JP2016197503A - 電子ビーム装置 - Google Patents

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Abstract

【目的】電子銃から放出された電子ビームのビーム成形面上における電流密度分布の一様性を向上させることが可能な電子ビーム装置を提供する。【構成】本発明の一態様の電子ビーム装置は、電子放出面が平面に限定されたカソード10と、カソードの材料よりも仕事関数の大きい材料を用いた、かかる平面の電子放出面を残して、電子放出面の周囲を覆うように配置されたカソードカバー16と、カソードから放出された電子ビームを通過させる第1の開口部が形成され、電子ビームの電位に対して相対的に正側の電位に保持されたアノード14と、カソードとアノードとの間に配置されたウェネルト12と、アノード電極を通過した電子ビームを屈折させる照明レンズ202と、アノード電極とコリメータレンズとの間に配置され、カソードとウェネルト電極とアノード電極とによって形成されるレンズ作用を及ぼす電界の球面収差を補正する球面収差補正装置212と、を備えたことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、電子ビーム装置に係り、例えば、ステージ上の試料にマルチ荷電粒子ビームを照射することによりパターンを描画するマルチビーム描画装置に関する。
半導体デバイスの微細化の進展を担うリソグラフィ技術は半導体製造プロセスのなかでも唯一パターンを生成する極めて重要なプロセスである。近年、LSIの高集積化に伴い、半導体デバイスに要求される回路線幅は年々微細化されてきている。ここで、電子線(電子ビーム)描画技術は本質的に優れた解像性を有しており、ウェハ等へ電子線を使って描画することが行われている。
例えば、マルチビームを使った描画装置がある。1本の電子ビームで描画する場合に比べて、マルチビームを用いることで一度に多くのビームを照射できるのでスループットを大幅に向上させることができる。かかるマルチビーム方式の描画装置では、例えば、電子銃から放出された電子ビームを複数の穴を持ったマスクに通してマルチビームを形成し、各々、ブランキング制御され、遮蔽されなかった各ビームが試料上の所望の位置へと照射される(例えば、特許文献1参照)。
電子ビーム描画装置や走査型電子顕微鏡(SEM)等の電子ビーム装置では、ビーム形状を成形するビーム成形面上の電流密度分布の一様性が高いことが望まれる。電流密度分布の一様性が高ければ、その分、利用可能なビーム領域を大きくできるからである。かかる問題は、シングルビームを用いる装置およびマルチビームを用いる装置において共に問題となる。そして、シングルビームよりも多数のビームを用いるマルチビーム装置においてより深刻な問題となる。例えば、マルチ電子ビーム描画装置では、マルチビームを形成するマスク面(ビーム成形面)上の電流密度分布の一様性が高いことが望まれる。電流密度分布が一定ではない電子ビームからマルチビームを形成すると、中央部と端部とで電流密度が異なるので、同じ照射量のビームを照射する場合でも照射時間が異なってしまう。よって、電流密度分布が一定なビーム領域部分を利用することになる。従来の電子銃では、マスク面上の電流密度分布がガウス分布になるため、電流密度分布の一様性が低い。よって、マルチビーム形成に利用できるビームの電流は、電子銃から放出されるエミッション電流に比べて非常に小さいといった問題があった。そのため、マルチビーム描画装置でのスループットを向上させるためには、電子銃駆動電源の出力電流を大きくしなければならないといった問題があった。
特許第4975095号公報
"Delta型新球面収差補正装置",沢田英敬他著,社団法人日本顕微鏡学会,顕微鏡Vol.45,No.3(2010)
そこで、本発明の一態用は、電子銃から放出された電子ビームのビーム成形面上における電流密度分布の一様性を向上させることが可能な電子ビーム装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様の電子ビーム装置は、
電子放出面が平面に限定されたカソードと、
カソードの材料よりも仕事関数の大きい材料を用いた、かかる平面の電子放出面を残して、電子放出面の周囲のカソードの表面を覆うように配置されたカバー部材と、
カソードから放出された電子ビームを通過させる第1の開口部が形成され、電子ビームの電位に対して相対的に正側の電位に保持されたアノード電極と、
カソードとアノードとの間に配置されたウェネルト電極と、
アノード電極を通過した電子ビームを屈折させるコリメータレンズと、
アノード電極とコリメータレンズとの間に配置され、カソードとウェネルト電極とアノード電極とによって形成されるレンズ作用を及ぼす電界の球面収差を補正する球面収差補正装置と、
を備えたことを特徴とする。
また、球面収差補正装置による結像点の位置が、コリメータレンズの焦点位置になるように、球面収差補正装置とコリメータレンズとが配置されると好適である。
また、複数の第2の開口部が形成され、複数の第2の開口部全体が含まれる領域にコリメータレンズを通過した電子ビームの照射を受け、複数の第2の開口部を電子ビームの一部がそれぞれ通過することによりマルチビームを形成する成形アパーチャアレイ部材と、
複数の第2の開口部を通過したマルチビームのうち、それぞれ対応するビームのブランキング偏向を行う複数のブランカーが配置されたブランキングアパーチャアレイ部と、
第3の開口部が形成され、マルチビームのうち複数のブランカーによってビームOFFの状態になるように偏向された各ビームを第3の開口部から外れた位置にて遮蔽し、ビームONの状態になる各ビームを第3の開口部から通過させる制限アパーチャ部材と、
をさらに備えると好適である。
また、空間電荷制限領域になるカソード温度とバイアス電圧との組合せに、カソード温度とバイアス電圧とを制御する制御部をさらに備えると好適である。
また、球面収差補正装置として、デルタ型球面収差補正装置を用いると好適である。
本発明の一態様によれば、電子銃から放出された電子ビームのビーム成形面上における電流密度分布の一様性を向上させることができる。
実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。 実施の形態1における電子銃と高圧電源回路の回路構成の一例を示す図である。 実施の形態1の比較例におけるカソードと電子軌道の一例を示す図である。 実施の形態1の比較例となる従来の電子軌道と理想的な電子軌道とを説明するための図である。 実施の形態1におけるカソードと電子軌道の一例を示す図である。 実施の形態1の構成による電子軌道を説明するための図である。 実施の形態1におけるカソード温度とバイアス電圧との関係の一例を示す図である。 実施の形態1における温度制限領域と空間電荷領域とを説明するための概念図である。 実施の形態1におけるカソードとカソードカバーの他の一例を示す図である。 実施の形態1における成形アパーチャアレイ部材の構成を示す概念図である。 実施の形態1におけるブランキングアパーチャアレイ部の構成を示す断面図である。 実施の形態1におけるブランキングアパーチャアレイ部のメンブレン領域内の構成の一部を示す上面概念図である。 実施の形態1における描画順序を説明するための図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。図1において、描画装置100は、描画部150と制御部160を備えている。描画装置100(電子ビーム装置の一例)は、マルチ電子ビーム描画装置の一例である。描画部150は、電子鏡筒102と描画室103を備えている。電子鏡筒102内には、電子銃201、球面収差補正装置212、照明レンズ202(コリメータレンズ)、成形アパーチャアレイ部材203、ブランキングアパーチャアレイ部204、縮小レンズ205、制限アパーチャ部材206、対物レンズ207、及び、偏向器208が配置されている。描画室103内には、XYステージ105が配置される。XYステージ105上には、描画時には描画対象基板となるマスク等の試料101が配置される。試料101には、半導体装置を製造する際の露光用マスク、或いは、半導体装置が製造される半導体基板(シリコンウェハ)等が含まれる。また、試料101には、レジストが塗布された、まだ何も描画されていないマスクブランクスが含まれる。XYステージ105上には、さらに、XYステージ105の位置測定用のミラー210が配置される。
また、縮小レンズ205と対物レンズ207は、共に、電磁レンズで構成され、磁場が逆方向で励磁の大きさが例えば等しくなるように配置される。縮小レンズ205と対物レンズ207によって縮小光学系が構成される。
電子銃201は、熱電子放出型のカソード10と、ウェネルト12(ウェネルト電極)と、アノード14(アノード電極)と、カソードカバー16と、を有する。ウェネルト12は、カソード10とアノード14との間に配置される。また、アノード14には、カソード10から放出された電子ビーム200を通過させる開口部15(第1の開口部)が形成されている。アノード14は、接地され、電位がグランド電位に設定されている。言い換えれば、アノード14は、電子ビーム200の電位に対して相対的に正側の電位に保持される。電子銃201には、高圧電源回路120が接続される。高圧電源回路120は、カソード10とアノード14間に加速電圧を印加することになる。加速電圧は、カソード10に、グランド電位のアノード14に対して負の電位を印加する。また、高圧電源回路120は、ウェネルト12に負のバイアス電圧を印加することになる。
制御部160は、制御計算機110、メモリ112、高圧電源回路120、収差補正制御回路122、レンズ制御回路124、偏向制御回路130、ステージ位置検出器139及び磁気ディスク装置等の記憶装置140を有している。制御計算機110、メモリ112、高圧電源回路120、収差補正制御回路122、レンズ制御回路124、偏向制御回路130、ステージ位置検出器139及び記憶装置140は、図示しないバスを介して互いに接続されている。高圧電源回路120、収差補正制御回路122、レンズ制御回路124、及び偏向制御回路130は、制御計算機110によって制御される。また、制御計算機110に入力された情報、及び制御計算機110内で演算された情報は、メモリ112に格納される。また、複数の図形パターンを含むチップのチップデータ(描画データ)が外部から描画装置100に入力され、記憶装置140に格納される。制御計算機110は、かかる描画データを記憶装置140から読み出し、複数段のデータ処理を行うと共に、描画シーケンスに沿って高圧電源回路120、収差補正制御回路122、レンズ制御回路124、及び偏向制御回路130を制御する。
ここで、図1では、実施の形態1を説明する上で必要な構成を記載している。描画装置100にとって、通常、必要なその他の構成を備えていても構わない。例えば、ステージ駆動系の制御回路や、偏向器208用のアンプを含む制御回路等の図示が省略されているが、制御部160がこれらを備えていることは言うまでもない。
図2は、実施の形態1における電子銃と高圧電源回路の回路構成の一例を示す図である。高圧電源回路120内では、加速電圧電源62とウェネルト用電源64とヒータ用電源66とが配置される。加速電圧電源62の陰極(−)側が、電子銃201内でヒータ59を介してカソード10に接続される。加速電圧電源62の陽極(+)側は、電子銃201内のアノード14(アノード電極)に接続されると共にグランド接続されている。また、加速電圧電源62の陽極(+)とアノード14との間に電流計70が直列に接続されている。また、加速電圧電源62の陰極(−)は、ウェネルト用電源64の陽極(+)にも分岐して接続され、ウェネルト用電源64の陰極(−)は、カソード10とアノード14との間に配置されたウェネルト12(ウェネルト電極)に接続される。ヒータ用電源66は、ヒータ59に接続される。そして、電子ビーム放出時には、電子銃201の配置雰囲気が図示しない真空ポンプによって所定の圧力の真空状態に維持された後、ウェネルト12にウェネルト用電源64から一定の負のウェネルト電圧(バイアス電圧)が印加され、カソード10に加速電圧電源62から一定の負の加速電圧が印加された状態で、ヒータ59によりカソード10を加熱すると、カソード10から電子(電子群)が放出され、放出電子(電子群)は加速電圧によって加速されて電子ビームとなってアノード14に向かって進む。
図3は、実施の形態1の比較例におけるカソードと電子軌道の一例を示す図である。カソード10の形状は、例えば、頂点が下に向かった円錐形の途中を水平面で切り取った円錐台形状に形成される。そのため、カソード10は、例えば水平面と円錐面となる斜面とを備える。実施の形態1の比較例では、熱放出型カソードの下面の平面部(水平面)の他に、かかる下面につながる側面(斜面)が電子放出面となる。このようなカソード形状では、カソード中心(光軸)から離れるほどカソード表面に印加される電界が急激に小さくなる。よって、比較例に示すカソードでは、電子の放出段階において電流密度の一様性がそもそも低くなってしまう。
これに対して、実施の形態1のカソード10は、図2に示すように、円筒形の上部と円錐形の頂部を水平に切り取って下面を平面とした円錐台形状の下部とを組み合わせた形状に形成されている。そして、円錐台形状のカソード10の下面(平面)を残して、下面(平面)の周囲のカソード10の表面(側面の斜面)と円筒形の上部の側面とがカソードカバー16(カバー部材)によって覆われている。カソードカバー16は、下面が平面の導体であって、カソード10の材料よりも仕事関数の大きい材料を用いればよい。カソード10、及びカソードカバー16の下面は、同一平面になっている。このようにカソード10、及びカソードカバー16を一体構造とし、その下面を平面としているので、カソード面に印加される電界は、カソード中心(光軸)から離れた位置でも大きく減少せず、カソード中心とほぼ同じ電界になる。このためカソードから放出される電流密度分布は、ほぼ一様になる。
なお、カソード10の材料は、一般に単結晶であり、焼結されてもよい、或いは焼結されなくてもよい幾つかの適した種類の結晶材料のうちのいずれかから形成されてもよく、またはそのような材料を含んでもよい。使用されてもよい典型的な材料としては、単結晶六ホウ化ランタン(LaB)、単結晶六ホウ化セリウム(CeB)、単結晶炭化ハフニウム(HfC)、焼結LaB、焼結CeB、焼結HfC、焼結タングステン−バリウム−酸素−Al(W−Ba−Al−O)、焼結スカンデート(Ba−Sc−W−O)などが挙げられるが、これらに限定されない。なお、「焼結」材料は、熱および/または圧力に晒されることにより結合される粒子から形成される材料である。そして、カソードカバー16の材料には、導体であって、これらのカソード10の材料よりも仕事関数の大きい材料として、例えば、カーボン材を用いると好適である。よって、実施の形態1のカソード10では、電子放出面が光軸方向に直交する平面(下面)に限定されることになる。よって、電子の放出段階において電流密度の一様性を保つことができる。
図4は、実施の形態1の比較例となる従来の電子軌道と理想的な電子軌道とを説明するための図である。図4(a)では、従来の電子銃から放出される電子の電子軌道の一例を示している。従来のカソードでは、上述したように電子の放出段階(放出時点)から電流密度が一様ではない。よって、図4(a)に示すように、光軸からの距離rに対して電流密度Jが一様ではない。また、カソードとウェネルト電極とアノード電極とによってレンズ作用を及ぼす電界が形成される。かかる電界の作用によって、カソードから放出された電子はクロスオーバーを形成する。上記レンズ作用を及ぼす電界には、球面収差を発生させる電界の歪みが存在するので、rが大きい位置から放出された電子の電子軌道(例えば電子軌道2)と光軸との交点は、rが小さい位置から放出された電子の電子軌道(例えば電子軌道1)と光軸との交点よりもカソード側(上流側)に位置することになる。すなわち、電子軌道が光軸上の1点で交わらない。よって、図4(a)に示すように、クロスオーバー後は、電子軌道の光軸から角度αによって、電子数が大きく異なる。これらの影響によって、従来の電子銃から放出される電子ビームは、コリメータレンズによって平行光に屈折させられて例えば成形アパーチャアレイ部材203面上に照射された場合に、電流密度分布がガウス分布に近い状態となる。言い換えれば、電子の放出段階よりもさらに電流密度分布は大きく変化することになる。
マルチ電子ビーム描画装置では、成形アパーチャアレイ部材203面上の電流密度分布(J−R分布)の一様性が良いことが要求される。Rは、成形アパーチャアレイ部材203面における光軸からの距離を示す。たとえば、ガウス分布で定義される電流密度の一様性を表わす量nが、成形アパーチャアレイ部材203面上で例えば0.9以上であることが要求される。成形アパーチャアレイ部材203面上の電流密度分布(J−r分布)がガウス分布に近い形状の場合、電流密度の一様性が良い領域を通過するビームの電流が、カソードから放出される全電子の電流(以下、エミッション電流と呼ぶ)に比べて非常に小さくなる。例えば、電流密度分布がガウス分布の場合、n以上の一様性を持つビーム領域の電流I(n)と、エミッション電流Itの関係は次の式(1)で表わされる。
(1) I(n)=It(1−n)
例えば、n=0.9の場合、I(n)=0.1×Itとなる。すなわちエミッション電流の10%の電流のみを成形アパーチャアレイ部材203面を通過するビームとして使用し、残りの90%の電流は使用しないことになる。そのため、従来の電子銃を用いたマルチ電子ビーム描画装置では、加速電圧電源の出力電流が非常に大きくなる。例えば、成形アパーチャアレイ部材203面を通過するマルチビーム全体のビーム電流として500μAが必要な場合、加速電圧電源の出力電流は5mAとなる。一般に出力電流が大きいほど、短期電圧変動が小さく、かつ、長期電圧ドリフトが小さい加速電圧電源(安定性の良い加速電圧電源)を製作することが難しい。出力電流が5mAと大きくなると、マルチ電子ビーム描画装置に要求される高い安定性をもつ加速電圧電源の製作は困難となるという問題があった。
理想的には、図4(b)に示すように、カソードから電子が放出される放出段階での電流密度分布を一様にでき、かつ各電子の電子軌道が光軸上の1点で交わるようにできれば、成形アパーチャアレイ部材203面上の電流密度分布(J−r分布)を一様にできる。言い換えれば、図4(b)に示すように、カソードの電子放出面上における光軸からの距離rに対して電流密度が一様になるように電子を放出させる。そして、クロスオーバー後は、電子軌道の光軸からの角度αによらず電子数を一定にさせる。これらができれば、成形アパーチャアレイ部材203面上の電流密度分布(J−R分布)を一様にできる。そこで、実施の形態1では、カソード10から電子が放出される放出段階での電流密度分布の一様性を高めると共に、カソード10とウェネルト12とアノード14とによって形成されるレンズ作用を及ぼす電界で生じる球面収差の作用の低減を図る。
図5は、実施の形態1におけるカソードと電子軌道の一例を示す図である。カソード10とウェネルト12とアノード14とによってレンズ作用を及ぼす電界18が形成される。カソード10の下面(平面)から放出された電子は、点線で示す等電位線に、できるだけ直交するように進む。そのため、カソード10の下面(平面)の光軸に近い位置から放出された電子の軌道17bよりも光軸から離れた位置から放出された電子の軌道17aの方が大きく曲げられることになる。よって、電子の軌道17aの方が電子の軌道17bよりもカソード10側(上流側)で光軸と交わることになる。すなわち、電子軌道が光軸上の1点で交わらない。すなわち、かかる電界18レンズ作用によって球面収差が生じている。しかしながら、実施の形態1のカソード10は、図5に示すように、カソード10の下面(平面)を残して、下面(平面)の周囲の表面(側面の斜面)がカソードカバー16(カバー部材)によって覆われている。カソード10とカソードカバー16の作る下面は同一平面になっているため、カソード10の下面に近い領域の等電位線19は、カソード10の下面とほぼ平行になっている。このため、カソード10の下面(平面)に印加される電界はほぼ一様となり、カソード10から放出される電子の電流密度分布はほぼ一様にとなる。これらにより、電子の放出段階(放出時点)では、電流密度分布(J−r分布)を実質的に一様にできる。よって、電界18のレンズ作用による球面収差が解消できれば、成形アパーチャアレイ部材203面上の電流密度分布(J−R分布)を一様にできる。
図6は、実施の形態1の構成による電子軌道を説明するための図である。図6(a)に示すように、カソード10の下面(平面)を残して、下面(平面)の周囲の表面(側面の斜面)がカソードカバー16(カバー部材)によって覆われている。よって、図6(b)に示すように電子の放出段階(放出時点)では、電流密度分布(J−r分布)を実質的に一様にできる。しかし、カソード10とウェネルト12とアノード14とによってレンズ作用を及ぼす電界18のレンズ作用によってクロスオーバー(C.O.1)が1点で形成されず、球面収差が生じる。よって、図6(b)に示すように、C.O.1形成後は光軸との角度α1によって電子数が異なり、電流密度分布(放出角分布)が一様ではなくなる。
そこで、実施の形態1では、図6(a)に示すように、アノード14と照明レンズ(コリメータレンズ)202との間に球面収差補正装置212を配置する。球面収差補正装置として、例えばデルタ型球面収差補正装置を用いると好適である。或いは、その他の球面収差補正装置を用いてもよい。例えば、二段ヘキサポール型球面収差補正装置を用いても好適である。球面収差補正装置212の構成は、既に知られている技術を用いた構成で構わない。収差補正制御回路122によって球面収差補正装置212を構成するレンズ等に流す電流等が制御されることによって、球面収差補正装置212は、カソード10とウェネルト12とアノード14とによって形成されるレンズ作用を及ぼす電界18の球面収差を補正する。そして、球面収差補正装置212による結像点で電子ビームにクロスオーバー(C.O.2)を形成させる。球面収差補正装置212によって球面収差が補正されるので、C.O.2を1点で形成させることができる。これにより、図6(b)に示すように、C.O.2形成後は光軸との角度α2に対する電子数(放出角分布)を一定に近づけることができる。そして、球面収差補正装置212による結像点の位置が、照明レンズ(コリメータレンズ)202の焦点位置になるように、球面収差補正装置212と照明レンズ(コリメータレンズ)202とを配置する。言い換えれば、レンズ制御回路124によって、照明レンズ(コリメータレンズ)202の焦点位置を球面収差補正装置212による結像点の位置に合わせるように照明レンズ(コリメータレンズ)202に流す電流値を制御する。或いは、収差補正制御回路122とレンズ制御回路124とにより、球面収差補正装置212による結像点の位置が、照明レンズ(コリメータレンズ)202の焦点位置になるように調整すればよい。そして、照明レンズ(コリメータレンズ)202がアノード14を通過した電子ビームを平行光に屈折させ、成形アパーチャアレイ部材203面に電子ビームを照射する。これにより、図6(b)に示すように、成形アパーチャアレイ部材203面(BAA面)上に照射される電子ビーム200の電流密度分布(J−R分布)を一様に近づけることができる。
以上のように、実施の形態1では、光軸方向に直交する平面にカソード10の電子放出面を限定し、球面収差補正装置212により電界18の球面収差を補正させる。これらの相乗効果により、照明レンズ(コリメータレンズ)202が、電流密度分布(J−R分布)が一様の電子ビームを成形アパーチャアレイ部材203面に照射できる。
例えばn=0.9以上の均一性を有する円形領域のビーム電流が、成形アパーチャアレイ部材203面を通過するマルチビーム全体のビーム電流として、例えば500μA必要であるとする。ガウス分布に沿った電流密度分布であった従来の手法では、加速電圧電源62の出力電流が例えば5mA必要であったのに対して、実施の形態1によれば、1mAで済ますことができる。言い換えれば、実施の形態1によれば、描画装置100で使用可能な電流密度分布(J−R分布)が一様の電子ビームの割合を例えば10%から50%に増加させることができる。
なお、電子銃201が電子を放出する場合に、高圧電源回路120(制御部)は、空間電荷制限領域になるカソード温度とバイアス電圧との組合せになるように、カソード温度とバイアス電圧とを制御する。
図7は、実施の形態1におけるカソード温度とバイアス電圧との関係の一例を示す図である。高圧電源回路120(制御部)は、エミッション電流を一定に保つために、カソード温度とバイアス電圧とを制御する。エミッション電流が一定であれば、カソード温度が変化してもバイアス電圧が一定になる空間電荷制限領域が存在する。ある仕事関数φを持ったカソード10では、電子放出面の面積Sが固定されているので、カソード温度Tを上昇させていくと、全放出電流Iは、例えばリチャードソン・ダッシマンの式に従って増加する。しかし、カソード温度Tをさらに増加させると、温度制限領域から空間電荷領域へと移行し、空間電荷領域では、エミッション電流(全放出電流I)は、一定値となる。
図8は、実施の形態1における温度制限領域と空間電荷領域とを説明するための概念図である。カソード温度がある制限値より低い場合、図8(a)に示すように、カソード10から放出された電子80はすべてアノード14方向に進む。かかる状態では、放出される電子数はカソード温度の関数となる。かかる状態のカソード温度領域が温度制限領域となる。これに対して、カソード温度が高くなり、制限値を超えると、カソード10から放出された電子の数が増え、カソード10の前面に空間電荷82と呼ばれる電子雲が形成される。空間電荷82はカソード10からの電子放出現象に負のフィードバック効果をもたらす。かかる状態では、放出される電子数はカソード温度に依存しなくなる。かかる状態のカソード温度領域が空間電荷領域となる。
図9は、実施の形態1におけるカソードとカソードカバーの他の一例を示す図である。図1では、円筒形の上部と円錐形の頂部を水平に切り取って下面を平面とした円錐台形状の下部とを組み合わせたカソード10と円錐側面となる斜面と円筒側面とを覆った外周部が円筒状のカソードカバー16を示したが、これに限るものではない。図9(a)では、円筒状のカソード10aと円筒の側面側の曲面をカソードカバー16aで覆った場合を示している。また、円筒状のカソード10aの下面(平面)が電子放出面Sとなる。図9(b)では、カソード10bの形状は図1と同様であるが、カソードカバー16bでは、図1に示したカソードカバー16のうち、円錐面となる斜面部分の外周部が内周側と同様に円錐形になった形状を示している。図9(c)では、直径が大きい円筒状の上部部材の下に直径が小さい円筒状の下部部材を繋げた直径の異なる2段の円筒状のカソード10bを2段の各円筒の側面側の曲面をカソードカバー16bで覆った場合を示している。また、カソード10bの直径が小さい円筒の下面(平面)が電子放出面Sとなる。図9(d)では、カソード10dの形状は図1と同様であるが、カソードカバー16dでは、図1に示したカソードカバー16のうち、円錐側面となる斜面部分にカソード10dとカソードカバー16dとの間に隙間Gを形成した形状を示している。かかる構成では、カソード10dの円錐側面からも電子が放出されることになるが、下面(平面)の電子放出面Sの面積の割合がかかる下面(平面)上での隙間Gの面積に比べて十分大きければ電流密度分布への影響を無視できる。かかる割合については、適宜調整すればよい。
次に、かかる電子銃201及び球面収差補正装置212によって、電流密度分布が一様の電子ビームが照明レンズ(コリメータレンズ)202によって成形アパーチャアレイ部材203面に照射された後の動作について重点をおいて説明する。
図10は、実施の形態1における成形アパーチャアレイ部材の構成を示す概念図である。図10(a)において、成形アパーチャアレイ部材203には、縦(y方向)m列×横(x方向)n列(m,n≧2)の穴(開口部)22が所定の配列ピッチでマトリクス状に形成されている。図10(a)では、例えば、512×8列の穴22が形成される。各穴22は、共に同じ寸法形状の矩形で形成される。或いは、同じ外径の円形であっても構わない。ここでは、y方向の各列について、x方向にAからHまでの8つの穴22がそれぞれ形成される例が示されている。これらの複数の穴22を電子ビーム200の一部がそれぞれ通過することで、マルチビーム20が形成されることになる。ここでは、縦横(x,y方向)が共に2列以上の穴22が配置された例を示したが、これに限るものではない。その他、例えば、縦横(x,y方向)どちらか一方が複数列で他方は1列だけであっても構わない。また、穴22の配列の仕方は、図10(a)のように、縦横が格子状に配置される場合に限るものではない。図10(b)に示すように、例えば、縦方向(y方向)1段目の列と、2段目の列の穴同士が、横方向(x方向)に寸法aだけずれて配置されてもよい。同様に、縦方向(y方向)2段目の列と、3段目の列の穴同士が、横方向(x方向)に寸法bだけずれて配置されてもよい。
図11は、実施の形態1におけるブランキングアパーチャアレイ部の構成を示す断面図である。
図12は、実施の形態1におけるブランキングアパーチャアレイ部のメンブレン領域内の構成の一部を示す上面概念図である。なお、図11と図12において、制御電極24と対向電極26と制御回路41,43の位置関係は一致させて記載していない。ブランキングアパーチャアレイ部204は、図11に示すように、支持台33上にシリコン等からなる半導体基板31が配置される。基板31の中央部は、例えば裏面側から薄く削られ、薄い膜厚hのメンブレン領域30(第1の領域)に加工されている。メンブレン領域30を取り囲む周囲は、厚い膜厚Hの外周領域32(第2の領域)となる。メンブレン領域30の上面と外周領域32の上面とは、同じ高さ位置、或いは、実質的に高さ位置になるように形成される。基板31は、外周領域32の裏面で支持台33上に保持される。支持台33の中央部は開口しており、メンブレン領域30の位置は、支持台33の開口した領域に位置している。
メンブレン領域30には、図10に示した成形アパーチャアレイ部材203の各穴22に対応する位置にマルチビームのそれぞれのビームの通過用の通過孔25(開口部)が開口される。そして、メンブレン領域30上には、図11及び図12に示すように、各通過孔25の近傍位置に該当する通過孔25を挟んでブランキング偏向用の制御電極24と対向電極26の組(ブランカー:ブランキング偏向器)がそれぞれ配置される。また、メンブレン領域30上の各通過孔25の近傍には、各通過孔25用の制御電極24に偏向電圧を印加する制御回路41(ロジック回路)が配置される。各ビーム用の対向電極26は、グランド接続される。
また、図12に示すように、各制御回路41は、制御信号用の例えば10ビットのパラレル配線が接続される。各制御回路41は、制御信号用の例えば10ビットのパラレル配線の他、クロック信号線および電源用の配線が接続される。クロック信号線および電源用の配線はパラレル配線の一部の配線を流用しても構わない。マルチビームを構成するそれぞれのビーム毎に、制御電極24と対向電極26と制御回路41とによる個別ブランキング機構47が構成される。また、図3の例では、制御電極24と対向電極26と制御回路41とが基板31の膜厚が薄いメンブレン領域30に配置される。但し、これに限るものではない。
各通過孔25を通過する電子ビーム20は、それぞれ独立にかかる対となる2つの電極24,26に印加される電圧によって偏向される。かかる偏向によってブランキング制御される。言い換えれば、制御電極24と対向電極26の組は、成形アパーチャアレイ部材203の複数の穴22(開口部)を通過したマルチビームのうちの対応ビームをそれぞれブランキング偏向する。
次に描画装置100における描画部150の動作について説明する。電子銃201(放出部)から放出された電子ビーム200は、照明レンズ202によりほぼ垂直に成形アパーチャアレイ部材203全体を照明する。成形アパーチャアレイ部材203には、矩形の複数の穴(第2の開口部)が形成され、電子ビーム200は、すべての複数の穴が含まれる領域を照明する。複数の穴の位置に照射された電子ビーム200の各一部が、かかる成形アパーチャアレイ部材203の複数の穴をそれぞれ通過することによって、例えば矩形形状の複数の電子ビーム(マルチビーム)20a〜eが形成される。かかるマルチビーム20a〜eは、ブランキングアパーチャアレイ部204のそれぞれ対応するブランカー(第1の偏向器:個別ブランキング機構)内を通過する。偏向制御回路130によってブランキング偏向が制御されたブランキングアパーチャアレイ部204内の各ブランカーは、それぞれ、個別に通過する電子ビーム20を偏向する(ブランキング偏向を行う)。
ブランキングアパーチャアレイ部204を通過したマルチビーム20a〜eは、縮小レンズ205によって、縮小され、制限アパーチャ部材206に形成された中心の穴(第3の開口部)に向かって進む。ここで、ブランキングアパーチャアレイ部204のブランカーによって偏向された電子ビーム20は、制限アパーチャ部材206の中心の穴から位置がはずれ、制限アパーチャ部材206によって遮蔽される。一方、ブランキングアパーチャアレイ部204のブランカーによって偏向されなかった電子ビーム20は、図1に示すように制限アパーチャ部材206の中心の穴を通過する。かかる個別ブランキング機構のON/OFFによって、ブランキング制御が行われ、ビームのON/OFFが制御される。このように、制限アパーチャ部材206は、個別ブランキング機構によってビームOFFの状態になるように偏向された各ビームを遮蔽する。そして、ビーム毎に、ビームONになってからビームOFFになるまでに形成された、制限アパーチャ部材206を通過したビームにより、1回分のショットのビームが形成される。制限アパーチャ部材206を通過したマルチビーム20は、対物レンズ207により焦点が合わされ、所望の縮小率のパターン像となり、偏向器208によって、制限アパーチャ部材206を通過した各ビーム(マルチビーム20全体)が同方向に一括して偏向され、各ビームの試料101上のそれぞれの照射位置に照射される。また、例えばXYステージ105が連続移動している時、ビームの照射位置がXYステージ105の移動に追従(トラッキング)するように偏向器208によって制御される。XYステージ105の位置は、ステージ位置検出器139からレーザをXYステージ105上のミラー210に向けて照射し、その反射光を用いて測定される。一度に照射されるマルチビーム20は、理想的には成形アパーチャアレイ部材203の複数の穴の配列ピッチに上述した所望の縮小率を乗じたピッチで並ぶことになる。描画装置100は、各回のトラッキング動作中にXYステージ105の移動に追従しながらショットビームとなるマルチビーム20を偏向器208によるビーム偏向位置の移動によって1画素ずつ描画制御部70により制御された描画シーケンスに沿って照射していく描画動作を行う。所望のパターンを描画する際、パターンに応じて必要なビームがブランキング制御によりビームONに制御される。
図13は、実施の形態1における描画順序を説明するための図である。試料101の描画領域37(或いは描画されるチップ領域)は、所定の幅で短冊上のストライプ領域35に分割される。そして、各ストライプ領域35は、複数のメッシュ状の画素領域36(画素)に仮想分割される。画素領域36(画素)のサイズは、例えば、ビームサイズ、或いは、それ以下のサイズであると好適である。例えば、10nm程度のサイズにすると好適である。画素領域36(画素)は、マルチビームの1つのビームあたりの照射単位領域となる。
マルチビーム20で試料101を描画する際、マルチビーム20による1回の照射によって照射領域34を照射することになる。上述したように、トラッキング動作中にXYステージ105の移動に追従しながらショットビームとなるマルチビーム20全体を一括して偏向器208によるビーム偏向位置の移動によって1画素ずつ順に連続して照射していく。そして、試料101上のどの画素をマルチビームのどのビームが照射するのかは描画シーケンスによって決まる。マルチビームのx,y方向にそれぞれ隣り合うビーム間のビームピッチを用いて、試料101面上におけるx,y方向にそれぞれ隣り合うビーム間のビームピッチ(x方向)×ビームピッチ(y方向)の領域はn×n画素の領域(サブピッチ領域)で構成される。例えば、1回のトラッキング動作で、XYステージ105が−x方向にビームピッチ(x方向)だけ移動する場合、x方向或いはy方向(或いは斜め方向)に1つのビームによって照射位置をシフトしながらn画素が描画される。同じn×n画素の領域内の他のn画素が次回のトラッキング動作で上述したビームとは異なるビームによって同様にn画素が描画される。このようにn回のトラッキング動作でそれぞれ異なるビームによってn画素ずつ描画されることにより、1つのn×n画素の領域内のすべての画素が描画される。マルチビームの照射領域内の他のn×n画素の領域についても同時期に同様の動作が実施され、同様に描画される。かかる動作によって、照射領域34内の全画素が描画可能となる。これらの動作を繰り返すことで、対応するストライプ領域35全体を描画することができる。そして、描画装置100では、必要な画素に必要な照射量のビームを照射することにより形成される画素パターン(ビットパターン)の組み合わせにより、所望のパターンを描画することができる。
以上のように、実施の形態1によれば、電子銃から放出された電子ビームのビーム成形面上における電流密度分布の一様性を向上させることができる。よって、加速電圧電源62を小さくできる。
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。例えば、描画装置100を制御する制御部構成については、記載を省略したが、必要とされる制御部構成を適宜選択して用いることは言うまでもない。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての荷電粒子ビーム描画方法及び荷電粒子ビーム描画装置は、本発明の範囲に包含される。
10 カソード
12 ウェネルト
14 アノード
15 開口部
16 カソードカバー
20 マルチビーム
20 マルチビーム
22 穴
24 制御電極
25 通過孔
26 対向電極
30 メンブレン領域
31 半導体基板
32 外周領域
33 支持台
34 照射領域
35 ストライプ領域
36 画素
37 描画領域
41 制御回路
47 個別ブランキング機構
59 ヒータ
62 加速電圧電源
64 ウェネルト用電源
66 ヒータ用電源
70 電流計
80 電子
82 空間電荷
100 描画装置
101 試料
102 電子鏡筒
103 描画室
105 XYステージ
110 制御計算機
112 メモリ
120 高圧電源回路
122 収差補正制御回路
124 レンズ制御回路
130 偏向制御回路
139 ステージ位置検出器
140 記憶装置
150 描画部
160 制御部
200 電子ビーム
201 電子銃
202 照明レンズ
203 成形アパーチャアレイ部材
204 ブランキングアパーチャアレイ部
205 縮小レンズ
206 制限アパーチャ部材
207 対物レンズ
208 偏向器
212 球面収差補正装置
210 ミラー

Claims (5)

  1. 電子放出面が平面に限定されたカソードと、
    前記カソードの材料よりも仕事関数の大きい材料を用いた、前記平面の前記電子放出面を残して、前記電子放出面の周囲の前記カソードの表面を覆うように配置されたカバー部材と、
    前記カソードから放出された電子ビームを通過させる第1の開口部が形成され、前記電子ビームの電位に対して相対的に正側の電位に保持されたアノード電極と、
    前記カソードと前記アノードとの間に配置されたウェネルト電極と、
    前記アノード電極を通過した電子ビームを屈折させるコリメータレンズと、
    前記アノード電極と前記コリメータレンズとの間に配置され、前記カソードと前記ウェネルト電極と前記アノード電極とによって形成されるレンズ作用を及ぼす電界の球面収差を補正する球面収差補正装置と、
    を備えたことを特徴とする電子ビーム装置。
  2. 前記球面収差補正装置による結像点の位置が、前記コリメータレンズの焦点位置になるように、前記球面収差補正装置と前記コリメータレンズとが配置されることを特徴とする請求項1記載の電子ビーム装置。
  3. 複数の第2の開口部が形成され、前記複数の第2の開口部全体が含まれる領域に前記コリメータレンズを通過した電子ビームの照射を受け、前記複数の第2の開口部を前記電子ビームの一部がそれぞれ通過することによりマルチビームを形成する成形アパーチャアレイ部材と、
    前記複数の第2の開口部を通過したマルチビームのうち、それぞれ対応するビームのブランキング偏向を行う複数のブランカーが配置されたブランキングアパーチャアレイ部と、
    第3の開口部が形成され、前記マルチビームのうち前記複数のブランカーによってビームOFFの状態になるように偏向された各ビームを前記第3の開口部から外れた位置にて遮蔽し、ビームONの状態になる各ビームを前記第3の開口部から通過させる制限アパーチャ部材と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の電子ビーム装置。
  4. 空間電荷制限領域になるカソード温度とバイアス電圧との組合せに、前記カソード温度と前記バイアス電圧とを制御する制御部をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の電子ビーム装置。
  5. 前記球面収差補正装置として、デルタ型球面収差補正装置を用いることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の電子ビーム装置。
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