JP2016502430A - 白内障手術および屈折矯正手術用の自由形状累進多焦点屈折レンズ - Google Patents

白内障手術および屈折矯正手術用の自由形状累進多焦点屈折レンズ Download PDF

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Abstract

ベースとして標準的な円錐形状の面に重ね合わされた16次多項式で規定された形状から構成される自由形状累進多焦点前面を有する新しい種類の多焦点レンズが説明されている。レンズの中心領域は、遠見視力のために最適化され、同時に、レンズの残りは、近見視力のために最適化される。結果として得られる自由形状偶数次多項式非球面は、今日の回折多焦点設計とは異なり平滑である。さらに、このレンズ設計は、屈折矯正手術および白内障手術の両方に適する。【選択図】図12

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2012年11月9日に提出された米国特許出願第61/724,842号に基づく優先権を主張すると同時に参照によりその全体が本出願に組み込まれる。
老眼の発症後、ヒトの眼の水晶体は、本またはコンピュータの画面などの、少し離れた対象および対象の近傍に焦点を合わせることを可能にする遠近調節を行うことがもはやできなくなる。この問題に対する最も簡単な解決策は、遠見視力用の眼鏡および近見視力用の老眼鏡をかけることからなる。この問題を解決する洗練された次の手段は、眼鏡において二焦点レンズを使用することであり、これにより、患者は、遠見視力用のレンズを通して真っ直ぐ前方を見ることができ、あるいは、近見視力用の、屈折力が異なる(しかしながら、フレーム上の同じ一片のガラスの一部である)レンズを通して「下を見る」ことができる。
より洗練された2つの他の解決策が実施されてきた。第一には、眼内に挿入され、水晶体の効果を模倣すると考えられるいわゆる偽調節レンズが存在する。効果と患者予後とが、最良に混ぜ合わされてきた。FDAは、これらのレンズの1つ(クリスタルレンズ)を承認しているものの、多くの医者および患者は、これによって不満足な経験をしており、これは認められていない。
人気を得ている他の手法は、多焦点回折(MFD)レンズからなる。これらのレンズが、白内障レンズであること、すなわち、これらは、白内障が進んだ高齢の(通常は60歳以上の)患者に挿入されることを強調しておくことは非常に重要である。したがって、MFDレンズは、主に白内障の問題を矯正するために挿入され、また、ヒトの天然の水晶体を摘出することおよびMFDレンズによってこれを置き換えることを伴う。さらに、MFDレンズは、特定レベルの近見視力を回復させるために設計されるが、これは、本当の遠近調節ではない。このようなレンズは遠近調節を行うものではなく、正確に言えば、レンズの中心において遠見視力のための最良の焦点を形成し、レンズの周辺においてある程度の近見視力をもたらすように設計される。
最も簡単なMFD白内障レンズは、アルコンによって作られているRestor(登録商標)レンズである。このレンズは、遠見視力のために設計された直径3mmの中心部を有する。この中心部の外には、150年以上前に発明されたフレネルレンズと同様に、レンズ焦点屈折力が異なる複数のリングが彫られた部分が存在する。このリング部分は、患者に近見視力をもたらすために設計される。リング部分の外には、中間視力をもたらすために設計された非球面が存在する。この設計は、単純であり、いくつかの利点および大きな欠点(中間視力および近見視力の効果を得るために開口サイズに依存することなど)を有する。
回折レンズ設計の性能を改善する1つの試みは、ベースとなるRestor(登録商標)レンズにより多くのリングおよびより多くの屈折力を付加することを含む。これらのレンズでは回折効果が利用されているため、これらは、ある程度まで同じ利点および欠点を有する。
回折レンズ設計における別の興味深い開発は、PhysIOL(登録商標)回折レンズである。これは、上で説明した回折設計と同様のものであるが、組み合わされた2つの部分(すなわち、中間視力をもたらすための1つの部分および近見視力をもたらすための別の部分)を付加している。理論上は、どんなに患者の瞳孔が大きくても、両方の部分は、眼の瞳孔空間内に存在するはずであり、したがって、患者は、レンズの中心部によってもたらされる遠見視力と共に許容可能な近見視力および中間視力を得るはずである。両方の回折部分は、溝が、レンズの中心の近くでより深く、半径方向距離の増加と共に極めて浅くなるようにアポダイズされる。
異なる原理に基づく、多焦点レンズの別の変種は、Oculentis(登録商標)によって製造されているレンズである。これは、原理において二焦点眼鏡レンズと同様のものである。すなわち、レンズの光学性能を実現する2つの曲率がレンズに存在する。レンズの下部は、加入屈折力(例えば、2.0ジオプタ(D))を有し、遠くの対象(遠見視力)に対して最良の焦点を形成する。光学の観点から、このようなレンズは、PhysIOL(登録商標)レンズと同様の変調伝達関数(MTF)およびスルーフォーカス応答をもたらすが、このレンズでは、コマ収差およびグレアが報告されている。
上で説明したように、以前の設計は、白内障手術のみのために作成されていた。従来技術の設計は、理論上はICL負レンズにおいて実施され得るが、実際には、このような実施は極めて困難である。
上で説明したマルチピリオド設計は、前面に一組のリングを有し、これらのリングは、傾斜した底面(ブレイジング)と共に数百ミクロンの深さを有する。一般的な眼内コンタクトレンズ(ICL)の屈折負レンズは、中心においてほんの116ミクロンの厚さであり、縁において厚さは、330ミクロンまでしか増加しない。したがって、背面に突き抜けることなく、または結果として得られるレンズの機械的性質を著しく損なうことなくリングを旋削することは、事実上不可能である。眼の生理学的制約に起因して、負レンズの厚さは、負レンズが、一般的にこのようなレンズが眼内に挿入される極めてきつい容積にもはや収まらなくなるため増加させることができない。
マルチピリオド設計の回折リングに伴う第2の問題は、回折リングが、レンズの前面に作られる場合、虹彩に接触することである。眼に入射する光の量に応答して虹彩が開閉する際に虹彩がリングに擦れるときに虹彩を擦傷する深刻な危険がある。このような擦傷は、虹彩色素の粒子が取り除かれることをもたらす可能性があり、このことは、潜在的に、炎症および房水の出口通路の目詰まりという深刻な問題の原因となる。一方、リングが、背面に刻まれ、水晶体に偶然触れる場合、水晶体への損傷が、水晶体内の白内障の形成をもたらす可能性がある。
第三に、回折面は、従来、光を色のそのスペクトルに分割する回折格子として使用されており、色分散をもたらす。回折多焦点IOLの場合、色分散は、深刻な問題となり、患者は、この効果と共に生き、どうにかしてこれを無視することを学ばなければならない。
二重曲率設計に関しては、製造が複雑であり、また、患者は、このレンズによるコマ収差効果の観察を報告している。また、このようなレンズは、上述した問題の多く(既に極めて薄い負レンズにおいて2つの曲率半径を実現する困難など)を示す。
二重曲率設計に伴う別の深刻な問題は、グレアおよびハローの発生である。これらの問題は、2つの表面が融合する場所における急激な移行およびレンズ屈折力の突然の変化に原因がある。
必要とされてきたが、これまでに利用不可能であったものは、改善された近見視力を実現するように最適化された、屈折矯正手術および白内障手術の両方に使用され得る改善された多焦点レンズ設計である。本発明は、これらのおよび他の必要性を満たす。
一般的な態様において、本発明は、偶数次非球面形状を有する光学部品を有する自由形状累進多焦点レンズを含む。一部の態様において、偶数次非球面形状を有するものは、ベースが円錐形状(basic conic shape)であって、その上に最大で16次の偶数次多項式で規定された形状が重ね合わされてベースとしての円錐形状を有する光学部品を含む。このような形状において、光学部品の半径は、半径方向に沿って、レンズの中心から外に移動するにつれて点ごとに異なる。
別の態様において、本発明は、レンズブランクから自由形状累進多焦点光学部品を旋削するために旋盤を制御することができるコマンドを生成するための方法を含む。
さらに別の態様において、本発明は、少なくとも改善された遠焦点および近焦点を実現するように最適化された自由形状累進多焦点光学部品を備える、患者の視力を改善するための挿入可能なレンズを含む。さらに別の態様において、レンズは、レンズ光学部品を眼内に固定するためのハプティックを含む。
さらなる態様において、光学部品は、ベースとなる円錐形状の上に16次の偶数次多項式で規定される形状が重ね合わされて出来たベースとなる円錐形状を有する。さらなる態様において、光学部品は、偶数次非球面形状を有する。さらなる態様において、偶数次非球面形状は、ベースとなる円錐形状の上に16次の偶数次多項式が重ね合わされてベースとなる円錐形状を有する。
さらに別の態様において、本発明は、自由形状累進多焦点光学部品の幾何学形状を最適化するための方法であって、最適化エンジンに定数およびパラメータを入力するステップと、最適化出力を生成するステップと、最適化出力を座標生成器に入力するステップと、多焦点光学部品を旋削するために、座標生成器からの出力に従って旋盤を作動させるステップとを含む。
さらに別の態様において、定数は、遠見視力に関する対象距離、近見視力に関する対象距離、レンズの所望の中心厚、レンズの所望の縁厚、レンズの所望の光学直径、およびレンズの光学部品の所望の後面曲率を含んでもよいが、これらに限定されない。
別の態様において、変数は、非球面を記述する2つ以上の定数を含んでもよいが、これらに限定されない。別の態様において、変数は、16次多項式を規定するために必要とされる8つの定数を含んでもよいが、これらに限定されない。
さらに別の態様において、メリット関数が、最適化エンジンのための入力として選択され、使用されてもよい。
別の態様において、最適化出力は、レンズの光学面および光学幾何学形状を記述する21の定数であってもよい。一態様において、13の定数が、光学非球面および光学幾何学形状を記述する。別の態様において、定数のうちの8つが、16次の偶数次多項式を記述する。
さらに別の態様において、生成器からの出力は、点ごとのX座標およびZ座標を含む。
本発明の他の特徴および利点は、例として本発明の特徴を示す、添付図面に関連して行われる以下の詳細な説明から明らかとなる。
特許または出願書類は、色付きで作成された少なくとも1つの図面を含む。色付きの図面を有するこの特許または特許出願公報の写しは、要求および必要な手数料の支払いに基づいて特許庁により提供される。
本発明の一実施形態に係る自由形状累進多焦点レンズにおけるレイトレーシングを示す概略図である。 一構成を有するレンズのレイトレーシングである。対象は、無限遠に配置され、2.5mmの開口が、レンズの前に配置されている。このことは、レンズの中心が遠見視力に最適化されることを可能にする。 第2の構成を有するレンズのレイトレーシングである。対象は、眼から400mm(2.5ジオプタの加入屈折力)の位置に配置され、2.5mmの遮光物が、レンズの前に配置されている。このことは、レンズの周辺が近見視力に最適化されることを可能にする。 第3の構成を有するレンズのレイトレーシングである。この構成では、開口および遮光物のどちらもレンズの前に存在していない。 図2の構成(遠見視力、レンズの中心)に対応する、最適化前のレンズのFFT MTFのグラフ表示である。 図2の構成(遠見視力、レンズの中心)に対応する、最適化後の図5Aのレンズに関するFFT MTFのグラフ表示である。 図3の構成(レンズの周辺、近見視力)に対応する、最適化前のレンズに関するFFT MTFのグラフ表示である。 最適化後の図6Aのレンズに関するMTFのグラフ表示である。 開いた瞳孔(暗所視条件)での遠見視力をシミュレートする、図4の構成(完全レンズを含む)に対応する、最適化前のレンズに関するFFT MTFのグラフ表示である。 最適化後の図7Aのレンズに関するMTFのグラフ表示である。 対象位置(0.250m〜20m)に対しての、50lp/mm(line pairs per mm)のレンズに関するFFT MTFのグラフ表示である。 対象位置に対しての、50lp/mmの図8Aのレンズに関するFFT MTFのグラフ表示である。 開口=5mmの場合のスルーフォーカス応答のグラフ表示である。 開口=4.5mmの場合のスルーフォーカス応答のグラフ表示である。 開口=4.0mmの場合のスルーフォーカス応答のグラフ表示である。 開口=3.5mmの場合のスルーフォーカス応答のグラフ表示である。 開口=3.0mmの場合のスルーフォーカス応答のグラフ表示である。 開口=2.5mmの場合のスルーフォーカス応答のグラフ表示である。 開口=2.0mmの場合のスルーフォーカス応答のグラフ表示である。 最適化された20.0Dの自由形状多焦点レンズのMTF TFRのグラフ表示である。 ある範囲の開口に関して近見視力および遠見視力についての一連の像のシミュレーションを示している。 自由形状累進多焦点レンズを設計する方法の実施形態を示すブロック図である。
本発明の自由形状累進多焦点屈折レンズは、白内障手術および屈折矯正手術において使用され得る種類の眼内レンズである。その特有の特徴は、2つの年齢層に遠見視力および近見視力の両方をもたらすことを良い選択肢にする。白内障患者は、高齢(60歳以上)である傾向がある一方で、屈折矯正手術は、より若い患者(その30代および40代)においてより一般的である。
一実施形態において、本発明は、自由曲面または累進面を有する、屈折のみのレンズである。このレンズ設計は、従来技術の屈折型多焦点レンズの単純な球面または円錐面(その光学特性は、球面レンズの場合は曲率半径などの1つの数のみによって、または、非球面レンズの表面に関しては半径および円錐定数などの2つの数によって記述され得る)に比べてより複雑な表面である。
本発明の実施形態において、自由形状多焦点レンズは、ベースとして円錐体の面(base conic surface)を有し、その上に、最大で16次を含む偶数次多項式によって記述される表面が置かれる。このような表面は、この表面に関して曲率半径の測定が試みられた場合、曲率半径が、レンズの中心から半径方向外側に向かって点ごとに異なることが発見されるという事実を強調するために「偶数次非球面」、「累進面」、または「自由曲面」と呼ばれる。しかしながら、それでもこのようなレンズは、方位角において対称である。
図1は、本発明の一実施形態に係る自由形状累進多焦点レンズ100におけるレイトレーシングを示す概略図であり、この場合、レンズの前面は、偶数次非球面である。この実施形態において、レンズの前面は、ベースに曲率半径および円錐定数によって記述されるベースとしての円錐形状を有し、その上に、16次の偶数次多項式が重ね合わされる。結果として得られる表面は、平滑で屈折のみのものである。レンズは、「3/4図」で示されており、3Dおよび断面の両方が見えるようになっている。
この種類のレンズは、手作業または単純なコンピュータアプリケーション(マイクロソフト社によって販売されているエクセル(登録商標)など)では設計することができない。その代わりに、図1に示されているようなレンズを作るために必要とされる計算は、一般的には、レイトレーシングソフトウェアプログラム(Radian Zemax,LLCによって販売されているZemaxまたはSynopsis(登録商標)によって販売されているCode V(登録商標)など)によって実行される。実行される特定の計算は、例えば、「大域的最適化」またはモンテカルロ技術を含んでもよい。
一実施形態において、レンズは、3つの異なる構成において同時に設計され、最適化される。本発明者らは、最良の遠見視力、最良の近見視力、および特定のレンズ屈折力のための最良のレンズ全体の設計をもたらすためにこのような最適化が必要であることを発見した。例えば、ソフトウェアプログラムは、ソフトウェアプログラムによってシミュレートされる、模型眼(ISO11979−2の眼模型など)を用いたレンズのパラメータを求めるように設定される。この処理は、標準的なモデルであるISOレンズモデルにとって好適であり、また、品質目的のために、製造されたレンズを測定するために使用される。
所望の自由形状レンズの設計パラメータは、3つの異なる構成に入力を与え、次に、これらを上で説明したモンテカルロ技術などの方法を用いてシミュレートし、最適化することによって確立される。3つの構成のそれぞれにおいて最適なレンズ設計を求めること、したがって、3つの構成のすべてに関して設計を最適化することは、広範囲のレンズ屈折力にわたる近見視力、中間視力、および遠見視力をもたらすのに最良の光学特性をレンズに与える許容可能な妥協点をもたらすことが発見された。当業者ならば、レンズ屈折力に言及するとき、意味されているのは、レンズのベースの屈折力であり、これは、特定の視覚障害を矯正するためにレンズの眼鏡士によって選択されることを理解するであろう。
図2には、上で説明した最適化の構成1が示されている。図2は、遠見視力のためにレンズを最適化するシミュレーションのレイトレーシング結果である。このシミュレーションにおいて、対象は、無限遠に配置され、特定の瞳孔直径または眼をシミュレートする開口が、レンズの前に配置される。この構成において、開口は、直径2.5mmの円形開口部を有する。無限遠にある対象から放射される光線は、模型眼の角膜を通過し、その中心の2.5mmのみを通ってレンズに入射する。これにより、一般的には遠見視力のための補正の大部分を行う、レンズの中心を最適化することが可能になる。これは、明るい日中の光において患者に存在する視覚条件(明所視条件)をシミュレートし、この場合、患者の瞳孔の開き具合は、一般的に小さく、2〜3mmのオーダーであり、患者は、鮮明な遠見視力を有する必要がある。このシミュレーションにおいて、対象から放射される光線は、軸線上および2.5度の傾斜の両方において放射される。
図3には、上で説明した最適化の構成2が示されている。このシミュレーションにおいて、対象は、近見視力および2.5ジオプタ(1000mm/400mm)の加入屈折力をシミュレートするために眼から400mmの位置に配置されている。構成1の開口の代わりに、構成1の開口と同じ直径を有する遮光物が、レンズの前に配置される。遮光物は、これに当たるあらゆる光線を遮光し、2.5mmの直径を有する中心領域の外でレンズに当たる光線のみがレンズを通って進むことを可能にする。このシミュレーションは、レンズの周辺を最適化する。
図4には、上で説明した最適化の構成3が示されている。このシミュレーションにおいて、光は、構成1のように無限遠から放射されるが、レンズの前には、開口および遮光物のどちらも存在していない。図4に示されているように、レンズの全表面が、光線によって照明される。すべての光学性能関数(例えば、MTF、スポットサイズ、およびスルーフォーカス応答など)が、この構成に関しても計算される。
上で説明した構成のすべてにおいて、光は、ゼロ度の入射角(光線とレンズの法線との間の角度)および2.5度の傾斜(この場合、眼窩の縁において網膜に到達する)の両方においてレンズに放射される。
次に、レンズ最適化処理について説明する。一般的な実施形態において、マイナスレンズ(例えば、−3.00Dのベースの屈折力を有するレンズなど)(負レンズとしても知られている)は、近眼を矯正する屈折矯正手術において標準的に使用される。当業者ならば、同じ最適化処理が、白内障除去後に患者の視力を矯正するために使用され得るようなプラスレンズ(例えば、+12.00Dのベースの屈折力を有するレンズなど)に対して実行されてもよいことを理解するであろう。
ネガティブレンズの前面は、最適化を受ける自由形状偶数次非球面を有するように設計されてもよい。この表面のすべての幾何学的パラメータ(例えば、ベース面の曲率半径およびその円錐定数に加えて、16次の偶数次多項式の8つの項(合計で10のパラメータ))が、変数に変換され、ソフトウェアは、構成1(遠見視力)および構成2(近見視力)の両方において同時により良いレンズを作るためにそれらを変更することが可能である。構成3に言及して上で説明したシミュレーションは、最適化には関与せず、構成1および構成2の最適化の最終結果および最終的には、完成した最適化されたレンズの検査を行うために実行される。
最適化を受ける唯一の他の変数は、像面の距離である。したがって、レンズの背面およびさらにはレンズの中心厚は、定数であると考えられる。このように、合計で11の幾何学的パラメータが、レンズを最適化するためにソフトウェアによって変更されてもよい。
何が良いレンズを構成するかについての知識は、数十の引数の行を含むメリット関数としてコード化される。引数の行のそれぞれは、レンズの光学特性(例えば、MTFおよび光路差など)を表し、メリット関数のための高い目標値が与えられる。ソフトウェアは、これらのパラメータの現在値を計算し、目標値からそれを引く。様々な変数およびパラメータに割り当てられた個々の重みが掛けられた、現在値と目標値との間の差のすべての和であるRMS(2乗平均平方根)値が計算されるが、これは、メリット関数の現在値である。ソフトウェアプログラムは、この値が11の変数のある組み合わせによって最小化されるまでモンテカルロ法でレンズの11の変数を変更して、シミュレーションを連続的に実行することによってこの値の最小化を試みることによりシミュレーションを最適化する。一般に、最適化処理は、レンズに対する数百万の変更を必要とし、基本的に、最小のメリット関数を有する設計を発見するために数百万の異なるレンズ設計を試す。ほとんどの場合、合理的に最適化されたレンズを作るためには、1千万の事例の実行で十分である。
ここで説明されている処理は、負レンズおよび正レンズの両方を最適化するために使用され得る。20.0Dの白内障レンズの設計に適用された最適化処理の例が示される。この例において、特別な修正を加えた、市販のZemaxソフトウェアが、レンズを設計するために使用された。レンズの各表面は、球面または非球面からの偏差の多項式展開によって記述される回転対称多項式非球面によって規定される。偶数次非球面は、非球面性を記述するために動径座標の均等な屈折力のみを使用し、これにより、回転対称性をもたらす。
別の実施形態において、円柱成分を含むより一般的な表面がさらに設計されてもよく、この場合、多項式の奇項および偶項の両方が使用されてもよい。さらに別の実施形態において、最大で480の多項式項を含む拡張非球面が、これらのレンズを設計するためにさらに使用されてもよい。
この例において、レンズの各表面は、一般論として以下の方程式によって記述され得る。
Figure 2016502430
この方程式の項は、以下の意味を有する。
z=表面サグ
c=1/Rは、表面曲率であり、但し、Rは、表面曲率半径である。
=x+yは、表面動径座標の2乗である。
kは、円錐定数であって、双曲線に関しては−1未満であり、放物線に関しては−1であり、球面の楕円0に関しては−1〜0であり、楕円体に関してはゼロよりも大きい。
α〜αは、偶数次非球面係数であり、非球面に多項式を重ね合わせるために使用される。すべてのアルファがゼロの場合、上記の方程式は、標準的な非球面を記述し、さらにk=0の場合、この方程式は、標準的な球面になることに留意されたい。
曲率半径(R)、円錐定数(k)、および8つのアルファパラメータは、Zemaxソフトウェアプログラムにおいて変数として設定され、1つの表面につき合計で10の変数またはレンズの背面および前面に関して20の変数が与えられる。さらにレンズの中心厚が、変数として設定されてもよく、これにより、可能性のある変数の総数は21に増加する。
加えて、いくつかの構成が、上で説明したように、Zemaxソフトウェアプログラムにおいて設定されてもよく、この場合、光源と模型眼に挿入されるレンズとの間の距離および他のパラメータ(模型眼の瞳孔直径など)が変更される。LiouおよびBrennan模型眼もしくはISO模型眼または任意の他の適切な模型眼が、最適化処理を実行するシミュレーションを設定する際に使用されてもよい。この例では、ISO模型眼が使用されている。
表1に示されている以下の例では、4つの構成が形成されている。表の2行目は、レンズから光源(トレースされる光線の源)までの距離が500mmから1E10mm(=1E7メートル、すなわち、10,000km(本質的に無限遠))まで変更されていることを示している。表の3行目では、模型眼の最後の表面から像平面までの距離が、構成1において変数として設定され、他の構成は、同じ値を「ピックアップ」し、この結果、すべての構成において、この距離が同じになるようになっている。表の4行目は、瞳孔の半径であり、構成1および構成3は、暗所視条件に設定されて、瞳孔直径が、5mm(2×2.5mm)に開いていること、一方、構成2および構成4は、明所視条件に設定されて、瞳孔直径が、3mm(2×1.5mm)であることを示している。
Figure 2016502430
上で説明した21のパラメータが、変数として設定され、メリット関数が、レンズの性能を最適化する仕方に関してレイトレーシングソフトウェアに指示するためにZemaxソフトウェアプログラムを用いて構成される。
多くのパラメータが、何が満足に機能するレンズ(すなわち、遠見視力および近見視力の最良の組み合わせを実現するレンズ)を構成するかについて記述するために使用されてもよく、メリット関数に含まれる。この例では、MTFパラメータに対してかなりの重みが与えられている。さらに、ストレールレシオ、円内エネルギー、および波面誤差などの他のパラメータが使用されてもよい。以下の表2は、メリット関数の例を示しており、各行は以下で詳細に説明される。
Figure 2016502430
以下は、上記の表の各列の項目の説明である。
オペレータ番号:メリット関数のオペレータ番号およびその4つのキャラクター名。これらは、オペレータであって、その値が、レンズがどの程度満足に機能するかを記述するオペレータである。
タイプ:オペレータのタイプは、この例ではその4つのキャラクター名と同一である。
サンプリング:どれくらい多くの光線が瞳孔においてサンプリングされるかを記述するために、いくつかのオペレータ(MTFAなど)によって使用される。
波長:光波長
フィールド:1は、光がゼロ度で法線面に入射することを意味する。
周波数:MTFAが計算される空間周波数。本例では、50lp/mmが使用されたが、他の値が使用されてもよい。
グリッド:これは、ソフトウェアプログラムが計算を実行する仕方を制御する、Zemaxソフトウェアプログラムの内部パラメータである。
目標:これは、Zemaxが求めるように指示される、特定のオペレータのそれぞれに関する目標値である。例えば、EFLXおよびEFLYは、50mmの目標に設定される。これは、この例のレンズが20ジオプタ(1000mm/50mm=20D)のレンズであることを意味する。
重み:これは、このパラメータの相対的重要性である。例えば、EFLX、EFLYに関する重みは、1000に設定されており、より多く寄与する。他のパラメータは、より低い重みを有し、このことは、それらが最適化されるレンズにとって相対的に重要でないことを示す。
値:この列は、21の変数の現在値を所与として各オペレータに関する現在値を与える。例えば、EFLX値は、50.01574であり、全域メリット関数の0.01478166%のみに寄与している。
寄与率:最後の列には、メリット関数への各オペレータの寄与が記載されている。理想的には、「値」の列に列挙されている値は、可能な限り「目標」の列の値に近くなり、この結果、寄与は低減されるべきである。Zemaxソフトウェアプログラムは、すべてのオペレータの寄与の2乗の和を最小化する、21の変数の値を選択する。
内部的に、Zemaxソフトウェアプログラムは、上で説明したオペレータからメリット関数の数学的記述を構成するが、これは、以下の方程式によって示される。
Figure 2016502430
但し、Wは、オペランド「i」の重みであり、Vは、オペランドの現在値であり、Tは、目標値であり、添字「i」は、オペランド番号、すなわち、メリット関数のスプレッドシートにおけるその列番号を示している。和の添字「i」は、メリット関数のすべてのオペランド上を走る。明らかに、重みWiは、特定のオペランドに関してゼロに設定された場合、メリット関数の値に影響を及ぼさない。
次に、上記の表2に示されているメリット関数の行について説明する。
行6:球面収差を記述する第11のゼルニケ係数が含まれているが、その重みはゼロである。このことは、それがここでは情報のみのためのものであることを意味する。このため、Zemaxソフトウェアプログラムは、レンズが最適化されたときにその値を報告するものの、最適化処理では直接使用されず、したがって、レンズ設計の最適化には必要ない。
行7および行8:EFLXおよびEFLY:X方向およびY方向における有効焦点距離。さらに、EFLXおよびEFLYの両方の平均であるEFFLが使用されてもよい。このことは、Zemaxソフトウェアプログラムが、矯正屈折力を有するレンズを設計することを可能にする。
行9:MTFA:すべての方位角に関する平均MTF。このパラメータは、高い目標値と共に50lp/mmの周波数に設定される。他の周波数および他の重み値が使用されてもよい。この例では、このMTFAの重みは、500に設定され、構成1の部分である。さらに、MTFSおよびMTFTなどの同様のMTFオペレータが使用されてもよい。
行11:CONF2:表2における、この行より下の行は、新しいCONFパラメータが発見されるまで、第2の構成に関するオペレータを記述している。この例では、ブランクの行の前の、1000の重みを有する行12のMTFAが発見されると、関数は、CONF3にジャンプする。
4つの構成すべてに関するMTFAが、それぞれの目標値および重みに関して設定された後、レンズの縁厚値が設定される。これは、以下のオペレータによって制御される。
行19:ETGT:超過縁厚。このパラメータは、Zemaxソフトウェアプログラムに、結果として得られるレンズが薄くなり過ぎないようにレンズ厚を制御させる。
行20:ETLT:未満縁厚。このパラメータは、Zemaxソフトウェアプログラムに厚過ぎないレンズを作らせる。
行21:ETVA:縁厚値。この例では、Zemaxソフトウェアプログラムは、行19および行20において縁厚を報告しなかった。これは、プログラムが、これらの制約を満たすレンズを作ったためである。したがって、ETVAは、ここでは単に、現在の縁厚値を使用者に知らせている。その重みがゼロであり、したがって、最適化に関与しないことに留意されたい。
行22〜行31:これらの行は、Zemaxソフトウェアプログラムの標準的な「デフォルトメリット関数」を使用し、プログラムが光路差誤差を最小化することを可能にする。これは、レイトレーシングにおいて使用される標準的な技術であり、これらのデフォルトメリット関数オペレータは、上で説明したオペレータに付加される。
このメリット関数および前に設定された21の変数が実装されて、レイトレーシングZemaxソフトウェアプログラムは、21の変数を変更して上に記載したメリット関数MF2を計算するためにそれ自身の独自のアルゴリズムを使用する。プログラムは、レンズの設計者がこれを停止させるまで変数を変更してMF2の新しい値を検査し続けるように設定されてもよいし、あるいは、プログラムは、変数の変更が、非常に小さな、内部制御された数よりも大きな、MF2の変更値をもはや生成しなくなったら自動的に停止するように設定されてもよい。
次に図5Aを参照すると、最適化処理の開始時における、構成1(2.5mmの開口、したがって、レンズの中心のみの照明および遠見視力に関する最適化を可能にする)に関するMTFが示されている。レンズのMTFは、青色で示されており、黒色で示されている回折限界曲線に重ね合わされており、つまるところ、レンズは、この小さな開口において遠見視力に関して回折制限されている。
図5B)は、1千万の事例の最適化処理を実行した後のMTFを示している。一番上の黒色の曲線は、回折限界であり、青色の曲線は、軸上光に関するMTFであり、2つの緑色の曲線は、2.5度の光に関する矢状方向および接線方向のMTFである。最適化後の、レンズのMTFは、それでもやはり、明所視条件(小さな瞳孔、レンズの中心のみを通って進む光)に関してほとんど回折制限されている。
図6Aは、最適化処理の開始時における、構成2(光はレンズの周辺のみに当たり、近見視力に関して最適化される)に関するMTFを示している。近見視力に関する性能としては、極めて不十分である。低い回折限界は、レンズの前に遮光物を含むことによって発生するアーティファクトである。
図6Bは、1千万の事例の最適化処理を実行した後のMTFを示している。同様に、一番上の黒色の曲線は、回折限界であり、青色の曲線は、軸上光に関するMTFであり、2つの緑色の曲線は、2.5度の光に関する矢状方向および接線方向のMTFである。MTFは、遠見視力の場合に比べてかなり低くいが、それでも50lp/mmにおいて0.2を上回っている。この例のMTFは、当初は極めて不十分であるが、最適化後は近見視力に関して良い改善を示している。
図7Aは、最適化処理の開始時における、構成3(光はレンズ全体に当たり、開いた瞳孔(暗所視条件)で遠見視力をシミュレートする)に関するMTFを示している。
図7Bは、1千万の事例の最適化処理を実行した後のレンズのMTFを示している。結果として得られたレンズのMTFは、図5Bのレンズに比べて低下しているものの、それでも50lp/mmにおいて0.38の妥当な値である。比較すると、ヒトの眼は、同じ空間周波数において0.1である。
図8A〜図8Bは、対象位置(250mm〜20メートル)の関数としての、構成3(完全レンズ)に関するFFT MTFを示している。遠見視力(約12メートル超)に関して、MTFが、ほぼ一定の約0.35である(図8A)ことに留意されたい。250mm〜3メートルの範囲にある対象に関するMTFを示す図8Bは、近見視力に関してこのレンズが400mmで0.16のMTF値を生成していることを示している。
図9A〜図9Gは、構成3(完全レンズ)に関してMTF「スルーフォーカス応答」(TFR)が、像位置によってどのように変化するか示している。図9Aは、5mmの完全開口に関するTFR×フォーカスシフトを示しており、その他の図では、開口が、図9Gにおいてわずか2mmに達するまで段階的に0.5mmずつ小さくされている。これらの図は、開口が小さくされたときにTFRピーク幅が、本質的に同じままであることを示しており、多焦点加入力が、開口に大きく依存しないことを示している。予想したように、MTF TFRのピーク高さは、開口が小さくなるに従って高くなっており、このことは、収差からのより小さな寄与を示している。
以下は、上記の表1および表2を参照しながら説明した処理を用いて20Dのベースの屈折力を有するレンズを設計するために実行された最適化の例である。この例では、以下のパラメータが求められた。
前面半径=RF=14.69189762mm。
前面円錐=kF=33.77664176。
背面半径=RB=−14.69189762mm。
背面円錐=KB=33.77664176。
中心厚=tc=1.217mm。
縁厚=0.372mm。
直径=5.0mm。
この例において、最適化における1つの制約は、対称なレンズを作ることであったため、前面は、背面と同一である。このような構成は、レンズの製造および手術中の、医者によるレンズの挿入に対して利点をもたらす。例えば、レンズの製造中に、作業者は、自分が加工しているのが、レンズのどちらの面であるかを覚えておく必要がない。執刀医および患者にとっては、どちらの面も同一であるため、レンズを逆さに挿入する危険性がない。このようなレンズが好適であるものの、特定の状況下では、前面および背面が異なる他のレンズ設計が必要とされる場合がある。これらの設計も同様に、本発明の様々な実施形態に従って最適化され得る。
以下は、上記の例示的な20Dのレンズの最適化中に生成されたアルファ係数である。
α1F=−1.746918749E−3。
α2F=1.2891541066E−3。
α3F=−2.394731319E−4。
α4F=−7.395684842E−6。
α5F=−5.428966416E−5。
α6F=1.309282366E−5。
α7F=−7.609584642E−7。
α8F=−4.857728161E−8。
背面の係数に関しては、背面の係数(α1B〜αiB)は、反対の符号を有する、前面の対応する係数と等しい値を有する。これにより、この例示的なレンズに関して、前面および後面の偶数次非球面多項式は同一となる。
結果として得られたレンズの品質は、変調伝達関数「スルーフォーカス」応答(MTF TFR)を用いて評価されてもよい。図10は、上記の最適化された例示的な20Dのレンズに関するMTF TFRの関数としての変調伝達関数(OTF)のグラフである。このグラフは、このレンズが、広範囲のフォーカスシフトに関して高いMTFを有することを示しており、これは、図11における文字「E」のシミュレーションによって示されているような、近見視力から遠見視力までの良質の視力として言い換えられる。これらのシミュレーションは、第1列において、3、4、および5mmの瞳孔直径に関して、光源(E)が無限遠にあるときの許容可能な像品質を示している。第2列において、光源は、眼の前の2メートルの位置にある(列の項目に示されているように、1メートル/2メートル=0.5D)。像品質は、この場合、すべての瞳孔直径に関してより良くなっている。第3列は、光源がレンズの前の1メートルの位置にあるときの、すべての瞳孔開口に関する像品質を示しており、第4列は、光源がレンズの前の666mmの位置にある場合に関するものである。最後に、最後の第5列は、すべての瞳孔直径に関して、光源がレンズの前の500mmの位置にあるときの像品質を示している。この特定のレンズに関する像品質は、この最後の状況において、すなわち、近見視力に関して最良である。遠見視力に関して最良の像品質を生み出すようにレンズを最適化することも可能である。
先に述べたように、本発明に係る、レンズ設計の最適化は、白内障手術および屈折矯正手術の両方で使用されるレンズの設計に有用である。これに対して、現在利用可能な多焦点設計は、白内障の水晶体を交換するためにしか使用することができず、近眼を矯正するために屈折矯正手術用レンズとして挿入される場合には不十分な選択肢である。
本発明の様々な実施形態に従って作られるレンズの自由形状累進多焦点(FFPM)面は、一般的な回折型眼内レンズの粗面とは対照的に平滑である。このことは、虹彩が、一般的には水晶体が損なわれていない眼に挿入されるICL(屈折矯正手術用レンズ)の前面上をスライドする場合に特に好適である。平滑なFFPM面は、前面として設計される場合は虹彩を擦傷せず、あるいは、背面として挿入される場合は水晶体を擦傷しない。さらに、平滑な自由形状累進多焦点面は、ハローおよびグレアまたは患者に視覚障害をもたらし得る、他のウェーバーの法則の光学収差を発生させない。
FFPMレンズ設計は、多焦点視力を実現しながらも、現在利用可能なICLレンズの生理学的形状を保存している。ヒトの眼の溝または小帯の上部に挿入されるレンズには、極めて小さな余地しかなく、極めて厳格な生理学的制約がある。挿入されるレンズは、水晶体に触れる場合、白内障を発症させる可能性がある。一方、挿入されるレンズが、虹彩の円蓋をあまりに大きくする場合、このことは、閉塞隅角の原因となり、眼圧の増加および緑内障をもたらす可能性がある。
上で説明したFFPM設計は、回折レンズよりも製造が容易である。PhysIOL(登録商標)レンズに関して、複雑な回折光学素子の間隔、深さ、および「ブレイジング」角度、ならびにアポダイゼーション係数を制御する必要がない。さらに、環状面が、16次多項式が付加されてベースとなる円錐面を変更することによってこの設計にさらに付加されてもよい。
また、自由形状累進多焦点面レンズは、遠見視力および近見視力に関する2つの現在の構成よりも多くの構成を有するように設計されてもよい。例えば、それは、遠見視力、中間視力、および近見視力のために、または何らかの他の同様の組み合わせのために設計されてもよい。例えば、遠見視力および中間視力のみまたは中間視力および近見視力のみに最適化されたレンズが設計され、製造されてもよい。また、レンズは、近見視力または遠見視力をより強調するために開口および遮光物に関して他のサイズを有するように設計されてもよい。
あるいは、FFPMレンズは、上で説明した、開口および遮光物の構成を使用せずに再設計されてもよい。例えば、単一の構成が、使用され、メリット関数のみの内部に課される遠見視力および近見視力または遠見視力および中間視力を条件付けてもよい。
図10は、最適化されたFFPMレンズを設計するための、ならびにFFPMレンズを製造するために結果的に旋盤に供給され得る特定のコマンドおよび座標を生成するための、本発明の一実施形態を構成する方法300を示す概略図である。本方法は、入力として定数305、変数310、および選択されたメリット関数または複数のメリット関数315をレイトレーシング/最適化エンジン320に入力することから始まる。定数305は、例えば、遠見視力に関する対象距離、近見視力に関する対象距離、レンズの所望の中心厚、レンズの所望の縁厚、およびレンズの光学部品の所望の後面曲率を含んでもよいが、これらに限定されない。変数310は、例えば、非球面を記述するために使用される定数および16次の偶数次多項式に関する定数を含んでもよいが、これらに限定されない。例えば、2つの定数が、非球面を記述するために必要とされてもよく、また、8つの定数が、16次の偶数次多項式に必要であってもよい。メリット関数315は、一般的には、エンジン320上で動作するレイトレーシング/最適化プログラムが、所与のレイトレーシングのうちのどの結果が他の結果よりも良いか、または悪いかを求めることを可能にするために使用される複合メリット関数である。結果は、指定されたメリット関数または複数のメリット関数に依存する。
エンジン320の出力は、一般的には、最適化されたFFPMレンズの光学面および光学幾何学形状を記述する21の定数である。これらの定数のうちの13は、光学非球面および光学幾何学形状を記述する。これらの定数のうちの8つは、16次多項式を規定するために使用される。これらの出力は、所望のレンズのハプティックスの形状およびレンズの他の幾何学的特性を特定する他の定数と共に生成器325に入力される。
生成器325は、完成した最適化されたFFPMレンズを形成するためにレンズブランクから所望の形状および幾何学形状を旋削するために旋盤330によって使用される、点ごとのX座標およびZ座標を生成するためにコンピュータ上で動作する適切なソフトウェアを使用する。
生成器325は、エンジン321によって求められた設計パラメータを、FFPMレンズの製造に使用される旋盤に伝送され得るCNCコードに変換するために一般的に利用可能なソフトウェアを含む。一実施形態において、生成器は、生成器の機能を実行するようにプロセッサを制御する適切なコマンドを含む独自のプログラミングスクリプトである。また、出力されたCNCコードを旋盤に伝達するようにプロセッサ上で動作するプログラミングスクリプトと相互作用する1つ以上の装置(メモリ、入力、出力、ディスプレイ、およびプリンタ、ならびに通信ポートなど)が用意されてもよい。あるいは、CNCコードは、ディスクまたは固体記憶装置などの可搬型記憶装置を用いて旋盤に供給されてもよい。
プログラミングスクリプトは、一方ではレンズの光学特性に関連する光学情報に基づいて、他方ではレンズのハプティックスに関係する幾何学的情報に基づいて眼内レンズを記述するCNCコードを計算する能力を有する。プログラミングスクリプトは、上で説明したような市販の光学設計Zemaxソフトウェアプログラムを用いて計算される光学情報に依存する。これは、生成器325自体は、光学計算を実行しないし、Zemaxソフトウェアプログラムによって提供された光学設計入力を修正しないためである。
眼内レンズの光学特性を記述する光学パラメータは、エンジン320からエクスポートされ、テキストファイルを用いて入力として生成器325に供給される。生成器は、この光学情報を数値座標(CNCコード)に変換し、これらと、眼内レンズのハプティックスに関係する幾何学的情報とをマージし、幾何学的に平滑な移行部が2つのレンズ領域をつなぐことを確実にする。
上で説明した処理が、プロセッサ、入力装置、出力装置、通信ポート、およびメモリを有するコンピュータ上で実行されるときに、説明した処理を実行するようにコンピュータを制御するソフトウェアに組み込まれることが理解されるであろう。コンピュータは、特定のタスクを実行するために用意された、適切なソフトウェアを用いてプログラムされた汎用コンピュータであってもよい。あるいは、コンピュータは、説明したタスクのみを実行するように特別に設計されてもよい。さらに、説明したプログラムは、カスタムソフトウェアもしくは場合によっては市販のソフトウェアまたは両方の組み合わせに組み込まれてもよい。
本発明のいくつかの特定の形態について示し、説明してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく様々な修正がなされ得ることは明らかであろう。

Claims (14)

  1. 少なくとも改善された遠焦点および近焦点を実現するように最適化された自由形状累進多焦点光学部品を備える、患者の視力を改善するための挿入可能なレンズ。
  2. 前記レンズ光学部品を眼内に固定するためのハプティックをさらに備える、請求項1に記載のレンズ。
  3. 前記光学部品が、ベースとして円錐形状を有し、16次の偶数次多項式で規定された形状が、前記ベースとしての円錐形状に重ね合わされている、請求項1に記載のレンズ。
  4. 前記光学部品が、偶数次非球面形状を有する、請求項1に記載のレンズ。
  5. 前記偶数次非球面形状が、ベースとして円錐形状を有し、16次の偶数次多項式が、前記ベースとしての円錐形状に重ね合わされている、請求項4に記載のレンズ。
  6. 自由形状累進多焦点光学部品の幾何学形状を最適化するための方法であって、
    最適化エンジンに定数およびパラメータを入力するステップと、
    最適化出力を生成するステップと、
    前記最適化出力を座標生成器に入力ステップと、
    多焦点光学部品を旋削するために、前記座標生成器からの出力に従って旋盤を作動させるステップと
    を含む方法。
  7. 前記定数が、遠見視力に関する対象距離、近見視力に関する対象距離、前記レンズの所望の中心厚、前記レンズの所望の縁厚、前記レンズの所望の光学直径、および前記レンズの前記光学部品の所望の後面曲率を含む、請求項7に記載の方法。
  8. 前記変数が、非球面を記述する2つ以上の定数を含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記変数が、16次多項式を規定するために必要とされる8つの定数を含む、請求項7に記載の方法。
  10. メリット関数が、前記最適化エンジンのための入力である、請求項7に記載の方法。
  11. 前記最適化出力が、前記レンズの光学面および光学幾何学形状を記述する21の定数である、請求項7に記載の方法。
  12. 13の定数が、前記光学非球面および前記光学幾何学形状を記述する、請求項11に記載の方法。
  13. 前記定数のうちの8つが、16次の偶数次多項式を記述する、請求項11に記載の方法。
  14. 前記生成器からの前記出力が、点ごとのX座標およびZ座標を含む、請求項7に記載の方法。
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