本発明に係るスロットマシンを実施するための形態の一例を実施の形態に基づいて以下に説明する。
[スロットマシンの構成]
本実施の形態のスロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。
本実施の形態のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「白7a」(たとえば、左リール2Lの領域番号16の図柄)、「白7b」(たとえば、左リール2Lの領域番号19の図柄)、「白7c」(たとえば、左リール2Lの領域番号3の図柄)、「スイカa」(たとえば、左リール2Lの領域番号15の図柄)、「スイカb」(たとえば、左リール2Lの領域番号1の図柄)、「チェリー」(たとえば、左リール2Lの領域番号2の図柄)、「ベルa」(たとえば、左リール2Lの領域番号21の図柄)、「ベルb」(たとえば、左リール2Lの領域番号18の図柄)、「リプa」(たとえば、左リール2Lの領域番号20の図柄)、「リプb」(たとえば、左リール2Lの領域番号8の図柄)といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。
「白7b」、「白7c」は、ともに、「白7a」の図柄をベースとする点で共通しており、「白7b」は左上隅に縦方向に線が追加されている点、および「白7c」は底辺に横方向に線が追加されている点で異なる。このため、「白7a」〜「白7c」は、種類が異なる図柄であるが、外形が類似の図柄であるため、これらをまとめて白7ともいう。「スイカb」は、「スイカa」の図柄をベースとする点で共通しており、上部に横方向に線が追加されている点で異なる。このため、「スイカa」および「スイカb」は、種類が異なる図柄であるが、外形が類似の図柄であるため、これらをまとめてスイカともいう。「ベルb」は、「ベルa」の図柄をベースとする点で共通しており、舌の球の部分の色が黒い点で異なる。このため、「ベルa」および「ベルb」は、種類が異なる図柄であるが、外形が類似の図柄であるため、これらをまとめてベルともいう。「リプb」は、「リプa」の図柄をベースとする点で共通しており、REPLAYの文字に下線が追加されている点で異なる。このため、「リプa」および「リプb」は、種類が異なる図柄であるが、外形が類似の図柄であるため、これらをまとめてリプともいう。
リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bのリールパネルの略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転が停止されることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示される。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55とが設けられている。リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L、2C、2Rに対応する位置には、リール2L、2C、2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できる。
前面扉1bには、図1に示すように、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施の形態においては、いずれの遊技状態においても3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。スタートスイッチ7のことを以下では、単にレバーと称することがある。また、ゲームを開始する際は、スタートスイッチ7(レバー)を遊技者が操作することによりゲームが開始されるので、ゲームを開始するときの動作を以下ではレバーオンとも称する。
なお、本実施の形態では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、その停止を第3停止もしくは最終停止と称する。左リール2Lを第1停止することを左第1停止、左リール2Lを第2停止することを左第2停止、左リール2Lを第3停止することを左第3停止と称する。中リール2Cを第1停止することを中第1停止、中リール2Cを第2停止することを中第2停止、中リール2Cを第3停止することを中第3停止と称する。右リール2Rを第1停止することを右第1停止、右リール2Rを第2停止することを右第2停止、右リール2Rを第3停止することを右第3停止と称する。
本実施の形態では、遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rを操作する手順(押し順、停止操作順とも称する)には、順押し、順挟み押し、中左押し、中右押し、逆挟み押し、および逆押しが含まれる。順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に中リール2Cを第2停止させる押し順をいう。順挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に右リール2Rを第2停止させる押し順をいう。中左押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に左リール2Lを第2停止させる押し順をいう。中右押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に右リール2Rを第2停止させる押し順をいう。逆挟み押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に左リール2Lを第2停止させる押し順をいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に中リール2Cを第2停止させる押し順をいう。
前面扉1bには、遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、図1に示すように、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、およびリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。リプレイゲームとは、賭数が自動設定された上で開始されたゲームをいう。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられている。ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
前面扉1bの上部には、液晶表示器51が搭載されている。液晶表示器51では、遊技の進行に応じた演出画像が表示されるとともに、後述するナビ演出による操作手順、発生したエラーの種別などといったゲームに関連する各種情報が表示される。また、液晶表示器51の表示画面の前面右側方には、演出用の可動部材としての役物(演出用扉)60が左右方向に移動可能に設けられている。役物60は、液晶表示器51の表示画面と重なる位置に移動することにより、前方からの液晶表示器51の表示画面の一部が視認不能となるように構成されている。役物60は、所定のタイミングで、液晶表示器51の表示画面と重ならない通常位置(第1位置)から液晶表示器51の表示画面の一部と重なる遮蔽位置(第2位置)へと移動する。なお、役物60は、通常の状態においても液晶表示器51の表示画面の一部と重なるように設けられているものであってもよい。本実施の形態においては、この役物60および液晶表示器51の双方を用いた各種演出が実施されるようになっている。なお、液晶表示器51の表示画面の前面右側方の役物60だけではなく、前面左側方に位置する役物等、その他の役物が役物60と同時に移動可能となる構成としてもよい。
前面扉1bの内側には、キー操作によりエラー状態および打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず自動的に精算(返却)する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられたホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ29、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
投入メダルセンサ31は、メダルを検出可能なセンサを複数(たとえば3つ)備えており、これら複数のセンサが投入されたメダルを所定の順(上流側のセンサから順)に検出可能となるように構成されている。メイン制御部41は、これら複数のセンサによる検出結果が、メダル投入部4から投入されたメダルを所定の順で検出されたときの検出結果(適正な検出結果とも称する)となったことにより、投入メダルセンサ31により投入メダルが検出あるいは投入メダルの通過が検出されたと判定する。
さらに、前面扉1bの内側には、AT(Assist Time)の終了時に打止状態に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36aが設けられている。ATとは、所定の入賞を発生させるためにストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順が遊技者に報知されるナビ演出が実行される期間である。
[AT抽選契機について]
ATは、メイン制御部41の抽選により、後述するチャンスリプレイ1〜3に当選したときに抽選が行われる。なお、チャンスリプレイ1〜3では、0〜100ゲームのATゲーム数が付与され、0に決定された場合がAT抽選にはずれた場合である。また、メイン制御部41の抽選により、チャンスリプレイ4〜6に当選した場合には、ATが確定するとともに、500ゲームのATゲーム数が付与される。
また、ATは、チャンスリプレイ以外のリプレイやチェリー等の小役に当選したときに付与されるポイントがポイントの天井値に到達した場合のメイン制御部41でのAT抽選によっても付与される。ポイントの天井値に到達したときのAT抽選では、ATに移行するか否かの抽選が実行される。また、ATに移行する場合には、所定のATゲーム数の抽選とが実行される。
また、ATは、強スイカや中段チェリー等のAT抽選対象役に当選したときのメイン制御部41による抽選においても付与される。AT抽選対象役に当選した場合には、所定のナビストックが付与される。ナビストックとは、ATに制御される権利の数を示し、本実施の形態では1セット50ゲームが付与される。このナビストック数を多く保有すればするほど、長い期間に亘りATに制御される。
なお、上述したAT抽選契機について付与されるATは、ゲーム数の付与のみであってもよいし、ナビストック数の付与のみであってもよい。また、いずれか一方が付与されるようにしてもよい。
また、チャンスリプレイ1〜6では、後述するように、7図柄揃い出目や7図柄テンパイ出目が導出される。これらチャンスリプレイ1〜6でのAT当選以外のAT当選においては、前兆期間を経由してからATに移行するようにすればよい。なお、前兆期間を経由せずにATに移行するようにしてもよい。
ATで有利な操作手順を報知する役のことを押し順役(ナビ対象役)と称する。押し順役には、後述する以下の抽選対象役が含まれる。図10に示す押し順役は、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および、右ベル1〜4であり、まとめて「押し順ベル」という。また、図11に示す押し順役は、昇転リプ1〜5、維持転リプ1〜3、チャンスリプ1〜6、および、特別リプ1〜3であり、まとめて「押し順リプレイ」という。これら、「押し順ベル」および「押し順リプレイ」が「押し順役」である。
たとえば、押し順役のうち中ベル1に当選した場合は、ナビ演出として中第1停止が報知され、報知された操作手順でストップスイッチを操作することによりベル1が入賞する。また、押し順役のうち昇転リプ2に当選した場合は、ナビ演出として中左右の操作手順が報知され、報知された操作手順でストップスイッチを操作することによりリプ4(昇格リプ)が入賞する。
筐体1a内部には、図2に示すように、リールユニット2、スロットマシン1の外部に設けられたデータ表示器などの外部装置に対して所定の信号を出力するための外部出力基板1000(図4参照)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(図4参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c(図4参照)からなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。リールユニット2には、リール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R(図4参照)、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置を各々検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35a(図4参照)が設けられている。導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに、内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことが検出される。
電源ボックス100の前面には、図4に示すように、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、設定変更状態において内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するためのスイッチとして機能する設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
筐体1aの内部にある打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、設定スイッチ38、および電源スイッチ39は、キー操作により前面扉1bを開放しなければ操作できない。このため、筺体1aの内部にあるそれらのスイッチは、遊技場の店員のみが操作可能とされ、遊技者が操作することはできない。
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施の形態では、規定数の賭数として3枚が定められ、規定数の賭数が設定されると入賞ラインLNが有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが小役や再遊技役などの図柄組合せであるかを判定するために設定されるラインである。なお、本実施の形態においては、これらの役を「入賞役」や「入賞」ともいい、いずれかの役を構成する図柄の組合せが入賞ライン上に停止することを、入賞する、入賞が発生するなどとも称する。たとえば、再遊技役を構成する図柄組合せが入賞ライン上に導出されたときには、遊技者がメダルを用いて賭数を設定することなく次のゲームを行うことが可能なリプレイゲームが作動する。再遊技役を構成する図柄組合せが入賞ライン上に導出されることを再遊技入賞(リプレイ入賞)が発生するとも称する。
本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。なお、本実施の形態では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用してもよい。
本実施の形態では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜4を設定している。無効ラインLM1〜4は、これら無効ラインLM1〜4に揃った図柄の組合せによって入賞が判定されるものではない。入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃った際に、無効ラインLM1〜4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組合せ(たとえば、ベルa−ベルa−ベルa)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも称する)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生する。入賞が発生すると、その入賞に応じて定められた数のクレジットが加算される。クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルがメダル払出口9(図2参照)から払い出される。入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行する。
なお、本実施の形態では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としてもよく、2つ以上のリールを用いた構成においては、2つ以上の全てのリールに導出された表示結果の組合せに基づいて入賞を判定する構成とすればよい。本実施の形態では、物理的なリールにて可変表示装置を構成しているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示装置を構成してもよい。
本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給される。
電源基板101には、ホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力される。
遊技制御基板40には、クレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介してホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の制御に基づいて駆動される。
遊技制御基板40には、遊技の制御を行うメイン制御部41が搭載されている。メイン制御部41は、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、およびI/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなる。遊技制御基板40には、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数回路42と、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43と、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44と、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45と、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46と、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47と、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48と、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49と、その他各種デバイスおよび回路とが搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラムを実行して、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブルなどの固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域などとして使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持される。
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。メインCPU41aは、割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断処理(メイン)を実行し、一定時間間隔ごとにタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡する。
電断処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAM41cに退避させる処理が行われる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。次に、全出力ポートを初期化した後、RAM41cに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算して所定のパリティ格納領域にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行わないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。このように電断処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域に格納され、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAM41cに格納されているデータが正常か否かを確認できる。
リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させる。リセット回路49は、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行わなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に各種のコマンドを送信する。ここで、遊技制御基板40から演出制御基板90へは、たとえば、ダイオードやトランジスタなどの単方向性回路などを用いて、一方向(遊技制御基板40から演出制御基板90への方向)のみにしか信号が通過できないように構成されている。そのため、遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送信され、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送信されることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンド送信は、シリアル通信にて行われる。
演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力される。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図2参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91による制御に基づいて駆動される。
また、演出制御基板90には、役物60を可動させるための役物用モータ59が接続されている。演出制御基板90には、役物60における左右方向の位置を特定するための位置特定用センサ71a,71bが接続されている。役物60には、位置特定用の突起が設けられている。位置特定用センサ71aは、役物用モータ59により役物60が最も左方向の位置(第2位置,遮蔽位置)にスライドしたときの突起の位置を検出する。また、位置特定用センサ71bは、役物用モータ59により役物60が最も右方向の位置(第1位置)にスライドしたときの突起の位置を検出する。
本実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われる。
演出制御基板90には、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報および時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98などが搭載されている。サブ制御部91は、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成されている。サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達するごと、すなわち一定間隔ごとに割込を発生させてタイマ割込処理(サブ)を実行する。
サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行する。
サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持される。
[設定値]
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率(賭数設定に用いたメダルの総数と、入賞によって払い出されたメダルの総数との比率)が変わる。詳しくは、内部抽選などにおいて設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わる。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち払出率の点からでは、設定値として6が設定されているときが遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
なお、「電源ON」+「設定キーON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定変更状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉1bが開放されていない状態での不正な設定変更を防ぐことができる。さらに、一旦設定変更状態に移行された後は、設定変更状態を終了させる終了条件(設定値確定後に設定キーがOFF操作)が成立するまで前面扉1bの開閉状態にかかわらず設定変更状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定変更状態中に前面扉1bが閉まっても設定変更状態を終了させないため、再度設定変更状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰する。
なお、「設定キーON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定確認状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉1bが開放されていない状態での不正な設定確認を防ぐことができる。さらに、一旦設定確認状態に移行された後は、設定確認状態を終了させる終了条件(設定キーがOFF操作)が成立するまで前面扉1bの開閉状態にかかわらず設定確認状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定確認状態中に前面扉1bが閉まっても設定確認状態を終了させないため、再度設定確認状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
[初期化]
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。RAM41cの格納領域は、重要ワーク、特別ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
本実施の形態においてメイン制御部41は、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37および設定スイッチ38の双方がonの状態での起動時、設定キースイッチ37がon、設定スイッチ38がoffの状態での起動時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる5種類の初期化を行う。
初期化0は、RAM異常エラー時、設定キースイッチ37および設定スイッチ38の双方がonの状態での起動時に行う初期化であり、初期化0では、RAM41cの全ての領域が初期化される。初期化1は、起動時において設定キースイッチ37がon、設定スイッチ38がoffの状態であり、設定変更状態へ移行する場合においてその前に行う初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち重要ワークおよび特別ワーク以外の領域が初期化される。初期化2では、RAM41cの格納領域のうち一般ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がoffの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。
なお、本実施の形態では、初期化1を設定変更状態の移行前に行っているが、設定変更状態の終了時に行ったり、設定変更状態移行前、設定変更状態終了時の双方で行ったりしてもよい。
[内部抽選]
本実施の形態のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施の形態の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインという)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであってもよいし、異なる図柄を含む組合せであってもよい。入賞となる役の種類は、大きく分けて、遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、遊技者によりメダルが用いられることなく次のゲームを行うことが可能な賭数が設定される再遊技役とがある。小役および再遊技役をまとめて一般役とも称する。入賞となる役には、遊技状態の移行を伴う移行役が含まれる。
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となる。特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越される。
内部抽選は、各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前(実際には、スタートスイッチ7の検出時)に決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。遊技状態(RTの種類)に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、現在の遊技状態(RTの種類)、賭数および設定値に応じて定められた各役の判定値数とに応じて内部抽選が行われる。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態(現在のRTの種類)および設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選する。
いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。
[リールの停止制御]
リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。
メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、およびリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを336ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周する。リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)ごとに分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられている。停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できる。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止する。
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態(RTの種類)における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態(RTの種類)、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われる。
本実施の形態では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できる。1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できる。
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われる。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御を優先し、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。なお、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わない。
なお、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行ってもよい。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御を行う。この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらずに、必ず再遊技役が揃って入賞する。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞する。なお、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わない。
メイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行う。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行う。
本実施の形態では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止するため、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
メイン制御部41は、ゲームの開始後、リールの回転を開始させるごとにその時点、すなわちリールの回転を開始させた時点から経過した時間であるゲーム時間を計時し、1ゲームの終了後、メダルの投入などにより規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間(本実施の形態では4.1秒)以上であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から所定の規制時間が経過していれば、その時点で当該ゲームにおけるリールの回転を開始させる。
一方、1ゲームの終了後、メダルの投入などにより規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間未満であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から所定の規制時間が経過していなければ、その時点ではリールの回転を開始させず、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が所定の規制時間に到達するまで待機し、所定の規制時間に到達した時点で当該ゲームにおけるリールの回転を開始させる。
すなわちメイン制御部41は、前のゲームにおけるリールの回転開始から所定の規制時間が経過していない場合には、この所定の規制時間が経過するまでゲームの進行を規制して、1ゲームの最短時間が所定の規制時間以上となるようにゲームの進行を規制する。
本実施の形態において、メイン制御部41は、停止操作に伴い、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン上に入賞に対応する役が揃ったか否かを判定し、いずれかの入賞に対応する役が揃っていると判定した場合には、入賞時の制御を行う。たとえば、小役が揃っている場合には、揃った小役に応じたメダルを付与する制御を行い、再遊技役が揃っている場合には、リプレイゲームを付与する制御などを行う。
[コマンド]
メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施の形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、BETコマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、AT状態コマンド、停止順コマンド、フリーズコマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンド、および操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなる。サブ制御部91は、種類データに基づいてコマンドの種類を判別する。
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドである。BETコマンドは、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されていない状態において、メダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。BETコマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるため、サブ制御部91は、BETコマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドである。クレジットコマンドは、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始されたときに送信される。
AT状態コマンドは、当該ゲームが非AT状態であるか、AT状態であるか、当該ゲームにおけるATの残りゲーム数、ナビストックの残り個数、前兆期間の残りゲーム数を特定可能なコマンドであり、ゲームが開始したときであって、内部当選コマンドの後に送信される。
AT状態コマンド、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したことを特定可能である。
停止順コマンドは、押し順ベル等に当選したときに、遊技者にとって有利な出目を停止させるための停止順を特定可能なコマンドであり、ゲームが開始したときであって、ナビ演出を行うときに、内部当選コマンドの送信後に送信される。
フリーズコマンドは、フリーズの実行有無を特定可能なコマンドである。フリーズコマンドは、フリーズを実行すると決定されたときに送信されるとともに、フリーズの実行時においても送信される。フリーズとは、ゲームの進行を所定の遅延時間に亘って遅延させる制御(ゲームの進行操作がされても該進行操作に応じた制御を実行しない制御)のことである。本実施の形態においては、ゲームを開始するときのレバーオン時にフリーズが実行可能である。レバーオンフリーズでは、スタートスイッチ7(レバー)が操作されても通常のようにリール回転が開始されず、ステップアップフリーズが発生する。ステップアップフリーズ(以下、SUフリーズとも称する)は、段階的にリールが通常回転(正回転)とは逆回転に回転するフリーズのことである。1段階目のSU1フリーズは、通常のリール回転を開始する前に、左リールを逆回転させて一旦停止させるフリーズである。2段階目のSU2フリーズは、通常のリール回転を開始する前に、左リールを逆回転させ、さらに中リールを逆回転させて、左リールおよび中リールを一旦停止させるフリーズである。3段階目のSU3フリーズは、通常のリール回転を開始する前に、左リールを逆回転させ、その後中リールを逆回転させ、さらに、右リールを逆回転させ、左リール、中リールおよび右リールを一旦停止させるフリーズである。
このようなフリーズが発生するゲームは、フリーズが発生しないゲームに比べ所定の特典が付与される割合が高い。たとえば、ATゲーム数が500ゲーム付与される7リプ2が入賞した場合には、フリーズが発生しやすく、特にSU3フリーズが発生しやすい。このため、フリーズの発生およびその種類によって、AT当選確率の期待値が異なっている。AT当選確率の期待値とは、AT当選に関して遊技者が抱く期待度の高さを示す値であって、ATに当選している可能性(割合または確率)の高さ、および、付与されているATゲーム数の量(多さ)の双方を含む概念である。なお、AT当選確率の期待値とは、ナビストックの期待値でもよく、ナビストックに当選している可能性(割合または確率)の高さ、および、付与されるナビストック数の量(多さ)の双方を含む概念としてもよい。変形例として、AT当選確率の期待値(ナビストックの期待値)には、ATの当選確率(ナビストックの当選確率)、および付与されているATゲーム数(付与ナビストック数)のうちいずれか一方を含む概念としてもよい。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドである。リール回転開始コマンドは、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドである。リール停止コマンドは、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われるごとに送信される。サブ制御部91は、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
入賞判定コマンドは、入賞ラインLNに揃った図柄の組合せ、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドである。入賞判定コマンドは、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドである。払出開始コマンドは、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払い出しが開始されたときに送信される。払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドである。払出終了コマンドは、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払い出しが終了したときに送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態およびRTの種類、RTの残りゲーム数を特定可能なコマンドである。遊技状態コマンドは、1ゲームにおける処理が終了するとき(たとえば、入賞判定後、払出完了後など)に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドである。待機コマンドは、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払い出しが終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドである。打止状態に制御される場合に打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドである。エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生およびその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドである。復帰コマンドは、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドである。設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了および設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。サブ制御部91は、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドである。設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちon(開放状態)/off(閉状態)を示すコマンドである。ドアコマンドは、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(onからoff、offからon)した時に送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)のうち検出状態(on/off)が変化したスイッチ、検出状態がoffからonに変化したのかonからoffに変化したのか、および他のスイッチの検出状態(on/off)を示すコマンドである。操作検出コマンドは、これら操作スイッチ類のいずれかの検出状態が変化したときに送信される。
これらコマンドのうちドアコマンドおよび操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、タイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において送信される。
一方、ドアコマンドは、タイマ割込処理(メイン)のドア監視処理においてに生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において送信される。
操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のスイッチ入力判定処理において、いずれかのスイッチの検出状態の変化が検出された場合(いずれかのスイッチのエッジデータが設定された場合)に生成され、操作検出コマンド格納領域に格納される。操作検出コマンド送信要求が設定されることにより操作検出コマンド格納領域に格納されている操作検出コマンドの送信が命令され、その後実行されるタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において、コマンドバッファに格納され、シリアル通信回路に転送することで、サブ制御部91に送信される。
[コマンド受信時のサブ制御部91による制御]
コマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できる。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターンごとに、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様など、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行される。
サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行する。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行される。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定する。同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
[入賞役、特殊出目]
図5〜図7は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および、入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。図8は、所定の小役を取りこぼしたときにのみ有効ライン上に停止される特殊出目を説明するための図である。図9は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図である。
先ず、図9(a)を参照しながら、本実施の形態におけるスロットマシン1が制御する遊技状態の遷移について説明する。本実施の形態においては、RT0(準備遊技状態)、RT1(通常遊技状態)、RT2(途中遊技状態)、およびRT3(有利遊技状態)のいずれかに制御されながら遊技が進行する。
RT0は、設定変更状態の後に移行制御される遊技状態であり、特殊出目が導出されることによりRT1に遊技状態が移行する。
RT1は、RT0から移行可能な遊技状態であり、通常、遊技者が最も多くの時間を費やす可能性がある遊技状態である。RT1では、リプ4に入賞することでRT2に遊技状態が移行する。RT1では、リプ6に入賞することでRT3に遊技状態が移行する。
RT2は、RT1から移行可能な遊技状態であり、RT1よりも再遊技役の当選確率が高くなる遊技状態である。RT2では、リプ6に入賞することでRT3に遊技状態が移行する。このように、RT2は、RT1からRT3へ遊技状態を移行するために経由される途中の遊技状態でもある。RT2では、特殊出目の導出またはリプ5に入賞することでRT1に遊技状態が移行する。
RT3は、RT1またはRT2から移行可能な遊技状態であり、RT1およびRT2よりも再遊技役の当選確率が高くなる遊技状態である。そのため、RT3は、遊技者にとって、最もメダルを消費することなく遊技できる点で有利な遊技状態となる。RT3では、特殊出目の導出またはリプ5に入賞することでRT1に遊技状態が移行する。
入賞役のうちの再遊技役には、図5および図6に示すリプ1〜6、および7リプ1,2といった8種類の再遊技役が含まれる。
本実施の形態における図柄組合せの説明における「/」は、“または”という意味を示し、「−」は、“隣り合うリールの区切り”を示し、左が“左リール2Lの図柄”を示し、真ん中が“中リール2Cの図柄”を示し、右が“右リール2Rの図柄”を示している。よって、たとえば、リプ1の組合せである「リプa/リプb−リプa/リプb−リプa/リプb/スイカa/スイカb」とは、図5に示すように、「リプa−リプa−リプa」、「リプa−リプa−リプb」、「リプa−リプa−スイカa」、「リプa−リプa−スイカb」、「リプa−リプb−リプa」、「リプa−リプb−リプb」、「リプa−リプb−スイカa」、「リプa−リプb−スイカb」、「リプb−リプa−リプa」、「リプb−リプa−リプb」、「リプb−リプa−スイカa」、「リプb−リプa−スイカb」、「リプb−リプb−リプa」、「リプb−リプb−リプb」、「リプb−リプb−スイカa」、および「リプb−リプb−スイカb」という、16種類の図柄の組合せを意味する。
図9に示されるように、RT1においてリプ4に入賞した後は、RT1よりも遊技者にとって有利なRT2に制御される。このため、リプ4を昇格リプともいう。
図9に示されるように、RT1よりも遊技者にとって有利なRT2やRT3においてリプ5に入賞した後は、RT1に制御される。このため、リプ5を転落リプともいう。なお、RT1でリプ5に入賞したときには、遊技状態がRT1で維持される。
ここで、図3を参照すると、左リール2Lについては、ベルaの1つ下の位置にリプaが配置され、右リール2Rについては、ベルaの1つ上の位置にリプaが配置されている。そのため、リプ4の図柄組合せが有効ラインに揃うと、「リプa−リプa−リプa」の組合せが右上がり、すなわち無効ラインLM4に揃う。一方、リプ5(転落リプ)が入賞した場合は、リプ4が入賞したときのようにいずれのラインにおいても同一形態の図柄が揃うことがない。
たとえば、図9(b)は、RT2からRT1への移行の契機となるリプ5(転落リプ)入賞時のリール停止出目の一例を説明するための図である。
図9(b)では、左リール2Lの領域番号7〜9が停止され、中リール2Cの領域番号9〜11が停止され、右リール2Rの領域番号7〜9が停止されている。その結果、有効ライン上には「リプa−リプa−ベルa」の転落リプの図柄組合せが停止されている。
これに対して、図9(c)は、RT1からRT2への移行の契機となるリプ4(昇格リプ)入賞時のリール停止出目の一例を説明するための図である。図9(c)では、左リール2Lの領域番号8〜10が停止され、中リール2Cの領域番号9〜11が停止され、右リール2Rの領域番号7〜9が停止されている。その結果、有効ライン上には「ベルa−リプa−ベルa」の昇格リプ入賞の図柄組合せが停止されている。昇格リプ入賞時には無効ラインLM4上において「リプa−リプa−リプa」の図柄組合せが揃って停止されている。これにより昇格リプ入賞を遊技者が認識し易い。昇格リプは、遊技者にとって有利なRT2への制御契機となる入賞役である。その結果、RT2へ制御されたことを遊技者が認識し易い。
図6に戻り、リプ6の図柄組合せが有効ラインに揃うと、「白7−白7−白7」の組合せが右下がり、すなわち無効ラインLM3に揃う。そのため、リプ6が入賞すると、右下がりに7揃いの出目が導出されるため、遊技者は容易に遊技状態がRT3に移行することを認識することができる。
7リプ1の図柄組合せが有効ラインに揃うと、「白7−白7−白7」の組合せが右上がり、すなわち無効ラインLM4に揃う。
7リプ2の図柄組合せが有効ラインに揃うと、「白7−白7−白7」の組合せが、有効ラインに揃う。
リプ1〜6、および7リプ1,2を構成する図柄は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選においてリプ1〜6、および7リプ1,2のいずれかに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているリプ(リプが複数当選しているときにはいずれかのリプ)を入賞させることができる役といえる。複数のリプに当選しているときには、操作手順に応じたリプが入賞するようにリール制御が行われる。
リプ1〜6、および7リプ1,2のいずれかに入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した枚数分のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。また、リプ2またはリプ3に入賞したときは、有効ラインに「白7−白7−リプ」、「白7−リプ−白7」のように、7図柄がテンパイする。そして、リプ2またはリプ3に入賞したときは、ATゲーム数の抽選が行われ、0〜100の中のゲーム数からいずれかのATゲーム数が上乗せされる。また、7リプ2に入賞したときは、有効ラインに7図柄が揃い、ATゲーム数が500ゲーム上乗せされる。ATゲーム数の上乗せとは、既にATゲーム数が付与されている状態で、さらに、ATゲーム数が付与されることである。
次に、図7を参照して、入賞役のうちの小役について説明する。小役には、ベル1、2、押し順ベル1〜8、チェリー1〜3、スイカ1〜4、および1枚1、2が含まれる。
ベル1は、有効ラインにおいて「ベル−ベル−ベル」の組合せが停止することにより入賞となるため、中段ベルともいう。
ベル2は、有効ラインにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM3において「ベル−ベル−ベル」の組合せが停止することにより入賞となるため、右下ベルともいう。
ベル1およびベル2を構成する図柄は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選においてベル1またはベル2に当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているベル1またはベル2を入賞させることができる。
押し順ベル1〜8は、各々、有効ラインにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM1において「ベル−ベル−ベル」の組合せが停止することにより入賞となるため、上段ベルともいう。
押し順ベル1〜8各々を構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていない。このため、内部抽選において押し順ベル1〜8のいずれかに当選していても、押し順ベル1〜8のうち当選している押し順ベルの種類に応じた適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選している押し順ベルに入賞することはない。ベル1、ベル2、および押し順ベル1〜8のいずれかに入賞したときには、メダルが15枚払い出される。
チェリー1は、左リール2Lのチェリーが有効ライン上に位置することにより入賞するため、中段チェリーともいう。
チェリー2およびチェリー3は、各々、有効ラインにおいて入賞となる図柄が停止したときに、左リール2Lの「チェリー」が上段または下段に停止することにより入賞となるため、角チェリーともいう。
チェリー1〜3各々を構成する図柄のうち左リール2Lの図柄は、5コマ以内に配置されていない。このため、内部抽選においてチェリー1〜3のいずれかに当選していても、ストップスイッチ8Lを適正なタイミングで操作しなければ、当選しているチェリーに入賞することはない。チェリー1〜3のいずれかに入賞したときには、メダルが2枚払い出される。
スイカ1は、有効ラインにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM1において「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが停止することにより入賞となるため、上段スイカともいう。
スイカ2は、有効ライン上に「スイカ−スイカ−スイカ」が停止することによって入賞となるため、中段スイカともいう。
スイカ3は、有効ラインにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM3において「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが停止することにより入賞となるため、右下がりスイカともいう。
スイカ4は、有効ラインにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM4において「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが停止することにより入賞となるため、右上がりスイカともいう。
スイカ1(上段スイカ)の出目およびスイカ2(中段スイカ)の出目を強スイカ目、スイカ3(右下がりスイカ)の出目およびスイカ4(右上がりスイカ)の出目を弱スイカ目ともいう。また、弱スイカ目と強スイカ目を総称して単にスイカ目ともいう。
スイカ1〜4各々を構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていない。このため、内部抽選においてスイカ1〜4のいずれかに当選していても、スイカ1〜4のうち当選しているスイカの種類に応じた適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているスイカに入賞することはない。スイカ1〜4のいずれかに入賞したときには、メダルが6枚払い出される。
1枚1および1枚2各々を構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていない。このため、内部抽選において1枚1または1枚2に当選していても、1枚1および1枚2のうち当選している1枚の入賞役に応じた適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選している1枚の入賞役に入賞することはない。1枚1または1枚2に入賞したときには、メダルが1枚払い出される。
次に、図8を用いて特殊出目を説明する。特殊出目は、小役のうちの押し順ベル1〜8に当選(左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに当選)しているゲームにおいて、当選している入賞役のうちいずれをも発生させることができない場合(取りこぼす場合)において、有効ラインに停止する特定のハズレの図柄組合せである。
特殊出目は、右ベルこぼし目、中ベルこぼし目、および左ベルこぼし目を含む。右ベルこぼし目は、内部抽選において当選した抽選対象役が右ベル1〜4のいずれかであった場合で、入賞を発生させることができないときに停止される。中ベルこぼし目は、内部抽選において当選した抽選対象役が中ベル1〜4のいずれかであった場合で、入賞を発生させることができないときに停止される。左ベルこぼし目は、内部抽選において当選した抽選対象役が左ベル1〜4のいずれかであった場合で、入賞を発生させることができないときに停止される。
図9に示されるように、RT0、RT2、およびRT3において、いずれの入賞も発生することなく、特殊出目が停止した後は、RT1に制御される。
[抽選対象役、判定値数、リール制御]
次に、図10、図11を参照して、内部抽選において読み出される抽選対象役、抽選対象役の判定値数、および抽選対象役に当選しているゲームにおけるリール制御について説明する。本実施の形態では、遊技状態が、RT0〜RT3のいずれであるかによって内部抽選の対象となる役およびその当選確率が異なる。図10、図11においては、縦の欄に、内部抽選で読み出され得る抽選対象役の種類を示し、横の欄に、抽選対象役ごとの、入賞役の組合せ、抽選される遊技状態、およびリール制御の内容を示している。
抽選対象役は、一の入賞役のみについて内部抽選される役と、複数の入賞役について同時に内部抽選される役とが設けられている。抽選対象役に対応して内部抽選される役については、入賞役の組合せの欄に示している。
たとえば、内部抽選において、抽選対象役のうち共通ベルが読み出されたときには、共通ベルに対応する入賞役であるベル2についての当否抽選が行われ、左ベル1が読み出されたときには、左ベル1に対応する入賞役の組合せであるベル2、押し順ベル1、および押し順ベル4すべてについての当否抽選が行われる。以下、同様に、左ベル2〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカ、通常リプ、昇転リプ1〜5、維持転リプ1〜3、チャンスリプ1〜6、および特別リプ1〜3が内部抽選において読み出されたときには、当該読み出された抽選対象役に対応する入賞役の組合せ欄に示されている入賞役あるいは入賞役の組合せについて抽選される。
抽選対象役に対応する遊技状態の欄の○印は、当該遊技状態であるときの内部抽選において当該抽選対象役が読み出されることを示し、無印は、当該遊技状態であるときの内部抽選において当該抽選対象役が読み出されないことを示している。
○印の下に示す数値は、判定値数を示す。当該判定値数を用いて内部抽選が行われる。なお、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、たとえば、判定値数として「256」が設定されている抽選対象役の当選確率は、256/65536となる。なお、内部抽選において、いずれの抽選対象役にも当選しなかったときには、ハズレとなる。
遊技状態がRT0であるときには、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカ、および通常リプが内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT1であるときには、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカ、通常リプ、昇転リプ1〜5、維持転リプ1〜3、チャンスリプ1〜6、および特別リプ1〜3が内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT2であるときには、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカ、通常リプ、維持転リプ1〜3、チャンスリプ1〜6、および特別リプ1〜3が内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT3であるときには、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカ、通常リプ、維持転リプ1〜3、チャンスリプ1〜6、および特別リプ1〜3が内部抽選の対象役として順に読み出される。
RT0〜RT3のいずれの遊技状態においても、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、および強スイカについては、抽選対象役に定められており、遊技状態にかかわらず共通の判定値数が定められている。すなわち、内部抽選において小役に当選する当選確率は、遊技状態にかかわらず一定である。なお、内部抽選において小役に当選する当選確率は、設定されている設定値に応じて異なるように定められているものであってもよい。
左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4の判定値数を比較すると、当選確率は均等である(判定値数が全て1402である)。
弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカの判定値数を比較すると、それぞれ、「弱」が付された抽選対象役(弱チェリー、弱一枚、弱スイカ)よりも「強」が付された抽選対象役(強チェリー、強一枚、強スイカ)の方が小さく、当選確率が低い。中段チェリーと、弱チェリーおよび強チェリーとの判定値数を比較すると、中段チェリーが最も小さく、当選確率が最も低い。
本実施の形態においては、通常リプ(リプレイ1)、スイカ、チェリーに当選したときに、所定のポイント抽選が行われ、抽選されたポイントが100ポイントとなることによりAT抽選が行われる。また、チャンスリプレイ1〜3に当選したときは、ATゲーム数0〜100を付与する抽選が行われる。また、チャンスリプレイ4〜6に当選したときは、ATゲーム数500を付与する。なお、スイカの種類(弱スイカ、強スイカ)やチェリーの種類(中段チェリー、弱チェリー、強チェリー)により、ポイント抽選における有利度合いを異ならせてもよい。たとえば、「弱」が付された抽選対象役当選時よりも「強」が付された抽選対象役当選時の方が、ポイント抽選において当選する確率、および、当選したときに付与されことを期待できるポイントの大きさの少なくとも一方が高くなるように定められていてもよい。また、ポイント抽選ではなく、入賞役の当選のみによりAT抽選を行ってもよい。たとえば、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカに当選したときにAT抽選を行い、「弱」が付された抽選対象役当選時よりも「強」が付された抽選対象役当選時の方が高い確率でAT当選し、「強」が付された抽選対象役当選時よりも中段チェリー当選時の方が高い確率でAT当選するようにしてもよい。これにより、「弱」が付された抽選対象役よりも「強」が付された抽選対象役に当選すること、および、「強」が付された抽選対象役よりも中段チェリーに当選することに対し遊技者が抱く期待感を高めることができる。
次に、通常リプ、昇転リプ1〜5、維持転リプ1〜3、チャンスリプ1〜6、および特別リプ1〜3の判定値数を、遊技状態ごとに比較する。いずれかの再遊技役に当選する確率は、RT3が最も高く、続いて、RT2、RT1の順となっており、RT0が最も低くなるように、判定値数が設定されている。
RT1における昇転リプ1〜5それぞれの当選確率は均等である(判定値数が全て739である)。RT1において、チャンスリプ4〜6はチャンスリプ1〜3よりも当選確率が低い。このため、リプ2,リプ3が入賞するよりも有利な特典が与えられる7リプ2に入賞し難い。RT1における特別リプ1〜3の当選確率は均等である(判定値数が全て1000である)。
RT2における維持転リプ1〜3当選確率は均等である(判定値数が全て4016である)。また、RT2におけるチャンスリプ1〜6、特別リプ1〜3の判定値数は、各々同じ値であり、同じ当選確率となるように設定されている(判定値数が全て1562である)。
RT3における維持転リプ1〜3当選確率は均等である(判定値数が全て6048である)。また、RT3におけるチャンスリプ1〜6、特別リプ1〜3の判定値数は、各々同じ値であり、同じ当選確率となるように設定されている(判定値数が全て111である)。
ここで、RT1〜3において読み出されるそれぞれの再遊技役の判定値数を合算した結果を比較する。
RT1とRT2とで、合算判定値数を比較すると、RT2の方がRT1よりも大きく、高い確率で再遊技役に当選する。これは、図9に示すように、RT2は、RT1からRT3へ遊技状態が移行するために経由される途中の遊技状態でもあり、RT1からRT2に遊技状態が移行した遊技者に対して、その後、RT3に遊技状態が移行するまでのRT2での期間において極力メダルを消費させないようにするためである。
RT3の合算判定値数は、RT1およびRT2における合算判定値数よりも大きく、最も高い確率で再遊技役に当選する。これにより、RT3は、メダルの消費を最小限に抑えながら遊技できる点で、遊技者にとって最も有利な遊技状態となる。したがって、RT1、RT2に対するRT3の優位性を確保することができる。
非AT中におけるRT1からRT3への移行は簡単ではない。そのため、RT1からRT3へ移行する際に経由するRT2においては、再遊技役の合算判定値数をRT1よりも高く設定して極力メダルを消費させないようにすることで、遊技者の負担を軽減し、遊技の興趣を低下させない。
RT2からRT3へは、RT2における特別リプ1〜3の当選確率をRT1よりも高く設定していることで、RT1からRT2への移行よりも、非AT中において移行しやすい。これにより、非AT中に運よくRT1からRT2へ移行した遊技者に対して、なかなかRT3へ移行しないことに対する不満を感じさせることを極力防止し、遊技の興趣を低下させない。
次に、図10、図11の右欄に記載されているリール制御の内容について説明する。当選した抽選対象役の種類(当選している入賞役)およびストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順に応じて定められた入賞役を有効ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。
左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうちいずれかに当選している場合には、最初に停止操作がなされたリール(第1停止されたリール)が左リール2L、中リール2C、右リール2Rのいずれであるかに応じて、ベル1あるいはベル2を有効ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。
左ベル1が当選し、左リール2Lを第1停止させた場合には、当選した小役のうちベル2を有効ラインに揃えて停止させる制御を行う。一方、左ベル1が当選し、中リール2Cまたは右リール2Rを第1停止させた場合には、当選した小役のうち押し順ベル1または押し順ベル4を引込可能範囲で有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。押し順ベル1および押し順ベル4を構成する図柄は、各々、左リール2L、中リール2C、および右リール2Rにおいて5コマ以内に配置されていない。よって、ストップスイッチ8L〜8R各々が、押し順ベル1または押し順ベル4のうちいずれかに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応する押し順ベル1または押し順ベル4に入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、特殊出目のうち左ベルこぼし目を有効ラインに揃えて停止させる制御を行う。
左ベル2〜4のいずれかが当選しているゲームにおいても同様に、左リール2Lを第1停止させた場合には、当選した小役のうちベル2を有効ラインに揃えて停止させる制御を行う。一方、左ベル2〜4のいずれかが当選し、中リール2Cまたは右リール2Rを第1停止させた場合には、押し順ベル1〜8のうち当選している押し順ベルを引込可能範囲で有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。押し順ベルを構成する図柄は、いずれも、左リール2L、中リール2C、および右リール2Rにおいて5コマ以内に配置されていない。よって、ストップスイッチ8L〜8R各々が、当選している押し順ベルに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応する押し順ベルに入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、特殊出目のうち左ベルこぼし目を有効ラインに揃えて停止させる制御を行う。
中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに当選しているときも同様である。すなわち、中ベル1〜4のいずれかに当選しているゲームにおける第1停止リールが、中リール2Cであった場合には、当選した小役のうちベル1の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させる制御を行い、中リール2C以外のリールであった場合には、押し順ベル1〜8のうち当選している押し順ベルの図柄組合せを引込可能範囲で有効ラインに引き込み停止させる制御を行い、当選している押し順ベルの図柄組合せを有効ラインに引き込み停止させることができない場合に、特殊出目のうち中ベルこぼし目を有効ラインに揃えて停止させる制御を行う。
右ベル1〜4のいずれかが当選しているゲームにおける第1停止リールが、右リール2Rであった場合には、当選した小役のうちベル1の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させる制御を行い、右リール2R以外のリールであった場合には、押し順ベル1〜8のうち当選している押し順ベルの図柄組合せを引込可能範囲で有効ラインに引き込み停止させる制御を行い、当選している押し順ベルの図柄組合せを有効ラインに引き込み停止させることができない場合に、特殊出目のうち右ベルこぼし目を有効ラインに揃えて停止させる制御を行う。
このように、左ベル1〜4のいずれかに当選したときにおいては、左リール2Lを第1停止させたときに確実にベル2を入賞させるようにリール制御が行われ、左リール2L以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選している押し順ベルを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、特殊出目を導出させるようにリール制御が行われる。
中ベル1〜4のいずれかに当選したときにおいては、中リール2Cを第1停止させたときに確実にベル1を入賞させるようにリール制御が行われ、中リール2C以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選している押し順ベルを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、特殊出目を導出させるようにリール制御が行われる。
右ベル1〜4のいずれかに当選したときにおいては、右リール2Rを第1停止させたときに確実にベル1を入賞させるようにリール制御が行われ、右リール2R以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選している押し順ベルを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、特殊出目を導出させるようにリール制御が行われる。
以上のように本実施の形態では、左ベルが当選したか、中ベルが当選したか、右ベルが当選したかによって、ベル1あるいは2を確実に入賞させるための第1停止リールを異ならせることにより、入賞させるための操作手順(入賞用操作手順)であり、かつ特殊出目の導出を回避するための操作手順を異ならせることができる。
中段チェリーに当選しているゲームにおいては、入賞時に左リール2Lのチェリーが有効ライン上にしか停止されないようにリール制御が行われる。一方、弱チェリーあるいは強チェリーに当選しているゲームにおいては、入賞時に左リール2Lのチェリーが上段または下段に停止されるようにリール制御が行われる。これにより、左リール2Lのチェリーが中段に停止してチェリー入賞が発生したときには中段チェリーに当選していたことを遊技者に報知することができ、左リール2Lのチェリーが上段または下段に停止してチェリー入賞が発生したときには、中段チェリーではなく弱チェリーあるいは強チェリーに当選していたことを遊技者に報知することができる。
強チェリーに当選しているゲームにおいてのみ、左リール2Lのチェリーが停止された無効ライン上において、中リール2Cおよび右リール2R各々のチェリーを停止させて、「チェリー−チェリー−チェリー」を停止させるリール制御が行われ得る。これにより、左リール2Lのチェリーが上段または下段に停止し、かつ当該チェリーが停止された無効ライン上に「チェリー−チェリー−チェリー」が停止されたときには、弱チェリーではなく強チェリーに当選していたことを遊技者に報知することができる。
弱一枚に当選しているゲームにおいては、はずれ図柄の組合せのうち、特殊出目と異なる予め定められた弱チャンス目(たとえば、有効ラインに「白7b−スイカb−チェリー」など)を停止させるリール制御を行う。強一枚に当選しているゲームにおいては、はずれ図柄の組合せのうち、特殊出目とも弱チャンス目とも異なる予め定められた強チャンス目(たとえば、有効ラインに「白7b−スイカb−スイカb」など)を停止させるリール制御を行う。チャンス目は、弱一枚や強一枚を取りこぼしたときだけでなく、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカなどを取りこぼしたときにも停止し得るように、リール制御が行われる。
弱スイカに当選しているゲームにおいては、引込可能範囲でスイカ1よりもスイカ3または4を優先して有効ラインに引き込み、弱スイカ目を停止させ、スイカ3およびスイカ4のいずれも引き込むことができない場合には、スイカ1も引き込むことができない場合であるため、弱チャンス目あるいは強チャンス目を停止させるリール制御を行う。
強スイカに当選しているゲームにおいては、引込可能範囲でスイカ3およびスイカ4よりもスイカ1または2を優先して有効ラインに引き込み、強スイカ目を停止させ、スイカ1または2を引き込むことができない場合にはスイカ3、4を引き込み、スイカ3およびスイカ4のいずれも引き込むことができない場合には、弱チャンス目あるいは強チャンス目を停止させるリール制御を行う。
通常リプに当選しているゲームにおいては、操作手順にかかわらず、リプ1の図柄組合せを有効ラインに引き込み、中段にリプを停止させるリール制御を行う。
昇転リプ1〜5のうちいずれかに当選している場合には、第1停止されたリールが左リール2L、中リール2C、右リール2Rのいずれであるかなどに応じて、昇格リプであるリプ4を入賞させる制御が行われる。
昇転リプ1に当選しているゲームにおいては、第1停止リールが、左リール2Lであった場合には、リプ4の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2L以外の中リール2Cまたは右リール2Rであった場合には、転落リプであるリプ5を入賞させるリール制御を行う。
昇転リプ2に当選しているゲームにおいて、中リール2Cを第1停止させ、その後左リール2L、右リール2Rの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2Lを第1停止させた場合には、リプ1を入賞させ、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
昇転リプ3に当選しているゲームにおいて、中リール2Cを第1停止させ、その後右リール2R、左リール2Lの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2Lを第1停止させた場合にはリプ1を入賞させ、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
昇転リプ4に当選しているゲームにおいて、右リール2Rを第1停止させ、その後左リール2L、中リール2Cの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2Lを第1停止させた場合にはリプ1を入賞させ、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
昇転リプ5に当選しているゲームにおいて、右リール2Rを第1停止させ、その後、中リール2C、左リール2Lの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2Lを第1停止させた場合にはリプ1を入賞させ、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
RT1において転落リプであるリプ5に入賞した場合には、RT1が維持されるため、遊技状態が移行されるか否かの観点においてはリプ1が入賞した場合と同じとなる。このように、昇転リプ1〜5のいずれに当選したかによって、昇格リプであるリプ4を入賞させるための操作手順を異ならせることができる。
維持転リプ1〜3のうちいずれかに当選している場合には、第1停止されたリールが左リール2L、中リール2C、右リール2Rのいずれであるかなどに応じて、通常リプであるリプ1を入賞させる制御か、転落リプであるリプ5を入賞させる制御が行われる。
維持転リプ1が当選しているゲームにおける第1停止リールが、左リール2Lであった場合には、当選した再遊技役のうち、リプ1の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2L以外の中リール2Cまたは右リール2Rであった場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
維持転リプ2が当選しているゲームにおける第1停止リールが、中リール2Cであった場合には、当選した再遊技役のうち、リプ1の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させるリール制御を行い、中リール2C以外の左リール2Lまたは右リール2Rであった場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
維持転リプ3が当選しているゲームにおける第1停止リールが、右リール2Rであった場合には、当選した再遊技役のうち、リプ1の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させるリール制御を行い、右リール2R以外の左リール2Lまたは中リール2Cであった場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
このように、維持転リプ1〜3のいずれに当選したかによって、通常リプであるリプ1および転落リプであるリプ5を入賞させるための操作手順を異ならせることができる。
チャンスリプ1〜3のうちいずれかに当選している場合には、0〜100ゲームのうちから一のゲーム数を決定するAT抽選が行われて、決定されたゲーム数がATゲーム数として付与される。また、チャンスリプ4〜6のうちいずれかに当選している場合には、500ゲームのATゲーム数が付与される。
チャンスリプ1〜3が当選しているゲームにおいて、左中右の順で停止操作が行われた場合には、リプ2を導出し、左右中の順で停止操作が行われた場合には、リプ3を導出する。また、チャンスリプ1〜3が当選しているゲームにおいて、中左右の順で停止操作が行われた場合には、リプ2を導出する。また、チャンスリプ1〜3が当選しているゲームにおいて、右左中の順で停止操作が行われた場合には、リプ3を導出する。これらの操作手順で操作された場合には、第2停止まで7図柄が必ず停止する(7図柄テンパイ)ように制御される。
また、チャンスリプ1〜3が当選しているゲームにおいて、中右左の順で停止操作が行われた場合、および、右中左の順で停止操作が行われた場合には、リプ2を導出する。これらの操作手順で操作された場合には、第1停止で7図柄が必ず停止するように制御される。
また、チャンスリプ4〜6が当選しているゲームにおいては、操作手順にかかわらず、7リプ2の図柄組合せを有効ラインに引き込み、中段に7図柄を停止させる(7図柄揃い)リール制御を行う。
よって、チャンスリプに当選したときには、必ず第1停止操作までは7図柄を停止させ、極力第2停止操作においても7図柄を停止させることができる。ゆえに、有利な特典(AT500ゲーム)が付与される7図柄揃いの期待感を最終停止まで極力持続させることができる。
特別リプ1〜3のうちいずれかに当選している場合には、当該特別リプ1〜3に対応した停止操作順に応じて、特別リプであるリプ6を入賞させる制御か、遊技状態の移行を伴わないリプ1〜3のいずれかを入賞させる制御が行われる。
特別リプ1が当選しているゲームにおける第1停止リールが、左リール2Lであった場合には、当選した再遊技役のうち、リプ6の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2L以外の中リール2Cまたは右リール2Rであった場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行う。
特別リプ2が当選しているゲームにおける第1停止リールが、中リール2Cであった場合には、当選した再遊技役のうち、リプ6の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させるリール制御を行い、中リール2C以外の左リール2Lまたは右リール2Rであった場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行う。
特別リプ3が当選しているゲームにおける第1停止リールが、右リール2Rであった場合には、当選した再遊技役のうち、リプ6の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させるリール制御を行い、右リール2R以外の左リール2Lまたは中リール2Cであった場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行う。
このように、特別リプ1〜3のいずれに当選したかによって、特別リプであるリプ6を入賞させるための操作手順を異ならせることができる。
このように、メイン制御部41は、遊技状態に応じた抽選対象役について内部抽選し、当該抽選結果およびストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順に応じて、リール制御を行い、表示結果にしたがってメダル払い出しや遊技状態移行を行う。
[ゲームの流れ]
ここで、図9を再び参照し、ゲームの流れに関しまとめて説明する。スロットマシン1では、図9に示されるように、設定変更状態が終了した後において、RT0に制御される。設定変更状態に制御されることにより非ATとなるため、RT0では、ATに制御されず、ナビ演出が実行されない。このように、RT0においてナビ演出が実行されることがないため、RT0において左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうちいずれかに当選したときに、高い確率でベルおよび押し順ベルを取りこぼして、有効ラインに特殊出目が停止され、いつまでも特殊出目が停止されずにRT1に移行されないといった不都合の発生を防止することができる。RT1〜3においては、AT中であるか否かによって、それぞれ、以下に説明するようなゲームの流れとなる。
まず、非AT中のゲームの流れについて説明する。スロットマシン1では、RT0〜RT3において非AT中のときに、左リール2Lを第1停止させるように設計されている。このため、遊技者は、非AT中のときには、左リール2Lを第1停止させるように停止操作を行う。その結果、ゲームの流れは以下のようになる。
RT1では、リプ4やリプ6に入賞することにより、RT2やRT3に移行される。リプ4やリプ6に入賞するためには、図11で示したように、昇転リプ1〜5のいずれかに当選しかつ昇格リプ入賞させるための操作手順で停止操作するか、あるいは特別リプ1〜3に当選しかつ特別リプ入賞させるための操作手順で停止操作する必要がある。
しかし、左リール2Lが第1停止されたときに昇格リプ入賞させる昇転リプ1の当選確率は、その他の昇転リプ2〜5の当選確率よりも低い。左リール2Lが第1停止されたときに特別リプ入賞させる特別リプ1の当選確率は、その他の特別リプ2、3の当選確率よりも低い。よって、左リール2Lを第1停止させる限り、RT2やRT3に移行される可能性は低い。
RT1において左リール2Lを第1停止させながら、運よくリプ4に入賞し、RT2に制御された場合でも、当該RT2への制御を維持することが困難となるように設定されている。すなわち、押し順ベルのうち、左リール2Lを第1停止させた場合にベル入賞となる左ベル1〜4の当選確率がその他の中ベル1〜4や右ベル1〜4の当選確率よりも極めて低くなるように設定されており高い確率で特殊出目が停止される。維持転リプ1〜3のうち、左リール2Lが第1停止されたときにリプ1を停止させる維持転リプ1の当選確率は、その他の維持転リプ2および3の当選確率よりも低くなるように設定されており高い確率でリプ1を入賞させることができず転落リプが入賞する。このため、本実施の形態のスロットマシン1において、非AT中のときの遊技の大部分は、RT1において消化される。
次に、AT中であるときのゲームの流れについて説明する。RT1では、昇転リプ1〜5、および特別リプ1〜3のいずれかに当選したときに、リプ4やリプ6を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、リプ4入賞によりRT2に移行させ、リプ6入賞によりRT3に移行させることができる。
RT2では、維持転リプ1〜3のいずれかに当選したときに、通常リプであるリプ1を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、リプ1入賞によりRT2を維持させることができる。
さらに、RT2では、特別リプ1〜3のいずれかに当選したときに、リプ6を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、リプ6入賞によりRT3に移行させることができる。
RT3では、維持転リプ1〜3のいずれかに当選したときに、通常リプであるリプ1を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、リプ1入賞によりRT3を維持させることができる。
少なくともRT1〜3では、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のように、所定の操作手順で停止操作しなければ入賞させることができない抽選対象役に当選したときに、当該抽選対象役に応じて遊技者にとって有利となる操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、小役の取りこぼしを防止して、メダルを確実に獲得することができる。また、特殊出目が停止されることを回避して、現在制御されている遊技状態への制御を維持することができる。
このように、本実施の形態のスロットマシン1において、AT中であるときには、RT3に制御されるように、かつRT3が維持されるように、ナビ演出が実行されるため、AT中であるときの遊技の大部分は、RT3において消化される。遊技者にとって有利なRT3においてATに制御されている状態を、特に、アシストリプレイタイム(以下、ARTという)という。
[チャンスリプレイ当選時の遊技の流れ]
図12を用いてチャンスリプレイに当選したときの遊技(ゲーム)の流れに関しまとめて説明する。図12は、チャンスリプレイ当選時の遊技の流れを説明するための図である。メイン制御部41は、図11に示すチャンスリプレイ1〜6に当選したか否かをステップ(以下、単にSとする)100により判定する。S100の判断処理は、RAM41cにチャンスリプレイ1〜6に対応するフラグが格納されているかを判断することにより実行される。
チャンスリプレイ1〜6に当選していると判断されると、次いでS101において、チャンスリプレイ1〜3に当選しているか否かが判断される。チャンスリプレイ1〜3に当選していれば、S102に移行し、図13に示すフリーズ抽選決定テーブルで、フリーズなし、SU1フリーズ、SU2フリーズのいずれかのフリーズの種類を決定する(S102)。決定したフリーズは、レバーオン時のレバーオンフリーズで発生するステップアップフリーズの種類に応じた期間実行される。フリーズなしが決定された場合には、フリーズが発生しない。その後においては、停止操作にしたがって、「7−7−リプ」や「7−リプ−7」(7図柄テンパイ出目)などを導出する(S103)。さらにその後、0〜100ゲームのうちからATゲーム数として付与するゲーム数を決定する抽選を実行する(S104)。なお、S103において押し順によっては、第1停止までしか7図柄が揃わない場合もある。
また、S101において、チャンスリプレイ1〜3に当選していなければ、チャンスリプレイ4〜6に当選していると判断され、S105に移行し、図13に示すフリーズ抽選決定テーブルで、フリーズなし、SU1フリーズ、SU2フリーズ、SU3フリーズのいずれかのフリーズの種類を決定する(S105)。決定したフリーズは、レバーオン時のレバーオンフリーズで発生するステップアップフリーズの種類に応じた期間実行される。フリーズなしが決定された場合には、フリーズが発生しない。その後、どのような押し順で操作されても、「7−7−7」(7図柄揃い出目)を導出する(S106)。さらにその後、ATゲーム数を500ゲーム付与する(S107)。
図13は、フリーズ抽選決定テーブルを説明するための図である。フリーズ抽選の抽選条件は、図12にも示したようにチャンスリプレイの当選である。チャンスリプレイ1〜3が当選したときは、10%の当選確率でフリーズなしに決定され、60%の当選確率でSU1フリーズに決定され、30%の当選確率でSU2フリーズに決定される。
このように、チャンスリプレイ1〜3に当選したときは、SU3フリーズに決定されることはなく、フリーズなし<SU2フリーズ<SU1フリーズという大小関係でフリーズが決定されやすい。
また、チャンスリプレイ4〜6が当選したときは、5%の当選確率でフリーズなしに決定され、5%の当選確率でSU1フリーズに決定され、20%の当選確率でSU2フリーズに決定され、70%の当選確率でSU3に決定される。
このように、チャンスリプレイ4〜6に当選したときは、フリーズなし<SU1フリーズ<SU2フリーズ<SU3フリーズという大小関係でフリーズが決定されやすい。
また、チャンスリプレイ1〜3に当選しているときは、フリーズが発生しない(レバーオンフリーが発生しない)よりもSU1フリーズやSU2フリーズが発生する割合が高くなっている。つまり、レバーオンフリーズが発生したときは、レバーオンフリーズが発生しなかったときよりも高い割合で7図柄がテンパイする。なお、フリーズは、チャンスリプレイ当選時以外に発生させてもよい。このような場合には、フリーズの発生率は、低くすることが望ましい。
図14は、レバーオンフリーズが発生した際の態様を説明するための図である。レバーオン操作がされることによりゲームが開始されるときに前兆事象としてレバーオンフリーズが発生する場合がある。レバーオンフリーズが発生すると、図13に示すような当選確率によりいずれかのSUフリーズが発生する。
図14(a)に示すように、SU1フリーズでは、通常のリール回転を開始する前に、左リールを逆回転させて一旦停止させるフリーズが実行される。SU1フリーズの後に、ストップスイッチ8L、8C、8Rを図11のような押し順で操作することにより、図14(d)に示すように、第1停止と第2停止とで7図柄が停止し、第3停止でリプレイ図柄が停止する7図柄テンパイ状態となる。押し順によっては、第2停止で7図柄が揃わないこともあるが、第1停止では必ず7図柄が停止する。
図14(a),(b)に示すように、SU2フリーズでは、通常のリール回転を開始する前に、左リールを逆回転させ、さらに中リールを逆回転させて、左リールおよび中リールを一旦停止させるフリーズが実行される。SU2フリーズの後に、ストップスイッチ8L、8C、8Rを図11のような押し順で操作することにより、図14(e)に示すように、第1停止と第2停止とで7図柄が停止し、第3停止でスイカ図柄が停止する7図柄テンパイ状態となる。押し順によっては、第2停止で7図柄が揃わないこともあるが、第1停止では必ず7図柄が停止する。
図14(a)〜(c)に示すように、SU3フリーズでは、通常のリール回転を開始する前に、左リールを逆回転させ、その後中リールを逆回転させ、さらに、右リールを逆回転させ、左リール、中リールおよび右リールートを一旦停止させるフリーズが実行される。SU3フリーズの後に、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると押し順に関係なく、図14(f)に示すように、第1停止、第2停止および第3停止で7図柄が停止する。
図12〜図14に示すように、レバーオンフリーズが発生した後は、所定のSUフリーズが発生し、その後、7図柄揃いを導出させる制御、または、7図柄テンパイを導出させる制御(押し順によっては、第2停止で7図柄が揃わないこともある)が実行される。図13に示すように、フリーズなしに決定される場合もあるので、7図柄揃いを発生させる制御や7図柄テンパイを発生させる制御は、レバーオンフリーズが発生しない場合にも実行されることがある。また、チャンスリプレイ4〜6に当選した場合には、有利な特典としてATゲーム数500ゲームが付与され、7図柄揃いが発生する。また、チャンスリプレイ1〜3に当選した場合には、7図柄揃いよりも有利度が低い特典としてATゲーム数0〜100ゲームが抽選により付与され、7図柄テンパイが発生(押し順によっては、第2停止で7図柄が揃わないこともある)する。また、レバーオンフリーズが発生したときは、レバーオンフリーズが発生しなかったときよりも高い割合で7図柄がテンパイする。
よって、レバーオンフリーズが発生しなくても7図柄テンパイが発生し、付与される特典も7図柄揃いよりも有利度が低いATゲーム数0〜100ゲームが付与される可能性がある。よって、レバーオンフリーズが発生することで、7図柄揃いが発生することに期待することができるとともに、7図柄揃いが発生しなかったとしても7図柄テンパイが発生することに期待を持たせることができ、遊技の興趣が向上する。
また、レバーオンフリーズは、レバー操作を契機に発生し、7図柄揃いおよび7図柄テンパイは、ストップスイッチによる停止操作を契機に発生する。よって、変動表示を開始させる操作から表示結果を導出させる操作にかけて期待感を高めることができる。
また、第1停止の段階では、7図柄揃いと7図柄テンパイとで共通の7図柄が停止するように制御される。よって、第2停止あるいは最終停止まで、7図柄揃いと7図柄テンパイとのうちいずれの表示結果が導出されるかが分からないので、遊技者に期待感を持続して抱かせることができる。
また、図14に示すように、7図柄揃いは、単一の種類しかない(図14(c))が、7図柄テンパイは、2種類設けられている(図14(d),(e))。よって、7図柄テンパイの発生のさせ方について、複数種類設けることができ、遊技の興趣が向上する。なお、7図柄テンパイの種類により、付与されるATゲーム数を異ならせるようにしてもよい。具体的には、AT当選時のゲーム数により、異なる種類の出目が導出されるようリール制御としてもよい。
なお、7図柄揃いが発生したときは、打止状態や自動精算状態となるように制御するようにしてもよい。打止状態とは、遊技を不能にすることで次のゲームをスタートさせようとしても(レバーオンしても)リールの回転等が実行されないようにした状態である。具体的に打止状態とは、前面扉1bの内側に設けられているリセットスイッチ23が操作されるまで、遊技の進行を不能とする状態であって、リセットスイッチ23が操作されたときに、遊技の進行を可能とする状態である。打止状態に制御されると、液晶表示器51に、たとえば「店員を呼んでください」というメッセージが表示される。該メッセージを視認した遊技者は、店員を呼び出すための呼び出しスイッチ(図示せず)を操作する。呼び出しスイッチが操作されたことを認識した店員は、前面扉1bを開放して、該リセットスイッチ23を操作する。該操作により、打止状態は解除され、遊技の進行を可能とする。
また、自動精算状態とは、メダルを遊技者の操作によらず自動的に精算し、遊技を不能にした状態である。具体的に自動精算処理とは、メイン制御部41が、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)処理である。このようにすれば、7図柄揃いが発生したことを打止や自動精算により祝うことができる。なお、自動精算後は、遊技を不能にせず、メダルを投入することで遊技が再開できるようにしてもよい。
[ポイント付与演出]
図15は、ポイント付与演出を説明するための図である。本実施の形態では、当選した所定の入賞役の種類に応じたポイント抽選が実行され、実行されたポイントは加算更新される。加算更新されたポイントが予め定められたポイントの天井値に到達すると、特典としてのATが付与される可能性を報知するための前兆演出が実行される。ポイント付与演出とは、液晶表示器51においてポイントを付与し、ポイントを加算更新する演出である。
前兆演出は、複数ゲーム間に亘って実行され、前兆期間中もポイントの抽選は実行される。しかし、前兆期間中にはポイント付与演出は実行せず、前兆期間中に貯められたポイントは前兆期間終了後の複数ゲームにおいて、分割して付与される。以下に、ポイント付与演出の具体例について説明する。
図15(a)に示すように、液晶表示器51には、画面の右下にポイントの加算更新を示すためのカウンターが表示されている。カウンターは、分母がポイントの天井であり、分子が現在のポイントである。チェリー等の所定の入賞役に当選することによりポイント抽選が行われて、ポイントの付与演出が実行される。図15(b)に示すように、現在のポイントがポイントの天井値に到達すると前兆期間に突入する。
付与されたポイントが天井値である100ポイントに達したときには、メイン制御部41によりAT抽選が実行される。AT抽選では、ATに移行するか否かの抽選が実行される。また、ATに移行する場合には、所定のATゲーム数の抽選とが実行される。なお、ATゲーム数の抽選ではなく、50ゲームを1セットとしたナビストックの抽選を実行してもよい。また、ATに当選したか否かに応じて前兆演出後の連続演出の内容が決定される。
図15(c)に示すように、前兆期間中はポイントの表示が「好機」という文字に変更され、ポイント付与演出は実行されない。しかし、前兆期間中も所定の入賞役の当選によりポイントの加算更新は実行されている。図15(c)では、所定の入賞役に当選し、ポイント抽選において50ポイントが加算更新されたものとする。
また、図15(d)に示す前兆期間中の連続演出では、敵キャラと味方キャラとが戦うバトル演出が実行され、勝利すると(連続演出に成功すると)ATが付与される。連続演出中にもポイントの加算更新が実行され、図15(d)では、所定の入賞役に当選し、ポイント抽選において20ポイントが加算更新されたものとする。よって、前兆期間中には、合計70ポイントが加算更新されたことになる。ここで、AT期間中は、有利となりすぎることを防ぐためポイント抽選は実行されない。
また、連続演出中のバトル演出に敗北すると(連続演出に失敗すると)、図15(e)に示すように、ポイントが0から表示される。また、前兆期間終了後は、前兆期間中に貯められたポイント(70ポイント)を付与するポイント付与演出が複数ゲーム(たとえば、4ゲーム)において実行される。図15(e)では、たとえば、前兆期間中に貯められた70ポイントのうちの10ポイント分の付与演出が実行されている。よって、前兆期間で貯められた残りのポイントは60ポイントである。次いで、図15(f)では、前兆期間中に貯められたポイントのうち、20ポイント分の付与演出が実行されている。よって、前兆期間で貯められた残りのポイントは40ポイントである。しかし、図15(f)が実行されるゲームでは、所定の入賞役に当選し、ポイント抽選において20ポイントが加算更新されている。よって、残りのポイントは60ポイントとなる。さらに、図15(g)では、前兆期間で貯められたポイントと図15(f)で付与されたポイントとの合計値である60ポイントのうちの20ポイント分の付与演出が実行されている。そして、複数ゲームの後半にあたる図15(h)では、ポイント付与演出として残り40ポイント分の付与演出が実行され、前兆期間で貯められたポイントと図15(f)で付与されたポイントとが全て付与される。なお、付与演出が実行されるゲーム数は、4ゲームとして説明したが、複数ゲームあればよく、10ゲームなど何ゲームに設定してもよい。
図15に示すように、付与されたポイントが天井である100ポイントに達したときに前兆演出が実行される。前兆演出では、特典としてのATが付与される可能性が報知する前兆演出が複数ゲームに亘って実行される。所定のポイントを付与するポイント付与演出は、前兆期間中には実行されない。前兆期間に更新されたポイントの累積値は、複数のポイントに分割され、前兆期間終了後の複数のゲームにおける付与演出にて付与される。したがって、前兆期間終了後の複数ゲームにおける付与演出により、前兆期間終了後のゲームにおける遊技の興趣を向上させることができる。
図15(f)に示すように、ポイント付与演出が実行されるゲームにおいてもポイントの更新が実行される。よって、ポイントの付与演出中にもポイントの更新に対して期待を持たせることができる。
また、前兆期間中にはポイント付与演出が実行されず、前兆期間終了後の複数ゲームにおいては、図16(b)に示すような通常状態よりも付与されるとポイントの割合が高いテーブルを用いたポイントの抽選が実行される。よって、前兆期間終了後の複数ゲームにおいて高い値のポイントが付与されるポイント付与演出が実行される。よって、前兆期間終了後に即座に遊技を辞めてしまうことを防止することができる。
付与されたポイントが天井である100ポイントに達したときにAT抽選をし、その結果に応じて連続演出の内容が決定される。前兆期間中の連続演出に成功した場合は、AT期間となる。AT期間中は、所定の入賞役に当選してもポイント抽選が行なわれず、ポイントが付与されない(ポイント付与演出が実行されない)。このようにすれば、すでに有利な状態であるAT期間中でポイントが付与されることにより有利となりすぎることを防止することができる。
図15(e)〜(h)に示すように、前兆期間終了後の複数ゲームのうちの後のゲーム程、高いポイントを付与するポイント付与演出が実行されやすい。よって、前兆期間終了後の複数ゲームのうちの後ろのゲーム程、高いポイントを付与するポイント付与演出が実行されやすい。よって、前兆期間終了後の複数のゲームにおいて、ポイントの付与演出とゲーム数とに注目させることができ、遊技の興趣が向上する。
図16は、通常状態ポイント付与決定テーブルおよび特定状態ポイント付与決定テーブルを説明するための図である。付与されるポイントの値は、遊技状態によって異なるようになっている。通常状態では、図16(a)に示す通常状態ポイント付与決定テーブルが用いられる。また、特定状態では、図16(b)に示す特定状態ポイント付与決定テーブルが用いられる。特定状態とは、ART(AT+RT3)状態においてATが終了してからRT1に転落するまでの状態をいう。一方、通常状態とは、非AT中であって、特定状態以外の状態をいう。
図16(a)に示すように、通常状態ポイント付与決定テーブルでは、当選役としてリプレイが当選した場合は、付与ポイントとして0ポイントが97%割合で決定され、5ポイントが1%の割合で決定され、10ポイントが1%の割合で決定され、20ポイントが1%の割合で決定され、50ポイントが0%の割合で決定される。また、当選役としてスイカが当選した場合は、付与ポイントとして0ポイントが20%割合で決定され、5ポイントが10%の割合で決定され、10ポイントが20%の割合で決定され、20ポイントが20%の割合で決定され、50ポイントが30%の割合で決定される。また、当選役としてチェリーが当選した場合は、付与ポイントとして0ポイントが0%割合で決定され、5ポイントが10%の割合で決定され、10ポイントが20%の割合で決定され、20ポイントが30%の割合で決定され、50ポイントが40%の割合で決定される。
図16(b)に示すように、特定状態ポイント付与決定テーブルでは、当選役としてリプレイが当選した場合は、付与ポイントとして0ポイントが80%割合で決定され、5ポイントが10%の割合で決定され、10ポイントが7%の割合で決定され、20ポイントが3%の割合で決定され、50ポイントが0%の割合で決定される。また、当選役としてスイカが当選した場合は、付与ポイントとして0ポイントが0%割合で決定され、5ポイントが15%の割合で決定され、10ポイントが20%の割合で決定され、20ポイントが30%の割合で決定され、50ポイントが35%の割合で決定される。また、当選役としてチェリーが当選した場合は、付与ポイントとして0ポイントが0%割合で決定され、5ポイントが0%の割合で決定され、10ポイントが0%の割合で決定され、20ポイントが40%の割合で決定され、50ポイントが60%の割合で決定される。
図16(a),(b)に示すように、当選役の種類によって、付与ポイントが異なり、リプレイ<スイカ<チェリーの順で付与されるポイントが高くなるように決定される。また、特定状態では、通常状態よりも付与されるポイントが高くなるようにポイントの付与の決定が行われる。このように、特定状態では、通常状態よりも有利となるようにポイントの更新が実行されるので、特定状態における遊技の興趣が向上する。また、AT終了後に遊技状態が転落する可能性のある特定状態に制御されるので、AT終了後の遊技の興趣を向上させることができる。
また、前兆期間には、前兆期間に更新されたポイントの累積値が特定条件を満たすとき、ポイントの更新が有利となるようにしてもよい。たとえば、前兆期間に貯まったポイントの累積値が100ポイントに達すると、前兆期間のそれ以降のゲームで有利なポイント抽選(たとえば、図16(b)のテーブルを参照した抽選)を実行してもよい。このようにすれば、前兆期間中のポイントの更新に対して遊技者に注目させることができる。
また、付与されたポイントが天井に到達することによるAT抽選でAT当選していない場合は、前兆演出を実行した後に失敗することを示唆する連続演出が実行される。しかし、当該前兆期間中にその他の契機によってATに当選した場合には、それ以降の演出を成功する演出に書き換える処理を実行してもよい。また、前兆期間中の演出が成功する場合と失敗する場合とで、付与されるポイントの決定割合が異なるようにしてもよい。
[AT演出]
次にAT期間中に実行される演出について説明する。AT期間においては、当選状況に応じて、遊技者にとって有利なストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順を報知するナビ演出が実行される。また、AT期間中においては、特定の入賞役当選時においてATゲーム数を上乗せするか否かが抽選される。また、特定の入賞役当選時には、ATゲーム数が上乗せされた可能性を示唆するために役物60を用いた演出が実行可能である。サブ制御部91は、1ゲームを開始するときに、役物60を動作させるか否かを決定し、決定結果に基づいて役物60を動作させる。以下では、実行されるナビ演出と役物の動作との関係について説明する。
図17は、報知演出と役物の動作との関係を説明するための図である。ナビ演出では、第1報知演出と第2報知演出とが実行される場合がある。第1報知演出と第2報知演出とは、液晶表示器51の表示画面のどの領域を使ってナビ演出を実行するかに違いがある。液晶表示器51の表示領域には、役物60が動作したときに表示画面が遮蔽される遮蔽領域51bと役物60が動作しても表示画面が遮蔽されない遮蔽外領域51aとから形成されている。ここで、図面内の点線は、役物60が遮蔽位置である第2位置に移動した際の左端を示している。
第1報知演出は、遮蔽外領域51aと遮蔽領域51bとの両方の領域を用いて実行されるナビ演出である。また、第2報知演出は、遮蔽領域51bのみ(遮蔽領域51bの一部)を用いて実行されるナビ演出である。サブ制御部91は、ナビ演出を実行する際に、役物60を動作させるゲームであるか否かに応じて、第1報知演出を実行するか第2報知演出を実行するかを決定する。
図17(a)は、役物60が動作しないゲームにおいて実行されるナビ演出を示している。役物60は、非作動時において液晶表示器51の右側の第1位置に停止している。役物60が動作しないゲームにおいては、第1報知演出が実行される。表示画面上の「2,1,3」の表示は、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順を示している。丸が大きくなっている「1」の表示が現時点において操作すべきストップスイッチを示しており、図17(a)では、ストップスイッチ8Cであることが示されている。第1報知演出は、図17(a)に示すように、遮蔽外領域51aと遮蔽領域51bとの両方の領域を用いて実行される。なお、後述する第2報知演出が役物非作動時に実行されることがあってもよい。
図17(b)および図17(c)は、役物60が動作するゲームにおいて実行されるナビ演出を示している。役物60が動作するゲームにおいては、実際に動作する前から第2報知演出が実行される。第2報知演出では、図17(b)に示すように、遮蔽外領域51aと遮蔽領域51bとのうち、遮蔽外領域51aのみを用いてナビ演出が実行される。
役物60が図17(b)から図17(c)のように第1位置から遮蔽位置となる第2位置へと移動するタイミングは、複数設けられている。たとえば、役物60は、レバーオン時のタイミングで移動する場合とレバーオンのタイミングよりも遅い第1停止時のタイミングで移動する場合がある。第2位置への役物60の移動が、レバーオン時のタイミングであってもレバーオン時よりも遅い第1停止時のタイミングであっても第2報知演出はレバーオン時のタイミングで実行される。つまり、第2報知演出は、必ず、役物60が移動する以前(同時を含んでもよい)のタイミングで実行される。
このように、第2報知演出は、役物60が遮蔽位置である第2位置にするタイミングによらず、共通のレバーオン時のタイミングで実行されるので、報知演出を実行する場合の処理負担を軽減することができる。また、所定情報の報知として第2報知演出が実行されることで、遊技者に役物60が可動することを推測させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、役物60が動作しないゲームにおいても、ナビ演出として第2報知演出を実行する場合が生じ得るようにしてもよい。
また、役物60が遮蔽位置である第2位置に移動したときは、遊技者にとって有利度が高くなるように制御される。具体的には、AT抽選対象役に当選することによりメイン制御部41が行うAT抽選において当選したときには、当選していないときよりも高い割合で、サブ制御部91が役物60を動作させるように決定し、役物60が動作するときにはAT当選している可能性が高くなるようにしてもよい。また、前述したとおり役物60が動作する場合には、ナビ演出として第2報知演出が実行されるため、第2報知演出を実行することに対して期待を持たせることができる。
図17(a)に示すように、第1報知演出は、遮蔽領域51bと遮蔽外領域51aとを用いて実行される。それに対し、図17(b)に示すように、第2報知演出は、遮蔽外領域51aの一部を用いて実行される。このようにすれば、第2報知演出は第1報知演出が実行される領域の少なくとも一部を用いて実行されるので、第1報知演出と第2報知演出とで、報知演出が異なる位置で実行されることがなく、報知演出を見る位置が一定になり視認性が安定する。
役物60の第2位置への移動がレバーオン時および第1停止時のいずれであってもレバーオン時に第2報知演出が実行される。よって、遊技者にレバー操作に注目させることができる。
役物60は、第2報知演出の実行中に図17(c)に示す第2位置から図17(b)に示す第1位置へと移動することがある。しかしながら、第2報知演出の実行途中で役物60が第2位置から第1位置へと移動した場合であっても、第2報知演出は継続して実行される。このようにすれば、役物60の位置の変化により第2報知演出が実行される位置が変化することを防止することができる。
[AT抽選用テーブルについて]
メイン制御部41は、図12および図15などを参照して、チャンスリプレイ当選時および付与ポイントが天井到達時などにAT抽選を実行することについて説明したが、さらに、予め定められたAT抽選対象役に当選したときにもAT抽選を実行する。図18は、メイン制御部41がAT抽選対象役当選により実行するAT抽選処理で用いるAT抽選用テーブルを説明するための図である。図18の例では、たとえば、AT抽選対象役としての弱スイカが当選したときには、95%の確率でナビストックが付与されないことが決定され、5%の確率で1ナビストックが付与されることが決定される。他のAT抽選対象役(強スイカ、弱チェリー、中段チェリー、強チェリー)が当選したときのAT当選確率、および付与されるナビストック数の振分率については、図18に示す通りである。図18のAT抽選用テーブルは、メイン制御部41のROM41bに予め格納されている。
また、非AT中において、中ベルまたは右ベルが当選したゲームにおいて、中段ベルが入賞した場合には、60%の確率でナビストックが付与されないことが決定され、25%の確率で1ナビストックが付与されることが決定され、10%の確率で1ナビストックが付与されることが決定され、5%の確率で2ナビストックが付与されることが決定される。
以下では、弱スイカ当選、強スイカ当選、弱チェリー当選、中段チェリー当選、強チェリー当選、非AT中において中ベルまたは右ベルが当選したゲームにおける中段ベルの入賞、をそれぞれ第1条件〜第6条件とする。
第6条件は、非AT中に中ベルまたは右ベルが当選したゲームにおいて、中段ベルが入賞することにより成立する条件である。したがって、第6条件が成立する場合というのは、非AT中に中ベルまたは右ベルが当選したゲームにおいてナビ演出が実行された場合である。以下では、1以上のナビストックの付与が決定されることを「ナビストック当選」という。
また、非AT中に第1条件〜第6条件のうちのいずれかが成立し、かつナビストック当選したときには、初当りとしてナビストックが付与される。また、AT中に第1条件〜第5条件のうちのいずれかが成立し、かつナビストック当選したときには、該ナビストック当選する前のナビストック数に対して、当選したナビストック数が上乗せされる。
[演出関連処理について]
次に、サブ制御部91により実行される演出関連処理について説明する。図19は、演出関連処理を説明するための図である。演出関連処理は、内部当選コマンドをサブ制御部91が受信したときに実行される処理である。S60において、ATであるか否かが判断される。サブ制御部91は、ATが開始されてからATが終了するまでRAM91cにATフラグを格納する。S60の判断処理では、RAM91cにATフラグが格納されているかを判断することにより実行される。具体的には、RAM91cにATフラグが格納されていれば、ATに制御されているとして、S60ではYESと判断されS62に移行する。一方、RAM91cにATフラグが格納されていなければ、非ATであるとして、S60ではNOと判断されS64に移行する。
S62では、該S62が実行されているゲーム(つまり、現在のゲーム)が、押し順役が当選したゲームであるか否かが判断される。該判断は、「受信した内部当選コマンドを解析することにより特定した当選役」が上述した押し順役に相当するか否かをサブ制御部91が判断することにより実行される。S62でYESと判断されれば、S68に移行し、S62でNOと判断されれば、演出関連処理を終了する。
S64では、該S64が実行されているゲーム(つまり、現在のゲーム)が、中ベルまたは右ベルが当選したゲームであるか否かが判断される。該判断は、「受信した内部当選コマンドを解析することにより特定した当選役」が中ベルまたは右ベルに相当するか否かをサブ制御部91が判断することにより実行される。S64においてYESと判断されると、S66に移行し、S64においてNOと判断されれば、演出関連処理を終了する。
S66では、ナビ演出を実行するか否かを判断する処理であるナビ演出実行有無判断処理が実行される。中ベルまたは右ベルが当選したゲームにおいてナビ演出を実行するか否かは、メイン制御部41により決定されており、当該結果を示すナビ演出コマンドがサブ制御部91に送信される。サブ制御部91は、該ナビ演出コマンドの結果に基づいてナビ演出実行有無判断処理を実行する。なお、該ナビ演出実行コマンドは、内部当選コマンドと兼用してもよいし、ナビ演出実行コマンドと内部当選コマンドとを個別なものとしてもよい。なお、ナビ演出は、たとえば、1%の確率でナビ演出を実行することを決定し、99%の確率でナビ演出を実行しないことに決定される。S66の処理が終了すると、S68の処理に移行する。なお、中ベルまたは右ベルが当選したゲームにおいてナビ演出を実行するか否かは、サブ制御部91で実行するようにしてもよい。
以下では、ナビ演出が実行される当選役を押し順役(ナビ対象役)という。S62、S64に示されるように、ATであるときと、非ATであるときとでナビ対象役は異なる。具体的には、ATであるときのナビ演出が実行される当選役は、押し順役であるのに対し、非ATであるときのナビ対象役は、中ベルまたは右ベルである。
ここで、非ATであるときには、ATであるときよりも、ナビ演出が実行される割合は全てのゲーム数を通して低くなるように設定されている。具体的には、非ATおよびATで、ナビ演出が実行される割合は以下のように算出される。
非ATであるときのナビ演出の実行割合=(11216/65536)×0.01≒0.17% (1)
ここで、「11216/65536」は、中ベルおよび右ベルの当選確率の合計値であり(図10参照)、「0.01」は、中ベルまたは右ベルが当選したゲームにおいて、ナビ演出が実行される割合である。
ATであるときのナビ演出の実行割合=(27029/65536)×1≒41% (2)
ここで、「27029/65536」は、押し順役の当選確率の合計値が最も低いRT1の押し順役の当選確率の合計値である(図10、図11参照)。
式(1)と式(2)に示されるように、非ATであるときには、ATであるときよりも、ナビ演出が実行される割合は低くなるように設定されている。なお式(2)では、押し順役の当選確率の合計値が最も低いRT1を例として計算しているが、他のRT状態であるときには、RT1よりも押し順役の当選確率の合計値は高くなる。したがって、他のRT状態であるときには、ナビ煽り演出の実行割合は、(2)で算出された割合よりも高くなる。よって、他のRT状態であっても、非ATであるときには、ATであるときよりも、ナビ煽り演出が実行される割合は低くなるように設定されている。
また、ATであるときにおいて、ナビ演出が実行されなかったとき(ゲーム)の方が、ナビ演出が実行されたとき(ゲーム)よりも、ナビストック数が付与されている割合が高くなるようになっている。以下に理由を説明する。AT中にナビ演出が実行される場合というのは、AT抽選対象役とは異なるナビ対象役(つまり、図10、図11に示す押し順役)が当選したときである。一方、AT中において、AT抽選が実行される契機は、AT抽選対象役が当選することである(図18参照)。したがって、ナビ演出が実行されたゲームでは、AT抽選対象役は当選していないということであるから、AT抽選は実行されない。このように、ナビ演出が実行される契機と、AT抽選が実行される契機とは異なる。具体的には、ナビ演出が実行される契機は、ナビ対象役が当選することであり、AT抽選が実行される契機は、ナビ対象役と異なるAT抽選対象役が当選することである。したがって、ATであるときにおいて、ナビ演出が実行されなかったときの方が、ナビ演出が実行されたときよりも、ナビストック数が付与されている割合を高くすることができる。よって、AT中において、ナビ演出が実行されなかったときの方が、ナビ演出が実行されたときよりも、ナビストック数が付与されていることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
また、非AT中であるときにおいて、ナビ演出が実行されたとき(ゲーム)の方が、ナビ演出が実行されなかったとき(ゲーム)よりも、ナビストック数が付与されている割合が高くなるようになっている。以下に理由を説明する。図18に示される第6条件は「非AT中に中ベルまたは右ベルが当選したゲームにおいて中段ベルが入賞する」である。非AT中に、中ベルまたは右ベルが当選したときには、1%の確率で、中段ベルを入賞させるナビ演出が実行される(64、S66)。このように、非AT中において、第6条件を成立させるナビ演出が実行され得ることから、ナビ演出が実行されたときの方が、ナビ演出が実行されなかったときよりも、ナビストック数が付与されている割合が高くなるようになっている。よって、非AT中において、ナビ演出が実行されたときの方が、ナビ演出が実行されなかったときよりも、ナビストック数が付与されていることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
S68では、ナビ煽り演出を実行するか否かを乱数抽選で判断する処理であるナビ煽り演出実行有無抽選処理が実行される。ここで、ナビ煽り演出とは、ナビ演出が実行される可能性を示唆する演出である。本実施の形態のナビ煽り演出は、図21の「ナビ煽り演出」に示すように、左位置、中位置、右位置それぞれに「?マーク」を表示する演出である。ナビ煽り演出には、白色ナビ煽り演出と赤色ナビ煽り演出とが含まれる。白色ナビ煽り演出は、図21で示す「?」の文字が白色で表示される演出である一方、赤色ナビ煽り演出は、「?」の文字が赤色で表示される演出である。白色ナビ煽り演出<赤色ナビ煽り演出となるような関係で、付与されるナビストックの期待値は大きくなる。
ナビ煽り演出を実行することにより、ナビ演出を実行するか否かを遊技者に煽ることができ(ナビ演出を実行することに対する期待感を遊技者に抱かせることができ)、遊技の興趣を向上させることができる。
図20は、ナビ煽り演出実行有無抽選処理で用いられるナビ煽り演出実行有無抽選用テーブルの一例である。図20に示すように、決定される事象の候補は、ナビ煽り演出実行なし、白色ナビ煽り演出、赤色ナビ煽り演出である。
非ATであり、かつナビ演出実行有りゲームでは、ナビ煽り演出実行なしが50%の確率で決定され、白色ナビ煽り演出の実行が10%の確率で決定され、赤色ナビ煽り演出の実行が40%の確率で決定される。ここで、「ナビ演出実行有りゲーム」とは、実行されているナビ煽り演出実行有無抽選処理(S68)の前の処理である「ナビ演出実行有無抽選処理(S66)」において、ナビ演出が実行されると決定されたゲームをいう。
非ATであり、かつナビ演出実行無しゲームでは、ナビ煽り演出実行なしが50%の確率で決定され、白色ナビ煽り演出の実行が40%の確率で決定され、赤色ナビ煽り演出の実行が10%の確率で決定される。ここで、「ナビ演出実行無しゲーム」とは、実行されているナビ煽り演出実行有無抽選処理(S68)の前の処理である「ナビ演出実行有無抽選処理(S66)」において、ナビ演出が実行されないと決定されたゲームをいう。
このように、非ATであるときには、ナビ演出有りゲームおよびナビ演出無しゲームのいずれに関わらず、ナビ煽り演出実行なしの確率は50%であり、ナビ煽り演出が実行される確率(つまり、白色ナビ煽り演出および赤色ナビ煽り演出の実行確率の合算値)は、50%となる。
ATであるゲームにおいて付与ナビストック数が0であるときには、ナビ煽り演出実行なしが97%の確率で決定され、白色ナビ煽り演出の実行が3%の確率で決定され、赤色ナビ煽り演出の実行が0%の確率で決定される。なお、ATであるときにおいて押し順役が当選したときには必ずナビ演出は実行されることから、非ATであるときのようにナビ演出有りゲームとナビ演出無しゲームとに分けられない。ATであるゲームにおいて付与ナビストック数が1、2、または3であるときの決定確率は、図20に示す通りである。このように、ATであるゲームでは、付与ナビストック数に関わらず、ナビ煽り演出が実行されない確率は、97%となり、ナビ煽り演出が実行される確率(つまり、白色ナビ煽り演出および赤色ナビ煽り演出の実行確率の合算値)は、3%となる。
ここで、非ATであるときには、ATであるときよりも、ナビ煽り演出が実行される割合は全てのゲーム数を通して高くなるように設定されている。具体的には、非ATおよびATで、ナビ煽り演出が実行される割合は以下のように算出される。
非ATであるときのナビ煽り演出の実行割合=(11216/65536)×0.5≒9% (3)
ここで、「11216/65536」は、中ベルおよび右ベルの当選確率の合計値であり(図10参照)、「0.5」は、ナビ煽り演出の実行確率である。
ATであるときのナビ煽り演出の実行割合=(26106/65536)×0.03=1.2% (4)
ここで、「26106/65536」は、RT2での押し順役の当選確率の合計値であり(図10,図11参照)、「0.03」は、AT中にナビ煽り演出が実行される割合である(図20参照)。
式(3)と式(4)に示されるように、非AT中にナビ煽り演出が実行される割合は9%であるのに対し、AT中にナビ煽り演出が実行される割合は1.2%である。したがって、非ATであるときには、ATであるときよりも、ナビ煽り演出が実行される割合は高くなるように設定されている。なお、式(4)では、押し順役の当選確率の合計値が最も高いRT2を例として計算しているが、他のRT状態であるときには、RT2よりも押し順役の当選確率の合計値は低くなる。したがって、他のRT状態であるときには、ナビ煽り演出の実行割合は、(4)で算出された割合よりも低くなる。よって、他のRT状態であっても、非ATであるときには、ATであるときよりも、ナビ煽り演出が実行される割合は高いように設定されている。
ところで、第6条件が成立するためには、非AT中にナビ演出が実行されることが必要である。図20の例では、第6条件が成立するために必要なナビ演出が実行される場合には(ナビ演出有りゲームでは)、該ナビ演出が実行されない場合よりも(ナビ演出無しゲームよりも)、赤色ナビ煽り演出が高い割合で実行される。つまり、白色ナビ煽り演出<赤色ナビ煽り演出となるような関係で、付与されるナビストックの期待値(第6条件が成立する割合)は大きくなる。したがって、実行されるナビ煽り演出の種類によって、第6条件が成立するか否かを遊技者に予想させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、AT中では、付与ナビストック数が多いほど、赤色ナビ煽り演出が高い割合で実行される一方、付与ナビストック数が少ないほど、白色ナビ煽り演出が高い割合で実行される。つまり、白色ナビ煽り演出<赤色ナビ煽り演出となるような関係で、付与されるナビストックの期待値は大きくなる。したがって、実行されるナビ煽り演出の種類によって、付与ナビストック数を遊技者に予想させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
説明を図19に戻す。S68の処理が終了すると、S70の処理に移行する。S70では、S68のナビ煽り演出実行有無抽選でナビ煽り演出が実行されることが決定されたか否かが判断される。S70において、ナビ煽り演出が実行されることが決定されたと判断された場合には(S70のYES)、S72に移行し、ナビ煽り演出が実行されないことが決定されたと判断された場合には(S70のNO)、演出関連処理は終了する。
S72においては、「今回のレバーオン操作時刻」−「前回のレバーオン操作時刻」=特定期間とした場合に、以下の式(5)、(6)により無効期間Sが算出される。
特定期間<4.1秒である場合
無効期間S=4.1秒−「特定期間(秒)」+0.13秒 (5)
特定期間≧4.1秒である場合
無効期間S=0.13秒 (6)
ここで、式(5)の「4.1秒」は、「所定の規制時間」に相当する。「今回のレバーオン操作時刻」とは、S72が実行されているゲームでのレバーオン操作された時刻をいう。「前回のレバーオン操作時刻」は、該ゲームより1ゲーム前のゲームでのレバーオン操作された時刻をいう。また、「今回のレバーオン操作時刻」および「前回のレバーオン操作時刻」それぞれについては、サブ制御部91が、スロットマシン1に設けられた時計装置(たとえば、RTC(リアルタイムクロック))からの計時結果に基づいて特定される時刻である。また、特定期間を算出する手法の変形例として、サブ制御部91に内蔵されたクロックカウンタを用いるようにしてもよい。サブ制御部91は、前回のレバーオン操作がされた時から今回のレバーオン操作がされた時までにクロックカウンタによりカウントされたクロック数に応じた期間を特定期間とする。式(5)、(6)の「0.13秒」は、リール回転が開始された時からリールが定速回転する時までの時間(リールの加速時間)に相当する。式(5)、(6)に示されるように、特定期間の大小に関わらず、無効期間Sは0.13秒以上存在することになる。
S72の処理が終了すると、S74に移行する。S74では、S72で算出された無効期間に応じたナビ煽り期間Uに亘って、S68で決定された種類のナビ煽り演出を実行する。ナビ煽り期間Uは、以下の式(7)、(8)により算出される。
無効期間S>0.13の場合
ナビ煽り期間U=T−0.13秒+0.1秒 (7)
無効期間S=0.13の場合
ナビ煽り期間U=0.1秒 (8)
式(7)は、式(5)が用いられる場合、つまり、特定期間<4.1秒である場合に用いられる式である。式(8)は、式(6)が用いられる場合、つまり、特定期間≧4.1秒である場合に用いられる式である。式(7)、(8)に示されるように、無効期間Sの大小に関わらず、ナビ煽り期間Uは必ず0.1秒以上確保される。S74の処理が終了すると、演出関連処理は終了する。
[ナビ煽り演出実行などのタイミングチャート]
図21を用いて、ナビ煽り演出実行などについてのタイミングチャートを説明する。図21(A)は、無効期間Sが0.13秒であるとき(式(6)が用いられたとき)のタイミングチャートである。この場合には、ナビ煽り期間Uは、0.1秒となる(式(8)参照)。
タイミングT1において、レバーオン操作されたと同時に、ナビ煽り演出は実行(開始)される。サブ制御部91は、ナビ煽り期間U(0.1秒)に亘って、ナビ煽り演出を実行する。タイミングT2において、ナビ煽り演出が終了したと同時に、ナビ演出のうちの小ナビ演出が実行される(ナビ煽り演出から小ナビ演出に切替えられる)。
本実施の形態のナビ演出では、小ナビ演出と大ナビ演出とを実行可能である。ナビ演出において、液晶表示器51に対応押し順を表示する領域を「対応押し順表示領域」とする。大ナビ演出、小ナビ演出よりも対応押し順表示領域が大きい画像である。たとえば、ナビ対象役が当選したときには、対応押し順を示す数字が表示されるが、大ナビ演出は、小ナビ演出よりも、対応押し順を示す数字が大きく表示される。また、大ナビ演出が実行されたときには、対応押し順を遊技者が特定できるナビ音声も出力される。ナビ音声とは、たとえば、「中第1停止」といった音声である。
タイミングT3において、無効期間から有効期間に切替るとともに、実行されていた小ナビ演出を終了させ大ナビ演出を実行する(小ナビ演出から大ナビ演出に切替えられる)。サブ制御部91は、有効期間コマンドを受信することにより、無効期間から有効期間に切替わるタイミングT3を特定する。
図21(B)は、無効期間Sが2秒であるとき(式(5)が用いられたとき)のタイミングチャートである。この場合には、ナビ煽り期間Uは、1.97秒となる(式(7)参照)。その他の箇所については、図21(A)と同様である。
このように、図21の例では、無効期間内でナビ煽り演出を開始し、該無効期間内でナビ煽り演出を終了させ(つまり、無効期間内でナビ煽り演出を完結させ)、ナビ煽り演出終了後無効期間内でナビ演出を実行(開始)する。
[補助表示器での表示について]
本実施の形態では、メイン制御部41が、遊技補助表示器12の点灯態様によりストップスイッチ8L、8C、8Rの停止順を識別可能に報知するナビ報知を実行する。
遊技補助表示器12は、複数のセグメントをそれぞれ点灯/消灯可能な2つの表示器からなり、それぞれのセグメントを白、桃、黄、橙、赤、緑、青の7色に点灯させることが可能な表示器である。
図22は、ナビ報知による報知態様を示す図である。図22に示すように、ナビ報知における遊技補助表示器12の点灯態様は、報知される停止順(左中右、左右中、中左右、中右左、右左中、右中左、左−−(左第1停止)、−中−(中第1停止)、−−右(右第1停止))毎に点灯するセグメントの組合せが異なることで、点灯中のセグメントの組合せから停止順が識別できるようになっている。たとえば、複数のセグメントのうちが「21」の文字を表示する位置にあるセグメントが点灯し、他のセグメントが消灯している状態であれば中左右の停止順を識別可能となる。このように、ナビ報知において報知された停止順を即座に識別することが可能な報知態様で操作手順が報知される構成である。
なお、停止順に対応して点灯するセグメントの組合せは、停止順を直接的に想起するようなものではなく、点灯するセグメントの組合せから即座に停止順を識別することが困難なものであり、対応表等がなければ容易に識別できないものであってもよい。即座に識別することが困難な報知態様とは、たとえば、停止順等の操作手順に対応して定められた識別記号、識別番号等を報知するものが該当する。
また、押し順ベルの当選時に実行するナビ報知では、停止順に対応して点灯するセグメントが黄色に点灯することで、報知された停止順に従って停止操作がされることで、中段ベルまたは右下ベルが入賞することが識別できるようになっている。
また、昇転リプレイの当選時に実行するナビ報知のうちリプレイ4(昇格リプレイ)を入賞させるナビ報知では、停止順に対応して点灯するセグメントが青色に点灯することで、報知された停止順に従って停止操作がされることで、リプレイ4(昇格リプレイ)が入賞することが識別できるようになっている。
また、維持転リプレイの当選時に実行するナビ報知のうちリプレイ1(通常リプレイ)を入賞させるナビ報知では、停止順に対応して点灯するセグメントが桃色に点灯することで、報知された停止順に従って停止操作がされることで、リプレイ1(通常リプレイ)が入賞することが識別できるようになっている。
また、チャンスリプレイの当選時に実行するナビ報知では、停止順に対応して点灯するセグメントが橙色に点灯することで、報知された停止順に従って停止操作がされることで、リプレイ2またはリプレイ3が入賞することが識別できるようになっている。
また、特別リプレイの当選時に実行するナビ報知では、停止順に対応して点灯するセグメントが緑色に点灯することで、報知された停止順に従って停止操作がされることで、リプレイ6が入賞することが識別できるようになっている。
また、本実施の形態では、遊技補助表示器12のうち、ドットで表示されるセグメントを赤色に点灯させることで、ART(AT含む)中であることが識別できるようになっている。
また、本実施の形態においてサブ制御部91は、入賞ラインLNにいずれかの役が揃って入賞した場合に、その旨を報知する入賞報知演出を実行可能である。
入賞報知演出では、入賞した役に応じて入賞ラインLN上に揃っている図柄(たとえば、入賞ラインLNに同一の図柄が揃う中段ベル等が入賞した場合)の領域に対応するリールLED55、または無効ラインLM1〜LM4に揃っている指標図柄(たとえば、入賞ラインLNに揃った図柄が同一の図柄とはならないが、無効ラインに揃った指標図柄が同一の図柄となる右下がりベル等が入賞した場合)の領域に対応するリールLED55の点灯態様を変化させるとともに、液晶表示器51に入賞した旨の画像を表示することにより役が入賞した旨が報知される。
なお、本実施の形態では、入賞報知演出として、リールLED55の点灯態様を変化させること、液晶表示器51の表示態様を変化させることにより役が入賞した旨を報知する演出を適用しているが、音声の出力、演出効果LED52等の他の演出装置により役が入賞した旨を報知する演出を適用しても良い。
サブ制御部91は、役が入賞した際に、常に入賞報知演出を実行するのではなく、通常状態であり、かつナビ報知が実行されない場合において推奨停止順で停止操作がされ、いずれかの役が入賞した場合、ナビ報知が実行され、報知された停止順に従って停止操作がされ、いずれかの役が入賞した場合に入賞報知演出を実行するのに対して、通常状態であり、かつナビ報知が実行されない場合において推奨停止順以外の停止順で停止操作がされ、いずれかの役が入賞した場合、ナビ報知が実行され、報知された停止順以外の停止順に従って停止操作がされ、いずれかの役が入賞した場合には、入賞報知演出を実行しない。
たとえば、中段ベル、通常リプレイの当選時にナビ報知が実行され、報知された停止順で停止操作がされて中段ベルまたは通常リプレイが入賞した場合には、入賞報知演出が実行されるのに対して、押し順ベルの当選時にナビ報知が実行されたにも関わらず、報知された停止順以外の停止順で停止操作がされて上段ベルまたは転落リプレイが入賞した場合には、入賞報知演出が実行されることがないようにしてもよい。
本実施の形態では、遊技の制御を行うメイン制御部41と演出の制御を行うサブ制御部91とを備える構成において、メイン制御部41が遊技補助表示器12により遊技者にとって有利となるリールの停止順を識別可能に報知させる制御、すなわちナビ報知を行う制御を行うため、サブ制御部91側に異常が生じても遊技者の有利度に影響を与えてしまうことを防止できる。
また、遊技補助表示器12によるナビ報知において、たとえば、中段ベルが入賞する押し順ベルの当選時と、通常リプレイが入賞する維持転リプレイの当選時と、で同じ停止順を識別可能に報知する場合でも、異なる点灯色にて報知されるので、ナビ報知により識別される停止順が同じであっても、その際の点灯色により報知された停止順に従って停止操作を行うことにより入賞する役を認識させることができる。
また、ナビ報知において報知された停止順を即座に識別することが困難な報知態様で停止順が報知されるようにする場合には、サブ制御部91による液晶表示器51等を用いたナビ演出によって報知される停止順に着目させることができる。また、ナビ演出が機能しない場合でも、対応表等を用いることにより停止順を識別させることができる。
また、本実施の形態では、サブ制御部91が、メイン制御部41によりナビ報知が実行される場合に、液晶表示器51によりナビ報知よりも目立つ報知態様にてナビ報知にて報知される停止順を識別可能に報知させる制御を行うようになっており、液晶表示器51等の演出装置を用いることにより好適な態様にて遊技者にとって有利なリールの停止順を報知することができる。なお、ナビ報知よりも目立つ報知態様とは、ナビ報知が行われる遊技補助表示器12よりも大きい画面にてナビ演出が行われる報知態様、複数の演出装置にてナビ演出が行われる報知態様、即座に操作手順を把握できる報知態様などであれば良い。
また、本実施の形態では、メイン制御部41は、ナビ報知に従った停止順で停止操作されたか否かに関わらず、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ報知を継続するようにしてもよい。一方、サブ制御部91は、ナビ報知に従った停止順で停止操作がされている限り、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ演出を継続するが、ナビ報知に従った停止順と一致しない停止順で停止操作がされた場合には、報知された停止順と一致しない停止操作がされた時点からナビ演出を終了するようにしてもよい。このようにすれば、報知された停止順とは異なる操作手順で停止操作されたときに、ナビ報知による報知は継続することで、その後も報知内容を確認できる一方で、ナビ報知よりも目立つ態様で報知される液晶表示器51による報知は終了するので、操作ミスをした場合に遊技者に対して煩わしい思いをさせてしまうことを防止できる。
なお、本実施の形態では、メイン制御部41は、ナビ報知に従った停止順で停止操作されたか否かに関わらず、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ報知を継続し、サブ制御部91も、ナビ報知に従った停止順で停止操作された否かに関わらず、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ演出を継続する構成としても良い。また、し、メイン制御部41も、ナビ報知に従った停止順で停止操作がされている限り、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ報知を継続するが、ナビ報知に従った停止順と一致しない停止順で停止操作がされた場合には、報知された停止順と一致しない停止操作がされた時点からナビ報知を終了し、サブ制御部91も、ナビ報知に従った停止順で停止操作がされている限り、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ演出を継続するが、ナビ報知に従った停止順と一致しない停止順で停止操作がされた場合には、報知された停止順と一致しない停止操作がされた時点からナビ演出を終了する構成としても良い。また、メイン制御部41は、ナビ報知に従った停止順で停止操作がされている限り、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ報知を継続するが、ナビ報知に従った停止順と一致しない停止順で停止操作がされた場合には、報知された停止順と一致しない停止操作がされた時点からナビ報知を終了する一方、サブ制御部91は、ナビ報知に従った停止順で停止操作された否かに関わらず、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ演出を継続する構成としても良い。
また、本実施の形態では、維持転リプレイ当選時、特別リプレイ当選時において、第1停止リールのみ停止順が一致すれば、第2停止リール以降の停止順に関わらず、対象となる役が入賞することとなる。すなわち第2停止リール以降は、任意の停止順にて停止操作を行えば、対象となる役を入賞させることが可能となるため、メイン制御部41が行うナビ報知では、維持転リプレイ当選時、特別リプレイ当選時において、左中右及び左右中の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、中左右及び中右左の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、右左中及び右中左の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様として、それぞれ共通の点灯態様を適用してもよい。一方で、サブ制御部91は、維持転リプレイ当選時、特別リプレイ当選時において、第1停止リールの停止順だけでなく、第2停止リール以降の停止順を抽選等により振り分け、振り分けた結果に基づいて、第1停止リールの停止順だけでなく、第2停止リール以降の停止順についてもナビ演出により報知するようにしてもよい。このようにすれば、メイン制御部41の負荷を増やすことなく、液晶表示器51等の演出装置により多彩な報知態様にて停止順の報知を行うことができる。
なお、本実施の形態では、メイン制御部41が行うナビ報知では、維持転リプレイ当選時、特別リプレイ当選時において、左中右及び左右中の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、中左右及び中右左の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、右左中及び右中左の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様として、それぞれ共通の点灯態様を適用しているが、維持転リプレイ当選時、特別リプレイ当選時において左中右の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、左右中の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、中左右の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、中右左の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、右左中の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、右中左の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様をそれぞれ振り分けてナビ報知を行う構成としても良い。また、サブ制御部91が、維持転リプレイ当選時、特別リプレイ当選時において、第1停止リールの停止順のみナビ演出により報知する構成としても良い。
また、本実施の形態では、サブ制御部91は、役が入賞した際に、常に入賞報知演出を実行するのではなく、ナビ報知が実行され、報知された停止順に従って停止操作がされ、いずれかの役が入賞した場合に入賞報知演出を実行するのに対して、ナビ報知が実行され、報知された停止順以外の停止順に従って停止操作がされ、いずれかの役が入賞した場合には、入賞報知演出を実行しないようにしてもよい。このようにすれば、ナビ報知により停止順が報知され、報知された停止順以外の停止順で停止操作されていずれかの役が入賞した場合には入賞報知演出が実行されないことから、報知された停止順を無視しても役が入賞することを遊技者に印象付けてしまうことを防止できる。
また、本実施の形態では、ナビ報知が実行されたにも関わらず、報知された停止順以外の停止順で停止操作がされて入賞する役が、一直線上に同一または類似の図柄が揃わない構成であるが、ナビ報知が実行されたにも関わらず、報知された停止順以外の停止順で停止操作がされて入賞する役が、一直線上に同一または類似の図柄が揃う構成、すなわち一見して入賞を把握することができる役であるようにしてもよい。このような場合には、入賞報知演出を実行しないことにより、より効果的に報知された停止順を無視しても役が入賞することを遊技者に印象付けてしまうことを防止できる。
また、ナビ報知が実行されない場合に、入賞した場合には入賞報知演出が実行される役が、ナビ報知が実行されたにも関わらず、報知された停止順以外の停止順で停止操作がされて入賞した場合に、入賞報知演出が実行されないようにしても良い。このような構成とした場合でも、より効果的に報知された停止順を無視しても役が入賞することを遊技者に印象付けてしまうことを防止できる。
また、本実施の形態では、ナビ報知を、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードが表示される遊技補助表示器12を用いて行っている。すなわちナビ報知に係る情報以外も表示可能な遊技補助表示器12を用いてナビ報知を行っているので、ナビ報知を行う報知手段を、ナビ報知だけでなく他の情報を報知する報知手段と共用することができる。
また、ナビ報知を、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードが表示される遊技補助表示器12と共用する場合には、ナビ報知において表示される報知態様と、払出枚数の報知態様またはエラーコードの報知態様と、が異なる報知態様(たとえば、表示色が異なる報知態様、表示内容が重複しない報知態様等)となることが好ましく、このようにすることで、遊技補助表示器12に表示されている報知内容を誤認してしまうことを防止できる。
また、たとえば、ゲームの進行中にエラーが検知された場合に、遊技補助表示器12にエラーが検知された時点でエラーコードを表示するものの、ゲーム終了時までエラー状態には制御しない構成においては、ナビ報知の実行中にエラーが検知された場合に、エラーコードを表示せず、ナビ報知をゲーム終了時まで継続する構成とすることが好ましく、このような構成とすることで、ナビ報知中のエラーにより報知された内容を確認できず、遊技者に不利益となってしまうことを防止できる。さらにこの場合には、ナビ報知で用いていないセグメントを用いてエラーが検知されたことを報知することが好ましく、このようにすることで、ナビ報知を継続しつつ、エラーが検知されたことを認識させることができる。
なお、本実施の形態では、ナビ報知を、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードが表示される遊技補助表示器12を用いて行う構成であるが、専用の表示器にてナビ報知を行う構成としても良い。
本実施の形態では、ナビ報知により報知される操作手順として、リールの停止順、すなわち複数のリールに対応するストップスイッチ8L、8C、8Rによる複数の操作順のうちいずれかの操作順で操作する操作手順を適用しているが、複数の異なる操作タイミングのうちいずれかの操作タイミングで操作する操作手順、停止順と操作タイミングの組合せによる操作手順を適用しても良い。
また、本実施の形態では、ナビ報知により報知される特定の操作手順として複数の操作手順からランダムに決定された操作手順が報知される構成であるが、ナビ報知により報知される特定の操作手順は一律に固定された操作手順でも良い。
また、本実施の形態では、当選役が異なり、報知された停止順に従った停止操作を行うことで入賞する役が異なるが、対象となる役を入賞させる停止順が同一となる場合に、遊技補助表示器12のナビ報知にて停止順を識別可能に点灯するセグメントの組合せは同じであるが、点灯色が異なることで、入賞する役も識別できる構成であるが、一方が点灯で他方が点滅による報知、点滅の切替速度が異なる報知とすることで、入賞する役も識別できる構成としても良い。また、表示内容が異なる報知とすることで、入賞する役も識別できる構成としても良い。特に、一方が点灯で他方が点滅による報知、点滅の切替速度が異なる報知、表示内容が異なる報知を適用する場合には、当選役が異なり、報知された停止順に従った停止操作を行うことで入賞する役が異なるが、対象となる役を入賞させる停止順が同一となる場合に、単色表示の表示器を用いてナビ報知を行っても、入賞する役を識別することができる。
なお、遊技補助表示器12のナビ報知にて停止順を識別可能に点灯するセグメントの組合せが異なることで、入賞する役も識別できるようにしてもよい。
このような構成とすることにより、当選役が異なり、報知された停止順に従った停止操作を行うことで入賞する役が異なるが、対象となる役を入賞させる停止順が同一となる場合に、単色表示の表示器を用いてナビ報知を行っても、報知された停止順に従って停止操作がされることで入賞する役を識別することができる。
なお、停止順およびナビ報知の対象役に対応して点灯するセグメントの組合せが、停止順やナビ報知の対象役を直接的に想起するようなものではなく、点灯するセグメントの組合せから即座に停止順を識別することが困難なものであり、対応表等がなければ容易に識別できないものでもよいし、ナビ報知において報知された停止順およびナビ報知の対象役を即座に識別することが可能な報知態様で操作手順及び報知の対象役が報知される構成としてもよい。
また、ナビ報知における遊技補助表示器12の点灯態様が、リール回転開始から第1停止までの第1期間、第1停止から第2停止までの第2期間、第2停止から第3停止までの第3期間の各期間毎に変化するようにしてもよい。
[コマンド取りこぼし時について]
図23は、コマンド取りこぼし時における液晶表示器51の画面を説明するための図である。サブ制御部91は、AT中において押し順役当選時における遊技者にとって有利な操作手順を特定するためのコマンド(たとえば内部当選コマンド)に基づき、当該操作手順を特定して、ナビ演出により報知する処理を行う(たとえば、図23(a)参照)。しかし、何等かの理由により、ナビ演出により報知すべき操作手順を特定するためのコマンドをサブ制御部91が正常に受信できなかったときには、ナビ演出を実行することができない。そこで、本実施の形態におけるスロットマシン1におけるサブ制御部91は、コマンドを受信できなかったときに、図23(b)のように、コマンド取りこぼし時の画面を表示するように制御する。なお、コマンド取りこぼしには、特定のコマンドを取りこぼした状態だけではなく、ノイズ等の影響によりコマンドが化けた場合も含まれる。
コマンド取りこぼし時には、液晶表示器51により遊技補助表示器12の促進報知画像58を表示する。促進報知画像58には、クレジット表示器11と遊技補助表示器12とを含む遊技用表示部13を表示した画像が表示される。さらに、遊技補助表示器12を表示する画像から矢印が引き出され、そこに、操作手順を記載した操作手順画像61が表示される。操作手順画像61には、遊技補助表示器12に表示された内容にともなう操作手順が記載されている。
液晶表示器51は、遊技補助表示器12よりも報知が目立つので、通常の遊技においては、遊技者は、液晶表示器51を見る可能性が高い。コマンド取りこぼし時のように、液晶表示器51での報知が正常に行えないときには、遊技補助表示器12の確認を促す促進報知が目立つ態様の液晶表示器51に実行される。よって、促進報知を分かり易くすることができるとともに、遊技補助表示器12へ意識を向けることができ、液晶表示器51が正常に報知できなくなったときでも報知を実行することができる。
また、スロットマシン1への電源投入後の起動処理中は、起動処理に時間がかかるので、液晶表示器51によりナビ報知を正常に行えない。しかしながら、メイン制御部41が制御する遊技補助表示器12は、サブ制御部91が制御する液晶表示器51よりも起動処理の時間が早い。また、液晶表示器51は、起動処理において所定の復旧処理を開始する前に促進報知画像58を表示することが可能である。復旧処理は、内部抽選結果等を読込むために時間がかかる処理である。それに対し、促進報知画像58を表示する処理は、予め表示することが決定されていた促進報知画像58を1枚表示する時間のかからない処理である。よって、復旧処理の前に瞬時に促進報知画像58を表示することができる。
このようにすれば、復旧処理を開始する前に、液晶表示器51によりいち早く促進報知画像58を表示することができ、遊技補助表示器12に意識を向けさせることができる。
また、液晶表示器51による促進報知画像58の表示は、ストップボタンによる停止操作が全て終了した後に消去されるように制御される。このようにすれば、ナビ報知による操作手順の報知が不要となる停止操作が終了するまでに促進報知を終了させてしまうことで、遊技者を困惑させてしまうことを防止することができる。
[小役連続入賞時の処理について]
本実施の形態では、当選していない役(たとえば、小役)が当選したことを報知することにより、AT等の特典の付与に関し遊技者が有利であることを示唆する告知ハズレ演出が実行される。告知ハズレ演出では、リールを停止させたときに報知された小役が入賞しないため、報知の内容と入賞の態様との相違により遊技者が有利であることを認識させることができる。また、メイン制御部41は、特定入賞役(たとえば、リプレイ)が所定回数(たとえば、4回)連続して当選あるいは入賞することにより特典を付与する。
今回のゲームの結果次第で、特定入賞役の連続入賞回数が所定回数に達するときには、遊技者は特定入賞役が入賞するか否かに注目するが、このゲームで告知ハズレ演出が実行され、特定入賞役が当選したことが報知されたにも関わらず特定入賞役が入賞しなかったときは、特典が付与されることへ抱いていた遊技者の期待感が裏切られ、遊技の興趣を低下させることになる。そこで、本実施の形態では、以下のような制御を実行する。
図24は、サブ制御部91が行う演出決定処理の制御内容を説明するための図である。特定入賞役としてリプレイの連続入賞回数が3回となったゲームの次ゲームでは、内部抽選でハズレになったときにおける前兆演出の演出態様を決定する前兆ハズレテーブルを用いて演出決定抽選を実行する。前兆ハズレテーブルで選択される演出には、ハズレになったときにのみ実行する演出や、ハズレになったとき及びリプレイに当選したときの両方で共通に実行する演出が含まれている。共通の演出には、リプレイに当選している確率が高いことを示唆するリプレイ告知演出が含まれている。前兆ハズレテーブルでは、前兆演出を実行しない通常時にハズレになったときの演出を決定する通常ハズレテーブルよりもリプレイ告知演出の選択確率が高くなるように判定値数の数が設定されている。
リプレイに当選したゲームを1ゲーム目として小役連続入賞時の処理について説明する。図24(a)に示すように、通常時(非AT時、非ART時かつ前兆演出の非実行時)に1〜3ゲーム目で連続してリプレイに当選したとする。4ゲーム目でリプレイに当選すればARTの付与が確定するので、4ゲーム目はARTが確定し得る状態である。そして、4ゲーム目でハズレになったときは、演出決定抽選でリプレイ告知演出が決定された場合に再度演出決定抽選を実行することによって、ハズレ時のリプレイ告知演出を除外する。当該ゲームにおいて遊技者はリプレイが入賞することに注目する。一方、ハズレ時のリプレイ告知演出は前兆演出として実行される確率が高く、遊技者の期待感が高まる演出である。しかし、当該ゲームで実行すると、リールが停止したときにハズレとなってARTが付与されないことが確定してしまうため、遊技者の期待感を裏切ることになる。よって、遊技者の遊技への興趣が低下する。
このため、4ゲーム目でリプレイ告知演出を除外することにより、ARTが付与されないにもかかわらず遊技者の期待感を煽り、遊技者の期待感を裏切ることを防止できる。また、4ゲーム目では、演出決定抽選を再度実行することによってハズレ時のリプレイ告知演出を除外するように制御する。よって、リプレイ告知演出を除外したテーブルを用いて抽選を行う場合よりもデータ量を削減することができる。以降、5〜7ゲーム目までは前兆演出を実行し、8ゲーム目でARTが付与されるか否かの報知を実行する。
なお、サブ制御部91は、ART抽選の当選確率状態が低確率状態のときは、内部抽選でハズレとなったときに通常ハズレテーブルを用いて演出決定抽選を実行するが、高確率状態に移行しているときは、内部抽選でハズレとなったときに前兆ハズレテーブルを用いて演出決定抽選を実行する。よって、ART抽選の当選確率状態が高確率状態のときは前兆演出が実行されるとともに、ハズレ時のリプレイ告知演出の実行頻度が高くなる。
また、連続入賞回数が3回となったゲームの次ゲームでハズレになったとき用の前兆制限時テーブルを用いて演出決定抽選を実行するようにしてもよい。前兆制限時テーブルは、リプレイの連続入賞回数が4回になってARTが付与され得る状態でハズレになったときに用いる。前兆制限時テーブルで選択される演出には、ハズレになったときにのみ実行する演出や、ハズレになったとき及びリプレイに当選したときの両方で共通に実行する確率の演出が含まれている。しかし、共通の演出からリプレイ告知演出が除外されている。これにより、リプレイの連続入賞回数が3回となったゲームの次ゲームでハズレになってもハズレ時のリプレイ告知演出が実行されることがない。
図24(b)に示すように、通常時(非AT時、非ART時かつ前兆演出の非実行時)に1〜3ゲーム目で連続してリプレイに当選したとする。4ゲーム目でリプレイに当選すればARTの付与が確定するので、4ゲーム目はARTが確定し得る状態である。そして、4ゲーム目でハズレになったときは、演出決定抽選で前兆制限時テーブルを用いることによって、ハズレ時のリプレイ告知演出を除外する。当該ゲームにおいて遊技者はリプレイが入賞することに注目する。一方、ハズレ時のリプレイ告知演出は前兆演出として実行される確率が高く、遊技者の期待感が高まる演出である。しかし、当該ゲームで実行すると、リールが停止したときにハズレとなってARTが付与されないことが確定してしまうため、遊技者の期待感を裏切ることになる。よって、遊技者の遊技への興趣が低下する。このため、4ゲーム目でリプレイ告知演出を除外することにより、ARTが付与されないにもかかわらず遊技者の期待感を煽り、遊技者の期待感を裏切ることを防止できる。以降、5〜7ゲーム目までは前兆演出を実行し、8ゲーム目でARTが付与されるか否かの報知を実行する。
また、入賞履歴を報知する入賞履歴報知処理を実行するようにしてもよい。入賞履歴の報知は液晶表示器51による表示によって行われる。具体的には、過去5ゲーム分の入賞履歴を表示するようにする。入賞履歴の表示には、入賞役の表示のみならず、いずれの入賞役も入賞しないハズレとなった旨も表示する。遊技者は、入賞履歴を確認することにより、リプレイの連続入賞回数を確認することができる。このようにすれば、ARTの実行条件が成立し得ることを遊技者が察知することができる。
また、ARTの付与が確定してから複数ゲーム後にその旨の報知を行う(本例では、図24に示す部分)。よって、ARTの付与への遊技者の期待感を高めることができる。
また、ARTの付与が確定し得る状態は、リプレイの連続入賞回数が1回満たない状態である(本例では、図24に示す3G目の部分)。よって、リプレイが連続して入賞されることに遊技者が注目するため、遊技の興趣を向上させることができる。
また、リプレイの連続入賞回数が3回になるときにART抽選を実行する。よって、ARTの付与条件であるリプレイの連続入賞回数が4回にならなくても遊技者の期待感を持続することができる。
また、リプレイの連続入賞回数が3回になったときに有利示唆条件が成立して前兆演出が開始する(本例では、図24に示す部分)。よって、ARTが付与されることへの遊技者の期待感を高めることができる。
また、有利示唆条件は前兆演出を実行するときに成立している(本例では、図24に示す部分)。よって、リプレイ告知演出に対する遊技者の注目を集めることができる。
また、有利示唆条件はART抽選の当選確率が高確率のときに成立している。よって、リプレイ告知演出に対する遊技者の注目を集めることができる。
[小役連続入賞時の特典付与報知処理について]
本実施の形態では、特定入賞役の連続入賞回数が所定回数を超える回数となったときにさらに特典を付与するような構成としてもよい。しかし、特定入賞役の連続入賞回数が所定回数に達した時点で特典が付与される旨の報知を行ってしまうと、その後に連続入賞回数が所定回数を超えて特典が付与されることへの遊技者の期待感が阻害されてしまう。そこで、本実施の形態では、以下のような制御を実行する。
たとえば、リプレイが2回連続して当選し、かつART抽選に当選すると1セットのARTが確定するように制御される。また、リプレイが3回連続して当選すると1セットのARTが確定し、リプレイが4回連続して当選するとさらに1セットのARTが確定するように制御される。
リプレイに当選したゲームを1ゲーム目として小役連続入賞時の特典付与報知処理について説明する。図25(a)に示すように、通常時(非AT時、非ART時かつ前兆演出の非実行時)に1〜3ゲーム目で連続してリプレイに当選したとする。なお、2ゲーム目のART抽選には当選しなかったものとする。3ゲーム目までリプレイが連続当選しているので、この時点で1セットのARTの付与が確定する。この場合において、3ゲーム目および4ゲーム目では、通常テーブルを用いて演出決定抽選を実行することによって、4ゲーム目まではARTが付与されることを示唆あるいは報知する前兆演出が実行されないようにしている。また、4ゲーム目でリプレイが入賞するとさらに1セット分のARTが付与される。しかし、3ゲーム目でARTが付与されることを報知する前兆演出を実行した場合、4ゲーム目でARTが付与されたときに同様の演出を実行すると、4ゲーム目ではARTの付与の報知が2ゲーム連続することになるため違和感を生む。また、3ゲーム目でARTが付与されることを示唆あるいは報知する前兆演出を実行すると、4ゲーム目の開始前の時点ですでにARTの付与が確定することになるため、4ゲーム目でリプレイが入賞することに対する注目度が低下し、リプレイが連続入賞することへの期待感が薄れてしまう。このため、3ゲーム目および4ゲーム目では通常テーブルを用いて、4ゲーム目まではARTが付与されたことの示唆や報知が行われないようにし、5ゲーム目以降から前兆演出を実行して3ゲーム目や4ゲーム目においてARTが付与されたことの示唆や報知を行うことにより、4ゲーム目でリプレイが入賞されることへの期待感が阻害されず、遊技の興趣を向上させることができる。以降、5〜7ゲーム目までは前兆演出を実行し、8ゲーム目でARTが付与されるか否かの報知を実行する。
また、図25(b)に示すように、通常時(非AT時、非ART時かつ前兆演出の非実行時)に1〜2ゲーム目で連続してリプレイに当選したとする。そして、2ゲーム目のART抽選には当選したものとする。ART抽選に当選したので、この時点で1セットのARTの付与が確定する。また、3ゲーム目および4ゲーム目では内部抽選でハズレになったとする。この場合において、2ゲーム目および3ゲーム目では、通常テーブルを用いて演出決定抽選を実行することによって、3ゲーム目まではARTが付与されることを示唆あるいは報知する前兆演出が実行されないようにしている。また、3ゲーム目でリプレイが入賞するとさらに1セット分のARTが付与される。しかし、2ゲーム目でARTが付与されることを報知する前兆演出を実行した場合、3ゲーム目でARTが付与されたときに同様の演出を実行すると、3ゲーム目ではARTの付与の報知が2ゲーム連続することになるため違和感を生む。また、2ゲーム目でARTが付与されることを示唆あるいは報知する前兆演出を実行すると、2ゲーム目の開始前の時点ですでにARTの付与が確定することになるため、3ゲーム目でリプレイが入賞することに対する注目度が低下し、リプレイが連続入賞することへの期待感が薄れてしまう。このため、2ゲーム目及び3ゲーム目では通常テーブルを用いて、3ゲーム目まではARTが付与されたことの示唆や報知が行われないようにし、4ゲーム目以降から前兆演出を実行して2ゲーム目や3ゲーム目においてARTが付与されたことの示唆や報知を行うことにより、3ゲーム目でリプレイが入賞されることへの期待感が阻害されず、遊技の興趣を向上させることができる。以降、4〜6ゲーム目までは前兆演出を実行し、7ゲーム目でARTが付与されるか否かの報知を実行する。
なお、リプレイの連続入賞回数が2回になってART抽選に当選したゲームの次ゲーム、あるいは、リプレイの連続入賞回数が3回になったゲームの次ゲームで通常テーブルを用いる例を挙げているが、当該ゲームで前兆テーブルを用いてARTが付与されることを示唆あるいは報知する前兆演出が選択されたときは再度抽選を行うことにより、この前兆演出を除外することも可能である。また、当該ゲームでは、ARTが付与されることを示唆あるいは報知する前兆演出が除外されているが、他の演出は前兆演出テーブルと共通のテーブルを用いることも可能である。
また、リプレイの連続入賞回数が3回となってARTの付与が確定した後はARTの上乗せが起こらない5ゲーム目のゲームからARTが付与されることを示唆あるいは報知する前兆演出を実行する(本例では、図25に示す部分)。よって、複数回の表示結果の導出表示が行われたときのARTの付与への遊技者の期待感を阻害することなく、遊技の興趣を向上させることができる。
また、リプレイの連続入賞回数が3回となったときにARTを付与し、リプレイの連続入賞回数が4回になったときにARTを付与する。よって、特定の表示結果が連続して導出されることに遊技者が注目するため、遊技の興趣を向上させることができる。
また、リプレイの連続入賞回数が3回となったときに前兆演出を複数ゲームにわたって実行する。よって、ARTが付与される旨の報知が行われるか否かに対する遊技者の注目を集めることができる。
また、リプレイの連続入賞回数が2回となったときにART抽選を実行する。よって、リプレイの連続回数が3回になることによるARTの付与条件が成立しなくても遊技者の期待感を持続できる。
また、リプレイの連続入賞回数が2回となったときは、リプレイの連続入賞回数が3回とならない状態となった後にARTが付与されることを示唆あるいは報知する前兆演出を実行する(本例では、図25(b)に示す部分)。よって、リプレイの連続回数が3回になることによるARTの付与条件が成立しなくても遊技者の期待感を持続できる。
[変形例について]
本発明は、本実施の形態に限られず、さらに種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例について説明する。
[特典について]
本実施の形態の特典は、ATゲーム数やナビストックであるとして説明した。しかしながら、特典は、メダル(遊技用価値)が多く付与されることなどとしてもよい。また、特典としては、これに限らず、遊技の進行上において遊技者にとって有益となる価値であってもよい。たとえば、非AT中であるもののATゲーム数をすでに獲得しておりATに制御されることが確定しているいわゆるAT潜伏中であるか否かを特定するための情報を報知するもの、あるいは報知されたときに所定の信頼度で実際にAT潜伏中となるように実行される情報(すなわちAT潜伏を示唆する潜伏示唆情報)を報知するものであってもよい。また、特典としては、特典演出の実行(特別キャラクタ出現など)、設定されている設定値を示唆するための設定値示唆演出の実行、一定数を集めることで遊技機が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイント付与、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能な二次元コードを表示などであってもよい。
[チャンスリプレイ当選時について]
上述した実施の形態では、チャンスリプレイ当選時には、前兆事象としてフリーズが発生する可能性があった。しかし、前兆事象は、フリーズに限らず、その他の演出(遅れ、特定のキャラ出現など)であってもよい。また、ストップスイッチを停止するときに液晶表示器51を用いて演出を実行してもよい。たとえば、チャンスリプ4〜6のときは、液晶表示器51上に「777」を表示し、チャンスリプ1〜3のときは、液晶表示器51上に「7」をテンパイさせて最終停止でリーチ目やチャンス目となる図柄を停止させるようにしてもよい。
また、リールでは、7図柄テンパイや7図柄揃いが揃わず、液晶表示器51上でのみ図柄を揃うようにしてもよい。また、液晶表示器51を使った演出として、キャラクタAが登場すれば、ナビストックを3個付与し、キャラクタBが登場すれば、ナビストックを1個付与するような演出を実行してもよい。
また、チャンスリプ1〜3当選時においては、押し順によっては7図柄テンパイ出目を導出しない場合が生じ得る例について説明したが、押し順に限らず必ず7図柄テンパイ出目を導出するようにしてもよい。たとえば、入賞図柄の組合せのうち中図柄と右図柄とが「7」で構成された特定リプレイを設け、チャンスリプ1〜3に当選したときには、特定リプレイにも当選するようにし、停止操作により第1停止・第2停止が中・右であったときには特定リプレイを入賞させるようにリール制御を行うようにしてもよい。
[7図柄揃いでの特典について]
上述した実施の形態では、7図柄揃い出目が導出されるとATが確定し、ATゲーム数が500ゲーム付与されるという特典について説明した。しかし、7図柄揃い出目が導出されたとしてもAT確定ではなく、7図柄テンパイ出目の導出時よりも、高い確率でAT当選あるいは付与されるATゲーム数の期待値が大きいように制御されるようにしてもよい。
[ポイント天井値について]
上述した実施の形態では、図15に示すように天井値が予め報知されていた。しかし、ポイントの天井値を予め報知しないものであってもよい。また、ポイントの天井値は、予め定められた値に限らず、天井到達する毎(天井値でのAT抽選毎)に決定されるものであってもよい。
[ポイント減算演出について]
上述した実施の形態では、スイカやチェリー等に入賞することでポイント抽選を実行し、付与されたポイントが加算更新される例を示した。しかし、ポイントは、減算更新されるようにしてもよい。たとえば、最初のポイントを100ポイントとし、スイカやチェリー等に入賞することでポイント抽選を実行し、決定されたポイントを100ポイントから減算していくようにしてもよい。そして、ポイントが0となったことに応じて前兆演出が開始されるようにしてもよい。
[前兆期間について]
上述した実施の形態では、前兆期間には、前兆演出が実行される期間と前兆演出の後の連続演出が実行される期間とが含まれていた。しかし、前兆演出のみが実行されて連続演出が実行されないようにしてもよい。また、前兆期間の長さに応じて、ポイントの付与される割合が異なるようにしてもよい。また、前兆演出と連続演出とで付与されるポイントの割合が異なるようにしてもよい。
[ポイントの天井値について]
上述した実施の形態では、ポイントが天井値に到達するとATが付与される可能性を報知する前兆演出が実行されていた。このようなポイントの天井値を複数設けてもよい。たとえば、ポイントが加算更新されるカウンターを2つ表示し、入賞役の違いにより、ポイントが加算更新されるカウンターが異なるようにしてもよい。また、同じ入賞役で同時に2つのカウンターを加算更新するようにしてもよい。また、カウンターが同時に天井値である100ポイントまで到達したときは、通常の前兆演出よりも有利なポイント加算が実行される前兆演出が行われるようにしてもよい。
[役物を用いた演出について]
上述した実施の形態では、AT中に役物60が遮蔽位置である第2位置から通常位置である第1位置に移動することがあった。このような場合に、役物60が通常位置に移動すると、遮蔽位置で隠れていた遮蔽領域51bが視認可能となる。このような遮蔽領域51bにキャラクタ等の画像が表示されるようにしてもよい。また、表示されたキャラクタが実行される第2報知演出に対して作用する演出が実行されるようにしてもよい。たとえば、キャラクタからビームが発生することによって第2報知演出の報知態様の表示色が変化するようにしてもよい。
[報知演出について]
上述した実施の形態では、役物60が作動するゲームにおいては、一律にナビ演出として第2報知演出を実行する例について説明した。しかい、これに限らず、役物60が作動するゲームであっても、第1報知演出を実行した後、第1タイミングより以前に第1報知演出を第2報知演出に変化させるようにしてもよい。
[役物の動作タイミングについて]
上述した実施の形態では、AT抽選処理などが実行されて遊技者にとって有利な特典が付与されている可能性があるときに役物60を第1タイミングあるいは第2タイミングで動作させる例について説明した。しかし、動作させるタイミングによって、特典が付与されている可能性および付与されている特典の有利度合いが異なるようにしてもよい。
[促進報知画像の消去タイミングについて]
上述した実施の形態では、ストップボタンによる停止操作が全て終了した後に液晶表示器51に表示された促進報知画像58が消去されていた。しかし、促進報知画像58の消去のタイミングとしては、最終停止操作が実行されてから所定時間経過後(たとえば、5秒経過後)でもよいし、メダルの払出しの後でもよいし、次のゲーム賭数が設定されたときでもよい。このように、1ゲームが終了した後のタイミングで実行することで、促進報知画像58が消去されることで、停止操作に影響が出ないようにすることができる。
[メイン側のナビ報知の変形例]
上述した実施の形態では、メイン制御部41が、遊技補助表示器12の点灯態様によりストップスイッチ8L、8C、8Rの停止順を識別可能に報知するナビ報知を実行する例を示した。メイン制御部41が実行するナビ報知は、このような補助表示器12を用いるものではなく、音による報知であってもよい。たとえば、第1停止するストップスイッチを「中を狙え」等の音声で報知するようにしてもよい。
[遊技機について]
上述した実施の形態においては、種々の技術的事項を遊技機の一例であるスロットマシンに適用した例について説明したが、これに限らず、いわゆる遊技球を遊技領域に打込んで遊技を行うパチンコ遊技機に適用してもよい。パチンコ遊技機では、たとえば、遊技領域の左側に遊技球を打込んで遊技を行う左打ち遊技と、遊技領域の右側に遊技球を打込んで遊技を行う右打ち遊技とを実行可能である。通常状態では、左打ち遊技を行うように設計されており、遊技領域の左側に打込まれた遊技球が入賞可能となる第1始動入賞口を狙い遊技を実行する。一方、大当り後の時短状態など、特定状態では、右打ち遊技を行うように設計されており、遊技領域の右側に打込まれた遊技球が入賞可能となる第2始動入賞口を狙い遊技を実行する。このような場合、たとえば特定状態に移行されるときに左打ち遊技から右打ち遊技に変更させるために、液晶表示器上で「右を狙え」等の報知画像が表示される。このような液晶表示器上での表示はサブ制御部において実行される。また、このようなサブ制御部での制御とともに、メイン制御部では、遊技領域の周縁に配置されているLEDランプ等により、遊技領域の左側周縁に配置されているLEDランプを点灯させる制御(左打ち遊技に対応する制御)から、遊技領域の右側周縁に配置されているLEDランプを点灯させる制御(右打ち遊技に対応する制御)に切り替えられる。このような構成において、前述した実施の形態におけるスロットマシン1と同様に、サブ制御部は、メイン制御部からのコマンドに基づいて液晶表示器上で報知画像を表示する。このため、メイン制御部からのコマンドを取りこぼした場合には、サブ制御部による液晶表示器において報知画像を表示することができない。また、電源起動時などにおいては、メイン制御部が制御するLEDランプでの右打ち報知の立上がり処理は早いが、サブ制御部が制御する液晶表示器で報知画像を表示するまでに時間がかかる。よって、このような場合に、サブ制御部は、液晶表示器上で「周りのLEDランプを見てね」等の表示をすることで、遊技者に右打ち遊技をすべきであることを報知することができる。
[その他の変形例]
上述した実施の形態では、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する例について説明したが、メイン制御部41が実行するATに係る制御としては、AT抽選の実行が挙げられる。AT抽選には、AT抽選の当選または非当選の決定、ATゲーム数をストックするか否かの決定、ATゲーム数の決定、ATゲーム数の上乗せ抽選などが含まれるものであってもよい。また、ATに係る制御としてAT抽選の高確率状態の制御が挙げられる。AT抽選の高確率状態の制御には、AT抽選の当選確率が高確率になる制御、内部抽選の結果に応じてATに制御されるまでの期間を短縮する制御、上乗せ抽選の当選確率やゲーム数を優遇する制御などが含まれる。また、ATに係る制御として、規定ゲーム数のゲームが消化されたときにATに制御することが挙げられる。規定ゲーム数のゲームが消化されたときとして、天井ゲーム数に到達したとき、抽選で決定されたゲーム数に到達したときが含まれる。また、ATに係る制御として、前兆期間を設定する制御が挙げられる。前兆期間を設定する制御には、ATの開始前の前兆期間に例えば0〜32ゲームの演出を実行する制御が含まれる。また、ATに係る制御として、ペナルティを付与する制御が挙げられる。ペナルティを付与する制御には、ペナルティ内容の決定、ペナルティ期間の決定または設定が含まれる。また、ATに係る制御として、AT中である旨のランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。
また、ATに係る制御として、ナビ報知を実行するためのランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。さらに、メイン制御部41がナビ報知を実行することに連動してサブ制御部91がナビ報知を実行するようにしてもよい。
なお、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する場合には、メイン制御部41の処理を、メイン制御部41に従属し、メイン制御部41の下位となる制御部に実行させることが好ましい。たとえば、リールの停止制御を遊技制御基板以外の基板に設けた制御部が実行するようにし、メイン制御部41はストップスイッチの操作信号を当該制御部に転送することが挙げられる。このように、メイン制御部41の制御を下位となる制御部に行わせることにより、ATに係る制御を行うときのROM41bやRAM41cの容量不足やメインCPU41aの処理能力不足を防止することができる。
また、上述した実施の形態では、ATに係る制御をメイン制御部41が実行するようにしたが、サブ制御部91が実行するようにしてもよい。サブ制御部91は、たとえば、メイン制御部41からの内部当選コマンドに基づいてAT抽選処理や上乗せ抽選処理を行い、その結果に応じてATに制御するための処理やナビ報知を実行するための処理などを行うようにしてもよい。
上述した実施の形態では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、すべてのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
本実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合には、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施の形態で賭数として3を設定する場合は15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。さらに、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうち何れか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえば、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れをも払い出し得るスロットマシンであってもよい。
本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筐体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。
本実施の形態では、「割合(比率、確率)」を例示したが、「割合(比率、確率)」は、これに限るものではなく、たとえば0%〜100%の範囲内の値のうち、0%を含む値や、100%を含む値、0%および100%を含まない値であってもよい。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。