JP2016506205A - 上方発射ドライバを使った反射音レンダリングのための仮想高さフィルタ - Google Patents

上方発射ドライバを使った反射音レンダリングのための仮想高さフィルタ Download PDF

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Abstract

諸実施形態は、スピーカーからある距離にある聴取位置に向けて天井で音を反射させるスピーカーおよび回路に向けられる。反射された音は、頭上のオーディオ成分をもつオーディオ・オブジェクトを再生するための高さ手がかりを提供する。前記スピーカーは、前記上表面から音を反射させるための上方発射ドライバを有し、仮想高さスピーカーを表わす。方向性聴覚モデルに基づく仮想高さフィルタが、上方発射ドライバ信号に適用されて、前記仮想高さスピーカーによって送信されるオーディオ信号のための高さの知覚を改善して、頭上で反射される音の最適な再生を提供する。さらに、仮想高さフィルタは、フル帯域を分離し、高周波音を上方発射ドライバに送るクロスオーバー回路の一部として組み込まれてもよい。

Description

関連出願への相互参照
本願は、2013年1月7日に出願された米国仮特許出願第61/749,789号、2013年6月14日に出願された米国仮特許出願第61/835,466号および2013年12月11日に出願された米国仮特許出願第61/914,854号の優先権を主張するものである。各出願の内容はここに参照によってその全体において組み込まれる。
発明の分野
一つまたは複数の実装は、概括的にはオーディオ信号処理に、より詳細には、上方発射スピーカーによって生成される反射信号を使った適応オーディオ・コンテンツをレンダリングするためのスピーカーおよび回路に関する。
デジタル映画館の到来は、映画館のサウンドについての新たなスタンダードを作り出した。たとえば、コンテンツ・クリエーターにとってのより大きな創造性を許容する複数チャネル・オーディオの組み込みや、聴衆にとってより包み込むような、リアルな聴覚経験などである。空間的オーディオ・コンテンツを配送し、種々の再生構成においてレンダリングする手段として伝統的なスピーカー・フィードおよびチャネル・ベースのオーディオを超えて拡張する、モデル・ベースのオーディオ記述が開発されている。真の三次元(3D)または仮想3D環境での音の再生は、ますます研究開発がされる領域となっている。音の空間的呈示はオーディオ・オブジェクトを利用する。オーディオ・オブジェクトは、見かけの源位置(たとえば3D座標)、見かけの源幅および他のパラメータの、関連付けられたパラメトリックな源記述をもつオーディオ信号である。オブジェクト・ベースのオーディオは、デジタル映画、ビデオ・ゲーム、シミュレータのような多くのマルチメディア・アプリケーションのために使用されることができ、スピーカーの数および配置が一般に、比較的小さな聴取環境の範囲によって制限または制約されている家庭環境において特に重要である。
完全な映画館環境およびより小規模な家庭環境の両方におけるサウンドトラックのために、クリエーターの芸術的な意図をより正確に捉えて再現するために、さまざまな技術が開発されてきた。次世代空間的オーディオ(「適応オーディオ(adaptive audio)」とも称される)フォーマットが開発されているが、これは、オーディオ・オブジェクトについての位置メタデータとともに、オーディオ・オブジェクトおよび伝統的なチャネル・ベースのスピーカー・フィードの混合を含む。空間的オーディオ・デコーダでは、チャネルは関連付けられたスピーカーに直接送られるまたは既存のスピーカー・セットに下方混合〔ダウンミキシング〕され、オーディオ・オブジェクトは柔軟な仕方でデコーダによってレンダリングされる。3D空間における位置軌跡のような各オブジェクトに関連付けられたパラメトリックな源記述は、デコーダに接続されたスピーカーの数および位置とともに、入力として取られる。レンダラーは、各オブジェクトに関連付けられたオーディオを、一組の取り付けられたスピーカーを横断して分配するようある種のアルゴリズムを利用する。こうして、各オブジェクトのオーサリングされた空間的意図は、聴取環境に存在している特定のスピーカー構成を通じて最適に提示される。
現在の空間的オーディオ・システムは一般に、映画館での使用のために開発されており、よって大きな部屋での配備および劇場に分布された複数のスピーカーのアレイを含む比較的高価な設備の使用を必要とする。しかしながら、ストリーミング技術やブルーレイ・ディスクなどのような進んだ媒体技術を通じて、進んだオーディオ・コンテンツがますます大量に、家庭環境での再生のために利用可能にされつつある。さらに、3Dテレビジョンおよび進んだコンピュータ・ゲームおよびシミュレータのような台頭しつつある技術は、家庭および他の聴取環境において、大画面モニタ、サラウンドサウンド受信機およびスピーカー・アレイといった、比較的洗練された設備の使用を促進しつつある。そのようなコンテンツの利用可能性にもかかわらず、設備コスト、設置の複雑さおよび部屋サイズが、たいていの家庭環境において空間的オーディオをフルに活用することを妨げる現実的な制約条件であり続けている。たとえば、進んだオブジェクト・ベースのオーディオ・システムは典型的には、聴取者の頭上で発することが意図されている音を再生するために、頭上または高さスピーカーを用いる。多くの場合、特に家庭環境では、そのような高さスピーカーは利用可能ではないことがある。この場合、そのような音オブジェクトが床および壁に取り付けたスピーカーを通じてのみ再生されるならば、高さ情報は失われる。
したがって、必要とされているのは、限られた頭上スピーカーまたは頭上スピーカーなしといった、再生のために意図された完全なスピーカー・アレイの一部のみを含みうる聴取環境であって、直接的なスピーカーが存在しないことがある位置において音を反射するために上方に向けられたスピーカーを利用することができる環境において、適応オーディオ・システムの完全な空間的情報が再生されることができるようにするシステムである。
さらに必要とされているのは、聴取環境の上表面で反射されることが意図されているオーディオ信号における高さ音成分から直接音成分を低減するまたは消去するよう、所望される周波数伝達関数を適用するフィルタリング方法である。
さらに必要とされているのは、前記上表面で音を反射させるよう構成されたスピーカーのトランスデューサ設計に直接、前記所望される周波数伝達関数を組み込むスピーカー・システムである。
背景セクションで論じられている主題は、単に背景セクションで言及されていることの結果として従来技術であると想定されるべきではない。同様に、背景セクションにおいて言及されているまたは背景セクションの主題に関連する問題は、従来技術において以前から認識されていたと見なされるべきではない。背景セクションにおける主題は単に、種々のアプローチを表わすものであり、それらのアプローチ自身も発明であることがありうる。
諸実施形態は、スピーカーからある距離にある聴取位置に向けて天井または上表面で音を反射させるスピーカーおよび回路に向けられる。反射された音は、頭上のオーディオ成分をもつオーディオ・オブジェクトを再生するための高さ手がかりを提供する。前記スピーカーは、前記上表面から音を反射させるための一つまたは複数の上方発射ドライバを有し、仮想高さスピーカーを表わす。方向性聴覚モデルに基づく仮想高さフィルタが、上方発射ドライバ信号に適用されて、前記仮想高さスピーカーによって送信されるオーディオ信号のための高さの知覚を改善して、頭上で反射される音の最適な再生を提供する。さらに、仮想高さフィルタは、フル帯域を分離し、高周波音を上方発射ドライバに送るクロスオーバー回路の一部として組み込まれてもよい。自動部屋等化および他の異常打ち消しプロセスを実行するシステムにおいては、較正を提供し、仮想高さフィルタリングを維持するために、部屋補正プロセスも使用される。
そのようなスピーカーおよび回路は、反射音要素を使って音をレンダリングするための適応オーディオ・システムとの関連で使用されるよう構成される。前記システムは、聴取環境のあたりでの分配のためのオーディオ・ドライバのアレイであって、前記ドライバのいくつかは直接ドライバであり、他のドライバは特定の聴取領域への反射のために音波を聴取環境の天井に向けて投射する上方発射ドライバである、アレイと;諸オーディオ・ストリームならびに各オーディオ・ストリームに関連付けられ、それぞれのオーディオ・ストリームの聴取環境における再生位置を指定する一つまたは複数のメタデータ・セットを処理するレンダラーであって、前記オーディオ・ストリームは一つまたは複数の反射オーディオ・ストリームおよび一つまたは複数の直接オーディオ・ストリームを含む、レンダラーと;前記一つまたは複数のメタデータ・セットに従ってオーディオ・ドライバの前記アレイに前記オーディオ・ストリームをレンダリングするための再生システムとを有し、前記一つまたは複数の反射オーディオ・ストリームは前記反射オーディオ・ドライバに伝送される。
諸実施形態はさらに、前記上面で音を反射させるよう構成されたスピーカーのトランスデューサ設計中に、所望される周波数伝達関数を直接組み込むスピーカーまたはスピーカー・システムに向けられる。ここで、前記所望される周波数伝達関数は、レンダラーによって生成される適応オーディオ信号における高さ音成分から直接音成分をフィルタリングする。
諸実施形態はさらに、オーディオ再生システムにおいて高さ音成分から直接音成分をフィルタリングする周波数伝達関数を使って反射音成分のレンダリングおよび再生を最適化するスピーカー、回路およびトランスデューサ設計の作成および使用または配備の方法に向けられる。
〈参照による組み込み〉
本明細書において言及される各刊行物、特許および/または特許出願はここに参照によって、個々の各刊行物および/または特許出願が具体的かつ個別的に参照によって組み込まれることが示されている場合と同じ程度にその全体において組み込まれる。
以下の図面では、同様の参照符号が同様の要素を指すために使われる。以下の図はさまざまな例を描いているが、前記一つまたは複数の実装は図面に描かれる例に限定されるものではない。
聴取環境における頭上スピーカーをシミュレートするために反射音を使う上方発射ドライバの使用を示す図である。 ある実施形態のもとでの、統合された仮想高さおよび前方発射スピーカーを示す図である。 ある実施形態のもとでの、方向性の聴覚モデルから導出される仮想高さフィルタの絶対値応答を示すグラフである。 Aは、ある実施形態のもとでの、上方発射ドライバをもつスピーカー・ユニットの一部として組み込まれる仮想高さフィルタを示す図である。Bは、ある実施形態のもとでの、上方発射ドライバを駆動するレンダリング・ユニットの一部として組み込まれる仮想高さフィルタを示す図である。 ある実施形態のもとでの、位置情報およびバイパス信号を受領する高さフィルタを示す図である。 ある実施形態のもとでの、仮想高さスピーカーにおいて使われる上方発射ドライバの傾斜角を示す図である。 ある実施形態のもとでの、クロスオーバー回路を含む仮想高さフィルタ・システムを示す図である。 ある実施形態のもとでの、仮想高さフィルタとの関連で使われる二帯域クロスオーバー・フィルタの高レベルの回路図である。 ある実施形態のもとでの、高域通過フィルタリング経路における仮想高さフィルタリングを実装する二帯域クロスオーバーを示す図である。 ある実施形態のもとでの、種々の高周波ドライバとともに使うための、上方発射および前方発射スピーカー・クロスオーバー・フィルタ・ネットワークを組み合わせるクロスオーバーを示す図である。 ある実施形態のもとでの、図8の二帯域クロスオーバーの周波数応答を示す図である。 ある実施形態のもとでの、仮想高さフィルタとともに使うためのさまざまな異なる上方発射および直接もしくは前方発射スピーカー構成を示す図である。 ある実施形態のもとでの、部屋補正および仮想高さスピーカー検出機能を含む仮想高さレンダリング・システムのブロック図である。 ある実施形態のもとでの、較正のためのプリエンファシス・フィルタリングの効果を表示するグラフである。 ある実施形態のもとでの、適応オーディオ・システムにおいて仮想高さフィルタリングを実行する方法を示す流れ図である。 Aは、ある実施形態のもとでの、アナログ仮想高さフィルタ回路を示す回路図である。Bは、所望される応答曲線との関連でAの回路の例示的な周波数応答曲線を示す図である。 Aは、ある実施形態のもとでの、仮想高さフィルタ回路のデジタル実装のための例示的な係数値を示す図である。Bは、所望される応答曲線とともにAのフィルタの例示的な周波数応答曲線を示す図である。 ある実施形態のもとでの、統合されたキャビネット内で直接および上方発射ドライバを統合するスピーカーを示す図である。 聴取環境内での上方発射ドライバおよび仮想高さフィルタ・コンポーネントをもつスピーカーの例示的な配置を示す図である。 ある実施形態のもとでの、高さ固有のトランスデューサ設計における使用のための、高さ手がかりフィルタ伝達関数を示す図である。
頭上の音オブジェクトを再現し、仮想高さ手がかりを提供するために反射音を使ってオブジェクト・ベースのオーディオ・コンテンツをレンダリングするために仮想高さフィルタ回路を組み込む上方発射スピーカーを通じて、適応オーディオ・システムのための反射音をレンダリングする適応オーディオ・システムのためのシステムおよび方法が記述される。本稿に記述される前記一つまたは複数の実施形態の諸側面は、ソフトウェア命令を実行する一つまたは複数のコンピュータまたは処理装置を含む混合、レンダリングおよび再生システムにおいて源オーディオ情報を処理するオーディオもしくはオーディオ・ビジュアル(AV)システムにおいて実装されてもよい。上記の実施形態の任意のものは、単独でまたは任意の組み合わせにおいて互いと一緒に使用されうる。さまざまな実施形態が、本明細書の一つまたは複数の場所で論じられるまたは暗示されることがありうる従来技術でのさまざまな欠点によって動機付けられていることがありうるが、それらの実施形態は必ずしもこれらの欠点のいずれかに取り組むものではない。つまり、種々の実施形態は本明細書において論じられることがある種々の欠点に取り組むことがある。いくつかの実施形態は、本明細書において論じられることがあるいくつかの欠点または一つだけの欠点に部分的に取り組むだけであることがあり、いくつかの実施形態はこれらの欠点のどれにも取り組まないこともある。
本記述の目的のためには、以下の用語は関連付けられた意味をもつ:用語「チャネル」は、オーディオ信号にメタデータを加えたものを意味する。メタデータにおいて、位置はチャネル識別子、たとえば左前方または右上方サラウンドとして符号化される。「チャネル・ベースのオーディオ」は、関連付けられた公称位置をもつスピーカー・ゾーンのあらかじめ定義されたセット、たとえば5.1、7.1などを通じた再生のためにフォーマットされたオーディオである。用語「オブジェクト」または「オブジェクト・ベースのオーディオ」は、見かけの源位置(たとえば3D座標)、見かけの源幅などといったパラメトリックな源記述をもつ一つまたは複数のオーディオ・チャネルを意味する。「適応オーディオ」は、チャネル・ベースのおよび/またはオブジェクト・ベースのオーディオ信号に、オーディオ・ストリームに位置が空間内の3D位置として符号化されているメタデータを加えたものを使って、再生環境に基づいてオーディオ信号をレンダリングするメタデータを加えたものを意味する。「聴取環境」は、任意の開けた、部分的に囲まれたまたは完全に囲まれた領域、たとえば部屋であって、オーディオ・コンテンツを単独でまたはビデオまたは他のコンテンツと一緒に再生するために使用できる領域を意味し、自宅、映画館、シアター、講堂、スタジオ、ゲーム・コンソールなどにおいて具現されることができる。そのような領域は、壁またはバッフルのような、直接的にまたは拡散的に音波を反射できる一つまたは複数の表面が中に配置されていてもよい。
諸実施形態は、「空間的オーディオ・システム」または「適応オーディオ・システム」と称されることがある音フォーマットおよび処理システムと協働するよう構成されている反射音レンダリング・システムに向けられる。そのようなシステムは、向上した聴衆没入感、より大きな芸術的制御ならびにシステム柔軟性およびスケーラビリティーを許容するためのオーディオ・フォーマットおよびレンダリング技術に基づく。全体的な適応オーディオ・システムは一般に、通常のチャネル・ベースのオーディオ要素およびオーディオ・オブジェクト符号化要素の両方を含む一つまたは複数のビットストリームを生成するよう構成されたオーディオ・エンコード、配送およびデコード・システムを含む。そのような組み合わされたアプローチは、別個に実施されるチャネル・ベースまたはオブジェクト・ベースのアプローチのいずれと比べても、より大きな符号化効率およびレンダリング柔軟性を提供する。本願の実施形態との関連で使用されてもよい適応オーディオ・システムの例は、2012年4月20日に出願された、「適応オーディオ信号生成、符号化およびレンダリングのためのシステムおよび方法」と題する係属中の米国仮特許出願第61/636,429号において記述されている。同出願はここに参照によって組み込まれ、付録1として添付される。
一般に、オーディオ・オブジェクトは、聴取環境における特定の物理的位置(単数または複数)から発するように知覚されうる音要素の群と考えることができる。そのようなオブジェクトは静的(定常)または動的(動いている)であることができる。オーディオ・オブジェクトは、他の機能とともに所与の時点における音の位置を定義するメタデータによって制御される。オブジェクトが再生されるとき、オブジェクトは、必ずしもあらかじめ定義された物理チャネルに出力されるのではなく、位置メタデータに従って、存在している諸スピーカーを使ってレンダリングされる。
適応オーディオ・システムおよび関連付けられたオーディオ・フォーマットの例示的な実装は、ドルビー(登録商標)Atmos(商標)プラットフォームである。そのようなシステムは、9.1サラウンド・システムまたは同様のサラウンドサウンド構成(たとえば、11.1、13.1、19.4など)として実装されてもよい高さ(上下)次元を組み込む。9.1サラウンド・システムは、床面における五つのスピーカーおよび高さ面における四つのスピーカーを合成したものを含んでいてもよい。一般に、これらのスピーカーは、聴取環境内で多少なりとも正確に任意の位置から発するよう設計された音を生じるために使用されうる。典型的な商業的または業務用の実装では、高さ面におけるスピーカーは通例、映画館でしばしば見られるように、天井に取り付けられたスピーカーまたは聴衆より上で壁面の高いところに取り付けられたスピーカーとして設けられる。これらのスピーカーは、頭上位置から聴衆に音波を直接下向きに送出することによって、聴取者の頭上に聞こえることが意図されている信号のための高さ手がかりを提供する。
〈仮想高さスピーカー・システム〉
典型的な家庭環境のような多くの場合、天井に取り付けられた頭上スピーカーは利用可能ではないまたは設置するのが現実的ではない。この場合、高さ次元は、床または低い壁に取り付けられたスピーカーによって提供される必要がある。ある実施形態では、高さ次元は、天井から音を反射させることによって高さスピーカーをシミュレートする上方発射スピーカーによって提供される。適応オーディオ・システムでは、これらの上方発射スピーカーを通じて頭上オーディオ・コンテンツを再現するために、ある種の仮想化技術がレンダラーによって実装され、それらのスピーカーは、どのオーディオ・オブジェクトが標準的な水平面より上にレンダリングされてオーディオ信号をしかるべく方向付けるべきかに関する個別的な情報を使用する。
記述のため、用語「ドライバ」は、電気的なオーディオ入力信号に応答して音を生成する単一の電気音響トランスデューサを意味する。ドライバは、いかなる適切な型、幾何構成およびサイズで実装されてもよく、ホーン、コーン、リボン・トランスデューサなどを含みうる。用語「スピーカー」は、ユニット的な(unitary)エンクロージャー内の一つまたは複数のドライバを意味する。用語「キャビネット」または「筐体」は、一つまたは複数のドライバを囲む前記ユニット的なエンクロージャーを意味する。
図1は、一つまたは複数の頭上スピーカーをシミュレートするために反射音を使う上方発射ドライバの使用を示している。描画100は、聴取位置106が聴取環境内の特定の位置に位置される例を示している。本システムは、高さ手がかりを含むオーディオ・コンテンツを送出するためにいかなる高さスピーカーをも含まない。その代わり、スピーカー・キャビネットまたはスピーカー・アレイは、前方発射ドライバ(単数または複数)とともに上方発射ドライバを含む。上方発射ドライバは、(位置および傾斜角に関しては)その音波108を天井102の特定の点104に向けて上方に送るよう構成され、音波はその点で下方に反射されて、聴取位置106に届く。天井は、音を十分に下方の聴取環境中に反射するよう、適切な材料および組成で作られていることが想定される。上方発射ドライバの関連する特性(たとえば、サイズ、パワー、位置など)は、天井組成、部屋サイズおよび聴取環境の他の関連する特性に基づいて選択されてもよい。
図1の実施形態は、前方発射ドライバ(単数または複数)が第一のキャビネット112内に囲まれており、上方発射ドライバが第二の別個のキャビネット110内に囲まれている場合を示している。仮想高さスピーカーについての上方発射スピーカー110は一般に、前方発射スピーカー112の上に位置されるが、他の配向も可能である。複数のシミュレートされた高さスピーカーを作り出すために、任意の数の上方発射ドライバが使われることもできることを注意しておくべきである。あるいはまた、ある種の音強度または効果を達成するために、いくつかの上方発射ドライバが、音を実質的に天井の同じスポットに送出するよう構成されていてもよい。
図2は、上方発射ドライバ(単数または複数)および前方発射ドライバ(単数または複数)が同じキャビネット内に設けられる実施形態を示している。図2に示されるように、スピーカー・キャビネット202は、前方発射ドライバ206および上方発射ドライバ204の両方を含む。図1および図2のそれぞれには一つの上方発射ドライバしか示されていないが、いくつかの実施形態では、複数の上方発射ドライバが再生システムに組み込まれてもよい。図1および図2の実施形態については、要求される周波数応答特性およびサイズ、パワー定格、コンポーネント・コストなどといった他の任意の関連する制約条件に依存して、ドライバは任意の適切な形、サイズおよび型であってもよいことを注意しておくべきである。
図1および図2に示されるように、上方発射ドライバは、音を天井に向かう角度で上方に投射するよう位置され、すると音は天井で下方にはね返って聴取者に届く。傾斜の角度は、聴取環境特性およびシステム要件に依存して設定されてもよい。たとえば、上方ドライバ204は、20度から60度まで上方に傾けられてもよく、前方発射ドライバ206から生成される音波との干渉を最小にするために、スピーカー・エンクロージャー202内で前方発射ドライバ206より上に位置されてもよい。上方発射ドライバ204は固定角で設置されてもよく、あるいは傾斜角が手動で調節されうるように設置されてもよい。あるいはまた、上方発射ドライバの傾斜角および投射方向の自動的または電気的な制御を許容するために、サーボ機構が使用されてもよい。環境音のようなある種の音について、上方発射ドライバは、スピーカー・エンクロージャー202の上表面から真上に向けられて、「頂部発射」ドライバと称されうるものを作り出してもよい。この場合、天井の音響特性に依存して、音の大きな成分がスピーカー上に反射して戻ってくることがある。しかしながら、たいていの場合、天井からの反射を通じて音を聴取環境内の異なるまたはより中心の位置に投射するのを助けるために、何らかの傾斜角が使用されるのが通例である。
ある実施形態では、適応オーディオ・システムは、頭上オーディオ・オブジェクトについて高さ要素を提供するために上方発射ドライバを利用する。これは、図1および図2に示されるように、部分的には上方からの反射音の知覚を通じて達成される。しかしながら、実際上は、音は、上方発射ドライバから、反射経路に沿って完全に方向性の仕方で放射されるのではない。上方発射ドライバからのいくらかの音は、直接、ドライバから聴取者への経路に沿って進み、反射位置からくる音の知覚を減じる。所望される反射音に比較してのこの望ましくない直接音の量は、一般には、上方発射ドライバ(単数または複数)の指向性パターンの関数である。この望ましくない直接音を補償するために、上方発射ドライバに供給されるオーディオ信号に知覚的な高さ手がかりを導入するための信号処理を組み込めば仮想高さ信号の位置決めおよび知覚される品質が改善されることが示された。たとえば、上方発射ドライバによって再生されるオーディオを処理するために使われるときに再生の知覚される品質を改善する仮想高さフィルタを作り出すための方向性聴覚モデル(directional hearing model)が開発された。ある実施形態では、仮想高さフィルタは、聴取位置に対する物理的なスピーカー位置(ほぼ聴取者と同じ水平面)および反射スピーカー位置(聴取者の上方)の両方から導出される。物理的なスピーカー位置については、該スピーカー位置から聴取位置にいる聴取者の耳へ直接伝わる音のモデルに基づいて、第一の方向性フィルタが決定される。そのようなフィルタは、方向性聴覚のモデル、たとえばHRTF(頭部伝達関数)またはパラメトリック・バイノーラル聴覚モデル、耳介モデルまたは高さを知覚するのを助ける手がかりを利用する他の同様の伝達関数モデルから導出されてもよい。耳介モデルを考慮に入れるモデルは、高さがどのように知覚されるかを定義するのを助けるので、一般的に有用であるが、フィルタ関数は耳介効果を単離することを意図したものではなく、むしろ、ある方向からの音レベルの別の方向に対する比を処理するために意図されている。耳介モデルは使用されうるバイノーラル聴覚モデルのそのようなモデルの例であり、他のモデルが使われてもよい。
次にこのフィルタの逆が決定され、直接、物理的なスピーカー位置から聴取者への経路に沿って伝わるオーディオについての方向手がかりを除去するために使われる。次に、反射スピーカー位置について、同じ方向性聴覚のモデルを使って、直接、反射スピーカー位置から同じ聴取位置にいる聴取者の耳に進む音のモデルに基づいて、第二の方向性フィルタが決定される。このフィルタは直接適用され、本質的には、音が聴取者の上方の反射スピーカー位置から発したとしたら耳が受けるであろう方向手がかりを付与する。実際上は、これらのフィルタを組み合わせて、物理的なスピーカー位置からの方向手がかりを少なくとも部分的に除去することと反射スピーカー位置からの方向手がかりを少なくとも部分的に挿入することの両方を行なう単一のフィルタを許容してもよい。そのような単一のフィルタは、本稿で「高さフィルタ伝達関数」、「仮想高さフィルタ応答曲線」、「所望される周波数伝達関数」、「高さ手がかり応答曲線」などと称される周波数応答曲線を提供する。これはオーディオ再生システムにおいて高さ音成分から直接音成分をフィルタリングするフィルタまたはフィルタ応答曲線を記述するものである。
フィルタ・モデルに関して、P1が物理的なスピーカー位置からの音伝達をモデル化する第一のフィルタのdBでの周波数応答を表わし、P2が反射スピーカー位置からの音伝達をモデル化する第二のフィルタのdBでの周波数応答を表わすとすると、dBでの仮想高さフィルタPTの全応答は、PT=α(P2−P1)と表わすことができる。ここで、αは、フィルタの強さを制御するスケーリング因子である。α=1では、フィルタは最大限に適用され、α=0ではフィルタは何もしない(0dB応答)。実際上は、αは、反射音対直接音の相対的なバランスに基づいて、0と1の間のどこかに設定される(たとえばα=0.5)。反射音との比較において直接音のレベルが増すにつれて、この望まれない直接音経路に反射スピーカー位置の方向手がかりをより十全に付与するために、αも増す。しかしながら、αは、すでに適正な方向手がかりを含んでいる反射経路に沿って進むオーディオの知覚される音色を損なうほど大きくされるべきではない。実際上は、α=0.5の値が、上方発射構成における標準的なスピーカー・ドライバの指向性パターンとともによく機能することが見出された。一般には、フィルタP1およびP2の厳密な値は、聴取者に対する物理的なスピーカー位置の方位角および反射スピーカー位置の仰角の関数になる。この仰角は聴取者からの物理的なスピーカー位置の距離ならびに天井の高さとスピーカーの高さとの間の差の関数である(聴取者の頭部がスピーカーと同じ高さにあるとして)。
図3は、被験者の大きな集合にわたって平均されたHRTF応答のデータベースに基づく方向性の聴覚モデルから導出された、α=1での仮想高さフィルタ応答PTを描いている。黒い線303は、ある範囲の方位角ならびに合理的な諸スピーカー距離および諸天井高さに対応するある範囲の仰角にわたって計算された、フィルタPTを表わしている。PTのこれらさまざまな事例を見ると、各フィルタの変動の大半は4Hzより上の高めの周波数に現われることに気づく。さらに、各フィルタは、ほぼ7kHzに位置するピークと、ほぼ12kHzにあるノッチを示している。ピークとノッチの厳密なレベルは、さまざまな応答曲線の間で数dB変動がある。この組の諸応答の間でピークおよびノッチの位置におけるこの密接な一致を与えられて、太い灰色の線で与えられる単一の平均フィルタ応答302が、たいていの合理的な物理的なスピーカー位置および部屋寸法について、普遍的な高さ手がかりフィルタのはたらきをしうることが見出された。この知見を与えられると、仮想高さスピーカーのために単一のフィルタPTが設計されてもよく、合理的な応答のために、厳密なスピーカー位置および部屋寸法の知識は必要とされない。ただし、パフォーマンス向上のためには、フィルタPTを、特定のスピーカー位置および部屋寸法に対応する図3における個別的な黒い曲線の一つに動的に設定するために、そのような知識が利用されてもよい。
仮想高さレンダリングのためのそのような仮想高さフィルタの典型的な使用は、オーディオが上方発射仮想高さスピーカーを通じて再生される前に、図3に描かれる絶対値応答の一つ(たとえば平均曲線302)を示すフィルタによってオーディオが前処理されるというものである。フィルタは、スピーカー・ユニットの一部として与えられてもよく、あるいはレンダラー、増幅器または他の中間オーディオ処理コンポーネントの一部として与えられる別個のコンポーネントであってもよい。図4のAは、ある実施形態のもとでの、上方発射ドライバを有するスピーカー・ユニットの一部として組み込まれた仮想高さフィルタを示している。図4のAのシステム400に示されるように、適応オーディオ・プロセッサ402は、別個の高さ信号成分および直接信号成分を含むオーディオ信号を出力する。高さ信号成分は、上方発射スピーカー408を通じて再生されることが意図されており、直接オーディオ信号成分は直接または前方発射スピーカー407を通じて再生されることが意図されている。これらの信号成分は必ずしも周波数内容またはオーディオ内容の点で異なっているわけではなく、オーディオ・オブジェクトまたは信号において存在する高さ手がかりに基づいて区別される。図4のAの実施形態について、高さフィルタ406は、高さスピーカー408内に含まれるまたは他の仕方で高さスピーカー408と関連している。高さフィルタ406は、任意の望まれない直接音について、知覚的な高さ手がかりを高さ信号中に与えることによって、高さ信号中に存在しうる直接音成分を補償し、仮想信号の位置決めおよび知覚される品質を改善する。そのような高さフィルタは、図3に示される参照曲線を組み込んでいてもよい。
ある代替的な実施形態では、仮想高さフィルタ前処理は、スピーカー増幅器(たとえばAV受領器(AV receiver)または前置増幅器)への入力に先立って、レンダリング設備において生起できる。図4のBは、ある実施形態のもとでの、上方発射ドライバを駆動するためのレンダリング・ユニットの一部として組み込まれた仮想高さフィルタを示している。図4のBのシステム410に示されるように、レンダラー412は、それぞれ上方発射スピーカー418および直接スピーカー417を駆動するための別個の高さおよび直接信号を、アンプ414を通じて出力する。レンダラー412内の高さフィルタ416は、図4のAに関して上記したような、上方発射スピーカー418についてのノッチ・フィルタ(たとえば参照曲線302)を通じて直接音補償を提供する。これは、組み込みの仮想高さフィルタリングをもたないスピーカーについて高さフィルタ機能が提供されることを許容する。
ある実施形態では、ある種の位置情報が、スピーカー・システム内の仮想高さフィルタを有効にするまたは無効にするためのバイパス信号とともに、高さフィルタに与えられる。図5は、ある実施形態のもとでの、位置情報およびバイパス信号を受領する高さフィルタを示している。図5に示されるように、位置情報は、上方発射スピーカー504に接続されている仮想高さフィルタ502に与えられる。位置情報は、図3に描かれたセットからの適正な仮想高さフィルタ応答の選択のために利用されるスピーカー位置および部屋サイズを含んでいてもよい。さらに、この位置データは、仮想高さスピーカー504の傾斜角が自動的もしくは手動の手段を通じて調節可能にされている場合には、該傾斜角を変えるために利用されてもよい。たいていの場合について典型的で効果的な角度は約20度である。図6は、ある実施形態のもとでの、仮想高さスピーカーにおいて使用される上方発射ドライバの傾斜角を示している。描画600に示されるように、スピーカー・キャビネット602は前方発射ドライバ(単数または複数)606および上方発射ドライバ604を含んでいる。上方発射ドライバは、前方発射ドライバ606の送出の軸610を定義する地面または水平面に対して角度608に位置される。図6は、角度=20度の例示的な場合を示している。しかしながら、先述したように、角度は理想的には、聴取位置における反射音対直接音の比を最大にするよう設定されるべきである。上方発射スピーカーの指向性パターンが既知であれば、厳密なスピーカー距離および天井高さを与えられて最適角が計算でき、すると、上方発射ドライバ604がヒンジ式のキャビネットまたはサーボ制御される配置を通じて前方発射ドライバ606に対して可動であれば、角度608が調節されうる。制御回路(たとえばアナログ、デジタルまたは電気機械式のいずれか)の実装に依存して、そのような位置情報は電気信号伝達方法、電気機械式手段または他の同様の機構を通じて提供されることができる。
ある種のシナリオにおいて、聴取環境についての追加的な情報が、手動または自動的な手段のいずれかを通じた傾斜角のさらなる調整を必要にすることがある。これは、天井が非常に吸収性が高いまたは異例なほど高い場合を含みうる。そのような場合、反射経路に沿って進む音の量は減少されることがあり、よって再生効率を高めるためにドライバからの直接経路信号の量を増すようドライバをさらに前方に傾けることが望ましいことがある。直接経路成分が増すにつれて、先に説明したように、フィルタ・スケーリング・パラメータαを増すことが望ましい。よって、このフィルタ・スケーリング・パラメータαは、可変傾斜角および反射音対直接音比に関連する他の変数の関数として自動的に設定されてもよい。図6の実施形態について、仮想高さフィルタ502はバイパス信号も受領する。これは、仮想高さフィルタリングが望まれない場合にフィルタが回路から切り離されることを許容する。
図4のAおよびBに示されるように、レンダラーは別個の高さ信号および直接信号を、直接、それぞれ上方発射スピーカーおよび直接スピーカーに出力する。あるいはまた、レンダラーは、単一のオーディオ信号を出力して、それが離散的な分離またはクロスオーバー回路によって高さ成分および直接成分に分離されることもできる。この場合、レンダラーからのオーディオ出力は、別個の回路によってその構成要素の高さ成分および直接成分に分離される。ある種の場合には、高さ成分と直接成分は周波数依存ではなく、オーディオを高さおよび直接音の成分に分離して、これらの信号を適切なそれぞれのドライバにルーティングするために、外部分離回路が使用される。ここで、上方発射スピーカー信号には仮想高さフィルタリングが適用される。
しかしながら、たいていの一般的な場合には、高さ成分および直接成分は周波数依存であってもよく、分離回路はフル帯域幅信号を適切なドライバへの伝送のために低域および高域(または帯域通過)成分に分離するクロスオーバー回路を有する。高さ手がかりは典型的には低周波数信号より高周波数信号においてより優勢なので、これはしばしば最も有用な場合である。この応用については、高周波数信号を上方発射ドライバ(単数または複数)に、低周波数信号を直接発射ドライバ(単数または複数)にルーティングするために、クロスオーバー回路が仮想高さフィルタ・コンポーネントとの関連で使用されてもよいまたは仮想高さフィルタ・コンポーネント内に統合されていてもよい。図7は、ある実施形態のもとでの、クロスオーバー回路を含む仮想高さフィルタ・システムを示す図である。システム700に示されるように、アンプ(図示せず)を通じたレンダラー702からの出力はフル帯域幅信号であり、仮想高さスピーカー・フィルタ708は、上方発射スピーカー712に送られる信号のための所望される高さフィルタ伝達関数を付与するために使われる。クロスオーバー回路706が、レンダラー702からのフル帯域幅信号を、適切なスピーカー712(上方発射)および714(直接)への送出のために高(上方)および低(直接)周波数成分に分離する。クロスオーバー706は、高さフィルタ708に統合されていても、あるいは高さフィルタ708と別個であってもよく、これら別個のまたは組み合わされた回路は、信号処理チェーン内の任意のところに、たとえばレンダラーとスピーカー・システムとの間に(図のとおり)、チェーン内のアンプまたは前置増幅器の一部として、スピーカー・システム自身の内部に、またはレンダラー702内に密に結合されたもしくは統合されたコンポーネントとして、設けられてもよい。クロスオーバー機能は、仮想高さフィルタリング機能の前または後に実装されうる。
クロスオーバー回路は典型的には、オーディオを二つまたは三つの周波数帯域に分離する。異なる帯域からのフィルタリングされたオーディオはスピーカー内の適切なドライバに送られる。たとえば、二帯域クロスオーバーでは、低周波数は低周波数を忠実に再現する能力のあるより大きなドライバ(たとえばウーファー/ミッドレンジ)に送られ、高周波数は典型的には、高めの周波数を忠実に再現する能力がより高いより小さなトランスデューサ(たとえばツイーター)に送られる。図8Aは、ある実施形態のもとでの、図7に示したような仮想高さフィルタとの関連で使われる二帯域クロスオーバー・フィルタの高レベルの回路図である。描画800を参照するに、クロスオーバー回路802へのオーディオ信号入力は高域通過フィルタ804および低域通過フィルタ806に送られる。クロスオーバー802は、クロスオーバー点を定義する特定のカットオフ周波数を設定されるまたはプログラムされる。この周波数は静的であってもよいし、あるいは可変であってもよい(たとえばアナログ実装では可変抵抗器、あるいはデジタル実装では可変クロスオーバー・パラメータを通じて)。高域通過フィルタ804は低周波数信号(カットオフ周波数より下の信号)をカットし、高周波数成分を高周波数ドライバ807に送る。同様に、低域通過フィルタ806は高周波数(カットオフ周波数より上の信号)をカットし、低周波数成分を低周波数ドライバ808に送る。三方クロスオーバーは同様に機能するが、二つのクロスオーバー点および三つの帯域通過フィルタがあって、入力オーディオ信号を、ツイーター、ミッドレンジおよびウーファーのような三つの別個のドライバへの伝送のために三つの帯域に分離する。
クロスオーバー回路802は、既知のアナログ・コンポーネント(たとえばキャパシタ、インダクタ、抵抗器など)および既知の回路設計を使うアナログ回路として実装されてもよい。あるいはまた、デジタル信号プロセッサ(DSP)コンポーネント、論理ゲート、プログラム可能型アレイまたは他のデジタル回路を使うデジタル回路として実装されてもよい。
図8Aのクロスオーバー回路は、図7の仮想高さフィルタ702のような仮想高さフィルタの少なくとも一部を実装するために使用されることができる。図3に示されるように、仮想高さフィルタリングの大半は4kHzより上の周波数で行なわれるが、これは多くの二方クロスオーバーについてのカットオフ周波数より高い。図8Bは、ある実施形態のもとでの、高域通過フィルタリング経路における仮想高さフィルタリングを実装する二帯域クロスオーバーを示している。描画820において示されるように、クロスオーバー821は低域通過フィルタ825および高域通過フィルタ824を含む。高域通過フィルタは仮想高さフィルタ・コンポーネント828を含む回路820の一部である。この仮想高さフィルタは、高周波数ドライバ830への伝送前に、曲線302のような所望される高さフィルタ応答を高域通過フィルタリングされた信号に適用する。
システムまたはユーザーが較正またはセットアップ動作の間、仮想高さフィルタ回路をバイパスできるようにするためにバイパス・スイッチ826が設けられていてもよい。それにより、他のオーディオ信号プロセスが、仮想高さフィルタに干渉することなく動作できる。スイッチ826は、フィルタ回路が存在するスピーカーもしくはレンダリング・コンポーネント上に設けられる手動のユーザーが操作するトグルスイッチであってもよいし、あるいはソフトウェアによって制御される電子的スイッチであってもよいし、あるいは他の任意の適切な型のスイッチであってもよい。位置情報822は仮想高さフィルタ828に提供されてもよい。
図8Bの実施形態は、クロスオーバーの高域通過フィルタ段と一緒に使われる仮想高さフィルタを示している。代替的な実施形態では仮想高さフィルタは低域通過フィルタと一緒に使われてもよいことを注意しておくべきである。そうすれば、図3に示されるような応答の低周波数を模倣するよう、低周波数帯域も修正されることができる。しかしながら、たいていの実際上の応用では、低周波数範囲に存在する極少の高さ手がかりに照らして、クロスオーバーは不相応に複雑になってしまうことがある。
図9は、ある実施形態のもとでの、図8Bの二帯域クロスオーバーの周波数応答を示している。描画900に示されるように、クロスオーバーは、902のカットオフ周波数をもち、カットオフ周波数902より上の周波数をカットする低域通過フィルタの周波数応答曲線904およびカットオフ周波数902より下の周波数をカットする高域通過フィルタの周波数応答曲線906を作り出す。仮想高さフィルタが高域通過フィルタ段の後にオーディオ信号に適用されるとき、仮想高さフィルタ曲線908が高域通過フィルタ曲線906にスーパーインポーズされる。
図8Bに示されるクロスオーバー実装は、上方発射仮想高さスピーカーが、低周波数について一つ、高周波数について一つという二つのドライバを使って実装されることを想定している。しかしながら、この構成はたいていの条件の下では理想的ではないことがある。上方発射スピーカーの個別的な制御された方向性は、しばしば効果的な仮想化のために枢要である。たとえば、仮想高さスピーカーを実装するとき、単一のトランスデューサ・スピーカーが通例、より効果的である。さらに、より小さな単一のトランスデューサ(たとえば直径3インチ)のほうが、より大きなトランスデューサによりも、より高い周波数でより方向性があり、より値頃なので、好ましい。
ある実施形態では、上方発射スピーカーは、異なるサイズおよび/または特性の二つ以上のスピーカーの対またはアレイを有していてもよい。図10は、ある実施形態のもとでの、仮想高さフィルタと一緒に使うための、さまざまな異なる上方発射および直接もしくは前方発射スピーカー構成を示している。図10に示されるように、上方発射スピーカーは、同じ角度で上方に発射するための同じキャビネット1001内にいずれも取り付けられた二つのドライバ1002および1004を含んでいてもよい。用途の必要に依存して、これらのドライバは同じ構成であってもよいし、あるいは異なる構成であってもよい(サイズ、パワー、周波数応答など)。上方発射(UF: upward firing)オーディオ信号はこのスピーカー1001に伝送され、適切なオーディオをドライバ1002および1004のいずれかまたは両方に送るために内部処理が使用されてもよい。代替的な実施形態では、スピーカー1010に示されるように、上方発射ドライバの一方、たとえば1004が他方のドライバに対して異なる角度にされてもよい。この場合、上方発射ドライバ1004はキャビネット1010から実質的に前方に発射するよう向き付けられる。ドライバ1002および1004のいずれかまたは両方について、いかなる適切な角度が選択されてもよく、スピーカー構成はいかなる適切な数のさまざまな型(コーン、リボン、ホーンなど)のドライバまたはドライバ・アレイを含んでいてもよいことを注意しておくべきである。ある実施形態では、上方発射スピーカー1001および1002は、メイン・キャビネットから直接音を送出する一つまたは複数のドライバ1020を含む前方または直接発射スピーカー1020上に取り付けられてもよい。このスピーカーは、メイン・オーディオ入力信号を、UFオーディオ信号と別個のものとして、受領する。
図8Cは、ある実施形態のもとでの、図10に示されるような種々の高周波数ドライバと一緒に使うための、上方発射および前方発射スピーカー・クロスオーバー・フィルタ・ネットワークを組み合わせるクロスオーバーを示している。描画8000は、前方発射スピーカーおよび仮想高さスピーカーについて別個のクロスオーバーが提供される実施形態を示している。前方発射スピーカー・クロスオーバー8012は、低周波数ドライバ8020にフィードする低域通過フィルタ8016と、高周波数ドライバ8018にフィードする高域通過フィルタ8014を有する。仮想高さスピーカー・クロスオーバー8002は、クロスオーバー8012における低域通過フィルタ8016の出力との組み合わせを通じて低周波数ドライバ8020にもフィードする低域通過フィルタ8004を含む。仮想高さクロスオーバー8002は、仮想高さフィルタ関数8008を組み込む高域通過フィルタ8006を含む。このコンポーネント8007の出力は高周波数ドライバ8010にフィードする。ドライバ8010は上方発射ドライバであり、典型的には、前方発射低周波数ドライバ8020より小さな、可能性としては異なる組成のドライバである。例として、前方向きドライバ低周波数ドライバ8020についての有効周波数範囲は40Hzから2kHzに、前方向き高周波数ドライバ8018については2kHzから20kHzに、上方発射高周波数ドライバ8010については400Hzから20kHzに設定されてもよい。
図10に示されるように頂部および前方発射スピーカーのためのクロスオーバー・ネットワークを組み合わせることからいくつかの恩恵がある。まず、好ましいより小さなドライバは、より低い周波数を効果的に再現できず、実際にはラウドネスが大きいレベルでは歪めてしまうことがある。よって、低周波数をフィルタリングして前方発射スピーカーの低周波数ドライバに向け直すことにより、該より小さな単一のスピーカーが、仮想高さスピーカーのために使われることができ、より高い忠実度につながる。さらに、研究によれば、400Hzより下のオーディオ信号についてはほとんど仮想高さ効果がないことが示されており、よってより高い周波数だけを仮想高さスピーカー1010に送ることは、そのドライバの最適な使用を表わす。
〈仮想高さスピーカーと部屋補正〉
上記で論じたように、仮想高さフィルタリングを仮想高さスピーカーに加えることは、上方発射スピーカーへの高さの知覚を加えるまたは改善する、オーディオ信号への知覚的手がかりを加える。仮想高さフィルタリング技法をスピーカーおよび/またはレンダラーに組み込むことは、再生設備によって実行される他のオーディオ信号プロセスを考慮に入れる必要があることがある。一つのそのようなプロセスは部屋補正である。これは、市販のAVRにおいて一般的なプロセスである。部屋補正技法は、接続されたスピーカーをもつAVRを通じて再生されたオーディオ試験信号の時間および周波数応答を測定するために聴取環境に置かれるマイクロホンを利用する。試験信号およびマイクロホン測定の目的は、部屋および環境のオーディオに対する音響効果のようないくつかの主要な因子を測定し、補償することである。そうした因子は、部屋ノード(ヌルおよびピーク)、再生スピーカーの非理想的な周波数応答、複数のスピーカーと聴取位置の間の時間遅延および他の同様の因子を含む。部屋補正システムによって検出される何らかの効果を克服するために、自動周波数等化および/またはボリューム補償が信号に適用されてもよい。たとえば、最初の二つの因子について、AVR/スピーカー・システムを通じて再生されるオーディオを修正するために、典型的には等化が利用される。オーディオの周波数応答の大きさを調整して、部屋ノード(ピークおよびノッチ)およびスピーカー応答の不正確さが補正されるようにするためである。
システムにおいて仮想高さスピーカーが使われ、仮想フィルタリングが有効にされている場合、部屋補正システムは仮想高さフィルタを部屋ノードまたはスピーカー異常として検出して、仮想高さ絶対値応答を平坦になるよう等化しようとすることがある。この試みられた補正は、傾斜角が比較的高いときなど仮想高さフィルタが顕著な高周波数ノッチを示す場合に、特に気づかれうる。
仮想高さスピーカー・システムの諸実施形態は、部屋補正システムが仮想高さフィルタリングを取り消すことを防ぐための技法およびコンポーネントを含む。図11は、ある実施形態のもとでの、部屋補正および仮想高さスピーカー検出機能を含む仮想高さレンダリング・システムのブロック図である。描画1100に示されるように、AVRまたは他のレンダリング・コンポーネント1102が、仮想高さフィルタ・プロセス1108を組み込んでいる一つまたは複数の仮想高さスピーカー1106に接続されている。このフィルタは図7に示されるような周波数応答を生成するが、この応答は、レンダラー1102によって実行される部屋補正1104または他の異常補償技法の対象となることがありうる。
ある実施形態では、部屋補正補償コンポーネントは、AVRまたは他のレンダリング・コンポーネントが仮想高さスピーカーがそれに接続されていることを検出することを許容するコンポーネント1105を含む。一つのそのような検出技法は、部屋較正ユーザー・インターフェースと、ある型のスピーカーを仮想または非仮想高さスピーカーとして指定するスピーカー定義とを使うことである。今日のオーディオ・システムはしばしば、ユーザーに各スピーカー位置におけるスピーカーのサイズ、たとえば小、中、大を指定するよう求めるインターフェースを含んでいる。ある実施形態では、仮想高さスピーカー型がこの定義セットに加えられる。こうして、システムは、小、中、大、仮想高さなどといった追加的なデータ要素を通じて、仮想高さスピーカーの存在を予期することができる。ある代替的な実施形態では、仮想高さスピーカーは、それが非仮想高さスピーカーではない仮想高さスピーカーであることを述べる伝達ハードウェア(signaling hardware)を含んでいてもよい。この場合、レンダリング装置(AVRなど)は諸スピーカーを探査し、いずれかの特定のスピーカーが仮想高さ技術を組み込んでいるかどうかに関する情報を探す。このデータは、無線、直接デジタル接続であることができる定義された通信プロトコルを介して、あるいは既存のスピーカー線または別個の接続を使う専用のアナログ経路を介して、提供されることができる。さらなる代替的な実施形態では、検出は、スピーカーにおける仮想高さフィルタの一意的な周波数特性を同定し、測定された試験信号の解析を通じて仮想高さスピーカーが接続されていることを判別するよう構成されているまたは修正されている試験信号および測定手順の使用を通じて実行されることができる。
ひとたび部屋補正機能をもつレンダリング装置がシステムに接続された仮想高さスピーカー(単数または複数)の存在を検出したら、仮想高さフィルタリング機能1108に悪影響することなくシステムを正しく較正するために較正プロセス1105が実行される。ある実施形態では、較正は、レンダリング装置が仮想高さスピーカー1106に仮想高さフィルタリング・プロセス1108をバイパスさせることを許容する通信プロトコルを使って実行されることができる。これは、スピーカーがアクティブであり、フィルタリングをバイパスできる場合に、行なわれることができる。バイパス機能はユーザー選択可能なスイッチとして実装されてもよいし、あるいはソフトウェア命令として(たとえばフィルタ1108がDSPにおいて実装される場合)またはアナログ信号として(たとえばフィルタがアナログ回路として実装される場合)実装されてもよい。
ある代替的な実施形態では、システム較正はプリエンファシス・フィルタリングを使って実行されることができる。この実施形態では、部屋補正アルゴリズム1104は、較正プロセスで使うために生成して出力する試験信号に対してプリエンファシス・フィルタリングを実行する。図12は、ある実施形態のもとでの、較正のためのプリエンファシス・フィルタリングの効果を表示するグラフである。プロット1200は、仮想高さフィルタについての典型的な周波数応答1204と、相補的なプリエンファシス・フィルタ周波数応答1202とを示している。部屋較正プロセスにおいて使われるオーディオ試験信号にプリエンファシス・フィルタが適用され、仮想高さスピーカーを通じて再生されるときに該フィルタの効果が打ち消されるようにする。このことは、プロット1200の上の周波数範囲における二つの曲線1202および1204の相補的なプロットによって示されている。このようにして、通常の非仮想高さスピーカーを使っているかのように、較正が適用される。
あるさらなる代替的な実施形態では、較正は、較正システムの目標応答に仮想高さフィルタ応答を加えることによって実行されることができる。
これら二つの場合(プリエンファシス・フィルタまたは目標応答の修正)のいずれでも、較正手順を修正するために使われる仮想高さフィルタは、スピーカーにおいて利用されるフィルタに厳密にマッチするよう選ばれてもよい。しかしながら、スピーカー内部で利用される仮想高さフィルタが曲線302のような、スピーカー位置および部屋寸法の関数として修正されない普遍的なフィルタである場合には、較正システムはその代わりに、実際の位置および寸法に対応する仮想高さフィルタ応答を選択してもよい。これは、そのような情報がシステムに利用可能であればである。このようにして、較正システムは、より精密な、位置に依存する仮想高さフィルタ応答と、スピーカーにおいて利用されている普遍的応答との間の差と等価な補正を適用する。このハイブリッド・システムでは、スピーカーにおける固定されたフィルタは良好な仮想高さ効果を提供し、AVRにおける較正システムは、聴取環境のさらなる知識を用いて、さらにこの効果を洗練する。
図13は、ある実施形態のもとでの、適応オーディオ・システムにおいて仮想高さフィルタリングを実行する方法を示す流れ図である。図13のプロセスは、図11に示されるコンポーネントによって実行される機能を示している。プロセス1300は、試験信号(単数または複数)を、組み込みの仮想高さフィルタリングをもつ仮想高さスピーカーに送ることによって始まる(工程1302)。組み込みの仮想高さフィルタリングは図7に示したような周波数応答曲線を生成する。これは、何らかの部屋補正プロセスによって補正される異常であると見なされることがある。工程1304では、システムは仮想高さスピーカーの存在を検出し、部屋補正方法の適用に起因する修正があればそれは補正または補償されて、仮想高さスピーカーの仮想高さフィルタリングの機能が許容される(工程1306)。
上記され、図4のA〜Bおよび図7に示されるように、仮想高さフィルタはスピーカーにおいて、スピーカー自身で、または入力オーディオ周波数を高帯域および低帯域またはクロスオーバー設計によってはさらなる帯域に分離するクロスオーバー回路の一部として実装されてもよい。これらの回路はいずれも、デジタルDSP回路または図3に示したような仮想高さフィルタ曲線を近似するFIR(有限インパルス応答)もしくはIIR(無限インパルス応答)フィルタを実装する他の回路として実装されてもよい。クロスオーバー、分離回路および/または仮想高さフィルタのいずれも、受動回路または能動回路として実装されうる。ここで、能動回路は機能するために別個の電源を必要とし、受動回路は他のシステム・コンポーネントまたは信号によって与えられる電力を使う。
高さフィルタまたはクロスオーバーがスピーカー・システム(キャビネットおよびドライバ)の一部として提供される実施形態については、このコンポーネントはアナログ回路で実装されてもよい。図14のAは、ある実施形態のもとでの、アナログ仮想高さフィルタ回路を示す回路図である。回路1400は、諸アナログ・コンポーネントの接続を有する仮想高さフィルタを含んでおり、それらのアナログ・コンポーネントは、3インチ6オーム・スピーカーについての、18kHzまでは公称上平坦な応答をもつ、スケーリング・パラメータα=0.5での曲線302の等価物を近似するよう選ばれた値をもつ。この回路の周波数応答は図14のBに黒の曲線1422として、灰色の所望される曲線1424とともに描かれている。図14の例示的な回路1400は、仮想高さフィルタ回路についての可能な回路設計もしくはレイアウトのほんの一例を表わすことを意図したものであり、他の設計が可能である。
図15のAは、DSPまたは能動回路を用いる、電源のあるスピーカーにおいて使うための高さ手がかりフィルタのデジタル実装を描いている。このフィルタは、48kHzのサンプリング・レートについて選ばれた係数をもつ四次のIIRフィルタとして実装される。このフィルタは代替的に、当業者によく知られた手段を通じて、等価な能動アナログ回路に変換されてもよい。図15のBは、このフィルタの例示的な周波数応答曲線1524を所望される応答曲線1522とともに描いている。
〈スピーカー仕様〉
家庭シアターまたは同様の聴取環境のために仮想高さフィルタリングを実装する適応オーディオ・システムにおいて使われるスピーカーは、既存のサラウンドサウンド構成(たとえば5.1、7.1、9.1など)に基づく構成を使うことがある。この場合、いくつかのドライバが、既知のサラウンドサウンド慣行により提供され、定義され、上方発射音成分のために追加的なドライバおよび定義が提供される。
図10に示されるように、上方発射および直接ドライバは、種々のスタンドアローンのドライバ・ユニットおよびドライバ組み合わせをユニット的キャビネット内にもつさまざまな異なる構成においてパッケージングされうる。図16は、ある実施形態のもとでの、仮想高さフィルタリングを利用する反射音アプリケーションのための上方および直接発射スピーカーの構成を示している。スピーカー・システム1600において、キャビネットは、ウーファー1604およびツイーター1602を含む直接発射ドライバを含んでいる。上方発射ドライバ1606が、聴取室の天井からの反射のためにキャビネットの頂部から信号を送出するために配置される。先述したように、傾斜角は、20度などいかなる適切な角度に設定されてもよく、ドライバ1606はこの傾斜角に関して手動でまたは自動的に可動であってもよい。吸音フォーム1610または任意の同様のバフリング材料が上方発射ドライバ・ポートに含められてもよい。このドライバをスピーカー・システムの残りの部分から音響的に孤立させるためである。図16の構成は、単に例示的な図解を提供することを意図したものであり、他の多くの構成が可能である。キャビネット・サイズ、ドライバ・サイズ、ドライバ型、ドライバ配置および他のスピーカー設計特性はみな、オーディオ・コンテンツ、レンダリング・システムおよび聴取環境の要求および制限に基づいて異なる構成にされてもよい。
典型的な適応オーディオ環境では、いくつかのスピーカー・エンクロージャーが聴取環境内に含まれる。図17は、聴取環境内における、上方発射ドライバおよび仮想高さフィルタ・コンポーネントをもつスピーカーの例示的な配置を示している。図17に示されるように、聴取環境1700は四つの個別スピーカー1702を含んでおり、それぞれ少なくとも一つの前方発射、側方発射および上方発射ドライバを有している。聴取環境は、中央スピーカーおよびサブウーファーもしくはLFE(低周波数要素)のようなサラウンドサウンド用途のために使われる固定したドライバをも含んでいてもよい。図17に見られるように、聴取環境およびそれぞれのスピーカー・ユニットのサイズに依存して、聴取環境内でのスピーカー1702の適正な配置は、前記いくつかの上方発射ドライバからの天井での音の反射から帰結するリッチなオーディオ環境を提供する。これらのスピーカーは、コンテンツ、聴取環境サイズ、聴取者位置、音響特性および他の関連するパラメータに依存して、天井面の一つまたは複数の点からの反射を与えるように、ねらいをつけることができる。
先述したように、上方発射スピーカーについての最適角度は、聴取者に対する最大の反射エネルギーにつながる仮想高さドライバの傾斜角である。ある実施形態では、この角度は、スピーカーからの距離および天井高さの関数である。一般には天井高さは特定の部屋におけるすべての仮想高さドライバについて同じになるが、それらの仮想高さドライバは、聴取者または聴取位置106から等距離でなくてもよい。仮想高さスピーカーは、直接投射およびサラウンドサウンド機能といった種々の機能のために使われてもよい。この場合、上方発射ドライバのための種々の傾斜角が使われてもよい。たとえば、サラウンド仮想高さスピーカーは、コンテンツおよび部屋条件に依存して、前方仮想高さドライバに比べてより浅いまたはより急峻な角度に設定されてもよい。さらに、異なるスピーカーについて、たとえば前方高さドライバに対してサラウンド仮想高さドライバについて、異なるαスケーリング因子が使用されてもよい。同様に、異なるスピーカーに適用される仮想高さモデル302について、異なる形状の絶対値応答曲線が使われてもよい。このように、複数の異なる仮想高さスピーカーをもつ配備されたシステムにおいて、それらのスピーカーは異なる角度に配向されてもよく、および/またはこれらのスピーカーのための仮想高さフィルタは異なるフィルタ曲線を示してもよい。
〈ネイティブ・トランスデューサ設計〉
上方発射ドライバと共に使うための仮想高さ周波数曲線が特定の回路またはデジタル処理コンポーネントによって与えられる実施形態が記述されてきた。そのような回路は、オーディオ再生システムにある量のコストおよび複雑さを加えることがあり、それは望ましくないことがある。ある実施形態では、所望される仮想高さ伝達関数は上方発射ドライバのネイティブな周波数応答中に設計で組み込まれてもよい。多くのスピーカーは、スピーカー動作範囲において線形のままでない諸部分による内在的な高周波数誤差をもち、それは所望される高さフィルタ伝達関数と同様であることがある。現在のドライバ設計では、これらの誤差は典型的には、より線形なスピーカーを生成するよう最小化されている。しかしながら、高さ手がかり情報を改善するための特定の非線形応答が、天井表面から音を反射させるよう意図とされたドライバに直接設計で組み込まれてもよい。上方発射スピーカーのドライバまたはトランスデューサのある種の特性およびコンポーネントは、図18の描画1800に示されるような特定の高さ手がかり伝達曲線を組み込むよう修正されてもよい。図18は、最適な線形化されたドライバの線形曲線1802に比較した、所望される高さ手がかり伝達曲線1804を示している。曲線1804は仮想高さフィルタ曲線302に対応してもよいし、あるいは上方発射ドライバ(単数または複数)の設計について最適化されている、修正された曲線であってもよい。
上方発射ドライバのある種の要素は、所望される高さ伝達関数1804をドライバ自身においてネイティブに作り出すために修正される。該要素はドライバ・コーン、ダストキャップ、スパイダーまたは他の要素を含みうる。
ある実施形態では、ドライバ・コーンおよび/またはコーン・エッジが修正されてもよい。コーンの周上の薄い帯をもつまたは複数の変化する厚さの帯をもつコーン・エッジ組立体が使用されてもよい。コーンは代替的に、コーン上の「u」または「v」の形の領域を使って、ヒンジ付きセクションまたは複数のヒンジ付きセクションを含んでいてもよい。ドライバは、メイン・コーン・プロファイルに接線方向でないコーン領域の諸帯、すなわちジグザグ・プロファイル;または実質的に平坦な領域を生成する、スピーカーの前平面に対して非常に小さな角度の外側コーン周のセクションを利用してもよい。あるいはまた、スピーカーの前平面に対して非常に小さな角度の内部エッジ周のセクションが、コーン・ボディとは独立に放射できる実質的に平坦な領域を作り出すために使われてもよい。これは、コーン/エッジ組立体の接合部においてモーメント・アーム質量の大きな増加をもつ、スピーカーの前平面に対して非常に鋭い角度の内部エッジ周のセクションによって達成されてもよい。コーンはまた、エッジ上の「u」または「v」の形の領域を使って、ヒンジ付きセクションまたは複数のヒンジ付きセクション;または必要とされる帯域において高調波を作り出す、前方と後方の変位の間の実質的に非対称的なコンプライアンスをもつエッジを組み込んでいてもよい。これらの設計変形はみな、ドライバについての所望される応答曲線1804を作り出す助けとなる高調波を導入することが意図される。
ドライバ・コーンはしばしば、コーン円の中央に位置されるダストキャップで覆われる。ダストキャップも所望される周波数曲線を生成する助けとなるよう構成されてもよい。たとえば、実質的に分離したモードでダストキャップが高周波数で振動することを許容するヒンジ付きコーン・セクションまたは薄いコーン・セクションをもつコーン・ダストキャップ組立体が使われてもよい。あるいはまた、ダストキャップは、所望される高さ周波数範囲における効率的な副次放射器となるような形にされてもよい。同様に、コーン形のウィザー(whizzer)または高さ周波数範囲で効率的な副次放射器となるような形にされている他の回転または振動要素が使用されてもよい。そのようなダストキャップは修正され、それ自身で使われてもよく、あるいは修正されたコーン組立体との組み合わせで使われてもよい。
コーンは典型的には、スパイダーと呼ばれるプラスチックまたは金属フレームによって支持される。ある実施形態では、スパイダーは、コーンおよび/またはダストキャップの代わりにまたはそれとの関連で修正されてもよい。たとえば、必要とされる帯域において高調波を作り出す、前方と後方の変位の間の実質的に非対称的なコンプライアンスをもつスパイダーが使われてもよい。
上方発射ドライバを最適にするために、ある種の仕様が定義されてもよい。たとえば、仕様は、7kHzにおける5dBの上昇およびそれに続く12kHzにおける7dBの低下をもつ高周波数応答を作り出す、変化する断面形状をもつコーンを組み込むトランスデューサを定義してもよく、そのような変化する断面形状は、当該セクション・コーンがコーン・ボディの残りの部分に対して逆位相で振動することを許容するヒンジを作り出す円環セクションを含んでいてもよい。ドライバ要素に対する言及された修正のすべては、所望される周波数応答曲線を作り出すために、単独でまたは互いとの組み合わせにおいて使用されてもよいことを注意しておくべきである。
ドライバのコーン部分の代わりに、所望される周波数曲線が、他のまたは追加的なスピーカー・コンポーネントを使ってスピーカー中に組み込まれてもよい。ある実施形態では、目標の所望される目標関数1804を作り出すために、導波路(たとえばホーン、レンズなど)が、独立にまたは上方発射ドライバとの関連で使われる。この実施形態は、指向性を制御することによって所望される伝達関数を作り出すために導波路を使う。この実施形態について、所望される伝達関数自身は導波路形状によって作り出される、および/または最適化されたドライバとの関連での導波路の使用が所望される伝達関数を作り出す。
一般に、本稿に記載される仮想高さフィルタリング技法を組み込む上方発射スピーカーは、天井に位置された頭上/高さスピーカーの存在をシミュレートするよう硬い天井表面から音を反射させるために使用されることができる。適応オーディオ・コンテンツの魅力的な属性は、空間的に多様なオーディオが頭上スピーカーのアレイを使って再現されるということである。しかしながら、上述したように、多くの場合、頭上スピーカーの設置は家庭環境では高価すぎるまたは実際的ではない。水平面内に普通に位置されたスピーカーを使って高さスピーカーをシミュレートすることにより、魅力的な3D経験を、設置するのが簡単なスピーカーを用いて作り出すことができる。この場合、適応オーディオ・システムは、オーディオ・オブジェクトおよびその空間的再生情報が上方発射ドライバによって再生されるオーディオを生成するために使われているという点で、上方発射/高さシミュレート・ドライバを新しい仕方で使う。頭上の反射信号によって高さの知覚が適正に与えられるよう、仮想高さフィルタリング・コンポーネントは、反射音に比較して聴取者に直接送出されうる高さ手がかりを調和させるまたは最小にする助けとなる。
本稿に記述されるシステムの諸側面は、デジタルまたはデジタイズされたオーディオ・ファイルを処理するための適切なコンピュータ・ベースの音処理ネットワーク環境において実装されてもよい。適応オーディオ・システムの諸部分は、コンピュータ間で伝送されるデータをバッファリングおよびルーティングするはたらきをする一つまたは複数のルーター(図示せず)を含め、任意の所望される数の個々の機械を含む一つまたは複数のネットワークを含んでいてもよい。そのようなネットワークは、さまざまなネットワーク・プロトコル上で構築されてもよく、インターネット、広域ネットワーク(WAN)、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)またはその任意の組み合わせであってもよい。
上記のコンポーネント、ブロック、プロセスまたは他の機能構成要素の一つまたは複数は、システムのプロセッサ・ベースのコンピューティング装置の実行を制御するコンピュータ・プログラムを通じて実装されてもよい。本稿に開示されるさまざまな機能は、ハードウェア、ファームウェアのいくつもある組み合わせを使っておよび/またはさまざまな機械可読もしくはコンピュータ可読媒体において具現されたデータおよび/または命令として、挙動上の、レジスタ転送、論理コンポーネントおよび/または他の特性を用いて記載されることがあることを注意しておくべきである。そのようなフォーマットされたデータおよび/または命令が具現されうるコンピュータ可読媒体は、光学式、磁気式もしくは半導体記憶媒体のようなさまざまな形の物理的(非一時的)、不揮発性記憶媒体を含むがそれに限定されない。
文脈がそうでないことを明確に要求するのでないかぎり、本記述および請求項を通じて、単語「有する」「含む」などは、排他的もしくは網羅的な意味ではなく包含的な意味に解釈されるものとする。すなわち、「……を含むがそれに限定されない」の意味である。単数または複数を使った単語は、それぞれ複数または単数をも含む。さらに、「本稿で」「以下で」「上記で」「下記で」および類似の意味の単語は、全体としての本願を指すのであって、本願のいかなる特定の部分を指すものでもない。単語「または」が二つ以上の項目のリストを参照して使われるとき、その単語は該単語の以下の解釈のすべてをカバーする:リスト中の項目の任意のもの、リスト中の項目のすべておよびリスト中の項目の任意の組み合わせ。
一つまたは複数の実装が、例として、個別的な実施形態を用いて記載されているが、一つまたは複数の実装は開示される実施形態に限定されないことは理解されるものとする。逆に、当業者に明白であろうさまざまな修正および類似の構成をカバーすることが意図されている。したがって、付属の請求項の範囲は、そのようなすべての修正および類似の構成を包含するような最も広い解釈を与えられるべきである。

Claims (33)

  1. 反射音要素を使って音をレンダリングするシステムであって:
    聴取環境の上表面で反射されることが意図されているオーディオ信号の上信号成分および前記聴取環境中に直接送出されることが意図されている前記オーディオ信号の直接信号成分を生成するレンダラーと;
    前記直接信号成分の送出のための少なくとも一つの直接発射ドライバおよび前記上信号成分の送出のための少なくとも一つの上方発射ドライバを有する、前記オーディオ信号を再生する少なくとも一つのスピーカーと;
    前記少なくとも一つのスピーカー位置からの方向性手がかりを少なくとも部分的に除去し、反射スピーカー位置からの前記方向性手がかりを少なくとも部分的に挿入するよう構成されている高さフィルタとを有する、
    システム。
  2. 前記少なくとも一つのスピーカーが、前記上方発射ドライバおよび前記直接発射ドライバの両方を含むユニット的キャビネットを有し、前記上方発射ドライバが、前記直接発射ドライバによって定義される水平角に対して10度から30度の間の傾斜角で配置される、請求項1記載のシステム。
  3. 前記上方発射ドライバが可動装置を通じて前記スピーカー・キャビネットに結合されており、前記傾斜角が、約20度の公称角度のまわりで手動または自動的に下辺である、請求項2記載のシステム。
  4. 前記高さフィルタが:前記レンダラーと前記少なくとも一つのスピーカーの間に配置されたコンポーネント、前記レンダラーの一部として設けられたコンポーネントおよび前記少なくとも一つのスピーカー中に組み込まれたコンポーネントのうちの一つにおいて具現される回路である、請求項1記載のシステム。
  5. 前記オーディオ信号がフル帯域幅信号であり、当該システムがさらに、カットオフ周波数より上の高周波数成分を前記上方発射ドライバに、前記カットオフ周波数より下の低周波数成分を前記直接発射ドライバに送出するよう構成されているクロスオーバー回路を有する、請求項1記載のシステム。
  6. 前記上方発射ドライバが二つ以上のトランスデューサ要素を有する、請求項6記載のシステム。
  7. 聴取環境の上表面での反射のための音をレンダリングするスピーカー・ドライバであって:
    ドライバ・コーンと;
    前記ドライバ・コーンの中央部分に固定されたコーン・ダストキャップと;
    スピーカー・キャビネット内に取り付けるために前記コーンを固定するフレームとを有しており、
    前記ドライバ・コーン、ダストキャップおよびフレームのうちの少なくとも一つは、前記スピーカー位置からの方向性手がかりを少なくとも部分的に除去し、反射スピーカー位置からの前記方向性手がかりを少なくとも部分的に挿入するよう構成されている周波数応答曲線を与えるよう構成されている、
    スピーカー・ドライバ。
  8. 当該ドライバを含んでいる前記スピーカー・キャビネットが、前記ドライバ・コーン、ダストキャップおよびフレームを含む上方発射要素と、レンダリングされる音の直接信号成分を前記聴取環境中に直接送出するよう構成された直接発射ドライバとを有する、請求項7記載のスピーカー・ドライバ。
  9. レンダリングされる音が、前記直接信号成分および前記上信号成分を別個に生成するレンダラーによって生成される、請求項8記載のスピーカー・ドライバ。
  10. あるスピーカー位置に置かれ、複数のドライバを囲む筐体を有するスピーカーであって、前記複数のドライバのうちの第一のドライバはほぼ大地平面に対応する第一軸に沿って音波を送出するよう構成された前方発射ドライバであり、前記複数のドライバのうちの第二のドライバは前記大地平面に対してある傾斜角に配向され、聴取環境の上表面で音を反射させて反射スピーカー位置を生成するよう構成されている上方発射ドライバである、スピーカーと;
    レンダラーによって生成され前記上方発射ドライバに送出されるオーディオ信号に周波数応答曲線を適用する仮想高さフィルタであって、前記仮想高さフィルタは、前記スピーカー位置からの方向性手がかりを少なくとも部分的に除去し、前記反射スピーカー位置からの前記方向性手がかりを少なくとも部分的に挿入する、仮想高さフィルタとを有する、
    反射音要素を使って音をレンダリングするシステム。
  11. 前記オーディオ信号がフル帯域幅信号であり、当該システムがさらに前記スピーカーに結合されたクロスオーバーを含み、前記クロスオーバーは、閾値周波数より下の低周波数成分を前記前方発射ドライバに送出するよう構成された低域通過部と、前記閾値周波数より上の高周波数成分を前記上方発射ドライバに送出するよう構成された高域通過部とを有する、請求項10記載のシステム。
  12. 前記仮想高さフィルタが、統合されたクロスオーバー/フィルタ回路の一部として前記クロスオーバーと統合されている、請求項11記載のシステム。
  13. 前記クロスオーバー/フィルタ回路が:デジタル信号プロセッサ(DSP)デバイスまたは論理ゲート回路として実装されたデジタル・コンポーネントおよびアナログ回路の一方であり、前記クロスオーバー/フィルタ回路が:受動デバイス・ネットワークおよび能動デバイス・ネットワークの一方である、請求項12記載のシステム。
  14. 前記傾斜角が可変であり、当該システムがさらに:
    前記聴取環境内の最適な聴取位置を決定するよう構成された位置コンポーネントと;
    前記最適な聴取位置を前記スピーカーに通信するよう構成された通信コンポーネントと;
    前記音波を前記最適な聴取位置に向けて前記上表面で反射させるよう前記傾斜角を変更するよう構成された制御コンポーネントとを有する、
    請求項10記載のシステム。
  15. 前記聴取環境における前記仮想高さフィルタの存在を検出するよう構成された検出コンポーネントをさらに有する、請求項10記載のシステム。
  16. 前記音波を前記聴取環境に送出するためにオーディオ再生設備を準備する較正プロセスの間、前記仮想高さフィルタをバイパスさせるバイパス・スイッチをさらに有する、請求項10記載のシステム。
  17. 前記上方発射ドライバに送出される信号に適用される前記仮想高さフィルタリングを補償するよう、前記聴取環境に送出される前記音波に対してプリエンファシス・フィルタリング動作を実行する部屋補正コンポーネントをさらに有する、請求項10記載のシステム。
  18. 前記スピーカーがデフォルトの仮想高さフィルタを有しており、前記部屋補正コンポーネントが、前記スピーカー位置について最適化された周波数応答曲線に基づいて、前記スピーカー位置を使って前記デフォルトの仮想高さフィルタ曲線を修正する、請求項17記載のシステム。
  19. 探査信号の使用により前記聴取環境の目標応答を生成し、デフォルトの仮想高さフィルタ応答を前記聴取環境の目標応答に加える部屋補正コンポーネントをさらに有する、請求項10記載のシステム。
  20. 聴取環境のあたりに分布させるためのそれぞれの上方発射ドライバを含むオーディオ・スピーカーのアレイをさらに有しており、それぞれの上方発射ドライバは前記大地平面に対して一意的な傾斜角で配向される、請求項10記載のシステム。
  21. 前記仮想高さフィルタが、前記聴取環境の前記上表面で反射される音に存在する高さ手がかりを優先して、前記聴取環境を通じて直接送出される音波に存在する高さ手がかりを補償するためにスケーリング因子を使うアルゴリズムを実装する、請求項10記載のシステム。
  22. 前記仮想高さフィルタが一意的な周波数応答曲線を表現し、前記周波数応答曲線の一つまたは複数の特性が、前記傾斜角の値に基づいて変化させられる、請求項21記載のシステム。
  23. 聴取環境の上表面で反射されるよう音波を送出するスピーカーであって:
    筐体と;
    大地平面に対してある傾斜角に配向され、前記聴取環境の前記上表面の反射点で音を反射させるよう較正された、前記筐体内の上方発射ドライバと;
    前記上方発射ドライバに送出される信号に周波数応答曲線を適用する仮想高さフィルタを有する、
    スピーカー。
  24. 前記筐体が、ほぼ前記大地平面に対応する軸に沿って音波を送出するよう構成されている前方発射ドライバ・キャビネット上に設置されることを許容する物理的インターフェースをさらに有する、請求項23記載のスピーカー。
  25. 前記仮想高さフィルタが、前記聴取環境の前記上表面で反射される音に存在する高さ手がかりを優先して、前記聴取環境を通じて直接送出される音波に存在する高さ手がかりを補償する、請求項24記載のスピーカー。
  26. 前記仮想高さフィルタと統合されたクロスオーバー回路をさらに有しており、前記クロスオーバーは、閾値周波数より下の低周波数成分を前記前方発射ドライバ・キャビネット内の前方発射ドライバに送出するよう構成された低域通過部と、前記閾値周波数より上の高周波数成分を前記上方発射ドライバに送出するよう構成された高域通過部とを有する、請求項25記載のスピーカー。
  27. ほぼ前記大地平面に対応する軸に沿って音波を送出するよう構成されている前記筐体内の直接発射ドライバをさらに有する、請求項23記載のスピーカー。
  28. 二つの入力端子をさらに有し、第一の入力端子は前記聴取環境の前記上表面で反射されるべき音波に対応する信号を受領するよう構成され、第二の入力端子はほぼ前記大地平面に対応する軸に沿って送出されるべき音波に対応する信号を受領するよう構成されている、請求項27記載のスピーカー。
  29. 低周波数信号を前方発射ドライバに送出するよう構成された低域通過部と、上の高周波数信号を上方発射ドライバに送出するよう構成された高域通過部とを有するクロスオーバーであって、前記上方発射ドライバは大地平面に対してある傾斜角で配向され、聴取環境の上表面のある反射点で音を反射させるよう構成されている、クロスオーバーと;
    前記クロスオーバーに結合され、前記上方発射ドライバに送出される信号に周波数応答曲線を適用する仮想高さフィルタとを有する、
    回路。
  30. 前記仮想高さフィルタが、前記スピーカー位置からの方向性手がかりを少なくとも部分的に除去し、反射スピーカー位置からの前記方向性手がかりを少なくとも部分的に挿入する、請求項29記載の回路。
  31. 前記上方発射ドライバが第一のスピーカー・キャビネットに囲まれており、前記前方発射ドライバが第二のスピーカー・キャビネットに囲まれている、請求項30記載の回路。
  32. 前記上方発射ドライバおよび前記前方発射ドライバがユニット的なスピーカー・キャビネットに囲まれている、請求項31記載の回路。
  33. 前記仮想高さフィルタが前記クロスオーバーの前記高域通過部と統合されており、統合された仮想高さフィルタおよびクロスオーバーが、前記上方発射ドライバと一緒に筐体内に囲まれた統合された回路として設けられる、請求項32記載の回路。
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