JP2016200590A - 窒素の分析方法 - Google Patents

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正輔 高橋
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正輔 高橋
亮一 坂井
Ryoichi Sakai
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Abstract

【課題】改良デュマ法による窒素の分析方法であって、余剰酸素の発生量を低減してグラファイトの消耗を減らすことができ、燃焼に必要な酸素量の解析を事前に行う必要がなく、一層効率的に分析することができる窒素の分析方法を提供する。
【解決手段】窒素の分析方法では、加熱装置1において、酸素を供給しながら試料を燃焼させ、窒素酸化物および余剰酸素を含む試料ガスを生成した後、還元装置2において、グラファイトにより試料ガス中の余剰酸素を一酸化炭素および二酸化炭素に変換すると共に、銅により試料ガス中の窒素酸化物を窒素に変換し且つ生成される酸化銅を一酸化炭素で再生して当該一酸化炭素を二酸化炭素に変換し、次いで、得られた窒素を熱伝導度検出器5に導入して窒素の濃度を測定するに当たり、還元装置2においてグラファイトの温度変化を監視し、グラファイトの温度が上昇した際に酸素の供給を停止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、窒素の分析方法に関するものであり、詳しくは、食品などに含まれる窒素化合物を改良デュマ法により定量分析する方法であって、還元剤の消耗を減らすことができ且つ一層効率的に分析できるようにした窒素の分析方法に関するものである。
食品中の粗タンパク質等、窒素化合物含有試料中の窒素の定量分析においては、試料の燃焼(酸化)と還元により窒素を抽出する所謂デュマ法が多く利用されている。デュマ法による分析においては、先ず、加熱装置(加熱炉)において、酸素(O)を供給しながら加熱することにより試料を燃焼させ、試料ガスとして窒素酸化物(NO)を生成する。次いで、還元装置において、銅(Cu)等の還元剤に窒素酸化物(NO)を接触させてこれを窒素(N)に還元する。また、同時に、上記の還元装置において、加熱装置で燃焼に費やされなかった余剰酸素(O)を銅(Cu)と反応させて除去する。そして、得られた窒素(N)をヘリウムや炭酸ガス等のキャリアガスと共に熱伝導度検出器に導入して濃度を測定する(特許文献1,2参照)。
また、本発明者等は、上記のデュマ法による窒素分析において、還元剤である銅の消耗を低減し、還元装置における銅充填カラム等の交換の労力を軽減するため、改良デュマ法として、「窒素分析用試料の処理方法および処理装置」を提案している。斯かる処理方法および処理装置では、窒素酸化物(NO)と余剰酸素(O)とを含む試料ガスから窒素(N)を抽出するに当たり、予め、試料ガスをグラファイト(C)に接触させ、余剰酸素(O)を一酸化炭素(CO)及び二酸化炭素(CO)に変換した後、これを金属銅(Cu)に接触させることにより、窒素酸化物を還元して窒素(N)を生成し、同時に、還元反応で生成される酸化銅(CuO)を一酸化炭素(CO)で還元することにより銅(Cu)を再生し且つ一酸化炭素(CO)を二酸化炭素(CO)に変換することにより、試料ガスの成分を窒素(N)と二酸化炭素(CO)とし、そして、還元剤としての銅(Cu)の消耗を無くすようにしている(特許文献3参照)。
特開2003−107071号公報 特開2005−300550号公報 特許第5505293号公報
ところで、上記の改良デュマ法による分析では、安価なグラファイトを使用するにせよ、加熱装置で燃焼に費やされなかった余剰酸素の発生量が多くなるとグラファイトの消耗量も多くなる。そこで、通常は、余剰酸素の発生量を出来る限り少なくするため、試料の燃焼に必要な酸素量を予め実験で解析してデータ化しておき、データに基づき且つ試料の量に応じて計算された量の酸素を供給することにより、加熱装置への余分な酸素の供給を抑制している。しかしながら、試料によっては燃焼に必要な酸素量が大幅に異なるため、種々の試料を分析しようとすると、さらに幅広くデータを準備する必要があり、また、未知の試料を分析する場合は、燃焼に必要な酸素量を新たに解析する必要があり、多大な労力を必要とする。
本発明は、上記の実情に鑑みなされたものであり、その目的は、改良デュマ法による窒素の分析方法であって、系内での余剰酸素の発生量を低減してグラファイトの消耗を減らすことができ、しかも、未知の試料を分析する場合でも燃焼に必要な酸素量の解析を事前に行う必要がなく、酸素の供給量を的確にコントロールでき、一層効率的に分析することができる窒素の分析方法を提供することにある。
本発明では、改良デュマ法による窒素の分析方法において、加熱装置において酸素を供給しながら試料を燃焼させると共に、還元装置においてグラファイトの発熱による温度変化を監視し、グラファイトの温度が上昇した際、加熱装置における燃焼の終了点として酸素の供給を停止するようにした。
すなわち、本発明の要旨は、窒素含有試料中の窒素を定量分析する方法であって、加熱装置において、一定流量で酸素を供給しながら試料を燃焼させることにより、窒素酸化物および余剰酸素を含む試料ガスを生成した後、還元装置において、グラファイトにより試料ガス中の余剰酸素を一酸化炭素および二酸化炭素に変換すると共に、銅により試料ガス中の窒素酸化物を窒素に変換し且つ生成される酸化銅を一酸化炭素で再生して当該一酸化炭素を二酸化炭素に変換し、次いで、得られた窒素をキャリアガスと共に熱伝導度検出器に導入して窒素の濃度を測定するに当たり、還元装置においてグラファイトの温度変化を監視し、グラファイトの温度が上昇した際に酸素の供給を停止することを特徴とする窒素の分析方法に存する。
本発明によれば、還元装置においてグラファイトの温度変化を監視することにより、加熱装置における試料の燃焼の終了点を検出し、酸素の供給を停止するため、系内での余剰酸素の発生量を低減してグラファイトの消耗を減らすことができる。しかも、未知の試料を分析する場合でも、燃焼に必要な酸素量の解析を事前に行う必要がなく、試料の燃焼に必要なだけの酸素の供給量をコントロールすることができる。従って、種々の試料を幅広く分析でき、未知の試料についても一層効率的に分析することができる。
本発明に係る窒素の分析方法を実施するための窒素の分析装置の主要な構成を示すフロー図である。 図1に示す窒素の分析装置の主要部の構成を示すフロー図である。 試料を燃焼させた際のグラファイト充填カラムの温度変化を示すグラフである。
本発明に係る窒素の分析方法(以下、「分析方法」と言う。)の実施形態を図面に基づいて説明する。本発明の分析方法は、窒素化合物含有試料中の窒素を改良デュマ法によって定量分析する方法であり、食品や飼料中の粗タンパク質の定量、肥料中の全窒素の定量などに適用される。
先ず、本発明の分析方法を実施するために使用される窒素の分析装置(以下、「分析装置」と言う。)の基本的な構造について説明する。本発明に使用される分析装置は、特許第5505293号公報にその基本構造が開示されたものであり、斯かる分析装置は、図1に示すように、酸素を供給可能に構成され且つ試料を燃焼させて試料ガスを生成する加熱装置1と、当該加熱装置から導入される試料ガス中の窒素酸化物を窒素に変換し且つ余剰酸素を除去する還元装置2と、当該還元装置から導入される試料ガスの熱伝導度の変化を検出する熱伝導度検出器(TCD)5とから主として構成される。
図2に示すように、加熱装置1は、試料を燃焼させて窒素酸化物が含まれる試料ガスを生成する装置であり、試料が装入され且つ酸素およびキャリアガスが供給される燃焼管を加熱炉12内に配置して構成される。燃焼管は、試料が収容される例えば有底円筒状の金属製または石英製の内管13を外管11に収容した二重管構造に構成される。燃焼管の外管11と内管13との間に通気用の隙間を確保するため、例えば、外管11の内径は20〜50mm程度、内管13の外径は15〜40mm程度とされる。
加熱装置1の燃焼管の上流側端部(図2において上側)には、キャリアガス容器41(図1参照)から当該燃焼管へキャリアガスとして例えば二酸化炭素を供給する流路62が接続される。更に、斯かる流路62には、酸素容器42(図1参照)から燃焼管へ燃焼用の酸素を供給するための流路61が繋ぎ込まれる。そして、図1に示すように、燃焼管は、キャリアガス容器41に付設された減圧調整器(図示省略)及び流路62に配置された減圧弁72を介して、例えば0.1MPaのゲージ圧でキャリアガスが供給されるように構成される。
また、燃焼管は、燃焼操作の際、酸素容器42に付設された減圧調整器(図示省略)及び流路61に配置された流量コントローラー71及び電磁開閉弁73の制御により、例えば0.3〜0.5MPaの圧力で且つ100〜1000ml/minの流量で酸素が供給されるように構成される。なお、燃焼管は、電磁開閉弁73を開操作した場合、流路61と流路62の圧力差により、キャリアガスから切り替わって酸素が供給されるようになされている。そして、図1及び図2に示すように、加熱装置1の燃焼管の下流側端部(図2において下側)には、燃焼によって得られた試料ガスを取り出して還元装置2へ供給するための流路64が接続され、加熱装置1から還元装置2へ窒素酸化物、キャリアガス及び余剰酸素が含まれる試料ガスが供給されるようになされている。
図2に示すように、加熱装置1の加熱炉12は、燃焼管挿入穴が中心に設けられた円筒状の電気炉で構成される。斯かる電気炉は、円筒状のケーシングにセラミックファイバーの成形体、あるいは、セラミックファイバーとアルミナファイバーの混合繊維の成形体から成る保温材を収容し、かつ、保温材の内部に複数のヒーター、例えば、カンタル発熱体、ニクロム発熱体、シルバー発熱体などを金属管に収容して成るシーズドヒーターを埋設して構成される。加熱装置1においては、燃焼管の温度が例えば800〜1200℃となるように、燃焼管の温度を検出して加熱炉のヒーターへの通電が制御されるようになされている。なお、加熱装置1の燃焼管には、燃焼を促進するための粒状の酸化銅1aが酸化触媒として内管13よりも下流側(内管の下端側)の外管11に充填されていてもよい。
図1に示すように、還元装置2は、加熱装置1から導入される試料ガス中の窒素酸化物を窒素に変換し且つ余剰酸素を除去する装置であり、グラファイトが充填され且つ加熱装置1で得られた試料ガスから余剰酸素を除去する酸素除去装置20と、銅が充填され且つ酸素除去装置20で処理された試料ガス中の窒素酸化物を窒素に変換する還元反応装置30とから構成される。
酸素除去装置20は、試料ガスに含まれる酸素、すなわち、加熱装置1に供給され且つ消費されなかった余剰酸素を一酸化炭素および二酸化炭素に変換する装置であり、図2に示すように、グラファイト2aが充填された石英ガラス製のグラファイト充填カラム(反応管)21と、当該グラファイト充填カラムを加熱する加熱炉22とから構成される。
グラファイト充填カラム21の大きさは、前述の加熱装置1の燃焼管と略同様に設計され、また、加熱炉22も前述の加熱装置1の加熱炉と同様に構成される。そして、酸素除去装置20においては、グラファイト充填カラム21の温度が例えば500〜1000℃となるように、当該グラファイト充填カラムの温度を検出して加熱炉22のヒーターへの通電が制御されるようになされている。なお、酸素除去装置20のグラファイト充填カラム21に充填されるグラファイト2aとしては、酸素との接触効率を高める観点から、粒径1〜2mm程度の粒状のグラファイトが使用される。
酸素除去装置20のグラファイト充填カラム21の上流側端部(図2において下側)には、前述の加熱装置1から伸長された流路64が接続され、グラファイト充填カラム21の下流側端部(図2において上側)には、当該グラファイト充填カラムで処理された試料ガスを取り出して還元反応装置30へ供給するための流路65が接続される。すなわち、酸素除去装置20においては、試料ガスに含まれる余剰酸素とグラファイト2aとを反応させ、酸素を一酸化炭素および二酸化炭素に変換し、流路65を通じて、窒素酸化物、一酸化炭素及び二酸化炭素が含まれる試料ガスを還元反応装置30に供給するようになされている。
還元反応装置30は、酸素除去装置20で処理された試料ガス中の窒素酸化物を窒素に変換し、生成される酸化銅を試料ガス中の一酸化炭素で再生して当該一酸化炭素を二酸化炭素に変換する装置であり、図2に示すように、銅3aが充填された石英ガラス製の銅充填カラム(反応管)31と、当該銅充填カラムを加熱する加熱炉32とから構成される。銅充填カラム31の大きさは、前述の加熱装置1の燃焼管と略同様に設計され、また、加熱炉32も加熱装置1の加熱炉12と同様に構成される。銅充填カラム31に充填される代表的な還元銅3aとしては、試料ガスとの接触効率を高める観点から、線径(φ)0.4〜1mm程度、長さ2〜5mm程度の線状の銅が使用される。そして、還元反応装置30においては、銅充填カラム31の温度が例えば500〜800℃となるように、当該銅充填カラムの温度を検出して加熱炉32のヒーターへの通電が制御されるようになされている。
還元反応装置30の銅充填カラム31の上流側端部(図2において上側)には、前述の酸素除去装置20から伸長された流路65が接続され、銅充填カラム31の下流側端部(図2において下側)には、銅充填カラム31で処理された試料ガスを取り出して熱伝導度検出器5へ供給するための流路66が接続される。すなわち、還元反応装置30においては、試料ガスに含まれる窒素酸化物と還元剤である銅3aとを反応させて窒素酸化物を窒素に変換し、また、同時に、生成される酸化銅を試料ガス中の一酸化炭素で銅に再生し且つこれにより試料ガス中の一酸化炭素を二酸化炭素に変換し、そして、流路66を通じて、窒素及び二酸化炭素が含まれる試料ガスを熱伝導度検出器5に送出するようになされている。
また、図2に示す分析装置では、酸素除去装置20において試料ガス中の余剰酸素をグラファイト2aと反応させて一酸化炭素および二酸化炭素に変換するが、最初に加熱装置1に導入される酸素の量、および、加熱装置1で生成される試料ガス中の窒素酸化物の量、すなわち、還元反応装置30における酸化銅の生成量によっては、還元反応装置30から余剰の一酸化炭素が排出され、これにより、後段の熱伝導度検出器5における窒素の測定精度が低下する虞がある。そこで、還元反応装置30において一酸化炭素を確実に二酸化炭素に変換するため、還元反応装置30の銅充填カラム31の下流側、すなわち、還元剤としての銅3aよりも後段側には、過剰の一酸化炭素を二酸化炭素に変換する酸化剤としての酸化銅3bが充填される。なお、酸化銅3bとしては、前述の銅3aと同様の線状のものが使用される。
更に、上記のように、酸化銅3bによる一酸化炭素の酸化処理を続けた場合、酸化銅3bが銅に変化し、酸化銅3bが漸次減少する。そこで、図2に示す分析装置においては、メンテナンスや回分の分析処理の間など、分析を停止している際、酸化剤としての酸化銅3bを再生するため、還元反応装置30の銅充填カラム31には、酸素導入用の流路69が付設される。流路69は、通常、銅充填カラム31の銅3aの収容部と酸化銅3bの収容部との境界部分に接続され、これにより、銅充填カラム31は、流量コントローラー71(図1参照)による制御により、酸素容器42から酸素を一定流量で供給可能に構成される。
また、図1に示すように、流路66には、水分を除去するための除湿器81、ハロゲン等の腐食性ガスを除去するための不要物除去剤充填カラム82が配置されていてもよい。そして、図1に示す分析装置においては、窒素および二酸化炭素が含まれる試料ガスを例えば20〜100ml/minで熱伝導度検出器5へ導入するため、流路66には、流量調整弁75及び減圧弁76が配置される。
更に、流路66には、試料ガスから水分を除去するためのガスドライヤー43が配置され、斯かるガスドライヤー43には、酸素容器42から流路60を通じて除湿用の酸素が供給されるようになされている。一方、流路63には、キャリアガスを例えば試料ガスと同様に0.03MPaで熱伝導度検出器5に供給するために減圧弁79が配置され、更に、キャリアガス中の水分を除去するための除湿剤カラム44が配置される。除湿剤カラム44に収容される除湿剤としては、例えば、水分量に応じて変色する指示薬を五酸化二燐の粒子に混合したものが使用される。
熱伝導度検出器5は、ガスクロマトグラフにおいて一般的に使用されるTCD(Thermal Conductivity Detector)であり、一対の加熱フィラメント及び抵抗測定用の回路を備え、キャリアガスと同様のガスを基準ガスとして一方のフィラメントに流し、キャリアガスを含む試料ガスを他方のフィラメントに流し、両方のフィラメントにおける電気抵抗の差を比較することにより、試料ガスの熱伝導度の変化を検出する測定器であり、熱伝導度の変化に基づいてコンピュータにより例えば窒素濃度を解析することができる。
ところで、改良デュマ法による分析では、加熱装置1で燃焼に費やされなかった余剰酸素の発生量が多くなると還元剤であるグラファイト1aの消耗量も多くなる。そこで、本発明においては、余剰酸素の発生量を出来る限り少なくするため、図1及び図2に示すように、分析装置は、還元装置2においてグラファイトの温度変化を監視し、流路61からの酸素の供給を調節するように構成されている。
具体的には、還元装置2の酸素除去装置20のグラファイト充填カラム21には温度センサー9が設けられる。温度センサー9としては、各種のサーミスタや測温抵抗体を使用することができる。斯かる温度センサー9は、例えば、酸素除去装置20の加熱炉22の外側からグラファイト充填カラム21の表面まで貫通して設けられたセンサー挿入穴(図示省略)に配置されたり、グラファイト充填カラム21と加熱炉22との隙間に挿入される。また、温度センサー9としては、グラファイト充填カラム21の温度を検出して加熱炉22のヒーターを制御するために付設された熱電対を利用することもできる。これにより、グラファイト2aの発熱状態を監視し、加熱装置1における試料の燃焼の終了点を検出することができる。
次に、図1及び図2に示す分析装置を使用した本発明の分析方法について説明する。窒素の定量分析では、先ず、加熱装置1において、燃焼管の内管13に試料を収容した後、電磁開閉弁73を開操作し、燃焼管に酸素(O)を100〜1000ml/minの流量で供給しながら、加熱炉12によって燃焼管を800〜1200℃に加熱することにより、試料を燃焼させて試料ガスを生成する。得られる試料ガスは、試料中の窒素化合物から生じた窒素酸化物(NO)、消費されなかった余剰酸素(O)、および、二酸化炭素(CO)を含んでいる。
次いで、試料の燃焼により得られた上記の試料ガスを還元装置2の酸素除去装置20のグラファイト充填カラム21に導入し、グラファイト2aに接触させる。その際、グラファイト充填カラム21は、加熱炉22によって500〜1000℃に加熱した状態に保持しておく。これにより、試料ガス中の余剰酸素(O)を一酸化炭素(CO)及び二酸化炭素(CO)に変換する。
続いて、酸素除去装置20から送出される試料ガス、すなわち、窒素酸化物(NO)、一酸化炭素(CO)及び二酸化炭素(CO)が含まれるガスを還元反応装置30の銅充填カラム31に導入し、還元剤である金属銅(Cu)3aに接触させ、窒素酸化物(NO)を窒素(N)に変換する。その際、還元反応装置30の銅充填カラム31は、加熱炉32によって500〜800℃に加熱した状態に保持しておく。すなわち、還元反応装置30においては、銅3aに試料ガスを接触させることにより、試料ガス中の窒素酸化物(NO)を銅(Cu)で還元し、窒素(N)を生成する。
また、還元反応装置30においては、窒素酸化物の還元処理で生じる酸化銅を銅に再生する。すなわち、還元反応装置30においては、窒素酸化物(NO)の還元によって酸化銅(CuO)が生成されるが、試料ガスには前段の酸素除去装置20で生成された一酸化炭素(CO)が含まれているため、斯かる一酸化炭素(CO)と酸化銅(CuO)を反応させ、酸化銅(CuO)を銅(Cu)に還元、再生することができる。そして、銅(Cu)の再生により、換言すれば、生成される酸化銅(CuO)によって試料ガス中の一酸化炭素(CO)を二酸化炭素(CO)に変換することができる。
更に、還元反応装置30においては、銅充填カラム31に酸化銅(CuO)3bが酸化剤として予め充填されており、酸素除去装置20で過剰に一酸化炭素が生成された場合には、酸化銅3bによって試料ガス中の一酸化炭素(CO)を二酸化炭素(CO)に変換できる。その結果、還元反応装置30においては、窒素(N)及び二酸化炭素(CO)からなる試料ガスを得ることができる。
本発明では、上記のような一連の操作において、還元装置2の酸素除去装置20でグラファイト2aによって余剰酸素(O)を一酸化炭素(CO)及び二酸化炭素(CO)に変換する際、斯かる還元反応を安定して進行させるため、グラファイト充填カラム21の温度を加熱炉22によって前述のような所定温度に維持するが、その場合、温度センサー9を使用し、グラファイト充填カラム21の温度、換言すれば、反応中のグラファイト2aの温度変化を監視する。そして、試料の燃焼が終了すると、グラファイト充填カラム21に流入する酸素(O)の量(濃度)が増加し、グラファイト2aの反応量も増加してグラファイト2aの温度、すなわち、グラファイト充填カラム21の温度が上昇する。具体的には、図3に示すように、例えば酸素(O)を500ml/minで供給した場合、グラファイト充填カラム21の温度が当初の設定温度の例えば900℃から管理温度(試料が充分に燃焼された後の温度)の例えば905〜920℃まで上昇する。そこで、グラファイト充填カラム21の温度が上記の温度まで上昇した際、加熱装置1での試料の燃焼の終了点と判断して、燃焼用の酸素(O)の供給を停止する。
加熱装置1への酸素(O)の供給を停止する場合は、電磁開閉弁73を閉操作することにより、系内への酸素(O)の供給を停止し且つキャリアガスである例えば炭酸ガス(CO)を100〜1000ml/minの流量で供給し、還元装置2で得られた窒素(N)をキャリアガスと共に熱伝導度検出器5に導入して濃度を測定する。また、加熱装置1への酸素(O)の供給を停止する方法としては、流量コントローラー71によって、例えば、酸素(O)の供給流量を500、300、100、0ml/minと漸減させてもよい。このように、酸素(O)の流量を徐々に減らした場合には、急激な圧力変化をなくし、熱伝導度検出器5における検出信号への影響を低減することができる。
上記のように、本発明の分析方法によれば、加熱装置1において、一定流量で酸素を供給しながら試料を燃焼させることにより、窒素酸化物および余剰酸素を含む試料ガスを生成した後、還元装置2において、グラファイト2aにより余剰酸素を除去し且つ銅3aにより窒素酸化物を窒素に還元し、次いで、得られた窒素をキャリアガスと共に熱伝導度検出器5に導入して窒素の濃度を測定するに当たり、温度センサー9でグラファイト2aの温度を監視すると共に、加熱装置1に酸素を供給して燃焼を開始した後、グラファイト2aの温度が上昇した際に酸素の供給を停止する。すなわち、加熱装置1における試料の燃焼の終了点をグラファイト2aによって検出し酸素の供給を停止する。従って、系内での余剰酸素の発生量を低減してグラファイト2aの消耗を減らすことができる。しかも、燃焼に必要な酸素量の解析を事前に行う必要がなく、試料の燃焼に必要なだけの酸素の供給量をコントロールすることができるため、種々の試料を幅広く分析でき、未知の試料についても一層効率的に分析することができる。
1 :加熱装置
11:外管(燃焼管)
12:加熱炉
13:内管(燃焼管)
1a:酸化銅
2 :還元装置
20:酸素除去装置
21:グラファイト充填カラム
22:加熱炉
2a:グラファイト
30:還元反応装置
31:銅充填カラム
32:加熱炉
3a:銅
3b:酸化銅
41:キャリアガス容器
42:酸素容器
5 :熱伝導度検出器
71:流量コントローラー
73:電磁開閉弁
9 :温度センサー

Claims (3)

  1. 窒素含有試料中の窒素を定量分析する方法であって、加熱装置において、一定流量で酸素を供給しながら試料を燃焼させることにより、窒素酸化物および余剰酸素を含む試料ガスを生成した後、還元装置において、グラファイトにより試料ガス中の余剰酸素を一酸化炭素および二酸化炭素に変換すると共に、銅により試料ガス中の窒素酸化物を窒素に変換し且つ生成される酸化銅を一酸化炭素で再生して当該一酸化炭素を二酸化炭素に変換し、次いで、得られた窒素をキャリアガスと共に熱伝導度検出器に導入して窒素の濃度を測定するに当たり、還元装置においてグラファイトの温度変化を監視し、グラファイトの温度が上昇した際に酸素の供給を停止することを特徴とする窒素の分析方法。
  2. 還元装置として、グラファイト充填カラム及び当該グラファイト充填カラムを加熱する加熱炉からなる酸素除去装置と、銅充填カラム及び当該銅充填カラムを加熱する加熱炉からなる還元反応装置とを備え、かつ、グラファイト充填カラムに温度センサーが設けられた還元装置を使用する請求項1に記載の分析方法。
  3. 還元反応装置の銅充填カラムには、上流側に還元剤としての銅が充填され、下流側に酸化剤としての酸化銅が充填されている請求項2に記載の分析方法。
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