(実施の形態1)
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。図1は、実施の形態1に係る無線通信システムの構成を示す模式図である。本実施の形態に係る無線通信システムは、会議室100内で実施される会議に参加するユーザ101が、自身の所持するタブレット型端末装置又はスマートフォン等の通信端末装置1を利用する際に、無線ルータ4を介して社内LAN又はインターネット等の外部ネットワークへ接続することを可能とするものである。本実施の形態に係る無線通信システムでは、ユーザ101が通信端末装置1に特定のアプリケーションプログラム(図2に示す通信制御プログラム11a)を予めインストールしておくことにより、ユーザ101が会議室100へ入室した際に、ユーザ101による通信端末装置1に対する特別な操作を必要とせず、自動的に通信端末装置1及び無線ルータ4の間の無線通信が可能となる。また本実施の形態に係る無線通信システムでは、ユーザ101が会議室100から退出した場合、通信端末装置1及び無線ルータ4の間の無線通信が自動的に遮断される。
本実施の形態に係る無線通信システムは、一又は複数の通信端末装置1、無線信号(ビーコン)の送信を行うビーコン送信器2、サーバ装置3及び無線ルータ4等を備えて構成されている。通信端末装置1は、例えば会議に参加する各ユーザ101が所持する可搬型の装置である。ビーコン送信器2は、例えば会議室100の略中央に配置され、所定の情報を含む無線信号を連続的又は周期的に送信している。図1においては、ビーコン送信器2が送信する無線信号の到達範囲2aを破線の円で示してある。本実施の形態においてビーコン送信器2の無線信号の到達範囲2aは、会議室100内をできるだけ広範囲にカバーすると共に、会議室100外には至らないように調整されている。ユーザ101が所持する通信端末装置1がビーコン送信器2の無線信号の到達範囲2a内に存在する場合に、ビーコン送信器2が送信した無線信号を通信端末装置1が受信する。なお通信端末装置1が無線ルータ4を介したネットワーク接続を行うことができるのは、厳密には会議室100内ではなく、ビーコン送信器2の無線信号の到達範囲2a内である。
サーバ装置3は、会議室100の内外のいずれに設置されていてもよく、会議室100から遠隔の地に設置されていてもよい。通信端末装置1及びサーバ装置3は、無線ルータ4を介したネットワーク接続とは別の手段、例えば携帯電話通信網を利用した無線通信により情報の送受信を行う。無線ルータ4は、少なくとも無線通信可能な範囲が会議室100全体をカバーするように、会議室100内又はその近傍に設置される。無線ルータ4が送信する無線信号の到達範囲は、図1において図示は省略するが、会議室100の外部を含んでいてもよい。無線ルータ4は、例えば電話回線、光回線又は社内LAN等に接続され、通信端末装置1と外部ネットワークとの情報の送受信を中継する。
本実施の形態に係る無線通信システムでは、ビーコン送信器2が所定情報(例えばUUID(Universally Unique IDentifier))を含む無線信号を送信している。会議室100に入出したユーザ101が所持する通信端末装置1が無線信号の到達範囲2a内に入り、ビーコン送信器2からの無線信号を受信した場合、通信端末装置1は、受信した無線信号に含まれる所定情報を抽出してサーバ装置3へ送信する。サーバ装置3は、ビーコン送信器2の所定情報に対応付けて、無線ルータ4との無線通信を行うために必要な認証情報(例えばSSID及びパスワード等)を記憶している。サーバ装置3は、通信端末装置1から所定情報を受信した場合、これに対応する認証情報を通信端末装置1へ送信する。通信端末装置1は、サーバ装置3から受信した認証情報を用いて無線ルータ4との間で認証処理を行う。認証処理に成功した場合、無線ルータ4は、通信端末装置1及び外部ネットワークの通信の中継を開始する。
また通信端末装置1は、ビーコン送信器2からの無線信号の受信を継続的に行っており、無線信号の受信の有無により自身が到達範囲2a内に存在するか否かを判定する。ビーコン送信器2の無線信号の到達範囲2aから外へ出た場合、通信端末装置1は、無線ルータ4との接続を強制的に遮断する。またこのときに通信端末装置1は、内部のメモリなどにサーバ装置3から取得した認証情報が記憶されている場合、これを消去する。
図2は、通信端末装置1の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る通信端末装置1は、処理部10、記憶部11、操作部12、表示部13、ビーコン受信部14、第1無線通信部15及び第2無線通信部16等を備えて構成されている。処理部10は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro-Processing Unit)等の演算処理装置を用いて構成されている。処理部10は、記憶部11に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、種々の制御処理及び演算処理等を行う。
記憶部11は、例えばフラッシュメモリなどの不揮発性のメモリ素子を用いて構成されている。記憶部11は、処理部10が実行する各種のプログラム及びこのプログラムの実行に必要なデータ等が記憶される。処理部10は、記憶部11に対するデータの読み出し及び書き込みを行うことができる。本実施の形態において記憶部11は、無線ルータ4との無線通信に関する制御を行う通信制御プログラム11aを記憶している。通信制御プログラム11aは、通信端末装置1の記憶部11にいわゆるプリインストールされていてもよく、ユーザ101の操作によりインターネットなどを介してダウンロードして記憶部11に記憶されるものであってよい。また例えば通信端末装置1にメモリカード又は光ディスク等のデータ記録媒体を装着する機構が備えられている場合、通信制御プログラム11aはデータ記録媒体に記録されて販売又は配布等され、通信端末装置1に装着されたデータ記録媒体から記憶部11へ通信制御プログラム11aがインストールされてもよい。
また本実施の形態において記憶部11は、サーバ装置3から受信した認証情報11bを一時的に記憶する。なお認証情報11bは、不揮発性のメモリ素子に記憶しておく必要はなく、通信端末装置1がSRAM(Static Random Access Memory)又はDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリを搭載している場合、これらのメモリに一時的に記憶してもよい。
操作部12は、例えば通信端末装置1の筐体の適所に配されたボタン又はハードウェアキー等、及び/又は、表示部13に対するタッチ操作を検知するタッチパネル等を用いて構成されている。操作部12は、ユーザ101による操作入力を受け付けて処理部10へ通知する。表示部13は、例えば液晶パネルを用いて構成されており、処理部10の制御により種々の画像を表示する。
本実施の形態に係るビーコン送信器2は、例えばBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)の通信規格に従う無線信号を連続的又は周期的に送信している。図示は省略するが、ビーコン送信器2は、例えばUUIDを記憶する記憶部、記憶部に記憶されたUUIDを変調する変調回路、及び、変調された無線信号を送信するためのアンテナ等を備えて構成されている。またビーコン送信器2には、無線信号の到達範囲2aを調整するための調整回路などを含んでいてもよい。ビーコン送信器2が送信する無線信号は、到達範囲2a内に存在する通信端末装置1のビーコン受信部14にて受信される。
ビーコン受信部14は、ビーコン送信器2が送信する無線信号を受信するためのアンテナなどを有し、受信した無線信号を復調してUUIDを取得し、取得したUUIDを処理部10へ与える。なおビーコン受信部14は、例えばBluetoothの通信規格による通信を行う通信回路などであってよい。
第1無線通信部15は、例えば3G又は4G等の携帯電話通信網を介した通信を行う。本実施の形態において第1無線通信部15は、携帯電話通信網を介してサーバ装置3との間で通信を行う。第1無線通信部15は、上記のUUIDなどを含む送信用の情報が処理部10から与えられた場合、この情報を変調した無線信号を送信することにより、UUIDをサーバ装置3へ送信する。また第1無線通信部15は、サーバ装置3からの認証情報を含む無線信号を受信した場合、受信した信号を復調して認証情報を抽出し、抽出した認証情報を処理部10へ与える。
第2無線通信部16は、例えば無線LANの規格に従った無線通信を行う。本実施の形態において第2無線通信部16は、無線ルータ4との間で無線通信を行う。無線ルータ4は複数のネットワーク間の通信を中継する装置であり、無線ルータ4を利用することにより通信端末装置1はインターネット又は社内LAN等の外部ネットワークに接続することができる。
本実施の形態に係る無線ルータ4は、例えばWPA(Wi-Fi Protected Access)又はWPA2等の認証方式による認証処理を行い、認証処理に成功した装置との間で無線通信を行う。通信端末装置1は、無線ルータ4との通信を行うために、無線ルータ4を識別するためのSSID、及び、認証処理のためのパスワード等を含む認証情報をサーバ装置3から取得して、無線ルータ4との間で認証処理を行う。
図3は、サーバ装置3の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係るサーバ装置3は、例えば汎用のコンピュータに特定のサーバプログラム31aをインストールすることにより実現される。サーバ装置3は、処理部30、記憶部31及び無線通信部32等を備えて構成されている。処理部30は、CPU又はMPU等の演算処理装置を用いて構成されている。処理部30は、記憶部31に記憶されたサーバプログラム31aを読み出して実行することにより、通信端末装置1との通信処理及び認証情報の管理処理等を行う。
記憶部31は、例えばハードディスク又はフラッシュメモリ等の記憶装置を用いて構成されている。記憶部31は、処理部30が実行する各種のプログラム及びこのプログラムの実行に必要なデータ等が記憶される。処理部30は、記憶部31に対するデータの読み出し及び書き込みを行うことができる。本実施の形態において記憶部31は、サーバプログラム31aを記憶している。サーバプログラム31aは、例えばメモリカード又は光ディスク等のデータ記録媒体に記録されたものが提供され、このデータ記録媒体から読み出されて記憶部31に記憶される。なおサーバプログラム31aは、インターネットなどを介してダウンロードして記憶部31に記憶されるものであってもよい。
また本実施の形態において記憶部31には、認証情報データベース(DB)31bが設けられている。図4は、認証情報DB31bの一例を示す模式図である。認証情報DB31bには、ビーコン送信器2に対して一意的に付されるUUIDに対応付けて、無線ルータ4のSSID及びパスワード等の認証情報が記憶されている。認証情報DB31bに記憶される各情報は、例えば無線通信システムの管理者などにより作成される。管理者は、ビーコン送信器2に付されたUUIDと無線ルータ4のSSID及びパスワード等とを会議室毎に調べ、これらを対応付けて認証情報DB31bに登録しておく。
無線通信部32は、例えば3G又は4G等の携帯電話通信網を介した通信を行う。本実施の形態において無線通信部32は、携帯電話通信網を介して通信端末装置1との間で通信を行う。無線通信部32は、通信端末装置1からのUUIDを含む無線信号を受信した場合、受信した信号を復調してUUIDを抽出し、抽出したUUIDを処理部30へ与える。また無線通信部32は、認証情報を含む送信用の情報が処理部30から与えられた場合、この情報を変調した無線信号を送信することにより、認証情報を通信端末装置1へ送信する。なおサーバ装置3は、無線通信部32を備えず、携帯電話通信網を介した無線通信を行う機能を有する他の通信装置に有線又は無線で接続され、この通信装置の機能を利用して通信端末装置1との無線通信を行う構成であってもよい。
図5は、通信端末装置1が無線ルータ4との無線通信を開始するまでの処理の手順を示すフローチャートである。なお本処理に先立って、通信端末装置1では通信制御プログラム11aが実行されており、ビーコン受信部14、第1無線通信部15及び第2無線通信部16の機能が有効化されているものとする。通信端末装置1の処理部10は、ビーコン受信部14にてビーコン送信器2からの無線信号(ビーコン)を受信したか否かを判定する(ステップS1)。無線信号を受信していない場合(S1:NO)、処理部10は、無線信号を受信するまで待機する。ビーコン送信器2からの無線信号を受信した場合(S1:YES)、処理部10は、受信した無線信号に含まれるUUIDを取得する(ステップS2)。
次いで処理部10は、取得したUUIDを含む送信用の情報を第1無線通信部15へ与えることにより、サーバ装置3へUUIDを送信する(ステップS3)。その後、処理部10は、サーバ装置3からの応答の有無を判定する(ステップS4)。サーバ装置3からの応答がない場合(S4:NO)、処理部10は、応答を受信するまで待機する。サーバ装置3からの応答を第1無線通信部15にて受信した場合(S4:YES)、処理部10は、応答して受信した無線信号に含まれるSSID及びパスワード等の認証情報を取得する(ステップS5)。なお処理部10は、取得したSSID及びパスワード等を認証情報11bとして記憶部11に記憶しておく。
次いで処理部10は、取得したSSID及びパスワード等の認証情報を用い、第2無線通信部16にて無線ルータ4との間で認証処理を行う(ステップS6)。処理部10は、無線ルータ4からの応答として与えられる認証処理の結果を第2無線通信部16にて受信し、認証処理に成功したか否かを判定する(ステップS7)。認証処理に成功した場合(S7:YES)、処理部10は、第2無線通信部16にて無線ルータ4を介したインターネット又は社内LAN等の外部ネットワークとの通信を開始し(ステップS8)、処理を終了する。認証処理に失敗した場合(S7:NO)、処理部10は、無線ルータ4との通信を遮断して、処理を終了する。
図6は、サーバ装置3が行う処理の手順を示すフローチャートである。サーバ装置3の処理部30は、無線通信部32にて通信端末装置1からの情報を受信したか否かを判定する(ステップS11)。情報を受信していない場合(S11:NO)、処理部30は、情報を受信するまで待機する。通信端末装置1からの情報を受信した場合(S11:YES)、処理部30は、受信した情報に含まれるUUIDを取得する(ステップS12)。処理部30は、記憶部31の認証情報DB31bを参照して、ステップS12にて取得したUUIDに対応するSSID及びパスワード等の認証情報を取得する(ステップS13)。処理部30は、取得したSSID及びパスワード等の認証情報を含む送信用の情報を無線通信部32へ与えることにより、通信端末装置1へ応答としての情報送信を行い(ステップS14)、処理を終了する。
図7は、通信端末装置1が行う無線通信の遮断処理の手順を示すフローチャートである。なお本処理は、図5に示した処理の完了後に行われる処理であり、ビーコン送信器2による無線信号(ビーコン)の送信周期などに応じて繰り返して行われる処理である。通信端末装置1の処理部10は、ビーコン受信部14にてビーコン送信器2からの無線信号(ビーコン)を受信したか否かを判定する(ステップS21)。無線信号を受信した場合(S21:YES)、処理部10は、無線ルータ4との無線通信を継続して行い、ビーコン送信器2からの無線信号を受信しなくなるまで待機する。
ビーコン送信器2からの無線信号を受信しない場合(S21:NO)、処理部10は、第2無線通信部16による無線ルータ4との無線通信を遮断する(ステップS22)。次いで処理部10は、記憶部11に記憶されたSSID及びパスワード等の認証情報11bを消去して(ステップS23)、処理を終了する。
以上の構成の無線通信システムでは、ユーザ101が所持する通信端末装置1が無線ルータ4との無線通信を開始する場合、まず通信端末装置1は、ビーコン送信器2が無線送信するUUIDなどの所定情報を受信する。次いで通信端末装置1は、受信した所定情報に応じたSSID及びパスワード等の認証情報の取得を行い、取得した認証情報を用いて無線ルータ4との間で認証処理を行う。例えば通信端末装置1は、ビーコン送信器2から受信した無線信号に含まれる所定情報をサーバ装置3へ送信し、これに対する応答としてサーバ装置3から認証情報を取得する。ビーコン送信器2からの所定情報の受信に応じて通信端末装置1が認証情報を取得する構成であるため、ユーザ101は無線ルータ4を利用するための認証情報を通信端末装置1に入力するなどの作業を行う必要がない。また無線ルータ4を利用するためにはビーコン送信器2からの所定情報を通信端末装置1が受信する必要があるため、無線ルータ4の利用開始をビーコン送信器2による所定情報の送信範囲内に制限することが可能となる。
また通信端末装置1は、ビーコン送信器2が所定情報を送信する無線信号の到達範囲2a内に自身が存在するか否かを判定し、到達範囲2a内に存在しない場合には無線ルータ4との無線通信を遮断する。これにより無線ルータ4の利用をビーコン送信器2からの無線信号の到達範囲2a内に制限することが可能となる。
また通信端末装置1は、サーバ装置3から認証情報を取得した場合にこれを記憶部11に記憶しておくが、無線ルータ4との無線通信を遮断した際には、記憶部11に記憶しておいた認証情報を消去する。これにより通信端末装置1の記憶部11に残された認証情報11bを用いた無線ルータ4との再通信が行われることを防止できる。
またサーバ装置3は、無線ルータ4との認証処理を行うための認証情報を所定情報に対応付けて認証情報DB31bに記憶しておく。通信端末装置1は、ビーコン送信器2から所定情報を受信した場合に、サーバ装置3との通信を行って所定情報をサーバ装置3へ送信する。サーバ装置3は、受信した所定情報に応じた認証情報を認証情報DB31bから読み出して通信端末装置1へ送信する。これにより通信端末装置1は、所定情報に応じた認証情報を取得することができ、認証情報を記憶しておく必要がない。
なお本実施の形態においては、ビーコン送信器2による無線信号の到達範囲2aは、無線ルータ4による無線信号の到達範囲よりも狭いものとする。ただし、両到達範囲が同程度であってもよく、ビーコン送信器2の到達範囲2aが無線ルータ4の無線信号の到達範囲より広くてもよい。また本実施の形態において通信端末装置1はビーコン送信器2から所定情報を受信した場合に自動的にサーバ装置3との無線通信及び無線ルータ4との無線通信を行う構成としたが、例えばこれらの無線通信を行う前に表示部13にメッセージ表示などを行い、ユーザ101から無線通信の可否を確認するなどの処理を行ってもよい。また通信端末装置1において通信制御プログラム11aは、例えばユーザ101の明示的な操作により起動されるものであってもよく、また例えば常駐又はバックグラウンド起動等のようにユーザ101の明示的な操作を必要とせずに起動されるものであってもよい。
(変形例)
また上述の実施の形態に係る無線通信システムにおいては、通信端末装置1がサーバ装置3から認証情報を取得する構成としたが、これに限るものではない。変形例に係る無線通信システムは、サーバ装置3を備えず、例えば通信端末装置1の記憶部11に認証情報DBを設けた構成とする。変形例に係る通信端末装置1は、ビーコン送信器2から所定情報を受信した場合、受信した所定情報に対応する認証情報を自らの記憶部11の認証情報DBから取得し、取得した認証情報を用いて無線ルータ4との無線通信を行う。認証情報DBは、例えば通信制御プログラム11aと共にダウンロードされてもよく、例えば通信制御プログラム11aとは別に配信されるものであってもよく、また例えばシステムの管理者などが特定のユーザ101に対して配布するものであってもよく、これら以外の方法で提供されるものであってよい。
(実施の形態2)
図8は、実施の形態2に係る無線通信システムの構成を示す模式図である。実施の形態2に係る無線通信システムは、通信端末装置1による無線ルータ4の利用に対して更に制限を加える構成である。実施の形態2に係る無線通信システムでは、サーバ装置3が予めゲストIDを発行し、このゲストIDが設定された通信端末装置1が無線ルータ4との無線通信を行うことが可能となる。
実施の形態2に係る無線通信システムでは、システムの管理者102がサーバ装置3に対してゲストIDの発行を要求する。このときに管理者102は、例えばサーバ装置3に設けられたキーボード及びマウス等を用いた直接的な操作によりゲストIDの発行を要求してもよく、また例えばPC又はスマートフォン等の別の装置を使用してサーバ装置3との有線又は無線の通信を行ってゲストIDの発行を要求してもよい。サーバ装置3は、ゲストIDの発行の要求が与えられた場合、例えばランダムな数値又は文字列等を生成し、これをゲストIDとして管理者102へ通知する。管理者102は、サーバ装置3が発行したゲストIDを例えば電子メール、郵送又は口頭等の手段によりユーザ101へ通知する。またサーバ装置3は、発行したゲストIDを記憶部31に記憶しておく。
ゲストIDを通知されたユーザ101は、自身の通信端末装置1にて操作部12に対する所定の操作を行うことにより通知されたゲストIDを入力する。通信端末装置1は、ユーザ101によるゲストIDの入力を操作部12にて受け付け、受け付けたゲストIDを記憶部11に記憶しておく。通信端末装置1は、ビーコン送信器2から所定情報を受信した場合、受信した所定情報と記憶部11に記憶しておいたゲストIDとをサーバ装置3へ送信する。通信端末装置1からの情報を受信したサーバ装置3は、受信情報に含まれるゲストIDの正否を判定する。例えばサーバ装置3は、発行済みのゲストIDとして記憶部31に記憶した一又は複数のゲストIDに、通信端末装置1から受信したゲストIDが含まれているか否かにより、ゲストIDの正否を判定する。ゲストIDが正しいものである場合、サーバ装置3は、このゲストIDと共に受信した所定情報に対応する認証情報を認証情報DB31bから読み出して通信端末装置1へ送信する。以降の通信端末装置1における処理は実施の形態1の場合と同様である。ゲストIDが正しいものではない場合、サーバ装置3は、認証情報の送信を行わず、例えば通信端末装置1に対してエラーの通知などを行う。
図9は、実施の形態2に係る通信端末装置1が行うゲストIDの入力受付処理の手順を示すフローチャートである。通信端末装置1の処理部10は、例えば表示部13に表示したホーム画面において、ゲストIDの設定画面を表示するためのアイコンを表示している。処理部10は、操作部12を用いたこのアイコンに対する操作の有無を判定することにより、設定画面表示の操作がなされたか否かを判定する(ステップS31)。設定画面表示の操作がなされていない場合(S31:NO)、処理部10は、この操作がなされるまで待機する。
設定画面表示の操作がなされた場合(S31:YES)、処理部10は、表示部13にゲストIDの設定画面を表示する(ステップS32)。処理部10は、ゲストIDの設定画面にて所定の操作(例えば入力完了ボタンに対する操作など)がなされたか否かを判定することにより、ゲストIDの入力が完了したか否かを判定する(ステップS33)。ゲストIDの入力が完了していない場合(S33:NO)、処理部10は、ステップS32へ処理を戻し、設定画面の表示を継続する。ゲストIDの入力が完了した場合(S33:YES)、処理部10は、入力されたゲストIDを取得して記憶部11に記憶し(ステップS34)、処理を終了する。
図10は、実施の形態2に係る通信端末装置1が行うサーバ装置3への情報送信処理の手順を示すフローチャートである。通信端末装置1の処理部10は、ビーコン受信部14にてビーコン送信器2からの無線信号(ビーコン)を受信したか否かを判定する(ステップS41)。無線信号を受信していない場合(S41:NO)、処理部10は、無線信号を受信するまで待機する。ビーコン送信器2からの無線信号を受信した場合(S41:YES)、処理部10は、受信した無線信号に含まれるUUIDを取得する(ステップS42)。また処理部10は、記憶部11に記憶したゲストIDを読み出す(ステップS43)。
次いで処理部10は、ステップS42にて取得したUUID及びステップS43にて読み出したゲストIDを含む送信用の情報を第1無線通信部15へ与えることにより、サーバ装置3へUUID及びゲストIDを送信する(ステップS44)。その後、処理部10は、サーバ装置3からの応答の有無を判定する(ステップS45)。サーバ装置3からの応答がない場合(S45:NO)、処理部10は、応答を受信するまで待機する。サーバ装置3からの応答を第1無線通信部15にて受信した場合(S45:YES)、処理部10は、サーバ装置3からの応答がエラー通知であるか否かを判定する(ステップS46)。応答がエラー通知である場合(S46:YES)、処理部10は、無線ルータ4との通信を行うことなく、処理を終了する。
サーバ装置3からの応答がエラー通知でない場合(S46:NO)、処理部10は、応答して受信した無線信号に含まれるSSID及びパスワード等の認証情報を取得する(ステップS47)。処理部10は、取得した認証情報を用いて、無線ルータ4との無線通信を開始する(ステップS48)。なお処理部10がこれ以降に行う処理は、図5のステップS6以降に示した処理と同じであるため、説明及び図示を省略する。
図11は、実施の形態2に係るサーバ装置3が行う処理の手順を示すフローチャートである。サーバ装置3の処理部30は、無線通信部32にて通信端末装置1からの情報を受信したか否かを判定する(ステップS51)。情報を受信していない場合(S51:NO)、処理部30は、情報を受信するまで待機する。通信端末装置1からの情報を受信した場合(S51:YES)、処理部30は、受信した情報に含まれるUUID及びゲストIDを取得する(ステップS52)。処理部30は、取得したゲストIDが正しいものであるか否かを、例えば登録済みのゲストIDであるか否かなどに基づいて判定する(ステップS53)。
ゲストIDが正しいものである場合(S53:YES)、処理部30は、記憶部31の認証情報DB31bを参照して、ステップS52にて取得したUUIDに対応するSSID及びパスワード等の認証情報を取得する(ステップS54)。処理部30は、取得したSSID及びパスワード等の認証情報を含む送信用の情報を無線通信部32へ与えることにより、通信端末装置1へ応答としての情報送信を行い(ステップS55)、処理を終了する。またゲストIDが正しいものではない場合(S53:NO)、処理部30は、通信端末装置1へエラー通知を行って(ステップS56)、処理を終了する。
以上の構成の実施の形態2に係る無線通信システムでは、ビーコン送信器2から受信するUUIDとは別に、通信端末装置1がゲストIDを記憶部11に記憶する。SSID及びパスワード等の認証情報を取得する際に通信端末装置1は、ビーコン送信器2から受信したUUIDと、自らが記憶部11に記憶しているゲストIDとをサーバ装置3へ送信する。サーバ装置3は、受信したゲストIDが例えば予め登録されているものであるか否かなどに基づき、ゲストIDの正否を判定する。ゲストIDが正しいと判定した場合、サーバ装置3は、SSID及びパスワード等の認証情報を通信端末装置1へ送信する。
無線通信システムの管理者102は、サーバ装置3を操作してゲストIDの生成を行い、生成されたゲストIDをユーザ101へ通知する。このときにサーバ装置3は、管理者102の操作に応じて乱数などに基づくゲストIDの生成を行う。ゲストIDを通知されたユーザ101は、自身の通信端末装置1にゲストIDを入力する。通信端末装置1は、入力されたゲストIDを記憶部11に記憶しておき、ビーコン送信器2からUUIDを受信した際に、記憶部11に記憶されたゲストIDをUUIDと共にサーバ装置3へ送信する。
このような構成を採用することによって、実施の形態2に係る無線通信システムは、ゲストIDを通知したユーザ101に無線ルータ4の利用を制限することができる。
なお実施の形態2においては、ゲストIDをサーバ装置3が生成する構成としたが、これに限るものではなく、例えば管理者102が任意にゲストIDを生成し、サーバ装置3を操作して生成したゲストIDを登録しておく構成としてもよい。また管理者102からユーザ101へゲストIDを文字列などの形式で通知するのではなく、ゲストIDの情報を含む電子ファイルなどを電子メールなどに添付してユーザ101へ送信し、この電子メールを受信したユーザ101が電子メールに添付された電子ファイルを通信端末装置1に読み込ませることによって、通信端末装置1にゲストIDを設定する構成としてもよい。この場合には、ゲストIDを含む電子ファイルを暗号化してもよい。またゲストIDには、例えば有効期限などの制限を設けてもよい。
また、実施の形態2に係る無線通信システムのその他の構成は、実施の形態1に係る無線通信システムの構成と同様であるため、同様の箇所には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
(実施の形態3)
図12は、実施の形態3に係る無線通信システムの構成を示す模式図である。実施の形態3に係る無線通信システムは、上述のゲストIDとは異なる方法で管理者102が無線ルータ4を利用するユーザ101の制限を行う構成である。実施の形態3に係る無線通信システムは、上述の通信端末装置1、ビーコン送信器2、サーバ装置3及び無線ルータ4に加えて、管理者102が使用する管理者用端末装置5を備えて構成されている。実施の形態3に係る通信端末装置1は、これを使用するユーザ101に対して付されたユーザID又は通信端末装置1に対して一意的に付された装置ID等のユーザ識別情報を記憶部11に記憶している。通信端末装置1は、ビーコン送信器2からUUIDを受信した場合、受信したUUIDと共に記憶部11に記憶したユーザ識別情報をサーバ装置3へ送信する。
実施の形態3に係るサーバ装置3は、記憶部31の認証情報DB31bに、ビーコン送信器2のUUIDに対応付けて、管理者102に付された管理者ID又は管理者用端末装置5に対して付された装置ID等の管理者識別情報を記憶している。通信端末装置1からUUID及びユーザ識別情報を受信したサーバ装置3は、受信したUUIDに対応付けられた管理者102が使用する管理者用端末装置5に対して、受信したユーザ識別情報を送信し、このユーザ識別情報に係るユーザ101による無線ルータ4の利用許可を要求する。
実施の形態3に係る管理者用端末装置5は、例えばタブレット型端末装置又はスマートフォン等のように、ユーザ101が使用する通信端末装置1とハードウェア構成が同じ装置を採用してよい(よって管理者用端末装置5のハードウェア構成については図示を省略する)。管理者用端末装置5は、記憶部に管理者用のプログラムが記憶されており、このプログラムの実行により管理者用端末装置5として動作する。又は、通信端末装置1と同じ通信制御プログラム11aを記憶し、この通信制御プログラム11aを管理者モードなどで動作させる構成であってもよい。よってサーバ装置3及び管理者用端末装置5は、例えば3G又は4G等の携帯電話通信網を介した無線通信を行う。
サーバ装置3からの許可要求を受信した管理者用端末装置5は、許可要求と共に与えられるユーザ識別情報を示して、管理者102に無線ルータ4の利用の可否を問い合わせる。このときに管理者用端末装置5は、表示部に問い合わせ画面を表示し、利用を許可するか否かの選択を操作部にて受け付ける。問い合わせ画面には、許可を求めるユーザ101を管理者102が識別することが可能なように、ユーザ識別情報又はこれに関連付けられたユーザ名等が表示される。管理者用端末装置5は、管理者102による選択を受け付け、利用を許可するか否かの応答をサーバ装置3へ送信する。管理者用端末装置5からの応答を受信したサーバ装置3は、無線ルータ4の利用の許可が得られた場合に、通信端末装置1に対して認証情報の送信を行う。許可が得られなかった場合には、サーバ装置3は、認証情報を送信せず、例えばエラー通知などを通信端末装置1へ送信する。
以下、実施の形態3に係る無線通信システムの各装置が行う処理をフローチャートにて説明する。ただし通信端末装置1が行う処理は、図10のフローチャートに示した処理と略同じであるため、フローチャートの図示を省略する。実施の形態3に係る通信端末装置1が行う処理は、図10のフローチャートにおいてゲストIDと記載されている箇所をユーザ識別情報と読み替えればよい。即ち、実施の形態3に係る通信端末装置1は、ビーコン送信器2からの無線信号を受信した場合に、受信した無線信号からUUIDを取得し、記憶部11からユーザ識別情報を読み出して、UUID及びユーザ識別情報をサーバ装置3へ送信する。
図13は、実施の形態3に係るサーバ装置3が行う処理の手順を示すフローチャートである。サーバ装置3の処理部30は、無線通信部32にて通信端末装置1からの情報を受信したか否かを判定する(ステップS61)。情報を受信していない場合(S61:NO)、処理部30は、情報を受信するまで待機する。通信端末装置1からの情報を受信した場合(S61:YES)、処理部30は、受信した情報に含まれるUUID及びユーザ識別情報を取得する(ステップS62)。処理部30は、記憶部31の認証情報DB31bを参照して受信したUUIDに対応する管理者用端末装置5を検索し、この管理者用端末装置5へ通信端末装置1から受信したユーザ識別情報を送信して無線ルータ4の利用の許可を要求する(ステップS63)。処理部30は、この許可要求に対する管理者用端末装置5からの応答を受信したか否かを判定する(ステップS64)。応答を受信していない場合(S64:NO)、処理部30は、応答を受信するまで待機する。
管理者用端末装置5からの応答を受信した場合(S64:YES)、処理部30は、受信した応答に基づいて無線ルータ4の利用が許可されたか否かを判定する(ステップS65)。利用が許可された場合(S65:YES)、処理部30は、記憶部31の認証情報DB31bを参照して、ステップS62にて取得したUUIDに対応するSSID及びパスワード等の認証情報を取得する(ステップS66)。処理部30は、取得したSSID及びパスワード等の認証情報を含む送信用の情報を無線通信部32へ与えることにより、通信端末装置1へ応答としての情報送信を行い(ステップS67)、処理を終了する。また管理者用端末装置5から無線ルータ4の利用が許可されなかった場合(S65:NO)、処理部30は、通信端末装置1へエラー通知を行って(ステップS68)、処理を終了する。
図14は、実施の形態3に係る管理者用端末装置5が行う処理の手順を示すフローチャートである。管理者用端末装置5は、携帯電話通信網を介してサーバ装置3から許可要求を受信したか否かを判定する(ステップS71)。許可要求を受信していない場合(S71:NO)、管理者用端末装置5は、許可要求を受信するまで待機する。許可要求を受信した場合(S71:YES)、管理者用端末装置5は、許可要求と共に受信するユーザ識別情報を示して、このユーザによる無線ルータ4の利用を許可するか否かの問い合わせ画面を表示部に表示する(ステップS72)。管理者用端末装置5は、操作部に対する操作の有無などに応じて、無線ルータ4の利用の可否を選択する操作がなされたか否かを判定する(ステップS73)。操作がなされていない場合(S73:NO)、管理者用端末装置5は、操作がなされるまで待機する。操作がなされた場合(S73:YES)、管理者用端末装置5は、この操作を受け付けることにより得られる無線ルータ4の利用の可否に関する情報を、サーバ装置3へ応答として送信し(ステップS74)、処理を終了する。
以上の構成の実施の形態3に係る無線通信システムは、サーバ装置3と通信可能な管理者用端末装置5を更に備える構成である。サーバ装置3は、通信端末装置1からUUIDを受信した場合、管理者用端末装置5へ無線ルータ4の利用の許可を要求する。この要求に応じて管理者用端末装置5は、管理者102に利用の可否を問合わせ、管理者102による可否の入力を受け付けて、受け付けた可否に係る情報を応答としてサーバ装置3へ送信する。サーバ装置3は、管理者用端末装置5から許可が与えられた場合に、UUIDに対応するSSID及びパスワード等の認証情報を通信端末装置1へ送信する。これらの構成により実施の形態3に係る無線通信システムは、通信端末装置1による無線ルータ4の利用の可否を、管理者用端末装置5を有する管理者102がリアルタイムに管理することができる。
なお実施の形態3においては、管理者102が管理者用端末装置5を使用する構成としたが、これに限るものではない。例えばサーバ装置3にディスプレイ、キーボード及びマウス等の入出力機器が備えられている場合、管理者102はサーバ装置3を使用して通信端末装置1による無線ルータ4の利用の許可を行う構成としてもよい。即ち、サーバ装置3と管理者用端末装置5とが一体の構成であってもよい。またサーバ装置3及び管理者用端末装置5は、携帯電話通信網を介した無線通信を行うのではなく、有線通信を行う構成であってもよい。また実施の形態3において管理者用端末装置5は、通信端末装置1と略同じハードウェア構成としたが、これに限るものではなく、異なるハードウェア構成であってもよい。例えば管理者用端末装置5は、例えばビーコン送信器2との通信を行うビーコン受信部を備えていなくてよい。
また、実施の形態3に係る無線通信システムのその他の構成は、実施の形態2に係る無線通信システムの構成と同様であるため、同様の箇所には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
(実施の形態4)
図15は、実施の形態4に係る無線通信システムの構成を示す模式図である。実施の形態4に係る無線通信システムは、会議室100内に管理者102が存在するか否かに応じて、通信端末装置1による無線ルータ4の利用を制限する構成である。実施の形態4に係る無線通信システムは、通信端末装置1、ビーコン送信器2、サーバ装置3、無線ルータ4及び管理者用端末装置5を備えて構成されている。実施の形態4に係る管理者用端末装置5は、携帯電話通信網を介したサーバ装置3との無線通信を行うことができると共に、ビーコン送信器2が送信する無線信号を受信することができる。
実施の形態4に係る無線通信システムでは、会議室100内へ管理者102が入室し、ビーコン送信器2の無線信号の到達範囲2a内に管理者用端末装置5が入った場合、ビーコン送信器2が送信する無線信号が管理者用端末装置5にて受信される。管理者用端末装置5は、ビーコン送信器2からの無線信号を受信した場合、受信した無線信号に含まれるUUIDを取得し、取得したUUIDをサーバ装置3へ送信して管理者102が会議室100内へ入室した旨を通知する。このときに管理者用端末装置5は、装置に対して付された装置ID又は管理者102に対して付された管理者ID等の管理者識別情報をUUIDと共にサーバ装置3へ送信する。実施の形態4に係るサーバ装置3は、ビーコン送信器2のUUIDに対応付けて、管理者102が存在するか否かを示す情報を記憶部31に記憶する。
通信端末装置1は、ビーコン送信器2からの無線信号を受信した場合、無線信号に含まれるUUIDを取得して、自身が記憶しているユーザ識別情報と共にサーバ装置3へ送信する。通信端末装置1からUUID及びユーザ識別情報を受信したサーバ装置3は、このUUIDに対応する管理者の情報を参照し、管理者102が会議室100内に存在するか否かを判定する。管理者102が会議室100内に存在する場合、サーバ装置3は、UUIDに対応するSSID及びパスワード等の認証情報を認証情報DB31bから取得して通信端末装置1へ送信する。またサーバ装置3は、認証情報を送信した通信端末装置1に係るユーザ識別情報を、ビーコン送信器2のUUIDに対応付けて記憶しておく。なお管理者102が存在しない場合、サーバ装置3は、認証情報の送信を行わず、エラー通知などを通信端末装置1へ送信する。
図16は、実施の形態4に係るサーバ装置3が記憶部31に記憶する利用者管理テーブルの構成例を示す模式図である。サーバ装置3が記憶する利用者管理テーブルは、例えば会議室に付された会議室番号と、この会議室に設置されたビーコン送信器2に付されたUUIDと、この会議室若しくはUUIDに紐づけられた管理者102の情報を保存するための管理者情報と、管理者102が会議室に存在するかを識別する管理者存在情報と、この会議室内にて無線ルータ4の利用を許可されたユーザ101を識別するためのユーザ情報とが対応付けて記憶される。本例の利用者管理テーブルでは、会議室番号として101,102,103…の数値が付されており、UUIDとしてAAAA,BBBB,DDDD…の文字列が付されている。また管理者情報として、管理者用端末装置5から受信した管理者識別情報、例えばR0010,R0024,R0031…などの文字及び数値を組み合わせた情報が記憶されている。なお、一つの会議室に対して複数の管理者が登録されていてもよい。また、管理者存在情報として、会議室若しくはUUIDに紐づけられた管理者102が会議室に存在する場合に、当該管理者102の管理者識別情報が記憶されている。なお管理者存在情報は、利用者管理テーブルの管理者情報として管理者識別情報が登録された管理者102が、この会議室に存在するか否かを例えば0又は1の2値で表すフラグなどの情報であってもよい。またユーザ情報として、通信端末装置1から受信したユーザ識別情報、例えばU113,U297,U339、U412…などの文字及び数値を組み合わせた情報が記憶されている。
サーバ装置3は、管理者用端末装置5からUUID及び管理者識別情報を受信した場合に、受信したUUIDに対応する利用者管理テーブルの管理者情報に登録された管理者識別情報と、受信した管理者識別情報とが一致するか否かを判定する。両管理者識別情報が一致する場合、サーバ装置3は、利用者管理テーブルの管理者存在情報に、受信した管理者識別情報を記憶する。サーバ装置3は、通信端末装置1からUUID及びユーザ識別情報を受信した場合、受信したUUIDに対応する利用者管理テーブルの管理者存在情報を調べ、この会議室に管理者102が存在するか否かに応じて通信端末装置1へ認証情報を送信するか否かを判定する。サーバ装置3は、通信端末装置1へ認証情報を送信した場合、この通信端末装置1から受信したユーザ識別情報を利用者管理テーブルに記憶する。なお利用者管理テーブルのユーザ情報には、複数のユーザ識別情報が登録され得る。
また実施の形態4に係る管理者用端末装置5は、ビーコン送信器2から送信される無線信号の受信を継続的に行っている。管理者102が会議室100から退室し、管理者用端末装置5がビーコン送信器2からの無線信号の到達範囲2a外へ出た場合、管理者用端末装置5はビーコン送信器2からの無線信号を受信できなくなる。ビーコン送信器2からの無線信号を受信できる状態から受信できない状態へ変化した場合、管理者用端末装置5は、受信できなくなった無線信号に係るUUIDと自身の管理者識別情報をサーバ装置3へ送信し、管理者102の会議室100からの退室をサーバ装置3へ通知する。
管理者用端末装置5から退室を通知されたサーバ装置3は、通知と共に受信したUUIDに対応する管理者存在情報に登録された管理者識別情報を削除する。またサーバ装置3は、受信したUUIDに対応付けて利用者管理テーブルに記憶されているユーザ情報を調べ、無線ルータ4の利用を許可した一又は複数の通信端末装置1に対して、無線ルータ4との無線通信を遮断する命令を送信する。遮断命令を受信した通信端末装置1は、無線ルータ4との接続を強制的に遮断する。またこのときに通信端末装置1は、内部のメモリなどにサーバ装置3から取得した認証情報が記憶されている場合、これを消去する。
図17は、実施の形態4に係る管理者用端末装置5が会議室100への入室の際に行う処理の手順を示すフローチャートである。管理者用端末装置5は、ビーコン送信器2からの無線信号(ビーコン)を受信したか否かを判定する(ステップS81)。無線信号を受信していない場合(S81:NO)、管理者用端末装置5は、無線信号を受信するまで待機する。ビーコン送信器2からの無線信号を受信した場合(S81:YES)、管理者用端末装置5は、受信した無線信号に含まれるUUIDを取得する(ステップS82)。次いで管理者用端末装置5は、自身の記憶部などに記憶した管理者識別情報を読み出す(ステップS83)。管理者用端末装置5は、ステップS82にて取得したUUIDと、ステップS83にて読み出した管理者識別情報とをサーバ装置3へ送信することにより、管理者102の入室を通知し(ステップS84)、処理を終了する。なお管理者用端末装置5は、ステップS82にて取得したUUIDを記憶部などに記憶しておく。
図18は、実施の形態4に係るサーバ装置3が管理者用端末装置5からの入室通知を受信した場合に行う処理の手順を示すフローチャートである。サーバ装置3の処理部30は、無線通信部32にて管理者用端末装置5からの入室通知を受信したか否かを判定する(ステップS91)。入室通知を受信していない場合(S91:NO)、処理部30は、入室通知を受信するまで待機する。入室通知を受信した場合(S91:YES)、処理部30は、入室通知と共に受信する情報からUUID及び管理者識別情報を取得する(ステップS92)。処理部30は、記憶部31に記憶した利用者管理テーブルを参照し、ステップS92にて取得したUUIDに対応する管理者情報に登録された管理者識別情報と、ステップS92にて取得した管理者識別情報とが一致するか否かを判定する(ステップS93)。両管理者識別情報が一致しない場合(S93:NO)、処理部30は、処理を終了する。両管理者識別情報が一致する場合(S93:YES)、処理部30は、利用者管理テーブルの対応する管理者存在情報に、ステップS92にて取得した管理者識別情報を登録し(ステップS94)、処理を終了する。
図19は、実施の形態4に係るサーバ装置3が通信端末装置1からの情報受信に応じて行う処理の手順を示すフローチャートである。サーバ装置3の処理部30は、無線通信部32にて通信端末装置1からの情報を受信したか否かを判定する(ステップS101)。情報を受信していない場合(S101:NO)、処理部30は、情報を受信するまで待機する。通信端末装置1からの情報を受信した場合(S101:YES)、処理部30は、受信した情報に含まれるUUID及びユーザ識別情報を取得する(ステップS102)。
処理部30は、記憶部31に記憶した利用者管理テーブルを参照し、ステップS102にて取得したUUIDに対応する管理者存在情報に管理者識別情報が登録されているか否かを調べることにより、管理者102が入室済みであるか否かを判定する(ステップS103)。管理者102が入室済みである場合(S103:YES)、処理部30は、記憶部31の認証情報DB31bを参照して、ステップS102にて取得したUUIDに対応するSSID及びパスワード等の認証情報を取得する(ステップS104)。処理部30は、取得したSSID及びパスワード等の認証情報を含む送信用の情報を無線通信部32へ与えることにより、通信端末装置1へ応答としての情報送信を行う(ステップS105)。処理部30は、利用者管理テーブルのユーザ情報に、ステップS102にて取得したユーザ識別情報を登録して(ステップS106)、処理を終了する。これに対して管理者102が入室していない場合(S103:NO)、処理部30は、通信端末装置1へエラー通知を行って(ステップS107)、処理を終了する。
図20は、実施の形態4に係る管理者用端末装置5が会議室100からの退室の際に行う処理の手順を示すフローチャートである。なお本処理は、図17の処理によりサーバ装置3への入室通知を行った後に管理者用端末装置5が行う処理である。管理者用端末装置5は、ビーコン送信器2からの無線信号(ビーコン)を受信したか否かを判定する(ステップS111)。無線信号を受信した場合(S111:YES)、管理者用端末装置5は、無線信号を受信しなくなるまで待機する。ビーコン送信器2からの無線信号を受信しない場合(S111:NO)、管理者用端末装置5は、以前に受信した無線信号に含まれていたUUIDを記憶しておいたものを読み出す(ステップS112)。また管理者用端末装置5は、自身の記憶部などに記憶した管理者識別情報を読み出す(ステップS113)。管理者用端末装置5は、ステップS112にて読み出したUUIDと、ステップS113にて読み出した管理者識別情報とをサーバ装置3へ送信することにより、管理者102の退室を通知し(ステップS114)、処理を終了する。
図21は、実施の形態4に係るサーバ装置3が管理者用端末装置5からの退室通知を受信した場合に行う処理の手順を示すフローチャートである。サーバ装置3の処理部30は、無線通信部32にて管理者用端末装置5からの退室通知を受信したか否かを判定する(ステップS121)。退室通知を受信していない場合(S121:NO)、処理部30は、退室通知を受信するまで待機する。退室通知を受信した場合(S121:YES)、処理部30は、退室通知と共に受信する情報からUUID及び管理者識別情報を取得する(ステップS122)。処理部30は、記憶部31に記憶した利用者管理テーブルから、ステップS122にて取得したUUIDに対応する管理者存在情報に登録された管理者識別情報を削除する(ステップS123)。次いで処理部30は、利用者管理テーブルにステップS122にて取得したUUIDに対応するユーザ情報として登録されたユーザ識別情報に基づいて、通信端末装置1へ無線ルータ4との無線通信を遮断する命令を送信し(ステップS124)、処理を終了する。
図22は、実施の形態4に係る通信端末装置1がサーバ装置3から遮断命令を受信した場合に行う処理の手順を示すフローチャートである。通信端末装置1の処理部10は、第1無線通信部15にてサーバ装置3から遮断命令を受信したか否かを判定する(ステップS131)。遮断命令を受信していない場合(S131:NO)、処理部10は、無線ルータ4との無線通信を継続して行い、遮断命令を受信するまで待機する。遮断命令を受信した場合(S131:YES)、処理部10は、第2無線通信部16による無線ルータ4との無線通信を遮断する(ステップS132)。次いで処理部10は、記憶部11に記憶されたSSID及びパスワード等の認証情報11bを消去して(ステップS133)、処理を終了する。
以上の構成の実施の形態4に係る無線通信システムは、ビーコン送信器2及びサーバ装置3との無線通信が可能な管理者用端末装置5を更に備える。管理者用端末装置5は、ビーコン送信器2がUUIDを送信する無線信号の到達範囲2a内に自身が存在するか否かを判定し、判定結果をサーバ装置3へ通知する。サーバ装置3は、到達範囲2a内に管理者用端末装置5が存在する場合には通信端末装置1への認証情報の送信を行い、到達範囲2a内に管理者用端末装置5が存在しない場合には通信端末装置1への認証情報の送信を行わない。管理者用端末装置5が到達範囲2aから出た場合、サーバ装置3は、無線ルータ4を利用している通信端末装置1に対して、無線ルータ4との無線通信を遮断する命令を送信する。通信端末装置1は、サーバ装置3からの遮断命令に応じて、無線ルータ4との無線通信を遮断する。これにより、通信端末装置1による無線ルータ4の利用の可否を、管理者用端末装置5がビーコン送信器2の到達範囲2a内に存在するか否かに応じて制限することが可能となる。
なお実施の形態4において、管理者用端末装置5は無線ルータ4との無線通信を行っていないが、管理者用端末装置5が無線ルータ4との無線通信を行う構成としてもよい。この場合、管理者用端末装置5から入室通知を受信したサーバ装置3は、認証情報DB31bからSSID及びパスワード等の認証情報を読み出して管理者用端末装置5へ送信する構成としてよい。又は、管理者用端末装置5は予め認証情報を記憶しており、サーバ装置3から認証情報を受信することなく無線ルータ4との無線通信を行うことができる構成であってもよい。
また、実施の形態4に係る無線通信システムのその他の構成は、実施の形態3に係る無線通信システムの構成と同様であるため、同様の箇所には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施の形態に係る無線通信システムは、無線により通信を中継する中継装置(4)と、無線信号の到達範囲内(2a)に所定情報を無線送信する情報送信装置(2)と、前記中継装置(4)及び前記情報送信装置(2)との無線通信を行うことが可能な通信端末装置(1)とを備える無線通信システムであって、前記通信端末装置(1)は、前記情報送信装置(2)から無線送信される所定情報を受信する情報受信部(14)と、該情報受信部(14)が受信した所定情報に応じて、前記中継装置(4)との間で認証処理を行うための認証情報を取得する認証情報取得部(10)と、該認証情報取得部(10)が取得した認証情報を用いて前記中継装置との間で認証処理を行う認証処理部(10)とを有し、前記中継装置(4)は、前記認証処理を行った通信端末装置(1)との間で無線通信を行うようにしてあることを特徴とする。
本実施の形態においては、例えばユーザ(101)が所持する通信端末装置(1)が中継装置(4)との無線通信を開始する場合、まず通信端末装置(1)は情報送信装置(2)が無線送信する所定情報を受信する。次いで通信端末装置(1)は、受信した所定情報に応じた認証情報の取得を行い、取得した認証情報を用いて中継装置(4)との間で認証処理を行う。認証処理に成功した場合、中継装置(4)及び通信端末装置(1)の間の無線通信が開始される。なお通信端末装置(1)は、例えば認証情報を記憶しておいき、受信した所定情報に応じた認証情報を記憶したもののなかから取得する構成としてもよく、また例えば他の装置(3)から所定情報に応じた認証情報を取得する構成としてもよい。
情報送信装置(2)からの所定情報の受信に応じて通信端末装置(1)が認証情報を取得する構成であるため、ユーザは中継装置(4)を利用するための認証情報を通信端末装置(1)に入力するなどの作業を行う必要がない。また中継装置(4)を利用するためには情報送信装置(2)からの所定情報を通信端末装置(1)が受信する必要があるため、中継装置(4)の利用開始を情報送信装置(1)による所定情報の送信範囲内に制限することが可能となる。
また、本実施の形態に係る無線通信システムは、前記通信端末装置(1)が、前記情報送信装置(2)からの無線信号を受信しない場合に、前記中継装置(4)との無線通信を遮断する遮断部(10)を有することを特徴とする。
また本実施の形態においては、情報送信装置(2)が所定情報を送信する無線信号の到達範囲内(2a)に自身が存在するか否かを通信端末装置(1)が判定し、到達範囲内(2a)に存在しない場合には通信端末装置(1)が中継装置(4)との無線通信を遮断する。これにより中継装置(4)の利用を情報送信装置(2)からの無線信号の到達範囲(2a)内に制限することが可能となる。
また、本実施の形態に係る無線通信システムは、前記通信端末装置(1)が、前記認証情報取得部(10)が取得した認証情報を記憶する記憶部(11)を有し、前記遮断部(10)は、前記中継装置(4)との無線通信を遮断すると共に、前記記憶部(11)に記憶された認証情報(11b)を消去するようにしてあることを特徴とする。
また本実施の形態においては、通信端末装置(1)は認証情報を取得した場合にこれを記憶しておくが、中継装置(4)との無線通信を遮断した際には、記憶した認証情報(11b)を消去する。これにより通信端末装置(1)内の記憶部(11)に残された認証情報を用いた中継装置(4)との再通信が行われることを防止できる。
また、本実施の形態に係る無線通信システムは、前記所定情報及び前記認証情報を対応付けて記憶した記憶部(31)を有するサーバ装置(3)を更に備え、前記通信端末装置(1)は、前記情報受信部(14)が受信した所定情報を前記サーバ装置(3)へ送信し、前記サーバ装置(3)は、前記通信端末装置(1)から受信した所定情報に対応付けられた認証情報を前記記憶部(31)から読み出して前記通信端末装置(1)へ送信し、前記認証情報取得部(10)は、前記サーバ装置(3)が送信した前記認証情報を受信して取得するようにしてあることを特徴とする。
また本実施の形態においては、中継装置(4)との認証処理を行うための認証情報を所定情報に対応付けてサーバ装置(3)が記憶しておき、通信端末装置(1)にはサーバ装置(3)との間で通信を行う機能を設ける。通信端末装置(1)は、情報送信装置(2)から所定情報を受信した場合に、サーバ装置(3)との通信を行って所定情報を送信する。サーバ装置(3)は、受信した所定情報に応じた認証情報を読み出し、通信端末装置(1)へ送信する。これにより通信端末装置(1)は、所定情報に応じた認証情報を取得することができ、認証情報を記憶しておく必要がない。
また、本実施の形態に係る無線通信システムは、前記通信端末装置(1)が、第2の所定情報を記憶する記憶部(11)を有し、前記通信端末装置(1)の前記認証情報取得部(10)は、前記情報受信部(14)が受信した所定情報及び前記記憶部(11)に記憶された第2の所定情報を前記サーバ装置(3)へ送信し、前記サーバ装置(3)は、前記通信端末装置(1)から受信した前記第2の所定情報の正否を判定する判定部(30)を有し、該判定部(30)が前記第2の所定情報が正しいと判定した場合に、前記通信端末装置(1)から受信した所定情報に対応付けられた認証情報を前記記憶部(31)から読み出して前記通信端末装置(1)へ送信するようにしてあることを特徴とする。
また、本実施の形態に係る無線通信システムは、前記通信端末装置(1)が、前記第2の所定情報の入力を受け付ける入力受付部(12)を有し、該入力受付部(12)が受け付けた第2の所定情報を前記記憶部(11)に記憶するようにしてあることを特徴とする。
また本実施の形態においては、情報送信装置(2)から受信する所定情報とは別に、通信端末装置(1)が第2の所定情報を記憶する。認証情報を取得する際に通信端末装置(1)は、情報送信装置(2)から受信した所定情報と、自らが記憶している第2の所定情報とをサーバ装置(3)へ送信する。サーバ装置(3)は、受信した第2の所定情報が例えば予め登録されているものであるか否かなどに基づき、第2の所定情報の正否を判定する。第2の所定情報が正しいと判定した場合、サーバ装置(3)は認証情報を通信端末装置(1)へ送信する。例えば中継装置(4)を利用するためのゲストIDなどを第2の所定情報としてユーザに対して発行し、ユーザが通信端末装置(1)に第2の所定情報を入力することによって、第2の所定情報が通信端末装置(1)に記憶される構成とすることができる。これらの構成により、中継装置(4)の利用を更に制限することが可能となる。
また、本実施の形態に係る無線通信システムは、前記サーバ装置(3)と通信可能な第2の通信端末装置(5)を更に備え、前記サーバ装置(3)は、前記通信端末装置(1)から前記所定情報を受信した場合に、前記第2の通信端末装置(5)へ前記認証情報の送信の許可を要求する要求部(30)を有し、該要求部(30)の要求に対する前記第2の通信端末装置(5)からの許可が得られた場合に、前記通信端末装置(1)から受信した所定情報に対応付けられた認証情報を前記記憶部(31)から読み出して前記通信端末装置(1)へ送信するようにしてあることを特徴とする。
また、本実施の形態に係る無線通信システムは、前記第2の通信端末装置(5)は、前記サーバ装置(3)の前記要求部(30)からの要求に応じて、前記認証情報の送信の可否に係る入力を受け付け、受け付けた可否に係る情報を前記サーバ装置(3)へ送信するようにしてあることを特徴とする。
また本実施の形態においては、サーバ装置(3)と通信可能な第2の通信端末装置(5)を更に備える。サーバ装置(3)は、通信端末装置(1)から所定情報を受信した場合、第2の通信端末装置(5)へ認証情報の送信の許可を要求する。この要求に応じて第2の通信端末装置(5)は、認証情報の送信の可否に係る入力を受け付け、受け付けた可否に係る情報をサーバ装置(3)へ送信する。サーバ装置(3)は、第2の通信端末装置(5)から認証情報の送信許可が与えられた場合に、通信端末装置(1)へ認証情報を送信する。これにより、通信端末装置(1)による中継装置(4)の利用の可否を、第2の通信端末装置(5)を使用している管理者(102)が管理することが可能となる。
また、本実施の形態に係る無線通信システムは、前記サーバ装置(3)及び前記情報送信装置(2)との間で無線通信を行うことが可能な第2の通信端末装置(5)を更に備え、該第2の通信端末装置(5)は、前記情報送信装置(2)からの無線信号の受信の可否を前記サーバ装置(3)へ通知し、前記サーバ装置(3)は、前記第2の通信端末装置(5)から無線信号を受信しない旨の通知が与えられた場合に、前記通信端末装置(1)及び前記中継装置(4)の無線通信を遮断する遮断部(30)を有することを特徴とする。
また、本実施の形態に係る無線通信システムは、前記サーバ装置(3)の前記遮断部(30)が、前記通信端末装置(1)へ無線通信の遮断命令を送信するようにしてあり、前記通信端末装置(1)は、前記サーバ装置(3)から前記遮断命令を受信した場合に、前記中継装置(4)との無線通信を遮断する遮断部(10)を有することを特徴とする。
また本実施の形態においては、サーバ装置(3)及び情報送信装置(2)と無線通信可能な第2の通信端末装置(5)を更に備える。なおこの第2の通信端末装置(5)は、上記の認証情報の送信可否を受け付ける管理者用端末装置(1)と同様構成の装置であってもよく、別構成の装置であってもよい。第2の通信端末装置(5)は、情報送信装置(2)が所定情報を送信する無線信号の到達範囲(2a)内に自身が存在するか否かを判定し、判定結果をサーバ装置(3)へ通知する。到達範囲(2a)内に第2の通信端末装置(5)が存在しない旨の通知が与えられた場合、サーバ装置(3)は、中継装置(4)との無線通信を遮断する命令を通信端末装置(1)へ送信する。通信端末装置(1)は、サーバ装置(3)からの遮断命令に応じて、中継装置(4)との無線通信を遮断する。これにより、通信端末装置(1)による中継装置(4)の利用の可否を、第2の通信端末装置(5)が存在するか否かに応じて制限することが可能となる。
また、本実施の形態に係る通信制御方法は、無線により通信を中継する中継装置(4)、及び、該中継装置(4)との無線通信を行うことが可能な通信端末装置(1)の間の無線通信を制御する通信制御方法であって、無線信号の到達範囲(2a)内に所定情報を無線送信する情報送信装置(2)から、前記通信端末装置(1)が前記所定情報を受信し、受信した所定情報に応じて、前記中継装置(4)との間で認証処理を行うための認証情報を取得し、取得した認証情報を用いて前記中継装置(4)との間で認証処理を行い、該認証処理を行った前記中継装置(4)及び前記通信端末装置(1)の間で無線通信を行うことを特徴とする。
また、本実施の形態に係る通信端末装置(1)は、無線により通信を中継する中継装置(4)及び無線信号の到達範囲(2a)内に所定情報を無線送信する情報送信装置(2)との無線通信を行うことが可能な通信端末装置(1)であって、前記情報送信装置(2)から無線送信される所定情報を受信する情報受信部(14)と、該情報受信部(14)が受信した所定情報に応じて、前記中継装置(4)との間で認証処理を行うための認証情報を取得する認証情報取得部(30)と、該認証情報取得部(30)が取得した認証情報を用いて前記中継装置(4)との間で認証処理を行う認証処理部(4)とを備えることを特徴とする。
また、本実施の形態に係る通信制御プログラム(11a)は、無線により通信を中継する中継装置(4)及び無線信号の到達範囲(2a)内に所定情報を無線送信する情報送信装置(2)との無線通信を行うことが可能な通信端末装置(1)を、前記情報送信装置(2)から無線送信される所定情報を受信する情報受信部(14)と、該情報受信部(14)が受信した所定情報に応じて、前記中継装置(4)との間で認証処理を行うための認証情報を取得する認証情報取得部(10)と、該認証情報取得部(10)が取得した認証情報を用いて前記中継装置(4)との間で認証処理を行う認証処理部(10)として動作させることを特徴とする。