JP2016200293A - 冷却器 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷媒の自励振動を伴い発熱体を冷却する冷却器であって、加熱部内の一部を蒸気溜めとして機能させつつ、加熱部にて液冷媒が蒸発する領域がその蒸気溜めに起因して縮小されることを抑えることができる冷却器を提供することを目的とする。
【解決手段】浸透部142、143は加熱部空間14a内に配置され、上死点位置P0を跨いで冷媒振動方向DRvに沿った一方側から他方側にかけて形成されている。従って、加熱部空間14a内において、気液界面26の上死点位置P0を超えて下死点位置P1側とは反対側にまで液冷媒を浸透部142、143への浸透によって拡散し、多くの液冷媒を発熱体121、122の熱で気化させることが可能である。そして、加熱部空間14a内では蒸気冷媒を発熱体121、122の熱により蒸気のまま維持し溜めることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷媒を用いて発熱体を冷却する冷却器に関するものである。
作動流体が封入された流体容器内のその作動流体を加熱する加熱部と、その加熱部により加熱され気化した蒸気を冷却する冷却部とを有する蒸気エンジンが、特許文献1に開示されている。その特許文献1の蒸気エンジンは、蒸気の膨脹圧力により液体を流動変位させて機械的エネルギを出力するとともに、蒸気を冷却部にて冷却して液化することにより流体容器内の作動流体を自励振動変位させる。
また、流体容器において、加熱部に対して冷却部側とは反対側にガス室が設けられており、そのガス室には不活性ガスが封入されている。また、そのガス室は外部環境に晒されている。
特許第4411829号公報
特許文献1の蒸気エンジンは、上述のように機械的エネルギを出力するものであるが、特許文献1のような蒸気エンジンを、機械的エネルギを得ることとは別の目的に活用することができる。例えば、本発明者らは、加熱部から冷却部への熱移動が流体容器内での作動流体の自励振動変位により促進されるので、冷却すべき発熱体で加熱部の発熱源を構成したとすれば、その発熱体を冷却するための冷媒として流体容器内の作動流体を用いることができると考えた。すなわち、特許文献1の蒸気エンジンを、その発熱体を冷却する冷却器として活用することが可能であると考えた。
また、この特許文献1の蒸気エンジンのような構成を有する冷却器では、加熱部に対して冷却部側とは反対側に接続されたガス室に不活性ガスを封入せずに、そのガス室を、加熱部で気化された蒸気冷媒を保持する蒸気保持部として機能させることができる。そのようにした場合、その冷却器の蒸気保持部は、液冷媒を加熱部において冷却部から遠い側の端にまで流入させる役割を果たし、それにより、自励振動1サイクル当たりの蒸気冷媒の発生量を増加させ、冷媒の自励振動を安定作動させる。
逆に、冷却器において、例えば仮に蒸気保持部を廃止したとすれば、冷媒が冷却部から加熱部に流入してすぐに発生した蒸気冷媒によって加熱部内の圧力が上昇し、その圧力上昇に起因して、冷却部から加熱部へ流入する液冷媒を冷却部から遠い側の端にまで流入させることができなくなる。また、蒸気保持部を廃止すると共に加熱部の体積を大きくしたとしても、その場合、蒸気冷媒の発生量は増加するものの、加熱部で発生した蒸気冷媒は、加熱部において冷却部から遠い側の端に溜まり、結局、その遠い側の端にまで液冷媒を流入させることができない。
一方で、冷却器が蒸気保持部を備えていればそれで十分かと言えば、そうとは言えない。例えば、冷却器が蒸気保持部を備えていても、その蒸気保持部が、加熱部よりも低い温度の外部環境に晒された状態にあるとすれば、蒸気保持部の内部において蒸気冷媒が凝縮して液冷媒となってしまう。その結果、蒸気保持部の内部がその液冷媒で満たされることに起因して、蒸気保持部は、蒸気冷媒を保持するという役割を果たさなくなる。
このようなことから、冷媒の自励振動を安定作動させるためには、蒸気保持部の内部での蒸気冷媒の凝縮を防止する必要があると考えられる。そして、その蒸気保持部の内部における蒸気冷媒の凝縮を防止する方法としては、蒸気保持部を断熱材で覆うこと、またはヒータによって蒸気保持部を加熱すること等の蒸気保持部の内部の温度低下を防止する方法が考えられる。しかしながら、そのような温度低下を防止する方法を採用することは、冷却器における部品点数の増加や冷却器の複雑化を招き、延いてはコストアップにつながるので望ましくない。
本発明は上記点に鑑みて、冷媒の自励振動を伴い発熱体を冷却する冷却器であって、蒸気冷媒を溜める蒸気溜めとして加熱部内の一部を機能させつつ、加熱部にて液冷媒が蒸発する領域がその蒸気溜めに起因して縮小されることを抑えることができる冷却器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の冷却器の発明では、冷媒が入っている加熱部空間(14a)が形成されており、発熱体(121、122)の熱を加熱部空間内の冷媒へ放熱させることによりその冷媒を加熱し気化させる加熱部(14)と、
加熱部空間へ連通している冷却部空間(16a)が形成されており、加熱部で気化され冷却部空間へ流入してきた冷媒を冷却して液化させる冷却部(16)と、
冷却部空間へ連通している吸収部空間(18a)が形成されており、その吸収部空間の膨張と収縮とによって冷媒の加熱および冷却による体積変化を吸収する吸収部(18)とを備え、
加熱部および冷却部は、冷媒に気化と液化とを繰り返させることにより、加熱部空間から冷却部空間にわたる空間(14a、16a)内において、加熱部空間内に含まれる上死点位置(P0)と冷却部空間内に含まれる下死点位置(P1)との間で冷媒の気液界面(26)を往復させ、
加熱部は、冷媒のうちの液相部分が浸透する浸透部(142、143)を有し、
その浸透部は加熱部空間内に配置され、上死点位置を跨いで気液界面の往復方向(DRv)に沿った一方側から他方側にかけて形成されていることを特徴とする。
上述の発明によれば、加熱部は、冷媒のうちの液相部分(すなわち、液冷媒)が浸透する浸透部を有し、その浸透部は加熱部空間内に配置され、上死点位置を跨いで気液界面の往復方向に沿った一方側から他方側にかけて形成されているので、加熱部空間内において、上死点位置を超えて下死点位置側とは反対側にまで液冷媒を浸透部への浸透によって拡散することができる。
すなわち、加熱部空間内で液冷媒は気化されることで発熱体から吸熱するが、その加熱部空間内で液冷媒が気化される領域を、その加熱部空間内のうち上死点位置に対して下死点位置側の領域だけでなく、その下死点位置側とは反対側の領域にまで拡大して、より多くの冷媒を発熱体の熱で気化させることが可能である。そして、加熱部空間内にて発生した蒸気冷媒を、加熱部空間内では発熱体の熱により蒸気のまま維持することができる。従って、加熱部空間の一部を蒸気溜めとして機能させつつ、加熱部にて液冷媒が蒸発する領域がその蒸気溜めに起因して縮小されることを抑えることができる。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した括弧内の各符号は、後述する実施形態に記載の具体的内容との対応関係を示す一例である。
第1実施形態の冷却器10の全体構成を示す断面図である。 図1のII−II断面図である。 第1実施形態の冷却器10の作動における沸騰工程、膨張工程、凝縮工程、および圧縮行程の各状態を図1と同様の図を用いて表した図である。 第1実施形態において、冷媒が自励振動させられる始動前の冷間時における冷却器10の状態を示した図である。 第2実施形態の冷却器10の特徴箇所を示した図であって、冷却器10のうち加熱部14を抜粋した断面図である。 図5のVI−VI断面図である。 図5のVII−VII断面図である。 第3実施形態の冷却器10の特徴箇所を示した図であって、冷却器10のうち加熱部14を抜粋した断面図である。 図8のIX−IX断面図である。 第4実施形態の冷却器10の特徴箇所を示した図であって、第1実施形態の図2に相当する断面図である。 第5実施形態の冷却器10の特徴箇所を示した図であって、第1実施形態の図2に相当する断面図である。 第6実施形態の冷却器10の特徴箇所を示した図であって、第1実施形態の図2に相当する断面図である。 第7実施形態の冷却器10の特徴箇所を示した図であって、図1におけるXIII−XIII断面図である。 第4実施形態に対する第1の変形例を示した図であって、第4実施形態の図10に相当する図である。 第4実施形態に対する第2の変形例を示した図であって、第4実施形態の図10に相当する図である。 第4実施形態に対する第3の変形例を示した図であって、界面形成空間14bを抜粋して示した断面図である。 第4実施形態に対する第4の変形例を示した図であって、界面形成空間14bを抜粋して示した断面図である。 第4実施形態に対する第5の変形例を示した図であって、界面形成空間14bを抜粋して示した断面図である。 第5実施形態に対する第1の変形例を示した図であって、第2浸透部143を抜粋して示した断面図である。 第5実施形態に対する第2の変形例を示した図であって、第2浸透部143を抜粋して示した断面図である。 第5実施形態に対する第3の変形例を示した図であって、第2浸透部143を抜粋して示した断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態の冷却器10の全体構成を示す図であり、断面図示されている。図1に示すように、冷却器10は、加熱部14、冷却部16、体積変化吸収部18、および加圧部20等を備えている。冷却器10は、その冷却器10内に封入された冷媒を利用して発熱体121、122を冷却する。詳細に言えば、冷却器10は、冷却器10内に封入された冷媒を冷媒振動方向DRvに沿って自励振動させることにより、加熱部14の熱源である発熱体121、122の熱を加熱部14から冷却部16へ移動させて冷却部16から外部へと放熱する。冷却器10内に封入された冷媒は、常温では液体で、発熱体121、122により加熱されることにより冷却器10内にて沸騰する流体である。
発熱体121、122は発熱するものであり、冷却器10によって冷却される部材である。具体的に発熱体121、122は、冷却が必要な半導体素子などである。一例を挙げれば、インバータの半導体素子モジュールである。本実施形態では、発熱体121、122は2つ設けられており、加熱部14の外側に取り付けられ固定されている。そして、発熱体121、122はそれぞれ、発熱体121、122の熱を加熱部14へ伝える伝熱面121a、122aを有している。
加熱部14の内部には加熱部空間14aが形成されている。その加熱部空間14aは冷媒で満たされている。そして、加熱部14は、発熱体121、122の熱を加熱部空間14a内の冷媒へ放熱させることにより、その冷媒を加熱し沸騰気化させる。
詳細には図1とその図1のII−II断面図である図2とに示すように、加熱部14は箱状の加熱部壁141を備えており、その加熱部壁141の内側に加熱部空間14aが形成されている。加熱部壁141は、例えばアルミニウム合金等の熱伝導性の良い金属で構成されている。箱状である加熱部壁141は、加熱部14の厚み方向DRt(以下、加熱部厚み方向DRtという)において一方側に設けられた第1側壁部141aと、他方側に設けられた第2側壁部141bとを含んでいる。なお、冷媒振動方向DRv、加熱部厚み方向DRt、加熱部14の幅方向DRw(以下、加熱部幅方向DRwという)は互いに交差する方向、正確には直交する方向である。
第1側壁部141aには、2つの発熱体121、122のうちの第1の発熱体121が接触している。従って、第1側壁部141aは、第1の発熱体121の伝熱面121aに接触しその伝熱面121aから発熱体121の熱を受ける受熱部として機能する。
これと同様に、第2側壁部141bには、2つの発熱体121、122のうちの第2の発熱体122が接触している。従って、第2側壁部141bは、第2の発熱体122の伝熱面122aに接触しその伝熱面122aから発熱体122の熱を受ける受熱部として機能する。なお、第1の発熱体121の伝熱面121aから第1側壁部141aへの熱の伝わりを良くするために、伝熱面121aは、その伝熱面121aに塗布されたグリスを介して第1側壁部141aに接触していても差し支えない。このことは、第2の発熱体122の伝熱面122aと第2側壁部141bとの接触に関しても同様である。
また、加熱部14は、平板状に形成された2枚の浸透部142、143を有している。この浸透部142、143は、熱伝導性の良い金属を焼結させた多孔質体から成り、浸透部142、143内には微細な多数の気孔が形成されている。そのため、浸透部142、143には、冷媒のうちの液相部分である液冷媒がその液冷媒の表面張力によって浸透する。
2枚の浸透部142、143のうちの一方である第1浸透部142は、加熱部空間14a内に配置され、その加熱部空間14aに面する第1側壁部141aの内壁面141cに接合され固定されている。そして、第1浸透部142は、第1側壁部141aの内壁面141cの全面を覆うように配置されている。
これと同様に、2枚の浸透部142、143のうちの他方である第2浸透部143は、加熱部空間14a内に配置され、その加熱部空間14aに面する第2側壁部141bの内壁面141dに接合され固定されている。そして、第2浸透部143は、第2側壁部141bの内壁面141dの全面を覆うように配置されている。
具体的に、加熱部壁141、第1浸透部142、および第2浸透部143は、例えばロウ付け等によって一体的に形成されている。そのため、加熱部14の第1側壁部141aは第1浸透部142と熱的に接触していると共に、第2側壁部141bは第2浸透部143と熱的に接触している。
すなわち、第1浸透部142には、第1の発熱体121の熱が第1側壁部141aから伝導されると共に、第2浸透部143には、第2の発熱体122の熱が第2側壁部141bから伝導される。そして、各浸透部142、143に浸透している液冷媒は、それぞれの浸透部142、143へ伝導された熱によって沸騰させられる。
また、図1に示すように、冷媒振動方向DRvにおける加熱部空間14aの冷却部16側の端である一端は冷却部16の冷却部空間16aに連通しているが、加熱部空間14aの他端は閉塞されている。すなわち、加熱部壁141は、加熱部空間14aを冷却部空間16aへ開口させている開口部141eを有し、その開口部141e側の反対側では加熱部空間14aを塞ぐ壁となっている。
冷却部16の内部には、加熱部空間14aと連通している冷却部空間16aが形成されている。言い換えれば、冷却部空間16aは、加熱部空間14aへ連通する連通端16bを、冷媒振動方向DRvにおける加熱部14側に有している。そして、冷却部16は、加熱部14で気化され冷却部空間16aへ流入してきた気体の冷媒を冷却して液化させる。具体的に冷却部16は、冷却部壁161と冷却装置162とを備えている。冷却部16は、加熱部14に対し冷媒振動方向DRvの一方に並んで配置されている。
冷却部壁161は例えばダクト状の形状を成しており、その内側に冷却部空間16aが形成されている。冷却装置162は、冷却部壁161の周りに設けられた多数の冷却フィン162aから構成されている。そして、冷却装置162は、冷却部空間16a内の冷媒を、冷却器10外部の空気である外気と熱交換させることにより冷却する。
冷却部壁161は、高い放熱性能が得られるように薄肉に形成され、例えばアルミニウム合金等の熱伝導性の良い金属で構成されている。また、冷却部壁161、冷却装置162、および加熱部壁141は一体となって、冷媒が収容される1つの冷媒容器を構成している。
冷却部空間16aは冷媒振動方向DRvに延びる空間であり、冷媒振動方向DRvに直交する管路断面積が極めて小さい管路で構成されている。そのため、冷却部空間16a内に冷媒の気液界面26が存在する場合には、その気液界面26は重力方向に拘わらず、冷媒の表面張力により、冷媒振動方向DRvの加熱部14側を向くように維持されてメニスカスを形成する。そして、冷媒振動方向DRvにおいて、気液界面26を境に加熱部14側には蒸気冷媒(すなわち気体の冷媒)が存在し、その反対側には液冷媒(すなわち液体の冷媒)が存在する。
例えば、冷媒が加熱部14で加熱されることにより、気体になった冷媒の体積が増すほど、冷却部空間16a内において気液界面26は、加熱部空間14aから遠ざかる方向すなわち図1の左方向へ移動する。そうすると、冷却部16は、液冷媒も冷却するが、それと共に、加熱部14で気化された蒸気冷媒も冷却し凝縮させる。
また、加熱部14も、気液界面26のメニスカスが形成されるという点では冷却部16と同様である。すなわち、加熱部14内に冷媒の気液界面26が存在する場合、その気液界面26は、加熱部空間14aのうち浸透部142、143が占有する部位を除いた界面形成空間14bに形成される。そして、冷媒振動方向DRvに沿った方向から見た界面形成空間14bの断面は、冷媒に作用する重力の向き(すなわち、重力方向)に拘わらず気液界面26のメニスカスが維持される形状になっている。例えば、加熱部14での気液界面26のメニスカスは、界面形成空間14bの断面における加熱部厚み方向DRtの幅すなわち短手方向の幅が小さくされていることで維持される。
体積変化吸収部18は、一軸方向または略一軸方向へ伸縮する伸縮部材で構成されており、冷却器10内に封入された冷媒の体積変化を吸収する吸収部として機能する。その体積変化吸収部18の伸縮方向である上記一軸方向は、本実施形態では冷媒振動方向DRvと同じである。体積変化吸収部18は、例えばベローズまたは蛇腹等で伸縮可能に構成されている。
詳細には、体積変化吸収部18の内側に吸収部空間18aが形成されており、その吸収部空間18aは、冷媒振動方向DRvにおける冷却部空間16aの連通端16b側とは反対側の端部に連通している。そして、体積変化吸収部18は、吸収部空間18aの膨張と収縮とによって冷媒の加熱および冷却による体積変化を吸収する。
体積変化吸収部18のうち冷却部16側の端部である接続端18bは冷却部壁161に対して気密に固定されており、接続端18bの反対側は閉塞された閉塞端18cとなっている。従って、吸収部空間18a、上述の加熱部空間14a、および冷却部空間16aは全体として、冷媒が封入された一空間としての気密な冷媒封入空間32を構成しており、その冷媒封入空間32は常に冷媒で満たされている。また、吸収部空間18aは、例えば冷媒の自励振動中であっても常に液冷媒で満たされている。
そして、冷却部空間16a内の冷媒が吸収部空間18a内へ流入すると、吸収部空間18aが伸びて体積変化吸収部18の閉塞端18cが冷媒振動方向DRvで冷却部16から離れる側へ移動する。逆に、吸収部空間18aが縮んで体積変化吸収部18の閉塞端18cが冷媒振動方向DRvで冷却部16へ近づく側へ移動すると、吸収部空間18a内の冷媒が冷却部空間16a内へ流出する。
加圧部20は、吸収部空間18aを収縮させる向きに体積変化吸収部18を加圧する。具体的に、加圧部20は、体積変化吸収部18を取り囲む加圧壁201を有しており、その体積変化吸収部18と加圧壁201との間には加圧空間20aが形成されている。そして、その加圧空間20aは気密に形成され、加圧空間20aには、予め実験的に定められたガス圧の加圧ガスが封入されている。そのため、自励振動する冷媒の圧力が、加圧空間20aの加圧ガスによって高められる。このように構成された加圧部20および体積変化吸収部18は、冷却器10の中で機械的な動作を行う駆動部21となっている。
次に、図3を用いて、冷却器10の作動すなわち冷媒の自励振動について説明する。図3は、図1と同様の図を用いて、冷却器10の作動における沸騰工程、膨張工程、凝縮工程、および圧縮行程の各状態を表した図である。図3に示すように、冷却器10は、その冷却器10の作動において、沸騰工程、膨張工程、凝縮工程、および圧縮行程から成る4工程を1サイクルとして繰り返し行う。
冷却器10の作動における沸騰工程では、図3(a)に示すように、加熱部空間14a内の液冷媒が発熱体121、122の熱により加熱され沸騰させられる。
続く膨張工程では、図3(b)に示すように、加熱部空間14a内において液冷媒の沸騰により冷媒の気体部分が増すので、冷媒全体の体積が増加する。これにより、気液界面26は、冷媒振動方向DRvに沿って上死点位置P0から下死点位置P1へと移動すると共に、体積変化吸収部18の吸収部空間18aが膨張し閉塞端18cが冷却部16から離れる側へ移動する。
なお、気液界面26の上死点位置P0は加熱部空間14a内に含まれ、冷媒の自励振動での1サイクルの中で吸収部空間18aから最も遠ざかった気液界面26の位置である。また、気液界面26の下死点位置P1は冷却部空間16a内に含まれ、冷媒の自励振動での1サイクルの中で吸収部空間18aへ最も近づいた気液界面26の位置である。要するに、上死点位置P0は気液界面26の一方の往復端になる位置であり、下死点位置P1は気液界面26の他方の往復端になる位置である。
続く凝縮工程では、図3(c)に示すように、冷却部16は、冷却部空間16a内に入った冷媒の気体部分である蒸気冷媒を冷却し凝縮させる。
続く圧縮工程では、図3(d)に示すように、蒸気冷媒が凝縮して体積減少することにより、冷媒封入空間32内の冷媒全体の体積が減少する。それと共に、残存する蒸気冷媒が、加圧空間20a内のガス圧のよって圧縮される。これにより、体積変化吸収部18の吸収部空間18aが収縮し閉塞端18cが冷却部16へ近づく側へ移動する。それと共に、凝縮した液冷媒が冷却部空間16aから加熱部空間14aへと流れる。すなわち、気液界面26は、冷媒振動方向DRvに沿って下死点位置P1から上死点位置P0へと移動する。そして、気液界面26が上死点位置P0へ到達すると、冷却器10の作動は再び沸騰工程から開始される。
このように、冷却器10において加熱部14および冷却部16は、冷媒に蒸発と凝縮とを繰り返させることにより、冷媒封入空間32内で冷媒の気液界面26を自励振動させる。言い換えれば、冷却器10において加熱部14および冷却部16は、冷媒に気化と液化とを繰り返させることにより、加熱部空間14aから冷却部空間16aにわたる空間14a、16a内において、上死点位置P0と下死点位置P1との間で冷媒の気液界面26を往復させる。要するに、加熱部空間14aから冷却部空間16aにわたる空間14a、16a内で、気液界面26の往復方向DRvである冷媒振動方向DRvに冷媒を自励振動させる。そして、上死点位置P0と下死点位置P1との間隔が、その冷媒の自励振動における冷媒の振幅、言い換えれば気液界面26の振幅になる。
また、体積変化吸収部18は、冷媒の自励振動に伴う冷媒全体の体積変化を吸収するが、所定のばね定数を持っているので、その体積変化吸収部18の伸縮方向における釣合い点に向って伸縮量に応じた反力を生じ、冷媒の自励振動を補助する役割を果たす。
この冷媒の自励振動である気液界面26の往復運動に伴い冷媒が蒸発と凝縮とを繰り返すことで、発熱体121、122から冷媒を介し外気に至る熱伝達経路において高い熱伝達性能を得つつ、発熱体121、122の熱を、発熱体121、122の伝熱面121a、122a(図1参照)から加熱部壁141と冷媒と冷却部壁161と冷却装置162とを介し、外気へ放出させることができる。
また、冷却部空間16a内および吸収部空間18a内において、気液界面26付近では冷媒は飽和状態になっているが、気液界面26から離れた部位の液冷媒はサブクール状態になっている。従って、そのサブクール状態の液冷媒が、体積変化吸収部18が収縮すると共に加熱部空間14aに流れ込むので、発熱体121、122を冷却する高い冷却性能を得ることができる。
また、図3(a)〜(d)に示す各工程が繰り返し実行されている最中において、界面形成空間14b(図1参照)内のうち上死点位置P0に対し下死点位置P1側とは反対側の空間は蒸気冷媒で満たされている。但し、発熱体121、122からの発熱が止まっている冷間時には、冷媒は全て液化するので、図4に示すように加熱部空間14a内は液冷媒で満たされる。すなわち、冷媒封入空間32内の冷媒は全て液冷媒になる。図4は、冷媒が自励振動させられる始動前の冷間時における冷却器10の状態を示した図である。
また、図1に示すように、上死点位置P0と各浸透部142、143との位置関係について見ると、第1浸透部142は、第1側壁部141aの内壁面141cの全面を覆っているので、上死点位置P0を跨いで冷媒振動方向DRvに沿った一方側から他方側にかけて形成されている。このことは、第2浸透部143についても同様である。
従って、加熱部空間14a内において、気液界面26の上死点位置P0を超えて下死点位置P1側とは反対側にまで液冷媒を浸透部142、143への浸透によって矢印FL1、FL2のように拡散することができる。すなわち、加熱部空間14a内で液冷媒が気化される領域を、加熱部空間14a内のうち上死点位置P0に対して下死点位置P1側の領域だけでなく、その下死点位置P1側とは反対側の領域にまで拡大して、より多くの冷媒を発熱体121、122の熱で気化させることが可能である。そして、加熱部空間14a内にて発生した蒸気冷媒を、加熱部空間14a内では発熱体121、122の熱により蒸気のまま維持することができる。
要するに、蒸気冷媒を溜める蒸気溜めとして加熱部空間14aの一部(具体的には、上死点位置P0に対する下死点位置P1側とは反対側の領域)を機能させつつ、加熱部14にて液冷媒が蒸発する領域がその蒸気溜めに起因して縮小されることを抑えることができる。これにより、加熱部空間14a内での蒸気冷媒の凝縮を回避しつつ、気液界面26の往復運動すなわち冷媒の自励振動を安定作動させることが可能である。そして、冷却器10の冷却性能の向上および冷却器10の小型化を達成することが可能である。
また、本実施形態によれば、気液界面26の往復方向DRvに沿った方向から見た界面形成空間14bの断面は、冷媒に作用する重力の向きに拘わらず気液界面26のメニスカスが維持される形状になっている。従って、冷却器10が設置される向きに拘わらず、冷媒の自励振動を行わせることが可能である。
また、本実施形態によれば、加熱部14は、発熱体121、122の伝熱面121a、122aから発熱体121、122の熱を受ける側壁部141a、141bを有している。そして、浸透部142、143には、発熱体121、122の熱がその側壁部141a、141bから伝導される。従って、発熱体121、122の熱が伝導以外の例えば対流等で浸透部142、143へ伝わる構成と比較して、熱の伝わりを良好なものにすることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明し、第1実施形態と同一または均等な部分については省略または簡略化して説明する。後述の第3実施形態以降でも同様である。
図5は、本実施形態の冷却器10の特徴箇所を示した図であって、冷却器10のうち加熱部14を抜粋した断面図である。また、図6は図5のVI−VI断面図であり、図7は図5のVII−VII断面図である。図5〜7に示すように、本実施形態の冷却器10では、浸透部142、143の構成が第1実施形態とは異なっている。言い換えれば、第1実施形態では浸透部142、143の構成材料の性質すなわち多孔質体の性質を利用して液冷媒を浸透部142、143へ浸透させるが、本実施形態では浸透部142、143の形状を利用して液冷媒を浸透部142、143へ矢印FL1、FL2のように浸透させる。なお、図5〜7では、発熱体121、122の図示が省略されており、図5の図示の向きは図1と同じである。
具体的に、本実施形態の浸透部142、143は何れも、多孔質体に替えて、多数のピン142a、143aで構成されている。詳細には、第1浸透部142が有する複数の第1ピン142aは例えば円柱形状を成し、第1側壁部141aの内壁面141cから加熱部空間14aへ突き出ている。第1ピン142aは、例えば第1側壁部141aと同じ材質から成り、第1側壁部141aと一体に形成されている。そして、複数の第1ピン142aの相互間隔は、液冷媒がその液冷媒の表面張力によって第1ピン142aの相互間に浸透するように狭くなっている。また、第1ピン142aの並び方には特に限定はないが、本実施形態の第1ピン142aは、例えば図7に示すように千鳥配置となっている。なお、第2浸透部143が有する第2ピン143aの構成は、上述した第1ピン142aと同様である。
また、加熱部14内に冷媒の気液界面26が存在する場合、その気液界面26は、第1実施形態と同様に界面形成空間14bに形成される。そして、界面形成空間14b内では、気液界面26に対する冷却部空間16a側は液冷媒で満たされ、その冷却部空間16a側とは反対側は蒸気冷媒で満たされる。
上述した本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図8は、本実施形態の冷却器10の特徴箇所を示した図であって、冷却器10のうち加熱部14を抜粋した断面図である。また、図9は図8のIX−IX断面図である。図8および図9に示すように、本実施形態の冷却器10では、浸透部142、143の構成が第1実施形態とは異なっている。言い換えれば、本実施形態では、第2実施形態と同様に、浸透部142、143の形状を利用して液冷媒を浸透部142、143へ矢印FL1、FL2のように浸透させる。なお、図8および図9では、発熱体121、122の図示が省略されており、図8の図示の向きは図1と同じである。
具体的に、本実施形態の浸透部142、143は何れも、多孔質体に替えて、多数のリブ142b、143bで構成されている。詳細には、第1浸透部142が有する複数の第1リブ142bは、第1側壁部141aの内壁面141cから加熱部空間14aへ突き出ており、冷媒振動方向DRvに沿って互いに平行に延びるように形成されている。第1リブ142bは、例えば第1側壁部141aと同じ材質から成り、第1側壁部141aと一体に形成されている。
そして、複数の第1リブ142bの相互間には浸透溝142cが形成され、その浸透溝142cは何れも、第1側壁部141aの内壁面141cを溝底面として冷媒振動方向DRvに沿って延びている。その浸透溝142cの幅は、液冷媒がその液冷媒の表面張力によって浸透溝142c内に浸透するように狭くなっている。なお、第2浸透部143が有する第2リブ143bの構成は、上述した第1リブ142bと同様であり、第2リブ143bの相互間に形成される浸透溝143cの構成は、上述した第1リブ142b間の浸透溝142cと同様である。
上述した本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図10は、本実施形態の冷却器10の特徴箇所を示した図であって、第1実施形態の図2に相当する断面図である。すなわち、図10は、図1のII−II断面図として表されている。図10に示すように、本実施形態では加熱部14は、第1浸透部142および第2浸透部143に加えて、複数の第3浸透部144を加熱部空間14a内に有している。この点が第1実施形態と異なる。
具体的に、本実施形態において複数の第3浸透部144はそれぞれ、その一端おいて第1浸透部142へ連結され、他端において第2浸透部143へ連結されている。そして、第3浸透部144は、冷媒が流れる間隔を空けて加熱部幅方向DRwに積層されて配置されている。これにより、第3浸透部144の相互間には複数の界面形成空間14bが個別に区画形成されている。すなわち、第3浸透部144と界面形成空間14bとの関係を見れば、第3浸透部144と界面形成空間14bとが加熱部幅方向DRwへ交互に配置されている。そして、複数の界面形成空間14bはそれぞれ、冷媒振動方向DRv(図1参照)に沿って延びるように形成されている。
このような浸透部142、143、144の構成により、例えば第1実施形態と比較して、界面形成空間14b内の液冷媒が浸透部142、143、144へ接触する冷媒単位容積当たりの接触面積を増加させることができる。従って、加熱部14において発熱体121、122から液冷媒への伝熱が促進され、冷媒の気液界面26が安定的に形成されやすくなる。
また、図10には図示されていないが、第3浸透部144のうちの冷却部空間16a側の端部は、冷却部空間16a(図1参照)に対し冷媒振動方向DRvに重なるように配置されている。従って、液冷媒は、冷却部空間16aから加熱部空間14aへ流入する際に、その第3浸透部144の端部へ衝突するので、第3浸透部144には液冷媒が浸透しやすいというメリットがある。これによっても、発熱体121、122から液冷媒への伝熱が促進される。
また、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図11は、本実施形態の冷却器10の特徴箇所を示した図であって、第1実施形態の図2に相当する断面図である。すなわち、図11は、図1のII−II断面図として表されている。図11に示すように、本実施形態では第1浸透部142が複数に分割されて第1側壁部141aの内壁面141cに接合され、第2浸透部143も複数に分割されて第2側壁部141bの内壁面141dに接合されている。この点が第1実施形態と異なる。
具体的に、複数の第1浸透部142は冷媒振動方向DRv(図1参照)に延びて形成され、第1側壁部141aの内壁面141c上に並列に並んで配置されている。第2浸透部143もこれと同様であり、複数の第2浸透部143は冷媒振動方向DRvに延びて形成され、第2側壁部141bの内壁面141d上に並列に並んで配置されている。
従って、本実施形態の加熱部14では、加熱部厚み方向DRtにおいて第1浸透部142と第2浸透部143との間に冷媒が介在している。この点は、第1実施形態と同様である。更に、本実施形態の加熱部14では、第1実施形態とは異なり、加熱部幅方向DRwにおいても複数の第1浸透部142の相互間および複数の第2浸透部143の相互間に冷媒が介在している。
このような浸透部142、143の構成により、上述の第4実施形態と同様に、界面形成空間14b内の液冷媒が浸透部142、143へ接触する冷媒単位容積当たりの接触面積を増加させることができる。そのため、加熱部14において発熱体121、122から液冷媒への伝熱が促進され、冷媒の気液界面26が安定的に形成されやすくなる。
また、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図12は、本実施形態の冷却器10の特徴箇所を示した図であって、第1実施形態の図2に相当する断面図である。すなわち、図12は、図1のII−II断面図として表されている。図12に示すように、本実施形態では、第1浸透部142および第2浸透部143の形状が第1実施形態と異なる。
具体的に、本実施形態の第1浸透部142は、第1側壁部141aの内壁面141cに接合された平板状の基部142dと、その基部142dから第2側壁部141b側へ突き出た複数のリブ部142eとから構成されている。その基部142dは、第1実施形態の第1浸透部142に相当するものである。複数のリブ部142eは、冷媒振動方向DRv(図1参照)に延びて形成され、加熱部幅方向DRwへ間隔を空けて平行に並んで配置されている。
第2浸透部143もこれと同様であり、第2浸透部143は、第2側壁部141bの内壁面141dに接合された平板状の基部143dと、その基部143dから第1側壁部141a側へ突き出た複数のリブ部143eとから構成されている。但し、第2浸透部143のリブ部143eは、第1浸透部142のリブ部142eに対して加熱部幅方向DRwへ一定間隔を空けて配置されている。すなわち、第1浸透部142のリブ部142eおよび第2浸透部143のリブ部143eは、加熱部幅方向DRwへ交互に並んで配置されている。
従って、本実施形態の加熱部14では、加熱部厚み方向DRtにおいて第1浸透部142と第2浸透部143との間に冷媒が介在している。この点は、第1実施形態と同様である。更に、本実施形態の加熱部14では、第1実施形態とは異なり、加熱部幅方向DRwにおいても第1浸透部142のリブ部142eと第2浸透部143のリブ部143eとの間に冷媒が介在している。
このような浸透部142、143の構成により、上述の第4実施形態と同様に、界面形成空間14b内の液冷媒が浸透部142、143へ接触する冷媒単位容積当たりの接触面積を増加させることができる。そのため、加熱部14において発熱体121、122から液冷媒への伝熱が促進され、冷媒の気液界面26が安定的に形成されやすくなる。
また、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第4実施形態と異なる点を主として説明する。
図13は、本実施形態の冷却器10の特徴箇所を示した図であって、図1におけるXIII−XIII断面図である。本実施形態における図13のX−X断面図は図10と同様であるので、その図示を省略する。図13に示すように、本実施形態では、冷却部16の冷却部空間16aの形状および加熱部14の界面形成空間14bの形状が第4実施形態と異なる。
具体的には、冷却部空間16aは加熱部幅方向DRwに分割されており、言い換えれば、その複数の冷却部空間16aは、加熱部幅方向DRwに並んで配置されている。その複数の冷却部空間16aにはそれぞれ加熱部14の界面形成空間14bが接続されている。そして、冷却部空間16aはそれぞれ冷媒振動方向DRvに沿って延びるように形成されている。すなわち、冷却部空間16aの長手方向は冷媒振動方向DRvと平行である。
加熱部14の界面形成空間14bも加熱部幅方向DRwに並んで配置されている。但し、第3浸透部144は、界面形成空間14bの長手方向が冷媒振動方向DRvに対して傾くように界面形成空間14bを形成している。従って、界面形成空間14bの長手方向は冷却部空間16aの長手方向に対して傾いており、言い換えれば、それらの長手方向は互いに交差している。
そのため、液冷媒は、複数の冷却部空間16aから界面形成空間14bへ流入する際に、第3浸透部144に対し斜めにそれぞれ衝突するので、液冷媒が第3浸透部144へ浸透しやすい。従って、発熱体121、122から加熱部空間14a内の液冷媒への伝熱が促進される。
また、本実施形態では、前述の第4実施形態と共通の構成から奏される効果を第4実施形態と同様に得ることができる。
なお、本実施形態は第4実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第5又は第6実施形態と組み合わせることも可能である。
(他の実施形態)
(1)上述の第4実施形態では、加熱部空間14a内に、第1浸透部142、第2浸透部143、および第3浸透部144が設けられているが、その第1浸透部142と第2浸透部143との一方または両方が設けられていない構成も考え得る。例えば、第1浸透部142と第2浸透部143との両方が設けられていない場合には、図14のようになり、第3浸透部144は、第1側壁部141aの内壁面141cと第2側壁部141bの内壁面141dとにそれぞれ直接接合される。
また、第1浸透部142と第2浸透部143とのうち第1浸透部142だけが設けられていない場合には、図15のようになり、第3浸透部144は、第1側壁部141aの内壁面141cに直接接合される。なお、図14および図15は第4実施形態の図10に相当する図であって、図14は第4実施形態に対する第1の変形例を示した図であり、図15は第4実施形態に対する第2の変形例を示した図である。
(2)上述の第4実施形態において、冷媒振動方向DRv(図1参照)に直交する界面形成空間14bの断面は、図10に示すように矩形形状を成しているが、矩形形状に限られるものではない。
例えば、その界面形成空間14bの断面は、図16に示す三角形形状、図17に示す円形形状、または、図18に示す楕円形形状を成していても差し支えない。図16〜18は界面形成空間14bを抜粋して示した断面図であって、図16は第4実施形態に対する第3の変形例を示した図であり、図17は第4実施形態に対する第4の変形例を示した図であり、図18は第4実施形態に対する第5の変形例を示した図である。
(3)上述の第5実施形態において、冷媒振動方向DRv(図1参照)に直交する第1浸透部142の断面および第2浸透部143の断面は何れも、図11に示すように矩形形状を成しているが、矩形形状に限られるものではない。
例えば、その第1浸透部142の断面および第2浸透部143の断面は、図19に示す三角形形状、図20に示す円形形状、または、図21に示す楕円形形状を成していても差し支えない。図19〜21は第2浸透部143を抜粋して示した断面図であって、図19は第5実施形態に対する第1の変形例を示した図であり、図20は第5実施形態に対する第2の変形例を示した図であり、図21は第5実施形態に対する第3の変形例を示した図である。また、図19〜21に図示されているのは第2浸透部143であるが、第1浸透部142も第2浸透部143と同様の形状であるので、図19〜21には、第1浸透部142の符号が括弧書きで表示されている。
(4)上述の第7実施形態の図13において、界面形成空間14bは冷媒振動方向DRvに対し斜めに直線的に延びているが、直線的に限らず、例えば湾曲して延びていても差し支えない。
(5)上述の第1実施形態の図2において、加熱部14は2枚の浸透部142、143を有しているが、加熱部14がその2枚の浸透部142、143のうちの一方だけを有し他方を有していない構成も考え得る。
(6)上述の各実施形態において、発熱体121、122は、加熱部14の外側に取り付けられているが、加熱部空間14a内に収容され、冷媒が直接接触するように配置されていても差し支えない。そのようにした場合には、第1浸透部142および第2浸透部143が発熱体121、122の表面に接合されることも想定される。
(7)上述の各実施形態において、冷却器10の設置方向には特に制限はないが、冷却器10は、例えば冷媒振動方向DRvを冷却器10の上下方向として、加熱部14が冷却部16に対し上側に位置するように設置されてもよい。そのようにした場合には、冷媒の気液界面26を重力によっても安定して形成することが可能になる。
(8)上述の各実施形態において、発熱体121、122は2つ設けられているが、発熱体121、122は1つまたは3つ以上設けられていても差し支えない。
(9)上述の各実施形態において、発熱体121、122は、冷却が必要な半導体素子などであるが、電気部品である必要はない。
(10)上述の各実施形態において、冷却器10は冷媒振動方向DRvに延びた形状を成しているが、冷却器10の形状に限定はなく、例えば冷却器10は、特許文献1に記載された蒸気エンジンのようにU字状に形成されていても差し支えない。
(11)上述の各実施形態において、冷却部16は、冷却部空間16a内の冷媒を外気と熱交換させることにより冷却するが、冷却部16まわりに冷却水が流れる配管を設け、冷媒を、その冷却水と熱交換させることにより冷却しても差し支えない。
(12)上述の各実施形態において、体積変化吸収部18は蛇腹等で構成され冷媒振動方向DRvに伸縮するが、例えばダイヤフラム等で構成されていてもよいし、或いは、冷媒の膨張および収縮を吸収することができれば、伸縮しない構成であっても差し支えない。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
14 加熱部
14a 加熱部空間
16 冷却部
16a 冷却部空間
121 第1の発熱体(発熱体)
122 第2の発熱体(発熱体)
142 第1浸透部
143 第2浸透部
P0 上死点位置
P1 下死点位置

Claims (3)

  1. 冷媒が入っている加熱部空間(14a)が形成されており、発熱体(121、122)の熱を前記加熱部空間内の前記冷媒へ放熱させることにより該冷媒を加熱し気化させる加熱部(14)と、
    前記加熱部空間へ連通している冷却部空間(16a)が形成されており、前記加熱部で気化され前記冷却部空間へ流入してきた前記冷媒を冷却して液化させる冷却部(16)と、
    前記冷却部空間へ連通している吸収部空間(18a)が形成されており、該吸収部空間の膨張と収縮とによって前記冷媒の加熱および冷却による体積変化を吸収する吸収部(18)とを備え、
    前記加熱部および前記冷却部は、前記冷媒に気化と液化とを繰り返させることにより、前記加熱部空間から前記冷却部空間にわたる空間(14a、16a)内において、前記加熱部空間内に含まれる上死点位置(P0)と前記冷却部空間内に含まれる下死点位置(P1)との間で前記冷媒の気液界面(26)を往復させ、
    前記加熱部は、前記冷媒のうちの液相部分が浸透する浸透部(142、143)を有し、
    該浸透部は前記加熱部空間内に配置され、前記上死点位置を跨いで前記気液界面の往復方向(DRv)に沿った一方側から他方側にかけて形成されていることを特徴とする冷却器。
  2. 前記気液界面は、前記加熱部空間では、該加熱部空間のうち前記浸透部が占有する部位を除いた界面形成空間(14b)に形成され、
    前記気液界面の往復方向に沿った方向から見た前記界面形成空間の断面は、前記冷媒に作用する重力の向きに拘わらず前記気液界面のメニスカスが維持される形状になっていることを特徴とする請求項1に記載の冷却器。
  3. 前記発熱体は、該発熱体の熱を前記加熱部へ伝える伝熱面(121a、122a)を有し、
    前記加熱部は、前記発熱体の伝熱面に接触し該伝熱面から前記発熱体の熱を受ける受熱部(141a、141b)を有し、
    前記浸透部は前記受熱部に対して固定され、該浸透部には、前記発熱体の熱が前記受熱部から伝導されることを特徴とする請求項1または2に記載の冷却器。
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