JP2016223002A - チル無し高強度ダクタイル薄肉鋳物機械部品 - Google Patents

チル無し高強度ダクタイル薄肉鋳物機械部品 Download PDF

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Abstract

【課題】従来よりも一層の薄肉化ひいては軽量化を図ることが可能であり、かつ、肉厚が大きく減じているにも拘わらず高温での強度を十分に確保することができ、信頼性に優れたチル無し高強度ダクタイル薄肉鋳物部品を提供する。
【解決手段】Feを主成分としてC:2.5〜4質量%、Si:1〜3質量%、Mn:0.1〜1質量%、Cu:0.1〜3質量%を含有する鋳鉄からなり、厚みが1〜3mmの薄肉部を有する部品において、該薄肉部の組織がフェライト相、パーライト相、炭素粒子とからなって、パーライト相の組成比を60〜80%であって,1〜15μmの粒子径の炭素粒子を1000〜2000個で構成されているチル無しダクタイル薄肉鋳物機械部品である。
【選択図】図1

Description

本発明は、チル無し薄肉鋳物部品及びその製造方法に関する。薄肉で高強度な鋳造機械部品ダクタイル鋳物に関するものである。
球状黒鉛鋳鉄は、優れた強度を有し、黒鉛を含有するため鋼に比べ被削性や減衰能性、耐磨耗に優れ、自動車部品や機械部品、土木部品等、種々の用途に広く使用されるに至っている。世界規模で省エネルギーや二酸化炭素排出量の削減等、環境保全が急務となり、鋳造品にも極限的薄肉化による軽量化が強く求められている。
従来の球状黒鉛鋳鉄鋳物では厚さは通常3.5mm程度が限界とされてきたが、軽量化のために球状黒鉛鋳鉄鋳物を3.0mm以下に薄肉化することが求められている。薄肉化すると鋳造時に薄肉部の冷却速度が速くなりチル組織が発生し、強度低下をきたす。これを解消するためには熱処理でチルを消す必要が生じ経済性の面で問題がある。また、熱処理すると薄肉のためひずみが生じるという問題があった。
鋳鉄溶湯の酸素量と硫黄量を同時に低減させ肉厚3ミリ以下の球状黒鉛鋳鉄をチルなしで製造することを特徴とし、肉厚2ミリでの黒鉛粒数が900個/mm以上の高靱性薄肉球状黒鉛鋳鉄が開示されている。これは脱酸及び脱硫処理を行うため、実施装置が複雑になりコスト高となる欠点があることが示されている(特許文献1参照)。
MgSの黒鉛核生成についての検証を行い、肉厚2ミリで粒径2.5μm以上で計測し、最大1100〜1300個/mmの黒鉛粒数が得られ、SとMgの含量を上げることで最大値1300個/mmとなり、チル組織を発生させないための最低黒鉛粒数は1100〜1300個/mm以上と報告されている。しかし、これはSの増加にあわせてMgを増加させることになり、引け巣欠陥の増大をきたすという問題がある(非特許文献1参照)。
また薄肉球状黒鉛鋳鉄のチル化を低減する方法として「希土類元素による鋳放し球状黒鉛鋳鉄の機械的性質」の論文(参考文献)で、鋳鉄中のS量に対し化学量的なRE(希土類元素)を添加することによりREの硫化物を生成し、その硫化物が黒鉛晶出の下地として有効に作用する結果、球状黒鉛粒数が増加し薄肉球状黒鉛鋳鉄のチル化が著しく低減すると述べている。このREの添加は一般に行われてきたが、最近のRE入手困難の問題が生じ、鋳造関係者はREなしでの製造を模索した研究を強化している。したがって、REに依存しない鋳造方法が待たれている。
またBiを添加し、黒鉛粒径を10〜30μm程度に小さくして黒鉛粒数400個/mm以上、引張強さ800Mpa前後で、被削性の良好なパーライト球状黒鉛鋳鉄が開示されている。しかしBi添加は引け巣の発生を助長することがわかっており、その使用はある程度の範囲に限定されていることが報告されている(特許文献2参照)。
特開2007−204815号公報 特開平8−120396号公報 特開平8−225898号公報 特開2013−079418号公報 特開2007−254885号公報
鋳造工学Vol・74号30〜35頁
鋳鉄鋳物は薄肉化が十分になされておらず、さらなる薄肉化を図った場合に高温強度の確保に未だ不安が残るものである。また、例えばディーゼルエンジンの排気系部品に使用する場合、燃料である軽油に含有されているS成分が燃焼により硫酸系成分を生成し、これが排気ガスの冷却に伴い部品内面に凝結して、腐食が進行しやすくなる問題もある。また、例えば排気系部品等への適用時に、当該の使用環境が部品に対し高温かつ高カーボンポテンシャル雰囲気を形成する場合があり、使用中の部品に対して望まざる浸炭が進行することがあり、部品の耐熱疲労特性の劣化を招く場合がある。
本課題は、鋳鉄においてチル組成を持たなくて炭素の1〜15μm程度の球状粒子であって、従来よりも一層の薄肉化ひいては軽量化を図ることが可能であり、かつ、耐摩耗性が増して、引っ張り強度も高めて、肉厚が大きく減じているにも拘わらず高温での強度を十分に確保することができ、信頼性に優れた薄肉鋳物部品を提供することにある。
上記のように鋳物製品の軽量化のために最小肉厚を3mm以下にすると、チル組織が発生するという問題があり、この解決が重要な課題となっている。その対策として、RE添加、Bi添加、SとMg増量などの方法が提案されている。しかし、いずれの方法も特殊元素の入手困難や、引け巣の増加などの課題があり、決定的な対策方法とはなっていない。したがって、肉厚3.0mm以下チルなしの組織の薄肉球状黒鉛鋳鉄鋳物を鋳放しで得ることが極めて困難な状況であり、それを達成できる技術は従来存在しない。
本発明では、特別な装置や工程、例えば脱酸、脱硫の装置や工程を必要とする鋳造方法を使用することなく、特別なREやBi等添加剤の使用もなく極めて簡単に鋳放しで球状黒鉛鋳鉄鋳物、特に製品の最小肉厚3.0mm以下であってチルのないチルなし組織で、耐摩耗性が増して、引っ張り強度も高めて、肉厚が大きく減じているにも拘わらず高温での強度を十分に確保する薄肉球状黒鉛鋳鉄鋳物を提供することを目的とする。
Feを主成分としてC:2〜4質量%、Si:1〜3質量%、Mn:0.2〜1質量%、Cu:0.1〜1質量%を含有する鋳鉄からなり、厚みが1mm〜5mmの薄肉部を有する部品において、該薄肉部の組織がフェライト相、パーライト相、炭素粒子とからなって、パーライト相の組成比を5〜30%であって,1〜3μm以下の粒子径の炭素粒子を1000個以上で構成されている靭性の高い薄肉鋳物機械部品である。
インモールド法によって1500〜1550℃の溶湯を砂鋳型内に注入して、注入口からの溶湯を型枠まで通過する通路の途中にポケットを設けて、通路の途中に球状化剤を入れたポケットと接種剤を入れたポケットを直列的に並べて、ポケットの大きさを通路の幅の1.5〜3倍の深さにして、それぞれ容量として全溶湯の1/50〜1/100にして、溶湯の通路を通過する速度を1〜60秒にしている。
高靭性を持ち、耐摩耗性、及び引っ張り強度で高い鋳鉄において、当該鋳鉄の含有炭素成分を球状化するために、球状化剤Mg、Ca、Ceから選ばれた組成成分を前ポケットと、無チル化、及び炭素粒数の増加のための接種剤であるFe‐Si系組成成分を後ポケットとに入れて、それらのポケットに前記溶湯を通して、高温状態で迅速に鋳型枠に鋳込み、注入口として50〜200mm径の経路で、溶湯の流通経路においても同様な容量にして鋳型内に注入する、鋳型注入の溶湯を100〜300℃/時間で徐冷して炭素粒子の含有量2〜4重量%の鋳鉄になるようにしている。
肉厚3.0mm以下の薄肉部分において耐衝撃性、耐振動性薄物機械部品として、化学組成が質量%で、C:2.0〜4.0質量%、Si:1.0〜3.0質量%、Mn:0.2〜1.0質量%、Cu:0.1〜1.0質量%の組成に、残部Fe及び不可避的不純物からなる球状炭素鋳鉄であって、S:0.01〜0.03重量%、Mg:0.01〜0.03重量%、Bi:0.001〜0.1重量%、RE(希土類):0.01〜0.03重量%、を含有させている。
Si当量で組成中1.0〜3.0重量%になるように、インモールド法での球状化剤の次の工程である接種工程によって、注湯時に接種剤であるFe‐Si・Ca−Si系で処理して、薄肉球状炭素鋳鉄の組織中炭素粒子1〜15μm範囲の粒径を1000個以上の炭素粒数を持って、肉厚1〜5mmの該薄肉部の組織でフェライト相、パーライト相、炭素の粒子からなって、フェライト相の平均結晶粒径を微細化した該薄肉部のフェライト相とパーライト相との割合を全体組成として、顕微鏡写真内におけるそれぞれ面積割合としてフェライト相20〜40%以上で、パーライト相60〜80%である。
薄肉鋳物部品の製造方法であって、前記フェライト系鋳鉄の溶湯を、前記薄肉部における800℃までの冷却速度が20℃/分〜100℃/分となるよう、砂型を用いた減圧吸引鋳造法により部品形状に鋳造されて、前記薄肉球状炭素鋳鉄において、肉厚1〜3mmの薄肉部分で組織中の炭素粒1〜15μmの炭素粒数が1000個/mm以上で、パーライト相の組成比を60〜80%になっている。
また、薄肉鋳物部品の製造方法においては、上記の薄肉鋳物部品を製造するために、上記の鋳鋼の溶湯を、薄肉部における800℃までの冷却速度が20℃/分以上100℃/分以下となるよう、砂型を用いた減圧吸引鋳造法により部品形状に鋳造する。
薄肉鋳物部品に使用する鋳鋼は、Crの含有量を高めることによって高温での耐酸化性が高められており、さらに、C及びSiのバランスを調整することで、鋼融点を適度に低下させ、かつ薄肉形状の部品鋳造に適した流動性を確保することができる。また、Si、及びCuの添加により耐浸炭性が高向上するので熱疲労特性の改善を図ることができる。
通気性を有する砂型を用いてキャビティ内を減圧とし、上記鋳鋼の溶湯をキャビティ内に吸い上げて鋳造を行なう減圧吸引鋳造法を採用することにより狭小なキャビティにも十分な鋳回りを確保することができ、上記鋳鋼の鋳流れ性が改善されていることとも相俟って、厚みが1mm以上3mm以下の薄肉部を有した鋳物部品も、砂噛みや空隙などの鋳造欠陥の発生を十分に抑制した形にすることができる。
砂型は、溶湯と砂型との単位体積当たりの相対接触面積が大きくなり、該薄肉部における800℃までの冷却速度を20℃/分以上100℃/分以下と、かなり大きく設定することを可能にしている。その結果、厚みが1mm以上5mm以下に制限された薄肉部を有し、かつ、薄肉部のその組織におけるフェライト相の平均結晶粒径を微細化した薄肉鋳物部品を始めて実現することが可能となる。
該本薄肉鋳物部品によると、薄肉部の厚みが1mm以上3mm以下に制限されることで、部品の軽量化に大きく貢献する。さらに、この薄肉部の厚み設定による鋳造時冷却速度の向上効果により、フェライト相の平均結晶粒径を微細化することができ、また鋳造偏析も微細化することができる。該平均結晶粒径がこのように微細化されていることで、薄肉部の高温での耐力、引張強度、破断に至るまでの伸び(ひいては、靭性や耐衝撃性)などが軒並み改善され、また、高温での疲労強度を向上できる。さらに、薄肉部の厚みを上記のごとく減ずることで、部品のさらなる軽量化を図ることができるようになる。
薄肉部の厚みが1mm未満では、減圧吸引鋳造法を用いても薄肉部の信頼性を十分に確保することができなくなる。他方、薄肉部の厚みが5mmを超えると薄肉化による部品軽量化の利得が顕著でなくなり、かつ、砂型を用いた鋳造時に冷却速度を十分向上できなくなり、該薄肉部の平均結晶粒径を上記の上限値以下に保つことが困難となる。
他方、砂型を用いた減圧吸引鋳造法では、フェライトの平均結晶粒径を制御すると高温強度の改善効果が顕著でなくなる。薄肉部の厚みは、望ましくは1.5mm以上4.0mm以下、より望ましくは2.0mm以上4.0mm以下に設定するのがよい。また、該薄肉部におけるフェライトの平均結晶粒径は、望ましくは80〜350μmとなっているのがよい。
また、本薄肉鋳物部品は、上記薄肉部(1mm≦t≦5mm)以外に、取り付けフランジなどの厚肉部(t’>5mm)が形成されていてもよいが、部品軽量化の観点から、このような厚肉部の形成量は、部品全重量%の70%以下になっていることが望ましい。
以下、上記本発明に使用する鋳鋼における各元素の組成限定理由について説明する。C:0.10〜0.50質量%、Cは鋳鋼の融点を下げて鋳造時の溶湯の流動性を良くし、また、高温強度を高める働きがある。しかし、上記の下限値未満では鋳造時の溶湯の流動性が悪化し、上記の減圧吸引鋳造法を採用しても健全な薄肉部を形成することが困難になる。
また、雰囲気と材料内部とのカーボンポテンシャル差が大きくなり、望まざる浸炭が生じやすくなる。Cの下限値は、望ましくは2質量%、より望ましくは2.5質量%するのがよい。他方、上限値を超えると、α→Y(フェライト→オーステナイト)変態温度が低くなり、高温使用時に該変態による部品変形が著しくなるため、使用可能な上限温度が著しく低下する。また、炭化物の形成量が過剰となって被削性の低下も招く。Cの上限値は、望ましくは3.5質量%、とするのがよい。
Si:1〜4質量%、Siはフェライト安定化元素であり、α→Y変態を上昇させるとともに、鋼の融点を下げて溶湯の流動性を改善する。また、高温強度や耐酸化性の改善にも寄与する。さらに、耐浸炭性や被削性の改善にも寄与する。しかし、上記の下限値未満では効果が不十分となる。Siの下限値は、望ましくは1.5質量%、より望ましくは2質量%とするのがよい。また、上限値を超えると、鋼の延性(伸び)が低下して鋳造割れ感受性が大きくなる。Siの上限値は、望ましくは3.5質量%、より望ましくは3質量%とするのがよい。
本発明によれば、鋳鉄においてチル組成を持たなくて炭素の1〜15μm程度の球状粒子であって、従来よりも一層の薄肉化ひいては軽量化を図ることが可能であり、かつ、高靭性であって、耐摩耗性が増して、引っ張り強度も高めて、肉厚が大きく減じているにも拘わらず高温での強度を十分に確保することができ、信頼性に優れた薄肉鋳物部品を提供できるようになった。
又、従来のチルを避けるための方法である希土類金属など添加、SとMg増量などの方法は、材料の入手困難や、引け巣などの悪害を伴っていたが、本法によってこれらの問題は全て解決され、製造コストを大幅に削減することができた。その結果、環境保全の面で高価な希土類金属の使用量の大幅な低減、鋳放しによる省エネルギーに加え、軽量化による省エネルギーなどの時代の要求に応えるものであり、更には従来問題にしていた反復駆動の多い精密機器の部品として鋳鉄の用途を飛躍的に拡大して工業的価値は非常に高い。
鋳型の概念図 薄肉部を有した鋳塊試料の組織写真1 薄肉部を有した鋳塊試料の腐食組織写真2
図1〜図3は、本発明の薄肉鋳物部品として構成できる排気系部品の例を示すものである。
Feを主成分としてC:3.0質量%、Si:1.5質量%、Mn:0.5質量%、Cu:0.5質量%、S:0.02重量%、Mg:0.02重量%、Bi:0.01重量%、Ce0.02重量%を含有する鋳鉄組成にした。
図1に示すように、上記組成物をインモールド法によって1500℃の溶湯を砂鋳型内に注入して、注入口からの溶湯を型枠まで通過する通路の途中にポケットを設けて、通路の途中に球状化剤を入れたポケットと接種剤を入れたポケットを直列的に並べて、ポケットの大きさを通路の幅の2倍の深さにして、それぞれ容量として全溶湯の1/80にして、溶湯の通路を通過する速度を3秒にした。
耐摩耗性が高く、引っ張り強度が高い鋳鋼において、当該鋳鋼の含有炭素成分を球状化するための球状化剤Mg、Ca、Ceから選ばれた組成成分を前ポケットと、無チル化、及び炭素粒数の増加のための接種剤Fe‐Si系の後ポケットとに入れて、それらのポケットに1500℃以上の溶湯を通して、高温状態で迅速に鋳型枠に鋳込み、注入口として100mm径の経路で、溶湯の流通経路においても同様な容量にして鋳型内に注入した。
鋳型注入の溶湯を150℃/時間で徐冷して炭素含有量3重量%の鋳鉄になるようにした。薄肉鋳物部品の製造方法であって、前記フェライト系鋳鉄の溶湯を、前記薄肉部における800℃までの冷却速度が50℃/分となるよう、砂型を用いた減圧吸引鋳造法により部品形状に鋳造された。
注湯時に接種剤Fe‐Si系をSi当量で組成中質量%2.0%になるように、インモールド法により球状化剤の次に接種することによって、薄肉球状炭素鋳鉄の組織中10μmの粒径を有する1000個以上の炭素粒数を持って、肉厚3.0mmの該薄肉部の組織で微細のフェライト相、パーライト相、炭素の粒子からなっった。
該薄肉部のフェライト相とパーライト相との割合を全体組成として、顕微鏡写真内におけるそれぞれ面積割合として30%と、70%である、厚みが1mm〜3mmの薄肉部を有する部品において、該薄肉部の組織がフェライト相、パーライト相、炭素粒子とからなって、パーライト相の組成比を70%,炭素の粒子径10μm以下粒子を約1500個で構成された。
この製品は、ロボット製品での3mmの厚さのアームに使用され、長時間の使用によっても高靱性をもっており、破損、ひび割れなどは生じなかった。
Feを主成分としてC:3.5質量%、Si:1.2質量%、Mn:0.4質量%、Cu:0.5質量%、S:0.02重量%、Mg:0.02重量%、Bi:0.003重量%、Ce0.02重量%を含有する鋳鉄組成にした。
上記組成物をインモールド法によって1500℃の溶湯を砂鋳型内に注入して、注入口からの溶湯を型枠まで通過する通路の途中にポケットを設けて、通路の途中に球状化剤を入れたポケットと接種剤を入れたポケットを直列的に並べて、ポケットの大きさを通路の幅の2倍の深さにして、それぞれ容量として全溶湯の1/70にして、溶湯の通路を通過する速度を3秒にした。
耐摩耗性が高く、引っ張り強度が高い鋳鋼において、当該鋳鋼の含有炭素成分を球状化するための球状化剤Mg、Ca、Ceから選ばれた組成成分を前ポケットと、無チル化、及び炭素粒数の増加のための接種剤Fe‐Si系の後ポケットとに入れて、それらのポケットに1500℃以上の溶湯を通して、高温状態で迅速に鋳型枠に鋳込み、注入口として100mm径の経路で、溶湯の流通経路においても同様な容量にして鋳型内に注入した。
鋳型注入の溶湯を150℃/時間で徐冷して炭素含有量2〜4重量%の鋳鉄になるようにした。薄肉鋳物部品の製造方法であって、前記フェライト系鋳鉄の溶湯を、前記薄肉部における800℃までの冷却速度が50℃/分となるよう、砂型を用いた減圧吸引鋳造法により部品形状に鋳造された。
注湯時に接種剤Fe‐Si系をSi当量で組成中質量%1.0〜3.0%になるように、インモールド法により球状化剤の次に接種することによって、薄肉球状炭素鋳鉄の組織中10μmの粒径を有する1500個の炭素粒数を持って、肉厚3.0mmの該薄肉部の組織でフェライト相、パーライト相、炭素の粒子からなった。
該薄肉部のフェライト相とパーライト相との割合を全体組成として、顕微鏡写真内におけるそれぞれ面積割合と27%と73%である、厚みが1mm〜3mmの薄肉部を有する部品において、該薄肉部の組織がフェライト相、パーライト相、炭素粒子とからなって、パーライト相の組成比を73%,炭素の粒子径11μm粒子を1000個以上で構成された。
この製品は、ロボット製品での3mmの厚さのアームに使用され、長時間の使用によっても高靱性をもっており、破損、ひび割れなどは生じなかった。
Feを主成分としてC:3.0質量%、Si:2.0質量%、Mn:0.5質量%、Cu:0.3質量%、S:0.02重量%、Mg:0.02重量%、Bi:0.001重量%、Ce0.02重量%を含有する鋳鉄組成にした。
上記組成物をインモールド法によって1500℃の溶湯を砂鋳型内に注入して、注入口からの溶湯を型枠まで通過する通路の途中にポケットを設けて、通路の途中に球状化剤を入れたポケットと接種剤を入れたポケットを直列的に並べて、ポケットの大きさを通路の幅の2倍の深さにして、それぞれ容量として全溶湯の1/80にして、溶湯の通路を通過する速度を約3秒にした。
耐摩耗性が高く、引っ張り強度が高い鋳鋼において、当該鋳鋼の含有炭素成分を球状化するための球状化剤Mg、Ca、Ceから選ばれた組成成分を前ポケットと、無チル化、及び炭素粒数の増加のための接種剤Fe‐Si系の後ポケットとに入れて、それらのポケットに1500℃以上の溶湯を通して、高温状態で迅速に鋳型枠に鋳込み、注入口として100mm径の経路で、溶湯の流通経路においても同様な容量にして鋳型内に注入した。
鋳型注入の溶湯を120℃/時間で徐冷して炭素含有量2〜4重量%の鋳鉄になるようにした。薄肉鋳物部品の製造方法であって、前記フェライト系鋳鉄の溶湯を、前記薄肉部における800℃までの冷却速度が20℃/分〜100℃/分となるように、砂型を用いた減圧吸引鋳造法により部品形状に鋳造された。
注湯時に接種剤Fe‐Si系をSi当量で組成中質量%1.0〜3.0%になるように、インモールド法により球状化剤の次に接種することによって、薄肉球状炭素鋳鉄の組織中10μmの粒径を有する1500個以上の炭素粒数を持って、肉厚3.0mmの該薄肉部の組織で微細なフェライト相、パーライト相、炭素の粒子からなった。
該薄肉部のフェライト相とパーライト相との割合を全体組成として、顕微鏡写真内におけるそれぞれ面積割合として30%と、70%である、厚みが1mm〜3mmの薄肉部を有する部品において、該薄肉部の組織がフェライト相、パーライト相、炭素粒子とからなって、パーライト相の組成比を70%,炭素の粒子径9.5〜10.5μm粒子を1500個で構成された。
この製品は、ロボット製品での3mmの厚さのアームに使用され、長時間の使用によっても高靱性をもっており、破損、ひび割れなどは生じなかった。
1 上型
2 下型
3 湯道
4 ポケット
5 球状化剤
6 Bi
7 接種材Fesi・Casi
8 薄肉鋳物
9 取り鍋
10 溶湯
11 球状黒鉛
12 パーライト
13 フェライト

Claims (6)

  1. Feを主成分としてC:2.5〜4質量%、Si:1〜3質量%、Mn:0.1〜1質量%、Cu:0.1〜3質量%を含有する鋳鉄からなり、厚みが1〜3mmの薄肉部を有する部品において、該薄肉部の組織がフェライト相、パーライト相、炭素粒子とからなって、パーライト相の組成比を60〜80%であって,1〜15μmの粒子径の炭素粒子を1000〜2000個で構成されていることを特徴とするチル無しダクタイル薄肉鋳物機械部品。
  2. インモールド法によって1500〜1550℃の溶湯を砂鋳型内に注入して、注入口からの溶湯を型枠まで通過する通路の途中にポケットを設けて、通路の途中に球状化剤を入れたポケットと接種剤を入れたポケットを直列的に並べて、ポケットの大きさを通路の幅の1.5〜3倍の深さにして、それぞれ容量として全溶湯の1/50〜1/100にして、溶湯の通路を通過する速度を1〜30秒にしていることを特徴とする請求項1に記載のチル無し高強度ダクタイル薄肉鋳物機械部品。
  3. 高靭性を持ち、及び引っ張り強度で高い鋳鉄において、当該鋳鉄の含有炭素成分を球状化するために、球状化剤Mg、Ceから選ばれた組成成分を前ポケットと、無チル化、及び炭素粒数の増加のための接種剤であるFe‐Si、Ca‐Si、Bi系組成成分を後ポケットとに入れて、それらのポケットに前記溶湯を通して、高温状態で迅速に鋳型枠に鋳込み、注入口として50〜200mm径の経路で、溶湯の流通経路においても同様な容量にして鋳型内に注入する、鋳型注入の溶湯を100〜300℃/時間で徐冷して炭素粒子の含有量2〜4重量%の鋳鉄になるようにしていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のチル無し高強度ダクタイル薄肉鋳物機械部品。
  4. 肉厚3.0mm以下の薄肉部分において耐衝撃性、耐振動性薄物機械部品として、化学組成が質量%で、C:2.5〜4.0質量%、Si:1.0〜3.0質量%、Mn:0.1〜1.0質量%、Cu:0.1〜3.0質量%の組成に、残部Fe及び不可避的不純物からなる球状炭素鋳鉄であって、S:0.01〜0.03重量%、Mg:0.01〜0.03重量%、Bi:0.001〜0.1重量%、RE(希土類):0.01〜0.03重量%、を含有させていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のチル無し高強度ダクタイル薄肉鋳物機械部品。
  5. Si当量で組成中1.0〜3.0重量%になるように、インモールド法での球状化剤の次の工程である接種工程によって、注湯時に接種剤であるFe‐Si系で処理して、薄肉球状炭素鋳鉄の組織中炭素粒子1〜15μm範囲の粒径を1000〜2000個の炭素粒数を持って、肉厚1〜3mmの該薄肉部の組織でフェライト相、パーライト相、炭素の粒子からなって、微細化した該薄肉部のフェライト相とパーライト相との割合を全体組成として、顕微鏡写真内におけるそれぞれ面積割合としてフェライト相20〜40%で、パーライト相60〜80%であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のチル無し高強度ダクタイル薄肉鋳物機械部品。
  6. 薄肉鋳物部品の製造方法であって、前記フェライト系鋳鋼の溶湯を、前記薄肉部における800℃までの冷却速度が20〜100℃/分となるよう、砂型を用いた砂型鋳造法により部品形状に鋳造されて、前記薄肉球状炭素鋳鉄において、肉厚1〜3mmの薄肉部分で組織中の炭素粒1〜15μmの炭素粒数が1000個/mm以上で、パーライト相の組成比を60〜80%になっていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のチル無し高強度ダクタイル薄肉鋳物機械部品。
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