定義
本明細書において使用されるように、用語「処置する」、「妨げる」は、発病におけるあらゆる遅延、症状の頻度または重症度における低下、症状の回復、患者の快適さまたは機能(例えば関節機能)における改善、疾患状態の重症度における減少などを指してもよい。処置の効果は、所定の処置を受けていない個人もしくは個人のプールとまたは処置の前もしくは処置の停止の後の同じ患者と比較することができる。用語「妨げる」は、一般に、患者における所定の疾患(例えば自己免疫疾患、炎症自己免疫疾患、癌疾患、感染性疾患、免疫疾患、もしくは他の疾患)または疾患症状の存在における減少を指す。上記に示されるように、予防は、完全(検出可能な症状はない)または部分的であってもよく、処置なしでおそらく起こると思われるよりも小さな症状が、観察される。
本明細書において使用される「治療有効用量または量」によって、それが投与される(例えば、疾患を処置するまたは妨げる)効果をもたらす用量を意味する。厳密な用量および処方は、処置の目的に依存し、知られている技術を使用して、当業者によって確認できるであろう(例えばLieberman, Pharmaceutical Dosage Forms (vols. 1−3, 1992);Lloyd, The Art, Science and Technology of Pharmaceutical Compounding (1999);Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition, Gennaro, Editor (2003), and Pickar, Dosage Calculations (1999)を参照されたい)。例えば、所定のパラメーターについて、治療有効量は、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、40%、50%、60%、75%、80%、90%、または少なくとも100%の増加または減少を示すであろう。治療効能もまた、「〜倍」の増加または減少として表現することができる。例えば、治療有効量は、標準の対照に対して、少なくとも1.2倍、1.5倍、2倍、5倍、またはそれ以上の効果を有することができる。治療有効用量または量は、疾患の1つ以上の症状を回復させてもよい。治療有効用量または量は、それが投与されている効果が、疾患に発症する危険性にある人を処置することである場合、疾患の発病または疾患の1つ以上の症状を妨げてもよいまたは遅延させてもよい。
用語「診断」は、疾患(例えば自己免疫疾患、炎症自己免疫疾患、癌疾患、感染性疾患、免疫疾患、または他の疾患)が対象において存在する相対的確率を指す。同様に、用語「予後診断」は、ある今後の転帰が疾患状態に関して対象において起こり得る相対的確率を指す。例えば、本発明との関連において、予後診断は、個人が疾患(例えば自己免疫疾患、炎症自己免疫疾患、癌疾患、感染性疾患、免疫疾患、もしくは他の疾患)を発症する見込みまたはその疾患の予想される重症度(例えば疾患の期間)を指すことができる。用語は、医学診断学の分野における当業者によって十分に理解されるように、絶対的なものであるようには意図されない。
本明細書において使用される「核酸」または「オリゴヌクレオチド」または「ポリヌクレオチド」または文法上の等価物は、互いに共有結合された少なくとも2つのヌクレオチドを意味する。用語「核酸」は、一本鎖、二本鎖、または多重鎖DNA、RNA、およびそのアナログ(誘導体)を含む。オリゴヌクレオチドは、典型的に、約5、6、7、8、9、10、12、15、25、30、40、50ヌクレオチド長、またはそれ以上〜約100ヌクレオチド長である。核酸およびポリヌクレオチドは、任意の長さのポリマーであり、より長い長さ、例えば200、300、500、1000、2000、3000、5000、7000、10,000などを含む。ある実施形態において、本明細書における核酸が、ホスホジエステル結合を含有する。他の実施形態において、代替の骨格、例えばホスホロアミデート、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、またはO−メチルホスホロアミダイト連結(Eckstein, Oligonucleotides and Analogues: A Practical Approach, Oxford University Pressを参照されたい);ならびにペプチド核酸骨格および連結を有してもよい核酸アナログが、含まれる。他のアナログ核酸は、正の骨格;非イオン性骨格および非リボース骨格を含み、米国特許第5,235,033号明細書および米国特許第5,034,506号明細書ならびにChapters 6 and 7, ASC Symposium Series 580, Carbohydrate Modifications in Antisense Research, Sanghui & Cookなどにおいて記載されるものを含む。1つ以上の炭素環式糖を含有する核酸もまた、核酸のある1つの定義内に含まれる。リボースホスフェート骨格の修飾は、様々な理由で、例えば、生理学的環境におけるまたはバイオチップ上でのプローブとしてのそのような分子の安定性および半減期を増加させるために行われてもよい。天然に存在する核酸およびアナログの混合物を作製することができる;その代わりに、異なる核酸アナログの混合物ならびに天然に存在する核酸およびアナログの混合物が作製されてもよい。
特定の核酸配列はまた、「スプライス変異体」をも包含する。同様に、核酸によってコードされる特定のタンパク質は、その核酸のスプライス変異体によってコードされる任意のタンパク質を包含する。「スプライス変異体」は、名前が示唆するように、遺伝子の選択的スプライシングの産物である。転写の後に、初期核酸転写物は、異なる(選択的)核酸スプライス産物が異なるポリペプチドをコードするように、スプライスされてもよい。スプライス変異体の生成のためのメカニズムは様々であるが、エクソンの選択的スプライシングを含む。リードスルー転写によって同じ核酸に由来する選択的ポリペプチドもまた、この定義によって包含される。スプライス産物の組換え形態を含むスプライシング反応の任意の産物が、この定義に含まれる。カリウムチャネルスプライス変異体の例が、Leicher, et al., J. Biol. Chem. 273(52):35095−35101 (1998)において議論される。
核酸は、他の核酸配列と機能的な関係に置かれる場合、「作動可能に連結されている」。例えば、プレ配列または分泌リーダーについてのDNAは、それがポリペプチドの分泌に参加するタンパク質前駆体として発現される場合、ポリペプチドについてのDNAに作動可能に連結されている;プロモーターまたはエンハンサーは、それが配列の転写に影響を与える場合、コード配列に作動可能に連結されている;またはリボソーム結合部位は、それが翻訳を促進するように位置する場合、コード配列に作動可能に連結されている。一般に、「作動可能に連結されている」は、連結しているDNA配列が互いに近く、分泌リーダーの場合には、隣接して、リーディングフェーズ中にあることを意味する。しかしながら、エンハンサーは、隣接する必要はない。連結は、好都合な制限部位でのライゲーションによって達成される。そのような部位が存在しない場合、合成オリゴヌクレオチドアダプターまたはリンカーが、従来の手法に従って使用される。
2つ以上の核酸またはポリペプチド配列との関連における用語「同一の」または「同一性」パーセントは、下記に記載されるデフォルトパラメーターによりBLASTもしくはBLAST 2.0配列比較アルゴリズムを使用してまたは手動のアライメントおよび目視検査によって測定されるように、同じであるまたは特定のパーセンテージの同じであるアミノ酸残基またはヌクレオチドを有する2つ以上の配列またはサブ配列を指す(すなわち、比較ウィンドウまたは指定された領域に対して最大の一致のために比較し、アライメントした場合の、特定の領域に対する約60%の同一性、好ましくは61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の同一性)(例えばNCBIウェブサイトまたはその他同種のものを参照されたい)。そのような配列は、次いで、「実質的に同一である」と言われる。この定義はまた、試験配列の相補体(compliement)を指してもよいまたはそれに適用されてもよい。定義はまた、欠失および/または追加を有する配列ならびに置換を有する配列を含む。下記に記載されるように、好ましいアルゴリズムは、ギャップおよびその他同種のものを入れることができる。好ましくは、同一性は、少なくとも約10アミノ酸長もしくは20ヌクレオチド長である領域に対してまたはより好ましくは、10〜50アミノ酸長もしくは20〜50ヌクレオチド長である領域に対して存在する。本明細書において使用されるように、アミノ酸配列同一性パーセント(%)は、配列をアライメントし、必要であれば、最大の配列同一性パーセントを実現するためにギャップを導入した後の、参照配列におけるアミノ酸と同一な、候補配列におけるアミノ酸の割合として定義される。配列同一性パーセントを決定する目的のためのアライメントは、例えばBLAST、BLAST−2、ALIGN、ALIGN−2、またはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどのような公的に入手可能なコンピューターソフトウェアを使用して、当技術分野における技術の範囲内にある様々な方法で実現することができる。比較されている完全長の配列に対して最大限のアライメントを実現するために必要とされる、任意のアルゴリズムを含む、アライメントを測定するための適切なパラメーターは、知られている方法によって決定することができる。
配列比較のために、典型的に、一方の配列が、試験配列と比較する参照配列として働く。配列比較アルゴリズムを使用する場合、試験配列および参照配列をコンピューターに入力し、必要であれば、サブ配列の座標を指定し、配列アルゴリズムプログラムパラメーターを指定する。好ましくは、デフォルトプログラムパラメーターを使用することができるまたは代替のパラメーターを指定することができる。次いで、配列比較アルゴリズムは、プログラムパラメーターに基づいて、参照配列と比較して、試験配列について配列同一性パーセントを計算する。
本明細書において使用される「比較ウィンドウ」は、2つの配列を最適にアライメントした後に、配列が同じ数の隣接する位置の参照配列と比較されてもよい、10〜600、普通約50〜約200、より普通では約100〜約150からなる群から選択されるその数の隣接する位置のいずれか1つのセグメントへの言及を含む。比較のための配列のアライメントの方法は、当技術分野においてよく知られている。比較のための配列の最適なアライメントは、例えば、Smith & Waterman, Adv. Appl. Math. 2:482 (1981)の局所的相同性アルゴリズムによって、Needleman & Wunsch, J. Mol. Biol. 48:443 (1970)の相同性アライメントアルゴリズムによって、Pearson & Lipman, Proc. Nat’l. Acad. Sci. USA 85:2444 (1988)の類似性検索方法によって、これらのアルゴリズムのコンピューターによる実現によって(Wisconsin Genetics Software PackageのGAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA、Genetics Computer Group、575 Science Dr.、Madison、WI)、または手動のアライメントおよび目視検査によって(例えばCurrent Protocols in Molecular Biology (Ausubel et al., eds. 1995 supplement)を参照されたい)を行うことができる。
「選択的に(または特異的に)ハイブリダイズする」という表現は、より高度な親和性での、例えば、他のヌクレオチド配列(例えば全細胞またはライブラリーDNAまたはRNA)よりもストリンジェントな条件下での、特定のヌクレオチド配列のみへの分子の結合、二重化、またはハイブリダイズを指す。
「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」という表現は、他の配列にではなく、典型的に核酸の複雑な混合物中のその標的サブ配列にプローブがハイブリダイズするであろう条件を指す。ストリンジェントな条件は、配列依存性であり、異なる環境において異なるであろう。より長い配列は、より高い温度で特異的にハイブリダイズする。核酸のハイブリダイゼーションに対する広範囲な手引きは、Tijssen, Techniques in Biochemistry and Molecular Biology−−Hybridization with Nucleic Probes, ”Overview of principles of hybridization and the strategy of nucleic acid assays” (1993)において見つけられる。一般に、ストリンジェントな条件は、定められたイオン強度pHで特異的な配列について熱融点(Tm)よりも約5〜10℃低くなるように選択される。Tmは、標的に対して相補的なプローブの50%が、平衡状態で標的配列にハイブリダイズする温度である(定められたイオン強度、pH、および核酸濃度下で)。(標的配列が過剰に存在するとき、Tmで、プローブの50%が平衡状態で使用される)。ストリンジェントな条件はまた、ホルムアミドなどのような不安定化剤の追加により実現されてもよい。選択的なまたは特異的なハイブリダイゼーションのために、ポジティブなシグナルは、バックグラウンドの少なくとも2倍、好ましくはバックグラウンドハイブリダイゼーションの10倍とする。例示的なストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、以下のとおりとすることができる:50%ホルムアミド、5×SSC、および1% SDS、42℃でインキュベートまたは5×SSC、1% SDS、65℃でインキュベートと65℃での0.2×SSCおよび0.1% SDS中での洗浄。
ストリンジェントな条件下で互いにハイブリダイズしない核酸は、それらがコードするポリペプチドが実質的に同一である場合、なお、実質的に同一である。これは、例えば、遺伝子コードによって許容される最大のコドン縮重を使用して核酸のコピーが作られる場合に、起こる。そのような場合、核酸は、典型的に、中程度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする。例示的な「中程度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」は、37℃での40%ホルムアミド、1M NaCl、1% SDSのバッファー中でのハイブリダイゼーションおよび45℃での1×SSC中での洗浄を含む。ポジティブなハイブリダイゼーションは、バックグラウンドの少なくとも2倍とする。当業者らは、同様のストリンジェンシー条件を提供するために代替のハイブリダイゼーション条件および洗浄条件を利用することができることを容易に認識するであろう。ハイブリダイゼーションパラメーターを決定するためのさらなるガイドラインは、多数の参考文献、例えばCurrent Protocols in Molecular Biology, ed. Ausubel, et al.において提供される。
20のアミノ酸が、一般に、タンパク質中に見つけられる。それらのアミノ酸は、それらの側鎖の化学的特性に基づいて、9つのクラスまたはグループに分類することができる。あるアミノ酸残基の、同じクラスまたはグループ内の他のアミノ酸残基との置換は、本明細書において「保存的」置換と呼ばれる。保存的アミノ酸置換は、タンパク質の立体構造または機能を有意に改変させることなく、タンパク質において頻繁になすことができる。あるアミノ酸残基の、異なるクラスまたはグループ由来の他のアミノ酸残基置換は、本明細書において「非保存的」置換と呼ばれる。対照的に、非保存的アミノ酸置換は、タンパク質の立体構造および機能を修飾する傾向がある。
いくつかの実施形態において、保存的アミノ酸置換が、グリシン(G)、アラニン(A)、イソロイシン(I)、バリン(V)、およびロイシン(L)のいずれかを、これらの脂肪族アミノ酸の任意の他のアミノ酸と;逆もまた同様であるが、セリン(S)を、トレオニン(T)と;逆もまた同様であるが、アスパラギン酸(D)を、グルタミン酸(E)と;逆もまた同様であるが、グルタミン(Q)を、アスパラギン(N)と;逆もまた同様であるが、リシン(K)を、アルギニン(R)と;逆もまた同様であるが、フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、およびトリプトファン(W)を、これらの芳香族アミノ酸の任意の他のアミノ酸と;逆もまた同様であるが、メチオニン(M)を、システイン(C)と置換することを含む。他の置換もまた、特定のアミノ酸の環境およびタンパク質の三次元構造におけるその役割に依存して、保存的であると考えることができる。例えば、アラニン(A)およびバリン(V)ができるように、グリシン(G)およびアラニン(A)は、頻繁に交換可能になり得る。比較的疎水性であるメチオニン(M)は、ロイシンおよびイソロイシンと頻繁に、時にはバリンと交換することができる。リシン(K)およびアルギニン(R)は、アミノ酸残基の重要な特徴がその電荷であり、これらの2つのアミノ酸残基の異なるpKが重要ではない場所において頻繁に交換可能である。さらに他の変化は、特定の環境において「保守的である」と考えることができる(例えばBIOCHEMISTRY at pp. 13−15, 2nd ed. Lubert Stryer ed. (Stanford University);Henikoff et al., Proc. Nat’l Acad. Sci. USA (1992) 89:10915−10919;Lei et al., J. Biol. Chem. (1995) 270(20):11882−11886を参照されたい)。
いくつかの実施形態において、非保存的アミノ酸置換が、グリシン(G)、アラニン(A)、イソロイシン(I)、バリン(V)、およびロイシン(L)のいずれかを、セリン(S)、トレオニン(T)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、グルタミン(Q)、アスパラギン(N)、リシン(K)、アルギニン(R)、フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W)、メチオニン(M)、システイン(C)、ヒスチジン(H)、およびプロリン(P)のいずれかと置換することを含む。いくつかの実施形態において、非保存的アミノ酸置換が、セリン(S)およびトレオニン(T)のいずれかを、グリシン(G)、アラニン(A)、イソロイシン(I)、バリン(V)、ロイシン(L)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、グルタミン(Q)、アスパラギン(N)、リシン(K)、アルギニン(R)、フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W)、メチオニン(M)、システイン(C)、ヒスチジン(H)、およびプロリン(P)のいずれかと置換することを含む。いくつかの実施形態において、非保存的アミノ酸置換が、アスパラギン酸(D)およびグルタミン酸(E)のいずれかを、グリシン(G)、アラニン(A)、イソロイシン(I)、バリン(V)、ロイシン(L)、セリン(S)、トレオニン(T)、グルタミン(Q)、アスパラギン(N)、リシン(K)、アルギニン(R)、フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W)、メチオニン(M)、システイン(C)、ヒスチジン(H)、およびプロリン(P)のいずれかと置換することを含む。いくつかの実施形態において、非保存的アミノ酸置換が、グルタミン(Q)およびアスパラギン(N)のいずれかを、グリシン(G)、アラニン(A)、イソロイシン(I)、バリン(V)、ロイシン(L)、セリン(S)、トレオニン(T)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、リシン(K)、アルギニン(R)、フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W)、メチオニン(M)、システイン(C)、ヒスチジン(H)、およびプロリン(P)のいずれかと置換することを含む。いくつかの実施形態において、非保存的アミノ酸置換が、リシン(K)およびアルギニン(R)のいずれかを、グリシン(G)、アラニン(A)、イソロイシン(I)、バリン(V)、ロイシン(L)、セリン(S)、トレオニン(T)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、グルタミン(Q)、アスパラギン(N)、フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W)、メチオニン(M)、システイン(C)、ヒスチジン(H)、およびプロリン(P)のいずれかと置換することを含む。いくつかの実施形態において、非保存的アミノ酸置換が、フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、およびトリプトファン(W)のいずれかを、グリシン(G)、アラニン(A)、イソロイシン(I)、バリン(V)、ロイシン(L)、セリン(S)、トレオニン(T)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、グルタミン(Q)、アスパラギン(N)、リシン(K)、アルギニン(R)、メチオニン(M)、システイン(C)、ヒスチジン(H)、およびプロリン(P)のいずれかと置換することを含む。いくつかの実施形態において、非保存的アミノ酸置換が、メチオニン(M)およびシステイン(C)のいずれかを、グリシン(G)、アラニン(A)、イソロイシン(I)、バリン(V)、ロイシン(L)、セリン(S)、トレオニン(T)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、グルタミン(Q)、アスパラギン(N)、リシン(K)、アルギニン(R)、フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W)、ヒスチジン(H)、およびプロリン(P)のいずれかと置換することを含む。いくつかの実施形態において、非保存的アミノ酸置換が、ヒスチジン(H)を、グリシン(G)、アラニン(A)、イソロイシン(I)、バリン(V)、ロイシン(L)、セリン(S)、トレオニン(T)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、グルタミン(Q)、アスパラギン(N)、リシン(K)、アルギニン(R)、フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W)、メチオニン(M)、システイン(C)、およびプロリン(P)のいずれかと置換することを含む。いくつかの実施形態において、非保存的アミノ酸置換が、プロリン(P)を、グリシン(G)、アラニン(A)、イソロイシン(I)、バリン(V)、ロイシン(L)、セリン(S)、トレオニン(T)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、グルタミン(Q)、アスパラギン(N)、リシン(K)、アルギニン(R)、フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W)、メチオニン(M)、システイン(C)、およびヒスチジン(H)のいずれかと置換することを含む。
「ポリペプチド」、「ペプチド」、および「タンパク質」は、本明細書において区別なく使用され、長さまたは翻訳後修飾に関係なく、アミノ酸の任意のペプチド連結鎖を意味する。下記に示されるように、本明細書において記載されるポリペプチドは、例えば野生型タンパク質、野生型タンパク質の生物学的に活性な断片、または野生型タンパク質もしくは断片の変異体とすることができる。本開示に従う変異体は、アミノ酸置換、欠失、または挿入を含有することができる。置換は、保存的または非保存的であってもよい。いくつかの実施形態において、保存的置換が、典型的に、以下のグループ内の置換を含む:グリシンおよびアラニン;バリン、イソロイシン、およびロイシン;アスパラギン酸およびグルタミン酸;アスパラギン、グルタミン、セリン、およびトレオニン;リシン、ヒスチジン、およびアルギニン;ならびにフェニルアラニンおよびチロシン。
発現の後に、タンパク質(例えば抗体、その抗原結合性断片、複合体、抗体複合体)を単離することができる。本明細書において記載されるタンパク質(本明細書において記載される複合体、本明細書において記載される抗体またはその抗原結合性断片)のいずれにも適用される用語「精製された」または「単離された」は、それに天然に付随する構成成分(例えばタンパク質または他の天然に存在する生物学的分子もしくは有機分子)、例えばタンパク質を発現する原核生物における他のタンパク質、脂質、および核酸から分離されたまたは精製されたポリペプチドを指す。典型的に、ポリペプチドは、試料中の総タンパク質量の少なくとも60(例えば少なくとも65、70、75、80、85、90、92、95、97、または99)重量%を構成する場合、精製される。
「標識」または「検出可能な成分」は、分光学的、光化学的、生化的、免疫化学的、化学的、磁気共鳴画像法による、または他の物理的手段によって検出可能な組成物である。例えば、有用な検出可能な成分は、32P、蛍光色素、高電子密度の試薬、酵素(例えばELISAにおいて一般に使用される)、ビオチン、ジゴキシゲニン、常磁性分子、常磁性ナノ粒子、超小型超常磁性酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子、USPIOナノ粒子凝集物、超常磁性酸化鉄(「SPIO」)ナノ粒子、SPIOナノ粒子凝集物、標準的超常磁性酸化鉄(「SSPIO」)、SSPIOナノ粒子凝集物、多分散系超常磁性酸化鉄(「PSPIO」)、PSPIOナノ粒子凝集物、単結晶SPIO、単結晶SPIO凝集物、単結晶酸化鉄ナノ粒子、単結晶酸化鉄、他のナノ粒子造影剤、ガドリニウムキレート(「Gd−キレート」)分子、ガドリニウム、放射性同位体、放射性核種(例えば炭素11、窒素13、酸素15、フッ素18、ルビジウム82)、フルオロデオキシグルコース(例えばフッ素18標識)、任意のガンマ線放出放射性核種、陽電子放出放射性核種、放射標識グルコース、放射標識された水、放射標識されたアンモニア、生体コロイド、マイクロバブル(例えば、アルブミン、ガラクトース、脂質、および/もしくはポリマーを含むマイクロバブルシェル;空気、重いガス(複数可)、ペルフルオロカーボン、窒素、オクタフルオロプロパン、ペルフレキサン脂質マイクロスフェア、ペルフルトレンなどを含むマイクロバブルガスコアを含む)、ヨウ化造影剤(例えばイオヘキソール、イオジキサノール、イオベルソール、イオパミドール、イオキシラン、イオプロミド、ジアトリゾ酸、メトリゾ酸、イオキサグル酸)、硫酸バリウム、二酸化トリウム、金、金ナノ粒子、金ナノ粒子凝集物、フルオロフォア、二光子フルオロフォア、またはハプテンおよびタンパク質を含有するリポソームまたは他の送達ビヒクル、または例えば、標的ペプチドと特異的に反応性のペプチドもしくは抗体の中に放射能標識を組み込むことによって検出可能にすることができる他の実体を含む。検出可能な成分はまた、ナノ粒子、粒子、凝集物中にカプセル化され、さらなる組成物によりコーティングされ、標的作用物質(例えば抗体または抗原結合断片)への結合のために誘導体化された上記の組成物のいずれかを含む。標識に抗体を複合体化するための当技術分野において知られている任意の方法は、例えばHermanson, Bioconjugate Techniques 1996, Academic Press, Inc., San Diegoにおいて記載される方法を使用して用いられてもよい。
「抗C3d抗体」は、ヒトC3dに結合する抗体またはその抗原結合断片である。抗C3d抗体の抗原結合断片は、ヒトC3dに結合することができる抗C3d抗体の任意の断片(例えば本明細書において記載される)である。いくつかの実施形態において、抗C3d抗体またはその抗原結合断片がまた、ヒトC3dgおよび/またはヒトiC3bにも結合する。いくつかの実施形態において、抗C3d抗体またはその抗原結合断片が、ヒトC3dに特異的に結合する。いくつかの実施形態において、抗C3d抗体またはその抗原結合断片が、ヒトC3dに優先的に結合する。いくつかの実施形態において、抗C3d抗体またはその抗原結合断片が、それがヒトC3に結合するよりも高度な親和性でC3dに結合する。
「抗C3dg抗体」は、ヒトC3dgに結合する抗体またはその抗原結合断片である。抗C3dg抗体の抗原結合断片は、ヒトC3dgに結合することができる抗C3dg抗体の任意の断片(例えば本明細書において記載される)である。いくつかの実施形態において、抗C3dg抗体またはその抗原結合断片がまた、ヒトC3dおよび/またはヒトiC3bにも結合する。いくつかの実施形態において、抗C3dg抗体またはその抗原結合断片が、ヒトC3dgに特異的に結合する。いくつかの実施形態において、抗C3d抗体またはその抗原結合断片が、ヒトC3dgに優先的に結合する。いくつかの実施形態において、抗C3dg抗体またはその抗原結合断片が、それがヒトC3に結合するよりも高度な親和性でC3dgに結合する。
「抗iC3b抗体」は、ヒトiC3bに結合する抗体またはその抗原結合断片である。抗iC3b抗体の抗原結合断片は、ヒトiC3bに結合することができる抗iC3b抗体の任意の断片(例えば本明細書において記載される)である。いくつかの実施形態において、抗iC3b抗体またはその抗原結合断片がまた、ヒトC3dgおよび/またはヒトC3dにも結合する。いくつかの実施形態において、抗iC3b抗体またはその抗原結合断片が、ヒトiC3bに特異的に結合する。いくつかの実施形態において、抗iC3b抗体またはその抗原結合断片が、ヒトiC3bに優先的に結合する。いくつかの実施形態において、抗iC3b抗体またはその抗原結合断片が、それがヒトC3に結合するよりも高度な親和性でiC3bに結合する。
本明細書において使用されるように、用語「薬学的に許容できる」は、「生理学的に許容できる」および「薬理学的に許容できる」と同義的に使用される。医薬組成物は、一般に、保存中の緩衝作用および維持のための薬剤を含むであろう、また、投与のルートに依存して、適切な送達のためのバッファーおよびキャリヤを含むことができる。用語「診断的に許容できる」は、「生理学的に許容できる」および「薬理学的に許容できる」と同義的に使用され、診断組成物に関係する。
「薬学的に許容できる賦形剤」および「薬学的に許容できるキャリヤ」は、活性作用物質の対象への投与および対象による吸収を助ける物質に関係し、患者に対して深刻で不利な毒性の影響を引き起こすことなく、本発明の組成物中に含むことができる。薬学的に許容できる賦形剤の非限定的な例は、水、NaCl、生理食塩水、乳酸リンガー、通常のスクロース、通常のグルコース、バインダー、充填剤、崩壊剤、潤滑剤、コーティング、甘味料、香料、食塩水(リンガー溶液など)、アルコール、油、ゼラチン、ラクトース、アミロース、またはデンプンなどのような炭水化物、脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリジン、および着色料ならびにその他同種のものを含む。そのような調製物は、滅菌し、所望の場合、本発明の化合物と有害に反応しない、潤滑剤、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を及ぼす塩、バッファー、着色剤、および/または芳香剤、ならびにその他同種のものなどのような助剤と混合することができる。当業者は、他の医薬賦形剤が本発明において有用であることを認識するであろう。
その他に示されない限り、数値との関連における用語「約」は、公称値±公称値の10%を示した。
抗体組成物および使用
本明細書において使用されるように、用語「抗体」または「免疫グロブリン」は、タンパク質の免疫グロブリン(Ig)スーパーファミリーのタンパク質(糖タンパク質を含む)を指す。抗体または免疫グロブリン(Ig)分子は、四量体で、2つの同一の軽鎖ポリペプチドおよび2つの同一の重鎖ポリペプチドを含んでいてもよい。2つの重鎖は、ジスルフィド結合によって互いに連結され、それぞれの重鎖は、ジスルフィド結合によって軽鎖に連結される。それぞれの完全長Ig分子は、特異的な標的または抗原に対して少なくとも2つの結合部位を含有する。
免疫系は、IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMを含むいくつかの異なるクラスのIg分子(アイソタイプ)を産生し、それぞれ、存在する特定のクラスの重鎖ポリペプチド:IgA中に見つけられるアルファ(α)、IgD中に見つけられるデルタ(δ)、IgE中に見つけられるイプシロン(ε)、IgG中に見つけられるガンマ(γ)、およびIgM中に見つけられるミュー(μ)によって区別される。IgGにおいて見つけられる少なくとも5つの異なるγ重鎖ポリペプチド(アイソタイプ)がある。対照的に、カッパ(κ)およびラムダ(λ)鎖と呼ばれる2つの軽鎖ポリペプチドアイソタイプのみがある。抗体アイソタイプの特有な特質は、重鎖の定常ドメインの配列によって定められる。
IgG分子は、ジスルフィド結合によって互いに結合した2つの軽鎖(κまたはλ形態のいずれか)および2つの重鎖(γ形態)を含む。IgG軽鎖のκおよびλ形態は、それぞれ、可変領域と呼ばれる比較的可変性のアミノ酸配列のドメイン(「VL」、「Vκ」、または「Vλ領域」と様々に呼ばれる)および定常領域(CL−領域)と呼ばれる比較的保存されたアミノ酸配列のドメインを含有する。同様に、それぞれのIgG重鎖は、可変領域(VH領域)および1つ以上の保存領域を含有し、完全なIgG重鎖は、3つの定常ドメイン(「CH1」、「CH2」、および「CH3領域」)ならびにヒンジ領域を含有する。それぞれのVL領域またはVH領域内で、相補性決定領域(「CDR」)としても知られている超可変領域は、比較的保存されたフレームワーク領域(「FR」)の間に散在する。一般に、軽鎖または重鎖ポリペプチドの可変領域は、ポリペプチドに沿って以下の順で並んだ4つのFRおよび3つのCDRを含有する:NH2−FR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4−COOH。互いに、CDRおよびFRは、IgG結合部位、従って、そのIgG分子が結合する特異的な標的タンパク質または抗原の三次元構造を決定する。それぞれのIgG分子は、二量体であり、2つの抗原分子に結合することができる。プロテアーゼパパインによる二量体IgGの切断は、2つの同一の抗原結合性断片(「Fab’」)および容易に結晶化するのでこのように命名される「Fc」断片またはFcドメインを産生する。
本開示の全体にわたって使用されるように、用語「抗体」は、当技術分野において知られており、本明細書において記載される様々な方法のいずれか1つによって生成される抗体全体またはインタクトな抗体(例えばIgM、IgG、IgA、IgD、またはIgE)分子をさらに指す。用語「抗体」は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ化抗体またはキメラ抗体、ヒト化抗体、脱免疫化ヒト抗体、および完全ヒト抗体を含む。抗体は、様々な種、例えば、ヒト、非ヒト霊長動物(例えばサル、ヒヒ、またはチンパンジー)、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、ウサギ、モルモット、アレチネズミ、ハムスター、ラット、およびマウスなどのような哺乳動物のいずれかにおいて作製するまたはそれに由来することができる。抗体は、精製または組換え抗体とすることができる。
本明細書において使用されるように、用語「エピトープ」は、抗体が結合するタンパク質(例えばヒト補体構成成分C3dまたはC3dgまたはiC3bタンパク質)上の部位を指す。「重複するエピトープ」は、少なくとも1つの(例えば2、3、4、5、または6つの)共通のアミノ酸残基を含む。
本明細書において使用されるように、用語「特異的な結合」または「特異的に結合する」は、生理学的条件下で比較的安定している複合体(例えば、抗体および補体構成成分C3dまたはC3dgまたはiC3bタンパク質の間の複合体)を形成する2つの分子を指す。典型的に、結合定数(Ka)が106M−1以上である場合、結合は、特異的であると考えられる。従って、抗体は、少なくとも106(またはそれ以上)(例えば少なくとも107、108、109、1010、1011、1012、1013、1014、もしくは1015またはそれ以上)M−1のKaでC3dまたはiC3bまたはC3dgタンパク質に特異的に結合することができる。
抗体がタンパク質抗原に結合するかどうかおよび/またはタンパク質抗原への抗体の親和性を決定するための方法は、当技術分野において知られている。例えば、タンパク質抗原への抗体の結合は、これらに限定されないが、ウエスタンブロット、ドットブロット、表面プラズモン共鳴法方法(例えばBIAcore system;Pharmacia Biosensor AB、Uppsala、SwedenおよびPiscataway、N.J.)、または酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)などのような様々な技術を使用して検出するおよび/または定量化することができる。例えばHarlow and Lane (1988) ”Antibodies: A Laboratory Manual” Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.;Benny K. C. Lo (2004) ”Antibody Engineering: Methods and Protocols,” Humana Press (ISBN: 1588290921);Borrebaek (1992) ”Antibody Engineering, A Practical Guide,” W.H. Freeman and Co., NY;Borrebaek (1995) ”Antibody Engineering,” 2nd Edition, Oxford University Press, NY, Oxford;Johne et al. (1993) J. Immunol. Meth. 160:191−198;Jonsson et al. (1993) Ann. Biol. Clin. 51:19−26;およびJonsson et al. (1991) Biotechniques 11:620−627を参照されたい。米国特許第6,355,245号明細書もまた、参照されたい。
抗体の免疫特異的結合性および交差反応性を分析するために使用することができるイムノアッセイは、ウエスタンブロット、RIA、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、「サンドイッチ」イムノアッセイ、免疫沈殿アッセイ、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、補体結合アッセイ、免疫放射線測定法、蛍光イムノアッセイ、およびプロテインAイムノアッセイなどのような技術を使用する競合および非競合アッセイ系を含むが、これらに限定されない。そのようなアッセイはルーチン的であり、当技術分野においてよく知られている。
抗体はまた、C3dまたはC3dgまたはC3タンパク質断片との抗体の相互作用の動態学的パラメーターを特徴付けるための、当技術分野において知られている任意の表面プラズモン共鳴法(SPR)に基づくアッセイを使用してアッセイすることもできる。BIAcore機器(Biacore AB;Uppsala、Sweden);IAsys機器(Affinity Sensors;Franklin、Massachusetts);IBISシステム(Windsor Scientific Limited;Berks、UK)、SPR−CELLIAシステム(Nippon Laser and Electronics Lab;Hokkaido、Japan)、およびSPR Detector Spreeta(Texas Instruments;Dallas、Texas)を含むが、これらに限定されない市販で入手可能な任意のSPR機器は、本明細書において記載される方法において使用することができる。例えばMullett et al. (2000) Methods 22: 77−91;Dong et al. (2002) Reviews in Mol Biotech 82: 303−323;Fivash et al. (1998) Curr Opin Biotechnol 9: 97−101;およびRich et al. (2000) Curr Opin Biotechnol 11: 54−61を参照されたい。
いくつかの実施形態において、本開示は、1.1×10−9Mまたはそれ以上のKD値でヒトC3dに特異的に結合する抗C3d抗体または抗C3dg抗体または抗iC3b抗体またはその抗原結合性断片を提供する。いくつかの実施形態において、そのようなKD値が、1.1×10−9M〜3.6×10−10Mの範囲にある。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗原結合性断片が、約KD=1.06×10−9Mの親和性でヒトC3dに結合する。いくつかの実施形態において、抗体が、mAb 3d29である。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗原結合性断片が、約KD=4.65×10−10Mの親和性でヒトC3dに結合する。いくつかの実施形態において、抗体が、mAb 3d8bである。いくつかの実施形態において、抗体またはその抗原結合性断片が、約KD=3.67×10−10Mの親和性でヒトC3dに結合する。いくつかの実施形態において、抗体が、mAb 3d9aである。実施形態において、抗体が、mAb 3d29の誘導体(例えばそのヒト化、キメラ化、抗原結合性断片)である。実施形態において、抗体が、mAb 3d8bの誘導体(例えばそのヒト化、キメラ化、抗原結合性断片)である。実施形態において、抗体が、mAb 3d9aの誘導体(例えばそのヒト化、キメラ化、抗原結合性断片)である。
抗体親和性を決定するための測定法は、標準的であり、よく知られている技術である。親和性を測定するための例示的な方法として、BIAcore分析は、ヒトC5aに対するヒト化抗体のそれぞれの親和性を定量化するために使用された。例えばKarlsson and Larsson (2004) Methods Mol Biol 248:389−415を参照されたい。簡潔に言えば、それぞれのヒト化抗体は、捕捉技術を使用して、3〜4つの濃度のヒトC5a(抗原)によりスクリーニングされた。抗体は、0.6nM〜5.9nMのヒトC5aの範囲の様々な濃度を有するCM5センサーチップ上に直接固定された抗Fc(ヒト)によって捕捉され、センサーチップ表面上を通過した。表面は、結合した抗体および抗原を除去するためのそれぞれのサイクルの後に、20mM HCl、0.02% P20により再生した。データは、1:1 Langmuir Model Fit(Rmax:Global Fit;RI:Local Fit)を使用して、Biacore BIA評価ソフトウェアを使用して評価した。(ka:結合速度定数)、(kd:解離速度定数)、およびKD(平衡解離定数)などのような反応速度情報は、そのフィットから得た。これらのおよび同様の技術は、C3dまたはC3dgまたはiC3bに結合する抗体などのような他の抗体に適用可能である。
いくつかの実施形態において、本開示は、補体構成成分タンパク質C3、C3a、C3b、C3c、またはC3fへの結合と比較して、C3dまたはC3dgまたはiC3bに好ましくは結合する抗体またはその抗原結合断片を提供する。いくつかの実施形態において、抗体が、3d8b、3d9a、または3d29である。いくつかの実施形態において、本明細書において記載される抗C3d抗体または抗C3dg抗体または抗iC3b抗体が、補体構成成分タンパク質C3、C3a、C3b、C3c、またはC3fのいずれか1つではなく、C3dまたはC3dgまたはiC3bに結合する。補体C3タンパク質およびタンパク質をコードする核酸は、免疫学および生物学の分野内でよく知られており、本明細書において記載されるC3およびC3断片のアミノ酸および核酸配列は、よく知られているまたは当業者によって容易に得られる。例えば、ヒトC3アミノ酸および核酸配列は、受入番号P01024の下でUniProtKB/Swiss−Protおよび受入番号NM_000064.2の下でGenBankデータベースにおいて見つけられてもよい。受入番号P01024およびNM_000064.2はまた、C3断片(例えば、C3bの切断によって形成されるC3dg、C3d、iC3b)についての配列情報ならびにタンパク質および核酸と関係するさらなる参考文献をも提供する。C3断片の特徴および配列はまた、De Bruijn, M.H.L. and Fey G.H., Proc Natl Acad Sci USA (1985) Feb;82(3):708−12においても議論される。いくつかの実施形態において、本開示は、補体構成成分タンパク質C3、C3a、C3b、C3c、またはC3fへのその結合と同等の親和性で、C3dまたはC3dgまたはiC3bに結合する抗体またはその抗原結合性断片を提供する。いくつかの実施形態において、抗体が、3d11または3d31である。いくつかの実施形態において、本開示は、補体構成成分タンパク質C3、C3a、C3b、C3c、またはC3fのいずれか1つではなく、C3dまたはC3dgまたはiC3bに弱く結合する抗体またはその抗原結合性断片を提供する。いくつかの実施形態において、抗体が、3d3または3d15である。
従って、いくつかの実施形態において、抗体またはその抗原結合性断片が、遊離C3dまたはC3dgまたはiC3b(例えば、hC3dまたはhC3dgまたはhiC3bなどのようなヒトタンパク質)に、切断されていない未変性C3タンパク質に対するその対応する親和性よりも少なくとも2(例えば少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、225、250、275、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、または10000)倍大きな親和性で、結合する。いくつかの実施形態において、優先的な結合が、切断されていない未変性C3タンパク質に対してよりも、遊離C3dまたはC3dgまたはiC3bに対して1.1倍、1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.7倍、1.8倍、1.9倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍、200倍、300倍、400倍、500倍、600倍、700倍、800倍、900倍、1000倍、2000倍、3000倍、4000倍、5000倍、6000倍、7000倍、8000倍、9000倍、10000倍、100,000倍、または1,000,000倍大きい。
いくつかの実施形態において、本開示は、遊離または循環または非沈着C3断片への結合と比較して、沈着したまたはオプソニン化されたC3断片、例えばC3d、C3dg、iC3bに好ましくは結合する抗体またはその抗原結合性断片を提供する。いくつかの実施形態において、そのような抗体またはその抗原結合性断片が、遊離したC3またはC3断片ではなく、沈着したC3断片のみに結合する。他の実施形態において、本開示は、補体断片C3dまたはC3dgまたはiC3bに結合し、循環C3(例えばC3、C3b、または(C3H2O))から組織結合C3断片を識別することができる抗体を含む。いくつかの実施形態において、そのような抗体が、mAb 3d9a、3d29、および3d8bを含む。いくつかの実施形態において、そのような抗体が、本明細書において記載される抗体から選択される抗体を含む。いくつかの実施形態において、そのような抗原結合性断片が、本明細書において記載される抗原結合性断片を含む。いくつかの実施形態において、本発明の抗体が、市販で入手可能な抗C3d抗体よりも大きな特異性でC3dまたはC3dgまたはiC3bに結合する。いくつかの実施形態において、市販で入手可能な抗C3d抗体が、Quidelカタログ番号A207およびA250によって指定され、Quidel Corporation(Quidel Corp.、San DiegoおよびSanta Clara、CA)から市販で入手可能である。
いくつかの実施形態において、本開示はまた、マウスモノクローナル抗体3d8b、3d9a、3d29、3d11、3d31、3d3、3d15、3d10、および3d16の変異体であり、これらのマウス抗体のC3dまたはC3dgまたはiC3b結合能力を維持する抗体またはその抗原結合性断片をも提供する。例えば、本開示は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、もしくはその抗原結合性断片、キメラ化抗体もしくはキメラ抗体もしくはその抗原結合性断片、ヒト化抗体もしくはその抗原結合性断片、脱免疫化ヒト抗体もしくはその抗原結合性断片、完全ヒト抗体もしくはその抗原結合性断片、単鎖抗体、単鎖Fv断片(scFv)、Fv、Fd断片、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2断片、二特異性抗体もしくはその抗原結合性断片、ミニボディもしくはその抗原結合性断片、トリアボディもしくはその抗原結合性断片、ドメイン抗体もしくはその抗原結性合断片、ラクダ科の動物の抗体もしくはその抗原結合性断片、ヒトコブラクダ抗体もしくはその抗原結合性断片、ファージディスプレイ抗体もしくはその抗原結合性断片、または反復骨格アレイ(例えば反復抗原ディスプレイ)により同定された抗体もしくはその抗原結合性断片である抗C3d抗体または抗C3dg抗体または抗iC3b抗体またはその抗原結合性断片を提供する。例えば、本開示は、3d8b、3d9a、3d29などのキメラ化バージョン、ヒト化バージョン、または単鎖バージョンを提供する。
ハイブリドーマ細胞株を調製するための方法は、数か月、例えば2〜4か月にわたって数回、例えば4〜6回、ヒトC3dまたはC3dgまたはiC3bタンパク質(またはその免疫原性断片)を含有する免疫原性組成物を皮下におよび/または腹腔内に注射することによって、C57Bl/6マウスを免疫化するステップを含む。免疫化マウス由来の脾臓細胞は、最後の注射の2〜4日後に採取され、融合プロモーター、好ましくはポリエチレングリコールの存在下において骨髄腫細胞株Sp2/0の細胞と融合される。好ましくは、骨髄腫細胞は、分子量およそ4000の約30%〜約50%ポリエチレングリコールを含有する溶液中で免疫化マウス由来の3〜20倍過剰な脾臓細胞と融合される。融合の後に、細胞は、通常の骨髄腫細胞が所望のハイブリドーマ細胞を押しのけるのを妨げるために、一定の間隔で、選択培地、例えばHAT培地を補足した、上に記載される、適した培養培地において増やされる。
抗体およびその断片は、いくつかの実施形態において、「キメラ」とすることができる。キメラ抗体およびその抗原結合性断片は、2つ以上の異なる種(例えばマウスおよびヒト)由来の部分を含む。キメラ抗体は、ヒト定常ドメイン遺伝子セグメント上にスプライスされた所望の特異性のマウス可変領域により産生することができる(例えば米国特許第4,816,567号明細書を参照されたい)。このように、非ヒト抗体は、それらをヒトの臨床上の適用にとってより適したものにするために修飾することができる(例えば、ヒト対象における補体関連性の障害を処置するまたは妨げるための方法)。
本開示のモノクローナル抗体は、非ヒト(例えばマウス)抗体の「ヒト化」形態を含む。ヒト化またはCDR移植mAbは、それらがマウス抗体ほど急速に血液循環から取り除かれず、不利な免疫反応を典型的に引き起こさないので、ヒトのための治療剤として特に有用である。ヒト化抗体を調製するための方法は、当技術分野において一般によく知られている。例えば、ヒト化は、げっ歯動物CDRまたはCDR配列をヒト抗体の対応する配列と置換することによって、Winterおよび共同研究者の方法に従って本質的に実行することができる(例えばJones et al. (1986) Nature 321:522−525;Riechmann et al. (1988) Nature 332:323−327;およびVerhoeyen et al. (1988) Science 239:1534−1536を参照されたい)。例えばStaelens et al. (2006) Mol Immunol 43:1243−1257もまた参照されたい。いくつかの実施形態において、非ヒト(例えばマウス)抗体のヒト化形態が、レシピエント抗体の超可変(CDR)領域残基が、所望の特異性、親和性、および結合能力を有する、マウス、ラット、ウサギ、または非ヒト霊長動物などのような非ヒト種由来の超可変領域残基(ドナー抗体)と交換されるヒト抗体(レシピエント抗体)である、ヒト抗体(レシピエント抗体)である。いくつかの事例において、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域残基もまた、対応する非ヒト残基と交換される(従って、「復帰突然変異」と呼ばれる)。そのうえ、ファージディスプレイライブラリーは、抗体配列内の選ばれる位置のアミノ酸を変更するために使用することができる。ヒト化抗体の特性はまた、ヒトフレームワークの選択によっても影響を与えられる。さらに、ヒト化およびキメラ化抗体は、例えば親和性またはエフェクター機能などのような抗体特性をさらに改善するために、レシピエント抗体にもドナー抗体にも見つけられない残基を含むように修飾することができる。
完全ヒト抗体もまた、本開示において提供される。用語「ヒト抗体」は、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列に由来する可変領域および定常領域(存在する場合)を有する抗体を含む。ヒト抗体は、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列によってコードされないアミノ酸残基(例えばインビトロにおけるランダムもしくは部位特異的突然変異またはインビボにおける体細胞変異によって導入された突然変異)を含むことができる。しかしながら、用語「ヒト抗体」は、マウスなどのような他の哺乳動物種の生殖細胞系に由来するCDR配列が、ヒトフレームワーク配列上に移植された抗体(すなわちヒト化抗体)を含まない。完全ヒト抗体またはヒト抗体は、ヒト抗体遺伝子を持つ(可変(V)、多様(D)、ジョイント(J)、および定常(C)エクソンを持つ)トランスジェニックマウスまたはヒト細胞に由来してもよい。例えば、内因性の免疫グロブリン産生の非存在下においてヒト抗体の完全なレパートリーを、免疫化と同時に産生することができるトランスジェニック動物(例えばマウス)を産生することが現在可能である(例えばJakobovits et al. (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:2551;Jakobovits et al. (1993) Nature 362:255−258;Bruggemann et al. ( 1993) Year in Immunol. 7:33;およびDuchosal et al. (1992) Nature 355:258.を参照されたい)。トランスジェニックマウス株は、再構成されていないヒト免疫グロブリン遺伝子由来の遺伝子配列を含有するように遺伝子操作することができる。ヒト配列は、ヒト抗体の重鎖および軽鎖の両方をコードしてもよく、マウスにおいて正確に機能し、再構成を受けて、ヒトに類似する広い抗体レパートリーをもたらすと思われる。トランスジェニックマウスは、特異的な抗体およびそれらのコードRNAの多様なアレイを作るために、標的タンパク質(例えば補体構成成分C3dもしくはC3dgもしくはiC3bタンパク質、その断片、またはC3dもしくはC3dgもしくはiC3bタンパク質を発現する細胞)により免疫化することができる。次いで、そのような抗体の抗体鎖構成成分をコードする核酸は、動物からディスプレイベクターの中にクローニングされてもよい。典型的に、重鎖配列および軽鎖配列をコードする核酸の個別の集団は、クローニングされ、次いで、個別の集団は、ベクターの中への挿入に際して再結合され、ベクターの任意の所定のコピーは、ランダムな組み合わせの重鎖および軽鎖を受ける。ベクターは、抗体鎖をアセンブルし、ベクターを含有しているディスプレイパッケージの外側表面上にディスプレイすることができるように、抗体鎖を発現するように設計される。例えば、抗体鎖は、ファージの外側表面由来のファージコートタンパク質との融合タンパク質として発現することができる。その後、ディスプレイパッケージは、標的に結合する抗体のディスプレイについてスクリーニングすることができる。
従って、いくつかの実施形態において、本開示は、例えば、本明細書において記載されるマウスモノクローナル抗体の1つ以上の相補性決定領域(CDR)を含むヒト化抗体、脱免疫化抗体、または霊長動物化抗体を提供し、これらは、マウスモノクローナル抗体対応物がその抗原(例えばC3dまたはC3dgまたはiC3b)に結合する能力(例えば少なくとも50、60、70、80、90、もしくは100%またはさらに100%超)を保持する。例えば、本開示は、マウスモノクローナル抗体3d8b、3d9a、3d29、3d11、3d31、3d3、3d15、3d10、または3d16のいずれか1つの6つのCDR(例えば重鎖CDR1、重鎖CDR2、重鎖CDR3、軽鎖CDR1、軽鎖CDR2、および軽鎖CDR3)のセットならびにヒトフレームワーク領域(ヒト定常領域またはFc領域を有するまたは有さない)を含むヒト化抗体を特色とする。
CDRおよびフレームワーク領域の厳密な境界は、異なる方法に従って異なって定められ、抗体遺伝子操作の当業者によく知られている。いくつかの実施形態において、軽鎖または重鎖可変ドメイン内のCDRまたはフレームワーク領域の位置が、Kabat et al. [(1991) ”Sequences of Proteins of Immunological Interest.” NIH Publication No. 91−3242, U.S. Department of Health and Human Services, Bethesda, MD]によって定められるものとすることができる。そのような場合、CDRは、「Kabat CDR」(例えば「Kabat LCDR2」または「Kabat HCDR1」)と呼ぶことができ、フレームワーク領域は、「Kabatフレームワーク領域」(例えば「Kabat LFR1」または「Kabat HFR3」)と呼ぶことができる。いくつかの実施形態において、軽鎖または重鎖可変領域のCDRまたはフレームワーク領域の位置が、Chothia et al. (1989) Nature 342:877−883によって定められるものとすることができる。従って、これらの領域は、「Chothia CDR」(例えば「Chothia LCDR2」または「Chothia HCDR3」)または「Chothiaフレームワーク領域」(例えば「Chothia LFR1」または「Chothia LFR3」)とそれぞれ呼ぶことができる。いくつかの実施形態において、軽鎖および重鎖可変領域のCDRまたはフレームワーク領域の位置が、Kabat−Chothiaの組み合わせの定義によって定められるものとすることができる。そのような実施形態において、これらの領域が、「組み合わせのKabat−Chothia CDR」または「組み合わせのKabat−Chothiaフレームワーク領域」とそれぞれ呼ぶことができる。Thomas et al.[(1996) Mol Immunol 33(17/18):1389−1401]は、KabatおよびChothiaの定義に従うCDRおよびフレームワーク領域境界の同定を例証する。
いくつかの実施形態において、軽鎖または重鎖可変ドメインを有するCDRおよび/またはフレームワーク領域の位置が、Honnegger and Pluckthun [(2001) J Mol Biol 309: 657−670]によって定められるものとすることができる。
そのうえ、ヒト抗体は、ファージディスプレイライブラリーから誘導することができる(Hoogenboom et al. (1991) J. Mol. Biol. 227:381;Marks et al. (1991) J. Mol. Biol., 222:581−597;およびVaughan et al. (1996) Nature Biotech 14:309 (1996))。合成ヒト抗体V領域のランダム化された組み合わせを使用する合成ファージライブラリーを作ることができる。抗原上での選択によって、V領域が性質上、非常にヒトに似ている完全ヒト抗体を作製することができる。例えば、これらのそれぞれの内容が、それらの全体が参照によって本明細書において組み込まれる米国特許第6,794,132号明細書、米国特許第6,680,209号明細書、米国特許第4,634,666号明細書、およびOstberg et al. (1983), Hybridoma 2:361−367を参照されたい。
ヒト抗体の生成については、これらの開示が、それらの全体が参照によってこれによって組み込まれるMendez et al. (1998) Nature Genetics 15:146−156およびGreen and Jakobovits (1998) J. Exp. Med. 188:483−495もまた参照されたい。ヒト抗体は、米国特許第5,939,598号明細書;米国特許第6,673,986号明細書;米国特許第6,114,598号明細書;米国特許第6,075,181号明細書;米国特許第6,162,963号明細書;米国特許第6,150,584号明細書;米国特許第6,713,610号明細書;および米国特許第6,657,103号明細書ならびに米国特許出願公開第2003−0229905 A1号明細書、米国特許出願公開第2004−0010810 A1号明細書、米国特許出願公開第2004−0093622 A1号明細書、米国特許出願公開第2006−0040363 A1号明細書、米国特許出願公開第2005−0054055 A1号明細書、米国特許出願公開第2005−0076395 A1号明細書、および米国特許出願公開第2005−0287630 A1号明細書においてさらに議論され、正確に概説される。国際公開第94/02602号パンフレット、国際公開第96/34096号パンフレット、および国際公開第98/24893号パンフレットならびに欧州特許第0 463 151 B1号明細書もまた参照されたい。上記に引用される特許、出願、および参考文献のそれぞれの開示は、それらの全体が参照によってこれによって組み込まれる。
代替のアプローチにおいて、GenPharm International, Inc.を含む他のものは、「ミニローカス」アプローチを利用した。ミニローカスアプローチにおいて、外因性のIg遺伝子座を、Ig遺伝子座由来の小片(個々の遺伝子)の包含を通して模倣する。従って1つ以上のVH遺伝子、1つ以上のDH遺伝子、1つ以上のJH遺伝子、ミュー定常領域、および第2の定常領域(好ましくはガンマ定常領域)は、動物への挿入のための構築物に形成される。このアプローチは、例えば、これらの開示が参照によってこれによって組み込まれる米国特許第5,545,807号明細書;米国特許第5,545,806号明細書;米国特許第5,625,825号明細書;米国特許第5,625,126号明細書;米国特許第5,633,425号明細書;米国特許第5,661,016号明細書;米国特許第5,770,429号明細書;米国特許第5,789,650号明細書;および米国特許第5,814,318号明細書;米国特許第5,591,669号明細書;米国特許第5,612,205号明細書;米国特許第5,721,367号明細書;米国特許第5,789,215号明細書;米国特許第5,643,763号明細書;米国特許第5,569,825号明細書;米国特許第5,877,397号明細書;米国特許第6,300,129号明細書;米国特許第5,874,299号明細書;米国特許第6,255,458号明細書;および米国特許第7,041,871号明細書において記載される。これらのそれぞれの開示がそれらの全体が参照によってこれによって組み込まれる欧州特許第0 546 073 B1号明細書、国際公開第92/03918号パンフレット、国際公開第92/22645号パンフレット、国際公開第92/22647号パンフレット、国際公開第92/22670号パンフレット、国際公開第93/12227号パンフレット、国際公開第94/00569号パンフレット、国際公開第94/25585号パンフレット、国際公開第96/14436号パンフレット、国際公開第97/13852号パンフレット、および国際公開第98/24884号パンフレットもまた、参照されたい。さらにこれらのそれぞれの開示がそれらの全体が参照によってこれによって組み込まれるTaylor et al. (1992) Nucleic Acids Res. 20: 6287;Chen et al. (1993) Int. Immunol. 5: 647;Tuaillon et al. (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 3720−4;Choi et al. (1993) Nature Genetics 4: 117;Lonberg et al. (1994) Nature 368: 856−859;Taylor et al. (1994) International Immunology 6: 579−591;Tuaillon et al. (1995) J. Immunol. 154: 6453−65;Fishwild et al. (1996) Nature Biotechnology 14: 845;およびTuaillon et al. (2000) Eur. J. Immunol. 10: 2998−3005を参照されたい。
いくつかの実施形態において、脱免疫化抗体またはその抗原結合性断片が、提供される。脱免疫化抗体またはその抗原結合性断片は、抗体またはその抗原結合性断片を、所定の種に対して(例えばヒトに対して)非免疫原性にまたはそれほど免疫原性でないようにするように修飾した抗体である。脱免疫化は、当業者らに知られている様々な技術のいずれかを利用して抗体またはその抗原結合性断片を修飾することによって実現することができる(例えば国際公開第04/108158号パンフレットおよび国際公開第00/34317号パンフレットを参照されたい)。例えば、抗体またはその抗原結合性断片は、抗体またはその抗原結合性断片のアミノ酸配列内の可能性のあるT細胞エピトープおよび/またはB細胞エピトープを同定し、かつ例えば組換え技術を使用して、抗体またはその抗原結合性断片由来の1つ以上の可能性のあるT細胞エピトープおよび/またはB細胞エピトープを除去することによって、脱免疫化されてもよい。次いで、修飾された抗体またはその抗原結合性断片は、任意選択で産生され、例えば結合親和性などのような1つ以上の所望の生物学的活性を保持するが、免疫原性が低下した抗体またはその抗原結合性断片を同定するために試験されてもよい。可能性のあるT細胞エピトープおよび/またはB細胞エピトープを同定するための方法は、例えばコンピューターによる方法(例えば国際公開第02/069232号パンフレットを参照されたい)、インビトロまたはインシリコ技術、および生物学的アッセイまたは物理的方法(例えばMHC分子へのペプチドの結合の決定、抗体またはその抗原結合性断片を受ける種由来のT細胞受容体へのペプチド:MHC複合体の結合の決定、抗体またはその抗原結合性断片を受ける種のMHC分子を有するトランスジェニック動物を使用するタンパク質またはそのペプチド部分の試験、または抗体またはその抗原結合性断片を受ける種由来の免疫系細胞により再組織されたトランスジェニック動物による試験など)などのような、当技術分野において知られている技術を使用して実行されてもよい。様々な実施形態において、本明細書において記載される脱免疫化抗C3d抗体または抗C3dg抗体または抗iC3b抗体が、脱免疫化抗原結合性断片、Fab、Fv、scFv、Fab’、およびF(ab’)2、モノクローナル抗体、マウス抗体、遺伝子操作された抗体(例えばキメラ、単鎖、CDR移植、ヒト化、完全ヒト抗体、および人工的に選択された抗体など)、合成抗体、ならびに半合成抗体を含む。
いくつかの実施形態において、本開示はまた、二重特異性抗体をも提供する。二重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる抗原に対して結合特異性を有するモノクローナル抗体、好ましくはヒトまたはヒト化抗体である。本発明の場合、結合特異性のうちの1つは、C3dまたはC3dgまたはiC3bに対するものであり、もう1つは、第1のもの以外の任意の他の抗原に対するものである。
二重特異性抗体を作製するための方法は、当業者らの範囲内にある。従来、二重特異性抗体の組換え産生は、2つの免疫グロブリン重鎖/軽鎖対の同時発現に基づき、2つの重鎖/軽鎖対は、異なる特異性を有する(Milstein and Cuello (1983) Nature 305:537−539)。所望の結合特異性(抗体−抗原結合部)を有する抗体可変ドメインは、免疫グロブリン定常ドメイン配列に融合することができる。重鎖可変領域の融合物は、好ましくは、ヒンジ、CH2、およびCH3領域の少なくとも一部分を含む免疫グロブリン重鎖定常ドメインとのものである。免疫グロブリン重鎖融合物および所望の場合に免疫グロブリン軽鎖をコードするDNAは、個別の発現ベクターの中に挿入され、適した宿主生物の中に同時形質移入される。二重特異性抗体を生成するための例証となる現在知られている方法のさらなる詳細については、例えばSuresh et al. (1986) Methods in Enzymology 121:210;国際公開第96/27011号パンフレット;Brennan et al. (1985) Science 229:81;Shalaby et al., J Exp Med (1992) 175:217−225;Kostelny et al. (1992) J Immunol 148(5):1547−1553;Hollinger et al. (1993) Proc Natl Acad Sci USA 90:6444−6448;Gruber et al. (1994) J Immunol 152:5368;およびTutt et al. (1991) J Immunol 147:60を参照されたい。二重特異性抗体はまた、架橋抗体またはヘテロ複合体抗体をも含む。ヘテロ複合体抗体は、任意の好都合な架橋方法を使用して作製されてもよい。適した架橋剤は、当技術分野においてよく知られており、多くの架橋技術と共に米国特許第4,676,980号明細書において開示される。
組換え細胞培養から二重特異性抗体断片を直接作製し、単離するための様々な技術もまた、記載されている。例えば、二重特異性抗体は、ロイシンジッパーを使用して産生されてきた。例えばKostelny et al. (1992) J Immunol 148(5):1547−1553を参照されたい。FosおよびJunタンパク質由来のロイシンジッパーペプチドは、遺伝子融合によって2つの異なる抗体のFab’部分に連結されてもよい。抗体ホモ二量体は、単量体を形成するためにヒンジ領域で還元され、次いで、抗体ヘテロ二量体を形成するために再び酸化されてもよい。この方法はまた、抗体ホモ二量体の産生についても利用することができる。Hollinger et al. (1993) Proc Natl Acad Sci USA 90:6444−6448によって記載される「二特異性抗体」技術は、二重特異性抗体断片を作製するための代替のメカニズムを提供した。断片は、同じ鎖上の2つのドメインの間の対合を可能にするには短すぎるリンカーによって軽鎖可変ドメイン(VL)に接続された重鎖可変ドメイン(VH)を含む。従って、ある断片のVHおよびVLドメインは、他の断片の相補的なVLおよびVHドメインと対になるように強いられ、それによって、2つの抗原結合性部位を形成する。単鎖Fv(scFv)二量体の使用によって二重特異性抗体断片を作製するための他の戦略もまた報告されている。例えばGruber et al. (1994) J Immunol 152:5368を参照されたい。その代わりに、抗体は、例えばZapata et al. (1995) Protein Eng. 8(10):1057−1062において記載されるように「直鎖抗体」とすることができる。簡潔に言えば、これらの抗体は、抗原結合領域の対を形成する直列Fdセグメント(VH−CH1−VH−CH1)の対を含む。直鎖抗体は、二重特異性または単一特異性であってもよい。
2つを超える結合価を有する抗体(例えば三重特異性抗体)は、企図され、例えばTutt et al. (1991) J Immunol 147:60において記載される。
本開示はまた、Wu et al. (2007) Nat Biotechnol 25(11):1290−1297において記載される二重可変ドメイン免疫グロブリン(DVD−Ig)分子などのような多重特異性抗体の変異体形態を包含する。DVD−Ig分子は、2つの異なる親抗体由来の2つの異なる軽鎖可変ドメイン(VL)が、組換えDNA技術によって直接または短いリンカーを介して直列に連結され、その後に軽鎖定常ドメインが続くように設計される。同様に、重鎖は、直列に連結された2つの異なる重鎖可変ドメイン(VH)を含み、その後に定常ドメインCH1およびFc領域が続く。2つの親抗体からDVD−Ig分子を作製するための方法は、例えば国際公開第08/024188号パンフレットおよび国際公開第07/024715号パンフレットにおいてさらに記載される。
本開示はまた、ラクダ科の動物またはヒトコブラクダの抗体(例えばフタコブタクダ、ヒトコブラクダ、またはアルパカに由来する抗体)をも提供する。そのような抗体は、ほとんどの哺乳動物由来の典型的な2鎖(断片)または4鎖(抗体全体)抗体と異なり、一般に、軽鎖を欠く。米国特許第5,759,808号明細書;Stijlemans et al. (2004) J Biol Chem 279:1256−1261;Dumoulin et al. (2003) Nature 424:783−788;およびPleschberger et al. (2003) Bioconjugate Chem 14:440−448を参照されたい。
ラクダ科の動物の抗体および抗体断片の遺伝子操作ライブラリーは、例えばAblynx(Ghent、Belgium)から市販で入手可能である。非ヒト起源の他の抗体と同様に、ラクダ科の動物の抗体のアミノ酸配列は、より密接にヒト配列に類似している配列を得るために、組換えで改変することができる、すなわち、ナノボディは、「ヒト化し」、それによって、抗体の可能性のある免疫原性をさらに低下させることができる。
いくつかの実施形態において、本開示はまた、マウスモノクローナル抗体3d8b、3d9a、3d29、3d11、3d31、3d3、3d15、3d10、および3d16の突然変異体である抗体もしくはその抗原結合性断片または上記およびその中に記載されるそれらの変異体抗体もしくはその抗原結合性断片を提供する。好ましくは、そのような突然変異体抗体またはその抗原結合性断片は、親マウスmAbのC3dまたはC3dgまたはiC3b結合能力を維持する。そのような突然変異およびこれらの突然変異体を調製するための方法は、標準的な手法であり、当技術分野においてよく知られている。いくつかの実施形態において、そのような突然変異が、少なくとも1つの単一アミノ酸置換、欠失、挿入、または他の修飾を導入する。いくつかの実施形態において、本明細書において記載される抗体またはその抗原結合性断片(例えばマウスモノクローナル抗体3d8b、3d9a、3d29、3d11、3d31、3d3、3d15、3d10、または3d16)が、20以下の(例えば19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1以下の)アミノ酸修飾(例えばアミノ酸置換、欠失、または追加)を含む。いくつかの実施形態において、本明細書において記載される抗体またはその抗原結合性断片が、そのCDR中にアミノ酸修飾を含有しない。いくつかの実施形態において、本明細書において記載される抗体またはその抗原結合性断片が、重鎖のCDR3中にアミノ酸修飾を含有しない。いくつかの実施形態において、本明細書において記載される抗体またはその抗原結合性断片が、そのCDR中に1つ以上の(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20)アミノ酸修飾を含有する。いくつかの実施形態において、本明細書において記載される抗体またはその抗原結合性断片が、重鎖のCDR3中に1つ以上の(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20)アミノ酸修飾を含有する。
本明細書において使用されるように、用語「抗体断片」、「抗原結合性断片」、「抗原結合断片」、または同様の用語は、抗原(例えばC3タンパク質断片または補体構成成分C3dg、C3d、もしくはiC3b)に結合する能力を保持する、抗体の断片を指し、抗原結合断片は、任意選択で、もとの抗体の一部分ではないさらなる組成物(例えば異なるフレームワーク領域または突然変異)およびもとの抗体由来の断片(複数可)を含んでいてもよい。例として、単鎖抗体、単鎖Fv断片(scFv)、Fd断片、Fab断片、Fab’断片、またはF(ab’)2断片を含むが、これらに限定されない。scFv断片は、scFvが由来する抗体の重鎖および軽鎖可変領域の両方を含む単一のポリペプチド鎖である。そのうえ、補体構成成分C3dまたはC3dgまたはiC3bタンパク質に結合する二特異性抗体(これらのそれぞれの開示がそれらの全体が参照によって本明細書において組み込まれるPoljak (1994) Structure 2(12):1121−1123;Hudson et al. (1999) J. Immunol. Methods 23(1−2):177−189)、ミニボディ、トリアボディ(Schoonooghe et al. (2009) BMC Biotechnol 9:70)、およびドメイン抗体(「重鎖免疫グロブリン」またはラクダ科の動物としても知られている;Holt et al. (2003) Trends Biotechnol 21(11):484−490)(これらのそれぞれの開示は、それらの全体が参照によって本明細書において組み込まれる)は、組成物の中に組み込み、本明細書において記載される方法において使用することができる。いくつかの実施形態において、本明細書において記載される抗原結合断片のいずれも、抗体に関係のある断片に言及する場合、そのような断片が実際に抗体に由来したかどうかまたは同じエピトープまたは重複するエピトープまたは抗体のエピトープ中に含有されるエピトープに結合する抗原結合断片であるかどうかにかかわらず、「その抗原結合断片」または等価物の用語の下に含まれてもよい。例えば、3d8aマウスモノクローナル抗体またはその抗原結合断片は、本明細書において記載される抗原結合断片のいずれをも、例えば、そのようなラクダ科の動物の抗体が全体的に3d8aマウスモノクローナル抗体の断片ではなくても、含んでいてもよい。その抗原結合断片は、もとの抗体と同じまたは重複する抗原に結合する抗原結合性断片を含んでいてもよく、抗原結合断片は、もとの抗体の断片である部分(例えば1つ以上のCDR、1つ以上の可変領域など)を含む。
いくつかの実施形態において、本明細書において記載される抗C3d抗体または抗C3dg抗体または抗iC3b抗体が、親抗体と比較して、改変された安定性または半減期をもたらす、改変されたまたは突然変異した配列を含む。これは、例えば、インビトロもしくはインビボにおけるより高度な親和性もしくはより長いクリアランス時間についての増加した安定性もしくは半減期またはより低い親和性もしくはより迅速な除去についての減少した安定性もしくは半減期を含む。そのうえ、本明細書において記載される、改変された抗C3d抗体または抗C3dg抗体または抗iC3b抗体は、例えば、改変されたグリコシル化パターン(例えば、改変されていない定常領域と比べた、1つ以上の糖構成成分の追加、1つ以上の糖構成成分の損失、または1つ以上の糖構成成分の組成の変化)を含む、改変された翻訳後修飾をもたらす、1つ以上の(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20)アミノ酸置換、欠失、または挿入を含有してもよい(例えば1つ以上のCDR、1つ以上のフレームワーク領域、および/または定常領域において)。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗C3d抗体または抗C3dg抗体または抗iC3b抗体は、その対応する改変されていない定常領域に対してエフェクター機能が低下した(例えば、又は全くない)改変重鎖定常領域を含む。すなわち、いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗体は、定常領域の対応する改変されていない(天然)形態のエフェクター機能の約0〜50%(例えば、50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1%未満)を示す改変定常領域を含む。抗C3d抗体または抗C3dg抗体または抗iC3b抗体の定常領域に関与するエフェクター機能は、定常またはFc領域の特性を改変することで調節されてもよい。改変されたエフェクター機能は、例えば以下の活性のうちの1つ以上における調節を含む:抗体依存性細胞傷害(ADCC)、補体依存性細胞傷害(CDC)、アポトーシス、1つ以上のFc受容体との結合、および炎症誘発性反応。調節とは、改変されていない形態の定常領域の活性に比べて改変された定常領域を含有する対象抗体によって示されるエフェクター機能活性の増加、低下、又は排除を指す。特定の実施形態では、調節とは、活性が消滅するか完全に不在となる状況を含む。
改変されたFcR結合親和性および/またはADCC活性および/または改変されたCDC活性を有する改変定常領域は、定常領域の改変されていない形態に比べて増強または減少したFcR結合活性および/またはADCC活性および/またはCDC活性を有するポリペプチドである。FcRに対して結合の増加を示す改変定常領域は、改変されていないポリペプチドに比べてより大きい親和性で少なくとも1つのFcRと結合する。FcRとの結合の低下を示す改変定常領域は、定常領域の改変されていない形態に比べてより低い親和性で少なくとも1つのFcRと結合する。FcRとの低下した結合を示すこのような変異体は、FcRとの天然配列免疫グロブリンの定常またはFc領域の結合のレベルと比べて、FcRとの認識可能な結合をほとんどまたは全く有さない、例えば、0〜50%(例えば、50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1%未満)のFcRとのとの結合である場合がある。同様に、調節されたADCCおよび/またはCDC活性を示す改変定常領域は、改変されていない定常領域に比べて、増加したまたは低下したADCCおよび/またはCDC活性を示してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、改変定常領域を有する抗C3d抗体または抗C3dg抗体または抗iC3b抗体は、定常領域の改変されていない形態のADCCおよび/またはCDC活性の約0〜50%(例えば、50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1%未満)を示すことができる。本明細書に記載される、低下したADCCおよび/またはCDCを示す改変定常領域を含む抗C3d抗体または抗C3dg抗体または抗iC3b抗体は、本明細書に例示するように、低下したADCCおよび/またはCDC活性を示すか、全く示さない場合がある。
いくつかの実施形態では、改変定常領域は、天然配列定常領域または改変されていない定常領域に比べて、少なくとも1つのアミノ酸置換、挿入、および/または欠失、例えば、天然配列定常領域または親ポリペプチドの定常領域において、約1〜約100のアミノ酸置換、挿入、および/または欠失を有する。いくつかの実施形態では、本明細書における改変定常領域は、改変されていない定常領域と少なくとも約70%の相同性(類似性)または同一性を有し、いくつかの場合では少なくとも約75%および他の場合では少なくとも約80%の相同性または同一性を有し、他の実施形態では少なくとも約85%、90%、または95%の相同性もしくは同一性を有する。改変定常領域はまた、1つ以上のアミノ酸欠失または挿入を含有していてもよい。さらに、改変定常領域は、結果として改変翻訳後修飾となる、例えば、改変グリコシル化パターン(例えば、1つ以上の糖成分の追加、1つ以上の糖成分の欠損、または改変されていない定常領域に対する1つ以上の糖成分の組成の変更)を含む1つ以上のアミノ酸置換、欠失、挿入を含んでいてもよい。
エフェクター機能が改変されているかまたはそれを含まない抗体は、抗体を変異体定常、Fc、もしくは重鎖領域を有する抗体を操作または産生することによって生成されてもよく、組換えDNA技術ならびに/または細胞培養および発現条件を用いて、改変された機能および/または活性を有する抗体を産生してもよい。例えば、組換えDNA技術を用いて、エフェクター機能を含む、抗体機能に影響を及ぼす領域(例えば、Fcまたは定常領域など)における1つ以上のアミノ酸置換、欠失、挿入を操作してもよい。あるいは、例えばグリコシル化パターンなどの、翻訳後修飾における変更を、抗体が産生される細胞培養および発現条件を操作することで達成してもよい。1つ以上の置換、添加、または欠失を抗体のFc領域に導入する好適な方法は当該技術分野において周知であり、例えば、Sambrook et al.(1989)“Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Edition,”Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.、Harlow and Lane(1988)、上記、Borrebaek(1992)、上記、Johne et al.(1993)、上記、国際公開公報第06/53301号、および米国特許第7,704,497号に記載の標準的なDNA突然変異法などが挙げられる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗C3d抗体または抗C3dg抗体または抗iC3b抗体は、低下したエフェクター機能を示すか、エフェクター機能を示さない。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体または抗C3dg抗体または抗iC3b抗体はハイブリッド定常領域、またはその一部、例えばG2/G4ハイブリッド定常領域を含む(例えば、Burton.et al(1992)Adv Immun 51:1−18、Canfield.et al(1991)J Exp Med 173:1483−1491、およびMueller.et al(1997)Mol Immunol 34(6):441−452を参照)。上記を参照のこと。
上に記載するようにG2/G4構成物を用いるのに加えて、本明細書に記載される、低下したエフェクター機能を有する抗C3d抗体または抗C3dg抗体または抗iC3b抗体は、抗体のある領域のアミノ酸配列に他のタイプの変更を導入することで産生してもよい。このようなアミノ酸配列は、例えば、国際公開公報第94/28027号および国際公開公報第98/47531号、ならびにXu et al.(2000)Cell Immunol 200:16−26に記載のAla−Ala突然変異を含むが、これらに限られない。したがって、いくつかの実施形態では、Ala−Ala突然変異を含む、定常領域内での1つ以上の突然変異を有する抗C3d抗体または抗C3dg抗体または抗iC3b抗体は、低エフェクター機能を有するかエフェクター機能を有さない。これらの実施形態によれば、抗体の定常領域は、234位にアラニンへの置換を、または235位にアラニンの突然変異を含み得る。さらに、改変定常領域は、二重突然変異である、234位でアラニンの突然変異と235位でアラニンの第2の突然変異を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体または抗C3dg抗体または抗iC3b抗体はIgG4フレームワークを有し、Ala−Ala突然変異は、234位でのフェニルアラニンからアラニンへの突然変異および/または235位でのロイシンからアラニンへの突然変異を説明付ける。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体または抗C3dg抗体または抗iC3b抗体はIgG1フレームワークを有し、Ala−Ala突然変異は234位でのロイシンからアラニンへの突然変異および/または235位でのロイシンからアラニンへの変異を説明付ける。抗C3d抗体または抗C3dg抗体または抗iC3b抗体は、CH2ドメインにおける点突然変異K322Aを含む他の突然変異を代替的にもしくは付加的に保有していてもよい(Hezareh et al.(2001)J Virol 75:12161−12168)。そのような突然変異を定常領域内に有する抗体は、遮断または非遮断抗体であってもよい。
重鎖定常領域に導入されたときに結果としてエフェクター機能が低下する追加での置換は、例えば、Shields.et al(2001)J Biol Chem 276(9):6591−6604に記載されている。特に、その全体が本明細書に参照によって引用されるShieldsらの表1(「ヒトIgG1変異体のヒトFcRnおよびFcγRへの結合」)の開示を参照のこと。ライブラリーの各抗体が、重鎖定常領域における1つ以上の置換によって異なる抗IgE抗体のライブラリーをスクリーニングすることによって、Fc受容体(FcRn、FcγRI、FcγRIIA、FcγRIIB、およびFcγRIIIAを含む)のパネルとの結合について、著者らは特定のFc−Fc受容体相互作用を調節する置換をいくつか同定した。例えば、CH2ドメインがD265A置換(Kabatら(上記)に準ずる重鎖アミノ酸番号付け)を含む変異体IgG2a重鎖定常領域は、変異体定常領域とIgG Fc受容体であるFcγRIIB、FcγRIII、FcγRI、およびFcγRIVとの相互作用が完全に欠如する結果を得た。Shields.et al(2001)、6595ページ、表1。また、Baudino.et al(2008)J Immunol 181:6664−6669(上記)も参照のこと。
ヒンジ領域内での変更もまた、エフェクター機能に影響を及ぼす。例えば、ヒンジ領域の欠失はFc受容体に対する親和性を低下させる場合があり、補体活性化を低下させ得る(Klein.et al(1981)Proc Natl Acad Sci USA 78:524−528)。したがって、本開示はまた、ヒンジ領域における改変を有する抗体に関する。
いくつかの実施形態では、抗C3d抗体または抗C3dg抗体または抗iC3b抗体は、増強または低下された補体依存性細胞傷害(CDC)を示す改変定常領域を含み得る。調節されたCDC活性は、抗体のFc領域に1つ以上のアミノ酸置換、挿入、または欠失を導入することで達成することができる。例えば、米国特許第6,194,551号を参照のこと。あるいは、またはさらに、システイン残基をFc領域に導入してもよく、そのことによってこの領域で鎖間ジスルフィド結合形成が可能となる。これによって形成されるホモダイマー抗体は、改善または低下された内在化性能および/または上昇または低下した補体媒介細胞殺滅を有していてもよい。例えば、Caron.et al(1992)J Exp Med 176:1191−1195およびShopes(1992)Immunol 148:2918−2922、国際公開公報第99/51642号および同第94/29351号、Duncan and Winter(1988)Nature 322:738−40、ならびに米国特許第5,648,260号および同第5,624,821号を参照のこと。
抗体のエフェクター機能を調節する別の潜在的な手段としてグリコシル化が挙げられ、これは、例えばRaju(2003)BioProcess International 1(4):44−53に要約されている。WrightおよびMorrisonによれば、ヒトIgGオリゴ糖類の微小不均一性は、CDCおよびADCCなどの生体機能に影響を与えることができ、様々なFc受容体に結合し、Clqタンパク質に結合する。(1997)TIBTECH 15:26−32。抗体のグリコシル化パターンは、産生細胞および細胞培養条件(Raju、上記)によって異なり得る。そのような違いはエフェクター機能と薬動態学の両方における変化につながり得る。例えば、Israel.et al(1996)Immunology 89(4):573−578、Newkirk.et al(1996)Clin Exp Immunol 106(2):259−264を参照のこと。エフェクター機能における違いは、エフェクター細胞上のFcγ受容体(FcγRs)に結合するIgGの能力に関連していてもよい。Shieldsらは、FcγRとの改善された結合を有するアミノ酸配列の改変を有するIgGが、ヒトエフェクター細胞を用いて最大100%増強されたADCCを示すことができることを示している。(2001)J Biol Chem 276(9):6591−6604。これらの改変は、結合界面で見出されないアミノ酸における変更を含むが、糖成分の性質ならびに構造パターンの双方がまた、観察される違いに寄与している可能性がある。さらに、IgGのオリゴ糖成分におけるフコースの有無によって、結合およびADCCを増強させることができる。例えば、Shields.et al(2002)J Biol Chem 277(30):26733−26740を参照のこと。Asn297に連結されるフコシル化される炭水化物を欠失するIgGは、FcγRI受容体との正常な受容体結合を示した。対照的に、FcγRIIIA受容体との結合は50倍改善され、特により低い抗体濃度にて増強されたADCCを伴った。
Shinkawaらは、ラットハイブリドーマ内で産生されたヒトIL−5受容体に対する抗体が、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)内で産生された抗体と比べて50%超より高いADCCを示すことを示した(Shinkawa.et al(2003)J Biol Chem 278(5):3466−73)。単糖組成およびオリゴ糖プロファイリングは、ラットハイブリドーマ産生IgGがCHO産生タンパク質よりも低いフコース含有量を有していることを示した。この著者らは、IgG1のフコシル化不足がADCC活性の増強において決定的な役割を有すると結論付けた。
Umanaらは異なる手法をとり、chCE7、キメラのIgG1抗神経芽細胞種抗体のグリコシル化パターンを変更した。(1999)Nat Biotechnol 17(2):176−180)。テトラサイクリンを用いて、彼らはADCC活性に関与するとされていたオリゴ糖を二分する糖転移酵素(GnTIII)の活性を調節した。親抗体のADCC活性はかろうじてバックグラウンドレベルよりも上だった。様々なテトラサイクリンレベルで産生されたchCE7のADCC活性の測定は、最大chCE7生体外ADCC活性について最適範囲のGnTIII発現を示した。この活性は、定常領域に関連づけられる、二分された複合型オリゴ糖のレベルと相関した。新たに最適化された変異体は、相当なADCC活性を示した。同様に、WrightおよびMorrisonはグリコシル化に不足するCHO細胞系において抗体を産生し、この細胞系にて産生される抗体は補体媒介細胞溶解ができないことを示した。(1994)J Exp Med 180:1087−1096。よって、エフェクター機能に影響を与える周知の改変としては、グリコシル化パターンにおける修飾またはグリコシル化残基数の変更が挙げられ、本開示はグリコシル化がADCCおよびCDCを含む改変エフェクター機能を増強または低下させるために改変される抗C3d抗体または抗C3dg抗体または抗iC3b抗体に関する。改変グリコシル化は、グリコシル化残基数の低下または増加に加えて、グリコシル化残基のパターンまたは位置の変更を含む。
抗体のエフェクター機能を改変する他の手法もまだ存在する。例えば、抗体産生細胞は高変異誘発的であり得て、その結果、抗体分子全体にわたってランダムに改変されたポリペプチド残基を有する抗体を生成する。例えば、国際公開公報第05/011735号を参照のこと。高変異誘発性宿主細胞は、DNAミスマッチ修復に不足する細胞を含む。このように産生される抗体は、より抗原性が低いおよび/または有利な薬物動態を有していてもよい。さらに、そのような抗体は、増強または低下したエフェクター機能などの特性について選択されてもよい。本明細書に記載される抗体または抗原結合フラグメントを調製するのに便利な分子生物学的方法の付加的な内容は以下に記載するとおりである。
いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、軽鎖相補性決定領域(CDR)1、2および3を含み、軽鎖CDR1はアミノ酸突然変異を3つ以下(例えば、3、2、1つ、または0)含む配列番号14またはアミノ酸突然変異を3つ以下(例えば、3、2、1つ、または0)含む配列番号24であり、軽鎖CDR2はアミノ酸突然変異を3つ以下(例えば、3、2、1つ、または0)含む配列番号15またはアミノ酸突然変異を3つ以下(例えば、3、2、1つ、または0)含む配列番号25であり、軽鎖CDR3はアミノ酸突然変異を3つ以下(例えば、3、2、1つ、または0)含む配列番号16またはアミノ酸突然変異を3つ以下(例えば、3、2、1つ、または0)含む配列番号26であり、あるいは、重鎖相補性決定領域(CDR)1、2および3を含み、重鎖CDR1はアミノ酸突然変異(例えば、3、2、1つ、または0)含む配列番号17またはアミノ酸突然変異(例えば、3、2、1つ、または0)含む配列番号27またはアミノ酸突然変異を3つ以下(例えば、3、2、1つ、または0)含む配列番号35であり、重鎖CDR2はアミノ酸突然変異を3つ以下(例えば、3、2、1つ、または0)含む配列番号18またはアミノ酸突然変異を3つ以下(例えば、3、2、1つ、または0)含む配列番号28またはアミノ酸突然変異を3つ以下(例えば、3、2、1つ、または0)含む配列番号36であり、重鎖CDR3はアミノ酸突然変異(例えば、3、2、1つ、または0)含む配列番号19またはアミノ酸突然変異を3つ以下(例えば、3、2、1つ、または0)含む配列番号29またはアミノ酸突然変異を3つ以下(例えば、3、2、1つ、または0)含む配列番号37である。いくつかの実施形態では、突然変異は非保存的および/または保存的なアミノ酸置換である。いくつかの実施形態では、突然変異は保存的なアミノ酸置換である。いくつかの実施形態では、突然変異は非保存的なアミノ酸置換である。
いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、軽鎖相補性決定領域(CDR)1、2および3を含み、軽鎖CDR1は配列番号14または配列番号24であり、軽鎖CDR2は配列番号15または配列番号25であり、軽鎖CDR3は配列番号16または配列番号26であり、あるいは、重鎖相補性決定領域(CDR)1、2および3を含み、重鎖CDR1は配列番号17または配列番号27または配列番号35であり、重鎖CDR2は配列番号18または配列番号28または配列番号36であり、重鎖CDR3は配列番号19または配列番号29または配列番号37である。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、軽鎖相補性決定領域(CDR)1、2および3を含み、軽鎖CDR1は配列番号14または配列番号24であり、軽鎖CDR2は配列番号15または配列番号25であり、軽鎖CDR3は配列番号16または配列番号26であり、あるいは、重鎖相補性決定領域(CDR)1、2および3を含み、重鎖CDR1は配列番号17または配列番号27であり、重鎖CDR2は配列番号18または配列番号28であり、重鎖CDR3は配列番号19または配列番号29である。
いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、軽鎖相補性決定領域(CDR)1、2および3を含み、軽鎖CDR1は配列番号14または配列番号24であり、軽鎖CDR2は配列番号15または配列番号25であり、軽鎖CDR3は配列番号16または配列番号26であり、あるいは、重鎖相補性決定領域(CDR)1、2および3を含み、重鎖CDR1は配列番号17または配列番号27または配列番号35であり、重鎖CDR2は配列番号18または配列番号28または配列番号36であり、重鎖CDR3は配列番号19または配列番号29または配列番号37である。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、軽鎖相補性決定領域(CDR)1、2および3を含み、軽鎖CDR1は配列番号14または配列番号24であり、軽鎖CDR2は配列番号15または配列番号25であり、軽鎖CDR3は配列番号16または配列番号26であり、ならびに、重鎖相補性決定領域(CDR)1、2、3を含み、重鎖CDR1は配列番号17または配列番号27であり、重鎖CDR2は配列番号18または配列番号28であり、重鎖CDR3は配列番号19または配列番号29である。
抗体またはその抗原結合フラグメントのいくつかの実施形態では、軽鎖CDR1はアミノ酸突然変異を3つ以下(例えば3、2、1つ、または0)含む配列番号14であり、軽鎖CDR2はアミノ酸突然変異を3つ以下(例えば、3、2、1つ、または0)含む配列番号15であり、軽鎖CDR3はアミノ酸突然変異を3つ以下(例えば、3、2、1つ、または0)含む配列番号16であり、重鎖CDR1はアミノ酸突然変異を3つ以下(例えば、3、2、1つ、または0)含む配列番号17であり、重鎖CDR2はアミノ酸突然変異を3つ以下(例えば、3、2、1つ、または0)含む配列番号18であり、重鎖CDR3はアミノ酸突然変異を3つ以下(例えば、3、2、1つ、または0)含む配列番号19である。抗体またはその抗原結合フラグメントのいくつかの実施形態では、軽鎖CDR1は配列番号14であり、軽鎖CDR2は配列番号15であり、軽鎖CDR3は配列番号16であり、重鎖CDR1は配列番号17であり、重鎖CDR2は配列番号18であり、重鎖CDR3は配列番号19である。
抗体またはその抗原結合フラグメントのいくつかの実施形態では、軽鎖CDR1はアミノ酸突然変異を3つ以下(例えば、3、2、1つ、または0)含む配列番号24であり、軽鎖CDR2はアミノ酸突然変異を3つ以下(例えば、3、2、1つ、または0)含む配列番号25であり、軽鎖CDR3はアミノ酸突然変異を3つ以下(例えば、3、2、1つ、または0)含む配列番号26であり、重鎖CDR1はアミノ酸突然変異を3つ以下(例えば、3、2、1つ、または0)含む配列番号27であり、重鎖CDR2はアミノ酸突然変異を3つ以下(例えば、3、2、1つ、または0)含む配列番号28であり、重鎖CDR3はアミノ酸突然変異を3つ以下(例えば、3、2、1つ、または0)含む配列番号29である。抗体またはその抗原結合フラグメントのいくつかの実施形態では、軽鎖CDR1は配列番号24であり、軽鎖CDR2は配列番号25であり、軽鎖CDR3は配列番号26であり、重鎖CDR1は配列番号27であり、重鎖CDR2は配列番号28であり、重鎖CDR3は配列番号29である。
いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号12または配列番号22と少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%)同一性を有する軽鎖可変領域アミノ酸配列、あるいは、配列番号13または配列番号23または配列番号34に少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%)同一性を有する重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号12または配列番号22と少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%)同一性を有する軽鎖可変領域アミノ酸配列、ならびに、配列番号13または配列番号23または配列番号34と少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%)同一性を有する重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号12もしくは配列番号22と少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%)同一性を有する軽鎖可変領域アミノ酸配列、あるいは、配列番号13もしくは配列番号23と少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%)同一性を有する重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号12もしくは配列番号22と少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%)同一性を有する軽鎖可変領域アミノ酸配列、ならびに、配列番号13または配列番号23と少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%)同一性を有する重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号12と少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%)同一性を有する軽鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号13と少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%)同一性を有する重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号22と少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%)同一性を有する軽鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号23と少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%)同一性を有する重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号34と少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%)同一性を有する重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号12と少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%)同一性を有する軽鎖可変領域アミノ酸配列、および、配列番号13と少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%)同一性を有する重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号22と少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%)同一性を有する軽鎖可変領域アミノ酸配列、および、配列番号23に少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%)同一性を有する重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体、またはその抗原結合フラグメントは、多クローン性抗体単クローン性抗体もしくはその抗原結合フラグメント、キメラ化またはキメラの抗体もしくはその抗原結合フラグメント、ヒト化抗体もしくはその抗原結合フラグメント、非免疫化ヒト抗体もしくはその抗原結合フラグメント、完全ヒト抗体もしくはその抗原結合フラグメント、二重特異性抗体もしくは抗体フラグメント、一価抗体もしくは抗体フラグメント、単鎖抗体、単鎖Fvフラグメント(scFv)、Fv、Fdフラグメント、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab’)2フラグメント、ダイアボディ(diabody)もしくはその抗原結合フラグメント、ミニボディ(minibody)もしくはその抗原結合フラグメント、トリアボディ(triabody)もしくはその抗原結合フラグメント、ドメイン抗体もしくはその抗原結合フラグメント、ラクダ類抗体もしくはその抗原結合フラグメント、ヒトコブラクダ抗体もしくはその抗原結合フラグメント、CDRグラフト抗体もしくはその抗原結合フラグメント、合成抗体もしくはその抗原結合フラグメント、半合成抗体もしくはその抗原結合フラグメント、ファージ提示型抗体もしくはその抗原結合フラグメント、および反復性バックボーンアレイ(例えば反復性抗原表示)によって同定される抗体、もしくはその抗原結合フラグメントからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号20もしくは配列番号30と少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%)同一性を有する配列を少なくとも20ヌクレオチドの連続的な塩基配列にわたって(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、75、100、125、150、75、100、125、150ヌクレオチド、または配列番号20もしくは配列番号30のそれぞれ全てにわたって)含む塩基配列から発現される軽鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号20と少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%)同一性を有する配列を少なくとも20ヌクレオチドの連続的な塩基配列にわたって(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、75、100、125、150ヌクレオチドまたは配列番号20全てにわたって)含む塩基配列から発現される軽鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号30と少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%)同一性を有する配列を少なくとも20ヌクレオチドの連続的な塩基配列にわたって(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、75、100、125、150ヌクレオチドまたは配列番号30全てにわたって)含む塩基配列から発現される軽鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号21もしくは配列番号31もしくは配列番号33と少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%)同一性を有する配列を少なくとも20ヌクレオチドの連続的な塩基配列にわたって(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、75、100、125、150ヌクレオチドまたは配列番号21もしくは配列番号31もしくは配列番号33それぞれ全てにわたって)含む塩基配列から発現される重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号21と少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%)同一性を有する配列を少なくとも20ヌクレオチドの連続的な塩基配列にわたって(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、75、100、125、150ヌクレオチドまたは配列番号21全てにわたって)含む塩基配列から発現される重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号31と少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%)同一性を有する配列を少なくとも20ヌクレオチドの連続的な塩基配列にわたって(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、75、100、125、150ヌクレオチドまたは配列番号31全てにわたって)含む塩基配列から発現される重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号33と少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%)同一性を有する配列を少なくとも20ヌクレオチドの連続的な塩基配列にわたって(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、75、100、125、150、75、100、125、150ヌクレオチドまたは配列番号33全てにわたって)含む塩基配列から発現される重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、中程度に厳しいハイブリッド形成条件下で配列番号20または配列番号30からなる核酸とハイブリッド形成する塩基配列から発現される、軽鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、塩基配列は、厳しいハイブリッド形成条件下で、配列番号20または配列番号30からなる核酸とハイブリッド形成する。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、中程度に厳しいハイブリッド形成条件下で配列番号20からなる核酸とハイブリッド形成する塩基配列から発現される、軽鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、塩基配列は、厳しいハイブリッド形成条件下で、配列番号20からなる核酸とハイブリッド形成する。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、中程度に厳しいハイブリッド形成条件下で配列番号30からなる核酸とハイブリッド形成する塩基配列から発現される、軽鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、塩基配列は、厳しいハイブリッド形成条件下で、配列番号30からなる核酸とハイブリッド形成する。
いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、中程度に厳しいハイブリッド形成条件下で配列番号21または配列番号31または配列番号33からなる核酸とハイブリッド形成する塩基配列から発現される、重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、塩基配列は、厳しいハイブリッド形成条件下で、配列番号21または配列番号31または配列番号33からなる核酸とハイブリッド形成する。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、中程度に厳しいハイブリッド形成条件下で配列番号21からなる核酸とハイブリッド形成する塩基配列から発現される、重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、塩基配列は、厳しいハイブリッド形成条件下で、配列番号21からなる核酸とハイブリッド形成する。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、中程度に厳しいハイブリッド形成条件下で配列番号31からなる核酸とハイブリッド形成する塩基配列から発現される、重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、塩基配列は、厳しいハイブリッド形成条件下で、配列番号31からなる核酸とハイブリッド形成する。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、中程度に厳しいハイブリッド形成条件下で配列番号33からなる核酸とハイブリッド形成する塩基配列から発現される、重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、塩基配列は、厳しいハイブリッド形成条件下で、配列番号33からなる核酸をハイブリダイズする。
いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号20、配列番号21、配列番号30、または配列番号31の塩基配列によってコード化される1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、または6つ)のCDRを含み、1つ以上のCDR(例えば、1、2、3、4、5、または6つ)をコード化する塩基配列においてヌクレオチド突然変異体を6つ以下(6、5、4、3、2、1つ、または0)有する。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号20、配列番号21、配列番号30、または配列番号31の塩基配列によってコード化される1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、または6つ)のCDRを含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号20、配列番号21、配列番号30、または配列番号31のCDR塩基配列によってコード化されるCDRを1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、または6つ)含む。
いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号20または配列番号30の塩基配列によってコード化される軽鎖可変領域CDRを1つ以上(例えば、1、2、または3つ)含み、1つ以上のCDR(例えば、1、2、または3つ)をコード化する塩基配列においてヌクレオチド突然変異体を6つ以下(6、5、4、3、2、1つ、または0)有する。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号20または配列番号30の塩基配列によってコード化される軽鎖可変領域CDRを1つ以上(例えば、1、2、または3つ)含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号20または配列番号30のCDR塩基配列によってコード化される軽鎖可変領域CDRを1つ以上(例えば、1、2、または3つ)含む。
いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号21または配列番号31の塩基配列によってコード化される重鎖可変領域CDRを1つ以上(例えば、1、2、または3つ)含み、1つ以上のCDR(例えば、1、2、または3つ)をコード化する塩基配列においてヌクレオチド突然変異体を6つ以下(6、5、4、3、2、1つ、または0)有する。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号21または配列番号31の塩基配列によってコード化される重鎖可変領域CDRを1つ以上(例えば、1、2、または3つ)含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号21または配列番号31のCDR塩基配列によってコード化される重鎖可変領域CDRを1つ以上(例えば、1、2、または3つ)含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号33の塩基配列によってコード化される重鎖可変領域CDRを1つ以上(例えば、1、2、または3つ)含み、1つ以上のCDR(例えば、1、2、または3つ)をコード化する塩基配列においてヌクレオチド突然変異体を6つ以下(6、5、4、3、2、1つ、または0)有する。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号33の塩基配列によってコード化される重鎖可変領域CDRを1つ以上(例えば、1、2、または3つ)含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号33のCDR塩基配列によってコード化される重鎖可変領域CDRを1つ以上(例えば、1、2、または3つ)含む。本明細書に用いられるように、CDR塩基配列は、配列番号20、配列番号21、配列番号30、配列番号31、配列番号33に含まれる塩基配列を示し、配列番号14から配列番号19、配列番号24から配列番号29、および配列番号35から配列番号37から選択されるアミノ酸配列を有するCDRをコード化する。CDR塩基配列(CDRをコード化する塩基配列)は、配列番号20、21、30、31、および33のそれぞれにて、連続順(例えば、CDR1、次にCDR2、次にCDR3)に下線が引かれている。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載され、配列番号12〜19、22〜29、および34〜37から選択されるアミノ酸配列の全てまたはその一部、もしくは配列番号20、21、30、31、および33(本明細書および上に記載される任意の抗体またはその抗原結合フラグメントを含む)の配列の全てまたは一部を含む塩基配列から発現される抗体もしくはその抗原結合フラグメントは、本明細書でこれらの用語が使われるように、または本発明の抗体もしくは抗原結合フラグメントを説明するために本明細書に用いられる均等用語のように(例えば、単離された組成物として、結合体内にて含まれる、抗体結合体にて含まれる)、抗C3d抗体またはその抗原結合フラグメント、抗C3dg抗体またはその抗原結合フラグメント、抗C3d/C3dg抗体またはその抗原結合フラグメント、抗iC3b抗体またはその抗原結合フラグメント、本明細書に記載される抗体または抗原結合フラグメント、本明細書に記載される抗体、またはその抗原結合フラグメント、本明細書に記載されるフラグメント、本開示によって提供される抗体またはその抗原結合フラグメント、本開示が含む抗体またはその抗原結合フラグメント、抗C3d抗体または抗C3dg抗体または抗iC3b抗体、本開示によって提供されるその抗原結合フラグメント、抗体もしくはそのフラグメント、C3dgおよびC3dおよびiC3bからなる群から選択される結合相手に結合する抗体、または、好適な標的部分である対応する結合相手に結合する能力を保持するそのような抗体のフラグメント、対応する結合相手と結合する能力を保持して好適な標的部分である本発明の抗体またはそのフラグメント、単離された抗体またはその抗原結合フラグメントである。
配列番号12〜21は、適宜、マウス抗体3d8bのアミノ酸または塩基配列である。配列番号22〜31は、適宜、マウス抗体3d29のアミノ酸または塩基配列である。配列番号33〜37は、適宜、マウス抗体3d16のアミノ酸または塩基配列である。配列番号32は、3d scFv Crry融合タンパク質のアミノ酸配列である(例えば、構築物)。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される抗体またはその抗原結合フラグメント、および薬学的に許容可能な賦形剤を含む。
いくつかの実施形態では、本開示に記載の、単離された抗C3d抗体またはその抗原結合フラグメント、単離された抗C3dg抗体またはその抗原結合フラグメント、単離された抗iC3b抗体またはその抗原結合フラグメントは、多クローン性抗体単クローン性抗体もしくはその抗原結合フラグメント、キメラ化またはキメラの抗体もしくはその抗原結合フラグメント、ヒト化抗体もしくはその抗原結合フラグメント、非免疫化ヒト抗体もしくはその抗原結合フラグメント、完全ヒト抗体もしくはその抗原結合フラグメント、二重特異性抗体もしくは抗体フラグメント、一価抗体もしくは抗体フラグメント、単鎖抗体、単鎖Fvフラグメント(scFv)、Fv、Fdフラグメント、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab’)2フラグメント、ダイアボディもしくはその抗原結合フラグメント、ミニボディもしくはその抗原結合フラグメント、トリアボディもしくはその抗原結合フラグメント、ドメイン抗体もしくはその抗原結合フラグメント、ラクダ類抗体もしくはその抗原結合フラグメント、ヒトコブラクダ抗体もしくはその抗原結合フラグメント、CDRグラフト抗体もしくはその抗原結合フラグメント、合成抗体もしくはその抗原結合フラグメント、半合成抗体もしくはその抗原結合フラグメント、ファージ提示型抗体もしくはその抗原結合フラグメント、または反復性バックボーンアレイ(例えば、反復性抗原表示によって同定される抗体、もしくはその抗原結合フラグメントを含むが、それらに限られない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗体は単クローン性抗体である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗体は、ハイブリドーマ細胞系3d−8b/2(ATCC寄託PTA−10999)によって産生されるmAb 3d8bである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗体は、ハイブリドーマ細胞系3d−9a/25(ATCC寄託PTA−10998)によって産生されるmAb 3d9aである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される抗体はハイブリドーマ細胞系3d−29/5/2(ATCC寄託PTA−11000)によって産生されるmAb 3d29である。いくつかの実施形態では、本開示に記載の抗体もしくはその抗原結合フラグメントは、mAb 3d8b、3d9a、3d29、または本開示に記載される他のmAbに由来する、操作もしくは組換えられた抗体もしくはその抗原結合フラグメントを含むがこれらに限られず、これらは周知の標準的な方法で容易にスクリーニングまたは産生することができ、多くがこの開示で取り上げられている。一般的に、この開示におけるこれらのmAbに由来する抗体もしくはフラグメントは全て、限定することなく、それらの、C3d/C3dgタンパク質および/またはiC3bたんぱく質に対する結合親和性、結合活性、もしくは異種間活性、C3または他のC3フラグメントにわたる選択性、もしくはそれらの発現パターンならびに溶解性、安定性、半減期、他のタンパク質/対象との交差反応性、またはこれらの抗体もしくはフラグメントの、エフェクター活性などの他の本質的な活性または特性を修飾するために、設計、スクリーニング、産、および/またはテストされる。
本明細書では、3d−8b/2(ATCC寄託PTA−10999)、3d−9a/25(ATCC寄託番号:PTA−10998)、3d−29/5/2(ATCC寄託番号:PTA−11000)、3d−11/14(ATCC寄託番号:PTA−11011)、3d−31/A6/9(ATCC寄託番号:PTA−11027)、3d−3/28/4(ATCC寄託番号:PTA−11025)、3d−15A9(ATCC寄託番号:PTA−11012)、3d−10/14/1(ATCC寄託番号:PTA−11010)、および3d−16/3/3(ATCC寄託番号:PTA−11026)からなる群から選択される、ハイブリドーマ細胞を記載する。
いくつかの実施形態では、本開示は上に記載するハイブリドーマ細胞によって産生される単離抗体を提供する。さらに別の態様では、本開示は上に列挙するハイブリドーマによって産生される任意の抗体の6つのCDRのセットを含む、ヒト化、霊長化、またはキメラ化抗体を特色とする。
いくつかの実施形態では、本開示は、この開示で記載する抗体またはその抗原結合フラグメントをコード化する単離核酸分子を提供する。いくつかの実施形態では、単離核酸分子は、配列番号20または配列番号30と少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%)同一性を有する塩基配列を、少なくとも20ヌクレオチドの連続する塩基配列にわたって(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、75、100、125、150ヌクレオチド、もしくは配列番号20または配列番号30それぞれの全てにわたって)含む。いくつかの実施形態では、単離核酸分子は、配列番号21または配列番号31または配列番号33と少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%)同一性を有する塩基配列を、少なくとも20ヌクレオチドの連続する塩基配列にわたって(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、75、100、125、150ヌクレオチド、もしくは配列番号21または配列番号31または配列番号33それぞれの全てにわたって)含む。いくつかの実施形態では、単離核酸分子は、中程度に厳しいハイブリッド形成条件下で配列番号20または配列番号30からなる核酸とハイブリッド形成する、塩基配列を含む。いくつかの実施形態では、塩基配列は、厳しいハイブリッド形成条件下で、配列番号20または配列番号30からなる核酸とハイブリッド形成する。いくつかの実施形態では、単離核酸分子は、中程度に厳しいハイブリッド形成条件下で配列番号21または配列番号31または配列番号33からなる核酸とハイブリッド形成する、塩基配列を含む。いくつかの実施形態では、塩基配列は、厳しいハイブリッド形成条件下で、配列番号21または配列番号31または配列番号33からなる核酸とハイブリッド形成する。いくつかの実施形態では、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、または配列番号29と同一のアミノ酸配列を有するCDRをコード化する核酸を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、または配列番号29と比較したときにアミノ酸突然変異体を3つ以下(3、2、1つ、または0)で有するアミノ酸配列を有するCDRをコード化する核酸を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸突然変異体は保存的および非保存的である。いくつかの実施形態では、アミノ酸突然変異は保存的である。いくつかの実施形態では、アミノ酸突然変異は非保存的である。
いくつかの実施形態では、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号24、配列番号25、または配列番号26と同一のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域CDRをコード化する核酸を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号24、配列番号25、または配列番号26と比較したときにアミノ酸突然変異を3つ以下(3、2、1つ、または0)で有するアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域CDRをコード化する核酸を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸突然変異は保存的および非保存的である。いくつかの実施形態では、アミノ酸突然変異は保存的である。いくつかの実施形態では、アミノ酸突然変異は非保存的である。
いくつかの実施形態では、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号27、配列番号28、または配列番号29と同一のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域CDRをコード化する核酸を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号27、配列番号28、または配列番号29と比較したときに、アミノ酸突然変異を3つ以下(3、2、1つ、または0)で有するアミノ酸配列を有する重鎖可変領域CDRをコード化する核酸を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸突然変異は保存的および非保存的である。いくつかの実施形態では、アミノ酸突然変異は保存的である。いくつかの実施形態では、アミノ酸突然変異は非保存的である。
別の実施形態では、本開示は、全て本明細書に記載されるように、抗体、またはその抗原結合フラグメント、またはCDRの塩基配列を含有するベクターを提供する。このようなベクターとしては、プラスミドベクター、コスミドベクター、ウイルスベクター、シャトルベクター、または原核細胞もしくは真核細胞の発現について周知の任意のベクターが挙げられるが、これらに限られない。
別の実施形態では、本開示は、全て本明細書に記載されるように、抗体、またはその抗原結合フラグメント、またはCDRをコード化する単離核酸の塩基配列を含有するベクターを含有する細胞を提供する。このような細胞は、例えば、原核細胞または真核細胞を含む。
別の実施形態では、本開示は以下を特色とする:(a)本明細書に記載される抗体、抗原結合フラグメント、またはCDRもしくは構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)の任意の1つをコード化する核酸、(b)核酸を含むベクター(例えば、発現ベクター)、および(c)ベクターまたは発現ベクターを含む細胞(例えば、細菌細胞、植物細胞、心筋細胞、昆虫細胞、または哺乳動物細胞)。
さらに別の実施形態は、本開示は、本明細書に記載される抗体、抗体の抗原結合フラグメント、またはCDR、または構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体−結合体)を産生する方法を特色とする。本方法は、細胞によって抗体、フラグメント、または構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体−結合体)の発現を許容するのに好適な条件下で上述の細胞を培養することを含む。本方法は任意で、細胞、または細胞が培養される媒体から、抗体、フラグメント、または構築物を精製することを含むことができる。
いくつかの実施形態では、本開示は、この開示に記載される任意の単離抗体またはその抗原結合フラグメントを含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、この開示に記載される抗体またはその抗原結合フラグメントをコード化する核酸を含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、この開示に記載される抗体またはその抗原結合フラグメントをコード化する単離核酸の塩基配列を含有するベクターを含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載されるそのようなベクターを含有する細胞を含む医薬組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、この開示に記載の任意の構築物を含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、この開示に記載の結合体を含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、この開示に記載の任意の抗体結合体を含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、この開示に記載の任意の抗C3d抗体結合体を含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は薬学的に許容可能な賦形剤を含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、この開示に記載の任意の単離抗体もしくはその抗原結合フラグメントと、治療的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。好適な賦形剤は周知であり、本明細書に記載される。
本発明者らは、診断薬または検出可能な部分を、補体のC3dおよび/またはC3dgおよび/またはiC3bフラグメントに存在する特定のエピトープに標的化することが、診断薬を局所的に制限して、補体活性化の部位である組織または細胞にて最適な効果を出すことができる点で驚くほどに有効であることを見出した。よって、本発明者らは補体のC3dおよび/またはC3dgおよび/またはiC3bフラグメントに結合する抗体を単離し、診断薬および検出可能部分の標的化に用いた。
いくつかの実施形態では、本開示は、ヒトC3dタンパク質におけるエピトープに結合する抗体またはその抗原結合フラグメントを特色とする。いくつかの実施形態では、本開示は、ヒトC3dgタンパク質におけるエピトープに結合する抗体、またはその抗原結合フラグメントを特色とする。いくつかの実施形態では、本開示は、ヒトiC3bタンパク質におけるエピトープに結合する抗体、またはその抗原結合フラグメントを特色とする。例えば、抗C3d抗体または抗C3dg抗体または抗iC3b抗体は、ヒト補体成分C3dタンパク質の抗原性ペプチドフラグメント内もしくはそれと重なるエピトープ、またはヒト補体成分C3dgタンパク質におけるエピトープ、またはヒト補体成分iC3bタンパク質におけるエピトープと結合することができる。いくつかの実施形態では、これらの抗C3d抗体または抗C3dg抗体または抗iC3b抗体は、単クローン性抗体または抗原結合活性を保つ抗体フラグメントである。いくつかの実施形態では、これらの単クローン性抗体は、ハイブリドーマ細胞3d−8b/2(ATCC寄託番号:PTA−10999)、3d−9a/25(ATCC寄託番号:PTA−10998)、3d−29/5/2(ATCC寄託番号:PTA−11000)、3d−11/14(ATCC寄託番号:PTA−11011)、3d−31/A6/9(ATCC寄託番号:PTA−11027)、3d3/28/4(ATCC寄託番号:PTA−11025)、3d−15A9(ATCC寄託番号:PTA−11012)、3d−10/14/1(ATCC寄託番号:PTA−11010)、および3d−16/3/3(ATCC寄託番号:PTA−11026)によって産生されるものを含む。いくつかの実施形態では、本開示は、抗体3d8b、3d9a、3d29、3d11、3d31、3d3、3d15、3d10、および3d16の任意の1つによって認識されるエピトープ内、またはそれと重なるエピトープに結合する、抗体、もしくはその抗原結合フラグメントを提供する。いくつかの実施形態では、3d8b、3d9a、3d29、3d11、3d31、3d3、3d15、3d10、および3d16の任意の1つの抗体によって認識されるエピトープ内で、またはそれと重なってエピトープと結合するこれらの抗体もしくはそれらの抗原結合フラグメントは、C3dもしくはC3dgもしくはiC3bに結合することについて、3d8b、3d9a、3d29、3d11、3d31、3d3、3d15、3d10、および3d16の抗体の少なくとも1つと競合しない。いくつかの実施形態では、3d8b、3d9a、3d29、3d11、3d31、3d3、3d15、3d10、および3d16の抗体のいずれか1つによって認識されるエピトープ内でまたはそれと重なってエピトープと結合するこれらの抗体もしくはそれらの抗原結合フラグメントは、C3dまたはC3dgまたはiC3bに結合することについて、3d8b、3d9a、3d29、3d11、3d31、3d3、3d15、3d10、および3d16を含む抗体の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、または9つ)と競合する。いくつかの実施形態では、3d8b、3d9a、3d29、3d11、3d31、3d3、3d15、3d10、および3d16の抗体の任意の1つによって認識されるエピトープ内で、またはそれと重なってエピトープに結合するこれらの抗体もしくはそれらの抗原結合フラグメントは、3d8b、3d9a、3d29、3d11、3d31、3d3、3d15、3d10、および3d16の抗体の少なくとも1つがC3dまたはC3dgまたはiC3bと結合するのを抑止する。いくつかの実施形態では、抗体、またはその抗原結合フラグメントは、scFvである。いくつかの実施形態では、scFvは3d8b、3d9a、3d29、3d11、3d31、3d3、3d15、3d10、および3d16の抗体の任意の1つに由来する(3d scFv)。いくつかの実施形態では、scFvは3d8b scFvである。いくつかの実施形態では、scFvは3d29scFvである。
いくつかの実施形態では、本開示に提供される抗C3d抗体または抗C3dg抗体または抗iC3b抗体もしくはその抗原結合フラグメントは、ヒト補体成分C3dまたはC3dgタンパク質またはiC3bタンパク質内で、もしくはそれと重なってエピトープと結合する別の抗体もしくは結合相手の結合をクロスブロックすることができる。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体または抗C3dg抗体または抗iC3b抗体、もしくはそれらの抗原結合フラグメントは、ヒト補体成分C3dタンパク質またはC3dgタンパク質またはiC3bタンパク質のペプチドフラグメント内で、もしくはそれと重なってエピトープに結合する抗体の結合をクロスブロックすることができる。本明細書に用いられるように、用語「クロスブロック抗体」は、抗体、または抗原性結合活性を維持するその抗体フラグメントを示し、抗C3d抗体または抗C3dg抗体または抗iC3b抗体、もしくはその抗原性結合活性を維持する抗体フラグメントの、補体成分C3dタンパク質またはC3dgタンパク質またはiC3bタンパク質のエピトープへの結合量を、クロスブロック抗体、もしくはその抗原性結合活性を維持するその抗体フラグメントの不在下で抗C3d抗体または抗C3dg抗体または抗iC3b抗体のエピトープとの結合量に比例して低下させる。第1の抗体、もしくはその抗体フラグメントが、第2の抗体、もしくはその抗体フラグメントのエピトープへの結合をクロスブロックするかを判断する好適な方法は、周知である。例えば、クロスブロック抗体は、3d−9a/25抗C3d単クローン性抗体(ハイブリドーマ細胞系ATCC指定PTA−11025によって産生)とC3dとの結合を、テスト抗体の存在下と不在下とで比較することによって同定することができる。このような場合、テスト抗体の不在下での3d−9a/25抗体の結合と比較してテスト抗体の存在下での3d−9a/25抗体の結合が低下すると、テスト抗体がクロスブロック抗体であることが示される。
別の実施形態では、本明細書は、標的化診断薬部分(例えば、構築物、結合体、抗C3d抗体結合体)の任意の有効量および本明細書に記載される方法で用いるための使用説明書を含む、診断組成物を含有する製品またはキットを提供する。よって、いくつかの実施形態では、製品は、C3dおよびC3dgおよびiC3bから選択される、検出可能部分に連結される結合相手に結合する単クローン性抗体を含む抗C3d抗体結合体を有効量で含む診断組成物の使用説明書を含む。診断用組成物はさらに、本明細書に記載されるように個体への投与用に処方される1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含んでいてもよい。キットはさらに、注射器、吸入器、または全身投与もしくは局所投与に有用な他のデバイスなどの、投与用の手段を含んでいてもよい。
さらに別の実施形態では、本開示は、ラベルを含む容器と、本明細書に記載の任意の抗体または抗原結合フラグメントまたは構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)を含む組成物とを含む製品を特色とし、ラベルは、組成物が、補体関連不調、病気、または状態を有する、有すると疑われる、または発症するリスクがあるヒトに投与されることを示す。製品は1つ以上の付加的な薬剤を含むことができる。
別の態様では、開示は、(i)本明細書に記載される任意の抗体またはその抗原結合フラグメントと、(ii)ヒトに抗体または抗原結合フラグメントを送出する手段もしくは(ii)本明細書に記載される任意の構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)と、(iv)ヒトに構築物を送出する手段とを含む診断用または観察用キットを特色とする。手段は、構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)のヒトへの皮内投与に好適であり得る。手段は、ヒトへの、構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)、または抗体もしくはその抗原結合フラグメントの眼内投与に好適であり得る。手段は、ヒトへの、構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)、または抗体もしくはその抗原結合フラグメントの関節内投与に好適であり得る。
検出可能部分
MRIは、高解像度の組織画像を非侵襲的に取得するために用いることができる。常磁性剤またはUSPIOナノ粒子もしくはその凝集体は、T2荷重磁気共鳴画像における信号減衰を強化し、そのようなナノ粒子が結合リガンドへ接合することで、細胞レベルにおける特定の分子の検出を可能とする。例えば、ナノ粒子検出剤を用いたMRIは、細胞移動(J.W.Bulte.et al,2001,Nat.Biotechnol.19:1141−1147)、アポトーシス(M.Zhao.et al,2001,Nat.Med.7:1241−1244)を画像化することができ、がんの小さな病巣を検出することができる。例えば、Y.W.Jun.et al,2005,J.Am.Chern.Soc 127:5732−5733、Y.M.Huh.et al,2005,J.Am.Chern.Soc.127:12387−12391を参照のこと。造影MRIは、高分子または分子事象の動的非侵襲性画像化に好適であるが、対象の分子に特異的に結合するリガンドを有する必要がある。J.W.Bulte.et al,2004,NMR Biomed.17:484−499。蛍光色素およびフルオフォア(例えば、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、およびフルオレセイン誘導体)を用いて、例えば分光光度法、二光子蛍光、二光子レーザー顕微鏡、または蛍光顕微鏡検査法(例えば、組織生検の)によって高解像度の組織画像を非侵襲的に取得することができる。MRIは、例えば常磁性分子、常磁性ナノ粒子、超小超常磁性酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子、USPIOナノ粒子凝集体、超常磁性酸化鉄(「SPIO」)ナノ粒子、SPIOナノ粒子凝集体、単結晶酸化鉄ナノ粒子、単結晶酸化鉄、他のナノ粒子造影剤と合わせて用いることで、高解像度の組織画像を非侵襲的に取得するのに用いることができる。MRIは、例えばリポソーム、またはガドリニウムキレート(「Gdキレート」)分子を含有する他の伝達媒体を含むガドリニウムを合わせて用いることで、高解像度の組織画像を非侵襲的に取得するのに用いることができる。例えば、放射性核種(例えば、炭素11、窒素13、酸素15、フッ素18、ルビジウム82)、フルオロデオキシグロコース(例えば、フッ素18標識)、任意のガンマ線放出放射性核種、ポジトロン放出放射性核種、放射標識されたグルコース、放射標識された水放射標識されたアンモニアを合わせて用いることで、ポジトロン放射形断層撮影法(PET)、PET/コンピューター断層撮影法(CT)、単一光子放射型コンピューター断層撮影法(SPECT)、およびSPECT/CTを用いて高解像度の組織画像を非侵襲的に取得することができる。例えば生体コロイドまたは微小気泡(例えば、アルブミン、ガラクトース、脂質、および/またはポリマーを含む微小気泡シェル、大気、重質ガス、パーフルオロカーボン、窒素、オクタフルオロプロパン、パーフレキサン脂質ミクロスフィア、パーフルトレンなどの微小気泡ガス)を合わせて用いることで、高解像度の組織画像を非侵襲的に取得するために超音波(超音波検査)およびコントラスト増強超音波(コントラスト増強超音波検査)を用いることができる。例えば、ヨウ素化造影剤(例えば、イオへキソール、イオジキサノール、イオベルソール、イオパミドール、イオキシラン、イオプロミド、ジアトリゾ酸、メトリゾ酸、イオキサグル酸)、硫酸バリウム、二酸化トリウム、金、金ナノ粒子、または金ナノ粒子凝集体を合わせて用いることで、X線撮像(X線検査)またはCTを用いて高解像度の組織画像を非侵襲的に取得することができる。これらの検出方法および器具ならびに対応する方法によって測定または検出することができる検出可能部分は、非限定的な例である。
本明細書に用いられるように、用語「超小超常磁性酸化鉄ナノ粒子」または「USPIOナノ粒子」は、直径が1〜50nmの範囲内、より典型的には直径が5〜40nmの間の超常磁性酸化鉄粒子を示す(合成後に塗布される被膜を除外する)。USPIOナノ粒子は一般に不対スピンの結晶含有領域を有するマグヘマイト(Fe2O3)または磁鉄鉱(Fe3O4)からなる。これらの磁気ドメインは磁場不在下であると異常をきたすが、磁場が印加されると(すなわち、MRIを受けている間)、結果として残留磁化を招くことなく、磁気ドメインが個別の対になっていない電子の合計よりもずっと大きい磁気モーメントを生成するのに整列される。血流に注入されると、USPIOナノ粒子はマクロファージによって取り込まれ、炎症している組織に堆積される。これらの鉄部分はT2荷重画像上の信号減衰に対してマイナスに影響し、それらの関連する濃度は低下したT2−信号強度、または、より正確には、低下したスピン−スピンT2緩和時間によって評価することができる。低下したT2緩和時間(横緩和時間)は、したがって、炎症を検出するのに用いることができる。短縮されたT2緩和時間は、粒子が位置する磁気共鳴画像の暗化を結果として引き起こし、これによって「ネガティブコントラスト(negative contrast)」を生成される。この手法は、いくつかのモデルで腎臓での炎症を検知する上でその使用に成功している。いくつかの場合では、USPIOナノ粒子は合成後に凝集されて、直径が25nm、50nm、75nm、100nm、または150nm、もしくはそれよりも大きいその凝集体(本明細書では「超小超常磁性酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子凝集体」もしくは「USPIOナノ粒子凝集体」)を産生してもよい。
USPIOナノ粒子またはその凝集体は、任意の天然または合成ポリマー、界面活性剤、リン脂質、または無機材料を含む、標的基の付着を、直接的、もしくはペプチド、ポリペプチド、タンパク質、または他の化学基を含む様々な種類のリンカーを介して可能とするために修飾または誘導体化され得る多種多様の材料で被覆されてもよく、あるいは被覆されていなくてもよい。使用可能な被覆としては、ポリ(エチレン酢酸ビニル共重合体)、ポリビニルピロリドン(「PYP」)、ポリ(乳酸−グリコール酸共重合体)(「PLGA」)、ポリエチレングリコール(「PEG」)、ポリビニルアルコール(「PYA」)、ポリアクリル酸などに基づく合成ポリマー、ゼラチン、デキストラン、キトサン、プルランなどの天然ポリマー、オレイン酸ナトリウム、ドデシルアミン、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどの界面活性剤、金またはシリカなどの無機材料、ならびにリン脂質などの生体物質が挙げられる。
本明細書ではさらに、個体における補体媒介炎症を、本明細書に提供される抗体標的USPIOナノ粒子またはナノ粒子凝集体組成物を用いて検出する非侵襲性な方法を提供する。ある実施形態では、本発明は個体における補体媒介炎症を検出する非侵襲性な方法を提供し、方法は、(a)個体に、抗体標的超小超常磁性酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子またはその凝集体を有効量で含む組成物を投与することと、(2)個体の磁気共鳴画像を撮像することとを含む。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、補体媒介炎症は代替補体媒介炎症である。
本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、個体に投与される組成物は、本明細書に記載される任意の抗体標的USPIOナノ粒子組成物を含む医薬組成物である。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、個体に投与される組成物は、本明細書に記載される任意の抗体標的USPIOナノ粒子凝集体組成物を含む医薬組成物である。
本明細書に用いられるように、用語「磁気共鳴画像法」または「MRI」は、身体の詳細な画像を任意の面で提供する、身体の構造および機能を視覚化するのに一般的に用いられる非侵襲性の医療画像法を示す。MRIは、コンピューター断層撮影法(CT)などの他の非侵襲性画像法に比べて、異なる軟組織間でより大きなコントラストを提供し、それによって神経、筋骨格、心血管系、および腫瘍(がん)の画像法において特に有用である。CTと違い、電離放射線を必要とせず、代わりに身体の中の水分中の水素原子の核磁化を整列させるための強力な磁場を用いる。この磁化のアラインメントを系統的に改変するのに無線周波数電磁場が用いられ、それによって、水素核に、スキャナによって検出可能な回転磁場が発生される。この信号は、身体の画像またはその一部を再構築するのに十分な情報を作り上げるために、追加の磁場によって操作可能である。
個体がスキャナの中で横になると、個体の身体中に豊富に見つかる水分子の水素核(すなわち、陽子)が、強い主磁界と整列する。高周波で振動して主磁界に対して垂直である第2の電磁場は、次に陽子の一部を主磁界とのアラインメントから押し出すためにパルスされる。これらの陽子はその後、主磁界とのアラインメントに流れ戻り、その際に検出可能な無線周波数信号を放出する。様々な身体組織における陽子(例えば、脂肪対筋肉)が様々な速度で再整列されるため、様々な身体構造を画像化することができる。血管、臓器、腫瘍または炎症の部位の外観を強調するために、造影剤を静脈内に注入してもよい。
本明細書に用いるように、抗体標的超小超常磁性酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子またはナノ粒子凝集体組成物(本明細書に記載される任意の医薬組成物を含む)の「有効量」または「診断的な有効量」は、臨床的に有用な補体媒介炎症の磁気共鳴画像を産生するのに十分な量である。臨床的に有用な磁気共鳴画像とは、経験のある臨床医が、診断、治療介入の効き目を観察するなどの目的で、炎症の度合いおよび/または程度を評価できるだけの十分な詳細を含むものである。本明細書に用いられるように、抗体標的検出可能部分または抗体結合体または抗C3d抗体結合体(本明細書に記載される任意の医薬組成物を含む)の「有効量」または「診断的な有効量」は、抗体標的検出可能部分または抗体結合体または抗C3d抗体結合体を検出することができる検出方法と組み合わされたときに補体媒介炎症または補体活性化(例えば、個体、患者、ヒト、哺乳動物、臨床試料、組織、もしくは生検)の臨床的に有用な特徴または測定を得るのに十分な量である。補体媒介炎症または補体活性化の臨床的に有用な特徴または測定とは、経験のある臨床医が、診断、治療介入の効き目を観察するなどの目的で、炎症の度合いおよび/または程度を評価できるだけの十分な詳細を含むものである。
超小超常磁性酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子、USPIOナノ粒子凝集体、超常磁性酸化鉄(「SPIO」)ナノ粒子、SPIOナノ粒子凝集体または他のナノ粒子造影剤(検出可能部分の例)を、活性炎症の部位に、補体活性化の部位への抗体標的を介して送出することで、そのような炎症の非侵襲性磁気共鳴画像法を可能とし、身体全体にわたって補体活性化の特異的な検出を可能とし、補体媒介炎症を他の炎症と区別する。
したがって、一態様では、本発明は、非侵襲性医療または診断的画像適用についての抗体標的ナノ粒子造影剤を含む組成物を提供する。ある実施形態では、抗体標的ナノ粒子造影剤組成物はUSPIOナノ粒子またはその凝集体を含む。ある実施形態では、抗体標的ナノ粒子造影剤組成物は、抗体標的リポソームまたは他のガドリニウムキレート(「Gdキレート」)分子を含有する抗体標的送出媒体を含む。抗体標的ナノ粒子造影剤または組成物および抗体標的超小超常磁性酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子または凝集体は、抗体結合体の例である。
超小超常磁性酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子またはその凝集体の少なくとも2つの物理化学的特徴が、個々のナノ粒子またはナノ粒子凝集体の大きさで変動する。最初に、USPIOナノ粒子の調製品の、MRI画像法のコントラストを増強させる能力およびコントラスト増強の度合いの両方が、ナノ粒子径によって変動する。これは、個々のUSPIOナノ粒子の磁気モーメントもまた、粒子径で変動するからである。約15nmまで(好ましくは10nm未満)の直径を有する酸化鉄ナノ粒子は超常磁性であり続けるが、より大きい酸化鉄ナノ粒子はその超常磁性特性を失う。したがって、MRI造影試薬として使用するのに好適なUSPIOナノ粒子の直径には上限がある。この限度は、より小さい個々のUSPIOナノ粒子の多粒子凝集体を使用することで解消することができる。各ナノ粒子凝集体内の個々のナノ粒子の磁気モーメントは付加的であるために、このようなUSPIOナノ粒子凝集体は効果的にMRIコントラストを増強させる。個々の酸化鉄ナノ粒子とは違い、超小超常磁性酸化鉄ナノ粒子の凝集体はより大きな大きさを有することで常磁性特性は失わない。
第2に、生体内半減期(例えば、循環血漿または血液半減期および組織半減期)ならびにUSPIOナノ粒子またはその凝集体の生体分布は、ナノ粒子または凝集体の大きさで変動する。例えば、直径が10nm以下のUSPIOナノ粒子(単結晶酸化鉄ナノ粒子)は、81分以下の循環血液半減期を有し(R.Weissleder.et al,1990,Radial.175(2):489−493)、直径が50nm以下のUSPIOナノ粒子は30分以下の循環半減期を有し(D.Pouliquen.et al,1991,Magnet.Resonance Imag.9(3):275−283)、直径が150nm以下のUSPIOナノ粒子は30分以下の循環半減期を有すると考えられており、直径が80nm以下のUSPIOナノ粒子は約1から数日(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9以上の日数)の組織半減期ならびに45日以下の全身半減期を有する(R.Weissleder.et al,1989,Am.J.Roentgenol.152(1):167−173)。効果的な標的化MRI造影増強試薬は、所望の標的(例えば、C3分解性生物の腎性沈殿物)を認識してそれに結合できるだけの長さで血管構造内を循環しなければならないが、いかなる潜在的な毒性を最小限にできるだけの速さで排出される。臨床的に有用な磁気共鳴画像を生成するための最適なUSPIOナノ粒子またはナノ粒子凝集体の大きさは、画像化される臓器(例えば、腎臓、目、網膜)、組織、および/または生理現象(例えば、補体媒介炎症)によって変動する。
USPIOナノ粒子またはナノ粒子凝集体の循環半減期もまた、異なる材料で被覆することで改変(すなわち、低下または延長)することができる。例えば、USPIOナノ粒子またはナノ粒子凝集体は、他の材料のうち、天然または合成ポリマー、界面活性剤、リン脂質で被覆されていてもよく、これらは、直接的、もしくはペプチド、ポリペプチド、タンパク質、または他の化学基を含むリンカーの様々な種類を介して間接的に、標的基の付着を許容するべく修飾または誘導体化されていてもよい。いくつかの場合では、被膜はさらに、合成ポリマー、天然ポリマー、両親媒性ポリマー、もしくは凝集体を安定化させる、または溢出、オプソニン作用、食作用、エンドサイトーシス、もしくは他の生理学的クリアランスの形態に対する感受性を最小化するのに好適な他の分子(例えば、ポリビニルピロリドン(「PVP」)、ポリ(乳酸−グリコール酸共重合体)(「PLGA」)、ポリエチレングリコール(「PEG」)、ポリビニルアルコール(「PYA」)、ポリアクリル酸など)を取り込むように修飾されていてもよい。USPIOナノ粒子またはナノ粒子凝集体の大きさ、特定の被膜、ナノ粒子またはナノ粒子凝集体を所望の臓器(例えば、腎臓、目、網膜)、組織、および/または生理現象(例えば、補体媒介炎症)に標的化するのに好適な修飾または誘導体化は、経験的に決められてもよい。本明細書では、凝集体がその標的に到達できるだけの長さを有する循環半減期を有する産生に好適な最適なUSPIOナノ粒子凝集体の大きさの範囲および安定した標的USPIOナノ粒子凝集体の産生のための被膜の種類を同定し、特定の組織における補体媒介炎症の検出を、標的を見つけて結合することができないほどに速く排出されないで行うことを可能とする。
実施形態では、本開示は(i)本明細書に記載される任意の抗体もしくはその抗原結合フラグメントと、ヒトにその抗体もしくは抗原結合フラグメントを送出する手段、または(ii)任意の構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)と、ヒトに構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)を送出する手段を含む、診断用もしくは観察用キットを特色とする。
ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約1nmから約1000nmの間である。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約5nmから約500nmの間である。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約10nmから約100nmの間である。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約50nmから約150nmの間である。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約65nmから約85nmの間である。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約75nmである。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約150nmである。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約1nmから約1000nmの間であり、両親媒性のポリマーで被膜される。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約5nmから約500nmの間であり、両親媒性のポリマーで被膜される。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約10nmから約100nmの間であり、両親媒性のポリマーで被膜される。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約50nmから約150nmの間であり、両親媒性のポリマーで被膜される。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約65nmから約85nmの間であり、両親媒性のポリマーで被膜される。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約75nmであり、両親媒性のポリマーで被膜される。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約150nmであり、両親媒性のポリマーで被膜される。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約1nmから約1000nmの間であり、リン脂質に被包されている。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約5nmから約500nmの間であり、リン脂質に被包されている。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約10nmから約100nmの間であり、リン脂質に被包されている。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約50nmから約150nmの間であり、リン脂質に被包されている。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約65nmから約85nmの間であり、リン脂質に被包されている。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約75nmであり、リン脂質に被包されている。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約150nmであり、リン脂質に被包されている。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、リン脂質は1,2−ジステアロイ1−sn−グロセロ−3−ホスホエタノールアミン(「DSPE」)を含む。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、リン脂質はペグ化されている。用語「ペグ化」は、ポリエチレングリコール(PEG)と接合するという通常の意味を示す。本明細書に記載されるある実施形態では、ペグ化リン脂質はさらに抗体または細菌標的基と架橋するのに好適な官能基を含む。本明細書に記載されるある実施形態では、ペグ化リン脂質はさらに、C3b、iC3b、C3dg、C3dなどを含むがこれらに限られない、C3に向けられる抗体もしくはそのフラグメントを架橋するのに好適な官能基を含む。本明細書に記載されるある実施形態では、官能基はアミンである。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、官能基はマレイミドである。本明細書に記載される任意の実施形態では、官能基はチオールである。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、ペグ化リン脂質はポリエチレングリコール(「PEG」)を、PEG100からPEG5000、PEG500からPEG5000、PEG1000からPEG5000、またはPEG2000からPEG4000の範囲内の分子量で含む。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、ペグ化リン脂質は、PEG100、PEG200、PEG300、PEG400、PEG500、PEG600、PEG700、PEG800、PEG900、PEG1000、PEG1500、PEG2000、PEG2500、PEG3000、PEG3500、PEG4000、PEG4500、またはPEG5000を含む。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、リン脂質はDSPE−PEG2000を含む。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、リン脂質はアミン官能化DSPE−PEG2000を含む。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、リン脂質はアミン官能化DSPE−PEG2000を含む。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、リン脂質はマレイミド官能化DSPE−PEG2000を含む。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、USPIOナノ粒子凝集体は抗体標的され、リン脂質で被包され、約20分から約40分間の循環血漿半減期を有し、1〜数日(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9日、もしくはそれ以上の日数)の組織半減期を有する。
ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約1nmから約1000nmの間であり、デキストランで被覆される。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約5nmから約500nmの間であり、デキストランで被覆される。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約10nmから約100nmの間であり、デキストランで被覆される。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約50nmから約150nmの間であり、デキストランで被覆される。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約65nmから約85nmの間であり、デキストランで被覆される。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約75nmであり、デキストランで被覆される。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約150nmであり、デキストランで被覆される。
ある実施形態では、リン脂質被包抗体標的USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約1nmから約1000nmの間であり、抗体標的基をリン脂質被膜に付着されて含む。ある実施形態では、リン脂質被包抗体標的USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約5nmから約500nmの間であり、抗体標的基をリン脂質被膜に付着されて含む。ある実施形態では、リン脂質被包抗体標的USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約10nmから約100nmの間であり、抗体標的基をリン脂質被膜に付着されて含む。ある実施形態では、リン脂質被包抗体標的USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約50nmから約150nmの間であり、抗体標的基をリン脂質被膜に付着されて含む。ある実施形態では、リン脂質被包抗体標的USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約65nmから約85nmの間であり、抗体標的基をリン脂質被膜に付着されて含む。ある実施形態では、リン脂質被包抗体標的USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約75nmであり、抗体標的基をリン脂質被膜に付着されて含む。ある実施形態では、リン脂質被包抗体標的USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約150nmであり、抗体標的基をリン脂質被膜に付着されて含む。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、リン脂質は、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(「DSPE」)を含む。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、リン脂質はペグ化されている。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、ペグ化リン脂質はさらに、抗体標的基と架橋するのに好適な官能基を含む。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、官能基はアミンである。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、官能基はマレイミドである。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、官能基はチオールである。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、ペグ化リン脂質はポリエチレングリコール(「PEG」)を、PEG100からPEG5000、PEG500からPEG5000、PEG1000からPEG5000、またはPEG2000からPEG4000の範囲内の分子量で含む。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、ペグ化リン脂質は、PEG100、PEG200、PEG300、PEG400、PEG500、PEG600、PEG700、PEG800、PEG900、PEG1000、PEG1500、PEG2000、PEG2500、PEG3000、PEG3500、PEG4000、PEG4500、またはPEG5000を含む。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、リン脂質はDSPE−PEG2000を含む。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、リン脂質はアミン官能化DSPE−PEG2000を含む。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、リン脂質はアミン官能化DSPE−PEG2000を含む。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、リン脂質はマレイミド官能化DSPE−PEG2000を含む。
抗体標的検出可能部分は、本明細書に記載される任意の抗体または抗原結合フラグメントに接続される(例えば、直接結合される、共有結合される、リンカーを介して結合される、可逆的に結合される)検出可能部分(例えば、USPIO、フルオフォア、蛍光部分、常磁性種、放射性同位元素、本明細書に記載される他の検出可能部分)であり、標的は抗体またはその抗原結合フラグメントによって認識される抗原である。抗体標的検出可能部分は、抗体の抗原結合フラグメントに接続された検出可能部分を含み、このような部分は抗体標的部分または抗体標的検出可能分子または抗体標的検出可能組成物の定義に含まれる。抗体標的検出可能部分は抗体結合体である。抗体が抗C3d、抗C3dg、または抗iC3b抗体もしくはその抗原結合フラグメントである抗体標的検出可能部分は、抗C3d抗体結合体である。
いくつかの実施形態では、抗体標的USPIOナノ粒子凝集体は約20分から約40分の循環血漿半減期を有し、1から数日の組織半減期(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9日、またはそれ以上の日数)を有する。
ある実施形態では、デキストラン被覆抗体標的USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約1nmから約1000nmの間であり、抗体標的基をデキストラン被膜に付着されて含む。ある実施形態では、デキストラン被覆抗体標的USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約5nmから約500nmの間であり、抗体標的基をデキストラン被膜に付着されて含む。ある実施形態では、デキストラン被覆抗体標的USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約10nmから約100nmの間であり、抗体標的基をデキストラン被膜に付着されて含む。ある実施形態では、デキストラン被覆抗体標的USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約50nmから約150nmの間であり、抗体標的基をデキストラン被膜に付着されて含む。ある実施形態では、デキストラン被覆抗体標的USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約65nmから約85nmの間であり、抗体標的基をデキストラン被膜に付着されて含む。ある実施形態では、デキストラン被覆抗体標的USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約75nmであり、抗体標的基をデキストラン被膜に付着されて含む。ある実施形態では、デキストラン被覆抗体標的USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は約150nmであり、抗体標的基をデキストラン被膜に付着されて含む。
ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は1nmから1000nmの間である。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は5nmから500nmの間である。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は10nmから100nmの間である。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は50nmから150nmの間である。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は65nmから85nmの間である。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は75nmである。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は150nmである。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は1nmから1000nmの間であり、両親媒性のポリマーで被覆される。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は5nmから500nmの間であり、両親媒性のポリマーで被覆される。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は10nmから100nmの間であり、両親媒性のポリマーで被覆される。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は50nmから150nmの間であり、両親媒性のポリマーで被覆される。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は65nmから85nmの間であり、両親媒性のポリマーで被覆される。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は75nmであり、両親媒性のポリマーで被覆される。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は150nmであり、両親媒性のポリマーで被覆される。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は1nmから1000nmの間であり、リン脂質に被包されている。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体は5nmから500nmの間であり、リン脂質に被包されている。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は10nmから100nmの間であり、リン脂質に被包される。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は50nmから150nmの間であり、リン脂質に被包される。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は65nmから85nmの間であり、リン脂質に被包される。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は75nmであり、リン脂質に被包される。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は150nmであり、リン脂質に被包される。
ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は1nmから1000nmの間であり、デキストランで被覆される。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は5nmから500nmの間であり、デキストランで被覆される。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は10nmから100nmの間であり、デキストランで被覆される。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は50nmから150nmの間であり、デキストランで被覆される。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は65nmから85nmの間であり、デキストランで被覆される。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は75nmであり、デキストランで被覆される。ある実施形態では、USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は150nmであり、デキストランで被覆される。
ある実施形態では、リン脂質被包抗体標的USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は1nmから1000nmの間であり、抗体標的基をリン脂質被膜に付着されて含む。ある実施形態では、リン脂質被包抗体標的USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は5nmから500nmの間であり、抗体標的基をリン脂質被膜に付着されて含む。ある実施形態では、リン脂質被包抗体標的USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は10nmから100nmの間であり、抗体標的基をリン脂質被膜に付着されて含む。ある実施形態では、リン脂質被包抗体標的USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は50nmから150nmの間であり、抗体標的基をリン脂質被膜に付着されて含む。ある実施形態では、リン脂質被包抗体標的USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は65nmから85nmの間であり、抗体標的基をリン脂質被膜に付着されて含む。ある実施形態では、リン脂質被包抗体標的USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は75nmであり、抗体標的基をリン脂質被膜に付着されて含む。ある実施形態では、リン脂質被包抗体標的USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は150nmであり、抗体標的基をリン脂質被膜に付着されて含む。
ある実施形態では、デキストラン被覆抗体標的USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は1nmから1000nmの間であり、抗体標的基をデキストラン被膜に付着されて含む。ある実施形態では、デキストラン被覆抗体標的USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は5nmから500nmの間であり、抗体標的基をデキストラン被膜に付着されて含む。ある実施形態では、デキストラン被覆抗体標的USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は10nmから100nmの間であり、抗体標的基をデキストラン被膜に付着されて含む。ある実施形態では、デキストラン被覆抗体標的USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は50nmから150nmの間であり、抗体標的基をデキストラン被膜に付着されて含む。ある実施形態では、デキストラン被覆抗体標的USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は65nmから85nmの間であり、抗体標的基をデキストラン被膜に付着されて含む。ある実施形態では、デキストラン被覆抗体標的USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は75nmであり、抗体標的基をデキストラン被膜に付着されて含む。ある実施形態では、デキストラン被覆抗体標的USPIOナノ粒子またはその凝集体の直径は150nmであり、抗体標的基をデキストラン被膜に付着されて含む。
実施形態では、USPIOは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、および50nmからなる群から選択される直径を有する。実施形態では、USPIOは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、および50nmからなる群から選択される直径を有する。実施形態では、USPIOは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103。104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、および200nmからなる群から選択される直径を有する。実施形態では、USPIOは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103。104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、および200nmからなる群から選択される直径を有する。実施形態では、USPIO凝集体は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103。104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、および200nmからなる群から選択される直径を有する。実施形態では、USPIO凝集体は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103。104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、および200nmからなる群から選択される直径を有する。実施形態では、USPIO凝集体は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103。104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、および1000nmからなる群から選択される直径を有する。実施形態では、USPIO凝集体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103。104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、4
00、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、および1000nmからなる群から選択される直径を有する。
実施形態では、USPIOは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、および15nmからなる群から選択される直径を有する。実施形態では、USPIOは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、および15nmからなる群から選択される直径を有する。実施形態では、USPIOは1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10nmからなる群から選択される直径を有する。実施形態では、USPIOは約1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10nmからなる群から選択される直径を有する。実施形態では、USPIOは約1から15nmの間の直径を有する。実施形態では、USPIOは1から15nmの間の直径を有する。実施形態では、USPIOは約1から10nmの間の直径を有する。実施形態では、USPIOは1から10nmの間の直径を有する。実施形態では、本明細書に記載される任意のUSPIOを、様々な大きさのUSPIO(例えば、両親媒性のポリマーで被覆されたもの、リン脂質被包されたもの、デキストランで被覆したものなど、もしくはその組み合わせ)について上記のように修飾してもよい。
診断用組成物及び診断方法
本発明の非侵襲的方法により、3つの補体経路のいずれかが関与する多くの疾患と関連する補体媒介性炎症を検出することができる。このような疾患としては、例えば、(1)急性心筋梗塞、動脈瘤、脳卒中、出血性ショック、挫滅、多臓器不全、血液量減少性ショック、腸管虚血、脊髄損傷、及び外傷性脳損傷後の虚血再灌流による組織損傷;(2)例えば、火傷、内毒血症、及び敗血症性ショックなどの炎症性疾患、成人呼吸促迫症候群、心肺バイパス、血液透析;アナフィラキシーショック、重症喘息、血管浮腫、クローン病、鎌状赤血球貧血、連鎖球菌感染後糸球体腎炎、膜性腎炎、及び膵炎;(3)移植拒絶反応、例えば、超急性異種移植片拒絶反応;(4)習慣性流産及び子癇前症などの妊娠関連疾患;並びに、(5)薬物有害反応、例えば、薬物アレルギー、IL−2誘導血管漏出症候群、及びX線撮影造影剤アレルギーが挙げられる。また、限定するものではないが、重症筋無力症、アルツハイマー病、多発性硬化症、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、インスリン依存性糖尿病、急性散在性脳脊髄炎、アジソン病、抗リン脂質抗体症候群、自己免疫性肝炎、クローン病、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン・バレー症候群、橋本病、特発性血小板減少性紫斑病、天疱瘡、シェーグレン症候群、及び高安動脈炎などの自己免疫障害に関連する補体媒介性炎症も、本明細書記載の方法により検出できる。
特定の実施形態では、本明細書で提供される方法により検出される補体媒介性炎症は、心肺バイパス術後合併症;心筋梗塞;虚血/再潅流傷害;急性呼吸窮迫症候群(ARDS);敗血症;火傷;心肺バイパス術及び血液透析に関連する炎症;血漿交換療法;血小板フェレーシス;白血球フェレーシス;体外膜型肺(ECMO);ヘパリン誘起体外低密度リポ蛋白析出(HELP);X線撮影造影剤誘導アレルギー反応;移植拒絶反応;その他の炎症性状態、自己免疫障害、及び自己免疫/免疫複合体疾患、例えば、多発性硬化症、重症筋無力症、膵炎、関節リウマチ、IgG4媒介性/関連疾患、アルツハイマー病、喘息、熱傷、アナフィラキシーショック、腸炎、じんま疹、血管浮腫、血管炎、糸球体腎炎、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス及びループス腎炎、の群から選択される疾患に関連する。
2型膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN II)は、持続性蛋白尿、血尿、及び腎炎症候群の原因となる希な腎臓疾患である。MPGN IIのFH欠損及び機能不全がいくつかの症例で報告されている。例えば、MPGN IIのヒト患者でFHの変異が見つかっている。Norwegian Yorkshire品種のブタは、劣性遺伝するFH欠損を有する。これらの動物はMPGN IIを発症し、腎糸球体内に塊状の補体沈着物を示し、腎不全のために若年齢で死亡する。さらに、低補体血症性MPGN IIの患者においてでFHを認識する自己抗体が報告されている。従って、補体活性化副経路がMPGN IIの発症と進行に関与しているということが証拠により示唆される。
溶血性***症候群(HUS)は、末梢における連続的な血小板分解及び腎臓の微小循環中の血小板トロンビンに起因する微小血管症性溶血性貧血、血小板減少症を特徴とし、最終的には急性腎不全に至る疾患である。例えば、Zipfel,2001, Seminars in Thrombosis Hemostasis,27(3):191−199、を参照されたい。現時点で、非下痢型のHUS(非典型HUS又はaHUSとしても知られる)は、FHの変異及び突然変異と関連するというかなりの証拠が存在する。さらに、 FHに対する自己抗体がaHUS患者で報告されている。従って、補体活性化副経路がHUSとaHUSの発症と進行に関与しているということが証拠から示唆される。
関節リウマチは、種々の全身症状を示すことがある慢性疾患である。この疾患は原因不明であり、また、通常、対称分布的に末梢関節に影響を与える持続性炎症性滑膜炎に至ることを特徴とする。この状態の最も重要な特徴には、軟骨破壊、骨侵食、及び最終的にこの疾患の顕著な特徴である関節変形を引き起こす、補体媒介性炎症が挙げられる。
本発明で使用する場合、「虚血再灌流(I/R)障害」との用語は、低酸素組織への再灌流後の血管内皮及びその下にある実質組織の炎症性損傷をいう。虚血再灌流障害は全身症候群であり、種々の組織(例えば、心筋、中枢神経系、後肢及び腸を含む)への急性及び慢性両方の損傷に関与する。虚血再灌流障害は、壊死及び不可逆的細胞損傷を引き起こす。補体経路(補体活性化副経路を含む)は、I/R損傷の主要な媒介因子である。従って、本発明で提供される非侵襲的方法は、全ての器官又は組織で起こる虚血再灌流障害に関連する補体媒介性炎症の検出に有用であり、虚血再灌流障害としては、限定するものではないが、腸管虚血再灌流障害、腎虚血再灌流障害、心臓虚血再灌流障害、他の内部臓器(例えば、肺、肝臓)の虚血再灌流障害、中枢神経系虚血再灌流障害、四肢又は指の虚血再灌流障害、外傷誘発性の血液量減少症、又は全ての移植臓器もしくは組織の虚血再灌流障害が挙げられる。虚血再灌流障害は、また、種々の他の状態に併発する場合がある。それらの状態としては、限定するものではないが、脳卒中、脊髄損傷、外傷誘発性の血液量減少性ショック、及び関節リウマチ等の自己免疫疾患(例えば、滑膜の虚血傷害によって非常に悪化する可能性がある)、又は種々の他の炎症性疾患(炎症によって媒介される疾患、又は虚血現象及び再灌流を引き起こす、もしくは虚血現象及び再灌流に関連することのある症状である炎症を伴う疾患)が挙げられる。虚血再灌流障害が起こる他の状態及び疾患は、当業者にとって公知である。
また、本明細書で提供される非侵襲的方法を使用して、ドルーゼン関連疾患の補体媒介性炎症を検出することもできる。「ドルーゼン関連疾患」との用語は、ドルーゼンの形成又はドルーゼン様細胞外疾患プラークが起こるいずれかの疾患を意味し、ドルーゼン又はドルーゼン様細胞外疾患プラークは、前記疾患の原因になる、もしくはそれに関与する、もしくはその徴候となる。例えば、黄斑ドルーゼンの形成によって特徴づけられる加齢黄斑変性(AMD)は、ドルーゼン関連疾患とみなされる。非眼性ドルーゼン関連疾患としては、限定するものではないが、アミロイド症、弾力線維症、デンスデポジット病、及び/又はアテローム性動脈硬化症が挙げられる。「ドルーゼン関連疾患」との用語は、MPGN IIなどの糸球体腎炎も含む。
別の実施形態では、本開示は、対象において補体活性化をモニター又は診断する方法を提供し、該方法は、本明細書に記載される有効量の構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)を対象に投与するステップを含む。
別の実施形態では、特段の断りのない限り、又は特定の文脈から他の方法が明らかでない限り、本明細書において、本明細書に記載される方法に関連して本明細書に記載されるいずれかの組成物の使用が提供される。
投与は、例えば、局所注入、注射により、又はインプラントにより行うことができる。インプラントは、シリコンゴム膜などの膜もしくは繊維を含む多孔性、非多孔性、又はゼラチン状材料であってもよい。インプラントは、対象に対し組成物の持続的放出又は周期的放出を行うように構成できる。例えば、米国特許出願公開第20080241223号;米国特許第5,501,856号;同4,863,457号;及び同3,710,795号;欧州特許第488401号;及び同430539号を参照されたい。これら特許のそれぞれの開示は、その全体が参照により本明細書に援用される。本明細書に記載の抗体又は構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)は、例えば、浸透圧ポンプ、生分解性インプラント、電気拡散系、電気浸透系、蒸気圧ポンプ、電解ポンプ、発泡ポンプ、圧電ポンプ、浸食に基づく系、もしくは電気機械的系などの、拡散系、浸食系、又は対流系をベースにした埋め込み型装置により対象に送達できる。
いくつかの実施形態では、手段はシリンジ、例えば、二重筒シリンジによるものであってよい。いくつかの実施形態では、手段は、構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)又は抗体もしくはその抗原結合断片を含む経強膜パッチ又はコンタクトレンズであってもよい。
いくつかの実施形態では、手段は、構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)又は抗体もしくはその抗原結合断片のヒトへの肺内送達に適するものである。例えば、手段は吸入器又は噴霧器であってよい。
いくつかの実施形態では、キットは、ヒトの補体関連疾患のモニタリング又は診断に使用する少なくとも1つの追加の活性薬剤を含む。
さらに別の実施形態では、本開示は、(a)本明細書に記載のいずれかの抗体もしくはその抗原結合断片、又は本明細書に記載のいずれかの構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)を含むプレフィルシリンジを特徴とする。構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)又は抗体もしくはその抗原結合断片は、眼内、硝子体内、又は関節腔内投与用として処方できる。
いくつかの実施形態では、構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)又は抗体もしくはその抗原結合断片は、筋肉内又は皮下投与用として処方される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体もしくはその抗原結合断片、又は結合体もしくは構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)は、局所投与により対象に送達される。本発明で使用する場合、「局所投与」又は「局所送達」は、目的の標的組織もしくは部位への組成物もしくは薬剤の血管系を経由した輸送に依存しない送達を意味する。例えば、組成物は、組成物もしくは薬剤の注射もしくは移植、又は組成物もしくは薬剤を含む装置の導入もしく移植により送達できる。標的組織もしくは部位の付近への局所投与後、組成物もしくは薬剤、又は1種もしくは複数種のその成分は、目的の標的組織もしくは部位に拡散することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体もしくはその抗原結合断片、又は結合体もしくは構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)は、関節(例えば、多関節)に局所投与できる。例えば、補体関連疾患が関節炎である実施形態では、本明細書に記載の抗体もしくはその抗原結合断片、又は結合体もしくは構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)は、関節に(例えば、関節腔に)又は関節の付近に直接投与できる。本明細書に記載の抗体もしくはその抗原結合断片、又は結合体もしくは構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)を局所投与できる関節腔内結合部の例には、股関節、膝、肘、手首、胸鎖、顎関節、手根、及びいずれか関節炎状態にある他の結合部が挙げられる。本明細書に記載の抗体もしくはその抗原結合断片、又は結合体もしくは構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)は、嚢、例えば、肩峰、二頭筋橈骨、肘橈骨、三角筋、膝蓋下、坐骨、及び医学分野で公知のいずれか他の嚢にも投与できる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体もしくはその抗原結合断片、又は結合体もしくは構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)は、眼に局所投与できる。本発明で使用する場合、「眼」との用語は、眼に関連するいずれか及び全ての解剖学的組織ならびに構造を意味する。眼は、外側強膜、中間脈絡膜層、及び内側網膜の3つの別個の層から構成される壁を有する。レンズの後部の空洞は、硝子体液と呼ばれるゼラチン状液体で満たされている。眼の背部には網膜があり、ここでは光を検出する。角膜は光学的に透明な組織で、眼の背部に画像を伝達する。角膜は、眼の中への薬剤の浸透のための1つの経路を備える。眼に関連するその他の解剖学的組織構造には、導涙系が含まれ、これは、分泌系、分配系、及び排出系を含む。分泌系は、まばたき及び涙の蒸発による温度変化により刺激される分泌腺と、遠心性副交感神経分布を有し、物理的又は感情的刺激に反応して涙液を分泌する反射分泌腺とを含む。分配系は、眼瞼及び開いた眼の眼瞼端の周りの涙液メニスカスを含み、これらはまばたきにより眼表面上に涙液を広げて乾燥領域が拡大するのを減らす。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体もしくはその抗原結合断片、又は結合体もしくは構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)は、眼の後眼房に投与できる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体もしくはその抗原結合断片、又は結合体もしくは構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)は、硝子体内に投与できる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体もしくはその抗原結合断片、又は結合体もしくは構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)は、経強膜的に投与できる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体もしくはその抗原結合断片、又は結合体又は構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)は、肺を介して対象に投与できる。肺への薬物送達は、吸入により実現でき、本明細書における吸入投与は、経口、及び/又は経鼻でよい。肺送達用の医薬装置の例には、定量吸入器、ドライパウダー吸入器(DPI)、及び噴霧器が挙げられる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体もしくはその抗原結合断片、又は結合体又は構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)は、ドライパウダー吸入器を使用して対象の肺に投与できる。これらの吸入器は、分散性で安定な粉末製剤を肺に送達する噴霧剤不含装置である。ドライパウダー吸入器は、医学の技術分野でよく知られており、限定するものではないが、TurboHaler(登録商標)(AstraZeneca;London,England)AIR(登録商標)吸入器(Alkermes(登録商標);Cambridge,Massachusetts);Rotahaler(登録商標)(GlaxoSmithKline;London,England);及び、Eclipse(商標)(Sanofi−Aventis;Paris,France)、が含まれる。また、国際公開第WO 04/026380号、同WO 04/024156号、及び同WO 01/78693号、を参照されたい。DPI装置は、インスリン及び成長ホルモンなどのポリペプチドの肺内投与用に使用されている。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体もしくはその抗原結合断片、又は結合体又は構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)は、定量吸入器を使用して肺内に投与できる。これらの吸入器は、噴霧剤を利用して個別の用量の化合物を肺に送達する。定量吸入器により投与される化合物の例としては、例えば、Astovent(登録商標)(Boehringer−Ingelheim;Ridgefield,Connecticut)、及びFlovent(登録商標)(GlaxoSmithKline)、が挙げられる。また、例えば、米国特許第6,170,717号;第5,447,150号;及び、第6,095,141号、も参照されたい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体もしくはその抗原結合断片、又は結合体又は構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)は、噴霧器を使用して対象の肺に投与できる。噴霧器は、圧縮空気を使用して、液化エアロゾル又はミストとして化合物を送達する。噴霧器は、例えば、ジェット噴霧器(例えば、空気又は液体ジェット噴霧器)又は超音波噴霧器であってよい。追加の装置及び肺内投与法は、例えば、米国特許出願公開第20050271660号及び同第20090110679号に記述されている。これら特許のそれぞれの開示は、その全体が参照により本明細書に援用される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体もしくはその抗原結合断片、又は結合体もしくは構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)は、単位剤形として存在し、特に自己投与に好適するであろう。本開示の処方された製品は、容器、通常は、例えば、バイアル、カートリッジ、プレフィルシリンジ又は使い捨てペン型注射器に収容できる。米国特許第6,302,855号に記載のような投与器も、例えば、本開示の注入系と一緒に使用可能である。
本発明で使用する場合、「対象」はいずれの哺乳動物であってもよい。例えば、対象は、ヒト、非ヒト霊長類(例えば、オランウータン、ゴリラ、マカク、ヒヒ、又はチンパンジー)、ウマ、雌ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、ウサギ、モルモット、スナネズミ、ハムスター、ラット、又はマウスであってよい。いくつかの実施形態では、対象は乳幼児(例えば、ヒト乳幼児)である。いくつかの実施形態では、対象は、患者である。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。
いくつかの実施形態では、本開示は、構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)の検出可能成分もしくは部分に対し、インビボで所定の領域もしくは区画を特異的に標的にさせる方法を提供し、その結果、このような構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)の標的成分もしくは部分とこのような領域もしくは区画に位置するターゲット分子との間の特異的相互作用により、他の領域もしくは区画の場合とは異なり、このような領域もしくは区画中の、このような検出可能成分もしくは部分の局所濃度を高めるか、又は、検出可能成分もしくは部分のこのような領域もしくは区画に位置する少なくとも1つの所定の分子へのアクセシビリティを高める。いくつかの実施形態では、本開示は、構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)の特異的に活性な又は検出可能成分もしくは部分に対し、このような活性な又は検出可能成分もしくは部分に融合して(例えば、直接に又は1種又は複数種のリンカーを介して)特異的に補体成分タンパク質に結合できる抗体もしくはその抗原結合断片を使用して、補体活性化物の表面を標的にさせる方法を提供する。いくつかの実施形態では、このような補体成分タンパク質は、C3d又はC3dg又はiC3bである。
本明細書に定義されているように、補体関連疾患(例えば、敗血症、重度の火傷、RA、ループス腎炎、グッドパスチャー症候群、又は喘息)の改善のための対象(例えば、ヒト患者)のモニタリングは、疾患パラメーターの変化、例えば、所与の疾患の1種又は複数種の症状の改善に関し、対象を評価することを意味する。補体関連疾患の症状は、医学の技術分野において周知である。いくつかの実施形態では、評価は投与後、少なくとも1時間、例えば、少なくとも、2時間、4時間、6時間、8時間、12時間、24時間、又は48時間、又は少なくとも1日、2日、4日、10日、13日、20日又はそれを超える日数、又は少なくとも1週間、2週間、4週間、10週間、13週間、20週間又はそれを超える期間行われる。対象は、治療の開始前;治療中;又は1種又は複数種の治療用成分が投与された後、の期間のうちの1以上の期間で評価できる。評価は、さらなる治療に対する必要性の評価、例えば、投与量、投与頻度、又は治療持続期間を変更するべきか否かの評価を含めることができる。また、評価には、選択された治療法に追加する、又は治療法を中断する必要性を評価すること、例えば、本明細書に記載の補体関連疾患の治療の内のいずれかを追加するか、又は中断することを評価することを含めることができる。いくつかの実施形態では、対象(例えば、患者)のモニタリングには、本明細書記載のいずれかの方法における本明細書に記載のいずれかの構築物又は結合体の使用が含まれる。
また、本明細書に記載の組成物を適切なパッケージングに収めた製品も提供される。本明細書に記載の組成物(例えば、眼用組成物)のための適切なパッケージングには、当該技術分野で公知の、例えば、バイアル(例えば、密封バイアル)、容器、アンプル、ボトル、広口瓶、フレキシブルパッケージング(例えば、密封されたMylar製又はプラスティック袋)等が挙げられる。これらの製品は、さらに無菌化及び/又は密封してもよい。
また、本開示は、本明細書に記載の組成物(又は単位剤形及び/又は製品)を含むキットを提供する。前記キットは、組成物の使用方法、例えば、本明細書に記載の使用方法についての説明書をさらに含めてもよい。本明細書に記載のキットには、他の緩衝液、希釈液、フィルター、針、シリンジ、及び本明細書に記載のいずれかの方法の実行に関する説明書を含む添付文書などの、商業上及びユーザーの観点から望ましい他の内容物をさらに含めてもよい。
本開示の組成物及び製剤は、補体活性化に関連する状態の、好ましくは、終末補体阻害剤(例えば、C3の活性化の後の補体経路ステップの阻害剤)により大きな影響を受けない補体副経路に関係する状態の診断、予後、モニタリング、又は特定に有用である。
特定の実施形態では、本発明は、それを必要とする個体において補体媒介性炎症を検出する非侵襲的方法に提供する。該方法は、(a)該個体に抗体標的化極小超常磁性酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子又はその凝集体を投与するステップと、(b)該個体の磁気共鳴画像を採取するステップとを含む。特定の実施形態では、組成物は、抗体標的化USPIOナノ粒子もしくはその凝集体又は本明細書に記載のその他の抗体標的化により検出可能成分又は抗体結合体を含むいずれかの医薬組成物である。特定の実施形態では、個体は哺乳動物である。特定の実施形態では、哺乳動物はヒト、マウス、又はラットである。特定の実施形態では、抗体標的化USPIOナノ粒子もしくはその凝集体又はその他の抗体標的化検出可能成分又は抗体結合体を含む組成物は、注射により投与される。特定の実施形態では、注射は、非経口、静脈内、皮下、又は筋肉内投与で行われる。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、補体媒介性炎症は、選択的補体媒介性炎症である。いくつかの実施形態では、本明細書において、それを必要とする個体において、補体媒介性炎症又は補体活性化を検出する非侵襲的方法が提供される。該方法は、(a)有効量の抗体標的化検出可能成分(すなわち、抗体結合体)を含む組成物を個体に投与するステップと、(b)検出可能成分の存在を検出できる器具及び/又は方法(例えば、MRI、CT、SPECT、X線検査、分光法、顕微鏡、PET、超音波、又は本明細書に記載のいずれかの他の検出方法)を使用して抗体標的化検出可能成分(すなわち、抗体結合体)の存在を測定するステップとを含む。
本明細書に記載の抗体標的化USPIOナノ粒子又はナノ粒子凝集体組成物又はその他の抗体標的化検出可能成分又は抗体結合体は、限定するものではないが、静脈内(例えば、輸液ポンプによって)、腹腔内、眼内、動脈内、小胞内、小胞内、筋肉内、皮下、髄腔内、経胸膜、動脈内、皮下、関節腔内、嚢内、脳室内、頭蓋内、尿道内、肝内、及び腫瘍内のいずれかの経路を介して個体に投与できる。特定の実施形態では、抗体標的化USPIOナノ粒子もしくはナノ粒子凝集体組成物又はその他の抗体標的化検出可能成分又は抗体結合体は、(例えば、静脈内注射により)全身投与される。いくつかの実施形態では、抗体標的化USPIOナノ粒子もしくはナノ粒子凝集体組成物又はその他の抗体標的化検出可能成分又は抗体結合体は、局所投与される(例えば、動脈内又は眼内注射により)。
特定の実施形態では、組成物は、眼又は眼組織に直接投与される。特定の実施形態では、組成物は、注射によって眼に(眼内注射)又は眼に関連する組織に投与される。抗体標的化USPIOナノ粒子又はナノ粒子凝集体組成物又はその他の抗体標的化検出可能成分もしくは抗体結合体は、例えば、眼内注射、眼周囲注射、網膜下注射、硝子体内注射、経中隔注射、強膜下注射、脈絡膜内注射、前房内注射、結膜下注射、テノン嚢下注射、眼球後注射、又は眼球周囲注射により投与できる。これらの方法は当該技術分野で公知である。例えば、網膜薬物送達のための典型的な眼周囲経路については、「Periocular routes for retinal drug delivery」, Raghava et al.(2004),Exp.Opin.Drug Deliv.1(1):99−114、に開示されている。抗体標的化USPIOナノ粒子又はナノ粒子凝集体組成物又はその他の抗体標的化検出可能成分又は抗体結合体は、例えば、硝子体液、眼房水、胸膜、結膜、胸膜と結膜との間の領域、網膜、脈絡膜層、黄斑に投与でき、さらに、個体の眼内もしくは眼に近接する他の領域にも投与できる。
特定の実施形態では、抗体標的化組成物は、血管内に(例えば、静脈内に(IV)又は動脈内に)投与される。特定の実施形態(例えば、腎疾患の治療のため)では、組成物は動脈(例えば、腎動脈)に直接投与される。
特定の実施形態では、補体媒介性炎症は、虚血再灌流障害、炎症性疾患、移植拒絶反応、妊娠関連疾患、薬物有害反応、及び自己免疫又は免疫複合体疾患によって生じる組織損傷に関連する。特定の実施形態では、虚血再灌流障害から生じる組織損傷は、心筋梗塞、動脈瘤、脳卒中、出血性ショック、挫滅、多臓器不全、血液量減少性ショック、腸管虚血、脊髄損傷、及び外傷性脳損傷からなる群から選択される疾患に関連する。特定の実施形態では、炎症性疾患は、火傷、内毒血症、敗血症性ショック、成人呼吸促迫症候群、心肺バイパス、血液透析、アナフィラキシーショック、喘息、血管浮腫、クローン病、鎌状赤血球貧血、連鎖球菌感染後糸球体腎炎、膜性腎炎、及び膵炎、からなる群から選択される。特定の実施形態では、移植拒絶反応は超急性異種移植片拒絶反応である。特定の実施形態では、妊娠関連疾患は、再発性胎児喪失及び子癇前症からなる群から選択される。特定の実施形態では、薬物有害反応は、薬物アレルギー及びIL−2誘発血管漏出症候群からなる群から選択される。特定の実施形態では、自己免疫又は免疫複合体疾患は、重症筋無力症、アルツハイマー病、多発性硬化症、関節リウマチ、IgG4媒介/関連疾患、全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、インスリン依存性糖尿病、急性散在性脳脊髄炎、アジソン病、抗リン脂質抗体症候群、自己免疫性肝炎、クローン病、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン・バレー症候群、橋本病、特発性血小板減少性紫斑病、天疱瘡、シェーグレン症候群、高安動脈炎、自己免疫性糸球体腎炎、2型膜性増殖性糸球体腎炎、溶血性***症候群、及び非定型溶血性***症候群、からなる群から選択される。特定の実施形態では、自己免疫性糸球体腎炎は、免疫グロブリンA腎症又は1型膜性増殖性糸球体腎炎に関連する。
また、本明細書において、本明細書で提供される抗体標的化USPIOナノ粒子又はナノ粒子凝集体組成物を使用して、全身性エリテマトーデス(SLE)、それを必要とする個体において、膜性腎症又はループス腎炎に関連する補体媒介性炎症を検出する非侵襲的方法が提供される。特定の実施形態では、補体媒介性炎症は、選択的補体媒介性炎症である。
本発明で使用する場合、「全身性エリテマトーデス」又は「ループス」又は「SLE」との用語は、慢性的な、場合によっては致命的な自己免疫疾患を意味する。その他の自己免疫疾患と同様に、SLEでは、免疫系が身体の細胞及び組織を攻撃し、炎症及び組織損傷を生じさせる。SLEは、身体のどの部分にも影響を与えルことができるが、多くの場合、心臓、関節、皮膚、肺、血管、肝臓、腎臓、及び神経系を傷つける。疾患の経過は、予測不可能で、病気又は発赤の期間が寛解期間と交互に現れる。診断は、捕えどころのない場合があり、患者が原因不明の症状及び無治療のSLEに何年間も苦しめられることもある。共通の初期の及び慢性病訴は、発熱、倦怠感、関節痛、筋肉痛、疲労、及び認知能力の一時的喪失である。場合によっては、疾患は、ループス腎炎の発症を含む慢性腎機能不全を伴う。
本発明で使用する場合、「膜性腎症」又は「ループス腎炎」との用語は、慢性自己免疫疾患SLEが理由の腎臓の炎症を意味する。ループス腎炎に苦しめられている人は、腎症状がある場合も、ない場合もあるが、該疾患は、重量増、高血圧、黒っぽい泡沫状尿、又は眼の周り、脚、足首又は指の腫脹により顕在化する。
SLEは、多面的臨床症状を有する複合自己免疫疾患である。ループス患者の80%までが、腎臓の異常を発症するが、腎臓予後はこの集団内で大きく変動する。DISEASES OF THE KIDNEY AND Urinary TRACT:CLINICOPATHO−LOGIC FOUNDATIONS OF MEDICINE(R.W.Schrier ed.,8th ed.,Lippincott Williams & Wilkins,Philadelphia,Pa.),中のC.Parikh et al.,(2006)「The Long Term Outcome of Glomerular Diseases」。さらに、それぞれの患者で、一つのパターンから別のパターンへと疾患が変化することがある。腎臓での疾患の発症が無痛性の血尿又は蛋白尿だけで済む場合があるが、患者がループス腎炎を発症し、急性又は末期腎不全に至る場合もある。活動性増殖性腎炎の患者は、通常、細胞傷害性薬物又はミコフェノール酸モフェチルと組み合わせて、ステロイドで治療される。Waldman,M.et al.,2006,Kidney Int.70:1403−1412。しかし、これらの薬剤に関連する死亡率が大きいという理由から、積極的治療を必要とする患者の特定には、注意深い検討が必要である。治療の持続期間及び強さについても、良好に患者が反応している程度に応じて頻繁に調節される。従って、ループス腎炎のSLE患者を治療するための大きな課題は、疾患の活動性を評価することと、薬理的治療を調整して毒性を最少化すると同時に寛解を得ることである。
ループス腎炎の種々の組織型を分類するための最も一般的に使用される系は、最初、世界保健機関(「WHO」)で開発されたもので、光学顕微鏡検査による糸球体の外観をベースにしている。J.J.Weening ら,2004,J.Am.Soc.Nephrol.15:241−250。増殖性ループス腎炎(WHOクラスIII又はIV)は、予後最悪で、ほとんどの大きな臨床試験は、これらの患者の治療に対する反応に重点を置いてきた。疾患の組織型は、時間の経過とともに、又は治療に反応して変化するが、しかし、臨床パラメーターは疾患の活動性とうまく相関しない。C3とC4循環濃度の摂動の測定などの血清学的調査も、疾患活動性の正確さに欠けるマーカーであり、腎臓疾患活動性に特異的ではない。
組織学的には、SLEの顕著な特徴は、ループの周りに沈着した周辺内皮下免疫複合体を有する糸球体毛細管ループからなる「ワイヤーループ」異常を有する膜性腎症(「ループス腎炎」とも呼ばれる)である。ワイヤーループ病変は、糸球体の基底膜に沿った免疫複合体沈着物から生じ、これが免疫蛍光法画像における特徴的顆粒状外観の原因となる。従って、活動性ループス腎炎は、糸球体間質、内皮下、及び/又は上皮下免疫複合体の存在に基づいている。補体活性化は、ループス腎炎などの活動性免疫複合体病にとって必須の前提条件である。
増殖性ループス腎炎の効果的治療には、多くの場合、シクロホスファミド又はミコフェノール酸モフェチルなどの強力な免疫抑制剤が必要であるために、通常、治療は腎臓生検の検査により誘導される。活動性ループス腎炎などの糸球体疾患の確定診断は、限定するものではないが、IgM、IgA、IgG、C3、C4、及びC1qを含む炎症の臨床マーカーに対する光学顕微鏡、電子顕微鏡、及び免疫蛍光染色による腎臓生検組織の検査に基づいている。
経皮腎臓生検は、ループス腎炎の確定診断及び疾患の経過のモニタリングに対するゴールドスタンダードである。しかしながら、本明細書で考察のように、腎臓生検は、限界とリスクがある。針生検は、腎臓の小さい部分のみを試料採取するために、不正確な診断につながるサンプリング誤差のリスクが存在する。さらに、生検は一般に安全な手順であるが、かなりの割合の生検で大きな合併症が発生する可能性があり、また、腎臓内出血及び血尿はよくあることである。W.L.Whittier et al.,2004,1.Am.Soc.Nephrol.15:142−147;D.C.Mendelssohn et al.,1995,Am.J.Kidney Disease 26:580−585。従って、SLEに関連するループス腎炎を含む腎臓炎症を画像化し、診断する、正確で、安全、かつ非侵襲的方法を開発する必要がある。
MRIを使用して、非侵襲的に高解像度の組織画像を取得することができる。常磁性剤又はUSPIOナノ粒子もしくはその凝集体は、T2強調磁気共鳴画像の信号減衰を増強し、このようなナノ粒子の結合リガンドへの結合により細胞レベルでの特異的分子の検出が可能となる。例えば、ナノ粒子検出剤を用いたMRIは、細胞遊走(J.W.Bulte et al.,2001,Nat.Biotechnol.19:1141−1147)、アポトーシス(M.Zhao et al.,2001,Nat.Med.7:1241−1244)を画像化でき、また、癌の小さな病巣を検出できる。例えば、Y.W.Jun et al.,2005,J.Am.Chern.Soc.127:5732−5733;Y.M.Huh et al.,2005,J.Am.Chern.Soc.127:12387−12391、を参照されたい。コントラスト強調MRIは、高分子又は分子事象の非侵襲動的画像化に好適するが、目的の分子に特異的に結合するリガンドが必要である。J.W.Bulte et al.,2004,NMR Biomed.17:484−499。蛍光染料及びフルオロフォア(例えば、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、及びフルオレセイン誘導体)を使用して、例えば、(例えば、組織生検の)分光測光法、二光子蛍光法、二光子レーザー顕微鏡法、又は蛍光顕微鏡法により非侵襲的に高解像度組織画像を取得できる。MRIを使用して、例えば、常磁性分子、常磁性ナノ粒子、極小超常磁性酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子、USPIOナノ粒子凝集体、超常磁性酸化鉄(「SPIO」)ナノ粒子、SPIOナノ粒子凝集体、単結晶酸化鉄ナノ粒子、単結晶酸化鉄、その他のナノ粒子造影剤を用いて非侵襲的にナノ粒子組織画像を取得できる。MRIを使用して、例えば、ガドリニウムキレート(「Gdキレート」)含有リポソーム又はその他の送達担体などのガドリニウムを用いて非侵襲的に高解像度の組織画像を取得することができる。陽電子放出断層撮影(PET)、PET/コンピューター断層撮影(CT)、単一光子放射型コンピューター断層撮影(SPECT)、及びSPECT/CTを使い、例えば、放射性核種(例えば、炭素11、窒素13、酸素15、フッ素18、ルビジウム82)、フルオロデオキシグルコース(例えば、フッ素18標識)、いずれかのガンマ線放射性核種、陽電子放射性核種、放射標識グルコース、放射標識水、放射標識アンモニアを用いて、非侵襲的に高解像度組織画像を取得できる。超音波及びコントラスト強調超音波を使用して、例えば、生体コロイド又は微小気泡(例えば、アルブミン、ガラクトース、脂質、及び/又はポリマーを含む微小気泡シェルと;空気、重質ガス、パーフルオロカーボン、窒素、オクタフルオロプロパン、ペルフレキサン脂質微小球、パーフルトレンなどを含む微小気泡ガスコアとを含む)を用いて非侵襲的に高解像度組織画像を取得できる。X線画像処理(X線検査)又はCTを使用して、例えば、ヨウ素標識造影剤(例えば、イオヘキソール、イオジキサノール、イオベルソール、イオパミドール、イオキシラン、イオプロミド、ジアトリゾ酸、メトリゾ酸、イオキサグル酸)、硫酸バリウム、二酸化トリウム、金、金ナノ粒子、又は金ナノ粒子凝集体を用いて非侵襲的に高解像度組織画像を取得できる。
補体(例えば、補体活性化副経路)は、SLEに関連する腎臓炎症及びループス腎炎の病因及び進行に関与することがわかっているので、補体経路(例えば、補体活性化副経路)の成分を標的にできるリガンドは、USPIOナノ粒子もしくはその凝集体のSLE患者の腎臓炎症部位への標的化送達に有用であろう。例えば、特異的抗体(又はその抗原結合断片)を使うことが可能であり、これは、選択的補体タンパク質C3のC3b、iC3b及びC3d開裂産物に結合する。リン脂質封入又はデキストランでコーティングされたUSPIOナノ粒子もしくはその凝集体は、チオール、アミン、又はカルボキシル基への直接の又は抗体又は抗体断片を介した結合により、抗体又は抗体断片などのタンパク質リガンドに共有結合できる。その後、標識タンパク質を使用して、USPIOナノ粒子もしくはその凝集体又はその他の抗体標的化検出可能成分又は抗体結合体に対し、補体媒介性(例えば、選択的補体媒介性)炎症の部位を標的にさせることができる。
従って、特定の実施形態では、本発明は、それを必要とする個体において、全身性エリテマトーデス(SLE)、膜性腎症、又はループス腎炎に関連する補体媒介性炎症検出する非侵襲的方法を提供する。該方法は、(1)該個体に抗体標的化USPIOナノ粒子もしくはその凝集体又はその他の抗体標的化検出可能成分もしくは抗体結合体の有効量を含む組成物を投与するステップと、(2)該個体の磁気共鳴画像又はステップ(1)で投与された検出可能成分を検出できる測定値を採取するステップとを含む。特定の実施形態では、補体媒介性炎症は、選択的補体媒介性炎症である。特定の実施形態では、個体は哺乳動物である。特定の実施形態では、哺乳動物はヒト、マウス、又はラットである。特定の実施形態では、抗体標的化USPIOナノ粒子もしくはその凝集体又はその他の抗体標的化検出可能成分又は抗体結合体を含む組成物は、注射により投与される。特定の実施形態では、注射は、非経口、静脈内、皮下、又は筋肉内投与で行われる。
診断用結合体組成物
一態様では、(a)C3d結合部分と、(b)補体診断部分とを含む構築物が提供され、(a)と(b)とは結合される(「結合体」又は「結合体分子」)。
いくつかの実施形態では、C3d結合部分は、抗C3d抗体もしくは抗C3dg抗体もしくは抗iC3b抗体、又はその抗原結合断片を含み、また、本明細書に記載の抗C3d/C3dg抗体もしくはその抗原結合断片、本明細書に記載の抗C3d抗体もしくはその抗原結合断片、本明細書に記載の抗C3dg抗体もしくはその抗原結合断片、又は本明細書に記載の抗iC3b抗体もしくはその抗原結合断片、の内のいずれかを含む。いくつかの実施形態では、補体診断部分は、本明細書に記載の検出可能成分を含む。いくつかの実施形態では、補体診断部分は、本明細書に記載の検出可能成分である。「抗C3d抗体結合体(antibody−conjugate)」又は「抗C3d抗体結合体(antibody conjugate)」は、結合体又は結合体分子であり、C3d結合部分は、抗C3d抗体もしくは抗C3dg抗体もしくは抗iC3b抗体又はこれらの抗体のいずれかの抗原結合断片である。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、抗C3d抗体もしくはその抗原結合断片を含む。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、抗C3dg抗体もしくはその抗原結合断片を含む。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、抗iC3b抗体もしくはその抗原結合断片を含む。
いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、本明細書に記載(例えば、態様、実施形態、上記抗体組成物及び使用セクション、実施例、表、図、請求項を含む)の抗体又は抗原結合断片のいずれかからなる群から選択される抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、本明細書に記載(例えば、態様、実施形態、上記検出可能成分セクション、実施例、表、図、請求項を含む)の検出可能成分又は標識のいずれかからなる群から選択される検出可能成分を含む。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、抗体又はその抗原結合断片を含み、抗体又はその抗原結合断片は本明細書に記載の少なくとも1つのCDRを含む。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、抗体又はその抗原結合断片を含み、抗体又はその抗原結合断片は本明細書に記載の6個のCDRを含む。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、抗体又はその抗原結合断片を含み、抗体又はその抗原結合断片は本明細書に記載の核酸によりコードされるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、抗体又はその抗原結合断片を含み、抗体又はその抗原結合断片は本明細書に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、本明細書に記載の核酸によりコードされるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、本明細書に記載のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、補体診断部分は、化合物、組成物、又はタンパク質である。いくつかの実施形態では、補体診断部分は、本明細書に記載のいずれかの標識又は検出可能成分である。いくつかの実施形態では、C3d結合部分(例えば、抗C3dもしくは抗C3dg、又は抗iC3b部分)はC3dに結合する。いくつかの実施形態では、C3d結合部分(例えば、抗C3dもしくは抗C3dg、又は抗iC3b部分)はC3dgに結合する。いくつかの実施形態では、C3d結合部分(例えば、抗C3dもしくは抗C3dg、又は抗iC3b部分)はiC3bに結合する。いくつかの実施形態では、C3d結合部分(例えば、抗C3dもしくは抗C3dg、又は抗iC3b部分)はC3d及びC3dgに結合する。いくつかの実施形態では、C3d結合部分(例えば、抗C3dもしくは抗C3dg、又は抗iC3b部分)はC3d、C3dg、及びiC3bに結合する。
さらに別の実施形態では、本開示は、補体活性化をモニタリング又は診断する構築物を提供し、該構築物は、(a)抗C3d抗体又はその抗原結合断片を含むC3d結合部分(例えば、本明細書に記載のような)と、(b)検出可能成分を含む補体診断部分とを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書で開示の構築物は、補体副経路(CAP)の補体活性をモニター又は診断する。いくつかの実施形態では、本明細書で開示の構築物は融合タンパク質である。
本開示は、本明細書に記載の、2つの成分又は部分、例えば、標的化成分又は部分及び活動性診断成分又は部分を含めることができる結合体分子を提供する。これらの成分もしくは部分は共有結合によって直接一緒に融合されるか、又はリンカーを介して融合される。このようなリンカーには、限定するものではないが、ペプチドを含めることができる。代表的ペプチドリンカーは、限定するものではないが、(GlySer)n(配列番号38)、n=1〜8;(GlyGlyGlySer)n(配列番号39)、n=1〜4;(GlyGlyGlyGlySer)n(配列番号40)、n=1〜8;又は(GlySerSerGly)n(配列番号41)、n=1〜4;である。いくつかの実施形態では、本明細書で開示の構築物のC3d結合部分及び補体診断部分は、リンカーなしで直接に結合される。いくつかの実施形態では、このような2つの部分は化学結合により直接に結合される。いくつかの実施形態では、このような2つの部分はリンカーにより結合される。リンカー配列の例は、当該技術分野において公知であり、例えば、(Gly4Ser)(配列番号42)、(Gly4Ser)2(配列番号43)、(Gly4Ser)3(配列番号44)、(Gly4Ser)4(配列番号45)、(SerGly4)(配列番号46)、(SerGly4)2(配列番号47)、(SerGly4)3(配列番号48)、及び(SerGly4)4(配列番号49)、が挙げられる。また、リンカー配列は、補体因子の様々なドメイン間で見出される「天然の」リンカー配列も含むことができる。例えば、ヒトCR2の最初の2つのN末端ショートコンセンサス反復ドメイン間のリンカー配列であるVSVFPLE(配列番号50)又はEYFNKYSS(配列番号51)を使用可能である。いくつかの実施形態では、ヒトCR2(EEIF、配列番号52)の第4と第5のN末端ショートコンセンサス反復ドメイン間のリンカー配列が使用される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のタンパク質(例えば、抗体又はその抗原結合断片)を異種の成分に結合できる。異種の成分がポリペプチドである実施形態では、本明細書に記載の融合タンパク質及び対応する異種の成分は融合タンパク質を介して結合できる。異種の成分は、例えば、異種のポリペプチド、治療薬(例えば、毒素又は薬剤)、又は検出可能標識もしくは検出可能成分、例えば、限定するものではないが、放射性標識、酵素標識、蛍光標識、発光標識、32P、蛍光染料、高電子密度試薬、酵素(例えば、ELISAで通常用いられるものなど)、ビオチン、ジゴキシゲニン、常磁性分子、常磁性ナノ粒子、極小超常磁性酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子、USPIOナノ粒子凝集体、超常磁性酸化鉄(「SPIO」)、SPIOナノ粒子凝集体、単結晶酸化鉄ナノ粒子、単結晶酸化鉄、その他のナノ粒子造影剤、ガドリニウムキレート(「Gdキレート」)分子含有リポソームもしくはその他の送達担体、ガドリニウム、放射性同位元素、放射性核種(例えば、炭素11、窒素13、酸素15、フッ素18、ルビジウム82)、フルオロデオキシグルコース(例えば、フッ素18標識した)、いずれかのガンマ線放射性核種、陽電子放射性核種、放射標識グルコース、放射標識水、放射標識アンモニア、生体コロイド、微小気泡(例えば、アルブミン、ガラクトース、脂質、及び/又はポリマーを含む微小気泡シェルと;空気、重質ガス、パーフルオロカーボン、窒素、オクタフルオロプロパン、ペルフレキサン脂質微小球、パーフルトレンなどを含む微小気泡ガスコアとを含む)、ヨウ素標識造影剤(例えば、イオヘキソール、イオジキサノール、イオベルソール、イオパミドール、イオキシラン、イオプロミド、ジアトリゾ酸、メトリゾ酸、イオキサグル酸)、硫酸バリウム、二酸化トリウム、金、金ナノ粒子、金ナノ粒子凝集体、フルオロフォア、二光子フルオロフォア、ハプテン、タンパク質、又は検出可能にできるその他の構成要素であってよい。好適な異種のポリペプチドには、例えば、抗体精製に使われる抗原性のタグ(例えば、FLAG、ポリヒスチジン、赤血球凝集素(HA)、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、又はマルトース結合タンパク質(MBP))、が挙げられる。また、異種のポリペプチドには、診断又は検出可能マーカーとして有用なポリペプチド、例えば、ルシフェラーゼ、緑色蛍光タンパク質(GFP)、又はクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)が挙げられる。異種の成分がポリペプチドである場合、成分を本明細書に記載の融合タンパク質に組み込むことができ、融合タンパク質が得られる。
いくつかの実施形態では、検出可能成分は放射性標識である。いくつかの実施形態では、検出可能成分は酵素標識である。いくつかの実施形態では、検出可能成分は蛍光標識である。いくつかの実施形態では、検出可能成分は発光標識である。いくつかの実施形態では、検出可能成分は32Pである。いくつかの実施形態では、検出可能成分は蛍光染料である。いくつかの実施形態では、検出可能成分は高電子密度試薬である。いくつかの実施形態では、検出可能成分は酵素(例えば、通常ELISAで使われるような)である。いくつかの実施形態では、検出可能成分はビオチンである。いくつかの実施形態では、検出可能成分はジゴキシゲニンである。いくつかの実施形態では、検出可能成分は常磁性分子である。いくつかの実施形態では、検出可能成分は常磁性組成物である。いくつかの実施形態では、検出可能成分は常磁性ナノ粒子である。いくつかの実施形態では、検出可能成分は極小超常磁性酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子である。いくつかの実施形態では、検出可能成分はUSPIOナノ粒子凝集体である。いくつかの実施形態では、検出可能成分は超常磁性酸化鉄(「SPIO」)ナノ粒子である。いくつかの実施形態では、検出可能成分はSPIOナノ粒子凝集体である。いくつかの実施形態では、検出可能成分は単結晶酸化鉄ナノ粒子である。いくつかの実施形態では、検出可能成分は単結晶酸化鉄である。いくつかの実施形態では、検出可能成分はナノ粒子造影剤である。いくつかの実施形態では、検出可能成分はリポソームである。いくつかの実施形態では、検出可能成分はガドリニウムキレート(「Gdキレート」)分子を含む送達担体である。いくつかの実施形態では、検出可能成分はガドリニウムである。いくつかの実施形態では、検出可能成分は放射性同位元素である。いくつかの実施形態では、検出可能成分は放射性核種(例えば、炭素11、窒素13、酸素15、フッ素18、又はルビジウム82)である。いくつかの実施形態では、検出可能成分はフルオロデオキシグルコース(例えば、フッ素18標識した)である。いくつかの実施形態では、検出可能成分はガンマ線放射性核種である。いくつかの実施形態では、検出可能成分は陽電子放射性核種である。いくつかの実施形態では、検出可能成分は放射標識グルコースである。いくつかの実施形態では、検出可能成分は放射標識水である。いくつかの実施形態では、検出可能成分は放射標識アンモニアである。いくつかの実施形態では、検出可能成分は生体コロイドである。いくつかの実施形態では、検出可能成分は、微小気泡(例えば、アルブミン、ガラクトース、脂質、及び/又はポリマーを含む微小気泡シェルと、空気、重質ガス、パーフルオロカーボン、窒素、オクタフルオロプロパン、ペルフレキサン脂質微小球、もしくはパーフルトレンを含む微小気泡ガスコアとを含む)である。いくつかの実施形態では、検出可能成分は、ヨウ素標識造影剤(例えば、イオヘキソール、イオジキサノール、イオベルソール、イオパミドール、イオキシラン、イオプロミド、ジアトリゾ酸、メトリゾ酸、又はイオキサグル酸)である。いくつかの実施形態では、検出可能成分は硫酸バリウムである。いくつかの実施形態では、検出可能成分は二酸化トリウムである。いくつかの実施形態では、検出可能成分は金である。いくつかの実施形態では、検出可能成分は金ナノ粒子である。いくつかの実施形態では、検出可能成分は金ナノ粒子凝集体である。いくつかの実施形態では、検出可能成分はフルオロフォアである。いくつかの実施形態では、検出可能成分は二光子フルオロフォアである。いくつかの実施形態では、検出可能成分はハプテンである。いくつかの実施形態では、検出可能成分はタンパク質である。いくつかの実施形態では、検出可能成分は検出可能にできる構成要素である。いくつかの実施形態では、異種のポリペプチドは、抗体精製に使われる抗原性のタグ(例えば、FLAG、ポリヒスチジン、赤血球凝集素(HA)、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、又はマルトース結合タンパク質(MBP))である。いくつかの実施形態では、異種のポリペプチドは、診断又は検出可能マーカー、例えば、ルシフェラーゼ、緑色蛍光タンパク質(GFP)、又はクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)である。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の結合体は、2つの独立に生成されたポリペプチド断片、例えば、抗体もしくはその抗原結合断片(例えば、抗C3d抗体のFab断片もしくはその抗原結合断片)及び補体モジュレーターポリペプチド(例えば、可溶型のCD59)又は検出可能成分に結合により作られる。いくつかの実施形態では、2つのタンパク質(例えば、本明細書に記載の融合タンパク質及び異種の成分又は結合体の2つの構成成分)は、多くの公知の化学架橋剤のいずれかを使用して化学的に架橋できる。このような架橋剤の例は、2つのアミノ酸残基を「立体障害のある」ジスルフィド結合を含む結合を介して連結する架橋剤である。これらの結合では、架橋結合単位内のジスルフィド結合は、例えば、還元グルタチオン又は酵素ジスルフィド還元酵素の作用による還元から(ジスルフィド結合の両側にある立体障害基により)保護される。1つの好適な試薬である4−スクシンイミジルオキシカルボニル−α−メチル−α(2−ピリジルジチオ)トルエン(SMPT)は、片方のタンパク質上の末端リシン及びもう一方のタンパク質上の末端システインを利用して、2つのタンパク質間にこのような結合を形成する。それぞれのタンパク質上の異なる結合成分により架橋するヘテロ二機能性試薬も同様に使用可能である。その他の有用な架橋剤には、限定するものではないが、2つのアミノ基を結合する試薬(例えば、N−5−アジド−2−ニトロベンゾイルオキシスクシンイミド)、2つのスルフヒドリル基を結合する試薬(例えば、1,4−ビスマレイミドブタン)、アミノ基とスルフヒドリル基を結合する試薬(例えば、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)、アミノ基とカルボキシル基を結合する試薬(例えば、4−[p−アジドサリチルアミド]ブチルアミン)、及びアミノ基とアルギニンの側鎖中に存在するグアニジウム基を結合する試薬(例えば、p−アジドフェニルグリオキサール一水和物)が挙げられる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1種又は複数種のリンカーは、抗体又はその抗原結合断片(例えば、抗C3d抗体、抗C3dg抗体、抗iC3b抗体、又はそれらの抗原結合断片)を本明細書に記載の検出可能成分に連結できる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の結合体は、化学的にタンパク質(例えば、抗体又はその抗原結合断片)に結合できる異種の成分を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、放射性標識をタンパク質(例えば、抗体又はその抗原結合断片)のアミノ酸主鎖に直接結合できる(例えば、インビボ画像処理調査用の標識した融合タンパク質として使用するために)。
いくつかの実施形態では、循環中の、例えば、血液、血清、又はその他の組織の抗体の安定化及び/又は保持を改善する成分を使用してタンパク質を改質できる。例えば、本明細書に記載のタンパク質は、例えば、Lee et al.(1999)Bioconjug Chem 10(6):973−8:Kinstler et al.(2002)Advanced Drug Deliveries Reviews 54:477−485;及びRoberts et al.(2002)Advanced Drug Delivery Reviews 54:459−476、に記載のように、ペグ化できる。安定化成分は、ポリペプチドの安定性、又は保持を、少なくとも1.5(例えば、少なくとも2、5、10、15、20、25、30、40、又は50もしくはそれ超)倍改善できる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のタンパク質は、グリコシル化できる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のタンパク質は、抗体のグリコシル化を低減させるか、又は消失させるように、酵素もしくは化学処理に供するか、又は細胞から作製できる。グリコシル化の減らされたポリペプチドを作製する方法は、当該技術分野において公知であり、例えば、米国特許第6,933,368号;Wright et al.(1991)EMBO J 10(10):2717−2723;及びCo et al.(1993)Mol Immunol 30:1361に記載されている。
第1の態様では、抗体又はその抗原結合断片、及び検出可能成分を含む抗体結合体が提供される。
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、本明細書に記載(例えば、態様、実施形態、上記抗体組成物及び使用セクション、実施例、表、図、請求項を含む)の抗体又は抗原結合断片のいずれかからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、検出可能成分は、本明細書に記載(例えば、態様、実施形態、上記検出可能成分セクション、実施例、表、図、請求項を含む)の検出可能成分又は標識のいずれかからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、本明細書に記載の少なくとも1つのCDRを含む。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、本明細書に記載の6個のCDRを含む。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、本明細書に記載の核酸によりコードされるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、本明細書に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体結合体は、本明細書に記載の核酸によりコードされるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体結合体は、本明細書に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体結合体は、抗体又はその抗原結合断片と、検出可能成分を結合するリンカーを含む。いくつかの実施形態では、抗体結合体は、抗体又はその抗原結合断片と、検出可能成分を結合するリンカーを含まない。抗体結合体のいくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片と検出可能成分は、共有結合により結合される。いくつかの実施形態では、リンカーは本明細書に記載のリンカーである。
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体又はその抗原結合断片、キメラ化もしくはキメラ抗体又はその抗原結合断片、ヒト化抗体又はその抗原結合断片、脱免疫化ヒト抗体又はその抗原結合断片、完全ヒト抗体又はその抗原結合断片、二重特異性抗体又は抗体断片、一価抗体又は抗体断片、単鎖抗体、単鎖Fv断片(ScFv)、Fv、Fd断片、Fab断片、Fab’断片、F’(ab’)2断片、ダイアボディ又はその抗原結合断片、ミニボディ又はその抗原結合断片、トリアボディ又はその抗原結合断片、ドメイン抗体又はその抗原結合断片、ラクダ類抗体又はその抗原結合断片、ヒトコブラクダ抗体又はその抗原結合断片、CDRグラフト抗体又はその抗原結合断片、合成抗体又はその抗原結合断片、半合成抗体又はその抗原結合断片、ファージディスプレイ抗体又はその抗原結合断片、及び反復主鎖配列(例えば、反復抗原提示)であると特定された抗体及びその抗原結合断片、からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、抗体もしくはその抗原結合断片、抗体結合体の部分は、抗C3d抗体もしくは抗C3dg抗体もしくは抗iC3b抗体、又はその抗原結合断片を含み、また、本明細書に記載の抗C3d/C3dg抗体もしくはその抗原結合断片、本明細書に記載の抗C3d抗体もしくはその抗原結合断片、本明細書に記載の抗C3dg抗体もしくはその抗原結合断片、又は本明細書に記載の抗iC3b抗体もしくはその抗原結合断片、の内のいずれかを含む。「抗C3d抗体結合体(antibody−conjugate)」又は「抗C3d抗体結合体(antibody conjugate)」は、結合体又は結合体分子(例えば、抗体結合体もしくは抗体結合体分子)であり、結合部分(例えば、抗体結合体の抗体もしくはその抗原結合断片)は、抗C3d抗体もしくは抗C3dg抗体もしくは抗iC3b抗体又はこれらの抗体のいずれかの抗原結合断片である。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、本明細書に記載(例えば、態様、実施形態、上記抗体組成物及び使用セクション、実施例、表、図、請求項を含む)の抗体又は抗原結合断片のいずれかからなる群から選択される抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、本明細書に記載(例えば、態様、実施形態、上記検出可能成分セクション、実施例、表、図、請求項を含む)の検出可能成分又は標識のいずれかからなる群から選択される検出可能成分を含む。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、抗体又はその抗原結合断片を含み、抗体又はその抗原結合断片は本明細書に記載の少なくとも1つのCDRを含む。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、抗体又はその抗原結合断片を含み、抗体又はその抗原結合断片は本明細書に記載の6個のCDRを含む。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、抗体又はその抗原結合断片を含み、抗体又はその抗原結合断片は本明細書に記載の核酸によりコードされるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、抗体又はその抗原結合断片を含み、抗体又はその抗原結合断片は本明細書に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、本明細書に記載の核酸によりコードされるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、本明細書に記載のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、結合部分(例えば、抗C3d抗体もしくは抗C3dg抗体もしくは抗iC3b抗体又はそれらの抗原結合断片)と、検出可能成分とを結合するリンカーを含む。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、結合部分(例えば、抗C3d抗体もしくは抗C3dg抗体もしくは抗iC3b抗体又はそれらの抗原結合断片)と、検出可能成分とを結合するリンカーを含まない。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、結合部分(例えば、抗C3d抗体もしくは抗C3dg抗体もしくは抗iC3b抗体又はそれらの抗原結合断片)と、検出可能成分は、共有結合により結合される。いくつかの実施形態では、リンカーは本明細書に記載のリンカーである。
いくつかの実施形態では、補体診断部分は、化合物、組成物、又はタンパク質である。いくつかの実施形態では、補体診断部分は、本明細書に記載のいずれかの標識又は検出可能成分である。いくつかの実施形態では、C3d結合部分(例えば、抗C3d部分)はC3dに結合する。いくつかの実施形態では、C3d結合部分(例えば、抗C3d部分)はC3dgに結合する。いくつかの実施形態では、C3d結合部分(例えば、抗C3d部分)はiC3bに結合する。いくつかの実施形態では、C3d結合部分(例えば、抗C3d部分)はC3d及びC3dgに結合する。いくつかの実施形態では、C3d結合部分(例えば、抗C3d部分)はC3d、C3dg、及びiC3bに結合する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載され、配列番号12〜19、22〜29、及び34〜37から選択されるか、又は配列番号20、21、30、31、及び33の全て又は一部を含む核酸配列から発現したアミノ酸配列の全て又は一部を含む抗体又はその抗原結合断片(本明細書に記載のいずれかの抗体又はその抗原結合断片を含む)は、抗C3d抗体又はその抗原結合断片、抗C3dg抗体又はその抗原結合断片、抗C3d/C3dg抗体又はその抗原結合断片、抗iC3b抗体又はその抗原結合断片、抗体又は本明細書に記載の抗原結合断片、本明細書に記載の抗体又はその抗原結合断片、本明細書に記載の断片、本開示で提供される抗体又はその抗原結合断片、本開示が含む抗体又はその抗原結合断片、抗C3d抗体又は抗C3dg抗体又は抗iC3b抗体、本開示に提供されるその抗原結合断片、抗体又はその断片、C3dg及びC3d及びiC3b又は好適な標的化成分であるそれぞれの結合相手に結合する能力を保持する抗体の断片からなる群から選択される結合相手に結合する抗体、本発明の抗体又は好適な標的化成分であるそれぞれの結合相手に結合する能力を保持するその断片、単離抗体又はその抗原結合断片である。この項でのこれらの用語は、本発明の抗体又は抗原結合断片を記載するためにこれらの用語又は同義語が本明細書で使用されるそのままの意味で使われている(例えば、単離組成物として、結合体中に含まれる、抗体結合体中に含まれる)。
配列番号12〜21は、適宜、マウス抗体3d8bのアミノ酸又は核酸配列である。配列番号22〜31は、適宜、マウス抗体3d29のアミノ酸又は核酸配列である。配列番号33〜37は、適宜、マウス抗体3d16のアミノ酸又は核酸配列である。配列番号32は、3d ScFv Crry融合タンパク質(例えば、構築物)である。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載の抗体又はその抗原結合断片及び薬学的に許容可能な賦形剤を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体はモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体は、ハイブリドーマ細胞株3d−8b/2(ATCC寄託番号PTA−10999)により作製されたmAb 3d8bである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体は、ハイブリドーマ細胞株3d−9a/25(ATCC寄託番号PTA−10998)により作製されたmAb 3d9aである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体は、ハイブリドーマ細胞株3d−29/5/2(ATCC寄託番号PTA−11000)により作製されたmAb 3d29である。いくつかの実施形態では、本開示で記載の抗体又はその抗原結合断片には、限定するものではないが、mAb 3d8b、3d9a、3d29、又は本開示中で記載のその他のmAb由来の任意の操作された又は組換え型抗体もしくはその抗原結合断片が含まれ、これらは、当該技術分野において周知の標準的な方法により容易に選別又は作製できる。一般に、本開示のmAb由来の全てのこれらの抗体又は断片は、C3d/C3dgタンパク質及び/又はiC3bタンパク質に対するそれらの結合親和性、結合力、もしくは種間活性、C3又はその他のC3断片に対する選択性;又はそれらの発現パターン及び溶解度、安定性、半減期、その他のタンパク質/標的との交差反応性;又はエフェクター活性などのこれらの抗体もしくは断片の他の固有の活性もしくは特徴を制限なく調整するために、設計、選別、作製及び/又は試験を行うことができる。
本明細書において、3d−8b/2(ATCC寄託番号PTA−10999)、3d−9a/25(ATCC寄託番号PTA−10998)、3d−29/5/2(ATCC寄託番号PTA−11000)、3d−11/14(ATCC寄託番号PTA−11011)、3d−31/A6/9(ATCC寄託番号PTA−11027)、3d−3/28/4(ATCC寄託番号PTA−11025)、3d−15A9(ATCC寄託番号PTA−11012)、3d−10/14/1(ATCC寄託番号PTA−11010)、及び3d−16/3/3(ATCC寄託番号PTA−11026)、からなる群から選択されるハイブリドーマ細胞が記載される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体又はその抗原結合断片は、上記で挙げたハイブリドーマ細胞の1つにより作製される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗体又はその抗原結合断片は、上記で挙げたハイブリドーマのいずれかにより作製されたいずれかの抗体の6CDRセットを含むヒト化、霊長類化、又はキメラ化抗体である。
いくつかの実施形態では、本開示は、本開示で記載の抗体又はその抗原結合断片をコードする単離核酸分子を提供する。いくつかの実施形態では、単離核酸分子は、少なくとも20ヌクレオチドの連続核酸配列と比較して(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、75、100、125、150ヌクレオチド又は、それぞれ、配列番号20又は配列番号30の全てと比較して)、少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%)配列番号20又は配列番号30に同一の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、単離核酸分子は、少なくとも20ヌクレオチドの連続核酸配列と比較して(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、75、100、125、150ヌクレオチド又は、それぞれ、配列番号21又は配列番号31又は配列番号33の全てと比較して)、少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%)配列番号21又は配列番号31又は配列番号33に同一の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、単離核酸分子は、中等度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号20又は配列番号30からなる核酸にハイブリダイズする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、該核酸配列は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号20又は配列番号30からなる核酸にハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、単離核酸分子は、中等度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号21又は配列番号31又は配列番号33からなる核酸にハイブリダイズする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、該核酸配列は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号21又は配列番号31又は配列番号33からなる核酸にハイブリダイズする。
いくつかの実施形態では、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号35、配列番号36、又は配列番号37と同一のアミノ酸配列を有するCDRをコードする核酸が提供される。いくつかの実施形態では、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号35、配列番号36、又は配列番号37と比較した場合、3個以下(3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異のあるアミノ酸配列を有するCDRをコードする核酸が提供される。いくつかの実施形態では、アミノ酸変異は保存的及び非保存的である。いくつかの実施形態では、アミノ酸変異は保存的である。いくつかの実施形態では、アミノ酸変異は非保存的である。
いくつかの実施形態では、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、又は配列番号29と同一のアミノ酸配列を有するCDRをコードする核酸が提供される。いくつかの実施形態では、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、又は配列番号29と比較した場合、3個以下(3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異のあるアミノ酸配列を有するCDRをコードする核酸が提供される。いくつかの実施形態では、アミノ酸変異は保存的及び非保存的である。いくつかの実施形態では、アミノ酸変異は保存的である。いくつかの実施形態では、アミノ酸変異は非保存的である。
いくつかの実施形態では、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号24、配列番号25、又は配列番号26と同一のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域CDRをコードする核酸が提供される。いくつかの実施形態では、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号24、配列番号25、又は配列番号26と比較した場合、3個以下(3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異のあるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域CDRをコードする核酸が提供される。いくつかの実施形態では、アミノ酸変異は保存的及び非保存的である。いくつかの実施形態では、アミノ酸変異は保存的である。いくつかの実施形態では、アミノ酸変異は非保存的である。
いくつかの実施形態では、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号35、配列番号36、又は配列番号37と同一のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域CDRをコードする核酸が提供される。いくつかの実施形態では、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号35、配列番号36、又は配列番号37と比較した場合、3個以下(3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異のあるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域CDRをコードする核酸が提供される。いくつかの実施形態では、アミノ酸変異は保存的及び非保存的である。いくつかの実施形態では、アミノ酸変異は保存的である。いくつかの実施形態では、アミノ酸変異は非保存的である。
いくつかの実施形態では、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号27、配列番号28、又は配列番号29と同一のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域CDRをコードする核酸が提供される。いくつかの実施形態では、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号27、配列番号28、又は配列番号29と比較した場合、3個以下(3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異のあるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域CDRをコードする核酸が提供される。いくつかの実施形態では、アミノ酸変異は保存的及び非保存的である。いくつかの実施形態では、アミノ酸変異は保存的である。いくつかの実施形態では、アミノ酸変異は非保存的である。
別の実施形態では、本開示は、本明細書に記載の抗体又はその抗原結合断片、又はCDRの核酸配列を含むベクターを提供する。このようなベクターには、限定するものではないが、プラスミドベクター、コスミドベクター、ウイルスベクター、シャトルベクター、又は原核もしくは真核細胞における発現用として当該技術分野で周知のいずれかのベクターが含まれる。
別の実施形態では、本開示は、本明細書に記載の抗体もしくはその抗原結合断片、又はCDRをコードする単離核酸の核酸配列を含むベクターを含む細胞を提供する。このような細胞には、例えば、原核細胞又は真核細胞が含まれる。
別の実施形態では、本開示は、(a)本明細書に記載の抗体、抗原結合断片、又はCDR又は構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)の内のいずれか1つをコードする核酸、(b)核酸を含むベクター(例えば、発現ベクター)、及び(c)ベクター又は発現ベクターを含む細胞(例えば、細菌、植物、真菌、昆虫、又は哺乳動物細胞)を特徴とする。
さらに別の実施形態では、本開示は、本明細書に記載の抗体、抗体の抗原結合断片、又はCDR、又は構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)作製方法を特徴とする。該方法は、細胞による抗体、断片、又は構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)の発現を可能とするのに適する条件下で上述の細胞を培養するステップを含む。該方法に、任意選択で細胞から又は細胞が培養された培地から抗体、断片、又は構築物を精製するステップを含めることができる。
いくつかの実施形態では、本開示は、本開示で記載の単離抗体又はその抗原結合断片のいずれかを含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本開示で記載の抗体又はその抗原結合断片をコードする核酸を含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本開示で記載の抗体又はその抗原結合断片をコードする単離核酸の核酸配列を含むベクターを含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載のこのようなベクターを含む細胞を含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本開示で記載の構築物のいずれかを含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本開示で記載の結合体を含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本開示で記載の抗体結合体のいずれかを含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本開示で記載の抗C3d抗体結合体のいずれかを含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、薬学的に許容可能な賦形剤を含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、本開示で記載の単離抗体又はその抗原結合断片及び治療的に許容可能な賦形剤のいずれかを含む医薬組成物を提供する。適切な賦形剤は当該技術分野において周知であり、本明細書に記載されている。
本発明者らは、補体のC3d及び/又はC3dg及び/又はiC3b断片上に存在する特定のエピトープに対し、診断薬又は検出可能成分の標的化が、補体活性化の部位である組織又は細胞で最適効果を発揮するように診断薬を局在化させるという観点から極めて効果的であることを発見した。従って、本発明者らは、補体のC3d及び/又はC3dg及び/又はiC3b断片に結合する抗体を単離し、診断薬及び検出可能成分の標的化にそれらを使用した。
いくつかの実施形態では、本開示は、ヒトC3dタンパク質中のエピトープに結合する抗体又はその抗原結合断片を特徴とする。いくつかの実施形態では、本開示は、ヒトC3dgタンパク質中のエピトープに結合する抗体又はその抗原結合断片を特徴とする。いくつかの実施形態では、本開示は、ヒトiC3bタンパク質中のエピトープに結合する抗体又はその抗原結合断片を特徴とする。例えば、抗C3d抗体又は抗C3dg抗体又は抗iC3b抗体は、ヒト補体成分C3dタンパク質の抗原性ペプチド断片内の、もしくは抗原性ペプチド断片と重なり合うエピトープに、又はヒト補体成分C3dgタンパク質中のエピトープに、又はヒト補体成分iC3bタンパク質中のエピトープに結合できる。いくつかの実施形態では、これらの抗C3d抗体又は抗C3dg抗体又は抗iC3b抗体は、モノクローナル抗体又は抗原結合活性を維持している抗体断片である。いくつかの実施形態では、これらのモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ細胞3d−8b/2(ATCC寄託番号PTA−10999)、3d−9a/25(ATCC寄託番号PTA−10998)、3d−29/5/2(ATCC寄託番号PTA−11000)、3d−11/14(ATCC寄託番号PTA−11011)、3d−31/A6/9(ATCC寄託番号PTA−11027)、3d3/28/4(ATCC寄託番号PTA−11025)、3d−15A9(ATCC寄託番号PTA−11012)、3d−10/14/1(ATCC寄託番号PTA−11010)、及び3d−16/3/3(ATCC寄託番号PTA−11026)によりにより作製されたものを含む。いくつかの実施形態では、本開示は、抗体3d8b、3d9a、3d29、3d11、3d31、3d3、3d15、3d10、及び3d16のいずれか1つの中のエピトープ、又はそれと重なり合うエピトープ、それにより認識されるエピトープと結合する抗体もしくはその抗原結合断片を提供する。いくつかの実施形態では、抗体3d8b、3d9a、3d29、3d11、3d31、3d3、3d15、3d10、及び3d16のいずれか1つの中のエピトープ、又はそれと重なり合うエピトープ、それにより認識されるエピトープと結合するこれらの抗体もしくはその抗原結合断片は、C3d又はC3dg又はiC3bに対する結合に関して、抗体3d8b、3d9a、3d29、3d11、3d31、3d3、3d15、3d10、及び3d16の内の少なくとも1つとは競合しない。いくつかの実施形態では、抗体3d8b、3d9a、3d29、3d11、3d31、3d3、3d15、3d10、及び3d16の内の少なくとも1つの中のエピトープ、又はそれと重なり合うエピトープ、それにより認識されるエピトープと結合するこれらの抗体もしくはその抗原結合断片は、C3d又はC3dg又はiC3bに対する結合に関して、3d8b、3d9a、3d29、3d11、3d31、3d3、3d15、3d10、及び3d16を含む抗体の内の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、又は9つ)と競合する。いくつかの実施形態では、抗体3d8b、3d9a、3d29、3d11、3d31、3d3、3d15、3d10、及び3d16のいずれか1つの中のエピトープ、又はそれと重なり合うエピトープ、それにより認識されるエピトープと結合するこれらの抗体もしくはその抗原結合断片は、C3d又はC3dg又はiC3bに対する、抗体3d8b、3d9a、3d29、3d11、3d31、3d3、3d15、3d10、及び3d16の内の少なくとも1つの結合を抑制する。別の態様において、抗体、又はその抗原結合断片は、ScFvである。いくつかの実施形態では、ScFvは、抗体3d8b、3d9a、3d29、3d11、3d31、3d3、3d15、3d10、及び3d16のいずれか1つのから誘導される(3d ScFv)。いくつかの実施形態では、ScFvは3d8b ScFvである。いくつかの実施形態では、ScFvは3d29 ScFvである。
いくつかの実施形態では、本開示で提供される抗C3d抗体もしくは抗C3dg抗体もしくは抗iC3b抗体、又はその抗原結合断片は、ヒト補体成分C3dもしくはC3dgタンパク質もしくはiC3bタンパク質中のエピトープ、又はそれと重なり合うエピトープに結合する別の抗体もしくは結合相手の結合を交差ブロックできる。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体もしくは抗C3dg抗体もしくは抗iC3b抗体、又はその抗原結合断片は、ヒト補体成分C3dタンパク質もしくはC3dgタンパク質もしくはiC3bタンパク質のペプチド断片中のエピトープ、又はそれと重なり合うエピトープに結合する抗体の結合を交差ブロックできる。
いくつかの実施形態は、非侵襲的医学又は画像診断用途のための抗体標的化ナノ粒子造影剤である。特定の実施形態では、抗体標的化ナノ粒子造影剤組成物は、USPIOナノ粒子又はその凝集体を含む。特定の実施形態では、抗体標的化ナノ粒子造影剤組成物は、ガドリニウムキレート(「Gdキレート」)分子を含む抗体標的化リポソーム又はその他の抗体標的化送達担体を含む。抗体標的化ナノ粒子造影剤又は組成物及び抗体標的化極小超常磁性酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子又は凝集体は、抗体結合体の例である。
別の実施形態では、本明細書において、有効量のいずれかの標的化診断薬成分(例えば、構築物、結合体、抗C3d抗体結合体)を含む診断組成物、及び本明細書に記載される方法による使用に関する使用説明書を含む製品又はキットが提供される。従って、いくつかの実施形態では、製品は、C3d及びC3dg及びiC3bから選択される結合相手に結合するモノクローナル抗体を含む有効量の抗C3d抗体結合体(結合により検出可能成分を形成する)を含む診断組成物の使用のための使用説明書を含む。診断組成物は、本明細書に記載の個体への投与用に処方された1種又は複数種の薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含んでもよい。キットには、投与手段、例えば、シリンジ、吸入器、又は全身投与もしくは局所投与に有用なその他の装置をさらに含めてもよい。
さらに別の実施形態では、本開示は、ラベル;及び本明細書に記載のいずれかの構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)含有組成物を含む容器を含む製品を特徴とし、ラベルは、組成物が補体関連障害、疾患、又は状態である、そうであると疑われる、又は発症の危険があるヒトに投与されるべきであることを表示する。製品には、1種又は複数種の追加の薬剤を含めることができる。
いくつかの実施形態は、診断又はモニタリングキットであり、該キットは、(i)本明細書に記載のいずれかの抗体もしくはその抗原結合断片と、(ii)抗体又は抗原結合断片をヒトに送達するための手段、又は(ii)本明細書に記載のいずれかの構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)と、(iv)構築物をヒトに送達するための手段とを含む。手段は、構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)のヒトの皮下送達に適するものであってよい。手段は、構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)のヒトの眼内送達に適するものであってよい。手段は、構築物(例えば、結合体、抗C3d抗体結合体)のヒトの関節腔内送達に適するものであってよい。
本明細書に記載のいくつかの実施形態では、個体に投与される組成物は、本明細書に記載のいずれかの抗体標的化USPIOナノ粒子組成物を含む医薬組成物である。本明細書に記載のいくつかの実施形態では、個体に投与される組成物は、本明細書に記載のいずれかの抗体標的化USPIOナノ粒子凝集体組成物を含む医薬組成物である。
いくつかの実施形態では、抗体結合体は抗C3d抗体結合体である。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、抗C3d抗体、又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、抗C3dg抗体、又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、抗iC3b抗体、又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、結合部分(例えば、抗C3d抗体もしくは抗C3dg抗体もしくは抗iC3b抗体又はこれらの抗体のいずれかの抗原結合断片)と、検出可能成分とを結合するリンカーを含む。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、結合部分(例えば、抗C3d抗体もしくは抗C3dg抗体もしくは抗iC3b抗体又はこれらの抗体のいずれかの抗原結合断片)と、検出可能成分とを結合するリンカーを含まない。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、結合部分(例えば、抗C3d抗体もしくは抗C3dg抗体もしくは抗iC3b抗体又はこれらの抗体のいずれかの抗原結合断片)と、検出可能成分は、共有結合により結合される。いくつかの実施形態では、リンカーは本明細書に記載のリンカーである。
いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、軽鎖相補性決定領域(CDR)1、2及び3を含む抗体もしくはその抗原結合断片を含む(軽鎖CDR1は、3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号14、もしくは3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号24であり、軽鎖CDR2は、3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号15、もしくは3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号25であり、さらに軽鎖CDR3は、3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号16、もしくは3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号26である);又は、重鎖相補性決定領域(CDR)1、2及び3(重鎖CDR1は、3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号17、もしくは3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号27、もしくは3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号35であり、重鎖CDR2は、3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号18、もしくは3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号28、もしくは3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号36であり、さらに重鎖CDR3は、3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号19、もしくは3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号29、もしくは3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号37である)。いくつかの実施形態では、変異は非保存的及び/又は保存的アミノ酸置換である。いくつかの実施形態では、変異は保存的アミノ酸置換である。いくつかの実施形態では、変異は非保存的アミノ酸置換である。
いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、軽鎖相補性決定領域(CDR)1、2及び3(軽鎖CDR1は配列番号14又は配列番号24であり、軽鎖CDR2は配列番号15又は配列番号25であり、軽鎖CDR3は配列番号16又は配列番号26である)、又は重鎖相補性決定領域(CDR)1、2及び3(重鎖CDR1は配列番号17又は配列番号27又は配列番号35であり、重鎖CDR2は配列番号18又は配列番号28又は配列番号36であり、重鎖CDR3は配列番号19又は配列番号29又は配列番号37である)を含む抗体もしくはその抗原結合断片を含む。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、軽鎖相補性決定領域(CDR)1、2及び3(軽鎖CDR1は配列番号14又は配列番号24であり、軽鎖CDR2は配列番号15又は配列番号25であり、軽鎖CDR3は配列番号16又は配列番号26である)、又は重鎖相補性決定領域(CDR)1、2及び3(重鎖CDR1は配列番号17又は配列番号27であり、重鎖CDR2は配列番号18又は配列番号28であり、重鎖CDR3は配列番号19又は配列番号29である)を含む。
いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、軽鎖相補性決定領域(CDR)1、2及び3(軽鎖CDR1は配列番号14又は配列番号24であり、軽鎖CDR2は配列番号15又は配列番号25であり、軽鎖CDR3は配列番号16又は配列番号26である)、及び重鎖相補性決定領域(CDR)1、2及び3(重鎖CDR1は配列番号17又は配列番号27又は配列番号35であり、重鎖CDR2は配列番号18又は配列番号28又は配列番号36であり、重鎖CDR3は配列番号19又は配列番号29又は配列番号37である)を含む抗体もしくはその抗原結合断片を含む。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、軽鎖相補性決定領域(CDR)1、2及び3(軽鎖CDR1は配列番号14又は配列番号24であり、軽鎖CDR2は配列番号15又は配列番号25であり、軽鎖CDR3は配列番号16又は配列番号26である)、及び重鎖相補性決定領域(CDR)1、2及び3(重鎖CDR1は配列番号17又は配列番号27であり、重鎖CDR2は配列番号18又は配列番号28であり、重鎖CDR3は配列番号19又は配列番号29である)を含む。
抗体もしくはその抗原結合断片を含む抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、軽鎖CDR1は、3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号14であり、軽鎖CDR2は、3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号15であり、軽鎖CDR3は、3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号16であり、重鎖CDR1は、3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号17であり、重鎖CDR2は、3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号18であり、さらに、重鎖CDR3は、3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号19である。抗体又はその抗原結合断片のいくつかの実施形態では、軽鎖CDR1は配列番号14であり、軽鎖CDR2は配列番号15であり、軽鎖CDR3は配列番号16であり、重鎖CDR1は配列番号17であり、重鎖CDR2は配列番号18であり、重鎖CDR3は配列番号19である。
抗体もしくはその抗原結合断片を含む抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、軽鎖CDR1は、3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号14であり、軽鎖CDR2は、3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号15であり、軽鎖CDR3は、3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号16であるか、又は重鎖CDR1は、3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号17であり、重鎖CDR2は、3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号18であり、重鎖CDR3は、3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号19である。抗体又はその抗原結合断片のいくつかの実施形態では、軽鎖CDR1は配列番号14であり、軽鎖CDR2は配列番号15であり、軽鎖CDR3は配列番号16であるか、又は重鎖CDR1は配列番号17であり、重鎖CDR2は配列番号18であり、重鎖CDR3は配列番号19である。
抗体もしくはその抗原結合断片を含む抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、軽鎖CDR1は、3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号24であり、軽鎖CDR2は、3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号25であり、軽鎖CDR3は、3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号26であり、重鎖CDR1は、3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号27であり、重鎖CDR2は、3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号28であり、さらに、重鎖CDR3は、3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号29である。抗体又はその抗原結合断片のいくつかの実施形態では、軽鎖CDR1は配列番号24であり、軽鎖CDR2は配列番号25であり、軽鎖CDR3は配列番号26であり、又は重鎖CDR1は配列番号27であり、重鎖CDR2は配列番号28であり、重鎖CDR3は配列番号29である。
抗体もしくはその抗原結合断片を含む抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、軽鎖CDR1は、3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号24であり、軽鎖CDR2は、3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号25であり、軽鎖CDR3は、3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号26であるか、又は重鎖CDR1は、3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号27であり、重鎖CDR2は、3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号28であり、重鎖CDR3は、3個以下(例えば、3、2、1、又は0個)のアミノ酸変異を含む配列番号29である。抗体又はその抗原結合断片のいくつかの実施形態では、軽鎖CDR1は配列番号24であり、軽鎖CDR2は配列番号25であり、軽鎖CDR3は配列番号26であるか、又は重鎖CDR1は配列番号27であり、重鎖CDR2は配列番号28であり、重鎖CDR3は配列番号29である。*変異の有無の両方の場合の配列番号35、36、37を追加。
抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、配列番号12又は配列番号22に対し、少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%)同一の軽鎖可変領域アミノ酸配列、又は配列番号13又は配列番号23又は配列番号34に対し、少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%)同一の重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、配列番号12又は配列番号22に対し、少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%)同一の軽鎖可変領域アミノ酸配列、及び配列番号13又は配列番号23又は配列番号34に対し、少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%)同一の重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、配列番号12又は配列番号22に対し、少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%)同一の軽鎖可変領域アミノ酸配列、又は配列番号13又は配列番号23に対し、少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%)同一の重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、配列番号12又は配列番号22に対し、少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%)同一の軽鎖可変領域アミノ酸配列、及び配列番号13又は配列番号23に対し、少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%)同一の重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。
抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、配列番号12に対し、少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%)同一の軽鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、配列番号13に対し、少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%)同一の重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、配列番号22に対し、少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%)同一の軽鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、配列番号23に対し、少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%)同一の重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、配列番号34に対し、少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%)同一の重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、配列番号12に対し、少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%)同一の軽鎖可変領域アミノ酸配列、及び配列番号13に対し、少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%)同一の重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、配列番号22に対し、少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%)同一の軽鎖可変領域アミノ酸配列、及び配列番号23に対し、少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%)同一の重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。
抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、少なくとも20ヌクレオチドの連続核酸配列と比較して(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、75、100、125、150ヌクレオチド又は、それぞれ、配列番号20又は配列番号30の全てと比較して)、配列番号20又は配列番号30に対し、少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%)同一の配列を含む核酸配列から発現した軽鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、少なくとも20ヌクレオチドの連続核酸配列と比較して(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、75、100、125、150ヌクレオチド又は、配列番号20の全てと比較して)、配列番号20に対し、少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%)同一の配列を含む核酸配列から発現した軽鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、少なくとも20ヌクレオチドの連続核酸配列と比較して(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、75、100、125、150ヌクレオチド又は、配列番号30の全てと比較して)、配列番号30に対し、少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%)同一の配列を含む核酸配列から発現した軽鎖可変領域アミノ酸配列を含む。
抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、少なくとも20ヌクレオチドの連続核酸配列と比較して(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、75、100、125、150ヌクレオチド又は、それぞれ、配列番号21又は配列番号31又は配列番号33の全てと比較して)、配列番号21又は配列番号31又は配列番号33に対し、少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%)同一の配列を含む核酸配列から発現した重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、少なくとも20ヌクレオチドの連続核酸配列と比較して(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、75、100、125、150ヌクレオチド又は、配列番号21の全てと比較して)、配列番号21に対し、少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%)同一の配列を含む核酸配列から発現した重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、少なくとも20ヌクレオチドの連続核酸配列と比較して(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、75、100、125、150ヌクレオチド又は、配列番号31の全てと比較して)、配列番号31に対し、少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%)同一の配列を含む核酸配列から発現した重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、少なくとも20ヌクレオチドの連続核酸配列と比較して(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、75、100、125、150ヌクレオチド又は、配列番号33の全てと比較して)、配列番号33に対し、少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%)同一の配列を含む核酸配列から発現した重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、少なくとも20ヌクレオチドの連続核酸配列と比較して(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、75、100、125、150ヌクレオチド又は、配列番号20の全てと比較して)、配列番号20に対し、少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%)同一の配列を含む核酸配列から発現した軽鎖可変領域アミノ酸配列、及び、少なくとも20ヌクレオチドの連続核酸配列と比較して(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、75、100、125、150ヌクレオチド又は、配列番号21の全てと比較して)、配列番号21に対し、少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%)同一の配列を含む核酸配列から発現した重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、少なくとも20ヌクレオチドの連続核酸配列と比較して(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、75、100、125、150ヌクレオチド又は、配列番号30の全てと比較して)、配列番号30に対し、少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%)同一の配列を含む核酸配列から発現した軽鎖可変領域アミノ酸配列、及び、少なくとも20ヌクレオチドの連続核酸配列と比較して(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、75、100、125、150ヌクレオチド又は、配列番号31の全てと比較して)、配列番号31に対し、少なくとも60%(例えば、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100%)同一の配列を含む核酸配列から発現した重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。
抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、中等度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号20又は配列番号30からなる核酸にハイブリダイズする核酸配列から発現した軽鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、該核酸配列は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号20又は配列番号30からなる核酸にハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、中等度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号20からなる核酸にハイブリダイズする核酸配列から発現した軽鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、該核酸配列は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号20からなる核酸にハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、中等度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号30からなる核酸にハイブリダイズする核酸配列から発現した軽鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、該核酸配列は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号30からなる核酸にハイブリダイズする。
抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、中等度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号21又は配列番号31又は配列番号33からなる核酸にハイブリダイズする核酸配列から発現した重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、該核酸配列は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号21又は配列番号31又は配列番号33からなる核酸にハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、中等度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号21からなる核酸にハイブリダイズする核酸配列から発現した重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、該核酸配列は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号21からなる核酸にハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、中等度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号31からなる核酸にハイブリダイズする核酸配列から発現した重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、該核酸配列は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号31からなる核酸にハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、中等度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号33からなる核酸にハイブリダイズする核酸配列から発現した重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、該核酸配列は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号33からなる核酸にハイブリダイズする。
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、中等度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号20からなる核酸にハイブリダイズする核酸配列から発現した軽鎖可変領域アミノ酸配列、及び、中等度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号21からなる核酸にハイブリダイズする核酸配列から発現した重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号20からなる核酸にハイブリダイズする核酸配列から発現した軽鎖可変領域アミノ酸配列、及び、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号21からなる核酸にハイブリダイズする核酸配列から発現した重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、中等度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号30からなる核酸にハイブリダイズする核酸配列から発現した軽鎖可変領域アミノ酸配列、及び、中等度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号31からなる核酸にハイブリダイズする核酸配列から発現した重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号30からなる核酸にハイブリダイズする核酸配列から発現した軽鎖可変領域アミノ酸配列、及び、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号31からなる核酸にハイブリダイズする核酸配列から発現した重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。
抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、配列番号20、配列番号21、配列番号30又は配列番号31の核酸配列によりコードされる1個以上(例えば、1、2、3、4、5、又は6個)のCDRを含み、これらの核酸配列は、1個以上(例えば、1、2、3、4、5、又は6個)のCDRをコードする核酸配列中に6個以下(6、5、4、3、2、1、又は0個)のヌクレオチド変異を有する。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、配列番号20、配列番号21、配列番号30又は配列番号31の核酸配列によりコードされる1個以上(例えば、1、2、3、4、5、又は6個)のCDRを含む。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、配列番号20、配列番号21、配列番号30又は配列番号31のCDR核酸配列によりコードされる1個以上(例えば、1、2、3、4、5、又は6個)のCDRを含む。
抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、配列番号20又は配列番号30の核酸配列によりコードされる1個以上(例えば、1、2、又は3個)の軽鎖可変領域CDRを含み、これらの核酸配列は、1個以上(例えば、1、2、又は3個)のCDRをコードする核酸配列中に6個以下(6、5、4、3、2、1、又は0個)のヌクレオチド変異を有する。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、配列番号20又は配列番号30の核酸配列によりコードされる1個以上(例えば、1、2、又は3個)の軽鎖可変領域CDRを含む。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、配列番号20又は配列番号30のCDR核酸配列によりコードされる1個以上(例えば、1、2、又は3個)の軽鎖可変領域CDRを含む。
抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、配列番号21又は配列番号31又は配列番号33の核酸配列によりコードされる1個以上(例えば、1、2、又は3個)の重鎖可変領域CDRを含み、これらの核酸配列は、1個以上(例えば、1、2、又は3個)のCDRをコードする核酸配列中に6個以下(6、5、4、3、2、1、又は0個)のヌクレオチド変異を有する。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、配列番号21又は配列番号31又は配列番号33の核酸配列によりコードされる1個以上(例えば、1、2、又は3個)の重鎖可変領域CDRを含む。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、配列番号21又は配列番号31又は配列番号33のCDR核酸配列によりコードされる1個以上(例えば、1、2、又は3個)の重鎖可変領域CDRを含む。
抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、配列番号21又は配列番号31の核酸配列によりコードされる1個以上(例えば、1、2、又は3個)の重鎖可変領域CDRを含み、これらの核酸配列は、1個以上(例えば、1、2、又は3個)のCDRをコードする核酸配列中に6個以下(6、5、4、3、2、1、又は0個)のヌクレオチド変異を有する。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、配列番号21又は配列番号31の核酸配列によりコードされる1個以上(例えば、1、2、又は3個)の重鎖可変領域CDRを含む。いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、配列番号21又は配列番号31のCDR核酸配列によりコードされる1個以上(例えば、1、2、又は3個)の重鎖可変領域CDRを含む。
いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、検出可能成分及び軽鎖相補性決定領域(CDR)1、2及び3(軽鎖CDR1は配列番号14又は配列番号24であり、軽鎖CDR2は配列番号15又は配列番号25であり、軽鎖CDR3は配列番号16又は配列番号26である)、又は重鎖相補性決定領域(CDR)1、2及び3(重鎖CDR1は配列番号17又は配列番号27であり、重鎖CDR2は配列番号18又は配列番号28であり、重鎖CDR3は配列番号19又は配列番号29である)を含む。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、検出可能成分及び軽鎖相補性決定領域(CDR)1、2及び3(軽鎖CDR1は配列番号14又は配列番号24であり、軽鎖CDR2は配列番号15又は配列番号25であり、軽鎖CDR3は配列番号16又は配列番号26である)、及び重鎖相補性決定領域(CDR)1、2及び3(重鎖CDR1は配列番号17又は配列番号27であり、重鎖CDR2は配列番号18又は配列番号28であり、重鎖CDR3は配列番号19又は配列番号29である)を含む。
抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、軽鎖CDR1は配列番号14であり、軽鎖CDR2は配列番号15であり、軽鎖CDR3は配列番号16であるか、又は重鎖CDR1は配列番号17であり、重鎖CDR2は配列番号18であり、重鎖CDR3は配列番号19である。
抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、軽鎖CDR1は配列番号24であり、軽鎖CDR2は配列番号25であり、軽鎖CDR3は配列番号26であるか、又は重鎖CDR1は配列番号27であり、重鎖CDR2は配列番号28であり、重鎖CDR3は配列番号29である。
抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、軽鎖CDR1は配列番号14であり、軽鎖CDR2は配列番号15であり、軽鎖CDR3は配列番号16であり、及び重鎖CDR1は配列番号17であり、重鎖CDR2は配列番号18であり、重鎖CDR3は配列番号19である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、軽鎖CDR1は配列番号24であり、軽鎖CDR2は配列番号25であり、軽鎖CDR3は配列番号26であり、重鎖CDR1は配列番号27であり、重鎖CDR2は配列番号28であり、重鎖CDR3は配列番号29である。
抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、重鎖CDR1は配列番号35であり、重鎖CDR2は配列番号36であり、重鎖CDR3は配列番号37である。
いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、検出可能成分及び配列番号12又は配列番号22に90%同一な軽鎖可変領域アミノ酸配列、又は配列番号13又は配列番号23に90%同一な重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、配列番号12又は配列番号22に90%同一な軽鎖可変領域アミノ酸配列、及び配列番号13又は配列番号23に90%同一な重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、配列番号12に90%同一な軽鎖可変領域アミノ酸配列、及び配列番号13に90%同一な重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、配列番号22に90%同一な軽鎖可変領域アミノ酸配列、及び配列番号23に90%同一な重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、検出可能成分及び配列番号12又は配列番号22に90%同一な軽鎖可変領域アミノ酸配列、又は配列番号13又は配列番号23又は配列番号33に90%同一な重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、配列番号12又は配列番号22に90%同一な軽鎖可変領域アミノ酸配列、及び配列番号13又は配列番号23又は配列番号33に90%同一な重鎖可変領域アミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、モノクローナル抗体又はその抗原結合断片、キメラ化もしくはキメラ抗体又はその抗原結合断片、ヒト化抗体又はその抗原結合断片、脱免疫化ヒト抗体又はその抗原結合断片、完全ヒト抗体又はその抗原結合断片、単鎖抗体、単鎖Fv断片(ScFv)、Fd断片、Fab断片、Fab’断片、F’(ab’)2断片、ダイアボディ又はその抗原結合断片、ミニボディ又はその抗原結合断片、トリアボディ又はその抗原結合断片、ドメイン抗体又はその抗原結合断片、ラクダ類抗体又はその抗原結合断片、ヒトコブラクダ抗体又はその抗原結合断片、ファージディスプレイ抗体又はその抗原結合断片、又は反復主鎖配列(例えば、反復抗原提示)であると特定された抗体及びその抗原結合断片を含む。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、ヒト化抗体、又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施形態では、抗C3d抗体結合体は、モノクローナル抗体、又はその抗原結合断片を含む。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、非開裂C3より少なくとも10倍高い親和性でiC3b、C3d又はC3dgに選択的に結合する。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、非開裂C3より少なくとも100倍高い親和性でiC3b、C3d又はC3dgに選択的に結合する。
抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分は、32P、蛍光染料、高電子密度試薬、酵素(例えば、ELISAで通常用いられるものなど)、ビオチン、ジゴキシゲニン、常磁性分子、常磁性ナノ粒子、極小超常磁性酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子、USPIOナノ粒子凝集体、超常磁性酸化鉄(「SPIO」)ナノ粒子、SPIOナノ粒子凝集体、単結晶酸化鉄ナノ粒子、単結晶酸化鉄、その他のナノ粒子造影剤、ガドリニウムキレート(「Gdキレート」)分子含有リポソームもしくはその他の送達担体、ガドリニウム、放射性同位元素、放射性核種(例えば、炭素11、窒素13、酸素15、フッ素18、ルビジウム82)、フルオロデオキシグルコース(例えば、フッ素18標識)、いずれかのガンマ線放射性核種、陽電子放射性核種、放射標識グルコース、放射標識水、放射標識アンモニア、生体コロイド、微小気泡(例えば、アルブミン、ガラクトース、脂質、及び/又はポリマーを含む微小気泡シェルと;空気、重質ガス、パーフルオロカーボン、窒素、オクタフルオロプロパン、ペルフレキサン脂質微小球、パーフルトレンなどを含む微小気泡ガスコアとを含む)、ヨウ素標識造影剤(例えば、イオヘキソール、イオジキサノール、イオベルソール、イオパミドール、イオキシラン、イオプロミド、ジアトリゾ酸、メトリゾ酸、イオキサグル酸)、硫酸バリウム、二酸化トリウム、金、金ナノ粒子、又は金ナノ粒子凝集体、フルオロフォア、二光子フルオロフォア、又はハプテン及びタンパク質、又は、例えば、ペプチド中に、又は標的ペプチドと特異的に反応する抗体中に放射標識を組み込むことにより検出可能にできるその他の構成要素、からなる群から選択される。
抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分は32Pである。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分は蛍光染料である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分は高電子密度試薬である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分は酵素(例えば、ELISAで通常用いられるようなもの)である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分はビオチンである。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分はジゴキシゲニンである。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分は常磁性分子である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分は常磁性ナノ粒子である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分は極小超常磁性酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分はUSPIOナノ粒子凝集体である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分は超常磁性酸化鉄(「SPIO」)ナノ粒子である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分はSPIOナノ粒子凝集体である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分は単結晶酸化鉄ナノ粒子である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分は単結晶酸化鉄である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分は別のナノ粒子造影剤である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分はガドリニウムキレート(「Gdキレート」)分子含有リポソーム又はその他の送達担体である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分はガドリニウムである。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分は放射性同位元素である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分は放射性核種(例えば、炭素11、窒素13、酸素15、フッ素18、又はルビジウム82)である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分はフルオロデオキシグルコース(例えば、フッ素18標識した)である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分はガンマ線放射性核種である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分は陽電子放射性核種である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分は放射標識グルコースである。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分は放射標識水である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分は放射標識アンモニアである。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分は生体コロイドである。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分は、微小気泡(例えば、アルブミン、ガラクトース、脂質、及び/又はポリマーを含む微小気泡シェルと、空気、重質ガス、パーフルオロカーボン、窒素、オクタフルオロプロパン、ペルフレキサン脂質微小球、パーフルトレンなどと含む微小気泡ガスコアとを含む)である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分は、ヨウ素標識造影剤(例えば、イオヘキソール、イオジキサノール、イオベルソール、イオパミドール、イオキシラン、イオプロミド、ジアトリゾ酸、メトリゾ酸、イオキサグル酸、)である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分は硫酸バリウムである。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分は二酸化トリウムである。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分は金である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分は金ナノ粒子である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分は金ナノ粒子凝集体である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分はフルオロフォアである。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分は二光子フルオロフォアである。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分はハプテンである。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分はタンパク質である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分は蛍光成分である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分は、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、及びフルオレセイン誘導体からなる群から選択される。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分は常磁性成分である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分は極小超常磁性酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子又はその凝集体である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分は極小超常磁性酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、検出可能成分は極小超常磁性酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子凝集体である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、極小超常磁性酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子凝集体は、約10nm〜約150nmの直径である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、極小超常磁性酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子凝集体は、約65nm〜約85nmの直径である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、極小超常磁性酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子凝集体は、約75nmの直径である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、極小超常磁性酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子凝集体は、約150nmの直径である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、ナノ粒子凝集体は、デキストランでコーティング、両親媒性ポリマーでコーティング、又はリン脂質で封入される。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、リン脂質はペグ化されている。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、ペグ化リン脂質は、アミン官能化又はカルボン酸官能化される。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、ペグ化アミン官能化リン脂質は、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−PEG2000、である。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、抗体、又は抗原結合断片、リシンアミノ酸を介して検出可能成分に結合される。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、抗体、又は抗原結合断片、リシン側鎖を介して検出可能成分に結合される。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、抗体、もしくは抗原結合断片、システイン、グルタメート、アスパルタート、又はアルギニンアミノ酸を介して検出可能成分に結合される。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、抗体、もしくは抗原結合断片、システイン、グルタメート、アスパルタート、又はアルギニン側鎖を介して検出可能成分に結合される。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、4−スクシンイミジルオキシカルボニル−α−メチル−α(2−ピリジルジチオ)トルエン(SMPT)、N−5−アジド−2−ニトロベンゾイルオキシスクシンイミド、1,4−ビスマレイミドブタン、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、4−[p−アジドサリチルアミド]ブチルアミン、又はp−アジドフェニルグリオキサール1水和物を介して検出可能成分に結合される。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、チオール化抗体又はその抗原結合断片及びマレオイル活性化NH2−SPIOを含む反応により検出可能成分に連結される。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、EDC/NHS活性化抗体又はその抗原結合断片及びNH2−SPIOを含む反応によりアミド結合を形成して、検出可能成分に連結される。抗C3d抗体結合体のいくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、EDC/NHS活性化COOH−SPIO又は他の活性化COOH検出可能成分及び抗体又はその抗原結合断片上のアミンを含む反応によりアミド結合を形成して、検出可能成分に連結される。
抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約1nmと約1000nmの間である。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約5nmと約500nmの間である。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約10nmと約100nmの間である。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約50nmと約150nmの間である。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約65nmと約85nmの間である。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約75nmである。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約150nmである。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約1nmと約1000nmの間であり、両親媒性重合体で被覆される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約5nmと約500nmの間であり、両親媒性重合体で被覆される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約10nmと約100nmの間であり、両親媒性重合体で被覆される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約50nmと約150nmの間であり、両親媒性重合体で被覆される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約65nmと約85nmの間であり、両親媒性重合体で被覆される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約75nmであり、両親媒性重合体で被覆される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約150nmであり、両親媒性重合体で被覆される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約1nmと約1000nmの間であり、リン脂質でカプセル化される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約5nmと約500nmの間であり、リン脂質でカプセル化される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約10nmと約100nmの間であり、リン脂質でカプセル化される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約50nmと約150nmの間であり、リン脂質でカプセル化される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約65nmと約85nmの間であり、リン脂質でカプセル化される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約75nmであり、リン脂質でカプセル化される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約150nmであり、リン脂質でカプセル化される。
抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約1nmと約1000nmの間であり、デキストランで被覆される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約5nmと約500nmの間であり、デキストランで被覆される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約10nmと約100nmの間であり、デキストランで被覆される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約50nmと約150nmの間であり、デキストランで被覆される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約65nmと約85nmの間であり、デキストランで被覆される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約75nmであり、デキストランで被覆される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約150nmであり、デキストランで被覆される。
抗C3d抗体複合体の実施形態では、リン脂質カプセル化抗体標的化USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約1nmと約1000nmの間であり、リン脂質被覆に結合している抗体標的化基を含む。抗C3d抗体複合体の実施形態では、リン脂質カプセル化抗体標的化USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約5nmと約500nmの間であり、リン脂質被覆に結合している抗体標的化基を含む。抗C3d抗体複合体の実施形態では、リン脂質カプセル化抗体標的化USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約10nmと約100nmの間であり、リン脂質被覆に結合している抗体標的化基を含む。抗C3d抗体複合体の実施形態では、リン脂質カプセル化抗体標的化USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約50nmと約150nmの間であり、リン脂質被覆に結合している抗体標的化基を含む。抗C3d抗体複合体の実施形態では、リン脂質カプセル化抗体標的化USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約65nmと約85nmの間であり、リン脂質被覆に結合している抗体標的化基を含む。抗C3d抗体複合体の実施形態では、リン脂質カプセル化抗体標的化USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約75nmであり、リン脂質被覆に結合している抗体標的化基を含む。抗C3d抗体複合体の実施形態では、リン脂質カプセル化抗体標的化USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約150nmであり、リン脂質被覆に結合している抗体標的化基を含む。
抗C3d抗体複合体の実施形態では、デキストラン被覆抗体標的化USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約1nmと約1000nmの間であり、デキストラン被覆に結合している抗体標的化基を含む。抗C3d抗体複合体の実施形態では、デキストラン被覆抗体標的化USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約5nmと約500nmの間であり、デキストラン被覆に結合している抗体標的化基を含む。抗C3d抗体複合体の実施形態では、デキストラン被覆抗体標的化USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約10nmと約100nmの間であり、デキストラン被覆に結合している抗体標的化基を含む。抗C3d抗体複合体の実施形態では、デキストラン被覆抗体標的化USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約50nmと約150nmの間であり、デキストラン被覆に結合している抗体標的化基を含む。抗C3d抗体複合体の実施形態では、デキストラン被覆抗体標的化USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約65nmと約85nmの間であり、デキストラン被覆に結合している抗体標的化基を含む。抗C3d抗体複合体の実施形態では、デキストラン被覆抗体標的化USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約75nmであり、デキストラン被覆に結合している抗体標的化基を含む。抗C3d抗体複合体の実施形態では、デキストラン被覆抗体標的化USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が約150nmであり、デキストラン被覆に結合している抗体標的化基を含む。
抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が1nmと1000nmの間である。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が5nmと500nmの間である。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が10nmと100nmの間である。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が50nmと150nmの間である。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が65nmと85nmの間である。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が75nmである。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が150nmである。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が1nmと1000nmの間であり、両親媒性重合体で被覆される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が5nmと500nmの間であり、両親媒性重合体で被覆される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が10nmと100nmの間であり、両親媒性重合体で被覆される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が50nmと150nmの間であり、両親媒性重合体で被覆される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が65nmと85nmの間であり、両親媒性重合体で被覆される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が75nmであり、両親媒性重合体で被覆される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が150nmであり、両親媒性重合体で被覆される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が1nmと1000nmの間であり、リン脂質でカプセル化される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が5nmと500nmの間であり、リン脂質でカプセル化される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が10nmと100nmの間であり、リン脂質でカプセル化される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が50nmと150nmの間であり、リン脂質でカプセル化される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が65nmと85nmの間であり、リン脂質でカプセル化される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が75nmであり、リン脂質でカプセル化される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が150nmであり、リン脂質でカプセル化される。
抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が1nmと1000nmの間であり、デキストランで被覆される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が5nmと500nmの間であり、デキストランで被覆される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が10nmと100nmの間であり、デキストランで被覆される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が50nmと150nmの間であり、デキストランで被覆される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が65nmと85nmの間であり、デキストランで被覆される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が75nmであり、デキストランで被覆される。抗C3d抗体複合体の実施形態では、USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が150nmであり、デキストランで被覆される。
抗C3d抗体複合体の実施形態では、リン脂質カプセル化抗体標的化USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が1nmと1000nmの間であり、リン脂質被覆に結合している抗体標的化基を含む。抗C3d抗体複合体の実施形態では、リン脂質カプセル化抗体標的化USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が5nmと500nmの間であり、リン脂質被覆に結合している抗体標的化基を含む。抗C3d抗体複合体の実施形態では、リン脂質カプセル化抗体標的化USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が10nmと100nmの間であり、リン脂質被覆に結合している抗体標的化基を含む。抗C3d抗体複合体の実施形態では、リン脂質カプセル化抗体標的化USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が50nmと150nmの間であり、リン脂質被覆に結合している抗体標的化基を含む。抗C3d抗体複合体の実施形態では、リン脂質カプセル化抗体標的化USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が65nmと85nmの間であり、リン脂質被覆に結合している抗体標的化基を含む。抗C3d抗体複合体の実施形態では、リン脂質カプセル化抗体標的化USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が75nmであり、リン脂質被覆に結合している抗体標的化基を含む。抗C3d抗体複合体の実施形態では、リン脂質カプセル化抗体標的化USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が150nmであり、リン脂質被覆に結合している抗体標的化基を含む。
抗C3d抗体複合体の実施形態では、デキストラン被覆抗体標的化USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が1nmと1000nmの間であり、デキストラン被覆に結合している抗体標的化基を含む。抗C3d抗体複合体の実施形態では、デキストラン被覆抗体標的化USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が5nmと500nmの間であり、デキストラン被覆に結合している抗体標的化基を含む。抗C3d抗体複合体の実施形態では、デキストラン被覆抗体標的化USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が10nmと100nmの間であり、デキストラン被覆に結合している抗体標的化基を含む。抗C3d抗体複合体の実施形態では、デキストラン被覆抗体標的化USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が50nmと150nmの間であり、デキストラン被覆に結合している抗体標的化基を含む。抗C3d抗体複合体の実施形態では、デキストラン被覆抗体標的化USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が65nmと85nmの間であり、デキストラン被覆に結合している抗体標的化基を含む。抗C3d抗体複合体の実施形態では、デキストラン被覆抗体標的化USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が75nmであり、デキストラン被覆に結合している抗体標的化基を含む。抗C3d抗体複合体の実施形態では、デキストラン被覆抗体標的化USPIOナノ粒子またはそれらの凝集体は直径が150nmであり、デキストラン被覆に結合している抗体標的化基を含む。
実施形態において、USPIOは、1nm、2nm、3nm、4nm、5nm、6nm、7nm、8nm、9nm、10nm、11nm、12nm、13nm、14nmおよび15nmからなる群より選択される直径を有する。実施形態において、USPIOは、約1nm、約2nm、約3nm、約4nm、約5nm、約6nm、約7nm、約8nm、約9nm、約10nm、約11nm、約12nm、約13nm、約14nmおよび約15nmからなる群より選択される直径を有する。実施形態において、USPIOは、1nm、2nm、3nm、4nm、5nm、6nm、7nm、8nm、9nmおよび10nmからなる群より選択される直径を有する。実施形態において、USPIOは、約1nm、約2nm、約3nm、約4nm、約5nm、約6nm、約7nm、約8nm、約9nmおよび約10nmからなる群より選択される直径を有する。実施形態において、USPIOは約1nmと約15nmの間の直径を有する。実施形態において、USPIOは1nmと15nmの間の直径を有する。実施形態において、USPIOは約1nmと約10nmの間の直径を有する。実施形態において、USPIOは1nmと10nmの間の直径を有する。実施形態において、本明細書に記載されるUSPIOのうちのどれでも様々なサイズのUSPIOについて上で記載されたように修飾され得る(例えば、両親媒性重合体での被覆、リン脂質でのカプセル化、デキストランでの被覆など、またはそれらの組合せ)。
前記構造体(例えば、複合体または複合体分子)の実施形態では、C3d結合部分は(例えば、あらゆる態様または実施形態において、上の抗体組成物と使用法についての節、あらゆる実施例、表、図、または本願における特許請求において)C3dタンパク質、C3dgタンパク質、および/またはiC3bタンパク質(例えば、ヒトC3dタンパク質、ヒトC3dgタンパク質、ヒトiC3bタンパク質)に結合する(例えば、特異的に結合する)ことができるあらゆる組成物であり得る。前記構造体(例えば、複合体または複合体分子)の実施形態では、補体診断部分は(例えば、あらゆる態様または実施形態において、上の検出可能部分についての節、あらゆる実施例、表、図、または本願における特許請求において)補体を検出するために使用可能であるあらゆる検出可能因子または検出可能部分であり得、本明細書に記載されるあらゆる検出可能因子または検出可能部分を含む。
補体の検出方法
第2の態様において、(a)有効量の本明細書に記載される抗C3d抗体複合体を個体に投与すること、(b)前記個体の内部で前記抗C3d抗体複合体をC3タンパク質断片に結合させることによって抗C3d抗体複合体−C3タンパク質断片複合体を形成させること、および(c)前記個体の中で前記抗C3d抗体複合体−C3タンパク質断片複合体を検出することを含む、個体において補体介在性炎症を検出する方法が提供される。幾つかの実施形態では、C3タンパク質断片はC3dまたはC3dgまたはiC3bである。実施形態において、C3タンパク質断片はC3dである。実施形態において、C3タンパク質断片はC3dgである。実施形態において、C3タンパク質断片はiC3bである。幾つかの実施形態では、前記検出は蛍光分光法を含む。幾つかの実施形態では、前記検出は磁気共鳴画像法を含む。幾つかの実施形態では、前記検出は蛍光分光法を含む。幾つかの実施形態では、前記検出は蛍光顕微鏡法を含む。幾つかの実施形態では、前記検出は陽電子放射断層撮影を含む。幾つかの実施形態では、前記検出はコンピューター断層撮影を含む。幾つかの実施形態では、前記検出はPET/CTを含む。幾つかの実施形態では、前記検出は単一光子放射コンピューター断層撮影を含む。幾つかの実施形態では、前記検出はSPECT/CTを含む。幾つかの実施形態では、前記検出は放射線撮影を含む。幾つかの実施形態では、前記検出はX線撮影を含む。幾つかの実施形態では、前記検出は超音波を含む。幾つかの実施形態では、前記検出は二光子顕微鏡法を含む。幾つかの実施形態では、前記検出は検出可能部分(例えば、本明細書に記載される検出可能部分のうちのいずれか1つ)の存在の検出を含む。幾つかの実施形態では、前記検出はUSPIOの検出を含む。幾つかの実施形態では、前記検出はUSPIO凝集体の検出を含む。幾つかの実施形態では、前記検出は常磁性検出可能部分の検出を含む。幾つかの実施形態では、前記検出は鉄含有検出可能部分の検出を含む。幾つかの実施形態では、前記補体介在性炎症は眼炎症性疾患、眼変性疾患、または眼自己免疫疾患と関係する。幾つかの実施形態では、前記補体介在性炎症は眼炎症である。幾つかの実施形態では、その眼補体介在性炎症は加齢黄斑変性と関係する。幾つかの実施形態では、その加齢黄斑変性は滲出型加齢黄斑変性である。幾つかの実施形態では、その加齢黄斑変性は非滲出型加齢黄斑変性である。幾つかの実施形態では、前記補体介在性炎症は癌、虚血再灌流傷害、炎症性疾患、移植拒絶(細胞性または抗体介在性)、妊娠関連疾患、有害薬物反応、加齢黄斑変性、糸球体腎炎、または自己免疫もしくは免疫複合体疾患と関係する。幾つかの実施形態では、前記補体介在性炎症は、癌、虚血再灌流傷害、炎症性疾患、移植拒絶(細胞性または抗体介在性)、妊娠関連疾患、有害薬物反応、加齢黄斑変性、糸球体腎炎、または自己免疫もしくは免疫複合体疾患の結果生じる組織損傷と関係する。幾つかの実施形態では、虚血再灌流傷害の結果生じる前記組織損傷は、心筋梗塞、動脈瘤、卒中、出血性ショック、挫傷、多臓器不全、乏血性ショック、腸管虚血、脊髄損傷および外傷性脳損傷からなる群より選択される障害と関係する。幾つかの実施形態では、前記炎症性疾患は火傷、内毒血症、敗血症性ショック、成人呼吸困難症、心肺バイパス、血液透析、アナフィラキシーショック、喘息、血管性浮腫、クローン病、鎌状赤血球貧血、溶連菌感染後糸球体腎炎、膜性腎症、および膵炎からなる群より選択される。幾つかの実施形態では、前記移植拒絶は超急性異種移植片拒絶である。幾つかの実施形態では、前記移植拒絶は細胞介在性である。幾つかの実施形態では、前記移植拒絶は抗体介在性である。幾つかの実施形態では、前記妊娠関連疾患はHELLP(溶血性貧血、肝逸脱酵素上昇、および血小板低下)、習慣性流産、および子癇前症.からなる群より選択される。幾つかの実施形態では、前記有害薬物反応は薬物アレルギーおよびIL−2誘導性血管漏出症候群からなる群より選択される。幾つかの実施形態では、前記自己免疫もしくは免疫複合体疾患は重症筋無力症、アルツハイマー病、多発性硬化症、リウマチ性関節炎、骨関節炎、全身性紅斑性狼瘡、狼瘡性腎炎、IgG4関連疾患、インスリン依存型真性糖尿病、急性散在性脳脊髄炎、アジソン病、抗リン脂質抗体症候群、血栓性血小板減少性紫斑病、自己免疫性肝炎、クローン病、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン・バレー症候群、橋本病、特発性血小板減少性紫斑病、天疱瘡、シェーグレン症候群、高安動脈炎、自己免疫性糸球体腎炎、II型膜性増殖性糸球体腎炎、膜性疾患、発作性夜間ヘモグロビン尿症、加齢黄斑変性、糖尿病性黄斑症、ぶどう膜炎、網膜変性疾患、糖尿病性腎症、巣状分節性糸球体硬化症、ANCA関連血管炎、溶血性***症候群、志賀毒素関連溶血性***症候群、および非典型溶血性***症候群からなる群より選択される。幾つかの実施形態では、前記自己免疫または免疫複合体疾患は全身性紅斑性狼瘡である。幾つかの実施形態では、前記自己免疫または免疫複合体疾患は狼瘡性腎炎である。幾つかの実施形態では、前記自己免疫または免疫複合体疾患はリウマチ性関節炎である。幾つかの実施形態では、前記自己免疫または免疫複合体疾患はアルツハイマー病である。幾つかの実施形態では、前記自己免疫または免疫複合体疾患は多発性硬化症である。幾つかの実施形態では、前記自己免疫または免疫複合体疾患は骨関節炎である。幾つかの実施形態では、前記自己免疫または免疫複合体疾患は加齢黄斑変性である。幾つかの実施形態では、前記自己免疫または免疫複合体疾患は糖尿病性黄斑症である。幾つかの実施形態では、前記自己免疫性糸球体腎炎は免疫グロブリンA腎症またはI型膜性増殖性糸球体腎炎からなる群より選択される。幾つかの実施形態では、前記個体は哺乳類動物である。幾つかの実施形態では、その哺乳類動物はヒトである。幾つかの実施形態では、前記投与は注射による。幾つかの実施形態では、投与は非経口性、静脈内、皮下、眼内、関節内、または筋肉内の投与である。幾つかの実施形態では、前記個体は前記補体介在性炎症の治療を受けている。幾つかの実施形態では、補体介在性炎症を検出する前記方法は補体介在性炎症の治療法の有効性をモニターする方法である。幾つかの実施形態では、補体介在性炎症を検出する前記方法は補体阻害剤の投与により補体介在性炎症を治療する方法を含む。幾つかの実施形態では、補体介在性炎症を検出する前記方法は補体介在性炎症治療に対するコンパニオン診断である。本明細書において使用される場合、「コンパニオン診断」という用語は疾患状態を階層化し、治療処置を特定し、用量を適合させる、または投与計画を適合させることにより個体の病気または状態に対する特定の治療法を提供するために使用されるアッセイ、または患者の病気または状態のリスクを評価し、且つ、防止処置または予防処置を特定するために使用されるアッセイを指す。幾つかの実施形態では、前記検出方法は(例えば、本明細書において開示される)疾患の治療法または補体介在性炎症の進展をモニターするための複数の検出ステップを含む。
第3の態様において、(a)有効量の本明細書に記載される抗C3d抗体複合体を個体に投与すること、(b)前記個体の内部で前記抗C3d抗体複合体をC3タンパク質断片に結合させることによって抗C3d抗体複合体−C3タンパク質断片複合体を形成させること、および(c)前記個体の中で前記抗C3d抗体複合体−C3タンパク質断片複合体を検出することを含む、個体において補体活性化を検出する方法が提供される。幾つかの実施形態では、C3タンパク質断片はC3dまたはC3dgまたはiC3bである。実施形態において、C3タンパク質断片はC3dである。実施形態において、C3タンパク質断片はC3dgである。実施形態において、C3タンパク質断片はiC3bである。幾つかの実施形態では、前記検出は蛍光分光法を含む。幾つかの実施形態では、前記検出は磁気共鳴画像法を含む。幾つかの実施形態では、前記検出は蛍光分光法を含む。幾つかの実施形態では、前記検出は蛍光顕微鏡法を含む。幾つかの実施形態では、前記検出は陽電子放射断層撮影を含む。幾つかの実施形態では、前記検出はコンピューター断層撮影を含む。幾つかの実施形態では、前記検出はPET/CTを含む。幾つかの実施形態では、前記検出は単一光子放射コンピューター断層撮影を含む。幾つかの実施形態では、前記検出はSPECT/CTを含む。幾つかの実施形態では、前記検出は放射線撮影を含む。幾つかの実施形態では、前記検出はX線撮影を含む。幾つかの実施形態では、前記検出は超音波を含む。幾つかの実施形態では、前記検出は二光子顕微鏡法を含む。幾つかの実施形態では、前記検出は検出可能部分(例えば、本明細書に記載される検出可能部分のうちのいずれか1つ)の存在の検出を含む。幾つかの実施形態では、前記検出はUSPIOの検出を含む。幾つかの実施形態では、前記検出はUSPIO凝集体の検出を含む。幾つかの実施形態では、前記検出は常磁性検出可能部分の検出を含む。幾つかの実施形態では、前記検出は鉄含有検出可能部分の検出を含む。幾つかの実施形態では、前記補体活性化は眼性である。幾つかの実施形態では、その眼性補体活性化は加齢黄斑変性と関係する。幾つかの実施形態では、その加齢黄斑変性は滲出型加齢黄斑変性である。幾つかの実施形態では、その加齢黄斑変性は非滲出型加齢黄斑変性である。幾つかの実施形態では、前記補体活性化は癌、虚血再灌流傷害、炎症性疾患、移植拒絶(細胞性または抗体介在性)、妊娠関連疾患、有害薬物反応、加齢黄斑変性、糸球体腎炎、または自己免疫もしくは免疫複合体疾患と関係する。幾つかの実施形態では、前記補体活性化は、癌、虚血再灌流傷害、炎症性疾患、移植拒絶(細胞性または抗体介在性)、妊娠関連疾患、有害薬物反応、加齢黄斑変性、糸球体腎炎、または自己免疫もしくは免疫複合体疾患の結果生じる組織損傷と関係する。幾つかの実施形態では、前記補体活性化は眼炎症性疾患、眼変性疾患、または眼自己免疫疾患と関係する。幾つかの実施形態では、虚血再灌流傷害の結果生じる前記組織損傷は、心筋梗塞、動脈瘤、卒中、出血性ショック、挫傷、多臓器不全、乏血性ショック、腸管虚血、脊髄損傷および外傷性脳損傷からなる群より選択される障害と関係する。幾つかの実施形態では、前記炎症性疾患は火傷、内毒血症、敗血症性ショック、成人呼吸困難症、心肺バイパス、血液透析、アナフィラキシーショック、喘息、血管性浮腫、クローン病、鎌状赤血球貧血、溶連菌感染後糸球体腎炎、膜性腎症、および膵炎からなる群より選択される。幾つかの実施形態では、前記移植拒絶は超急性異種移植片拒絶である。幾つかの実施形態では、前記妊娠関連疾患はHELLP(溶血性貧血、肝逸脱酵素上昇、および血小板低下)、習慣性流産、および子癇前症.からなる群より選択される。幾つかの実施形態では、前記有害薬物反応は薬物アレルギーおよびIL−2誘導性血管漏出症候群からなる群より選択される。幾つかの実施形態では、前記自己免疫もしくは免疫複合体疾患は重症筋無力症、アルツハイマー病、多発性硬化症、リウマチ性関節炎、骨関節炎、全身性紅斑性狼瘡、狼瘡性腎炎、IgG4関連疾患、インスリン依存型真性糖尿病、急性散在性脳脊髄炎、アジソン病、抗リン脂質抗体症候群、血栓性血小板減少性紫斑病、自己免疫性肝炎、クローン病、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン・バレー症候群、橋本病、特発性血小板減少性紫斑病、天疱瘡、シェーグレン症候群、高安動脈炎、自己免疫性糸球体腎炎、II型膜性増殖性糸球体腎炎、膜性疾患、発作性夜間ヘモグロビン尿症、加齢黄斑変性、糖尿病性黄斑症、ぶどう膜炎、網膜変性疾患、糖尿病性腎症、巣状分節性糸球体硬化症、ANCA関連血管炎、溶血性***症候群、志賀毒素関連溶血性***症候群、および非典型溶血性***症候群からなる群より選択される。幾つかの実施形態では、前記自己免疫または免疫複合体疾患は全身性紅斑性狼瘡である。幾つかの実施形態では、前記自己免疫または免疫複合体疾患は狼瘡性腎炎である。幾つかの実施形態では、前記自己免疫または免疫複合体疾患はリウマチ性関節炎である。幾つかの実施形態では、前記自己免疫または免疫複合体疾患はアルツハイマー病である。幾つかの実施形態では、前記自己免疫または免疫複合体疾患は多発性硬化症である。幾つかの実施形態では、前記自己免疫または免疫複合体疾患は骨関節炎である。幾つかの実施形態では、前記自己免疫または免疫複合体疾患は加齢黄斑変性である。幾つかの実施形態では、前記自己免疫または免疫複合体疾患は糖尿病性黄斑症である。幾つかの実施形態では、前記自己免疫性糸球体腎炎は免疫グロブリンA腎症またはI型膜性増殖性糸球体腎炎からなる群より選択される。幾つかの実施形態では、前記個体は哺乳類動物である。幾つかの実施形態では、その哺乳類動物はヒトである。幾つかの実施形態では、前記投与は注射による。幾つかの実施形態では、投与は非経口性、静脈内、皮下、眼内、関節内、または筋肉内の投与である。幾つかの実施形態では、前記個体は前記補体活性化関連疾患の治療を受けている。幾つかの実施形態では、補体活性化を検出する前記方法は補体活性化関連疾患の治療法の有効性をモニターする方法である。幾つかの実施形態では、補体活性化を検出する前記方法は補体阻害剤の投与により補体活性化関連疾患を治療する方法を含む。幾つかの実施形態では、補体活性化を検出する前記方法は疾患治療法に対するコンパニオン診断である。幾つかの実施形態では、前記検出方法は(例えば、本明細書において開示される)疾患の治療法または疾患の進展をモニターするための複数の検出ステップを含む。
第4の態様において、(a)有効量の本明細書に記載される抗C3d抗体複合体を生体試料(例えば、生検試料、組織試料、血液試料、血液画分試料、血清試料、細胞試料、任意により対象または患者に由来する全ての試料)に投与すること、(b)前記生体試料の内部で前記抗C3d抗体複合体をC3タンパク質断片に結合させることによって抗C3d抗体複合体−C3タンパク質断片複合体を形成させること、および(c)前記生体試料の中で前記抗C3d抗体複合体−C3タンパク質断片複合体を検出することを含む、補体活性化を検出する方法が提供される。幾つかの実施形態では、C3タンパク質断片はC3dまたはC3dgまたはiC3bである。実施形態において、C3タンパク質断片はC3dである。実施形態において、C3タンパク質断片はC3dgである。実施形態において、C3タンパク質断片はiC3bである。幾つかの実施形態では、前記検出は蛍光分光法を含む。幾つかの実施形態では、前記検出は磁気共鳴画像法を含む。幾つかの実施形態では、前記検出は蛍光分光法を含む。幾つかの実施形態では、前記検出は蛍光顕微鏡法を含む。幾つかの実施形態では、前記検出は陽電子放射断層撮影を含む。幾つかの実施形態では、前記検出はコンピューター断層撮影を含む。幾つかの実施形態では、前記検出はPET/CTを含む。幾つかの実施形態では、前記検出は単一光子放射コンピューター断層撮影を含む。幾つかの実施形態では、前記検出はSPECT/CTを含む。幾つかの実施形態では、前記検出は放射線撮影を含む。幾つかの実施形態では、前記検出はX線撮影を含む。幾つかの実施形態では、前記検出は超音波を含む。幾つかの実施形態では、前記検出は二光子顕微鏡法を含む。幾つかの実施形態では、前記検出はELISAを含む。幾つかの実施形態では、前記検出はインサイチュハイブリダイゼーションを含む。幾つかの実施形態では、前記検出は免疫組織化学を含む。幾つかの実施形態では、前記検出はウエスタンブロッティングを含む。幾つかの実施形態では、前記検出は検出可能部分(例えば、本明細書に記載される検出可能部分のうちのいずれか1つ)の存在の検出を含む。幾つかの実施形態では、前記検出はUSPIOの検出を含む。幾つかの実施形態では、前記検出はUSPIO凝集体の検出を含む。幾つかの実施形態では、前記検出は常磁性検出可能部分の検出を含む。幾つかの実施形態では、前記検出は鉄含有検出可能部分の検出を含む。幾つかの実施形態では、補体活性化を検出する前記方法はコンパニオン診断であり、個体において補体(例えば、補体活性化または補体介在性炎症)を検出する本明細書に記載される方法のうちのいずれかと任意により組み合わされる。実施形態において、補体活性化を検出する前記方法は組織試料を使用して実施される。実施形態において、補体活性化を検出する前記方法は組織生検試料を使用して実施される。
追加の実施形態
1. 哺乳類補体成分C3dタンパク質またはC3dgタンパク質またはiC3bタンパク質に特異的に結合する単離抗体またはその抗原結合断片であって、
a.C3dに対する1.1nMまたはそれよりも好適である結合親和性を有する単離抗C3d抗体またはその抗原結合断片;
b.補体タンパク質C3、C3a、C3b、C3cまたはC3fに対するときよりも高い親和性でC3dまたはC3dgまたはiC3bに結合する単離抗C3d抗体またはその抗原結合断片または単離抗C3dg抗体またはその抗原結合断片または単離抗iC3b抗体またはその抗原結合断片;
c.沈着したC3断片に結合する単離抗C3d抗体またはその抗原結合断片または単離抗C3dg抗体またはその抗原結合断片または単離抗iC3b抗体またはその抗原結合断片;
d.少なくとも2種類の種のC3dタンパク質に結合するに結合する単離抗C3d抗体またはその抗原結合断片;
e.C3dへの結合について補体受容体2(CR2)と競合する単離抗C3d抗体またはその抗原結合断片;
f.補体活性化を増強することがない単離抗C3d抗体またはその抗原結合断片または単離抗C3dg抗体またはその抗原結合断片または単離抗iC3b抗体またはその抗原結合断片;
g.宿主液性免疫応答を低下させる単離抗C3d抗体またはその抗原結合断片または単離抗C3dg抗体またはその抗原結合断片または単離抗iC3b抗体またはその抗原結合断片;
h.軽鎖CDR1が配列番号14または配列番号24であり、軽鎖CDR2が配列番号15または配列番号25であり、且つ、軽鎖CDR3が配列番号16または26である軽鎖相補性決定領域(CDR)1、2および3または重鎖CDR1が配列番号17または配列番号27であり、重鎖CDR2が配列番号18または配列番号28であり、且つ、重鎖CDR3が配列番号19または29である重鎖相補性決定領域(CDR)1、2および3を備える単離抗体またはその抗原結合断片;
i.軽鎖CDR1が配列番号14または配列番号24であり、軽鎖CDR2が配列番号15または配列番号25であり、且つ、軽鎖CDR3が配列番号16または26である軽鎖相補性決定領域(CDR)1、2および3ならびに重鎖CDR1が配列番号17または配列番号27であり、重鎖CDR2が配列番号18または配列番号28であり、且つ、重鎖CDR3が配列番号19または29である重鎖相補性決定領域(CDR)1、2および3を備える単離抗体またはその抗原結合断片;
j.軽鎖CDR1が配列番号14であり、軽鎖CDR2が配列番号15であり、軽鎖CDR3が配列番号16であり、重鎖CDR1が配列番号17であり、重鎖CDR2が配列番号18であり、且つ、重鎖CDR3が配列番号19である単離抗体またはその抗原結合断片;
k.軽鎖CDR1が配列番号24であり、軽鎖CDR2が配列番号25であり、軽鎖CDR3が配列番号26であり、重鎖CDR1が配列番号27であり、重鎖CDR2が配列番号28であり、且つ、重鎖CDR3が配列番号29である単離抗体またはその抗原結合断片;
l.配列番号12または配列番号22と90%同一である軽鎖可変領域アミノ酸配列または配列番号13もしくは配列番号23と90%同一である重鎖可変領域アミノ酸配列を備える単離抗体またはその抗原結合断片;
m.配列番号12または配列番号22と90%同一である軽鎖可変領域アミノ酸配列および配列番号13または配列番号23と90%同一である重鎖可変領域アミノ酸配列を備える単離抗体またはその抗原結合断片;
n.配列番号12と90%同一である軽鎖可変領域アミノ酸配列および配列番号13と90%同一である重鎖可変領域アミノ酸配列を備える単離抗体またはその抗原結合断片、および
o.配列番号22と90%同一である軽鎖可変領域アミノ酸配列および配列番号23と90%同一である重鎖可変領域アミノ酸配列を備える単離抗体またはその抗原結合断片
からなる群より選択される前記抗体またはその抗原結合断片。
2. 前記KDが0.5nMまたはそれよりも良好である、実施形態1に記載の単離抗体またはその抗原結合断片。
3. 前記抗体またはその抗原結合断片が補体タンパク質C3、C3a、C3b、C3cまたはC3fに結合しない、実施形態1に記載の単離抗体またはその抗原結合断片。
4. 前記抗体またはその抗原結合断片が循環している完全型のC3、C3b、または(C3H2O)に結合するときよりも高い親和性で沈着したC3dまたはC3dgまたはiC3bに結合する、実施形態1に記載の単離抗体またはその抗原結合断片。
5. 前記哺乳類動物がヒトである、実施形態1に記載の単離抗体またはその抗原結合断片。
6. 前記哺乳類動物がオランウータン、チンパンジー、マカク、ゴリラ、キツネザル、またはテナガザルからなる群より選択される非ヒト霊長類動物である、実施形態1に記載の単離抗体またはその抗原結合断片。
7. 前記抗体またはその抗原結合断片が補体活性化を低下させる、実施形態1(f)に記載の単離抗体またはその抗原結合断片。
8. 前記抗体またはその抗原結合断片がモノクローナル抗体または抗体断片、ディアボディ、キメラ化もしくはキメラ抗体または抗体断片、ヒト化抗体または抗体断片、脱免疫化ヒト抗体または抗体断片、完全ヒト抗体または抗体断片、二特異的抗体または抗体断片、一価抗体または抗体断片、単鎖抗体、Fv、Fd、Fab、Fab’、およびF(ab’)2からなる群より選択される、実施形態1から7のいずれか一つに記載の単離抗体またはその抗原結合断片。
9. 前記抗体がモノクローナル抗体である、実施形態8に記載の単離抗体。
10. 前記抗体がi)ハイブリドーマ細胞株3d−8b/2(ATCC寄託PTA−10999)により産生される3db8、ii)ハイブリドーマ細胞株3d−9a/25(ATCC寄託PTA−10998)により産生される3d9a、およびiii)ハイブリドーマ細胞株3d−29/5/2(ATCC寄託PTA−11000)により産生される3d29からなる群より選択される、実施形態9に記載の単離抗体。
11. 3d−8b/2(ATCC寄託PTA−10999)、3d−9a/25(ATCC寄託番号:PTA−10998)、3d−29/5/2(ATCC寄託番号:PTA−11000)、3d−11/14(ATCC寄託番号:PTA−11011)、3d−31/A6/9(ATCC寄託番号:PTA−11027)、3d−3/28/4(ATCC寄託番号:PTA−11025)、3d−15A9(ATCC寄託番号:PTA−11012)、3d−10/14/1(ATCC寄託番号:PTA−11010)、および3d−16/3/3(ATCC寄託番号:PTA−11026)からなる群より選択されるハイブリドーマ細胞。
12. 実施形態11に記載のハイブリドーマにより産生される単離抗体。
13. 実施形態1から10および実施形態12のいずれか一つに記載の抗体またはその抗原結合断片をコードするヌクレオチド配列を含む単離核酸分子。
14. 実施形態13に記載の単離核酸分子を含む発現ベクター。
15. 実施形態14に記載の発現ベクターを含む細胞。
16. 抗体またはその抗原結合断片を生産するための方法であって、実施形態15に記載の細胞によって前記抗体または抗原結合断片を発現させるのに適切な条件下で前記細胞を培養することを含む前記方法。
17. 前記細胞または前記細胞が培養されている培地から前記抗体またはその抗原結合断片を単離することをさらに含む、実施形態16に記載の方法。
18. 実施形態17に記載の方法により生産される前記単離抗体またはその抗原結合断片。
19. 実施形態1から10、12または18のいずれか一つに記載の単離抗体またはその抗原結合断片、および薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物。
20. a.C3d結合部分、および
b.検出可能部分
を含み、(a)と(b)が連結されている構造体。
21. 前記C3d結合部分が実施形態1から10のいずれか一つ、実施形態12または18に記載の抗C3d抗体またはその抗原結合断片を含む、実施形態20に記載の構造体。
22. 前記検出可能部分が32P、蛍光色素、高電子密度試薬、酵素(例えば、ELISAにおいて一般に使用されるもの)、ビオチン、ジゴキシゲニン、常磁性分子、常磁性ナノ粒子、極小超常磁性酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子、USPIOナノ粒子凝集体、超常磁性酸化鉄(「SPIO」)ナノ粒子、SPIOナノ粒子凝集体、単結晶型酸化鉄ナノ粒子、単結晶型酸化鉄、他のナノ粒子造影剤、リポソームまたはガドリニウムキレート(「Gd−キレート」)分子を含む他の送達ベヒクル、ガドリニウム、放射性同位体、放射性核種(例えば、炭素11、窒素13、酸素15、フッ素18、ルビジウム82)、フルオロデオキシグルコース(例えば、フッ素18標識したもの)、あらゆるガンマ線放出放射性核種、陽電子放出放射性核種、放射性標識グルコース、放射性標識水、放射性標識アンモニア、生体コロイド、微小気泡(例えば、アルブミン、ガラクトース、脂質、および/または重合体を含む微小気泡殻;空気、重質ガス、パーフルオロカーボン、窒素、オクタフルオロプロパン、ペルフレキサン脂質マイクロスフィア、ペルフルトレンなどを含む微小気泡ガスコアを含む)、ヨウ素化造影剤(例えば、イオヘキソール、イオジキサノール、イオベルソール、イオパミドール、イオキシラン、イオップロミド、ジアトリゾエート、メトリゾエート、イオキサグラート)、硫酸バリウム、二酸化トリウム、金、金ナノ粒子、金ナノ粒子凝集体、フルオロフォア、二光子フルオロフォア、ハプテン、またはタンパク質を含む、実施形態20または21に記載の構造体。
23. 哺乳類動物において補体活性化を検出するために有効な量の実施形態20から21のいずれか一つに記載の構造体を前記対象に投与することを含む、哺乳類動物における補体活性化の検出方法。
24. 虚血再灌流障害の結果生じる組織損傷、炎症性疾患、移植拒絶、妊娠関連疾患、有害薬物反応、および自己免疫もしくは免疫複合体疾患からなる群より選択される疾患を有するか、有する疑いがある哺乳類動物を診断またはモニタリングする方法であって、診断的に有効量の実施形態20から22のいずれか一つに記載の構造体を前記哺乳類動物に投与することを含む前記方法。
25. 虚血再灌流障害の結果生じる前記組織損傷が、心筋梗塞、動脈瘤、卒中、出血性ショック、挫傷、多臓器不全、乏血性ショック、腸管虚血、脊髄損傷および外傷性脳損傷からなる群より選択される障害と関係する、実施形態24に記載の方法。
26. 前記炎症性疾患が火傷、内毒血症、敗血症性ショック、成人呼吸困難症、心肺バイパス、血液透析、アナフィラキシーショック、喘息、血管性浮腫、クローン病、鎌状赤血球貧血、溶連菌感染後糸球体腎炎、膜性腎症、および膵炎からなる群より選択される、実施形態24に記載の方法。
27. 前記移植拒絶が超急性異種移植片拒絶である、実施形態24に記載の方法。
28. 前記妊娠関連疾患がHELLP症候群(溶血性貧血、肝逸脱酵素上昇および血小板低下)、習慣性流産、および子癇前症.からなる群より選択される、実施形態24に記載の方法。
29. 前記有害薬物反応が薬物アレルギーおよびIL−2誘導性血管漏出症候群からなる群より選択される、実施形態24に記載の方法。
30. 前記自己免疫もしくは免疫複合体疾患が重症筋無力症、アルツハイマー病、多発性硬化症、視神経脊髄炎、リウマチ性関節炎、IgG4介在性/関連疾患、全身性紅斑性狼瘡、狼瘡性腎炎、インスリン依存型真性糖尿病、急性散在性脳脊髄炎、アジソン病、抗リン脂質抗体症候群、自己免疫性肝炎、クローン病、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン・バレー症候群、橋本病、特発性血小板減少性紫斑病、天疱瘡、シェーグレン症候群、高安動脈炎、自己免疫性糸球体腎炎、II型膜性増殖性糸球体腎炎、発作性夜間ヘモグロビン尿症、加齢黄斑変性、糖尿病性黄斑症、ぶどう膜炎、網膜変性疾患、糖尿病性腎症、巣状分節性糸球体硬化症、ANCA関連血管炎、溶血性***症候群、および非典型溶血性***症候群からなる群より選択される、実施形態24に記載の方法。
31. 前記自己免疫性糸球体腎炎が免疫グロブリンA腎症およびI型膜性増殖性糸球体腎炎からなる群より選択される、実施形態30に記載の方法。
32. 癌、ウイルス感染症、細菌感染症、寄生生物感染症、および真菌感染症からなる群より選択される疾患を有するか、有する疑いがある哺乳類動物を診断またはモニタリングする方法であって、前記哺乳類動物において補体活性化を検出するのに有効な量の実施形態20から22に記載の構造体を前記哺乳類動物に投与することを含む前記方法。
33. 前記哺乳類動物がヒトである、実施形態23から32のいずれか一つに記載の方法。
34. (a)ラベルを備える容器、および
(b)実施形態20から22のいずれか一つに記載の構造体を含む組成物
を含む製品であって、前記組成物は補体関連疾患を有する、有する疑いがある、または発症する危険性があるヒトに投与されるものであることが前記ラベルによって示されている、前記製品。
35. 検出可能部分ならびに軽鎖CDR1が配列番号14であり、軽鎖CDR2が配列番号15であり、且つ、軽鎖CDR3が配列番号16である軽鎖相補性決定領域(CDR)1、2および3または重鎖CDR1が配列番号17または配列番号27であり、重鎖CDR2が配列番号18であり、且つ、重鎖CDR3が配列番号19または29である重鎖相補性決定領域(CDR)1、2および3を備える抗C3d抗体複合体。
36. 検出可能部分ならびに軽鎖CDR1が配列番号14であり、軽鎖CDR2が配列番号15であり、且つ、軽鎖CDR3が配列番号16である軽鎖相補性決定領域(CDR)1、2および3ならびに重鎖CDR1が配列番号17または配列番号27であり、重鎖CDR2が配列番号18であり、且つ、重鎖CDR3が配列番号19または29である重鎖相補性決定領域(CDR)1、2および3を備える実施形態35に記載の抗C3d抗体複合体。
37. 軽鎖CDR1が配列番号14であり、軽鎖CDR2が配列番号15であり、軽鎖CDR3が配列番号16であり、重鎖CDR1が配列番号17であり、重鎖CDR2が配列番号18であり、且つ、重鎖CDR3が配列番号19である、実施形態36に記載の抗C3d抗体複合体。
38. 軽鎖CDR1が配列番号24であり、軽鎖CDR2が配列番号25であり、軽鎖CDR3が配列番号26であり、重鎖CDR1が配列番号27であり、重鎖CDR2が配列番号28であり、且つ、重鎖CDR3が配列番号29である、実施形態36に記載の抗C3d抗体複合体。
39.検出可能部分および配列番号12または配列番号22と90%同一である軽鎖可変領域アミノ酸配列または配列番号13もしくは配列番号23と90%同一である重鎖可変領域アミノ酸配列を備える抗C3d抗体複合体。
40. 配列番号12または配列番号22と90%同一である軽鎖可変領域アミノ酸配列および配列番号13または配列番号23と90%同一である重鎖可変領域アミノ酸配列を備える実施形態39に記載の抗C3d抗体複合体。
41. 配列番号12と90%同一である軽鎖可変領域アミノ酸配列および配列番号13と90%同一である重鎖可変領域アミノ酸配列を備える実施形態40に記載の抗C3d抗体複合体。
42. 配列番号22と90%同一である軽鎖可変領域アミノ酸配列および配列番号23と90%同一である重鎖可変領域アミノ酸配列を備える実施形態40に記載の抗C3d抗体複合体。
43. モノクローナル抗体またはその抗原結合断片、キメラ化もしくはキメラ抗体またはその抗原結合断片、ヒト化抗体またはその抗原結合断片、脱免疫化ヒト抗体またはその抗原結合断片、完全ヒト抗体またはその抗原結合断片、単鎖抗体、単鎖Fv断片(scFv)、Fd断片、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2断片、ディアボディまたはその抗原結合断片、ミニボディまたはその抗原結合断片、トリアボディまたはその抗原結合断片、ドメイン抗体またはその抗原結合断片、ラクダ科動物抗体またはその抗原結合断片、ヒトコブラクダ抗体またはその抗原結合断片、またはファージディスプレイ抗体またはその抗原結合断片、または反復性抗原アレイまたはその抗原結合断片によって特定される抗体またはその抗原結合断片を含む実施形態35から42のいずれか一つに記載の抗C3d抗体複合体。
44. ヒト化抗体またはその抗原結合断片を含む実施形態35から43のいずれか一つに記載の抗C3d抗体複合体。
45. モノクローナル抗体またはその抗原結合断片を含む実施形態35から44のいずれか一つに記載の抗C3d抗体複合体。
46. 前記抗体またはその抗原結合断片が非切断型C3よりも少なくとも10倍高い親和性でiC3b、C3dまたはC3dgに優先的に結合する、実施形態35から45のいずれか一つに記載の抗C3d抗体複合体。
47. 前記抗体またはその抗原結合断片が非切断型C3よりも少なくとも100倍高い親和性でiC3b、C3dまたはC3dgに優先的に結合する、実施形態35から46のいずれか一つに記載の抗C3d抗体複合体。
48. 前記検出可能部分が32P、蛍光色素、高電子密度試薬、酵素、ビオチン、ジゴキシゲニン、常磁性分子、常磁性ナノ粒子、極小超常磁性酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子、USPIOナノ粒子凝集体、超常磁性酸化鉄(「SPIO」)ナノ粒子、SPIOナノ粒子凝集体、標準超常磁性酸化鉄(「SSPIO」)、SSPIOナノ粒子凝集体、多分散性超常磁性酸化鉄(「PSPIO」)、PSPIOナノ粒子凝集体、単結晶型SPIO、単結晶型SPIO凝集体、単結晶型酸化鉄ナノ粒子、単結晶型酸化鉄、別のナノ粒子造影剤、リポソームまたはガドリニウムキレート(「Gd−キレート」)分子を含む他の送達ベヒクル、ガドリニウム、放射性同位体、放射性核種、炭素11、窒素13、酸素15、フッ素18、ルビジウム82、フルオロデオキシグルコース、ガンマ線放出放射性核種、陽電子放出放射性核種、放射性標識グルコース、放射性標識水、放射性標識アンモニア、生体コロイド、微小気泡、ヨウ素化造影剤、硫酸バリウム、二酸化トリウム、金、金ナノ粒子、金ナノ粒子凝集体、フルオロフォア、二光子フルオロフォア、ハプテン、タンパク質、および蛍光性部分からなる群より選択される、実施形態35から47のいずれか一つに記載の抗C3d抗体複合体。
49. 前記蛍光性部分がフルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、およびフルオレセイン誘導体からなる群より選択される、実施形態48に記載の抗C3d抗体複合体。
50. 前記検出可能部分が常磁性部分である、実施形態35から48のいずれか一つに記載の抗C3d抗体複合体。
51. 前記常磁性部分が極小超常磁性酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子またはその凝集体である、実施形態50に記載の抗C3d抗体複合体。
52. 前記常磁性部分が極小超常磁性酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子凝集体である、実施形態51に記載の抗C3d抗体複合体。
53. 前記極小超常磁性酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子凝集体の直径が約10nmと約150nmの間である、実施形態52に記載の抗C3d抗体複合体。
54. 前記極小超常磁性酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子凝集体の直径が約65nmと約85nmの間である、実施形態52に記載の抗C3d抗体複合体。
55. 前記極小超常磁性酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子凝集体の直径が約75nmである、実施形態52に記載の抗C3d抗体複合体。
56. 前記極小超常磁性酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子凝集体の直径が約150nmである、実施形態52に記載の抗C3d抗体複合体。
57. 前記極小超常磁性酸化鉄(「USPIO」)ナノ粒子凝集体がデキストランで被覆される、両親媒性重合体で被覆される、またはリン脂質でカプセル化される、実施形態52に記載の抗C3d抗体複合体。
58. 前記リン脂質がPEG化される、実施形態57に記載の抗C3d抗体複合体。
59. 前記PEG化リン脂質がアミン官能化またはカルボン酸官能化される、実施形態58に記載の抗C3d抗体複合体。
60. 前記PEG化アミン官能化リン脂質が1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−PEG2000である、実施形態59に記載の抗C3d抗体複合体。
61. 前記抗体またはその抗原結合断片がリシンアミノ酸を介して前記検出可能部分に複合体化される、実施形態35から60のいずれか一つに記載の抗C3d抗体複合体。
62. 前記抗体またはその抗原結合断片がリシン側鎖を介して前記検出可能部分に複合体化される、実施形態61に記載の抗C3d抗体複合体。
63. 前記抗体またはその抗原結合断片がシステインアミノ酸、グルタミン酸アミノ酸、アスパラギン酸アミノ酸、またはアルギニンアミノ酸を介して前記検出可能部分に複合体化される、実施形態35から60のいずれか一つに記載の抗C3d抗体複合体。
64. 前記抗体またはその抗原結合断片がシステイン側鎖、グルタミン酸側鎖、アスパラギン酸側鎖、またはアルギニン側鎖を介して前記検出可能部分に複合体化される、実施形態63に記載の抗C3d抗体複合体。
65. 前記抗体またはその抗原結合断片が、a)4−スクシンイミジルオキシカルボニル−α−メチル−α(2−ピリジルジチオ)トルエン(SMPT)、N−5−アジド−2−ニトロベンゾイルオキシスクシンイミド、1,4−ビス−マレイミドブタン、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、4−[p−アジドサリチルアミド]ブチルアミン、またはp−アジドフェニルグリオキサール一水和物を介して、またはb)チオール化抗体またはその抗原結合断片と前記検出可能部分のマレオイル活性化アミン、EDC/NHS活性化抗体またはその抗原結合断片と前記検出可能部分のアミン、または前記検出可能部分のEDC/NHS活性化カルボン酸と前記抗体またはその抗原結合断片のアミンを含む反応を介して前記検出可能部分に複合体化される、実施形態35から60のいずれか一つに記載の抗C3d抗体複合体。
66.(a)有効量の実施形態35から65のいずれか一つに記載の抗C3d抗体複合体を個体に投与すること、(b)前記個体の内部で前記抗C3d抗体複合体をC3タンパク質断片に結合させることによって抗C3d抗体複合体−C3タンパク質断片複合体を形成させること、および(c)前記個体の中で前記抗C3d抗体複合体−C3タンパク質断片複合体を検出することを含む、前記個体における補体介在性炎症の検出方法。
67. 前記C3タンパク質断片がC3dまたはC3dgまたはiC3bである、実施形態66に記載の方法。
68. 前記検出が蛍光分光法を含む、実施形態66から67のいずれか一つに記載の方法。
69. 前記検出が磁気共鳴画像法、コンピューター断層撮影、陽電子放射断層撮影、単一光子放射コンピューター断層撮影、超音波検査、または放射線撮影を含む、実施形態66から67のいずれか一つに記載の方法。
70. 前記補体介在性炎症が眼炎症である、実施形態66から69のいずれか一つに記載の方法。
71. 前記眼補体介在性炎症が加齢黄斑変性と関係する、実施形態70に記載の方法。
72. 前記加齢黄斑変性が滲出型加齢黄斑変性である、実施形態71に記載の方法。
73. 前記加齢黄斑変性が非滲出型加齢黄斑変性である、実施形態71に記載の方法。
74. 前記補体介在性炎症が、癌、虚血再灌流傷害、炎症性疾患、移植拒絶(細胞性または抗体介在性)、妊娠関連疾患、有害薬物反応、加齢黄斑変性、糸球体腎炎、または自己免疫もしくは免疫複合体疾患の結果生じる組織損傷と関係する、実施形態66から70のいずれか一つに記載の方法。
75. 虚血再灌流傷害の結果生じる前記組織損傷が、心筋梗塞、動脈瘤、卒中、出血性ショック、挫傷、多臓器不全、乏血性ショック、腸管虚血、脊髄損傷および外傷性脳損傷からなる群より選択される障害と関係する、実施形態74に記載の方法。
76. 前記炎症性疾患が火傷、内毒血症、敗血症性ショック、成人呼吸困難症、心肺バイパス、血液透析、アナフィラキシーショック、喘息、血管性浮腫、クローン病、鎌状赤血球貧血、溶連菌感染後糸球体腎炎、膜性腎症、および膵炎からなる群より選択される、実施形態74に記載の方法。
77. 前記移植拒絶が超急性異種移植片拒絶である、実施形態74に記載の方法。
78. 前記妊娠関連疾患がHELLP(溶血性貧血、肝逸脱酵素上昇、および血小板低下)、習慣性流産、および子癇前症.からなる群より選択される、実施形態74に記載の方法。
79. 前記有害薬物反応が薬物アレルギーおよびIL−2誘導性血管漏出症候群からなる群より選択される、実施形態74に記載の方法。
80. 前記自己免疫もしくは免疫複合体疾患が重症筋無力症、アルツハイマー病、多発性硬化症、視神経脊髄炎、リウマチ性関節炎、骨関節炎、全身性紅斑性狼瘡、狼瘡性腎炎、IgG4関連疾患、インスリン依存型真性糖尿病、急性散在性脳脊髄炎、アジソン病、抗リン脂質抗体症候群、血栓性血小板減少性紫斑病、自己免疫性肝炎、クローン病、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン・バレー症候群、橋本病、特発性血小板減少性紫斑病、天疱瘡、シェーグレン症候群、高安動脈炎、自己免疫性糸球体腎炎、II型膜性増殖性糸球体腎炎、膜性疾患、発作性夜間ヘモグロビン尿症、加齢黄斑変性、糖尿病性黄斑症、ぶどう膜炎、網膜変性疾患、糖尿病性腎症、巣状分節性糸球体硬化症、ANCA関連血管炎、溶血性***症候群、志賀毒素関連溶血性***症候群、および非典型溶血性***症候群からなる群より選択される、実施形態74に記載の方法。
81. 前記自己免疫性糸球体腎炎が免疫グロブリンA腎症またはI型膜性増殖性糸球体腎炎からなる群より選択される、実施形態80に記載の方法。
82. 前記個体が哺乳類動物である、実施形態66から81のいずれか一つに記載の方法。
83. 前記哺乳類動物がヒトである、実施形態82に記載の方法。
84. 前記投与が注射による、実施形態66から83のいずれか一つに記載の方法。
85. 前記注射が非経口性、静脈内、皮下、眼内、関節内、または筋肉内の注射である、実施形態84に記載の方法。
別途定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術用語および科学用語は本開示が関係する分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。相容れない場合は本文書が、定義を含み、優先される。本明細書に記載されるものと類似または等価の方法および材料を本開示の方法および組成物の実施または試験に使用することもできるが、例となる方法および材料が以下に記載される。本明細書において言及される全ての刊行物、特許出願、特許、および他の参照文献は全体の参照により援用される。
本開示、例えば、補体関連疾患の治療、または予防、または検出、またはモニタリングのための組成物および方法の他の特徴と利点は明細書、実施例、および特許請求の範囲から明らかである。
[実施例1]
炎症を起こした組織の補体C3断片であるiC3b、C3dgおよびC3dによる共有結合性修飾により、治療薬または診断薬が向かうことができる独特の「フラッグ」または「ターゲット」が提供されることが益々明らかになっている。本明細書は腎臓と網膜を含む様々な組織において組織に結合したC3断片を非侵襲的に検出するための分子イメージングプローブとしての用途を有するモノクローナル抗体について記載する。広範なインビトロ分析およびインビボ分析の後に、本明細書に記載される一部のmAbが補体活性化インビボ部位を特定するために使用され得ることを全体として示す独特の特徴をこれらのmAbが有することが示された。それらの抗体はこの能力により、結合した診断モジュールをこれらの部位に向かわせることができる。例えば、それらの抗体は炎症部位に造影剤を向かわせることもでき、次にそれらの部位はMRI、陽電子放射断層撮影(PET)、超音波、および/または光学的イメージング装置によって検出され得る。抗体が、重要な抗原結合部位のヌクレオチド配列および得られるタンパク質配列を含み、本明細書に記載される。これらの配列を使用して作製されたScFvが元々記載されているモノクローナル抗体と競合することを示し、それらの相互関係を示すデータも含まれる。
補体系の活性化中にC3タンパク質が切断され、C3活性化断片が教諭結合により近くの組織に固定される。組織に結合したC3断片はこの過程の恒久的な標識であり、組織炎症のバイオマーカーとして一般に使用される。これらの断片は標的化治療薬および診断薬のためのアドレス指定可能な結合リガンドとして利用されている。我々はヒトC3d(補体活性化中に産生される最終的C3分解断片)に対する新規のマウスモノクローナル抗体を作製した。我々は、これらの抗体のうちのいずれかが完全型C3上に存在または露出していないC3d上のエピトープに結合するか決定するためにそれらの抗体をスクリーニングした。それらの抗体のうちの3つ(クローン3d8b、3d9aおよび3d29)は溶液状のiC3b断片、C3dg断片およびC3d断片に優先的に結合したが、完全型C3またはC3bには結合しない。同じ3種類のクローンは全身注入されると組織に結合したC3活性化断片にも結合した。我々は、腎臓と網膜の疾患のマウスモデルを使用して全身注入の後に糸球体、腎臓尿細管間質、および眼の内部のC3断片沈着部位に蓄積した抗体を確認した。我々は眼の内部で結合した抗体を検出するために光学的イメージングを用い、脈絡膜血管新生(CNV)のモデルにおける網膜病変内部での抗体の蓄積を観察した。我々の結果は、これらの抗体を利用する撮像方法により組織炎症の検出とモニタリングの高感度の手段が提供され得ることを示す。
3d scFvおよび3d scFv補体阻害剤の構築と発現、3d 29scFvおよび3d8bscFvの精製
HyperFlask細胞培養容器中で3dscFv CHO細胞の陽性クローンを培養および増幅した。上清を回収および濾過し、続いてHisPurカラムに負荷した。洗浄および溶出条件を調節した後にほぼ90%純度でscFvを精製した。図19を参照のこと。
3d8bscFvおよび3d29 scFvのブロックテスト
3d抗原でプレートを(10ng/ウェル)4℃で一晩被覆した。プレートをELISAブロッキング緩衝液により室温で1時間ブロックした。洗浄後、3dscFvの段階希釈物を抗原プレートと共に4℃で一晩インキュベートした。5回の洗浄の後に3dmAbの段階希釈物をプレート上において室温で2時間インキュベートし、続いて5回洗浄した。抗マウスIgG Fc−HRPを二次Abとして使用した。5回の洗浄の後に各ウェルにTMB溶液を添加し、5〜10分間インキュベートし、等体積の停止溶液(2MのH2SO4)を添加し、450nMにおける光学密度を読んだ。図20および21を参照のこと。
3dscFv−Crryクローン化と陽性クローンの選択
3d8bscFvとCrryを別個に増幅するためにプライマーを設計した。3d8b用の3’プライマーはCrry用の5’プライマーと同じ25bpの配列を有する。2つの断片を重ね合わせた後に3d8b用の3’プライマーとCrry用の5’プライマーを使用して3dscFvCrry融合遺伝子を増幅した。3d8bscFv−Crry融合遺伝子をpEE14.1ベクターのHindIII部位とEcorI部位にクローン化した。図22を参照のこと。
形質移入と陽性クローンの選択
正しい配列によりPEE14.1/3d8bscFv−Crryの配列を解析した。PEE14.1/3d8bscFv−Crry−1をCHO細胞に形質移入した。形質移入から48時間後にCHO/PEE14.1/3d8bscFv−CrryをMSX選択培地に移し、3〜4週間の培養の後に細胞クローンを24ウェルに移し、続いてドットブロットによりクローン選択を行った。図23を参照のこと。NC膜に5μlの培養上清を負荷し、続いて2%のBSAと室温で1時間のブロッキングを行った。1:1000希釈抗6×His HRP、4℃で一晩。CHO上清のA6を陰性対照として使用した。結果に基づいてB1とD4をさらに培養および選択するための陽性クローンとして選択した。図23を参照のこと。
3d8bscFv−FHのクローン化とシーケンシング
3d8bscFvとFHを別個に増幅するためにプライマーを設計した。3d8b用の3’プライマーはFH用の5’プライマーと同じ25bpの配列を有する。2つの断片を重ね合わせた後に3d8b用の3’プライマーとFH用の5’プライマーを使用して3dscFv−FH融合遺伝子を増幅した。3d8bscFv−FH融合遺伝子をpEE14.1ベクターのHindIII部位とEcorI部位にクローン化した。正しい配列によりpEE3d8bFH−5を確認した。そのプラスミドをさらなる選択のためにCHO細胞に形質移入した。
[実施例2]
継続中の案件は、視覚的検出手段、放射線的検出手段および他の検出手段のための様々なレポーター部分を有する抗体の生体分布、薬物動態、およびタギング方法をさらに定義する。我々は、前記抗体はPETによる検出のために放射性標識され得ること、および、それらの放射性標識抗体はそれらの免疫反応性を95%よりも高く保持することを確認している。それらの標識抗体の親和定数は、
クローン Kd
29 0.43nM
9a 0.62nM
8b 0.38nM
であった。
収集されたデータより、それらの抗体がMRI造影剤(例えば、酸化鉄ナノ粒子)の表面にうまく複合体化され得ること、および光学的イメージング方法を用いて蛍光標識抗体が網膜内で検出され得ることが示される。
補体系は自然免疫系の重要な武器であり、侵入してくる病原体に対する重要な防御を提供する(Ricklin, D., Hajishengallis, G., Yang, K., and Lambris, J.D. 2010. Complement: a key system for immune surveillance and homeostasis. Nat Immunol 11:785−797)。補体活性化は多数の自己免疫疾患および炎症性疾患の発病の原因でもある(Walport, M.J. 2001. Complement. Second of two parts. N Engl J Med 344:1140−1144)。補体活性化の最中にC3タンパク質は幾つかの異なる部位においてタンパク質分解性切断を受ける(図10)。切断断片はC3上のチオエステル部位と受容体面上のヒドロキシル基との間の共有結合を介して近くの組織に固定される(Serkova, N.J., Renner, B., Larsen, B.A., Stoldt, C.R., Hasebroock, K.M., Bradshaw−Pierce, E.L., Holers, V.M., and Thurman, J.M. 2010. Renal inflammation: targeted iron oxide nanoparticles for molecular MR imaging in mice. Radiology 255:517−526、Law, S.K., and Dodds, A.W. 1997. The internal thioester and the covalent binding properties of the complement proteins C3 and C4. Protein Sci 6:263−274)。したがって、組織面上でのC3断片の沈着は組織炎症の恒久的な標識を構成する。この理由のため、組織に結合したC3断片は免疫活性化のバイオマーカーとして一般に使用される。例えば、C3断片について腎臓生検試料が日常的に免疫染色され、糸球体C3断片の検出が高感度であり、且つ、しっかりとした疾患活動度の指標として役立つ(Schulze, M., Pruchno, C.J., Burns, M., Baker, P.J., Johnson, R.J., and Couser, W.G. 1993. Glomerular C3c localization indicates ongoing immune deposit formation and complement activation in experimental glomerulonephritis. Am J Pathol 142:179−187)。
組織に結合したC3断片は局所的な炎症を反映するので、それらの断片は標的化治療薬および診断薬のためのアドレス指定可能な結合リガンドとしても利用されている(Serkova, N.J., Renner, B., Larsen, B.A., Stoldt, C.R., Hasebroock, K.M., Bradshaw−Pierce, E.L., Holers, V.M., and Thurman, J.M. 2010. Renal inflammation: targeted iron oxide nanoparticles for molecular MR imaging in mice. Radiology 255:517−526、Atkinson, C., Song, H., Lu, B., Qiao, F., Burns, T.A., Holers, V.M., Tsokos, G.C., and Tomlinson, S. 2005. Targeted complement inhibition by C3d recognition ameliorates tissue injury without apparent increase in susceptibility to infection. J Clin Invest 115:2444−2453、Sargsyan, S.A., Serkova, N.J., Renner, B., Hasebroock, K.M., Larsen, B., Stoldt, C., McFann, K., Pickering, M.C., and Thurman, J.M. 2012. Detection of glomerular complement C3 fragments by magnetic resonance imaging in murine lupus nephritis. Kidney Int 81:152−159、Rohrer, B., Long, Q., Coughlin, B., Wilson, R.B., Huang, Y., Qiao, F., Tang, P.H., Kunchithapautham, K., Gilkeson, G.S., and Tomlinson, S. 2009. A targeted inhibitor of the alternative complement pathway reduces angiogenesis in a mouse model of age−related macular degeneration. Invest Ophthalmol Vis Sci 50:3056−3064、Rohrer, B., Coughlin, B., Bandyopadhyay, M., and Holers, V.M. 2012. Systemic Human CR2−Targeted Complement Alternative Pathway Inhibitor Ameliorates Mouse Laser−Induced Choroidal Neovascularization. J Ocul Pharmacol Ther)。これらの標的化薬剤は血漿中の完全型C3と組織に結合したC3断片を区別することができるタンパク質である組換え型の補体受容体−2(CR2)を用いている。このアプローチの理論的根拠は全身投与された薬剤がそれらのiC3b断片およびC3d断片との親和性により炎症部位に送達され得ることである。治療薬を分子標的に向かわせることにより、その薬の全身的な副作用を最低限にしながら高い程度の局所的活性を達成することができる(Webb, S. 2011. Pharma interest surges in antibody drug conjugates. Nat Biotechnol 29:297−298)。我々はCR2標的化造影剤を使用して組織に結合したC3断片と腎臓疾患活動度を磁気共鳴画像法により検出してもいる(Serkova, N.J., Renner, B., Larsen, B.A., Stoldt, C.R., Hasebroock, K.M., Bradshaw−Pierce, E.L., Holers, V.M., and Thurman, J.M. 2010. Renal inflammation: targeted iron oxide nanoparticles for molecular MR imaging in mice. Radiology 255:517−526、Sargsyan, S.A., Serkova, N.J., Renner, B., Hasebroock, K.M., Larsen, B., Stoldt, C., McFann, K., Pickering, M.C., and Thurman, J.M. 2012. Detection of glomerular complement C3 fragments by magnetic resonance imaging in murine lupus nephritis. Kidney Int 81:152−159)。CR2標的化薬剤は切断型のC3に特異的であるが、比較的に低い親和性でこれらの断片に結合し得る[報告されている値は生理的イオン強度において1μMから10μMの範囲である(Guthridge, J.M., Rakstang, J.K., Young, K.A., Hinshelwood, J., Aslam, M., Robertson, A., Gipson, M.G., Sarrias, M.R., Moore, W.T., Meagher, M., et al. 2001. Structural studies in solution of the recombinant N−terminal pair of short consensus/complement repeat domains of complement receptor type 2 (CR2/CD21) and interactions with its ligand C3dg. Biochemistry 40:5931−5941、Isenman, D.E., Leung, E., Mackay, J.D., Bagby, S., and van den Elsen, J.M. 2010. Mutational analyses reveal that the staphylococcal immune evasion molecule Sbi and complement receptor 2 (CR2) share overlapping contact residues on C3d: implications for the controversy regarding the CR2/C3d cocrystal structure. J Immunol 184:1946−1955)。切断型のC3上のエピトープに対する高親和性標的化ベクターであればさらに高い効率で炎症部位に治療薬と診断薬を送達する可能性があり得る。
したがって、組織に結合したC3断片に対するよく特徴解析されたモノクローナル抗体は多くの生体医学用途を有する。それらの抗体は新しい治療薬および診断薬のインビボ送達ベヒクルとして使用され得る。それらの抗体はC3断片の生物学的機能を調節する可能性もあり得る。例えば、それらの抗体はC3断片のCR1〜4との相互作用またはC3に結合する他のタンパク質、例えば、補体阻害剤H因子との相互作用を妨げ得る。そのような抗体は特異的なC3断片(例えば、C3b、iC3b、C3dg、およびC3d)の特定およびそれらの相対量の定量にとっても有用であり得る。しかしながら、標準的方法によるそのような抗体の作製には幾つかの障壁がある。それらの抗体はCR2のように(1〜2mg/mLの濃度で循環する)完全型C3上に露出していない切断されたC3のエピトープを認識しなくてはならない。しかしながら、C3d(および、同様にiC3bとC3dgも)の内部領域は活性化中のC3の立体構造変化により露出するので(Janssen, B.J., Christodoulidou, A., McCarthy, A., Lambris, J.D., and Gros, P. 2006. Structure of C3b reveals conformational changes that underlie complement activity. Nature 444:213−216)、このエピトープ認識は実現可能である。別の難点は、ハイブリドーマの作製とクローン化の標準的方法によってそれらのハイブリドーマ細胞が血清含有培地中のC3およびC3断片、またはそれらの培養物中において使用されるマクロファージなどの細胞によって合成されるC3に曝露されることがあり得ることである。培地中のC3は陽性ハイブリドーマクローンをマスクすること、またはB細胞受容体の架橋を介してそのようなクローンの成長に影響を及ぼすことがあり得る。
我々はこれらの難点を克服するための新規の方法を用い、マウスとカニクイザルの両方のC3dと交差反応するヒトC3dに対する9種類のマウスモノクローナル抗体を開発した。これらの高親和性抗体のうちの3つは切断型のC3を完全型C3タンパク質と区別する。さらに、我々の研究により、これらの抗体は循環血液中の高レベルの完全型C3にも関わらずインビボで補体活性化組織部位を標的化するために使用され得ることが示される。我々は本明細書においてC3dに対するこれらのモノクローナル抗体を開発するために我々が用いた方法とこれらの試薬がインビボで組織に結合したC3dを標的とする証拠を報告する。
[実施例3]
組換えヒトC3dに対するマウスmAbの開発
補体活性化中にC3はチオエステル結合を露出させる立体構造変化を受ける(Serkova, N.J., Renner, B., Larsen, B.A., Stoldt, C.R., Hasebroock, K.M., Bradshaw−Pierce, E.L., Holers, V.M., and Thurman, J.M. 2010. Renal inflammation: targeted iron oxide nanoparticles for molecular MR imaging in mice. Radiology 255:517−526、Janssen, B.J., Christodoulidou, A., McCarthy, A., Lambris, J.D., and Gros, P. 2006. Structure of C3b reveals conformational changes that underlie complement activity. Nature 444:213−216)。C3のチオエステルドメイン(TED)はC3のC3bへの変換中に回転し、その分子の表面上でTEDの方向を変える(Janssen, B.J., Christodoulidou, A., McCarthy, A., Lambris, J.D., and Gros, P. 2006. Structure of C3b reveals conformational changes that underlie complement activity. Nature 444:213−216)。C3bのこの領域はiC3b、C3dg、および最終的にC3dを産生するその後の切断の間に露出されたままである(図10)。C3のこの領域上のエピトープに対するmAbを作製するため、我々は組換えヒトC3d(Guthridge, J.M., Rakstang, J.K., Young, K.A., Hinshelwood, J., Aslam, M., Robertson, A., Gipson, M.G., Sarrias, M.R., Moore, W.T., Meagher, M., et al. 2001. Structural studies in solution of the recombinant N−terminal pair of short consensus/complement repeat domains of complement receptor type 2 (CR2/CD21) and interactions with its ligand C3dg. Biochemistry 40:5931−5941)を作製し、C3遺伝子の標的欠失を担持するマウスを免疫した[C3−/−マウス;(Wessels, M.R., Butko, P., Ma, M., Warren, H.B., Lage, A.L., and Carroll, M.C. 1995. Studies of group B streptococcal infection in mice deficient in complement component C3 or C4 demonstrate an essential role for complement in both innate and acquired immunity. Proc Natl Acad Sci U S A 92:11490−11494)]。C3−/−マウスは欠損した液性免疫を有するが(Wessels, M.R., Butko, P., Ma, M., Warren, H.B., Lage, A.L., and Carroll, M.C. 1995. Studies of group B streptococcal infection in mice deficient in complement component C3 or C4 demonstrate an essential role for complement in both innate and acquired immunity. Proc Natl Acad Sci U S A 92:11490−11494)、それらのマウスはC3d免疫原に対する強い抗体応答を発達させた(データを示さず)。
C3dに対する高抗体タイターを有するマウスの脾臓細胞を使用して2つの融合を実施したが、どちらの融合もどのような反応性クローンも産生することに失敗した。所望のハイブリドーマ細胞はC3dに特異的であったので、我々は、どのようなクローンも作製することができなかった理由はC3断片が組織培養培地中の血清によりまたは反応性細胞のB細胞受容体に結合したクローニング過程中に使用されたマクロファージから産生したことであると仮説を立てた。これにより細胞のアポトーシスが誘導されるかまたはスクリーニングELISAアッセイによるスクリーニングが干渉を受ける可能性があり得た。それ故、ハイブリドーマ細胞が無血清培地処方物中で培養される第3の融合を実施した。マクロファージは副補体経路のタンパク質のうちの全てを合成し、且つ、C3断片を産生する能力を有してもいるので(Strunk, R.C., Kunke, K.S., and Giclas, P.C. 1983. Human peripheral blood monocyte−derived macrophages produce haemolytically active C3 in vitro. Immunology 49:169−174)、C3−/−マウスの腹膜潅流によりクローン化中に使用されるフィーダー細胞を得た。単細胞クローンを作製し、ELISAによりC3dに対するスクリーニングを行い、強い反応性を有する9種類のクローンを特定した(図11A)。
それらの抗体がC3dと反応し、且つ、免疫原中の汚染混入物質と反応しないことを確認するため、組換えC3dがポリクローナル抗C3d捕捉抗体により捕捉されるサンドウィッチELISAを用いてC3dに対してそれらの抗体を試験した(表2)。マウスC3dに対するそれらのクローンの反応性を試験するため、我々は組換えマウスC3dを使用する間接的ELISAおよびサンドウィッチELISAを実施した。我々は第2の構造体である精製ヒトC3dに由来する組換えヒトC3dと組換えカニクイザルC3dに対するそれらの抗体の結合を試験するための直接的ELISAも実施した。それら9種類のクローン全てがこれらの標的の全てに対して強い反応性を示した(表2)。
[実施例4]
C3活性化断片に対するクローン3d8b、3d9、および3d29の特異度
C3とC3dのウエスタンブロット分析を変性条件下で実施し、それらのブロットを前記9種類の抗C3dクローンを用いて調べた。変性C3dで認識されるエピトープが変性型の完全型C3α鎖でも露出されていることが期待されるが、このアッセイではそれらの抗体は差示的なC3とC3dの認識を示した(図11B)。それらの抗体はウエスタンブロット分析により3種類の別個の結合パターンを示した:C3への結合を有しないC3dへの強い結合(第I群)、C3とC3dへの強い結合(第II群)、または両方のタンパク質への弱い結合(第III群)。クローン3d11はウエスタンブロット分析によりそれらのC3断片の全てを認識した(図11C)。
それらの抗体の天然型の前記の異なるC3断片への結合を試験するため、前記の様々なC3断片の混合物を含む活性化血漿を使用して免疫沈殿反応を実施した(図11D)。第I群の抗体(クローン3d8b、3d9、および3d29)はiC3b断片とC3dg断片をプルダウンした。クローン11(第II群)はC3dをプルダウンした。クローン16(第III群)はC3、iC3b、C3dgおよびC3dをプルダウンした。
クローン3d8b、3d9および3d29のC3dに対する親和性を表面プラズモン共鳴により試験した(図12)。測定された親和性は、3d29がKD=1.06nM、3d9aがKD=0.367nM、3d8bがKD=0.465nMであった。
[実施例5]
表面結合C3転換酵素活性に対する抗C3d mAbの効果
副経路C3転換酵素はB因子断片Bbおよび流体相タンパク質プロペルジン(P)と複合したC3bから構成される。C3bBbPの分離が自然に起こるが(T1/2、約5〜10分)、流体相補体調節因子H因子が大いにこの過程を促進する。この後者の反応は細胞と組織の補体介在性損傷からの防御およびC3ホメオスタシスの維持に重要な役割を果たす。C3腎炎因子(C3Nef)と呼ばれるある特定の抗C3自己抗体は副経路C3転換酵素を安定化し、その酵素をH因子に対して耐性とすることによって非制御的補体活性化を可能にする(Daha, M.R., Fearon, D.T., and Austen, K.F. 1976. C3 nephritic factor (C3NeF): stabilization of fluid phase and cell−bound alternative pathway convertase. J Immunol 116:1−7)。前記抗C3d抗体がC3Nef様活性を有するかどうか評価するため、我々はまずヒツジ赤血球上で予め構築されたC3bBbP複合体をそれらの抗C3d抗体または緩衝液のみと共に様々な時間の間インキュベートした。次に我々は残っている転換酵素の溶血活性を定量した(図13A)。第I群クローン(3d8b、3d9aおよび3d29)も第II群クローン3d31も赤血球の溶解に何の効果も有しなかった。これらの試料のインキュベーション期間中の自然な転換酵素分離に起因する溶血活性の喪失は対照細胞のものと同等であった。対照的に、第III群クローン(3d3、3d15、3d16)は転換酵素を安定化し、直後(図13A)および2時間のインキュベーションの後(図13B)により大規模な赤血球の溶解を引き起こした。全ての事例において、溶血は予備構築ステップにおいてB因子の存在に絶対的に依存し(図13CおよびD)、したがって副経路C3転換酵素が第III群の効果を介在することが確認された。EGTAがカルシウムキレート剤として含まれることによってその過程における他の補体活性化経路の関与が排除された。
我々はH因子活性に対する抗C3d抗体の影響も検討した。H因子はC3転換酵素の分解を促進することにより(Weiler, J.M., Daha, M.R., Austen, K.F., and Fearon, D.T. 1976. Control of the amplification convertase of complement by the plasma protein beta1H. Proc Natl Acad Sci U S A 73:3268−3272)、またはC3bの第I因子介在性切断(不活化)の補因子として機能することにより(Pangburn, M.K., Schreiber, R.D., and Muller−Eberhard, H.J. 1977. Human complement C3b inactivator: isolation, characterization, and demonstration of an absolute requirement for the serum protein beta1H for cleavage of C3b and C4b in solution. J Exp Med 146:257−270)副経路活性化を制限する副経路調節性タンパク質である。前記抗C3d抗体のそれぞれを含む反応においてH因子の添加により赤血球の溶解が阻害された。これは、それらの抗体のうちのいずれもC3bの表面上のH因子結合部位をブロックしなかったことを表す(図13E)。これは、FHの第I因子補因子活性とC3bBb分解促進活性を保持するFHのアミノ末端側の4つのSCR(CFH1〜4)に対するC3b上の結合部位が(C3d切断産物に近似する)TEDドメインの外側にあることを示す最近のデータ(Wu, J., Wu, Y.Q., Ricklin, D., Janssen, B.J., Lambris, J.D., and Gros, P. 2009. Structure of complement fragment C3b−factor H and implications for host protection by complement regulators. Nat Immunol 10:728−733)と一致する。
最後に、正常ヒト血清とウサギ赤血球を使用する副経路溶血アッセイにおいて前記抗体を試験した。このアッセイは活性化因子面上で副経路活性を測定するための標準的アッセイである。反応混合物に高濃度でクローン3d8b、3d9aおよび3d29を添加したときでさえ、それらのクローンは赤血球の溶解を増加させなかった。逆に、高濃度のクローン16の添加は溶血を増加させた。
[実施例6]
CR2によるC3dの結合に対する抗C3d mAbの効果
C3dはCR2のリガンドであり、CR2はB細胞および濾胞樹状細胞上で発現する。B細胞上のCR2によるC3dの認識によりB細胞受容体によるB細胞活性化の閾値が低下する(Lyubchenko, T., dal Porto, J., Cambier, J.C., and Holers, V.M. 2005. Coligation of the B cell receptor with complement receptor type 2 (CR2/CD21) using its natural ligand C3dg: activation without engagement of an inhibitory signaling pathway. J Immunol 174:3264−3272)。結果としてCR2によるシグナル伝達は液性免疫応答と自己免疫の発達において重要である。我々はC3dに対する前記mAbがこの相互作用を妨げるか試験した(図15)。我々はインビトロCR2−C3d結合アッセイを用いて、クローン3d8b、3d9a、3d11、3d29、および3d31がC3dとの結合によりCR2を妨げることを見出した。第1群抗体の用量反応曲線は高濃度の3d8bによるCR2のほぼ完全な阻害を示した(図15B)。クローン3d9aおよび3d29は高濃度で添加されるとCR2による結合の約80%の阻害を達成した(図13C〜D)。これらの結果はそれらの抗体が免疫調節機能を有し得る可能性を提起する。
[実施例7]
表面結合C3活性化断片への抗C3d mAbのインビトロでの結合
活性化面に結合したナイーブC3断片に結合する前記mAbの能力を評価するため、血清とのインキュベーションによりザイモサン粒子をC3断片によりオプソニン化した(Thurman, J.M., Kraus, D.M., Girardi, G., Hourcade, D., Kang, H.J., Royer, P.A., Mitchell, L.M., Giclas, P.C., Salmon, J., Gilkeson, G., et al. 2005. A novel inhibitor of the alternative complement pathway prevents antiphospholipid antibody−induced pregnancy loss in mice. Mol Immunol 42:87−97)。次にそれらの粒子をそれらの抗体と共にインキュベートし、結合した抗体をフローサイトメトリーにより検出した(図16A)。クローン8b、9aおよび29はオプソニン化ザイモサン粒子に結合し、一方、他のクローンは結合しなかった。組織中のC3沈着物へのこれらの抗体の結合を試験するため、H因子欠損マウスの腎臓から切片を作製した。これらのマウスのこれらの糸球体は糸球体腎炎を特徴とし、大量のC3活性化断片iC3bおよびC3dg/C3dの沈着物を有する(Paixao−Cavalcante, D., Hanson, S., Botto, M., Cook, H.T., and Pickering, M.C. 2009. Factor H facilitates the clearance of GBM bound iC3b by controlling C3 activation in fluid phase. Mol Immunol 46:1942−1950、Pickering, M.C., Cook, H.T., Warren, J., Bygrave, A.E., Moss, J., Walport, M.J., and Botto, M. 2002. Uncontrolled C3 activation causes membranoproliferative glomerulonephritis in mice deficient in complement factor H. Nat Genet 31:424−428)。クローン8b、9a、および29はC3に対するポリクローナル抗体を使用して得られたパターンと区別がつかないパターンでアセトン固定切片に結合した(図16B)。
[実施例8]
補体活性化組織部位への抗C3d mAbのインビボ標的化
次に我々は前記抗体がインビボで注入されると組織に結合したC3断片に結合するかどうか判定しようとした。内在性IgGの糸球体沈着物を有しないfH−/−マウス(Pickering, M.C., Cook, H.T., Warren, J., Bygrave, A.E., Moss, J., Walport, M.J., and Botto, M. 2002. Uncontrolled C3 activation causes membranoproliferative glomerulonephritis in mice deficient in complement factor H. Nat Genet 31:424−428)にそれらの抗体を静脈内注射した。24時間後に腎臓を収集し、IgGについて免疫染色した(図16A)。クローン8b、9aおよび29はC3断片のパターンと区別がつかないパターンで糸球体基底膜に沿って容易に検出され、静脈内注射の後に糸球体毛細管璧中のC3沈着物にそれらのクローンが結合したことを示した。我々がIgGの内在性沈着物を検出していないことを確認するため、クローン3d29をビオチン標識し、fH−/−マウスに注入した。ストレプトアビジン−FITCを使用してその抗体の糸球体への結合を検出した。
C3断片は通常は野生型マウスの尿細管基底膜に沿って沈着する(Thurman, J.M., Ljubanovic, D., Edelstein, C.L., Gilkeson, G.S., and Holers, V.M. 2003. Lack of a functional alternative complement pathway ameliorates ischemic acute renal failure in mice. J Immunol 170:1517−1523)。fH−/−マウスでは尿細管C3沈着物が見られず、これはおそらくはこれらのマウスの流体相でほとんどのC3が消費されるためである(Guthridge, J.M., Rakstang, J.K., Young, K.A., Hinshelwood, J., Aslam, M., Robertson, A., Gipson, M.G., Sarrias, M.R., Moore, W.T., Meagher, M., et al. 2001. Structural studies in solution of the recombinant N−terminal pair of short consensus/complement repeat domains of complement receptor type 2 (CR2/CD21) and interactions with its ligand C3dg. Biochemistry 40:5931−5941)。IgGはそれらの抗C3d抗体を注入したfH−/−マウスの尿細管基底膜に沿って検出されなかった。しかしながら、ビオチン標識3d29が野生型マウスに注入されると、尿細管基底膜に沿って検出され、C3沈着物と共に共局在した。これらの結果により、3d8b、3d9aおよび3d29が腎炎マウスの糸球体および非処理野生型マウスの尿細管間質におけるC3活性化断片の組織沈着物を標的とし、結合することが示される。
[実施例9]
眼の補体活性化部位を標的とする抗C3d mAbのインビボイメージング
前記標的化抗体をインビボで視覚化することができるか試験するため、我々は光学的イメージング処理することができる系である眼に視点を変えた。補体活性化は加齢黄斑変性(AMD)の病理に関与する。補体成分は、C3(Hageman, G.S., Luthert, P.J., Victor Chong, N.H., Johnson, L.V., Anderson, D.H., and Mullins, R.F. 2001. An integrated hypothesis that considers drusen as biomarkers of immune−mediated processes at the RPE−Bruch’s membrane interface in aging and age−related macular degeneration. Prog Retin Eye Res 20:705−732)、アナフィラトキシンC3aおよびC5a(Nozaki, M., Raisler, B.J., Sakurai, E., Sarma, J.V., Barnum, S.R., Lambris, J.D., Chen, Y., Zhang, K., Ambati, B.K., Baffi, J.Z., et al. 2006. Drusen complement components C3a and C5a promote choroidal neovascularization. Proc Natl Acad Sci U S A 103:2328−2333)ならびに膜侵襲複合体成分(Hageman, G.S., Luthert, P.J., Victor Chong, N.H., Johnson, L.V., Anderson, D.H., and Mullins, R.F. 2001. An integrated hypothesis that considers drusen as biomarkers of immune−mediated processes at the RPE−Bruch’s membrane interface in aging and age−related macular degeneration. Prog Retin Eye Res 20:705−732)を含み、AMDの病理学的構造体(例えば、晶洞、ブルッフ膜)中に存在することが分かっており、補体遺伝子の単一多型がAMDの危険因子を装う(Leveziel, N., Tilleul, J., Puche, N., Zerbib, J., Laloum, F., Querques, G., and Souied, E.H. 2011. Genetic factors associated with age−related macular degeneration. Ophthalmologica 226:87−102)。AMDは網膜色素上皮(RPE)の萎縮とそれに続く光受容体の喪失か、または脈絡膜血管新生(CNV)とそれに続く光受容体の喪失のどちらかに由来する視力喪失という結果になる(Brown et al., 2005)。レーザー光凝固術を用いて血液網膜関門に損傷を与えることによりマウスで後者の過程を模倣することができ、その損傷が補体依存的に網膜下腔への脈絡膜血管の内殖を引き起こす(Rohrer et al., 2009; Rohrer et al., 2011)。同様に、損傷部位において補体沈着が起こることが示されている(Nozaki et al., 2006; Rohrer et al., 2009)。我々は全身的CR2標的化戦略を用いて、このように引き起こされた補体阻害(CR2−fH)がCNVを改善し得ることを示した(Rohrer et al., 2009; Rohrer et al., 2012)。
ここで我々はレーザー損傷マウスのRPE/脈絡膜において補体活性化部位を直接的に画像化することができるか、抗C3d mAbを使用して試験した。まず、我々はいずれの抗体が伸展された眼のCNV病変部位におけるC3dエピトープを認識するか試験した。インビボイメージングに蛍光標識抗体が将来必要とされるので、FITC標識抗体だけを試験した。それらのFITC標識mAbのうち、クローン29が軽く固定した組織(4%パラホルムアルデヒド)のCNV病変部に対して最良の結合を示した(図18A)。補体B因子ノックアウトマウス(fB−/−)はその病変に応答したRPE/脈絡膜中のC3の増加を示さず、且つ、有意なCNVの発症に失敗するので(Rohrer et al., 2009)、fB−/−マウスをFITC標識mAb結合の陰性対照として使用した(図18B)。3d29による結合の特異度を確認するためにアイソタイプ対照抗体(HB5)も試験した(図18C)。
インビボイメージング用にCNV病変部を作製し、その病変部内でのC3発現のピークに対応することが以前に示されている時点である(Rohrer et al., 2009)CNV誘導後の3日目にFITC標識3d29またはHB5静脈内注射した。眼底撮像を用いて注射から6時間、24時間、および48時間の後に動物を画像撮影した。CNV病変部は明視野像中に脱色部分として容易に分かる(図18D、F)。早期の時点では(6時間および24時間)、両方の抗体が病変部に増強されているが、区別がつかない蛍光を作り出した。48時間までに、3d29mAb注入マウスにおいて示される点状のパターン(図18G、G’)と比較して、対照抗体では拡散したバックグラウンド蛍光が検出される(図18E、E’)。これらの結果は、従来のイメージング技術を用いて生体の眼において視覚化され得るほど充分に高い濃度で3d29がCNV病変マウスの後極におけるRPE/脈絡膜組織C3活性化断片沈着物に保持されることを表す。
[実施例10]
分析
この報告は天然型立体構造の完全型C3に結合しないC3活性化断片C3dに対する3種類のモノクローナル抗体(第I群抗体3d8b、3d9aおよび3d29)の開発について記載する。これらの抗体は補体活性化中に作製されるか、または露出されるiC3bおよびC3d上のエピトープを認識する抗体である。これらの抗体の作製に成功するため、我々はハイブリドーマ融合の標準的方法に幾つかの改変を行った。ハイブリドーマ細胞を無血清条件下で培養し、C3−/−マウス由来のマクロファージをクローン化処理中のフィーダー細胞として使用した。このアプローチによりマウスとカニクイザルのC3dとも反応するヒトC3dに対する9種類のmAbの作製が可能になった。
それら9種類の抗体のうちの3つがSDS変性C3dへの強い結合を示したが、変性C3への結合をほとんど示さなかった。同じ3種類の抗体が完全型C3も含む混合物からiC3bとC3dgをプルダウンしたが、それらの抗体は完全型C3タンパク質をプルダウンしなかった。これらの3種類のクローンはインビトロでオプソニン化ザイモサン粒子の表面上のC3断片にも結合し、表面結合型C3断片に結合する能力を示した。ある特定の抗C3抗体はC3転換酵素を安定化し、補体活性化を効果的に増幅することが知られている。組織に結合したC3断片を標的とするそれら3種類のクローンは幾つかの異なるインビトロアッセイを用いても全く活性化活性を有しなかった。しかしながら、その他のクローンのうちの1つ(クローン3d16)は副経路活性化アッセイにおけるウサギ赤血球の溶解を増加し、且つ、他の第III群抗体と共にヒツジ赤血球上で予め構築されたC3転換酵素を安定化した。ここに記載される抗体のうちのいずれもC3転換酵素のH因子介在性分離を防止しなかった。
糸球体腎炎を有するマウスにクローン3d8b、3d9a、または3d29を注入すると、それらの抗体は糸球体内のC3沈着物の部位に蓄積し、この位置における組織に結合したiC3bとC3dを標的とするためにそれらの抗体を使用することができることを示した。野生型マウスに注入されると、これらの抗体は(基線でC3断片の沈着を有する)尿細管基底膜に沿って沈着したC3断片に結合した。C3断片はfH−/−マウスの循環血液中に存在し、且つ、野生型マウスは高循環レベルの完全型C3を有するので、循環性C3断片およびC3断片の存在下であってもクローン8b、9aおよび29が組織に結合したiC3b活性化断片およびC3d活性化断片に優先的に結合することがこの実験により検証された。
これらの抗体のC3dに対する高親和性とC3d沈着部位に薬剤をインビボで送達する能力はそれらの抗体を診断薬および治療薬の開発にとって非常に重要なツールとする可能性がある。糸球体C3沈着の検出は糸球体腎炎の正確な診断にとって重要であり、腎臓生検組織がC3について日常的に染色される。我々は糸球体C3の非侵襲的検出のためのMRIベースの方法を開発しており、これらの高親和性抗体はこの方法の感度を改善し得る。本研究において我々は、従来の蛍光撮像を用いて生きている動物内でFITC標識3d29が視覚化されることを示した。これにより、我々はCNVを有するマウスのRPE/脈絡膜内で非侵襲的にC3d沈着物を検出することが可能になる。最後に、標的化補体阻害剤も炎症性疾患の治療にとって非常に有望であることを示している(Atkinson, C., Song, H., Lu, B., Qiao, F., Burns, T.A., Holers, V.M., Tsokos, G.C., and Tomlinson, S. 2005. Targeted complement inhibition by C3d recognition ameliorates tissue injury without apparent increase in susceptibility to infection. J Clin Invest 115:2444−2453; Sekine, H., Kinser, T.T., Qiao, F., Martinez, E., Paulling, E., Ruiz, P., Gilkeson, G.S., and Tomlinson, S. 2011. The benefit of targeted and selective inhibition of the alternative complement pathway for modulating autoimmunity and renal disease in MRL/lpr mice. Arthritis Rheum 63:1076−1085; Song, H., He, C., Knaak, C., Guthridge, J.M., Holers, V.M., and Tomlinson, S. 2003. Complement receptor 2−mediated targeting of complement inhibitors to sites of complement activation. J Clin Invest 111:1875−1885)。これらの抗体は組織炎症部位への新規治療薬の送達のための高親和性標的化ベクターを提供し得る。
組織に結合したiC3bとC3dg/C3dを有する部位へ診断薬および治療薬をインビボで向かわせるそれらの抗体の能力に加えて、これらの抗体は補体の生物学的機能の調節にも有用であり得る。クローン3d8b、3d9aおよび3d29はCR2によるC3dの結合を妨げた。適応免疫応答におけるC3d−CR2シグナル伝達の重要な役割を考慮すると、これらの抗体は補体系の外側で免疫調節性活性を有し得る。
我々はC3d上の正確なエピトープを特定するために一団のC3d突然変異体に対してそれらの抗体をスクリーニングした。それらの抗体は複雑なエピトープを認識し得る。同様に、ELISAでスクリーニングされると前記9種類のクローンの全てが全ての形状のC3を認識した。これはおそらくC3とC3bのELISAプレートへの接着が他の場合であれば隠されていただろう標的エピトープの露出を引き起こしたからである。これらの抗体の結合部位を検出するための可能な方法には共結晶構造試験(Wu, J., Wu, Y.Q., Ricklin, D., Janssen, B.J., Lambris, J.D., and Gros, P. 2009. Structure of complement fragment C3b−factor H and implications for host protection by complement regulators. Nat Immunol 10:728−733)または核磁気共鳴(Kovacs, J.M., Hannan, J.P., Eisenmesser, E.Z., and Holers, V.M. 2009. Mapping of the C3d ligand binding site on complement receptor 2 (CR2/CD21) using nuclear magnetic resonance and chemical shift analysis. J Biol Chem 284:9513−9520)が含まれる。それらの抗体によって阻止されるC3分子の相互作用を予想し得るので、各抗体の結合部位の特定はそれらの抗体の生物学的機能の予測に役立つことがあり得る。
結論として、我々はC3活性化断片に対するmAbの作製に成功した。それらの抗体のうちの3つが活性化型のC3(iC3bおよびC3dg/C3d)を認識するが、天然型状態の完全型C3に結合しない。我々は、完全型C3の高循環レベルにも関わらずこれらの抗体が組織に結合したC3断片をインビボで標的とすることに成功し得ることを示した。組織に結合したC3活性化断片に特異的な抗体は組織炎症部位への治療薬および診断薬の標的化送達に使用され得る。これらの抗体を検出する放射線学的方法は組織炎症の検出とモニタリングのための重要な新しいツールを提供できるだろう。我々はCNVを有する生きている動物内で蛍光標識抗体が検出されることを示した。今では治療用補体阻害剤の臨床使用が認可されているので(Rother, R.P., Rollins, S.A., Mojcik, C.F., Brodsky, R.A., and Bell, L. 2007. Discovery and development of the complement inhibitor eculizumab for the treatment of paroxysmal nocturnal hemoglobinuria. Nat Biotechnol 25:1256−1264)、組織内で補体活性化を検出する非侵襲的方法が特に重要になる。
[実施例11]
実験方法
組換えヒトC3d
抗体作製用の免疫原として組換えヒトC3dを使用した。組換えヒトC3dはELISA結合試験とウエスタンブロット分析における標的抗原としても使用された。大腸菌内でpGEX発現システム(GEヘルスケア社)を以前に記載したように使用してC3dを作製した(Hannan, J.P., Young, K.A., Guthridge, J.M., Asokan, R., Szakonyi, G., Chen, X.S., and Holers, V.M. 2005. Mutational analysis of the complement receptor type 2 (CR2/CD21)−C3d interaction reveals a putative charged SCR1 binding site for C3d. J Mol Biol 346:845−858)。簡単に説明すると、ルリア・ベルターニ(LB)ブロス中で1リットルまでアンピシリン耐性コロニーを拡大した。培養物を0.3のA600が達成されるまで37℃で培養した。培養物を0.3mMのイソプロピル−β−D−チオガラクトシドにより30℃で一晩誘導した後に遠心分離により回収した。回収された沈殿物をグルタチオンS−トランスフェラーゼカラム緩衝液(50mMのトリスHCl、pH8.0、250mMのNaCl、1mMのEDTA)に再懸濁し、超音波処理により溶解した。溶菌液を遠心分離により清澄化し、GStrapカラム(GEバイオサイエンス社)にアプライした。50単位のトロンビンを4℃で一晩使用して消化することによりそのカラムからC3dを切断し、それを後にサイズ排除クロマトグラフィーにより精製した。SDS−PAGEを用いてC3dの純度を検証した。第2の形状の組換えヒトC3dも以前に記載したように作製した(Kulik, L., Marchbank, K.J., Lyubchenko, T., Kuhn, K.A., Liubchenko, G.A., Haluszczak, C., Gipson, M.G., Boackle, S.A., and Holers, V.M. 2007. Intrinsic B cell hypo−responsiveness in mice prematurely expressing human CR2/CD21 during B cell development. Eur J Immunol 37:623−633)。
組換えマウスC3d
BamH I制限部位を含むフォワードプライマー(5’cgcggatccgcggctgtggacggggag3’)(配列番号53)とEcoR I制限部位を含むリバースプライマー(5’ccggaattccggtcatcaacggctggggaggtg3’)(配列番号54)を使用してマウスcDNAからマウスC3dをクローン化した。増幅断片はpGEXベクターに挿入され、且つ、ヒトC3dと同じ方法で作製された。ELISA結合試験の標的抗原としてマウスC3dを使用した。
組換えCR2 SCR1〜2
野生型CR2の残基1〜133を含み、且つ、最初の2つのSCRモジュールを包含する組換えマルトース結合タンパク質(MBP)タグ化CR2 SCR1〜2(MBP−CR2)を以前に記載されたように大腸菌において発現させた(Szakonyi, G., Klein, M.G., Hannan, J.P., Young, K.A., Ma, R.Z., Asokan, R., Holers, V.M., and Chen, X.S. 2006. Structure of the Epstein−Barr virus major envelope glycoprotein. Nat Struct Mol Biol 13:996−1001; Young, K.A., Chen, X.S., Holers, V.M., and Hannan, J.P. 2007. Isolating the Epstein−Barr virus gp350/220 binding site on complement receptor type 2 (CR2/CD21). J Biol Chem 282:36614−36625; Young, K.A., Herbert, A.P., Barlow, P.N., Holers, V.M., and Hannan, J.P. 2008. Molecular basis of the interaction between complement receptor type 2 (CR2/CD21) and Epstein−Barr virus glycoprotein gp350. J Virol 82:11217−11227)。簡単に説明すると、MBP−CR2SCR1−2で形質転換された大腸菌BL21株のコロニーをLB培地中で4リットルまで拡大し、0.3のA600が得られるまで37℃で培養した。次に培養物を0.3mMのIPTGにより20℃で一晩誘導した後に遠心分離により回収した。結果生じた細胞沈殿物を20mMのトリスHCl(pH7.4)、0.2MのNaCl、および1mMのEDTAを含むカラム緩衝液に再懸濁した後に超音波処理により溶解した。結果生じた溶菌液を遠心分離により清澄化し、組換えMBP−CR2を最初に連続的なアミロース親和性クロマトグラフィーとサイズ排除クロマトグラフィーのステップにより精製した。最後にその組換えMBP−CR2を、GSTタグ化C3dをGSTrapカラム(GEバイオサイエンス社)に結合させることにより作製したC3d−親和性カラムにアプライし、NaClの直線的濃度勾配により溶出した。次に結果生じたタンパク質を濃縮し、PBS(1.6mMのMgCl2、0.9mMのKCl、0.5mMのKH2PO4、45.6mMのNaCl、2.7mMのNa2HPO4)に緩衝液交換し、SDS−PAGEにより純度検定した。
精製補体タンパク質
市販の精製補体タンパク質(C3、C3b、iC3bおよびC3d;全てComp Tech社より)を使用して結合試験も実施した。
[実施例12]
検出可能部分および抗体、またはそれらの抗原結合断片への複合体化
直径が30nmのポリエチレングリコール(PEG)被覆アミン基(番号SHA−30−05)またはカルボン酸基(番号SHP−30−10)反応性−部位含有SPIOのナノ粒子をOcean Nano Tech社から購入した。アミン含有SPIOをここでNH2−SPIOと名付け、カルボン酸含有SPIOをここでCOOH−SPIOと名付ける。精製C3dタンパク質を調製した。キメラ分子CR2−Fc(マウスIgG1由来のFc、iC3bとC3dに結合する)、マウス抗体C3d29(アイソタイプIgG2a、C3dに結合する)およびマウス抗体171(非特異的対照として使用される。アイソタイプIgG1)を以前に記載されたプロトコルに従って各ハイブリドーマ株から精製した。複合体化化学薬品1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピル]カルボジミド塩酸塩(EDC;番号22980)、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS;番号24500)、塩酸ヒドロキシルアミン(ヒドロキシルアミンHCl;番号26103)、およびN−スクシンイミジル−S−アセチルチオアセテート(SATA;番号26102)をThermoScientific社から購入した。N−マレオイル−β−アラニンはSigma−Aldrich社(番号394815)に、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)はInvitrogen社(番号10010−023)に、PD−ミニトラップG−25カラムはGEヘルスケア社(番号28−9180−07)に由来した。マウスIgGの全てのアイソタイプに結合する抗マウス−IgG−フルオレセインイソチオシアネート(FITC)二次抗体をJackson ImmunoResearch社(番号115−095−164)から購入した。懸濁液状のチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を購入し、CHO培地(Invitrogen社、番号12651)と1%ペニシリン/ストレプトマイシン(Invitrogen社、番号15140)中、37℃と5%CO2で維持した。接着性CHO細胞は…に由来し、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM;Invitrogen社、番号21063)、10%ウシ胎児血清(HyClone社)および1%ペニシリン/ストレプトマイシン中において37℃および5%CO2で維持した。ビシンコニン酸(BCA)タンパク質アッセイキットをPierce社(番号23227)から、塩酸をFisher Scientific社(番号A144SI−212)から、過酸化水素をSigma社(番号H−1009)から、チオシアン酸カリウムをSigma社(番号P−3048)から、パラホルムアルデヒドをSigma社(PFA;番号158127)から、N,N−ジメチルホルムアミドをSigma社(DMF;番号D−8654)から、96ウェルプレートをCostar社(番号3690)から、6ウェルプレートをCroning社(番号)から、ウシ血清アルブミン(BSA)をFisher Scientific社(BP1600−100)から、1−Step UltraTMB基質をThermoScientific社(番号34028)から、通常マウス血清をValley Biomedical社(番号AS3054C57BL)から購入した。
SPIOの複合体化
3つの複合体化反応を用意した:1)チオール化タンパク質結合マレオイル活性化NH2−SPIO(これ以降「マレオイル」複合体化方法と呼ぶ);2)EDC/NHS活性化タンパク質結合NH2−SPIO(これ以降「EDC/NHS/NH2」複合体化方法と呼ぶ)、および3)EDC/NHS活性化COOH−SPIO結合タンパク質(これ以降「EDC/NHS」複合体化方法と呼ぶ)。マレオイル方法についてはPBS中の200μgのタンパク質をDMF中の8mg/mlのSATAの5μlと30分間反応させ、次にヒドロキシルアミンHClを50mMの終濃度で添加し、1時間反応させた。それらのタンパク質を製造業者のプロトコルに従ってPD−ミニトラップカラムに通して精製した。それらの精製タンパク質を直ぐに100μgのFe3+を含有するNH2−SPIOと反応させ、それぞれ0.1nmoleのN−マレオイル−β−アラニンとEDCにより55℃で10分間活性化した。EDC/NHS/NH2方法については200μgの各タンパク質をそれぞれ0.4nmoleのEDC/NHS混合物により室温で15分間活性化し、次に100μgのFe3+を含有するNH2−SPIOに添加した。EDC/NHS方法については250μgのFe3+を含有するCOOH−SPIOをそれぞれ0.8nmoleのEDC/NHSにより室温で15分間活性化し、500μgのタンパク質に添加した。3種類の方法全てについて、一定に混合しながらそれらのタンパク質と各SPIOを室温で2時間反応させた。次にそれらのSPIOをPBSで3回洗浄し、わずかな時間(3〜10秒)の超音波処理(モデルW−380、Ultrasonics社)の後にPBSに再懸濁した。複合体化SPIOを4℃で保存した。
[実施例13]
動物モデル
マウスモデルおよび動物モデル
C3dに対するモノクローナル抗体を作製するためにC3遺伝子の標的欠失を有するマウスを組換えヒトC3dで免疫した。これらのマウスは以前に記載されたように作製された(Wessels, M.R., Butko, P., Ma, M., Warren, H.B., Lage, A.L., and Carroll, M.C. 1995. Studies of group B streptococcal infection in mice deficient in complement component C3 or C4 demonstrate an essential role for complement in both innate and acquired immunity. Proc Natl Acad Sci U S A 92:11490−11494)。幾つかのインビボ実験のためにC57BL/6野生型マウスを使用し、マウス補体タンパク質を必要とするインビトロアッセイのためにこれらのマウスから血清を採取した。H因子遺伝子の遺伝子標的欠失を有するマウスは以前に記載されたように作製された(Pickering, M.C., Cook, H.T., Warren, J., Bygrave, A.E., Moss, J., Walport, M.J., and Botto, M. 2002. Uncontrolled C3 activation causes membranoproliferative glomerulonephritis in mice deficient in complement factor H. Nat Genet 31:424−428)。これらのマウスに由来する腎臓切片を使用して組織に結合したC3断片への抗C3d抗体の結合をインビトロで試験し、fH−/−マウスに精製した抗C3d抗体を注入して組織に結合したC3断片へのそれらの抗体の結合をインビボで試験した。補体B因子遺伝子の遺伝子標的欠失を有するマウスをCNV病変部へのFITC標識抗C3d抗体の結合の陰性対照として使用した(Matsumoto, M., Fukuda, W., Circolo, A., Goellner, J., Strauss−Schoenberger, J., Wang, X., Fujita, S., Hidvegi, T., Chaplin, D.D., and Colten, H.R. 1997. Abrogation of the alternative complement pathway by targeted deletion of murine factor B. Proc Natl Acad Sci U S A 94:8720−8725)。
CNV病変部を誘導するため、3か月齢のマウスに麻酔を行い(キシラジンとケタミン、それぞれ20mg/kgと80mg/kg)、瞳孔を広げた(2.5%フェニレフリンHClと1%硫酸アトロピン)。アルゴンレーザー光凝固(532nm、100μmのスポットサイズ、0.1秒の期間、100mW)を用い、手で持てるサイズのカバーグラスをコンタクトレンズとして使用して視神経の周りにそれぞれの眼に4か所のレーザースポットを作製した(Rohreretal., 2009)。尾静脈注射のために熱により静脈を血管拡張し、25Gの針を挿入し、100μLの体積を注入した。投与および処置スケジュールが結果のセクションに概説されている。このCNVモデルと眼底撮像は眼科および視力研究における動物利用のARVO声明に従って実施され、大学動物実験委員会により認可された。
免疫プロトコルとハイブリドーマ作製
C3dを標的として使用するELISAにより免疫に対する液性免疫応答を評価した。前記マウスは60〜100μgのタンパク質の3回の注射(最初の注射は完全フロイントアジュバント中であり、2回目の注射は不完全フロイントアジュバントを使用した)の後に高タイターの抗C3d抗体を発生させた。次にそれらのマウスに100μgのC3dを腹腔内注射し、24時間後にSp2/0ハイブリドーマ細胞への融合のために脾臓を回収した(Kulik, L., Fleming, S.D., Moratz, C., Reuter, J.W., Novikov, A., Chen, K., Andrews, K.A., Markaryan, A., Quigg, R.J., Silverman, G.J., et al. 2009. Pathogenic natural antibodies recognizing annexin IV are required to develop intestinal ischemia−reperfusion injury. J Immunol 182:5363−5373)。クローン化処理中に抗C3dハイブリドーマのC3dへの曝露を防ぐため、ヒポキサンチン−アミノプテリン−チミジン(HAT)(Sigma−Aldrich社、セントルイス、ミズーリ州)を添加した無血清培地中でそれらの細胞を培養し、C3−/−マウス由来の腹腔マクロファージをこの過程中のフィーダー細胞として使用した。単細胞クローンを作製し、C3dに対するそれらのクローンの特異度を以下に記載するようにELISAにより確認した。
[実施例14]
アッセイ
C3d ELISA
C3dに対する抗体の反応性を評価するため、幾つかの異なる起源に由来する精製型のC3活性化断片を使用してELISAを実施した(上の試薬セクションを参照のこと)。30〜50ngのC3断片をELISAプレートに4℃で一晩はり付けることにより直接ELISAを実施した。それらのプレートをPBS中の1%ウシ血清アルブミンにより室温で2時間ブロックした。次に結合した抗体をHRP複合体化抗マウスIgG(MP Biomedicals社、ソロン、オハイオ州)により検出した。C3dを捕捉するためにそれらのELISAプレートに対してポリクローナル抗ヒトC3d抗体(Dako USA社、カーピンテリア、カリフォルニア州)をインキュベートさせることによってサンドウィッチELISAを実施した。次に捕捉されたC3dへのそれらの抗体の結合を上記のように検出した。
C3d−CR2/抗C3dモノクローナル抗体競合アッセイ
プレートを50mMの炭酸水素ナトリウム緩衝液(pH8.8)中に5μg/mlの濃度の野生型C3dと共に4℃で一晩インキュベートした。被覆後にpH7.4のPBS中に1%のBSAを利用してプレートを室温で1時間ブロックした。次にPBS−ツイーン20(0.05%)を使用したプレートを3回洗浄した。10μg/mlの組換え野生型MBP−CR2をC3d被覆ウェルのうちの半分に添加して陽性対照として作用させた。それらのC3d被覆ウェルの残りの半分に次の抗C3dモノクローナル抗体:3d8B、3d31、3d15、3d9a、3d11、3d16、3d10、3d3および3d29のうちの1つをPBS中に1.625〜26μg/mlの濃度でさらに含む10μg/mlの組換え野生型MBP−CR2を添加した。1時間のインキュベーション期間の後にそれらのプレートを洗浄し、次にそれらのプレートを市販のHRP複合体化抗MBP MBP−CR2(New England Biolabs社)と共に製造業者の指示に従ってインキュベートした。1時間後にプレートに結合したC3dへのMBP−CR2SCR1〜2の結合を2,2’−アジノビス(3−エチルベンズチアゾリン−6−スルホン酸)(ABTS)により検出した。
ウエスタンブロット分析とプルダウン試験
変性条件下で10%ビス−トリスポリアクリルアミドゲル(Invitrogen社、カールスバッド、カリフォルニア州)を用いる電気泳動により1μgの精製補体タンパク質を展開し、次にそのタンパク質をニトロセルロース膜に転写することによりウエスタンブロット分析を実施した。次に、その膜を25μgの各抗体と室温で1時間インキュベートすることによりC3断片を検出し、結合した抗体をHRP複合体化抗マウスIgGにより検出した。
補体アッセイ
ザイモサン活性化アッセイ
以前に記載されたようにザイモサン粒子を補体充足マウス血清と共にインキュベートすることによりそれらの粒子をマウスC3断片でオプソニン化した(Thurman, J.M., Kraus, D.M., Girardi, G., Hourcade, D., Kang, H.J., Royer, P.A., Mitchell, L.M., Giclas, P.C., Salmon, J., Gilkeson, G., et al. 2005. A novel inhibitor of the alternative complement pathway prevents antiphospholipid antibody−induced pregnancy loss in mice. Mol Immunol 42:87−97)。それらの粒子を2μgの精製抗C3d抗体と共にインキュベートし、結合した抗体をFITC複合体化抗マウスIgG(MP Biotech社)により検出した。それらの試料をフローサイトメトリーにより分析し、陽性対照[ポリクローナル抗マウスC3(MP Biomedicals社)で検出されたC3沈着]または陰性対照(血清未添加)と比較した。
副経路溶血アッセイ
このアッセイを以前に記載されたように実施した(Thurman, J.M., Kraus, D.M., Girardi, G., Hourcade, D., Kang, H.J., Royer, P.A., Mitchell, L.M., Giclas, P.C., Salmon, J., Gilkeson, G., et al. 2005. A novel inhibitor of the alternative complement pathway prevents antiphospholipid antibody−induced pregnancy loss in mice. Mol Immunol 42:87−97)。簡単に説明すると、ウサギ赤血球(コロラド血清会社、デンバー、コロラド州)を洗浄し、次に1.1%のNaCl、0.0025%のNa−5,5ジエチルバルビツレート(pH7.35)、8mMのEGTA、2mMのMgCl2からなる溶液(GVB/Mg/EGTA)中に再懸濁した。50μlのこの懸濁液をヒト血清(5〜100μl)に添加し、最終体積を150μlまでにするために緩衝溶液を添加した。血清を含まない緩衝液中の赤血球を陰性対照として使用し、100μlの蒸留水に添加した赤血球を陽性対照(完全溶解)として使用した。細胞を懸濁状態に保つために時々撹拌しながら試料を37°Cで30分間インキュベートした。1.5mlの冷PBSを添加して反応を停止し、それらの試料を1000×gで5分間遠心分離した。分光光度計(Biorad社、ハーキュリーズ、カリフォルニア州)を使用して各上清の光学密度を415nmで読んだ。我々は約50%の赤血球の溶解を引き起こす血清の濃度を決定した。次に、0〜40μgの各抗体を用いてそれらの反応を繰り返した。各反応の溶解率(%)を血清のみと比較し、溶解の変化をパーセンテージとして報告した。
緩衝液
DGVB2+:1mMのMgCl2、0.15mMのCaCl2、71mMのNaCl、0.1%(重量/体積)のゼラチン、2.5%(重量/体積)のブドウ糖、および2.47mMのナトリウム5’,5”−ジエチルバルビツレート(pH7.35);Mg2+ EGTA緩衝液:10mMのNa2EGTA、7mMのMgCl2、59mMのNaCl、0.083%(重量/体積)のゼラチン、2.075%(重量/体積)のブドウ糖および2.05mMのナトリウム5’,5”−ジエチルバルビツレート(pH7.3〜7.6);10mM EDTA緩衝液:10mMのNa2EDTA、128mMのNaCl、0.1%(重量/体積)のゼラチン、および4.45mMのナトリウム5’,5”−ジエチルバルビツレート(pH7.35);40mM EDTA緩衝液:40mMのNa2EDTA、85mMのNaCl、0.1%(重量/体積)のゼラチン、および2.96mMのナトリウム5’,5”−ジエチルバルビツレート(pH7.35)。
細胞結合型C3bの調製
Comp Tech社から得たAb感作性ヒツジ赤血球(EA細胞、5ml、5×108/ml)を2回洗浄し、5mlのDGVB2+緩衝液に再懸濁し、5mlのDGVB2+中の37.5μgのヒトC1と混合し、30°で15分間インキュベートした。結果生じた細胞(EAC1)を2回洗浄し、5mlのDGVB2+に再懸濁し、5mlのDGVB2+に懸濁された50μgのヒトC4と混合し、30°で15分間インキュベートした。これらの細胞(EAC1、4)を2回洗浄し、5mlのDGVB2+に懸濁し、5mlのDGVB2+に懸濁された250μgのヒトC3および5μgのヒトC2と混合し、30°で30分間インキュベートした。結果生じた細胞(EAC1、4、2、3)を洗浄し、5mlの10mM EDTA緩衝液に再懸濁し、37℃で2時間インキュベートして活性古典的経路転換酵素を分離させた。結果生じたC3b被覆細胞を5mlの10mM EDTA緩衝液中で2回洗浄し、5mlの10mMのMg2+ EGTA緩衝液中で2回洗浄し、1×108/mlの終濃度まで10mMのMg2+ EGTA緩衝液中に再懸濁した。それらの細胞を4℃で保存し、一週間以内に使用した。
細胞結合型C3bBbP複合体の活性に対する抗C3 mAbの効果
記載したようにC3b被覆ヒツジ赤血球を調製した(Hourcade, D.E., Wagner, L.M., and Oglesby, T.J. 1995. Analysis of the short consensus repeats of human complement factor B by site−directed mutagenesis. J Biol Chem 270:19716−19722; Whaley, K. 1985. Measurement of complement. In Methods in Complement for Clinical Immunologists. K. Whaley, editor. New York: Churchill Livingstone. 77−139)。100uLのC3b被覆ヒツジ赤血球、50uLの精製D因子(Mg2+ EGTA緩衝液中に5ng)、50uLのプロペルジン(P;Mg2+ EGTA緩衝液中に45ng)、および50uLのB因子(Mg2+ EGTA緩衝液中に3〜5ng)を一緒に混合し、30℃で30分間インキュベートした。幾つかの事例では、B因子を50mlのMg2+ EGTA緩衝液により置き換えた。試料を4℃まで冷却し、150uLの40mM EDTA緩衝液(40mMのNa2EDTA、85mMのNaCl、0.1%(重量/体積)のゼラチン、および2.96mMのナトリウム5’,5”−ジエチルバルビツレート、pH7.35)で処理し、幾つかの事例では1ugのマウス抗ヒトC3d mAbを含有するその緩衝液で処理した。次に試料を30℃で0〜3時間インキュベートして自然にC3bBbPを分離させた。幾つかの事例では、H因子依存的転換酵素分解促進を評価するために400ugのH因子を添加して、または添加せずにこのインキュベーションを30分間行った。次に150uLの40mM EDTA緩衝液中の1/20希釈モルモット血清(コロラド血清社、デンバー、コロラド州)を全ての試料に添加し、続いて37℃で60分間インキュベートすることにより機能的転換酵素を定量した。その他の試料は細胞が450ulの蒸留水のみで処理される細胞溶解対照と細胞が450ulのDGVB2+緩衝液のみで処理される陰性対照を含んだ。次に全ての試料を遠心分離し、上清のOD414を決定した。溶血活性レベルをZ値として表現した。その表現Z=−ln(1−y)から赤血球当たりの平均溶解部位数が計算され、式中、yは溶解した細胞の割合である。それぞれの決定値は二重の点の平均であった。全ての補体タンパク質はヒト起源であり、Comp Tech社(タイラー、テキサス州)から購入した。
免疫蛍光顕微鏡法
免疫蛍光顕微鏡法のためにOCT化合物(Sakura Finetek,U.S.A.社)の中で腎臓の矢状切片を瞬間凍結した。5μmの切片をクライオスタットで切り出し、使用するまで−80℃で保存した。スライドをアセトンで後固定し、マウスC3またはマウスIgGに対する抗体で染色した。次にそれらのスライドをヘマトキシリン(Vector Laboratories社)で対比染色し、オリンパスBX51顕微鏡を使用して検視した。組織染色に使用するときに2μg/mLの濃度でそれらの抗C3d抗体を使用した。
RPE/脈絡膜の免疫蛍光顕微鏡法については伸展調製物をFITC標識抗体と共にインキュベートした。簡単に説明すると、眼を収集し、4%のパラホルムアルデヒド中に4℃で30分間浸漬固定し、その後に前眼房、レンズ、および網膜を取り外した。眼杯をブロッキング溶液(トリス緩衝生理食塩水中の3%のウシ血清アルブミン、10%の通常ヤギ血清、および0.4%のトリトン−X)中で1時間インキュベートし、続いてブロッキング溶液中で抗C3d抗体(1mg/mL溶液の1:100)と4℃で一晩インキュベートした。徹底的な洗浄の後に構造を緩める4か所の切断を用いて眼杯を伸展させ、カバーグラスをフルオロマウント(Southern Biotechnology Associates社、バーミングハム、アラバマ州)と共に適用し、スライドを共焦点顕微鏡法(Leica TCS SP2 AOBS、Leica社、バノックバーン、イリノイ州)により調査した。
眼底撮像
300Wキセノン光源と3チップCCDカメラを有する特注の光学系に基づくマイクロンIII網膜イメージング顕微鏡(Phoenix Research Laboratories社、プレザントン、カリフォルニア州)を使用し、線形/診断モードにおいて30フレーム/秒で操作して眼底撮像を実施した。撮像のためにマウスに麻酔を行い、上に記載したように瞳孔を広げ、撮影用架台に固定した。一滴のメチルセルロースを介してマウスの角膜とその光学系のレンズとの間の光学的接触を確立した。CNV病変部に焦点を当てるために明視野画像撮影を用いて眼底写真を得て、その後にモードをFITC蛍光画像撮影(490nmでの励起)に切り換える。JPEGイメージをPhotoshopにエクスポートして写真を組み立て、個々の病変部の画像を抽出した。個々の病変部の画像化を改善するため、対照画像と実験画像について同一のパラメーターを使用するコントラスト増強を適用した。
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