JP2016211753A - 調湿装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】単純換気運転では、調湿部(50)が停止した状態で給気ファン(23)が駆動し、室外から取り込まれた空気が調湿部(50)において湿度を調節されることなく室内に供給される。ファン制御部(43)は、単純換気運転において、給気ファン(23)の風量を予め定められた第1風量および第1風量よりも多い第2風量のいずれか一方に設定する。
【選択図】図1
Description
図1および図2は、実施形態1による調湿装置(10)の構成例および設置例を示している。調湿装置(10)は、室内の湿度調節と室内の換気とを行うものであり、室外から室外空気(OA)を吸い込んで供給空気(SA)を室内に供給するとともに、室内から室内空気(RA)を吸い込んで排出空気(EA)を室外に排出するように構成されている。また、調湿装置(10)は、空気調和機(80)とともに建物(例えば、戸建住宅)に設置されている。空気調和機(80)は、室内ユニット(81)と室外ユニット(82)とを備え、室内の冷房と暖房とを選択的に行うように構成されている。
冷媒回路(21)は、冷媒を循環させて冷凍サイクル動作を行うものであり、圧縮機(30)と、吸着剤が担持された第1および第2吸着熱交換器(31,32)と、膨張弁(33)と、四方切換弁(34)とを備えている。そして、冷媒回路(20)は、第1冷凍サイクル動作と第2冷凍サイクル動作とを行うことができるように構成されている。第1冷凍サイクル動作では、第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となって空気を除湿し、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって空気を加湿する。第2冷凍サイクル動作では、第1吸着熱交換器が凝縮器となって空気を加湿し、第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となって空気を除湿する。なお、以下の説明では、第1および第2吸着熱交換器(31,32)の総称を単に「吸着熱交換器(31,32)」と記載する。
圧縮機(30)は、冷媒を圧縮して吐出するものであり、その運転周波数(回転数)を変更可能に構成されている。例えば、圧縮機(30)は、インバータ回路(図示を省略)により運転周波数を調節可能な可変容量式の圧縮機(ロータリー式,スイング式,スクロール式などの圧縮機)によって構成されている。
吸着熱交換器(31,32)は、熱交換器(例えば、クロスフィン型のフィンアンドチューブ式の熱交換器)の表面に吸着剤を担持させることによって構成されている。なお、吸着剤は、ゼオライト,シリカゲル,活性炭,親水性の官能基を有する有機高分子材料によって構成されていてもよいし、水分を吸着する機能だけではなく水分を吸収する機能も有する材料(所謂、収着剤)によって構成されていてもよい。
膨張弁(33)は、第1および第2吸着熱交換器(31,32)の液端の間に設けられる。また、膨張弁(33)は、その開度を調節可能に構成され、その開度を調節することにより冷媒の圧力や流量が調節される。例えば、膨張弁(33)は、電子膨張弁(電動弁)によって構成されている。
四方切換弁(34)は、第1〜第4ポートを有し、第1ポートは、圧縮機(30)の吐出管に接続され、第2ポートは、圧縮機(30)の吸入管に接続され、第3ポートは、第2吸着熱交換器(32)のガス端に接続され、第4ポートは、第1吸着熱交換器(31)のガス端に接続されている。そして、四方切換弁(34)は、第1ポートと第3ポートとが連通するとともに第2ポートと第4ポートとが連通する第1連通状態(図1の実線で示された状態)と、第1ポートと第4ポートとが連通するとともに第2ポートと第3ポートとが連通する第2連通状態(図1の破線で示された状態)とに設定可能に構成されている。
第1冷凍サイクル動作では、四方切換弁(34)が第1連通状態(図1の実線で示された状態)に設定され、圧縮機(30)が駆動状態に設定され、膨張弁(33)の開度が所定の開度に調節される。これにより、冷媒回路(21)では、第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となり、第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となる。具体的には、圧縮機(30)から吐出された冷媒は、四方切換弁(34)を通過した後に、第1吸着熱交換器(31)において放熱して凝縮する。これにより、第1吸着熱交換器(31)では、冷媒の放熱により吸着剤が加熱され、吸着剤の水分が空気中に放出されて空気が加湿される。第1吸着熱交換器(31)を通過した冷媒は、膨張弁(33)において減圧された後、第2吸着熱交換器(32)において吸熱して蒸発する。これにより、第2吸着熱交換器(32)では、冷媒の吸熱により吸着剤が冷却され、空気中の水分が吸着剤に吸着されて空気が除湿される。第2吸着熱交換器(32)を通過した冷媒は、四方切換弁(34)を通過した後に、圧縮機(30)に吸入されて圧縮される。
第2冷凍サイクル動作では、四方切換弁(34)が第2連通状態(図1の破線で示された状態)に設定され、圧縮機(30)が駆動状態に設定され、膨張弁(33)の開度が所定の開度に調節される。これにより、冷媒回路(21)では、第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となり、第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となる。具体的には、圧縮機(30)から吐出された冷媒は、四方切換弁(34)を通過した後に、第2吸着熱交換器(32)において放熱して凝縮する。これにより、第2吸着熱交換器(32)では、冷媒の放熱により吸着剤が加熱され、吸着剤の水分が空気中に放出されて空気が加湿される。第2吸着熱交換器(32)を通過した冷媒は、膨張弁(33)において減圧された後に、第1吸着熱交換器(31)において吸熱して蒸発する。これにより、第1吸着熱交換器(31)では、冷媒の吸熱により吸着剤が冷却され、空気中の水分が吸着剤に吸着されて空気が除湿される。第1吸着熱交換器(31)を通過した冷媒は、四方切換弁(34)を通過した後に、圧縮機(30)に吸入されて圧縮される。
流路切換機構(22)は、調湿装置(10)における空気の流通経路を第1経路(図1の実線で示された経路)と第2経路(図1の破線で示された経路)とに設定することができるように構成されている。この例では、流路切換機構(22)は、開状態と閉状態とを切り換え可能な第1〜第8ダンパ(D1〜D8)を有している。
第1,第4,第6,第7ダンパ(D1,D4,D6,D7)が開状態に設定されるとともに、第2,第3,第5,第8ダンパ(D2,D3,D5,D8)が閉状態に設定されると、調湿装置(10)における空気の流通経路が第1経路(図1の実線で示された経路)に設定される。これにより、室外空気(OA)は、第1吸着熱交換器(31)を通過して室内に供給され、室内空気(RA)は、第2吸着熱交換器(32)を通過して室外に排出される。
第2,第3,第5,第8ダンパ(D2,D3,D5,D8)が開状態に設定されるとともに、第1,第4,第6,第7ダンパ(D1,D4,D6,D7)が閉状態に設定されると、調湿装置(10)における空気の流通経路が第2経路(図1の破線で示された経路)に設定される。これにより、室外空気(OA)は、第2吸着熱交換器(32)を通過して室内に供給され、室内空気(RA)は、第1吸着熱交換器(31)を通過して室外に排出される。
給気ファン(23)は、空気を室内に供給するように構成されている。また、給気ファン(23)は、その送風量を変更可能に構成されている。具体的には、給気ファン(23)は、その回転数を変更可能に構成され、その回転数を変更することによりその送風量が変更される。例えば、給気ファン(23)は、遠心型の多翼ファン(所謂、シロッコファン)によって構成されている。
排気ファン(24)は、空気を室外に排出するように構成されている。また、排気ファン(24)は、その送風量を変更可能に構成されている。具体的には、排気ファン(24)は、その回転数を変更可能に構成され、その回転数を変更することによりその送風量が変更される。例えば、排気ファン(24)は、遠心型の多翼ファン(所謂、シロッコファン)によって構成されている。
給気フィルタ(25)は、空気を清浄化するように構成されている。具体的には、給気フィルタ(25)は、網状の部材によって構成され、空気中の塵埃を捕捉して空気を清浄化する。
外気温度センサ(51)は、室外空気(OA)の温度を検出するように構成されている。外気湿度センサ(52)は、室外空気(OA)の湿度(相対湿度)を検出するように構成されている。内気温度センサ(53)は、室内空気(RA)の温度を検出するように構成されている。内気湿度センサ(54)は、室内空気(RA)の湿度(相対湿度)を検出するように構成されている。
次に、図3〜図7を参照して、調湿装置(10)の構造について説明する。なお、以下の説明において用いる「上」「下」「左」「右」「前」「後」は、ケーシング(11)を前面側から視た場合の方向を意味している。また、図3は、前方左上から視た調湿装置(10)の外観を示した概略斜視図であり、図4は、前方左上から視た調湿装置(10)の内部構造(ケーシング(11)内の構造)を示した概略斜視図である。図5および図6は、前方左上から視た調湿装置(10)の下部および中間部の内部構造を示した概略部分斜視図であり、図7は、後方右上から視た調湿装置(10)の上部の内部構造を示した概略部分斜視図である。なお、図示の簡略化のため、図3〜図7では、外気温度センサ(51),外気湿度センサ(52),内気温度センサ(53),内気湿度センサ(54)の図示を省略している。さらに、図7では、第1〜第8のダンパ(D1〜D8),給気ファン(23),排気ファン(24)の図示を省略している。
図3に示すように、ケーシング(11)は、縦長の直方体状の箱形に形成されている。ケーシング(11)の天板には、外気接続口(61)と、内気接続口(62)と、給気接続口(63)と、排気接続口(64)とが設けられている。外気接続口(61)は、左後寄りに配置され、外気用ダクト(図示を省略)を経由して室外空間と連通している。内気接続口(62)は、左前寄りに配置され、内気用ダクト(図示を省略)を経由して室内空間と連通している。給気接続口(63)は、右前寄りに配置され、給気用ダクト(図示を省略)を経由して室内空間と連通している。排気接続口(64)は、右後寄りに配置され、排気用ダクト(図示を省略)を経由して室外空間と連通している。このような構成により、室外から外気接続口(61)に室外空気(OA)が吸い込まれ、室内から内気接続口(62)に室内空気(RA)が吸い込まれる。また、給気接続口(63)から室内に供給空気(SA)が吹き出され、排気接続口(64)から室外に排出空気(EA)が吹き出される。
図4に示すように、ケーシング(11)内には、第1および第2上下仕切板(101,102)が設けられている。第1および第2上下仕切板(101,102)は、上下方向に所定の間隔をおいて配置されて、ケーシング(11)の内部空間を上下方向において3つの空間に区画している。なお、第1上下仕切板(101)は、ケーシング(11)の底板寄りに配置され、第2上下仕切板(102)は、ケーシング(11)の天板寄りに配置されている。このような構成により、ケーシング(11)の底板と第1上下仕切板(101)との間に挟まれた空間が下部空間(S1)を構成し、第1上下仕切板(101)と第2上下仕切板(102)との間に挟まれた空間が中間空間(S2)を構成し、第2上下仕切板(102)とケーシング(11)の天板との間に挟まれた空間が上部空間(S3)を構成している。
また、ケーシング(11)内には、ダクト(60)が収容されている。ダクト(60)は、ケーシング(11)の左後隅に沿うように、第1および第2上下仕切板(101,102)の左後部を貫通してケーシング(11)の天板から底板に亘って上下に延びている。ダクト(60)の上端部は、上方へ向けて開口して外気接続口(61)と連通している。ダクト(60)の下端部には、前方へ向けて開口する開口部が形成されている。
図5に示すように、下部空間(S1)には、下部仕切板(103)が設けられている。下部仕切板(103)は、ケーシング(11)の底板から第1上下仕切板(101)の下面に亘って上下に延びる平板状に形成され、上下方向の平面視においてL字状に折り曲げられている。また、下部仕切板(103)は、その一端縁(左端縁)がケーシング(11)の左板に接続され、その他端縁(前端縁)がケーシング(11)の前板に接続されて、下部空間(S1)を上下方向の平面視において2つの空間に区画している。このような構成により、下部仕切板(103)の前面および左面に面する空間がフィルタ室(S11)を構成し、下部仕切板(103)の後面および右面に面する空間が機械室(S12)を構成している。
フィルタ室(S11)には、下部案内板(104)が設けられている。下部案内板(104)は、下部仕切板(103)の一板面部(左右に延びる板面部)からケーシング(11)の前板に亘って前後に延びる平板状に形成され、ケーシング(11)の左板に沿う空間を上下に区画している。具体的には、下部案内板(104)は、その一側縁(右側縁)がケーシング(11)の左板に接続され、その他側縁(左側縁)が下部仕切板(103)の他板面部(前後に延びる板面部)と所定の間隔をおいて対向している。なお、ダクト(60)の下端部は、ケーシング(11)の後板と下部仕切板(103)の一板面部との間に挟まれている。そして、下部仕切板(103)の一板面部には、下部案内板(104)の下部空間とダクト(60)の開口部とを連通させる連通口(103a)が形成されている。このような構成により、ダクト(60)から連通口(103a)を経由してフィルタ室(S11)に流入した空気は、下部案内板(104)を迂回してフィルタ室(S11)の上方へ向けて流れる。
また、フィルタ室(S11)には、給気フィルタ(25)と、外気温度センサ(51)と、外気湿度センサ(52)とが設置されている。給気フィルタ(25)は、ダクト(60)から連通口(103a)を経由してフィルタ室(S11)に流入した空気が給気フィルタ(25)を通過してフィルタ室(S11)の上方へ向けて流れるように、下部案内板(104)の下方に配置されている。外気温度センサ(51)は、給気フィルタ(25)の下流側に設置され、設置場所における空気の温度を室外空気(OA)の温度として検出する。外気湿度センサ(52)は、給気フィルタ(25)の下流側に設置され、設置場所における空気の湿度を室外空気(OA)の湿度として検出する。
機械室(S12)には、圧縮機(30)と、四方切換弁(34)と、電装品箱(65)とが設置されている。電装品箱(65)には、電気回路(例えば、圧縮機(30)のモータを駆動するための電源供給回路など)が設けられたプリント基板や、このプリント基板に設けられた電気回路に電気的に接続される電装品(例えば、リアクトルなど)が収容されている。
図6に示すように、中間空間(S2)には、第1および第2中間左右仕切板(105,106)と第1および第2中間壁部(107,108)と中間前後仕切板(109)とが設けられている。
また、第1中間左右仕切板(105)には、第1および第2ダンパ(D1,D2)が設置され、第2中間左右仕切板(106)には、第3および第4ダンパ(D3,D4)が設置されている。第1ダンパ(D1)は、中間前後仕切板(109)よりも前方寄りに配置され、第2ダンパ(D2)は、中間前後仕切板(109)よりも後方寄りに配置されている。第3ダンパ(D3)は、中間前後仕切板(109)よりも前方寄りに配置され、第4ダンパ(D4)は、中間前後仕切板(109)よりも後方寄りに配置されている。
また、第1および第2調湿室(S21,S22)には、第1および第2吸着熱交換器(31,32)がそれぞれ設置されている。第1および第2吸着熱交換器(31,32)は、扁平な直方体状に形成され、第1および第2上下仕切板(101,102)と平行な姿勢で、第1中間壁部(107)と第2中間壁部(108)との間に挟まれている。
図4および図7に示すように、上部空間(S3)には、上部左右仕切板(110)と上部前後仕切板(111)と上部補助仕切板(112)とが設けられている。
第2上下仕切板(102)には、第5〜第8ダンパ(D5〜D8)が設置されている。第5ダンパ(D5)は、上部左右仕切板(110)よりも左方寄りで中間前後仕切板(109)よりも前方寄りに配置され、第6ダンパ(D6)は、上部左右仕切板(110)よりも左方寄りで中間前後仕切板(109)よりも後方寄りに配置されている。第7ダンパ(D7)は、上部左右仕切板(110)よりも右方寄りで中間前後仕切板(109)よりも前方寄りに配置され、第8ダンパ(D8)は、上部左右仕切板(110)よりも右方寄りで中間前後仕切板(109)よりも後方寄りに配置されている。
また、室内給気室(S33)には、給気ファン(23)が設置され、室外排気室(S34)には、排気ファン(24)が設置されている。給気ファン(23)は、室内給気室(S33)から吸い込んだ空気を供給空気(SA)として給気接続口(63)へ吹き出すように配置され、排気ファン(24)は、室外排気室(S34)から吸い込んだ空気を排出空気(EA)として排気接続口(64)へ吹き出すように配置されている。
また、内気連絡室(S36)には、内気温度センサ(53)と内気湿度センサ(54)とが設置されている(図示を省略している)。内気温度センサ(53)は、第5および第6ダンパ(D5,D6)の近傍に設置され、設置場所における空気の温度を室内空気(RA)の温度として検出する。内気湿度センサ(54)は、第5および第6ダンパ(D5,D6)の近傍に設置され、設置場所における空気の湿度を室内空気(RA)の湿度として検出する。
第1,第4,第6,第7ダンパ(D1,D4,D6,D7)が開状態に設定されるとともに、第2,第3,第5,第8ダンパ(D2,D3,D5,D8)が閉状態に設定されると、外気連絡室(S23)と第1調湿室(S21)と給気連絡室(S35)とが連通し、内気連絡室(S36)と第2調湿室(S22)と排気連絡室(S24)とが連通する。これにより、第1経路(図1の実線で示された経路)が構成される。すなわち、室外から外気吸込室(S31)に吸い込まれた室外空気(OA)は、ダクト(60)の内部空間とフィルタ室(S11)と内気連絡室(S36)と第1調湿室(S21)と給気連絡室(S35)と室内給気室(S33)とを順に通過して供給空気(SA)として室内に供給される。一方、室内から内気吸込室(S32)に吸い込まれた室内空気(RA)は、内気連絡室(S36)と第2調湿室(S22)と排気連絡室(S24)と排気通路(S25)と室外排気室(S34)とを順に通過して排出空気(EA)として室外に排出される。
第2,第3,第5,第8ダンパ(D2,D3,D5,D8)が開状態に設定されるとともに、第1,第4,第6,第7ダンパ(D1,D4,D6,D7)が閉状態に設定されると、外気連絡室(S23)と第2調湿室(S22)と給気連絡室(S35)とが連通し、内気連絡室(S36)と第1調湿室(S21)と排気連絡室(S24)とが連通する。これにより、第2経路(図1の実線で示された経路)が構成される。すなわち、室外から外気吸込室(S31)に吸い込まれた室外空気(OA)は、ダクト(60)の内部空間とフィルタ室(S11)と内気連絡室(S36)と第2調湿室(S22)と給気連絡室(S35)と室内給気室(S33)とを順に通過して供給空気(SA)として室内に供給される。一方、室内から内気吸込室(S32)に吸い込まれた室内空気(RA)は、内気連絡室(S36)と第1調湿室(S21)と排気連絡室(S24)と排気通路(S25)と室外排気室(S34)とを順に通過して排出空気(EA)として室外に排出される。
コントローラ(40)には、各種センサ(内気湿度センサ(54),内気温度センサ(53),外気湿度センサ(52),外気温度センサ(51))の検出値が入力される。また、コントローラ(40)には、冷媒回路(21)に設けられた冷媒温度センサや冷媒圧力センサ(図示を省略)などのその他の各種センサの検出値も入力される。さらに、コントローラ(40)には、空気調和機(80)の運転状態を示す信号(例えば、空気調和機(80)が運転中か否かを示す信号や、空気調和機(80)の運転が冷房運転か暖房運転かを示す信号など)が入力される。コントローラ(40)は、これらの検出値や信号に基づいて、調湿装置(10)の運転を制御する。この例では、コントローラ(40)は、運転モード決定部(41)と、運転制御部(42)と、ファン制御部(43)と、記憶部(44)とを有している。
運転モード決定部(41)は、調湿装置(10)が実行すべき運転(運転モード)を決定する。この例では、調湿装置(10)は、加湿運転と、除湿運転と、加熱運転と、冷却運転と、単純換気運転とを選択的に行う。加湿運転および除湿運転は、空気の湿度(絶対湿度)を調節するための調湿運転である。加熱運転および冷却運転は、空気の温度を調節するための顕熱処理運転である。単純換気運転は、室内の換気を行うための運転である。そして、運転モード決定部(41)は、これらの運転の中から調湿装置(10)が実行すべき運転を選択する。なお、運転モード決定部(41)による動作については、後で詳しく説明する。
運転制御部(42)は、運転モード決定部(41)による運転モードの決定に応答して、冷媒回路(21)と流路切換機構(22)とを制御する。具体的には、運転制御部(42)は、圧縮機(30)と膨張弁(33)と四方切換弁(34)と第1〜第8ダンパ(D1〜D8)とを制御する。なお、運転制御部(42)による動作については、後で詳しく説明する。
ファン制御部(43)は、運転モード決定部(41)による運転モードの決定に応答して、給気ファン(23)と排気ファン(24)とを制御する。なお、ファン制御部(43)による動作については、後で詳しく説明する。
記憶部(44)は、調湿装置(10)の制御に用いられるデータ(例えば、各種パラメータ値の目標値や、制御に用いられる制御値や目標値を算出するための関数式や、各種パラメータ値の対応関係を示した対応テーブルなど)を記憶する。
次に、図8を参照して、運転モード決定部(41)による動作について説明する。運転モード決定部(41)は、所定の判定時間(例えば、10分間)が経過する毎に、調湿装置(10)が実行すべき運転を決定する。なお、以下の説明において、室外空気(OA)の絶対湿度を「室外絶対湿度」と記載し、室内空気(RA)の絶対湿度を「室内絶対湿度」と記載し、室内空気(RA)の目標絶対湿度を「目標絶対湿度」と記載し、室外空気(OA)の温度を「室外気温」と記載し、室内空気(RA)の温度を「室内気温」と記載する。なお、室外絶対湿度は、外気湿度センサ(52)の検出値と外気温度センサ(51)の検出値とに基づいて算出することが可能であり、室内絶対湿度は、内気湿度センサ(54)の検出値および内気温度センサ(53)の検出値に基づいて算出することが可能である。また、目標絶対湿度は、室内空気(RA)の目標温度と室内空気(RA)の目標相対湿度とに基づいて算出することが可能である。また、室外気温は、外気温度センサ(51)によって検出され、室内気温は、内気温度センサ(53)によって検出される。
次に、運転制御部(42)およびファン制御部(43)による動作について説明する。運転制御部(42)およびファン制御部(43)は、運転モード決定部(41)による運転モードの決定に応答して、冷媒回路(21)と流路切換機構(22)と給気ファン(23)と排気ファン(24)とを制御する。
調湿装置(10)が実行すべき運転として加湿運転が選択されると、ファン制御部(43)は、給気ファン(23)および排気ファン(24)を駆動状態に設定する。また、ファン制御部(43)は、加湿運転において風量一定制御動作を行う。風量一定制御動作では、ファン制御部(43)は、給気ファン(23)の風量が予め定められた目標給気風量(例えば、第1風量(Q1))となるように給気ファン(23)の風量を調節し、排気ファン(24)の風量が予め定められた目標排気風量となるように排気ファン(24)の風量を調節する。
調湿装置(10)が実行すべき運転として除湿運転が選択されると、ファン制御部(43)は、給気ファン(23)および排気ファン(24)を駆動状態に設定する。また、ファン制御部(43)は、除湿運転において風量一定制御動作を行う。
調湿装置(10)が実行すべき運転として加熱運転が選択されると、ファン制御部(43)は、給気ファン(23)および排気ファン(24)を駆動状態に設定する。また、ファン制御部(43)は、加熱運転において風量一定制御動作を行う。
調湿装置(10)が実行すべき運転として冷却運転が選択されると、ファン制御部(43)は、給気ファン(23)および排気ファン(24)を駆動状態に設定する。また、ファン制御部(43)は、冷却運転において風量一定制御動作を行う。
調湿装置(10)が実行すべき運転として単純換気運転が選択されると、ファン制御部(43)は、給気ファン(23)および排気ファン(24)を駆動状態に設定する。また、ファン制御部(43)は、単純換気運転において、給気ファン(23)の風量を予め定められた第1風量(Q1)および第2風量(Q2)のいずれか一方に設定する風量設定処理を行う。第2風量(Q2)は、第1風量(Q1)よりも多い風量に設定されている。なお、風量設定処理については、後で詳しく説明する。
次に、図9を参照して、ファン制御部(43)による動作(風量設定動作)について説明する。ファン制御部(43)は、単純換気運転において、予め定められた所定時間(例えば、10分間)が経過する毎に風量設定動作を行う。なお、記憶部(44)は、第1風量(Q1)と第2風量(Q2)と基準運転効率(η0)とを記憶している。
まず、ファン制御部(43)は、給気ファン(23)の風量の第1風量(Q1)から第2風量(Q2)への増加に伴う調湿装置(10)の空調能力の増加量(ΔΦ)と、給気ファン(23)の風量の第1風量(Q1)から第2風量(Q2)への増加に伴う調湿装置(10)の消費電力の増加量(ΔW)とを求め、調湿装置(10)の空調能力の増加量(ΔΦ)を調湿装置(10)の消費電力の増加量(ΔW)で除算して空調運転効率(η1)を求める。
次に、ファン制御部(43)は、空調運転効率(η1)が予め定められた基準運転効率(η0)を上回るか否かを判定する。基準運転効率(η0)は、調湿装置(10)の消費電力が増加しても調湿装置(10)の空調能力を効果的に増加させることが可能であるとみなされるときの空調運転効率(η1)に対応している。例えば、基準運転効率(η0)は、1よりも大きい正数に設定されている。空調運転効率(η1)が基準運転効率(η0)を上回る場合には、ステップ(ST13)へ進み、そうでない場合には、ステップ(ST14)へ進む。
空調運転効率(η1)を基準運転効率(η0)を上回る場合、ファン制御部(43)は、単純換気運転において給気ファン(23)の風量を第2風量(Q2)に設定する。具体的には、ファン制御部(43)は、目標給気風量を第2風量(Q2)に設定し、給気ファン(23)の風量が目標給気風量となるように給気ファン(23)の風量(回転数)を調節する。
一方、空調運転効率(η1)を基準運転効率(η0)を上回らない場合、ファン制御部(43)は、単純換気運転において給気ファン(23)の風量を第1風量(Q1)に設定する。具体的には、ファン制御部(43)は、目標給気風量を第1風量(Q1)に設定し、給気ファン(23)の風量が目標給気風量となるように給気ファン(23)の風量を調節する。
以上のように、単純換気運転において給気ファン(23)の風量を第1風量(Q1)よりも多い第2風量(Q2)に設定することにより、調湿装置の空調能力(冷房能力または暖房能力)を増加させることができる。これにより、単純換気運転において室内の空気調和(冷房または暖房)を促進させることができる。
実施形態2による調湿装置(10)は、ファン制御部(43)による動作(風量設定動作)が実施形態1による調湿装置(10)と異なっている。その他の構成は、実施形態1による調湿装置(10)の構成と同様となっている。
次に、図12を参照して、実施形態2におけるファン制御部(43)による動作(風量設定動作)について説明する。ファン制御部(43)は、単純換気運転において、予め定められた所定時間(例えば、10分間)が経過する毎に風量設定動作を行う。
まず、ファン制御部(43)は、空調運転効率(η1)が予め定められた基準運転効率(η0)となるように第2風量(Q2)を決定する。なお、空調運転効率(η1)は、給気ファン(23)の風量の第1風量(Q1)から第2風量(Q2)への増加に伴う調湿装置の空調能力の増加量(ΔΦ)を調湿装置の消費電力の増加量(ΔW)で除算して得られる値に相当する。
次に、ファン制御部(43)は、単純換気運転において給気ファン(23)の風量を第2風量(ステップ(ST21)において決定された第2風量(Q2))に設定する。具体的には、ファン制御部(43)は、目標給気風量をステップ(ST21)において決定された第2風量(Q2)に設定し、給気ファン(23)の風量が目標給気風量となるように給気ファン(23)の風量(回転数)を調節する。
以上のように、空調運転効率(η1)が基準運転効率(η0)となるように第2風量(Q2)を決定することにより、単純換気運転において給気ファン(23)の風量を効果的に増加させることができる。これにより、単純換気運転において調湿装置(10)の空調能力を効果的に増加させることができ、その結果、室内の空気調和を効果的に促進させることができる。
なお、以上の説明において、ファン制御部(43)は、室内の気圧が一定に保持されるように、給気ファン(23)の風量の変更に応じて排気ファン(24)の風量を変更するように構成されていてもよい。具体的には、ファン制御部(43)は、給気ファン(23)の風量を第1風量(Q1)から第2風量(Q2)に増加させるとともに、排気ファン(24)の風量を所定量(例えば、第1風量(Q1)と第2風量(Q2)との差)だけ減少させるように構成されていてもよい。
21 冷媒回路
22 流路切換機構
23 給気ファン
24 排気ファン
25 給気フィルタ
30 圧縮機
31 第1吸着熱交換器
32 第2吸着熱交換器
33 膨張弁
34 四方切換弁
40 コントローラ
41 運転モード決定部
42 運転制御部
43 ファン制御部
44 記憶部
50 調湿部
Claims (5)
- 空気の湿度を調節可能な調湿部(50)と、
空気を室内に供給するための給気ファン(23)とを備え、
上記調湿部(50)と上記給気ファン(23)とが駆動し、該調湿部(50)において湿度を調節された空気が室内に供給される調湿運転と、
上記調湿部(50)が停止した状態で上記給気ファン(23)が駆動し、室外から取り込まれた空気が該調湿部(50)において湿度を調節されることなく室内に供給される単純換気運転とを行う調湿装置であって、
上記単純換気運転において、上記給気ファン(23)の風量を予め定められた第1風量(Q1)および該第1風量(Q1)よりも多い第2風量(Q2)のいずれか一方に設定するファン制御部(43)を備えている
ことを特徴とする調湿装置。 - 請求項1において、
上記ファン制御部(43)は、上記給気ファン(23)の風量の上記第1風量(Q1)から上記第2風量(Q2)への増加に伴う該調湿装置の空調能力の増加量(ΔΦ)を該調湿装置の消費電力の増加量(ΔW)で除算して得られる空調運転効率(η1)が予め定められた基準運転効率(η0)を上回る場合に、上記単純換気運転において該給気ファン(23)の風量を該第2風量(Q2)に設定し、該空調運転効率(η1)が該基準運転効率(η0)を上回らない場合に、上記単純換気運転において該給気ファン(23)の風量を該第1風量(Q1)に設定する
ことを特徴とする調湿装置。 - 請求項1または2において、
上記第2風量(Q2)は、可変である
ことを特徴とする調湿装置。 - 請求項1において、
上記ファン制御部(43)は、上記給気ファン(23)の風量の上記第1風量(Q1)から上記第2風量(Q2)への増加に伴う該調湿装置の空調能力の増加量(ΔΦ)を該調湿装置の消費電力の増加量(ΔW)で除算して得られる空調運転効率(η1)が予め定められた基準運転効率(η0)となるように該第2風量(Q2)を決定し、上記単純換気運転において該給気ファン(23)の風量を該第2風量(Q2)に設定する
ことを特徴とする調湿装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項において、
圧縮機(30)と表面に吸着剤が担持された第1および第2吸着熱交換器(31,32)とを有し、該圧縮機(30)が駆動して該第1吸着熱交換器(31)が凝縮器となって空気を加湿し該第2吸着熱交換器(32)が蒸発器となって空気を除湿する第1冷凍サイクル動作と、該圧縮機(30)が駆動して該第1吸着熱交換器(31)が蒸発器となって空気を除湿し該第2吸着熱交換器(32)が凝縮器となって空気を加湿する第2冷凍サイクル動作とを行う冷媒回路(21)を備え、
上記調湿部(50)は、上記第1および第2吸着熱交換器(31,32)によって構成され、
上記調湿運転では、上記圧縮機(30)と上記給気ファン(23)とが駆動し、上記冷媒回路(21)が上記第1冷凍サイクル動作と上記第2冷凍サイクル動作とを交互に行い、該第1冷凍サイクル動作が行われる場合に上記第1および第2吸着熱交換器(31,32)のうち一方を通過した空気が室内に供給され、該第2冷凍サイクル動作が行われる場合に該第1および第2吸着熱交換器(31,32)のうち他方を通過した空気が室内に供給され、
上記単純換気運転では、上記圧縮機(30)が停止した状態で上記給気ファン(23)が駆動し、室外から取り込まれた空気が上記第1および第2吸着熱交換器(31,32)のいずれか一方を通過して室内に供給される
ことを特徴とする調湿装置。
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