JP2016222631A - 貼付剤用基材 - Google Patents

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Abstract

【課題】揮発性の低分子化合物の吸収量が小さい貼付剤用基材を提供すること。【解決手段】フィルム、不織布、フィルムと不織布の積層体、のいずれかより選択される基材上に、分子量800以下の揮発性の低分子化合物を含有する薬剤含有層が形成されている貼付剤に用いられる貼付剤用基材であって、フィルム及び/又は不織布が環状オレフィン系樹脂を含む貼付剤用基材である。環状オレフィン系樹脂のガラス転移点が50℃以上190℃以下であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、揮発性の低分子化合物を含有する薬剤含有層が形成されている貼付剤に用いられる貼付剤用基材に関する。
湿布薬や経皮吸収型製剤等に代表される貼付剤は、例えば、貼付剤用基材と、薬剤とを含有する薬剤含有層からなる構造を有する。
貼付剤用基材としては、例えば、フィルム、不織布、フィルムと不織布の積層体、のいずれかより選択される基材が用いられる。例えば、特許文献1では、ポリエチレンテレフタレートを用いて製造されたフィルムや不織布を積層した積層体が挙げられる。例えば、ポリエチレンテレフタレートの不織布をラミネート加工された積層体であって積層体の一部分に他の部分より厚さの薄い領域を設けた貼付剤が開示されている。
特開2014−24764号公報
ポリエチレンテレフタレートを用いて製造されたフィルムや不織布は、揮発性の低分子化合物を吸収するため、薬剤含有層中の薬剤が貼付剤用基材に吸収されてしまう。貼付剤は、長時間薬剤を皮膚に浸透させることでその効果を発揮するものであるため、薬剤が貼付剤用基材に吸収された薬剤はその効果を発揮することはできない。そのため、貼付剤用基材に用いられる材料としては、薬剤等の揮発性の低分子化合物の吸収が少ないものを用いることが求められる。
本発明は、以上の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、揮発性の低分子化合物の吸収量が小さい貼付剤用基材を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、フィルム及び/又は不織布が環状オレフィン系樹脂を含む貼付剤用基材とすることで、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1)フィルム、不織布、フィルムと不織布の積層体、のいずれかより選択される基材上に、分子量800以下の揮発性の低分子化合物を含有する薬剤含有層が形成されている貼付剤に用いられる貼付剤用基材であって、前記フィルム及び/又は不織布が環状オレフィン系樹脂を含む貼付剤用基材。
(2)前記環状オレフィン系樹脂のガラス転移点が50℃以上190℃以下である、(1)に記載の貼付剤用基材。
(3)前記不織布が、耐熱性の異なる2種以上の熱可塑性繊維からなり、耐熱性の高い一方の繊維間が、耐熱性の低い他方の繊維の熱融着によって結合されている(1)又は(2)に記載の貼付剤用基材。
(4)(1)から(3)のいずれかに記載の貼付剤用基材を用いた貼付剤が、包装袋内に密封収容された貼付剤包装体であって、前記包装袋は、基材層と、ガラス転移点が50℃以上190℃以下の環状オレフィン系樹脂を含むシーラント層と、を備える積層体で構成されており、前記シーラント層側を内面としてヒートシールによって形成されている貼付剤包装体。
本発明の貼付剤用基材は、揮発性の低分子化合物の吸収量が小さい貼付剤用基材である。
以下、本発明の貼付剤用基材の実施形態について詳細に説明する。本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲において適宜変更を加えて実施することができる。
<貼付剤用基材>
本発明の貼付剤用基材は、フィルム、不織布又はフィルムと不織布の積層体であって、フィルム及び/又は不織布が環状オレフィン系樹脂を含む貼付剤用基材である。以下、環状オレフィン系樹脂、環状オレフィン系樹脂が含まれるフィルム、環状オレフィン系樹脂が含まれる不織布、について順に説明する。
[環状オレフィン系樹脂]
本発明における環状オレフィン系樹脂は、本発明におけるフィルム及び/又は不織布に含まれる。環状ポリオレフィン系樹脂とは、環状オレフィン成分を重合成分として含有する樹脂である。例えば、環状オレフィンの付加重合体又はその水素添加物、環状オレフィンとα−オレフィンとの共重合体又はその水素添加物等を挙げることができる。環状オレフィン系樹脂は、1種単独で使用することも、2種以上を併用することもできる。環状オレフィン系樹脂は、揮発性の低分子化合物に対する吸着性が極めて低く、貼付剤用基材用の樹脂として極めて有用である。なお、揮発性の低分子化合物とは、分子量が800以下、好ましくは500以下の揮発性の低分子化合物を意味し、例えばdl−カンフル、1−メントール、サリチル酸メチル、ツロブテロール、ニコチン、塩酸ブロムヘキシン等を挙げることができる。
環状ポリオレフィン系樹脂のガラス転移点は、50℃以上190℃以下であることが好ましく、60℃以上190℃以下であることがより好ましい。ガラス転移温度が60℃以上であることで、揮発性の低分子化合物の吸着性を低いものとすることができる。ガラス転移温度190℃以下とすることで、フィルム加工時の製膜性、溶融紡糸時の曳糸性を確保することができる。
環状オレフィン系樹脂のガラス転移点(Tg)は、DSC法(JIS K7121記載の方法)によって昇温速度10℃/分の条件で測定した値を採用する。
環状オレフィン系樹脂としては、環状オレフィンに由来する構造単位を主鎖に含む上記重合体又は上記共重合体において、さらに極性基を有する不飽和化合物がグラフト及び/又は共重合したものも挙げられる。
極性基としては、例えば、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、アミド基、エステル基、ヒドロキシル基等を挙げることができ、極性基を有する不飽和化合物としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数1〜10)エステル、マレイン酸アルキル(炭素数1〜10)エステル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル等を挙げることができる。
また、本発明において環状オレフィン系樹脂として用いられる共重合体としては、市販の樹脂を用いることもできる。市販されている環状オレフィン系樹脂としては、例えば、TOPAS(登録商標)(TOPAS Advanced Polymers社製)、アペル(登録商標)(三井化学社製)、ゼオネックス(登録商標)(日本ゼオン社製)、ゼオノア(登録商標)(日本ゼオン社製)、アートン(登録商標)(JSR社製)等を挙げることができる。
環状オレフィンとα−オレフィンとの付加共重合体として、特に好ましい例としては、〔1〕炭素数2〜20のα−オレフィンに由来する構造単位と、〔2〕下記一般式(b)で示される環状オレフィンに由来する構造単位と、を含む共重合体を挙げることができる。
Figure 2016222631
(式中、R〜R12は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、及び、炭化水素基からなる群より選ばれるものであり、
とR10、R11とR12は、一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、
又はR10と、R11又はR12とは、互いに環を形成していてもよい。
また、nは、0又は正の整数を示し、
nが2以上の場合には、R〜Rは、それぞれの繰り返し単位のなかで、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
〔〔1〕炭素数2〜20のα−オレフィン〕
炭素数2〜20のα−オレフィンは、特に限定されるものではない。例えば、特開2007−302722と同様のものを挙げることができる。また、これらのα−オレフィンは、1種単独でも2種以上を同時に使用してもよい。これらのなかでは、エチレンの単独使用が最も好ましい。
〔〔2〕一般式(b)で示される環状オレフィン〕
一般式(b)で示される環状オレフィンについて説明する。一般式(b)におけるR〜R12は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、及び、炭化水素基からなる群より選ばれるものである。一般式(b)で示される環状オレフィンの具体例としては、特開2007−302722と同様のものを挙げることができる。
これらの環状オレフィンは、1種単独でも、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのなかでは、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(慣用名:ノルボルネン)を単独使用することが好ましい。
〔1〕炭素数2〜20のα−オレフィンと〔2〕一般式(b)で表される環状オレフィンとの重合方法及び得られた重合体の水素添加方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法にしたがって行うことができる。
また、用いられる重合触媒についても特に限定されるものではなく、チーグラー・ナッタ系、メタセシス系、メタロセン系触媒等の従来周知の触媒を用いて周知の方法により環状オレフィン系樹脂を得ることができる。
また、得られた環状オレフィン系樹脂の水素添加方法も特に限定されず、従来公知の方法を適用可能である。
なお、環状オレフィン系樹脂は、上記の〔1〕炭素数2〜20のα−オレフィン成分と、〔2〕一般式(b)で示される環状オレフィン成分以外に、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて他の共重合可能な不飽和単量体成分を含有してもよい。任意に共重合されていてもよい不飽和単量体としては、特に限定されるものではないが、例えば、炭素−炭素二重結合を1分子内に2個以上含む炭化水素系単量体等を挙げることができる。炭素−炭素二重結合を1分子内に2個以上含む炭化水素系単量体の具体例としては、特開2007−302722と同様のものを挙げることができる。
環状オレフィン系樹脂のうち、エチレンとノルボルネンとの付加共重合体が、揮発性の低分子化合物の低吸着性を有するため、特に好適である。したがって、本発明における環状オレフィン系樹脂としては、エチレンとノルボルネンとの付加共重合体が特に好ましい。
環状オレフィン系樹脂は、ISO1133に準拠する方法で、260℃、荷重2.16kgの条件で測定されたMVRが1ml/10min以上100ml/10min以下であることが好ましい。環状オレフィン系樹脂のMVRが1ml/10min未満であると、流動性が損なわれてしまう場合がある。また、環状オレフィン系樹脂のMVRが100ml/10minより高くなると、環状オレフィン系樹脂自体の機械強度が低下し、貼付剤用基材には不適となる場合がある。
[フィルム]
本発明における環状オレフィン系樹脂を含むフィルムは、上記の環状オレフィン系樹脂を含む組成物を、従来公知のインフレーション法やTダイ法により溶融押出し成形でき、好ましい厚さは5μm以上30μm以下である。
環状オレフィン系樹脂の含有量の下限値は特に限定されないが、揮発性の低分子化合物の低吸着性の観点から、フィルムの全組成物中に好ましくは95質量%以上、より好ましくは98質量%以上100質量%以下である。
なお、後述する不織布が環状オレフィン系樹脂を含む組成物である場合、本発明におけるフィルムは、必ずしも環状オレフィン系樹脂を含む組成物でなくてもよく、従来公知のポリエチレンテレフタレート樹脂、ナイロン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等の樹脂フィルムを用いてもよい。
[不織布]
本発明における環状オレフィン系樹脂を含む不織布は、例えば、上記の環状オレフィン系樹脂を含む組成物を、ウェブと呼ばれる繊維の塊とし、例えば繊維間を熱により融着等させて結合することで製造することができる。組成物として環状オレフィン系樹脂組成物含む熱可塑性樹脂組成物を用いることで、薬剤からの揮発性の低分子化合物に対する吸収量が極めて小さい貼付剤用基材とすることができる。不織布の目付量は、5g/m〜50g/mとすることが好ましく、10g/m〜30g/mとすることがより好ましい。
本発明で用い得る不織布の製造方法としては、乾式法、湿式法、スパンボンド法、メルトブローン法、エアレイド法等のウェブ形成法、ケミカルボンド(浸漬)法、ケミカルボンド(スプレー)法、サーマルボンド法、ニードロパンチ法、スパンレース法等のウェブの繊維結合法を用いて製造されたものを特に制限なく用いることができる。
短繊維不織布を製造する場合は、例えば15mm以上100mm以下程度の比較的短い繊維をカード工程によりウェブを形成し、例えば、サーマルボンド法、ケミカルボンド法、ニードルパンチ法、水流絡合、又はエアースルー法等により、不織布を形成する乾式法がある。また、6mm以下程度のごく短い繊維を水と混ぜ合わせ、紙のように漉いて形成したシートをサーマルボンド法、又はケミカルボンド法等によりシートを形成する湿式法等により製造することができる。また、上記のような短繊維不織布に限定されず、連続した繊維から形成される長繊維不織布も使用できる。
また、サーマルボンド法を用いて不織布を製造する場合には、例えば、耐熱性の異なる2種以上の熱可塑性繊維からなり、耐熱性の高い一方の繊維間が、耐熱性の低い他方の繊維の熱融着によって結合することで不織布を製造することができる。この場合、耐熱性の低い熱可塑性繊維が溶融するが、耐熱性の高い一方の繊維は溶融しない温度でサーマルボンドすることで結合が得られる。耐熱性の異なる2種以上の熱可塑性繊維から製造される不織布は、熱可塑性繊維の種類や熱融着温度を調整することで熱融着不織布を形成できる。
この場合、好ましくは、少なくとも耐熱性の高い一方の繊維として、上記の環状オレフィン系樹脂を含む組成物を用いることで、薬剤からの揮発性の低分子化合物に対する吸収量が極めて小さい貼付剤用基材とすることができる。
ここで、本明細書における耐熱性とは、熱可塑性繊維が結晶性の熱可塑性繊維である場合には、熱可塑性繊維の融点を意味し、熱可塑性繊維が非晶質の熱可塑性繊維である場合には、熱可塑性繊維のガラス転移点を意味する。例えば、複合繊維中の一方の熱可塑性繊維(A)が結晶性の熱可塑性樹脂であって、他方の熱可塑性繊維(B)非晶質の熱可塑性樹脂である場合には、(A)の融点と(B)のガラス転移点のうち低い方の熱可塑性樹脂が耐熱性の低い熱可塑性樹脂である。ここで融点、ガラス転移点は、DSC法(JIS K7121記載の方法)によって昇温速度10℃/分の条件で測定した値を採用する。
なお、上記のフィルムが環状オレフィン系樹脂を含む組成物である場合、本発明における不織布は、必ずしも環状オレフィン系樹脂を含む組成物でなくてもよく、従来公知のポリエチレンテレフタレート樹脂、ナイロン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等の樹脂を用いてもよい。
[フィルム/不織布の積層体]
本発明における貼付剤用基材は、上記のフィルム及び不織布の積層体であってもよく、この場合、環状オレフィン系樹脂は、フィルム及び/又は不織布に含有されていればよく、フィルム又は不織布の一方でもよく、両方に含有していてもよい。積層方法は特に限定されず、熱ラミネートでもよく、接着剤を介して積層されていてもよい。
<貼付剤>
本発明の貼付剤用基材を用いた貼付剤としては、例えば本発明の貼付剤用基材上に分子量800以下の揮発性の低分子化合物を含有する薬剤含有層が形成されている構造である。薬剤含有層は、従来から医療用として用いられるものであれば特に制限されずプラスター剤(テープ剤)又はパップ剤等特段制限されない。
<貼付剤包装体>
本発明の貼付剤用基材を用いた貼付剤を密封して収容することのできる貼付剤包装体としては、基材層と、ガラス転移点が50℃以上190℃以下の環状オレフィン系樹脂を含むシーラント層を備える積層体で構成することにより、揮発性の低分子化合物の吸収量の小さいものであって、かつそのシーラント層側を内面としてヒートシールによって形成することのできる貼付剤包装体とすることができる。
ここで、シーラント層としては、上記の環状オレフィン系樹脂を含むフィルムを用いることができる。この場合は、環状オレフィン系樹脂のガラス転移点は、50℃以上190℃以下が好ましく、60℃以上150℃以下がさらに好ましく、60℃以上100℃以下が特に好ましくい。環状オレフィン系樹脂のガラス転移点が50℃未満であると、耐熱性の面で好ましくない。環状オレフィン系樹脂のガラス転移点が190℃超であると、ヒートシール性の面で好ましくない。
シーラント層は、分子量800以下の揮発性の低分子化合物に対する吸着性が低い。また、同時にヒートシール性、易カット性、水蒸気バリア性が高い。そのため、本発明の貼付剤用基材を用いた貼付剤を密封して収容することのできる貼付剤包装体として極めて有用である。なお、環状オレフィン系樹脂とは、本発明の貼付剤用基材に用いられる環状オレフィン系樹脂と同様のものを使用することができる。
低吸着性包装袋の製造方法は特に限定されない。例えば、押出しコーティング法、ホットラミネーション法、ドライラミネーション法等の公知ラミネート方法により積層体を形成する。そして、当該積層体のシートを2枚用意し、当該積層体のシートのシーラント層が向かい合うように重ね、ヒートシールすることで製造することができる。
本発明の低吸着性包装袋の製造方法の一例を示す。まず、基材層とシーラント層とを有する積層体を製造する。積層体は、基材層、シーラント層以外に、蒸着層等のその他の層を含んでもよい。その他の層は、本発明の効果を害さない範囲で従来公知のものを適用することができる。
積層体に備えられる各層は、接着剤層を介して接着してもよい。接着剤層を形成する接着剤としては例えば1液、あるいは2液硬化型ウレタン系接着剤を用いることができる。
次いで、積層体を用いて低吸着性包装袋を製造する。延長シール部等のヒートシール装置を用いて積層体の外周をヒートシールすることで、容易に低吸着性包装袋を製造することができる。
この包装体は、貼付剤用基材が環状オレフィン系樹脂を含み、かつ、包装袋のシ−ラント層も環状オレフィン系樹脂を含む構成であるため、薬剤からの揮発性の低分子化合物は、貼付剤用基材に対しても、包装袋のシーラント層に対しても吸収量が小さく、全体として揮発性の低分子化合物の吸収が極めて小さい包装体とすることができる。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[揮発性の低分子化合物吸着試験1]
各樹脂シートについて揮発性の低分子化合物の吸着量を測定した。具体的には、本発明のフィルム及び/又は不織布としてなる、表1に記載の各樹脂シート(50mm×70mm、厚さ50μm)の両面に市販の湿布薬(揮発性物質として、dl−カンフル(分子量:152)、1−メントール(分子量:156)、サリチル酸メチル(分子量:152)を含有)に貼付し、16時間放置後、樹脂シートに吸収された揮発性物質(dl−カンフル、1−メントール、サリチル酸メチル)の量をヘッドスペースGC法により測定した。結果を表1に示す。
Figure 2016222631
(表中、COCは、エチレンとノルボルネンとの共重合体(TOPAS Advanced Polymers社製、商品名「TOPAS 8007F−04」、ガラス転移点78℃)を意味し、PETは、ポリエチレンテレフタレート(ユニチカ社製 エンブレッド)を意味する。)
表1から、環状オレフィンであるCOC(エチレンとノルボルネンとの共重合体)の樹脂シートは、PET(ポリエチレンテレフタレート)の樹脂シートと比べ、dl−カンフル、1−メントール、サリチル酸メチルの吸収量が極めて少ない吸収量であることが分かる。本試験結果から、環状オレフィン系樹脂を含む貼付剤用基材は、揮発性の低分子化合物の吸収量が小さく、揮発性の低分子化合物を含有する薬剤含有層が形成されている貼付剤に用いられる貼付剤用基材として極めて有用であることが分かる。
[風合試験]
本発明の不織布の貼付感に関連する風合を確認する試験を行った。具体的には、表2に記載の不織布の風合を確認する試験(官能検査)を行った。環状オレフィン不織布(表2中、COCと表記)は、TOPAS5013S−04(Tg=134℃)を用いて、メルトブローン法により、50g/mの不織布を得た。同製法・同目付のPET不織布(表2中、PETと表記)を比較として用いた。
(評価基準)
○:しなやかな柔軟な風合
△:やや柔軟さにかける風合
×:固くごわごわした感触の風合
Figure 2016222631
表2より、環状オレフィン不織布は、PET不織布よりもしなやかで柔軟であり、優れた風合の不織布であることが分かる。本試験結果から、環状オレフィン系樹脂を含む不織布を含む貼付剤用基材を用いて製造された貼付剤は、風合にも優れた貼付剤であることが分かる。

Claims (4)

  1. フィルム、不織布、フィルムと不織布の積層体、のいずれかより選択される基材上に、分子量800以下の揮発性の低分子化合物を含有する薬剤含有層が形成されている貼付剤に用いられる貼付剤用基材であって、
    前記フィルム及び/又は不織布が環状オレフィン系樹脂を含む貼付剤用基材。
  2. 前記環状オレフィン系樹脂のガラス転移点が50℃以上190℃以下である、請求項1に記載の貼付剤用基材。
  3. 前記不織布が、耐熱性の異なる2種以上の熱可塑性繊維からなり、耐熱性の高い一方の繊維間が、耐熱性の低い他方の繊維の熱融着によって結合されている請求項1又は2に記載の貼付剤用基材。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の貼付剤用基材を用いた貼付剤が、包装袋内に密封収容された貼付剤包装体であって、
    前記包装袋は、基材層と、ガラス転移点が50℃以上190℃以下の環状オレフィン系樹脂を含むシーラント層と、を備える積層体で構成されており、前記シーラント層側を内面としてヒートシールによって形成されている貼付剤包装体。
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