取り付けることによって、バイクの内部及び/又はその周囲にワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができる。タイプB/D共振器によれば、バイクの損失性材料から共振器場を遮蔽する、バイク車体に沿って取り付けた他の電気的デバイスのための平面状共振器場を生ずる、及び、バイクのほぼ近傍、例えば、バイクにおけるサドルバッグのワイヤレスデバイス、又はバイク上若しくはバイク近傍にいる人の携帯電子デバイスを付勢するより無指向性の共振器場をもたらす共振器場プロファイルを生ずることができる。実施例において、バイク7300のユーザーは、長距離運転で自動速度変更システムを使用したいと思う場合がある。実施例において、通常の自動速度変更システムは、バイク7300における主電源への給電ハーネス接続部を必要とする、又は使用中に稼働しなくなるおそれのある組込みバッテリに完全に依存する。しかし、ワイヤレス給電自動速度変更システム7318によれば、電気的ハーネスを使用してこのシステムに電力を経路付けする必要はなく、したがって、バイク7300に関連する給電ハーネスを最小限にする及び/又は組込みバッテリを再充電する必要性を排除することができる。
さらに、ワイヤレス給電自動速度変更システムは、バイク7300のハンドルに配置することができる。しかし、ワイヤレス給電自動速度変更システム7318を使用し、また電気的ハーネスの必要性を排除することによって、ワイヤレス給電自動速度変更システム7318はバイク7300のフットパッドに配置することができる。同様に、ワイヤレス給電照明ボックス7320は、バイク7300の内部照明及び外部照明を持つことができ、また本発明ワイヤレス給電を使用して給電することができる。実施形態において、ワイヤレス給電照明ボックス7320は取外し可能とすることができる。ワイヤレス給電及びワイヤレス通信のこの実装をすべての電気的コンポーネントに拡張することによって、バイク7300の製造業者は電気的デバイスに関連する電気的ハーネスを完全に排除することができる。このようにして、本発明は、ハーネスに関連するコスト、重量、及び組み込み時間を削減することができるとともに、電気系統の信頼性を向上することができる。さらに、ワイヤレス給電される電気的コンポーネントはよりモジュール化した設計にすることができ、車両への追加、改変、移動、取外し、アップグレード、等々を容易に行えるようになり、ひいてはユーザーの要求に応ずる製造業者の乗り物をカスタマイズする能力を潜在的に向上することができる。
バイク7300に関連するワイヤレス給電自動速度変更システム7318の例を用いて本発明を説明したことに留意されたい。しかし、当業者であれば理解できるように、本発明は、異なるタイプの車両に関連するいかなる電気的コンポーネントにも適用できる。異なるタイプの車両の例としては、限定しないが、電動バイク、スクーター、セグウェイ、近隣電動輸送車両(NEV)、スノーモービル、地形追従車両、RV車、等々がある
実施形態において、バイク7300のワイヤレス給電デバイスは工場装着することができる。実施形態において、バイク7300のワイヤレス給電デバイスは、バイクを製造した後に設置することができる。
携帯デバイス
実施形態において、ワイヤレス給電を利用して電力を携帯デバイスに供給し、一次側電源から電力を電気的デバイスに送るのに何らの電気的配線をも不要にすることができる。
実施形態において、本発明を活用できる携帯デバイスの例としては、携帯電話、ラップトップ、補助プラグ、電子製氷ボックス、電子スチームカップ又は任意の類似な種類のデバイスがある。
これら携帯デバイスは、必要なとき車両内で使用することができる。例えば、ユーザーは、ラップトップで作業をしたい、所定時間後にラップトップを充電したいと思う場合がある。通常、ユーザーは、例えば、乗用車のダッシュボード5504上、乗用車の後部コンパートメント、等々に充電プラグを設置しなければならない。しかし、本発明によれば、携帯デバイスはワイヤレス給電によって充電され、余分な機器の必要性を少なくすることができる。
実施形態において、工場設置ワイヤレスエネルギー伝送システム、アフターマーケットワイヤレスエネルギー伝送システム、他の乗員が車両に持ち込む他の携帯デバイスから、等々によってワイヤレス給電を行うことができる。上述したように、ワイヤレスエネルギーは、車両内のシステムから、1個又は複数個のタイプの共振器、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態により供給することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、車体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、工場設置したソース共振器は、タイプEソース共振器を車両の有線電気系統に結線し、またこの共振器を車両の天井に取り付けて、車両の乗員コンパートメント内にワイヤレスエネルギーゾーンを生ずることによって、車両の内部及び/又はその周りにワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができる。タイプEソース共振器は、車両天井における損失性材料を回避するよう場プロファイルを整形できることの他に、タイプE共振器は、潜在的に極めて薄くすることができ、また車両コンパートメント内で上部空間をほとんどとらないため、この用途にとって有利である。実施形態において、天井取付けのタイプE共振器は電気系統に有線接続せず、車両内の他のソース共振器のためのリピータとして作用することができる。例えば、車両は、車両ダッシュボード近傍にソース共振器を工場装備したものとすることができるが、長大車両(例えば、SUV)は、車両後部に供給されるワイヤレスエネルギーは幾つかの目的、例えば、DVDプレーヤーの稼働、デバイスの充電、トレーラー若しくはトランクエリアへの電力リレー、等々にとっては十分でないことが分かっている。この要求を満たすためには、ユーザーは、タイプEソース共振器を天井にリピータとして設置し、車両の後部座席エリアをよりよくカバーする。
同様に、携帯デバイスは、他の車両にワイヤレス給電を使用して給電することができ、この他の車両としては、限定しないが、乗用車5502、掘削車6300、ブルドーザー6400、クレーン車6500、フォークリフト6600、トラック6700、バス6900、等々がある。
列車
図74につき説明する実施形態において、ワイヤレス給電を利用して、列車7400のデバイスに電力を供給し、この場合、列車の一次側電源から電気的デバイスに電力を送るのに何ら電気配線は不要とすることができる。このことは、さもないと必要になるワイヤハーネスに関連する重量、コスト、及び製造時間を削減するだけでなく、列車7400における電気的デバイス/コンポーネントに張り巡らせるハーネスがないことに起因して信頼性も向上するため、列車7400の初期設計及び製造上有利であることが分かっている。さらに、すべての電気的デバイス/コンポーネントが電気的ハーネス接続部を有する必要性を排除することにより、列車7400の製造業者は、電気的ハーネスの給電部分のレイアウト、取り回し、及び設計に影響を及ぼすことなく、種々の区画に電気的コンポーネント/デバイスを容易に追加できるようになる。
実施形態において、工場設置ワイヤレスエネルギー伝送システム、アフターマーケットワイヤレスエネルギー伝送システム、他の乗客が車両に持ち込む他の携帯デバイスから、等々によって列車全体にわたりワイヤレス給電を行うことができる。上述したように、ワイヤレスエネルギーは、車両内のシステムから、1個又は複数個のタイプの共振器、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態により供給することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、車体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、工場設置したソース共振器は、タイプB/Dソース共振器を列車車両の有線電気系統に結線し、またこの共振器を車両の天井に取り付けて、列車車両の乗客コンパートメントの一方の端部にワイヤレスエネルギーゾーンを生ずることによって、列車の内部及び/又はその周りにワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができる。タイプB/Dソース共振器は、車両の天井における損失性材料を回避し、車両の天井に取り付けた他の共振器のための平面状共振器場をもたらし、また車両のその領域内におけるワイヤレスデバイス(例えば、乗客の携帯ワイヤレスデバイス、照明及びオーディオシステム)を付勢する無指向性共振器場をもたらすよう場プロファイルを整形できる。次に、追加のタイプB/Dソース共振器を、列車車両の残りの部分にわたり下流側に向けて下るリピータとして、通路に沿う天井に取り付けることができる。このようにして、列車車両全体がワイヤレスエネルギーを供給される。実施形態において、第1共振器は、列車車両の電気系統に接続する必要はなく、他の列車車両における共振器から電力を受け取り、したがって、結線を追加することなく、1つの列車車両から次の列車車両へと電気的エネルギーを供給することができる。これら天井に取り付ける共振器は、アフターマーケット形態で列車に後付けする、又は新しい設計の一部として設けることができる。実施例は天井における共振器を示したが、当業者には明らかなように、乗客にワイヤレス電力を送給しないが、列車アセンブリにおける配電配線を排除するのに役立つ広範な種々のワイヤレスエネルギー伝送用途も含めて、列車内デバイスへのワイヤレス給電を行うのに多くの異なる共振器形態想定できるであろう。
例示的列車7400を用いて本発明を説明したことに留意されたい。しかし、当業者であれば理解できるように、本発明は、他タイプの列車を用いて説明することもできる。ワイヤレス給電を用いる列車のタイプの例としては、限定しないが、貨物列車、空港送迎列車、通勤列車、等々がある。
図74に示す実施形態において、列車車両7400としては、限定しないが、機関車、客車、貨物車、車両運搬車、等々がある。列車7400に関連する電気的コンポーネント/デバイスは本発明を活用することができる。列車7400に関連する電気的コンポーネント/デバイスとしては、限定しないが、ワイヤレス給電ドア、ワイヤレス給電照明、ワイヤレス給電階段、ワイヤレス給電ウインドウ、等々がある。
同様に、図75に示すように、ワイヤレス給電を用いるワイヤレス給電ドア及びウインドウに関連する電気的コンポーネントとしては、限定しないが、ワイヤレス給電ドアモータ7502、ワイヤレス給電モーションセンサ7504、ワイヤレス給電電子ロックシステム7508、ワイヤレス給電出口歩道7510、等々がある。
図76につき説明すると、ワイヤレス給電を使用することができる例示的乗客コンパートメント、例えば、航空機、列車、等々に関連する電気的コンポーネントとしては、限定しないが、ワイヤレス給電座席7602、ワイヤレス給電カメラシステム7604、ワイヤレス給電ビデオディスプレイ7608、ワイヤレス給電冷蔵庫7610、ワイヤレス給電照明7612、ワイヤレス給電ファン7614、ワイヤレス給電ブロア7618、等々がある。同様に、ワイヤレス給電を使用できるワイヤレス給電座席7602に関連する電気的コンポーネントとしては、限定しないが、ワイヤレス給電補助プラグ、ワイヤレス給電マイクロフォン、ワイヤレス給電保管コンテナ、ワイヤレス給電マッサージ装置、ワイヤレス給電電子ヒータ、ワイヤレス給電エアバッグシステム、ワイヤレス給電音楽システム、ワイヤレス給電LCD、ワイヤレス給電シートベルト、等々がある。さらに、ワイヤレス給電オーディオ−ビデオディスプレイ7608は、乗客コンパートメント内の任意な好ましい場所に保持することができる。さらに、乗客コンパートメントに配置すべきワイヤレス給電ビデオディスプレイの数には何ら制限がないものとすることができる。
ワイヤレス給電及びワイヤレス通信のこの実装をすべての電気的コンポーネントに拡張することによって、列車の製造業者は電気的ハーネスを部分的に排除することができる。このようにして、本発明は、ハーネスに関連するコスト、重量、及び組み込み時間を削減することができるとともに、電気系統の信頼性を向上することができる。さらに、ワイヤレス給電される電気的コンポーネントはよりモジュール化した設計にすることができ、車両への追加、改変、移動、アップグレード、等々を容易に行えるようになり、ひいてはユーザーの要求に応ずる製造業者の乗り物をカスタマイズする能力を潜在的に向上することができる。
本発明のワイヤレス給電は、他の車両に対しても、本明細書に記載したのと同様にして乗客コンパートメントのコンパートメント内における携帯電気的デバイスに電力を供給するのに使用することができることに留意されたい。携帯電気的デバイスの例としては、限定しないが、ラップトップ、携帯電話、DVDプレーヤー、携帯情報端末(PDA)、等々がある。例えば、乗客は、列車7400内にラップトップを持ち込み、乗客が作業を中断なく続けるためにラップトップのバッテリを充電したいと思う場合がある。本発明ワイヤレス給電は、ラップトップのバッテリを充電でき、またバッテリに充電するための余分な機器/電気的プラグの必要性を少なくすることができる。さらに、余分な機器及び余分なハーネスが減ることによって、製造業者は、列車7400の様々な区画を柔軟に設計することが自由に行える。同様に、列車7400の乗客はMP3プレーヤーで音楽を聞きたいと思う場合がある。乗客は、旅行中の何らかの時点でMP3プレーヤーを充電したいと思う場合がある。本発明ワイヤレス給電によれば、余分な電気的ハーネスの必要がなく、MP3プレーヤーを充電することができる。このようにして、本発明によれば、ハーネスに関連するコスト、重量、及び組み込み時間を削減することができるとともに、電気系統の信頼性を向上することができる。
本発明によるワイヤレス給電を、列車7400の外部照明システムに関連する電気的デバイスに使用できることに留意されたい。例えば、外部照明システムの電気的デバイスとしては、ワイヤレス給電ヘッドライトに限定することなく、ワイヤレス給電ボギーライト、ワイヤレス給電テールライト、ワイヤレス給電アンチ・フォグライト、ワイヤレス給電トンネルライト、等々がある。通常、これらライトは、列車7400の内側部分にドリル穿孔することによって給電する。しかし、本発明によるワイヤレス給電を使用することによって、電気的ハーネスの使用を減らすことができる。
航空機
図77A、図77B、及び図77Cにつき説明する実施形態において、ワイヤレス給電を利用して、航空機に関連するデバイスに電力を供給し、この場合、航空機の一次側電源から電気的デバイスに電力を送るのに何ら電気配線は不要とすることができる。このことは、さもないと必要になるワイヤハーネスに関連する重量、コスト、及び製造時間を削減するだけでなく、航空機の電気的デバイス/コンポーネントに張り巡らせるハーネスがないことに起因して信頼性も向上するため、航空機の初期設計及び製造上有利であることが分かっている。さらに、すべての電気的デバイス/コンポーネントが電気的ハーネス接続部を有する必要性を排除することにより、航空機の製造業者は、電気的ハーネスの給電部分のレイアウト、取り回し、及び設計に影響を及ぼすことなく、種々の区画に電気的コンポーネント/デバイスを容易に追加できるようになる。さらに、ワイヤレス給電システムによれば、航空機の機体に穴明けする必要なく、航空機内側から航空機外側に向けてシステム及びデバイスにエネルギーを伝送することができる。
実施形態において、工場設置ワイヤレスエネルギー伝送システム、アフターマーケットワイヤレスエネルギー伝送システム、他の乗客が乗り物に持ち込む他の携帯デバイスから、等々によって航空機全体にわたりワイヤレス給電を行うことができる。上述したように、ワイヤレスエネルギーは、乗り物内のシステムから、1個又は複数個のタイプの共振器、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態により供給することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、乗り物機体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、工場設置したソース共振器は、タイプB/Dソース共振器を航空機の有線電気系統に結線し、またこの共振器を航空機の天井に取り付けて、航空機の乗客コンパートメントの一方の端部にワイヤレスエネルギーゾーンを生ずることによって、航空機の内部及び/又はその周りにワイヤレス給電領域を生ずるよう設置することができる。タイプB/Dソース共振器は、航空機の天井における損失性材料を回避し、航空機の天井に取り付けた他の共振器のための平面状共振器場をもたらし、また航空機のその領域内におけるワイヤレスデバイス(例えば、乗客の携帯ワイヤレスデバイス、頭上照明、通路照明及びオーディオシステム)を付勢する無指向性共振器場をもたらすよう場プロファイルを整形できる。次に、追加のタイプB/Dソース共振器を、航空機の残りの部分にわたり下流側に向けて下るリピータとして、通路に沿う天井に取り付けることができる。このようにして、航空機全体がワイヤレスエネルギーを供給される。これら天井に取り付ける共振器は、アフターマーケット形態で航空機に後付けする、又は新しい設計の一部として設けることができる。実施例は天井における共振器を示したが、当業者には明らかなように、乗客にワイヤレス電力を送給しないが、航空機アセンブリにおける配電配線を排除するのに役立つ広範な種々のワイヤレスエネルギー伝送用途も含めて、航空機内デバイスへのワイヤレス給電を行うのに多くの異なる共振器形態想定できるであろう。
例示的航空機を用いて本発明を説明したことに留意されたい。しかし、当業者であれば理解できるように、本発明は、任意な航空機を用いて説明することもでき、これら航空機の例としては、限定しないが、軍用航空機、民間航空機、一般航空機、実験航空機、エグゼクティブ専用機、貨物航空機、等々がある。
図78に示す実施形態において、航空機は、限定しないが、パイロット制御ルーム7804、客室7802、等々を有する。パイロット制御ルーム7804に関連する電気的コンポーネント/デバイスは、本発明を活用することができ、またこのような電気的コンポーネント/デバイスとしては、限定しないが、ワイヤレス給電音響ウィンドプロファイラ・システム7808、ワイヤレス給電温度プロファイラシステム制御装置7810、ワイヤレス給電乱気流プロファイラシステム7812、ワイヤレス給電オートローテーション飛行制御システム7814、ワイヤレス給電空気清浄器制御システム、ワイヤレス給電パーキングブレーキ制御システム7820、ワイヤレス給電ブレード抑制制御システム、ワイヤレス給電ブレード緊急脱離制御システム、ワイヤレス給電翼室制御装置、等々がある。
例えば、航空機パイロットは、温度プロファイラシステム制御装置を使用することによって航空機の機体温度をモニタリングすることができる。実施例において、通常の温度プロファイラシステム制御装置は、航空機の主電源、及び航空機の機体上側部分に対する給電ハーネス接続部を必要とする。しかし、ワイヤレス給電温度プロファイラシステム制御装置7810によれば、電気的ハーネスを使用してこの制御装置に電力を経路付けする必要はなく、したがって、航空機に関連する給電ハーネスを減らすことができる。
ワイヤレス給電及びワイヤレス通信のこの実装をすべての電気的コンポーネントに拡張することによって、航空機の製造業者は電気的ハーネスを部分的に排除することができる。このようにして、本発明は、ハーネスに関連するコスト、重量、及び組み込み時間を削減することができるとともに、電気系統の信頼性を向上することができる。さらに、ワイヤレス給電される電気的コンポーネントはよりモジュール化した設計にすることができ、乗り物への追加、改変、移動、アップグレード、等々を容易に行えるようになり、ひいてはユーザーの要求に応ずる製造業者の乗り物をカスタマイズする能力を潜在的に向上することができる。
ワイヤレス給電を、航空機パイロット制御ルーム7804内のワイヤレスコンポーネントの特別な例を使用することにより、本発明を説明できることに留意されたいが、当業者には理解できるように、本発明は、パイロット制御ルーム7804における異なる区画/コンパートメントに関連するあらゆるワイヤレス給電コンポーネントにも適用することができる。
本発明のワイヤレス給電によれば、客室7802に関連する電気的コンポーネント関連の電気的ハーネスの必要性を排除できることに留意されたい。本発明ワイヤレス給電を活用できる電気的コンポーネントとしては、限定しないが、ワイヤレス給電座席、ワイヤレス給電カメラシステム、ワイヤレス給電ビデオディスプレイ、ワイヤレス給電警報システム、ワイヤレス給電冷蔵庫、ワイヤレス給電照明、ワイヤレス給電ファン、ワイヤレス給電ブロア7618、等々がある。同様に、ワイヤレス給電を使用できる座席に関連する電気的コンポーネントとしては、限定しないが、ワイヤレス給電補助プラグ、ワイヤレス給電マイクロフォン、ワイヤレス給電保管コンテナ、ワイヤレス給電マッサージ装置、ワイヤレス給電電子ヒータ、ワイヤレス給電エアバッグシステム、ワイヤレス給電音楽システム、ワイヤレス給電LCD、ワイヤレス給電シートベルト、等々がある。客室7802におけるこれら電気的コンポーネントは、ハーネスに関連するコスト、重量、及び組み込み時間を削減するとともに、電気的デバイス全体の機能性の信頼性を向上することができる。
本発明のワイヤレス給電は、航空機内における携帯電気的デバイスに電力を供給するのに使用することができることに留意されたい。例えば、図78に示すように、座席7822における乗客は、ラップトップを使用し、乗客が作業を中断なく続けるためにラップトップのバッテリを充電したいと思う場合がある。本発明ワイヤレス給電は、ラップトップのバッテリを充電でき、またバッテリに充電するための余分な機器/電気的プラグの必要性を少なくすることができる。同様に、座席7822に座る乗客は、携帯電話7832を使用し、長旅中そのバッテリを充電したいと思う場合がある。携帯電話7832は、本発明ワイヤレス給電を使用して充電することができる。
同様にして、ワイヤレス給電は、本発明による航空機外部照明システムに関連する電気的デバイスに使用することができる。ワイヤレス給電外部照明システムに関連する電気的デバイスは、航空機機体にドリル穿孔したハーネスを使用することによって給電されない。
船舶
図79につき説明する実施形態において、ワイヤレス給電を利用して、船舶7900に関連するデバイスに電力を供給し、この場合、船舶の一次側電源から電気的デバイスに電力を送るのに何ら電気配線は不要とすることができる。このことは、さもないと必要になるワイヤハーネスに関連する重量、コスト、及び製造時間を削減するだけでなく、船舶7900の電気的デバイス/コンポーネントに張り巡らせるハーネスがないことに起因して信頼性も向上するため、船舶7900の初期設計及び製造上有利であることが分かっている。さらに、すべての電気的デバイス/コンポーネントが電気的ハーネス接続部を有する必要性を排除することにより、船舶7900の製造業者は、電気的ハーネスの給電部分のレイアウト、取り回し、及び設計に影響を及ぼすことなく、種々の区画に電気的コンポーネント/デバイスを容易に追加できるようになる。さらに、共振器使用によれば、例えば、水密共振器を装備した電気的コンポーネントを設けることによって、より水密性電気エネルギー配給システムを提供することができる。
実施形態において、工場設置ワイヤレスエネルギー伝送システム、アフターマーケットワイヤレスエネルギー伝送システム、他の乗客が乗り物に持ち込む他の携帯デバイスから、等々によって船舶全体にわたりワイヤレス給電を行うことができる。上述したように、ワイヤレスエネルギーは、乗り物内のシステムから、1個又は複数個のタイプの共振器、例えば、タイプA、タイプB、タイプC、タイプD、及びタイプEの共振器、又は本明細書に記載の任意な他の共振器形態により供給することができる。タイプB、タイプD及びタイプEの共振器は、共振器場を損失性物体から逸らせるよう整形する構体を組み入れ、したがって、船体のスチール部分に共振器が近接する用途にとくに有用である。共振器タイプの組合せをこのような用途実施形態に組み立入れることもでき、所定用途に対する性能をより最適化することができる。実施例において、船舶が損失性の相当低い材料、例えば、グラスファイバ、等々で形成されているとき、タイプA共振器を使用して、船舶全体にわたりワイヤレス電力を配給することができる。
例示的船舶7900を用いて本発明を説明したことに留意されたい。しかし、当業者であれば理解できるように、本発明は、異なるタイプの船舶を用いて説明することもできる。これら異なるタイプの船舶の例としては、限定しないが、モーターボート、高速及びスポーツ艇、水上バイク、民間客船、等々がある。
図79に示す実施形態において、本発明を活用することができる船舶7900に関連する電気的コンポーネントとしては、限定しないが、ワイヤレス給電安全信号装置7902、ワイヤレス給電積み降ろし制御装置7904、ワイヤレス給電油流出対策制御システム7908、ワイヤレス給電ブレーキ制御システム7910、ワイヤレス給電操舵制御システム7912、ワイヤレス給電ナビゲーションシステム7914、ワイヤレス給電レーダー7918、ワイヤレス給電推進力制御システム7920、ワイヤレス給電速度操作制御装置7922、ワイヤレス給電塩水浸入防止システム7924、ワイヤレス給電温度調節器7928、ワイヤレス給電水位センサ7930、ワイヤレス給電スタビライザ7932、等々がある。
例えば、船舶7900のドライバ(運転手)は、スタビライザを使用することによって嵐模様の気象情報で船舶を安定化したいと思う場合がある。実施例において、通常のスタビライザは、船舶7900の主電源に対する給電ハーネス接続部を必要とする。しかし、ワイヤレス給電スタビライザ7932によれば、このスタビライザに電力を経路付けする必要はなく、したがって、船舶7900に関連する給電ハーネスを減らすことができる。
同様に、ワイヤレス給電水位センサ7930は、船舶7900の主電源に対する給電ハーネス接続部を不要とすることができる。さらに、ワイヤレス給電水位センサ7930は、船舶7900の船底部分の任意な好ましい場所に保持することができる。
ワイヤレス給電及びワイヤレス通信のこの実装をすべての電気的コンポーネントに拡張することによって、船舶7900の製造業者は電気的ハーネスを部分的に排除することができる。このようにして、本発明は、ハーネスに関連するコスト、重量、及び組み込み時間を削減することができるとともに、電気系統の信頼性を向上することができる。さらに、ワイヤレス給電される電気的コンポーネントはよりモジュール化した設計にすることができ、乗り物への追加、改変、移動、アップグレード、等々を容易に行えるようになり、ひいてはユーザーの要求に応ずる製造業者の船舶7900をカスタマイズする能力を潜在的に向上することができる。さらに、ワイヤレス給電システムは何らの穴明けを必要としないので、このことは、船舶の船体に貫通する孔を設けることなしに行うことができる。
ワイヤレス給電スタビライザ7932及びワイヤレス給電水位センサ7930の例を用いて本発明を説明したことに留意されたい。しかし、当業者であれば理解できるように、本発明は、船舶7900の異なる区画/コンパートメントに関連するあらゆるワイヤレス給電コンポーネントに適用することができる。
本発明のワイヤレス給電は、船舶7900における携帯電気的デバイス又は娯楽電気的デバイスに電力を供給するのに使用することができることに留意されたい。同様に、ワイヤレス給電は、本発明による船舶7900の外部照明システムに関連する電気的デバイスに使用することができる。上述の実施形態で説明したように、外部照明システムに関連するワイヤレス給電デバイスは、船舶7900の船体にドリル穿孔したハーネスを使用することによって給電されない。
本発明を若干の好適な実施形態につき説明したが、他の実施形態もあり得ることは当業者には理解されるであろうし、これら他の実施形態は、特許法で可能な最も広義に解釈され、本発明の範囲内に納まることを意図する。
本明細書に言及したすべての文献は、参照により本明細書に組み入れられるものとする。