上記のような問題点を解決するために案出されたものとして本発明の目的は、クライアントのデジタル歯牙データから漸進的に歯牙を移動させる歯牙矯正データを生成した後、上記歯牙矯正データを透明矯正器と同一な形象の透明矯正器モデリングデータに変換し、3D印刷機を通じて直接出力して製造することで、歯牙金型を製造した後、真空成形機を通じて上記歯牙金型に透明合成樹脂を熱加圧する過程なしに透明矯正器を製造することができる透明矯正器の製造装置及びその製造方法を提供することにある。
上記のような目的を果たすために、本発明による透明矯正器の製造装置は、クライアントの現在の歯牙を3Dスキャンした3D歯牙データを加工して少なくとも一つの歯牙矯正データを生成する歯牙矯正部と、上記生成された歯牙矯正データを透明矯正器と同一な形象の透明矯正器モデリングデータに変換する透明矯正器モデリング部、及び上記透明矯正器モデリングデータを3D印刷して透明矯正器を製造する3D印刷機を含むことを特徴とする。
そして、上記透明矯正器モデリング部は、モデリングのために、上記のうち少なくとも一つの歯牙矯正データに含まれる単位歯牙矯正データを前処理する前処理モジュールと、上記前処理された単位歯牙矯正データの外形面をオフセット確張してオフセット外形面を生成するオフセットモジュールと、上記外形面とオフセット外形面の間の空間を満たして実際の透明矯正器と同一な形象の3D透明矯正器モデルを生成するモデリングモジュールを含むことを特徴とする。
また、上記前処理モジュールは上記単位歯牙矯正データの下部底面を除去し、ソリッド形態のデータを単位歯牙矯正データの外形面だけを残し、残りの領域を除去することを特徴とする。
そして、上記オフセットモジュールは上記外形面と同一な位置で、大きさだけをオフセットの大きさ位に拡張してオフセット外形面を生成するが、上記外形面は底から最上部まで水平方向に切断された断層外形線から上記オフセットの大きさ位に拡張された断層オフセット外形線が体積され、上記オフセット外形面が生成することを特徴とする。
また、上記オフセットの大きさは製造される透明矯正器の厚さと同一な大きさであることを特徴とする。
そして、上記モデリングモジュールは上記単位矯正歯牙データの外形面とオフセット外形面を整列させた後、透明矯正器のカッティングラインに沿ってカッティングし、上記外形面とオフセット外形面を下端部から最上部まで複数個の断層外形線と断層オフセット外形線に分離し、各断層外形線と断層オフセット外形線の間の空間を満たして単位外形面を生成し、すべての単位外形面を体積して透明矯正器と同一な形態のソリッドモデルを獲得することを特徴とする。
一方、本発明による透明矯正器の製造方法は、クライアントの現在の歯牙を3Dスキャンした3D歯牙データを加工して少なくとも一つの歯牙矯正データを生成する段階と、上記生成された歯牙矯正データを透明矯正器と同一な形象の透明矯正器モデリングデータに変換する段階、及び上記生成された透明矯正器データを3D印刷して透明矯正器を製造する段階を含むことを特徴とする。
そして、上記透明矯正器モデリングデータに変換する段階は、前処理モジュールがモデリングのために、上記の中で少なくとも一つの歯牙矯正データに含まれる単位歯牙矯正データを前処理する段階と、上記オフセットモジュールが上記前処理された単位歯牙矯正データの外形面をオフセット確張してオフセット外形面を生成する段階と、上記モデリングモジュールが上記外形面とオフセット外形面の間の空間を満たして実際の透明矯正器と同一な形象の3D透明矯正器モデルを生成する段階を含むことを特徴とする。
また、上記オフセット外形面を生成する段階は、上記外形面と同一な位置で大きさだけオフセットの大きさ位に拡張してオフセット外形面を生成するが、上記外形面は底から最上部まで水平方向に切断された断層外形線から上記オフセットの大きさ位に拡張された断層オフセット外形線が最適されて上記オフセット外形面が生成することを特徴とする。
そして、上記3D透明矯正器モデルを生成する段階は、上記単位矯正歯牙データの外形面とオフセット外形面を整列させた後、透明矯正器のカッティングラインに沿ってカッティングし、上記外形面とオフセット外形面を下端部から最上部まで複数個の断層外形線と断層オフセット外形線に分離し、各断層外形線と断層オフセット外形線の間の空間を満たして単位外形面を生成し、すべての単位外形面を体積して透明矯正器と同一な形態のソリッドモデルを獲得することを特徴とする。
上記で見たように、本発明による透明矯正器の製造装置及びその製造方法は、歯牙金型を製造した後、真空成形機を通じて上記歯牙金型に透明合成樹脂を熱加圧する過程なしに透明矯正器を直接印刷して製造することができるので、製造単価を画期的に下げられるだけでなく、製造時間の節減により収率が向上する卓越な效果が発生する。
また、透明矯正器の厚さをコンピュータープログラムを通じて制御することで、歯牙金型を製造した後、真空成形機を通じて上記歯牙金型に透明合成樹脂を熱加圧する方式の装置は加熱された透明合成樹脂が金型の模様によって伸びるようになるので、厚さの均一度が一定しない問題を解決することができる。装置の厚さは歯牙を着用する時、予測された矯正力を正確に歯牙に加えることができるので矯正の效果を最適化することができる卓越な效果が発生する。
そして、装置にコンピュータープログラムを通じてデジタル装置データの必要な位置に直接必要なラベルを表記することができ、生成される透明装置に弁別力を確実に与えることができる卓越な效果が発生する。
本発明による透明矯正器の製造装置は、クライアントの現在の歯牙を3Dスキャンした3D歯牙データを加工して少なくとも一つの歯牙矯正データを生成する歯牙矯正部と、上記生成された歯牙矯正データを透明矯正器と同一な形象の透明矯正器モデリングデータに変換する透明矯正器モデリング部、及び上記透明矯正器モデリングデータを3D印刷して透明矯正器を製造する3D印刷機を含むことを特徴とする。
以下、本発明の具体的な実施例について図面を参照して詳細に説明する。
図2は本発明の好ましい実施例による透明矯正器の製造装置を概略的に図示したシステム構成図である。
図2を参照すれば、本発明による透明矯正器の製造装置は、3Dスキャナを通じてクライアントの現在の歯牙を3Dスキャンした3D歯牙データを加工して少なくとも一つの歯牙矯正データを生成する歯牙矯正部10と、上記生成された歯牙矯正データを透明矯正器に直接3D印刷するために透明矯正器と同一な形象の透明矯正器モデリングデータに変換する透明矯正器モデリング部20と、上記加工された透明矯正器データを3D印刷して透明矯正器を製造する3D印刷機30を含んで構成されることができる。
上記歯牙矯正部10は、クライアントの現在の状態の歯牙に対して3Dスキャナによって直接スキャニングしたり、クライアントの印象採得を通じて模った歯牙をスキャニングして獲得された3D歯牙データの中で、矯正が必要な歯牙を漸進的に移動させて好ましい歯の配列に再配列する多数個の歯牙矯正データを生成する役割をする。
例えば、クライアントの歯牙配列状態のうち、前歯が外へ突出した場合、全体的な歯牙の配列は理想的な歯牙配列線とは差があり、上記突出された前歯を舌側方向に移動させて歯牙の配列が上記歯牙配列線と一致するように歯牙を再配列する過程によって歯牙を矯正することになる。
ここで、本発明による透明矯正器はマウスピースの形で歯牙配列を理想的な最終配列まで漸進的に移動させるために着用する手順が決まった多数個の歯牙矯正器を順次に着用することになり、これによって歯牙が矯正される。
したがって、上記歯牙矯正部は3Dデジタルプログラムを通じてクライアントの現状態の歯牙データを漸進的に移動させるための多数個の透明矯正器製造の基礎となる歯牙矯正データを加工する構成である。
上記のような歯牙矯正部10は、透明矯正器方式の歯牙矯正分野で自明なだけでなく、本発明の核心から外れる部分であるため、具体的な加工過程に対する説明は省略する。
上記透明矯正器モデリング部20は、上記歯牙矯正部を通じて加工された歯牙矯正データを直接3D印刷ができるように、透明矯正器と同一な形象の透明矯正器モデリングデータに変換してモデリングする役割をする。
より具体的に、上記透明矯正器モデリング部20は上記歯牙矯正部10を通じて生成された単位歯牙矯正データの外形面に基づいて透明矯正器の厚さ位にオフセットされたオフセット外形面を生成した後、上記外形面とオフセット外形面の間の空間を満たして実際の透明矯正器のような幾何学的形象の3D透明矯正器モデリングデータを完成するようになる。
このために、上記透明矯正器モデリング部20は、モデリングのために上記単位歯牙矯正データを前処理する前処理モジュール210と、上記前処理された単位歯牙矯正データの外形面をオフセット確張してオフセット外形面を生成するオフセットモジュール220と、上記外形線とオフセット外形線の間の空間を満たして実際の透明矯正器と同一な形象の3D透明矯正器モデルを生成するモデリングモジュール230を含んで構成されることができる。
ここで、上記単位歯牙矯正データは漸進的に歯牙を移動させる複数個の歯牙矯正データに含まれる個別歯牙矯正データを意味する。各個別歯牙矯正データは個別透明矯正器に対応される。よって、複数個の歯牙矯正データの各々は、製造される複数個の歯牙矯正器に対応される。
上記前処理モジュール210は、図3のように上記単位歯牙矯正データの下部底面を除去し、ソリッド形態のデータを単位歯牙矯正データの外形面だけを残して、残りの領域を除去する役割をする。
一般的に、3Dスキャニングされたクライアントの3D歯牙データと、これに基づいて加工された矯正歯牙データは、歯齦領域をフラットした平面に仮定するので、データの下部面はフラットした平面を持ち、3D歯牙データ及び矯正歯牙データはその中が満たされたソリッド形態を持つようになる。
したがって、上記単位矯正歯牙データの下部面を除去し、外形面を除いた残りの領域は削除する。ここで、上記外形面は3Dスキャニングによって歯牙表面を連結し、生成された歯牙外形面を歯牙矯正部を通じて矯正処理され、加工された仮想の歯牙表面を連結して生成された面を意味する。
上記オフセットモジュール220は、図4のように上記外形面を透明矯正器の厚さ位にオフセットしてオフセット外形面を生成する役割をする。
ここで、オフセットは同一基準位置で大きさだけがオフセットの大きさ位に拡張される概念なので、スケール調整とは違う概念であり、透明矯正器は次元的に均等な厚さを維持して同一な位置で大きさが拡張されなければならないが、スケールを調整する場合、大きさと位置が同時に調整されるので、大きさの調整によってX、Y、Z軸の大きさが違く調整されるので、スケールの調整では均一な厚さの透明矯正器モデリングが不可能である。
したがって、上記オフセットモジュール220は図5のように上記外形面の同一な位置で大きさだけをオフセットの大きさ位に拡張させてオフセット外形面を生成する。
ここで、上記外形面は底面から最上部まで水平方向に切断された断層外形線に体積されて形成されるので、上記オフセット外形面はすべての断層外形線で設定されたオフセットの大きさ位に同一に拡張された断層オフセット外形線を持つように分布される。
例えば、歯牙の適応力を高めるために、同一な透明矯正器を弾性の強い状態から弱い状態に、ソフトタイプからハードタイプに製造する場合、厚さが違う透明矯正器を製作することができる。
ここで、厚さをそれぞれ0.5mm、0.625mm、0.725mm、1mmへと次第に厚さが増加するように設定する場合、同一な単位矯正データに対して4種の厚さを持つ4つの透明矯正器を製作しなければならない。
したがって、上記4種の厚さを持つように上記単位矯正データに対してオフセットの大きさを違うように設定する必要があり、上記厚さが結局オフセットの大きさになり、0.5mmの透明矯正器のためには上記単位矯正データの外形面にオフセットの大きさ0.5mm位に拡張されたオフセット外形面を生成し、0.625mmの透明矯正器のためには上記単位矯正データの外形面にオフセットの大きさ0.625mm位に拡張されたオフセット外形面を生成するようになる。
上記のようにオフセット外形面が生成されると、モデリングモジュール230が図6のように、上記単位矯正歯牙データの外形面とオフセット外形面を整列した後、実際の透明矯正器と同一なモデルを生成するためにカッティングラインに沿って上記単位矯正歯牙データをカッティングする。
ここで、上記カッティングラインは上記単位矯正歯牙データの中で、着用される歯牙と関係ない部分を全て削除するために設定されたラインを意味する。
上記のようにカッティングが完了されると、図7及び図8のように、単位矯正歯牙データの外形面とオフセット外形面の間の空間を満たして透明矯正器モデリングデータを生成する。
上記外形面とオフセット外形面を下端部から最上部まで複数個の断層外形線と断層オフセット外形線に分離し、各断層外形線と断層オフセット外形線の間の空間を満たして単位外形面を生成し、すべての単位外形面を体積して透明矯正器と同一な形態のソリッドモデルを獲得するようになる。
上記のように獲得された透明矯正器モデリングデータは、上記外形面が透明矯正器の内側外形面を成すようになり、上記オフセット外形面が透明矯正器の外側外形面を成すようになる。
図9は本発明の好ましい実施例による単位矯正歯牙データの歯牙模型を基準にして製作された透明矯正器モデリングデータを図示したものである。
図9を参照すれば、単位矯正歯牙データの外形面から透明矯正器の厚さ位にオフセットされたオフセット外形面の間の空間を充填して透明矯正器モデリングデータを生成することができ、上記生成された透明矯正器モデリングデータを上記単位矯正歯牙データとマッチングして一致するか否かを確認するシミュレーションを通じて、正確で、且つ、信頼性の高い透明矯正器の製造が可能である。
そして、製造される透明矯正器を区分するために、上記透明矯正器モデリングデータに識別コードを挿入することができる。
より具体的に、上記モデリングモジュール230は当該単位歯牙矯正データの識別コード(例えば、TEST)を挿入する場合、上記モデリングモジュール230は図10のように生成された透明矯正器モデリングデータの内部外形面に陰刻で識別コードをラベリングすることができ、上記のように識別コードが挿入されれば透明矯正器を印刷する時、上記識別コードが陰刻で印刷されるので、各透明矯正器を容易に区別することができる。
ここで、上記識別コードのラベリングの厚さは、上記ラベリングの厚さが透明矯正器の厚さより大きい場合該当部分が貫通されることがあり、歯牙に着用する時に異物感を与えることができるので、オフセットの大きさ以下、すなわち、透明矯正器の厚さ以下にラベリングをすることが好ましい。
上記のように、透明矯正器モデリングデータは実際の透明矯正器と同一な形象を持つようになるので、3D印刷機を通じて3D印刷すれば透明矯正器が製造される。
ここで、上記3D印刷機の透明矯正器の材料である透明合成樹脂を液状インクとして使って3D印刷し、上記液状インクが硬化されると、上記のように透明矯正器が製造される。
したがって、3D印刷機によって製造された歯牙金型を真空圧搾機に挿入した後、透明合成樹脂を真空圧搾して製造する工程、及び透明矯正器の残りの部分をカッティングする工程なしに直接透明矯正器を製造することが可能なので、透明矯正器の製作費用の節減は勿論、製造工程を画期的に短縮することができる。
以上で説明した本発明の詳細な説明では、本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、本発明の保護範囲は上記実施例に限定されず、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の思想及び技術領域を脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更させられることを理解できるであろう。