本発明は、個体において炎症性疾患を治療し、及び/またはin vivoで組織損傷を検出するための標的化された送達方法及び構築物を提供する。標的化された送達手法は、炎症部位に存在することがわかっているエピトープを認識する抗体を利用する。具体的には、病原性IgM天然抗体として最初に特定されたモノクローナル抗体B4及びC2が、虚血−再灌流による損傷を受けている臓器及び非虚血性損傷を受けている炎症部位に広く分布するエピトープを認識することがわかった。これらの観察は、虚血−再灌流による損傷を超えて進む炎症性障害におけるIgM天然抗体の関与を示し、このような障害の自然免疫認識におけるこれらの天然抗体の広範囲にわたる役割を示唆する。従って、本出願は、このような天然抗体の結合特性に基づき、炎症性疾患を治療し、及び/またはin vivoで組織損傷を検出するための標的化された送達方法及び構築物を提供する。
従って、本出願は、ある態様において、個体の炎症性疾患を治療する方法であって、構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)アネキシンIVまたはリン脂質に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤(例えば、補体阻害剤)とを含む、方法を提供する。
別の態様において、個体の組織における損傷または炎症を検出する方法であって、構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)アネキシンIVまたはリン脂質に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)検出可能な部分とを含む、方法が提供される。
別の態様において、構築物を含む組成物であって、この構築物が、(a)アネキシンIVまたはリン脂質に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含む、組成物が提供される。
個体の組織損傷部位に補体調整剤(例えば、補体阻害剤)または検出可能な部分を送達する方法であって、構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)アネキシンIVまたはリン脂質に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤(例えば、補体阻害剤)または検出可能な部分とを含む、方法も提供される。
本発明は、目の疾患を治療するための方法及び組成物も提供する。in vitro技術及びin vivo技術の組み合わせを用い、目の特定のネオエピトープ(つまり、アネキシンIV及びリン脂質に基づくネオエピトープ)が、目の疾患、例えば、加齢黄斑変性(「AMD」)の進行中に関与することが示された。ネオエピトープは、天然抗体、例えば、IgMモノクローナル抗体B4及びC2と同じエピトープを認識する抗体によって認識される。これらのそれぞれのエピトープに対する天然抗体の結合によって、次いで、レクチン補体経路及び副補体経路の活性化が起こる。従って、本出願は、酸化ストレスを受けた目の組織(例えば、網膜色素上皮単一層(「RPE」))において、補体活性化の機構を最初に定義し、目の疾患の治療薬剤及び診断薬剤の開発のための基本を与える。
従って、本出願は、ある態様において、個体の目の炎症を阻害するか、または目の疾患を治療する方法であって、有効な量の抗体またはそのフラグメントを個体に投与することを含み、この抗体またはそのフラグメントが、補体活性化を活性化せず、この抗体またはそのフラグメントが、(i)アネキシンIV(例えば、アネキシンIVのエピトープ)に特異的に結合するか;または(ii)リン脂質(例えば、リン脂質のエピトープ)に特異的に結合する、方法を提供する。
別の態様において、個体の目の炎症を阻害するか、または目の疾患を治療する方法であって、構築物を含む組成物を個体に投与することを含み、この構築物は、(a)(i)アネキシンIV(例えば、アネキシンIVのエピトープ)に特異的に結合するか;または(ii)リン脂質(例えば、リン脂質のエピトープ)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)治療薬剤(例えば、補体阻害剤)とを含む、方法が提供される。
別の態様において、個体の目の損傷または炎症を検出する方法であって、構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、この構築物は、(a)(i)アネキシンIV(例えば、アネキシンIVのエピトープ)に特異的に結合するか;または(ii)リン脂質(例えば、リン脂質のエピトープ)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)検出可能な部分とを含み、目に検出可能な部分が存在することは、目の損傷または炎症の指標である、方法が提供される。
個体の組織損傷部位に、補体調整剤(例えば、補体阻害剤)または検出可能な部分を送達する方法であって、構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、この構築物は、(a)アネキシンIVに特異的に結合し、アネキシンIVに対するモノクローナル抗体B4の結合を競争的に阻害する抗体またはフラグメントと、(b)補体調整剤(例えば、補体阻害剤)または検出可能な部分とを含む、方法も提供される。
本明細書に記載する方法に有用な単位投薬形態、キット及び製造物品も提供される。
(定義)
「個体」という用語は、ヒトを含め、哺乳動物を指す。個体としては、限定されないが、ヒト、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、げっ歯類または霊長類が挙げられる。いくつかの実施形態において、個体は、ヒトである。いくつかの実施形態において、個体は、1人のヒトである。
本明細書で使用する場合、「治療」または「治療する」は、臨床結果を含め、有利な結果または望ましい結果を得るための手法である。本発明の目的のために、有利な臨床結果または望ましい臨床結果としては、限定されないが、疾患から生じる1つ以上の症状を緩和すること、疾患の程度を低減すること、疾患を安定化すること(例えば、疾患の悪化を予防するか、または遅らせること)、疾患の広がりを予防するか、または遅らせること、疾患の再発を予防するか、または遅らせること、疾患の進行を遅らせるか、またはゆっくりにすること、疾患の状態を軽減すること、疾患の緩解を(部分的または完全に)与えること、疾患を治療するのに必要な1つ以上の他の医薬の投薬量を減らすこと、疾患の進行を遅らせること、生活の質を高めるか、または向上すること、重量増加を増やすこと、及び/または生存期間を延ばすことのうち、1つ以上が挙げられる。「治療」には、疾患の病的な転帰の減少も包含される。本発明の方法は、これらの治療態様の1つ以上を想定する。
本明細書で用いられる「有効な量」という用語は、特定の障害、状態または疾患を治療する(例えば、その1つ以上の症状を軽減し、やわらげ、減らし、及び/または遅らせる)のに十分な化合物または組成物の量を指す。
本明細書で使用する場合、「併用療法」とは、第1の薬剤を別の薬剤と組み合わせて投与することを意味する。「と組み合わせて」は、ある治療法を、別の治療法に加えて投与することを指し、例えば、同じ個体に、本明細書に記載するナノ粒子組成物を、他の薬剤の投与と組み合わせて投与することを指す。このように、「と組み合わせて」は、個体に他の治療法を送達する前、送達中、または送達した後に、ある治療法を投与することを指す。
本明細書で使用する場合、「医薬的に許容され得る」または「薬理学的に適合する」とは、生物学的またはその他の様式で望ましくないものではない材料を意味し、例えば、この材料は、顕著な望ましくない生体効果を生じさせず、または組成物に含まれる他の要素と有害な様式で相互作用せずに、個体または患者に投与する医薬組成物に組み込まれるだろう。医薬的に許容され得る担体または賦形剤は、好ましくは、望ましい毒性及び製造試験の基準を満たし、及び/またはアメリカ食品医薬品局によって作られた不活性成分ガイド(Inactive Ingredient Guide)に含まれる。
本明細書で使用する場合、及び添付の特許請求の範囲において、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、その内容が明確に他の意味であることを示さない限り、複数の言及物も含む。
「約」本明細書の値またはパラメータとの言及は、その値またはパラメータ自体に関連する実施形態を含む(記載する)。例えば、「約X」と言及する記載は、「X」の記載を含む。
本明細書に記載する本発明の態様、改変例及び実施形態は、態様、改変例及び実施形態「〜からなる」及び/または「〜から本質的になる」ことを含むと理解される。
(疾患を治療する方法)
本出願は、いくつかの実施形態において、構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)アネキシンIVまたはリン脂質に特異的に結合する抗体またはフラグメントと、(b)補体阻害剤とを含む、個体の補体活性化を阻害する方法、炎症を阻害する方法、または炎症性疾患を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態において、組成物は、注射によって、例えば、非経口、静脈内、皮下、目内、関節内、または筋肉内の注射によって投与される。いくつかの実施形態において、個体の組織損傷(例えば、非虚血性組織損傷)部位に、補体調整剤(例えば、補体阻害剤)を送達する方法であって、構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)アネキシンIVまたはリン脂質に特異的に結合する抗体またはフラグメントと、(b)補体阻害剤とを含む、方法が提供される。
いくつかの実施形態において、個体中の非虚血性損傷を有する組織において補体活性化を阻害する(または炎症、例えば、補体媒介型炎症を阻害する)方法であって、構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体阻害剤とを含む、方法が提供される。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体中の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(及び/または病的な構造)またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、有核細胞(例えば、哺乳動物細胞)によって産生される。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、組み換えタンパク質である。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)を介して接続する。いくつかの実施形態において、組織は、肝臓または門脈路、心臓、筋肉、脳、中枢神経系または末梢神経系、胃腸管、肺、肢、動脈血管系または静脈血管系、皮膚、赤血球細胞、血小板及び有核細胞を含む骨髄細胞、膵臓、目、関節及び腎臓のいずれかである。いくつかの実施形態において、組織は、目、関節及び腎臓のいずれかである。いくつかの実施形態において、炎症(例えば、補体媒介型炎症)は、炎症性障害、移植拒絶(細胞または抗体媒介型)、妊娠に関連する疾患、有害な薬物反応、自己免疫障害または免疫複合体障害から生じる組織損傷と関係がある。いくつかの実施形態において、少なくとも約10%(例えば、約2−%、3−%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%の少なくともいずれかを含む)の補体活性化または炎症が阻害される。
いくつかの実施形態において、個体中の非虚血性損傷を有する組織において補体活性化を阻害する(または炎症、例えば、補体媒介型炎症を阻害する)方法であって、構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)リン脂質に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体阻害剤とを含む、方法が提供される。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、個体中の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(または病的な構造(例えば、ドルーゼン))またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、カルジオリピン(CL)及びホスファチジルコリン(PC)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、リン脂質は、マロンジアルデヒド(MDA)である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、中性である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、正に帯電している。いくつかの実施形態において、リン脂質は、酸化されている。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)を介して接続する。いくつかの実施形態において、組織は、肝臓または門脈路、心臓、筋肉、脳、中枢神経系または末梢神経系、胃腸管、肺、肢、動脈血管系または静脈血管系、皮膚、赤血球細胞、血小板及び有核細胞を含む骨髄細胞、膵臓、目、関節及び腎臓のいずれかである。いくつかの実施形態において、組織は、目、関節及び腎臓のいずれかである。いくつかの実施形態において、炎症(例えば、補体媒介型炎症)は、炎症性障害、移植拒絶(細胞または抗体媒介型)、妊娠に関連する疾患、有害な薬物反応、自己免疫障害または免疫複合体障害から生じる組織損傷と関係がある。いくつかの実施形態において、少なくとも約10%(例えば、約2−%、3−%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%の少なくともいずれかを含む)の補体活性化または炎症が阻害される。
いくつかの実施形態において、個体中の酸化による損傷を有する組織において補体活性化を阻害する(または炎症、例えば、補体媒介型炎症を阻害する)方法であって、構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体阻害剤とを含む、方法が提供される。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体中の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(及び/または病的な構造)またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、有核細胞(例えば、哺乳動物細胞)によって産生される。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、組み換えタンパク質である。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)を介して接続する。いくつかの実施形態において、組織は、肝臓または門脈路、心臓、筋肉、脳、中枢神経系または末梢神経系、胃腸管、肺、肢、動脈血管系または静脈血管系、皮膚、赤血球細胞、血小板及び有核細胞を含む骨髄細胞、膵臓、目、関節及び腎臓のいずれかである。いくつかの実施形態において、組織は、目、関節及び腎臓のいずれかである。いくつかの実施形態において、炎症(例えば、補体媒介型炎症)は、炎症性障害、移植拒絶(細胞または抗体媒介型)、妊娠に関連する疾患、有害な薬物反応、自己免疫障害または免疫複合体障害から生じる組織損傷と関係がある。いくつかの実施形態において、少なくとも約10%(例えば、約2−%、3−%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%の少なくともいずれかを含む)の補体活性化または炎症が阻害される。
いくつかの実施形態において、個体中の酸化による損傷を有する組織において補体活性化を阻害する(または炎症、例えば、補体媒介型炎症を阻害する)方法であって、構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)リン脂質に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体阻害剤とを含む、方法が提供される。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、個体中の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(または病的な構造(例えば、ドルーゼン))またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、カルジオリピン(CL)及びホスファチジルコリン(PC)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、リン脂質は、マロンジアルデヒド(MDA)である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、中性である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、正に帯電している。いくつかの実施形態において、リン脂質は、酸化されている。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)を介して接続する。いくつかの実施形態において、組織は、肝臓または門脈路、心臓、筋肉、脳、中枢神経系または末梢神経系、胃腸管、肺、肢、動脈血管系または静脈血管系、皮膚、赤血球細胞、血小板及び有核細胞を含む骨髄細胞、膵臓、目、関節及び腎臓のいずれかである。いくつかの実施形態において、組織は、目、関節及び腎臓のいずれかである。いくつかの実施形態において、炎症(例えば、補体媒介型炎症)は、炎症性障害、移植拒絶(細胞または抗体媒介型)、妊娠に関連する疾患、有害な薬物反応、自己免疫障害または免疫複合体障害から生じる組織損傷と関係がある。いくつかの実施形態において、少なくとも約10%(例えば、約2−%、3−%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%の少なくともいずれかを含む)の補体活性化または炎症が阻害される。
いくつかの実施形態において、個体の炎症性疾患(または酸化による損傷を伴う疾患)を治療する方法であって、構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体阻害剤とを含む、方法が提供される。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体中の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(及び/または病的な構造)またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、有核細胞(例えば、哺乳動物細胞)によって産生される。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、組み換えタンパク質である。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)を介して接続する。いくつかの実施形態において、炎症性疾患は、炎症性障害、移植拒絶(細胞または抗体媒介型、例えば、超急性の異種移植片の注入)、妊娠に関連する疾患、有害な薬物反応(例えば、薬物アレルギー及びIL−2によって誘発される血管漏出症候群)、自己免疫障害または免疫複合体障害のいずれかである。
いくつかの実施形態において、個体の炎症性疾患(または酸化による損傷を伴う疾患)を治療する方法であって、構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)リン脂質に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体阻害剤とを含む、方法が提供される。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、個体中の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(または病的な構造(例えば、ドルーゼン))またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、カルジオリピン(CL)及びホスファチジルコリン(PC)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、リン脂質は、マロンジアルデヒド(MDA)である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、中性である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、正に帯電している。いくつかの実施形態において、リン脂質は、酸化されている。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)を介して接続する。いくつかの実施形態において、炎症性疾患は、炎症性障害、移植拒絶(細胞または抗体媒介型、例えば、超急性の異種移植片の注入)、妊娠に関連する疾患、有害な薬物反応(例えば、薬物アレルギー及びIL−2によって誘発される血管漏出症候群)、自己免疫障害または免疫複合体障害のいずれかである。
いくつかの実施形態において、治療すべき疾患は、目の疾患である。いくつかの実施形態において、疾患は、補体活性化に関連する目の疾患である。いくつかの実施形態において、疾患は、ウェット型AMD及びドライ型AMDを含め、加齢黄斑変性(「AMD」)である。本明細書に記載する方法によって治療可能な他の目の疾患としては、限定されないが、CMV網膜炎、黄斑浮腫、ぶどう膜炎、緑内障、糖尿病性網膜症、網膜色素変性、網膜剥離、増殖性硝子体網膜症及び目の黒色腫が挙げられる。
いくつかの実施形態において、治療すべき疾患は、炎症性関節炎である。
いくつかの実施形態において、治療すべき疾患は、腎臓疾患であり、限定されないが、急性腎臓損傷、糸球体腎炎、慢性腎臓疾患及び巣状分節性糸球体硬化症が挙げられる。
いくつかの実施形態において、治療すべき疾患は、炎症性障害であり、限定されないが、火傷、内毒血症、敗血症ショック、成人呼吸促迫症候群、心肺バイパス、血液透析、アナフィラキシーショック、喘息、血管浮腫、クローン病、鎌状赤血球貧血、連鎖球菌関連後の糸球体腎炎、膜性腎症及び膵炎が挙げられる。
いくつかの実施形態において、治療すべき疾患は、妊娠に関連する疾患であり、限定されないが、HELLP(溶血性貧血、肝臓酵素の上昇及び低い血小板数)、習慣性流産及び子癇前症が挙げられる。
いくつかの実施形態において、治療すべき疾患は、自己免疫障害または免疫複合体障害であり、限定されないが、重症筋無力症、アルツハイマー病、多発性硬化症、視神経脊髄炎、関節リウマチ、骨関節炎、全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、IgG4関連疾患、インスリン依存性糖尿病、急性播種性脳脊髄炎、アジソン病、抗リン脂質抗体症候群、血栓性血小板減少性紫斑病、自己免疫性肝炎、クローン病、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギランバレー症候群、橋本病、突発性血小板減少性紫斑病、天疱瘡、シェーグレン症候群、高安動脈炎、自己免疫性糸球体腎炎、膜性増殖性糸球体腎炎II型、膜性疾患、発作性夜間血色素尿症、加齢黄斑変性、糖尿病性黄斑症、ぶどう膜炎、網膜変性障害、糖尿病性ネフロパシー、巣状分節性糸球体硬化症、ANCA関連脈管炎、溶血性***症候群、志賀毒素が関連する溶血性***症候群及び非定型溶血性***症候群が挙げられる。いくつかの実施形態において、治療すべき疾患は、自己免疫性糸球体腎炎であり、限定されないが、免疫グロブリンAネフロパシーまたは膜性増殖性糸球体腎炎I型が挙げられる。
(目の疾患を治療する方法)
本出願は、いくつかの実施形態において、個体中の目の補体活性化を阻害する方法、目の炎症を阻害する方法、または目の疾患(例えば、酸化による損傷を伴う目の疾患、または補体が関連する目の疾患)を治療する方法であって、有効な量の抗体またはそのフラグメントを個体に投与することを含み、この抗体またはそのフラグメントが、補体活性化を活性化せず、この抗体またはそのフラグメントが、(i)アネキシンIVに特異的に結合するか、または(ii)リン脂質に特異的に結合する、方法を提供する。
いくつかの実施形態において、個体中の目の補体活性化を阻害する方法、または炎症(例えば、補体により誘発される炎症)を阻害する方法であって、有効な量の抗体またはそのフラグメントを個体に投与することを含み、この抗体またはそのフラグメントが、補体活性化を活性化せず、この抗体またはそのフラグメントが、アネキシンIVに特異的に結合する、方法を提供する。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、有核細胞(例えば、哺乳動物細胞)によって産生される。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、組み換えタンパク質である。いくつかの実施形態において、少なくとも約10%(例えば、約20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%の少なくともいずれかを含む)の補体活性化または炎症が阻害される。
いくつかの実施形態において、個体中の目の酸化による損傷(例えば、感光体、RPE/ブルッフ膜、黄斑、及び/または脈絡毛細管板複合体に対する酸化による損傷)を阻害する方法であって、有効な量の抗体またはそのフラグメントを個体に投与することを含み、この抗体またはそのフラグメントが、補体活性化を活性化せず、この抗体またはそのフラグメントが、アネキシンIVに特異的に結合する、方法を提供する。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、有核細胞(例えば、哺乳動物細胞)によって産生される。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、組み換えタンパク質である。いくつかの実施形態において、少なくとも約10%(例えば、約20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%の少なくともいずれかを含む)の酸化による損傷が阻害される。
いくつかの実施形態において、個体中の目の疾患(例えば、補体が関連する目の疾患、または酸化による損傷を伴う目の疾患)を治療する方法であって、有効な量の抗体またはそのフラグメントを個体に投与することを含み、この抗体またはそのフラグメントが、補体活性化を活性化せず、この抗体またはそのフラグメントが、アネキシンIVに特異的に結合する、方法を提供する。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、有核細胞(例えば、哺乳動物細胞)によって産生される。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、組み換えタンパク質である。いくつかの実施形態において、目の疾患は、加齢黄斑変性(AMD)(ウェット型AMD及びドライ型AMDを含む)、サイトメガロウイルス(CMV)網膜炎、黄斑浮腫、ぶどう膜炎(前部及び後部)、緑内障、開放隅角/広隅角緑内障、閉塞隅角/狭隅角緑内障、網膜色素変性(RP)、増殖性硝子体網膜症、網膜剥離、角膜創傷治癒、角膜移植及び目の黒色腫からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、目の疾患はAMDである。
いくつかの実施形態において、個体中の補体活性化を阻害する方法、または目の炎症(例えば、補体により誘発される炎症)を阻害する方法であって、有効な量の抗体またはそのフラグメントを個体に投与することを含み、この抗体またはそのフラグメントが、補体活性化を活性化せず、この抗体またはそのフラグメントが、リン脂質に特異的に結合する、方法を提供する。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、個体の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、カルジオリピン(CL)及びホスファチジルコリン(PC)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、リン脂質は、マロンジアルデヒド(MDA)である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、中性である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、正に帯電している。いくつかの実施形態において、リン脂質は、酸化されている。いくつかの実施形態において、少なくとも約10%(例えば、約20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%の少なくともいずれかを含む)の補体活性化または炎症が阻害される。
いくつかの実施形態において、個体中の目の酸化による損傷(例えば、感光体、RPE/ブルッフ膜、黄斑、及び/または脈絡毛細管板複合体に対する酸化による損傷)を阻害する方法であって、有効な量の抗体またはそのフラグメントを個体に投与することを含み、この抗体またはそのフラグメントが、補体活性化を活性化せず、この抗体またはそのフラグメントが、リン脂質に特異的に結合する、方法を提供する。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、個体の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、カルジオリピン(CL)及びホスファチジルコリン(PC)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、リン脂質は、マロンジアルデヒド(MDA)である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、中性である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、正に帯電している。いくつかの実施形態において、リン脂質は、酸化されている。いくつかの実施形態において、少なくとも約10%(例えば、約20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%の少なくともいずれかを含む)の酸化による損傷が阻害される。
いくつかの実施形態において、個体中の目の疾患(例えば、補体が関連する目の疾患、または酸化による損傷を伴う目の疾患)を治療する方法であって、有効な量の抗体またはそのフラグメントを個体に投与することを含み、この抗体またはそのフラグメントが、補体活性化を活性化せず、この抗体またはそのフラグメントが、リン脂質に特異的に結合する、方法を提供する。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、リン脂質が、個体の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、カルジオリピン(CL)及びホスファチジルコリン(PC)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、リン脂質は、マロンジアルデヒド(MDA)である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、中性である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、正に帯電している。いくつかの実施形態において、目の疾患は、加齢黄斑変性(AMD)(ウェット型AMD及びドライ型AMDを含む)、サイトメガロウイルス(CMV)網膜炎、黄斑浮腫、ぶどう膜炎(前部及び後部)、緑内障、開放隅角/広隅角緑内障、閉塞隅角/狭隅角緑内障、網膜色素変性(RP)、増殖性硝子体網膜症、網膜剥離、角膜創傷治癒、角膜移植及び目の黒色腫からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、目の疾患はAMDである。
別の態様において、個体の目の炎症を阻害する方法、または目の疾患を治療する方法であって、構築物を含む組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)(i)アネキシンIV(例えば、アネキシンIVのエピトープ)に特異的に結合するか;または(ii)リン脂質(例えば、リン脂質のエピトープ)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)治療薬剤(例えば、補体阻害剤)とを含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態において、個体の補体活性化を阻害する方法、または目の炎症(例えば、補体により誘発される炎症)を阻害する方法であって、構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)治療薬剤(例えば、補体阻害剤)とを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、有核細胞(例えば、哺乳動物細胞)によって産生される。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、組み換えタンパク質である。いくつかの実施形態において、少なくとも約10%(例えば、約20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%の少なくともいずれかを含む)の補体活性化または炎症が阻害される。
いくつかの実施形態において、個体中の目の酸化による損傷(例えば、感光体、RPE/ブルッフ膜、黄斑、及び/または脈絡毛細管板複合体に対する酸化による損傷)を阻害する方法であって、構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)治療薬剤(例えば、補体阻害剤)とを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、有核細胞(例えば、哺乳動物細胞)によって産生される。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、組み換えタンパク質である。いくつかの実施形態において、少なくとも約10%(例えば、約20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%の少なくともいずれかを含む)の酸化による損傷が阻害される。
いくつかの実施形態において、個体中の目の疾患(例えば、補体が関連する目の疾患、または酸化による損傷を伴う目の疾患)を治療する方法であって、構築物を含む組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)治療薬剤(例えば、補体阻害剤)とを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、有核細胞(例えば、哺乳動物細胞)によって産生される。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、組み換えタンパク質である。いくつかの実施形態において、目の疾患は、加齢黄斑変性(AMD)(ウェット型AMD及びドライ型AMDを含む)、サイトメガロウイルス(CMV)網膜炎、黄斑浮腫、ぶどう膜炎(前部及び後部)、緑内障、開放隅角/広隅角緑内障、閉塞隅角/狭隅角緑内障、網膜色素変性(RP)、増殖性硝子体網膜症、網膜剥離、角膜創傷治癒、角膜移植及び目の黒色腫からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、目の疾患はAMDである。
いくつかの実施形態において、個体中の補体活性化を阻害する方法、または目の炎症(補体により誘発される炎症)を阻害する方法であって、構築物を含む組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)リン脂質に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)治療薬剤(例えば、補体阻害剤)とを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、個体の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、カルジオリピン(CL)及びホスファチジルコリン(PC)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、リン脂質は、マロンジアルデヒド(MDA)である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、中性である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、正に帯電している。いくつかの実施形態において、リン脂質は、酸化されている。いくつかの実施形態において、少なくとも約10%(例えば、約20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%の少なくともいずれかを含む)の補体活性化または炎症が阻害される。
いくつかの実施形態において、個体中の目の酸化による損傷(例えば、感光体、RPE/ブルッフ膜、黄斑、及び/または脈絡毛細管板複合体に対する酸化による損傷)を阻害する方法であって、構築物を含む組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)リン脂質に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)治療薬剤(例えば、補体阻害剤)とを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、個体の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、カルジオリピン(CL)及びホスファチジルコリン(PC)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、リン脂質は、マロンジアルデヒド(MDA)である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、中性である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、正に帯電している。いくつかの実施形態において、リン脂質は、酸化されている。いくつかの実施形態において、少なくとも約10%(例えば、約20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%の少なくともいずれかを含む)の酸化による損傷が阻害される。
いくつかの実施形態において、個体中の目の疾患(例えば、補体が関連する目の疾患、または酸化による損傷を伴う目の疾患)を治療する方法であって、構築物を含む組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)リン脂質に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)治療薬剤(例えば、補体阻害剤)とを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、リン脂質が、個体の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、カルジオリピン(CL)及びホスファチジルコリン(PC)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、リン脂質は、マロンジアルデヒド(MDA)である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、中性である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、正に帯電している。いくつかの実施形態において、目の疾患は、加齢黄斑変性(AMD)(ウェット型AMD及びドライ型AMDを含む)、サイトメガロウイルス(CMV)網膜炎、黄斑浮腫、ぶどう膜炎(前部及び後部)、緑内障、開放隅角/広隅角緑内障、閉塞隅角/狭隅角緑内障、網膜色素変性(RP)、増殖性硝子体網膜症、網膜剥離、角膜創傷治癒、角膜移植及び目の黒色腫からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、目の疾患はAMDである。
本明細書に記載する方法は、以下のいずれか1つ以上にも有用である。(1)目におけるドルーゼンの生成を阻害するか、予防するか、または遅らせること;(2)感光細胞の消失を阻害するか、予防するか、または遅らせること;(3)目の疾患(例えば、AMD)に関連する血管新生を阻害するか、予防するか、または遅らせること;(3)網膜剥離を阻害するか、予防するか、または遅らせること;(4)酸化ストレスが介在する損傷を阻害するか、予防するか、または遅らせること;及び(5)個体における目の視力または視野を向上すること。
(組織損傷を検出する方法)
本明細書は、いくつかの実施形態において、個体における補体媒介型組織の障害または炎症を検出する方法、または炎症性疾患を診断する方法であって、構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)アネキシンIVまたはリン脂質に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)検出可能な部分とを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、個体における補体媒介型組織の障害または炎症の部位に、検出可能な部分を送達する方法であって、構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)アネキシンIVまたはリン脂質に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)検出可能な部分とを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、この方法は、検出可能な部分を検出することをさらに含む。いくつかの実施形態において、この組成物は、注射によって、例えば、非経口、静脈内、皮下、目内、関節内、または筋肉内の注射によって投与される。
いくつかの実施形態において、個体における補体媒介型組織の障害または炎症を検出する方法、または炎症性疾患を診断する方法であって、個体の組織と、構築物を含む組成物とを接触させることを含み、この構築物は、(a)アネキシンIVまたはリン脂質に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)検出可能な部分とを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、この方法は、検出可能な部分を検出することをさらに含む。
いくつかの実施形態において、個体の組織における補体媒介型損傷を検出する方法(または炎症、例えば、補体媒介型炎症を検出する方法)であって、構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)検出可能な部分とを含み、組織に検出可能な部分が存在することは、補体媒介型組織障害(または補体媒介型炎症)の指標である、方法を提供する。いくつかの実施形態において、この方法は、検出可能な部分を検出することをさらに含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体中の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(及び/または病的な構造)またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、有核細胞(例えば、哺乳動物細胞)によって産生される。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、組み換えタンパク質である。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)を介して接続する。いくつかの実施形態において、組織は、肝臓または門脈路、心臓、筋肉、脳、中枢神経系または末梢神経系、胃腸管、肺、肢、動脈血管系または静脈血管系、皮膚、骨髄細胞のいずれかであり、赤血球細胞、血小板及び有核細胞、膵臓、目、関節及び腎臓を含む。いくつかの実施形態において、組織は、目、関節及び腎臓のいずれかである。いくつかの実施形態において、組織は、目、関節及び腎臓のいずれかである。いくつかの実施形態において、炎症(例えば、補体媒介型炎症)は、炎症性障害、移植拒絶(細胞または抗体媒介型)、妊娠に関連する疾患、有害な薬物反応、自己免疫障害または免疫複合体障害から生じる組織損傷と関係がある。
いくつかの実施形態において、個体の組織における補体媒介型損傷を検出する方法(または炎症、例えば、補体媒介型炎症を検出する方法)であって、構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)リン脂質に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)検出可能な部分とを含み、組織に検出可能な部分が存在することは、補体媒介型組織障害(または補体媒介型炎症)の指標である、方法を提供する。いくつかの実施形態において、この方法は、検出可能な部分を検出することをさらに含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、個体中の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(または病的な構造(例えば、ドルーゼン))またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、カルジオリピン(CL)及びホスファチジルコリン(PC)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、リン脂質は、マロンジアルデヒド(MDA)である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、中性である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、正に帯電している。いくつかの実施形態において、リン脂質は、酸化されている。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)を介して接続する。いくつかの実施形態において、組織は、肝臓または門脈路、心臓、筋肉、脳、中枢神経系または末梢神経系、胃腸管、肺、肢、動脈血管系または静脈血管系、皮膚、骨髄細胞のいずれかであり、赤血球細胞、血小板及び有核細胞、膵臓、目、関節及び腎臓を含む。いくつかの実施形態において、組織は、目、関節及び腎臓のいずれかである。いくつかの実施形態において、組織は、目、関節及び腎臓のいずれかである。いくつかの実施形態において、炎症(例えば、補体媒介型炎症)は、炎症性障害、移植拒絶(細胞または抗体媒介型)、妊娠に関連する疾患、有害な薬物反応、自己免疫障害または免疫複合体障害から生じる組織損傷と関係がある。
いくつかの実施形態において、個体の組織における酸化による損傷(または酸化による損傷が関与する炎症性疾患)を検出する方法であって、構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)検出可能な部分とを含み、組織に検出可能な部分が存在することは、組織における酸化による損傷の指標である、方法を提供する。いくつかの実施形態において、この方法は、検出可能な部分を検出することをさらに含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体中の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(及び/または病的な構造)またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、有核細胞(例えば、哺乳動物細胞)によって産生される。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、組み換えタンパク質である。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)を介して接続する。いくつかの実施形態において、組織は、肝臓または門脈路、心臓、筋肉、脳、中枢神経系または末梢神経系、胃腸管、肺、肢、動脈血管系または静脈血管系、皮膚、骨髄細胞のいずれかであり、赤血球細胞、血小板及び有核細胞、膵臓、目、関節及び腎臓を含む。いくつかの実施形態において、組織は、目、関節及び腎臓のいずれかである。いくつかの実施形態において、組織は、目、関節及び腎臓のいずれかである。いくつかの実施形態において、酸化による損傷は、炎症性障害、移植拒絶(細胞または抗体媒介型)、妊娠に関連する疾患、有害な薬物反応、自己免疫障害または免疫複合体障害から生じる組織損傷と関係がある。
いくつかの実施形態において、個体の組織における酸化による損傷(または酸化による損傷が関与する炎症性疾患)を検出する方法であって、構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)リン脂質に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)検出可能な部分とを含み、組織に検出可能な部分が存在することは、組織における酸化による損傷の指標である、方法を提供する。いくつかの実施形態において、この方法は、検出可能な部分を検出することをさらに含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、個体中の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(または病的な構造(例えば、ドルーゼン))またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、カルジオリピン(CL)及びホスファチジルコリン(PC)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、リン脂質は、マロンジアルデヒド(MDA)である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、中性である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、正に帯電している。いくつかの実施形態において、リン脂質は、酸化される。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)を介して接続する。いくつかの実施形態において、組織は、肝臓または門脈路、心臓、筋肉、脳、中枢神経系または末梢神経系、胃腸管、肺、肢、動脈血管系または静脈血管系、皮膚、骨髄細胞のいずれかであり、赤血球細胞、血小板及び有核細胞、膵臓、目、関節及び腎臓を含む。いくつかの実施形態において、組織は、目、関節及び腎臓のいずれかである。いくつかの実施形態において、組織は、目、関節及び腎臓のいずれかである。いくつかの実施形態において、酸化による損傷は、炎症性障害、移植拒絶(細胞または抗体媒介型)、妊娠に関連する疾患、有害な薬物反応、自己免疫障害または免疫複合体障害から生じる組織損傷と関係がある。
いくつかの実施形態において、個体の組織における非虚血性組織損傷(または非虚血性組織損傷が関与する炎症性疾患)を検出する方法であって、構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)検出可能な部分とを含み、組織に検出可能な部分が存在することは、非虚血性組織損傷の指標である、方法を提供する。いくつかの実施形態において、この方法は、検出可能な部分を検出することをさらに含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体中の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(及び/または病的な構造)またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、有核細胞(例えば、哺乳動物細胞)によって産生される。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、組み換えタンパク質である。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)を介して接続する。いくつかの実施形態において、組織は、肝臓または門脈路、心臓、筋肉、脳、中枢神経系または末梢神経系、胃腸管、肺、肢、動脈血管系または静脈血管系、皮膚、骨髄細胞のいずれかであり、赤血球細胞、血小板及び有核細胞、膵臓、目、関節及び腎臓を含む。いくつかの実施形態において、組織は、目、関節及び腎臓のいずれかである。いくつかの実施形態において、組織は、目、関節及び腎臓のいずれかである。いくつかの実施形態において、非虚血性組織損傷は、炎症性障害、移植拒絶(細胞または抗体媒介型)、妊娠に関連する疾患、有害な薬物反応、自己免疫障害または免疫複合体障害から生じる組織損傷と関係がある。
いくつかの実施形態において、個体の組織における非虚血性組織損傷(または非虚血性組織損傷が関与する炎症性疾患)を検出する方法であって、構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)リン脂質に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)検出可能な部分とを含み、組織に検出可能な部分が存在することは、非虚血性組織損傷の指標である、方法を提供する。いくつかの実施形態において、この方法は、検出可能な部分を検出することをさらに含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、個体中の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(または病的な構造(例えば、ドルーゼン))またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、カルジオリピン(CL)及びホスファチジルコリン(PC)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、リン脂質は、マロンジアルデヒド(MDA)である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、中性である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、正に帯電している。いくつかの実施形態において、リン脂質は、酸化される。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)を介して接続する。いくつかの実施形態において、組織は、肝臓または門脈路、心臓、筋肉、脳、中枢神経系または末梢神経系、胃腸管、肺、肢、動脈血管系または静脈血管系、皮膚、骨髄細胞のいずれかであり、赤血球細胞、血小板及び有核細胞、膵臓、目、関節及び腎臓を含む。いくつかの実施形態において、組織は、目、関節及び腎臓のいずれかである。いくつかの実施形態において、組織は、目、関節及び腎臓のいずれかである。いくつかの実施形態において、非虚血性組織損傷は、炎症性障害、移植拒絶(細胞または抗体媒介型)、妊娠に関連する疾患、有害な薬物反応、自己免疫障害または免疫複合体障害から生じる組織損傷と関係がある。
いくつかの実施形態において、個体における組織特異的な炎症性疾患(または酸化による損傷が関与する疾患)を診断する(または診断を補助する)方法であって、構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)検出可能な部分とを含み、組織に検出可能な部分が存在することは、組織における炎症性疾患の指標である、方法を提供する。いくつかの実施形態において、この方法は、検出可能な部分を検出することをさらに含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体中の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(及び/または病的な構造)またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、有核細胞(例えば、哺乳動物細胞)によって産生される。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、組み換えタンパク質である。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)を介して接続する。いくつかの実施形態において、診断される炎症性疾患は、炎症性障害、移植拒絶(細胞または抗体媒介型、例えば、超急性の異種移植片の注入)、妊娠に関連する疾患、有害な薬物反応(例えば、薬物アレルギー及びIL−2によって誘発される血管漏出症候群)、自己免疫障害または免疫複合体障害のいずれかである。
いくつかの実施形態において、個体における組織特異的な炎症性疾患(または酸化による損傷が関与する疾患)を診断する(または診断を補助する)方法であって、構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)リン脂質に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)検出可能な部分とを含み、組織に検出可能な部分が存在することは、組織における炎症性疾患の指標である、方法を提供する。いくつかの実施形態において、この方法は、検出可能な部分を検出することをさらに含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、個体中の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(または病的な構造(例えば、ドルーゼン))またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、カルジオリピン(CL)及びホスファチジルコリン(PC)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、リン脂質は、マロンジアルデヒド(MDA)である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、中性である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、正に帯電している。いくつかの実施形態において、リン脂質は、酸化されている。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)を介して接続する。いくつかの実施形態において、診断される炎症性疾患は、炎症性障害、移植拒絶(細胞または抗体媒介型、例えば、超急性の異種移植片の注入)、妊娠に関連する疾患、有害な薬物反応(例えば、薬物アレルギー及びIL−2によって誘発される血管漏出症候群)、自己免疫障害または免疫複合体障害のいずれかである。
いくつかの実施形態において、個体における組織特異的な炎症性疾患(または酸化による損傷が関与する疾患)を診断する(または診断を補助する)方法であって、構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)検出可能な部分とを含み、組織に検出可能な部分が存在することは、組織における炎症性疾患の指標である、方法を提供する。いくつかの実施形態において、この方法は、検出可能な部分を検出することをさらに含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体中の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(及び/または病的な構造)またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、有核細胞(例えば、哺乳動物細胞)によって産生される。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、組み換えタンパク質である。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)を介して接続する。いくつかの実施形態において、診断される炎症性疾患は、炎症性障害、移植拒絶(細胞または抗体媒介型、例えば、超急性の異種移植片の注入)、妊娠に関連する疾患、有害な薬物反応(例えば、薬物アレルギー及びIL−2によって誘発される血管漏出症候群)、自己免疫障害または免疫複合体障害のいずれかである。
いくつかの実施形態において、個体における組織特異的な炎症性疾患(または酸化による損傷が関与する疾患)を診断する(または診断を補助する)方法であって、個体の組織サンプルと、構築物を含む有効な量の組成物とを接触させることを含み、この構築物が、(a)リン脂質に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)検出可能な部分とを含み、組織に検出可能な部分が存在することは、組織における炎症性疾患の指標である、方法を提供する。いくつかの実施形態において、この方法は、検出可能な部分を検出することをさらに含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、個体中の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(または病的な構造(例えば、ドルーゼン))またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、カルジオリピン(CL)及びホスファチジルコリン(PC)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、リン脂質は、マロンジアルデヒド(MDA)である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、中性である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、正に帯電している。いくつかの実施形態において、リン脂質は、酸化されている。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)を介して接続する。いくつかの実施形態において、診断される炎症性疾患は、炎症性障害、移植拒絶(細胞または抗体媒介型、例えば、超急性の異種移植片の注入)、妊娠に関連する疾患、有害な薬物反応(例えば、薬物アレルギー及びIL−2によって誘発される血管漏出症候群)、自己免疫障害または免疫複合体障害のいずれかである。
いくつかの実施形態において、診断すべき疾患は、目の疾患である。いくつかの実施形態において、疾患は、補体活性化に関連する目の疾患である。いくつかの実施形態において、疾患は、ウェット型AMD及びドライ型AMDを含め、加齢黄斑変性(「AMD」)である。本明細書に記載する方法によって診断可能な他の目の疾患としては、限定されないが、CMV網膜炎、黄斑浮腫、ぶどう膜炎、緑内障、糖尿病性網膜症、網膜色素変性、網膜剥離、増殖性硝子体網膜症及び目の黒色腫が挙げられる。
いくつかの実施形態において、診断すべき疾患は、炎症性関節炎である。
いくつかの実施形態において、診断すべき疾患は、腎臓疾患であり、限定されないが、急性腎臓損傷、糸球体腎炎、慢性腎臓疾患及び巣状分節性糸球体硬化症が挙げられる。
いくつかの実施形態において、診断すべき疾患は、炎症性障害であり、限定されないが、火傷、内毒血症、敗血症ショック、成人呼吸促迫症候群、心肺バイパス、血液透析、アナフィラキシーショック、喘息、血管浮腫、クローン病、鎌状赤血球貧血、連鎖球菌関連後の糸球体腎炎、膜性腎症及び膵炎が挙げられる。
いくつかの実施形態において、診断すべき疾患は、妊娠に関連する疾患であり、限定されないが、HELLP(溶血性貧血、肝臓酵素の上昇、及び低い血小板数)、習慣性流産及び子癇前症が挙げられる。
いくつかの実施形態において、診断すべき疾患は、自己免疫障害または免疫複合体障害であり、限定されないが、重症筋無力症、アルツハイマー病、多発性硬化症、視神経脊髄炎、関節リウマチ、骨関節炎、全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、IgG4関連疾患、インスリン依存性糖尿病、急性播種性脳脊髄炎、アジソン病、抗リン脂質抗体症候群、血栓性血小板減少性紫斑病、自己免疫性肝炎、クローン病、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギランバレー症候群、橋本病、突発性血小板減少性紫斑病、天疱瘡、シェーグレン症候群、高安動脈炎、自己免疫性糸球体腎炎、膜性増殖性糸球体腎炎II型、膜性疾患、発作性夜間血色素尿症、加齢黄斑変性、糖尿病性黄斑症、ぶどう膜炎、網膜変性障害、糖尿病性ネフロパシー、巣状分節性糸球体硬化症、ANCA関連脈管炎、溶血性***症候群、志賀毒素が関連する溶血性***症候群及び非定型溶血性***症候群が挙げられる。いくつかの実施形態において、治療すべき疾患は、自己免疫性糸球体腎炎であり、限定されないが、免疫グロブリンAネフロパシーまたは膜性増殖性糸球体腎炎I型が挙げられる。
(目における組織損傷を検出する方法)
個体の目における損傷または炎症を検出する方法であって、構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)(i)アネキシンIVに特異的に結合するか;または(ii)リン脂質に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)検出可能な部分とを含み、目に検出可能な部分が存在することは、目における損傷または炎症の指標である方法も、本明細書で提供される。いくつかの実施形態において、この方法は、検出可能な部分を検出することをさらに含む。いくつかの実施形態において、組成物は、注射、例えば、目への注射によって投与される。
いくつかの実施形態において、この方法は、感光細胞、網膜神経節細胞、RPE、ブルッフ膜、脈絡毛細管板複合体、黄斑または角膜の悪化を検出するのに有用である。いくつかの実施形態において、この方法は、感光細胞、網膜神経節細胞、RPE、ブルッフ膜、脈絡毛細管板複合体、黄斑または角膜における炎症を検出するのに有用である。いくつかの実施形態において、この方法は、感光細胞、網膜神経節細胞、RPE、ブルッフ膜、脈絡毛細管板複合体、黄斑または角膜の酸化による損傷を検出するのに有用である。いくつかの実施形態において、この方法は、黄斑におけるRPE/脈絡膜界面での病変を検出するのに有用である。
いくつかの実施形態において、個体の目の組織における補体媒介型損傷を検出する方法(または炎症、例えば、補体媒介型炎症を検出する方法)であって、構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)検出可能な部分とを含み、この組織に検出可能な部分が存在することは、補体媒介型の目の組織損傷(または補体媒介型炎症)の指標である、方法を提供する。いくつかの実施形態において、この方法は、検出可能な部分を検出することをさらに含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、有核細胞(例えば、哺乳動物細胞)によって産生される。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、組み換えタンパク質である。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、検出可能な部分が、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)によって接続する。いくつかの実施形態において、目の組織は、感光細胞、網膜神経節細胞、RPE、ブルッフ膜、脈絡毛細管板複合体、黄斑または角膜である。いくつかの実施形態において、個体の目の組織における酸化による損傷を検出する方法であって、構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)検出可能な部分とを含み、この組織に検出可能な部分が存在することは、目の組織における酸化による損傷の指標である、方法を提供する。いくつかの実施形態において、この方法は、検出可能な部分を検出することをさらに含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、有核細胞(例えば、哺乳動物細胞)によって産生される。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、組み換えタンパク質である。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、検出可能な部分が、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)によって接続する。いくつかの実施形態において、目の組織は、感光細胞、網膜神経節細胞、RPE、ブルッフ膜、脈絡毛細管板複合体、黄斑または角膜である。
いくつかの実施形態において、個体における炎症性の目の疾患(または酸化による損傷を伴う目の疾患)を診断する(または診断を補助する)方法であって、構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)検出可能な部分とを含み、目の組織に検出可能な部分が存在することは、組織における炎症性の目の疾患(または酸化による損傷を伴う目の疾患)の指標である、方法を提供する。いくつかの実施形態において、この方法は、検出可能な部分を検出することをさらに含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、有核細胞(例えば、哺乳動物細胞)によって産生される。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、組み換えタンパク質である。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、検出可能な部分が、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)によって接続する。いくつかの実施形態において、目の疾患は、加齢黄斑変性(AMD)(ウェット型AMD及びドライ型AMDを含む)、サイトメガロウイルス(CMV)網膜炎、黄斑浮腫、ぶどう膜炎(前部及び後部)、緑内障、開放隅角/広隅角緑内障、閉塞隅角/狭隅角緑内障、網膜色素変性(RP)、増殖性硝子体網膜症、網膜剥離、角膜創傷治癒、角膜移植及び目の黒色腫からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、目の疾患はAMDである。
いくつかの実施形態において、個体の目の組織における補体媒介型損傷(または炎症、例えば、補体媒介型炎症を検出する)を検出する方法であって、構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)リン脂質に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)検出可能な部分とを含み、組織に検出可能な部分が存在することは、補体媒介型の目の組織損傷(または、補体媒介型炎症)の指標である、方法を提供する。いくつかの実施形態において、この方法は、検出可能な部分を検出することをさらに含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、個体中の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(及び/または病的な構造)またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、カルジオリピン(CL)及びホスファチジルコリン(PC)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、リン脂質は、マロンジアルデヒド(MDA)である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、中性である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、正に帯電している。いくつかの実施形態において、目の組織は、感光細胞、網膜神経節細胞、RPE、ブルッフ膜、脈絡毛細管板複合体、黄斑または角膜である。
いくつかの実施形態において、個体の目の組織における酸化による損傷を検出する方法であって、構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)リン脂質に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)検出可能な部分とを含み、組織に検出可能な部分が存在することは、目の組織における酸化による損傷の指標である、方法を提供する。いくつかの実施形態において、この方法は、検出可能な部分を検出することをさらに含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、個体の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、カルジオリピン(CL)及びホスファチジルコリン(PC)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、リン脂質は、マロンジアルデヒド(MDA)である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、中性である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、正に帯電している。いくつかの実施形態において、目の組織は、感光細胞、網膜神経節細胞、RPE、ブルッフ膜、脈絡毛細管板複合体、黄斑または角膜である。
いくつかの実施形態において、個体における炎症性の目の疾患(または酸化による損傷を伴う目の疾患)を診断する方法(または診断を補助する方法)であって、構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、この構築物が、(a)リン脂質に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)検出可能な部分とを含み、目の組織に検出可能な部分が存在することは、組織における炎症性の目の疾患(または酸化による損傷を伴う目の疾患)の指標である、方法を提供する。いくつかの実施形態において、この方法は、検出可能な部分を検出することをさらに含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、個体の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、カルジオリピン(CL)及びホスファチジルコリン(PC)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、リン脂質は、マロンジアルデヒド(MDA)である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、中性である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、正に帯電している。いくつかの実施形態において、目の疾患は、加齢黄斑変性(AMD)(ウェット型AMD及びドライ型AMDを含む)、サイトメガロウイルス(CMV)網膜炎、黄斑浮腫、ぶどう膜炎(前部及び後部)、緑内障、開放隅角/広隅角緑内障、閉塞隅角/狭隅角緑内障、網膜色素変性(RP)、増殖性硝子体網膜症、網膜剥離、角膜創傷治癒、角膜移植及び目の黒色腫からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、目の疾患はAMDである。
(標的構築物)
本出願は、いくつかの実施形態において、限定されないが、本明細書に記載する任意の1つ以上の方法に有用であり得る標的化された構築物を提供する。この章で記載されるいずれかの構築物を、上の章に記載された任意の方法に使用可能であることが理解されるべきである。本出願は、さらに、本明細書に記載する標的構築物のいずれかを個体に投与することによる、個体の補体活性化部位、組織損傷(例えば、非虚血性組織損傷)、または補体に関連する疾患部位に、本明細書に開示する補体調整剤または検出可能な部分のいずれかを送達する方法を提供する。
いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)治療薬剤または検出可能な部分とを含む、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、構築物は、治療薬剤(例えば、補体調整剤、例えば、補体阻害剤)を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、検出可能な部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメント(本明細書で以下、「標的部分」とも呼ばれる)と、検出可能な部分(本明細書で以下、「活性部分」とも呼ばれる)が、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)によって接続する。いくつかの実施形態において、標的部分と活性部分が、直接接続する。
いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号1の配列、配列番号2の配列、または配列番号3の配列を含む軽鎖可変ドメイン;及び/または(ii)配列番号4の配列、配列番号5の配列、または配列番号6の配列を含む重鎖可変ドメインを含む、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号7の配列、配列番号8の配列、または配列番号9の配列を含む軽鎖可変ドメイン;及び/または(ii)配列番号10の配列、配列番号11の配列、または配列番号12を含む重鎖可変ドメインの配列を含む、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体中の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(及び/または病的な構造)またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、有核細胞(例えば、哺乳動物細胞)によって産生される。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、組み換えタンパク質である。いくつかの実施形態において、構築物は、補体調整剤(例えば、補体阻害剤)を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、検出可能な部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)を介して接続する。いくつかの実施形態において、標的部分と活性部分が、直接接続する。
いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分を含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号1の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(ii)配列番号2の配列を含む軽鎖可変ドメイン;及び(iii)配列番号3の配列を含む軽鎖可変ドメインを含む、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号7の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(ii)配列番号8の配列を含む軽鎖可変ドメイン;及び(iii)配列番号9の配列を含む軽鎖可変ドメインを含む、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体中の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(及び/または病的な構造)またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、有核細胞(例えば、哺乳動物細胞)によって産生される。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、組み換えタンパク質である。いくつかの実施形態において、構築物は、補体調整剤(例えば、補体阻害剤)を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、検出可能な部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)を介して接続する。いくつかの実施形態において、標的部分と活性部分が、直接接続する。
いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号4の配列を含む重鎖可変ドメイン;(ii)配列番号5の配列を含む重鎖可変ドメイン;及び(iii)配列番号6の配列を含む重鎖可変ドメインを含む、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号10の配列を含む重鎖可変ドメイン;(ii)配列番号11の配列を含む重鎖可変ドメイン;及び(iii)配列番号12の配列を含む重鎖可変ドメインを含む、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体中の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(及び/または病的な構造)またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、有核細胞(例えば、哺乳動物細胞)によって産生される。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、組み換えタンパク質である。いくつかの実施形態において、構築物は、補体調整剤(例えば、補体阻害剤)を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、検出可能な部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)を介して接続する。いくつかの実施形態において、標的部分と活性部分が、直接接続する。
いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号1の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(ii)配列番号2の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(iii)配列番号3の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(iv)配列番号4の配列を含む重鎖可変ドメイン;(v)配列番号5の配列を含む重鎖可変ドメイン;及び(vi)配列番号6の配列を含む重鎖可変ドメインを含む、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号7の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(ii)配列番号8の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(iii)配列番号9の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(iv)配列番号10の配列を含む重鎖可変ドメイン;(v)配列番号11の配列を含む重鎖可変ドメイン;及び(vi)配列番号12の配列を含む重鎖可変ドメインを含む、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体中の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(及び/または病的な構造)またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、有核細胞(例えば、哺乳動物細胞)によって産生される。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、組み換えタンパク質である。いくつかの実施形態において、構築物は、補体調整剤(例えば、補体阻害剤)を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、検出可能な部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)を介して接続する。いくつかの実施形態において、標的部分と活性部分が、直接接続する。
いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号1の軽鎖CDR1;(ii)配列番号2の軽鎖CDR2;(iii)配列番号3の軽鎖CDR3;(iv)配列番号4の重鎖CDR1;(v)配列番号5の重鎖CDR2;及び(vi)配列番号6の重鎖CDR3を含む、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号7の軽鎖CDR1;(ii)配列番号8の軽鎖CDR2;(iii)配列番号9の軽鎖CDR3;(iv)配列番号10の重鎖CDR1;(v)配列番号11の重鎖CDR2;及び(vi)配列番号12の重鎖CDR3を含む、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体中の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(及び/または病的な構造)またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、有核細胞(例えば、哺乳動物細胞)によって産生される。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、組み換えタンパク質である。いくつかの実施形態において、構築物は、補体調整剤(例えば、補体阻害剤)を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、検出可能な部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)を介して接続する。いくつかの実施形態において、標的部分と活性部分が、直接接続する。
いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、配列番号13の軽鎖可変ドメインを含む、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、配列番号15の重鎖可変ドメインを含む、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、配列番号14の軽鎖可変ドメインを含む、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、配列番号16の重鎖可変ドメインを含む、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、この抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性モノクローナル抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体中の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(及び/または病的な構造)またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、有核細胞(例えば、哺乳動物細胞)によって産生される。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、組み換えタンパク質である。いくつかの実施形態において、構築物は、補体調整剤(例えば、補体阻害剤)を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、検出可能な部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)を介して接続する。いくつかの実施形態において、標的部分と活性部分が、直接接続する。
いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号13の軽鎖可変ドメイン;及び(ii)配列番号15の重鎖可変ドメインを含む、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号14の軽鎖可変ドメイン;及び(ii)配列番号16の重鎖可変ドメインを含む、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体中の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(及び/または病的な構造)またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、有核細胞(例えば、哺乳動物細胞)によって産生される。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、組み換えタンパク質である。いくつかの実施形態において、構築物は、補体調整剤(例えば、補体阻害剤)を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、検出可能な部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)を介して接続する。いくつかの実施形態において、標的部分と活性部分が、直接接続する。
いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはフラグメントが、配列番号17の配列を含むscFvである、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはフラグメントが、配列番号18の配列を含むscFvである、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体中の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(及び/または病的な構造)またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、有核細胞(例えば、哺乳動物細胞)によって産生される。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、組み換えタンパク質である。いくつかの実施形態において、構築物は、補体調整剤(例えば、補体阻害剤)を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、検出可能な部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)を介して接続する。いくつかの実施形態において、標的部分と活性部分が、直接接続する。
いくつかの実施形態において、標的構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この標的構築物が、(a)リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)活性部分とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号25の配列、配列番号26の配列、または配列番号27の配列を含む軽鎖可変ドメイン;及び/または(ii)配列番号28の配列、配列番号29の配列、または配列番号30の配列を含む重鎖可変ドメインを含む、標的構築物が提供される。いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号31の配列、配列番号32の配列、または配列番号33の配列を含む軽鎖可変ドメイン;及び/または(ii)配列番号28の配列、配列番号29の配列、または配列番号30の配列を含む重鎖可変ドメインを含む、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、個体の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、カルジオリピン(CL)及びホスファチジルコリン(PC)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、リン脂質は、マロンジアルデヒド(MDA)である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、中性である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、正に帯電している。いくつかの実施形態において、リン脂質は、酸化されている。いくつかの実施形態において、構築物は、治療薬部分(例えば、補体阻害剤)を含む活性部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、検出可能な部分である活性部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分が、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)によって接続する。
いくつかの実施形態において、標的構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この標的構築物が、(a)リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)活性部分(例えば、治療薬部分または検出可能な部分)とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号25の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(ii)配列番号26の配列を含む軽鎖可変ドメイン;及び(iii)配列番号27の配列を含む軽鎖可変ドメインを含む、標的構築物が提供される。いくつかの実施形態において、標的構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この標的構築物が、(a)リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)活性部分(例えば、治療薬部分または検出可能な部分)とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号31の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(ii)配列番号32の配列を含む軽鎖可変ドメイン;及び(iii)配列番号33の配列を含む軽鎖可変ドメインを含む、標的構築物が提供される。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、個体の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、カルジオリピン(CL)及びホスファチジルコリン(PC)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、リン脂質は、マロンジアルデヒド(MDA)である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、中性である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、正に帯電している。いくつかの実施形態において、リン脂質は、酸化されている。いくつかの実施形態において、構築物は、治療薬部分(例えば、補体阻害剤)を含む活性部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、検出可能な部分である活性部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分が、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)によって接続する。
いくつかの実施形態において、標的構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)活性部分(例えば、治療薬部分または検出可能な部分)とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号28の配列を含む重鎖可変ドメイン;(ii)配列番号29の配列を含む重鎖可変ドメイン;及び(iii)配列番号30の配列を含む重鎖可変ドメインを含む、標的構築物が提供される。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、個体の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、カルジオリピン(CL)及びホスファチジルコリン(PC)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、リン脂質は、マロンジアルデヒド(MDA)である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、中性である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、正に帯電している。いくつかの実施形態において、リン脂質は、酸化されている。いくつかの実施形態において、構築物は、治療薬部分(例えば、補体阻害剤)を含む活性部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、検出可能な部分である活性部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分が、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)によって接続する。
いくつかの実施形態において、標的構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この標的構築物が、(a)リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)活性部分(例えば、治療薬部分または検出可能な部分)とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号25の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(ii)配列番号26の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(iii)配列番号27の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(iv)配列番号28の配列を含む重鎖可変ドメイン;(v)配列番号29の配列を含む重鎖可変ドメイン;及び(vi)配列番号30の配列を含む重鎖可変ドメインを含む、標的構築物が提供される。いくつかの実施形態において、標的構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この標的構築物が、(a)リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)活性部分(例えば、治療薬部分または検出可能な部分)とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号31の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(ii)配列番号32の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(iii)配列番号33の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(iv)配列番号28の配列を含む重鎖可変ドメイン;(v)配列番号29の配列を含む重鎖可変ドメイン;及び(vi)配列番号30の配列を含む重鎖可変ドメインを含む、標的構築物が提供される。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、個体の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、カルジオリピン(CL)及びホスファチジルコリン(PC)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、リン脂質は、マロンジアルデヒド(MDA)である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、中性である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、正に帯電している。いくつかの実施形態において、リン脂質は、酸化されている。いくつかの実施形態において、構築物は、治療薬部分(例えば、補体阻害剤)を含む活性部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、検出可能な部分である活性部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分が、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)によって接続する。
いくつかの実施形態において、標的構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この標的構築物が、(a)リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)活性部分(例えば、治療薬部分または検出可能な部分)とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号25の軽鎖CDR1;(ii)配列番号26の軽鎖CDR2;(iii)配列番号27の軽鎖CDR3;(iv)配列番号28の重鎖CDR1;(v)配列番号29の重鎖CDR2;及び(vi)配列番号30の重鎖CDR3を含む、標的構築物が提供される。いくつかの実施形態において、標的構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この標的構築物が、(a)リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)活性部分(例えば、治療薬部分または検出可能な部分)とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号31の軽鎖CDR1;(ii)配列番号32の軽鎖CDR2;(iii)配列番号33の軽鎖CDR3;(iv)配列番号28の重鎖CDR1;(v)配列番号29の重鎖CDR2;及び(vi)配列番号30の重鎖CDR3を含む、標的構築物が提供される。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、個体の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、カルジオリピン(CL)及びホスファチジルコリン(PC)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、リン脂質は、マロンジアルデヒド(MDA)である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、中性である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、正に帯電している。いくつかの実施形態において、リン脂質は、酸化されている。いくつかの実施形態において、構築物は、治療薬部分(例えば、補体阻害剤)を含む活性部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、検出可能な部分である活性部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分が、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)によって接続する。
いくつかの実施形態において、標的構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この標的構築物が、(a)リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)活性部分(例えば、治療薬部分または検出可能な部分)とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、配列番号34の軽鎖可変ドメインを含む、標的構築物が提供される。いくつかの実施形態において、標的構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この標的構築物が、(a)リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)活性部分(例えば、治療薬部分)または検出可能な部分とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、配列番号36の重鎖可変ドメインを含む、標的構築物が提供される。いくつかの実施形態において、標的構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この標的構築物が、(a)リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)活性部分(例えば、治療薬部分または検出可能な部分)とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、配列番号35の軽鎖可変ドメインを含む、標的構築物が提供される。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、個体の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、カルジオリピン(CL)及びホスファチジルコリン(PC)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、リン脂質は、マロンジアルデヒド(MDA)である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、中性である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、正に帯電している。いくつかの実施形態において、リン脂質は、酸化されている。いくつかの実施形態において、構築物は、治療薬部分(例えば、補体阻害剤)を含む活性部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、検出可能な部分である活性部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分が、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)によって接続する。
いくつかの実施形態において、標的構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この標的構築物が、(a)リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)活性部分(例えば、治療薬部分または検出可能な部分)とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号34の軽鎖可変ドメイン;及び(ii)配列番号36の重鎖可変ドメインを含む、標的構築物が提供される。いくつかの実施形態において、標的構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この標的構築物が、(a)リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)活性部分(例えば、治療薬部分または検出可能な部分)とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号35の軽鎖可変ドメイン;及び(ii)配列番号36の重鎖可変ドメインを含む、標的構築物が提供される。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、個体の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、カルジオリピン(CL)及びホスファチジルコリン(PC)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、リン脂質は、マロンジアルデヒド(MDA)である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、中性である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、正に帯電している。いくつかの実施形態において、リン脂質は、酸化されている。いくつかの実施形態において、構築物は、治療薬部分(例えば、補体阻害剤)を含む活性部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、検出可能な部分である活性部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分が、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)によって接続する。
いくつかの実施形態において、標的構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)活性部分(例えば、治療薬部分または検出可能な部分)とを含み、この抗体またはフラグメントが、配列番号37の配列を含むscFvである、標的構築物が提供される。いくつかの実施形態において、標的構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この標的構築物が、(a)リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)活性部分(例えば、治療薬部分または検出可能な部分)とを含み、この抗体またはフラグメントが、配列番号38の配列を含むscFvである、標的構築物が提供される。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、個体の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、カルジオリピン(CL)及びホスファチジルコリン(PC)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、リン脂質は、マロンジアルデヒド(MDA)である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、中性である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、正に帯電している。いくつかの実施形態において、リン脂質は、酸化されている。いくつかの実施形態において、構築物は、治療薬部分(例えば、補体阻害剤)を含む活性部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、検出可能な部分である活性部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)を介して接続する。
いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分が、直接結合するか、共有結合するか、または可逆的に結合する。
本明細書で使用される「構築物」または「標的構築物」は、「標的部分」及び「活性部分」を含む天然で生じない分子を指す。標的部分は、アネキシンIVに特異的に結合することができる。標的構築物の標的部分は、例えば、補体活性化の部位に対するこの分子の標的化された送達を担当する。活性部分は、治療活性、例えば、具体的には、補体活性化の阻害、または検出を担当し、例えば、標的部分の検出及び/または局在化を可能にする。標的構築物分子の標的部分及び活性部分は、この2つの部分の望ましい官能基が維持される限り、当該技術分野で既知の任意の方法によって接続することができる。
従って、本明細書に記載する標的構築物は、一般的に、本明細書に記載する抗体によって認識されるエピトープに対する結合、治療活性を発揮するか、または検出を可能にするという二重の機能を有する。「モノクローナル抗体B4抗体のエピトープ」は、B4抗体に天然で結合するエピトープの約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%の結合アフィニティを有するB4抗体またはC2抗体に結合するエピトープを含め、天然に生じるB4抗体またはC2抗体に結合する任意の分子を指す。結合アフィニティは、例えば、表面プラズモン共鳴、比色滴定、ELISA及びフローサイトメトリーを含め、当該技術分野で既知の任意の方法によって決定することができる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載する標的構築物は、一般的に、補体活性化を阻害する(例えば、副経路及び/またはレクチン経路の活性化を阻害する)ことができる。標的構築物は、本明細書に記載するような天然に生じる抗体よりも強力な補体阻害剤であってもよい。例えば、いくつかの実施形態において、標的構築物は、B4抗体またはC2抗体の約1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、12倍、14倍、16倍、18倍、20倍、25倍、30倍、40倍、またはそれより多い補体阻害活性を有する。いくつかの実施形態において、標的構築物は、EC50が、約100nM未満、90nM未満、80nM未満、70nM未満、60nM未満、50nM未満、40nM未満、30nM未満、20nM未満、または10nM未満であり、これらの数字の間にある任意の値を含む。いくつかの実施形態において、標的構築物分子は、EC50が、約5〜60nMであり、例えば、8〜50nM、8〜20nM、10〜40nM、20〜30nMのいずれかを含む。いくつかの実施形態において、標的構築物分子は、B4抗体またはC2抗体の約50%、60%、70%、80%、90%、または100%の補体阻害活性を有する。
補体阻害は、例えば、in vitroザイモサンアッセイ、赤血球の溶解物についてのアッセイ、抗体または免疫複合体の活性化アッセイ、副経路活性化アッセイ及びマンナン活性化アッセイを含む当該技術分野で既知の任意の方法に基づいて評価することができる。
いくつかの実施形態において、標的構築物は、融合タンパク質である。本明細書で使用される「融合タンパク質」は、互いに作動可能に接続した2つ以上のペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質を指す。いくつかの実施形態において、標的部分と活性部分が、互いに直接的に融合される。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、アミノ酸リンカー配列によって接続する。リンカー配列の例は、当該技術分野で知られており、例えば、(Gly4Ser)、(Gly4Ser)2、(Gly4Ser)3、(Gly3Ser)4、(SerGly4)、(SerGly4)2、(SerGly4)3及び(SerGly4)4が挙げられる。接続配列は、補体因子の異なるドメイン間で見出される「天然の」接続配列を含んでいてもよい。融合タンパク質中の標的部分及び活性部分の順序は、さまざまであってもよい。例えば、いくつかの実施形態において、標的部分のC末端は、標的構築物の活性部分のN末端に(直接的または間接的に)融合する。いくつかの実施形態において、標的部分のN末端は、標的構築物の活性部分のC末端に(直接的または間接的に)融合する。
いくつかの実施形態において、標的構築物の標的部分は、配列番号19〜24及び57のいずれかの核酸配列を含むポリヌクレオチドによってコードされる。いくつかの実施形態において、標的構築物分子は、配列番号19〜24及び57のいずれかの配列に少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一の核酸配列を含むポリヌクレオチドによってコードされる。
いくつかの実施形態において、標的構築物の標的部分は、配列番号37または38のいずれかの核酸配列を含むポリヌクレオチドによってコードされる。いくつかの実施形態において、標的構築物分子は、配列番号37または38のいずれかの配列に少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一の核酸配列を含むポリヌクレオチドによってコードされる。
いくつかの実施形態において、標的構築物は、化学架橋剤によって接続した標的部分と活性部分を含む。この2つの部分の接続は、この2つの部分に配置される反応性基で起こってもよい。架橋剤を用いて標的化し得る反応性基としては、一級アミン、スルフヒドリル、カルボニル、炭水化物及びカルボン酸、またはタンパク質に付加することができる活性な基が挙げられる。化学架橋剤の例は、当該技術分野でよく知られており、限定されないが、ビスマレイミドヘキサン、マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、NHS−エステル−マレイミド架橋剤、例えば、SPDP、カルボジイミド、グルタルアルデヒド、MBS、スルホ−MBS、SMPB、スルホ−SMPB、GMBS、スルホ−GMBS、EMCS、スルホ−EMCS、イミドエステル架橋剤、例えば、DMA、DMP、DMS、DTBP、EDC及びDTMEが挙げられる。
いくつかの実施形態において、標的部分と活性部分は、非共有結合により接続する。例えば、この2つの部分は、2つの相互作用する架橋タンパク質(例えば、ビオチン及びストレプトアビジン)によって一緒になってもよく、それぞれが標的部分または活性部分に接続する。
いくつかの実施形態において、標的構築物は、本明細書に記載する2つ以上の(同じまたは異なる)標的部分を含む。いくつかの実施形態において、標的構築物は、本明細書に記載する2つ以上の(同じまたは異なる)活性部分を含む。これらの2つ以上の(または活性)部分は、互いに直列に接続して(例えば、融合して)いてもよい。いくつかの実施形態において、標的構築物は、1個の標的部分と、2個以上の(例えば、3個、4個、5個またはそれより多い)活性部分とを含む。いくつかの実施形態において、標的構築物は、1個の活性部分と、2個以上の(例えば、3個、4個、5個またはそれより多い)標的部分とを含む。いくつかの実施形態において、標的構築物は、2個以上の標的部分と、2個以上の活性部分とを含む。
いくつかの実施形態において、単離された標的構築物が提供される。いくつかの実施形態において、標的構築物は、ダイマーまたはマルチマーを生成する。
標的構築物中の活性部分及び標的部分は、同じ種(例えば、ヒトまたはマウス)または異なる種に由来していてもよい。
さらに、標的構築物及び標的構築物分子を含む組成物(例えば、医薬組成物)も本明細書に提供される。本明細書は、さらに、本明細書に記載する任意のいずれかの標的構築物を個体に投与することによる、個体の補体活性化部位、組織損傷(例えば、非虚血性組織損傷)の部位、または補体に関連する疾患部位に、本明細書に開示する補体調整剤または検出可能な部分のいずれかを送達する方法を提供する。
本明細書で使用される「標的構築物」は、「標的部分」及び「活性部分」を含む天然で生じない分子を指す。特定の実施形態において、標的部分は、アネキシンIVに特異的に結合することができる。特定の実施形態において、標的部分は、リン脂質、例えば、PC、PE、及び/またはCLに結合することができる。従って、標的構築物の標的部分は、例えば、補体活性化の部位に対するこの分子の標的化された送達を担当する。活性部分は、治療活性、例えば、具体的には、補体活性化の阻害、または検出を担当し、例えば、標的部分の検出及び/または局在化を可能にする。標的構築物分子の標的部分及び活性部分は、この2つの部分の望ましい官能基が維持される限り、当該技術分野で既知の任意の方法によって接続することができる。
従って、本明細書に記載する標的構築物は、一般的に、本明細書に記載する抗体によって認識されるエピトープに対する結合、治療活性を発揮するか、または検出を可能にするという二重の機能を有する。「B4またはC2抗体のエピトープ」は、B4またはC2抗体に天然で結合するエピトープの約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかの結合アフィニティでB4またはC2抗体に結合するエピトープを含む、天然に生じるB4抗体またはC2抗体に結合する任意の分子を指す。結合アフィニティは、例えば、表面プラズモン共鳴、比色滴定、ELISA及びフローサイトメトリーを含め、当該技術分野で既知の任意の方法によって決定することができる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載する標的構築物は、一般的に、補体活性化を阻害する(例えば、副経路及び/またはレクチン経路の活性化を阻害する)ことができる。標的構築物は、本明細書に記載するような天然に生じる抗体よりも強力な補体阻害剤であってもよい。例えば、いくつかの実施形態において、標的構築物は、B4抗体またはC2抗体の約1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、12倍、14倍、16倍、18倍、20倍、25倍、30倍、40倍、またはそれより多い補体阻害活性を有する。いくつかの実施形態において、標的構築物は、EC50が、約100nM未満、90nM未満、80nM未満、70nM未満、60nM未満、50nM未満、40nM未満、30nM未満、20nM未満、または10nM未満であり、これらの数字の間にある任意の値を含む。いくつかの実施形態において、標的構築物分子は、EC50が、約5〜60nMであり、例えば、8〜50nM、8〜20nM、10〜40nM、20〜30nMのいずれかを含む。いくつかの実施形態において、標的構築物分子は、B4抗体またはC2抗体の約50%、60%、70%、80%、90%、または100%の補体阻害活性を有する。
補体阻害は、例えば、in vitroザイモサンアッセイ、赤血球の溶解物についてのアッセイ、抗体または免疫複合体の活性化アッセイ、副経路活性化アッセイ及びマンナン活性化アッセイといった当該技術分野で既知の任意の方法に基づいて評価することができる。
いくつかの実施形態において、標的構築物は、融合タンパク質である。本明細書で使用される「融合タンパク質」は、互いに作動可能に接続した2つ以上のペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質を指す。いくつかの実施形態において、標的部分と活性部分が、互いに直接的に融合される。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、アミノ酸リンカー配列によって接続する。リンカー配列の例は、当該技術分野で知られており、例えば、(Gly4Ser)、(Gly4Ser)2、(Gly4Ser)3、(Gly3Ser)4、(SerGly4)、(SerGly4)2、(SerGly4)3及び(SerGly4)4が挙げられる。接続配列は、補体因子の異なるドメイン間で見出される「天然の」接続配列を含んでいてもよい。融合タンパク質中の標的部分及び活性部分の順序は、さまざまであってもよい。例えば、いくつかの実施形態において、標的部分のC末端は、標的構築物の活性部分のN末端に(直接的または間接的に)融合する。いくつかの実施形態において、標的部分のN末端は、標的構築物の活性部分のC末端に(直接的または間接的に)融合する。
いくつかの実施形態において、標的構築物の標的部分は、配列番号19〜24、39〜43、57及び58のいずれかの核酸配列を含むポリヌクレオチドによってコードされる。いくつかの実施形態において、標的構築物分子は、配列番号19〜24及び39〜43のいずれかの配列に少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%同一の核酸配列を含むポリヌクレオチドによってコードされる。
いくつかの実施形態において、標的構築物は、化学架橋剤によって接続した標的部分と活性部分を含む。この2つの部分の接続は、この2つの部分に配置される反応性基で起こってもよい。架橋剤を用いて標的化し得る反応性基としては、一級アミン、スルフヒドリル、カルボニル、炭水化物及びカルボン酸、またはタンパク質に付加することができる活性な基が挙げられる。化学架橋剤の例は、当該技術分野でよく知られており、限定されないが、ビスマレイミドヘキサン、マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、NHS−エステル−マレイミド架橋剤、例えば、SPDP、カルボジイミド、グルタルアルデヒド、MBS、スルホ−MBS、SMPB、スルホ−SMPB、GMBS、スルホ−GMBS、EMCS、スルホ−EMCS、イミドエステル架橋剤、例えば、DMA、DMP、DMS、DTBP、EDC及びDTMEが挙げられる。
いくつかの実施形態において、標的部分と活性部分は、非共有結合により接続する。例えば、この2つの部分は、2つの相互作用する架橋タンパク質(例えば、ビオチン及びストレプトアビジン)によって一緒になってもよく、それぞれが標的部分または活性部分に接続する。
いくつかの実施形態において、標的構築物は、本明細書に記載する2つ以上の(同じまたは異なる)標的部分を含む。いくつかの実施形態において、標的構築物は、本明細書に記載する2つ以上の(同じまたは異なる)活性部分を含む。これらの2つ以上の(または活性)部分は、互いに直列に接続して(例えば、融合して)いてもよい。いくつかの実施形態において、標的構築物は、標的部分と、2個以上の(例えば、3個、4個、5個またはそれより多い)活性部分とを含む。いくつかの実施形態において、標的構築物は、活性部分と、2個以上の(例えば、3個、4個、5個またはそれより多い)標的部分とを含む。いくつかの実施形態において、標的構築物は、2個以上の標的部分と、2個以上の活性部分とを含む。
いくつかの実施形態において、単離された標的構築物が提供される。いくつかの実施形態において、標的構築物は、ダイマーまたはマルチマーを生成する。
標的構築物中の活性部分及び標的部分は、同じ種(例えば、ヒトまたはマウス)または異なる種に由来していてもよい。
いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)治療薬剤または検出可能な部分とを含む、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、構築物は、治療薬剤(例えば、補体調整剤、例えば、補体阻害剤)を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、検出可能な部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメント(本明細書で以下、「標的部分」とも呼ばれる)と、検出可能な部分(本明細書で以下、「活性部分」とも呼ばれる)が、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)によって接続する。いくつかの実施形態において、標的部分と活性部分が、直接接続する。
いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号1の配列、配列番号2の配列、または配列番号3の配列を含む軽鎖可変ドメイン;及び/または(ii)配列番号4の配列、配列番号5の配列、または配列番号6の配列を含む重鎖可変ドメインを含む、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号7の配列、配列番号8の配列、または配列番号9の配列を含む軽鎖可変ドメイン;及び/または(ii)配列番号10の配列、配列番号11の配列、または配列番号12を含む重鎖可変ドメインの配列を含む、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体中の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(及び/または病的な構造)またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、有核細胞(例えば、哺乳動物細胞)によって産生される。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、組み換えタンパク質である。いくつかの実施形態において、構築物は、補体調整剤(例えば、補体阻害剤)を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、検出可能な部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)を介して接続する。いくつかの実施形態において、標的部分と活性部分が、直接接続する。
いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分を含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号1の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(ii)配列番号2の配列を含む軽鎖可変ドメイン;及び(iii)配列番号3の配列を含む軽鎖可変ドメインを含む、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号7の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(ii)配列番号8の配列を含む軽鎖可変ドメイン;及び(iii)配列番号9の配列を含む軽鎖可変ドメインを含む、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体中の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(及び/または病的な構造)またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、有核細胞(例えば、哺乳動物細胞)によって産生される。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、組み換えタンパク質である。いくつかの実施形態において、構築物は、補体調整剤(例えば、補体阻害剤)を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、検出可能な部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)を介して接続する。いくつかの実施形態において、標的部分と活性部分が、直接接続する。
いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号4の配列を含む重鎖可変ドメイン;(ii)配列番号5の配列を含む重鎖可変ドメイン;及び(iii)配列番号6の配列を含む重鎖可変ドメインを含む、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号10の配列を含む重鎖可変ドメイン;(ii)配列番号11の配列を含む重鎖可変ドメイン;及び(iii)配列番号12の配列を含む重鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体中の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(及び/または病的な構造)またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、有核細胞(例えば、哺乳動物細胞)によって産生される。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、組み換えタンパク質である。いくつかの実施形態において、構築物は、補体調整剤(例えば、補体阻害剤)を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、検出可能な部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)を介して接続する。いくつかの実施形態において、標的部分と活性部分が、直接接続する。
いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号1の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(ii)配列番号2の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(iii)配列番号3の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(iv)配列番号4の配列を含む重鎖可変ドメイン;(v)配列番号5の配列を含む重鎖可変ドメイン;及び(vi)配列番号6の配列を含む重鎖可変ドメインを含む、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号7の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(ii)配列番号8の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(iii)配列番号9の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(iv)配列番号10の配列を含む重鎖可変ドメイン;(v)配列番号11の配列を含む重鎖可変ドメイン;及び(vi)配列番号12の配列を含む重鎖可変ドメインを含む、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体中の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(及び/または病的な構造)またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、有核細胞(例えば、哺乳動物細胞)によって産生される。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、組み換えタンパク質である。いくつかの実施形態において、構築物は、補体調整剤(例えば、補体阻害剤)を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、検出可能な部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)を介して接続する。いくつかの実施形態において、標的部分と活性部分が、直接接続する。
いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号1の軽鎖CDR1;(ii)配列番号2の軽鎖CDR2;(iii)配列番号3の軽鎖CDR3;(iv)配列番号4の重鎖CDR1;(v)配列番号5の重鎖CDR2;及び(vi)配列番号6の重鎖CDR3を含む、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号7の軽鎖CDR1;(ii)配列番号8の軽鎖CDR2;(iii)配列番号9の軽鎖CDR3;(iv)配列番号10の重鎖CDR1;(v)配列番号11の重鎖CDR2;及び(vi)配列番号12の重鎖CDR3を含む、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体中の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(及び/または病的な構造)またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、有核細胞(例えば、哺乳動物細胞)によって産生される。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、組み換えタンパク質である。いくつかの実施形態において、構築物は、補体調整剤(例えば、補体阻害剤)を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、検出可能な部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)を介して接続する。いくつかの実施形態において、標的部分と活性部分が、直接接続する。
いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、配列番号13の軽鎖可変ドメインを含む、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、配列番号15の重鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、配列番号14の軽鎖可変ドメインを含む、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、配列番号16の重鎖可変ドメインを含む、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、この抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性モノクローナル抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体中の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(及び/または病的な構造)またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、有核細胞(例えば、哺乳動物細胞)によって産生される。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、組み換えタンパク質である。いくつかの実施形態において、構築物は、補体調整剤(例えば、補体阻害剤)を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、検出可能な部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)を介して接続する。いくつかの実施形態において、標的部分と活性部分が、直接接続する。
いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号13の軽鎖可変ドメイン;及び(ii)配列番号15の重鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号14の軽鎖可変ドメイン;及び(ii)配列番号16の重鎖可変ドメインを含む、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体中の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(及び/または病的な構造)またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、有核細胞(例えば、哺乳動物細胞)によって産生される。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、組み換えタンパク質である。いくつかの実施形態において、構築物は、補体調整剤(例えば、補体阻害剤)を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、検出可能な部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)を介して接続する。いくつかの実施形態において、標的部分と活性部分が、直接接続する。
いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはフラグメントが、配列番号17の配列を含むscFvである、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)アネキシンIVに特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはフラグメントが、配列番号18の配列を含むscFvである、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体B4)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体中の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(及び/または病的な構造)またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、有核細胞(例えば、哺乳動物細胞)によって産生される。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、組み換えタンパク質である。いくつかの実施形態において、構築物は、補体調整剤(例えば、補体阻害剤)を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、検出可能な部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)を介して接続する。いくつかの実施形態において、標的部分と活性部分が、直接接続する。
いくつかの実施形態において、標的構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この標的構築物が、(a)リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)活性部分とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号25の配列、配列番号26の配列、または配列番号27の配列を含む軽鎖可変ドメイン;及び/または(ii)配列番号28の配列、配列番号29の配列、または配列番号30の配列を含む重鎖可変ドメインを含む、標的構築物が提供される。いくつかの実施形態において、構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)補体調整剤または検出可能な部分とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号31の配列、配列番号32の配列、または配列番号33の配列を含む軽鎖可変ドメイン;及び/または(ii)配列番号28の配列、配列番号29の配列、または配列番号30の配列を含む重鎖可変ドメインを含む、構築物が提供される。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、個体の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、カルジオリピン(CL)及びホスファチジルコリン(PC)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、リン脂質は、マロンジアルデヒド(MDA)である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、中性である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、正に帯電している。いくつかの実施形態において、リン脂質は、酸化されている。いくつかの実施形態において、構築物は、治療薬部分(例えば、補体阻害剤)を含む活性部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、検出可能な部分である活性部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分が、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)によって接続する。
いくつかの実施形態において、標的構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この標的構築物が、(a)リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)活性部分(例えば、治療薬部分または検出可能な部分)とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号25の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(ii)配列番号26の配列を含む軽鎖可変ドメイン;及び(iii)配列番号27の配列を含む軽鎖可変ドメインを含む、標的構築物が提供される。いくつかの実施形態において、標的構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この標的構築物が、(a)リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)活性部分(例えば、治療薬部分または検出可能な部分)とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号31の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(ii)配列番号32の配列を含む軽鎖可変ドメイン;及び(iii)配列番号33の配列を含む軽鎖可変ドメインを含む、標的構築物が提供される。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、個体の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、カルジオリピン(CL)及びホスファチジルコリン(PC)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、リン脂質は、マロンジアルデヒド(MDA)である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、中性である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、正に帯電している。いくつかの実施形態において、リン脂質は、酸化されている。いくつかの実施形態において、構築物は、治療薬部分(例えば、補体阻害剤)を含む活性部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、検出可能な部分である活性部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分が、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)によって接続する。
いくつかの実施形態において、標的構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)活性部分(例えば、治療薬部分または検出可能な部分)とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号28の配列を含む重鎖可変ドメイン;(ii)配列番号29の配列を含む重鎖可変ドメイン;及び(iii)配列番号30の配列を含む重鎖可変ドメインを含む、標的構築物が提供される。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、個体の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、カルジオリピン(CL)及びホスファチジルコリン(PC)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、リン脂質は、マロンジアルデヒド(MDA)である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、中性である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、正に帯電している。いくつかの実施形態において、リン脂質は、酸化されている。いくつかの実施形態において、構築物は、治療薬部分(例えば、補体阻害剤)を含む活性部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、検出可能な部分である活性部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分が、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)によって接続する。
いくつかの実施形態において、標的構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この標的構築物が、(a)リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)活性部分(例えば、治療薬部分または検出可能な部分)とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号25の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(ii)配列番号26の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(iii)配列番号27の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(iv)配列番号28の配列を含む重鎖可変ドメイン;(v)配列番号29の配列を含む重鎖可変ドメイン;及び(vi)配列番号30の配列を含む重鎖可変ドメインを含む、標的構築物が提供される。いくつかの実施形態において、標的構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この標的構築物が、(a)リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)活性部分(例えば、治療薬部分または検出可能な部分)とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号31の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(ii)配列番号32の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(iii)配列番号33の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(iv)配列番号28の配列を含む重鎖可変ドメイン;(v)配列番号29の配列を含む重鎖可変ドメイン;及び(vi)配列番号30の配列を含む重鎖可変ドメインを含む、標的構築物が提供される。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、個体の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、カルジオリピン(CL)及びホスファチジルコリン(PC)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、リン脂質は、マロンジアルデヒド(MDA)である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、中性である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、正に帯電している。いくつかの実施形態において、リン脂質は、酸化されている。いくつかの実施形態において、構築物は、治療薬部分(例えば、補体阻害剤)を含む活性部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、検出可能な部分である活性部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分が、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)によって接続する。
いくつかの実施形態において、標的構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この標的構築物が、(a)リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)活性部分(例えば、治療薬部分または検出可能な部分)とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号25の軽鎖CDR1;(ii)配列番号26の軽鎖CDR2;(iii)配列番号27の軽鎖CDR3;(iv)配列番号28の重鎖CDR1;(v)配列番号29の重鎖CDR2;及び(vi)配列番号30の重鎖CDR3を含む、標的構築物が提供される。いくつかの実施形態において、標的構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この標的構築物が、(a)リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)活性部分(例えば、治療薬部分または検出可能な部分)とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号31の軽鎖CDR1;(ii)配列番号32の軽鎖CDR2;(iii)配列番号33の軽鎖CDR3;(iv)配列番号28の重鎖CDR1;(v)配列番号29の重鎖CDR2;及び(vi)配列番号30の重鎖CDR3を含む、標的構築物が提供される。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、個体の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、カルジオリピン(CL)及びホスファチジルコリン(PC)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、リン脂質は、マロンジアルデヒド(MDA)である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、中性である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、正に帯電している。いくつかの実施形態において、リン脂質は、酸化されている。いくつかの実施形態において、構築物は、治療薬部分(例えば、補体阻害剤)を含む活性部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、検出可能な部分である活性部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分が、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)によって接続する。
いくつかの実施形態において、標的構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この標的構築物が、(a)リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)活性部分(例えば、治療薬部分または検出可能な部分)とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、配列番号34の軽鎖可変ドメインを含む、標的構築物が提供される。いくつかの実施形態において、標的構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この標的構築物が、(a)リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)活性部分(例えば、治療薬部分または検出可能な部分)とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、配列番号36の重鎖可変ドメインを含む、標的構築物が提供される。いくつかの実施形態において、標的構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この標的構築物が、(a)リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)活性部分(例えば、治療薬部分または検出可能な部分)とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、配列番号35の軽鎖可変ドメインを含む、標的構築物が提供される。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、個体の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、カルジオリピン(CL)及びホスファチジルコリン(PC)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、リン脂質は、マロンジアルデヒド(MDA)である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、中性である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、正に帯電している。いくつかの実施形態において、リン脂質は、酸化されている。いくつかの実施形態において、構築物は、治療薬部分(例えば、補体阻害剤)を含む活性部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、検出可能な部分である活性部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分が、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)によって接続する。
いくつかの実施形態において、標的構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この標的構築物が、(a)リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)活性部分(例えば、治療薬部分または検出可能な部分)とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号34の軽鎖可変ドメイン;及び(ii)配列番号36の重鎖可変ドメインを含む、標的構築物が提供される。いくつかの実施形態において、標的構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この標的構築物が、(a)リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)活性部分(例えば、治療薬部分または検出可能な部分)とを含み、この抗体またはそのフラグメントが、(i)配列番号35の軽鎖可変ドメイン;及び(ii)配列番号36の重鎖可変ドメインを含む、標的構築物が提供される。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、個体の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、カルジオリピン(CL)及びホスファチジルコリン(PC)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、リン脂質は、マロンジアルデヒド(MDA)である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、中性である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、正に帯電している。いくつかの実施形態において、リン脂質は、酸化されている。いくつかの実施形態において、構築物は、治療薬部分(例えば、補体阻害剤)を含む活性部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、検出可能な部分である活性部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分が、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)によって接続する。
いくつかの実施形態において、標的構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この構築物が、(a)リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)活性部分(例えば、治療薬部分または検出可能な部分)とを含み、この抗体またはフラグメントが、配列番号37の配列を含むscFvである、標的構築物が提供される。いくつかの実施形態において、標的構築物(または構築物を含む組成物、例えば、医薬組成物)であって、この標的構築物が、(a)リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントと、(b)活性部分(例えば、治療薬部分または検出可能な部分)とを含み、この抗体またはフラグメントが、配列番号38の配列を含むscFvである、標的構築物が提供される。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)の結合を競争的に阻害する。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗体フラグメントは、リン脂質に対する病原性抗体(例えば、モノクローナル抗体C2)と同じエピトープに結合する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、個体の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、カルジオリピン(CL)及びホスファチジルコリン(PC)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、リン脂質は、マロンジアルデヒド(MDA)である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、中性である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、正に帯電している。いくつかの実施形態において、リン脂質は、酸化されている。いくつかの実施形態において、構築物は、治療薬部分(例えば、補体阻害剤)を含む活性部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、検出可能な部分である活性部分を含む。いくつかの実施形態において、構築物は、融合タンパク質である。いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分は、リンカー(例えば、ペプチドリンカー)を介して接続する。
いくつかの実施形態において、標的部分と、活性部分が、直接結合するか、共有結合するか、または可逆的に結合する。
(標的部分(例えば、損傷に関連するネオエピトープを認識する抗体))
本明細書に記載する抗体またはそのフラグメント(標的構築物の観点で与えられるとき、標的部分とも呼ばれる)は、アネキシンIVまたはリン脂質に特異的に結合する。
本明細書に記載する抗体またはそのフラグメント(標的構築物の観点で与えられるとき、標的部分とも呼ばれる)は、いくつかの実施形態において、アネキシンIVに特異的に結合する。
アネキシンIVは、Ca2+及びリン脂質タンパク質であるタンパク質のファミリーに属する。アネキシン構造は、4回のアネキシン繰り返しの保存されたCa2+及び膜結合コア(アネキシンIVについて8回)と、可変N末端領域とからなる。アネキシンは、可溶性細胞質タンパク質であるが、明らかなシグナル配を欠いており、明らかに古典的な分泌経路に入ることができないにも関わらず、アネキシンは、細胞外液中で特定されるか、またはほとんど解明されていない結合部位によって外部の細胞表面と会合する。アネキシンIVは、上皮細胞によって主に産生され、肺、腸、膵臓、肝臓、感光体及び腎臓でも高レベルで見出される。Rescherら、J.Cell Sci.、(2004)、117:2631−2639、Kulikら、(2009)J Immunol.182(9):5363−73及びZerniiら、Biochemistry(Mosc).、(2003)、68(1):129−60。アネキシンIVは、加齢黄斑変性(AMD)の顕著な特徴であるドルーゼン中にも存在する(Rayborn、M.E.、Sakaguchi、S.、Shadrach、K.、Crabb、J.W.及びHollyfield、J.G.(2006)Ret Degen Dis Adv Exp Med Bio 572、75−78)。
いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体中の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(及び/または病的な構造)またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、非虚血性損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、虚血−再灌流による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、有核細胞(例えば、哺乳動物細胞)によって産生される。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、組み換えタンパク質である。
いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、個体中の非虚血性損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、虚血−再灌流による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、有核細胞(例えば、哺乳動物細胞)によって産生される。いくつかの実施形態において、アネキシンIVは、組み換えタンパク質である。
いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントのためのアネキシンIV上のエピトープは、個体中の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(及び/または病的な構造)またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在するが、組織損傷を受けていない(または受ける危険性がない)組織中の細胞またはこの組織に隣接する細胞の表面には存在しない。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントのためのアネキシンIV上のエピトープは、個体中の非虚血性損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(及び/または病的な構造)またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在するが、非虚血性損傷を受けていない(または受ける危険性がない)組織中の細胞またはこの組織に隣接する細胞の表面には存在しない。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントのためのアネキシンIV上のエピトープは、個体中の酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(及び/または病的な構造)またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在するが、酸化による損傷を受けていない(または受ける危険性がない)組織中の細胞またはこの組織に隣接する細胞の表面には存在しない。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントのためのアネキシンIV上のエピトープは、個体中の虚血−再灌流による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(及び/または病的な構造)またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在するが、再灌流による損傷を受けていない(または受ける危険性がない)組織中の細胞またはこの組織に隣接する細胞の表面には存在しない。
いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントのためのアネキシンIV上のエピトープは、個体の組織損傷(例えば、非虚血性損傷)及び/または酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在する。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントのためのアネキシンIV上のエピトープは、個体中の非虚血性損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在するが、組織損傷を受けていない(または受ける危険性がない)組織またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)には存在しない。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントのためのアネキシンIV上のエピトープは、個体中の非虚血性損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在するが、非虚血性損傷を受けていない(または受ける危険性がない)組織またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)には存在しない。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントのためのアネキシンIV上のエピトープは、個体中の酸化による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在するが、酸化による損傷を受けていない(または受ける危険性がない)組織またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)には存在しない。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントのためのアネキシンIV上のエピトープは、個体中の虚血−再灌流による損傷を受ける組織(または受ける危険性がある組織)またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)に存在するが、再灌流による損傷を受けていない(または受ける危険性がない)組織またはこの組織に隣接した細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)には存在しない。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載する抗体またはそのフラグメント(標的構築物の観点で与えられるとき、標的部分とも呼ばれる)は、リン脂質に特異的に結合し、リン脂質としては、限定されないが、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、カルジオリピン(CL)、ホスファチジルコリン(PC)及びマロンジアルデヒド(MDA)が挙げられる。PE、CL及びPCは、生体膜中に見出されるリン脂質群である。ホスファチジルコリンは、細胞膜の軸索原形質または外葉に最も一般的に見出される。ホスファチジルコリンは、ホスファチジルコリン転移タンパク質(PCTP)によって細胞内の膜間に輸送されると考えられる。リン脂質は、コリン頭部基及びグリセロリン酸と、種々の脂肪酸とで構成され、ある脂肪酸は、飽和脂肪酸であり、ある脂肪酸は、不飽和脂肪酸である。PEは、2個の脂肪酸及びリン酸でエステル化されたグリセロールエステルの組み合わせからなる。一方、ホスフェート基を、ホスファチジルコリン中でコリンと合わせ、PE中でエタノールアミンと合わせる。この2個の脂肪酸は、同じであってもよく、または異なっていてもよく、通常は、1,2位にある(が、1,3位にあってもよい)。カルジオリピン(IUPAC名「1,3−ビス(sn−3’−ホスファチジル)−sn−グリセロール」)は、ミトコンドリアの内膜の重要な要素であり、脂質組成物全体の約20%を構成する。カルジオリピン(CL)は、ジホスファチジルグリセロール脂質の一種であり、2個のホスファチジルグリセロールが、中央でグリセロール骨格と接続し、ダイマー構造を生成する。ほとんどの動物の組織において、カルジオリピンは、これらそれぞれに2個の不飽和結合を有する18炭素の脂肪アルキル鎖を含む。(18:2)4アシル鎖の配座は、哺乳動物のミトコンドリアの内膜タンパク質に対し、CLが高いアフィニティを有するために構造的に重要な必要条件であることが提案されている。リン脂質の沈着が、加齢黄斑変性を有する目で示されている(Lommatzschら(2008) Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol.246(6):803−10)。
マロンジアルデヒド(MDA)は、反応性酸素種(ROS)から作られ、そのため、酸化ストレスのバイオマーカーとしてin vivoでアッセイされることが多い。反応性酸素種は、多価不飽和脂質を分解し、マロンジアルデヒドを生成する。この化合物は、反応性アルデヒドであり、細胞内で毒性のストレスを引き起こし、終末過酸化産物(ALE)と呼ばれる共有結合タンパク質付加物を生成する多くの反応性求電子試薬種の1つである。このアルデヒドの産生は、有機体における酸化ストレスの程度を測定するためのバイオマーカーとしても使用される。MDAの改変は、加齢黄斑変性を有する目及びウェット型AMDのレーザにより誘発されるマウスCNVモデルにおいて示されている(Weissmanら(2011)Nature.478(7367):76−81)。
いくつかの実施形態において、リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)は、個体中の組織損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(または病的な構造(例えば、ドルーゼン))またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)は、個体中の目の疾患を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(または病的な構造(例えば、ドルーゼン))またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)は、個体中の酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(または病的な構造(例えば、ドルーゼン))またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、中性である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、正に帯電している。いくつかの実施形態において、リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)は、酸化されている。
いくつかの実施形態において、リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)は、個体中の組織損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(または病的な構造(例えば、ドルーゼン))またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)は、個体中の目の疾患を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(または病的な構造(例えば、ドルーゼン))またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)は、個体中の酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(または病的な構造(例えば、ドルーゼン))またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在する。いくつかの実施形態において、リン脂質は、中性である。いくつかの実施形態において、リン脂質は、正に帯電している。いくつかの実施形態において、リン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)は、酸化されている。
いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントが結合するリン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)のエピトープは、個体中の組織損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(または病的な構造(例えば、ドルーゼン))またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在するが、組織損傷を受けていない(または受ける危険性がない)組織中の細胞(または病的な構造(例えば、ドルーゼン))またはこの組織に隣接した細胞の表面には存在しない。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントが結合するリン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)のエピトープは、個体中の目の疾患を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(または病的な構造(例えば、ドルーゼン))またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在するが、目の疾患を受けていない(または受ける危険性がない)組織中の細胞(または病的な構造(例えば、ドルーゼン))またはこの組織に隣接した細胞の表面には存在しない。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントが結合するリン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)のエピトープは、個体中の酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞(または病的な構造(例えば、ドルーゼン))またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在するが、酸化による損傷を受けていない(または受ける危険性がない)組織中の細胞(または病的な構造(例えば、ドルーゼン))またはこの組織に隣接した細胞の表面には存在しない。
いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントが結合するリン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)のエピトープは、個体中の組織損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)または病的な構造(例えば、ドルーゼン)またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在するが、組織損傷を受けていない(または受ける危険性がない)組織中の細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)または病的な構造(例えば、ドルーゼン)またはこの組織に隣接した細胞の表面には存在しない。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントが結合するリン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)のエピトープは、個体中の目の疾患を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)または病的な構造(例えば、ドルーゼン)またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在するが、目の疾患を受けていない(または受ける危険性がない)組織中の細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)または病的な構造(例えば、ドルーゼン)またはこの組織に隣接した細胞の表面には存在しない。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントが結合するリン脂質(例えば、PE、CL、MDA、及び/またはPC)のエピトープは、個体中の酸化による損傷を受けている組織(または受ける危険性がある組織)中の細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)または病的な構造(例えば、ドルーゼン)またはこの組織に隣接した細胞の表面に存在するが、酸化による損傷を受けていない(または受ける危険性がない)組織中の細胞の表面、基底膜(例えば、ブルッフ膜)または病的な構造(例えば、ドルーゼン)またはこの組織に隣接した細胞の表面には存在しない。
上述のように、本明細書に記載する特定の組織中の細胞(及び/または病的な構造)またはこの組織に隣接する細胞としては、ある組織または器官の一部である細胞(及び/または病的な構造、例えば、ドルーゼン)、または特定の事象(例えば、非虚血性損傷または酸化による損傷)が起こりつつあるか、起こりそうであるか、または起こり始めている組織または臓器に隣接する(境界、フランキング部位、接続部位の微細環境において、近いか、直接接している)ものが挙げられる。
本明細書に記載するように、本明細書に記載する特定の組織中の細胞、基底膜(例えば、ブルッフ膜)、または病的な構造(例えば、ドルーゼン)、またはこの組織に隣接するものとしては、特定の事象(例えば、非虚血性損傷または酸化による損傷)が起こりつつあるか、起こりそうであるか、または起こり始めている組織または臓器の一部である細胞、またはこれらに隣接する(境界、フランキング部位、接続部位の微細環境において、近いか、直接接している)ものが挙げられる。隣接する細胞の場合には、この細胞は、十分に、酸化による損傷及び/または炎症の条件が、隣接する細胞及び特定の組織または臓器に影響を与えるような特定の組織または臓器の微細環境内である。このような細胞は、限定されないが、「ストレスタンパク質」の表出(例えば、熱ショックタンパク質及びアネキシンを含め、細胞ストレス応答に関連する他のタンパク質)、またはタンパク質、改変タンパク質または他の分子の細胞表面での表出を含め、細胞表面上の他の分子(リン脂質、炭水化物部分)といったストレスの徴候を示すだろう。このような細胞は、アポトーシスを受けるか、またはアポトーシスの徴候を示してもよく、このような徴候には、細胞の形態学的変化、クロマチンの濃縮、細胞シグナル形質導入タンパク質の相互作用の変化、細胞内カルシウム量の変化、リン脂質の外在化、細胞脱離、細胞表面構造の消失などを含む。
本明細書で使用する場合、「〜に選択的に結合する」という用語は、あるタンパク質から別のタンパク質、脂質、または炭水化物部分に対する特定の結合(例えば、抗原に対する抗体、そのフラグメントまたは結合対の結合)を指し、結合の程度は、標準的なアッセイ(例えば、イムノアッセイ)によって測定される場合、アッセイのためのバックグラウンドコントロールよりも統計学的に有意に高い。例えば、イムノアッセイを行う場合、コントロールは、典型的には、抗体または抗原結合フラグメントのみを含有する反応ウェル/管を含み(すなわち、抗原が存在しない場合)、抗原が存在しない状態で、抗体またはその抗原結合フラグメントによる反応性の量(例えば、ウェルに対する非特異的な結合)は、バックグラウンドであると考えられる。結合は、限定されないが、ウェスタンブロット、イムノブロット、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、免疫沈降法、表面プラズモン共鳴、化学発光法、偏光蛍光法、燐光法、免疫組織化学的分析、マトリックス支援レーザ脱離イオン化飛行時間(MALDI−TOF)質量分光法、マイクロサイトメトリー、マイクロアレイ、顕微鏡法、蛍光活性化細胞選別(FACS)及びフローサイトメトリーを含め、当該技術分野で標準的な種々の方法を用いて測定することができる。
本発明によれば、所与のタンパク質またはペプチドまたは他の分子の「エピトープ」は、一般的に、抗体に関し、抗体またはその抗原結合フラグメントが、産生する抗体に対して結合する大きな分子の一部またはこの分子上の部位であると定義される。エピトープという用語は、所与のタンパク質または抗原の「抗原性決定因子」、「抗体結合部位」、または「保存された結合表面」という用語と相互に置き換え可能に使用することができる。さらに具体的には、エピトープは、抗体結合に関与するアミノ酸残基と、さらに、三次元空間での配座(例えば、配座的なエピトープ及び保存された結合表面)の両方によって定義することができる。エピトープは、約4〜6アミノ酸残基程度の小さなペプチドに含まれてもよく、またはタンパク質の大きなセグメントに含まれていてもよく、抗体結合エピトープに関し、エピトープの三次元構造に言及するとき、連続的なアミノ酸残基で構成されている必要はない。抗体結合エピトープは、多くは、連続的なエピトープ(すなわち、直鎖エピトープ)ではなく、配座的なエピトープであり、言い換えると、抗体が結合するタンパク質またはポリペプチドの表面に三次元に配列したアミノ酸残基によって定義されるエピトープである。上述のように、配座的なエピトープは、アミノ酸残基の連続的な配列で構成されておらず、その代わりに、残基は、おそらく、一次タンパク質配列に広く分離しており、三次元での未処置の配座にタンパク質が折り畳まれた様式で、一緒になって結合表面を生成する。
競争アッセイは、当該技術分野の標準的な技術を用いて行うことができる(例えば、競争ELISAまたは他の結合アッセイ)。例えば、既知の標識された抗体(例えば、mAb B4)または血清、または特定の抗原に対する抗原を含むことが知られている別の組成物(例えば、抗原に対する天然抗体を含有することが知られている血清)に対する抗原の結合を阻害する能力によって、競争阻害剤を検出し、定量することができる。
本発明によれば、抗体は、免疫グロブリンドメインを含むことを特徴とし、免疫グロブリンドメイン自体は、タンパク質の免疫グロブリンスーパーファミリーのメンバーである。概して、抗体分子は、2種類の鎖を含む。一方の種類の鎖は、重鎖またはH鎖と呼ばれ、他方は、軽鎖またはL鎖と呼ばれる。この2つの鎖は、等しいモル比で存在し、それぞれの抗体分子は、典型的には、2個のH鎖と2個のL鎖を有する。この2個のH鎖は、ジスルフィド結合に接続し、それぞれのH鎖は、ジスルフィド結合によってL鎖に接続する。ラムダ(λ)鎖及びカッパ(κ)鎖と呼ばれる2種類のL鎖が存在する。対照的に、アイソタイプと呼ばれる主要な5種類のH鎖の分類が存在する。この5つの分類は、免疫グロブリンM(IgMまたはμ)、免疫グロブリンD(IgDまたはδ)、免疫グロブリンG(IgGまたはλ)、免疫グロブリンA(IgAまたはα)及び免疫グロブリンE(IgEまたはε)を含む。このようなアイソタイプの間の独特の特徴は、免疫グロブリンの定常ドメインによって定義され、以下に詳細に記載する。ヒト免疫グロブリン分子は、IgM、IgD、IgE、IgG1(γ1)、IgG2(γ2)、IgG3(γ3)及びIgG4(γ4)を含むIgGの4種類のサブクラス、IgA1(α1)及びIgA2(α2)を含むIgAの2種類のサブクラスの9種類のアイソタイプを含む。ヒトにおいて、IgGサブクラス3及びIgMは、最も強力な補体アクチベーター(古典的な補体系)であり、一方、IgGサブクラス1と、これより少ない程度ではあるが、サブクラス2は、古典的な補体系の中程度から低度のアクチベーターである。IgG4サブクラスは、補体系(古典的経路または副経路)を活性化しない。副経路の補体系を活性化させることが知られているヒト免疫グロブリンの唯一のアイソタイプは、IgAである。マウスにおいて、IgGサブクラスは、IgG1、IgG2a、IgG2b及びIgG3である。マウスIgG1は、補体を活性化せず、一方、IgG2a、IgG2b及びIgG3は、補体アクチベーターである。
免疫グロブリン分子のそれぞれのH鎖またはL鎖は、L鎖可変領域(VLドメイン)、L鎖定常ドメイン(CLドメイン)、H鎖可変領域(VHドメイン)及びH鎖定常ドメイン(CHドメイン)と呼ばれる2つの領域を含む。完全CHドメインは、3つのサブドメイン(CH1、CH2、CH3)とヒンジ領域を含む。これと共に、1個のH鎖及び1個のL鎖は、免疫グロブリン可変領域を有する免疫グロブリン粒子のアームを生成してもよい。完全免疫グロブリン分子は、2つの関連する(例えば、ジスルフィド接続した)アームを含む。従って、全免疫グロブリンのそれぞれのアームは、VH+L領域とCH+L領域を含む。本明細書で使用する場合、「可変領域」または「V領域」という用語は、VH+L領域(Fvフラグメントとしても知られる)、VL領域またはVH領域を指す。さらに、本明細書で使用する場合、「定常領域」または「C領域」という用語は、CH+L領域、CL領域またはCH領域を指す。
免疫グロブリン分子の抗原特異性は、可変領域またはV領域のアミノ酸配列によって与えられる。このように、異なる免疫グロブリン粒子のV領域は、その抗原特異性に依存して、顕著に変動するだろう。V領域の特定の部分は、他の部分よりも高度に保存されており、フレームワーク領域(FR領域)と呼ばれる。対照的に、V領域の特定の部分は、非常に可変性であり、超可変領域と呼ばれる。免疫グロブリン粒子のVLドメインとVHドメインの対の場合、それぞれのドメインからの超可変領域は、会合し、抗原結合部位(antigen binding site、antigen combining sites)を生成する超可変ループを生成する。従って、超可変ループは、免疫グロブリンの特異性を決定付け、その表面が抗原に相補的であるため、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる。
L鎖及びH鎖のV遺伝子配列セグメントは、両方とも、かなりのアミノ酸配列変動性を有する3つの領域を含む。このような領域は、それぞれ、L鎖のCDR1、CDR2及びCDR3及びH鎖のCDR1、CDR2及びCDR3と呼ばれる。L鎖のCDR1の長さは、異なるVL領域間でかなり変動していてもよい。例えば、CDR1の長さは、約7アミノ酸〜約17アミノ酸までさまざまであってもよい。対照的に、L鎖のCDR2及びCDR3の長さは、典型的には、異なるVL領域間でかなり変動していてもよい。H鎖のCDR3の長さは、異なるVH領域間でかなり変動していてもよい。例えば、CDR3の長さは、約1アミノ酸〜約20アミノ酸までさまざまであってもよい。それぞれのH鎖及びL鎖のCDR領域は、FR領域によって隣接している。
プロテアーゼを用いた免疫グロブリンの制限消化によって、2つのフラグメントを生成してもよい。抗原結合フラグメントは、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、またはF(ab’)2フラグメントと呼ばれる。抗原に結合する能力を欠いたフラグメントは、Fcフラグメントと呼ばれる。Fabフラグメントは、VH領域及びCH領域(CH1ドメイン)の一部と対になったL鎖(VL+CLドメイン)を含む免疫グロブリン分子の1つのアームを含む。Fab’フラグメントは、ヒンジ領域の一部がCH1ドメインに接続したFabフラグメントに対応する。F(ab’)2フラグメントは、典型的には、ヒンジ領域において、ジスルフィド結合によって互いに正常に共有結合した2つのFab’フラグメントに対応する。
本発明の単離された抗体は、このような抗体を含む血清、またはさまざまな程度まで精製された抗体を含んでいてもよい。本発明の全抗体は、ポリクローナルまたはモノクローナルであってもよい。または、全抗体の機能的等価物、例えば、一本鎖抗体(例えば、scFv)、ヒト化抗体、1個より多いエピトープに結合することができる抗体(例えば、二重特異的抗体)、または1つ以上の異なる抗原に結合することができる抗体(例えば、二重特異的抗体または多重特異的抗体)を含め、1つ以上の抗体ドメインが切断されているか、または存在していない抗体結合フラグメント(例えば、Fvフラグメント、Fabフラグメント、Fab’フラグメントまたはF(ab’)2フラグメント)、及びこれらの遺伝子操作された抗体または抗原結合フラグメントも、本発明で使用されてもよい。
いくつかの実施形態において、本発明で提供される標的構築物の標的部分は、抗体を含む。いくつかの実施形態において、標的部分は、scFvである。いくつかの実施形態において、標的部分は、(i)配列番号13の軽鎖可変ドメイン;及び/または(ii)配列番号15の重鎖可変ドメインを含むscFvである。いくつかの実施形態において、標的部分は、(i)配列番号14の軽鎖可変ドメイン;及び/または(ii)配列番号16の重鎖可変ドメインを含むscFvである。いくつかの実施形態において、標的部分は、配列番号17の配列を含むscFvである。いくつかの実施形態において、標的部分は、配列番号18の配列を含むscFvである。
いくつかの実施形態において、標的部分は、(i)配列番号34の軽鎖可変ドメイン;及び/または(ii)配列番号36の重鎖可変ドメインを含むscFvである。いくつかの実施形態において、標的部分は、(i)配列番号35の軽鎖可変ドメイン;及び/または(ii)配列番号36の重鎖可変ドメインを含むscFvである。いくつかの実施形態において、標的部分は、配列番号37の配列を含むscFvである。いくつかの実施形態において、標的部分は、配列番号38の配列を含むscFvである。
一実施形態において、本発明の標的構築物は、ヒト化抗体またはそのフラグメント(例えば、ヒト化scFv)を含む。ヒト化抗体またはそのフラグメントは、非ヒト種由来の免疫グロブリンから誘導される抗原結合部位を有する分子であり、残りの免疫グロブリンは、ヒト免疫グロブリンから誘導される分子の一部から誘導される。抗原結合部位は、ヒト定常ドメインに融合される完全可変領域、または可変ドメイン中の適切なヒトフレームワーク領域に接合した相補性決定領域(CDR)のみを含んでいてもよい。ヒト化抗体またはそのフラグメントは、遺伝子操作技術、例えば、CDRグラフティングを用い、例えば、抗体可変領域をモデリングし、抗体を産生することによって産生することができる。ヒト化抗体を産生するための種々の技術の記載は、例えば、Morrisonら(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6851−55;Whittleら(1987)Prot.Eng.1:499−505;Coら(1990)J.Immunol.148:1149−1154;Coら(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:2869−2873;Carterら(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.89:4285−4289;Routledgeら(1991)Eur.J.Immunol.21:2717−2725及びPCT特許公開WO91/09967;WO91/09968及びWO92/113831の中に見出される。
いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、補体活性化を活性化しない。補体活性化の活性を低下させるか、またはなくすことによって、抗体またはそのフラグメントを改変する方法が、当該技術分野で知られている(Tanら(1990) Proc Natl Acad Sci USA 87、162−166)。
いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、(i)配列番号1の配列、配列番号2の配列、または配列番号3の配列を含む軽鎖可変ドメイン;及び/または(ii)配列番号4の配列、配列番号5の配列、または配列番号6の配列を含む重鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、(i)配列番号7の配列、配列番号8の配列、または配列番号9の配列を含む軽鎖可変ドメイン;及び/または(ii)配列番号10の配列、配列番号11の配列、または配列番号12を含む重鎖可変ドメインの配列を含む。
いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、(i)配列番号1の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(ii)配列番号2の配列を含む軽鎖可変ドメイン;及び(iii)配列番号3の配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、(i)配列番号7の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(ii)配列番号8の配列を含む軽鎖可変ドメイン;及び(iii)配列番号9の配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、(i)配列番号4の配列を含む重鎖可変ドメイン;(ii)配列番号5の配列を含む重鎖可変ドメイン;及び(iii)配列番号6の配列を含む重鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、(i)配列番号10の配列を含む重鎖可変ドメイン;(ii)配列番号11の配列を含む重鎖可変ドメイン;及び(iii)配列番号12の配列を含む重鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、(i)配列番号1の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(ii)配列番号2の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(iii)配列番号3の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(iv)配列番号4の配列を含む重鎖可変ドメイン;(v)配列番号5の配列を含む重鎖可変ドメイン;及び(vi)配列番号6の配列を含む重鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、(i)配列番号7の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(ii)配列番号8の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(iii)配列番号9の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(iv)配列番号10の配列を含む重鎖可変ドメイン;(v)配列番号11の配列を含む重鎖可変ドメイン;及び(vi)配列番号12の配列を含む重鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、(i)配列番号1の軽鎖CDR1;(ii)配列番号2の軽鎖CDR2;(iii)配列番号3の軽鎖CDR3;(iv)配列番号4の重鎖CDR1;(v)配列番号5の重鎖CDR2;及び(vi)配列番号6の重鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、(i)配列番号7の軽鎖CDR1;(ii)配列番号8の軽鎖CDR2;(iii)配列番号9の軽鎖CDR3;(iv)配列番号10の重鎖CDR1;(v)配列番号11の重鎖CDR2;及び(vi)配列番号12の重鎖CDR3を含む。
いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、配列番号13の軽鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、配列番号15の重鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、配列番号14の軽鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、配列番号16の重鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、(i)配列番号13の軽鎖可変ドメイン;及び(ii)配列番号15の重鎖可変ドメインを含む。。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、(i)配列番号14の軽鎖可変ドメイン;及び(ii)配列番号16の重鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態において、抗体またはフラグメントは、配列番号17の配列を含むscFvである。いくつかの実施形態において、抗体またはフラグメントは、配列番号18の配列を含むscFvである。
いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に特異的に結合し、(i)配列番号25の配列、配列番号26の配列、または配列番号27の配列を含む軽鎖可変ドメイン;及び/または(ii)配列番号28の配列、配列番号29の配列、または配列番号30の配列を含む重鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、リン脂質に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントは、(i)配列番号31の配列、配列番号32の配列、または配列番号33の配列を含む軽鎖可変ドメイン;及び/または(ii)配列番号28の配列、配列番号29の配列、または配列番号30の配列を含む重鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に特異的に結合し、(i)配列番号25の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(ii)配列番号26の配列を含む軽鎖可変ドメイン;及び(iii)配列番号27の配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、リン脂質に特異的に結合する抗体またはそのフラグメントは、(i)配列番号31の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(ii)配列番号32の配列を含む軽鎖可変ドメイン;及び(iii)配列番号33の配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に特異的に結合し、(i)配列番号28の配列を含む重鎖可変ドメイン;(ii)配列番号29の配列を含む重鎖可変ドメイン;及び(iii)配列番号30の配列を含む重鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に特異的に結合し、(i)配列番号25の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(ii)配列番号26の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(iii)配列番号27の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(iv)配列番号28の配列を含む重鎖可変ドメイン;(v)配列番号29の配列を含む重鎖可変ドメイン;及び(vi)配列番号30の配列を含む重鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に特異的に結合し、(i)配列番号31の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(ii)配列番号32の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(iii)配列番号33の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(iv)配列番号28の配列を含む重鎖可変ドメイン;(v)配列番号29の配列を含む重鎖可変ドメイン;及び(vi)配列番号30の配列を含む重鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に特異的に結合し、(i)配列番号25の軽鎖CDR1;(ii)配列番号26の軽鎖CDR2;(iii)配列番号27の軽鎖CDR3;(iv)配列番号28の重鎖CDR1;(v)配列番号29の重鎖CDR2;及び(vi)配列番号30の重鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、リン脂質に特異的に結合し、(i)配列番号31の軽鎖CDR1;(ii)配列番号32の軽鎖CDR2;(iii)配列番号33の軽鎖CDR3;(iv)配列番号28の重鎖CDR1;(v)配列番号29の重鎖CDR2;及び(vi)配列番号30の重鎖CDR3を含む。
いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、配列番号34の軽鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、配列番号36の重鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、配列番号35の軽鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、(i)配列番号34の軽鎖可変ドメイン;及び(ii)配列番号36の重鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、(i)配列番号35の軽鎖可変ドメイン;及び(ii)配列番号36の重鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態において、抗体またはフラグメントは、配列番号37の配列を含むscFvである。いくつかの実施形態において、抗体またはフラグメントは、配列番号38の配列を含むscFvである。
いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、補体活性化を活性化しない。補体活性化の活性を低下させるか、またはなくすことによって、抗体またはそのフラグメントを改変する方法が、当該技術分野で知られている(Tanら(1990) Proc Natl Acad Sci USA 87、162−166)。
いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに特異的に結合し、(i)配列番号1の配列、配列番号2の配列、または配列番号3の配列を含む軽鎖可変ドメイン;及び/または(ii)配列番号4の配列、配列番号5の配列、または配列番号6の配列を含む重鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに特異的に結合し、(i)配列番号7の配列、配列番号8の配列、または配列番号9の配列を含む軽鎖可変ドメイン;及び/または(ii)配列番号10の配列、配列番号11の配列、または配列番号12を含む重鎖可変ドメインの配列を含む。
いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに特異的に結合し、(i)配列番号1の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(ii)配列番号2の配列を含む軽鎖可変ドメイン;及び(iii)配列番号3の配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに特異的に結合し、(i)配列番号7の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(ii)配列番号8の配列を含む軽鎖可変ドメイン;及び(iii)配列番号9の配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに特異的に結合し、(i)配列番号4の配列を含む重鎖可変ドメイン;(ii)配列番号5の配列を含む重鎖可変ドメイン;及び(iii)配列番号6の配列を含む重鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに特異的に結合し、(i)配列番号10の配列を含む重鎖可変ドメイン;(ii)配列番号11の配列を含む重鎖可変ドメイン;及び(iii)配列番号12の配列を含む重鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに特異的に結合し、(i)配列番号1の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(ii)配列番号2の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(iii)配列番号3の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(iv)配列番号4の配列を含む重鎖可変ドメイン;(v)配列番号5の配列を含む重鎖可変ドメイン;及び(vi)配列番号6の配列を含む重鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに特異的に結合し、(i)配列番号7の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(ii)配列番号8の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(iii)配列番号9の配列を含む軽鎖可変ドメイン;(iv)配列番号10の配列を含む重鎖可変ドメイン;(v)配列番号11の配列を含む重鎖可変ドメイン;及び(vi)配列番号12の配列を含む重鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに特異的に結合し、(i)配列番号1の軽鎖CDR1;(ii)配列番号2の軽鎖CDR2;(iii)配列番号3の軽鎖CDR3;(iv)配列番号4の重鎖CDR1;(v)配列番号5の重鎖CDR2;及び(vi)配列番号6の重鎖CDR3を含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、アネキシンIVに特異的に結合し、(i)配列番号7の軽鎖CDR1;(ii)配列番号8の軽鎖CDR2;(iii)配列番号9の軽鎖CDR3;(iv)配列番号10の重鎖CDR1;(v)配列番号11の重鎖CDR2;及び(vi)配列番号12の重鎖CDR3を含む。
いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、配列番号13の軽鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、配列番号15の重鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、配列番号14の軽鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、配列番号16の重鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、(i)配列番号13の軽鎖可変ドメイン;及び(ii)配列番号15の重鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、(i)配列番号14の軽鎖可変ドメイン;及び(ii)配列番号16の重鎖可変ドメインを含む。
いくつかの実施形態において、抗体またはそのフラグメントは、scFvである。いくつかの実施形態において、標的部分は、(i)配列番号34の軽鎖可変ドメイン;及び/または(ii)配列番号36の重鎖可変ドメインを含むscFvである。いくつかの実施形態において、scFvは、(i)配列番号35の軽鎖可変ドメイン;及び/または(ii)配列番号36の重鎖可変ドメインを含む。いくつかの実施形態において、抗体またはフラグメントは、配列番号37の配列を含むscFvである。いくつかの実施形態において、抗体またはフラグメントは、配列番号38の配列を含むscFvである。
(治療薬部分及び補体調整剤)
特定の実施形態において、標的構築物は、治療薬部分である活性部分を含む。いくつかの実施形態において、治療薬部分は、結合対、例えば、アネキシンIV、PE、PC、MDA、及び/またはCLの近傍空間に標的化されるか、またはこの近傍空間に存在し、標的部分によって認識される。
いくつかの実施形態において、治療薬部分は、例えば、黄斑浮腫を治療するための抗−VEGF薬を含み、限定されないが、例えば、モノクローナル抗体ベバシズマブ(Avastin)、ベバシズマブ誘導体、例えば、ラニビズマブ(Lucentis)、VEGFによって刺激されるチロシンキナーゼを阻害する経口で利用可能な低分子(例えば、ラパチニブ(Tykerb)、スニチニブ(Sutent)、ソラフェニブ(Nexavar)、アキシチニブ及びパゾパニブ)及びアフリバーセプト(EYLEA)、ヒトIgG1のFc部分に融合したヒトVEGF受容体1及び2の細胞外ドメインからなる組み換え融合タンパク質が挙げられる。
特定の実施形態において、標的構築物の治療薬部分は、例えば、CMV網膜炎を治療するための抗ウイルス剤であり、限定されないが、例えば、Ganciclovir、Foscarnet、Fomivirsen、Valganciclovir及びシドフォビルが挙げられる。特定の実施形態において、標的構築物の治療薬部分は、例えば、ぶどう膜炎を治療するためのコルチコステロイドまたは抗−TNFα剤であり、限定されないが、例えば、プレドニゾン、プレドニゾロン、インフリキシマブ(Remicade)、アダリムマブ(Humira)、セルトリズマブペゴル(Cimzia)及びゴリムマブ(Simponi)、エタネルセプト(Enbrel)、キサンチン誘導体(例えば、ペントキシフィリン)及びBupropionが挙げられる。いくつかの実施形態において、治療薬剤は、緑内障を治療するために用いられる薬剤であり、限定されないが、例えば、プロスタグランジン、プロスタグランジン類似体(例えば、ミソプロストール、ランタンプロスト(lantanprost)、ビマプロスト(bimaprost)、またはトラボプロスト)、β遮断薬(例えば、チモロール、レボブモモール(levobumomol)、またはベタキソロール)、炭素脱水酵素阻害剤(例えば、ドルゾラミド(Trusopt)、ブリンゾラミド(Azopt)、またはアセタゾラミド(Diamox))、縮瞳薬(例えば、ピロカルピン)、コリン作動薬及び網膜神経節細胞の変性を防ぐための神経栄養因子が挙げられる。
特定の実施形態において、治療薬剤は、限定されないが、例えば、抗−VEGF薬またはタンパク質キナーゼC阻害剤を含む、糖尿病性網膜症の治療に用いられる薬剤である。特定の実施形態において、治療薬剤は、網膜色素変性の治療に用いられる薬剤であり、例えば、毛様体神経栄養因子(CNTF)、炭素脱水酵素阻害剤Acetazolamide、カルシウムチャンネル遮断薬(例えば、Diltiazem)及び免疫抑制剤(抗−網膜抗体が存在する場合)である。
特定の実施形態において、治療薬剤は、限定されないが、例えば、ミノサイクリン及びダウノルビシンを含む、増殖性硝子体網膜症の治療に用いられる薬剤である。
薬物(例えば、本明細書に記載する薬物)に対し、標的部分、例えば、B4またはC2抗体またはその抗体結合フラグメントを接合する方法は、当該技術分野で知られており、例えば、McDonaghら(2006)Prot Engineer Design Select 19(7):299−307;Hurwitzら(1975)Cancer Res 35:1175−1181;Garnettら(1983)Int J Cancer 31(5):661−670;Kovtunら(2007)Cancer Letters 255(2):232−40;Teicherら(2012)N Engl J Med 367(19):1847−8その他に記載される。
いくつかの実施形態において、治療薬部分は、補体調整剤である。補体調整剤の一例は、補体阻害剤である。いくつかの実施形態において、このような治療薬部分は、補体阻害剤である。従って、本明細書で使用する場合、「治療薬部分」という用語は、補体調整剤及び補体阻害剤の両方を包含することができる。
本明細書に記載する構築物は、いくつかの実施形態において、補体調整剤、例えば、補体阻害剤を含む。
本明細書で使用する場合、「補体阻害剤」という用語は、補体活性を低下させるか、またはなくす任意の化合物、組成物またはタンパク質を指す。補体活性の低下は、徐々に増えていってもよく(例えば、活性を10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%低下)、または完全なものであってもよい。例えば、いくつかの実施形態において、補体阻害剤は、標準的なin vitro赤血球細胞溶血アッセイまたはin vitro CH50eqアッセイにおいて、補体活性を少なくとも10(例えば、少なくとも15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90または95、またはもっと多い)%阻害することができる。例えば、Kabat及びMayer(編集)、「Experimental Immunochemistry、2nd Edition」135−240、Springfield、IL、CC Thomas(1961)、135−139ページ、またはこのアッセイの従来の変形例、例えば、Hillmenら(2004)N Engl J Med 350(6):552に記載されるようなニワトリ赤血球溶血方法を参照。
CH50eqアッセイは、血清における古典的な全補体活性を測定するための方法である。この試験は、溶解アッセイであり、古典的な補体経路のアクチベーターとして抗体に感受性の赤血球を、及び試験血清の種々の希釈物を使用し、50%溶解を与えるのに必要な量(CH50)を決定する。例えば、分光光度計を用い、溶血率%を決定することができる。CH50eqアッセイは、終末補体複合体(TCC)生成の間接的な測定値を与える。TCC自体が、測定される溶血を直接的に担当するからである。
このアッセイは、当業者によく知られており、一般的に実施される。簡単に言うと、古典的な補体経路を活性化するために、希釈していない血清サンプル(例えば、ヒト血清サンプル)を、抗体に感受性の赤血球を含むマイクロアッセイウェルに加え、それによって、TCCを生成する。次いで、活性化された血清をマイクロアッセイウェル中で希釈し、捕捉試薬(例えば、TCCの1つ以上の要素に結合する抗体)でコーティングする。活性化されたサンプル中に存在するTCCは、マイクロアッセイウェルの表面にあるモノクローナル抗体コーティングに結合する。このウェルを洗浄し、それぞれのウェルに対し、検出可能なように標識し、結合したTCCを認識する検出試薬を加える。検出可能な標識は、例えば、蛍光標識または酵素標識であってもよい。このアッセイの結果は、1ミリリットルあたりのCH50単位当量(CH50 U Eq/mL)で表される。
in vitroで補体活性を検出及び/または測定するためのさらなる方法は、作業例に記載され、例示される。
本明細書に記載する補体阻害剤は、いくつかの実施形態において、レクチン経路の特異的な阻害剤である。いくつかの実施形態において、補体阻害剤は、副経路の特異的な阻害剤である。いくつかの実施形態において、補体阻害剤は、古典経路の特異的な阻害剤である。
いくつかの実施形態において、補体阻害剤は、可溶性であるか、または膜結合タンパク質、例えば、膜補因子タンパク質(MCP)、崩壊促進因子(DAF/CD55)、CD59、マウス補体受容体1関連遺伝子/タンパク質y(Crry)、ヒト補体受容体1(CRl)または因子H、または因子I、または補体経路の要素に特異的な抗体、例えば、エクリズマブ(Soliris(登録商標)の商標名で上市される抗−CS抗体)、パキセリズマブ(エクリズマブの抗原結合フラグメント)、抗−因子B抗体(例えば、ATCC寄託番号PTA−6230によって産生されるモノクローナル抗体1379)、抗−プロペルジン抗体、抗−因子D抗体、抗−MASP抗体、抗MBL−抗体などである(以下を参照)。または、補体阻害剤は、低分子または線形または環状のペプチド、例えば、コンプスタチン、N−アセチルアスパルチルグルタミン酸(NAAGA)などであってもよい。いくつかの実施形態において、補体阻害剤は、抗−C5抗体、エクリズマブ、パキセリズマブ、抗−C3b抗体、抗−C6抗体、抗−C7抗体、抗−因子B抗体、抗−因子D抗体及び抗−プロペルジン抗体、ヒト膜補因子タンパク質(MCP)、ヒト崩壊促進因子(DAF)、マウス崩壊促進因子(DAF)、ヒトCD59、マウスCD59、マウスCD59アイソフォームB、マウスCrry、ヒトCR1、因子I、ヒト因子H、マウス因子H、及び上述のいずれかの生物学的に活性なフラグメントからなる群から選択される。
本明細書で使用する場合、「膜補因子タンパク質」、「MCP」または「CD46」は、宿主細胞での補体活性化を阻害し、因子Iが介在するC3b及びC4bの開裂のための補因子として働く、広く分布したC3b/C4b結合細胞表面糖タンパク質を指し、その同族体を含む。T.J.Oglesbyら、J.Exp.Med.(1992)175:1547−1551。MCPは、補体活性化の制御因子(「RCA」)として知られるファミリーに属する。ファミリーメンバーは、特定の構造的特徴を共有し、さまざまな数のショートコンセンサスリピート(SCR)ドメインを含み、典型的には、60アミノ酸長から70アミノ酸長である。アミノ末端で開始し、MCPは、4つのSCR、セリン/トレオニン/プロリンを豊富に含む領域、特定されていない機能を有する領域、膜貫通疎水性ドメイン、細胞質アンカー及び細胞質尾部を含む。開示されたペプチド、ポリペプチド及びタンパク質について種及び株の変形例が存在し、ヒトMCPまたはその生物学的に活性なフラグメントは、あらゆる種及び株の変形例を包含すると理解される。
配列番号44は、全長ヒトMCPアミノ酸配列を表す(例えば、UniProtKB/Swiss−Prot.寄託番号P15529を参照)。アミノ酸1−34は、シグナルペプチドに対応し、アミノ酸35−343は、細胞外ドメインに対応し、アミノ酸344−366は、膜貫通ドメインに対応し、アミノ酸367−392は、細胞質ドメインに対応する。細胞外ドメインにおいて、アミノ酸35−96は、SCR 1に対応し、アミノ酸97−159は、SCR 2に対応し、アミノ酸160−225は、SCR 3に対応し、アミノ酸226−285は、SCR 4に対応し、アミノ酸302−326は、セリン/トレオニンを豊富に含むドメインに対応する。開示されたペプチド、ポリペプチド及びタンパク質について種及び株の変形例が存在し、ヒトMCPまたはその生物学的に活性なフラグメントは、あらゆる種及び株の変形例を包含すると理解される。本明細書で使用する場合、MCPの「生物学的に活性な」フラグメントは、細胞質ドメイン及び膜貫通ドメインの両方を欠く任意の可溶性フラグメントを指し、1、2、3、または4つのSCRドメインを含むか、これらから本質的になるか、またはこれらからなり、セリン/トレオニンを豊富に含むドメインを含んでいるか、または含んでおらず、全長ヒトMCPタンパク質の補体阻害活性のいくつかまたはすべてを有するフラグメントを含む。いくつかの実施形態において、補体阻害剤部分は、全長ヒトMCP(配列番号44のアミノ酸35−392)、ヒトMCPの細胞外ドメイン(配列番号44のアミノ酸35−343)、またはヒトMCPのSCR 1〜SCR 4(配列番号44のアミノ酸35−285)を含む。
崩壊促進因子(CD55(DAF/CD55)とも呼ばれる(配列番号45及び配列番号46))は、宿主細胞での補体活性化を阻害する、−70キロダルトン(kDa)の膜結合糖タンパク質である。いくつかの他の補体制御タンパク質と同様に、DAFは、ショートコンセンサスリピート(SCR)と呼ばれるいくつかの約60アミノ酸の繰り返しモチーフを含む。
本明細書で使用する場合、「崩壊促進因子」、「DAF」、または「CD55」は、4つのショートコンセンサスリピート(SCR)ドメインの後、C末端に、膜表面から分子を開裂させる高度にO−グリコシル化されたセリン/トレオニンを豊富に含むドメインを含み、その後、グリコシルホスファチジルイノシトール(「GPI」)アンカーを含む70キロダルトン(「kDa」)の膜糖タンパク質を指す。DAFは、補体タンパク質C3を残し、補体カスケードを増幅させるのに必要な膜結合C3コンベルターゼを解離することによって、細胞表面を補体活性化から保護する。DAFは、副経路及び古典的な補体経路のC3−及びC5−コンベルターゼの集合を防ぐか、または分解を促進する。
配列番号45は、全長ヒトDAFアミノ酸配列を表す(例えば、UniProtKB/Swiss−Prot.寄託番号P08173を参照)。配列番号46は、全長マウスDAFアミノ酸配列を表す(例えば、UniProtKB/Swiss−Prot.寄託番号Q61475を参照)。ヒトDAF配列において、アミノ酸1−34は、シグナルペプチドに対応し、アミノ酸35−353は、変異タンパク質と思われ、アミノ酸354−381は、翻訳後にポリペプチドから除去される。成熟タンパク質の中で、アミノ酸35−96は、SCR 1に対応し、アミノ酸96−160は、SCR 2に対応し、アミノ酸161−222は、SCR 3に対応し、アミノ酸223−285は、SCR 4に対応し、アミノ酸287−353は、O−グリコシル化されたセリン/トレオニンを豊富に含むドメインに対応する。GPIアンカーは、353位のセリンでヒトDAFに接続する。マウスDAF配列において、アミノ酸1−34は、シグナルペプチドに対応し、アミノ酸35−362は、変異タンパク質と思われ、アミノ酸363−390は、翻訳後にポリペプチドから除去される。成熟タンパク質の中で、アミノ酸35−96は、SCR 1に対応し、アミノ酸97−160は、SCR 2に対応し、アミノ酸161−222は、SCR 3に対応し、アミノ酸223−286は、SCR 4に対応し、アミノ酸288−362は、O−グリコシル化されたセリン/トレオニンを豊富に含むドメインに対応する。GPIアンカーは、362位のセリンでマウスDAFに接続する。開示されたペプチド、ポリペプチド及びタンパク質について種及び株の変形例が存在し、DAFまたはその生物学的に活性なフラグメントは、あらゆる種及び株の変形例を包含すると理解される。本明細書で使用する場合、DAFの「生物学的に活性な」フラグメントは、1、2、3、または4つのSCRドメインを含むか、これらから本質的になるか、またはこれらからなり、O−グリコシル化されたセリン/トレオニンを豊富に含むドメインを含んでいるか、または含んでおらず、全長DAFタンパク質の補体阻害活性のいくつかまたはすべてを有する、全長DAFタンパク質の任意のフラグメントを含む、GPIアンカー及び/またはそれが接続されているアミノ酸(すなわち、Ser−353)を欠くDAFの任意のフラグメントを指す。
本明細書で使用する場合、「CD59」という用語は、補体の膜侵襲複合体(MAC)を強力に阻害する膜結合128アミノ酸糖タンパク質を指す。CD59は、アセンブリ中にMACのC8要素及び/またはC9要素に結合することによって作用し、最終的に、MACの心臓にある浸透圧溶解性の孔の完全な生成に必要なC9の複数のコピーの組み込みを防ぐ。CD59は、N−グリコシル化され、O−グリコシル化される。N−グリコシル化は、主に、二分岐または三分岐の構造を含み、ラクトサミン及び外側アームのフコース残基を含むか、または含んでおらず、いくつかの部位に可変シアリル化が存在する。DAFと同様に、CD59は、アミノ酸102にあるアスパラギンに接合するグリコシルホスファチジルイノシトール(「GPI」)アンカーによって細胞膜に固定される。CD59の可溶性アーム(sCD59)が産生されるが、これらは、一般的に、in vitroでの機能活性が低く、特に、血清存在下での機能活性が低く、このことは、sCD59が、治療効能をほとんど有さないか、または全く有さないことを示唆する。例えば、S.Meriら、「Structural composition and functional characterization of soluble CD59:heterogeneity of the oligosaccharide and glycophosphoinositol(GPI)anchor revealed by laser−desorption mass spectrometric analysis」Biochem.J.316:923−935(1996)を参照。
配列番号47は、全長ヒトCD59アミノ酸配列を表す(例えば、UniProtKB/Swiss−Prot.寄託番号P13987を参照)。配列番号48は、全長マウスCD59配列のアイソフォームAを表す(例えば、UniProtKB/Swiss−Prot.寄託番号055186を参照)。配列番号49は、全長マウスCD59配列のアイソフォームBを表す(例えば、UniProtKB/SwissProt.寄託番号P58019を参照)。ヒトCD59配列において、配列番号47のアミノ酸1−25は、リーダーペプチドに対応し、配列番号47のアミノ酸26−102は、成熟タンパク質に対応し、配列番号47のアミノ酸103−128は、翻訳後に除去される。GPIアンカーは、配列番号47の102位にあるアスパラギンでCD59に接続する。マウスCD59配列のアイソフォームAにおいて、配列番号48のアミノ酸1−23は、リーダーペプチドに対応し、配列番号48のアミノ酸24−96は、成熟タンパク質に対応し、配列番号48のアミノ酸97−123は、翻訳後に除去される。GPIアンカーは、配列番号48の96位にあるセリンでCD59に接続する。マウスCD59配列のアイソフォームBにおいて、配列番号49のアミノ酸1−23は、リーダーペプチドに対応し、配列番号49のアミノ酸24−104は、成熟タンパク質に対応し、配列番号49のアミノ酸105−129は、翻訳後に除去される。GPIアンカーは、配列番号49の104位にあるアスパラギンでCD59に接続する。開示されたペプチド、ポリペプチド及びタンパク質について種及び株の変形例が存在し、CD59またはその生物学的に活性なフラグメントは、あらゆる種及び株の変形例を包含すると理解される。
本明細書で使用する場合、ヒトCD59の「生物学的に活性な」フラグメントは、GPIアンカー及び/またはこれに接続するアミノ酸(すなわち、Asn−102)を欠くヒトCD59の任意のフラグメントを指し、全長CD59タンパク質の補体阻害活性のいくつかまたはすべてを有する全長ヒトCD59タンパク質の任意のフラグメントを含み、マウスCD59の「生物学的に活性な」フラグメントは、GPIアンカー及び/またはこれに接続するアミノ酸(すなわち、アイソフォームAのSer−96、またはアイソフォームBのAsp−104)を欠くマウスCD59のアイソフォームAまたはアイソフォームBの任意のフラグメントを指し、全長CD59タンパク質のいくつかまたはすべての補体阻害活性を有するいずれかの全長マウスCD59タンパク質アイソフォームの任意のフラグメントを含む。
本明細書で使用する場合、「マウス補体受容体1関連遺伝子/タンパク質y」または「Crry」は、補体活性化を制御する膜結合マウス糖タンパク質を指し、その同族体を含む。Crryは、宿主組織に沈着したC3b及びC4bを開裂させるセリンプロテアーゼである補体因子Iの補因子として機能することによって補体活性化を制御する。Crryは、崩壊促進因子としても作用し、C4b2a及びC3bBb、補体カスケードの増幅コンベルターゼの生成を防ぐ。
配列番号50は、全長マウスCrryタンパク質アミノ酸配列を表す。アミノ酸1−40は、リーダーペプチドに対応し、配列番号50のアミノ酸41−483は、変異タンパク質に対応し、細胞外ドメインに対応する配列番号50のアミノ酸41−405、膜貫通ドメインに対応する配列番号50のアミノ酸406−426、及び細胞質ドメインに対応する配列番号50のアミノ酸427−483を含む。細胞外ドメインにおいて、配列番号50のアミノ酸83−143は、SCR 1に対応し、配列番号50のアミノ酸144−205は、SCR 2に対応し、配列番号50のアミノ酸206−276は、SCR 3に対応し、配列番号50のアミノ酸277−338は、SCR 4に対応し、配列番号50のアミノ酸339−400は、SCR 5に対応する。開示されたペプチド、ポリペプチド及びタンパク質について種及び株の変形例が存在し、マウスCrryタンパク質またはその生物学的に活性なフラグメントは、あらゆる種及び株の変形例を包含すると理解される。本明細書で使用する場合、マウスCrryタンパク質の「生物学的に活性な」フラグメントは、膜貫通ドメイン及び細胞質ドメインを欠くマウスCrryの任意の可溶性フラグメントを指し、1、2、3、4、または5つのSCRドメインを含むか、これらから本質的になるか、またはこれらからなるフラグメントを含み、全長Crryタンパク質の補体阻害活性のいくつかまたはすべてを有する全長マウスCrryタンパク質の任意のフラグメントを含む。
本明細書で使用する場合、「補体受容体1」、「CR1」、または「CD35」という用語は、2039アミノ酸のタンパク質をコードするヒト遺伝子を指し、予想される分子量は、220キロダルトン(「kDa」)であり、その同族体を含む。この遺伝子は、赤血球、単球、好中球及びB細胞で主に発現するが、いくつかのTリンパ球、マスト細胞及び糸状体足細胞にも存在する。CR1タンパク質は、典型的には、細胞あたり、100コピー〜1000コピーで発現する。CR1は、補体によりオプソニン化された免疫複合体の処理及びクリアランスの主な系である。CR1は、補体カスケードを負の方向に制御し、免疫付着及び食作用を媒介し、古典的な補体経路及び副経路の両方を阻害する。全長CR1タンパク質は、42アミノ酸のシグナルペプチド、1930アミノ酸の細胞外ドメイン、25アミノ酸の膜貫通ドメイン及び43アミノ酸のC末端細胞質ドメインを含む。CR1の細胞外ドメインは、25の潜在的なN−グリコシル化シグナル配列を含み、30のショートコンセンサス(「SCR」)ドメイン(補体コントロールタンパク質(CCP)リピートとしても知られる)、またはsushiドメインを含み、それぞれ60〜70アミノ酸長である。SCR間の配列同一性は、60〜99%の範囲である。30のSCRドメインは、さらに、4つの長い相同性リピート(「LHR」)にグループ分けされ、それぞれ、LHR−A、LHR−B、LHR−C及びLHR−Dと呼ばれるCR1タンパク質の約45kDaセグメントをコードする。最初の3つは、それぞれ7つのSCRドメインを含み、一方、LHR−Dは、9つのSCRドメインを含む。CR1タンパク質の細胞外ドメインにある活性部位は、アミノ酸42−295を含むSCR1〜4のC3bに対して低いアフィニティを有するC4b結合部位、アミノ酸490−745を含むSCR8〜11のC4bに対して低いアフィニティを有するC3b結合部位、アミノ酸940−1196を含むSCR15〜18のC4bに対して低いアフィニティを有するC3b結合部位、及びアミノ酸1394−1842を含むSCR22〜28にC1q結合部位を含む。
配列番号51は、全長ヒトCR1アミノ酸配列を表す(例えば、UniProtKB/Swiss−Prot.寄託番号No.P17927を参照)。アミノ酸1−41は、シグナルペプチドに対応し、アミノ酸42−2039は、成熟タンパク質に対応し、細胞外ドメインに対応するアミノ酸42−1971、膜貫通ドメインに対応するアミノ酸1972−1996、及び細胞外ドメインに対応するアミノ酸1997−2039を含む。細胞外ドメインにおいて、アミノ酸42−101は、SCR 1に対応し、102−163は、SCR2に対応し、アミノ酸164−234は、SCR3に対応し、アミノ酸236−295は、SCR4に対応し、アミノ酸295−355は、SCR5に対応し、アミノ酸356−418は、SCR6に対応し、アミノ酸419−489は、SCR7に対応し、アミノ酸491−551は、SCR8に対応し、アミノ酸552−613は、SCR9に対応し、アミノ酸614−684は、SCR10に対応し、アミノ酸686−745は、SCR11に対応し、アミノ酸745−805は、SCR12に対応し、アミノ酸806−868は、SCR13に対応し、アミノ酸869−939は、SCR14に対応し、アミノ酸941−1001は、SCR15に対応し、アミノ酸1002−1063は、SCR16に対応し、アミノ酸1064−1134は、SCR17に対応し、アミノ酸1136−1195は、SCR18に対応し、アミノ酸1195−1255は、SCR19に対応し、アミノ酸1256−1318は、SCR 20に対応し、アミノ酸1319−1389は、SCR 21に対応し、アミノ酸1394−1454は、SCR 22に対応し、アミノ酸1455−1516は、SCR 23に対応し、アミノ酸1517−1587は、SCR 24に対応し、アミノ酸1589−1648は、SCR 25に対応し、アミノ酸1648−1708は、SCR 26に対応し、アミノ酸1709−1771は、SCR 27に対応し、アミノ酸1772−1842は、SCR 28に対応し、アミノ酸1846−1906は、SCR 29に対応し、アミノ酸1907−1967は、SCR 30に対応する。開示されたペプチド、ポリペプチド及びタンパク質について種及び株の変形例が存在し、CR1タンパク質またはその生物学的に活性なフラグメントは、あらゆる種及び株の変形例を包含すると理解される。本明細書で使用する場合、CR1タンパク質の「生物学的に活性な」フラグメントという用語は、膜貫通ドメイン及び細胞質ドメインを欠くCR1の任意の可溶性フラグメントを指し、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30のSCRドメインを含むか、これらから本質的になるか、またはこれらからなるフラグメントを含み、CR1タンパク質の補体阻害活性のいくつかまたはすべてを有する全長CR1タンパク質の任意のフラグメントを含む。
本明細書で使用する場合、「補体因子H」、「因子H」または「FH」という用語は、補体因子H、一本鎖ポリペプチドの血漿糖タンパク質を指し、その同族体を含む。このタンパク質は、安定な球状のような連続した様式で整列し、それぞれ2〜6アミノ酸の短いリンカー配列によって分離された、約60アミノ酸の20の保存されたショートコンセンサスリピート(SCR)ドメインで構成される。因子Hは、C3bに結合し、副経路C3−コンベルターゼ(C3bBb)の崩壊を促進し、C3bのタンパク質分解による不活性化の補因子として作用する。因子H存在下、因子Iによるタンパク質分解によって、C3bの開裂及び不活性化が生じる。因子Hは、C3bのための少なくとも3つの別個の結合ドメインを有し、SCR1〜4、SCR5〜8及びSCR19〜20の中に配置される。それぞれのドメインは、C3bタンパク質内の別個の領域に結合し、そのN末端部位は、未処置のC3bに結合し、因子Hの中央領域に位置する第2の部位は、C3cフラグメントに結合し、SCR19及び20に位置する部位は、C3d領域に結合する。それに加え、因子Hは、ヘパリンのための結合部位も含み、因子HのSCR7、SCR5〜12及びSCR20に配置され、C3b結合部位のこれらの部分が重複する。構造分析及び機能分析は、因子Hの補体阻害活性のためのドメインは、最初の4つのN末端SCRドメインの中に配置される。
配列番号52は、全長ヒト因子Hアミノ酸配列を表す(例えば、UniProtKB/Swiss−Prot.寄託番号P08603を参照)。配列番号53は、全長マウス因子Hアミノ酸配列を表す(例えば、UniProtKB/Swiss−Prot.寄託番号P06909を参照)。ヒト因子H配列において、配列番号52のアミノ酸1−18は、シグナルペプチドに対応し、配列番号52のアミノ酸19−1231は、成熟タンパク質に対応する。このタンパク質の中で、配列番号52のアミノ酸21−80は、SCR 1に対応し、配列番号52のアミノ酸85−141は、SCR 2に対応し、配列番号52のアミノ酸146−205は、SCR 3に対応し、配列番号52のアミノ酸210−262は、SCR 4に対応し、配列番号52のアミノ酸267−320は、SCR 5に対応する。マウス因子H配列において、配列番号53のアミノ酸1−18は、シグナルペプチドに対応し、配列番号53のアミノ酸19−1234は、成熟タンパク質に対応する。このタンパク質の中で、配列番号53のアミノ酸19−82は、SCR 1に対応し、配列番号53のアミノ酸83−143は、SCR 2に対応し、配列番号53のアミノ酸144−207は、SCR 3に対応し、配列番号53のアミノ酸208−264は、SCR 4に対応し、配列番号53のアミノ酸265−322は、SCR 5に対応する。開示されたペプチド、ポリペプチド及びタンパク質について種及び株の変形例が存在し、因子Hまたはその生物学的に活性なフラグメントは、あらゆる種及び株の変形例を包含すると理解される。
本明細書で使用する場合、因子Hの「生物学的に活性な」フラグメントという用語は、全長因子Hタンパク質の補体阻害活性のいくつかまたはすべてを有する、因子Hタンパク質の任意の部分を指し、限定されないが、以下に詳細に記載するように、SCR1〜4、SCR1〜5、SCR1〜8、SCR1〜18、SCR19〜20を含む因子Hフラグメント、または天然に生じる因子Hの任意の同族体またはそのフラグメントが挙げられる。いくつかの実施形態において、因子Hの生物学的に活性なフラグメントは、以下の1つ以上の特性を有する。(1)C−反応性タンパク質(CRP)への結合、(2)C3bへの結合、(3)ヘパリンへの結合、(4)シアル酸への結合、(5)内皮細胞表面への結合、(6)細胞インテグリン受容体への結合、(7)病原体への結合、(8)C3b補因子活性、(9)C3b崩壊促進活性、及び(10)補体の副経路の阻害。
従って、いくつかの実施形態において、本明細書に記載する標的構築物の治療薬部分は、補体阻害剤またはその生物学的に活性なフラグメントを含む。いくつかの実施形態において、補体阻害剤は、ヒトMCP、ヒトDAF、マウスDAF、ヒトCD59、マウスCD59のアイソフォームA、マウスCD59のアイソフォームB、マウスCrryタンパク質、ヒトCR1、ヒト因子H、またはマウス因子H、因子I、またはその生物学的に活性なフラグメントからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、標的構築物の補体阻害剤部分は、全長ヒトMCP(配列番号44)を含む。いくつかの実施形態において、標的構築物の補体阻害剤部分は、ヒトMCPの生物学的に活性なフラグメント(配列番号44)を含む。いくつかの実施形態において、ヒトMCPの生物学的に活性なフラグメントは、SCR1〜4(配列番号44のアミノ酸35−285)、SCR1〜4とセリン/トレオニンを豊富に含むドメイン(配列番号44のアミノ酸35−326)及びMCPの細胞外ドメイン(配列番号44のアミノ酸35−343)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、標的構築物の補体阻害剤部分は、全長ヒトDAFを含む。いくつかの実施形態において、構築物の補体阻害剤部分は、ヒトDAFの生物学的に活性なフラグメント(配列番号45)を含む。いくつかの実施形態において、ヒトDAFの生物学的に活性なフラグメントは、SCR1〜4(配列番号45のアミノ酸25−285)及びSCR1〜4とO−グリコシル化されたセリン/トレオニンを豊富に含むドメイン(配列番号45のアミノ酸25−353)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、構築物の補体阻害剤部分は、全長マウスDAF(配列番号46)を含む。いくつかの実施形態において、構築物の補体阻害剤部分は、マウスDAFの生物学的に活性なフラグメントを含む。いくつかの実施形態において、マウスDAFの生物学的に活性なフラグメントは、SCR1〜4(配列番号46のアミノ酸35−286)及びSCR1〜4とO−グリコシル化されたセリン/トレオニンを豊富に含むドメイン(配列番号46のアミノ酸35−362)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、構築物の補体阻害剤部分は、全長ヒトCD59(配列番号47)を含む。いくつかの実施形態において、構築物の補体阻害剤部分は、ヒトCD59の生物学的に活性なフラグメント(配列番号47)を含む。いくつかの実施形態において、ヒトCD59の生物学的に活性なフラグメントは、そのGPIアンカー(配列番号47のアミノ酸26−101)を欠くヒトCD59の細胞外ドメインを含む。いくつかの実施形態において、構築物の補体阻害剤部分は、全長マウスCD59のアイソフォームA(配列番号48)を含む。いくつかの実施形態において、構築物の補体阻害剤部分は、マウスCD59の生物学的に活性なフラグメントのアイソフォームA(配列番号48)を含む。いくつかの実施形態において、マウスCD59の生物学的に活性なフラグメントのアイソフォームAは、そのGPIアンカー(配列番号48のアミノ酸24−95)を欠くマウスCD59の細胞外ドメインのアイソフォームAを含む。いくつかの実施形態において、構築物の補体阻害剤部分は、全長マウスCD59のアイソフォームBを含む(配列番号49)。いくつかの実施形態において、構築物の補体阻害剤部分は、マウスCD59の生物学的に活性なフラグメントのアイソフォームB(配列番号49)を含む。いくつかの実施形態において、マウスCD59の生物学的に活性なフラグメントのアイソフォームBは、そのGPIアンカー(配列番号49のアミノ酸24−103)を欠くマウスCD59の細胞外ドメインのアイソフォームBを含む。
いくつかの実施形態において、構築物の補体阻害剤部分は、全長マウスCrryタンパク質(配列番号50)を含む。いくつかの実施形態において、構築物の補体阻害剤部分は、マウスCrryタンパク質の生物学的に活性なフラグメント(配列番号50)を含む。いくつかの実施形態において、マウスCrryタンパク質の生物学的に活性なフラグメントは、SCR1〜5(配列番号50のアミノ酸41−400)及びマウスCrryタンパク質の細胞外ドメイン(配列番号50のアミノ酸41−405)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、構築物の補体阻害剤部分は、全長ヒトCR1タンパク質(配列番号51)を含む。いくつかの実施形態において、構築物の補体阻害剤部分は、ヒトCR1タンパク質の生物学的に活性なフラグメント(配列番号51)を含む。いくつかの実施形態において、ヒトCR1タンパク質の生物学的に活性なフラグメントは、SCR1〜4(配列番号51のアミノ酸42−295)、SCR1〜10(配列番号51のアミノ酸42−684)、SCR8〜11(配列番号51のアミノ酸490−745)、SCR15〜18(配列番号51のアミノ酸940−1196)及びSCR22〜28(配列番号51のアミノ酸1394−1842)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、構築物の補体阻害剤部分は、全長ヒト(配列番号52)またはマウス(配列番号53)の因子Hを含む。いくつかの実施形態において、構築物の補体阻害剤部分は、ヒト(配列番号52)またはマウス(配列番号53)の因子Hの生物学的に活性なフラグメントを含む。いくつかの実施形態において、ヒト因子H(配列番号52)の生物学的に活性なフラグメントは、SCR1〜4(配列番号52のアミノ酸21−262)、因子HのSCR1〜5(配列番号52のアミノ酸21−320)、因子HのSCR1〜8(配列番号52のアミノ酸21−507)及び因子HのSCR1〜18(配列番号52のアミノ酸21−1104)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、マウス因子Hの生物学的に活性なフラグメント(配列番号53)は、SCR1〜4(配列番号53のアミノ酸19−264)、因子HのSCR1〜5(配列番号53のアミノ酸19−322)、因子HのSCR1〜8(配列番号53のアミノ酸19−507)及び因子HのSCR1〜18(配列番号53のアミノ酸19−1109)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、ヒト(配列番号52)またはマウス(配列番号53)の因子Hの生物学的に活性なフラグメントは、例えば、最初の5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、またはこれより多い因子HのN末端SCRドメインの少なくともいずれかを含め、因子Hの最初の4つのN末端SCRドメインを含む(いくつかの実施形態において、これらからなるか、またはこれから本質的になる)。
いくつかの実施形態において、標的構築物の補体阻害剤部分は、本明細書に記載する補体阻害剤の同族体またはその生物学的に活性なフラグメントである。補体阻害剤の同族体(またはその生物学的に活性なフラグメント)は、少なくとも1つまたはいくつか(しかし、1つまたはいくつかに限定されない)アミノ酸が欠失しているか(例えば、タンパク質の末端切断された態様、例えば、ペプチドまたはフラグメント)、挿入しているか、逆に配置されているか、置換されているか、及び/または誘導体化されている(例えば、グリコシル化、リン酸化、アセチル化、ミリストイル化、プレニル化、パルミチン化、アミド化及び/またはグリコシルホスファチジルイノシトールの添加)という点で、天然に生じる補体阻害剤(またはその生物学的に活性なフラグメント)とは異なるタンパク質を含む。例えば、補体阻害剤の同族体は、天然に生じる補体阻害剤のアミノ酸配列(例えば、配列番号44〜53)と少なくとも約70%の同一性を有する、例えば、天然に生じる補体阻害剤のアミノ酸配列(例えば、配列番号44〜53)と少なくとも約75%、少なくとも約76%、少なくとも約77%、少なくとも約78%、少なくとも約79%、少なくとも約80%、少なくとも約81%、少なくとも約82%、少なくとも約83%、少なくとも約84%、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の同一性を有するアミノ酸配列を有していてもよい。
アミノ酸配列の同一性は、例えば、BLAST、BLAST−2、ALIGNまたはMEGALIGNTM(DNAST AR)ソフトウエアのような公的に利用可能なコンピュータソフトウエアを用い、種々の様式で決定することができる。当業者は、比較する配列の全長にわたって最大アラインメントを達成するのに必要な任意のアルゴリズムを含め、アラインメントを測定するのに適切なパラメータを決定することができる。
特定の実施形態において、補体阻害剤の同族体(またはその生物学的に活性なフラグメント)は、誘導される補体阻害剤(またはその生物学的に活性なフラグメント)の補体の副経路阻害活性のすべてを保持している。特定の実施形態において、補体阻害剤の同族体(またはその生物学的に活性なフラグメント)は、誘導される補体阻害剤(またはその生物学的に活性なフラグメント)の補体阻害活性の少なくとも約50%、例えば、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%を保持している。
いくつかの実施形態において、補体阻害剤は、補体成分、例えば、Cl、Clq、Cis、C2、C2a、C3、C3a、C3b、C4、C4b、C5、C5a、C5b、C6、C7、C8及びC9からなる群から選択される補体成分に結合する抗体(またはその抗原結合フラグメント)である。その抗体または抗体フラグメントが結合する補体ポリペプチドは、いくつかの実施形態において、ヒトポリペプチド、例えば、ヒトCl、Clq、Cls、C2、C2a、C3、C3a、C3b、C4、C4b、C5、C5a、C5b、C6、C7、C8、C9、因子B、因子D、またはプロペルジンポリペプチドであってもよい。上の補体タンパク質のアミノ酸配列は、1つ以上の補体タンパク質に特異的な抗体(またはその抗原結合フラグメント)を調製するときに使用するためのタンパク質またはそのフラグメントを調製するための方法であるため、当該技術分野でよく知られている。適切な方法も本明細書に記載され、例示される。
本明細書に記載する標的構築物に組み込み、その後に、本明細書に記載するいずれかの方法で使用するのに適した例示的な抗−補体タンパク質抗体も、当該技術分野でよく知られている。例えば、補体成分C5に結合し、C5をフラグメントC5a及びC5bに開裂するのを阻害する抗体としては、例えば、エクリズマブ(Soliris(登録商標);Alexion Pharmaceuticals,Inc.、Cheshire、CT)及びパキセリズマブ(Alexion Pharmaceuticals,Inc.、Cheshire、CT)が挙げられる。例えば、Kaplan(2002)Curr Opin Investig Drugs 3(7):1017−23;Hill(2005)Clin Adv Hematol Oncol 3(11):849−50;Rotherら(2007)Nature Biotechnol 25(11):1256−1488;Whiss(2002)Curr Opin Investig Drugs 3(6):870−7;Patelら(2005)Drugs Today(Barc)41(3):165−70;及びThomasら(1996)Mol Immunol.33(17−18):1389−401を参照。
いくつかの実施形態において、抗−C5抗体は、ヒト補体成分C5タンパク質のα鎖中のエピトープに結合することができる。C5のα鎖に結合する抗体は、例えば、PCT出願公開WO2010/136311及び米国特許第6,355,245号に記載されている。
いくつかの実施形態において、抗−C5抗体は、ヒト補体成分C5タンパク質のβ鎖中のエピトープに結合することができる。C5のβ鎖に結合する抗体は、例えば、Moongkarndiら(1982)Immunobiol 162:397;Moongkarndiら(1983)Immunobiol 165:323;及びMollnesら(1988)Scand 1 Immunol 28:307−312に記載される。
本明細書に記載する標的構築物に使用するのに適したさらなる抗−C5抗体及びその抗原結合フラグメントは、例えば、PCT出願公開WO2010/015608に記載され、その開示は、全体的に本明細書に参考として組み込まれる。
C3bに結合し、例えば、C3bコンベルターゼを阻害する抗体も、当該技術分野でよく知られている。例えば、PCT出願公開WO2010/136311、WOb2009/056631及びWO2008/154251に記載され、これらそれぞれの開示は、全体的に本明細書に参考として組み込まれる。アンタゴニスト性を有する抗−C6抗体及び抗−C7抗体は、例えば、Brauerら(1996)Transplantation 61(4):S88−S94及び米国特許第5,679,345号に記載される。
いくつかの実施形態において、補体阻害剤は、抗−因子B抗体である(例えば、ATCC寄託番号PTA−6230によって産生するモノクローナル抗体1379)。抗−因子B抗体は、例えば、Uedaら(1987)J Immunol 138(4):1143−9;Tanhehcoら(1999)Transplant Proc 31(5):2168−71;米国特許出願公開第20050260198号及び同第2008029911号;及びPCT公開WO09/029669にも記載されている。
いくつかの実施形態において、補体阻害剤は、抗−因子D抗体、例えば、Pascualら(1990)1 Immunol Methods 127:263−269;Sahuら(1993)Mol Immunol 30(7):679−684;Pascualら(1993)Eur 1 Immunol 23:1389−1392;Niemannら(1984)J Immunol 132(2):809−815;米国特許第7,439,331号;または米国特許出願公開第20080118506号に記載される抗体である。
いくつかの実施形態において、補体阻害剤は、抗−プロペルジン抗体である。適切な抗−プロペルジン抗体も、当該技術分野でよく知られており、例えば、米国特許出願公開第20110014614号及びPCT出願公開W02009110918を含む。
いくつかの実施形態において、補体阻害剤部分は、抗−MBL抗体である。血漿タンパク質であるマンノース結合マンナン結合レクチン(MBL)は、MBL関連セリンプロテアーゼ(MASP)として知られるタンパク質と複合体を生成する。MBLは、哺乳動物タンパク質に特徴的ではないいくつかの単糖類(例えば、マンノース、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルマンノースアミン、L−フコース及びグルコース)に結合し、一方、シアル酸及びガラクトースは結合しない。MBL−MASP複合体が微生物に結合する場合、セリンプロテアーゼのプロ酵素形態が活性化し、補体成分C4及びC2の活性化を媒介し、それによって、C3コンベルターゼC4b2bを生成し、C4b及びC3bのフラグメントの沈着によってオプソニン化する。MASP−2は、C4及びC2を開裂することが示されており、一方、MASP−1は、C3の直接的な開裂を担当してもよい。MASP−3及びMAp19の機能は、あまりよくわかっていない。研究から、MBLの量が少ないこととオプソニン欠損と、臨床徴候、例えば、重篤な下痢、慢性肝炎及びHIV感染及び自己免疫性疾患との明確な関係が示された。Petersenら、J.Immunological Methods、257:107−16(2001);Petersenら、Molecular Immunology、38:133−49(2001)を参照。抗−マンナン結合レクチン抗体は、当該技術分野で知られており(例えば、Pradhanら(2012)Rheumatol.Int.epublished September、2012を参照)、市販されている(AbCam)。
いくつかの実施形態において、補体阻害剤部分は、抗−MASP抗体である。マンナン結合レクチン関連セリンプロテアーゼ(MASP)は、少なくとも3種類のタンパク質のファミリーであり(マンナン結合レクチン関連セリンプロテアーゼ−1、−2及び−3(それぞれMASP−1、MASP−2及びMASP−3))、補体活性化のレクチン経路の調整に顕著な役割を果たすことが教示されている。Petersenら、Molecular Immunology 38:133−149(2001)。
MASP−1は、トリプシン及びトリプシン様のセリンプロテアーゼ中に見出される種類のヒスチジンループ構造を有する。MASP−1は、MBLによる補体活性化に関与することがわかっている。MASP−1をコードするcDNAクローンは、19アミノ酸の推定リーダーペプチド、その後、成熟ペプチドの形態であると予測される680アミノ酸残基をコードすることが報告されている。MASP−2(MBL関連セリンプロテアーゼ2)は、補体経路のC1 r及びC1 sに構造も類似しているセリンプロテアーゼである。これらと同様に、また、MASP−1とは対照的に、トリプシン及びトリプシン様のセリンプロテアーゼ中に見出される種類のヒスチジンループ構造を有さない。MASP−1がC3を開裂し、C3bを生成することができると理論づけられ、C3bは、活性化された細胞または組織表面に沈着してもよい。
MASP−2が、C4及びC2を開裂し、C3コンベルターゼ、C4b2bを与えることが示されている(Thielら、Nature、386:506−10(1997))。MASP−2タンパク質は、多くのドメイン(つまり、CUB1、EGF、CUB2、CCP1、CCP2及びセリンプロテアーゼドメイン)を含む。MBLとの会合を担当するドメインは、N末端に位置していると考えられており、一方、セリンプロテアーゼドメインは、MASP−2のセリンプロテアーゼ活性を担当する。sMAP(MAp19としても知られる)は、19kdであり、MASP−2と同じ遺伝子から誘導され、セリンプロテアーゼドメイン及びA鎖の主要部分を欠く。Skjoedtら、Immunobiology、215:921−31(2010)。近年、このファミリーの第3のメンバーであるMASP−3が同定され、MASP−1と高度な同一性を共有しており、その結果、MASP−1及びMASP−3は、一次mRNA転写物の交互スプライシングの結果として生成すると思われる。
MBL、MASP−1、MASP−2、MASP−3及びMBL/MASP複合体に対する抗体、及び補体活性化の悪影響、例えば、虚血−再灌流による損傷を阻害するためのこれらの使用は、例えば、WO04/075837;US2009/0017031に開示されている。
MASP−2に対する他の抗体は、同様に、以前に記載されている。例えば、WO02/06460、US2007/0009528、Petersonら、Mol.Immunol.37:803−11(2000)、Moller−Kristensenら、J.of Immunol.Methods 282:159−67(2003)、Petersenら、Mol.Immunol.35:409及びWO04/106384を参照。
さらなる関連するタンパク質であるMBL/フィコリン関連タンパク質(MAP−1)は、MASP−1及びMASP−3と比較して低い血清濃度で存在し、局所的なレクチン経路に特異的な補体阻害剤として機能することが報告されている。Skjodtら、Molecular Immunology、47:2229−30(2010)。従って、MAP−1自体、またはMAP−1のフラグメントは、MASPの阻害剤として本発明で有用であり、従って、補体活性化のレクチン経路に特異的な阻害剤として有用であろう。最後に、フィコリンファミリーのタンパク質は、炭水化物の結合及びオプソニン活性を特徴とし、MBLと類似した構造を共有する。MBLと同様に、フィコリンは、血清中でMASPと会合することが示されており、病原性、壊死性またはアポトーシス性の細胞特異的な炭水化物マーカーに応答し、補体活性化を媒介するだろう。従って、フィコリンファミリーまたはその機能的フラグメントの阻害剤は、MASPの阻害剤として、また、補体活性化のレクチン経路に特異的な阻害剤として、本発明で有用であろう。米国特許第6,333,034号及び米国特許第7,423,128号。また、WO2008/154018及びWO2009/110918を参照。
いくつかの実施形態において、補体阻害剤部分は、ヒト補体成分タンパク質(例えば、ヒトC5、C6、C7、C8またはC9)に特異的に結合する抗体(またはその抗原結合フラグメント)である。「特異的な結合」または「特異的に結合する」という用語は、生理学的条件で比較的安定な複合体(例えば、抗体と補体成分タンパク質との複合体)を生成する2つの分子を指す。典型的には、結合は、会合定数(Ka)が106 M−1より高いとき、特異的であると考えられる。従って、抗体は、少なくとも106(またはこれより大きい)(例えば、少なくとも107、108、109、1010、1011、1012、1013、1014、または1015またはこれより大きいか、またはこれらの値より大きい)M−1のKaで、C5タンパク質に特異的に結合することができる。ヒト補体成分C5タンパク質に特異的に結合する抗体の例は、例えば、米国特許第6,355,245号及びPCT出願公開WO2010/015608に記載されている。
抗体がタンパク質抗原に結合するかどうか、及び/またはタンパク質抗原に対する抗体のアフィニティを決定するための方法は、当該技術分野で知られており、本明細書に記載されている。例えば、タンパク質抗原に対する抗体の結合は、種々の技術、例えば、限定されないが、ウェスタンブロット、ドットブロット、表面プラズモン共鳴方法(例えば、BIAcoreシステム;Pharmacia Biosensor AB、Uppsala、Sweden及びPiscataway、N.J.)、または酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)といったアッセイを用いて検出及び/または定量することができる。例えば、Harlow及びLane(1988)「Antibodies:A Laboratory Manual」Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.;Benny K.C.Lo(2004)「Antibody Engineering:Methods and Protocols」Humana Press(ISBN:1588290921);Borrebaek(1992)「Antibody Engineering、A Practical Guide」W.H.Freeman and Co.、NY;Borrebaek(1995)「Antibody Engineering」2nd Edition、Oxford University Press、NY、Oxford;Johneら(1993) 1 Immunol Meth.160:191−198;Jonssonら(1993)Ann Biol Clin 51:19−26;及びJonssonら(1991)Biotechniques 11:620−627を参照。また、米国特許第6,355,245号も参照。
本明細書に記載するいずれかの実施形態において、標的構築物は、標的部分及び治療薬部分(またはその生物学的に活性なフラグメント)に接続するアミノ酸リンカー配列も含む。
いくつかの実施形態において、標的構築物の標的部分は、治療薬部分のアミノ末端に接続する(例えば、直接的に、またはリンカーによって)。いくつかの実施形態において、標的構築物の標的部分は、治療薬部分(例えば、本明細書に記載する補体阻害剤または薬物)のカルボキシ末端に接続する(例えば、直接的に、またはリンカーによって)。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載する標的構築物は、1個より多い(例えば、2個、3個、4個、5個、6個または7個、またはそれより多い)治療薬部分、例えば、本明細書に記載する1個より多い補体阻害剤ポリペプチドまたは薬物を含む。2個以上の治療部分は、同じであってもよく、または異なっていてもよい。例えば、本明細書に記載する標的構築物は、いくつかの実施形態において、2個以上の可溶性CD59部分(例えば、可溶性ヒトCD59部分)または2個以上のβ遮断薬を含んでいてもよい。別の例において、本明細書に記載する標的構築物は、2個以上の補体阻害剤ポリペプチド部分を含有していてもよく、一方は、可溶性ヒトCD59であり、他方は、可溶性ヒトMCPである。別の例において、本明細書に記載する標的構築物は、補体阻害剤と薬物を含有していてもよく、例えば、一方は、可溶性CD59部分であり、一方はコルチコステロイドである。従って、例えば、本明細書に記載する標的構築物は、(a)標的部分(例えば、C2抗体、B4抗体、または上のいずれかの抗原結合フラグメント);(b)第1の治療薬部分(例えば、CD59の可溶性形態、例えば、ヒトCD59);及び(c)第2の治療薬部分(例えば、DAFの可溶性形態、例えば、ヒトDAFの可溶性形態、またはコルチコステロイド、例えば、プレドニゾン)を含んでいてもよい。治療薬部分は、例えば、本明細書に記載する補体阻害剤の改変物及び生物学的に活性なフラグメントを含む、本明細書に記載されるいずれかであってもよい。
いくつかの実施形態において、標的構築物の標的部分の軽鎖は、少なくとも1つの治療薬部分を含み、その重鎖は、少なくとも治療薬部分を含む。2つ以上の補体阻害剤ポリペプチドは、同じであってもよく、または異なっていてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、標的構築物は、本明細書に記載する標的部分のFabフラグメントを含み、(i)Fabフラグメントの軽鎖は、(そのC末端に)補体阻害剤ポリペプチド、例えば、DAF、CD59、または本明細書に記載するいずれかの補体阻害剤ポリペプチドを含み、(ii)Fabフラグメントの重鎖は、(そのC末端に)、(i)と同じか、または異なる治療薬部分、例えば、本明細書に記載する補体阻害剤または薬物を含む。この2つの鎖の適切な対形成は、Fabの固有の特性として起こると予想することができる。補体阻害剤部分と、Fabの軽鎖または重鎖は、直接的に、またはリンカー配列(本明細書に記載するいずれか)によって接続することができる。
(検出可能な部分)
いくつかの実施形態において、標的構築物は、検出可能な部分である活性部分に融合した標的部分を含む。いくつかの実施形態において、検出可能な部分は、常磁性分子、常磁性ナノ粒子、超常磁性を示す非常に小さな酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子、またはUSPIOナノ粒子凝集物であってもよい。特定の実施形態において、USPIOナノ粒子凝集物は、直径が約10nm〜約150nm、約65nm〜約85nm、または約75nmである。特定の実施形態において、USPIOナノ粒子凝集物は、直径が約150nmである。特定の実施形態において、USPIOナノ粒子凝集物は、デキストランまたは両親媒性ポリマーでコーティングされているか、または、USPIOナノ粒子凝集物は、リン脂質に包まれている。特定の実施形態において、リン脂質は、PEG化されている。特定の実施形態において、PEG化されたリン脂質は、アミン官能基化されているか、またはカルボン酸官能基化される。特定の実施形態において、PEG化され、アミン官能基化されたリン脂質は、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−PEG2000である。
特定の実施形態において、常磁性ナノ粒子は、超常磁性酸化鉄(「SPIO」)ナノ粒子、SPIOナノ粒子凝集物、標準的な超常磁性酸化鉄(「SSPIO」)、SSPIOナノ粒子凝集物、多分散型超常磁性酸化鉄(「PSPIO」)、PSPIOナノ粒子凝集物、単結晶型SPIO、単結晶型SPIO凝集物、単結晶型酸化鉄ナノ粒子、単結晶型酸化鉄、または当業者に知られている任意の他のナノ粒子コントラスト剤である。このような粒子を標的部分に接合し、常磁性粒子が接合した標的部分を検出する方法は、当該技術分野で知られており、例えば、Richardsonら(2001)Biosens and Bioelect 16:989−993;Boyaciら(2005)Anal Bioanal Chem 382(5):1234−41;Tomaら(2005)Br J Cancer 93(1):131−6その他に記載されている。
いくつかの実施形態において、検出可能な部分は、ガドリニウムキレート(「Gd−キレート」)分子を含有するリポソームまたは別の送達媒剤である。いくつかの実施形態において、検出可能な部分は、高電子密度試薬、例えば、ガドリニウム、ヨウ素化されたコントラスト剤、硫酸バリウム、二酸化トリウム、金、金ナノ粒子、金ナノ粒子凝集物である。いくつかの実施形態において、検出可能な部分は、バイオコロイド、またはマイクロバブルである。いくつかの実施形態において、検出可能な部分は、放射性同位体または放射性核種であり、限定されないが、例えば、32P、炭素−11、窒素−13、酸素−15、フッ素−18、ルビジウム−82、フルオロデオキシグルコース、γ線を発する放射性核種、放射性標識されたグルコース、放射性標識された水、または放射性標識されたアンモニアを含む。特定の実施形態において、検出可能な部分は、ポジトロンを発する放射性核種である。特定の実施形態において、検出可能な部分は、ハプテン、タンパク質(例えば、ビオチン)、酵素、ジゴキシゲニン、またはフルオロフォア、二光子フルオロフォア、蛍光染料、または蛍光部分(例えば、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、またはフルオレセイン誘導体)である。このような検出可能な部分を標的部分に接合する方法は、当該技術分野で知られており、本明細書のどこかの箇所に記載する。
検出可能な部分を含む標的構築物を、検出を必要とする個体の目の補体媒介型炎症または補体活性化を検出する非侵襲的な方法で使用することができる。本明細書のどこかに示されるように、この方法は、検出可能な部分を含む有効な量の標的構築物を含む組成物を個体に投与することと、検出可能な部分の存在を検出することができる装置及び/または方法(例えば、MRI、CT、SPECT、放射線写真法、分光法、顕微鏡法、PET、超音波、または本明細書に記載する任意の他の検出方法)を用い、検出可能な部分の存在を測定することとを含む。
MRIは、高解像度の組織画像を非侵襲的に得るために使用することができる。常磁性薬剤またはUSPIOナノ粒子またはこれらの凝集物は、T2強調磁気共鳴画像のシグナルの減衰を向上させる、例えば、本明細書に記載する抗体(またはそのフラグメント)または本明細書に記載する構築物に対するこのような粒子の接合によって、細胞レベルでの特異的な分子の検出を可能にする。例えば、ナノ粒子検出剤を用いたMRIは、細胞の移動を画像化することができ(J.W.Bulteら、2001、Nat.Biotechnol.19:1141−1147)、アポトーシス(M.Zhaoら、2001、Nat.Med.7:1241−1244)であってもよく、小さな癌病巣を検出することができる。例えば、Y.W.Junら、2005、J.Am.Chern.Soc.127:5732−5733;Y.M.Huhら、2005、J.Am.Chern.Soc.127:12387−12391を参照。コントラストを高めたMRIは、高分子または分子事象の動的で非侵襲的な画像化に十分に適しているが、目的の分子に特異的に結合するリガンドを必要とする。J.W.B 5 ulteら、2004、NMR Biomed.17:484−499。蛍光染料及びフルオロフォア(例えば、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート及びフルオレセイン誘導体)を使用し、例えば、分光光度法、二光子蛍光、二光子レーザ顕微鏡法、または蛍光顕微鏡法(例えば、組織検体の)を用い、高解像度で組織画像を非侵襲的に得ることができる。MRIを使用し、例えば、常磁性分子、常磁性ナノ粒子、非常に小さい超常磁性酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子、USPIOナノ粒子凝集物、超常磁性酸化鉄(「SPIO」)ナノ粒子、SPIOナノ粒子凝集物、単結晶型酸化鉄ナノ粒子、単結晶型酸化鉄、他のナノ粒子コントラスト剤を用い、高解像度で組織画像を非侵襲的に得ることができる。MRIを使用し、例えば、ガドリニウム(ガドリニウムキレート(「Gd−キレート」)分子を含有する)リポソームまたは他の送達媒剤を用い、高解像度で組織画像を非侵襲的に得ることができる。ポジトロン断層法(PET)、PET/コンピュータ断層撮影(CT)、単一光子放射断層撮影(SPECT)及びSPECT/CTを使用し、例えば、放射性核種(例えば、炭素−11、窒素−13、酸素−15、フッ素−18、ルビジウム−82)、フルオロデオキシグルコース(例えば、フッ素−18標識された)、任意のγ線を発する放射性核種、ポジトロンを発する放射性核種、放射性標識されたグルコース、放射性標識された水、放射性標識されたアンモニアを用い、高解像度で組織画像を非侵襲的に得ることができる。超音波(超音波診断法)及びコントラストを高めた超音波(コントラストを高めた超音波診断法)を使用し、例えば、バイオコロイドまたはマイクロバブル(例えば、アルブミン、ガラクトース、脂質、及び/またはポリマーを含むマイクロバブルシェル;空気、重い気体(複数の気体)、ペルフルオロカーボン、窒素、オクタフルオロプロパン、ペルフレキサン脂質微小球、ペルフルトレンなどを含むマイクロバルブ気体コアを含む)を用い、高解像度で組織画像を非侵襲的に得ることができる。X線撮像(放射線写真法)またはCTを使用し、例えば、ヨウ素化されたコントラスト剤(例えば、イオヘキソール、イオジキサノール、イオベルソール、イオパミドール、イオキシラン、イオプロミド、ジアトリゾ酸、メトリゾ酸、イオキサグル酸)、硫酸バリウム、二酸化トリウム、金、金ナノ粒子、または金ナノ粒子凝集物を用い、高解像度で組織画像を非侵襲的に得ることができる。これらの検出方法、装置、及び対応する方法によって測定または検出可能な検出可能な部分は、非限定的な例である。
本明細書で使用する場合、「超常磁性を示す非常に小さな酸化鉄ナノ粒子」または「USPIOナノ粒子」という用語は、直径が1〜50nm、さらに典型的には、5〜40nmの超常磁性酸化鉄粒子を指す(合成後に塗布される任意のコーティングを除く)。USPIOナノ粒子は、一般的に、不対スピンの結晶含有領域を有するマグヘマイト(Fe2O3)またはマグネタイト(Fe3O4)から作られる。これらの磁性ドメインは、磁場がない状態で不規則に並んでいるが、磁場が加えられると(すなわち、MRIを撮影している間)、磁性ドメインが整列し、粒子の残留磁化を引き起こすことなく、個々の不対電子の合計よりもかなり大きな磁気モーメントを作り出す。血流に注入されると、USPIOナノ粒子は、マクロファージによって取り込まれ、炎症を起こした組織に蓄積する。これらの鉄部分は、T2強調画像のシグナルの減衰を負の方向へ向上させ、その相対濃度は、T2シグナル強度の減少によって、または、もっと正確には、スピン−スピンT2緩和時間(横緩和時間)の短縮によって評価することができるため、これを使用して炎症を検出することができる。短くなったT2緩和時間によって、粒子が配置された部分の磁気共鳴画像が暗くなり、それによって、「ネガティブコントラスト」が生じる。この手法は、いくつかのモデルで腎臓の炎症を検出するために首尾良く利用された。いくつかの場合において、USPIOナノ粒子は、合成によって、直径が25nm、50nm、75nm、100nm、または150nm、またはもっと大きな凝集物(本明細書では、「超常磁性を示す非常に小さな酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子凝集物」または「USPIOナノ粒子凝集物」と呼ばれる)を生成した後に凝集してもよい。
USPIOナノ粒子またはその凝集物は、天然または合成のポリマー、界面活性剤、リン脂質、または無機材料を含む多種多様な材料でコーティングされてもよく、そのいずれかは、直接的に、またはペプチド、ポリペプチド、タンパク質、または他の化学基を含む異なる種類のリンカーを介して、標的となる基の接続を可能にするように修飾または誘導体化されてもよく、またはコーティングされていなくてもよい。可能なコーティングとしては、合成ポリマー、例えば、ポリ(エチレン−コ−酢酸ビニル)、ポリビニルピロリドン(「PYP」)、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)(「PLGA」)、ポリエチレングリコール(「PEG」)、ポリビニルアルコール(「PYA」)、ポリアクリル酸などに由来するもの;天然ポリマー、例えば、ゼラチン、デキストラン、キトサン、プルランなど;界面活性剤、例えば、オレイン酸ナトリウム、ドデシルアミン、カルボキシメチルセルロースナトリウムなど;無機材料、例えば、金またはシリカ;及び生体材料、例えば、リン脂質が挙げられる。
従って、補体媒介型炎症(例えば、目の)は、非侵襲的な様式で、本明細書で提供される抗体標的化USPIOナノ粒子またはナノ粒子凝集物組成物及び/またはUSPIOナノ粒子に接合した標的構築物またはUSPIOナノ粒子凝集物に接合した標的構築物を投与し、磁気共鳴を起こして個体または個体の目の磁気共鳴画像を撮影することによって、個体において検出することができる。本明細書に記載するいくつかの実施形態において、個体に投与される組成物は、本明細書に記載する任意の抗体(またはその抗原結合フラグメント)及び/または構築物を含む医薬組成物である。本明細書に記載するいくつかの実施形態において、個体に投与される組成物は、本明細書に記載する任意の抗体標的化USPIOナノ粒子凝集物を含む医薬組成物である。
本明細書で使用する場合、「磁気共鳴撮像」または「MRI」という用語は、任意の面で身体の詳細な画像を得る、身体の構造及び機能を視覚化するために一般的に用いられる非侵襲的な医学的撮像技術である。MRIは、他の非侵襲的な撮像方法、例えば、コンピュータ断層撮影(CT)よりも異なる軟組織間のかなり大きなコントラストを与え、特に、神経、筋骨格、心血管及び腫瘍(癌)の撮像に有用である。CTとは異なり、電離放射線を必要とせず、代わりに強力な磁場を用い、身体の水の水素原子の核磁気を整列させる。ラジオ周波数場を使用し、この磁気の整列を全体的に変え、水素の核から、走査部で検出可能な回転する磁場を作り出す。このシグナルは、さらなる磁場によって操作され、身体または身体の一部(例えば、目)の画像を再構築するのに十分な情報を蓄積することができる。
個体が走査部にいるとき、個体の身体全体にある水分子中に豊富にみられる水素の核(すなわち、プロトン)は、強力な主要磁場によって整列する。ラジオ周波数で振動し、次いで、主要な電磁場に対して垂直の第2の電磁場をパルス状に発し、主要な電磁場による整列から離れたプロトンの比率を押し上げる。次いで、これらのプロトンは、主要な電磁場による整列に戻り、そうなるにつれて検出可能なラジオ周波数シグナルを発する。異なる体組織(例えば、脂肪対筋肉)のプロトンは、異なる速度で再整列し、異なる体構造を画像化することができる。コントラスト剤を静脈内に注射し、血管、臓器(例えば、目)、腫瘍または炎症部位の外観を高めてもよい。
本明細書で使用する場合、抗体を標的とする超常磁性を示す非常に小さな酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子またはナノ粒子凝集物組成物(本明細書に記載する任意の医薬組成物を含む)の「有効な量」または「診断に有効な量」は、補体媒介型炎症(例えば、目の)の臨床的に有用な磁気共鳴画像を生成するのに十分な量である。臨床的に有用な磁気共鳴画像は、経験のある臨床医が、診断の目的のために炎症の程度及び/または度合を評価し、治療的介入の効能を監視などすることができるほど十分に詳細な画像を含むものである。本明細書で使用する場合、検出可能な部分(本明細書に記載する任意の医薬組成物を含む)を含む抗体を標的とする検出可能な部分または標的構築物の「有効な量」または「診断に有効な量」は、抗体(またはそのフラグメント)及び/または標的部分を検出することができる検出方法と組み合わせたとき、補体媒介型炎症または補体活性化(例えば、個体、患者、ヒト、哺乳動物、臨床サンプル、組織、検体における)の臨床に有用な特性決定または測定をするのに十分な量である。補体媒介型炎症または補体活性化の臨床に有用な特性決定または測定は、診断の目的のために炎症の程度及び/または度合を評価し、治療的介入の効能を監視などすることができるほど十分に詳細な画像を含むものである。
補体活性化部位に抗体及び/または標的構築物を送達することによって、超常磁性を示す非常に小さな酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子、USPIOナノ粒子凝集物、超常磁性酸化鉄(「SPIO」)ナノ粒子、SPIOナノ粒子凝集物または他のナノ粒子コントラスト剤(検出可能な部分の例)を活性な炎症の部位に送達すると、このような炎症の非侵襲的な磁気共鳴撮像が可能となり、身体全体の補体活性化の特異的な検出を可能にし、補体媒介型炎症を他の種類の炎症から区別することができる。
従って、ある態様において、本発明は、非侵襲的な医療用または診断用の撮像用途のための本明細書に記載する抗体(またはその抗原結合フラグメント)または構築物に接合したナノ粒子コントラスト剤を含む組成物を提供する。特定の実施形態において、ナノ粒子コントラスト剤が接合した抗体(またはその抗原結合フラグメント)または構築物は、USPIOナノ粒子またはその凝集物を含む。特定の実施形態において、ナノ粒子コントラスト剤が接合した抗体(またはその抗原結合フラグメント)または構築物は、ガドリニウムキレート(「Gdキレート」)を含有するリポソームまたは他の媒剤を含む。超常磁性を示す非常に小さな酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子または凝集物は、本明細書に記載する標的構築物に接合可能な検出可能な部分の例である。
超常磁性を示す非常に小さな酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子または凝集物の少なくとも2つの物理化学特徴は、個々のナノ粒子またはナノ粒子凝集物の大きさによって変動する。第1に、USPIOナノ粒子調製物が、MRI撮像のコントラストを高め、コントラストの程度を向上させる能力は、個々のUSPIOナノ粒子の磁気モーメントも、粒子の直径によって変動するため、ナノ粒子の直径によって変動する。直径が約15nmまで(好ましくは、10nm未満)の酸化鉄ナノ粒子は、超常磁性を維持しているが、もっと大きな酸化鉄ナノ粒子は、その超常磁性を失っている。従って、MRIコントラスト試薬として用いるのに適したUSPIOナノ粒子の直径には上限がある。この限界は、個々のもっと小さなUSPIOナノ粒子の複数粒子の凝集物を使用することによって克服することができる。このようなUSPIOナノ粒子凝集物は、それぞれのナノ粒子凝集物中の個々のナノ粒子の磁気モーメントが、相加的であるため、MRIコントラストを効果的に高める。個々の酸化鉄ナノ粒子とは異なり、超常磁性を示す非常に小さな酸化鉄の凝集物は、大きくなってもその常磁性を失わない。
第2に、USPIOナノ粒子またはその凝集物のin vivoでの半減期(例えば、循環する血漿または血液の半減期及び組織での半減期)及び生体分布は、ナノ粒子または凝集物の大きさによって変動する。例えば、直径が約10nm以下のUSPIOナノ粒子(単結晶型酸化鉄ナノ粒子)は、循環血液での半減期は約81分であり(R.Weisslederら、1990、Radial.175(2):489−493)、直径が約50nmまでのUSPIOナノ粒子は、循環血液での半減期は約30分であり(D.Pouliquenら、1991、Magnet.Resonance Imag.9(3):275−283)、直径が約150nmまでのUSPIOナノ粒子は、循環血液での半減期は約30分未満であり、直径が約80nmまでのUSPIOナノ粒子は、組織での半減期が1日から数日程度であり(例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、またはもっと長い日数)、全身での半減期は約45日である(R.Weisslederら、1989、Am.J.Roentgenol.152(1):167−173)。効果的に標的化するMRIコントラストを高める試薬は、潜在的な毒性を最低限にするほど十分に早く***されながらも、望ましい標的(例えば、アネキシンIVまたはリン脂質、例えば、PE、PC、CL、またはMDA)を認識し、結合するのに十分に長い間、血管系を循環しなければならない。臨床に有用な磁気共鳴画像を作成するのに最適なUSPIOナノ粒子またはナノ粒子凝集物の大きさは、撮影される臓器(例えば、腎臓、目、網膜)、組織、及び/または生理現象(例えば、補体媒介型炎症)に依存してさまざまである。
USPIOナノ粒子またはナノ粒子凝集物の循環血での半減期は、これらを異なる材料でコーティングすることによって変える(すなわち、短くするか、または長くする)こともできる。例えば、USPIOナノ粒子またはナノ粒子凝集物を、特に、天然ポリマーまたは合成ポリマー、界面活性剤、またはリン脂質でコーティングしてもよく、いずれも、直接的に、または異なる種類のリンカー(ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、または他の化学基を含む)を介して間接的に、本明細書に記載する抗体(またはその抗原結合フラグメント)及び/または構築物の接続を可能にするために、改変または誘導体化されていてもよい。ある場合には、凝集物を安定化するか、または溢血の起こりやすさ、オプソニン化、食作用、エンドサイトーシスまたは他の態様の生理学的***を最小限にするために適した合成ポリマー、天然ポリマー、両親媒性ポリマー、または他の分子(例えば、ポリビニルピロリドン(「PVP」)、ポリ(乳酸−コグリコール酸)(「PLGA」)、ポリエチレングリコール(「PEG」)、ポリビニルアルコール(「PYA」)、ポリアクリル酸など)を組み込むために、コーティングを、さらに改変してもよい。ある場合には、抗体(またはその抗原結合フラグメント)または構築物に接合したUSPIOナノ粒子またはナノ粒子凝集物は、リン脂質に包まれていてもよい。望ましい臓器(例えば、腎臓、目、網膜)、組織、及び/または生理現象(例えば、補体媒介型炎症)に対するナノ粒子またはナノ粒子凝集物の標的化に適したUSPIOナノ粒子またはナノ粒子凝集物の大きさ、特に、コーティング、改変または誘導体化は、経験的に決定されてもよい。
(標的構築物の改変体)
標的構築物の改変体も包含される。本明細書に記載する標的構築物の改変体は、以下のものであってもよい。(i)標的部分及び/または活性部分の1つ以上のアミノ酸残基(すなわち、活性部分がタンパク質を含む)が、保存されたアミノ酸残基または保存されていないアミノ酸残基(好ましくは、保存されたアミノ酸残基)で置換されており、このような置換されたアミノ酸残基は、遺伝子コードによってコードされるものであってもよく、コードされないものであってもよいもの;または(ii)標的部分及び/または活性部分の1つ以上のアミノ酸残基が、置換基を含むもの、または(iii)標的構築物が、別の化合物、例えば、標的構築物の半減期を長くする化合物(例えば、ポリエチレングリコール)と融合したもの、または(iv)さらなるアミノ酸が、標的構築物(例えば、標的部分または活性部分、ここで活性部分はタンパク質を含む)、例えば、リーダー配列または分泌配列、または標的構築物の精製に使用される配列に融合したもの、または、(v)効果の持続時間を長くするために、標的構築物が、もっと大きなポリペプチド、すなわち、ヒトアルブミン、抗体またはFcに融合したもの。このような改変体は、本明細書の教示から、当該技術分野の常識の範囲内であると考えられる。
いくつかの実施形態において、標的構築物の改変体は、1つ以上の予測された、好ましくは非必須アミノ酸残基で行われる保存的アミノ酸置換(以下にさらに定義する)を含む。「非必須」アミノ酸残基は、生体活性を変えることなく、タンパク質の野生型配列から変更される残基であり、一方、「必須」アミノ酸残基は、生体活性に必要である。「保存的なアミノ酸置換」は、アミノ酸残基が、同様の側鎖を有するアミノ酸残基と置き換わったものである。
20種類のアミノ酸が、一般的に、タンパク質中で見いだされる。これらのアミノ酸は、側鎖の化学特性に基づき、9個の分類または群に分けることができる。同じ分類または群の中でアミノ酸残基を別のものに置換するのは、本明細書では「保存的な」置換と呼ばれる。保存的なアミノ酸置換は、多くは、タンパク質の配座または機能を顕著に変えることなく、タンパク質中で行うことができる。あるアミノ酸残基を異なる分類または群からのアミノ酸残基と置換することは、本明細書では「非保存的な」置換と呼ばれる。対照的に、非保存的なアミノ酸置換は、タンパク質の配座及び機能を破壊する傾向がある。同様の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当該技術分野で定義されている。これらのファミリーは、塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、帯電していない極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β−分枝鎖側鎖を有するアミノ酸(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)及び芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を含む(以下の表1を参照)。
いくつかの実施形態において、保存的なアミノ酸置換は、グリシン(G)、アラニン(A)、イソロイシン(I)、バリン(V)及びロイシン(L)のいずれかをこれらの脂肪族アミノ酸の任意の他のものと置換すること;セリン(S)をトレオニン(T)と置換すること、及びその逆;アスパラギン酸(D)をグルタミン酸(E)と置換すること、及びその逆;グルタミン(Q)をアスパラギン(N)と置換すること、及びその逆;リジン(K)をアルギニン(R)と置換すること、及びその逆;フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)及びトリプトファン(W)をこれらの芳香族アミノ酸の任意の他のものと置換すること;及びメチオニン(M)をシステイン(C)と置換すること、及びその逆を含む。他の置換は、特定のアミノ酸の環境と、タンパク質の三次元構造におけるその役割に依存して、保存的であると考えることもできる。例えば、アラニン(A)及びバリン(V)で可能なように、グリシン(G)及びアラニン(A)は、多くは、相互に置き換えることができる。メチオニン(M)は、比較的疎水性であり、多くは、ロイシン及びイソロイシンと、時に、バリンと相互に置き換えることができる。リジン(K)及びアルギニン(R)は、多くは、このアミノ酸残基の顕著な特徴が、その電荷にあり、これらの2種類のアミノ酸残基の異なるpKに有意性がないため、相互に置き換え可能である。さらに他の変更は、特定の環境において、「保存的」であると考えることができる(例えば、Biochemistryのpp.13−15、2nd ed.Lubert Stryer ed.(Stanford University);Henikoffら、Proc.Nat’l Acad.Sci.USA(1992)89:10915−10919;Leiら、J.Biol.Chem.(1995)270(20):11882−11886を参照)。
標的構築物の機能を高めるために、標的構築物の標的部分及び/または活性部分のアミノ酸置換が導入される。例えば、アミノ酸置換を、標的構築物の標的部分に導入し、リガンドに対する標的部分の結合アフィニティを高め、そのリガンドに対する標的構築物の結合特異性を高め、望ましい部位に対する標的構築物の標的化を向上させ、標的構築物のダイマー化及びマルチマー化を高め、標的構築物の薬物動態を向上させることができる。同様に、アミノ酸置換を、標的構築物の活性部分に導入し、標的構築物分子の機能を高め、標的構築物の薬物動態を向上させることができる。
いくつかの実施形態において、標的構築物を、別の化合物、例えば、標的構築物の半減期を長くする化合物及び/または標的構築物の潜在的な免疫原性を低下させる化合物(例えば、ポリエチレングリコール、「PEG」)と融合する。PEGを使用し、増加した安定性、水溶解度、大きさ、ゆっくりとした腎臓***速度、標的構築物に対する低下した免疫原性を付与することができる。例えば、米国特許第6,214,966号;Leeら(1999)Bioconjug Chem 10(6):973−8;Kinstlerら(2002)Advanced Drug Deliveries Reviews 54:477−485;及びRobertsら(2002)Advanced Drug Delivery Reviews 54:459−476を参照。安定化部分は、安定性を高め、ポリペプチドの保持を少なくとも1.5倍(例えば、少なくとも2倍、5倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、40倍、または50倍、またはもっと多く)向上させることができる。PEG化の場合には、PEGに対する本明細書に記載する標的構築物の融合は、当業者に既知の任意の手段によって達成することができる。例えば、PEG化は、最初に、標的部分または活性部分(すなわち、活性部分がタンパク質を含む)にシステイン変異を導入し、その後、PEG−マレイミドを用いた部位特異的な誘導体化によって達成することができる。システインを標的構築物のC末端に付加してもよい。例えば、Tsutsumiら(2000)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 97(15):8548−8553を参照。標的構築物に行うことができる別の改変は、ビオチニル化を含む。特定の場合に、ストレプトアビジンと容易に反応することができるように標的化合物をビオチニル化することが有用な場合がある。タンパク質をビオチニル化するための方法は、当該技術分野でよく知られている。さらに、硫酸コンドロイチンを、標的構築物を用いて接続することができる。
いくつかの実施形態において、標的構築物を、標的構築物の標的効率をさらに高める別の部分と融合する。例えば、B4抗体を含む標的構築物を、例えば、C2抗体、または血管の内皮細胞に結合するか、または他の方法で接続する能力を有する別の抗体(「血管内皮を標的とするアミノ酸リガンド」と呼ばれる)に融合することができる。例示的な血管内皮を標的とするアミノ酸リガンドとしては、限定されないが、VEGF、FGF、インテグリン、フィブロネクチン、I−CAM、PDGF、または血管内皮細胞表面で発現する分子に対する抗体が挙げられる。
いくつかの実施形態において、標的構築物を、細胞間接着分子のためのリガンドに接合(例えば、融合)する。例えば、標的構築物分子を、細胞間接着分子に結合する1つ以上の炭水化物部分に接合することができる。炭水化物部分は、損傷部位に対する標的構築物分子の局在化を容易にする。炭水化物部分を、細胞外事象によって、例えば、化学的接続または酵素的接続によって、標的構築物分子に接続することができ、または、適切な酵素の発現によって達成される細胞内処理事象の結果であってもよい。いくつかの実施形態において、炭水化物部分は、特定の種類の接着分子(例えば、インテグリン、またはE−セレクチン、L−セレクチンまたはP−セレクチンを含むセレクチン)に結合する。いくつかの実施形態において、炭水化物部分は、Nで接続した炭水化物、例えば、フコシル化された炭水化物及びシアル酸化された炭水化物を含む複合体型を含む。いくつかの実施形態において、炭水化物部分は、Lewis X抗原、例えば、シアル酸化されたLewis X抗原に関係する。
目の疾患、例えば、AMDの治療のために、標的構築物を、ドルーゼンのエピトープを認識する抗体に接合(例えば、融合)することができる。他の標的分子、例えば、小さな標的ペプチドを使用することもできる。標的構築物の他の改変としては、例えば、既知の保護/保護基などによるグリコシル化、アセチル化、リン酸化、アミド化、誘導体化が挙げられる。
標的構築物は、ポリペプチドの標的化または精製を容易にするために、免疫学的に活性なドメイン、例えば、抗体エピトープまたは他のタグの付加を含んでいてもよい。6xHis及びGST(グルタチオンSトランスフェラーゼ)をタグとして使用することは、よく知られている。融合点に、または融合点付近に開裂部位を含むと、精製後に、標的構築物からの外来ポリペプチドの除去が容易になるだろう。標的構築物に含まれてもよい他のアミノ酸配列としては、機能性ドメイン、例えば、酵素(例えば、ヒドロラーゼ)からの活性部位、グリコシル化ドメイン及び細胞標的シグナルが挙げられる。
標的構築物の改変体は、本明細書に記載する標的構築物のアミノ酸配列に十分に類似するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。「十分に類似」という用語は、第1のアミノ酸配列と第2のアミノ酸配列が、共通の構造的ドメイン及び/または共通の機能活性を有するように、第2のアミノ酸配列に対して十分な数または最小限の数の同一または等価のアミノ酸残基を含む第1のアミノ酸配列を意味する。例えば、少なくとも約45%、好ましくは、約75%〜98%同一の共通の構造的ドメインを含むアミノ酸配列は、本明細書では十分に類似すると定義される。改変体としては、ストリンジェントな条件で本発明のポリヌクレオチドまたはその補体にハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされる標的構築物の改変体が挙げられる。このような改変体は、一般的に、本発明の標的構築物の機能活性を保持する。ポリヌクレオチドのフラグメントライブラリーを使用し、スクリーニング、その後の選択のための多様なフラグメントの集合を作成することができる。例えば、分子あたり約1回だけニッキングが起こる条件で、ポリヌクレオチドの二本鎖PCRフラグメントをヌクレアーゼで処理し、二本鎖DNAを変性し、DNAを変性して異なるニッキングされた産物からのセンチ/アンチセンス対を含むことができる二本鎖DNAを生成し、S1ヌクレアーゼを用いた処理によって再生成した二本鎖から一本鎖部分を除去し、得られるフラグメントライブラリーを発現ベクターにライゲーションすることによって、フラグメントライブラリーを作成することができる。この方法によって、本発明の種々の大きさの標的構築物のN末端フラグメント及び内部フラグメントをコードする発現ライブラリーを誘導することができる。
改変体は、突然変異に起因してアミノ酸配列が異なる標的構築物を含む。それに加え、標的構築物の生物学的に同等な類似体は、標的部分及び/または活性部分の中の残基または配列での種々の置換を行うことによる構築物であってもよい。
いくつかの実施形態において、標的構築物を、シグナルペプチドのN末端に融合する。このようなシグナルペプチドは、標的構築物の分泌に有用である。適切なシグナルペプチドとしては、例えば、CD5タンパク質のシグナルペプチド(例えば、ヒトCD5タンパク質MPMGSLQPLATLYLLGMLVAS、配列番号54のシグナルペプチド)が挙げられる。いくつかの実施形態において、CR2タンパク質のシグナルペプチドを使用する。例えば、いくつかの実施形態において、ヒトCR2タンパク質(MGAAGLLGVFLALVAPG、配列番号55またはMGAAGLLGVFLALVAPGVLG、配列番号56)のシグナルペプチドを使用する。
(標的構築物の産生方法)
分子生物学及びタンパク質化学の分野で知られている種々の技術を用い、本明細書に記載する標的構築物を産生することができる。例えば、本明細書に記載する標的構築物をコードする核酸を、転写制御配列及び翻訳制御配列を含む発現ベクターに挿入することができ、これらは、例えば、プロモーター配列、リボソーム結合部位、転写開始配列及び転写終結配列、翻訳開始配列及び翻訳終結配列、転写終結シグナル、ポリアデニル化シグナル及びエンハンサー配列またはアクチベーター配列を含む。制御配列は、プロモーター、転写開始配列及び転写終結配列を含む。それに加え、発現ベクターは、クローニング及び増幅のために原核宿主で発現するための2つの異なる有機体、例えば、哺乳動物細胞または昆虫細胞で維持することが可能なような1つより多い複製系を含んでいてもよい。
いくつかの可能なベクター系は、哺乳動物細胞の核酸からの標的構築物の発現のために利用可能である。ある分類のベクターは、宿主細胞のゲノム中の望ましい遺伝子配列の組み込みに依存する。安定に組み込まれたDNAを有する細胞は、薬物耐性遺伝子、例えば、E.coli gpt(Mulligan及びBerg(1981)Proc Natl Acad Sci USA 78:2072)またはTn5 neo(Southern及びBerg(1982) Mol Appl Genet 1:327)を同時に導入することによって選択することができる。選択可能なマーカー遺伝子は、発現すべきDNA遺伝子配列に接続していてもよく、または、同時トランスフェクションによって同じ細胞に導入してもよい(Wiglerら(1979)Cell 16:77)。第2の分類のベクターは、染色体外のプラスミドに対し、自己複製能力を与えるDNA要素を利用する。これらのベクターは、動物ウイルス、、例えば、ウシパピローマウイルス(Sarverら(1982)Proc Natl Acad Sci USA、79:7147)、ポリオーマウイルス(Deansら(1984)Proc Natl A cad Sci USA 81:1292)、またはSV40ウイルス(Lusky及びBotchan(1981)Nature 293:79)から誘導されてもよい。
発現ベクターを、その後の核酸発現に適した様式で、細胞に導入することができる。導入方法は、以下に記載されるように、標的とする細胞型によって大まかに記載される。例示的な方法としては、CaP04沈着、リポソーム融合、リポフェクチン、電気穿孔、ウイルス感染、デキストラン媒介型トランスフェクション、ポリブレン媒介型トランスフェクション、プロトプラスト融合及び直接的な微量注射が挙げられる。
標的構築物の適切な宿主細胞としては、酵母、細菌、昆虫、植物、また、上述のように、哺乳動物細胞が挙げられる。興味深いのは、細菌、例えば、E.coli、真菌、例えば、Saccharomyces cerevisiae及びPichia pastoris、昆虫細胞、例えば、SF9、哺乳動物細胞株(例えば、ヒト細胞株)、及び初代細胞株(例えば、初代哺乳動物細胞)である。いくつかの実施形態において、標的構築物は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞または適切な骨髄腫細胞株、例えば、(NSO)中で発現することができる。適切な細胞株としては、例えば、BHK−21(ベビーハムスターの腎臓)細胞;293(ヒト腎臓幹細胞)細胞;HMEpC(ヒト乳腺上皮細胞;3T3(マウス胚線維芽細胞)細胞が挙げられる。
標的部分と、1つ以上の活性部分は、場合により、互いに直接接続してもよく、または場合によりリンカーを介して接続してもよい。標的部分と活性部分が直接接続している場合、標的部分及び活性部分をコードするDNA自体が、既知の科学方法を用いて互いに直接ライゲーションしたハイブリッドベクターが作られる。リンカーが用いられる場合、標的部分をコードするDNAが、リンカーの片方の末端をコードするDNAに接続し、活性部分をコードするDNAがリンカーの他の末端に接続したハイブリッドベクターが作られる。適切な配置でこのような接続を行うための方法が知られている。このようなライゲーションは、連続して行われてもよく、または3つの様式のライゲーションとして行われてもよい。本発明のリンカー配列として機能し得る配列の例としては、約2〜約16アミノ酸長の短いペプチドが挙げられる。本発明のリンカーとして有用名ペプチドの中で、(Gly−Ser)n、n=1〜8;(GlyGlyGlySer)n、n=1〜4;(GlySerSerGly)n、n=1〜4がある。本発明のリンカー配列として有用な配列の他の例としては、因子H;補体受容体1;補体受容体2;因子B;DAFその他の補体関連タンパク質の1つ以上からの1つ以上の短い保存された領域(SCR)ドメインが挙げられる。
当業者によって認識されるように、本発明で使用可能な多くの活性部分は、さらなる細胞内または細胞外の処理を受けるシグナルまたはリーダーペプチド及び/またはプロペプチドと組み合わせて、分泌したタンパク質として天然に生じる。このような場合において、本発明のハイブリッドベクターは、このような分泌及び/または処理が望ましいかどうかに依存して、このようなシグナルまたはリーダーペプチドをコードする1つ以上のDNA配列及び/またはこのようなプロペプチドをコードする1つ以上のDNA配列を含んでいてもよい。または、本開示のハイブリッドベクターは、標的構築物の発現及び局在化を最適化するために選択される異なるシグナルまたはリーダーペプチド及び/またはプロペプチド配列をコードするDNA配列を含んでいてもよい。ほとんどの場合に、標的部分が、被検体の体内にある望ましい組織及び細胞に対する活性部分の標的化のための十分な情報を供給するため、シグナルペプチドは、省かれてもよい。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載する標的構築物は、トランスジェニック動物(例えば、トランスジェニック哺乳動物)の中で発現してもよく、これらから精製することができる。例えば、本明細書に記載する標的構築物が、例えば、Houdebine (2002)Curr Opin Biotechnol 13(6):625−629;van Kuik−Romeijnら2000)Transgenic Res 9(2):155−159;及びPollockら(1999)1 Immunol Methods 231(1−2):147−157に記載されるように、トランスジェニック非ヒト哺乳動物(例えば、げっ歯類、ヒツジまたはヤギ)で産生し、ミルクから単離することができる。哺乳動物のミルク産物においてタンパク質を産生するためのさらなる方法は、例えば、米国特許出願公開第200600105347号及び同第20040006776号及び米国特許第7,045,676号に記載されている。
本明細書に記載する標的構築物は、タンパク質を発現させるのに十分な条件及び時間で、抗体をコードする核酸を含む発現ベクターを用いて形質転換された宿主細胞を培養することによって、細胞から産生することができる。タンパク質発現のためのこのような条件は、発現ベクター及び宿主細胞の選択によってさまざまであり、通常の実験によって当業者によって簡単に確認されるだろう。例えば、E.coliで発現するポリペプチドは、封入体からリフォールディングされてもよい(例えば、Houら(1998)Cytokine 10:319−30を参照)。これらの使用のための細菌発現系及び方法は、当該技術分野でよく知られている(Current Protocols in Molecular Biology、Wiley & Sons、及びMolecular Cloning−−A Laboratory Manual−−3rd Ed.、Cold Spring Harbor Laboratory Press、New York(2001)を参照)。コドン、適切な発現ベクター及び適切な宿主細胞の選択は、多くの因子に依存してさまざまであり、必要な場合、簡単に最適化されるだろう。本明細書に記載する標的構築物は、哺乳動物細胞、または限定されないが、酵母、バキュロウイルスを含む他の発現系及びin vitro発現系で発現することができる(例えば、Kaszubskaら(2000)Protein Expression and Purification 18:213−220を参照)。
実験の後、標的構築物を単離することができる。「精製され」または「単離され」という用語は、本明細書に記載するいずれかのタンパク質(例えば、標的構築物、標的部分、及び/または活性部分)に適用される場合、通常伴う要素(例えば、タンパク質または他の天然に存在する生体分子または有機分子)、例えば、タンパク質を発現する原核生物中の他のタンパク質、脂質及び核酸から分離または精製されたポリペプチドを指す。典型的には、サンプルのタンパク質全体の少なくとも60(例えば、少なくとも65、70、75、80、85、90、92、95、97、または99)重量%を構成するとき、ポリペプチドは、精製される。
本明細書に記載する標的構築物は、サンプル中に他の要素が存在するか否かに基づいて、当業者が知っている種々の様式で単離または精製することができる。標準的な精製方法としては、電気泳動技術、分子技術、免疫学的技術及びクロマトグラフィー技術(イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー及び逆相HPLCクロマトグラフィーを含む)が挙げられる。例えば、標的構築物を、標準的な抗−標的構築物抗体アフィニティカラムを用いて生成することができる。タンパク質の濃縮と組み合わせた超濾過技術及び透析技術も有用である。例えば、Scopes(1994)「Protein Purification、3rd edition」Springer−Verlag、New York City、New Yorkを参照。必要な精製度は、望ましい用途に依存してさまざまであろう。ある場合には、発現したポリペプチドの精製は必要ではないだろう。
精製したポリペプチドの収率または純度を決定するための方法は、当該技術分野で知られており、例えば、Bradfordアッセイ、UV分光法、Biuretタンパク質アッセイ、Lowryタンパク質アッセイ、アミドブラックタンパク質アッセイ、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、質量分光法(MS)及びゲル電気泳動方法(例えば、クマシーブルーまたはコロイド銀による染色のようなタンパク質染色を用いる)を含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載する標的構築物を、当該技術分野でよく知られている化学方法を用い、全体的に、または部分的に、de noveで合成することができる。例えば、その要素であるアミノ酸配列を固相技術によって合成し、樹脂から開裂させ、分取用高速液体クロマトグラフィーによって精製し、その後、化学結合によって望ましいポリペプチドを生成することができる。合成ペプチドの組成は、アミノ酸分析またはシークエンシングによって確認してもよい。
発現及び/または精製したら、本明細書に記載する標的構築物を、例えば、本明細書に記載されるいずれかのin vitroアッセイまたはin vivoアッセイを用い、多くの望ましい特性のいずれか1つについてアッセイすることができる。例えば、ここに記載するような補体活性を阻害する能力について、本明細書に記載する標的構築物をアッセイすることができる。
いくつかの実施形態において、標的構築物の調製物から内毒素を除去することができる。タンパク質サンプルから内毒素を除去するための方法は、当該技術分野で知られている。例えば、内毒素は、限定されないが、ProteoSpin(商標)Endoatoxin Removal Kits(Norgen Biotek Corporation)、Detoxi−Gel Endoatoxin Removal Gel(Thermo Scientific;Pierce Protein Research Products)、MiraCLEAN(登録商標)Endoatoxin Removal Kit(Mirus)、またはAcrodisc(商標)−Mustang(登録商標)E膜(Pall Corporation)を含む種々の市販の試薬を用い、タンパク質サンプルから除去することができる。
(精製前及び精製後の両方に)サンプル中に存在する内毒素を検出及び/またはその量を測定するための方法は、当該技術分野で知られており、市販のキット、例えば、タンパク質サンプル中の内毒素の濃度は、QCL−1000 Chromogenicキット(BioWhittaker)、アメリカカブトガニアメーバ細胞溶解物(LAL)に基づくキット、例えば、Pyrotell(登録商標)、Pyrotell(登録商標)−T、Pyrochrome(登録商標)、Chromo−LAL及びCSEキット(Associates of Cape Cod Incorporated.から入手可能)で測定することができる。
発現及び精製の後、本明細書に記載する標的構築物を改変してもよい。改変は、共有結合または非共有結合による改変であってもよい。このような改変が、例えば、標的部分の標的とするアミノ酸残基及び/または活性部分と、選択した側鎖または末端残基と反応することができる有機誘導体化剤とを反応させることによって、標的構築物に導入されてもよい。改変に適した部位は、例えば、本明細書に記載する標的構築物の構造分析またはアミノ酸配列分析を含め、種々の基準を用いて選択することができる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載する標的構築物を、異種部分に接合することができる。いくつかの実施形態において、異種部分がポリペプチドである場合、標的構築物及び本明細書に記載する対応する異種部分は、融合タンパク質によって接続することができる。異種部分は、例えば、異種ポリペプチド、治療薬剤(例えば、毒素または薬物)、または検出可能な標識、例えば、限定されないが、放射性標識、酵素標識、蛍光標識、または発光標識であってもよい。適切な異種ポリペプチドとしては、例えば、標的構築物の精製に使用するための抗原性タグ(例えば、FLAG、ポリヒスチジン、ヘマグルチニン(HA)、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、またはマルトース結合タンパク質(MBP))が挙げられる。異種ポリペプチドは、診断マーカーまたは検出マーカーとして有用なポリペプチド、例えば、ルシフェラーゼ、緑色蛍光タンパク質(GFP)、またはクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)も含む。異種部分がポリペプチドである場合、この部分を、本明細書に記載する融合タンパク質に組み込み、融合タンパク質を得てもよい。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載する標的構築物を、検出可能な部分に接合してもよい。いくつかの実施形態において、検出可能な部分がポリペプチド(例えば、GFP)である場合、本明細書に記載する標的部分及び対応する検出可能な部分は、融合タンパク質によって接続してもよい。検出可能な部分は、例えば、異種ポリペプチド、治療薬剤(例えば、毒素または薬物)、または検出可能な標識、例えば、限定されないが、放射性標識、酵素標識、蛍光標識、または発光標識であってもよい。適切な異種ポリペプチドとしては、例えば、標的構築物の精製に使用するための抗原性タグ(例えば、FLAG、ポリヒスチジン、ヘマグルチニン(HA)、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、またはマルトース結合タンパク質(MBP))が挙げられる。異種ポリペプチドは、診断マーカーまたは検出マーカーとして有用なポリペプチド、例えば、ルシフェラーゼ、緑色蛍光タンパク質(GFP)、またはクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)も含む。
(接合体)
いくつかの実施形態において、本明細書に記載する融合分子は、2種類の独立して産生されたポリペプチドフラグメント、例えば、抗体(例えば、B4またはC2抗体のFabフラグメント)及び補体調整剤ポリペプチド(例えば、CD59の可溶性形態)によって作られる。特定の実施形態において、標的部分は、リジン、システイン、グルタメート、アスパルテートまたはアルギニンといったアミノ酸によって、活性部分に接合する。標的部分を、例えば、チオール化された標的部分と、活性部分のマレオイル活性化アミン;EDC/NHS活性化された標的部分と、活性部分のアミン;または活性部分のEDC/NHS活性化されたカルボン酸と、標的部分アミンの反応によって、活性部分に接合させてもよい。2種類のタンパク質(例えば、本明細書に記載する標的構築物及び異種部分または標的構築物の2つの構成部分)は、いくつかの実施形態において、多くの既知の化学架橋剤を用い、化学的に架橋させてもよい。このような架橋剤の例は、「嵩高い」ジスルフィド結合を含む結合によって、2つのアミノ酸残基を接続するものである。これらの反応において、架橋単位中のジスルフィド結合は、(ジスルフィド結合のいずれかの側にある嵩高い基によって)、例えば、還元されたグルタチオンまたは酵素ジスルフィド還元剤の作用による還元から保護される。適切な試薬の1つである4−スクシンイミジルオキシカルボニルa−メチル−a(2−ピリジルジチオ)トルエン(SMPT)は、片方のタンパク質の末端リジンと、他方のタンパク質の末端システインとを利用した2つのタンパク質間のこのような結合を生成する。それぞれのタンパク質に対して異なるカップリング部分によって架橋するヘテロ二官能試薬も使用することができる。他の有用な架橋剤としては、限定されないが、2つのアミノ基を接続する試薬(例えば、N−5−アジド−2−ニトロベンゾイルオキシスクシンイミド)、2つのスルフヒドリル基(例えば、1,4−ビス−マレイミドブタン)、アミノ基及びスルフヒドリル基(例えば、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)、アミノ基及びカルボキシル基(例えば、4−[パジドサリチルアミド]ブチルアミン)及びアミノ基及びアルギニン側鎖(例えば、p−アジドフェニルグリオキサール一水和物)グアニジニウム基が挙げられる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載する融合タンパク質は、融合タンパク質に化学的に接続した異種部分を含んでいてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、本明細書に記載する薬物、蛍光標識、常磁性標識、放射性標識などが、標的構築物及び/または標的部分のアミノ酸骨格に直接接合してもよい(例えば、in vivoでの撮像試験のための標識された標的構築物の使用のため)。
いくつかの実施形態において、例えば、循環中(例えば、血中、血清中、または他の組織中)の標的構築物の安定化及び/または保持を高める部分を用い、標的構築物を改変してもよい。例えば、本明細書に記載する標的構築物は、例えば、Leeら(1999)Bioconjug Chem 10(6):973−8;Kinstlerら(2002)Advanced Drug Deliveries Reviews 54:477−485;及びRobertsら(2002)Advanced Drug Delivery Reviews 54:459−476に記載されるようにPEG化されてもよい。安定化部分は、標的構築物の安定性または保持性を少なくとも1.5倍(例えば、少なくとも2倍、5倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、40倍、または50倍、またはそれより多く)高めてもよい。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載する「標的構築物」は、グリコシル化されていてもよい。いくつかの実施形態において、本明細書に記載する標的構築物は、標的構築物、標的部分、及び/または活性部分が、グリコシル化を減らすか、全くグリコシル化しないように、酵素または化学物質による処理を受けてもよく、または細胞から産生してもよい。還元したグリコシル化を用いてポリペプチドを製造するための方法は、当該技術分野で知られており、例えば、米国特許第6,933,368号;Wrightら(1991)EMBO J 10(10):2717−2723;及びCoら(1993)Mol Immunol 30:1361−1367に記載される。
(医薬組成物)
本明細書には、本明細書に記載する抗体(またはその抗原結合フラグメント)及び/または構築物(例えば、標的構築物)と、医薬的に許容され得る担体とを含む、医薬組成物も提供される。医薬組成物は、例えば、全身投与または局所的な投与を含め、本明細書に記載する種々の投与態様に適切であろう。医薬組成物は、点眼薬、注射溶液の形態で、または吸入に適した形態(口または鼻のいずれかから)、または経口投与に適した形態であってもよい。本明細書に記載する医薬組成物を、1つの単位投薬形態に封入してもよく、または複数投薬形態で封入してもよい。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、本明細書に記載する抗体(またはその抗原結合フラグメント)及び/または構築物(例えば、標的構築物)と、ヒトへの投与に適した医薬的に許容され得る担体とを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、標的構築物と、目内投与に適した医薬的に許容され得る担体とを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、標的構築物と、目への局所適用に適した医薬的に許容され得る担体とを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、標的構築物と、静脈注射に適した医薬的に許容され得る担体とを含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、標的構築物と、動脈(例えば、腎動脈)への注射に適した医薬的に許容され得る担体とを含む。
組成物は、一般的に、滅菌で、実質的に等張性で、アメリカ食品医薬品局のGood Manufacturing Practice(GMP)の規制に完全に従うように配合される。いくつかの実施形態において、組成物は、病原体を含まない。注射のために、医薬組成物は、液体溶液の形態であってもよく、例えば、生理学的に適合性のバッファー、例えば、Hank溶液またはRinger溶液の形態であってもよい。それに加え、標的構築物の医薬組成物は、固体形態であり、使用直前に再び溶解するか、または懸濁させてもよい。凍結乾燥した組成物も含まれる。
経口投与のために、医薬組成物は、例えば、医薬的に許容され得る賦形剤、例えば、結合剤(例えば、糊化したトウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース);フィラー(例えば、ラクトース、微結晶性セルロースまたはリン酸水素カルシウム);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルクまたはシリカ);崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプンまたはナトリウムデンプングリコレート);または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)を用い、従来の手段によって調製される錠剤またはカプセルの形態をしていてもよい。経口投与のための液体調剤薬は、例えば、液体、シロップまたは懸濁物の形態をしていてもよく、またはこれらの調剤薬は、使用前に水または他の適切な媒剤を用いて構築するための乾燥製品として存在していてもよい。このような液体調剤薬は、医薬的に許容され得る添加剤、例えば、懸濁剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体または食用水素化脂肪);乳化剤(例えば、レシチンまたはアカシア);非水性媒剤(例えば、油、油性エステル、エチルアルコールまたは分留植物油);及び防腐剤(例えば、メチルまたはプロピル−p−ヒドロキシベンゾエートまたはソルビン酸)を用い、従来の手段によって調製することができる。調剤薬は、適切な場合、バッファー塩、香味剤、着色剤及び甘味剤を含有していてもよい。
本発明は、いくつかの実施形態において、抗体(またはその抗原結合フラグメント)及び/または構築物(例えば、標的構築物)と、目に投与するのに適した医薬的に許容され得る担体とを含む組成物を提供する。このような医薬担体は、滅菌液体、例えば、水及び油(石油、動物由来、植物由来または合成由来のものを含み、例えば、ピーナッツ油、大豆油、鉱物油などを含む)であってもよい。生理食塩水溶液及びデキストロース水溶液、ポリエチレングリコール(PEG)及びグリセロール溶液を、特に注射溶液のために、液体担体として使用することもできる。適切な医薬賦形剤としては、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、ナトリウムステート(sodium state)、グリセロールモノステアレート、グリセロール、プロピレン、水などが挙げられる。医薬組成物は、所望な場合、最低限の量の湿潤剤または乳化剤、またはpH緩衝化剤も含有していてもよい。組成物の標的構築物及び他の要素は、標的構築物の制御された放出を与えるために、ポリマーまたはフィブリン糊に入っていてもよい。これらの組成物は、溶液、懸濁物、エマルション、軟膏、ゲル、または他の固体または半固体の組成物などの形態をしていてもよい。組成物は、典型的には、pHが4.5〜8.0の範囲である。組成物は、目及び目の組織の房水と適合する浸透圧値を有するように配合されなければならない。このような浸透圧値は、一般的に、約200〜約400ミリオスモル/水のキログラム数(「mOsm/kg」)の範囲であるが、好ましくは、約300mOsm/kgである。網膜は、浸透圧値が約283mOsm/kgであると考えられる。
いくつかの実施形態において、組成物は、静脈内、腹腔内、または硝子体内に注射するように調整した医薬組成物として通常の手順に従って配合される。典型的には、注射用の組成物は、滅菌等張性水性バッファーの溶液である。必要な場合、組成物は、さらに、可溶化剤及び注射部位の痛みをやわらげるための局所麻酔薬、例えば、リグノカインを含んでいてもよい。一般的に、この成分は、別個に、または単位投薬形態に一緒に混合して、例えば、密閉した容器(例えば、活性薬剤の量を示すアンプルまたは小袋)中に、凍結乾燥した乾燥粉末または水を含まない濃縮物として供給される。組成物が点滴によって投与される場合、医薬グレードの滅菌水または生理食塩水を含む点滴瓶を用いて分注してもよい。組成物を注射によって投与する場合、投与前に成分を混合し得るように、注射のための滅菌水のアンプルまたは生理食塩水を提供してもよい。
組成物は、さらに、さらなる成分、例えば、防腐剤、バッファー、等張化剤、酸化防止剤及び安定化剤、非イオン性湿潤剤または清澄剤、増粘剤などを含んでいてもよい。溶液で使用するのに適した防腐剤としては、ポリクアテルニウム−1、塩化ベンザルコニウム、チメロサール、クロロブタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェニルエチルアルコール、エデト酸二ナトリウム、ソルビン酸、塩化ベンゼトニウムなどが挙げられる。典型的には(必須ではないが)このような防腐剤は、0.001重量%〜1.0重量%の量で使用される。
適切なバッファーとしては、pH約6〜pH約8、好ましくは、pH約7〜pH約7.5のpHに維持するのに十分な量のホウ酸、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウム、ホウ酸ナトリウム及びホウ酸カリウム、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、リン酸二ナトリウムなどが挙げられる。
適切な等張化剤は、デキストラン40、デキストラン70、デキストロース、グリセリン、塩化カリウム、プロピレングリコール、塩化ナトリウムなどであり、目の溶液の塩化ナトリウムク当量は、0.9±0.2%の範囲である。
適切な酸化防止剤及び安定化剤としては、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ亜硫酸ナトリウム、チオ尿素などが挙げられる。適切な湿潤剤及び清澄剤としては、ポリソルベート80、ポリソルベート20、ポロキサマー282及びチロキサポールが挙げられる。適切な等張化剤としては、デキストラン40、デキストラン70、ゼラチン、グリセリン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロース、ラノリン、メチルセルロース、ペトロラタム、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。
単純な水和物よりも粘度が大きい局所組成物を提供するための増粘剤の使用は、標的組織による活性化合物の目への吸収を高め、または、目での保持時間を長くするために望ましいだろう。このような粘度構築剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、または当業者に知られている他の薬剤が挙げられる。このような薬剤は、典型的には、0.01重量%〜2重量%の量で使用される。
いくつかの実施形態において、標的構築物をコードするヌクレオチドを送達するための医薬組成物が提供される。遺伝子治療のための医薬組成物は、許容できる希釈剤であってもよく、または、遺伝子送達媒剤または化合物が埋め込まれた徐放性マトリックスを含んでいてもよい。または、完全な遺伝子送達系を、組み換え細胞(例えば、レトロウイルスベクター)からそのまま製造してもよく、医薬組成物は、遺伝子送達系を産生する1つ以上の細胞を含んでいてもよい。
臨床的な設定において、遺伝子治療のための遺伝子送達系を、多くの任意の方法によって被検体に導入してもよい。例えば、遺伝子送達系の医薬組成物を全身に導入してもよい(例えば、静脈注射によって、また、標的細胞へのタンパク質の特異的な形質導入は、遺伝子送達系によって与えられるトランスフェクションの特異性から優先的に起こり、受容体遺伝子の発現を制御する転写制御配列に起因して、細胞型または組織型の発現、またはこれらの組み合わせ)。他の実施形態において、組み換え遺伝子の初期送達は、動物への導入が非常に局在化し、もっと制限される。例えば、遺伝子送達媒剤を、カテーテルによって導入してもよく(米国特許第5,328,470号を参照)、または、定位的注入によって導入してもよい(Chenら(1994)、Proc.Natl.Acad.Sci.、USA 91:3054−3057。標的構築物をコードするポリヌクレオチドは、電気穿孔によって、Devら(1994)、Cancer Treat.Rev.20:105−115に記載される技術を用い、遺伝子治療構築物に送達されてもよい。
いくつかの実施形態において、目に遺伝子送達するための医薬組成物が提供される。発現ベクターを貯蔵及び/または送達するのに有用な目のための溶液は、例えば、WO03077796A2に開示されている。
(治療すべき疾患)
本明細書に記載する治療方法及び診断方法を、限定されないが、炎症性疾患、移植拒絶、妊娠に関連する疾患、有害な薬物反応、虚血−再灌流による損傷から生じる組織損傷、目の疾患、腎臓疾患、関節疾患、及び自己免疫障害または免疫複合体障害を含む種々の疾患を治療または診断するために使用してもよい。いくつかの実施形態において、治療すべき疾患または診断すべき疾患としては、限定されないが、全身性エリテマトーデス及び糸球体腎炎、関節リウマチ、心肺バイパス及び血液透析、臓器移植の超急性拒絶、心筋梗塞、虚血/再灌流による損傷、抗体媒介型同種拒絶(例えば、腎臓における)、及び成人呼吸促迫症候群が挙げられる。さらに、他の炎症状体及び自己免疫/免疫複合体疾患は、限定されないが、熱による損傷、重篤な喘息、アナフィラキシーショック、腸の炎症、蕁麻疹、血管浮腫、脈管炎、多発性硬化症、重症筋無力症、心筋炎、膜性増殖性糸球体腎炎、非定型溶血性***症候群、シェーグレン症候群、腎臓及び肺の虚血/再灌流及び他の臓器に特異的な炎症性障害を含め、補体活性化に密接に関連する。従って、いくつかの実施形態において、本明細書に記載する方法は、限定されないが、炎症性疾患、移植拒絶、妊娠に関連する疾患、有害な薬物反応、虚血−再灌流による損傷から生じる組織損傷、目の疾患、腎臓疾患、関節疾患、または自己免疫障害または免疫複合体障害を含む、補体媒介型疾患を治療または診断するのに特に有用である。いくつかの実施形態において、本明細書には、本明細書に記載する有効な量の組成物(例えば、標的構築物を含む組成物)を個体に投与することを含む、個体中の補体媒介型疾患を治療または診断する方法も提供される。
本明細書に記載する方法は、限定されないが、火傷、内毒血症、敗血症ショック、成人呼吸促迫症候群、心肺バイパス、血液透析、アナフィラキシーショック、喘息、血管浮腫、クローン病、鎌状赤血球貧血、連鎖球菌関連後の糸球体腎炎、膜性腎症、膵炎、関節リウマチ、炎症性関節炎、炎症性腸疾患、急性肺損傷及び播種性血管内凝固症候群(DIC)を含む、炎症性疾患を治療または診断するのに特に有用である。いくつかの実施形態において、炎症(例えば、補体媒介型炎症)は、炎症性障害または自己炎症性障害、移植拒絶(細胞または抗体媒介型)、妊娠に関連する疾患、有害な薬物反応、変性、滲出型、溶血性、血栓性、血管炎性、関節炎、再生、外傷性の自己免疫障害または免疫複合体障害から生じる組織損傷と関係がある。
本明細書に記載する組成物は、限定されないが、超急性移植拒絶、抗体媒介型移植拒絶、細胞媒介型移植拒絶、急性移植拒絶及び慢性移植拒絶を含む、移植拒絶の治療または診断にも有用である。いくつかの実施形態において、移植は、異種移植、自家移植、または同系移植であってもよい。いくつかの実施形態において、移植は、液体、細胞、組織または臓器である。いくつかの実施形態において、移植は、心臓、肝臓、腎臓、肺、膵臓、腸、胃、精巣、手、腕、足、子宮、卵巣及び胸腺からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、移植は、骨、腱、角膜、皮膚、心臓弁、ランゲルハンス島、骨髄、造血幹細胞、輸血、または静脈からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、移植は、心臓、肝臓または腎臓である。移植拒絶によって、いくつかの合併症、例えば、移植片対宿主病を引き起こす場合がある。いくつかの実施形態において、補体媒介型疾患は、移植片対宿主病である。
本明細書に記載する方法は、限定されないが、HELLP(溶血性貧血、肝臓酵素の上昇及び低い血小板数)、習慣性流産、非定型溶血性***症候群、胎児低酸素症候群、高血圧疾患及び子癇前症を含む、妊娠に関連する疾患を治療または診断するのにも特に有用である。
それに加え、本発明に記載する方法は、限定されないが、薬物アレルギー、X線撮影の造影剤アレルギー及びIL−2によって誘発される血管漏出を含め、有害な薬物反応を治療または診断するのに有用である。
本明細書に記載する方法は、限定されないが、急性心筋梗塞、動脈瘤、動脈瘤修復、超低体温循環停止、止血帯の使用、固形臓器移植、周産期の脳卒中を含む脳卒中、出血性ショック、挫傷、多臓器不全、血液透析、乏血性ショック、脊髄損傷、外傷性脳損傷、腸管虚血、網膜虚血、心肺バイパス、失敗した経皮経管冠動脈形成(PCTA)のための緊急心冠手術、及び血管遮断を伴う血管手術、膵管または胆管の操作後の膵炎のような虚血−再灌流による損傷から生じる組織損傷を治療または診断するのにも有用である。いくつかの実施形態において、虚血−再灌流による損傷の引き金となる虚血事象(例えば、腸管虚血)の前、最中、または後に、組織損傷を治療または診断するためにも有用である。
いくつかの実施形態において、組織損傷は、再灌流前に本明細書に開示する標的構築物(または標的構築物を含む組成物)を投与することによって、本明細書に開示する任意の方法を用いて治療または診断される。いくつかの実施形態において、組織損傷は、再灌流後に本明細書に開示する標的構築物(または標的構築物を含む組成物)を投与することによって、本明細書に開示する任意の方法を用いて治療または診断される。いくつかの実施形態において、虚血−再灌流による損傷は、心筋の虚血−再灌流、腎臓の虚血−再灌流による損傷、胃腸の虚血−再灌流による損傷、肝臓の虚血−再灌流による損傷、骨格筋の虚血−再灌流による損傷、脳の虚血−再灌流による損傷、肺の虚血−再灌流による損傷、腸の虚血−再灌流による損傷、網膜の虚血−再灌流による損傷及び関節の虚血−再灌流による損傷からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、組織損傷は、酸化による損傷によって引き起こされる。
治療または手術が再灌流を誘発するが、虚血は誘発しない場合(本明細書では、非虚血性再灌流による損傷と呼ばれる)が存在する。このような治療または手術としては、限定されないが、医薬による血栓溶解、卒中のための静脈内及び血管内の治療、急性冠動脈症候群、末梢動脈閉塞、肺塞栓、腎臓動脈閉塞、機械的血栓除去術、例えば、経皮的冠動脈形成術、末梢動脈血管形成術、動脈内膜血管形成術、冠動脈バイパス術、頚動脈内膜切除、腸間膜虚血、出血性ショック、心原性ショック、神経原性ショック、アナフィラキシーショックを含むショック、皮弁不全、例えば、形成手術、指及び肢の再移植、及び腸狭窄が挙げられる。従って、いくつかの実施形態において、非虚血性再灌流による損傷から引き起こされる組織損傷は、本明細書に開示する標的構築物(または標的構築物を含む組成物)を投与することによって、本明細書に開示する任意の方法を用いて治療または診断される。
本明細書に記載する方法は、限定されないが、急性腎臓損傷、溶血性***症候群、糸球体腎炎、膜性糸球体腎炎、メサンギウム増殖性糸球体腎炎、急性感染後糸球体腎炎(例えば、連鎖球菌関連後の糸球体腎炎)、クリオグロブリン血症による糸球体腎炎、ループス腎炎、膜性増殖性糸球体腎炎(例えば、間質性毛細管性糸球体腎炎)、デンスデポジット病、微小変化群、糖尿病性ネフロパシー、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、IgAネフロパシー、慢性腎臓疾患、腎臓移植後増機能障害、急性及び慢性の腎臓移植拒絶、蛋白尿の腎疾患及びネフローゼ症候群、高血圧腎臓疾患及び巣状分節性糸球体硬化症を含む、腎臓疾患を治療または診断するのにも特に有用である。いくつかの実施形態において、腎臓疾患は、糸球体疾患である。例えば、この方法は、損傷した糸球体に対する天然IgMの結合を導く、糸球体疾患を治療または診断するにも有用である。いくつかの実施形態において、損傷した糸球体は、機械的ストレス、代謝ストレス、化学薬品ストレス、酸化ストレス、または免疫学的ストレスの結果であってもよい。いくつかの実施形態において、損傷した糸球体は、虚血、糖尿病、高血圧及び続発性巣状分節性糸球体硬化症の結果であってもよい。損傷した糸球体の症状としては、炎症応答、例えば、サイトカイン放出及び線維症、例えば、コラーゲン糸球体間質マトリックスの沈着、尿細管細胞の損傷及び尿細管間質性線維症が挙げられる。この方法は、例えば、糸球体の炎症である糸球体腎炎腎臓疾患を治療または診断するのにも有用である。糸球体腎炎は、一般的に、C3を含む補体成分を含む糸球体中の高電子密度物質の沈着に関連する。この方法は、腎臓虚血と関連する急性腎臓損傷を治療または診断するのにも有用である。虚血は、急性腎臓損傷の主な原因である。虚血及びその後の再灌流は、内皮機能不全、白血球媒介型炎症及び微細血管の血流減少によって急性腎臓損傷を誘発し、尿細管周囲の毛細血管の希薄化、酸素供給の脆弱なバランスの移動、負の酸素バランスに向かう皮髄境界部に対する要求を引き起こすことがある。このバランスの移動によって低酸素環境が引き起こされ、線維の沈着が起こり、その後に、慢性腎臓疾患が進行する。いくつかの実施形態において、腎臓疾患は、因子Hの欠損に起因する。
本明細書に記載する方法は、限定されないが、関節炎(例えば、関節リウマチ)及び感染(例えば、B型肝炎感染)に関連する関節炎症、炎症性疾患(例えば、炎症性腸疾患)または自己免疫性疾患(例えば、全身性エリテマトーデス)を含む、関節疾患を治療または診断するのにも有用である。いくつかの実施形態において、本明細書に提供される方法は、限定されないが、関節炎、アミロイド関節症、アミロイドーシス、強直性脊椎炎、手根管症候群、側頭動脈炎、リウマチ性多発筋痛、多発関節痛、腱炎、ウィップル病、滑液包炎、三叉神経痛、線維筋腫、線維炎、自己免疫関節炎、関節リウマチ、若年性関節炎、乾癬性関節炎、ループス関節炎、ポリ関節炎、自己免疫性の疾患または障害から生じない炎症性関節炎、例えば、伝染性関節炎、すなわち、関節痛、痛み、こわばり及び伝染性物質、例えば、細菌(マイコプラズマを含む)、ウイルス、真菌によって引き起こされる腫れ、化膿性感染炎、または骨関節炎を含む、関節疾患を治療または診断するのに有用である。関節疾患は、症状、例えば、関節のこわばり、疼痛、衰弱、関節疲労、圧痛及び膨潤に関連する場合がある。従って、いくつかの実施形態において、関節疾患の症状は、本明細書に開示する標的構築物(または標的構築物を含む組成物)を投与することによって、本明細書に開示する任意の方法を用いて治療または診断される。例えば、この組成物は、関節炎または関節炎の症状の治療または診断に有用である。いくつかの実施形態において、関節炎は、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、乾癬性関節炎及びループス関節炎からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、関節炎は、骨関節炎である。いくつかの実施形態において、関節炎は、細菌病原体、例えば、Haemophilus influenzae、Gonoccous spp.、Mycoplasma spp.Meingococcus spp.、Pneumococcus spp.、Streptococcus spp.、Staphyloccus spp.、Salmonella spp.、Brucella spp.、Neisseria spp.、Streptobacillus moniliformis(ヘーヴァヒル熱)、Mycobacterium tuberculosis、Treponema pallidum(梅毒)、Treponema pertenue(イチゴ腫)、またはRickettsia spp.によって引き起こされる伝染性関節炎である。
いくつかの実施形態において、関節炎は、ウイルス病原体、例えば、風疹ウイルス、ムンプスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、アデノウイルス、エコーウイルス、単純ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、パルボウイルス、レトロウイルス及びアルファウイルス、または肝炎ウイルスによって引き起こされる伝染性関節炎である。いくつかの実施形態において、関節炎は、真菌、例えば、Coccidioides spp.、Histoplasmoa spp.、Blastomyces spp.、Cryptococcus spp.、Candida spp.、またはSporothrix spp.によって引き起こされる伝染性関節炎である。別の例として、組成物は、関節疾患または関節疾患の症状を治療または診断するのに有用である。いくつかの実施形態において、関節疾患は、関節炎、アミロイド関節症、アミロイドーシス、強直性脊椎炎、手根管症候群、側頭動脈炎、リウマチ性多発筋痛、多発関節痛、腱炎、ウィップル病、滑液包炎三叉神経痛、線維筋腫及び線維炎である。いくつかの実施形態において、関節疾患は、関節炎に関連する。いくつかの実施形態において、関節疾患が先に起こり、後に関節炎が進行する。いくつかの実施形態において、関節疾患は、関節炎の発症に起因して進行する。
関節リウマチは、人口の約1%が罹患しており、一般的に女性の方が男性より3倍罹患率が高い。関節リウマチ及び若年性関節リウマチは、関節の炎症態様に加え、多くの病的な徴候を示す全身性疾患である。関節リウマチにおいて、これらの徴候には、脈管炎(血管の炎症)が含まれ、ほとんどの臓器系に罹患することがあり、多発性神経障害、皮膚の潰瘍及び内臓の梗塞を含む、多くの病的な後遺症を引き起こす場合がある。胸膜肺の徴候としては、胸膜炎、間質性線維症、胸膜肺の小瘤、肺臓炎及び動脈炎が挙げられる。他の徴候としては、種々の関節周囲の構造(例えば、伸筋表面、胸膜及び髄膜)での炎症性リウマチによる小瘤の成長が挙げられる。骨格筋の衰弱及び萎縮が一般的である。多くの全身性エリテマトーデス患者は、ループス関節炎と呼ばれる関節の炎症も進行している。全身性エリテマトーデスは、多くの異なる細胞、組織及び臓器が、病的な自己抗体及び免疫複合体によって損傷を受ける、原因が不明の自己免疫性疾患である。全身性エリテマトーデスの臨床徴候は多く、種々の斑点状丘疹、腎炎、脳炎、脈管炎、血球減少及び凝固障害を含む血液の異常、心膜炎、心筋炎、肋膜炎、胃腸の症状及び上述の関節炎症が挙げられる。骨関節炎は、最も一般的な慢性関節疾患を表す。関与する関節の疼痛、こわばり及び膨潤が現れる。関節の最も重要な機械的機能を担当する関節軟骨は、骨関節炎、種々の酵素、例えば、メタロプロテアーゼ、プラスミン及びカテプシンが介在する骨関節炎における関節軟骨の破壊の主な標的組織であり、その後、炎症仲介物質としても作用し得る種々の因子によって刺激を受ける。これらの因子としては、サイトカイン、例えば、病的な軟骨及び滑液のプロテアーゼを活性化することが知られているインターロイキン−1が挙げられる。疾患が進行すると、滑液の炎症がかなり頻繁になる。乾癬性関節炎は、乾癬に罹ったヒトの5〜8%が患う慢性の炎症性関節障害である。これらの個体のかなりの割合(4分の1)で、進行性の破壊性疾患が進行する。関節の炎症を伴う乾癬患者の25%で、関節リウマチの関節炎症の徴候と似た全身的な関節炎症が進行し、これらの半分を超える患者で、さまざまな程度の関節破壊が進行する。
本明細書に記載する方法は、限定されないが、重症筋無力症、アルツハイマー病、多発性硬化症、気腫、肥満、視神経脊髄炎、関節リウマチ、骨関節炎、全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、IgG4に関連する疾患、インスリン依存性糖尿病、急性播種性脳脊髄炎、アジソン病、抗リン脂質抗体症候群、血栓性血小板減少性紫斑病、自己免疫性肝炎、クローン病、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギランバレー症候群、橋本病、突発性血小板減少性紫斑病、天疱瘡、シェーグレン症候群、高安動脈炎、自己免疫性糸球体腎炎、デンスデポジット病(膜性増殖性糸球体腎炎II型としても知られる)、膜性疾患、発作性夜間血色素尿症、加齢黄斑変性、糖尿病性黄斑症、ぶどう膜炎、網膜変性障害、糖尿病性ネフロパシー、巣状分節性糸球体硬化症、ANCAに関連する脈管炎、溶血性***症候群、志賀毒素に関連する溶血性***症候群、非定型溶血性***症候群及び炎症に関連する心肺バイパス及び血液透析を含む、自己免疫または免疫複合体を治療または診断するのに有用である。いくつかの実施形態において、治療すべき疾患または診断すべき疾患は、自己免疫性糸球体腎炎であり、限定されないが、免疫グロブリンAネフロパシーまたは膜性増殖性糸球体腎炎I型が挙げられる。いくつかの実施形態において、自己免疫障害または免疫複合体障害は、炎症性疾患である。
本明細書に記載する方法は、限定されないが、加齢黄斑変性(AMD)(ウェット型AMD及びドライ型AMDを含む)、CMV網膜炎、黄斑浮腫、ぶどう膜炎、緑内障、糖尿病性網膜症、網膜色素変性、網膜剥離、増殖性硝子体網膜症及び目の黒色腫を含む、目の疾患を治療または診断するのに特に有用である。例えば、この方法は、加齢黄斑変性(AMD)を治療または診断するのに有用である。AMDは、臨床的に、黄斑と呼ばれる網膜の中心領域にある感光細胞への損傷から生じる進行性の中心視力の喪失を特徴とする。AMDは、広くはウェット型とドライ型の2つの臨床状態に分類され、ドライ形態が、全症例の80〜90%を構成する。ドライ型は、臨床的に黄斑のドルーゼンの存在を特徴とし、網膜色素上皮(RPE)とブルッフ膜の間に局在化した沈着があり、地図状萎縮は、その上にある感光体の萎縮を伴うRPE細胞の死を特徴とする。ウェット型AMDは、重篤な視力喪失の約90%を占め、黄斑領域での血管新生及びこれらの新しい血管の漏出と関連がある。血管及び液の沈着によって網膜剥離が起こり、その後、迅速に感光体が変性し、視力が失われる場合がある。一般的に、ウェット型のAMDの前にドライ型が起こり、ドライ型からウェット型が生じることが受け入れられている。
AMD患者におけるドルーゼンの内容物の分析から、アミロイドタンパク質、凝固因子及び大量の補体経路のタンパク質を含む多量の炎症性タンパク質を示す。補体因子Hの遺伝的変異は、加齢黄斑変性(AMD)の危険性を高め、このことは、制御されない補体活性化が、AMD発病の原因となっていることを示唆している。Edwardら、Science 2005、308:421;Hainesら、Science 2005、308:419;Kleinら、Science 308:385−389;Hagemanら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 2005、102:7227。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載する方法を使用し、サイトメガロウイルス(CMV)網膜炎を治療または診断することができる。CMV網膜炎は、網膜の感光細胞の炎症を引き起こす感染である。CMVは、典型的には、免疫応答性の個体ではまれである。しかし、例えば、疾患、移植または化学療法によって免疫不全となった個体は、特に、CMV網膜炎にかかりやすい。網膜炎は、通常は、片方の目で始まるが、他の目にも進行していくことが多い。治療をしなければ、網膜の進行性の損傷によって、4〜6月以内、またはもっと短い間に視力を失う。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載する方法を使用し、黄斑浮腫を治療または診断することができる。黄斑浮腫は、目の黄斑の上または下で液体またはタンパク質の沈着が起こると生じ、黄斑が厚化し、腫れる。腫れは、個体の中心視力を歪ませる場合がある。黄斑は、密に封入された円錐形を保持し、鮮やかで明確な中心視力を与え、ヒトは、直接的に視線方向にある詳細な形及び色を見ることができる。黄斑浮腫は、2種類に分類することができる。嚢胞様黄斑浮腫(CME)は、網膜の周中心窩毛細管の異常な透過性に次いで、外網状層での液体の沈着を含む。糖尿病性黄斑浮腫(DME)は、黄斑の毛細血管の漏出によって引き起こされる。DMEは、増殖性または非増殖性の糖尿病性網膜症において、視力喪失の最も一般的な原因である。
特定の実施形態において、本明細書に記載する方法を使用し、ぶどう膜炎、すなわち、ぶどう膜(強膜の下にある目の虹彩、毛様体及び脈絡膜)の炎症を治療または診断することができる。ぶどう膜炎は、典型的には、目の感染、目の損傷、及び/または自己免疫障害に関連がある。しかし、多くの場合に、その原因はわからない。ぶどう膜炎の最も一般的な形態は、前部ぶどう膜炎であり、虹彩の炎症を伴う。後部ぶどう膜炎は、目の中央部分にある血管層及び結合組織である脈絡膜に影響を与える。別の形態のぶどう膜炎は、扁平部炎である。この炎症は、虹彩と脈絡膜の間の狭い領域(扁平部)に影響を与える。
特定の実施形態において、本明細書に記載する方法を使用し、視神経に損傷を与え、視力を失わせる目の状態の一群である緑内障を治療または診断することができる。神経の損傷は、特徴的なパターンでの網膜神経節細胞の消失を伴う。緑内障の多くの異なるサブタイプは、すべて視神経症の一種と考えることができる。眼圧の上昇(21mmHgまたは2.8kPaより高い)が、最も重要であり、緑内障の変更可能な危険因子であるのみである。眼圧は、目の毛様体プロセスによる房水の産生と、櫛状靱帯を通る房水の***との関数である。房水は、毛様体プロセスから後部の空間に流れ、後眼房で水晶体及び目のチン小帯によって、前眼房で虹彩によって結合している。その後、虹彩の瞳孔を通って前眼房へと流れ、後眼房で虹彩によって、前眼房で角膜によって結合している。ここから、櫛状靱帯が、シュレム管を介し、房水が強膜内静脈莊叢へと流れ、全体的に血液が循環する。
開放隅角/広隅角緑内障において、櫛状靱帯の変性及び閉塞に起因して、櫛状靱帯を通る流れが減り、櫛状靱帯の元々の機能は、房水を吸収することである。房水の吸収がなくなると、抵抗が大きくなり、そのため、慢性で痛みを伴わないまま眼圧が上がる。閉塞隅角/狭隅角緑内障において、角膜に対し、虹彩の丸い部分と根部分が最終的に前側にずれるため、角膜の角度が完全に閉じ、十分な液体が後眼房から前眼房まで流れることができなくなり、櫛状靱帯から外れる。この房水の沈着によって、圧力が急に上がり、痛みが出る。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載する方法を使用し、網膜微細血管の変化から生じる損傷を引き起こす糖尿病の合併症である糖尿病性網膜症を治療または診断することができる。小さな血管(例えば、目の血管)は、特に、血糖コントロールの失敗に弱い。グルコース及び/またはフルクトースの過剰な沈着によって、網膜の小さな血管が損傷を受ける。高血糖症によって誘発される周細胞の死及び基底膜の肥厚が起こり、血管壁の透過性が上がり、血液網膜関門の生成が変化する。ある個体において、糖尿病性網膜症には、黄斑浮腫を伴う。糖尿病性網膜症が進行するにつれて、網膜内で酸素が不足し、網膜周囲の硝子体内に脆弱で新しい血管が成長する。適切な時期に治療を行わないと、これらの新しい血管が漏れ出し、視界がぼやけ、網膜を破壊し、及び/または牽引性の網膜剥離が起こることがある。
特定の実施形態において、本明細書に記載する方法を使用し、重篤な視力不全及び失明を引き起こす、遺伝性の目の変性疾患の一群である網膜色素変性(RP)を治療または診断することができる。60遺伝子を超える変異は、網膜色素変性を引き起こすことが知られている。RPの約20%は、常染色体優性(ADRP)であり、20%は、常染色体劣性(ARRP)であり、10%は、X染色体連鎖であり(XLRP)、一方、残りの50%は、罹患した親戚がいない患者であることがわかる。網膜色素変性に関連する遺伝子は、網膜の感光体の構造及び機能に重要な役割を果たし、これらの細胞の進行性の変性が、視界消失を引き起こす。
特定の実施形態において、本明細書に記載する方法を使用し、増殖性硝子体網膜症(すなわち、多くは破裂性の網膜剥離の合併症がある、目の中の瘢痕組織の生成)を治療または診断することができる。破裂性の網膜剥離中、硝子体液からの液体が、網膜円孔に入る。網膜下腔内の液体の沈着及び網膜の上の硝子体の牽引力によって、破裂性の網膜剥離が生じる。このプロセス中、網膜細胞層が、硝子体サイトカインと接触し、網膜色素上皮(RPE)の増殖及び移動の引き金となる。RPE細胞は、上皮間葉転換(EMT)を受け、硝子体内が移動する能力が発達する。このプロセス中、RPE細胞層−神経網膜の接着性及びRPE−ECM(細胞外マトリックス)の接着性が失われる。RPE細胞は、線維性の膜の下にあり、一方、これらが移動し、これらの膜が縮み、網膜を引張り、第1の網膜剥離手術の後、第2の網膜剥離が起こる場合がある。
特定の実施形態において、例えば、網膜の破れ、孔または剥離の修復のための手術(例えば、目の黒色腫の治療のための放射線治療)と組み合わせて、本明細書に記載する治療方法を使用してもよい。
特定の実施形態において、本明細書に記載する組成物及び方法を使用し、角膜創傷治癒及び/または角膜移植を治療し、及び/またはこれらの転帰を向上することができる。角膜創傷治癒の応答は、上皮細胞、間質性角膜実質細胞、角膜の神経、涙腺、涙膜及び免疫系の細胞の間のサイトカインが媒介する相互作用が関与する複雑なカスケードである。組織変化の応答は、刺激を受ける損傷に依存して変わる。例えば、切開性、表層及び表面引っ掻き傷は、屈折矯正角膜手術で使用されるものと同様に、ある態様では同様の、しかし、他の場合には異なる典型的な創傷治癒応答が続く。例えば、身体のどこかで、創傷治癒は、最終的に瘢痕の生成及び血管新生へと続き、角膜創傷治癒の最も重要な態様の1つは、治癒プロセスが、その他の方法では、目に見えてひどい結果を有するようなこれらの最終的な結果をどのように最小限にしていくのに役立つかである。感染、レーザ屈折手術、角膜移植、目の外傷(化学的または物理的)または角膜ジストロフィーから、角膜瘢痕の原因は、正常な角膜の構造及び機能がほとんど破壊されることを含む。角膜移植(角膜の移植としても知られる)は、その全体で(全層角膜移植)または部分的に(表層角膜移植)、損傷を受けたか、または罹患した角膜を、提供された角膜組織(移植片)と置き換える外科的手術である。移植片は、提供された組織の生存能力またはレシピエントの健康に影響を与え得る既知の疾患または他の因子がない最近亡くなった個人から採取する。角膜は、血管がないため(房水から栄養を受け取る)、皮膚の切り傷よりも治癒がかなり遅い。危険性は、他の目の手術と同様であるが、さらに、移植拒絶(一生続く)、剥離または表層移植の位置移動及び1回目の移植の失敗などがある。
本発明は、標的構築物を含む有効な量の組成物を投与することによる、本明細書に記載の目の疾患を治療または診断する方法を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、限定されないが、目のドルーゼンの生成、目または目の組織の炎症、感光細胞の消失、視力の喪失(例えば、視力及び視界を含む)、血管新生(例えば、脈絡膜の血管新生またはCNV)及び網膜剥離を含む、本明細書に記載する目の疾患の1つ以上の態様または症状を治療または診断する方法を提供する。他の関連する態様、例えば、感光体の変性、RPE変性、網膜変性、脈絡網膜の変性、錐体変性、網膜機能不全、露光に応答する網膜損傷(例えば、一定光の曝露)、ブルッフ膜の損傷、RPE機能の消失、増加またはRPE機能、細胞の組織構造及び/または通常の黄斑の細胞外マトリックスの一体性消失、黄斑細胞の機能消失、感光体ジストロフィー、ムコ多糖症、桿体錐体ジストロフィー、杆体錐体ジストロフィー、前部ぶどう膜炎及び後部ぶどう膜炎、及び糖尿病性ニューロパシーも含まれる。
いくつかの実施形態において、ドルーゼンに関連する疾患を治療または診断する方法が提供される。「ドルーゼンに関連する疾患」という用語は、ドルーゼンまたはドルーゼン様の細胞外疾患斑の生成が起こり、ドルーゼンまたはドルーゼン様の細胞外疾患斑が、その原因となるか、またはその徴候の原因となる、任意の疾患を指す。例えば、AMDは、黄斑のドルーゼンの生成を特徴とし、ドルーゼンに関連する疾患であると考えられる。目以外のドルーゼンに関連する疾患としては、限定されないが、アミロイドーシス、弾性線維症、デンスデポジット病、及び/またはアテローム硬化症が挙げられる。
(目の疾患)
本明細書に記載する組成物及び方法は、目の疾患を治療するのに特に有用である。例えば、組成物及び方法は、目に対する虚血/再灌流(I/R)損傷を検出及び/または治療するのに有用であろう。本明細書で使用する場合、「虚血/再灌流による損傷」は、低酸素組織の再灌流の後に、内皮及びその下にある実質組織の炎症性損傷を指す。例えば、心筋、中枢神経系、後肢、腸及び目を含め、種々の組織に対する急性及び慢性の損傷の原因となる一般的な症候群である。補体経路(補体の副経路を含む)は、I/R損傷の主要なメディエータである。従って、本明細書に提供される非侵襲的な方法は、目で起こる虚血再灌流に関連する補体媒介型炎症の検出に有用である。
本明細書に提供される組成物及び方法を使用し、ドルーゼンに関連する疾患において、補体媒介型炎症を検出及び/または治療してもよい。例えば、加齢黄斑変性(AMD)は、黄斑のドルーゼン生成を特徴とし、ドルーゼンに関連する疾患であると考えられる。AMDは、臨床的に、黄斑と呼ばれる網膜の中心領域にある感光細胞への損傷から生じる進行性の中心視力の喪失を特徴とする。AMDは、広くはウェット型とドライ型の2つの臨床状態に分類され、ドライ形態が、全症例の80〜90%を構成する。ドライ型は、臨床的に黄斑のドルーゼンの存在を特徴とし、網膜色素上皮(RPE)とブルッフ膜の間に局在化した沈着があり、地図状萎縮は、その上にある感光体の萎縮を伴うRPE細胞の死を特徴とする。ウェット型AMDは、重篤な視力喪失の約90%を占め、黄斑領域での血管新生及びこれらの新しい血管の漏出と関連がある。血管及び液の沈着によって網膜剥離が起こり、その後、迅速に感光体が変性し、視力が失われる場合がある。一般的に、ウェット型のAMDの前にドライ型が起こり、ドライ型からウェット型が生じることが受け入れられている。
AMD患者におけるドルーゼンの内容物の分析から、アミロイドタンパク質、凝固因子及び大量の補体経路のタンパク質を含む多量の炎症性タンパク質を示す。補体因子Hの遺伝的変異は、加齢黄斑変性(AMD)の危険性を高め、このことは、制御されない補体活性化が、AMD発病の原因となっていることを示唆している。Edwardら、Science 2005、308:421;Hainesら、Science 2005、308:419;Kleinら、Science 308:385−389;Hagemanら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 2005、102:7227。それに加え、脂質の沈着及び改変、及びアネキシンIIの存在は、AMDに関連する病的な構造で報告されている(例えば、上に引用した参考文献)。AMDの動物モデルは、補体の治療薬、例えば、ここに記載されているもの(Rohrerら(2009) Invest Ophthalmol Vis Sci.50(7):3056−64;Rohrerら(2012) J Ocul Pharmacol Ther.28(4):402−9)に望ましく応答する。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載する方法を使用し、サイトメガロウイルス(CMV)網膜炎を検出及び/または治療することができる。CMV網膜炎は、網膜の感光細胞の炎症を引き起こす感染である。CMVは、典型的には、免疫応答性の個体ではまれである。しかし、例えば、疾患、移植または化学療法によって免疫不全となった個体は、特に、CMV網膜炎にかかりやすい。網膜炎は、通常は、片方の目で始まるが、他の目にも進行していくことが多い。治療をしなければ、網膜の進行性の損傷によって、4〜6月以内、またはもっと短い間に視力を失う可能性がある。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載する方法を使用し、黄斑浮腫を治療または診断することができる。黄斑浮腫は、目の黄斑の上または下で液体またはタンパク質の沈着が起こると生じ、黄斑が厚化し、腫れる。腫れは、個体の中心視力を歪ませる場合がある。黄斑は、密に封入された円錐形を保持し、鮮やかで明確な中心視力を与え、ヒトは、直接的に視線方向にある詳細な形及び色を見ることができる。黄斑浮腫は、2種類に分類することができる。嚢胞様黄斑浮腫(CME)は、網膜の周中心窩毛細管の異常な透過性に次いで、外網状層での液体の沈着を含む。糖尿病性黄斑浮腫(DME)は、黄斑の毛細血管の漏出によって引き起こされる。DMEは、増殖性または非増殖性の糖尿病性網膜症において、視力喪失の最も一般的な原因である。
特定の実施形態において、本明細書に記載する方法を使用し、ぶどう膜炎、すなわち、ぶどう膜(強膜の下にある目の虹彩、毛様体及び脈絡膜)の炎症を治療または診断することができる。ぶどう膜炎は、典型的には、目の感染、目の損傷、及び/または自己免疫障害に関連がある。しかし、多くの場合に、その原因はわからない。ぶどう膜炎の最も一般的な形態は、前部ぶどう膜炎であり、虹彩の炎症を伴う。後部ぶどう膜炎は、目の中央部分にある血管層及び結合組織である脈絡膜に影響を与える。別の形態のぶどう膜炎は、扁平部炎である。この炎症は、虹彩と脈絡膜の間の狭い領域(扁平部)に影響を与える。
特定の実施形態において、本明細書に記載する方法を使用し、視神経に損傷を与え、視力を失わせる目の状態の一群である緑内障を治療または診断することができる。神経の損傷は、特徴的なパターンでの網膜神経節細胞の消失を伴う。緑内障の多くの異なるサブタイプは、すべて視神経症の一種と考えることができる。眼圧の上昇(21mmHgまたは2.8kPaより高い)が、最も重要であり、緑内障の変更可能な危険因子であるのみである。眼圧は、目の毛様体プロセスによる房水の産生と、櫛状靱帯を通る房水の***との関数である。房水は、毛様体プロセスから後部の空間に流れ、後眼房で水晶体及び目のチン小帯によって、前眼房で虹彩によって結合している。その後、虹彩の瞳孔を通って前眼房へと流れ、後眼房で虹彩によって、前眼房で角膜によって結合している。ここから、櫛状靱帯が、シュレム管を介し、房水が強膜内静脈莊叢へと流れ、全体的に血液が循環する。
開放隅角/広隅角緑内障において、櫛状靱帯の変性及び閉塞に起因して、櫛状靱帯を通る流れが減り、櫛状靱帯の元々の機能は、房水を吸収することである。房水の吸収がなくなると、抵抗が大きくなり、そのため、慢性で痛みを伴わないまま眼圧が上がる。閉塞隅角/狭隅角緑内障において、角膜に対し、虹彩の丸い部分と根部分が最終的に前側にずれるため、角膜の角度が完全に閉じ、十分な液体が後眼房から前眼房まで流れることができなくなり、櫛状靱帯から外れる。この房水の沈着によって、圧力が急に上がり、痛みが出る。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載する方法を使用し、網膜微細血管の変化から生じる損傷を引き起こす糖尿病の合併症である糖尿病性網膜症を治療または診断することができる。小さな血管(例えば、目の血管)は、特に、血糖コントロールの失敗に弱い。グルコース及び/またはフルクトースの過剰な沈着によって、網膜の小さな血管が損傷を受ける。高血糖症によって誘発される周細胞の死及び基底膜の肥厚が起こり、血管壁の透過性が上がり、血液網膜関門の生成が変化する。ある個体において、糖尿病性網膜症には、黄斑浮腫を伴う。糖尿病性網膜症が進行するにつれて、網膜内で酸素が不足し、網膜周囲の硝子体内に脆弱で新しい血管が成長する。適切な磁気に治療を行わないと、これらの新しい血管が漏れ出し、視界がぼやけ、網膜を破壊し、及び/または牽引性の網膜剥離が起こることがある。
特定の実施形態において、本明細書に記載する方法を使用し、重篤な視力不全及び失明を引き起こす、遺伝性の目の変性疾患の一群である網膜色素変性(RP)を治療または診断することができる。60遺伝子を超える変異は、網膜色素変性を引き起こすことが知られている。RPの約20%は、常染色体優性(ADRP)であり、20%は、常染色体劣性(ARRP)であり、10%は、X染色体連鎖であり(XLRP)、一方、残りの50%は、罹患した親戚がいない患者であることがわかる。網膜色素変性に関連する遺伝子は、網膜の感光体の構造及び機能に重要な役割を果たし、これらの細胞の進行性の変性が、視界消失を引き起こす。
特定の実施形態において、本明細書に記載する方法を使用し、増殖性硝子体網膜症(すなわち、多くは破裂性の網膜剥離の合併症がある、目の中の瘢痕組織の生成)を治療または診断することができる。破裂性の網膜剥離中、硝子体液からの液体が、網膜円孔に入る。網膜下腔内の液体の沈着及び網膜の上の硝子体の牽引力によって、破裂性の網膜剥離が生じる。このプロセス中、網膜細胞層が、硝子体サイトカインと接触し、網膜色素上皮(RPE)の増殖及び移動の引き金となる。RPE細胞は、上皮間葉転換(EMT)を受け、硝子体内が移動する能力が発達する。このプロセス中、RPE細胞層−神経網膜の接着性及びRPE−ECM(細胞外マトリックス)の接着性が失われる。RPE細胞は、線維性の膜の下にあり、一方、これらが移動し、これらの膜が縮み、網膜を引張り、第1の網膜剥離手術の後、第2の網膜剥離が起こる場合がある。
特定の実施形態において、例えば、網膜の破れ、孔または剥離の修復のための手術(例えば、目の黒色腫の治療のための放射線治療)と組み合わせて、本明細書に記載する治療方法を使用してもよい。
特定の実施形態において、本明細書に記載する組成物及び方法を使用し、角膜創傷治癒及び/または角膜移植を治療し、及び/またはこれらの転帰を向上することができる。角膜創傷治癒の応答は、上皮細胞、間質性角膜実質細胞、角膜の神経、涙腺、涙膜及び免疫系の細胞の間のサイトカインが媒介する相互作用が関与する複雑なカスケードである。組織変化の応答は、刺激を受ける損傷に依存して変わる。例えば、切開性、表層及び表面引っ掻き傷は、屈折矯正角膜手術で使用されるものと同様に、ある態様では同様の、しかし、他の場合には異なる典型的な創傷治癒応答が続く。例えば、身体のどこかで、創傷治癒は、最終的に瘢痕の生成及び血管新生へと続き、角膜創傷治癒の最も重要な態様の1つは、治癒プロセスが、その他の方法では、目に見えてひどい結果を有するようなこれらの最終的な結果をどのように最小限にしていくのに役立つかである。感染、レーザ屈折手術、角膜移植、目の外傷(化学的または物理的)または角膜ジストロフィーから、角膜瘢痕の原因は、正常な角膜の構造及び機能がほとんど破壊されることを含む。
角膜移植(角膜の移植としても知られる)は、その全体で(全層角膜移植)または部分的に(表層角膜移植)、損傷を受けたか、または罹患した角膜を、提供された角膜組織(移植片)と置き換える外科的手術である。移植片は、提供された組織の生存能力またはレシピエントの健康に影響を与え得る既知の疾患または他の因子がない最近亡くなった個人から採取する。角膜は、血管がないため(房水から栄養を受け取る)、皮膚の切り傷よりも治癒がかなり遅い。危険性は、他の目の手術と同様であるが、さらに、移植拒絶(一生続く)、剥離または表層移植の位置移動及び1回目の移植の失敗などがある。感染の危険性もある。
本発明は、標的構築物を含む有効な量の組成物を投与することによる、本明細書に記載する目の疾患を検出及び/または治療する方法を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、限定されないが、目のドルーゼンの生成、目または目の組織の炎症、感光細胞の消失、視力の喪失(例えば、視力及び視界を含む)、血管新生(例えば、脈絡膜の血管新生またはCNV)及び網膜剥離を含む、本明細書に記載する目の疾患の1つ以上の態様または症状を治療または診断する方法を提供する。他の関連する態様、例えば、感光体の変性、RPE変性、網膜変性、脈絡網膜の変性、錐体変性、網膜機能不全、露光に応答する網膜損傷(例えば、一定光の曝露)、ブルッフ膜の損傷、RPE機能の消失、増加またはRPE機能、細胞の組織構造及び/または通常の黄斑の細胞外マトリックスの一体性消失、黄斑細胞の機能消失、感光体ジストロフィー、ムコ多糖症、桿体錐体ジストロフィー、杆体錐体ジストロフィー、前部ぶどう膜炎及び後部ぶどう膜炎、及び糖尿病性ニューロパシーも含まれる。
いくつかの実施形態において、本発明は、角膜創傷治癒を高めるか、及び/または角膜移植の転帰を向上する方法を提供する。
いくつかの実施形態において、個体中の目の疾患、例えば、本明細書に記載する目の疾患を治療する方法であって、標的構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、(a)標的部分が、B4またはC2抗体またはそのフラグメントを含み、(b)活性部分が、治療薬部分またはそのフラグメントを含む、方法を提供する。特定の実施形態において、目の疾患は、AMDである。特定の実施形態において、AMDは、ウェット型AMDである。特定の実施形態において、AMDは、ドライ型AMDである。黄斑変性に加え、本発明の方法によって治療可能な他の目の疾患としては、例えば、網膜色素変性、糖尿病性網膜症、及び局所炎症プロセスが関与する他の目の疾患が挙げられる。いくつかの実施形態において、目の疾患は、ぶどう膜炎(前部及び後部)である。いくつかの実施形態において、目の疾患は、網膜色素変性である。いくつかの実施形態において、目の疾患は、角膜を含む。いくつかの実施形態において、目の疾患は、増殖性硝子体網膜症、網膜剥離、角膜創傷治癒、角膜移植、または目の黒色腫である。
いくつかの実施形態において、個体の目におけるドルーゼン及び他の細胞外沈着の生成を治療する(例えば、減らす、遅らせる、なくす、または予防する)方法であって、標的構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、(a)標的部分が、B4またはC2抗体またはそのフラグメントを含み、(b)活性部分が、例えば本明細書に記載の1つ以上の治療薬部分を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、個体の目における炎症を治療する(例えば、減らす、遅らせる、なくす、または予防する)方法であって、標的構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、(a)標的部分が、B4またはC2抗体またはそのフラグメントを含み、(b)活性部分が、例えば本明細書に記載の1つ以上の治療薬部分を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、個体の感光体細胞の消失を治療する(例えば、減らす、遅らせる、なくす、または予防する)方法であって、標的構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、(a)標的部分が、B4またはC2抗体またはそのフラグメントを含み、(b)活性部分が、例えば本明細書に記載の1つ以上の治療薬部分を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、個体の感光体細胞の消失を治療する(例えば、減らす、遅らせる、なくす、または予防する)方法であって、標的構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、(a)標的部分が、B4またはC2抗体またはそのフラグメントを含み、(b)活性部分が、例えば本明細書に記載の1つ以上の治療薬部分を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、AMDに関連する血管新生を治療する(例えば、減らす、遅らせる、なくす、または予防する)方法であって、標的構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、(a)標的部分が、B4またはC2抗体またはそのフラグメントを含み、(b)活性部分が、例えば本明細書に記載の1つ以上の治療薬部分を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、網膜剥離を治療する(例えば、減らす、遅らせる、なくす、または予防する)方法であって、標的構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、(a)標的部分が、B4またはC2抗体またはそのフラグメントを含み、(b)活性部分が、例えば本明細書に記載の1つ以上の治療薬部分を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、個体の目の視力または視界を高める(例えば、視力または視野の消失を低下させる、遅らせる、または遮断する)方法であって、標的構築物を含む有効な量の組成物を個体に投与することを含み、(a)標的部分が、B4またはC2抗体またはそのフラグメントを含み、(b)活性部分が、本明細書に記載の1つ以上の治療薬部分を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、有効な量の本明細書に記載する標的構築物を個体に投与することを含む、角膜創傷治癒を高めるか、及び/または角膜移植の転帰を向上する方法を提供する。
いくつかの実施形態において、ドルーゼンに関連する疾患を治療する方法が提供される。「ドルーゼンに関連する疾患」という用語は、ドルーゼンまたはドルーゼン様の細胞外疾患斑の生成が起こり、ドルーゼンまたはドルーゼン様の細胞外疾患斑が、その原因となるか、またはその徴候の原因となる、任意の疾患を指す。例えば、AMDは、黄斑のドルーゼンの生成を特徴とし、ドルーゼンに関連する疾患であると考えられる。目以外のドルーゼンに関連する疾患としては、限定されないが、アミロイドーシス、弾性線維症、デンスデポジット病、及び/またはアテローム硬化症が挙げられる。
(投与態様)
本明細書に記載する組成物は、限定されないが、静脈内(例えば、注入ポンプ)、腹膜内、目内、動脈内、肺内、経口、吸息、小胞内、筋肉内、気管内、皮下、目内、髄腔内、経皮、経胸膜、動脈内、局所、吸入(例えば、スプレーの霧)、粘膜(例えば、鼻粘膜を介する)、皮下、経皮、胃腸内、関節内、嚢内、心室内、直腸(すなわち、坐剤を介する)、膣内(すなわち、ペッサリーを介する)、頭蓋内、尿道内、肝臓内及び腫瘍内を含む任意の経路によって、個体に投与することができる。いくつかの実施形態において、組成物は、全身投与される(例えば、静脈内注射)。いくつかの実施形態において、組成物は、局所投与される(例えば、動脈内または目への注射)。
いくつかの実施形態において、組成物は、目または目の組織に直接投与される。本明細書で使用する場合、「目」という用語は、目に関連するすべての解剖学上の組織及び構造を指す。目は、外側の強膜、中央の脈絡膜層及び内側の網膜の3つの別個の層で構成される壁を有する。硝子体は、硝子体液と呼ばれるゼラチン状の液で満たされている。目の裏側に網膜があり、光を検出する。角膜は、光学的に透明の組織であり、目の裏側に画像を伝える。角膜は、目に薬物を浸透させるための経路を含む。目に関連するすべての解剖学上の組織構造としては、導涙系が挙げられ、分泌系、分配系及び***系を含む。分泌系は、涙の蒸発に起因するまばたき及び温度変化によって刺激される分泌腺と、遠心性の副交感神経の供給を有し、物理的または感情的な刺激に応答して涙を分泌する反射分泌腺を含む。分配系は、まぶた及び開いた目の縁の周囲にある涙液メニスカスを含み、まばたきによって目の表面に涙を広げ、それにより、乾燥した領域が広がるのを減らす。
いくつかの実施形態において、組成物は、目または目の組織に直接投与される。いくつかの実施形態において、組成物は、目に局所的に投与される(例えば、点眼薬)。いくつかの実施形態において、組成物は、目への注射(目内注射)または目に関連する組織への注射によって投与される。組成物は、例えば、目内注射、眼球周囲の注射、網膜下注射、硝子体内注射、経中隔注射、強膜下注射、脈絡膜内注射、腔内注射、結膜下注射、結膜下注射、テノン嚢下注射、球後注射、眼球周囲注射、または後強膜近傍への送達によって投与することができる。これらの方法は、当該技術分野で知られている。例えば、網膜薬物送達のための例示的な眼球周囲経路の記載のために、Periocular routes for retinal drug delivery、Raghavaら(2004)、Expert Opin.Drug Deliv.1(1):99−114を参照。組成物は、例えば、硝子体、房水、強膜、結膜、強膜と結膜との間の領域、脈絡膜組織、網膜脈絡膜組織、黄斑、または個体の目の中または目に近い他の領域に投与されてもよい。組成物は、インプラントとして個体に投与することもできる。好ましいインプラントは、長期間にわたって化合物を徐々に放出する生体適合性及び/または生分解性の持続性放出配合物である。薬物送達のための目のインプラントは、当該技術分野でよく知られている。例えば、米国特許第5,501,856号、第5,476,511号及び第6,331,313号を参照。組成物は、限定されないが、米国特許第4,454,151号及び米国特許出願公開第2003/0181531号及び第2004/0058313号に記載されるイオン泳動方法を含め、イオン泳動を用いて個体に投与してもよい。
いくつかの実施形態において、組成物は、血管内、例えば、静脈内(IV)または動脈内に投与される。いくつかの実施形態において(例えば、腎臓疾患の治療のために)、組成物は、動脈(例えば、腎臓の動脈)に直接投与される。
いくつかの実施形態において、組成物は、関節組織に直接投与される。いくつかの実施形態において、組成物は、滑膜に投与される。
組成物の最適な有効な量は、経験的に決定することができ、疾患の種類及び重篤度、投与経路、疾患の進行及び個体の健康、体重及び体の大きさに依存して変わるだろう。このような決定因子は、当業者の技術の範囲内である。有効な量は、in vitro補体活性アッセイに基づいて決定することもできる。本明細書に記載する方法に使用可能な抗体(またはその抗体結合フラグメント)及び/または構築物(例えば、標的構築物)の投薬量の例としては、限定されないが、約0.01μg/kg〜約300mg/kg、または約0.1μg/kg〜約40mg/kg、または約1μg/kg〜約20mg/kg、または約1μg/kg〜約10mg/kgのいずれかの投薬範囲内にある有効な量が挙げられる。例えば、目に投与する場合、組成物は、数マイクログラムの範囲で投与されてもよく、例えば、約0.1μg/kg以下、約0.05μg/kg以下、または0.01μg/kg以下を含む。いくつかの実施形態において、個体に投与される抗体(またはその抗原結合フラグメント)及び/または構築物(例えば、標的構築物)の量は、投薬あたり約10μg〜約500mgであり、例えば、投薬あたり、約10μg〜約50μg、約50μg〜約100μg、約100μg〜約200μg、約200μg〜約300μg、約300μg〜約500μg、約500μg〜約1mg、約1mg〜約10mg、約10mg〜約50mg、約50mg〜約100mg、約100mg〜約200mg、約200mg〜約300mg、約300mg〜約400mg、または約400mg〜約500mgを含む。
抗体(またはその抗原結合フラグメント)及び/または構築物(例えば、標的構築物)組成物は、1日に1回の投薬で投与されてもよく、または、1日合計投薬量を1日に2回、3回、または4回に分けた投薬量で投与されてもよい。組成物は、毎日より少ない頻度で、例えば、週に6回、週に5回、週に4回、週に3回、週に2回、週に1回、2週間に1回、3週間に1回、1ヶ月に1回、2ヶ月に1回、3ヶ月に1回、または6ヶ月に1回投与することもできる。組成物は、持続放出性配合物で、例えば、長い時間使用するために組成物を徐々に放出し、少ない頻度で、例えば、1ヶ月に1回、2〜6ヶ月に1回、1年に1回、または1回の投与であっても、組成物を投与することができるインプラントで投与されてもよい。持続放出性デバイス(例えば、ペレット、ナノ粒子、微粒子、ナノ球、微小球など)を、注射によって投与してもよく、または目または目に関連する組織、例えば、目内、硝子体内、網膜下、眼球周囲、結膜下、またはテノン下の種々の位置に手術によって埋め込んでもよい。
抗体(またはその抗原結合フラグメント)及び/または構築物(例えば、標的構築物)組成物(例えば、医薬組成物)を、単独で、または網膜の接続または損傷した網膜組織に有利な影響をゆうすることが知られている他の分子(組織の修復及び再生が可能であり、及び/または炎症を阻害することが可能な分子を含む)と組み合わせて投与してもよい。有用な補因子の例としては、抗−VEGF剤(例えば、VEGFに対する抗体)、線維芽細胞増殖因子(bFGF)、毛様体神経栄養因子(CNTF)、アキソキン(CNTFのムテイン)、白血病阻害因子(LIF)、ニューロトロフィン3(NT−3)、ニューロトロフィン−4(NT−4)、神経成長因子(NGF)、インスリン様成長因子II、プロスタグランジンE2、30kD生存因子、タウリン及びビタミンAが挙げられる。他の有用な補因子としては、症状を緩和する補因子が挙げられ、防腐剤、抗生物質、抗ウイルス剤及び抗真菌剤及び鎮痛剤及び麻酔薬を含む。
(遺伝子治療)
標的構築物は、in vivoで標的構築物融合タンパク質の発現によって送達することもでき、「遺伝子治療」と呼ばれることが多い。例えば、細胞を、融合タンパク質をex vivoでコードするポリヌクレオチド(DNAまたはRNA)で遺伝子操作してもよく、次いで、遺伝子操作された細胞を、融合タンパク質と共に、治療されるべき個体に与える。このような方法は、当該技術分野でよく知られている。例えば、本発明の融合タンパク質をコードするRNAを含むレトロウイルス粒子の使用によって、当該技術分野で知られている手順によって、細胞を遺伝子操作してもよい。
遺伝子治療を用いた本発明の標的構築物の局所送達は、標的領域、例えば、目または目の組織に治療薬物を与えてもよい。
抗体(またはその抗体結合フラグメント)及び/または構築物(例えば、標的構築物)は、抗体及び/または標的構築物をin vivoで発現することによって送達することもでき、「遺伝子治療」と呼ばれることが多い。例えば、細胞を、抗体及び/または標的構築物をex vivoでコードするポリヌクレオチド(DNAまたはRNA)を用いて遺伝子操作してもよく、遺伝子操作された細胞は、抗体及び/または標的構築物と共に、治療されるべき個体に与えられる。このような方法は、当該技術分野でよく知られている。例えば、細胞は、本発明の抗体及び/または標的構築物をコードするRNAを含むレトロウイルス粒子の使用によって、当該技術分野で知られている手順によって遺伝子操作されてもよい。
遺伝子治療を用いた本発明の抗体(またはその抗原結合フラグメント)及び/または構築物(例えば、標的構築物)の局所送達は、標的領域、例えば、目または目の組織に治療薬物を与えてもよい。
遺伝子送達の方法は、当該技術分野で知られている。これらの方法としては、限定されないが、直接的なDNA移動、例えば、Wolffら(1990)Science 247:1465−1468を参照;(2)リポソーム媒介型のDNA移動、例えば、Caplenら(1995)Nature Med.3:39−46;Crystal(1995)Nature Med.1:15−17;Gao及びHuang(1991)Biochem.Biophys.Res.Comm.179:280−285;(3)レトロウイルス媒介型のDNA移動、例えば、Kayら(1993)Science 262:117−119;Anderson(1992)Science 256:808−813を参照;(4)DNAウイルス媒介型のDNA移動が挙げられる。このようなDNAウイルスとしては、アデノウイルス(好ましくは、Ad2またはAd5に由来するベクター)、ヘルペスウイルス(好ましくは、単純ヘルペスウイルスに由来するベクター)及びパルボウイルス(好ましくは、「欠陥のある」または非自律系パルボウイルスに由来するベクター、さらに好ましくは、アデノ随伴ウイルスに由来するベクター、最も好ましくは、AAV−2に由来するベクター)が挙げられる。例えば、Aliら(1994)Gene Therapy 1:367−384;米国特許第4,797,368号(本明細書に参考として組み込まれる)及び米国特許第5,139,941号を参照。
本明細書で上に述べたレトロウイルスプラスミドベクターが誘導されるレトロウイルスとしては、限定されないが、モロニーマウス白血病ウイルス、脾臓壊死ウイルス、レトロウイルス、例えば、ラウス肉腫ウイルス、ハーベイ肉腫ウイルス、トリ白血病ウイルス、テナガザル白血病ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、アデノウイルス、骨髄増殖性肉腫ウイルス及び***腫瘍ウイルスが挙げられる。一実施形態において、レトロウイルスプラスミドベクターは、モロニーマウス白血病ウイルスから誘導される。
アデノウイルスは、広い宿主範囲を有するという利点を有し、静止した細胞または末端が分化した細胞、例えば、ニューロンまたは肝細胞及び明らかに本質的に非発癌性であってもよい。例えば、Aliら(1994)、前出、p.367を参照。アデノウイルスは、宿主ゲノムに組み込まれないようである。染色体外に存在するため、挿入突然変異の危険性は、大きく減っている。Aliら(1994)、前出、p.373。
アデノ随伴ウイルスは、アデノウイルス系ベクターと同様の利点を示す。しかし、AAVは、ヒト染色体19に対する部位特異的な組み込みを示す(Aliら(1994)、前出、p.377)。
遺伝子治療ベクターは、1つ以上のプロモーターを含む。いくつかの実施形態において、ベクターは、複数の細胞種で発現するプロモーターを有する。いくつかの実施形態において、ベクターは、特定の細胞種(例えば、網膜細胞または腎臓中の細胞)で発現するプロモーターを含む。使用されてもよい適切なプロモーターとしては、限定されないが、レトロウイルスLTR;SV40プロモーター;及びMillerら(1989)Biotechniques 7(9):980−990で記載されるヒトサイトメガロウイルス(CVM)プロモーター、または任意の他のプロモーター(例えば、細胞プロモーター、例えば、真核細胞プロモーター、限定されないが、ヒストン、pol III及びβ−アクチンプロモーターを含む)が挙げられる。使用可能な他のウイルスプロモーターとしては、限定されないが、アデノウイルスプロモーター、チミジンキナーゼ(TK)プロモーター及びB19パルボウイルスプロモーターが挙げられる。適切なプロモーターの選択は、本明細書に含まれる教示から、当業者に明らかであろう。
抗体(またはその抗原結合フラグメント)及び/または構築物(例えば、標的構築物)をコードする核酸配列は、適切なプロモーターの制御下にある。使用可能な適切なプロモーターとしては、限定されないが、アデノウイルスプロモーター、例えば、アデノウイルス主要後期プロモーター;または異種プロモーター、例えば、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター;呼吸系発疹ウイルス(RSV)プロモーター;誘導性プロモーター、例えば、MMTプロモーター、メタロチオネインプロモーター;熱ショックプロモーター;アルブミンプロモーター;ApoAlプロモーター;ヒトグロビンプロモーター;ウイルスチミジンキナーゼプロモーター、例えば、単純ヘルペスチミジンキナーゼプロモーター;レトロウイルスLTR(本明細書で上に記載される、改変されたレトロウイルスLTR);β−アクチンプロモーター;及びヒト成長ホルモンプロモーターが挙げられる。
レトロウイルスプラスミドベクターを使用し、パッケージング細胞に形質導入し、プロデューサー細胞株を作製してもよい。トランスフェクトと可能なパッケージング細胞の例は、Miller(1990)Human Gene Therapy 1:5−14に記載される。ベクターは、当該技術分野で知られる任意の手段によって、パッケージング細胞に形質導入してもよい。このような手段としては、限定されないが、電気穿孔、リポソームの使用及びCaPO4沈殿が挙げられる。ある代替例では、レトロウイルスプラスミドベクターは、リポソームに包まれてもよく、または脂質に接続し、次いで、宿主に投与されてもよい。プロデューサー細胞株は、ポリペプチドをコードする核酸配列を含む伝染性レトロウイルスベクター粒子を生成する。次いで、このようなレトロウイルスベクター粒子を使用し、in vitroまたはin vivoのいずれかで真核細胞に形質導入してもよい。形質導入された真核細胞は、ポリペプチドをコードする核酸配列を発現するだろう。形質導入されてもよい真核細胞としては、限定されないが、胚幹細胞、胚性癌腫細胞、及び造血幹細胞、肝細胞、線維芽細胞、筋芽細胞、ケラチン生成細胞、内皮細胞及び気管支上皮細胞が挙げられる。
いくつかの実施形態において、目において抗体(またはその抗原結合フラグメント)及び/または構築物(例えば、標的構築物)の発現を命令する遺伝子送達ベクターが使用される。目に遺伝子送達するためのベクターは、当該技術分野で知られており、例えば、米国特許第6,943,153号及び米国特許出願公開US20020194630、US20030129164、US200600627165に開示される。
いくつかの実施形態において、補体活性化は、抗体(またはその抗原結合フラグメント)及び/または構築物(例えば、標的構築物)が、補体活性化を阻害するように働く条件で、ex vivoで抗体(またはその抗原結合フラグメント及び/または構築物(例えば、標的構築物)を含む組成物と、体液とを接触させることによって阻害される。適切な体液としては、個体に戻すことができるもの、例えば、血液、血漿またはリンパ液が挙げられる。アフィニティ吸着除去は、一般的に、Nilssonら(1988)Blood 58(1):38−44;Christieら(1993)Transfusion 33:234−242;Richterら(1997)ASAIO J.43(1):53−59;Suzukiら(1994)Autoimmunity 19:105−112;米国特許第5,733,254号;Richterら(1993)Metabol.Clin.Exp.42:888−894;及びWallukatら(1996)Int’l J.Card.54:1910195に記載される。
従って、本発明は、体外で(すなわち、体の外側で、またはex vivoで)、分子が補体活性化を阻害する機能を有するような条件で、標的構築物を含む組成物を用いて個体の血液を処理することと、個体に血液を戻すことを含む、個体中の本明細書に記載する1つ以上の疾患を治療する方法を含む。
(単位投薬量、製造物品及びキット)
抗体(またはその抗原結合フラグメント)及び/または構築物(例えば、標的構築物)組成物の単位投薬形態も提供され、それぞれの投薬量は、約0.01mg〜約50mgの標的構築物を含み、例えば、約0.1mg〜約50mg、約1mg〜約50mg、約5mg〜約40mg、約10mg〜約20mg、または約15mgの標的構築物を含む。いくつかの実施形態において、抗体(またはその抗原結合フラグメント)及び/または構築物(例えば、標的構築物)組成物の単位投薬形態は、0.01mg〜0.1mg、0.1mg〜0.2mg、0.2mg〜0.25mg、0.25mg〜0.3mg、0.3mg〜0.35mg、0.35mg〜0.4mg、0.4mg〜0.5mg、0.5mg〜1.0mg、10mg〜20mg、20mg〜50mg、50mg〜80mg、80mg〜100mg、100mg〜150mg、150mg〜200mg、200mg〜250mg、250mg〜300mg、300mg〜400mg、または400mg〜500mgの標的構築物を含む。いくつかの実施形態において、単位投薬形態は、約0.25mgの標的構築物を含む。「単位投薬形態」という用語は、個体の1回の投薬量に適した物理的に別個の単位を指し、それぞれの単位は、適切な医薬担体、希釈剤または賦形剤と組み合わせて、望ましい治療効果を与えるように計算された所定量の活性材料を含む。これらの単位投薬形態は、単一の単位投薬量または複数の単位投薬量で適切なパッケージで保存されてもよく、さらに滅菌され、密封されてもよい。
本明細書に記載する組成物を適切なパッケージで含む製造物品も提供される。本明細書に記載する組成物(例えば、眼の組成物)のための適切なパッケージは、当該技術分野で知られており、例えば、バイアル(例えば、密閉したバイアル)、容器、アンプル、ボトル、瓶、可撓性のパッケージ(例えば、密閉したMylarまたはプラスチック袋)などが挙げられる。これらの製造物品は、さらに滅菌され、及び/または密封されてもよい。
本発明は、本明細書に記載する組成物(または単位投薬形態及び/または製造物品)を含むキットも提供し、さらに、組成物を使用する方法についての指示書、例えば、本明細書に記載する用途を含んでいてもよい。本明細書に記載するキットは、さらに、他のバッファー、希釈剤、フィルタ、針、シリンジ、及びパッケージ挿入物を含む、商業的な観点及びユーザの観点から望ましい他の材料と、本明細書に記載する方法を行うための指示書を含んでいてもよい。
(実施例1:標的構築物の生成)
虚血性組織にあるネオエピトープを認識する自己反応性モノクローナル抗体(mAbs)を特定するために、新しく単離された腸上皮細胞(IEC)を使用し、Kulikら、J Immunol.、(2009)、182:5363−5373に記載されるように、野生型C57BL/6マウスの腹膜、リンパ節及び脾臓細胞と、Sp2/0−Ag14骨髄腫細胞株との融合によって得られるハイブリドーマをスクリーニングした。簡単に言うと、IEC溶解物のウェスタンブロット分析と、フローサイトメトリー分析によって検出されるようなIECのポジティブ表面染色によって、ハイブリドーマ融合物をその反応性についてスクリーニングした。フローサイトメトリー分析のために、単離されたIECを染色バッファー(2% FCS/0.01% NaN3/PBS)で洗浄し、次いで、ハイブリドーマ上清を含む染色バッファーに再び懸濁させ、室温で30分間インキュベートした。インキュベートした後、細胞を染色バッファーで3回洗浄し、次いで、二次ヤギ抗−マウスIgM(μ−鎖特異的)抗体(Jackson ImmunoResearch Laboratories)とともに室温で30分間インキュベートした。インキュベートした後、細胞を上述のように洗浄し、次いで、染色バッファーに再び懸濁させた。BD Biosciences FACSCaliburを用い、フローサイトメトリーを行った。ウェスタンブロット分析のために、0.5% Triton X−100、0.5% Chaps、20mM Tris−HCl(pH7.5)、1mM EDTA、10μg/ml ロイペプチン及びプロテアーゼ阻害剤混合物(Roche Molecular Biochemicals)を含むバッファー中、氷上で20分かけてIECを溶解した。溶解物を8000xgで5分間遠心分離処理することによって透明にした。8%Tris−グリシンSDS−PAGEによって分離した後、タンパク質をポリビニリデンジフルオリド膜に移した。この膜を、PBSに溶解した5%の脱脂乳を用い、一晩かけてブロックした。この膜をPBSで洗浄し、次いで、2%乳/PBS中、ハイブリドーマ上清からの抗体を用いて1〜2時間プローブ化し、洗浄し、次いで、HRPが接合した二次抗体と共にインキュベートした。ECLシステム(PerkinElmer)を用いてポジティブシグナルを視覚化した。その後、候補ハイブリドーマを順次再びクローン化し、単一mAbを安定に産生するモノクローナル細胞株を得た。候補mAbを精製するために、培養したハイブリドーマの使用済みの上清からの抗体を、ヤギ抗−ヒトIgM(Sigma−Aldrich)を含むアガロースビーズカラムでアフィニティ精製した。結合した抗体を、0.1Mグリシン(pH2.3)を含有するバッファーで溶出させ、1.5M Tris(pH8.8)を含むバッファーに集めた。溶出したmAbを、PBS(pH7.4)に対して48時間透析し、Centricon Plus−20(Millipore)での遠心分離濾過を用いて濃縮した。サンプルをA280nmで測定することによって、抗体濃度を決定し、10% SDS−PAGEゲルでの分析によって純度を確認した。
目的のハイブリドーマは、mAb B4と命名されるIgM κアイソタイプ抗体を産生した。フローサイトメトリー分析は、mAb B4がIEC上の表面エピトープに結合したが、新しく単離した脾細胞または胸腺細胞には結合しなかったことを示した。ウェスタンブロット分析によれば、mAb B4は、IEC溶解物中の分子量が37kDaのタンパク質を認識したが、新しく単離した脾細胞または胸腺細胞からの溶解物を認識しなかった。他の組織溶解物を、mAb B4を用いたウェスタンブロットによってプローブすると、そのエピトープは、肺、肝臓及び腎臓を含め、広く分布することがわかった。IEC上のmAb B4によって認識されたタンパク質を特定するために、Vossenaarら、Arthritis Res.Ther.、(2004)、6:R142−R150及びKulikら、J Immunol.、(2009)、182:5363−5373に記載された方法に基づき、その分子量及び電荷に従って、タンパク質の2Dゲル分離を行った。2D分離の後、mAb B4と反応性のタンパク質を、Kulikら、J Immunol.、(2009)、182:5363−5373に記載されるように、エレクトロスプレー液体クロマトグラフィーMS分析によって特性決定し、マウスアネキシンIVが、mAb B4によって認識されるタンパク質であることを決定した。
別の目的のハイブリドーマは、mAb C2と命名されるIgM抗体を産生し、この抗体は、IECのウェスタンブロットと反応性ではなかった。アポトーシス細胞及び虚血性細胞にさらされたことが示唆されたリン脂質に対するmAb C2の反応性を決定するために、Elvingtonら、J Immunol.、(2012)、188:1460−1468に記載されるように、結合対としてリン脂質を用い、ELISA分析を行った。簡単に言うと、50μg/mlのリン脂質のメタノール溶液100μl/ウェルでコーティングしたマイクロタイタープレート(Immulon 1B;Dynatech Laboratories、シャンティリー、VA)を、空気を吹き込みながら乾燥させて有機溶媒を蒸発させ、次いで、このウェルをPBSで洗浄し、1%BSAでブロックした。mAb B2ハイブリドーマからの上清をウェルに加え、アルカリホスファターゼが接合したヤギ抗−マウスIgM(Jackson ImmunoResearch Laboratories、ウェストグローブ、PA)によって、結合した抗体を検出した。アッセイしたリン脂質は、ホスファチジルセリン(PS)−1,2−ジステアロイル−sn−グリセロール−3−[ホスホ−L−セリン](Avanti Polar−lipids、アラバスター、AL)(PSと呼ばれる)、ウシ心臓からのカルジオリピン(CLと呼ばれる)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)−1,2−ジアシル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(PEと呼ばれる)、卵黄レシチンからのホスホチジルグリセロール(PG)−1,2−ジアシル−sn−グリセロ−3−ホスホ−(1−rac−グリセロール)(PGと呼ばれる)及びホスホリルコリン(PC)(10)−BSA(Biosearch Technologies、ノバト、CA)(PC−BSAと呼ばれる)を含んでいた。mAb C2は、PC−BSA、PE及びCLを含むリン脂質の部分集合を認識するが、PGまたはPSを含むリン脂質の部分集合を認識しないことが示された。
B4及びC2のmAbが、補体経路が媒介する損傷に寄与し得る虚血性組織のネオエピトープを認識する抗体として特定されたため、標的部分(この場合には、IgM−B4抗体またはIgM−C2抗体から単離されたscFv)と、活性部分(この場合には、補体調整剤)を含む標的構築物を作製し、虚血性組織を損傷から保護する能力について試験した。標的構築物を作製するために、cDNAから単離されたVH遺伝子及びVL遺伝子を増幅させ、オーバーラップエクステンションPCRを用いて接続することによって、IgM−B4抗体及びIgM−C2抗体両方からのscFvを調製し、N末端Hisタグを用い、scFvとして発現させた。精製されたscFvは、SDS−PAGEによって予想された分子量を有していた。精製されたscFvは、結合対に直接結合する能力(B4scFvの場合には、in vitroで組み換えアネキシンIVに直接結合する能力、及びアネキシンIVに対するB4 mAbの結合を競争的に阻害する能力)によって示されるような元々のIgM結合特異性を保持していた(図1A及び図1B)。標的部分B4scFvまたはC2scFvのコード配列を、補体受容体1様タンパク質(Crry)、補体因子H(fH)、またはCD59分子補体制御タンパク質(CD59)といった補体調整剤から選択される活性部分コード配列に対し、人工的なリンカー(G4S1)2を用いて接続した。Crry及びCD59について、タンパク質の細胞外ドメインをコードする配列を使用した。fHについて、N末端の5つのショートコンセンサスリピートドメイン(活性領域)をコードする配列を使用した。標的構築物をコードする配列を、発現ベクターに挿入し、発現プラスミドを、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞内へトランスフェクトした。制限希釈アッセイによって、ポジティブの高発現クローンを選択し、標的構築物タンパク質、具体的には、B4scFv−Crry、B4scFv−fH、B4scFv−CD59、C2scFv−Crry、C2scFv−fH及びC2scFv−CD59のタンパク質を産生し、培養上清から回収し、活性部分またはHisタグに対するいずれかの抗体を用い、アフィニティクロマトグラフィーによって精製した。精製された標的構築物は、SDS−PAGEによって予想された分子量を有しており、補体調整剤の活性は保持していた。B4scFv−Crryの場合には、標準的なアッセイで、in vitroでの補体調整活性を試験し、チモサン粒子に対するC3の沈着を測定し、ポジティブコントロールCR2−Crryと比較した(図1C)。
マウスモノクローナル抗体B4を、ATCC寄託番号PTA−13522(B4/14/12)で、ATCCに寄託した。マウスモノクローナル抗体C2を、ATCC寄託番号PTA−13523(C2/19/8)でATCCに寄託した。
(実施例2:標的構築物を用いた治療による脊髄損傷の減少)
脊髄損傷(SCI)及び脳虚血再灌流による損傷(虚血性発作)における自己反応性C2またはB4のmAbの役割を観察した。Rag1−/−マウスは、成熟したT細胞またはB細胞を産生せず、従って、抗体を欠損しており、虚血性再灌流(IR)損傷から保護されることがすでに報告されている。Williamsら、J.Appl.Physiol.(1999)、86:938−942を参照。これらの研究について、SCI及び中大脳動脈閉塞(MCAo)のマウスモデル(60分間虚血状態、24時間再灌流)を、Qiaoら、Am.J.Pathol、(2006)、169:1039−1047及びAtkinsonら、J Immunol.、(2006)、177:7266−7274に記載されるように使用した。SCIの後、またはMCAoモデルについて再灌流時に、抗体を静脈内に60分間投与した。SCIの後、ラットについて開発されたBasso、Beattie及びBresnahan(BBB)格付けスケールをマウスに適合させて用い、歩行運動機能を評価した(Nobleら、J.Neuroscience、(2002)、22:7526−7535)。MCAo後の梗塞の容積を測定するために、単離された脳からの冠状断面を2%トリフェニルテトラゾリウム(TTC)で染色し、梗塞した領域(染料を除く)を、NIH画像分析ソフトウエアを用いて決定した。IgM抗体を欠損したRag1−/−マウスは、歩行運動によって測定した場合、SCIから保護されたが、C2またはB4のmAbを静脈内投与することによって、Rag1−/−マウスにおいて、野生型マウスのレベルまで再構築されたが、コントロールF632 mAbを用いても再構築されなかったと判断された(図2A)。さらに、B4 mAb及びC2 mAbは、コントロール抗体とは異なり、Rag1−/−マウスにおいて脳虚血及び再灌流による損傷を再構築した(図2B)。
C57Bl/6野生型マウスに、標的構築物B4scFV−Crryを投与し、SCIの虚血性損傷モデルにおいて、この標的構築物が、自己反応性抗体から保護すると考えられる効果を試験した。このSCIモデルにおいて、損傷から60分後に、0.2mgのB4−Crryまたはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を静脈内注射した。歩行運動の評価は、B4−Crryで治療されたマウスは、PBSで治療されたマウスと比較して、顕著に優れた回復を示し、マウスがSCIから保護されたことを示した(図3A)。SCIから3日後に、組織の温存度についても分析し、B4scFv−Crryで治療したC57Bl/6野生型マウス(図3B、黒い三角)において、PBSで治療したコントロールC57Bl/6野生型マウス(図3B、黒い丸)と比較して、組織の温存度が有意に高まった。B4scFv−Crryで治療したC57Bl/6野生型マウスの組織の温存度は、PBSで治療したRag1−/−マウスの組織の温存度(図3B、黒い丸、上側の線)またはコントロールF632mAb(図3B、白色の四角)に匹敵するものであったが、C2 mAb(図3B、黒い四角)またはB4 mAb(図3B、白い丸)を用いて再構築されたRag1−/−マウスと比較して、有意に高かった。さらに、C57Bl/6野生型マウスにおいて、SCI後の脊髄に対するIgMの結合が確認され、IgM及びC3は、損傷から24時間後、野生型マウスからの脊髄に同時に局在化していることが示された(図4A〜C)。B4scFv−Crryを投与すると、損傷から24時間後のIgM及びC3の沈着が減少した(図4D及びE)。
(実施例3:標的構築物の投与は、宿主の感染しやすさを高めなかった)
全体的な補体阻害に対し、標的化した標的阻害のあり得る主な利点は、標的化手法が、補体の生理学的に重要な役割にほとんど影響を与えないように思われることである。このような重要な役割で、移植患者にある程度関係するものは、感染に対する宿主防御である。十分に特性決定された多微生物性の敗血症を用い、SCI動物モデルと、肝臓及び心臓の虚血再灌流による損傷の動物モデルにおいて、治療薬の投薬量を0.2mgとし、B4scFv−Crryが感染しやすさに与える影響を観察した。B4scFv−CrryまたはPBSのいずれかで治療したC3欠損マウスまたは野生型マウスに盲腸結紮及び穿刺を行い、生存率を監視した。B4scFv−Crryは、急性敗血症性腹膜炎モデルにおいて、宿主の感染しやすさになんら影響はなく、B4scFv−Crryで治療したマウスは、盲腸結紮穿刺後に有意に長く生存し、その生存率は、PBSで治療した野生型マウスと比較して、有意な差はなかった(図5)。対照的に、C3欠損マウスはすべて48時間以内に死亡し、この結果は、C3欠損マウス及び治療投薬量のCrry−Igを用いて治療したマウス、B4scFv−Crryを全身投与したものについてすでに得られた結果と同様であった。
(実施例4:標的構築物を用いた治療による心臓虚血再灌流による損傷の減少)
C2 mAbまたはB4 mAbを用いて再構築した、C57BL/6野生型ドナーから、抗体欠損Rag1−/−レシピエントまたはRag1−/−レシピエントへの心臓移植後の同系移植片において、移植後の心臓虚血再灌流による損傷における自己反応性の天然IgMの役割を観察した。移植した心臓を再灌流させた直後に、mAbをレシピエントに静脈内投与した。適切な蛍光標識した抗体を用いて染色した8ミクロンの低温切片に対し、内皮マーカーであるIgM及びC3の結合についての免疫蛍光測定を行い、共焦点顕微鏡で撮影した。組織病理学について、切断片をH&Eで染色し、実験群がわからないようにして観察者がスコアを付けた。Atkinsonら、J.Immunol.、(2010)、185:7007−7013に記載されるように、試験片に0〜3のスケールでスコアを付けた。野生型レシピエントの移植片と比較して(Balb/C 対 C57BL/6)、異所性腹部心臓移植によって、心臓を移植された抗体欠損Rag1−/−レシピエントマウスは、組織学的損傷及び炎症の減少と、心臓細胞損傷の指標である心臓トロポニンIの血清濃度の低下によって実証されるように、移植後の心臓IR損傷から保護された。しかし、B4 mAbまたはC2 mAbのいずれかを用いた再構築は、コントロールF632 IgMとは異なり、Rag1−/−レシピエントにおいて、移植した心臓における心臓IR損傷を、野生型レシピエントでみとめられるレベルまで回復させた。移植片の免疫蛍光分析によって、B4 mAb及びC2 mAbの移植特異性及び結合特徴を観察した。B4 mAb(図6A)及びC2 mAbで治療した心臓レシピエントRag1−/−マウスは、移植した心臓の心筋内の小動脈、毛細血管及び微細血管の内皮細胞に両方のmAbが結合したが、未処置の心臓には結合しなかった。移植片におけるさらなるmAbの結合は、筋細胞でみられ、心外膜の損傷した筋細胞に優先的に局在化していた。F623コントロールmAbで再構築した動物における移植片または未処置の細胞では、IgM免疫染色は検出することができなかった(図6A)。IgM結合及び補体活性化の分析は、Rag1−/−レシピエントの移植した心臓において、B4 IgMがC3d(補体活性化産物)と同時に局在化し、野生型レシピエントの移植片において、内因性IgMがC3dと同時に局在化したことを示した(図6B)。
治療プロトコルにおいて、野生型同種移植モデル(Balb/C 対 C57BL/6)において、移植直後に0.2mgの投薬量のB4scFV−CrryまたはB4scFvを投与した。自家移植片を(B4scFvの静脈内治療後)6時間目、または(B4scFV−Crryの静脈内治療後)48時間目に集め、分析した。再灌流直後に投与した場合、B4scFvまたはB4scFv−Crryの投与によって、心細胞の損傷度の指標である心臓トロポニンIの減少によって実証されるように、心筋IRIが有意に低下した(図7A)。損傷及び炎症の細胞への侵入の組織学的証拠のため、移植片をさらに評価した。心臓トロポニンIの濃度と一致して、B4scFv−Crryで治療したレシピエントからの移植片は、媒剤で治療したレシピエントからの移植片よりも、有意に損傷及び炎症の組織スコアが低かった(図7B)。B4scFvで治療したレシピエントにおいても、PBS媒剤を受けたレシピエントと比較して、移植片の損傷及び炎症の低下が観察された(図7B)。Hisタグ化B4scFvで治療した自家移植において、移植片は、抗−His抗体でポジティブに染色し(図7C)、B4scFvは、pan−内皮マーカー(Endo−1)と同時に局在化し、B4scFvの結合が、すべての大きさの虚血後血管でみられた。それに加え、C3免疫染色の減少によって示されるように、B4scFv−Crryは、C3の沈着を減少させた(図7D)。この画像の定量分析は、PBSで治療されたレシピエントからの移植片でIgMの結合及びC3dの沈着が起こり、移植から6時間後には、微小血管において優先的に染色が起こり、移植から48時間後には、微小血管及び筋細胞で優先的に染色が起こった(図7E及びF)。B4scFvまたはB4scFv−Crryのいずれかでレシピエントを治療すると、移植から6時間後の移植片において、IgMの結合及びC3dの沈着の両方が有意に低下するか、全くなくなった。しかし、移植から48時間後には、IgMの結合及びC3dの沈着の有意な低下は、B4scFv−Crryで治療したレシピエントからの移植片でのみ、みられた(図7E及びF)。B4scFv−Crryによって調整される炎症環境をさらに観察するために、この分子が、移植片での特定のサイトカイン及びケモカインの量に与える影響を評価した。レシピエントをB4scFv−Crryで治療すると、PBS媒剤で治療した場合と比較して、移植片での心毒性サイトカインIL−6及びMCP−1の量が有意に減少した。移植から48時間後の移植片でのKCの量は、いずれのB4scFv−Crryで治療しても変わらなかった(図8)。これらの分子も、PBSコントロールで治療したマウスと比較して、炎症細胞の侵入が低下した。
B4scFV−Crryの血中半減期(t1/2)を決定するために、C57BL/6レシピエントマウスに100μgのB4scFv−Crryを静脈内注射し、抗−Crry抗体を用いたELISAによって、このタンパク質の血漿濃度を異なる時間点で決定した。2段階の***プロフィールが存在し、初期の早いほうの段階は、t1/2が9.7分であり、第2の長いほうの段階は、t1/2が5.5時間であった。標的化しないCrry(Crry−Ig)を含む他の生物製剤についても、同様の2段階の***プロフィールが示されたが、Crry−Igの第2の段階のt1/2は、かなり長かった(40時間)。B4scFv−Crryを投薬量0.2mgで用いた場合、有意な治療効能がみられ、標的部位での優先的な沈着が、治療の利益に必要な投薬量を低くすることに置き換えられると予想されるため、生体分布試験を行った。心臓移植直後に、125I標識したB4scFv−Crryをレシピエントマウスに注射し、放射性標識の組織分布を6時間後に決定した。血中に存在することに加え、125I−B4 scFv−Crryは、主に、移植した移植片に局在化した(図9)。
(実施例5:自己反応性IgMの種間交差反応性)
ヒト天然IgMを用いてRag1−/−マウスを再構築すると、IgM媒介型の補体活性化を介し、虚血再灌流による損傷(IRI)が再構築され、このことは、種間交差反応性を示している。さらに、ヒト血清中に、高濃度の抗−アネキシンIV Abs(B4 mAb特異性)が存在した。ヒト臍静脈内皮細胞及びマウス脳内皮細胞株を3時間低酸素状態にし、その後、B4 mAbまたはC2 mAb存在下、in vitroで12時間通常状態にすることによって、マウスB4 mAb及びC2 mAbの種間交差反応性をさらに観察した。フローサイトメトリー及び免疫蛍光顕微鏡法は、両方のmAbが、低酸素状態にされたマウス細胞(図10A)及びヒト細胞(図10C)に結合したが、コントロールの通常状態の細胞には結合しなかった(図10B及びD)ことを示し、このことは、B4及びC2が、ヒトのネオエピトープについて交差特異性を示すことを示している。
(実施例6:標的構築物を用いた治療による肝臓の虚血再灌流による損傷の減少)
補体活性化は、肝臓の虚血/再灌流による損傷(IRI)及び肝臓再生の準備段階の両方に重要な役割を果たす。肝臓のIRIモデルと、70%の肝臓を部分的に除去したモデル(Phx)を別個に利用し、肝臓のIRI及び肝臓再生の両方におけるIgMの役割を観察した。IRI実験について、合計30分の温虚血の後、再灌流直前に、生理食塩水、または投薬量が25μgのC2 mAbまたはB4 mAbを、抗体欠損(Rag1−/−)マウスに注射した。再灌流して6時間後にサンプルを採取した。血清ALT濃度をELISAによって測定し、組織の壊死を、H&E染色した試験片で定量した(スケール0〜3)。70%の肝臓を部分的に除去した実験について、70%のPhx直後に、生理食塩水または投薬量が10μgのC2 mAbまたはB4 mAbを抗体欠損(Rag1−/−)マウスに注射した。Phxから48時間後にサンプルを採取した。肝臓再生の測定値として、有糸***指数を計算した(10hpfにおける有糸***数/合計細胞数)。血清ALT濃度を測定し、組織の壊死を定量した(スケール0〜3)。結果は、抗体欠損Rag1−/−マウスが、肝臓のIRIから保護され、血清ALT濃度(図11A)及び組織スコア(図11B)によって決定されるように、B4 mAbまたはC2 mAbのいずれかを用いたRag1−/−マウスの再構築によって、IRIが、野生型マウスでみられるレベルに近いレベルまで回復したことを示した。Rag1−/−マウスにおいて、70%PHx後、野生型マウスと比較して、残った肝臓における損傷が増加し、B4 mAbまたはC2 mAbのいずれかを用いてRag1−/−マウスを再構築すると、血清ALT濃度(図12A)及び組織スコア(図12B)によって決定されるように、保護された。Rag1−/−マウスは、野生型マウスと比較して、70%PHx後の再生応答が不十分であるが、B4 mAbまたはC2 mAbを用いて再構築すると、有糸***指数(図12C)、肝臓重量の回復(図13A)及びBrdu−ポジティブ細胞の増加(図13B)によって評価されるように、再生に向かった。肝臓片の分析は、IgMが、虚血及び再灌流の後に野生型マウスの肝臓に沈着し、Rag1−/−マウスの肝臓において、IR後(図14A)及びPHx後(図14C)にB4 mAb及びC2 mAbが両方とも沈着したことを示した。さらに、IR損傷後(図14B)またはPHx後(図14D)の肝臓片の分析は、IgM沈着がC3沈着と同時に局在化し、未処置のRag1−/−マウスからの試験片において、IgMもC3も検出不可能であったことを示した。
B4scFV−Crryの血中半減期(t1/2)を決定するために、マウスに100μgのB4scFv−Crryを静脈内注射し、抗−Crry抗体を用いたELISAによって、このタンパク質の血漿濃度を異なる時間点で決定した。2段階の***プロフィールが存在し、初期の早いほうの段階は、t1/2が27分であり、第2の長いほうの段階は、t1/2が6.5時間であった(図15A及びB)。損傷した組織に対するC2及びB4 IgMの特異性をさらに決定するために、Rag1−/−マウスにおいて生体分布試験を行った。偽手術、70% PHx、またはIRのいずれかの手順の後に、Rag1−/−マウスに、125ヨウ素で放射性標識されたC2、B4、またはアイソタイプコントロール抗体F632を静脈注射した。外科的手術から6時間後に、臓器及び血液を集めた。血液を心穿刺によって取り出し、心臓、脳、肝臓、腸、肺、腎臓及び脾臓を除去する前に、動物にPBSを灌流させた。組織をPBSで洗浄し、細かく切り、秤量し、次いで、Hewlett−Packard 5780γカウンターを用いて放射性活性を測定した。結果を、μCi/組織のg数で記録した。C2抗体及びB4抗体は、両方とも、IR後またはPHx後のいずれかの肝臓を主に標的とした(図15C及びD)。さらに、IR後またはPHx後の腎臓、IR後の腸において、C2及びB4両方のある程度の結合がみられた。アイソタイプコントロール抗体F632は、偽手術動物と比較して、どの臓器においても多量にはみられなかった。これらの知見は、肝臓において、IR後及びPHx後の両方で同様のエピトープが発現し、これらのエピトープが、損傷した組織でのみみられたことを示唆していた。損傷した組織に対するこれらのエピトープの特異性から、これらは、PHx後またはIRI後の肝臓に対する治療を特異的に標的とするリガンドとして働き得る。IgMの役割を確認するために、B4 scFvを動物に投与した。B4 scFvは、上の試験で使用したB4 IgM mAbと同様に、IRI後またはPHx後に同じ生体分布プロフィールを有していた(図15E及びF)。
肝臓の虚血再灌流による損傷のマウスモデルにおいて、標的部分B4scFv及び標的構築物B4scFv−Crryのin vivo活性を評価した。35分間虚血状態にし、その後、24時間再灌流させたマウスに、B4scFvまたはB4scFv−Crryを投与すると、血清ALT濃度(図16A)及び免疫組織化学(図16B〜E)によって示されるように、マウスは、肝臓の虚血再灌流による損傷から保護された。
B4 mAbがヒト虚血性肝臓組織に結合するかどうかを決定するために、凍結したヒト組織サンプルを移植直前に集めた。従って、これらの肝臓は、虚血性であるが、再灌流しなかった。切断した肝臓を再灌流後のIgMについて染色した(図17A)。B4 mAbはヒト虚血性組織に結合し、血管内皮マーカーCD31とともに局在化していることが観察され、このことは、B4 mAbがヒト及びマウスの両方において虚血性組織に結合することを示す(図17B)。
天然IgMの血清濃度が、ヒトにおいて肝臓移植後に減少するかどうかを決定するために、移植直前、移植から1時間後、移植から24時間後の3つの時間点で、肝臓移植を受ける患者から血清サンプルを採取した。天然IgMを測定するためにELISAを用い、リン脂質及びアネキシンIVに特異的なIgMの患者血清濃度は、移植直前にみとめられた濃度と比較して、移植から1時間後及び24時間後に減少していた(図19)。この3つの時間点で、合計IgM濃度は、有意な差はなかった(図18)。ヒト血清において使い果たされた抗体の抗原特異性は、マウスmAb B4及びC2の特異性と同じであった。血清からのこれらの抗体の枯渇が、虚血後の肝臓においてさらされたネオエピトープに対する結合の結果であるかどうかを試験するために、肝臓において結合したIgMの濃度を虚血前に測定し、次いで、再灌流後に測定した。通常の灌流された肝臓において、IgMはほとんど検出されなかった。しかし、虚血状態にし、次いで、再灌流した肝臓は、特徴的な正弦波パターンで高濃度の結合したIgMを含んでいた。これらのデータは、マウス及びヒトの肝臓IRIにおいて同様の事象が起こっており、特定の循環状態で通常のIgMは、虚血後に発現したネオエピトープを認識し、これに結合したことを示す。
(実施例7:化学薬品及び虚血再灌流による腎損傷のマウスモデルにおけるIgMの影響のin vivo試験)
化学薬品によって誘発されたマウス腎損傷モデルにおける天然IgM抗体の役割を観察した。8〜10週齢の雄Balb/cマウスにおいて、11mg/kgのアドリアマイシンを静脈内に1回注射してアドリアマイシンネフロパシーを誘発し、糸球体IgMの発生量を試験した(図20)。マウスにアドリアマイシンを注射すると、糸球体IgMの発生量が有意に増加した。マウスを抗−CD20で前処理すると、アドリアマイシンを注射した後の糸球体IgMの発生量の増加が防がれ、抗−CD20及びアドリアマイシンを両方とも受けたマウスにおける糸球体IgMの量は、健康なコントロールでみられる量と同様であった。アドリアマイシンネフロパシーを起こした腎臓から特異的に溶出したIgMが、マウスに再び注射したときに、糸球体のエピトープに結合するか否かを決定するために、アドリアマイシン処理したマウスの腎臓からIgMを精製し、次いで、アドリアマイシンネフロパシーを起こし、前もって抗−CD20を用いてB細胞を枯渇させたマウスに注射した。一連の試験期間中、毎週これを繰り返した。再構築されたマウスにおいて、糸球体IgMが増えていく傾向がみられた(図20A及びB)。アドリアマイシンネフロパシーを起こしたマウスにおいて、コントロールマウスにおいて、低レベルの糸球体C4d沈着が検出されたが、アドリアマイシン処理したマウスにおいては、有意に増加した(図21A)。抗−CD20を用いてマウスを治療すると、糸球体C4dが減少し、このことは、免疫グロブリン媒介型補体活性化によって糸球体C4dの沈着が起こったことを確認している。C3沈着に対する腎臓の免疫染色は、単純なパターンを示した。アドリアマイシン処理した後のマウスにおいて、C3沈着が増加し、抗−CD20を用いてマウスを治療すると、この増加が防がれた(図21B)。糸球体損傷のマーカーとして、尿アルブミン/クレアチニン比を測定した。アドリアマイシンネフロパシーを起こしたマウスは、著しくアルブミンが多く(図22A)、抗−CD20を用いてマウスを治療すると、アドリアマイシンネフロパシーを起こしたマウスにおいて、アルブミン尿の程度が低下した。しかし、抗−CD20で治療したマウスを、アドリアマイシンで処理し、次いで、精製された糸球体IgMを再び注射すると、アルブミン尿の程度は、アドリアマイシンのみを受けたマウスでみられる程度に匹敵するものであった。このことは、このモデルにおいて、IgMが損傷の重要なメディエータであることを示した。抗−CD20抗体で治療したマウスにおいて、糸球体硬化は少なかった(図22B〜C)。アドリアマイシン処理したマウスは、コントロールマウスよりも多くの糸球体コラーゲンIV沈着を示したが、抗−CD20を用いて治療しても、糸球体コラーゲンIV沈着は有意には減らなかった(図22D)。天然抗体IgMは、腹膜B−1a細胞によって優先的に産生する。抗−CD20を用いてマウスを治療すると、腹膜B細胞が枯渇するが、脾臓B細胞が枯渇した場合によりも効果的ではない。脾臓B細胞の機能に影響を与えることなく、腹膜B細胞を効果的に減らすために、低張性ショックによって腹膜細胞を溶解させた。この処理によって、マクロファージを含めてすべての腹膜細胞が溶解したが、脾臓B細胞には影響を与えなかった。この戦略を用いると、血中B細胞の減少が観察され、このことは、腹膜部分が、ある程度血中B細胞の供給源であることを示唆している。この方法によってすべての腹膜細胞が減少するが、この処理によって、腹膜細胞全体の割合としてのB−1a細胞の数は減らなかった。結果として、この処理の影響は、B−1a細胞の枯渇に特異的ではないだろう。血清中の全IgM濃度は、この処理によって影響を受けなかった。アドリアマイシンネフロパシーを起こしたマウスにおいて腹膜B細胞を枯渇させるために、すでに生成しているIgMが使われるのに十分な時間を与えるために、アドリアマイシンを注射する2週間前から3日ごとに低張性ショックによって腹膜細胞を溶解させた。一連の試験期間中、3日ごとに蒸留水を腹膜内に注射することによって、この細胞の枯渇を維持した。この処理は、腹膜B細胞の数がすぐに減るという点で非常に効果的であるが、この細胞は、再び蓄積し、14日目の枯渇は完全ではなかった。コントロールとして、別のマウス群に、同じスケジュールに従って、PBSを腹膜注射した。全腹膜細胞の割合として報告される場合、この処理は、すべての腹膜細胞と同等に減らすため、B−1a細胞はこの処理によって減らなかった。腹膜B細胞が枯渇したマウスにおいて、糸球体IgMの沈着は、アドリアマイシンをマウスに注射した後、有意に減った(図23A)。腹膜細胞が枯渇すると、糸球体C4沈着が減少する方向への傾向が示され、糸球体C3沈着は、この処理によって減少した(図23B〜C)。尿細管間質性のC3沈着は、この処理によって影響を受けなかった。これらの結果は、このモデルの糸球体において沈着したかなりの割合のIgMが生成したことを示した。血中IgM濃度は、糸球体の沈着が減っている場合であっても、腹膜細胞の枯渇によって影響を受けず、このことは、糸球体IgMの沈着物が、特異的な糸球体抗原に結合したIgMで構成されることを示唆している。抗−CD20を用いてマウスを治療すると、腹膜B細胞の枯渇が、糸球体の補体活性化を低下させた。尿アルブミン/クレアチニン比は、アドリアマイシンを注射してから1週間後または4週間後に集めたサンプルで測定した(図24A)。アルブミン濃度は、初期及び後の時間点の両方で、腹膜細胞の枯渇を行ったマウスにおいて有意に低かった。1週間目の時間点でアルブミン尿の低下は、糸球体IgMが、このモデルにおいて疾患の初期段階の損傷に関与することを示した。腹膜細胞の枯渇を行ったマウスにおいて、一部の糸球体は、正常なようであった(図24B)。しかし、抗−CD20を用いて治療したマウスからわかるように、腹膜B細胞の枯渇は、アドリアマイシン処理したマウスにおける全体的なコラーゲンIV蓄積度は、有意には低下しなかったが、糸球体硬化は少なかった(図24B〜D)。従来の研究では、FSGS患者の90%までで、糸球体IgM及び/またはC3が検出され得ることを報告している。174症例の巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)を過去8年間にわたって評価した生検の報告をまとめた。これらの生検の中で、約23%は、C3がなく、糸球体IgMを示し、約2%は、IgMがなく、糸球体C3を示し、生検の7%は、糸球体IgM及びC3を示した。両方の因子を検出可能な、組織に対するIgM及びC3dについての二重染色を行った(図25A)。C3d及びIgMは、糸球体全体で同様の分布パターンを示した。IgM及びC4についての二重染色も行った(図25B)。この染色は、糸球体の中でこれらの因子が同様に同時局在化することを示した。
偽手術により処理したマウス及び腎臓のIR損傷を受けたマウスについて、IgG及びIgMの組織沈着を調べた。腎臓のIR損傷マウスモデルについての記載について、Rennerら、J.Immunol.、(2010)、185:4393−440を参照。簡単に言うと、300μlの2,2,2−トリブロモエタノール(Sigma−Aldrich)を腹膜内注射することによって、マウスを麻酔した。開腹手術を行い、腎茎を置き、鈍的切開によって単離した。腎茎を手術用クリップ(Miltex Instrument、Bethpage、NY)で挟み、腎臓の外観検査によって、血流が遮断されていることを確認した。箝搾子を所定位置に24分間放置し、次いで、開放した。確実に血流が再び戻るように腎臓を1分間観察し、次いで、筋膜と皮膚を4−0シルク(U.S.Surgical,Norwalk、CT)で縫合した。偽手術は、腎茎を箝搾子で止めないこと以外は、同一の様式で行った。0.5mlの通常の生理食塩水を皮下注射し、マウスの意識を回復させた。再灌流から8時間後、24時間後、48時間後または72時間後に、マウスに麻酔をかけ、心穿刺によって血液を得た。開腹手術を行い、腎臓を集めた。IgGは、いずでの腎臓でもみられなかったが、IgMは、偽手術した腎臓の糸球体間質(図26A及びC)及びIRを受けた腎臓IR(図26B及びD)でみられた。糸球体間質のIgM濃度は、腎臓のI/R後に増加し(図26E〜F)、このことは、再灌流中に血中IgMが糸球体間質に結合したことを示唆している。尿細管基底膜に沿ってIgMはみられなかった。野生型マウスにおける腹膜B細胞は、腹膜に蒸留水を注射することによって2週間枯渇し、コントロールマウスに、同じ容積のPBSを注射した。B−1集合の枯渇を、B220、CD5及びCD19のフローサイトメトリー分析によって確認した。腹膜B−1細胞の溶解は、血中IgMの全体的な濃度を変えなかったが、コントロールマウスと比較して、偽手術後、腎臓I/R後の糸球体間質IgMの濃度を下げなかった。腹膜B−1細胞の枯渇は、再灌流24時間後の血清中の尿素と窒素(SUN)の上昇が有意に低下していることとも関係があった。SUN濃度は、再灌流48時間までは、コントロールマウスと有意な差はなかった。糸球体間質IgMの低下は、腎臓機能の保護と関係があるが、腹膜B細胞の枯渇を行ったマウスは、それでも野生型マウスでみられるのと匹敵する尿細管壊死を示した。
腎臓のIR損傷モデルにおける自己反応性C2またはB4 mAbの役割を観察した。腎臓のIR損傷マウスモデルについての記載について、Rennerら、J.Immunol.、(2010)、185:4393−440を参照。簡単に言うと、300μlの2,2,2−トリブロモエタノール(Sigma−Aldrich)を腹膜内注射することによって、マウスを麻酔した。開腹手術を行い、腎茎を置き、鈍的切開によって単離した。腎茎を手術用クリップ(Miltex Instrument、Bethpage、NY)で挟み、腎臓の外観検査によって、血流が遮断されていることを確認した。箝搾子を所定位置に24分間放置し、次いで、開放した。確実に血流が再び戻るように腎臓を1分間観察し、次いで、筋膜と皮膚を4−0シルク(U.S.Surgical,Norwalk、CT)で縫合した。偽手術は、腎茎を箝搾子で止めないこと以外は、同一の様式で行った。0.5mlの通常の生理食塩水を皮下注射し、マウスの意識を回復させた。再灌流から8時間後、24時間後、48時間後または72時間後に、マウスに麻酔をかけ、心穿刺によって血液を得た。投薬量100mcgのB4 mAbを、片側だけ腎臓の虚血再灌流を行ったB細胞欠損(Mu)マウスに注射し、免疫組織化学分析のために腎臓を集めた。このモデルにおいて、B4 mAb及びC2 mAbは、糸球体に局在化し、これは、B4 mAbが、虚血に起因するネオエピトープを認識する能力と一致している(図27A及びB)。
(実施例8:腎臓疾患の全身の因子H欠損マウスモデルにおけるIgMの影響のin vivo試験)
全身の因子H欠損患者は、主に、糸球体の中で補体沈着を伴う腎臓の疾患が進行する。因子Hノックアウトマウスは、C3の糸球体沈着及びアルブミン尿を伴い、同様の疾患が進行する。Pickeringら、Nature Genetics.、(2002)、31:424−28を参照。免疫複合体モデルではないfHノックアウトモデル(fH−/−マウス)における天然IgMの沈着及び補体活性化の役割を観察した。因子H及びBを欠くダブルノックアウトマウス(fH/μMTマウス)も作成し、試験した。免疫組織化学分析のために、野生型、fH−/−及びfH/μMTのマウスから腎臓を集めた。免疫蛍光染色は、野生型マウスと比較して、fH/μMT及びfH−/−マウスにおいて、糸球体C3沈着の増加を示した(図28A及びB)。免疫蛍光染色は、野生型マウスと比較して、fH−/−マウスにおいて糸球体IgM沈着の増加も示し、野生型マウスは、年齢を上げていき(図29A及びB)、C3沈着後(図30A及びB)であった。fH/μMTからの糸球体の免疫蛍光染色は、C3沈着を示したが、IgMは沈着しなかった(図30C)。fH−/−マウスからの糸球体の免疫蛍光画像の超微細構造解析は、糸球体基底膜についてのマーカーの同時局在化を示した(図31)。fH−/−マウスからの糸球体のさらなる免疫蛍光染色は、C3及びC4が両方とも沈着したことを示した(図32)。fH−/−マウスからの腎臓の組織病理切開は、基底膜の肥厚及び足突起の消失を示した。血清中の尿素と窒素(SUN)及びクレアチニン(Cr)は、野生型、fH−/−及びfH/μMTマウスで同様であった(図33A)。しかし、fH−/−マウスは、アルブミン尿が進行し、一方、fH/μMTマウスは、アルブミン尿からの保護を示した(図33B)。
IgMの沈着部位を特定するために、マウス糸球体間質細胞株を野生型マウス血清とともにインキュベートすることによってin vitro実験を行った。次いで、C3、C4、IgM及びIgGの存在について、フローサイトメトリーによって細胞を分析した。フローサイトメトリー分析は、IgGではなくIgMが糸球体間質細胞に結合したことを示した(図34A及びB)。さらに、C3及びC4の両方が、糸球体間質細胞によって結合した(図34C及びD)。
糸球体エピトープを特性決定するために、糸球体間質細胞に結合する能力について、モノクローナル天然IgM抗体をスクリーニングした。試験したモノクローナル抗体のうち、C2及びF632の2つは、in vitroで糸球体間質細胞に結合した(図34E)。試験した他の5種類のクローンは、糸球体間質細胞に結合しなかった(図34F)。初代培養で成長させたC57BL/6マウスからの糸球体間質細胞と、H−2Kb−tsA58トランスジェニックマウスから開発された条件的に不死化された糸球体間質細胞に対するこれらのmAbの結合も試験した。C2及びF632もこれらの糸球体間質細胞株に結合し、一方、他のIgMクローンは結合しなかった。次に、これらの抗体がin vivoで結合する能力を試験した。3種類のμMTマウスにそれぞれ100μgのmAb C2、F632、またはD5(D5は、in vitroで糸球体間質細胞に結合しなかった)を注射した。C2(図34、パネルG及びH)及びF632を注射したすべてのマウスについて、腎臓においてIgMの沈着がみられたが、D5を注射したマウスで沈着はみられなかった(図34、パネルI及びJ)。3種類すべての糸球体間質細胞型について、同一のmAb結合パターンがみられ、in vivo実験は、これらのアッセイにおけるIgMの結合特異性を裏付けた。標的抗原は、これらすべてのアッセイにおいて同じであってもよいことも示唆される。
(実施例9:虚血再灌流の関節炎マウスモデルにおけるIgMの影響のin vivo試験)
虚血再灌流の関節炎マウスモデルにおける天然IgM抗体の役割を観察した。これらの実験において、CII(Arthrogen−CIA(登録商標)、Chemicon)に対するモノクローナル抗体及び/またはモノクローナル抗体B4 mAb及び野生型マウスからの精製された全IgMのカクテルを最大投薬量未満で静脈内を移動させることによって、受け身の関節炎を誘発した。トリニトロフェノール−KLH(抗−TNP;BD Pharmingen)に対するIgMモノクローナル抗体をネガティブコントロールとして投与した。Arthrogenを滴定し、試験抗体とコントロール抗体を組み合わせて使用するための動物において最大限未満の疾患が得られる投薬量を決定した。それぞれの抗体を投与してから3日後に、50μg/マウスのLPSを腹膜内注射した。以下のスケールに基づき、足の関節炎の徴候について、その治療についてわからない個体が、最初の移動後から1日目から14日目まで、マウスに毎日スコアを付けた。0=赤みまたは腫れなし、1=1本の指が腫れている、2=2本の指が腫れている、3=3本の足が罹患している、4=硬直を伴い、足全体が腫れている。マウスの4本の足それぞれのスコアを合計し、最大の重篤度が16の最終スコアを得た。関節炎の徴候の分析は、B4 mAbの投与によって、ポリIgM、または、関節を誘発するモノクローナル抗体のカクテルの最大限未満の投薬量よりも有意に大きな関節炎スコアが得られたことを示した(図35)。
(実施例10:加齢黄斑変性マウスモデルにおけるIgMの影響のin vitro及びin vivoでの試験)
(方法及び材料)
(試薬)
Quidel Corporation(サンタクララ、CA)からの保存しておいた正常なヒト血清(NHS)を、補体源として使用した。古典経路の関与を調べるために、補体C2及びC4が含まれていない血清と、補体タンパク質C2及びC4を、Complement Technology,Inc.(CompTech;Tyler、TX)から購入し、C1qが含まれていない血清は、Deborah Fraser(University of California Irvine、Irvine、CA)によって寄付された(Fraser、D.A.、Laust、A.K.、Nelson、E.L.及びTenner、A.J.(2009) J Immunol 183、6175−6185)。レクチン経路の関与を調べるために、組み換えM−フィコリン、H−フィコリン及びマンナン結合レクチン(MBL)関連セリンプロテアーゼ2(MASP−2)(Frederiksen、P.D.、Thiel、S.、Larsen、C.B.及びJensenius、J.C.(2005)Scand J Immunol 62、462−473;Thiel、S.、Kolev、M.、Degn、S.、Steffensen、R.、Hansen、A.G.、Ruseva、M.及びJensenius、J.C.(2009) J Immunol 182、2939−2947;Zacho、R.M.、Jensen、L.、Terp、R.、Jensenius、J.C.及びThiel、S.(2012)J Biol Chem 287、8071−8081)、精製されたL−フィコリン(Lacroix、M.、Dumestre−Perard、C.、Schoehn、G.、Houen、G.、Cesbron、J.Y.、Arlaud、G.J.及びThielens、N.M.(2009) J Immunol 182、456−465)及び組み換えMBL(Jensenius、J.C.、Jensen、P.H.、McGuire、K.、Larsen、J.L.及びThiel、S.(2003)Biochem Soc Trans 31、763−767)を使用した。最後に、副経路の必要条件を決定するために、因子Bを含まない血清をCompTechから購入した。レクチン経路の引き金となる免疫グロブリン(Ig)の関与を分析するために、Igを含まない血清をSunnylab(Sittingbourne、UK)から得るか、またはrag1−/−マウスから集め、抗原特異的な(IgM−C2)(Elvington、A.、Atkinson、C.、Kulik、L.、Zhu、H.、Yu、J.、Kindy、M.S.、Holers、V.M.及びTomlinson、S.(2012) J Immunol 188、1460−1468)またはコントロールIgM(F1102;KLHに接続し、IgM−C2と同じ様式で精製した4−ヒドロキシ−3−ニトロフェニルアセチルハプテンに対して上昇)を加えることによって、再構築実験を行った。一次抗体は、Millipore(Billerica、MA)製のマウスモノクローナル抗−MBL、Abcam(Cambridge、MA)製のウサギポリクローナル抗−MBL、ウサギポリクローナルMASP−2、ヒトC3に対するヤギ抗体(CompTech)及びSanta Cruz Biotechnology(Santa Cruz、CA)製のヒトH−フィコリン、L−フィコリン及びM−フィコリンに対するモノクローナル抗体を含んでいた。種特異的な二次抗体は、Zymed Laboratories(Invitrogen;カールスバッド、CA)製であった。
(マウス及び血清の収集)
C57BL/6(B6)及びB6 rag1−/−マウスを、雄雌のつがいから得た(Jackson Laboratory;Bar Harbor、ME)。血清の収集のために、マウスを深く麻酔した(ケタミン/キシラジン、80/10mg/kg)。心穿刺によって、血液をBD採血管に集め、血餅生成(氷で2時間)、遠心分離(1000〜1400rcf、4℃で10分間)の後、血清を集めた。
(細胞培養物)
ARPE−19細胞を、10%ウシ胎児血清(FBS)及び上に記載した抗生物質を含むダルベッコ変法イーグル培地F12(Invitrogen)に広げた(Thurman、J.M.、Renner、B.、Kunchithapautham、K.、Ferreira、V.P.、Pangburn、M.K.、Ablonczy、Z.、Tomlinson、S.、Holers、V.M.及びRohrer、B.(2009) J Biol Chem 284、16939−16947)。本願発明者らが公開したプロトコル(Bandyopadhyay、M.及びRohrer、B.(2012) Invest Ophthalmol Vis Sci 53、1953−1961)に従って、ヒト胎児網膜色素上皮(RPE)細胞を調製し、15% FBSを含む最少必須培地(MEM;Sigma−Aldrich、セントルイス、MO)に広げた。手袋は、Advanced Bioscience Recourses(Alameda、CA)によって供給され、ヒト材料に関する医学研究のための倫理基準について、Declaration of Helsinkiに基づいて実験を行った。
(経上皮抵抗(TER)測定)
ARPE−19細胞またはヒト胎児RPEを、6ウェルTranswell挿入物(Corning、0.4μm PET、24mmの挿入物)で、5%FBS存在下、2〜3週間かけて成熟単一層として成長させた(Ablonczy、Z.及びCrosson、C.E.(2007) Exp Eye Res 85、762−771)。実験前の最後2〜3日間に、細胞を血清を含まない培地に変更した。補体活性化をすでに報告されているように誘発し(Thurman、J.M.、Renner、B.、Kunchithapautham、K.、Ferreira、V.P.、Pangburn、M.K.、Ablonczy、Z.、Tomlinson、S.、Holers、V.M.及びRohrer、B.(2009)J Biol Chem 284、16939−16947)、10%の正常なヒト血清(NHS)存在下、細胞を0.5mMのH2O2にさらした。溶解未満の量での補体活性化によって、VEGFが放出し、次いで、障壁機能が低下することがすでに示されており(Thurman、J.M.、Renner、B.、Kunchithapautham、K.、Ferreira、V.P.、Pangburn、M.K.、Ablonczy、Z.、Tomlinson、S.、Holers、V.M.及びRohrer、B.(2009)J Biol Chem 284、16939−16947)、TER測定は、補体カスケードの活性レベルのための簡便な読み出しである。TERは、EVOMボルト−オーム計(World Precision Instruments、Sarasota、FL)を用い、単一層を通過する抵抗を測定することによって決定された。細胞単一層の値は、細胞を含まないフィルタのTERと、参照としての出発値を用いて計算された割合とを引き算することによって決定された。
(結合アッセイ)
フィコリンの結合、非特異的なIgMまたは抗原特異的なIgM(IgMC2)の結合を試験するために、ARPE−19細胞を96ウェルプレート中、単一層として成長させた。実験2日前に、細胞を、血清を含まない培地に変えた。フィコリンの結合を特定するために、正常なヒト血清をフィコリン源として使用した。細胞を血清で順次希釈し、37℃で1時間インキュベートし、洗浄し、4%パラホルムアルデヒドを含むPBSで固定し、非特異的な結合をPBS中の1%BSAでブロックした。結合したフィコリンを、対応する抗体で検出し、その後、アルカリホスファターゼが接合した二次抗体で検出し、pNPPホスファターゼ基質系(KPL;Gaithersburg、MD)を用い、色現像した。コントロール及び酸化ストレスを受けたARPE−19細胞に対する非特異的なIgMまたは抗原特異的なIgM(IgM−C2)の結合を特性決定するために、血清(IgM結合の検出のため)またはC2抗体(PBS中)を順次希釈してインキュベートする前に、細胞を0.5mM H2O2に10分間さらすことによって、ネオエピトープを生成した。結合したIgMをアルカリホスファターゼが接合した二次抗体で検出し、pNPPホスファターゼ基質系を用いて色現像した。
(MBLの枯渇)
公開されているプロトコル(Rajagopalan、R.、Salvi、V.P.、Jensenius、J.C.及びRawal、N.(2009)Immunol Lett 123、114−124)に従って、マンナン−アガロース(Sigma−Aldrich、セントルイス、MO)を枯渇ビーズとして用い、MBLが枯渇したヒト血清を調製した。マンナン−アガロースの2.0mLカラムを調製し、塩化カルシウム(3mM)及び塩化マグネシウム(10mM)を含むVeronalバッファー(Lonza;Allendale、NJ)で平衡状態にした。正常なヒト血清をこのカラムに通し、通過画分を集めた。MBLの枯渇は、ELISA及びウェスタンブロットによって確認した。
(MBL ELISA)
最初に、Microtiter(Immulon2;Dynatech Laboratories、シャンティリー、VA)プレートを10μg/mLポリクローナルウサギ抗−MBL捕捉抗体を用い、4℃で一晩コーティングした。次いで、このプレートをPBSで3回洗浄し、PBS中、3%のミルクを用い、室温で1時間かけてブロックし、その後、抗原(正常なヒト血清またはMBLを含まないヒト血清)に37℃で2時間さらした。このプレートを再び洗浄し、MBLに対するモノクローナル抗体とともにインキュベートし、ペルオキシダーゼが接合した二次抗体とともにインキュベートし、Turbo−TMB ELISA(Pierce;Thermo Scientific、ロックフォード、IL)を用いて色現像した。
(IgM−C2エピトープの特性決定)
リン脂質に対するIgM−C2の反応性を決定するためのELISAを、記載されているように行った(Elvington、A.、Atkinson、C.、Kulik、L.、Zhu、H.、Yu、J.、Kindy、M.S.、Holers、V.M.及びTomlinson、S.(2012) J Immunol 188、1460−1468)。簡単に言うと、マイクロタイタープレート(Immulon 1B)を、メタノール中、100μL/ウェルの50μg/mLリン脂質でコーティングした。プレートを風乾した後、ウェルをPBSで洗浄し、1%BSAでブロックした。IgMをウェルに加え、結合したAbをアルカリホスファターゼが接合したヤギ抗−マウスIgM(Jackson ImmunoResearch Laboratories、ウェストグローブ、PA)によって検出した。Abの相対的な単位は、すでに確立されたOD測定の標準曲線を用い、個々の滴定された血清の405nmでのODを比較することによって計算された(Elvington、A.、Atkinson、C.、Kulik、L.、Zhu、H.、Yu、J.、Kindy、M.S.、Holers、V.M.及びTomlinson、S.(2012) J Immunol 188、1460−1468)。アネキシンIV(IgM−B4)と交差反応することが知られているコントロールIgMに対し、IgM−C2の結合を比較した(Elvington、A.、Atkinson、C.、Kulik、L.、Zhu、H.、Yu、J.、Kindy、M.S.、Holers、V.M.及びTomlinson、S.(2012)J Immunol 188、1460−1468)。ホスホリルコリン(PC)(10)−BSA(Biosearch Technologies、ノバト、CA)及びマロンジアルデヒド(MDA)−BSA(Cell Biolabs、San Diego、CA)の2種類のリン脂質をアッセイした。
(SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動及びウェスタンブロッティング)
製造業者の指示に従って、BCATMタンパク質アッセイによってタンパク質濃度を決定した(Pierce、ロックフォード、IL)。それぞれのサンプルについて、40μgのタンパク質を変性し、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行い、適切な抗体を用い、イムノブロッティングによって分析した。
(免疫蛍光染色)
リン脂質特異的なエピトープの表面露出を免疫蛍光顕微鏡法によって調べた。ARPE−19細胞を、35mmのリジンコーティングされたガラス底培養皿(MatTek Corporation;Ashland、MA)で成長させ、H2O2で10分処理し、4%パラホルムアルデヒドを含むPBSで固定し、非特異的な結合部位を1%の正常なヤギ血清及びPBS中の3%BSA(前吸収バッファー)で2時間ブロックした。ウサギ抗−MDAポリクローナル抗体(PBS中、1:200)と共に細胞を4℃で一晩インキュベートし、その後、FITCが接合したヤギ抗−ウサギIgG(1:200;Zymed Laboratories、Invitrogen)と共に室温で1時間インキュベートするか、またはIgM天然抗体(IgM−C2)と共に細胞を4℃で一晩インキュベートし、その後、ヤギ抗−マウスIgM(1:200;Zymed Laboratories、Invitrogen)と共に室温で1時間インキュベートした。ネガティブコントロールとして、一次抗体を抜いた。CNV病変のある目について、ex vivoで染色も行った(以下を参照)。目用のカップを4%パラホルムアルデヒドで固定し、洗浄し、前吸収させ、C2−IgM(1:200)を用い、4℃で一晩インキュベートし、その後、上述のように、抗−マウスIgM(1:200)と共にインキュベートした。一次抗体による染色を省いたものは、ネガティブコントロールとして働いた。細胞とフラットマウントの接触を共焦点顕微鏡法(Oympus FluoView)によって調べた。
(in vivoでのCNVインキュベート及び評価)
B6 rag1−/−及びC57BL/6マウスを、サウスカロライナ医科大学の動物飼育施設で、12:12時間の明:暗サイクル下、餌と水を自由に摂取できるようにして住まわせた。すべての実験を、Association for Research in Vision and Ophthalmologyに従って行い、Institutional Animal Care and Use Committeeによって承認された。CNV病変(それぞれの目について、視神経の周囲の4つのスポット)を、アルゴンレーザ光凝固を用い、すでに記載したように作成した(532nm;スポットの大きさ100μm;持続時間0.1s;100mW)(Rohrer、B.、Long、Q.、Coughlin、B.、Wilson、R.B.、Huang、Y.、Qiao、F.、Tang、P.H.、Kunchithapautham、K.、Gilkeson、G.S.及びTomlinson、S.(2009)Invest Ophthalmol Vis Sci 50、3056−3064)。動物(治療群あたり、n=6〜8)を、C2−IgMまたはコントロールF1102−IgM(100μgを400μLのPBSで希釈)を用い、腹膜(IP)注射によって0日目、2日目、4日目に治療した。IP注射は、CNV病変に対する抗体の送達に効果的であることが示されている(Campa、C.、Kasman、I.、Ye、W.、Lee、W.P.、Fuh、G.及びFerrara、N.(2008)Invest Ophthalmol Vis Sci 49、1178−1183)。ICAM2で染色したRPE−脈絡膜のフラットマウント調製物で、相対的なCNVの大きさを決定した(Campa、C.、Kasman、I.、Ye、W.、Lee、W.P.、Fuh、G.及びFerrara、N.(2008)Invest Ophthalmol Vis Sci 49、1178−1183)。共焦点顕微鏡法による蛍光測定の染色、フラットマウント作成、撮影、分析は、すでに報告されているように行った(Rohrer、B.、Long、Q.、Coughlin、B.、Wilson、R.B.、Huang、Y.、Qiao、F.、Tang、P.H.、Kunchithapautham、K.、Gilkeson、G.S.及びTomlinson、S.(2009)Invest Ophthalmol Vis Sci 50、3056−3064)。データは、目あたり、平均±SEMとして表す。
(統計)
複数の群からなるデータについて、一元ANOVAの後、Fisher’s事後検定(P<0.05)を使用した。Studentのt検定分析(P<0.05)によって、1つの比較を分析した。
(補体状態の関数としての溶解未満の量での補体活性化)
血清を含まない方法の組み合わせを用い、TER減少に関与する補体活性化経路を分析した(図36A)。ARPE−19細胞は、Transwellフィルタで単一層として成長し、40〜45μ/cm2のTERレベルで現像し、この値は、0.5mMのH2O2または10%の正常なヒト血清(NHS)に4時間さらしても影響を受けない値である。しかし、H2O2+NHSを用いた同時処理によって、TERが40%より大きく低下した(すなわち、60%未満のベースラインTER値が得られる;P<0.001)。コントロール血清におけるTERの低下は、C1qを含まない血清存在下で励起するものとは有意に異ならず、一方、MBLまたは因子Bを含まない血清は、TERの低下に効果的ではないことがわかった(すなわち、4時間さらした後に、約95%のベースラインTER値が得られる;n.s.)。合わせると、これらの結果によって、レクチン経路が、酸化ストレスを受けたRPE細胞への補体の攻撃の引き金となり、その後、副経路が増幅されると結論づけられる。
レクチン経路セリンプロテアーゼMASP−2の典型的な活性は、補体C2及びC4をそれぞれのa−要素(C2a及びC4a)及びb−要素(C2b及びC4b)に分け、C3コンベルターゼ(C4b2a複合体)を生成することである(Takahashi、M.、Mori、S.、Shigeta、S.及びFujita、T.(2007)Adv Exp Med Biol 598、93−104)。しかし、近年、バイパス経路が観察された、MASP−2は、C2−バイパス経路を介し、副経路を活性化することが示され(Tateishi、K.及びMatsushita、M.(2011)Microbiol Immunol 55、817−821)、Schwaebleらは、レクチン経路に依存するC4−バイパスを記載した(Schwaeble、W.J.、Lynch、N.J.、Clark、J.E.、Marber、M.、Samani、N.J.、Ali、Y.M.、Dudler、T.、Parent、B.、Lhotta、K.、Wallis、R.、Farrar、C.A.、Sacks、S.、Lee、H.、Zhang、M.、Iwaki、D.、Takahashi、M.、Fujita、T.、Tedford、C.E.及びStover、C.M.(2011)Proc Natl Acad Sci U S A 108、7523−7528)。正常なヒト血清からC2またはC4を除去すると、TERに対し、H2O2+血清の影響が低下する(約80%のベースラインTER値)(図36B)が、MBLを含まない血清のレベルまではいかない(約95%のベースラインTER値)。それぞれの枯渇した血清に対し、生理学的レベルのC2(10μg/mL)及びC4(400μg/mL)を追加すると、C2及びC4を含まない血清において、TERに対する血清の影響を再構築した(図36B)。C2及びC4を含まない血清のTER低下に対する部分的な影響に基づき、結果は、レクチン経路の活性が、規則正しいC4b2a複合体の生成を含むことを示唆し、副経路のMASP−2媒介型活性化による寄与は、MASP−1及びMASP−3について記載されたもののように除外することができない(Banda、N.K.、Takahashi、M.、Takahashi、K.、Stahl、G.L.、Hyatt、S.、Glogowska、M.、Wiles、T.A.、Endo、Y.、Fujita、T.、Holers、V.M.及びArend、W.P.(2011)Mol Immunol 49、281−289)。
(レクチン経路におけるパターン認識分子)
補体活性化は、パターン認識分子によるリガンドの結合を必要とする。レクチン経路について、これらのエントリー分子は、マンナン結合レクチン(MBL)及びフィコリン(H−フィコリン、L−フィコリン及びM−フィコリン)であり、次いで、MBL関連セリンプロテアーゼMASP−2を活性化する。ここで、結合アッセイの組み合わせ及び再構築実験を使用し、どのパターン認識分子を使用し、酸化ストレスを受けたRPE細胞に対するリガンドを認識してレクチン経路を活性化することができるかを決定する。
血液中、MBLまたはフィコリンは、不活性なMASPと複合体化し、そのため、マンナン−アガロースカラムを用いてMBLを血清から除去する場合、MASPのレベルが影響を受ける場合がある。それに加え、L−フィコリンは、シアノゲン活性化されたセファロースビーズに直接結合することが示され(Tan、S.M.、Chung、M.C.、Kon、O.L.、Thiel、S.、Lee、S.H.及びLu、J.(1996)Biochem J 319(Pt 2)、329−332)、起こり得る問題をH−フィコリン及びMフィコリンにも適用する。ウェスタンブロット分析は、マンナン−アガロースカラムを通過した血清は、MBL、MASP−2、M−フィコリン及びL−フィコリンを含まないか、またはその量が検出限界未満であり、一方、Hフィコリンの量が顕著に低下したことを確認した(図37A)。ポジティブコントロールとして、補体C3の量は、枯渇プロセスによって影響を受けなかった(図37A)。どのフィコリンがARPE−19細胞の結合部位を認識するかを絞り込むため、0.5mM H2O2存在下、単一層を血清の順次希釈物にさらし(37℃で1時間)、結合したフィコリンを、サブタイプ特異的な抗体を用いて検出した(図37B)。酸化ストレスを受けた細胞において、M−フィコリン及びH−フィコリンの結合は、生理学的な濃度で飽和可能であることがわかった(フィコリンの平均血清濃度は、M−フィコリンで1.1、L−フィコリンで3.3及びH−フィコリンで18.4μg/mLであり(Zacho、R.M.、Jensen、L.、Terp、R.、Jensenius、J.C.及びThiel、S.(2012) J Biol Chem 287、8071−8081))、一方、L−フィコリンの結合は、飽和可能ではないが、結合するようであった。しかし、L−フィコリンは、固相結合アッセイでBSAに非特異的に結合することが示されており、L−フィコリンの可能な寄与は、完全に除外することはできない(Faro、J.、Chen、Y.、Jhaveri、P.、Oza、P.、Spear、G.T.、Lint、T.F.及びGewurz、H.(2008)Clin Exp Immunol 151、275−283)。
従って、マンナン−アガロースカラムからの通過画分を、再構築実験に利用し、TERアッセイにおいて活性を再構築する能力について、MBLを、M−及びH−フィコリンと比較した(図37C)。単一層をH2O2+MBLを含まない血清にさらすと、4時間さらした後に、約95%のベースラインTER値が得られ、一方、H2O2+NHSによって、TERがベースラインの60%未満まで低下した。生理学的レベルで3つのパターン認識分子のいずれか1つと組み合わせてMASP−2(50ng/mL)を加えると、TERアッセイの活性が、完全な正常なヒト血清とは有意に異ならないレベルまで増加した(P<0.05)。M−フィコリンまたはH−フィコリンまたはこれら両方にMBLを加えると、活性はさらに増加する。従って、レクチン経路は、MBL/MASPまたはフィコリン/MASPのいずれかによって、酸化ストレスを受けた細胞で活性化させることができる。
(天然IgMによるレクチン経路の活性化)
レクチン経路は歴史的に、病原体表面にある特定の炭水化物またはアセチル化分子を認識するフィコリン/MASPまたはMBL/MASPによって活性化される経路として認識されてきた。しかし、もっと最近、虚血再灌流による損傷中に生成するエピトープを認識するIgM分子が、レクチン経路を活性化させることができることが示された(Zhang、M.、Takahashi、K.、Alicot、E.M.、Vorup−Jensen、T.、Kessler、B.、Thiel、S.、Jensenius、J.C.、Ezekowitz、R.A.、Moore、F.D.及びCarroll、M.C.(2006)J Immunol 177、4727−4734)。この実験は、RPE細胞の細胞表面で補体活性化を開始するために、フィコリン/MASPまたはMBL/MASPが、免疫グロブリン、具体的には天然IgMを必要とすることを示す。
補体−十分な血清(マウスまたはヒト)において、TERの低下を試験し、Igが遺伝的に除外された血清(rag1−/−マウス)または枯渇によって(ヒトIgを含まない血清)と比較した(図38A)。ヒト及びマウスの補体−十分な血清は、TERを40〜50%低下させ、一方、Igを含まない血清は、非効率であった。コントロールまたは酸化ストレスを受けたARPE−19細胞に対する非特異的なIgM結合を特性決定するために、細胞を順次希釈した血清にさらし、その後、結合したIgMを、アルカリホスファターゼに接続したIgM特異的な二次抗体を用いて検出した。しかし、フィコリン及びMASPと同じように、両方の条件での結合は、区別することができなかった(図38B)。コントロール及び酸化ストレスを受けたARPE−19細胞に対するエピトープ特異的なIgM−C2の結合を比較し、細胞をIgM−C2抗体の順次希釈物にさらし、その後、結合したIgMを比色検出し、コントロール及び酸化ストレス条件と比較したとき、IgM−C2の約2.5倍大きな結合を示すことができる(図38C)。IgM−C2の添加は、コントロール抗体(IgM F1102、ジニトロフェノールに対して上がる)とは異なり、通常のヒト血清とは区別することができないレベルまで、活性を再構築することができた(図38D)。
(RPE細胞に対する天然IgMのリガンドの特定)
細胞結合アッセイは、IgM−C2の結合及び損傷が、酸化ストレス条件で強化されることを示す(図38C)。膜リン脂質の酸化による損傷によって、脂質過酸化物の最終生成物であるマロンジアルデヒド(MDA)が生成する。酸化ストレスを受けたRPE細胞に対するIgM−C2の天然リガンドをさらに特性決定した。
メタノール中、ホスホリルコリン(PC)−BSAまたはマロンジアルデヒド(MDA)−BSAでコーティングしたマイクロタイタープレートを用い、リガンドに対するIgM−C2の反応性を決定するためのELISAを行った。IgMC2は、PC及びMDAを両方とも認識した(図39A、B)。どのリガンドが、酸化ストレスを受けたRPE細胞に対するIgM−C2の結合に関連するかを決定するために、IgM−C2を、MDA−BSAまたはPCBSAのいずれかで前吸収させた。MDA−BSAまたはPC−BSAのいずれかで前吸収させたIgM−C2は、Igを含まない血清を再構築する能力を完全に失っていた(図39C、D)。MDA及びC2−IgMネオエピトープは、コントロール細胞と比較したとき、H2O2処理した細胞に対する穿孔態様で特定することができた。抗−MDA抗体及びIgM−C2抗体は、ARPE−19細胞の頂上の表面を通る点に存在するエピトープを認識する(図40)。
同じネオエピトープが、初代ヒトRPE細胞中んで生成することを確認するために、初代の胎児RPE細胞を、安定なTERレベルが250〜300cm2である単一層の中で成長させた。これらの単一層は、ARPE−19細胞と同じ程度ではないが、補体の攻撃を受けやすい(図41)。H2O2+10%NHSの合わせた処理によって、TER(P<0.001)が有意に低下し、すべての免疫グロブリンの除去によって低下した(Igを含まない血清;P<0.01)。IgM−C2(P<0.01)は、IgM−F1102とは異なり、Igを含まない血清を再構築することができ、MDA−BSAを用いた前吸収によって除去することができた。
近年、MDAは、CFHに結合することが示された。ヒト急性単球白血病細胞株、マロンジアルデヒド−アセトアルデヒド−BSAは、IL−8分泌によって決定されるような炎症促進応答を誘発し、生理学的濃度のCFHによって阻害された。MDAが、ARPE−19細胞中のCFHのリガンドを表す場合、生理学的濃度のCFHは、TERの低下を防ぐために補体活性化を阻害するだろう。これまでのすべての実験は、10%NHSを用いて行われてきたため、この実験は、ほっと高いNHS濃度及び外因性CFH存在下で繰り返した。血清中の平均CFH濃度は、約500μg/mLである。ここで、TER実験を25%NHS存在下(図42)または375μgのCFHを追加した25%NHS存在下で行った。両方の組み合わせは、H2O2+NHSによってTERの低下を防ぐことはできなかった。H2O2によるCFHの潜在的な改変が、ARPE−19細胞に対するリガンドの結合を害さないことを確保するために、刺激から5分後に、H2O2を含む上清を除去し、NHS+外因性CFHを加え、これもTERの悪化を防がなかった。しかし、CFHの阻害ドメインに接続したC3bi及びC3dのための補体受容体−2結合ドメインからなるCFH模倣物であるCR2−fH(10μg/mL)は、すでに報告されているように、H2O2+NHSによって誘発されるTERの悪化を阻害することができた(Thurman、J.M.、Renner、B.、Kunchithapautham、K.、Ferreira、V.P.、Pangburn、M.K.、Ablonczy、Z.、Tomlinson、S.、Holers、V.M.及びRohrer、B.(2009)J Biol Chem 284、16939−16947)。従って、ARPE−19細胞について、H2O2を酸化刺激物質として用い、MDAは、CFHのリガンドとして働かないようである。
(in vivoでのIgM−C2の役割の特定)
C2−IgM抗体を用いた標識のための免疫組織化学によって、マウスCNVのレーザ病変を調べた。二次抗体のみのコントロールと比較したとき、病変の周囲にある領域に対し、特異的な標識は、CNV病変内で特定することができた(図43A)。MDA特異的な抗体標識は、すでに示されているものと区別することができなかった(Weismann、D.、Hartvigsen、K.、Lauer、N.、Bennett、K.L.、Scholl、H.P.、Charbel Issa、P.、Cano、M.、Brandstatter、H.、Tsimikas、S.、Skerka、C.、Superti−Furga、G.、Handa、J.T.、Zipfel、P.F.、Witztum、J.L.及びBinder、C.J.(2011) Nature 478、76−81)。
CNV病変におけるC2−IgM自己抗体の生理学的関連性に対処するために、C2−IgMの再構築実験が、rag1−/−マウスの損傷を変え得るかを調べた。PBS、F1102−IgM、F632−IgM、B4−IgM、またはC2−IgM(100μLのPBS中、100μg/マウス)のいずれかを48時間ごとに3回投与した後、rag 1−/−マウスにおいて、CNV病変を調べた。PBSを注射した動物と比較したとき、コントロールIgM抗体(F1102−IgM及びF632−IgM)は、CNV病変の大きさに影響を与えなかったが、CNV病変は、C2−IgM(P<0.01)またはB4−IgMを注射した後に約2倍であった。C2−IgMまたはB4−IgMの注射は、いずれも野生型マウスに影響を与えなかった(図43B)。
酸化ストレスを受けたRPE単一層において補体活性化を試験し、ここで得られた主な知見を以下のようにまとめることができる。(1)酸化ストレスが、MDAを含むリン脂質を含むRPE細胞表面にネオエピトープを生成する;(2)正常な血清中の特異的な自己抗体の存在が、これらの表面エピトープを認識し、その結果、レクチン経路を用いた補体カスケードの活性化の引き金となる;(3)MBL及びフィコリンは、両方とも、レクチン経路のためのパターン認識受容体として機能することができる;(4)レクチン経路によって作られるこの基本的な活性は、その後、副経路によって増幅され、最大の効果を生じる;最後に、(5)C2−IgM抗体は、マウスCNV病変のネオエピトープを認識し、抗体欠損rag1−/−マウスにおけるCNVの進行を強化する。
本実施例において、TERは、補体活性化のための従来の迅速で感度の高い読み出しとして使用された。相補体及びIgを含まない血清及び精製されたタンパク質及び個々のIgMの利用可能性は、これらの酸化ストレスを受けたRPE細胞に対する末端補体カスケードのための活性化経路を解明することができた。3つの補体経路は、固有のエントリー分子またはアクチベーター分子を必要とするため、経路特異的な血清を作製することができる(C1qを含まない血清、CPなし;MASP−2を含まない血清、LPなし;因子Bを含まない血清、APなし;及びC1q−MASP−2を二重に含まない血清、APのみ)(図36)。LP及びAPは、TERの消失を作成するために必要である。APは、酸化ストレスを受けたRPE細胞についての補体カスケードの増幅に役割を果たす。LP経路要素のために枯渇された血清は、MASP−2、MBL及びすべての3種類のフィコリンを含まないことがわかったため(図37A)、再構築試験は、個々のパターン認識分子を用いて行うことができた。MBL、M−フィコリン及びH−フィコリンの役割は、TERアッセイを利用して示すことができた。RPE細胞に対するM−及びH−フィコリンの特異的な結合は、完全な血清の内容で示すことができたため、LPは、特異的な抗体/抗原複合体の存在によって活性化することができる。Ig依存性が、Igを含まない血清は、Igを含まない血清(図38A)を利用して示されたが、全IgM(図38B)及び全IgG(データは示さない)におけるH2O2依存性の変化は、示すことができなかった。しかし、リン脂質抗原特異的なIgM(IgM−C2)の結合におけるH2O2依存性の変化がわかり(図38C)、再構築アッセイにおいて、IgM−C2抗体は、コントロール抗体F1102とは異なり、Igを含まない血清におけるTERの影響を回復した(図38D)。コントロール抗体F1102は、結合アッセイで試験される場合、RPE細胞に対する飽和ではない結合も示した(データは示さない)。最後に、C2−IgMに対する抗原特異性は、さらに、ELISA(図39A)及びTER実験(図39B、C)によって精錬された。リガンドの元々の特性決定(Elvington、A.、Atkinson、C.、Kulik、L.、Zhu、H.、Yu、J.、Kindy、M.S.、Holers、V.M.及びTomlinson、S.(2012)J Immunol 188、1460−1468)を、H2O2非存在下で行ったが、リン脂質は、過酸化を受けることができ、ウシ血清アルブミン(BSA)に結合したホスファチジルコリン(酸化されていないもの)と、マロンジアルデヒド(MDA;酸化されたもの)とについて、結合を比較した。特異的な結合は、ELISA及びTERアッセイで活性を妨害するMDA−BSAまたはPC−BSAを用いた抗体の前吸収によって示すことができた。H2O2依存性の結合は、RPE細胞表面に対し、MDA特異的な抗体及びネオエピトープ特異的なIgMの両方について示すことができた(図40)。最後に、IgM−C2及びIgM−B4によって認識可能なネオエピトープは、酸化ストレスを受けた初代のヒト胎児RPE細胞の上にも存在する(図41)。
実施例の結果が、酸化ストレス媒介型補体活性化によって作られる障壁機能の変更が、リガンドとしてリン脂質、LP開始分子及び副経路の増幅、その後、一時的な膜侵襲複合体の活性化を含む停止経路の活性を必要とすることを示す。これは、強力なリガンド、そのパターン認識受容体及びAMDに関連するモデルにおける活性化に必要な経路を特定した最初の報告である。
上の発明は、理解を明確にするために、説明及び実施例によってある程度詳細に記載されるが、当業者は、特定の小さな変更及び改変を実施し得ることは明らかである。従って、その記載及び実施例は、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
[配列表]
(配列)
B4 CDR−L1アミノ酸配列
SSISSNY(配列番号1)
B4 CDR−L2アミノ酸配列
RTS(配列番号2)
B4 CDR−L3アミノ酸配列
QQGSSIPRTRSEGAPSWK(配列番号3)
B4 CDR−H1アミノ酸配列
GYTFTSYW(配列番号4)
B4 CDR−H2アミノ酸配列
IGPNSGGT(配列番号5)
B4 CDR−H3アミノ酸配列
ARRMVKGCYGLLGPRDHGHRLL(配列番号6)
B4 CDR−L1アミノ酸配列
QSIVHSNGNTY(配列番号7)
B4 CDR−L2アミノ酸配列
KVS(配列番号8)
B4 CDR−L3アミノ酸配列
FQGSHVPYT(配列番号9)
B4 CDR−H1アミノ酸配列
GYTFTDYY(配列番号10)
B4 CDR−H2アミノ酸配列
INPNNGGT(配列番号11)
B4 CDR−H3アミノ酸配列
ARYDYAWYFDV(配列番号12)
B4 VLアミノ酸配列
DIELTQSPTTMAASPGEKITITCSASSSISSNYLHWYQQKPGFSPKLLIYRTSNLASGVPARFSGSGSGTSYSLTIGTMEAEDVATYYCQQGSSIPRTRSEGAPSWK(配列番号13)
B4 VLアミノ酸配列
DVLMTQTPLSLPVSLGDQASISCRSSQSIVHSNGNTYLEWYLQKPGQSPKLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGVYYCFQGSHVPYTFGGGTKLEIK(配列番号14)
B4 VHアミノ酸配列
VKLQESGAELVKPGASVKLSCKASGYTFTSYWMHWVKQRPGRGLEWIGRIGPNSGGTKYNEKFKSKATLTVDKPSSTAYMQLSSLTSEDSAVYYCARRMVKGCYGLLGPRDHGHRLL(配列番号15)
B4 VHアミノ酸配列
VKLQESGPELVKPGASVKISCKASGYTFTDYYMNWVKQSHGKSLEWIGDINPNNGGTSYNQKFKGKATLTVDKSSSTAYMELRSLTSEDSAVYYCARYDYAWYFDVWGQGTTVTVSS(配列番号16)
B4 scFVアミノ酸配列
HHHHHHVKLQESGAELVKPGASVKLSCKASGYTFTSYWMHWVKQRPGRGLEWIGRIGPNSGGTKYNEKFKSKATLTVDKPSSTAYMQLSSLTSEDSAVYYCARRMVKGCYGLLGPRDHGHRLLKGRIPAHWRPLLVDPSSVPSLASGGGGGSGGGGSWISAEFALDIELTQSPTTMAASPGEKITITCSASSSISSNYLHWYQQKPGFSPKLLIYRTSNLASGVPARFSGSGSGTSYSLTIGTMEAEDVATYYCQQGSSIPRTRSEGAPSWK(配列番号17)
B4 scFVアミノ酸配列
MSVPTQVLGLLLLWLTDARCVKLQESGPELVKPGASVKISCKASGYTFTDYYMNWVKQSHGKSLEWIGDINPNNGGTSYNQKFKGKATLTVDKSSSTAYMELRSLTSEDSAVYYCARYDYAWYFDVWGQGTTVTVSSGGGGSGGGGSGGGGDVLMTQTPLSLPVSLGDQASISCRSSQSIVHSNGNTYLEWYLQKPGQSPKLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGVYYCFQGSHVPYTFGGGTKLEIKRIEGRHHHHHH(配列番号18)
B4 VL核酸配列
GACATTGAGCTCACCCAGTCTCCAACCACCATGGCTGCATCTCCCGGGGAGAAGATCACTATCACCTGCAGTGCCAGCTCAAGTATAAGTTCCAATTACTTGCATTGGTATCAGCAGAAGCCAGGATTCTCCCCTAAACTCTTGATTTATAGGACATCCAATCTGGCTTCTGGAGTCCCAGCTCGCTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACCTCTTACTCTCTCACAATTGGCACCATGGAGGCTGAAGATGTTGCCACTTACTACTGCCAGCAGGGTAGTAGTATACCACGTACACGTTCGGAGGGGGCACCAAGCTGGAAA(配列番号19)
B4 VL核酸配列
GATGTTTTGATGACCCAAACTCCACTCTCCCTGCCTGTCAGTCTTGGAGATCAAGCCTCCATCTCTTGCAGATCTAGTCAGAGCATTGTACATAGTAATGGAAACACCTATTTAGAATGGTACCTGCAGAAACCAGGCCAGTCTCCAAAGCTCCTGATCTACAAAGTTTCCAACCGATTTTCTGGGGTCCCAGACAGGTTCAGTGGCAGTGGATCAGGGACAGATTTCACACTCAAGATCAGCAGAGTGGAGGCTGAGGATCTGGGAGTTTATTACTGCTTTCAAGGTTCACATGTTCCGTACACGTTCGGAGGGGGGACCAAGCTGGAAATAAAACG(配列番号20)
B4 VH核酸配列
GTGAAACTGCAGGAGTCAGGGGCTGAGCTTGTGAAGCCTGGGGCTTCAGTGAAGCTGTCCTGCAAGGCTTCTGGCTACACCTTCACCAGCTACTGGATGCACTGGGTGAAGCAGAGGCCTGGACGAGGCCTTGAGTGGATTGGAAGGATTGGTCCTAATAGTGGTGGTACTAAGTACAATGAGAAGTTCAAGAGCAAGGCCACACTGACTGTAGACAAACCCTCCAGCACAGCCTACATGCAGCTCAGCAGCCTGACATCTGAGGACTCTGCGGTCTATTATTGTGCAAGAAGAATGGTAAAGGGGTGCTATGGACTACTGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCA(配列番号21)
B4 VH核酸配列
GTGAAGCTGCAGGAGTCTGGACCTGAGCTGGTGAAGCCTGGGGCTTCAGTGAAGATATCCTGTAAGGCTTCTGGATACACGTTCACTGACTACTACATGAACTGGGTGAAGCAGAGCCATGGAAAGAGCCTTGAGTGGATTGGAGATATTAATCCTAACAATGGTGGTACTAGCTACAACCAGAAGTTCAAGGGCAAGGCCACATTGACTGTAGACAAGTCCTCCAGCACAGCCTACATGGAGCTCCGCAGCCTGACATCTGAGGACTCTGCAGTCTATTACTGTGCAAGATATGATTACGCTTGGTACTTCGATGTCTGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCA(配列番号22)
B4 scFV核酸配列
GCCGCCACCATGAGTGTGCCCACTCAGGTCCTGGGGTTGCTGCTGCTGTGGCTTACAGATGCCAGATGTGTGAAGCTGCAGGAGTCTGGACCTGAGCTGGTGAAGCCTGGGGCTTCAGTGAAGATATCCTGTAAGGCTTCTGGATACACGTTCACTGACTACTACATGAACTGGGTGAAGCAGAGCCATGGAAAGAGCCTTGAGTGGATTGGAGATATTAATCCTAACAATGGTGGTACTAGCTACAACCAGAAGTTCAAGGGCAAGGCCACATTGACTGTAGACAAGTCCTCCAGCACAGCCTACATGGAGCTCCGCAGCCTGACATCTGAGGACTCTGCAGTCTATTACTGTGCAAGATATGATTACGCTTGGTACTTCGATGTCTGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAGGCGGAGGTGGGTCGGGTGGCGGCGGATCTGGCGGAGGTGGGGATGTTTTGATGACCCAAACTCCACTCTCCCTGCCTGTCAGTCTTGGAGATCAAGCCTCCATCTCTTGCAGATCTAGTCAGAGCATTGTACATAGTAATGGAAACACCTATTTAGAATGGTACCTGCAGAAACCAGGCCAGTCTCCAAAGCTCCTGATCTACAAAGTTTCCAACCGATTTTCTGGGGTCCCAGACAGGTTCAGTGGCAGTGGATCAGGGACAGATTTCACACTCAAGATCAGCAGAGTGGAGGCTGAGGATCTGGGAGTTTATTACTGCTTTCAAGGTTCACATGTTCCGTACACGTTCGGAGGGGGGACCAAGCTGGAAATAAAACGGATCGAAGGCCGGCATCACCATCATCACCACTGATAG(配列番号23)
CHO最適化されたB4 scFV核酸配列
ATGTCCGTGCCTACCCAGGTGCTCGGACTCCTGCTGCTGTGGCTCACCGACGCCAGGTGTGTGAAGCTGCAGGAGAGCGGACCCGAGCTGGTGAAGCCTGGAGCCTCCGTGAAGATCAGCTGCAAGGCTTCCGGATACACCTTCACCGACTACTATATGAACTGGGTGAAGCAGAGCCACGGCAAGAGCCTGGAGTGGATCGGCGACATCAACCCTAACAACGGCGGCACCTCCTACAACCAGAAGTTCAAGGGCAAGGCTACACTGACCGTGGACAAGTCCTCCAGCACCGCCTACATGGAGCTCAGGAGCCTGACCTCCGAGGATTCCGCCGTCTATTACTGTGCCCGGTACGACTACGCCTGGTATTTCGACGTGTGGGGCCAGGGCACAACCGTCACAGTCTCCAGCGGAGGAGGAGGAAGCGGCGGCGGAGGATCCGGAGGCGGAGGCGATGTCCTGATGACACAGACACCTCTGAGCCTCCCCGTGAGCCTGGGAGACCAAGCCTCCATCTCCTGCAGGTCCTCCCAGTCCATCGTGCACAGCAATGGCAACACCTACCTGGAGTGGTATCTGCAGAAGCCTGGCCAGTCCCCCAAGCTGCTGATCTACAAGGTGTCCAACCGGTTCAGCGGCGTCCCTGACAGGTTCTCCGGATCCGGAAGCGGCACAGATTTCACCCTGAAGATCAGCAGGGTCGAGGCCGAGGACCTGGGAGTGTACTACTGCTTCCAGGGCTCCCATGTCCCTTACACCTTCGGCGGCGGCACCAAACTGGAGATCAAGCGGATCGAGGGCAGGCATCACCACCATCACCACTGA(配列番号24)
C2 CDR−L1アミノ酸配列
KSVSTSGYSY(配列番号25)
C2 CDR−L2アミノ酸配列
LVS(配列番号26)
C2 CDR−L3アミノ酸配列
QHIRELTRSEGGPSWK(配列番号27)
C2 CDR−H1アミノ酸配列
GYTFTSYW(配列番号28)
C2 CDR−H2アミノ酸配列
INPSNGGT(配列番号29)
C2 CDR−H3アミノ酸配列
ARRGIRLRHFDY(配列番号30)
C2 CDR−L1アミノ酸配列
QDVGTA(配列番号31)
C2 CDR−L2アミノ酸配列
WAS(配列番号32)
C2 CDR−L3アミノ酸配列
QQYSSYPLT(配列番号33)
C2 VLアミノ酸配列
DIVMTQSPASLAVSLGQRATISYRASKSVSTSGYSYMHWNQQKPGQPPRLLIYLVSNLESGVPARFSGSGSGTDFTLNIHPVEEEDAATYYCQHIRELTRSEGGPSWK(配列番号34)
C2 VLアミノ酸配列
DIQMTQSPKFMSTSVGDRVSITCKASQDVGTAVAWYQQKPGQSPKLLIYWASTRHTGVPDRFTGSGSGTDFTLTISNVQSEDLADYFCQQYSSYPLTFGAGTKLELK(配列番号35)
C2 VHアミノ酸配列
VKLQESGTELVKPGASVKLSCKASGYTFTSYWMHWVKQRPGQGLEWIGNINPSNGGTNYNEKFKSKATLTVDKSSSTAYMQLSSLTSEDSAVYYCARRGIRLRHFDYWGQGTTVTVS(配列番号36)
C2 scFVアミノ酸配列
VKLQESGTELVKPGASVKLSCKASGYTFTSYWMHWVKQRPGQGLEWIGNINPSNGGTNYNEKFKSKATLTVDKSSSTAYMQLSSLTSEDSAVYYCARRGIRLRHFDYWGQGTTVTVSSRANSADIHHTGGRSSMHLEGPIRPIVSRISGGGGGSGGGGSWISAEFALDIVMTQSPASLAVSLGQRATISYRASKSVSTSGYSYMHWNQQKPGQPPRLLIYLVSNLESGVPARFSGSGSGTDFTLNIHPVEEEDAATYYCQHIRELTRSEGGPSWK(配列番号37)
C2 scFVアミノ酸配列
MSVPTQVLGLLLLWLTDARCVKLQESGTELVKPGASVKLSCKASGYTFTSYWMHWVKQRPGQGLEWIGNINPSNGGTNYNEKFKSKATLTVDKSSSTAYMQLSSLTSEDSAVYYCARRGIRLRHFDYWGQGTTVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPKFMSTSVGDRVSITCKASQDVGTAVAWYQQKPGQSPKLLIYWASTRHTGVPDRFTGSGSGTDFTLTISNVQSEDLADYFCQQYSSYPLTFGAGTKLELKRIEGRHHHHHH(配列番号38)
C2 VL核酸配列
GACATTGTGATGACACAGTCTCCTGCTTCCTTAGCTGTATCTCTGGGGCAGAGGGCCACCATCTCATACAGGGCCAGCAAAAGTGTCAGTACATCTGGCTATAGTTATATGCACTGGAACCAACAGAAACCAGGACAGCCACCCAGACTCCTCATCTATCTTGTATCCAACCTAGAATCTGGGGTCCCTGCCAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGACTTCACCCTCAACATCCATCCTGTGGAGGAGGAGGATGCTGCAACCTATTACTGTCAGCACATTAGGGAGCTTACACGTTCGGAGGGGGGACCAAGCTGGAAA(配列番号39)
C2 VL核酸配列
GACATCCAGATGACCCAGTCTCCCAAATTCATGTCCACATCAGTAGGAGACAGGGTCAGCATCACCTGCAAGGCCAGTCAGGATGTGGGTACTGCTGTAGCCTGGTATCAACAGAAACCAGGGCAATCTCCTAAACTACTGATTTACTGGGCATCCACCCGGCACACTGGAGTCCCTGATCGCTTCACAGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATTAGCAATGTGCAGTCTGAAGACTTGGCAGATTATTTCTGTCAGCAATATAGCAGCTATCCTCTCACGTTCGGTGCTGGGACCAAGCTGGAGCTGAAAC(配列番号40)
C2 VH核酸配列
GTGAAACTGCAGGAGTCTGGGACTGAACTGGTGAAGCCTGGGGCTTCAGTGAAGCTGTCCTGCAAGGCTTCTGGCTACACCTTCACCAGCTACTGGATGCACTGGGTGAAGCAGAGGCCTGGACAAGGCCTTGAGTGGATTGGAAATATTAATCCTAGCAATGGTGGTACTAACTACAATGAGAAGTTCAAGAGCAAGGCCACACTGACTGTAGACAAATCCTCCAGCACAGCCTACATGCAGCTCAGCAGCCTGACATCTGAGGACTCTGCGGTCTATTATTGTGCAAGAAGAGGCATACGGTTACGACACTTTGACTACTGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCC(配列番号41)
C2 scFV核酸配列
GCCGCCACCATGAGTGTGCCCACTCAGGTCCTGGGGTTGCTGCTGCTGTGGCTTACAGATGCCAGATGTGTGAAACTGCAGGAGTCTGGGACTGAACTGGTGAAGCCTGGGGCTTCAGTGAAGCTGTCCTGCAAGGCTTCTGGCTACACCTTCACCAGCTACTGGATGCACTGGGTGAAGCAGAGGCCTGGACAAGGCCTTGAGTGGATTGGAAATATTAATCCTAGCAATGGTGGTACTAACTACAATGAGAAGTTCAAGAGCAAGGCCACACTGACTGTAGACAAATCCTCCAGCACAGCCTACATGCAGCTCAGCAGCCTGACATCTGAGGACTCTGCGGTCTATTATTGTGCAAGAAGAGGCATACGGTTACGACACTTTGACTACTGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCTGGCGGAGGTGGGTCGGGTGGCGGCGGATCTGGCGGAGGTGGGTCGGACATCCAGATGACCCAGTCTCCCAAATTCATGTCCACATCAGTAGGAGACAGGGTCAGCATCACCTGCAAGGCCAGTCAGGATGTGGGTACTGCTGTAGCCTGGTATCAACAGAAACCAGGGCAATCTCCTAAACTACTGATTTACTGGGCATCCACCCGGCACACTGGAGTCCCTGATCGCTTCACAGGCAGTGGATCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATTAGCAATGTGCAGTCTGAAGACTTGGCAGATTATTTCTGTCAGCAATATAGCAGCTATCCTCTCACGTTCGGTGCTGGGACCAAGCTGGAGCTGAAACGGATCGAAGGCCGGCATCACCATCATCACCACTGATAG(配列番号42)
CHO最適化されたC2 scFV核酸配列
ATGAGCGTGCCTACACAGGTGCTCGGCCTGCTGCTCCTCTGGCTGACAGACGCCCGGTGTGTGAAGCTGCAGGAGTCCGGAACCGAGCTGGTGAAACCTGGCGCCAGCGTGAAACTGAGCTGCAAAGCCAGCGGATACACCTTCACCTCCTACTGGATGCACTGGGTGAAACAGAGGCCTGGCCAGGGCCTGGAATGGATTGGCAACATCAACCCCAGCAACGGCGGCACCAACTACAATGAGAAGTTCAAGAGCAAGGCCACCCTGACCGTGGATAAGTCCTCCTCCACCGCCTACATGCAGCTGTCCTCCCTCACCTCCGAGGACAGCGCCGTCTATTACTGTGCCAGGCGGGGCATCAGGCTGAGGCACTTCGACTACTGGGGCCAAGGCACAACCGTCACCGTGAGCTCCGGAGGAGGAGGCAGCGGAGGCGGAGGCTCCGGCGGAGGCGGAAGCGACATTCAGATGACCCAGAGCCCCAAGTTCATGTCCACCTCCGTCGGCGACAGGGTGAGCATCACCTGTAAGGCCAGCCAGGATGTCGGCACAGCTGTGGCCTGGTACCAGCAGAAGCCCGGCCAGTCCCCCAAGCTGCTGATCTACTGGGCTTCCACAAGGCATACCGGCGTCCCCGATAGGTTCACAGGCTCCGGCTCCGGCACCGACTTCACACTCACCATCAGCAACGTCCAGTCCGAGGACCTGGCCGACTACTTCTGCCAGCAGTACTCCAGCTACCCCCTCACCTTCGGCGCTGGCACCAAGCTGGAACTCAAGCGGATCGAGGGCAGGCATCACCACCATCACCACTGATAG(配列番号43)
全長ヒト膜補因子タンパク質(MCP)
MEPPGRRECPFPSWRFPGLLLAAMVLLLYSFSDACEEPPTFEAMELIGKPKPYYEIGERVDYKCKKGYFYIPPLATHTICDRNHTWLPVSDDACYRETCPYIRDPLNGQAVPANGTYEFGYQMHFICNEGYYLIGEEILYCELKGSVAIWSGKPPICEKVLCTPPPKIKNGKHTFSEVEVFEYLDAVTYSCDPAPGPDPFSLIGESTIYCGDNSVWSRAAPECKVVKCRFPVVENGKQISGFGKKFYYKATVMFECDKGFYLDGSDTIVCDSNSTWDPPVPKCLKVLPPSSTKPPALSH
SVSTSSTTKSPASSASGPRPTYKPPVSNYPGYPKPEEGILDSLDVWVIAVIVIAIVVGVAVICVVPYRYLQRRKKKGTYLTDETHREVKFTSL(配列番号44)
全長ヒト崩壊促進因子(DAF)
MTVARPSVPAALPLLGELPRLLLLVLLCLPAVWGDCGLPPDVPNAQPALEGRTSFPEDTVITYKCEESFVKIPGEKDSVICLKGSQWSDIEEFCNRSCEVPTRLNSASLKQPYITQNYFPVGTVV目CRPGYRREPSLSPKLTCLQNLKWSTAVEFCKKKSCPNPGEIRNGQIDVPGGILFGATISFSCNTGYKLFGSTSSFCLISGSSVQWSDPLPECREIYCPAPPQIDNGIIQGERDHYGYRQSVTYACNKGFTMIGEHSIYCTVNNDEGEWSGPPPECRGKSLTSKVPPTVQKPTTVNVPTTEVSPTSQKTTTKTTTPNAQATRSTPVSRTTKHFHETTPNKGSGTTSGTTRLLSGHTCFTLTGLLGTL VTMGLLT(配列番号45)
全長マウス崩壊促進因子(DAF)
MIRGRAPRTRPSPPPPLLPLLSLSLLLLSPTVRGDCGPPPDIPNARPILGRHSKFAEQSKVAYSCNNGFKQVPDKSNIVVCLENGQWSSHETFCEKSCVAPERLSFASLKKEYLNMNFFPVGTIV目CRPGFRKQPPLPGKATCLEDLVWSPVAQFCKKKSCPNPKDLDNGHINIPTGILFGSEINFSCNPGYRLVGVSSTFCSVTGNTVDWDDEFPVCTEIHCPEPPKINNGIMRGESDSYTYSQVVTYSCDKGFILVGNASIYCTVSKSDVGQWSSPPPRCIEKSKVPTKKPTINVPSTGTPSTPQKPTTESVPNPGDQPTPQKPSTVKVSATQHVPVTKTTVRHPIRTSTDKGEPNTGGDRYIYGHTCLITLTVLHVMLSLIGYLT(配列番号46)
全長ヒトCD59
MGIQGGSVLFGLLLVLAVFCHSGHSLQCYNCPNPTADCKTAVNCSSDFDACLITKAGLQVYNKCWKFEHCNFNDVTTRLRENELTYYCCKKDLCNFNEQLENGGTSLSEKTVLLLVTPFLAAA WSLHP(配列番号47)
全長マウスCD59
MRAQRGLILLLLLLAVFCSTAVSLTCYHCFQPVVSSCNMNSTCSPDQDSCLYAVAGMQVYQRCWKQSDCHGEIIMDQLEETKLKFRCCQFNLCNKSDGSLGKTPLLGTSVLVAILNLCFLSHL(配列番号48)
全長マウスCD59、アイソフォームB
MRAQRGLILLLLLLAVFCSTAVSLKCYNCFQFVSSCKINTTCSPNLDSCLYAVAGRQVYQQCWKLSDCNSNYIMSRLDVAGIQSKCCQWGLCNKNLDGLEEPNNAETSSLRKTALLGTSVLVAILKFCF(配列番号49)
全長マウス補体受容体1関連遺伝子/タンパク質y(Crry)
MEVSSRSSEPLDPVWLLVAFGRGGVKLEVLLLFLLPFTLGELRGGLGKHGHTVHREPAVNRLCADSKRWSGLPVSAQRPFPMGHCPAPSQLPSAKPINLTDESMFPIGTYLLYECLPGYIKRQFSITCKQDSTWTSAEDKCIRKQCKTPSDPENGLVHVHTGIQFGSRINYTCNQGYRLIGSSSAVCVITDQSVDWDTEAPICEWIPCEIPPGIPNGDFFSSTREDFHYGMVVTYRCNTDARGKALFNLVGEPSLYCTSNDGEIGVWSGPPPQCIELNKCTPPPYVENAVMLSENRSLFSLRDIVEFRCHPGFIMKGASSVHCQSLNKWEPELPSCFKGVICRLPQEMSGFQKGLGMKKEYYYGENVTLECEDGYTLEGSSQSQCQSDGSWNPLLAKCVSRSISGLIVGIFIGIIVFILVIIVFIWMILKYKKRNTTDEKYKEVGIHLNYKEDSCVRLQSLLTSQENSSTTSPARNSLTQEV S(配列番号50)
全長ヒト補体受容体1(CR1)
MGASSPRSPEPVGPPAPGLPFCCGGSLLAVVVLLALPVAWGQCNAPEWLPFARPTNLTDEFEFPIGTYLNYECRPGYSGRPFSIICLKNSVWTGAKDRCRRKSCRNPPDPVNGMVHVIKGIQFGSQIKYSCTKGYRLIGSSSATCIISGDTVIWDNETPICDRIPCGLPPTITNGDFISTNRENFHYGSVVTYRCNPGSGGRKVFELVGEPSIYCTSNDDQVGIWSGPAPQCIIPNKCTPPNVENGILVSDNRSLFSLNEVVEFRCQPGFVMKGPRRVKCQALNKWEPELPSCSRVCQPPPDVLHAERTQRDKDNFSPGQEVFYSCEPGYDLRGAASMRCTPQGDWSPAAPTCEVKSCDDFMGQLLNGRVLFPVNLQLGAKVDFVCDEGFQLKGSSASYCVLAGMESLWNSSVPVCEQIFCPSPPVIPNGRHTGKPLEVFPFGKAVNYTCDPHPDRGTSFDLIGESTIRCTSDPQGNG
VWSSPAPRCGILGHCQAPDHFLFAKLKTQTNASDFPIGTSLKYECRPEYYGRPFSITCLDNLVWSSPKDVCKRKSCKTPPDPVNGMVHVITDIQVGSRINYSCTTGHRLIGHSSAECILSGNAAHWSTKPPICQRIPCGLPPTIANGDFISTNRENFHYGSVVTYRCNPGSGGRKVFELVGEPSIYCTSNDDQVGIWSGPAPQCIIPNKCTPPNVENGILVSDNRSLFSLNEVVEFRCQPGFVMKGPRRVKCQALNKWEPELPSCSRVCQPPPDVLHAERTQRDKDNFSPGQEVFYSCEPGYDLRGAASMRCTPQGDWSPAAPTCEVKSCDDFMGQLLNGRVLFPVNLQLGAKVDFVCDEGFQLKGSSASYCVLAGMESLWNSSVPVCEQIFCPSPPVIPNGRHTGKPLEVFPFGKAVNYTCDPHPDRGTSFDLIGESTIRCTSDPQGNGVWSSPAPRCGILGHCQAPDHFLFAKLKTQTNASDFPIGTSLKYECRPEYYGRPFSITCLDNLVWSSPKDVCKRKSCKTPPDPVNGMVHVITDIQVGSRINYSCTTGHRLIGHSSAECILSGNTAHWSTKPPICQRIPCGLPPTIANGDFISTNRENFHYGSVVTYRCNLGSRGRKVFELVGEPSIYCTSNDDQVGIWSGPAPQCIIPNKCTPPNVENGILVSDNRSLFSLNEVVEFRCQPGFVMKGPRRVKCQALNKWEPELPSCSRVCQPPPEILHGEHTPSHQDNFSPGQEVFYSCEPGYDLRGAASLHCTPQGDWSPEAPRCAVKSCDDFLGQLPHGRVLFPLNLQLGAKVSFVCDEGFRLKGSSVSHCVLVGMRSLWNNSVPVCEHIFCPNPPAILNGRHTGTPSGDIPYGKEISYTCDPHPDRGMTFNLIGESTIRCTSDPHGNGVWSSPAPRCELSVRAGHCKTPEQFPFASPTIPINDFEFPVGTSLNYECRPGYFGKMFSISCLENLVWSSVEDNCRRKSCGPPPEPFNGMVHINTDTQFGSTVNYSCNEGFRLIGSPSTTCLVSGNNVTWDKKAPICEIISCEPPPTISNGDFYSNNRTSFHNGTVVTYQCHTGPDGEQLFELVGERSIYCTSKDDQVGVWSSPPPRCISTNKCTAPEVENAIRVPGNRSFFSLTEIIRFRCQPGFVMVGSHTVQCQTNGRWGPKLPHCSRVCQPPPEILHGEHTLSHQDNFSPGQEVFYSCEPSYDLRGAASLHCTPQGDWSPEAPRCTVKSCDDFLGQLPHGRVLLPLNLQLGAKVSFVCDEGFRLKGRSASHCVLAGMKALWNSSVPVCEQIFCPNPPAILNGRHTGTPFGDIPYGKEISYACDTHPDRGMTFNLIGESSIRCTSDPQGNGVWSSPAPRCELSVPAACPHPPKIQNG
HYIGGHVSLYLPGMTISYTCDPGYLLVGKGFIFCTDQGIWSQLDHYCKEVNCSFPLFMNGISKELEMKKVYHYGDYVTLKCEDGYTLEGSPWSQCQADDRWDPPLAKCTSRAHDALIVGTLSGTIFFILLIIFLSWIILKHRKGNNAHENPKEVAIHLHSQGGSSVHPRTLQTNEENSRVLP(配列番号51)
全長ヒト因子H
MRLLAKIICLMLWAICVAEDCNELPPRRNTEILTGSWSDQTYPEGTQAIYKCRPGYRSLGNVIMVCRKGEWVALNPLRKCQKRPCGHPGDTPFGTFTLTGGNVFEYGVKAVYTCNEGYQLLGEINYRECDTDGWTNDIPICEVVKCLPVTAPENGKIVSSAMEPDREYHFGQAVRFVCNSGYKIEGDEEMHCSDDGFWSKEKPKCVEISCKSPDVINGSPISQKIIYKENERFQYKCNMGYEYSERGDAVCTESGWRPLPSCEEKSCDNPYIPNGDYSPLRIKHRTGDEITYQCRNGFYPATRGNTAKCTSTGWIPAPRCTLKPCDYPDIKHGGLYHENMRRPYFPVAVGKYYSYYCDEHFETPSGSYWDHIHCTQDGWSPAVPCLRKCYFPYLENGYNQNYGRKFVQGKSIDVACHPGYALPKAQTTVTCMENGWSPTPRCIRVKTCSKSSIDIENGFISESQYTYALKEKAKYQCKLGYVTADGETSGSITCGKDGWSAQPTCIKSCDIPVFMNARTKNDFTWFKLNDTLDYECHDGYESNTGSTTGSIVCGYNGWSDLPICYERECELPKIDVHLVPDRKKDQYKVGEVLKFSCKPGFfiVGPNSVQCYHFGLSPDLPICKEQVQSCGPPPELLNGNVKEKTKEEYGHSEVVEYYCNPRFLMKGPNKIQCVDGEWTTLPVCIVEESTCGDIPELEHGWAQLSSPPYYYGDSVEFNCSESFTMIGHRSITCIHGVWTQLPQCVAIDKLKKCKSSNLIILEEHLKNKKEFDHNSNIRYRCRGKEGWIHTVCINGRWDPEVNCSMAQIQLCPPPPQIPNSHNMTTTLNYRDGEKVSVLCQENYLIQEGEEITCKDGRWQSIPLCVEKIPCSQPPQIEHGTINSSRSSQESYAHGTKLSYTCEGGFRISEENETTCYMGKWSSPPQCEGLPCKSPPEISHGVVAHMSDSYQYGEEVTYKCFEGFGIDGPAIAKCLGEKWSHPPSCIKTDCLSLPSFENAIPMGEKKDVYKAGEQVTYTCATYYKMDGASNVTCINSRWTGRPTCRDTSCVNPPTVQNAYIVSRQMSKYPSGERVRYQCRSPYEMFGDEEVMCLNGNWTEPPQCKDSTGKCGPPPPIDNGDITSFPLSVYAPASSVEYQCQNLYQLEGNKRITCRNGQWSEPPKCLHPCVISREIMENYNIALRWTAKQKLYSRTGESVEFVCKRGYRLSSRSHTLRTTCWDGKLEYPTCAKR(配列番号52)
全長マウス因子H
MRLSARIIWLILWTVCAAEDCKGPPPRENSEILSGSWSEQLYPEGTQATYKCRPGYRTLGTIVKVCKNGKWVASNPSRICRKKPCGHPGDTPFGSFRLAVGSQFEFGAKVVYTCDDGYQLLGEIDYRECGADGWINDIPLCEVVKCLPVTELENGRIVSGAAETDQEYYFGQVVRFECNSGFKIEGHKEIHCSENGLWSNEKPRCVEILCTPPRVENGDGINVKPVYKENERYHYKCKHGYVPKERGDAVCTGSGWSSQPFCEEKRCSPPYILNGIYTPHRIIHRSDDEIRYECNYGFYPVTGSTVSKCTPTGWIPVPRCTLKPCEFPQFKYGRLYYEESLRPNFPVSIGNKYSYKCDNGFSPPSGYSWDYLRCTAQGWEPEVPCVRKCVFHYVENGDSAYWEKVYVQGQSLKVQCYNGYSLQNGQDTMTCTENGWSPPPKCIRIKTCSASDIHIDNGFLSESSSIYALNRETSYRCKQGYVTNTGEISGSITCLQNGWSPQPSCIKSCDMPVFENSITKNTRTWFKLNDKLDYECLVGFENEYKHTKGSITCTYYGWSDTPSCYERECSVPTLDRKLVVSPRKEKYRVGDLLEFSCHSGHRVGPDSVQCYHFGWSPGFPTCKGQVASCAPPLEILNGEINGAKKVEYSHGEVVKYDCKPRFLLKGPNKIQCVDGNWTTLPVCIEEERTCGDIPELEHGSAKCSVPPYHHGDSVEFICEENFfMIGHGSVSCISGKWTQLPKCVATDQLEKCRVLKSTGIEAIKPKLTEFfHNSTMDYKCRDKQEYERSICINGKWDPEPNCTSKTSCPPPPQIPNTQVIETTVKYLDGEKLSVLCQDNYLTQDSEEMVCKDGRWQSLPRCIEKIPCSQPPTIEHGSINLPRSSEERRDSIESSSHEHGTTFSYVCDDGFRIPEENRITCYMGKWSTPPRCVGLPCGPPPSIPLGTVSLELESYQHGEEVTYHCSTGFGIDGPAFIICEGGKWSDPPKCIKTDCDVLPTVKNAIIRGKSKKSYRTGEQVTFRCQSPYQMNGSDTVTCVNSRWIGQPVCKDNSCVDPPHVPNATIVTRTKNKYLHGDRVRYECNKPLELFGQVEVMCENGIWTEKPKCRDSTGKCGPPPPIDNGDITSLSLPVYEPLSSVEYQCQKYYLLKGKKTITCTNGKWSEPPTCLHACVIPENIMESHNIILKWRHTEKIYSHSGEDIEFGCKYGYYKARDSPPFRTKCINGTINYPTCV(配列番号53)
ヒトCD5タンパク質のシグナルペプチド
MPMGSLQPLATLYLLGMLVAS(配列番号54)
ヒトCR2タンパク質のシグナルペプチド
MGAAGLLGVFLALVAPG(配列番号55)
ヒトCR2タンパク質のシグナルペプチド
MGAAGLLGVFLALVAPGVLG(配列番号56)
B4scFV核酸配列
GACACGTGATCAGCCGCCACCATGCCCATGGGGTCTCTGCAACCGCTGGCCACCTTGTACCTGCTGGGGATGCTGGTCGCTTCCGTGCTAGCGCATCATCATCATCATCATGTGAAACTGCAGGAGTCAGGGGCTGAGCTTGTGAAGCCTGGGGCTTCAGTGAAGCTGTCCTGCAAGGCTTCTGGCTACACCTTCACCAGCTACTGGATGCACTGGGTGAAGCAGAGGCCTGGACGAGGCCTTGAGTGGATTGGAAGGATTGGTCCTAATAGTGGTGGTACTAAGTACAATGAGAAGTTCAAGAGCAAGGCCACACTGACTGTAGACAAACCCTCCAGCACAGCCTACATGCAGCTCAGCAGCCTGACATCTGAGGACTCTGCGGTCTATTATTGTGCAAGAAGAATGGTAAAGGGGTGCTATGGACTACTGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAAAGGGCGAATTCCAGCACACTGGCGGCCGTTACTAGTGGATCCGAGCTCGGTACCAAGCTTGGCGTCAGGAGGCGGTGGCGGCTCGGGTGGCGGCGGCTCTTGGATATCTGCAGAATTCGCCCTTGACATTGAGCTCACCCAGTCTCCAACCACCATGGCTGCATCTCCCGGGGAGAAGATCACTATCACCTGCAGTGCCAGCTCAAGTATAAGTTCCAATTACTTGCATTGGTATCAGCAGAAGCCAGGATTCTCCCCTAAACTCTTGATTTATAGGACATCCAATCTGGCTTCTGGAGTCCCAGCTCGCTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACCTCTTACTCTCTCACAATTGGCACCATGGAGGCTGAAGATGTTGCCACTTACTACTGCCAGCAGGGTAGTAGTATACCACGTACACGTTCGGAGGGGGCACCAAGCTGGAAATAATAGACTAGTCGTGCG(配列番号57)
C2scFV核酸配列
GACACGAAGCTTGCCGCCACCATGCCCATGGGGTCTCTGCAACCGCTGGCCACCTTGTACCTGCTGGGGATGCTGGTCGCTTCCGTGCTAGCGCATCATCATCATCATCATGTCAAGCTGCAGGAGTCTGGGACTGAACTGGTGAAGCCTGGGGCTTCAGTGAAGCTGTCCTGCAAGGCTTCTGGCTACACCTTCACCAGCTACTGGATGCACTGGGTGAAGCAGAGGCCTGGACAAGGCCTTGAGTGGATTGGAAATATTAATCCTAGCAATGGTGGTACTAACTACAATGAGAAGTTCAAGAGCAAGGCCACACTGACTGTAGACAAATCCTCCAGCACAGCCTACATGCAGCTCAGCAGCCTGACATCTGAGGACTCTGCGGTCTATTATTGTGCAAGAAGAGGCATACGGTTACGACACTTTGACTACTGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCAAGGGCGAATTCTGCAGATATCCATCACACTGGCGGCCGCTCGAGCATGCATCTAGAGGGCCCAATTCGCCCTATAGTGAGTCGTATATCAGGAGGCGGTGGCGGCTCGGGTGGCGGCGGCTCTTGGATATCTGCAGAATTCGCCCTTGACATTGTGATGACACAGTCTCCTGCTTCCTTAGCTGTATCTCTGGGGCAGAGGGCCACCATCTCATACAGGGCCAGCAAAAGTGTCAGTACATCTGGCTATAGTTATATGCACTGGAACCAACAGAAACCAGGACAGCCACCCAGACTCCTCATCTATCTTGTATCCAACCTAGAATCTGGGGTCCCTGCCAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGACTTCACCCTCAACATCCATCCTGTGGAGGAGGAGGATGCTGCAACCTATTACTGTCAGCACATTAGGGAGCTTACACGTTCGGAGGGGGGACCAAGCTGGAAATAATAGCCCGGGCGTGCG(配列番号58)