JP2016223454A - 車両用シンクロメッシュ機構 - Google Patents

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Hisayoshi Yasue
悠好 安江
翼 飛石
Tsubasa Tobiishi
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Abstract

【課題】耐久性に優れた車両用シンクロメッシュ機構を提供する。
【解決手段】シャフト12により回転駆動されるギヤコーン14bと、スリーブ18と噛合わされるチャンファ部22aを外周側に備えた第1リング部材22と、ギヤコーン14bに摺動させられる摺動部24aを内周側に備えた第2リング部材24とを、備えるシンクロナイザリング20とを、備え、第1リング部材22及び第2リング部材24は、それぞれ別部材として構成されると共に、第1リング部材22の内周側に第2リング部材24が嵌め合わされるものであり、軸心C方向に対して垂直な方向に関して、第1リング部材22と第2リング部材24との相対的な変位を許容する間隙δが設けられたものであることから、チャンファ部22aの中心と摺動部24aの中心との間にずれがある場合においても、間隙δによりそのずれを吸収することができ、部材間に摩耗が生じることを抑制できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用シンクロメッシュ機構に関し、特に、装置の耐久性を向上させるための改良に関する。
車両用手動変速機等に備えられ、シャフトとギヤとの回転同期を実現する車両用シンクロメッシュ機構の一例として、カップリングスリーブと噛合わされるチャンファが外周側に設けられると共に、ギヤコーンに摺動させられる摩擦面が内周側に設けられたシンクロナイザリングを備えた車両用シンクロメッシュ機構が知られている。例えば、特許文献1に記載された変速機の同期装置がその一例である。この技術によれば、前記カップリングスリーブと前記シンクロナイザリングに設けられたチャンファとが相互に噛合い始めることで、前記シャフトと前記ギヤとの回転同期が開始される。
特開平8−68428号公報
前記従来の技術においては、前記シンクロナイザリングに設けられたチャンファと前記カップリングスリーブとの接触、及び前記シンクロナイザリングに設けられた摩擦面とギヤコーンとの接触が同時期に行われる。このため、前記シンクロナイザリングにおける前記チャンファの中心と前記摩擦面の中心との間にずれがある場合、片当たり等により前記チャンファ或いは前記摩擦面等に摩耗が生じ、装置の耐久性が低下するおそれがあった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、耐久性に優れた車両用シンクロメッシュ機構を提供することにある。
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、シャフトにより回転駆動されるギヤコーンと、カップリングスリーブと噛合わされるチャンファ部を外周側に備えた第1リング部材と、前記ギヤコーンに摺動させられる摺動部を内周側に備えた第2リング部材とを、備えるシンクロナイザリングとを、備え、前記第1リング部材及び前記第2リング部材は、それぞれ別部材として構成されると共に、前記第1リング部材の内周側に前記第2リング部材が嵌め合わされるものであり、前記シャフトの軸方向に対して垂直な方向に関して、前記第1リング部材と前記第2リング部材との相対的な変位を許容する間隙が設けられたことを特徴とする車両用シンクロメッシュ機構である。
このようにすれば、シャフトにより回転駆動されるギヤコーンと、カップリングスリーブと噛合わされるチャンファ部を外周側に備えた第1リング部材と、前記ギヤコーンに摺動させられる摺動部を内周側に備えた第2リング部材とを、備えるシンクロナイザリングとを、備え、前記第1リング部材及び前記第2リング部材は、それぞれ別部材として構成されると共に、前記第1リング部材の内周側に前記第2リング部材が嵌め合わされるものであり、前記シャフトの軸方向に対して垂直な方向に関して、前記第1リング部材と前記第2リング部材との相対的な変位を許容する間隙が設けられたものであることから、前記チャンファ部の中心と前記摺動部の中心との間にずれがある場合においても、前記間隙によりそのずれを吸収することができ、部材間に摩耗が生じることを抑制できる。すなわち、耐久性に優れた車両用シンクロメッシュ機構を提供することができる。
本発明の一実施例である車両用シンクロメッシュ機構の構成を概略的に示す図である。 図1の車両用シンクロメッシュ機構に備えられた第1リング部材の構成を詳しく説明する視断面図である。 図1の車両用シンクロメッシュ機構に備えられた第1リング部材の構成を詳しく説明する正面図である。 図1の車両用シンクロメッシュ機構に備えられた第1リング部材の構成を詳しく説明する斜視図である。 図1の車両用シンクロメッシュ機構に備えられた第2リング部材の構成を詳しく説明する視断面図である。 図1の車両用シンクロメッシュ機構に備えられた第2リング部材の構成を詳しく説明する正面図である。 図1の車両用シンクロメッシュ機構に備えられた第2リング部材の構成を詳しく説明する斜視図である。 図1の車両用シンクロメッシュ機構に備えられた第1リング部材と第2リング部材とが相互に組み付けられた様子を詳しく説明する視断面図である。 図1の車両用シンクロメッシュ機構に備えられた第1リング部材と第2リング部材とが相互に組み付けられた様子を詳しく説明する正面図である。 図1の車両用シンクロメッシュ機構に備えられた第1リング部材と第2リング部材とが相互に組み付けられた様子を詳しく説明する斜視図である。 本実施例との比較のために、従来の車両用シンクロメッシュ機構の構成を概略的に示す図である。 図11の車両用シンクロメッシュ機構に備えられたシンクロナイザリングの構成を詳しく説明する正面図である。
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明に用いる図面に関して、各部の寸法比等は必ずしも正確には描かれていない。
図1は、本発明の一実施例である車両用シンクロメッシュ機構10(以下、単にシンクロメッシュ機構10という)の構成を概略的に示す図である。このシンクロメッシュ機構10は、図示しない車両用手動変速機に備えられ、シャフト12とギヤ14との回転同期を実現する同期噛合機構である。図1に示すように、前記シンクロメッシュ機構10は、回転軸としての前記シャフト12上に、前記ギヤ14、クラッチハブ16、カップリングスリーブ18(以下、単にスリーブ18という)、及びシンクロナイザリング20を同心に備えている。図1においては、前記クラッチハブ16、前記スリーブ18、及び前記シンクロナイザリング20等の構成に関して、軸心Cに垂直な平面で切断した断面を示している。
前記クラッチハブ16は、前記シャフト12と一体的に回転させられるように設けられている。例えば、前記クラッチハブ16の内周側にスプライン溝が形成され、そのスプライン溝により前記シャフト12にスプライン嵌合されると共に図示しないスナップリング等によってその軸心方向の位置が定められることで、前記シャフト12の外周側に固定(固設)されている。前記クラッチハブ16の外周側には、前記スリーブ18と嵌め合わされるための外周歯16aが形成されている。前記スリーブ18の内周側には、前記クラッチハブ16と嵌め合わされるための内周歯18aが形成されている。そして、前記クラッチハブ16の外周歯16aと前記スリーブ18の内周歯18aとが嵌め合わされることで、それらクラッチハブ16及びスリーブ18が軸心周りの相対回転が阻止され且つ軸心方向の相対移動可能に嵌合されている。
前記スリーブ18は、幅方向の略中央部において内周側に落ち窪んだ凹部18bを有している。図示しないシンクロナイザキーが、前記スリーブ18における前記凹部18bに嵌め合わされる。前記シンクロナイザキーは、前記シャフト12(クラッチハブ16)との間に設けられた図示しないスプリングの付勢力により前記スリーブ18側に押しつけられるように設けられている。前記スリーブ18は、前記シンクロナイザキーにより通常は後述するように動力伝達を遮断する状態である中立位置に位置させられる一方、図示しないシフトフォークシャフトによって軸心C方向へ駆動されることで、後述するように動力伝達が可能な状態である伝達位置へ移動可能に配設されている。前記シフトフォークシャフトは、前記シンクロメッシュ機構10に備えられた図示しない切替用アクチュエータの駆動により機械的に図1の左右方向(すなわち軸心C方向)へ移動させられるようになっている。
前記ギヤ14は、前記クラッチハブ16に隣接して設けられ、図示しないベアリング等により前記シャフト12に対して軸心Cまわりの相対回転可能に配設されると共に、図示しないスナップリング等によって軸心方向の位置が決められている。前記ギヤ14の外周側には、前記スリーブ18が前記伝達位置に移動させられる前記シンクロメッシュ機構10の作動時に、前記スリーブ18の内周歯18aと噛み合わされるための噛合歯14aが形成されている。前記ギヤ14における前記シンクロナイザリング20との当接に係る部位には、前記クラッチハブ16に隣接してそのクラッチハブ16に向かうほど小径となる外周テーパ面(外周コーン面)を備えたギヤコーン14bが形成されている。
前記シンクロナイザリング20は、前記クラッチハブ16に所定量以上の相対回転不能すなわち周方向に関して所定角度の相対回転が許容されつつ相対回転不能且つ軸心方向の相対移動可能に前記ギヤ14(ギヤコーン14b)の外周側に配設されている。前記シンクロナイザリング20は、前記スリーブ18と前記ギヤ14とが相対回転している間すなわち前記スリーブ18と前記ギヤ14とが同期回転するまでの間、前記スリーブ18の内周歯18aと係合しつつそのスリーブ18の軸心方向移動を阻止するための外周係合歯であるチャンファ部22aを備えている。前記シンクロナイザリング20は、前記ギヤ14におけるギヤコーン14bの外周テーパ面に摺接させられる内周テーパ面(内周コーン面)である摺動部24aを備えている。
以上のように構成されたシンクロメッシュ機構10において、前記スリーブ18を移動させるための図示しないシフトフォークシャフトの非駆動時には、前記シンクロナイザキーにより前記スリーブ18が、軸方向における前記クラッチハブ16に対応する中立位置に位置決めされる。斯かる相対位置では、前記ギヤ14は前記シャフト12に対して軸心まわりの相対回転可能とされており、そのギヤ14は前記シャフト12に対して空転させられるため、前記ギヤ14を介しての前記シャフト12側への動力伝達は行われない(遮断される)。
前記スリーブ18の前記中立位置から伝達位置への移動が開始されるシフト開始時には、前記スリーブ18が前記シンクロナイザリング20側へ移動させられ、その側面に当接させられる。そして更に、前記シンクロナイザキーが前記シンクロナイザリング20を前記スリーブ18(シフトフォークシャフト)の移動する方向へ押すことにより、前記シンクロナイザリング20の摺動部24aと前記ギヤ14のギヤコーン14bとが当接させられる。この摺動部24aとギヤコーン14bとが相互に摺動させられ、摩擦力により前記シンクロナイザリング20と前記ギヤ14との相対回転速度が十分に低下した後、前記スリーブ18が更に前記ギヤ14側へ移動させられると、前記スリーブ18の内周歯18aと前記シンクロナイザリング20のチャンファ部22aとが相互に噛合い始め、前記シャフト12と前記ギヤ14との回転同期が開始される。すなわち、前記摺動部24aは、前記ギヤコーン14bとの間で摩擦力を発生させる摩擦面である。
続いて、前記シフトフォークシャフトの駆動により前記スリーブ18が更に前記ギヤ14側へ移動させられることで、前記スリーブ18の内周歯18aが前記ギヤ14の噛合歯14aの間に挿入される伝達位置とされ、それをもって前記シンクロメッシュ機構10のシンクロ作動は完了させられる。このように、前記スリーブ18の内周歯18aと前記ギヤ14の噛合歯14aとが噛み合った状態では、前記シャフト12に対する前記ギヤ14の軸心まわりの相対回転が阻止され、そのギヤ14は前記シャフト12と一体的に回転させられる。これにより、前記ギヤ14を介しての動力伝達が行われる(接続される)。
図11及び図12は、本実施例との比較のために、従来の車両用シンクロメッシュ機構100(以下、単にシンクロメッシュ機構100という)における問題点について説明する図である。図11は、前記シンクロメッシュ機構100の構成を概略的に示す図である。図12は、前記シンクロメッシュ機構100に備えられたシンクロナイザリング102の構成を説明する正面図である。図12においては、シンクロナイザリング102における摺動部102bの理想的な位置を破線で、その理想的な位置からずれた摺動部102bの位置を実線でそれぞれ示している。図11及び図12に示す構成に関して、本実施例の構成と共通する部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
図12に示すように、前記シンクロメッシュ機構100に備えられたシンクロナイザリング102は、前記クラッチハブ16に所定量以上の相対回転不能すなわち周方向に関して所定角度の相対回転が許容されつつ相対回転不能且つ軸心方向の相対移動可能に前記ギヤ14(ギヤコーン14b)の外周側に配設されている。前記シンクロナイザリング102は、前記スリーブ18と前記ギヤ14とが相対回転している間すなわち前記スリーブ18と前記ギヤ14とが同期回転するまでの間、前記スリーブ18の内周歯18aと係合しつつそのスリーブ18の軸心方向移動を阻止するための外周係合歯であるチャンファ部102aを備えている。前記シンクロナイザリング102は、前記ギヤ14におけるギヤコーン14bの外周テーパ面に摺接させられる内周テーパ面(内周コーン面)である摺動部102bを備えている。前記シンクロナイザリング102は、前記チャンファ部102a及び前記摺動部102bを含む全体が一体の部材として構成されている。
図11及び図12に示すように構成された従来のシンクロメッシュ機構100において、前記スリーブ18の前記中立位置から前記伝達位置への移動が行われる場合、前記シンクロナイザリング102においては、図11に矢印F1で示すように前記スリーブ18から軸方向の力が前記チャンファ部102aに入力されると共に、矢印F2で示すように前記摺動部102bの内周テーパ面が前記ギヤコーン14bの外周テーパ面に押し付けられることにより、回転速度の同期が行われる。この際、前記チャンファ102aと前記スリーブ18との接触、及び前記摺動部102bと前記ギヤコーン14bとの接触が同時に行われる。ここで、図12に示すように、前記摺動部102bが理想的な位置からずれている場合、前記シンクロナイザリング102における前記チャンファ部102aの回転中心と前記摺動部102bの回転中心との間にずれが生じる。このずれが大きい場合において、前記チャンファ102aと前記スリーブ18との接触、及び前記摺動部102bと前記ギヤコーン14bとの接触が同時に行われると、片当たり等により前記チャンファ部102a或いは前記摺動部102b等に摩耗が生じ、装置の耐久性が低下するおそれがある。
前述したような従来の技術における問題点を解消するため、本実施例のシンクロメッシュ機構10は、以下のような構成を備えている。すなわち、図1等に示すように、前記シンクロメッシュ機構10に備えられた前記シンクロナイザリング20は、前記スリーブ18の内周歯18aと噛合わされるチャンファ部22aを外周側に備えた第1リング部材22と、前記ギヤコーン14bに摺動させられる前記摺動部24aを内周側に備えた第2リング部材24とを、備えている。前記第1リング部材22及び前記第2リング部材24は、それぞれ別部材として構成されている。すなわち、前記シンクロメッシュ機構10に備えられた前記シンクロナイザリング20においては、前記チャンファ部22aを備えた構成と、前記摺動部24aを備えた構成とが、それぞれ独立した部材とされている。
図2〜図4は、前記第1リング部材22の構成を詳しく説明する図であり、図2は軸心を含む平面で切断して示す視断面図、図3は軸心方向に視た様子を示す正面図、図4は斜視図である。これらの図に示すように、前記第1リング部材22は、径寸法φbに対応する内周面22bと、φbよりも大きい径寸法に対応する内周面22cと、内周面から径方向外側に向けて掘り下げて設けられた溝部22dとを、備えている。前記チャンファ部22aは、軸方向における前記内周面22cに対応する位置に設けられている。図1に示すように前記シンクロメッシュ機構10に組み付けられた際、軸方向に関して、前記内周面22bが前記クラッチハブ16側、前記内周面22cが前記ギヤ14側となるように構成されている。
図5〜図7は、前記第2リング部材24の構成を詳しく説明する図であり、図5は軸心を含む平面で切断して示す視断面図、図6は軸心方向に視た様子を示す正面図、図7は斜視図である。これらの図に示すように、前記第2リング部材24は、径寸法φaの外周面を備えた外周部24bと、φaよりも大きい径寸法の外周面を備えた外周部24cと、前記外周部24bの外周面から径方向外側に向けて突出して設けられた凸部24dとを、備えている。図1に示すように前記シンクロメッシュ機構10に組み付けられた際、軸方向に関して、前記外周部24bが前記クラッチハブ16側、前記外周部24cが前記ギヤ14側となるように構成されている。好適には、前記外周部24bの外周面の径寸法φaは、前記内周面22bの径寸法φbよりも小さい。
図8〜図10は、前記第1リング部材22と前記第2リング部材24とが相互に組み合わされた様子を詳しく説明する図であり、図8は軸心を含む平面で切断して示す視断面図、図9は軸心方向に視た様子を示す正面図、図10は斜視図である。これらの図に示すように、前記シンクロナイザリング20では、前記第1リング部材22の内周側に前記第2リング部材24が嵌め合わされる。この際、前記第1リング部材22に形成された前記溝部22dに、前記第2リング部材24に形成された前記凸部24dが嵌め入れられる。すなわち、前記第1リング部材22と前記第2リング部材24とが相互に組み付けられた状態において、前記溝部22dに前記凸部24dが挿入されることで、前記第1リング部材22と前記第2リング部材24との相対的な回転が阻止される構造とされている。
以上のように構成されたシンクロナイザリング20を備えた本実施例のシンクロメッシュ機構10において、前記スリーブ18から軸方向の力F1が前記チャンファ部22aに入力され、前記第1リング部材22が軸方向において前記ギヤ14側へ移動させられた場合、前記第1リング部材22における前記内周面22bと22cとの段差に相当する壁部と、前記第2リング部材24における前記外周部24bと24cとの段差に相当する壁部とが相互に当接させられる。これにより、前記スリーブ18から前記チャンファ部22aに作用する力F1が、前記第2リング部材24における前記摺動部24aと前記ギヤコーン14bとの間の摩擦面に伝えられ、前述のように前記シャフト12と前記ギヤ14との回転同期が開始される。
ここで、図8及び図9に示すように、前記シンクロナイザリング20には、前記シャフト12の軸方向に対して垂直な方向すなわち径方向に関して、前記第1リング部材22と前記第2リング部材24との相対的な変位を許容する間隙(ガタ)δが設けられている。例えば前述のように、前記外周部24bの外周面の径寸法φaが、前記内周面22bの径寸法φbよりも小さい構成においては、前記外周部24bの外周面と前記内周面22bとの直径差(φa−φb)が前記間隙δに相当する。すなわち、前記第1リング部材22と前記第2リング部材24とが相互に組み付けられた状態において、前記第1リング部材22と前記第2リング部材24との間にあえてガタを持たせる構造とすることで、前記第1リング部材22及び前記第2リング部材24それぞれの回転中心のずれを吸収する構成とされている。
図11及び図12を用いて前述したように、前記チャンファ部102a及び前記摺動部102bを含む全体が一体の部材として構成されたシンクロナイザリング102を備えた構成においては、前記チャンファ部102aと前記摺動部102bとの同心度が低い場合、片当たり等により異常な摩耗が生じるおそれがあったが、本実施例の構成においては、前記第1リング部材22と前記第2リング部材24との間に間隙δが存在することで、前記シンクロナイザリング20における前記チャンファ部22aや前記摺動部24aに過大な負荷が生じることを抑制でき、摩耗による損傷を好適に防止できる。
すなわち、前記スリーブ18から軸方向の力F1が前記チャンファ部22aに入力され、前記第1リング部材22が軸方向において前記ギヤ14側へ移動させられた場合、前記スリーブ18からの力F1は、前記第1リング部材22における前記内周面22bと22cとの段差に相当する壁部と、前記第2リング部材24における前記外周部24bと24cとの段差に相当する壁部との当接部を介して前記摺動部24aに伝わり、その摺動部24aと前記ギヤコーン14bとの接触部における摩擦力により回転速度の同期が行われる。この際、前記当接部と前記接触部とはそれぞれの接触に係る部位の形状に依存して位置が決まるため、前記当接部及び前記接触部それぞれの回転中心にずれがある場合、前記第1リング部材22と前記第2リング部材24との間に径方向の相対的な力が発生する。本実施例の構成においては、前記第1リング部材22と前記第2リング部材24との間に間隙δが存在することで、前記当接部及び前記接触部それぞれの回転中心にずれがある場合であっても、前記間隙δにより前記回転中心のずれが吸収され、前記チャンファ部22a及び前記摺動部24a等における摩耗を好適に抑制できる。
本実施例によれば、シャフト12により回転駆動されるギヤコーン14bと、スリーブ18と噛合わされるチャンファ部22aを外周側に備えた第1リング部材22と、前記ギヤコーン14bに摺動させられる摺動部24aを内周側に備えた第2リング部材24とを、備えるシンクロナイザリング20とを、備え、前記第1リング部材22及び前記第2リング部材24は、それぞれ別部材として構成されると共に、前記第1リング部材22の内周側に前記第2リング部材24が嵌め合わされるものであり、前記シャフト12の軸心C方向に対して垂直な方向に関して、前記第1リング部材22と前記第2リング部材24との相対的な変位を許容する間隙δが設けられたものであることから、前記チャンファ部22aの中心と前記摺動部24aの中心との間にずれがある場合においても、前記間隙δによりそのずれを吸収することができ、部材間に摩耗が生じることを抑制できる。すなわち、耐久性に優れたシンクロメッシュ機構10を提供することができる。
更に、前記シンクロナイザリング20を備えた本実施例のシンクロメッシュ機構10は、複数種類(形式)の変速機において部品の共通化が可能とされるという副次的な効果を奏する。すなわち、図12に示すように、前記チャンファ部102a及び前記摺動部102bを含む全体が一体の部材として構成されたシンクロナイザリング102においては、例えば前記摺動部102bに求められる態様(諸元)が共通するものであっても、前記チャンファ部102aに求められる態様が異なれば、それぞれ別個のシンクロナイザリング102を製作する必要がある。一方、本実施例のように、前記チャンファ部22aを備えた前記第1リング部材22と、前記摺動部24aを備えた前記第2リング部材24とが、それぞれ独立した部材とされた構成においては、前記摺動部24bに求められる態様(諸元)が共通する場合、前記第2リング部材24を共通化することができ、前記第1リング部材22のみをそれぞれ別個に製作すれば足りるという利点がある。すなわち、複数種類(形式)の変速機において、前記第1リング部材22及び前記第2リング部材24の少なくとも一方を共通化することができる。
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
10:車両用シンクロメッシュ機構、12:シャフト、14:ギヤ、14b:ギヤコーン、18:カップリングスリーブ、20:シンクロナイザリング、22:第1リング部材、22a:チャンファ部、24:第2リング部材、24a:摺動部、δ:間隙

Claims (1)

  1. シャフトにより回転駆動されるギヤコーンと、
    カップリングスリーブと噛合わされるチャンファ部を外周側に備えた第1リング部材と、前記ギヤコーンに摺動させられる摺動部を内周側に備えた第2リング部材とを、備えるシンクロナイザリングと
    を、備え、
    前記第1リング部材及び前記第2リング部材は、それぞれ別部材として構成されると共に、前記第1リング部材の内周側に前記第2リング部材が嵌め合わされるものであり、
    前記シャフトの軸方向に対して垂直な方向に関して、前記第1リング部材と前記第2リング部材との相対的な変位を許容する間隙が設けられた
    ことを特徴とする車両用シンクロメッシュ機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018185986A1 (ja) * 2017-04-06 2018-10-11 中越合金鋳工株式会社 シンクロナイザーリング

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