JP2016198985A - 樹脂積層板 - Google Patents

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増田 浩樹
Hiroki Masuda
浩樹 増田
延彦 乾
Nobuhiko Inui
延彦 乾
浩造 中村
Hirozo Nakamura
浩造 中村
和洋 沢
Kazuhiro Sawa
和洋 沢
弥 鳴田
Wataru Naruta
弥 鳴田
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Abstract

【課題】軽量であり、かつ耐衝撃性に優れる、樹脂積層板を提供する。【解決手段】内部に複数の気泡セル4Aを有する発泡樹脂層4と、発泡樹脂層4の一方側の主面4a上に配置された第1の強化樹脂層2とを備え、発泡樹脂層4の発泡倍率が、5cc/g以上、30cc/g以下であり、発泡樹脂層4の圧縮弾性率が、5.0MPa以上であり、第1の強化樹脂層2の曲げ弾性率が、1.4GPa以上である、樹脂積層板1。【選択図】図1

Description

本発明は、複数の樹脂層が積層されてなる樹脂積層板に関する。
近年、航空機産業などの様々な分野において、金属に比べて軽量化が可能な、樹脂基板が注目を集めている。このような樹脂基板は金属に比べて機械的強度が劣るため、樹脂基板の機械的強度を高める必要がある。
一般に、樹脂基板において、十分な機械的強度を得るには、厚みを厚くする必要がある。しかしながら、樹脂基板の厚みが厚くなると重くなるため、軽量化を図ることができない。そこで、樹脂基板を構成する熱可塑性樹脂中に、補強充填材を分散させることで機械的強度を高める方法が、従来、広く用いられている。
例えば、下記の特許文献1には、内部が発泡状態で、表面が緻密なスキン層により形成された樹脂基板が開示されている。特許文献1では、上記樹脂基板は、ガラス繊維が添加されたポリプロピレンにより構成されるとされている。
特許第4028699号公報
しかしながら、特許文献1のように、ガラス繊維が添加されたポリプロピレンにより形成された樹脂基板においては、耐衝撃性がなお十分でなかった。
本発明の目的は、軽量であり、かつ耐衝撃性に優れる、樹脂積層板を提供することにある。
本願発明者らは、鋭意検討した結果、発泡樹脂層及び第1の強化樹脂層を備え、前記発泡樹脂層の発泡倍率、前記発泡樹脂層の圧縮弾性率及び前記第1の強化樹脂層の曲げ弾性率が、それぞれ、特定の範囲内にある樹脂積層板が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を成すに至った。
すなわち、本発明に係る樹脂積層板は、内部に複数の気泡セルを有する発泡樹脂層と、前記発泡樹脂層の一方側の主面上に配置された第1の強化樹脂層と、を備え、前記発泡樹脂層の発泡倍率が、5cc/g以上、30cc/g以下であり、前記発泡樹脂層の圧縮弾性率が、5.0MPa以上であり、前記第1の強化樹脂層の曲げ弾性率が、1.4GPa以上である。
本発明に係る樹脂積層板では、好ましくは、前記気泡セルの平均アスペクト比が、1.1以上、4.0以下の範囲内にある。
本発明に係る樹脂積層板では、好ましくは、前記発泡樹脂層及び前記第1の強化樹脂層が、熱可塑性樹脂により構成されている。
本発明に係る樹脂積層板では、好ましくは、前記第1の強化樹脂層が、フィラーを含む。より好ましくは、上記フィラーは、タルク、炭酸カルシウム、グラフェン、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラファイト及び薄片化黒鉛からなる群から選択された少なくとも1種である。
本発明に係る樹脂積層板では、前記発泡樹脂層の前記第1の強化樹脂層側とは反対側の主面上に第2の強化樹脂層が設けられていてもよい。
本発明に係る樹脂積層板では、前記発泡樹脂層と前記第1の強化樹脂層との間に、補強層がさらに設けられていてもよい。
本発明に係る樹脂積層板では、好ましくは、前記補強層の引張破断伸びが、10%以上である。
本発明に係る樹脂積層板では、好ましくは、前記補強層が、天然繊維、化学繊維若しくは炭素繊維が、一方向若しくはランダムに配向されることにより形成された不織布、又は樹脂延伸フィルムにより構成されている。
本発明に係る樹脂積層板は、内部に複数の気泡セルを有する発泡樹脂層と、該発泡樹脂層の一方側の主面上に配置された第1の強化樹脂層とを備える。また、上記発泡樹脂層の発泡倍率が、5cc/g以上、30cc/g以下であり、上記発泡樹脂層の圧縮弾性率が、5.0MPa以上であり、上記第1の強化樹脂層の曲げ弾性率が、1.4GPa以上である。従って、本発明に係る樹脂積層板は、軽量であり、かつ耐衝撃性に優れている。
本発明の第1の実施形態に係る樹脂積層板を示す模式的断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る樹脂積層板を示す模式的断面図である。 高速衝撃試験により得られた樹脂積層板の衝撃波形の一例を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る樹脂積層板を示す模式的断面図である。図1に示すように、樹脂積層板1は、第1及び第2の強化樹脂層2,3と、発泡樹脂層4とを備える。
発泡樹脂層4は、第1の主面4aと、第1の主面4aと対向している第2の主面4bとを備える。発泡樹脂層4の第1の主面4a上に、第1の強化樹脂層2が設けられている。他方、発泡樹脂層4の第2の主面4b上に、第2の強化樹脂層3が設けられている。発泡樹脂層4は、第1及び第2の強化樹脂層2,3に挟まれるように設けられている。樹脂積層板1は、発泡樹脂層4の両面に第1及び第2の強化樹脂層2,3が設けられた3層構造の樹脂積層体である。なお、第2の強化樹脂層3は設けられなくともよく、2層の樹脂積層体であってもよい。すなわち、本発明においては、発泡樹脂層の両側の主面上に強化樹脂層が設けられていてもよいし、発泡樹脂層の片側の主面上にのみ強化樹脂層が設けられていてもよい。本発明において、樹脂積層板を構成する各層の積層数は特に限定されない。
発泡樹脂層4は、複数の気泡セル4Aを有する。発泡樹脂層4の発泡倍率は、5cc/g以上、30cc/g以下である。発泡樹脂層4の圧縮弾性率は、5.0MPa以上である。また、第1及び第2の強化樹脂層2,3の曲げ弾性率は、1.4GPa以上である。そのため、樹脂積層板1は、軽量であり、かつ耐衝撃性に優れている。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る樹脂積層板を示す模式的断面図である。図2に示すように、樹脂積層板21においては、発泡樹脂層4の第1の主面4a上に第1の補強層5が設けられている。第1の強化樹脂層2は、発泡樹脂層4の第1の主面4a上に、第1の補強層5を介して設けられている。
他方、発泡樹脂層4の第2の主面4b上には、第2の補強層6が設けられている。第2の強化樹脂層3は、発泡樹脂層4の第2の主面4b上に、第2の補強層6を介して設けられている。従って、樹脂積層板21は、5層構造の樹脂積層体となっている。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
樹脂積層板21においても、発泡樹脂層4の発泡倍率が、5cc/g以上、30cc/g以下であり、発泡樹脂層4の圧縮弾性率が、5.0MPa以上であり、第1及び第2の強化樹脂層2,3の曲げ弾性率が、1.4GPa以上である。そのため、樹脂積層板21は、軽量であり、かつ耐衝撃性に優れている。
また、樹脂積層板21では、発泡樹脂層4の両側の主面上に第1及び第2の補強層5,6が設けられているため、耐衝撃性をより一層高めることができる。なお、本発明において、補強層は設けられずともよい。もっとも、樹脂積層板の耐衝撃性をより一層高める観点から、補強層は、発泡樹脂層4の少なくとも一方側の主面上に設けられていることが好ましく、両側の主面上に設けられていることがより好ましい。
樹脂積層板1や樹脂積層板21に示すように、本発明に係る樹脂積層板を構成する各層の積層数は特に限定されない。より一層の軽量化を図りつつ、耐衝撃性をより一層高める観点から、樹脂積層板を構成する各層の積層数は、2層以上であることが好ましく、5層以上であることがより好ましく、100層以下であることが好ましく、50層以下であることがより好ましい。
樹脂積層板1や樹脂積層板21のような本発明に係る樹脂積層板は、上記の構成を備えるため、軽量であり、かつ耐衝撃性に優れている。従って、本発明の樹脂積層板は、自動車外板用途に好適に用いることができる。なかでもルーフ用外板として、好適に用いることができる。
以下、本発明に係る樹脂積層板の各層の詳細について説明する。
(発泡樹脂層)
上記発泡樹脂層は、圧縮弾性率が5.0MPa以上の発泡樹脂により形成されている。上記発泡樹脂の圧縮弾性率、すなわち発泡樹脂層の圧縮弾性率が、5.0MPa未満である場合、発泡樹脂層が局所的に降伏しやすくなり、結果として、樹脂積層板の曲げ降伏歪みが小さくなってしまうおそれがある。なお、上記発泡樹脂層の圧縮弾性率は、JIS K 7181に準拠して測定された圧縮弾性率である。
上記発泡樹脂層の圧縮弾性率は、8.0MPa以上であることが好ましく、10.0MPa以上であることがより好ましい。上記発泡樹脂層の圧縮弾性率が、上記下限以上である場合、樹脂積層板の耐衝撃性をより一層高めることができる。なお、上記発泡樹脂層の圧縮弾性率の上限値は、特に限定されないが、好ましくは30.0MPa以下である。
上記発泡樹脂層は、発泡倍率が5cc/g以上、30cc/g以下の範囲にある発泡樹脂によって形成されている。上記発泡樹脂の発泡倍率、すなわち上記発泡樹脂層の発泡倍率が、5cc/gより小さい場合、上記発泡樹脂層が重くなり、軽量な樹脂積層板を得られ難くなる。他方、上記発泡樹脂層の発泡倍率が30cc/gより大きい場合、上記発泡樹脂層において、所望の圧縮弾性率が確保できないおそれがある。なお、本明細書において、発泡倍率とは、発泡樹脂の体積を発泡樹脂の重量で除した値のことをいう。
樹脂積層板をより一層軽量化し、樹脂積層板の耐衝撃性をより一層高める観点から、上記発泡樹脂層の発泡倍率は、10cc/g以上、25cc/g以下の範囲にあることが好ましい。
上記発泡樹脂層は、内部に複数の気泡セルを有している。上記気泡セルのアスペクト比の平均値は、1.1以上、4.0以下の範囲であることが好ましい。上記アスペクト比の平均値が1.1未満になると、十分な圧縮弾性率を得ることが困難となり、樹脂積層板の曲げ降伏歪みを十分に高めることができない場合がある。他方、上記アスペクト比の平均値が4.0より大きくなると、発泡樹脂はz方向にのみ、相当量の伸長歪みを受けることになり、発泡の制御が困難となり、均質な発泡体が製造し難くなる場合がある。
なお、上記気泡セルのアスペクト比は、発泡樹脂層の面方向に沿う気泡径に対する発泡樹脂層の厚み方向に沿う気泡径の比(厚み方向に沿う気泡径/面方向に沿う気泡径)のことをいうものとする。
また、上記気泡セルの平均アスペクト比は、上記発泡樹脂層の厚み方向に沿う断面を光学顕微鏡で観察したときに、100個の気泡セルの上記比(厚み方向に沿う気泡径/面方向に沿う気泡径)の平均値から求めることができる。
樹脂積層板の耐衝撃性をより一層高める観点から、上記発泡樹脂層に内在する気泡セルのアスペクト比の平均値は、2.0以上、4.0以下の範囲にあることがより好ましい。
上記発泡樹脂層を構成する発泡樹脂としては、特に限定されないが、熱可塑性樹脂であることが好ましい。上記熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィンであることが好ましい。上記ポリオレフィンとしては、例えば、エチレン単独重合体であるポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリエチレン系樹脂、プロピレン単独重合体であるポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂、ブテン単独重合体であるポリブテン、ブタジエン及びイソプレンなどの共役ジエンの単独重合体または共重合体などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。上記ポリオレフィンとしては、ポリエチレン又はポリプロピレンを用いることが好ましい。
上記発泡樹脂層は、市販品の発泡樹脂シートを成形することにより形成できる。もっとも、発泡樹脂を押出成形することによって作製してもよく、製造方法としては特に限定されない。また、上記発泡樹脂層は、2枚以上の発泡樹脂シートを成形することによって作製してもよい。
なお、上記発泡樹脂層は、本発明の目的を阻害しない範囲で、フィラー、可塑剤、酸化防止剤又は紫外線吸収剤などの他の成分を含んでいてもよい。
本発明に係る樹脂積層板は、上記発泡樹脂層を備えるため、軽量であり、かつ耐衝撃性に優れている。
(第1及び第2の強化樹脂層)
上記第1の強化樹脂層の曲げ弾性率は、1.4GPa以上である。上記第1の強化樹脂層の曲げ弾性率が1.4GPa未満である場合、樹脂積層板に衝撃が加えられた際に、第1の強化樹脂層が局所的に変形し易くなり、結果的として、樹脂積層板の曲げ降伏歪みが小さくなってしまうおそれがある。なお、上記曲げ弾性率は、JIS K 7171に準拠して測定された曲げ弾性率のことをいう。
また、第1の強化樹脂層の曲げ弾性率の上限は、特に限定されないが、第1の強化樹脂層を構成する材料の性質上、通常、8.5GPa以下である。
第2の強化樹脂層は、第1の強化樹脂層と同じ材料により形成されていてもよく、他の材料により形成されていてもよい。樹脂積層板の耐衝撃性をより一層高める観点から、第2の強化樹脂層の曲げ弾性率も、1.4GPa以上、8.5GPa以下であることが好ましい。
また、上記第1及び第2の強化樹脂層の曲げ弾性率は、それぞれ、1.6GPa以上、6.0GPa以下の範囲にあることが好ましい。上記曲げ弾性率が、1.6GPaより小さい場合、樹脂積層板の耐衝撃性を十分に高められない場合がある。他方、上記曲げ弾性率が、6.0GPaより大きい場合、上記強化樹脂層が脆くなってしまうため、衝撃が加えられた際に、樹脂積層板が割れやすくなってしまうおそれがある。
上記第1及び第2の強化樹脂層を構成する材料としては、特に限定されず、熱可塑性樹脂であることが好ましい。このような熱可塑性樹脂としては、従来公知のポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル又はポリカーボネートなどを挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
上記曲げ弾性率の範囲を満たす場合が多く、汎用品であり、かつ安価であるため、上記熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン又はポリアミドが好ましい。上記ポリオレフィンとしては、特に限定されず、ポリプロピレン又はポリエチレンなどを用いることができる。上記ポリアミドとしては、特に限定されず、ポリアミド66、ポリアミド6又はポリアミド11などを用いることができる。
なお、上記熱可塑性樹脂としては、延伸ポリオレフィンフィルムを用いることがより好ましい。その場合には、延伸により配向性が高められているため、曲げ弾性率をより一層高めることができる。
また、第1及び第2の強化樹脂層は、熱可塑性樹脂以外の他の成分、例えば可塑剤や無機充填材としてフィラーを含んでいてもよい。このような可塑剤としては、カルナバ蝋、低分子量ポリオレフィンなどの公知の可塑剤を用いることができる。
また上記無機充填材としてのフィラーは特に限定されないが、タルクや炭酸カルシウムのような公知の無機化合物またはグラフェン構造を有する炭素材料を用いることができる。好ましくは、グラフェン構造を有する炭素材料を用いることが望ましい。
上記炭素材料の含有量は、第1及び第2の強化樹脂層を構成する熱可塑性樹脂100重量部に対し、5〜60重量部であることが好ましく、10〜20重量部であることがより好ましい。上記炭素材料の含有量が少なすぎると、第1及び第2の強化樹脂層の曲げ弾性率が十分に高められないことがあり、上記炭素材料の含有量が多すぎると、第1及び第2の強化樹脂層が脆くなりすぎるなどして、樹脂積層板が割れやすくなってしまうおそれがある。
上記炭素材料としては、グラフェン、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラファイト、薄片化黒鉛及びそれらの集合体が挙げられる。上記炭素材料は、好ましくはアスペクト比が20以上である。この場合には、フィラーとしての補強効果がさらに高められるため、樹脂積層板の耐衝撃性をより一層高めることができる。
なお、上記薄片化黒鉛とは、グラフェンシートの積層体である。薄片化黒鉛は、黒鉛を剥離処理することにより得られる。すなわち、薄片化黒鉛は、元の黒鉛よりも薄い、グラフェンシートの積層体である。
上記薄片化黒鉛において、グラフェンシートの積層数は、2層以上である。上記第1及び第2の強化樹脂層の曲げ弾性率を効果的に高める観点から、グラフェンシートの積層数は、1000層以下であることが好ましく、150層以下であることがより好ましい。グラフェンシートの積層数が少ないほど、より一層効果的に曲げ弾性率を高めることができる。
また、上記薄片化黒鉛のアスペクト比は、20以上が望ましい。なお、本発明において薄片化黒鉛のアスペクト比とは、薄片化黒鉛の厚みに対する薄片化黒鉛の積層面方向における最大寸法の比をいう。アスペクト比が低すぎると、上記積層面に交差する方向に加わった外力に対する補強効果が十分でないことがある。逆に薄片化黒鉛のアスペクト比が高すぎると、効果が飽和してそれ以上の補強効果が望めないことがある。従って、薄片化黒鉛のアスペクト比の好ましい下限は20程度であり、好ましい上限は5000程度である。
(第1及び第2の補強層)
上記第1及び第2の補強層としては、例えば、天然繊維、化学繊維又は炭素繊維が一方向若しくはランダムに配向されることにより形成された不織布や、樹脂延伸フィルムなどを用いることができる。より一層軽量化する観点からは、天然繊維、化学繊維又は炭素繊維からなる不織布を用いること好ましい。コストの観点からは、安価なポリプロピレン繊維又はポリエステル繊維からなる不織布を用いることがより好ましい。このような不織布としては、オレフィン系不織布(ユニチカ株式会社製、商品名:エルベス)や、ポリエステル不織布(ユニチカ株式会社製、商品名:マリックス)などが挙げられる。
上記第1及び第2の補強層は、引張破断伸びが10%以上であることが望ましい。引張破断伸びが10%未満である場合、樹脂積層板を二次成形する際に、樹脂積層板が伸びにくくなり、二次成形性が劣ってしまうおそれがある。
上記第1及び第2の補強層は、目付重量が1000g/m以下であることが望ましい。目付重量が1000g/mより大きい場合、樹脂積層板の軽量化が困難となる場合がある。
(製造方法)
本発明に係る樹脂積層板の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、上記発泡樹脂層に、上記第1及び第2の強化樹脂層を熱融着することにより製造することができる。また、上記発泡樹脂層及び上記第1及び第2の強化樹脂層を成形しつつ、固化に至る前に積層し結合してもよい。具体的には、発泡樹脂層と第1及び第2の強化樹脂層を共押出することにより樹脂積層板を得てもよい。
また、上記第1及び第2の補強層を積層する場合は、第1及び第2の補強層を構成するフィルムや、不織布を、上記発泡樹脂層に熱融着した後に、上述した方法により第1及び第2の強化樹脂層を接合させてもよい。
(その他)
熱可塑性樹脂成形品や、熱可塑性樹脂積層板等においては、機械的強度を高めるためにガラス繊維や炭素繊維などの繊維状の無機充填材や、タルクや炭酸カルシウムなどの他の無機充填材を含有させることが一般に行われている。しかしながら、無機充填材を用いた場合、外表面に無機充填材に由来する凹凸が生じ、外観美が損なわれることがある。従って、本発明に係る樹脂積層板では、表面に位置する第1及び第2の強化樹脂層が、上記無機充填材を含まないことが好ましい。
本発明に係る樹脂積層板は、上記の構成を備えているため、無機充填材を用いずに製造することができ、外観美を損なうことなく、軽量であり、かつ耐衝撃性が高められた樹脂積層板を提供することができる。もっとも、本発明においては、上記第1及び第2の強化樹脂層が、上述した無機充填材を含んでいてもよい。
(実施例及び比較例)
以下、本発明の具体的な実施例及び比較例を挙げることにより、本発明の効果を明らかにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
発泡樹脂層の両面に第1及び第2の強化樹脂層を熱融着し、図1に示す3層構造の樹脂積層板を得た。具体的には、厚み4.0mmの発泡ポリプロピレン樹脂層(積水化学工業株式会社製、商品名:ゼットロン、品番:ZNH0601)の両面に、厚み1.0mmのポリプロピレン樹脂層(日本ポリプロピレン株式会社製、品番:MA3)を、熱融着することにより3層構造の樹脂積層板を得た。なお、熱融着には加圧式プレス成形機(株式会社神籐金属工業所製、品番:NS−37)を用い、予め140℃に加熱した加圧式プレス成形機にサンプルを投入し、プレス圧力0.1MPaで5分間熱プレスした。また、熱プレス後は、予め15℃に冷却しておいた加圧プレス機にて、プレス圧力0.1MPa、5分間の条件で冷却し樹脂積層板を得た。
(実施例2)
第1及び第2の強化樹脂層として、厚み1.0mmのポリエチレン樹脂層(日本ポリエチレン株式会社製、品番:HY540)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、3層構造の樹脂積層板を得た。
(実施例3)
発泡樹脂層の両面に第1及び第2の補強層を熱融着し、さらにその上に第1及び第2の強化樹脂層を熱融着し、図2に示す5層構造の樹脂積層板を得た。具体的には、厚み4.0mmの発泡ポリプロピレン樹脂層(積水化学工業株式会社製、商品名:ゼットロン、品番:ZNH0601)の両面に、補強層としてオレフィン系不織布(ユニチカ株式会社製、商品名:エルベス)を熱融着し、さらにその上に厚み1.0mmのポリプロピレン樹脂層(日本ポリプロピレン株式会社製、品番:MA3)をそれぞれ積層して、熱融着することにより5層構造の樹脂積層板を得た。なお、熱融着には加圧式プレス成形機(株式会社神籐金属工業所製、品番:NS−37)を用い、予め140℃に加熱した加圧式プレス成形機にサンプルを投入し、プレス圧力0.1MPaで5分間熱プレスした。また、熱プレス後は、予め15℃に冷却しておいた加圧プレス機にて、プレス圧力0.1MPa、5分間の条件で冷却し樹脂積層板を得た。
(実施例4)
第1及び第2の強化樹脂層を構成する材料として、熱可塑性樹脂(日本ポリプロピレン株式会社製:品番:EA−9)100重量部と、グラフェンシートの積層体からなる炭素材料(XG−Science社製、品番:XGnP−5、積層数:180層、アスペクト比100)20重量部とが含まれる樹脂複合材料を用いたこと以外は、実施例1と同様にして3層の積層構造を得た。
(実施例5)
第1及び第2の強化樹脂層として、二軸延伸ポリプロピレン樹脂層(フタムラ化学株式会社製、商品名:太閤ポリプリピレンフィルム)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして3層構造の樹脂積層板を得た。
(実施例6)
発泡樹脂層の両面に第1及び第2の補強層を熱融着し、さらにその上に第1及び第2の強化樹脂層を熱融着し、図2に示す5層構造の樹脂積層板を得た。具体的には、厚み4.0mmの発泡ポリプロピレン樹脂層(積水化学工業株式会社製、商品名:ゼットロン、品番:ZNH0601)の両面に、補強層としてオレフィン系不織布(ユニチカ株式会社製、商品名:エルベス)を熱融着し、さらにその上に厚み1.0mmの二軸延伸ポリプロピレン樹脂層(フタムラ化学株式会社製、商品名:太閤ポリプリピレンフィルム)をそれぞれ積層して、熱融着することにより5層構造の樹脂積層板を得た。
なお、熱融着には加圧式プレス成形機(株式会社神籐金属工業所製、品番:NS−37)を用い、予め140℃に加熱した加圧式プレス成形機にサンプルを投入し、プレス圧力0.1MPaで5分間熱プレスした。また、熱プレス後は、予め15℃に冷却しておいた加圧プレス機にて、プレス圧力0.1MPa、5分間の条件で冷却し樹脂積層板を得た。
(比較例1)
発泡樹脂層に圧縮弾性率が2.0MPaのポリプロピレン系発泡樹脂(積水化学工業株式会社製、商品名:ソフトロンS)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして樹脂積層板を得た。
(比較例2)
曲げ弾性率が1.0GPaのポリプロピレン樹脂(日本ポリプロピレン株式会社製、品番:EG8B)を第1及び第2の強化樹脂層を構成する材料に用いたこと以外は、実施例1と同様にして樹脂積層板を得た。
(比較例3)
発泡樹脂層に圧縮弾性率が2.0MPaのポリプロピレン系発泡樹脂(積水化学工業株式会社製、商品名:ソフトロンS)を用い、曲げ弾性率が1.0GPaのポリプロピレン樹脂(日本ポリプロピレン株式会社製、品番:EG8B)を第1及び第2の強化樹脂層を構成する材料に用いたこと以外は、実施例1と同様にして樹脂積層板を得た。
(評価)
実施例1〜6及び比較例1〜3で得られた樹脂積層体について、下記の評価を行った。結果を下記の表1に示す。
(1)圧縮弾性率
JIS K 7181に準拠して、試験速度1mm/分で測定し、圧縮弾性率を算出した。
(2)曲げ弾性率
JIS K 7171に準拠して、試験速度5mm/分、スパン間距離100mmで測定を行い、曲げ弾性率を算出した。
(3)発泡倍率
JIS K 6767に準拠して、発泡樹脂の体積と発泡樹脂の重量の測定を行い、発泡倍率を算出した。発泡倍率は、発泡樹脂の体積を発泡樹脂の重量で除した値とした。
(4)気泡セルの平均アスペクト比
樹脂積層板において、発泡樹脂層に内在する気泡セルの平均アスペクト比は、発泡樹脂層を厚み方向(z方向)にカットし、断面の中央部を光学顕微鏡で観察しつつ、15倍の拡大写真を撮影した。気泡セルの厚み方向(z方向)の長さをDz、水平方向(xy方向)の長さをDxyとし、写真に写った全てのセルのDzとDxyをノギスで測り、セル毎にDz/Dxyを求め、セル100個分のDz/Dxyの個数平均を算出し、アスペクト比の平均値とした。但し、測定中、Dz(実際の径)が0.05mm以下のセル、および10mm以上のセルは除外した。
(5)引張破断伸び
実施例に記載した第1と第2の補強層の引張破断伸びはJIS K 7161の引張試験に準拠して行った。
(6)曲げ降伏歪み
得られた樹脂積層板を、長さ120mm×幅50mmの試験片を切り出した。続いてこの試験片を支点間距離100mmで固定し、JIS K 7171の曲げ試験に準拠して、曲げ試験を実施した。曲げ応力が急激に低下し、サンプルが局所的に変形する点を曲げ降伏点とし、このときの歪みを曲げ降伏歪みとした。
(7)耐衝撃性(衝撃エネルギー)
樹脂積層板の耐衝撃性は、高速衝撃試験機(株式会社島津製作所製、型式:HYDRO SHOT HITS−P10)を用い、ASTM D3763−10に準拠して評価を実施した。試験片形状は、長さ120mm×幅120mmとし、ストライカー径は1/2インチφを使用した。また、試験速度は8.0m/秒とした。
衝撃エネルギー(J)は、図3に示す、高速衝撃試験により得られた樹脂積層板の衝撃波形において、最大衝撃力点の衝撃力をもとに算出した。具体的には、図3に示すように、最大衝撃力点を点Aとし、点Aの座標を(a,b)としたときに、変位が0〜aまでの範囲における、衝撃波形の曲線とx軸とで囲まれる部分(図3の斜線部分)の面積から衝撃エネルギー(J)を算出した。
Figure 2016198985
1,21…樹脂積層板
2…第1の強化樹脂層
3…第2の強化樹脂層
4…発泡樹脂層
4A…気泡セル
4a…第1の主面
4b…第2の主面
5…第1の補強層
6…第2の補強層

Claims (9)

  1. 内部に複数の気泡セルを有する発泡樹脂層と、
    前記発泡樹脂層の一方側の主面上に配置された第1の強化樹脂層と、
    を備え、
    前記発泡樹脂層の発泡倍率が、5cc/g以上、30cc/g以下であり、
    前記発泡樹脂層の圧縮弾性率が、5.0MPa以上であり、
    前記第1の強化樹脂層の曲げ弾性率が、1.4GPa以上である、樹脂積層板。
  2. 前記気泡セルの平均アスペクト比が、1.1以上、4.0以下の範囲内にある、請求項1に記載の樹脂積層板。
  3. 前記発泡樹脂層及び前記第1の強化樹脂層が、熱可塑性樹脂により構成されている、請求項1及び2に記載の樹脂積層板。
  4. 前記第1の強化樹脂層が、フィラーを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂積層板。
  5. 前記フィラーが、タルク、炭酸カルシウム、グラフェン、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラファイト及び薄片化黒鉛からなる群から選択された少なくとも1種である、請求項4に記載の樹脂積層板。
  6. 前記発泡樹脂層の前記第1の強化樹脂層側とは反対側の主面上に第2の強化樹脂層が設けられている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂積層板。
  7. 前記発泡樹脂層と前記第1の強化樹脂層との間に、補強層がさらに設けられている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂積層板。
  8. 前記補強層の引張破断伸びが、10%以上である、請求項7に記載の樹脂積層板。
  9. 前記補強層が、天然繊維、化学繊維若しくは炭素繊維が、一方向若しくはランダムに配向されることにより形成された不織布、又は樹脂延伸フィルムにより構成されている、請求項7又は8に記載の樹脂積層板。
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