JP2016508977A - イオン性液体を用いた有機素材精製方法および精製装置 - Google Patents

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Abstract

本発明のイオン性液体を用いた有機素材簡易精製装置は、不純物の含有されたOLED用有機素材原料を加熱して昇華させる昇華手段と、昇華した有機素材の昇華気体をイオン性液体内に再結晶化させる再結晶化手段と、昇華手段および再結晶化手段の作動を制御する制御手段とを含む。本発明は、微量の有機素材が昇華してもイオン性液体で再結晶化されることを確認することができるため、有機素材の精製可能性を微量の有機素材で容易に確認することができるという利点がある。

Description

本発明は、イオン性液体工程ベースの有機素材精製方法および精製装置に係り、さらに詳しくは、様々なイオン性液体(Ionic liquids)と精製対象の有機素材との最適な精製組み合わせをスクリーンするための装置であって、微量のOLED(Organic Light Emitting Diodes)用有機素材を使用しても、どんな種類のイオン性液体が対象有機素材の再結晶化に最も適するかを実験的に迅速に確認することが可能な有機素材簡易精製方法および精製装置に関する。また、本発明は、イオン性液体をフィルターとして活用してOLED用有機素材を大量に精製することが可能な有機素材精製方法および精製装置に関する。
最近、OLED表示装置が次世代の表示装置として脚光を浴びている。その理由は、無機LEDが要求する高い駆動電圧を必要としないうえ、自己発光、薄膜、速い応答速度、広視野角などの利点、および様々な有機化合物により多色性の実現が容易である利点があるからである。このようなOLEDは、正孔と電子が発光層で再結合して励起状態にある励起子(exciton)を生成し、生成された励起子からのエネルギーによって特定の波長の光を発光する素子をいう。
図1はOLEDの構造を示す概念図である。図1に示すように、OLEDは、ガラスなどの透明基板(Glass)110上に陽極(Anode)120、正孔注入層(Hole injection layer:HIL)130、正孔輸送層(Hole transport layer:HTL)140、有機発光層(Emission layer:EML)150、電子輸送層(Electron transport layer:ETL)160、電子注入層(Electron injection layer:EIL)170および陰極(Cathode)180が順次形成された積層構造を持つ。
前述したような積層構造を持つOLEDを製作するにあたっては、発光および電荷輸送のための有機物が必要である。ところが、このような有機物は、電子と正孔の注入だけでなく、注入された正孔と電子の再結合に直接関与するため、有機物の純度は、OLEDのカラー、発光効率および寿命を左右する非常に重要な要素として作用している。すなわち、有機物内の少量の不純物は、注入された電荷の消滅確率を増大させ、正孔と電子の再結合確率を低めて発光効率の低下をもたらすうえ、不純物の添加による新エネルギーレベルが形成されて発光色の純度低下の要因となる。
したがって、高輝度、高効率および長寿命の電界発光素子を実現するためには、電界発光素子の構造最適化と正孔(または電子)の注入及び輸送特性に優れた新材料の開発、有機発光層用新規材料の開発、並びにOLED用有機物の純度向上が求められている。
一方、OLED用有機物を精製する際には、一般に、溶媒を用いた再結晶方法または昇華による再結晶方法が使用されている。昇華による再結晶方法は、真空の下で有機材料が昇華して再結晶されるので、不純物が入らない特性を持つ。よって、通常の有機電界発光素子用有機材料の精製方法としては昇華精製法が一般に使われている。
ここで、昇華は、相平衡図における3重点以下の温度と圧力で発生する気体−固体の相転移現象を指し示す。常圧で加熱すると熱分解される物質であっても、3重点以下の低い圧力では、比較的高い温度でも分解されない状態が維持される。このような性質を利用して温度勾配の制御が可能な昇華装置内で、混合された物質を加熱して、物質が分解されていない状態で昇華点の異なる不純物と分離する操作を「真空昇華法(vacuum sublimation method)」という。このような真空昇華法は、純粋な物理的方法であって、補助試薬の使用またはそれ以外の化学的方法によらないため、試料の汚染がなく分離率が大きいという利点を持っており、OLED用有機素材の精製に有用な方法である。
現在、通常使われているOLED用有機素材の精製方法は、連続昇華(train sublimation)精製法である。この方法は、中空型の長い管の端部に精製対象素材を位置させ、真空ポンプを用いて管の内部を真空にした状態でヒーターによって管を加熱して管全体にわたって温度勾配を作ることである。こうすることにより、分離しようとする素材と不純物の昇華点の差に起因した再結晶位置の差を利用して素材を分離することができる。場合によっては、温度が高い方から低い方へ、真空度が大きく低下しない範囲内で、精製装置を構成する素材とは反応しない窒素または不活性気体を流動させ、有機素材の気体を運搬するキャリアガスとして使用している。このようなキャリアガスは、有機素材の気体を円滑に流動させる役割をする。
図2は連続昇華精製法を行うための従来の技術による昇華精製装置の構成関係を概略的に示す構成図である。図2に示すように、有機素材原料は坩堝240内に充填され、坩堝240は第2石英ガラス管210内の一側に配置される。一方、第2石英ガラス管210の外側は第1石英ガラス管220が覆っている構造を持つ。ここで、坩堝240は、図示していないが、両端部の開放された中空の円筒石英管の両端部に嵌合され、ステンレス鋼材で構成され、一対の孔付き蓋を有する。
ヒーター250は、第1石英ガラス管220の一側を取り囲むように設置される。このとき、ヒーター250は、坩堝240が位置する対応位置に設置される。真空ポンプ230は、第2石英ガラス管210の他側に配置され、第2石英ガラス管210の内部を真空状態に維持させる役割をする。
前述したような構造を持つ昇華精製装置200は、まず、真空ポンプ230を用いて第2石英ガラス管210の内部を真空状態にし、少量のキャリアガスを真空ポンプ230の設けられた第2石英ガラス管210全体に流して微細な圧力勾配を形成する。そして、ヒーター250によって温度を徐々に上げると、第2石英ガラス管210全体にわたって温度勾配が形成されるが、このときに形成される温度分布は正規分布曲線の形状を示す。
一方、坩堝240の温度が、その中に充填された精製対象たる有機素材原料の昇華点よりも高くなると、素材は昇華し始める。このとき、形成された気体分子は、坩堝240の外部に出てきた後、圧力勾配によって真空ポンプ230の設置方向に移動し始める。このとき、有機素材原料よりも昇華点が高い不純物は坩堝240の内部に残留する。
真空ポンプ230の設置方向に移動する気体分子は、昇華点以下の温度を持つ第2石英ガラス管210の区間で再び固体相に転移され、第2石英ガラス管210の内側表面に結晶として結ばれる。図面符号260は、第2石英ガラス管210の内側表面に結晶として結ばれた精製素材を示す。一方、一定の時間が経過すると、加熱を止め、徐々に冷却させて常温と同一になると、第2石英ガラス管210を解体して結晶状態の精製素材260を掻き出して回収する。
ところが、OLEDに使用される有機素材(精製素材)は、不純物の含有量が極めて少ない高純度状態でなければならないので、只一回の精製では必要な純度の素材を得ることが難しい。したがって、図2に示した装置を用いる精製方法は、昇華精製過程を数回繰り返し行って純度の高い素材を得なければならないので、精製工程の繰り返しによる作業所要時間が長くかかって量産に不向きである。
また、多段階の昇華精製工程を経るので、初期投入された有機素材の70%未満の精製量を得るしかないため、その単価が高く、消費電力が多くなるという問題点がある。
言い換えれば、昇華精製法の場合、有機素材の昇華点の差を利用して原料物質を純度の高い有機物質に精製することができるという利点はあるが、精製過程が昇華−凝縮を繰り返す過程で有機物質の相当量が不活性気体と共に排気により消失するので、出発物質に比べて最終精製物質の収率が非常に低いという問題点がある。また、有機素材別に精製装備を最適化するのに莫大な時間および費用がかかるという問題点がある。
これを解決するために、本発明者は、真空中での使用も可能なイオン性液体を溶媒として用いて、有機素材の精製温度、最適なイオン性液体の選定などを介してイオン性液体工程ベースの精製工程の変数を迅速に最適化することにより、OLED用有機素材の大量精製を可能にするイオン性液体工程ベースの新しい有機素材精製工程を提案しようとする。
ところが、OLED用有機素材は、原料が非常に高価であるため、イオン性液体工程ベースの大量精製工程を実験するには費用などの現実的な障害があった。したがって、実験室レベルで各種イオン性液体を対象として目的の有機素材の昇華気体が再結晶化されるか否かを迅速に確認し、そのような再結晶化のためのイオン性液体の温度、圧力条件および温度による溶解度の変化などを研究することにより、新精製工程の可否を探索し且つ工程条件を最適化す簡易精製装備が必要であった。これにより、イオン性液体工程ベースの大量新精製工程の工程費用節減や工程最適化のための時間節減などの効果を期待することができる。
そこで、本発明は、前述したような従来技術の問題点を解決するために案出されたもので、その目的は、真空中でも安定したイオン性液体を用いて少量の有機素材を再結晶化させて有機素材精製工程を実験的に確認することができる、イオン性液体を用いた有機素材簡易精製方法および精製装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、真空中でも安定したイオン性液体をフィルターとして活用してOLED用有機素材を簡便かつ大量に精製生産することができる、イオン性液体を用いた有機素材精製方法および精製装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係るイオン性液体を用いた有機素材簡易精製方法は、不純物の含有されたOLED(Organic Light Emitting Diodes)用有機素材原料を収容する坩堝が設置された真空雰囲気の加熱チャンバーと、前記加熱チャンバー内に設置され、イオン性液体が塗布された基板とを含む有機素材簡易精製装置を用いた精製方法であって、前記坩堝を前記有機素材原料の昇華点まで加熱する加熱段階と、前記加熱段階で発生した前記有機素材原料の昇華気体が前記イオン性液体に蒸着される蒸着段階と、前記昇華気体が前記イオン性液体で再結晶化される再結晶化段階とを含んでなることを特徴とする。
また、本発明によれば、前記再結晶化段階の後に、前記再結晶化された有機素材を前記イオン性液体から分離する分離段階をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明によれば、前記再結晶化段階では、前記イオン性液体の溶解度を調節するために、前記イオン性液体の温度を調節することを特徴とする。
また、本発明によれば、前記再結晶化段階では前記基板の温度を常温〜200℃の範囲内で維持することを特徴とする。
また、上記目的を達成するための本発明に係るイオン性液体を用いた有機素材簡易精製装置は、不純物の含有されたOLED用有機素材原料を加熱して昇華させる真空雰囲気の昇華手段と、昇華した有機素材の昇華気体をイオン性液体の表面に蒸着させて前記イオン性液体で再結晶化させる真空雰囲気の再結晶化手段と、前記昇華手段および前記再結晶化手段の作動を制御する制御手段とを含んでなることを特徴とする。
また、本発明によれば、前記昇華手段は、前記有機素材原料を収容する坩堝と、前記坩堝が設置され、一定の内部容積を有する加熱チャンバーと、前記加熱チャンバーの内部を真空状態に維持させる真空ポンプと、前記坩堝を加熱する第1ヒーターと、前記坩堝の上部側を選択的に開放または閉鎖するシャッター(shutter)とを含むことを特徴とする。
また、本発明によれば、前記シャッターは、前記坩堝の上端を覆うか、或いは前記坩堝の上端から一定の離隔距離を置いて覆うように構成されることを特徴とする。
また、本発明によれば、前記再結晶化手段は、前記イオン性液体が塗布された基板と、前記基板を支持するマスクと、前記加熱チャンバーの上部に設置固定される第2ヒーターと、前記第2ヒーターの下部に設けられ、前記マスクを支持する支持部材とを含むことを特徴とする。
また、本発明によれば、前記再結晶化手段は、前記支持部材に設置され、前記基板の温度を測定する熱電対(thermocouple)をさらに含み、前記制御手段は、前記熱電対で測定された温度を用いて前記第2ヒーターの温度を制御することを特徴とする。
また、本発明によれば、前記イオン性液体は前記基板上に液滴(droplet)の形で塗布されることを特徴とする。
また、本発明によれば、前記イオン性液体で再結晶化された精製素材を撮影して分析する分析手段をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明によれば、前記分析手段は、前記再結晶化された精製素材の厚さを測定する厚さ測定器(thickness monitor)を含むことを特徴とする。
また、上記目的を達成するための本発明に係るイオン性液体を用いた有機素材精製方法は、不純物の含有されたOLED用有機素材原料を収容する坩堝が設置された真空雰囲気の加熱チャンバーと、真空雰囲気の下でイオン性液体を収容した貯蔵槽とを含む有機素材精製装置を用いた精製方法であって、前記坩堝を前記有機素材原料の昇華点まで加熱する加熱段階と、前記加熱段階で発生した前記有機素材原料の昇華気体を前記貯蔵槽のイオン性液体内へ流動させる流動段階と、前記イオン性液体内に混入した前記昇華気体を前記イオン性液体内で溶解させて再結晶化させる再結晶化段階とを含んでなることを特徴とする。
また、本発明によれば、前記流動段階で、前記昇華気体は、前記加熱チャンバーの内部に供給される不活性気体により前記イオン性液体内へ流動することを特徴とする。
また、本発明によれば、前記溶解段階の後、前記溶解段階で溶解せずに前記貯蔵槽の上部に収集された前記不活性気体を前記貯蔵槽の外部へ排出する排出段階をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明によれば、前記再結晶化段階の後に、前記再結晶化された有機素材を前記イオン性液体から回収する回収段階をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明によれば、前記混合気体が前記イオン性液体内に混入する前に、前記昇華点以上に温度を維持するように前記混合気体を加熱する段階をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明によれば、前記再結晶化段階では、前記イオン性液体の溶解度を調節するために、前記イオン性液体の温度を調節することを特徴とする。
また、本発明によれば、前記排出段階で排出された前記不活性気体は、前記混合段階で供給される不活性気体としてリサイクルされることを特徴とする。
また、上記目的を達成するための本発明に係るイオン性液体を用いた有機素材精製装置は、不純物の含有されたOLED用有機素材原料を加熱して昇華させる真空雰囲気の昇華手段と、昇華した有機素材の昇華気体をイオン性液体内に混入させて前記イオン性液体内で再結晶化させる真空雰囲気の再結晶化手段と、前記昇華手段および前記再結晶化手段の作動を制御する制御手段とを含んでなることを特徴とする。
また、本発明によれば、前記昇華手段は、前記有機素材原料を収容する坩堝と、前記坩堝が設置され、一定の内部容積を有する加熱チャンバーと、前記加熱チャンバーの内部を真空状態にする真空ポンプと、前記坩堝を加熱する第1ヒーターと、前記加熱チャンバーの一側に連結されて不活性気体を供給する不活性気体供給源とを含むことを特徴とする。
また、本発明によれば、前記再結晶化手段は、前記イオン性液体を収容した貯蔵槽と、一側が前記加熱チャンバーの内部と連通し、他側が前記貯蔵槽のイオン性液体に浸漬される連結導管と、前記貯蔵槽の内部を真空状態にする真空ポンプと、前記貯蔵槽のイオン性液体上に収集された気体を前記貯蔵槽の外に排出する排出ポンプとを含むことを特徴とする。
また、本発明によれば、前記有機素材の昇華点を維持するように前記連結導管の外部を加熱する第2ヒーターをさらに含むことを特徴とする。
また、本発明によれば、前記有機素材の溶解度を調節するように、前記イオン性液体入りの前記貯蔵槽の下部を加熱する第3ヒーターをさらに含むことを特徴とする。
また、本発明によれば、前記貯蔵槽の上部に設置され、前記有機素材の精製に使用された前記イオン性液体を真空中で一定の温度以上に加熱し、蒸発させ、不純物および溶解した有機素材との分離精製工程を経てリサイクルすることができるように収集するイオン性液体収集部をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明によれば、前記イオン性液体収集部は、前記貯蔵槽の内側面に固定される収集板と、前記貯蔵槽の内側面に固定され、前記収集板によって収集されるイオン性液体を集める収集筒とを含むことを特徴とする。
また、本発明によれば、前記収集筒に収集されたイオン性液体をリサイクルするために前記貯蔵槽にリターンさせるイオン性液体リターン手段をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明によれば、前記貯蔵槽と選択的に連通し、かつ前記貯蔵槽に対して結合及び分離可能に構成され、前記再結晶化された有機素材を別途回収する回収筒をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明によれば、前記混合気体が前記貯蔵槽のイオン性液体内に混入することにより生成される気泡の容積を小さくする気泡微細化手段をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明によれば、前記排出ポンプを介して排出された不活性気体をリサイクルするために前記不活性気体供給源にリターンさせる不活性気体リターン手段をさらに含むことを特徴とする。
本発明は、微量の有機素材が昇華してもイオン性液体で再結晶化されることを確認することができるので、有機素材の精製可能性を微量の有機素材で容易に確認することができるという利点がある。
また、本発明は、イオン性液体の不揮発性特性により微量のイオン性液体にも有機素材の昇華気体が容易に過飽和するので、有機素材の再結晶化工程を短時間で確認することができるという利点がある。
また、本発明は、装置の構成が非常に簡単であって、有機素材が変わっても最適なイオン性液体を探索し工程条件を最適化するのに費用および時間を節約することができるという利点がある。
また、本発明は、有機素材の昇華精製工程で発生した昇華気体を、真空中でも安定したイオン性液体に混入して、イオン性液体を昇華気体の液体フィルターとして活用することにより、有機素材の精製収率を画期的に向上させることができるという利点がある。
また、本発明は、装置の容量を調節して大量のイオン性液体を用いてイオン性液体内に過飽和度の限界まで有機素材を投入することにより、有機素材を大量に精製することができるので、有機素材の低コスト化が可能であるという利点がある。
また、本発明は、イオン性液体の再精製工程を経てリサイクルが可能なので、製造工程のグリーン化を実現することができるという利点がある。
OLEDの構造を示す概念図である。 従来の技術に係る昇華精製装置の構成関係を概略的に示す構成図である。 本発明の第1実施例に係るイオン性液体を用いた有機素材簡易精製装置の構成関係を示す概念図である。 図3に示したイオン性液体を用いた有機素材簡易精製装置を利用した精製方法のフローチャートである。 本発明の第2実施例に係るイオン性液体を用いた有機素材精製装置の構成関係を示す概念図である。 図5に示したイオン性液体を用いた有機素材精製装置を利用した精製方法のフローチャートである。 本発明の第3実施例に係るイオン性液体を用いた有機素材精製装置の構成関係を示す概念図である。 イオン性液体を用いた有機素材簡易精製実験装置の構成関係を概略的に示す斜視図である。 図8に示した有機素材簡易精製実験装置におけるセラミックヒーターの設定温度による基板の温度変化を示すグラフである。 図8に示した有機素材簡易精製実験装置における結晶化温度(基板温度)別の有機素材の昇華温度による蒸着率および全体有機物の厚さ変化量を示すグラフである。 図8に示した有機素材簡易精製実験装置における結晶化温度(基板温度)別の有機素材の昇華温度による蒸着率および全体有機物の厚さ変化量を示すグラフである。 図8に示した有機素材簡易精製実験装置における結晶化温度(基板温度)別の有機素材の昇華温度による蒸着率および全体有機物の厚さ変化量を示すグラフである。 図8に示した有機素材簡易精製実験装置における有機素材の蒸発温度および基板の温度に応じてイオン性液体内でNPB有機素材の結晶化過程を光学顕微鏡を介して分析した写真である。 図8に示した有機素材簡易精製実験装置によって製造されたNPB有機素材の結晶化度イメージ(SEM分析)である。 図8に示した有機素材簡易精製実験装置によって再結晶化されたNPB有機素材の結晶相と精製される前のNPB有機素材の結晶相をラマン(Raman)分析によって分析したグラフである。 図8に示した有機素材簡易精製実験装置によって再結晶化されたNPB有機素材の結晶粒サイズと精製される前のNPB有機素材の結晶粒サイズを光学顕微鏡を介して分析した写真である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明に係るイオン性液体を用いた有機素材精製方法および精製装置の好適な実施例を詳細に説明する。
図3は本発明の第1実施例に係るイオン性液体を用いた有機素材簡易精製装置の構成関係を示す斜視図である。図3に示すように、この実施例に係る有機素材簡易精製装置300は、大きく、有機素材原料を昇華させる昇華手段と、昇華した有機素材の昇華気体をイオン性液体内に再結晶化させる再結晶化手段と、イオン性液体内に再結晶化された精製素材を撮影して分析する分析手段と、昇華手段、再結晶化手段および分析手段の作動を全体的に制御する制御手段とから構成される。
この実施例に係るイオン性液体としては、化学式1の1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(1−Butyl−3−methylimidazorium bis(trifluoromethyl sulfonyl)imide)(BMIM TFSI)を用いるか、或いは化学式2の1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(1−Octyl−3−methylimidazorium bis(trifluoromethyl sulfonyl)imide)(OMIM TFSI)を用いることができる。または、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(1−Ethyl−3−methylimidazorium bis(trifluoromethyl sulfonyl)imide)(EMIM TFSI)を用いることもできる。
前記イオン性液体(BMIM TFSI、OMIM TFSI、EMIM TFSI)は、非揮発性有機溶媒であって、イオン性液体内で有機(organic)物質と不純物が溶解−再結晶化を数多く繰り返し行う過程で過飽和度にさらに速く到達する有機素材が優先的に再結晶化されるメカニズムにより、様々な有機素材の精製および再結晶化に使用可能である。
一方、BMIM TFSI、OMIM TFSI、EMIM TFSIは、低融点(low melting point)、低蒸気圧(low vapor pressure)、不燃性(nonflammable)、有機分子イオンの構成(consist of organic molecular ions)、陰−陽イオン間の組み合わせ比率の調節性質(controllable properties by combinations of anions and cations)などの特性を持っている。
この実施例に係るイオン性液体は、有機素材を精製および再結晶化するために使用されるものであって、100〜120℃、10−7Torr(約1.3×10−5Pa)でも液体相に安定して真空工程でも溶媒として利用可能である。
一方、この実施例に係る有機素材原料には、正孔輸送層(HTL)の材料として使われるNPB(N,N’−bis(naphthalen−1−yl)−N,N’−bis(phenyl)−benzidine)素材を用いることができる。ここで、NPBは昇華点が180℃以上である。よって、昇華手段を構成する加熱チャンバー内の坩堝を200℃以上に加熱すると、昇華する。
一方、OLED素子の製作のために使用される蒸着物質(有機素材原料)は、前述の物質以外にも、様々なものが存在する。従って、本発明は、このような様々な種類の有機素材を原料として用いることができる。
以下、この実施例に係る有機素材簡易精製装置300の構成要素間の結合関係をより詳細に考察する。
昇華手段は、不純物の含有された有機素材原料321を収容する坩堝320と、坩堝320が設置され、一定の内部容積を有する加熱チャンバー310と、加熱チャンバー310の内部を真空状態に維持させる真空ポンプ(図示せず)と、坩堝320を加熱する第1ヒーター322と、坩堝320の上部側を選択的に開放または閉鎖するシャッター(shutter)340とから構成される。
ここで、シャッター340は、坩堝320の上端を覆うように構成することもできるが、坩堝320の上端から一定の離隔距離を置いて覆うように構成することが好ましい。このようなシャッター340は、坩堝320を加熱することにより昇華する有機素材の昇華気体が一挙に再結晶化手段へ移動するように制御する役割をする。
再結晶化手段は、昇華した有機素材の昇華気体をイオン性液体内に再結晶化させるものであって、イオン性液体331が塗布されたシリコン基板330と、シリコン基板330を支持するマスク333と、加熱チャンバー310の上部に設置固定される第2ヒーター332と、第2ヒーター332の下部に設けられ、マスク333を支持する支持部材334と、支持部材334に設置され、シリコン基板330の温度を測定する熱電対(thermocouple)335とから構成される。
ここで、イオン性液体331は、シリコン基板330上に小滴(液滴、droplet)の形で塗布される。一方、熱電対335は、シリコン基板330の実際温度を測定するものであって、第2ヒーター332に加えられる温度によるシリコン基板330の実際温度を測定して制御手段を介して第2ヒーター332の温度を調節するために用いられる。
分析手段は、イオン性液体331内に再結晶化された精製素材を撮影して分析するものであって、厚さ測定器(thickness monitor)350などを持つように構成される。
制御手段は、昇華手段の第1ヒーター322の温度、シャッター340の作動、再結晶化手段の第2ヒーター332の温度、および分析手段の作動などを全体的に制御する役割をする。
次に、前述のように構成されたこの実施例の有機素材簡易精製装置を用いて有機素材を精製する方法について説明する。
図4は図3に示したイオン性液体を用いた有機素材簡易精製装置を利用した精製方法を示すフローチャートである。図3及び図4に示すように、まず、加熱チャンバー310の内部に有機素材原料321入りの坩堝320を設置するが、坩堝320の上部をシャッター340で閉鎖させた状態で設置し、真空ポンプを用いて加熱チャンバー310の内部を真空化させる(S410)。
その後、第1ヒーター322を用いて坩堝320を有機素材の昇華点まで加熱する(S420)。すると、有機素材と一部の不純物とが混合された有機素材の昇華気体になる。このように昇華した有機素材の昇華気体は、坩堝320の上部を塞いでいるシャッター340によって益々集まる。
その後、一定の時間が経過してシャッター340を開放させると、有機素材の昇華気体は、自体の推進力でシリコン基板330側へ移動して有機素材の昇華気体がイオン性液体331に蒸着される(S430)。次に、シリコン基板330に塗布されたイオン性液体331と接触し、有機素材の昇華気体がイオン性液体331に溶解して再結晶化される(S440)。すなわち、イオン性液体331に溶解した有機素材の昇華気体は、過飽和状態に達すると、再結晶化されて高純度の精製素材として析出する。
このとき、シリコン基板330の温度を常温〜200℃の範囲内で維持することが好ましい。その理由は、イオン性液体の場合、C、H、F、N、Oの元素からなる高分子物質がイオンの形で存在する物質であるため、高温では分子構造が破壊されて本来の特性を維持することができなくなる特性を持つ。すなわち、イオン性液体別に若干の違いはあるが、略200℃前後に特性が変化するため、イオン性液体の使用温度の範囲を常温〜200℃に制限するのである。つまり、イオン性液体の特性が変化しない範囲内で有機素材を過飽和させるために、シリコン基板330を介してイオン性液体の温度を上げるのであり、常温未満の場合には、十分な量の有機素材を溶解させることができないため、有機素材を再結晶化することができない。
一方、イオン性液体331に析出した精製素材に関する情報は、厚さ測定器350を介して確認することができる。また、析出した高純度の精製素材は加熱チャンバー310から適切に回収できる。
したがって、本発明は、微量の有機素材を昇華させても、イオン性液体331に溶解して再結晶化されることを容易に実験することができるため、イオン性液体を用いた有機素材大量精製装置への活用が可能である。
図5は本発明の第2実施例に係るイオン性液体を用いた有機素材精製装置の構成関係を示す概念図である。図5に示すように、この実施例の有機素材精製装置500は、不純物の含有されたOLED用有機素材原料を加熱して昇華させる真空雰囲気の昇華手段と、昇華した有機素材の昇華気体をイオン性液体内に混入させてイオン性液体内で再結晶化させる真空雰囲気の再結晶化手段と、昇華手段および再結晶化手段の作動を制御する制御手段とを含んで構成される。
ここで、昇華手段は、有機素材原料511を収容する坩堝510と、坩堝510が設置され、一定の内部容積を有する加熱チャンバー520と、加熱チャンバー520の内部を真空状態にする真空ポンプ550と、坩堝510を加熱する第1ヒーター512と、加熱チャンバー520の一側に連結されて不活性気体を供給する不活性気体供給源560とを含んで構成される。
再結晶化手段は、イオン性液体541を収容した貯蔵槽540と、一側が加熱チャンバー520の内部と連通し、他側が貯蔵槽540内のイオン性液体541に浸漬される連結導管530と、貯蔵槽540の内部を真空状態にする前記真空ポンプ550と、貯蔵槽540のイオン性液体541上に収集された気体を貯蔵槽540の外へ排出する排出ポンプ553とを含んで構成される。
一方、加熱チャンバー520と貯蔵槽540は上側で互いに連結され、その連結部位に真空ポンプ550が設置される。そして、真空ポンプ550の連結ラインには、加熱チャンバー520および貯蔵槽540に選択的に連通させるバルブ551、552がそれぞれ設置される。
貯蔵槽540の上部側には、有機素材の精製に使用されたイオン性液体541を精製工程を経てリサイクルすることができるように収集するイオン性液体収集部570をさらに備えるように構成することができる。
この実施例に係るイオン性液体541および有機素材原料511は、第1実施例と同様のものを使用すればよい。
坩堝510は、加熱チャンバー520の底部側に設置されるものであって、下部側に第1ヒーター512を備えるように構成される。また、坩堝510は、その内部に精製対象の有機素材原料511を入れることが可能な形態を持つように構成される。
一方、連結導管530は、その一側が加熱チャンバー520の上部に連結され、他側が貯蔵槽540の上部を介して延びてイオン性液体541の内部に浸漬される形で配置される。このような連結導管530の周囲には、連結導管530を加熱する第2ヒーター531がさらに設置できる。ここで、第2ヒーター531は、後述する混合気体が連結導管530を介してイオン性液体541の中に混入する過程で、混合昇華気体513が昇華点を維持することができるように連結導管530の周りを加熱する役割をする。
貯蔵槽540の下部には、第3ヒーター542がさらに設置できる。ここで、第3ヒーター542は、イオン性液体541を加熱して、混合昇華気体513がイオン性液体541に溶解する溶解度を調節する役割をする。また、貯蔵槽540の上部側には排出ポンプ553がさらに設置できる。このとき、排出ポンプ553の設置ラインにはバルブ554がさらに設置されることが好ましい。
また、貯蔵槽540の上部側にはイオン性液体収集部570がさらに設置できる。ここで、イオン性液体収集部570は、有機素材の精製に使用されたイオン性液体541を蒸発させ、不純物および溶解した有機素材との分離精製工程を経てリサイクルすることができるように収集する役割をするものであって、貯蔵槽540の内側面に固定され、曲面形状を有する収集板571と、貯蔵槽540の内側面に固定され、収集板571によって収集されたイオン性液体を集める収集筒572とを持つように構成される。
以下、前述のように構成されたこの実施例の有機素材精製装置を用いて有機素材を精製する方法について説明する。
図6は図5に示したイオン性液体を用いた有機素材精製装置を利用した精製方法を示すフローチャートである。図5及び図6に示すように、まず、加熱チャンバー520の内部に有機素材原料511入りの坩堝510を設置し、貯蔵槽540にイオン性液体541を適量注入した後、真空ポンプ550を用いて加熱チャンバー520と貯蔵槽540を真空化させる。その後、第1ヒーター512を用いて坩堝510を有機素材の昇華点まで加熱する。すると、有機素材原料と一部の不純物とが混合された有機素材の混合昇華気体513になる(S610)。
この状態で不活性気体供給源560から加熱チャンバー520の内部へ不活性気体を供給する。このとき、不活性気体としては、真空度が大きく低下しない範囲内で、有機素材精製装置500を構成する素材と反応しない窒素またはアルゴンガスなどを使用する。このような不活性気体は、混合昇華気体513を貯蔵槽540内のイオン性液体541の中へ流動させる役割をするものであって、混合昇華気体513と混合されて混合気体になる(S620)。
このように形成された混合気体は、加熱チャンバー520の内部での圧力が上昇するにつれて、連結導管530を介してイオン性液体541の中に混入して気泡を形成する(S630)。一方、混合気体が連結導管530を介してイオン性液体541の中に混入する過程で、連結導管530の周りに設置された第2ヒーター531が連結導管530の周りを加熱することにより、混合昇華気体513が昇華点を維持した状態でイオン性液体541の中に混入できる。
一方、イオン性液体541に混入した混合気体は、気泡を形成しながら気泡内の混合昇華気体513がイオン性液体541に溶解し、不活性気体は、イオン性液体541に溶解していないままイオン性液体541の外に浮かんで貯蔵槽540の上部に収集される。このように貯蔵槽540の上部に収集された不活性気体は、排出ポンプ553によって貯蔵槽540の外に排出されて回収される(S640)。一方、貯蔵槽540の外に排出されて回収された不活性気体は、不活性気体リターン手段を介して不活性気体供給源560へリターンさせてリサイクルすることもできる。ここで、不活性気体リターン手段は、一般なポンプなどを用いて構成すればよい。
イオン性液体541に混合昇華気体513が溶解するとき、不純物に比べて精製対象の有機素材の含量が絶対的に高いため、有機素材が優先的に過飽和状態に至って再結晶化が先に始まり、高純度の精製素材543として析出する(S650)。このとき、貯蔵槽540の下部に設置される第3ヒーター542を用いて、混合昇華気体513がイオン性液体541に溶解する溶解度を調節することができる。そのため、混合昇華気体513に対するイオン性液体541の溶解度を調節することにより、イオン性液体541内での有機素材の過飽和度および有機素材の再結晶化速度などの制御が可能である。これにより、再結晶化される過程で不純物の混入を最小化することができ、このようにイオン性液体541内に析出する高純度の精製素材543は加熱チャンバー520から適切に回収すればよい。たとえば、貯蔵槽540の一側に開閉口を設け、該開閉口を介して精製素材543を回収すればよい。
前述のようにイオン性液体541内に析出する高純度の精製素材543が回収されると、イオン性液体541内には、混合気体内に含まれていた、過飽和度に達するまで溶解した有機素材と少量の不純物が一部残留することになる。また、精製工程が進むにつれてイオン性液体541内の不純物の含量が増加し、一定の時点では不純物成分も過飽和度に達することになり、再結晶化された有機素材内への不純物の混入が発生する。この時点で精製工程のためのイオン性液体を高純度のイオン性液体で交換することが好ましい。
一方、溶解した有機素材および不純物は、イオン性液体と比較してその蒸発温度が互いに異なる。すなわち、イオン性液体の蒸発温度が有機素材および不純物に比べて低い。このような特性を利用すれば、イオン性液体成分を別々に分離精製することが可能である。このため、第3ヒーター542をイオン性液体の蒸発温度に設定して加熱させると、イオン性液体は蒸発してイオン性液体収集部570の収集板571を介して収集筒572に回収され、高濃縮された有機素材および不純物のみ残留する。このように残留する高濃縮有機素材および不純物は、別途収去した後、一般的な溶媒を用いた再処理を介して有機素材と不純物の分離工程を経る。その後、一定レベルの純度を持つ有機素材はさらに再結晶化のための原料として利用することができる。また、収集筒572に回収されたイオン性液体は、イオン性液体リターン手段を介して貯蔵槽540の内部にリターンさせてリサイクルすることができる。ここで、イオン性液体リターン手段は一般的なポンプなどを用いて構成すればよい。
一方、この実施例の有機素材精製装置500は、混合気体が貯蔵槽540のイオン性液体541内に混入してから、気泡内の混合昇華気体513がイオン性液体541と接触して溶解し易いように、気泡の容積を小さくする気泡微細化手段を含むこともできる。
また、この実施例の有機素材精製装置500は、混合昇華気体513がイオン性液体541に接触し易いように接触拡大手段をさらに含むこともできる。たとえば、混合昇華気体513が不活性気体と混合された状態で、イオン性液体541の中を一定の時間通過するように誘導することにより、昇華気体の溶解を促進することもできる。
図7は本発明の第3実施例に係るイオン性液体を用いた有機素材精製装置の構成関係を示す概念図である。図7に示すように、この実施例に係る有機素材精製装置500Aは、精製素材543Aの円滑な回収ができるように貯蔵槽540Aの形態と第3ヒーター542Aの配置を一部変形させた以外は第2実施例の有機素材精製装置500と同様にして構成される。したがって、この実施例では、同一の構成要素については同じ図面符号を付し、それについての説明を省略する。
この実施例の貯蔵槽540Aは、その下部側が漏斗状に形成され、下部側に精製素材543Aの回収筒544を別途備えるように構成される。このとき、回収筒544は、貯蔵槽540Aの下端に対して分離および結合可能に構成される。したがって、回収筒544には、上述したような工程を介して析出した精製素材543Aが益々積もる。一方、貯蔵槽540Aの下部には、回収筒544へイオン性液体が移動しないように制御するバルブ545がさらに設置される。よって、回収筒544内に精製素材543Aが一定量積もると、バルブ545を閉鎖し、回収筒544を貯蔵槽540Aから分離して精製素材543Aを回収すればよい。
一方、この実施例の第3ヒーター542Aは、貯蔵槽540Aの下部に回収筒544を備えるように構成することにより、貯蔵槽540Aの側面に設置して間接加熱方式で精製素材543Aがスムーズに析出するように加熱すればよい。
以下、上述したようなイオン性液体を用いた有機素材の精製有無および精製効果を実験した過程および結果などについて説明する。
(1.有機素材簡易精製実験装置)
図8はイオン性液体を用いた有機素材簡易精製実験装置の構成関係を概略的に示す斜視図である。図8に示すように、有機素材簡易精製実験装置は、大きく、有機素材原料を昇華させる昇華部と、昇華した有機素材(精製素材)をイオン性液体内に再結晶化させる再結晶化部と、再結晶化された有機素材(精製素材)を分析する分析部とに区分される。一方、再結晶化部および分析部はセラミックヒーター、厚さ測定器(thickness monitor)、熱電対(thermo−couple)、マスク(mask)から構成され、昇華部はシャッター(shutter)、坩堝および加熱ヒーターから構成される。再結晶化部では、Siウエハー(wafer)上にイオン性液体を小滴(液滴、droplet)の形で塗布させた後、マスクに固定してセラミックヒーターで固定し、昇華部では、精製対象の有機素材原料を坩堝に積載する。
前述のように構成された有機素材簡易精製実験装置を用いて実験するにあたっては、昇華部内にある有機素材原料の蒸発量を昇華部の温度を介して制御し、昇華部から供給される有機素材をイオン性液体内で結晶化させるためにセラミックヒーターの温度を調節して最適な結晶化温度を探索した。
(2.有機素材精製実験準備段階(昇華部))
精製しようとする有機素材原料を、計量(weighing)した後、坩堝に投入して昇華部の内部に安着させた。このとき、有機素材原料としては、NPB(N,N’−di(biphenyl−4−yl)−N,N’−bis(2−methyl−biphenyl−4−yl)biphenyl−4,4’−diamine)を使用した。
(3.有機素材精製実験準備段階(再結晶化部および分析部))
Siウェハー(50×50mm)にイオン性液体を液滴の形で塗布させた後、マスクに装着させる。その後、マスクをセラミックヒーターに連結された支持部材に固定させた後、熱電対と厚さ測定器を介して有機素材の結晶化温度および昇華部からの有機素材の量を確認し、最適の有機素材精製条件を探索した。このとき、イオン性液体としてはOMIM TFSIを使用した。
(4.セラミックヒーター−熱電対の温度)
図9は図8に示した有機素材簡易精製実験装置におけるセラミックヒーターの設定温度による基板の温度変化を示すグラフである。図9から分かるように、この実験装置に装着されたセラミックヒーターの設定温度を300〜500℃まで昇温させた後、実際の再結晶化部に伝達される温度を熱電対を介して確認した結果、図9のような温度勾配が現れることを確認した。
このような温度変化実験は、Siウエハー(wafer)に塗布されたイオン性液体の結晶化温度を確認するために先立って行ったものである。この実験結果に基づいて、実際の結晶化温度はセラミックヒーターの温度ではなく、熱電対で測定した温度を基にして、精製実験を行った。
(5.昇華部の有機素材昇華温度による蒸着率の変化(結晶化温度:R.T))
図10は、図8に示した有機素材簡易精製実験装置での結晶化温度(基板温度)が常温であるとき、NPB有機素材の昇華温度による蒸着率および全体有機物の厚さ変化量を示すグラフである。この実験は、結晶化温度が常温であるときに昇華部の昇華温度を変化させながらNPB有機素材の蒸着率および全厚を厚さ測定器によって分析したのである。その実験の結果、図10から分かるように、有機素材の昇華温度が増加するほど、蒸着率は0.1〜9Å/secに増加し、全体有機物の厚さは0.011〜1.64μmに変化することを確認した。
(6.昇華部の有機素材昇華温度による蒸着率の変化(結晶化温度:100℃))
図11は、図8に示した有機素材簡易精製実験装置での結晶化温度(基板温度)が100℃であるときにNPB有機素材の昇華温度による蒸着率および全体有機物の厚さ変化量を示すグラフである。この実験は、結晶化温度が100℃であるとき、昇華部の昇華温度を変化させながらNPB有機素材の蒸着率および全厚を厚さ測定器によって分析したのである。その結果、図11から分かるように、有機素材の昇華温度が増加するほど、蒸着率は0.1〜9.2Å/secに増加し、全体有機物の厚さは0.011〜1.51μmに変化することを確認した。
(7.昇華部の有機素材昇華温度による蒸着率の変化(結晶化温度:110℃))
図12は、図8に示した有機素材簡易精製実験装置での結晶化温度(基板温度)が110℃であるときにNPB有機素材の昇華温度による蒸着率および全体有機物の厚さ変化量を示すグラフである。この実験は、結晶化温度が110℃であるとき、昇華部の昇華温度を変化させながらNPB有機素材の蒸着率および全厚を厚さ測定器によって分析したのである。その結果、図12から分かるように、有機素材の昇華温度が増加するほど、蒸着率は0.1〜12.8Å/secに増加し、全体有機物の厚さは0.013〜2.37μmに変化することを確認した。
(8.光学顕微鏡を介したイオン性液体内のNPB有機素材の結晶化イメージ)
図13は、図8に示した有機素材簡易精製実験装置での有機素材昇華温度および基板温度に応じてイオン性液体内でNPB有機素材の結晶化過程を光学顕微鏡を介して分析した写真である。図13から分かるように、昇華部の昇華温度(180℃)では、NPB有機素材の昇華が行われないため、イオン性液体の形で素材の供給が行われなかった。ところが、NPB有機素材の昇華温度が200℃以上に増加するときから昇華過程が行われ、イオン性液体の結晶化温度(基板温度)が増加するほど、精製されたNPB有機素材の結晶粒サイズが増加するものと確認された。
(9.SEM分析を介したイオン性液体内のNPB有機素材の結晶化イメージ)
図14は、図8に示した有機素材簡易精製実験装置によって製造されたNPB有機素材の結晶化度イメージ(SEM分析)である。すなわち、図14は、光学顕微鏡でNPB有機素材の結晶化度を分析した結果を基に、有機素材の昇華温度(200、220℃)、結晶化温度(R.T、100、110℃)によるNPB有機素材の結晶化度をSEM表面分析したものである。図14から分かるように、イオン性液体の結晶化温度がR.T、100℃であるときにNPB有機素材の結晶化度が最も優れた特性を示し、結晶化温度(110℃)では結晶化度が低くなる現象を示した。
(10.ラマン分析を介したNPB有機素材の結晶相の分析)
図15は、図8に示した有機素材簡易精製実験装置によって再結晶化されたNPB有機素材の結晶相と精製される前のNPB有機素材の結晶相をラマン分析で分析したグラフである。図15から分かるように、NPB有機素材の昇華温度(220℃)、結晶化温度(基板温度)(110℃)の精製条件の下で再結晶化されたNPB有機素材の結晶ピークは1125、1199、1222、1289、1328、1375、1529、1574、1609cm−1のラマンシフト(Raman shift)値を示し、精製される前のNPB有機素材の結晶相とほぼ一致するラマンシフト(Raman shift)値を示した。これは、イオン性液体を介して再結晶化されるとき、raw NPB有機素材の結晶性を失わずに再結晶化されたことを示すものである。
(11.光学顕微鏡分析を介したNPB有機素材の結晶粒サイズの分析)
図16は、図8に示した有機素材簡易精製実験装置によって再結晶化されたNPB有機素材の結晶粒サイズ(b)と精製される前のNPB有機素材の結晶粒サイズ(a)を光学顕微鏡を介して分析した写真である。図16から分かるように、精製される前のNPB有機素材の場合、倍率(×50、×100、×200)に応じて結晶粒の形状およびサイズを確認した結果、無作為方向性のパウダー状の結晶粒形状を示し、結晶粒サイズも一定のパターンを持たない様々な形態の粒子サイズを示した。ところが、イオン性液体内で再結晶化されたNPB有機素材の場合、デンドライト(dendrite、樹枝状)構造を持つ結晶粒形状を示した。結晶化されたNPB有機素材の直径も最大50μmのサイズを示すため、原料物質に比べて大きく向上したNPB有機素材の結晶性を確認した。
ラマン(Raman)データにおいて、原料物質と精製されたNPB有機素材の結晶相はほぼ一致する傾向を示すため、結晶性向上の面を正確に予測するのが難しかったが、光学顕微鏡分析を介して、原料物質が持つ結晶相を維持しながら結晶性および結晶粒サイズをイオン性液体精製法によって向上させることができることを確認した。
(12.結論)
イオン性液体を用いて精製されたNPB有機素材物質と原料物質のデータを比較分析した結果、再結晶化されたNPB有機素材の著しい変化を確認した。多数にわたっての昇華−凝縮過程を繰り返しながら有機素材の精製を行う昇華精製法に比べて、イオン性液体内の有機素材物質の過飽和度を用いた再結晶方法は工程の単純化だけでなく、純粋な有機素材物質のみを再結晶化して物質の純度を向上させることができるという長所がある。
一方、この実験はその容量が小さい有機素材簡易精製実験装置を介して行われたが、前述の実験結果から分かるように、本発明でのような有機素材の簡易精製技術および大量精製技術にすべて適用可能である。
上述したような実施例および実験例から分かるように、本発明は、溶解度の差を利用した精製工程であるため、イオン性液体内で有機(organic)物質と不純物が溶解−再結晶化を数多く繰り返す過程で過飽和度にさらに速く到達する有機素材が優先的に再結晶化されるメカニズムにより、1回の工程のみでも様々な有機素材に対する精製および再結晶化が可能である。
また、本発明は、真空状態の条件の下で有機素材を精製することにより、外部汚染源から供給される不純物の量を最小化することができるため、高純度の有機素材(精製素材)を得ることができる。
また、本発明は、イオン性液体をフィルターにしてイオン性液体内で精製過程が行われるので、キャリアガス(carrier gas)による損失がないうえ、再結晶化された有機素材を回収した後、イオン性液体を再使用して有機素材を精製することができるため、精製工程に費やされる原材料の損失および製造コストの節減効果を期待することができる。
以上、本発明のイオン性液体を用いた有機素材精製方法および精製装置に関する技術事項を添付図面と共に述べたが、これは、本発明の最も好適な実施例を例示的に説明したものである。よって、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の思想及び範囲を逸脱することなく様々な修正および変形を加え得るのは当該技術分野における通常の知識を有する者にとって自明なので、それらの変形例または修正例も本発明の特許請求の範囲に属すると理解すべきである。

Claims (30)

  1. 不純物の含有されたOLED(Organic Light Emitting Diodes)用有機素材原料を収容する坩堝が設置された真空雰囲気の加熱チャンバーと、前記加熱チャンバー内に設置され、イオン性液体が塗布された基板とを含む有機素材簡易精製装置を用いた精製方法であって、
    前記坩堝を前記有機素材原料の昇華点まで加熱する加熱段階と、
    前記加熱段階で発生した前記有機素材原料の昇華気体が前記イオン性液体に蒸着される蒸着段階と、
    前記昇華気体が前記イオン性液体で再結晶化される再結晶化段階とを含んでなることを特徴とする、イオン性液体を用いた有機素材簡易精製方法。
  2. 前記再結晶化段階の後に、前記再結晶化された有機素材を前記イオン性液体から分離する分離段階をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のイオン性液体を用いた有機素材簡易精製方法。
  3. 前記再結晶化段階では、前記イオン性液体の溶解度を調節するために、前記イオン性液体の温度を調節することを特徴とする、請求項1に記載のイオン性液体を用いた有機素材簡易精製方法。
  4. 前記再結晶化段階では前記基板の温度を常温〜200℃の範囲内で維持することを特徴とする、請求項1に記載のイオン性液体を用いた有機素材簡易精製方法。
  5. 不純物の含有されたOLED(Organic Light Emitting Diodes)用有機素材原料を加熱して昇華させる真空雰囲気の昇華手段と、
    昇華した有機素材の昇華気体をイオン性液体の表面に蒸着させて前記イオン性液体で再結晶化させる真空雰囲気の再結晶化手段と、
    前記昇華手段および前記再結晶化手段の作動を制御する制御手段とを含んでなることを特徴とする、イオン性液体を用いた有機素材簡易精製装置。
  6. 前記昇華手段は、前記有機素材原料を収容する坩堝と、前記坩堝が設置され、一定の内部容積を有する加熱チャンバーと、前記加熱チャンバーの内部を真空状態に維持させる真空ポンプと、前記坩堝を加熱する第1ヒーターと、前記坩堝の上部側を選択的に開放または閉鎖するシャッター(shutter)とを含むことを特徴とする、請求項5に記載のイオン性液体を用いた有機素材簡易精製装置。
  7. 前記シャッターは、前記坩堝の上端を覆うか、或いは前記坩堝の上端から一定の離隔距離を置いて覆うように構成されることを特徴とする、請求項6に記載のイオン性液体を用いた有機素材簡易精製装置。
  8. 前記再結晶化手段は、前記イオン性液体が塗布された基板と、前記基板を支持するマスクと、前記加熱チャンバーの上部に設置固定される第2ヒーターと、前記第2ヒーターの下部に設けられ、前記マスクを支持する支持部材とを含むことを特徴とする、請求項6に記載のイオン性液体を用いた有機素材簡易精製装置。
  9. 前記再結晶化手段は、前記支持部材に設置され、前記基板の温度を測定する熱電対(thermocouple)をさらに含み、
    前記制御手段は、前記熱電対で測定された温度を用いて前記第2ヒーターの温度を制御することを特徴とする、請求項8に記載のイオン性液体を用いた有機素材簡易精製装置。
  10. 前記イオン性液体は基板上に液滴(droplet)の形で塗布されることを特徴とする、請求項5に記載のイオン性液体を用いた有機素材簡易精製装置。
  11. 前記イオン性液体で再結晶化された精製素材を撮影して分析する分析手段をさらに含むことを特徴とする、請求項5〜10のいずれか1項に記載のイオン性液体を用いた有機素材簡易精製装置。
  12. 前記分析手段は前記再結晶化された精製素材の厚さを測定する厚さ測定器(thickness monitor)を含むことを特徴とする、請求項11に記載のイオン性液体を用いた有機素材簡易精製装置。
  13. 不純物の含有されたOLED(Organic Light Emitting Diodes)用有機素材原料を収容する坩堝が設置された真空雰囲気の加熱チャンバーと、真空雰囲気の下でイオン性液体を収容した貯蔵槽とを含む有機素材精製装置を用いた精製方法であって、
    前記坩堝を前記有機素材原料の昇華点まで加熱する加熱段階と、
    前記加熱段階で発生した前記有機素材原料の昇華気体を前記貯蔵槽内のイオン性液体の中へ流動させる流動段階と、
    前記イオン性液体内に混入した前記昇華気体を前記イオン性液体内で溶解させて再結晶化させる再結晶化段階とを含んでなることを特徴とする、イオン性液体を用いた有機素材精製方法。
  14. 前記流動段階で、前記昇華気体は、前記加熱チャンバーの内部に供給される不活性気体により前記イオン性液体内へ流動することを特徴とする、請求項13に記載のイオン性液体を用いた有機素材精製方法。
  15. 前記溶解段階の後に、前記溶解段階で溶解せずに前記貯蔵槽の上部に収集された前記不活性気体を前記貯蔵槽の外部へ排出する排出段階をさらに含むことを特徴とする、請求項14記載のイオン性液体を用いた有機素材精製方法。
  16. 前記再結晶化段階の後に、前記再結晶化された有機素材を前記イオン性液体から回収する回収段階をさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載のイオン性液体を用いた有機素材精製方法。
  17. 混合気体が前記イオン性液体内に混入する前に、前記昇華点以上に温度を維持するように前記混合気体を加熱する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載のイオン性液体を用いた有機素材精製方法。
  18. 前記再結晶化段階では、前記イオン性液体の溶解度を調節するために、前記イオン性液体の温度を調節することを特徴とする、請求項15に記載のイオン性液体を用いた有機素材精製方法。
  19. 前記排出段階で排出された前記不活性気体は、混合段階で供給される不活性気体としてリサイクルされることを特徴とする、請求項15に記載のイオン性液体を用いた有機素材精製方法。
  20. 不純物の含有されたOLED(Organic Light Emitting Diodes)用有機素材原料を加熱して昇華させる真空雰囲気の昇華手段と、
    昇華した有機素材の昇華気体をイオン性液体内に混入させて前記イオン性液体内で再結晶化させる真空雰囲気の再結晶化手段と、
    前記昇華手段および前記再結晶化手段の作動を制御する制御手段とを含んでなることを特徴とする、イオン性液体を用いた有機素材精製装置。
  21. 前記昇華手段は、前記有機素材原料を収容する坩堝と、前記坩堝が設置され、一定の内部容積を有する加熱チャンバーと、前記加熱チャンバーの内部を真空状態にする真空ポンプと、前記坩堝を加熱する第1ヒーターと、前記加熱チャンバーの一側に連結されて不活性気体を供給する不活性気体供給源とを含むことを特徴とする、請求項20に記載のイオン性液体を用いた有機素材精製装置。
  22. 前記再結晶化手段は、前記イオン性液体を収容した貯蔵槽と、一側が前記加熱チャンバーの内部と連通し、他側が前記貯蔵槽のイオン性液体に浸漬される連結導管と、前記貯蔵槽の内部を真空状態にする真空ポンプと、前記貯蔵槽のイオン性液体上に収集された気体を前記貯蔵槽の外に排出する排出ポンプとを含むことを特徴とする、請求項21に記載のイオン性液体を用いた有機素材精製装置。
  23. 前記有機素材の昇華点を維持するように前記連結導管の外部を加熱する第2ヒーターをさらに含むことを特徴とする、請求項22に記載のイオン性液体を用いた有機素材精製装置。
  24. 前記有機素材の溶解度を調節するように、前記イオン性液体入りの前記貯蔵槽の下部を加熱する第3ヒーターをさらに含むことを特徴とする、請求項22に記載のイオン性液体を用いた有機素材精製装置。
  25. 前記貯蔵槽の上部に設置され、前記有機素材の精製に使用された前記イオン性液体を真空中で一定の温度以上に加熱し、蒸発させ、不純物および溶解した有機素材との分離精製工程を経てリサイクルすることができるように収集するイオン性液体収集部をさらに含むことを特徴とする、請求項24に記載のイオン性液体を用いた有機素材精製装置。
  26. 前記イオン性液体収集部は、前記貯蔵槽の内側面に固定される収集板と、前記貯蔵槽の内側面に固定され、前記収集板によって収集されるイオン性液体を集める収集筒とを含むことを特徴とする、請求項25に記載のイオン性液体を用いた有機素材精製装置。
  27. 前記収集筒に収集されたイオン性液体をリサイクルするために前記貯蔵槽にリターンさせるイオン性液体リターン手段をさらに含むことを特徴とする、請求項26に記載のイオン性液体を用いた有機素材精製装置。
  28. 前記貯蔵槽と選択的に連通し、かつ前記貯蔵槽に対して結合及び分離可能に構成され、前記再結晶化された有機素材を別途回収する回収筒をさらに含むことを特徴とする、請求項22に記載のイオン性液体を用いた有機素材精製装置。
  29. 混合気体が前記貯蔵槽のイオン性液体内に混入することにより生成される気泡の容積を小さくする気泡微細化手段をさらに含むことを特徴とする、請求項22に記載のイオン性液体を用いた有機素材精製装置。
  30. 前記排出ポンプを介して排出された不活性気体をリサイクルするために前記不活性気体供給源にリターンさせる不活性気体リターン手段をさらに含むことを特徴とする、請求項22に記載のイオン性液体を用いた有機素材精製装置。
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