JP2016183231A - グリコールウリル化合物を含む樹脂組成物 - Google Patents

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Takeshi Kumano
岳 熊野
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Abstract

【課題】耐熱性及び耐湿性に優れた、接着剤、レンズ材料、光導波路材料、液晶注入口封止剤及び有機薄膜素子保護用蒸着樹脂材料の提供。
【解決手段】分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を有するエン化合物、分子中に2個以上のチオール基を有するチオール化合物を含有する樹脂組成物であり、化学式(I)で示されるグリコールウリル化合物を少なくとも1種含有する樹脂組成物。
Figure 2016183231

(R及びRは各々独立にH、低級アルキル基又はフェニル基;R〜Rは各々独立にH又はアリル基;R〜Rから選択される少なくとも1つはアリル基)
【選択図】なし

Description

本発明は、アリル基を有するグリコールウリル化合物及び/又はチオール基を有するグリコールウリル化合物とを含有する樹脂組成物と、該樹脂組成物を用いて得られる接着剤、レンズ材料、光導波路材料、液晶注入口封止剤及び有機薄膜素子保護用蒸着材料に関する。
分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を有するエン化合物と、分子中に2個以上のチオール基を有するチオール化合物は、重合開始剤により速やかに反応して高分子化(樹脂化)するところから、様々な用途における利用が検討されている。
特にエン化合物として分子中に3個の二重結合を有するトリアリルイソシアヌレートは、チオール化合物と速やかに反応し、優れた特性を有する硬化物が得られることから幅広い用途で使用されている(特許文献1〜3)。
また、チオール化合物として分子中に3個のチオール基を有するトリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレートは、エン化合物と速やかに反応し、優れた特性を有する硬化物が得られる(特許文献1)。
しかしながら、トリアリルイソシアヌレートやトリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレートを原料とする硬化物は、耐熱性や耐湿性が不十分であった。
特開2014−58667号公報 特開2011−88933号公報 特開2007−163874号公報
本発明は、耐熱性及び耐湿性に優れた硬化物が得られる樹脂組成物を提供することを目的とする。また、当該樹脂組成物を用いた接着剤、レンズ材料、光導波路材料、液晶注入口封止剤及び有機薄膜素子保護用蒸着材料を提供することを目的とする。
本発明者は、前記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を有するエン化合物と、分子中に2個以上のチオール基を有するチオール化合物を含有する樹脂組成物であって、エン化合物としてアリル基を有するグリコールウリル化合物及び/又はチオール化合物としてチオール基を有するグリコールウリル化合物を含有する樹脂組成物とすることにより、所期の目的を達成することを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
即ち第1の発明は、分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を有するエン化合物と、分子中に2個以上のチオール基を有するチオール化合物を含有する樹脂組成物であって、化学式(I)で示されるグリコールウリル化合物を、エン化合物として、少なくとも1種含有することを特徴とする樹脂組成物である(以下、「第1の樹脂組成物」と云うことがある)。
Figure 2016183231
(式中、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基又はフェニル基を表し、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子もしくはアリル基を表す。但し、R、R及びRから選択される少なくとも1つはアリル基を表す。)
第2の発明は、分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を有するエン化合物と、分子中に2個以上のチオール基を有するチオール化合物を含有する樹脂組成物であって、化学式(II)で示されるグリコールウリル化合物を、チオール化合物として、少なくとも1種含有することを特徴とする樹脂組成物である(以下、「第2の樹脂組成物」と云うことがある)。
Figure 2016183231
(式中、R1及びR2は前記と同様である。R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、メルカプトメチル基、2−メルカプトエチル基又は3−メルカプトプロピル基を表す。但し、R、R及びRから選択される少なくとも1つはメルカプトメチル基、2−メルカプトエチル基又は3−メルカプトプロピル基を表す。nは0、1又は2である。)
第3の発明は、分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を有するエン化合物と、分子中に2個以上のチオール基を有するチオール化合物を含有する樹脂組成物であって、前記の化学式(I)で示されるグリコールウリル化合物を、エン化合物として、少なくとも1種含有し、前記の化学式(II)で示されるグリコールウリル化合物を、チオール化合物として、少なくとも1種含有することを特徴とする樹脂組成物である(以下、「第3の樹脂組成物」と云うことがある)。
第4の発明は、更に、重合開始剤を含有することを特徴とする第1〜第3の何れかの発明の樹脂組成物である。
第5の発明は、第1〜第4の何れかの発明の樹脂組成物を成分とすることを特徴とする接着剤である。
第6の発明は、第1〜第4の何れかの発明の樹脂組成物を成分とすることを特徴とするレンズ材料である。
第7の発明は、第1〜第4の何れかの発明の樹脂組成物を成分とすることを特徴とする光導波路材料である。
第8の発明は、第1〜第4の何れかの発明の樹脂組成物を成分とすることを特徴とする液晶注入口封止剤である。
第9の発明は、第1〜第4の何れかの発明の樹脂組成物を成分とすることを特徴とする有機薄膜素子保護用蒸着材料である。
本発明によれば、優れた耐熱性と耐湿性を有する硬化物が得られる樹脂組成物を提供することができる。また、当該樹脂組成物を用いた接着剤、レンズ材料、光導波路材料、液晶注入口封止剤及び有機薄膜素子保護用蒸着材料を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の第1の樹脂組成物は、分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を有するエン化合物と、分子中に2個以上のチオール基を有するチオール化合物を含有する樹脂組成物であって、前記の化学式(I)で示されるグリコールウリル化合物を、エン化合物として、少なくとも1種含有する。
本発明の第2の樹脂組成物は、分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を有するエン化合物と、分子中に2個以上のチオール基を有するチオール化合物を含有する樹脂組成物であって、前記の化学式(II)で示されるグリコールウリル化合物を、チオール化合物として、少なくとも1種含有する。
本発明の第3の樹脂組成物は、分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を有するエン化合物と、分子中に2個以上のチオール基を有するチオール化合物を含有する樹脂組成物であって、前記の化学式(I)で示されるグリコールウリル化合物を、エン化合物として、少なくとも1種含有し、前記の化学式(II)で示されるグリコールウリル化合物を、チオール化合物として、少なくとも1種含有する。
前記の化学式(I)で示されるグリコールウリル化合物としては、
1,3−ジアリルグリコールウリル、
1,4−ジアリルグリコールウリル、
1,6−ジアリルグリコールウリル、
1,3,4−トリアリルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラアリルグリコールウリル、
1,3−ジアリル−3a−メチル−グリコールウリル、
1,4−ジアリル−3a−メチル−グリコールウリル、
1,6−ジアリル−3a−メチル−グリコールウリル、
1,3,4−トリアリル−3a−メチル−グリコールウリル、
1,3,4,6−テトラアリル−3a−メチル−グリコールウリル、
1,3−ジアリル−3a,6a−ジメチル−グリコールウリル、
1,4−ジアリル−3a,6a−ジメチル−グリコールウリル、
1,6−ジアリル−3a,6a−ジメチル−グリコールウリル、
1,3,4−トリアリル−3a,6a−ジメチル−グリコールウリル、
1,3,4,6−テトラアリル−3a,6a−ジメチル−グリコールウリル、
1,3−ジアリル−3a,6a−ジフェニル−グリコールウリル、
1,4−ジアリル−3a,6a−ジフェニル−グリコールウリル、
1,6−ジアリル−3a,6a−ジフェニル−グリコールウリル、
1,3,4−トリアリル−3a,6a−ジフェニル−グリコールウリル、
1,3,4,6−テトラアリル−3a,6a−ジフェニル−グリコールウリル等が挙げられる。これらは、単独又は2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の実施において使用する、前記の化学式(I)で示されるグリコールウリル化合物以外の分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を有するエン化合物(以下、「その他のエン化合物」と云うことがある)としては、例えば、アリルアルコール誘導体、(メタ)アクリル酸と多価アルコールとの反応により得られるエステル類、ウレタンアクリレート、ジビニルベンゼン等が挙げられ、これらを単独又は2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
前記のアリルアルコール誘導体としては、例えば、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルマレエート、ジアリルアジペート、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、テトラアリルピロメリテート、グリセリンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル等が挙げられる。
前記のエステル類の原料に使用する多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。
第1の樹脂組成物において、化学式(I)で示されるグリコールウリル化合物と、その他のエン化合物との配合割合は、化学式(I)で示されるグリコールウリル化合物の炭素−炭素二重結合と、その他のエン化合物の炭素−炭素二重結合のモル比が、1:100〜1:0となる範囲で配合することが好ましく、1:3〜1:0となる範囲で配合することがより好ましい。
第2の樹脂組成物において、化学式(I)で示されるグリコールウリル化合物と、その他のエン化合物との配合割合は、化学式(I)で示されるグリコールウリル化合物の炭素−炭素二重結合と、その他のエン化合物の炭素−炭素二重結合のモル比が、0:1〜1:0となる範囲で配合することが好ましく、1:1〜1:0となる範囲で配合することがより好ましい。
第3の樹脂組成物において、化学式(I)で示されるグリコールウリル化合物と、その他のエン化合物との配合割合は、化学式(I)で示されるグリコールウリル化合物の炭素−炭素二重結合と、その他のエン化合物の炭素−炭素二重結合のモル比が、1:100〜1:0となる範囲で配合することが好ましく、1:3〜1:0となる範囲で配合することがより好ましい。
前記の化学式(II)で示されるグリコールウリル化合物としては、
1,3−ビス(メルカプトメチル)グリコールウリル、
1,3−ビス(2−メルカプトエチル)グリコールウリル、
1,3−ビス(3−メルカプトプロピル)グリコールウリル、
1,4−ビス(メルカプトメチル)グリコールウリル、
1,4−ビス(2−メルカプトエチル)グリコールウリル、
1,4−ビス(3−メルカプトプロピル)グリコールウリル、
1,6−ビス(メルカプトメチル)グリコールウリル、
1,6−ビス(2−メルカプトエチル)グリコールウリル、
1,6−ビス(3−メルカプトプロピル)グリコールウリル、
1,3,4−トリス(メルカプトメチル)グリコールウリル、
1,3,4−トリス(2−メルカプトエチル)グリコールウリル、
1,3,4−トリス(3−メルカプトプロピル)グリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(メルカプトメチル)グリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(2−メルカプトエチル)グリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(3−メルカプトプロピル)グリコールウリル、
1,3−ビス(メルカプトメチル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,3−ビス(2−メルカプトエチル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,3−ビス(3−メルカプトプロピル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,4−ビス(メルカプトメチル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,4−ビス(2−メルカプトエチル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,4−ビス(3−メルカプトプロピル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,6−ビス(メルカプトメチル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,6−ビス(メルカプトメチル)−6a−メチルグリコールウリル、
1,6−ビス(2−メルカプトエチル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,6−ビス(2−メルカプトエチル)−6a−メチルグリコールウリル、
1,6−ビス(3−メルカプトプロピル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,6−ビス(3−メルカプトプロピル)−6a−メチルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(メルカプトメチル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(メルカプトメチル)−6a−メチルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(2−メルカプトエチル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(2−メルカプトエチル)−6a−メチルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(3−メルカプトプロピル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(3−メルカプトプロピル)−6a−メチルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(メルカプトメチル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(2−メルカプトエチル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(3−メルカプトプロピル)−3a−メチルグリコールウリル、
1,3−ビス(メルカプトメチル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,3−ビス(2−メルカプトエチル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,3−ビス(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,4−ビス(メルカプトメチル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,4−ビス(2−メルカプトエチル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,4−ビス(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,6−ビス(メルカプトメチル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,6−ビス(2−メルカプトエチル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,6−ビス(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(メルカプトメチル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(2−メルカプトエチル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(メルカプトメチル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(2−メルカプトエチル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、
1,3−ビス(メルカプトメチル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,3−ビス(2−メルカプトエチル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,3−ビス(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,4−ビス(メルカプトメチル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,4−ビス(2−メルカプトエチル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,4−ビス(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,6−ビス(メルカプトメチル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,6−ビス(2−メルカプトエチル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,6−ビス(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(メルカプトメチル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(2−メルカプトエチル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,3,4−トリス(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(メルカプトメチル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(2−メルカプトエチル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、
1,3,4,6−テトラキス(3−メルカプトプロピル)−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル等を挙げることができる。これらは、単独又は2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の実施において使用する、前記の化学式(II)で示されるグリコールウリル化合物以外の分子中に2個以上のチオール基を有するチオール化合物(以下、「その他のチオール化合物」と云うことがある)としては、例えば、エタンジチオール、プロパンジチオール、ヘキサメチレンジチオール、デカメチレンジチオール、トリレン−2,4−ジチオール等の脂肪族チオール、キシレンジチオール等の芳香族チオールや、化学式(III)で示される1,4−ジチアン環含有ポリチオール化合物等の環状スルフィド化合物、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)等のエステル結合含有ポリチオール化合物、ジグリコールジメルカプタン、トリグリコールジメルカプタン、テトラグリコールジメルカプタン、チオジグリコールジメルカプタン、チオトリグリコールジメルカプタン、チオテトラグリコールジメルカプタン等のチオール化合物等が挙げられ、これらを単独又は2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
Figure 2016183231
(式中、mは1〜5の整数を表す。)
前記の化学式(III)で示される1,4−ジチアン環含有チオール化合物としては、例えば、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトエチル−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトプロピル−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトブチル−1,4−ジチアン等が挙げられる。
第1の樹脂組成物において、化学式(II)で示されるグリコールウリル化合物と、その他のチオール化合物との配合割合は、化学式(II)で示されるグリコールウリル化合物のチオール基と、その他のチオール化合物のチオール基のモル比が0:1〜1:0となる範囲で配合することが好ましく、1:1〜1:0となる範囲で配合することがより好ましい。
第2の樹脂組成物において、化学式(II)で示されるグリコールウリル化合物と、その他のチオール化合物との配合割合は、化学式(II)で示されるグリコールウリル化合物のチオール基と、その他のチオール化合物のチオール基のモル比が1:100〜1:0となる範囲で配合することが好ましく、1:3〜1:0となる範囲で配合することがより好ましい。
第3の樹脂組成物において、化学式(II)で示されるグリコールウリル化合物と、その他のチオール化合物との配合割合は、化学式(II)で示されるグリコールウリル化合物のチオール基と、その他のチオール化合物のチオール基のモル比が1:100〜1:0となる範囲で配合することが好ましく、1:3〜1:0となる範囲で配合することがより好ましい。
第1〜第3の樹脂組成物において、エン化合物と、チオール化合物との配合割合としては、エン化合物の炭素−炭素二重結合とチオール化合物のチオール基とのモル比が1:2〜5:1となる範囲で配合することが好ましく、1:1〜4:1となる範囲で配合することがより好ましい。
本発明の樹脂組成物は、重合開始剤を含んでいてもよい。
重合開始剤は大きく熱重合開始剤と光重合開始剤に分類される。
熱重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、p−アミノベンゾフェノン、p,p'−ジメチルアミノベンゾフェノン、オルソベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤;アセトフェノン、ベンズアルデヒド、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1、オリゴ〔2−ヒドロキシ−2−メチル−1−{4−(1−メチルビニル)フェニル}プロパノン〕等のアセトフェノン系光重合開始剤;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系光重合開始剤;2,2'−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物;ジアゾアミノベンゼン等のジアゾ系化合物;4,4'−ジアジドスチルベン−p−フェニレンビスアジド、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、アシルホスフィンオキサイド、ベンジル、カンファーキノン、アントラキノン、ミヒラーケトン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド等のビスアシルフォスフィンオキサイド系可視光開始剤;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1等のα―アミノアルキルフェノン系可視光開始剤や、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等のチタノセン系可視光開始剤等が挙げられる。
重合開始剤の配合量は、エン化合物とチオール化合物との合計量100重量部に対して、0.0001〜10重量部の割合が好ましく、0.01〜5重量部の割合がより好ましい。
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて各種の添加剤を配合することができる。添加剤としては、例えば、フィラー、補強剤、垂れ止め剤、艶消し剤、研削剤、内部離型剤、脂肪酸金属塩、硬化促進剤、粘度調整剤、揺変性付与剤、軟化剤、界面活性剤、着色剤、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、重合禁止剤等が挙げられ、これらを本発明の効果を損なわない範囲で任意に配合することができる。
本発明の樹脂組成物によれば、従来、知られている樹脂組成物に比べて、耐熱性や耐湿性に優れた硬化物を得ることができるため、接着剤、レンズ材料、光導波路材料、液晶注入口封止剤及び有機薄膜素子保護用蒸着材料の成分として好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例で使用した原料は、以下のとおりである。
・エン化合物:1,3,4,6−テトラアリルグリコールウリル(化学式(IV)参照)、四国化成工業社製、商品名「TA−G」、以下、TA−Gと云う。
・エン化合物:1,3,5−トリアリルイソシアヌレート(化学式(V)参照)、日本化成社製、商品名「TAIC」、以下、TAICと云う。
・チオール化合物:1,3,4,6−テトラキス(2−メルカプトエチル)グリコールウリル(化学式(VI)参照)、四国化成工業社製、商品名「TS−G」、以下、TS−Gと云う。
・チオール化合物:トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート(化学式(VII)参照)、和光純薬工業社製、以下、チオール(1)と云う。
・重合開始剤:2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、和光純薬工業社製、商品名「V−65」、以下、V−65と云う。
Figure 2016183231
Figure 2016183231
Figure 2016183231
Figure 2016183231
実施例及び比較例で採用した評価試験方法は、以下のとおりである。
[ガラス転移温度の測定]
得られた樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、商品名「EXSTAR 6000」)を用いて測定した。即ち、樹脂組成物を10℃/分の昇温速度にて30℃から200℃まで加熱して硬化させ、続いて、得られた硬化物を−50℃/分の降温速度にて200℃から10℃まで冷却し、次いで、10℃/分の昇温速度にて10℃から100℃へ加熱して、硬化物のガラス転移温度を測定した。
〔実施例1〜5、比較例1〕
表1に示す配合割合となるように各原料を配合して均一に混合し、樹脂組成物を調製した。
得られた樹脂組成物の硬化物について、ガラス転移温度を測定したところ、結果は表1に示したとおりであった。
Figure 2016183231
表1に示した試験結果によれば、本発明の樹脂組成物の硬化物は、従来の樹脂組成物の硬化物に比べて、ガラス転移温度が高く、耐熱性に優れていることが示される。

Claims (9)

  1. 分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を有するエン化合物と、分子中に2個以上のチオール基を有するチオール化合物を含有する樹脂組成物であって、化学式(I)で示されるグリコールウリル化合物を、エン化合物として、少なくとも1種含有することを特徴とする樹脂組成物。
    Figure 2016183231
    (式中、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基又はフェニル基を表し、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子もしくはアリル基を表す。但し、R、R及びRから選択される少なくとも1つはアリル基を表す。)
  2. 分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を有するエン化合物と、分子中に2個以上のチオール基を有するチオール化合物を含有する樹脂組成物であって、化学式(II)で示されるグリコールウリル化合物を、チオール化合物として、少なくとも1種含有することを特徴とする樹脂組成物。
    Figure 2016183231
    (式中、R1及びR2は前記と同様である。R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、メルカプトメチル基、2−メルカプトエチル基又は3−メルカプトプロピル基を表す。但し、R、R及びRから選択される少なくとも1つはメルカプトメチル基、2−メルカプトエチル基又は3−メルカプトプロピル基を表す。nは0、1又は2である。)
  3. 分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を有するエン化合物と、分子中に2個以上のチオール基を有するチオール化合物を含有する樹脂組成物であって、前記の化学式(I)で示されるグリコールウリル化合物を、エン化合物として、少なくとも1種含有し、前記の化学式(II)で示されるグリコールウリル化合物を、チオール化合物として、少なくとも1種含有することを特徴とする樹脂組成物。
  4. 更に、重合開始剤を含むことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1〜請求項4の何れかに記載の樹脂組成物を成分とすることを特徴とする接着剤。
  6. 請求項1〜請求項4の何れかに記載の樹脂組成物を成分とすることを特徴とするレンズ材料。
  7. 請求項1〜請求項4の何れかに記載の樹脂組成物を成分とすることを特徴とする光導波路材料。
  8. 請求項1〜請求項4の何れかに記載の樹脂組成物を成分とすることを特徴とする液晶注入口封止剤。
  9. 請求項1〜請求項4の何れかに記載の樹脂組成物を成分とすることを特徴とする有機薄膜素子保護用蒸着材料。
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