JP2016186972A - 電磁波シールドシート、それを硬化させてなる硬化膜、金属箔積層電磁波シールドシートの製造方法、積層体および半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】絶縁層の熱伝導率を高くして、被着体との接着強度が高く耐熱性の高い電磁波シールドシートを提供することを課題とする。【解決手段】(A)バインダー樹脂および(B)熱伝導性フィラーを含有する絶縁層ならびに導電層が積層された電磁波シールドシートであって、前記絶縁層中における前記(B)熱伝導性フィラーの割合が60体積%以上であり、前記(B)熱伝導性フィラーが平均粒子径2μm以下の窒化ホウ素を含有することを特徴とする電磁波シールドシート。【選択図】なし
Description
本発明は、電子部品や電子材料において使用される電磁波シールドシートに関する。より詳しくは、熱伝導性と電磁波シールド性を兼ね備えた電磁波シールドシートに関する。
近年、電子機器の小型化、軽量化が進んでおり、これに使用される半導体装置の小型化と電子部品の高密度実装化が進んでいる。電子部品の高密度実装化に伴い、それ自体が電磁波の発生源であると同時に、外部からの電磁波の影響を受けて誤作動を招く恐れがある。また、製品から漏れ出る電磁波は、人体に対しても影響を及ぼすことが懸念されるため、電磁波シールド対策を行う必要がある。電磁波シールド対策として、半導体素子や電子部品をSUSなどの金属フレームで覆う対策が施されてきた。しかしこれらの金属フレームで覆う場合は、電子的絶縁を達成する為に空間距離を確保する必要があり、電子機器の小型化を妨げている。そこで、絶縁層と電磁波シールド層を積層したシートが提案(例えば特許文献1参照)されており、このようなシートを半導体素子や電子部品に覆うことで小型化及び軽量できることが可能となる。しかし、このような方法では、電子部品の高密度実装化や高出力化に伴い発熱温度も高くなる為、絶縁層が断熱層となって半導体装置全体の温度が高くなって、熱暴走により誤作動してしまうという課題があった。このような課題に対して、熱伝導率を高くした絶縁層と電磁波シールド層を積層したシートが提案(例えば特許文献2参照)されており、放熱性を備えた電磁波シールドシートが示されている。
しかしながら、これまでの電磁波シールドシートの絶縁層の熱伝導率は低く、放熱性が不十分であった。またシートの接着強度が高くない為、接着界面の空気層が断熱層となって放熱性能が低下して装置全体の温度が高くなってしまうという課題があった。そこで、本発明では、絶縁層の熱伝導率を高くして、被着体との接着強度が高く耐熱性の高い電磁波シールドシートを提供することを目的とする。
上記課題を解決する為に、本発明は、(A)バインダー樹脂および(B)熱伝導性フィラーを含有する絶縁層ならびに導電層が積層された電磁波シールドシートであって、前記絶縁層中における前記(B)熱伝導性フィラーの割合が60体積%以上であり、前記(B)熱伝導性フィラーが平均粒子径2μm以下の窒化ホウ素を含有することを特徴とする電磁波シールドシートである。
本発明によれば、熱伝導性フィラーが多く分散されており、また窒化ホウ素を含有することにより、熱伝導率と電磁波シールド性が高い電磁波シールドシートを得ることができる。
上記課題を解決する為に、本発明は(A)バインダー樹脂および(B)熱伝導性フィラーを含有する絶縁層ならびに導電層が積層された電磁波シールドシートであって、前記絶縁層中における前記(B)熱伝導性フィラーの割合が60体積%以上であり、前記(B)熱伝導性フィラーが平均粒子径2μm以下の窒化ホウ素を含有することを特徴とする電磁波シールドシートである。
本発明における(A)バインダー樹脂とは、シート化できる樹脂であって特に制限はないが、耐熱性が高く、シートとした際の柔軟性が高くなるものが好ましい。
本発明における(A)バインダー樹脂は、熱硬化性樹脂を含有するのが好ましい。熱硬化性樹脂を含有することにより、熱硬化時の被着体に対する接着強度を高くすることができる。熱硬化性樹脂は制限されることはないが、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。特に反応速度が速く、耐熱性が優れている観点からエポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂は、被着体との接着強度の観点から室温で液状のエポキシ樹脂が好ましい。ここで液状のエポキシ樹脂とは、25℃、1.013×105N/m2で150Pa・s以下の粘度を示すものであり、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、アルキレンオキサイド変性エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂などが挙げられる。このようなエポキシ樹脂に対応する製品としては、三菱化学(株)製のJER827、JER828、JER825、JER806、JER807、JER801N、JER802、JER604、JER630、JER630LSDやDIC(株)製のエピクロン840S、エピクロン850S、エピクロン830S、エピクロン705、エピクロン707や新日鐵化学(株)製のYD127、YD128、PG207N、PG202などが挙げられる。
また、高温での流動特性や硬化後の機械強度を高くする観点から結晶性のエポキシ樹脂が好ましい。結晶性のエポキシ樹脂とは、ビフェニル基、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、フェニルベンゾエート基、ベンズアニリド基などのメソゲン骨格を有するエポキシ樹脂である。このようなエポキシ樹脂に対応する製品としては、三菱化学(株)製のJERYX4000、JERYX4000H、JERYX8800、JERYL6121H、JERYL6640、JERYL6677、JERYX7399や日本化薬(株)製のNC3000、NC3000H、NC3000L、CER−3000Lや新日鐵化学(株)製のYSLV−80XY、YDC1312などが挙げられる。
また、本発明に用いられる(A)バインダー樹脂に含有される熱硬化性樹脂は1種類でもよく、2種類以上組み合わせてもよい。熱硬化性樹脂の含有量は、熱圧着時のシートの粘度を下げて、被着体との接着強度を向上する観点から、(A)バインダー樹脂中で5重量%以上であることが好ましく、20重量%以上であることがより好ましい。また接着後のシートの柔軟性を高くする観点から、(A)バインダー樹脂中で95重量%以下であることが好ましく、90重量%以下であることがより好ましい。
さらに本発明の(A)バインダー樹脂は必要により硬化剤を含有しても良い。エポキシ樹脂と硬化剤を組み合わせることにより、エポキシ樹脂の硬化を促進して短時間で硬化させることができる。硬化剤としては、イミダゾール類、多価フェノール類、酸無水物類、アミン類、ヒドラジド類、ポリメルカプタン類、ルイス酸−アミン錯体類、潜在性硬化剤などを用いることができる。その中でも、保存安定性と硬化物の耐熱性が優れるイミダゾール類、多価フェノール類、潜在性硬化剤が好ましく用いられる。これらは、単独または2種以上を混合して使用することができる。
イミダゾール類としてはキュアゾール2MZ、キュアゾール2PZ、キュアゾール2MZ−A、キュアゾール2MZ−OK(以上商品名、四国化成工業(株)製)などがあげられる。多価フェノール類としては、スミライトレジンPR−HF3、スミライトレジンPR−HF6(以上商品名、住友ベークライト(株)製)、カヤハードKTG−105、カヤハードNHN(以上商品名、日本化薬(株)製)、フェノライトTD2131、フェノライトTD2090、フェノライトVH−4150、フェノライトKH−6021、フェノライトKA−1160、フェノライトKA−1165(以上商品名、DIC(株)製)などがあげられる。また、潜在性硬化剤としては、ジシアンジアミド型潜在性硬化剤、アミンアダクト型潜在性硬化剤、有機酸ヒドラジド型潜在性硬化剤、芳香族スルホニウム塩型潜在性硬化剤、マイクロカプセル型潜在性硬化剤、光硬化型潜在性硬化剤が挙げられる。
ジシアンジアミド型潜在性硬化剤としては、DICY7、DICY15、DICY50(以上商品名、ジャパンエポキシレジン(株)製)、アミキュアAH−154、アミキュアAH−162(以上商品名、味の素ファインテクノ(株)製)などが挙げられる。アミンアダクト型潜在性硬化剤としては、アミキュアPN−23、アミキュアPN−40、アミキュアMY−24、アミキュアMY−H(以上商品名、味の素ファインテクノ(株)製)、フジキュアFXR−1030(商品名、富士化成(株)製)などが挙げられる。有機酸ヒドラジド型潜在性硬化剤としては、アミキュアVDH、アミキュアUDH(以上商品名、味の素ファインテクノ(株)製)などが挙げられる。芳香族スルホニウム塩型潜在性硬化剤としては、サンエイドSI100、サンエイドSI150、サンエイドSI180(以上商品名、三新化学工業(株)製)などが挙げられる。マイクロカプセル型潜在性硬化剤としては、上記の各硬化剤をビニル化合物、ウレア化合物、熱可塑性樹脂でカプセル化したものが挙げられる。中でも、アミンアダクト型潜在性硬化剤をイソシアネートで処理したマイクロカプセル型潜在性硬化剤としてノバキュアHX−3941HP、ノバキュアHXA3922HP、ノバキュアHXA3932HP、ノバキュアHXA3042HP(以上商品名、旭化成ケミカルズ(株)製)などが挙げられる。また、光硬化型潜在性硬化剤としては、オプトマーSP、オプトマーCP((株)ADEKA製)などが挙げられる。
硬化剤が含まれる場合、その含有量は、熱硬化性樹脂100重量部に対し、0.1重量部以上35重量部以下であることが好ましい。
本発明における(A)バインダー樹脂はポリイミドを含有することが好ましく、溶剤可溶性であるのがより好ましい。溶剤可溶性のポリイミドをバインダー樹脂に含有させることによって、シート積層時に脱ガスなどの問題がなく、信頼性の高い電磁波吸収性シートを得ることができる。溶剤可溶性とは、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−ビニルピロリドン、N,N−ジエチルホルムアミドなどのアミド系溶媒、γ−ブチロラクトン、メチルモノグライム、メチルジグライム、メチルトリグライム、エチルモノグライム、エチルジグライム、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒のいずれかの有機溶媒100gに対して、25℃で1g以上溶解するものを指す。
本発明で用いられるポリイミドは、主としてテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応により得られ、テトラカルボン酸二無水物の残基とジアミンの残基を有する。
本発明の用いられるポリイミドは、カルボキシル基またはヒドロキシル基を有するジアミン残基を有することが好ましい。カルボキシル基またはヒドロキシル基を有するジアミン残基を有することによって、熱硬化性樹脂との反応をより進めることができ、被着体との接着強度や電磁波シールドシートの靭性を向上することができる。カルボキシル基またはヒドロキシル基を有するジアミン残基としては、特に制限されるものはないが、以下に示すものが挙げられる。
これらの中でも、ポリイミドの溶剤可溶性を高くする観点から、分子量が長く嵩高い骨格を有する以下に示すものが好ましい。
カルボキシル基またはヒドロキシル基を有するジアミン残基の含有量は、熱硬化性樹脂との反応によって接着強度を向上させる観点から、全ジアミン残基中5モル%以上であることが好ましく、電磁波シールドシートの脆性を向上させる観点から60モル%以下であることが好ましい。
本発明に用いられる、ポリイミドはさらに下記一般式(1)で示されるジアミンの残基を含有するのが好ましい。かかるジアミン残基を有することによって、ポリイミドの有機溶媒に対する溶解性が向上する。また、シロキサン結合によってポリイミド骨格に柔軟性が付与されるため、そのような構造を有するポリイミドを用いて得られる接着剤組成物の弾性率を低くすることができる。弾性率を低くする観点から、下記一般式(1)で示されるジアミン残基の含有量は、全ジアミン残基中10モル%以上であることが好ましく、20モル%以上であればより好ましい。また、シロキサン結合部分の疎水性による分散性を向上させる観点から80モル%以下であることが好ましく、60モル%以下であることがより好ましい。
一般式(1)中、mは1〜30の整数を示す。R5およびR6は同じでも異なっていてもよく、炭素数1〜30のアルキレン基またはフェニレン基を示す。R1〜R4はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、炭素数1〜30のアルキル基、フェニル基またはフェノキシ基を示す。炭素数1〜30のアルキル基は特に制限はないが、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が好ましい。また、炭素数1〜30のアルキレン基は特に制限はないが、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が好ましい。
一般式(1)で表されるジアミンの具体例としては、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(4−アミノフェニル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェノキシ−1,3−ビス(4−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス(4−アミノフェニル)トリシロキサン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ビス(2−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,5,5−テトラフェニル−3,3−ジメチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラフェニル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(4−アミノブチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラフェニル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(5−アミノペンチル)トリシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(2−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(4−アミノブチル)ジシロキサン、1,3−ジメチル−1,3−ジメトキシ−1,3−ビス(4−アミノブチル)ジシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(2−アミノエチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(4−アミノブチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(5−アミノペンチル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサエチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサプロピル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。またこれらのジアミンに対応する製品としては、信越化学(株)製のLP7100、PAM−E、KF8010、X−22−161A、X−22−161B、KF8012、KF8008などが挙げられる。
本発明におけるポリイミドは、上記ジアミン残基の他に、本発明の効果を損なわない程度に他のジアミン残基を含有していてもよい。例えば、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノトルエン、1,4−ジアミノ−2,5−ジハロゲノベンゼンなどのベンゼン環1個を含むジアミン類、ビス(4−アミノフェニル)エ−テル、ビス(3−アミノフェニル)エ−テル、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)メタン、ビス(3−アミノフェニル)メタン、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、o−ジアニシジン、o−トリジン、トリジンスルホン酸類などのベンゼン環2個を含むジアミン類、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ベンゼン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼンなどのベンゼン環3個を含むジアミン類、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、4,4’−(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、5,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセンなどのベンゼン環4個以上を含むジアミン類などのジアミン化合物の残基が挙げられる。なお、他のジアミン残基の例はこれらに限られない。
本発明におけるポリイミドが有する酸二無水物残基としては特に限定がなく、例えば、無水ピロメリット酸(PMDA)、オキシジフタル酸二無水物(ODPA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(DSDA)、2,2’−ビス[(ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物(BSAA)、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物(6FDA)、1,2−エチレンビス(アンヒドロトリメリテート)(TMEG)などの酸二無水物の残基が挙げられる。なお、酸二無水物残基の例はこれらに限られない。
上記の中で、テトラカルボン酸二無水物の残基とジアミンの残基は、1)ベンゼン環が少ない、2)分子量が大きく嵩高い、または3)エーテル結合などの屈曲部位が多い構造が好ましい。このような構造を有することにより分子鎖間の相互作用が弱くなり、ポリイミドの有機溶媒における溶解性が向上する。
本発明におけるポリイミドは、ポリイミド構造単位からなるもののみであってもよいし、ポリイミド構造単位のほかに共重合成分として他の構造も有する共重合体であってもよい。また、ポリイミド構造単位の前駆体(ポリアミック酸構造)が含まれていてもよい。またこれらの混合体であってもよい。また上記カルボキシル基またはヒドロキシル基を有するジアミン残基や、上記一般式(1)で示されるジアミンの残基以外のジアミン残基を有するものであってもよい。共重合あるいは混合に用いられる構造の種類および量は、本発明の効果を損なわない範囲で選択することが好ましい。
本発明において、ポリイミドの重量平均分子量は、5,000以上1000,000以下であることが好ましい。ポリイミドを2種以上含有する場合、そのうちの少なくとも1種の重量平均分子量が上記範囲であればよい。重量平均分子量が5,000以上であれば、機械強度の低下がより少なくなり、接着強度の低下がより少なくなる。好ましくは10,000以上である。一方、重量平均分子量が1000,000以下であれば、樹脂組成物の粘度がより適度となり、(B)熱伝導性フィラーの分散性がより十分となる。好ましくは500,000以下である。なお、本発明における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)によって測定しポリスチレン換算で算出する。
また、本発明に用いられる(A)バインダー樹脂に含有されるポリイミドの含有量は、耐熱性を向上させる観点から、(A)バインダー樹脂中で10重量%以上であることが好ましく、20重量%以上であることがより好ましい。また加熱圧着時の密着性を向上させる観点から、(A)バインダー樹脂中で95重量%以下であることが好ましく、90重量%以下であることがより好ましい。
本発明に用いられるポリイミドの合成方法は特に限定されず、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物を用いて、公知の方法で合成される。例えば、低温中でテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物(一部をアニリン誘導体に置換してもよい)を反応させる方法、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとの反応によりジエステルを得、その後ジアミン(一部をアニリン誘導体に置換してもよい)と縮合剤の存在下で反応させる方法、テトラカルボン酸二無水物とアルコールとの反応によりジエステルを得、その後残りの2つのカルボキシル基を酸クロリド化し、ジアミン(一部をアニリン誘導体に置換してもよい)と反応させる方法などの方法を利用して、ポリイミド前駆体を得、これを、公知のイミド化方法を利用して合成することができる。
本発明の電磁波シールドシートは、絶縁層に(B)熱伝導性フィラーを含有する。本発明において、熱伝導性フィラーとは、25℃において熱伝導率が2W/m・K以上であるフィラーをいう。フィラーの熱伝導率は、厚みが1mm前後で気孔率が10%以下の焼結体を得た後、JIS R1611(2010)に従って測定して求めることができる。なおJIS R1611(2010)の「7.2測定方法」において「c)かさ密度 熱拡散率の測定は、JIS R1634などによる」と記載されているが、本発明における測定では、「c)かさ密度」の測定はJIS R1634(1998)に従って求めた値をいう。このようなフィラーであれば制限がなく、例としてシリカ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化珪素、窒化珪素などが挙げられる。これらのフィラーは単独で用いられるか、または複数のフィラーを組み合わせて用いられてもよい。またフィラーの形状は特に制限がなく、真球状、球状、鱗片状、フレーク状、箔片状、繊維状、針状などが挙げられる。高密度に(B)熱伝導性フィラーを含有させる観点では、真球状のフィラーが好ましい。
本発明において、(B)熱伝導性フィラーの含有量は、接着剤組成物において60体積%以上である。60体積%以上であることにより電磁波シールドシート絶縁層の熱伝導率が高くなる。より好ましくは65体積%以上である。
フィラーの体積含有量は、電磁波シールドシート絶縁層に含まれる成分のそれぞれの重量含有量と比重から、各成分の体積含有量を算出することで求める。ここで、シート絶縁層におけるフィラーの体積含有率(体積%)の算出においては、シート絶縁層が溶媒を含む場合には、その溶媒は計算に含めないものとする。すなわち、シート絶縁層に含まれる成分のうち溶媒を除いた成分の体積含有量の合計を分母として、フィラーの体積含有率を計算する。
シート絶縁層の硬化物からフィラーの体積含有率を算出する方法としては、以下のような熱重量分析を利用する方法が挙げられるが、これに限られない。まずシート絶縁層の硬化物を600〜900℃まで昇温して樹脂分を分解・揮発させ、含有するフィラー重量を測定し、さらに樹脂の重量を算出する。その後、フィラーおよび樹脂の比重で除して体積を算出して、計算する方法が挙げられる。
本発明で用いられる(B)熱伝導性フィラーは、平均粒子径2μm以下の窒化ホウ素を含有する。窒化ホウ素の平均粒子径としては、1.5μm以下であることがより好ましく、1.0μm以下であることがさらに好ましい。平均粒子径が2μm以下の窒化ホウ素は、高密度に充填することが可能となり、高い熱伝導率と絶縁性が得られる。窒化ホウ素はフィラー表面には、アミノ基やヒドロキシル基などの極性の官能基が存在する為、(A)バインダー樹脂がアミノ基やヒドロキシル基など極性官能基を有している場合は、これらとの相互作用により分散性が良く、より最密充填することができ、絶縁性を向上させることができる。また、窒化ホウ素は絶縁性の熱伝導性フィラーとして熱伝導率が40W/m・K程度と高い為、接着剤樹脂組成物でもより高い熱伝導率が得られる。例えばこのような窒化ホウ素粒子として、三井化学(株)製のMBN−010Tなどが挙げられる。
本発明で用いられる平均粒子径2μm以下の窒化ホウ素は、(B)熱伝導性フィラー中で熱伝導率を向上する観点から5体積%以上が好ましく、10体積%以上がより好ましい。また、熱圧着時の密着性を向上する観点から、95体積%以下が好ましく、90体積%以下がより好ましい。
本発明で用いられる(B)熱伝導性フィラーは、平均粒子径2μm以下の窒化ホウ素と平均粒子径3μm以上の熱伝導性フィラーを2種類以上組み合わせて含有するのが好ましい。平均粒子径が3μm以上の熱伝導性フィラーを含有することによって、熱伝導率をより高くすることができる。また、電磁波シールドシートの接着強度を高くする観点から、平均粒子径は100μm以下が好ましく、80μm以下がより好ましい。
平均粒子径が3μm以上の熱伝導性フィラーを含有する場合は、熱伝導率を高くする観点から5体積%以上が好ましく、10体積%以上がより好ましい。また、電磁波シールドシートの接着強度を高くする観点から、95体積%以下が好ましく、90体積%以下がより好ましい。
なお、本発明において平均粒子径とは凝集していない1次粒子の場合はその平均粒子径であり、1次粒子が凝集したものはその凝集体の平均粒子径である。電磁波シールドシート絶縁層中の熱伝導性フィラーの平均粒子径を測定する方法としては、SEM(走査型電子顕微鏡)やTEM(透過型電子顕微鏡)により直接粒子を観察し、粒子径の数平均を計算する方法が挙げられる。
本発明で用いられる絶縁層の厚みは、絶縁性を向上する観点から10μm以上が好ましく、20μm以上がより好ましい。また、放熱性を向上できる観点から300μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましい。
本発明の電磁波シールドシートは、(A)バインダー樹脂および(B)熱伝導性フィラーを含有する絶縁層に導電層が積層される。導電層を積層することによっては電磁波シールド効果が得られる。
導電層は、金属箔、めっき層または導電性フィラーを分散させた樹脂層であることが好ましい。導電層は金属からなる材質が含まれていれば形状に特に制限はなく、金属としては銅、アルミニウム、鉄、すず、ステンレスなどが挙げられる。金属からなる材質を導電層に用いる場合、箔にしたものや絶縁層の上に直接電気めっきまたは化学めっきしたものが挙げられる。
導電性フィラーを分散させた樹脂層を導電層に用いる場合、JIS K 7194(1994)規格の導電性プラスチックの4探針法による抵抗率測定方法による測定で、抵抗率が103Ω・cm以下であれば特に制限はない。樹脂層として、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂などの樹脂に、導電性フィラーとして銅、アルミニウム、すず、銀、鉄、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラファイトなどを分散させたものが挙げられる。分散させる方法について特に制限されるものではないが、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂などを有機溶剤に溶解させた後、導電性フィラーを配合して、プロペラ攪拌機、3本ロールミル、ボールミル、ビーズミルなどで分散させ、導電性組成物を調合し、これを製膜して溶剤を加熱などにより揮発させて、導電層にする方法などが挙げられる。
本発明で用いられる導電層の厚みは、電磁波シールド性を向上させる観点から10μm以上が好ましく、20μm以上がより好ましい。また、電磁波シールドシートのフレキシブル性を向上させる観点から、200μm以下が好ましく、100μm以下がより好ましい。
本発明の電磁波シールドシートの、(A)バインダー樹脂および(B)熱伝導性フィラーを含有する絶縁層および導電層を積層する手段については特に制限されることはないが、以下にその手段を挙げる。
例えば、連続ラミネート法または加熱プレス法により絶縁層と導電層を積層する場合は、絶縁層のシートと導電層のシートを100℃から200℃の温度範囲、0.1MPaから10MPaの圧力範囲で適時選択して連続ラミネートまたは加熱プレスする方法が挙げられる。
また、(A)バインダー樹脂を有機溶剤に溶解した後、これに(B)熱伝導性フィラーを混合して、3本ロールミルやビーズミル、ボールミルなどで分散した絶縁層を形成しうる樹脂組成物を、導電層となる金属箔の上に直接塗布して、有機溶剤を加熱で乾燥することによって積層する方法も挙げられる。
また、上記の要領にて作成した樹脂組成物を支持体の上に塗布して、有機溶剤を加熱で乾燥した後、導電性組成物を重ねて塗布して加熱乾燥することに積層する方法も挙げられる。またこれらの絶縁層と導電層を積層するにあたり、層間での接着強度を高くする為に積層前に絶縁層表面や導電層表面にプラズマ処理などの物理的な表面処理、及びプライマー処理などの化学的な表面処理をすることもできる。
本発明の電磁波シールドシートは、放熱性、絶縁性および電磁波シールド性を兼ね備えているので、半導体装置などを含む電子機器などに広く使用することができる。
例えば、金属板または回路基板に、電磁波シールドシートが積層された積層体として使用される。また半導体装置の電磁波シールドが必要な部分に積層して使用される。また、電磁波シールドシートが、半導体素子実装基板に半導体素子を覆うようにして積層された半導体装置として使用される。
積層する手段として特に制限されるものではないが、例えば絶縁層側を基板に張り合わせて、加熱プレスや連続ラミネートで積層する。プレス時の温度は、絶縁層の(A)バインダー樹脂のガラス転移温度以上もしくは熱硬化性樹脂の硬化温度以上であるのが好ましい。プレス時の圧力は、プレス温度での絶縁層の弾性率以上の圧力で積層するのが好ましい。積層後、熱硬化性樹脂の反応を完全に終わらせる目的で、加熱による硬化をおこなってもよい。
本発明の電磁波シールドシートの絶縁層の熱伝導率は、2W/m・K以上が好ましく、3W/m・K以上がより好ましい。これにより放熱性能が高くなって、電子機器や半導体装置の信頼性が向上する。
本発明の電磁波シールドシートの絶縁層の絶縁破壊電圧は、1.0kV以上であるのが好ましい。より好ましくは2.0kV以上である。これにより絶縁信頼性が向上し、半導体装置の出力向上や小型化をすることができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、各実施例において略号で示した原料の詳細を以下に示す。
<ポリイミドの原料>
ODPA:4,4’−オキシジフタル酸二無水物(マナック(株)製)
BAHF:2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製)
NJM−06:1,3‘−ビス(4−アミノ−2−カルボキシフェノキシ)ベンゼン(日本純良薬品(株)製)
APB−N:1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(三井化学(株)製)
KF8010:ジアミノポリシロキサン(信越化学(株)製)
<エポキシ樹脂>
JER828:ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(三菱化学(株)製)
JER1010:ビスフェノールA型固形エポキシ樹脂(三菱化学(株)製)
<硬化剤>
2P4MZ:2−フェニル−4−メチルイミダゾール
<その他のバインダー樹脂>
5003PS:ポリエーテルスルホン(住友化学(株)製:商標名スミカエクセル)
<熱伝導性フィラー>
DAW−45:アルミナ粒子(平均粒子径:45μm、熱伝導率:26W/m・K)(電気化学工業(株)製)
AO509:アルミナ粒子(平均粒子径:9μm、熱伝導率:20W/m・K)(アドマテックス(株)製:商標名アドマテックス)
AO502:アルミナ粒子(平均粒子径:0.7μm、熱伝導率:20W/m・K)(アドマテックス(株)製:商標名アドマテックス)
FAN−30:窒化アルミニウム粒子(平均粒子径:30μm、熱伝導率:170W/m・K)(古河電子(株)製)
FAN−50:窒化アルミニウム粒子(平均粒子径:50μm、熱伝導率:170W/m・K)(古河電子(株)製)
MBN−010T:窒化ホウ素(平均粒子径:0.9μm、熱伝導率:40W/m・K)(三井化学(株)製)
<導電性フィラー>
EC200L:カーボンブラック(ライオン(株)製)
<金属箔>
SUS316L:ステンレス箔厚さ25μm(新日鉄住金マテリアルズ(株)製)
<溶剤>
トリグライム:トリエチレングリコールジメチルエーテル
γBL:ガンマブチロラクトン
PGMEA:プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート
<絶縁層中における(B)熱伝導性フィラーの体積割合>
添加した樹脂組成物の各成分の重量を、それぞれの比重で割って体積を計算して、算出した。なお比重はアルキメデス法で算出した。
ODPA:4,4’−オキシジフタル酸二無水物(マナック(株)製)
BAHF:2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製)
NJM−06:1,3‘−ビス(4−アミノ−2−カルボキシフェノキシ)ベンゼン(日本純良薬品(株)製)
APB−N:1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(三井化学(株)製)
KF8010:ジアミノポリシロキサン(信越化学(株)製)
<エポキシ樹脂>
JER828:ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(三菱化学(株)製)
JER1010:ビスフェノールA型固形エポキシ樹脂(三菱化学(株)製)
<硬化剤>
2P4MZ:2−フェニル−4−メチルイミダゾール
<その他のバインダー樹脂>
5003PS:ポリエーテルスルホン(住友化学(株)製:商標名スミカエクセル)
<熱伝導性フィラー>
DAW−45:アルミナ粒子(平均粒子径:45μm、熱伝導率:26W/m・K)(電気化学工業(株)製)
AO509:アルミナ粒子(平均粒子径:9μm、熱伝導率:20W/m・K)(アドマテックス(株)製:商標名アドマテックス)
AO502:アルミナ粒子(平均粒子径:0.7μm、熱伝導率:20W/m・K)(アドマテックス(株)製:商標名アドマテックス)
FAN−30:窒化アルミニウム粒子(平均粒子径:30μm、熱伝導率:170W/m・K)(古河電子(株)製)
FAN−50:窒化アルミニウム粒子(平均粒子径:50μm、熱伝導率:170W/m・K)(古河電子(株)製)
MBN−010T:窒化ホウ素(平均粒子径:0.9μm、熱伝導率:40W/m・K)(三井化学(株)製)
<導電性フィラー>
EC200L:カーボンブラック(ライオン(株)製)
<金属箔>
SUS316L:ステンレス箔厚さ25μm(新日鉄住金マテリアルズ(株)製)
<溶剤>
トリグライム:トリエチレングリコールジメチルエーテル
γBL:ガンマブチロラクトン
PGMEA:プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート
<絶縁層中における(B)熱伝導性フィラーの体積割合>
添加した樹脂組成物の各成分の重量を、それぞれの比重で割って体積を計算して、算出した。なお比重はアルキメデス法で算出した。
<(B)熱伝導性フィラーの平均粒子径>
熱伝導性フィラーの平均粒子径は、JIS Z 8825(2013)に記載のレーザ回折・光散乱法によって測定された粒子径分布を、JIS Z 8819−2(2001)(第2部)に記載の方法にて解析された平均粒子径の値であり、JIS Z 8819−2(2001)(第2部)の「5.平均粒子径」において、式(6)によって定義されるものである。
熱伝導性フィラーの平均粒子径は、JIS Z 8825(2013)に記載のレーザ回折・光散乱法によって測定された粒子径分布を、JIS Z 8819−2(2001)(第2部)に記載の方法にて解析された平均粒子径の値であり、JIS Z 8819−2(2001)(第2部)の「5.平均粒子径」において、式(6)によって定義されるものである。
<接着強度>
各実施例・比較例で得られた電磁波シールドシートの絶縁層を厚さ18μm銅箔上において、熱板プレス機を用いて、プレス温度180℃、圧力3MPa、加圧時間10分でプレスした。その後180℃の熱風循環型乾燥機で1時間かけて熱硬化した。その後このようにして得られた積層体のプレスした銅箔を第二塩化鉄水溶液でエッチング除去して線幅2mmの回路加工をおこなった。その後、日本電産シンポ(株)製のプッシュゲルゲージFGN−5Bで2mm幅の銅箔を積層体に対して90℃の方向に持ち上げて引っ張り、接着強度を測定した。
各実施例・比較例で得られた電磁波シールドシートの絶縁層を厚さ18μm銅箔上において、熱板プレス機を用いて、プレス温度180℃、圧力3MPa、加圧時間10分でプレスした。その後180℃の熱風循環型乾燥機で1時間かけて熱硬化した。その後このようにして得られた積層体のプレスした銅箔を第二塩化鉄水溶液でエッチング除去して線幅2mmの回路加工をおこなった。その後、日本電産シンポ(株)製のプッシュゲルゲージFGN−5Bで2mm幅の銅箔を積層体に対して90℃の方向に持ち上げて引っ張り、接着強度を測定した。
<熱伝導率>
実施例1〜8、比較例1〜3については、得られた電磁波シールドシートの絶縁層を厚さ18μm銅箔上において、熱板プレス機を用いて、プレス温度180℃、圧力3MPa、加圧時間10分でプレスした。その後180℃の熱風循環型乾燥機で1時間かけて熱硬化した。このようにして得られた積層体の銅箔と導電層を全て第二塩化鉄水溶液でエッチング除去し、厚みが200μmの絶縁層のみの硬化物を得た。
実施例1〜8、比較例1〜3については、得られた電磁波シールドシートの絶縁層を厚さ18μm銅箔上において、熱板プレス機を用いて、プレス温度180℃、圧力3MPa、加圧時間10分でプレスした。その後180℃の熱風循環型乾燥機で1時間かけて熱硬化した。このようにして得られた積層体の銅箔と導電層を全て第二塩化鉄水溶液でエッチング除去し、厚みが200μmの絶縁層のみの硬化物を得た。
また実施例9については、得られた絶縁層を厚さ18μm銅箔上において、熱板プレス機を用いて、プレス温度180℃、圧力3MPa、加圧時間10分でプレスした。その後180℃の熱風循環型乾燥機で1時間かけて熱硬化した。このようにして得られた積層体の銅箔を全て第二塩化鉄水溶液でエッチング除去し、厚みが100μmの絶縁層のみの硬化物を得た。
その後、ネッチ(株)製のレーザーフラッシュ法熱拡散率測定装置LFA447で硬化物の熱拡散率を測定した。またアルキメデス法で硬化物の比重を測定し、また(株)日立ハイテクサイエンス社製のDSC6220を用いてDSC法で硬化物の比熱を測定して、熱拡散率×比重×比熱で熱伝導率を算出した。
<耐電圧>
<熱伝導率>と同様にして、厚みが100μmの接着剤組成物の硬化物を得た。これについて、菊水電子工業(株)製の耐電圧試験器TOS5101で温度23℃、湿度50%RHにおける耐電圧を測定した。測定は、交流で昇圧速度5.0kV/秒で実施して、0.2mA以上の電流が流れた時の電圧を耐電圧とした。
<熱伝導率>と同様にして、厚みが100μmの接着剤組成物の硬化物を得た。これについて、菊水電子工業(株)製の耐電圧試験器TOS5101で温度23℃、湿度50%RHにおける耐電圧を測定した。測定は、交流で昇圧速度5.0kV/秒で実施して、0.2mA以上の電流が流れた時の電圧を耐電圧とした。
<電磁波シールド性測定>
各実施例・比較例で得られた電磁波シールドシートを15cm×20cmにきりだし、近傍界タイプデカップリングレシオ測定システム(Agilent社製PNA)のループアンテナの端子間に設置し、ネットワークアナライザーでSパラメータの伝達係数S21を測定することによって、2GHzでの電磁波減衰率(dB)を測定した。
各実施例・比較例で得られた電磁波シールドシートを15cm×20cmにきりだし、近傍界タイプデカップリングレシオ測定システム(Agilent社製PNA)のループアンテナの端子間に設置し、ネットワークアナライザーでSパラメータの伝達係数S21を測定することによって、2GHzでの電磁波減衰率(dB)を測定した。
<ポリイミド溶液A>
300mlの4つ口フラスコに撹拌機、温度計、窒素導入管および滴下ロートを設置して、窒素雰囲気下、トリグライム 117.18g、ODPA 15.36gを仕込み、60℃で撹拌溶解させた。その後、60℃で撹拌しながらKF8010 30.10g、BAHF5.49gを添加して1時間撹拌した。その後180℃まで昇温させて3時間撹拌した後、室温まで冷却してポリイミド溶液A(固形分濃度30.0重量%)を得た。重合したポリイミドをN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPとする)に溶解した固形分濃度0.1重量%の溶液を用い、下に示す構成のGPC装置Waters2690(Waters(株)製)によりポリスチレン換算の重量平均分子量を算出した。GPC測定条件は、移動層をLiClとリン酸をそれぞれ濃度0.05mol/lで溶解したNMPとし、展開速度を0.4ml/分とした。
検出器:Waters996
システムコントローラー:Waters2690
カラムオーブン:Waters HTR−B
サーモコントローラー:Waters TCM
カラム:TOSOH grard comn
カラム:TOSOH TSK−GEL α−4000
カラム:TOSOH TSK−GEL α−2500
ポリイミドの重量平均分子量を測定した結果、29,200であった。また、重合したポリイミドの赤外吸収スペクトルを測定し、ポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピーク(1780cm−1付近、1377cm−1付近)の存在を確認した。次に、そのポリマーについて、350℃で1時間熱処理した後、再度、赤外吸収スペクトルを測定し、熱処理前と熱処理後の1377cm−1付近のピーク強度を比較した。熱処理後のポリマーのイミド化率を100%として、熱処理前のポリマーのイミド化率を求めた。ポリイミドAのイミド化率を測定した結果、99%であった。
300mlの4つ口フラスコに撹拌機、温度計、窒素導入管および滴下ロートを設置して、窒素雰囲気下、トリグライム 117.18g、ODPA 15.36gを仕込み、60℃で撹拌溶解させた。その後、60℃で撹拌しながらKF8010 30.10g、BAHF5.49gを添加して1時間撹拌した。その後180℃まで昇温させて3時間撹拌した後、室温まで冷却してポリイミド溶液A(固形分濃度30.0重量%)を得た。重合したポリイミドをN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPとする)に溶解した固形分濃度0.1重量%の溶液を用い、下に示す構成のGPC装置Waters2690(Waters(株)製)によりポリスチレン換算の重量平均分子量を算出した。GPC測定条件は、移動層をLiClとリン酸をそれぞれ濃度0.05mol/lで溶解したNMPとし、展開速度を0.4ml/分とした。
検出器:Waters996
システムコントローラー:Waters2690
カラムオーブン:Waters HTR−B
サーモコントローラー:Waters TCM
カラム:TOSOH grard comn
カラム:TOSOH TSK−GEL α−4000
カラム:TOSOH TSK−GEL α−2500
ポリイミドの重量平均分子量を測定した結果、29,200であった。また、重合したポリイミドの赤外吸収スペクトルを測定し、ポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピーク(1780cm−1付近、1377cm−1付近)の存在を確認した。次に、そのポリマーについて、350℃で1時間熱処理した後、再度、赤外吸収スペクトルを測定し、熱処理前と熱処理後の1377cm−1付近のピーク強度を比較した。熱処理後のポリマーのイミド化率を100%として、熱処理前のポリマーのイミド化率を求めた。ポリイミドAのイミド化率を測定した結果、99%であった。
<ポリイミド溶液B>
300mlの4つ口フラスコに撹拌機、温度計、窒素導入管および滴下ロートを設置して、窒素雰囲気下、トリグライム 117.67g、ODPA 15.36gを仕込み、60℃で撹拌溶解させた。その後、60℃で撹拌しながらKF8010 30.10g、NJM−06 5.71gを添加して1時間撹拌した。その後180℃まで昇温させて3時間撹拌した後、室温まで冷却してポリイミド溶液B(固形分濃度30.0重量%)を得た。このようにして得られたポリイミドBを上記と同様の方法で重量平均分子量を測定した結果、31,600であった。また、上記と同様の方法にてイミド化率を測定した結果、99%であった。
300mlの4つ口フラスコに撹拌機、温度計、窒素導入管および滴下ロートを設置して、窒素雰囲気下、トリグライム 117.67g、ODPA 15.36gを仕込み、60℃で撹拌溶解させた。その後、60℃で撹拌しながらKF8010 30.10g、NJM−06 5.71gを添加して1時間撹拌した。その後180℃まで昇温させて3時間撹拌した後、室温まで冷却してポリイミド溶液B(固形分濃度30.0重量%)を得た。このようにして得られたポリイミドBを上記と同様の方法で重量平均分子量を測定した結果、31,600であった。また、上記と同様の方法にてイミド化率を測定した結果、99%であった。
<ポリイミド溶液C>
300mlの4つ口フラスコに撹拌機、温度計、窒素導入管および滴下ロートを設置して、窒素雰囲気下、トリグライム 103.17g、ODPA 13.82gを仕込み、60℃で撹拌溶解させた。その後、60℃で撹拌しながらKF8010 27.09g、APB−N 3.95gを添加して1時間撹拌した。その後180℃まで昇温させて3時間撹拌した後、室温まで冷却してポリイミド溶液C(固形分濃度30.0重量%)を得た。このようにして得られたポリイミドCを上記と同様の方法で重量平均分子量を測定した結果、34,200であった。また、上記と同様の方法にてイミド化率を測定した結果、99%であった。
300mlの4つ口フラスコに撹拌機、温度計、窒素導入管および滴下ロートを設置して、窒素雰囲気下、トリグライム 103.17g、ODPA 13.82gを仕込み、60℃で撹拌溶解させた。その後、60℃で撹拌しながらKF8010 27.09g、APB−N 3.95gを添加して1時間撹拌した。その後180℃まで昇温させて3時間撹拌した後、室温まで冷却してポリイミド溶液C(固形分濃度30.0重量%)を得た。このようにして得られたポリイミドCを上記と同様の方法で重量平均分子量を測定した結果、34,200であった。また、上記と同様の方法にてイミド化率を測定した結果、99%であった。
<導電性樹脂>
JER1010 15重量部をPGMEA 56重量部に溶解させた後、この溶液にEC200Lを10重量部配合して3本ロールミルで5回繰り返し混練して、粘性液体である導電性樹脂組成物を得た。この組成物を厚さ38μmのPETフィルムの上に塗布して、180℃で1時間溶剤乾燥して厚みが100μmの導電性樹脂を得た。
JER1010 15重量部をPGMEA 56重量部に溶解させた後、この溶液にEC200Lを10重量部配合して3本ロールミルで5回繰り返し混練して、粘性液体である導電性樹脂組成物を得た。この組成物を厚さ38μmのPETフィルムの上に塗布して、180℃で1時間溶剤乾燥して厚みが100μmの導電性樹脂を得た。
<実施例1>
<絶縁層>
ポリイミド溶液Aを11.67g(ポリイミドとしては3.5g)、JER828を2.5g、2P4MZを0.1g添加して混合攪拌し、これにFAN−50を30.4g、AO509を23g、MBN−010Tを5.8g添加して3本ロールミルで5回繰り返し混練して、粘性液体である絶縁層の樹脂組成物を得た。このようにして得られた樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚みが200μmになるように塗布し、80℃のホットプレート上にて30分乾燥して、絶縁シートを得た。
<絶縁層>
ポリイミド溶液Aを11.67g(ポリイミドとしては3.5g)、JER828を2.5g、2P4MZを0.1g添加して混合攪拌し、これにFAN−50を30.4g、AO509を23g、MBN−010Tを5.8g添加して3本ロールミルで5回繰り返し混練して、粘性液体である絶縁層の樹脂組成物を得た。このようにして得られた樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚みが200μmになるように塗布し、80℃のホットプレート上にて30分乾燥して、絶縁シートを得た。
<導電層との積層>
SUS316Lと上記で得た絶縁シートを重ねて、上下のラミネートロール温度が130℃、ロールプレス圧力0.3MPa、ラミ速度0.2m/分にて連続ラミネートすることによって、導電層と絶縁層を積層した電磁波シールドシートを得た。このようにして得たシートからPETフィルムを剥離した後、上記の方法で、接着強度、熱伝導率、耐電圧、電磁波シールド性について測定した。
SUS316Lと上記で得た絶縁シートを重ねて、上下のラミネートロール温度が130℃、ロールプレス圧力0.3MPa、ラミ速度0.2m/分にて連続ラミネートすることによって、導電層と絶縁層を積層した電磁波シールドシートを得た。このようにして得たシートからPETフィルムを剥離した後、上記の方法で、接着強度、熱伝導率、耐電圧、電磁波シールド性について測定した。
<実施例2>
ポリイミド溶液をAからBに変更した以外は、実施例1と同様の方法で電磁波シールドシートを作成し、接着強度、熱伝導率、耐電圧、電磁波シールド性について測定した。
ポリイミド溶液をAからBに変更した以外は、実施例1と同様の方法で電磁波シールドシートを作成し、接着強度、熱伝導率、耐電圧、電磁波シールド性について測定した。
<実施例3>
<絶縁層>
ポリイミド溶液Aを11.67g(ポリイミドとしては3.5g)、JER828を2.5g、2P4MZを0.1g添加して混合攪拌し、これにFAN−30を30.4g、AO509を23g、MBN−010Tを5.8g添加して3本ロールミルで5回繰り返し混練して、粘性液体である絶縁層の樹脂組成物を得た。このようにして得られた樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚みが200μmになるように塗布し、80℃のホットプレート上にて30分乾燥して、絶縁シートを得た。
<絶縁層>
ポリイミド溶液Aを11.67g(ポリイミドとしては3.5g)、JER828を2.5g、2P4MZを0.1g添加して混合攪拌し、これにFAN−30を30.4g、AO509を23g、MBN−010Tを5.8g添加して3本ロールミルで5回繰り返し混練して、粘性液体である絶縁層の樹脂組成物を得た。このようにして得られた樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚みが200μmになるように塗布し、80℃のホットプレート上にて30分乾燥して、絶縁シートを得た。
<導電層との積層>
SUS316Lと上記で得た絶縁シートを重ねて、上下のラミネートロール温度が130℃、ロールプレス圧力0.3MPa、ラミ速度0.2m/分にて連続ラミネートすることによって、導電層と絶縁層を積層した電磁波シールドシートを得た。このようにして得たシートからPETフィルムを剥離した後、上記の方法で、接着強度、熱伝導率、耐電圧、電磁波シールド性について測定した。
SUS316Lと上記で得た絶縁シートを重ねて、上下のラミネートロール温度が130℃、ロールプレス圧力0.3MPa、ラミ速度0.2m/分にて連続ラミネートすることによって、導電層と絶縁層を積層した電磁波シールドシートを得た。このようにして得たシートからPETフィルムを剥離した後、上記の方法で、接着強度、熱伝導率、耐電圧、電磁波シールド性について測定した。
<実施例4>
<絶縁層>
ポリイミド溶液Aを11.67g(ポリイミドとしては3.5g)、JER828を2.5g、2P4MZを0.1g添加して混合攪拌し、これにDAW−45を36.8g、AO509を23g、MBN−010Tを5.8g添加して3本ロールミルで5回繰り返し混練して、粘性液体である絶縁層の樹脂組成物を得た。このようにして得られた樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚みが200μmになるように塗布し、80℃のホットプレート上にて30分乾燥して、絶縁シートを得た。
<絶縁層>
ポリイミド溶液Aを11.67g(ポリイミドとしては3.5g)、JER828を2.5g、2P4MZを0.1g添加して混合攪拌し、これにDAW−45を36.8g、AO509を23g、MBN−010Tを5.8g添加して3本ロールミルで5回繰り返し混練して、粘性液体である絶縁層の樹脂組成物を得た。このようにして得られた樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚みが200μmになるように塗布し、80℃のホットプレート上にて30分乾燥して、絶縁シートを得た。
<導電層との積層>
SUS316Lと上記で得た絶縁シートを重ねて、上下のラミネートロール温度が130℃、ロールプレス圧力0.3MPa、ラミ速度0.2m/分にて連続ラミネートすることによって、導電層と絶縁層を積層した電磁波シールドシートを得た。このようにして得たシートからPETフィルムを剥離した後、上記の方法で、接着強度、熱伝導率、耐電圧、電磁波シールド性について測定した。
SUS316Lと上記で得た絶縁シートを重ねて、上下のラミネートロール温度が130℃、ロールプレス圧力0.3MPa、ラミ速度0.2m/分にて連続ラミネートすることによって、導電層と絶縁層を積層した電磁波シールドシートを得た。このようにして得たシートからPETフィルムを剥離した後、上記の方法で、接着強度、熱伝導率、耐電圧、電磁波シールド性について測定した。
<実施例5>
<絶縁層>
ポリイミド溶液Aを11.67g(ポリイミドとしては3.5g)、JER828を2.5g、2P4MZを0.1g添加して混合攪拌し、これにAO509を46g、MBN−010Tを5.8g添加して3本ロールミルで5回繰り返し混練して、粘性液体である絶縁層の樹脂組成物を得た。このようにして得られた樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚みが200μmになるように塗布し、80℃のホットプレート上にて30分乾燥して、絶縁シートを得た。
<絶縁層>
ポリイミド溶液Aを11.67g(ポリイミドとしては3.5g)、JER828を2.5g、2P4MZを0.1g添加して混合攪拌し、これにAO509を46g、MBN−010Tを5.8g添加して3本ロールミルで5回繰り返し混練して、粘性液体である絶縁層の樹脂組成物を得た。このようにして得られた樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚みが200μmになるように塗布し、80℃のホットプレート上にて30分乾燥して、絶縁シートを得た。
<導電層との積層>
SUS316Lと上記で得た絶縁シートを重ねて、上下のラミネートロール温度が130℃、ロールプレス圧力0.3MPa、ラミ速度0.2m/分にて連続ラミネートすることによって、導電層と絶縁層を積層した電磁波シールドシートを得た。このようにして得たシートからPETフィルムを剥離した後、上記の方法で、接着強度、熱伝導率、耐電圧、電磁波シールド性について測定した。
SUS316Lと上記で得た絶縁シートを重ねて、上下のラミネートロール温度が130℃、ロールプレス圧力0.3MPa、ラミ速度0.2m/分にて連続ラミネートすることによって、導電層と絶縁層を積層した電磁波シールドシートを得た。このようにして得たシートからPETフィルムを剥離した後、上記の方法で、接着強度、熱伝導率、耐電圧、電磁波シールド性について測定した。
<実施例6>
<絶縁層>
5003PSを2.5g、JER828を3.5g、2P4MZを0.1gをγBL 8g、トリグライム 2gに添加して混合攪拌し、これにAO509を46g、MBN−010Tを5.8g添加して3本ロールミルで5回繰り返し混練して、粘性液体である絶縁層の樹脂組成物を得た。このようにして得られた樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚みが200μmになるように塗布し、80℃のホットプレート上にて30分乾燥して、絶縁シートを得た。
<絶縁層>
5003PSを2.5g、JER828を3.5g、2P4MZを0.1gをγBL 8g、トリグライム 2gに添加して混合攪拌し、これにAO509を46g、MBN−010Tを5.8g添加して3本ロールミルで5回繰り返し混練して、粘性液体である絶縁層の樹脂組成物を得た。このようにして得られた樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚みが200μmになるように塗布し、80℃のホットプレート上にて30分乾燥して、絶縁シートを得た。
<導電層との積層>
SUS316Lと上記で得た絶縁シートを重ねて、上下のラミネートロール温度が130℃、ロールプレス圧力0.3MPa、ラミ速度0.2m/分にて連続ラミネートすることによって、導電層と絶縁層を積層した電磁波シールドシートを得た。このようにして得たシートからPETフィルムを剥離した後、上記の方法で、接着強度、熱伝導率、耐電圧、電磁波シールド性について測定した。
SUS316Lと上記で得た絶縁シートを重ねて、上下のラミネートロール温度が130℃、ロールプレス圧力0.3MPa、ラミ速度0.2m/分にて連続ラミネートすることによって、導電層と絶縁層を積層した電磁波シールドシートを得た。このようにして得たシートからPETフィルムを剥離した後、上記の方法で、接着強度、熱伝導率、耐電圧、電磁波シールド性について測定した。
<実施例7>
<絶縁層>
ポリイミド溶液Cを11.67g(ポリイミドとしては3.5g)、JER828を2.5g、2P4MZを0.1g添加して混合攪拌し、これをAO509を46g、MBN−010Tを5.8g添加して3本ロールミルで5回繰り返し混練して、粘性液体である絶縁層の樹脂組成物を得た。このようにして得られた樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚みが200μmになるように塗布し、80℃のホットプレート上にて30分乾燥して、絶縁シートを得た。
<絶縁層>
ポリイミド溶液Cを11.67g(ポリイミドとしては3.5g)、JER828を2.5g、2P4MZを0.1g添加して混合攪拌し、これをAO509を46g、MBN−010Tを5.8g添加して3本ロールミルで5回繰り返し混練して、粘性液体である絶縁層の樹脂組成物を得た。このようにして得られた樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚みが200μmになるように塗布し、80℃のホットプレート上にて30分乾燥して、絶縁シートを得た。
<導電層との積層>
SUS316Lと上記で得た絶縁シートを重ねて、上下のラミネートロール温度が130℃、ロールプレス圧力0.3MPa、ラミ速度0.2m/分にて連続ラミネートすることによって、導電層と絶縁層を積層した電磁波シールドシートを得た。このようにして得たシートからPETフィルムを剥離した後、上記の方法で、接着強度、熱伝導率、耐電圧、電磁波シールド性について測定した。
SUS316Lと上記で得た絶縁シートを重ねて、上下のラミネートロール温度が130℃、ロールプレス圧力0.3MPa、ラミ速度0.2m/分にて連続ラミネートすることによって、導電層と絶縁層を積層した電磁波シールドシートを得た。このようにして得たシートからPETフィルムを剥離した後、上記の方法で、接着強度、熱伝導率、耐電圧、電磁波シールド性について測定した。
<実施例8>
<絶縁層>
ポリイミド溶液C 20g(ポリイミドとしては6g)に、AO509を46g、MBN−010Tを5.8g添加して3本ロールミルで5回繰り返し混練して、粘性液体である絶縁層の樹脂組成物を得た。このようにして得られた樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚みが200μmになるように塗布し、80℃のホットプレート上にて30分乾燥して、絶縁シートを得た。
<絶縁層>
ポリイミド溶液C 20g(ポリイミドとしては6g)に、AO509を46g、MBN−010Tを5.8g添加して3本ロールミルで5回繰り返し混練して、粘性液体である絶縁層の樹脂組成物を得た。このようにして得られた樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚みが200μmになるように塗布し、80℃のホットプレート上にて30分乾燥して、絶縁シートを得た。
<導電層との積層>
SUS316Lと上記で得た絶縁シートを重ねて、上下のラミネートロール温度が130℃、ロールプレス圧力0.3MPa、ラミ速度0.2m/分にて連続ラミネートすることによって、導電層と絶縁層を積層した電磁波シールドシートを得た。このようにして得たシートからPETフィルムを剥離した後、上記の方法で、接着強度、熱伝導率、耐電圧、電磁波シールド性について測定した。
SUS316Lと上記で得た絶縁シートを重ねて、上下のラミネートロール温度が130℃、ロールプレス圧力0.3MPa、ラミ速度0.2m/分にて連続ラミネートすることによって、導電層と絶縁層を積層した電磁波シールドシートを得た。このようにして得たシートからPETフィルムを剥離した後、上記の方法で、接着強度、熱伝導率、耐電圧、電磁波シールド性について測定した。
<実施例9>
<絶縁層>
ポリイミド溶液Aを11.67g(ポリイミドとしては3.5g)、JER828を2.5g、2P4MZを0.1g添加して混合攪拌し、これにFAN−50を30.4g、AO509を23g、MBN−010Tを5.8g添加して3本ロールミルで5回繰り返し混練して、粘性液体である絶縁層の樹脂組成物を得た。このようにして得られた樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚みが200μmになるように塗布し、80℃のホットプレート上にて30分乾燥して、絶縁シートを得た。このようにして得たシートからPETフィルムを剥離した後、上記の方法で、熱伝導率、耐電圧について測定した。
<絶縁層>
ポリイミド溶液Aを11.67g(ポリイミドとしては3.5g)、JER828を2.5g、2P4MZを0.1g添加して混合攪拌し、これにFAN−50を30.4g、AO509を23g、MBN−010Tを5.8g添加して3本ロールミルで5回繰り返し混練して、粘性液体である絶縁層の樹脂組成物を得た。このようにして得られた樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚みが200μmになるように塗布し、80℃のホットプレート上にて30分乾燥して、絶縁シートを得た。このようにして得たシートからPETフィルムを剥離した後、上記の方法で、熱伝導率、耐電圧について測定した。
<導電層との積層>
導電樹脂と上記で得た絶縁シートを重ねて、上下のラミネートロール温度が130℃、ロールプレス圧力0.3MPa、ラミ速度0.2m/分にて連続ラミネートすることによって、導電層と絶縁層を積層した電磁波シールドシートを得た。このようにして得たシートからPETフィルムを剥離した後、上記の方法で、接着強度、電磁波シールド性について測定した。
導電樹脂と上記で得た絶縁シートを重ねて、上下のラミネートロール温度が130℃、ロールプレス圧力0.3MPa、ラミ速度0.2m/分にて連続ラミネートすることによって、導電層と絶縁層を積層した電磁波シールドシートを得た。このようにして得たシートからPETフィルムを剥離した後、上記の方法で、接着強度、電磁波シールド性について測定した。
<比較例1>
ポリイミド溶液Aを11.67g(ポリイミドとしては3.5g)、JER828を2.5g、2P4MZを0.1g添加して混合攪拌し、これにFAN−50を30.4g、AO509を23g、MBN−010Tを5.8g添加して3本ロールミルで5回繰り返し混練して、粘性液体である絶縁層の樹脂組成物を得た。このようにして得られた樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚みが200μmになるように塗布し、80℃のホットプレート上にて30分乾燥して、絶縁シートを得た。
ポリイミド溶液Aを11.67g(ポリイミドとしては3.5g)、JER828を2.5g、2P4MZを0.1g添加して混合攪拌し、これにFAN−50を30.4g、AO509を23g、MBN−010Tを5.8g添加して3本ロールミルで5回繰り返し混練して、粘性液体である絶縁層の樹脂組成物を得た。このようにして得られた樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚みが200μmになるように塗布し、80℃のホットプレート上にて30分乾燥して、絶縁シートを得た。
<導電層との積層>
SUS316Lと上記で得た絶縁シートを重ねて、上下のラミネートロール温度が130℃、ロールプレス圧力0.3MPa、ラミ速度0.2m/分にて連続ラミネートすることによって、導電層と絶縁層を積層した電磁波シールドシートを得た。このようにして得たシートからPETフィルムを剥離した後、上記の方法で、接着強度、熱伝導率、耐電圧、電磁波シールド性について測定した。
SUS316Lと上記で得た絶縁シートを重ねて、上下のラミネートロール温度が130℃、ロールプレス圧力0.3MPa、ラミ速度0.2m/分にて連続ラミネートすることによって、導電層と絶縁層を積層した電磁波シールドシートを得た。このようにして得たシートからPETフィルムを剥離した後、上記の方法で、接着強度、熱伝導率、耐電圧、電磁波シールド性について測定した。
<比較例2>
<絶縁層>
ポリイミド溶液Aを11.67g(ポリイミドとしては3.5g)、JER828を2.5g、2P4MZを0.1g添加して混合攪拌し、これにAO509を23g、AO502を18.4g添加して3本ロールミルで5回繰り返し混練して、粘性液体である絶縁層の樹脂組成物を得た。このようにして得られた樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚みが200μmになるように塗布し、80℃のホットプレート上にて30分乾燥して、絶縁シートを得た。
<絶縁層>
ポリイミド溶液Aを11.67g(ポリイミドとしては3.5g)、JER828を2.5g、2P4MZを0.1g添加して混合攪拌し、これにAO509を23g、AO502を18.4g添加して3本ロールミルで5回繰り返し混練して、粘性液体である絶縁層の樹脂組成物を得た。このようにして得られた樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚みが200μmになるように塗布し、80℃のホットプレート上にて30分乾燥して、絶縁シートを得た。
<導電層との積層>
SUS316Lと上記で得た絶縁シートを重ねて、上下のラミネートロール温度が130℃、ロールプレス圧力0.3MPa、ラミ速度0.2m/分にて連続ラミネートすることによって、導電層と絶縁層を積層した電磁波シールドシートを得た。このようにして得たシートからPETフィルムを剥離した後、上記の方法で、接着強度、熱伝導率、耐電圧、電磁波シールド性について測定した。
SUS316Lと上記で得た絶縁シートを重ねて、上下のラミネートロール温度が130℃、ロールプレス圧力0.3MPa、ラミ速度0.2m/分にて連続ラミネートすることによって、導電層と絶縁層を積層した電磁波シールドシートを得た。このようにして得たシートからPETフィルムを剥離した後、上記の方法で、接着強度、熱伝導率、耐電圧、電磁波シールド性について測定した。
<比較例3>
<絶縁層>
ポリイミド溶液Aを11.67g(ポリイミドとしては3.5g)、JER828を2.5g、2P4MZを0.1g添加して混合攪拌し、これにAO509を12g、MBN−010Tを5.8g添加して3本ロールミルで5回繰り返し混練して、粘性液体である絶縁層の樹脂組成物を得た。このようにして得られた樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚みが200μmになるように塗布し、80℃のホットプレート上にて30分乾燥して、絶縁シートを得た。
<絶縁層>
ポリイミド溶液Aを11.67g(ポリイミドとしては3.5g)、JER828を2.5g、2P4MZを0.1g添加して混合攪拌し、これにAO509を12g、MBN−010Tを5.8g添加して3本ロールミルで5回繰り返し混練して、粘性液体である絶縁層の樹脂組成物を得た。このようにして得られた樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚みが200μmになるように塗布し、80℃のホットプレート上にて30分乾燥して、絶縁シートを得た。
<導電層との積層>
SUS316Lと上記で得た絶縁シートを重ねて、上下のラミネートロール温度が130℃、ロールプレス圧力0.3MPa、ラミ速度0.2m/分にて連続ラミネートすることによって、導電層と絶縁層を積層した電磁波シールドシートを得た。このようにして得たシートからPETフィルムを剥離した後、上記の方法で、接着強度、熱伝導率、耐電圧、電磁波シールド性について測定した。
SUS316Lと上記で得た絶縁シートを重ねて、上下のラミネートロール温度が130℃、ロールプレス圧力0.3MPa、ラミ速度0.2m/分にて連続ラミネートすることによって、導電層と絶縁層を積層した電磁波シールドシートを得た。このようにして得たシートからPETフィルムを剥離した後、上記の方法で、接着強度、熱伝導率、耐電圧、電磁波シールド性について測定した。
各実施例および比較例で得られた接着剤組成物の組成を表1〜2、評価結果を表3〜4に示す。
Claims (8)
- (A)バインダー樹脂および(B)熱伝導性フィラーを含有する絶縁層ならびに導電層が積層された電磁波シールドシートであって、前記絶縁層中における前記(B)熱伝導性フィラーの割合が60体積%以上であり、前記(B)熱伝導性フィラーが平均粒子径2μm以下の窒化ホウ素を含有することを特徴とする電磁波シールドシート。
- 前記導電層が、金属箔、めっき層または導電性フィラーを分散させた樹脂層であることを特徴とする請求項1に記載の電磁波シールドシート。
- 前記(A)バインダー樹脂が、熱硬化性樹脂を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の電磁波シールドシート。
- 前記(A)バインダー樹脂が、ポリイミドを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電磁波シールドシート。
- 前記ポリイミドが、カルボキシル基またはヒドロキシル基を有するジアミン残基を有することを特徴とする請求項4に記載の電磁波シールドシート。
- 前記絶縁層および前記導電層を、連続ラミネート法または加熱プレス法により積層させることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電磁波シールドシートの製造方法。
- 金属板または回路基板に、請求項1〜5のいずれかに記載の電磁波シールドシートが積層された積層体。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の電磁波シールドシートが、半導体素子実装基板に前記半導体素子を覆うようにして積層された半導体装置。
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- 2015-03-27 JP JP2015066011A patent/JP2016186972A/ja active Pending
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