JP2016219539A - 半導体部品と金属部材との接合装置及び接合方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体部品と金属部材との接合にレーザ光を用いつつ、接合部が高温になっても半導体部品と金属部材との接合の信頼性の確保が可能な接合装置及び接合方法を提供する。【解決手段】金属部材60は、第一金属皮膜との間でレーザ光通過領域を形成する対向面61と、対向面から島状に突出し、先端部が第一金属皮膜に接触する複数の凸部63と、を備え、レーザ光通過領域の外周部には、外方に開口する開口部65が形成される。接合装置は、レーザ光を開口部からレーザ光通過領域に入射し、レーザ光通過領域における金属露出面にて、レーザ光の一部を複数回反射させながらレーザ光の他部を吸収させ、第一金属皮膜と凸部の先端部との各接触面を、溶融した状態である液相状態又は液相状態より低い温度で成立し固体の状態で接合が可能となる固相状態となるまで昇温させて接合させる。【選択図】図4A
Description
本発明は、半導体部品と金属部材との接合をレーザ光の照射によって行なう接合装置及び接合方法に関する。
従来、シリコン等からなる半導体部品と金属部材とを接合する際に、レーザ光を用いて接合する技術がある。例えば、特許文献1には、半導体チップ(半導体部品)と基材(金属部材)とを、所定の赤外波長を有するレーザ光によって溶着(接合)することが記載されている。詳細には、まず金属部材上に半導体部品が載置されるとともに、金属部材と半導体部品との間に例えばハンダである接合材が配置される。このとき、接合材の周囲には、吸収樹脂が配置され、接合材は吸収樹脂に包囲されている。吸収樹脂には、半導体部品、及び接合材よりも、前述した所定の赤外波長を有するレーザ光の吸収率がよい部材が用いられている。そして、レーザ光が照射されると、レーザ光は半導体部品を透過し、吸収樹脂に吸収される。これにより、吸収樹脂が加熱されて溶融し、加熱した吸収樹脂の熱によって接合材が溶融して金属部材と半導体部品とが、溶融した接合材によって接合される。
特許文献1に記載の従来技術では、接合材としての材料は、溶融温度が吸収樹脂の溶融温度より低いことが必要条件となる。このため、特許文献1には、接合材の選択対象として、鉛フリーはんだ、Sn合金はんだ等が挙げられている。
しかしながら、近年、例えば、電気自動車又はハイブリッド自動車では、電力を制御するPCU(パワーコントロールユニット)が、高電圧化及び大電流化している。このため、PCUを構成するインバータなどに用いられる半導体部品にも、高電圧が印加され、且つ、大電流が流れることにより、半導体部品と金属部材の間、即ち接合材が高温となる場合がある。このような場合、上記のような、融点の低い鉛フリーはんだ、Sn合金等からなる接合材では、接合の品質の確保が困難となる虞がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、半導体部品と金属部材との接合にレーザ光を用いつつ、接合部が高温になっても半導体部品と金属部材との接合の信頼性の確保が可能な接合装置及び接合方法を提供することを目的とする。
本発明に係る請求項1の接合装置は、半導体本体、及び、前記半導体本体の第一の表面に形成される第一金属皮膜を備える半導体部品と、前記半導体部品と別体に形成され、前記第一金属皮膜に接触して配置される金属部材と、をレーザ光によって接合する接合装置であって、前記金属部材は、前記第一金属皮膜に対して距離を隔てて対向し、前記第一金属皮膜との間でレーザ光通過領域を形成する対向面と、前記対向面から島状に突出し、先端部が前記第一金属皮膜に接触する複数の凸部と、を備え、前記レーザ光通過領域の外周部には、外方に開口する開口部が形成され、前記接合装置は、前記レーザ光を前記開口部から前記レーザ光通過領域に入射し、前記レーザ光通過領域における金属露出面にて、前記レーザ光の一部を複数回反射させながら前記レーザ光の他部を吸収させ、前記第一金属皮膜と前記凸部の前記先端部との各接触面を、溶融した状態である液相状態、又は前記液相状態より低い温度で成立し固体の状態で接合が可能となる固相状態となるまで昇温させて接合させる。
上記態様によれば、レーザ光の他部の吸収によって、第一金属皮膜及び凸部で昇温した熱は、第一金属皮膜と凸部との間で、接触面を介し、温度が高い側から低い側に向かって移動し、同時に接触面の温度も上昇させる。そして、接触面の温度が、第一金属皮膜及び凸部を形成する各材料の融点に到達すると、各接触面は、溶融した状態である液相状態となり、通常の溶接に相当する接合が可能となる。また、各接触面の温度が液相状態に至る前の低い状態では、各接触面は固相状態となり、固相拡散接合による接合が可能となる。このような、液相状態又は固相状態による何れかの接合により、各接触面同士がハンダを用いず接合されるので、各接触面同志をハンダにより接合した場合と比べて耐熱性が向上する。その結果、使用時に半導体部品が高温になったとしても、半導体部品と金属部材との各接触面の接合に対する信頼性が確保される。
本発明にかかる請求項7の接合方法は、半導体本体、及び、前記半導体本体の第一の表面に形成される第一金属皮膜を備える半導体部品と、前記半導体部品と別体に形成され、前記第一金属皮膜に接触して配置される金属部材と、をレーザ光によって接合する接合方法であって、前記金属部材は、前記第一金属皮膜に対して距離を隔てて対向し、前記第一金属皮膜との間でレーザ光通過領域を形成する対向面と、前記対向面から島状に突出し、先端部が前記第一金属皮膜に接触する複数の凸部と、を備え、前記レーザ光通過領域の外周部には、外方に開口する開口部が形成され、前記接合方法は、前記レーザ光を前記開口部から前記レーザ光通過領域に入射させ、前記レーザ光通過領域における金属露出面にて、前記レーザ光の一部を複数回反射させながら前記レーザ光の他部を吸収させる照射工程と、前記第一金属皮膜と前記凸部の前記先端部との各接触面を、溶融した状態である液相状態、又は前記液相状態より低い温度で成立し固体の状態で接合が可能となる固相状態となるまで昇温させる昇温工程と、前記昇温工程によって前記液相状態、又は前記固相状態となった前記各接触面を接合させる接合工程と、を備える。これにより、熱的に高信頼性を有した上記接合装置で得られた接合と同様の接合が得られる。
本発明の実施形態に係る接合装置について、図面に基づき説明する。図1は、接合装置10の概要図である。接合装置10は、レーザ発振器20(本発明の発振源に相当)、レーザヘッド30(本発明の照射角度変更装置に相当)、反射部40、筐体70及び制御装置80を備える。接合装置10は、レーザ光によって半導体部品50とヒートスプレッダ60(本発明の金属部材に相当)とを接合する装置である(図1参照)。接合装置10の説明の都合上、まず、接合対象となる半導体部品50とヒートスプレッダ60とについて説明する。なお、以降の説明においては、図1の上側を上方、下側を下方として説明する。
(1.半導体部品50とヒートスプレッダ60)
図1及び図2に示すように、半導体部品50は、例えば、電気自動車又はハイブリッド自動車において、電力を制御するPCU(パワーコントロールユニット)に使用される。具体的には、半導体部品50は、PCUを構成するインバータの半導体スイッチング素子(IGBT)として使用されるものとする。なお、半導体部品50は、インバータの他に、半導体スイッチング素子を用いる他の装置にも用いられる。なお、IGBTについては公知の技術であるので、詳細な説明については、省略する。
図1及び図2に示すように、半導体部品50は、例えば、電気自動車又はハイブリッド自動車において、電力を制御するPCU(パワーコントロールユニット)に使用される。具体的には、半導体部品50は、PCUを構成するインバータの半導体スイッチング素子(IGBT)として使用されるものとする。なお、半導体部品50は、インバータの他に、半導体スイッチング素子を用いる他の装置にも用いられる。なお、IGBTについては公知の技術であるので、詳細な説明については、省略する。
図2に示すように、半導体部品50は平板状に形成される。半導体部品50は、半導体本体51、第一金属皮膜52、及び第二金属皮膜53を備える。第二金属皮膜53は、半導体本体51の第二の表面(図2において半導体本体51の上側の面であり、後述の半導体本体51の表面に相当)に形成される。半導体本体51は、例えばSi等の半導体により形成される半導体層である。
第一金属皮膜52は、半導体本体51の第一の表面(図2において半導体本体51の下側の面)に形成される。第一金属皮膜52は、半導体本体51の第一の表面から、下方に向かって、順に下地接合層52a及び接合層52bを備える。下地接合層52aは、接合層52bの下地として形成される。下地接合層52a及び接合層52bは、何れも各融点が、ハンダの融点よりも高い金属材料により形成される。また、第一金属皮膜52は、所定の近赤外波長のレーザ光Lの一部を吸収することによって昇温し、固相状態(後に説明する)若しくは溶融して液相状態となることが可能である。詳細には、第一金属皮膜52は、上記レーザ光Lをほとんど透過することなく、一部を反射し、他部を吸収する材質で形成される。なお、第一金属皮膜52に照射されるレーザ光Lのエネルギー密度が大きいほど、吸収されるレーザ光のエネルギーは大きくなる。第一金属皮膜52は、半導体本体51の下側の表面(第二の表面)に電子的に結合される。
第二金属皮膜53は、半導体本体51の第二の表面から図2において上方に向かって順に下地電極層53b及び電極層53aを備える。下地電極層53bは、電極層53aの下地として形成される。本実施形態においては、下地電極層53b及び電極層53aは、第一金属皮膜52の下地接合層52a及び接合層52bと同様の材質で形成される。第二金属皮膜53は、半導体本体51の表面に電子的に結合される。
上記より、第二金属皮膜53及び第一金属皮膜52は、下地電極層53b、及び下地接合層52aの表面に電極層53a及び接合層52bがそれぞれ電子的に結合される。つまり、下地電極層53bの図2における下側の表面が半導体本体51と電子的に結合され、下地接合層52aの図2における上側の表面が半導体本体51と電子的に結合される構造を有する。
ヒートスプレッダ60は、例えばCuによって形成される金属部材である。ヒートスプレッダ60は、半導体部品50と別体で形成され、半導体部品50が備える第一金属皮膜52の図2における下側に接触して配置される。ヒートスプレッダ60は、図2,図3に示すように、対向面61と、複数の凸部63と、反射部40とを備える。反射部40は、接合装置10の構成部材である。
接合時において、対向面61は、第一金属皮膜52に対して所定の距離h2を隔てて対向し、対向面61と第一金属皮膜52との間でレーザ光通過領域P(二点鎖線参照)を形成する。レーザ光通過領域Pの外周部には、外方に開口する開口部65が形成される。
図2,図3に示すように、複数の凸部63は、対向面61から島状に突出し、先端部が第一金属皮膜52に接触する。なお、島状とは、複数の凸部63が、隣接する凸部63の間に所定の隙間を有して対向面61上にそれぞれ独立して配置される状態をいう。ただし、「島状」には、隣接する凸部63の間に所定の隙間さえ有していればよく、各凸部63が相互に一部を接触させて配置される状態も含む。
図2,図3に示すように、凸部63は、四角錐の頂点側を四角錐の底面と平行に切断した錐台形状で形成される。凸部63は、ヒートスプレッダ60(金属部材)の対向面61に接する第一底面63aが、第一金属皮膜52に接する第二底面63bより大きな面積を有するよう形成される。実際には、凸部63の第一底面63aは、対向面61と一体的に形成されている。なお、凸部63は、四角錐に基づく錐台形状とした。しかし、この態様には限らない。凸部63は、三角錐、又は他の角錐に基づく錐台形状でも良い。また、凸部63は、他の円錐に基づく錐台形状でも良い。
反射部40は、ヒートスプレッダ60の外周部で、レーザ光通過領域Pの開口部65の外方に開口部65と対向して配置される。反射部40は、開口部65と対向する側に反射面40aを備える。反射面40aは、開口部65に対して、所定の角度を有して形成される。反射部40の反射面40aは、レーザヘッド30(本発明の照射角度変更装置)から照射されたレーザ光Lを、一部反射させ、他部を吸収しながら、反射させたレーザ光Lを開口部65に入射させる部位である。
そして、ヒートスプレッダ60は、凸部63の第二底面63b(接触面)と、第一金属皮膜52の接触面とが接合されることで、半導体部品50と結合される。つまり、ヒートスプレッダ60は、第一金属皮膜52を介して半導体本体51の第一の表面に接合される。ヒートスプレッダ60は、所定容量のマスを有し、昇温した半導体部品50の熱を、第一金属皮膜52、凸部63の第二底面63bを介して逃がす作用を有する。このような接合により、従来技術のように、ハンダが、接合剤として第一金属皮膜52とヒートスプレッダ60との間に介在される場合と比べ、熱が接合された接触面を移動する速度を非常に速くすることができる。
これにより、半導体部品50で生じた熱が、接合された接触面を介してヒートスプレッダ60に向かって逃げることができず、半導体部品50内に蓄熱され高温となることはない。このため、半導体部品50が、高温となる前に、熱は接合された接触面を介して速やかにヒートスプレッダ60側に流れ、ヒートスプレッダ60において良好に放熱される。従って、ヒートスプレッダ60の温度も上昇しないので、例えばこれまで水冷であったヒートスプレッダ60の冷却を、空冷に変更することも可能となる。また、ヒートスプレッダ60の熱容量も下げることが可能となるので、ヒートスプレッダ60を小型化できる。
なお、半導体部品50において、第二金属皮膜53の図2における上側の表面には、図略のリードフレームが接触して配置される。リードフレームは、例えばCuによって形成される金属部材である。リードフレームは、半導体部品50と別体に形成される。そして、リードフレームは、半導体部品50に電気的に導通可能に接合される。つまり、リードフレームは、第二金属皮膜53を介して半導体本体51の第二の表面に接合される。リードフレームは、半導体部品50に電力を供給する配線用部材である。半導体本体51とリードフレームとは、どのような方法を用いて接合してもよい。一例として、ハンダより融点が高い別の接合材料を用いて溶接を行ないリードフレームと半導体部品50とを接合してもよい。
(2.接合装置10の構成)
図1に示すように、接合装置10は、レーザ発振器20、レーザヘッド30、反射部40、筐体70及び制御装置80を備える。レーザヘッド30、及び反射部40が筐体70内に配置される。なお、前述したとおり反射部40は、ヒートスプレッダ60(金属材料)の一部である。
図1に示すように、接合装置10は、レーザ発振器20、レーザヘッド30、反射部40、筐体70及び制御装置80を備える。レーザヘッド30、及び反射部40が筐体70内に配置される。なお、前述したとおり反射部40は、ヒートスプレッダ60(金属材料)の一部である。
レーザ発振器20は、波長が予め設定された所定の近赤外波長となるよう発振させてレーザ光を生成する。このとき、一例として第一金属皮膜52の下地接合層52aの材質をTi/Niとし、接合層52bの材質をAuとした場合、レーザ光Lの所定の近赤外波長の大きさは、1.0μm前後でよい。レーザ光Lの近赤外波長が1.0μm前後の範囲にあることにより、レーザ光Lが、レーザ光通過領域P内に露出されている第一金属皮膜52、及び凸部63の金属露出面に照射されると、レーザ光Lは一部が金属露出面で反射される。金属露出面で反射したレーザ光Lは、レーザ光通過領域P内で他の金属露出面に照射されながら反射を複数回繰り返す。また、レーザ光Lのうち、反射したレーザ光L以外の他部は、照射された金属露出面に吸収され、金属露出面を形成する第一金属皮膜52、又は各凸部63(ヒートスプレッダ60)等の温度を上昇させる。この温度上昇速度は、レーザ光Lの出力を増大させる、又はレーザ光Lの照射時間を増加させることにより、制御可能である。
そして、本実施形態においては、第一金属皮膜52、及び各凸部63の接触面を、レーザ光Lの照射によって、溶融した状態である液相状態より低い温度で成立し固体の状態で相互に接合(公知の固相拡散接合)が可能となる固相状態となるまで昇温させる。前述したように、接触面の昇温は、レーザ光Lのうち他部のレーザ光Lの吸収によって昇温される第一金属皮膜52、及び各凸部63からの熱の移動によって実現される。一例として、固相状態は、摂氏200度程度でも得られる。このとき、レーザ光Lの照射条件等は事前の実験等に基づき設定される。
レーザ光Lとしては、具体的に、HoYAG(波長:約1.5μm)、YVO(イットリウム・バナデイト、波長:約1.06μm)、Yb(イッテルビウム、波長:約1.09μm)およびファイバーレーザなどが採用される。また、レーザ発振器20は、レーザ発振器20から発振されたレーザ光Lをレーザヘッド30に伝送する光ファイバ22を備える。
図4Aに示すように、レーザヘッド30は、半導体部品50の第二金属皮膜53から所定の距離を隔て、且つ第二金属皮膜53に対向して配置される。レーザヘッド30は、レーザ発振器20から発振されたレーザ光Lの照射角度を変更可能である。なお、図4Aは、接合装置10を用い、レーザ光Lを開口部65に入射した後、初めに第一金属皮膜52に照射する場合を例示している。
図4Aでは、上側を上方、下側を下方とする。また、接合装置10の構成の前提として、半導体部品50は、例えば、底面が正方形の角柱形状とし、底面の一辺の長さをD1とする。また、第一金属皮膜52を含む半導体部品50の厚みをtとする。また、第二金属皮膜53の上面とレーザヘッド30(照射角度変更装置)におけるレーザ光Lの照射中心位置Cまでの高さ(所定の距離)をh3とする。
図1に示すように、レーザヘッド30は、コリメートレンズ32、ミラー34、ガルバノスキャナ36、及びfθレンズ38を有している。前述したとおり、コリメートレンズ32、ミラー34、ガルバノスキャナ36、及びfθレンズ38は、筐体70内に配置される。コリメートレンズ32は、光ファイバ22から出射されたレーザ光Lをコリメートして平行光に変換する。
ミラー34は、コリメートされたレーザ光Lが、ガルバノスキャナ36に入射するようレーザ光Lの進行方向を変換する。本実施形態において、ミラー34は、レーザ光Lの進行方向を90度変換する。
ガルバノスキャナ36は、レーザ光Lの進行方向を変更し、レーザ光Lを、fθレンズ38を介して、図2に示す開口部65に対向する反射部40の反射面40aのうち演算された位置に照射する。ガルバノスキャナ36には、例えば、直交する2方向に首ふり運動の可能な一対の可動ミラー(図示しない)を含む周知のスキャナが用いられる。
fθレンズ38は、ガルバノスキャナ36から入射された平行なレーザ光Lを集光するレンズである。なお、このレーザ光Lの照射角度θは、図4Aに示すように、第二金属皮膜53より外側(外径側)の任意の位置に向かう角度であり、具体的には前述した反射部40の反射面40aに向かう角度である。
図4Bに示すように、反射部40は、開口部65に直交する方向に対し、予め設定された角度γを有して対向し、開口部65の外周面を連続して包囲するように配置される。言い換えると、角度γは、図4Bにおいて上下方向に延在する垂線VL1と直交する水平線と、開口部65の外周面に対向する反射部40の反射面40aとの為す角である。
また、レーザヘッド30からのレーザ光Lの照射角度をθとする。なお、照射角度θは、レーザヘッド30のレーザ光Lの照射中心位置Cから垂下した垂線VL1とレーザ光Lの光路の中心軸線との間の角度である。また、第一金属皮膜52から反射部40の反射面40aにおけるレーザ光Lの反射位置までの高さを反射位置高さh1、垂線VL1から反射部40の反射面40aにおけるレーザ光Lの反射位置までの距離を水平距離rとする。また、第一金属皮膜52と対向面61との距離を距離h2とする。なお、図4Aにおける開口部65の上下方向の幅の大きさは距離h2と等しい。
また、図4Bに示すように、レーザヘッド30から照射され反射部40の反射面40aで反射されるレーザ光Lの反射角をβとし、反射面40aを反射するレーザ光Lと図4Bにおける水平(左右)線との為す角度をαとする。また、レーザヘッド30から照射され反射面40aを反射するレーザ光Lが開口部65に入射し、第一金属皮膜52の下面に照射された点p1と反射部40の反射面40aを反射するレーザ光Lの反射位置との水平距離をL1とし、第一金属皮膜52の下面で反射されたレーザ光Lが、第一金属皮膜52の下面との間で形成する角度をαとする。さらに、開口部65に入射したレーザ光Lが、第一金属皮膜52の下面に反射された点p1から、次に対向面61に反射される点p2までの水平(左右)方向距離を水平距離w1とする。
このように、レーザヘッド30から照射されたレーザ光Lが、反射部40の反射面40aで反射され、開口部65に入射された後、第一金属皮膜52の下面に反射されてレーザ光通過領域P内を移動していく場合には、下記(数1)式〜(数6)式が成立する。
(数1)
α=tan−1(h2/w1)
α;反射面40aを反射するレーザ光Lと水平線との角度
h2;第一金属皮膜52と対向面61との距離
w1;レーザ光Lが開口部65に入射された後、第一金属皮膜52の下面に反射されて次に対向面61に反射されるまでの水平距離
α=tan−1(h2/w1)
α;反射面40aを反射するレーザ光Lと水平線との角度
h2;第一金属皮膜52と対向面61との距離
w1;レーザ光Lが開口部65に入射された後、第一金属皮膜52の下面に反射されて次に対向面61に反射されるまでの水平距離
(数2)
α+β=tan−1(h/r)
β;反射面40aを反射するレーザ光Lの反射角
h;反射面40aにおけるレーザ光Lの反射位置とレーザヘッド30(照射角度変更装置)におけるレーザ光Lの照射中心位置Cまでの高さ(距離)
r;垂線VL1から反射面40aにおけるレーザ光Lの反射位置までの水平距離
α+β=tan−1(h/r)
β;反射面40aを反射するレーザ光Lの反射角
h;反射面40aにおけるレーザ光Lの反射位置とレーザヘッド30(照射角度変更装置)におけるレーザ光Lの照射中心位置Cまでの高さ(距離)
r;垂線VL1から反射面40aにおけるレーザ光Lの反射位置までの水平距離
(数3)
γ=(180−β)/2−α
γ;垂線VL1と直交する水平線と、開口部65の外周面に対向する反射部40の反射面40aとの為す角
γ=(180−β)/2−α
γ;垂線VL1と直交する水平線と、開口部65の外周面に対向する反射部40の反射面40aとの為す角
(数4)
θ≧tan−1((D1/2)/h3)
θ;レーザヘッド30からのレーザ光Lの照射角度
D1;半導体部品50の一辺の長さ
h3;第二金属皮膜53の上面とレーザヘッド30(照射角度変更装置)におけるレーザ光Lの照射中心位置Cまでの高さ(距離)
θ≧tan−1((D1/2)/h3)
θ;レーザヘッド30からのレーザ光Lの照射角度
D1;半導体部品50の一辺の長さ
h3;第二金属皮膜53の上面とレーザヘッド30(照射角度変更装置)におけるレーザ光Lの照射中心位置Cまでの高さ(距離)
(数5)
r=h×tanθ
(数6)
(r−(D1/2))<L1=h1/tanα
L1;反射面40aを反射されるレーザ光Lが開口部65から入射し第一金属皮膜52の下面に照射された位置と反射部40の反射面40aを反射するレーザ光Lの反射位置との水平距離
h1;第一金属皮膜52の下面から反射部40の反射面40aにおけるレーザ光Lの反射位置までの高さ
r=h×tanθ
(数6)
(r−(D1/2))<L1=h1/tanα
L1;反射面40aを反射されるレーザ光Lが開口部65から入射し第一金属皮膜52の下面に照射された位置と反射部40の反射面40aを反射するレーザ光Lの反射位置との水平距離
h1;第一金属皮膜52の下面から反射部40の反射面40aにおけるレーザ光Lの反射位置までの高さ
図1に示す制御装置80は、半導体部品50及びヒートスプレッダ60の接合を行なうときに、レーザヘッド30の位置、及びレーザヘッド30から照射されるレーザ光Lの照射角度を、接合される半導体部品50及びヒートスプレッダ60の形状から事前に演算する。そして、制御装置80は、演算結果に基づきレーザヘッド30の位置、及び照射角度を制御する。具体的には、制御装置80は、半導体部品50及びヒートスプレッダ60の基本情報(D1,t等)を入力することによって、第二金属皮膜53の上面からレーザヘッド30におけるレーザ光Lの照射中心位置Cまでの高さh3(距離)を演算する。また、制御装置80は、図略の駆動装置を作動させ、レーザヘッド30の照射中心位置Cを、演算された高さh3の位置まで移動させる。また、制御装置80は、レーザヘッド30によるレーザ光Lの照射角度θを演算し、演算された方向に照射できるよう照射角度の制御を行なう。
制御装置80は、基本情報記憶部81と、距離演算部82と、照射角度演算部83と、照射角度変更装置移動制御部84と、照射角度変更制御部85とを備える。
基本情報記憶部81は、入力される半導体部品50、開口部65、及び反射部40の各位置及び各形状である基本情報を記憶する。これらの基本情報は、作業者が自らの手によって図略の入力部から入力してもよい。また、基本情報は、所定の位置に配置された撮像装置によって、半導体部品50及びヒートスプレッダ60を読み込み、取得した画像から各種寸法データを読み取っても良い。このとき、入力されるデータの一例としては、たとえば正方形(矩形)で形成された半導体部品50の一辺の長さD1、半導体部品50の厚さt、開口部65に対する反射部40の相対位置、反射部40の反射面40aの傾きγ、開口部65の図4における上下方向の幅(=距離h2)等が挙げられる。なお、以降に説明する距離演算部82及び照射角度演算部83での各演算は、上述した(数1)式〜(数6)式に基づき行なう。
基本情報記憶部81は、入力される半導体部品50、開口部65、及び反射部40の各位置及び各形状である基本情報を記憶する。これらの基本情報は、作業者が自らの手によって図略の入力部から入力してもよい。また、基本情報は、所定の位置に配置された撮像装置によって、半導体部品50及びヒートスプレッダ60を読み込み、取得した画像から各種寸法データを読み取っても良い。このとき、入力されるデータの一例としては、たとえば正方形(矩形)で形成された半導体部品50の一辺の長さD1、半導体部品50の厚さt、開口部65に対する反射部40の相対位置、反射部40の反射面40aの傾きγ、開口部65の図4における上下方向の幅(=距離h2)等が挙げられる。なお、以降に説明する距離演算部82及び照射角度演算部83での各演算は、上述した(数1)式〜(数6)式に基づき行なう。
距離演算部82は、反射部40で反射させたレーザ光Lを、開口部65に入射可能とするための、第二金属皮膜53からレーザヘッド30(照射角度変更装置)の照射中心位置Cまでの高さh3を基本情報に基づき演算する。なお、高さh3は、レーザ光Lを開口部65に入射可能とする範囲の例えば中央値とする。
照射角度演算部83は、レーザヘッド30が第二金属皮膜53からの高さが高さh3で配置されたと仮定した場合において、反射部40の反射面40aで反射させたレーザ光Lを、開口部65に入射可能とするためにレーザヘッド30が反射部40に向けて照射すべきレーザ光Lの照射角度θを基本情報に基づき演算する。このとき、照射角度θは、例えば、反射面40aで反射させたレーザ光Lが、開口部65から入射し、第一金属皮膜52の下面の開口部65近傍の任意の位置に照射される角度とする。これにより、レーザ光通過領域P内における露出金属面に対してより多くの回数の反射が期待できる。なお、距離演算部82と照射角度演算部とは、別々に記載したが、実際には、結果を交換しながら同時に演算される。
照射角度変更装置移動制御部84は、図略の駆動装置を作動させ、レーザヘッド30が、高さh3となる位置に配置されるようにレーザヘッド30を移動させる。
照射角度変更制御部85は、レーザ光Lが、演算された照射角度θで照射されるようレーザヘッド30の照射角度の設定を変更する。
照射角度変更制御部85は、レーザ光Lが、演算された照射角度θで照射されるようレーザヘッド30の照射角度の設定を変更する。
(3.接合方法)
次に、接合装置10の接合方法について図4A、図4B、及び図5のフローチャートに基づき説明する。図5に示すように、接合方法は、入射工程S10と、昇温工程S12と、接合工程S14と、を備える。
次に、接合装置10の接合方法について図4A、図4B、及び図5のフローチャートに基づき説明する。図5に示すように、接合方法は、入射工程S10と、昇温工程S12と、接合工程S14と、を備える。
まず、初めに作動させる制御装置80の動作について簡単に説明しておく。作業者が、例えば、これまで接合していた半導体部品とヒートスプレッダではない、別の半導体部品とヒートスプレッダの接合を開始するものとする。
この場合、作業者はまず、今から接合作業を行なう半導体部品とヒートスプレッダの基本情報(D1、t等の相対位置関係等)を、制御装置80の基本情報記憶部81に入力する。次に、距離演算部82によって、第二金属皮膜53からレーザヘッド30(照射角度変更装置)の照射中心位置Cまでの高さh3が基本情報に基づき演算される。また、照射角度演算部83によって、高さh3にレーザヘッド30が配置された場合における、反射部40の反射面40aで反射させたレーザ光Lを開口部65に入射可能とするためにレーザヘッド30が反射部40に向けて照射するレーザ光Lの照射角度θが基本情報に基づき演算される。
そして、照射角度変更装置移動制御部84によって、レーザヘッド30が、演算された高さh3に配置されるように、図略の駆動装置が作動され移動される。また、照射角度変更制御部85が、レーザ光Lが演算された照射角度θで照射されるようレーザヘッド30の照射角度の設定を変更する。このように基本情報の入力以外の作業が、自動で行なわれる。
そして、入射工程S10では、まず、レーザ発振器20を駆動してレーザ光Lを所定の近赤外波長で発振する。前述したように、このとき、レーザ光Lの所定の近赤外波長は、約1.0μmである。そして、レーザ発振器20から発振したレーザ光Lは、光ファイバ22に入射されてレーザヘッド30まで伝送される(図1参照)。
光ファイバ22から出射したレーザ光Lは、コリメートレンズ32で平行化された後、ミラー34で反射されてガルバノスキャナ36を通り、fθレンズ38を介して反射部40に向けて照射される。このとき、ガルバノスキャナ36は、図示しない直交する一対の可動ミラーを首ふり運動させることによって、fθレンズ38に入射させるレーザ光Lの角度を変更する。変更するレーザ光Lの角度は、前述したとおり、照射角度変更制御部85からの指令値に基づく。
これにより、レーザ光Lは、fθレンズ38を介して、上述したヒートスプレッダ60に形成された反射部40の開口部65側の所定位置に照射され、反射部40でレーザ光Lの一部が反射し、反射したレーザ光Lが、開口部65からレーザ光通過領域Pに入射される(図4A,4B参照)。
昇温工程S12では、レーザ光通過領域Pにおける金属露出面にて、レーザ光Lの一部を複数回反射させながら、その都度、レーザ光Lの他部を吸収させる。金属露出面とは、レーザ光通過領域P内に露出している、主にヒートスプレッダ60の対向面61の一部、凸部63の側面、及び第一金属皮膜52の下面のことをいう。
このような金属露出面への照射により、レーザ光Lの他部が金属露出面から吸収される。これにより、凸部63及び第一金属皮膜52が徐々に昇温され、凸部63の先端部である第二底面63bと第一金属皮膜52との接触面も熱の移動によって昇温される。そして、各接触面がこのようにして昇温し、溶融して液相状態となるより低い温度で成立し、固体の状態で各接触面同士の接合が可能となる固相状態となる。このとき、固相状態となったか否かは、事前の実験によって、固相状態となるまでの時間を取得しておき、その時間によって管理すればよい。
接合工程S14では、固相状態となった凸部63の第二底面63bと第一金属皮膜52との各接触面を、接合される方向に加圧する(図4A参照)。このとき、加圧の圧力は、事前の実験により、設定すればよい。また、加圧方法は問わない。半導体部品50が破壊しなければ、どのような方法で加圧してもよい。これにより、凸部63の第二底面63bと第一金属皮膜52とは固相拡散接合によって接合される。このため、ハンダを介さず凸部63の第二底面63bと第一金属皮膜52とを接合できるので、接触面の接合に対し高い耐熱性が得られる。なお、固相拡散接合とは、接触する二つの金属の表面間で自由電子が行き交うことにより結合力を生じさせて接合させる公知の技術である。このように、公知であるので詳細な説明は省略する。
なお、上記実施形態においては、凸部63の第二底面63bと第一金属皮膜52とを接合させる際、接合される方向に加圧した。しかし、この態様には限らない。第二底面63b及び第一金属皮膜52の各接触面の面粗度を更に向上させ、鏡面仕上げとすることにより、加圧しなくても両者を接合できる場合があり、そのようなときには、加圧する必要はない。
また、上記工程の説明においては、説明の都合上、一本のレーザ光Lによる、一回の照射のみについて説明した。しかし、実際には、入射工程S10において、ガルバノスキャナ36は、直交する一対の可動ミラーを、それぞれ垂線VL1に対して回転方向に移動させながら断続的にレーザ光Lを照射する。つまり、図5に示すフローチャートを繰り返し実行する。これにより、凸部63は万遍なく昇温され、第一金属皮膜52との間で良好な接合状態が得られる。
また、上記において、レーザ光Lの照射は、レーザ光Lを断続的に照射する、いわゆるパルスレーザであってもよい。また、レーザ光Lは、断続的に照射せず、エネルギー制御が容易なCWレーザ(Continuous wave laser)によって連続照射してもよい。
(4.実施形態による効果)
上記実施形態によれば、半導体本体51、及び、半導体本体の第一の表面に形成される第一金属皮膜52を備える半導体部品50と、半導体部品50と別体に形成され、第一金属皮膜52に接触して配置されるヒートスプレッダ60(金属部材)と、をレーザ光Lによって接合する接合装置10であって、ヒートスプレッダ60は、第一金属皮膜52に対して距離を隔てて対向し、第一金属皮膜52との間でレーザ光通過領域P形成する対向面61と、対向面61から島状に突出し、先端部が第一金属皮膜52に接触する複数の凸部63と、を備える。そして、レーザ光通過領域Pの外周部には、外方に開口する開口部65が形成され、接合装置10は、レーザ光Lを開口部65からレーザ光通過領域Pに入射し、レーザ光通過領域Pにおける金属露出面にて、レーザ光の一部を複数回反射させながらレーザ光Lの他部を吸収させ、第一金属皮膜52と凸部63の先端部との各接触面を、溶融した状態である液相状態より低い温度で成立し固体の状態で接合が可能となる固相状態となるまで昇温させて接合させる。
上記実施形態によれば、半導体本体51、及び、半導体本体の第一の表面に形成される第一金属皮膜52を備える半導体部品50と、半導体部品50と別体に形成され、第一金属皮膜52に接触して配置されるヒートスプレッダ60(金属部材)と、をレーザ光Lによって接合する接合装置10であって、ヒートスプレッダ60は、第一金属皮膜52に対して距離を隔てて対向し、第一金属皮膜52との間でレーザ光通過領域P形成する対向面61と、対向面61から島状に突出し、先端部が第一金属皮膜52に接触する複数の凸部63と、を備える。そして、レーザ光通過領域Pの外周部には、外方に開口する開口部65が形成され、接合装置10は、レーザ光Lを開口部65からレーザ光通過領域Pに入射し、レーザ光通過領域Pにおける金属露出面にて、レーザ光の一部を複数回反射させながらレーザ光Lの他部を吸収させ、第一金属皮膜52と凸部63の先端部との各接触面を、溶融した状態である液相状態より低い温度で成立し固体の状態で接合が可能となる固相状態となるまで昇温させて接合させる。
これによれば、レーザ光Lの他部の吸収によって、第一金属皮膜52及び凸部63で昇温した熱は、第一金属皮膜52と凸部63との間で、接触面を介し、温度が高い側から低い側に向かって移動し、同時に接触面の温度も上昇させる。そして、接触面の温度が、固相状態となると、各接触面は、固相拡散接合によって接合される。これにより、接触面同士がハンダを用いず接合されるので、各接触面同志をハンダにより接合した場合と比べて耐熱性が向上する。その結果、使用時に半導体部品が高温になったとしても、半導体部品と金属部材との各接触面の接合に対する信頼性が確保される。
また、上記実施形態によれば、接合装置10は、第一金属皮膜52と凸部63の先端部との各接触面を接合させる際、各接触面を接合させる方向に加圧する。これにより、第一金属皮膜52と凸部63とが、面粗度が荒くても確実に接合できる。
また、上記実施形態によれば、凸部63は、ヒートスプレッダ60(金属部材)が備える対向面61に一体的に形成される第一底面63aが、第一金属皮膜52に接する第二底面63bより大きな面積を有する錐台形状で形成される。これにより、レーザ光Lがレーザ光通過領域P内を自由に通過することと、第二底面63bによって第一金属皮膜52との接触面積が十分確保できるため、凸部63と第一金属皮膜52との接合を強固に行なうことと、が両立できる。
また、上記実施形態によれば、接合装置10は、レーザ光Lを発振するレーザ発振器20(発振源に相当)と、半導体部品50において第一金属皮膜52の反対側に設けられた第二金属皮膜53から距離を隔てて且つ第二金属皮膜53に対向して配置され、レーザ発振器20から発振されたレーザ光Lの照射角度を変更し、半導体部品より外側の任意の位置にレーザ光Lを照射可能なレーザヘッド30(照射角度変更装置)と、レーザ光通過領域Pの開口部65の外方に開口部65と対向して配置され、レーザヘッド30から照射されたレーザ光Lを反射して開口部65に入射させる反射部40と、を備える。これにより、半導体部品50とヒートスプレッダ60(金属部材)とを、所定の位置にセットし、接合装置を起動させるだけで、簡易に半導体部品50とヒートスプレッダ60(金属部材)とが接合できる。
また、上記実施形態によれば、反射部40は、ヒートスプレッダ60(金属部材)に形成される。これにより、反射部を別に製作し、筐体70に固定する必要がないので、反射部と開口部65との相対位置を合わせ込む等の作業が不要となり運用が容易になる。これは、低コスト化にも寄与する。
また、上記実施形態によれば、接合装置10は、制御装置80を備え、制御装置80は、入力される半導体部品50、開口部65、及び反射部40の各位置及び各形状である基本情報を記憶する基本情報記憶部81と、反射部40で反射させたレーザ光Lを開口部65に入射可能とするための第二金属皮膜53からレーザヘッド30(照射角度変更装置)までの高さh3を基本情報に基づき演算する距離演算部82と、高さh3にレーザヘッド30が配置された場合において、反射部40で反射させたレーザ光Lを開口部65に入射可能とするためにレーザヘッド30が反射部40に向けて照射するレーザ光Lの照射角度θを基本情報に基づき演算する照射角度演算部83と、レーザヘッド30が、演算された高さh3に配置されるようにレーザヘッド30を移動させる照射角度変更装置移動制御部84と、レーザ光Lが演算された照射角度θで照射されるようレーザヘッド30の照射角度の設定を変更する照射角度変更制御部85と、を備える。これにより、接合部分に耐熱性を有する半導体部品50とヒートスプレッダ60(金属部材)との結合体が得られる。
また、上記実施形態によれば、接合装置10が、半導体本体51、及び、半導体本体51の第一の表面に形成される第一金属皮膜52を備える半導体部品50と、半導体部品50と別体に形成され、第一金属皮膜52に接触して配置されるヒートスプレッダ60(金属部材)と、をレーザ光Lによって接合する接合方法であって、ヒートスプレッダ60は、第一金属皮膜52に対して距離を隔てて対向し、第一金属皮膜52との間でレーザ光通過領域Pを形成する対向面61と、対向面61から島状に突出し、先端部が第一金属皮膜52に接触する複数の凸部63と、を備え、レーザ光通過領域Pの外周部には、外方に開口する開口部65が形成される。そして接合方法は、レーザ光Lを開口部65からレーザ光通過領域Pに入射させる入射工程S10と、レーザ光通過領域Pにおける金属露出面にて、入射したレーザ光Lの一部を複数回反射させながらレーザ光Lの他部を吸収させ、第一金属皮膜52と凸部63の先端部との各接触面を、液相状態より低い温度で成立し固体の状態で接合が可能となる固相状態となるまで昇温させる昇温工程S12と、昇温工程S12によって固相状態となった各接触面を接合させる接合工程S14と、を備える。これにより、接合装置10によって得られた、半導体部品50とヒートスプレッダ60との接合が得られる。
上記実施形態の接合方法によれば、接合工程S14では、各接触面を接合する際、各接触面を接合させる方向に加圧する。これにより、各接触面は、面粗度が荒くても確実に接合できる。
<変形態様>
上記実施形態においては、反射部40は、ヒートスプレッダ60(金属部材)と一体で形成された。しかし、この態様には限らず、反射部40は、ヒートスプレッダ60と別体で形成されてもよい。この場合、反射部40は、筐体70の内周面に固定すればよい(図略)。
上記実施形態においては、反射部40は、ヒートスプレッダ60(金属部材)と一体で形成された。しかし、この態様には限らず、反射部40は、ヒートスプレッダ60と別体で形成されてもよい。この場合、反射部40は、筐体70の内周面に固定すればよい(図略)。
また、上記実施形態においては、反射部40の反射面40aは、開口部65に対して所定の角度を有して形成された。しかし、この態様に限らず、図6に示すように、反射面40aは開口部65と平行に形成されても良い。この場合、反射面40aに反射されたレーザ光Lを図6に示すように、一度、開口部65の外方に形成されるヒートスプレッダ60(金属部材)の対向面61に照射した後、反射させて開口部65内に入射させればよい。これによっても同様の効果が得られる。
なお、上記実施形態、及び変形態様によれば、図2,図3に示すように、凸部63は、ヒートスプレッダ60(金属部材)の対向面61側の第一底面63aが、第一金属皮膜52に接する第二底面63bより大きな面積を有する錐台形状で形成される。しかし、この態様には限らない。隣接する凸部63の間に所定の隙間を有しており、レーザ光Lがレーザ光通過領域Pにおいて移動可能であれば、どのような形状でもよい。例えば、凸部63の間の隙間が上下方向において平行であってもよい。これによっても相応の効果は期待できる。
また、上記実施形態、及び変形態様においては、固相拡散結合によって、ヒートスプレッダ60の凸部63と第一金属皮膜52とを接合したが、この態様には限らない。昇温工程S12において、凸部63の先端部である第二底面63bと第一金属皮膜52との各接触面が溶融する液相状態となるまで昇温させ、従来の溶接と同様、液相状態でヒートスプレッダ60と第一金属皮膜52とを接合させても良い。これによって、昇温までの時間はかかるが、同様の効果が期待できる。
また、上記実施形態、及び変形態様においては、レーザ光Lは、近赤外波長を有するレーザ光Lであるとした。しかし、この態様には限らず、レーザ光Lはブルーレーザでもよい。
また、上記実施形態、及び変形態様においては、接合装置10は、制御装置80を備え、サイズの異なる半導体部品とヒートスプレッダとを接合装置10に投入しても、良好に半導体部品とヒートスプレッダとの接合ができる汎用機として説明した。しかし、この態様には限らない。接合装置10が、制御装置80を備えず、1種類の半導体部品50及びヒートスプレッダ60のみの接合を行なう専用機であっても良い。
また、上記実施形態、及び変形態様においては、レーザ光Lは、レーザ光通過領域P内にて反射されるとき、ヒートスプレッダ60(金属部材)が有する凸部63と半導体部品50の第一金属皮膜52との間を往復反射しながら移動すると説明した。しかし、この態様には限らない。レーザ光Lは、ヒートスプレッダ60(金属部材)の凸部63と対向面61との間、若しくは複数の凸部63の間だけを反射しながら移動し、凸部63のみを昇温させるだけでも良い。これによっても、時間さえかければ、凸部63から、やがて接触面にも熱が伝達し、温度は昇温されるので接合は行なえる。
10・・・接合装置、 20・・・レーザ発振器(発振源)、 30・・・レーザヘッド(照射角度変更装置)、 40・・・反射部、 40a・・・反射面、 50・・・半導体部品、 51・・・半導体本体、 52・・・第一金属皮膜、 53・・・第二金属皮膜、 60・・・ヒートスプレッダ(金属部材)、 61・・・対向面、 63・・・凸部、 63a・・・第一底面、 63b・・・第二底面、 65・・・開口部、 70・・・筐体、 80・・・制御装置、 81・・・基本情報記憶部、 82・・・距離演算部、 83・・・照射角度演算部、 84・・・照射角度変更装置移動制御部、 85・・・照射角度変更制御部、 C・・・照射中心位置、 h1・・・反射位置高さ、 h2・・・距離、 h3・・・高さ、 L・・・レーザ光、 P・・・レーザ光通過領域、 S10・・・入射工程、 S12・・・昇温工程、 S14・・・接合工程、 VL1・・・垂線、 θ・・・照射角度。
Claims (8)
- 半導体本体、及び、前記半導体本体の第一の表面に形成される第一金属皮膜を備える半導体部品と、
前記半導体部品と別体に形成され、前記第一金属皮膜に接触して配置される金属部材と、
をレーザ光によって接合する接合装置であって、
前記金属部材は、
前記第一金属皮膜に対して距離を隔てて対向し、前記第一金属皮膜との間でレーザ光通過領域を形成する対向面と、
前記対向面から島状に突出し、先端部が前記第一金属皮膜に接触する複数の凸部と、
を備え、
前記レーザ光通過領域の外周部には、外方に開口する開口部が形成され、
前記接合装置は、
前記レーザ光を前記開口部から前記レーザ光通過領域に入射し、
前記レーザ光通過領域における金属露出面にて、前記レーザ光の一部を複数回反射させながら前記レーザ光の他部を吸収させ、
前記第一金属皮膜と前記凸部の前記先端部との各接触面を、溶融した状態である液相状態、又は前記液相状態より低い温度で成立し固体の状態で接合が可能となる固相状態となるまで昇温させて接合させる、半導体部品と金属部材との接合装置。 - 前記第一金属皮膜と前記凸部の前記先端部との前記各接触面を前記接合させる際、前記各接触面を前記接合させる方向に加圧する、請求項1に記載の半導体部品と金属部材との接合装置。
- 前記凸部は、前記金属部材の前記対向面に接する第一底面が、前記第一金属皮膜に接する第二底面より大きな面積を有する錐台形状で形成される、請求項1又は2に記載の半導体部品と金属部材との接合装置。
- 前記接合装置は、
前記レーザ光を発振する発振源と、
前記半導体部品において前記第一金属皮膜の反対側に設けられた第二金属皮膜から距離を隔てて且つ前記第二金属皮膜に対向して配置され、前記発振源から発振された前記レーザ光の照射角度を変更し、前記半導体部品より外側の任意の位置に前記レーザ光を照射可能な照射角度変更装置と、
前記レーザ光通過領域の前記開口部の外方に前記開口部と対向して配置され、前記照射角度変更装置から照射された前記レーザ光を反射して前記開口部に入射させる反射部と、
を備える、請求項1〜3の何れか1項に記載の半導体部品と金属部材との接合装置。 - 前記反射部は、前記金属部材に形成される、請求項4に記載の半導体部品と金属部材との接合装置。
- 前記接合装置は、制御装置を備え、
前記制御装置は、
入力される前記半導体部品、前記開口部、及び前記反射部の各位置及び各形状である基本情報を記憶する基本情報記憶部と、
前記反射部で前記反射させた前記レーザ光を前記開口部に入射可能とするための前記第二金属皮膜から前記照射角度変更装置までの最適距離を前記基本情報に基づき演算する距離演算部と、
前記最適距離に前記照射角度変更装置が配置された場合において、前記反射部で反射させた前記レーザ光を前記開口部に入射可能とするために前記照射角度変更装置が前記反射部に向けて照射する前記レーザ光の最適照射角度を前記基本情報に基づき演算する照射角度演算部と、
前記照射角度変更装置が、前記演算された前記最適距離に配置されるように前記照射角度変更装置を移動させる照射角度変更装置移動制御部と、
前記レーザ光が前記演算された前記最適照射角度で照射されるよう前記照射角度変更装置の照射角度の設定を変更する照射角度変更制御部と、
を備える、請求項5に記載の半導体部品と金属部材との接合装置。 - 半導体本体、及び、前記半導体本体の第一の表面に形成される第一金属皮膜を備える半導体部品と、
前記半導体部品と別体に形成され、前記第一金属皮膜に接触して配置される金属部材と、
をレーザ光によって接合する接合方法であって、
前記金属部材は、
前記第一金属皮膜に対して距離を隔てて対向し、前記第一金属皮膜との間でレーザ光通過領域を形成する対向面と、
前記対向面から島状に突出し、先端部が前記第一金属皮膜に接触する複数の凸部と、
を備え、
前記レーザ光通過領域の外周部には、外方に開口する開口部が形成され、
前記接合方法は、
前記レーザ光を前記開口部から前記レーザ光通過領域に入射させる入射工程と、
前記レーザ光通過領域における金属露出面にて、前記入射した前記レーザ光の一部を複数回反射させながら前記レーザ光の他部を吸収させ、前記第一金属皮膜と前記凸部の前記先端部との各接触面を、溶融した状態である液相状態、又は前記液相状態より低い温度で成立し固体の状態で接合が可能となる固相状態となるまで昇温させる昇温工程と、
前記昇温工程によって前記液相状態、又は前記固相状態となった前記各接触面を接合させる接合工程と、
を備える、半導体部品と金属部材との接合方法。 - 前記接合工程では、前記各接触面を前記接合する際、前記各接触面を前記接合させる方向に加圧する、請求項7に記載の半導体部品と金属部材との接合方法。
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JP2015101141A JP2016219539A (ja) | 2015-05-18 | 2015-05-18 | 半導体部品と金属部材との接合装置及び接合方法 |
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JP2015101141A JP2016219539A (ja) | 2015-05-18 | 2015-05-18 | 半導体部品と金属部材との接合装置及び接合方法 |
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JP2018164005A (ja) * | 2017-03-27 | 2018-10-18 | 日本電気株式会社 | モジュール部品およびモジュール部品の製造方法 |
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2015
- 2015-05-18 JP JP2015101141A patent/JP2016219539A/ja active Pending
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JP2018164005A (ja) * | 2017-03-27 | 2018-10-18 | 日本電気株式会社 | モジュール部品およびモジュール部品の製造方法 |
KR20200076251A (ko) * | 2018-12-19 | 2020-06-29 | 한국광기술원 | 레이저를 이용한 전자소자 접합장치 |
KR102157253B1 (ko) | 2018-12-19 | 2020-09-17 | 한국광기술원 | 레이저를 이용한 전자소자 접합장치 |
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