JP2016211943A - 車両位置検出装置、車両位置検出方法 - Google Patents
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Abstract
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これは次のような理由による。先ず、従来の方法は、GNSS情報に含まれる誤差(実際の自車位置との誤差)は方向性を持たないランダムな誤差であるため、複数回に亘って取得されるGNSS情報を用いれば誤差を小さくできることを前提としている。ところが、この前提は常に成り立つとは限らない。例えば、いわゆるマルチパスが発生する場所や、通信可能な航法衛星が一方向にしか存在しない場所では、特定の方向に偏った誤差がGNSS情報に生じる傾向にある。当然ながら、偏った誤差を含んだ複数のGNSS情報に基づいて補正したのでは、センサー特性を誤って補正することになり、結果的に、自車位置(ひいては経時的な自車位置である走行軌跡)も誤って検出(補正)されることとなる。
A.装置構成 :
図1には、本実施例の「走行制御装置100」の大まかな構成が示されている。本実施例では、この走行制御装置100が本発明における「車両位置検出装置」に対応している。
本実施例の走行制御装置100は、車両1内(例えば、運転席前方のインストルメントパネルの奥側など)に搭載されている。そして、走行制御装置100には、図示されるように、車速センサー101と、方位センサー102と、GNSS信号受信部103と、駆動系システム200とが接続されている。また、走行制御装置100は、INS測位結果検出部11と、GNSS測位結果検出部12と、センサー特性補正部13と、走行軌跡算出部14と、マップマッチング処理部15と、位置検出部16と、走行制御部17と、道路データ記憶部18とを備えている。尚、これら8つの「部」は、走行制御装置100の内部を便宜的に分類した抽象的な概念であり、走行制御装置100が物理的に8つの部分に区分されることを表すものではない。従って、これらの「部」は、CPUで実行されるコンピュータープログラムとして実現することもできるし、LSIやメモリーを含む電子回路として実現することもできるし、更にはこれらを組合せることによって実現することもできる。
また、本実施例では、GNSS測位結果検出部12がGNSS測位結果(本発明における「GNSS情報」)を検出(取得)する。従って、GSP測位結果検出部12が本発明における「GNSS情報取得手段」に対応している。
また、本実施例では、センサー特性補正部13が、車速センサー101および方位センサー102のセンサー特性を補正することによって、結果的に自車位置が補正される。従って、センサー特性補正部13が本発明における「補正手段」に対応している。
また、本実施例では、道路データ記憶部18に道路データが記憶されている。従って、道路データ記憶部18が本発明における「記憶手段」に対応している。
B.走行制御処理 :
図3には、走行制御装置100によって実行される走行制御処理のフローチャートが示されている。この処理は、車両1の運転が開始されてから停止されるまでの間に、タイマ割り込み処理として所定時間毎(例えば、1秒毎)に実行される。尚、本実施例では、この走行制御処理が本発明における「車両位置検出方法」に対応している。
図示されるように、走行制御装置100は走行制御処理を開始すると先ず、衛星航法に基づいてGNSS測位結果を検出する(S101)。ここで、GNSS測位結果を検出するためには、多数の航法衛星(例えば30個)の中から、受信可能な電波信号を送信している航法衛星を所定個数(例えば3〜4個)探索する必要がある。そこで、本実施例の走行制御装置100は、直前まで電波信号を受信していた航法衛星を記憶しておき、該航法衛星(すなわち、受信可能な電波信号を送信している可能性の高い航法衛星)を優先的に探索することとしている。こうすると、受信可能な電波信号を送信している航法衛星を探索(発見)するまでの時間を短縮することができ、ひいては、GNSS測位結果を検出するまでの時間を短縮することができる。
続いて、推測航法に基づいてINS測位結果を検出する(S102)。INS測位結果は、車速センサー101の出力および方位センサー102の出力に基づいて、車両1の走行速度や向きを検出し、直前の自車位置に車両1の走行速度や向きを積算することによって検出する。尚、INS測位結果およびGNSS測位結果は、フラッシュメモリー等の所定のメモリー(記憶部)に所定期間に亘って(例えば、これらの記憶量が所定量に達するまで)記憶される。従って、INS測位結果およびGNSS測位結果としては、過去から現在に亘って複数(多数)の測位結果が記憶されることとなる。
また、本実施例では、S101の処理にてGNSS測位結果(本発明における「GNSS情報」)を検出(取得)する。従って、S101の処理が本発明における「GNSS情報取得工程」に対応している。
また、本実施例では、S103の処理を行うことによって、結果的に自車位置が補正される。従って、S103の処理が本発明における「補正工程」に対応している。
図4には、センサー特性補正処理のフローチャートが示されている。このセンサー特性補正処理は、図3を用いて上述したように、車速センサー101および方位センサー102のセンサー特性を補正する処理であって、走行制御処理内で実行される(図3のS103)。
図示されるように、走行制御装置100はセンサー特性補正処理を開始すると先ず、「前回にセンサー特性を補正してからの車両1の移動距離(以下「補正間移動距離」という)」を算出する(S201)。例えば、前回にセンサー特性を補正してからのINS測位結果を積算することによって、この補正間移動距離を算出する。続いて、S201の処理で算出された補正間移動距離が所定の距離d(例えば10m)以上になったか否かを判断する(S202)。その結果、補正間移動距離が所定の距離d以上になったと判断された場合は(S202:yes)、図3のS101の処理で今回検出されたGNSS測位結果を補正用データとして記憶する(S203)。つまり、補正間移動距離が所定の距離d以上であれば、センサー特性補正処理が行われるたびに(例えば、1秒毎に)GNSS測位結果を累積して補正用データとして記憶する。
これに対して、S202の判断処理で、未だ補正間移動距離が所定の距離d以上になっていないと判断された場合は(S202:no)、そのまま図4に示すセンサー特性補正処理を終了して、図3に示す走行制御処理に復帰する。すなわち、補正間移動距離が所定の距離d以上になっていない場合は、今回検出されたGNSS測位結果は補正用データとしては記憶されず、センサー特性も補正されない。当然ながら、補正間移動距離もリセットされない。
図5(a)には、A→B→Cの経路(以下「第1経路」という)、A→B→D→Eの経路(以下「第2経路」という)、A→B→D→F→Gの経路(以下「第3経路」という)からなる実際の道路が例示されており、図5(b)には該道路に対応する道路データが示されている。この道路データは、実際の道路に対応して、リンクAB、リンクBC、リンクBD、リンクDE、リンクDF、リンクFG、ノードA、ノードB、ノードC、ノードD、ノードE、ノードF、ノードGから構成されている。ここでは、図5(a)に破線で示すように、車両1が第2経路(A→B→D→E)を走行している場合について説明する。
図6(a)において、「星印」はGNSS測位結果として検出される車両1の位置を示している。GNSS測位結果として検出される車両1の位置(以下、単に「GNSS測位結果」という)は、車両1の周辺環境に影響を受けることがあることから、図6(a)に示すように、実際の走行軌跡からズレた位置が検出される。もっとも、このようなズレはランダムに発生することから、複数のGNSS測位結果を繋げると(例えば、フィルター処理や平滑処理等の種々の処理を施しつつ繋げると)、おおまかには実際の走行軌跡に近似したものとなり易い。そこで、これらの複数のGNSS測位結果(図4のS203の処理で記憶される補正用データ)を利用して、車速センサー101および方位センサー102のセンサー特性を補正している。尚、このようなセンサー特性の補正方法としては種々の方法を採用可能であるが、「複数のGNSS測位結果(補正用データ)に、INS測位結果として検出された車両1の位置(以下、単に「INS測位結果」という)を近づけるように、車速センサー101および方位センサー102のセンサー特性を補正する」という点では共通する。
従って、この走行軌跡を利用してマップマッチング処理を行うと、図6(c)に太線で示すように、実際に走行している第2経路(A→B→D→E)に対応する道路データ(A→B→D→E)が検出される。
図7には、マルチパスの発生に起因するマップマッチング処理の問題点が示されている。図7(a)において、ハッチングが施された楕円形の範囲は、マルチパスが発生する領域(マルチパス発生領域)を示している。図7(a)に示すように、マルチパス発生領域では、実際の車両1の位置から特定の方向(ここでは図中の左側)に偏ったGNSS測位結果(図中、破線の楕円形で囲まれた「星印」)が検出される。特に、渋滞や信号待ち等によってマルチパス発生領域に車両1が長時間滞在する場合は、GNSS測位結果は図3のS101の処理にて所定時間毎(例えば、1秒毎)に検出されることから、特定の方向に偏ったGNSS測位結果が多数検出されてしまうこととなる。そして、このように特定の方向に偏った多数のGNSS測位結果を利用して(補正用データとして記憶して)、何度も(高い頻度で)センサー特性の補正を行うと、INS測位結果として検出される車両1の位置は、実際の車両1の位置よりも、特定の方向に偏って(特定の方向に偏ったGNSS測位結果側に)検出されるようになる。この結果、INS測位結果およびセンサー特性に基づいて算出される走行軌跡も、図7(b)に示すように、実際の走行軌跡よりも特定の方向に偏って算出されることとなる。こうなると、マップマッチング処理において、図7(c)に示すように、実際に車両1が走行している第2経路(A→B→D→E)とは異なる道路に対応する道路データが検出されてしまう。図7(c)に示す例では、太線で示すように、第2経路(A→B→D→E)よりも特定の方向に偏った第3経路(A→B→D→F→G)に対応する道路データ(A→B→D→F→G)が検出されている。このように車両1が実際に走行している道路とは異なる道路データが検出された場合は、当然ながら、実際の車両1の位置とは異なる位置が自車位置として検出されてしまい、ひいては、誤った運転制御処理が行われてしまう。
図8には、マルチパス発生領域にて本実施例のマップマッチング処理が行われる様子が示されている。本実施例では、補正間移動距離が所定の距離d以上になった場合に、今回検出されたGNSS測位結果を補正用データとして記憶し、該補正用データを利用してセンサー特性を補正する。従って、マルチパス発生領域に車両1が長時間滞在したとしても、自ずと、補正間移動距離が所定の距離d以上にならない限りは、偏ったGNSS測位結果は補正用データとして記憶されないこととなる(センサー特性の補正に利用されないこととなる)。この結果、図8(a)に破線の楕円形で示すように、特定の方向に偏ったGNSS測位結果は少数しか補正用データとして記憶されなくなる(センサー特性の補正に利用されなくなる)。
例えば、上述した実施例では、所定時間毎(例えば、1秒毎)にGNSS測位結果を取得し、補正間移動距離が所定の距離d以上であれば、該GNSS測位結果を補正用データとして利用することとした。これに限らず、所定時間毎(例えば、1秒毎)に補正間移動距離が所定の距離d以上であるか否かを判断し、補正間移動距離が所定の距離d以上でなければGNSS測位結果を取得せず、補正間移動距離が所定の距離d以上であればGNSS測位結果を取得して補正用データとして利用することとしてもよい。こうすると、GNSS測位結果の記憶容量が無用に増加してしまうことを抑制することができる。
12…GNSS測位結果検出部、 13…センサー特性補正部、
14…走行軌跡算出部、 15…マップマッチング処理部、
16…位置検出部、 17…走行制御部
100…走行性制御装置、 101…車速センサー、
102…方位センサー、 103…GNSS信号受信部。
Claims (5)
- 車両(1)に設けられる車両位置検出装置(100)であって、
前記車両の速度を検出可能な車速センサー(101)の出力値と、前記車両の方位を検出可能な方位センサー(102)の出力値とに基づいて、前記車両の自車位置を検出する位置検出手段(11、14、15、16)と、
航法衛星から送信される信号に基づいてGNSS情報を取得するGNSS情報取得手段(12)と、
前記GNSS情報を複数回取得した結果に基づいて前記自車位置を補正する補正手段(13)と
を備え、
前記補正手段は、前回の前記補正時から前記車両が所定の距離以上移動している場合に、前記自車位置を補正する手段である
車両位置検出装置。 - 請求項1に記載の車両位置検出装置であって、
前記補正手段は、前回の前記補正時から前記車両が所定の距離以上移動しているか否かを所定時間毎に判断して、前記自車位置を補正する手段である
車両位置検出装置。 - 請求項1または請求項2に記載の車両位置検出装置であって、
前記補正手段は、前記自車位置の前記補正に際して、前記車速センサーおよび前記方位センサーのうち少なくとも一方のセンサー特性を補正する手段である
車両位置検出装置。 - 請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載の車両位置検出装置であって、
道路の位置および形状を示す道路データを記憶する記憶手段(18)を備え、
前記位置検出手段は、前記車速センサーおよび前記方位センサーの出力値に基づいて前記車両の走行軌跡を算出し、該走行軌跡と前記道路データとを照合することによって、前記車両の位置を検出する手段である
車両位置検出装置。 - 車両の速度を検出可能な車速センサーの出力値と、前記車両の方位を検出可能な方位センサーの出力値とに基づいて、前記車両の自車位置を検出する位置検出工程(S102、S104、S105、S106)と、
航法衛星から送信される信号に基づいてGNSS情報を取得するGNSS情報取得工程(101)と、
前記GNSS情報を複数回取得した結果に基づいて前記自車位置を補正する補正工程(S103)と
を備え、
前記補正工程は、前回の前記補正時から前記車両が所定の距離以上移動している場合に行われる工程である
車両位置検出方法。
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