照明装置に関して、この課題は、冒頭で述べたような装置を基礎として、本発明によれば以下のことによって解決される。即ち、赤外線照射器が、800℃から1,800℃までの温度を生じさせるように設計されており、また各赤外線照射器が、50mmから500mmまでの範囲の放熱管長さを備えている円筒状の放熱管を有しており、各放熱管が、栽培面Eの上方に位置する照射器ゾーンZ内で相互に平行に延在しており、栽培面Eの面積に関する赤外線照射器の面密度が、0.2m-2から1.0m-2の間の範囲にあり、栽培面Eにおける平均放射照度が、最大で50%の変動幅を伴って10W/m2から100W/m2の間の値を取るように、隣接している赤外線照射器の照明領域が栽培面Eにおいて重畳しており、また、放熱管の上面には構造空間Bに対向している反射器が配置されていることによって、上記の課題は解決される。
自然条件下での植物の成長に必要とする太陽光は、紫外線、可視光線及び赤外線の放射成分を有している。従って自然の成長条件を再現するために、人工の照明装置は、紫外線及び/又は可視光線(以下では略してUV放射及びVIS放射とも記す)を生じさせるための照射器の他に赤外線照射器も有している。このタイプの照射器を使用することによって、人工的な栽培条件下で、一方では、植物に光合成に必要とされる放射が供給され、また他方では、植物は、植物内での最適な水及び栄養素の輸送が生じるように、赤外線照射器を介して葉の気孔の開口幅を調整することができる。それらの措置によって、植物の速い成長及び高い生産性が保証される。
もっとも、植物の可能な限り均一な成長を保証するためには、植物を可能な限り均一に、つまりほぼ一定の放射照度で照明することが必要になる。このことは特に、赤外線を植物に照射する場合にも当てはまる。赤外線の放射照度が局所的に過度に高くなると、その照射に関係する植物に悪影響が及ぼされる。これに対して、放射照度が過度に低い場合には、赤外線が気孔の開口幅に及ぼす作用が失われ、従って植物の成長が遅くなる。
本発明による照明装置では、赤外線照射器が栽培面Eの上方に位置する照射器ゾーンZ内に配置されている。ここで重要であることは、赤外線照射器が栽培面Eにおいて、全体として均一な照明面を形成することである。これによって、専ら照明面の側方に配置されていた赤外線照射器を省略することができる。
栽培面Eにおいて総じて均一な照明面を達成するために、赤外線照射器の放熱管の長手軸が相互に平行に延びるように、複数の赤外線照射器が照射器ゾーンZ内に相互に配置されており、且つ均一に分散されている。放熱管を平行に配置することによって、特に平面の均一な照明、例えば植物成長によって規定される植物面又は栽培面の均一な照明に適している、赤外線の平面状の放出が保証される。
照射器ゾーンZ内に赤外線照射器を均一に分散させるからといって、UV照射器及びVIS照射器が栽培面Eにおいて影になることは甘受されるべきではない。従って、均一な赤外線照射だけでなく、UV放射及びVIS放射により生じる栽培面E上での影の最小化が目標とされる。
放熱管の上方において、本発明による照明装置は構造空間Bを有している。この構造空間内には、照明装置の動作に必要とされる多数の構成部材、例えば赤外線照射器又は別の照射源のための電気ケーブル又は組み付け部材が配置されている。従って基本的には、赤外線放射/熱放射による構造空間の構成部材の過熱を回避することが望ましい。
構造空間及びその内部に設けられている構成部材の過熱は、本発明によれば、放熱管がその上側に、構造空間の方向へと放出される赤外線放射の伝播を低減させる反射器を有していることによって低減される。もっとも、その種の反射器はそれと同時に、例えば照射器ゾーンZ内に配置されているUV照射器及びVIS照射器に由来するUV放射/VIS放射の伝播を妨げる虞があるので、UV放射/VIS放射の可能な限り広範な放射伝播は、栽培面Eに関して可能な限り少ない数の赤外線照射器が使用されることによって、またUV放射/VIS放射の遮光が低減されるように反射器が成形されることによって保証される。
UV放射/VIS放射の遮蔽を少なくする以外にも、赤外線照射器の放射特性は重要な役割を担っている。つまり赤外線照射器の放射特性によって、赤外線放射が単純に下方にのみ反射されるのではなく、広範な照明領域に分散されるべきである。
栽培面Eを均一に照明するのと同時に、赤外線照射器の数を可能な限り少なくすることは、本発明によれば、加熱コイルの中心点を通る水平線よりも上の領域から放出された赤外線が、照射器モジュールから遠く離れた領域へと偏向されるように、放熱管の上方における反射器が成形されていることによって達成される。
従来の反射器、例えば放物面反射器又は双曲面反射器は、この機能を満たさない。何故ならば、それらの反射器は放射を特に放熱管の直下にある領域へと反射させるからである。
照射器の数が少なくなることによって、それに伴い反射器の数も少なくなる。それらの反射器は、放射による影を小さくしながら、それと同時に比較的大きい寸法を有するように設計することができるので、従って反射器は栽培面Eにおける均一な照明により一層寄与する。栽培面に関する赤外線照射器の数の最適な範囲は、0.2m-2から1.0m-2の間である。1平方メートル当りの赤外線照射器の数が0.2よりも少ない場合、均一な放射分布はコストを掛けることでしか、例えば大きい反射器を複数用いることでしか達成されないが、その場合には、照射器ゾーンZ内に同様に設けられているUV照射器及びVIS照射器の放射が妨げられる。1平方メートル当りの赤外線照射器の数が1.0よりも多い場合には、赤外線の照射の効率が低下する。何故ならば、非常に小型の赤外線照射器では、電気エネルギから赤外線放射への変換効率が明らかに低いからである。更には、組み付けコスト及び保守コストがユニットの数と共に増加する。
更には、栽培面に関する照射器の数を少なくすることによって、小型といえども出力の高い赤外線照射器を使用することができるので、そのような赤外線照射器は、比較的大きく且つ比較的出力が低い赤外線照射器に比べて変換効率が高く、従って損失熱が少なく、また比較的長い寿命を有している。この理由から、円筒状の放熱管の長さは50mmから500mmまでの範囲にある。
その種の照射器の比較的長い寿命は、個々の照射器が可能な限り高い電圧、例えば24Vから電源電圧までの範囲にある電圧で動作されることによって達成される。これによって、例えば、変圧器の数も少なくて済むので、その結果、変換器に起因する熱損失も少なくできる。しかしながらその電圧範囲では、比較的大きいが出力は弱い照射器を、弱い電流強度でしか動作させることができないので、これによって、非常に小さいフィラメント直径(0.4mm未満)を有する直線状のフィラメントを使用しなければならなくなるが、そのような直線状のフィラメントは一般的に機械的な安定性が低く、不均等な温度分布を生じさせ、また寿命も短い。
栽培面の均一な照明を達成するために、少数の照射器を使用する場合には、隣接する照射器の照明領域を重畳させ、平均放射照度が最大で50%の変動幅を有していることが必要になる。変動幅とは、栽培面Eのある点での実際の放射照度の、平均放射照度からの最大偏差であると解される。本発明によれば、実際の放射照度は、栽培面Eにおける平均放射照度から最大で±50%偏差する。栽培面における平均放射照度からの偏差は、有利には20%、特に有利には10%である。更には、植物を最適に成長させるためには、赤外線照射器の放射スペクトルが重要になる。植物の吸収スペクトルは、700nmを下回る波長領域並びに2.5μmを上回る波長領域において吸収量が多いことを特徴としている。0.7μmから2.5μmの間の範囲では、約5%の基本吸収が観測され、またほぼ無指向性の散乱が観測される。この範囲の波長を有する放射は、植物の葉の一番上の層を通り抜けることに適している。つまり基本的には、そのような放射は、葉の下側の層の照明にも利用することができるが、しかしながら極めて僅かにしか吸収されない。最適な植物の成長は、加熱フィラメントが800℃から1,800℃までの温度、有利には850℃から1,500℃までの範囲の温度を生じさせるように設計されている場合に達成される。
定格電圧において上述の範囲のフィラメント温度を有している照射器は、0.7μmから3.5μmの間の範囲にある波長において照度最大値を有している放射を放出する。
ここでは、上側の階層にある葉のみを最適に照明することが目標とされる用途と、下側の階層にある葉も照明されるべき用途とが区別される。中波の熱赤外線照射器の使用は、一番上の層にある葉において全ての放射がほぼ吸収又は反射されるべき場合には有利である。その種の照射器は定格電圧において、800℃から1,000℃の間の範囲のフィラメント温度を有している。定格電圧において1,400℃から2,200℃の間の範囲、有利には1,400℃から1,800℃の間の範囲のフィラメント温度を有している短波の熱赤外線放射は、特に上側の層にある葉を通り抜けることに適している。
1,000℃から1,400℃の間の過渡領域のフィラメント温度において生じる放射では、上記の二つのメカニズムからなる混合形態が達成される。
本発明による装置の第1の有利な実施の形態では、栽培面における平均放射照度が10W/m2から50W/m2までの値を有している。
栽培面において必要とされる平均放射照度は、栽培すべき植物の種類並びに他の周囲環境に依存する。多くの種類の植物に対して、10W/m2から50W/m2までの範囲の放射照度が成長を促進させ、従って、栽培室における植物の平均保管期間を短縮することが分かった。
本発明による照明装置の同様に有利な別の実施の形態では、複数の赤外線照射器がその長手軸の方向において相前後して並んで配置されており、また隣接する赤外線照射器はその長手軸の方向において相互に0.9mから2.3mまでの間の距離、有利には1.1mから1.7mまでの間の距離を置いて配置されている。
栽培面への紫外線/可視光線並びに赤外線の均一な照射が可能な限り廉価であることを保証するために、相反する特性、又は相互的に影響を及ぼす特性、例えば照射器の出力、照射器の大きさ及び照射器の面密度を最適化しなければならない。基本的には、赤外線照射器の照射器密度は低い方が好ましい。しかしながら、隣接する赤外線照射器の距離が0.9mよりも短くなると、照射器密度が比較的高くなり、またそれに伴い、照射器当りの定格出力が低くなり、更には、設置コスト及びランニングコストも高くなる。隣接する赤外線照射器がその長手軸の方向において、2.3mよりも長い距離を有している場合には、栽培面への赤外線の均一な照射はコストを掛けることでしか達成されない。
有利には、赤外線照射器は平行な列を成して配置されており、その場合、隣接する列は、それら隣接する列の赤外線照射器が相互に隣り合って配置されているように延びている。
つまり、隣接する列の赤外線照射器は、相互にずらされて「互い違いに」設置されるのではなく、それらの赤外線照射器の両端部は、照射器ゾーンZ内の照明フィールドの同じ長手方向位置にある。つまり隣接する赤外線照射器は同じ長さである。それによって、反射器の形状と関連して、相互的な影響が比較的少なくなり、植物面においては最適で一様な照明密度が生じる。
またこの関係において、相互に平行に配置されており且つ隣接している赤外線照射器が相互に1mから3mまでの間の距離、有利には1.3mから2.5mまでの間の距離、特に有利には1.5mから1.8mまでの間の距離を有している場合が有利であると分かった。
赤外線照射器が、栽培面まで1.0m±0.5mの範囲の距離を有している場合には有利であることが分かった。更に長い距離に関しては、既述の全ての寸法及び出力を相応にスケーリングする必要がある。
赤外線照射器から栽培面までの距離は、栽培面Eにおける放射照度及びその分布に影響を及ぼす。植物の種類に応じて、赤外線照射器と栽培面との間の0.5mから1.5mまでの距離が有利であると分かった。0.5mを下回る距離の場合、植物の照明は、その植物の成長した高さが低い間しか行えない。赤外線照射器の距離が1.5mを超えてしまうと、照明装置の小型の構造に影響が及ぼされる。
本発明による照明装置の一つの有利な修正形態においては、反射器が、長手軸の方向に見て、70mmから650mmの間、有利には250mmから450mmの間の範囲の長さと、50mmから160mmの間、有利には80mmから130mmの間の範囲の幅と、を有している。
反射器の長さは放熱管の長さに適合されている。70mmを下回る長さの反射器は、赤外線照射器の放熱管長さが少なくとも50mmである場合には、構造空間の方向への赤外線放射の放出を低減させることに限定的にしか適していない。更に、放熱管の長さがそのように短い場合には、多くの赤外線照射器が必要になり、これによって、故障が発生する確率、設置コスト及びランニングコストが高まる。最大で500mmの長さの放熱管のもとで、反射器の長さが650mmを上回ると、紫外線及び/又は可視光線の遮蔽が増加する。更に、比較的大きい反射器の使用は不利である。何故ならば、その場合には、比較的大きいにもかかわらず出力が比較的低く、更には弱い電流強度で動作される照射器も使用しなければならないからである。そのような照射器ではやはり、フィラメント直径が非常に小さい(0.4mm未満)直線状のフィラメントを使用することが必要になる。そのようなフィラメントは一般的に機械的な安定性が低く、不均等な温度分布を生じさせ、また寿命も短い。
同じ理由から、50mmから160mmの間の反射器の幅は、上方に向けられた赤外線放射の遮蔽と、栽培面への紫外線及び/又は可視光線の照射の妨害との間の適切な妥協案を提供する。
本発明による照明装置の同様に有利な修正形態では、反射器が拡散反射性の表面を有している。
光の拡散反射は、向きの異なる複数の面要素を有している粗い表面に光が入射した際に生じる。拡散反射性の表面に入射した光線は、表面構造によって多数の異なる方向へと反射され、その結果、散乱光が得られる。散乱光は特に、均等な放射照度を生じさせることに適している。何故ならば、放射照度における極大値が低下し、栽培面Eにおける最小の放射照度と最大の放射照度との差が小さくなるからである。
ここで、表面が機械的に型押しされた構造化部を有している場合、即ち、例えばハンマー加工されたアルミニウムから作製されている場合が有利であると分かった。これについては、例えばALANOD Aluminium-Veredlung GmbHのMIRO(登録商標)-DESSIN材料が適していると考えられる。
ハンマー加工されたアルミニウムから成る表面は拡散反射を生じさせ、またその粗い表面構造に基づき、放射損失を減少させ、更にはそのような表面を簡単且つ廉価に作製することが可能である。
本発明による照明装置の一つの別の有利な実施の形態では、放熱管の被覆面の側面領域に、長手軸方向に延びる第1の反射器ストリップが取り付けられている。
放熱管の被覆面に取り付けられた反射器ストリップは、被覆面のその領域において、赤外線放射の放出を阻止する。それによって、同様に照射器ゾーンZ内に設けられているUV照射源/VIS照射源の方向における側方への放出が低減されるだけでなく、構造空間の方向への放出も低減され、しかも、被覆角度の大きさに応じて低減される。放熱管に反射器ストリップを直接的に取り付けることによって、効率を維持しながら、放熱管の上方に設けられている反射器を小型化することができ、これは構造空間の方向における赤外線放射の伝播の低減に関係する。更には、放熱管の上方に設けられている比較的小型の反射器によって、照射器ゾーンZ内に組み付けられているUV照射器/VIS照射器から放出される光線の妨害が少なくなるので、その結果、紫外線及び/又は可視光線の均一な照射が実現される。
金、不透明な石英ガラス(二酸化ケイ素)又はセラミック(例えば酸化アルミニウム)から反射器ストリップが作製されている場合には有利であることが分かった。
それらの材料から成る反射器ストリップは、赤外線の領域では強い反射を示し、また良好な化学的耐性を示し、また部分的には、高い温度耐性を示す点で優れている。更には、それらの反射器ストリップを簡単に放熱管に取り付けることができる。
放熱管が円形の断面を有している場合には好適であることが分かった。その場合、反射器ストリップは、フィラメントの中心点を通って延びる水平線に対して、−40°から+40°の間、有利には−30°から+30°の間の被覆角度を成す、放熱管の円弧を覆っている。
その種の被覆角度を有する反射器ストリップは、水平線よりも上及び下の側方において放熱管を覆っている。水平線よりも上の被覆角度と水平線よりも下の被覆角度が異なっていても良く、その場合、必要であれば、水平線よりも下の被覆角度の値が有利には水平線よりも上の被覆角度よりも小さくされる。反射器ストリップが水平線の上下に位置する被覆角度領域内に配置されていることによって、一方では、水平線に関して平坦な放出角度を有する、構造空間の方向及び照射器ゾーン内のUV照射源/VIS照射源の方向における赤外線の放出を低減することができ、また他方では、平坦な放出角度を有している、斜め下の方向における赤外線の放出を低減することができる。
本発明による照明装置の最後に説明した実施の形態の有利な構成では、別の反射器ストリップが被覆面に取り付けられており、この別の反射器ストリップは、フィラメントの中心点を通って延びる垂直線について、第1の反射器ストリップに対して鏡面対称に配置されている。
第1の反射器ストリップに対して鏡面対称に取り付けられている別の反射器ストリップは、栽培面の対称的で均一な照明に寄与する。
反射器ストリップが拡散反射性の表面を有している場合には有利であることが分かった。
その種の反射器ストリップは、栽培面Eの均質な照明に寄与する。
本発明による照明装置の一つの有利な修正形態では、放熱管の側方において、複数の付加的な反射器がそれぞれ反射器平面に配置されており、その場合には、反射器平面が水平線に対して25°から70°の間の角度を成し、また、反射器の寸法及び放熱管からの距離は、以下のように、調整されている。即ち、それらの反射器によって、赤外線照射器から放出される赤外線放射が、放熱管のフィラメントの中心点を起点として、それぞれが水平線に対して−40°から+40°の間の角度、有利には−30°から+30°の間の角度を成す二つの平面によって表される空間領域へと直接的に放出されることが阻止されるように、反射器の寸法及び放熱管からの距離は調整されている。
放熱管の側方に配置されている二つの付加的な反射器は、直線状に成形されているか、又は円錐曲線として成形されている。それらの側方の反射器は、フィラメントの中心点を通って延びる水平線に対して−40°から+40°の間の角度、有利には−30°から+30°の間の角度を成す放熱管の円弧の領域に由来する放射を反射する。またそれらの側方の反射器は、水平線に対して25°から70°の間の角度で設けられている。
水平線よりも上の被覆角度と水平線よりも下の被覆角度が異なっていても良く、その場合、必要であれば、水平線よりも下の被覆角度の値が有利には水平線よりも上の被覆角度よりも小さくされる。側方の反射器が水平線の上下に位置する角度領域を覆っていることによって、一方では、水平線に関して平坦な放出角度を有する、構造空間の方向及び照射器ゾーン内のUV照射源/VIS照射源の方向における赤外線放射の放出を低減することができ、また他方では、斜め下の方向における赤外線放射の側方の放出を、水平線に対する反射器の角度を調整することによって、又は、円錐曲線の種類及び形状を介して制御することができる。
本発明による照明装置の最後に説明した実施の形態の一つの有利な構成では、側方の反射器が拡散反射性の表面を有している。
本発明による照明装置の別の有利な修正形態では、反射器に二つの翼部が接続されており、それらの翼部は水平線に対してそれぞれ20°から40°の間の範囲の角度を成している。
翼部は特に、構造空間の方向への赤外線放射の放出を低減する。更に、翼部は照射器ゾーン内のUV照射源/VIS照射源の方向における赤外線放射の側方への放出も低減させる。従ってそれらの翼部は、上記において説明したように、照明装置の高いエネルギ効率に寄与する。
反射器が反射器鏡映面に対して鏡面対称性を有している場合には有利であることが分かった。その場合、反射器鏡映面に対して垂直の方向における断面では、反射器の対称性をなしている部分の半部の形状が円錐曲線によって表され、その場合、反射器は中心に向かうに連れて放熱管の方向へと尖っていく経過を有している。
円錐曲線は、円錐又は双円錐の表面を任意の平面で切断したときの断面である。円錐曲線は、例えば楕円、放物線又は双曲線であり、式y2=2Rx−(k+1)x2によって定義される。ここでRは曲率半径であり、kは円錐曲線の円錐定数である。この種の反射器を用いることによって、特に照明領域が大きい照明の場合には、栽培面における均一な照明分布を達成できることが分かった。
放熱管の表面の少なくとも一部が散光器として機能し、入射した放射を拡散性に散乱させる場合には好適であることが分かった。
入射した放射を拡散性に散乱させる表面によって、放射の伝播は基本的には均一で無指向性となる。従って、散光器は照明装置における植物の均一な照明に寄与する。一つの有利な実施の形態では、放熱管の表面全体が散光器として構成されている。
これに関して、放熱管は有利には、散光器として機能し、且つ、平均粗さRaを有する粗面化された表面を備えている。ここで平均粗さRaは、0.3μmから10μmの間の範囲、有利には0.8μmから3μmの間の範囲にある。
粗面化された表面は散光器として機能するが、その散光特性は表面の平均粗さに依存する。平均粗さRaはドイツ工業規格DIN EN ISO 4288:1988に従い、垂直方向測定量として求められる。その種の粗さを有する粗面化された表面によって生じる散乱はほぼランバート散乱である。反射器に入射した放射の後方散乱の割合は0%から6%の間である。0.3μmよりも低い平均粗さを有する表面では、後方散乱される放射の割合が高い。
照明装置が側壁を備えているハウジングを含み、それらの側壁のうちの少なくとも一つの側壁には反射シート、例えばアルミニウムから成る反射シートが取り付けられている場合には好適であることが分かった。
照明装置の側壁に取り付けられている反射シートによる反射性の内側ライニングは、何よりも放射損失を低減させ、また栽培面に関する放射照度の均一な分布に寄与することができる。対向する二つの側壁又は四つ全ての側壁に反射シートが取り付けられている場合には、非常に対称的で均質な放射分布が得られる。
反射性の内側ライニングを使用する場合には、特に、放射の一部が水平線に関して平坦な角度で下方に向かって、照射モジュールから更に離れた領域へと放出されるように構成されている反射器を備えている赤外線照射モジュールを使用することができ、これは、その照射モジュールの照明領域を、一番近くに隣接している照射モジュールの奥に位置し且つ平行に配置されている照射モジュールの照明領域に重畳させることに寄与し、また栽培面に関する放射照度の均一な分布に寄与する。
反射性の内側ライニングが使用されない場合には、特に、放射の大部分が照射モジュールの下方に位置する領域へと放出され、その結果、その照射モジュールの照明領域が主として、一番近くに隣接しており且つ平行に配置されている照射モジュールの照明領域と重畳するように構成されている反射器を備えている照明モジュールを使用することができる。
照射器モジュールに関して、上述の課題は、冒頭で述べたような照射器モジュールを基礎として、本発明によれば、赤外線照射器が、放熱管長手軸と、50mmから500mmまで、有利には150mmから350mmまでの放熱管長さと、その内部に配置されている、800℃から1,800℃までの温度を生じさせるように設計されている加熱フィラメントと、を備えた円筒状の放熱管を有し、放熱管の側面には反射器が配置されていることによって解決される。
照射器モジュールは、本発明による照明装置において使用するために設けられている。この照明装置については、上述の説明を参照されたい。
照射器モジュールは植物を照明するために設計されている。特に、50mmから500mmまで、有利には150mmから350mmまでの放熱管長さを有している円筒状の放熱管を備えている赤外線照射器は、栽培面における均一な放射照度に関して良好な結果が達成されるスケールを有している。それらの赤外線照射器は、栽培面において、10W/m2から100W/m2までの平均放射照度を達成することに適している。
更に、加熱フィラメントが800℃から1,800℃までの温度を生じさせるように設計されている場合には、最適な植物成長が達成されることが分かった。定格電圧において上述の範囲のフィラメント温度を有している照射器は、0.7μmから3.5μmの間の範囲にある波長において照度最大値を有している放射を放出する。従って、放出された放射は上側の層にある葉の照明にも、下側の層にある葉の照明にも使用される。
適切な修正形態は、本発明による照明装置についての上記の説明を参照されたい。
以下では、複数の実施例に基づき本発明を詳細に説明する。