JP2016200531A - 分析方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂試料中の可塑剤を容易に定性可能な、分析方法を提供する。【解決手段】少なくともベンゼン環を有する低分子化合物を可塑剤として含む樹脂試料の、薄層クロマトグラフィー用の抽出溶媒が、エタノールを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、分析方法に関する。
環境への影響などの観点から、フタル酸エステル類などの、ベンゼン環を有する低分子化合物を含む可塑剤が規制対象とされている。また、添加されたトリメリット酸エステル類などの可塑剤についても、溶出などの弊害がある。このため、樹脂試料中に含まれる可塑剤を、容易に定性することが望まれている(例えば、特許文献1参照)。
樹脂試料中に含まれる可塑剤の分析方法としては、ガスクロマトグラフ質量分析法、液体クロマトグラフ質量分析法、などが用いられている。しかし、これらのガスクロマトグラフ質量分析法や、液体クロマトグラフ質量分析法では、可塑剤を精密に定性することが可能であるが、分析に多大な工数や高度な専門技術を要し、また、専門機関に依頼をすると測定結果を得るまでに長時間を要する。
簡易な分析方法としては、薄層クロマトグラフィー(TLC:Thin Layer Chromatography)を用いた分析方法が知られている。
特開平11−44678号公報
しかし、薄層クロマトグラフィーでは、移動相内の混合成分を固定相に分離して同定する事が可能である。ここで、樹脂試料中の分析対象である可塑剤を抽出溶媒に溶解させるときに、分析対象である可塑剤を含む添加剤以外の成分(樹脂)が共に溶解される場合がある。このため、抽出溶液を薄層クロマトグラフィー用のプレートに塗布して展開させると、分析対象外の樹脂と分析対象の可塑剤とが分離せず、定性分析することが困難となる場合があった。また、分析対象以外の成分が含まれないようにするために抽出能力を低下させると、目的成分の抽出効率の低下が懸念され、抽出溶媒を用いた薄層クロマトグラフィーは非効率と考えられることもあった。このため、従来では、簡易な方法で、樹脂試料中の可塑剤を容易に定性分析することは困難であった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、樹脂試料中の可塑剤を容易に定性分析可能な、分析方法を提供することを主な目的とする。
本発明の分析方法は、少なくともベンゼン環を有する低分子化合物を可塑剤として含む樹脂試料の、薄層クロマトグラフィー用の抽出溶媒が、エタノールを含むことを特徴とする。
本発明によれば、樹脂試料中の可塑剤を容易に定性分析することができる、という効果を奏する。
実施例5の評価結果を示す図。 比較例1の評価結果を示す図。
以下に、分析方法の実施の形態を詳細に説明する。
本実施の形態の分析方法は、薄層クロマトグラフィー(TLC:Thin Layer Chromatography)を用いた分析方法である。分析対象は、樹脂試料に含まれる可塑剤である。本実施の形態において、分析対象とする可塑剤は、少なくともベンゼン環を有する低分子化合物である。
本発明者らは、抽出溶媒として、エタノールを含む抽出溶媒を用いることで、樹脂試料に含まれる上記可塑剤を選択的に抽出溶媒に溶解させることができる事を見出した。すなわち、エタノールを含む抽出溶媒には、樹脂試料に含まれる分析対象である可塑剤を含む添加剤以外の成分(例えば樹脂)は顕著な溶解性を有さないことを見出した。
このため、本実施の形成の分析方法によれば、樹脂試料中の可塑剤を容易に定性することができる、という効果を奏することが明らかとなった。
以下、詳細を説明する。
<樹脂試料>
樹脂試料は、分析対象の可塑剤と、樹脂と、滑剤、充填材などを含む。
―樹脂―
樹脂試料に含まれる樹脂は限定されない。樹脂試料に含まれる樹脂は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどである。なお、樹脂試料に含まれる樹脂は、上記樹脂を2種以上含むものであってもよい。
―可塑剤―
本実施の形態における、分析対象の可塑剤は、少なくともベンゼン環を有する低分子化合物である。
低分子とは、本実施の形態では、重量平均分子量が1000以下の範囲を示し、結合分子数が1以上4以下であることを示す。
本実施の形態における分析対象の可塑剤は、少なくともベンゼン環を有する低分子化合物であればよいが、具体的には、フタル酸エステル類や、トリメリット酸エステル類が挙げられる。
フタル酸エステル類は、例えば、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DEHP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)、フタル酸ジ−n−ブチル(DBP)、フタル酸ジメチル(DMP)、フタル酸ブチルベンジル(BBP)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジシクロヘキシル(DCHP)、フタル酸ジ−n−ヘプチル(DNHP)、フタル酸ジ−n−オクチル(DNOP)、フタル酸ジプロピル(DPRP)、フタル酸ジペンチル(DPP)、フタル酸ジヘキシル(DHP)、フタル酸ジイソブチル(DIBP)などである。
トリメリット酸エステル類は、例えば、トリメリット酸トリ2−エチルヘキシル(TOTM)、トリメリット酸トリノルマルアルキル、トリメリット酸トリイソデシルなどである。
これらの中でも、本実施の形態の分析方法では、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DEHP)、フタル酸ジ−n−ブチル(DBP)、およびトリメリット酸トリ2−エチルヘキシル(TOTM)の定性分析に特に効果的である。
なお、樹脂試料に含まれる可塑剤は、1種類であってもよいし、複数種であってもよい。
樹脂試料に含まれる可塑剤の含有量は、本実施の形態では、各種法規制しきい値に見られる1000ppm以上であることが好ましい。
<抽出溶媒>
本実施の形態の分析方法において用いる抽出溶媒は、エタノールを含む。
抽出溶媒に含まれるエタノールの含有量は、抽出溶媒100体積%に対して、50体積%以上であることが好ましく、抽出温度を55℃まで上昇させた場合には、20体積%以上であることが好ましい。また、抽出溶媒を、エタノール(エタノール100体積%)としてもよい。
抽出溶媒は、エタノールを含む溶媒であればよく、水などの極性溶媒や、有機溶媒など、エタノールと相溶性のある(芳香族を分子構造内に含まない)他の溶媒を含んでいてもよい。
抽出溶媒に含まれていてもよいエタノール以外の他の溶媒としては、具体的には、ポリプロプレングリコール、ポリオキシエーテルなどが挙げられる。なお、分析結果への影響および揮発性を考慮し、かつ、特別な化学分析設備を持たないような生産現場でも容易に扱えるという観点から、抽出溶媒には、エタノールのみ、またはエタノールと水とを含むエタノール溶液を用いることが好ましい。
なお、抽出溶媒を、エタノールと、水と、を含むエタノール溶液とする場合、エタノール溶液におけるエタノール濃度は、20%〜100%が好ましく、50%〜100%が更に好ましく80%〜100%が特に好ましい。
<TLC用のプレート>
TLC用のプレートは、支持体上に、固定相を積層させた構成である。
TLCに使用する支持体は、特に制限されない。TLCに使用する支持体は、例えば、ガラス板、アルミシート、プラスチックシートなどである。
TLCに使用する固定相は、特に制限されない。TLCに使用する固定相は、例えば、シリカゲル、シリカゲル−硫酸カルシウム、シリカゲル−ホウ酸ナトリウム、シリカゲル−硝酸銀、疎水シリカゲル、アルミナ、セルロース、アガロース、各種化学修飾担体などである。これらの中でも、本実施の形態における可塑剤を分離するための固定相には、シリカゲルを用いることが好ましい。
<展開溶媒>
TLCに用いる展開溶媒は、限定されない。
例えば、展開溶媒は、アセトンとn-ヘキサンの1対4(体積比、以下同様)の混合溶媒、アセトンとn−ヘキサンの1対6の混合溶媒、アセトンとn−ヘキサンの1対9の混合溶媒、アセトン100%、アセトンとn−ヘキサンの1対30の混合溶媒、アセトンとn−ヘキサンの50対1の混合溶媒、アセトニトリル、アセトニトリルと水の8対2の混合溶媒、エタノール、エタノールとアセトンの2対1の混合溶媒、メタノール、メタノールと水の9対1の混合溶媒、メタノールと水の1対1の混合溶媒、IPA(イソプロピルアルコール)とエタノールの6対1の混合溶媒、IPAとエタノールの3:1の混合溶媒、酢酸、酢酸とエタノールとの1対6の混合溶媒、などが挙げられる。
展開溶媒は、分析対象の可塑剤の種類や、抽出溶媒の組成などに応じて、適宜選択すればよい。
上記の中でも、樹脂試料に複数種類の可塑剤が含まれる場合の、これらの各種類の可塑剤の展開時の分離のしやすさの観点から、展開溶媒としては、アセトニトリル、IPA(イソプロピルアルコール)とエタノールとの6対1の混合溶媒、IPAとエタノールとの3:1の混合溶媒、酢酸、または、酢酸とエタノールとの1対6の混合溶媒を用いることが好ましい。これらの中でも、特に、アセトニトリルを展開溶媒として用いることが好ましい。
<分析工程>
次に、本実施の形態における、TLCを用いた分析方法の流れを説明する。
―溶解工程―
まず、樹脂試料を粉砕し、本実施の形態における、エタノールを含む抽出溶媒に浸漬させる。なお、粉砕の程度は、細かいほうが好ましいが、ミルなどを用いた粉末状となるまでの粉砕をしなくとも、可塑剤を溶出可能である。例えば、溶出対象が主成分である場合、樹脂試料は数cm程度の大きさに粉砕すればよい。
次に、樹脂試料を抽出溶媒に浸漬させた浸漬溶液を、撹拌することで、樹脂試料に含まれる可塑剤を抽出溶媒に溶解させる。
このとき、樹脂試料を抽出溶媒に浸漬させた浸漬溶液を、抽出溶媒の沸点未満の温度で加熱することが好ましい。例えば、抽出溶媒としてエタノールを用いる場合、50℃で加熱する。加熱時間は、分析対象の可塑剤の種類にもよるが、例えば、樹脂試料に含まれる分析対象の可塑剤がフタル酸ジ−n−ブチル(DBP)と、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DEHP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、トリメリット酸トリ2−エチルヘキシル(TOTM)などを主成分とする場合、1時間〜3時間である。また、これらの可塑剤の、樹脂試料における含有量が数%以下の場合には、最長60時間である。
次に、浸漬溶液を、濃縮することが好ましい。例えば、濃縮は、浸漬溶液を、時計皿、アルミ皿、またはアルミカップ等に入れ、これらの容器を斜めにして室温にて浸漬溶液のみを蒸発させることで行えばよい。
―展開工程―
ガラス製の展開層に深さ5〜7mmとなるように、展開溶媒を入れ、蓋をして数時間放置し、層内の蒸気を平衡とする。
そして、上記浸漬溶液を毛細管またはマイクロシリンジを用いて、TLC用のプレートに着点(スポット)する。そして、着点したTLC用のプレートを、展開層に入れ、展開溶媒がTLC用のプレートの上端から3mm程度のところにくるまで放置する(すなわち、展開させる)。
―確認工程―
展開したTLC用のプレートが乾燥した後に、中心波長254nmの紫外線を照射し、この光を吸収する(プレート上でスポット状に暗くなる)部分を確認する。この位置が、芳香族を分子構造に持つ物質が存在する位置である。該プレートにおける、スポットのRf値を標準物質のRf値と比較することで、可塑剤の種類を定性する。これにより、樹脂材料に含まれる可塑剤を定性する。
以上説明したように、本実施の形態の分析方法では、少なくともベンゼン環を有する低分子化合物を可塑剤として含む樹脂試料の、薄層クロマトグラフィー用の抽出溶媒が、エタノールを含む。
エタノールを含む抽出溶媒を用いることで、樹脂試料に含まれる上記可塑剤を選択的に抽出溶媒に溶解させることができる。このため、上記可塑剤が選択的に溶解した抽出溶媒を用いて、TLCにより定性分析を行うことで、樹脂試料に含まれる可塑剤を容易に定性することができる。
従って、本実施の形態の分析方法では、樹脂試料に含まれる可塑剤を容易に定性分析することができる。
なお、TLC用のプレートに着点(スポット)した際に、着目する可塑剤成分が、抽出された成分のごく微量である場合には、更に、TLCプレート着点時に濃縮を行ってもよい。具体的には、プレート上へ、常に1mmのスポット或いはマイクロキャピラリの一定の目盛を数回〜十数回滴下し、濃縮すればよい。
なお、本実施の形態の抽出溶媒に樹脂試料を浸漬させた浸漬溶液を、公知の分析方法に適用することも可能である。例えば、本実施の形態における浸漬溶液を用いて、FT−IR(フーリエ変換赤外分光)や、ガスクロマトグラフ質量分析(GC−MS)による、可塑剤の分析を行ってもよい。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。尚、以下において「%」は、特に基準を示さない限り質量基準である。
<抽出溶媒の用意>
抽出溶媒として、下記抽出溶媒を用意した。
・抽出溶媒1:エタノール
・抽出溶媒2:エタノールと水の混合液
・比較溶媒1:メタノール
<展開溶媒の用意>
展開溶媒として、下記展開溶媒を用意した。
・展開溶媒1:アセトニトリル
<TLC用のプレート>
・TLC用のプレート1:プレート1として、メルク社製、kieselgel 60F254を用意した。このプレート1は、は、極性の高いカラム(固定相)を用いた順相クロマトグラフィー用のプレートである。
・TLC用のプレート2:プレート2として、メルク社製、RP−18 F254Sを用意した。このプレート2は、極性の低いカラム(固定相)を用いた逆相クロマトグラフィー用のプレートである。
<樹脂試料の用意>
樹脂試料として、下記の樹脂試料を用意した。
・樹脂試料1:樹脂試料1に含まれる可塑剤の種類および含有量は、TOTM、DBP(樹脂試料における含有量37ppm)、DEHP(樹脂試料における含有量34000ppm)、DINP(樹脂試料における含有量140ppm)であった。また、樹脂試料1に含まれる樹脂の種類はPVC(ポリ塩化ビニル)であった。
・樹脂試料2:樹脂試料2に含まれる可塑剤の種類および含有量は、TOTM、DBP(樹脂試料における含有量85ppm)、DEHP(樹脂試料における含有量250ppm)、DINP(樹脂試料における含有量30ppm未満)、であった。また、樹脂試料2に含まれる樹脂の種類はPVC(ポリ塩化ビニル)であった。
・樹脂試料3:樹脂試料3に含まれる可塑剤の種類および含有量は、TOTM、DBP(樹脂試料における含有量150ppm)、DEHP(樹脂試料における含有量220ppm)、DINP(樹脂試料における含有量30ppm未満)であった。また、樹脂試料3に含まれる樹脂の種類はPVC(ポリ塩化ビニル)であった。
・樹脂試料4:樹脂試料4に含まれる可塑剤の種類および含有量は、TOTM、DEHP(樹脂試料における含有量200ppm)であった。また、樹脂試料4に含まれる樹脂の種類はPVC(ポリ塩化ビニル)であった。
[実施例1]
本実施例では、樹脂試料1、抽出溶媒1、および展開溶媒1を用い、上記用意したTLC用のプレート2を用いて、薄層クロマトグラフィーによる定性分析を行った。
まず、樹脂試料1を粉砕し、抽出溶媒1に浸漬させた。樹脂試料の粉砕は、長さ1mm以下になるように、ハサミを用いて行った。
そして、粉砕した樹脂試料1を抽出溶媒1に浸漬させた浸漬溶液を、6mLのスクリュー管瓶にいれ、栓をし、1〜2分撹拌した後に、オーブンに入れ、該抽出溶媒1の沸点未満の温度である50℃で60時間加熱した。
次に、加熱した浸漬溶液を、室温にて溶媒成分をほぼ蒸発させ、濃縮した。
次に、300ccビーカーに深さ5mmとなるように展開溶媒1を入れ、蓋をして1時間放置し、層内の蒸気を平衡にした。
そして、本実施例における浸漬溶液を、マイクロシリンジを用いて、TLC用のプレート2に着点(スポット)した。そして、着点したTLC用のプレート2を、展開層に入れ、展開溶媒がTLC用のプレート2の上端から1cm程度のところにくるまで放置した、すなわち、展開させた。そして、展開したTLC用のプレート2にUV(254nm)照射を行った。
―評価結果―
展開時間15分の段階で、展開したTLC用のプレート2におけるRf値を、別途作製した標準物質のRf値と比較することで、可塑剤の種類を定性したところ、DEHPが確認できた。
このため、実施例1では、樹脂試料1に含まれる全ての種類の可塑剤の内、DEHPについて、TLCを用いて、簡易かつ良好に定性できることが確認できた。
[実施例2]
樹脂試料1に代えて、樹脂試料2を用いた以外は、実施例1と同様にして展開を行った。
―評価結果―
展開時間15分の段階で、展開したTLC用のプレート2におけるRf値を、別途作製した標準物質のRf値と比較することで、可塑剤の種類を定性したところ、TOTMと、DBPと、が確認できた。
このため、実施例2では、樹脂試料2に含まれる全ての種類の可塑剤の内、TOTMと、DBPと、について、TLCを用いて、簡易かつ良好に定性できることが確認できた。
[実施例3]
樹脂試料1に代えて、樹脂試料3を用いた以外は、実施例1と同様にして展開を行った。
―評価結果―
展開時間15分の段階で、展開したTLC用のプレート2におけるRf値を、別途作製した標準物質のRf値と比較することで、可塑剤の種類を定性したところ、TOTMと、DINPと、が確認できた。
このため、実施例3では、樹脂試料3に含まれる全ての種類の可塑剤の内、TOTMと、DINPについて、TLCを用いて、簡易かつ良好に定性できることが確認できた。
[実施例4]
樹脂試料1に代えて、樹脂試料4を用いた以外は、実施例1と同様にして展開を行った。
―評価結果―
展開時間15分の段階で、展開したTLC用のプレート2におけるRf値を、別途作製した標準物質のRf値と比較することで、可塑剤の種類を定性したところ、TOTMが確認できた。
このため、実施例4では、樹脂試料4に含まれる全ての種類の可塑剤の内、TOTMについて、TLCを用いて、簡易かつ良好に定性できることが確認できた。
[実施例5]
抽出溶媒1に代えて、抽出溶媒2を用いた以外は、実施例2と同様にして展開を行った。その結果、図1に示す結果が得られた。
―評価結果―
展開時間15分の段階で、展開したTLC用のプレート2におけるRf値を、別途作製した標準物質のRf値と比較することで、可塑剤の種類を定性したところ、TOTMと、DEHPと、が確認できた。
このため、実施例5では、樹脂試料2に含まれる全ての種類の可塑剤の内、TOTMと、DEHPについて、TLCを用いて、簡易かつ良好に定性できることが確認できた。
[比較例1]
抽出溶媒として、抽出溶媒1に代えて、比較溶媒1(メタノール)を用いた以外は、実施例2と同じ条件で展開を行った。その結果、図2に示す結果が得られた。
―評価結果―
展開時間15分の段階で、展開したTLC用のプレート2におけるRf値を、別途作製した標準物質のRf値と比較することで、可塑剤の種類を定性したところ、TOTMと、DNOP(フタル酸ジ−n−オクチル)と、が確認できた。
本比較例で用いた樹脂試料2には、DNOPは含有されていない。このため、比較例1では、樹脂試料に含まれる可塑剤を、TLCを用いて良好に定性することはできなかった。

Claims (4)

  1. 少なくともベンゼン環を有する低分子化合物を可塑剤として含む樹脂試料の、薄層クロマトグラフィー用の抽出溶媒が、エタノールを含むことを特徴とする、分析方法。
  2. 前記抽出溶媒は、エタノールである、請求項1に記載の分析方法。
  3. 前記薄層クロマトグラフィー用の展開溶媒が、アセトニトリルである、請求項1または請求項2に記載の分析方法。
  4. 前記可塑剤は、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジ−n−ブチル、およびトリメリット酸トリ2−エチルヘキシル、の少なくとも1つの前記低分子化合物を含む、
    請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の分析方法。
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