本発明はアイラッシュ構造、それを含むキット、及びその準備方法の分野に関する。
アイラッシュは、自然に現在生えているまつ毛に長さ、厚み及びふくよかさを加えるために、まぶたの自然のラッシュラインに付けられるようになっていることは、先行技術で知られている。アイラッシュは、自然に見えるものから表情豊かに見えるものまで、様々な長さ、色、厚み及びデザインで利用可能になっている。アイラッシュは、さらに、装飾、例えば、羽、ラインストーンその他を含んでいてもよい。
それらの外観を向上させるか、新たに全体的な外観を創造するために、2つ以上のアイラッシュユニットを組み合わせることが望まれ得る。典型的には、アイラッシュユニットは、互いの上に、それらのアイラッシュバンドを積み重ねるか、2倍にすることにより結合される(「積み重ねられたアイラッシュ」)。
しかし、積み重ねられたアイラッシュにはいくつかの不利な点がある。バンドが、互いの上で積み重なっているので、非常に厚く柔軟性がない。多くの接着剤は、一緒にアイラッシュバンドの貼り合わせを維持し、且つ、それらをまぶたに付着するために必要である。そして、過剰な接着剤は、自然な現在あるまつ毛にくっつく傾向があるため、それは、容易にはぎとられてしまう。柔軟性がない、厚いアイラッシュバンドと過剰な接着剤とは、さらに目を刺激する場合があり、着用していて不快である。その柔軟性がないために、積み重ねられたアイラッシュバンドも、まぶたから分離する傾向になる。そして、より多くの接着剤が、それらを再び付けるのに用いられない限り、自分の身に着けている時間が減少して、まぶたから剥離する傾向になる。積み重ねられたアイラッシュバンドだけでなく、乾燥時に目に見えるかたまりを形成する傾向をもたらす箇所に、積み重ねられたアイラッシュを維持するために必要とされる多くの接着剤は、人工的で魅力のない外観をもたらすことになる。
また、積み重ねられたアイラッシュは、容易に再利用することができない。多くの接着剤は、それらを付けておくために必要であるので、一旦それらがまぶたから外れたら、新しい接着剤を使用して再びまぶたにアイラッシュを付け得る前に、比較的厚い凹凸のある層を形成している乾いた接着剤は取り除かれなければならない。しかし、過剰な乾燥接着剤を取り除くと、即座に、積み重ねられたアイラッシュバンドは、簡単に剥離してしまう。積み重ねられたアイラッシュに代わるものとして、製造業者は、1つのバンドの上にラッシュフィラメントの2倍の量を有するアイラッシュを提供する。
要するに、積み重ねられたアイラッシュは、このように生産されて市場に出ている。同じことは、ラッシュフィラメントの二倍量を持っているアイラッシュにとって当てはまる。しかし、アイラッシュの両方の異なる形態が、目のそれらの外観に関して顧客ニーズ及び要求をいまだ満たしておらず、その一方で、同時に、アイラッシュが、特に付け心地がよくて、好ましくは再利用できなければならない。
したがって、本発明の目的は、従来技術におけるニーズ及び要求を満たすための課題解決策を提供する。
第1の態様において、本発明は、少なくとも2つのアイラッシュユニットからなるアイラッシュ構造に関するものである。これらのアイラッシュユニットの各々は、細長い取り付け部とラッシュフィラメントとを含み、少なくとも2つのアイラッシュユニットの取り付け部は、カスケード状に接続されている。
一形態では、アイラッシュ構造は、2、3、4、又は5つのアイラッシュユニットを含む。
一形態では、アイラッシュユニットは、永久に接続されている。
一形態では、アイラッシュユニットは、取り付け部を介して(排他的に)接続される。
一形態では、接続には、接着剤又は熱が介在していてもよい。
一形態では、少なくとも2つのアイラッシュユニットが異なる。アイラッシュユニットは、デザイン、色、及び/又は、長さの点で互いに異なっていてもよい。
一形態では、少なくとも2つのアイラッシュユニットのラッシュフィラメントが異なる。ラッシュフィラメントは、デザイン、色、長さ、及び/又は厚さの点で互いに異なっていてもよい。一形態では、ラッシュフィラメントは、天然のもの又は合成のものであってもよい。
一形態では、少なくとも2つのアイラッシュユニットの細長い取り付け部は、透明であるか、又は着色されている。
一形態では、アイラッシュユニットは、フルストリップ、コーナーラッシュ、又は複数のサブアセンブリの形態である。
第2の態様において、本発明は、本明細書で定義されるアイラッシュ構造を備え、接着剤を選択的に含むキットに関する。
第3の態様において、本発明は、本明細書で定義されるアイラッシュ構造を備え、印刷された使用説明書を選択的に含むか、又は有しているパッケージに関するものである。パッケージは、透明であることが好ましい、
第4の態様において、本発明は、本明細書で定義されるアイラッシュ構造の製造方法に関するものである。この方法は、予め定められた複数の所定のアイラッシュユニットから、少なくとも2つのアイラッシュユニットを選択し、カスケード状にそれらを連結することからなる。この方法によって、予め定められた複数を提供することができる同一、又は異なる供給者のアイラッシュ構造を組み合わせることができる。
また、本明細書中で使用される場合、単数形「a」、「an」「the」は、文脈上明らかにそうでないことが示されない限り、複数の指示対象を含むことに注意しなければならない。したがって、例えば、「試薬」への言及は、そのような異なる試薬の一つ以上を含む。そして、「方法」への言及は、本明細書に記載の方法に変更できる、又は本明細書に記載される方法の代わりに用いることができる当業者に既知の同等の工程及び方法への言及を含んでいる。
特に明記しない限り、一連の要素に先行する用語「少なくとも」は、前記一連における各要素に該当するのと理解されるべきである。当業者は、本明細書に記載の発明の具体的形態に対する多くの等価物を認識するか、あるいは通常の実験のみを用いて確認することができる。このような等価物は、本発明によって包含されることを意図している。
用語「及び/又は」は、本明細書で使用される場合は常に「及び」、「又は」及び「前記用語によって接続される要素の全ての又は一部の他の組み合わせ」としての意味を含む。
本明細書で使用する用語「約」又は「およそ」は、所与の値又は範囲の20%以内、好ましくは10%以内、より好ましくは5%以内を意味する。また、この用語は、具体的な数値を含み、例えば、約20は20を含む。
用語「未満」又は「より大きい」は、具体的な数値を含んでいる。例えば、20未満は、20以下を意味する。同様に、より多い、より大きいは、それぞれ、その数量を含みそれより多い、その数値を含みそれより大きいことを意味する。
本明細書及び以下の特許請求の範囲の全体にわたって、特に断りのない限り、単語「備える」、並びに「備え」及び「備えている」などの変化形は、定まった整数、又は、ステップ、又は、整数若しくはステップのグループの包含を意味するものであって、任意の他の整数、又は、ステップ、又は、整数若しくはステップのグループの除外を意味するものではないと理解される。本明細書中で使用される場合、用語「備えている」は、用語「含有している」若しくは「含んでいる」によって置き換えられるか、又は、本明細書中で使用される場合、用語「有している」によって置き換えられる場合もある。
「から成る」は、本明細書で使用される場合、請求項の要素に指定されていない任意の要素、ステップ、又は成分を除外する。「から本質的になる」は、本明細書中で使用される場合、請求項の基本的及び新規な特徴に著しく影響を及ぼさない材料、又はステップを排除するものではない。
各実施例の中で、本明細書において「備えている」、「から本質的になる」及び「からなる」という用語のいずれかは、他の2つの用語のいずれかと置き換えられてもよい。
なお、本発明は、本明細書に記載の特定の方法又は材料に限定されるものではなく、それ自体は様々であると理解されるべきである。本明細書で使用される用語は、特定の形態を説明する目的のためであり、本発明の範囲を制限することを目的としない。本発明は、もっぱら特許請求の範囲によって定義される。
本明細書の本文の全体にわたって引用されたすべての出版物、及び特許(すべての特許、特許出願、科学的な出版物、メーカーの仕様書、指示書など)は、上記あるいは以下にかかわらず、参照によってそれらの全体が本願に援用される。本明細書のいかなる記載も、本発明が、先の発明によるそのような開示に先行する権利がないということを認めるものとは解釈されない。参照によって援用される材料が、明細書に矛盾するか、又はこの明細書と一致しない場合、明細書が、そのような材料よりも優先する。
異なるスタイルの3つのアイラッシュユニットからなる本発明のアイラッシュ構造の組み立てを表し、図1Aは、取り付け部を介してカスケード状に接続された2つの異なるアイラッシュユニットのアイラッシュ構造を示す図であり、図1Bは、取り付け部を介した第3のアイラッシュユニットのカスケード状の貼り付けを示す図であり、図1Cは、3つの異なるアイラッシュユニットを備えるアイラッシュ構造を示す図である。
カスケードアイラッシュの2つの実施例を示す図である。特に、符号「2」を付した後続の(又は第2の)アイラッシュユニットは、符号「1」を付した最初のアイラッシュユニットのラッシュフィラメントの上に配置されている。代案では、符号「1」を付した最初のアイラッシュユニット−−は、符号「2」を付した後続の(又は第2の)アイラッシュユニットの下/下方に配置されている。
カスケードアイラッシュの実施例を図3A及び図3Bに示す。特に、符号「2」を付した後続の(又は第2の)アイラッシュユニットは、符号「1」を付した最初のアイラッシュユニットのラッシュフィラメントの上に配置されている。代案では、符号「1」を付した最初のアイラッシュユニットは、符号「2」を付した後続の(又は第2の)アイラッシュユニットの下/下方に配置されている。図2A、2B、3B及び3Cに例示されるような縦断面を有するアイラッシュ構造は、本発明の好ましい構造である。
本発明のアイラッシュ構造が、どのように準備されることができるか示す図である。
本発明の複数の多層アイラッシュ構造が、どのように準備されることができるか示す図である。
発明の詳細な説明
本発明者は、初めて、アイラッシュユニットをカスケード状に組み合わせる(その結果、いわゆる「カスケードアイラッシュ」又は「スタッガードアイラッシュ」とする)方法を開発した。前記カスケードアイラッシュは、強められた外観及び/又は取捨選択的なデザインのために、少なくとも2つのアイラッシュユニットを組み合わせることを言う。積み重ねられたまつ毛とは対照的に、本発明のカスケードアイラッシュのアイラッシュユニットは、互いの上にそれらのアイラッシュバンドを積み重ねることによって接続されないで、むしろ、スタッガード又はカスケード状に接続される。
実際、発明者は、人工まつ毛の分野の当業者にとっての最大の問題は自家製の、及び専門家による二重、又は多層のまつ毛が機能不全に陥っている事である、ということを見出した。複数のアイラッシュユニットを貼り合わせようとすると、顧客は、バンドをお互いの上に直接貼ってしまうであろう。もしそうすると、例えば、Eylureなどの供給業者によって提供される、ラッシュを「二重にした」既製品でもある専門家によるバージョンに似てしまうものとなり、この場合もやはり、バンドがお互いの上にあって、つまり、積み重ねられている。それとは別に、積み重ねられたまつ毛は、余分の更なるまつ毛が、ユーザに不快であると感じさせる程目立つというリスクを負うと常に考えられていた。したがって、なんとかしてまつ毛を二重にすることについて考えていたときに、ラッシュバンドが、カスケード状に積み重なるか、又は接続されるならば、なおさら、明らかに人工的に見える恐れがあった。さらに、当業者は、まつ毛を二重にしようと考えたとき、本発明のカスケードアイラッシュをアイライナーなしでつけることができないと思った。なぜなら、そうでなければ顧客が自然に見えないかだろうからである。これは、バンドは、重いライナーなしでは、それらを着用することができないほど、通常太いからである。さらに、当業者は、伸びるラッシュバンドが目立つと考えた。それゆえに、当業者は、細いバンド又は見えないバンドを使うことで余分のバンドをほぼ見えなくできると思わないほど、これらの太いバンドを見慣れているので、本発明が行うように、カスケード状にまつ毛を準備するのを恐れた。
しかしながら、発明者がとても驚いたことには、ここに提供されるようなカスケードアイラッシュ構造は、多くは顧客をより自然に見えさせる。そして、アイラッシュユニットが接続されるカスケード方式は、全く問題でなくて、顧客に自然な外観を与えることができる。自然な外観は、例えば、細いバンド、及び/又は、出来る限り目立たないように見えないバンドによってさらに自然になり得る。したがって、細いバンド及び/又は見えないバンドを備える本発明のアイラッシュ構造は好まれる。
本発明の大きな利点は、カスケードアイラッシュ構造が、先行技術から公知の積み重ねられたまつ毛よりも柔軟であるということである。このように快適で長く着用することを可能にし、そのうえ、本発明のアイラッシュ構造を適用するために必要な接着剤は少なくなる。なぜなら、まつ毛の1本のバンドしかまぶたと接触しないからである。これは、接着剤の無駄が少なくなり、乾燥した接着剤の目立つ塊が少なくなり、そして、目への刺激が少なくなることを意味する。そのうえ、より細い柔らかいアイラッシュバンドは、自然に存在するまつ毛を引き抜く傾向もより少ない。
さらなる利点として、本発明のカスケードアイラッシュは、容易に再利用することができる。カスケードアイラッシュは、それらのアイラッシュバンドを互いの上に貼り付けることによって接続されていないので、乾燥した接着剤を、まぶたと接触する唯一のアイラッシュバンドから容易に取り除くことができ、一方、他のすべてのアイラッシュバンドは手つかずのままである。したがって、本発明のカスケードアイラッシュは、数回の使用に容易に利用可能である。
本発明のアイラッシュ構造のもう一つの利点は、まつ毛の異なる色、長さ、厚み、及びスタイルを組み合わせることができることである。それはさらに、取り付け部の接着領域を二倍にし、これにより、まつ毛を目に再度取り付ける必要性が減る。したがって、本発明は、カスケード状に相互に接続された異なる色、長さ、厚み、及び/又はスタイルのまつ毛(2以上)の複数の層からなるアイラッシュ構造を提供する。
本発明のアイラッシュ構造のさらなる利点は、以下のとおりである;−より少ない緊張、−着用の増加、−向上した快適さ、−向上した目立たなさ、−多層を快適に積み重ねられること、−増加した多様性、−すべてのスキルレベルの顧客にとって「ユーザーフレンドリー」、−簡単なアプリケーション、−向上した耐久性、−再利用を増やす、−あらゆる立場の人々のための層をなしたまつ毛を市場で増やす、−より美的に気持ちよい、−簡単に目の形状に適合する。
実際に、本発明のカスケード多層アイラッシュ構造の独特な構造は、最適な顧客満足度を提供することができる。好ましくは、細い取り付け部(本明細書では「バンド」又は「ラッシュバンド」と呼ぶ場合もある)は、目の丸い形に簡単に適合でき、本発明のアイラッシュ構造の着用、使用量、及び快適さを向上させる。追加の層は、本明細書中に記載されるようにカスケード状に最初の取り付け部に付着する。そして、それは、まつ毛が互いの上で直接組み合わせられるならば引き起こされる緊張を減少させる;「サンドイッチ」効果。緊張が減少したため、本発明のアイラッシュ構造は、より軽く感じられ、より曲げやすく、歪めやすい。これにより、バンドが組み合わせられるところでバンドの端がお互いから分離してしまう、又はまつ毛の端が消費者の目から剥がれてしまうという問題も解決される。この構成は、最高の耐久性をつくる。
さらに、本明細書中に記載されているようにアイラッシュユニットをカスケード接続することで、自然なラッシュラインを顧客に付与するより細いラッシュバンドが提供される。この自然なラッシュラインは、アイライナーが不要となる細い黒いバンドによって強調され得るか、又は、出来る限り目立たないように見えないバンドであり得る。例えば、結合された全てのアイラッシュユニットが見えないバンドを使用していた場合、どこに追加のまつ毛が付けられているか、見ることが事実上不可能である。アイライナーの必要性を排除したい人々のために、1本の細い黒いバンド及び結合されたすべてのさらなるまつ毛は、層状化に関して目立たないままであるために、見えないバンドと結合されている。すべてのラッシュバンドを細い黒いバンドによって組み合わせさせることを好む顧客にとって、カスケード構造は、層状化を隠すために最初のラッシュバンドのより近くに慎重に置かれるために巧みに処理され得る。
本発明のアイラッシュ構造を提供することによって、発明者は、アイライナーを塗るステップを省略したい人々に、強調されたラッシュラインを提供する。発明者は、まつ毛を階層化する充満度を備えたマスカラの必要性を除き、そして、できるだけ自然に見えたい人々にとって、見えないラッシュバンドは、人造のまつ毛を見つける能力を防ぐことができる。本発明のアイラッシュ構造は、化粧で進化しないがまつ毛を階層化する最新の流行には加わりたい平均的な顧客のニーズを、取り付けやすい構造で、よりユーザーフレンドリーにして既成のまつ毛を提供することによって満たす。このように、本発明は、アイラッシュ構造を階層化したいし、耐久性及び着用は同じで、手で作ることができる同じ品質であることをアイラッシュ構造に求めるが、それらを、既成にすることによって、時間を節約したいと思っているメイクアップアーティストのニーズを満たす。さらにまた、本発明は、多くの「積み重ねられた」まつ毛が劇的な夜用メイクしか提供しないので市場が放置していたニーズを満たす「昼用メイク」でありえる層をなしたまつ毛を提供することによって、新しいトレンドに参加しながらプロの世界で見た目を向上したい平均的な女性のニーズも満たしている。
本発明の美しさは、任意のスタイルのラッシュ及び任意のタイプのラッシュ(自然か合成の) に構成を適用することができる。これは、年齢、職業、技術レベル、及び好みまでスペクトル全体であらゆる顧客ニーズを満たす。従って、本発明のアイラッシュ構造は、市場のギャップを埋める。
上記の第1の態様では、本発明は、少なくとも2つのアイラッシュユニットを備え、(その各々が細長い取り付け部とラッシュフィラメントとからなるアイラッシュ構造に関し、前記アイラッシュ構造は、少なくとも2つのアイラッシュユニットの取り付け部がカスケード状に接続されていることを特徴とする。本発明のアイラッシュ構造は、既成で、顧客のために既成のものであることが好ましい。「既成」は、アイラッシュ構造が、使用の準備ができた状態にあることを意味する。つまり、それは、通常の手段及び方法によってまぶたにすぐに適用されることができる。「アイラッシュ構造」という語は、「まつ毛」又は「ラッシュ」という語と同等に使用される場合もある。同様に、用語「取り付け部」は、「バンド」という語又はその複数形「バンド」と同等に使用される場合もある。
実際には、最終的に2つのアイラッシュユニットが、カスケード状に接続されている場合、後続のアイラッシュユニットは、最初のアイラッシュユニットの上に、つまり、後続のアイラッシュユニットの取り付け部が最初のアイラッシュユニットの取り付け部と直接接触しないように、上昇するように置かれていてもよい。具体的には、後続のアイラッシュユニットの取り付け部が最初のアイラッシュユニットの取り付け部と直接接触しないように、後続のアイラッシュユニットを最初のアイラッシュユニットのラッシュフィラメントの上に置く。この接続の結果、後続のアイラッシュユニットの取り付け部は、最初の取り付け部の右側(図2Aあるいは図2Bを参照)にあることができるか、あるいは、左側(図3Bを参照)にすることができ、右側が好ましい。その後、後続のアイラッシュユニットと最初のアイラッシュユニットとを本明細書に記載のように互いに接続し、それによって前記アイラッシュユニットは、スタッガード(又はカスケード)方式で接続される。前述したような一般的な手順は、図4に説明されている。さらなるアイラッシュユニットを、最初のアイラッシュユニット及び後続のアイラッシュユニットに接続しようとするならば、前述のプロセスを所望の回数繰り返すことになる。例えば、前記後続のアイラッシュユニットを最初のアイラッシュユニットの上に置くのと同じ方法で、第3のアイラッシュユニットを前記後続のアイラッシュユニットの上に置く。その後、後続のアイラッシュユニットと最初のアイラッシュユニットとは、本明細書に記載のように互いに接続される。図3Cは、少なくとも2つのアイラッシュユニットをカスケード状に接続する、前記の方法によって得られる本発明の好ましいアイラッシュ構造を表す。
上記の代わりに、最終的に2つのアイラッシュユニットがカスケード状に接続されている場合、最初のアイラッシュユニットは、後続のアイラッシュユニットの下/下方に、つまり、後続のアイラッシュユニットの取り付け部が最初のアイラッシュユニットの取り付け部と直接接触しないよう、下降するように置かれていてもよい。具体的には、後続のアイラッシュユニットの取り付け部が最初のアイラッシュユニットの取り付け部と直接接触しないように、最初のアイラッシュユニットを後続のアイラッシュユニットのラッシュフィラメントの下方/下に置く。この接続の結果、後続のアイラッシュユニットの取り付け部が最初の取り付け部の右側(図2Aあるいは図2Bを参照)にあることができるか、あるいは、左側(図3Bを参照)にすることができ、右側が好ましい。その後、後続のアイラッシュユニットと最初のアイラッシュユニットとを本明細書中に記載のように互いに接続し、それによって前記アイラッシュユニットは、スタッガード(又はカスケード)方式で接続される。さらなるアイラッシュユニットを、最初のアイラッシュユニット及び後続のアイラッシュユニットに接続しようとするならば、前述のプロセスを所望の回数繰り返すことになる。例えば、最初のアイラッシュユニットを後続のアイラッシュユニットの下/下方に置くのと同じ方法で、後続のアイラッシュユニットを最初のアイラッシュユニットの下/下方に置き、これと同じ方法で、第3のアイラッシュユニットを後続のアイラッシュユニットの下/下方に置く。その後、後続のアイラッシュユニットと最初のアイラッシュユニットとは、本明細書に記載のように互いに接続される。
「カスケード状」という用語は、本明細書中では、少なくとも2つのアイラッシュユニット(同じでも異なっていてもよい)を、それらの取り付け部が、互いに直接接触しないように上昇するか下降していくスタッガード方法で、接続する方法に言及するために使用される。本発明のアイラッシュ構造の例示的、かつ、好ましい例は、図3Bに示され、一方、図2A及び図2Bに示されるアイラッシュ構造の実施例は、本発明のアイラッシュ構造のより好ましい例を表している。「直接接触していない」という語は、アイラッシュユニットの取り付け部分が1mm以上、例えば、1.5mm、2mm、2.5mm、3mmの互いまでの距離を有することを意味する。この距離は、好ましくは、取り付け部分の全長に亘る。
まぶたに貼り付けられる取り付け部は、以下「最初の取り付け部」とも呼ばれる。ところが、最初の取り付け部にカスケード状に貼り付けられる取り付け部が「後続の取り付け部」と呼ばれる。好ましくは、「カスケード状」という語は、上側アイラッシュユニットが下側アイラッシュユニットに貼り付けられるが、下側アイラッシュユニットの取り付け部には接触しない、少なくとも2つのアイラッシュユニットの接続方法を指すために使用される。これは、上部取り付け部が下部取り付け部の近傍に貼り付けられることが意図される。好ましくは、上部取り付け部分は、下のアイラッシュユニットのラッシュフィラメントに直接貼り付けられる。しかし、上下アイラッシュユニットの取り付け部が積層されない限り、上下のアイラッシュユニットを接続する他の方法が考えられる。したがって、一般に、本発明のアイラッシュ構造の少なくとも2つのアイラッシュユニットは、積み重ねられた方法で接続されていない。カスケードアイラッシュの例示的な好ましい実施例は、図2A、図2B又は図3Cに示されている。
本明細書では、用語「積み重ねられた」又は「スタッキング」は、アイラッシュユニットの取り付け部を互いに直接接触させる、例えば、互いの上に張り付ける、少なくとも2つのアイラッシュユニットの接続方法のことを指している。
本発明のカスケードアイラッシュ構造のアイラッシュユニットは、取り付け部を介して(排他的に)接続されることが好ましい。「取り付け部を介して(排他的に)接続される」は、説明したようにカスケード状に接続されるということを意味すると理解されるべきである。すなわち、アイラッシュユニットの取り付け部は、互いに接続されていない。むしろ、「取り付け部を介して接続された」とは、本明細書中、接着剤や熱などの接続手段が上側アイラッシュユニットの取り付け部を下側アイラッシュユニットに、好ましくは、下側アイラッシュユニットのラッシュフィラメントに貼り付けことを意味する。
本明細書では、細長い取り付け部は、「取り付け部」とも呼ばれ、アイラッシュバンドでありえる。アイラッシュバンドは、望ましくは、眼及び/又は皮膚に非刺激性で、(まぶた又は下側アイラッシュユニットに)付着できる限り、任意の適切な材料、例えば、天然又は合成の材料からなっていてもよい。
アイラッシュバンドは、一般的に任意の厚さ、デザイン、及び/又は色とすることができる。それは、さらなるラインストーンのような装飾を含んでも、又は、含まなくてもよい。さらに、異なる取り付け部を有するアイラッシュユニットを組み合わせることが想定される。色に関して、取り付け部は、一般に任意の色、(例えば黒、茶色)を有することができるか、あるいは、透明でありえる。異なる取り付け部を有するアイラッシュユニットを、所望の外観を作成するために組み合わせることができる。例えば、強められた外観を作成するために、色のついた(例えば、黒又は茶色の)取り付け部を備えるアイラッシュユニットだけを組み合わせることも考えられる。しかし、例えば、自然な外観を作成するために、透明な取り付け部を備えるアイラッシュユニットだけを組み合わせることも、考えられる。色がついている取り付け部を備えたアイラッシュユニットと透明な取り付け部を備えたアイラッシュユニットとを組み合わせることもできる。
最初の取り付け部は、一般に、接着片、又は、液体若しくはペーストの接着剤を使用してまぶたに付着する。接着片は、取り付け部にあらかじめ固定されてもよい。液体/ペースト状の接着剤は、貼り付けの一部として使用されてもよい。一般に、任意の適切な接着片又は接着剤を使用してもよい。接着片又は接着剤は、例えば、目及び/又は皮膚を刺激しないで、アイラッシュ構造をまぶたに貼り付けることができて、及び/又は取り外し可能であることが好ましい。「除去可能」は、アイラッシュ構造をまぶたから取り外した後に、まぶた及び/又は最初の取り付け部から接着剤を除去できることを意味する。そのため、アイラッシュ構造を繰り返し使用しようとする場合、新しい接着剤を最初の取り付け部に付け足すことができる。
一般に、本発明のアイラッシュ構造は、必要に応じて多くのアイラッシュユニットを含むことができる。好ましくは、アイラッシュ構造は2つ、3つ、4つあるいは5つのアイラッシュユニットからなる。
また、発明のアイラッシュ構造のアイラッシュユニットは、好ましくは接着剤又は熱によって、互いに永久に接続されることが想定される。しかしながら、アイラッシュユニットを互いに非永久に接続し、それによって、1つ以上のアイラッシュユニットを、それ(ら)を破裂させることなく、必要に応じて除去できるようにすることも考えられる。
異なるデザインのアイラッシュユニットを組み合わせることができることは、本発明の一つの利点である。前記アイラッシュユニットは、デザイン(アプリケーション、装飾、ラッシュフィラメントのアセンブリなど)、色、材料及び/又は、長さに関して異なっていてもよい。したがって、本発明は、例えば、デザイン、色、材料及び/又は、長さに関して、少なくとも2つのアイラッシュユニットが異なるアイラッシュ構造も想定する。
しかし、例えば、強化された外観を提供するために、同じデザイン及び/又は、スタイル及び/又は、色のアイラッシュユニットが、本発明のアイラッシュ構造に組み合わせられることも想定される。
アイラッシュユニットのラッシュフィラメントは、任意の適切な材料でもよい。材料は、取り付け部の材料とは異なっていてもよいし、又は、それは同じ材料であってもよい。ラッシュフィラメントは、天然又は合成の材料ものであってもよい。本発明のアイラッシュ構造は、天然のラッシュフィラメント及び合成のラッシュフィラメントの両方を有することができる。ラッシュフィラメントの材料として適している天然の材料は、例えば、天然毛髪、羽毛、及びシルクなどである。
一つの実施形態では、アイラッシュユニットは、フルストリップ、コーナーラッシュ、又は複数のサブアセンブリの形態である。「フルストリップ」は、アイラッシュユニットが、各々の目のためのラッシュフィラメントの一つのアセンブリであることを意味する。このようなアセンブリは、一般的に、細長い取り付け部と、例えば、合成繊維又は天然毛髪から形成されたラッシュフィラメントを含む。ラッシュフィラメントは、取り付け部から延び、取り付け部は、通常、まぶたの縁(以下、個々の天然のラッシュフィラメントが、その領域に存在するかどうかにかかわらず、「ラッシュライン」と称される)の形状にほぼ一致している。取り付け部は、接着片、又は、液体若しくはペーストの接着剤を用いて、ラッシュラインに通常一時的に、貼り付けられる。使用する場合、接着片は、多くの場合製造業者によって取り付け部に予め固定されている。液体/ペースト状の接着剤は、貼り付け処理の一部として適用することができる。「コーナー」まつ毛は、通常、目の横方向の端で使用されることを意図している。コーナーまつ毛は、大多数の目にフィットするが、それらは、一般に、非常に特定の形状を有する。複数のサブアセンブリの形態であるアイラッシュ構造は、例えば、WO2007/138289に記載されている。そして、それは、参照により本明細書で援用している。
別の態様では、本発明は、本明細書に記載のアイラッシュ構造を備え、本明細書に記載の接着剤又は接着片を任意に含むキットを提供する。キットは、以下のアイテム、すなわち鏡、接着剤リムーバー、ハサミ、ピンセット、ラッシュアプリケーションツール、ラッシュセパレータ/櫛、マスカラ、アイラッシュ構造を貼り付けるのに役立つ他の任意の適切なアイテムの1つ以上をさらに含んでいてもよい。
別の態様において、本発明は、本明細書に記載のアイラッシュ構造を備え、使用についての指示書を任意に含むか、又は、有するパッケージに関するものである。
さらに、本発明は、本明細書に定義されるアイラッシュ構造を製造するための方法を提供する。この方法は、予め定められた複数の所定のアイラッシュユニットから少なくとも2つのアイラッシュユニットを選択し、本明細書に記載のカスケード状にそれらを接続することからなる。当業者は、本発明のアイラッシュ構造に関して説明されたことが、必要な変更を加えて、本発明の方法にも適用することができることを容易に理解できる。
本発明の実施形態は、異なるアイラッシュユニットが提示されるシステムに基づくアプローチで使用することもできる。このアプローチは、希望の効果が出るようにアイラッシュユニットの組み合わせを選択する際に着用者を支援するためにコンサルタントを利用可能である専門のアプリケーションでの使用に特に適している。アイラッシュユニットは、このような場合には、コンサルタントによって着用者に貼り付けられるか、及び/又は後の時点で、自分で貼り付けるために着用者によって受け取られてもよい。
さらに、システムに基づくアプローチは、着用者のイメージの上に異なるアイラッシュユニットの組み合わせのイメージを重ねることができるコンピュータを利用したまつ毛のデザインと共に使用するのに適している。その結果、アイラッシュユニットの様々な組み合わせを、選択を行なう前に考慮することができる。そのようなプロセスでは、コンサルタント、又は、着用者が、コンピュータを利用したデザインの態様の操作をすることができる。このようなプロセスは、ネットワーク上で、及び/又は、インターネットを介して遠隔でも行うことができる。例えば、着用者のイメージは、リモートサーバにアップロードすることができ、コンピュータを利用したデザインプロセスは、オンラインで行い、そして、選択されたアイラッシュ構造又はアイラッシュユニットは、その後の郵便による配達か、又は店舗での受け取りのためにオンラインで購入できる。このコンピュータ支援システムは、倉庫から直接供給することができる莫大な範囲の潜在的なアイラッシュユニットから、着用者が選択を行える(したがって、大量の店舗在庫の必要性を排除する)という点で、特別な利点を有しており、ソフトウェアは、適切な選択(そうでなければ潜在的なラッシュのサブアセンブリの戸惑わせる選択であるかもしれないものの中から)をする際に支援することができる。この場合には、結果として生じるアイラッシュ構造を「オーダーメイドである」と非常に合理的にみなすことができる。
本発明の態様は、上記の好ましい実施形態を参照して特に示されて説明してきたが、様々な、さらなる実施形態が、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく想定され得ることは、当業者によってより理解されている。例えば、ある特定の色(例えば、黒、茶色、透明など)及び、視覚的な記述(例えば、「柔軟な」、「繊細な」、「豊富な」、「厚い」、「混沌とした」、「微妙な」など)は、様々なアイラッシュ構造及び/又は、アイラッシュユニットに関して使用されてきたが、本発明の特定の用途の応用のために望ましい単独または組み合わせで、各々の構造又は装置は、任意の色(複数可)、及び/又は視覚的な記述 (複数可)を備えていてもよい。このようなデザインの選択は、得られる効果の自然さ、あるいは、その他の考察事項に関係なく、本発明の任意の実施形態のために行われてもよい。図面は、示された実施形態の任意の特徴の絶対的、又は、相対的な縮尺を示すものではない。本発明の任意の実施形態によるアイラッシュ構造又はアイラッシュユニットの任意の構造は、本明細書で参照の製作方法を尊重することなく、一体構造、マルチ部分構造、節止め、造形法、他の貼り付け、あるいはその任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない任意の適切な方法で作られてもよい。
各々のアイラッシュ構造又はアイラッシュユニットは、任意の方向から見たとき、任意の所望の単純曲線又は複合曲線、曲線の特徴、直線の特徴、又はそれらの任意の組み合わせを示してもよい。例えば、本発明の任意の実施形態のラッシュフィラメントは、天然のまつ毛が湾曲しているのと、又は、天然のまつ毛をカールさせるのとほとんど同じように、矢状の視界から見て、下方へ曲がっていてもよい。本発明の様々な実施形態について説明した任意の使用環境(例えば、演劇の用途)は、本発明を使用することができた状況及び実施形態を限定せず、単なる一例である。長さについての具体的な数値(絶対値又は相対値)は、単に、本発明の特定の用途のために適切な寸法の例として提示され、当業者は、これらの提案した値とは異なっていてもよい望ましい値を、特別な用途のために容易に指定することができる。アイラッシュ構造は、短期の使用のために(例えば、除去可能な接着剤を用いて)一時的に貼り付けることができるか、あるいは、より長期の使用のために(例えば、それほど容易に取り外し可能でない接着剤を用いて、あるいは、自然なまつ毛又は目のエリア構造に対する他の接合点によって)より永久に貼り付けることができる。アイラッシュ構造は、一度だけの使用、使い捨ての製品、あるいは、繰り返し使用のための構成とすることができる。ラッシュフィラメントは、各々、任意の適切な色、材料、断面の形状、構造、あるいは、本発明の特定の用途について、所望の任意の他の特性も持っていてもよい。また、単一のアイラッシュユニットを構成するラッシュフィラメントは、要求される場合を除き、少しの特徴でも一致する必要はない。これらの特徴のいずれかを組み込んだ装置又は方法は、下記の特許請求の範囲、及びその任意の等価物に基づいて決定される本発明の範囲に入ると理解されるものとする。本発明の他の態様、目的、及び利点は、図面、明細書、及び添付の特許請求の範囲の研究から得られることができる。