JP2016206158A - レーダ装置、車両制御システムおよびレーダ装置の制御方法 - Google Patents

レーダ装置、車両制御システムおよびレーダ装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】物標の垂直方向の角度を簡易に精度よく検出することのできるレーダ装置、車両制御システムおよびレーダ装置の制御方法を提供する。【解決手段】レーダ装置は、上方送信部と、下方送信部と、パワー検出部と、パワー差算出部と、角度検出部とを備える。上方送信部は、予め設定された基準軸に対して上方へ向けて上方送信波を送信する。下方送信部は、基準軸に対して下方へ向けて下方送信波を送信する。パワー検出部は、上方送信波が物標に反射して得られる上方反射波のパワー、および、下方送信波が物標に反射して得られる下方反射波のパワーを検出する。パワー差算出部は、検出された上方反射波のパワーと下方反射波のパワーとのパワー差を算出する。角度検出部は、算出されたパワー差に基づき、物標の基準軸に対する角度を検出する。【選択図】図1

Description

本発明は、レーダ装置、車両制御システムおよびレーダ装置の制御方法に関する。
従来、例えば自車両の進行方向へ向けて送信波を送信し、物標からの反射波を受信することで、自車両の進行方向に存在する物標を検知するレーダ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記したレーダ装置では、例えば物標までの距離、自車両と物標との相対速度、および、物標の水平方向の角度(以下、「方位」ともいう)に加え、物標の垂直方向の角度(以下、「角度」ともいう)も検出している。具体的には、上記した従来技術にあっては、物標からの反射波を受信アンテナで受信するとともに、受信された反射波の入射角度を物標の角度として検出するようにしている。
特開2013−53946号公報
しかしながら、上記した従来技術においては、反射波の入射角度を得るための処理が必要になるなど構成が複雑になるおそれがあり、物標の角度を簡易に精度よく検出するという点でさらなる改善の余地があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、物標の垂直方向の角度を簡易に精度よく検出することのできるレーダ装置、車両制御システムおよびレーダ装置の制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、レーダ装置において、上方送信部と、下方送信部と、パワー検出部と、パワー差算出部と、角度検出部とを備える。上方送信部は、予め設定された基準軸に対して上方へ向けて上方送信波を送信する。下方送信部は、前記基準軸に対して下方へ向けて下方送信波を送信する。パワー検出部は、前記上方送信波が物標に反射して得られる上方反射波のパワー、および、前記下方送信波が物標に反射して得られる下方反射波のパワーを検出する。パワー差算出部は、前記パワー検出部で検出された前記上方反射波のパワーと前記下方反射波のパワーとのパワー差を算出する。角度検出部は、前記パワー差算出部で算出された前記パワー差に基づき、物標の前記基準軸に対する角度を検出する。
本発明によれば、物標の垂直方向の角度を簡易に精度よく検出することができる。
図1は、第1の実施形態に係るレーダ装置を用いて物標の角度を検出する手法の概要を示す模式図である。 図2は、第1の実施形態に係る車両制御システムの構成例を示すブロック図である。 図3は、レーダ装置の構成例を示すブロック図である。 図4は、送信波と反射波との関係およびビート信号を示す図である。 図5Aは、アップ区間のピーク抽出を説明する図である。 図5Bは、ダウン区間のピーク抽出を説明する図である。 図6は、反射波のパワーを示すグラフである。 図7は、上方送信波および下方送信波のパワー特性を示すグラフである。 図8は、物標の角度を検出する際に用いられる角度情報を示す図である。 図9は、第1の実施形態における物標の検出処理の処理手順を示すフローチャートである。 図10は、第2の実施形態に係るレーダ装置の概要を示す模式図である。 図11は、第2の実施形態に係るレーダ装置の構成例を示すブロック図である。 図12Aは、上方反射波に対応する周波数スペクトラムの一例を示す図である。 図12Bは、下方反射波に対応する周波数スペクトラムの一例を示す図である。 図13は、第2の実施形態における物標の検出処理の処理手順を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本願の開示するレーダ装置、車両制御システムおよびレーダ装置の制御方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
(第1の実施形態)
<1.物標の角度検出手法の概要>
以下ではまず、第1の実施形態に係るレーダ装置において、物標の垂直方向の角度を検出する手法の概要について図1を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係るレーダ装置を用いて物標の角度を検出する手法の概要を示す模式図である。
図1に示すように、レーダ装置1は、例えば自車両Aのフロントグリル内に搭載され、自車両Aの進行方向に存在する物標Tを検出する。なお、図1では、理解の便宜および図示の簡略化のため、物標Tを1つとし、模式的に四角形で示している。
また、自車両Aにおいて、レーダ装置1が設置される位置は、上記の例に限定されるものではなく、例えばフロントガラスやリアグリル、左右の側部(例えば、左ドアミラーや右ドアミラー)などその他の場所に設置されてもよい。
かかるレーダ装置1の自車両Aへの取り付けは、例えばレーダ装置1自体に予め設定された基準軸Bが設置基準軸Eに一致するようにして行われる。基準軸Bは、例えばレーダ装置1から仮想的に延伸する軸であり、後述する物標Tの角度αなどは、かかる基準軸Bを基準としている。
すなわち、物標Tの角度αは、物標Tの基準軸Bに対する垂直方向の角度であり、換言すれば、レーダ装置1と物標Tとを結ぶ仮想線Dと、基準軸Bとのなす角度を意味している。なお、以下において角度αは、基準軸Bに対して上方が正値、下方が負値で表される場合がある。
また、上記した設置基準軸Eは、レーダ装置1によって物標Tを検出可能となるような軸方向に予め設定されている。設置基準軸Eは、例えば路面に対して平行で、かつ、自車両Aの進行方向と平行な軸(水平軸)に設定されるが、これに限られるものではない。
上記したレーダ装置1は、例えば自車両Aの進行方向へ向けて送信波を送信する。そして、レーダ装置1は、かかる送信波が物標Tに反射して得られる反射波を受信アンテナRXで受信することで、物標Tを検出する。
このとき、レーダ装置1は、例えば物標Tまでの距離や、自車両Aと物標Tとの相対速度などを検出するとともに、物標Tの垂直方向の角度αも検出する。なお、上記した物標Tまでの距離、物標Tとの相対速度などの検出については、後述する。
従来の物標Tの角度検出手法によれば、物標Tから反射して受信された反射波の入射角度を物標Tの角度αとして検出しているため、入射角度を得る処理が必要になるなど構成が複雑化するおそれがあった。
そこで、第1の実施形態に係るレーダ装置1は、上方送信部TX1と下方送信部TX2とを備えるようにした。そして、レーダ装置1は、かかる上方送信部TX1および下方送信部TX2から送信された送信波が物標Tに反射して受信される反射波の信号強度(以下、「パワー」と記載する場合がある)に基づいて、物標Tの角度αを検出するようにした。
詳しくは、上方送信部TX1は、基準軸Bに対して所定角度だけ上方へ向けて上方送信波TW1を送信する。下方送信部TX2は、基準軸Bに対して所定角度だけ下方へ向けて下方送信波TW2を送信する。なお、上記した上方送信部TX1の所定角度と、下方送信部TX2の所定角度とは、同一または略同一の値とされるが、異なる値であってもよい。
なお、図1に示す例では、上記した各所定角度が同一の値である場合を示している。従って、図1においては、上方送信部TX1および下方送信部TX2は、上方送信波TW1と下方送信波TW2とが、基準軸Bを中心として上下に対称となるように配設されている。
上記のように上方送信部TX1および下方送信部TX2を配設したことから、図1に示す例のように、例えば物標Tが基準軸Bよりも上方に存在する場合は、上方送信波TW1の反射波のパワーが、下方送信波TW2の反射波のパワーよりも大きくなる。また、図1にグラフで示すように、かかる上方送信波TW1の反射波のパワーから、下方送信波TW2の反射波のパワーを減算したパワー差は、物標Tの角度αが大きくなるにつれて増加することとなる。なお、基準軸Bよりも上方に存在する物標は、例えば信号機や交通標識等である。
他方、図示は省略するが、例えば物標Tが基準軸Bよりも下方に存在する場合は、下方送信波TW2の反射波のパワーが、上方送信波TW1の反射波のパワーよりも大きくなる。なお、基準軸Bよりも下方に存在する物標は、例えば路面上のマンホールや、落下物等である。
また、図示は省略するが、例えば物標Tが基準軸B上に存在する場合は、上方送信波TW1の反射波のパワーと、下方送信波TW2の反射波のパワーとが同一の値になる。なお、基準軸B上に存在する物標は、例えば、自車両の前方を走行する先行車である。
従って、第1の実施形態に係るレーダ装置1は、上記した上方送信波TW1の反射波および下方送信波TW2の反射波のパワーの特性を利用して、物標Tの角度αを検出する。
すなわち、レーダ装置1は、上方送信波TW1の反射波のパワーと、下方送信波TW2の反射波のパワーとのパワー差を算出し、算出されたパワー差に基づいて物標Tの角度αを検出するようにした。
このように、第1の実施形態に係るレーダ装置1は、送信波を基準軸Bに対して上下に打ち分け、物標Tに反射して戻った2つの反射波のパワー差に基づき、物標Tの垂直方向の角度αの検出を行う。これにより、物標Tの角度αを簡易に精度よく検出することができる。
以下、上記した物標Tの角度αの検出手法を適用したレーダ装置1を含む車両制御システムについての実施形態を詳細に説明する。
<2.車両制御システムの構成>
図2は、第1の実施形態に係る車両制御システム10の構成例を示すブロック図である。なお、図2および後述する図3以降では、車両制御システム10やレーダ装置1の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
車両制御システム10は、例えば自動車などの車両(例えば自車両A(図1参照))に設けられている。なお、車両は、前方とその逆方向の後方とを進行方向として移動する。図2に示すように、車両制御システム10は、レーダ装置1と、車両制御装置2と、車速センサ3とを備える。
本実施形態のレーダ装置1は、例えばミリ波レーダの各種方式のうち、周波数変調した連続波であるFM−CW(Frequency Modulated Continuous Wave)が用いられ、車両の周辺に存在する物標Tを検出する。かかる物標Tは、例えば移動物標と静止物標とを含む物標である。
ここで、移動物標とは、ある速度で移動する移動体であり、例えば自車両Aの前方を走行する先行車などである。また、静止物標とは、自車両Aが走行する路面や路側帯、歩道などに設けられる静止物であり、例えば信号機やポール、歩道橋、電柱、交通標識、ガードレールなどである。
そして、レーダ装置1は、検出した物標Tの情報(以下「物標情報」と記載する場合がある)を検出する。物標情報は、物標Tの縦距離、相対速度および角度α等を含む情報である。
縦距離(m)は、レーダ装置1から物標Tまでの距離を示す値である。相対速度(km/h)は、自車両Aに対する物標Tの速度を示す値である。角度α(deg)は、上記したように、物標Tの基準軸Bに対する垂直方向の角度を示す値である。レーダ装置1は、物標情報を車両制御装置2へ出力する。
車両制御装置2は、図示しない自車両Aのブレーキおよびスロットル等に接続される。そして、車両制御装置2は、レーダ装置1から出力された物標情報に基づいてブレーキやスロットル等を制御し、自車両Aの挙動を制御する。
そのため、車両制御装置2は、物標情報を使用するデータ使用装置であるともいえる。例えば、車両制御装置2は、レーダ装置1から取得した物標情報を使用し、先行車との車間距離を一定距離に保ちながら、先行車に追従する。これにより、本実施形態の車両制御システム10は、先行車追従システムとして機能する。
また、例えば車両制御装置2は、レーダ装置1から取得した物標情報を使用し、自車両Aを減速させることで、自車両Aと自車両Aの進行方向に存在する先行車や路上障害物との衝突を回避する。これにより、本実施形態の車両制御システム10は、衝突回避システムとして機能する。
車速センサ3は、車両の車軸の回転数に基づき自車両Aの速度に応じた信号を車両制御装置2に出力する。車両制御装置2は、車速センサ3からの信号に基づき現時点の車両の速度を検出する。
<3.レーダ装置の構成>
図3は、レーダ装置1の構成例を示すブロック図である。図3に示すように、レーダ装置1は、送信部4と、受信部5と、信号処理部6とを備える。
送信部4は、信号生成部41と、発振器42と、スイッチ43と、上方送信部TX1と、下方送信部TX2とを備える。信号生成部41は、三角波状に電圧が変化する変調信号を生成し、発振器42へ供給する。
発振器42は、信号生成部41で生成された変調信号に基づいて連続波の信号を周波数変調し、時間の経過に従って周波数が変化する送信信号を生成し、上方送信部TX1や下方送信部TX2へ出力する。
スイッチ43は、上方送信部TX1および下方送信部TX2(正確には、上方送信部TX1a,TX1bおよび下方送信部TX2a,TX2b(後述))のいずれかと、発振器42とを接続する。スイッチ43は、後述する送信制御部61の制御により所定のタイミング(例えば、5msecごと)で動作し、上方送信部TX1a,TX1bおよび下方送信部TX2a,TX2bのいずれかと、発振器42との接続を切り替える。すなわち、スイッチ43は、例えば、上方送信部TX1a→下方送信部TX2a→上方送信部TX1b→下方送信部TX2bの順に発振器42との接続を切り替える。
上方送信部TX1および下方送信部TX2は、送信信号に基づき上方送信波TW1や下方送信波TW2を車両の外部へ出力するアンテナである。以下では、上方送信部TX1を「上方送信アンテナTX1」、下方送信部TX2を「下方送信アンテナTX2」と記載する場合がある。また、上方送信アンテナTX1および下方送信アンテナTX2を総称して「送信アンテナTX」と記載する場合がある。
上方送信アンテナTX1および下方送信アンテナTX2は、複数本、具体的には2本ずつある。図3では、2本の上方送信アンテナTX1を符号TX1a,TX1bで示すとともに、2本の下方送信アンテナTX2を符号TX2a,TX2bで示している。このように、送信アンテナTXは、4本のアンテナで構成されている。
4本の送信アンテナTXは、それぞれ異なる方向へ送信波を出力する。例えば、自車両Aの車幅方向(左右方向)と、自車両Aの高さ方向(上下方向)との2軸を用いてあらわすと、上方送信アンテナTX1aは、基準軸B(図1参照)に対して右斜め上方へ上方送信波TW1aを出力し、上方送信アンテナTX1bは、基準軸Bに対して左斜め上方へ上方送信波TW1bを出力する。
また、下方送信アンテナTX2aは、基準軸Bに対して右斜め下方へ下方送信波TW2aを出力し、下方送信アンテナTX2bは、基準軸Bに対して左斜め下方へ下方送信波TW2bを出力する。なお、以下では、上方送信波TW1a,TW1bおよび下方送信波TW2a,TW2bを総称して「送信波TW」と記載する場合がある。
上方送信アンテナTX1a,TX1bおよび下方送信アンテナTX2a,TX2bは、上記したように、スイッチ43を介して発振器42に接続されている。そのため、送信アンテナTXのうちの1本の送信アンテナTXから、スイッチ43のスイッチング動作に応じて、上方送信波TW1a,TW1bおよび下方送信波TW2a,TW2bのいずれかが出力される。また、出力される送信波TWも、スイッチ43のスイッチング動作によって順次切り替えられる。
受信部5は、アレーアンテナを形成する4本の受信アンテナRXと、4本の受信アンテナRXのそれぞれに接続された個別受信部52とを備える。各受信アンテナRXは、物標Tからの反射波RWを受信し、各個別受信部52は対応する受信アンテナRXで得られた受信信号を処理する。
各個別受信部52は、ミキサ53と、A/D変換器54とを備える。受信アンテナRXで受信された反射波RWから得られる受信信号は、ミキサ53へ送られる。なお、受信アンテナRXとミキサ53との間にはそれぞれ対応する増幅器を配してもよい。
ミキサ53には、送信部4の発振器42から分配された送信信号が入力され、ミキサ53において送信信号と受信信号とがそれぞれミキシングされる。
これにより送信信号の周波数と、受信信号の周波数との差分周波数であるビート周波数を示すビート信号が生成される。ミキサ53で生成されたビート信号は、A/D変換器54でデジタルの信号に変換された後に信号処理部6へ出力される。
信号処理部6は、CPUおよび記憶部63などを備えたマイクロコンピュータであり、レーダ装置1全体を制御する。信号処理部6は、演算の対象とする各種のデータや、データ処理部7が検出する物標情報等を、記憶部63に記憶する。記憶部63としては、例えばEPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリ等を用いることができるが、これに限定されるものではない。
信号処理部6は、マイクロコンピュータでソフトウェア的に実現される機能として、送信制御部61と、フーリエ変換部62と、データ処理部7とを備える。送信制御部61は、送信部4の信号生成部41を制御するとともに、スイッチ43のスイッチングを制御する。
フーリエ変換部62は、複数の個別受信部52のそれぞれから出力されるビート信号を対象に、高速フーリエ変換(FFT)を実行する。これにより、フーリエ変換部62は、複数の受信アンテナRXのそれぞれの受信信号に係るビート信号を、周波数領域のデータである周波数スペクトラムに変換する。フーリエ変換部62で生成された周波数スペクトラムは、データ処理部7へ出力される。
データ処理部7は、ピーク抽出部70、方位算出部71、ペアリング部72、パワー検出部73、パワー差算出部74、角度検出部75、距離・相対速度算出部76、および、情報出力部77を備える。
ピーク抽出部70は、フーリエ変換部62で生成された周波数スペクトラムにおいて、所定の信号レベルを超える周波数ピークを、送信信号の周波数が上昇するアップ区間と、周波数が下降するダウン区間とのそれぞれの区間で抽出する。
ここで、周波数ピークの抽出処理について、図4および図5A,5Bを参照して説明する。図4は、送信波TWと反射波RWとの関係およびビート信号を示す図である。また、図5Aは、アップ区間のピーク抽出を説明する図であり、図5Bは、ダウン区間のピーク抽出を説明する図である。なお、説明を簡単にするため、図4に示す反射波RWは1つの物標Tからの理想的な反射波としている。また、図4では、送信波TWを実線で示し、反射波RWを破線で示している。
図4の上部において、縦軸は周波数[GHz]、横軸は時間[msec]を示している。また、図4では、基準軸Bに対して右上方へ出力される上方送信波TW1aと、右下方へ出力される下方送信波TW2aとを例にとって説明する。なお、上方送信波TW1aは、時間t1〜t2の区間で出力され、下方送信波TW2aは、時間t2〜t3の区間で出力されるものとする。
図4に示すように、上方送信波TW1aおよび下方送信波TW2aは、所定の周波数を中心として所定の周期で周波数が上下する連続波であり、かかる周波数は、時間に対して線形的に変化する。ここでは、上方送信波TW1aおよび下方送信波TW2aの中心周波数をf0、周波数の変位幅をΔF、周波数が上下する一周期の逆数をfmとする。
反射波RWは、上方送信波TW1aおよび下方送信波TW2aが物標Tで反射したものであるため、上方送信波TW1aと同様に、所定の周波数を中心として所定の周期で周波数が上下する連続波となる。ただし、反射波RWには、上方送信波TW1a等に対して時間遅延が生じる。この遅延する時間τは、自車両Aから物標Tまでの縦距離に応じたものとなる。
また、反射波RWには、車両に対する物標の相対速度Vに応じたドップラー効果により、送信波TWに対して周波数fdの周波数偏移が生じる。
このように、反射波RWには、上方送信波TW1a等に対して、縦距離に応じた時間遅延とともに相対速度に応じた周波数偏移が生じる。このため、図4の下部に示すように、ミキサ53で生成されるビート信号のビート周波数は、送信信号の周波数が上昇するアップ区間と周波数が下降するダウン区間とで異なる値となる。
ビート周波数は、上方送信波TW1a等の周波数と反射波RWの周波数との差の周波数である。以下、アップ区間のビート周波数をfup、ダウン区間のビート周波数をfdnとする。また、図4の下部では、縦軸は周波数[kHz]、横軸は時間[msec]を示している。
そして、図5A,5Bに示すように、フーリエ変換部62でのフーリエ変換後には、アップ区間のビート周波数fupおよびダウン区間のビート周波数fdnのそれぞれの周波数領域における波形が得られる。
ピーク抽出部70においては、かかる波形において、所定の信号パワーPrefを超える周波数ピークPuと、周波数ピークPdとを抽出する。なお、ピーク抽出部70は、図4に示す、上方送信波TW1aおよび下方送信波TW2aのそれぞれについて、周波数ピークPu,Pdを抽出するものとする。
なお、上記した所定の信号パワーPrefは、一定であっても、可変であってもよい。また、所定の信号パワーPrefは、アップ区間とダウン区間とで異なる値に設定されてもよい。
方位算出部71は、ピーク抽出部70において抽出された周波数ピークのそれぞれに基づいて物標Tの方位を算出する。なお、方位算出部71における方位の算出は、例えばESPRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance Techniques)などの所定の方位角度推定方式を用いて行われるが、これに限定されるものではない。
ペアリング部72は、算出されたかかるピークごとの周波数ピーク、方位およびパワーの一致の度合いなどに基づき、アップ区間の周波数ピークPuおよびダウン区間の周波数ピークPdを対応づけるペアリングを行う。かかるペアリングにより、レーダ装置1では物標Tの存在が検出されることとなる。
パワー検出部73は、周波数ピークPuと周波数ピークPdとを対応づけたペアデータに基づき、送信波TWが物標Tに反射して得られる反射波RWのパワーを検出する。図6は、その反射波RWのパワーを示すグラフである。なお、図6では、上方送信波TW1aが物標Tに反射して得られる上方反射波RW1のグラフを破線で示し、下方送信波TW2aが物標Tに反射して得られる下方反射波RW2のグラフを実線で示している。
パワー検出部73は、上方反射波RW1においてピークとなるパワーpw1を、上方反射波RW1のパワーとして検出する。同様に、パワー検出部73は、下方反射波RW2においてピークとなるパワーpw2を、下方反射波RW2のパワーとして検出する。
パワー差算出部74は、パワー検出部73で検出された上方反射波RW1のパワーpw1と下方反射波RW2のパワーpw2とのパワー差dpwを算出する。詳しくは、パワー差算出部74は、上方反射波RW1のパワーpw1から下方反射波RW2のパワーpw2を減算して得た差をパワー差dpwとして算出する。
なお、ここでは、理解の便宜のため、上方送信波TW1aおよび下方送信波TW2aに対応する、上方反射波RW1および下方反射波RW2のパワー差dpwを算出したが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、上方送信波TW1a,TW1bに対応する上方反射波RW1のパワーpw1の平均値と、下方送信波TW2a,TW2bに対応する下方反射波RW2のパワーpw2の平均値とを求め、求めた平均値の差をパワー差dpwとしてもよい。
また、上記では、上方反射波RW1のパワーpw1から下方反射波RW2のパワーpw2を減算して得た差をパワー差dpwとしたが、これに限定されるものではなく、差の絶対値をパワー差dpwとして算出するようにしてもよい。さらには、下方反射波RW2のパワーpw2から上方反射波RW1のパワーpw1を減算して得た差や、当該差の絶対値をパワー差dpwとしてもよい。
そして、角度検出部75は、パワー差算出部74で算出されたパワー差dpwに基づき、物標Tの基準軸Bに対する垂直方向の角度αを検出する。
ここで、角度検出部75で行われる物標Tの角度αの検出処理について、図7および図8を参照して説明する。図7は、上方送信アンテナTX1から送信される上方送信波TW1および下方送信アンテナTX2から送信される下方送信波TW2のパワー特性を示すグラフである。図7では、縦軸はパワー[dB]を、横軸は送信波TWの基準軸Bに対する送信角度[deg]を示している。
また、図8は、物標Tの角度αを検出する際に用いられる角度情報63aを示す図である。図8に示すように、角度情報63aは、縦軸がパワー差[dB]、横軸が物標Tの角度α[deg]で表されるグラフである。
上記した上方送信アンテナTX1の上方送信波TW1や、下方送信アンテナTX2の下方送信波TW2のパワーは、いずれも既知の設計値である。また、上記したように、上方送信アンテナTX1や下方送信アンテナTX2はそれぞれ、基準軸Bに対して所定角度だけ傾けて取り付けられるが、かかる所定角度も、各送信アンテナTXの取り付け時に設定される既知の値である。
従って、図7に示すように、上方送信波TW1や下方送信波TW2のパワー特性は、物標Tの角度αの検出前に予め得ることができる。図7に示すパワー特性を有する上方送信波TW1および下方送信波TW2を、物標Tへ向けて送信すると、上記したパワー差dpwは、物標Tの位置によって差異が生じることとなる。
すなわち、例えば物標Tが基準軸Bよりも上方に存在する場合は、上方反射波RW1のパワーpw1が下方反射波RW2のパワーpw2よりも大きくなり、パワー差dpwは正値となる(図1,6参照)。また、かかるパワー差dpwは、物標Tの位置が基準軸Bから上方へ行くにつれて、換言すれば、物標Tの角度αが大きくなるにつれて、増加することとなる。
また、例えば物標Tが基準軸Bよりも下方に存在する場合は、下方反射波RW2のパワーpw2は上方反射波RW1のパワーpw1よりも大きくなり、パワー差dpwは負値となる。また、例えば物標Tが基準軸B上に存在する場合は、上方反射波RW1のパワーpw1と下方反射波RW2のパワーpw2とが同一の値になり、パワー差dpwは0(ゼロ)となる。
このようなパワー差dpwと物標Tの角度αとの関係を、実験やシミュレーションを通じて予め取得しておき、かかる関係を図8に示す角度情報63aとして記憶部63に記憶しておく。
そして、角度検出部75は、パワー差算出部74からパワー差dpwを示すデータが入力されると、角度情報63aを読み出し、パワー差dpwに対応する物標Tの角度αを検出する。
図3の説明に戻ると、距離・相対速度算出部76は、物標Tの縦距離Rおよび相対速度Vを算出する。
具体的に、距離・相対速度算出部76は、ドップラー効果による周波数偏移fdを求める。かかる周波数偏移fdは次の数1で表される。
Figure 2016206158
距離・相対速度算出部76は、周波数偏移fdが0(ゼロ)である場合、物標Tの相対速度を0(ゼロ)(km/h)とする。そして、ビート周波数をfrとすると、ビート周波数frは次の数2で表される。
Figure 2016206158
ビート周波数frは上記した遅延する時間τに応じた値となる。従って、距離・相対速度算出部76は、ビート周波数frを用い、次の数3で物標の縦距離Rを求める。なお、数3において、cは光速(電波の速度)である。
Figure 2016206158
また、距離・相対速度算出部76は、周波数偏移fdが0(ゼロ)ではない場合、次の数4で物標の相対速度Vを求める。
Figure 2016206158
情報出力部77は、上記した物標Tの縦距離R、相対速度Vおよび角度α等を含む物標情報を車両制御装置2へ出力する。そして、車両制御装置2は、レーダ装置1から取得した物標情報に基づき、自車両Aの挙動を制御する。
<4.処理フローチャート>
次に、信号処理部6で実行される物標Tの検出処理の内容について図9を参照して説明する。図9は、第1の実施形態における物標Tの検出処理の処理手順を示すフローチャートである。
図9に示すように、フーリエ変換部62は、複数の個別受信部52のそれぞれから出力されるビート信号を対象に、高速フーリエ変換(FFT)を実行し、周波数スペクトラムを生成する(ステップS1)。
続いて、ピーク抽出部70は、フーリエ変換部62で生成された周波数スペクトラムにおいて、所定の信号レベルを超える周波数ピークを、アップ区間とダウン区間とのそれぞれの区間で抽出する(ステップS2)。
方位算出部71は、ピーク抽出部70において抽出された周波数ピークのそれぞれについて、所定の角度推定方式を用いて、物標Tの方位を算出する(ステップS3)。
次いで、ペアリング部72は、周波数ピークや方位などの一致の度合いに基づき、アップ区間の周波数ピークPuおよびダウン区間の周波数ピークPdを対応づけるペアリング処理を行う(ステップS4)。
次いで、パワー検出部73は、周波数ピークPuと周波数ピークPdとを対応づけたペアデータに基づき、上方反射波RW1のパワーpw1と下方反射波RW2のパワーpw2とを検出する(ステップS5)。
次いで、パワー差算出部74は、上方反射波RW1のパワーpw1と下方反射波RW2のパワーpw2とのパワー差dpwを算出する(ステップS6)。次いで、角度検出部75は、パワー差dpwと角度情報63aとに基づき、物標Tの基準軸Bに対する垂直方向の角度αを検出する(ステップS7)。
続いて、距離・相対速度算出部76は、物標Tの縦距離Rおよび相対速度Vを算出する(ステップS8)。情報出力部77は、物標Tの縦距離R、相対速度Vおよび角度α等を含む物標情報を車両制御装置2へ出力し(ステップS9)、処理を終了する。
上述してきたように、第1の実施形態では、レーダ装置1において、上方送信アンテナTX1と、下方送信アンテナTX2と、パワー検出部73と、パワー差算出部74と、角度検出部75とを備える。上方送信アンテナTX1は、予め設定された基準軸Bに対して上方へ向けて上方送信波TW1を送信する。下方送信アンテナTX2は、基準軸Bに対して下方へ向けて下方送信波TW2を送信する。
パワー検出部73は、上方送信波TW1が物標Tに反射して得られる上方反射波RW1のパワーpw1、および、下方送信波TW2が物標Tに反射して得られる下方反射波RW2のパワーpw2を検出する。パワー差算出部74は、検出された上方反射波RW1のパワーpw1と下方反射波RW2のパワーpw2とのパワー差dpwを算出する。角度検出部75は、算出されたパワー差dpwに基づき、物標Tの基準軸Bに対する角度αを検出する。これにより、レーダ装置1においては、物標Tの垂直方向の角度αを簡易に精度よく検出することができる。
(第2の実施形態)
<5.第2の実施形態に係るレーダ装置の概要>
次いで、第2の実施形態に係るレーダ装置1について図10を参照して説明する。図10は、第2の実施形態に係るレーダ装置1の概要を示す模式図である。なお、以下においては、第1の実施形態と共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
レーダ装置1の自車両Aへの取り付けは、上記したように、例えばレーダ装置1の基準軸Bが設置基準軸Eに一致するようにして行われる。しかしながら、図10に示すように、例えば自車両Aに搭載される荷物の重量やバランス、サスペンションの経年劣化などにより、基準軸Bが設置基準軸Eに対してズレる「軸ズレ」が生じることがある。
なお、図10に示す例では、基準軸Bが設置基準軸Eに対して上方に角度βだけズレた状態を示している。また、以下においては、かかる角度βを「軸ズレ角度β」と記載する場合がある。
第2の実施形態に係るレーダ装置1では、上記した基準軸Bの軸ズレを、第1の実施形態で算出した物標Tの垂直方向の角度αを用いて検出するようにした。以下、その構成について詳しく説明する。なお、ここでは、理解の便宜のため、設置基準軸Eが、路面に対して平行で、かつ、自車両Aの進行方向と平行な軸(水平軸)に設定されるものとする。
第2の実施形態の説明に入る前に、従来の軸ズレの検出手法について説明する。従来技術にあっては、先ず、自車両Aの前方を走行する先行車などの移動物標T1を検出する。かかる移動物標T1は、自車両Aと同じ路面を走行していることから、自車両Aと移動物標T1とを結ぶ仮想線(図示せず)は、路面に対して平行で、かつ、自車両Aの進行方向と平行な軸、すなわち、設置基準軸Eに一致すると推定される。
移動物標T1の角度αは、基準軸Bに対する角度を示す値であるため、基準軸Bと設置基準軸Eとが一致していれば、検出される移動物標T1の角度αは0(ゼロ)(deg)になるはずである。従って、例えば、検出された移動物標T1の角度αが0以外の値であった場合、基準軸Bが設置基準軸Eに対して軸ズレしている、と推定することができる。なお、図10に示す例では、検出される移動物標T1の角度αは、−β(deg)になる。
ただし、上記した軸ズレの検出処理で検出される軸ズレ角度βは、例えば路面の状態やマルチパスなどの外乱の影響を受けて、実際の軸ズレ角度βとは大きく異なる値(以下、「外れ値」という)が検出されることがある。
そのため、例えば、上記した軸ズレの検出処理を、移動物標T1を検出する度に行うことが考えられる。これにより、例えば、前回までに検出された軸ズレ角度βと、今回検出された軸ズレ角度βとで平均化することで、検出された軸ズレ角度βを実際の軸ズレ角度βに徐々に近づけることができるとともに、外れ値の影響を低減することが可能となる。
しかしながら、従来技術のように、検出する物標を移動物標T1に限定すると、軸ズレの検出に用いるサンプル数が少ないため、検出された軸ズレ角度βが実際の軸ズレ角度βに近づくまでに、多くの時間を要するおそれがあった。
また、従来技術では、サンプル数が少ないため、上記した平均化を行っても外れ値の影響を低減できず、検出された軸ズレ角度βと実際の軸ズレ角度βとが大きく乖離してしまうことがあり、軸ズレの検出精度の向上という点で改善の余地があった。
そこで、第2の実施形態では、軸ズレの検出処理において、可能な限りのサンプル数を確保するため、検出する物標を移動物標T1に限定せず、静止物標T2をも含めるようにした。これにより、サンプル数を増やすことが可能となり、結果として、検出された軸ズレ角度βが実際の軸ズレ角度βに近づくまでに要する時間を短縮することができる。
また、第2の実施形態においては、サンプル数が増加していることから、例えば、外れ値が検出された場合であっても、上記した平均化を行うことで、かかる外れ値の影響を効果的に低減することができ、軸ズレの検出精度を向上させることができる。
<6.第2の実施形態に係るレーダ装置の構成>
次いで、第2の実施形態に係るレーダ装置1の構成について、図11を参照して説明する。図11は、第2の実施形態に係るレーダ装置1の構成例を示すブロック図である。以下では、第1の実施形態との相違点に焦点をおいて説明する。
第2の実施形態において、データ処理部7のパワー検出部73は、軸ズレの検出用のサンプル数を可能な限り増やすため、少なくとも静止物標T2を含む物標Tに反射して得られる、上方反射波RW1のパワーおよび下方反射波RW2のパワーを検出する。
より詳しくは、パワー検出部73は、移動物標T1および静止物標T2の両方を含む物標Tに反射して得られる、上方反射波RW1のパワーおよび下方反射波RW2のパワーを検出する。
ここで、パワー検出部73で行われる上方反射波RW1のパワーおよび下方反射波RW2のパワーの検出について、図12A,12Bを参照して説明する。
図12Aは、上方反射波RW1に対応する周波数スペクトラムの一例を示し、図12Bは、下方反射波RW2に対応する周波数スペクトラムの一例を示している。詳しくは、図12Aは、上方送信波TW1および上方反射波RW1のビート信号に対して、高速フーリエ変換が実行されて生成された周波数スペクトラムの一例である。また、図12Bは、下方送信波TW2および下方反射波RW2のビート信号に対して、高速フーリエ変換が実行されて生成された周波数スペクトラムの一例である。
図12A,12Bに示す周波数スペクトラムは、上記したピーク抽出部70での周波数ピークの抽出や、ペアリング部72でのペアリング処理、フィルタリングなどが行われる前の周波数スペクトラムである。そのため、図12A,12Bに示す周波数スペクトラムには、上方送信波TW1や下方送信波TW2が反射した全ての物標T、すなわち、移動物標T1および静止物標T2の両方が含まれている。
そして、パワー検出部73は、軸ズレ検出に用いるサンプルとして、上方反射波RW1および下方反射波RW2において、所定の条件を満たすパワーのピークをそれぞれ複数個(例えば10個)抽出する。なお、上記した所定の条件としては、例えば、パワーが所定の閾値pwaを超えて、かつ、パワーの大きい順とされる。
なお、図12Aおよび図12Bでは、所定の閾値pwaを超えて抽出されたパワーのピークを黒丸で示しており、抽出されないパワーのピークを×印で示している。このように、第2の実施形態では、抽出されないピークが存在する場合がある。抽出されないピークは、例えば周波数fa〜fbの区間(比較的低い周波数の区間)に存在するピークであり、具体的には、自車両Aからの距離が比較的近い物標のピークである。なお、かかる「距離」については後述する。
また、上記した所定の条件は、所定の閾値pwaを超えて、かつ、パワーの大きい順に限定されるものではない。すなわち、所定の条件は、上記した所定の閾値pwaを超える、および、パワーの大きい順のいずれか一方の条件であったり、他の条件にしたりするなど、物標Tとして検出できるような条件であれば、どのような条件であってもよい。
なお、上記では、検出されるパワーのピークの数を10個としたが、これは例示であって限定されるものではない。また、抽出されるパワーのピークの数は、上方反射波RW1と下方反射波RW2とで同数であることが好ましい。従って、例えば、上方反射波RW1で検出されるパワーのピークの数が10個に満たない5個であった場合、下方反射波RW2で検出されるパワーのピークの数を同数の5個とすることが望ましい。
また、パワー検出部73は、上方反射波RW1および下方反射波RW2の少なくともいずれかで、検出されるピークの数が10個に満たない場合、ピークの検出自体を中止するようにしてもよい。
さらに、パワー検出部73は、上方反射波RW1および下方反射波RW2のうち、予め設定された所定距離以上離れて存在する物標Tに反射して得られる、上方反射波RW1のパワーおよび下方反射波RW2のパワーを検出することが好ましい。具体的には、パワー検出部73は、例えば、周波数が所定の周波数fb以上の上方反射波RW1のパワーおよび下方反射波RW2のパワーを検出することが好ましい。
上記した所定距離は、比較的大きな値、例えば50mに設定される。よって、上記した所定距離以上離れて存在する物標Tは、自車両Aから遠距離にある物標Tともいえる。ここで、所定距離とは、その距離以上に存在する物標Tの検出される角度αが略同じ角度となる距離である。
例えば、自車両Aから距離20mに存在する上方物の道路標識と、同じく距離20mに存在する先行車とは、角度差が大きくなる。しかし、自車両Aからの距離が離れるほど、2つの物標Tの角度差が小さくなり、例えば、距離が80m以上離れた道路標識と先行車とは略同じ角度の物標Tとして検出される。すなわち、所定距離以上の位置に存在する複数の物標Tにおいて、それぞれの物標Tの上方反射波RW1のパワーと下方反射波Rw2のパワーとのパワー差dpwが略同じ値となる。レーダ装置1は、このように比較的距離が離れた物標Tの垂直方向の角度αを利用することで、マルチパスによる影響を低減させることができ、軸ズレの検出を正確に行うことができる。
すなわち、ここでは、軸ズレ検出に用いられるサンプルの抽出が目的であるため、物標Tは、自車両Aと結ぶ仮想線が、設置基準軸Eに一致または近似するようなものが望ましい。従って、遠距離にある物標Tは、自車両Aと結ぶ仮想線が、設置基準軸Eに一致または近似するため、サンプルとして好適である。
これに対し、上記したように、自車両Aから所定距離未満の比較的近い位置にある物標T、例えば自車両Aの前方で、かつ、斜め上方にある静止物標T2(例えば歩道橋など)は、仮想線が設置基準軸Eに近似せず、サンプルとすることは難しい。また、近距離の物標Tは、マルチパスなどの外乱の影響によって、パワーのばらつきが比較的多くなる。
そこで、パワー検出部73は、遠距離にある物標Tに反射して得られる、上方反射波RW1のパワーおよび下方反射波RW2のパワーを検出することで、物標Tをサンプルに適したものに限定することができ、よって軸ズレの検出精度をより向上させることができる。
パワー検出部73は、上方反射波RW1および下方反射波RW2において、抽出された複数個のピークに対応するパワーの平均値をそれぞれ算出する。
また、パワー差算出部74は、パワー検出部73で算出された上方反射波RW1のパワーの平均値と下方反射波RW2のパワーの平均値との差をパワー差dpwとして算出する。そして、角度検出部75は、算出されたパワー差dpwに基づき、移動物標T1および静止物標T2を含む物標Tの基準軸Bに対する垂直方向の角度αを検出する。
図11に示すように、レーダ装置1の信号処理部6は、軸ズレ角度検出部78と、補正部79とを備える。
軸ズレ角度検出部78は、移動物標T1および静止物標T2を含む物標Tの角度αに基づき、設置基準軸Eに対する基準軸Bの軸ズレ角度βを検出する。ここで、移動物標T1および静止物標T2を含む物標Tの角度αが0であった場合、基準軸Bが設置基準軸Eに一致している、と推定することができる。他方、移動物標T1および静止物標T2を含む物標Tの角度αが0以外の値であった場合、基準軸Bが設置基準軸Eに対して角度α分だけ軸ズレしている、と推定することができる。
そして、軸ズレ角度検出部78は、例えば、前回までに検出された軸ズレ角度βと、今回検出された軸ズレ角度βとで、重み付けしつつ平均化することで、検出された軸ズレ角度βを実際の軸ズレ角度βに徐々に近づけることができる。
補正部79は、軸ズレ角度検出部78で検出された軸ズレ角度βに基づき、物標Tの情報を補正する。なお、ここでの物標Tの情報は、軸ズレ検出に用いられる物標Tの情報ではなく、車両制御装置2に出力されて自車両Aの挙動の制御に用いられる物標Tの情報である。すなわち、補正部79は、縦距離や相対速度などの値を、軸ズレ角度βを考慮した値に補正する。
なお、上記では、検出された軸ズレ角度βに基づき、物標Tの情報を補正するようにしたが、これに限られず、例えば、軸ズレ角度βを自車両Aの運転者などに報知するようにしてもよい。また、レーダ装置1に基準軸Bの向きを変えることができる駆動機構を設け、かかる駆動機構を検出された軸ズレ角度βに応じて制御し、基準軸Bを設置基準軸Eに一致させるように構成してもよい。
<7.第2の実施形態における処理フローチャート>
次に、信号処理部6で実行される物標Tの検出処理の内容について図13を参照して説明する。図13は、第2の実施形態における物標Tの検出処理の処理手順を示すフローチャートである。
図13に示すように、フーリエ変換部62は、周波数スペクトラムを生成する(ステップS101)。続いて、パワー検出部73は、上方反射波RW1および下方反射波RW2において、所定の条件を満たすパワーのピークをそれぞれ複数個抽出する(ステップS102)。
次いで、パワー検出部73は、上方反射波RW1および下方反射波RW2において、抽出された複数のピークに対応するパワーの平均値をそれぞれ算出する(ステップS103)。
次いで、パワー差算出部74は、上方反射波RW1のパワーの平均値と下方反射波RW2のパワーの平均値との差をパワー差dpwとして算出する(ステップS104)。そして、角度検出部75は、パワー差dpwに基づき、移動物標T1および静止物標T2を含む物標Tの基準軸Bに対する垂直方向の角度αを検出する(ステップS105)。
続くステップS106〜S109までの処理は、上記したステップS2〜S4,S8と同様であるため、説明を省略する。また、図13に示す処理では、理解の便宜のため、自車両Aの挙動の制御に用いられる物標Tの角度αを算出する処理(図9のステップS5〜S7に相当)の記載を省略したが、かかる角度αの算出処理を行ってもよい。
次いで、軸ズレ角度検出部78は、ステップS105で算出された物標Tの角度αに基づき、設置基準軸Eに対する基準軸Bの軸ズレ角度βを検出する(ステップS110)。そして、補正部79は、軸ズレ角度βに基づき、自車両Aの挙動の制御に用いられる物標Tの情報を補正する(ステップS111)。
次いで、情報出力部77は、補正された物標Tの縦距離R、相対速度Vおよび角度α等を含む物標情報を車両制御装置2へ出力し(ステップS112)、処理を終了する。
上述してきたように、第2の実施形態では、基準軸Bの軸ズレ(軸ズレ角度β)を、物標Tの垂直方向の角度αを用いて検出するようにした。これにより、基準軸Bの軸ズレを容易に検出することができる。
また、第2の実施形態では、軸ズレ検出処理に用いられる物標を移動物標T1に限定せず、静止物標T2をも含めるようにした。これにより、サンプル数を増やすことが可能となり、結果として、検出された軸ズレ角度βが実際の軸ズレ角度βに近づくまでに要する時間を短縮することができる。
また、第2の実施形態では、上方反射波RW1および下方反射波RW2において、所定の条件を満たすパワーのピークをそれぞれ複数個抽出するようにしたことから、軸ズレ検出に用いるサンプルの数を増やすことができる。
なお、上記した実施形態では、レーダ装置1の送信アンテナTXおよび受信アンテナRXの本数を4本としたが、これは一例であり、複数の物標Tを検出できれば他の本数であってもよい。
また、上記した実施形態では、レーダ装置1の方位角度推定方式は、上記したESPRITに限定されるものではなく、例えば、DBF(Digital Beam Forming)、PRISM(Propagator method based on an Improved Spatial-smoothing Matrix)、および、MUSIC(Multiple Signal Classification)等を用いてもよい。
また、上記した実施形態では、送信アンテナTXからの出力は、電波、超音波、光、および、レーザ等の物標情報を検出できる方法であればいずれを用いてもよい。
また、上記した実施形態では、レーダ装置1は車両以外に用いられてもよい。例えばレーダ装置1は、航空機および船舶等に用いられてもよい。
また、上記した実施形態では、プログラムに従ったCPUの演算処理によってソフトウェア的に各種の機能が実現されるが、これら機能のうちの一部は電気的なハードウェア回路により実現されてもよい。また逆に、ハードウェア回路によって実現されるとした機能のうちの一部は、ソフトウェア的に実現されてもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 レーダ装置
2 車両制御装置
4 送信部
5 受信部
6 信号処理部
7 データ処理部
10 車両制御システム
61 送信制御部
62 フーリエ変換部
63 記憶部
70 ピーク抽出部
71 方位算出部
72 ペアリング部
73 パワー検出部
74 パワー差算出部
75 角度検出部
76 距離・相対速度算出部
77 情報出力部
78 軸ズレ角度検出部
79 補正部
TX1 上方送信部
TX2 下方送信部

Claims (8)

  1. 予め設定された基準軸に対して上方へ向けて上方送信波を送信する上方送信部と、
    前記基準軸に対して下方へ向けて下方送信波を送信する下方送信部と、
    前記上方送信波が物標に反射して得られる上方反射波のパワー、および、前記下方送信波が物標に反射して得られる下方反射波のパワーを検出するパワー検出部と、
    前記パワー検出部で検出された前記上方反射波のパワーと前記下方反射波のパワーとのパワー差を算出するパワー差算出部と、
    前記パワー差算出部で算出された前記パワー差に基づき、物標の前記基準軸に対する角度を検出する角度検出部と
    を備えることを特徴とするレーダ装置。
  2. 前記角度検出部で検出された物標の角度に基づき、予め設定された設置基準軸に対する前記基準軸の軸ズレ角度を検出する軸ズレ角度検出部と、
    前記軸ズレ角度検出部で検出された前記軸ズレ角度に基づき、物標の情報を補正する補正部と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
  3. 前記パワー検出部は、
    少なくとも静止物標を含む物標に反射して得られる、前記上方反射波のパワーおよび前記下方反射波のパワーを検出すること
    を特徴とする請求項2に記載のレーダ装置。
  4. 前記パワー検出部は、
    所定距離以上離れて存在する物標に反射して得られる、前記上方反射波のパワーおよび前記下方反射波のパワーを検出すること
    を特徴とする請求項2または3に記載のレーダ装置。
  5. 前記所定距離は、
    複数の物標のそれぞれの前記上方反射波のパワーと前記下方反射波のパワーとのパワー差が略同じ値となる距離であること
    を特徴とする請求項4に記載のレーダ装置。
  6. 前記パワー検出部は、
    前記上方反射波および前記下方反射波において、所定の条件を満たすパワーのピークをそれぞれ複数個抽出し、抽出された複数個のピークに対応するパワーの平均値をそれぞれ算出し、
    前記パワー差算出部は、
    前記パワー検出部で算出された前記上方反射波のパワーの平均値と前記下方反射波のパワーの平均値との差を前記パワー差として算出すること
    を特徴とする請求項2〜5のいずれか一つに記載のレーダ装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一つに記載のレーダ装置と、
    前記レーダ装置から物標の情報を受信して車両を制御する車両制御装置と
    を備える車両制御システム。
  8. 予め設定された基準軸に対して上方へ向けて送信された上方送信波が物標に反射することで得られる上方反射波のパワー、および、前記基準軸に対して下方へ向けて送信された下方送信波が物標に反射することで得られる下方反射波のパワーを検出するパワー検出工程と、
    前記パワー検出工程で検出された前記上方反射波のパワーと前記下方反射波のパワーとのパワー差を算出するパワー差算出工程と、
    前記パワー差算出工程で算出された前記パワー差に基づき、物標の前記基準軸に対する角度を検出する角度検出工程と
    を含むことを特徴とするレーダ装置の制御方法。
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