JP2016185516A - ハニカム構造体 - Google Patents

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晶 宮下
周作 山村
Shusaku Yamamura
周作 山村
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Mikio Ishihara
幹男 石原
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Abstract

【課題】排ガスの浄化効率が高く、かつ製造コストを低減できるハニカム構造体を提供すること。【解決手段】ハニカム構造体1は、筒状の外皮2と、セル壁3と、複数のセル4と、触媒層とを備える。セル4には、貫通セル4aと、片側封止セル4bとがある。貫通セル4aは、外皮2の軸方向における両端部が開口しており、Z方向に貫通している。片側封止セル4bは、貫通セル4aに隣り合う位置に形成されている。片側封止セル4bは、排ガスの上流側の端部400が封止されている。触媒層は、排ガスの上流側に形成された上流側触媒層と、該上流側触媒層よりも排ガスの下流側に形成された下流側触媒層とを備える。上流側触媒層は下流側触媒層よりも薄く形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、排ガスを浄化するためのハニカム構造体に関する。
従来から、自動車等の排ガスを浄化するためのハニカム構造体が知られている(下記特許文献1参照)。このハニカム構造体は、円筒状の外皮と、該外皮内に形成された多角形格子状のセル壁と、該セル壁によって区画された複数のセルとを備える。このセル内を、排ガスが流れる。セル壁は、コージェライト等の多孔質材料からなる。このセル壁の表面に、Pt等の触媒を含有する触媒層が形成されている。
上記ハニカム構造体は、貫通セルと片側封止セルとの、2種類の上記セルを備える。貫通セルは、上記外皮の軸方向における両端部が開口したセルである。片側封止セルは、上記貫通セルに隣り合う位置に形成され、排ガスの上流側の端部(以下、上流側端部とも記す)が封止されたセルである。
このように2種類のセルを形成すると、上流側端部付近において、貫通セルと片側封止セルとの間に、排ガスの圧力差が生じる。すなわち、片側封止セルの上流側端部は封止されているため、排ガスは、外部から片側封止セル内に入らない。これに対して、貫通セルは両端部が開口しているため、排ガスは、貫通セル内にスムーズに導入される。したがって、片側封止セル内の上流側端部付近の空間は、排ガスの圧力が、貫通セルよりも低い。そのため、貫通セルに導入された排ガスは、セル壁と触媒層とを通って、より圧力が低い片側封止セルに移動することになる。これにより、セル壁や触媒層を用いて、排ガス中の粒子状物質(PM:particulate matter)を除去すると共に、排ガスに含まれるCOやHC等の有害物質を触媒層によって分解するよう構成されている。
排ガスが貫通セルから片側封止セルへ移動すると、セル間の圧力差が小さくなる。そのため、下流側では、排ガスはセル間を移動しにくくなり、貫通セルおよび片側封止セルの内部を進むことになる。
下流側においてセル内を進む排ガスの一部は、上記触媒層の中を通過する。そのため、触媒層を厚く形成した方が、セル内を進む排ガスの浄化効率を高めることができる。上記ハニカム構造体では、排ガスの浄化効率を高めるため、触媒層を全体的に厚く形成している。
国際公開第2012/046484号
しかしながら、上記ハニカム構造体では、排ガスの浄化効率に改善の余地があった。すなわち、上記ハニカム構造体では、触媒層を全体的に厚く形成しているため、貫通セルから片側封止セルへ流れる排ガスの圧損が比較的高い。そのため、貫通セルから片側封止セルへ排ガスが移動しにくく、排ガス中の粒子状物質をセル壁等によって充分に捕集できない。また、触媒層が厚いと、触媒である貴金属の使用量が多くなり、ハニカム構造体の製造コストが増加しやすいという問題もある。
触媒層を全体的に薄くすれば、触媒の使用量を低減できるため、ハニカム構造体の製造コストを低減できる。しかしながら、この場合、触媒の量が低減するため、排ガス中の有害物質の分解効率が低減するおそれが考えられる。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、排ガスの浄化効率が高く、かつ製造コストを低減できるハニカム構造体を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、排ガスを浄化するためのハニカム構造体であって、
筒状の外皮と、
該外皮内に設けられ、多孔質材料からなり、多角形格子状に形成されたセル壁と、
該セル壁によって区画され、上記排ガスの流路をなす複数のセルと、
上記セル壁の表面に形成された触媒層とを備え、
上記セルには、上記外皮の軸方向における両端部が開口した貫通セルと、該貫通セルに隣り合う位置に形成され、上記排ガスの上流側の端部が封止された片側封止セルとがあり、
上記触媒層は、上記排ガスの上流側に形成された上流側触媒層と、該上流側触媒層よりも上記排ガスの下流側に形成された下流側触媒層とを備え、上記上流側触媒層は上記下流側触媒層よりも薄く形成されていることを特徴とするハニカム構造体にある。
上記ハニカム構造体は、上記貫通セルと上記片側封止セルとの2種類のセルを備える。また、ハニカム構造体は、上記上流側触媒層と上記下流側触媒層とを備える。そして、上流側触媒層を、下流側触媒層よりも薄く形成してある。
そのため、排ガスの浄化効率を高くすることができ、かつ製造コストを低減することができる。すなわち、上述したように、上記2種類のセルを備えるハニカム構造体は、排ガスの上流側では、貫通セルと片側封止セルとの間における、排ガスの圧力差が大きい。そのため、上流側触媒層の厚さを薄くすることにより、上流側触媒層の圧損を低減でき、排ガスを、上流側触媒層及びセル壁を通過させて、貫通セルから片側封止セルへ容易に移動させることが可能となる。したがって、排ガスに含まれる粒子状物質を、上流側触媒層やセル壁によって捕集する効率を高めることができる。
また、上流側触媒層を薄くすれば、排ガスが上流側触媒層を通過しやすくなるため、排ガスを、上流側触媒層に効率良く接触させることができる。そのため、排ガス中の有害物質を、上流側触媒層によって効率よく分解することが可能となる。
また、上記ハニカム構造体では、下流側触媒層を、上流側触媒層よりも厚く形成してある。上述したように、排ガスが貫通セルから片側封止セルへ移動すると、セル間の圧力差が小さくなる。そのため、ハニカム構造体の下流側では、排ガスは、セル間を移動しにくくなり、主に、貫通セル内、および片側封止セル内を進むことになる。したがって、下流側触媒層を厚く形成することにより、セル内を進む排ガスの一部を、下流側触媒層の中を通過させることができ、下流側触媒層における、有害物質の分解効率を高めることが可能となる。
また、上記ハニカム構造体は、上流側触媒層を薄くしているため、触媒である貴金属の使用量を低減させることができる。そのため、ハニカム構造体の製造コストを低減することができる。
以上のごとく、本発明によれば、排ガスの浄化効率が高く、かつ製造コストを低減できるハニカム構造体を提供することができる。
実施例1における、ハニカム構造体の斜視図。 実施例1における、排管に取り付けられたハニカム構造体の断面図。 図2の部分拡大図。 実施例1における、セル壁を概念的に表した、ハニカム構造体の拡大断面図。 実施例1における、ハニカム構造体の製造方法説明図。 図5に続く図。 図6の要部拡大断面図。 図6に続く図。 図8に続く図。 図9に続く図。 実施例2における、ハニカム構造体の要部拡大断面図であって、図12のXI-XI断面図。 図11のXII-XII断面図。 実施例3における、ハニカム構造体の製造方法を説明するための拡大断面図。 図13に続く図。 図14に続く図。 図15に続く図。
上記ハニカム構造体は、ガソリン車から排出された排ガスを浄化するための、ガソリン車用ハニカム構造体とすることができる。
(実施例1)
上記ハニカム構造体に係る実施例について、図1〜図10を用いて説明する。本例のハニカム構造体1は、図1〜図4に示すごとく、筒状の外皮2と、セル壁3と、複数のセル4と、触媒層5とを備える。セル壁3は、外皮2内に設けられている。セル壁3は、多孔質材料からなり、多角形格子状に形成されている。
セル4は、セル壁3によって区画されており、排ガスgの流路をなしている。触媒層5は、セル壁3の表面に形成されている。
セル4には、貫通セル4aと、片側封止セル4bとがある。貫通セル4aは、外皮2の軸方向(Z方向)における両端部40,41が開口しており、Z方向に貫通している。片側封止セル4bは、貫通セル4aに隣り合う位置に形成されている。片側封止セル4bは、排ガスgの上流側の端部40が封止されている。
触媒層5は、排ガスgの上流側に形成された上流側触媒層51と、該上流側触媒層51よりも排ガスgの下流側に形成された下流側触媒層52とを備える。上流側触媒層51は下流側触媒層52よりも薄く形成されている。
本例のハニカム構造体1は、ガソリン車の排ガスを浄化するための、ガソリン車用ハニカム構造体である。
本例では、外皮2及びセル壁3を、コージェライト等の多孔質セラミックによって形成してある。上述したように、セル壁3の表面に、上流側触媒層51と下流側触媒層52とを形成してある。上流側触媒層51は、Al,CeO,ZrO,Y,La,BaSOのうち少なくとも一種と、PtとPdとのうち少なくとも一方とを含有する。下流側触媒層52は、Al,CeO,ZrO,Y,La,BaSOのうち少なくとも一種と、Rhとを含有する。
図2に示すごとく、本例のハニカム構造体1は、金属からなる環状のケース70に収納されている。また、ケース70とハニカム構造体1との間には、セラミック製のマット7が介在している。排ガスgの熱によってハニカム構造体1が膨張したときに生じる応力を、マット7によって吸収するよう構成されている。ハニカム構造体1は、ケース70及びマット7と共に、車両の排管6に取り付けられている。本例では、車両のガソリンエンジンから発生した排ガスgを、ハニカム構造体1内を通過させ、排ガスgに含まれる粒子状物質を捕集すると共に、排ガスg中のCO,HC,NOx等の有害物質を、触媒層5によって分解している。
本例では、排ガスg中のCO,HCを、上流側触媒層51に含まれるPt及びPdによって分解している。また、排ガスg中のNOxを、下流側触媒層52に含まれるRhによって分解している。
図1に示すごとく、本例では、セル壁3を、正方形格子状に形成してある。そして、図2に示すごとく、封止部材400によって、片側封止セル4bの上流側端部40を封止してある。片側封止セル4bの下流側端部41は、封止されていない。また、貫通セル4aは、両端部40,41とも、封止されていない。図1に示すごとく、本例では、貫通セル4aと片側封止セル4bとを交互に形成し、Z方向から見たときに、これら2種類のセル4(4a,4b)によって市松模様が形成されるようにしてある。
図3に示すごとく、貫通セル4aの両端部40,41は開口しているため、排ガスgは、貫通セル4a内にスムーズに導入される。これに対して、片側封止セル4bの上流側端部40は封止されているため、排ガスgは、外部から片側封止セル4b内に入らない。したがって、ハニカム構造体1の上流側の部位においては、貫通セル4aの方が、片側封止セル4bよりも排ガスgの圧力が高い。また、セル壁3は多孔質材料からなり、複数の気孔30(図4参照)を有する。したがって、排ガスgは、圧力差によって上流側触媒層51及びセル壁3を通過し、貫通セル4aから片側封止セル4bに移動する。この際、排ガスgに含まれる粒子状物質を、上流側触媒層51及びセル壁3によって捕集すると共に、排ガスg中のCO及びHCを、上流側触媒層51に含まれるPt及びPdによって分解するよう構成してある。
排ガスgが貫通セル4aから片側封止セル4bに移動すると、これら2種類のセル4a,4b間の圧力差が小さくなる。そのため、ハニカム構造体1の下流側では、排ガスgは、セル4a,4b間を移動しにくくなり、主に、セル4a,4b内をZ方向に進むことになる。この際、排ガスg中のNOxは、下流側触媒層52に含まれるRhによって分解される。
また、本例では、下流側触媒層52の厚さを、上流側触媒層51の1.1〜3.0倍にしてある。さらに、本例では、上流側触媒層51のZ方向長さL1を、触媒層5のZ方向長さL、すなわち上流側触媒層51と下流側触媒層52との合計の長さの、20〜50%にしてある。
次に、本例のハニカム構造体1の製造方法について説明する。ハニカム構造体1を製造するにあたって、まず、図5に示すごとく、外皮2とセル壁3とを有し、触媒層5が形成されていない多孔質体10を用意する。多孔質体10の上流側端部40は、未だ封止部材400によって封止されていない。また、容器12に、上流側触媒層51となる上流用スラリー510を貯留しておく。上流用スラリー510は、Al,CeO,ZrO,Y,La,BaSOのうち少なくとも一種と、PtとPdとのうち少なくとも一方とを含有する。
その後、図6に示すごとく、多孔質体10の上流側の部位を、上流用スラリー510に浸漬させる。このようにすると、図7に示すごとく、全てのセル4内に、上流用スラリー510が浸入する。この後、多孔質体10を引き上げる。これにより、セル壁3の上流側の部位に、上流用スラリー510を塗布する。
次いで、図8に示すごとく、多孔質体10を上下逆にする。また、容器13に、下流用触媒層52となる下流用スラリー520を貯留しておく。下流用スラリー520は、Al,CeO,ZrO,Y,La,BaSOのうち少なくとも一種と、Rhとを含有する。そして、多孔質体10の下流側の部位を、下流用スラリー520に浸漬させる。このようにすると、全てのセル4内に、下流用スラリー520が浸入する。この後、多孔質体10を引き上げる。これにより、セル壁3の下流側の部位に、下流用スラリー520を塗布する。
その後、多孔質体10を乾燥させる。次いで、片側封止セル4bの上流側端部40を、封止部材400によって封止する。片側封止セル4bの上流側開口部40を封止する際には、例えば、以下の方法が用いられる。まず、図9に示すごとく、容器15に未硬化の封止部材400である未硬化体490を貯留しておく。また、多孔質体10の上流側端部40を、樹脂等からなるシート14によって覆っておく。シート14は、環状部材16によって、多孔質体10に固定される。また、シート14には、片側封止セル4bとなる部分に、予め貫通孔を形成しておく。
そして、図10に示すごとく、シート14を未硬化体490に浸漬させる。これにより、シート14に形成した貫通孔に、未硬化体490を流入させる。その後、多孔質体10を引き上げ、多孔質体10からシート14を取り外す。そして、多孔質体10を焼成して、未硬化体490を硬化させ、封止部材400を形成する。この際、上流側スラリー510及び下流側スラリー520も焼成して、上流側触媒層51及び下流側触媒層52にする。以上の工程を行うことにより、ハニカム構造体1を製造する。
本例の作用効果について説明する。図1〜図3に示すごとく、本例のハニカム構造体1は、貫通セル4aと片側封止セル4bとの2種類のセル4(4a,4b)を備える。また、本例のハニカム構造体1は、上流側触媒層51と下流側触媒層52とを備える。そして、上流側触媒層51を、下流側触媒層52よりも薄く形成してある。
そのため、排ガスgの浄化効率を高くすることができ、かつ製造コストを低減することができる。すなわち、上述したように、上記2種類のセル4a,4bを備えるハニカム構造体1は、排ガスgの上流側では、貫通セル4aと片側封止セル4bとの間における、排ガスgの圧力差が大きい。そのため、上流側触媒層51の厚さを薄くすることにより、上流側触媒層51の圧損を低減でき、排ガスgを、上流側触媒層51及びセル壁3を通過させて、貫通セル4aから片側封止セル4bへ容易に移動させることが可能となる。したがって、排ガスgに含まれる粒子状物質を、上流側触媒層51やセル壁3によって捕集する効率を高めることができる。
また、上流側触媒層51を薄くすれば、排ガスgが上流側触媒層51を通過しやすくなるため、排ガスgを、上流側触媒層51に効率良く接触させることができる。そのため、排ガスg中の有害物質を、上流側触媒層51によって効率よく分解することが可能となる。
また、本例のハニカム構造体1では、下流側触媒層52を、上流側触媒層51よりも厚く形成してある。上述したように、排ガスgが貫通セル4aから片側封止セル4bへ移動すると、セル4a,4b間の圧力差が小さくなる。そのため、ハニカム構造体1の下流側では、排ガスgは、セル4a,4b間を移動しにくくなり、貫通セル4a内、および片側封止セル4b内を主に進むことになる。したがって、下流側触媒層52を厚く形成することにより、セル4a,4b内を進む排ガスgの一部を、下流側触媒層52の中を通過させることができ、下流側触媒層52における、有害物質の分解効率を高めることが可能となる。
また、本例では、上流側触媒層51を薄くしているため、触媒である貴金属の使用量を低減させることができる。そのため、ハニカム構造体1の製造コストを低減することができる。
また、本例では、上流側触媒層51はPtとPdとのうち少なくとも一方を含有し、下流側触媒層52はRhを含有している。そして、排ガスgに含まれるCOやHCを、上流側触媒層51中のPtやPdによって分解し、排ガスgに含まれるNOxを、下流側触媒層52中のRhによって分解している。
このようにすると、排ガスg中の有害物質を効率よく分解することができる。すなわち、Pt及びPdは、活性化温度がRhよりも高い。そのため、排ガスgの熱によって温度が上昇しやすい上流側触媒層51にPt及びPdを含有させた方が、温度が低くなりやすい下流側触媒層52に含有させる場合よりも、CO及びHCを効率よく分解することができる。また、Rhは、PtやPdに比べると活性化温度が低い。そのため、Rhを下流側触媒層52に含有させても、NOxをRhによって分解する効率は低減しにくい。
また、本例の下流側触媒層52は、上流側触媒層51に対して、厚さが、1.1〜3.0倍とされている。
下流側触媒層52が、上流側触媒層51よりも厚さが1.1倍未満である場合は、上流側触媒層51の厚さが充分に薄くないため、排ガスgが上流側触媒層51を通過しにくくなる。そのため、排ガスg中の粒子状物質を捕集する効率や、有害物質を分解する効率を充分に向上しにくくなる。また、上流側触媒層51が厚いため、触媒である貴金属(Pt,Pd)の使用量が多くなり、ハニカム構造体1の製造コストが上昇しやすい。
また、下流側触媒層52の厚さが、上流側触媒層51の厚さの3.0倍未満の場合は、図4に示すごとく、排ガスgの一部を、下流側触媒層52を通過させることができる。そのため、排ガスg中の粒子状物質を、下流側触媒層52によっても捕集することができ、粒子状物質の捕集率を高めることができる。しかしながら、下流側触媒層52の厚さが、上流側触媒層51の厚さの3.0倍を超える場合は、下流側触媒層52が厚くなりすぎ、排ガスgが下流側触媒層52を通過しにくくなる。そのため、排ガスg中の粒子状物質を、下流側触媒層52によって捕集しにくくなる。
また、本例では、上流側触媒層51のZ方向長さL1は、触媒層5のZ方向長さLの、20〜50%とされている。
上流側触媒層51の長さL1が、触媒層5の長さLの20%未満である場合は、下流側触媒層51が長すぎるため、排ガスgの圧損が大きくなるおそれがある。また、50%を超える場合は、下流側触媒層51が短すぎるため、NOxの浄化性能が低下するおそれがある。
なお、上流側触媒層51のZ方向長さL1は、触媒層5のZ方向長さLの、25〜50%がより好ましく、33〜50%が更に好ましい。
以上のごとく、本例によれば、排ガスの浄化効率が高く、かつ製造コストを低減できるハニカム構造体を提供することができる。
なお、本例では、上流側触媒層51と下流側触媒層52とで、含有する触媒の種類を異ならせたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、上流側触媒層51と下流側触媒層52とに、それぞれ同じ種類の触媒を含有させてもよい。
また、本例では、下流側触媒層52に触媒としてRhを含有させたが、Pdを含有させてもよく、RhとPdを両方とも含有させてもよい。
(実施例2)
以下の実施例においては、図面に用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素等を表す。
本例は、セル4の形状を変更した例である。図11に示すごとく、本例の片側封止セル4bは、Z方向から見たときの形状が正八角形である。また、貫通セル4aは、Z方向から見たときの形状が正方形である。図11、図12に示すごとく、本例の片側封止セル4bは、貫通セル4aよりも、Z方向に直交する平面における断面積が大きい。
本例の作用効果について説明する。本例では、片側封止セル4bの方が貫通セル4aよりも断面積が大きいため、片側封止セル4bと貫通セル4aとの間の、排ガスgの圧力差を大きくしやすい。そのため、貫通セル4aから片側封止セル4bへ、排ガスgが移動しやすい。したがって、排ガスg中の粒子状物質を上側触媒層51やセル壁3によって捕集する効率を高めることができると共に、排ガスg中の有害物質を上側触媒層51によって分解する効率を高めることができる。
その他、実施例1と同様の構成および作用効果を備える。
(実施例3)
本例は、ハニカム構造体1の製造方法を変更した例である。本例のハニカム構造体1の製造方法では、まず、図13に示すごとく、触媒層5を形成していない多孔質体10を用意し、この多孔質体10の下流側の部位を下流用スラリー520に浸漬する。
次いで、多孔質体10を引き上げ、図14に示すごとく、片側封止セル4bの上流側端部40を、封止部材400によって封止する。
その後、図15に示すごとく、多孔質体10を上流側端部40から上流用スラリー510に浸漬する。片側封止セル4bの上流側端部40は封止されているため、片側封止セル4bには、上流用スラリー510は入らない。これに対して、貫通セル4aの上流側端部40は封止されていないため、上流用スラリー510は貫通セル4a内に流入する。そのため、上流用スラリー510は貫通セル4a内にのみ付着し、片側封止セル4b内には付着しない。
次いで、図16に示すごとく、多孔質体10を引き上げ、乾燥させ、焼成する。以上の工程を行うことにより、ハニカム構造体1を製造する。
本例の作用効果について説明する。本例では、上流側触媒層51は貫通セル4a内にのみ形成され、片側封止セル4bには形成されない。そのため、上流側触媒層51に含まれる触媒(Pt,Pd)の使用量を更に低減することができる。上流側触媒層51を貫通セル4aにのみ形成した場合でも、排ガスg中の有害物質を、上流側触媒層51によって充分、分解することができる。
また、本例では、下流側触媒層52を、貫通セル4aと片側封止セル4bとにそれぞれ形成してある。そのため、下流側において貫通セル4a及び片側封止セル4b内を流れる排ガスgを、それぞれ下流側触媒層52によって浄化することができる。
その他、実施例1と同様の構成および作用効果を備える。
1 ハニカム構造体
2 外皮
3 セル壁
4 セル
4a 貫通セル
4b 片側封止セル
5 触媒層
51 上流側触媒層
52 下流側触媒層
g 排ガス

Claims (5)

  1. 排ガス(g)を浄化するためのハニカム構造体(1)であって、
    筒状の外皮(2)と、
    該外皮(2)内に設けられ、多孔質材料からなり、多角形格子状に形成されたセル壁(3)と、
    該セル壁(3)によって区画され、上記排ガス(g)の流路をなす複数のセル(4)と、
    上記セル壁(3)の表面に形成された触媒層(5)とを備え、
    上記セル(4)には、上記外皮(2)の軸方向における両端部(40,41)が開口した貫通セル(4a)と、該貫通セル(4a)に隣り合う位置に形成され、上記排ガス(g)の上流側の端部(40)が封止された片側封止セル(4b)とがあり、
    上記触媒層(5)は、上記排ガス(g)の上流側に形成された上流側触媒層(51)と、該上流側触媒層(51)よりも上記排ガス(g)の下流側に形成された下流側触媒層(52)とを備え、上記上流側触媒層(51)は上記下流側触媒層(52)よりも薄く形成されていることを特徴とするハニカム構造体(1)。
  2. 上記下流側触媒層(52)は、上記上流側触媒層(51)に対して、厚さが1.1〜3.0倍であることを特徴とする請求項1に記載のハニカム構造体(1)。
  3. 上記上流側触媒層(51)はPtとPdとのうち少なくとも一方を含有し、上記下流側触媒層(52)はRhを含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のハニカム構造体(1)。
  4. 上記軸方向における上記上流側触媒層(51)の長さ(L1)は、上記軸方向における上記触媒層(5)の長さ(L)の、20〜50%とされていることを特徴とする請求項3に記載のハニカム構造体(1)。
  5. 上記片側封止セル(4b)は、上記貫通セル(4a)よりも、上記軸方向に直交する平面における断面積が大きいことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のハニカム構造体(1)。
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