JP2016187245A - ステータの製造方法及びステータ - Google Patents
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Abstract
【課題】ステータコアのスロット内で電気導体同士を確実に接合して固定できるとともに、通電時の接触抵抗を低減できるステータの製造方法及びステータを提供すること。
【解決手段】中心軸方向の一端面に凹部11a,12aが形成され、他端面に凹部11a,12aに嵌合可能な凸部11b,12bが形成された複数の電気導体11,12を準備する準備工程と、スロット21の両開放端からそれぞれ電気導体11,12を挿入し、挿入された電気導体11,12同士の凹部11a,12aと凸部11b,12bとをスロット21内で嵌合させて形成した接合部10をスロット21の幅方向に拡幅させることで、該接合部10をスロット21の内壁により挟持し、これにより電気導体11,12同士を接合してスロット21内に固定する接合工程と、を有するステータ3の製造方法である。
【選択図】図1
【解決手段】中心軸方向の一端面に凹部11a,12aが形成され、他端面に凹部11a,12aに嵌合可能な凸部11b,12bが形成された複数の電気導体11,12を準備する準備工程と、スロット21の両開放端からそれぞれ電気導体11,12を挿入し、挿入された電気導体11,12同士の凹部11a,12aと凸部11b,12bとをスロット21内で嵌合させて形成した接合部10をスロット21の幅方向に拡幅させることで、該接合部10をスロット21の内壁により挟持し、これにより電気導体11,12同士を接合してスロット21内に固定する接合工程と、を有するステータ3の製造方法である。
【選択図】図1
Description
本発明は、ステータの製造方法及びステータに関する。
従来、ステータコアに複数形成されたスロットの両開放端からそれぞれ電気導体を挿入し、挿入された電気導体同士をスロット内で接合することでステータを製造する技術が知られている。この技術では、スロット内で電気導体の先端同士が突き合わされて接合され(例えば、特許文献1参照)、例えば電気導体の先端面に凹部や凸部を形成し、これらを嵌合させることで電気導体同士が接合される(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、従来のように凹部と凸部の嵌合のみでは十分な接合強度を得ることができず、振動や冷熱により生じる力で電気導体同士の接合が解除されてしまうおそれがあった。また、従来構造では単に凹部と凸部を嵌合するだけであるため、電気導体同士の接触面積を十分確保できず、通電抵抗が増大してステータとしての性能が低下するおそれがあった。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、ステータコアのスロット内で電気導体同士を確実に接合して固定できるとともに、通電抵抗を低減できるステータの製造方法及びステータを提供することにある。
(1)本発明では、ステータコア(例えば、後述のステータコア2)に複数形成されたスロット(例えば、後述のスロット21)の両開放端からそれぞれ電気導体(例えば、後述の電気導体11,12)を挿入し、挿入された電気導体同士を前記スロット内で接合するステータ(例えば、後述のステータ3)の製造方法であって、軸方向の一端面に凹部(例えば、後述の凹部11a,12a)が形成され、他端面に前記凹部に嵌合可能な凸部(例えば、後述の凸部11b,12b)が形成された複数の電気導体を準備する準備工程(例えば、後述の準備工程)と、前記スロットの両開放端からそれぞれ電気導体を挿入し、挿入された電気導体同士の凹部と凸部とを前記スロット内で嵌合させて形成した接合部(例えば、後述の接合部10)を前記スロットの幅方向に拡幅させることで、該接合部を前記スロットの内壁により挟持し、これにより前記電気導体同士を接合して前記スロット内に固定する接合工程(例えば、後述の接合工程)と、を有するステータの製造方法(例えば、後述のステータ3の製造方法)を提供する。
(1)の発明に係る製造方法では、先ず、軸方向の一端面に凹部が形成され、この凹部に嵌合可能な凸部が他端面に形成された複数の電気導体を準備する準備工程を設ける。次いで、接合工程を設け、スロットの両開放端からそれぞれ電気導体を挿入し、挿入された電気導体同士の凹部と凸部とをスロット内で嵌合させて形成した接合部をスロットの幅方向に拡幅させる。これにより、該接合部がスロットの内壁により挟持されることで、電気導体同士を接合してスロット内に固定する。
これにより、(1)の発明によれば、電気導体の凹部と凸部との嵌合による接合に加えて、スロットの内壁で電気導体同士の拡幅された接合部を挟持して固定できるため、電気導体同士の接合強度を高めることができる。また、凹部と凸部の接合部をスロットの内壁で挟持するため、凹部と凸部の十分な接触面積を確保でき、通電抵抗を低減できる。従って(1)の発明によれば、ステータコアのスロット内で電気導体同士を確実に接合して固定できるとともに、通電抵抗を低減できる。
これにより、(1)の発明によれば、電気導体の凹部と凸部との嵌合による接合に加えて、スロットの内壁で電気導体同士の拡幅された接合部を挟持して固定できるため、電気導体同士の接合強度を高めることができる。また、凹部と凸部の接合部をスロットの内壁で挟持するため、凹部と凸部の十分な接触面積を確保でき、通電抵抗を低減できる。従って(1)の発明によれば、ステータコアのスロット内で電気導体同士を確実に接合して固定できるとともに、通電抵抗を低減できる。
(2)(1)の発明において、前記接合工程の前に、表面が熱硬化性樹脂で形成された絶縁部材(例えば、後述の絶縁部材4)を前記スロットの内壁面上に配置する絶縁工程(例えば、後述の絶縁工程)をさらに有することが好ましい。
(2)の発明では、接合工程の前に、表面が熱硬化性樹脂で形成された絶縁部材をスロットの内壁面上に配置する。これにより、凹部と凸部の接合部が、絶縁部材の熱硬化性樹脂による接着作用によってより強固に接合されるとともに、スロット内により強固に固定される。
(3)(1)又は(2)の発明において、前記接合工程は、前記スロット内で隣接する電気導体同士の各接合部を、前記スロットの深さ方向に交互にずらした位置で形成することが好ましい。
(3)の発明では、スロット内で隣接する電気導体同士の各接合部を、スロットの深さ方向に交互にずらした位置で形成する。これにより、スロット内で隣接する電気導体同士の各接合部が隣接することがないため、絶縁性を確保しつつ、上述の(1)及び(2)の発明の効果が得られる。
(4)(1)から(3)いずれかの発明において、前記準備工程は、1本の電気導体(例えば、後述の1本の電気導体100)を切断することで前記凹部と前記凸部を形成し、前記凹部を有する電気導体と前記凸部を有する電気導体を得る切断工程(例えば、後述の切断工程)と、前記凹部を前記電気導体の幅方向から押圧して前記凹部の幅を前記凸部の幅よりも小さくする幅矯正工程(例えば、後述の幅矯正工程)と、を有することが好ましい。
(4)の発明では、準備工程として、先ず、1本の電気導体を切断することで凹部と凸部を形成し、凹部を有する電気導体と凸部を有する電気導体を得る切断工程を設ける。次いで、凹部を電気導体の幅方向から押圧して凹部の幅を凸部の幅よりも小さくする幅矯正工程を設ける。
これにより、凹部に、該凹部の幅よりも大きい幅を有する凸部が嵌合されることになり、嵌合によって接合部の幅をスロットの幅方向に確実に拡幅させることができる。また、凹部に凸部を嵌合させる際に、凸部が凹部内を摺動して表面同士が擦れ合うことで、両者の表面に存在する酸化膜を除去できる。そのため、接合強度をより高めることができ、通電抵抗をより低減できる。
これにより、凹部に、該凹部の幅よりも大きい幅を有する凸部が嵌合されることになり、嵌合によって接合部の幅をスロットの幅方向に確実に拡幅させることができる。また、凹部に凸部を嵌合させる際に、凸部が凹部内を摺動して表面同士が擦れ合うことで、両者の表面に存在する酸化膜を除去できる。そのため、接合強度をより高めることができ、通電抵抗をより低減できる。
(5)(4)の発明において、前記準備工程は、前記切断工程の直前、最中又は直後に、前記電気導体の切断部(例えば、後述の切断部110)を厚み方向に潰すことで幅を広げる潰し工程(例えば、後述の潰し工程)をさらに有することが好ましい。
(5)の発明では、切断工程の直前、最中又は直後に、電気導体の切断部を厚み方向に潰すことで幅を広げる潰し工程を設ける。これにより、潰し工程で潰した電気導体の切断部の幅が、電気導体の凹部と凸部の幅となるため、凹部と凸部が嵌合する接合部の幅を確実に拡幅できるとともに、その幅を容易に調整できる。
(6)ステータコアに複数形成されたスロット内で電気導体同士が接合されたステータであって、前記電気導体同士が接合された接合部の幅が、該接合部を除く部分の幅よりも大きいことで、前記電気導体同士が接合された接合部の幅が、該接合部を除く部分の幅よりも大きいことで、該接合部が前記スロットの内壁により挟持され、これにより前記電気導体同士が接合されて前記スロット内に固定されるステータを提供する。
(6)の発明に係るステータによれば、(1)の発明と同様の効果が得られる。
(7)前記スロット内で隣接する電気導体同士の各接合部は、前記スロットの深さ方向に交互にずれて配置されることが好ましい。
(7)の発明に係るステータによれば、(3)の発明と同様の効果が得られる。
本発明によれば、ステータコアのスロット内で電気導体同士を確実に接合して固定できるとともに、通電抵抗を低減できるステータの製造方法及びステータを提供できる。
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態と共通する構成については同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
本発明の第1実施形態に係るステータ3の製造方法は、ステータコア2に複数形成されたスロット21の両開放端から、それぞれ電気導体11,12を挿入し、挿入された電気導体11,12同士をスロット21内で接合することにより、ステータ3を製造するものである。以下、本実施形態に係るステータ3の製造方法により製造されるステータ3の構成について説明した後に、本実施形態に係るステータ3の製造方法について詳しく説明する。
図1は、本実施形態に係るステータ3の構成を示す断面模式図である。具体的には図1は、ステータ3をその厚み方向に切断したときの断面模式図である。また、図2は、本実施形態に係るステータコア2を示す斜視図である。
これら図1及び図2に示すように、ステータ3は、略円環状を有し、コイル1と、ステータコア2と、を含んで構成される。ステータ3の内側には、図示しないロータが回転自在に配置されることで、回転電機が構成される。
これら図1及び図2に示すように、ステータ3は、略円環状を有し、コイル1と、ステータコア2と、を含んで構成される。ステータ3の内側には、図示しないロータが回転自在に配置されることで、回転電機が構成される。
ステータコア2は、略円環状の鋼板を複数枚積層することで形成される。図2に示すように、ステータコア2には、回転軸(ステータコア2の中心軸)方向に貫通するスロット21が円環状に複数設けられる。即ち、スロット21は、ステータコア2の円周方向に等間隔ごとに複数設けられる。
各スロット21は、ステータコア2の内周縁から径方向外側に向かって放射状に延びるように形成される。各スロット21は、ステータコア2の内周面上に円周方向に等間隔ごとに形成された回転軸方向に延びるスリット22に連通している。
図1に示すように、コイル1は、スロット21の両開放端からそれぞれ電気導体11,12を挿入し、挿入した電気導体11,12同士をスロット21内で接合することにより形成される。ここで、電気導体11,12は、便宜上、それぞれ別の符号を付しているが、同一の電気導体で構成される。便宜上、ステータコア2の上方(図1の上方)に配置されるものを電気導体11とし、ステータコア2の下方(図1の下方)に配置されるものを電気導体12とする。
コイル1は、周方向に、電気導体11,12が交互に配置されて接合されることで形成されている。また、電気導体11,12は、ステータコア2の径方向(図1の紙面に直交する方向)に、交互に8本隣接して束となって配置されている。
電気導体11,12は、スロット21内に収容される第1収容部111,121及び第2収容部112,122と、これら収容部を連結する連結部113,123と、を含んで構成される。電気導体11,12は、長尺の平角線からなるワイヤで形成され、その中心軸方向の両端を略直角に屈曲させて両収容部を形成することにより得られる。
第1収容部111,121は、スロット21内に収容されて配置される。第1収容部111,121は、後述する第2収容部112,122と比べて電気導体11,12の中心軸方向の長さが長く形成されている。即ち、第1収容部111,121は、第2収容部112,122と比べてスロット21内への挿入長さが長い。具体的には、第1収容部111,121は、スロット21の一端側から挿入され、他端側近傍まで挿入される。
第2収容部112,122は、スロット21内に収容されて配置される。第2収容部112,122は、上述の第1収容部111,121と比べて電気導体11,12の中心軸方向の長さが短く形成されている。即ち、第2収容部112,122は、第1収容部111,121と比べてスロット21内への挿入長さが短い。具体的には、第2収容部112,122は、スロット21の一端側から挿入されるが、その一端側近傍までしか挿入されない。
図1に示すように、電気導体11の第1収容部111及び第2収容部112は、スロット21の上端からスロット21内に挿入される。これに対して、電気導体12の第1収容部121及び第2収容部122は、スロット21の下端からスロット21内に挿入される。そして、電気導体11の第1収容部111と電気導体12の第2収容部122が突き合わされて接合される。また、電気導体11の第2収容部112と電気導体12の第1収容部121が突き合わされて接合される。
連結部113は、第1収容部111と第2収容部112とを連結する。連結部123は、第1収容部121と第2収容部122とを連結する。連結部113はステータコア2の上方に配置され、連結部123はステータコア2の下方に配置される。
電気導体11の中心軸方向の一端面には凹部11aが形成され、他端面には凸部11bが形成される。より詳しくは、第1収容部111の先端面に凹部11aが形成され、第2収容部112の先端面に凸部11bが形成される。
また、電気導体12の中心軸方向の一端面には凹部12aが形成され、他端面には凸部12bが形成される。より詳しくは、第1収容部121の先端面に凹部12aが形成され、第2収容部122の先端面に凸部12bが形成される。
また、電気導体12の中心軸方向の一端面には凹部12aが形成され、他端面には凸部12bが形成される。より詳しくは、第1収容部121の先端面に凹部12aが形成され、第2収容部122の先端面に凸部12bが形成される。
図1に示すように、各凹部11a,12aに各凸部11b,12bが嵌合することにより、複数の接合部10が形成される。これら複数の接合部10により、周方向に隣接する複数の電気導体11,12が連結されてコイル1が形成される。図1に示すように、これら接合部10は、周方向において上下に交互に配置される。また、同一のスロット21内で径方向に隣接する電気導体11,12の各接合部10は、スロット21の深さ方向に交互にずれて配置される(後述の図8参照)。
接合部10の幅は、該接合部10を除く部分の幅よりも大きくなっている。即ち、接合部10は、スロット21の幅方向に突出して拡幅している。これにより、接合部10がスロット21の内壁により挟持されることで、各凹部11a,12aと各凸部11b,12bとが強固に接合されるとともに、電気導体11,12がスロット21内に固定されている。
次に、本実施形態に係るステータ3の製造方法について説明する。
本実施形態に係るステータ3の製造方法は、準備工程と、絶縁工程と、接合工程と、を備える。
先ず、準備工程について説明する。準備工程では、上述の電気導体11,12を準備する。即ち、中心軸方向の一端面に凹部11a,12aが形成され、他端面にこれら凹部11a,12aに嵌合可能な凸部11b,12bが形成された複数の電気導体11,12を準備する。
本実施形態に係るステータ3の製造方法は、準備工程と、絶縁工程と、接合工程と、を備える。
先ず、準備工程について説明する。準備工程では、上述の電気導体11,12を準備する。即ち、中心軸方向の一端面に凹部11a,12aが形成され、他端面にこれら凹部11a,12aに嵌合可能な凸部11b,12bが形成された複数の電気導体11,12を準備する。
具体的には、準備工程は、切断工程と、幅矯正工程と、を有する。また、切断工程の直前、最中又は直後に潰し工程を有する。
ここで、図3は、切断工程を説明するための図である。図4は、切断分離されて形成された電気導体11,12を示す図である。図5は、幅矯正工程を説明するための図である。
ここで、図3は、切断工程を説明するための図である。図4は、切断分離されて形成された電気導体11,12を示す図である。図5は、幅矯正工程を説明するための図である。
図3では、1本の電気導体100を切断するときの様子を示している。図3に示すように、切断工程では、1本の電気導体100を切断することで凹部12aと凸部11bを形成し、凹部12aを有する電気導体12と凸部11bを有する電気導体11を得る。電気導体11の凹部11aと電気導体12の凸部12bも同様にして得られる。本実施形態では、凹部11a,12aの底部及び凸部11b,12bの先端部は、テーパ状に形成される。
また、切断工程の直前、最中又は直後の潰し工程では、図3に示すように切断力を利用して電気導体100の切断部110を厚み方向に潰すことで、その幅を広げる。このとき、電気導体100の切断部110の両外側には、サイドクランプ81,81が配置される。これにより、切断部110、即ち電気導体11,12の凹部11a,12a及び凸部11b,12bの拡幅がサイドクランプ圧により規制される結果、これら凹部11a,12a及び凸部11b,12bの幅が調整される。
図4に示すように、切断分離されて形成された電気導体11の凸部11bの幅をL1とし、同様に切断分離されて形成された電気導体12の凹部12aの両側部12c,12cの幅をL2とし、スロット21の幅をL4とする(後述の図9参照)。このとき、これらの幅と長さとの間には、L1+2L2>L4の関係が成立する。即ち、このままの状態では電気導体12の凹部12aが形成された部分の幅の方が、スロット21の幅よりも大きくなっている。なお、このときの締め代ΔLは、ΔL=(L1+2L2−L4)/2で表わされる。
図5では、凹部12aを電気導体12の幅方向から押圧する様子を示している。この図5に示す幅矯正工程により、凹部12aを電気導体12の幅方向から押圧することで、凹部12aの幅が凸部11bの幅よりも小さくなるように矯正する。具体的には、電気導体12の凹部12aが形成された部分の両外側に、プレス装置82,82を配置し、かかるプレス圧により当該部分の幅がL3となるまで矯正する。このとき、当該部分の幅L3とスロット21の幅L4との間には、L3<L4の関係が成立する。即ち、電気導体12の凹部12aが形成された部分の幅L3は、スロット21の幅よりも小さく矯正され、電気導体12をスロット21内に挿入可能となっている。
また、図6A〜図6Cを参照して、本実施形態の準備工程を実行する装置を示しながら、準備工程についてさらに詳しく説明する。図6A及び図6Bは、切断工程を示す図である。また、図6Cは、幅矯正工程を示す図である。これら図6A〜図6Cでは、各工程の平面図及び側面図を併せて示している。
図6Aに示すように切断工程では、先ず、1本の電気導体100からプレス金型装置83により電気導体11,12の形状に半抜きをする。この半抜きの際には、プレス金型装置83による切断力によって、電気導体100の切断部110が厚み方向に潰されることでその幅が拡幅される(潰し工程)。このとき、上述したように電気導体100の切断部110の両外側にはサイドクランプ81,81が配置され(図6Aでは省略)、これにより、切断部110、即ち電気導体11,12の凹部11a,12a及び凸部11b,12bの拡幅がサイドクランプ圧により規制される結果、これら凹部11a,12a及び凸部11b,12bの幅が調整される。
またこのとき、プレス金型装置83の金型の下方に設けられたバネ部材83a,83aの復元力により、半抜きされた電気導体11,12は上方に押し戻されて、元の位置に復帰する。
またこのとき、プレス金型装置83の金型の下方に設けられたバネ部材83a,83aの復元力により、半抜きされた電気導体11,12は上方に押し戻されて、元の位置に復帰する。
次いで図6Bに示すように、半抜きされた電気導体11,12に対して、図示しないプレス装置で押圧する。これにより、1本の電気導体100から電気導体11,12を分離する。
次いで図6Cに示すように幅矯正工程では、電気導体11,12の凹部11a,12aが形成された部分の両外側に配置されたプレス装置82,82により、当該部分を外側から押圧する。これにより、当該部分の幅を狭めて、凹部11a,12aの幅を小さく矯正する。
以上により、準備工程が完了する。
以上により、準備工程が完了する。
次に、絶縁工程について説明する。
絶縁工程では、後述する接合工程の前に、表面が熱硬化性樹脂で形成された絶縁部材4を、スロット21の内壁面上に配置する。この絶縁工程を説明するにあたり、先ず絶縁部材の成形について説明する。
図7A〜図7Dは、絶縁部材4の成形工程を示す図である。具体的には、図7Aは積層工程を示し、図7Bは端部折り曲げ工程を示し、図7Cは屈曲工程を示し、図7Dは矯正工程を示している。
絶縁工程では、後述する接合工程の前に、表面が熱硬化性樹脂で形成された絶縁部材4を、スロット21の内壁面上に配置する。この絶縁工程を説明するにあたり、先ず絶縁部材の成形について説明する。
図7A〜図7Dは、絶縁部材4の成形工程を示す図である。具体的には、図7Aは積層工程を示し、図7Bは端部折り曲げ工程を示し、図7Cは屈曲工程を示し、図7Dは矯正工程を示している。
図7Aに示す積層工程では、熱硬化性樹脂シート41、絶縁シート40、熱硬化性樹脂シート41を、この順に積層する。これにより、表面が熱硬化性樹脂で形成された絶縁部材4を得る。
熱硬化性樹脂としては、例えば熱硬化温度が150℃の樹脂が用いられる。本実施形態の絶縁部材4の成形工程では、この熱硬化性樹脂が完全硬化しないように、100℃程度の低温で加熱しながら成形を実行することで、後述の折り曲げ成形時等に破断してしまうのが回避される。また、熱硬化性樹脂として、耐圧性を有するものが用いられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば熱硬化温度が150℃の樹脂が用いられる。本実施形態の絶縁部材4の成形工程では、この熱硬化性樹脂が完全硬化しないように、100℃程度の低温で加熱しながら成形を実行することで、後述の折り曲げ成形時等に破断してしまうのが回避される。また、熱硬化性樹脂として、耐圧性を有するものが用いられる。
図7Bに示す端部折り曲げ工程では、絶縁部材4の長手方向の両端部を、同一方向に略直角に折り曲げる。具体的には、例えば温度が100℃に設定された型を用いて押圧成形することで、折り曲げ片4a,4aを形成する。
図7Cに示す屈曲工程では、折り曲げ片4a,4aが形成された絶縁部材4を、側面視略矩形状となるように折り曲げ成形する。具体的には、例えば温度が100℃に設定された型を用いて折り曲げ成形することで、側面視略矩形状の絶縁部材4を得る。
図7Dに示す矯正工程では、側面視略矩形状の絶縁部材4を、さらに形状矯正する。具体的には、絶縁部材4の外側からサイジング材により押圧することにより、その形状を矯正する。これにより、スロット21内に挿入可能な形状を有する絶縁部材4を得る。
次いで、本絶縁工程では、以上のようにして得た絶縁部材4を、スロット21の内壁面上に配置する。ここで、図8Aはスロット21内に絶縁部材4を配置する前の状態を示す平面図であり、図8Bはスロット21内に絶縁部材4を配置した状態を示す平面図であり、図8Cはスロット21内に絶縁部材4及び複数の電気導体11,12を配置した状態を示す平面図である。
図8Aに示すように、スロット21は上下に貫通しており、平面視略矩形状である。このスロット21内に、図8Bに示すように上述の絶縁部材4を挿入する。このとき、絶縁部材4の外形はスロット21の内壁面に沿った形状であるため、スロット21の内壁面には絶縁部材4の外面が当接する。そして、図8Cに示すように、後述する接合工程により、絶縁部材4の内側に複数の電気導体11,12が挿入される。
次に、接合工程について説明する。
図9は、スロット21の下方の開放端から電気導体12をスロット21内に挿入した状態を示す断面図である。この図9に示すように、先ず、本接合工程では、スロット21の一方の開放端から電気導体11,12のいずれか一方を挿入する。このとき、絶縁部材4が内壁面上に配置されたスロット21の幅寸法L4は、挿入された電気導体11,12の幅寸法よりも大きく設定されており、電気導体12は容易に挿入される。
図9は、スロット21の下方の開放端から電気導体12をスロット21内に挿入した状態を示す断面図である。この図9に示すように、先ず、本接合工程では、スロット21の一方の開放端から電気導体11,12のいずれか一方を挿入する。このとき、絶縁部材4が内壁面上に配置されたスロット21の幅寸法L4は、挿入された電気導体11,12の幅寸法よりも大きく設定されており、電気導体12は容易に挿入される。
次いで、図10は、スロット21の上方の開放端から電気導体11をスロット21内に挿入した状態を示す断面図である。この図10に示すように、さらに、スロット21の他方の開放端から電気導体11,12のいずれか他方を挿入する。このとき、スロット21内で凹部12aと凸部11bとが嵌合するように、両電気導体を突き合わせる。すると、図10に示すように、凹部12aと凸部11bとが嵌合することで、凹部12aの幅が拡幅され、スロット21の幅方向に拡幅された接合部10が形成される。これにより、この接合部10にスロット21の内壁からの圧力Pが作用して内壁により挟持されることで、電気導体11,12同士が接合され、スロット21内に固定される。このとき、スロット21の内壁面上に配置されている絶縁部材4は耐圧性を有するため、圧力Pによる寸法変化が抑制されている。
なお、凹部12aと凸部11bとを嵌合させる際には、凸部11bが凹部12a内を摺動して表面同士が擦れ合うことで、両者の表面に存在する酸化膜が除去される。また、凹部12aと凸部11bとを嵌合させた後、150℃に加熱することで、絶縁部材4の表面を構成する熱硬化性樹脂が接着剤として作用し、完全硬化する。これにより、接合部10がより強固に接合され、スロット21内により強固に固定される。
また、図11は、スロット21内で隣接する電気導体11,12同士の各接合部10の位置を示す断面図である。この図11に示すように、本接合工程では、スロット21内で径方向に隣接する電気導体11,12同士の各接合部10は、スロット21の深さ方向に交互にずらした位置に形成される。これら各接合部10間におけるスロット21の深さ方向の距離L5は、十分な絶縁性が確保される距離に設定される。
次に、本実施形態の変形例について説明する。
図12及び図13は、電気導体11,12同士を嵌合して接合する接合装置の模式図である。これら図12及び図13では、便宜上、スロット21の記載を省略して示しているが、実際にはスロット21内で接合が行われる。これらの接合装置を用いて、電気導体11,12同士を嵌合して接合してもよい。
図12及び図13は、電気導体11,12同士を嵌合して接合する接合装置の模式図である。これら図12及び図13では、便宜上、スロット21の記載を省略して示しているが、実際にはスロット21内で接合が行われる。これらの接合装置を用いて、電気導体11,12同士を嵌合して接合してもよい。
図12に示す接合装置では、電気導体12を支持する支持台85が上下に振動可能に構成される。また電気導体11を支持するプレススライド84が上下に移動可能に構成される。この接合装置では、支持台85を上下に振動させながらプレススライド84を低速下降させる。すると、凹部12aと凸部11bとが嵌合する際に、凸部11bが凹部12a内を振動しながら摺動して表面同士が擦れ合うことで、両者の表面に存在する酸化膜がより確実に除去されるようになっている。
これに対して図13に示す接合装置では、電気導体12を支持する支持台87は固定されている。また電気導体11を支持するプレススライド86が上下に移動可能に構成される。この接合装置では、支持台87により電気導体12が固定された状態で、プレススライド86を高速で上下移動させる。すると、凹部12aと凸部11bとが嵌合する際に、凸部11bが凹部12a内を高速で上下移動しながら摺動して表面同士が擦れ合うことで、両者の表面に存在する酸化膜がより確実に除去されるようになっている。
次に、図14は、締めコア部2aを有するステータコア2Aのスロット21A内で電気導体11,12を接合するときの状態を示す図である。また図15は、締めコア部2aを有するステータコア2Aのスロット21A内で電気導体11,12を接合したときの状態を示す図である。
図14に示すように、複数の鋼板が積層されて形成されるステータコア2Aの積層方向の一部に、スロット21A内に突出する締めコア部2aを設けてもよい。このとき、締めコア部2aにおけるスロット21Aの幅L20は、電気導体12の凹部12aが形成された部分の幅L10よりは大きく設定される。このときの締め代ΔLは、ΔL=(L10−L20)/2で表される。
図15に示すように、締めコア部2aを有するステータコア2Aのスロット21A内で電気導体11,12を接合すると、凹部12aと凸部11bとが嵌合することで凹部12aの幅が拡幅されて形成された接合部10が、スロット21Aの幅が小さい締めコア部2aの内壁により挟持されることで、電気導体11,12同士がより強固に接合され、スロット21内により強固に固定されるようになっている。
上記の締めコア部2aを有するステータコア2Aにおいて、締めコア部2aが設けられる位置について、図16A〜図18を参照して説明する。
ここで、図16Aは、締めコア部2aを有するステータコア2Aの上層部分における積層方向の断面図である。図16Bは、締めコア部2aを有するステータコア2Aの中層部分における積層方向の断面図である。図16Cは、締めコア部2aを有するステータコア2Aの下層部分における積層方向の断面図である。また、図17は図16AのA−A線断面図であり、図18は図16AのB−B線断面図である。
ここで、図16Aは、締めコア部2aを有するステータコア2Aの上層部分における積層方向の断面図である。図16Bは、締めコア部2aを有するステータコア2Aの中層部分における積層方向の断面図である。図16Cは、締めコア部2aを有するステータコア2Aの下層部分における積層方向の断面図である。また、図17は図16AのA−A線断面図であり、図18は図16AのB−B線断面図である。
図16A〜図18に示すように、締めコア部2aは、上層部分と下層部分に設けられる一方で、中層部分には設けられていない。これは、接合部10同士が近接することで絶縁性が確保できなくなるのを回避するべく、接合部10を挟持する締めコア部2aは、上層と下層とに離隔して配置されるためである。また、図16Aと図16Cを比較すれば明らかであるように、締めコア部2aは、ステータコア2Aの径方向に交互に設けられる。
以上の構成を備える本実施形態の効果について、従来と比較して説明する。
先ず、図19は、従来一般的な電気導体91,92の接合部90を説明するための図である。具体的には、図19Aは凹部と凸部を嵌合させる前の状態を示す図であり、図19Bは凹部内に凸部を嵌合させた状態を示す図であり、図19Cは凹部と凸部を嵌合させて使用しているときの状態を示す図である。
図19Aに示すように、従来の電気導体91の中心軸方向の一端面に形成された凹部91aと、電気導体92の中心軸方向の一端面に形成された凸部92bは、互いに嵌合する形状を有する。より詳しくは、凹部91aの幅91Wは、通常、凸部92bの幅92Wよりも若干小さく形成される。また、凹部91aの深さ91Dは、凸部92bの深さ92Dと略同一に形成される。
先ず、図19は、従来一般的な電気導体91,92の接合部90を説明するための図である。具体的には、図19Aは凹部と凸部を嵌合させる前の状態を示す図であり、図19Bは凹部内に凸部を嵌合させた状態を示す図であり、図19Cは凹部と凸部を嵌合させて使用しているときの状態を示す図である。
図19Aに示すように、従来の電気導体91の中心軸方向の一端面に形成された凹部91aと、電気導体92の中心軸方向の一端面に形成された凸部92bは、互いに嵌合する形状を有する。より詳しくは、凹部91aの幅91Wは、通常、凸部92bの幅92Wよりも若干小さく形成される。また、凹部91aの深さ91Dは、凸部92bの深さ92Dと略同一に形成される。
次に、図19Bに示すように、凹部91a内に凸部92bを嵌合させると、凹部91aが外側に変形してその幅が若干拡幅する。これにより、凹部91aの復元力9P,9Pが凸部92bに作用する結果、凸部92bは凹部91aによって挟持され、電気導体91,92は互いに接合される。
次に、図19Cに示すように、使用時の電気導体91,92には、振動や冷熱により生じる力9F,9Fが凹部91aと凸部92bの嵌合(接合)を解除する方向に作用する。このとき、従来の電気導体91,92では、凹部91aと凸部92bの嵌合のみによる復元力9P,9Pによって生じる接合力(静摩擦力)2μPしか無いため、力9F,9Fがこの接合力(静摩擦力)2μPを上回る結果、接合が解除される。
また、図19Cに示すように、従来の電気導体91,92では、凹部91aと凸部92bの当たりが弱く、互いの接触面積が十分得られない。そのため、通電抵抗が増大し、ステータとしての性能が低下する。
また、図19Cに示すように、従来の電気導体91,92では、凹部91aと凸部92bの当たりが弱く、互いの接触面積が十分得られない。そのため、通電抵抗が増大し、ステータとしての性能が低下する。
これに対して本実施形態に係る製造方法では、先ず、中心軸方向の一端面に凹部11a,12aが形成され、この凹部11a,12aに嵌合可能な凸部11b,12bが他端面に形成された複数の電気導体11,12を準備する準備工程を設けた。次いで、接合工程を設け、スロット21の両開放端からそれぞれ電気導体11,12を挿入し、挿入された電気導体11,12同士の凹部11a,12aと凸部11b,12bとをスロット21内で嵌合させて形成した接合部10をスロット21の幅方向に拡幅させた。これにより、接合部10がスロット21の内壁により挟持されることで、電気導体11,12同士を接合してスロット21内に固定した。
これにより、本実施形態によれば、電気導体11,12の凹部11a,12aと凸部11b,12bとの嵌合による接合に加えて、スロット21の内壁で電気導体11,12同士の拡幅された接合部10を挟持して固定できるため、電気導体11,12同士の接合強度を高めることができる。また、凹部11a,12aと凸部11b,12bの接合部10をスロット21の内壁で挟持するため、凹部11a,12aと凸部11b,12bの十分な接触面積を確保でき、通電抵抗を低減できる。従って本実施形態によれば、ステータコア2のスロット21内で電気導体11,12同士を確実に接合して固定できるとともに、通電抵抗を低減できる。
これにより、本実施形態によれば、電気導体11,12の凹部11a,12aと凸部11b,12bとの嵌合による接合に加えて、スロット21の内壁で電気導体11,12同士の拡幅された接合部10を挟持して固定できるため、電気導体11,12同士の接合強度を高めることができる。また、凹部11a,12aと凸部11b,12bの接合部10をスロット21の内壁で挟持するため、凹部11a,12aと凸部11b,12bの十分な接触面積を確保でき、通電抵抗を低減できる。従って本実施形態によれば、ステータコア2のスロット21内で電気導体11,12同士を確実に接合して固定できるとともに、通電抵抗を低減できる。
本実施形態では、接合工程の前に、表面が熱硬化性樹脂で形成された絶縁部材4をスロット21の内壁面上に配置した。これにより、凹部11a,12aと凸部11b,12bの接合部10が、絶縁部材4の熱硬化性樹脂による接着作用によってより強固に接合されるとともに、スロット21内により強固に固定される。
本実施形態では、スロット21内で隣接する電気導体11,12同士の各接合部10を、スロット21の深さ方向に交互にずらした位置で形成した。これにより、スロット21内で隣接する電気導体11,12同士の各接合部10が隣接することがないため、絶縁性を確保しつつ、上述の効果が得られる。
本実施形態では、準備工程として、先ず、1本の電気導体100を切断することで凹部11a,12aと凸部11b,12bを形成し、凹部11a,12aを有する電気導体11,12と凸部11b,12bを有する電気導体11,12を得る切断工程を設ける。次いで、凹部11a,12aを電気導体11,12の幅方向から押圧して凹部11a,12aの幅を凸部11b,12bの幅よりも小さくする幅矯正工程を設けた。
これにより、凹部11a,12aに、該凹部11a,12aの幅よりも大きい幅を有する凸部11b,12bが嵌合されることになり、嵌合によって接合部10の幅をスロット21の幅方向に確実に拡幅させることができる。また、凹部11a,12aに凸部11b,12bを嵌合させる際に、凸部11b,12bが凹部11a,12a内を摺動して表面同士が擦れ合うことで、両者の表面に存在する酸化膜を除去できる。そのため、接合強度をより高めることができ、通電抵抗をより低減できる。
これにより、凹部11a,12aに、該凹部11a,12aの幅よりも大きい幅を有する凸部11b,12bが嵌合されることになり、嵌合によって接合部10の幅をスロット21の幅方向に確実に拡幅させることができる。また、凹部11a,12aに凸部11b,12bを嵌合させる際に、凸部11b,12bが凹部11a,12a内を摺動して表面同士が擦れ合うことで、両者の表面に存在する酸化膜を除去できる。そのため、接合強度をより高めることができ、通電抵抗をより低減できる。
本実施形態では、切断工程の直前、最中又は直後に、電気導体100の切断部110を厚み方向に潰すことで幅を広げる潰し工程を設けた。これにより、潰し工程で潰した電気導体100の切断部110の幅が、電気導体11,12の凹部11a,12aと凸部11b,12bの幅となるため、凹部11a,12aと凸部11b,12bが嵌合する接合部10の幅を確実に拡幅できるとともに、その幅を容易に調整できる。
また本実施形態に係るステータ3によれば、上述の効果と同様の効果が奏される。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は本発明に含まれる。
1…コイル
2…ステータコア
3…ステータ
4…絶縁部材
10…接合部
11,12…電気導体
11a,12a…凹部
11b,12b…凸部
100…1本の電気導体
110…切断部
2…ステータコア
3…ステータ
4…絶縁部材
10…接合部
11,12…電気導体
11a,12a…凹部
11b,12b…凸部
100…1本の電気導体
110…切断部
Claims (7)
- ステータコアに複数形成されたスロットの両開放端からそれぞれ電気導体を挿入し、挿入された電気導体同士を前記スロット内で接合するステータの製造方法であって、
軸方向の一端面に凹部が形成され、他端面に前記凹部に嵌合可能な凸部が形成された複数の電気導体を準備する準備工程と、
前記スロットの両開放端からそれぞれ電気導体を挿入し、挿入された電気導体同士の凹部と凸部とを前記スロット内で嵌合させて形成した接合部を前記スロットの幅方向に拡幅させることで、該接合部を前記スロットの内壁により挟持し、これにより前記電気導体同士を接合して前記スロット内に固定する接合工程と、を有するステータの製造方法。 - 前記接合工程の前に、表面が熱硬化性樹脂で形成された絶縁部材を前記スロットの内壁面上に配置する絶縁工程をさらに有する請求項1に記載のステータの製造方法。
- 前記接合工程は、前記スロット内で隣接する電気導体同士の各接合部を、前記スロットの深さ方向に交互にずらした位置で形成する請求項1又は2に記載のステータの製造方法。
- 前記準備工程は、
1本の電気導体を切断することで前記凹部と前記凸部を形成し、前記凹部を有する電気導体と前記凸部を有する電気導体を得る切断工程と、
前記凹部を前記電気導体の幅方向から押圧して前記凹部の幅を前記凸部の幅よりも小さくする幅矯正工程と、を有する請求項1から3いずれかに記載のステータの製造方法。 - 前記準備工程は、
前記切断工程の直前、最中又は直後に、前記電気導体の切断部を厚み方向に潰すことで幅を広げる潰し工程をさらに有する請求項4に記載のステータの製造方法。 - ステータコアに複数形成されたスロット内で電気導体同士が接合されたステータであって、
前記電気導体同士が接合された接合部の幅が、該接合部を除く部分の幅よりも大きいことで、該接合部が前記スロットの内壁により挟持され、これにより前記電気導体同士が接合されて前記スロット内に固定されるステータ。 - 前記スロット内で隣接する電気導体同士の各接合部は、前記スロットの深さ方向に交互にずれて配置される請求項6に記載のステータ。
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