JP2016516092A - M−csfを標的とする抗体 - Google Patents

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Abstract

本開示は、一般にM−CSFに特異的に結合する抗体または抗体断片に関する。特に、M−CSFに結合し、かつ10pM以下のIC50でM−CSF受容体に対するM−CSFの結合を阻害する抗体および抗体断片を開示する。また、本発明は、本発明の抗体またはそれらの断片を発現する能力のある核酸、ベクターおよび宿主細胞、抗体またはそれらの断片を含んでなる医薬組成物および特定の疾患の治療を目的とした前記抗体またはそれらの断片ならびに組成物の使用に関する。【選択図】図1

Description

本開示は、一般にM−CSFに特異的に結合する抗体または抗体断片に関する。特に、M−CSFに結合し、かつ10pM以下のIC50でM−CSF受容体に対するM−CSFの結合を阻害する抗体および抗体断片を開示する。また、本発明は、本発明の抗体またはそれらの断片を発現する能力のある核酸、ベクターおよび宿主細胞、抗体またはそれらの断片を含んでなる医薬組成物および特定の疾患の治療を目的とした前記抗体またはそれらの断片ならびに組成物の使用に関する。
M−CSFは、マクロファージまたは他の関連細胞型に分化する造血幹細胞に影響を及ぼす分泌サイトカインである。M−CSFの活性形態は、ジスルフィド結合したホモダイマーとして細胞外に見られる。M−CSFの3つの異なるイソ型:分泌グリコシル化M−CSF、分泌プロテオグリカンM−CSF、および細胞表面M−CSFが細胞外に見られる。
M−CSFは、治療上の発明、特に例えば、関節リウマチなどの炎症性障害の治療に関する標的であることが確証されている。例えば、参照として援用されている米国特許出願第8,142,777号明細書を参照されたい。抗体アプローチなど、M−CSFを標的とする幾つかの分子が開発中である。例えば、国際公開第2005/030124号パンフレット(Warner−Lambert/Pfizer)および国際公開第2005/030124号パンフレット(Chiron/Novartis)を参照されたい。
本開示は、先行技術から知られていた抗M−CSF抗体よりも優れた新規の抗体および抗体断片を提供する。特に、本開示の抗体および抗体断片は、M−CSFに特異的に結合し、かつ12.5pMの最終濃度でM−CSFを含んでなる受容体結合阻害アッセイにおいて、10pM以下のIC50でM−CSF受容体に対するM−CSF結合を阻害する。さらに、これらの抗体は、臨床展開上きわめて望ましく、以前に見られなかった機能特性を示す。
本開示は、ヒトM−CSFに特異的に結合する抗体または抗体断片を提供する。また、本開示は、特定の親和性、例えば30pM以下の親和性で、ヒトM−CSFに特異的に結合する抗体または抗体断片を提供する。また、本開示は、M−CSFに特異的に結合し、かつ10pM以下のIC50でM−CSF受容体に対するM−CSFの結合を阻害する抗体または抗体断片を提供する。また、本開示は、M−CSFに特異的に結合する抗体または抗体断片において、前記の単離抗体または抗体断片が、12.5pMの最終濃度でM−CSFを含んでなる受容体結合阻害アッセイにおいて、10pM以下のIC50でM−CSF受容体に対するM−CSFの結合を阻害できる抗体または抗体断片を提供する。
また、本開示は、6つのCDR領域のアミノ酸配列によって規定された特定の抗体または抗体断片を提供する。また、本開示は、可変重鎖および可変軽鎖のアミノ酸配列によって規定された特定の抗体または抗体断片を提供する。
また、本開示は、本明細書に開示された特異的な抗体または抗体断片と競合する特異的な抗体または抗体断片を提供する。また、本開示は、本明細書に開示された特異的な抗体または抗体断片と同一のエピトープに結合する特異的な抗体または抗体断片を提供する。
また、本開示は、薬剤に使用される本開示の単離抗体または抗体断片を提供する。
また、本開示は、本開示の抗体または抗体断片の有効量を、炎症性障害などの障害に罹っている患者に投与することによって、患者を治療する方法を提供する。
また、本開示は、本開示の単離抗体または抗体断片を含んでなる医薬組成物、および薬学的に許容できる担体を提供する。
また、本開示は、本開示の抗体または抗体断片抗体をコード化する核酸を提供する。
また、本開示は、本開示の抗体または抗体断片抗体をコード化する核酸を含んでなるベクターを提供する。
また、本開示は、本開示の抗体または抗体断片をコード化するベクターまたは核酸を含んでなる宿主細胞を提供する。
図1は、ヒトの膜結合M−CSFを安定して発現するCHO細胞によってM−NFS−60細胞の増殖が誘導されたアッセイにおいて、膜結合M−CSFイソ型の生物活性を阻害する本開示のM−CSF特異的抗体の能力図を示す。抗体棒度を増加せせるにつれて、全てのM−CSF特異的免疫グロブリンは、効果的に増殖を阻害する。これとは対照的に、リゾチウムに特異的なMOR03207は増殖を阻害することができなかった。
用語の「単離(された)」とは、他の細胞物質および/または化学物質が実質的に存在しない化合物のことである。このような化合物が抗体または抗体断片である場合は、用語の「単離(された)」とは、異なる抗原特異性を有する他の抗体または抗原結合部分もまた存在しない抗体または抗体断片のことである。
本明細書で用いられる用語の「抗体」には、全ての抗体が含まれる。天然の「抗体」は、ジスルフィド結合で相互接続された少なくとも2本の重(H)鎖および2本の軽(L)鎖を含んでなるタンパク質である。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書ではVHと略記)および重鎖不変領域からなる。重鎖不変領域は、特異的なCHドメイン(例えば、CH1、CH2およびCH3)からなる。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書ではVLと略記)および軽鎖不変領域からなる。軽鎖不変領域は、1つのドメイン、CLからなる。VH領域およびVL領域は、相補性決定領域(CDR)と称される超可変性領域とそれを散在させるより保存されたフレームワーク領域(FR)と称される領域にさらに分けることができる。各々のVHおよびVLは、アミノ末端からカルボキシル末端まで以下の順序:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4で配列された3つのCDRおよび4つのFRから構成される。抗体の不変領域は、宿主組織または免疫系の種々の細胞(例えば、エフェクター細胞)や古典的な相補系の第一成分(C1q)などの因子に対する免疫グロブリンの結合を媒介できる。抗体は、いずれのイソ型(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgAおよびIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)、それらのサブクラスまたは修飾型(例えば、IgG1 LALA)でもよい。抗体は、キメラ抗体、ヒト化抗体、またはヒト抗体のいずれの種の抗体でもよい。
用語の「重鎖可変領域CDR1」と「H−CDR1」は交換可能に用いられ、用語の「重鎖可変領域CDR2」と「H−CDR2」、用語の「重鎖可変領域CDR3」と「H−CDR3」、用語の「軽鎖可変領域CDR1」と「L−CDR1」、用語の「軽鎖可変領域CDR2」と「L−CDR2」、および用語の「軽鎖可変領域CDR3」と「L−CDR3」抗体断片も同様である。
抗原結合は、無処置抗体の「断片」「抗体断片」「抗原結合断片」によって実施できる。本明細書において、双方の用語が交換可能に用いられる。抗体の用語「抗体断片」に包含される結合断片の例としては、VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる一価断片であるFab断片;ヒンジ領域におけるジスルフィド架橋によって連結された2つのFab断片を含んでなる二価断片であるF(ab)2断片;VHドメインおよびCH1ドメインからなるFd断片;抗体の単一アームのVLドメインおよびVHドメインからなるFv断片;1つのVHドメインからなる単一ドメイン抗体(dAb)断片(Wardら著、1989年、Nature、第341巻:p.544〜546);および単離された相補性決定領域(CDR)が挙げられる。
「一本鎖断片(scFv)」は、VL領域とVH領域の対が一価分子を形成するタンパク質一本鎖である(一本鎖Fv(scFv)として知られている;例えば、Birdら著、1988年、Science、第242巻:p.423〜426、およびHustonら著、1988年、Proc.Natl.Acad.Sci.、第85巻:p.5879〜5883を参照されたい)。2つのドメインVLおよびVHは、別々の遺伝子によってコードされているが、それらをタンパク質一本鎖として作製することを可能にする人工ペプチドリンカーにより、遺伝子組換え法を用いて結合させることができる。このような一本鎖抗体は、1つ以上の抗原結合部分を含む。これらの抗体断片は、当業者に知られた従来の技法を用いて得られ、断片は、完全抗体と同じ様式で有用性を目的にスクリーンされる。特定の態様において、本開示は、Fab、F(ab2)’、F(ab)2’およびscFVからなる群から選択される抗体断片を提供する。
特定の態様において、本開示は、抗体または抗体断片を提供するが、前記抗体または抗体断片は、二重特異性である。特定の態様において、本開示は、前記抗体または抗体断片は、二重特異性scFv、四価の二重特異性抗体、架橋Fabまたは二重特異性IgGからなる群から選択される二重特異性抗体由来のスカフォードである。
特定の態様において、本開示は、単一ドメイン抗体、マキシボディ、ミニボディ、イントラボディ、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、v−NAR、カメリド抗体、アンキリン、ドメイン抗体、リポカリン、小型モジュール免疫薬、マキシボディ、Aタンパク質およびアフィリンからなる群から選択される抗体または抗体断片を提供する。
本明細書に用いられる用語の「モノクローナル抗体」とは、単一分子組成の抗体分子調製物のことである。モノクローナル抗体組成物は、特定のエピトープに対してユニークな結合特異性および親和性を有するユニークな結合部位を示す。特定の態様において、本開示は、M−CSFに特異的に結合するモノクローナル抗体または抗体断片を提供する。特定の態様において、本開示は、M−CSFに特異的に結合するポリクローナル抗体または抗体断片を提供する。
特定の態様において、本開示は、カニクイザルのM−CSFに交差反応性である単離抗体または抗体断片を提供する。特定の態様において、本開示は、マウスのM−CSFに交差反応性である単離抗体または抗体断片を提供する。特定の態様において、本開示は、ラットのM−CSFに交差反応性である単離抗体または抗体断片を提供する。特定の態様において、本開示は、カニクイザルおよび/またはマウスおよび/またはラットのM−CSFに交差反応性の単離抗体または抗体断片を提供する。
本明細書に用いられる用語の「ヒト抗体」は、フレームワーク領域とCDR領域の双方がヒトの配列に由来する可変領域を有する抗体を含むことを意図している。本明細書に用いられるヒト抗体は、完全長の重鎖または軽鎖の重鎖可変領域または軽鎖可変領域を含んでなる。特定の場合、ヒト抗体は、アミノ酸配列において生殖系免疫グロブリン遺伝子によってコード化されたアミノ酸配列に、少なくとも60%、70%、80%、90%、または少なくとも95%、またはさらに少なくとも96%、97%、98%、または99%同一性であり得る。それによって、前記ヒト抗体は、B細胞から単離されたVH/VLレパートリーのPCR増幅によって作製されたヒト生殖系列遺伝子由来の抗体を含んでなるテクノロジー・プラットフォームから得ることができるか、または合成的に作製する。テクノロジー・プラットフォームは、ファージ、リボソームまたは酵母に表示されたヒト免疫グロブリン遺伝子を含んでなる方法に基づいたライブラリを含む。各々の表示テクノロジーは、科学者共同体における基準である。さらに、ヒト免疫グロブリンのレパートリーを担持する遺伝子導入マウスの免疫化は、関心対象の抗原に対するヒト抗体を作製するもう1つのアプローチである。MorphoSys HuCAL(登録商標)コンセプト(Knappikら著、2000年、J Mol Biol、第296巻:p.57〜86)に基づいた抗体ライブラリから選択された抗体または抗体断片は、完全にヒトのものであると考えられる。
「ヒト化」抗体は、非ヒト抗体の反応性を保持している一方、ヒトでの免疫原性がより少ない抗体である。これは、例えば、非ヒトCDR領域を保持し、抗体の残りの部分を、それらのヒト対応物(すなわち、不変領域ならびに可変領域のフレームワーク部分)により置換することによって、達成することができる。例えば、Morrisonら著、1994年、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、第81巻:p6851〜6855;Morrisonおよびオイ(Oi)著、1988年、Adv.Immunol.、第44巻:p65〜92;Verhoeyenら著、1988年、Science、第239巻:p1534〜1536;Padlan著、Molec.Immun、1991年、第28巻:p489〜498;およびPadlan著、Molec.Immun、1994年、第31巻:p169〜217を参照されたい。ヒト技術工学の他の例としては、米国特許第5,766,886号明細書に開示されたキソーマ(Xoma)テクノロジーが挙げられるが、これに限定されない。
用語の「キメラ抗体」は、(a)抗原結合部位(可変領域)を、異なった、もしくは変化させたクラス、エフェクター機能および/または種の不変領域に、または、キメラ抗体に新たな特性を与える全く異なった分子、例えば、酵素、毒素、ホルモン、成長因子、薬剤などに結合させるために、不変領域またはその一部を変化、置換、または交換させた;または(b)可変領域またはその一部が、異なった、もしくは変化させた抗原特異性を有する可変領域によって、変化、置換もしくは変換させた抗体分子である。例えば、マウス抗体は、その不変領域を、ヒト免疫グロブリンからの不変領域によって改変することができる。ヒト不変領域と置換することにより、キメラ抗体は、抗原認識における特異性を保持する一方で、元のマウス抗体と比べてヒトでの免疫原性が減少する。
特定の態様において、本開示は、M−CSFに特異的に結合するヒト抗体および抗体断片を提供する。特定の態様において、本開示は、M−CSFに特異的に結合するヒト化抗体および抗体断片を提供する。特定の態様において、本開示は、M−CSFに特異的に結合するキメラ抗体および抗体断片を提供する。特定の態様において、本開示は、ヒト重鎖不変領域およびヒト軽鎖不変領域を含んでなる抗体を提供する。
用語の「イソ型」とは、重鎖不変領域遺伝子によって提供される抗体クラス(例えば、IgM、IgE、IgG1またはIgG4などのIgG)のことである。また、イソ型は、Fc機能を変化させるために、例えば、エフェクター機能を、またはFc受容体に対する結合を増大または低減させるために、改変がなされたこれらのうちの1クラスの改変型も含む。例えば、IgG1 LALAは、エフェクター機能を有意に減少させたIgGイソ型の改変型である。アミノ酸の特定の置換は、非改変抗体に比べて、FcガンマRI受容体に対する結合親和性を低下させる。IgG1 LALAは、参照のためにその全体が援用されている米国特許出願第08/479,752号明細書(SCOTGEN BIOPHARMACEUTICALS INC.)に記載されている。本開示の特定の実施態様において、抗原結合部分は、抗体の抗原結合部分であり、IgG型、IgM型、IgA型、IGE型またはIgD型の抗体である。特定の実施態様において、抗体は、IgG型の抗体である。本開示の特定の実施形態において、抗体は、サブタイプIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4の抗体である。特定の実施形態において、抗体は、サブタイプIgG1またはIgG4の抗体である。他の特定の実施形態において、抗体は、サブタイプIgG1またはIgG1 LALAの抗体である。
本開示のある特定の実施形態において、抗体は、沈黙イソ型である。用語の「沈黙」イソ型とは、エフェクター機能が減少している任意の免疫グロブリンのことである。したがって、本開示の特定の実施形態において、抗体は、野生型のIgG1サブタイプに比べてエフェクター機能が減少しているIgG1サブタイプの抗体である。エフェクター機能の減少を達成させるために、特定の変異が特に適している。例えば、IgG1 LALAサブタイプは、典型的な沈黙イソ型である。IgG1イソ型の他の沈黙型も同様に本開示の抗体と共に使用できる。特に好ましい例は、D265A変異を含んでいるIgG1イソ型である。このIgG1型においては、265位(ナンバリングはEUインデックスによる;http://WWW.imgt.org/IMGTScientificChart/Numbering/Hu_IGHGnber.htmlを参照)におけるアミノ酸のアスパラギン酸はアラニン残基に置換されている。このように特定の態様において、本開示の抗体は、沈黙IgG1サブタイプの抗体である。他の態様において、本開示の抗体は、野生型IgG1サブタイプに比べて、エフェクターが減少している変異IgG1サブタイプの抗体である。他の態様において、本開示の抗体は、D265A変異を担持するIgG1サブタイプの抗体である。他の態様において、本開示の抗体は、265位のアスパラギン酸がアラニン残基に置換されているIgG1サブタイプの抗体である。他の態様において、本開示の抗体は、265位(EUインデックスによるナンバリング)のアスパラギン酸残基がアラニン残基に置換されている抗体である。サブタイプIgG2およびIgG4もまた、沈黙イソ型として知られている。
本明細書に用いられる用語の「アフィニティー(親和性)」とは、例えば、モノクローナル抗体のような抗原結合部分と単一抗原性部位における抗原との間の相互作用の強さのことである。各々の抗原性部位内で、抗体の「アーム」の可変領域は、多数の部位における抗原と弱い非共有力によって相互作用し、相互作用が大きいほど親和性が強い。
抗原へ「特異的に結合する」という用語は、タンパク質の異種集団および他の生物製剤において、抗原の存在下で決定できる結合反応を意味する。したがって、「抗原を認識する」および「抗原に特異的」という語句は、「抗原に特異的に結合する」という用語と共に交換可能に用いられる。抗原に対する、例えば、モノクローナル抗体のような抗原結合部分の特異的結合は、当該技術分野に知られた種々の確立された方法によって決定でき、それらの方法としては、ELISA、FACS、ウエスタンブロット、免疫ブロット、MSD、BIAコアおよびSETが挙げられる。本開示において、抗原結合部分が、バックグランドよりも、少なくとも2倍、3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも500倍、少なくとも1000倍、特定の抗原に結合できることが示される場合に、その抗原結合部分は抗原に特異的であると考えられる。したがって、選択された抗原に対して非特異的であることが知られている抗原結合部分によって、または非関連抗原に対する結合との比較によって、バックグランドが決定される。本発明の抗体および抗体断片に対する抗原はM−CSFである。
完全長ヒトM−CSF前駆体(CSF−1またはマクロファージ・コロニー刺激因子としても知られている)は、554のアミノ酸長を有する。ヒトM−CSF前駆体のアミノ酸配列は、配列番号1で示される(出所源:ユニプロット(Uniprot)、ヒトM−CSF P09603)。
配列番号1(完全長ヒトM−CSF前駆体):
Figure 2016516092
スプライシングおよび翻訳後修飾の結果、3種の異なる細胞外イソ型:分泌グリコシル化M−CSF(「sgM−CSF」)、分泌プロテオグリカンM−CSF(「spM−CSF」)、および細胞表面M−CSF(「csM−CSF」)が発現する。
ヒト血清中、最も顕著なイソ型は、255位のM−CSF前駆体の開裂によって生成するsgM−CSFである。ヒトsgM−CSFのアミノ酸配列は、配列番号2で示される。
配列番号2(ヒト分泌グリコシル化M−CSF(配列番号1の断片33〜255)):
Figure 2016516092
ヒト分泌プロテオグリカンM−CSFは、456のアミノ酸長を有する。spM−CSFのアミノ酸配列は、配列番号3に示される。
配列番号3(ヒト分泌プロテオグリカンM−CSF):
Figure 2016516092
ヒト細胞表面M−CSFは、他のスプライシングによって生成し、256のアミノ酸長を有する。csM−CSFのアミノ酸配列は、配列番号4で示される。
配列番号4(ヒト細胞表面M−CSF):
Figure 2016516092
M−CSFの全ての3種のイソ型は、M−CSF受容体に結合することができ、生物活性である。3種のイソ型は、共通してN末端受容体結合ドメイン(rbdM−CSF)を有し、そのアミノ酸配列は、配列番号5で示される。
配列番号5(ヒト受容体結合ドメインM−CSF(断片33〜190)):
Figure 2016516092
また、本開示の抗体および抗体断片は、前臨床試験用の検査室でしばしば用いられるカニクイザル(オナガザル科(Macaca fascicularis))のM−CSFにも結合する。カニクイザルの分泌糖タンパクM−CSFをコード化する核酸分子は、胸部組織または膵臓組織から調製したカニクイザルのcDNAから標準的なPCR技法によってクローン化された。カニクイザルsgM−CSFの配列は、配列番号6で示される。
配列番号6(カニクイザルsgM−CSF):
Figure 2016516092
ヒトM−CSF受容体(M−CSFRまたはCSF1Rとしても知られている)は、972のアミノ酸長を有する。ヒトM−CSFRのアミノ酸配列は、配列番号7(出所源:ユニプロット(Uniprot)、ヒトM−CSFR P07333)で示される:
配列番号7(ヒトM−CSFR):
Figure 2016516092
また、本開示の抗体および抗体断片は、カニクイザルM−CSF受容体に対するカニクイザルM−CSFの結合を阻害する。
特定の態様において、本開示は、ヒトM−CSFに対して指向されているか、または特異的に結合する単離抗体または抗体断片に関する。他の態様において、本開示は、配列番号1によってコード化されたポリペプチドに対して指向されているか、または特異的に結合する単離抗体または抗体断片に関する。
特定の態様において、本開示は、カニクイザルM−CSFに対して指向されているか、または特異的に結合する単離抗体または抗体断片に関する。他の態様において、本開示は、配列番号6によってコード化されたポリペプチドに対して指向されているか、または特異的に結合する単離抗体または抗体断片に関する。
特定の態様において、本開示は、ヒトM−CSFに対して指向されているか、または特異的に結合し、かつヒトM−CSF受容体に対するヒトM−CSFの結合を阻害する単離抗体または抗体断片に関する。他の態様において、本開示は、配列番号1によってコード化されたポリペプチドに対して指向されているか、または特異的に結合し、かつ配列番号7によってコード化されたポリペプチドに対する配列番号1によってコード化されたポリペプチドの結合を阻害する単離抗体または抗体断片に関する。
特定の態様において、本開示は、カニクイザルM−CSFに対して指向されているか、または特異的に結合し、かつカニクイザルM−CSF受容体に対するカニクイザルM−CSFの結合を阻害する単離抗体または抗体断片に関する。他の態様において、本開示は、配列番号6によってコード化されたポリペプチドに対して指向されているか、または特異的に結合し、かつ配列番号7によってコード化されたポリペプチドに対する配列番号6によってコード化されたポリペプチドの結合を阻害する単離抗体または抗体断片に関する。他の態様において、本開示は、配列番号6によってコード化されたポリペプチドに対して指向されているか、または特異的に結合し、かつカニクイザルM−CSF受容体に対する配列番号6によってコード化されたポリペプチドの結合を阻害する単離抗体または抗体断片に関する。
特定の態様において、本開示は、分泌グリコシル化M−CSF、分泌プロテオグリカンM−CSFおよび細胞表面M−CSFに結合する単離抗体または抗体断片に関する。特定の態様において、本開示は、ヒトM−CSFの全てのイソ型に結合する単離抗体または抗体断片に関する。特定の態様において、本開示は、配列番号2によってコード化されたポリペプチド、配列番号3によってコード化されたポリペプチドおよび配列番号4によってコード化されたポリペプチドに結合する単離抗体または抗体断片に関する。
特定の態様において、本開示は、M−CSFのN末端受容体結合ドメインに結合する単離抗体または抗体断片に関する。特定の態様において、本開示は、配列番号5によってコード化されたポリペプチドに結合する単離抗体または抗体断片に関する。
用語の「ポリペプチド」と「タンパク質」は、本明細書において交換可能に用いられ、アミノ酸残基のポリマーのことである。これらの用語は、1つ以上のアミノ酸残基が対応する天然アミノ酸の人工的で化学的な模倣物であるアミノ酸ポリマー、ならびに天然アミノ酸ポリマーおよび非天然アミノ酸ポリマーに適用される。別に指示されない限り、特定のポリペプチド配列は、その保存的に修飾された変更型も暗に包含する。
本明細書において用語の「核酸」は、用語の「ポリヌクレオチド」と交換可能に用いられ、一本鎖形態か、二本鎖形態のいずれかにおけるデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドならびにそのポリマーのことである。この用語は、公知のヌクレオチド類縁体または修飾された主鎖残基または結合を含有する核酸であって、参照核酸と同様の結合特性を有し、参照ヌクレオチドと同様の様式で代謝される合成、天然および非天然の核酸を包含する。このような類縁体の例としては、ホスホロチオエート、ホスホロアミデート、メチルホスホネート、キラルメチルホスホネート、2−O−メチルリボヌクレオチド、ペプチド核酸類(PNAs)が挙げられるが、これらに限定されない。別に指示されない限り、特定の核酸配列は、保存的に修飾されたその変型(例えば、縮重コドン置換物)および相補的配列、ならびに明白に指示された配列も暗に包含する。特に、下記のように、縮重コドンの置換は、1つ以上の選択された(または全ての)コドンのうちの第三位を混合塩基残基および/またはデオキシイノシン残基で置換された配列を作製することにより達成できる(Batzerら著、1991年、Nucleic Acid Res.、第19巻:p5081;大塚ら著、1985年、J.Biol.Chem.、第260巻:p2605〜2608;およびRossoliniら著、1994年、Mol.Cell.Probes、第8巻:p91〜98)。
特定の態様において、本開示は、M−CSFに特異的に結合する本開示による抗体または抗体断片をコード化する核酸を提供する。特定の態様において、本開示は、表1の抗体または抗体断片をコード化する核酸を提供する。特定の態様において、本開示は、表2の抗体または抗体断片をコード化する核酸を提供する。
特定の態様において、本開示は、M−CSFに特異的に結合する本開示による抗体または抗体断片をコード化する核酸を含んでなるベクターを提供する。特定の態様において、本開示は、表1の抗体または抗体断片をコード化する核酸を含んでなるベクターを提供する。特定の態様において、本開示は、表2の抗体または抗体断片をコード化する核酸を含んでなるベクターを提供する。
特定の態様において、本開示は、本開示の抗体または抗体断片をコード化する核酸を含むベクターを含んでなる宿主細胞を提供する。特定の態様において、本開示は、開示される本発明の抗体または抗体断片をコード化する核酸を含んでなる宿主細胞を提供する。
用語の「組換え宿主細胞」(または単に「宿主細胞」)とは、組換え発現ベクターを導入した細胞のことである。このような用語は、特定の対象細胞だけでなく、このような細胞の後代も表すことが意図されていることを理解すべきである。変異または環境の影響により、後続世代には、ある修飾が生じ得るため、このような後代は、実際には親細胞と同一でないことがあり得るが、本明細書において用いられる用語「宿主細胞」の範囲内になお含まれる。
用語の「ベクター」とは、自身が結合したポリヌクレオチドを輸送することのできるポリヌクレオチド分子のことである。ベクターの1つのタイプは、追加のDNAセグメントが結合できる環状二本鎖DNAループを表す「プラスミド」である。ベクターの別のタイプは、追加のDNAセグメントがウィルスゲノム内に結合できるウィルスベクターである。特定のベクターは、それらが導入される宿主細胞内で自律複製できる(例えば、細菌源の複製を有する細菌ベクターおよびエピソームの哺乳動物ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム哺乳動物ベクター)は、宿主細胞内への導入時に、宿主細胞のゲノム内に組み込むことができ、そのため宿主ゲノムと一緒に複製される。さらに、特定のベクターは、それらが操作可能に結合されている遺伝子発現を方向づけることができる。このようなベクターは、本明細書において、「組換え発現ベクター」(または単に「発現ベクター」)と呼ばれる。一般に、組換えDNA技法に利用される発現ベクターは、プラスミドの形態であることが多い。プラスミドはベクターの最も一般的に用いられる形態であるため、本明細書においては、「プラスミド」と「ベクター」は交換可能に用いることができる。しかしながら、本開示は、等価の機能を働かせるウィルスベクター(例えば、複製欠如レトロウィルス、アデノウィルスおよびアデノ関連ウィルス)などの他の発現ベクター形態を含むことが意図されている。
特定の態様において、本開示は、M−CSFに特異的に結合し、かつ、10pM以下のIC50で、M−CSF受容体に対するM−CSFの結合を阻害する単離抗体または抗体断片を提供する。他の態様において、前記単離抗体または抗体断片は、20pM以下のIC50、5.5pM以下のIC50、または5pM以下のIC50で、M−CSF受容体に対するM−CSFの結合を阻害する。
特定の態様において、本開示は、M−CSFに特異的に結合する単離抗体または抗体断片を提供し、かつ、前記単離抗体または抗体断片は、12.5pMの最終濃度でのM−CSFを含んでなる受容体結合阻害アッセイにおいて、10pM以下のIC50で、M−CSF受容体に対するM−CSFの結合を阻害することができる。
特定の態様において、本開示は、M−CSFに特異的に結合する単離抗体または抗体断片を提供し、かつ、前記単離抗体または抗体断片は、0.66ng/mlの最終濃度でのM−CSFおよび2μg/mlの最終濃度でのM−CSF受容体を含んでなる受容体結合阻害アッセイにおいて、10pM以下のIC50で、M−CSF受容体に対するM−CSFの結合を阻害することができる。
特定の態様において、本開示は、M−CSFに特異的に結合し、かつ、実施例5に記載された受容体結合阻害アッセイにおいて、10pM以下のIC50で、M−CSF受容体に対するM−CSFの結合を阻害することのできる単離抗体または抗体断片を提供する。
特定の態様において、本開示は、M−CSFに特異的に結合し、かつ、先行技術の抗体HeRX1−10G1および8.10.3Fのいずれか1つのIC50の少なくとも2倍低いIC50でM−CSF受容体に対するM−CSFの結合を阻害する単離抗体または抗体断片を提供する。他の前記単離抗体または抗体断片は、先行技術の抗体HeRX1−10G1および8.10.3Fのいずれか1つのIC50の少なくとも3倍低いIC50でM−CSF受容体に対するM−CSFの結合を阻害する。
特定の態様において、本開示は、FACSアッセイで決定された際に、10pM以下のEC50で、M−CSFに特異的に結合する単離抗体または抗体断片を提供する。他の態様において、前記単離抗体または抗体断片は、FACSアッセイで決定された際に、15pM以下のEC50で、またはFACSアッセイで決定された際に、5pM以下のEC50でM−CSFに特異的に結合する。
特定の態様において、本開示は、FACSアッセイで決定された際に、先行技術の抗体先行技術の抗体HeRX1−10G1および8.10.3Fのいずれか1つのEC50の少なくとも2倍の低さのEC50でM−CSFに特異的に結合する単離抗体または抗体断片を提供する。
特定の態様において、本開示は、M−CSFに特異的に結合し、かつ、10pM以下のIC50で、M−CSF誘導増殖を阻害する単離抗体または抗体断片を提供する。他の態様において、前記単離抗体または抗体断片は、20pM以下のIC50、15pM以下のIC50、または5pM以下のIC50でM−CSF誘導増殖を阻害する。
特定の態様において、本開示は、M−CSFに特異的に結合し、かつ、先行技術の抗体HeRX1−10G1および8.10.3Fのいずれか1つのIC50の少なくとも2倍の低さのEC50でM−CSF誘導増殖を阻害する単離抗体または抗体断片を提供する。
本明細書に用いられる用語「KD」とは、Kd対Kaの比(すなわち、Kd/Ka)から得られ、モル濃度(M)として表される解離常数のことである。例えば、モノクローナル抗体のような抗原結合部分に関するKD値は、当該技術分野で十分に確立された方法を用いて決定することができる。例えば、モノクローナル抗体のような抗原結合部分のKDを決定する方法は、SET(溶解平衡滴定)またはBiacore(登録商標)システムなどのバイオセンサーシステムを用いる表面プラズモン共鳴である。本開示の抗体は、典型的に、5×10−2M未満、10−2M未満、5×10−3M未満、10−3M未満、5×10−4M未満、10−4M未満、5×10−5M未満、10−5M未満、5×10−6M未満、10−6M未満、5×10−7M未満、10−7M未満、5×10−8M未満、10−8M未満、5×10−9M未満、10−9M未満、5×10−10M未満、10−10M未満、5×10―11M未満、10−11M未満、5×10−12M未満、10−12M未満、5×10−13M未満、10−13M未満、5×10−14M未満、10−14M未満、5×10−15M未満、または10−15M未満もしくはより低い解離常数(KD)(koff/kon)を有する。
特定の態様において、本開示は、M−CSFに特異的であり、1×10−1未満、10−1未満、10−1未満、1010−1未満、1011−1未満、1012−1未満または1013−1未満の解離常数(KD)で、M−CSFに結合する単離抗体または抗体断片を提供する。
本明細書に用いられる用語「EC50」とは、アッセイにおいて、ベースラインと最大の中間での応答を誘導する抗体または抗体断片の濃度のことである。したがって、これは、最大効果の50%が見られる抗体濃度を表す。
本明細書に用いられる用語「IC50」とは、アッセイにおいて、最大応答とベースラインの中間での応答を阻害する阻害剤(例えば、抗体または抗体断片)の濃度のことである。これは、所与の応答を50%減少させる抗体濃度を表す。
特定の態様において、本開示は、単離抗体および抗体断片を提供し、前記抗体または抗体断片は、配列番号8のHCDR1領域、配列番号9のHCDR2領域、配列番号10のHCDR3領域、配列番号11のLCDR1領域、配列番号12のLCDR2領域および配列番号13のLCDR3領域を含んでなる。
特定の態様において、本開示は、単離抗体および抗体断片を提供し、前記抗体または抗体断片は、配列番号18のHCDR1領域、配列番号19のHCDR2領域、配列番号20のHCDR3領域、配列番号21のLCDR1領域、配列番号22のLCDR2領域および配列番号23のLCDR3領域を含んでなる。
特定の態様において、本開示は、単離抗体および抗体断片を提供し、前記抗体または抗体断片は、配列番号28のHCDR1領域、配列番号29のHCDR2領域、配列番号30のHCDR3領域、配列番号31のLCDR1領域、配列番号32のLCDR2領域および配列番号33のLCDR3領域を含んでなる。
特定の態様において、本開示は、単離抗体および抗体断片を提供し、前記抗体または抗体断片は、配列番号38のHCDR1領域、配列番号39のHCDR2領域、配列番号40のHCDR3領域、配列番号41のLCDR1領域、配列番号42のLCDR2領域および配列番号43のLCDR3領域を含んでなる。
特定の態様において、本開示は、単離抗体および抗体断片を提供し、前記抗体または抗体断片は、配列番号48のHCDR1領域、配列番号49のHCDR2領域、配列番号50のHCDR3領域、配列番号51のLCDR1領域、配列番号52のLCDR2領域および配列番号53のLCDR3領域を含んでなる。
特定の態様において、本開示は、単離抗体および抗体断片を提供し、前記抗体または抗体断片は、配列番号58のHCDR1領域、配列番号59のHCDR2領域、配列番号60のHCDR3領域、配列番号61のLCDR1領域、配列番号62のLCDR2領域および配列番号63のLCDR3領域を含んでなる。
特定の態様において、本開示は、単離抗体および抗体断片を提供し、前記抗体または抗体断片は、配列番号68のHCDR1領域、配列番号69のHCDR2領域、配列番号70のHCDR3領域、配列番号71のLCDR1領域、配列番号72のLCDR2領域および配列番号73のLCDR3領域を含んでなる。
特定の態様において、本開示は、単離抗体および抗体断片を提供し、前記抗体または抗体断片は、配列番号78のHCDR1領域、配列番号79のHCDR2領域、配列番号80のHCDR3領域、配列番号81のLCDR1領域、配列番号82のLCDR2領域および配列番号83のLCDR3領域を含んでなる。
特定の態様において、本開示は、単離抗体および抗体断片を提供し、前記抗体または抗体断片は、配列番号88のHCDR1領域、配列番号89のHCDR2領域、配列番号90のHCDR3領域、配列番号91のLCDR1領域、配列番号92のLCDR2領域および配列番号93のLCDR3領域を含んでなる。
特定の態様において、本開示は、単離抗体および抗体断片を提供し、前記抗体または抗体断片は、配列番号98のHCDR1領域、配列番号99のHCDR2領域、配列番号100のHCDR3領域、配列番号101のLCDR1領域、配列番号102のLCDR2領域および配列番号103のLCDR3領域を含んでなる。
特定の態様において、本開示は、単離抗体および抗体断片を提供し、前記抗体または抗体断片は、配列番号108のHCDR1領域、配列番号109のHCDR2領域、配列番号110のHCDR3領域、配列番号111のLCDR1領域、配列番号112のLCDR2領域および配列番号113のLCDR3領域を含んでなる。
特定の態様において、本開示は、単離抗体および抗体断片を提供し、前記抗体または抗体断片は、配列番号14の可変重鎖領域および配列番号15の可変軽鎖領域を含んでなる。
特定の態様において、本開示は、単離抗体および抗体断片を提供し、前記抗体または抗体断片は、配列番号24の可変重鎖領域および配列番号25の可変軽鎖領域を含んでなる。
特定の態様において、本開示は、単離抗体および抗体断片を提供し、前記抗体または抗体断片は、配列番号34の可変重鎖領域および配列番号35の可変軽鎖領域を含んでなる。
特定の態様において、本開示は、単離抗体および抗体断片を提供し、前記抗体または抗体断片は、配列番号44の可変重鎖領域および配列番号45の可変軽鎖領域を含んでなる。
特定の態様において、本開示は、単離抗体および抗体断片を提供し、前記抗体または抗体断片は、配列番号54の可変重鎖領域および配列番号55の可変軽鎖領域を含んでなる。
特定の態様において、本開示は、単離抗体および抗体断片を提供し、前記抗体または抗体断片は、配列番号64の可変重鎖領域および配列番号65の可変軽鎖領域を含んでなる。
特定の態様において、本開示は、単離抗体および抗体断片を提供し、前記抗体または抗体断片は、配列番号74の可変重鎖領域および配列番号75の可変軽鎖領域を含んでなる。
特定の態様において、本開示は、単離抗体および抗体断片を提供し、前記抗体または抗体断片は、配列番号84の可変重鎖領域および配列番号85の可変軽鎖領域を含んでなる。
特定の態様において、本開示は、単離抗体および抗体断片を提供し、前記抗体または抗体断片は、配列番号94の可変重鎖領域および配列番号95の可変軽鎖領域を含んでなる。
特定の態様において、本開示は、単離抗体および抗体断片を提供し、前記抗体または抗体断片は、配列番号104の可変重鎖領域および配列番号105の可変軽鎖領域を含んでなる。
特定の態様において、本開示は、単離抗体および抗体断片を提供し、前記抗体または抗体断片は、配列番号114の可変重鎖領域および配列番号115の可変軽鎖領域を含んでなる。
特定の態様において、本開示は、M−CSFに対する結合に関して、本明細書で具体的に開示された抗体と競合する単離抗体および抗体断片を提供する。他の態様において、本開示は、ヒトM−CSFに対する結合に関して、本明細書で具体的に開示された抗体と競合する単離抗体および抗体断片を提供する。他の態様において、本開示は、配列番号1によってコード化されたポリペプチドに対する結合に関して、本明細書で具体的に開示された抗体と競合する単離抗体および抗体断片を提供する。
用語の「競合する」または「交差競合する」とは、抗原の特定領域に結合する能力を共有する抗体または抗体断片のことである。本開示において、「交差競合的」である抗体または抗体断片は、標準的な競合結合アッセイにおいて、M−CSFに対する別の抗体または抗体断片の結合に干渉する能力を有する。このような抗体は、非限定的理論によれば、M−CSF上の同一の、または関連した、または近傍の(例えば、構造的に類似の、または空間的に近位の)エピトープに結合し得る。互いに競合的に結合する抗体、例えば、抗原に対する結合に関して競合する抗体を見出すための交差競合試験を実施することができる。M−CSFに対する別の抗体または抗体断片の結合に干渉できる能力または程度、したがって、本発明により交差競合と言えるかどうかは、標準的な競合結合アッセイを用いて決定することができる。抗体Aと抗体Bのうちの一方を欠いた陽性対照に比較して、抗体Aが、少なくとも50%、少なくとも60%、特に少なくとも70%、さらに特に少なくとも80%、抗体Bの結合を減少させる場合、ならびにその逆の場合、交差競合が存在している。熟練技術者が認識しているように、競合は、種々のアッセイ装置で評価できる。好適なアッセイの一つは、表面プラズモン共鳴テクノロジーを用いて相互作用の程度を測定することのできるバイアコア(Biacore)テクノロジー(例えば、バイアコア(BIAcore)3000装置(バイアコア(Biacore)、ウプサラ(Uppsala)、スウェーデン国)を用いて)の使用を含む。交差結合を測定する別のアッセイは、ELISAベースの方法を用いる。さらに、抗体の交差競合に基づいた抗体を「ビニング(binning)」するハイスループット法が、国際特許出願国際公開第2003/48731号パンフレットに記載されている。調査下の抗体が、抗体の一方の結合を、60%以上、特に70%以上、さらに特に80%以上減少させ、かつ、抗体の一方が、M−CSFに対する前記抗体の結合を、60%以上、特に70%以上、さらに特に80%以上減少させる場合に、交差結合が存在している。
特定の態様において、本開示は、表1に記載されている抗体と交差競合する、M−CSFに特異的な抗体または抗体断片に適用される。特定の態様において、本開示は、表2に記載されている抗体と交差競合する、M−CSFに特異的な抗体または抗体断片に適用される。
特定の実施形態において、表1に記載された抗体と交差競合する抗体または抗体断片は、ELISAベースの交差競合アッセイにおいて、M−CSFに対する表1に記載された抗体の1つの結合を、少なくとも50%、60%、70%、80%または90%減少させる。特定の実施形態において、表2に記載された抗体と交差競合する抗体または抗体断片は、ELISAベースの交差競合アッセイにおいて、M−CSFに対する表2に記載された抗体の1つの結合を、少なくとも50%、60%、70%、80%または90%減少させる。
特定の態様において、本開示は、本明細書に具体的に開示された抗体と同じエピトープに結合する単離抗体および抗体断片を提供する。特定の態様において、本開示は、表1に記載された抗体と同じエピトープに結合する単離抗体および抗体断片を提供する。特定の態様において、本開示は、表2に記載された抗体と同じエピトープに結合する単離抗体および抗体断片を提供する。
用語の「エピトープ」は、免疫グロブリンまたはT細胞受容体によって特異的に認識されるか、または他に分子と相互作用するタンパク質性領域を含む。一般にエピトープは、アミノ酸または炭水化物または糖側鎖などの分子の化学的に活性な表面群であり、一般に特定の三次元構造特性ならびに特定の電荷特性を有し得る。当業者により認識されるように、抗体が特異的に結合できる物は、実際にはどれもエピトープであり得る。
特定の態様において、本開示は、表1に記載された抗体と同じエピトープと相互作用する(例えば、結合、安定化、空間配置によって)M−CSFに特異的な抗体または抗体断片に適用される。特定の態様において、本開示は、表2に記載された抗体と同じエピトープと相互作用する(例えば、結合、安定化、空間配置によって)M−CSFに特異的な抗体または抗体断片に適用される。
特定の態様において、本開示は、薬剤に使用する目的で本明細書に開示された抗体または抗体断片に適用される。
特定の態様において、本開示は、M−CSFに指向されているか、またはM−CSFに結合する単離抗体または抗体断片および薬学的に許容できる担体を含んでなる医薬組成物に適用される。特定の態様において、本発明は、本開示の単離抗体または抗体断片および薬学的に許容できる担体を含んでなる医薬組成物を提供する。別の実施形態において、本明細書に開示された単離抗体または抗体断片は薬剤として使用される。
本発明の組成物は、炎症性障害の治療を目的とした、M−CSFに指向されているか、またはM−CSFに結合する単離抗体および薬学的に許容できる担体、希釈剤または賦形剤を含んでなる医薬組成物であることが好ましい。このような担体、希釈剤および賦形剤は、当該技術分野によく知られており、当業者は、本発明の抗MCSFを用いて対象を治療するのに最も適した剤形および投与経路を見出すであろう。
特定の態様において、本発明は、M−CSFに指向されているか、またはM−CSFに結合する抗体または抗体断片の有効量を対象に投与するステップを含んでなる、対象における炎症性障害の治療または予防のための方法を提供する。特定の態様において、前記対象はヒトである。別の態様において、前記対象は、ラットまたはマウスなどのげっ歯類である。
動物、ヒト、実験対象、細胞、組織、器官、または生体液に適用される場合の「投与」および「治療」とは、外因性薬剤、治療薬、診断薬または組成物と動物、ヒト、対象、細胞、組織、器官、または生体液との接触のことである。「投与」および「処置」は、例えば、治療的、薬物動態的、診断的、研究的および実験的な方法のことであり得る。細胞の処置は、試薬と細胞との接触、ならびに試薬と細胞に接触している体液との接触を包含する。また、「投与」および「処置」は、試薬、診断薬、結合組成物による、または他の細胞による、例えば、細胞のインビトロ処置およびエクスビボ処置も意味する。ヒト、家畜、または研究対象に適用される場合の「処置」とは、研究適用および診断適用に対する治療的処置、予防手段または防止手段のことである。ヒト、家畜、または研究対象、または細胞、組織、または器官に適用される場合の「処置」は、薬剤と動物対象、細胞、組織、生理学的区画、または生理学的体液との接触を包含する。「細胞の処置」はまた、例えば、体液相またはコロイド相において薬剤がPILRに接触する状況のみならず、アゴニストまたはアンタゴニストが、細胞または受容体に接触しない状況も包含する。
用語の「対象」は、ヒトおよび非ヒト動物を含む。非ヒト動物は、全ての家畜、例えば、非ヒト霊長類、ヒツジ、イヌ、ウシ、ニワトリ、両生類および爬虫類などのような哺乳類および非哺乳類を含む。特記しない限り、用語の「患者」または「対象」は、本明細書において交換可能に用いられる。
別の態様において、本開示は、M−CSFに特異的であって、表1における抗体のうちのいずれかの6つのCDRを含んでなる抗体または抗体断片を提供する。別の態様において、本開示は、M−CSFに特異的であって、表2における抗体のうちのいずれかの6つのCDRを含んでなる抗体または抗体断片を提供する。
別の態様において、本開示は、M−CSFに特異的であって、表1における抗体のうちのいずれかの可変重鎖および可変軽鎖を含んでなる抗体または抗体断片を提供する。別の態様において、本開示は、M−CSFに特異的であって、表2における抗体のうちのいずれかの可変重鎖および可変軽鎖を含んでなる抗体または抗体断片を提供する。
別の態様において、本開示は、M−CSFに特異的であって、表1における核酸のうちのいずれかによってコード化されている抗体または抗体断片を提供する。別の態様において、本開示は、M−CSFに特異的であって、表2における核酸のうちのいずれかによってコード化されている抗体または抗体断片を提供する。別の態様において、本開示は、表1の核酸を含んでなるベクターを提供する。別の態様において、本開示は、表2の核酸を含んでなるベクターを提供する。別の態様において、本開示は、表1の核酸を含むベクターを含んでなる単離宿主細胞を提供する。別の態様において、本開示は、表2の核酸を含むベクターを含んでなる単離宿主細胞を提供する。さらなる実施形態において、前記単離宿主細胞は哺乳動物の細胞である。
実施例1:M−CSFに特異的であるFab断片および抗体の作製
M−CSFに特異的に結合する抗体の選択に関しては、商品として入手できるファージ・ディスプレイ・ライブラリであるMorphoSys HuCAL PLATINUM(登録商標)ライブラリを用いた。前記抗体ライブラリは、HuCAL(登録商標)コンセプト(Knappikら著、2000年、J Mol Biol、第296巻:p.57〜86)に基づき、ファージ表面上にFabを表示するためにCysDisplay(登録商標)テクノロジーを用いる。しかしながら、M−CSF抗体を同定するために、他の任意の入手可能な抗体ライブラリも適しているであろう。
M−CSF特異的抗体を同定するために、種々のパンニング方式を用いた。各々のパンニング方式は、ヒトM−CSF(rbdM−CSF)の受容体結合ドメインに対し、パンニングの少なくとも3つの個別ラウンドを含んでなり、その配列は、配列番号5に示される。
最初のリード分子のアフィニティーおよび/または機能性を増大させるために、同定された単離バインダを成熟させ、改変し、および/または生殖系列化した。機能性に関して数百のバインダをスクリーンし、厳密に試験した。
45の候補分子のサブセットを探索スケールで作製し、以下のインビトロアッセイにて特性化した:
・ELISAにおけるヒトおよびカニクイザルのM−CSFに対する結合。
・安定性膜M−CSF形質移入CHO細胞および内因性膜M−CSF発現MDA−MB231細胞(出所源:ATCC、注文番号:HTB−26)に対する結合。
・開発可能性のリスクランキング。
・ヒトM−CSFを用いる受容体阻害アッセイ(RIA)における機能性。
・ヒトM−CSFを用いるM−NFS−60細胞(出所源:ATCC、注文番号:CTL−1838)の生死判別アッセイにおける機能性。
総計で8つの好ましいリード分子が同定され、それらは本明細書においてさらに下記に示す。これら8つのバインダの可変領域およびCDR類のアミノ酸配列と核酸配列を表1に示す。
Figure 2016516092
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Figure 2016516092
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Figure 2016516092
抗体Caline、CamilleおよびCelineは、親抗体Blancheの誘導体である。抗体Madeleine、MaelleおよびMeriemは、親抗体Laurineの誘導体である。抗体SatineおよびServaneは、親抗体Romaineの誘導体である。親抗体の可変領域およびCDR類のアミノ酸配列と核酸配列を表2に示す。
Figure 2016516092
Figure 2016516092
Figure 2016516092
実施例2:M−CSF特異的抗体の特性化およびベンチマーキング
8つの好ましいM−CSF特異的抗体は、本明細書の下記のとおり完全に特性化した。これらの抗体は、個々の親抗体および臨床的開発用に作製された2つの先行技術の抗体と比較した。HeRX1−10G1(Novartis)のアミノ酸配列は、例えば、国際公開第2005/068503号パンフレットに開示されており、また表3にも示している。8.10.3F(Pfizer)のアミノ酸配列は、例えば、国際公開第2005/030124号パンフレットに開示されており、また表3にも示している。HeRX1−10G1および8.10.3Fは、従来の分子生物学的技法を用いて合成された。
Figure 2016516092
Figure 2016516092
本開示の抗体は、任意のフォーマット、すなわち本明細書に記載された完全長免疫グロブリンとして、または抗体断片として使用することができる。完全長抗体は、任意の免疫グロブリンのイソ型またはクラスに使用することができる。2、3の例を除いて、本発明の抗体は、IgG1フォーマットおよびFc領域におけるD265A変異を含んでいる沈黙IgG1フォーマットにて試験した。抗体8.10.3Fもまた、IgG2フォーマットにて試験した。
実施例3:ELISAアッセイにて測定されたM−CSFに対する特異性
ヒトM−CSFおよびカニクイザルM−CSFに関する特異性は、ELISAアッセイにて試験した。BSAは、陰性対照基質として用いた。
Maxisorp(商標)の384のウェルプレートは、PBS中2μg/mlの濃度でヒトrbdM−CSF、ヒトsgM−CSF、カニクイザルsgM−CSFまたはマウスsgM−CSFでコーティングした。PBS中5%の脱脂粉乳でプレートをブロッキング後、Fab含有の大腸菌(E.coli)溶菌液、IgG含有の細胞培養上澄液、または精製IgG、またはFabタンパク質を加えた。Fab類またはIgG類の結合は、Attophos蛍光基質(Roche、番号11681982001)を用い、アルカリホスファターゼ(Dianova、カタログ番号109−055−097;1:5000希釈)に結合させたF(ab)特異的ヤギ抗ヒトIgGにより検出した。535nmにおける蛍光発光が、430nmでの励起を伴って記録された。
代わりの実験構成において、Maxisorp(商標)の384のウェルプレートは、PBS中1:1000で希釈したFd断片特異的ヒツジ抗ヒトIgG(The Binding Site、番号PC075)でコーティングした。PBS中5%の脱脂粉乳でプレートをブロッキング後、Fab含有の大腸菌(E.coli)溶菌液を加えた。引き続いて、捕獲されたHuCAL(登録商標)−Fab断片を、0.5μg/mlのビオチン化M−CSF(ヒトsgM−CSF、ヒトrbdM−CSF、またはマウスsgM−CSF)に結合させ、アルカリホスファターゼに結合させたストレプタビジンと共にインキュベーションした後、Attophos蛍光基質(Roche、番号11681982001)の添加によって検出した。535nmにおける蛍光発光が、430nmでの励起を伴って記録された。
表1、2および3に示された全ての抗体は、ヒトM−CSFおよびカニクイザルM−CSFに強く結合(>35,000単位)するが、一方、BSAにはいずれの抗体も結合しない(<1,000)。したがって、全ての抗体は、M−CSFに対して高度に特異的である。
実施例4:FACS実験において測定されたM−CSFに対する特異性;EC50
本開示の抗体は、細胞上に発現したM−CSFにも結合するかどうかを試験するために、FACS試験を実施した。この目的のために、2種の細胞系が用いられた:M−CSFを安定的に形質移入されたCHO細胞、および内因的にM−CSFを発現する細胞系MDA−MB−231。双方の細胞系を用いて、明白なK値(EC50)を測定した。これらの結果は表4に示す。値は全て[nM]である。
Figure 2016516092
本発明の抗体は全て、先行技術の抗体HeRX1−10G1および8.10.3FのEC50値と少なくとも同等に良好であるEC50値を示し、多くの抗体は、先行技術の抗体のEC50値よりも良好な(低い)EC50値を示す。
実施例5:受容体結合の阻害
本実験において、組換えヒトM−CSF受容体(Fc融合タンパク質として提供)に対するヒトまたはカニクイザルのM−CSF結合をブロックする抗体能力を評価した。
以下の組換えリガンド/受容体の組合せを用いた:
Figure 2016516092
12.5pM(0.66ng/ml)の最終濃度でのM−CSFは、種々の濃度(0.1pM〜100nM;全てECL緩衝液中で希釈)の抗M−CSF抗体と共に室温で1時間プレインキュベートした。次いで複合体は、2μg/mlの対応する受容体でコーティングした384ウェルのMSDプレートに移した。次にプレートを洗浄し、ストレプタビジン/ECL複合体と共に振とうしながら室温で2時間インキュベートした。次いで、表面活性剤と共に1ウェル当り35μlのMSD読取り緩衝液Tを加えてから、引き続きMSDセクター・イメージャー(Sector Imager)6000を用いて測定した。
ヒトM−CSFとカニクイザルM−CSFの双方に関して、IC50値を算出した。これらの結果は、表6に示す。IgG1フォーマット中のHeRX1−10G1およびIgG2フォーマット中の8.10.3Fを除き、全ての値は[pM]n=4である。
Figure 2016516092
候補物は全て、先行技術の抗体HeRX1−10G1および8.10.3Fよりも良好にM−CSFのその受容体に対する結合をブロックした。これは特に、親抗体BlancheおよびLaurineから誘導される抗体に関して真性であり、これらは全て、10pMを下回るIC50値を示した。
実施例6:組換えM−CSFにより誘導された増殖の阻害
M−CSF依存性マウス骨髄細胞系M−NFS−60を用い、細胞生死判別アッセイにおいて、組換えM−CSFの生物活性をブロックする本開示の抗体能力を評価した。この細胞系の増殖は、ヒト、カニクイザル、ラットおよびマウスのM−CSFによって誘導することができる。抗M−CSF抗体を特性化するために、組換え溶解性M−CSFか、天然の溶解性M−CSFか、または細胞表面M−CSFを発現する形質移入体のいずれかによって増殖を誘導した。以下の成分を試験した(実施例5〜7)。
Figure 2016516092
安定化グルタミン(Pan Biotech、PAN−P04−18500)を含有するRPMI1640中、10%のFCS、1mMのピルビン酸ナトリウム、10mMのHEPESで添加し、9.5pM(0.5ng/ml)の組換えヒトまたはカニクイザルのM−CSFの存在下、抗体濃度を増加させながらM−NFS−60細胞を培養した(96ウェルプレート)。培養3日後に、CellTiter−Glo(登録商標)試薬(Promega、カタログ番号G−7571)を用いて細胞の生存度を測定した。細胞の生存度(相対的ATP含量)を測定するために、標準的ルミノメータにより蛍光を測定した。GraphPad Prismソフトウェアを用いてIC50値を測定した。これらの結果は、表8に示す。値は全て[pM]である。
Figure 2016516092
試験された抗体は全て、M−CSFの受容体に対するM−CSFの結合をブロックした。特に、親抗体BlancheおよびLaurineから誘導される抗体は、先行技術の抗体よりも効力があり、特に8.10.3Fよりも効力がある。
実施例7:天然M−CSFより誘導された増殖の阻害
天然のヒトM−CSFの生物活性をブロックする本開示の抗体能力は、M−NFS−60の細胞増殖アッセイにおいて評価した。ここでの増殖は、ヒト血清か、またはMDA−MB−231の調整培地によって誘導した。抗体は、96ウェルプレート内で血清中30分間プレインキュベートした後、1000個のM−NFS−60細胞を加えた。最終血清濃度は50%であり、細胞培養培地には、FCSを添加しなかった。上記のとおり、細胞生存度は、3日後に測定した。免疫グロブリンを滴定してIC50を算出した。これらの結果は表9に示す。値は全て[pM]である。
Figure 2016516092
試験した抗体は全て、MDA−MB−231の調整培地中に存在するM−CSFの生物活性を効率よくブロックした。先行技術の抗体8.10.3Fは、試験した他の抗体よりも効力が低かった。同様に、抗体は全て、ヒト血清中に存在するM−CSFの生物活性を阻害した。先行技術の抗体8.10.3Fはやはり、試験した他の免疫グロブリンよりも効力が低かった。
実施例8:細胞表面M−CSFによって誘導された増殖の阻害
M−NFS−60細胞の増殖が、ヒト細胞表面M−CSFを安定的に発現するCHO細胞(CHO_hM−CSF細胞)により誘導されるアッセイにおいて、膜結合M−CSFイソ型の生物活性をブロックする本開示の抗体能力を評価した。1ウェル当り2000個のCHO_hM−CSF細胞は、細胞培養96のウェルプレート内において37℃で一晩培養し、PBSで2回洗浄し、1ウェル当り100μlの2%グルタルアルデヒド/PBSを用いて37℃で30分間固定した。PBSで洗浄後、固定細胞を、抗M−CSF抗体(最終IgG濃度0.05nM、0.5nM、5nM、50nM)により37℃で30分間インキュベートした。引き続き、1ウェル当り5000個のM−NFS−60細胞を添加し、37℃で72時間培養した後、上記のとおり、細胞生存度を測定した。結果は、表1に示す。
M−CSF特異的免疫グロブリンは全て、M−CSFを発現するCHO細胞によって誘導された増殖を効率的に阻害した。阻害度は、IgGの濃度を増加させると共に増加する。阻害は、試験された最高IgG濃度(50nM)でほぼ100%であった。リゾチームに特異性を有する抗体であるMOR3207は、増殖を阻害しなかった。
実施例9:アフィニティー測定
本開示の抗体の一価アフィニティーは、溶解性平衡滴定(Haenelら著、2005年、Anal Biochem、第339巻、p182〜4)により測定した。Fabフォーマットで抗体を精製し、ヒトおよびカニクイザルのM−CSFに対するKを測定した。これらの結果は、表10に示す。値は全て[pM]である。
Figure 2016516092
表10に示されるとおり、試験したFab類は全て、ヒトおよびカニクイザルのM−CSFに結合した。興味深いことに、殆どの抗体は、30pM以下のK値を示した。すなわち、先行技術の抗体HeRX1−10G1および8.10.3Fよりも高いアフィニティーを示した。ヒトのM−CSFとカニクイザルのM−CSFとの間にアフィニティーの有意差は見られなかった。
実施例10:抗体の特異性
Freseら著、2013年、MAbs、Feb14;5(2)[プリントの巻号数が記載されていない]に記載された抗体Camilleを用い、本発明の抗体の結合特異性を典型的に試験した。この特異性プロファイリング試験のために、種々のタンパク質および対照は、2枚の384のウェルMSDプレート上、1μg/mlの濃度で4℃で一晩コーティングした。プレートは、BSAでブロックし、0.05%(v/v)のツイーン20を有するPBSで3回洗浄した。アッセイ緩衝液(0.5%(w/v)のBSA、0.05%(v/v)のツイーン20を有するPBS)中、抗体サンプルを100nMと10nMとに希釈した。対照として非特異的抗体(MOR03207、抗リゾチーム)とアッセイ緩衝液を用いた。サンプルおよび対照は、室温で3時間インキュベートした。プレートは、3回洗浄し、1ウェル当り30μlの検出抗体(ECL標識化抗ヒトFab)を加えて1時間インキュベートした。洗浄後、表面活性剤と共にMSD読取り緩衝液T(MSD Read Buffer T)を加え、Sector Imager6000(Meso Scale Discovery、ゲイサーズバーグ、メリーランド州、米国)を用いて電気化学的発光シグナルを検出した。
ある特定のタンパク質上の抗体サンプルのシグナルは、評価のため参照抗体MOR03027に対して正規化した。結果は表11に示す。
Figure 2016516092
典型的な抗体カミール(Camille)は、M−CSFに対し高度に特異的であり、本アッセイで試験した無関連タンパク質のいずれに対しても非特異的結合を示さなかった。
実施例11:典型的な抗体Camilleと先行技術の抗体との比較
下表に抗体Camilleの主要な特質は、先行技術の抗体HeRX1.10G1および8.10.3Fと比較した。
Figure 2016516092
要約すると、抗体Camille並びに本開示の他の抗体は、先行技術の全ての抗体よりも優れた結合アフィニティーを示す。このことはまた、Camilleが、先行技術の抗体HeRX1.10G1と8.10.3Fと少なくとも同等に良好な結果を示すが、大部分のアッセイでは、より良好に機能する機能性アッセイにも反映されている。
実施例12:臨床試験における抗体の有効性
急性リウマチ様関節炎患者に静脈内投与された本開示の抗体の安全性、予備臨床活性および複数回投与の免疫原性を評価するために、多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験を実施する。
主要評価項目は、有害事象の発生率および安全性プロファイルである。二次的評価項目は、DAS28スコア、ACRスコアおよびEULAR28の応答基準を含んだ。
臨床試験は、3つの治療アームからなる。各治療アームにおいて、プラセボまたは本開示の抗体(治療アーム1には0.3mg/kg体重、治療アーム2には1.0mg/kg体重、治療アーム3には1.5mg/kg体重)を患者に与えた。抗体およびプラセボは、全部で4回、毎週静脈内投与する。
投与前に全ての患者の疾患活性は、DAS28スコア、28関節の疾患活性スコア(例えば、Ann Rheum Dis著、2009年、第68巻、p954〜60を参照)を算出することにより、受理されたガイドラインに従って測定する。RA患者の疾患状態を定量化するために、DAS28スコアは、検証済みの一般に用いられる手段である。平均的DAS28スコアは、全ての治療アームに関して同等である。
本開示の抗体は、試験された全ての投与間で好ましい安全性プロファイルを示し、治療は安全である。
抗体またはプラセボの第1回目の投与後4週目と8週目に、全ての患者のDAS28スコアを測定する。DAS28スコアの低下は、疾患重症度の減少と相関する。
本開示の抗体によって治療を受けた患者は全て、DAS28スコアの低下を示し、治療効果による疾患重症度の減少を示す。対照的に、プラセボで治療を受けた患者は、治療からの利益を示さなかった。
有効性の別の目安として、ACR20基準を用いた。ACR基準は、圧痛のある関節数または膨潤関節数における改善および特定の他のパラメータにおける改善を測定する。ACRスコアを測定する手順は、高度に標準化されている。本臨床試験は、EMEAのそれぞれのガイドラインを適用した。
DASスコアの結果と一致して、ACRスコアの結果もまた、本開示の抗体による治療の際、患者の病態の高い臨床的改善を示す。4週目後の改善は、高度に有意である。

Claims (15)

  1. M−CSFに特異的に結合する単離抗体または抗体断片において、前記単離抗体または抗体断片が、12.5pMの最終濃度でM−CSFを含んでなる受容体結合阻害アッセイにおいて、M−CSF受容体に対するM−CSF結合を10pM以下のIC50で阻害できることを特徴とする単離抗体または抗体断片。
  2. 請求項1に記載の単離抗体または抗体断片において、前記単離抗体または抗体断片が、
    (a)配列番号8のHCDR1領域、配列番号9のHCDR2領域、配列番号10のHCDR3領域、配列番号11のLCDR1領域、配列番号12のLCDR2領域、および配列番号13のLCDR3領域、
    (b)配列番号18のHCDR1領域、配列番号19のHCDR2領域、配列番号20のHCDR3領域、配列番号21のLCDR1領域、配列番号22のLCDR2領域、および配列番号23のLCDR3領域、
    (c)配列番号28のHCDR1領域、配列番号29のHCDR2領域、配列番号30のHCDR3領域、配列番号31のLCDR1領域、配列番号32のLCDR2領域、および配列番号33のLCDR3領域、
    (d)配列番号38のHCDR1領域、配列番号39のHCDR2領域、配列番号40のHCDR3領域、配列番号41のLCDR1領域、配列番号42のLCDR2領域、および配列番号43のLCDR3領域、
    (e)配列番号48のHCDR1領域、配列番号49のHCDR2領域、配列番号50のHCDR3領域、配列番号51のLCDR1領域、配列番号52のLCDR2領域、および配列番号53のLCDR3領域、
    (f)配列番号58のHCDR1領域、配列番号59のHCDR2領域、配列番号60のHCDR3領域、配列番号61のLCDR1領域、配列番号62のLCDR2領域、および配列番号63のLCDR3領域、
    (g)配列番号88のHCDR1領域、配列番号89のHCDR2領域、配列番号90のHCDR3領域、配列番号91のLCDR1領域、配列番号92のLCDR2領域、および配列番号93のLCDR3領域、
    (h)配列番号98のHCDR1領域、配列番号99のHCDR2領域、配列番号100のHCDR3領域、配列番号101のLCDR1領域、配列番号102のLCDR2領域、および配列番号103のLCDR3領域、または
    (i)配列番号108のHCDR1領域、配列番号109のHCDR2領域、配列番号110のHCDR3領域、配列番号111のLCDR1領域、配列番号112のLCDR2領域、および配列番号113のLCDR3領域、
    を含んでなることを特徴とする単離抗体または抗体断片。
  3. 請求項1または2に記載の単離抗体または抗体断片において、前記単離抗体または抗体断片が、
    (a)配列番号14の可変重鎖領域および配列番号15の可変軽鎖領域、
    (b)配列番号24の可変重鎖領域および配列番号25の可変軽鎖領域、
    (c)配列番号34の可変重鎖領域および配列番号35の可変軽鎖領域、
    (d)配列番号44の可変重鎖領域および配列番号45の可変軽鎖領域、
    (e)配列番号54の可変重鎖領域および配列番号55の可変軽鎖領域、
    (f)配列番号64の可変重鎖領域および配列番号65の可変軽鎖領域、
    (g)配列番号94の可変重鎖領域および配列番号95の可変軽鎖領域、
    (h)配列番号104の可変重鎖領域および配列番号105の可変軽鎖領域、または
    (i)配列番号114の可変重鎖領域および配列番号115の可変軽鎖領域、
    を含んでなることを特徴とする単離抗体または抗体断片。
  4. M−CSFに対する結合に関して請求項2または3に記載の抗体または抗体断片と競合することを特徴とする単離抗体または抗体断片。
  5. 請求項2または3に記載の抗体または抗体断片と同一のエピトープに結合することを特徴とする単離抗体または抗体断片。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の単離抗体において、前記抗体が、野生型IgG1サブタイプと比較して減少したエフェクター機能を有するIgG1サブタイプであることを特徴とする単離抗体。
  7. 請求項6に記載の単離抗体において、前記抗体の265位(EU(欧州連合)インデックスによる番号付け)におけるアスパラギン酸残基がアラニン残基と置換されていることを特徴とする単離抗体。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の単離抗体または抗体断片において、前記抗体または抗体断片が、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体であることを特徴とする単離抗体または抗体断片。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の抗体または抗体断片において、前記抗体が、ヒト抗体、ヒト化抗体またはキメラ抗体であることを特徴とする抗体または抗体断片。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の抗体または抗体断片において、前記抗体が、カニクイザルM−CSF、マウスM−CSF、および/またはラットM−CSFに対し交差反応性であることを特徴とする抗体または抗体断片。
  11. 薬剤における使用を目的とすることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の単離抗体または抗体断片。
  12. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の単離抗体または抗体断片、および薬学的に許容できる担体を含んでなることを特徴とする医薬組成物。
  13. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の抗体または抗体断片をコード化することを特徴とする核酸。
  14. 請求項13に記載の核酸を含むこと、または請求項1〜10のいずれか一項に記載の抗体のいずれかをコード化することを特徴とするベクター。
  15. 請求項14に記載のベクター、請求項13に記載の核酸または請求項1〜10のいずれか一項に記載の抗体または抗体断片をコード化する核酸を含んでなることを特徴とする単離宿主細胞。
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