JP2016204704A - 耐熱基材及びその製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐腐食性の高い熱分解窒化ホウ素膜で被覆された構造の耐熱基材を提供する。
【解決手段】基材表面の一部もしくは全体が熱分解窒化ホウ素膜で被覆された構造の耐熱基材であって、前記熱分解窒化ホウ素膜が、酸素を0.001atom%以上3atom%以下含むものであることを特徴とする耐熱基材。酸素を含んだ上記熱分解窒化ホウ素膜は、窒素原子を含む気体とホウ素原子を含む気体に加えて、酸素原子を含む気体を加えることで、CVD法によって製造することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐熱基材に関し、特に、熱分解窒化ホウ素膜で被覆された構造の耐熱基材に関する。
熱分解窒化ホウ素(以下、「PBN」(Pyrolytic Boron Nitride)ということがある)は、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法によって作製され、高絶縁性、高耐熱性、フレキシビリティ性を備えた材料である。熱CVD法によるPBNの作製では、1800〜2000℃の高温で、B(ホウ素)原子を含んだガスとN(窒素)原子を含んだガスを反応させて、被加熱物に堆積させる方法が知られている。使用するガスとしては、例えば三塩化ホウ素とアンモニアがある。1800℃以上の高温を必要とするため、CVD炉の炉材には高耐熱性を有するグラファイト系の治具、断熱材を使用することが一般的である。PBNは、高耐熱性、強度等の優れた特性から化合物半導体引き上げ用ルツボ、分子線エピタキシー用金属蒸発用ルツボ、酸窒化物合成用ルツボ、MOCVD装置用治具などの部材として幅広く使用されている。近年、MOCVD装置では、H、NHなどの腐食性ガスが使用されるが、PBNはこれらガスに対する耐性が高いことも特徴である。
このような性質のPBN材を耐熱性の基材に被覆すれば、H、NHなどの腐食性雰囲気であっても、高温で基材を使用することが可能となる。例えば、治具及びヒーター用などに供されている。
MOCVD装置には、タングステン、タンタルからなる金属線を使用したヒーターや、カーボンにPBNをコートしたヒーターが使用され、1300〜1500℃程度の温度に加熱されるものもある。タングステン、タンタルを用いたヒーターでは、H、NHに対する耐性は高いが、金属酸化物が不純物として蒸発することや、被加熱物の温度分布が悪いことが課題となっている。一方で、カーボンにPBNをコートしたヒーターは、不純物が蒸発することはなく、温度分布も良好であるが、NHに対して、長時間使用していると局所的な腐食が発生する。この局所的な腐食が進行すると、PBNコートに穴が空いてしまい、内部のカーボンがH、NHによって消耗してしまう問題がある。
局所的な腐食の原因は明らかではないが、NH中に含まれる微量の水分(HO)や装置内に付着した微量の水分が原因で、腐食が起こっているのではないかと考えられる。
特許文献1には、蒸着したPBNコートを1750〜2000℃の温度でアニールすることで、PBNコート性能に悪影響を与えることなく耐水性にできることが記載されている。アニールしたサンプルは、95〜100℃の水に対する抵抗性が良くなったと記載されているが、これに関する詳細なデータは付されておらず、高温での水蒸気やNHに対する耐性については何ら述べられていない。
また、特許文献2には、2.19〜2.2g/cmの高密度PBNをグラファイト体にコートして、溶融アルミニウムに対する反応性を下げることが記載されているが、高温における耐水性や耐NH性については何ら述べられていない。さらに、高密度PBNを作製するために反応温度を1950〜2000℃としているが、この条件では反応炉に使用しているグラファイト系炉材の消耗、メンテナンス等への影響についても考慮が必要となる。
特許第2729289号公報 特許第3415626号公報
本発明は、上記のような問題に鑑みなされたものであり、半導体、LED及び太陽電池製造装置等で使用される、耐腐食性の高い熱分解窒化ホウ素膜で被覆された構造の耐熱基材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、基材表面の一部もしくは全体が熱分解窒化ホウ素(PBN)膜で被覆された構造の耐熱基材であって、前記熱分解窒化ホウ素膜が、酸素(O)を0.001atom%以上3atom%以下含むものであることを特徴とする耐熱基材を提供する。
このように、PBN膜中にOを0.001atom%以上3atom%以下含ませることによって、熱分解窒化ホウ素膜の密度を高め、緻密なものとすることができ、水分やNH等との反応を抑制することができる。
このとき、前記熱分解窒化ホウ素膜の密度を、2.00g/cm以上2.20g/cm以下とすることができる。
また、前記基材が、グラファイト、C/Cコンポジットカーボン、熱分解黒鉛、シリコンカーバイド、タングステン、タンタルのいずれかからなるものとすることができる。
これら耐熱基材を例えばMOCVD装置のヒーターとして使用した場合、腐食性雰囲気で長時間使用しても、局所的な腐食が発生することがない。
本発明はまた、窒素原子を含有する気体とホウ素原子を含有する気体とからなる原料ガスからCVD法によって熱分解窒化ホウ素膜を基材表面上に被覆して耐熱基材を製造する方法において、酸素原子を含む気体を前記原料ガス中に混入することによって前記熱分解窒化ホウ素膜中に酸素を0.001atom%以上3atom%以下含ませることを特徴とする耐熱基材の製造方法を提供する。
このように、O原子を含む気体を供給することで、反応温度を上げることなく、PBN膜を高密度化することができる。
本発明によれば、耐食性の高い熱分解窒化ホウ素膜で被覆された構造の耐熱基材を提供することができる。本耐熱基材は、半導体、LED及び太陽電池製造装置等で使用でき、腐食性雰囲気で長時間使用しても局所的な腐食が発生することがない。また、本発明の製造方法では、高い反応温度による炉材の消耗も抑制できるため、反応炉のメンテナンス回数が少なくなり、生産性を向上することもできる。
本発明の耐熱基材の一例を示す説明図である。 本発明で使用することができる反応炉の断面図及び供給管の模式図である。 実施例における熱分解窒化ホウ素の被覆方法を示した説明図である。 実施例におけるグラファイト基材表面上のPBN膜中の酸素濃度と酸素供給量の関係を示したグラフである。 実施例におけるグラファイト基材表面上のPBN膜の密度と酸素供給量の関係を示したグラフである。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明者らがPBN膜の耐腐食性改善について鋭意検討を行ったところ、NHに微量含まれる水分や炉内に吸着した水分が高温でPBNと反応し、酸化ホウ素(以下B)が生成してこれが高温で蒸発することで、PBN膜に穴が空く可能性が考えられた。このBの生成を抑制するために数多くの実験を繰り返す中で、PBN膜内に少量の酸素が含まれると、PBN膜の密度を向上させることができ、穴の発生を抑制できることを知見し、本発明に至ったものである。
以下、図面を参照して説明する。
本発明の耐熱基材の一例を図1に示す。耐熱基材01は、基材02の表面の一部もしくは全体が、熱分解窒化ホウ素膜03で被覆されており、当該熱分解窒化ホウ素膜03は、酸素を0.001atom%以上3atom%以下含んでいる。図1に示す例では、基材02の全体が被覆されているが、被覆範囲は特に限定されない。なお、本発明において「耐熱基材」とは、特記しない限り、基材02と熱分解窒化ホウ素膜03とを合わせた構造物01全体を指す。
本発明の耐熱基材においては、基材02表面上の熱分解窒化ホウ素膜03が、O(酸素)を0.001atom%以上3atom%以下含有する。前記のように、これによって熱分解窒化ホウ素膜の密度を2.01g/cm以上、2.20g/cm以下とすることができ、PBNと水分の反応を抑制することができると考えられる。さらに、Oが六方晶の層間に固溶するかまたはN(窒素)サイトに置換することで、水分との反応性が低下し穴の発生を抑制できるとも考えられる。O原子が0.001atom%より少ない場合は、PBN密度はほとんど向上しない。また、O原子を3atom%より多く含有させようとすると、酸素の供給量が多くなってしまうため、グラファイト系炉材の消耗が激しくなってしまう。さらに、酸素の添加量が多くなると、PBN膜中にBが生成し、PBN膜の不具合やPBN収率の低下を引き起こしてしまうため、好ましくない。より好ましくは、酸素含有量を0.015atom%以上、あるいは密度を2.05g/cm以上とする。
被覆される基材02は、例えばグラファイト、C/Cコンポジットカーボン、熱分解黒鉛、シリコンカーバイド、タングステン、タンタルのいずれか1つからなるものとすることができる。これらの複合材を用いることも可能である。このようなものであれば耐熱性が高く、半導体、LED及び太陽電池製造装置等に好適である。当然、これらに限定されるものではなく適宜決定できる。
酸素を含んだ熱分解窒化ホウ素膜03は、前記のようにCVD法によって製造することができる。具体的には、N原子を含む気体、例えばアンモニアと、B原子を含む気体、例えば三塩化ホウ素に加えて、O原子を含む気体を加えてCVDを行うことで製造することができる。O(酸素)原子を含む気体に特に制限はなく、分子内にO原子を有する慣用の気体を使用することができる。好ましくは、O、O、HO、NOx、COxから選択される少なくとも一つの気体を使用する。これらの気体は安価であり、安定供給が可能である。
酸素原子を含む気体としてOガスを供給する場合、熱分解窒化ホウ素膜中に酸素を0.001atom%以上3atom%以下含ませるために、B原子を含む気体に対して、OとBの供給量のモル比(O/B比)が、例えば4×10−5〜1.8×10−1の範囲となるように供給することが好ましい。Oガス以外の気体、例えばO、HO、NOx、COx、これらの混合ガス等を供給する場合も、O/B比が同様の範囲となるよう供給することが好ましい。使用する反応炉にもよるが、O/B比が上記範囲より少ないと、熱分解窒化ホウ素膜中に酸素を十分に含ませることが困難になる場合がある。この範囲より多いと、酸素供給量が多くなることで、高温用の反応炉材として使用しているグラファイト部材が極端に消耗してしまう場合があり、好ましくない。より好ましいO/B比は、4×10−4〜1.6×10−1の範囲である。
本発明では、O原子を含む気体を、予めN原子を含む気体またはB原子を含む気体と混合して供給することができるので、組成比が一定の混合ガスを供給することが可能である。この混合ガスを供給する場合は、例えば図2に示す二重又は三重の供給管4を用いて、B原子を含む気体やN原子を含む気体を分離して供給することができるとともに、これに加えてO原子を含む気体を供給することができる。このようにして供給すれば、成膜装置内への供給前の段階で原料ガスが反応して供給管を閉塞するような事態を抑制することができる。尚、図2の右枠内の上側は外管1及び内管3から成る二重管、枠内下側はそれらに加えて中管2を備えた三重管の模式図である。図2の左側は反応炉の断面図であり、円筒5内の回転機構8を備えた積載台7上に基材を置き、ヒーター6で加熱しながら供給管4より上記ガスを供給し、CVDを行うものである。また、二重または三重の供給管4の他に、四重管またはこれ以上の多重管を用いることもできる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
実施例1では、図2に示す反応炉で、熱CVDにより耐熱基材を作製した。アンモニアガス(NH)18SLM(standard L/M)、三塩化ホウ素ガス(BCl)5SLMに加えて、Oガスを0.1sccm(standard cc/m)反応炉内に二重管で供給し、50mm×50mm×10mmtのグラファイト製基材表面上に厚さ0.3mmとなるようにPBNをコートした。このときの炉内温1900℃、圧力100Paに保持した。図3に示すように、コート時に基材9を支持治具10で支える部分は、PBN膜11でコートされず、グラファイトが露出した未コート部分となってしまう(図3b,c)ため、支持点を変更して、再度同様にPBNコートした(図3c,d)。アメテック製EDAX Genesis EDSを用いて、得られた耐熱基材のPBN膜中の酸素濃度を測定したところ、0.001atom%であった。また、アルキメデス法によりPBN膜の密度を測定したところ、2.01g/cmであった。
次に、この耐熱基材を真空中で1600℃まで加熱した後、2000Paのアンモニアガス雰囲気中に150hrs暴露した。冷却後に耐熱基材を取り出したところ、PBN膜上に基材まで到達した穴は見られなかった。
<実施例2>
実施例2では、図2に示す反応炉で、熱CVDにより耐熱基材を作製した。アンモニアガス18SLM、三塩化ホウ素ガス5SLMに加えて、Oガスを1sccm反応炉内に二重管で供給し、50mm×50mm×10mmtのグラファイト製基材表面上に厚さ0.3mmとなるようにPBNをコートした。このときの炉内温度1900℃、圧力100Paに保持した。支持点を変更して、グラファイトが露出した未コート部分を、再度同様にPBNコートした。このようにして作製した耐熱基材のPBN膜中の酸素濃度を測定したところ、0.015atom%であった。また、PBN膜の密度を測定したところ、2.05g/cmであった。
次に、この耐熱基材を真空中で1600℃まで加熱した後、2000Paのアンモニアガスに150hrs暴露した。冷却後に耐熱基材を取り出したところ、PBN膜上に基材まで到達した穴は見られなかった。
<実施例3>
実施例3では、図2に示す反応炉で、熱CVDにより耐熱基材を作製した。アンモニアガス18SLM、三塩化ホウ素ガス5SLMに加えて、Oガスを100sccm反応炉内に二重管で供給し、50mm×50mm×10mmtのグラファイト製基材表面上に厚さ0.3mmとなるようにPBNをコートした。このときの炉内温度1900℃、圧力100Paに保持した。支持点を変更して、グラファイトが露出した未コート部分を、再度同様にPBNコートした。このようにして作製した耐熱基材のPBN膜中の酸素濃度を測定したところ、0.70atom%であった。また、PBN膜の密度を測定したところ、2.14g/cmであった。
次に、この耐熱基材を真空中で1600℃まで加熱した後、2000Paのアンモニアガスに150hrs暴露した。冷却後に耐熱基材を取り出したところ、PBN膜上に基材まで到達した穴は見られなかった。
<実施例4>
実施例4では、図2に示す反応炉で、熱CVDにより耐熱基材を作製した。アンモニアガス18SLM、三塩化ホウ素ガス5SLMに加えて、Oガスを400sccm反応炉内に二重管で供給し、50mm×50mm×10mmtのグラファイト製基材表面上に厚さ0.3mmとなるようにPBNをコートした。このときの炉内温度1900℃、圧力100Paに保持した。支持点を変更して、グラファイトが露出した未コート部分を、再度同様にPBNコートした。このようにして作製した耐熱基材のPBN膜中の酸素濃度を測定したところ、2.7atom%であった。また、PBN膜の密度を測定したところ、2.19g/cmであった。
次に、この耐熱基材を真空中で1600℃まで加熱した後、2000Paのアンモニアガスに150hrs暴露した。冷却後に耐熱基材を取り出したところ、PBN膜上に基材まで到達した穴は見られなかった。
<実施例5>
実施例5では、図2に示す反応炉で、熱CVDにより耐熱基材を作製した。アンモニアガス18SLM、三塩化ホウ素ガス5SLMに加えて、Oガスを450sccm反応炉内に二重管で供給し、50mm×50mm×10mmtのグラファイト製基材表面上に厚さ0.3mmとなるようにPBNをコートした。このときの炉内温度1900℃、圧力100Paに保持した。支持点を変更して、グラファイトが露出した未コート部分を、再度同様にPBNコートした。このようにして作製した耐熱基材のPBN膜中の酸素濃度を測定したところ、3.0atom%であった。また、PBN膜の密度を測定したところ、2.19g/cmであった。
次に、この耐熱基材を真空中で1600℃まで加熱した後、2000Paのアンモニアガスに150hrs暴露した。冷却後に耐熱基材を取り出したところ、PBN膜上に基材まで到達した穴は見られなかった。
<比較例1>
比較例1では、図2に示す反応炉で、熱CVDにより、本発明の範囲外の耐熱基材を作製した。アンモニアガス18SLM、三塩化ホウ素ガス5SLMを、Oを導入することなく反応炉内に二重管で供給し、50mm×50mm×10mmtのグラファイト製基材表面上に厚さ0.3mmとなるようにPBNをコートした。このときの炉内温度1900℃、圧力100Paに保持した。支持点を変更して、グラファイトが露出した未コート部分を、再度同様にPBNコートした。このようにして作製した耐熱基材のPBN膜中の酸素濃度を測定したところ、検出限界以下(<0.001atom%)であった。また、PBN膜の密度を測定したところ、1.99g/cmであった。
次に、この耐熱基材を真空中で1600℃まで加熱した後、2000Paのアンモニアガスに150hrs暴露した。冷却後に耐熱基材を取り出したところ、PBN膜上に基材まで到達した穴が見られた。
<比較例2>
比較例2では、図2に示す反応炉で、熱CVDにより、本発明の範囲外の耐熱基材を作製した。アンモニアガス18SLM、三塩化ホウ素ガス5SLMに加えて、Oガスを600sccm反応炉内に二重管で供給し、50mm×50mm×10mmtのグラファイト製基材表面上に厚さ0.3mmとなるようにPBNをコートした。このときの炉内温度1900℃、圧力100Paに保持した。支持点を変更して、グラファイトが露出した未コート部分を、再度同様にPBNコートした。このようにして作製した耐熱基材のPBN膜中の酸素濃度を測定したところ、本発明の範囲外である4.3atom%であった。また、PBN膜の密度を測定したところ、2.21g/cmであった。
しかし、本比較例2の方法で作製した場合、他の方法と比較して酸素供給量が多いため、反応炉で使用しているグラファイト部材が極端に消耗してしまった。このような製法では、メンテナンスの頻度が高くなり、生産性が低下してしまうため好ましくない。
以上の実施例1〜5と比較例1及び2の結果を表1にまとめると、以下のとおりである。
Figure 2016204704
また、酸素供給量とPBN膜の酸素濃度、PBN密度の関係を図4、5に示す。
次に、グラファイト以外の基材を用いた実施例について説明する。
<実施例6−10>
実施例6−10では、図2に示す反応炉で、熱CVDにより耐熱基材を作製した。アンモニアガス18SLM、三塩化ホウ素ガス5SLMに加えて、Oガスを100sccm反応炉内に三重管で供給し、50mm×50mm×10mmtのC/Cコンポジット、熱分解黒鉛、シリコンカーバイド、タングステン、タンタル製のそれぞれの基材表面上に厚さ0.3mmとなるようにPBNをコートした。このときの炉内温度1900℃、圧力100Paに保持した。支持点を変更して、グラファイトが露出した未コート部分を、再度同様にPBNコートした。このようにして作製したそれぞれの耐熱基材のPBN膜中の酸素濃度を測定したところ、0.65〜0.71atom%であった。また、PBN膜の密度を測定したところ、2.12〜2.15g/cmであった。
さらに実施例1〜5同様に耐性試験をしたところ、PBN膜上に基材まで到達した穴は見られなかった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
01…本発明の耐熱基材、 02…基材、 03…PBN膜、
1…外管、 2…中管、3…内管、 4…供給管、 5…円筒、 6…ヒーター、
7…載置台、 8…回転機構、 9…基材、 10…支持治具、 11…PBN膜

Claims (4)

  1. 基材表面の一部もしくは全体が熱分解窒化ホウ素膜で被覆された構造の耐熱基材であって、前記熱分解窒化ホウ素膜が、酸素を0.001atom%以上3atom%以下含むものであることを特徴とする耐熱基材。
  2. 前記熱分解窒化ホウ素膜の密度が、2.00g/cm以上2.20g/cm以下であることを特徴とする請求項1に記載の耐熱基材。
  3. 前記基材が、グラファイト、C/Cコンポジットカーボン、熱分解黒鉛、シリコンカーバイド、タングステン、タンタルのいずれか1つである請求項1または2に記載した耐熱基材。
  4. 窒素原子を含有する気体とホウ素原子を含有する気体とからなる原料ガスからCVD法によって熱分解窒化ホウ素膜を基材表面上に被覆して耐熱基材を製造する方法において、酸素原子を含む気体を前記原料ガス中に混入することによって前記熱分解窒化ホウ素膜中に酸素を0.001atom%以上3atom%以下含ませることを特徴とする耐熱基材の製造方法。
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